JP2011124194A - 表示パネルおよび画像表示装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 表示パネルの破損や表示する画像の質の低下を抑制する。
【解決手段】 気密容器と熱伝導体とを具備してなる表示パネルであって、
熱伝導体の、複数のスペーサが並べられた方向に沿った方向における熱伝導率よりも、熱伝導体の、スペーサの長手方向に沿った方向の熱伝導率が高く、且つ、熱伝導体の厚み方向の熱伝導率よりも、熱伝導体の、複数のスペーサが並べられた方向に沿った方向の熱伝導率が高くする。
【選択図】 図1

Description

本発明は、いわゆるFPD(フラット・パネル・ディスプレイ)と呼ばれる表示パネル、及びその表示パネルを備えた画像表示装置に関する。
近年、液晶ディスプレイ(LCD)やプラズマディスプレイ(PDP)、電界放出型ディスプレイ(FED)、有機ELディスプレイ(OLED)などの表示パネルを備えた画像表示装置が盛んに開発されている。
画像表示装置の薄型化や軽量化により、表示パネルと電気回路基板の距離が近くなり、発熱密度が高くなる傾向にある。また、表示パネルの高輝度化などにより、発熱量も増加する傾向にある。その結果、表示パネルには温度分布が発生し、その結果生じる熱応力によって表示パネルが破損する場合がある。そこで、表示パネルに生じる熱を逃がす構造を設けることが特許文献1〜3に開示されている。
特許文献1には、PDPの背面とシャーシとの間に、シリコンシートやカーボンシートからなる熱伝導シートを設けることが開示されている。特許文献2には、PDPの背面とアルミ等の放熱機能を有する保持板とを重力方向に対して平行な複数のライン状の熱伝導部材で固着することが開示されている。特許文献3には、PDPの背面に設けたアルミ等からなるシャーシを分割し、下方のシャーシ片をPDPの中央部を含む凸形状とし、上方のシャーシ片をPDPの中央部を避けるような凹形状とすることが開示されている。
特開2002−156913号公報 特開2004−333904号公報 特開2008−292824号公報
上記先行技術文献に開示された構成の場合、表示パネルの背面の温度分布は低減される。しかし、表示パネルの前面側については、自然対流による空冷のため、鉛直方向の下方に比べ鉛直方向の上方が熱くなるといった温度分布は避けられない。そのため、表示パネルの前面と背面との間では、表示パネルの画面の中央部分ではその温度差が少ないが、表示パネルの鉛直方向における上下では、その温度差が大きくなってしまう。
そのため、表示パネルを構成する部材(典型的にはガラス基板)に局部的な温度分布が生じ、表示パネルの破損(ガラス基板の破損)を招く恐れがある。
また、詳しくは後述するが、FEDなどの電子放出素子から放出された電子を蛍光体等の発光体に照射するタイプの表示パネルでは、気密容器の内部が大気圧よりも低い圧力(真空)に維持されている。そのため、気密容器の内部に、複数のスペーサが設けられる。スペーサは、非常に高い抵抗値を備えることが望まれるが、そのような抵抗値を実現する材料は、負の抵抗温度係数を有する場合が多い。従って、FEDの前面と背面との間に上述した温度差にバラツキが生じると、スペーサ間で、或は、一つのスペーサ内で、抵抗値のバラツキが生じてしまう場合がある。スペーサの抵抗値の変動は、スペーサの近傍の電子放出素子から放出された電子の軌道に影響を与え、その結果、表示する画像の質の低下につながってしまう場合があった。
そこで、本発明は、表示パネルの前面と背面との間の温度差のバラツキを低減し、良好な画像を長期に渡って表示することができる、信頼性の高い、表示パネルおよび画像表示装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するためになされた、本発明の表示パネルは、前面基板と、該前面基板と間隔をおいて対向する背面基板と、前記前面基板と前記背面基板との間に各々の長手方向が平行になるように並べられた複数の板状のスペーサと、を含む気密容器と、前記背面基板の前記前面基板とは反対側の面に接続された熱伝導体と、を具備してなる表示パネルであって、前記熱伝導体の、前記複数のスペーサが並べられた方向に沿った方向における熱伝導率よりも、前記熱伝導体の、前記スペーサの前記長手方向に沿った方向の熱伝導率が高く、且つ、前記熱伝導体の厚み方向の熱伝導率よりも、前記熱伝導体の、前記複数のスペーサが並べられた方向に沿った方向の熱伝導率が高い、ことを特徴とする。
また、本発明の表示パネルは、前面基板と、該前面基板と間隔をおいて対向する背面基板と、を含む気密容器と、前記背面基板の前記前面基板とは反対側の面に接続された熱伝導体と、前記背面基板に接続された固定部材と、を備える表示パネルであって、前記固定部材は、前記表示パネルの画像表示時における重力方向に、前記前面基板の前記背面基板と対向する表面が沿うように、前記表示パネルを支持可能な支持体に接続されるものであり、前記熱伝導体は、前記画像表示時における重力方向における熱伝導率が、前記画像表示時における重力方向と直交する水平方向における熱伝導率よりも低く、且つ、前記熱伝導体の前記画像表示時における重力方向における前記熱伝導率が、前記熱伝導体の厚み方向の熱伝導率よりも、高い、ことを特徴とする。
本発明によれば、表示パネルの前面と背面との間の温度差のバラツキを少なくすることが出来る。そのため、良好な画像を長期に渡って表示することができ、且つ、信頼性の高い表示パネルおよび画像表示装置を提供することができる。
表示パネルの構成を示す模式図である。 温度分布のグラフである。 表示パネルと画像表示装置の構成を示す模式図である。。 表示パネルの別の構成を示す模式図である。 FEDの構成を示す模式図である。 スペーサの上下の温度分布の説明図である。 FEDの前面基板の構成を示す模式図である。
以下、本発明の実施形態の一例について図1〜図4を用いて説明する。尚、各図において共通する符号を用いている部材は、同じ部材を指す。また、ここでは、表示パネル210としてFEDを用いた例を説明するが、表示パネル210としてPDPやLCDやOLEDを用いることもできる。しかしながら、本発明が最も好適に用いられるのはFEDである。
図1(a)は、表示パネル210を背面側から見た際の模式図である。図1(b)は、図1(a)に示した表示パネル210のA−A断面を示した模式図である。また、図1(c)は、図1(a)から固定部材103と、固定部材に取り付けられた薄板222と、固定部材103を気密容器10の裏面に接着している接着部材122と、を外した状態の模式図である。図1(a)〜図1(c)に示す態様では、表示パネル210は、表示パネル210を構成する気密容器10の背面に、熱伝導体300を備えている。ここで示す例では、熱伝導体300は、複数の熱伝導構造体(205A〜205E)から構成されており、各々の熱伝導構造体は気密容器10の背面に接触している。そして、固定部材103が接着部材122にて気密容器10の背面に接着されている。固定部材103と一体化された薄板222には、不図示の駆動回路基板を搭載することができる。また、薄板222は各々の熱伝導構造体(205A〜205E)と接触することもできるし、熱伝導構造体(205A〜205E)と空隙を介して対向させることもできる。薄板222を熱伝導構造体(205A〜205E)と接触させる場合には、熱伝導体300に望まれる後述する所望の熱伝導率を阻害しないように、薄板222と熱伝導構造体との間に断熱部材を設けることが望ましい。薄板222を熱伝導構造体に直接あるいは断熱部材などを介して接触させる態様では、薄板222によって、熱伝導構造体(205A〜205E)を気密容器10に押し付けることができる。そのため、本発明の効果を十分に発揮する上で望ましい態様である。
