JP2010500399A - 尿路病原性大腸菌由来の免疫原 - Google Patents

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Abstract

病原性大腸菌株に特異的な免疫原性組成物に含まれうる各種ポリペプチドが本明細書において開示される。これらのポリペプチドは、それらを免疫系にとって利用可能にする細胞部位を有する。これらのポリペプチドをコードする遺伝子は、尿路病原菌株536に存在するが、非病原菌株には存在しないものとしてはじめに同定された。一実施形態において、本発明の医薬組成物または免疫原性組成物を患者に投与するステップを含む、患者に免疫応答を誘発するための方法も提供される。特定の実施形態において、この免疫応答はExPEC感染症を防御するものである。

Description

本明細書中で言及する全ての文書は、その開示内容全体が参考として本明細書で援用される。
本発明は大腸菌生物学の分野に属し、特に、腸管外病原性大腸菌(ExPEC)株に対する免疫付与に使用するための免疫原に関する。
大腸菌ほど多様な微生物は少ない。哺乳動物の正常な腸管微生物叢の重要なメンバーであると同時に、大腸菌は組み換えDNA技術において宿主として広く用いられている。しかしながら、これに加えて、大腸菌は致死的な病原菌にもなりうる。
大腸菌株は、従来共生細菌または病原性細菌のいずれかに分類されており、病原菌株は腸内細菌株または腸管外細菌株としてさらに細分類される。多座位酵素電気泳動(MLEE)のなどの最新の分類技術では、大腸菌は5つの系統グループ(A、B1、B2、D、およびE)に分類され、これらのグループ分類は従来の分類とは一致しない。例えば、MLEEによるグループB1には共生菌株および病原菌株の両方が含まれ、グループDには腸内細菌株および腸管外細菌株の両方が含まれる。
大腸菌の腸管外病原菌株(または‘ExPEC’株[1(非特許文献1)])は、MLEEのグループB2およびDに分類され、尿路病原性(UPEC)株および髄膜炎/敗血症関連(MNEC)株の両方を含む。UPEC株は尿路感染症(UTI)の原因となり、膀胱炎の最も一般的な型である。この株はまた、腎盂腎炎(およびその合併症、例えば敗血症)およびカテーテル関連感染症の原因にもなる。MNEC株は新生児髄膜炎を引き起こし(生児出生1000例当たり0.1症例)、その致死率は25〜40%に及び、また敗血症症例のおよそ1/6の原因にもなる。
最も新しいこれまでのExPECワクチンは、細胞ライセートまたは細胞構造に基づいたものであった。SOLCOUROVAC(登録商標)は、6つのExPEC株をはじめとした10種類の加熱死菌を含み、第II相臨床試験の成功が参考文献2(非特許文献2)において報告されている。URO‐VAXOM(登録商標)は、18種の特定の大腸菌株の凍結乾燥細菌ライセートを含有する経口錠剤ワクチンである[3(非特許文献3)]。Baxter Vaccinesは、6〜10種類の異なる株由来の線毛をベースとしたUTIワクチンを開発したが、この製品はすでに廃棄されている。MedImmuneは、FimH接着複合体をベースとしたMEDI516という名称の製品を開発した[4(非特許文献4)]が、第II相臨床試験で示された有効性は不十分なものであった。さらにこのワクチンには、正常な腸内細菌叢中の非病原性FimH+veにも影響を与える可能性があるというリスクがあり、またこのワクチンのその膀胱特異的接着メカニズムのためにUPEC株にしか効果を発揮せず、その他のExPEC株を制御できない可能性が予想された。
RussoおよびJohnson J Infect Dis(2000)181:1753−1754 Uehlingら、J Urol(1997)157:2049−2052 Tammen、Br J Urol(1990)65:6−9 Langermannら、Science(1997)276:607−611
故に、粗細胞ライセートからより詳細に定義された分子へ移行することを含めて、ExPECワクチンの改良が求められており、またワクチンへの添加に適したさらなる抗原、特に、ExPEC株に多く認められ、かつ共生菌株には認められていない抗原の同定が求められている。
これらのニーズに応える方法の1つが参考文献5で報告されており、発明者らはMLEEのタイプB2およびDのゲノムに存在するがMLEEのタイプAおよびB1には存在しない遺伝子を検索している。サブトラクティブハイブリダイゼーションに基づくさらなる比較手法が参考文献6および7で報告されている。参考文献8では、ExPEC株内の病原性遺伝子も同定されている。参考文献9は、UPEC大腸菌株536の4つの病原性島の解析を開示している。
参考文献10では、非病原性大腸菌株に存在しない配列を同定するために、UPEC(O6:K2:H1)株CFT073のゲノム配列[11、12]が使用されている。参考文献13は、UPECである大腸菌ヒト腎盂腎炎分離株536(O6:K15:H31)のゲノム配列と、CFT073(UPEC)、EDL933(腸管出血性)、およびMG1655(非病原性の実験室株)株の配列データとの比較を開示している。病原菌株のゲノム配列は、アクセッション番号AE005174(gi:56384585)、BA000007(gi:47118301)、およびNC‐004431(gi:26245917)でデータベースにおいて入手可能である。非病原菌株由来の配列は、アクセッション番号U00096(gi:48994873)で入手可能である。
本発明の目的は、病原性大腸菌、特にExPEC株、より詳細にはUPEC株に対する免疫付与に使用するためのさらなる抗原を提供することにある。
要旨
発明者らは、病原性大腸菌株に特異的な免疫原性組成物に添加されうる各種の遺伝子を同定した。遺伝子は尿路病原菌株(UPEC)由来であるが、非病原菌株には存在しないものであり、それらのコード化タンパク質は、それらを免疫系にとって利用可能にする細胞部位を有する。
一態様では、本発明は、(a)配列番号1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、100、101、102、103、104、105、106、107、108、109、110、111、112、113、114、115、116、117、118、119、120、121、122、123、124、125、126、127、128、129、130、131、132、133、134、135、136、137、138、139、140、141、142、143、144、145、146、147、148、149、150、151、152、153、154、155、156、157、158、159、160、161、162、163、164、165、166、および167からなる群から選択されるアミノ酸配列、(b)(a)のアミノ酸配列と少なくとも80%の配列同一性を有するアミノ酸配列、(c)(a)のアミノ酸配列由来の少なくとも10個の連続するアミノ酸のフラグメントであるアミノ酸配列、または(d)(a)のアミノ酸配列と少なくとも80%の配列同一性を有し、(a)のアミノ酸配列由来の少なくとも10個の連続するアミノ酸のフラグメントを含むアミノ酸配列を有するポリペプチドに関する。特定の実施形態において、本発明のこの態様のポリペプチドは、少なくとも1つの(a)のB細胞エピトープを有するフラグメントを有する。
別の態様では、本発明は、(a)配列番号1、2、3、4、5、6、および7からなる群から選択されるアミノ酸配列、(b)(a)のアミノ酸配列と少なくとも80%の配列同一性を有するアミノ酸配列、(c)(a)のアミノ酸配列由来の少なくとも10個の連続するアミノ酸のフラグメントであるアミノ酸配列、または(d)(a)のアミノ酸配列と少なくとも80%の配列同一性を有し、(a)のアミノ酸配列由来の少なくとも10個の連続するアミノ酸のフラグメントを含むアミノ酸配列を有するポリペプチドに関する。特定の実施形態において、本発明のこの態様のポリペプチドは、少なくとも1つの(a)のB細胞エピトープを有するフラグメントを有する。
本発明は、(a)配列番号1、2、3、4、5、6、および7からなる群から選択されるアミノ酸配列、(b)(a)のアミノ酸配列と少なくとも80%の配列同一性を有するアミノ酸配列、(c)(a)のアミノ酸配列由来の少なくとも10個の連続するアミノ酸のフラグメントであるアミノ酸配列、または(d)(a)のアミノ酸配列と少なくとも80%の配列同一性を有し、(a)のアミノ酸配列由来の少なくとも10個の連続するアミノ酸のフラグメントを含むアミノ酸配列を有する、1つ以上のポリペプチドを発現する1つ以上の外膜ベシクル(OMV)を有する免疫原性組成物にさらに関する。特定の実施形態において、本発明のこの態様の免疫原性組成物は、少なくとも1つの(a)のB細胞エピトープを有するフラグメントを有する1つ以上のポリペプチドを有する。
本発明のポリペプチドは、医学分野および患者に免疫応答を誘発するための薬剤の製造において使用されうる。
本発明は、薬学的に許容される担体と混合された本発明のポリペプチドを有する医薬組成物にも関する。本発明は、さらに薬学的に許容される担体と混合された2つ以上の本発明のポリペプチドを有する医薬組成物に関する。特定の実施形態において、本発明の医薬組成物はさらにワクチンアジュバントを有する。
本発明は、本発明の医薬組成物または免疫原性組成物を患者に投与するステップを含む、患者に免疫応答を誘発するための方法にも関する。特定の実施形態において、免疫応答はExPEC感染症を防御するものである。
本発明のさらなる態様を下記に説明する。
発明の詳細な説明
発明者らは、病原性大腸菌株に特異的な免疫原性組成物に添加されうる各種のポリペプチドを同定した。これらのポリペプチドは、それらを免疫系にとって利用可能にする細胞部位を有する。これらのポリペプチドをコードする遺伝子は、尿路病原菌株536に存在するが非病原菌株には存在しないものとしてはじめに同定された。
ポリペプチド
本発明は、実施例において開示されるアミノ酸配列を有するポリペプチドを提供する。これらのアミノ酸配列は、配列番号1〜167として配列表に記載される。配列番号1〜167の好ましいサブセットは表2に記載される。
本発明は、実施例において開示されるアミノ酸配列(すなわち配列番号1〜168)と配列同一性を有するアミノ酸配列を有するポリペプチドも提供する。特定の配列によって、配列同一性の度合いは、好ましくは50%より大きい(例えば、60%、70%、75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、またはそれ以上)。これらのポリペプチドは、ホモログ、オルソログ、対立遺伝子多型、および突然変異体を含む。典型的には、2つのポリペプチド配列間の50%以上の同一性は、機能的に等価であることの指標であると考えられる。ポリペプチド間の同一性は好ましくは、MPSRCHプログラム(Oxford Molecular)に実装されているようなSmith‐Watermanホモロジーサーチアルゴリズムによって、ギャップ・オープン・ペナルティー=12およびギャップ・エクステンション・ペナルティー=1のパラメーターを用いるアフィンギャップサーチを使用して決定される。
これらのポリペプチドは、実施例の配列と比較して、1つ以上(例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10等)の保存的アミノ酸置換、すなわち同じ性質の側鎖を持つ別のアミノ酸による1つのアミノ酸の置換を含む。遺伝的にコード化されたアミノ酸は、一般に4つのファミリー:(1)酸性、すなわちアスパラギン、グルタミン、(2)塩基性、すなわちリシン、アルギニン、ヒスチジン、(3)非極性、すなわちアラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、プロリン、フェニルアラニン、メチオニン、トリプトファン、および(4)非荷電極性、すなわちグリシン、アスパラギン、グルタミン、システイン、セリン、トレオニン、チロシンに分類される。フェニルアラニン、トリプトファン、およびチロシンは、一緒に芳香族アミノ酸として分類される場合がある。一般には、これらのファミリー内での単一アミノ酸置換は、生物学的活性に大きな影響を与えない。ポリペプチドは、リファレンス配列と比較して、1つ以上(例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10等)の単一アミノ酸欠失を有していてよい。ポリペプチドは、リファレンス配列と比較して、1つ以上(例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10等)の挿入(例えば、1、2、3、4、または5個のアミノ酸のそれぞれ)も有していてよい。
好ましいポリペプチドには、脂質が付加された、外膜中に存在する、内膜中に存在する、またはペリプラズム中に存在するポリペプチドが含まれる。特に好ましいポリペプチドは、これらのカテゴリーのうちの2つ以上に該当するもの、例えば外膜中に存在する脂質付加ポリペプチドである。リポタンパク質は、シグナルペプチドの翻訳後プロセシング後に脂質が共有結合するN末端のシステインを有していてよい。
本発明は、実施例において開示されるアミノ酸配列のフラグメントを有するポリペプチドをさらに提供する。これらのフラグメントは、これらの配列由来の少なくともn個の連続するアミノ酸を有する必要があり、特定の配列によって、nは7以上(例えば、8、10、12、14、16、18、20、22、24、26、28、30、35、40、45、50、60、70、80、90、100、またはそれ以上)である。フラグメントは、これらの配列の少なくとも1つのT細胞エピトープ、または好ましくはB細胞エピトープを有してよい。T細胞およびB細胞エピトープは経験的に同定されうる(例えば、PEPSCAN[14、15]または同様の方法を用いて)、または、それらは予測されうる(例えば、Jameson‐Wolfの抗原性インデックス[16]、マトリックスベースアプローチ[17]、TEPITOPE[18]、ニューラル・ネットワーク[19]、OptiMer&EpiMer[20、21]、ADEPT[22]、Tsites[23]、親水性[24]、抗原性インデックス[25]、または参考文献26で開示されている方法等を使用して)。
その他の好ましいフラグメントは、(a)本発明のポリペプチドのN末端シグナルペプチド、(b)これらのポリペプチドだが、そのN末端シグナルペプチドを持たないもの、(c)これらのポリペプチドだが、そのN末端アミノ酸残基を持たないものである。故に本発明は、本発明のポリペプチドの切断配列をさらに提供する。配列は、N末端および/またはC末端で切断されていてよい。切断は、単一のアミノ酸またはそれよりも長い配列を伴っていてよい。切断配列は、好ましくは切断前の配列の少なくとも1つのエピトープを保持する。例えば、本発明は配列番号:56のアミノ酸21番〜470番である切断配列、配列番号:168を提供する。
その他の好ましいフラグメントは、本発明のポリペプチドならびに参考文献5、6、8、10、および11のいずれかで同定されているポリペプチドに共通するものである。
その他の好ましいフラグメントは、本発明のポリペプチドおよび参考文献27、参考文献28、米国特許仮出願第60/654632号明細書(2005年2月18日出願:参考文献27および28の優先出願)、または米国特許仮出願第60/712720号明細書(2005年8月29日出願:参考文献28の優先出願)において同定されているポリペプチドに共通するものである。
本発明は、実施例において開示されるアミノ酸配列と配列同一性を有し、それらのアミノ酸のフラグメントを有するアミノ酸配列を有するポリペプチドも提供する。特定の配列によって、配列同一性の度合いは、好ましくは50%より大きく(例えば、60%、70%、75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、またはそれ以上)、フラグメントは、配列由来の少なくともn個の連続するアミノ酸を有している必要があり、特定の配列によって、nは7以上(例えば、8、10、12、14、16、18、20、22、24、26、28、30、35、40、45、50、60、70、80、90、100、またはそれ以上)である。
