JP2010271619A - ロール状偏光板保護フィルム、偏光板およびロール状偏光板保護フィルムの製造方法 - Google Patents

ロール状偏光板保護フィルム、偏光板およびロール状偏光板保護フィルムの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】本発明の目的は、ロール状でフィルムが保存される際の貼り付きに起因すると見られる、位相差ムラおよび塗布ムラを改良することである。
【解決手段】本発明の目的は、厚み10μm以上40μm未満、巻き長3000〜10000m、幅1500〜4000mm、下記で示されるB値が5.0×10以上5.0×1011以下であるセルロースエステルからなるフィルムを巻いたロール状偏光板保護フィルムであって、該フィルムのMD方向の弾性率E1とTD方向の弾性率E2とについて、1.10≦E1/E2≦2.00、かつ3.0≦E2≦6.0GPaであることを特徴とするロール状偏光板保護フィルムによって達成された。
ただしB値とは、フィルムの幅(m)を4乗したものを、フィルムの厚み(m)を2乗したもので除した数値である。
【選択図】なし

Description

本発明は、液晶ディスプレイ等に使用される偏光板およびその偏光板に使用されるロール状偏光板保護フィルム、そしてそのロール状偏光板保護フィルムの製造方法に関する。
液晶ディスプレイが広く普及することによって、使用する部材に一層の生産性が求められている。つまり偏光板保護フィルムにおいては、より広幅で長尺であることが求められる。
一方でモバイル用途への展開に伴い、ディスプレイパネルの厚みを薄くすることも大きな課題である。ディスプレイ1枚に対し4枚使用される偏光板保護フィルムは決して無視できない存在であり、1枚当たりの厚みをわずかでも薄くすることが大きな寄与をもたらすものである。
特許文献1には、ロール状偏光板保護フィルムの厚みが80μm未満である場合に皺の発生度が高く、歩留まりが大幅に低下するという課題が示されている。
この解決のために膜厚が20〜60μmで、かつ、巻き長さが1000〜5000mのロール状セルロースエステルフィルムであって、前記セルロースエステルの平均置換度が2.88〜3.00であり、前記ロール状フィルムの膜厚変動が基準膜厚の±3.0%以内であることを特徴とする巻き長さが1000〜5000mのロール状セルロースエステルフィルムが開示されている。
このような薄膜化、広幅化、長尺化を同時に追求していくと、幅1500mm以上であって、膜厚が40μmよりも薄くなると巻長が2000mを越えた辺りから急激に問題が生じることが判明した。
問題の一つ目は、ディスプレイを作製し表示させた時に現れるX字状のムラ(X字ムラ)である。これは偏光子と液晶セルに挟まれた場所に位置する偏光板保護フィルムの位相差ムラに起因するものであり、おそらくは保存時にフィルム同士の接触部分が一部貼り付き、変形したことが原因と推定している。
問題の二つ目は、フィルム上にハードコート等の塗布加工をした場合のハジキ故障である。これも同じく保存時にフィルム同士の接触部分が一部貼り付き、変形したことが原因と推定している。
これらの問題は、鹸化処理をした後にロール状で保存することによってさらに深刻化する。
通常、偏光板保護フィルムはその幅の両端にエンボス加工が施され、ロールに巻いた時にフィルム同士が接触しにくいようさらに工夫されているが、薄膜の場合は作製できるエンボス高さに限界がある(特許文献2)。
従来からのマット剤と呼ばれる無機微粒子を多量添加することによってもフィルム同士の貼り付きを防止することができるが、フィルム内部の散乱を増大させ、液晶パネルのコントラストを低下させる。
以上のように薄膜かつ広幅および長尺を同時に追求した場合には、位相差ムラと塗布ムラが劣化するため、ディスプレイとしての外観および画像の均一性を保つことが困難であった。
特開2001−19776号公報 特開2009−73154号公報
本発明は、薄膜かつ広幅および長尺のロール状偏光板保護フィルムに関し、その目的はロール状でフィルムが保存される際の貼り付きに起因すると見られる、位相差ムラおよび塗布ムラを改良することである。
本発明の目的は下記によって達成された。
1.厚み10μm以上40μm未満、巻き長3000〜10000m、幅1500〜4000mm、下記で示されるB値が5.0×10以上5.0×1011以下であるセルロースエステルからなるフィルムを巻いたロール状偏光板保護フィルムであって、該フィルムのMD方向の弾性率E1とTD方向の弾性率E2とについて、1.10≦E1/E2≦2.00、かつ3.0≦E2≦6.0GPaであることを特徴とするロール状偏光板保護フィルム。
ただしB値とは、フィルムの幅(m)を4乗したものを、フィルムの厚み(m)を2乗したもので除した数値である。
2.60℃90%RHの環境下で300時間保存した前後のTD寸法変化率が−3.0%〜−1.0%の範囲であることを特徴とする前記1に記載のロール状偏光板保護フィルム。
3.アクリル系重合体を含有することを特徴とする前記1〜2いずれか1項に記載のロール状偏光板保護フィルム。
4.偏光子の少なくとも片方の面に、前記1〜3いずれか1項に記載のロール状偏光板保護フィルムから巻きほぐした偏光板保護フィルムを貼り合わせたことを特徴とする偏光板。
5.セルロースエステルを主成分とする樹脂混合物を溶融流延し、得られたフィルムをMD、TD方向にそれぞれ1.60倍以上3.0倍以下延伸して製造されたことを特徴とする前記1〜3のいずれか1項に記載のロール状偏光板保護フィルムの製造方法。
本発明によって、ロール状でフィルムが保存される際の貼り付きに起因すると見られる、位相差ムラおよび塗布ムラを改良することができる。
本発明のロール状フィルムの製造装置である。 本発明の製造装置の延伸工程である。
<ロール状偏光板保護フィルム>
本発明のロール状偏光板保護フィルムは、厚み10μm以上40μm未満、巻き長3000〜10000m、幅1500〜4000mmを外観とし、下記で示されるB値が5.0×10以上5.0×1011以下であるセルロースエステルからなるロール状フィルムであって、該フィルムのMD方向の弾性率E1とTD方向の弾性率E2とについて、1.10≦E1/E2≦2.00、かつ3.0GPa≦E2≦6.0GPaの関係を有していることを特徴とする。
ここでB値とは、フィルムの幅(m)を4乗したものを、フィルムの厚み(m)を2乗したもので除した数値である。
本発明の効果は、フィルムの膜厚40μm以上ではほとんど確認されないが、40μm未満では顕著である。10μm未満では偏光子を保持するだけの力学特性が得られないことから、本発明の効果を示すことは難しい。
〈B値〉
本発明におけるB値とは、フィルムの幅(m)を4乗したものを、厚み(m)を2乗したもので除した数値であり、本発明のフィルムは、幅、厚みの関係からB値が5.0×10以上5.0×1011以下であることを特徴とする。
本発明者らは、フィルムを板として両端を支持した場合の中央部のたわみ量に注目した。フィルムのたわみ量は(幅の4乗)÷(厚みの2乗)÷(幅方向の弾性率)に比例することが知られている。フィルムの幅が広くなればたわみ量は大きくなる。板の厚みは、厚くなると自重が増えてたわませようとする力は増えるが、変形に抗する力(伸長・収縮に対する内部の抵抗力)も増えるため、両者の差し引きになる。
本発明の課題である位相差ムラおよび塗布ムラは、このたわみ量に関係するB値が5.0×10以上5.0×1011以下の範囲において発生することを見出し、本発明は、そのB値範囲における有効な課題の解決手段を提供するものである。
〈弾性率〉
本発明において弾性率は、23℃、55%RHの環境下で試料を24時間調湿し、JIS K7127に記載の方法に準じて、同環境下引っ張り試験器オリエンテック(株)社製テンシロンRTA−100を使用し、試験片の形状は1号形試験片で、試験速度は10mm/分の条件で測定した。
本発明では、フィルムのMD方向の弾性率をE1、TD方向の弾性率をE2とし、1.10≦E1/E2≦2.00、および3.0GPa≦E2≦6.0GPaであることを特徴とする。
ここで、MD方向とは、ロール状フィルムの製膜方向をいい、TD方向とは、製膜方向に垂直な方向(いわゆる幅方向)をいう。
E2が3.0GPa未満である場合、フィルム同士の接触がしやすくなり、前記の問題を引き起こす。E2を大きくすることによってこの問題は改善するが、あるところから改善効果は鈍る。
本発明者らは逆にE1を大きくすることによってこの問題を解決することができた。すなわちE1/E2は1.10以上であることが必要であり、好ましくは1.20以上である。E1/E2が大きくなりすぎると片方向に剛直なフィルムとなり取扱にくくなるため、2.00以下であることが好ましい。またE1、E2はそれぞれ3.0〜6.0GPaが好ましい。
MD方向およびTD方向の弾性率を所望の値に調整する手段としては、延伸条件を調整することが好ましい。具体的な延伸条件については<延伸>の項に述べる。
また、弾性率は、セルロースエステルの置換度等素材の選択によっても調整することができる。
〈寸法変化率〉
本発明では、60℃90%RHの環境下で300時間保存した前後のTD寸法変化率が−3.0%〜−1.0%の範囲であることが好ましい。
具体的には作製したフィルムの幅方向に、目印(十字)を2箇所つけて60℃、90%RHで300時間処理し、再び23℃、55%RHの部屋で24時間調湿して2個の印の間の距離を株式会社ミツトヨ製測定顕微鏡MF−A1720で測定し、寸法変化率(%)を求める。寸法変化率(%)は下記式で表される。
寸法変化率(%)=〔(a2−a1)/a1〕×100
a1:湿熱処理前の距離
a2:湿熱処理後の距離
延伸フィルムは保存中に収縮する場合が多いため、収縮方向をプラスとする例が多いが、本発明では伸長方向がプラス、収縮方向がマイナスになるように表記する。
寸法変化率の絶対値として1%以上となるような設計は、特開2008−217021号公報他に見られるように従来禁忌されてきた。本発明においては逆に、TD方向が積極的に収縮することが好ましい。このような収縮挙動を付与することによって、ロール状偏光板保護フィルムの保存時、個々のフィルムが幅方向に張力を得やすく、フィルム同士の接触を抑制することができると推定している。−3.0%未満の場合は偏光板としての収縮挙動が許容できなくなるため好ましくない。
TD寸法変化率を所望の値に調整する手段としては、延伸条件を調整することが好ましい。具体的な延伸条件については<延伸>の項に述べる。
<ロール状偏光板保護フィルムの素材>
本発明のロール状偏光板保護フィルムは、セルロースエステルを主成分とする樹脂混合物を溶融流延し、得られたフィルムをMD、TD方向にそれぞれ1.60倍以上3.0倍以下延伸して製造されたことを特徴とする。
<樹脂混合物>
本発明の樹脂混合物は、セルロースエステルを50質量%以上および添加剤とからなる。
〈セルロースエステル〉
本発明においては、平均アシル基置換度2〜3.0個有するセルロースエステルを含有することを特徴とする。
本発明のセルロースエステルとしては、フィルムの分野で従来使用されているセルロースエステルをそのまま使用することができる。
当該樹脂を構成する化合物としては、例えば、セルロースジアセテート、セルロースアセテートプロピオネート、セルロースアセテートブチレート、又は、セルロースアセテートプロピオネートブチレートなどが使用可能であり、セルロースジアセテート、セルロースアセテートプロピオネートが好ましい。2種類以上のセルロースエステルを組み合わせて用いてもよい。
