JP2010264023A - 弾球遊技機 - Google Patents

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Abstract

【課題】弾球遊技機において斬新な手法で遊技を演出する。
【解決手段】ある態様のぱちんこ遊技機において、保留対応オブジェクトの表示態様として、演出上示唆する当たりの期待度がそれぞれ異なる複数の態様が設けられている。表示制御手段は、当否抽選の結果が保留されるごとに対応する保留対応オブジェクトを順次表示する一方、図柄変動が開始されるごとにその図柄変動に対応する保留対応オブジェクトの表示を消去し、連続変動演出の開始が決定された場合には、その開始の決定要因となった示唆対象の抽選結果に対応する保留対応オブジェクトを決定された初期態様にて表示し、その後の図柄変動を契機にその保留対応オブジェクトの表示態様をその抽選結果に応じて当たりまたは外れを示す方向に段階的に変化させるように表示する。
【選択図】図11

Description

本発明は、ぱちんこ遊技機等の弾球遊技機に関し、特に弾球遊技機における画面表示内容を制御する技術に関する。
従来、各種の弾球遊技機のうち、いわゆる第1種ぱちんこ遊技機と呼ばれていた遊技機は、遊技盤の略中央に設けられた液晶ディスプレイなどの表示領域に複数の図柄を変動させながら表示する(以下、そうした表示を「図柄変動」または「変動表示」等という)。この遊技機では、例えば遊技盤上に形成された始動入賞口へ遊技球が入球すると、その結果としてランダムな抽選値が取得される。取得された抽選値は保留球として、例えば最大4個まで一時記憶される。保留球は順次1つずつ読み出されて当否判定され、その判定結果に応じて図柄が変動表示される。そして、その当否判定の結果が当たりとなり、複数列の図柄変動を停止させたときの図柄の組合せが特定の態様となった場合に、通常遊技より多くの賞球が得られる、いわゆる大当たりと呼ばれる特別遊技へと移行するものとして知られている(例えば、特許文献1参照)。
表示領域における図柄の変動表示は、単に複数の図柄が変動表示されるだけでなく、いわゆるリーチ画面と呼ばれる状態のように、あと一つ図柄が揃えば大当たりとなる状態で変動表示の時間を通常よりも長くする等、遊技者の期待感を高めるための演出が図られている。また、図柄等の画像にキャラクタを用いて変動表示にストーリーを持たせる演出や、特別遊技への移行期待度の高さを予告的に示唆する予告演出によっても遊技者の期待感を高めている。
特開2006−246964号公報
このような遊技機においては、上述のように、始動入賞口への入球を契機とする抽選値の保留を前提にその当否抽選が行われる。一方、その抽選値の保留には上限数があるため、その上限数を超えて始動入賞口へ入球させても特別遊技への移行には結びつかない。このため、抽選値の保留数を逐次把握することは、遊技者が遊技を有利に進める上で重要となる。そのため、一般には遊技領域の所定位置に保留表示用のランプが設けられ、そのランプの点灯個数によって抽選値の保留数が表示されている。近年ではその保留数をより明示すべく、液晶ディスプレイなどの表示領域の所定位置に、図柄変動を含む演出表示とは別に保留表示専用のオブジェクト画像を表示させ、そのオブジェクト画像の数により抽選値の保留数を遊技者に報知する技術も提案されている。そうした中、発明者らは、始動入賞口への入球や図柄変動の開始によって増減する抽選値の保留表示を、その保留数の報知のみならず、当否抽選の結果表示に効果的に結びつけることで、遊技者の期待感や興趣を一層高められるとの考えに想到した。
本発明はこうした課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、弾球遊技機において斬新な手法で遊技を演出することにある。
上記課題を解決するために、本発明のある態様の弾球遊技機は、遊技領域が形成された遊技盤と、遊技領域の所定位置に設けられた始動口と、始動口への入球を契機として、通常遊技より遊技者に有利な状態である特別遊技へ移行するか否かを判定するための当否抽選を実行する当否抽選手段と、当否抽選が特別遊技への移行を示す結果となった場合に特別遊技を実行する特別遊技制御手段と、当否抽選の結果を示すための図柄が変動表示される図柄表示装置と、図柄の変動表示における変動開始から停止までの変動過程が定められた複数の変動パターンからいずれかを当否抽選の結果に応じて選択する変動パターン決定手段と、始動口へ新たな入球があったときにそれ以前の入球に対応する図柄変動が表示されている場合、新たな入球に対する当否抽選の結果を所定個数を上限にその抽選に対応する図柄の変動表示開始まで保留する保留制御手段と、当否抽選の結果の保留数に対応する数の保留対応オブジェクトが表示される保留表示装置と、決定された変動パターンに応じた演出内容を決定するとともに、当否抽選の結果が複数保留されたときに、複数回先の図柄変動にて示される抽選結果が当たりである期待度の高さをその複数回の図柄変動とともに段階的に示唆する連続変動演出の開始の有無を決定する演出決定手段と、決定された変動パターンにしたがって図柄を変動表示させる一方、開始が決定された連続変動演出を表示させる表示制御手段と、を備える。
保留対応オブジェクトの表示態様として、演出上示唆する当たりの期待度がそれぞれ異なる複数の態様が設けられている。当否抽選手段は、新たな入球があったときに、その入球に対応する図柄変動表示が直ちに開始されるか否かにかかわらずその入球に対応する当否抽選の結果を示す情報を演出決定手段へ送信する。演出決定手段は、当否抽選の結果を示す情報に基づいて連続変動演出の開始の有無とその抽選結果に対応する保留対応オブジェクトの表示態様の初期態様を決定する。表示制御手段は、当否抽選の結果が保留されるごとに対応する保留対応オブジェクトを順次表示する一方、図柄変動が開始されるごとにその図柄変動に対応する保留対応オブジェクトの表示を消去し、連続変動演出の開始が決定された場合には、その開始の決定要因となった示唆対象の抽選結果に対応する保留対応オブジェクトを決定された初期態様にて表示し、その後の図柄変動を契機にその保留対応オブジェクトの表示態様をその抽選結果に応じて当たりまたは外れを示す方向に段階的に変化させるように表示する。
ここで、「保留対応オブジェクト」は、例えば当否抽選の結果(単に「抽選結果」ともいう)の保留数と同じ数だけ点灯または点滅されるランプ等の照明であってもよい。また、抽選結果の保留数と同じ数だけ表示される点灯表示画像、あるいは特定のモチーフやキャラクタを表すオブジェクト画像等の保留対応画像であってもよい。「連続変動演出」は、抽選結果が複数保留されたときに図柄変動とともに実行される。そして、その複数回の図柄変動とともに保留対応オブジェクトの表示態様を段階的に変化させることで、抽選結果が当たりである期待度(「当たり期待度」ともいう)の高さを示唆する。なお、保留対応オブジェクトの表示態様は、図柄変動を契機に変化されるが、図柄変動ごとに変化することは必ずしも要しない。すなわち、この態様では、保留対応オブジェクトの表示態様として当たり期待度が異なる複数の態様が設けられている。そして、連続変動演出開始の決定要因となった保留対応オブジェクトの表示態様が、初期態様から当たりまたは外れを示す方向に段階的に変化する。その際、その決定要因となった保留対応オブジェクトのみ表示態様を変化させてもよいし、その決定要因となった保留対応オブジェクト以前に表示された全ての保留対応オブジェクトの表示態様を変化させるようにしてもよい。あるいは、その決定要因となった保留対応オブジェクトを他の保留対応オブジェクトと明示的に区別可能に表示しつつ、複数表示されている全ての保留対応オブジェクトの表示態様を変化させてもよい。
演出決定手段は、保留される結果の内容をその図柄変動表示の開始前に取得するいわゆる「先読み」を行えるため、このように複数の抽選結果が保留されている場合に、その複数回分の図柄変動を前提としてその連続変動演出の表示過程を決定することができる。遊技者は、連続変動演出開始の決定要因となった保留対応オブジェクトに対応する図柄変動が開始される際にその表示態様を把握することにより、当たり期待度がどの程度であるか推測できるようになる。この態様によれば、保留対応オブジェクトによる保留表示を、抽選結果の保留数の報知のみならず、当たり期待度に結びつけて遊技者の期待感を煽る要素として機能させることができる。特に、当たり期待度の示唆対象となる保留対応オブジェクトの表示態様が連続変動演出開始後も変化するため、その保留対応オブジェクトに対応する図柄変動がなされるまで遊技者の意識を振り向けることができる。つまり、仮に保留対応オブジェクトの表示態様が連続変動演出の開始時点のみ変化するものであるとすると、その示唆対象の保留対応オブジェクトにかかる抽選結果が表示されるまでの保留消化期間が遊技者にとって単なる待ち時間になる可能性がある。そうなると、保留表示を当たり期待度に結びつけて遊技者の期待感を煽るという演出効果はそれほど期待できない。その点、この態様によれば、示唆対象となる保留対応オブジェクトが消化されるまでその表示態様が段階的に変化されうることから、連続変動演出として複数の図柄変動にわたり、その演出効果を有効に発揮させることができる。
当該遊技機は、遊技者による操作入力を受け付ける操作入力手段をさらに備えてもよい。表示制御手段は、連続変動演出中の図柄変動を契機とする所定タイミングにて遊技者による操作入力を要求する画面を表示し、その要求に応じて操作入力があったことを条件に、示唆対象の抽選結果に対応する保留対応オブジェクトの表示態様を期待度が高くなる方向に変化させてもよい。その場合、保留対応オブジェクトが示唆する当たり期待度と実際の抽選結果とが乖離すると、連続変動演出そのもの信頼性ひいては遊技者の関心を保つことが困難となる。このため、遊技者による操作入力のたびに当たり期待度を高くすることは必ずしも要しない。複数回の操作入力の機会を経る過程において、操作入力があった場合のほうがなかった場合よりもトータルとして当たり期待度が高くなるよう変化させればよい。
この態様によれば、遊技者による操作入力の有無が保留対応オブジェクトの表示態様を変化させる要素の一つとされる。すなわち、連続変動演出への遊技者の介入如何によって保留対応オブジェクトの表示態様が変化し、演出上示される当たり期待度に影響を与える点で、連続変動演出への遊技者の関心をかき立てることができる。その結果、連続変動演出による遊技機の稼働率向上を図ることが可能になる。
具体的には、表示制御手段は、操作入力があった場合、示唆対象の抽選結果が当たりである場合に外れである場合よりも高い確率で対応する保留対応オブジェクトの表示態様を変化させてもよい。示唆対象の抽選結果が外れである場合には、操作入力があっても保留対応オブジェクトの表示態様を変化させる頻度または度合いを少なくしてもよい。
あるいは、表示制御手段は、要求に応じて操作入力がなかった場合に、示唆対象の抽選結果に対応する保留対応オブジェクトの表示態様を期待度が低くなる方向に変化させてもよい。このように、遊技者の操作入力がない場合の演出上のペナルティを課すことで、遊技者を連続変動演出に積極的に介入させ、その演出の実効を図ることができる。