尚、ここでは、表示パネル(ディスプレイパネル)は、いわゆるディスプレイモジュールを指す。そして、表示パネルは、少なくとも、気密容器10と、詳しくは後述する熱伝導体300を含んでいる。そして、さらには、気密容器10を後述する支持体108に固定するための固定部材103および固定部材103を気密容器10に接着する接着部材122を備える。また、気密容器10内には発光素子(LCDの場合は液晶素子)が設けられており、表示パネルは、上記発光素子を駆動するための駆動回路(不図示)をも備える。一方、画像表示装置は、上記表示パネルに加え、表示パネルを設置面に対して上記固定部材を介して固定するための支持体を備える装置を指す。そして、さらに、必要に応じて、テレビ信号を受信する受信機や、入力された画像信号を表示パネルの特性に合わせて所定の処理を加える画像処理回路や、スピーカーなども備えた装置を指す。
次に、図5(A)〜図5(C)を用いて、本発明が好ましく適用されるFEDについてまず説明する。FED(Field Emisson Display)は、図5(A)に示すような扁平な矩形状の気密容器10を備える。扁平な矩形状の気密容器10は、その内部空間が大気圧よりも低い圧力に維持されている。尚、PDPの場合は、上記気密容器10の内部は希ガスが封入され、LCDの場合は液晶材料が封入され、OLEDの場合は不活性ガスが封入される。
扁平な矩形状の気密容器10の長手方向(第1方向X)と同じ方向に長手方向110を有する細長い板状のスペーサ14が、気密容器10を構成する前面基板11と背面基板12との間に、複数設けられている。
図5(A)は表示パネルを構成する気密容器10の一部を切り欠いて模式的に示した斜視図であり、図5(B)は図5(A)のA−A線における断面模式図である。また、図5(C)は前面基板11の背面基板12と対向する面の一部を背面基板12側から見た際の模式図である。図5(A)に示すように、気密容器10は、それぞれが矩形状のガラス板からなる前面基板11と背面基板12を備えている。これらの基板は、第3方向Zに沿って、1〜2mmのギャップを置いて対向配置されている。前面基板11および背面基板12の厚みは、0.5mm〜3mmであり、好ましくは2mm以下である。前面基板11および背面基板12の周縁部同士を矩形枠状の側壁13を介して接合し、前面基板11と背面基板12との間が気密に保持された、偏平な矩形状の気密容器10が構成されている。FEDでは、気密容器10の内部は大気圧よりも低い圧力(真空)に維持されている。例えば10−4Pa程度以下の高真空に維持されている。
また、前面基板11と背面基板12との間(空間)は、所定の間隔に維持されている。その間隔(第3方向Zにおける間隔)としては、例えば、200μm以上3mm以下、より実用的な範囲としては、1mm以上2mm以下である。側壁13は、例えば、ガラスや金属で構成することができる。また、例えば、低融点ガラスや低融点金属等のシール機能を備える接着剤を接着部材23として用いることができる。接着部材23が、前面基板11および背面基板12と側壁13とを接着することにより、前面基板11の周縁部と背面基板12の周縁部とが封着され、これらの基板同士が接合されている。ここでは、接合部材を側壁13と接着部材23とから構成したが、前面基板11と背面基板12との間に維持する間隔によっては、側壁13を省略することもできる。即ち、接合部材23は、前面基板11と背面基板12との間に維持する空間を、取り囲み且つ気密に保持すると共に、前面基板11と背面基板12とを接合することができれば、その構造は限定されるものではない。
また、図5(B)に示すように、前面基板11の内面には蛍光体などの発光体層15が設けられている。この発光体層15は、赤、緑、青に発光する発光体R,G,Bと、マトリックス状の遮光体17とを有している。遮光体17はブラックマトリクスと呼ばれる場合もある。発光体層15上には、例えば、アルミニウムを主成分としアノード電極として機能するメタルバック層20が形成されている。更に、メタルバック層20の上にゲッター膜22が形成される場合がある。表示動作時、メタルバック層20には所定のアノード電圧が印加される。メタルバック層20は、前面基板11と背面基板12との間隔や表示画像に要求される発光輝度にもよるが、例えば、10kVから15kVに維持される。
一方、背面基板12の前面基板11に対向する面(内面)には、発光体層15の発光体R、G、Bを励起する電子源として、それぞれが電子ビームを放出する多数の電子放出素子18が設けられている。これらの電子放出素子18は、画素(発光体R,G,B)に対応してマトリクス状に配列されている。なお、電子放出素子18としては、例えば、表面伝導型電子放出素子や電界放出型電子放出素子などを適用できる。背面基板12の内面上には、電子放出素子18を駆動する多数本の配線21がマトリクス状に設けられ、その端部は気密容器10の外部に引出されている。
背面基板12と前面基板11の間には、これらの基板に作用する大気圧を支持するため、多数の細長い板状のスペーサ14が配置されている。前面基板11および背面基板12の長手方向(長辺方向)を第1方向X、これと直交する方向(幅方向又は短辺方向)を第2方向Yとした場合、板状のスペーサ14は第1方向Xに延びている。言い換えると、板状のスペーサ14の長手方向110が、第1方向Xとなる。
そして、多数の板状のスペーサ14は、第2方向Yに、所定の間隔を置いて、並べられている。第2方向Yにおける間隔としては、例えば1mm〜50mmとすることができる。スペーサ14は、後述するように、細長いガラスの板やセラミックスの板から構成することができる。スペーサ14は、「画像領域」を横切り、その長手方向の両端(第1方向Xの両端)が「画像領域外」に位置している形態が最も好ましい。しかし、少なくとも、その長手方向の片方の端部が「画像領域外」に位置していればよい。即ち、スペーサ14は、「画像領域」と「画像領域外」とに跨って設けられることが望ましい。
また、スペーサ14は、その表面が、アノード電極から散乱された電子や電子放出素子18からの電子が照射されるなどによって、帯電することを抑制するために、所定の抵抗値を備える。尚、スペーサ14の抵抗値が低過ぎると、前面基板11から背面基板12に向かってスペーサ14を介した過剰な電流が流れ、表示装置の消費電力が高くなる虞がある。また、スペーサに過剰な電流が流れるとスペーサが発熱し、スペーサ14の材料の抵抗値の温度特性(TCR:Temperature Resistance Coefficient)が負であるので、その特性に従ってスペーサの抵抗値が下がる。これによっても、更に電流が多く流れ、更に発熱するという、所謂「熱暴走」が生じる虞もある。一方、スペーサの抵抗値が高過ぎると、スペーサの側面にたまった正の電荷を除電する速度が遅くなり、帯電による耐圧、画質の問題が発生する虞がある。
スペーサ14の、シート抵抗は、実用上、1×1011Ω/□以上1×1014Ω/□以下の範囲に設定することが望ましい。尚、スペーサ14のシート抵抗の測定方法としては、例えば、先ず、スペーサ14の一部を例えば矩形に切り取り出したスペーサ片を得て、このスペーサ片を一対の電極で挟んでその抵抗値Rを測定する。そして、一対の電極間の距離hと切り出したスペーサ片と電極とが接触している幅dから、スペーサ14のシート抵抗を求めることができる。具体的にはR×d/hで求められる。尚、dを考慮すると、スペーサ片は、一方の電極とスペーサ片とが当接する幅と他方の電極とスペーサ片とが当接する幅とが同じになるように、切り出せばよい。
