JP2010283194A - 配線基板およびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】本発明の配線基板の製造方法は、基材11と、基材11の一方の面11aに設けられた受理層12と、受理層12上に導電性インクにより形成された金属銀からなる配線13と、を備えた配線基板10の製造方法であって、基材11の一方の面11aに、ラテックスとポリビニルアルコールを含む水溶液を塗布して未硬化の塗膜を形成した後、その塗膜を乾燥させることにより受理層12を形成する工程Aと、β−ケトカルボン酸銀と、孤立電子対を有する化合物とを含む導電性インクを用い、印刷により、受理層12上に配線パターンを形成した後、この配線パターンが形成された基材11を加熱することにより、受理層12上に配線13を形成する工程Bと、を有することを特徴とする。
【選択図】図1
Description
そこで、比較的低温で加熱しても金属銀を形成することが可能な導電性インクとして、銀塩を溶媒に溶解した導電性インクが開示されている(例えば、特許文献3参照)。
なお、この形態は、発明の趣旨をより良く理解させるために具体的に説明するものであり、特に指定のない限り、本発明を限定するものではない。
図1は、本発明の配線基板の一実施形態を示す概略断面図である。
この実施形態の配線基板10は、基材11と、基材11の一方の面11aに設けられた受理層12と、受理層12の基材11と接する面とは反対側の面(以下、「一方の面」という。)12aに導電性インクにより形成された金属銀からなる配線13とから概略構成されている。
なお、配線基板10において、受理層12の一方の面12aに配線13が設けられていることを、受理層12上に配線13が設けられているということもある。
SBR系ラテックスは、スチレンとブタジエンを主成分とする合成ゴムのラテックスである。
MBR系ラテックスは、メタクリル酸メチルとブタジエンを主成分とする合成ゴムのラテックスである。
中間ケン化されたポリビニルアルコールとは、ケン化度が91〜98%程度のものをいう。
部分ケン化されたポリビニルアルコールとは、ケン化度が70〜90%程度のものをいう。
このβ−ケトカルボン酸銀は、210℃以下の低温で加熱することにより、速やかに金属銀を形成する物質である。
また、上記の式(1)において、各種炭化水素基は、1以上の水酸基が、フッ素原子、塩素原子または臭素原子に置換されていてもよい。
上記の式(1)で表される化合物の中でも、これらのβ−ケトカルボン酸銀は、後述するように焼結により金属銀への分解を行った際に、得られる金属銀に残存する原料や不純物の濃度を十分に低減できることから特に好ましい。相対的に不純物が少ない金属銀である程、例えば、さらに、相対的に析出する銀同士の接触がよくなり、導通し易くなり、抵抗率が下がるという優れた効果を奏する。
置換されたモノアルキルアミンとしては、例えば、アリール基で置換されたモノC1−9アルキルアミンが挙げられる。置換されたモノアルキルアミンとしては、具体的には、2−フェニルエチルアミン、ベンジルアミンが好ましく、2−フェニルエチルアミンがより好ましい。
置換されたモノアリールアミンとしては、例えば、臭素原子で置換されたモノC6−10アリールアミンが挙げられる。置換されたモノアリールアミンとしては、具体的には、2−ブロモベンジルアミンが好ましい。
置換されたモノシクロアルキルアミンとしては、例えば、C1−5アルキルで置換されたモノC3−7シクロアルキルアミンが挙げられる。置換されたモノシクロアルキルアミンとしては、具体的には、2,3−ジメチルシクロヘキシルアミンが好ましい。
置換されたモノ(ヘテロアリール)アミンとしては、例えば、窒素原子、硫黄原子および酸素原子からなる群から選択される1種または2種以上の原子を1つ以上含む、6〜12員のヘテロアリール基を含む置換されたモノ(ヘテロアリール)アミンが挙げられる。
置換されたジアルキルアミンとしては、例えば、互いに同一または異なっていてもよい、水酸基で置換されたC1−9アルキルを含むジC1−9アルキルアミンが挙げられる。置換されたジアルキルアミンとしては、具体的には、ジエタノールアミン、メチルベンジルアミンなどが好ましい。
置換されたジアリールアミンとしては、例えば、窒素原子、硫黄原子および酸素原子からなる群から選択される1種または2種以上の原子を1つ以上含む、6〜12員のヘテロアリール基を含む置換されたモノ(ヘテロアリール)アミンが挙げられる。
