JP2015208926A - 積層体及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
Description
本発明の積層体の製造方法においては、前記基材の表面にヒドラジン類を接触させながら、前記基材の表面に前記紫外線を照射してもよい。
本発明の積層体の製造方法においては、前記紫外線の照射強度が、前記ヒドラジン類を用いない場合には3200〜54000mJ/cm2であり、前記ヒドラジン類を用いる場合には2100〜53000mJ/cm2であることが好ましい。
また、本発明は、液晶ポリマーを含む基材の表面に銀層が積層されてなり、前記銀層の金属銀の比率が99質量%以上であることを特徴とする積層体を提供する。
本発明に係る積層体の製造方法は、液晶ポリマーを含む基材の表面に銀層が積層されてなる積層体の製造方法において、前記基材の表面に紫外線を照射して、前記表面を改質する工程(以下、「紫外線照射工程」と略記することがある)と、紫外線照射後の前記表面に、金属銀の形成材料が配合されてなる銀インク組成物を用いて銀層を形成する工程(以下、「銀層形成工程」と略記することがある)と、を有することを特徴とする。
前記製造方法によれば、液晶ポリマーを含む基材の表面に直接銀層を積層しても、密着性が高くて、基材からの銀層の剥離が抑制された積層体が得られる。また、前記製造方法では、基材としてシート状のものだけでなく、非シート状のものも使用できる。そして、前記銀インク組成物を用いて銀層を形成するに際し、印刷法を利用することで、エッチングを行わずに銀層をパターニングすることもできる。したがって、前記製造方法によれば、所望の3次元形状の積層体が容易に得られ、例えば、各種電子機器での電子回路や、光通信機器での配線の接続に用いるためのコネクタも容易に製造できる。
ここに示す積層体1は、基材11の表面(一方の主面)11aに銀層12が積層されてなるものである。
基材11は、液晶ポリマーを含むものであれば特に限定されず、液晶ポリマーのみからなるものであってもよいし、液晶ポリマーと液晶ポリマー以外の成分とを含むものであってもよい。
基材11が含む液晶ポリマー以外の成分は、液晶ポリマー以外の樹脂であってもよいし、樹脂以外の成分であってもよい。
液晶ポリマーは、芳香族ポリエステルであることが好ましく、芳香族ヒドロキシカルボン酸、芳香族ジオール、芳香族ジカルボン酸及び芳香族ヒドロキシアミンからなる群から選択される1種以上を重縮合させてなる芳香族ポリエステルであることがより好ましい。
前記芳香族ヒドロキシカルボン酸としては、4−ヒドロキシ安息香酸、6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸が例示できる。
前記芳香族ジオールとしては、4,4’−ジヒドロキシビフェニル(4,4’−ビフェノール)が例示できる。
前記芳香族ジカルボン酸としては、テレフタル酸が例示できる。
前記芳香族ヒドロキシアミンとしては、4−アミノフェノールが例示できる。
液晶ポリマーは、融点が330℃以上であることが好ましく、上限値は分解温度を超えない限り特に限定されない。
基材11の液晶ポリマー以外の成分の含有量は、60質量%以下であることが好ましく、50質量%以下であることがより好ましく、40質量%以下であることが特に好ましく、その種類に応じて、適宜調節することが好ましい。
液晶ポリマー以外の樹脂として具体的には、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリ塩化ビニリデン(PVDC)、ポリメチルペンテン(PMP)、ポリシクロオレフィン、ポリスチレン(PS)、ポリ酢酸ビニル(PVAc)、ポリメタクリル酸メチル(PMMA)等のアクリル樹脂、AS樹脂、ABS樹脂、ポリアミド(PA)、ポリイミド、ポリアミドイミド(PAI)、ポリアセタール、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリトリメチレンテレフタレート(PTT)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリブチレンナフタレート(PBN)、ポリフェニレンスルファイド(PPS)、ポリスルホン(PSF)、ポリエーテルスルホン(PES)、ポリエーテルケトン(PEK)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリカーボネート(PC)、ポリウレタン、ポリフェニレンエーテル(PPE)、変性ポリフェニレンエーテル(m−PPE)、ポリアリレート、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、フェノール樹脂、尿素樹脂等の合成樹脂が例示できる。
