JP2009216889A - 表示装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】表示パネルと支持部材との熱膨張率の差によって表示パネルに生じる応力を低減することが可能な表示装置を提供する。
【解決手段】表示装置は、表示パネル101と、表示パネル101を支持する支持部材102とを有する。表示パネル101と支持部材102とは接着部材103によって接着されている。接着部材103は表示パネル101の中央領域にのみ設けられている。表示パネル101の周縁領域の少なくとも一部には衝撃吸収材104が設けられている。
【選択図】図2

Description

本発明は、表示パネルと、表示パネルを支持する支持部材とを有し、表示パネルと支持部材とが接着部材によって接着された表示装置に関する。
図4は、特許文献1に開示された従来の表示装置の概略構成を示す斜視図である。
図4に示す従来の表示装置は、表示パネル1040と、表示パネル1040を支持する支持部材1042とを有している。表示パネル1040は画像を表示するため、透明な硝子やアクリル等によって作製されている。また、支持部材1042は表示パネル1040の強度を補うためのものであり、例えば、アルミ合金からなる板状の構造体で構成されている。これらの表示パネル1040と支持部材1042とは、2つの粘着部材1041によって互いに接合されている。
これらの粘着部材1041は、表示パネル1040の2つの長辺に沿った領域に、略平行に配置されている。2つの粘着部材1041の間の領域1042aには粘着部材が設けられていない。
特開2003−288028号公報
しかしながら、上述した従来技術のように表示パネル1040の周縁に近い領域が拘束された構成では、表示パネル1040と支持部材1042との熱膨張係数の差によって、表示パネル1040に大きな応力が生じることがある。
図5を参照して、表示パネルと支持部材との熱膨張係数の差によって表示パネルに応力が生じる様子を説明する。
アルミ合金等からなる支持部材1042の熱膨張係数の方が、硝子やアクリル等によって作製されている表示パネル1040の熱膨張係数よりも大きい。そのため、表示装置の実使用環境温度である−20℃〜70℃の範囲において、環境温度が高温(70℃付近)のときには、支持部材1042の方が表示パネル1040よりも大きく膨張する。これにより、図5(a)に示すように、表示パネル1040の支持部材1042が接合された面には引張応力が発生し、表示パネル1040は図示下向きに凸となるように曲げられる。一方、環境温度が低温(−20℃付近)のときには、支持部材1042の方が表示パネル1040よりも大きく収縮する。これにより、図5(b)に示すように、表示パネル1040の支持部材1042が接合された面には圧縮応力が発生し、表示パネル1040は図示上向きに凸となるように曲げられる。
表示パネル1040を構成する硝子やアクリル等の素材は強度があまり高くないため、表示パネル1040に上記のような応力が発生して曲げられることは好ましくない。
そこで本発明は、表示パネルと支持部材との熱膨張率の差によって表示パネルに生じる応力を低減することが可能な表示装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明の表示装置は、表示パネルと、前記表示パネルを支持する支持部材とを有し、前記表示パネルと前記支持部材とが接着部材によって接着された表示装置において、前記接着部材は前記表示パネルの中央領域にのみ設けられており、前記表示パネルの周縁領域の少なくとも一部に衝撃吸収材が設けられていることを特徴とする。
本発明によれば、表示パネルと支持部材との熱膨張率の差によって表示パネルに生じる応力を低減することができる。
次に、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
図1は本発明の一実施形態に係る表示装置を示す斜視図である。また、図2は図1のA−A’線に沿った断面図である。
本実施形態の表示装置は、画像を表示する表示パネル101と、表示パネル101の裏面(非表示面)側で表示パネル101を支持する支持部材102とを有している。表示パネル101は、2枚の硝子板またはアクリル板を貼り合わせて作製されている。また、支持部材102は、アルミニウム合金やステンレス鋼によって構成することができる。
表示パネル101と支持部材102とは、表示パネル101の中央領域に設けられた接着部材103によって互いに接合されている。ここで、「中央領域」とは、表示パネル101の平面における縦方向中心線と横方向中心線とが交わる中心を含む領域を意味している。表示パネル101の中央領域は表示パネル101の全体面積よりも小さく、中央領域の外周縁は表示パネル101の外周縁よりも表示パネル101の中心側に位置している。接着部材103としては、シリコーン系接着剤、アクリル系接着剤、エポキシ系接着剤、あるいは両面テープなどを用いることができる。
表示パネル101の単位面積あたりの重量は、3.5kg/m2〜100kg/m2の範囲である。一方、シリコーン系接着剤、アクリル系接着剤、エポキシ系接着剤、両面テープなどで構成される接着部材103の剪断強度は0.5N/mm2(シリコーン系接着剤の初期接着力)〜30N/mm2程度である。そのため、接着部材103として強度の強いアクリル系接着剤を使用した場合には、表示パネル101の背面の面積の0.02%程度の接着面積があれば、表示パネル101の荷重を十分に支えることができる。
本実施形態の表示装置は、表示パネル101の周縁領域であって、かつ表示パネル101と支持部材102との間の領域における少なくとも一部に、衝撃吸収材104が配置されている。衝撃吸収材104は、表示パネル101の周縁領域の全体に設けられていてもよいし、あるいは周縁領域の一部(例えば、表示パネル101の四隅)に設けられていてもよい。ここで「周縁領域」とは、表示パネル101の中央領域と表示パネル101の外周縁との間の領域を意味している。衝撃吸収材104は、周縁領域に形成されている表示パネル101と支持部材102との間の隙間を埋めている。これにより、衝撃吸収材104は、表示パネル101の周縁領域の部分に何らかの力が加えられても、表示パネル101の当該部分が支持部材102に当接することを防ぐ役割を有している。
