JP2010276920A - 合成樹脂製成形品用ラベル - Google Patents

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【課題】 本発明は合成樹脂製成形品用のラベルにおいて、一貫ラインで生産可能な層構成を創出することを技術的課題とするものであり、低コストで、手で簡単に剥がせる、合成樹脂製成形品用ラベルを供給することを目的とする。
【解決手段】 合成樹脂製成形品用ラベルにおいて、粘着層を、表面若しくは裏面に印刷層を形成した基材フィルムの裏面側に、紫外線硬化型の粘着剤成分を含むインクを印刷により所定のパターンに部分的に形成すると共にUV照射により硬化させて所定のパターンに部分的に形成した構成とする。
【選択図】図1

Description

本発明は合成樹脂製成形品の表面に貼着して使用するラベルに関する。
従来、プラスチックボトル等の合成樹脂成形品に貼着して用いられるラベルとしては、表面に印刷を施した紙や合成樹脂製フィルム等の基材に粘着層を形成した、所謂、タックラベルが多く用いられている。(例えば特許文献1)
図6は従来より使用されているタックラベルの代表的な層構成を示す断面図であり、基材フィルム12の表面に印刷層13を形成すると共にその上に保護層16を形成し、裏面には粘着層14を形成し剥離紙15を貼り合わせたものである。
一方、ペットボトル等はリサイクルして使用されるが、その際タックラベルには、再生処理設備のボトル洗浄工程でラベルが剥離するように、熱水可溶性の粘着剤が使用されているものが多い。
また、より効率的にリサイクルできるようにするため、各家庭で使用済みボトルからタックラベルを大きな力を必要とせずに簡単に手で剥がせるように、図6に示されるように、ボトルへの接着がラベル全面ではなく、部分的となるようにマスキング層17を設ける場合が多い。
特開2000−112361
ここで、上記したようなタックラベルは通常、ラベルメーカーが、基材全面に粘着層が形成され、剥離紙が積層された原紙を購入し、必要に応じて粘着層にマスキング層を積層し、表面側に印刷層を形成した後に所定のラベル形状に基材のみ打ち抜くように打抜き加工を行い、ラベル部以外の不要な基材を巻き取りながら除去し、必要なラベル部の残った剥離紙を巻き取り、ロール状のタックラベルとするのが一般的であるが、原紙の製造工程と、マスキング層の積層、印刷層の印刷及び打抜きからなる工程が別工程であるためにコスト高となると云う問題があった。
また、マスキング層の積層もコスト高の要因である。
そこで、本発明は上記のようなタックラベルについて、一貫ラインで生産可能な層構成を創出することを技術的課題とするものであり、低コストで、手で簡単に剥がせる、合成樹脂製成形品用ラベルを供給することを目的とする。
上記技術的課題を解決する手段に係る本発明の主たる構成は、
合成樹脂製成形品用ラベルにおいて、
粘着層を、表面若しくは裏面に印刷層を形成した基材フィルムの裏面側に、
紫外線(以下、UVと略記する。)硬化型の粘着剤成分を含むインクを印刷により所定のパターンに部分的に形成すると共にUV照射により硬化させて所定のパターンに部分的に形成した構成とする、と云うものである。
上記構成の特徴は、UV硬化型の粘着剤成分を含むインクを印刷により所定のパターンに部分的に形成した後、UV照射することにより、粘着層を所定のパターンに部分的に形成する点にあり、マスキング層を積層する必要がなく、また粘着剤の量が少量で、合成樹脂成形品に貼着したラベルを大きな力を必要とせずに手で簡単に剥がせるタックラベルとすることができる。
そして上記構成によれば、ラベルを、原紙の製造工程と、マスキング層の積層、印刷及び打抜きのための工程を別工程とすることなく、次の(1)〜(4)に記載した工程に沿って、一貫ラインで、低コストで製造することが可能となる。
(1)印刷機により基材フィルムの表面若しくは裏面に印刷層を形成する。
(2)同じ印刷機により、基材フィルムの裏面側にUV硬化型の粘着剤成分を含むインクを所定のパターンで部分的に印刷する。
(3)透明性を有する剥離紙を粘着層に貼り合わせ、UV照射によりUV硬化型の粘着剤成分を含むインクを硬化させて粘着層を所定のパターンで部分的に形成する。
(4)所定のラベル形状に打抜き加工し、ラベル部以外の不要な基材フィルムを巻き取りながら除去し、必要なラベル部の残った剥離紙を巻き取り、ロール状のタックラベルとする
ここで、上記構成において基材フィルムの表面、裏面あるいは裏面側と云う語句を使用しているが、上記構成では、表面、裏面はラベルの成形品に貼付される側を裏面、その反対側を表面と定義して使用している。
また、印刷層を基材フィルムの裏面に形成するケースでは、粘着層はこの印刷層に裏面側から重ねるように形成される。
