JP2009113293A - 光造形装置及び光造形方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】正確なフォーカス状態を検出して、造形面上に適切なスポット径で集光することにより、高精度な光造形を提供する。
【解決手段】光硬化性樹脂貯留槽3と、硬化層を保時し、樹脂の液面に対して直交方向に移動される移動架台4と、移動架台4の上面若しくは下面、又は上面若しくは下面に形成された硬化層との間に所定の厚みの硬化層を形成し且つ硬化層面の光硬化性樹脂の揺動を規制する液面規制板3aと、液面規制板を介して硬化層形成面上の光硬化性樹脂を描画することにより硬化層を形成するための所定の波長の光ビームを放射する描画用光源11と、光ビームを光硬化性樹脂に走査させる走査手段12とを備え、液面規制板3aには、描画用光源11から放射される光ビームの一部を反射する反射コーティング膜7が形成され、該膜7で反射された光ビームを検出して走査手段12により走査される光ビームのフォーカス状態を調整する手段を具備した光造形装置。
【選択図】図2

Description

本発明は、紫外線硬化樹脂等の光硬化性樹脂に光を照射することにより硬化層を形成し、これを積層して所望の形状の樹脂造形物を形成する光造形装置及び光造形方法に関する。
近年、CAD装置により入力された3次元形状データを用いて、機械加工等をすることなく目標造形物である立体モデルを生成する、所謂ラピッドプロトタイピング(RP)と呼ばれる手法が多くの製造現場で注目を集めている。
従来より、このラピッドプロトタイピングの手法として、紫外線硬化樹脂を用いた光造形、熱可塑性樹脂を押し出しこれを積層する方法(FDM)、粉末の溶融接着積層方式(SLS)、紙を薄膜積層する方式(LOM)、粉末や効果触媒を吐出させ積層する方式(Ink−Jet方式)等が知られている。
従来の3次元造形では、以下のような流れにより、所望の立体形状の造形物を形成する。具体的には、まず、コンピュータ等により、立体デザインシステムであるCAD装置によって、目標とする立体形状(3次元形状データ)を入力及び設計する。
次に、入力されたCADデータをSTLフォーマット等の所定の3次元形状データに変換し、造形物の配置する向き及び積層方向(正立、倒立、横転等)を決定し、積層方向に厚さを0.1〜0.2mm程度とした輪切り状にスライスして、各層毎の断面データを生成する。
そして、その各層毎の断面データに基づいて、最下層から一層毎に液状光硬化性樹脂、粉末樹脂、金属粉やワックス等の材料の性状を変化させて積み上げていくことで3次元立体モデルを得ることができる。
具体的に、例えば、液状光硬化性樹脂の場合には、図24に示すように、樹脂貯留槽203に貯留された液状光硬化性樹脂202に、上方から光ビームB201を照射しながら硬化層を一層ずつ造形していく所謂自由液面法といった形式や、図25に示すように、樹脂硬化用の光ビームを透過させる透明板をさらに設け、この透明板により紫外線硬化樹脂の液面の振動、揺動等を抑制する所謂液面規制法といった形式の光造形方法がある。
この液状光硬化性樹脂と自由液面法を用いた場合について図24を用いて説明すると、まず、液面202bに対して垂直方向に移動される移動架台204上に一層目となる所定の厚みの硬化層202aを形成し、次に、移動架台204を下方に移動させた後にこの一層目の硬化層上に、所定の厚みの硬化層を形成し、さらに、積層を進めてn−1層目の硬化層の上に、n層目の硬化層を形成することで、3次元形状モデルを得ることができる。
一方、液面規制法を用いた場合には、図25(a)に示すように、上述の図24を用いて説明した自由液面方式の液面202bに透明板205を追加して、液面の揺動等を規制するとともに上方側から光ビームB201を照射して移動架台204の上面に造形するタイプのものと、図25(b)に示すように、樹脂貯留槽213の底面部にガラス等の透明板により形成した底部透過部213aを設け、移動架台214と底部透過部213aとの間の液状光硬化性樹脂の揺動等を規制するとともに、下方側からこの底部透明板を介して照射して移動架台214の下面に造形するタイプのものとがある。上方側から光ビームを照射するタイプのものは上述の自由液面方式と光ビームを透明板を介して光硬化性樹脂に照射させることを除いて同様であるのでここでは説明を省略する。
そして、液状光硬化性樹脂と液面規制法(下方側から光ビームを照射するタイプのもの)を用いた場合について図25(b)を用いて説明すると、まず、垂直方向に移動される移動架台214の下面と、樹脂貯留槽213の底部透過部213aとの間の紫外線硬化樹脂212に底部透過部213a側から光B211を照射することにより一層目となる所定の厚みの硬化層を形成し、次に、移動架台を上方に移動させた後にこの一層目の硬化層上に、すなわち、下方側に所定の厚みの硬化層を形成し、さらに、下方側に積層を進めてn−1層目の硬化層上に、n層目の硬化層を形成することで、3次元形状モデルを得ることができる。
以上のような3次元造形方法及びこの3次元造形を実現する造形装置は、機械加工による立体物製作法では切削加工が困難であった自由曲面や複雑な構造を有する立体形状を簡単に製作することが可能であり、機械加工に要する工具の摩耗、騒音、振動、切削屑等の発生することなく、完全自動化されたプロセスにより所望の立体形状(モデル)を得ることができる。
このような有用な3次元造形技術を、精度が数μm程度の高精細な樹脂成型物の製造等といった多種多様な分野に適用するためには、さらに高精細及び高速な造形が望まれる。
しかしながら、従来の立体造形方法及び立体造形装置では、正確なフォーカス検出を行うものがなかっため、光造形の精細度を高めるには限界があった。すなわち、光造形の精細度を向上させていくには、光ビームの焦点を絞る必要がある。そのためには、オートフォーカスのような機構が必要である。
具体的に、ビームスポット径が50μm(ミクロン)程度までなら、あらかじめ計算された光ビーム描画位置と各位置に対応したフォーカス状態との関係から焦点合わせを行うことが可能である。従来の光造形装置では、このような方法により焦点合わせを行っていた。ところが、さらに高精細な精度を要求する場合に、光ビームのスポット径が数ミクロンレベルにする必要がある場合には、リアルタイムに光ビームのフォーカス状態を調べながらフォーカス合わせを行う必要がある。
光造形においてリアルタイムにフォーカス検出を行う方法としては、例えば、光ディスク等の技術で用いられる非点収差法等を応用することが考えられる。すなわち、光造形の際の光硬化性樹脂を硬化させるために描画される露光用の光ビームの光硬化性樹脂の硬化層形成面での反射光を受光して検出する検出器等を設け、この検出器により反射光を受光することでフォーカス状態を検出するといった方法が考えられる。
従来の多くの光造形は、上述の自由液面法を用いて行われており、すなわち、光硬化性樹脂の液面が空中に露出しており、この自由液面法を用いた光造形装置においては、描画用の光ビームがこの空気と樹脂との界面にフォーカスを合わせることにより、フォーカス状態を検出することが考えられる。
しかしながら、このような自由液面法を用いた光造形では、造形時の積層精度が液面の表面精度により制限されることとなり、上述のような高精度化に限界があった。
このような高精度化の観点から、提案されているのが、上述した液面規制法を用いた光造形である。液面規制法を用いた光造形装置では、空中に樹脂液面を露出させる代わりに、硬化層形成面にガラス等により形成された液面規制板として機能する透過部を設けることにより、液面の揺動を規制し、ここで形成される硬化層の平滑度を向上させることで、積層精度を向上させることができる。
このような液面規制法を用いた光造形は、高精細を要求する場合に優れたものであるが、液面規制法を用いた光造形装置において、フォーカス検出を行う場合には、以下のような問題がある。すなわち、液面規制法を用いた光造形装置において、図26に示すように、描画用の光ビームB211を、上述したようなガラス等で形成される底部透過部213aから入射させたときに、底部透過部213aの入射側である下面213bから反射される第1の反射光B221と、底部透過部213aと光硬化性樹脂212との界面である底部透過部213aの上面213cから反射される第2の反射光B222との、少なくとも2箇所で反射される2つの反射光が発生する。第1の反射光B221は、例えばガラスと空気の屈折率差によって、無反射コーティング等を施さなければ数%の反射率で発生することとなるが、実際にフォーカスを合わせるために検出したいガラス(底部透過部213a)と光硬化性樹脂212の界面からの第2の反射光B222は、例えばガラスと紫外線硬化樹脂の屈折率差が少ないために、検出が困難な程少ない反射率で発生することとなる。このように、液面規制法の場合に、単に光硬化性樹脂で反射することにより発生する戻り光によりフォーカス検出を行おうとする際には、戻り光の強度に関して問題があり、これにより、正確なフォーカス状態を検出できないおそれがあるといった問題がある。
以上のように、光造形の精細度を向上させるために、液面規制法とフォーカス調整とを行うことが望まれるが、液面規制法を用いた光造形装置において正確なフォーカス検出を行うことが困難であり、これにより、描画用の光ビームを光硬化性樹脂の硬化層形成面上に適切なスポット径で集光することができず、高精度な光造形が困難であった。
特開平5−77323号公報
本発明の目的は、正確なフォーカス状態を検出して、描画用の光ビームを光硬化性樹脂の硬化層形成面上に適切なスポット径で集光することにより、高精度な光造形を行うことができる光造形装置及び光造形方法を提供することにある。
また、本発明の目的は、フォーカス検出信号を確実に検出することができる光造形装置及び光造形方法を提供することにある。
この目的を達成するため、本発明に係る光造形装置は、液状の光硬化性樹脂に光を照射して硬化層を順次形成することにより所望の形状の造形物を形成する光造形装置において、上記光硬化性樹脂を貯留する樹脂貯留槽と、上記硬化層を保持するとともに少なくとも上記光硬化性樹脂の液面に対して直交する方向に移動される移動架台と、上記移動架台の上面若しくは下面、又は上記移動架台の上面若しくは下面に形成された硬化層との間に形成される所定の厚みの硬化層形成面の上記光硬化性樹脂の揺動を規制する液面規制板と、上記液面規制板を介して上記硬化層形成面上の上記光硬化性樹脂を描画することにより硬化層を形成するための所定の波長の光ビームを放射する描画用光源と、上記描画用光源から放射された光ビームを上記光硬化性樹脂に走査させる走査手段とを備え、上記液面規制板には、上記描画用光源から放射される光ビームの一部を反射する反射コーティング膜が形成され、上記反射コーティング膜で反射された光ビームを検出することにより上記走査手段により走査される光ビームのフォーカス状態を調整する。
また、この目的を達成するため、本発明に係る光造形方法は、液状の光硬化性樹脂を貯留する樹脂貯留槽と、上記光硬化性樹脂に光が照射されることにより形成される硬化層を保持するとともに少なくとも上記光硬化性樹脂の液面に対して直交する方向に移動される移動架台と、上記移動架台の上面若しくは下面、又は上記移動架台の上面若しくは下面に形成された硬化層との間に形成される所定の厚みの硬化層形成面の上記光硬化性樹脂の揺動を規制する液面規制板とを備える光造形装置を用い、上記液面規制板を介して上記光硬化性樹脂に光を照射して硬化層を順次形成することにより所望の形状の造形物を形成する光造形方法において、上記硬化層形成面上の上記光硬化性樹脂を描画することにより硬化層を形成するための所定の波長の光ビームを放射する描画用光源から光ビームを放射し、上記液面規制板に形成され上記描画用光源から放射される光ビームの一部を反射する反射コーティング膜により反射された光ビームを検出することにより、上記描画用光源から放射された光ビームを上記光硬化性樹脂に走査させる走査手段により上記描画用光源から放射され上記反射コーティング膜を透過された光ビームのフォーカス状態を調整するとともに上記硬化層形成面上を走査させる。
本発明は、光が照射されることにより形成される硬化層を保持するとともに少なくとも光硬化性樹脂の液面に対して直交する方向に移動される移動架台と、上記移動架台との間に所定の厚みの硬化層形成面を形成するとともに、硬化層形成面の上記光硬化性樹脂の揺動を規制する液面規制板とを備え、この液面規制板に光ビームの一部を反射する反射コーティング膜が形成され、反射コーティング膜で反射された光ビームを検出することにより正確にフォーカス検出を行うとともに液面規制板を介して硬化層形成面上の光硬化性樹脂の露光を行うことにより、光ビームを光硬化性樹脂の硬化層形成面上に適切なスポット径で集光させることができ、造形精度を向上させ高精細な光造形を行うことを実現する。
以下、本発明を適用した光造形装置について、図面を参照して説明する。
本発明を適用した光造形装置1は、図1に示すように、光硬化性樹脂上に光を照射して硬化層を順次形成して積層することにより所望の形状の造形物を形成する光造形装置である。尚、以下では、光硬化性樹脂として液状の紫外線硬化樹脂を用いるものとして説明するが、これに限られるものではなく、すなわち、光が照射されることにより硬化層が形成されるものであればよい。
光造形装置1は、具体的に、図1に示すように、光硬化性樹脂として液状の紫外線硬化樹脂2を貯留する樹脂貯留槽3と、この樹脂貯留槽3内に浸漬され形成される硬化層2aを下面側に保持するとともに少なくともこの紫外線硬化樹脂2の表面である液面に対して直交する垂直方向Zに移動可能とされる移動架台4と、この紫外線硬化樹脂2上に光を照射するための後述するビームスキャン光学系10及びフォーカス検出光学系30を有する光学系5とを有する。
樹脂貯留槽3の底部には、光学系5からの硬化用の光を透過するための透過部3aが設けられており、光造形装置1は、光学系5からの光を透過部3aを介して紫外線硬化樹脂2の硬化層を形成する領域である硬化層形成面に照射させることで硬化層を形成する。換言すると、移動架台4の下面と、透過部3aの上面との間には、各硬化層の厚さ分の所定の隙間が形成されており、この所定の隙間に存在する紫外線硬化樹脂2が光学系5からの光により露光され硬化層が形成される硬化層形成面となる。
そして、光造形装置1は、光学系5により光を照射し移動架台4の下面に硬化層を形成する動作と、この移動架台4を垂直方向Zに上方に移動する動作とを順次繰り返すことにより立体造形を行う。尚、上述の硬化層が形成された後には、移動架台4の下面に形成された硬化層と、透過部3aの上面との間の所定の隙間が形成された領域が、硬化層形成面となる。
上述の樹脂貯留槽3の透過部3aは、移動架台4の下面、又は移動架台4の下面に形成された硬化層との間に硬化層形成面としての隙間を形成し、その間の紫外線硬化樹脂2の振動、揺動等を発生させないように規制又は抑制する液面規制板として機能する。液面規制板としての透過部3aを有する光造形装置1は、硬化層形成面の紫外線硬化樹脂2の振動、揺動等を規制することにより形成される硬化層及び最終的に形成される立体造形物の精度を高め、すなわち高精細の立体造形を可能とする。
