JP2019111812A - 積層体 - Google Patents
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Abstract
Description
具体的には、特許文献1においては、タッチパネル用部材において、アウトガスが発生しやすい材料として知られているポリカーボネートを基材として用いた場合、「ポリカーボネート基材/導電層/OCA/ガラス」等の層構成での耐環境試験が行われていないため、当該層構成を有するような積層体の耐環境性(例えば、高温高湿試験でのヘーズ変化、発泡の有無)が不明である。
本発明の第一実施形態に係る積層体は、ポリカーボネートから形成された第1基材と、ガラス基材と、少なくとも1つの透明粘着剤層と、導電層と、透明樹脂から形成された第2基材と、を備え、前記ポリカーボネートから形成された第1基材と前記ガラス基材との間に、前記少なくとも1つの透明粘着剤層と、前記導電層と、前記透明樹脂から形成された第2基材とが配置されている。
また、本実施形態に係る前記積層体においては、前記透明粘着剤層として、第1透明粘着剤層と第2透明粘着剤層を備え、前記第1基材と前記ガラス基材との間に、前記第1基材側から、前記導電層、前記第1透明粘着剤層、前記第2基材、および前記第2透明粘着剤層が、この順で積層されていてもよい。
さらに、本実施形態に係る前記積層体においては、前記ポリカーボネートから形成された第1基材上に前記導電層が設けられ、前記導電層上に前記第1透明粘着剤層が設けられ、前記第1透明粘着剤層上に前記透明樹脂から形成された第2基材が設けられ、前記第2基材上に前記第2透明粘着剤層が設けられ、前記第2透明粘着剤層上に前記ガラス基材が設けられることが好ましい。
一方、本実施形態に係る積層体によれば、ポリカーボネートから形成された第1基材11を用いていても、温度60℃、90%RH(相対湿度90%)、19時間保存といった高温高湿試験後においても、積層体中の発泡の抑制が可能となる。
さらに、本実施形態に係る積層体によれば、温度60℃、90%RH(相対湿度90%)、19時間保存といった高温高湿試験後においても、ヘーズ悪化(白濁)抑制が可能になった。
図1に示されたような層構造を有する本実施形態に係る積層体1によれば、第1透明粘着剤層13と、導電層12が配置され、かつ、ポリカーボネートから形成された第1基材11との密着性が向上したことにより、アウトガス発生を抑え込み、発泡を抑制できたと考えられる。
また、第2透明粘着剤層15とガラス基材16との密着性が向上したことにより、積層体中にガスが溜まりにくくなったと考えられる。
また、同様に各層の密着性が向上したことにより、積層体1中への水分の侵入を抑制できたため、ヘーズ悪化(白濁)が生じにくいと推測できる。
また、前記の温度60℃、90%RHで19時間保存する高温高湿試験をさらに継続し、温度60℃、90%RHで303時間、積層体を保存した場合にも、本実施形態に係る積層体によれば、例えば、ΔH303が80%以下となるなど、ヘーズの変化が抑制され、好ましい光学特性が維持される。
このような光学特性を有する本実施形態に係る積層体1は、例えば、ポリカーボネートから形成された第1基材11とガラス基材16との間に、導電層12と、透明粘着剤層13、15と、透明樹脂から形成された第2基材14とを適切に配置することで製造できる。
また、積層体1は、第1基材11、導電層12、透明粘着剤層13、15、第2基材14、ガラス基材16の材質として適したものを選択することで製造できる。
そして、「ヘーズ」とは、特に断りのない限り、JIS K7136に従って測定された値を意味し、本発明においては、JIS K7136に従って測定された値の絶対値を採用する。
図1に示す積層体1は、ポリカーボネートから形成された第1基材11、導電層12、第1透明粘着剤層13、透明樹脂から形成される第2基材14、第2透明粘着剤層15、およびガラス基材16がこの順に積層されている。
換言すると、積層体1は、ポリカーボネートから形成された第1基材11上に導電層12が設けられ、導電層12上に第1透明粘着剤層13が設けられ、第1透明粘着剤層13上に透明樹脂から形成された第2基材14が設けられ、第2基材14上に第2透明粘着剤層15が設けられ、第2透明粘着剤層15上にガラス基材16が設けられるように構成されている。また、本実施形態においては、第1基材11と第1透明粘着剤層13との間に導電層12を備えるように構成されている。
導電層12は線状であり、第1基材11の一方の主面(表面、第1の主面)11aの一部の領域に設けられている。導電層12の線長方向(長手方向)は、図1での導電層12の断面に対して直交する方向である。導電層12は、第1基材11の前記表面11aに直接接触して積層されている。
第1透明粘着剤層13は、第1基材11における導電層12の形成面全面を被覆しており、第1基材11の前記表面11aのうち、導電層12が設けられていない領域と、導電層12の表面12aと、に直接接触して積層されている。第1透明粘着剤層13は、フィルム状又はシート状であることが好ましい。
透明樹脂から形成される第2基材14は、第1透明粘着剤層13の表面に直接接触して積層されている。透明樹脂から形成される第2基材14は、フィルム状又はシート状であることが好ましい。
第2透明粘着剤層15は、透明樹脂から形成される第2基材14の表面に直接接触して積層されている。第2透明粘着剤層15は、フィルム状又はシート状であることが好ましい。
ガラス基材16は、第2透明粘着剤層15の表面に直接接触して積層されている。ガラス基材16は、例えば、ガラス板やカバーガラスのような形状を有している。
また、ヘーズH0が3.0%以下である積層体1を、温度60℃、90%RH雰囲気下で、303時間保存する試験を行った後に、積層体1の第2ヘーズH303を前記第1基材11側(第1基材11の第2の主面11b)から測定したときに、式I303:ΔH303(%)=(H303−H0)/H0×100により算出される積層体1のヘーズ変化率ΔH303が80%以下となる。
積層体1のヘーズを測定する方向を、図1中に矢印Aで示す。
なお、図2以降の図において、既に説明済みの図に示すものと同じ構成要素には、その説明済みの図の場合と同じ符号を付し、その詳細な説明は省略する。
ここに示す積層体2は、導電層22がフィルム状又はシート状であり、第1基材11の前記表面11aの一部又はすべての領域を被覆して積層されており、それに伴い第1透明粘着剤層23の断面形状が異なっている点以外は、図1に示す積層体1と同じ構成を有する。図2中、符号22aは、導電層22の表面を示す。
また、ヘーズH0が3.0%以下である積層体2を、温度60℃、90%RH雰囲気下で、303時間保存する試験を行った後に、積層体2の第2ヘーズH303を前記第1基材11側(第1基材11の第2の主面11b)から測定したときに、式I303:ΔH303(%)=(H303−H0)/H0×100により算出される積層体2のヘーズ変化率ΔH303が80%以下となる。
積層体2のヘーズを測定する方向を、図2中に矢印Aで示す。
例えば、第1基材11の前記表面を上方から見下ろすように、積層体を平面視したときの、導電層の形状は、目的に応じて任意に設定でき、導電層は線状以外の形状にパターニングされていてもよい。線状にパターニングされた導電層は、例えば、配線として有用である。
前記その他の層としては、例えば、第1基材と導電層との間、導電層と第1透明粘着剤層との間、第1透明粘着剤層と第2基材との間、第2基材と第2透明粘着剤層、または第2透明粘着剤層とガラス基材との間に設けられた中間層が挙げられる。
前記中間層としては、例えば、互いに隣接する層同士の密着性を向上させる密着層や、互いに隣接する層同士を安定して固着させるその他の粘着剤層又は接着剤層等が挙げられるが、目的に応じて適宜選択すればよく、特に限定されない。
また、第1基材の前記裏面に導電層、第1透明粘着剤層、透明樹脂から形成された第2基材、第2透明粘着剤層、及び被覆層としてのガラス基材がこの順に積層された積層体の場合、この裏面の被覆層側から測定した積層体のヘーズは、上述の本発明の条件(ヘーズ変化率ΔH303は、80%以下)を満たしていなくてもよい。
次に、本発明の積層体の各構成について、より詳細に説明する。
ポリカーボネートから形成される(ポリカーボネートを構成材料とする)第1基材11の厚さは、10〜5000μmであることが好ましく、10〜3000μmであることがより好ましい。
また、本発明に係る第1基材の材質は、ポリカーボネートを主成分として含んでいればよく、他の材料を併用してもよい。なお、本明細書において「主成分」とは、対象となる層において、含有量が30質量%以上100質量%未満である成分を意味する。
第1基材11に併用される他の材料は、特に限定されないが、例えば、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリ塩化ビニリデン(PVDC)、ポリメチルペンテン(PMP)、ポリシクロオレフィン、ポリスチレン(PS)、ポリ酢酸ビニル(PVAc)、ポリメタクリル酸メチル(PMMA)等のアクリル樹脂、AS樹脂、ABS樹脂、ポリアミド(PA)、ポリイミド、ポリアミドイミド(PAI)、ポリアセタール、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリトリメチレンテレフタレート(PTT)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリブチレンナフタレート(PBN)、ポリフェニレンスルファイド(PPS)、ポリスルホン(PSF)、ポリエーテルスルホン(PES)、ポリエーテルケトン(PEK)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリウレタン、ポリフェニレンエーテル(PPE)、変性ポリフェニレンエーテル(m−PPE)、ポリアリレート、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、フェノール樹脂、尿素樹脂等の合成樹脂が挙げられる。 また、第1基材11に併用される他の材料の材質としては、前記以外にも、ガラス、シリコン等のセラミックスや、紙が挙げられる。
また、第1基材11に併用される他の材料の材質としては、ガラスエポキシ樹脂、ポリマーアロイ等の、2種以上の材質が併用されてもよい。
なお、第1基材11が複数層から構成される場合には、各層の合計の厚さが、前記の好ましい基材の厚さ(10〜5000μm)となるように構成するとよい。
前記導電層12、22の材質は、導電性を有する材質であれば特に限定されないが、抵抗値が低い導電層を容易に形成できる点から、銀、銅等の単体金属、又は合金(以下、これらをまとめて「金属」と略記することがある)であることが好ましく、銀又は銅であることがより好ましい。
前記透明粘着剤層(第1透明粘着剤層13、23、第2透明粘着剤層15)の材質は、目的に応じて適宜選択すればよく、特に限定されないが、透明性が高い材質であることが好ましい。
第1透明粘着剤層13、23の材質と、第2透明粘着剤層15の材質と、は同じであってもよく、第1透明粘着剤層13、23の材質と、第2透明粘着剤層15の材質と、は異なっていてもよい。
なお、本明細書においては、第1透明粘着剤層13、23は、導電層12と接触する透明粘着剤層であり、第2透明粘着剤層15はガラス基材16と接触する透明粘着剤層である。
透明粘着剤層(第1透明粘着剤層13、23、第2透明粘着剤層15)は、接着性樹脂から構成されるか、又は接着性樹脂を主成分とする層が好ましい。
第1明粘着剤層13、23、および第2透明粘着剤層15に用いられる接着性樹脂は、透明性が高く、ヘーズが低いことが好ましい。
第1明粘着剤層13に用いられる接着性樹脂は、ポリカーボネートから形成される第1基材11、透明樹脂から形成される第2基材14、および導電層12に対する接着性が良好であり、各層が張り合わされた際に、透明性が高く、ヘーズが低い材料で形成されることが好ましい。
第1透明粘着剤層23に用いられる接着性樹脂は、ポリカーボネートから形成される第1基材11、透明樹脂から形成される第2基材14、および導電層22に対する接着性が良好であり、各層が張り合わされた際に、透明性が高く、ヘーズが低い材料で形成されることが好ましい。
第2透明粘着剤層15に用いられる接着性樹脂は、透明樹脂から形成される第2基材14、およびガラス基材16に対する接着性が良好であり、各層が張り合わされた際に、透明性が高く、ヘーズが低い材料で形成されることが好ましい。
なお、本明細書においては、第1明粘着剤層13、23、および第2透明粘着剤層15を、包括して「透明粘着剤層13、15、23」と記載することがある。
アクリル系樹脂としては、例えば、アクリル酸、アクリル酸エステルなどのアクリル酸誘導体、およびメタクリル酸メチルなどのメタクリル酸誘導体からなる群から選択される1種のモノマーが重合した単独重合体、並びに2種以上のモノマーが共重合した共重合体等が挙げられる。
