JP4207964B2 - 車両のガス燃料充填蓋装置 - Google Patents

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Description

本発明は、燃料電池車などの高圧ガスを燃料とする車両のガス燃料充填蓋装置に関する。
近年、燃料電池を搭載した燃料電池車が実車化の方向で検討されている。この一例として、燃料ガスと酸化剤ガスとを燃料電池に供給し、この燃料電池においてこれらのガス(反応ガス)を電気化学反応させることで駆動出力を得るものがある。この酸化剤ガスとしては空気を用いることができるため、車両内に蓄える必要はないが、水素からなる燃料ガスは車両内に蓄えておく必要がある。この車両内に燃料ガスを充填する方式としては、ガソリン車で行われているように、外部に設置された燃料ガス充填スタンドの燃料ガス充填用ノズルを車両に設けられた燃料ガス充填口に差し込んで、車両内に備えられた燃料ガス用容器に燃料ガス充填スタンドから燃料ガスを充填する方式が考えられる。
図6に示すように、従来技術による燃料電池車11への燃料ガスの充填では、その外部に(すなわち燃料電池車11とは別に)設けられた燃料ガス供給装置12の燃料ガス充填用ノズル13が燃料電池車11の燃料ガス充填口14に接続される。そして、燃料ガス(水素ガス)が、この燃料ガス充填用ノズル13から燃料ガス充填口14を介して燃料ガス(水素ガス)を貯留する燃料ガスタンク15に充填される。一方、燃料ガス供給装置12のアース用配線部16が燃料電池車11に接続される。ここで、アース用配線部16は、燃料ガス供給装置12において接地されて燃料電池車11の静電気を除去するようにしている。
燃料電池車11の車体20の後部側面には、図7および図8に示すように、車体20の外表面に対し凹んだ凹部21が配置されており、燃料ガス充填口14は、凹部21内の底面に斜め上向きに設けられている。この燃料ガス充填口14の内部には燃料ガスが逆流することを防止する弁機構やフィルタが組み込まれているので、燃料ガス充填口14への異物混入による弁機構の動作不良やフィルタの目詰まりを防止するために、燃料ガス充填口14には燃料ガス充填口キャップ23が取り付けられている。燃料ガス充填口キャップ23は、燃料ガスの補充者(例えば運転者あるいは店員)によって手動で着脱するようになっている。
凹部21には、ヒンジ機構25を介して車体20に取り付けられることによって、凹部21を閉じる閉状態と凹部21を開く開状態との間で揺動可能な蓋26が設けられている。蓋26が閉状態にあるとき、蓋26によって燃料ガス充填口14は燃料ガス充填口キャップ23とともに覆われて、外部からの接触が不可な状態となる一方、この蓋26が開状態にあるとき、燃料ガス充填口14は外部に露出し外部からの接触が可能な状態となる(例えば、特許文献1参照)。
特開2003−291667号公報
このように構成されている従来技術の燃料電池車11に図6に示したような方法で燃料ガス供給装置12からガス燃料を充填する場合には、まず、蓋26を開放して燃料ガス充填口14を露出させ、次に燃料ガスの補充者が手動で燃料ガス充填口14に被せられている燃料ガス充填口キャップ23を取り外して燃料ガス充填用ノズル13を接続、燃料ガスを充填した後、燃料ガス充填口キャップ23を手動で取付けて、最後に蓋26を閉めるという手順となる。
ところが、燃料ガス充填口キャップ23は図7、8に示すように落下防止紐24が燃料ガス充填口14に接続され取り付けられて、手動でキャップを取り外した時に落下、紛失しないようになっているものの、燃料ガス充填口キャップ23の取付けをしなくとも蓋26を閉状態とすることが出来ること、及び、燃料ガス充填口14がガソリン車と同じように斜め上方に向けて配置されていることから、燃料ガス充填口キャップ23の閉め忘れによる異物混入が発生する可能性があるという問題があった。また、燃料ガス充填口キャップ23は燃料ガス充填口14に密着するような構造となっていることから、手動で着脱しにくく、取り付け不良が発生してしまうという問題があった。そこで、本発明の目的は、燃料充填口キャップの閉め忘れを防止すると共に燃料充填口キャップの着脱を容易にすることにある。
