本発明の開示
特定の実施形態では例えば以下の項目が提供される:
(項目1)
PSE54(PA5340)抗原;PSE44−4(PA3526)抗原;PSE10−1(PA1178)抗原;PSE21−5(PA5112)抗原;PSE27−1(PA0328)抗原;PSE52−1(PA4765)抗原;PSE53−1(PA5047)抗原;PSE11−3(PA1248)抗原;PSE41−5(PA2407)抗原;PSE47A−2(PA4082);PSE5−1(PA0595);PSE13−2(PA1954);PSE17−1(PA3692);PSE18−2(PA4370);PSE20−1(PA4735);PSE23−1(PA3647);PSE24−1(PA0126);PSE25−1(PA0189);PSE26−1(PA0274);PSE28−2(PA0537);PSE31−2(PA0737);PSE33−2(PA1086);PSE42−1(PA2793);PSE45−2(PA3535);PSE50−1(PA4578);PSE51−4(PA4667);PSE19−1(PA4710);PSE34−1(PA1106);PSE36−3(PA1324);PSE38−1(PA1777)のリストから選択される1個またはそれより多くの抗原を含む、免疫原性組成物。
(項目2)
抗原が、PSE54(PA5340)抗原;PSE44−4(PA3526)抗原;PSE21−5(PA5112)抗原;PSE27−1(PA0328)抗原;PSE53−1(PA5047)抗原;PSE41−5(PA2407)抗原;PSE47A−2(PA4082);PSE5−1(PA0595);PSE13−2(PA1954);PSE17−1(PA3692);PSE18−2(PA4370);PSE20−1(PA4735);PSE23−1(PA3647);PSE24−1(PA0126);PSE25−1(PA0189);PSE26−1(PA0274);PSE28−2(PA0537);PSE31−2(PA0737);PSE33−2(PA1086);PSE42−1(PA2793);PSE45−2(PA3535);PSE50−1(PA4578);PSE51−4(PA4667);PSE34−1(PA1106);PSE36−3(PA1324)のいずれかから選択される、項目1に記載の免疫原性組成物。
(項目3)
前記1個またはそれより多くの抗原が、PSE54(PA5340)抗原、PSE21−5(PA5112)抗原;PSE27−1(PA0328)抗原;PSE41−5(PA2407);PSE44−4(PA3526)抗原;PSE47A−2(PA4082)抗原;PSE53−1(PA5047)抗原またはPSE52−1(PA4765)抗原;PSE10−1(PA1178)抗原;PSE11−3(PA1248)から選択される、項目1に記載の組成物。
(項目4)
PSE54(PA5340)抗原;PSE44−4(PA3526)抗原;PSE10−1(PA1178)抗原;PSE21−5(PA5112)抗原;PSE27−1(PA0328)抗原;PSE52−1(PA4765)抗原;PSE53−1(PA5047)抗原;PSE11−3(PA1248)抗原;PSE41(PA2407)抗原;PSE47A−2(PA4082);PSE5−1(PA0595);PSE13−2(PA1954);PSE17−1(PA3692);PSE18−2(PA4370);PSE20−1(PA4735);PSE23−1(PA3647);PSE24−1(PA0126);PSE25−1(PA0189);PSE26−1(PA0274);PSE28−2(PA0537);PSE31−2(PA0737);PSE33−2(PA1086);PSE42−1(PA2793);PSE45−2(PA3535);PSE50−1(PA4578);PSE51−4(PA4667);PSE19−1(PA4710);PSE34−1(PA1106);PSE36−3(PA1324);PSE38−1(PA1777)のリストから選択される抗原少なくとも2個を組み合わせで含む、項目1に記載の組成物。
(項目5)
PilA、OprF−OprI、FliC、FliD、ExoAのリストから選択される任意の他の抗原をさらに含む、項目4に記載の組成物であって、前記抗原のうちの1個がPSE54である、項目4に記載の組成物。
(項目6)
PSE10−1(PA1178)、PSE52−1(PA4765)、PSE53−1(PA5047)、PSE21−5(PA4765)から選択される少なくとも1個の抗原を含み、他の抗原がPSE54(PA5340)である、項目4に記載の組成物。
(項目7)
PSE54(PA5340)抗原;PSE10−1(PA1178)抗原;PSE44−4(PA3526)抗原;PSE52−1(PA4765)抗原;PSE53−1(PA5047)抗原;PSE21−5(PA5112)抗原;PSE27−1(PA0328)抗原;PSE47A−2(PA4082)抗原またはOprF−OprIからなる群より選択される2個またはそれより多くの抗原を含む、項目4に記載の組成物。
(項目8)
前記抗原の1個またはそれより多くが水酸化アルミニウムアジュバントに吸着されており、必要に応じて、前記組成物がヒスチジン緩衝剤を含む、前記項目のいずれかに記載の組成物。
(項目9)
(i)P.aeruginosaエキソポリサッカライドと、(ii)担体タンパク質とのコンジュゲート1つまたはそれより多くをさらに含む、前記項目のいずれかに記載の組成物。
(項目10)
前記項目のいずれかに記載のポリペプチドを含む免疫原性組成物であって、
(A)(i)S.aureusエキソポリサッカライドのコンジュゲート1つまたはそれより多く;
(B)(i)S.aureusのタンパク質抗原1つまたはそれより多くまたは
(C)1個またはそれより多くの病原性大腸菌抗原
(D)1個またはそれより多くの病原性B.cenocepacia抗原
の1つまたはそれより多くをさらに含む、免疫原性組成物。
(項目11)
項目1または項目2のいずれかに記載のポリペプチドと、(i)OprF−OprI抗原;(ii)FliC抗原;(iii)FliD抗原および/または(iv)PilA抗原の1個またはそれより多くとを含む、免疫原性組成物。
(項目12)
アジュバントを含む、前記項目のいずれかに記載の組成物。
(項目13)
配列番号1〜35または配列番号36〜65のいずれか1つから選択されるアミノ酸配列と80%以上の同一性を有するアミノ酸配列を含む、ポリペプチド。
(項目14)
項目11〜12または項目13のいずれか一項に記載のポリペプチドを含む、医薬組成物。
(項目15)
哺乳動物における免疫応答を引き起こすのに使用するための、前記項目のいずれか一項に記載の免疫原性組成物。
(項目16)
院内感染に対する予防ワクチンまたは治療ワクチンとして使用するための、前記項目のいずれか一項に記載の免疫原性組成物。
(項目17)
哺乳動物における免疫応答を引き起こすための方法であって、有効量の前記項目のいずれかに記載のポリペプチドまたは組成物を該哺乳動物に投与する工程を含む、方法。
本発明者らは、単独または組み合わせのいずれかで免疫化に有用である様々なP.aeruginosaポリペプチドを同定した。これらのポリペプチドは、P.aeruginosa糖またはその他P.aeruginosaポリペプチドあるいは他の病原体(すなわち、S.aureus、大腸菌など)由来の抗原と組み合わせられ得る。これらの抗原は、P.aeruginosaワクチンにおいて有用であるが、複数の病原体に対する免疫化のためのワクチンの成分としても使用され得る。
本発明者らは、全部で以下のポリペプチドを同定した:
PSE54(PA5340)抗原;PSE44−4(PA3526)抗原;PSE10−1(PA1178)抗原;PSE21−5(PA5112)抗原;PSE27−1(PA0328)抗原;PSE52−1(PA4765)抗原;PSE53−1(PA5047)抗原;PSE11−3(PA1248)抗原;PSE41−5(PA2407)抗原;PSE47A−2(PA4082);PSE5−1(PA0595);PSE13−2(PA1954);PSE17−1(PA3692);PSE18−2(PA4370);PSE20−1(PA4735);PSE23−1(PA3647);PSE24−1(PA0126);PSE25−1(PA0189);PSE26−1(PA0274);PSE28−2(PA0537);PSE31−2(PA0737);PSE33−2(PA1086);PSE42−1(PA2793);PSE45−2(PA3535);PSE50−1(PA4578);PSE51−4(PA4667);PSE19−1(PA4710);PSE34−1(PA1106);PSE36−3(PA1324);PSE38−1(PA1777)。
選択された抗原の全セットの中で、ワクチン抗原として過去に試験されたことがない抗原群と説明されている「第1の抗原群」は区別され得る。「第1の抗原群」は、30個の選択された抗原のうちの25個を含む。
特に、「第1の抗原群」は、以下の抗原を含む:PSE54(PA5340)抗原;PSE44−4(PA3526)抗原;PSE21−5(PA5112)抗原;PSE27−1(PA0328)抗原;PSE53−1(PA5047)抗原;PSE41−5(PA2407)抗原;PSE47A−2(PA4082)抗原;PSE5−1(PA0595)抗原;PSE13−2(PA1954)抗原;PSE17−1(PA3692)抗原;PSE18−2(PA4370)抗原;PSE20−1(PA4735)抗原;PSE23−1(PA3647)抗原;PSE24−1(PA0126)抗原;PSE25−1(PA0189)抗原;PSE26−1(PA0274)抗原;PSE28−2(PA0537)抗原;PSE31−2(PA0737)抗原;PSE33−2(PA1086)抗原;PSE42−1(PA2793)抗原;PSE45−2(PA3535)抗原;PSE50−1(PA4578)抗原;PSE51−4(PA4667)抗原;PSE34−1(PA1106)抗原;およびPSE36−3抗原(PA1324)。
したがって、本発明は、第1の抗原群から選択される1個またはそれより多く(すなわち、1個、2個、3個、4個、5個またはそれより多く)の抗原を含む免疫原性組成物を提供する。
第1の抗原群では、抗原は、好ましくは、PSE54(PA5340)抗原、PSE21−5(PA5112)抗原;PSE27−1(PA0328)抗原;PSE41−5(PA2407)抗原;PSE44−4(PA3526)抗原;PSE47A−2(PA4082)抗原;および/またはPSE53−1(PA5047)抗原のリストから選択される。
「第1の抗原群」では、抗原は、好ましくは、5個のポリペプチドのサブセットから選択され、単一抗原としてまたは組み合わせて使用する場合にインビボで防御免疫応答を引き起こすのに特に有用なものは、PSE54(PA5340)抗原;PSE44−4(PA3526)抗原;PSE21−5(PA5112)抗原;PSE53−1(PA5047)抗原;PSE42−1(PA2793)である。
第1の抗原群では、列挙されている抗原はすべて、P.aeruginosaに対して使用するための単一抗原として選択され得るが、ただし、有用には、PSE27−1(PA0328)抗原をこのリスト(「第1の抗原群」)から除外し得るという条件である。
「第2の抗原群」は、独立した免疫原性ワクチン抗原候補として既に提案されているがインビボ実験で少なくとも2個(すなわち、2個、3個、4個、5個、6個またはそれより多く)の抗原の組み合わせで全く検討されていない、同定されている抗原の群と定義される。「第2の抗原群」のあるサブセットは、「さらなる抗原性ポリペプチド」群と定義され、インビボでワクチン抗原として広範囲に試験されている抗原性ポリペプチドを含む。
第2の抗原群は、以下のリストの抗原を含む:PSE10−1(PA1178)抗原;PSE11−3(PA1248)抗原;PSE52−1(PA4765)抗原;PSE19−1(PA4710)抗原;およびPSE38−1(PA1777)抗原。
「さらなる抗原性ポリペプチド」群と定義される第2の抗原群のサブセットは、以下のリストの抗原を含む:PilA(PA4524)、OprF−OprI、FliC(PA1092)、FliD(PA1094)および/または細胞外タンパク質A(PA1148)。したがって、「第2の抗原群」は、全部で10個のポリペプチドを含む。
したがって、本発明は、抗原の組み合わせを含む免疫原性組成物であって、該組み合わせが、PSE54(PA5340)抗原;PSE44−4(PA3526)抗原;PSE10−1(PA1178)抗原;PSE21−5(PA5112)抗原;PSE27−1(PA0328)抗原;PSE52−1(PA4765)抗原;PSE53−1(PA5047)抗原;PSE11−3(PA1248)抗原;PSE41(PA2407)抗原;PSE47A−2(PA4082);PSE5−1(PA0595);PSE13−2(PA1954);PSE17−1(PA3692);PSE18−2(PA4370);PSE20−1(PA4735);PSE23−1(PA3647);PSE24−1(PA0126);PSE25−1(PA0189);PSE26−1(PA0274);PSE28−2(PA0537);PSE31−2(PA0737);PSE33−2(PA1086);PSE42−1(PA2793);PSE45−2(PA3535);PSE50−1(PA4578);PSE51−4(PA4667);PSE19−1(PA4710);PSE34−1(PA1106);PSE36−3(PA1324);PSE38−1(PA1777)からなる群より選択される2個またはそれより多く(すなわち、2個、3個、4個、5個、6個またはそれより多く)の抗原を含む免疫原性組成物を提供する。
第1の抗原群では、抗原は、好ましくは、30個のポリペプチドのうち7個のサブセット(すなわち、PSE54(PA5340)、PSE47A−2(PA4082)、PSE41−5(PA2407)、PSE53−1(PA5047)、PSE21−5(PA5112)、PSE27−1(PA0328)またはPSE44−4(PA3526)抗原)と、「第2の抗原群」のサブセット(すなわち、PSE52−1(PA4765)、PSE10−1(PA1178)、PSE11−3(PA1248))と、「さらなる抗原性ポリペプチド」群と定義される「第2の抗原群」のサブセットから選択されるOprF−OprIとから選択される。したがって、本発明は、抗原の組み合わせを含む免疫原性組成物であって、該組み合わせが、これら11個の抗原からなる群より選択される2個またはそれより多く(すなわち、2個、3個、4個、5個、6個またはそれより多く)の抗原を含む免疫原性組成物を提供する。
第1の、第2のおよびさらなる抗原性ポリペプチド群から選択される11個の抗原では、可能なペアの抗原の組み合わせが55通りある。
本明細書では「さらなる抗原性ポリペプチド」と称される5個のポリペプチドのサブセットを含む「第2の抗原群」では、合計10個のポリペプチドがある。本発明は、抗原の組み合わせを含む免疫原性組成物であって、該組み合わせが、「第2の抗原群」または「さらなる抗原性ポリペプチド」群のいずれか1つと共に、「第1の抗原群」の好ましい抗原のいずれかから選択される2個またはそれより多く(すなわち、2個、3個、4個、5個、6個またはそれより多く)の抗原の混合物を含む免疫原性組成物を提供する。
本発明は、抗原の組み合わせを含む免疫原性組成物であって、該組み合わせが、第1の抗原群および第2の抗原群の任意の抗原から選択される2個またはそれより多く(すなわち、2個、3個、4個、5個、6個またはそれより多く)の抗原の混合物を含む免疫原性組成物を提供する。
第1の抗原群および第2の抗原群の混合物の30個の抗原では、異なる抗原の可能なペアが435通りある。このようなペアのすべてが本明細書に開示されており、本発明の一部である。したがって、本発明は、抗原のペアを含む免疫原性組成物であって、該ペアが前記435通りのペアの1つである免疫原性組成物を提供する。
第1の抗原群および第2の抗原群の混合物の35個の抗原では、異なる抗原の可能なペアが595通りある。このようなペアのすべてが本明細書に開示されており、本発明の一部である。したがって、本発明は、抗原のペアを含む免疫原性組成物であって、該ペアが前記595通りのペアの1つである免疫原性組成物を提供する。
一実施形態では、組成物は、第1の抗原群から選択される少なくとも1個(すなわち、1個、2個、3個、4個、5個、6個またはそれより多く)の抗原と、第2の抗原群から選択される少なくとも1個(すなわち、1個、2個、3個、4個、5個、6個またはそれより多く)の抗原とを含む。第1の抗原群からの抗原は、PSE54(PA5340)、PSE47A−2(PA4082)、PSE41−5(PA2407)、PSE53−1(PA5047)、PSE21−5(PA5112)またはPSE44−4(PA3526)抗原の好ましいサブセットから選択され得、第2の抗原群からの抗原は、PSE52−1(PA4765)、PSE10−1(PA1178)から、または第2の抗原群のさらなる抗原性ポリペプチドサブセットのいずれか(融合OprF−OprIが好ましい)から選択され得る。
本発明はまた、抗原の組み合わせを含む免疫原性組成物であって、該組み合わせが、(1)PSE54抗原;(2)PSE10−1抗原;(3)PSE44−4抗原;(4)PSE52−1抗原;(5)PSE53−1抗原;(6)PSE21−5抗原;(7)PSE27−1抗原;(8)PSE47A−2抗原;および/または(9)OprF−OprI抗原からなる群より選択される2個またはそれより多く(すなわち、2個、3個、4個または5個)の抗原を含む免疫原性組成物を提供する。
第1の抗原群、第2の抗原群および/またはさらなる抗原群から選択される好ましい9個の抗原では、異なる抗原の可能なペアが36通りある。このようなペアのすべてが本明細書に開示されており、本発明の一部である。したがって、本発明は、抗原のペアを含む免疫原性組成物であって、該ペアが前記36通りのペアの1つである免疫原性組成物を提供する。
組成物はまた、アジュバント、例えば水酸化アルミニウムアジュバントを含み得る。
本発明の有利な組み合わせは、2個またはそれより多くの抗原が相乗的に作用するものである。したがって、それらの組み合わせ投与により達成されるP.aeruginosa疾患に対する防御は、それらの個々の防御効力の単なる相加により予測されるものを超える。
対象の特定の組み合わせとしては、限定されないが、
(1)PSE54抗原、PSE27抗原を含む免疫原性組成物
(2)PSE54抗原およびOprF−OprI抗原を含む免疫原性組成物
(3)PSE54抗原、PSE27抗原および/またはOprF−OprI抗原を含む免疫原性組成物
(4)PSE54抗原および/またはPSE44抗原を含む免疫原性組成物
(5)PSE54抗原および/またはPSE21−5抗原を含む免疫原性組成物
(6)PSE54抗原および/またはPSE52−1抗原を含む免疫原性組成物
(7)PSE47A−2抗原および/またはPSE53−1抗原を含む免疫原性組成物
(8)PSE54抗原および/またはPSE10−1抗原を含む免疫原性組成物
(9)PSE54およびPSE53−1抗原を含む免疫原性組成物
(10)PSE47A−2およびPSE52−1抗原を含む免疫原性組成物
(11)PSE54抗原および/またはPSE44−4抗原および/またはPSE47A−2抗原を含む免疫原性組成物
(12)PSE47A−2抗原、PSE53−1抗原またはPSE54抗原および/またはPSE27抗原を含む免疫原性組成物
(13)(a)PSE53−1抗原と組み合わせたPSE47A−2抗原または(b)PSE21−5抗原と組み合わせたPSE54抗原を含む免疫原性組成物
(14)PSE47A−2抗原および/またはPSE52抗原を含む免疫原性組成物
が挙げられる。
いくつかの実施形態では、これらの免疫原性組成物および防御組成物はいずれも、さらなるシュードモナス抗原を含み得、これらのさらなる抗原は、ポリペプチドおよび/または糖であり得る。例えば、それらはまた、相乗的に融合ポリペプチドOprF−OprIを含む「さらなる抗原性ポリペプチド」群を含む「第2の抗原群」に属する1個またはそれより多くのシュードモナス抗原を有利に含み得る。
免疫原性組成物はまた、アジュバントを含み得る。
さらなるポリペプチド抗原群
本発明の様々な抗原群からの抗原に加えて、免疫原性組成物は、この組成物により誘導される免疫応答のP.aeruginosaに対する効力を増強するために、以下のP.aeruginosa抗原(またはその免疫原性断片(単数または複数)を含む抗原)の1個またはそれより多くを含み得る。
・OprF−OprI[4]
・PilAとしても公知のPA4525
・FliCとしても公知のPA1092
・FliDとしても公知のPA1094
・PA1148、細胞外タンパク質Aまたは外毒素A
「さらなる抗原性ポリペプチド」群は、第2の抗原群の下位群として定義される。この公知の抗原群は、第1の抗原群または第2の抗原群の1個、2個またはそれより多くの他の有用な抗原と組み合わせて有利に使用され得る。
他のP.aeruginosa由来の抗原との組み合わせ
本発明の抗原群で識別されている個々の抗原は、P.aeruginosa由来の他の抗原と組み合わせて使用され得る。いくつかの実施形態では、P.aeruginosa由来の他の抗原は、担体タンパク質とコンジュゲートした糖の形態であり得る。したがって、本発明は、
(1)第1の、第2のもしくはさらなる抗原群(上で定義される)から選択される1個もしくはそれより多くの抗原;および/またはそれらの組み合わせもしくは混合物、ならびに
(2)糖部分および担体タンパク質のコンジュゲート1つまたはそれより多く
の組み合わせを含む免疫原性組成物を提供する。
この組み合わせの成分(2)に使用されるコンジュゲートは、糖部分および担体部分を含む。
本発明の実施形態では、組成物は、P.aeruginosa5−ヘキソースPsl多糖をさらに含み、これは、遊離多糖として存在し得、そして/または担体タンパク質にコンジュゲートされ得る。必要に応じて、1つまたはそれより多くのフラジェリンアジュバントおよび/または本発明の融合タンパク質は、担体タンパク質として作用し、それにコンジュゲートしたPsl多糖を有する。例えば、P.aeruginosa多糖の単量体および/または二量体は、フラジェリンアジュバントおよび/または融合タンパク質の1つまたはそれより多くにコンジュゲートされ得る。参考文献7を参照のこと。
この組み合わせの成分(2)に使用されるコンジュゲートは、糖部分および担体部分を含む。糖部分は、P.aeruginosaのエキソポリサッカライドに由来する。この糖は、細菌からの精製中に生じるサイズを有する多糖であってもよいし、またはこのような多糖の断片化により達成されるオリゴ糖であってもよい。
本発明はまた、
(1)第1の、第2のまたはさらなる抗原群から選択される1個またはそれより多くの抗原;
(2)P.aeruginosaエキソポリサッカライドおよび担体タンパク質のコンジュゲート1つまたはそれより多く
の組み合わせを含む免疫原性組成物を提供する。
これらのコンジュゲート中の担体部分は、通常はタンパク質であるが、通常は(1)の抗原の1個ではない。
典型的な担体タンパク質は細菌毒素、例えば、ジフテリアもしくは破傷風の毒素またはトキソイドまたは変異体あるいはそれらの断片である。CRM197ジフテリア毒素変異体[8]が有用である。他の適切な担体タンパク質としては、N.meningitidis外膜タンパク質複合体[9]、合成ペプチド[10]、熱ショックタンパク質[11]、百日咳タンパク質[12]、サイトカイン[13]、リンホカイン[13]、成長因子[13]、様々な病原体由来抗原由来の複数のヒトCD4+T細胞エピトープを含む人工タンパク質[14]、例えば、N19[15]、H.influenzae由来のタンパク質D[16]、ニューモリシン[17]またはその非毒性誘導体[18]、肺炎球菌表面タンパク質PspA[19]、鉄取り込みタンパク質[20]、C.difficile由来の毒素AまたはB[21]、組換えP.aeruginosa細胞外タンパク質A(rEPA)[22]などが挙げられる。いくつかの実施形態では、担体タンパク質は、第1、第2のまたはさらなる抗原群から選択される抗原のようなP.aeruginosaタンパク質である。
組成物が複数のコンジュゲートを含む場合、各コンジュゲートは、同じ担体タンパク質または異なる担体タンパク質を使用し得る。
コンジュゲートは、過剰の担体(w/w)または過剰の糖(w/w)を有し得る。いくつかの実施形態では、コンジュゲートは、それぞれを実質的に等しい重量で含み得る。