上記の様なシート抵抗値を備えるために、スペーサ14は、ガラス等の絶縁性材料の板の表面に高抵抗な導電性の被膜を設けることで構成することができる。導電性の被膜の材料としては、例えば金属酸化物を用いることができる。金属酸化物の中でも、クロム、ニッケル、銅の酸化物が好ましい材料である。その理由は、これらの酸化物は二次電子放出効率が比較的小さく、電子放出素子から放出された電子がスペーサ14に当たった場合においても、発生する帯電量が小さいためである。金属酸化物以外にも炭素は二次電子放出効率が小さく好ましい材料である。特に、非晶質カーボンは高抵抗であるため、スペーサの抵抗を所望の値に制御しやすい。また、スペーサ14は、セラミックスに導電性材料を添加してなるサーメットの板から構成することもできる。セラミックスとしては、ムライト等のケイ酸アルミニウム化合物やアルミナ等の酸化アルミニウム、チタン酸バリウム、チタン酸ジルコン酸鉛、ジルコニア(酸化ジルコニウム)、コーディオライト、硼珪酸塩バリウム、珪酸鉄、ガラスセラミックス材料が挙げられる。また、添加する導電性材料としては、酸化チタンや酸化クロム、酸化マグネシウム、酸化鉄、酸化バナジウム、酸化ニッケルを例示することができる。
スペーサ14は、その幅(第2方向Yにおける長さ)に比べて高さ(Z方向における長さ)が数倍から十数倍大きく、また、その長さ(第1方向Xにおける長さ)は、高さに比べて数十倍から数百倍大きい。
上記した気密容器10を備える表示パネルおよび画像表示装置では、画像を表示する場合、メタルバック層20を介して発光体層R、G、Bにアノード電圧を印加する。また、同時に、電子放出素子18から放出された電子ビームをアノード電圧により加速して発光体へ衝突させる。これにより、対応する発光体R、G、Bが励起されて発光し、カラー画像を表示する。このため、FEDの場合は、電子放出素子と電子放出素子から放出された電子が照射されることで発光する発光体とアノード電極とから発光素子が構成されることになる。
図5(C)に示す様に、発光体層15は、赤、青、緑に発光する多数の矩形状の発光体R、G、Bを有している。発光体R、G、Bは、第1方向Xに所定のギャップをおいて交互に繰り返し配列され、第2方向には同一色の発光体が所定のギャップをおいて配列されている。第1方向Xのギャップは、第2方向Yのギャップよりも小さく設定されている。遮光体17は、前面基板11の周縁部に沿って延びた矩形枠部17a、および矩形枠部の内側で発光体層R、G、Bの間をマトリックス状に延びたマトリックス部17bを有している。尚、画像を表示させる際は、通常、第1方向Xが図1における水平方向に相当し、第2方向Yが鉛直方向に相当し、第3方向Zが奥行き方向に相当する。
次に熱伝導体300について説明する。図1(c)に示す様に、ここで説明する態様では、気密容器10の背面に接続し、且つ、鉛直方向に互いに間隔を置いて設けられた、複数の熱伝導構造体(205A〜205E)からなる熱伝導体300を設けている。熱伝導構造体(205A〜205E)としては、気密容器10の背面基板よりも熱伝導率の高い材料であれば特に限定されるものではないが、例えば、グラファイトシートを用いることができる。
そして、複数の熱伝導構造体(205A〜205E)のそれぞれは、水平方向に沿って(水平方向と平行に)延在している。即ち、各々の複数の熱伝導構造体(205A〜205E)は、その長手方向が水平方向に沿った薄板状(シート状)である。図1(c)では、5つの熱伝導構造体を用いた例を説明しているが、この数は、気密容器10の大きさに応じて、適宜設定されるが、通常、3つ以上に設定される。尚、当然のことながら、複数の熱伝導構造体のそれぞれは、気密容器10の裏面(この態様では背面基板12)よりも熱伝導率が高い。熱伝導構造体(205A〜205E)のそれぞれは、気密容器10の背面と熱的に接続していればよく、実用的には気密容器10の背面に接触している。
熱伝導体300は、水平方向(スペーサ14の長手方向110に沿った方向)、鉛直方向(重力方向)、厚み方向(奥行き方向)のいずれかが、他の方向の熱伝導率とは異なる熱伝導率を備える(熱伝導率に異方性を有する)。これによって、熱の流れを制御している。具体的には、熱伝導体300の熱伝導率は、その水平方向が最も良く、次に鉛直方向、奥行き方向の順番となっている。各熱伝導率の順番が相対的に変わらなければ、各々の方向における熱伝導率の絶対値に特に制約は無い。
画像表示時、表示パネル210(気密容器10)の前面基板11は、自然対流による空冷のため、前面基板11の鉛直方向における上方が前面基板11の鉛直方向における下方に比べて温度が高くなる。
そのため、熱伝導体300は、その鉛直方向の熱伝導率よりも水平方向の熱伝導率を高くすることで、背面基板12の鉛直方向における上下間での熱の移動を抑制する構造を実現している。
このような構造は、例えば、図1(c)に示すように、各々の長手方向が水平方向に沿っている複数の熱伝導構造体(205A〜205E)同士を、鉛直方向において互いに離間することによって実現することができる。ここでは、熱伝導構造体同士を離間することによって、鉛直方向において隣り合う2つの熱伝導構造体同士の間には空隙(空気層)が形成される。尚、空隙(間隙)は、スペーサの長手方向110(水平方向)と平行に設けている。これによって、この空隙(空気層)が熱伝導体300の鉛直方向における熱伝導性を低下させている。しかし、複数の熱伝導構造体同士を離間せずに、その間を熱伝導率が熱伝導構造体よりも相対的に低い部材(例えば断熱材)で連結する態様とすることもできる。このようにして熱伝導体300の熱伝導率は、鉛直方向よりも水平方向の方が高くすることができる。
これにより、前面基板11の鉛直方向における温度分布と同様の温度分布を、背面基板12の鉛直方向に、制御して、設けることができる。また、背面基板12の水平方向における温度分布も少なくできる。
この結果、背面基板12の面内では温度分布が生じるが、前面基板11の各部分とその部分に対向する背面基板12の部分との間の温度差は、低減することができる。そのため、前面基板11と背面基板12とがその近接する部分同士での温度差にバラツキが少ないので、信頼性の高い気密容器を得ることができる。
また、FEDの場合には、各々のスペーサ14を挟んでいる、前面基板11の部分と背面基板12の部分との温度差が位置によってばらついてしまうことを抑制することができる。この効果について図6を用いて説明する。図6は、気密容器10の一部の水平方向に沿った断面模式図である。例えば、前面基板11の領域Cと、領域Cに対向する背面基板12の領域Aと領域Bに着目した時に、領域Aの温度と領域Bの温度に差があるとする。このとき、スペーサ14の、領域Bと領域Cとで挟まれた部分における、温度差と、スペーサ14の、領域Aと領域Cとで挟まれた部分における、温度差と、が異なる。このような場合、スペーサ14の抵抗値は、領域Bと領域Cとで挟まれた部分と、領域Aと領域Cとで挟まれた部分と、で異なってしまう場合がある。このような場合、領域B近傍の電子放出素子から放出された電子と、領域A近傍の電子放出素子から放出された電子とでは、その軌道が異なってしまい、良好な表示画像を得られなくなる場合がある。
一方、本発明では、熱伝導部体300を、それぞれがスペーサ14の長手方向に沿って延在する複数の熱伝導構造体(205A〜205E)で構成している。このようにすることで、上記のようなスペーサ14の前面基板側と背面基板側との、位置に依存した、温度差を低減することができる。そのため、電子放出素子18から放出された電子の軌道が意図せず偏向されることを抑制できる。その結果、良好な画像を長期に渡って表示することができる画像表示装置を得ることができる。
また、熱伝導体300の奥行き方向の熱伝導率については、熱源となる気密容器10や駆動回路基板(不図示)から熱量を受けた後、水平方向と鉛直方向への熱拡散を優先し、奥行き方向への熱広がりを抑制するために、相対的に最も低い熱伝導率とする。
また、前述したように、前面基板201は鉛直方向における上方に向かうに従い、温度が必然的に高くなる。そのため、仮に、前述した特許文献1のように背面基板12の裏面に等方性の熱伝導率を有する熱伝導部材を背面基板12の裏面の全面に接続すると、背面基板12は、鉛直方向と水平方向における温度分布が低減される。その結果、鉛直方向上方では背面基板12の温度が前面基板201の温度より小さくなり、下方では背面基板202の温度が前面基板201の温度より大きくなってしまうといった問題が起こる。そこで、本発明では、鉛直方向の熱伝導率については、前面基板11の鉛直方向における温度分布と背面基板12の鉛直方向における温度分布との差を少なくするため、水平方向の熱伝導率よりも相対的に小さくしている。