例えば、アクリル系樹脂としては、(メタ)アクリル酸アルキルエステル共重合体を用いてよく、ポリメタクリル酸メチルを用いてもよい。
透明粘着剤層13、15、23において、アクリル系樹脂の総含有量は、特に限定されないが、例えば、20〜30%であってもよい。
透明粘着剤層13、15、23における接着性樹脂に併用される他の材料は、特に限定されないが、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)等の合成樹脂が挙げられる。
なお、本明細書において、重量平均分子量とは、特に断りのない限り、ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(GPC)法により測定されるポリスチレン換算値である。
ここで、「180°ピール試験」とは、粘着力の測定対象である2層を、これらの互いに接触していた面同士が180°の角度を成すように、引き剥がす(ピールする)試験を意味する。粘着力の測定は、23℃、50%RHの環境下で行う。
透明粘着剤層の前記第1基材に対する粘着力が前記下限値(3N/25mm)以上であることで、透明粘着剤層と第1基材との接着性が確保される。
透明粘着剤層の前記第1基材に対する粘着力が前記上限値(100N/25mm)以下であれば、第1基材に透明粘着剤層を貼りつける際の加工性が良好となる。
透明粘着剤層の前記ガラス基材に対する粘着力が前記下限値(10N/25mm)以上であることで、透明粘着剤層とガラス基材との接着性が確保される。
透明粘着剤層の前記ガラス基材に対する粘着力が前記上限値(100N/25mm)以下であれば、透明粘着剤層とガラス基材とを貼りつける際の加工性が良好となる。
透明粘着剤層13、15、23の他の物性としては、例えば、貯蔵弾性率G’(MPa)が、23℃において0.1〜0.3であってもよく、50℃において0.05〜0.15であってもよく、100℃において0.04〜0.1であってもよく、150℃において0.02〜0.05であってもよく、200℃において0.01〜0.05であってもよい。
透明粘着剤層13、15、23の他の物性としては、例えば、ガラス転移点Tgが−20℃〜10℃であってもよい。
透明粘着剤層の厚さが前記下限値(10μm)以上であることで、透明粘着剤層(第1透明粘着剤層)における導電層の被覆効果をより向上させることができ、透明粘着剤層(第1透明粘着剤層および第2透明粘着剤層)の構造をより安定して維持できる。また、透明粘着剤層の厚さが前記上限値(200μm)以下であることで、透明粘着剤層が過剰に厚くなることを抑制できる。
透明粘着剤層が複数層から構成される場合には、前記のように透明粘着剤層が第1透明粘着剤層13、および第2透明粘着剤層15から構成されてもよいし、第1透明粘着剤層13が複数の層から構成されてもよく、第2透明粘着剤層15が複数の層から構成されてもよい。
例えば、複数層から構成される透明粘着剤層は、各層の合計の厚さが、前記の好ましい透明粘着剤層の厚さとなるようにするとよい。
透明樹脂から形成される(透明樹脂を構成材料とする)第2基材14は、例えば、透明樹脂から形成された樹脂層である。
透明樹脂から形成される第2基材14の材質は、目的に応じて適宜選択すればよく、特に限定されないが、透明性が高い材質であることが好ましい。
第2基材14の材質としては、例えば、ポリエステル、シクロオレフィンポリマー(COP)(シクロオレフィンコポリマー(COC)など共重合体を含む)、およびトリアセチルセルロース(TAC)からなる群より選ばれた1つ以上の樹脂を用いてもよい。
第2基材14に用いられるポリエステルは、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、およびポリブチレンナフタレートからなる群から選択される1種以上であることが好ましい。
その中でも、第2基材14に用いられるポリエステルは、ポリエチレンテレフタレート(PET)であることが特に好ましい。
第2基材において、PETの含有量は、80質量%以上であることが好ましく、90質量%以上であることがより好ましく、95質量%以上であることがさらに好ましく、98質量%以上であることが特に好ましい。一方、前記含有量の上限値は特に限定されず、例えば、99質量%、99.5質量%、100質量%のいずれかから選択できる。
第2基材の厚さが前記下限値(1μm)以上であることで、第1透明粘着剤層の被覆効果をより向上させることができ、また、第2基材の構造をより安定して維持できる。また、第2基材の厚さが前記上限値(500μm)以下であることで、積層体中において第2基材が過剰に厚くなることを抑制できる。
ガラス基材16は、透明性の高いガラスで形成されていればよく、特に限定されないが、例えば、透明性の高いガラス板やカバーガラスであり、強化ガラス等を用いてもよい。なお、ガラス基材16において、ガラス表面に耐指紋処理や反射防止(Anti−Reflection)処理などがされていても良い。
ガラス基材の厚さは、目的に応じて任意に設定できるが、例えば、0.01mm〜20mmであってもよく、0.04mm〜2mmであることが好ましく、0.05mm〜1.5mmであることが好ましい。
ガラス基材の厚さが前記下限値(0.01μm)以上であることで、第2透明粘着剤層の被覆効果をより向上させることができ、また、ガラス基材の構造をより安定して維持できる。
また、ガラス基材の厚さが前記上限値(20mm)以下であることで、積層体中においてガラス基材が過剰に厚くなることを抑制できる。
ヘーズ変化率ΔHtは、前記積層体の高温高湿条件下における光学的特性の安定性の指標となる。
It:ΔHt(%)=(Ht−H0)/H0×100
一方、本発明に係る積層体において、ヘーズH0の下限値は特に限定されず、例えば、0.2%、0.4%、0.6%等のいずれかとすることができる。
一方、本発明に係る積層体において、ヘーズH67の下限値は特に限定されず、例えば、0.3%、0.5%、0.7%等のいずれかとすることができる。
一方、本発明に係る積層体において、ヘーズH67の下限値は特に限定されず、例えば、0.3%、0.5%、0.7%等のいずれかとすることができる。
一方、本発明に係る積層体において、ヘーズH280の下限値は特に限定されず、例えば、0.3%、0.5%、0.7%等のいずれかとすることができる。
一方、本発明に係る積層体において、ヘーズH520の下限値は特に限定されず、例えば、0.3%、0.6%、0.8%等のいずれかとすることができる。
一方、本発明に係る積層体において、ヘーズ変化率ΔH91の下限値は特に限定されず、例えば、0%、1%、3%、5%、7%、10%、15%等のいずれかとすることができる。
一方、本発明に係る積層体において、ヘーズ変化率ΔH91の下限値は特に限定されず、例えば、0%、1%、3%、5%、7%等のいずれかとすることができる。
一方、本発明に係る積層体において、ヘーズ変化率ΔH303の下限値は特に限定されず、例えば、0%、5%、10%、15%、20%等のいずれかとすることができる。
一方、本発明に係る積層体において、ヘーズ変化率ΔH520の下限値は特に限定されず、例えば、0%、5%、10%、15%、17%等のいずれかとすることができる。
本発明の積層体は、例えば、ポリカーボネートから形成された第1基材上に導電層を形成する工程(以下、「導電層形成工程」と略記することがある)と、前記導電層上に第1透明粘着剤層を形成する工程(以下、「第1透明粘着剤層形成工程」と略記することがある)と、前記第1透明粘着剤層上に透明樹脂から形成された第2基材を積層する工程(以下、「第2基材積層工程」と略記することがある)と、前記第2基材上に第2透明粘着剤層を形成する工程(以下、「第2透明粘着剤層形成工程」と略記することがある)と、第2透明粘着剤層上にガラス基材を積層する工程(以下、「ガラス基材積層工程」と略記することがある)と、を有する製造方法で製造できる。
また、本発明に係る積層体の製造方法は、前記ガラス基材積層工程の後に、積層体を、オートクレーブ装置等を用いて加熱加圧処理して積層体中の各層を密着させる工程(以下、「密着処理工程」と略記することがある)を有することが好ましい。
図1に示す積層体1を製造する場合には、図3(a)に示す第1基材11を用い、まず、図3(b)に示すように、導電層形成工程において、第1基材11の表面11a上に導電層12を形成する。
次いで、図3(c)に示すように、第1透明粘着剤層形成工程において、第1基材11での導電層12の形成面に第1透明粘着剤層13を形成する。これにより、導電層12の表面12aと、第1基材11の表面11aのうち、導電層12を備えていない領域とに、第1透明粘着剤層13を形成する。
次いで、図3(d)に示すように、第2基材積層工程において、第1透明粘着剤層13の表面に透明樹脂から形成された第2基材14を積層する。
次いで、図3(e)に示すように、第2透明粘着剤層形成工程において、第2基材14の表面上に第2透明粘着剤層15を形成する。
そして、図3(f)に示すように、ガラス基材積層工程において、第2透明粘着剤層15上にガラス基材16を積層する。
最後に、積層体中の各層の密着性を高めるために、密着処理工程において、積層体1に、オートクレーブ等を用いた加熱加圧処理を行ってもよい。
以上により、積層体1が得られる。
なお、ここでは、図1に示す積層体1を引用して説明したが、積層体1以外の本発明の積層体も、この方法と同様の方法、又はこの方法の一部を変更した方法により製造できる。
以下、各工程について、より詳細に説明する。
前記導電層は、例えば、導電層を形成するための原料となる組成物(以下、「導電層用組成物」と略記することがある)を第1基材上の目的とする箇所に付着させて組成物層を形成し、この組成物層(導電層用組成物)に対して、乾燥処理や加熱(焼成)処理等の固化処理を適宜選択して行うことで形成できる。加熱処理は、乾燥処理を兼ねて行ってもよい。
また導電層は、前記導電層用組成物を第1基材表面の所定の領域又は全面に付着させて組成物層を形成し、この組成物層(導電層用組成物)から前記と同様の方法で導電層(パターニング前の導電層)を形成した後、エッチング等の公知の手法でこの導電層を所望の形状となるようにパターニングすることでも形成できる。
金属インク組成物中の金属又は金属の形成材料は、1種のみでもよいし、2種以上でもよく、2種以上である場合、それらの組み合わせ及び比率は、任意に調節できる。
なお、本明細書において、「ナノ粒子」とは、粒径が1nm以上1000nm未満、好ましくは1〜100nmである粒子を意味し、「ナノワイヤー」とは、幅が1nm以上1000nm未満、好ましくは1〜100nmであるワイヤーを意味する。
前記金属銀の形成材料は、加熱等によって分解し、金属銀を形成する材料である。
金属銀の形成材料としては、例えば、式「−COOAg」で表される基を有するカルボン酸銀等が挙げられる。
本発明において、カルボン酸銀は、1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。2種以上を併用する場合、それらカルボン酸銀の組み合わせ及び比率は、任意に調節できる。
前記カルボン酸銀は、式「−COOAg」で表される基を有していれば特に限定されない。例えば、式「−COOAg」で表される基の数は1個のみでもよいし、2個以上でもよい。また、カルボン酸銀中の式「−COOAg」で表される基の位置も特に限定されない。
なお、本明細書においては、単なる「カルボン酸銀」との記載は、特に断りの無い限り、「β−ケトカルボン酸銀(1)」及び「カルボン酸銀(4)」だけではなく、これらを包括する、「式「−COOAg」で表される基を有するカルボン酸銀」を意味するものとする。
X1はそれぞれ独立に水素原子、炭素数1〜20の脂肪族炭化水素基、ハロゲン原子、1個以上の水素原子が置換基で置換されていてもよいフェニル基若しくはベンジル基、シアノ基、N−フタロイル−3−アミノプロピル基、2−エトキシビニル基、又は一般式「R7O−」、「R7S−」、「R7−C(=O)−」若しくは「R7−C(=O)−O−」で表される基であり;
R7は、炭素数1〜10の脂肪族炭化水素基、チエニル基、又は1個以上の水素原子が置換基で置換されていてもよいフェニル基若しくはジフェニル基である。)
β−ケトカルボン酸銀(1)は、前記一般式(1)で表される。
式中、Rは1個以上の水素原子が置換基で置換されていてもよい炭素数1〜20の脂肪族炭化水素基若しくはフェニル基、水酸基、アミノ基、又は一般式「R1−CY1 2−」、「CY1 3−」、「R1−CHY1−」、「R2O−」、「R5R4N−」、「(R3O)2CY1−」若しくは「R6−C(=O)−CY1 2−」で表される基である。
Rにおける環状の前記アルキル基としては、例えば、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、シクロノニル基、シクロデシル基、ノルボルニル基、イソボルニル基、1−アダマンチル基、2−アダマンチル基、トリシクロデシル基等が挙げられる。
