JP5263988B2 - 弾球遊技機 - Google Patents
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Description
本発明は、ぱちんこ遊技機等の弾球遊技機に関し、特に弾球遊技機における画面表示内容を制御する技術に関する。
従来、各種の弾球遊技機のうち、いわゆる第1種ぱちんこ遊技機と呼ばれていた遊技機は、遊技盤の略中央に設けられた液晶ディスプレイなどの表示領域に複数の図柄を変動させながら表示する(以下、そうした表示を「図柄変動」または「変動表示」等という)。この遊技機は、複数列の図柄変動を停止させたときの図柄の組合せが特定の態様となった場合に、通常遊技より多くの賞球が得られる、いわゆる大当りと呼ばれる特別遊技へと移行するものとして知られている(例えば、特許文献1参照)。表示領域における図柄の変動表示は、単に複数の図柄が変動表示されるだけでなく、いわゆるリーチ画面と呼ばれる状態のように、あと一つ図柄が揃えば大当りとなる状態で変動表示の時間を通常よりも長くする等、遊技者の期待感を高めるための演出が図られている。また、キャラクタ画像や背景画像等を用いて図柄の変動表示にストーリーを持たせる演出を施したり、特別遊技への移行効率を高める確率変動および変動時間短縮、始動入賞口への入球容易性を高める入球容易状態へ移行したりする制御によっても遊技者の期待感を高めている。
図柄の変動表示とともに表示される演出の内容は、保留数の多寡に応じて変化するよう設計されることがある。例えば、保留数が相対的に多くなると保留数が相対的に少ないときよりも、図柄の変動効率を高めるために、演出時間がより短い演出、典型的には大当りの期待度がより低い演出が高頻度で表示されることもある。演出内容よりも一定期間における図柄変動回数を重視する遊技者にとっては図柄の変動効率が重要であるため、このような設計による問題は少ないと言える。
一方で、一定期間における図柄変動回数よりも演出内容を重視する遊技者も存在する。このような遊技者は図柄の変動効率が低くても、大当りの期待度が高い演出を見たいと考えることがある。しかし、入球を意図的に制限して結果として保留数を減少させた場合でも、実際の演出内容は遊技機の設計に依存し、遊技者の期待通りに大当りの期待度が高い演出が表示されるか否かを遊技者が知るすべはなかった。
本発明はこうした課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、一定期間における図柄変動回数を重視する遊技者と、演出内容を重視する遊技者の両方にとっての遊技の興趣を高めるための演出を提供する弾球遊技機を実現することにある。
上記課題を解決するために、本発明のある態様の弾球遊技機は、遊技領域が形成された遊技盤と、遊技領域の所定位置に設けられ、遊技球の入球が抽選の契機となる始動入賞口と、始動入賞口への入球を契機として、通常遊技より遊技者に有利な状態である特別遊技へ移行するか否かを判定するための当否抽選を実行する当否抽選手段と、当否抽選の結果を示すための図柄が変動表示される図柄表示装置と、当否抽選の結果を所定個数を上限にその当否抽選に対応する図柄の変動表示開始まで保留する保留制御手段と、当否抽選の結果に応じて、図柄の変動表示過程を示す変動表示パターンを決定する変動パターン決定手段と、当否抽選の結果が大当りである期待度としてそれぞれ異なる期待度を示す複数種類の演出パターンからいずれかを選択するとともに、そのパターン決定時点での当否抽選の結果の保留数が少ないほど高頻度で相対的に期待度の高い演出パターンが選択されるよう定められた基準にしたがって演出パターンを選択する演出決定手段と、当否抽選の結果が大当りとなった場合、特別遊技を実行する特別遊技制御手段と、を備える。変動パターン決定手段は、始動入賞口への入球があったときに、その入球に対応する図柄変動表示が直ちに開始されるか否かにかかわらず、その入球に対応する変動表示パターンを示す情報を事前判定情報として演出決定手段へ通知し、演出決定手段は、保留されたいずれか特定の抽選結果がそのパターン決定時点での保留数によっては期待度の高い演出パターンに該当する可能性があることが事前判定情報により判明した場合にその旨を事前に示唆するための事前演出として、特定の抽選結果より先に演出が開始される1以上の抽選結果に対する演出期間内の複数時点において、それぞれの時点での保留数が特定の抽選結果に対する演出時まで維持されると仮定した場合に演出パターンとしていずれの種類が選択されるかを示唆する演出内容を決定することにより、それぞれの時点に亘る保留数の増減に応じて示唆内容を変化させる。
演出決定手段は、保留された特定の抽選結果に対する図柄変動時の演出内容を事前に示唆する事前演出として、その特定の抽選結果に対する図柄変動開始前の複数時点において、各時点での保留数が図柄変動開始時まで維持されると仮定した場合に演出パターンとしていずれの種類が選択されるかを示唆する演出内容を順次決定し、その決定のたびに事前演出における示唆内容を逐次切り替えてもよい。
演出決定手段は異なる保留数ごとに異なる基準を参照してもよく、基準としてのデータは弾球遊技機のメモリに保持されたテーブル内に格納されてもよい。演出決定手段は、当否抽選結果が大当りである場合、保留球の多寡に関わらず、相対的に期待度の高い所定の演出パターンを相対的に期待度の低い所定の演出パターンより高頻度で選択してもよい。また、相対的に期待度の高い演出パターンは、相対的に期待度の低い演出パターンよりも演出時間が長くなるよう設定されてもよい。言い換えれば、演出パターンに対応づけられた大当りの期待度は、演出パターンに対応づけられた演出時間に対して正の相関を持つものであってもよい。なお、演出決定手段が演出パターンを判定する際に参照する基準と、変動パターン決定手段が変動表示パターンを判定する際に参照する基準とは同様の内容であってもよい。すなわち、前者の基準における抽選値と演出パターンとの対応関係は、後者の基準における抽選値と変動表示パターンとの対応関係と同様であってもよい。
事前演出は、所定の演出表示装置の所定領域に表示される、保留状態を示すための保留画像を用いた演出であってもよい。演出決定手段は、保留された特定の抽選結果に関する保留画像を、その抽選結果が示す変動表示パターンや演出内容と予め対応づけられた所定の形状、模様、色彩、キャラクタ等を用いて表示させることを決定してもよい。例えば、保留された特定の抽選結果に対する図柄変動時にいわゆるバトル演出が行われる場合、複数の大当り期待度に対応する複数の敵キャラクタの中から、そのバトル演出で相手となる敵キャラクタの画像を保留画像として表示させることを決定してもよい。
特定の抽選結果より先に演出が開始される1以上の抽選結果に対する演出期間内の複数時点は、演出決定手段が事前判定情報を受け付けた時点と、そこから予め定められた所定時間が経過した時点(その時点からさらに所定時間が経過した時点)でもよい。また、特定の抽選結果の演出開始前に、保留数が増加した時点であってもよく、減少した時点であってもよく、それら両方の時点であってもよい。また、特定の抽選結果より先に演出が開始される1以上の抽選結果のそれぞれに対する演出開始時点であってもよく、演出終了時点であってもよく、それら両方の時点であってもよい。
この態様によると、保留された特定の抽選結果の演出が開始される以前の複数時点に亘る保留数の増減、言い換えれば、遊技者の趣向を反映した保留数の増減に応じて、事前演出における示唆内容をある態様から別の態様へ変化させることができる。言い換えれば、ある入球に対して表示予定の演出内容が、その入球が保留されてから図柄変動開始までの間の保留数の変化に応じて刻々と変化する様子を遊技者に提示することができる。これにより、遊技者の趣向に応じて、具体的には遊技者の趣向を反映した保留数の増減に応じて、将来の演出内容が刻々と変化する様子を遊技者に都度把握させることができ、遊技の興趣を高めることができる。
例えば、演出内容よりも一定期間における図柄変動回数を指向する遊技者は保留数を増加させることにより、期待度の低い演出へ切り替わっていくことを認識できる。一方で、一定期間における図柄変動回数よりも演出内容を指向する遊技者は(例えば遊技球の発射を制限・停止して)保留数を減少させることにより、期待度の高い演出へ切り替わっていくことを認識できる。このように、遊技者の趣向を反映して将来の演出内容が切り替わっていくことを遊技者に提示することができる。
また、相対的に期待度が低い演出パターンについて、その演出時間が相対的に期待度が高い演出パターンによる演出時間よりも短く設定される場合、演出内容よりも図柄変動回数を指向する遊技者は保留数を増加させることによって自身の趣向を反映させて演出時間を短くすることができる。すなわち、遊技者の演出に対する興味が薄い場合、保留数を増加させることにより演出を意図的に短時間で消化させることができる、言い換えれば意図的に図柄の変動効率を向上させることができる。また遊技者の意図通りに演出内容が変化していく様子を提示することにより遊技の興趣を高めることができる。
変動パターン決定手段は、事前判定情報として、特定の保留球に対応する変動表示パターンを決定するための抽選値を示す情報を演出決定手段へ通知し、演出決定手段は、基準において抽選値を示す情報が保留数によってはリーチ状態を含まない演出と対応づけられていても、所定数以下の保留数においてリーチ状態を含む演出と対応づけられている場合、特定の抽選結果に対応する事前演出を表示させてもよい。
変動表示パターンを決定するための抽選値を示す情報は、所定の抽選手段から取得された抽選値そのものでもよい。また、抽選値の範囲が予めグループ化された複数の抽選値範囲のうち、所定の抽選手段から取得された抽選値が属する抽選値範囲を示す情報であってもよい。所定数以下の保留数は、1以上でかつ保留数の上限値未満の任意の値であってもよい。
この態様によると、抽選値を示す情報が保留数によってはリーチ無しの演出と対応づけられていても、いわゆる先読みによる事前演出の対象となるため、事前演出を実行可能な抽選値の範囲を比較的大きく設定できる。事前演出により特定の保留球に関する演出内容を示唆した後に、保留数の変化によりその特定の保留球に関する演出内容が変化した場合は、変化後の演出内容を示唆する事前演出へ切り替えることで、先の時点での示唆内容を逐次修正できる。言い換えれば、遊技者にとって不測の演出を表示してしまうことを回避できる。
演出決定手段は、特定の抽選結果が外れの場合、基準にしたがって特定の抽選結果に対応する演出パターンを決定する一方、大当りの場合、演出パターンと保留数との対応関係が基準とは異なる基準にしたがって特定の抽選結果に対応する演出パターンを決定することにより、外れの場合と大当りの場合とでそれぞれの時点に亘る保留数の増減が同じであっても、外れの場合における示唆内容の変化と大当りの場合における示唆内容の変化とを異なるものにしてもよい。
大当りの場合の異なる基準とは、保留数が変化しても演出パターンは変化しない基準であってもよい。また、外れの場合の基準とは逆に、保留数が多いほど高頻度で相対的に期待度の高い演出パターンが選択されるよう定められた基準であってもよい。
この態様によると、外れの場合と大当りの場合とで保留数の増減が同じであっても、外れの場合における示唆内容の変化と大当りの場合における示唆内容の変化とを異なるものにできる。そして、示唆内容の変化を異なるものとすることにより、大当りの発生を遊技者へ示唆できるという斬新な遊技性を実現できる。