セルロースエステルの原料のセルロースとしては、特に限定はないが、綿花リンター、木材パルプ(針葉樹パルプ、広葉樹パルプ)、ケナフなどを挙げることができる。またそれらから得られたセルロースエステルはそれぞれ任意の割合で混合使用することができる。
セルロースエステルは、セルロース原料をアシル化剤が酸無水物(無水酢酸、無水プロピオン酸、無水酪酸)である場合には、酢酸のような有機酸やメチレンクロライド等の有機溶媒を用い、硫酸のようなプロトン性触媒を用いて合成する。
アシル化剤が酸クロライド(CHCOCl、CCOCl、CCOCl)の場合には、触媒としてアミンのような塩基性化合物を用いて反応が行われる。具体的には特開平10−45804号公報に記載の方法で合成することができる。
アシル基をセルロース分子の水酸基に反応させる。セルロース分子はグルコースユニットが多数連結したものからなっており、グルコースユニットに3個の水酸基がある。この3個の水酸基にアシル基が誘導された数を置換度という。例えば、セルローストリアセテートはグルコースユニットの3個の水酸基全てにアセチル基が結合している。
本発明において用いられるセルロースエステルは、特に脆性の改善や透明性の観点から、アシル基の平均置換度が2.0〜2.8、炭素数が3〜7のアシル基の置換度が0〜1.2であることが好ましい。本発明のセルロースエステルの炭素数が3〜7のアシル基としては、特にプロピオニル基が好ましく用いられる。
本発明において前記アシル基は、脂肪族アシル基であっても、芳香族アシル基であってもよい。脂肪族アシル基の場合は、直鎖であっても分岐していても良く、さらに置換基を有してもよい。本発明におけるアシル基の炭素数は、アシル基の置換基を包含するものである。
上記セルロースエステルが、芳香族アシル基を置換基として有する場合、芳香族環に置換する置換基Xの数は0〜5個であることが好ましい。この場合も、置換基を含めた炭素数が3〜7であるアシル基の置換度が0〜1.2となるように留意が必要である。
本発明のセルロースエステルとしては、特にセルロースアセテートプロピオネート、セルロースアセテートブチレート、セルロースアセテートベンゾエート、セルロースプロピオネート、セルロースブチレートから選ばれる少なくとも一種であることが好ましく、即ち、炭素原子数3又は4のアシル基を置換基として有するものが好ましい。
これらの中で特に好ましいセルロースエステルは、セルロースアセテートプロピオネートやセルロースプロピオネートである。
なお、アセチル基の置換度や他のアシル基の置換度は、ASTM−D817−96に規定の方法により求めたものである。
本発明のセルロースエステルの重量平均分子量(Mw)は、脆性の改善の観点から75000以上であり、75000〜300000の範囲であることが好ましく、100000〜240000の範囲内であることがさらに好ましく、160000〜240000のものが特に好ましい。本発明では2種以上のセルロース樹脂を混合して用いることもできる。
本発明において、MD方向およびTD方向の弾性率を調整するために、セルロースエステルの置換度を調整することができる。一般に、置換度と弾性率は負の相関がある。また、置換基の種類としては、より長鎖の置換基で弾性率が下がる傾向にある。
特に好ましいセルロースエステルの置換度範囲は、アセチル基置換度1.3〜2.0、プロピオニル基置換度0.9〜1.5、総置換度2.4〜2.9の範囲である。
〈添加剤〉
本発明のロール状偏光板保護フィルムは、添加剤を0.5〜10質量部含有することが好ましい。
当該添加剤としては、アクリル系重合体を含有するのが好ましい。その他に、可塑剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、マット剤を含有することが好ましい。
《アクリル系重合体》
アクリル系重合体を一般式(1)または(2)で表される繰り返し単位を有するセルロースエステルフィルムに添加しても良い。なお、ここでアクリル系重合体にはメタクリル系重合体も含まれる。
アクリル系重合体を含有させた場合、機能として延伸方向に対して負の複屈折性を示すことが好ましく、特に構造が限定されるものではないが、エチレン性不飽和モノマーを重合して得られた重量平均分子量が500以上30000以下である重合体であることが好ましい。
重量平均分子量が500以上30000以下であるアクリル系重合体は、芳香環を側鎖に有するアクリル系重合体またはシクロヘキシル基を側鎖に有するアクリル系重合体であってもよい。
該重合体の重量平均分子量が500以上30000以下のもので該重合体の組成を制御することにより、上記セルロースエステルと該重合体との相溶性を良好にすることができる。
芳香環を側鎖に有するアクリル系重合体またはシクロヘキシル基を側鎖に有するアクリル系重合体について、好ましくは重量平均分子量が500以上10000以下のものであれば、上記に加え、製膜後のセルロースエステルフィルムの透明性が優れ、透湿度も極めて低く、偏光板用保護フィルムとして優れた性能を示す。
該重合体は、重量平均分子量が500以上30000以下であるから、オリゴマーから低分子量重合体の間にあると考えられるものである。このような重合体を合成するには、通常の重合では分子量のコントロールが難しく、分子量を余り大きくしない方法でできるだけ分子量を揃えることのできる方法を用いることが望ましい。
アクリル系重合体としては、分子内に芳香環と水酸基を有しないエチレン性不飽和モノマーXaと、分子内に芳香環を有せず、水酸基を有するエチレン性不飽和モノマーXbと、Xa、Xbを除く共重合可能なエチレン性不飽和モノマーとを共重合して得られた重量平均分子量2000以上30000以下の重合体X、または芳香環を有さないエチレン性不飽和モノマーYaと、Yaと共重合可能なエチレン性不飽和モノマーとを重合して得られた重量平均分子量500以上、3000以下の重合体Yであることが好ましい。
[重合体X、重合体Y]
一般式(1)または(2)で表される繰り返し単位を有するセルロースエステルフィルムのRoおよびRtを調整する方法としては、分子内に芳香環と水酸基を有しないエチレン性不飽和モノマーXaと、分子内に芳香環を有せず、水酸基を有するエチレン性不飽およびノマーXbとXa、Xbを除く共重合可能なエチレン性不飽和モノマーとを共重合して得られた重量平均分子量2000以上、30000以下の高分子量の重合体X、そして、より好ましくは、芳香環を有さないエチレン性不飽和モノマーYaと、Yaと共重合可能なエチレン性不飽和モノマーとを重合して得られた重量平均分子量500以上、3000以下の低分子量の重合体Yを含有することが好ましい。
重合体Xは、分子内に芳香環と水酸基を有しないエチレン性不飽和モノマーXaと分子内に芳香環を有せず、水酸基を有するエチレン性不飽和モノマーXbとXa、Xbを除く共重合可能なエチレン性不飽和モノマーとを共重合して得られた重量平均分子量2000以上、30000以下の重合体である。
好ましくは、Xaは分子内に芳香環と水酸基を有しないアクリルまたはメタクリルモノマー、Xbは分子内に芳香環を有せず水酸基を有するアクリルまたはメタクリルモノマーである。
重合体Xは、下記一般式(X)で表される。
一般式(X)
−[Xa]m−[Xb]n−[Xc]p−
上記一般式(X)において、Xaは分子内に芳香環と水酸基とを有しないエチレン性不飽和モノマーを表し、Xbは分子内に芳香環を有せず、水酸基を有するエチレン性不飽和モノマーを表し、XcはXa、Xbを除く共重合可能なエチレン性不飽和モノマーを表す。m、nおよびpは、各々モル組成比を表す。ただし、m≠0、m+n+p=100である。
さらに、重合体Xとして好ましくは、下記一般式(X−1)で表される重合体である。
一般式(X−1)
−[CH−C(−R1)(−COR2)]m−[CH−C(−R3)(−COR4−OH)−]n−[Xc]p−
上記一般式(X−1)において、R1、R3は、それぞれ水素原子またはメチル基を表す。R2は炭素数1〜12のアルキル基またはシクロアルキル基を表す。R4は−CH−、−C−または−C−を表す。Xcは、[CH−C(−R1)(−COR2)]または[CH−C(−R3)(−COR4−OH)−]に重合可能なモノマー単位を表す。m、nおよびpは、モル組成比を表す。ただしm≠0、m+n+p=100である。
重合体Xを構成するモノマー単位としてのモノマーを下記に挙げるが、これに限定されない。
Xにおいて、水酸基とは、水酸基のみならずエチレンオキシド連鎖を有する基をいう。分子内に芳香環と水酸基を有しないエチレン性不飽和モノマーXaは、例えば、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル(i−、n−)、アクリル酸ブチル(n−、i−、s−、t−)、アクリル酸ペンチル(n−、i−、s−)、アクリル酸ヘキシル(n−、i−)、アクリル酸ヘプチル(n−、i−)、アクリル酸オクチル(n−、i−)、アクリル酸ノニル(n−、i−)、アクリル酸ミリスチル(n−、i−)、アクリル酸(2−エチルヘキシル)、アクリル酸(ε−カプロラクトン)、等、または上記アクリル酸エステルをメタクリル酸エステルに変えたものを挙げることができる。中でも、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル(i−、n−)であることが好ましい。
分子内に芳香環を有せず、水酸基を有するエチレン性不飽和モノマーXbは、水酸基を有するモノマー単位として、アクリル酸またはメタクリル酸エステルが好ましく、例えば、アクリル酸(2−ヒドロキシエチル)、アクリル酸(2−ヒドロキシプロピル)、アクリル酸(3−ヒドロキシプロピル)、アクリル酸(4−ヒドロキシブチル)、アクリル酸(2−ヒドロキシブチル)、またはこれらアクリル酸をメタクリル酸に置き換えたものを挙げることができ、好ましくは、アクリル酸(2−ヒドロキシエチル)およびメタクリル酸(2−ヒドロキシエチル)、アクリル酸(2−ヒドロキシプロピル)、アクリル酸(3−ヒドロキシプロピル)である。
Xcとしては、Xa、Xb以外のモノマーで、かつ共重合可能なエチレン性不飽和モノマーであれば、特に制限はないが、芳香環を有していないものが好ましい。
XaおよびXbのモル組成比m:nは99:1〜65:35の範囲が好ましく、さらに好ましくは95:5〜75:25の範囲である。Xcのpは0〜10である。Xcは複数のモノマー単位であってもよい。
Xおよびモル組成比が多いと、セルロースエステルとの相溶性が良化するがフィルム厚み方向のリターデーション値Rtが大きくなる。Xbのモル組成比が多いと上記相溶性が悪くなるが、Rtを低減させる効果が高い。
また、Xbのモル組成比が上記範囲を超えると製膜時にヘイズが出る傾向があり、これらの最適化を図りXa、Xbのモル組成比を決めることが好ましい。
高分子量の重合体Xの分子量は、重量平均分子量が5000以上、30000以下であることがより好ましく、さらに好ましくは8000以上25000以下である。
重量平均分子量が30000以下とした場合は、上記セルロースエステルとの相溶性がより向上し、高温高湿下においてのブリードアウト、さらに製膜直後でのヘイズの発生が抑制される。
