JP2010522118A - 閉塞組立体を備えた燃料注入パイプ用ヘッド - Google Patents

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Abstract

閉塞組立体を備えた車両タンクの燃料注入パイプのためのヘッドが、通路となる開口部(23)を有した本体(15)と、閉塞位置と開放位置との間で本体(15)に対して回動自在の閉塞体(12)とを具備し、閉塞体(12)は、バネ手段(19)によって閉塞位置へ弾性的に付勢され、閉塞体(12、112)は、閉塞位置において閉塞体(12)と、本体(15)の座面(25)との間に配置されるシール部材(39)を具備し、ヘッドは、閉塞体(12)を本体(15)に回動自在に取付けるためめのヒンジを具備している。シート(25)とヒンジによって規定される回動軸線との間の相対位置は固定されており、座面(25)は平坦に形成され、閉塞体(12)が、シール部材(39)を備えたプラグ(16)と、ヒンジによって本体(15)に取付けられ、プラグ(16)と共にバネ手段(19)によって付勢されるフラップ(17、117)とを具備しており、プラグは、玉継手(42、51)によってフラップ(17、117)に取付けられている。

Description

本発明は車両タンクの燃料注入パイプ用のヘッドに関し、特に、燃料吐出口を燃料注入パイプに通すための開口部の閉塞組立体を備えた燃料注入パイプ用ヘッドに関する。
この種のパイプヘッドは、フランス国特許出願公開FR2860454から公知となっており、その閉塞組立体は、通路となる開口部を有した本体と、前記開口部を閉塞する閉塞位置と、前記開口部を閉塞しない開放位置との間で、前記本体に対して回動自在に設けられた閉塞体とを具備している。
この閉塞体は、バネ手段によって前記閉塞位置へ付勢されており、そして、燃料吐出口をヘッド内に押入する間に燃料吐出口が閉塞体に当接したときに、開放位置へ駆動されるようになっている。
該閉塞体はシール部材を具備しており、該シール部材は、前記閉塞体と、本体に設けられた円錐形の密封座面との間に配置されている。
円錐形の表面に沿ってシール部材と座面とが協働するためには、閉塞位置にあるとき、閉塞体が正確に中心位置決めされていなければならない。
この中心位置決めは、閉塞体を回動させるためのヒンジに遊びを設けることによって達成される。該ヒンジは、閉塞体に設けられた長円状の小穴を貫通する回動軸によって形成されている。前記回動軸の直径を前記小穴の直径よりも小さくすることによって遊びが設けられる。閉塞体は、前記回動軸の直径と前記長円状の小穴の内径との差分に相当する距離を以って軸および半径方向の平面に対して直角方向へ移動可能となる。閉塞体は、回動軸上で動作不能には設けられていないので、回動軸の長手方向へ移動可能となっている。更に、小穴が長円状に形成されているので、燃料吐出口の押入方向へも移動可能となっている。
フランス国特許出願公開FR2860454明細書
本発明は、この種のヘッドを改良し、特に単純で調達容易なヘッドを提供することに関連する。
この目的のために、本発明によれば、閉塞組立体を備えた車両タンクの燃料注入パイプのためのヘッドにおいて、燃料吐出口を前記パイプへ通すための開口部を有した本体と、前記開口部を閉塞する閉塞位置と、前記開口部を閉塞しない開放位置との間で前記本体に対して回動自在の閉塞体とを具備し、前記閉塞体は、バネ手段によって前記閉塞位置へ弾性的に付勢され、前記閉塞体は、前記燃料吐出口を前記ヘッド内に差入れるとき、前記閉塞体に当接した前記燃料吐出口によって、前記閉塞位置から前記開放位置へ駆動されるようになっており、前記閉塞体は、前記閉塞位置において前記閉塞体と、前記本体の座面との間に配置されるシール部材を具備し、前記ヘッドは、前記閉塞体を前記本体に回動自在に取付けるためめのヒンジを具備しており、前記シートと前記ヒンジによって規定される回動軸線との間の相対位置は固定されており、前記座面は平坦に形成され、前記閉塞体が、前記シール部材を備えたプラグと、前記ヒンジによって前記本体に取付けられ、前記プラグと共に前記バネ手段によって付勢されるフラップとを具備しており、前記プラグは、玉継手によって前記フラップに取付けられていることを特徴とするヘッドが提供される。