次に、固定部材103について図1(a)、図1(b)、図3(a)、図3(b)を用いて説明する。図3(a)は図1(a)の表示パネル210から薄板222を外して、表示パネル210を斜め後方から見た斜視模式図である。また、図3(b)は、図3(a)の表示パネルに支持体108を取り付けた画像表示装置において、図1(a)の一点鎖線A−Aにおける断面を含む画像表示装置の断面の模式図である。尚、図3(b)では、図1(a)や図1(b)では表されていなかった前面板102が前面基板11が図示されている。
前面板102は、気密容器10の前面基板11の前面側の表面(背面基板12に対向する面とは反対側の面)に接着部材121によって接着されている。前面板102の長手方向と表示パネル10の長手方向及びスペーサ長手方向110を平行になるように配置することにより、スペーサ長手方向110に対する変形や応力集中を少なくすることができる。前面板102は、平板状とし、表示パネル(気密容器10)の画像表示領域(蛍光体R,G,Bが配置されている領域または面積)より大きいことが望ましい。前面板102は、可視光に対して透明な部材で構成され、例えば、ガラスの板やポリカーボネートの板を用いることができるが、光学特性の観点からガラスの板が特に好ましい。前面板の厚みとしては、気密容器10に所定の強度を持たせるために、ガラスであれば、1.5mm〜3.5mmとすることが望ましい。特に、強度の観点から、前面基板11および背面基板12の厚みよりも厚く設定することが望ましい。
接着部材121の材質、形状、厚み、面積等は、接着部材121の強度、衝撃吸収、熱伝導率、前面板の平面度等を考慮して適宜設定される。接着部材121は、特に限定されないが、気密容器10を形成した後に、前面板102を気密容器10に接着するために、高温加熱を必要としない接着剤を用いることが望ましい。例えば、常温下で、ガラスからなる気密容器10にガラスからなる前面板102を紫外線を照射することで接着することのできる、UV硬化型の樹脂接着剤を用いることができる。より具体的には、アクリル系のUV硬化型の樹脂接着剤を用いることができる。
前面板102を気密容器10に接着部材121によって接着させることにより、気密容器10の剛性、特に面方向におけるねじりの剛性が上がる。これにより、従来必要であった、背面基板12の裏面に設ける補強フレームなどの補強部材の大幅な薄型化、軽量化を図ることができる。
表示パネル(気密容器10)を剛体である支持体108に固定するための複数の固定部材103は、図1(a)、図3(a)に示す例では、互いに離間した、2つのライン状の固定部材(103A、103B)で構成されている。固定部材103は、金属薄板をベースに構成されているため、柔構造部品となっている。ライン状の固定部材の各々(103A、103B)は、その長手方向が板状スペーサの長手方向110(水平方向)に対して平行になるように配置されている。これにより、スペーサ14の変形やスペーサ14が前面基板11と当接する部分への応力集中(詳しくは後述する)を低減することができる。尚、上記した固定部材103は、従来、気密容器の裏面に設けられていた補強フレームのような気密容器の補強のための部材としての機能は実施的に備えてない。その代わり、気密容器10の剛性、特に面方向におけるねじりの剛性については、前面板102が、その役割を担っている。
複数の固定部材103は、画像表示領域(又は背面基板12)の水平方向(図5(A)における第1方向X)の中心線(図3(a)のB−B線)を対称軸として、一方の固定部材103Aが他方の固定部材103Bに対して線対称な関係を満たす様に配置する。また同時に、各々の固定部材は、画像表示領域(又は背面基板12)の鉛直方向(図5(A)における第2方向Y)の中心線(図1(a)のA−A線に相当する線)を対称軸として、線対称な関係を満たす様に配置する。この関係は、画像表示領域の鉛直方向の中心線(図1(a)のA−A線に相当する線)で折り返した形状となる関係と言い換えることができる。尚、ここでは、2つの固定部材(103A、103B)を用いた例を説明するが、固定部材103の数は2つ以上であればよい。奇数(例えば3つ)の固定部材を用いる場合には、例えば、1つの固定部材は、気密容器10の画像表示領域の水平方向の中心線(図3(a)のB−B線)上に位置するように、背面基板12上に接着する。そして残る固定部材は、中心線(図3(a)のB−B線)上に設けた固定部材から離れ、且つ、上記した2つの関係を満たすように、背面基板12上に接着して配置すればよい。
各々の固定部材(103A、103B)は、前述した複数の熱伝導構造体(205A〜205E)の間に設けられる。即ち、図1(a)〜図1(c)の形態では、熱伝導構造体205Aと熱伝導構造体205Bの間に、固定部材103Aが設けられ、熱伝導構造体205Dと熱伝導構造体205Eの間に、固定部材103Bが設けられている。しかしながら、この配置関係は一例である。熱伝導体300を複数のライン状の熱伝導構造体から構成する場合には、鉛直方向で隣り合う2つの熱伝導構造体の間に固定部材103を配置すればよい。
各々の固定部材(103A、103B)は、薄い板状部材(206、208)と板状部材206に設けた突起部207とを備えており、突起部207により支持点の機能を持たせている。図1(a)、図3(a)、図3(b)に示す例では、板状部材が、幅が広い部分206と、幅が狭い部分208とを備えており、幅が広い部分206と幅が狭い部分208とが交互に連結されている。そして、板状部材(206、208)の背面基板12に接着する側の面とは反対側の面に突起部207が設けられている。ここでは、幅が広い部分206に突起部207が設けられている。この構成により、剛体である支持体108と複数の固定部材103とが固定され、表示パネル(気密容器)が支持体108に固定される。板状部材と突起部207は強固に接続されており、接続の方法は、カシメ、圧着、溶接、接着等、どのような方法であってもよい。板状部材の幅や面積は、少なくとも突起部207が設けられている部分(突起部207の直下)において、突起部207の基部(板状部材との固定部)の幅及び又は面積よりも大きく設定する。これは、衝撃が気密容器10に突起部207を介して入力された際に、気密容器に生じる応力を低減するためである。
板状部材及び突起部はアルミニウム、鉄、マグネシウム等の金属や合金で形成されていることが好ましい。板状部材(206、208)及び突起部207を金属製にすることによるメリットを以下に記す。
・電気回路や表示パネルのGND規定部材として利用可能である。
・難燃性に優れる。
また、板状部材はプレス加工によって成形することにより、安価で良好な平面度が得られる。突起部207は、間隔規定部材として機能することができ、突起部207の形状は円柱型、四角柱型、多角柱型とあらゆる形状が可能である。突起部207の制作方法としては、ヘッダー加工、機械加工などを用いることができる。また、突起部207に支持点としての機能を持たせる為にメネジ加工を施し、気密容器10に強固に接着された固定部材を支持体108にネジで固定する構造を備えることができる。また、板状部材と突起部207を組み合わせ、プレス加工すれば、カシメ、圧着を一度に複数箇所行うことができる。それにより、製造に必要な工数を低減できるため、固定部材の製造コストを低減できる。
また、図1(a)に示した薄板222も薄い金属の板で構成することができる。薄板222は省略することもできる。薄板222を設ける場合には、前述した板状部材に溶接などで接合することで固定される。