担体分子は、担体に直接的にまたはリンカーを介して共有結合的にコンジュゲートされ得る。タンパク質への直接の連結は、例えば、参考文献23および24に記載されているように、例えば、糖と担体との間の還元的アミノ化により達成され得る。最初に、糖を活性化する必要があり得る(例えば酸化により)。リンカー基を介する連結は、任意の公知の手順、例えば、参考文献25および26に記載されている手順を使用して作製され得る。好ましい種類の連結は、遊離−NH2基(例えば、アミノ化によりグルカンに導入される)をアジピン酸とカップリング(例えば、ジイミド活性化を使用して)させ、次いで、得られた糖−アジピン酸中間体にタンパク質をカップリングさせることにより形成され得るアジピン酸リンカーである[27]。別の好ましい種類の連結は、糖CDIの遊離ヒドロキシル基を反応させ[28]、続いて、タンパク質と反応させてカルバメート連結を形成することにより形成され得るカルボニルリンカーである。他のリンカーとしては、β−プロピオンアミド[29]、ニトロフェニル−エチルアミン[30]、ハロアシルハロゲン化物[31]、グリコシドの連結[32]、6−アミノカプロン酸[33]、ADH[34]、C4〜C12部分[35]などが挙げられる。カルボジイミド縮合も使用され得る[36]。
本発明の抗原群で識別されている個々の抗原をエキソポリサッカライド用の担体タンパク質として使用して、共有結合のコンジュゲートを形成し得る。したがって、本発明は、(1)第1の、第2のおよびさらなる抗原群から選択される抗原と、(2)P.aeruginosaエキソポリサッカライドとのコンジュゲートを含む免疫原性組成物を提供する。これらのコンジュゲートは、本明細書に開示される任意の抗原と組み合わせられ得る。
他の病原体由来の(非シュードモナス)抗原との組み合わせ
本発明の抗原群で識別されている個々の抗原はまた、他の病原体由来の抗原(すなわち非シュードモナス抗原、特に、院内感染に関連する細菌由来の抗原)と組み合わせて使用され得る。したがって、本発明は、
(1)第1の、第2のおよびさらなる抗原群(上で定義される)から選択される1個またはそれより多くの抗原と、
(2)S.aureus((i)S.aureusエキソポリサッカライド;および/またはS.aureusの1つまたはそれより多くのタンパク質抗原のコンジュゲート1個またはそれより多くを含む);Burkholderia cenocepacia(例えば、O抗原リポ多糖)、Clostridium difficile;Candida albicans;および/または腸外病原性大腸菌(Escherichia coli)からなる病原体群より選択される1個またはそれより多くの抗原と
の組み合わせを含む免疫原性組成物を提供する。
第1の抗原群
PA0328またはPSE27−1
「PA0328」抗原は、「外膜自己輸送体」とアノテーションされている。PAO1株において、「仮想タンパク質」とアノテーションされており、配列番号1のアミノ酸配列を有し、参考文献37ではPA0328として記載されている。この配列は、NCBIではGI:15595525とアノテーションされている。参考文献38にあるように、それは、そのアルギニン特異的アミノペプチダーゼ活性を介する、Pseudomonas aeruginosaが用いる病原性戦略に関係する自己輸送体タンパク質であると最近実証された。PA0328は、本明細書では「PSE27−1」または「PSE27」と称されることもある。
有用なPA0328抗原は、配列番号1を認識する抗体を(例えば、ヒトに投与した場合に)誘導し得、そして/または(a)配列番号1と50%もしくはそれより高い同一性(例えば、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、99.5%またはそれより高い)を有し、そして/もしくは(b)配列番号1の少なくとも「n個」の連続するアミノ酸の断片(「n個」は、7個またはそれより多く(例えば、8個、10個、12個、14個、16個、18個、20個、25個、30個、35個、40個、50個、60個、70個、80個、90個、100個、150個、200個、250個またはそれより多く)である)を含むアミノ酸配列を含み得る。これらのPA0328タンパク質は、配列番号1のバリアントを含む。(b)の好ましい断片は、配列番号1由来のエピトープを含む。他の好ましい断片は、配列番号1のC末端から1個またはそれより多くのアミノ酸(例えば、1個、2個、3個、4個、5個、6個、7個、8個、9個、10個、15個、20個、25個またはそれより多く)および/またはN末端から1個またはそれより多くのアミノ酸(例えば、1個、2個、3個、4個、5個、6個、7個、8個、9個、10個、15個、20個、25個、27個、28個、29個、30個、35個、40個、45個、49個、50個またはそれより多く)を欠くが、配列番号1の少なくとも1つのエピトープを保持する。配列番号1の最後の40〜50個のC末端アミノ酸は、有用には、削除され得る。配列番号1の最初の22個のN末端アミノ酸は、有用には、削除され得る。他の断片は、1つまたはそれより多くのタンパク質ドメインが削除されている。
配列番号36は、配列番号1の有用な断片(「PA032822−647」)である。発現および精製を可能にするために、この断片は、N末端部分のリーダーペプチドが削除されている。
PA5112またはPSE21−5
「PSE21−5」抗原は、PAO1株では「エステラーゼまたはEstA」とアノテーションされている。PAO1株では、PSE21−5は、「PA5112」と記載されており、配列番号3のアミノ酸配列を有する。PAO1株では、NCBIにおけるその識別子は、GI:15600305である。参考文献37を参照のこと。PA5112は、本明細書では「PSE21−5」または「PSE21」と称されることもある。
有用なPSE21−5抗原は、配列番号3を認識する抗体を(例えば、ヒトに投与した場合に)誘導し得、そして/または(a)配列番号3と50%またはそれより高い同一性(例えば、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、99.5%またはそれより高く)を有し、そして/もしくは(b)配列番号3の少なくとも「n個」の連続するアミノ酸の断片(「n個」は、7個またはそれより多く(例えば、8個、10個、12個、14個、16個、18個、20個、25個、30個、35個、40個、50個、60個、70個、80個、90個、100個、150個、200個、250個またはそれより多く)である)を含むアミノ酸配列を含み得る。これらのPSE21−5タンパク質は、配列番号3のバリアントを含む。(b)の好ましい断片は、配列番号3由来のエピトープを含む。他の好ましい断片は、配列番号3のC末端から1個またはそれより多くのアミノ酸(例えば、1個、2個、3個、4個、5個、6個、7個、8個、9個、10個、15個、20個、25個またはそれより多く)および/またはN末端から1個またはそれより多くのアミノ酸(例えば、1個、2個、3個、4個、5個、6個、7個、8個、9個、10個、15個、20個、25個またはそれより多く)を欠くが、配列番号3の少なくとも1つのエピトープを保持する。配列番号3の最後の40個のC末端アミノ酸は、有用には、削除され得る。配列番号3の最初の24個のN末端アミノ酸は、有用には、削除され得る。他の断片は、1つまたはそれより多くのタンパク質ドメインが削除されている。PSE21−5は元々長いタンパク質であるので、断片の使用は、例えば、精製、操作、融合、発現などに有用である。
配列番号38は、配列番号3の有用な断片(「PSE21−525−646」)である。この断片は、PSE21−5の最も曝露したドメインを含み、工業的規模でより容易に使用される。
PA2407またはPSE41−5
「PSE41−5」抗原は、「推定接着タンパク質」とアノテーションされている。PAO1株では、PSE41−5は、PA2407と命名されており、配列番号5のアミノ酸配列(GI:15597603)を有する。参考文献37を参照のこと。PA2407は、本明細書では「PSE41−5」または「PSE41」と称されることもある。PA2407は、本明細書では「PSE41−5」または「PSE41」と称されることもある。
有用な「PSE41−5」抗原は、配列番号5を認識する抗体を(例えば、ヒトに投与した場合に)誘導し得、そして/または(a)配列番号5と50%またはそれより高い同一性(例えば、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、99.5%またはそれより高く)を有し、そして/もしくは(b)配列番号5の少なくとも「n個」の連続するアミノ酸の断片(「n個」は、7個またはそれより多く(例えば、8個、10個、12個、14個、16個、18個、20個、25個、30個、35個、40個、50個、60個、70個、80個、90個、100個、150個、200個、250個またはそれより多く)である)を含むアミノ酸配列を含み得る。これらの「PSE41−5」タンパク質は、配列番号5のバリアントを含む。(b)の好ましい断片は、配列番号5由来のエピトープを含む。他の好ましい断片は、配列番号5のC末端から1個またはそれより多くのアミノ酸(例えば、1個、2個、3個、4個、5個、6個、7個、8個、9個、10個、15個、20個、25個またはそれより多く)および/またはN末端から1個またはそれより多くのアミノ酸(例えば、1個、2個、3個、4個、5個、6個、7個、8個、9個、10個、15個、20個、25個またはそれより多く)を欠くが、配列番号5の少なくとも1つのエピトープを保持する。配列番号5の最後の40個のC末端アミノ酸は、有用には、削除され得る。配列番号5の最初の37個のN末端アミノ酸は、有用には、削除され得る。他の断片は、1つまたはそれより多く上のタンパク質ドメインが削除されている。「PSE41−5」は元々長いタンパク質であるので、断片の使用は、例えば、精製、操作、融合、発現などに有用である。
配列番号40は、配列番号5の有用な断片(「PSE41−5」38−317)である。この断片は、「PSE41−5」の最も曝露したドメインを含み、工業的規模でより容易に使用される。それはまた、抗原のヒトタンパク質との類似性を減少させる。
PA3526またはPSE44−4
PSE44−4抗原は、「推定外膜タンパク質前駆体」とアノテーションされている。PAO1株では、PSE44−4はPA3526であり、配列番号6のアミノ酸配列(GI:15598722)を有する。参考文献37を参照のこと。PA3526は、本明細書では「PSE44−4」または「PSE44」と称されることもある。
有用なPSE44−4抗原は、配列番号6を認識する抗体を(例えば、ヒトに投与した場合に)誘導し得、そして/または(a)配列番号6と50%またはそれより高い同一性(例えば、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、99.5%またはそれより高く)を有し、そして/もしくは(b)配列番号6の少なくとも「n個」の連続するアミノ酸の断片(「n個」は、7個またはそれより多く(例えば、8個、10個、12個、14個、16個、18個、20個、25個、30個、35個、40個、50個、60個、70個、80個、90個、100個、150個、200個、250個またはそれより多く)である)を含むアミノ酸配列を含み得る。これらのPSE44−4タンパク質は、配列番号6のバリアントを含む。(b)の好ましい断片は、配列番号6由来のエピトープを含む。他の好ましい断片は、配列番号6のC末端から1個またはそれより多くのアミノ酸(例えば、1個、2個、3個、4個、5個、6個、7個、8個、9個、10個、15個、20個、25個またはそれより多く)および/またはN末端から1個またはそれより多くのアミノ酸(例えば、1個、2個、3個、4個、5個、6個、7個、8個、9個、10個、15個、20個、25個またはそれより多く)を欠くが、配列番号6の少なくとも1つのエピトープを保持する。配列番号6の最初の19個のN末端アミノ酸は、有用には、削除され得る。他の断片は、1つまたはそれより多くのタンパク質ドメインが削除されている。PSE44−4は元々長いタンパク質であるので、断片の使用は、例えば、精製、操作、融合、発現などに有用である。
配列番号41は、配列番号6の有用な断片(「PSE44−420−321」)である。この断片は、PSE44−4の最も曝露したドメインを含み、工業的規模でより容易に使用される。それはまた、抗原のヒトタンパク質との類似性を減少させる。
PA4082またはPSE47A−2
PSE47A−2抗原は、「接着タンパク質CupB5」または「セリンプロテアーゼ」とアノテーションされている。PAO1株では、PSE47A−2はPA4082と命名されており、配列番号7のアミノ酸配列(GI:15599277)を有する。参考文献37を参照のこと。PA4082は、本明細書では「PSE47A」または「PSE47A−2」(断片)と称されることもある。
有用なPSE47A−2抗原は、配列番号7を認識する抗体を(例えば、ヒトに投与した場合に)誘導し得、そして/または(a)配列番号7と50%またはそれより高い同一性(例えば、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、99.5%またはそれより高く)を有し、そして/もしくは(b)配列番号7の少なくとも「n個」の連続するアミノ酸の断片(「n個」は、7個またはそれより多く(例えば、8個、10個、12個、14個、16個、18個、20個、25個、30個、35個、40個、50個、60個、70個、80個、90個、100個、150個、200個、250個またはそれより多く)である)を含むアミノ酸配列を含み得る。これらのPSE47A−2タンパク質は、配列番号7のバリアントを含む。(b)の好ましい断片は、配列番号7由来のエピトープを含む。他の好ましい断片は、配列番号7のC末端から1個またはそれより多くのアミノ酸(例えば、1個、2個、3個、4個、5個、6個、7個、8個、9個、10個、15個、20個、25個またはそれより多く)および/またはN末端から1個またはそれより多くのアミノ酸(例えば、1個、2個、3個、4個、5個、6個、7個、8個、9個、10個、15個、20個、25個またはそれより多く)を欠くが、配列番号7の少なくとも1つのエピトープを保持する。このタンパク質のC末端部分は輸送ドメイン(これは全体が外膜に埋め込まれているので、抗体に全くアクセス不可能である)に対応するので、有用には、削除され得る。したがって、配列番号7の最後の435個のC末端アミノ酸は、有用には、削除され得る。配列番号7の最初の53個のN末端アミノ酸は、有用には、削除され得る。他の断片は、1つまたはそれより多くのタンパク質ドメインが削除されている。PSE47A−2は元々長いタンパク質であるので、断片の使用は、例えば、精製、操作、融合、発現などに有用である。
配列番号42は、配列番号7の有用な断片(「PSE47A−254−583」)である。この断片は、PSE47A−2の最も曝露したドメインを含み、工業的規模でより容易に使用される。それはまた、抗原のヒトタンパク質との類似性を減少させる。
PA5047またはPSE53−1
PSE53−1抗原は、「仮想タンパク質」とアノテーションされている。PAO1株では、PSE53−1はPA5047であり、配列番号9のアミノ酸配列(GI:15600240)を有する。参考文献37を参照のこと。PA5047は、本明細書では「PSE53−1」または「PSE53」と称されることもある。
有用なPSE53−1抗原は、配列番号9を認識する抗体を(例えば、ヒトに投与した場合に)誘導し得、そして/または(a)配列番号9と50%またはそれより高い同一性(例えば、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、99.5%またはそれより高く)を有し、そして/もしくは(b)配列番号9の少なくとも「n個」の連続するアミノ酸の断片(「n個」は、7個またはそれより多く(例えば、8個、10個、12個、14個、16個、18個、20個、25個、30個、35個、40個、50個、60個、70個、80個、90個、100個、150個、200個、250個またはそれより多く)である)を含むアミノ酸配列を含み得る。これらのPSE53−1タンパク質は、配列番号9のバリアントを含む。(b)の好ましい断片は、配列番号9由来のエピトープを含む。他の好ましい断片は、配列番号9のC末端から1個またはそれより多くのアミノ酸(例えば、1個、2個、3個、4個、5個、6個、7個、8個、9個、10個、15個、20個、25個またはそれより多く)および/またはN末端から1個またはそれより多くのアミノ酸(例えば、1個、2個、3個、4個、5個、6個、7個、8個、9個、10個、15個、20個、25個またはそれより多く)を欠くが、配列番号9の少なくとも1つのエピトープを保持する。配列番号9の最後の40個のC末端アミノ酸は、有用には、削除され得る。配列番号9の最初の18個のN末端アミノ酸は、有用には、削除され得る。他の断片は、1つまたはそれより多くのタンパク質ドメインが削除されている。PSE53−1は元々長いタンパク質であるので、断片の使用は、例えば、精製、操作、融合、発現などに有用である。
配列番号44は、配列番号9の有用な断片(「PSE53−119−479」)である。この断片は、PSE53−1の最も曝露したドメインを含み、工業的規模でより容易に使用される。それはまた、抗原のヒトタンパク質との類似性を減少させる。
PA5340またはPSE54
PSE54抗原は、「推定外膜タンパク質前駆体」および「仮想タンパク質」とアノテーションされている。PAO1株では、PSE54はPA3526であり、配列番号10のアミノ酸配列(GI:15598722)を有する。参考文献37を参照のこと。PA5340は、本明細書では「PSE54」と称されることもある。
有用なPSE54抗原は、配列番号10を認識する抗体を(例えば、ヒトに投与した場合に)誘導し得、そして/または(a)配列番号10と50%またはそれより高い同一性(例えば、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、99.5%またはそれより高く)を有し、そして/もしくは(b)配列番号10の少なくとも「n個」の連続するアミノ酸の断片(「n個」は、7個またはそれより多く(例えば、8個、10個、12個、14個、16個、18個、20個、25個、30個、35個、40個、50個、60個、70個、80個、90個、100個、150個、200個、250個またはそれより多く)である)を含むアミノ酸配列を含み得る。これらのPSE54タンパク質は、配列番号10のバリアントを含む。(b)の好ましい断片は、配列番号10由来のエピトープを含む。他の好ましい断片は、配列番号10のC末端から1個またはそれより多くのアミノ酸(例えば、1個、2個、3個、4個、5個、6個、7個、8個、9個、10個、15個、20個、25個またはそれより多く)および/またはN末端から1個またはそれより多くのアミノ酸(例えば、1個、2個、3個、4個、5個、6個、7個、8個、9個、10個、15個、20個、25個またはそれより多く)を欠くが、配列番号10の少なくとも1つのエピトープを保持する。配列番号10の最後の40個のC末端アミノ酸は、有用には、削除され得る。配列番号10の最初の16個のN末端アミノ酸は、有用には、削除され得る。他の断片は、1つまたはそれより多くのタンパク質ドメインが削除されている。PSE54は元々長いタンパク質であるので、断片の使用は、例えば、精製、操作、融合、発現などに有用である。
配列番号45は、配列番号10の有用な断片(「PSE5417−243」)である。この断片は、PSE54の最も曝露したドメインを含み、工業的規模でより容易に使用される。それはまた、抗原のヒトタンパク質との類似性を減少させる。
PA0595またはPSE5−1
PSE5−1抗原は、「有機溶媒耐性タンパク質OstA前駆体」とアノテーションされている。PAO1株では、PSE5−1はPA0595であり、配列番号11のアミノ酸配列(GI:15595792)を有する。参考文献37を参照のこと。PA0595は、本明細書では「PSE5−1」または「PSE5」と称されることもある。
有用なPSE5−1抗原は、配列番号11を認識する抗体を(例えば、ヒトに投与した場合に)誘導し得、そして/または(a)配列番号11と50%またはそれより高い同一性(例えば、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、99.5%またはそれより高く)を有し、そして/もしくは(b)配列番号11の少なくとも「n個」の連続するアミノ酸の断片(「n個」は、7個またはそれより多く(例えば、8個、10個、12個、14個、16個、18個、20個、25個、30個、35個、40個、50個、60個、70個、80個、90個、100個、150個、200個、250個またはそれより多く)である)を含むアミノ酸配列を含み得る。これらのPSE5−1タンパク質は、配列番号11のバリアントを含む。(b)の好ましい断片は、配列番号11由来のエピトープを含む。他の好ましい断片は、配列番号11のC末端から1個またはそれより多くのアミノ酸(例えば、1個、2個、3個、4個、5個、6個、7個、8個、9個、10個、15個、20個、25個またはそれより多く)および/またはN末端から1個またはそれより多くのアミノ酸(例えば、1個、2個、3個、4個、5個、6個、7個、8個、9個、10個、15個、20個、25個またはそれより多く)を欠くが、配列番号11の少なくとも1つのエピトープを保持する。配列番号11の最後の40個のC末端アミノ酸は、有用には、削除され得る。配列番号11の最初の33個のN末端アミノ酸は、有用には、削除され得る。他の断片は、1つまたはそれより多くのタンパク質ドメインが削除されている。PSE5−1は元々長いタンパク質であるので、断片の使用は、例えば、精製、操作、融合、発現などに有用である。
配列番号46は、配列番号11の有用な断片(「PSE5−134−924」)である。この断片は、PSE5−1の最も曝露したドメインを含み、工業的規模でより容易に使用される。
PA1954またはPSE13−2
PSE13−2抗原は、「仮想タンパク質」とアノテーションされている。PAO1株では、PSE13−2はPA1954であり、配列番号12のアミノ酸配列(GI:15597150)を有する。参考文献37を参照のこと。PA1954は、本明細書では「PSE13−2」または「PSE13」と称されることもある。
有用なPSE13−2抗原は、配列番号12を認識する抗体を(例えば、ヒトに投与した場合に)誘導し得、そして/または(a)配列番号12と50%またはそれより高い同一性(例えば、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、99.5%またはそれより高く)を有し、そして/もしくは(b)配列番号12の少なくとも「n個」の連続するアミノ酸の断片(「n個」は、7個またはそれより多く(例えば、8個、10個、12個、14個、16個、18個、20個、25個、30個、35個、40個、50個、60個、70個、80個、90個、100個、150個、200個、250個またはそれより多く)である)を含むアミノ酸配列を含み得る。これらのPSE13−2タンパク質は、配列番号12のバリアントを含む。(b)の好ましい断片は、配列番号12由来のエピトープを含む。他の好ましい断片は、配列番号12のC末端から1個またはそれより多くのアミノ酸(例えば、1個、2個、3個、4個、5個、6個、7個、8個、9個、10個、15個、20個、25個またはそれより多く)および/またはN末端から1個またはそれより多くのアミノ酸(例えば、1個、2個、3個、4個、5個、6個、7個、8個、9個、10個、15個、20個、25個またはそれより多く)を欠くが、配列番号12の少なくとも1つのエピトープを保持する。配列番号12の最後の40個のC末端アミノ酸は、有用には、削除され得る。配列番号12の最初の24個のN末端アミノ酸は、有用には、削除され得る。他の断片は、1つまたはそれより多くのタンパク質ドメインが削除されている。PSE13−2は元々長いタンパク質であるので、断片の使用は、例えば、精製、操作、融合、発現などに有用である。
配列番号47は、配列番号12の有用な断片(「PSE13−225−340」)である。この断片は、PSE13−2の最も曝露したドメインを含み、工業的規模でより容易に使用される。
PA3692またはPSE17−1
PSE17−1抗原は、「リポトキシンF、LptF」とアノテーションされている。PAO1株では、PSE17−1はPA3692であり、配列番号13のアミノ酸配列(GI:15598888)を有する。参考文献37を参照のこと。参考文献39に示されているように、それは、外膜タンパク質および関連ペプチドグリカン結合(リポ)タンパク質に属すると記載されている。PA3692は、本明細書では「PSE17−1」または「PSE17」と称されることもある。