ヒンジの中心軸線が密封座面の平面に対して完全に平行に配置されていなくとも、或いは、フラップが密封座面の平面に平行な閉塞位置に移動可能となる特定距離に配置されていなくとも、シール部材と座面とが接触すると、プラグは、玉継手によって、フラップとは独立に前記座面に対して平行にそれ自身を配向させる。こうして、シール部材は座面に対して正しく配置され確実に密封する。ヘッドの構成が単純であるので、組立体が一層安価になる。
シール部材と座面との間の密封接触を可能ならしめるための位置の修正はプラグに限定されるので、バネにより印加される力も制限される。
更に、座面が平坦であるために、該座面の平面内でシール部材が僅かに位置がずれるとシール部材と座面との接触が阻害されてしまう円錐状の座面と比較して、該座面の平面内でシール部材が僅かに位置がずれていってもシール部材と座面との接触が阻害されることない。
特に、製造および使用に関して簡単かつ都合のよい実施例によれば、
前記玉継手は、前記シール部材に対して中心位置決めされる。
前記玉継手は、球形頭部を有した突出部と、前記球形頭部を受承、捕捉する中空ハブとを具備する。
前記突出部は前記プラグに設けられ、前記ハブが前記フラップに設けられている。
前記プラグは、前記ヘッドの内圧を外部圧力と均衡させる孔と、通気弁とを具備する。
前記突出部は前記フラップに設けられ、前記ハブが前記プラグに設けられている。
前記フラップの一般配向と、前記シール部材の一般配向は、5°以下の角度を以って互いに傾斜している。
前記シール部材および前記座面は円形である。
前記シール部材は、該シール部材の中心軸線から互いに離間した2つの密封リップ部を具備する。
前記リップ部は、内側に頂点を有したV字形に延設されている。
前記フラップは、互いに平行に離間した2つのラグ部を具備しており、該2つのラグ部の各々は穴が形成されており、該穴を通して軸が延在し、該軸は、前記本体に関して固定されている支持体と係合し、前記軸および前記ラグ部が前記ヒンジを形成する。
前記軸は、前記開口部の周縁部において前記座面の平面に概ね平行に延設されている。
前記バネ手段は、前記軸の周囲に巻設された部分と、前記閉塞体を前記閉塞位置へ付勢するために前記フラップに係合する部分とを有するねじりバネを具備する。
前記フラップの直径、前記ラグ部の直径、および、前記軸を受承するために前記支持体に設けられた穴の直径は、前記フラップを遊び無く前記本体に取付けるようになっている。
本発明による閉塞体の斜視図である。 図1の閉塞体の分解斜視図である。 図2とは異なる角度に見た閉塞体の分解斜視図である。 パイプ用ヘッドの軸方向断面図であり、閉塞体は閉塞位置にあり、玉継手のボール部分を受承するハブがフラップに設けられ、前記ボール部分がプラグに設けられている実施形態を示す図である。 図4と同様の図であるが、閉鎖体が開放位置にある図である。 図4と同様の図であり、フラップがプラグに対して傾斜している図である。 パイプの端部に閉鎖組立体を取付ける前の閉鎖組立体の配置を示す斜視図である。 閉鎖体が閉鎖位置にある状態の別の角度から見た図7と同様の斜視図である。 他の実施形態によるパイプ用ヘッドの断面図であり、閉塞体は閉塞位置にあり、玉継手のボール部分を受承するハブがフラップに設けられ、前記ボール部分がプラグに設けられている実施形態を示す図である。 図9と同様の図であり、フラップがプラグに対して傾斜している図である。
以下、添付図面を参照して説明する本発明の好ましい実施形態から本発明の特徴および利点は明らかとなろう。
図示するヘッド10は、車両タンク(図示せず)の燃料注入パイプ9(図4、6)にスリーブのように嵌合させ該燃料注入パイプに機械的に保持するようになっている。前記車両タンクは、パイプ9の他端に配置されている(図4では、ヘッド10に隣接するパイプ9の一部のみ図示されている)。
ヘッド10は閉塞組立体を具備している。図示する実施形態では、ヘッド10は、該閉塞組立体と一体的に形成されている。図示しない変形例では、該ヘッドは、閉塞組立体の上流側に、燃料吐出口を受入れるためのアクセス組立体を具備している。