また、液晶ポリマー以外の樹脂としては、ガラスエポキシ樹脂、ポリマーアロイ等の、二種以上の材質を併用したものでもよい。
フィラーは、無機フィラーであることが好ましい。
フィラーで好ましいものとしては、ガラス繊維、炭素繊維、マイカ等が例示できる。
基材11のフィラーの含有量は、60質量%以下であることが好ましく、50質量%以下であることがより好ましく、40質量%以下であることが特に好ましい。
基材11の顔料の含有量は、6質量%以下であることが好ましく、4.5質量%以下であることがより好ましく、3質量%以下であることが特に好ましい。
基材11の表面11aのうち、前記表面処理された領域は、銀層12との接触面全面において50面積%以上であることが好ましく、70面積%以上であることがより好ましく、90面積%以上であることでさらに好ましく、100面積%であること、すなわち、銀層12との接触面全面が前記表面されていることが特に好ましい。
基材11の表面11aにおいて、前記表面処理された領域は、表面11aの一部の領域であってもよいし、表面11aの全領域であってもよい。
なお、ここでの「表面粗さ」とは、JIS B0601:2001(ISO4287:1997)に基づくものであり、算術平均粗さ(Ra)を意味し、粗さ曲線からその平均線の方向に基準長さlだけを抜き取り、この抜取り部分の平均線の方向にX軸を、縦倍率の方向にY軸を取り、粗さ曲線をy=Z(x)で表したときに、以下の式(II)によって求められた値をナノメートル(nm)単位で表示したものである。
銀層12は、基材11の表面11aのうち、前記表面処理された領域に積層されていることで、例えば、基材11と銀層12との密着性を向上させるための受容層を別途設けていなくても、基材11との密着性が高く、基材11からの剥離が抑制されている。
また、ここでは、積層体1として基材11の一方の主面11a上に銀層12を備えたものを示しているが、本発明における積層体は、基材11の他方の主面11b上にも同様に(基材11の両方の主面上に)銀層12を備えたものでもよい。
例えば、積層体は、基材、銀層及び基材がこの順に積層された構造を有するものであってもよく、この場合、銀層の上下に積層されている基材は、互いに別のものであってもよいし、一体となっているものでもよい。
紫外線照射工程では、前記基材の表面(図1においては、基材11の表面11a)に紫外線を照射して、前記表面を改質する(表面処理を行う)。本明細書において「基材の表面の改質」とは、金属銀の形成材料を用いて形成された銀層と基材との密着性が、表面に対して特別な処理が行われていない基材を用いた場合とは異なると認識できる程度に、基材の表面の性質が変化している(改善されている)ことを意味し、必ずしも基材の表面の外観が変化することを意味するものではない。本発明においては、基材の表面に紫外線を照射することにより、オゾンの作用で基材の表面が改質されると推測される。
紫外線は、低圧水銀ランプ、エキシマランプ等のランプを用いる方法等、公知の方法で発生させて用いればよい。
紫外線の照射強度(後述するヒドラジン類を用いない場合の紫外線の照射強度)は、特に限定されないが、3200〜54000mJ/cm2であることが好ましく、3500〜52000mJ/cm2であることがより好ましい。紫外線の照射強度が前記下限値以上であることで、基材の表面処理(基材の表面の改質)の程度がより向上して、その結果、基材と銀層との密着性がより向上する。また、紫外線の照射強度が前記上限値以下であることで、基材の表面処理の程度が過剰とならずに、基材と銀層との密着性がより向上する。
好ましい前記ヒドラジン塩としては、ヒドラジン一塩酸塩(モノ塩酸ヒドラジン、NH2−NH2・HCl)、ヒドラジン二塩酸塩(ジ塩酸ヒドラジン、NH2−NH2・2HCl)、ヒドラジン硫酸塩(硫酸ヒドラジン、NH2−NH2・H2SO4)、ヒドラジンモノ臭化水素酸塩(モノ臭化水素酸ヒドラジン、NH2−NH2・HBr)、ヒドラジン炭酸塩(炭酸ヒドラジン、NH2−NH2・H2CO3)、ヒドラジン酢酸塩(酢酸ヒドラジン、NH2−NH2・CH3COOH)等が例示できる。
ヒドラジン類自体をそのまま(希釈せずに)基材の表面に接触させる場合には、ヒドラジン類は、液状、気体状(ガス状)及び固形状のいずれの状態で用いてもよく、ヒドラジン類の特性に応じて使い分ければよいが、液状又は気体状で用いることが好ましい。
ヒドラジン類を希釈して基材の表面に接触させる場合には、ヒドラジン類の溶液及び混合ガスのいずれも用いることができる。