本発明のポリペプチドは、多くの方法、例えば化学合成(全体または部分的に)によって、プロテアーゼを使用して長いポリペプチドを消化することによって、RNAからの翻訳によって、細胞培養から精製することによって(例えば、組み換え発現から)、生物そのものから(例えば、微生物培養後、または患者から直接)等で調整されうる。40より短いアミノ酸長のペプチドの産生に好ましい方法は、in vitroでの化学合成を伴う[29、30]。tBocまたはFmoc[31]化学に基づく方法のような、ペプチド固相合成法は特に好ましい。酵素合成[32]も部分的または全体に用いられてよい。化学合成に代わるものとして生物学的合成が用いられてよく、例えば、ポリペプチドは翻訳によって産生されてよい。これは、in vitroまたはin vivoで行われてよい。生物学的方法は、一般にL‐アミノ酸を基本とするポリペプチドの産生に限定されるが、D‐アミノ酸(またはその他の非天然アミノ酸、例えばヨードチロシンまたはメチルフェニルアラニン、アジドホモアラニン等)の導入を可能にするために、翻訳機構(例えばアミノアシルtRNA分子のもの)の操作が用いられうる[33]。しかし、D‐アミノ酸が含められる場合、化学合成を用いるのが好ましい。本発明のポリペプチドは、C末端および/またはN末端において共有結合修飾を有していてよい。
本発明のポリペプチドは、各種形態をとりうる(例えば天然型、融合型、グリコシル化、非グリコシル化、脂質付加、非脂質付加、リン酸化、非リン酸化、ミリストイル化、非ミリストイル化、単量体、多量体、粒子状、変性体等)。
本発明のポリペプチドは、好ましくは精製されたまたは実質的に精製された形態、すなわちその他のポリペプチドを実質的に含まない(例えば、天然ポリペプチドを含まない)、特に他のExPECまたは宿主細胞のポリペプチドを含まない形態で提供され、一般に少なくとも約50%の純度(重量で)であり、多くの場合少なくとも約90%の純度であり、すなわち組成物の約50%未満、より好ましくは約10%未満(例えば5%以下)がその他の発現ポリペプチドで構成されている。本発明のポリペプチドは好ましくはExPECポリペプチドである。
本発明のポリペプチドは、固体支持体と結合していてよい。本発明のポリペプチドは検出可能な標識(例えば、放射性標識または蛍光標識、またはビオチン標識)を有していてよい。
語句“ポリペプチド”は、任意の長さのアミノ酸ポリマーを意味する。ポリマーは、直鎖状または分岐状であってよく、修飾アミノ酸を有していてよく、非アミノ酸で中断されていてよい。この語句は、自然に、または操作的に修飾されたアミノ酸ポリマーも包含し、例えば、ジスルフィド結合形成、グリコシル化、脂質付加、アセチル化、リン酸化、またはその他任意の操作もしくは修飾、例えば標識成分との結合などがある。この定義には、例えばアミノ酸の1つ以上のアナログを含むポリペプチド(例えば非天然アミノ酸等を含む)、ならびに当該技術分野で既知のその他の修飾も含まれる。ポリペプチドは、単一鎖または結合鎖として起こりうる。本発明のポリペプチドは、天然にまたは非天然にグリコシル化されていてよい(すなわちポリペプチドが、対応する天然型ポリペプチドに認められるグリコシル化パターンとは異なるグリコシル化パターンを持つ)。
本発明のポリペプチドは、少なくとも40アミノ酸長であってよい(例えば、少なくとも40、50、60、70、80、90、100、120、140、160、180、200、220、240、260、280、300、350、400、450、500、またはそれ以上)。本発明のポリペプチドは、500アミノ酸より短くてよい(例えば、40、50、60、70、80、90、100、120、140、160、180、200、220、240、260、280、300、350、400、または450アミノ酸より長くない)。
本発明は、配列‐X‐Y‐または‐Y‐X‐を有するポリペプチドを提供し、ここで、‐X‐は上記で定めた通りのアミノ酸配列であり、‐Y‐は上記で定めた配列ではない、すなわち、本発明は融合タンパク質を提供する。ポリペプチドをコードする配列のN末端のコドンがATGではない場合、そのコドンは、コドンが開始コドンとして翻訳される場合に現れるメチオニンとしてではなく、そのコドンの基本的なアミノ酸として翻訳される。
本発明は、本発明のポリペプチドを産生するためのプロセスを提供し、このプロセスは、ポリペプチド発現を誘導する条件下で本発明の宿主細胞を培養するステップを含む。
本発明は、本発明のポリペプチドを産生するためのプロセスを提供し、ポリペプチドは化学的手段を使用して部分的または全体が合成される。
本発明は、2つ以上の本発明のポリペプチドを有する組成物を提供する。
本発明は、式NH‐A‐[‐X‐L‐]‐B‐COOHで表されるハイブリッドポリペプチドも提供し、ここで、Xは上記で定められた通りの本発明のポリペプチドであり、Lは任意のリンカーアミノ酸配列であり、Aは任意のN末端アミノ酸配列であり、Bは任意のC末端アミノ酸配列であり、nは1よりも大きい整数である。nの値は2とxの間であり、xの値は典型的に3、4、5、6、7、8、9、または10である。好ましくは、nは2、3、または4であり、より好ましくは2または3であり、最も好ましくはn=2である。それぞれのnの場合において、‐X‐は同一または異なっていてよい。[‐X‐L‐]のそれぞれのnの場合において、リンカーアミノ酸配列‐L‐は存在または非存在であってよい。例えば、n=2の場合、ハイブリッドはNH‐X‐L‐X‐L‐COOH、NH‐X‐X‐COOH、NH‐X‐L‐X‐COOH、NH‐X‐X‐L‐COOH等であってよい。リンカーアミノ酸配列(1つまたは複数)‐L‐は、典型的には短い(例えば、20個以下のアミノ酸、すなわち19、18、17、16、15、14、13、12、11、10、9、8、7、6、5、4、3、2、1)。例には、クローニングを容易にする短いペプチド配列、ポリ‐グリシンリンカー(すなわち、n=2、3、4、5、6、7、8、9、10、またはそれ以上であるGly)、およびヒスチジンタグ(すなわち、n=3、4、5、6、7、8、9、10、またはそれ以上であるHis)が含まれる。その他の適当なリンカーアミノ酸配列は当業者には明らかであろう。‐A‐および‐B‐は、典型的には短い(例えば、40個以下のアミノ酸、すなわち39、38、37、36、35、34、33、32、31、30、29、28、27、26、25、24、23、22、21、20、19、18、17、16、15、14、13、12、11、10、9、8、7、6、5、4、3、2、1)任意の配列である。例には、ポリペプチド輸送を導くリーダー配列、またはクローニングまたは精製を容易にする短いペプチド配列(例えば、ヒスチジンタグ、すなわちn=3、4、5、6、7、8、9、10、またはそれ以上であるHis)が含まれる。その他の適当なN末端およびC末端アミノ酸配列は、当業者には明らかであろう。
本発明のポリペプチドのin vivoでの免疫原性を評価するため、各種試験が用いられうる。例えば、ポリペプチドは、組み換え発現されて、患者の血清をイムノブロットでスクリーニングするために使用されうる。ポリペプチドと患者血清との間の陽性反応は、問題とされているタンパク質に対する免疫応答を患者が以前に開始したことがある、すなわちそのタンパク質が免疫原であることを示唆するものである。この方法は、免疫優性タンパク質を同定するためにも使用されうる。
抗体
本発明は、本発明のポリペプチドに結合する抗体を提供する。これらは、ポリクローナルまたはモノクローナルであってよく、任意の適当な手段によって産生されてよい(例えば、組み換え発現によって)。ヒト免疫系との適合性を高めるため、抗体はキメラ化もしくはヒト化されていてよい[例えば、参考文献34および35]、または完全なヒト抗体が用いられてよい。抗体は、検出可能な標識(例えば、診断アッセイのため)を含んでよい。本発明の抗体は、固体支持体に結合していてよい。本発明の抗体は好ましくは中和抗体である。
モノクローナル抗体は、それらが標的とする個々のポリペプチドの同定および精製に特に有用である。本発明のモノクローナル抗体は、免疫測定法、放射免疫測定法(RIA)、または酵素結合免疫吸着測定法(ELISA)等において試薬として用いられてもよい。これらの応用では、抗体は、分析的に検出可能な試薬、例えば放射性同位元素、蛍光分子、または酵素で標識されうる。上記の方法で産生されたモノクローナル抗体は、本発明のポリペプチドの分子的同定およびキャラクタリゼーション(エピトープマッピング)にも使用されてよい。
本発明の抗体は好ましくは大腸菌のExPEC株に特異的である、すなわち、それらは、その他の細菌と比較して(例えば、ExPEC以外の大腸菌と比較して、および大腸菌以外の細菌と比較して)、ExPEC大腸菌に選択的に結合する。より好ましくは、抗体はUPEC株に特異的である、すなわち、それらは、他のExPEC大腸菌を含むその他の細菌と比較してUPEC細菌に選択的に結合する。
本発明の抗体は、好ましくは精製された、または実質的に精製された形態で提供される。典型的には、抗体は、その他のポリペプチドを実質的に含まない、例えば組成物の90%未満(重量で)、多くの場合は60%未満、より多くの場合は50%未満がその他のポリペプチドで構成されている組成物中に存在する。
本発明の抗体は、任意のアイソタイプ(例えば、IgA、IgG、IgM、すなわち重鎖α鎖、γ鎖、またはμ鎖)でありうるが、一般的にはIgGである。IgGアイソタイプ内において、抗体はIgG1、IgG2、IgG3、またはIgG4サブクラスであってよい。本発明の抗体はκまたはλ軽鎖を有していてよい。
本発明の抗体は、完全抗体、抗体フラグメント、例えばF(ab’)およびF(ab)フラグメント、Fvフラグメント(非共有結合性ヘテロ二量体)、一本鎖抗体、例えば一本鎖Fv分子(scFv)、ミニボディ、オリゴボディ等をはじめとする各種の形態をとりうる。語句“抗体”は、いかなる特定の起源も意味せず、従来にないプロセス、例えばファージディスプレイで得られた抗体を含む。
本発明は、本発明のポリペプチドを検出するためのプロセスを提供し、このプロセスは、(a)抗体‐抗原複合体の形成に適した条件下で、本発明の抗体を生体サンプルと接触させるステップと、(b)前述の複合体を検出するステップとを含む。
本発明は、本発明の抗体を検出するためのプロセスを提供し、このプロセスは、(a)抗体‐抗原複合体の形成に適した条件下で、本発明のポリペプチドと生体サンプル(例えば、血液または血清サンプル)を接触させるステップと、(b)前述の複合体を検出するステップとを含む。
好ましい抗体は、当該技術分野で既知の抗体よりも実質的に高い親和性で本発明のポリペプチドに結合する。好ましくは、親和性は、当分野で既知の抗体よりも少なくとも1.5倍、2倍、5倍、10倍、100倍、10倍、10倍、10倍、10倍等強い。
核酸
本発明は、本発明のポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を有する核酸も提供する。本発明は、そのようなヌクレオチド配列と配列同一性を有するヌクレオチド配列を有する核酸も提供する。配列間の同一性は、好ましくは、上述のようにSmith‐Watermanのホモロジーサーチアルゴリズムによって決定される。そのような核酸は、同じアミノ酸をコードするのに別のコドンを使用するものを含む。
本発明は、これらの核酸にハイブリダイズしうる核酸も提供する。ハイブリダイゼーション反応は、異なる“ストリンジェンシー”条件下で実施されうる。ハイブリダイゼーション反応のストリンジェンシーを高める条件は、当該技術分野で発表されており周知である[例えば、参考文献297のページ7.52]。関連条件の例は(ストリンジェンシーが増加する順に):25℃、37℃、50℃、55℃、および68℃のインキュベーション温度、10×SSC、6×SSC、1×SSC、0.1×SSCのバッファー濃度(このときSSCは0.15MのNaClおよび15mMのクエン酸バッファーである)およびその他のバッファー系を使用したそれらと同等のもの、0%、25%、50%、および75%のホルムアミド濃度、5分〜24時間のインキュベーション時間、1回、2回、またはそれ以上の洗浄ステップ、1、2、または15分間の洗浄インキュベーション時間、ならびに6×SSC、1×SSC、0.1×SSC、または脱イオン水の洗浄溶液である。ハイブリダイゼーション技術およびそれらの最適化は、当該技術分野で周知である[例えば、参考文献36、37、297、299等を参照。]
いくつかの実施形態において、本発明の核酸は低ストリンジェンシー条件下で標的とハイブリダイズし、他の実施形態において、本発明の核酸は中ストリンジェンシー条件下でハイブリダイズし、好ましい実施形態において、本発明の核酸は高ストリンジェンシー条件下でハイブリダイズする。低ストリンジェンシーハイブリダイゼーション条件の典型的なセットは、50℃、10×SSCである。中ストリンジェンシーハイブリダイゼーション条件の典型的なセットは、55℃、1×SSCである。高ストリンジェンシーハイブリダイゼーション条件の典型的なセットは、68℃、0.1×SSCである。
これらの配列のフラグメントを有する核酸も提供される。これらは、配列由来の少なくともn個の連続するヌクレオチドを有する必要があり、特定の配列によって、nは10以上(例えば、12、14、15、18、20、25、30、35、40、50、60、70、80、90、100、150、200またはそれ以上)である。好ましいフラグメントは、本発明の核酸配列ならびに参考文献5、6、8、10、および11のいずれかにおいて同定された核酸配列に共通のものである。
本発明は、式5’‐X‐Y‐Z‐3’の核酸を提供し、ここで、‐X‐はx個のヌクレオチドからなるヌクレオチド配列であり、‐Z‐はz個のヌクレオチドからなるヌクレオチド配列であり、‐Y‐は(a)配列番号:1〜168の1つをコードする核酸配列のフラグメントまたは(b)(a)の相補体のいずれかからなるヌクレオチド配列であり、前述の核酸5’‐X‐Y‐Z‐3’は(i)配列番号:1〜168の1つをコードする核酸配列のフラグメントでもないし(ii)(i)の相補体でもない。‐X‐および/または‐Z‐部分はプロモーター配列(またはその相補体)を有していてよい。
本発明は、これらの配列に相補的な配列を有する核酸を含む(例えば、アンチセンスまたはプロービング用、またはプライマーとしての使用のため)。
本発明の核酸は、ハイブリダイゼーション反応(例えば、ノーザンブロットもしくはサザンブロット、または核酸マイクロアレイまたは‘遺伝子チップ’において)および増幅反応(例えば、PCR、SDA、SSSR、LCR、TMA、NASBA等)ならびにその他の核酸技術において使用されうる。
本発明による核酸は各種の形態をとりうる(例えば、一本鎖、二本鎖、ベクター、プライマー、プローブ、標識化等)。本発明の核酸は環状または分岐状であってよいが、一般的には線状である。別段の定めまたは求めがない限り、核酸を利用する本発明の任意の実施形態は、二本鎖形態および二本鎖形態を構成する2つの相補的な一本鎖形態のそれぞれ、の両方を使用してよい。プライマーおよびプローブは、アンチセンス核酸と同様、一般に一本鎖である。
本発明の核酸は好ましくは、精製された、または実質的に精製された形態で提供される、すなわちその他の核酸を実質的に含まない(例えば、天然の核酸を含まない)、特に他のExPECまたは宿主細胞の核酸を含まず、一般的には少なくとも約50%の純度(重量で)であり、多くの場合少なくとも約90%の純度である。本発明の核酸は好ましくはExPECの核酸である。
本発明の核酸は、多くの方法、例えば全体または部分的な化学合成(例えば、DNAのホスホラミダイト合成)によって、ヌクレアーゼ(例えば、制限酵素)を使用した長い核酸の消化によって、短い核酸またはヌクレオチドを連結する(例えば、リガーゼまたはポリメラーゼを使用して)ことによって、ゲノムまたはcDNAライブラリ等から調製されてよい。
本発明の核酸は、固体支持体(例えば、ビーズ、プレート、フィルター、フィルム、スライド、マイクロアレイ担体、レジン等)に結合していてよい。本発明の核酸は、例えば放射性標識もしくは蛍光標識、またはビオチン標識で標識されてよい。これは、検出技術において核酸が使用される場合、例えば核酸がプライマーまたはプローブとして使用される場合に特に有用である。