本発明の重合体Xの重量平均分子量は、公知の分子量調節方法で調整することができる。そのような分子量調節方法としては、例えば、四塩化炭素、ラウリルメルカプタン、チオグリコール酸オクチル等の連鎖移動剤を添加する方法等が挙げられる。
また、重合温度は、通常、室温から130℃、好ましくは50℃から100℃で行われるが、この温度または重合反応時間を調整することで可能である。
なお、重量平均分子量等は、前述の方法に準じて求めることができる。
重合体Yは、芳香環を有さないエチレン性不飽和モノマーYaを重合して得られた重量平均分子量500以上3000以下の重合体である。重量平均分子量500以上であれば重合体の残存モノマーが減少し好ましい。
また、3000以下とすることは、リターデーション値Rt低下性能を維持するために好ましい。Yaは、好ましくは芳香環を有さないアクリルまたはメタクリルモノマーである。
重合体Yは、下記一般式(Y)で表される。
一般式(Y)
−[Ya]k−[Yb]q−
上記一般式(Y)において、Yaは芳香環を有しないエチレン性不飽和モノマーを表し、YbはYaと共重合可能なエチレン性不飽和モノマーを表す。kおよびqは、各々モル組成比を表す。ただし、k≠0、k+q=100である。
重合体Yにおいて、さらに好ましくは下記一般式(Y−1)で表される重合体である。
一般式(Y−1)
−[CH−C(−R5)(−COR6)]k−[Yb]q−
上記一般式(Y−1)において、R5は、それぞれ水素原子またはメチル基を表す。R6は炭素数1〜12のアルキル基またはシクロアルキル基を表す。Ybは、[CH−C(−R5)(−COR6)]と共重合可能なモノマー単位を表す。kおよびqは、それぞれモル組成比を表す。ただしk≠0、k+q=100である。
Ybは、Yaである[CH−C(−R5)(−COR6)]と共重合可能なエチレン性不飽和モノマーであれば特に制限はない。Ybは複数であってもよい。k+q=100、qは好ましくは0〜30である。
芳香環を有さないエチレン性不飽和モノマーを重合して得られる重合体Yを構成するエチレン性不飽和モノマーYaは、アクリル酸エステルとして、例えば、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル(i−、n−)、アクリル酸ブチル(n−、i−、s−、t−)、アクリル酸ペンチル(n−、i−、s−)、アクリル酸ヘキシル(n−、i−)、アクリル酸ヘプチル(n−、i−)、アクリル酸オクチル(n−、i−)、アクリル酸ノニル(n−、i−)、アクリル酸ミリスチル(n−、i−)、アクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸(2−エチルヘキシル)、アクリル酸(ε−カプロラクトン)、アクリル酸(2−ヒドロキシエチル)、アクリル酸(2−ヒドロキシプロピル)、アクリル酸(3−ヒドロキシプロピル)、アクリル酸(4−ヒドロキシブチル)、アクリル酸(2−ヒドロキシブチル)、メタクリル酸エステルとして、上記アクリル酸エステルをメタクリル酸エステルに変えたもの;不飽和酸として、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、無水マレイン酸、クロトン酸、イタコン酸等を挙げることができる。
Ybは、Yaと共重合可能なエチレン性不飽和モノマーであれば特に制限はないが、ビニルエステルとして、例えば、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル、吉草酸ビニル、ピバリン酸ビニル、カプロン酸ビニル、カプリン酸ビニル、ラウリン酸ビニル、ミリスチン酸ビニル、パルミチン酸ビニル、ステアリン酸ビニル、シクロヘキサンカルボン酸ビニル、オクチル酸ビニル、メタクリル酸ビニル、クロトン酸ビニル、ソルビン酸ビニル、桂皮酸ビニル等が好ましい。Ybは複数であってもよい。
重合体X、Yを合成するには、通常の重合では分子量のコントロールが難しく、分子量を余り大きくしない方法で、かつできるだけ分子量を揃えることのできる方法を用いることが望ましい。
かかる重合方法としては、クメンペルオキシドやt−ブチルヒドロペルオキシドのような過酸化物重合開始剤を使用する方法、重合開始剤を通常の重合より多量に使用する方法、重合開始剤の他にメルカプト化合物や四塩化炭素等の連鎖移動剤を使用する方法、重合開始剤の他にベンゾキノンやジニトロベンゼンのような重合停止剤を使用する方法、さらに特開2000−128911号または同2000−344823号公報にあるような一つのチオール基と2級の水酸基とを有する化合物、あるいは、該化合物と有機金属化合物を併用した重合触媒を用いて塊状重合する方法等を挙げることができ、いずれも好ましく用いられる。
特に、重合体Yは、分子中にチオール基と2級の水酸基とを有する化合物を連鎖移動剤として使用する重合方法が好ましい。この場合、重合体Yの末端には、重合触媒および連鎖移動剤に起因する水酸基、チオエーテルを有することとなる。この末端残基により、Yとセルロースエステルとの相溶性を調整することができる。
重合体XおよびYの水酸基価は、30〜150[mgKOH/g]であることが好ましい。
なお、水酸基価の測定は、JIS K 0070(1992)に準ずる。この水酸基価は、試料1およびアセチル化させおよびき、水酸基と結合した酢酸を中和するのに必要とする水酸化カリウムのmg数と定義される。
具体的には試料Xg(約1g)をフラスコに精秤し、これにアセチル化試薬(無水酢酸20mlにピリジンを加えて400mlにしたもの)20mlを正確に加える。フラスコの口に空気冷却管を装着し、95〜100℃のグリセリン浴にて加熱する。
1時間30分後、冷却し、空気冷却管から精製水1mlを加え、無水酢酸を酢酸に分解する。
次に電位差滴定装置を用いて0.5mol/L水酸化カリウムエタノール溶液で滴定を行い、得られた滴定曲線の変曲点を終点とする。
さらに空試験として、試料を入れないで滴定し、滴定曲線の変曲点を求める。水酸基価は、次の式によって算出する。
水酸基価={(B−C)×f×28.05/X}+D
式中、Bは空試験に用いた0.5mol/Lの水酸化カリウムエタノール溶液の量(ml)、Cは滴定に用いた0.5mol/Lの水酸化カリウムエタノール溶液の量(ml)、fは0.5mol/L水酸化カリウムエタノール溶液のファクター、Dは酸価、また、28.05は水酸化カリウムの1mol量56.11の1/2を表す。
上述の重合体X、重合体Yはいずれも一般式(1)または(2)で表される繰り返し単位を有するセルロースエステルフィルムとの相溶性に優れ、蒸発や揮発もなく生産性に優れ、偏光板用保護フィルムとしての保留性がよく、透湿度が小さく、寸法安定性に優れている。
重合体Xと重合体Yのセルロースエステルフィルム中での含有量は、下記式(i)、式(ii)を満足する範囲であることが好ましい。重合体Xの含有量をXg(質量%=(重合体Xの質量/セルロースエステルの質量)×100)、重合体Yの含有量をYg(質量%)とすると、
式(i) 5≦Xg+Yg≦35(質量%)
式(ii) 0.05≦Yg/(Xg+Yg)≦0.4
式(i)の(Xg+Yg)の好ましい範囲は、10〜35質量%である。重合体Xと重合体Yは、セルロースエステル全質量に対し、総量として5質量%以上であれば、リターデーション値Rtの調整に十分な作用をする。
重合体Xと重合体Yは、後述する溶融を構成する素材として直接添加し混練する。
《酸化防止剤》
本発明においては、成形加工時の熱分解性や熱着色性を改良するために、セルロースエステル等の樹脂混合物が酸化防止剤を含有することが好ましい。
本発明において、好ましい酸化防止剤は、リン系又はフェノール系酸化防止剤であり、リン系とフェノール系酸化防止剤を同時に組み合わせるとより好ましい。
以下、本発明において好適に用いることができる酸化防止剤について説明する。
(フェノール系酸化防止剤)
本発明においては、下記一般式(AO1)で表されるフェノール系の酸化防止剤を使用することができる。
Figure 2010271619
一般式(AO1)中、R、R及びRは、さらに置換されているか又は置換されていないアルキル置換基を表す。フェノール系酸化防止剤の具体例には、n−オクタデシル3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)−プロピオネート、n−オクタデシル3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)−アセテート、n−オクタデシル3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンゾエート、n−ヘキシル3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニルベンゾエート、n−ドデシル3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニルベンゾエート、ネオ−ドデシル3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、ドデシルβ(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、エチルα−(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチルフェニル)イソブチレート、オクタデシルα−(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチルフェニル)イソブチレート、オクタデシルα−(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、2−(n−オクチルチオ)エチル3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシ−ベンゾエート、2−(n−オクチルチオ)エチル3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシ−フェニルアセテート、2−(n−オクタデシルチオ)エチル3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニルアセテート、2−(n−オクタデシルチオ)エチル3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシ−ベンゾエート、2−(2−ヒドロキシエチルチオ)エチル3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンゾエート、ジエチルグリコールビス−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシ−フェニル)プロピオネート、2−(n−オクタデシルチオ)エチル3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、ステアルアミドN,N−ビス−[エチレン3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、n−ブチルイミノN,N−ビス−[エチレン3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、2−(2−ステアロイルオキシエチルチオ)エチル3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンゾエート、2−