Rにおける前記アルキニル基としては、例えば、エチニル基(−C≡CH)、プロパルギル基(−CH2−C≡CH)等の、Rにおける前記アルキル基の炭素原子間の1個の単結合(C−C)が三重結合(C≡C)に置換された基等が挙げられる。
置換基である前記脂肪族炭化水素基としては、炭素数が1〜16である点以外は、Rにおける前記脂肪族炭化水素基と同様の基が挙げられる。
RにおけるR2は、炭素数1〜20の脂肪族炭化水素基であり、Rにおける前記脂肪族炭化水素基と同様の基が挙げられる。
RにおけるR3は、炭素数1〜16の脂肪族炭化水素基であり、炭素数が1〜16である点以外は、Rにおける前記脂肪族炭化水素基と同様の基が挙げられる。
RにおけるR4及びR5は、それぞれ独立に炭素数1〜18の脂肪族炭化水素基である。すなわち、R4及びR5は、互いに同一でも異なっていてもよく、炭素数が1〜18である点以外は、Rにおける前記脂肪族炭化水素基と同様の基が挙げられる。
RにおけるR6は、炭素数1〜19の脂肪族炭化水素基、水酸基又は式「AgO−」で表される基であり、R6における前記脂肪族炭化水素基としては、炭素数が1〜19である点以外は、Rにおける前記脂肪族炭化水素基と同様の基が挙げられる。
X1における炭素数1〜20の脂肪族炭化水素基としては、Rにおける前記脂肪族炭化水素基と同様の基が挙げられる。
X1におけるフェニル基及びベンジル基は、1個以上の水素原子が置換基で置換されていてもよく、好ましい前記置換基としては、例えば、ハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)、ニトロ基(−NO2)等が挙げられ、置換基の数及び位置は特に限定されない。そして、置換基の数が複数である場合、これら複数個の置換基は互いに同一でも異なっていてもよい。
R7がチエニル基又はジフェニル基である場合、これらの、X1において隣接する基又は原子(酸素原子、硫黄原子、カルボニル基、カルボニルオキシ基)との結合位置は、特に限定されない。例えば、チエニル基は、2−チエニル基及び3−チエニル基のいずれでもよい。
カルボン酸銀(4)は、前記一般式(4)で表される。
式中、R8は炭素数1〜19の脂肪族炭化水素基、カルボキシ基(−COOH)又は式「−C(=O)−OAg」で表される基である。
R8における前記脂肪族炭化水素基としては、炭素数が1〜19である点以外は、Rにおける前記脂肪族炭化水素基と同様の基が挙げられる。ただし、R8における前記脂肪族炭化水素基は、炭素数が1〜15であることが好ましく、1〜10であることがより好ましい。
そして、これらカルボン酸銀の中でも、2−メチルアセト酢酸銀及びアセト酢酸銀は、後述する含窒素化合物(なかでもアミン化合物)との相溶性に優れ、銀インク組成物の高濃度化に、特に適したカルボン酸銀として挙げられる。
なお、本明細書において、「金属銀の形成材料に由来する銀」とは、特に断りの無い限り、銀インク組成物の製造時に配合された前記金属銀の形成材料中の銀と同義であり、配合後も引き続き金属銀の形成材料を構成している銀と、配合後に金属銀の形成材料の分解で生じた分解物中の銀と、配合後に金属銀の形成材料の分解で生じた銀そのもの(金属銀)と、のすべてを含む概念とする。
銀インク組成物は、特に前記金属銀の形成材料が前記カルボン酸銀である場合、前記金属銀の形成材料以外に、さらに含窒素化合物が配合された組成物が好ましい。
前記含窒素化合物は、炭素数25以下のアミン化合物(以下、「アミン化合物」と略記することがある)、炭素数25以下の第4級アンモニウム塩(以下、「第4級アンモニウム塩」と略記することがある)、アンモニア、炭素数25以下のアミン化合物が酸と反応して形成されるアンモニウム塩(以下、「アミン化合物由来のアンモニウム塩」と略記することがある)、及びアンモニアが酸と反応して形成されるアンモニウム塩(以下、「アンモニア由来のアンモニウム塩」と略記することがある)からなる群から選択される1種以上の化合物である。すなわち、配合される含窒素化合物は、1種のみでよいし、2種以上でもよく、2種以上を併用する場合、それら含窒素化合物の組み合わせ及び比率は、任意に調節できる。
前記アミン化合物は、炭素数が1〜25であり、第1級アミン、第2級アミン及び第3級アミンのいずれでもよい。また、前記第4級アンモニウム塩は、炭素数が4〜25である。前記アミン化合物及び第4級アンモニウム塩は、鎖状及び環状のいずれでもよい。また、アミン部位又はアンモニウム塩部位を構成する窒素原子(例えば、第1級アミンのアミノ基(−NH2)を構成する窒素原子)の数は1個でもよいし、2個以上でもよい。
好ましい前記モノアルキルアミンとして、具体的には、例えば、n−ブチルアミン、n−へキシルアミン、n−オクチルアミン、n−ドデシルアミン、n−オクタデシルアミン、イソブチルアミン、sec−ブチルアミン、tert−ブチルアミン、3−アミノペンタン、3−メチルブチルアミン、2−ヘプチルアミン(2−アミノヘプタン)、2−アミノオクタン、2−エチルヘキシルアミン、1,2−ジメチル−n−プロピルアミン等が挙げられる。
前記ヘテロアリール基は、単環状及び多環状のいずれでもよく、その環員数(環骨格を構成する原子の数)も特に限定されないが、3〜12員環であることが好ましい。
前記ヘテロアリール基で、酸素原子を1個有する単環状の基としては、例えば、フラニル基等が挙げられ、3〜8員環であることが好ましく、5〜6員環であることがより好ましい。
前記ヘテロアリール基で、硫黄原子を1個有する単環状の基としては、例えば、チエニル基等が挙げられ、3〜8員環であることが好ましく、5〜6員環であることがより好ましい。
前記ヘテロアリール基で、酸素原子を1〜2個及び窒素原子を1〜3個有する単環状の基としては、例えば、オキサゾリル基、イソオキサゾリル基、オキサジアゾリル基、モルホリニル基等が挙げられ、3〜8員環であることが好ましく、5〜6員環であることがより好ましい。
前記ヘテロアリール基で、硫黄原子を1〜2個及び窒素原子を1〜3個有する単環状の基としては、例えば、チアゾリル基、チアジアゾリル基、チアゾリジニル基等が挙げられ、3〜8員環であることが好ましく、5〜6員環であることがより好ましい。
前記ヘテロアリール基で、窒素原子を1〜5個有する多環状の基としては、例えば、インドリル基、イソインドリル基、インドリジニル基、ベンズイミダゾリル基、キノリル基、イソキノリル基、インダゾリル基、ベンゾトリアゾリル基、テトラゾロピリジル基、テトラゾロピリダジニル基、ジヒドロトリアゾロピリダジニル基等が挙げられ、7〜12員環であることが好ましく、9〜10員環であることがより好ましい。
前記ヘテロアリール基で、硫黄原子を1〜3個有する多環状の基としては、例えば、ジチアナフタレニル基、ベンゾチオフェニル基等が挙げられ、7〜12員環であることが好ましく、9〜10員環であることがより好ましい。
前記ヘテロアリール基で、酸素原子を1〜2個及び窒素原子を1〜3個有する多環状の基としては、例えば、ベンゾオキサゾリル基、ベンゾオキサジアゾリル基等が挙げられ、7〜12員環であることが好ましく、9〜10員環であることがより好ましい。
前記ヘテロアリール基で、硫黄原子を1〜2個及び窒素原子を1〜3個有する多環状の基としては、例えば、ベンゾチアゾリル基、ベンゾチアジアゾリル基等が挙げられ、7〜12員環であることが好ましく、9〜10員環であることがより好ましい。
前記ジアミンは炭素数が1〜10であることが好ましく、より好ましい化合物としては、例えば、エチレンジアミン、1,3−ジアミノプロパン、1,4−ジアミノブタン等が挙げられる。
好ましい前記ジアルキルアミンとして、具体的には、例えば、N−メチル−n−ヘキシルアミン、ジイソブチルアミン、ジ(2−エチルへキシル)アミン等が挙げられる。
好ましい前記トリアルキルアミンとして、具体的には、例えば、N,N−ジメチル−n−オクタデシルアミン、N,N−ジメチルシクロヘキシルアミン等が挙げられる。
前記ジアルキルモノアリールアミンを構成するアリール基は、前記モノアリールアミンを構成するアリール基と同様であり、炭素数が6〜10であることが好ましい。
前記ハロゲン化テトラアルキルアンモニウムを構成するハロゲンとしては、例えば、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素等が挙げられる。
好ましい前記ハロゲン化テトラアルキルアンモニウムとして、具体的には、例えば、ドデシルトリメチルアンモニウムブロミド等が挙げられる。
環状アミンであれば、好ましい化合物として、例えば、ピリジン等が挙げられる。
また、置換基である前記アリール基及びアルキル基は、さらに1個以上の水素原子がハロゲン原子で置換されていてもよく、このようなハロゲン原子で置換された置換基を有するモノアルキルアミンとしては、例えば、2−ブロモベンジルアミン等が挙げられる。ここで、前記ハロゲン原子としては、例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が挙げられる。
そして、これらアミン化合物の中でも、2−エチルヘキシルアミンは、前記カルボン酸銀との相溶性に優れ、銀インク組成物の高濃度化に特に適しており、さらに導電層の表面粗さの低減に特に適した化合物として挙げられる。
本発明において、前記アミン化合物由来のアンモニウム塩は、前記アミン化合物が酸と反応して形成されるアンモニウム塩であり、前記酸は、塩酸、硫酸、硝酸等の無機酸でもよいし、酢酸等の有機酸でもよく、酸の種類は特に限定されない。
前記アミン化合物由来のアンモニウム塩としては、例えば、n−プロピルアミン塩酸塩、N−メチル−n−ヘキシルアミン塩酸塩、N,N−ジメチル−n−オクタデシルアミン塩酸塩等が挙げられるが、これらに限定されない。
本発明において、前記アンモニア由来のアンモニウム塩は、アンモニアが酸と反応してなるアンモニウム塩であり、ここで酸としては、前記アミン化合物由来のアンモニウム塩の場合と同じ酸が挙げられる。
前記アンモニア由来のアンモニウム塩としては、例えば、塩化アンモニウム等が挙げられるが、これに限定されない。
そして、前記含窒素化合物としては、前記アミン化合物、第4級アンモニウム塩、アミン化合物由来のアンモニウム塩及びアンモニア由来のアンモニウム塩からなる群から選択される1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。2種以上を併用する場合、それらの組み合わせ及び比率は、任意に調節できる。
前記第1含窒素化合物及び第2含窒素化合物を併用する場合、銀インク組成物において、第1含窒素化合物の配合量に対する第2含窒素化合物の配合量の割合は、0モル%より大きく、18モル%未満であることが好ましく、1〜17モル%であることがより好ましい。前記割合がこのような範囲(0モル%より大きく、18モル%未満)であることで、例えば、細線状の銀層をより安定して形成できる。
銀インク組成物は、前記金属銀の形成材料以外に、さらに還元剤が配合された組成物が好ましい。還元剤を配合することで、前記銀インク組成物は、金属銀をより形成し易くなり、例えば、低温での加熱処理でも十分な導電性を有する導電体(金属銀)を形成できる。
H−C(=O)−R21 ・・・・(5)
(式中、R21は、炭素数20以下のアルキル基、アルコキシ基若しくはN,N−ジアルキルアミノ基、水酸基又はアミノ基である。)
前記還元性化合物は、シュウ酸(HOOC−COOH)、ヒドラジン(H2N−NH2)及び前記一般式(5)で表される化合物(化合物(5))からなる群から選択される1種以上の化合物である。すなわち、配合される還元性化合物は、1種のみでよいし、2種以上でもよく、2種以上を併用する場合、それらの組み合わせ及び比率は、任意に調節できる。
窒素原子に結合している前記アルキル基は、それぞれ直鎖状、分岐鎖状及び環状のいずれでもよく、炭素数が1〜19である点以外は、前記一般式(1)のRにおける前記アルキル基と同様の基が挙げられる。
銀インク組成物は、前記金属銀の形成材料以外に、さらにアルコールが配合された組成物でもよい。
アセチレンアルコール(2)は、前記一般式(2)で表される。
式中、R’及びR’’は、それぞれ独立に水素原子、炭素数1〜20のアルキル基、又は1個以上の水素原子が置換基で置換されていてもよいフェニル基である。
R’及びR’’における炭素数1〜20のアルキル基は、直鎖状、分岐鎖状及び環状のいずれでもよく、環状である場合、単環状及び多環状のいずれでもよい。R’及びR’’における前記アルキル基としては、Rにおける前記アルキル基と同様の基が挙げられる。
銀インク組成物は、前記金属銀の形成材料以外に、炭素数8〜10の分岐鎖状飽和脂肪族カルボン酸が配合されていてもよい。銀インク組成物は、前記分岐鎖状飽和脂肪族カルボン酸が配合されていることで、印刷対象物を加熱しながら印刷を行った場合であっても、光沢性が高い金属銀を形成できる。
分岐鎖状飽和脂肪族カルボン酸が1分子中に有するカルボキシ基の数は、1〜3個であることが好ましく、1個又は2個であることがより好ましく、1個であることが特に好ましい。