有用なPSE17−1抗原は、配列番号13を認識する抗体を(例えば、ヒトに投与した場合に)誘導し得、そして/または(a)配列番号13と50%またはそれより高い同一性(例えば、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、99.5%またはそれより高く)を有し、そして/もしくは(b)配列番号13の少なくとも「n個」の連続するアミノ酸の断片(「n個」は、7個またはそれより多く(例えば、8個、10個、12個、14個、16個、18個、20個、25個、30個、35個、40個、50個、60個、70個、80個、90個、100個、150個、200個、250個またはそれより多く)である)を含むアミノ酸配列を含み得る。これらのPSE17−1タンパク質は、配列番号13のバリアントを含む。(b)の好ましい断片は、配列番号13由来のエピトープを含む。他の好ましい断片は、配列番号13のC末端から1個またはそれより多くのアミノ酸(例えば、1個、2個、3個、4個、5個、6個、7個、8個、9個、10個、15個、20個、25個またはそれより多く)および/またはN末端から1個またはそれより多くのアミノ酸(例えば、1個、2個、3個、4個、5個、6個、7個、8個、9個、10個、15個、20個、25個またはそれより多く)を欠くが、配列番号13の少なくとも1つのエピトープを保持する。配列番号13の最後の40個のC末端アミノ酸は、有用には、削除され得る。配列番号13の最初の19個のN末端アミノ酸は、有用には、削除され得る。他の断片は、1つまたはそれより多くのタンパク質ドメインが削除されている。PSE17−1は元々長いタンパク質であるので、断片の使用は、例えば、精製、操作、融合、発現などに有用である。
配列番号48は、配列番号13の有用な断片(「PSE17−120−261」)である。この断片は、PSE17−1の最も曝露したドメインを含み、工業的規模でより容易に使用される。
PA4370またはPSE18−2
PSE18−2抗原は、「インスリン切断メタロプロテイナーゼ外膜タンパク質前駆体」とアノテーションされている。PAO1株では、PSE18−2はPA4370であり、配列番号14のアミノ酸配列(GI:15599566)を有する。参考文献37を参照のこと。参考文献40に示されているように、それは、外膜タンパク質に属し、特にインスリン切断メタロプロテイナーゼ外膜タンパク質(IcmP)であると記載されている。PA4370は、本明細書では「PSE18−2」または「PSE18」と称されることもある。
有用なPSE18−2抗原は、配列番号14を認識する抗体を(例えば、ヒトに投与した場合に)誘導し得、そして/または(a)配列番号14と50%またはそれより高い同一性(例えば、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、99.5%またはそれより高く)を有し、そして/もしくは(b)配列番号14の少なくとも「n個」の連続するアミノ酸の断片(「n個」は、7個またはそれより多く(例えば、8個、10個、12個、14個、16個、18個、20個、25個、30個、35個、40個、50個、60個、70個、80個、90個、100個、150個、200個、250個またはそれより多く)である)を含むアミノ酸配列を含み得る。これらのPSE18−2タンパク質は、配列番号14のバリアントを含む。(b)の好ましい断片は、配列番号14由来のエピトープを含む。他の好ましい断片は、配列番号14のC末端から1個またはそれより多くのアミノ酸(例えば、1個、2個、3個、4個、5個、6個、7個、8個、9個、10個、15個、20個、25個またはそれより多く)および/またはN末端から1個またはそれより多くのアミノ酸(例えば、1個、2個、3個、4個、5個、6個、7個、8個、9個、10個、15個、20個、25個またはそれより多く)を欠くが、配列番号14の少なくとも1つのエピトープを保持する。配列番号14の最後の40個のC末端アミノ酸は、有用には、削除され得る。配列番号14の最初の20個のN末端アミノ酸は、有用には、削除され得る。他の断片は、1つまたはそれより多くのタンパク質ドメインが削除されている。PSE18−2は元々長いタンパク質であるので、断片の使用は、例えば、精製、操作、融合、発現などに有用である。
配列番号49は、配列番号14の有用な断片(「PSE18−221−446」)である。この断片は、PSE18−2の最も曝露したドメインを含み、工業的規模でより容易に使用される。
PA4735またはPSE20−1
PSE20−1抗原は、「仮想タンパク質」とアノテーションされている。PAO1株では、PSE20−1はPA4735であり、配列番号16のアミノ酸配列(GI:15599929)を有する。参考文献37を参照のこと。PA4735は、本明細書では「PSE20−1」または「PSE20」と称されることもある。
有用なPSE20−1抗原は、配列番号16を認識する抗体を(例えば、ヒトに投与した場合に)誘導し得、そして/または(a)配列番号16と50%またはそれより高い同一性(例えば、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、99.5%またはそれより高く)を有し、そして/もしくは(b)配列番号16の少なくとも「n個」の連続するアミノ酸の断片(「n個」は、7個またはそれより多く(例えば、8個、10個、12個、14個、16個、18個、20個、25個、30個、35個、40個、50個、60個、70個、80個、90個、100個、150個、200個、250個またはそれより多く)である)を含むアミノ酸配列を含み得る。これらのPSE20−1タンパク質は、配列番号16のバリアントを含む。(b)の好ましい断片は、配列番号16由来のエピトープを含む。他の好ましい断片は、配列番号16のC末端から1個またはそれより多くのアミノ酸(例えば、1個、2個、3個、4個、5個、6個、7個、8個、9個、10個、15個、20個、25個またはそれより多く)および/またはN末端から1個またはそれより多くのアミノ酸(例えば、1個、2個、3個、4個、5個、6個、7個、8個、9個、10個、15個、20個、25個またはそれより多く)を欠くが、配列番号16の少なくとも1つのエピトープを保持する。配列番号16の最後の40個のC末端アミノ酸は、有用には、削除され得る。配列番号16の最初の19個のN末端アミノ酸は、有用には、削除され得る。他の断片は、1つまたはそれより多くのタンパク質ドメインが削除されている。PSE20−1は元々長いタンパク質であるので、断片の使用は、例えば、精製、操作、融合、発現などに有用である。
配列番号51は、配列番号16の有用な断片(「PSE20−120−1088」)である。この断片は、PSE20−1の最も曝露したドメインを含み、工業的規模でより容易に使用される。
PA3647またはPSE23−1
PSE23−1抗原は、「仮想タンパク質」とアノテーションされている。PAO1株では、PSE23−1はPA3647であり、配列番号17のアミノ酸配列(GI:15598843)を有する。参考文献37を参照のこと。参考文献41に示されているように、それは、推定外膜タンパク質前駆体またはOmpH遺伝子と記載されており、OprIの精製過程中の混入物質と記載されていた。PA3647は、本明細書では「PSE23−1」または「PSE23」と称されることもある。
有用なPSE20−1抗原は、配列番号17を認識する抗体を(例えば、ヒトに投与した場合に)誘導し得、そして/または(a)配列番号17と50%またはそれより高い同一性(例えば、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、99.5%またはそれより高く)を有し、そして/もしくは(b)配列番号17の少なくとも「n個」の連続するアミノ酸の断片(「n個」は、7個またはそれより多く(例えば、8個、10個、12個、14個、16個、18個、20個、25個、30個、35個、40個、50個、60個、70個、80個、90個、100個、150個、200個、250個またはそれより多く)である)を含むアミノ酸配列を含み得る。これらのPSE20−1タンパク質は、配列番号17のバリアントを含む。(b)の好ましい断片は、配列番号17由来のエピトープを含む。他の好ましい断片は、配列番号17のC末端から1個またはそれより多くのアミノ酸(例えば、1個、2個、3個、4個、5個、6個、7個、8個、9個、10個、15個、20個、25個またはそれより多く)および/またはN末端から1個またはそれより多くのアミノ酸(例えば、1個、2個、3個、4個、5個、6個、7個、8個、9個、10個、15個、20個、25個またはそれより多く)を欠くが、配列番号17の少なくとも1つのエピトープを保持する。配列番号17の最後の40個のC末端アミノ酸は、有用には、削除され得る。配列番号17の最初の22個のN末端アミノ酸は、有用には、削除され得る。他の断片は、1つまたはそれより多くのタンパク質ドメインが削除されている。PSE23−1は元々長いタンパク質であるので、断片の使用は、例えば、精製、操作、融合、発現などに有用である。
配列番号52は、配列番号17の有用な断片(「PSE20−123−168」)である。この断片は、PSE23−1の最も曝露したドメインを含み、工業的規模でより容易に使用される。
PA0126またはPSE24−1
PSE24−1抗原は、「仮想タンパク質」とアノテーションされている。PAO1株では、PSE24−1はPA0126であり、配列番号18のアミノ酸配列(GI:15595324)を有する。参考文献37を参照のこと。PA0126は、本明細書では「PSE24−1」または「PSE24」と称されることもある。
有用なPSE24−1抗原は、配列番号18を認識する抗体を(例えば、ヒトに投与した場合に)誘導し得、そして/または(a)配列番号18と50%またはそれより高い同一性(例えば、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、99.5%またはそれより高く)を有し、そして/もしくは(b)配列番号18の少なくとも「n個」の連続するアミノ酸の断片(「n個」は、7個またはそれより多く(例えば、8個、10個、12個、14個、16個、18個、20個、25個、30個、35個、40個、50個、60個、70個、80個、90個、100個、150個、200個、250個またはそれより多く)である)を含むアミノ酸配列を含み得る。これらのPSE24−1タンパク質は、配列番号18のバリアントを含む。(b)の好ましい断片は、配列番号18由来のエピトープを含む。他の好ましい断片は、配列番号18のC末端から1個またはそれより多くのアミノ酸(例えば、1個、2個、3個、4個、5個、6個、7個、8個、9個、10個、15個、20個、25個またはそれより多く)および/またはN末端から1個またはそれより多くのアミノ酸(例えば、1個、2個、3個、4個、5個、6個、7個、8個、9個、10個、15個、20個、25個またはそれより多く)を欠くが、配列番号18の少なくとも1つのエピトープを保持する。配列番号18の最初の19個のN末端アミノ酸は、有用には、削除され得る。他の断片は、1つまたはそれより多くのタンパク質ドメインが削除されている。PSE24−1は元々長いタンパク質であるので、断片の使用は、例えば、精製、操作、融合、発現などに有用である。
配列番号53は、配列番号18の有用な断片(「PSE24−120−206」)である。この断片は、PSE24−1の最も曝露したドメインを含み、工業的規模でより容易に使用される。
PA0189またはPSE25−1
PSE25−1抗原は、「推定ポリン」とアノテーションされている。PAO1株では、PSE25−1はPA0189であり、配列番号19のアミノ酸配列(GI:15595387)を有する。参考文献37を参照のこと。PA0189は、本明細書では「PSE25−1」または「PSE25」と称されることもある。
有用なPSE25−1抗原は、配列番号19を認識する抗体を(例えば、ヒトに投与した場合に)誘導し得、そして/または(a)配列番号19と50%またはそれより高い同一性(例えば、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、99.5%またはそれより高く)を有し、そして/もしくは(b)配列番号19の少なくとも「n個」の連続するアミノ酸の断片(「n個」は、7個またはそれより多く(例えば、8個、10個、12個、14個、16個、18個、20個、25個、30個、35個、40個、50個、60個、70個、80個、90個、100個、150個、200個、250個またはそれより多く)である)を含むアミノ酸配列を含み得る。これらのPSE25−1タンパク質は、配列番号19のバリアントを含む。(b)の好ましい断片は、配列番号19由来のエピトープを含む。他の好ましい断片は、配列番号19のC末端から1個またはそれより多くのアミノ酸(例えば、1個、2個、3個、4個、5個、6個、7個、8個、9個、10個、15個、20個、25個またはそれより多く)および/またはN末端から1個またはそれより多くのアミノ酸(例えば、1個、2個、3個、4個、5個、6個、7個、8個、9個、10個、15個、20個、25個またはそれより多く)を欠くが、配列番号19の少なくとも1つのエピトープを保持する。配列番号19の最初の25個のN末端アミノ酸は、有用には、削除され得る。他の断片は、1つまたはそれより多くのタンパク質ドメインが削除されている。PSE25−1は元々長いタンパク質であるので、断片の使用は、例えば、精製、操作、融合、発現などに有用である。
配列番号54は、配列番号19の有用な断片(「PSE25−126−452」)である。この断片は、PSE25−1の最も曝露したドメインを含み、工業的規模でより容易に使用される。
PA0274またはPSE26−1
PSE26−1抗原は、「仮想タンパク質」とアノテーションされている。PAO1株では、PSE26−1はPA0274であり、配列番号20のアミノ酸配列(GI:15595471)を有する。参考文献37を参照のこと。PA0274は、本明細書では「PSE26−1」または「PSE26」と称されることもある。
有用なPSE26−1抗原は、配列番号20を認識する抗体を(例えば、ヒトに投与した場合に)誘導し得、そして/または(a)配列番号20と50%またはそれより高い同一性(例えば、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、99.5%またはそれより高く)を有し、そして/もしくは(b)配列番号20の少なくとも「n個」の連続するアミノ酸の断片(「n個」は、7個またはそれより多く(例えば、8個、10個、12個、14個、16個、18個、20個、25個、30個、35個、40個、50個、60個、70個、80個、90個、100個、150個、200個、250個またはそれより多く)である)を含むアミノ酸配列を含み得る。これらのPSE26−1タンパク質は、配列番号20のバリアントを含む。(b)の好ましい断片は、配列番号20由来のエピトープを含む。他の好ましい断片は、配列番号20のC末端から1個またはそれより多くのアミノ酸(例えば、1個、2個、3個、4個、5個、6個、7個、8個、9個、10個、15個、20個、25個またはそれより多く)および/またはN末端から1個またはそれより多くのアミノ酸(例えば、1個、2個、3個、4個、5個、6個、7個、8個、9個、10個、15個、20個、25個またはそれより多く)を欠くが、配列番号20の少なくとも1つのエピトープを保持する。配列番号20の最初の23個のN末端アミノ酸は、有用には、削除され得る。他の断片は、1つまたはそれより多くのタンパク質ドメインが削除されている。PSE26−1は元々長いタンパク質であるので、断片の使用は、例えば、精製、操作、融合、発現などに有用である。
配列番号55は、配列番号20の有用な断片(「PSE26−124−256」)である。この断片は、PSE26−1の最も曝露したドメインを含み、工業的規模でより容易に使用される。
PA0537またはPSE28−2
PSE28−1抗原は、「保存された仮想タンパク質」とアノテーションされている。PAO1株では、PSE28−1はPA0537であり、配列番号21のアミノ酸配列(GI:15595734)を有する。参考文献37を参照のこと。PA0537は、本明細書では「PSE28−1」または「PSE28」と称されることもある。
有用なPSE28−1抗原は、配列番号21を認識する抗体を(例えば、ヒトに投与した場合に)誘導し得、そして/または(a)配列番号21と50%またはそれより高い同一性(例えば、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、99.5%またはそれより高く)を有し、そして/もしくは(b)配列番号21の少なくとも「n個」の連続するアミノ酸の断片(「n個」は、7個またはそれより多く(例えば、8個、10個、12個、14個、16個、18個、20個、25個、30個、35個、40個、50個、60個、70個、80個、90個、100個、150個、200個、250個またはそれより多く)である)を含むアミノ酸配列を含み得る。これらのPSE28−1タンパク質は、配列番号21のバリアントを含む。(b)の好ましい断片は、配列番号21由来のエピトープを含む。他の好ましい断片は、配列番号21のC末端から1個またはそれより多くのアミノ酸(例えば、1個、2個、3個、4個、5個、6個、7個、8個、9個、10個、15個、20個、25個またはそれより多く)および/またはN末端から1個またはそれより多くのアミノ酸(例えば、1個、2個、3個、4個、5個、6個、7個、8個、9個、10個、15個、20個、25個またはそれより多く)を欠くが、配列番号21の少なくとも1つのエピトープを保持する。配列番号21の最初の19個のN末端アミノ酸は、有用には、削除され得る。他の断片は、1つまたはそれより多くのタンパク質ドメインが削除されている。PSE28−1は元々長いタンパク質であるので、断片の使用は、例えば、精製、操作、融合、発現などに有用である。
配列番号56は、配列番号21の有用な断片(「PSE28−120−202」)である。この断片は、PSE28−1の最も曝露したドメインを含み、工業的規模でより容易に使用される。
PA0737またはPSE31−2
PSE31−2抗原は、「保存された仮想タンパク質」とアノテーションされている。PAO1株では、PSE31−2はPA0737であり、配列番号22のアミノ酸配列(GI:15595934)を有する。参考文献37を参照のこと。それは、アップレギュレートされたリポタンパク質であると記載されている。参考文献42を参照のこと。PA0737は、本明細書では「PSE31−2」または「PSE31」と称されることもある。
有用なPSE31−2抗原は、配列番号22を認識する抗体を(例えば、ヒトに投与した場合に)誘導し得、そして/または(a)配列番号22と50%またはそれより高い同一性(例えば、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、99.5%またはそれより高く)を有し、そして/もしくは(b)配列番号22の少なくとも「n個」の連続するアミノ酸の断片(「n個」は、7個またはそれより多く(例えば、8個、10個、12個、14個、16個、18個、20個、25個、30個、35個、40個、50個、60個、70個、80個、90個、100個、150個、200個、250個またはそれより多く)である)を含むアミノ酸配列を含み得る。これらのPSE31−2タンパク質は、配列番号22のバリアントを含む。(b)の好ましい断片は、配列番号22由来のエピトープを含む。他の好ましい断片は、配列番号22のC末端から1個またはそれより多くのアミノ酸(例えば、1個、2個、3個、4個、5個、6個、7個、8個、9個、10個、15個、20個、25個またはそれより多く)および/またはN末端から1個またはそれより多くのアミノ酸(例えば、1個、2個、3個、4個、5個、6個、7個、8個、9個、10個、15個、20個、25個またはそれより多く)を欠くが、配列番号22の少なくとも1つのエピトープを保持する。配列番号22の最初の19個のN末端アミノ酸は、有用には、削除され得る。他の断片は、1つまたはそれより多くのタンパク質ドメインが削除されている。PSE31−2は元々長いタンパク質であるので、断片の使用は、例えば、精製、操作、融合、発現などに有用である。
配列番号57は、配列番号22の有用な断片(「PSE31−220−151」)である。この断片は、PSE31−2の最も曝露したドメインを含み、工業的規模でより容易に使用される。
PA1086またはPSE33−2
PSE33−2抗原は、「鞭毛フック関連タンパク質1 FlgK」とアノテーションされている。PAO1株では、PSE33−2はPA1086であり、配列番号23のアミノ酸配列(GI:15596283)を有する。参考文献37を参照のこと。PA1086は、本明細書では「PSE33−2」または「PSE33」と称されることもある。
有用なPSE33−2抗原は、配列番号23を認識する抗体を(例えば、ヒトに投与した場合に)誘導し得、そして/または(a)配列番号23と50%またはそれより高い同一性(例えば、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、99.5%またはそれより高く)を有し、そして/もしくは(b)配列番号23の少なくとも「n個」の連続するアミノ酸の断片(「n個」は、7個またはそれより多く(例えば、8個、10個、12個、14個、16個、18個、20個、25個、30個、35個、40個、50個、60個、70個、80個、90個、100個、150個、200個、250個またはそれより多く)である)を含むアミノ酸配列を含み得る。これらのPSE33−2タンパク質は、配列番号23のバリアントを含む。(b)の好ましい断片は、配列番号23由来のエピトープを含む。他の好ましい断片は、配列番号23のC末端から1個またはそれより多くのアミノ酸(例えば、1個、2個、3個、4個、5個、6個、7個、8個、9個、10個、15個、20個、25個またはそれより多く)および/またはN末端から1個またはそれより多くのアミノ酸(例えば、1個、2個、3個、4個、5個、6個、7個、8個、9個、10個、15個、20個、25個またはそれより多く)を欠くが、配列番号23の少なくとも1つのエピトープを保持する。配列番号23の最初のN末端アミノ酸は、有用には、削除され得る。他の断片は、1つまたはそれより多くのタンパク質ドメインが削除されている。PSE33−2は元々長いタンパク質であるので、断片の使用は、例えば、精製、操作、融合、発現などに有用である。
配列番号58は、一般的に公知の発現系(すなわち、PETベクター系)における適切なクローニングおよび発現を可能にするためにポリペプチドの1位のMetのみが除去された配列番号23の有用な断片である。この断片は、PSE31−2の最も曝露したドメインを含み、工業的規模でより容易に使用される。
PA2793またはPSE42−1
PSE42−1抗原は、「仮想タンパク質」とアノテーションされている。PAO1株では、PSE42−1はPA2793であり、配列番号27のアミノ酸配列(GI:15597989)を有する。参考文献37を参照のこと。PA2793は、本明細書では「PSE42−1」または「PSE42」と称されることもある。
PSORTという利用可能なプログラムは、このタンパク質をリポタンパク質と予測し、LipoPは、残基20の後ろでの切断によってII型(リポタンパク質)輸出シグナルを予測した。参考文献37を参照のこと。
有用なPSE42−1抗原は、配列番号27を認識する抗体を(例えば、ヒトに投与した場合に)誘導し得、そして/または(a)配列番号27と50%またはそれより高い同一性(例えば、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、99.5%またはそれより高く)を有し、そして/もしくは(b)配列番号27の少なくとも「n個」の連続するアミノ酸の断片(「n個」は、7個またはそれより多く(例えば、8個、10個、12個、14個、16個、18個、20個、25個、30個、35個、40個、50個、60個、70個、80個、90個、100個、150個、200個、250個またはそれより多く)である)を含むアミノ酸配列を含み得る。これらのPSE42−1タンパク質は、配列番号27のバリアントを含む。(b)の好ましい断片は、配列番号27由来のエピトープを含む。他の好ましい断片は、配列番号27のC末端から1個またはそれより多くのアミノ酸(例えば、1個、2個、3個、4個、5個、6個、7個、8個、9個、10個、15個、20個、25個またはそれより多く)および/またはN末端から1個またはそれより多くのアミノ酸(例えば、1個、2個、3個、4個、5個、6個、7個、8個、9個、10個、15個、20個、25個またはそれより多く)を欠くが、配列番号27の少なくとも1つのエピトープを保持する。配列番号27の最初の20個のN末端アミノ酸は、有用には、削除され得る。他の断片は、1つまたはそれより多くのタンパク質ドメインが削除されている。PSE42−1は元々長いタンパク質であるので、断片の使用は、例えば、精製、操作、融合、発現などに有用である。