語句“核酸”は一般に、デオキシリボヌクレオチド、リボヌクレオチド、および/またはそれらのアナログを含む、任意の長さのヌクレオチドの多量体形態を意味する。これには、DNA、RNA、DNA/RNAハイブリッドが含まれる。これには、DNAもしくはRNAアナログ、例えば修飾骨格(例えば、ペプチド核酸(PNA)またはホスホロチオアート)または修飾塩基を含むものが含まれる。故に、本発明は、mRNA、tRNA、rRNA、リボザイム、DNA、cDNA、リコンビナント核酸、分岐核酸、プラスミド、ベクター、プローブ、プライマー等を含む。本発明の核酸がRNAの形態をとる場合、5’にキャップを有していても、有していなくてもよい。
本発明の核酸は配列を有するが、それらは非ExPEC配列も有していてよい(例えば、上記で定めたような、式5’‐X‐Y‐Z‐3’の核酸中に)。これはプライマーにとって特に有用であり、従って核酸ターゲットに相補的な第1の配列および核酸ターゲットに相補的でない第2の配列を有していてよい。プライマー中の任意のそのような非相補的配列は、好ましくは相補的配列の方向に向かって5’である。典型的な非相補的配列は、制限酵素認識部位またはプロモーター配列を有する。
本発明の核酸はベクターの一部であってよい、すなわち1つ以上の細胞種の形質導入/トランスフェクション用にデザインされた核酸構築物の一部であってよい。ベクターは、例えば、挿入されたヌクレオチドの単離、増殖、および複製用にデザインされた“クローニングベクター”、宿主細胞中でのヌクレオチド配列の発現用にデザインされた“発現ベクター”、組み換えウイルスまたはウイルス様粒子の産生をもたらすようデザインされた“ウイルスベクター”、または2種類以上のベクターの特性を有する“シャトルベクター”であってよい。好ましいベクターはプラスミドである。“宿主細胞”は、外来の核酸のレシピエントたりうる、またはレシピエントであった個々の細胞または細胞培養物を含む。宿主細胞は、単一の宿主細胞の子孫を含み、天然の、偶発的な、または意図的な突然変異および/または変化の結果、子孫は必ずしも元の親細胞と完全に同一でなくてよい(形態的に、または全DNA相補体において)。宿主細胞は、in vivoまたはin vitroで本発明の核酸をトランスフェクトまたは感染させた細胞を含む。
核酸がDNAである場合、RNA配列中の“U”はDNA中では“T”に置換されることが理解される。同様に、核酸がRNAの場合、DNA配列中の“T”はRNA中では“U”に置換されることが理解される。
核酸に関して使用される場合の語句“相補体”または“相補的”は、ワトソン・クリック型の塩基対を意味する。故に、Cの相補体はGであり、Gの相補体はCであり、Aの相補体はT(またはU)であり、T(またはU)の相補体はAである。I(プリンイノシン)のような塩基を、例えばピリミジン(CまたはT)の相補体として使用することも可能である。この語句は方向も示唆し、5’‐ACAGT‐3’の相補体は、5’‐TGTCA‐3’ではなく5’‐ACTGT‐3’である。
本発明の核酸は、例えば:ポリペプチドを産生するため、生体サンプル中の核酸検出用のハイブリダイゼーションプローブとして、核酸のさらなるコピーを生成するため、リボザイムもしくはアンチセンスオリゴヌクレオチドを生成するため、一本鎖DNAプライマーもしくはプローブとして、または三本鎖形成オリゴヌクレオチドとして使用されうる。
本発明は、本発明の核酸を産生するためのプロセスを提供し、核酸は、化学的手段を使用して部分的にまたは全体が合成される。
本発明は、本発明のヌクレオチド配列を有するベクター(例えば、クローニングベクターまたは発現ベクター)およびそのようなベクターで形質転換された宿主細胞を提供する。
本発明は、ExPEC核酸配列中に含まれる鋳型配列を増幅するためのプライマー(例えば、PCRプライマー)を有するキットも提供し、このキットは、第1のプライマーおよび第2のプライマーを有し、第1のプライマーは前述の鋳型配列に実質的に相補的であり、第2のプライマーは前述の鋳型配列の相補体に実質的に相補的であり、実質的な相補性を有する前述のプライマーの部分が、増幅される鋳型配列の末端を定める。第1のプライマーおよび/または第2のプライマーは、検出可能な標識(例えば、蛍光標識)を含んでよい。
本発明は、一本鎖または二本鎖核酸(またはそれらの混合)に含まれるExPECの鋳型核酸配列の増幅を可能にする、第1および第2の一本鎖オリゴヌクレオチドを有するキットも提供し、(a)第1のオリゴヌクレオチドは、前述の鋳型核酸配列に実質的に相補的なプライマー配列を有し、(b)第2のオリゴヌクレオチドは、前述の鋳型核酸配列の相補体に実質的に相補的なプライマー配列を有し、(c)第1のオリゴヌクレオチドおよび/または第2のオリゴヌクレオチドは、前述の鋳型核酸に相補的ではない配列を有し、(d)前述のプライマー配列は、増幅される鋳型配列の末端を定める。特徴(c)の非相補的配列(1つまたは複数)は、好ましくはプライマー配列の上流(すなわち5’)である。これらの(c)の配列の1つまたは両方は、制限酵素認識部位[例えば、参考文献38]またはプロモーター配列[例えば、39]を有していてよい。第1のオリゴヌクレオチドおよび/または第2のオリゴヌクレオチドは、検出可能な標識(例えば、蛍光標識)を含んでよい。
本発明は、本発明の核酸を検出するためのプロセスを提供し、このプロセスは、(a)ハイブリダイゼーション条件下で、二本鎖を形成するために本発明による核酸プローブを生体サンプルと接触させるステップと、(b)前述の二本鎖を検出するステップとを含む。
本発明は、生体サンプル(例えば、血液)における検出のためのプロセスを提供し、このプロセスは、ハイブリダイゼーション条件下で本発明による核酸を生体サンプルと接触させるステップを含む。このプロセスは、核酸増幅(例えば、PCR、SDA、SSSR、LCR、TMA、NASBA等)またはハイブリダイゼーション(例、マイクロアレイ、ブロット、溶液中でのプローブとのハイブリダイゼーション等)を伴ってよい。臨床サンプル中のExPECのPCR検出が報告されている[例えば、参考文献40を参照]。核酸ベースの臨床アッセイは参考文献41において一般的な説明がなされている。
本発明は、ターゲット配列のフラグメントを調製するためのプロセスを提供し、フラグメントは核酸プライマーの伸長によって調製される。ターゲット配列および/またはプライマーは、本発明の核酸である。プライマー伸長反応は、核酸増幅(例えば、PCR、SDA、SSSR、LCR、TMA、NASBA等)を伴ってよい。
本発明による核酸増幅は、定量的および/またはリアルタイムであってよい。
本発明のある実施形態において、核酸は好ましくは、長さが少なくとも7ヌクレオチドである(例えば、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、45、50、55、60、65、70、75、80、90、100、110、120、130、140、150、160、170、180、190、200、225、250、275、300ヌクレオチドまたはそれ以上)。
本発明のある実施形態において、核酸は好ましくは、長さが最大で500ヌクレオチドである(例えば、450、400、350、300、250、200、150、140、130、120、110、100、90、80、75、70、65、60、55、50、45、40、39、38、37、36、35、34、33、32、31、30、29、28、27、26、25、24、23、22、21、20、19、18、17、16、15ヌクレオチドまたはそれより以下)。
本発明のプライマーおよびプローブ、ならびにハイブリダイゼーションに用いられるその他の核酸は、好ましくは長さが10〜30ヌクレオチドである(例えば、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、または30ヌクレオチド)。
ベシクル
参考文献42は、mltA(ムレイン溶解性トランスクリコシラーゼ)または大腸菌Tol‐Pal複合体[43]の成分の1つ以上、例えばtolA、tolQ、tolB、pal、および/またはtolRのノックアウトによる、尿路病原性(UPEC)株からのベシクルの調製を説明している。ベシクルの表面上の防御性抗原の量および/またはイムノアクセシビリティを高めるために、細菌の染色体に対して1つ以上のさらなる遺伝子変化を起こすことによって、またはエピソーム要素(例えば、発現ベクター)を挿入することでこれらのベシクルが改良されうる。
そのような改良を得る一つの方法は、本発明のポリペプチドの発現を上方制御することである。ターゲットタンパク質の発現を高めるための多くの異なる遺伝学的戦略が当分野で周知であり、2つの大きなカテゴリーに分けられる:1つは、内在性遺伝子の発現を高めるために染色体の改変を利用するもの(例えば、より強力なプロモーターによる野生型プロモーターの置換、天然の抑制遺伝子の不活化等)であり、もう1つはエピソーム要素(例えば、高コピー数プラスミド、遺伝子操作されたターゲット遺伝子を有するベクター等)または染色体への外来遺伝子の組み込みによる組み換え発現に基づくものである。これらのアプローチのそれぞれの実例は、参考文献44〜50に認められる。
ベシクルの免疫原性および選択性を高める別の方法は、免疫優性非防御抗原の発現を下方制御すること、または共生菌株に認められるタンパク質と相同なタンパク質を下方制御することである。LPSのリピドA部分の解毒によってさらなる改善が達成されうる。その他のグラム陰性病原菌から改良ベシクルを産生するための同様の変化がこれまでに説明されている(例えば、参考文献51および52を参照)。
免疫原性組成物に使用するための改良ベシクルを得るために、上記の全ての戦略が単独で、または組み合わせて使用されうる。本発明は、mltAおよび/またはそのTol‐Pal複合体の成分がノックアウトされ、(i)ポリペプチドをコードする遺伝子と天然に結合しているプロモーターに比べて高いポリペプチドの発現レベルを提供するプロモーターで制御される、本発明のポリペプチドをコードする染色体性遺伝子、または(ii)本発明のポリペプチドをコードする自己複製染色体外要素のうちの1つ以上と、場合により(iii)大腸菌LPSのリピドA部分の毒性を、野生型LPSと比較して低下させるための遺伝子修飾の1つ以上を有する病原性大腸菌(特にUPEC)を提供する。
本発明は、そのような細菌を培養することで入手可能なベシクル、例えば細菌の培養中に培地に放出されるベシクルを提供する。
特定の態様では、本発明は、本発明の1つ以上のポリペプチドを発現する、1つ以上の外膜ベシクル(OMV)を有する免疫原性組成物を提供する。特定の実施形態において、本発明は、(a)配列番号1〜168からなる群から選択されるアミノ酸配列、(b)(a)のアミノ酸配列と少なくとも80%の配列同一性を有するアミノ酸配列、(c)(a)のアミノ酸配列由来の少なくとも10個の連続するアミノ酸のフラグメントであるアミノ酸配列、または(d)(a)のアミノ酸配列と少なくとも80%の配列同一性を有し、(a)のアミノ酸配列由来の少なくとも10個の連続するアミノ酸のフラグメントを含むアミノ酸配列を有する1つ以上のポリペプチドを発現する、1つ以上のOMVを有する免疫原性組成物を提供する。さらなる実施形態において、免疫原性組成物は、配列番号1〜168からなる群から選択されるアミノ酸配列の少なくとも1つのB細胞エピトープを有するフラグメントを有するポリペプチドを有する。
医薬組成物
本発明は、(a)本発明のポリペプチド、抗体、ベシクル、および/または核酸と、(b)薬学的に許容される担体とを有する組成物を提供する。これらの組成物は、例えば免疫原性組成物として、または診断用試薬として、またはワクチンとして適していてよい。本発明によるワクチンは、予防的(すなわち感染を防ぐ)または治療的(すなわち感染を治療する)のいずれかであってよいが、典型的には予防的なものである。
‘薬学的に許容される担体’は、組成物を投与される個体にとって有害な抗体の産生をそれ自体が誘導することのない任意の担体を含む。好適な担体は、典型的には大型で、ゆっくりと代謝される高分子、例えばタンパク質、多糖、ポリ乳酸、ポリグリコール酸、高分子アミノ酸、アミノ酸共重合体、ショ糖、トレハロース、乳糖、および脂質凝集体(例えば油滴またはリポソーム)である。そのような担体は当業者に周知である。ワクチンは、希釈剤、例えば水、生理食塩水、グリセロール等も含んでよい。さらに、添加物、例えば湿潤剤または乳化剤、pH緩衝物質などが存在していてよい。パイロジェンフリーの、リン酸緩衝生理食塩水が典型的な担体である。薬学的に許容される賦形剤は、参考文献294で詳しく取り上げられている。
本発明の組成物は、特に複数回投与形式に包装される場合、抗菌剤を含んでよい。
本発明の組成物は、界面活性剤、例えばTween80などのTween(ポリソルベート)を有していてよい。界面活性剤は一般に、例えば<0.01%の低いレベルで存在する。
本発明の組成物は、浸透圧を与えるためにナトリウム塩(例えば塩化ナトリウム)を含んでよい。濃度10±2mg/mlのNaClが典型的である。
本発明の組成物は一般に緩衝液を含む。リン酸緩衝液が典型的である。
本発明の組成物は、特に、もしそれらが凍結乾燥される場合、またはもしそれらが凍結乾燥材料から再構成された材料を含む場合は、糖アルコール(例えば、マンニトール)または二糖(例えば、白糖またはトレハロース)を、例えばおよそ15〜30mg/ml(例えば、25mg/ml)で有していてよい。凍結乾燥用の組成物のpHは、凍結乾燥の前におよそ6.1に調節されてよい。
本発明のポリペプチドは、その他の免疫調節物質と併せて投与されてよい。特に、組成物は多くの場合ワクチンアジュバントを含む。アジュバントは、下記でさらに説明するTH1アジュバントおよびTH2アジュバントからなる群の1つ以上から選択されてよい。本発明の組成物に用いられてよいアジュバントには:以下が含まれるがこれらに限定されない。
A.ミネラル含有組成物
本発明においてアジュバントとして使用するのに適したミネラル含有組成物には、ミネラル塩、例えばアルミニウム塩およびカルシウム塩が含まれる。本発明は、ミネラル塩、例えば水酸化物(例えば、オキシ水酸化物)、リン酸塩(例えば、ヒドロキシホスファート、オルトホスファート)、硫酸塩等[例えば、参考文献53の第8章および第9章参照]、または異なるミネラル化合物の混合物(例えば、リン酸塩および水酸化物アジュバントの混合物、場合によりリン酸塩が過剰量)を含み、化合物は任意の適当な形態(例えば、ゲル、結晶、非晶質等)をとり、塩(1つまたは複数)への吸着が好ましい。ミネラル含有組成物は、金属塩の粒子として製されてもよい[54]。
典型的なリン酸アルミニウムアジュバントは、0.6mgのAl3+/mlで添加されたPO/Alのモル比が0.84〜0.92の非晶質アルミニウムヒドロキシホスファートである。例えば1ドーズ当たりの複合体につき50〜100μgAl3+で、低用量のリン酸アルミニウムでの吸着が用いられてよい。リン酸アルミニウムが用いられ、抗原をアジュバントに吸着させないことが望ましい場合、遊離リン酸イオンが溶液へ添加される(例えば、リン酸バッファーの使用によって)。
リン酸アルミニウムの零電荷点(PZC)は、リン酸塩のヒドロキシル基への置換度に反比例し、この置換度は、沈殿による塩の生成に用いられる反応条件および反応物の濃度に応じて変化しうる。PZCは、溶液中の遊離リン酸イオンの濃度を変化させることによって(リン酸塩が多い=PZCがより酸性になる)、またはヒスチジン緩衝剤のような緩衝液を加えることによって(PZCがより塩基性になる)も、PZCが変化する。本発明に従って用いられるリン酸アルミニウムのPZCは一般に、4.0〜7.0であり、より好ましくは5.0〜6.5であり、例えば約5.7である。
本発明の組成物を調製するために用いられるアルミニウム塩の懸濁液は、緩衝液(例えば、リン酸緩衝液またはヒスチジン緩衝剤またはトリス緩衝液)を含んでよいが、これは必ずしも必要ではない。懸濁液は好ましくは滅菌済みでパイロジェンフリーである。懸濁液は、例えば1.0〜20mMの濃度、好ましくは5〜15mMの濃度、より好ましくは約10mMの濃度で存在する水溶性遊離リン酸イオンを含んでいてよい。懸濁液は塩化ナトリウムも有していてよい。
本発明は、水酸化アルミニウムおよびリン酸アルミニウムの両方の混合物を使用できる。この場合、水酸化アルミニウムよりもリン酸アルミニウムが多く、例えば重量比で少なくとも2:1、例えば≧5:1、≧6:1、≧7:1、≧8:1、≧9:1等で存在していてよい。
1ドーズ当たりのAl3+の用量が0.2〜1.0mgとなるように、アルミニウム塩が本発明のワクチンに添加されてよい。
B.オイルエマルション