分岐鎖状飽和脂肪族カルボン酸が多価カルボン酸である場合、すべてのカルボキシ基が、互いに異なる炭素原子に結合していてもよいし、2個又は3個のカルボキシ基が、同一の炭素原子に結合していてもよい。
ここで、「主鎖」とは、分岐鎖状飽和脂肪族カルボン酸中の鎖状構造のうち、炭素数が最大であるものを意味する。炭素数が最大である鎖状構造が複数ある場合には、いずれの鎖状構造を主鎖として取り扱ってもよい。主鎖の炭素数は、必ず分岐鎖の炭素数以上となる。
R31−C(=O)−OH (6)
(式中、R31は、炭素数7〜9の分岐鎖状のアルキル基である。)
イソオクチル基、1−メチルヘプチル基、2−メチルヘプチル基、3−メチルヘプチル基、4−メチルヘプチル基、5−メチルヘプチル基、1−エチルヘキシル基、2−エチルヘキシル基、3−エチルヘキシル基、4−エチルヘキシル基、5−エチルヘキシル基、1,1−ジメチルヘキシル基、2,2−ジメチルヘキシル基、3,3−ジメチルヘキシル基、4,4−ジメチルヘキシル基、5,5−ジメチルヘキシル基、1,2,3−トリメチルペンチル基、1,2,4−トリメチルペンチル基、2,3,4−トリメチルペンチル基、2,4,4−トリメチルペンチル基、1,4,4−トリメチルペンチル基、3,4,4−トリメチルペンチル基、1,1,2−トリメチルペンチル基、1,1,3−トリメチルペンチル基、1,1,4−トリメチルペンチル基、1,2,2−トリメチルペンチル基、2,2,3−トリメチルペンチル基、2,2,4−トリメチルペンチル基、1,3,3−トリメチルペンチル基、2,3,3−トリメチルペンチル基、3,3,4−トリメチルペンチル基、1−プロピルペンチル基、2−プロピルペンチル基等の炭素数8の分岐鎖状のアルキル基;
1−メチルオクチル基、2−メチルオクチル基、3−メチルオクチル基、4−メチルオクチル基、5−メチルオクチル基、6−メチルオクチル基、7−メチルオクチル基、6,6−ジメチルヘプチル基、5,5−ジメチルヘプチル基、4,4−ジメチルヘプチル基、3,3−ジメチルヘプチル基、2,2−ジメチルヘプチル基、1,1−ジメチルヘプチル基、1,2−ジメチルヘプチル基、1,3−ジメチルヘプチル基、1,4−ジメチルヘプチル基、1,5−ジメチルヘプチル基、1,6−ジメチルヘプチル基、2,3−ジメチルヘプチル基、2,4−ジメチルヘプチル基、2,5−ジメチルヘプチル基、2,6−ジメチルヘプチル基、3,4−ジメチルヘプチル基、3,5−ジメチルヘプチル基、3,6−ジメチルヘプチル基、4,5−ジメチルヘプチル基、4,6−ジメチルヘプチル基、5,6−ジメチルヘプチル基、1,2,3−トリメチルヘキシル基、1,2,4−トリメチルヘキシル基、1,2,5−トリメチルヘキシル基、2,3,4−トリメチルヘキシル基、2,3,5−トリメチルヘキシル基、3,4,5−トリメチルヘキシル基、1,1,2−トリメチルヘキシル基、1,1,3−トリメチルヘキシル基、1,1,4−トリメチルヘキシル基、1,1,5−トリメチルヘキシル基、1,2,2−トリメチルヘキシル基、2,2,3−トリメチルヘキシル基、2,2,4−トリメチルヘキシル基、2,2,5−トリメチルヘキシル基、1,3,3−トリメチルヘキシル基、2,3,3−トリメチルヘキシル基、3,3,4−トリメチルヘキシル基、3,3,5−トリメチルヘキシル基、1,4,4−トリメチルヘキシル基、2,4,4−トリメチルヘキシル基、3,4,4−トリメチルヘキシル基、4,4,5−トリメチルヘキシル基、1,5,5−トリメチルヘキシル基、2,5,5−トリメチルヘキシル基、3,5,5−トリメチルヘキシル基、4,5,5−トリメチルヘキシル基、1,2,3,4−テトラメチルペンチル基、1,1,2,3−テトラメチルペンチル基、1,1,2,4−テトラメチルペンチル基、1,1,3,4−テトラメチルペンチル基、1,2,2,3−テトラメチルペンチル基、1,2,2,4−テトラメチルペンチル基、2,2,3,4−テトラメチルペンチル基、1,2,3,3−テトラメチルペンチル基、2,3,3,4−テトラメチルペンチル基、1,3,3,4−テトラメチルペンチル基、1,2,4,4−テトラメチルペンチル基、2,3,4,4−テトラメチルペンチル基、1,3,4,4−テトラメチルペンチル基、1−エチル−1−メチルヘキシル基、1−エチル−2−メチルヘキシル基、1−エチル−3−メチルヘキシル基、1−エチル−4−メチルヘキシル基、1−エチル−5−メチルヘキシル基、2−エチル−1−メチルヘキシル基、2−エチル−2−メチルヘキシル基、2−エチル−3−メチルヘキシル基、2−エチル−4−メチルヘキシル基、2−エチル−5−メチルヘキシル基、3−エチル−1−メチルヘキシル基、3−エチル−2−メチルヘキシル基、3−エチル−3−メチルヘキシル基、3−エチル−4−メチルヘキシル基、3−エチル−5−メチルヘキシル基、4−エチル−1−メチルヘキシル基、4−エチル−2−メチルヘキシル基、4−エチル−3−メチルヘキシル基、4−エチル−4−メチルヘキシル基、4−エチル−5−メチルヘキシル基、1,1−ジエチルペンチル基、1,2−ジエチルペンチル基、1,3−ジエチルペンチル基、2,2−ジエチルペンチル基、2,3−ジエチルペンチル基、3,3−ジエチルペンチル基、1−エチル−1−プロピルブチル基、2−エチル−1−プロピルブチル基等の炭素数9の分岐鎖状のアルキル基が挙げられる。
モノカルボン酸(6)に限定されず、分岐鎖状飽和脂肪族カルボン酸の1本の分岐鎖の炭素数は、1〜3であることが好ましい。
モノカルボン酸(6)に限定されず、分岐鎖状飽和脂肪族カルボン酸は、これらの条件をともに満たすもの、すなわち、1分子中の分岐鎖の数が1〜3本であり、かつ1本の分岐鎖の炭素数が1〜3個であるものがより好ましい。
例えば、分岐鎖状飽和脂肪族カルボン酸の沸点は、180〜270℃であることが好ましく、200〜260℃であることがより好ましく、215〜255℃であることが特に好ましい。分岐鎖状飽和脂肪族カルボン酸の沸点が前記下限値以上であることで、銀インク組成物中からの分岐鎖状飽和脂肪族カルボン酸の揮発が抑制されて、分岐鎖状飽和脂肪族カルボン酸を用いたことによる効果がより顕著に得られる。また、分岐鎖状飽和脂肪族カルボン酸の沸点が前記上限値以下であることで、銀インク組成物の固化処理によって得られた金属銀中での分岐鎖状飽和脂肪族カルボン酸の残存が抑制され、光沢性、導電性等が高いなど、より好ましい特性の金属銀が得られる。
なお、本明細書において、ネオデカン酸とは、炭素数10の飽和脂肪族モノカルボン酸の異性体の混合物を意味し、前記混合物には炭素数10の分岐鎖状飽和脂肪族モノカルボン酸が必ず含まれる。このように、ネオデカン酸とは、1種の化合物だけを意味するものではない。
そして、ネオデカン酸中の、2種以上の炭素数10の飽和脂肪族モノカルボン酸の組み合わせ及び比率は、任意に調節できる。
銀インク組成物は、前記金属銀の形成材料、含窒素化合物、還元剤、アルコール、及び炭素数8〜10の分岐鎖状飽和脂肪族カルボン酸以外の、その他の成分が配合された組成物でもよい。
銀インク組成物における前記その他の成分は、目的に応じて任意に選択でき、特に限定されず、好ましい成分としては、例えば、アルコール以外の溶媒等が挙げられ、配合成分の種類や量に応じて任意に選択できる。
銀インク組成物における前記その他の成分は、1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。2種以上を併用する場合、それらの組み合わせ及び比率は、任意に調節できる。
前記溶媒は、アルコール以外の溶媒(水酸基を有しない溶媒)であれば、特に限定されない。
ただし、前記溶媒は、常温で液状であることが好ましい。
例えば、前記その他の成分がアルコール以外の溶媒である場合、前記溶媒の配合量は、銀インク組成物の粘度等、目的に応じて選択すればよい。ただし、通常は、銀インク組成物において、配合成分の総量に対する前記溶媒の配合量の割合は、50質量%以下であることが好ましく、40質量%以下であることがより好ましく、30質量%以下であることがさらに好ましく、25質量%以下であることが特に好ましく、例えば、20質量%以下及び15質量%以下のいずれかであってもよい。上述の溶媒の配合量の割合の下限値は、例えば、5質量%とすることができるが、これは一例である。
また、前記その他の成分が前記溶媒以外の成分である場合、銀インク組成物において、配合成分の総量に対する前記その他の成分の配合量の割合は、10質量%以下であることが好ましく、5質量%以下であることがより好ましい。
配合成分の総量に対する前記その他の成分の配合量の割合が0質量、すなわちその他の成分を配合しなくても、銀インク組成物は十分にその効果を発現する。
銀インク組成物は、前記金属銀の形成材料、及び前記金属銀の形成材料以外の成分を配合することで得られる。各成分の配合後は、得られた組成物をそのまま銀インク組成物としてもよいし、必要に応じて引き続き公知の精製操作を行って得られた組成物を銀インク組成物としてもよい。本発明においては、特に前記金属銀の形成材料としてβ−ケトカルボン酸銀(1)を用いた場合、前記の各成分の配合時において、導電性を阻害する不純物が生成しないか、又はこのような不純物の生成量を極めて少量に抑制できるため、精製操作を行っていない銀インク組成物を用いても、十分な導電性を有する導電体(金属銀)が得られる。
銀インク組成物において、溶解していない成分を均一に分散させる場合には、例えば、前記の三本ロール、ニーダー又はビーズミル等を用いて分散させる方法を適用するのが好ましい。
また、配合時間も、各配合成分が劣化しない限り特に限定されないが、10分〜36時間であることが好ましい。
このような添加順で得られた銀インク組成物を用いることにより、細線状の銀層をより安定して形成できる。
前記第2配合工程における還元剤の配合量は、本製造方法で用いる還元剤の全量であることが好ましい。
前記第3配合工程におけるアルコールの配合量は、本製造方法で用いるアルコールの全量であることが好ましい。
前記第3配合工程における前記その他の成分の配合量は、本製造方法で用いる前記その他の成分の全量であることが好ましい。
このような添加順で得られた銀インク組成物を用いることにより、細線状の銀層をより安定して形成できる。
このような、アルコール以外の溶媒を用いる銀インク組成物は、例えば、アルコール以外の溶媒を配合する工程を有し、かつ、含窒素化合物として前記第1含窒素化合物及び第2含窒素化合物の併用を必須としない点以外は、上述の第1配合工程〜第3配合工程を有する製造方法と同じ方法で得られる。
銀インク組成物は、さらに二酸化炭素が供給された組成物でもよい。このような銀インク組成物は高粘度となり、例えば、フレキソ印刷法、スクリーン印刷法、グラビア印刷法、グラビアオフセット印刷法、パッド印刷法等の、インクを厚盛りすることが必要な印刷法への適用に好適である。
そして、本発明においては、例えば、前記金属銀の形成材料及び含窒素化合物が配合された第1混合物に、二酸化炭素を供給して第2混合物とし、必要に応じて前記第2混合物に、さらに、前記還元剤を配合して、銀インク組成物を製造することが好ましい。また、前記アルコール又はその他の成分を配合する場合、これらは、第1混合物及び第2混合物のいずれか一方又は両方の製造時に配合でき、目的に応じて任意に選択できる。
そして、二酸化炭素ガスの供給時間は、必要とされる二酸化炭素ガスの供給量や、流量を考慮して適宜調節すればよい。
この時の撹拌方法は、二酸化炭素を用いない前記の銀インク組成物の製造時における前記混合方法の場合と同様でよい。
ドライアイスの使用量は、前記の二酸化炭素ガスの供給量を考慮して調節すればよい。 ドライアイスの添加中及び添加後は、第1混合物を撹拌することが好ましく、例えば、二酸化炭素を用いない前記の銀インク組成物の製造時と同様の方法で撹拌することが好ましい。このようにすることで、効率的に二酸化炭素を供給できる。
撹拌時の温度は、二酸化炭素ガス供給時と同様でよい。また、撹拌時間は、撹拌温度に応じて適宜調節すればよい。
また、配合時間は、配合成分の種類や配合時の温度に応じて適宜調節すればよいが、例えば、0.5〜12時間であることが好ましい。
前記印刷法としては、例えば、スクリーン印刷法、フレキソ印刷法、オフセット印刷法、ディップ式印刷法、インクジェット式印刷法、ディスペンサー式印刷法、ジェットディスペンサー式印刷法、グラビア印刷法、グラビアオフセット印刷法、パッド印刷法等が挙げられる。
前記塗布法としては、例えば、スピンコーター、エアーナイフコーター、カーテンコーター、ダイコーター、ブレードコーター、ロールコーター、ゲートロールコーター、バーコーター、ロッドコーター、グラビアコーター等の各種コーターや、ワイヤーバー等を用いる方法等が挙げられる。
一段階目の加熱処理において、加熱温度は、銀インク組成物の配合成分の種類に応じて適宜調節すればよいが、60〜140℃であることが好ましく、70〜130℃であることがより好ましい。また、加熱時間は、加熱温度に応じて調節すればよいが、通常は、5秒〜12時間であることが好ましく、30秒〜2時間であることがより好ましい。