(2−ステアロイルオキシエチルチオ)エチル7−(3−メチル−5−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)ヘプタノエート、1,2−プロピレングリコールビス−[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、エチレングリコールビス−[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、ネオペンチルグリコールビス−[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、エチレングリコールビス−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニルアセテート)、グリセリン−l−n−オクタデカノエート−2,3−ビス−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニルアセテート)、ペンタエリトリトール−テトラキス−[3−(3′,5′−ジ−t−ブチル−4′−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、1,1,1−トリメチロールエタン−トリス−[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、ソルビトールヘキサ−[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、2−ヒドロキシエチル7−(3−メチル−5−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、2−ステアロイルオキシエチル7−(3−メチル−5−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)ヘプタノエート、1,6−n−ヘキサンジオール−ビス[(3′,5′−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、ペンタエリトリトール−テトラキス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシヒドロシンナメート)が含まれる。上記タイプのフェノール系化合物は、例えば、チバ・ジャパン(株)から、“Irganox1076”及び“Irganox1010”という商品名で市販されている。
(リン系酸化防止剤)
本発明において用いることができるリン系酸化防止剤としては、ホスファイト(phosphite)、ホスホナイト(phosphonite)、又は、ホスフィナイト(phosphinite)等のリン系化合物を使用することができる。
リン系酸化防止剤としては、従来既知の化合物を用いることができる。例えば、特開2002−138188号、特開2005−344044号段落番号0022〜0027、特開2004−182979号段落番号0023〜0039、特開平10−306175号、特開平1−254744号、特開平2−270892号、特開平5−202078号、特開平5−178870号、特表2004−504435号、特表2004−530759号、および特願2005−353229号公報の明細書中に記載されているものが好ましい。
好ましいリン系化合物としては、特許公報特開2008−257220の21項に記載のようなものが好ましく使用されるがこれらに限定されない。
上記に加えて、本発明において用いることができるリン系化合物の具体例としては、トリフェニルホスファイト、ジフェニルイソデシルホスファイト、フェニルジイソデシルホスファイト、トリス(ノニルフェニル)ホスファイト、トリス(ジノニルフェニル)ホスファイト、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイト、10−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−9,10−ジヒドロ−9−オキサ−10−ホスファフェナントレン−10−オキサイド、6−[3−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロポキシ]−2,4,8,10−テトラ−t−ブチルジベンズ[d,f][1.3.2]ジオキサホスフェピン、トリデシルホスファイト等のモノホスファイト系化合物;4,4′−ブチリデン−ビス(3−メチル−6−t−ブチルフェニル−ジ−トリデシルホスファイト)、4,4′−イソプロピリデン−ビス(フェニル−ジ−アルキル(C12〜C15)ホスファイト)等のジホスファイト系化合物;トリフェニルホスホナイト、テトラキス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)[1,1−ビフェニル]−4,4′−ジイルビスホスホナイト、テトラキス(2,4−ジ−tert−ブチル−5−メチルフェニル)[1,1−ビフェニル]−4,4′−ジイルビスホスホナイト等のホスホナイト系化合物;トリフェニルホスフィナイト、2,6−ジメチルフェニルジフェニルホスフィナイト等のホスフィナイト系化合物;トリフェニルホスフィン、トリス(2,6−ジメトキシフェニル)ホスフィン等のホスフィン系化合物;等が挙げられる。
上記タイプのリン系化合物は、例えば、住友化学株式会社から、“SumilizerGP”、株式会社ADEKAから“ADK STAB PEP−24G”、“ADK STAB PEP−36”及び“ADK STAB 3010”、“ADK STAB 2112”、チバ・ジャパン株式会社から“IRGAFOS P−EPQ”、“IRGAFOS 168”、堺化学工業株式会社から“GSY−P101”という商品名で市販されている。
(その他の酸化防止剤)
また、ジラウリル−3,3′−チオジプロピオネート、ジミリスチル−3,3′−チオジプロピオネート、ジステアリル−3,3′−チオジプロピオネート、ペンタエリスリチルテトラキス(3−ラウリルチオプロピオネート)等のイオウ系酸化防止剤、2−tert−ブチル−6−(3−tert−ブチル−2−ヒドロキシ−5−メチルベンジル)−4−メチルフェニルアクリレート、2−[1−(2−ヒドロキシ−3、5−ジ−tert−ペンチルフェニル)エチル]−4,6−ジ−tert−ペンチルフェニルアクリレート等の耐熱加工安定剤、特公平08−27508号記載の3,4−ジヒドロ−2H−1−ベンゾピラン系化合物、3,3′−スピロジクロマン系化合物、1,1−スピロインダン系化合物、モルホリン、チオモルホリン、チオモルホリンオキシド、チオモルホリンジオキシド、ピペラジン骨格を部分構造に有する化合物、特開平03−174150号記載のジアルコキシベンゼン系化合物等の酸素スカベンジャー等が挙げられる。これら酸化防止剤の部分構造が、ポリマーの一部、あるいは規則的にポリマーへペンダントされていてもよく、可塑剤、酸捕捉剤、紫外線吸収剤等の添加剤の分子構造の一部に導入されていてもよい。
《可塑剤》
本発明のフィルムにおいては、さらに組成物の流動性や柔軟性を向上するために、可塑剤を併用することも可能である。可塑剤としては、フタル酸エステル系、脂肪酸エステル系、トリメリット酸エステル系、リン酸エステル系、ポリエステル系、糖エステル系、あるいはエポキシ系等が挙げられる。
この中で、ポリエステル系とフタル酸エステル系の可塑剤が好ましく用いられる。ポリエステル系可塑剤は、フタル酸ジオクチルなどのフタル酸エステル系の可塑剤に比べて非移行性や耐抽出性に優れるが、可塑化効果や相溶性にはやや劣る。
従って、用途に応じてこれらの可塑剤を選択、あるいは併用することによって、広範囲の用途に適用できる。
ポリエステル系可塑剤は、一価ないし四価のカルボン酸と一価ないし六価のアルコールとの反応物であるが、主に二価カルボン酸とグリコールとを反応させて得られたものが用いられる。代表的な二価カルボン酸としては、グルタル酸、イタコン酸、アジピン酸、フタル酸、アゼライン酸、セバシン酸などが挙げられる。
特に、アジピン酸、フタル酸などを用いると可塑化特性に優れたものが得られる。グリコールとしてはエチレン、プロピレン、1,3−ブチレン、1,4−ブチレン、1,6−ヘキサメチレン、ネオペンチレン、ジエチレン、トリエチレン、ジプロピレンなどのグリコールが挙げられる。これらの二価カルボン酸およびグリコールはそれぞれ単独で、あるいは混合して使用してもよい。
このエステル系の可塑剤はエステル、オリゴエステル、ポリエステルの型のいずれでもよく、分子量は100〜10000の範囲が良いが、好ましくは600〜3000の範囲が、可塑化効果が大きい。
糖エステル系の可塑剤は、グルコース、ガラクトース、マンノース、フルクトース、キシロース、アラビノース、ラクトース、スクロース、セロビオース、セロトリオース、マルトトリオース、ラフィノース等の糖類の水酸基を一価の有機酸で全てまたは部分的にエステル化した化合物である。
有機酸の例としては酢酸、プロピオン酸等のアルキルカルボン酸、安息香酸等の芳香族カルボン酸、その他シクロアルキルカルボン酸等が挙げられ、それらの混合エステルでもよい。特に好ましい糖エステル系可塑剤はスクロースベンゾエートである。市販品としては、例えばモノペットSB(第一工業製薬(株)製)等が挙げられる。
また、可塑剤の粘度は分子構造や分子量と相関があるが、アジピン酸系可塑剤の場合相溶性、可塑化効率の関係から200〜5000MPa・s(25℃)の範囲が良い。さらに、いくつかのポリエステル系可塑剤を併用してもかまわない。
可塑剤は本発明のフィルム100質量部に対して、0.5〜30質量部を添加するのが好ましい。可塑剤の添加量が30質量部を越えると、表面がべとつき実用上好ましくない。
《紫外線吸収剤》
本発明のフィルムは、紫外線吸収剤を含有することも好ましく、用いられる紫外線吸収剤としては、ベンゾトリアゾール系、2−ヒドロキシベンゾフェノン系又はサリチル酸フェニルエステル系のもの等が挙げられる。例えば、2−(5−メチル−2−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−[2−ヒドロキシ−3,5−ビス(α,α−ジメチルベンジル)フェニル]−2H−ベンゾトリアゾール、2−(3,5−ジ−t−ブチル−2−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール等のトリアゾール類、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−オクトキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン等のベンゾフェノン類を例示することができる。
ここで、紫外線吸収剤のうちでも、分子量が400以上の紫外線吸収剤は、高沸点で揮発しにくく、高温成形時にも飛散しにくいため、比較的少量の添加で効果的に耐候性を改良することができる。