配列番号62は、配列番号27の有用な断片(「PSE42−121−344」)である。この断片は、PSE42−1の最も曝露したドメインを含み、工業的規模でより容易に使用される。
PA3535またはPSE45−2
PSE45−2抗原は、「推定外膜タンパク質前駆体」とアノテーションされている。PAO1株では、PSE45−2はPA3535であり、配列番号28のアミノ酸配列(GI:15598731)を有する。参考文献37を参照のこと。PA3535は、本明細書では「PSE45−2」または「PSE45」と称されることもある。
有用なPSE45−2抗原は、配列番号28を認識する抗体を(例えば、ヒトに投与した場合に)誘導し得、そして/または(a)配列番号28と50%またはそれより高い同一性(例えば、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、99.5%またはそれより高く)を有し、そして/もしくは(b)配列番号28の少なくとも「n個」の連続するアミノ酸の断片(「n個」は、7個またはそれより多く(例えば、8個、10個、12個、14個、16個、18個、20個、25個、30個、35個、40個、50個、60個、70個、80個、90個、100個、150個、200個、250個またはそれより多く)である)を含むアミノ酸配列を含み得る。これらのPSE45−2タンパク質は、配列番号28のバリアントを含む。(b)の好ましい断片は、配列番号28由来のエピトープを含む。他の好ましい断片は、配列番号28のC末端から1個またはそれより多くのアミノ酸(例えば、1個、2個、3個、4個、5個、6個、7個、8個、9個、10個、15個、20個、25個またはそれより多く)および/またはN末端から1個またはそれより多くのアミノ酸(例えば、1個、2個、3個、4個、5個、6個、7個、8個、9個、10個、15個、20個、25個またはそれより多く)を欠くが、配列番号28の少なくとも1つのエピトープを保持する。配列番号28の最初の30個のN末端アミノ酸は、有用には、削除され得る。他の断片は、1つまたはそれより多くのタンパク質ドメインが削除されている。PSE45−2は元々長いタンパク質であるので、断片の使用は、例えば、精製、操作、融合、発現などに有用である。
配列番号63は、配列番号28の有用な断片(「PSE45−231−995」)である。この断片は、PSE45−2の最も曝露したドメインを含み、工業的規模でより容易に使用される。
PA4578またはPSE50−1
PSE50−1抗原は、「仮想タンパク質」とアノテーションされている。PAO1株では、PSE50−1はPA4578であり、配列番号29のアミノ酸配列(GI:15599774)を有する。参考文献37を参照のこと。PA4578は、本明細書では「PSE50−1」または「PSE50」と称されることもある。
有用なPSE50−1抗原は、配列番号29を認識する抗体を(例えば、ヒトに投与した場合に)誘導し得、そして/または(a)配列番号29と50%またはそれより高い同一性(例えば、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、99.5%またはそれより高く)を有し、そして/もしくは(b)配列番号29の少なくとも「n個」の連続するアミノ酸の断片(「n個」は、7個またはそれより多く(例えば、8個、10個、12個、14個、16個、18個、20個、25個、30個、35個、40個、50個、60個、70個、80個、90個、100個、150個、200個、250個またはそれより多く)である)を含むアミノ酸配列を含み得る。これらのPSE50−1タンパク質は、配列番号29のバリアントを含む。(b)の好ましい断片は、配列番号29由来のエピトープを含む。他の好ましい断片は、配列番号29のC末端から1個またはそれより多くのアミノ酸(例えば、1個、2個、3個、4個、5個、6個、7個、8個、9個、10個、15個、20個、25個またはそれより多く)および/またはN末端から1個またはそれより多くのアミノ酸(例えば、1個、2個、3個、4個、5個、6個、7個、8個、9個、10個、15個、19個、20個、25個またはそれより多く)を欠くが、配列番号29の少なくとも1つのエピトープを保持する。配列番号29の最初の19個のN末端アミノ酸は、有用には、削除され得る。他の断片は、1つまたはそれより多くのタンパク質ドメインが削除されている。PSE45−2は元々長いタンパク質であるので、断片の使用は、例えば、精製、操作、融合、発現などに有用である。
配列番号64は、配列番号29の有用な断片(「PSE50−120−162」)である。この断片は、PSE50−1の最も曝露したドメインを含み、工業的規模でより容易に使用される。
PA4667またはPSE51−4
PSE51−4抗原は、「仮想タンパク質」とアノテーションされている。PAO1株では、PSE51−4はPA4667であり、配列番号30のアミノ酸配列(GI:15599862)を有する。参考文献37を参照のこと。PA4667は、本明細書では「PSE51−4」または「PSE51」と称されることもある。
有用なPSE51−4抗原は、配列番号30を認識する抗体を(例えば、ヒトに投与した場合に)誘導し得、そして/または(a)配列番号30と50%またはそれより高い同一性(例えば、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、99.5%またはそれより高く)を有し、そして/もしくは(b)配列番号30の少なくとも「n個」の連続するアミノ酸の断片(「n個」は、7個またはそれより多く(例えば、8個、10個、12個、14個、16個、18個、20個、25個、30個、35個、40個、50個、60個、70個、80個、90個、100個、150個、200個、250個またはそれより多く)である)を含むアミノ酸配列を含み得る。これらのPSE51−4タンパク質は、配列番号30のバリアントを含む。(b)の好ましい断片は、配列番号30由来のエピトープを含む。他の好ましい断片は、配列番号30のC末端から1個またはそれより多くのアミノ酸(例えば、1個、2個、3個、4個、5個、6個、7個、8個、9個、10個、15個、20個、25個またはそれより多く)および/またはN末端から1個またはそれより多くのアミノ酸(例えば、1個、2個、3個、4個、5個、6個、7個、8個、9個、10個、15個、19個、20個、25個、30個またはそれより多く)を欠くが、配列番号30の少なくとも1つのエピトープを保持する。配列番号30の最初の31個のN末端アミノ酸は、有用には、削除され得る。他の断片は、1つまたはそれより多くのタンパク質ドメインが削除されている。PSE51−4は元々長いタンパク質であるので、断片の使用は、例えば、精製、操作、融合、発現などに有用である。
配列番号65は、配列番号30の有用な断片(「PSE51−432−590」)である。この断片は、PSE51−4の最も曝露したドメインを含み、工業的規模でより容易に使用される。
PA1106またはPSE34−1
PSE34−1抗原は、「仮想タンパク質」とアノテーションされている。PAO1株では、PSE34−1はPA1106であり、配列番号24のアミノ酸配列(GI:15596303)を有する。参考文献37を参照のこと。PA1106は、本明細書では「PSE34−1」または「PSE34」と称されることもある。
有用なPSE34−1抗原は、配列番号24を認識する抗体を(例えば、ヒトに投与した場合に)誘導し得、そして/または(a)配列番号24と50%またはそれより高い同一性(例えば、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、99.5%またはそれより高く)を有し、そして/もしくは(b)配列番号24の少なくとも「n個」の連続するアミノ酸の断片(「n個」は、7個またはそれより多く(例えば、8個、10個、12個、14個、16個、18個、20個、25個、30個、35個、40個、50個、60個、70個、80個、90個、100個、150個、200個、250個またはそれより多く)である)を含むアミノ酸配列を含み得る。これらのPSE34−1タンパク質は、配列番号24のバリアントを含む。(b)の好ましい断片は、配列番号24由来のエピトープを含む。他の好ましい断片は、配列番号24のC末端から1個またはそれより多くのアミノ酸(例えば、1個、2個、3個、4個、5個、6個、7個、8個、9個、10個、15個、20個、25個またはそれより多く)および/またはN末端から1個またはそれより多くのアミノ酸(例えば、1個、2個、3個、4個、5個、6個、7個、8個、9個、10個、15個、20個、25個またはそれより多く)を欠くが、配列番号24の少なくとも1つのエピトープを保持する。配列番号24の最初の20個のN末端アミノ酸は、有用には、削除され得る。他の断片は、1つまたはそれより多くのタンパク質ドメインが削除されている。PSE34−1は元々長いタンパク質であるので、断片の使用は、例えば、精製、操作、融合、発現などに有用である。
配列番号59は、配列番号24の有用な断片(「PSE34−121−237」)である。この断片は、PSE34−1の最も曝露したドメインを含み、工業的規模でより容易に使用される。
PA1324またはPSE36−3
PSE36−3抗原は、「仮想タンパク質」とアノテーションされている。PAO1株では、PSE36−3はPA1324であり、配列番号25のアミノ酸配列(GI:15596521)を有する。参考文献37を参照のこと。PA1324は、本明細書では「PSE36−3」または「PSE36」と称されることもある。
PA1324は、バイオフィルム形成中のペプチドグリカンマトリックスに関連する糖または多糖の結合および輸送に関与すると仮定されている。[43]
有用なPSE36−3抗原は、配列番号25を認識する抗体を(例えば、ヒトに投与した場合に)誘導し得、そして/または(a)配列番号25と50%またはそれより高い同一性(例えば、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、99.5%またはそれより高く)を有し、そして/もしくは(b)配列番号25の少なくとも「n個」の連続するアミノ酸の断片(「n個」は、7個またはそれより多く(例えば、8個、10個、12個、14個、16個、18個、20個、25個、30個、35個、40個、50個、60個、70個、80個、90個、100個、150個、200個、250個またはそれより多く)である)を含むアミノ酸配列を含み得る。これらのPSE36−3タンパク質は、配列番号25のバリアントを含む。(b)の好ましい断片は、配列番号25由来のエピトープを含む。他の好ましい断片は、配列番号25のC末端から1個またはそれより多くのアミノ酸(例えば、1個、2個、3個、4個、5個、6個、7個、8個、9個、10個、15個、20個、25個またはそれより多く)および/またはN末端から1個またはそれより多くのアミノ酸(例えば、1個、2個、3個、4個、5個、6個、7個、8個、9個、10個、15個、20個、25個またはそれより多く)を欠くが、配列番号25の少なくとも1つのエピトープを保持する。配列番号25の最初の19個のN末端アミノ酸は、有用には、削除され得る。他の断片は、1つまたはそれより多くのタンパク質ドメインが削除されている。PSE36−3は元々長いタンパク質であるので、断片の使用は、例えば、精製、操作、融合、発現などに有用である。
配列番号60は、配列番号25の有用な断片(「PSE36−320−170」)である。この断片は、PSE36−3の最も曝露したドメインを含み、工業的規模でより容易に使用される。
第2の抗原群
PA1178またはPSE10
「PSE10」抗原は、「PhoP/Qおよび低Mg2+誘導性外膜タンパク質」とアノテーションされている。PAO1株では、PSE10はOprHとも称され[44]、配列番号2のアミノ酸配列を有する。PAO1株では、PSE10はPA1178とアノテーションされており、そのNCBI識別子はGI:15596375である。参考文献37を参照のこと。PA1178は、本明細書では「PSE10−1」または「PSE10」と称されることもある。
有用なPSE10抗原は、配列番号2を認識する抗体を(例えば、ヒトに投与した場合に)誘導し得、そして/または(a)配列番号2と50%またはそれより高い同一性(例えば、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、99.5%またはそれより高く)を有し、そして/もしくは(b)配列番号2の少なくとも「n個」の連続するアミノ酸の断片(「n個」は、7個またはそれより多く(例えば、8個、10個、12個、14個、16個、18個、20個、25個、30個、35個、40個、50個、60個、70個、80個、90個、100個、150個、200個、250個またはそれより多く)である)を含むアミノ酸配列を含み得る。これらのPSE10タンパク質は、配列番号2のバリアントを含む。(b)の好ましい断片は、配列番号2由来のエピトープを含む。他の好ましい断片は、配列番号2のC末端から1個またはそれより多くのアミノ酸(例えば、1個、2個、3個、4個、5個、6個、7個、8個、9個、10個、15個、20個、25個またはそれより多く)および/またはN末端から1個またはそれより多くのアミノ酸(例えば、1個、2個、3個、4個、5個、6個、7個、8個、9個、10個、15個、20個、25個、30個、35個、40個、45個、50個またはそれより多く)を欠くが、配列番号2の少なくとも1つのエピトープを保持する。配列番号2の最初の21個のN末端アミノ酸は、有用には、削除され得る。他の断片は、1つまたはそれより多くのタンパク質ドメインが削除されている。断片の使用は、例えば、精製、操作、融合、発現などに有用である。
配列番号37は、配列番号2の有用な断片(「PSE1022−200」)である。この断片は、PSE10の最も曝露したドメインを含み、工業的規模でより容易に使用される。
PA1248またはPSE11−3
「PSE11−3」抗原は、「アルカリプロテアーゼ分泌外膜タンパク質AprF前駆体」とアノテーションされている。PAO1株では、PSE11−3はPA1248であり、配列番号4のアミノ酸配列を有する。PAO1株では、そのNCBI識別子はGI:15596445である。参考文献37および45を参照のこと。
PA1248は、本明細書では「PSE11−3」または「PSE11」と称されることもある。
有用なPSE11−3抗原は、配列番号4を認識する抗体を(例えば、ヒトに投与した場合に)誘導し得、そして/または(a)配列番号4と50%またはそれより高い同一性(例えば、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、99.5%またはそれより高く)を有し、そして/もしくは(b)配列番号4の少なくとも「n個」の連続するアミノ酸の断片(「n個」は、7個またはそれより多く(例えば、8個、10個、12個、14個、16個、18個、20個、25個、30個、35個、40個、50個、60個、70個、80個、90個、100個、150個、200個、250個またはそれより多く)である)を含むアミノ酸配列を含み得る。これらのPSE11−3タンパク質は、配列番号4のバリアントを含む。(b)の好ましい断片は、配列番号4由来のエピトープを含む。他の好ましい断片は、配列番号4のC末端から1個またはそれより多くのアミノ酸(例えば、1個、2個、3個、4個、5個、6個、7個、8個、9個、10個、15個、20個、25個またはそれより多く)および/またはN末端から1個またはそれより多くのアミノ酸(例えば、1個、2個、3個、4個、5個、6個、7個、8個、9個、10個、15個、20個、25個またはそれより多く)を欠くが、配列番号4の少なくとも1つのエピトープを保持する。配列番号4の最初の18個のN末端アミノ酸は、有用には、削除され得る。他の断片は、1つまたはそれより多くのタンパク質ドメインが削除されている。PSE11−3は元々長いタンパク質であるので、断片の使用は、例えば、精製、操作、融合、発現などに有用である。参考文献45では、この抗原は公知の病原性因子として記載されており、抗原として試験されている。
配列番号39は、配列番号4の有用な断片(「PSE11−319−481」)である。この断片は、PSE11−3の最も曝露したドメインを含み、工業的規模でより容易に使用される。
PA4765またはPSE52−1
PSE52−1抗原は、「外膜リポタンパク質OmlA前駆体」とアノテーションされている。PAO1株では、PSE52−1はPA4765であり、配列番号8のアミノ酸配列(GI:15599959)を有する。参考文献37を参照のこと。PA4765は、本明細書では「PSE52−1」または「PSE52」と称されることもある。
参考文献46にあるように、それは、1999年以来、外膜タンパク質ファミリーに属すると記載されている。
有用なPSE52−1抗原は、配列番号8を認識する抗体を(例えば、ヒトに投与した場合に)誘導し得、そして/または(a)配列番号8と50%またはそれより高い同一性(例えば、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、99.5%またはそれより高く)を有し、そして/もしくは(b)配列番号8の少なくとも「n個」の連続するアミノ酸の断片(「n個」は、7個またはそれより多く(例えば、8個、10個、12個、14個、16個、18個、20個、25個、30個、35個、40個、50個、60個、70個、80個、90個、100個、150個、200個、250個またはそれより多く)である)を含むアミノ酸配列を含み得る。これらのPSE52−1タンパク質は、配列番号8のバリアントを含む。(b)の好ましい断片は、配列番号8由来のエピトープを含む。他の好ましい断片は、配列番号8のC末端から1個またはそれより多くのアミノ酸(例えば、1個、2個、3個、4個、5個、6個、7個、8個、9個、10個、15個、20個、25個またはそれより多く)および/またはN末端から1個またはそれより多くのアミノ酸(例えば、1個、2個、3個、4個、5個、6個、7個、8個、9個、10個、15個、20個、25個またはそれより多く)を欠くが、配列番号8の少なくとも1つのエピトープを保持する。配列番号8の最後の40個のC末端アミノ酸は、有用には、削除され得る。配列番号8の最初の21個のN末端アミノ酸は、有用には、削除され得る。他の断片は、1つまたはそれより多くのタンパク質ドメインが削除されている。PSE52−1は元々長いタンパク質であるので、断片の使用は、例えば、精製、操作、融合、発現などに有用である。
配列番号43は、配列番号8の有用な断片(「PSE52−122−176」)である。この断片は、PSE52−1の最も曝露したドメインを含み、工業的規模でより容易に使用される。
PA4710またはPSE19−1
PSE19−1抗原は、「ヘム/ヘモグロビン取り込み外膜受容体PhuR前駆体」とアノテーションされている。PAO1株では、PSE19−1はPA4710であり、配列番号15のアミノ酸配列(GI:15599904)を有する。参考文献37を参照のこと。前記抗原由来の短いペプチドは、一定の免疫原性を示すと提案されているが、この抗原は、組み合わせでワクチン抗原として試験されていない[47]。PA4710は、本明細書では「PSE19−1」または「PSE19」と称されることもある。
有用なPSE19−1抗原は、配列番号15を認識する抗体を(例えば、ヒトに投与した場合に)誘導し得、そしてに/または(a)配列番号15と50%またはそれより高い同一性(例えば、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、99.5%またはそれより高く)を有し、そして/もしくは(b)配列番号15の少なくとも「n個」の連続するアミノ酸の断片(「n個」は、7個またはそれより多く(例えば、8個、10個、12個、14個、16個、18個、20個、25個、30個、35個、40個、50個、60個、70個、80個、90個、100個、150個、200個、250個またはそれより多く)である)を含むアミノ酸配列を含み得る。これらのPSE19−2タンパク質は、配列番号15のバリアントを含む。(b)の好ましい断片は、配列番号15由来のエピトープを含む。他の好ましい断片は、配列番号15のC末端から1個またはそれより多くのアミノ酸(例えば、1個、2個、3個、4個、5個、6個、7個、8個、9個、10個、15個、20個、25個またはそれより多く)および/またはN末端から1個またはそれより多くのアミノ酸(例えば、1個、2個、3個、4個、5個、6個、7個、8個、9個、10個、15個、20個、25個またはそれより多く)を欠くが、配列番号15の少なくとも1つのエピトープを保持する。配列番号15の最後の40個のC末端アミノ酸は、有用には、削除され得る。配列番号15の最初の25個のN末端アミノ酸は、有用には、削除され得る。他の断片は、1つまたはそれより多くのタンパク質ドメインが削除されている。PSE19−1は元々長いタンパク質であるので、断片の使用は、例えば、精製、操作、融合、発現などに有用である。
配列番号50は、配列番号15の有用な断片(「PSE19−126−764」)である。この断片は、PSE19−1の最も曝露したドメインを含み、工業的規模でより容易に使用される。
PA1777またはPSE38−1
PSE38−1抗原は、「主要ポリンおよび構造外膜ポリンOprF前駆体」とアノテーションされている。PAO1株では、PSE38−1はPA1777であり、配列番号26のアミノ酸配列(GI:15596974)を有する。参考文献37および48を参照のこと。欧州特許出願公開第0297291号において、このタンパク質は有用な抗原として最初に記載された。PA1777は、本明細書では「PSE38−1」または「PSE38」と称されることもある。
有用なPSE38−1抗原は、配列番号26を認識する抗体を(例えば、ヒトに投与した場合に)誘導し得、そして/または(a)配列番号26と50%またはそれより高い同一性(例えば、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、99.5%またはそれより高く)を有し、そして/もしくは(b)配列番号26の少なくとも「n個」の連続するアミノ酸の断片(「n個」は、7個またはそれより多く(例えば、8個、10個、12個、14個、16個、18個、20個、25個、30個、35個、40個、50個、60個、70個、80個、90個、100個、150個、200個、250個またはそれより多く)である)を含むアミノ酸配列を含み得る。これらのPSE38−1タンパク質は、配列番号26のバリアントを含む。(b)の好ましい断片は、配列番号26由来のエピトープを含む。他の好ましい断片は、配列番号26のC末端から1個またはそれより多くのアミノ酸(例えば、1個、2個、3個、4個、5個、6個、7個、8個、9個、10個、15個、20個、25個またはそれより多く)および/またはN末端から1個またはそれより多くのアミノ酸(例えば、1個、2個、3個、4個、5個、6個、7個、8個、9個、10個、15個、20個、25個またはそれより多く)を欠くが、配列番号26の少なくとも1つのエピトープを保持する。配列番号26の最初の24個のN末端アミノ酸は、有用には、削除され得る。他の断片は、1つまたはそれより多くのタンパク質ドメインが削除されている。PSE38−1は元々長いタンパク質であるので、断片の使用は、例えば、精製、操作、融合、発現などに有用である。
配列番号61は、配列番号26の有用な断片(「PSE38−125−350」)である。この断片は、PSE38−1の最も曝露したドメインを含み、工業的規模でより容易に使用される。
さらなる抗原性ポリペプチド
PA4525またはPilA