尚、光造形装置1において、移動架台4を垂直方向Zにのみ移動可能な構成として説明をするが、後述の光造形装置51の移動手段56のような移動手段をさらに追加して設け、移動架台4と光学系5との水平面内における相対的な位置を変化させる構成としてもよく、その場合には、移動架台4及び光学系5を固定した状態で硬化層を形成可能な領域より大面積の硬化層を形成することを可能とし、すなわち、大きな造形物を形成することを可能とすることができる。
この光造形装置1は、図2に示すように、ビームスキャン光学系10用として、紫外線硬化樹脂2上に光を描画するための光ビームを放射する描画用光源(ビームスキャン用光源)として第1の光源11と、第1の光源11から放射された光ビームを紫外線硬化樹脂2上に走査させる走査手段12とを備え、また、走査手段12により走査される光ビームを紫外線硬化樹脂2の硬化層形成面に導く反射手段として反射ミラー41を備える。
また、光造形装置1は、上述した第1の光源11と走査手段12とともに、ビームスキャン光学系10を構成するために、第1の光源11から放射された光ビームの発散角を変換して略平行光とするコリメータレンズ13と、コリメータレンズ13から出射された略楕円形状の光ビームを整形して略円形状にするアナモルフィックレンズ14と、アナモルフィックレンズ14から出射された光ビームのビーム径を後述する対物レンズ42の開口、NA(開口数)等に適した所望のビーム径に変換してビーム径のサイズ調整を行うビームエキスパンダ15と、ビームエキスパンダ15から出射された光ビームの発散角度を調整して収束光、平行光、又は発散光の状態として出射させることで後述する対物レンズ42により紫外線硬化樹脂2上に集光される光ビームのフォーカス状態を調整するフォーカス調整レンズ16と、紫外線硬化樹脂2に照射する光ビームの通過・遮蔽を制御し、すなわちビームスキャン光学系10による描画のオン・オフ制御をするためのシャッタ17とを備える。
ここで、フォーカス調整レンズ16と、シャッタ17との間には、第1の光源11から放射された光ビームを透過させるとともに、紫外線硬化樹脂2で反射された戻り光を検出するための後述する反射光検出手段としての光検出器32に導くためのビームスプリッタ31が設けられている。このビームスプリッタ31は、後述のようにフォーカス検出光学系30を構成する。
ビームスキャン用光学系に用いられるビームスキャン用光源としての第1の光源11は、硬化層形成面上の紫外線硬化樹脂2を描画することにより硬化層を形成するための光ビームを放射するものであり、例えば、発振波長375nm程度のレーザ光を放射する半導体レーザである。尚、ここでは、波長375nmとしたが、これに限られるものではなく、使用する光硬化性樹脂を硬化し得る程度、例えば、青〜紫外域程度の比較的波長の短いレーザ光を放射するものであればよい。尚、ここでは、半導体レーザを用いるものとしたが、これに限られるものではなく、ガスレーザー等を用いてもよい。ここでは、第1の光源11として半導体レーザーを用いたので、レーザー出射後に略平行な光ビームにするためのコリメータレンズ13と、楕円形とされた光ビームを円形の光ビームにするためのアナモルフィックレンズ14が設けられている。また、ここでは、シャッタ17を設けるように構成したが、第1の光源11として半導体レーザを用いていることから、これを直接変調することにより光ビームのオン・オフ制御をするように構成してもよい。
光造形装置1の走査手段12は、例えば、ビームエキスパンダ15からの入射した光ビームを偏向して紫外線硬化樹脂2の表面である液面に平行な面内の第1の方向としてX方向に走査させる第1のガルバノミラー21と、第1のガルバノミラー21からの光ビームを偏向してX方向に略直交し紫外線硬化樹脂2の液面に平行な面内の第2の方向としてY方向に走査させる第2のガルバノミラー22と、反射ミラー41と紫外線硬化樹脂2との間に設けられ、第2のガルバノミラー22からの光ビームを集光するとともに、第1及び第2のガルバノミラー21,22で偏向された光ビームを紫外線硬化樹脂2上に等速度で走査させる対物レンズ42とからなる。
また、走査手段12は、第1のガルバノミラー21と第2のガルバノミラー22との間に設けられる第1のリレーレンズ23と、第2のガルバノミラー22と反射ミラー41との間に設けられる第2のリレーレンズ24とを有する。
第1及び第2のガルバノミラー21,22は、所定の方向に回転可能とされたミラー等の反射手段と、電気信号に応じて反射手段の回転方向の角度を調整する調整手段とを有し、光ビームを所定の方向に走査させるため、入射した光ビームを所定の角度で反射して、すなわち所望の方向に偏向することにより、移動架台4上の走査すべき面内(以下、「ワーク領域」ともいう。)に光ビームを走査させる。このように、第1及び第2のガルバノミラー21,22は、光ビームを偏向するビーム偏向手段として機能する。尚、ここでは、第1のガルバノミラー21により光ビームをX方向に走査させ、第2のガルバノミラー22により光ビームをY方向に走査させるように構成したが、これに限られるものではなく、紫外線硬化樹脂2の液面に平行な面内、すなわち、移動架台4上の走査すべき面内において、略直交する任意の二軸の一方及び他方を走査できるように構成すればよい。また、走査手段12に設けられ光ビームを所定の二軸方向にそれぞれ偏向させるビーム偏向手段としては、上述のガルバノミラーに限られるものではなく、ポリゴンミラー等を用いるように構成してもよい。
第1及び第2のガルバノミラー21,22で偏向された光ビームを紫外線硬化樹脂2上に等速度で走査させる対物レンズ42は、一又は複数のレンズを有するレンズ群からなり、第1及び第2のガルバノミラー21,22によりX方向及びY方向に走査され、反射ミラー41で反射されて入射された光ビームを紫外線硬化樹脂2上に集光して結像させることで、第1及び第2のガルバノミラー21,22で偏向された光ビームを紫外線硬化樹脂2上に均一な走査線速度で走査させる。
ここでは、この対物レンズ42として、図3に示すように、入射角θに比例した像高Yをもち、焦点距離fと入射角θとの積が像高Yとなるような関係(Y=f×θ)を有する所謂fθレンズが用いられる。換言すると、fθレンズは、走査される光ビームの走査速度が、レンズへの入射位置によらず、常に一定となるように設計されたレンズである。
すなわち、対物レンズ42としてのfθレンズは、例えば、第1及び第2のガルバノミラー21,22の回転速度を等速度とした状態で、この第1及び第2のガルバノミラー21,22で走査され対物レンズ42により結像されるワーク領域内における走査線速度を等速度とすることを可能とし、走査線速度がばらつくことによる設計形状と実際の硬化層の形状とに違いが発生することを防止する。すなわち、例えば、XY方向に対して傾斜した所望の直線上を結像される光ビームを走査しようとした場合に、X方向の走査線速度成分と、Y方向の走査線速度成分との何れか一方又は両方がばらついたときには、走査される光ビームが所望の直線を描くことができなくなることを、上述の対物レンズ42及び第1及び第2のガルバノミラー21,22は、解消することができる。このように、対物レンズ42は、第1及び第2のガルバノミラー21,22とともに、ワーク領域上の走査線速度を等速度に走査させることを可能とし、微細描画による高精細な造形を実現する。
尚、ここで用いられる対物レンズ42は、fθレンズに限られるものではなく、通常の集光機能を有するレンズを用いるとともに第1及び第2のガルバノミラー21,22を制御する駆動制御部側でその回転速度を電気的に調整制御し、第1及び第2のガルバノミラー21,22で偏向された光ビームを対物レンズで集光して均一な走査線速度で走査させるように構成してもよい。
ここで、第1及び第2のガルバノミラー21,22と対物レンズ42とにより、第1の光源11から放射された光ビームを走査する動作について図4を用いて説明する。尚、図4中においては、第1のガルバノミラー21と対物レンズ42との動作を示すために第2のガルバノミラー22、第1及び第2のリレーレンズ23,24並びに反射ミラー41を省略して示す。また、第2のガルバノミラー22と対物レンズ42との動作についても同様であるので詳細は省略する。
第1のガルバノミラー21には、コリメータレンズ13で平行光とされ、ビームエキスパンダ15で均一化された光ビームが入射され、その角度に応じてX方向に走査されて、対物レンズ42によりワーク領域上に集光される。
このように、対物レンズ42は、第1のガルバノミラー21によりX方向に走査された光ビームが所定の状態で入射させることで、ワーク領域上をX方向に走査させるとともにワーク領域の紫外線硬化樹脂2上に垂直方向に入射させテレセントリックに結像させる。また、対物レンズ42は、同様に、第2のガルバノミラー22によりY方向に走査された光ビームが所定の状態で入射させることで、ワーク領域上をY方向に走査させるとともにワーク領域の紫外線硬化樹脂2上に垂直方向に入射させテレセントリックに結像させる。
ところで、第1及び第2のガルバノミラー21,22による走査方向のスキャン角度と、対物レンズ42の焦点距離には、一定の関係がある。上述のように、対物レンズ42をfθレンズとした場合には、例えば、ワーク領域のX方向及びY方向の寸法がそれぞれ1cm、すなわちワーク領域を1cm×1cm程度とし、第1及び第2のガルバノミラー21,22のスキャン角度を±10度程度とすると、焦点距離は約28.65mm程度となる。尚、第1及び第2のガルバノミラー21,22のスキャン角度及び対物レンズ42の構成を変えることによりワーク領域の大きさを変更することも可能である。
このように、ワーク領域の大きさは、第1及び第2のガルバノミラー21,22の回転角度、対物レンズ42の径及び構成、その他の光学部品の構成及び配置等により決定される。また、ワーク領域とは、光学系5と移動架台4との液面と平行な平面内、すなわち水平な平面内での位置関係が変化しない状態における硬化層を形成可能な領域であって、且つ、垂直方向Zにおいては移動架台4又は移動架台4上に既に形成された硬化層上の領域である。換言すると、ワーク領域は、これから硬化層を形成しようとする領域を意味するものである。
また、対物レンズ42は、前側焦点位置である物側焦点位置が反射ミラー41の反射面41aに一致され、後側焦点位置である像側焦点位置が移動架台4上のワーク領域の紫外線硬化樹脂2に一致されて配置されている。ここで、ワーク領域の紫外線硬化樹脂2とは、移動架台4上の光ビームを走査可能な面内で且つ紫外線硬化樹脂2の硬化層を形成すべき高さの位置の紫外線硬化樹脂2をいい、多くの場合は表面、すなわち液面付近の位置を意味するものである。尚、ここでは、対物レンズの物側焦点位置を反射面41aに一致して配置されるように構成したが、厳密に一致させる必要はなく、反射ミラー41自体が大きくなりすぎない程度に、反射面41aの近傍に物側焦点位置が位置するように配置されていればよい。すなわち、ビームスキャン光学系10からの光ビームが全て反射面41aを通過(反射)させる必要性があることから反射ミラー41が大きくなりすぎない程度に、反射面41aの近傍に対物レンズ42の物側焦点位置が位置するようにすればよい。
第1及び第2のリレーレンズ23,24は、第1及び第2のガルバノミラー21,22による必要なスキャン角度にわたり、平行入射光ビームを平行に出射することができるとともに、物体面としての第1又は第2のガルバノミラー21,22上で反射させる光ビームを、次のガルバノミラー22又は、反射ミラー41の反射面41a上に結像することができる。
すなわち、第1のリレーレンズ23は、一又は複数のレンズを有するレンズ群からなり、第1のガルバノミラー21で反射された光ビームを第2のガルバノミラー22上の反射面に結像し、第2のリレーレンズ24は、一又は複数のレンズを有するレンズ群からなり、第2のガルバノミラー22で反射された光ビームを反射ミラー41の反射面41a上に結像する。
このような機能を有する第1及び第2のリレーレンズ23,24は、両側テレセントリック結像光学系となるように構成されている。尚、図5に両側テレセントリック結像光学系となるような光学系の代表例であって所謂「4f光学系」とも呼ばれる光学系について示す。図5に示すようなテレセントリック結像光学系は、例えば、最も前方側の位置に配置されたレンズの前焦点位置に第1及び第2のガルバノミラー21,22に相当する物体面Poが配置され、最も後方側の位置に配置されたレンズの後焦点位置に第2のガルバノミラー22又は反射ミラー41に相当する像面Piが配置されることで、物体面Po上の任意の位置で集光された光ビームが発散して入射されたとき、像面Pi側の対応する位置に収束されることとなる。そして、物体面Po上の任意の位置から平行光として入射した光ビームは、像面Pi側の対応する位置に平行光として入射することとなる。このように、両側テレセントリック結像光学系は、像面側から所定の位置、所定の方向で入射した平行光を、像面側の対応する位置に、対応する方向で平行光を出射させることとなる。
そして、第2のリレーレンズ24は、第2のガルバノミラー22で偏向された光ビームが、対物レンズ42の物側焦点位置を通過、すなわち、反射面41aの中心を通過するように導くともに、対物レンズ42の所定の位置に入射するような所定の角度でこの物側焦点位置を通過するようにできる。すなわち、第2のリレーレンズ24は、第2のガルバノミラー22で偏向された光ビームの光軸が対物レンズ42の前側焦点を、ワーク領域内を走査される位置に応じた角度で通過して対物レンズ42に入射するように導くことができる。
第1のリレーレンズ23は、第1のガルバノミラー21で偏向され、第2のガルバノミラー22及び第2のリレーレンズ24を経由した後の光ビームが、対物レンズ42の物側焦点位置を通過、すなわち、反射面41aの中心を通過するように導くとともに、対物レンズ42の所定の位置に入射するような所定の角度でこの物側焦点位置を通過するようにできる。すなわち、第1のリレーレンズ23は、第1のガルバノミラー21で偏向された光ビームの光軸が対物レンズ42の前側焦点を、ワーク領域内を走査される位置に応じた角度で通過して対物レンズ42に入射するように導くことができる。
すなわち、第1及び第2のリレーレンズ23,24は、異なる位置に配置された第1及び第2のガルバノミラー21,22によりX方向及びY方向に偏向され走査される光ビームを一旦対物レンズ42の前側焦点位置を通過させることができる。