図4に示す閉塞位置では、閉塞組立体はパイプ9を閉塞する。閉塞組立体は、燃料供給ノズル(図示せず)の燃料吐出口を単純に差入れることによって、閉塞位置から開放位置(図5)へ移動することができ、燃料吐出口の先端が前記パイプの内部に連通する。
上記閉塞組立体は、パイプ9の端部にスリープのように嵌合される。
該組立体は、閉塞支持部11、本体15、プラグ16とフラップ17を有したフラップ閉塞体12、該閉塞体をヒンジ式に取付けるための軸18、および、閉塞体のための戻りバネ19を具備している。
フラップ17は、比較的硬質のプラスチック材料から一体成形される。プラグ6はプラスチック材料から形成される。
本体15は、比較的硬質のプラスチック材料から一体成形される。本体は、円形断面を有した中空状の側壁20を有している。側壁20の端部には端壁22が設けられており、該端壁の周縁部が側壁の端部に接合されている。
図4に示すように、側壁20は、パイプ9にスリーブ状に嵌合させるために直径を僅かに大きくした部分を有している。図示しない変形例では、ヘッドはパイプに溶接するようにしてもよい。
端壁22は、燃料吐出口の通路となる開口部23が形成されている。開口部23の周縁に沿って、端壁22は、内側に突出した周縁リム部24を有している。周縁リム部の端面は、座面25となっている。座面25は、開口部23を閉塞する閉塞体のために、端壁22に平行に広がる環状の平坦平面となっている。座面は平坦であるが、完全な平面であることを意味しているのではなく、平面度に関して可能性のある変量を有している。何れにせよ円錐状のシール部との比較において平坦シールということである。
開口部23は半径方向にオフセットされており、端壁22は、側壁20の近傍(図4において右側)で出会う2つの尖った端部を有した三日月状の形状を有している。直径を挟んだ反対側(図4において左側)では、端壁22は幅広部分26を有している。
閉塞支持部11の先端近傍の外面には、本体15にスナップ式に係合するボス部29(図4)が設けられている。本体の側壁20は、ボス部29に対面し該ボス部29と協働する切欠であるハウジング部30を有している。
プラグ16は、ベース部35と、該ベース部上に嵌合、着座するハット部36とを具備している。プラグは、更に、弁37およびキャップ38から成る部品を具備しており、ハット部36とキャップ38との間にシール部材39が配設される。プラグ16を組み立てると、これら全ての部材はプラグ16の中心軸線Aと同軸となる。
シール部材39は、弾性プラスチック材料から一体成形される。ベース部35、ハット部36、弁27とキャップ38から成る部品の各々は、比較的硬質のプラスチックから一体成形される。
フラップ17はプレート40を有しており、該プレートは、円弧状に形成されている端部を除いて、概ね矩形に形成されている。プレート40の中心部には、有底状の円筒壁41により画成される円筒状の凹所に開口する開口部が形成されている。円筒壁41の端部から、前記開口部の方へかつ同開口部を越えて、腕部42を形成する3つのハブが突出しており、該腕部42の各々は円筒の概ね1/3を占めている。
3つの腕部42は仮想円筒に沿って配置されている。軸断面(図4)において、腕部42の各々は、前記仮想円筒の中心軸線に対して平行な外面する一方、内面は、腕部42の先端近傍で内側に頂点を有した平坦なV字形を呈している。こうして、腕部42の間に形成され、かつ、一方において上記頂点によって限定され、他方において壁41の端部分によって限定される空間が、ボール部分を受承するハウジング43を形成する。
プレート40の円弧状の端部に隣接する2つの縁部には、壁41が突出する側面に補強リブが全長に亘って設けられている。
フラップ17は、プレート40の平面に対して直角にリブ45から前方に延びる2つの平坦なラグ部47を具備している。該ラグ部の各々は、軸18のための円形穴48を有している。各ラグ部47において、他方のラグ部47に対面する側面には、三角形状の補強部49がプレート40およびラグ部47に対して垂直に設けられている。