分子量が400以上の紫外線吸収剤としては、2−[2−ヒドロキシ−3,5−ビス(α,α−ジメチルベンジル)フェニル]−2−ベンゾトリアゾール、2,2−メチレンビス[4−(1,1,3,3−テトラブチル)−6−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)フェノール]等のベンゾトリアゾール系、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケート等のヒンダードアミン系、さらには2−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−2−n−ブチルマロン酸ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)、1−[2−[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ]エチル]−4−[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ]−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン等の分子内にヒンダードフェノールとヒンダードアミンの構造を共に有するハイブリッド系のものが挙げられ、これらは単独で、あるいは2種以上を併用して使用することができる。これらのうちでも、2−[2−ヒドロキシ−3,5−ビス(α,α−ジメチルベンジル)フェニル]−2−ベンゾトリアゾールや2,2−メチレンビス[4−(1,1,3,3−テトラブチル)−6−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)フェノール]が特に好ましい。
《マット剤》
滑り性を付与するためにマット剤等の微粒子を添加することもでき、微粒子としては、無機化合物の微粒子または有機化合物の微粒子が挙げられる。マット剤はできるだけ微粒子のものが好ましく、微粒子としては、例えば、二酸化ケイ素、二酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、炭酸カルシウム、カオリン、タルク、焼成ケイ酸カルシウム、水和ケイ酸カルシウム、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸マグネシウム、リン酸カルシウム等の無機微粒子や架橋高分子微粒子を挙げることができる。
中でも、二酸化ケイ素がフィルムのヘイズを低くできるので好ましい。二酸化ケイ素のような微粒子は有機物により表面処理されている場合が多いが、このようなものはフィルムのヘイズを低下できるため好ましい。
表面処理で好ましい有機物としては、ハロシラン類、アルコキシシラン類、シラザン、シロキサンなどが挙げられる。微粒子の平均粒径が大きい方が滑り性効果は大きく、反対に平均粒径の小さい方は透明性に優れる。
また、微粒子の二次粒子の平均粒径は0.05〜1.0μmの範囲である。好ましい微粒子の二次粒子の平均粒径は5〜50nmが好ましく、更に好ましくは、7〜14nmである。これらの微粒子はセルロースエステルフィルム中では、セルロースエステルフィルム表面に0.01〜1.0μmの凹凸を生成させる為に好ましく用いられる。
微粒子のセルロースエステル中の含有量はセルロースエステルに対して0.005〜0.3質量%が好ましい。
二酸化ケイ素の微粒子としては、日本アエロジル(株)製のアエロジル(AEROSIL)200、200V、300、R972、R972V、R974、R202、R812、OX50、TT600等を挙げることができ、好ましくはアエロジル200V、R972、R972V、R974、R202、R812である。
これらの微粒子は2種以上併用してもよい。2種以上併用する場合、任意の割合で混合して使用することができる。
この場合、平均粒径や材質の異なる微粒子、例えば、アエロジル200VとR972Vを質量比で0.1:99.9〜99.9:0.1の範囲で使用できる。
上記マット剤として用いられるフィルム中の微粒子の存在は、別の目的としてフィルムの強度向上のために用いることもできる。
〈その他の添加剤〉
さらに、本発明のフィルムには、帯電防止剤を加えて、フィルムに帯電防止性能を与えることも可能である。
本発明のフィルムには、リン系難燃剤を配合した難燃アクリル系樹脂組成物を用いても良い。
ここで用いられるリン系難燃剤としては、赤リン、トリアリールリン酸エステル、ジアリールリン酸エステル、モノアリールリン酸エステル、アリールホスホン酸化合物、アリールホスフィンオキシド化合物、縮合アリールリン酸エステル、ハロゲン化アルキルリン酸エステル、含ハロゲン縮合リン酸エステル、含ハロゲン縮合ホスホン酸エステル、含ハロゲン亜リン酸エステル等から選ばれる1種、あるいは2種以上の混合物を挙げることができる。
具体的な例としては、トリフェニルホスフェート、9,10−ジヒドロ−9−オキサ−10−ホスファフェナンスレン−10−オキシド、フェニルホスホン酸、トリス(β−クロロエチル)ホスフェート、トリス(ジクロロプロピル)ホスフェート、トリス(トリブロモネオペンチル)ホスフェート等が挙げられる。
<ロール状偏光板保護フィルムの製造>
本発明のロール状偏光板保護フィルムの製膜方法(製造方法)の例を説明する。
本発明のフィルムの製膜方法としては、インフレーション法、T−ダイ法、カレンダー法、切削法、流延法、エマルジョン法、ホットプレス法等の製造法が使用できるが、着色抑制、異物欠点の抑制、ダイラインなどの光学欠点の抑制などの観点から流延法による溶融製膜が好ましい。本発明では、特に、タッチロールを用いた溶融流延製膜法であることが好ましい。
本発明において、「溶融製膜」とは、セルロースエステル、及び可塑剤などの添加剤を含む樹脂組成物を、流動性を示す温度まで加熱溶融し、その後、流動性のセルロースエステル、変性セルロースエステル等を含む溶融物を流延することをいう。
加熱溶融する成形法は、さらに詳細には、溶融押出成形法、プレス成形法、インフレーション法、射出成形法、ブロー成形法、延伸成形法などに分類できる。これらの中で、機械的強度及び表面精度などに優れるフィルムを得るためには、溶融押出し法が優れている。
≪製膜工程≫
以下、フィルムの製膜工程について説明する。
〈セルロースエステル等と添加剤の溶融ペレット製造工程〉
溶融押出に用いる複数の原材料は、通常あらかじめ混錬してペレット化しておくことが好ましい。
ペレット化は、公知の方法でよく、例えば、セルロースエステル、変性セルロースエステル、可塑剤、その他添加剤をフィーダーで押出機に供給し1軸や2軸の押出機を用いて混錬し、ダイからストランド状に押出し、水冷又は空冷し、カッティングすることでできる。
原材料は、押出する前に乾燥しておくことが原材料の分解を防止する上で重要である。特にセルロースエステルは吸湿しやすいので、除湿熱風乾燥機や真空乾燥機で70〜140℃で3時間以上乾燥し、水分率を200ppm以下、更に100ppm以下にしておくことが好ましい。
酸化防止剤等少量の添加剤は、均一に混合するため、事前に混合しておくことが好ましい。酸化防止剤の混合は、固体同士で混合してもよいし、必要により、酸化防止剤を溶剤に溶解しておき、セルロースエステル等の樹脂に含浸させて混合してもよく、あるいは噴霧して混合してもよい。
真空ナウターミキサなどが乾燥と混合を同時にできるので好ましい。また、フィーダー部やダイからの出口など空気と触れる場合は、除湿空気や除湿したNガスなどの雰囲気下にすることが好ましい。
また、押出機への供給ホッパー等は保温しておくことが吸湿防止できるので好ましい。マット剤やUV吸収剤などは、得られたペレットにまぶしたり、フィルム製膜時に押出機中で添加してもよい。
押出機では、せん断力を抑え、樹脂が劣化(分子量低下、着色、ゲル生成等)しないようにペレット化可能でなるべく低温で加工することが好ましい。例えば、2軸押出機の場合、深溝タイプのスクリューを用いて、同方向に回転させることが好ましい。混錬の均一性から、噛み合いタイプが好ましい。
ニーダーディスクは、混錬性を向上できるが、せん断発熱に注意が必要である。ニーダーディスクを用いなくても混合性は十分である。ベント孔からの吸引は必要に応じて行えばよい。低温であれば揮発成分はほとんど発生しないのでベント孔なしでもよい。
ペレットの色は、黄味の指標であるb*値が−5〜10の範囲にあることが好ましく、−1〜8の範囲にあることがさらに好ましく、−1〜5の範囲にあることがより好ましい。b値は分光測色計CM−3700d(コニカミノルタセンシング(株)製)で、光源をD65(色温度6504K)を用い、視野角10°で測定することができる。
以上のようにして得られたペレットを用いてフィルム製膜を行う。もちろんペレット化せず、原材料の粉末をそのままフィーダーで押出機に供給し、そのままフィルム製膜することも可能である。
〈樹脂混合物の溶融物をダイから押し出す工程〉
除湿熱風や真空又は減圧下で乾燥したポリマーを1軸や2軸タイプの押出機を用いて、押し出す際の押出機のダイ出口部分溶融温度Tmを200〜300℃程度とし、リーフディスクタイプのフィルターなどでろ過し異物を除去した後、Tダイからフィルム状に流延する。
供給ホッパーから押出機へ導入する際は真空下又は減圧下や不活性ガス雰囲気下にして酸化分解等を防止することが好ましい。
押出し流量は、ギヤポンプを導入するなどして安定に行うことが好ましい。また、異物の除去に用いるフィルターは、ステンレス繊維焼結フィルターが好ましく用いられる。
ダイに傷や異物が付着するとスジ状の欠陥が発生する場合がある。このような欠陥のことをダイラインとも呼ぶが、ダイライン等の表面の欠陥を小さくするためには、押出機からダイまでの配管には樹脂の滞留部が極力少なくなるような構造にすることが好ましい。ダイの内部やリップにキズ等が極力無いものを用いることが好ましい。
押出機やダイなどの溶融樹脂と接触する内面は、表面粗さを小さくしたり、表面エネルギーの低い材質を用いるなどして、溶融樹脂が付着し難い表面加工が施されていることが好ましい。具体的には、ハードクロムメッキやセラミック溶射したものを表面粗さ0.2S以下となるように研磨したものが挙げられる。
可塑剤などの添加剤は、あらかじめ樹脂と混合しておいてもよいし、押出機の途中で練り込んでもよい。均一に添加するために、スタチックミキサーなどの混合装置を用いることが好ましい。
〈ダイから押し出された溶融物を、冷却ロールと弾性タッチロールとの間に押圧しながら流延してフィルムとする工程〉
この工程では、ダイから押し出されたフィルム状の溶融物を、冷却ロールと弾性タッチロールとでニップすることにより、所定のフィルム形状、膜厚に成形する。
本発明では、セルロースエステルを含む溶融物をダイからフィルム状に押出し、ドロー比4以上45以下として得られたフィルムを、弾性タッチロールで冷却ロールに押圧しながら搬送することが好ましい。
ドロー比とは、ダイのリップクリアランスを冷却ロール上で固化したフィルムの平均膜厚で除した値である。ドロー比は、ダイリップクリアランスと冷却ロールの引き取り速度により調整できる。ダイリップクリアランスは、900μm以上が好ましく、更に1mm以上2mm以下が好ましい。
〔冷却ロール〕
本発明に用いる冷却ロールには特に制限はないが、高剛性の金属ロールで内部に温度制御可能な熱媒体又は冷媒体が流れるような構造を備えるロールであり、大きさは限定されないが、溶融押出されたフィルムを冷却するのに十分な大きさであればよく、通常冷却ロールの直径は100mmから1m程度である。
冷却ロールの表面材質は、炭素鋼、ステンレス、アルミニウム、チタンなどが挙げられる。さらに表面の硬度をあげたり、樹脂との剥離性を改良するため、ハードクロムメッキや、ニッケルメッキ、非晶質クロムメッキなどや、セラミック溶射等の表面処理を施すことが好ましい。