演出決定手段は、図柄の変動表示に伴わせる演出内容が定められ、当否抽選の結果に応じて選択確率が異なるように設定された複数の演出パターンのそれぞれと、保留対応オブジェクトの複数の表示態様のそれぞれとが対応づけられたパターンテーブルを保持し、示唆対象の抽選結果に対応する図柄変動における所定タイミングにてパターンテーブルを参照し、その抽選結果に対応する保留対応オブジェクトの表示態様に対応する演出パターンにしたがった演出内容を決定してもよい。
この態様によれば、保留対応オブジェクトの表示態様と演出パターンとが当たり期待度に応じて対応づけられている。すなわち、示唆対象の保留対応オブジェクトの表示態様として最終的に当たり期待度の高い表示態様が表示されるほど、当たり期待度の高い演出パターンが選択され、高期待度演出がなされるようになる。つまり、その表示態様の期待度が高まるほど、遊技者は、いわゆる熱い演出をみることができるようになる。抽選結果が当たりとなる確率は一般に高くはないため、通常は高期待度演出ほどその出現率も低く設定される。したがって、保留対応オブジェクトの表示態様による当たり期待度を十分に高めれば、仮に当たりが得られなくともレアな演出内容をみることができるため、結果的に遊技者の関心を保てるようになる。
なお、以上の構成要素の任意の組合せや、本発明の構成要素や表現を方法、装置、システム、コンピュータプログラム、コンピュータプログラムを格納した記録媒体、データ構造などの間で相互に置換したものもまた、本発明の態様として有効である。
本発明の弾球遊技機によれば、斬新な手法で遊技を演出することができる。
ぱちんこ遊技機の前面側における基本的な構造を示す図である。 ぱちんこ遊技機の背面側における基本的な構造を示す図である。 本実施例におけるぱちんこ遊技機の機能ブロックを示す図である。 当否判定テーブルを模式的に示す図である。 事前当否判定で参照される事前当否判定テーブルを模式的に示す図である。 図柄判定テーブルを模式的に示す図である。 事前図柄判定で参照される事前図柄判定テーブルを模式的に示す図である。 変動パターンテーブルを模式的に示す図である。 事前パターン判定で参照される事前パターン判定テーブルを模式的に示す図である。 外れ用の変動パターンテーブルを詳細に示す図である。 演出表示装置に表示される連続予告演出の画面例を表す図である。 連続予告演出の演出内容を決定する際に用いられるパターンテーブルを表す図である。 ぱちんこ遊技機における基本的な動作過程を示すフローチャートである。 図13におけるS10の入賞処理を詳細に示すフローチャートである。 図14におけるS28の事前判定処理を詳細に示すフローチャートである。 図13におけるS14の通常遊技制御処理の全体的な過程を示すフローチャートである。 図16におけるS150の先読み処理を詳細に示すフローチャートである。 図16におけるS152の特別図柄変動処理の実行処理を詳細に示すフローチャートである。 図16におけるS154の装飾図柄変動処理の実行処理を詳細に示すフローチャートである。 図19におけるS192の予告演出決定処理の実行処理を詳細に示すフローチャートである。 図柄変動ごとに実行される保留表示制御処理を詳細に示すフローチャートである。 図15におけるS16の特別遊技を詳細に示すフローチャートである。
図1は、ぱちんこ遊技機の前面側における基本的な構造を示す。
以下、弾球遊技機として従来にいういわゆる第1種ぱちんこ遊技機を例に説明する。ぱちんこ遊技機10は、主に遊技機枠と遊技盤で構成される。ぱちんこ遊技機10の遊技機枠は、外枠11、前枠12、透明板13、扉14、上球皿15、下球皿16、および発射ハンドル17を含む。外枠11は、開口部分を有し、ぱちんこ遊技機10を設置すべき位置に固定するための枠体である。前枠12は、外枠11の開口部分に整合する枠体であり、図示しないヒンジ機構により外枠11へ開閉可能に取り付けられる。前枠12は、遊技球を発射する機構や、遊技盤を着脱可能に収容させるための機構、遊技球を誘導または回収するための機構等を含む。
透明板13は、ガラスなどにより形成され、扉14により支持される。扉14は、図示しないヒンジ機構により前枠12へ開閉可能に取り付けられる。上球皿15は、遊技球の貯留、発射レールへの遊技球の送り出し、下球皿16への遊技球の抜き取り等の機構を有する。下球皿16は、遊技球の貯留、抜き取り等の機構を有する。上球皿15と下球皿16の間にはスピーカ18が設けられており、遊技状態などに応じた効果音が出力される。
遊技盤50は、外レール54と内レール56により区画された遊技領域52上に、アウト口58、特別図柄表示装置61、演出表示装置60、始動入賞口(以下、「始動口」という)62、センター飾り64、大入賞口66、作動口68、一般入賞口72を含む。さらに遊技領域52には、図示しない複数の遊技釘や風車などの機構が設置される。始動口62は、遊技球の入球を検出するための始動入賞検出装置74と、始動口62の拡開機構を拡開させるための普通電動役物ソレノイド76を備える。始動口62の拡開機構が拡開されたとき、始動口62の開口幅が拡がって入球容易性が向上する。始動入賞検出装置74は、始動口62への遊技球の入球を検出するセンサであり、入球時にその入球を示す始動入賞情報を生成する。一般入賞口72は、遊技球の入球を検出するための一般入賞検出装置73を備える。一般入賞検出装置73は、一般入賞口72への遊技球の入球を検出するセンサであり、入球時にその入球を示す一般入賞情報を生成する。大入賞口66は、遊技球の入球を検出するための入賞検出装置78と、大入賞口66を拡開させるための大入賞口ソレノイド80を備える。入賞検出装置78は、大入賞口66への遊技球の入球を検出するセンサであり、入球時にその入球を示す大入賞口入賞情報を生成する。
大入賞口66は、特別図柄192が所定の態様にて停止したときに「大当たり」として開放状態となる横長方形状の入賞口である。大入賞口66はアウト口58の上方等の位置に設けられる。大入賞口66の入賞検出装置78は、遊技球の通過を検出するセンサを備えて構成される。
遊技領域52の左方に設けられた特別図柄表示装置61および遊技領域52の略中央に設けられた演出表示装置60は、それぞれの画面に特別図柄192の変動と、特別図柄192に連動する装飾図柄190を含む演出画像の変動を表示する(以下、そうした表示を「図柄変動」または「変動表示」等という)。ここで、特別図柄192は、始動口62への遊技球の落入を契機として行われる抽選の結果に対応した図柄であり、その変動表示が停止されたときの図柄態様が当たりと定められた図柄であった場合、その停止図柄が表示されたタイミングが大当たり発生タイミングとなる。
特別図柄表示装置61は、例えば7セグメントLEDで構成される表示手段である。演出表示装置60は、特別図柄192の変動表示と連動する形で装飾図柄190を変動表示する液晶ディスプレイである。装飾図柄190は、特別図柄192で示される抽選の結果表示を視覚的に演出するための図柄である。演出表示装置60は、装飾図柄190として、例えばスロットマシンのゲームを模した複数列の図柄変動の動画像を画面の中央領域に表示する。演出表示装置60は、この実施例では液晶ディスプレイで構成されるが、ドラムなどの機械式回転装置やLEDなどの他の表示手段で構成されてもよい。なお、特別図柄192は必ずしも演出的な役割をもつことを要しないため、本実施例では演出表示装置60の左下方の特別図柄表示装置61にて目立たない大きさで表示させるが、特別図柄自体に演出的な役割をもたせて装飾図柄を表示させないような手法を採用する場合には、特別図柄を演出表示装置60のような液晶ディスプレイに表示させてもよい。
作動口68は、遊技盤50の左側方位置に設けられる。作動口68は、通過検出装置69を含む。通過検出装置69は、作動口68への遊技球の通過を検出するセンサであり、通過時にその通過を示す通過情報を生成する。作動口68への遊技球の通過は始動口62の拡開機構を拡開させるか否かを決定する開放抽選の契機となる。作動口68を遊技球が通過すると、開放抽選の結果を示す図柄である普通図柄が普通図柄表示装置59に変動表示される。普通図柄表示装置59は演出表示装置60の右下方に設けられる。所定時間の経過後に普通図柄の変動表示が停止すると、通常、50%から80%程度の確率で始動口62が所定時間拡開する。
演出表示装置60の周囲には、センター飾り64が設けられる。センター飾り64は、遊技球の流路、特別図柄表示装置61および演出表示装置60の保護、装飾等の機能を有する。演出表示装置60の下方には、抽選保留ランプ20が設けられ、その対称的な位置である遊技領域52の右下部には、普通図柄表示装置59の下に作動保留ランプ22が設けられている。抽選保留ランプ20は、4個のランプからなり、その点灯個数によって当否抽選の保留数を表示する。当否抽選の保留数は、図柄変動中または特別遊技中に始動口62へ入賞した抽選結果の個数であり、図柄変動がまだ実行されていない入賞球の数を示す。当否抽選の保留数が3個になると、遊技効率を高めるために外れの場合の図柄変動時間が通常より短縮される(以下、「短縮」ともいう)。同様に、当否抽選の保留数が4個になると、さらに遊技効率を高めるために外れの場合の図柄変動時間が上記3個の場合よりもさらに短縮される(以下、「超短縮」ともいう)。
作動保留ランプ22もまた4個のランプからなり、その点灯個数によって普通図柄変動の保留数を表示する。普通図柄変動の保留数は、普通図柄の変動中に作動口68を通過した遊技球の個数であり、普通図柄の変動がまだ実行されていない普通図柄抽選の数を示す。さらに演出表示装置60の上方および下方には、それぞれ遊技効果ランプ90が設けられている。操作ボタン82は、遊技者が遊技機へ所定の指示を入力するために操作するボタンである。操作ボタン82は、上球皿15近傍の外壁面に設けられる。
遊技者が発射ハンドル17を手で回動させると、その回動角度に応じた強度で上球皿15に貯留された遊技球が1球ずつ内レール56と外レール54に案内されて遊技領域52へ発射される。遊技者が発射ハンドル17の回動位置を手で固定させると一定の時間間隔で遊技球の発射が繰り返される。遊技領域52の上部へ発射された遊技球は、複数の遊技釘や風車に当たりながらその当たり方に応じた方向へ落下する。遊技球が一般入賞口72や始動口62、大入賞口66の各入賞口へ落入すると、その入賞口の種類に応じた賞球が上球皿15または下球皿16に払い出される。一般入賞口72等の各入賞口に落入した遊技球はセーフ球として処理され、アウト口58に落入した遊技球はアウト球として処理される。なお、各入賞口は遊技球が通過するゲートタイプのものを含み、本願において「落入」「入球」「入賞」というときは「通過」を含むものとする。
遊技球が始動口62に落入すると、特別図柄表示装置61および演出表示装置60において特別図柄192および装飾図柄190が変動表示される。特別図柄192および装飾図柄190の変動表示は、表示に先だって決定された表示時間の経過後に停止される。停止時の特別図柄192および装飾図柄190が大当たりを示す図柄である場合、通常遊技よりも遊技者に有利な遊技状態である特別遊技に移行し、大入賞口66の開閉動作が開始される。このときスロットマシンのゲームを模した装飾図柄190は、3つの図柄を一致させるような表示態様をとる。特別遊技において、大入賞口66は、約30秒間開放された後、または9球以上の遊技球が落入した後で一旦閉鎖される。このような大入賞口66の開閉が所定回数、例えば15回繰り返される。
