JP2010267541A - 表示パネル及び画像表示装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 板状のスペーサや板状のスペーサが当接している当接部材や表示パネルの周縁部の破損などを抑制可能な表示パネル及び画像表示装置を提供する。
【解決手段】 前面基板と、背面基板と、前面基板と背面基板とを接合する接合部材と、前面基板と背面基板との間に設けられた複数の板状のスペーサと、を備える真空容器と、背面基板に設けられた複数のライン状の接着部材によって真空容器に接着された固定部材と、を備え、複数のライン状の接着部材の各々は、互いに所定の間隔を置いて、且つ、スペーサの長手方向に沿うように背面基板に設けられており、接着部材は、背面基板の接合部材で囲まれた空間に位置する領域の反対側の領域にのみ、設けられていることを特徴とする表示パネル。
【選択図】 図1

Description

本発明は、扁平な矩形状の真空容器を備える表示パネル及び画像表示装置に関する。
FEDなどの電子放出素子から放出された電子を蛍光体等の発光体に照射するタイプの画像表示装置が知られている。このような画像表示装置は、内部が大気圧よりも低い圧力(真空)に維持された扁平な矩形状の真空容器を備える表示パネル(ディスプレイパネル)を用いる。内部の空間を真空に維持するために、扁平な矩形状の真空容器の内部には、一般に、複数のスペーサが設けられる。
このような扁平な矩形状の真空容器を備える表示パネルを有する画像表示装置では、画像表示装置に加えられる衝撃により真空容器が破損する事を防ぐことが求められる。また、真空容器の外形状の破損だけでなく、真空容器の内部の画像表示に係る部材の破損を防ぐことも求められる。真空容器が破損する要因となる衝撃としては、画像表示装置への外部からの衝撃、輸送時や設置時における衝撃、不注意な取り扱いによる落下衝撃などがある。
特許文献1には、真空容器の機械的強度を向上するために、表示パネルを構成する真空容器の背面(表示面とは反対側の面)に取付けられた補強フレームが開示されている。また特許文献2には、補強フレームを複数の接着剤で真空容器に接着することが開示されている。特許文献3には、各々の長手方向が平行になるように配列された細長い板状のスペーサを備える真空容器が開示されている。そして、蛍光面を被覆するメタルバック層の上に間欠的に設けられた複数のスペーサ当接層に、細長い板状のスペーサを当接させた形態が開示されている。また、特許文献4には、表示パネルを構成する真空容器の表示面に保護板を設けることが開示されている。
特開2005−011764号公報 特開2005−227766号公報 特開2006−185723号公報 特開平10‐326580号公報
特許文献2では、接着剤が板状のスペーサの長手方向に直交する方向にも設けられている。そのため、落下衝撃などにおいて、板状スペーサの破損や板状スペーサが当接している当接部材の破損につながり、表示画像の劣化を生じる原因となる場合があった。また、特許文献2では、真空容器の周縁部にまで接着剤が設けられている。そのため、搬送や落下衝撃などで真空容器に補強フレームを介して衝撃が入力され、反りが生じている周縁部に衝撃が直接伝達され、周縁部の破損につながる場合があった。また、反りが生じている周縁部への補強フレームの接着の際には、接着剤の厚さのバラツキ、接着時の貼付押圧などによる周縁部の破損につながる場合があった。
本発明は、板状のスペーサや板状のスペーサが当接している当接部材や真空容器の周縁部の破損などを抑制可能な画像表示装置を提供することを目的とする。
本発明に係る表示パネルは、前面基板と、該前面基板と間隔を置いて前記前面基板と対向する面を備える背面基板と、前記前面基板と前記背面基板との間に、互いの長手方向が平行になるように設けられた複数の板状のスペーサと、を備える真空容器と、前記背面基板の前記前面基板と対向する面とは反対側の面に設けられた複数のライン状の接着部材によって前記真空容器に接着された固定部材と、を少なくとも備える表示パネルであって、前記複数のライン状の接着部材の各々は、互いに所定の間隔を置いて、且つ、前記複数のスペーサの前記長手方向に沿うように、前記背面基板に設けられており、前記複数のライン状の接着部材は、前記背面基板の前記前面基板と対向する前記面とは反対側に位置する前記面の一部の領域であって、前記背面基板の前記前面基板と対向する前記面の、前記接合部材で囲まれた空間に位置する領域の反対側に位置する領域にのみ、設けられていることを特徴とする。
本発明によれば、板状のスペーサや板状のスペーサが当接している当接部材や真空容器の周縁部の破損などを抑制可能な画像表示装置を提供することができる。また、薄型、軽量化、低コスト化を実現可能な表示パネル及び画像表示装置を提供することができる。
画像表示装置の一形態を示す模式図である。 接着部材の配置位置を示す模式図である。 落下衝撃時の変形を示す模式図である。 表示パネルの反り形状の代表例を示す模式図である。 画像表示装置の他の一形態を示す図である。 表示パネルの分解図の一例を示す図である。 表示パネルの構成例を示す図である。 固定部材の第1の変形例を示す図である。 固定部材の第2の変形例を示す図である。 固定部材の第3の変形例を示す図である。 表示パネルの模式図である。 表示パネルの前面基板の模式図である。
以下、本発明の実施形態について説明する。本発明は、図11に示すような扁平な矩形状の真空容器10を備える表示パネルおよび当該表示パネルを用いた画像表示装置に有効である。特に、落下衝撃時などにおいて真空容器10の特定方向の変形の緩和や特定方向の応力発生の緩和が必要な、画像表示装置および表示パネルに有効である。扁平な矩形状の真空容器10は、その内部空間が大気圧よりも低い圧力に維持されており、扁平な矩形状の真空容器10の長手方向(第1方向X)と同じ方向に長手方向を有する細長い板状のスペーサ14を複数有する。
表示パネル(ディスプレイパネル)は、いわゆるディスプレイモジュールを指し、少なくとも真空容器10と、真空容器10を支持体に固定するための固定部材および固定部材を真空容器に接着する接着部材を備える。更に、一般に、真空容器内の電子放出素子やアノード電極を駆動するための駆動回路を備える。一方、画像表示装置は、表示パネルに加え、少なくとも表示パネルを設置面に載せるための支持体を備える装置を指す。そして、さらに、必要に応じて、テレビ信号を受信する受信機や、入力された画像信号を表示パネルの特性に合わせて所定の処理を加える画像処理回路や、スピーカーなども備えた装置を指す。
図11(A)〜(C)を用いて、本発明が好ましく適用される表示パネルについて先ず説明する。図11(A)は表示パネルを構成する真空容器10の一部を切り欠いて模式的に示した斜視図であり、図11(B)は図11(A)のA−A線における断面模式図である。また、図11(C)は前面基板11の一部を背面基板12側から見た際の模式図である。このような表示パネルの一例としては、FED(Field Emisson Display)がある。図11(A)、図11(B)に示すように、真空容器10は、それぞれ矩形状のガラス板からなる前面基板11および背面基板12と、前面基板11と背面基板12との間に設けられた接合部材28と、を備えている。接合部材28は、矩形枠状であり、前面基板11と背面基板12を接合している。そして、接合部材28は、前面基板11と背面基板12との間の空間を取り囲むことで、真空容器10の内部空間29を規定している。真空容器10の内部空間29では、前面基板11と背面基板12は所定の間隔(例えば1〜2mmのギャップ)を置いて対向配置されている。そのため、真空容器10の内部空間29は、前面基板11と背面基板12と接合部材28とで取り囲まれた空間といえる。真空容器10の内部空間29において、前面基板11と背面基板12との間隔は、例えば、200μm以上3mm以下、より実用的には、1mm以上2mm以下に維持される。前面基板11および背面基板12の厚みは、0.5mm〜3mmであり、好ましくは2mm以下である。真空容器10の内部空間29は10−4Pa程度以下の高真空に維持されている。前面基板11および背面基板12の外周よりも内側の部分同士は、矩形枠状の側壁13と側壁13の前面基板11および背面基板12との対向部に設けた接着部材23とからなる接合部材28を介して接合することができる。側壁13は、例えば、ガラスや金属で構成することができる。また、例えば、低融点ガラスや低融点金属等のシール機能を備える接着剤を接着部材23として用いることができる。接着部材23が、側壁13と前面基板11および背面基板12とを接着することにより、前面基板11の外周よりも内側の部分と背面基板12の外周よりも内側の部分とが封着され、これらの基板同士が接合されている。ここでは、接合部材28を側壁13と接着部材23とから構成した例を示したが、前面基板11と背面基板12との間の間隔によっては、側壁13を省略することもできる。即ち、接合部材28は、前面基板11と背面基板12との間の空間を取り囲み且つ気密に保持すると共に、前面基板11と背面基板12とを接合することができれば、その構造は限定されるものではない。