なお、以上の構成要素に関する任意の組合せや、本発明の構成要素や表現を方法、装置、システム、コンピュータプログラム、コンピュータプログラムを格納した記録媒体、データ構造などの間で相互に置換したものもまた、本発明の態様として有効である。
本発明によれば、一定期間における図柄変動回数を重視する遊技者と、演出内容を重視する遊技者の両方にとっての遊技の興趣を高めるための演出を提供する弾球遊技機を実現できる。
図1は、ぱちんこ遊技機の前面側における基本的な構造を示す。以下、弾球遊技機として従来にいういわゆる第1種ぱちんこ遊技機を例に説明する。ぱちんこ遊技機10は、主に遊技機枠と遊技盤で構成される。ぱちんこ遊技機10の遊技機枠は、外枠11、前枠12、透明板13、扉14、上球皿15、下球皿16、および発射ハンドル17を含む。外枠11は、開口部分を有し、ぱちんこ遊技機10を設置すべき位置に固定するための枠体である。前枠12は、外枠11の開口部分に整合する枠体であり、図示しないヒンジ機構により外枠11へ開閉可能に取り付けられる。前枠12は、遊技球を発射する機構や、遊技盤を着脱可能に収容させるための機構、遊技球を誘導または回収するための機構等を含む。
透明板13は、ガラスなどにより形成され、扉14により支持される。扉14は、図示しないヒンジ機構により前枠12へ開閉可能に取り付けられる。上球皿15は、遊技球の貯留、発射レールへの遊技球の送り出し、下球皿16への遊技球の抜き取り等をする機構を有する。下球皿16は、遊技球の貯留、抜き取り等の機構を有する。上球皿15と下球皿16の間にはスピーカ18が設けられており、後述する演出を制御する手段によって遊技状態などに応じた効果音が出力される。
遊技盤50は、外レール54と内レール56により区画された遊技領域52上に、アウト口58、特別図柄表示装置61、演出表示装置60、始動入賞口(以下、「始動口」という)62、センター飾り64、大入賞口66、作動口68、一般入賞口72を含む。さらに遊技領域52には、図示しない複数の遊技釘や風車などの機構が設置される。
始動口62は、遊技球の入球が当否抽選を実行する契機となる入球口であって、遊技球の入球を検出するための始動入賞検出装置74と、始動口62に設けられた拡開機構63(いわゆる電動チューリップ)を拡開させるための普通電動役物ソレノイド76を備える。拡開機構63は、始動口62の開口部上部に設けられた二つの羽根部材で構成され、閉鎖時は始動口62の真上から落下する遊技球だけが入球できる程度の狭い開口幅となる。一方、拡開機構63が拡開された開放時は始動口62の開口幅が拡がることとなり、始動口62の真上だけでなくその近傍を落下する遊技球も始動口62へ誘導でき入球容易性が向上する。当否抽選は、通常遊技より遊技者に有利な状態である特別遊技へ移行するか否かを判定する抽選であり、始動口62へ入球があるたびに実行される。始動入賞検出装置74は、始動口62への遊技球の入球を検出するセンサであり、入球時にその入球を示す始動入賞情報を生成する。
一般入賞口72は、遊技球の入球を検出するための一般入賞検出装置73を備える。一般入賞検出装置73は、一般入賞口72への遊技球の入球を検出するセンサであり、入球時にその入球を示す一般入賞情報を生成する。
大入賞口66は、遊技球の入球を検出するための入賞検出装置78と、大入賞口66を開放させるための大入賞口ソレノイド80を備える。入賞検出装置78は、大入賞口66への遊技球の入球を検出するセンサであり、入球時にその入球を示す大入賞口入賞情報を生成する。大入賞口66は、特別図柄192が所定の態様にて停止したときに開始される特別遊技において「大当り」として開放状態となる横長方形状の入賞口である。大入賞口66は、例えばアウト口58の上方等の位置に設けられる。大入賞口66の設置個数としては、一つだけ設置する構成に限らず、複数個の大入賞口66を設置してそれぞれを遊技状態等に応じて使い分ける構成としてもよい。大入賞口66の入賞検出装置78は、遊技球の通過を検出するセンサを備えて構成される。
遊技領域52の左方に設けられた特別図柄表示装置61および遊技領域52の略中央に設けられた演出表示装置60は、それぞれの画面に特別図柄192の変動と、特別図柄192に連動する装飾図柄190を含む演出画像の変動を表示する。以下、そうした表示を「図柄変動」または「変動表示」等という。
特別図柄表示装置61は、例えば7セグメントLEDで構成される表示装置である。特別図柄192は、始動口62への遊技球の落入を契機として行われる抽選の結果に対応した図柄である。特別図柄192の変動表示が停止したときの図柄態様が、あらかじめ当りと定められた図柄であった場合に、その停止図柄が表示されたタイミングが大当り発生タイミングとなる。停止図柄は、図柄変動の終了時に表示すべき図柄である。本実施例における特別図柄192は、当りの図柄態様である「0」〜「9」といった数字、文字、記号、または外れの図柄態様である「−」の記号で表される。これらの数字または記号が高速で次々に入れ替わって特別図柄表示装置61へ表示されることにより、特別図柄192の図柄変動表示が実現される。なお、特別図柄192の態様は上記の数字または記号に限られず、英字などの文字であってもよいし、7セグメントLEDを構成する各セグメントの組合せで形成される一般に意味を持たない記号であってもよい。また、7セグメントLEDは、「8の字」を形成する7個のセグメントおよび「ドット」を表す1個のセグメントからなる8個のセグメントで構成されてもよい。この場合、8個のセグメントを組み合わせることにより8ビット分の数値を表現できる。さらに、特別図柄表示装置61を7セグメントLEDではないLEDドットアレーを用いて、その点灯パターンや点灯色の組合せで複数種類の特別図柄192を表現してもよい。
演出表示装置60は、特別図柄192の変動表示と連動する形で装飾図柄190を変動表示する液晶ディスプレイで構成される表示装置である。装飾図柄190は、特別図柄192で示される抽選の結果表示を視覚的に演出するための図柄である。演出表示装置60は、装飾図柄190として、例えばスロットマシンのゲームを模した複数列の図柄を変動させる動画像を画面の中央領域に表示する。本実施例においては、「0」〜「9」の数字で構成される図柄を3列に表示して変動させ、最終的に停止表示される3個の図柄組合せによって当りまたは外れを示す。装飾図柄190を構成する複数図柄のそれぞれは、色彩や模様の装飾が施された数字、文字、または記号で構成されるが、これら数字、文字、記号に対して全図柄に共通する絵柄または図柄ごとに異なる絵柄を加えて一体化させる形で構成されてもよい。この絵柄は、ぱちんこ遊技機10の当該機種に設定された装飾または演出のテーマに関連するモチーフが描かれた絵柄であり、例えば人物や動物のキャラクターが描かれた絵柄であってもよい。装飾図柄190は、絵柄が一体的に含まれる図柄が変動表示される場合と、絵柄が分離して数字、文字、記号の部分のみが変動表示される場合とが、演出の展開に沿って切り替えられる構成であってもよい。装飾図柄190の変動表示の背景には、ぱちんこ遊技機10の当該機種に設定された装飾または演出のテーマに関連する演出的効果を有する動画像が図柄変動と連動して表示される。
演出表示装置60は、本実施例では液晶ディスプレイなどの高精細なドットマトリクス型表示装置で構成されるが、ドラム回転式などの機械的表示手段やLEDマトリクス式などの表示手段で構成されてもよい。なお、特別図柄192は必ずしも演出的な役割をもつことを要しないため、本実施例では演出表示装置60の左下方の特別図柄表示装置61にて目立たない大きさで表示させる。ただし、特別図柄自体に演出的な役割をもたせることで装飾図柄を用いずに表現する手法を採用する場合には、特別図柄を7セグメントLEDではなく液晶ディスプレイに表示させる構成としてもよい。
作動口68は、遊技盤50の左側方位置に設けられる。作動口68は、通過検出装置69を含む。通過検出装置69は、作動口68への遊技球の通過を検出するセンサであり、通過時にその通過を示す通過情報を生成する。作動口68への遊技球の通過は拡開機構63を拡開させるか否かを決定する開放抽選の契機となる。作動口68を遊技球が通過すると、開放抽選の結果を示す図柄である普通図柄が普通図柄表示装置59に変動表示される。したがって、開放抽選は「普通図柄抽選」とも呼ぶ。本実施例における普通図柄表示装置59は、便宜上、二つのランプで構成されるとともに、それらのうちいずれのランプが点灯しているかによって普通図柄の表示状態が表現される。例えば、第1のランプの点灯が外れを示し、第2のランプが当りを示すとき、それらが交互に点灯と消灯を繰り返すことによって普通図柄の変動表示が表現され、最終的にいずれかの点灯状態にて停止されることで普通図柄の停止図柄が表現される。普通図柄表示装置59は演出表示装置60の右下方に設けられる。変動開始から所定時間の経過後に、普通図柄の変動表示が停止する。このとき、通常状態では例えば1/256程度の低確率にて普通図柄が当りの図柄で停止し、後述する入球容易状態では例えば250/256程度の高確率にて普通図柄が当りの図柄で停止する。普通図柄が当りの図柄で停止すると、拡開機構63が所定時間拡開される。拡開機構63の開放時間は、例えば通常状態では0.1秒間であり、入球容易状態では6秒間である。
演出表示装置60の周囲には、センター飾り64が設けられる。センター飾り64は、遊技球の流路、演出表示装置60の保護、装飾等の機能を有する。遊技領域52の左下部には、特別図柄保留表示装置20が設けられ、その対称位置である遊技領域52の右下部には、普通図柄表示装置59の下に普通図柄保留表示装置22が設けられている。
特別図柄保留表示装置20は、4個のランプからなり、その点灯個数によって当否抽選の保留数を表示する。当否抽選の保留数は、図柄変動中または特別遊技中に始動口62へ入賞した抽選結果の個数であり、図柄変動がまだ実行されていない入賞球の数を示す。当否抽選の保留数が3個になると、遊技効率を高めるために外れの場合の図柄変動時間が通常より短縮される(以下、「短縮変動」ともいう)。同様に、当否抽選の保留数が4個になると、さらに遊技効率を高めるために外れの場合の図柄変動時間が上記3個の場合よりもさらに短縮される(以下、「超短縮変動」ともいう)。
普通図柄保留表示装置22もまた4個のランプからなり、その点灯個数によって普通図柄変動の保留数を表示する。普通図柄変動の保留数は、普通図柄の変動中に作動口68を通過した遊技球の個数であり、普通図柄の変動がまだ実行されていない普通図柄抽選の数を示す。
演出表示装置60の上方および下方には、それぞれ遊技効果ランプ90が設けられている。操作ボタン82は、遊技者が遊技機へ所定の指示を入力するために操作する操作入力手段であり、その操作入力の内容に応じて演出内容等に変化が加えられる。操作ボタン82は、上球皿15近傍の外壁面に設けられる。本実施例における操作ボタン82は一つのボタンで構成されるが、複数のボタンや十字キーなどの方向指示ボタンで構成されてもよい。可動役物140は、演出に連動して動作が制御される可動物であり、その動作によって演出的役割を果たす。例えば可動役物140は、遊技者による操作ボタン82を介した操作入力に応じて動作する。