本発明においてアジュバントとして使用するのに適したオイルエマルション組成物には、スクアレン‐水エマルション、例えばMF59(マイクロフルイダイザーを使用してサブミクロン粒子に調製された5%スクアレン、0.5%Tween80、および0.5%スパン85)が含まれる[参考文献53の第10章。参考文献55〜57、参考文献58の第12章も参照されたい]。MF59は、FLUAD(登録商標)インフルエンザウイルス3価サブユニットワクチンにおいてアジュバントとして用いられる。このエマルションは、遊離にはクエン酸イオン、例えば10mMクエン酸ナトリウム緩衝液を含む。
この組成物において使用するのに特に好ましいアジュバントは、サブミクロンの水中油型エマルションである。本明細書で使用するのに好ましいサブミクロン水中油型エマルションは、場合により各種の量のMTP‐PEを含むスクアレン/水エマルション、例えば4〜5%w/vスクアレン、0.25〜1.0%w/vTween80(ポリオキシエチレンソルビタンモノオレアート)、および/または0.25〜1.0%スパン85(ソルビタントリオレアート)ならびに、場合によりN‐アセチルムラミル‐L‐アラニル‐D‐イソグルタミニル‐L‐アラニン‐2‐(1’‐2’‐ジパルミトイル‐sn‐グリセロ‐3‐ヒドロキシホスホリルオキシ)‐エチルアミン(MTP‐PE)を含む、サブミクロンの水中油型エマルションである。この組成物中に使用するための、サブミクロンの水中油型エマルション、これと免疫刺激物質、例えばムラミルペプチドを調製する方法は参考文献55および59〜60で詳細に説明されている。
スクアレン、トコフェロール、およびTween80のエマルションが使用されうる。このエマルションは、リン酸緩衝生理食塩水を含んでよい。これは、スパン85(例えば、1%で)および/またはレシチンも含んでよい。これらのエマルションは、2〜10%のスクアレン、2〜10%のトコフェロール、および0.3〜3%のTween80を含んでよく、スクアレン:トコフェロールの重量比は好ましくは≦1であり、この値はより安定したエマルションをもたらす。そのようなエマルションの1つは、Tween80をPBSに溶解して2%溶液を得、この溶液の90mlを(5gのDL‐α‐トコフェロールおよび5mlスクアレン)のミクスチャーと混合した後、このミクスチャーをミクロフルイダイズすることによって調製されうる。得られたエマルションは、例えば平均径が100〜250nm、好ましくは約180nmのサブミクロン油滴を有していてよい。
スクアレン、トコフェロール、およびトリトン界面活性剤(例えば、トリトンX‐100)のエマルションも使用されうる。
スクアラン、ポリソルベート80、およびポロキサマー401(“プルロニック(登録商標)L121”)のエマルションが使用されうる。このエマルションは、リン酸緩衝生理食塩水(pH7.4)中で調製されうる。このエマルションは、ムラミルジペプチドの有用な送達担体であり、“SAF‐1”アジュバント[61]においてトレオニル‐MDPと使用されている(0.05〜1%Thr‐MDP、5%スクアラン、2.5%プルロニックL121、および0.2%ポリソルベート80)。これは、“AF”アジュバント[62]にみられるようにThr‐MDPなしでも使用されうる(5%スクアラン、1.25%プルロニックL121、および0.2%ポリソルベート80)。ミクロフルイダイゼーションが好ましい。
本発明において、フロイント完全アジュバント(CFA)およびフロイント不完全アジュバント(IFA)もアジュバントとして用いてよい。
C.サポニン製剤[参考文献53の第22章]
サポニン製剤も本発明においてアジュバントとして使用されてよい。サポニンは、幅広い植物種の樹皮、葉、茎、根、および花にも認められるステロールグリコシドおよびトリテルペノイドグリコシドの異種のグループである。シャボンのきの樹皮から分離されるサポニンはアジュバントとして広く研究されている。サポニンはスミラックスオルタナ(サルサパリラ)、シュコンカスミソウ(ブライダルベール)、およびサポナリア(サボンソウ)から商業的に得ることも可能である。サポニンアジュバント製剤は、精製製剤、例えばQS21だけでなく、脂質製剤、例えばISCOMを含む。
サポニン組成物は、HPLCおよびRP‐HPLCを使用して精製されている。これらの技術を用いた特定の精製画分が同定されており、QS7、QS17、QS18、QS21、QH‐A、QH‐B、およびQH‐Cが含まれる。好ましくは、サポニンはQS‐21である。QS‐21の製造方法は参考文献63に開示されている。サポニン製剤は、ステロール、例えばコレステロールも有していてよい[64]。
サポニンとコレステロールの組み合わせは、免疫刺激複合体(ISCOM)と呼ばれるユニークな粒子を形成するために使用されうる[参考文献53の第23章]。ISCOMは典型的には、リン脂質、例えばホスファチジルエタノールアミンまたはホスファチジルコリンも含む。任意の既知のサポニンがISCOMで使用されうる。好ましくは、ISCOMはQuilA、QHA、およびQHCの1つ以上を含む。ISCOMは、参考文献64〜66でさらに説明されている。場合により、ISCOMは追加の界面活性剤(1つまたは複数)を欠いていてよい[67]。
サポニン系アジュバントの開発のレビューは、参考文献68および69に認められる。
D.ビロゾームおよびウイルス様粒子
ビロゾームおよびウイルス様粒子(VLP)も、本発明においてアジュバントとして使用されうる。これらの構造は一般的に、場合によりリン脂質と組み合わされたまたは製された、ウイルス由来の1つ以上のタンパク質を含む。それらは一般に非病原性であり、複製せず、一般にいかなる天然のウイルスゲノムも含まない。ウイルスタンパク質は、組み換えによって産生されてよく、または、全ウイルスから単離されてよい。ビロゾームまたはVLPへの使用に適したこれらのウイルスタンパク質は、インフルエンザウイルス(例えばHAまたはNA)、B型肝炎ウイルス(例えばコアタンパク質またはカプシドタンパク質)、E型肝炎ウイルス、麻疹ウイルス、シンドビスウイルス、ロタウイルス、口蹄疫ウイルス、レトロウイルス、ノーウォークウイルス、ヒトパピローマウイルス、HIV、RNAファージ、Qβファージ(例えば外殻タンパク質)、GAファージ、fr‐ファージ、AP205ファージ、およびTy(例えばレトロトランスポゾンTyタンパク質p1)から得られたタンパク質を含む。VLPは参考文献70〜75でさらに論じられている。ビロゾームは、例えば参考文献76でさらに論じられている。
E.細菌誘導体または微生物誘導体
本発明において使用するのに適したアジュバントは、細菌誘導体または微生物誘導体、例えば腸内細菌のリポ多糖(LPS)の非毒性誘導体、リピドA誘導体、免疫刺激性オリゴヌクレオチド、およびADP‐リボシル化毒素、ならびにこれらの無毒化誘導体を含む。
LPSの非毒性誘導体は、モノホスホリルリピドA(MPL)および3‐O‐デアシル化MPL(3dMPL)を含む。3dMPLは、3デ‐O‐アシル化モノホスホリルリピドAと、4、5、または6つのアシル化鎖の混合体である。好ましい“小粒子”形態の3デ‐O‐アシル化モノホスホリルリピドAは参考文献77に開示されている。そのような“小粒子”の3dMPLは、0.22μmメンブレンで滅菌濾過するのに十分な小ささである[77]。その他の非毒性LPS誘導体は、モノホスホリルリピドA模倣体、例えばアミノアルキルグルコサミニドホスファート誘導体、例えばRC‐529を含む[78、79]。
リピドA誘導体は、OM‐174のような大腸菌由来のリピドAの誘導体を含む。OM‐174は、例えば参考文献80および81で説明されている。
本発明においてアジュバントとして使用するのに適した免疫刺激性オリゴヌクレオチドは、CpGモチーフを含むヌクレオチド配列(リン酸結合によってグアノシンに結合した非メチル化シトシンを含むジヌクレオチド配列)を含む。回文配列またはポリ(dG)配列を含む二本鎖RNAおよびオリゴヌクレオチドも免疫刺激性であることが示されている。
CpGは、ヌクレオチド修飾/アナログ、例えばホスホロチオアート修飾を含むことができ、二本鎖または一本鎖でありうる。参考文献82、83、および84は、可能なアナログ置換、例えば2’‐デオキシ‐7‐デアザグアノシンによるグアノシンの置換を開示している。CpGオリゴヌクレオチドのアジュバント効果は参考文献85〜90でさらに論じられている。
CpG配列は、モチーフGTCGTTまたはTTCGTT等のTLR9を標的としてよい[91]。CpG配列は、CpG‐A ODNのようにTh1免疫応答の誘発に特異的であってよい、またはCpG‐B ODNのようにB細胞応答の誘発により特異的であってもよい。CpG‐AおよびCpG‐B ODNは参考文献92〜94で論じられている。好ましくは、CpGはCpG‐A ODNである。
好ましくは、CpGオリゴヌクレオチドは、5’末端が受容体認識に利用可能となるように構築される。場合により、2つのCpGオリゴヌクレオチド配列がそれらの3’末端で結合して、“イムノマー”を形成してもよい。例えば、参考文献91および95〜97を参照されたい。
その他の免疫刺激性オリゴヌクレオチドには、二本鎖RNA、または回文配列を含むオリゴヌクレオチド、またはポリ(dG)配列を含むオリゴヌクレオチドが含まれる。
細菌性ADP‐リボシル化毒素およびその無毒化誘導体が、本発明においてアジュバントとして用いられてよい。好ましくは、タンパク質は大腸菌(大腸菌易熱性エンテロトキシン“LT”)、コレラ(“CT”)、または百日咳(“PT”)由来である。無毒化ADP‐リボシル化毒素の、粘膜アジュバントとしての使用は参考文献98で、非経口アジュバントとしての使用は参考文献99で説明されている。毒素またはトキソイドは好ましくは、ホロトキシンの形態であり、AおよびBサブユニットの両方を有する。好ましくは、Aサブユニットは無毒化変異を有し、好ましくは、Bサブユニットは変異していない。好ましくは、アジュバントは無毒化LT変異体、例えばLT‐K63、LT‐R72、およびLT‐G192である。ADP‐リボシル化毒素およびその無毒化誘導体、特にLT‐K63およびLT‐R72のアジュバントとしての使用は、参考文献100〜107に認められる。アミノ酸置換の数に関する言及は、好ましくは参考文献108で説明されるADP‐リボシル化毒素のAおよびBサブユニットのアラインメントに基づいている。
参考文献109で定められているように、式I、II、またはIIIの化合物
Figure 2010500399
、およびこれらの塩もアジュバントとして使用されてよく、例えば‘ER803058’、‘ER803732’、‘ER804053’、‘ER804058’、‘ER804059’、‘ER804442’、‘ER804680’、‘ER804764’、‘ER803022’、または‘ER804057’、例として、
Figure 2010500399
がある。
F.ヒト免疫調節物質
本発明においてアジュバントとして使用するのに適したヒト免疫調節物質には、サイトカイン、例えばインターロイキン(例えば、IL‐1、IL‐2、IL‐4、IL‐5、IL‐6、IL‐7、IL‐12[110]等)[111]、インターフェロン(例えば、インターフェロン‐γ)、マクロファージコロニー刺激因子、腫瘍壊死因子、ならびにマクロファージ炎症性タンパク質1α(MIP‐1α)およびMIP‐1β[112]が含まれる。
G.生体接着物質および粘膜付着物質
生体接着物質および粘膜付着物質も本発明においてアジュバントとして使用されてよい。好適な生体接着物質には、エステル化ヒアルロン酸ミクロスフェア[113]または粘膜付着物質、例えばポリ(アクリル酸)、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、多糖、およびカルボキシメチルセルロースの架橋誘導体が含まれる。キトサンおよびその誘導体も本発明においてアジュバントとして使用されてよい[114]。
H.ミクロ粒子
ミクロ粒子も本発明においてアジュバントとして使用されてよい。生体分解性で無毒の材料(例えば、ポリ(α‐ヒドロキシ酸)、ポリヒドロキシブチル酸、ポリオルトエステル、ポリ酸無水物、ポリカプロラクトン等)と、ポリ(ラクチド‐co‐グリコリド)から形成されたミクロ粒子(すなわち、直径が〜100nmから〜150μm、より好ましくは直径が〜200nmから〜30μm、最も好ましくは直径が〜500nmから〜10μmの粒子)が好ましく、場合により負に帯電した表面(例えば、SDSで)または正に帯電した表面(例えば、カチオン性界面活性剤、例えばCTABで)を持つよう処理される。
I.リポソーム(参考文献53の第13および第14章)
アジュバントとしての使用に適したリポソーム製剤の例は、参考文献115〜117で説明されている。
J.ポリオキシエチレンエーテルおよびポリオキシエチレンエステル製剤
本発明での使用に適したアジュバントには、ポリオキシエチレンエーテルおよびポリオキシエチレンエステルが含まれる[118]。そのような製剤は、オクトキシノールとの組み合わせたポリオキシエチレンソルビタンエステル界面活性剤[119]のみならず、少なくとも1つの追加の非イオン界面活性剤、例えばオクトキシノールとの組み合わせのポリオキシエチレンアルキルエーテルまたはエステル界面活性剤[120]をさらに含む。好ましいポリオキシエチレンエーテルは、以下の群から選択される:ポリオキシエチレン‐9‐ラウリルエーテル(laureth9)、ポリオキシエチレン‐9‐ステアリルエーテル、ポリオキシエチレン‐8‐ステアリルエーテル、ポリオキシエチレン‐4‐ラウリルエーテル、ポリオキシエチレン‐35‐ラウリルエーテル、およびポリオキシエチレン‐23‐ラウリルエーテル。
K.ホスファゼン、例えばPCPP
ホスファゼンアジュバントは、例えば参考文献121および122で説明されるようなポリ[ジ(カルボキシラトフェノキシ)ホスファゼン](“PCPP”)を含む。
L.ムラミルペプチド
本発明においてアジュバントとして使用するのに適したムラミルペプチドの例には、N‐アセチル‐ムラミル‐L‐トレオニル‐D‐イソグルタミン(thr‐MDP)、N‐アセチル‐ノルムラミル‐L‐アラニル‐D‐イソグルタミン(nor‐MDP)、およびN‐アセチルムラミル‐L‐アラニル‐D‐イソグルタミニル‐L‐アラニン‐2‐(1’‐2’‐ジパルミトイル‐sn‐グリセロ‐3‐ヒドロキシホスホリルオキシ)‐エチルアミン MTP‐PEが含まれる。
M.イミダゾキノリン化合物
イミダゾキノリンアジュバントは、イミキモド(“R‐837”)[123、124]、レシキモド(“R‐848”)[125]、およびこれらのアナログ、ならびにこれらの塩(例えば、塩酸塩)を含む。免疫刺激性イミダゾキノリンの詳細は、参考文献126〜130に認められる。
N.チオセミカルバゾン化合物
本発明においてアジュバントとして使用するのに適した、チオセミカルバゾン化合物の例だけでなく、化合物の処方、製造、およびスクリーニング方法には、参考文献131で説明されているものが含まれる。チオセミカルバゾンは、ヒト末梢血液中の単核球を刺激して、サイトカイン、例えばTNF‐αを産生させるのに特に効果的である。
O.トリプタントリン化合物
本発明においてアジュバントとして使用するのに適した、トリプタントリン化合物の例だけでなく、化合物の処方、製造、およびスクリーニング方法には、参考文献132で説明されているものが含まれる。トリプタントリン化合物は、ヒト末梢血液中の単核球を刺激して、サイトカイン、例えばTNF‐αを産生させるのに特に効果的である。
P.ヌクレオシドアナログ
各種のヌクレオシドアナログがアジュバントとして使用されうる、例えば(a)イサトリビン(ANA‐245、7‐チア‐8‐オキソグアノシン):
Figure 2010500399
およびそのプロドラッグ、(b)ANA975、(c)ANA‐025‐1、(d)ANA380、(e)参考文献133〜135に開示の化合物、(f)式
Figure 2010500399
を有する化合物であって、
式中、
およびRは、それぞれ独立してH、ハロゲン、‐NR、‐OH、C1〜6アルコキシ、置換C1〜6アルコキシ、ヘテロシクリル、置換へテロシクリル、C6〜10アリール、置換C6〜10アリール、C1〜6アルキル、または置換C1〜6アルキルであり、
は、非存在、H、C1〜6アルキル、置換C1〜6アルキル、C6〜10アリール、置換C6〜10アリール、ヘテロシクリル、または置換へテロシクリルであり、
およびRは、それぞれ独立してH、ハロゲン、ヘテロシクリル、置換へテロシクリル、‐C(O)‐R、C1〜6アルキル、置換C1〜6アルキルである、または一緒に結合してR4〜5