ヒドラジン類の溶液において、ヒドラジン類の濃度は特に限定されないが、10〜50質量%であることが好ましく、15〜35質量%であることがより好ましい。このような濃度とすることで、ヒドラジン類を溶液として用いることによる効果がより顕著に得られる。
ヒドラジン類の混合ガスにおいて、ヒドラジン類の濃度は特に限定されないが、10〜90モル%であることが好ましい。このような濃度とすることで、ヒドラジン類を混合ガスとして用いることによる効果がより顕著に得られる。
紫外線による前処理は、上述の紫外線の照射条件と同様の条件で行うことができる。
銀層形成工程では、紫外線照射後の前記基材の表面(図1においては、基材11の表面11a)に、金属銀の形成材料が配合されてなる銀インク組成物を用いて銀層を形成する。
銀層は、前記銀インク組成物を基材の表面の所望の箇所に付着させ、乾燥処理や加熱(焼成)処理等の固化処理を適宜選択して行うことで形成できる。加熱処理は、乾燥処理を兼ねて行ってもよい。
金属銀の形成材料を用いることで、前記材料から金属銀が生じ、この金属銀を含む銀層が形成される。
金属銀の形成材料としては、式「−COOAg」で表される基を有するカルボン酸銀が例示できる。
本発明において、カルボン酸銀は、一種を単独で使用してもよいし、二種以上を併用してもよい。二種以上を併用する場合、その組み合わせ及び比率は、任意に調節できる。
前記カルボン酸銀は、式「−COOAg」で表される基を有していれば特に限定されない。例えば、式「−COOAg」で表される基の数は1個のみでもよいし、2個以上でもよい。また、カルボン酸銀中の式「−COOAg」で表される基の位置も特に限定されない。
なお、本明細書においては、単なる「カルボン酸銀」との記載は、特に断りの無い限り、「β−ケトカルボン酸銀(1)」及び「カルボン酸銀(4)」だけではなく、これらを包括する、「式「−COOAg」で表される基を有するカルボン酸銀」を意味するものとする。
Y1はそれぞれ独立にフッ素原子、塩素原子、臭素原子又は水素原子であり;R1は炭素数1〜19の脂肪族炭化水素基又はフェニル基であり;R2は炭素数1〜20の脂肪族炭化水素基であり;R3は炭素数1〜16の脂肪族炭化水素基であり;R4及びR5はそれぞれ独立に炭素数1〜18の脂肪族炭化水素基であり;R6は炭素数1〜19の脂肪族炭化水素基、水酸基又は式「AgO−」で表される基であり;
X1はそれぞれ独立に水素原子、炭素数1〜20の脂肪族炭化水素基、ハロゲン原子、1個以上の水素原子が置換基で置換されていてもよいフェニル基若しくはベンジル基、シアノ基、N−フタロイル−3−アミノプロピル基、2−エトキシビニル基、又は一般式「R7O−」、「R7S−」、「R7−C(=O)−」若しくは「R7−C(=O)−O−」で表される基であり;
R7は、炭素数1〜10の脂肪族炭化水素基、チエニル基、又は1個以上の水素原子が置換基で置換されていてもよいフェニル基若しくはジフェニル基である。)
β−ケトカルボン酸銀(1)は、前記一般式(1)で表される。
式中、Rは1個以上の水素原子が置換基で置換されていてもよい炭素数1〜20の脂肪族炭化水素基若しくはフェニル基、水酸基、アミノ基、又は一般式「R1−CY1 2−」、「CY1 3−」、「R1−CHY1−」、「R2O−」、「R5R4N−」、「(R3O)2CY1−」若しくは「R6−C(=O)−CY1 2−」で表される基である。
Rにおける環状の前記アルキル基としては、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、シクロノニル基、シクロデシル基、ノルボルニル基、イソボルニル基、1−アダマンチル基、2−アダマンチル基、トリシクロデシル基が例示できる。
Rにおける前記アルキニル基としては、エチニル基(−C≡CH)、プロパルギル基(−CH2−C≡CH)等の、Rにおける前記アルキル基の炭素原子間の1個の単結合(C−C)が三重結合(C≡C)に置換された基が例示できる。
置換基である前記脂肪族炭化水素基としては、炭素数が1〜16である点以外は、Rにおける前記脂肪族炭化水素基と同様のものが例示できる。
RにおけるR2は、炭素数1〜20の脂肪族炭化水素基であり、Rにおける前記脂肪族炭化水素基と同様のものが例示できる。
RにおけるR3は、炭素数1〜16の脂肪族炭化水素基であり、炭素数が1〜16である点以外は、Rにおける前記脂肪族炭化水素基と同様のものが例示できる。
RにおけるR4及びR5は、それぞれ独立に炭素数1〜18の脂肪族炭化水素基である。すなわち、R4及びR5は、互いに同一でも異なっていてもよく、炭素数が1〜18である点以外は、Rにおける前記脂肪族炭化水素基と同様のものが例示できる。
RにおけるR6は、炭素数1〜19の脂肪族炭化水素基、水酸基又は式「AgO−」で表される基であり、R6における前記脂肪族炭化水素基としては、炭素数が1〜19である点以外は、Rにおける前記脂肪族炭化水素基と同様のものが例示できる。