特別遊技が終了した後の通常遊技においては特定遊技の一つである変動時間短縮遊技(以下、適宜「時短」という)が開始される。変動時間短縮遊技においては、特別図柄および装飾図柄の変動時間が通常より短縮される。特別図柄および装飾図柄の変動時間は、所定の変動回数の変動表示がなされた後で元の変動時間に戻される。特別遊技が発生した場合であってそのときの当たり停止図柄が特定の態様であった場合、特別遊技の終了後に特定遊技の一つである確率変動遊技(以下、適宜「確変」という)がさらに開始される。確率変動遊技においては、通常の確率状態より当たりの確率が高い抽選が行われ、比較的早期に新たな特別遊技が発生する。
図2は、ぱちんこ遊技機の背面側における基本的な構造を示す。
電源スイッチ40はぱちんこ遊技機10の電源をオンオフするスイッチである。メイン基板102は、ぱちんこ遊技機10の全体動作を制御し、特に始動口62へ入賞したときの抽選等、遊技動作全般を処理する。サブ基板104は、液晶ユニット42を備え、演出表示装置60における表示内容や複数の可動役物140の動作、遊技効果ランプ90の点灯を制御し、特にメイン基板102による抽選結果に応じて表示内容を変動させ、その演出の進行に沿って可動役物140や遊技効果ランプ90の点灯を作動させる。メイン基板102およびサブ基板104は、遊技制御装置100を構成する。セット基板39は、賞球タンク44や賞球の流路、賞球を払い出す払出ユニット43等を含む。払出ユニット43は、各入賞口への入賞に応じて賞球タンク44から供給される遊技球を上球皿15へ払い出す。払出制御基板45は、払出ユニット43による払出動作を制御する。発射装置46は、上球皿15の貯留球を遊技領域52へ1球ずつ発射する。発射制御基板47は、発射装置46の発射動作を制御する。電源ユニット48は、ぱちんこ遊技機10の各部へ電力を供給する。
図3は、本実施例におけるぱちんこ遊技機10の機能ブロックを示す。
ぱちんこ遊技機10において、遊技制御装置100は、始動口62、大入賞口66、一般入賞口72、作動口68、特別図柄表示装置61、演出表示装置60、普通図柄表示装置59、操作ボタン82、スピーカ18、遊技効果ランプ90、可動役物140のそれぞれと電気的に接続されており、各種制御信号の送受信を可能とする。遊技制御装置100は、遊技の基本動作だけでなく、図柄変動表示や可動役物140、電飾等の演出的動作も制御する。遊技制御装置100は、遊技の基本動作を含むぱちんこ遊技機10の全体動作を制御するメイン基板102と、図柄の演出等を制御するサブ基板104とに機能を分担させた形態で構成される。遊技制御装置100は、ハードウエア的にはデータやプログラムを格納するROMやRAM、演算処理に用いるCPU等の素子を含んで構成される。
本実施例におけるメイン基板102は、入球判定手段110、当否抽選手段111、保留制御手段116、メイン表示制御手段118、特別遊技制御手段120、特定遊技実行手段122、開閉制御手段124、普図抽選手段136、条件保持手段176を備える。本実施例におけるサブ基板104は、パターン記憶手段130、図柄態様決定手段131、演出決定手段132、演出表示制御手段134、役物制御手段135を備える。なお、メイン基板102に含まれる各機能ブロックは、いずれかがメイン基板102ではなくサブ基板104に搭載されるかたちで構成されてもよい。同様に、サブ基板104に含まれる各機能ブロックは、いずれかがサブ基板104ではなくメイン基板102に搭載されるかたちで構成されてもよい。
ただし、メイン基板102とサブ基板104の間におけるデータの送受信はメイン基板102からサブ基板104への一方向であるため、そのような一方向でのデータ送受信にて全体動作が実現されるよう各構成がメイン基板102とサブ基板104に配置される。このようにメイン基板102からサブ基板104へのデータ送信の一方向性が保たれるため、サブ基板104に含まれる構成からメイン基板102に含まれる構成へはデータを送信することができず、データ送信の要求もできない。したがって、メイン基板102で生成された情報は、メイン基板102がサブ基板104へ一方的に送信しない限りサブ基板104から参照することはできない。
入球判定手段110は、各入賞口への遊技球の入球を判定する。入球判定手段110は、始動入賞情報を受け取ると遊技球が始動口62に入賞したと判断し、大入賞口入賞情報を受け取ると遊技球が大入賞口66に入賞したと判断し、一般入賞情報を受け取ると遊技球が一般入賞口72に入賞したと判断する。入球判定手段110は、通過情報を受け取ると遊技球が作動口68を通過したと判断する。
始動口62への入球に対応する当否抽選を実行する当否抽選手段111は、抽選値取得手段112、当否判定手段113、変動パターン決定手段114を含む。当否抽選の結果は、特別図柄表示装置61において特別図柄192の変動表示の形で示され、演出表示装置60において装飾図柄190の変動表示の形で示される。
当否抽選手段111は、図柄変動を開始するにあたり、その図柄変動に対応する抽選の結果を図柄変動の制御コマンドとともに図柄態様決定手段131および演出決定手段132へ送信する。さらに、当否抽選手段111は、始動口62への入球時にも事前判定処理として抽選値が当否判定におけるいずれの抽選値範囲に該当するかの事前当否判定を実行し、その判定結果を抽選結果として図柄態様決定手段131および演出決定手段132へ送信する。事前判定処理の結果は送信バッファに一時保存された後、その抽選に対応する図柄変動表示が直ちに開始されるか否かにかかわらず図柄態様決定手段131および演出決定手段132へ送信され、送信バッファから消去または後に上書きされる。そのため、サブ基板104の側にとっては図柄変動開始の順番が巡ってくる前にあらかじめ当否結果を推測的に認識できる、いわゆる「先読み」と呼ばれる処理が実現される。
抽選値取得手段112は、始動口62への入球を契機に、当否抽選のために乱数の値を当否抽選値として取得する。例えば、当否抽選のために当否抽選値として取得する値は「0」から「65535」までの値範囲から取得される。なお、本願にいう「乱数」は、数学的に発生させる乱数でなくてもよく、ハードウエア乱数やソフトウエア乱数などにより発生させる疑似乱数でもよい。抽選値取得手段112が当否抽選値として取得する値は、保留制御手段116により一時的に保留される。ただし、所定の保留上限数を超えない範囲で当否抽選値が保留される。
当否判定手段113は、当否抽選値に基づき、特別遊技または小当たり遊技へ移行するか否かを判定する当否判定と、当否抽選値が当否判定におけるいずれの抽選値範囲に該当するかの事前当否判定を実行する。当否判定手段113は、当否判定で参照する当否判定テーブルと事前当否判定テーブルを保持する。なお、図柄変動を開始するにあたって実行する当否判定を、特に事前当否判定と区別するために、適宜「本判定としての当否判定」とも呼ぶ。
図4は、当否判定テーブルを模式的に示す図である。
本図の当否判定テーブルには、大当たり、小当たり、外れの判定結果と当否抽選値とが対応付けられており、対応付けられたそれぞれの範囲設定に応じて大当たり当否確率や小当たりの当否確率が定まる。当否判定手段113は、本判定としての当否判定において本図の当否判定テーブルを参照する。当否判定手段113による当否抽選においては、通常時には当否抽選値が0〜299の範囲に該当したときのみ大当たりとなる。確変時には大当たりの範囲が拡大され、当否抽選値が0〜299の範囲に該当する場合だけでなく、300〜2999の範囲に該当する場合にも大当たりとなる。このように、大当たりに該当する範囲は遊技状態に応じて変化する。なお、本図では単一の当否判定テーブルによって通常時と確変時の双方の大当たり範囲を示したが、当否判定テーブルは通常時用と確変時用とで別個に用意してもよい。
本実施例においては、当否抽選値が大当たり範囲に該当しない、いわゆる外れとなった場合であっても、所定の範囲に該当した場合には小当たりとなる。本図の例では、当否判定手段113が取得する当否抽選値が60000〜65535の範囲に該当した場合に小当たりとなる。このように、大当たりに該当しなかった場合、本来はすべて「外れ」であるが、本図の例では大当たりに該当しなかった場合のうち小当たりにも該当しなかった場合の当否抽選値範囲を特に「外れ」と表現している。なお、本図では大当たりか否かの判定テーブルと小当たりか否かの判定テーブルとを単一の当否判定テーブルの形で実現する例を示したが、それぞれを別個のテーブルとして実現してもよい。
図5は、事前当否判定で参照される事前当否判定テーブルを模式的に示す図である。
当否判定手段113は、この事前当否判定テーブルを参照し、当否抽選値が「0〜299」の場合はその旨を示す「1」の値を判定結果としての当否範囲に設定し、当否抽選値が「300〜2999」の場合はその旨を示す「2」の値を判定結果としての当否範囲に設定する。当否抽選値が「3000〜59999」の場合はその旨を示す「3」の値を判定結果としての当否範囲に設定し、当否抽選値が「60000〜65535」の場合はその旨を示す「4」の値を判定結果としての当否範囲に設定する。当否判定手段113は、以上のように当否範囲を設定するたびにその値を保留の個数とともに図柄態様決定手段131および演出決定手段132へ送信する。
図3に戻り、当否判定手段113は、別途取得する図柄抽選値と当否判定の結果に基づいて、図柄の変動開始にあたってその停止図柄を決定するとともに、図柄抽選値がいずれの図柄範囲に該当するかの事前図柄判定を実行する。当否判定手段113は、特別図柄の停止図柄を決定するために参照する複数の図柄判定テーブルと事前図柄判定テーブルを保持する。当否判定手段113は、当否判定結果に応じて異なる図柄判定テーブルを参照する。なお、図柄変動を開始するにあたって実行する図柄判定を、特に事前図柄判定と区別するために、適宜「本判定としての図柄判定」とも呼ぶ。
図6は、図柄判定テーブルを模式的に示す図である。図6(a)は当否判定結果が大当たりであった場合に参照するテーブルであり、図6(b)は当否判定結果が外れであった場合に参照するテーブルであり、図6(c)は当否判定結果が小当たりであった場合に参照するテーブルである。
当否判定手段113は、本判定としての図柄判定において本図の図柄判定テーブルを参照する。各図柄判定テーブルには、「0」〜「9」の数字および「−」の記号で表される特別図柄と図柄抽選値との対応関係が定められている。特別図柄の種類はそれぞれ大当たり、小当たり、外れの当否判定結果と対応付けられており、奇数の数字が大当たりに対応し、偶数の数字が小当たりに対応し、「−」の記号が外れに対応する。
図6(a)に示す通り、特別図柄「0」〜「9」のうち奇数の数字である特別図柄「1」「3」「5」「7」「9」が大当たりに対応付けられている。そのうち、特別図柄「7」は確変を伴う15R大当たりを示し、図柄抽選値の範囲「0〜99」に対応付けられる。特別図柄「3」は確変を伴う2R大当たりを示し、図柄抽選値の範囲「100〜149」に対応付けられる。特別図柄「1」「5」「9」は確変を伴わない15R大当たりを示し、図柄抽選値の範囲「150〜189」に特別図柄「1」が対応付けられ、「190〜229」に特別図柄「5」が対応付けられ、「230〜255」に特別図柄「9」が対応付けられる。