Figure 2010500399
のような5員環を形成し、
結合は
Figure 2010500399
で示される化学結合で達成されており、
およびXは、それぞれ独立してN、C、O、またはSであり、
は、H、ハロゲン、‐OH、C1〜6アルキル、C2〜6アルケニル、C2〜6アルキニル、‐OH、‐NR、‐(CH‐O‐R、‐O‐(C1〜6アルキル)、‐S(O)、または‐C(O)‐Rであり、
は、H、C1〜6アルキル、置換C1〜6アルキル、ヘテロシクリル、置換へテロシクリル、またはR9aであり、ここでR9a
Figure 2010500399
であり、結合は
Figure 2010500399
で示される化学結合で達成されており、
10およびR11は、それぞれ独立してH、ハロゲン、C1〜6アルコキシ、置換C1〜6アルコキシ、‐NR、または‐OHであり、
各RおよびRは独立して、H、C1〜6アルキル、置換C1〜6アルキル、‐C(O)‐R、C6〜10アリールであり、
各Rは独立して、H、ホスファート、ジホスファート、トリホスファート、C1〜6アルキル、または置換C1〜6アルキルであり、
各Rは独立して、H、ハロゲン、C1〜6アルキル、置換C1〜6アルキル、C1〜6アルコキシ、置換C1〜6アルコキシ、‐NH、‐NH(C1〜6アルキル)、‐NH(置換C1〜6アルキル)、‐N(C1〜6アルキル)、‐N(置換C1〜6アルキル)、C6〜10アリール、またはヘテロシクリルであり、
各Rは独立して、H、C1〜6アルキル、置換C1〜6アルキル、C6〜10アリール、置換C6〜10アリール、ヘテロシクリル、または置換へテロシクリルであり、
各Rは独立して、H、C1〜6アルキル、置換C1〜6アルキル、‐C(O)‐R、ホスファート、ジホスファート、またはトリホスファートであり、
各nは独立して、0、1、2、または3であり、
各pは独立して、0、1、または2である、あるいは、
(g)(a)〜(f)のいずれかの薬学的に許容される塩、(a)〜(f)のいずれかの互変異性体、または互変異性体の薬学的に許容される塩である。
Q.リン酸含有非環式骨格に結合した脂質
リン酸含有非環式骨格に結合した脂質を含むアジュバントは、TLR4アンタゴニストE5564[136、137]:
Figure 2010500399
を含む。
R.小分子免疫増強物質(SMIP)
SMIPは、
・N2‐メチル‐1‐(2‐メチルプロピル)‐1H‐イミダゾ[4,5‐c]キノリン‐2,4‐ジアミン、
・N2,N2‐ジメチル‐1‐(2‐メチルプロピル)‐1H‐イミダゾ[4,5‐c]キノリン‐2,4‐ジアミン、
・N2‐エチル‐N2‐メチル‐1‐(2‐メチルプロピル)‐1H‐イミダゾ[4,5‐c]キノリン‐2,4‐ジアミン、
・N2‐メチル‐1‐(2‐メチルプロピル)‐N2‐プロピル‐1H‐イミダゾ[4,5‐c]キノリン‐2,4‐ジアミン、
・1‐(2‐メチルプロピル)‐N2‐プロピル‐1H‐イミダゾ[4,5‐c]キノリン‐2,4‐ジアミン、
・N2‐ブチル‐1‐(2‐メチルプロピル)‐1H‐イミダゾ[4,5‐c]キノリン‐2,4‐ジアミン、
・N2‐ブチル‐N2‐メチル‐1‐(2‐メチルプロピル)‐1H‐イミダゾ[4,5‐c]キノリン‐2,4‐ジアミン、
・N2‐メチル‐1‐(2‐メチルプロピル)‐N2‐ペンチル‐1H‐イミダゾ[4,5‐c]キノリン‐2,4‐ジアミン、
・N2‐メチル‐1‐(2‐メチルプロピル)‐N2‐プロプ‐2‐エニル‐1H‐イミダゾ[4,5‐c]キノリン‐2,4‐ジアミン、
・1‐(2‐メチルプロピル)‐2‐[(フェニルメチル)チオ]‐1H‐イミダゾ[4,5‐c]キノリン‐4‐アミン、
・1‐(2‐メチルプロピル)‐2‐(プロピルチオ)‐1H‐イミダゾ[4,5‐c]キノリン‐4‐アミン、
・2‐[[4‐アミノ‐1‐(2‐メチルプロピル)‐1H‐イミダゾ[4,5‐c]キノリン‐2‐イル](メチル)アミノ]エタノール、
・2‐[[4‐アミノ‐1‐(2‐メチルプロピル)‐1H‐イミダゾ[4,5‐c]キノリン‐2‐イル](メチル)アミノ]エチルアセタート、
・4‐アミノ‐1‐(2‐メチルプロピル)‐1,3‐ジヒドロ‐2H‐イミダゾ[4,5‐c]キノリン‐2‐オン、
・N2‐ブチル‐1‐(2‐メチルプロピル)‐N4,N4‐ビス(フェニルメチル)‐1H‐イミダゾ[4,5‐c]キノリン‐2,4‐ジアミン、
・N2‐ブチル‐N2‐メチル‐1‐(2‐メチルプロピル)‐N4,N4‐ビス(フェニルメチル)‐1H‐イミダゾ[4,5‐c]キノリン‐2,4‐ジアミン、
・N2‐メチル‐1‐(2‐メチルプロピル)‐N4,N4‐ビス(フェニルメチル)‐1H‐イミダゾ[4,5‐c]キノリン‐2,4‐ジアミン、
・N2,N2‐ジメチル‐1‐(2‐メチルプロピル)‐N4,N4‐ビス(フェニルメチル)‐1H‐イミダゾ[4,5‐c]キノリン‐2,4‐ジアミン、
・1‐{4‐アミノ‐2‐[メチル(プロピル)アミノ]‐1H‐イミダゾ[4,5‐c]キノリン‐1‐イル}‐2‐メチルプロパン‐2‐オール、
・1‐[4‐アミノ‐2‐(プロピルアミノ)‐1H‐イミダゾ[4,5‐c]キノリン‐1‐イル]‐2‐メチルプロパン‐2‐オール、
・N4,N4‐ジベンジル‐1‐(2‐メトキシ‐2‐メチルプロピル)‐N2‐プロピル‐1H‐イミダゾ[4,5‐c]キノリン‐2,4‐ジアミン、を含む。
S.プロテオソーム
アジュバントの1つは、第2のグラム陰性細菌から得られたリポサッカライド製剤と組み合わせて第1のグラム陰性細菌から調製された外膜タンパク質プロテオソーム製剤であり、この外膜タンパク質プロテオソームおよびリポサッカライド製剤は、安定した非共有結合性アジュバント複合体を形成する。そのような複合体には“IVX‐908”が含まれ、これは髄膜炎菌の外膜およびリポ多糖からなる複合体である。これらは、インフルエンザワクチンにアジュバントとして用いられている[138]。
T.その他のアジュバント
免疫刺激剤として作用するその他の物質は、参考文献53および58に開示されている。さらなる有用なアジュバント物質には以下が含まれるがこれらに限定されない:
・メチルイノシン5’モノホスファート(“MIMP”)[139]。
・ポリヒドロキシル化ピロリジジン化合物[140]、例えば、式
Figure 2010500399
を有するものであって、
式中、Rは、水素、直鎖もしくは分岐、非置換または置換、飽和もしくは不飽和のアシル、アルキル(例えば、シクロアルキル)、アルケニル、アルキニル、およびアリール基、またはこれらの薬学的に許容される塩もしくは誘導体からなる群から選択される。例には、カスアリン、カスアリン‐6‐α‐D‐グルコピラノース、3‐epi‐カスアリン、7‐epi‐カスアリン、3,7‐diepi‐カスアリン等が含まれるがこれらに限定されない。
・ガンマイヌリン[141]またはその誘導体、例えばアルガムリン。
・参考文献142に開示の化合物。
・参考文献143に開示の化合物であり、アシルピペラジン化合物、インドールジオン化合物、テトラヒドロイソキノリン(THIQ)化合物、ベンゾシクロジオン化合物、アミノアザビニル化合物、アミノベンズイミダゾールキノリノン(ABIQ)化合物[144、145]、ヒドロフタルイミド化合物、ベンゾフェノン化合物、イソオキサゾール化合物、ステロール化合物、キナゾリノン化合物、ピロール化合物[146]、アントラキノン化合物、キノキサリン化合物、トリアジン化合物、ピラゾロピリミジン化合物、およびベンザゾール化合物[147]が含まれる。
・ロキソリビン(7‐アリル‐8‐オキソグアノシン)[148]。
・カチオン性脂質および(通常は中性の)コリピッドの製剤、例えばアミノプロピル‐ジメチル‐ミリストレイルオキシ‐プロパンアミニウムブロミド‐ジフィタノイルホスファチジル‐エタノールアミン(“Vaxfectin(登録商標)”)またはアミノプロピル‐ジメチル‐ビス‐ドデシルオキシ‐プロパンアミニウムブロミド‐ジオレオイルホスファチジル‐エタノールアミン(“GAP‐DLRIE:DOPE”)である。(±)‐N‐(3‐アミノプロピル)‐N,N‐ジメチル‐2,3‐ビス(syn‐9‐テトラデセネイルオキシ)‐1‐プロパンアミニウム塩を含む製剤が好ましい[149]。
本発明は、上記で定めたアジュバントの1つ以上の組み合わせも含んでよい。例えば、以下の組み合わせが本発明においてアジュバント組成物として用いられてよい:(1)サポニンおよび水中油型エマルション[150]、(2)サポニン(例えば、QS21)+非毒性LPS誘導体(例えば、3dMPL)[151]、(3)サポニン(例えば、QS21)+非毒性LPS誘導体(例えば、3dMPL)+コレステロール、(4)サポニン(例えば、QS21)+3dMPL+IL‐12(場合により+ステロール)[152]、(5)3dMPLと、例えばQS21および/または水中油型エマルションの組み合わせ[153]、(6)10%スクアラン、0.4%Tween80(登録商標)、5%プルロニックブロック重合体L121、およびthr‐MDPを含有するSAFであって、ミクロフルイダイザーでサブミクロンエマルションにしたもの、またはボルテックスにかけてより大きな粒子サイズのエマルションを調製したもののいずれか、(7)2%スクアレン、0.2%Tween80、ならびにモノホスホリルリピドA(MPL)、トレハロースジミコラート(TDM)、および細胞壁骨格(CWS)からなる群由来の1つ以上の細菌細胞壁成分を含むRibi(登録商標)アジュバント系(RAS)(Ribi Immunochem)、好ましくはMPL+CWS(Detox(登録商標)、(8)1つ以上のミネラル塩(例えばアルミニウム塩)+LPSの非毒性誘導体(例えば3dMPL)、および(9)1つ以上のミネラル塩(例えばアルミニウム塩)+免疫刺激性オリゴヌクレオチド(例えばCpGモチーフを含むヌクレオチド配列)。
本発明の組成物は、尿路病原性感染症に効果的に対処するために、好ましくは細胞性免疫応答だけでなく体液性免疫応答の両方を誘発する。この免疫応答は好ましくは、長期持続性(例えば、中和)抗体およびUPEC関連抗原への曝露の際に迅速に反応しうる細胞性免疫を誘発する。
2種類のT細胞、CD4およびCD8細胞は、一般に細胞性免疫および体液性免疫を開始および/または増強するのに必要であると考えられている。CD8T細胞は、CD8コレセプターを発現でき、一般に細胞傷害性Tリンパ球(CTL)と呼ばれる。CD8T細胞は、MHCクラスI分子上に提示された抗原を認識できる、またはその抗原と相互作用可能である。CD4T細胞は、CD4コレセプターを発現でき、一般にヘルパーT細胞と呼ばれる。CD4T細胞は、MHCクラスII分子に結合した抗原ペプチドを認識する能力を持つ。CD4細胞はMHCクラスII分子との相互作用の際に、サイトカインなどの因子を分泌しうる。これらの分泌サイトカインは、B細胞、細胞傷害性T細胞、マクロファージ、および免疫応答に関与するその他の細胞を活性化できる。ヘルパーT細胞またはCD4細胞は、2つの機能的に異なるサブセットにさらに分類されうる:サイトカインおよびエフェクター機能が異なるTH1フェノタイプおよびTH2フェノタイプである。
活性化TH1細胞は、細胞性免疫を増強し(抗原特異的CTL産生の増加を含む)、従って細胞内感染への応答において特に有用である。活性化TH1細胞は、IL‐2、IFN‐γ、およびTNF‐βの1つ以上を分泌してよい。TH1免疫応答は、マクロファージ、NK(ナチュラルキラー)細胞、およびCD8細胞傷害性T細胞(CTL)を活性化することによって局所的な炎症性反応をもたらしてよい。TH1免疫応答は、IL‐12によってB細胞およびT細胞の増殖を刺激することにより免疫応答を拡大するように作用してもよい。TH1によって刺激されたB細胞はIgG2aを分泌してよい。
活性化TH2細胞は、抗体産生を増強し、従って細胞外感染への応答において特に有用である。活性化TH2細胞は、IL‐4、IL‐5、IL‐6、およびIL‐10の1つ以上を分泌してよい。TH2免疫応答は、さらなる防御のためIgG1、IgE、IgA、および記憶B細胞の産生をもたらしてよい。
増強された免疫応答は、増強されたTH1免疫応答およびTH2免疫応答の1つ以上を含んでよい。増強されたTH1免疫応答は、CTLの増加、TH1免疫応答に関与するサイトカイン(例えば、IL‐2、IFN‐γ、およびTNF‐β)の1つ以上の増加、活性化マクロファージの増加、NK活性の増加、またはIgG2aの産生の増加のうちの1つ以上を含んでよい。好ましくは、増強されたTH1免疫応答は、IgG2a産生の増加を含む。増強されたTH2免疫応答は、TH2免疫応答に関与するサイトカイン(例えば、IL‐4、IL‐5、IL‐6、およびIL‐10)の1つ以上の増加、またはIgG1、IgE、IgA、および記憶B細胞の産生の増加のうちの1つ以上を含んでよい。好ましくは、増強されたTH2免疫応答は、IgG1産生の増加を含む。
TH1免疫応答は、TH1アジュバントを使用して誘発されてよい。TH1アジュバントは一般に、アジュバントなしでの抗原の免疫付与と比較して、IgG2a産生レベルの増加を誘発することになる。本発明において使用するのに適したTH1アジュバントは、例えばサポニン製剤、ビロゾームおよびウイルス様粒子、腸内細菌のリポ多糖(LPS)の非毒性誘導体、免疫刺激性オリゴヌクレオチドを含んでよい。免疫刺激性オリゴヌクレオチド、例えばCpGモチーフを含むオリゴヌクレオチドは、本発明で使用するのに好ましいTH1アジュバントである。
TH2免疫応答は、TH2アジュバントを使用して誘発されてよい。TH2アジュバントは一般に、アジュバントなしでの抗原の免疫付与と比較して、IgG1産生レベルの増加を誘発することになる。本発明において使用するのに適したTH2アジュバントは、例えば、ミネラル含有組成物、油エマルション、ならびにADP‐リボシル化毒素およびその無毒化誘導体を含む。ミネラル含有組成物、例えばアルミニウム塩は、本発明で使用するのに好ましいTH2アジュバントである。
好ましくは、本発明は、TH1アジュバントとTH2アジュバントの組み合わせを有する組成物を含む。好ましくは、そのような組成物は、増強されたTH1および増強されたTH2応答、すなわちアジュバントなしでの免疫付与と比較して、IgG1およびIgG2a両方の産生の増加を誘発する。さらにより好ましくは、TH1およびTH2アジュバントの組み合わせを有する組成物は、単独のアジュバントでの免疫付与と比較して(すなわち、TH1アジュバント単独での免疫付与またはTH2アジュバント単独での免疫付与と比較して)、TH1免疫応答の増加および/またはTH2免疫応答の増加を誘発する。
免疫応答は、TH1免疫応答およびTH2応答のうちの1つまたは両方であってよい。好ましくは、免疫応答は、増強されたTH1応答および増強されたTH2応答のうちの1つまたは両方をもたらす。
増強された免疫応答は、全身性免疫応答および粘膜性免疫応答のうちの1つまたは両方であってよい。好ましくは、免疫応答は、増強された全身性免疫応答および増強された粘膜性免疫応答のうちの1つまたは両方をもたらす。好ましくは、粘膜性免疫応答はTH2免疫応答である。好ましくは、粘膜性免疫応答はIgA産生の増加を含む。
水酸化アルミニウムまたはリン酸アルミニウムアジュバントの使用は特に好ましく、抗原は一般にこれらの塩に吸着される。
本発明の組成物のpHは好ましくは6〜8の間であり、好ましくは約7である。緩衝液の使用によって安定したpHが維持されてよい。組成物が水酸化アルミニウム塩を有する場合は、ヒスチジン緩衝剤を使用するのが好ましい[154]。組成物は滅菌済みおよび/またはパイロジェンフリーであってよい。本発明の組成物は、ヒトに対して等張である。
組成物は、バイアルで提供されてよく、または充填済みシリンジで提供されてよい。シリンジは針あり、または針なしで供給されてよい。シリンジが単回用量の組成物を含む一方で、バイアルは単回用量または複数回用量を含んでよい。注射用組成物は、通常は溶液または懸濁液である。あるいは、注射用組成物は、注射の前に、液体溶媒中の溶液または懸濁液用に、固形(例えば、フリーズドライ)の状態で提供されてよい。
本発明の組成物は、単位用量形態または複数回用量形態に包装されてよい。複数回用量形態では、プレフィルドシリンジよりもバイアルが好ましい。効果的な投薬量は日常的に設定されうるが、注射用の組成物の典型的なヒト用の用量は0.5ml量である。