X1における炭素数1〜20の脂肪族炭化水素基としては、Rにおける前記脂肪族炭化水素基と同様のものが例示できる。
X1におけるフェニル基及びベンジル基は、1個以上の水素原子が置換基で置換されていてもよく、好ましい前記置換基としては、ハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)、ニトロ基(−NO2)等が例示でき、置換基の数及び位置は特に限定されない。そして、置換基の数が複数である場合、これら複数個の置換基は互いに同一でも異なっていてもよい。
R7がチエニル基又はジフェニル基である場合、これらの、X1において隣接する基又は原子(酸素原子、硫黄原子、カルボニル基、カルボニルオキシ基)との結合位置は、特に限定されない。例えば、チエニル基は、2−チエニル基及び3−チエニル基のいずれでもよい。
カルボン酸銀(4)は、前記一般式(4)で表される。
式中、R8は炭素数1〜19の脂肪族炭化水素基、カルボキシ基(−COOH)又は式「−C(=O)−OAg」で表される基である。
R8における前記脂肪族炭化水素基としては、炭素数が1〜19である点以外は、Rにおける前記脂肪族炭化水素基と同様のものが例示できる。ただし、R8における前記脂肪族炭化水素基は、炭素数が1〜15であることが好ましく、1〜10であることがより好ましい。
そして、これらカルボン酸銀の中でも、2−メチルアセト酢酸銀及びアセト酢酸銀は、後述する含窒素化合物(なかでもアミン化合物)との相溶性に優れ、銀インク組成物の高濃度化に、特に適したものとして挙げられる。
なお、本明細書において、「金属銀の形成材料に由来する銀」とは、特に断りの無い限り、銀インク組成物の製造時に配合された前記金属銀の形成材料中の銀を意味し、配合後に引き続き金属銀の形成材料を構成している銀と、配合後に金属銀の形成材料が分解して生じた分解物中の銀及び銀自体と、の両方を含む概念とする。
銀インク組成物は、特に前記金属銀の形成材料が前記カルボン酸銀である場合、前記金属銀の形成材料以外に、さらに含窒素化合物が配合されてなるものが好ましい。
前記含窒素化合物は、炭素数25以下のアミン化合物(以下、「アミン化合物」と略記することがある)、炭素数25以下の第4級アンモニウム塩(以下、「第4級アンモニウム塩」と略記することがある)、アンモニア、炭素数25以下のアミン化合物が酸と反応してなるアンモニウム塩(以下、「アミン化合物由来のアンモニウム塩」と略記することがある)、及びアンモニアが酸と反応してなるアンモニウム塩(以下、「アンモニア由来のアンモニウム塩」と略記することがある)からなる群から選択される一種以上のものである。すなわち、配合される含窒素化合物は、一種のみでよいし、二種以上でもよく、二種以上を併用する場合、その組み合わせ及び比率は、任意に調節できる。
前記アミン化合物は、炭素数が1〜25であり、第1級アミン、第2級アミン及び第3級アミンのいずれでもよい。また、前記第4級アンモニウム塩は、炭素数が4〜25である。前記アミン化合物及び第4級アンモニウム塩は、鎖状及び環状のいずれでもよい。また、アミン部位又はアンモニウム塩部位を構成する窒素原子(例えば、第1級アミンのアミノ基(−NH2)を構成する窒素原子)の数は1個でもよいし、2個以上でもよい。
好ましい前記モノアルキルアミンとして、具体的には、n−ブチルアミン、n−へキシルアミン、n−オクチルアミン、n−ドデシルアミン、n−オクタデシルアミン、sec−ブチルアミン、tert−ブチルアミン、3−アミノペンタン、3−メチルブチルアミン、2−ヘプチルアミン(2−アミノヘプタン)、2−アミノオクタン、2−エチルヘキシルアミン、1,2−ジメチル−n−プロピルアミンが例示できる。
前記ヘテロアリール基は、単環状及び多環状のいずれでもよく、その環員数(環骨格を構成する原子の数)も特に限定されないが、3〜12員環であることが好ましい。
前記ヘテロアリール基で、酸素原子を1個有する単環状のものとしては、フラニル基が例示でき、3〜8員環であることが好ましく、5〜6員環であることがより好ましい。
前記ヘテロアリール基で、硫黄原子を1個有する単環状のものとしては、チエニル基が例示でき、3〜8員環であることが好ましく、5〜6員環であることがより好ましい。
前記ヘテロアリール基で、酸素原子を1〜2個及び窒素原子を1〜3個有する単環状のものとしては、オキサゾリル基、イソオキサゾリル基、オキサジアゾリル基、モルホリニル基が例示でき、3〜8員環であることが好ましく、5〜6員環であることがより好ましい。