接着部材122としては、両面テープや接着剤などを用いることができる。接着部材122の材質、形状、厚み、面積等は、接着部材122の強度、衝撃吸収、熱伝導率、固定部材103の平面度等を考慮して適宜設定される。接着部材122は、固定部材103と同じ形状で気密容器10の表面に設けることが好ましい。即ち、接着部材122の長手方向を板状スペーサの長手方向110に対して平行になるように配置されることが好ましい。これによっても、スペーサの変形、応力集中を低減することができる。
そして、接着部材122は、落下などの衝撃が固定部材103に入力された際に気密容器10に発生する応力集中を低減するために、図3(b)に示す様に、中空部211を備えることが望ましい。尚、中空部211は、開孔211と言い換えることができる。中空部(開孔)211は、固定部材103と気密容器10の表面(背面基板12の表面)との間に配置される。特には、固定部材103を構成する突起部207と気密容器10の表面(背面基板12の表面)との間に配置されることが望ましい。即ち、中空部(開孔)211は、突起部207の直下に設けられることが望ましい。
支持体108は、画像表示時における重力方向(鉛直方向)に、前面基板の背面基板と対向する表面が沿うように、表示パネルを支持可能とする構成である。この例では、支持体108は、支持台(台座)118と支持台118の上に立設させた支柱119を備えている。より具体的には、支持台(台座)は、机やオーディラックなどの画像表示装置を設置する設置面である。また、支柱119は、表示パネルの表示面を設置面に対して垂直に保持するために、支持台118の上に立設させた支柱である。即ち、支柱119の基部は支持台118で固定されている。尚、台座118と支柱119は、着脱可能なように、ネジなどで、結合することができる。支持体108は、更に、支柱119に対して、表示面を左右上下方向に角度調整できるように角度調整部を備えることもできる。また、支柱119の基部または支持台118に、支柱119を回転可能にせしめる回転機構を設けることもできる。また、ここでは、支持台118と支柱119とを別部材で構成した例を示したが、支持台と支柱を一つの部材とすることもできる。また、支柱119は複数設けることができる。また、支持体108は、画像表示装置を安定に設置することができれば、特にその形態は限定されるものではない。そのため、例えば、画像表示装置を直接壁に固定する場合には、支持台118に相当する部材が省略される場合や、支柱に相当する部材が省略される場合もある。
次に、スペーサ14と当接する前面基板11の構成について説明する。図5(B)、図5(C)で示した遮光体17の上には、抵抗調整層30が形成される場合がある。図7(A)〜図7(C)を用いて、前面基板11の詳細な構成を模式的に示す。抵抗調整層30は、遮光体17のマトリクス部17bの領域では、それぞれ第1方向Xに隣合う発光体間を第2方向Yに延びた複数の第1抵抗調整層31Vと、それぞれ第2方向に隣合う発光体間を第1方向Xに延びた複数の第2抵抗調整層31Hとを備える。発光体は第1方向XにR、G、Bと並んでいるため、第1抵抗調整層31Vは、第2抵抗調整層31Hよりも幅が狭くなっている。
例えば、第1抵抗調整層31Vの幅は40μm、第2抵抗調整層31Hの幅は300μmである。ここで、図7(B)は図7(A)のB−B断面図であり、図7(C)は図7(A)のC−C断面図である。
抵抗調整層30の上には、薄膜分断層32が形成されている。薄膜分断層32は、それぞれ抵抗調整層30の第1抵抗調整層31V上に形成された縦線部33V、およびそれぞれ抵抗調整層30の第2抵抗調整層31H上に形成された横線部33Hを有している。薄膜分断層32は、表面が凸凹になるように適切な密度で分散された粒子とバインダとを含んで形成され、これにより、この後に蒸着などにより形成される薄膜(メタルバック)20が分断される。薄膜分断層32を構成する粒子としては、蛍光体、シリカ等を用いることができる。薄膜分断層32は、遮光体17よりも少し細めに形成されており、数値例を示すと、薄膜分断層の横線部33Hの幅は260μm、縦線部33Vの幅は20μmとなっている。
薄膜分断層32の形成後、メタルバック層20を平滑に形成するためにラッカーなどによる平滑化処理が行われる。この平滑化のための膜は、メタルバック層20が形成された後には、焼成により焼失する。
平滑化処理の後、蒸着等の薄膜形成プロセスにより、メタルバック層20が形成される。これにより、薄膜分断層32により第1方向Xおよび第2方向Yに2次元分断された分断メタルバック層20aが形成される。分断メタルバック層20aは、それぞれ発光体R、G、Bに重なって位置している。この場合、分断メタルバック層20a間のギャップは薄膜分断層32の横線部33Hおよび縦線部33Vの幅とほぼ同じであり、第1方向Xには20μm、第2方向Yには260μmとなる。なお、図7(A)では、図面の複雑化を避けるため、メタルバック層20を省略して示している。
メタルバック層20の上に重ねてゲッター膜22が形成される場合もある。FEDにおいては、長期に渡り真空度を確保するために、このようにメタルバック層上にゲッター膜22を形成することが必要になるケースがある。メタルバック層20の形成後も薄膜分断層の作用は失われていないため、ゲッター膜22は、メタルバック層20と同様のパターンで2次元分断され、分断ゲッター膜22aが形成することができる。
図7(A)、図7(C)に示すように、複数のスペーサ14の各々は、薄膜分断層32の横線部33Hと対向して配設されている。スペーサ14と対向する各横線部33H上には、複数のスペーサ当接層40が形成されている。各スペーサ当接層40は、例えば銀粒子を含むペーストを印刷し焼成することにより形成される。銀以外にもPtやAuなど導電性を有する粒子が好ましく適用される。印刷の精度の面からあまり小さいサイズは形成できないので、スペーサ当接層40の第2方向Yの両端部は、横線部33Hの第2方向両側に2つずつ位置した4つの発光体層、分断メタルバック層20aに僅かに重なっている。また、複数のスペーサ当接層40は、図7(A)に示す様に、第1方向Xに所定の隙間を置いて間欠的に設けられている。スペーサ当接層40の上面は薄膜分断層32の上面よりも背面基板12側にあるように膜厚が調整されている。これにより、スペーサ14は、薄膜分断層32に直接、接触することなく、スペーサ当接層40に当接して設けられている。
スペーサ当接層40はスペーサとの接触性、帯電防止などの観点から、導電性であることが望ましいが、絶縁性のものを用いることも許容される。尚、上述した例で説明した薄膜分断層や抵抗調整層は、メタルバック20の形態や作成方法によっては省略する場合もある。あるいはまた、薄膜分断層や抵抗調整層に加えてスペーサ当接層40も設けない場合もある。このような場合には、メタルバック20にスペーサ14が当接することになり、メタルバックがスペーサ当接層となる。
図7(A)〜図7(C)を用いて説明したように、スペーサ14は、前面基板11にスペーサ当接層40を介して当接する場合がある。このような場合、画像表示装置への外部からの衝撃、輸送時や設置時における衝撃、不注意な取り扱いによる落下衝撃などによって、画像表示装置にダメージが生じる場合があった。より具体的には、上記衝撃により気密容器10がZ方向に凸形状や凹形状にたわむ等の変形を起こす。この変形に付随して、スペーサ当接層40やメタルバック20などのスペーサ14が当接する部分に位置する前面基板11上の部材が、細長い板状のスペーサ14によるせん断力を受けて破砕されてしまう事があった。スペーサ14と当接する前面基板11上の部材(スペーサ当接層40やメタルバック等)が破砕されると、その破片が、背面基板12側に落下する等して、メタルバックと電子放出素子との間や分断メタルバック間での望まない放電が発生する場合がある。その結果、画像表示装置として機能しなくなったり、表示画像が著しく劣化する場合などがあった。