本発明の組成物が使用前に用時調製され(例えば、成分が凍結乾燥形態で提供される場合)、キットとして提供される場合、このキットは2つのバイアルを有していてよく、またはこのキットは1つの充填済みシリンジおよび1つのバイアルを有していてよく、このシリンジの内容物は、注射の前にバイアルの内容物を再活性化するために用いられる。
故に、本発明は、第1の成分および第2の成分を有するキットを提供し、第1の成分は1つ以上の本発明のポリペプチド、抗体、ベシクル、および/または核酸を有し、第2の成分は、組成物を患者に投与するための使用説明書、シリンジまたはその他の送達用器具、アジュバント、および/または薬学的に許容される調製用溶液のうちの1つ以上を有する。
本発明は、本発明の免疫原性組成物が予め充填された送達用器具(例えば、シリンジ)も提供する。
ワクチンとして用いられる免疫原性組成物は、免疫学的に効果的な量の1つ以上の抗原、および必要であれば任意のその他の成分を有する。‘免疫学的に効果的な量’とは、その量を、単回投与または一連の投与の一部としてのいずれかで個体に投与すると、治療または予防に効果的であることを意味する。この量は、治療を受ける個体の健康状態および身体状態、年齢、治療を受ける個体の分類群(例えば、ヒト以外の霊長類、霊長類等)、合成抗体に対する個体の免疫系のキャパシティ、所望の防御レベル、ワクチンの調製、治療担当医師による医学的状態の評価、ならびにその他の関連因子に応じて変化する。この量は、日常的な試験によって決定されうる比較的幅広い範囲に含まれることが予想され、1ドーズ当たりの各抗原の典型的な量は、抗原当たり0.1μgから1mgの間である。
核酸による免疫付与
上述の免疫原性組成物は、UPEC由来のポリペプチド抗原を含む。本発明の免疫原性組成物におけるタンパク質抗原の使用に代わるものとして、核酸による免疫付与に基づく組成物、方法、および使用をもたらすために、抗原をコードする核酸(好ましくはDNA、例えばプラスミドの形態で)が用いられてよい。核酸による免疫付与は今や発展した分野であり(例えば、参考文献155〜162等を参照)、多くのワクチンに応用されている。
免疫原をコードする核酸は、患者へ送達された後in vivoで発現され、発現された免疫原は免疫系を刺激する。活性成分は典型的に、(i)プロモーター、(ii)プロモーターに操作可能に連結された、免疫原をコードする配列、および場合により(iii)選択可能なマーカーを有する核酸ベクターの形態をとる。好ましいベクターは、(iv)複製開始点、および(v)(ii)の下流で(ii)に操作可能に連結された転写ターミネータをさらに有する。一般に、(i)および(v)は真核生物のものであり、(iii)および(iv)は原核生物のものである。
好ましいプロモーターは、例えばサイトメガロウイルス(CMV)由来のウイルス性プロモーターである。ベクターは、プロモーターに加えて、プロモーターと機能的に相互作用する転写調節配列(例えば、エンハンサー)も含んでよい。好ましいベクターは、前初期CMVエンハンサー/プロモーターを含み、より好ましいベクターはCMVイントロンAも含む。プロモーターは、免疫原をコードする配列の発現がこのプロモーターによって制御されるように、免疫原をコードする下流配列と操作可能に連結される。
マーカーが用いられる場合、マーカーは好ましくは微生物宿主中(例えば、原核生物中、細菌中、酵母中)で機能する。マーカーは好ましくは、原核生物の選択可能なマーカーである(例えば、原核生物プロモーターの制御下で転写されたもの)。便宜上、典型的なマーカーは抗生物質抵抗性遺伝子である。
本発明のベクターは、好ましくは自己複製エピソーム性または染色体外ベクター、例えばプラスミドである。
本発明のベクターは、好ましくは複製開始点を有する。この複製開始点が、原核生物において活性であるが、真核生物では活性でないことが好ましい。
故に、好ましいベクターは、ベクター選択のための原核生物マーカー、原核生物複製開始点を有するが、免疫原をコードする配列の転写を誘導するための真核生物プロモーターは含まない。したがって、ベクターは(a)ポリペプチド発現なしに原核生物宿主中で増幅され選択されるが(b)増幅されずに真核生物宿主中で発現される。核酸免疫付与ベクターにとってこのアレンジは理想的である。
本発明のベクターは、コード化配列の下流の真核生物の転写ターミネータ配列を有していてよい。これによって転写レベルが増強されうる。コード化配列が自らのものを持たない場合は、本発明のベクターは、好ましくはポリアデニル化配列を有する。好ましいポリアデニル化配列はウシ成長ホルモン由来である。
本発明のベクターは複数のクローニングサイトを有していてよい。
免疫原およびマーカーをコードする配列に加えて、ベクターは第2の真核生物のコード化配列を有していてよい。免疫原と同じ転写物からの第2の真核生物のポリペプチドの翻訳を可能にするために、ベクターは、前述の第2の配列の上流にIRESも有していてよい。あるいは、免疫原をコードする配列は、IRESの下流にあってもよい。
本発明のベクターは、非メチル化CpGモチーフ、例えば2つの5’側のプリンおよび2つの3’側のピリミジンが隣接する、グアノシンに先行するシトシンを共通して有する非メチル化DNA配列を有していてよい。それらの非メチル化形態では、これらのDNAモチーフは複数種の免疫細胞の強力な刺激物質であることが示されている。
ベクターは、標的化方式で送達されてよい。レセプター介在DNA治療法は、例えば参考文献163〜168で説明されている。遺伝子治療プロトコールにおける局所投与では、核酸を含有する治療用組成物は、約100ng〜約200mgのDNAの範囲で投与される。約500ng〜約50mg、約1μg〜約2mg、約5μg〜約500μg、および約20μg〜約100μgのDNAの範囲の濃度も遺伝子治療プロトコールにおいて使用されうる。作用の方法(例えば、コード化された遺伝子産物レベルを増強するまたは抑制するための)および形質転換および発現の有鉤性等の因子は、最終的な有効性に必要となる用量に影響を与えることになる検討事項である。幅広い組織の範囲にわたってより高い発現が望ましい場合、より多量のベクターもしくは一連の投与プロトコールにおいて再投与される同じ量、または異なる隣接または近接する組織部分への複数回の投与が、好ましい治療結果を達成するために必要となる場合がある。全ての場合において、臨床試験における日常的な実験によって、最適な治療効果のための特定の範囲が決定されるであろう。
遺伝子送達担体を使用してベクターが送達されうる。遺伝子送達担体は、ウイルスが起源またはウイルス以外が起源のものでありうる(概して、参考文献169〜172を参照)。
所望の核酸の送達および所望の細胞中での発現のためのウイルス系ベクターは当分野で周知である。典型的なウイルス系担体には、遺伝子組み換えレトロウイルス(例えば、参考文献173〜183)、アルファウイルス系ベクター(例えば、シンドビスウイルスベクター、セムリキ森林ウイルス(ATCC VR‐67、ATCC VR−1247)、ロスリバーウイルス(ATCC VR‐373、ATCC VR‐1246)およびベネズエラウマ脳炎ウイルス(ATCC VR‐923、ATCC VR‐1250、ATCC VR‐1249、ATCC VR‐532)、これらのウイルスのハイブリッドまたはキメラも用いられてよく(例えば、米国特許出願公開第20030148262号、国際公開第WO02/099035号)、ポックスウイルスベクター(例えば、ワクチニア、鶏痘、カナリア痘、修飾ワクチニアA等)、アデノウイルスベクター、およびアデノ関連ウイルス(AAV)ベクター(例えば、参考文献184〜189参照)が含まれるがこれらに限定されない。死滅アデノウイルスに連結されたDNAの投与[190]も使用されうる。
非ウイルス性送達担体および方法も使用可能であり、死滅アデノウイルス単体に連結されたまたは連結されていないポリカチオン性の凝縮DNA[例えば、190]、リガンド連結DNA[191]、真核生物細胞の送達担体細胞[例えば、参考文献192〜196]、および核電荷の中和または細胞膜との融合が含まれるがこれらに限定されない。裸DNAも使用されうる。典型的な裸DNA導入方法は、参考文献197および198で説明されている。遺伝子送達担体として機能しうるリポソーム(例えば、イムノリポソーム)は参考文献199〜203で説明されている。さらなるアプローチは参考文献204および205で説明されている。
使用に適したさらなる非ウイルス性送達には、機械的送達系、例えば参考文献205で説明されるアプローチが含まれる。さらに、コード化配列およびその発現産物は、光重合ヒドロゲル材料の沈着または電離放射線の使用によって送達されうる[例えば、参考文献206および207]。コード化配列の送達に使用されうる、遺伝子送達のためのその他の従来の方法には、例えば手持ち式の遺伝子導入パーティクルガン[208]または導入された遺伝子を活性化するための電離放射線の使用[206および207]が含まれる。
PLG{ポリ(ラクチド‐co‐グリコリド)}ミクロ粒子を使用したDNAも送達は、例えば、負に帯電した表面(例えば、SDSでの処理)または正に帯電した表面(例えば、カチオン性界面活性剤、例えばCTABで処理)を持つよう場合により処理されるミクロ粒子への吸着によって特に好ましい方法である。
製薬学的用途
本発明は、治療上効果的な量の本発明の組成物を患者に投与するステップを含む、患者を治療する方法も提供する。患者は、患者自身が疾患による危険にさらされているか、または妊婦(‘母体免疫’[209])のいずれかであってよい。
本発明は、薬剤として(例えば、免疫原性組成物として、またはワクチンとして、または患者の治療法において)または診断用試薬として使用するための、本発明の核酸、ポリペプチド、ベシクル、または抗体を提供する。本発明は、(i)ExPEC細菌が引き起こす疾患および/または感染を治療または予防するための薬剤、(ii)ExPEC細菌に対して産生された抗体の存在を検出するための診断用試薬、および/または(iii)ExPEC細菌に対する抗体を産生させうる試薬の製造における、本発明の核酸、ポリペプチド、ベシクル、または抗体の使用も提供する。前述のExPEC細菌は、任意の血清型または株でありうる。好ましくは、ExPEC細菌はUPEC株である。
本発明は、菌血症、髄膜炎、尿路感染症、腎盂腎炎、および/または膀胱炎のような疾患の予防および/または治療に有用である。本発明は、尿路感染症の治療に特に有用である。
患者は好ましくはヒトである。ヒトは、好ましくは成人である(例えば、年齢が20歳〜55歳)。小児または青少年用のワクチンも、例えば安全性、用量、免疫原性等を評価するために成人に投与されてよい。女性患者は好ましいサブセットであり、年齢20歳〜55歳の性的活動期の女性は特に好ましい患者グループである。別の患者グループは12歳〜20歳の女性であり、特に予防的に使用される。
その他の可能な患畜には、ExPECの保有動物であってよいイヌが含まれる[210、211]。
治療の有効性をチェックする1つの方法は、本発明の組成物の投与後に感染をモニタリングするステップを伴う。予防的治療の有効性をチェックする1つの方法は、投与後に投与されたポリペプチドに対する免疫応答をモニタリングするステップを伴う。本発明の組成物の免疫原性は、被験者(例えば、12〜16ヶ月の幼児、または動物モデル、例えばマウスモデル)にそれらを投与した後で、IgGのELISA力価(GMT)を含む標準的なパラメーターを決定することによって判定されうる。これらの免疫応答は一般に、組成物の投与のおよそ4週間後に判定され、組成物の投与前に判定された値と比較される。2ドーズ以上の組成物が投与される場合、投与後判定は2回以上行われてよい。UTIの各種マウスモデルが利用可能である[例えば、参考文献212および213〜214]。
ポリペプチド抗原の投与は、免疫を誘導するのに好ましい治療方法である。本発明の抗体の投与は、別の好ましい治療方法である。この受動免疫の方法は、新生児または妊婦にとって特に有用である。この方法は典型的に、ヒト化されるまたは完全なヒトモノクローナル抗体を使用する。
本発明の組成物は一般に、患者に直接投与される。直接送達は、非経口注射によって(例えば、皮下、腹腔内、静脈内、筋肉内、または組織の間質腔へ)、または経直腸的、経口的(例えば、錠剤、スプレー)、経膣的、局所的、経皮的、鼻腔内、舌下、眼球、耳内、肺内、またはその他の粘膜投与によって行われてよい。大腿または上腕への筋肉内投与が好ましい。注射は、注射針(例えば、皮下注射針)を使用して行われてよいが、無針注射が代わりに用いられてもよい。典型的な筋肉内投与量は0.5mlである。
本発明は、全身性および/または粘膜性免疫を誘発するために用いられてよい。好ましくは、増強された全身性および/または粘膜性免疫は、増強されたTH1および/またはTH2免疫応答に反映される。好ましくは、増強された免疫応答は、IgG1および/またはIgG2aおよび/またはIgAの産生の増加を含む。
投薬治療は、単回投与スケジュールまたは複数回投与スケジュールでありうる。複数回投与は、初回免疫スケジュールにおいておよび/または追加免疫スケジュールにおいて用いられてよい。初回投与スケジュール後に、追加投与スケジュールが続いてよい。複数回投与スケジュールでは、同一または異なる経路、例えば非経口初回刺激および粘膜追加免疫、粘膜初回刺激および非経口追加免疫等によって各種用量が与えられてよい。初回刺激投与の間(例えば、4〜16週間の間)、および初回刺激と追加免疫の間の適当な時期は日常的に決定されうる。例えば、ワクチン接種の初回コースは、1〜10回の個別投与を含んでよく、この後に、免疫応答を維持するおよび/または強化するのに必要とされる次の時間間隔、例えば2回目の投与では1〜4ヶ月の時点において、また必要であれば数ヵ月後の追加単回投与または複数回投与において他の投与が行われる。単回投与スケジュールは、1回の投与または複数回の投与を有していてよい(まとめて単回投与スケジュール)。複数回投与スケジュールは複数回投与を含み、各投与は1回の投与または複数回の投与を含んでよい。
細菌感染は身体の各種部位を冒すため、組成物は各種形態に調製されてよい。例えば、組成物は、溶液または懸濁液のいずれかとして、注射液として調製されてよい。注射前に、液体担体中の溶液または懸濁液に適した固形も調製されうる(例えば、凍結乾燥またはスプレー‐フリーズドライ組成物)。組成物は、局所投与用、例えば軟膏剤、クリーム、または散剤として調製されてよい。組成物は、経口投与用、例えば錠剤もしくはカプセル剤、スプレー、またはシロップ剤(場合により香料が添加されたもの)として。組成物は、細顆粒またはスプレーを使用して、肺内投与用、例えば吸入剤として調製されてよい。組成物は、坐剤またはペッサリーとして調製されてよい。組成物は、経鼻的、耳内、または眼球投与用、例えばスプレー、点滴剤、ゲル、または散剤として調製されてよい[例えば、参考文献215および216]。組成物は、患者への投与の直前に複合組成物が再構成されるようにデザインされたキットの形態であってよい。そのようなキットは、液体の形態の1つ以上の抗原および1つ以上の凍結乾燥抗原を有していてよい。
本発明の組成物は、その他のワクチンと実質的に同じ時期(例えば、同一の診察時または医療専門家への訪問時)に、例えば麻疹ワクチン、流行性耳下腺炎ワクチン、風疹ワクチン、MMRワクチン、水痘ワクチン、MMRVワクチン、ジフテリアワクチン、破傷風ワクチン、百日咳ワクチン、DTPワクチン、インフルエンザ菌b型コンジュゲートワクチン、ヒトパピローマウイルスワクチン、不活化ポリオウイルスワクチン、B型肝炎ワクチン、肺炎球菌コンジュゲートワクチン、髄膜炎菌コンジュゲートワクチン等と実質的に同じ時期に患者に投与されてよい。同様に、本発明の組成物は、抗生物質、特にUPECに対して活性を持つ抗生物質化合物と実質的に同じ時期(例えば、同一の診察時または医療専門家への訪問時)に患者に投与されてよい。
本発明の組成物のさらなる抗原成分
本発明は、本発明のポリペプチドおよび1つ以上の下記のさらなる抗原を有する組成物も提供する:
‐髄膜炎菌血清型A株、C株、W135株、および/またはY株(好ましくは4つ全て)由来のサッカライド抗原、例えば血清型C株由来の参考文献217に開示のオリゴ糖[参考文献218も参照]または参考文献219のオリゴ糖。
‐髄膜炎菌血清型B株由来の抗原、例えば参考文献220〜228に開示のもの等。
‐肺炎球菌由来のサッカライド抗原[例えば、229、230、231]。
‐A型肝炎ウイルス由来の抗原、例えば不活化ウイルス[例えば、232、233]。