第1及び第2のリレーレンズ23,24は、異なる位置に配置された第1及び第2のガルバノミラー21,22によりX方向及びY方向に偏向され走査される光ビームの、X方向及びY方向の通過位置を調整して、fθレンズ等の対物レンズ42の前側焦点位置を一旦通過するようにしたことから、すなわち、二次元で変調された光ビームをfθレンズの物側焦点を走査される位置に応じた角度で通過させ、これをfθレンズで投影するようにしたことから、走査される位置に拘わらず対物レンズ42により集光される光ビームを紫外線硬化樹脂2の液面に対して垂直にすることができ、光ビームが斜めに集光されることにより各硬化層に傾斜面が形成されてしまうことを防止して高精細な造形を可能とする。
また、第1及び第2のリレーレンズ23,24は、このように、変調された光ビームを紫外線硬化樹脂2の液面に対して垂直に入射させることができるので、反射された戻りの光ビームの光路を往路の光ビームの光路と一致させて、後述する反射光検出手段としての光検出器32に導くことを可能とする。
また、第1及び第2のリレーレンズ23,24は、例えば各構成部品の配置の都合上の理由、又は他の光学系の追加等したい等の理由から反射ミラー41を配置し、この反射ミラー41より紫外線硬化樹脂2側に対物レンズ42を配置する必要、及びこの反射ミラー41より第1の光源11側に第1及び第2のガルバノミラー21,22を配置する必要から、この第1及び第2のガルバノミラー21,22及び反射ミラー41とがガルバノミラーの反射手段の回転により物理的に衝突してしまうことを防止することができる、すなわち、衝突してしまう範囲より距離を離間させることを可能とする。
尚、このように反射ミラー41を配置することにより、ワーク領域に対してビームスキャン光学系10において垂直方向から光ビームを照射して、垂直方向から傾斜した斜め方向から照射されることにより各硬化層に傾斜面が形成されてしまうことを防止して、高精細な造形を実現できる。また、フォーカス検出光学系30においても往路光とフォーカス検出用の(反射光)とを所定の光路にすることができ、正確なフォーカス検出を行うことを可能とする。
また、反射ミラー41より紫外線硬化樹脂2側に対物レンズ42を配置する必要があるのは、対物レンズ42を反射ミラー41より手前に配置してしまうと、反射ミラー41が大きくなってしまうからであり、また、反射ミラー41より紫外線硬化樹脂2側に対物レンズ42を配置することにより、対物レンズ42から紫外線硬化樹脂2までの距離が大きくなることによる走査される光ビームの照射位置の誤差等の問題が発生するおそれを防止できるからである。
以上のような、第1の光源11と、第1及び第2のガルバノミラー21,22、第1及び第2のリレーレンズ23,24、対物レンズ42からなる走査手段12と、コリメータレンズ13と、アナモルフィックレンズ14と、ビームエキスパンダ15と、フォーカス調整レンズ16と、シャッタ17とは、ビームスキャン光学系10を構成し、この光造形装置1のビームスキャン光学系10は、第1の光源11から放射された光ビームを、コリメータレンズ13で略平行とし、アナモルフィックレンズ14でビーム整形し、ビームエキスパンダ15でビーム径を調整し、フォーカス調整レンズ16によりフォーカス状態を調整し、第1及び第2のリレーレンズ23,24で対物レンズ42の前側焦点位置を通過するようにされた状態で第1及び第2のガルバノミラー21,22によりX方向及びY方向に走査されるように偏向して、反射ミラー41により対物レンズ42側に導かれて、対物レンズ42により紫外線硬化樹脂2上の所望の位置に走査されるとともに集光されて微細領域を照射するとともに描画して硬化層を形成する。
この際、従来の一般的なビームスキャン方式の光造形装置ではX方向のガルバノミラーとY方向のガルバノミラーとを互いに近接して配置し、2次元スキャンを行うものが多いが、上述の光造形装置1は、例えば各構成部品の配置の都合上等の様々な理由から、第1のリレーレンズ23でX方向に第1のガルバノミラー21で偏向された光ビームを第2のガルバノミラー22上に結像し、さらにY方向に第2のガルバノミラー22で偏向された光ビームを第2のリレーレンズ24で対物レンズ42の物側焦点上に結像する構成としている。
換言すると、対物レンズ42は、第1及び第2のガルバノミラー21,22とワーク位置との間に、様々な理由から反射ミラー41を設ける必要がある場合にも対応できるよう、反射ミラー41とワーク位置との間に設けられており、第1及び第2のリレーレンズ23,24は、この第1及び第2のガルバノミラー21,22とワーク位置との距離が遠くなった場合にも第1及び第2のガルバノミラー21,22並びにワーク領域上の所定の位置に高精度に光ビームを結像させ、且つテレセントリックに結像させることができる。ここで、ワーク位置とは、ワーク領域すなわち、移動架台4上の紫外線硬化樹脂2が設けられた位置をいう。
以上のように、光造形装置1は、上述のような走査手段12等からなるビームスキャン光学系10により、紫外線硬化樹脂2上の所望の微細な描画を可能とし、これにより高精度に所望の形状の硬化層を得ることができ、よって、高精細な造形を実現する。
尚、このビームスキャン光学系10は、所望の断面形状データに応じて、図6(a)に示すように、断面形状を所定の一方向に往復して直線状にスキャンするラスタースキャンと、図6(b)に示すように、境界部(エッジ部)等をスムーズに曲線状にスキャンするベクタースキャンとを適宜切り換えて、図6(c)に示すように併用してラスター・ベクター併用スキャンを行うことが可能である。
また、光造形装置1は、上述したビームスプリッタ31とともに、フォーカス検出光学系30を構成するために、紫外線硬化樹脂2の硬化層形成面に照射され反射された光ビーム(以下、「反射光」ともいう。)を検出するための反射光検出手段として光検出器32と、このビームスプリッタ31と光検出器32と間に設けられ、入射した光ビームに非点収差を付与するためのシリンドリカルレンズ33とを有している。
ところで、上述したように、樹脂貯留槽3は、例えば、1.2mm程度の厚みの石英ガラスにより形成されることにより、その底部のワーク領域に対応する部分が透過部3aとして機能することとなり、描画用の第1の光源11から出射された光ビームを透過させて、上述したビームスキャン光学系10による硬化層の形成を可能とするとともに、上述したように液面規制板として機能して、すなわち移動架台4等との間の紫外線硬化樹脂2の硬化層形成面の揺動等を規制する。
尚、ここでは、樹脂貯留槽3の全部を石英ガラスにより形成するように構成したが、これに限られるものではなく、例えば、その底部全面若しくは底部のうち少なくともワーク領域に対応する部分が、石英ガラス、ガラス等のある程度の強度を有するとともに描画用(露光用)の光ビームに対して高い透過率を有する材料により形成されていればよい。また、樹脂貯留槽3の底部の厚みは、上述した1.2mmに限られるものではないが、紫外線硬化樹脂2を貯留するのに足りる強度を有するとともに描画用の光ビームに対して十分な透過率を有する程度に設定する必要がある。
また、この液面規制板としての透過部3aには、図7に示すように、その紫外線硬化樹脂2側、すなわち上面側に、描画用光源としての第1の光源11から放射され導かれた光ビームの一部を反射し、残りの大部分を透過させる反射コーティング膜7が形成されている。
この反射コーティング膜7は、例えば、石英ガラス基板3bの上面に、クロムメッキを所定の厚さで施すことにより形成されている。尚、ここで、この反射コーティング膜7は、密着性が優れるクロムメッキにより形成するように構成したが、これに限られるものではなく、例えば、窒化シリコン(SiN)等を膜厚150nm以下程度により形成するように構成してもよく、また、誘電体多層膜コーティング等の複数種類の層を積層して形成するように構成してもよく、上述したように描画用の光ビームを一部をフォーカス検出用として反射し、残りの大部分を露光用として透過させるような構成であればよい。尚、この反射コーティング膜7によるフォーカス検出用の光ビームに対する反射率としては0.5%程度以上あれば確実且つ正確にフォーカス検出を行うことが可能である。
このように液面規制板としての透過部3aは、上述のような反射コーティング膜7を有することにより、描画用の光ビームの一部を透過部3aと紫外線硬化樹脂2との界面においてフォーカス検出用として反射させることができ、以下で説明するように紫外線硬化樹脂2の硬化層形成面の位置を正確に検出して、すなわち、フォーカス状態を検出することができるとともに、残りの大部分を露光用としてを透過して紫外線硬化樹脂の硬化層形成面に導くことができる。
すなわち、樹脂貯留槽3の底部に設けられた透過部3aにおいて、反射コーティング膜7を設けなかった場合には、フォーカス検出用の光ビームの透過部3aと紫外線硬化樹脂2との界面からの反射光が、透過部3aと紫外線硬化樹脂2との屈折率差が小さいことから小さくなってしまい、フォーカス検出を行うことができないおそれがあるとともに、透過部3aの下面である空気との界面からの反射光の方が本来検出すべき透過部3aの上面である紫外線硬化樹脂2との界面からの反射光よりも大きくなりフォーカス検出を正確に行うことができないおそれがあった。ここで、透過部3aを十分な均一な厚さで形成することにより、透過部3aの下面である空気との界面からの反射光をモニターすることでフォーカス検出を行うという方法も考えられるが透過部3aの厚さが十分均一といえない場合も多い。
その一方で、上述したような本発明を適用した光造形装置1を構成する透過部3aは、反射コーティング膜7を有することにより、確実に、その紫外線硬化樹脂2との界面においてフォーカス検出用の光ビームを所定の強度で反射させることができ、確実で正確なフォーカス検出を可能とする。
尚、ここで説明した樹脂貯留槽3の透過部3aは、上述したものに限られるものではなく、例えば図8に示すように、反射コーティング膜7の上面にさらに、剥離コーティング膜7Cを設けるように構成してもよく、また、光ビームの入射側である下面側に減反射コーティング膜7Dを設けるように構成してもよい。ここで設けられる剥離コーティング膜7Cは、例えばフッ素コーティング等であり、この剥離コーティング膜7Cを設けることにより、任意の硬化層の造形が終了したときに、その底部である透過部3aから形成された硬化層の剥離が容易となる。また、減反射コーティング膜7Dは、描画用の光ビームの透過部3aの入射側の面である下面での反射を防止することができるものであり、この減反射コーティングを設けることにより、描画用の光ビームの光利用効率を高めることができ、及び/又は透過部3aと紫外線硬化樹脂2の界面からの反射光に透過部3aと空気との界面からの反射光が混じってしまうことを防止して正確なフォーカス検出を行うことができる。尚、図8では、剥離コーティング膜7C及び減反射コーティング膜7Dを同時に設ける例について説明したが、いずれか一方を設けるように構成してもよい。
また、フォーカス検出光学系30の反射光検出手段としての光検出器32は、透過部3aと紫外線硬化樹脂2の界面で反射され、対物レンズ42、反射ミラー41、第2のリレーレンズ24、第2のガルバノミラー22、第1のリレーレンズ23及び第1のガルバノミラー21を経由して、ビームスプリッタ31で反射されシリンドリカルレンズ33により非点収差を付与された反射光を受光することにより、フォーカス状態を検出して、上述したフォーカス調整レンズ16によりフォーカス状態を調整することによりフォーカス補正を行うことができる。
具体的に、ビームスプリッタ31、シリンドリカルレンズ33及び光検出器32からなるフォーカス検出光学系30は、以下に説明する非点収差法によりフォーカス補正用の信号を検出する。フォーカス検出光学系30において、図9に示すように、シリンドリカルレンズ33により非点収差を付与された反射光は、ジャストフォーカスの位置よりも手前側で焦線Bを形成するとともに、ジャストフォーカスの位置よりも奥側で焦線Aを形成する。尚、図9は、ビームスプリッタ31によりフォーカス検出光学系30に導かれた光ビームがシリンドリカルレンズ33を通過した後の状態を説明するための模式図であり、図9中x平面がジャストフォーカスの位置を示し、焦線Bは、シリンドリカルレンズ33により付与される非点収差の方向であるx方向に結像した位置を示し、焦線Aは、x方向に直交するy方向に結像した位置を示すものとする。
その一方で、上述した光検出器32は、図10(a)及び図10(b)に示すように、x方向及びy方向に対してそれぞれ略45度傾斜した分割線により4分割された受光領域D1,D2,D3,D4を有する受光部32aと、この受光部32aにより受光された光量に基づいて検出信号を生成するための加算器32b,32c及び減算器32dとを有している。加算器32bは、受光領域D1,D3からの検出信号を加算して減算器32dに出力し、加算器32cは、受光領域D2,D4からの検出信号を加算して減算器32dに出力し、減算器32dは、加算器32bからの信号から加算器32dからの信号を減算してフォーカス検出信号として出力する。このように、光検出器32は、各受光領域D1,D2,D3,D4により検出した信号強度をD1,D2,D3,D4とすると、非点収差方式のフォーカス検出信号FEは、加算器32b,32c及び減算器32dにより、FE=(D1+D3)−(D2+D4)として算出される。
そして、図11(a)及び図11(b)に示すように、戻り光が前焦線Bと後焦線Aの中間位置であるジャストフォーカスの位置Jで検出される場合には、受光部32a上のスポット形状が略円形であるため、FE=0となる。また、図11(a)及び図11(c)に示すように、戻り光が前焦線Bとジャストフォーカス位置Jとの間の位置Nで検出される場合には、受光部32a上のスポット形状が図11(c)に示すような楕円形状とされ、FE<0となり、対物レンズ42が硬化層形成面に対して近すぎる状態であること、すなわちジャストフォーカスの状態に対して手前側の位置で反射していることが検出できる。また、図11(a)及び図11(d)に示すように、戻り光がジャストフォーカス位置Jと後焦線Aとの間の位置Fで検出される場合には、受光部32a上のスポット形状が図11(d)に示すような楕円形状とされ、FE>0となり、対物レンズ42が硬化層形成面に対して遠すぎる状態、すなわちジャストフォーカスの状態に対して奥側の位置で反射していることが検出できる。光検出器32は、上述のような反射光の状態に応じてフォーカス状態を検出できる。以上のようにフォーカス検出光学系30は、光検出器32に入射する光ビームの状態を検出することで透過部3aと紫外線硬化樹脂2との界面、すなわち硬化層形成面の垂直方向の位置を正確に検出することができる。
尚、ここでは、非点収差法を用いてフォーカス検出を行うように構成したが、三角法等によりフォーカス検出を行うように構成してもよい。三角法等を用いる場合には、ポジションセンシングデバイス(PSD)等を設けるとともに、戻りの光ビーム(反射光)が往路の光ビームに対して僅かに角度を有するように形成し、この往路の光ビームから戻りの光ビームへの距離をPSD等により検出することにより、フォーカス補正用の信号を検出するようにしてもよい。