図6(b)に示す通り、特別図柄「−」は当否判定結果が外れの場合における全範囲の図柄抽選値に対応付けられている。
図6(c)に示す通り、特別図柄「0」〜「9」のうち偶数の数字である特別図柄「0」「2」「4」「6」「8」が小当たりに対応付けられている。特別図柄「0」は図柄抽選値の範囲「0〜49」に対応付けられ、特別図柄「2」は図柄抽選値の範囲「50〜99」に対応付けられ、特別図柄「4」は図柄抽選値の範囲「100〜149」に対応付けられ、特別図柄「6」は図柄抽選値の範囲「150〜199」に対応付けられ、特別図柄「8」は図柄抽選値の範囲「200〜255」に対応付けられる。
図7は、事前図柄判定で参照される事前図柄判定テーブルを模式的に示す図である。
当否判定手段113は当否抽選値が大当たりに該当する場合にこの事前図柄判定テーブルを参照する。図柄抽選値が「0〜99」の場合はその旨を示す「1」の値を判定結果としての図柄範囲に設定し、図柄抽選値が「100〜149」の場合はその旨を示す「2」の値を判定結果としての図柄範囲に設定する。図柄抽選値が「150〜255」の場合はその旨を示す「3」の値を判定結果としての図柄範囲に設定する。当否判定手段113は、以上のように図柄範囲を設定するたびにその値を保留の個数とともに図柄態様決定手段131および演出決定手段132へ送信する。なお、当否抽選値が外れまたは小当たりに該当する場合は本図のテーブルは参照せず、外れまたは小当たりを示す値として例えば「4」の値を図柄範囲に設定してもよいし、何も設定しないこととしてもよい。
図3に戻り、変動パターン決定手段114は、特別図柄表示装置61および演出表示装置60に表示させる図柄変動の表示過程が定められた変動パターンを、別途取得するパターン抽選値に基づいて複数の変動パターンの中から決定してメイン表示制御手段118へ送る。変動パターン決定手段114は、図柄変動を開始する際に変動パターンテーブルを参照してその図柄変動の変動パターンを決定する。また、変動パターン決定手段114は、パターン抽選値がいずれの変動パターン範囲に該当するかの事前パターン判定を実行する。変動パターン決定手段114は、変動パターンを決定するために参照する変動パターンテーブルと事前パターン判定テーブルを保持する。変動パターンには、特別図柄を変動表示させるときの変動開始から停止までの変動時間が定められており、その種類によって長短様々な変動時間をもつ。すなわち、各変動パターンには、その図柄変動の終了条件としてパターンごとに変動表示時間が定められており、その変動表示時間の経過時に特別図柄の変動が停止される。なお、図柄変動を開始するにあたって実行する変動パターン判定を、特に事前パターン判定と区別するために、適宜「本判定としての変動パターン判定」とも呼ぶ。
図8は、変動パターンテーブルを模式的に示す図である。
変動パターン決定手段114は、当否判定結果が外れのときは図8(a)に示される外れ用の変動パターンを参照する。変動パターン決定手段114は、本判定としての変動パターン判定において本図の変動パターンテーブルを参照する。当否判定結果が15R大当たりのときは図8(b)に示される15R大当たり用の変動パターンテーブルを参照する。当否判定結果が2R大当たりまたは小当たりのときは図8(c)に示される2R大当たりおよび小当たり用の変動パターンテーブルを参照する。
図8(a)においては、パターン抽選値0〜10には「スーパー1」というスーパーリーチが対応付けられ、パターン抽選値11〜20には「スーパー2」というスーパーリーチが対応付けられている。パターン抽選値21〜255には「ノーマル1」「ノーマル2」「リーチなし」のいずれかの変動パターンが対応付けられている。なお、外れ用の変動パターンテーブルにおいて、特に「リーチなし」の変動パターンを選択するとき、時短状態においては通常状態よりもさらに変動時間が概ね短い変動パターンが選択されるよう異なるテーブルを参照する。
図8(b)においては、パターン抽選値0〜120には「スーパー1」のスーパーリーチが対応付けられ、パターン抽選値121〜240には「スーパー2」のスーパーリーチが対応付けられている。パターン抽選値241〜250には「ノーマル1」のリーチが対応付けられ、パターン抽選値251〜255には「ノーマル2」のリーチが対応付けられている。このように、当否判定結果が15R大当たりの場合はリーチ付きの変動パターンが選択される。
図8(c)においては、パターン抽選値0〜122には「スーパー3」というスーパーリーチが対応付けられ、パターン抽選値123〜255には「ノーマル3」というノーマルリーチが対応付けられている。このように当否判定結果が2R大当たりまたは小当たりの場合は「スーパー3」または「ノーマル3」がそれぞれ約50%の確率で選択される。
なお、図示のように、「スーパー1」の変動パターンには、その背景を概ね共通としつつ登場するキャラクタが異なる複数の演出パターンが、所定の選択確率にて割り当てられている。また、「スーパー2」の変動パターンにも、その背景を概ね共通としつつ登場するキャラクタが異なる複数の演出パターンが、所定の選択確率にて割り当てられている。演出決定手段132は、「スーパー1」および「スーパー2」のそれぞれの変動パターンと各演出パターンとの対応関係をパターン抽選値にて対応づけるように保持しており、その対応関係を演出パターンの決定に用いる。図示の符号A〜Dに付された括弧内には各演出パターンが選択される場合のパターン抽選値が示されている。
図示の例では、キャラクタA〜Dが設定されており、「スーパー1」および「スーパー2」のいずれについても、外れのときには出現率が高いものから順にキャラクタA,B,C,Dが割り当てられており、逆に15R大当たりのときには出現率が高いものから順にキャラクタD,C,B,Aが割り当てられている。言い換えれば、当たり期待度の高いものから順にキャラクタD,C,B,Aが割り当てられているため、スーパーリーチであってしかもキャラクタDが登場すると、遊技者の期待感は最高潮に達するようになる。このキャラクタA〜Dは、後に詳述する保留表示演出(連続変動演出)にも関係する。なお、「スーパー3」および「ノーマル1」〜「ノーマル3」についても所定のキャラクタが登場するが、本実施例では連続変動演出と関係しないため、その説明については省略する。
図9は、事前パターン判定で参照される事前パターン判定テーブルを模式的に示す図である。
変動パターン決定手段114は、当否結果が外れの場合に図9(a)のテーブルを参照し、パターン抽選値が「0〜10」の場合はその旨を示す「1」の値を判定結果としてのパターン範囲に設定し、パターン抽選値が「11〜20」の場合はその旨を示す「2」の値を判定結果としてのパターン範囲に設定する。パターン抽選値が「21〜255」の場合はその旨を示す「3」の値を判定結果としてのパターン範囲に設定する。
変動パターン決定手段114は、当否結果が15R大当たりの場合に図9(b)のテーブルを参照し、パターン抽選値が「0〜120」の場合はその旨を示す「4」の値を判定結果としてのパターン範囲に設定し、パターン抽選値が「121〜240」の場合はその旨を示す「5」の値を判定結果としてのパターン範囲に設定する。パターン抽選値が「241〜250」の場合はその旨を示す「6」の値を判定結果としてのパターン範囲に設定し、パターン抽選値が「251〜255」の場合はその旨を示す「7」の値を判定結果としてのパターン範囲に設定する。
変動パターン決定手段114は、当否結果が2R大当たりまたは小当たりの場合に図9(c)のテーブルを参照し、パターン抽選値が「0〜122」の場合はその旨を示す「8」の値を判定結果としてのパターン範囲に設定し、パターン抽選値が「123〜255」の場合はその旨を示す「9」の値を判定結果としてのパターン範囲に設定する。変動パターン決定手段114は、以上のようにパターン範囲を設定するたびにその値を保留の個数とともに図柄態様決定手段131および演出決定手段132へ送信する。
図3に戻り、普図抽選手段136は、作動口68を遊技球が通過したときに抽選値を取得することにより抽選を実行する。普図抽選手段136による抽選の結果は、普通図柄表示装置59において普通図柄の形で変動表示される。普図抽選手段136は、普通図柄表示装置59に表示させる普通図柄の停止図柄を決定するために参照すべき図柄判定テーブルを保持する。その図柄判定テーブルには抽選値と普通図柄の対応関係が定められており、普図抽選手段136は普通図柄の停止図柄を図柄判定テーブルを参照して決定する。決定された停止図柄が所定の図柄となった場合に普通図柄が当たりに該当したと判定され、その停止図柄にて普通図柄の変動表示が停止された後に開閉制御手段124が始動口62の普通電動役物を所定時間拡開する。普通図柄の抽選値は、保留制御手段116により一時的に保留される。ただし、保留制御手段116により保留される所定の保留上限数を超えない場合にだけ抽選値が保留される。
保留制御手段116は、特図保留手段144および普図保留手段147を含む。特図保留手段144は、始動口62へ新たな入球があって新たに当否抽選が実行されるときにそれ以前の入球ないし抽選に対応する図柄変動が表示されている場合、新たな入球に基づく当否抽選の結果をその抽選に対応する図柄の変動表示開始まで保留する。本実施例では当否抽選の結果として4個を上限として当否抽選値と事前判定結果としての当否範囲、図柄範囲、パターン範囲の設定を保持する。あるいは、当否抽選値とは別の領域に事前判定の結果を保持してもよい。普図保留手段147は、普図抽選手段136により取得された普図抽選値を保留球として保持する。これらの保留数がそれぞれ抽選保留ランプ20、作動保留ランプ22の点灯数または点滅数により表される。
メイン表示制御手段118は、特図制御手段148および普図制御手段153を含む。特図制御手段148は、当否抽選手段111による当否抽選の結果として決定された変動パターンにしたがい特別図柄192の変動を特別図柄表示装置61に表示させる。特図制御手段148は、それ以前になされた当否抽選に対応する図柄の変動表示が終了していることを新たな図柄変動の開始条件とする。
特図制御手段148は、特別図柄192の変動表示を開始するタイミングと停止するタイミングにて、変動開始コマンドと変動停止コマンドを演出表示制御手段134へ送信する。変動開始コマンドを送信するとき、本判定として判定ないし決定された当否判定結果、停止図柄、変動パターンのそれぞれを示す値を変動開始コマンドとともに演出表示制御手段134へ送信する。変動停止コマンドを送信するとき、あらためて停止図柄を示す値を変動停止コマンドとともに演出表示制御手段134へ送信する。これにより、メイン表示制御手段118および演出表示制御手段134による変動表示が同期し、連動が保たれる。普図制御手段153は、普図抽選手段136による抽選の結果を普通図柄の変動表示として普通図柄表示装置59に表示させる。
条件保持手段176は、大入賞口の開放を伴う単位遊技を複数回含む特別遊技へ移行するための条件として特別遊技作動条件を保持する。特別遊技作動条件は、当否抽選で特別遊技へ移行する旨を示す結果となり、その抽選に対応する図柄変動が停止したことを条件の内容とする。