尚、接合部材28は、前面基板11および背面基板12のそれぞれの外周から所定距離だけ離れて、それぞれの外周よりも内側に位置するように設けられる。そのため、前面基板11と背面基板12との間には、真空に維持された空間(内部空間)と、真空に維持された空間を取り囲む接合部材28と、接合部材を取り囲む大気の空間(外部空間)とが存在することになる。そのため、真空容器10には、接合部材28を取り囲む周縁部が存在する。言い換えると、真空容器10の内部空間29と真空容器10の周縁部との間に接合部材28が存在する。真空容器10の周縁部は、背面基板12の接合部材28と接着している領域の外側に位置する背面基板12の周縁部と、前面基板11の接合部材28と接着している領域の外側に位置する前面基板11の周縁部とから構成される。一般に、背面基板12の周縁部は、電子放出素子の配線と駆動回路との接続のために、前面基板11の周縁部よりも面積が大きい。そして、真空容器10を形成する際(接合する際)に、少なくとも接合部材28と、背面基板12および前面基板11との接合部を加熱しながら、一方の基板を他方の基板に押し付けるように加圧する。そのため、背面基板12と前面基板11とが接合された後のそれぞれの基板の周縁部には、接合する際の避けがたい熱応力や接着部材23の高さバラツキなどによって、反りが発生する。そして、上述したように背面基板12の周縁部は前面基板11の周縁部に比べてその面積が大きいので、背面基板12の周縁部は、前面基板11の周縁部よりも大きく反ってしまう。このような現象は、上記のような真空容器の形成方法を採用する場合に顕著に見られる現象である。図4は、背面基板12の周縁部の反りを模式的に示す図である。より詳細には、真空容器10を、背面基板12が上になるように、平坦なステージ上に水平に置き、背面基板12の反りを測定したデータに基づく模式図である。背面基板12の反りは、真空容器10の上方を水平移動することが可能なレーザー変位計によって、高さ方向の位置座標を測定することによって行うことができる。図4では、横軸に測定位置座標、縦軸に真空容器10の表面の反り量(背面基板12の反り量)をプロットしている。尚、横軸の実際の変位量は1000mm程度であり、縦軸の実際の変位量は2mm程度である。図4に示すように、背面基板12の周縁部401には、真空容器10の背面側(前面基板11から離れる側)に向かって大きな反りが発生していることがわかる。一方、接合部材108で囲まれた領域403内では、周縁部401に比べて反り量も少なく、比較的緩やかな形状であることが分かる。尚、領域403は、詳細には、背面基板12の、前面基板11と対向する面の一部の領域であって、接合部材28で囲まれた領域(真空容器10の内部空間に位置する領域)の反対側に位置する領域を指す。
一方、図11(B)に示すように、前面基板11の内面(内部空間側の面)には蛍光体などの発光体層15が設けられている。この発光体層15は、赤、緑、青に発光する発光体R,G,Bと、マトリックス状の遮光体17とを有している。発光体層15上には、例えば、アルミニウムを主成分としアノード電極として機能するメタルバック層20が形成されている。更に、メタルバック層20の上にゲッター膜22が形成される場合がある。表示動作時、メタルバック層20には所定のアノード電圧が印加される。
背面基板12の前面基板11に対向する面(内部空間側の面)には、発光体層15の発光体R、G、Bを励起する電子源として、それぞれが電子ビームを放出する多数の電子放出素子18が設けられている。これらの電子放出素子18は、画素(発光体R,G,B)に対応してマトリクス状に配列されている。なお、電子放出素子18としては、例えば、表面伝導型電子放出素子や電界放出型電子放出素子などを適用できる。背面基板12の内部空間側の面上には、電子放出素子18を駆動する多数本の配線21がマトリクス状に設けられ、その端部は真空容器10の外部に引出されている(図11(A)参照)。
背面基板12と前面基板11の間には、これらの基板に作用する大気圧を支持して背面基板12と前面基板11との間の空間(内部空間29)を所定の間隔に維持するため、多数の細長い板状のスペーサ14が配置されている。前面基板11および背面基板12の長手方向(長辺方向)を第1方向X、これと直交する方向(幅方向又は短辺方向)を第2方向Yとした場合、板状のスペーサ14は第1方向Xに延びている。言い換えると、板状のスペーサ14の長手方向110が、第1方向Xとなる。そして、多数の板状のスペーサ14は、第2方向Yに所定の間隔を置いて配設されている。第2方向Yにおける間隔としては、例えば1mm〜50mmとすることができる。スペーサ14は細長いガラスの板やセラミックスの板から構成することができる。また、必要に応じて、上記の板の表面に、高抵抗膜を配置したり、凹凸を設けたりする場合もある。スペーサ14は、その幅(第2方向Yにおける長さ)に比べて高さ(Z方向における長さ)が数倍から十数倍大きく、また、その長さ(第1方向Xにおける長さ)は、高さに比べて数十倍から数百倍大きい。
上記した真空容器を備える表示パネルおよび画像表示装置では、画像を表示する場合、メタルバック層20を介して発光体層R、G、Bにアノード電圧を印加する。また、同時に、電子放出素子18から放出された電子ビームをアノード電圧により加速して発光体へ衝突させる。これにより、対応する発光体R、G、Bが励起されて発光し、カラー画像を表示する。
図11(C)に示すように、発光体層15は、赤、青、緑に発光する多数の矩形状の発光体R、G、Bを有している。発光体R、G、Bは、第1方向Xに所定のギャップをおいて交互に繰り返し配列され、第2方向には同一色の発光体が所定のギャップをおいて配列されている。第1方向Xのギャップは、第2方向Yのギャップよりも小さく設定されている。遮光層17は、前面基板11の周縁部に沿って延びた矩形枠部17a、および矩形枠部の内側で発光体層R、G、Bの間をマトリックス状に延びたマトリックス部17bを有している。
次に、図1(a)〜(c)に示す模式図を用いて、本発明が好ましく適用される画像表示装置の一例について説明する。図1(a)は画像表示装置を背面側から見た全体模式図であり、図1(b)は図1(a)の一点鎖線A−A´における断面模式図であり、図1(c)は図1(a)の点線B−B´における断面模式図である。