二段階目の加熱処理において、加熱温度は、金属銀が良好に形成されるように、銀インク組成物の配合成分の種類に応じて適宜調節すればよいが、60〜280℃であることが好ましく、70〜260℃であることがより好ましい。また、加熱時間は、加熱温度に応じて調節すればよいが、通常は、1分〜12時間であることが好ましく、1分〜10時間であることがより好ましい。
後述するように、銀インク組成物を耐熱性が低い基材(第1基材)に付着させて加熱(焼成)処理する場合には、一段階目及び二段階目の加熱処理における加熱温度は、130℃未満であることが好ましく、125℃以下であることがより好ましく、120℃以下であることが特に好ましい。
二段階目の加熱処理を液相中で行った場合には、この加熱処理によって形成された金属銀を、さらに乾燥させればよい。
なお、本明細書において「非加湿」とは、上述の「加湿」を行わないこと、すなわち、湿度を人為的に増大させないことを意味し、好ましくは相対湿度を5%未満とすることである。
一段階目の非加湿条件下での加熱処理に次いで行う、二段階目の加湿条件下での加熱処理時の加熱温度は、60〜140℃であることが好ましく、70〜130℃であることがより好ましい。また、二段階目の加湿条件下での加熱時間は、1分〜2時間であることが好ましく、1分〜1時間であることがより好ましく、1分〜30分であることが特に好ましい。
後述するように、銀インク組成物を耐熱性が低い基材(第1基材)に付着させて加熱(焼成)処理する場合には、一段階目の非加湿条件下での加熱処理及び二段階目の加湿条件下での加熱処理における加熱温度は、いずれも130℃未満であることが好ましく、125℃以下であることがより好ましく、120℃以下であることが特に好ましい。
前記第1透明粘着剤層は、例えば、市販の透明粘着性樹脂等から形成された粘着フィルム(OCAフィルム)等を用いて形成することができる。
例えば、透明粘着剤の貼り合わせ装置として一般的なラミネート装置を用いて、室温(例えば、25℃)において、金属銀のメッシュパターンを形成した第1基材のパターン形成面の全面を覆うように、透明粘着剤(OCA、第1透明粘着剤層)を前記第1基材の前記パターン形成面に貼り合わせることにより、第1透明粘着剤層を形成することができる。
なお、本実施形態では、市販の透明粘着性樹脂から形成された粘着フィルムを用いて、第1透明粘着剤層を形成する例を示したが、透明粘着性樹脂組成物を調製してフィルム状に形成したものを用いて第1透明粘着剤層を形成してもよい。
また、本実施形態では、市販の透明粘着性樹脂から形成された粘着フィルムを用いて、第1透明粘着剤層を形成する例を示したが、透明粘着性樹脂組成物を調製して導電層(銀層)が形成された第1基材上に、透明粘着剤を塗布し、必要に応じて乾燥させることにより、第1透明粘着剤層を形成してもよく、上述した例に限定されない。
透明樹脂から形成された第2基材は、例えば、市販の透明樹脂から形成されたフィルム、市販の透明樹脂から形成された基板等を用いて、第1透明粘着剤層の上に積層することができる。
透明樹脂から形成された第2基材の積層方法としては、例えば、前記第1透明粘着剤層形成工程と同様に、貼り合わせ装置として一般的なラミネート装置を用いて、前記第1透明粘着剤層形成工程と同様の条件にて、室温(例えば、25℃)において、第2基材を第1透明粘着剤層上に積層することができる。
透明樹脂から形成されたフィルムとは、透明樹脂から形成されたフィルムであればよく、例えば、透明樹脂として、ポリエステル、シクロオレフィンポリマー(COP)(シクロオレフィンコポリマー(COC)など共重合体を含む)、およびトリアセチルセルロース(TAC)からなる群より選ばれた1つ以上の樹脂を用いて形成されたフィルムでもよい。
透明樹脂から形成されたフィルムとは、ポリエチレンテレフタレートを含む透明樹脂から形成されたフィルムであってよく、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)製フィルム等が挙げられる。
透明樹脂から形成され基板とは、透明樹脂から形成された基板であればよく、例えば、透明樹脂として、ポリエステル、シクロオレフィンポリマー(COP)(シクロオレフィンコポリマー(COC)など共重合体を含む)、およびトリアセチルセルロース(TAC)からなる群より選ばれた1つ以上の樹脂を用いて形成された基板でもよい。
透明樹脂から形成され基板とは、ポリエチレンテレフタレートを含む透明樹脂から形成された基板であってよく、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)製基板等が挙げられる。
なお、本実施形態では、市販の透明樹脂から形成されたフィルムを第2基材として用いて、第2基材を第1透明粘着剤層上に積層する例を示したが、ポリエステル化合物を含む樹脂組成物を調製してフィルム状に形成したものを用いて第1透明粘着剤層を形成してもよい。
また、本実施形態では、市販の透明樹脂から形成されたフィルムを第2基材として用いて、第2基材に第1透明粘着剤層上に積層する例を示したが、ポリエステル化合物を含む樹脂組成物を調製して、第1透明粘着剤層に当該樹脂組成物を塗布することにより、第2基材を積層するように形成してもよく、上述した例に限定されない。
前記第2透明粘着剤層は、例えば、市販の透明粘着性樹脂等から形成された粘着フィルム(OCAフィルム)等を用いて形成することができる。
例えば、前記第1透明粘着剤層形成工程と同様に、透明粘着剤の貼り合わせ装置として一般的なラミネート装置を用いて、前記第1透明粘着剤層形成工程と同様の条件にて、室温(例えば、25℃)において、前記第2基材の全面を覆うように、透明粘着剤(OCA、第2透明粘着剤層)を前記第2基材の表面に貼り合わせることにより、第2透明粘着剤層を形成することができる。
なお、本実施形態では、市販の透明粘着性樹脂等から形成された粘着フィルムを用いて、第2透明粘着剤層を形成する例を示したが、透明粘着性樹脂組成物を調製してフィルム状に形成したものを用いて第2透明粘着剤層を形成してもよい。
また、本実施形態では、市販の透明粘着性樹脂等から形成された粘着フィルムを用いて、第2透明粘着剤層を形成する例を示したが、透明粘着性樹脂組成物を調製して前記第2基材上に、透明粘着剤を塗布し、必要に応じて乾燥させることにより、第2透明粘着剤層を形成してもよく、上述した例に限定されない。
ガラス基材は、市販の透明なガラス基板、ガラスフィルム等を用いて、第2透明粘着剤層の上に積層することができる。
ガラス基材の積層方法としては、例えば、前記第1透明粘着剤層形成工程と同様に、貼り合わせ装置として一般的なラミネート装置を用いて、前記第1透明粘着剤層形成工程と同様の条件にて、室温(例えば、25℃)において、ガラス基材を第2透明粘着剤層上に積層することができる。
例えば、ガラス基材は、スマートフォンやパソコン等のタッチパネル用途に一般的に使用されるガラス基板、ガラスフィルムであってよい。
また、本発明に係る積層体の製造方法は、前記ガラス基材積層工程の後に、積層体を、一般的なオートクレーブ装置等を用いて加熱加圧処理して積層体中の各層を密着させる工程(密着処理工程)を有することが好ましい。
密着処理工程における加熱温度は、例えば、40〜80℃であることが好ましい。
密着処理工程において積層体を加圧する圧力は、例えば、0.3〜1.0MPaであることが好ましい。
密着処理工程における加熱加圧処理の時間は、例えば、5〜120分であることが好ましい。
密着処理工程としての加熱加圧処理を行うことにより、積層体の各層の密着性を向上させることが可能となり、高温高湿条件で積層体を長期保存した場合には、ヘーズ変化が小さく、ヘーズ変化率も小さい積層体を得ることができる。
本発明の積層体として、第1基材上に導電層、第1透明粘着剤層、第2基材、第2透明粘着剤層、およびガラス基材以外のその他の層が設けられた積層体を製造する場合には、前記の製造方法において、所定のタイミングでその他の層を形成する工程を適宜追加して行えばよい。
前記積層体は、各種電子機器、透明導電膜等を構成するのに好適である。
例えば、電子機器は、前記積層体を用い、前記第1基材を筐体(外装材)として備えるように構成でき、前記積層体中の第1基材で筐体(外装材)の少なくとも一部を構成した点以外は、公知の電子機器と同様の構成とすることができる。例えば、携帯電話機等の通信機器における外装材の平面又は曲面部分を前記第1基材とし、この外装材(第1基材)上に前記金属銀から構成される細線を形成し、この細線を回路とすることで、前記積層体を回路基板として用いることができる。そして、例えば、前記積層体に加え、音声入力部、音声出力部、操作スイッチ、表示部等を組み合わせることにより、携帯電話機を構成できる。
携帯電話機の中でも、例えば、スマートフォンにおいて、前記積層体はタッチパネルを構成することができる。
また、前記積層体は、タブレット型、ノート型等のパソコンおよびモニターなど等に使用されるタッチパネルを構成することができる。
極微細配線の線幅は、1〜160μmであることが好ましく、1〜20μmであることが好ましく、1.3〜15μmであることがより好ましく、1.5〜13μmであることが特に好ましい。
また、極微細配線の断面形状は、好ましくは楕円の短軸方向のほぼ半分の領域が切り取られた半楕円形状である。
一方、極薄配線の厚さは、5nm〜10μmであることが好ましく、7nm〜5μmであることがより好ましく、10nm〜1μmであることが特に好ましい。
極薄配線の断面形状は、前記極微細配線の断面形状と同様である。
前記透明導電膜は、銀層がこのような線幅及び厚さの少なくとも一方を満たしていることが好ましい。銀層がこのような線幅又は厚さであれば、目視によってその存在が認識困難となるので、透明導電膜として好ましい。
さらに、前記積層体によれば、電子機器、透明導電膜等を長期使用した場合において、発泡等の劣化を抑制可能であり、長期に渡って視認性等の性能が確保される。
前記のような電子機器、透明導電膜等は、長期に渡って高い性能を維持することが可能である。
以下に示す実施例および比較例で用いた、ポリカーボネートから形成された第1基材、透明樹脂から形成された第2基材、およびガラス基材を、表1に示す。
具体的に、表1に示したように、ポリカーボネートから形成された第1基材としては、帝人社製「パンライトシートPC−1151(材質:ポリカーボネート(PC)、厚み:0.4mm)」、および、帝人社製「パンライトシートPC−2151(材質:ポリカーボネート(PC)、厚み:0.18mm)を用いた。
また、表1に示したように、透明樹脂から形成された第2基材としては、MCK社製「HC−PET(材質:ハードコート/PET、厚み:ハードコート層(HC層)0.03mm/PET層0.25mm)」、および、東洋紡社製「コスモシャインSRF80(材質:PET、厚み:0.08mm)」を用いた。
さらに、表1に示したように、ガラス基材としては、松浪硝子工業社製「青板強化品(材質:ガラス、厚み:1.1mm)」を用いた。
また、表2においては、透明粘着剤の製品名、厚み、メーカーのカタログ値(透過率、ヘーズ(%)、ポリカーボネート対応性)、ガラスに対する粘着力(N/25mm、実測値)、ポリカーボネートに対する粘着力(N/25mm、実測値)、メーカー名等も示した。
具体的に、透明粘着剤として、パナック社製「パナック耐発泡(厚さ50μm、透過率92.9%、ヘーズ0.6%、組成:ポリエチレンテレフタレート70〜80%、(メタ)アクリル酸アルキルエステル系共重合体20〜30%)」、パナック社製「PDC3−50(厚さ50μm、透過率92.5%、ヘーズ0.3%、組成:ポリエチレンテレフタレート70〜80%、(メタ)アクリル酸アルキルエステル系共重合体20〜30%)」、パナック社製「PDC3−100(厚さ100μm、組成:ポリエチレンテレフタレート70〜80%、(メタ)アクリル酸アルキルエステル系共重合体20〜30%)」、パナック社製「PDWB1(厚さ50μm、透過率92.2%、ヘーズ0.5%、組成:ポリエチレンテレフタレート70〜80%、スチレン系共重合体15〜20%、芳香族系炭化水素樹脂1〜5%、ポリオレフィン系樹脂1〜5%)」、3M社製「8171CL(厚さ25μm、透過率>99%、ヘーズ0.6%、組成:アクリル系樹脂)」、3M社製「8172CL(厚さ50μm、透過率>99%、ヘーズ0.8%、組成:アクリル系樹脂)」、3M社製「8146−2(厚さ50μm、透過率>99%、ヘーズ0.5%、組成:アクリル系樹脂)」、グンゼ社製「NNX50(厚さ50μm、透過率90.6%、組成:アクリル系樹脂)、グンゼ社製「NNX75(厚さ75μm、透過率90.6%、組成:アクリル系樹脂)、リンテック社製「MO−T015I MG3(厚さ100μm、透過率>99%、ヘーズ0.3%、組成:アクリル系樹脂)、リンテック社製「MO−T015G MG3(厚さ50μm、透過率>99%、ヘーズ0.3%、組成:アクリル系樹脂)、岩谷産業社製「ISR−SOC TK025(厚さ20μm、透過率93.3%、ヘーズ0.4%、組成:シリコン系樹脂)、共同技研化学社製「MGCS5(厚さ50μm、透過率92%、ヘーズ0.3%、組成:アクリル系樹脂)、および共同技研化学社製「MGCS10(厚さ100μm、透過率92%、ヘーズ0.3%、組成:アクリル系樹脂)を用いた。