(置換アルキル)3Pとしては、例えば、互いに同一または異なっていてもよい置換C1−9アルキルを含む(置換C1−9アルキル)3Pが挙げられる。(置換C1−9アルキル)3Pとしては、具体的には、亜リン酸トリブチルが好ましい。
(置換アリール)3Pとしては、例えば、互いに同一または異なっていてもよい置換C6−10アリールを含む(置換C6−10アリール)3Pが挙げられる。
アルキルスルホン酸ジアルキルエステルとしては、C1−6アルキルホスホン酸ジ(C1−6アルキル)エステルが挙げられる。
置換アルキルホスホン酸ジアルキルエステルとしては、置換C1−6アルキルホスホン酸ジ(C1−6アルキル)エステルが挙げられ、具体的には、ジエチルホスホノ酢酸エチルが好ましい。
溶媒としては、アルコール、ケトン、エステル、エーテル、芳香族炭化水素、脂肪族炭化水素、シアノ基またはハロゲン原子で置換された脂肪族炭化水素および水からなる群から選択される1種または2種以上を用いることが好ましい。
水酸基を1〜5個有する炭素数1〜9までの脂肪族炭化水素としては、メタノール、エタノール、プロパノール、2−プロパノール、ブタノール、ペンタノール、ヘキサノール、オクタノール、ノナンノール、エチレングリコール、グリセロールなどが挙げられる。
アルコールとしては、例えば、水酸基を1〜3個有する炭素数1〜5の脂肪族炭化水素が好ましい。水酸基を1〜3個有する炭素数1〜5の脂肪族炭化水素としては、具体的には、メタノール、エタノール、プロパノール、2−プロパノール、ブタノール、ペンタノール、エチレングリコール、グリセロールなどが挙げられる。
(置換アルキル)2C=Oとしては、例えば、互いに同一または異なっていてもよい置換C1−9アルキルを含む(置換C1−9アルキル)2C=Oが挙げられる。
(置換アルキル)(アリール)C=Oとしては、例えば、(置換C1−9アルキル)(C6−10アリール)C=Oが挙げられる。
(アルキル)(置換アリール)C=Oとしては、例えば、(C1−9アルキル)(置換C6−10アリール)C=Oが挙げられる。
(置換アリール)2C=Oとしては、例えば、互いに同一または異なっていてもよい置換C6−10アリールを含む(置換C6−10アリール)2C=Oが挙げられる。
(アルキル)2Oとしては、例えば、互いに同一または異なっていてもよいC1−9アルキルを含む(C1−9アルキル)2Oが挙げられる。(アルキル)2Oとしては、具体的には、ジエチルエーテルが好ましい。
芳香族炭化水素としては、具体的には、ベンゼン、トルエンなどが挙げられ、これらの中でもトルエンが好ましい。
炭素数1〜9の脂肪族炭化水素としては、例えば、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、ノナンなどが挙げられる。炭素数1〜9の脂肪族炭化水素としては、具体的には、ヘキサン、イソオクタンなどが挙げられ、これらの中でもイソオクタンが好ましい。
導電性インクの粘度が0.5mPa・s以上、16mPa・s以下の範囲にあれば、このインクを、例えば、インクジェット法において好適に用いることができる。また、導電性インクの粘度が0.5mPa・s以上、50000mPa・s以下の範囲にあれば、このインクを、例えば、グラビア印刷法において好適に用いることができる。
なお、この粘度は、振動式粘土測定方法により、室温下にて測定した値である。
導電性インクの表面張力が5mN/m以上、100mN/m以下の範囲にあれば、このインクを、例えば、インクジェット法において好適に用いることができる。
なお、この表面張力は、気泡発生時の圧力変化測定方法により、室温下、気泡周波数0.1Hz〜10Hzの条件下で測定した値である。
また、上記の式(1)で表されるβ−ケトカルボン酸銀は、孤立電子対を有する化合物がリン化合物である場合、溶媒としては、水、アルコール、エーテル、エステル、ケトンのような酸素原子を含む溶媒が好ましく、アルコールがさらに好ましい。
また、このインクは、低温〜室温において安定した保存が可能であり、例えば、比較的長期にわたって低温(冷蔵庫など)で保存した後のインクを用いて、室温下にて安定に印刷することができる。
次に、図2〜5を参照して、この実施形態の配線基板の製造方法を説明する。
まず、基材11の一方の面11aに、上述のラテックスとポリビニルアルコールを含む水溶液を塗布して未硬化の塗膜を形成した後、この塗膜を乾燥させることにより、図2に示すように、基材11の一方の面11aに受理層12を形成する(工程A)。