真空容器10を剛体である支持体108に固定するための固定部材103が真空容器10の裏面に設けられている。尚、真空容器10に加えて、少なくとも固定部材103と接着部材122を備える表示パネルに対して、支持体108は、着脱可能に固定することができる。そして、固定部材103を真空容器10に接着するための接着部材122が、図11を用いて説明した真空容器10の背面基板12の裏面(前面基板11側とは反対側の面)に設けられている。このようにして、固定部材103を介して、真空容器10を剛体である支持体108で支持している。支持体108は、机やオーディラックなどの画像表示装置を設置する設置面に、表示パネルを載置するための支持台(台座)と、表示パネルの表示面を設置面に対して垂直に保持するために、支持台の上に立設させた支柱を備えている。即ち、支柱の基部は支持台で固定されている。尚、支持台と支柱は着脱可能なように、ネジなどで、結合することができる。支持体108は、更に、支柱に対して、表示面を左右上下方向に角度調整できるように角度調整部を備えることもできる。また、支柱の基部または支持台に、支柱を回転可能にせしめる回転機構を設けることもできる。また、ここでは、支持台と支柱とを別部材で構成した例を示したが、支持台と支柱を一つの部材とすることもできる。また、支柱は複数設けることができる。
通常、表示パネルの背面側(背面基板12の裏面)に表示パネルを駆動するための電気回路基板を設けているが、図1では説明の都合上、各種の電気回路基板を省いている。また、実際の画像表示装置では、見栄えを良くする等のために、一般に、図1に示した構成に加えて、外装パネル等のカバー(不図示)を取り付ける。尚、図1(A)の一点鎖線A−A’は、表示パネル(又は真空容器10)の画像表示領域(又は背面基板12)の鉛直方向(図11(A)における第2方向Y)の中心線に相当する。
次に、真空容器10に対する接着部材122の配置位置について、図2を用いて説明する。図2は、真空容器10を、その裏面側から見た模式図である。尚、図1と図2で同じ符合で示される部材は、同じ部材である。また、図2における鉛直方向および水平方向は、図1における鉛直方向および水平方向と同じ方向である。従って、鉛直方向は図11(A)における第2方向Yに相当し、水平方向は図11(A)における第1方向Xに相当する。また、図1および図2における矢印110は、図11の矢印110と同様に、細長い板状のスペーサ14の長手方向(スペーサ長手方向)を表す矢印である。即ち、図1、図2の例では、スペーサの長手方向は、画像表示装置の水平方向(幅方向;横方向)である。
図2に示す様に、複数の接着部材122は、背面基板12の前面基板11と対向する面とは反対側の面に設けられている。そして、複数の接着部材122は、互いに、鉛直方向に所定の間隔を置いて離間しており、また、それぞれが水平方向に沿ってライン状に延在している。即ち、接着部材122の各々は、板状スペーサ14の長手方向に沿って(板状スペーサ14の長手方向と平行になるように)設けられている。そのため、衝撃が支持体108から固定部材103および接着部材122を介して真空容器10に入力された際のスペーサ14の変形を、スペーサ14の長手方向と垂直な方向に沿って接着部材122を設けた場合に比べて低減できる。また、後述するスペーサ14が当接する部分(スペーサ当接層40)に発生するせん断応力も、スペーサ14の長手方向と垂直な方向に沿って接着部材122を設けた場合に比べて低減できる。
図3に、スペーサ14の長手方向と垂直な方向に沿って接着部材122を設けた場合に、支持体108から固定部材103と接着部材122を介して真空容器10に衝撃が入力された際の様子を模式的に示す。尚、図3は、図1(a)のB−B’線における断面模式図(図1(c))と同様に、水平方向(スペーサの長手方向110)に沿った画像表示装置の断面模式図である。図3に示す様に、スペーサ14の長手方向と垂直な方向に沿って接着部材122を設けると、衝撃が入力された際に、真空容器10の水平方向に沿った断面では、基板(11、12)の表面が凹凸状に変形(正弦波の様に変形)する。同時に、スペーサも、真空容器10の水平方向に沿った断面では、凹凸状に変形(正弦波の様に変形)する力を受ける。そのため、スペーサ14と、前面基板11と背面基板12とが接する部分においては、図3に示す様に、応力が集中する部分301が、周期的に生じる。応力集中部301では、スペーサを湾曲させる力が加わる事によるスペーサの破損や、後述するように、スペーサが当接する部分(スペーサ当接部)にせん断応力が発生する事によるスペーサ当接部の破損を生じ易くなる。一方、図2に示すように、接着部材122の各々を、板状スペーサ14の長手方向に沿って設けると、真空容器10の水平方向に沿った断面では、図3のような凹凸状の変形は抑制される。即ち、図3の形態では、水平方向に沿った断面では、接着部材122が間隔を置いて点在する(周期的に存在する)ことになる。そのため、衝撃が支持体108から接着部材122を介して真空容器10に入力される際に、真空容器10の接着部材122が接着されている部分には衝撃が加わるが、接着部材が接着されていない部分には衝撃が加わらない。その結果、前述した様なスペーサ14や基板(11、12)に変形が生じる。しかし、板状スペーサ14の長手方向に沿って接着部材122をライン状に設ける(図1(c)参照)ことで、図3で示した様なスペーサの長手方向に沿った断面における凹凸状の変形(正弦波の様な変形)が抑制される。そのため、スペーサの破損や、後述するように、スペーサが当接する部分(スペーサ当接部)にせん断応力が発生する事によるスペーサ当接部の破損を抑制できる。尚、板状スペーサ14の長手方向に沿って接着部材122を設けた場合、鉛直方向に沿った断面においては、基板(11、12)の表面が凹凸状に変形(正弦波の様に変形)する。しかし、図3を用いて説明したようなスペーサ14の変形は抑制されるので、スペーサの破損やスペーサ当接部の破損を抑制できる。また、上記破損を一層抑制するためには、接着部材122を、背面基板12を挟んで、板状スペーサ14の直下に設けることが望ましい。
また、接着部材122は、背面基板12の前面基板11と対向する面の一部の領域であって、接合部材28で囲まれた領域(真空容器10の内部空間29に位置する領域)の反対側に位置する領域にのみ、設ける。即ち、背面基板12の前面基板11と対向する面を第1の主面とし、背面基板12の第1の主面に対向する面を背面基板12の第2の主面とすると、接着部材122は第2の主面の一部の領域にのみ設ける。そして、この「第2の主面の一部の領域」とは、第1の主面の接合部材28で囲まれた領域(真空容器10の内部空間に位置する領域)に対向する領域を意味する。言い換えると、「第2の主面の一部の領域」とは、第1の主面の接合部材28で囲まれた領域(真空容器10の内部空間に位置する領域)の真裏の領域を意味する。この様にすることで、前述した真空容器10の反りの大きな周縁部には、接着部材122を設けない事になる。そのため、衝撃が支持体108から固定部材103と接着部材122とを介して真空容器10に入力されても真空容器10の周縁部の破損を避ける事ができる。また、固定部材103を真空容器10に接着する際においても、真空容器10の周縁部に対して負荷を掛けないので、真空容器10の周縁部の破損の機会を低減することができる。また、接着部材122が設けられる領域は、図4を用いて説明したように、比較的平坦な面であるので、接着部材122の見かけ上の高さの変化を少なくすることができるので、固定部材103と真空容器10との接着を均一性良く行うことができる。
接着部材122としては、両面テープや接着剤などを用いることができる。接着部材122の材質、形状、厚み、面積等は、接着部材122の強度、衝撃吸収、熱伝導率、支持部材の平面度等を考慮して適宜設定される。接着剤としては、例えば、シリコーン系の弾性を有する樹脂接着剤を用いることができ、両面テープとしてはアクリル基材の両面テープを用いることができる。例えば、シリコーン系の弾性を有する樹脂接着剤として、TSE3944(モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン合同会社製)を用いることができる。接着部材122のクリープ物性は、γc=A × τ ×t^0.5 (γc:せん断クリープ歪、τ:せん断応力[Pa]、t:時間[sec])で概ね表現され、Aの値が1.0×10−9以下であることが好ましい。クリープ量が大きいと、経時的に、初期の固定位置から真空容器10が下がってしまい、美観上好ましくない。上記クリープ物性を接着部材122が備えることで、接着部材122の面積を大幅に削減しても(例えば表示面積の1/10以下としても)、長時間経過しても、初期の固定位置から真空容器10が下がることがない。したがって、接着剤の使用量を大幅に削減でき、低コストな接着構造を実現できる。