しかしながら、図3(b)に示した表示パネルでは、前面基板11の表面に前面板102を接着し、複数のライン状の固定部材103をスペーサの長手方向110と平行になる様に配置している(図1(a)、図3(a)参照)。そのため、前述した各種の衝撃が支持体108から複数の固定部材103を介して気密容器10に入力されても、スペーサ14の変形やスペーサ14が当接する部分(スペーサ当接層40)に発生するせん断応力を低減できる。本実施形態の表示パネルでは、入力された衝撃は、スペーサの長手方向と平行に、複数のライン状に、気密容器10に入力されることになる。例えば、衝撃が複数の固定部材103を介して入力された際に、図1や図3の鉛直方向に沿った気密容器10の断面では、基板(11、12)の表面(真空側の表面)が凹凸状に変形する(あるいは正弦波の様な変形を起こす)。しかし、図1や図3の水平方向に沿った気密容器10の断面では、鉛直方向に沿った断面に比べて、気密容器10の変形(前面基板11や背面基板12の変形)を大きく抑制できる。つまり、水平方向に沿った気密容器10の断面において、板状のスペーサ14が、弓状に反るような変形を起こす(あるいは正弦波のような変形を起こす)ことを抑制できる。一方、スペーサ14の長手方向と垂直な方向に沿って固定部材を設けると、衝撃が入力された際に、気密容器10の水平方向に沿った断面では、前面基板11と背面基板12の表面が凹凸状に変形(正弦波の様に変形)する。同時に、スペーサも、気密容器10の水平方向に沿った断面では、凹凸状に変形(正弦波の様に変形)する力を受ける。この現象は、表示パネルの水平方向に沿った断面では、固定部材が間隔を置いて点在する(周期的に存在する)ことになるためである。従って、衝撃が支持体108から固定部材(及び接着部材)を介して気密容器10に入力されると、気密容器10の固定部材が接着されている部分には衝撃が加わるが、固定部材が接着されていない部分には衝撃が加わらない。その結果、スペーサ14と、前面基板11と背面基板12とが接する部分において、応力が集中する部分が、周期的に生じることになる。応力集中部では、スペーサを湾曲させる力が加わる事によるスペーサの破損や、後述するように、スペーサが当接する部分(スペーサ当接部)にせん断応力が発生する事によるスペーサ当接部の破損を生じ易くなる。
しかし、本実施形態で説明した表示パネルでは複数のライン状の固定部材103をスペーサの長手方向110と平行になるように配置しているので、上述した応力集中を抑制することができる。そのため、前述した、画像表示装置として機能しなくなることや、表示画像が著しく劣化することを防ぐ事が可能となる。
また、前述したように、接着部材122はライン状とし、その長手方向とライン状の固定部材103の長手方向とを、板状スペーサ14の長手方向110と平行にすることが好ましい。このようにすることでスペーサ14の長手方向110の断面において、接着部材122が存在するため、応力集中をさらに低減することができる。そして、さらに、接着部材122と複数のライン状の固定部材103とが、背面基板12を挟んで、スペーサ14の真裏に位置することが、応力低減の観点から、一層望ましい。
また、前述したように、接着部材122は、突起部207と気密容器10との間に、中空部(開孔)211を備えることが望ましい(図3(b)参照)。また、その面積は、突起部207の外形面積以上とすることが望ましい。尚、突起部207が半径rの円柱であれば、その外形面積はπrと定義される。言い換えれば、突起部207の外形面積は、突起部207の、固定部材103を構成する板状部材(より詳細には幅が広い部分206)への正射影像(板状部材に垂直に投影された影)の面積とみなすことができる。
図1(a)及び図3(a)の例では、各々の固定部材(103A、103B)は、交互に、且つ、連続させた、幅が広い部分206と幅が狭い部分208とを備えている。ここで、「幅が広い部分」又は「幅が狭い部分」における「幅は」、第2方向Y(スペーサの長手方向110と直交する方向)における長さである。また、幅が広い部分206の上に突起部207を設けるのは、落下等の衝撃が突起部207を通じて気密容器10に印加された際、幅が広い部分206において応力の拡散を行い、気密容器10に印加される衝撃を低減するためである。この幅が広い部分206、つまり面積が大きい部分は、気密容器10の剛性や、想定される落下衝撃力等により、面積及び形状、板厚が適宜決定される。
また、突起部207のピッチ、個数も、気密容器10の剛性や、許容する落下衝撃力等により適宜決定される。突起部207の第2方向Y(スペーサの長手方向110と直交する方向)におけるピッチ(間隔)は、突起部207の第1方向X(スペーサの長手方向110と平行な方向)におけるピッチ(間隔)よりも大きく設定する。実用的には、突起部207の第2方向Yのピッチの1/2よりも小さいピッチに突起部207の第1方向Xのピッチを設定する。尚、突起部207の第2方向Yにおけるピッチは、背面基板12に接着された複数の固定部材103の中の隣合う2つの固定部材のピッチ(間隔)と考えることができる。以上の様に設定することで、衝撃が気密容器10に突起部207を介して入力された際、スペーサ14の長手方向110に沿って応力を低減でき、気密容器の変形を抑制することができる。そのため、気密容器10の破損を抑制できる。一方、突起部207の第2方向Yにおけるピッチ(間隔)を突起部207の第1方向Xにおけるピッチ(間隔)よりも小さく設定すると、スペーサ14の長手方向110に沿って応力を低減できず、好ましくない。この場合は、ライン状の固定部材を、その長手方向をスペーサの長手方向110と直交する方向に沿って設けた場合と同様になる。
以上説明した形態によれば、気密容器の信頼性を向上することができる。また、気密容器10内のスペーサ14の変形やスペーサ14が当接する部分(スペーサ当接層40)に発生するせん断応力を低減できる。また、スペーサの抵抗分布を低減できる。そのため、放電などが生じることを抑制し、また、電子放出素子から放出された電子の軌道の変動も抑制できる。従って、信頼性に優れ、高品質で安定な画像を表示する表示パネルおよび画像表示装置を提供することができる。
以下、変形例を含めて具体的な実施例について説明する。
(実施例1)
本実施例の画像表示装置を、図1(a)〜図1(c)、図3(a)、図3(b)を用いて説明する。気密容器10の背面には、熱伝導構造体(205A〜205E)を水平方向と平行に設置した。また、厚さ1mmのアルミニウムからなる薄板222と一体化された固定部材103を接着剤122にて気密容器10の背面に接着した。尚、薄板222には不図示の駆動回路基板が搭載されている。
本実施例において、気密容器10を構成する前面基板11の表面(大気側の面)に前面板102が接着部材121を用いて接着固定されている(図3(b)参照)。また、気密容器10を構成する背面基板12の表面(大気側の面)に固定部材103が接着部材122を介して接着固定されている。気密容器10の詳細は、基本的に、図5(A)〜図5(C)を用いて既に説明したものと同じである。画像表示領域は対角55インチとした。また電子放出素子18として表面伝導型電子放出素子を用いた。電子放出素子18は、銀粒子を含有する導電性ペーストを焼成して形成した走査配線と信号配線のそれぞれに接続している。前面基板11と背面基板12の厚みは2mmとし、前面基板11と背面基板12との間隔を2mmとした。