以上のような構成においてなされる遊技の方法および制御の流れを概説する。遊技者が発射ハンドル17を手で回動させると、その回動角度に応じた強度で上球皿15に貯留された遊技球が1球ずつ内レール56と外レール54に案内されて遊技領域52へ発射される。遊技者が発射ハンドル17の回動位置を手で固定させると一定の時間間隔で遊技球の発射が繰り返される。遊技領域52の上部へ発射された遊技球は、複数の遊技釘や風車に当りながらその当り方に応じた方向へ落下する。遊技球が一般入賞口72や始動口62、大入賞口66の各入賞口へ落入すると、その入賞口の種類に応じた賞球が上球皿15または下球皿16に払い出される。一般入賞口72等の各入賞口に落入した遊技球はセーフ球として処理され、アウト口58に落入した遊技球はアウト球として処理される。なお、各入賞口は遊技球が通過するゲートタイプのものを含み、本願において「落入」「入球」「入賞」というときは「通過」を含むものとする。
遊技球が始動口62に落入すると、特別図柄表示装置61および演出表示装置60において特別図柄192および装飾図柄190が変動表示される。特別図柄192および装飾図柄190の変動表示は、表示に先だって決定された変動表示時間の経過後に停止される。特別図柄192は、その変動開始から停止までの変動態様が定められた変動パターンにしたがって変動表示される。装飾図柄190は、その変動開始から停止までの変動態様が定められた変動演出パターンにしたがって変動表示される。変動パターンおよび変動演出パターンはそれぞれ複数種ずつ用意され、それぞれが長短様々な変動時間をもつ。変動パターンにしたがって特別図柄192が変動表示される間、同じ変動時間をもつ変動演出パターンにしたがって装飾図柄190が変動表示される。変動パターンには、その図柄変動の終了条件としてパターンごとに変動表示時間が定められており、その変動表示時間の経過時に特別図柄192および装飾図柄190の変動が停止される。
装飾図柄190の変動表示としては、まず変動開始とともにスロットマシンのリール回転のように3列とも図柄を変動させ、変動終了タイミングへ近づいたときに一列ずつ停止させることで最終的な停止態様としての図柄組合せを表示する。停止時の特別図柄192および装飾図柄190が大当りを示す停止態様となった場合、通常遊技よりも遊技者に有利な遊技状態である特別遊技に移行し、大入賞口66の開閉動作が開始される。大当りを示す装飾図柄190の停止態様は、例えば3つの図柄の種類が一致する組合せの態様である。
変動演出パターンには、通常外れ演出パターン、リーチ外れ演出パターン、リーチ大当り演出パターンが含まれる。通常外れ演出パターンは、通常の外れの図柄組合せを表示するときの演出パターンである。リーチ外れ演出パターンは、あと一つ図柄が揃えば大当りとなる状態であるリーチ状態を経て外れの図柄組合せを表示するときの演出パターンである。リーチ大当り演出パターンは、リーチ状態を経て大当りの図柄組合せを表示するときの演出パターンである。特に、リーチ状態を経るときのパターンとしては、長短様々な変動時間をもつパターンが含まれ、相対的に変動時間の短いリーチパターンを「ノーマルリーチ」と称し、変動時間の長いリーチパターンを「スーパーリーチ」と称する。
特別遊技は、開始デモ時間と呼ばれる演出画面の表示によって開始される。開始デモ時間の画面表示後に大入賞口66が開放され、その開放が約30秒間続いた後、または9球以上の遊技球が落入した後で一旦閉鎖される。このような大入賞口66の開放から閉鎖までが、基本的には単位遊技と呼ばれるが、1回の単位遊技の間に複数回の短時間の開放を繰り返す場合があってもよい。大入賞口66の開閉ないし単位遊技が所定の複数回数、例えば15回繰り返された後、終了デモ時間と呼ばれる演出画面の表示によって特別遊技が終了される。これに対し、当否抽選が小当りと呼ばれる結果に該当した場合は小当り遊技が実行される。小当りは、当否抽選の結果としては外れに含まれる結果である。小当り遊技は、一部の種類の特別遊技と類似の態様にて実行される単位遊技である。ただし、小当り遊技として実行される単位遊技は1回だけであり、複数回数の単位遊技が実行される特別遊技とは異なる。
特別遊技が終了した後の通常遊技においては特定遊技の一つである特別図柄192および装飾図柄190の変動時間短縮(以下、適宜「時短」という)が開始される。特別図柄192および装飾図柄190の時短は、特別図柄192および装飾図柄190の変動時間が通常状態よりも短縮される状態である。特別図柄192および装飾図柄190の変動時間は、所定の変動回数、例えば100回の変動表示がなされた後で元の変動時間に戻されるが、その変動回数に達する前に大当りが発生すれば時短も終了する。時短により特別図柄192および装飾図柄190の変動時間が短縮されるため、通常の変動時間のまま図柄変動がなされる通常状態の場合と比べて、大当りが発生するまでの時間を短縮することができ、大当りの獲得容易性を相対的に高めることができる。
特別図柄192および装飾図柄190の時短中は、特定遊技の一つである入球容易状態が実施される。入球容易状態は、普通図柄の時短、開放抽選の確率変動、拡開機構63の開放延長が実施されることにより始動口62への入球容易性が高められる状態である。普通図柄の時短は、普通図柄の変動時間が通常状態より短縮される状態である。開放抽選の確率変動は、開放抽選の当り確率を通常状態より高める状態である。拡開機構63の開放延長は、拡開機構63の開放時間を通常状態よりも長くする状態である。このように、入球容易状態においては、一定時間あたりの普通図柄の変動回数が通常状態よりも増加する可能性が高まる上、始動口62への入球容易性も増すため、始動口62への入球数が増加する可能性も高い。したがって、特別図柄192および装飾図柄190の時短および入球容易状態により、その期間中は始動口62への入球による賞球を得られる機会が増加する結果、持ち玉をほとんど減らさずに遊技し続けることが可能となる。
なお、本実施例における入球容易状態は、普通図柄の時短、開放抽選の確率変動、拡開機構63の開放延長という3つの機能を用いて始動口62への入球容易性を高める。ただし、変形例としては、これら3つの機能のうち、1つまたは2つの機能を用いて始動口62への入球容易性を高める構成としてもよい。このように3つの機能のうち一部だけを用いても始動口62への入球容易性を高めることは可能である。また、3つの機能のうち少なくともいずれかを、実施する期間と実施しない期間とで遊技状態に応じて切り替える構成としてもよい。
特別遊技が発生した場合であってそのときの当り停止図柄が特定の態様であった場合、特別遊技の終了後に特定遊技の一つである当否抽選の確率変動遊技(以下、適宜「確変」という)がさらに開始される。当否抽選の確変中は、通常の確率状態より当りの確率が高い当否抽選が行われ、比較的早期に新たな特別遊技が発生し得る。当否抽選の確変は次の大当りが発生するまで継続されるが、変形例として、所定の限定的な回数の図柄変動がなされたときに終了する構成であってもよい。本実施例においては、確変が開始されるときに同時に特別図柄192および装飾図柄190の時短や入球容易状態も開始されるが、変形例として時短や入球容易状態の開始を伴わない確変が実行される場合があってもよい。
図2は、演出表示装置60における演出内容を詳細に示す。当該演出表示領域194には、特別図柄192の現在の変動表示(以下、「当該変動」とも呼ぶ。)に対応する演出が表示される。具体的には、装飾図柄190が変動表示されるとともに、その背景画像として、当該変動(当該変動に対応する装飾図柄190の変動)における大当りへの期待度の高さを予告的に示唆するための予告演出が表示される。この予告演出には、味方キャラクタおよび敵キャラクタによるバトル映像が表示されるバトル演出が含まれる。保留インジケータ196は当否抽選の保留数を示すものであり、保留インジケータ196が示す保留数は特別図柄保留表示装置20が示す保留数と同数である。図2では当否抽選の保留数が3であることを示しており、そのうち2番目の保留球は、後述する事前演出の対象であることを示すために、他の保留球とは異なる態様で表示されている。
事前演出表示領域198には、当該演出表示領域194における装飾図柄190の変動表示態様(言い換えれば特別図柄192の変動表示態様)や、予告演出の内容を遊技者へ事前に示唆するための事前演出が表示される。具体的には、保留インジケータ196において先読みの対象として示した保留球に対応する当該変動での演出内容を示唆するための画像や映像が表示される。図2では、事前演出として、バトル演出における敵キャラクタを示す画像が表示されている。言い換えれば、2番目の保留球に対応する図柄変動の際に、事前演出表示領域198において示す敵キャラクタとのバトル演出が、当該演出表示領域194において予告演出として表示予定であることを示している。
図3は、ぱちんこ遊技機の背面側における基本的な構造を示す。電源スイッチ40はぱちんこ遊技機10の電源をオンオフするスイッチである。メイン基板102は、ぱちんこ遊技機10の全体動作を制御し、特に始動口62へ入賞したときの抽選等、遊技動作全般を処理する。サブ基板104は、液晶ユニット42を備え、演出表示装置60における表示内容や複数の可動役物140の動作、遊技効果ランプ90の点灯を制御し、特にメイン基板102による抽選結果に応じて表示内容を変動させ、その演出の進行に沿って可動役物140や遊技効果ランプ90の点灯を作動させる。メイン基板102およびサブ基板104は、遊技制御装置100を構成する。裏セット機構39は、賞球タンク44や賞球の流路、賞球を払い出す払出ユニット43等を含む。払出ユニット43は、各入賞口への入賞に応じて賞球タンク44から供給される遊技球を上球皿15へ払い出す。払出制御基板45は、払出ユニット43による払出動作を制御する。発射装置46は、上球皿15の貯留球を遊技領域52へ1球ずつ発射する。発射制御基板47は、発射装置46の発射動作を制御する。電源ユニット48は、ぱちんこ遊技機10の各部へ電力を供給する。
図4は、本実施例におけるぱちんこ遊技機10の機能ブロックを示す。ぱちんこ遊技機10において、遊技制御装置100は、始動口62、大入賞口66、一般入賞口72、作動口68、特別図柄表示装置61、演出表示装置60、普通図柄表示装置59、操作ボタン82、スピーカ18、遊技効果ランプ90、可動役物140のそれぞれと電気的に接続されており、各種制御信号の送受信を可能とする。遊技制御装置100は、遊技の基本動作だけでなく、図柄変動表示や可動役物140、電飾等の演出的動作も制御する。遊技制御装置100は、遊技の基本動作を含むぱちんこ遊技機10の全体動作を制御するメイン基板102と、図柄の演出等を制御するサブ基板104とに機能を分担させた形態で構成される。遊技制御装置100は、ハードウエア的にはデータやプログラムを格納するROMやRAM、演算処理に用いるCPU等の素子を含んで構成される。
本実施例におけるメイン基板102は、入球判定手段110、当否抽選手段112、図柄決定手段114、変動パターン決定手段115、保留制御手段116、メイン表示制御手段118、特別遊技制御手段120、特定遊技実行手段122、開閉制御手段124を備える。本実施例におけるサブ基板104は、パターン記憶手段130、図柄態様決定手段131、演出決定手段132、演出表示制御手段134、役物制御手段136を備える。なお、メイン基板102に含まれる各機能ブロックは、いずれかがメイン基板102ではなくサブ基板104に搭載されるかたちで構成されてもよい。同様に、サブ基板104に含まれる各機能ブロックは、いずれかがサブ基板104ではなくメイン基板102に搭載されるかたちで構成されてもよい。