ベース部35は、全体的に平坦で円形を呈している。ベース部の一方の側面の中央部には、中心軸線Aに沿って突出した突出部50が設けられており、該突出部の先端には、突出部50の約1/2に相当する球形頭部51が設けられている。球形頭部51の寸法は、フラップ17のハウジング43に収容できるように選択される。
ベース部35には、突出部51を中心として等間隔に配置された3つの通気孔52が形成されている。通気孔52は円形を呈し、かつ、突出部50を設けた側面であってベース部35の突出部50側の一般表面に対して僅かに凹んだ表面に配設されている。正確には、突出部50を中心とする円形の凹所が設けられている。
ベース部35において突出部50から反対の側面には円筒壁部53が設けられている。該円筒壁部53は、突出部50の約1/2の高さを有しており、ベース部35の全体が広がる平面に対して垂直に突出している。壁部53の中心軸線およびベース部35の中心軸線は、中心軸線Aに一致している。壁部53の直径は、ベース部35の反対側の凹所の直径に一致している。壁部53内のベース部35の表面は、反対側の凹所の深さに一致する寸法を以って僅かに膨出しており、前記凹所を設けたにもかかわらず厚さは同じになっている。
ハット部36は、中心軸線Aを有した回転体であって、ベース部35やフラップ17よりも薄く形成されている。
ハット部36は円形の中心背面部60を有しており、該中心背面部の周縁には、内側壁部61が垂直に設けられている。内側壁部から環状壁部62が半径方向に突出し、該環状壁部62から外側壁部63が内側壁部61に平行に設けられている。外側壁部63は、内側壁部61よりも高く形成されており、外側壁部63の端部が中心背面部60の平面から離間している。ハット部36は、外側壁部63の先端から半径方向外方へ突出したリム部64を有している。該リム部は、概ね真ん中で高さ方向に段状に形成されており、外側壁部63から遠位にある環状部分が、中心背面部60の平面から更に僅かに離間するようになっている。リム部64の外縁は、中心背面部60の平面の方に垂直に突出した壁部分となっている。
シール部材39は環状に形成されており、かつ、環状部分66に相当する中心脚部と、互いに傾斜した2つの密封リップ部67、68に相当する両手をひろげたような2つの腕部とを有した概ねY字形の断面を有している。上記環状部分の内径は外側壁部63の外径に一致している。
弁37を備えた部品は中空円筒状の部品であって、その高さは、外側壁部63の高さに概ね一致し、かつ、その直径は内側壁部61の内径よりも僅かに小さくなっている。部品37の端壁は、中心背面部60上に配置されている。
部品37は、通気弁(図示せず)を具備しており、これによって、必要な場合にパイプ内の圧力を外部圧力とを均衡させることができる。
キャップ38は、ハット部36と同じ直径の中実の回転体であって、円形の端壁70と、該端壁の周縁から突出した側壁71とを有して茶碗をひっくり返したような形状を有している。側壁71の高さは外側壁部63と概ね等しくなっており、また、3つの穴(図示せず)が等間隔に配置されている。側壁71の端部には外側に広がるリム部が設けられている。端壁70と側壁71との間の隅部および側壁71の前記リム部が形成されている隅部には丸みが設けられている。
ハット部36をベース部35に嵌合、着座させることによって、特に、円筒壁部53の複数のリブ54によって、プラグ16は正しい位置に配置される。密封リップ部67をリム部64の最深部分に配置させて、シール部材39はハット部36上に配置される。部品37をハット部36の中心背面部60上に配置し、次いで、キャップ38を嵌合、着座させる。該キャップの端壁70は部品37に当接し、側壁71がハット部38の外側壁部63に接触する。側壁71のリム部は、外側壁部63に接合するリム部64の輪郭部分と共に、シール部材39をハット部36とキャップ38の間に挟持する。