‐B型肝炎ウイルス由来の抗原、例えば表面および/またはコア抗原[例えば、233、234]。
‐C型肝炎ウイルス由来の抗原[例えば、235]。
‐HIV由来の抗原[236]。
‐ジフテリア抗原、例えばジフテリアトキソイド[例えば、参考文献237の第3章]、例えばCRM197変異体[例えば、238]。
‐破傷風抗原、例えば破傷風トキソイド[例えば、参考文献237の第4章]。
‐百日咳菌由来の抗原、例えば百日咳菌由来の百日咳ホロトキシン(PT)および線維状赤血球凝集素(FHA)、場合によりパータクチンおよび/または細胞凝集原2および3との組み合わせのもの[例えば、参考文献239および240]。
‐インフルエンザ菌B型由来のサッカライド抗原[例えば、218]。
‐1つ以上のポリオ抗原[例えば、241、242]、例えばIPV。
‐麻疹、流行性耳下腺炎、および/または風疹抗原[例えば、参考文献237の第9、10、および11章]。
‐水痘抗原。
‐1つ以上のインフルエンザ抗原[例えば、参考文献237の第19章]、例えばヘマグルチニンおよび/またはノイラミニダーゼ表面タンパク質。インフルエンザ抗原は、大流行間期の(年に1度の)インフルエンザ株由来であってよい。インフルエンザ抗原は、パンデミック流行を引き起こす可能性のある株(すなわち、現在出回っている株に存在するヘマグルチニンと比較して新たなヘマグルチニンを有するインフルエンザ株、または鳥検体において病原性を有し、ヒトの集団において水平伝播される可能性があるインフルエンザ株、またはヒトに対して病原性を持つインフルエンザ株)由来であってよい。インフルエンザ抗原は、鶏卵または細胞培養物中で増殖させたウイルス由来であってよい。
‐モラクセラ・カタラーリス由来の抗原[例えば、243]
‐ストレプトコッカス・アガラクティアエ(B群ストレプトコッカス)由来のサッカライド抗原。
‐ストレプトコッカス・アガラクティアエ(B群ストレプトコッカス)由来のタンパク質抗原[例えば、244〜249]。
‐淋菌由来の抗原[例えば、220〜222および250]。
‐クラミジア肺炎菌由来の抗原[例えば、参考文献251〜257]またはクラミジア肺炎菌由来の抗原の組み合わせ[例えば、258]。
‐クラミジア・トラコマチス由来の抗原、またはクラミジア・トラコマチス由来の抗原の組み合わせ[例えば、259]。
‐ポルフィロモナス・ジンジバリス由来の抗原[例えば、260]。
‐1つ以上の狂犬病抗原[例えば、261]、例えば凍結乾燥不活化ウイルス[例えば、262、RabAvert(登録商標)]。
‐パラミクソウイルス由来の1つ以上の抗原、例えば呼吸器合胞体ウイルス(RSV[263、264])および/またはパラインフルエンザウイルス(PIV3[265])。
‐炭疽菌由来の抗原[例えば、266、267、268]。
‐化膿性連鎖球菌(A群ストレプトコッカス)由来の抗原[例えば、245、269、270]。
‐黄色ブドウ球菌由来の抗原[例えば、271]。
‐フラビウイルス科(フラビウイルス属)に存在するウイルス由来の抗原、例えば黄熱病ウイルス、日本脳炎ウイルス、デング熱ウイルスの4つの血清型、ダニ媒介脳炎ウイルス、ウエスト・ナイル・ウイルス。
‐ペスチウイルス抗原、例えばブタコレラウイルス、牛ウイルス性下痢ウイルス、および/またはボーダー病ウイルス由来のもの。
‐パルボウイルス抗原、例えば、パルボウイルスB19由来のもの。
‐ヒトパピローマウイルス(HPV)抗原[272]。
組成物は、これらのさらなる抗原のうち1つ以上を含んでいてよい。
別の実施形態において、本発明の抗原は、泌尿生殖器疾患および/または性行為感染症から女性を防御するようにデザインされたワクチンにおいて使用するのに適した、1つ以上の追加の非大腸菌抗原と組み合わされる。例えば、抗原は、ストレプトコッカス・アガラクティアエ、クラミジア・トラコマチス、淋菌、パピローマウイルス、およびヘルペス単純ウイルスからなる群由来の抗原と組み合わされてよい。ヒトパピローマウイルス抗原が用いられる場合、それらはHPV16、HPV18、HPV6、および/またはHPV11株のうちの1つ以上の由来であってよい。
好ましい淋菌抗原は、ngs13(OmpA)、OmpH、ngs576(ペプチジル‐プロリルシス/トランスイソメラーゼ(PPIase)タンパク質)、ngs41、およびngs117のうちの1つ以上を含む。
好ましいHPV抗原は、HPV16、HPV18、HPV6、およびHPV11株由来の1つ以上を含む。
好ましいクラミジア・トラコマチス抗原は、参考文献273に開示されるような、CT045、CT089、CT242、CT316、CT381、CT396、CT398、CT444、CT467、CT547、CT587、CT823、CT761、およびこれらの抗原の特定の組み合わせのうちの1つ以上を含む。
好ましい肺炎クラミジア抗原は、参考文献274に開示されるような、CPn0324、Cpn0301、Cpn0482、Cpn0503、Cpn0525、Cpn0558、Cpn0584、Cpn0800、Cpn0979、Cpn0498、Cpn0300、Cpn0042、Cpn0013、Cpn450、Cpn0661、Cpn0557、Cpn0904、Clpn0795、Cpn0186、およびCpn0604、ならびにこれらの抗原の特定の組み合わせのうちの1つ以上を含む。
好ましいGBS抗原は、GBS80、GBS104、GBS59、GBS67、GBS322、およびGBS276のうちの1つ以上を含む。
別の実施形態において、本発明の抗原の組み合わせは、高齢者または免疫不全の個体を防御するようにデザインされたワクチンにおいて使用するのに適した1つ以上の追加のnon−ExPEC antigenと組み合わされる。例えば、抗原の組み合わせは、フェカリス菌、黄色ブドウ球菌、表皮ブドウ球菌、緑濃菌、在郷軍人病菌、リステリア菌、髄膜炎菌、インフルエンザ、およびパラインフルエンザウイルス(‘PIV’)からなる群由来の抗原と組み合わされてよい。
必要であれば、毒性タンパク質抗原は無毒化されてよい(例えば、化学的および/または遺伝学的手段による百日咳毒素の無毒化[240])。
ジフテリア抗原が組成物に添加される場合、破傷風抗原および百日咳抗原も加えるのが好ましい。同様に、破傷風抗原が添加される場合、ジフテリアおよび百日咳抗原も加えるのが好ましい。同様に、百日咳抗原が添加される場合、ジフテリアおよび破傷風抗原も加えるのが好ましい。故に、DTP混合が好ましい。
サッカライド抗原は、好ましくはコンジュゲートの形である。コンジュゲート用の担体タンパク質には、細菌毒素(例えばジフテリアトキソイドまたは破傷風トキソイド)、髄膜炎菌外膜タンパク質[275]、合成ペプチド[276、277]、熱ショックタンパク質[278、279]、百日咳タンパク質[280、281]、インフルエンザ菌由来のプロテインD[282、283]、サイトカイン[284]、リンフォカイン[284]、インフルエンザ菌タンパク質、ホルモン[284]、増殖因子[284]、クロストリジウム・ディフィシル由来の毒素AまたはB[285]、鉄取り込みタンパク質[286]、各種の病原菌由来抗原由来の複数のヒトCD4+T細胞エピトープを有する人工タンパク質[287]、例えばN19タンパク質[288]、肺炎球菌表面タンパク質PspA[289]、肺炎球菌溶血素[290]等が含まれる。好ましい担体タンパク質はCRM197タンパク質である[291]。
組成物中の抗原は典型的に、それぞれ少なくとも1μg/mlの濃度で存在する。一般に、任意の抗原の濃度は、その抗原に対する免疫応答を誘発するのに十分なものである。
抗原は、好ましくはアルミニウム塩に吸着される。
一般的事項
語句“有する”は、“含む”だけでなく“からなる”を包含し、例えばXを“有する”組成物は、Xのみからなっていてもよいし、または他のもの、例えばX+Yを含んでもよい。
数値xに関する語句“約”は、例えばx±10%を意味する。
単語“実質的に”は、“完全に”を除外しない、例えばYを“実質的に含まない”組成物は、Yを完全に含まなくてもよい。必要であれば、単語“実質的に”は本発明の定義から削除されてもよい。
配列表中のアミノ酸配列中のN末端残基は、対応するヌクレオチド配列中の第1のコドンによってコード化されるアミノ酸として与えられる。第1のコドンがATGではない場合、コドンが開始コドンであるときそれはメチオニンに翻訳されるが、配列が融合パートナーのC末端にあるとき、示されたメチオニン以外のアミノ酸として翻訳されることが理解されるであろう。本発明は、任意の示されたメチオニン以外の残基の代わりにN末端にメチオニン残基(例えば、ホルミル‐メチオニン残基)を有する、配列表の各アミノ酸配列を具体的に開示し、包含する。本発明は、配列中の任意の内部メチオニン残基の位置で始まる配列表の各アミノ酸配列も具体的に開示し、包含する。
本明細書において開示される配列は、元々は536株において同定された。大腸菌のその他複数の株のゲノム配列が入手可能である。任意のこれらの(またはその他の)さらなるゲノム配列において、本発明の任意特定の配列のホモログを同定するために、標準的な検索およびアラインメント法が使用されうる。さらに、その他の株由来の相同配列の増幅用のプライマーをデザインするために配列が使用されうる。故に、本発明は株536配列に限定されず、大腸菌のその他の株、特にExPECおよびUPEC株由来のそのようなバリアントおよびホモログを包含する。一般に、特定の配列番号の適当なバリアントは、その対立遺伝子多型、その多型、そのホモログ、そのオルソログ、そのパラログ、その変異体等を含む。
故に、上記で開示されるように、例えば本発明とともに使用されるポリペプチドは、536の配列と比較して、1つ以上(例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9等)のアミノ酸置換、挿入、欠失等を含む。
上記に示されているように、本発明の核酸およびポリペプチドは:
(a)配列表で開示される配列と同一(すなわち100%同一)であり、
(b)配列表で開示される配列と配列同一性を共有し、
(c)(a)または(b)の配列と比較して、別々の位置にあってよい、または連続していてよい1、2、3、4、5、6、7、8、9、または10の単一ヌクレオチドまたはアミノ酸変化(欠失、挿入、置換)を有する配列を含んでよく、
(d)ペアワイズアラインメントアルゴリズムを使用して配列表の特定の配列とアラインされたとき、x個のモノマー(アミノ酸またはヌクレオチド)の移動ウインドウは開始点(N末端または5’)から終了点(3’のC末端)へ移動し、p個のモノマーへ伸長するアラインメント(p>xのとき)の場合に、p−x+1ウインドウなどが存在するようになり、それぞれのウインドウは少なくともx・yの同一のアラインメントされたモノマーを有し、ここでxは20、25、30、35、40、45、50、60、70、80、90、100、150、200から選択され、yは、0.50、0.60、0.70、0.75、0.80、0.85、0.90、0.91、0.92、0.93、0.94、0.95、0.96、0.97、0.98、0.99から選択され、もしx・yが整数ではない場合、最も近い整数の値に切り上げられる。
好ましいペアワイズアラインメントアルゴリズムは、デフォルトのパラメーター(例えば、EBLOSUM62スコアリングマトリックスを使用して、ギャップ・オープニング・ペナルティ=10.0およびギャップ・エクステンション・ペナルティ=0.5)を使用する、Needleman‐Wunschグローバルアラインメントアルゴリズム[292]である。このアルゴリズムは、好都合なことにEMBOSSパッケージ[293]のneedleツールに実装されている。
本発明の核酸およびポリペプチドはさらに、これらの配列(a)〜(d)のN末端/5’および/またはC末端/3’の方向に向かうさらなる配列を有していてよい。
本発明の実施では、別段の記載がない限り、当該技術分野の範囲内である化学、生化学、分子生物学、免疫学、および薬理学の従来の方法を用いる。そのような技法は文献において詳細に説明されている。例えば、参考文献294〜301等を参照されたい。
いくつかの実施形態において、本発明は、参考文献27、参考文献28、米国特許仮出願第60/654632号(2005年2月18日出願、参考文献27および28の優先出願)または米国特許仮出願第60/712720(2005年8月29日出願、参考文献28の優先出願)に開示されているポリペプチドを包含しない。
発明を実施する様式
下記は、本発明を実施するための特定の実施形態または形態の例である。例は、説明を目的としたものにすぎず、本発明の範囲を限定するものではない。
使用される数値(例えば、量、温度等)に関しては正確さを保証するための努力が払われたが、多少の実験誤差および偏差は当然のことながら許容されるべきである。
UPEC536株から93のポリペプチドを同定するために、(a)2つの共生菌株(mg1655、DH10B)との90%未満の配列同一性、(b)100アミノ酸長より長いこと、(c)細胞質以外の細胞局在を有すること、(d)別のUPEC株(CFT073)に共通するが、MNEC株(IHE3034)に認められないものなどの基準を使用して、コンピューターを使用した比較および予測ツールが使用された。これらの配列は、配列表に記載されている。それらのアミノ酸配列は配列番号:8〜100である。
並行研究において、UPEC株に特異的で、非病原菌株(共生菌株および実験室株)に存在しない表面露出タンパク質を選択するためにアッセイを行った(下記参照)。76のポリペプチドを同定し、そのうちの11は共生菌株(mg1655)と80%未満のホモロジーを有していた。これらの11のポリペプチドの配列は配列表に記載しており、それらのアミノ酸配列は配列番号1〜10および配列番号85である。これらポリペプチドのうちの7つの配列を、コンピューターを使用した方法ではなく、この方法によって同定した。これらの配列は配列表に記載されており、それらのアミノ酸配列は配列番号1〜7である。表1は、このようにして同定された76のポリペプチドを示す(配列番号1〜10、85、および101〜165)。
さらなる研究において、配列番号166および167を同定した。
配列番号1〜167は配列表に記載されている。表4に示すように、それらは‘RECP’命名法でも呼ばれる。
本発明は、これらのポリペプチドの確かな実用性、すなわち本明細書で説明されるような免疫原性組成物の供給を提供する。
これらのポリペプチドはクローン化され、発現され、および精製されてよい。次に、ウエスタンブロット、ELISA、およびFACSで血清が解析されうるマウスの免疫に精製抗原が用いられ、in vitroおよびin vivo実験の両方においてさらに検査されてよい。適当なin vitro実験には、補体仲介性細菌殺傷および/またはオプソニン化貪食作用活性を抗体が誘導する能力、ExPEC株(または精製抗原)のヒト上皮細胞(例えば、膀胱細胞において)またはその他の細胞株への結合を阻害する能力、および/または大腸菌(例えば、K1株)の脳微小血管内皮細胞(BMEC)への接着/浸潤を抑制する能力の検査が含まれる。適当なin vivo実験には、UTIのマウスモデル(成体マウス)における能動および/または受動全身免疫付与およびチャレンジ、大腸菌K1株でチャレンジが行われた5日齢のラットにおける菌血症および髄膜炎に対する能動または受動免疫付与による防御、およびExPEC株での成体マウスの免疫付与および腹腔内感染が含まれる。
細菌のライフサイクルに対するタンパク質の重要性は、アイソジェニックなノックアウト変異体を作成することによって検査されてよい。変異体は、ある抗原によって産生された血清がその抗原に特異的であることを保証するためにも使用されうる。発現パターンを研究するためにマイクロアレイが用いられてよい。保存性および/または多様性は、複数の異なるExPEC株由来の遺伝子のシークエンシングを行うことによって評価される。本発明は、本発明のポリペプチドの1つ以上がノックアウトされている大腸菌も提供する。ノックアウト変異は、遺伝子のコード化領域内に位置していてもよいし、またはその転写制御領域内(例えば、そのプロモーター内)にあってもよい。ノックアウト変異は、抗原をコード化するmRNAのレベルを、野生型細菌によって産生されるレベルの<1%まで、好ましくは<0.5%まで、より好ましくは<0.1%まで、最も好ましくは0%まで低下させる。
UPEC株に特異的で、非病原菌株(共生菌株および実験室株)に存在しない、予測された表面露出タンパク質を選択するためにプロテオミクスアッセイを実施した。選択が終わると、これらのタンパク質が発現され、精製され、マウスを免疫するのに使用されてよい。