このように、光造形装置1は、移動架台4との間に所定の厚みの硬化層形成面を形成するとともに硬化層形成面の光硬化性樹脂の揺動を規制する液面規制板として機能する透過部3aに反射コーティング膜7が設けられ、この硬化層形成面に対して透過部3a側から描画用の光ビームを入射させ、この反射コーティング膜7によりその一部をフォーカス検出用として反射させ、残りの大部分を露光用として透過させて硬化層形成面の紫外線硬化樹脂2に導く構成と、フォーカス検出光学系30として光検出器32等の反射光検出手段、ビームスプリッタ31及びシリンドリカルレンズ33を備える構成により、硬化層形成面の位置を正確且つ確実に検出することができ、すなわち、例えば樹脂貯留槽3の底部である透過部3aの厚みが均一でない場合や、樹脂貯留槽3に貯留される紫外線硬化樹脂2の量に対応して透過部3aが撓んだ場合や、この撓みにより水平面内における透過部3aの垂直方向の位置が異なる場合にも、正確且つ確実に界面の位置を検出して硬化層形成面の位置を検出することを可能とする。
ここで、このフォーカス検出光学系30により得られたフォーカス検出信号に基づいて、上述したビームスキャン光学系10のフォーカス調整レンズ16によるフォーカス調整について詳細に説明する。
ビームスキャン光学系10に設けられたフォーカス調整レンズ16は、例えば、所謂ガリレオタイプビームエキスパンダからなり、具体的には、入射側に配置され固定された第1のレンズ16aと、出射側に配置され光軸方向に移動可能に設けられた第2のレンズ16bとからなる。このフォーカス調整レンズ16には、検出されたフォーカス状態に基づいて第2のレンズ16bを移動させるフォーカス調整用駆動部25が設けられている。
フォーカス調整レンズ16は、光検出器32により得られたフォーカス検出信号に基づいて後述する制御部101で生成されたフォーカス補正信号に基づいてフォーカス調整用駆動部25により駆動されることによりフォーカス状態を調整する。
すなわち、フォーカス調整レンズ16は、第1のレンズ16aに入射した入射光ビームB0を第1のレンズ16aにより一旦集光した後に第2のレンズ16bを通過することにより図12(b)に示すような平行光B1の状態で出射させる状態から、フォーカス調整用駆動部25により、図12(a)に示すように、第2のレンズ16bを第1のレンズ16aから離間させる方向に移動させることにより、このフォーカス調整レンズ16から出射される光ビームを収束光B2の状態とすることができる。また、フォーカス調整レンズ16は、図12(b)に示す状態から、図12(c)に示すように、第2のレンズ16bを第1のレンズ16aに近接させる方向に移動させることにより、このフォーカス調整レンズ16から出射される光ビームを発散光B3の状態とすることができる。
そして、フォーカス調整レンズ16は、対物レンズ42に収束光を入射させることにより平行光を入射させた状態に比べて合焦位置(フォーカス)を対物レンズ42に近接させることができ、対物レンズ42に発散光を入射させることにより平行光を入射させた状態に比べて合焦位置を対物レンズ42から離間させることができる。このように、フォーカス調整レンズ16は、通過する光ビームを所定の角度の収束光、平行光及び発散光に調整することにより対物レンズ42により紫外線硬化樹脂2に結像される光ビームのフォーカス状態を調整することができる。
このように、光造形装置1は、フォーカス検出光学系30により硬化層形成面の位置を正確に検出するとともに、この得られた検出信号に基づいてビームスキャン光学系10のフォーカス調整レンズ16によりフォーカス調整を行うことで、描画用の光ビームを紫外線硬化樹脂2の硬化層形成面上に適切なスポット径で集光させることができ、高精度な光造形を行うことができる。
また、光造形装置1は、フォーカス検出光学系30により正確なフォーカス状態をリアルタイムに検出することができるので、形成する硬化層の形状に応じてスポット径を変化させるように構成することを可能とする。すなわち、光造形装置1は、後述の制御部101により例えば、目標となる造形物の輪郭部分等の精細な露光が必要な部分についてはスポット径を小さくさせて描画することにより精細な造形を行うようにし、目標となる造形物の中心部分等の露光についてはスポット径を大きくさせて描画することにより高速な造形を行うように構成してもよく、これにより、高速且つ高精細な光造形を可能とする。
尚、この反射光検出手段である光検出器32によるフォーカス検出及びフォーカス調整レンズ16によるフォーカス補正は、常時行うように構成してもよく、また、少なくとも各硬化層を形成する毎、すなわち、移動架台4を垂直方向Zに移動させる毎に行うように構成してもよい。
ところで、本発明を適用した光造形装置1は、データベース、プログラム等が格納されたハードディスク、データがロードされるRAM(Random Access Memory)、演算を行うCPU(Central ProcessingUnit)等を有した制御装置100を備えている。
この制御装置100は、図13に示すように、各種データの処理や、各光学部品等を制御する制御部101と、制御部101に3次元形状データ等を入力するための入力部102と、制御部101を操作するための操作部103とを備えている。
制御部101は、図13に示すように、第1の光源11に対してレーザー制御を行い、シャッタ17に対して光ビームの透過・遮蔽の制御を行い、第1及び第2のガルバノミラー21,22の反射手段の回転駆動制御を行うことにより、ビームスキャン光学系10の微細描画の制御を行う。
また、制御部101は、所定の高さの硬化層の積層が完了したら、移動架台4を制御して、移動架台4を所定量だけ垂直方向Zに上昇させてワーク領域のZ方向の位置を変更して、形成層を変更する。
さらに、制御部101は、光検出器32で検出されたフォーカス検出信号を受け、このフォーカス検出信号に基づいてジャストフォーカスの状態からずれたときのずれ量を補正するためのフォーカス補正信号を生成して、フォーカス調整用駆動部25に出力することで、フォーカス調整レンズ16を光軸方向に移動させてフォーカス補正を行いフォーカス状態の調整を行うことができ、より一層の高精細な造形を実現する。
本発明を適用した光造形装置1は、紫外線硬化樹脂2を貯留する樹脂貯留槽3と、硬化層を保持するとともに少なくとも紫外線硬化樹脂2の液面に対して直交する方向に移動される移動架台4と、移動架台4の下面、又はこの下面に形成された硬化層との間に所定の厚みの硬化層形成面を形成するとともに、硬化層形成面の紫外線硬化樹脂2の揺動を規制する液面規制板としての透過部3aと、透過部3aを介して硬化層形成面上の紫外線硬化樹脂2を描画することにより硬化層を形成するための所定の波長の光ビームを放射する描画用光源として第1の光源11と、第1の光源11から放射された光ビームを紫外線硬化樹脂2に走査させる走査手段12とを備え、透過部3aには、第1の光源11から放射される光ビームの一部を反射する反射コーティング膜7が形成され、反射コーティング膜7で反射された光ビームを光検出器32等の反射光検出手段で検出することにより走査手段12により走査される光ビームのフォーカス状態を調整することにより、描画用の光ビームを紫外線硬化樹脂2の硬化層形成面上に適切なスポット径で集光させることができ、造形精度を向上させ高精細な光造形を行うことを実現する。すなわち、本発明を適用した光造形装置1は、描画用の光ビームの一部を硬化層形成面である透過部3aと紫外線硬化樹脂2の界面で一部反射させてこの反射光を用いて正確にフォーカス検出を行うとともにこの検出結果に応じて描画用の光ビームにより適切なスポット径で光硬化性樹脂の露光を行うことにより高精細な立体造形を実現する。
また、本発明を適用した光造形装置1は、描画用の光ビームの一部をフォーカス検出に用いることにより、実際に描画を行う際に実際に描画を行う場所におけるフォーカス検出をリアルタイムに行うことを可能とし、すなわち、より正確なフォーカス検出を行うことができるので、より高精細な立体造形を実現する。
また、本発明を適用した光造形装置1は、硬化層形成面の紫外線硬化樹脂の揺動を抑制するとともに、第1の光源11から放射された光ビームを透過させる液面規制板としての透過部3aを有する所謂液面規制法を用いた光造形装置であり、紫外線硬化樹脂の液面が空中に露出した所謂自由液面法を用いた光造形装置が造形時の硬化層の精度が液面の表面精度で決まっていることから高精度化に限界があったのに比べて、空中に樹脂液面を露出する代わりに、樹脂の硬化層形成面に液面規制板を配置することにより液面の平滑度を向上させることで硬化層の精度を向上させ、すなわち高精細な立体造形を実現する。さらに、本発明を適用した光造形装置1は、上述の液面規制法を用いたものであるとともに、第1の光源11から放射される光ビームが、紫外線硬化樹脂に対して液面規制板としての透過部3a側から導かれ、この透過部3aの紫外線硬化樹脂2側である上面側に、描画用の光ビームの一部を反射し、残りの大部分を透過させる反射コーティング膜7が形成されていることにより、液面規制法を用いた場合に問題となり得る液面規制板の紫外線硬化樹脂2との界面(上面)からの反射光よりも、液面規制板の光入射側である空気側の面(下面)からの反射光が大きいことにより正確なフォーカス検出を行えないといった問題を解消し、すなわち、正確に紫外線硬化樹脂2との界面、すなわち硬化層形成面の位置を検出して、正確なフォーカス状態を検出することを実現する。
さらに、本発明を適用した光造形装置1は、この反射コーティング膜7を、クロムメッキ、窒化シリコン(SiN)又は、誘電体多層膜により形成されていることにより、例えば波長375nm程度の描画用の光ビームに対して一部をフォーカス検出用として反射し、残りの大部分を露光用として透過させることにより、簡易な構成で正確にフォーカス検出を行うとともに硬化層を形成することができ、高精細な立体造形を実現する。
さらにまた、本発明を適用した光造形装置1は、ワーク領域上をX方向及びY方向に走査させるための第1及び第2のガルバノミラー21,22と、対物レンズ42と、第1のガルバノミラー21と第2のガルバノミラー22との間に設けられる第1のリレーレンズ23と、第2のガルバノミラー22と対物レンズ42との間の光路上に設けられる第2のリレーレンズ24とを備え、ワーク領域の紫外線硬化樹脂2上に垂直方向に入射させテレセントリックに結像させる構成としていることにより、形成される硬化層の積層断面が斜めになることなく垂直に積層させることができ、高精細な立体造形を行うことを実現するとともに、テレセントリックに結像させる構成によりワーク領域の全域における反射光を用いたフォーカス検出・フォーカス制御を正確且つ確実に行うことができ、さらに高精細な立体造形を実現する。
尚、上述の光造形装置1は、光ビームを紫外線硬化樹脂2上に走査して硬化層を形成するビームスキャン光学系10を備えるとともに、紫外線硬化樹脂2の硬化層形成面におけるフォーカス状態を検出するフォーカス検出光学系30を有することにより高精細な光造形を行うものとして説明したが、本発明を適用する光造形装置はこれに限られるものではなく、例えば、フォーカス検出光学系を有するとともに、光造形を高精細且つ光束に行うための上述のようなビームスキャン光学系に加えて、造形時間を短縮化するために空間光変調器(SLM(Spatial Light Modulator))を有したSLM投影光学系を備え各層のパターンを紫外線硬化樹脂に投影して各硬化層を形成する所謂一括露光光学系を有するものとして構成してもよい。
次に、図14に示すように、ビームスキャン光学系及び一括露光光学系を有する光造形装置51について説明する。尚、以下の説明において、上述した光造形装置1と共通する部分については、共通の符号を付すとともに詳細な説明は省略する。
尚、以下で説明するビームスキャン光学系及び一括露光光学系を有する光造形装置51は、ビームスキャン光学系の、使用波長やレンズ系の構成を変更しスポット径を小さくすることにより高精細の造形を可能とする一方で、光源の強度に限界があり且つ基本的には1本の光ビームを走査して描画を行うので、比較的大きな領域に光ビームを照射し面積の広い硬化層を形成するには非常に多大な時間を必要とするため、大きな領域の硬化層を形成するには不向きであるという特徴と、一括露光光学系の、1本の光ビームをビームスキャンで描画するのではないので、光源として例えばアレイ状のものを使用することが可能となり、光源を強くすることができるので露光時間を短くすることを可能とする一方で、空間光変調器の画素数等により精度が決定されるため精度に限界があり、各硬化層のエッジ部をきれいに形成することができず、すなわち、高精細の造形には不向きであるという特徴とに鑑み、後述のように、その長所を兼ね備え、互いの短所を補うことで、比較的大きな造形物を高精細に造形することを実現するものである。
具体的に、光造形装置51は、図1に示すように、紫外線硬化樹脂2を貯留する樹脂貯留槽3と、この樹脂貯留槽3内に浸漬され形成される硬化層2aを下面側に保持するとともに少なくとも垂直方向Zに移動可能とされる移動架台4と、この紫外線硬化樹脂2上に光を照射するためのビームスキャン光学系10、後述する一括露光光学系60及びフォーカス検出光学系30を有する光学系55とを有する。
そして、光造形装置51は、光学系55により光を照射し移動架台4の下面に硬化層を形成する動作と、この移動架台4を垂直方向Zに上方に移動する動作とを順次繰り返すことにより立体造形を行う。尚、一層目の硬化層が形成される場合には、移動架台4の下面と、透過部3aの上面との間の所定の隙間が形成された領域が、硬化層形成面となり、上述の硬化層が形成された後には、移動架台4の下面に形成された硬化層と、透過部3aの上面との間の所定の隙間が形成された領域が、硬化層形成面となる。
樹脂貯留槽3の透過部3aは、上述したように、液面規制板として機能し、この液面規制板としての透過部3aを有する光造形装置51は、硬化層形成面の紫外線硬化樹脂2の振動、揺動等を規制することにより形成される硬化層及び最終的に形成される立体造形物の精度を高め、すなわち高精細の立体造形を可能とする。
また、光造形装置51は、後述の移動手段56により移動架台4と光学系55との水平面内における相対的な位置を変化させることにより、移動架台4及び光学系55を固定した状態で硬化層を形成可能な領域より大面積の硬化層を形成することが可能であり、すなわち、大きな造形物を形成することが可能である。
この光造形装置51は、図14に示すように、ビームスキャン光学系10用として、紫外線硬化樹脂2上に光を描画するための光ビームを放射する描画用光源(ビームスキャン用光源)として第1の光源11と、第1の光源11から放射された光ビームを紫外線硬化樹脂2上に走査させる走査手段12とを備え、また、一括露光光学系60用として、紫外線硬化樹脂2上の一定領域毎に照射される光を放射する一括露光用光源として第2の光源61と、第2の光源から放射された光ビームを紫外線硬化樹脂2上の所定領域を一括露光させる空間光変調手段(SLM(Spatial Light Modulator))62とを備え、さらに、走査手段12により走査される光ビームと、空間光変調手段62により空間変調される光とを合成して紫外線硬化樹脂2上に導く光路合成手段としてビームスプリッタ43を備える。