閉塞体12を形成するために、突出部50の球形頭部51をハウジング43内に配置することによって、プラグ16は、フラップ17上にスナップ式に嵌合される。玉継手によって連結されているので、プラグ16とフラップ17は、相対的に数度傾斜可能となっている。通常の作動状態では、プレート40は、プラグ16の全ての部材の中心軸線Aに一致する軸線Bの方向に配向している。つまり、プレート16およびベース部35は、端壁70および中心背面部60と同様に平行となっている。腕部42の形状によって、フラップ17は、5°まで前記プラグに対して傾斜することができる。この傾斜角度は、また、中心軸線Aと軸線Bとの間の角度に一致する。
本実施形態では、ヒンジピン18は鉄鋼製である。その一般的形状は円形断面を有した小さな中実棒である。
本実施形態では、バネ19は鉄鋼製である。該バネは、2つの同軸の巻線部分を有した中央螺旋部分75を具備している。前記2つの巻線部分の間からヘアピン部分76が側方へ突出し、中央螺旋部分75の両端から2本のアーム部77が突出している。
組立状態では、軸18が本体15の孔78およびバネ19の螺旋部分75内に配置される。螺旋部分75はラグ部47の間に配置される。軸19は、軸方向並びに半径方向に遊びがないように、これらの部材内に取付けられ、特定の組立位置に配置されると、それ自身の中心軸線Cの周りには回転できるが、中心軸線Cに対して半径方向および軸方向へは移動できない。
軸18は、その中心軸線Cが座面25の平面に平行で、かつ、閉塞位置で、フラップ17の軸線Bとプラグの中心軸線Aとが一致して座面25に垂直となることのできる所定距離に取り付けられるようになっている。
図7を参照すると、閉塞体12は支持部11内で横断方向に取付けられる。次いで(図8)、閉塞体12は閉塞位置10に配置され、等間隔に配置された3つのクリップ79によって保持される。
閉塞組立体は、ボス部29とハウジング部30とによってスナップ式に本体15に嵌合される。
螺旋部分75とラグ部47の穴48は、軸18の中心軸線Cと同軸となっている。より一般的には、中心軸線Cは、本体15に対して閉塞体12を回動させるヒンジによって定義される回動軸線である。このヒンジは軸18、バネ19およびラグ部47を具備している。
閉塞位置では、軸18の中心軸線が正しく配置されかつその製造公差が守られている場合、フラップ17およびプラグ16は互いに平行となっている。つまり、中心軸線Aおよび軸線Bが一致している。更に、シール部材39は座面25に配され、バネ19が閉塞体つまりシール部材39を座面25に対して付勢することによって密封する。
燃料吐出口(図示せず)が押入されると、これによって、閉塞体12が開放位置(図5)へ移動する。燃料吐出口が抜去されると、閉塞体は再び閉塞位置へ付勢される。
軸18が、フラップ17およびプラグ16に対して平行に配置するための位置(図4)から僅かに低い位置に配置されている場合(図6)、バネ19は、フラップを開放位置から閉塞位置へ一層大きな角度範囲に亘って付勢し、プラグ16は座面25に対して平行とはならない。玉継手によって連結されているので、遊びは補償され、シール部材39は座面25に対して正しく配置され、座面25に対して平行となる。こうして、バネ19に取付けられたフラップ17は、図4の場合に対して数度角度がオフセットされた閉塞位置へ到達し、シール部材39が座面25に対して平行に押圧されたとき、プラグ16は回動動作を停止する。フラップ17が配置される平面はプラグ16の主平面に対して数度の傾斜角度を有している。突出部50の中心軸線Aとフラップ17の軸線Bとの間の角度に一致する。
シール部材39は座面25に対して同じ位置を維持し、軸18がオフセットされていなければ、バネ19から閉塞体へ、つまりシール部材39へ印加されるは、オフセットを補償するために高くする必要はない。特に、ヒンジ軸の正しくない配置や配向を補償するためにシール部材39は押し潰す必要はない。更に、気密を得るために、必要な力は非常に限定されるので、閉塞体12を閉塞位置から開放位置へ移動させるためにユーザが与える力は非常に低減される。
本実施形態のヘッドの使用期間中、ヘッドを構成する材料、特に、シール部材の材料は燃料蒸気を吸収して膨張する。シール部材39にとって、これは直径の増大を意味する。座面25が平坦であるので、シール部材39が膨張してもシール部材と座面との接触は変化しない。