PilA抗原は、「4型線毛前駆体PilA」とアノテーションされている。PAO1株では、PilAはPA4525であり、配列番号31のアミノ酸配列(GI:15599721)を有する。参考文献37を参照のこと。有用なPilA抗原は、配列番号31を認識する抗体を(例えば、ヒトに投与した場合に)誘導し得、そして/または(a)配列番号31と50%またはそれより高い同一性(例えば、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、99.5%またはそれより高く)を有し、そして/もしくは(b)配列番号31の少なくとも「n個」の連続するアミノ酸の断片(「n個」は、7個またはそれより多く(例えば、8個、10個、12個、14個、16個、18個、20個、25個、30個、35個、40個、50個、60個、70個、80個、90個、100個、150個、200個、250個またはそれより多く)である)を含むアミノ酸配列を含み得る。これらのPilAタンパク質は、配列番号31のバリアントを含む。(b)の好ましい断片は、配列番号31由来のエピトープを含む。他の好ましい断片は、配列番号31のC末端から1個またはそれより多くのアミノ酸(例えば、1個、2個、3個、4個、5個、6個、7個、8個、9個、10個、15個、20個、25個またはそれより多く)および/またはN末端から1個またはそれより多くのアミノ酸(例えば、1個、2個、3個、4個、5個、6個、7個、8個、9個、10個、15個、20個、25個またはそれより多く)を欠くが、配列番号31の少なくとも1つのエピトープを保持する。他の断片は、1つまたはそれより多くのタンパク質ドメインが削除されている。PilAは元々長いタンパク質であるので、断片の使用は、例えば、精製、操作、融合、発現などに有用である。
有用な断片は、PilAの最も曝露したドメインを含み、工業的規模でより容易に使用される。それはまた、抗原のヒトタンパク質との類似性を減少させる。参考文献49および参考文献50に示されているように、この抗原を使用したワクチンおよび免疫療法が試行されている。
OprF−OprI
OmpF/I抗原は、大腸菌(Escherichia coli)で発現されて精製された、成熟外膜タンパク質I(OprI)と、Pseudomonas aeruginosaのOprFのアミノ酸190〜342との融合により得られるハイブリッドタンパク質[Met−Ala−(His)6OprF(190−342)−OprI(21−83)](「(His)6」は配列番号70として開示されている)からなる融合タンパク質である。
前記融合タンパク質は、配列番号006として参考文献4に記載されている。参考のために、本明細書に記載される前記融合タンパク質の全長アミノ酸配列を配列番号32として示す。この抗原は、単一抗原として陽性対照としてか、または特定のシュードモナス抗原と組み合わせて使用する場合にインビボ実験でワクチン効力を増加させるという驚くべきプラス効果を示して有用に使用され得る。
PA1092またはFliC(鞭毛タンパク質)
FliC(PA1092)またはFliD(PA1094)のような鞭毛タンパク質および主鞭毛タンパク質は十分に特性決定されており、参考文献51に示されているように、単一ワクチン抗原として従来から使用されている。参考のために、FliCの全長アミノ酸配列を本明細書で配列番号33として示す。
PA1092抗原および/またはPA1094抗原は、有用には、「第1の抗原群」のまたは「第2の抗原群」のいずれかと組み合わせられ得る。
PA1094またはFliD(鞭毛タンパク質)
FliD(PA1094)のような鞭毛タンパク質および主鞭毛タンパク質は十分に特性決定されており、参考文献51に示されているように、ワクチン抗原として従来から使用されている。参考のために、FliDの全長アミノ酸配列を本明細書で配列番号34として示す。
PA1094は、有用には、「第1の抗原群」のいずれかまたは「第2の抗原群」のいずれかと組み合わせられ得る。
PA1148または細胞外タンパク質Aまたは外毒素A
外毒素Aとしても公知の細胞外タンパク質Aは、十分に特性決定されており、多糖コンジュゲートワクチン法(例えば、参考文献22)で担体タンパク質として主に使用されている細胞外タンパク質である。それは、PAO1PAO1株ではPA1148として公知である。参考文献37を参照のこと。
PA1148抗原は、有用には、「第1の抗原群」のいずれかまたは「第2の抗原群」のいずれかと組み合わせられ得る。
ハイブリッドポリペプチド
本発明で使用される抗原は、個々の別個のポリペプチドとして組成物中に存在し得る。しかしながら、複数の抗原を使用する場合、これらは、別個のポリペプチドとして存在する必要はない。代わりに、少なくとも2個(例えば、2個、3個、4個、5個またはそれより多く)の抗原は、単一ポリペプチド鎖(「ハイブリッド」ポリペプチド)として発現され得る。ハイブリッドポリペプチドは、2つの主な利点を提供する:第1に、それ自体が不安定であり得るかまたは低発現であり得るポリペプチドは、この問題を克服する適切なハイブリッドパートナーを付加することにより援助され得る;第2に、両方が抗原的に有用な2個のポリペプチドを生産するためにわずか1つの発現および精製しか必要ないので、商業的な製造が簡易化される。
ハイブリッドポリペプチドは、第1の抗原群からの2個またはそれより多くのポリペプチド配列を含み得る。ハイブリッドポリペプチドは、第1の抗原群からの1個またはそれより多くのポリペプチド配列と、第2の抗原群からの1個またはそれより多くのポリペプチド配列とを含み得る。さらに、ハイブリッドポリペプチドは、上記各抗原由来の2個またはそれより多くのポリペプチド配列を含んでもよいし、または配列が株間で部分的に変動する場合は同じ抗原の2個またはそれより多くのバリアントを含んでもよい。
2個、3個、4個、5個、6個、7個、8個、9個または10個の抗原由来のアミノ酸配列からなるハイブリッドが有用である。特に、2個または3個の抗原のような2個、3個、4個または5個の抗原由来のアミノ酸配列からなるハイブリッドが好ましい。
異なるハイブリッドポリペプチドを単一製剤中で一緒に混合し得る。ハイブリッドを、第1の、第2のまたは第3の抗原群から選択される非ハイブリッド抗原と組み合わせ得る。このような組み合わせでは、抗原は、複数のハイブリッドポリペプチド中におよび/または非ハイブリッドポリペプチドとして存在し得る。しかしながら、抗原はハイブリッドまたは非ハイブリッドのいずれかとして存在するが、これらの両方として存在しないことが好ましい。
また、ハイブリッドポリペプチドを上記コンジュゲートまたは非P.aeruginosa抗原と組み合わせ得る。
ハイブリッドポリペプチドは、式NH2−A−{−X−L−}n−B−COOH(式中、Xは、上記のような、P.aeruginosa抗原のアミノ酸配列であり、Lは、任意選択のリンカーアミノ酸配列であり、Aは、任意選択のN末端アミノ酸配列であり、Bは、任意選択のC末端アミノ酸配列であり、nは、2またはそれより大きな整数である(例えば、2、3、4、5、6など)で表され得る。通常、nは、2または3である。
−X−部分が、その野生型でリーダーペプチド配列を有する場合、これをハイブリッドタンパク質に含めてもよいし、またはハイブリッドタンパク質から削除してもよい。いくつかの実施形態では、リーダーペプチドは、ハイブリッドタンパク質のN末端にある−X−部分のもの以外は欠失している(すなわち、X1のリーダーペプチドは保持されるが、X2・・・Xnのリーダーペプチドは削除される)。これは、すべてのリーダーペプチドを欠失しており、−A−部分としてX1のリーダーペプチドを使用することに相当する。
{−X−L−}の各nの場合について、リンカーアミノ酸配列−L−は、存在してもよいし、または存在しなくてもよい。例えば、n=2の場合、ハイブリッドは、NH2−X1−L1−X2−L2−COOH、NH2−X1−X2−COOH、NH2−X1−L1−X2−COOH、NH2−X1−X2−L2−COOHなどであり得る。リンカーアミノ酸配列(単数または複数)−L−は、典型的には短い(例えば、20またはそれより少ないアミノ酸、すなわち、20、19、18、17、16、15、14、13、12、11、10、9、8、7、6、5、4、3、2、1)。例としては、クローニングを容易にする短いペプチド配列、ポリグリシンリンカー(すなわち、Glyn(n=2、3、4、5、6、7、8、9、10またはそれより多く)(配列番号71)を含む)およびヒスチジンタグ(すなわち、Hisn(n=3、4、5、6、7、8、9、10またはそれより多く)(配列番号72))が挙げられる。他の適切なリンカーアミノ酸配列は、当業者に明らかである。有用なリンカーは、GSGGGG(配列番号67)またはGSGSGGGG(配列番号68)であり、Gly−SerジペプチドはBamHI制限部位から形成されるのでクローニングおよび操作の助けとなり、(Gly)4(配列番号73)テトラペプチドは典型的なポリグリシンリンカーである。特に、最後のLnとして使用するための他の適切なリンカーは、ASGGGS(配列番号69)またはLeu−Gluジペプチドである。
−A−は、任意選択のN末端アミノ酸配列である。これは、典型的には短い(例えば、40またはそれより少ないアミノ酸、すなわち40、39、38、37、36、35、34、33、32、31、30、29、28、27、26、25、24、23、22、21、20、19、18、17、16、15、14、13、12、11、10、9、8、7、6、5、4、3、2、1)。例としては、タンパク質輸送を指令するリーダー配列、またはクローニングもしくは精製を容易にする短いペプチド配列(例えば、ヒスチジンタグ、すなわちHisn(n=3、4、5、6、7、8、9、10またはそれより多く)(配列番号72))が挙げられる。有用なタグは6個の連続するヒスチジンの配列(配列番号70)を含有し、その開始点に、同種または異種の開始メチオニンおよび/またはアラニンを有する(すなわち、配列番号66)。他の適切なN末端アミノ酸配列は、当業者に明らかである。X1がそれ自体のN末端メチオニンを欠く場合、−A−は、好ましくは、N末端メチオニンを提供するオリゴペプチド(例えば、1、2、3、4、5、6、7または8アミノ酸を有する)、例えばMet−Ala−Ser、または単一Met残基である。
−B−は、任意選択のC末端アミノ酸配列である。これは、典型的には短い(例えば、40またはそれより少ないアミノ酸、すなわち、39、38、37、36、35、34、33、32、31、30、29、28、27、26、25、24、23、22、21、20、19、18、17、16、15、14、13、12、11、10、9、8、7、6、5、4、3、2、1)。
本発明で使用されるポリペプチド
本発明で使用されるポリペプチドは、様々な形態をとり得る(例えば、天然、融合、グリコシル化、非グリコシル化、脂質付加、非脂質付加、リン酸化、非リン酸化、ミリストイル化、非ミリストイル化、モノマー、マルチマー、粒子状、変性など)。
本発明で使用されるポリペプチドは、様々な手段により調製され得る(例えば、組換え発現、細胞培養物からの精製、化学合成、天然の生物学的供給源からの単離など)。組換え発現タンパク質が好ましい(特に、ハイブリッドポリペプチドについては)。
本発明で使用されるポリペプチドは、精製または実質的に精製された形態、すなわち、他のポリペプチドを実質的に含まない(例えば、天然に存在するポリペプチドを含まない)形態、特に、他のシュードモナスポリペプチドまたは宿主細胞ポリペプチドを実質的に含まない形態で提供されることが好ましく、一般的には、少なくとも約50%純粋(重量基準)、通常は少なくとも約90%純粋であり、すなわち、組成物の約50%未満、より好ましくは約10%未満(例えば、5%)が、他の発現されたポリペプチドで構成される。したがって、組成物中の抗原は、その分子が発現される生体全体から分離される。
本発明で使用されるポリペプチドは、好ましくは、シュードモナスポリペプチドである。
「ポリペプチド」という用語は、任意の長さのアミノ酸ポリマーを指す。ポリマーは、直鎖状または分岐状であり得、修飾アミノ酸を含み得、非アミノ酸により中断され得る。この用語は、天然に修飾されたか、または介入(例えば、ジスルフィド結合形成、グリコシル化、脂質付加、アセチル化、リン酸化または任意の他の操作もしくは修飾、例えば、標識成分とのコンジュゲート化)により修飾されたアミノ酸ポリマーも包含する。例えば、1つまたはそれより多くのアミノ酸類似体(例えば、非天然アミノ酸などを含む)を含有するポリペプチドおよび当技術分野で公知の他の修飾を含有するポリペプチドも含まれる。ポリペプチドは、一本鎖または会合鎖として存在し得る。
本発明は、配列−P−Q−または−Q−P−(−P−は、上で定義したアミノ酸配列であり、−Q−は、上で定義した配列ではない)を含むポリペプチドを提供する(すなわち、本発明は、融合タンパク質を提供する)。−P−のN末端コドンがATGではなく、このコドンがポリペプチドのN末端に存在しない場合、これは、Metとしてではなくそのコドンの標準的なアミノ酸として翻訳される。しかしながら、このコドンがポリペプチドのN末端にある場合、これはMetとして翻訳される。−Q−部分の例としては、限定されないが、ヒスチジンタグ(すなわち、Hisn(n=3、4、5、6、7、8、9、10またはそれより多く)(配列番号72))、マルトース結合タンパク質、またはグルタチオン−S−トランスフェラーゼ(GST)が挙げられる。
本発明はまた、本発明のポリペプチドを生産するためのプロセスであって、ポリペプチド発現を誘導する条件下で、本発明の核酸で形質転換された宿主細胞を培養する工程を含むプロセスを提供する。
本発明のポリペプチドの発現はPseudomonasにおいて起こり得るが、本発明は、通常は、発現用の異種宿主を使用する(組換え発現)。異種宿主は、原核生物(例えば、細菌)または真核生物であり得る。これは、大腸菌であり得るが、他の適切な宿主としては、Bacillus subtilis、Vibrio cholerae、Salmonella typhi、Salmonella typhimurium、Neisseria lactamica、Neisseria cinerea、Mycobacteria(例えば、M.tuberculosis)、酵母などが挙げられる。本発明のポリペプチドをコードする野生型P.aeruginosa遺伝子と比較して、コドンを変化させて、コードされるアミノ酸に影響を与えずにこのような宿主における発現効率を最適化することが有益である。
本発明は、本発明のポリペプチドを生産するためのプロセスであって、ポリペプチドの少なくとも一部を化学的手段により合成する工程を含むプロセスを提供する。
核酸
本発明はまた、本発明のポリペプチドおよびハイブリッドポリペプチドをコードする核酸を提供する。本発明はまた、1個またはそれより多くの本発明のポリペプチドまたはハイブリッドポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含む核酸を提供する。
本発明はまた、このようなヌクレオチド配列と配列同一性を有するヌクレオチド配列を含む核酸を提供する。配列間の同一性は、好ましくは、上記Smith−Waterman相同性検索アルゴリズムにより決定される。このような核酸は、別のコドンを使用して同じアミノ酸をコードするものを含む。
本発明はまた、これらの核酸とハイブリダイズし得る核酸を提供する。ハイブリダイゼーション反応は、様々な「ストリンジェンシー」の条件下で行うことができる。ハイブリダイゼーション反応のストリンジェンシーを増加させる条件は当技術分野で周知であり公開されている。関連する条件の例としては、(ストリンジェンシーを増加させる順に)25℃、37℃、50℃、55℃および68℃のインキュベーション温度;10×SSC、6×SSC、1×SSC、0.1×SSCの緩衝液濃度(SSCは0.15M NaClおよび15mMクエン酸緩衝液である)および他の緩衝液系を使用するそれらの等価物;0%、25%、50%および75%のホルムアミド濃度;5分〜24時間のインキュベーション時間;1、2回またはそれより多くの洗浄工程;1、2または15分の洗浄インキュベーション時間;ならびに6×SSC、1×SSC、0.1×SSCまたは脱イオン水の洗浄溶液が挙げられる。ハイブリダイゼーション技術およびそれらの最適化は、当技術分野で周知である。
いくつかの実施形態では、本発明の核酸は、低ストリンジェンシー条件下で標的とハイブリダイズする。他の実施形態では、これは、中ストリンジェンシー条件下でハイブリダイズする。好ましい実施形態では、これは、高ストリンジェンシー条件下でハイブリダイズする。低ストリンジェンシーハイブリダイゼーション条件の例示的なセットは、50℃および10×SSCである。中ストリンジェンシーハイブリダイゼーション条件の例示的なセットは、55℃および1×SSCである。高ストリンジェンシーハイブリダイゼーション条件の例示的なセットは、68℃および0.1×SSCである。
本発明は、これらの配列に相補的な配列を含む核酸を含む(例えば、アンチセンスもしくはプローブのため、またはプライマーとして使用するため)。
本発明の核酸は、ハイブリダイゼーション反応(例えば、ノーザンブロットもしくはサザンブロット、または核酸マイクロアレイもしくは「遺伝子チップ」におけるもの)および増幅反応(例えば、PCR、SDA、SSSR、LCR、TMA、NASBAなど)ならびに他の核酸技術において使用され得る。
本発明の核酸は、様々な形態をとり得る(例えば、一本鎖、二本鎖、ベクター、プライマー、プローブ、標識化体など)。本発明の核酸は、環状または分岐状であり得るが、一般的に直鎖状である。特に明記または要求がない限り、核酸を利用する本発明の実施形態はいずれも、二本鎖形態と、二本鎖形態を構成する2本の相補的一本鎖形態それぞれとの両方を利用し得る。プライマーおよびプローブは、一般的に一本鎖であり、アンチセンス核酸も同様である。
本発明の核酸は、精製または実質的に精製された形態、すなわち、他の核酸を実質的に含まない形態(例えば、天然に存在する核酸を含まない)、特に、他のシュードモナスの核酸または宿主細胞の核酸を実質的に含まない形態で提供されることが好ましく、一般的には少なくとも約50%純粋(重量基準)であり、通常は少なくとも約90%純粋である。本発明の核酸は、好ましくは、シュードモナスの核酸である。
多くの方法で、例えば、全体的もしくは部分的な化学合成(例えば、DNAのホスホラミダイト合成)により、ヌクレアーゼ(例えば、制限酵素)を使用してより長い核酸を消化することにより、ゲノムもしくはcDNAライブラリー由来のより短い核酸もしくはヌクレオチドを(例えば、リガーゼまたはポリメラーゼを使用して)連結することなどにより、本発明の核酸を調製し得る。
本発明の核酸は、固体支持体(例えば、ビーズ、プレート、フィルタ、フィルム、スライド、マイクロアレイ支持体、樹脂など)に付着され得る。本発明の核酸は標識され得る(例えば、放射活性標識もしくは蛍光標識またはビオチン標識で)。これは、検出技術で核酸を使用する場合、例えば、核酸がプライマーまたはプローブである場合に特に有用である。
「核酸」という用語は、一般的に、デオキシリボヌクレオチド、リボヌクレオチドおよび/またはそれらの類似体を含む任意の長さのヌクレオチドのポリマーの形態の意味を含む。これは、DNA、RNA、DNA/RNAハイブリッドを含む。これは、修飾骨格(例えば、ペプチド核酸(PNA)またはホスホロチオエート)または修飾塩基を含有するもののようなDNAまたはRNA類似体も含む。したがって、本発明は、mRNA、tRNA、rRNA、リボザイム、DNA、cDNA、組換え核酸、分岐核酸、プラスミド、ベクター、プローブ、プライマーなどを含む。本発明の核酸がRNAの形態をとる場合、これは、5’キャップを有してもよいし、または有しなくてもよい。
本発明の核酸は、ベクターの一部、すなわち、1つまたはそれより多くの細胞型の形質導入/トランスフェクションのために設計された核酸構築物の一部であり得る。ベクターは、例えば、挿入されたヌクレオチドの単離、増幅および複製のために設計された「クローニングベクター」、宿主細胞中のヌクレオチド配列の発現のために設計された「発現ベクター」、組換えウイルスもしくはウイルス様粒子の生産をもたらすために設計された「ウイルスベクター」または「シャトルベクター」であり得、これは複数の種類のベクターの特性を含む。好ましいベクターは、プラスミドである。「宿主細胞」は、外因性核酸のレシピエントになることができるかまたは該レシピエントである個々の細胞または細胞培養物を含む。宿主細胞は単一宿主細胞の子孫を含み、この子孫は、天然の、偶然のまたは故意の変異および/または変更のために、元の親細胞と(形態またはDNA相補体全部が)完全に同一である必要はない。宿主細胞としては、本発明の核酸をインビボまたはインビトロでトランスフェクトしたかまたは感染させた細胞が挙げられる。
核酸がDNAである場合、RNA配列中の「U」は、DNAでは「T」に置き換わると認識されよう。同様に、核酸がRNAである場合、DNA配列中の「T」は、RNAでは「U」に置き換わると認識されよう。
核酸に関連して使用される場合の「相補体」または「相補的」という用語は、ワトソン−クリック塩基対形成を指す。したがって、Cの相補体はGであり、Gの相補体はCであり、Aの相補体はT(またはU)であり、T(またはU)の相補体はAである。I(プリンイノシン)のような塩基を使用することも可能である(例えば、ピリミジン(CまたはT)を相補するために)。
本発明の核酸は、例えば、ポリペプチドを生産するため;生体試料中の核酸の検出のためのハイブリダイゼーションプローブとして;この核酸のさらなるコピーを作製するため;リボザイムもしくはアンチセンスオリゴヌクレオチドを作製するため;一本鎖DNAプライマーもしくはプローブとして;または三本鎖形成オリゴヌクレオチドとして使用され得る。
本発明は、本発明の核酸を生産するためのプロセスであって、化学的手段を使用して部分的または全体的に核酸を合成するプロセスを提供する。
本発明は、本発明のヌクレオチド配列を含むベクター(例えば、クローニングまたは発現ベクター)およびこのようなベクターで形質転換された宿主細胞を提供する。
本発明の核酸増幅は、定量的および/またはリアルタイムであり得る。
本発明の特定のいくつかの実施形態について、核酸は、好ましくは、少なくとも7ヌクレオチド長である(例えば、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、45、50、55、60、65、70、75、80、90、100、110、120、130、140、150、160、170、180、190、200、225、250、275、300ヌクレオチドまたはそれより長い)。
本発明の特定のいくつかの実施形態について、核酸は、好ましくは、多くとも500ヌクレオチド長である(例えば、450、400、350、300、250、200、150、140、130、120、110、100、90、80、75、70、65、60、55、50、45、40、39、38、37、36、35、34、33、32、31、30、29、28、27、26、25、24、23、22、21、20、19、18、17、16、15ヌクレオチドまたはそれより短い)。
本発明のプライマーおよびプローブ、ならびにハイブリダイゼーションに使用される他の核酸は、好ましくは、10〜30ヌクレオチド長である(例えば、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、40ヌクレオチドまたはそれより多くのヌクレオチド)。株およびバリアント
既存の名称(例えば、「PA0328」)、「PSE52」または「PSEの後ろに自然数(これはクローン番号を示す)(すなわち、PSE52−1など)」または各配列番号の数字を参照することにより、抗原は上に定義されている。
以下の表1は、これら3つの命名/番号付けシステムを既存のPAO1の公的に利用可能な番号付けに関連付ける。
PAO1の番号付けは、参考文献37においてゲノム分析の点から十分に記載されているP.aeruginosa株PAO1のゲノムを参照している。
各抗原の機能的アノテーションもデータベースに示されている。
したがって、これらの抗原のいずれの例示的なアミノ酸およびヌクレオチド配列も、PAO1株からの公的な配列データベースにおいて容易に見出すことができるが、本発明は、PAO1株由来の配列に限定されない。標準的な検索およびアラインメント技術を使用して、これらの(または他の)さらなるゲノム配列のいずれかにおいて、PAO1株由来の任意の特定の配列の相同体を検出し得る。さらに、PAO1株由来の入手可能な配列を使用して、他の株由来の相同配列の増幅のためのプライマーを設計し得る。したがって、本発明は、この株に限定されず、むしろ、P.aeruginosaの他の株由来のこのようなバリアントおよび相同体、ならびに非天然バリアントを包含する。一般的に、特定の配列番号の適切なバリアントは、その対立遺伝子バリアント、その多形、その相同体、そのオルソログ、そのパラログ、その変異体などを含む。