また、光造形装置51は、上述した光造形装置1と同様に、第1の光源11と走査手段12とともに、ビームスキャン光学系10を構成するために、コリメータレンズ13と、アナモルフィックレンズ14と、ビームエキスパンダ15と、フォーカス調整レンズ16と、シャッタ17とを備える。
ここで、上述と同様に、フォーカス調整レンズ16と、シャッタ17との間には、第1の光源11から放射された光ビームを透過させるとともに、紫外線硬化樹脂2で反射された戻り光を検出するための後述する反射光検出手段としての光検出器32に導くためのビームスプリッタ31が設けられている。このビームスプリッタ31は、上述したのと同様にフォーカス検出光学系30を構成する。
尚、ここで用いられる走査手段12の構成は、上述した光造形装置1の場合と同様であり、また、この走査手段12に設けられる各構成部品の機能は、上述した光造形装置1の場合に比べて、第2のリレーレンズ24と対物レンズ42との間に設けられた反射ミラー41に換えてビームスプリッタ43が設けられていることを除いて同様であり、すなわち、第2のリレーレンズ24からの光ビームをビームスプリッタ43を介して対物レンズ42に導くことを除いて同様であるのでここでは詳細な説明を省略する。また、このビームスプリッタ43は、上述した反射ミラー41と同様に、第1の光源11から放射された描画用の光ビームを対物レンズ42側に導くとともに、この光ビームが硬化層形成面で一部反射されて得られるフォーカス検出用の反射光を反射して光検出器32に導くという機能も有する。
尚、光造形装置51において、対物レンズ42は、後述の一括露光光学系60からの空間変調された光を紫外線硬化樹脂2上に結像させる。また、光造形装置51におけるワーク領域の大きさは、後述の一括露光光学系60の空間光変調手段62等によっても決定される。
また、光造形装置51においても、上述の光造形装置1の場合と同様に、対物レンズ42の物側焦点位置をビームスプリッタ43の反射透過面43aに一致して配置されるように構成したが、厳密に一致させる必要はなく、ビームスプリッタ43自体が大きくなりすぎない程度に、反射透過面43aの近傍に物側焦点位置が位置するように配置されていればよい。すなわち、ビームスキャン光学系10及び一括露光光学系60からの光ビーム及び光が全て反射透過面43aを通過(透過又は反射)させる必要性があることからビームスプリッタ43が大きくなりすぎない程度に、反射透過面43aの近傍に対物レンズ42の物側焦点位置が位置するようにすればよい。
また、光造形装置51において、第1及び第2のリレーレンズ23,24は、後述の一括露光光学系60との光路の合成が必要なことから、ビームスプリッタ43を配置し、このビームスプリッタ43より紫外線硬化樹脂2側に対物レンズ42を配置する必要、及びこのビームスプリッタ43より第1の光源11側に第1及び第2のガルバノミラー21,22を配置する必要から、この第1及び第2のガルバノミラー21,22及びビームスプリッタ43とがガルバノミラーの反射手段の回転により物理的に衝突してしまうことを防止することができる、すなわち、衝突してしまう範囲より距離を離間させることを可能とする。
尚、ここで、ビームスプリッタ43を配置するのは、ビームスキャン光学系10と後述の一括露光光学系60の照射光路を一致させるためであり、このようなビームスプリッタ43により光路合成することにより、ワーク領域に対して両光学系ともに垂直方向から光ビーム及び光を照射して、垂直方向から傾斜した斜め方向から照射されることにより各硬化層に傾斜面が形成されてしまうことを防止して、高精細な造形を実現するためである。尚、ここで、上述したのと同様に、フォーカス検出光学系30においてもフォーカス検出用の光ビームを所定の位置、方向から照射して、正確なフォーカス検出を行うことを可能とする。
また、ビームスプリッタ43より紫外線硬化樹脂2側に対物レンズ42を配置する必要があるのは、対物レンズ42をビームスプリッタ43より手前に配置してしまうと、ビームスプリッタ43が大きくなってしまうからであり、また、ビームスプリッタ43より紫外線硬化樹脂2側に対物レンズ42を配置することにより、対物レンズ42から紫外線硬化樹脂2までの距離が大きくなることによる走査される光ビームの照射位置の誤差等の問題が発生するおそれを防止できるからである。
光造形装置51のビームスキャン光学系10は、第1の光源11から放射された光ビームを、コリメータレンズ13で略平行とし、アナモルフィックレンズ14でビーム整形し、ビームエキスパンダ15でビーム径を調整し、フォーカス調整レンズ16によりフォーカス状態を調整し、第1及び第2のリレーレンズ23,24で対物レンズ42の前側焦点位置を通過するようにされた状態で第1及び第2のガルバノミラー21,22によりX方向及びY方向に走査されるように偏向して、ビームスプリッタ43により対物レンズ42側に導かれて、対物レンズ42により紫外線硬化樹脂2上の所望の位置に走査されるとともに集光されて微細領域を照射するとともに描画して硬化層を形成する。
この際、従来の一般的なビームスキャン方式の光造形装置ではX方向のガルバノミラーとY方向のガルバノミラーとを互いに近接して配置し、2次元スキャンを行うものが多いが、上述の光造形装置51は、後述の一括露光光学系60と合成する必要があるので、第1のリレーレンズ23でX方向に第1のガルバノミラー21で偏向された光ビームを第2のガルバノミラー22上に結像し、さらにY方向に第2のガルバノミラー22で偏向された光ビームを第2のリレーレンズ24で対物レンズ42の物側焦点上に結像する構成としている。
換言すると、対物レンズ42は、第1及び第2のガルバノミラー21,22とワーク位置との間に、後述する一括露光光学系60と合成するためのビームスプリッタ43を設ける必要があることから、ビームスプリッタ43とワーク位置との間に設けられており、第1及び第2のリレーレンズ23,24は、この第1及び第2のガルバノミラー21,22とワーク位置との距離が遠くなった場合にも第1及び第2のガルバノミラー21,22並びにワーク領域上の所定の位置に高精度に光ビームを結像させ、且つテレセントリックに結像させることができる。ここで、ワーク位置とは、ワーク領域すなわち、移動架台4上の紫外線硬化樹脂2が設けられた位置をいう。
以上のように、光造形装置1は、上述のような走査手段12等からなるビームスキャン光学系10により、紫外線硬化樹脂2上の所望の微細な描画を可能とし、これにより高精度に所望の形状の硬化層を得ることができ、よって、高精細な造形を実現する。尚、このビームスキャン光学系10は、上述したのと同様に、ラスタースキャン、ベクタースキャン又はラスター・ベクター併用スキャンを行うことが可能である。
また、光造形装置51は、光造形装置1と同様に、上述したビームスプリッタ31とともに、フォーカス検出光学系30を構成するために、紫外線硬化樹脂2の硬化層形成面に照射され反射された光ビームを検出するための反射光検出手段として光検出器32と、このビームスプリッタ31と光検出器32と間に設けられ、入射した光ビームに非点収差を付与するためのシリンドリカルレンズ33とを有している。
尚、この光造形装置51に設けられるフォーカス検出光学系30を構成するビームスプリッタ31、光検出器32及びシリンドリカルレンズ33の構成、及び各構成部品の機能及び効果は、上述した光造形装置1の場合と同様であるので、詳細な説明は省略する。また、光造形装置51において、樹脂貯留槽3の底部に設けられた透過部3aについても、図7及び図8を用いて説明した光造形装置1と同様の構成とされ、すなわち、この透過部3aは、液面規制板として機能するとともに、この透過部3aには、反射コーティング膜7が設けられている。
このようなフォーカス検出光学系30を備える光造形装置51は、液面規制板として機能する透過部3aに反射コーティング膜7が設けられ、硬化層形成面に対して透過部3a側から描画用の光ビームを入射させ、この反射コーティング膜7によりその一部をフォーカス検出用として反射させ、残りの大部分を露光用として透過させて硬化層形成面の紫外線硬化樹脂2に導く構成と、フォーカス検出光学系30として光検出器32等の反射光検出手段、ビームスプリッタ31及びシリンドリカルレンズ33を備える構成により、硬化層形成面の位置を正確且つ確実に検出することができる。
また、光造形装置51において、このフォーカス検出光学系30により得られたフォーカス検出信号に基づく、ビームスキャン光学系10のフォーカス調整レンズ16によるフォーカス調整については、上述した光造形装置1の場合と同様であるので詳細な説明は省略する。
光造形装置51は、フォーカス検出光学系30により硬化層形成面の位置を正確に検出するとともに、この得られた検出信号に基づいてビームスキャン光学系10のフォーカス調整レンズ16によりフォーカス調整を行うことで、描画用の光ビームを紫外線硬化樹脂2の硬化層形成面上に適切なスポット径で集光させることができ、高精度な光造形を行うことができる。
また、光造形装置51は、フォーカス検出光学系30により正確なフォーカス状態をリアルタイムに検出することができるので、形成する硬化層の形状に応じてスポット径を変化させるように構成することを可能とする。すなわち、光造形装置1は、後述の制御部101により例えば、目標となる造形物の輪郭部分等の精細な露光が必要な部分についてはスポット径を小さくさせて描画することにより精細な造形を行うようにし、目標となる造形物の中心部分等の部分についてはスポット径を大きくさせて描画することにより高速な造形を行うように構成してもよく、これにより、高速且つ高精細な光造形を可能とする。
尚、光造形装置51におけるこの反射光検出手段である光検出器32によるフォーカス検出及びフォーカス調整レンズ16によるフォーカス補正は、常時行うように構成してもよく、また、少なくとも各硬化層を形成する毎、すなわち、移動架台4を垂直方向Zに移動させる毎に行うように構成してもよく、さらに、後述のステップ&リピート動作の際の所定の分割領域毎、すなわち、移動架台4を水平方向X,Y及び/又は垂直方向Zに移動させる毎に行うように構成してもよい。
また、光造形装置51は、上述した第2の光源61と空間光変調手段62とともに、一括露光光学系60を構成するために、所定の偏光光とするための偏光板63と、通過する光を均一化するためのビームインテグレータ64と、ビームインテグレータ64からの光を空間光変調手段62に導く反射手段65と、空間光変調手段62で空間光変調された光を対物レンズ42の前焦点に集光するための集光レンズ66とを備える。
ここで、第2の光源61と、偏光板63との間には、紫外線硬化樹脂2に照射する光の通過・遮蔽を制御し、すなわち、一括露光光学系60による露光のオン・オフ制御をするためのシャッタ67が設けられている。
一括露光光学系60に用いられる一括露光用光源としての第2の光源61は、紫外線硬化樹脂2の硬化層形成面の面内における一定領域毎に照射される光を放射するものであり、例えば、高出力な青色LED(Light Emitting Diode)のアレーである。尚、一括露光用光源は、ビームスキャン用光源とは、異なりコヒーレントなレーザ光源を用いる必要はない。この第2の光源61であるLEDアレーから放射された光は、ビームインテグレータ64で均一化される。
ビームインテグレータ64としては、複数のレンズエレメントを配列してなるフライアイタイプや、四角柱等の柱状のロッドレンズの内部を全反射させる構成としてライトロッドタイプ等の一般的なものを用いることが可能である。このようなビームインテグレータ64を通過した光は、後述する透過型液晶素子68を均一に照射する。
光造形装置1の空間光変調手段62として、例えば、重ね合わされた2枚の透明基板と、この透明基板間に封入された液晶からなる液晶層と、透明電極とを有する透過型液晶素子68が用いられる。この透過型液晶素子68は、各画素毎に駆動信号に基づいて投影しようとする画像に対応して液晶の分子の配列を変えて透過する偏光方向を変化させることで通過する光を空間変調し、所望の投影光を紫外線硬化樹脂2上に投影することができる。ここで、投影しようとする画像とは、一括露光をしようとする形状に対応した光となるような投影光をいう。尚、ここでは、空間光変調手段62として、透過型液晶素子を用いるものとして説明したが、これに限られるものではなく、入力信号に応じて傾き角度が変化する微小な反射ミラーを複数配列してなるデジタルミラーマイクロデバイス(DMD)や、反射型液晶素子(LCOS)等を用いて構成してもよい。デジタルミラーマイクロデバイス(DMD)を用いる場合には、各マイクロミラーが後述する1画素に対応する。
ここでは、透過型液晶素子68の画素数として、縦横1000×1000からなる100万画素のものを用い、集光レンズ66及び対物レンズ42を通過したワーク領域上での1画素毎に対応する大きさを約10μm×10μm程度とするようにすることで、この透過型液晶素子68を有する一括露光光学系60は、1画素毎に対応した一定領域毎(10μm×10μm)に1cm×1cmの領域内の一括して露光すべき所定領域を一括露光することが可能となる。このように、この空間光変調手段としての透過型液晶素子68により一括して露光可能な1cm×1cmの領域が上述したワーク領域となる。尚、画素数を増加させることで、上述した1画素に対応した一定領域を小さくして一括露光の精度を高めることも可能であり、また、集光レンズ66及び対物レンズ42の構成を変えることでワーク領域の大きさを変更することも可能である。さらに、空間光変調手段62は、形成すべき所望の形状データに応じて各層毎又は後述の各分割領域毎に、使用画素数を変化させたり、投影サイズを変化させるように構成してもよい。
また、この光造形装置1では、空間光変調手段62として透過型液晶素子68を用い、この透過型液晶素子68に所定の偏光光で入射するために上述の偏光板63を用いるように構成したが、他の方法により所定の偏光光で入射するように構成してもよい。
集光レンズ66は、空間光変調手段62と、ビームスプリッタ43との間に設けられ、対物レンズ42とともに、空間光変調手段62で変調された光を紫外線硬化樹脂2上に結像するための投影光学系として機能する。また、集光レンズ66は、空間光変調手段62により空間変調された光が対物レンズ42を通過する際のディストーションを補正するレンズ群により構成され、上述の投影光学系として機能するのみならず、ディストーションを最大限低減させることができる。換言すると、集光レンズ66は、後述のようにビームスキャン光学系10と一括露光光学系60とを合成する必要があることから、一括露光光学系60による光がビームスキャン光学系10のfθレンズ等の対物レンズ42を通過してしまうことにより発生してしまうディストーションを防止することができる。