なお、透明粘着剤のガラス製基材に対する粘着力(N/25mm)の測定試験の際は、評価層構成として、0.18mmPC製基材上にOCAを設け、OCA上に1.1mmガラス製基材を設けた、「1.1mmガラス製基材/OCA(透明粘着剤)/0.18mmPC製基材」を用いた。
また、透明粘着剤のポリカーボネート製基材に対する粘着力(N/25mm)の測定試験の際は、評価層構成として、0.18mmPC製基材上にOCAを設け、OCA上に0.4mmPC製基材を設けた、「0.4mmPC製基材/OCA(透明粘着剤)/0.18mmPC製基材」を用いた。
<積層体の製造(積層体構成1の作製)>
(銀インク組成物の製造)
ビーカー中に2−エチルヘキシルアミン(後述する2−メチルアセト酢酸銀に対して1.45倍モル量)と、n−ヘキサン(後述する2−メチルアセト酢酸銀に対して1.63倍モル量)と、をこの順に加えて、メカニカルスターラーを回転させて撹拌しながら、液温が50℃以下となるように、ビーカー中に52.9gの2−メチルアセト酢酸銀を添加した。
2−メチルアセト酢酸銀の添加終了後、同様の状態を維持したまま、ビーカー中にシリンジポンプを用いて、ギ酸(2−メチルアセト酢酸銀に対して0.5倍モル量)を10分かけて滴下し、ギ酸の滴下終了後、さらにそのままの状態で1.5時間撹拌した。
次いで、アセチレンアルコール(2)である3,5−ジメチル−1−ヘキシン−3−オール(以下、「DMHO」と略記することがある)(2−メチルアセト酢酸銀に対して0.032倍モル量)及びアセチレンアルコール(2)である4−エチル−1−オクチン−3−オール(以下、「EOO」と略記することがある)(2−メチルアセト酢酸銀に対して0.004倍モル量)の混合物をビーカー中に添加し、添加終了後、さらにそのままの状態で5分撹拌することにより、銀インク組成物を得た。
なお、EOOとしては、東京化成工業社製のものを用いた。
DMHOとしては、日信化学社製「サーフィノール61」を用いた。
各配合成分の種類と配合比を表4に示す。
表4中、「含窒素化合物(モル比)」とは、金属銀の形成材料の配合量1モルあたりの含窒素化合物の配合量(モル数)([含窒素化合物のモル数]/[金属銀の形成材料のモル数])を意味する。
「還元剤(モル比)」も同様に、金属銀の形成材料の配合量1モルあたりの還元剤の配合量(モル数)([還元剤のモル数]/[金属銀の形成材料のモル数])を意味する。 「アセチレンアルコール(2)(モル比)」も同様に、金属銀の形成材料の配合量1モルあたりのアセチレンアルコール(2)の配合量(モル数)([アセチレンアルコール(2)のモル数]/[金属銀の形成材料のモル数])を意味する。
「溶媒(モル比)」も同様に、金属銀の形成材料の配合量1モルあたりの溶媒の配合量(モル数)([溶媒のモル数]/[金属銀の形成材料のモル数])を意味する。
ポリカーボネート製基材(厚さ0.4mm、帝人製パンライトシートPC−1151)(ポリカーボネートから形成された第1基材)の一方の主面(表面、第1の主面)上に、グラビアオフセット印刷法により、前記で得られた銀インク組成物を塗工して、印刷パターンを形成した。印刷パターンは、同じ幅のラインが所定の間隔を空けて多数配置されているラインアンドスペースパターンが、直交する2方向に形成されたメッシュパターンとした。
次いで、上述の印刷パターンが形成された第1基材を、オーブン内において、(1)65℃で5分間熱風を当て、120℃で5分間熱風を当てた後に、100℃で10分間予備加熱し、(2)相対湿度70〜100%の加湿条件下において120℃で10分加熱(焼成)処理することにより、幅4μm、隣り合う同方向のライン間の距離が200μmであり、スキュー角度が45°の金属銀のラインアンドスペースパターンが、直交する2方向に形成された、金属銀のメッシュパターンを形成した。このメッシュパターンを形成している金属銀(銀層)の厚さは0.06〜0.07μmであった。
なお、実施例1と同様に、後述する実施例2〜8、比較例1〜23においても、前記銀層が形成された第1基材を用いた。
金属銀のメッシュパターンを形成した前記第1基材の前記パターン形成面の全面を覆うように、透明粘着剤(OCA、第1透明粘着剤層)として、表2に示したパナック社製「パナック耐発泡」を前記第1基材の前記パターン形成面に貼り合わせた。
以下の表5に示すように、透明粘着剤の貼り合わせ装置として、アコ・ブランズ・ジャパン社製のマルチラミネータ モデルNo.EXCELAM−PULUS355RMを用いた。
また、表5に示すような、貼り合わせ条件(ローラー速度:1メモリ、ローラー温度:25℃、ローラー間ギャップ:5mm)にて、第1基材のパターン形成面に透明粘着剤を貼りつけた。
前記第1透明粘着剤層の全面を覆うように、透明樹脂から形成された第2基材として、表1に示した東洋紡社製「コスモシャインSRF80(材質:PET、厚み:0.08mm)」(PETから形成された第2基材)を、第1透明粘着剤層に積層した。
積層装置および積層条件については、前記表5に示すように、アコ・ブランズ・ジャパン社製のマルチラミネータ モデルNo.EXCELAM−PULUS355RMを用い、貼り合わせ条件(ローラー速度:1メモリ、ローラー温度:25℃、ローラー間ギャップ:5mm)にて、第1透明粘着剤層に第2基材を積層した。
前記第2基材の全面を覆うように、透明粘着剤(OCA,第2透明粘着剤層)として、表2に示した「パナック耐発泡」を前記第2基材に貼り合わせた。
第2透明粘着剤層の貼り付けには、前記第1透明粘着剤層の貼り付けと同様に、表5に示すアコ・ブランズ・ジャパン社製のマルチラミネータ モデルNo.EXCELAM−PULUS355RMを用い、貼り合わせ条件(ローラー速度:1メモリ、ローラー温度:25℃、ローラー間ギャップ:5mm)にて、第2基材に透明粘着剤を貼りつけた。
前記第2透明粘着剤層上に、表1に示した松浪硝子工業社製「青板強化品(材質:ガラス、厚み:1.1mm)」を積層した。
積層装置および積層条件については、前記表5に示すように、アコ・ブランズ・ジャパン社製のマルチラミネータ モデルNo.EXCELAM−PULUS355RMを用い、貼り合わせ条件(ローラー速度:1メモリ、ローラー温度:25℃、ローラー間ギャップ:5mm)にて、第2透明粘着剤層にガラス基材を積層した。
以上により、ポリカーボネートから形成された第1基材上に、前記導電層としてのメッシュ状の銀層が形成され、前記銀層と、前記第1基材上の前記銀層が設けられていない領域と、に、第1透明粘着剤層が形成され、第1透明粘着剤層上に前記PETで形成された第2基材層が積層され、前記第2基材層上に第2透明粘着剤層が形成され、第2透明粘着剤層上に前記ガラス基材が積層された積層体(実施例1〜8に係る積層体構成1:1.1mmガラス/2ndOCA/PET/1stOCA/銀/0.4mmPC)を得た。
なお、積層体構成1は、図1に示す層構成となる。
(高温高湿試験後における積層体の発泡の有無の確認)
前記で得られた積層体を、温度60℃、相対湿度90%の雰囲気下において継続的に加湿加熱処理を行い、処理開始前と、処理開始後19時間が経過した段階で、目視により、積層体の気泡の発生の有無(発泡の有無)を確認した。結果を表6に示す。
表6において、積層体において気泡の発生が観察されなかった場合(発泡が観察されなかった場合)には、良好であるとして、「A」と示した。
また、表6においては、積層体において気泡の発生が観察された場合は、不良であるとして、「B」と示した。
前記「発泡の有無の確認」において、積層体に発泡が確認できなかった場合(「A」であった場合)には、前記積層体について、第1基材側(第1基材外面)から、JIS K7136に従って、ヘーズメータ(日本電色工業製、NDH7000SP)を用いてヘーズHt(%)を測定した。
ヘーズ変化の結果を表7に示す。なお、表7に示すヘーズHt(%)は、絶対値である。
処理開始前(t=0)のヘーズH0と、処理開始後t時間でのヘーズHtとから、前記式(It:ΔH(Ht−H0)/H0×100(%))により前記積層体のヘーズ変化率ΔHt(%)を算出した。
ヘーズ変化率の結果を表8に示す。
なお、積層体の初期ヘーズが3.0%以下であり、かつ、温度60℃、相対湿度90%(90%RH)雰囲気下で、加熱加湿処理開始から303時間後における積層体のヘーズ変化率が、80%以下であった場合、高温高湿試験後のヘーズ変化の結果が良好である(規定値以内)と判断して、表6中において「A」と示した。
なお、積層体の初期ヘーズが3.0%以下であっても、温度60℃、相対湿度90%(90%RH)雰囲気下で、加熱加湿処理開始から303時間後におけるヘーズ変化率が、80%を超えてしまった場合、高温高湿試験後のヘーズ変化の結果が良好ではない(規定値を超えてしまった)と判断して、表6中において「B」と示した。
[実施例2]
(積層体の製造)
実施例2においては、実施例1と同様に積層体を作製した後に、チヨダエレクトリック社製TBR−200卓上型加圧脱泡装置(オートクレーブ装置)を用いて、積層体を加熱加圧処理(オートクレーブ処理)した他は、実施例1の手順と同様の手法により、積層体を作製した。
加熱加圧処理の条件は、表6に示すように、温度:50℃、圧力:0.5MPa、時間:30分の条件であり、加熱加圧処理により、積層体中の各層の密着性をより向上させた積層体を得た。
(積層体の製造)
実施例3においては、実施例1における第1透明粘着剤層を、パナック社製「パナック耐発泡」から、表2に示した3M社製「8171CL」に変更し、かつ、実施例1における第2透明粘着剤層を、パナック社製「パナック耐発泡」から3M社製「8171CL」に変更した他は、実施例1と同様の手法により、積層体を作製した。
(積層体の製造)
実施例4においては、実施例3と同様に積層体を作製した後に、チヨダエレクトリック社製TBR−200卓上型加圧脱泡装置を用いて、積層体を加熱加圧処理した他は、実施例3の手順と同様の手法により、積層体を作製した。
加熱加圧処理の条件は、表6に示すように、実施例2と同様に、温度:50℃、圧力:0.5MPa、時間:30分の条件であり、加熱加圧処理により、積層体中の各層の密着性をより向上させた積層体を得た。
(積層体の製造)
実施例5においては、実施例1における第1透明粘着剤層を、パナック社製「パナック耐発泡」から、表2に示した3M社製「8172CL」に変更し、かつ、実施例1における第2透明粘着剤層を、パナック社製「パナック耐発泡」から3M社製「8172CL」に変更した他は、実施例1と同様の手法により、積層体を作製した。
(積層体の製造)
実施例6においては、実施例5と同様に積層体を作製した後に、チヨダエレクトリック社製TBR−200卓上型加圧脱泡装置を用いて、積層体を加熱加圧処理した他は、実施例5の手順と同様の手法により、積層体を作製した。
加熱加圧処理の条件は、表6に示すように、実施例2と同様に、温度:50℃、圧力:0.5MPa、時間:30分の条件であり、加熱加圧処理により、積層体中の各層の密着性をより向上させた積層体を得た。
(積層体の製造)
実施例7においては、実施例1における第2透明粘着剤層を、パナック社製「パナック耐発泡」から、表2に示したパナック社製「PDC3−50」に変更した他は、実施例1と同様の手法により、積層体を作製した。
(積層体の製造)
実施例8においては、実施例7と同様に積層体を作製した後に、チヨダエレクトリック社製TBR−200卓上型加圧脱泡装置を用いて、積層体を加熱加圧処理した他は、実施例7の手順と同様の手法により、積層体を作製した。
加熱加圧処理の条件は、表6に示すように、実施例2と同様に、温度:50℃、圧力:0.5MPa、時間:30分の条件であり、加熱加圧処理により、積層体中の各層の密着性をより向上させた積層体を得た。
(高温高湿試験後における積層体の発泡の有無の確認)
実施例1と同様に、前記で得られた実施例2〜8に係る積層体を、温度60℃、相対湿度90%の雰囲気下において継続的に加湿加熱処理を行い、処理開始前と、処理開始後19時間が経過した段階で、目視により、積層体の気泡の発生の有無(発泡の有無)を確認した。結果を表6に示す。
表6において、積層体において気泡の発生が観察されなかった場合(発泡が観察されなかった場合)には、良好であるとして、「A」と示した。
また、表6においては、積層体において気泡の発生が観察された場合は、不良であるとして、「B」と示した。
実施例1と同様に、前記「発泡の有無の確認」において、積層体に発泡が確認できなかった場合には、前記積層体について、第1基材側(第1基材外面)から、JIS K7136に従って、ヘーズメータ(日本電色工業製、NDH7000SP)を用いてヘーズHt(%)を測定した。
ヘーズ変化の結果を表7に示す。
処理開始前(t=0)のヘーズH0と、処理開始後t時間でのヘーズHtとから、前記式(It:ΔH(Ht−H0)/H0×100(%))により前記積層体のヘーズ変化率ΔHt(%)を算出した。