扁平で矩形状の気密容器10は真空中で封着され、その内部は1.0×10−5Paに保たれている。側壁13はガラスからなり、接着部材23としてインジウムを用いた。前面基板11と背面基板12との接合は、真空チャンバー内で、接合部材を局所的に加熱しながら、背面基板12を前面基板11側に押しつけることによって行った。そして、また、複数の細長い板状のスペーサ14は、扁平で矩形状の気密容器10の長手方向(”第1方向X”又は”水平方向”)と同じ方向に長手方向110を有する。複数の細長い板状のスペーサ14は、気密容器10の長手方向と直交する方向(”第2方向Y”または”鉛直方向”)に、15mmの間隔を置いて、配置されている。スペーサ14はガラスからなり、その厚みは200μmとした。スペーサ14は走査配線上に設け、その長手方向の両端部を背面基板12に無機接着剤(東亞合成製のアロンセラミックD)によって固定した。また、前面板102の長手方向と気密容器10の長手方向及び板状のスペーサ14の長手方向110を平行になるように配置している。また、スペーサ14は、サーメットから構成され、シート抵抗が5×1012Ω/□である。また、前面板102は、前面基板11及び背面基板12と同じガラス板であり、気密容器10の画像表示領域より大きい。実施例では、前面板102の厚みは2.5mmとした。その大きさは前面基板11と同じとしたが、ガラスであれば厚みは実用上1.5mmから3.5mmの範囲であればよい。接着部材121はアクリル系のUV硬化樹脂接着剤を使用した。そして、前面板102の前面基板11に対向する面の全面にアクリル系のUV硬化樹脂接着剤を塗布し、その厚みは0.5mmとしたが、実用上厚みは0.1mmから1mmの範囲であればよい。アクリル系のUV硬化樹脂はヤング率1〜10MPaで、破断伸びが100%以上のものを使用する。このような前面板102と接着部材121との組み合わせによるメリットとして、画像表示部における、外光の反射や写り込みを防止できる。
固定部材103は、厚さ約2[mm]のアルミニウム板からなる板状部材(206、208)と、板状部材の幅が広い部分206の上に設置されたボス(突起部)とを備えている。固定部材103と気密容器10の裏面とを接着する接着部材122は、1液性のシリコーン接着剤を使用している。固定部材103と薄板222は、あらかじめ溶接にてアセンブリされている。
熱伝導構造体(205A〜205E)は、5枚のグラファイトシートから構成されており、隣接するシート間には断熱層が設けられている。断熱層は、鉛直方向において隣り合う2つのグラファイトシートの間の空隙(間隙)であり、ここでは、4つの断熱層が設けられたことになる。尚、空隙(間隙)は、スペーサの長手方向と平行に延在させている。隣り合う2つのグラファイトシートの間の空隙(間隙)の間隔dを約40mmとした。グラファイトシートは、厚さ約0.05[mm]のポリエチレンテレフタラートと厚さ約0.05[mm]のアルミニウム箔とにて、厚さ約0.5[mm]のグラファイトを密封したものである。グラファイトシートの熱伝導率は面内方向(水平方向および鉛直方向)は約400〜500[W/mK]であり、奥行き方向は約3〜15[W/mK]である。
この結果、画像を表示する状態(表示面を鉛直方向と平行にし、スペーサの長手方向が水平方向と平行にしている状態)で、熱伝導体300の熱伝導率を、水平方向、鉛直方向、奥行き方向の順に小さくしている。4つの断熱層を設けたことで、熱伝導体300の水平方向の熱伝導率を400[W/mK]、鉛直方向の熱伝導率を約300[W/mK]とすることができる。
これにより、断熱層を設けずに、一枚のグラファイトシートを気密容器10の背面の全面に接触して設けた場合に比べて、鉛直方向における前面基板11と背面基板12の温度差を、1.4倍程度改善することが出来た。
図2(a)、図2(b)を用いて、表示パネルの温度分布について説明する。
図2(a)は、表示パネル210の略中心を通る鉛直方向の断面(図1(a)のA−A線に相当する)における温度分布を示している。縦軸に温度、横軸に表示パネルの鉛直方向における上下間の位置を示している。黒丸点が本実施例の前面基板11の温度分布、黒四角点が本実施例の背面基板12の温度分布である。また、白四角点が、特許文献2や特許文献1に開示されるような、鉛直方向に一様の熱伝導率を備える熱伝導体を背面基板202に設けた際の温度分布である。熱伝導体300を本実施例のように鉛直方向(重力方向)と水平方向と奥行き方向とで、異方性としたことにより、背面基板12の鉛直方向に沿って、前面基板11の鉛直方向の温度分布に近い温度分布を形成することができる。その結果、前面基板と背面基板との温度差のバラツキが改善することが分かる。
一方、図2(b)は、表示パネル210の略中心を通る水平方向の断面(図3(a)のB−B線に相当する)における温度分布を示している。縦軸に温度、横軸に表示パネルの水平方向における左右間の位置を示している。黒丸点が黒丸点が本実施例の前面基板11の温度分布、黒四角点が本実施例の背面基板12の温度分布である。また、白四角点が、特許文献2に開示されるような、水平方向に非一様な熱伝導率を備える熱伝導体を背面基板202に設けた際の温度分布である。
本実施例では熱伝導体300の熱伝導率を鉛直方向(重力方向)と水平方向と奥行き方向とで異方性とした。これにより、背面基板12の水平方向に沿って、前面基板11の水平方向の温度分布に近い温度分布を形成することができる。その結果、前面基板と背面基板との温度差が改善することが分かる。
そして、本実施例の表示パネルに、図3(b)のように支持体108、前面板102を取り付けて、画像表示装置を構成し、長時間に渡って画像を表示させた。その結果、気密容器10に破損などは見られず、また、スペーサ14の近傍での画像の乱れも確認されず、良好な表示画像を長期に渡って得ることができた。また、本実施例の画像表示装置に対して、20cmの高さからの落下衝撃試験および振動試験を行った。尚、その際に、直接的な衝撃および振動が支持体108に加わるようにして行った(衝撃および振動が、気密容器10に対して支持体108(固定部材103)を介して加わるようにした)。その結果、気密容器10の割れが無い事を確認した。また、上記落下衝撃試験を行った後に、画像表示装置として、画像を表示させたところ放電現象は確認されず、長期に渡って安定な表示画像を得ることができた。また、気密容器10を解体したところ、スペーサ14自体の破損はなく、スペーサ14によって、メタルバック20やスペーサ当接層40が破砕された痕跡は見られなかった。
本実施例によれば、信頼性が高く、重量が軽減された、気密容器および画像表示装置を得ることができる。また、前面基板11と背面基板12の温度分布の差を小さくすることができ、良好な画像表示を提供できる画像表示装置210を作製することが出来た。また、熱伝導構造体にグラファイトシートを使用し、鉛直方向に並び水平方向に延在する断熱層を設置することで、簡単に異方性の熱伝導体300を作製することが出来た。
(実施例2)
本実施例の画像表示装置について、図4(a)〜図4(d)を用いて説明する。
実施例1では画像表示時において、画像表示領域を横長とする場合であったが、本実施例は、画像表示時において、画像表示領域を縦長とする形態である。即ち、本実施例は、実施例1とは異なり、縦長の画像表示を行う画像表示装置の例である。このような画像表示装置は大面積のデジタルサイネージなどに用いることができる。気密容器10自体は実施例1と同じである。
図4(a)は、図1(a)と同様、表示パネル210を裏側から見た際の模式図である。画像表示時には、スペーサ14の長手方向および気密容器10の長手方向が、鉛直方向と平行に設定されている。図4(b)は、図4(a)のB−B線における断面図(鉛直方向に沿った断面図)である。
本実施例では、熱伝導率に異方性を有する熱伝導体300は、3つの熱伝導構造体(305A、305B、305C)から構成されている。熱伝導構造体305Aと熱伝導構造体305Bは気密容器10の裏面に連続して並んで設けられている。そして、熱伝導構造体305Cが、熱伝導構造体305Aと熱伝導構造体305Bを背面基板12との間に挟むように、熱伝導構造体305Aと熱伝導構造体305Bの上に積層されている。
また、本実施例では、実施例1とは異なり、厚みが20mmのアルミ板からなる剛性の高いフレーム209を用い、フレーム209には支持部材108にネジ固定するためのボス(突起部)207が溶接固定されている。そして、フレームは熱伝導体300に接着部材122によって接着固定されている。また、剛性の高いフレームを用いているため、本実施例では、実施例1で用いた前面板102を設けていない。