本発明の高圧ガスを燃料とする車両のガス燃料充填蓋装置は、車両に高圧ガス燃料を充填する燃料充填口と、車両に開閉自在に取り付けられた燃料充填口をカバーする蓋と、燃料充填口外面に被さり、異物の混入を防止する燃料充填口キャップと、を備える高圧ガスを燃料とする車両のガス燃料充填蓋装置において、燃料充填口キャップは、内面に燃料充填口外面と接してシールを行う突起部を有し、蓋の内面に取り付けられ、蓋の開閉動作と連動して燃料充填口外面への着脱が行われること、を特徴とする
本発明の高圧ガスを燃料とする車両のガス燃料充填蓋装置において、燃料充填口キャップは、開口部側の内径寸法が蓋側の内径寸法よりも大きくなっていること、としても好適である。
料充填口キャップの閉め忘れを防止することより、燃料充口に異物が混入することを防止することが出来るとともに、燃料充填口キャップの着脱を容易にすることが出来るという効果を有する。
本発明の実施形態について図面を参照しながら説明する。従来技術と同様のものには同様の符号を付して説明は省略する。本発明による車両のガス燃料充填蓋装置を図1に示す。図1において、燃料ガス充填口14は車体20の側面に設けられた車両内側に窪んだ凹部21の底部に、補強板27の両側をナット28によって挟み込むようにして車体20に固定されている。そして、燃料ガス充填口14の先端の燃料ガス充填用ノズル13と係合する部分は車両内側に窪んだ凹部21中に収められている。蓋26は閉状態のときには上記の凹部21及び燃料ガス充填口14を蓋い、開状態では上記の凹部21及び燃料ガス充填口14が露出するように、車体20に取り付けられたヒンジ機構25によって回転自在に車体20に取り付けられている。これにより、蓋26が開状態となった時には、燃料ガス充填口14の先端の燃料ガス充填用ノズル13の先端と係合する部分及び車両内側に窪んだ凹部21が露出し、凹部21の中に燃料ガス充填ノズル13の先端が入って燃料ガス充填ノズルの内径側が燃料ガス充填口14と係合して燃料の充填をすることができ、燃料充填終了後は蓋26を閉めることによって凹部21及び燃料ガス充填口14が蓋われ、蓋26の表面が車体20の表面と略同一面となるようになっている。
蓋26の凹部側(内側)には略U字形板状のキャップ止め具30が固定されている。そして、図4に示すように、燃料ガス充填口キャップ23の周囲に設けられた燃料ガス充填口キャップ支持溝23aにキャップ止め具30をはめ込むことによって、燃料ガス充填口キャップ23は蓋26の凹部側に取り付けられている。燃料ガス充填口キャップ23は、燃料ガス充填口14の外筒面に密着して被さることによって異物の混入を防止することが出来るようにゴム、プラスチックなどの弾性体で構成されている。なお、キャップ止め具30はU字形に限らず燃料ガス充填口キャップ23の側面に形成された燃料ガス充填口キャップ支持溝23aと係合して燃料ガス充填口キャップ23を着脱可能に保持することが出来る構成であればいかなるものであってもよい。
図2に示すように、蓋26はヒンジ機構25を中心に回転して凹部21の開閉動作を行った時に、その開閉動作と連動して燃料ガス充填口14に燃料ガス充填口キャップ23の着脱が出来るようになっている。図3に示すように、燃料ガス充填口14は、その先端部の外面に燃料ガス充填用ノズル13と嵌合する段部14bを有しており、その前後に燃料ガス充填用ノズル13との間でガスのシールを行うシール部14aを有している。燃料ガス充填口キャップ23は内部に円環状に内面側に突出した燃料ガス充填口キャップシール部31を有しており、この燃料ガス充填口キャップシール部31が燃料ガス充填口のシール部14aと接触して燃料ガス充填口14を密着シールする。この燃料ガス充填口キャップシール部31以外の燃料ガス充填口キャップ23の内面は燃料ガス充填口14の外面と密着していなくとも異物の混入を防止しうることから、図3に示すように若干の隙間を持って形成されている。また、燃料ガス充填口キャップ23の開口部側は蓋側よりも内径寸法が大きくなるような形状となっている。このことによって、蓋26の開閉において、燃料ガス充填口キャップ23が燃料ガス充填口14の端部に引っかかったりすることが無いので、蓋26の開閉動作に連動してスムースに燃料ガス充填口キャップ23の着脱が出来る。また、燃料ガス充填口キャップシール部31は線状に燃料ガス充填口14の外周のシール部14aと接していることから、着脱による摩擦抵抗も少なく、よりスムースな取り付け取り外しが可能となる。