以上のような、第2の光源61と、透過型液晶素子等の空間光変調手段62と、偏光板63と、ビームインテグレータ64と、反射手段65と、集光レンズ66と、対物レンズ42とは、一括露光光学系60を構成し、この光造形装置1の一括露光光学系60は、第2の光源61から放射された光ビームを、偏光板63で所定の偏光光とし、ビームインテグレータ64で均一化し、空間光変調手段62である透過型液晶素子68で所定の露光を行うような投影光となるように空間変調し、集光レンズ66により対物レンズ42の前焦点位置に集光されて、対物レンズ42により紫外線硬化樹脂2上に所望の露光を行うように照射される。
この際、一括露光光学系60において、空間光変調手段62で空間変調された光は、集光レンズ66でビームスプリッタ43上に、すなわち、対物レンズ42の前焦点位置で集光され、上述したビームスキャン光学系10を経由した走査される光ビームと合成され、対物レンズ42により紫外線硬化樹脂2上に結像されて所定領域に照射される。このとき、集光レンズ66により、ディストーションは最大限に低減されている。
また、空間光変調手段62は、第2の光源61としてLEDのアレーを用いることができることから放射される光の光強度を大きくすることができるので、この空間光変調手段62で空間変調され、集光レンズ66、対物レンズ42により結像される範囲を、光強度に応じた所定の時間で硬化層を形成することができ、高速造形を可能とする。
以上のように、光造形装置51は、上述のような空間光変調手段62等からなる一括露光光学系60により、所望の造形物を得るための各層毎の所望の形状に含まれる領域の紫外線硬化樹脂2上への1画素に対応した一定領域毎からなる所定範囲への大まかな描画すなわち粗描画を行うことを可能とし、これにより一定の範囲の硬化層の形成を一括、すなわち短時間で行うことができ、よって、このような一括描画により高速度な造形を実現する。
また、光造形装置51の一括露光光学系60においても、上述したフォーカス検出光学系30により検出されたフォーカス検出結果に応じて、フォーカス調整可能な構成とされており、以下に一括露光光学系60におけるフォーカス調整について説明する。
上述した空間光変調手段62には、フォーカス調整用の駆動部69が設けられており、具体的にこのフォーカス調整用の駆動部69は、光検出器32により得られたフォーカス検出信号に基づいて後述する制御部101で生成されたフォーカス補正信号に基づいて空間光変調手段62としての透過型液晶素子68を光軸方向に移動させる。
このように、駆動部69及び透過型液晶素子68とは、一括露光光学系60により紫外線硬化樹脂2上に投影される光のフォーカス状態、すなわち、この光の投影サイズを調整するフォーカス調整手段として機能する。すなわち、制御部101からのフォーカス補正信号に基づいて、駆動部69により所定の位置移動された透過型液晶素子68は、対物レンズ42により紫外線硬化樹脂2に投影される光の投影サイズを調整することができる。
このように、光造形装置51は、フォーカス検出光学系30により硬化層形成面の位置を正確に検出するとともに、この得られた検出信号に基づいて一括露光光学系60の駆動部69及び空間光変調手段62からなるフォーカス調整手段によりフォーカス調整、すなわち、投影サイズの調整を行うことで、一括露光用の露光光を紫外線硬化樹脂2の硬化層形成面上に適切な投影サイズで露光することができ、高精度な光造形を行うことができる。
光造形装置51は、ビームスキャン光学系10の走査手段12により走査される光ビームと、一括露光光学系60の空間光変調手段62により空間変調される光とをビームスプリッタ43で光路合成し、対物レンズ42を経由して移動架台4上の紫外線硬化樹脂2に照射することで、高速且つ高精細な造形を実現する。
すなわち、上述のような構成とされた光造形装置51は、走査手段12により走査される光ビームと、空間光変調手段62により空間変調される光とを同時に照射し、又は一方を照射することの双方を可能とし、より高速度な造形を可能とする。
この際、ビームスキャン光学系10及び一括露光光学系60からの光ビーム及び光をビームスプリッタ43で合成していることから、両光学系のいずれを用いる場合にも紫外線硬化樹脂2に対して垂直方向から照射することができるので、硬化層及び造形物が水平方向に対して斜め方向に傾斜してしまうことがなく、高精細な造形を可能とする。
また、光造形装置51は、高速度を実現する一括露光光学系60により、目標とする立体造形物の各層の形状に応じて、大部分一括して露光できる部分に関しては、空間光変調手段62により空間変調される光を照射して高速造形を可能とするとともに、境界部等の高精細な造形を要求される部分に関しては、走査手段12により走査される光ビームを照射して高精細な微細造形を可能とする。
例えば、図15に示すような、目標とする立体造形物の各層の形状である目標二次元形状fがワーク領域内にあった場合、光造形装置1は、空間光変調手段62により空間変調された光により一括露光(一括描画)して、所望の形状の造形物を得るための各層毎の所望の形状より内側の部分であって上述の1画素に対応した各一定領域を組み合わせた部分(以下、「一括描画領域」ともいう。)の粗描画(以下、「一括描画」ともいう。)を行うことで各画素に対応して硬化された部分a11が一又は複数組み合わされてなる光硬化性樹脂の硬化層の大部分a(以下、「一括描画部分」ともいう。)を形成し、走査手段12により走査された光ビームにより、各層毎の所望の形状の境界部分a21と、粗描画された部分と境界部との間の隙間部分a22と(以下、この境界部分と隙間部分とを合わせて「微細描画領域」ともいう。)の微細描画を行うことで光硬化性樹脂の硬化層の微細部分a(以下、「微細描画部分」ともいう。)を形成することができる。
尚、走査手段12等からなるビームスキャン光学系10により微細描画に際しては、図16に示すように、境界部a21及び隙間部分a22をベクタースキャンを繰り返し行うことによって硬化層の微細部分aを形成してもよく、また、図17に示すように、境界部a21をベクタースキャンにより行い、隙間部分a22をラスタースキャンにより行うことで硬化層の微細部分aを形成してもよい。
このように、光造形装置51は、図15に示すような目標二次元形状をビームスキャン方式の従来の光造形装置により形成するよりも短時間で硬化層を形成することができ、一括露光方式の従来の光造形装置により形成するよりも高精度に硬化層を形成することができる。また、光造形装置1は、上述したように、移動架台4を垂直方向Zの下方側に移動させて次に硬化層を形成するための位置にワーク領域が位置するように移動させて、すなわち、形成層を変更する動作を繰り返すことにより立体造形物を形成でき、上述したような高精度な硬化層を短時間で形成することにより、高精度な造形物を短時間で造形することが可能となる。
また、本発明を適用した光造形装置51は、図1に示すように、移動架台4と、上述した走査手段12、空間光変調手段62、ビームスプリッタ43等からなる光学系55との何れか一方を紫外線硬化樹脂2の液面に平行な平面内でX方向及びY方向に移動させる移動手段56を備えている。尚、ここでは、移動手段56は、移動架台4を紫外線硬化樹脂2の液面に平行な平面内で略直交する二軸方向X,Yに駆動させる移動手段とするが、これに限られるものではなく、移動架台4及び光学系55の少なくとも一方を移動させることで相対的な位置を変化させるものであればよい。また、ここでは、移動架台4を樹脂貯留槽3に対しても液面に平行な平面内で移動させるように構成したが、この平面内での移動は、移動架台4と樹脂貯留槽3とを同時に移動させるように構成してもよい。
移動手段56は、例えば移動架台4をX方向及び/又はY方向に移動させ、移動架台4及び光学系55の水平面内における相対的な位置を変化させることにより、光学系55により移動架台4上及びこれに積層された硬化層上に、硬化層を形成可能な領域を液面に平行な面内で変えることができ、このように、ワーク領域を変更することができる。
このように、光造形装置51は、後述の制御部101に駆動制御されることにより、移動架台4及び移動手段56により、光学系55と移動架台4との相対的な位置関係をX,Y,Z方向に変化させることが可能である。尚、ここでは、X,Y,Z方向への相対位置の関係の変化を可能とするように構成したが、例えば、移動架台4をZ方向の軸回り方向にも変化させるように構成してもよく、このように構成することで、さらに、造形物を高速且つ高精細に形成することも可能である。
光造形装置51は、この移動手段56により移動架台4と光学系55との相対的な位置を変化させる動作と、光学系55の光及び光ビームにより硬化層を形成する動作とを順次繰り返す動作(以下、「ステップ&リピート動作」ともいう。)によりさらに広範囲な造形を行うことを実現し、すなわち、より大きな造形物を高精細に造形することが可能となる。
ここで、このステップ&リピート動作について詳細に説明する。尚、以下の説明においては、この光造形装置1により紫外線硬化樹脂2の液面に平行な平面内の大きさが例えば10cm×10cm以内の寸法とされる造形物を作成するものとして説明する。また、造形物の液面に直交する所謂高さ方向の寸法は、移動架台4のZ方向の移動可能な範囲により決定される。
ステップ&リピート動作を可能とする光造形装置51は、例えば図18に示すように、この10cm×10cmの領域を造形物の各層を形成することができる最大の領域を示すワーク全体領域Wallとして、これを例えば1cm×1cmの個別の分割領域からなる各ワーク領域Wxyに分割し、この各ワーク領域Wxy毎に光学系55から光及び光ビームを照射して移動架台4上に硬化層を形成するとともに、順次、上述した移動手段56により移動架台4と光学系55との相対的な位置を変化することにより所望の造形物の各硬化層を形成する。
具体的に図18中fallで示されるような目標二次元形状がワーク全体領域Wall内にあった場合に、まず、図18及び図19に示すように、移動架台4上の一のワーク領域W32に対向する位置に光学系55が位置する状態とされた場合の一のワーク領域W32において、一括露光光学系60の空間光変調手段62により空間変調された光による粗描画を行うことでこのワーク領域内の硬化層の大部分である一括描画部分a321を形成するとともに、ビームスキャン光学系10の走査手段12により走査された光ビームによる微細描画を行うことでこのワーク領域内の硬化層の微細部分である微細描画部分a322を形成する。これにより、一のワーク領域W32内の所定の形状f32の硬化層を形成することができる。
そして、移動手段56により移動架台4と光学系55との相対的な位置を変化することにより、移動架台4上の他のワーク領域Wxyに対向する位置に光学系55が位置する状態とする。このワーク領域Wxyにおいても、上述したワーク領域W32と同様に硬化層を形成し、このステップ&リピート動作を繰り返すことにより、造形物の各硬化層の一層を形成することができる。そして、上述のように、移動架台4をZ方向に移動させた後に、上述のステップ&リピート動作を行うことを順次繰り返して各硬化層を積層することで造形物を形成することができる。
以上のように、移動架台4と光学系55との相対位置を変化させる移動手段56を有しステップ&リピート動作を行う光造形装置51は、比較的大きな範囲の領域を、高精細且つ短時間で硬化させることができ、これにより比較的大きな立体造形物を形成することを可能とする。
尚、上述では、1cm×1cm程度の所定の小領域において、一括露光光学系60により10μm程度のオーダで粗描画を行い、ビームスキャン光学系10により1μm程度のオーダで微細描画を行うとともに、ステップ&リピート動作を行うことにより10cm×10cm程度の比較的大きな造形物を実現するものとしたが、移動手段56により移動架台4等をさらに広範囲に移動させることでさらに大きな造形物の造形を実現できるとともに、一括露光光学系60の空間光変調手段62の画素数を変化させたり、ビームスキャン光学系10によりさらに小さなビームスポットを形成する構成に変えることでさらに微細な描画も実現できる。
ところで、本発明を適用した光造形装置51は、上述した光造形装置1と同様に、制御装置100を備えており、この制御装置100は、図20に示すように、制御部101と、入力部102と、操作部103とを備えている。
制御部101は、図20に示すように、第1の光源11に対してレーザー制御を行い、シャッタ17に対して光ビームの透過・遮蔽の制御を行い、第1及び第2のガルバノミラー21,22の反射手段の回転駆動制御を行うことにより、ビームスキャン光学系10の微細描画の制御を行う。
また、光造形装置51において、制御部101は、第2の光源61に対して光強度等の制御を行い、シャッタ67に対して光の透過・遮蔽の制御を行い、空間光変調手段62の制御を行うことにより、一括露光光学系60の一括描画の制御を行う。
また、制御部101は、移動手段56を制御して、所定の分割領域に対応した移動架台4の所定に位置にワーク領域が位置するようにX,Y方向に移動架台4を移動させるとともに、所定の位置での分割領域の積層が完了したら次の所定の分割領域に対応した移動架台4の所定の位置にワーク領域が位置するようにX,Y方向に移動架台4を移動させる。また、制御部101は、所定の高さの硬化層の積層が完了したら、移動架台4を制御して、移動架台4を所定量だけ垂直方向Zに上昇させてワーク領域のZ方向の位置を変更して、形成層を変更する。
さらに、制御部101は、光検出器32で検出されたフォーカス検出信号を受け、このフォーカス検出信号に基づいてフォーカス補正信号を生成して、フォーカス調整用駆動部25に出力することで、フォーカス調整レンズ16を制御してフォーカス補正を行いフォーカス状態の調整を行うことができ、より一層の高精細な造形を実現する。
さらにまた、制御部101は、光検出器32で検出されたフォーカス検出信号を受け、このフォーカス検出信号に基づいてフォーカス補正信号を生成して、フォーカス調整用駆動部69に出力することで、空間光変調手段62を光軸方向に駆動制御して、フォーカス補正を行いフォーカス状態の調整を行うことができ、すなわち、一括露光光学系60による露光光の硬化層形成面上の投影サイズの調整を行うことができ、より一層の高精細な造形を実現する。