前記ヘテロアリール基で、硫黄原子を1〜2個及び窒素原子を1〜3個有する単環状のものとしては、チアゾリル基、チアジアゾリル基、チアゾリジニル基が例示でき、3〜8員環であることが好ましく、5〜6員環であることがより好ましい。
前記ヘテロアリール基で、窒素原子を1〜5個有する多環状のものとしては、インドリル基、イソインドリル基、インドリジニル基、ベンズイミダゾリル基、キノリル基、イソキノリル基、インダゾリル基、ベンゾトリアゾリル基、テトラゾロピリジル基、テトラゾロピリダジニル基、ジヒドロトリアゾロピリダジニル基が例示でき、7〜12員環であることが好ましく、9〜10員環であることがより好ましい。
前記ヘテロアリール基で、硫黄原子を1〜3個有する多環状のものとしては、ジチアナフタレニル基、ベンゾチオフェニル基が例示でき、7〜12員環であることが好ましく、9〜10員環であることがより好ましい。
前記ヘテロアリール基で、酸素原子を1〜2個及び窒素原子を1〜3個有する多環状のものとしては、ベンゾオキサゾリル基、ベンゾオキサジアゾリル基が例示でき、7〜12員環であることが好ましく、9〜10員環であることがより好ましい。
前記ヘテロアリール基で、硫黄原子を1〜2個及び窒素原子を1〜3個有する多環状のものとしては、ベンゾチアゾリル基、ベンゾチアジアゾリル基が例示でき、7〜12員環であることが好ましく、9〜10員環であることがより好ましい。
前記ジアミンは炭素数が1〜10であることが好ましく、より好ましいものとしてはエチレンジアミン、1,3−ジアミノプロパン、1,4−ジアミノブタンが例示できる。
好ましい前記ジアルキルアミンとして、具体的には、N−メチル−n−ヘキシルアミン、ジイソブチルアミン、ジ(2−エチルへキシル)アミンが例示できる。
好ましい前記トリアルキルアミンとして、具体的には、N,N−ジメチル−n−オクタデシルアミン、N,N−ジメチルシクロヘキシルアミンが例示できる。
前記ジアルキルモノアリールアミンを構成するアリール基は、前記モノアリールアミンを構成するアリール基と同様であり、炭素数が6〜10であることが好ましい。
前記ハロゲン化テトラアルキルアンモニウムを構成するアルキル基は、前記モノアルキルアミンを構成するアルキル基と同様であり、炭素数が1〜19であることが好ましい。また、ハロゲン化テトラアルキルアンモニウム一分子中の4個のアルキル基は、互いに同一でも異なっていてもよい。すなわち、4個のアルキル基は、すべてが同じでもよいし、すべてが異なっていてもよく、一部だけが異なっていてもよい。
前記ハロゲン化テトラアルキルアンモニウムを構成するハロゲンとしては、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素が例示できる。
好ましい前記ハロゲン化テトラアルキルアンモニウムとして、具体的には、ドデシルトリメチルアンモニウムブロミドが例示できる。
環状アミンであれば、好ましいものとして、ピリジンが例示できる。
また、置換基である前記アリール基及びアルキル基は、さらに1個以上の水素原子がハロゲン原子で置換されていてもよく、このようなハロゲン原子で置換された置換基を有するモノアルキルアミンとしては、2−ブロモベンジルアミンが例示できる。ここで、前記ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が例示できる。
そして、これらアミン化合物の中でも、2−エチルヘキシルアミンは、前記カルボン酸銀との相溶性に優れ、銀インク組成物の高濃度化に特に適しており、さらに銀層の表面粗さの低減に特に適したものとして挙げられる。
本発明において、前記アミン化合物由来のアンモニウム塩は、前記アミン化合物が酸と反応してなるアンモニウム塩であり、前記酸は、塩酸、硫酸、硝酸等の無機酸でもよいし、酢酸等の有機酸でもよく、酸の種類は特に限定されない。
前記アミン化合物由来のアンモニウム塩としては、n−プロピルアミン塩酸塩、N−メチル−n−ヘキシルアミン塩酸塩、N,N−ジメチル−n−オクタデシルアミン塩酸塩等が例示できるが、これらに限定されない。
本発明において、前記アンモニア由来のアンモニウム塩は、アンモニアが酸と反応してなるアンモニウム塩であり、ここで酸としては、前記アミン化合物由来のアンモニウム塩の場合と同じものが例示できる。
前記アンモニア由来のアンモニウム塩としては、塩化アンモニウム等が例示できるが、これに限定されない。
そして、前記含窒素化合物としては、前記アミン化合物、第4級アンモニウム塩、アミン化合物由来のアンモニウム塩及びアンモニア由来のアンモニウム塩からなる群から選択される一種を単独で使用してもよいし、二種以上を併用してもよい。二種以上を併用する場合、その組み合わせ及び比率は、任意に調節できる。