以上説明した、本発明の実施形態では、燃料ガス充填口キャップ23は交換すること及び組み立ての容易性を考慮して、蓋26の内面に取り付けられたキャップ止め具30に挟み込んで固定することとしたが、直接蓋26の凹部側に接着剤などによって固定してもよい。また、蓋26はヒンジ機構25以外のゴムや樹脂などの可撓性材料によって車両に回転可能に取り付けられていても良い。
本発明の実施形態では、蓋26の開閉に連動して燃料ガス充填口14に燃料ガス充填口キャップ23を着脱できることから、燃料ガス充填口キャップ23の取付け忘れを防止することが出来るとともに、蓋26の開閉に連動してスムースに燃料ガス充填口キャップ23の着脱が行えるという効果を奏する。
また、燃料ガス充填口14を燃料電池車11に水平方向に取り付け、図5に示すような支柱40の一端に支持棒42をヒンジ44によって取り付け、支持棒42の一端に錘41を取り付け、支持棒42の燃料ガス供給装置12の側には燃料ガス充填用ノズル13を吊り下げるワイヤ43が取り付けられた天秤装置46を用いることによって、燃料ガス充填口14に向かって水平方向から燃料ガス充填用ノズル13を差し込むことが出来る。このように水平方向に燃料ガス充填口14を配置し、蓋26を水平方向に開閉し、その開閉に連動して着脱される燃料ガス充填口キャップ23を備えることにより、より燃料ガス充填口14への異物混入を防止することが出来ると共に、燃料電池車11への燃料ガス充填がより容易に行えるという効果を奏する。
本発明の実施形態においては、燃料電池車11に本発明を適用した場合について説明したが、天然ガス車などのように高圧のガス燃料を使用する車両にも適用することができる。
本発明のガス燃料充填蓋装置の実施形態の斜視図である。 本発明のガス燃料充填蓋装置の実施形態の平面断面図である。 本発明のガス燃料充填蓋装置の実施形態の燃料ガス充填口に燃料ガス充填口キャップが取り付けられた状態の断面図である。 本発明のガス燃料充填蓋装置の燃料ガス充填口キャップの取り付け方法を示す斜視図である。 本発明のガス燃料充填蓋装置を用いた燃料ガスの充填方法を示す説明図である。 従来技術による燃料ガス充填方法を示す説明図である。 従来技術による燃料ガス充填口、蓋を示す斜視図である。 従来技術による燃料ガス充填口、蓋を示す正面図である。
符号の説明
11 燃料電池車、12 燃料ガス供給装置、13 燃料ガス充填用ノズル、14 燃料ガス充填口、14a シール部、14b 段部、15 燃料ガスタンク、16 アース用配線部、20 車体、21 凹部、23 燃料ガス充填口キャップ、23a 燃料ガス充填口キャップ支持溝、24 落下防止紐、25 ヒンジ機構、26 蓋、27 補強板、28 ナット、30 キャップ止め具、31 燃料ガス充填口キャップシール部、40 支柱、41 錘、42 支持棒、43 ワイヤ、44 ヒンジ、46 天秤装置。

Claims (2)

  1. 車両に高圧ガス燃料を充填する燃料充填口と、
    車両に開閉自在に取り付けられた燃料充填口をカバーする蓋と、
    燃料充填口外面に被さり、異物の混入を防止する燃料充填口キャップと、を備える高圧ガスを燃料とする車両のガス燃料充填蓋装置において、
    燃料充填口キャップは、内面に燃料充填口外面と接してシールを行う突起部を有し、蓋の内面に取り付けられ、蓋の開閉動作と連動して燃料充填口外面への着脱が行われること、
    を特徴とする高圧ガスを燃料とする車両のガス燃料充填蓋装置。
  2. 料充填口キャップ開口部側の内径寸法が蓋側の内径寸法よりも大きくなっていること、
    を特徴とする請求項1に記載の高圧ガスを燃料とする車両のガス燃料充填蓋装置。
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