特別遊技制御手段120は、当否抽選手段111による当否抽選が特別遊技への移行を示す結果となった場合、特別図柄192が所定の大当たり態様で停止されたときに特別遊技作動条件が成立したと判定し、大入賞口66を開放させることにより特別遊技を実行する。特別遊技は、大入賞口66の開閉動作を複数回数連続して継続する遊技であり、1回の開閉を単位とした複数回の単位遊技で構成される。特別遊技には、単位遊技を15回繰り返す15R大当たりと、短い単位遊技を2回だけ繰り返す2R大当たりがある。15R大当たりにおいては、1回の単位遊技において大入賞口66を原則として約30秒間開放させる。特別遊技制御手段120は、単位遊技の設定ラウンド数を消化したときに特別遊技を終了させる。
特定遊技実行手段122は、確変および時短の状態における通常遊技を制御する。特定遊技実行手段122は、特別遊技の終了後に必ず時短状態へ移行させる。一方、特別遊技の終了後に確変状態へ移行させるのは、当否判定手段113により決定された図柄が確変への移行を伴う大当たり図柄であった場合に限られる。時短状態は、特別図柄192の変動表示回数が特別遊技の終了時点から数えて所定の終了条件回数、例えば100回に達するまで継続される。時短状態においては、特別図柄192の変動表示時間が概ね短くなるよう、変動パターン決定手段114が変動時間の短い変動パターンを選択する。ただし、通常状態においては、特図保留手段144による保留数に応じた変動パターンテーブルを参照し、特図保留手段144による保留数が少なくなるほど変動時間の長い変動パターンが出現しやすくなる。一方、確変状態は、次の大当たりによる特別遊技が実行されるまで継続される。確変状態の間は当否判定手段113による当否判定結果が大当たりとなる確率が高い値のまま維持される。
開閉制御手段124は、始動口62の普通電動役物や大入賞口66の開閉を制御する。開閉制御手段124は、普通図柄が特定の図柄で停止されると、普通電動役物ソレノイド76に開放指示を送り、始動口62を開放させる。また、開閉制御手段124は、特別遊技中、大入賞口ソレノイド80に開放指示を送り、大入賞口66を開放させる。
パターン記憶手段130は、装飾図柄190の変動において演出表示装置60に表示させる演出的な画像内容とその表示過程が定められた複数の演出パターンを保持する。演出パターンには、装飾図柄190の変動表示における変動開始から停止までの変動過程と演出過程が定められた複数の変動演出パターンと、装飾図柄の変動表示とは別に表示されて大当たりへの期待度の高さを予告的に示唆する複数の予告演出パターンとが含まれる。
演出決定手段132は、当否抽選手段111から受け取る当否抽選の結果に応じて、演出表示制御手段134によって演出表示装置60へ表示させる演出内容を決定する。演出決定手段132は、変動パターン決定手段114により決定された特別図柄の変動パターンに対応する複数の変動演出パターンデータの中からいずれかを選択してパターン記憶手段130から読み出し、その変動演出パターンの情報を演出表示制御手段134へ送る。図柄態様決定手段131は、装飾図柄190の停止図柄の組合せを当否抽選手段111が決定する特別図柄の停止図柄、特別図柄の変動パターン、装飾図柄の変動演出パターンに応じて決定する。図柄態様決定手段131は、決定した停止図柄の組合せを示す情報を演出表示制御手段134へ送信する。図柄態様決定手段131は、装飾図柄の停止図柄を決定するために参照すべき図柄範囲テーブルを保持する。
装飾図柄190の停止図柄は、3つの図柄の組合せとして形成され、例えば当否抽選手段111による当否判定結果が15R大当たりの特別遊技への移行を示す場合には特定の組合せ、例えば「777」や「111」のように3つの図柄が揃った組合せが選択される。この場合、装飾図柄190として揃える数字には、特別図柄192と同じ数字が選ばれるのが好ましい。例えば、特別図柄192が「7」の場合は装飾図柄190が「777」となる。あるいは、3つの図柄の少なくとも一つに当たりであることを示す特定の図柄が含まれる図柄の組み合わせによっても、その大当たりを示すようにしてもよい。当否判定結果が2R大当たりの場合や小当たりの場合もまた特定の組合せ、例えば「357」のような所定の組合せが選択されるが、それらの特定の組合せは必ずしも3つの図柄が揃った組合せでなくてもよい。当否判定結果が大当たりでも小当たりでもない場合は、「312」や「946」のように3つの図柄が揃っていない組合せであって、2R大当たりや小当たりのときに選択される特定の組合せに該当しない組合せが選択される。当否判定結果が15R大当たりではない場合であって、リーチ付きの外れを示す変動パターンが選択された場合は、「191」や「727」のように一つだけ図柄が揃っていない組合せを選択する。
装飾図柄の変動演出パターンデータには、装飾図柄の変動表示態様、すなわち装飾図柄の変動開始から変動停止までの変動過程と演出過程が定義される。変動演出パターンには、あと一つ図柄が揃えば大当たりとなるリーチ状態を経てから当たり態様または外れ態様である停止図柄組合せを表示するリーチパターンと、リーチ状態を経ずに外れ態様である停止図柄組合せを表示するリーチなしパターンが含まれる。特に、リーチ状態を経るときのパターンとしては、長短様々な変動時間をもつパターンが含まれ、相対的に変動時間の短いリーチパターンを「ノーマルリーチ」と称し、変動時間の長いリーチパターンを「スーパーリーチ」と称する。各変動演出パターンには、その図柄変動の終了条件としてパターンごとに変動時間が定められており、その変動時間の経過時に図柄変動が停止される。演出決定手段132は、特別図柄の変動パターンに応じて、特別図柄と変動時間が等しい装飾図柄の変動演出パターンを選択する。
予告演出パターンは、特定のキャラクタやモチーフの画像、アニメーション、映像などを一時的に画面表示させる演出パターンや、特定の音声を出力する演出パターンである。本実施例では、可動役物140を作動させることによる予告演出も含まれる。予告演出パターンによる演出は、図柄変動と並行して実行され、その図柄変動が大当たり態様にて停止する期待度が高いことを予告的に示唆する。
予告演出パターンには、装飾図柄190の表示態様がリーチ状態となった後のタイミングで演出が実行されて図柄の最終的な停止態様を予告するパターンと、装飾図柄190が一つも停止していないタイミングで演出が実行されてリーチ状態となることを同時に予告するパターンとがある。
演出決定手段132は、当否抽選の結果に応じて演出表示装置60に予告演出を表示させるか否かを所定の予告抽選により決定するとともに、表示させるべき予告演出パターンを決定する。演出決定手段132は、予告演出を表示させるか否かを決定するために参照すべき予告決定テーブルと、予告演出パターンの種類を選択するときに参照すべき予告種類テーブルとを保持する。予告決定テーブルは、当否抽選の結果に応じて異なる欄が参照されるように設定されており、当否抽選が当たりの場合は外れの場合よりも高い確率で予告演出を表示させるよう、当否抽選の結果と予告演出を表示するか否かの対応関係が定められる。これにより、予告演出が表示されること自体で大当たりへの期待度の高さを示唆することができる。
演出表示制御手段134は、当否抽選手段111による当否抽選の結果を、選択された変動演出パターンデータにしたがって演出表示装置60へ装飾図柄を含む演出画像を変動表示させる。演出表示制御手段134は、それ以前の当否抽選に対応する装飾図柄190の変動表示が終了していることを新たな図柄変動の開始条件とする。演出表示制御手段134は、予告演出を表示させる旨が演出決定手段132により決定された場合、選択された予告演出パターンにしたがった予告演出を図柄変動の演出に重畳させて演出表示装置60へ同時表示させる。このように演出表示制御手段134は、装飾図柄190の変動表示を含む図柄変動演出を演出表示装置60に表示させる。演出表示制御手段134は、遊技効果ランプ90の点灯および消灯や、スピーカ18からの音声出力などの演出処理をさらに制御する。
本実施例の予告演出には、複数回の図柄変動にわたって連続的に表示される連続変動演出として連続予告演出が含まれる。連続予告演出は、特図保留手段144により当否抽選の結果が複数保留されたことを一つの条件として選択され、複数回先の図柄変動にて示される抽選結果が当たりである期待度の高さをその複数回の図柄変動とともに段階的に示唆する演出である。演出表示装置60の表示領域194には、保留中の抽選結果にそれぞれ対応する保留数分のランプ画像(「保留対応オブジェクト」に該当する)が表示される。そして、連続変動予告の決定要因となった抽選結果に対応するランプ画像(「該当ランプ画像」ともいう)が、その連続変動演出中の図柄変動ごとにその表示態様を変化させる。該当ランプ画像は、その図柄変動開始時の表示態様によりいずれのキャラクタが登場するスーパーリーチに発展するかを示唆する。上述のように、スーパーリーチに登場するキャラクタの種類によって当否抽選の結果が当たりである期待度(当たり期待度)が異なるため、該当ランプ画像の最終的な表示態様が当たり期待度を示唆することになる。この連続予告演出には、遊技者による操作ボタン82の操作入力に応じて該当ランプ画像の表示態様を変化させる演出が含まれるが、その具体例については後述する。
演出決定手段132は、事前判定結果として取得する当否抽選の結果の中に大当たりの結果が含まれる場合に、大当たりの結果が含まれていない場合よりも高い確率で連続予告演出の開始を決定する。演出決定手段132は、当否抽選の結果が所定数以上(本実施例では4つ)保留され、事前判定において高期待度演出(本実施例では「スーパー1」または「スーパー2」)を含む変動パターンが選択されたことを条件に連続予告演出の実行を決定する。そして、その決定要因となった抽選結果に対応する図柄変動が開始されるまでの期間、遊技者に操作ボタン82の操作入力を促す操作画面を表示させるとともに、その操作入力があった場合にのみ該当ランプ画像の表示態様を変化させる演出内容を決定する。
役物制御手段135は、演出表示制御手段134から受け取る指示にしたがい、演出表示装置60における演出内容や遊技効果ランプ90の点滅過程に沿って、可動役物140を演出的に動作させる。
図10は、外れ用の変動パターンテーブルを詳細に示す図である。
本図の変動パターンテーブル210においては、保留数ごとにそれぞれ変動パターンに対応付けられたパターン抽選値の範囲が異なる。具体的には、保留数が少ないほど変動時間が相対的に長い変動パターンに割り当てられたパターン抽選値の範囲が広くされており、それら変動時間の長い変動パターンが選択される確率を高めている。そのため、特図保留手段144による保留数が少ないほど平均的な変動時間が長くなる。したがって、特図保留手段144による保留数が所定数、例えば1〜2個より少なくなった場合に、変動時間の長い変動パターンの選択確率が通常より高くなり、変動時間が比較的長くなりやすい。
第1欄212には、特図保留手段144による当否抽選の結果保留数が0の場合のパターン抽選値範囲と変動パターンとの対応関係が示される。同様に、第2欄214、第3欄216、第4欄218、第5欄220に、特図保留手段144による当否抽選の結果保留数がそれぞれ1、2、3、4の場合のパターン抽選値範囲と変動パターンとの対応関係が示される。すなわち、第1欄212、第2欄214、第3欄216、第4欄218、第5欄220が保留数ごとの変動パターンテーブルを示すと考えることができる。本図では、外れのときに選択され得る複数の変動パターンを変動時間別に5種類に分類した例を説明するが、実際にはそれらの分類ごとに複数の変動演出パターンが用意されており、全体で数十種類の変動演出パターンがそれぞれの分類ごとの抽選値範囲に対応付けられていることに等しい。