銀インク組成物は、前記金属銀の形成材料以外に、さらに還元剤が配合されてなるものが好ましい。還元剤を配合することで、前記銀インク組成物は、金属銀をより形成し易くなり、例えば、低温での加熱処理でも十分な導電性を有する導電体(金属銀)を形成できる。
H−C(=O)−R21 ・・・・(5)
(式中、R21は、炭素数20以下のアルキル基、アルコキシ基若しくはN,N−ジアルキルアミノ基、水酸基又はアミノ基である。)
前記還元性化合物は、シュウ酸(HOOC−COOH)、ヒドラジン(H2N−NH2)及び前記一般式(5)で表される化合物(化合物(5))からなる群から選択される一種以上のものである。すなわち、配合される還元性化合物は、一種のみでよいし、二種以上でもよく、二種以上を併用する場合、その組み合わせ及び比率は、任意に調節できる。
窒素原子に結合している前記アルキル基は、それぞれ直鎖状、分岐鎖状及び環状のいずれでもよく、炭素数が1〜19である点以外は、前記一般式(1)のRにおける前記アルキル基と同様のものが例示できる。
銀インク組成物は、前記金属銀の形成材料以外に、さらにアルコールが配合されてなるものでもよい。
アセチレンアルコール(2)は、前記一般式(2)で表される。
式中、R’及びR’’は、それぞれ独立に炭素数1〜20のアルキル基、又は1個以上の水素原子が置換基で置換されていてもよいフェニル基である。
R’及びR’’における炭素数1〜20のアルキル基は、直鎖状、分岐鎖状及び環状のいずれでもよく、環状である場合、単環状及び多環状のいずれでもよい。R’及びR’’における前記アルキル基としては、Rにおける前記アルキル基と同様のものが例示できる。
銀インク組成物は、前記金属銀の形成材料、含窒素化合物、還元剤及びアルコール以外の、その他の成分が配合されてなるものでもよい。
銀インク組成物における前記その他の成分は、目的に応じて任意に選択でき、特に限定されず、好ましいものとしては、アルコール以外の溶媒が例示でき、配合成分の種類や量に応じて任意に選択できる。
銀インク組成物における前記その他の成分は、一種を単独で使用してもよいし、二種以上を併用してもよい。二種以上を併用する場合で、その組み合わせ及び比率は、任意に調節できる。
銀インク組成物は、前記金属銀の形成材料、及び前記金属銀の形成材料以外の成分を配合することで得られる。各成分の配合後は、得られたものをそのまま銀インク組成物としてもよいし、必要に応じて引き続き公知の精製操作を行って得られたものを銀インク組成物としてもよい。本発明においては、特に前記金属銀の形成材料としてβ−ケトカルボン酸銀(1)を用いた場合、上記の各成分の配合時において、導電性を阻害する不純物が生成しないか、又はこのような不純物の生成量を極めて少量に抑制できるため、精製操作を行っていない銀インク組成物を用いても、十分な導電性を有する導電体(金属銀)が得られる。
混合方法は特に限定されず、撹拌子又は撹拌翼等を回転させて混合する方法;ミキサー、三本ロール、ニーダー又はビーズミル等を使用して混合する方法;超音波を加えて混合する方法等、公知の方法から適宜選択すればよい。
銀インク組成物において、溶解していない成分を均一に分散させる場合には、例えば、上記の三本ロール、ニーダー又はビーズミル等を用いて分散させる方法を適用するのが好ましい。
また、配合時間も、各配合成分が劣化しない限り特に限定されないが、10分〜36時間であることが好ましい。
銀インク組成物は、さらに二酸化炭素が供給されてなるものでもよい。このような銀インク組成物は高粘度となり、例えば、フレキソ印刷法、スクリーン印刷法、グラビア印刷法、グラビアオフセット印刷法、パッド印刷法等の、インクを厚盛りすることが必要な印刷法への適用に好適である。
そして、本発明においては、例えば、前記金属銀の形成材料及び含窒素化合物が配合されてなる第一の混合物に、二酸化炭素を供給して第二の混合物とし、必要に応じて前記第二の混合物に、さらに、前記還元剤を配合して、銀インク組成物を製造することが好ましい。また、前記アルコール又はその他の成分を配合する場合、これらは、第一の混合物及び第二の混合物のいずれか一方又は両方の製造時に配合でき、目的に応じて任意に選択できる。
そして、二酸化炭素ガスの供給時間は、必要とされる二酸化炭素ガスの供給量や、流量を考慮して適宜調節すればよい
この時の撹拌方法は、二酸化炭素を用いない上記の銀インク組成物の製造時における前記混合方法の場合と同様でよい。
ドライアイスの使用量は、上記の二酸化炭素ガスの供給量を考慮して調節すればよい。
ドライアイスの添加中及び添加後は、第一の混合物を撹拌することが好ましく、例えば、二酸化炭素を用いない上記の銀インク組成物の製造時と同様の方法で撹拌することが好ましい。このようにすることで、効率的に二酸化炭素を供給できる。