冷却ロール表面の表面粗さは、Raで0.1μm以下とすることが好ましく、さらに0.05μm以下とすることが好ましい。
冷却ロールは二つ以上有しているのが好ましい。一つしかない場合、冷却ロールの表面温度Trは、Tg−50≦Tr≦Tgに設定される。二つ以上の場合、第1冷却ロールと第2冷却ロールの表面温度は、Tg−50≦Tr1≦Tg、Tg−50≦Tr2≦Tgに設定される。ここでのTgは、セルロースエステルの混合物のガラス転移温度(℃)をいう。
ガラス転移温度Tgの測定方法は、JIS K7121に従って、セイコー電子工業(株)製示差走査熱量計DSC220を用いて行なった。
サンプル10mg程度をセットし、窒素流量50ml/minの条件下で、20℃/minで室温から250℃まで昇温して10分間保持し(1stスキャン)、次に20℃/minの速度で30℃まで降温して10分間保持し(2ndスキャン)、さらに20℃/minで250℃まで昇温し(3rdスキャン)、DSC曲線を得た。得られた3rdスキャンのDSC曲線からのガラス転移温度を求めた。
〔弾性タッチロール〕
弾性タッチロールとしては、特開平03−124425号、特開平08−224772号、特開平07−100960号、特開平10−272676号、WO97−028950、特開平11−235747号、特開2002−36332号、特開2005−172940号や特開2005−280217号に記載されているような表面が薄膜金属スリーブ被覆シリコンゴムロールを使用することができるが、金属製外筒と内筒との2重構造になっており、その間に冷却流体を流せるように空間を有しているものであることが好ましい。
金属製外筒の肉厚の範囲は、0.003≦(金属製外筒の肉厚)/(タッチロール半径)≦0.03であれば、適度な弾性となり好ましい。弾性タッチロールの直径は100mm〜600mmが好ましい。また金属製外筒の肉厚は、0.1〜5mmであることが好ましい。
金属製外筒表面の表面粗さは、算術平均粗さRaで0.1μm以下とすることが好ましく、さらに0.05μm以下とすることが好ましい。
金属外筒の材質は、平滑で、適度な弾性があり、耐久性があることが求められる。炭素鋼、ステンレス、チタン、電鋳法で製造されたニッケルなどが好ましい。さらにその表面の硬度をあげたり、樹脂との剥離性を改良するため、ハードクロムメッキや、ニッケルメッキ、非晶質クロムメッキなどや、セラミック溶射等の表面処理を施すことが好ましい。表面加工した表面はさらに研磨し上述した表面粗さとすることが好ましい。
内筒は、炭素鋼、ステンレス、アルミニウム、チタンなどの軽量で剛性のある金属製内筒であることが好ましい。内筒の肉厚は、外筒の2〜10倍とすることで十分な剛性が得られる。内筒にはさらにシリコーン、フッ素ゴムなどの樹脂製弾性材料が被覆されていてもよい。
冷却流体を流す空間の構造は、ロール表面の温度を均一に制御できるものであればよく、例えば、幅方向に行きと戻りが交互に流れるようにしたり、スパイラル状に流れるようにすることでロール表面の温度分布の小さい温度制御ができる。
冷却流体は、特に制限はなく、使用する温度域に合わせて、水やオイルを使用できる。
弾性タッチロールの表面温度Tr0は、フィルムのガラス転移温度(Tg)より低いことが好ましい。Tgより高いと、フィルムとロールとの剥離性が劣る場合がある。Tg−70℃〜Tgであることがさらに好ましい。
本発明で用いる弾性タッチロールは、幅方向の中央部が端部より径が大きいいわゆるクラウンロールの形状とすることが好ましい。
本発明で用いる弾性タッチロールの幅は、フィルム幅よりも広くすることで、フィルム全体を冷却ロールに密着できるので好ましい。また、ドロー比が大きくなると、フィルムの両端部がネックイン現象により耳高(端部の膜厚が厚くなる)になる場合がある。
この場合は、耳高部を逃げるように、金属製外筒の幅をフィルム幅より狭くしてもよい。あるいは、金属製外筒の外径を小さくして耳高部を逃げてもよい。
金属製弾性タッチロールの具体例としては、特許第3194904号、特許第3422798号、特開2002−36332号、特開2002−36333号に記載されている成形用ロールが挙げられる。
弾性タッチロールの撓みを防止するため、冷却ロールに対してタッチロールの反対側にサポートロールを配してもよい。
弾性タッチロールの汚れを清掃する装置を配してもよい。清掃装置としては、例えば、ロール表面を必要により溶剤を浸透させた不織布などの部材をロールに押し当てる方法、液体中にロールを接触させる方法、コロナ放電やグロー放電などのプラズマ放電によりロール表面の汚れを揮発させる方法などが好ましく用いることができる。
弾性タッチロールの表面温度Tr0をさらに均一にするため、タッチロールに温調ロールを接触させたり、温度制御された空気を吹き付けたり、液体などの熱媒体を接触させてもよい。
本発明では、さらに弾性タッチロール押圧時のタッチロール線圧を1kg/cm以上、15kg/cm以下、タッチロール側フィルム表面温度Ttを、Tg<Tt<Tg+110℃とすることが好ましい。
サポートロールにより弾性タッチロールを押圧することで、間接的にフィルムを押圧してもよい。
フィルム表面温度およびロール表面温度は非接触式の赤外温度計で測定できる。具体的には、非接触ハンディ温度計(IT2−80、(株)キーエンス製)を用いてフィルムのTD方向に10箇所を被測定物から0.5mの距離で測定する。
弾性タッチロール側フィルム表面温度Ttは、搬送されているフィルムをタッチロールをはずした状態でタッチロール側から非接触式の赤外温度計で測定したフィルム表面温度のことをさす。
〈延伸工程〉
延伸工程はMD延伸、TD延伸の順に行うことが好ましい。まずMD延伸工程について詳細に説明する。
〈MD延伸工程〉
ここでは、MD延伸工程におけるロール延伸について、詳しく説明する。ロール延伸とは、低速ロール群と、高速ロール群の周速度差によってフィルムをMD延伸する方法である。
ロール延伸の代表的な方式には、ヒーター加熱方式やオーブン加熱方式などがある。
ヒーター加熱方式は、低速ロール群で予熱されたフィルムを、低速ロール群と高速ロール群の間に設置されたヒーターにより瞬時に延伸温度にまで昇温し、比較的短い延伸スパンで延伸するものであり、オーブン加熱方式は、低速ロール群と高速ロール群の間にオーブンを設置し、このオーブンの中に予熱、延伸、冷却工程が含まれ、比較的長い延伸スパンで延伸するものである。
広幅の光学フィルムの作製には、幅収縮量を比較的小さく抑えられること、位相差の調整がしやすいことなどから、ヒーター加熱方式が好ましい。ここでは、ヒーター加熱方式について詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
フィルム10は低速ロール群(21〜25)で予熱され、低速ロール群(21〜25)と高速ロール群(27〜31)の間に設けられたヒーター32,33によって延伸温度まで急激に温められてMD延伸し、高速ロール群(27〜31)で冷却され、次工程へと搬送される。低速ロール群(21〜25)の予熱ロールの本数は、擦り傷の観点から少ない方が望ましいが、フィルム10の予熱温度に応じて本数を選択すればよく、1本以上、20本以下、好ましくは2本以上、15本以下のロールを使用する。
予熱ロール群の上限温度は、原則として予熱ロール間でMD延伸させないこと、粘着故障などが出ないことを考慮して、フィルム10のガラス転移温度(Tg)以下、好ましくは(Tg−5)℃以下である。予熱ロール群による昇温速度は、熱膨張でシワが入らないことを考慮して、各ロールの入り側と出側でのフィルム温度差が80℃以下、好ましくは50℃以下となるようにするのが好ましい。
高速ロール群(27〜31)の冷却ロールの本数は、冷却する温度に応じて本数を選択すればよく、1本以上、15本以下、好ましくは2本以上、10本以下のロールを使用する。冷却ロール群の上限温度は、急冷しすぎないことを考慮して、フィルムのガラス転移温度(Tg)以下、好ましくは(Tg−5)℃以下である。冷却ロール群による降温速度は、熱収縮でシワが入らないこと、各ロールの入り側と出側でのフィルム温度差が100℃以下となるようにするのが好ましく、70℃以下となることがより好ましい。
予熱ロール群および冷却ロール群のロール径は、ロール強度、接触面積(伝熱・すべり)の観点から、100mmφ以上、400mmφ以下、好ましくは150mmφ以上、300mmφ以下である。特に、延伸ロール25,27は、実質延伸スパンSを短くするために、250mmφ以下が好ましい。
ところで、フィルムが滑って傷ついたり、ロール間でMD延伸されることを防止するために、熱膨張や熱収縮に応じてドローをかける。ロールのドローは、隣り合うロール間で5%以下、好ましくは1%以下である。ここで、ロールのドローとは、低速側のロールの周速度V1と、高速側のロールの周速度V2の比で、(V2−V1)/V1のことである。予熱ロール群および冷却ロール群におけるロールの駆動は、上記ロールのドローを制御するために、それぞれが駆動ロールであることが好ましいが、一部であれば、補助駆動ロール、フリーロールを使用してもよい。
減速機には遊星ローラーやロールギアなどが好適に用いられる。またダイレクトドライブ方式を使用することもでき、これらはシステムに応じて適宜選択すればよい。
予熱ロール群および冷却ロール群におけるロール表面粗度は、目的に応じてロール材質および粗度を変更すれば良い。例えば、高温でフィルムに接触するロールやすべり防止のためには、表面粗度0.5S以下、好ましくは0.2S以下の鏡面ロールを使用し、張力カットや張り付き防止のためには、表面粗度1.0S以上の表面の粗いロールを使用するのが好ましい。
予熱ロール群および冷却ロール群におけるロール表面材質は、例えばハードクロム(H−Cr)、酸化アルミニウム、酸化チタン、酸化クロム等やこれらの複合物を表面加工したセラミックス、シリコン、フッ素、クロロブレン等のゴム、テフロン(登録商標)等の樹脂を使用する。
予熱ロール群および冷却ロール群におけるロールの配置・間隔は、ロール間でのMD延伸防止、フィルムの放冷防止のため、狭い方が良い。各ロール間で、ロール剥離から次のロールに着地するまでの距離は、200mm以下、好ましくは100mm以下である。
また、ニップロール26,28の直径は、特に規制はないが、ヒーター設置32,33のスペース確保のため、延伸ロール群より小さいことが好ましい。
ニップロール26,28の材質は、弾性変形しやすいシリコンゴム、フッ素ゴム、クロロブレンゴム等のゴムロールや、フッ素樹脂等の樹脂ロールが好適に用いられる。ニップロール26,28の位置は、フィルムが剥離/着地する位置で押さえることが好ましい。また、ニップロール26,28の圧力は、フィルムを圧着できること、フィルムにキズがつかないことなどの観点から、0.1〜50N/mm、好ましくは0.5〜20N/mmである。また、ニップロールはフィルムのキズ防止のためフィルム端部だけをニップしてもよく、幅収縮抑制の観点からロールを太鼓型にしたり、フィルム幅手方向に対してある角度をもって配置しても良い。
つぎに、ヒーター32,33の種類としては、クリーン、高効率、省スペースであることなどから、例えば、赤外線ヒーター、ハロゲンランプヒーター、セラミックヒーターなど放射型熱源が望ましく、樹脂の吸収特性に応じて選択すればよい。