ただし、メイン基板102とサブ基板104の間におけるデータの送受信はメイン基板102からサブ基板104への一方向であるため、そのような一方向でのデータ送受信にて全体動作が実現されるよう各構成がメイン基板102とサブ基板104に配置される。このようにメイン基板102からサブ基板104へのデータ送信の一方向性が保たれるため、サブ基板104に含まれる構成からメイン基板102に含まれる構成へはデータを送信することができず、データ送信の要求もできない。したがって、メイン基板102で生成された情報は、メイン基板102がサブ基板104へ一方的に送信しない限りサブ基板104から参照することはできない。
入球判定手段110は、各入賞口への遊技球の入球を判定する。入球判定手段110は、始動入賞情報を受け取ると遊技球が始動口62に入賞したと判断し、大入賞口入賞情報を受け取ると遊技球が大入賞口66に入賞したと判断し、一般入賞情報を受け取ると遊技球が一般入賞口72に入賞したと判断する。入球判定手段110は、通過情報を受け取ると遊技球が作動口68を通過したと判断する。
当否抽選手段112は、始動口62への入球を契機に、通常遊技より遊技者に有利な状態である特別遊技へ移行するか否かを判定するための乱数の値を当否抽選値として取得する。たとえば、当否抽選値は「0」から「65535」までの値範囲から取得される。なお、本願にいう「乱数」は、数学的に発生させる乱数でなくてもよく、ハードウエア乱数やソフトウエア乱数などにより発生させる疑似乱数でもよい。当否抽選手段112が当否抽選値として取得する値は、保留制御手段116により一時的に保留される。ただし、所定の保留上限数を超えない範囲で当否抽選値が保留される。
当否抽選手段112は、当否判定で参照する当否テーブルを複数保持する。複数の当否テーブルには、大当り、小当り、外れの判定結果と当否抽選値とが対応付けられており、対応付けられた大当りの範囲設定に応じて当否確率が定まる。当否抽選手段112は、通常時には通常確率による当否テーブルを参照し、確率変動時には通常確率より当りの確率が高くなる当否テーブルを参照する。当否抽選手段112は、複数の当否テーブルのうちいずれかを参照し、当否抽選値が当りであるか否かを判定する。
当否抽選手段112は、遊技球が作動口68を通過した場合に、普通図柄を決定するための開放抽選として抽選値を取得する。当否抽選手段112は、開放抽選の抽選値と当否結果の対応関係が定められた当否テーブルを保持し、その当否テーブルを参照して開放抽選の当否結果を決定する。通常状態においては1/256の確率で当りとなる当否テーブルを参照し、入球容易状態においては250/256の確率で当りとなる当否テーブルを参照する。普通図柄の抽選値は、保留制御手段116により一時的に保留される。ただし、保留制御手段116により保留される所定の保留上限数を超えない場合にだけ抽選値が保留される。
当否抽選手段112は、当否抽選値に基づき、特別遊技または小当り遊技へ移行するか否かを判定する当否判定と、当否抽選値が当否判定におけるいずれの抽選値範囲に該当するかの事前当否判定を実行する。当否抽選手段112は、当否判定で参照する当否判定テーブルと事前当否判定テーブルを保持する。なお、図柄変動を開始するにあたって実行する当否判定を、特に事前当否判定と区別するために、適宜「本判定としての当否判定」とも呼ぶ。
図5は、当否判定テーブルを模式的に示す図である。本図の当否判定テーブルには、大当り、小当り、外れの判定結果と当否抽選値とが対応付けられており、対応付けられたそれぞれの範囲設定に応じて大当り当否確率や小当りの当否確率が定まる。当否抽選手段112は、本判定としての当否判定において本図の当否判定テーブルを参照する。当否抽選手段112による当否抽選においては、通常時には図5(a)の通り、当否抽選値が0〜399の範囲に該当したときのみ大当りとなる。確変時には図5(b)の通り、大当りの範囲が拡大され、当否抽選値が0〜399の範囲に該当する場合だけでなく、400〜2999の範囲に該当する場合にも大当りとなる。このように、大当りに該当する範囲は遊技状態に応じて変化する。大当りに該当した場合、15R大当りと2R大当りのいずれとなるか、および、確変を伴うか否かは、特別図柄の停止図柄に応じて別途決定される。なお、本図では単一の当否判定テーブルによって通常時と確変時の双方の大当り範囲を示したが、当否判定テーブルは通常時用と確変時用とで別個に用意してもよい。
本実施例においては、当否抽選値が大当り範囲に該当しない、いわゆる外れとなった場合であっても、所定の範囲に該当した場合には小当りとなる。本図の例では、当否抽選手段112が取得する当否抽選値が65000〜65535の範囲に該当した場合に小当りとなる。このように、大当りに該当しなかった場合、本来はすべて「外れ」であるが、本図の例では大当りに該当しなかった場合のうち小当りにも該当しなかった場合の当否抽選値範囲を特に「外れ」と表現している。なお、本図では大当りか否かの判定テーブルと小当りか否かの判定テーブルとを単一の当否判定テーブルの形で実現する例を示したが、それぞれを別個のテーブルとして実現してもよい。
図4に戻り、当否抽選手段112による判定結果は、特別図柄表示装置61において特別図柄のかたちで変動表示される。また、当否抽選手段112による判定結果を演出的に示す装飾図柄が演出表示装置60において変動表示される。当否抽選手段112は、図柄変動を開始するタイミングにおいて、その図柄変動に対応する抽選の結果を図柄変動の制御コマンドとともに図柄態様決定手段131および演出決定手段132へ送信する。
当否抽選手段112は、始動口62への入球タイミングにおいては、事前判定処理として抽選値が当否判定におけるいずれの抽選値範囲に該当するかの事前当否判定を実行し、その判定結果を抽選結果として図柄態様決定手段131および演出決定手段132へ送信する。事前判定処理の結果は一時的に保存された後、その抽選に対応する図柄変動表示が直ちに開始されるか否かにかかわらず図柄態様決定手段131および演出決定手段132へ送信される。そのため、サブ基板104の側にとっては図柄変動開始の順番が巡ってくる前にあらかじめ当否結果を推測的に認識できる、いわゆる「先読み」と呼ばれる処理が実現される。先読みの処理としては、後述するように当否判定、図柄判定、パターン判定の判定結果のすべての情報をサブ基板104に送信して先読み処理として使用する構成としてもよい。または、サブ基板104が、受信した情報のうち一つまたは二つの判定結果のみを使用する構成としてもよい。その他、確変や時短、入球容易状態などの遊技状態に応じて、受信した情報の使用有無や使用する情報の種類を決定してもよい。また、メイン基板102での処理として、遊技の状態に応じて、事前判定の可否、事前判定結果送信の有無、事前判定または事前判定結果送信を行なう情報の種類を適宜設定してもよい。
図6は、事前当否判定で参照される事前当否判定テーブルを模式的に示す図である。当否抽選手段112は、この事前当否判定テーブルを参照し、当否抽選値が「0〜399」の場合は大当りを示す「1」の値を判定結果としての当否範囲に設定する。当否抽選値が「400〜2999」の場合は通常状態であれば外れであるが確変状態であれば大当りであることを示す「2」の値を判定結果としての当否範囲に設定する。当否抽選値が「3000〜64999」の場合は外れを示す「3」の値を判定結果としての当否範囲に設定する。当否抽選値が「65000〜65535」の場合は小当りを示す「4」の値を判定結果としての当否範囲に設定する。当否抽選手段112は、以上のように当否範囲を設定するたびにその値を保留の個数とともに図柄態様決定手段131および演出決定手段132へ送信する。なお、変形例として、当否抽選値の範囲と判定結果の対応関係として、一つの当否抽選値の範囲に複数の判定結果が対応付けられる関係が定義されてもよい。この場合、実際の当否結果とは異なる判定結果となる可能性があるが、必ずしも実際の当否結果とは一致しない不正確な判定結果を意図的に設定することがある対応関係としてもよい。
図4に戻り、図柄決定手段114は、別途取得する図柄抽選値と当否判定の結果に基づいて、図柄の変動開始にあたってその停止図柄を決定するとともに、図柄抽選値がいずれの図柄範囲に該当するかの事前図柄判定を実行する。図柄決定手段114は、特別図柄の停止図柄を決定するために参照する複数の図柄判定テーブルと事前図柄判定テーブルを保持する。図柄決定手段114は、当否判定結果に応じて異なる図柄判定テーブルを参照する。なお、図柄変動を開始するにあたって実行する図柄判定を、特に事前図柄判定と区別するために、適宜「本判定としての図柄判定」とも呼ぶ。
図柄決定手段114は、普通図柄表示装置59に表示させる普通図柄の停止図柄を、当否抽選手段112による開放抽選の結果に応じて決定する。図柄決定手段114は、開放抽選の結果を普通図柄のかたちで普通図柄表示装置59に変動表示させるために、開放抽選の結果に応じて普通図柄の停止図柄を決定する。決定された停止図柄が所定の図柄となった場合に普通図柄が当りに該当したと判定され、その停止図柄にて普通図柄の変動表示が停止された後に開閉制御手段124が始動口62の拡開機構63を所定時間拡開する。
図柄決定手段114は、決定した停止図柄を示すデータをメイン表示制御手段118、図柄態様決定手段131、演出決定手段132へ送出する。
図7は、図柄判定テーブルを模式的に示す図である。図7(a)は当否判定結果が大当りであった場合に参照するテーブルであり、図7(b)は当否判定結果が外れであった場合に参照するテーブルであり、図7(c)は当否判定結果が小当りであった場合に参照するテーブルである。図柄決定手段114は、本判定としての図柄判定において本図の図柄判定テーブルを参照する。各図柄判定テーブルには、「0」〜「9」の数字および「−」の記号で表される特別図柄と図柄抽選値との対応関係が定められている。特別図柄の種類はそれぞれ大当り、小当り、外れの当否判定結果と対応付けられており、奇数の数字が大当りに対応し、偶数の数字が小当りに対応し、「−」の記号が外れに対応する。
図7(a)に示す通り、特別図柄「0」〜「9」のうち奇数の数字である特別図柄「1」「3」「5」「7」「9」が大当りに対応付けられている。そのうち、特別図柄「7」は確変を伴う15R大当りを示し、図柄抽選値の範囲「0〜99」に対応付けられる。特別図柄「3」は確変を伴う2R大当りを示し、図柄抽選値の範囲「100〜149」に対応付けられる。特別図柄「1」「5」「9」は確変を伴わない15R大当りを示し、図柄抽選値の範囲「150〜189」に特別図柄「1」が対応付けられ、「190〜229」に特別図柄「5」が対応付けられ、「230〜255」に特別図柄「9」が対応付けられる。
図7(b)に示す通り、特別図柄「−」は当否判定結果が外れの場合における全範囲の図柄抽選値に対応付けられている。
図7(c)に示す通り、特別図柄「0」〜「9」のうち偶数の数字である特別図柄「0」「2」「4」「6」「8」が小当りに対応付けられている。特別図柄「0」は図柄抽選値の範囲「0〜49」に対応付けられ、特別図柄「2」は図柄抽選値の範囲「50〜99」に対応付けられる。特別図柄「4」は図柄抽選値の範囲「100〜149」に対応付けられ、特別図柄「6」は図柄抽選値の範囲「150〜199」に対応付けられ、特別図柄「8」は図柄抽選値の範囲「200〜255」に対応付けられる。