複数の接着部材122は、画像表示領域(又は背面基板12)の水平方向の中心線144を対称軸として、線対称な関係を満たす様に配置する(図2参照)。また同時に、各々の接着部材は、画像表示領域(又は背面基板12)の鉛直方向(図11(A)における第2方向Y)の中心線(図1(A)のA−A’線に相当する線)を対称軸として、線対称な関係を満たす様に配置する。この関係は、画像表示領域の鉛直方向の中心線(図1(A)のA−A’線に相当する線)で折り返した形状となる関係と言い換えることができる。尚、接着部材122の数は2つ以上であればよい。奇数(例えば3つ)の接着部材を用いる場合には、例えば、1つの接着部材は、真空容器10の画像表示領域の水平方向の中心線144上に位置するように背面基板12上に設ける。そして残る接着部材は、中心線144上に設けた接着部材から離れ、且つ、上記した2つの関係を満たすように、背面基板12上に配置すればよい。
固定部材103は、例えば、アルミニウム、鉄、マグネシウム等の金属の板から構成することができる。図1では、固定部材103は、背面基板12と同程度の面積を備える金属板で構成しているが、固定部材103の形状は、真空容器10の強度や、必要な放熱量、重量等によって、適宜設計される。
固定部材は、例えば、図5(a)に示す様に、複数の固定部材103で構成することもできる。図5(a)は、図1(a)と同じく、画像表示装置を背面側から見た全体模式図である。図5(b)は、図5(a)のC−C’線における断面模式図である。尚、図1と図5で同じ符号を用いた部材は同じ部材を示す。複数の固定部材103を用いる場合には、各々の固定部材103をライン状とし、且つ、その長手方向を水平方向(スペーサ14の長手方向110)に沿う(平行になる)ように配置する。このようにすることで、支持体108からの衝撃を、スペーサの長手方向に沿って延在する接着部材122の全体に渡って分散させて真空容器10に入力することができる。その結果、図3を用いて既に説明したように、スペーサ14の長手方向に沿った断面における凹凸状の変形(正弦波の様な変形)を抑制できる。一方、例えば、複数のライン状の固定部材103を、その長手方向が鉛直方向に平行になるように設けると、実態的には、図3のように接着部材122が間隔を置いて点在した(周期的に存在する)形態と同様になる。そのため、スペーサ14の長手方向に沿った断面における凹凸状の変形(正弦波の様な変形)が生じることになる。
図5のように複数の固定部材103を用いる場合には、固定部材自体の強度が低下するので、真空容器10の強度を向上するためには、前面基板11の前面に、可視光に対して透明な前面板102を設けることが望ましい。この構成によって、固定部材103の強度低下を補うことができる。
複数の固定部材103を用いた際のより詳細な構造について、図6、図7を用いて説明する。尚、図1と図6、図7で同じ符号を用いた部材は同じ部材を示す。図6は、表示パネルを背面側から見た際の、分解図の一例である。図7(A)は、表示パネルの背面側の斜視図である。図7(B)は、図7(A)の表示パネルに支持体108を取り付けた画像表示装置において、図7(A)の一点鎖線A−A’における断面を含む画像表示装置の断面の模式図である。尚、実際の画像表示装置では、見栄えを良くする等のために、一般に、図7(B)に示した構成に加えて、更に、外装パネル等のカバー(不図示)を取り付ける。尚、一点鎖線A−A’は、表示パネル(真空容器10)の画像表示領域(又は背面基板12)の鉛直方向(図11(A)における第2方向Y)の中心線に相当する。
真空容器10を剛体である支持体108に固定するための複数の固定部材103が、背面基板12の裏面(前面基板11に対向する面(内面)とは反対側の面)に、接着部材122を用いて接着されている。この様にして、複数の固定部材103を介して、真空容器10を支持体108で支持することができる。また、図6および図7における矢印110は、図11の矢印110と同様に、細長い板状のスペーサ14の長手方向(スペーサ長手方向)を表す矢印である。即ち、図6、図7の例では、スペーサの長手方向は、表示パネルの水平方向(幅方向;横方向)である。
また、前面板102が、真空容器10の前面基板11の前面側の表面(背面基板12に対向する面とは反対側の面)に接着部材121によって接着されている。本実施形態では、前面板102の長手方向と表示パネル10の長手方向及びスペーサ長手方向110を平行になるように配置することにより、スペーサ長手方向110に対する変形や応力集中を少なくすることができる。前面板102は、平板状とし、表示パネル(真空容器10)の画像表示領域(蛍光体R,G,Bが配置されている領域または面積)より大きいことが望ましい。前面板は、可視光に対して透明な部材で構成され、例えば、ガラスの板やポリカーボネートの板を用いることができるが、光学特性の観点からガラスの板が特に好ましい。前面板の厚みとしては、真空容器10に所定の強度を持たせるために、ガラスであれば、1.5mm〜3.5mmとすることが望ましい。特に、強度の観点から、前面基板11および背面基板12の厚みよりも厚く設定することが望ましい。
接着部材121の材質、形状、厚み、面積等は、接着部材121の強度、衝撃吸収、熱伝導率、前面板の平面度等を考慮して適宜設定される。接着部材121は、特に限定されないが、真空容器10を形成した後に、前面板102を真空容器10に接着するために、高温加熱を必要としない接着剤を用いることが望ましい。例えば、常温下で、ガラスからなる真空容器10にガラスからなる前面板102を紫外線を照射することで接着することのできる、UV硬化型の樹脂接着剤を用いることができる。より具体的には、アクリル系のUV硬化型の樹脂接着剤を用いることができる。前面板102を真空容器10に接着部材121によって接着させることにより、真空容器10の剛性、特に面方向におけるねじりの剛性が上がる。これにより、従来必要であった、背面基板12の裏面に設ける補強フレームなどの補強部材の大幅な薄型化、軽量化を図ることができる。
真空容器10を剛体である支持体108に固定するための複数の固定部材103は、図6及び図7に示す例では、互いに離間した、2つのライン状の固定部材(103A、103B)で構成されている。ライン状の固定部材の各々(103A、103B)は、その長手方向が板状スペーサの長手方向110に対して平行になるように配置される。これにより、スペーサ14の変形やスペーサ14が前面基板11と当接する部分への応力集中(詳しくは後述する)を低減することができる。
複数の固定部材103は、画像表示領域(又は背面基板12)の水平方向(図11(A)における第1方向X)の中心線144を対称軸として、一方の固定部材103Aが他方の固定部材103Bに対して線対称な関係を満たす様に配置する。また同時に、各々の固定部材は、画像表示領域(又は背面基板12)の鉛直方向(図11(A)における第2方向Y)の中心線(図7(A)のA−A’線に相当する線)を対称軸として、線対称な関係を満たす様に配置する。この関係は、画像表示領域の鉛直方向の中心線(図7(A)のA−A’線に相当する線)で折り返した形状となる関係と言い換えることができる。尚、ここでは、2つの固定部材(103A、103B)を用いた例を説明するが、固定部材103の数は2つ以上であればよい。奇数(例えば3つ)の固定部材を用いる場合には、例えば、1つの固定部材は、真空容器10の画像表示領域の水平方向の中心線144上に位置するように、背面基板12上に接着する。そして残る固定部材は、中心線144上に設けた固定部材から離れ、且つ、上記した2つの関係を満たすように、背面基板12上に接着して配置すればよい。