ヒーター32,33の本数は、ヒーター能力、MD延伸・予熱温度、搬送速度、膜厚、熱伝導率などから計算すれば良く、通常、1〜12本、好ましくは1〜8本使用する。ヒーター32,33の高さは、効率アップのため、フィルムに接触しない範囲で、なるべくフィルムの近くであるのが、好ましい。例えば5〜100mm、好ましくは10〜50mmである。ヒーター32,33の出力は、延伸温度、昇温速度などを考慮して、適宜出力値を調整すればよい。
延伸温度は、フィルムのガラス転移温度Tg−20℃以上、融点Tm以下であり、好ましくはTg以上、Tg+100℃以下、より好ましくはTg+10℃以上、Tg+80℃以下である。
MD延伸速度は、3000以上%/min、75000%/min以下であり、好ましくは5000以上、50000%/min以下である。ここで、MD延伸速度(%/min)は、つぎのようにして定義される。すなわち、低速側延伸ロールの周速度をV1、高速側延伸ロールの周速度をV2、実質延伸スパンをSとすると、下記初期で表わされる。
MD延伸速度(%/min)=〔(V2−V1)/S〕×100
また、MD延伸ロールの間隔は、フィルムがロールに保持されていない区間は短いほど幅収縮が抑えられる。ここで、ロールの中心同士の間の距離が、400mm以下、好ましくは300mm以下である。
MD延伸ゾーン20における予熱・延伸・冷却ロールのクリーニング装置は、1本でも複数本でも良く、インラインあるいはオフラインに設けても良いし、場合によっては、設置しなくてもよい。清掃手段としては、不織布を押し付けて汚れを拭き取る方法など、公知のロール清掃手段が好適に用いられる。
〈延伸条件〉
フィルムの延伸は、幅方向で制御された均一な温度分布下で行うことが好ましい。好ましくは±2℃以内、さらに好ましくは±1℃以内、特に好ましくは±0.5℃以内である。
本発明において、MD方向およびTD方向の弾性率およびTD寸法変化率を調整するために、延伸条件を調整することが好ましい。
MD延伸とTD延伸がMD・TD方向の物性に及ぼす影響は独立ではなくそれぞれが双方の物性に関与しているため、調整する方法は一義でないが傾向は概ね以下に述べるとおりである。
弾性率を上げるためには、当該方向の延伸倍率を上げればよい。本発明で好ましい延伸倍率はMD・TDともに1.60〜3.00倍である。延伸温度を下げることによっても弾性率は上昇する。延伸温度は130〜190℃が好ましく、150℃〜180℃がより好ましい。
本発明ではTD方向の寸法変化を積極的に縮小方向にすることが好ましいが、この調整手段として例えば、TD延伸温度をより低く設定することや、TD延伸における熱固定温度をより低くすることが挙げられる。また、MD延伸での延伸温度および延伸速度をTD延伸のそれらよりも高く設定することが好ましい。
より具体的には、MD延伸温度を160〜180℃、MD延伸倍率を1.60〜2.20、TD延伸温度を150〜170℃かつMD延伸温度よりも10℃低く設定し、TD延伸倍率を1.60〜2.20、そしてTD熱固定温度をTD延伸温度よりも10℃低く設定することで本発明の好ましい延伸条件が得られる。
〈延伸工程の後工程(含む、巻き取り工程)〉
上記の方法で作製したフィルムにおいて、可塑剤等の凝結物がヘーズ故障とならない程度に減少した後は、レターデーション調整や寸法変化率を小さくする目的で、フィルムをMD方向やTD方向に収縮させることが好ましい。
MD方向に収縮するには、例えば、幅延伸を一時クリップアウトさせてMD方向に弛緩させる、又は横延伸機の隣り合うクリップの間隔を徐々に狭くすることによりフィルムを収縮させるという方法がある。
後者の方法は一般の同時二軸延伸機を用いて、縦方向の隣り合うクリップの間隔を、例えばパンタグラフ方式やリニアドライブ方式でクリップ部分を駆動して滑らかに徐々に狭くする方法によって行うことができる。
必要により任意の方向(斜め方向)の延伸と組み合わせてもよい。
巻き取る前に、製品となる幅に端部をスリットして裁ち落とし、巻き中の貼り付きやすり傷防止のために、ナール加工(エンボッシング加工)を両端に施してもよい。ナール加工の方法は凸凹のパターンを側面に有する金属リングを加熱や加圧により加工することができる。
なお、フィルム両端部のクリップの把持部分は通常、フィルムが変形しており製品として使用できないので切除されて、原材料として再利用される。
図1は、本発明のフィルムの製造装置の全体構成を示す概略フローシートである。図1において、フィルムの製造方法は、セルロースエステル等のフィルム材料を混合した後、押出し機1を用いて、流延ダイ4から第1冷却ロール5上に溶融押し出し、第1冷却ロール5に外接させるとともに、更に、第2冷却ロール7、第3冷却ロール8の合計3本の冷却ロールに順に外接させて、冷却固化してフィルム10とする。
次いで、剥離ロール9によって剥離したフィルム10を、次いでロール周速差を利用した延伸装置12前半部(MD延伸ゾーン20)により搬送方向に延伸、さらに延伸装置12後半部(TD延伸ゾーン)によりフィルムの両端部を把持して幅方向に延伸した後、巻取り装置16により巻き取る。また、平面性を矯正するために溶融フィルムを第1冷却ロール5表面に挟圧するタッチロール6が設けられている。
このタッチロール6は表面が弾性を有し、第1冷却ロール5との間でニップを形成している。
延伸したフィルムの弾性率発現性や寸法変化の挙動は、実際のフィルムを用い、延伸条件の調整によって当該業者が容易に把握できるものである。
<偏光板>
本発明のフィルムを偏光板用保護フィルムとして用いる場合、偏光板は一般的な方法で作製することができる。
本発明のフィルムの裏面側に粘着層を設け、沃素溶液中に浸漬延伸して作製した偏光子の少なくとも一方の面に、貼り合わせることが好ましい。
もう一方の面には本発明のフィルムを用いても、別の偏光板保護フィルムを用いてもよい。例えば、市販のセルロースエステルフィルム(例えば、コニカミノルタタック KC8UX、KC4UX、KC5UX、KC8UY、KC4UY、KC12UR、KC8UCR−3、KC8UCR−4、KC8UCR−5、KC8UE、KC4UE、KC4FR−3、KC4FR−4、KC4HR−1、KC8UY−HA、KC8UX−RHA、以上コニカミノルタオプト(株)製)等が好ましく用いられる。
偏光板の主たる構成要素である偏光子とは、一定方向の偏波面の光だけを通す素子であり、現在知られている代表的な偏光子は、ポリビニルアルコール系偏光フィルムで、これはポリビニルアルコール系フィルムにヨウ素を染色させたものと二色性染料を染色させたものがある。
偏光子は、ポリビニルアルコール水溶液を製膜し、これを一軸延伸させて染色するか、染色した後一軸延伸してから、好ましくはホウ素化合物で耐久性処理を行ったものが用いられている。
上記粘着層に用いられる粘着剤としては、粘着層の少なくとも一部分において25℃での貯蔵弾性率が1.0×10Pa〜1.0×10Paの範囲である粘着剤が用いられていることが好ましく、粘着剤を塗布し、貼り合わせた後に種々の化学反応により高分子量体又は架橋構造を形成する硬化型粘着剤が好適に用いられる。
具体例としては、例えば、ウレタン系粘着剤、エポキシ系粘着剤、水性高分子−イソシアネート系粘着剤、熱硬化型アクリル粘着剤等の硬化型粘着剤、湿気硬化ウレタン粘着剤、ポリエーテルメタクリレート型、エステル系メタクリレート型、酸化型ポリエーテルメタクリレート等の嫌気性粘着剤、シアノアクリレート系の瞬間粘着剤、アクリレートとペルオキシド系の2液型瞬間粘着剤等が挙げられる。
上記粘着剤としては1液型であっても良いし、使用前に2液以上を混合して使用する型であっても良い。
また上記粘着剤は有機溶剤を媒体とする溶剤系であってもよいし、水を主成分とする媒体であるエマルジョン型、コロイド分散液型、水溶液型などの水系であってもよいし、無溶剤型であってもよい。上記粘着剤液の濃度は、粘着後の膜厚、塗布方法、塗布条件等により適宜決定されれば良く、通常は0.1〜50質量%である。
<液晶表示装置>
本発明のフィルムを貼合した偏光板を液晶表示装置に組み込むことによって、種々の視認性に優れた液晶表示装置を作製することができるが、特に大型の液晶表示装置やデジタルサイネージ等の屋外用途の液晶表示装置に好ましく用いられる。本発明の偏光板は、前記粘着層等を介して液晶セルに貼合する。
本発明の偏光板は反射型、透過型、半透過型LCD又はTN型、STN型、OCB型、HAN型、VA型(PVA型、MVA型)、IPS型(FFS方式も含む)等の各種駆動方式のLCDで好ましく用いられる。
特に画面が30型以上、特に30型〜54型の大画面の表示装置では、画面周辺部での白抜け等もなく、その効果が長期間維持される。
また、色ムラ、ギラツキや波打ちムラが少なく、長時間の鑑賞でも目が疲れないという効果があった。
実施例1
<ロール状偏光板保護フィルム1の作製>
樹脂混合物の素材としては、表1記載のセルロースエステル、表2記載のアクリル系重合体(表中の略号は、MMA:メチルメタクリレート、MA:メチルアクリレート、HEMA:ヒドロキシエチルメタクリレートである)、可塑剤1=ペンタエリスリトールテトラベンゾエート、Tinuvin928、Irganox1010(以上、チバ・ジャパン(株)製)、アデカスタブLA−31、アデカスタブPEP−36(以上、ADEKA(株)製)、スミライザーGS(以上、住友化学(株)製)、アエロジルR972V、アエロジルR812(以上、日本アエロジル(株)製)、Macrolex Blue RR−J、Macrolex Violet B(以上、ランクセス(株)製)を使用し、表3記載の樹脂混合物A、B、Cを作製した。
Figure 2010271619
Figure 2010271619
Figure 2010271619
(フィルム1の溶融製膜(樹脂混合物A))
セルロースエステルCE1の80.8質量部を70℃、3時間減圧下で乾燥を行い室温まで冷却した後、各添加剤を混合した。
以上の樹脂混合物を、2軸式押出し機を用いて溶融混合しペレット化した。2軸押出機のスクリュー径は70mm、L/Dは38で、400rpmで同方向回転させた。中流部分にニーディングディスク部分を持ち、それよりやや上流部分に第1ベント口を設け、大気圧に解放した。スクリュー先端には200メッシュの金網を配した。
スクリュー先端よりもやや上流部分に第2ベント口を設け、真空ポンプで揮発成分を吸引した。シリンダの温度設定は、投入口付近の最上流部分を30℃とし、第1ベント口までを220℃、中流部分を230℃、下流部分を240℃とした。ストランドダイからヌードル状に押し出された溶融樹脂は、直後に水槽で冷却され、回転刃でペレット状に切断される。
水槽の設定温度は30℃、切断直前の樹脂の温度は約60℃である。ここで作製されたペレットは直径2〜4mm、長さ3〜5mmの略円筒形状である。切断されたペレットは金網ベルト上を搬送され、エアを吹き付けて砕片を取り除いた形で収集される。
得られたペレットは、100℃の除湿空気を3時間以上循環させて乾燥される。100℃の温度を保ったまま、次工程に導入される。このときのペレットを少量取りだし、その特性値を測定した。
水分量:120ppm(カールフィッシャー測定による)
溶融粘度(240℃、100sec−1):980Pa・s(φ20mmのコーンプレートセンサーを備えた動的粘弾性測定器にて測定)
Tg(ガラス転移温度):136℃
250℃30分加熱時の重量変化率:−0.6%