図8は、事前図柄判定で参照される事前図柄判定テーブルを模式的に示す図である。図柄決定手段114は当否抽選値が大当りに該当する場合にこの事前図柄判定テーブルを参照する。図柄抽選値が「0〜99」の場合はその旨を示す「1」の値を判定結果としての図柄範囲に設定し、図柄抽選値が「100〜149」の場合はその旨を示す「2」の値を判定結果としての図柄範囲に設定する。図柄抽選値が「150〜255」の場合はその旨を示す「3」の値を判定結果としての図柄範囲に設定する。図柄決定手段114は、以上のように図柄範囲を設定するたびにその値を保留の個数とともに図柄態様決定手段131および演出決定手段132へ送信する。なお、当否抽選値が外れまたは小当りに該当する場合は本図のテーブルは参照せず、外れまたは小当りを示す値として例えば「4」の値を図柄範囲に設定してもよい。または、当否抽選値が外れまたは小当りに該当する場合でも本図のテーブルにより図柄範囲を設定し、のちにサブ基板104側で当否範囲の設定に基づいて判定結果を参酌すべきか判定してもよい。または、何も設定しないこととしてもよい。
図4に戻り、変動パターン決定手段115は、特別図柄表示装置61および演出表示装置60に表示させる図柄変動の表示過程が定められた変動パターンを、別途取得するパターン抽選値に基づいて複数の変動パターンの中から決定してメイン表示制御手段118へ送る。変動パターン決定手段115は、図柄変動を開始する際に変動パターンテーブルを参照してその図柄変動の変動パターンを決定する。また、変動パターン決定手段115は、パターン抽選値がいずれの変動パターン範囲に該当するかの事前パターン判定を実行する。変動パターン決定手段115は、変動パターンを決定するために参照する変動パターンテーブルと事前パターン判定テーブルを保持する。変動パターンには、特別図柄を変動表示させるときの変動開始から停止までの変動時間が定められており、その種類によって長短様々な変動時間をもつ。すなわち、各変動パターンには、その図柄変動の終了条件としてパターンごとに変動表示時間が定められており、その変動表示時間の経過時に特別図柄の変動が停止される。なお、図柄変動を開始するにあたって実行する変動パターン判定を、特に事前パターン判定と区別するために、適宜「本判定としての変動パターン判定」とも呼ぶ。
図9〜11は、変動パターンテーブルを模式的に示す図である。変動パターン決定手段115は、本判定としての変動パターン判定において図9〜11の変動パターンテーブルのいずれかを選択的に参照する。すなわち、当否判定結果が外れのときは図9に示される外れ用の変動パターンテーブルを参照し、当否判定結果が15R大当りのときは図10に示される15R大当り用の変動パターンテーブルを参照する。また、当否判定結果が2R大当りまたは小当りのときは図11に示される2R大当りおよび小当り用の変動パターンテーブルを参照する。
これらの図に示す変動パターン「リーチA」は、味方キャラクタαと敵キャラクタAとのバトル演出を含むリーチ演出に対応づけられた変動パターンである。同様に変動パターン「リーチB」〜「リーチD」のそれぞれは、敵キャラクタB〜Dとのバトル演出を含むリーチ演出に対応づけられた変動パターンである。それぞれの図柄変動時間は、リーチA>リーチB>リーチC>リーチDの関係にある。リーチAおよびリーチBはいわゆるスーパーリーチのカテゴリに属するものであってもよく、リーチCおよびリーチDはいわゆるノーマルリーチのカテゴリに属するものであってもよい。
なお図10で後述するように、それぞれの変動パターンが選択された際に大当りが発生している確率、いわゆる遊技者から見た大当りの期待度もリーチA>リーチB>リーチC>リーチDの関係にある。したがって、バトル演出において味方キャラクタαの勝利が期待できる可能性は、キャラクタA>キャラクタB>キャラクタC>キャラクタDとなる。
図9の変動パターンテーブルにおいては、保留数ごとにそれぞれ変動パターンに対応づけられたパターン抽選値の範囲が異なる。具体的には、保留数が少ないほど変動時間が相対的に長い変動パターンに割り当てられたパターン抽選値の範囲が広くされており、それら変動時間の長い変動パターンが選択される確率を高めている。そのため、保留制御手段116による保留数が少ないほど平均的な変動時間が長くなる。したがって、保留制御手段116による保留数が所定数、例えば1〜2個より少なくなった場合に、変動時間の長い変動パターンの選択確率が通常より高くなり、変動時間が比較的長くなりやすい。
言い換えれば、図9の変動パターンテーブルにおいては、保留数が少ないほど大当りの期待度が相対的に高い変動パターンに割り当てられたパターン抽選値の範囲が広くされており、それら大当りの期待度の高い変動パターンが選択される確率を高めている。したがって、保留制御手段116による保留数が所定数、例えば1〜2個より少なくなった場合に、大当りの期待度の高い変動パターンの選択確率が通常より高くなる。
図9の外れ範囲230には、抽選値が0〜30までのパターン抽選値に該当する場合の変動パターンとして、保留数1〜3にリーチAが対応づけられ、保留数4にリーチBが対応づけられる。以下同様に外れ範囲236まで、パターン抽選値のグループのそれぞれが保留数に応じて、同じもしくは異なる変動パターンに適宜対応づけられている。なお、保留数3に対応付けられた「リーチ無し」の変動パターンは、保留数1および2に対応付けられた「リーチ無し」よりも変動時間が短い、いわゆる「短縮変動」の変動パターンであってもよい。また、保留数4に対応付けられた「リーチ無し」の変動パターンは、保留数1および2に対応付けられた「リーチ無し」よりも変動時間が短く、保留数3の「短縮変動」よりも変動時間が短い、いわゆる「超短縮変動」の変動パターンであってもよい。
図9の事前演出範囲238は、本実施例において先読みによる事前演出の実行可能範囲を示している。本実施例では、保留数1〜4のうち少なくとも1種類の保留数においてリーチ状態と対応づけられたパターン抽選値が選択された場合、先読みによる事前演出が行われる可能性がある。
なお、外れ用の変動パターンテーブルにおいて、特に「リーチ無し」の変動パターンを選択するとき、時短状態においては通常状態よりもさらに変動時間が概ね短い変動パターンが選択されるよう異なるテーブルを参照する。
図10の変動パターンテーブルにおいて、当り範囲240では保留数にかかわらずリーチAが対応づけられ、当り範囲241では保留数にかかわらずリーチBが対応づけられ、当り範囲242では保留数にかかわらずリーチCが対応づけられ、当り範囲243では保留数にかかわらずリーチDが対応づけられる。すなわち当り範囲240〜当り範囲243では保留数が変化しても変動パターンは変化しない。また上述したように、パターン抽選値の範囲の大きさはリーチA>リーチB>リーチC>リーチDの関係にあり、すなわち大当り期待度もリーチA>リーチB>リーチC>リーチDの関係にある。
当り範囲244および当り範囲245では、保留数が多いほど変動時間が相対的に長い変動パターンに割り当てられたパターン抽選値の範囲が広くされており、それら変動時間の長い変動パターンが選択される確率を高めている。言い換えれば、保留数が多いほど大当りの期待度が相対的に高い変動パターンに割り当てられたパターン抽選値の範囲が広くされており、それら大当りの期待度の高い変動パターンが選択される確率を高めている。すなわち、当り範囲244および当り範囲245では、保留数と変動パターンとの対応関係が、図9の外れ用の変動パターンテーブルとは逆に設定されている。なお、図10の事前演出範囲238も先読みによる事前演出の実行可能範囲を示しており、ここでは全てのパターン抽選値において先読みによる事前演出が行われる可能性がある。
図11の変動パターンテーブルにおいては、パターン抽選値0〜122には「スーパー」というスーパーリーチが対応付けられ、パターン抽選値123〜255には「ノーマル」というノーマルリーチが対応付けられている。このように当否判定結果が2R大当りまたは小当りの場合は、保留数にかかわらず「スーパー」または「ノーマル」がそれぞれ約50%の確率で選択される。
図12〜図14は、事前パターン判定で参照される事前パターン判定テーブルを模式的に示す図である。変動パターン決定手段115は、当否結果が外れの場合に図12のテーブルを参照し、パターン抽選値に対応する変動パターン範囲の値(外れ範囲230〜外れ範囲236のいずれか)を判定結果としてのパターン範囲に設定する。同様に、当否結果が15R大当りの場合に図13のテーブルを参照し、パターン抽選値に対応する変動パターン範囲の値(当り範囲240〜当り範囲245のいずれか)を判定結果としてのパターン範囲に設定する。同様に、当否結果が2R大当りまたは小当りの場合に図14のテーブルを参照し、パターン抽選値に対応する変動パターン範囲の値(8もしくは9)を判定結果としてのパターン範囲に設定する。変動パターン決定手段115は、以上のようにパターン範囲を設定するたびにその値を保留の個数とともに図柄態様決定手段131および演出決定手段132へ送信する。
図4に戻り、変動パターン決定手段115は、普通図柄の変動表示時間を決定する。通常状態においては変動表示時間を60秒に決定し、入球容易状態においては変動表示時間を6秒に決定する。
保留制御手段116は、始動口62へ新たな入球があって新たに当否抽選が実行されるときにそれ以前の入球ないし抽選に対応する図柄変動が表示されている場合、新たな入球に基づく当否抽選の結果をその抽選に対応する図柄の変動表示開始まで保留する。本実施例では当否抽選の結果として4個を上限として当否抽選値を保留球として保持する。ここでいう当否抽選値は、当否抽選値、図柄抽選値、変動パターン抽選値を含む。保留制御手段116は、事前判定結果としての当否範囲、図柄範囲、パターン範囲の設定を保留球としてさらに保持してもよい。ただし、当否抽選値とは別の領域に事前判定の結果を保持してもよい。保留制御手段116はさらに、当否抽選手段112により取得された普図抽選値を保留球として保持する。これらの保留数がそれぞれ特別図柄保留表示装置20、普通図柄保留表示装置22の点灯数または点滅数により表される。また本実施例では、演出表示装置60の保留インジケータ196によっても保留数が表される。
メイン表示制御手段118は、当否抽選手段112による抽選の結果を、変動パターン決定手段115により決定された変動パターンにしたがって特別図柄192の変動表示として特別図柄表示装置61に表示させる。メイン表示制御手段118は、それ以前になされた当否抽選に対応する図柄の変動表示が終了していることを新たな図柄変動の開始条件とする。メイン表示制御手段118は、特別図柄192の変動表示を開始するタイミングと停止するタイミングにて、変動開始コマンドと変動停止コマンドを演出表示制御手段134へ送信する。変動開始コマンドを送信するとき、本判定として判定された当否判定結果、停止図柄、変動パターンのそれぞれを示す値を変動開始コマンドとともに演出表示制御手段134へ送信する。変動停止コマンドを送信するとき、あらためて停止図柄を示す値を変動停止コマンドとともに演出表示制御手段134へ送信する。これにより、メイン表示制御手段118および演出表示制御手段134による変動表示が同期し、連動が保たれる。メイン表示制御手段118は、普通図柄抽選の結果を普通図柄の変動表示として普通図柄表示装置59に表示させる。