接着部材122は、固定部材と同じ形状で真空容器10の表面に設けることが好ましい。なお、接着部材122の幅は任意に設定可能であるが、固定部材と真空容器10との接着面積を十分に確保するために、図6に示す様に、固定部材103の真空容器10の表面(背面基板12の表面)への正射影像と同じ形状にすることが望ましい。接着部材122の配置位置については、図1や図2を用いて説明した、背面基板12の接合部材28で囲まれる領域の裏側の領域にのみ設ける。そのため、固定部材の配置位置も、接着部材122と同様に、図1や図2を用いて説明した背面基板12の接合部材28で囲まれる領域の裏側の領域にのみ設けることになる。
各々の固定部材(103A、103B)は、板状部材206と板状部材に設けた突起部207とを備えており、突起部207に支持点の機能を持たせている。板状部材206の背面基板12に接着する側の面とは反対側の面に突起部207が設けられている。この構成により、剛体である支持体108と複数の固定部材103とが固定され、表示パネル(真空容器10)が支持体108に固定される。板状部材206と突起部207は強固に接続されており、接続の方法は、カシメ、圧着、溶接、接着等、どのような方法であってもよい。板状部材206の幅及び又は面積は、少なくとも突起部207が設けられている部分(突起部207の直下)において、突起部207の基部(板状部材206との固定部)の幅及び又は面積よりも大きく設定する。これは、衝撃が真空容器10に突起部207を介して入力された際に、真空容器に生じる応力を低減するためである。
板状部材206及び突起部207はアルミニウム、鉄、マグネシウム等の金属で形成されていることが好ましい。板状部材206及び突起部207を金属製にすることによるメリットを以下に記す。
・電気回路や表示パネルのGND規定部材として利用可能である。
・難燃性に優れる。
・強度的に優れる。
また、板状部材206はプレス加工によって成形することにより、安価で良好な平面度が得られる。突起部207は、間隔規定部材として機能することができ、突起部207の形状は円柱型、四角柱型、多角柱型とあらゆる形状が可能である。突起部207の制作方法としては、ヘッダー加工、機械加工などを用いることができる。また、突起部207に支持点としての機能を持たせる為にメネジ加工を施し、真空容器10に強固に接着された固定部材を支持体108にネジで固定する構造を備えることができる。また、板状部材206と突起部207を組み合わせ、プレス加工すれば、カシメ、圧着を一度に複数箇所行うことができる。それにより、製造に必要な工数を低減できるため、固定部材の製造コストを低減できる。
支持体108は、机やオーディラックなどの画像表示装置を設置する設置面に、表示パネルを載置するための支持台(台座)118と、表示パネルの表示面を設置面に対して垂直に保持するために、支持台118の上に立設させた支柱119を備えている。即ち、支柱119の基部は支持台118で固定されている。支持体108は、更に、支柱119に対して、表示面を左右上下方向に角度調整できるように角度調整部を備えることもできる。また、支柱119の基部または支持台118に、支柱119を回転可能にせしめる回転機構を設けることもできる。また、ここでは、支持台118と支柱119とを別部材で構成した例を示したが、支持台と支柱を一つの部材とすることもできる。また、支柱119は複数設けることができる。
次に、スペーサ14と当接する前面基板11の構成について説明する。図11(B)、図11(C)で示した遮光層17の上には、抵抗調整層30が形成される場合がある。図12を用いて、前面基板11の詳細な構成を模式的に示す。抵抗調整層30は、遮光層17のマトリクス部17bの領域では、それぞれ第1方向Xに隣合う発光体間を第2方向Yに延びた複数の第1抵抗調整層31Vと、それぞれ第2方向に隣合う発光体間を第1方向Xに延びた複数の第2抵抗調整層31Hとを備える。発光体は第1方向XにR、G、Bと並んでいるため、第1抵抗調整層31Vは、第2抵抗調整層31Hよりも幅が狭くなっている。例えば、第1抵抗調整層31Vの幅は40μm、第2抵抗調整層31Hの幅は300μmである。ここで、図12(B)は図12(A)のB−B断面図であり、図12(C)は図12(A)のC−C断面図である。
抵抗調整層30の上には、薄膜分断層32が形成されている。薄膜分断層32は、それぞれ抵抗調整層30の第1抵抗調整層31V上に形成された縦線部33V、およびそれぞれ抵抗調整層30の第2抵抗調整層31H上に形成された横線部33Hを有している。薄膜分断層32は、表面が凸凹になるように適切な密度で分散された粒子とバインダとを含んで形成され、これにより、この後に蒸着などにより形成される薄膜(メタルバック)20が分断される。薄膜分断層32を構成する粒子としては、蛍光体、シリカ等を用いることができる。薄膜分断層32は、遮光層17よりも少し細めに形成されており、数値例を示すと、薄膜分断層の横線部33Hの幅は260μm、縦線部33Vの幅は20μmとなっている。
薄膜分断層32の形成後、メタルバック層20を平滑に形成するためにラッカーなどによる平滑化処理が行われる。この平滑化のための膜は、メタルバック層20が形成された後には、焼成により焼失する。
平滑化処理の後、蒸着等の薄膜形成プロセスにより、メタルバック層20が形成される。これにより、薄膜分断層32により第1方向Xおよび第2方向Yに2次元分断された分断メタルバック層20aが形成される。分断メタルバック層20aは、それぞれ発光体R、G、Bに重なって位置している。この場合、分断メタルバック層20a間のギャップは薄膜分断層32の横線部33Hおよび縦線部33Vの幅とほぼ同じであり、第1方向Xには20μm、第2方向Yには260μmとなる。なお、図12(A)では、図面の複雑化を避けるため、メタルバック層20を省略して示している。
メタルバック層20の上に重ねてゲッター膜22が形成される場合もある。FEDにおいては、長期に渡り真空度を確保するために、このようにメタルバック層上にゲッター膜22を形成することが必要になるケースがある。メタルバック層20の形成後も薄膜分断層の作用は失われていないため、ゲッター膜22は、メタルバック層20と同様のパターンで2次元分断され、分断ゲッター膜22aが形成することができる。
図12(A)、図12(C)に示すように、複数のスペーサ14の各々は、薄膜分断層32の横線部33Hと対向して配設されている。スペーサ14と対向する各横線部33H上には、複数のスペーサ当接層40が形成されている。各スペーサ当接層40は、例えば銀粒子を含むペーストを印刷し焼成することにより形成される。銀以外にもPtやAuなど導電性を有する粒子が好ましく適用される。印刷の精度の面からあまり小さいサイズは形成できないので、スペーサ当接層40の第2方向Yの両端部は、横線部33Hの第2方向両側に2つずつ位置した4つの発光体層、分断メタルバック層20aに僅かに重なっている。また、複数のスペーサ当接層40は、図12(A)に示す様に、第1方向Xに所定の隙間を置いて間欠的に設けられている。スペーサ当接層40の上面は薄膜分断層32の上面よりも背面基板12側にあるように膜厚が調整されている。これにより、スペーサ14は、薄膜分断層32に直接、接触することなく、スペーサ当接層40に当接して設けられている。
スペーサ当接層40はスペーサとの接触性、帯電防止などの観点から、導電性であることが望ましいが、絶縁性のものを用いることも許容される。尚、上述した例で説明した薄膜分断層や抵抗調整層は、メタルバック20の形態や作成方法によっては省略する場合もある。あるいはまた、薄膜分断層や抵抗調整層に加えてスペーサ当接層40も設けない場合もある。このような場合には、メタルバック20にスペーサ14が当接することになり、メタルバックがスペーサ当接層となる。