第1範囲222には、抽選値が0から10までのパターン抽選値に該当する場合の変動パターンとして、第1欄212、第2欄214、第3欄216、第4欄218、第5欄220のいずれにも「スーパー1」というスーパーリーチの変動パターンが対応付けられる。第2範囲224には、抽選値が11から20までのパターン抽選値に該当する場合の変動パターンとして、第1欄212、第2欄214、第3欄216、第4欄218、第5欄220のいずれにも「スーパー2」というスーパーリーチの変動パターンが対応付けられる。このように、抽選値が0から10までのパターン抽選値と抽選値が11から20までのパターン抽選値の場合には、保留数にかかわらず同じ変動時間の変動パターンが選択される。
第3範囲226には、抽選値が21から255までのパターン抽選値に該当する場合の変動パターンとして、第1欄212、第2欄214、第3欄216、第4欄218、第5欄220にはそれぞれノーマルリーチである「ノーマル1」「ノーマル2」と「リーチなし外れ」の3種類の変動パターンが対応付けられる。ただし、それぞれの変動パターンが対応付けられるパターン抽選値の範囲は保留数によって異なる。第1欄212では、「ノーマル1」「ノーマル2」「リーチなし」のそれぞれが対応付けられる抽選値範囲の大きさがそれぞれほぼ等しく、21から255をほぼ3等分した範囲が対応付けられている。これに対し、第2欄214では、「ノーマル1」「ノーマル2」のそれぞれに対応付けられる抽選値範囲の大きさが「リーチなし」に対応付けられる抽選値範囲よりやや小さい。また、第3欄216では「ノーマル1」「ノーマル2」のそれぞれに対応付けられる抽選値範囲の大きさがさらに小さくなり、第4欄218および第5欄220にて「ノーマル1」「ノーマル2」のそれぞれに対応付けられる抽選値範囲の大きさはまたさらに小さくなっている。
「ノーマル1」「ノーマル2」の変動時間は「リーチなし外れ」の変動時間より長くてもよく、また「リーチなし外れ」のときは時短状態のように変動時間が短縮される場合もあるため、上記の第3範囲226の設定内容に応じて平均的な変動時間が異なることとなる。保留数が0から1、2、3、4と多くなるにつれて「ノーマル1」および「ノーマル2」のパターン抽選値範囲は小さくなり、逆に「リーチなし外れ」のパターン抽選値範囲が大きくなる。したがって、保留数が多いほど平均的な変動時間は短くなり、逆に保留数が少ないほど平均的な変動時間は長くなる。このように保留数ごとにパターン抽選値範囲と変動パターンの対応関係が異なる変動パターンテーブルを用いることにより、保留数が少なくなったときに変動時間の長い変動パターンが選択されやすくなる制御を実現することができる。
第4欄218に対応付けられた「リーチなし外れ」の変動パターンは、第1欄212、第2欄214、第3欄216に対応付けられた「リーチなし外れ」よりも変動時間が短い、いわゆる「短縮変動」の変動パターンである。また、第5欄220に対応付けられた「リーチなし外れ」の変動パターンは、第1欄212、第2欄214、第3欄216に対応付けられた「リーチなし外れ」よりも変動時間が短く、第4欄218の「短縮変動」よりもさらに変動時間が短い、いわゆる「超短縮変動」の変動パターンである。これにより、始動口62へ入球したときに保留数が0〜2であれば、少なくとも通常の変動時間以上の変動パターンが事前判定で選択されるが、図柄変動を開始する時点で保留数が3または4となっていれば、実際には通常の変動時間より短い変動時間の変動パターンが選択される。
次に、本実施例における特徴的な演出の進行制御の内容について説明する。
図11は、演出表示装置に表示される連続予告演出の画面例を表す図である。図11(a)〜(h)は、その演出過程が例示されている。
本実施例では、演出表示装置60が図柄表示装置および保留表示装置として機能する。すなわち、図11(a)に示すように、演出表示装置60の表示領域194には、その略中央の領域に装飾図柄190が変動表示されるほか、その変動表示に重ねられるように各種予告演出等の画像が表示される。表示領域194の下方領域には、保留対応画像202が表示される保留表示部195が設けられている。保留対応画像202は、特図保留手段144により保持される当否抽選の結果の保留数をランプ画像(「保留対応オブジェクト」に該当する)の形で表示する。保留表示部195には、その保留数の上限値と同数(本実施例では4つ)のランプ画像が点灯表示可能となっており、図示の例では現在の保留数に相当する3つのランプが白色にて点灯表示されている。保留対応画像202は、特図保留手段144による当否抽選値の保留が追加されるごとに、左方から順次追加点灯され、保留が消化されるごとに右方から消灯される。演出上は、そのランプ画像が左端側から順次消化されてその点灯状態が左方へシフトするように表示される。
連続予告演出の実行が決定された場合、同図(b)に示すように、その連続予告演出の決定要因となった保留対応画像202が通常とは異なる態様にて点灯表示される。本実施例では、保留対応画像202の表示態様をその色により区別する。すなわち、保留対応画像202は、連続予告演出の実行有無にかかわらず、現在の保留数を遊技者に報知するために表示され、通常は白色にて点灯表示される。一方、連続予告演出の実行が決定されると、その決定要因となった保留対応画像202である該当保留画像204が予め設定された初期態様にて点灯表示される。本実施例においてその初期態様は青色であり、青色の保留対応画像202が表示されることにより連続予告演出の開始が報知される。図示の例では、連続予告演出の開始をより明瞭に伝えるために「チャンスモード!」の文字列が表示されている。また、本実施例では保留数が上限値である4つとなることが連続予告演出の開始条件の一つとして設定されているため、その初期態様は図示のように保留数が4つに達したときにのみ表示されうる。
このように連続予告演出の開始が決定されると、同図(c)に示すように、次変動にて遊技者の介入を促す入力画面が表示される。図示の例では、画面中央に操作ボタン82の操作入力を促す画像が表示されている。遊技者が操作ボタン82を操作すると、その当該図柄変動にて該当保留画像204の色が変化する。すなわち、保留対応画像202の表示態様として当たり期待度が異なる複数の色が設けられており、連続予告演出において遊技者が操作ボタン82を操作すると、該当保留画像204の色が初期態様の青色から当たり期待度の高い色に段階的に変化する。本実施例では、当たり期待度の高いものから赤色、緑色、黄色、青色が設けられている。つまり、該当保留画像204が青色から黄色、緑色、赤色と変化するごとに当たり期待度が演出上高まっていく。
図示の例では、連続予告演出の開始後の1変動目に表示された入力要求に対して遊技者が操作入力を行ったため、同図(d)に示すように、該当保留画像204が黄色に変化し、当たり期待度が1段階アップしている。続いて、同図(e)に示す2変動目に表示された入力要求に対しても遊技者が操作入力を行ったため、同図(f)に示すように、該当保留画像204が緑色に変化し、当たり期待度がさらに1段階アップしている。なお、図示の例では、この2変動目にさらに始動口62への入球があったため、該当保留画像204よりも後に図柄変動が実行される保留対応画像202が追加表示されている。このようにして続く3変動目に表示された入力要求に対しても遊技者が操作入力を行った結果、同図(g)に示すように、該当保留画像204が赤色に変化し、当たり期待度が最高段階にアップしている。その結果、同図(h)に示すように、該当保留画像204が消化される当該変動(4変動目)においてスーパーリーチの中でも相対的に当たり期待度が高いバトルリーチに発展している。
このように、演出決定手段132は、連続予告演出の実行が決定されると、その3変動目までは入力画面を表示させる演出内容を決定する。そして、該当保留画像204が消化される4変動目においてスーパーリーチに登場させるキャラクタの種類を決定する。
図12は、連続予告演出の演出内容を決定する際に用られるパターンテーブルを表す図である。同図(a)は、連続予告演出における該当保留画像204の上限色(期待度が高くなる方向に到達可能な色)を決定する際に用いるパターンテーブルを示し、同図(b)は、連続予告演出の最後の図柄変動ついて演出パターンを決定する際に用いるテーブル(予告種類テーブル)を表す図である。
演出決定手段132は、連続予告演出の実行を決定した場合、その連続予告演出にて該当保留画像204が最終的に到達可能な表示態様、つまりその4変動目に消化される直前の該当保留画像204の色(保留色上限)を決定する。演出上、この上限色が当たり期待度を示すため、実際の当否抽選の結果と上限色による当たり期待度との対応がある程度整合するように0〜255の抽選値(「保留態様抽選値」という)が割り当てられる。図示の例では、抽選結果が当たりである場合、選択確率の高いものから赤色、緑色、黄色、青色となるよう保留態様抽選値が割り当てられている。一方、抽選結果が外れである場合、期待度の高い色の選択確率が当たりの場合よりも低くなるよう保留態様抽選値が割り当てられている。なお、本実施例では、当たり期待度が最も低い青色の選択確率が外れの場合であっても高くならないようにされている。これは、該当保留画像204の保留色が初期態様(青色)から変化しない場合が頻発すると、連続予告演出そのものの期待感が薄れるためである。変形例においては、青色の選択確率が他の色よりも高くなるよう設定してもよい。例えば、当たりの場合とは逆の順序で選択確率が高くなるように設定してもよい。上限色が決定されると、遊技者による操作入力があったとしても、該当保留画像204はその上限色よりも当たり期待度が高い色には変化しない。
また、同図(b)に示すように、その4変動目に消化される直前の該当保留画像204の表示態様が青色である場合にはキャラクタA、黄色である場合にはキャラクタB、緑色である場合にはキャラクタC、赤色である場合にはキャラクタDが、それぞれ選択される。既に述べたように、連続予告演出とは別の通常の予告演出においては、当たり期待度の高いものから順にキャラクタD,C,B,Aが割り当てられており、遊技者も遊技の継続過程でそれを認知する。該当保留画像204の色が赤色に近づくほど期待感が高まるため、遊技者が連続予告演出における操作入力にも積極的に応えるようになり、連続変動演出による遊技機の稼働率向上が期待されるようになる。
図13は、ぱちんこ遊技機における基本的な動作過程を示すフローチャートである。 まず、遊技球が始動口62、一般入賞口72、大入賞口66などへ入賞した場合の処理を実行し(S10)、通常遊技中であれば(S12のY)、図柄変動などの通常遊技の制御処理を実行し(S14)、通常遊技中でなければ(S12のN)、特別遊技の制御処理を実行する(S16)。その後、S10の入賞処理においてセットされた賞球数にて各種入賞に応じた賞球払出を処理する(S18)。