特別遊技制御手段120は、当否抽選手段112による当否抽選が特別遊技への移行を示す結果となった場合、特別図柄192が所定の大当り態様で停止されたときに特別遊技作動条件が成立したと判定し、大入賞口66を開放させることにより特別遊技を実行する。特別遊技は、大入賞口66の開閉動作を複数回数連続して継続する遊技であり、1回の開閉を単位とした複数回の単位遊技で構成される。特別遊技には、単位遊技を15回繰り返す15R大当りと、15R大当りより開放時間が短い単位遊技を2回だけ繰り返す2R大当りがある。15R大当りにおいては、1回の単位遊技において大入賞口66を原則として約30秒間開放させる。2R大当りにおいては、1回の単位遊技において大入賞口66を約0.5秒間だけ開放させる。特別遊技制御手段120は、単位遊技の設定ラウンド数を消化したときに特別遊技を終了させる。なお、2R大当りとなった場合においても、所定の条件を満たした場合には、15R大当りと同様の開放態様で大入賞口66を開放させてもよい。
特定遊技実行手段122は、確変状態、時短状態、および入球容易状態における通常遊技を制御する。特定遊技実行手段122は、特別遊技の終了後に遊技状態を時短状態および入球容易状態へ移行させる。一方、特別遊技の終了後に確変状態へ移行させるのは、図柄決定手段114により決定された図柄が確変への移行を伴う大当り図柄であった場合に限られる。時短状態および入球容易状態は、特別図柄192の変動表示回数が特別遊技の終了時点から数えて所定の終了条件回数、例えば100回に達するまで継続される。ただし、同時に確変状態へ移行した場合は確変状態が続く限り時短状態および入球容易状態も継続される。すなわち、次の大当りが発生するまで継続される。このように時短状態および入球容易状態の終期は遊技状態に応じて定まる。時短状態においては、特別図柄192の変動表示時間が概ね短くなるよう、変動パターン決定手段115が変動時間の短い変動パターンを選択する。ただし、通常状態においては、保留制御手段116による当否抽選結果の保留数に応じた変動パターンテーブルを参照し、保留制御手段116による保留数が少なくなるほど変動時間の長い変動パターンが出現しやすくなる。入球容易状態においては、普通図柄の時短、普通図柄の確変、拡開機構63の開放延長が実施される。一方、確変状態は、次の大当りによる特別遊技が実行されるまで継続される。確変状態の間は当否抽選手段112による当否判定結果が大当りとなる確率が高い値のまま維持される。
開閉制御手段124は、始動口62の普通電動役物や大入賞口66の開閉を制御する。開閉制御手段124は、普通図柄が特定の図柄で停止されると、普通電動役物ソレノイド76に開放指示を送り、始動口62を開放させる。また、開閉制御手段124は、特別遊技中、大入賞口ソレノイド80に開放指示を送り、大入賞口66を開放させる。
パターン記憶手段130は、装飾図柄190の変動において演出表示装置60に表示させる演出的な画像内容とその表示過程が定められた複数の演出パターンを保持する。演出パターンには、装飾図柄190の変動表示における変動開始から停止までの変動過程と演出過程が定められた複数の変動演出パターンと、装飾図柄の変動表示とは別に表示されて大当りへの期待度の高さを変動表示の停止前に予告的に示唆する複数の予告演出パターンとが含まれる。
演出決定手段132は、当否抽選手段112から受け取る当否抽選の結果に応じて、演出表示制御手段134によって演出表示装置60へ表示させる演出内容を決定する。演出決定手段132は、変動パターン決定手段115により決定された特別図柄の変動パターンに対応する複数の変動演出パターンデータからいずれかを選択してパターン記憶手段130から読み出し、その変動演出パターンの情報を演出表示制御手段134へ送る。演出決定手段132は、変動演出パターンを選択するために参照すべきパターンテーブルを保持する。
各変動演出パターンには、その図柄変動の終了条件としてパターンごとに変動時間が定められており、その変動時間の経過時に図柄変動が停止される。演出決定手段132は、特別図柄の変動パターンに応じて、変動時間が等しい演出画像の変動演出パターンを選択する。
図柄態様決定手段131は、装飾図柄190の停止図柄の組合せとその配置を、当否抽選手段112による抽選の結果、特別図柄の停止図柄、特別図柄の変動パターン、装飾図柄の変動演出パターンに応じて決定する。図柄態様決定手段131は、決定した停止図柄の組合せを示す情報を演出表示制御手段134へ送信する。図柄態様決定手段131は、装飾図柄の停止図柄を決定するために参照すべき図柄範囲テーブルを保持する。
装飾図柄190の停止図柄は、3つの図柄の組合せとして形成され、例えば当否抽選手段112による当否判定結果が15R大当りの特別遊技への移行を示す場合には特定の組合せ、例えば「777」や「111」のように3つの図柄が揃った組合せが選択される。この場合、装飾図柄190として揃える数字には、特別図柄192と同じ数字が選ばれるのが好ましいが、必ずしも同じ数字でなくともよい。例えば、特別図柄192が「7」の場合は装飾図柄190が「777」となる。当否判定結果が2R大当りの場合や小当りの場合もまた特定の組合せ、例えば「357」のような所定の組合せが選択されるが、それらの特定の組合せは必ずしも3つの図柄が揃った組合せでなくてもよい。当否判定結果が大当りでも小当りでもない場合は、「312」や「946」のように3つの図柄が揃っていない組合せであって、2R大当りや小当りのときに選択される特定の組合せに該当しない組合せが選択される。当否判定結果が15R大当りではない場合であって、リーチ付きの外れを示す変動パターンが選択された場合は、「191」や「727」のように一つだけ図柄が揃っていない組合せを選択する。
予告演出パターンは、特定のキャラクタやモチーフの画像、アニメーション、映像などを一時的に画面表示させる演出パターンや、特定の音声を出力する演出パターンである。予告演出パターンによる演出は、図柄変動と並行して実行され、その図柄変動が大当り態様にて停止する期待度が高いことを予告的に示唆する。例えば、キャラクタの画像を一つだけ画面に表示させるだけの通常予告演出や、多数のキャラクタの群れを画面の一端から他端へ通過させるように表示させる群予告演出がある。また、予告演出の表示過程を複数段階に分け、表示させる段階数を可変にして段階数が多いほど大当りへの期待度が高くなるように設定されるステップアップ予告演出がさらに含まれる。
予告演出パターンには、装飾図柄190の表示態様がリーチ状態となった後のタイミングで演出が実行されて図柄の最終的な停止態様を予告するパターンと、装飾図柄190が一つも停止していないタイミングで演出が実行されてリーチ状態となることを同時に予告するパターンとがある。詳細は後述するが、演出決定手段132は、装飾図柄190の変動演出とともに表示させるべき予告演出パターンを決定する。
演出表示制御手段134は、当否抽選手段112による当否抽選の結果として、演出決定手段132により選択された変動演出パターンデータにしたがって演出表示装置60へ装飾図柄を含む演出画像を変動表示させる。演出表示制御手段134は、装飾図柄190の変動開始コマンドを受け取ったときに新たな図柄変動を開始させる。
演出表示制御手段134は、予告演出を表示させる旨が演出決定手段132により決定された場合、演出決定手段132により選択された予告演出パターンにしたがった予告演出を図柄変動の演出に重畳させる形で演出表示装置60(当該演出表示領域194)へ表示させる。また、演出決定手段132により選択された事前演出のパターンにしたがった事前演出を演出表示装置60(事前演出表示領域198)へ表示させる。また、演出決定手段132により決定された態様にて保留インジケータ196を演出表示装置60へ表示させる。演出表示制御手段134は、遊技効果ランプ90の点灯および消灯や、スピーカ18からの音声出力などの演出処理をさらに制御する。
役物制御手段136は、演出表示制御手段134から受け取る指示にしたがい、演出表示装置60における演出内容や遊技効果ランプ90の点滅過程に沿って、可動役物140を演出的に動作させる。
本実施例において特徴的な演出処理の構成を以下説明する。
本実施例の予告演出パターンには、味方キャラクタαと敵キャラクタA〜Dのそれぞれとが対戦するバトル映像を表示させる複数種類のバトル演出用のパターンが含まれる。パターン記憶手段130は、これらのバトル演出用のパターン、例えばバトル演出の動画データをさらに保持する。またパターン記憶手段130は、将来時点で表示されるバトル演出の内容、ここでは敵キャラクタを事前に示唆するための事前演出の演出パターンとして敵キャラクタの画像データをさらに保持する。
本実施例の予告演出パターンには、味方キャラクタαと敵キャラクタA〜Dのそれぞれとが対戦するバトル映像を表示させる複数種類のバトル演出用のパターンが含まれる。パターン記憶手段130は、これらのバトル演出用のパターン、例えばバトル演出の動画データをさらに保持する。またパターン記憶手段130は、将来時点で表示されるバトル演出の内容、ここでは敵キャラクタを事前に示唆するための事前演出の演出パターンとして敵キャラクタの画像データをさらに保持する。
演出決定手段132は、装飾図柄190の変動表示とともに表示させるべき予告演出パターンを決定する予告演出決定手段142と、その予告演出パターンを事前に示唆するための事前演出の内容を決定する事前演出決定手段144とを含む。
予告演出決定手段142は、パターン抽選値、保留数および演出内容との対応関係が図9の変動パターンテーブルと同じく設定された外れ用の予告種類テーブルを保持する。すなわち、外れ用の予告種類テーブルでは、保留数が少ないほど変動時間が相対的に長い変動パターンに割り当てられたパターン抽選値の範囲が広くされており、それら変動時間の長い予告演出パターンが選択される確率を高めている。また、保留数が少ないほど大当りの期待度が相対的に高い変動パターンに割り当てられたパターン抽選値の範囲が広くされており、それら大当りの期待度の高い予告演出パターンが選択される確率を高めている。
予告演出決定手段142は、本判定での当否判定結果が外れの場合、外れ用の予告種類テーブルを参照して、現在時点での保留数および本判定でのパターン抽選値に対応する予告演出パターンを選択する。例えば、本判定でのパターン抽選値が0〜30のいずれかの場合、保留数1ではリーチAに対応する予告演出パターンのデータをパターン記憶手段130から取得して演出表示装置60の当該演出表示領域194に表示させる。その一方、保留数4ではリーチBに対応する予告演出パターンのデータをパターン記憶手段130から取得して同様に表示させる。
また予告演出決定手段142は、パターン抽選値、保留数および演出内容との対応関係が図10と同じく設定された15R大当り用の予告種類テーブルを保持する。すなわち、15R大当り用の予告種類テーブルでは、その一部は、保留数にかかわらず特定の予告演出パターンが選択されるよう設定されている。また、別の一部は、保留数が多いほど変動時間が相対的に長い変動パターンに割り当てられたパターン抽選値の範囲が広くされており、それら変動時間の長い変動パターンが選択される確率を高めている。
予告演出決定手段142は、本判定での当否判定結果が15R大当りの場合、15R大当り用の予告種類テーブルを参照して、現在時点での保留数および本判定でのパターン抽選値に対応する予告演出パターンを選択する。例えば、本判定でのパターン抽選値が231〜255のいずれかの場合、保留数1ではリーチDに対応する予告演出パターンのデータをパターン記憶手段130から取得して演出表示装置60の当該演出表示領域194に表示させる。その一方、保留数4ではリーチAに対応する予告演出パターンのデータをパターン記憶手段130から取得して同様に表示させる。