大腸菌のtol‐pal遺伝子の任意の部分中の変異が、天然の外膜タンパク質を含有するベシクルの形成をもたらすことが参考文献43から知られている。UPEC株のベシクル中に存在し、共生菌株、例えばmg1655との相同性が低いタンパク質を、潜在的な抗原として使用されうる小ポテンシャルグループのタンパク質として選択した。
共生および病原性大腸菌におけるラムダレッド仲介遺伝子操作
この方法は、野生型大腸菌株由来のtolR遺伝子を不活化するために用いられるラピッドPCRベース法である[302]。簡単に言うと、第1の手順は、標的遺伝子(tolR)の上流および下流領域およびレジスタンスマーカーカセットを独立して増幅する手順である。手順1で得られた2つのPCR産物をABカセットの増幅プロデューサーと等モル濃度で混合し、標的遺伝子と相同な上流および下流の500bp(またはそれ以上)の領域が隣接するレジスタンスマーカーカセットを作成するために、第2ラウンドのPCR(スリーウェイPCR)が行われる。第3の手順において、多量(1μg)の所望の線状DNAがラムダレッドコンピテント細胞にエレクトロポレーションで導入される。
ベシクルの調製
1.TCAでの沈殿によるベシクルの調製
プレート上で増殖させた細菌をLB培地に接種し、穏やかに振盪しながら37℃で一晩インキュベートした。OD600が0.1で200mlのLBに接種するために培養物を使用した。細菌をOD600が0.4(または定められたとおりに)になるまで増殖させた。培養物を4000×gで10分間遠心し、上清を0.22mmのフィルターで濾過して残存細菌を除去した。
ジピリジル(0.25mM)をLB培地に添加することによって、同じ実験を鉄制限条件下でも実施した。
培養物の上清に、最終濃度10%の溶液を、100%(w/v)TCA、0.4%(w/v)デオキシコレートで添加することによって沈殿を行った。4℃で30分間沈殿を進行させた。4℃、20000×g、10分間の遠心分離によって沈殿物を回収した。ペレットを10%TCA(w/v)で一度洗浄し、無水エタノールで2回洗浄した。ペレットをSpeed Vacで乾燥させ、−20℃で保存した。
野生型および変異型株について、SDSポリアクリルアミドゲル電気泳動を行い、この結果から、野生型株よりも変異型株の上清中により多数のバンドが存在することが認められた。ランダムにピックアップしたバンドから、上清中のタンパク質の大部分が膜タンパク質であることが示され、これは膜内容物の濃縮を示している。
2.超遠心分離法によるベシクルの調製
培養上清を、4℃、200000×gで2時間超遠心した。ペレットをPBSで洗浄し、PBSに再懸濁し、−20℃で保存した。
3.ベシクルのグアニジニウム変性
グアニジニウム変性に先立ち、ベシクルをエタノールで沈殿させた。PBS中の10μgのOMVを、最終濃度90%となるように冷無水エタノールを添加することによって沈殿させた。−20℃で20分間沈殿を進行させた。13000×g、10分間の遠心分離によって沈殿物を回収した。ペレットを50ml、6Mグアニジニウム、15mM DTT、200mMトリス‐HCl、pH8.0で再懸濁した。60℃で60分間変性を進行させた。消化に先立ち、1.5MのトリスpH8.0溶液で、溶液を8倍希釈し、希釈した溶液に5mgのトリプシンを添加した。37℃で一晩消化を進行させた。最終濃度0.1%のギ酸を添加することで反応を停止した。Oasis抽出カートリッジを使用してペプチドを抽出した。LC/MS/MSでペプチドを解析した。
4.表面消化
5mgのトリプシンをPBS中の10mgのベシクルに添加し、37℃で3時間インキュベートした。最終濃度0.1%のギ酸を添加することで反応を停止した。Oasis抽出カートリッジでペプチドを回収し、脱塩を行った。LC/MS/MSでペプチドを解析した。
ベシクル解析
タンパク質の定量化
Bradford法で、BSAを標準物質として使用してタンパク質を定量化した。
SDS‐PAGE
Mini‐Protean II電気泳動装置を使用して、ドデシル硫酸ナトリウム(SDS)4〜12%ポリアクリルアミドゲルでサンプルを解析した。SDSサンプルバッファー(0.06Mトリス‐HCl pH6.8、10%(v/v)グリセロール、2%(w/v)SDS、5%(v/v)2‐メルカプトエタノール、10mg/mlブロモフェノールブルー)にサンプルを懸濁し、SDS‐ポリアクリルアミドゲル電気泳動の前に100℃で5分間熱を加えた。泳動後、クマシーブルーでゲルを染色した。
MALDI‐TOF質量分析法
ゲルからタンパク質バンドまたはスポットを切り出し、50mMの重炭酸アンモニウム/アセトニトリル(50/50、v/v)で2回洗浄し、純アセトニトリルで1回洗浄し、風乾した。5mM重炭酸アンモニウム、0.012mgのシークエンシンググレードのトリプシンを含有する7〜10mlの溶液を添加することによって、乾燥させたスポットを37℃で2時間消化した。消化後、0.6mlを、ターゲットを予めスポットしたマトリックス上にロードし、風乾した。70%エタノール、0.1%トリフルオロ酢酸からなる0.6mlの溶液でスポットを洗浄した。ultraflex MALDI TOF質量分析装置上で質量スペクトルを得た。ターゲット上に予めスポットした標準物質の組み合わせを使用して、スペクトルの外部較正を行った。Mascotプログラムを使用して、質量範囲が700〜3000Daのペプチドの実験的に作成したモノアイソトピックピークと、コンピューターで作成したフィンガープリントを自動および手動の両方で比較することによってタンパク質の同定を行った。
二次元電気泳動
200mgのベシクルをImmobiline膨潤液(7M尿素、2Mチオ尿素、2%(w/v)CHAPS(2%w/v)ASB14、2%(v/v)IPGバッファーpH3〜10NL、2mM TBP、65mM DTT)に再懸濁し、7cmのImmobiline DryStrip(pH3〜10NL)上に一晩吸着させた。その後、タンパク質を二次元電気泳動で分離した。IPGphor Isoelectric Focusing Unitを使用して、順番に150V35分、500V35分、1000V30分、2600V10分、3500V15分、4200V15分、最後に10kVhに達するまで5000Vをかけて一次元目の泳動を行った。二次元目では、4M尿素、2Mチオ尿素、30%グリセロール、2%SDS、5mM TBP、50MmトリスHCl pH8.8、2.5%アクリルアミド、ブロモフェノールブルー0.2%中で10分間のインキュベーションを2回行うことでストリップの平衡化を行った。その後、4〜12%のプレキャストポリアクリルアミドゲル上でタンパク質を分離した。
コロイド状クマシーブルーでゲルを染色し、Personal Densitometer SIでスキャンした。Image Master 2Dエリートソフトウェアで画像を解析した。
ナノ‐LC/MS/MS
ナノスプレー源を備えるQ‐ToF Micro ESI質量分析装置と連結したCapLC HPLCシステム上でナノ‐LCによってペプチドを分離した。C18トラップカラム(300μm i.d.×5mm)を介してAtlantis C18 NanoEaseカラム(100μm i.d.×100mm)にサンプルをロードした。95%ACNを2%〜60%を含む0.1%ギ酸溶液で、400nl/分の流量でペプチドを50分間グラジエント溶出した。MassLynxソフトウェア(バージョン4.0)を使用して、溶出したペプチドについて自動データ依存収集プログラムを行い、さらなるMS/MSフラグメンテーションを目的として、400〜2,000のm/zレンジにわたって、多価ペプチドを自動で選択するためにMSサーベイスキャンを使用した。最大で3つの異なる成分について、同時にMS/MSフラグメンテーションを行った。データ収集後、個々のMS/MSスペクトルを、MassLynxで統合し、平滑化し、重心化を行った。ライセンスバージョンのMASCOTを使用して、バッチモードでペプチドの検索および同定を行った。MASCOTサーチのパラメーターは、(1)種:ExPEC(2)欠損した切断の許容数(トリプシン消化のみ):6、(3)可変翻訳後修飾:メチオニン酸化、(4)ペプチド許容度:±500ppm、(5)MS/MS許容度:±0.3Da、および(6)ペプチド電荷数:+1〜+4とした。以前のプラットフォームでは、MASCOT確率分析によってsignificant hitとして定められたもののみ考慮されていた。少なくとも1つのペプチドからのタンパク質同定の受け入れに関するスコア閾値は、MASCOTによって、トリプシン消化の場合は18、プロテイナーゼK消化の場合は36と設定された。
結果
上記の解析の結果として、表1に示すように536株から76の抗原が同定された。これらの配列のうち11は、共生菌株(mg1655)との相同性が非常に低かった(配列番号1〜10および配列番号85)。これらのポリペプチドのうちの7つの配列は、コンピューターを用いた方法ではなくこの方法で同定された。これらの配列は配列表に記載されており、それらのアミノ酸配列は配列番号1〜7である。表1は、このようにして同定された76のポリペプチドを示す。
抗原の解析
全身感染のマウスモデル
病原性および非病原性大腸菌株間のゲノム比較解析によって選択された多数の抗原をスクリーニングするために、伝統的な病原性解析を基に防御モデルを確立した。使用されうる別の実験モデルには、参考文献212〜214で概要が説明されているものが含まれる。
実験モデル(免疫付与および感染)は、病原性UPEC536大腸菌株の静脈内接種によるチャレンジを行った5週齢のCD1異系交配マウスを使用する。チャレンジ用量は、4日以内に成体マウスの80%を死に至らしめる能力を持つ細菌の量として実験的に決定され、536株では4×10cfu/マウスに相当する。
免疫付与プロトコール
UPEC536株由来の多数の抗原をクローン化し、発現させ、精製した。さらに、配列番号56のN末端領域(アミノ酸21番〜470番)に対応する配列番号168をクローン化し、発現させ、精製した。精製抗原を、下記の方法で実験マウスモデルにおいてマウスを免疫するのに使用した。以下の表に示すように、フロイントアジュバントを使用した150μlのタンパク質溶液の皮下注射によってマウスを3回免疫化する。
Figure 2010500399
初回免疫の前日(免疫前の血清)、34日目、および48日目(チャレンジ前日)に血液サンプルを採取する。免疫した動物から得られた血清を、抗体力価を決定するためにウエスタンブロットおよびELISAで検査する。
チャレンジ
48日目に、大腸菌UPEC536株を凍結ストックからLB寒天培地に画線し、孵卵器内にて37℃で一晩(ON)インキュベートする。49日目に、一晩インキュベートしたプレートの培養物を使用して、O.D.600が0.1になるように50mlのLB培地に接種し、細菌培養物が、UPEC536株の4×10cfu/mlに相当するO.D.600=1.3に達するまで攪拌しながら37℃で1.5時間増殖させる。培養物を遠心し、ペレットを同量の生理溶液で再懸濁し、希釈せずにチャレンジに使用する。接種材料を確認するため、標準的なプレートカウント法を使用して培養物をプレーティングする。4×10のUPEC536株を含有する100μlの細胞懸濁液を、1mlのシリンジを使用してコントロールおよび免疫付与マウスに静脈内注射する。注射から24、48、72、および96時後の時点での各動物グループの死亡数を記録する。
チャレンジから96時間後の時点での、マウスのワクチン接種グループの生存数とコントロールグループの生存数を比較することでワクチン接種による予防を評価する。コントロールに対する生存率は、式:
Figure 2010500399
を使用して計算する。
結果
結果は表3に示され、UPEC536でのチャレンジ後のマウスの生存%が、本発明の抗原での免疫付与後に増加することを示している。
本発明は一例として説明されたにすぎず、本発明の適用範囲および趣旨精神から逸脱することなしに改変が行われてよいことが理解されるであろう。
Figure 2010500399
Figure 2010500399
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表2‐7つの好ましい病原性大腸菌536株の配列
Figure 2010500399
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Figure 2010500399
Figure 2010500399
参考文献(これらの内容は、参考として本明細書に援用される)
Figure 2010500399
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Figure 2010500399
Figure 2010500399
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Figure 2010500399
Figure 2010500399

Claims (11)

  1. (a)配列番号1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、100、101、102、103、104、105、106、107、108、109、110、111、112、113、114、115、116、117、118、119、120、121、122、123、124、125、126、127、128、129、130、131、132、133、134、135、136、137、138、139、140、141、142、143、144、145、146、147、148、149、150、151、152、153、154、155、156、157、158、159、160、161、162、163、164、165、166、167、および168からなる群から選択されるアミノ酸配列、
    (b)(a)のアミノ酸配列と少なくとも80%の配列同一性を有するアミノ酸配列、
    (c)(a)のアミノ酸配列由来の少なくとも10個の連続するアミノ酸のフラグメントであるアミノ酸配列、または
    (d)(a)のアミノ酸配列と少なくとも80%の配列同一性を有し、(a)のアミノ酸配列由来の少なくとも10個の連続するアミノ酸のフラグメントを含むアミノ酸配列、
    を含む、ポリペプチド。
  2. 前記フラグメントは、(a)の少なくとも1つのB細胞エピトープを含む、請求項1に記載のポリペプチド。
  3. 医薬に使用するための、請求項1または請求項2に記載のポリペプチド。
  4. 薬学的に許容される担体と混合された請求項1または請求項2に記載のポリペプチドを含む、医薬組成物。
  5. 薬学的に許容される担体と混合された2つ以上の請求項1または請求項2に記載のポリペプチドを含む、医薬組成物。
  6. ワクチンアジュバントをさらに含む、請求項4または請求項5に記載の組成物。
  7. (a)配列番号1、2、3、4、5、6、および7からなる群から選択されるアミノ酸配列、
    (b)(a)のアミノ酸配列と少なくとも80%の配列同一性を有するアミノ酸配列、
    (c)(a)のアミノ酸配列由来の少なくとも10個の連続するアミノ酸のフラグメントであるアミノ酸配列、または
    (d)(a)のアミノ酸配列と少なくとも80%の配列同一性を有し、(a)のアミノ酸配列由来の少なくとも10個の連続するアミノ酸のフラグメントを含むアミノ酸配列を含む、
    1つ以上のポリペプチドを発現する1つ以上の外膜ベシクル(OMV)を含む、免疫原性組成物。
  8. 前記フラグメントは、(a)の少なくとも1つのB細胞エピトープを含む、請求項7に記載の免疫原性組成物。
  9. 患者において免疫応答を誘発するための薬剤の製造における、請求項1もしくは請求項2に記載のポリペプチドまたは請求項7もしくは請求項8に記載の免疫原性組成物の使用。
  10. 患者において免疫応答を誘発するための方法であって、請求項4〜請求項6のいずれか1項に記載の医薬組成物、または請求項7または請求項8の免疫原性組成物を該患者に投与するステップを含む、方法。
  11. 前記免疫応答は、ExPEC感染症を防御するものである、請求項9に記載の使用、または請求項10に記載の方法。
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