図12を用いて説明したように、スペーサ14は、前面基板11にスペーサ当接層40を介して当接する場合がある。このような場合、画像表示装置への外部からの衝撃、輸送時や設置時における衝撃、不注意な取り扱いによる落下衝撃などによって、画像表示装置にダメージが生じる場合があった。より具体的には、図3などを用いて説明したように、衝撃により真空容器10が、図11におけるZ方向に凸形状や凹形状にたわむ等の変形を起こす。この変形に付随して、スペーサ当接層40やメタルバック20などのスペーサ14が当接する部分に位置する前面基板11上の部材が、細長い板状のスペーサ14によるせん断力を受けて破砕されてしまう事があった。スペーサ14と当接する前面基板11上の部材(スペーサ当接層40やメタルバック等)が破砕されると、その破片が、背面基板12側に落下する等して、メタルバックと電子放出素子との間や分断メタルバック間での望まない放電が発生する。その結果、画像表示装置として機能しなくなったり、表示画像が著しく劣化する場合などがあった。
しかしながら、上述の画像表示装置では、図3等を用いて既に説明した様に、衝撃が支持体108から真空容器10に入力されても、スペーサの変形やスペーサの当接部(スペーサ当接層40)に発生するせん断応力を低減できる。このようにして、せん断応力などを低減させる事により、前述した、画像表示装置として機能しなくなることや、表示画像が著しく劣化することを防ぐ事が可能となる。また、複数のライン状の接着部材122と複数のライン状の固定部材103とが、背面基板12を挟んで、スペーサ14の真裏に位置することが、応力低減の観点から、一層望ましい。さらには、複数のライン状の接着部材122のスペーサ14の長手方向と平行な方向の長さは、スペーサ14の長手方向の長さと同じか、それよりも小さいことが望ましい。スペーサ14は、画像表示領域を横切って設ける(画像表示領域のスペーサ14の長手方向における長さよりもスペーサ14の長手方向の長さが長い)。ここで、画像表示領域は、発光体RGBが配置されている領域(或は発光体層15の領域)または電子放出素子が配置されている領域に相当する。そのため、複数のライン状の接着部材122は、さらには、背面基板の第2の主面のうちの一部の領域であって、第1の主面の電子放出素子が配置されている領域に対向する領域にのみ設けることが望ましい。このようにすることが、応力低減の観点から、一層望ましい。
図6及び図7の例では、各々の固定部材(103A、103B)は、交互に、且つ、連続させた、幅が広い部分206と幅が狭い部分208とを備えている。ここで、「幅が広い部分」又は「幅が狭い部分」における「幅は」、第2方向Y(スペーサの長手方向110と直交する方向)における長さである。また、幅が広い部分206の上に突起部207を設けるのは、落下等の衝撃が突起部207を通じて真空容器10に印加された際、幅が広い部分206において応力の拡散を行い、真空容器10に印加される衝撃を低減するためである。この幅が広い部分206、つまり面積が大きい部分は、真空容器10の剛性や、想定される落下衝撃力等により、面積及び形状、板厚が適宜決定される。また、突起部207のピッチ、個数も、真空容器10の剛性や、許容する落下衝撃力等により適宜決定される。突起部207の第2方向Y(スペーサの長手方向110と直交する方向)におけピッチ(間隔)は、突起部207の第1方向X(スペーサの長手方向110と平行な方向)におけるピッチ(間隔)よりも大きく設定する。実用的には、突起部207の第2方向Yのピッチの1/2よりも小さいピッチに突起部207の第1方向Xのピッチを設定する。尚、突起部207の第2方向Yにおけピッチは、背面基板12に接着された複数の固定部材103の中の隣合う2つの固定部材のピッチ(間隔)と考えることができる(図7の例では103Aと103Bとの間隔と考えることができる)。この様に設定することで、衝撃が真空容器10に突起部を介して入力された際、スペーサ14の長手方向110に沿って応力を低減でき、真空容器の変形を抑制することができるので、真空容器10の内外の破損を抑制できる。一方、突起部207の第2方向Yにおけピッチ(間隔)を突起部207の第1方向Xにおけるピッチ(間隔)よりも小さく設定すると、スペーサ14の長手方向110に沿って応力を低減できず、好ましくない。この場合は、ライン状の固定部材を、その長手方向をスペーサの長手方向110と直交する方向に沿って設けた場合と同様になる。
次に、上述したライン状の固定部材103の変形例を示す。第1の変形例としては、図8(A)に示す様に、ライン状の固定部材303を、棒状部材306と突起部307とから構成することができる。図8(A)は、表示パネルの背面側の斜視図である。図8(B)は、図8(A)の真空容器10を用いた画像表示装置の、図8(A)の一点鎖線B−B’に相当する断面における、断面模式図である。その他の点については、図6、図7を用いて説明した例と同様である。このような構成にする事により、固定部材303の成型方法の幅が広がり、材料に応じた作製が可能となる。また、電気回路基板の実装に関しても図6、図7の例に比べれば実装自由度には劣るが、従来の補強フレームに比べれば設計上の制約を減らすことができる。
第2の変形例としては、図9(A)に示す様に、ライン状の固定部材403を、棒状部材406に支持点404としてメネジ加工を施して構成することができる。メネジ加工は棒状部材406に直接タップ加工するか、ヘリサート加工するなどして行うことができる。図9(A)は、表示パネルの背面側の斜視図である。図9(B)は、図9(A)の真空容器10を用いた画像表示装置の、図9(A)の一点鎖線C−C’に相当する断面における、断面模式図である。その他の点については、図6、図7を用いて説明した例と同様である。このような構成にする事により、電気回路基板の実装に関しては図6、図7の例における実装自由度には劣るが、固定部材が1つの部品で形成することが可能となり、固定部材の費用削減効果を得る事ができる。
第3の変形例としては、図10(A)に示す様に、板状部材506と突起部507とから構成されるユニット510を、多数、ライン状に並べて、2つの固定部材(503A、503B)を構成することができる。各々のユニット510は板状部材506とその上に固定された突起部507とを備えている。複数のユニットは、板状スペーサ14の長手方向110に沿って、互いに所定距離だけ離れる(離間する)ように、且つ、複数のライン状に配列されるように、真空容器10の裏面に接着固定される。その他の点については、図6、図7を用いて説明した例と同様である。第3の変形例は、図6、図7で示した固定部材103を構成する幅が狭い部分208を取り除いた構成(幅が広い部分と狭い部分が連続していない構成)に相当する。突起部のピッチについては前述したピッチの関係を満たす必要がある。
上記した変形例においても、真空容器10内のスペーサ14の変形やスペーサ14の当接部(スペーサ当接層40)に発生するせん断応力を低減できる。上記したライン状の固定部材は、従来、真空容器の裏面に設けられていた補強フレームのような真空容器の補強のための部材としての機能は実施的に備えてない。真空容器10の剛性、特に面方向におけるねじりの剛性については、前面板102が、その役割を担っている。そのため、表示パネルおよび画像表示装置では、真空容器10の裏面に従来設けていた複雑で重厚な補強フレームのような部材を設けずに済む。
以下、具体的な実施例について説明する。まず、下記実施例1〜3に係る画像表示装置に共通する事項について説明する。真空容器10を構成する背面基板12の表面(大気側の面)に固定部材(103、503)が接着部材122を介して接着固定されている。真空容器10の詳細は、基本的に、図11、図12を用いて説明したものと同じである。画像表示領域は対角55インチとした。また電子放出素子18として表面伝導型電子放出素子を用いた。電子放出素子18は、銀粒子を含有する導電性ペーストを焼成して形成した走査配線と信号配線のそれぞれに接続している。前面基板11と背面基板12の厚みは1.8mmとし、前面基板11と背面基板12との間隔を1.6mmとした。