事前演出決定手段144は、保留制御手段116に保留された抽選結果(当否抽選値や変動パターン抽選値等)に関する事前判定結果を受け付けた際、その抽選結果を事前演出の対象とするか否かを決定する。具体的には、事前演出の対象を未設定であり、かつ、事前判定結果としてのパターン範囲が事前演出範囲238に含まれ、かつ、所定確率にて当選となる事前演出抽選に当選した場合、上記抽選結果を事前演出の対象とすることを決定する。事前演出の対象として決定された保留中の抽選結果を、以下「特定保留球」と呼ぶこととする。事前演出決定手段144は、特定保留球に対応する保留インジケータ196の表示態様を通常とは異なる態様、言い換えれば、事前演出の対象外の保留球とは異なる態様に設定する。
それとともに、事前演出決定手段144は、事前判定結果としての当否判定結果が外れの場合は外れ用の予告種類テーブルを参照し、15R大当りの場合は15R大当り用の予告種類テーブルを参照する。そして、特定保留球に対応する当該変動時の予告演出パターンとして、現在時点での保留数および事前判定結果としてのパターン範囲に対応する予告演出パターンを判別する。この予告演出パターンは、特定保留球に対応する当該変動が開始されるまで仮に現在時点の保留数が維持された場合に、予告演出決定手段142により選択される予告演出パターンであると言える。事前演出決定手段144は、判別した予告演出パターンに対応する事前演出パターン、すなわち予告演出パターンでの敵キャラクタを示す画像データをパターン記憶手段130から取得して事前演出表示領域198に表示させる。例えば、事前当否判定結果が「外れ」、現在時点の保留数が「2」、事前判定結果としてのパターン範囲が「外れ範囲232」の場合、予告演出パターン「リーチB」を判別する。そして事前演出として、リーチBで表示される敵キャラクタBの画像を事前演出表示領域198に表示させる。
また事前演出決定手段144は、特定保留球に対応する図柄変動(当該変動)の開始前に、保留制御手段116における保留数の変化(増加もしくは減少)を検出した場合、変化後の保留数および事前判定結果としてのパターン範囲に対応する予告演出パターンを新たに判別する。そして、新たに判別した予告演出パターンに対応する事前演出パターンを事前演出表示領域198に表示させる。例えば、保留数が「2」から「1」に変化し、事前判定結果としてのパターン範囲が「外れ範囲232」の場合、予告演出パターン「リーチA」を判別する。そして、リーチAで表示される敵キャラクタAの画像を事前演出表示領域198に表示させるよう事前演出表示領域198の表示内容を更新する。事前演出決定手段144は、保留制御手段116における保留数が変化したことを検出するたびに、事前演出表示領域198の表示内容の更新処理を逐次繰り返して実行する。
また事前演出決定手段144は、特定保留球の予告演出パターンを「リーチ無し」と判別した場合、その旨(例えば大当り期待度が0である旨)を示す所定画像を事前演出表示領域198に表示させてもよい。この画像は、敵キャラクタA〜Dのいずれとも異なるキャラクタの画像であってもよい。
なお事前演出決定手段144は、メイン基板102から事前判定結果とともに通知された保留数の情報にもとづき保留制御手段116における最新の保留数を判別してもよい。また、変動開始コマンドもしくは変動停止コマンドを受け付けたことをもって保留数を減算することにより、保留制御手段116における保留数を判別(更新)してもよい。また保留制御手段116は、自身が保持する保留球が増減するたびに、最新の保留球を示す情報を演出決定手段132へ通知してもよい。
本実施例のぱちんこ遊技機10は、特定保留球の当該変動開始前(言い換えれば、図柄変動に伴う演出開始前)の複数時点に亘る保留数の増減に応じて、特定保留球の当該変動における演出内容を示唆する事前演出での示唆内容を逐次変化させる。例えば、特定保留球に対する事前演出としてキャラクタCの画像を事前演出表示領域198に一旦表示させた後、保留数が減少すると、キャラクタC→キャラクタB→キャラクタAという推移にて事前演出表示領域198の表示内容が更新されやすい。すなわち、大当りの期待度がより高い演出(典型的には派手な演出)に変化して演出時間も延長されるという、事前演出のいわばステップアップが実現される。逆に保留数が増加すると、キャラクタC→キャラクタD→リーチ無し用画像という推移にて事前演出表示領域198の表示内容が更新されやすい。すなわち、大当りの期待度がより低い演出(典型的には地味な演出)に変化して演出時間も短縮されるという、事前演出のいわばステップダウンが実現される。
これにより、遊技者の趣向を反映した保留数の推移に応じて、将来の演出内容が変化したことを遊技者に都度把握させることができ、遊技の興趣を高めることができる。すなわち、演出内容よりも図柄の変動効率を指向する遊技者は保留数を増加させることにより、演出時間を短縮させて短時間のうちに多くの図柄変動を消化することができる。一方で、図柄の変動効率よりも演出内容を指向する遊技者は、遊技球の発射を調整して保留数を維持もしくは減少させることにより、事前演出で示唆された大当り期待度以上の予告演出を当該変動で確認することができる。このように、図柄の変動効率を重視する遊技者と、演出内容を重視する遊技者の両方を満足させる演出を提供できる。
また、これまで先読み演出の実行が許容されるパターン抽選値は、保留数にかかわらず大当り期待度が比較的高い演出パターンが選択される範囲であることが条件とされていた。例えば、図9の外れ用の変動パターンテーブルにおいてリーチB以上が確定している外れ範囲230や、少なくともリーチ演出が確定している外れ範囲230〜外れ範囲232に含まれる必要があった。なぜなら、リーチ演出を事前に示唆しておきながら、保留数の変化に伴って当該変動がリーチ無しになった場合、遊技者に不測の演出が表示されることとなり、遊技者の期待感を大きく損なうためである。これに対して、本実施例のぱちんこ遊技機10は、保留数の変化に応じた最新の表示予定の演出内容を、事前演出の示唆内容を変化させることにより遊技者へ通知するため、事前演出範囲238をこれまでよりも大きく設定することができる。言い換えれば、先読み演出の実行が許容されるパターン抽選値の範囲をこれまでよりも拡大させることができる。例えば、保留数によってはリーチ無し演出となるパターン抽選値、言い換えれば、少なくとも1種類の保留球でリーチ演出が表示されるパターン抽選値(外れ範囲233〜外れ範囲235)も事前演出範囲238に含めることができる。
また、本実施例のぱちんこ遊技機10は、保留数と変動パターンとの対応関係が異なる外れ用の変動パターンテーブルと15R大当り用の変動パターンテーブルとを保持し、それぞれに対応する外れ用の予告種類テーブルと15R大当り用の予告種類テーブルとを保持する。そして、事前当否判定結果が外れの場合と15R大当りの場合とでは保留数の変化が同じであっても、事前演出の示唆内容の変化を異なるものとする。これにより、事前演出の示唆内容の変遷によって大当りの発生を遊技者へ示唆できるという斬新な遊技性を実現する。具体的には、事前当否判定結果が外れの場合は保留数が増えるほど事前演出で示唆する大当り期待度は低下する一方、事前当否判定結果が15R大当りの場合は保留数の増減に関わりなく事前演出での示唆内容は維持され、もしくは、保留数が増えるほど事前演出で示唆する大当り期待度も向上する。例えば、演出内容よりも図柄変動回数を指向する遊技者が事前演出の表示後に保留数を増加させても、その事前演出の示唆内容が変化しないもしくは大当り期待度が高まる方向に変化した場合、遊技者における15R大当り発生の期待感を高めることができる。
図15は、ぱちんこ遊技機における基本的な動作過程を示すフローチャートである。まず、遊技球が始動口62、一般入賞口72、大入賞口66などへ入球した場合の処理を実行し(S10)、通常遊技中であれば(S12のY)、当否抽選などの通常遊技の制御処理を実行し(S14)、通常遊技中でなければ(S12のN)、特別遊技の制御処理(S16)や、小当り遊技の制御処理を実行し(S17)、S10の入賞処理においてセットされた賞球数により各種の入賞に応じた賞球払出を処理する(S18)。
図16は、図15におけるS10の入賞処理を詳細に示すフローチャートである。始動口62に入球があった場合(S20のY)、始動口62に対応する賞球数をセットし(S22)、保留制御手段116による保留数が4未満であるか否かを参照してさらなる保留が可能な状態であれば(S24のY)、当否抽選値を取得する(S26)。その当否抽選値に基づいて当否判定する事前判定処理を実行し(S28)、当否抽選値を保留制御手段116に保留する(S30)。S20において始動口62への入球がない場合はS22からS30までの処理をスキップする(S20のN)。S24において保留数が上限に達していてさらなる保留が不可能な場合はS26からS30までの処理をスキップする(S24のN)。
一般入賞口72に入球があった場合は(S32のY)、一般入賞口72に対応する賞球数をセットし(S34)、一般入賞口72への入球がないときはS34をスキップする(S32のN)。大入賞口66に入球があった場合は(S36のY)、大入賞口66に対応する賞球数をセットし(S38)、大入賞口66への入球がないときはS38をスキップする(S36のN)。
図17は、図16におけるS28の事前判定処理を詳細に示すフローチャートである。まず、事前当否判定テーブルを参照して事前当否判定を実行し(S40)、その判定結果として当否範囲を示す値を設定し(S42)、事前図柄判定テーブルを参照して事前図柄判定を実行し(S44)、その判定結果として図柄範囲を示す値を設定し(S46)、事前パターン判定テーブルを参照して事前パターン判定を実行し(S48)、その判定結果としてパターン範囲を示す値を設定する(S50)。以上のように設定された事前判定結果の値が、保留の個数とともに一時的に保存され、サブ基板104の図柄態様決定手段131および演出決定手段132へ送信される(S52)。
図18は、図15におけるS14の通常遊技制御処理の全体的な過程を示すフローチャートである。この通常遊技制御処理は、サブ基板104における先読み処理が実行され(S250)、メイン基板102における特別図柄変動処理の実行(S252)、サブ基板104における装飾図柄変動処理の実行(S254)が、繰り返し処理されることとなる。
図19は、図18におけるS250の先読み処理を詳細に示すフローチャートである。いわゆる先読みによって得られる情報に基づいてどのような演出をサブ基板104において実行するか、また事前判定結果がどのような結果の場合にその結果に応じた演出を実行するかといった基準は、ぱちんこ遊技機10における遊技性の設計に応じて種々考えられる。本実施例においては、事前判定結果をサブ基板104側でも認識し、その事前判定結果に基づいて特定保留球の演出内容を実際の図柄変動以前に遊技者へ示唆し、さらにその示唆内容を保留数の変化に伴って逐次切り替えていく。