座面がワッシャー状の形状を有しているので、シール部材39が座面25に対して完全に中心位置決めされていなくとも、閉塞位置に移動したとき、気密性を以って接触できるとの利点がある。従って、閉塞体のための自動中心位置決め機構や遊び補償機構が不要となる。
ヘッド10は、組立に際して、プラグの全ての部品が中実の回転体であるので、異なる部品に特定の角度位置を与えるためにフールプルーフを備える必要が無いとの他の利点がある。
軸18が意図した位置よりも下側に配置されている場合が図示されているが、軸18は意図する位置よりも上側に配置されていたり、パイプの中心軸線に対して正確に垂直に配置されていなくとも、或いは、閉鎖組立体の個々の構成要素の許容公差を逸脱していても、玉継手によって遊びが補償される。一般論として、玉継手によって、こうした許容公差は一層大きくすることができる。
図9、10を参照して、パイプヘッドの他の実施形態を説明する。同様の構成要素には、100番台の同じ参照番号が付されている。
本実施形態では、球形頭部151を有した突出部150はフラップ117に設けられており、球形頭部151を受承するハブはプラグ116に設けられている。
プレート140は、突出部150のみ有し、凹所は設けられていない。
プラグ116は一体成形され、中空円筒の殻状の形状を有している。該プラグにおいて、フラップ117の反対側は端部190となっており、また、該プラグの円筒壁191の先端にはリム部192が横断方向に突出している。該リム部192は外側に突出しており、円筒壁191の近傍が圧肉となるように肩部が形勢されている。円筒壁190の外面においてリム部192の近傍には溝193が形成されている。溝193およびリム部192はシール部材139を固定するために配設されている。該シール部の環状部分166が溝193内に配置され、リップ部167がリム部192に当接し、リップ部168が座面125に当接する。
プラグ116の内部空間には、端部190から延びハブを形成する3つの腕部142と、突出部の頭部151を受承するためのハウジング143を画成する中心突起部194とが配設されている。
既述の実施形態と同様に、玉継手によって、フラップ117はプラグ116に対して数度傾斜することができる。
他の実施形態では、傾斜角度は一層大きくすることができ、フラップはプラグに対して10°傾斜させるようにしてもい。
更に他の実施形態では、弁部品は安全弁を含むことができる。
更に他の実施形態では、パイプヘッドは、閉塞組立体の本体と一体成形された受容組立体を具備するようにできる。この受容組立体は、閉鎖組立体の上流側に燃料吐出口の差し入れ方向に同燃料吐出口を通過させる開口部を有している。
更に本発明の他の実施形態では、シール部材は円環状断面を有するようにできる。
更に本発明の他の実施形態では、本体15、プラグ16、フラップ17、ハット部36およびキャップ部8は金属製とすることができる。
9 パイプ
10 ヘッド
12 閉塞体
15 本体
16 プラグ
17 フラップ
18 軸(ヒンジ)
19 バネ
23 開口部
25 座面
39 シール部材
42 ハブ
51 頭部

Claims (14)

  1. 閉塞組立体を備えた車両タンクの燃料注入パイプのためのヘッドにおいて、
    燃料吐出口を前記パイプ(9)へ通すための開口部(23、123)を有した本体(15、115)と、
    前記開口部(23、123)を閉塞する閉塞位置と、前記開口部(23、123)を閉塞しない開放位置との間で前記本体(15、115)に対して回動自在の閉塞体(12、112)とを具備し、
    前記閉塞体(12、112)は、バネ手段(19、119)によって前記閉塞位置へ弾性的に付勢され、
    前記閉塞体(12、112)は、前記燃料吐出口を前記ヘッド内に差入れるとき、前記閉塞体(12、112)に当接した前記燃料吐出口によって、前記閉塞位置から前記開放位置へ駆動されるようになっており、
    前記閉塞体(12、112)は、前記閉塞位置において前記閉塞体(12、112)と、前記本体(15)の座面(25、125)との間に配置されるシール部材(39、139)を具備し、