前面基板11と背面基板12を真空中で接合部材28を介して接合することで真空容器10が形成され、真空容器10の内部は1.0×10−5Paに保たれている。接合部材28には、ガラスからなる側壁13と、インジウムからなる接着部材23を用いた。前面基板11と背面基板12との接合は、真空チャンバー内で、接合部材をレーザ照射によって局所的に加熱しながら、背面基板12を前面基板11側に押しつけることによって行った。そして、また、複数の細長い板状のスペーサ14は、扁平で矩形状の真空容器10の長手方向(”第1方向X”又は”水平方向”)と同じ方向に長手方向110を有する。複数の細長い板状のスペーサ14は、真空容器10の長手方向と直交する方向(”第2方向Y”または”鉛直方向”)に、15mmの間隔を置いて、配置されている。スペーサ14はガラスからなり、その厚みは200μmとした。スペーサ14は走査配線上に設け、その長手方向の両端部を背面基板12に無機接着剤(東亞合成製のアロンセラミックD)によって固定した。接着部材122としてはシリコーン系の弾性を有する樹脂接着剤としてTSE3944(モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン合同会社製)を用いた。シリコーン樹脂接着剤は、厚みが2mm、幅が5mmで塗布した。実用上、例えば、塗布する厚みは1〜5mmの範囲、幅は0.5mm〜5mmの範囲とすることができる。シリコーン樹脂接着剤はヤング率1〜5MPaで、破断伸びが100%以上のものを使用する。
<実施例1>
本実施例では、図1及び図2に示した画像表示装置を作成した。複数の接着部材122は、板状スペーサ14の真裏に、その長手方向がスペーサの長手方向110と平行になるように、ライン状に設けた。また複数の接着部材122は、互いに、30mmの間隔を置いて、背面基板12の接合部材28で囲まれる領域の裏側の領域にのみ、設けた。その後、厚さ8mmで背面基板12と同じ面積のアルミニウム合金板からなる固定部材103を接着部材122によって、真空容器10の裏面(背面基板12)に貼付けた。貼付ける際に、押圧することによって、接着部材122は、厚さ1mm、幅10mmまで押し潰した。尚、貼付ける際に、接着部材122は、実用上、その厚みが0.1〜1.0mmの範囲で、その幅が5〜25mmの範囲に、押しつぶすことができる。接着部材122の配置面積は、例えば背面基板12の面積の1/2とすることができる。その後、接着部材122を硬化させることによって、真空容器10に固定部材103が接着される。そして、固定部材103にネジ留めにより支持体108を固定した。
本実施例で作成した画像表示装置に対して、20cmの高さからの落下衝撃試験および振動試験を行った。尚、その際に、直接的な衝撃および振動が支持体108に加わるようにして行った(衝撃および振動が、真空容器10に対して支持体108から固定部材103と接着部材122を介して加わるようにした)。その結果、真空容器10の割れが無い事、また真空容器10の割れ応力より低い応力発生であることを確認した。また、真空容器10の周縁部の破損も見られなかった。また、上記した落下衝撃試験を行った後に、画像表示装置として、画像を表示させたところ放電現象は確認されず、長期に渡って安定な表示画像を得ることができた。また、真空容器10を解体したところ、スペーサ14自体の破損はなく、スペーサ14によって、メタルバック20やスペーサ当接層40が破砕された痕跡は見られなかった。
<実施例2>
本実施例で用いた固定部材103は、図7に示した構成を備える。図7(A)は、本実施例における表示パネルの背面側の斜視図である。図7(B)は、図7(A)の真空容器10を用いた画像表示装置の、図7(A)の一点鎖線B−B’に相当する断面における、断面模式図である。実施例1と異なる点は、2本のライン状の固定部材(103A、103B)を用いた点と、前面板102を用いた点にある。真空容器10の構成は実施例1と同じである。本実施例で用いた固定部材103は、図6、図7に示した構成を備える。2本のライン状の固定部材(103A、103B)を、互いに離間して、真空容器10を構成する背面基板12の裏面に接着部材122によって接着した。それぞれの固定部材(103A、103B)は、複数の幅が広い部分206と複数の幅が狭い部分208とが交互に設けられて構成された板状部材206と、幅が広い部分206のそれぞれの上に固着された複数の突起部207と、により形成される。板状部材206はプレス加工により成型した。突起部207は、支持体108に真空容器10を固定し真空容器を支持する為の支持点としての機能を持たせる為に、メネジ加工を施した。本実施例では、突起部207はヘッダー加工により形成した。板状部材206と突起部207の固定は、板状部材206と接する箇所における突起部207に対し、ローレット加工及び溝加工を施し、裏面からの圧入カシメを実施した。
板状部材206の形状は、幅が広い部分は縦60mm×横60mmであり、幅が狭い部分は縦10mm×横140mmとした。また、板状部材206の厚みは2mmとした。ここでは厚みを2mmに設定したが、材質が金属や合金であれば、実用上は1mm以上30mm未満とすることが好ましく、10mm未満とすることがより好ましい。また、板状部材206の材料としては、亜鉛メッキ鋼板を用いた。また、1つの幅が広い部分206の中央部に1つの突起部207を固定した。尚、ここでは、突起部207は、その頂部(背面基板12の裏面から最も離れた部分)の背面基板12の裏面からの高さが25mmとした。実用的には、回路基板の配置などを考慮して、突起部207の背面基板12の裏面からの高さは、5mm以上30mm未満であればよい。突起部207の材料としては、ステンレス鋼を用いた。また突起部207(支持点)の水平方向ピッチは200mmとした。2本の固定部材(103A、103B)は、間隔を空けて、真空容器10の裏面(背面基板12の大気側の面)上に設けた。尚、本実施例では、2つの固定部材(103A、103B)を用いたが、固定部材の数は2つ以上であることができる。また、本実施例では、突起部207(支持点)の鉛直方向ピッチは420mmとしたが、実用上400〜430mmの範囲であれば良い。真空容器10に対する固定部材103の位置は、真空容器10の画像表示領域(又は背面基板12)の水平方向(板状スペーサ14の長手方向110)の中心線を対称軸として、一方の固定部材103Aが他方の固定部材103Bに対して線対称な関係を満たす。また、それぞれの固定部材(103A、103B)は、画像表示領域(又は背面基板12)の鉛直方向の中心線を対称軸として、線対称な関係(画像表示領域の鉛直方向の中心線で折り返した形状)となるように配置した。突起部207はφ16mmの円柱形状とした。尚、突起部207の形状としては円柱型ではなく、四角柱型、多角柱型でもよい。これらの寸法は、真空容器10の剛性、前面板102の剛性、接着部材121の機械的特性、接着部材122の機械的特性、また複数の固定部材103の剛性により変化させ、適正値を導き出す事ができる。本実施例では、接着部材122を2本のライン状とした。接着部材122の形状は、固定部材103A、103Bと同じ形状(固定部材の真空容器の表面への正射影像と同じ形状)とした(図6参照)。そして、接着部材122は、背面基板12の接合部材28で囲まれる領域の裏側の領域にのみ、設けた。
また、本実施例では、固定部材103の剛性は実施例1の固定部材に比べて小さい。そのため、真空容器10の剛性を上げるために、真空容器10を構成する前面基板11の表面(大気側の面)に前面板102を接着部材121を用いて接着固定した。前面板102は、前面基板11及び背面基板12と同じガラス板であり、真空容器10の画像表示領域より大きい。本実施例では、前面板102の厚みは2.5mmとした。その大きさは前面基板11と同じとしたが、ガラスであれば厚みは実用上1.5mmから3.5mmの範囲であればよい。接着部材121はアクリル系のUV硬化樹脂接着剤を使用した。具体的には、接着部材121として、TB3042C((株)スリーボンド製)を用いた。そして、前面板102の前面基板11に対向する面の全面にアクリル系のUV硬化樹脂接着剤を塗布し、その厚みは0.5mmとしたが、実用上厚みは0.1mmから1mmの範囲であればよい。このような前面板102と接着部材121との組み合わせによるメリットとして、画像表示部における、外光の反射や写り込みを防止できる。