したがって、例えば、本発明で使用されるポリペプチドは、本明細書中の配列番号と比較して、保存的置換(すなわち、あるアミノ酸の、関連側鎖を有する別のアミノ酸での置換)のような1個またはそれより多く(例えば、1個、2個、3個、4個、5個、6個、7個、8個、9個など)のアミノ酸置換を含み得る。遺伝子によりコードされるアミノ酸は、一般的に、4つのファミリーに分けられる:(1)酸性、すなわち、アスパラギン酸、グルタミン酸;(2)塩基性、すなわち、リジン、アルギニン、ヒスチジン;(3)非極性、すなわち、アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、プロリン、フェニルアラニン、メチオニン、トリプトファン;および(4)非荷電極性、すなわち、グリシン、アスパラギン、グルタミン、システイン、セリン、スレオニン、チロシン。フェニルアラニン、トリプトファンおよびチロシンは、一緒に芳香族アミノ酸として分類されることもある。一般的に、これらのファミリー内での単一アミノ酸の置換は、生物学的活性に対して大きな影響を有しない。ポリペプチドはまた、配列番号の配列に対して1個またはそれより多く(例えば、1個、2個、3個、4個、5個、6個、7個、8個、9個など)の単一アミノ酸欠失を含み得る。ポリペプチドはまた、配列番号の配列に対して1個またはそれより多く(例えば、1個、2個、3個、4個、5個、6個、7個、8個、9個など)の挿入(例えば、それぞれ、1、2、3、4または5アミノ酸のもの)を含み得る。
同様に、本発明で使用されるポリペプチドは、
・ 配列表に開示されている配列と同一(すなわち、100%同一)のアミノ酸配列;
・ 配列表に開示されている配列と配列同一性を有するアミノ酸配列(例えば、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、99.5%またはそれより高く);
・ (a)または(b)の配列と比較して、1個、2個、3個、4個、5個、6個、7個、8個、9個または10個(あるいはそれより多く)の単一アミノ酸変化(欠失、挿入、置換)(これは、別の位置にあってもよいし、または連続的であってもよい)を有するアミノ酸配列;
・ ペアワイズアラインメントアルゴリズムを使用して配列表からの特定の配列とアラインメントさせた場合に、N末端からC末端へのxアミノ酸の各移動ウィンドウ(pアミノ酸(p>x)にわたるアラインメントの場合、p−x+1個のこのようなウィンドウが存在するように)が、少なくともx・y個の同一のアラインメントされたアミノ酸(xは、20、25、30、35、40、45、50、60、70、80、90、100、150、200から選択され;yは、0.50、0.60、0.70、0.75、0.80、0.85、0.90、0.91、0.92、0.93、0.94、0.95、0.96、0.97、0.98、0.99から選択され;x・yが整数ではない場合、最も近い整数まで端数を切り上げる)を有するアミノ酸配列
を含み得る。好ましいペアワイズアラインメントアルゴリズムは、デフォルトパラメータ(例えば、EBLOSUM62スコアリングマトリックスを使用して、ギャップオープニングペナルティ=10.0およびギャップ伸長ペナルティ=0.5)を使用するNeedleman−Wunschグローバルアラインメントアルゴリズム[52]である。このアルゴリズムは、便利なことに、EMBOSSパッケージのneedleツールに実装されている[53]。
ハイブリッドポリペプチドを使用する場合、ハイブリッド中の個々の抗原(すなわち、個々の−X−部分)は、1つまたはそれより多くの株に由来し得る。n=2の場合、例えば、X2は、X1と同じ株または異なる株に由来し得る。n=3の場合、株は、(i)X1=X2=X3、(ii)X1=X2≠X3、(iii)X1≠X2=X3、(iv)X1≠X2≠X3または(v)X1=X3≠X2などであり得る。
群(c)のうち、欠失または置換は、N末端および/もしくはC末端にあってもよいし、または2つの末端の間にあってもよい。したがって、切断は、欠失の例である。切断は、N末端および/またはC末端における最大40アミノ酸(またはそれより多く)の欠失を含み得る。N末端切断では、リーダーペプチドを除去し得る(例えば、異種宿主における組換え発現を促進するために)。C末端切断は、アンカー配列を除去し得る(例えば、異種宿主における組換え発現を促進するために)。
一般的に、抗原が、配列表からの完全P.aeruginosa配列と同一ではない配列を含む場合(例えば、抗原が、完全P.aeruginosa配列と100%未満の配列同一性を有する配列表を含む場合、または抗原がその断片を含む場合)、個々の各場合において、この抗原がそれぞれの完全P.aeruginosa配列を認識する抗体を誘導し得ることが好ましい。
変異体細菌
本発明はまた、本発明の様々な抗原群からの抗原の1個またはそれより多くがノックアウトされたP.aeruginosa細菌を提供する(参考文献46を参照のこと)。ノックアウト細菌を生産する技術は周知であり、P.aeruginosa株由来の遺伝子のノックアウトが報告されている(すなわち、参考文献54において)。ノックアウト変異は、遺伝子のコード領域に位置してもよいし、またはその転写制御領域(例えば、そのプロモーター内)にあってもよい。ノックアウト変異は、抗原をコードするmRNAのレベルを、野生型細菌により生成されるものの1%未満、好ましくは0.5%未満、より好ましくは0.1%未満および最も好ましくは0%まで低減させる。
本発明はまた、本発明の様々な抗原群からの抗原の1個またはそれより多くが、その活性を阻害する変異を有するP.aeruginosaを提供する。この抗原をコードする遺伝子は、コードされるアミノ酸配列を変更する変異を有する。変異は、欠失、置換および/または挿入を含み得、これらはいずれも、1つまたはそれより多くのアミノ酸に関与し得る。
本発明はまた、本発明の抗原を過剰発現する細菌、例えばP.aeruginosa細菌を提供する。
本発明はまた、本発明の抗原を恒常的に発現する細菌、例えばP.aeruginosa細菌を提供する。本発明はまた、本発明の抗原をコードする遺伝子を含む大腸菌であって、該遺伝子が誘導性プロモーターの制御下にある大腸菌を提供する。
変異体細菌は、免疫原として使用され得る、P.aeruginosa抗原(例えば、本発明の抗原)を含む細菌外膜小胞を調製するのに特に有用である[55〜57]。
免疫原性組成物および医薬品
本発明の免疫原性組成物は、ワクチンとして有用であり得る。本発明のワクチンは、予防的(すなわち、感染を予防する)または治療的(すなわち、感染を処置する)のいずれかであり得るが、典型的には予防的である。
したがって、組成物は、薬学的に許容され得るものであり得る。これらは、通常、抗原に加えて成分を含み、例えば、これらは、典型的には、1種類またはそれより多くの薬学的担体および/または賦形剤を含む。
組成物は、一般的に、哺乳動物に水性形態で投与される。しかしながら、投与前に、組成物は非水性形態であり得る。例えば、いくつかのワクチンは水性形態で製造され、次いで充填および配送され、同じく水性形態で投与されるが、他のワクチンは製造中に凍結乾燥され、使用時に水性形態に再構成される。したがって、本発明の組成物は、凍結乾燥製剤のように乾燥され得る。
組成物は、チオメルサールまたは2−フェノキシエタノールのような保存剤を含み得る。しかしながら、好ましくは、ワクチンは、水銀性物質を実質的に含まない(すなわち、5μg/ml未満)、例えばチオメルサールを含まないようにすべきである。水銀を含まないワクチンがより好ましい。保存剤を含まないワクチンが特に好ましい。
熱安定性を改善するために、組成物は、温度保護剤を含み得る。このような剤のさらなる詳細は、以下に記載する。
張度を制御するために、ナトリウム塩のような生理的な塩を含むことが好ましい。塩化ナトリウム(NaCl)が好ましく、これは、1〜20mg/ml、例えば約10±2mg/ml NaClで存在し得る。存在し得る他の塩としては、塩化カリウム、リン酸二水素カリウム、リン酸二ナトリウム無水物、塩化マグネシウム、塩化カルシウムなどが挙げられる。
組成物は、一般的に、200mOsm/kg〜400mOsm/kg、好ましくは240〜360mOsm/kgのオスモル濃度を有し、より好ましくは、290〜310mOsm/kgの範囲内にある。
組成物は、1種類またはそれより多くの緩衝剤を含み得る。典型的な緩衝剤としては、リン酸緩衝剤、Tris緩衝剤、ホウ酸緩衝剤、コハク酸緩衝剤、ヒスチジン緩衝剤(特に、水酸化アルミニウムアジュバントと共に)またはクエン酸緩衝剤が挙げられる。緩衝剤は、典型的には、5〜20mMの範囲で含まれる。
組成物のpHは、一般的に、5.0〜8.1であり、より典型的には6.0〜8.0、例えば、6.5および7.5、または7.0〜7.8である。
組成物は、好ましくは滅菌されている。組成物は、好ましくは発熱物質を含まず、例えば、用量当たり<1EU(内毒素単位、標準的な尺度)、好ましくは、用量当たり<0.1EUを含有する。組成物は、好ましくは、グルテンを含まない。
組成物は、単回免疫化のための物質を含んでもよいし、または複数回免疫化(すなわち、「複数回用量」キット)のための物質を含んでもよい。複数回用量の配合物において、保存剤を含むことが好ましい。複数回用量組成物に保存剤を含める代わりに(またはそれに加えて)、組成物を、物質を取り出すための無菌アダプタを有する容器中に入れてよい。
ヒトワクチンは、典型的には、約0.5mlの投与容量で投与されるが、小児には半分の用量(すなわち、約0.25ml)が投与され得る。
本発明の免疫原性組成物は、1種類またはそれより多くの免疫調節剤も含み得る。好ましくは、免疫調節剤の1種類またはそれより多くは、1種類またはそれより多くのアジュバントを含む。アジュバントは、以下でさらに論じるTH1アジュバントおよび/またはTH2アジュバントまたはTLR7アゴニストを含み得る。
したがって、本発明は、
(1)第1の、第2のおよびさらなる抗原群(上で定義される)から選択される1個またはそれより多くの抗原と、
(2)水酸化アルミニウムアジュバントのようなアジュバント(例えば、1個またはそれより多くの抗原が水酸化アルミニウムに吸着され得る)と
の組み合わせを含む免疫原性組成物を提供する。
例えば、本発明は、sta006抗原と、水酸化アルミニウムアジュバントのようなアジュバントとの組み合わせを含む免疫原性組成物を提供する。同様に、本発明は、sta011抗原と、水酸化アルミニウムアジュバントのようなアジュバントとの組み合わせを含む免疫原性組成物を提供する。これらの組成物は、理想的にには緩衝されている(例えば、ヒスチジン緩衝液を使用して)。本発明の組成物に使用され得るアジュバントとしては、限定されないが、以下のものが挙げられる:
A.無機物含有組成物
本発明においてアジュバントとして使用するのに適切な無機物含有組成物は、アルミニウム塩およびカルシウム塩(またはそれらの混合物)のような無機塩を含む。カルシウム塩としては、リン酸カルシウム(例えば、参考文献58に開示されている「CAP」粒子)が挙げられる。アルミニウム塩としては、水酸化物、リン酸塩、硫酸塩などが挙げられ、これらの塩は任意の適切な形態(例えば、ゲル、結晶、非晶質など)をとる。これらの塩への吸着が好ましい(例えば、すべての抗原が吸着され得る)。無機物含有組成物はまた、金属塩の粒子として製剤化され得る[59]。
水酸化アルミニウムおよびリン酸アルミニウムとして公知のアジュバントが使用され得る。本発明は、アジュバントとして一般的に使用される「水酸化物」または「リン酸塩」アジュバントのいずれかを使用し得る。「水酸化アルミニウム」として公知のアジュバントは、典型的にはオキシ水酸化アルミニウム塩であり、これは、通常、少なくとも部分的に結晶性である。「リン酸アルミニウム」として公知のアジュバントは、典型的には、多くの場合、少量の硫酸塩も含有しているヒドロキシリン酸アルミニウムである(すなわち、アルミニウムヒドロキシホスフェートサルフェート)。これらは、沈殿により得ることができ、沈殿中の反応条件および濃度は、塩中のヒドロキシルに対するホスフェートの置換の程度に影響する。
水酸化アルミニウムアジュバントについて、繊維状のモルホロジー(例えば、透過型電子顕微鏡写真で観察されるような)が典型的である。水酸化アルミニウムアジュバントのpIは、典型的には約11であり、すなわちアジュバント自体は生理的pHにおいて正の表面電荷を有する。pH7.4においてAl+++1mg当たり1.8〜2.6mgのタンパク質吸着能が、水酸化アルミニウムアジュバントについて報告されている。
リン酸アルミニウムアジュバントは、一般的に、0.3〜1.2、好ましくは0.8〜1.2、より好ましくは0.95±0.1のPO4/Alモル比を有する。リン酸アルミニウムは、ヒドロキシリン酸塩については特に、一般的に非晶質である。典型的なアジュバントは、0.84〜0.92のPO4/Alモル比を有する非晶質ヒドロキシリン酸アルミニウムであり、0.6mg Al3+/mlで含まれる。リン酸アルミニウムは、一般的に粒子状である(例えば、透過型電子顕微鏡写真で観察されるようなプレート様のモルホロジー)。粒子の典型的な直径は、任意の抗原吸着後に、0.5〜20μmの範囲(例えば、約5〜10μm)である。pH7.4おいてAl+++1mg当たり0.7〜1.5mgのタンパク質吸着能が、リン酸アルミニウムアジュバントについて報告されている。
リン酸アルミニウムのゼロ電荷点(PZC)は、ヒドロキシルに対するホスフェートの置換の程度と反比例し、この置換の程度は、沈殿により塩を調製するのに使用される反応条件および反応物の濃度に依存して変動し得る。PZCはまた、溶液中の遊離リン酸イオンの濃度を変化させること(より多いホスフェート=より酸性側のPZC)、またはヒスチジン緩衝剤のような緩衝剤を加えること(PZCをより塩基性にする)により変更される。本発明にしたがって使用されるリン酸アルミニウムは、一般的に、4.0〜7.0、より好ましくは5.0〜6.5、例えば約5.7のPZCを有する。
本発明の組成物を調製するのに使用されるアルミニウム塩の懸濁物は、緩衝剤(例えば、リン酸緩衝剤またはヒスチジン緩衝剤またはTris緩衝剤)を含有し得るが、これは常に必要というわけではない。懸濁物は、好ましくは、滅菌されており、発熱物質を含まない。懸濁物は、遊離の水性リン酸イオンを含み得、これは例えば、1.0〜20mM、好ましくは5〜15mM、より好ましくは約10mMの濃度で存在する。懸濁物は、塩化ナトリウムも含み得る。
本発明には、水酸化アルミニウムとリン酸アルミニウムとの両方の混合物を使用し得る。この場合、リン酸アルミニウムは水酸化アルミニウムよりも多く存在し得、例えば、少なくとも2:1、例えば≧5:1、≧6:1、≧7:1、≧8:1、≧9:1などの重量比であり得る。
患者に投与するための組成物中のAl+++の濃度は、好ましくは10mg/ml未満、例えば、≦5mg/ml、≦4mg/ml、≦3mg/ml、≦2mg/ml、≦1mg/mlなどである。好ましい範囲は、0.3〜1mg/mlである。最大0.85mg/用量が好ましい。
B.油性エマルジョン
本発明においてアジュバントとして使用するのに適切な油性エマルジョン組成物は、MF59[参考文献63の第10章;参考文献60も参照のこと](マイクロフルイダイザーを使用してサブミクロンの粒子に製剤化された5%スクアレン、0.5%Tween80および0.5%Span85)のようなスクアレン−水エマルジョンを含む。完全フロイントアジュバント(CFA)および不完全フロイントアジュバント(IFA)も使用され得る。
様々な水中油型エマルジョンアジュバントが公知であり、これらは、典型的には、少なくとも1種類の油と少なくとも1種類の界面活性剤とを含み、この油および界面活性剤は、生分解性(代謝可能)であり、生体適合性である。エマルジョン中の油滴は、通常、直径5μm未満であり、理想的にはサブミクロンの直径を有し、これらの小さいサイズは、マイクロフルイダイザーを使用して達成され、安定なエマルジョンを提供する。220nm未満のサイズの液滴は、フィルタ滅菌に供することができるので好ましい。
エマルジョンは、動物(例えば、魚類)または植物供給源由来のもののような油を含み得る。植物油の供給源は、堅果、種子および穀粒を含む。ピーナツ油、大豆油、ココナツ油およびオリーブ油が、最も一般的に入手可能な堅果油の例である。ホホバ油が使用され得る(例えば、ホホバ豆から得られる)。種子油として、紅花油、綿実油、ひまわり種子油、ごま油などが挙げられる。穀粒の群において、コーン油が最も容易に入手可能であるが、コムギ、オート麦、ライムギ、コメ、テフ、ライコムギなどのような他の穀類の穀粒の油も使用され得る。グリセロールおよび1,2−プロパンジオールの6〜10炭素脂肪酸エステルは、種子油中に天然には存在しないが、堅果油および種子油から出発する、適切な材料の加水分解、分離およびエステル化により調製し得る。哺乳動物の乳由来の脂肪および油は代謝可能であるので、本発明の実施において使用され得る。動物供給源から純粋な油を得るために必要な分離、精製、けん化および他の手段の手順は、当技術分野で周知である。ほとんどの魚類は、容易に収集し得る代謝可能な油を含有する。例えば、タラ肝油、サメ肝油および鯨ろうのような鯨油は、本明細書に使用され得る魚油のいくつかの例である。多くの分岐鎖油が、5炭素イソプレン単位で生化学的に合成され、通常、テルペノイドと称される。サメ肝油は、スクアレン、2,6,10,15,19,23−ヘキサメチル−2,6,10,14,18,22−テトラコサヘキサエンとして公知の分岐不飽和テルペノイドを含有し、これは、本明細書において特に好ましい。スクアレンの飽和類似体であるスクアランも好ましい油である。スクアレンおよびスクアランを含む魚油は、商業的な供給源から容易に入手可能であるか、または当技術分野で公知の方法により得ることができる。他の好ましい油は、トコフェロールである(下記参照)。混合油が使用され得る。
界面活性剤は、それらの「HLB」(親水性/親油性バランス)により分類し得る。本発明の好ましい界面活性剤は、少なくとも10、好ましくは少なくとも15、より好ましくは少なくとも16のHLBを有する。本発明は、限定されないが、ポリオキシエチレンソルビタンエステル界面活性剤(一般的にTweenと称される)、特に、ポリソルベート20およびポリソルベート80;直鎖状EO/POブロックコポリマーのような、DOWFAX(商標)の商品名の下で販売されるエチレンオキシド(EO)、プロピレンオキシド(PO)および/またはブチレンオキシド(BO)のコポリマー;反復エトキシ(オキシ−1,2−エタンジイル)基の数が変動し得るオクトキシノール、特にオクトキシノール−9(TritonX−100またはt−オクチルフェノキシポリエトキシエタノール)が興味深い;(オクチルフェノキシ)ポリエトキシエタノール(IGEPAL CA−630/NP−40);ホスファチジルコリン(レシチン)のようなリン脂質;Tergitol(商標)NPシリーズのようなノニルフェノールエトキシレート;トリエチレングリコールモノラウリルエーテル(Brij30)のようなラウリル、セチル、ステアリルおよびオレイルアルコールに由来するポリオキシエチレン脂肪エーテル(Brij界面活性剤として公知である);ならびにソルビタントリオレエート(Span85)およびソルビタンモノラウレートのようなソルビタンエステル(一般的にSPANとして公知である)を含む界面活性剤とともに使用され得る。非イオン界面活性剤が好ましい。エマルジョンに含めるのに好ましい界面活性剤は、Tween80(ポリオキシエチレンソルビタンモノオレエート)、Span85(ソルビタントリオレエート)、レシチンおよびTritonX−100である。
界面活性剤の混合物、例えばTween80/Span85混合物が使用され得る。ポリオキシエチレンソルビタンモノオレエート(Tween80)のようなポリオキシエチレンソルビタンエステルと、t−オクチルフェノキシポリエトキシエタノール(TritonX−100)のようなオクトキシノールとの組み合わせも適切である。別の有用な組み合わせは、ラウレス−9とポリオキシエチレンソルビタンエステルおよび/またはオクトキシノールとを含む。
界面活性剤の好ましい量(重量%基準)は、ポリオキシエチレンソルビタンエステル(例えば、Tween80)0.01〜1%、特に約0.1%;オクチル−またはノニルフェノキシポリオキシエタノール(例えば、TritonX−100またはTritonシリーズの他の洗浄剤)0.001〜0.1%、特に0.005〜0.02%;ポリオキシエチレンエーテル(例えば、ラウレス9)0.1〜20%、好ましくは0.1〜10%、特に、0.1〜1%または約0.5%である。
好ましいエマルジョンアジュバントは、<1μm、例えば≦750nm、≦500nm、≦400nm、≦300nm、≦250nm、≦220nm、≦200nmまたはそれより小さい平均液滴サイズを有する。これらの液滴サイズは、マイクロフルイダイゼーションのような技術により簡便に達成し得る。
本発明で有用な特定の水中油型エマルジョンアジュバントとしては、限定されないが、以下のものが挙げられる:
・スクアレン、Tween80およびSpan85のサブミクロンのエマルジョン。エマルジョンの容積基準の組成は、約5%スクアレン、約0.5%ポリソルベート80および約0.5%Span85であり得る。重量の点では、これらの比率は、4.3%スクアレン、0.5%ポリソルベート80および0.48%Span85になる。このアジュバントは、参考文献63の第10章および参考文献64の第12章により詳細に記載されているように、「MF59」[61〜]として公知である。有利には、MF59エマルジョンは、クエン酸イオン、例えば10mMクエン酸ナトリウム緩衝剤を含む。
・スクアレン、トコフェロールおよびポリソルベート80(Tween80)のエマルジョン。エマルジョンは、リン酸緩衝食塩水を含み得る。これは、Span85(例えば、1%で)および/またはレシチンも含み得る。これらのエマルジョンは、2〜10%スクアレン、2〜10%トコフェロールおよび0.3〜3%Tween80を有してよく、スクアレン:トコフェロールの重量比は、より安定なエマルジョンが得られるので、好ましくは≦1である。スクアレンおよびTween80は、約5:2の容積比または約11:5の重量比で存在し得る。1つのこのようなエマルジョンは、Tween80をPBS中に溶解して2%溶液を得て、次いで90mlのこの溶液を(5gのDL−α−トコフェロールおよび5mlスクアレン)の混合物と混合し、次いで混合物をマイクロフルイダイズすることにより作製し得る。得られるエマルジョンはサブミクロンの油滴(例えば、100〜250nm、好ましくは約180nmの平均直径を有するもの)を有し得る。エマルジョンは、3−脱−O−アセチル化モノホスホリルリピドA(3d−MPL)も含み得る。この種の別の有用なエマルジョンは、ヒト用量当たり、0.5〜10mgのスクアレン、0.5〜11mgのトコフェロールおよび0.1〜4mgのポリソルベート80を含み得る[65]。
・スクアレン、トコフェロールおよびTriton洗浄剤(例えば、TritonX−100)のエマルジョン。エマルジョンは、3d−MPLも含み得る(下記参照)。エマルジョンは、リン酸緩衝剤を含有し得る。
・ポリソルベート(例えば、ポリソルベート80)、Triton洗浄剤(例えば、TritonX−100)およびトコフェロール(例えば、コハク酸α−トコフェロール)を含むエマルジョン。エマルジョンは、これらの3成分を、約75:11:10の質量比で含み得(例えば、750μg/mlポリソルベート80、110μg/ml TritonX−100および100μg/ml コハク酸α−トコフェロール)、これらの濃度は、抗原由来のこれらの成分の任意の寄与を含むはずである。エマルジョンは、スクアレンも含み得る。エマルジョンは、3d−MPLも含み得る(下記参照)。水相は、リン酸緩衝剤を含有し得る。
・スクアラン、ポリソルベート80およびポロキサマー401(「Pluronic(商標)L121」)のエマルジョン。エマルジョンは、リン酸緩衝食塩水、pH7.4中で製剤化し得る。このエマルジョンは、ムラミルジペプチドについての有用な送達ビヒクルであり、スレオニル−MDPと共に「SAF−1」アジュバント中で用いられている[66](0.05〜1%Thr−MDP、5%スクアラン、2.5%PluronicL121および0.2%ポリソルベート80)。これは、「AF」アジュバントにおけるようにThr−MDPなしでも使用され得る[67](5%スクアラン、1.25%PluronicL121および0.2%ポリソルベート80)。マイクロフルイダイゼーションが好ましい。