図14は、図13におけるS10の入賞処理を詳細に示すフローチャートである。始動口62に入球があった場合(S20のY)、始動口62に対応する賞球数をセットし(S22)、特図保留手段144による保留数が4未満であるか否かを参照してさらなる保留が可能な状態であれば(S24のY)、当否抽選値を取得する(S26)。その当否抽選値に基づいて当否判定する事前判定処理を実行し(S28)、当否抽選値を特図保留手段144に保留する(S30)。S20において始動口62への入球がない場合はS22からS30までの処理をスキップする(S20のN)。S24において保留数が上限に達していてさらなる保留が不可能な場合はS26からS30までの処理をスキップする(S24のN)。
一般入賞口72に入球があった場合は(S32のY)、一般入賞口72に対応する賞球数をセットし(S34)、一般入賞口72への入球がないときはS34をスキップする(S32のN)。大入賞口66に入球があった場合は(S36のY)、大入賞口66に対応する賞球数をセットし(S38)、大入賞口66への入球がないときはS38をスキップする(S36のN)。
図15は、図14におけるS28の事前判定処理を詳細に示すフローチャートである。 まず、事前当否判定テーブルを参照して事前当否判定を実行し(S40)、その判定結果として当否範囲を示す値を設定し(S42)、事前図柄判定テーブルを参照して事前図柄判定を実行し(S44)、その判定結果として図柄範囲を示す値を設定し(S46)、事前パターン判定テーブルを参照して事前パターン判定を実行し(S48)、その判定結果としてパターン範囲を示す値を設定する(S50)。以上のように設定された事前判定結果の値が、保留の個数とともに送信バッファに一時保存され、サブ基板104の図柄態様決定手段131および演出決定手段132へ送信される(S52)。
図16は、図13におけるS14の通常遊技制御処理の全体的な過程を示すフローチャートである。
この通常遊技制御処理は、サブ基板104における先読み処理が実行され(S150)、メイン基板102における特別図柄変動処理の実行(S152)、サブ基板104における装飾図柄変動処理の実行(S154)が、繰り返し処理されることとなる。
図17は、図16におけるS150の先読み処理を詳細に示すフローチャートである。 いわゆる先読みによって得られる情報に基づいてどのような演出をサブ基板104において実行するか、また事前判定結果がどのような結果の場合にその結果に応じた演出を実行するかといった基準は、ぱちんこ遊技機10における遊技性の設計に応じて種々考えられる。本実施例においては、上限値である4つ目の保留にかかる当否抽選値に基づき、「スーパー1」または「スーパー2」の変動パターンが新たに選択されることを事前判定処理の結果に基づいて予めサブ基板104側でも認識したことを一つの条件として、上述した連続予告演出の実行を決定をする。なお、「スーパー1」および「スーパー2」は、事前判定での当否判定結果が大当たりであった場合に外れであった場合よりも高い確率で選択される。このため、結果的に連続予告演出もその事前判定での当否判定結果が大当たりであった場合に外れであった場合よりも高い確率でその実行が決定されるようになる。
サブ基板104の演出決定手段132がメイン基板102から事前判定結果を受信した場合(S160のY)、演出表示制御手段134は、事前判定結果とともに受信した当否範囲、パターン範囲および保留数の情報に基づいて、その時点での保留数が所定数以上(本実施例ではでは上限値の4つ)となっており(S164のY)、連続予告演出中でなければ(S165のN)、その4つ目の当否抽選値に基づく事前判定により設定された当否範囲の値が「1」でパターン範囲の値が「4」または「5」の場合、つまり確変状態であるか否かにかかわらず大当たり確定となり、「スーパー1」または「スーパー2」を伴う場合(S166のY)、連続予告演出の実行を決定する(S172)。一方、その当否範囲の値がこれと異なる値であっても(S166のN)、事前判定により設定された当否範囲の値が「3」でパターン範囲の値が「1」または「2」の場合、つまり外れ確定にはなるが「スーパー1」または「スーパー2」を伴う場合にも(S168のY)、連続予告演出の実行を決定する(S172)。そして、その連続予告演出の決定要因となった4つ目の保留対応画像202(つまり該当保留画像204)の初期態様を表示させる(S174)。本実施例では上述のように、該当保留画像204として青色のランプ画像を点灯表示させる。
S168において当否範囲の値とパターン範囲の値が該当しない場合は(S168のN)、S172およびS174をスキップする。連続予告演出中である場合には(S165のY)、S166からS174をスキップする。保留数が所定数に満たない場合は(S164のN)、S166からS174までの処理をスキップする。事前判定処理の結果を受信していない場合は本図のフロー全体をスキップする(S160のN)。なお、本図の例では、事前判定により設定された当否範囲とパターン範囲に基づいて連続予告演出を開始すべきか否かを決定するが、事前判定結果として送られる当否範囲およびパターン範囲のいずれかの情報を用いて連続予告演出を開始すべきか否かを決定してもよい。
図18は、図16におけるS152の特別図柄変動処理の実行処理を詳細に示すフローチャートである。
まだ図柄変動表示が開始されていない場合(S60のN)、特図保留手段144により当否抽選値の保留がなされている場合(S70のY)、当否判定手段113が特図保留手段144から当否抽選値を読み出してあらためて特別図柄192の当否を判定し(S72)、当否判定手段113が特別図柄192を決定し(S74)、変動パターン決定手段114が特別図柄192の変動パターンを決定し(S76)、決定した結果とともに変動開始コマンドをサブ基板104へ送信して特別図柄192の図柄変動を開始する(S77)。特図保留手段144により抽選値の保留がなされていない場合はS72からS77までの処理をスキップする(S70のN)。
既に図柄変動表示が開始されている場合(S60のY)、特別図柄の図柄変動表示を処理し(S78)、所定の変動時間が経過して図柄表示の停止タイミングに達したときは(S80のY)、変動停止コマンドをサブ基板104へ送信して表示中の図柄変動をあらかじめ決定された停止図柄にて停止し(S82)、本図のフローを終了する。図柄表示の停止タイミングに達していない場合はS82の処理をスキップして本図のフローを終了する(S80のN)。
図19は、図16におけるS154の装飾図柄変動処理の実行処理を詳細に示すフローチャートである。
サブ基板104の演出決定手段132がメイン基板102から変動開始コマンドを受信した場合(S180のY)、受信した特別図柄の停止図柄、変動パターン、当否判定結果に応じて装飾図柄の停止態様を決定し(S182)、新たな変動演出パターンを決定する(S184)。ここで、連続予告演出を実行する旨の決定がなされている場合(S186のY)、その連続予告演出の内容を決定する(S192)。演出決定手段132は、このとき該当保留画像204の上限色についても抽選により決定する。すなわち、当否抽選の結果に応じて図12(a)のパターンテーブルを参照し、取得した保留態様抽選値に応じた色を上限色として設定する。その後、装飾図柄の変動表示を開始する(S196)。
連続予告演出を実行する旨の決定がなされていない場合(S186のN)、S192の処理をスキップする。メイン基板102から変動開始コマンドを受信しなかった場合はS182からS196をスキップする(S180のN)。
既に装飾図柄の変動表示が開始済みであれば(S198のY)、その図柄変動や予告演出の表示処理を実行し(S200)、メイン基板102から変動停止コマンドを受信したときは(S202のY)、S182で決定された停止態様にて装飾図柄を停止表示させることで図柄変動表示を停止する(S204)。変動停止コマンドをメイン基板102から受信していないときはS204をスキップし(S202のN)、変動表示が開始済みでないときはS200からS204をスキップする(S198のN)。
図20は、図19におけるS192の予告演出決定処理の実行処理を詳細に示すフローチャートである。
演出決定手段132は、当該図柄変動が連続予告演出を伴うものであるものの、決定要因となった抽選結果にかかる変動(「特定変動」という)でない場合(S230のN)、図柄変動とともに入力画面を表示させる演出内容を決定する(S232)。本実施例では、抽選結果の保留数が4つ、つまり連続予告演出の実行決定後の4変動目が特定変動となるため、連続予告演出の実行決定後の1〜3変動目まではその入力画面表示演出が決定される。この入力画面表示演出において遊技者の操作入力があると、演出表示制御手段134は、上述のように該当保留画像204の表示態様(色)を変化させる演出表示を行う。ただし、該当保留画像204が既に上限色に達している場合には、遊技者の操作入力があったとしてもその上限色を引き続き表示させる。
一方、当該図柄変動が特定変動である場合(S230のY)、該当保留画像204の表示態様(色:「保留色」ともいう)を判定し(S234)、その色に対応する演出パターンを選択する(S236)。すなわち、図12に示したパターンテーブルを参照し、その保留色に対応するキャラクタが登場するスーパーリーチの演出を決定する。
図21は、図柄変動ごとに実行される保留表示制御処理を詳細に示すフローチャートである。この保留表示制御処理は、所定の周期にて繰り返し実行される。
演出表示制御手段134は、抽選結果が保留されたことを示す保留情報を受信すると(S240のY)、対応する保留対応画像202を点灯表示させる(S242)。なお、その保留情報が連続予告演出の決定要因となった抽選結果にかかるものである場合には、既に説明したように、該当保留画像204としてその初期態様が表示される(図17のS174参照)。一方、保留情報を受信することなく(S240のN)、装飾図柄190の変動開始タイミングとなったとき、つまり変動開始コマンドが受信されると(S244のY)、次変動開始のため対応する保留対応画像202を一つ消化させるように保留表示をシフトさせる(S246)。このとき、S232の入力画面表示演出の決定がなされていた場合には(S248のY)、操作ボタン82の操作入力を促す入力画面(図11(c),(e)参照)を表示させるとともに(S250)、計時用のカウンタをオンしてその入力有効期間の経過を計時する(S252)。なお、この計時用カウンタはRAM上の所定領域に予め設定されている。入力有効期間については、操作入力の有無について遊技者の意思決定を判定するために要される時間、遊技者の操作入力に要する時間、最短の図柄変動時間等を考慮して適度な時間が予め設定される。本実施例では、保留数が3つ以上になり、短縮あるいは超短縮の図柄変動状態においても入力画面を表示できるよう、比較的短い時間(例えば3秒など)が設定されている。入力画面表示演出の決定がなされていない場合には(S248のN)、S250およびS252の処理をスキップする。
変動開始タイミングでなく(S244のN)、入力画面の表示中である場合(S254のY)、入力有効期間が未経過の状態で操作ボタン82の操作入力があれば(S256のN,S258のY)、保留対応画像202による保留表示を変化させる(S260)。すなわち、該当保留画像204が上限色に達していないことを条件に、その色を当たり期待度が一段階高い色に変更する。遊技者の操作入力がない場合には(S258のN)、S260の処理をスキップする。一方、入力有効期間が経過すると(S256のY)、入力画面をオフにし(S262)、カウンタをクリアする(S264)。変動開始タイミングでなく(S244のN)、入力画面の表示もされていなければ(S254のN)、S256以降の処理をスキップする。