印刷法としては、スクリーン印刷法、オフセット印刷法、インクジェット印刷法、フレキソ印刷法、ディスペンサー印刷法、グラビア印刷法などが挙げられる。
ラテックスとポリビニルアルコールを含む水溶液の塗布量は、目的とする受理層12の厚みに応じて適宜調整される。
すなわち、受理層12上に形成した導電性インク14からなる配線パターン15を加熱することにより、導電性インク14に含まれる溶媒は揮発するとともに、β−ケトカルボン酸銀が焼成して、金属銀からなる被膜状の配線13が形成される。
印刷法としては、スクリーン印刷法、オフセット印刷法、インクジェット印刷法、フレキソ印刷法、ディスペンサー印刷法、グラビア印刷法などが挙げられ、これらの中でもインクジェット印刷法が好ましい。
導電性インク14の塗布量は、目的とする配線13の厚みに応じて適宜調整される。
Claims (2)
- 基材と、該基材の一方の面に設けられた受理層と、該受理層上に導電性インクにより形成された金属銀からなる配線と、を備えた配線基板であって、
前記受理層は、ラテックスとポリビニルアルコールを含んでなり、前記導電性インクは、下記の式(1)で表されるβ−ケトカルボン酸銀と、孤立電子対を有する化合物とを含むインクであることを特徴とする配線基板。
ただし、Yは同一または異なり、それぞれフッ素原子、塩素原子、臭素原子または水素原子である。R1は直鎖、分枝または環状の飽和もしくは不飽和C1〜C19脂肪族炭化水素基、または、フェニル基である。R2は直鎖、分枝または環状の飽和もしくは不飽和C1〜C20脂肪族炭化水素基である。R3は直鎖、分枝または環状の飽和もしくは不飽和C1〜C16脂肪族炭化水素基である。R4およびR5は同一または異なり、それぞれ直鎖、分枝または環状の飽和もしくは不飽和C1〜C18脂肪族炭化水素基である。
上記の式(1)において、Xは、同一または異なり、それぞれ水素原子、直鎖、分枝または環状の飽和もしくは不飽和C1〜C20脂肪族炭化水素基、R6O−、R6S−、R6−CO−、R6−CO−O−、ハロゲン、ベンジル基、フェニル基、1個または複数の置換基で置換されたフェニル基もしくはベンジル基、シアノ基、N−フタロイル−3−アミノプロピル基、2−エトキシビニル基である。
ただし、R6は直鎖、分枝または環状の飽和もしくは不飽和C1〜C10脂肪族炭化水素基、チオフェニル基、フェニル基、ジフェニル基、または、1個または複数の置換基で置換されたフェニル基もしくはジフェニル基である。) - 基材と、該基材の一方の面に設けられた受理層と、該受理層上に導電性インクにより形成された金属銀からなる配線と、を備えた配線基板の製造方法であって、
基材の一方の面に、ラテックスとポリビニルアルコールを含む水溶液を塗布して未硬化の塗膜を形成した後、該塗膜を乾燥させることにより、前記基材の一方の面に受理層を形成する工程Aと、
下記の式(1)で表されるβ−ケトカルボン酸銀と、孤立電子対を有する化合物とを含む導電性インクを用い、印刷により、前記受理層上に配線パターンを形成した後、前記配線パターンが形成された基材を加熱することにより、前記受理層上に配線を形成する工程Bと、を有することを特徴とする配線基板の製造方法。
ただし、Yは同一または異なり、それぞれフッ素原子、塩素原子、臭素原子または水素原子である。R1は直鎖、分枝または環状の飽和もしくは不飽和C1〜C19脂肪族炭化水素基、または、フェニル基である。R2は直鎖、分枝または環状の飽和もしくは不飽和C1〜C20脂肪族炭化水素基である。R3は直鎖、分枝または環状の飽和もしくは不飽和C1〜C16脂肪族炭化水素基である。R4およびR5は同一または異なり、それぞれ直鎖、分枝または環状の飽和もしくは不飽和C1〜C18脂肪族炭化水素基である。
上記の式(1)において、Xは、同一または異なり、それぞれ水素原子、直鎖、分枝または環状の飽和もしくは不飽和C1〜C20脂肪族炭化水素基、R6O−、R6S−、R6−CO−、R6−CO−O−、ハロゲン、ベンジル基、フェニル基、1個または複数の置換基で置換されたフェニル基もしくはベンジル基、シアノ基、N−フタロイル−3−アミノプロピル基、2−エトキシビニル基である。
ただし、R6は直鎖、分枝または環状の飽和もしくは不飽和C1〜C10脂肪族炭化水素基、チオフェニル基、フェニル基、ジフェニル基、または、1個または複数の置換基で置換されたフェニル基もしくはジフェニル基である。)
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