    前記ヘッドは、前記閉塞体(12、112)を前記本体(15、115)に回動自在に取付けるためめのヒンジを具備しており、
    前記シート(25、125)と前記ヒンジによって規定される回動軸線との間の相対位置は固定されており、
    前記座面(25、125)は平坦に形成され、
    前記閉塞体(12、112)が、前記シール部材(39、139)を備えたプラグ(16、116)と、前記ヒンジによって前記本体(15、115)に取付けられ、前記プラグ(16、116)と共に前記バネ手段(19、119)によって付勢されるフラップ(17、117)とを具備しており、前記プラグは、玉継手(42、51;142、151)によって前記フラップ(17、117)に取付けられていることを特徴とするヘッド。
  2. 前記玉継手(42、51;142、151)が、前記シール部材(39、139)に対して中心位置決めされることを特徴とする請求項1に記載のヘッド。
  3. 前記玉継手が、球形頭部(51、151)を有した突出部(50、150)と、前記球形頭部(51、151)を受承、捕捉する中空ハブ(42、142)とを具備することを特徴とする請求項1または2に記載のヘッド。
  4. 前記突出部(50)が前記プラグ(16)に設けられ、前記ハブ(42)が前記フラップ(17)に設けられていることを特徴とする請求項3に記載のヘッド。
  5. 前記プラグ(16)が、前記ヘッドの内圧を外部圧力と均衡させる孔(52)と、通気弁(37)とを具備することを特徴とする請求項4に記載のヘッド。
  6. 前記突出部(150)が前記フラップ(117)に設けられ、前記ハブ(142)が前記プラグ(116)に設けられていることを特徴とする請求項3に記載のヘッド。
  7. 前記フラップ(17、117)の一般配向と、前記シール部材(39、139)の一般配向は、5°以下の角度を以って互いに傾斜していることを特徴とする請求項1〜6の何れか1項に記載のヘッド。
  8. 前記シール部材(39、139)および前記座面(25、125)は円形である請求項1〜7の何れか1項に記載のヘッド。
  9. 前記シール部材(39、139)は、該シール部材(39、139)の中心軸線から互いに離間した2つの密封リップ部(67、68;167、168)を具備することを特徴とする請求項1〜8の何れか1項に記載のヘッド。
  10. 前記リップ部(67、68;167、168)が、内側に頂点を有したV字形に延設されていることを特徴とする請求項1〜9の何れか1項に記載のヘッド。
  11. 前記フラップ(17、117)が、互いに平行に離間した2つのラグ部(47、147)を具備しており、該2つのラグ部の各々は穴(48)が形成されており、該穴を通して軸(18、118)が延在し、該軸は、前記本体(15、115)に関して固定されている支持体(11、111)と係合し、前記軸(18、118)および前記ラグ部(47、147)が前記ヒンジを形成することを特徴とする請求項1〜10の何れか1項に記載のヘッド。
  12. 前記軸(18、118)は、前記開口部(23、123)の周縁部において前記座面(25、125)の平面に概ね平行に延設されていることを特徴とする請求項11に記載のヘッド。
  13. 前記バネ手段が、前記軸(18、118)の周囲に巻設された部分と、前記閉塞体(12、112)を前記閉塞位置へ付勢するために前記フラップ(17、117)に係合する部分(76、176)とを有するねじりバネ(19、119)を具備することを特徴とする請求項11または12に記載のヘッド。
  14. 前記フラップ(17、117)の直径、前記ラグ部(47、147)の直径、および、前記軸(18、118)を受承するために前記支持体(11、111)に設けられた穴(78)の直径は、前記フラップ(17、117)を遊び無く前記本体(15、115)に取付けるようになっていることを特徴とする請求項11〜13の何れか1項に記載のヘッド。
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