・スクアレン、水性溶媒、ポリオキシエチレンアルキルエーテル親水性非イオン界面活性剤(例えば、ポリオキシエチレン(12)セトステアリルエーテル)および疎水性非イオン界面活性剤(例えば、ソルビタンモノオレエートまたは「Span80」のようなソルビタンエステルまたはマンニドエステル)を含むエマルジョン。エマルジョンは、好ましくは、熱可逆性であり、および/または少なくとも90%の油滴(容積基準)が200nm未満のサイズである[68]。エマルジョンは、アルジトール、凍結保護剤(例えば、ドデシルマルトシドおよび/またはスクロースのような糖)、および/またはアルキルポリグリコシドの1つまたはそれより多くも含み得る。エマルジョンは、TLR4アゴニストを含み得る[69]。このようなエマルジョンは、凍結乾燥され得る。
・スクアレン、ポロキサマー105およびAbil−Careのエマルジョン[70]。アジュバント化されたワクチンにおけるこれらの成分の最終濃度(重量)は、5%スクアレン、4%ポロキサマー105(プルロニックポリオール)および2%Abil−Care85(ビス−PEG/PPG−16/16 PEG/PPG−16/16ジメチコン;カプリル酸/カプリン酸トリグリセリド)である。
・0.5〜50%の油、0.1〜10%のリン脂質および0.05〜5%の非イオン界面活性剤を含むエマルジョン。参考文献71に記載されているように、好ましいリン脂質成分は、ホスファチジルコリン、ホスファチジルエタノールアミン、ホスファチジルセリン、ホスファチジルイノシトール、ホスファチジルグリセロール、ホスファチジン酸、スフィンゴミエリンおよびカルジオリピンである。サブミクロンの液滴サイズが有利である。
・代謝不可能油(例えば、軽油)および少なくとも1種類の界面活性剤(例えば、レシチン、Tween80またはSpan80)のサブミクロンの水中油型エマルジョン。QuilAサポニン、コレステロール、サポニン親油性コンジュゲート(例えば、脂肪族アミンをデスアシルサポニンに、グルクロン酸のカルボキシル基を介して付加することにより生産される、参考文献72に記載されているGPI−0100)、ジメチルジオクタデシルアンモニウム(dimethyidioctadecylammonium)ブロミドおよび/またはN,N−ジオクタデシル−N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)プロパンジアミンのような添加物を含み得る。
・サポニン(例えば、QuilAまたはQS21)およびステロール(例えば、コレステロール)が、らせん状ミセルとして会合しているエマルジョン[73]。
・鉱油、非イオン親油性エトキシル化脂肪アルコールおよび非イオン親水性界面活性剤(例えば、エトキシル化脂肪アルコールおよび/またはポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレンブロックコポリマー)を含むエマルジョン[74]。
いくつかの実施形態では、エマルジョンを送達時に抗原と即時に混合し得るので、アジュバントおよび抗原は、使用時の最終的な製剤化のために準備された、パッケージ化または分配されたワクチンにおいて別々に保存され得る。他の実施形態では、エマルジョンは、製造中に抗原と混合され、したがって、組成物は、液体アジュバント添加形態でパッケージ化される。抗原は、一般的に、ワクチンが2つの液体を混合することにより最終的に調製されるように水性の形態にある。混合するための2つの液体の容積比は変動し得る(例えば、5:1〜1:5)が、一般的には約1:1である。成分の濃度が特定のエマルジョンに関する上記説明に示されている場合、これらの濃度は、典型的に、希釈されていない組成物についてのものであるので、抗原溶液と混合した後の濃度は減少する。
組成物がトコフェロールを含む場合、α、β、γ、δ、εまたはξトコフェロールのいずれを使用することもできるが、α−トコフェロールが好ましい。トコフェロールは、いくつかの形態、例えば、異なる塩および/または異性体をとり得る。塩としては、コハク酸塩、酢酸塩、ニコチン酸塩などのような有機塩が挙げられる。D−α−トコフェロールおよびDL−α−トコフェロールの両方が使用され得る。ビタミンEは、高齢患者(例えば、60歳またはそれより高い年齢)における免疫応答に対して正の効果を有することが報告されているので[75]、トコフェロールは、有利には、この患者群用のワクチンに含まれる。これらは、エマルジョンを安定化する助けになり得る抗酸化特性も有する[76]。好ましいα−トコフェロールは、DL−α−トコフェロールであり、このトコフェロールの好ましい塩は、コハク酸塩である。コハク酸塩は、インビボにおいてTNF関連リガンドと一緒に働くことが見出されている。
C.サポニン製剤
サポニン製剤も、本発明においてアジュバントとして使用され得る。サポニンは、広範囲の植物種の樹皮、葉、茎、根および花でさえも見出されるステロールグリコシドおよびトリテルペノイドグリコシドの異成分からなる群である。Quillaia saponaria Molinaの木の樹皮由来のサポニンは、アジュバントとして広く研究されている。サポニンは、Smilax ornata(サルサパリラ(sarsaprilla))、Gypsophilla paniculata(ブライズヴェイル(brides veil))およびSaponaria officianalis(ソープルート(soap root))から商業的に得ることもできる。サポニンアジュバント製剤としては、QS21のような精製製剤およびISCOMのような脂質製剤が挙げられる。QS21は、Stimulon(商標)として市販されている。
サポニン組成物は、HPLCおよびRP−HPLCを使用して精製される。これらの技術を使用して特定の精製画分が、QS7、QS17、QS18、QS21、QH−A、QH−BおよびQH−Cを含むと検出されている。好ましくは、サポニンはQS21である。QS21の生産方法は、参考文献77に開示されている。サポニン製剤は、コレステロールのようなステロールも含み得る[78]。
サポニンとコレステロールとの組み合わせを使用して、免疫刺激複合体(ISCOM)と称される独特の粒子を形成し得る[参考文献63の第23章]。ISCOMは、典型的には、ホスファチジルエタノールアミンまたはホスファチジルコリンのようなリン脂質も含む。任意の公知のサポニンがISCOMで使用され得る。好ましくは、ISCOMは、QuilA、QHAおよびQHCの1つまたはそれより多くを含む。ISCOMは、参考文献78〜にさらに記載されている。必要に応じて、ISCOMSは、さらなる洗浄剤を欠いていてもよい[80]。
サポニンに基づくアジュバントの開発の概説は、参考文献81で見出すことができる。E.細菌または微生物誘導体
本発明で使用するのに適切なアジュバントとしては、腸内細菌リポ多糖(LPS)の非毒性誘導体、リピドA誘導体、免疫刺激オリゴヌクレオチドならびにADP−リボシル化毒素およびその解毒化誘導体のような細菌または微生物誘導体が挙げられる。
LPSの非毒性誘導体としては、モノホスホリルリピドA(MPL)および3−O−脱アシル化MPL(3dMPL)が挙げられる。3dMPLは、4個、5個または6個のアシル化された鎖を有する3脱−O−アシル化モノホスホリルリピドAの混合物である。3脱−O−アシル化モノホスホリルリピドAの好ましい「小粒子」の形態は、参考文献82に開示されている。3dMPLのこのような「小粒子」は、0.22μmの膜を通して滅菌ろ過されるために十分小さい[82]。他の非毒性LPS誘導体としては、アミノアルキルグルコサミニドホスフェート誘導体、例えば、RC−529のようなモノホスホリルリピドA模倣物が挙げられる[83]。
リピドA誘導体としては、OM−174のような大腸菌(Escherichia coli)由来のリピドAの誘導体が挙げられる。OM−174は、例えば参考文献84および85に記載されている。
本発明においてアジュバントとして使用するのに適切な免疫刺激オリゴヌクレオチドとしては、CpGモチーフ(リン酸結合によりグアノシンと連結された非メチル化シトシンを含有するジヌクレオチド配列)を含有するヌクレオチド配列が挙げられる。二本鎖RNAおよびパリンドロームまたはポリ(dG)配列を含有するオリゴヌクレオチドも、免疫刺激性であることが示されている。
CpGとしては、ホスホロチオエート修飾のようなヌクレオチド修飾/類似体を挙げることができ、二本鎖または一本鎖であり得る。参考文献86および87は、可能性のある類似体置換、例えば2’−デオキシ−7−デアザグアノシンでのグアノシンの置換を開示している。CpGオリゴヌクレオチドのアジュバント効果は、参考文献88においてさらに論じられている。
CpG配列は、モチーフGTCGTTまたはTTCGTTのようにTLR9に指向性を有し得る[89]。CpG配列は、CpG−A ODNのようにTh1免疫応答を誘導するのに特異的であり得るか、またはCpG−B ODNのようにB細胞応答を誘導するのにより特異的であり得る。CpG−AおよびCpG−B ODNは、参考文献90〜において論じられている。好ましくは、CpGは、CpG−A ODNである。
好ましくは、CpGオリゴヌクレオチドは、受容体認識のために5’端が近付くことができるように構築されている。必要に応じて、2つのCpGオリゴヌクレオチド配列をそれらの3’端に結合させて、「イムノマー」を形成し得る。例えば、参考文献92〜を参照のこと。
有用なCpGアジュバントは、ProMune(商標)(Coley Pharmaceutical Group,Inc.)としても公知のCpG7909である。別のものは、CpG1826である。CpG配列を使用する代わりにまたはそれに加えて、TpG配列を使用することができ[94]、これらのオリゴヌクレオチドは、非メチル化CpGモチーフを含まなくてもよい。免疫刺激オリゴヌクレオチドは、ピリミジンリッチであり得る。例えば、これは、複数の連続チミジンヌクレオチド(例えば、参考文献94に開示されるようなTTTT)を含み得、そして/またはこれは、>25%チミジン(例えば、>35%、>40%、>50%、>60%、>80%など)を有するヌクレオチド組成を有し得る。例えば、これは、複数の連続シトシンヌクレオチド(例えば、参考文献94に開示されるようなCCCC)を含み得、そして/またはこれは、>25%シトシン(例えば、>35%、>40%、>50%、>60%、>80%など)を有するヌクレオチド組成を有し得る。これらのオリゴヌクレオチドは、非メチル化CpGモチーフを含まなくてもよい。免疫刺激オリゴヌクレオチドは、典型的には、少なくとも20ヌクレオチドを含む。これらは、100未満のヌクレオチドを含み得る。
免疫刺激オリゴヌクレオチドに基づく特に有用なアジュバントは、IC−31(商標)として公知である[95]。したがって、本発明で使用されるアジュバントは、(i)少なくとも1つ(好ましくは複数)のCpIモチーフ(すなわち、イノシンと連結されてジヌクレオチドを形成するシトシン)を含むオリゴヌクレオチド(例えば、15〜40のヌクレオチド)と、(ii)少なくとも1つ(好ましくは複数)のLys−Arg−Lysトリペプチド配列を含むオリゴペプチド(例えば、5〜20のアミノ酸)のようなポリカチオンポリマーとの混合物を含み得る。オリゴヌクレオチドは、26マーの配列5’−(IC)31−3’を含むデオキシヌクレオチドであり得る。
細菌ADPリボシル化毒素およびその解毒化誘導体は、本発明においてアジュバントとして使用され得る。好ましくは、タンパク質は、大腸菌(大腸菌熱不安定性エンテロトキシン「LT」)、コレラ(「CT」)または百日咳(「PT」)に由来する。解毒化ADPリボシル化毒素を粘膜アジュバントとして使用されることは、参考文献96に記載され、非経口アジュバントとして使用されることは、参考文献97に記載されている。毒素またはトキソイドは、好ましくは、AおよびBのサブユニットをともに含むホロ毒素の形態にある。好ましくは、Aサブユニットは解毒化変異を含有し、好ましくは、Bサブユニットは変異されていない。好ましくは、アジュバントは、LT−K63、LT−R72およびLT−G192のような解毒化LT変異体である。アジュバントとしてADPリボシル化毒素およびその解毒化誘導体、特に、LT−K63およびLT−R72を使用することは、参考文献98〜101で見出すことができる。有用なCT変異体は、またはCT−E29Hである[102]。アミノ酸置換についての数字の参照は、好ましくは、参考文献103(その全体が参照により本明細書に具体的に組み込まれる)に示されるADPリボシル化毒素のAおよびBサブユニットのアラインメントに基づく。
F.ヒト免疫調節物質
本発明においてアジュバントとして使用するのに適切なヒト免疫調節物質は、インターロイキン(例えば、IL−1、IL−2、IL−4、IL−5、IL−6、IL−7、IL−12[104]など)、インターフェロン(例えば、インターフェロン−γ)、マクロファージコロニー刺激因子、および腫瘍壊死因子のようなサイトカインを含む。好ましい免疫調節物質は、IL−12である。
G.生体付着性物質および粘膜付着性物質
生体付着性物質および粘膜付着性物質も、本発明においてアジュバントとして使用され得る。適切な生体付着性物質としては、エステル化ヒアルロン酸マイクロスフェア[105]、またはポリ(アクリル酸)、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、多糖およびカルボキシメチルセルロースの架橋誘導体のような粘膜付着性物質が挙げられる。キトサンおよびその誘導体も、本発明においてアジュバントとして使用され得る[106]。
H.微小粒子
微小粒子も、本発明においてアジュバントとして使用され得る。ポリ(ラクチド−コ−グリコリド)を有し、生分解性で非毒性の物質(例えば、ポリ(α−ヒドロキシ酸)、ポリヒドロキシ酪酸、ポリオルトエステル、ポリ無水物、ポリカプロラクトンなど)から形成された微小粒子(すなわち、直径約100nm〜約150μm、より好ましくは直径約200nm〜約30μm、最も好ましくは直径約500nm〜約10μmの粒子)が好ましく、これらは、必要に応じて、負に荷電された表面(例えば、SDSで)または正に荷電された表面(例えば、CTABのようなカチオン洗浄剤で)を有するように処理される。
I.リポソーム
アジュバントとして使用するのに適切なリポソーム製剤の例は、参考文献107〜に記載されている。
J.ポリオキシエチレンエーテルおよびポリオキシエチレンエステル製剤
本発明で使用するのに適切なアジュバントとしては、ポリオキシエチレンエーテルおよびポリオキシエチレンエステルが挙げられる[109]。このような製剤は、オクトキシノールと組み合わせたポリオキシエチレンソルビタンエステル界面活性剤[110]、およびオクトキシノールのような少なくとも1つのさらなる非イオン界面活性剤と組み合わせたポリオキシエチレンアルキルエーテルまたはエステル界面活性剤[111]をさらに含む。好ましいポリオキシエチレンエーテルは、以下の群から選択される:ポリオキシエチレン−9−ラウリルエーテル(ラウレス9)、ポリオキシエチレン−9−ステアリルエーテル(steoryl ether)、ポリオキシエチレン(polyoxytheylene)−8−ステアリルエーテル(steoryl ether)、ポリオキシエチレン−4−ラウリルエーテル、ポリオキシエチレン−35−ラウリルエーテル、およびポリオキシエチレン−23−ラウリルエーテル。
K.ホスファゼン
例えば、参考文献112および113に記載されているポリ[ジ(カルボキシラトフェノキシ)ホスファゼン](「PCPP」)のようなホスファゼンが使用され得る。
L.ムラミルペプチド
本発明においてアジュバントとして使用するのに適切なムラミルペプチドの例としては、N−アセチル−ムラミル−L−スレオニル−D−イソグルタミン(thr−MDP)、N−アセチル−ノルムラミル−L−アラニル−D−イソグルタミン(nor−MDP)、およびN−アセチルムラミル−L−アラニル−D−イソグルタミニル−L−アラニン−2−(1’−2’−ジパルミトイル−sn−グリセロ−3−ヒドロキシホスホリルオキシ)−エチルアミン(MTP−PE)が挙げられる。
M.イミダゾキノロン化合物
本発明においてアジュバントとして使用するのに適切なイミダゾキノロン化合物の例としては、イミキモド(「R−837」)[114]、レシキモド(「R−848」)[115]およびそれらの類似体、ならびにそれらの塩(例えば、塩酸塩)が挙げられる。
N.置換尿素
アジュバントとして有用な置換尿素としては、参考文献116に定義されている式I、IIもしくはIIIの化合物、またはそれらの塩:
例えば、「ER803058」、「ER803732」、「ER804053」、ER804058」、「ER804059」、「ER804442」、「ER804680」、「ER804764」、ER803022または「ER804057」、例えば:
が挙げられる。
O.さらなるアジュバント
本発明で使用され得るさらなるアジュバントとしては、以下のものが挙げられる:
・RC−529のようなアミノアルキルグルコサミニドリン酸誘導体[117]。
・参考文献118に開示されているもののようなチオセミカルバゾン化合物。活性化合物についての製剤化、製造およびスクリーニングの方法も、参考文献118に記載されている。チオセミカルバゾンは、TNF−αのようなサイトカインの生産のためのヒト末梢血単核細胞の刺激において特に効果的である。
・参考文献119に開示されているもののようなトリプタントリン化合物。活性化合物についての製剤化、製造およびスクリーニングの方法も、参考文献119に記載されている。チオセミカルバゾンは、TNF−αのようなサイトカインの生産のためのヒト末梢血単核細胞の刺激において特に効果的である。
・(a)イサトラビン(ANA−245;7−チア−8−オキソグアノシン):
およびそのプロドラッグ;(b)ANA975;(c)ANA−025−1;(d)ANA380;(e)ロキソリビン(7−アリル−8−オキソグアノシン)についての参考文献120に開示されている化合物のようなヌクレオシド類似体[122]。
・アシルピペラジン化合物、インドールジオン化合物、テトラヒドロイソキノリン(Tetrahydraisoquinoline)(THIQ)化合物、ベンゾシクロジオン化合物、アミノアザビニル化合物、アミノベンズイミダゾールキノリノン(ABIQ)化合物[124]、ヒドロフタルアミド(Hydrapthalamide)化合物、ベンゾフェノン化合物、イソキサゾール化合物、ステロール化合物、キナジリノン化合物、ピロール化合物[125]、アントラキノン化合物、キノキサリン化合物、トリアジン化合物、ピラザロピリミジン化合物およびベンザゾール化合物[126]を含む、参考文献123に開示されている化合物。
・TLR4アンタゴニストE5564[127]のようなリン酸含有非環式骨格に連結された脂質を含有する化合物。
・ポリオキシドニウムポリマー[128]または他のN酸化ポリエチレン−ピペラジン誘導体。
・メチルイノシン5’−1リン酸(「MIMP」)[129]。
・式:
(式中、Rは、水素、直鎖もしくは分岐鎖で、非置換もしくは置換され、飽和もしくは不飽和のアシル、アルキル(例えば、シクロアルキル)、アルケニル、アルキニルおよびアリール基を含む群から選択される)を有するもののようなポリヒドロキシル化ピロリジジン化合物[130]、またはその薬学的に許容され得る塩もしくは誘導体。例としては、限定されないが、カスアリン、カスアリン−6−α−D−グルコピラノース、3−epi−カスアリン、7−epi−カスアリン、3,7−ジepi−カスアリンなどが挙げられる。
・α−グリコシルセラミド[131〜](例えば、α−ガラクトシルセラミド)、フィトスフィンゴシン含有α−グリコシルセラミド、OCH、KRN7000[(2S,3S,4R)−1−O−(α−D−ガラクトピラノシル)−2−(N−ヘキサコサノイルアミノ)−1,3,4−オクタデカントリオール]、CRONY−101、3’’−O−スルホ−ガラクトシルセラミドなどのようなCD1dリガンド。
・アルガムリンのようなガンマイヌリン[133]またはその誘導体。
アジュバントの組み合わせ
本発明は、上記で同定されるアジュバントの1つまたはそれより多くの組み合わせも含み得る。例えば、以下のアジュバント組成物が、本発明において使用され得る:(1)サポニンおよび水中油型エマルジョン[134];(2)サポニン(例えば、QS21)+非毒性LPS誘導体(例えば、3dMPL);(3)サポニン(例えば、QS21)+非毒性LPS誘導体(例えば、3dMPL)+コレステロール;(4)サポニン(例えば、QS21)+3dMPL+IL−12(必要に応じて、+ステロール);(5)3dMPLと、例えばQS21および/または水中油型エマルジョンとの組み合わせ[135];(6)サブミクロンのエマルジョンになるようにマイクロフルイダイズされたかまたはより大きい粒子サイズのエマルジョンを生じるようにボルテックスされた、10%スクアレン、0.4%Tween80(商標)、5%プルロニック−ブロックポリマーL121およびthr−MDPを含有するSAF、(7)2%スクアレンと、0.2%Tween80と、モノホスホリルリピドA(MPL)、トレハロースジミコール酸(TDM)および細胞壁骨格(CWS)からなる群由来の1つまたはそれより多くの細菌細胞壁成分、好ましくはMPL+CWS(Detox(商標))とを含有するRibi(商標)アジュバント系(RAS)(Ribi Immunochem);ならびに(8)1つまたはそれより多くの無機塩(例えば、アルミニウム塩)+LPSの非毒性誘導体(例えば、3dMPL)。
水酸化アルミニウムおよび/またはリン酸アルミニウムアジュバントの使用は特に好ましく、抗原は、一般的に、これらの塩に吸着される。リン酸カルシウムは、別の好ましいアジュバントである。他の好ましいアジュバントの組み合わせは、CpGおよびalum、またはレシキモドおよびalumのようなTh1アジュバントおよびTh2アジュバントの組み合わせを含む。リン酸アルミニウムと3dMPLとの組み合わせが使用され得る。
本発明の組成物は、細胞媒介性免疫応答および体液性免疫応答の両方を誘導し得る。この免疫応答は、好ましくは、長期持続性(例えば、中和)抗体と、シュードモナスへの曝露に際して迅速に応答し得る細胞媒介性免疫とを誘導する。
2種類のT細胞、すなわちCD4およびCD8細胞は、一般的に、細胞媒介性免疫および体液性免疫を開始および/または増強するのに必要であると考えられている。CD8 T細胞は、CD8共受容体を発現でき、細胞傷害性Tリンパ球(CTL)と一般に称される。CD8 T細胞は、MHCクラスI分子上に提示される抗原を認識でき、またはそれと相互作用し得る。
CD4 T細胞は、CD4共受容体を発現でき、Tヘルパー細胞と一般に称される。CD4 T細胞は、MHCクラスII分子と結合した抗原性ペプチドを認識し得る。MHCクラスII分子との相互作用により、CD4細胞は、サイトカインのような因子を分泌し得る。これらの分泌されたサイトカインは、B細胞、細胞傷害性T細胞、マクロファージおよび免疫応答に参加する他の細胞を活性化し得る。ヘルパーT細胞またはCD4+細胞は、2つの機能的に異なるサブセット、すなわち、それらのサイトカインおよびエフェクター機能が異なるTH1表現型およびTH2表現型にさらに分けることができる。
活性化TH1細胞は、細胞性免疫を増強し(抗原特異的CTLの生成の増加を含む)、したがって、細胞内感染に対する応答において特に価値がある。活性化TH1細胞は、IL−2、IFN−γおよびTNF−βの1つまたはそれより多くを分泌し得る。TH1免疫応答は、マクロファージ、NK(ナチュラルキラー)細胞およびCD8細胞傷害性T細胞(CTL)を活性化することにより局所的炎症反応をもたらし得る。TH1免疫応答はまた、BおよびT細胞の増殖を、IL−12を使用して刺激することにより免疫応答を拡大するように作用し得る。TH1刺激B細胞は、IgG2aを分泌し得る。
活性化TH2細胞は、抗体生成を増強し、したがって、細胞外感染に対する応答において価値がある。活性化TH2細胞は、IL−4、IL−5、IL−6およびIL−10の1つまたはそれより多くを分泌し得る。TH2免疫応答は、IgG1、IgE、IgAおよび将来の防御のためのメモリーB細胞の生成をもたらし得る。
免疫応答の増強は、TH1免疫応答の増強およびTH2免疫応答の増強の1つまたはそれより多くを含み得る。
TH1免疫応答は、CTLの増加、TH1免疫応答に関連するサイトカインの1つまたはそれより多く(例えば、IL−2、IFN−γおよびTNF−β)の増加、活性化マクロファージの増加、NK活性の増加、またはIgG2aの生成の増加の1つまたはそれより多くを含み得る。好ましくは、TH1免疫応答の増強は、IgG2a生成の増加を含む。