ヘーズ変化率の結果を表8に示す。
なお、積層体の初期ヘーズが3.0%以下であり、かつ、温度60℃、相対湿度90%(90%RH)雰囲気下で、加熱加湿処理開始から303時間後における積層体のヘーズ変化率が、80%以下であった場合、高温高湿試験後のヘーズ変化の結果が良好である(規定値以内)と判断して、表6中において「A」と示した。
なお、積層体の初期ヘーズが3.0%以下であっても、温度60℃、相対湿度90%(90%RH)雰囲気下で、加熱加湿処理開始から303時間後におけるヘーズ変化率が、80%を超えてしまった場合、高温高湿試験後のヘーズ変化の結果が良好ではない(規定値を超えてしまった)と判断して、表6中において「B」と示した。
<積層体の製造(積層体構成2の作製)>
(銀インク組成物の製造、銀層の形成)
比較例1に係る銀インク組成物は、実施例1と同様の方法により製造した。
また、比較例1においても、実施例1と同様に、銀層が形成された第1基材(ポリカーボネート製基材(厚さ0.4mm、帝人製パンライトシートPC−1151)上に銀層を形成した第1基材)を用いた。
比較例1においても、実施例1と同様に、金属銀のメッシュパターンを形成した前記第1基材の前記パターン形成面の全面を覆うように、透明粘着剤(OCA、第1透明粘着剤層)として、表2に示したパナック社製「パナック耐発泡」を前記第1基材の前記パターン形成面に貼り合わせた。
なお、表5に示すように、透明粘着剤の貼り合わせ装置および貼り合わせ条件は、実施例1と同様である。
比較例1においては、表5に示した装置および条件にて、前記第1透明粘着剤層上に、表1に示した松浪硝子工業社製「青板強化品(材質:ガラス、厚み:1.1mm)」を積層した。
以上により、ポリカーボネートから形成された第1基材上に、前記導電層としてのメッシュ状の銀層が形成され、前記銀層と、前記第1基材上の前記銀層が設けられていない領域と、に、第1透明粘着剤層が形成され、第1透明粘着剤層上に前記ガラス基材が積層された積層体(比較例1〜20に係る積層体構成2:1.1mmガラス/1stOCA/銀/0.4mmPC)を得た。
なお、積層体構成2を図4に示す。
(高温高湿試験後における積層体の発泡の有無の確認)
前記で得られた比較例1に係る積層体を、温度60℃、相対湿度90%の雰囲気下において継続的に加湿加熱処理を行い、処理開始前と、処理開始後19時間が経過した段階で、目視により、積層体の気泡の発生の有無(発泡の有無)を確認した。結果を表6に示す。
表6において、積層体において気泡の発生が観察されなかった場合(発泡が観察されなかった場合)には、良好であるとして、「A」と示した。
また、表6においては、積層体において気泡の発生が観察された場合は、不良であるとして、「B」と示した。
[比較例2]
(積層体の製造)
比較例2においては、比較例1と同様に積層体を作製した後に、チヨダエレクトリック社製TBR−200卓上型加圧脱泡装置を用いて、積層体を加熱加圧処理した他は、比較例1の手順と同様の手法により、積層体を作製した。
比較例2における加熱加圧処理の条件は、温度:50℃、圧力:0.5MPa、時間:10分の条件とした。
(積層体の製造)
比較例3においては、比較例1と同様に積層体を作成した後に、チヨダエレクトリック社製TBR−200卓上型加圧脱泡装置を用いて、積層体を加熱加圧処理した他は、比較例1の手順と同様の手法により、積層体を作成した。
比較例3における加熱加圧処理の条件は、温度:50℃、圧力:0.5MPa、時間:30分の条件とした。
(積層体の製造)
比較例4においては、比較例1における第1透明粘着剤層を、パナック社製「パナック耐発泡」から、表2に示した3M社製「8171CL」に変更した他は、比較例1と同様の手法により、積層体を作製した。
(積層体の製造)
比較例5においては、比較例4と同様に積層体を作製した後に、チヨダエレクトリック社製TBR−200卓上型加圧脱泡装置を用いて、積層体を加熱加圧処理した他は、比較例4の手順と同様の手法により、積層体を作製した。
比較例5における加熱加圧処理の条件は、温度:50℃、圧力:0.5MPa、時間:10分の条件とした。
(積層体の製造)
比較例6においては、比較例4と同様に積層体を作製した後に、チヨダエレクトリック社製TBR−200卓上型加圧脱泡装置を用いて、積層体を加熱加圧処理した他は、比較例4の手順と同様の手法により、積層体を作製した。
比較例6における加熱加圧処理の条件は、温度:50℃、圧力:0.5MPa、時間:30分の条件とした。
(積層体の製造)
比較例7においては、比較例1における第1透明粘着剤層を、パナック社製「パナック耐発泡」から、表2に示した3M社製「8172CL」に変更した他は、比較例1と同様の手法により、積層体を作製した。
(積層体の製造)
比較例8においては、比較例7と同様に積層体を作製した後に、チヨダエレクトリック社製TBR−200卓上型加圧脱泡装置を用いて、積層体を加熱加圧処理した他は、比較例7の手順と同様の手法により、積層体を作製した。
比較例8における加熱加圧処理の条件は、温度:50℃、圧力:0.5MPa、時間:10分の条件とした。
(積層体の製造)
比較例9においては、比較例7と同様に積層体を作製した後に、チヨダエレクトリック社製TBR−200卓上型加圧脱泡装置を用いて、積層体を加熱加圧処理した他は、比較例7の手順と同様の手法により、積層体を作製した。
比較例9における加熱加圧処理の条件は、温度:50℃、圧力:0.5MPa、時間:30分の条件とした。
(積層体の製造)
比較例10においては、比較例1における第1透明粘着剤層を、パナック社製「パナック耐発泡」から、表2に示したパナック社製「PDC3−50」に変更した他は、比較例1と同様の手法により、積層体を作製した。
(積層体の製造)
比較例11においては、比較例1における第1透明粘着剤層を、パナック社製「パナック耐発泡」から、表2に示したパナック社製「PDC3−100」に変更した他は、比較例1と同様の手法により、積層体を作製した。
(積層体の製造)
比較例12においては、比較例1における第1透明粘着剤層を、パナック社製「パナック耐発泡」から、表2に示したパナック社製「PDWB1」に変更した他は、比較例1と同様の手法により、積層体を作製した。
(積層体の製造)
比較例13においては、比較例1における第1透明粘着剤層を、パナック社製「パナック耐発泡」から、表2に示した3M社製「8146−2」に変更した他は、比較例1と同様の手法により、積層体を作製した。
(積層体の製造)
比較例14においては、比較例1における第1透明粘着剤層を、パナック社製「パナック耐発泡」から、表2に示したグンゼ社製「NNX50」に変更した他は、比較例1と同様の手法により、積層体を作製した。
(積層体の製造)
比較例15においては、比較例1における第1透明粘着剤層を、パナック社製「パナック耐発泡」から、表2に示したグンゼ社製「NNX75」に変更した他は、比較例1と同様の手法により、積層体を作製した。
(積層体の製造)
比較例16においては、比較例1における第1透明粘着剤層を、パナック社製「パナック耐発泡」から、表2に示したリンテック社製「MO−T015I MG3」に変更した他は、比較例1と同様の手法により、積層体を作製した。
(積層体の製造)
比較例17においては、比較例1における第1透明粘着剤層を、パナック社製「パナック耐発泡」から、表2に示したリンテック社製「MO−T015G MG3」に変更した他は、比較例1と同様の手法により、積層体を作製した。
(積層体の製造)
比較例18においては、比較例1における第1透明粘着剤層を、パナック社製「パナック耐発泡」から、表2に示した岩谷産業社製「ISR−SOC TK025」に変更した他は、比較例1と同様の手法により、積層体を作製した。
(積層体の製造)
比較例19においては、比較例1における第1透明粘着剤層を、パナック社製「パナック耐発泡」から、表2に示した共同技研化学社製「MGCS5」に変更した他は、比較例1と同様の手法により、積層体を作製した。
(積層体の製造)
比較例20においては、比較例1における第1透明粘着剤層を、パナック社製「パナック耐発泡」から、表2に示した共同技研化学社製「MGCS10」に変更した他は、比較例1と同様の手法により、積層体を作製した。
(高温高湿試験後における積層体の発泡の有無の確認)
比較例1と同様に、前記で得られた比較例2〜20に係る積層体を、温度60℃、相対湿度90%の雰囲気下において継続的に加湿加熱処理を行い、処理開始前と、処理開始後19時間が経過した段階で、目視により、積層体の気泡の発生の有無(発泡の有無)を確認した。結果を表6に示す。
表6において、積層体において気泡の発生が観察されなかった場合(発泡が観察されなかった場合)には、良好であるとして、「A」と示した。
また、表6においては、積層体において気泡の発生が観察された場合は、不良であるとして、「B」と示した。
<積層体の製造(積層体構成3の作製)>
(銀インク組成物の製造、銀層の形成)
比較例21に係る銀インク組成物は、実施例1と同様の方法により製造した。
また、比較例21においても、実施例1と同様に、銀層が形成された第1基材(ポリカーボネート製基材(厚さ0.4mm、帝人製パンライトシートPC−1151)上に銀層を形成した第1基材)を用いた。
比較例21においても、実施例1と同様に、金属銀のメッシュパターンを形成した前記第1基材の前記パターン形成面の全面を覆うように、透明粘着剤(OCA、第1透明粘着剤層)として、表2に示したパナック社製「パナック耐発泡」を前記第1基材の前記パターン形成面に貼り合わせた。
なお、表5に示すように、透明粘着剤の貼り合わせ装置および貼り合わせ条件は、実施例1と同様である。
比較例21においては、表5に示した装置および条件にて、前記第1透明粘着剤層の全面を覆うように、透明樹脂から形成された第2基材として、表1に示したMCK社製「HC−PET(材質:ハードコート(HC)/PET、厚み:0.03mm(HC層)、0.25mm(PET層))」(PETから形成された第2基材に相当)を、第1透明粘着剤層に積層した。
比較例21においては、第1基材の裏面(第1基材の第2の主面11b、第1基材の外面)に、透明粘着剤(OCA,第2透明粘着剤層)として、表2に示した「パナック耐発泡」を貼り合わせた。
第2透明粘着剤層の貼り付けには、前記第1透明粘着剤層の貼り付けと同様に、表5に示すアコ・ブランズ・ジャパン社製のマルチラミネータ モデルNo.EXCELAM−PULUS355RMを用い、貼り合わせ条件(ローラー速度:1メモリ、ローラー温度:25℃、ローラー間ギャップ:5mm)にて、第1基材の裏面に透明粘着剤を貼りつけた。
前記第1基材の裏面に設けた前記第2透明粘着剤層上に、表1に示した松浪硝子工業社製「青板強化品(材質:ガラス、厚み:1.1mm)」を積層した。
以上により、ガラス基材上に第2透明粘着剤層が形成され、第2透明粘着剤層上にポリカーボネートから形成された第1基材が設けられ、前記第1基材上に前記導電層としてのメッシュ状の銀層が形成され、前記銀層と、前記第1基材上の前記銀層が設けられていない領域と、に、第1透明粘着剤層が形成され、第1透明粘着剤層上に前記PETで形成された第2基材層が積層された積層体(比較例21〜23に係る積層体構成3:HC−PET/1stOCA/銀/0.4mmPC/2ndOCA/1.1mmガラス)を得た。
なお、比較例21、以下に示す比較例22、および、比較例23に係る積層体構成3を図5に示す。
(高温高湿試験後における積層体の発泡の有無の確認)
前記で得られた比較例21に係る積層体を、温度60℃、相対湿度90%の雰囲気下において継続的に加湿加熱処理を行い、処理開始前と、処理開始後19時間が経過した段階で、目視により、積層体の気泡の発生の有無(発泡の有無)を確認した。結果を表6に示す。
表6において、積層体において気泡の発生が観察されなかった場合(発泡が観察されなかった場合)には、良好であるとして、「A」と示した。
また、表6においては、積層体において気泡の発生が観察された場合は、不良であるとして、「B」と示した。
[比較例22]
(積層体の製造)
比較例22においては、比較例21における第1透明粘着剤層を、パナック社製「パナック耐発泡」から、表2に示した3M社製「8171CL」に変更し、比較例21における第2透明粘着剤層を、パナック社製「パナック耐発泡」から、表2に示した3M社製「8171CL」に変更した他は、比較例21と同様の手法により、積層体を作製した。
(積層体の製造)
比較例23においては、比較例21における第1透明粘着剤層を、パナック社製「パナック耐発泡」から、表2に示した3M社製「8172CL」に変更し、比較例21における第2透明粘着剤層を、パナック社製「パナック耐発泡」から、表2に示した3M社製「8172CL」に変更した他は、比較例21と同様の手法により、積層体を作製した。
(高温高湿試験後における積層体の発泡の有無の確認)