撹拌時の温度は、二酸化炭素ガス供給時と同様でよい。また、撹拌時間は、撹拌温度に応じて適宜調節すればよい。
このときの銀インク組成物は、配合成分が異なる点以外は、二酸化炭素を用いない上記の銀インク組成物と同様の方法で製造できる。そして、得られた銀インク組成物は、配合成分がすべて溶解していてもよいし、一部の成分が溶解せずに分散した状態であってもよいが、配合成分がすべて溶解していることが好ましく、溶解していない成分は均一に分散していることが好ましい。
また、配合時間は、配合成分の種類や配合時の温度に応じて適宜調節すればよいが、例えば、0.5〜12時間であることが好ましい。
前記印刷法としては、スクリーン印刷法、フレキソ印刷法、オフセット印刷法、ディップ式印刷法、インクジェット式印刷法、ディスペンサー式印刷法、ジェットディスペンサー式印刷法、グラビア印刷法、グラビアオフセット印刷法、パッド印刷法等が例示できる。
前記塗布法としては、スピンコーター、エアーナイフコーター、カーテンコーター、ダイコーター、ブレードコーター、ロールコーター、ゲートロールコーター、バーコーター、ロッドコーター、グラビアコーター等の各種コーターや、ワイヤーバー等を用いる方法が例示できる。
前記基材として非シート状のものを用い、前記積層体として非シート状の立体的な3次元形状のものを製造する場合には、銀インク組成物はパッド印刷法、ディスペンサー式印刷法又はジェットディスペンサー式印刷法で基材上に付着させることが好ましい。
一段階目の加熱処理において、加熱温度は、銀インク組成物の配合成分の種類に応じて適宜調節すればよいが、50〜110℃であることが好ましく、70〜90℃であることがより好ましい。また、加熱時間は、加熱温度に応じて調節すればよいが、通常は、5秒〜12時間であることが好ましく、30秒〜2時間であることがより好ましい。
二段階目の加熱処理において、加熱温度は、導電体が良好に形成されるように、銀インク組成物の配合成分の種類に応じて適宜調節すればよいが、60〜280℃であることが好ましく、70〜260℃であることがより好ましい。また、加熱時間は、加熱温度に応じて調節すればよいが、通常は、1分〜12時間であることが好ましく、1分〜10時間であることがより好ましい。
また、下記基材の「表面粗さ」は、レーザ顕微鏡(キーエンス社製「VK−X100」)を用いて、JIS B0601:2001(ISO4287:1997)に従い、λs=0.25μm、λc=2.5mmでカットオフして測定したものである。
基材(p2):液晶ポリマーを含む基材(厚さ2000μm、表面粗さ0.859μm)
基材(pR1):ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)製基材(サンプラテック社製、厚さ5000μm、表面粗さ0.815μm)
基材(pR2):ソーダ石灰ガラス製基材(松浪硝子社製、厚さ1200μm、表面粗さ0.009μm)
<積層体の製造>
(銀インク組成物の製造)
液温が50℃以下となるように、ビーカー中で2−エチルヘキシルアミン(後述する2−メチルアセト酢酸銀に対して0.4倍モル量)に2−メチルアセト酢酸銀を添加して、メカニカルスターラーを用いて15分間撹拌することにより、液状物を得た。この液状物に、反応液の温度が50℃以下となるように、シリンジポンプを用いてギ酸(2−メチルアセト酢酸銀に対して0.7倍モル量)を30分間かけて滴下した。ギ酸の滴下終了後、25℃にて反応液をさらに1時間撹拌することにより、銀インク組成物を得た。各配合成分の種類と配合比を表1に示す。表1中、「含窒素化合物(モル比)」とは、金属銀の形成材料の配合量1モルあたりの含窒素化合物の配合量(モル数)([含窒素化合物のモル数]/[金属銀の形成材料のモル数])を意味する。「還元剤(モル比)」も同様に、金属銀の形成材料の配合量1モルあたりの還元剤の配合量(モル数)([還元剤のモル数]/[金属銀の形成材料のモル数])を意味する。
基材(p1)の表面に、20%ヒドラジン水溶液を滴下し、その上に厚さ4mmの合成石英板を被せて、前記ヒドラジン水溶液を基材の表面上で広げた。
次いで、低圧水銀ランプを用いて、前記基材の上方から前記合成石英板を介して前記基材の表面に255nmを中心波長とする紫外線を62秒間照射した。このときの紫外線の照射強度は3000mJ/cm2とした。
次いで、前記基材から前記合成石英板を外し、水洗することで基材表面のヒドラジン水溶液を除去した後、基材表面を2−プロパノールで洗浄し、乾燥させて、表面処理した基材を得た。
次いで、熱風の吹き付け(風速:15m/秒)により、印刷済みの前記基材を80℃で1分間乾燥させ、さらに、250℃の水蒸気雰囲気下にこの基材を10分間置いて加熱(焼成)処理することで、12.5mm×12.5mmの大きさにパターニングされた、厚さ1μmの銀層を基材上に形成し、積層体を得た。