また、粘着層の形成パターンはラベルの成形品への貼着固定性と、使用後の手による易剥離性を考慮して適宜決めることができるものである。
また、粘着剤成分を含むインクへのUVの照射量により上記、貼着固定性と易剥離性のバランスを調整することが可能である。
また、印刷方式としては、目的に応じてフレキソ印刷、凸版輪転印刷、オフセット印刷、スクリーン印刷等、様々な印刷方式で実施することができる。
本発明の他の構成は上記主たる構成において、基材フィルムを透明性を有するものとし、印刷層をこの基材フィルムの裏面に形成し、この印刷層側にさらに粘着層を形成する、と云うものである。
上記構成によれば、基材フィルムが印刷層の保護層としての機能を発揮することができ、保護層を付加積層することなく、印刷層の擦れ等よる毀損を効果的に防止することができる。
勿論、ラベルによる加飾態様により、基材フィルムを合成紙等による不透明なものとして、印刷層を表面に形成し、さらには印刷層をニスコート層で被覆保護するような構成とすることもできる。
本発明のさらに他の構成は上記主たる構成において、粘着層を熱水若しくは熱アルカリ水溶液に可溶性なものとする、と云うものである。
上記構成により、再生処理設備の洗浄工程で粘着層を溶解あるいは膨潤させてラベルを確実に剥離することができる。
ここで、粘着層に熱水若しくは熱アルカリ水溶液に可溶性を付与する手段の一例とし、インクを構成する粘着剤成分にエステル系やアミド系の非イオン性界面活性剤を配合する、粘着剤成分の分子内に酸性基を有し、かつ不飽和二重結合を有するポリカルボン酸エステルを配合する、発泡剤を配合する等の手段がある。
本発明のさらに他の構成は上記主たる構成において、粘着層をラベルの周縁部を囲うように形成する、と云うものである。
本発明のさらに他の構成は上記主たる構成において、粘着層を多数のドット状に形成する、と云うものである。
上記構成は、いずれも粘着層の形成パターンの代表的なものであり、周縁部に配設する粘着層の幅や、ドットの大きさと数等を適宜設定することにより、ラベルの成形品への貼着固定性と、使用後の手による易剥離性バランスを調整することができる。
本発明は、上記した構成となっているので、以下に示す効果を奏する。
すなわち、本発明の主たる構成を有するラベルの特徴は、印刷により、UV硬化型の粘着剤成分を含むインクを所定のパターンに部分的に形成した後、UV照射をして粘着層を形成する点にあり、
粘着層を所定のパターンに部分的に形成することができ、マスキング層を積層する必要がなく、ラベルを一貫ラインで製造することができ、低コストで、大きな力を必要とせずに簡単に手で剥がすことのできる、合成樹脂製成形品用ラベルを供給することができる。
本発明のラベルの一実施例の層構成を示す断面図である。 図1のラベルの粘着層の形成パターンを示す平面図である。 図1のラベルを壜体の胴部に貼着した例を示す正面図である。 本発明のラベルの他の層構成を示す断面図である。 ラベルの粘着層の他の形成パターンを示す平面図である。 従来より使用されているラベルの代表的な層構成を示す断面図である。
以下、本発明の実施形態を、実施例に沿って図面を参照しながら説明する。
図1、図2は本発明のラベルの一実施例を示すものであり、図1は層構成を示す断面図、図2は粘着層の形成パターンを示す平面図である。
また、図3はこのラベルを壜体(ペットボトル)の胴部に貼付した例を示す正面図である。
本実施例のラベル11の層構成は図1に示されるようなものであり、ポリプロピレン樹脂製延伸フィルム(以下、OPPフィルムと略記する。)製の透明で、厚さが50ミクロンの基材フィルム12の裏面に印刷層13、粘着層14の順で積層し、さらに剥離紙15を貼り合わせている。
そして、印刷層13により図3で見られる「焼酎」や「4L」と云う文字が現出される。また、基材フィルム12は印刷層13の保護層としての機能も発揮する。
なお、基材フィルムの材質は、特に限定されず、従来のラベルに使用される材質のフィルムが使用できるが、リサイクルされるペットボトルに貼着される場合は、再生処理設備における比重分離工程で分離可能な比重1未満の材質のフィルムを使用することが望ましい。
また、粘着層14はUV硬化型の粘着剤成分を含むインクを印刷機により、図2に示される規則正しく整列した多数のドット状のパターンに印刷し、その後UV照射により硬化させて形成したものであり、
このラベル11は次の(1)〜(4)に記載した工程により、一貫ラインで製造したものである。
(1)フレキソ印刷機により基材フィルム12の裏面にUV硬化型インキを使用し、文字等を印刷し、次いでUV照射によりUV硬化型インキを硬化させ、印刷層13を形成する。