本発明を適用した光造形装置51は、紫外線硬化樹脂2を貯留する樹脂貯留槽3と、硬化層を保持するとともに少なくとも紫外線硬化樹脂2の液面に対して直交する方向に移動される移動架台4と、移動架台4の下面、又はこの下面に形成された硬化層との間に所定の厚みの硬化層形成面を形成するとともに、硬化層形成面の紫外線硬化樹脂2の揺動を規制する液面規制板としての透過部3aと、透過部3aを介して硬化層形成面上の紫外線硬化樹脂2を描画することにより硬化層を形成するための所定の波長の光ビームを放射する描画用光源として第1の光源11と、第1の光源11から放射された光ビームを紫外線硬化樹脂2に走査させる走査手段12とを備え、透過部3aには、第1の光源11から放射される光ビームの一部を反射する反射コーティング膜7が形成され、反射コーティング膜7で反射された光ビームを光検出器32等の反射光検出手段で検出することにより走査手段12により走査される光ビームのフォーカス状態を調整することにより、描画用の光ビームを紫外線硬化樹脂2の硬化層形成面上に適切なスポット径で集光させることができ、造形精度を向上させ高精細な光造形を行うことを実現する。すなわち、本発明を適用した光造形装置1は、描画用の光ビームの一部を硬化層形成面である透過部3aと紫外線硬化樹脂2の界面で一部反射させてこの反射光を用いて正確にフォーカス検出を行うとともにこの検出結果に応じて描画用の光ビームにより適切なスポット径で光硬化性樹脂の露光を行うことにより高精細な立体造形を実現する。また、光造形装置51は、その他の上述した光造形装置1の効果と同様の効果を有している。
さらに、本発明を適用した光造形装置51は、第1の光源11と、走査手段12とを備え、さらに、紫外線硬化樹脂2の一定領域毎に照射される光を放射する一括露光用光源として第2の光源61と、第2の光源61から放射された光を空間変調して紫外線硬化樹脂2上の所定領域を一括露光させる空間光変調手段62とを備え、走査手段12により走査される光ビームと、空間光変調手段62により空間変調される光とにより、紫外線硬化樹脂2を硬化して各硬化層を形成することにより、すなわち、所望の各硬化層を形成する際に大部分一括して露光できる部分については、空間光変調手段62により空間変調される光を用いて短時間に硬化層を形成し、境界部及び境界部付近の微細な精度を要求される部分については、走査手段12により走査される光ビームにより高精度に硬化層を形成することにより、造形物の各硬化層を高速且つ高精度に形成することができ、これを積層することにより高精細な立体造形物を短時間で形成することを実現する。さらに、光造形装置51は、上述の正確なフォーカス検出を行うことにより、ビームスキャン光学系10の走査手段12により走査される光ビームの精度を向上させることができ、より高精細な立体造形物を短時間で形成することを実現する。
また、本発明を適用した光造形装置51は、第1の光源11、走査手段12、第2の光源61、空間光変調手段62に加えて、これらの光学系55と移動架台4との何れか一方を液面に平行な平面内で移動させることで移動架台4と光学系55との相対的な位置を変化させる移動手段56とを備えることにより、走査手段12により走査される光ビームと、空間光変調手段62により空間変調される光とにより、所望の2次元形状を分割した分割形状を各ワーク領域に形成する動作と、移動手段56により移動架台4と光学系55との相対的な位置を変化する動作とを順次繰り返す所謂ステップ&リピート動作を行うことにより、走査手段12及び空間光変調手段62の性能により決定されるワーク領域より大きな各硬化層を高速且つ高精度に形成することができ、これを積層することにより、比較的大きな立体造形物を高精細且つ短時間で形成することを実現する。
さらに、本発明を適用した光造形装置51は、液面規制板としての透過部3aに設けられた反射コーティング膜7により硬化層形成面で反射された光ビームを光検出器32等の反射光検出手段で検出する光により空間光変調手段62により空間変調される光のフォーカス状態を調整することにより、一括露光用の光を紫外線硬化樹脂2の硬化層形成面上に適切な投影サイズで光硬化性樹脂の露光を行うことにより一括露光光学系60により硬化層が形成される部分についても精度を高めることができ、より高精細な立体造形物をより短時間で形成することを実現する。
尚、上述の光造形装置1,51では、所謂液面規制法を用いたものであり、樹脂貯留槽3の底部に設けた透過部3aに液面規制板としての機能を発揮させ、樹脂貯留槽3の底部側から露光用の光ビーム又は光を入射させることにより、移動架台4とこの底部の透過部3aとの間に、すなわち、移動架台4の下面に硬化層を形成するような形式のものであるが、本発明を適用した光造形装置は、これに限られるものではなく、例えば、図21に示すように、同様に液面規制法を用い、移動架台4の上方であって、樹脂貯留槽3の液面付近に、液面規制板を設け、この液面規制板の上方側から露光用の光ビーム及び/又は光を入射させることにより、移動架台4の上面に硬化層を形成するような構成としてもよい。
すなわち、図21に示す光造形装置71は、紫外線硬化樹脂2を貯留する樹脂貯留槽3と、この樹脂貯留槽3内に浸漬され形成される硬化層2aを上面側に保持するとともに少なくともこの紫外線硬化樹脂2の表面である液面に対して直交する垂直方向Zに移動可能とされる移動架台4と、この紫外線硬化樹脂2上に光を照射するための上述の光学系5又は光学系55とを有する。この光造形装置71において用いられる光学系は、上述した光学系5,55のいずれでもよく、光学系の構成及び機能については上述と同様であるので詳細な説明は省略する。
この光造形装置71は、移動架台4の上方側であって樹脂貯留槽3の液面付近に、光学系5,55からの硬化用の光を透過させるとともに、液面規制板として機能する透明板72を有しており、光学系5,55からの光を透明板72を介して紫外線硬化樹脂2の硬化層を形成する領域である硬化層形成面に照射させることで硬化層を形成する。換言すると、移動架台4の上面、又は移動架台4の上面に形成された硬化層と、透明板72の下面との間には、所定の隙間が形成されており、この所定の隙間に存在する紫外線硬化樹脂2が光学系5,55からの光により露光され硬化層が形成される硬化層形成面となる。また、透明板72は、移動架台4の上面、又は移動架台4の上面に形成された硬化層との間に硬化層形成面としての隙間を形成し、その間の紫外線硬化樹脂2の振動、揺動等を発生させないように規制する液面規制板として機能する。
そして、光造形装置71は、光学系により光を照射し移動架台4の上面に硬化層を形成する動作と、この移動架台4を垂直方向Zに下方に移動する動作とを順次繰り返すことにより立体造形を行う。
本発明を適用した光造形装置71は、上述した光造形装置1,51と同様に、描画用光源として第1の光源11と、走査手段12と、反射コーティング膜7を有する透過部3aと、フォーカス検出光学系30とを備え、液面規制板として透過部3aに設けられた反射コーティング膜7により硬化層形成面で反射された光ビームを光検出器32等の反射光検出手段で検出する光により走査手段12により走査される光ビームのフォーカス状態を調整することにより、描画用の光ビームを紫外線硬化樹脂2の硬化層形成面上に適切なスポット径で集光させることができ、造形精度を向上させ高精細な光造形を行うことを実現する。尚、この光造形装置71においても、上述した光造形装置51の移動手段56のような移動手段をさらに追加して設けるように構成してもよい。
次に、上述のような光造形装置を用いた光造形方法について説明する。尚、以下では、図14を用いて説明した光造形装置51を用いた光造形方法について説明し、図2を用いて説明した光造形装置1を用いた光造形方法については、以下に説明する光造形装置51の場合と、一括露光光学系60及び移動手段56を用いることを除いて同様であるので、詳細な説明は省略する。
本発明を適用した光造形方法は、入力手段により入力された3次元形状データに基づいて、液状の光硬化性樹脂としての紫外線硬化樹脂2上に光を照射して硬化層を順次形成することにより所望の形状の造形物を形成するものである。
この光造形方法は、図22に示すように、入力部102により3次元形状データを入力するステップS1と、入力された3次元形状データに基づいて、各層毎の2次元形状データを生成するステップS2と、生成された2次元形状データに基づいて、各層を液面に平行な平面内で分割した複数の分割領域毎の分割領域形状データを生成するステップS3と、生成された各分割領域形状データに基づいて、一括露光光学系60により一括露光させて所定領域を形成するための第1のデータと、ビームスキャン光学系10により微細描画させて残りの領域を形成するための第2のデータとを生成するステップS4と、フォーカス検出光学系30により得られるフォーカス検出情報に基づいてフォーカス調整を行いながら、第1のデータに基づいて、一括露光光学系60により一括露光するとともに、第2のデータに基づいて、ビームスキャン光学系10により微細描画して各分割領域Wxyを形成することにより硬化層を順次形成するステップS5とを有する。
ステップS1では、入力部102により目標とする所望の形状の立体造形物のCADデータ等の3次元形状データを制御装置100の制御部101内に入力する。
ステップS2では、入力された3次元形状データを、例えばSTLフォーマット等の3次元形状データに変換するとともに、この3次元形状データを積層方向であるZ方向に輪切り状にスライスして、各層毎の2次元形状データを生成する。尚、この際に、操作部103により立体造形物の配置姿勢・向き及び積層方向を選択し、又は積層方向の厚さを選択できるように構成してもよい。
ステップS3では、生成された2次元形状データに基づいて、これを上述した1cm×1cmの所定の各ワーク領域Wxyに対応した分割領域に分割して、各ワーク領域Wxy毎の2次元形状データfxyである分割領域形状データを生成する。
ステップS4では、得られた各ワーク領域Wxy毎の分割領域形状データに基づいて、一括露光させて所定領域を形成するための、すなわち、空間光変調手段62により紫外線硬化樹脂2上の一定領域毎に一括露光させて硬化層の所定領域である一括描画部分を形成するための第1のデータと、ビームスキャン光学系10により微細描画させて残りの領域を形成するための、すなわち、走査手段12により硬化性樹脂上に光ビームを走査することにより硬化層の残りの領域である微細描画部分を形成するための第2のデータとを生成する。
尚、ここで説明したステップS3,S4では、2次元形状データから分割領域形状データを生成した後に、この分割領域形状データに基づいて第1のデータ及び第2のデータを生成するようにしたが、これに限られるものではなく、2次元形状データに基づいて、一括露光光学系により一括露光させて所定領域である一括描画部分を形成するための第1のデータと、ビームスキャン光学系により微細描画させて残りの領域を形成するための微細描画部分を形成するための第2のデータとを生成し、その後に、それぞれ第1及び第2のデータの分割領域形状データを生成するように構成してもよい。
ステップS5は、図23に示すように、各ワーク領域Wxyにおいて、第1の光源11から放射された光ビームを硬化層形成面に照射し、反射コーティング膜7により硬化層形成面で反射された光ビームを検出し、第1のデータ及びこのフォーカス結果に基づいて、空間光変調手段62により光を空間変調して紫外線硬化樹脂2上の所定領域をフォーカス状態(投影サイズ)を調整しながら一括露光するとともに、第2のデータ及びこのフォーカス検出結果に基づいて、走査手段12により光ビームをフォーカス状態を調整しながら紫外線硬化樹脂2上に走査することにより硬化層の分割部分を形成するステップS5−1と、移動手段56により、光学系55と移動架台4との相対的な位置を変化させてワーク領域Wxyを変更するステップS5−2と、同一層における各分割領域の積層が完了したことを確認するステップS5−3と、所定の高さの同一層の硬化層が形成されたら移動架台4をZ方向の位置を上方に移動させて形成層を変更するステップS5−4と、全ての硬化層の積層が完了したことを確認するステップS5−5とを有する。
ステップS5−1では、第1の光源11から紫外線硬化樹脂2上に描画するために光ビームを放射し、反射コーティング膜7により第1の光源11から放射され紫外線硬化樹脂2の硬化層形成面で反射されたフォーカス検出用の反射光を光検出器32で検出してフォーカス検出信号を生成し、第1の光源11から放射された光ビームを走査手段12によりフォーカス検出信号に基づいてフォーカス状態を調整するとともに走査させ、第2の光源61から紫外線硬化樹脂2上の一定領域毎に照射させる光を放射し、第2の光源61から放射された光を空間光変調手段62によりフォーカス検出信号に基づいて投影サイズ(フォーカス状態)を調整するとともに空間変調させ、走査手段12により走査された光ビームにより紫外線硬化樹脂2上を走査させ、空間光変調手段62により空間変調された光により紫外線硬化樹脂2上の所定領域を一括露光させることにより、各分割領域の紫外線硬化樹脂2を硬化させて、造形物の各硬化層の分割領域を形成する。
ステップS5−2では、移動手段56により移動架台4をX方向及び/又はY方向に移動させてワーク領域Wxyが分割領域形状データに対応した位置となるようにする。
ステップS5−3では、同一層において全ての分割領域の積層が完了したか否かを確認する。分割領域の積層が完了していない場合には、ステップS5−1に戻り、ステップS5−1、ステップS5−2を繰り返すようにする。同一層における全ての分割領域の積層が完了している場合には、ステップS5−4に進む。
ステップS5−4では、移動架台4を垂直方向Zの上方側に移動させて次に硬化層を形成するための位置にワーク領域Wxyが位置するように移動させて、形成層を変更する。
ステップS5−5では、立体造形物の全ての硬化層の積層が完了したか否かを確認する。立体造形物の全ての硬化層の積層が完了していない場合には、ステップS5−1に戻り、ステップS5−1〜S5−4を繰り返すようにする。
このように、ステップS5では、上述のステップS5−1〜ステップS5−3で説明したように、所定の高さの同一層における各ワーク領域Wxy毎に第1のデータに基づいて一括露光光学系60により一括露光するとともに、第2のデータに基づいてビームスキャン光学系10により微細描画して硬化層の分割領域を形成するとともに、順次ワーク領域を変更することで2次元形状データに基づいた同一層内の分割領域が全て形成されて一層の硬化層が得られたら、垂直方向Zの高さを変えて順次これを繰り返すことにより立体造形物が形成される。
尚、上述の光造形方法において、光造形装置1に移動手段56を設けない場合や、造形すべき立体造形物の平面方向の大きさが所定のワーク領域内に含まれてしまう程度に小さい場合にはステップS3を設けなくてもよく、この場合には、ステップS2で生成された「2次元形状データ」がS4以降の「分割領域形状データ」となるとともに、ステップS5におけるステップS5−2及びS5−3を行わない。