(銀層の体積抵抗率の測定)
上記で得られた積層体について、レーザ顕微鏡(キーエンス社製「VK−X100」)を用いて、形成した銀層の厚さT(cm)を測定した。また、抵抗率計(三菱化学アナリテック社製「ロレスタMCP−T610、PSP型プローブ」)を用いて、4端子法により、形成した銀層の表面抵抗値を測定し、この測定値に、銀層のパターン形状とプローブ形状とから算出された抵抗率補正係数(4.04)を乗じて、表面抵抗率R(Ω)を算出した。そして、式「ρ=R×T」により、銀層の体積抵抗率ρ(μΩ・cm)を算出した。結果を表2に示す。
なお、表2中、製造条件の欄の「−」は、その欄の操作を行わなかったことを意味する。また、評価結果の欄の「−」は、その評価を行わなかったことを意味する。
上記で得られた積層体について、JIS K5600−5−6に準拠して、銀層と基材との密着性を評価した。すなわち、銀層において直交する2方向に表面側から切れ込みを1mm間隔で入れてクロスカットすることで、1mm×1mmの領域(マス目)を100個形成した。このクロスカット後の銀層表面にテープを貼付した後、このテープを剥がし、この100個の領域について、銀層の基材からの完全な又は部分的な剥離が見られない領域(銀層が剥離せずに基材上に完全に残っている領域)の数Nを確認して、Nが1以上の場合には○とし、Nが0の場合には×として、銀層と基材との密着性を評価した。結果を表2に示す。表2中には、剥離が見られない領域の数Nも合わせて示す。
<積層体の製造及び評価>
積層体製造時において、基材の表面に紫外線を照射しなかった点以外は、実施例1と同じ方法で積層体を製造し、評価した。結果を表2に示す。
<積層体の製造及び評価>
積層体製造時において、使用したヒドラジン水溶液の濃度を表2に示すとおりとした点以外は、比較例1と同じ方法で積層体を製造し、評価した。結果を表2に示す。
<積層体の製造及び評価>
積層体製造時において、使用した基材及びヒドラジン水溶液の濃度、並びに紫外線の照射強度を、表2に示すとおりとした点以外は、実施例1と同じ方法で積層体を製造し、評価した。結果を表2に示す。
<積層体の製造>
低圧水銀ランプを用いて、基材(p1)の上方から前記基材の表面に255nmを中心波長とする紫外線を79秒間照射した。このときの紫外線の照射強度は3800mJ/cm2とした。
以下、実施例1と同じ方法で積層体を得た。
すなわち、本実施例では、ヒドラジン水溶液及び合成石英板を用いずに、前記基材の表面に直接紫外線を照射した。
実施例1と同じ方法で、上記で得られた積層体を評価した。結果を表3に示す。
<積層体の製造及び評価>
積層体製造時において、基材の表面に紫外線を照射しなかった点以外は、実施例7と同じ方法で積層体を製造し、評価した。結果を表3に示す。
<積層体の製造及び評価>
積層体製造時において、使用した基材、及び紫外線の照射強度を、表3に示すとおりとした点以外は、実施例7と同じ方法で積層体を製造し、評価した。結果を表3に示す。
これに対して、比較例1〜14の積層体は、液晶ポリマーを含まない基材を使用したか、又は液晶ポリマーを含む基材の表面処理がなされなかったか、若しくはその程度が不十分であったため、基材と銀層との密着性が低かった。
しかし、上記実施例及び比較例の結果からも明らかなように、単純にこれら文献に記載の照射強度で液晶ポリマーを含む基材に紫外線を照射しても、本発明の効果は得られない。これは、本発明においては、液晶ポリマーと銀との組み合わせに特有の、適した紫外線の照射条件が求められるからである。
Claims (4)
- 液晶ポリマーを含む基材の表面に銀層が積層されてなる積層体の製造方法において、
前記基材の表面に紫外線を照射して、前記表面を改質する工程と、
紫外線照射後の前記表面に、金属銀の形成材料が配合されてなる銀インク組成物を用いて銀層を形成する工程と、を有することを特徴とする積層体の製造方法。 - 前記基材の表面にヒドラジン類を接触させながら、前記基材の表面に前記紫外線を照射することを特徴とする請求項1に記載の積層体の製造方法。
- 前記紫外線の照射強度が、前記ヒドラジン類を用いない場合には3200〜54000mJ/cm2であり、前記ヒドラジン類を用いる場合には2100〜53000mJ/cm2であることを特徴とする請求項1又は2に記載の積層体の製造方法。
- 液晶ポリマーを含む基材の表面に銀層が積層されてなり、前記銀層の金属銀の比率が99質量%以上であることを特徴とする積層体。
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