TH1免疫応答は、TH1アジュバントを使用して誘導され得る。TH1アジュバントは、一般的に、アジュバントなしの抗原での免疫化と比べて、増加したレベルのIgG2a生成を誘導する。本発明で使用するのに適切なTH1アジュバントは、例えばサポニン製剤、ビロソームおよびウイルス様粒子、腸内細菌リポ多糖(LPS)の非毒性誘導体、免疫刺激オリゴヌクレオチドを含み得る。CpGモチーフを含有するオリゴヌクレオチドのような免疫刺激オリゴヌクレオチドは、本発明で使用するのに好ましいTH1アジュバントである。
TH2免疫応答は、TH2免疫応答に関連するサイトカイン(例えば、IL−4、IL−5、IL−6およびIL−10)の1つまたはそれより多くの増加、またはIgG1、IgE、IgAおよびメモリーB細胞の生成の増加の1つまたはそれより多くを含み得る。好ましくは、TH2免疫応答(resonse)の増強は、IgG1生成の増加を含む。
TH2免疫応答は、TH2アジュバントを使用して誘導され得る。TH2アジュバントは、一般的に、アジュバントなしの抗原での免疫化と比べて、増加したレベルのIgG1生成を誘導する。本発明で使用するのに適切なTH2アジュバントは、例えば、無機物含有組成物、油性エマルジョンならびにADPリボシル化毒素およびその解毒化誘導体を含む。アルミニウム塩のような無機物含有組成物は、本発明で使用するのに好ましいTH2アジュバントである。
好ましくは、本発明は、TH1アジュバントとTH2アジュバントとの組み合わせを含む組成物を含む。好ましくは、このような組成物は、増強されたTH1応答および増強されたTH2応答を誘導し、すなわち、アジュバントなしでの免疫化と比べて、IgG1生成およびIgG2a生成の両方の生成の増加を誘導する。さらにより好ましくは、TH1アジュバントとTH2アジュバントとの組み合わせを含む組成物は、単一アジュバントを使用する免疫化と比べて(すなわち、TH1アジュバントのみでの免疫化またはTH2アジュバントのみでの免疫化と比べて)、TH1免疫応答の増加および/またはTH2免疫応答の増加を誘導する。
免疫応答は、TH1免疫応答およびTH2応答の一方または両方であり得る。好ましくは、免疫応答は、TH1応答の増強およびTH2応答の増強の一方または両方をもたらす。
増強される免疫応答は、全身免疫応答および粘膜免疫応答の一方または両方であり得る。好ましくは、免疫応答は、全身免疫応答の増強および粘膜免疫応答の増強の一方または両方をもたらす。好ましくは、粘膜免疫応答は、TH2免疫応答である。好ましくは、粘膜免疫応答は、IgAの生成の増加を含む。
P.aeruginosa感染症は様々な身体領域に影響を与え得るので、本発明の組成物は、様々な形態で調製され得る。例えば、組成物は、液体溶液または懸濁物のいずれかとしての注射剤として調製され得る。注射前に液体ビヒクルに溶解または懸濁するのに適切な固体の形態も調製され得る(例えば、凍結乾燥組成物または噴霧凍結乾燥組成物)。組成物は、外用投与用に、例えば、軟膏剤、クリームまたは粉末として調製され得る。組成物は、経口投与用に、例えば、錠剤もしくはカプセル剤として、噴霧剤として、またはシロップ剤(必要に応じて矯味矯臭して)として調製され得る。組成物は、肺投与用に、例えば、微細粉末または噴霧剤を使用する吸入剤として調製され得る。組成物は、坐剤または膣坐剤として調製され得る。組成物は、鼻、耳または眼の投与用に調製され得る(例えば滴剤として)。組成物は、組み合わせ組成物が、患者への投与の直前に再構成されるように設計されたキットの形態であり得る。このようなキットは、液体の形態の1個またはそれより多くの抗原と、凍結乾燥された1個またはそれより多くの抗原とを含み得る。
組成物が使用前に即時調製されることになっており(例えば、成分が凍結乾燥された形態である場合)、キットとして提示される場合、キットは2つのバイアルを含み得、あるいは1つの充填済み(ready−filled)シリンジと1つのバイアルとを含み得、シリンジの内容物は、注射前にバイアルの内容物を再活性化するのに使用される。
ワクチンとして使用される免疫原性組成物は、免疫学的有効量の抗原(単数または複数)と、場合により任意の他の成分とを含む。「免疫学的有効量」は、単回用量または一連の一部としてその量を個体に投与することが処置または予防に効果的であることを意味する。この量は、処置される個体の健康および身体の状態、年齢、処置される個体の分類群(例えば、非ヒト霊長類、霊長類など)、個体の免疫系の抗体を合成する能力、所望される防御の程度、ワクチンの製剤形態、医学的状態についての処置医師の評価、および他の関連する因子に依存して変動する。この量は、通例の試験により決定され得る比較的広い範囲内に収まることが期待される。複数の抗原が組成物に含まれる場合、2個の抗原は、互いに同じ用量または異なる用量で存在し得る。
上記のように、組成物は、温度保護剤を含み得、この成分は、アジュバント添加組成物(特にアルミニウム塩のような無機質アジュバントを含有するもの)において特に有用であり得る。参考文献136に記載されているように、液体の温度保護剤を、その凝固点を低下させ、例えば、この凝固点を0℃未満に低減させるために水性ワクチン組成物に加えてよい。したがって、組成物は0℃未満であるがその凝固点より上で貯蔵でき、温度による分解を阻害し得る。温度保護剤は、無機塩アジュバントを凍結および解凍の後の凝集または沈降から保護しながら組成物の凍結を可能にすることもでき、上昇した温度、例えば、40℃を超える温度にて組成物を保護することもできる。開始水性ワクチンおよび液体の温度保護剤は、この液体の温度保護剤が、最終混合物の1〜80容積%を形成するように混合され得る。適切な温度保護剤は、ヒトの投与について安全であり、水に容易に混和/可溶性であるべきであり、組成物中の他の成分(例えば、抗原およびアジュバント)に損傷を与えないものであるべきである。例として、グリセリン、プロピレングリコールおよび/またはポリエチレングリコール(PEG)が挙げられる。適切なPEGは、200〜20,000Daの範囲の平均分子量を有し得る。好ましい実施形態では、ポリエチレングリコールは、約300Daの平均分子量を有し得る(「PEG−300」)。
本発明は、(i)第1の、第2の、第3のまたは第4の抗原群から選択される1個またはそれより多くの抗原と、(ii)温度保護剤とを含む免疫原性組成物を提供する。この組成物は、(i)第1の、第2の、第3のまたは第4の抗原群から選択される1個またはそれより多くの抗原を含む水性組成物を、(ii)温度保護剤と混合することにより形成され得る。混合物は、次いで貯蔵され得る(例えば、0℃未満、0〜20℃、20〜35℃、35〜55℃またはそれより高くで)。これは、液体または凍結形態で貯蔵され得る。混合物は、凍結乾燥され得る。あるいは、組成物は、(i)第1の、第2の、第3のまたは第4の抗原群から選択される1個またはそれより多くの抗原を含む乾燥組成物を、(ii)温度保護剤を含む液体組成物と混合することにより形成され得る。したがって、成分(ii)は、成分(i)を再構成するのに使用され得る。
処置方法およびワクチンの投与
本発明はまた、哺乳動物における免疫応答を引き起こす方法であって、有効量の本発明の組成物を投与する工程を含む方法を提供する。免疫応答は、好ましくは防御的であり、好ましくは、抗体および/または細胞媒介性免疫を伴う。この方法は、追加免疫応答を引き起こし得る。
本発明はまた、医薬品として併用するための(例えば、哺乳動物における免疫応答を引き起こすのに使用するための)少なくとも2個の本発明の抗原を提供する。
本発明はまた、哺乳動物における免疫応答を引き起こすための医薬品の製造における、少なくとも2個の本発明の抗原の使用を提供する。
これらの使用および方法により哺乳動物において免疫応答を引き起こすことにより、この哺乳動物を、院内感染を含むP.aeruginosa感染症から防御することができる。より具体的には、哺乳動物を、皮膚感染(参考文献137に示されているような熱傷、外傷性創傷または眼のものを含む)、肺炎、髄膜炎および新生児髄膜炎、骨髄炎、心内膜炎、シュードモナス毛嚢炎、毒素ショック症候群および/または敗血症および嚢胞性線維症から防御し得る。
本発明はまた、第1の要素と第2の要素とを含むキットであって、第1の要素も第2の要素も上記の本発明の組成物ではないが、第1の要素と第2の要素とを組み合わせて上記の本発明の組成物を提供し得るキットを提供する。キットは、以下の1つまたはそれより多くを含む第3の要素をさらに含み得る:使用説明書、シリンジもしくは他の送達デバイス、アジュバントまたは薬学的に許容され得る製剤化溶液。
本発明はまた、本発明の免疫原性組成物が予め充填された送達デバイスを提供する。
哺乳動物は、好ましくはヒトである。ワクチンが予防用である場合、ヒトは、好ましくは、小児(例えば、幼児または乳児)または10代の若者であり、ワクチンが治療用である場合、ヒトは好ましくは10代の若者または成人である。小児用を意図するワクチンは成人に投与してもよい(例えば、安全性、投与量、免疫原性などを評価するために)。本発明にしたがって有用に免疫化され得る他の哺乳動物は、ウシ、イヌ、ウマおよびブタである。
治療処置の効力を確認するための1つの方法は、本発明の組成物の投与後のP.aeruginosa感染症をモニタリングすることを含む。予防処置の効力を確認するための1つの方法は、本発明の組成物中の抗原に対する全身(例えば、IgG1およびIgG2a生成のレベルをモニタリングする)および/または粘膜(例えば、IgA生成のレベルをモニタリングする)の免疫応答を、組成物の投与後にモニタリングすることを含む。典型的には、抗原特異的血清抗体応答は、免疫化後であるが負荷前に決定され、一方、抗原特異的粘膜抗体応答は、免疫化後であって負荷後に決定される。
本発明の組成物の免疫原性を評価するための別の方法は、患者の血清もしくは粘膜分泌物をイムノブロットおよび/またはマイクロアレイによりスクリーニングするためにタンパク質を組換え発現させることである。タンパク質と患者試料との間の陽性反応は、患者が、問題のタンパク質に対する免疫応答を開始したことを示す。この方法はまた、免疫優性抗原および/または抗原内のエピトープを同定するのに使用され得る。
ワクチン組成物の効力はまた、P.aeruginosa感染症の動物モデル、例えば、モルモットまたはマウスに、ワクチン組成物を使用して負荷することによりインビボで決定され得る。特に、P.aeruginosa感染症の研究のための有用な動物モデルが1つあり、「効力の試験」という題の章に詳細に記載されている。致死感染モデルでは、通常致死量のP.aeruginosaを気管内経路により感染させた後に生存するマウスの数を観察する。様々な抗原および様々な抗原の組み合わせは、効果的なワクチンの様々な態様に寄与し得る。
本発明の組成物は、一般的に、患者に直接的に投与される。直接送達は、非経口注射(例えば、皮下、腹腔内、静脈内、筋肉内または組織の間質腔へ)、または直腸、経口(例えば、錠剤、噴霧剤)、膣、外用、経皮(transdermal)もしくは経皮(transcutaneous)、鼻内、眼、耳、肺もしくは他の粘膜投与のような粘膜投与により達成され得る。
本発明は、全身および/または粘膜免疫を誘導するため、好ましくは、増強された全身および/または粘膜免疫を誘導するために使用され得る。
好ましくは、全身および/または粘膜免疫の増強は、TH1および/またはTH2免疫応答の増強に反映される。好ましくは、免疫応答の増強は、IgG1および/またはIgG2aおよび/またはIgAの生成の増加を含む。
Th17細胞は、抗菌粘膜防御を増強し得、防御ワクチン誘導応答を潜在的に媒介し得る最近記載されているヘルパーT細胞系統である。参考文献138を参照のこと。
投薬は、単回用量計画または複数回用量計画によるものであり得る。複数回用量は、一次免疫化計画および/または追加免疫化計画で使用され得る。複数回用量計画において、様々な用量を、同じまたは異なる経路により与えてよく、例えば、非経口による一次免疫および粘膜による追加免疫、粘膜による一次免疫および非経口による追加免疫などがある。複数回用量は、典型的には、少なくとも1週間隔てて投与される(例えば、約2週間、約3週間、約4週間、約6週間、約8週間、約10週間、約12週間、約16週間など)。
本発明にしたがって調製されるワクチンは、小児および成人の両方を処置するのに使用され得る。したがって、ヒト患者は、1歳未満、1〜5歳、5〜15歳、15〜55歳または少なくとも55歳であり得る。ワクチンを受ける好ましい患者は、年配者(例えば、≧50歳、≧60歳、好ましくは≧65歳)、年少者(例えば、≦5歳)、入院患者、医療従事者、軍人および軍関係者、妊娠している女性、慢性の病人または免疫不全患者である。しかしながら、ワクチンは、これらの群にのみ適するのではなく、集団においてより一般的に使用され得る。
本発明により生産されるワクチンは、他のワクチンと実質的に同時に(例えば、医療専門家またはワクチン接種センターへの同じ医療相談または訪問中に)、例えば、インフルエンザワクチン、麻疹ワクチン、流行性耳下腺炎ワクチン、風疹ワクチン、MMRワクチン、水痘ワクチン、MMRVワクチン、ジフテリアワクチン、破傷風ワクチン、百日咳ワクチン、DTPワクチン、コンジュゲート型H.influenzae b型ワクチン、不活化ポリオウイルスワクチン、B型肝炎ウイルスワクチン、髄膜炎菌コンジュゲートワクチン(例えば、4価A−C−W135−Yワクチン)、RSウイルスワクチンなどと実質的に同時に患者に投与され得る。併用投与に適切なさらなる非シュードモナスワクチンは、1個またはそれより多くの抗原を含み得る。
核酸免疫化
上記の免疫原性組成物は、P.aeruginosa由来のポリペプチド抗原を含む。しかしながら、すべての場合において、このポリペプチド抗原は、これらのポリペプチドをコードする核酸(典型的にはDNA)で代替して、核酸免疫化に基づく組成物、方法および使用をもたらすことができる。核酸免疫化は、現在では、発展した分野である。
免疫原をコードする核酸は、患者に送達された後にインビボにおいて発現し、次いで、発現した免疫原が免疫系を刺激する。活性成分は、典型的には、(i)プロモーターと、(ii)プロモーターに作動可能に連結された免疫原をコードする配列と、必要に応じて、(iii)選択可能マーカーとを含む核酸ベクターの形態をとる。好ましいベクターは、(iv)複製起点と、(v)(ii)の下流であって(ii)に作動可能に連結された転写ターミネーターとをさらに含み得る。一般的に、(i)および(v)は真核生物のものであり、(iii)および(iv)は原核生物のものである。
好ましいプロモーターは、ウイルスプロモーターであり、例えば、サイトメガロウイルス(CMV)由来である。ベクターは、プロモーターに加えて転写調節配列(例えば、エンハンサー)も含み得、これは、プロモーターと機能的に相互作用する。好ましいベクターは、前初期CMVエンハンサー/プロモーターを含み、より好ましいベクターは、CMVイントロンAも含む。プロモーターは、免疫原をコードする配列の発現がプロモーターの制御下になるように、免疫原をコードする下流配列に作動可能に連結される。
マーカーを使用する場合、これは、好ましくは、微生物宿主内(例えば、原核生物内、細菌内、酵母内)で機能する。マーカーは、好ましくは、原核生物選択可能マーカー(例えば、原核生物プロモーターの制御下で転写される)である。簡便のために、典型的なマーカーは、抗生物質耐性遺伝子である。
本発明のベクターは、好ましくは、プラスミドのような自己複製エピソームまたは染色体外ベクターである。
本発明のベクターは、好ましくは、複製起点を含む。複製起点は、原核生物内で活性であるが、真核生物内で活性ではないことが好ましい。
したがって、好ましいベクターは、ベクターの選択のための原核生物マーカーと、原核生物の複製起点と、免疫原をコードする配列の転写を駆動する真核生物のプロモーターとを含む。したがって、ベクターは、(a)ポリペプチドを発現することなく原核生物宿主において増幅され選択されるが、(b)増幅されることなく真核生物宿主において発現される。この配置は、核酸免疫化ベクターに理想的である。
本発明のベクターは、コード配列の下流に真核生物の転写ターミネーター配列を含み得る。これは、転写レベルを増強し得る。コード配列がそれ自体のものを有しない場合、本発明のベクターは、好ましくは、ポリアデニル化配列を含む。好ましいポリアデニル化配列は、ウシ成長ホルモンに由来する。
本発明のベクターは、複数のクローニング部位を含み得る。
免疫原およびマーカーをコードする配列に加えて、ベクターは、第2の真核生物コード配列を含み得る。免疫原と同じ転写産物からの第2の真核生物ポリペプチドの翻訳を可能にするために、ベクターは、上記の第2の配列の上流にIRESも含み得る。あるいは、免疫原コード配列が、IRESの下流にあり得る。
本発明のベクターは、非メチル化CpGモチーフ、例えば、2つの5’プリンと2つの3’ピリミジンとに挟まれた、グアノシンの前にシトシンを共通して有する非メチル化DNA配列を含み得る。これらの非メチル化形態において、これらのDNAモチーフは、いくつかの型の免疫細胞の有力な刺激物質であることが証明されている。
ベクターは、標的化様式で送達され得る。受容体媒介DNA送達技術が、当技術分野で説明されている。核酸を含有する治療組成物は、遺伝子治療プロトコールにおける局所投与のために約100ng〜約200mgの範囲のDNAで投与される。約500ng〜約50mg、約1μg〜約2mg、約5μg〜約500μg、および約20μg〜約100μgのDNAの濃度範囲もまた、遺伝子治療プロトコール中に使用し得る。作用方法(例えば、コードされる遺伝子産物のレベルを増強または阻害するための)ならびに形質転換および発現の効力のような因子は、最終的な効力に必要な投与量に影響する考慮すべき事項である。より大きな組織領域にわたるより高い発現を望む場合、より大量のベクターまたは連続的投与プロトコールにおける同量の再投与、または様々な近接もしくは近い組織部分への複数回投与が、正の治療転帰をもたらすために要求され得る。すべての場合において、臨床試験における通例の実験が、最適な治療効果の特定の範囲を決定する。
ベクターは、遺伝子送達ビヒクルを使用して送達され得る。遺伝子送達ビヒクルは、ウイルスまたは非ウイルスの起源のものであり得る(一般的に、参考文献139を参照のこと)。
所望の核酸の送達および所望の細胞における発現のためのウイルスに基づくベクターは、当技術分野で周知である。例示的なウイルスに基づくビヒクルとしては、限定されないが、組換えレトロウイルス(例えば、参考文献140〜)、アルファウイルスに基づくベクター(例えば、シンドビスウイルスベクター、セムリキ森林ウイルス(ATCC VR−67;ATCC VR−1247)、ロスリバーウイルス(ATCC VR−373;ATCC VR−1246)およびベネズエラウマ脳炎ウイルス(ATCC VR−923;ATCC VR−1250;ATCC VR1249;ATCC VR−532);これらのウイルスのハイブリッドまたはキメラも使用され得る)、ポックスウイルスベクター(例えば、ワクシニア、鶏痘、カナリアポックス、改変ワクシニアアンカラなど)、アデノウイルスベクター、およびアデノ随伴ウイルス(AAV)ベクターが挙げられる(例えば、参考文献142〜を参照のこと)。死アデノウイルスに連結されたDNA[144]の投与も用いられ得る。
限定されないが、死アデノウイルスのみに連結されているかまたは連結されていないポリカチオン凝縮DNA[例えば144]、リガンド連結DNA[145]、真核細胞送達ビヒクル細胞[例えば参考文献146〜]および核電荷中和または細胞膜との融合を含む非ウイルス送達ビヒクルおよび方法も用いられ得る。ネイキッドDNAも用いられ得る。例示的なネイキッドDNA導入方法は、参考文献148に記載されている。遺伝子送達ビヒクルとして作用し得るリポソーム(例えば、イムノリポソーム)は、参考文献149〜に記載されている。さらなるアプローチは、参考文献151〜152に記載されている。
使用するのに適切なさらなる非ウイルス送達としては、参考文献152に記載されているアプローチのような機械的送達系が挙げられる。さらに、コード配列およびその発現の生成物は、光重合されたヒドロゲル物質の堆積または電離放射線の使用により送達され得る(例えば参考文献153)。コード配列を送達するのに使用され得る遺伝子送達のための他の従来の方法は、例えば、手持ち式(hand−held)遺伝子移入パーティクルガンの使用[154]または移入された遺伝子を活性化するための電離放射線の使用を含む。
PLG{ポリ(ラクチド−コ−グリコリド)}微小粒子を使用する送達DNAは、(例えば、微小粒子への吸着による)特に好ましい方法であり、これらの微小粒子は、必要に応じて、負に荷電された表面(例えば、SDSで処理される)または正に荷電された表面(例えば、CTABのようなカチオン洗浄剤で処理される)を有するように処理される。抗体
P.aeruginosa抗原に対する抗体は、受動免疫に使用され得る。したがって、本発明は、第1の、第2の、第3のまたは第4の抗原群の抗原に特異的な抗体を提供する。本発明はまた、治療におけるこのような抗体の使用を提供する。本発明はまた、医薬品の製造におけるこのような抗体の使用を提供する。本発明はまた、哺乳動物を処置する方法であって、有効量の本発明の抗体を投与する工程を含む方法を提供する。免疫原性組成物について上記のように、これらの方法および使用は、P.aeruginosa感染症から哺乳動物を防御することを可能にする。
「抗体」という用語は、インタクトな免疫グロブリン分子、および抗原と結合し得るその断片を含む。これらは、ハイブリッド(キメラ)抗体分子;F(ab’)2およびF(ab)断片ならびにFv分子;非共有結合ヘテロダイマー;単鎖Fv分子(sFv);ダイマーおよびトリマー抗体断片構築物;ミニボディ;ヒト化抗体分子;ならびにこのような分子から得られる任意の機能的断片、ならびにファージディスプレイのような慣用的ではないプロセスにより得られる抗体を含む。好ましくは、抗体は、モノクローナル抗体である。モノクローナル抗体を得る方法は、当技術分野で周知である。ヒト化または完全ヒト抗体が好ましい。
全般
本発明の実施は、特に指示がない限り、当技術分野の範囲内である化学、生化学、分子生物学、免疫学および薬理学の従来の方法を使用する。このような技術は、文献に詳細に説明されている。
「GI」番号付けを上記で使用している。GI番号または「GenInfo識別子」は、そのデータベースに配列が加えられた場合に、NCBIにより処理される記録された各配列に連続的に割り当てられる一連の数字である。GI番号は、記録された配列のアクセッション番号に対して類似性はない。配列がアップデートされたとき(例えば、修正のため、またはさらなるアノテーションもしくは情報を加えるため)には、新たなGI番号が与えられる。したがって、与えられたGI番号に付随する配列は、決して変更されない。参考文献37を参照のこと。
本発明が「エピトープ」に関する場合、このエピトープは、B細胞エピトープおよび/またはT細胞エピトープであり得る。このようなエピトープは、経験的に同定され得る(例えば、PEPSCAN[155]または類似の方法を使用して)か、またはこれは予想し得る(例えば、Jameson−Wolf抗原インデックス[156]、マトリックスに基づくアプローチ[157]、MAPITOPE[158]、TEPITOPE[159]、OptiMer&EpiMer[160]、ADEPT[161]、Tsites、親水性、抗原インデックスまたは当技術分野で公知の方法を使用して)。エピトープは、抗体またはT細胞受容体の抗原結合部位により認識され、それと結合する抗原の部分であり、これらは、「抗原決定基」とも称され得る。
抗原「ドメイン」が削除される場合、これは、シグナルペプチド、細胞質ドメイン、膜貫通ドメイン、細胞外ドメインなどが削除されることを含み得る。
「含む(comprising)」という用語は、「含む(including)」および「からなる(consisting)」を包含し、例えば、Xを「含む(comprising)」組成物は、排他的にXのみからなってもよいし、またはさらなる何らかのものを含んでもよい(例えばX+Y)。
数値xに関する「約」という用語は、任意選択であり、例えば、x±10%を意味する。
2つのアミノ酸配列間の配列同一性の割合についての言及は、アラインメントした場合に、その割合のアミノ酸が、2つの配列の比較において同じであることを意味する。このアラインメントおよびパーセント相同性または配列同一性は、当技術分野で公知のソフトウェアプログラム、例えば、参考文献162の7.7.18節に記載されているものを使用して決定され得る。好ましいアラインメントは、12のギャップオープンペナルティおよび2のギャップ伸長ペナルティ、62のBLOSUMマトリックスでのアフィンギャップ検索を使用してSmith−Waterman相同性検索アルゴリズムにより決定される。Smith−Waterman相同性検索アルゴリズムは、参考文献163に開示されている。