図4(a)からフレーム209、接着部材122を外した状態を図4(d)に示している。さらに、図4(d)から熱伝導構造体305Cを外した状態を図4(c)に示している。
熱伝導体300は、2層構成となっている。熱伝導構造体305Aと305Bは熱伝導率が等方性の熱伝導シートである。第1の熱伝導シート(熱伝導構造体305A)の熱伝導率は熱伝導構造体305Aが約50[W/mK]である。第2の熱伝導シート(熱伝導構造体305B)の熱伝導率が約0.5[W/mK]である。このような熱伝導率が等方性である第1の熱伝導シートと第2の熱伝導シートとしては、例えば、シリコンゴム性の熱伝導シートを用いることができる。このような熱伝導率が等方性である熱伝導シートは各種販売されているので、所望の熱伝導率に合わせて選定することができる。
背面基板12に接触するように、背面基板12の前面基板11側とは反対側の面に第1の熱伝導シート305Aを水平方向を長手とした短冊形状のものを間隔をおいて9本並べている。そして、その間に、背面基板12の前面基板11側とは反対側の面に接触するように、第2の熱伝導シート305Bを短冊形状で8本並べた。このように配置することで、背面基板12の裏面の略全面を、第1の熱伝導シート305Aと第2の熱伝導シート305Bで覆っている。第1の熱伝導シート305A及び第2の熱伝導シート305Bの各々の幅(鉛直方向の長さ)は約30[mm]、厚さ(奥行き方向の長さ)は0.25[mm]である。
そして、第3の熱伝導シート(熱伝導構造体305C)は、第2の熱伝導シート305Bと同じ材質である。そして、第3の熱伝導シート305Cで熱伝導シート305Aと第2の熱伝導シート305Bを覆うことで、第3の熱伝導シート305Cと、第1の熱伝導シート305Aと第2の熱伝導シート305Bとが、熱伝導体300の厚み方向で接続することになる。
第2の熱伝導シート305Bを隣合う2つの第1の熱伝導シート305Aの間に設けることで、熱伝導体300の水平方向の熱伝導率(約50[W/mK])に対して鉛直方向の熱伝導率(約43[W/mK])を低くすることができる。これにより、鉛直方向における前面基板11と背面基板12の温度差を、実施例1と同様に、1.2倍程度改善することが出来た。
また、奥行き方向の熱伝導率に関しては、奥行き方向に熱伝導構造体を2層としているので約20[W/mK]の熱伝導率に設定することが出来た。
このように、本実施例によれば、熱伝導体300の熱伝導率を水平方向、重力方向、奥行き方向の順に小さくなるように設定することで、表示パネル200表裏の温度分布を小さくすることができる。本実施例の表示パネルを用いて、実施例1と同様に、長期に画像を表示させたところ、気密容器10に破損などは見られなかった。また、画質については実施例1よりも若干低下したが、スペーサ14の近傍での画像の顕著な乱れは確認されなかった。しかしながら、本実施例では剛性の高いフレーム209を用いたので、実施例1の画像表示装置に比べて重量が大きくなった。一方で、安価に流通している当方性の熱伝導シートを複数組み合わせることで、廉価で簡単に異方性の熱伝体300を作製することが出来た。
11 前面基板
12 背面基板
14 スペーサ
300 熱伝導体
103 固定部材
207 突起部

Claims (10)

  1. 前面基板と、該前面基板と間隔をおいて対向する背面基板と、前記前面基板と前記背面基板との間に各々の長手方向が平行になるように並べられた複数の板状のスペーサと、を含む気密容器と、前記背面基板の前記前面基板とは反対側の面に接続された熱伝導体と、を具備してなる表示パネルであって、
    前記熱伝導体の、前記複数のスペーサが並べられた方向に沿った方向における熱伝導率よりも、前記熱伝導体の、前記スペーサの前記長手方向に沿った方向の熱伝導率が高く、且つ、前記熱伝導体の厚み方向の熱伝導率よりも、前記熱伝導体の、前記複数のスペーサが並べられた方向に沿った方向の熱伝導率が高い、ことを特徴とする表示パネル。
  2. 前記熱伝導体は、複数の熱伝導シートを含み、
    前記複数の熱伝導シートは、前記複数のスペーサが並べられた方向に沿って互いに離間しており、且つ、各々の長手方向が前記スペーサの前記長手方向に沿うように、前記背面基板の前記前面基板とは反対側の面に設けられている、ことを特徴とする請求項1に記載の表示パネル。
  3. 前記複数の熱伝導シートはグラファイトシートであることを特徴とする請求項2に記載の表示パネル。
  4. 前記前面基板の前記背面基板とは反対側の面に前面板が接着されており、
    前記背面基板の前記前面基板とは反対側の面の、前記複数の熱伝導シートのうち隣合う2つの熱伝導シートの間に位置する部分に、前記複数のスペーサの前記長手方向に沿って、ライン状の固定部材が接着されており、
    前記ライン状の固定部材は、前記背面基板に接着部材によって接着された板状部材と、該板状部材の、前記背面基板とは反対側の面に設けられた複数の突起部とを備えている、ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の表示パネル。
  5. 前記板状部材は、幅が広い部分と幅が狭い部分とを、前記複数のスペーサの前記長手方向に沿うように交互に且つ複数、備えており、
    前記複数の突起部は、前記幅が広い部分に設けられていることを特徴とする請求項4に記載の表示パネル。
  6. 前記ライン状の固定部材は、前記背面基板に接着部材によって接着されており、前記接着部材は、前記板状部材と前記背面基板との間に開孔を備えることを特徴とする請求項4または5に記載の表示パネル。
  7. 前記熱伝導体は、複数の第1の熱伝導シートと、前記第1の熱伝導シートの熱伝導率と異なる熱伝導率を有する複数の第2の熱伝導シートと、第3の熱伝導シートと、を含み、
    前記複数の第1の熱伝導シートと前記複数の第2の熱伝導シートとが、前記複数のスペーサが並べられた方向に沿って、交互に連続して設けられており、
    前記複数の第1の熱伝導シートと前記複数の第2の熱伝導シートの各々の長手方向が、前記スペーサの前記長手方向に沿うように設けられており、
    前記第3の熱伝導シートが、前記複数の第1の熱伝導シートと前記複数の第2の熱伝導シートを前記背面基板との間に挟むように、前記複数の第1の熱伝導シートと前記複数の第2の熱伝導シートに接続して設けられている、ことを特徴とする請求項1に記載の表示パネル。
  8. 前記スペーサのシート抵抗は、1×1011Ω/□以上1×1014Ω/□以下であることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載の表示パネル。
  9. 前面基板と、該前面基板と間隔をおいて対向する背面基板と、を含む気密容器と、
    前記背面基板の前記前面基板とは反対側の面に接続された熱伝導体と、
    前記背面基板に接続された固定部材と、
    を備える表示パネルであって、
    前記固定部材は、前記表示パネルの画像表示時における重力方向に、前記前面基板の前記背面基板と対向する表面が沿うように、前記表示パネルを支持可能な支持体に接続されるものであり、
    前記熱伝導体は、前記画像表示時における重力方向における熱伝導率が、前記画像表示時における重力方向と直交する水平方向における熱伝導率よりも低く、且つ、前記熱伝導体の前記画像表示時における重力方向における前記熱伝導率が、前記熱伝導体の厚み方向の熱伝導率よりも、高い、ことを特徴とする表示パネル。
  10. 請求項1乃至9のいずれか1項に記載の表示パネルと、該表示パネルを設置面に対して前記固定部材を介して固定するための支持体と、を少なくとも備えることを特徴とする画像表示装置。
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