本実施例で作成した画像表示装置に対して、実施例1と同様の落下衝撃試験および振動試験を行った。その結果、真空容器10の割れが無い事、また真空容器10の割れ応力より低い応力発生であることを確認した。また、真空容器に発生する応力は、支持点となる突起部207の数を増加させる事により、下げる事が可能となる。また、上記した落下衝撃試験を行った後に、画像表示装置として、画像を表示させたところ放電現象は確認されず、長期に渡って安定な表示画像を得ることができた。また、真空容器10の周縁部の破損も見られなかった。また、真空容器10を解体したところ、スペーサ14自体の破損はなく、スペーサ14によって、メタルバック20やスペーサ当接層40が破砕された痕跡は見られなかった。
また、複数の固定部材103を上記した形状とする事により、電気回路基板の実装面を平らにすることができ、支持体108と背面基板12との間に従来のような補強フレームの位置をほとんど考慮せずに電気回路を好ましい位置に配置することができた。そのため、電気回路の設計上の制約を減らすことができた。設計上の制約としては、突起部207との干渉を回避することが挙げられる。しかし、突起部207の形状に応じて、回路基板または回路基板を固定した基板の一部に穴を空けるか、突起部207が無い箇所に回路基板を配置する事により、設計上の制約が小さくすることができた。また、従来と同程度の表示パネルの強度を得るために従来必要であった補強フレームなどの支持部材に比べて、表示パネルの大幅な重量削減、費用削減効果が得られた。
尚、比較例として、本実施例2の2つの固定部材と接着部材122を90°回転させて(鉛直方向に沿うように配置して)、真空容器10を構成する背面基板12の裏面に設けた。そして、実施例1と同様の落下衝撃試験を行ったところ、スペーサ14による、スペーサ当接層40の一部の破砕が確認された。また、一部のスペーサにも破損が確認された。尚、鉛直方向とは、板状スペーサ14の長手方向110と直交する方向である。
<実施例3>
本実施例で用いた2つの固定部材(503A、503B)は、図10に示した構成を備える。以下では、実施例2と異なる点についてのみ説明する。図10(A)は、本実施例における真空容器10の背面側の斜視図である。図10(B)は、図10(A)の真空容器10を用いた画像表示装置の、図10(A)の一点鎖線D−D’に相当する断面における、断面模式図である。各々が板状部材506と突起部507とから構成される複数のユニット510を、2列に並べることによって、2つの固定部材(503A、503B)を構成している。
本実施例は、実施例2と比較して、幅が狭い部分208が省かれた構成(幅が広い部分と狭い部分とが連続していない構成)に相当する。従って、本実施例における板状部材506が、実施例2における幅が広い部分206に相当し、板状部材506は、縦60mm×横60mmである。そして、本実施例における突起部507は実施例2における突起部207に相当する。各々の板状部材506の中央部に1つの突起部507が固定されて、ユニット510が構成されている。本実施例では、突起部207の水平方向のピッチが150mmとなるように、7個のユニット510を水平方向(スペーサ14の長手方向110)に一列に並べることによって、1つの固定部材503を構成した。そして、2つの固定部材503が鉛直方向(スペーサ14の長手方向110に直交する方向)に離間するように、真空容器10の背面(背面基板12の大気側の面)上に、接着部材122によって接着されている。尚、各ユニットを構成する突起部207(支持点)の鉛直方向のピッチが420mmとなるように各ユニットを接着した。尚、1つの固定部材(503Aまたは503B)を構成するユニット510の数は7個に限定されるものではないが、各列を構成するユニット510の数は等しくすることが好ましい。
固定部材(503A、503B)を構成する、板状部材506(実施例2における幅が広い部分206)と突起部507(実施例2における突起部207)は、実施例2と同様に形成する。また、形状及び支持点のピッチ、板状部材506と突起部507の固定方法も実施例2と同様とした。本実施例では、接着部材122の形状は、固定部材503A、503Bと同じ形状(固定部材の真空容器の表面への正射影像と同じ形状)とした。そして、接着部材122は、背面基板12の接合部材28で囲まれる領域の裏側の領域にのみ、設けた。
実施例1と同様の落下衝撃試験を行ったところ、本実施例においても、スペーサの破損や、メタルバックやスペーサ当接層が破砕された痕跡は見られなかった。
固定部材を本実施例の構成にする事により、実施例2における幅が狭い部分208を省く事で、更に表示パネルの重量削減、費用削減効果が得られる。
以上述べたように、本発明によれば、画像表示装置に落下衝撃などの大きな衝撃が入力された場合においても、スペーサの変形やスペーサ当接部のせん断応力を低減でき、真空容器の破壊を防止できる。また、画像表示装置の薄型、軽量化、低コスト化を実現できる。
10 真空容器
11 前面基板
12 背面基板
13 枠部材
14 スペーサ
102 前面板
103 固定部材
108 支持体
110 スペーサ長手方向

Claims (7)

  1. 前面基板と、該前面基板と間隔を置いて前記前面基板と対向する面を備える背面基板と、前記前面基板と前記背面基板との間の空間を囲み、前記前面基板と前記背面基板との間に設けられ、前記前面基板と前記背面基板とを接合する接合部材と、前記前面基板と前記背面基板との間に、互いの長手方向が平行になるように設けられた複数の板状のスペーサと、を備える真空容器と、
    前記背面基板の前記前面基板と対向する面とは反対側の面に設けられた複数のライン状の接着部材によって前記真空容器に接着された固定部材と、
    を少なくとも備える表示パネルであって、
    前記複数のライン状の接着部材の各々は、互いに所定の間隔を置いて、且つ、前記複数のスペーサの前記長手方向に沿うように、前記背面基板に設けられており、
    前記複数のライン状の接着部材は、前記背面基板の前記前面基板と対向する面とは反対側の面の一部の領域であって、前記背面基板の前記前面基板と対向する面の、前記接合部材で囲まれた領域の反対側に位置する領域にのみ、設けられていることを特徴とする表示パネル。
  2. 前記固定部材は、複数のライン状の固定部材から構成されており、前記複数のライン状の固定部材の各々は、互いに所定の間隔を置いて、且つ、前記複数のスペーサの前記長手方向に沿うように、前記ライン状の接着部材によって、前記背面基板に接着されていることを特徴とする請求項1に記載の表示パネル。
  3. 前記複数のライン状の固定部材の各々は、前記前面基板と対向する面とは反対側の面に接着された板状部材と、該板状部材の前記背面基板とは反対側の表面に設けられた複数の突起部とを備えていることを特徴とする請求項2に記載の表示パネル。
  4. 前記板状部材は、幅が広い部分と幅が狭い部分とを、前記複数のスペーサの前記長手方向に沿うように交互に且つ複数、備えており、前記複数の突起部は、前記幅が広い部分に設けられていることを特徴とする請求項3に記載の表示パネル。
  5. 前記幅が広い部分と幅が狭い部分とが連続していることを特徴とする請求項4に記載の表示パネル。
  6. 前記前面基板には、前面板が接着されていることを特徴とする請求項2乃至5のいずれか1項に記載の表示パネル。
  7. 請求項1乃至6のいずれか1項に記載の表示パネルと、前記表示パネルを構成する前記真空容器を前記固定部材を介して支持する支持体と、を備える画像表示装置。
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