衝撃吸収材104は、例えばシリコーンを主原料とする柔らかいゲル状の材料や、ウレタンスポンジ等のスポンジ状の弾性材料で構成されている。衝撃吸収材104は、表示パネル101と支持部材102とのいずれか一方または両方に固定されていてもよく、あるいは、接着部材103で接合された表示パネル101と支持部材102との間に挟持されただけの状態であってもよい。衝撃吸収材104が表示パネル101と支持部材102とのいずれか一方に固定されている場合、衝撃吸収材104は、他方の表示パネル101または支持部材102に接触していてもよく、あるいは接触しないように隙間が形成されていてもよい。
いずれの場合でも、周縁領域では、表示パネル101と支持部材102とは互いに拘束されていない。衝撃吸収材104が表示パネル101と支持部材102とのいずれか一方に固定されている場合や、衝撃吸収材104が表示パネル101と支持部材102との間に挟持されただけの場合には、表示パネル101と支持部材102とは自由に相対移動が可能である。また、衝撃吸収材104が表示パネル101と支持部材102との両方に固定されている場合であっても、上記のような材料で構成されている衝撃吸収材104は容易に変形するため、表示パネル101と支持部材102とは自由に相対移動が可能である。
このように、本実施形態では表示パネル101の中央領域のみが接着部材103によって支持部材102に固定されており、表示パネル101の周縁領域は支持部材102に接着部材103で固定されていない。そのため、表示パネル101の周縁領域では、表示パネル101と支持部材102とが相対的に移動することが可能である。これにより、表示パネル101の応力発生箇所を、接着部材103によって支持部材102が固定された中央領域内に最小限に抑えることができ、その結果、表示パネル101に生じる応力を低減することができる。また、表示パネル101の周縁領域では表示パネル101と支持部材102との相対移動が可能であるため、この周縁領域によって、中央領域に生じた応力を逃がす(分散)させることが可能である。
次に、図2を参照して、表示パネルと支持部材との熱膨張係数の差によって表示パネルに応力が生じる様子を説明する。
硝子またはアクリルで作製された表示パネル101の熱膨張係数はおおよそ4〜90×10-6であり、アルミニウム合金で作製された支持部材102の熱膨張係数は24×10-6程度である。
表示パネルの周縁領域が固定されている従来技術では、環境温度が高温(70℃付近)のとき、図5(a)に示して説明したように、熱膨張係数の大きな支持部材の方が熱膨張係数の小さな表示パネルよりも大きく膨張する。これにより、表示パネルの支持部材が接合された面に大きな引張応力が発生する。また、環境温度が低温(−20℃付近)のときには、支持部材の方が表示パネルよりも大きく収縮し、表示パネルの支持部材が接合された面には大きな圧縮応力が発生する。
これに対し、本実施形態では、図2に示すように表示パネル101の中央領域だけに接着材103が塗布されており、その周縁領域では表示パネル101が支持部材102に拘束されていない。そのため、表示パネル101と支持部材102との間の熱膨張量の差を生む両者の拘束部分の長さが従来に比べて短くなるので、高温時(図2(a))及び低温時(図2(b))のいずれの場合においても、支持部材102に生じる応力を低減することができる。
図3は、図1等に示した表示装置の使用環境が高温時(70℃)及び低温時(−20℃)の場合について、表示パネルの接着面積割合と表示パネルに生じる応力との関係を表す実験値を示すグラフである。図3から、次のことが言える。
表示パネル100の全体面積に対する接着面積の割合が100%であるときに各使用環境において表示パネル100に発生する応力を基準応力とした場合、表示パネルに発生する応力をその基準応力の半分以下にするためには、以下のことが必要である。すなわち、表示パネルの接着領域を上記のように中央領域のみとした上で、表示パネルの全体面積に対する接着面積の割合を50%以下にすることが必要である。これにより、各使用環境において表示パネル100に発生する応力を、低温時(−20℃)では基準応力の1/2以下に、高温時(70℃)では基準応力の1/3以下に抑制することができる。このように、本実施形態の表示装置によれば、表示パネル100と支持部材102との熱膨張率の差によって表示パネル100に生じる応力を低減することができる。
本発明の一実施形態に係る表示装置を示す斜視図である。 表示パネルと支持部材との熱膨張係数の差によって表示パネルに応力が生じる様子を示す、図1のA−A’線に沿った断面図である。 図1等に示した表示装置の使用環境が高温時(70℃)及び低温時(−20℃)の場合について、表示パネルの接着面積割合と表示パネルに生じる応力との関係を表す実験値を示すグラフである。 従来の表示装置の概略構成を示す斜視図である。 表示パネルと支持部材との熱膨張係数の差によって表示パネルに応力が生じる様子を示す図である。
符号の説明
100 表示装置
101 表示パネル
102 支持部材
103 接着部材
104 衝撃吸収材

Claims (4)

  1. 表示パネルと、前記表示パネルを支持する支持部材とを有し、前記表示パネルと前記支持部材とが接着部材によって接着された表示装置において、
    前記接着部材は前記表示パネルの中央領域にのみ設けられており、
    前記表示パネルの周縁領域の少なくとも一部に衝撃吸収材が設けられていることを特徴とする表示装置。
  2. 前記衝撃吸収材は、前記表示パネルと前記支持部材との少なくとも一方に固定されている、請求項1に記載の表示装置。
  3. 前記衝撃吸収材はゲル状の材料で構成されている、請求項1または2に記載の表示装置。
  4. 前記衝撃吸収材はスポンジ状の弾性材料で構成されている、請求項1または2に記載の表示装置。
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