比較例21と同様に、前記で得られた比較例22および比較例23に係る積層体を、温度60℃、相対湿度90%の雰囲気下において継続的に加湿加熱処理を行い、処理開始前と、処理開始後19時間が経過した段階で、目視により、積層体の気泡の発生の有無(発泡の有無)を確認した。結果を表6に示す。
表6において、積層体において気泡の発生が観察されなかった場合(発泡が観察されなかった場合)には、良好であるとして、「A」と示した。
また、表6においては、積層体において気泡の発生が観察された場合は、不良であるとして、「B」と示した。
すなわち、積層体構成1を有する実施例1〜8に係る積層体(本発明に係る積層体)によれば、発泡が抑制され、タッチパネル等の光学部材として、良好に使用可能であることが確認できた。
また、実施例2〜8に係る積層体においては、積層体の初期ヘーズが3.0%以下であり、かつ、温度60℃、相対湿度90%(90%RH)雰囲気下で、加熱加湿処理開始から303時間後における積層体のヘーズ変化率が、80%以下であり、高温高湿試験後のヘーズ変化の結果が良好(規定値以内)であった。
すなわち、実施例2〜8に係る積層体は、発泡抑制効果に加えて、ヘーズ変化およびヘーズ変化率の観点においても好ましい結果が得られる傾向にあった。
そのため、積層体構成2を有する比較例1〜20においては、ヘーズ変化を測定する試験を行うことが出来なかった。
そのため、積層体構成3を有する比較例21〜23においては、ヘーズ変化を測定する試験を行うことが出来なかった。
また、ポリカーボネートから形成された第1基材とガラス基材とが、透明粘着剤層を介して対向するような積層体構成2および積層体構成3によれば、積層体に発泡が生じやすい傾向にあった。
<積層体の製造(積層体構成1の作製)>
(銀インク組成物の製造)
ビーカー中に2−エチルヘキシルアミン(後述する2−メチルアセト酢酸銀に対して6.53倍モル量)と、DMHO(後述する2−メチルアセト酢酸銀に対して0.1倍モル量)と、を加えて、メカニカルスターラーを回転させて撹拌しながら、液温が40℃以下となるように、ビーカー中に20.65gの2−メチルアセト酢酸銀を添加した。各配合成分を溶解させ、室温でそのまま1日撹拌を続けた。
次いでこの撹拌液に、液温が30℃以下となるように、ネオデカン酸(ジャパンケムテック社製「バーサティック10」)(2−メチルアセト酢酸銀に対して0.13倍モル量)を滴下して撹拌することにより、銀インク組成物を得た。
各配合成分の種類と配合比を表9に示す。
表9中、「含窒素化合物(モル比)」とは、金属銀の形成材料の配合量1モルあたりの含窒素化合物の配合量(モル数)([含窒素化合物のモル数]/[金属銀の形成材料のモル数])を意味する。
「ネオデカン酸(モル比)」も同様に、金属銀の形成材料の配合量1モルあたりのネオデカン酸の配合量(モル数)([ネオデカン酸のモル数]/[金属銀の形成材料のモル数])を意味する。
「アセチレンアルコール(2)(モル比)」も同様に、金属銀の形成材料の配合量1モルあたりのアセチレンアルコール(2)の配合量(モル数)([アセチレンアルコール(2)のモル数]/[金属銀の形成材料のモル数])を意味する。
ポリカーボネート製基材(厚さ0.4mm、帝人製パンライトシートPC−1151)(ポリカーボネートから形成された第1基材)の一方の主面(表面、第1の主面)上に、インクジェット装置(IJCS−1、コニカミノルタ製)及びインクジェットヘッド(KM512MH、コニカミノルタ製)を用いたインクジェット印刷法により、前記で得られた銀インク組成物を塗工して、印刷パターンを形成した。印刷パターンは、同じ幅のラインが所定の間隔を空けて多数配置されているラインアンドスペースパターンが、直交する2方向に形成されたメッシュパターンとした。
次いで、上述の印刷パターンが形成された第1基材を、オーブン内において、(1)130℃で10分間熱風を当てて加熱処理することにより、幅150μm、隣り合う同方向のライン間の距離が7950μmであり、スキュー角度が45°の金属銀のラインアンドスペースパターンが、直交する2方向に形成された、金属銀のメッシュパターンを形成した。このメッシュパターンを形成している金属銀(銀層)の厚さは0.02〜0.03μmであった。
前記実施例1と同様に、金属銀のメッシュパターンを形成した前記第1基材の前記パターン形成面の全面を覆うように、透明粘着剤(OCA、第1透明粘着剤層)として、パナック社製「パナック耐発泡」を前記第1基材の前記パターン形成面に貼り合わせた。
前記実施例1と同様に、前記第1透明粘着剤層の全面を覆うように、透明樹脂から形成された第2基材として、東洋紡社製「コスモシャインSRF80(材質:PET、厚み:0.08mm)」(PETから形成された第2基材)を、第1透明粘着剤層に積層した。
前記実施例1と同様に、前記第2基材の全面を覆うように、透明粘着剤(OCA,第2透明粘着剤層)として、パナック社製「パナック耐発泡」を前記第2基材に貼り合わせた。
前記実施例1と同様に、前記第2透明粘着剤層上に、松浪硝子工業社製「青板強化品(材質:ガラス、厚み:1.1mm)」を積層した。
以上により、ポリカーボネートから形成された第1基材上に、前記導電層としてのメッシュ状の銀層が形成され、前記銀層と、前記第1基材上の前記銀層が設けられていない領域と、に、第1透明粘着剤層が形成され、第1透明粘着剤層上に前記PETで形成された第2基材層が積層され、前記第2基材層上に第2透明粘着剤層が形成され、第2透明粘着剤層上に前記ガラス基材が積層された積層体を得た。
(積層体の製造)
金属銀のメッシュパターンにおいて、隣り合う同方向のライン間の距離を4875μmとした他は、前記実施例9の手順と同様の手法により、積層体を作製した。
(積層体の製造)
金属銀のメッシュパターンにおいて、隣り合う同方向のライン間の距離を9950μmとした他は、前記実施例9の手順と同様の手法により、積層体を作製した。
(積層体の製造)
金属銀のメッシュパターンにおいて、隣り合う同方向のライン間の距離を3875μmとした他は、前記実施例9の手順と同様の手法により、積層体を作製した。
(積層体の製造)
金属銀のメッシュパターンにおいて、隣り合う同方向のライン間の距離を7950μmとし、第2透明粘着剤層をパナック社製「PDC3−50」に変更した他は、前記実施例9の手順と同様の手法により、積層体を作製した。
(積層体の製造)
金属銀のメッシュパターンにおいて、隣り合う同方向のライン間の距離を3875μmとし、第2透明粘着剤層をパナック社製「PDC3−50」に変更した他は、前記実施例9の手順と同様の手法により、積層体を作製した。
(積層体の製造)
金属銀のメッシュパターンにおいて、隣り合う同方向のライン間の距離を4875μmとし、第2透明粘着剤層をパナック社製「PDC3−50」に変更した他は、前記実施例9の手順と同様の手法により、積層体を作製した。
(高温高湿試験後における積層体の発泡の有無の確認)
実施例1と同様に、前記で得られた実施例9〜15に係る積層体を、温度60℃、相対湿度90%の雰囲気下において継続的に加湿加熱処理を行い、処理開始前と、処理開始後19時間が経過した段階で、目視により、積層体の気泡の発生の有無(発泡の有無)を評価した。結果を表10に示す。
実施例1と同様に、前記「発泡の有無の確認」において、積層体に発泡が確認できなかった場合には、前記積層体について、第1基材側(第1基材外面)から、JIS K7136に従って、ヘーズメータ(日本電色工業製、NDH7000SP)を用いてヘーズHt(%)を測定した。
ヘーズ変化の結果を表11に示す。
処理開始前(t=0)のヘーズH0と、処理開始後t時間でのヘーズHtとから、前記式(It:ΔH(Ht−H0)/H0×100(%))により前記積層体のヘーズ変化率ΔHt(%)を算出した。
ヘーズ変化率の結果を表12に示す。
なお、表10におけるヘーズ変化は、実施例1と同様に評価した。
<積層体の製造(積層体構成2の作製)>
(銀インク組成物の製造、銀層の形成)
前記実施例9と同様の方法により銀インク組成物を製造した。
また、前記実施例9と同様に、銀層が形成された第1基材(ポリカーボネート製基材(厚さ0.4mm、帝人製パンライトシートPC−1151)上に銀層を形成した第1基材)を用いた。
金属銀のメッシュパターンにおいて、隣り合う同方向のライン間の距離を7950μmとした他は、前記実施例9と同様に、前記第1基材の前記パターン形成面の全面を覆うように、透明粘着剤(OCA、第1透明粘着剤層)として、パナック社製「パナック耐発泡」を前記第1基材の前記パターン形成面に貼り合わせた。
前記比較例1と同様に、前記第1透明粘着剤層上に、松浪硝子工業社製「青板強化品(材質:ガラス、厚み:1.1mm)」を積層した。
以上により、ポリカーボネートから形成された第1基材上に、前記導電層としてのメッシュ状の銀層が形成され、前記銀層と、前記第1基材上の前記銀層が設けられていない領域と、に、第1透明粘着剤層が形成され、第1透明粘着剤層上に前記ガラス基材が積層された積層体を得た。
(積層体の製造)
金属銀のメッシュパターンにおいて、隣り合う同方向のライン間の距離を4875μmとした他は、前記比較例24の手順と同様の手法により、積層体を作製した。
(積層体の製造)
金属銀のメッシュパターンにおいて、隣り合う同方向のライン間の距離を9950μmとした他は、前記比較例24の手順と同様の手法により、積層体を作製した。
(積層体の製造)
金属銀のメッシュパターンにおいて、隣り合う同方向のライン間の距離を3875μmとした他は、前記比較例24の手順と同様の手法により、積層体を作製した。
(高温高湿試験後における積層体の発泡の有無の確認)
実施例1と同様に、前記で得られた比較例24〜27に係る積層体を、温度60℃、相対湿度90%の雰囲気下において継続的に加湿加熱処理を行い、処理開始前と、処理開始後19時間が経過した段階で、目視により、積層体の気泡の発生の有無(発泡の有無)を評価した。結果を表10に示す。
すなわち、積層体構成1を有する実施例9〜15に係る積層体(本発明に係る積層体)によれば、発泡が抑制され、タッチパネル等の光学部材として、良好に使用可能であることが確認できた。
また、実施例9〜15に係る積層体においては、積層体の初期ヘーズが3.0%以下であり、かつ、温度60℃、相対湿度90%(90%RH)雰囲気下で、加熱加湿処理開始から303時間後における積層体のヘーズ変化率が、80%以下であり、高温高湿試験後のヘーズ変化の結果が良好(規定値以内)であった。
すなわち、実施例9〜15に係る積層体は、発泡抑制効果に加えて、ヘーズ変化およびヘーズ変化率の観点においても好ましい結果が得られる傾向にあった。
そのため、積層体構成2を有する比較例24〜27においては、ヘーズ変化を測定する試験を行うことが出来なかった。
また、ポリカーボネートから形成された第1基材とガラス基材とが、透明粘着剤層を介して対向するような積層体構成2によれば、積層体に発泡が生じやすい傾向にあった。
以上に、本発明の実施形態を説明したが、実施形態における各構成及びそれらの組み合わせ等は一例であり、本発明の趣旨から逸脱しない範囲内で、構成の付加、省略、置換、及びその他の変更が可能である。また、本発明は実施形態によって限定されない。
11・・・第1基材(ポリカーボネートから形成された第1基材)
11a・・・第1基材の一方の主面(表面、第1の主面)
11b・・・第1基材の他方の主面(裏面、第2の主面)
12,22・・・導電層
12a,22a・・・導電層の表面
13、23・・・透明粘着剤層(第1透明粘着剤層)
14・・・第2基材(透明樹脂から形成される第2基材)
15・・・透明粘着剤層(第2透明粘着剤層)
16・・・ガラス基材
Claims (4)
- 積層体であって、
ポリカーボネートから形成された第1基材と、
ガラス基材と、
少なくとも1つの透明粘着剤層と、
導電層と、
透明樹脂から形成された第2基材と、を備え、
前記第1基材と前記ガラス基材との間に、前記透明粘着剤層と、前記導電層と、前記第2基材とが配置されている、
積層体。 - 前記透明粘着剤層として、第1透明粘着剤層と第2透明粘着剤層を備え、
前記第1基材と前記ガラス基材との間に、前記第1基材側から、前記導電層、前記第1透明粘着剤層、前記第2基材、および前記第2透明粘着剤層が、この順で積層されている、
請求項1に記載の積層体。 - 前記透明樹脂が、ポリエステル、シクロオレフィンポリマー、およびトリアセチルセルロースからなる群より選ばれた1つ以上の樹脂である、
請求項1または2に記載の積層体。 - 前記積層体は、前記第1基材側から測定した第1ヘーズH0が3.0%以下であり、 前記積層体を温度60℃、90%RH雰囲気下で、303時間保存する試験後における前記積層体の第2ヘーズH303を前記第1基材側から測定したときに、
式I303:ΔH303(%)=(H303−H0)/H0×100により算出される前記積層体のヘーズ変化率ΔH303が80%以下である、
請求項1〜3のいずれか一項に記載の積層体。
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