作製したペレットを窒素雰囲気下、搬送部、圧縮部、計量部をもつ単軸スクリューにて溶融・押出を行った。スクリューのL/Dは30、圧縮比は2.8、搬送部、圧縮部、計量部の温度設定はそれぞれ190℃、220℃、240℃とした。スクリュー回転数はギアポンプ入り口圧力が一定の目標値になるように制御した。スクリュー先端にはブレーカープレートを支持体として100メッシュの金属メッシュを配した。スクリュー先端圧力は約11MPa、出口における溶融樹脂の温度は約250℃であった。
この溶融樹脂をギアポンプに導入して安定的に計量した。ギアポンプ入り口圧力は12MPa、出口圧力21MPaとした。
ギアポンプから送り出された溶融樹脂を、複数枚のリーフディスクフィルターを備えたフィルタハウジングに導入した。フィルターメディアは金属繊維を焼結して作製されたものであり濾過精度は5μmである。フィルタハウジングの構造はいわゆる縦置き型であり、溶融樹脂を下部から充填し上部から送り出すものである。ハウジングの温度設定は240℃とした。フィルタハウジングから送り出される溶融樹脂の温度は245℃であった。また、フィルタ通過に際する差圧は約10MPaであった。
次にフィルタを通過した溶融樹脂を、270℃に設定したハンガーコートタイプのTダイへと導入した。流延ダイのギャップはフィルムの幅方向端部から30mm以内では0.5mm、中央部では1mmとなるようにヒートボルトを調整し、その後はオンライン膜厚計で得られる膜厚分布を随時モニタしながら、フィルム膜厚の最大値と最小値の差が1μm以内になるようヒートボルトを調整した。
流延ダイから溶融樹脂をカーテン状に落とし、第1冷却ロールとタッチロールとの間で挟圧して成形した。溶融樹脂が接触するタイミングは第1冷却ロールとタッチロールとでほぼ同時である。溶融樹脂が双方のロールに接触する時の樹脂温度は260℃であった。この温度測定に際しタッチロールを離間させ、サーモグラフィーによって当該位置の温度を測定した。タッチロールの第1冷却ロールに対する線圧は5.0N/mmとした。
第一冷却ロール上で搬送されたフィルムはさらに第二冷却ロールへと搬送される。第一冷却ロールでのフィルムの抱き角は約180度である。また、第一・第二冷却ロールは可能な限り接近させて、第一冷却ロール上のフィルム剥離と第二冷却ロール上への接触はほぼ同じタイミングとした。
タッチロール、第一冷却ロール、第二冷却ロールの表面温度はそれぞれ80℃、120℃、95℃に設定した。また、第一冷却ロールに対するタッチロール、第二冷却ロールの周速比はそれぞれ0.990、1.001とした。
次工程として、図2に示すMD延伸ゾーン20において、MD延伸を行なった。同図において、ガイドロール41によってMD延伸ゾーン20に導入された挟圧未延伸フィルム10は、第1延伸前予熱ロール21、第2延伸前予熱ロール22、第3延伸前予熱ロール23、および第4延伸前予熱ロール24を経て、延伸予熱ロール25に至り、ニップロール26により上から押圧されながら移送されて、延伸冷却ロール27に巻き掛けられる。
延伸予熱ロール25と延伸冷却ロール27との間には、上部加熱ヒータ32および下部加熱ヒータ33を配置した。
延伸冷却ロール27に巻き掛けられたフィルム10は、そこでニップロール28により上から押圧されながら移送され、ここでMD延伸される。さらに、フィルム10は、第1延伸後冷却ロール29、第2延伸後冷却ロール30、第3延伸後冷却ロール31を経て、ガイドロール42によりMD延伸ゾーン20の外部に搬出させた。
下記の表5に、予熱延伸・冷却ロールの番号、ロール用途、ロール径(mm)、材質、粗度、およびロール温度(℃)をまとめて記載した。なお、ロールの材質において、「H−Cr」とは、ハードクロムを意味する。
また、ヒーター32,33の能力は、50kWとし、出力は設定延伸温度になるように調節した。ヒーター32,33の高さは30mmに設定し、ニップロール26,28の圧力は、2N/mmとした。
さらに、テンターに導入し、TD方向に延伸温度165℃で1.90倍延伸し、延伸状態を維持したまま、熱固定温度165℃で一定時間保持し、その後冷却してクリップから開放し、クリップ把持部を裁ち落とし、フィルム両端に幅10mm、高さ5μmのナーリング加工を施し、巻き取り張力220N/m、テーパー40%で巻芯に巻き取った。膜厚は31μm、巻長は5000m、幅は1650mmのロール状偏光板保護フィルム1を作製した。
なお、巻芯の大きさは、内径152mm、外径180mm、長さ2500mmであった。この巻芯母材として、エポキシ樹脂をガラス繊維、カーボン繊維に含浸させたプリプレグ樹脂を用いた。巻芯表面にはエポキシ導電性樹脂をコーティングし、表面を研磨して、表面粗さRaは0.3μmに仕上げた。
このように作製されたフィルム1の特性値を表6に示す。測定方法は、以下の通りである。なお、特に指定のない場合は、23℃、55%RHの雰囲気下で行った。
1.透過率:分光光度計U−3310(日立(株)製)
2.YI値:分光測色計CM3700d(コニカミノルタセンシング(株)製)
3.ヘイズ値:ヘイズメーターNDH2000(日本電色(株)製)
4.位相差(レターデーション):KOBRA−WR(王子計測機器(株)製)
5.透湿度:40℃90%RHの雰囲気下、JIS0208記載の方法に準じ測定し、面積1m当たり24時間で蒸発する水分量(g)を求めた。
6.平衡含水率:23℃、各湿度下に8時間放置して調湿した後、カールフィッシャー法にて水分量を測定して求めた。
7.引裂き強度:エレメンドルフ法の引裂き荷重をJIS K 7128−1991に従い東洋精機(株)製の軽荷重引裂き装置で測定した。
8.動摩擦係数:フリクションテスターTR(東洋精機(株)製)
9.カール:TD方向に50mm、MD方向に2mmとなる試験片を切り出し、23℃80%RHに調湿後TD方向の曲率半径R(m)を求め、1/Rをカール値とした。
このフィルム1と同様にして、表3記載の素材および表4記載の延伸条件によりフィルム2〜14を作製した。そしてこれらの試料フィルムの巻の最外から2500mm部分をサンプリングしフィルムの物理特性測定用の試料フィルムとし、フィルム1〜14について、弾性率E1、E2およびTD寸法変化率をそれぞれ測定した。結果を表4に示す。
Figure 2010271619
Figure 2010271619
Figure 2010271619
実施例2
試料フィルム1〜14に下記のハードコート層を設け、ハジキ故障の程度を評価した。結果を表5に示す。
<ハードコート層1の作製>
下記のハードコート層組成物1を孔径0.4μmのポリプロピレン製フィルターで濾過したものを、マイクログラビアコーターを用いて前記サンプリングしたフィルム1の表面に塗布し、温度80℃で乾燥の後、紫外線ランプを用い照射部の照度が100mW/cmで、照射量を0.2J/cmとして塗布層を硬化させ、ドライ膜厚10μmのハードコート層1を形成した。29℃55%RH雰囲気下での鉛筆硬度は、2.5であった。
[ハードコート層組成物1]
ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート 90質量部
(NKエステルA−DPH、新中村化学工業(株)製)
ペンタエリスリトールトリアクリレート 20質量部
ペンタエリスリトールテトラアクリレート 60質量部
ウレタンアクリレート 10質量部
(新中村化学工業社製 商品名U−4HA)
イルガキュア184(チバ・ジャパン(株)製) 10質量部
シリコーン系界面活性剤 3質量部
(信越化学工業(株)製 商品名:KF−351A)
プロピレングリコールモノメチルエーテル 10質量部
酢酸メチル 80質量部
メチルエチルケトン 100質量部
(ハジキ故障の評価)ハードコート塗布後のハジキ故障の1mあたりの個数からランク評価した。
◎:0個
○:1個
△:2〜5個
×:6個以上
<偏光板の作製>
延伸したポリビニルアルコールフィルムにヨウ素を吸着させて偏光子を作製し、ポリビニルアルコール系接着剤を用いて、鹸化処理を施した前記サンプリングしたフィルム1を偏光子の両面に貼り付けた。
この時、偏光子の透過軸とサンプルの遅相軸とは平行になるように配置した。このようにして各々のフィルム1〜14についてそれぞれ偏光板1〜14を作製した。
なお、偏光板1の80℃90%RH120時間保存での透過率変化は、2.7%、60℃90%RH300時間保存での寸法変化はMDが−0.4%、TDが0.2%であった。
IPS方式液晶パネルを使用した液晶表示装置ビクター製(エグゼLT−37LH805)設けられている視認側の偏光板および位相差板を剥がし、代わりに前述のとおり作製した偏光板の試料フィルムが視認側となるように粘着剤を介して貼り付けた。視認側の偏光板の透過軸方向が上下方向に、そして、バックライト側の偏光板の透過軸が左右方向になるように、クロスニコル配置とした。
この偏光板について、X字ムラを評価した。評価基準は下記のとおりである。結果を表5に示す。
(X字ムラ)パネルの黒表示で、うっすらとX字に浮かぶ目イブの程度を官能評価した。
◎:ムラは見えない。
○:室内の蛍光灯では見えないが、暗室でわずかにムラが見える。
△:暗室ではっきりとムラが見える。
×:室内の蛍光灯下ではっきりとムラが見える。
Figure 2010271619
表7から明らかなように、本発明では、薄膜化、広幅化、長尺としてもフィルムの貼り付きが改善される。
1 押出し機
2 フィルター
3 スタチックミキサー
4 流延ダイ
5 回転支持体(第1冷却ロール)
6 挟圧回転体(タッチロール)
7 回転支持体(第2冷却ロール)
8 回転支持体(第3冷却ロール)
9、11、13、14、15 搬送ロール
10 フィルム
12 延伸機(前半部MD延伸ゾーン20、後半部TD延伸ゾーンテンター)
16 巻取り装置
20 MD延伸ゾーン
21〜24 低速延伸予熱ロール群
25 低速延伸予熱ロール
26 ニップロール
27 高速延伸冷却ロール
28 高速ニップロール
29〜31 高速冷却ロール群
32、33 ヒーター
41、42 ガイドロール

Claims (5)

  1. 厚み10μm以上40μm未満、巻き長3000〜10000m、幅1500〜4000mm、下記で示されるB値が5.0×10以上5.0×1011以下であるセルロースエステルからなるフィルムを巻いたロール状偏光板保護フィルムであって、該フィルムのMD方向の弾性率E1とTD方向の弾性率E2とについて、1.10≦E1/E2≦2.00、かつ3.0≦E2≦6.0GPaであることを特徴とするロール状偏光板保護フィルム。
    ただしB値とは、フィルムの幅(m)を4乗したものを、フィルムの厚み(m)を2乗したもので除した数値である。
  2. 60℃90%RHの環境下で300時間保存した前後のTD寸法変化率が−3.0%〜−1.0%の範囲であることを特徴とする請求項1に記載のロール状偏光板保護フィルム。
  3. アクリル系重合体を含有することを特徴とする請求項1〜2いずれか1項に記載のロール状偏光板保護フィルム。
  4. 偏光子の少なくとも片方の面に、請求項1〜3いずれか1項に記載のロール状偏光板保護フィルムから巻きほぐした偏光板保護フィルムを貼り合わせたことを特徴とする偏光板。
  5. セルロースエステルを主成分とする樹脂混合物を溶融流延し、得られたフィルムをMD、TD方向にそれぞれ1.60倍以上3.0倍以下延伸して製造されたことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のロール状偏光板保護フィルムの製造方法。
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