図22は、図15におけるS16の特別遊技を詳細に示すフローチャートである。まず、大入賞口66がまだ開放済でない場合(S100のN)、演出表示制御手段134が特別遊技の演出処理を開始し(S102)、開閉制御手段124が大入賞口66を開放する(S104)。大入賞口66が開放済であればS102およびS104をスキップする(S100のY)。大入賞口66が開放されてから、所定の開放時間が経過した場合(S106のY)、または、開放時間が経過していないものの(S106のN)、大入賞口66への入球数が9球以上に達した場合(S108のY)、開閉制御手段124が大入賞口66を閉鎖させる(S110)。開放時間が経過しておらず(S106のN)、大入賞口66への入球数も9球以上に達していない場合は(S108のN)、S110以降の処理をスキップしてS16のフローを終了する。
S110における大入賞口66の閉鎖後、単位遊技が最終ラウンドに達していた場合(S112のY)、演出表示制御手段134は特別遊技の演出処理を終了させ(S114)、特別遊技制御手段120は特別遊技を終了させ(S116)、特定遊技、すなわち確変および時短の実行を開始する(S118)。単位遊技が最終ラウンドに達していなければ(S112のN)、ラウンド数に1を加算してS16のフローを終了する(S119)。
以上、本発明を実施例をもとに説明した。この実施例はあくまで例示であり、それらの各構成要素や各処理プロセスの組合せにいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。
(変形例1)
上記実施例では、連続予告演出の決定要因となった保留対応画像202(該当保留画像204)のみを他の保留対応画像202とは異なる色にて表示する例を示した。変形例においては、その該当保留画像204のみを異なる形状(例えば星形等)にて他の保留対応画像202と識別可能に表示させてもよい。あるいは、その決定要因となった保留対応画像202についてのみ、ランプ画像に特定のオブジェクト画像を重畳表示するなどして他の保留対応画像202と識別可能に表示させてもよい。そのように決定要因となった保留対応画像202を他と明示的に区別可能とすることで、例えば保留対応画像202の全てを同じ色にて変化させても、いずれの図柄変動が示唆対象であるかを判別することができ、演出の幅を広げることが可能になる。
(変形例2)
上記実施例では保留数が上限値である4つとなることが連続予告演出の開始条件の一つとして設定したが、所定数以上(例えば3つ以上)を開始条件としてもよい。その場合、連続予告演出の決定要因となった特定変動までの図柄変動回数に応じて該当保留画像204の初期態様を変化させてもよい。上記実施例に対応させると、例えば保留数が4つのときに連続予告演出の実行が決定された場合には初期態様を青色とし、保留数が3つのときに連続予告演出の実行が決定された場合には初期態様を当たり期待度が一段階高い黄色としてもよい。このようにすれば、遊技者による操作入力があることを条件に、特定変動が開始されるときの該当保留画像204の表示態様を最高段階の赤色とすることができ、演出の整合性を担保することができる。また、示唆対象の抽選結果が当たりである場合に外れである場合よりも該当保留画像204の表示態様の初期態様として当たり期待度が高い表示態様を決定し、遊技者にインパクトを与えるようにしてもよい。
また、連続予告演出が終了する前に当たり変動(当否抽選の結果が当たりであることを示す図柄変動)が表示されてしまうと、当たり期待度を示唆する連続予告演出そのものの位置づけが曖昧となり、連続予告演出に対する遊技者の関心が薄れてしまう可能性がある。このため、連続予告演出の実行を決定したものの、その最終段階より前に表示される抽選結果に当たりが含まれる場合、連続予告演出の開始をキャンセルするようにしてもよい。あるいは、連続予告演出の開始有無の決定の際、その決定要因となる抽選結果よりも前に当たりが含まれる場合に、その連続予告演出の決定そのものを行わないようにしてもよい。なお、その最終段階より前に当たり結果が含まれるか否かについては、先読みによる事前判定にて把握することができる。
(変形例3)
上記実施例では特に述べなかったが、連続予告演出の決定要因となった特定変動がなされるときに保留数が所定数以上(例えば上限値の4つ)であった場合、スーパーリーチを表示させるだけの時間を確保できないことも想定される。そのような場合に、例外的にスーパーリーチ演出を表示させず、ノーマルリーチあるいはリーチなしの図柄変動に伴わせる演出パターンに差し替えるようにしてもよい。
(変形例4)
上記実施例では、図柄変動ごとに遊技者の操作入力を条件に当たり期待度が1段階ずつ高くなるよう該当保留画像204の表示態様を変化させる一方、操作入力がなかった場合にはその表示態様を特に変化させない例を示した。変形例においては、例えば抽選等により図柄変動ごとに該当保留画像204の表示態様が複数段階変化するようにしてもよい。その場合、例えば特定変動にかかる抽選結果が当たりである場合に、外れである場合よりも高い確率で複数段階変化するパターンが選択されるようにしてもよい。
また、遊技者の操作入力がなかった場合に、当たり期待度が低くなるよう該当保留画像204の表示態様を変化させてもよい。上記実施例に対応させると、例えば遊技状態によっては該当保留画像204の初期態様を最高段階の赤色とし、遊技者の操作入力がなければ青色、黄色または緑色に変化させてもよい。このような演出上のペナルティを設けることにより、遊技者を連続予告演出に積極的に参加させることができ、遊技者を惹きつけることができるようになる。さらに、遊技者の操作入力があっても該当保留画像204の表示態様をそのまま変化させない場合があってもよい。例えば、遊技者の操作入力を条件に該当保留画像204の表示態様を所定段階アップさせるか否か抽選するようにしてもよい。その場合、例えば特定変動にかかる抽選結果が当たりである場合に外れである場合よりも高い確率で該当保留画像204の表示態様を変化させるようにしてもよい。
10 ぱちんこ遊技機、 50 遊技盤、 52 遊技領域、 60 演出表示装置、 61 特別図柄表示装置、 62 始動口、 66 大入賞口、 82 操作ボタン、 100 遊技制御装置、 102 メイン基板、 104 サブ基板、 111 当否抽選手段、 114 変動パターン決定手段、 116 保留制御手段、 120 特別遊技制御手段、 130 パターン記憶手段、 131 図柄態様決定手段、 132 演出決定手段、 134 演出表示制御手段、 190 装飾図柄、 192 特別図柄、 194 表示領域、 195 保留表示部、 202 保留対応画像、 204 該当保留画像、 210 変動パターンテーブル。

Claims (5)

  1. 遊技領域が形成された遊技盤と、
    前記遊技領域の所定位置に設けられた始動口と、
    前記始動口への入球を契機として、通常遊技より遊技者に有利な状態である特別遊技へ移行するか否かを判定するための当否抽選を実行する当否抽選手段と、
    前記当否抽選が前記特別遊技への移行を示す結果となった場合に前記特別遊技を実行する特別遊技制御手段と、
    前記当否抽選の結果を示すための図柄が変動表示される図柄表示装置と、
    前記図柄の変動表示における変動開始から停止までの変動過程が定められた複数の変動パターンからいずれかを前記当否抽選の結果に応じて選択する変動パターン決定手段と、
    前記始動口へ新たな入球があったときにそれ以前の入球に対応する図柄変動が表示されている場合、前記新たな入球に対する当否抽選の結果を所定個数を上限にその抽選に対応する図柄の変動表示開始まで保留する保留制御手段と、
    前記当否抽選の結果の保留数に対応する数の保留対応オブジェクトが表示される保留表示装置と、
    決定された変動パターンに応じた演出内容を決定するとともに、前記当否抽選の結果が複数保留されたときに、複数回先の図柄変動にて示される抽選結果が当たりである期待度の高さをその複数回の図柄変動とともに段階的に示唆する連続変動演出の開始の有無を決定する演出決定手段と、
    決定された変動パターンにしたがって前記図柄を変動表示させる一方、開始が決定された連続変動演出を表示させる表示制御手段と、を備え、
    前記保留対応オブジェクトの表示態様として、演出上示唆する当たりの期待度がそれぞれ異なる複数の態様が設けられ、
    前記当否抽選手段は、前記新たな入球があったときに、その入球に対応する図柄変動表示が直ちに開始されるか否かにかかわらずその入球に対応する当否抽選の結果を示す情報を前記演出決定手段へ送信し、
    前記演出決定手段は、前記当否抽選の結果を示す情報に基づいて前記連続変動演出の開始の有無とその抽選結果に対応する保留対応オブジェクトの表示態様の初期態様を決定し、
    前記表示制御手段は、前記当否抽選の結果が保留されるごとに対応する保留対応オブジェクトを順次表示する一方、図柄変動が開始されるごとにその図柄変動に対応する保留対応オブジェクトの表示を消去し、前記連続変動演出の開始が決定された場合には、その開始の決定要因となった示唆対象の抽選結果に対応する保留対応オブジェクトを決定された初期態様にて表示し、その後の図柄変動を契機にその保留対応オブジェクトの表示態様をその抽選結果に応じて当たりまたは外れを示す方向に段階的に変化させるように表示することを特徴とする弾球遊技機。
  2. 遊技者による操作入力を受け付ける操作入力手段をさらに備え、
    前記表示制御手段は、前記連続変動演出中の図柄変動を契機とする所定タイミングにて遊技者による操作入力を要求する画面を表示し、その要求に応じて操作入力があったことを条件に、前記示唆対象の抽選結果に対応する保留対応オブジェクトの表示態様を前記期待度が高くなる方向に変化させることを特徴とする請求項1に記載の弾球遊技機。
  3. 前記表示制御手段は、前記操作入力があった場合、前記示唆対象の抽選結果が当たりである場合に外れである場合よりも高い確率で前記対応する保留対応オブジェクトの表示態様を変化させることを特徴とする請求項2に記載の弾球遊技機。
  4. 前記表示制御手段は、前記要求に応じて操作入力がなかった場合に、前記示唆対象の抽選結果に対応する保留対応オブジェクトの表示態様を前記期待度が低くなる方向に変化させることを特徴とする請求項2または3に記載の弾球遊技機。
  5. 前記演出決定手段は、前記図柄の変動表示に伴わせる演出内容が定められ、前記当否抽選の結果に応じて選択確率が異なるように設定された複数の演出パターンのそれぞれと、前記保留対応オブジェクトの複数の表示態様のそれぞれとが対応づけられたパターンテーブルを保持し、前記示唆対象の抽選結果に対応する図柄変動における所定タイミングにて前記パターンテーブルを参照し、その抽選結果に対応する保留対応オブジェクトの表示態様に対応する演出パターンにしたがった演出内容を決定することを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の弾球遊技機。
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