(2)同じフレキソ印刷機により、基材フィルム12の裏面側の印刷層13側にUV硬化型の粘着剤成分を含むインクを、版を使用し、図2に示されるような、規則正しく整列した多数のドット状のパターンに印刷する。
(3)さらに厚さ20ミクロンの透明なOPPフィルムにシリコン樹脂を塗布した剥離紙15をUV硬化型の粘着剤成分を含むインク側に貼り合わせ、裏面側から透明なOPPフィルムを介して粘着層14にUV照射し、UV硬化型の粘着剤成分を含むインクを硬化させて粘着層14を形成する。
(4)矩形状に打抜き加工し、ラベルに不必要な部分を巻き取りながら、除去し、必要な部分を巻き取り、ロール状のタックラベルとする。
そして、図3の例で見られるように、ラベル11は多数のドット状に形成された粘着層14を介して壜体1の胴部2の壁面に貼付されるので、このドットの大きさや数、さらにはUV照射量等により、貼着強度を調整でき、使用が終わった段階では、各家庭で使用済の壜体1からラベル11を手で簡単に剥がせるようにすることができる。
また、インクを構成する粘着剤成分を熱水若しくは熱アルカリ水溶液に可溶性なものとしておくことにより、再生処理設備の洗浄工程で、粘着層14を溶解あるいは膨潤させてラベル11を確実に剥離することができる。
次に、図4は本発明のラベルの他の層構成例を示す断面図である。
この例では基材フィルム12として、不透明で厚さが80ミクロンの合成紙を使用しており、この基材フィルム12の表面に印刷層13を形成し、ニスコートにより保護層16としている。
また、裏面には粘着層14が先の実施例と同様に図2に示されるパターンに形成されており、さらに剥離紙15を貼り合わせている。
ここで、この例では剥離紙15としてシリコン樹脂を塗布した透明な厚さ20ミクロンのOPPフィルムを使用しており、UV硬化型の粘着剤成分を含むインクを硬化させる際にはこの剥離紙15側からUV照射することができる。
次に、図5はラベル11における粘着層14の他の形成パターンを示す平面図であり、図5(a)はラベル11の周縁部に粘着層14を形成した例、図5(b)はラベル11の左右端縁部に粘着層14を形成した例である。
なお、このような矩形状のラベル11では、少なくとも一つの角部に図5(a)、(b)に見られる様に、粘着層14の欠部を設け、剥離部19を形成することにより、この剥離部19を起点として指先でラベル11を容易に剥離することができる。
以上、実施例に沿って本願発明の構成とその作用効果を説明したが、本願発明のラベルはこれら実施例に限定されるものではなく、
粘着層を、UV硬化型の粘着剤成分を含むインクを印刷により所定のパターンに部分的に形成した後にUV照射により硬化させて所定のパターンに部分的に形成すると云う範疇のなかで、様々な態様とすることができる。
また、通常は、本実施例のように、UV硬化型の粘着剤成分を含むインクを印刷により所定のパターンに部分的に形成し、透明性を有する剥離紙を貼り合わせた後に、剥離紙側からUV照射し、UV硬化型の粘着剤成分を含むインクを硬化させるが、剥離紙を貼り合わせる前に、UV硬化型の粘着剤成分を含むインクに直接UV照射し、その後、剥離紙を貼り合わせてもよく、その場合、剥離紙は不透明であっても構わない。
以上、説明したように本発明のラベルは、マスキング層も不要で、一貫ラインで製造できるものであり、従来に比較して低コストで供給することができ、手で簡単に剥がすことができるため、特にペットボトル等、リサイクルされる合成樹脂成形品の分野での幅広い利用展開が期待される。
1 ;壜体
2 ;胴部
11;ラベル
12;基材フィルム
13;印刷層
14;粘着層
15;剥離紙
16;保護層
17;マスキング層
19;剥離部

Claims (5)

  1. 粘着層(14)を、表面若しくは裏面に印刷層(13)を形成した基材フィルム(12)の裏面側に、紫外線硬化型の粘着剤成分を含むインクを印刷により所定のパターンに部分的に形成すると共に紫外線照射により硬化させて前記所定のパターンに部分的に形成したことを特徴とする合成樹脂製成形品用ラベル。
  2. 基材フィルム(12)を透明性を有するものとし、該基材フィルム(12)の裏面に印刷層(13)を形成し、さらに粘着層(14)を形成した請求項1記載の合成樹脂製成形品用ラベル。
  3. 粘着層(14)を熱水若しくは熱アルカリ水溶液に可溶性なものとした請求項1または2記載の合成樹脂製成形品用ラベル。
  4. 粘着層(14)をラベルの周縁部を囲うように形成した請求項1、2または3記載の合成樹脂製成形品用ラベル。
  5. 粘着層(14)を多数のドット状に形成した請求項1、2または3記載の合成樹脂製成形品用ラベル。
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