以上のように、本発明を適用した光造形方法は、液状の紫外線硬化樹脂2を貯留する樹脂貯留槽3と、この紫外線硬化樹脂2に光が照射されることにより形成される硬化層を保持するとともに少なくとも紫外線硬化樹脂2の液面に対して直交する方向に移動される移動架台4と、移動架台4の下面、又はこの下面に形成された硬化層との間に所定の厚みの硬化層形成面を形成するとともに、硬化層形成面の紫外線硬化樹脂2の揺動を規制する液面規制板としての透過部3aとを備える光造形装置1,51を用い、透過部3aを介して紫外線硬化樹脂2に光を照射して硬化層を順次形成することにより所望の形状の造形物を形成する光造形方法であって、硬化層形成面上の紫外線硬化樹脂2を描画することにより硬化層を形成するための所定の波長の光ビームを放射する描画用光源としての第1の光源11から光ビームを放射し、透過部3aに形成され第1の光源11から放射される光ビームの一部を反射する反射コーティング膜7により反射された光ビームを検出することにより、第1の光源11から放射された光ビームを紫外線硬化樹脂2に走査させる走査手段12により第1の光源11から放射され反射コーティング膜7を透過された光ビームのフォーカス状態を調整するとともに硬化層形成面上を走査させることにより、描画用の光ビームを紫外線硬化樹脂2の硬化層形成面上に適切なスポット径で集光させることができ、造形精度を向上させ高精細な光造形を行うことを実現する。すなわち、本発明を適用した光造形方法は、フォーカス検出用の光ビームを用いて正確にフォーカス検出を行うとともにこの検出結果に応じて描画用の光ビームにより適切なスポット径で光硬化性樹脂の露光を行うことにより高精細な立体造形を実現する。
また、本発明を適用した光造形方法は、第1の光源11から紫外線硬化樹脂2上に描画するために光ビームを放射し、第1の光源11から放射された光ビームを走査手段12により走査させ、第2の光源61から紫外線硬化樹脂2上の一定領域毎に照射させる光を放射し、第2の光源61から放射された光を空間光変調手段62により空間変調させ、走査手段12により走査された光ビームにより紫外線硬化樹脂2上を描画させ、空間光変調手段62により空間変調された光により紫外線硬化樹脂2上の所定領域を一括露光させることにより、造形物の各硬化層を形成することにより、所望の各硬化層を形成する際に大部分一括して露光できる部分については、空間光変調手段62により空間変調される光を用いて短時間に硬化層を形成し、境界部及び境界部付近の微細な精度を要求される部分については、走査手段12により走査される光ビームにより高精度に硬化層を形成することにより、造形物の各硬化層を高速且つ高精度に形成することができ、これを積層することにより高精細な立体造形物を短時間で形成することを実現する。
また、本発明を適用した光造形方法は、硬化層形成面上の紫外線硬化樹脂2を一定領域毎に照射することにより硬化層を形成するための一括露光用の光を放射する一括露光用光源として第2の光源61と、上述した第1の光源11との、それぞれから光ビームを放射し、第1の光源11から放射され液面規制板としての透過部3aに設けられた反射コーティング膜7により紫外線硬化樹脂2の硬化層形成面で反射された反射光をフォーカス検出光学系30により検出することにより、第2の光源61から放射された光を紫外線硬化樹脂2に空間変調して一括露光する空間光変調手段62によりフォーカス状態を調整するとともに硬化層形成面上を走査させることにより、一括露光用の光を紫外線硬化樹脂2の硬化層形成面上に適切な投影サイズで光硬化性樹脂の露光を行うことにより一括露光光学系60により硬化層が形成される部分についても精度を高めることができ、より高精細な立体造形物をより短時間で形成することを実現する。
また、本発明を適用した光造形方法は、入力部102により入力された3次元形状データに基づいて、紫外線硬化樹脂2上に光を照射して硬化層を順次形成することにより所望の形状の造形物を形成する光造形方法であって、入力部102により3次元形状データを入力するステップS1と、入力された3次元形状データに基づいて、各層毎の2次元形状データを生成するステップS2と、この2次元形状データに基づいて、空間光変調手段62により紫外線硬化樹脂2上に一定領域毎に一括露光させて硬化層の所定領域を形成するための第1のデータと、走査手段12により紫外線硬化樹脂2上に光ビームを走査することにより硬化層の残りの領域を形成するための第2のデータとを生成するステップS4と、フォーカス検出光学系30により得られるフォーカス検出情報に基づいてフォーカス調整を行いながら、第1のデータに基づいて、空間光変調手段62により光を空間変調して紫外線硬化樹脂2上の所定の領域を一括露光するとともに、第2のデータに基づいて、走査手段12により光ビームを紫外線硬化樹脂2上に走査することにより硬化層を順次形成するステップS5とを有することにより、造形物の各硬化層を高速且つ高精度に形成することができ、これを順次積層することにより、高精細な立体造形物を短時間で形成することを実現する。
また、本発明を適用した光造形方法は、入力部102により入力された3次元形状データに基づいて、紫外線硬化樹脂2上に光を照射して硬化層を順次形成することにより、紫外線硬化樹脂2に浸漬され少なくとも光硬化性樹脂の液面に対して直交する方向に移動される移動架台4上に所望の形状の造形物を形成する光造形方法において、入力部102により3次元形状データを入力するステップS1と、入力された3次元形状データに基づいて、各層毎の2次元形状データを生成するステップS2と、各層毎の2次元形状データに基づいて、各層を液面に平行な平面内で分割した複数の分割領域毎の分割領域形状データを生成するステップS3と、分割領域形状データに基づいて、空間光変調手段62により紫外線硬化樹脂2上に一定領域毎に一括露光させて硬化層の分割領域の所定領域を形成するための第1のデータと、走査手段12により紫外線硬化樹脂2上に光ビームを走査することにより硬化層の分割領域の残りの領域を形成するための第2のデータとを生成するステップS4と、フォーカス検出光学系30により得られるフォーカス検出情報に基づいてフォーカス調整を行いながら、第1のデータに基づいて、空間光変調手段62により光を空間変調して紫外線硬化樹脂2上の所定の領域を一括露光し、第2のデータに基づいて、走査手段12により光ビームを紫外線硬化樹脂2上に走査することにより各分割領域を形成するとともに、順次空間光変調手段62及び走査手段12と、移動架台4との液面に平行な平面内での位置関係を変化させることによりワーク領域を変更して得られる硬化層を順次形成・積層するステップS5とを有することにより、造形物の各硬化層の各分割領域を高速且つ高精度に形成することができ、これにより造形物を高速且つ高精度に形成することができ、これを順次積層することにより、比較的大きな立体造形物を高精細且つ短時間で形成することを実現する。
本発明を適用した光造形装置の概略を示す断面図である。 本発明を適用した光造形装置の光学系を示す図である。 本発明を適用した光造形装置を構成する対物レンズの機能を説明するための図であり、対物レンズとしてfθレンズを用いた場合の模式図である。 本発明を適用した光造形装置を構成する第1及び第2のガルバノミラーと対物レンズとの機能を説明するための図であり、第1のガルバノミラーと対物レンズとの模式図である。 本発明を適用した光造形装置を構成する第1及び第2のリレーレンズの機能を説明するための図であり、両側テレセントリック結像光学系の一例を示す模式図である。 本発明を適用した光造形装置のビームスキャン光学系等における、ビームスキャン方式について説明する図であり、(a)は、ラスタースキャンを示す平面図であり、(b)は、ベクタースキャンを示す平面図であり、(c)は、ラスター・ベクター併用スキャンを示す平面図である。 光造形装置を構成する樹脂貯留槽の底部の透過部の構成について説明するための図であり、紫外線硬化樹脂側に反射コーティング膜が形成されたことを示す拡大断面図である。 光造形装置を構成する樹脂貯留槽の底部の透過部の構成についての他の例を示す図であり、上述の反射コーティング膜に加えて、剥離コーティング膜及び減反射コーティング膜を形成した例の拡大断面図である。 光造形装置を構成するフォーカス検出光学系に導かれた反射光がシリンドリカルレンズにより非点収差を付与された状態を示す模式図である。 光造形装置を構成するフォーカス検出光学系の光検出器の構成について説明するための図であり、(a)は、光検出器の受光部の構成を示す平面図であり、(b)は、光検出器のフォーカス検出信号を生成するための回路構成を示す図である。 光造形装置を構成するフォーカス検出光学系による非点収差法を用いたフォーカス検出について説明するための図であり、(a)は、y方向を含む平面における光ビームの集光状態、すなわち、後焦線Aに結像する光ビームの状態を示す図であり、(b)は、(a)に示すジャストフォーカス位置Jにおけるスポット形状を示す平面図であり、(c)は、(a)に示すジャストフォーカス位置Jより手前の位置Nにおけるスポット形状を示す平面図であり、(d)は、(a)に示すジャストフォーカス位置Jより奥の位置Fにおけるスポット形状を示す平面図である。 光造形装置を構成するフォーカス調整レンズについて説明する図であり、(a)は、入射された光ビームをフォーカス調整レンズにより収束光として出射させる状態の平面図であり、(b)は、入射された光ビームをフォーカス調整レンズにより平行光として出射させる状態の平面図であり、(c)は、入射された光ビームをフォーカス調整レンズにより発散光として出射させる状態の平面図である。 本発明を適用した光造形装置の光学系の制御やデータ処理を行う制御装置について説明するための図である。 本発明を適用した光造形装置の光学系の他の例として、ビームスキャン光学系と一括露光光学系を備える例を示す図である。 本発明を適用した光造形装置により目標とする立体造形物の各硬化層を形成するときの一括描画と微細描画とについて説明するための図であり、各層の形状である目標二次元形状と、一括描画部分及び微細描画部分とを示す平面図である。 本発明を適用した光造形装置により目標とする立体造形物の各硬化層を形成するときの一括描画と微細描画とについて説明するための図であり、一括露光により一括描画を行うとともに、ベクタースキャン方式のビームスキャンにより微細描画を行うことを示す平面図である。 本発明を適用した光造形装置により目標とする立体造形物の各硬化層を形成するときの一括描画と微細描画とについて説明するための図であり、一括露光により一括描画を行うとともに、ベクター・ラスター併用方式のビームスキャンにより微細描画を行うことを示す平面図である。 本発明を適用した光造形装置によるステップ&リピート動作について説明するための図であり、ワーク全体領域を所定の各ワーク領域毎に分割することを説明するための平面図である。 図18に示すワーク全体領域を分割された各ワーク領域のうち一のワーク領域W32を示す平面図である。 図14に示す光造形装置の光学系の制御やデータ処理を行う制御装置について説明するための図である。 本発明を適用した光造形装置の光学系の他の例を示す図であり、樹脂貯留槽に貯留された光硬化性樹脂の液面付近に液面規制板を設け、液面規制板の上方側から露光用の光を入射させる例の光造形装置の概略を示す図である。 本発明を適用した光造形方法について説明するフローチャートである。 図22に示す硬化層を形成するステップS5についてさらに詳細に説明するためのフローチャートである。 従来の自由液面法を用いた光造形装置の概略を示す断面図である。 従来の液面規制法を用いた光造形装置の概略を示す断面図である。 従来の液面規制法を用いた光造形装置でフォーカス検出を行う場合の問題点について説明するための図である。
符号の説明
1 光造形装置、 2 紫外線硬化樹脂、 3 樹脂貯留槽、 3a 透過部、 4 移動架台、 5 光学系、 10 ビームスキャン光学系、 11 第1の光源、 12 走査手段、 13 コリメータレンズ、 14 アナモルフィックレンズ、 15 ビームエキスパンダ、 16 フォーカス調整レンズ、 17 シャッタ、 21 第1のガルバノミラー、 22 第2のガルバノミラー、 23 第1のリレーレンズ、 24 第2のリレーレンズ、 30 フォーカス検出光学系、 31 ビームスプリッタ、 32 光検出器、 33 シリンドリカルレンズ、 41 反射ミラー、 42 対物レンズ、 43 ビームスプリッタ、 55 光学系、 56 移動手段、 60 一括露光光学系、 61 第2の光源、 62 空間光変調手段、 63 偏光板、 64 ビームインテグレータ、 65 反射手段、 66 集光レンズ、 67 シャッタ

Claims (4)

  1. 液状の光硬化性樹脂に光を照射して硬化層を順次形成することにより所望の形状の造形物を形成する光造形装置において、
    上記光硬化性樹脂を貯留する樹脂貯留槽と、
    上記硬化層を保持するとともに少なくとも上記光硬化性樹脂の液面に対して直交する方向に移動される移動架台と、
    上記移動架台の上面若しくは下面、又は上記移動架台の上面若しくは下面に形成された硬化層との間に形成される所定の厚みの硬化層形成面の上記光硬化性樹脂の揺動を規制する液面規制板と、
    上記液面規制板を介して上記硬化層形成面上の上記光硬化性樹脂を描画することにより硬化層を形成するための所定の波長の光ビームを放射する描画用光源と、
    上記描画用光源から放射された光ビームを上記光硬化性樹脂に走査させる走査手段とを備え、
    上記液面規制板には、上記描画用光源から放射される光ビームの一部を反射する反射コーティング膜が形成され、
    上記反射コーティング膜で反射された光ビームを検出することにより上記走査手段により走査される光ビームのフォーカス状態を調整する光造形装置。
  2. 上記反射コーティング膜は、多層積層膜である請求項1記載の光造形装置。
  3. さらに、上記硬化層形成面の面内における一定領域毎に照射される光を放射する一括露光用光源と、
    上記一括露光用光源から放射された光を空間変調して上記光硬化性樹脂上の所定領域を一括露光させる空間光変調手段とを備え、
    上記走査手段により走査される光ビームと、上記空間光変調手段により空間変調される光とにより、上記造形物の各硬化層を形成する請求項1又は請求項2記載の光造形装置。
  4. 液状の光硬化性樹脂を貯留する樹脂貯留槽と、上記光硬化性樹脂に光が照射されることにより形成される硬化層を保持するとともに少なくとも上記光硬化性樹脂の液面に対して直交する方向に移動される移動架台と、上記移動架台の上面若しくは下面、又は上記移動架台の上面若しくは下面に形成された硬化層との間に形成される所定の厚みの硬化層形成面の上記光硬化性樹脂の揺動を規制する液面規制板とを備える光造形装置を用い、上記液面規制板を介して上記光硬化性樹脂に光を照射して硬化層を順次形成することにより所望の形状の造形物を形成する光造形方法において、
    上記硬化層形成面上の上記光硬化性樹脂を描画することにより硬化層を形成するための所定の波長の光ビームを放射する描画用光源から光ビームを放射し、
    上記液面規制板に形成され上記描画用光源から放射される光ビームの一部を反射する反射コーティング膜により反射された光ビームを検出することにより、上記描画用光源から放射された光ビームを上記光硬化性樹脂に走査させる走査手段により上記描画用光源から放射され上記反射コーティング膜を透過された光ビームのフォーカス状態を調整するとともに上記硬化層形成面上を走査させる光造形方法。
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