サブ基板104の演出決定手段132がメイン基板102から事前判定結果を受信した場合(S260のY)、演出表示制御手段134は、事前演出条件が充足されたか否かを判定する。具体的には、事前演出フラグがオフ、かつ事前判定結果におけるパターン範囲が事前演出範囲238に含まれ、かつ所定確率での事前演出抽選に当選した場合、事前演出条件が充足されたと判定し(S262のY)、事前演出フラグをオンに設定する(S264)。なお本実施例でのフラグの設定は、メモリの所定領域におけるビット値を0から1、もしくは1から0に設定することでもよい。演出決定手段132は、事前演出の対象となった特定保留球に対応する保留インジケータ196の表示態様を、事前演出対象であることを示す所定態様へ変更する(S266)。そして、予告種類テーブルを参照して、事前当否判定結果、現在の保留数、および事前判定結果としてのパターン範囲に対応する事前演出パターン(例えばバトル演出における敵キャラクタ)を特定する(S268)。演出決定手段132は、事前演出パターンに対応する画像データをパターン記憶手段130から取得して事前演出表示領域198に表示させる(S270)。
事前演出条件が充足されない場合(S262のN)、S264以降はスキップされる。事前判定結果が未受信であれば(S260のN)、S262以降はスキップされる。
図20は、図18におけるS252の特別図柄変動処理を詳細に示すフローチャートである。まだ図柄変動表示が開始されていない場合(S60のN)、保留制御手段116により当否抽選値の保留がなされている場合(S70のY)、当否抽選手段112が保留制御手段116から当否抽選値を読み出してあらためて特別図柄192の当否を判定し(S72)、図柄決定手段114が特別図柄192を決定し(S74)、変動パターン決定手段115が特別図柄192の変動パターンを決定し(S76)、決定した結果とともに変動開始コマンドをサブ基板104へ送信して特別図柄192の図柄変動(すなわち当該変動)を開始する(S77)。保留制御手段116により抽選値の保留がなされていない場合はS72からS77までの処理をスキップする(S70のN)。
すでに図柄変動表示が開始されている場合(S60のY)、特別図柄の図柄変動表示を処理し(S78)、所定の変動時間が経過して図柄表示の停止タイミングに達したときは(S80のY)、変動停止コマンドをサブ基板104へ送信して表示中の図柄変動をあらかじめ決定された停止図柄にて停止し(S82)、本図のフローを終了する。図柄表示の停止タイミングに達していない場合はS82の処理をスキップして本図のフローを終了する(S80のN)。
図21は、図18におけるS254の装飾図柄変動処理を詳細に示すフローチャートである。サブ基板104の演出決定手段132は、メイン基板102から変動開始コマンドを受信し(S280のY)、事前演出フラグがオンであり(S282のY)、変動を開始すべき対象の保留球が特定保留球である場合(S284のY)、事前演出フラグをオフに設定する(S286)。事前演出フラグが予めオフであれば(S282のN)、S284およびS286はスキップされ、変動開始対象が特定保留球でなければ(S284のN)、S286はスキップされる。
サブ基板104において受信された特別図柄の停止図柄、変動パターン、当否判定結果に応じて、図柄態様決定手段131は装飾図柄の停止態様を決定し(S288)、演出決定手段132は新たな変動演出パターンを決定する(S290)。それとともに演出決定手段132は、予告種類テーブルを参照して予告演出の内容を設定する(S292)。その後、装飾図柄の変動表示を開始するとともに予告演出を開始する(S296)。メイン基板102から変動開始コマンドを受信しなかった場合はS282からS294をスキップする(S280のN)。
すでに装飾図柄の変動表示が開始済みであれば(S296のY)、その図柄変動や予告演出の表示処理を実行し(S298)、メイン基板102から変動停止コマンドを受信したときは(S300のY)、S288で決定された停止態様にて装飾図柄を停止表示させることで変動表示を停止する(S302)。変動停止コマンドをメイン基板102から受信していないときはS302をスキップし(S300のN)、変動表示が開始済みでないときはS298からS302をスキップする(S296のN)。
演出決定手段132は、保留制御手段116における保留数の変化を検出した場合(S304のY)、事前演出フラグを参照する。事前演出フラグがオンであれば(S306のY)、特定保留球に関して先に受け付けた事前判定結果としてのパターン範囲と変化後の保留数とに応じて事前演出パターンを新たに特定する(S308)。そして、新たに特定したパターンに対応する事前演出用の画像データを事前演出表示領域198に表示させることにより事前演出表示領域198の表示内容を更新する(S310)。事前演出フラグがオフであれば(S306のN)、S308およびS310はスキップされ、保留数の変化が未検出であれば(S304のN)、S306以降はスキップされる。
図22は、図15におけるS16の特別遊技制御処理を詳細に示すフローチャートである。当否抽選の結果が大当りであった場合(S90のY)、すでに特別遊技が開始済みであって(S92のY)、大入賞口66が開放済でなければ(S98のN)、大入賞口66の開放処理を実行する(S100)。このとき、設定された大当り演出の表示も開始する。大入賞口66が開放済みであれば(S98のY)、大入賞口66の閉鎖処理を実行する(S102)。その結果、大入賞口66が閉鎖状態になっていれば(S104のY)、S106へ移行する。閉鎖状態でなければ(S104のN)、S106以降の処理をスキップして本処理を一旦終了する。一方、S92において特別遊技が開始済みでない場合は(S92のN)、特別遊技を開始して(S94)、その開始デモ演出の表示を開始し(S96)、本処理を一旦終了する。
S106においては、特別遊技中の演出であるデモ演出中であるか否かを判定する。なお、ここでいう「デモ演出」は、開始デモ演出および終了デモ演出を含む。デモ演出中でなければ(S106のN)、後述する終了フラグを参照して特別遊技終了条件が満たされるか否かを判定し(S110)、特別遊技終了条件が満たされていれば(S110のY)、その終了フラグをオフにしたうえで(S112)、終了デモ演出の表示を開始する(S114)。特別遊技終了条件が満たされていなければ(S110のN)、本処理を一旦終了する。S106にてデモ演出中であると判定され(S106のY)、終了デモ演出が終了した場合(S116のY)、特別遊技を終了し(S118)、特定遊技、すなわち確変、時短、および入球容易状態を開始する(S120)。終了デモ演出が終了していない場合は(S116のN)、S118およびS120の処理をスキップする。大当りでない場合は(S90のN)、本図のS92以降のフローをスキップする。
図23は、図22におけるS100の開放処理を詳細に示すフローチャートである。設定された開閉パターンに基づく大入賞口66の開放タイミングとなったとき(S122のY)、開閉制御手段124は、通過フラグを一律にオフにするとともに開閉パターンの動作を設定し(S124)、大入賞口66を開放させる(S126)。また、現在の単位遊技の繰り返し回数に対応した大当り演出、または繰り返し回数が異なる回数になることに対応した大当り演出を設定して開始する。開放タイミングでないときは(S122のN)、S124およびS126の処理をスキップする。
図24は、図22におけるS102の閉鎖処理を詳細に示すフローチャートである。設定された開閉パターンに基づく大入賞口66の閉鎖タイミングとなったとき、開閉制御手段124は大入賞口66を閉鎖させる。すなわち、特別遊技中において、入球数による終了条件が満たされるか(S130のY)、入球数による終了条件が満たされなくとも(S130のN)、開放時間による終了条件が満たされれば(S132のY)、大入賞口66を閉鎖する(S134)。開放時間による終了条件も満たされなければ(S132のN)、S134以降のフローをスキップする。
なお、15R大当りにおける入球数による終了条件は大入賞口66への10球以上の入球であり、開放時間による終了条件は、大入賞口66の開放開始から開閉パターンに沿った設定時間の経過である。15R大当りの場合は、その開放開始から30秒の経過であり、2R大当りの場合は、その開放開始から0.5秒の経過である。ただし、0.5秒の開放は極めて短いため、10球以上の入球はもちろん、入球そのものが困難である。その大入賞口の開放と同時に遊技球を打ち出したとしても入球困難であるため、大入賞口66の極短開放が行われる2R大当りについては、大入賞口66の開放前にその開放を予測して遊技球を打ち出す必要がある。一方、15R大当りにおける入球数による終了条件は大入賞口への10球以上の入球であり、開放時間による終了条件は、大入賞口66の開放開始から30秒の経過である。このとき、継続上限回数に達していれば(S136のY)、終了フラグをオンにする(S138)。継続上限回数に達していなければ(S136のN)、S138の処理をスキップする。本実施例においてこの継続上限回数は15回である。入球数による終了条件および開放時間による終了条件のいずれも満たされていなければ(S130のN,S132のN)、S134以降の処理をスキップする。
図25は、図15におけるS17の小当り遊技制御処理を詳細に示すフローチャートである。当否抽選の結果が小当りであった場合(S150のY)、既に小当り遊技が開始済みであって(S152のY)、大入賞口66が開放済でなければ(S158のN)、大入賞口66の開放処理を実行し(S160)、開放済みであれば(S158のY)、大入賞口66の閉鎖処理を実行する(S162)。その結果、大入賞口66が閉鎖状態になっていれば(S164のY)、S166へ移行する。閉鎖状態でなければ(S164のN)、S166以降の処理をスキップして本処理を一旦終了する。一方、S152において小当り遊技が開始済みでない場合は(S152のN)、小当り遊技を開始して(S154)、2R大当りと同様の開始デモ演出の表示を開始し(S156)、本処理を一旦終了する。
S166においては、小当り遊技中の演出であるデモ演出中であるか否かを判定する。デモ演出中でなければ(S166のN)、小当り遊技終了条件が満たされたか否かを判定する。ここでは、後述する終了フラグがオンになっていれば、小当り遊技終了条件が満たされることになる。小当り遊技終了条件が満たされていれば(S170のY)、その終了フラグをオフにしたうえで(S172)、終了デモ演出の表示を開始する(S174)。小当り遊技終了条件が満たされていなければ(S170のN)、本処理を一旦終了する。S166にてデモ演出中であると判定され(S166のY)、終了デモ演出が終了した場合(S176のY)、小当り遊技を終了する(S178)。終了デモ演出が終了していない場合は(S176のN)、S178の処理をスキップする。小当りでない場合は(S150のN)、本図のS152以降のフローをスキップする。
図26は、図25におけるS160の開放処理を詳細に示すフローチャートである。設定された開閉パターンに基づく大入賞口66の開放タイミングとなったとき(S180のY)、開閉制御手段124は、開閉パターンの動作を設定し(S182)、大入賞口66の開放を開始する(S184)。開放タイミングでないときは(S180のN)、S182およびS184の処理をスキップする。
図27は、図25におけるS162の閉鎖処理を詳細に示すフローチャートである。設定された開閉パターンに基づく大入賞口66の終了タイミングとなったとき(S190のY)、終了フラグをオンにし(S192)、大入賞口66を閉鎖する(S194)。なお、この閉鎖タイミングは、大入賞口66の開放開始から0.5秒の経過したタイミングである。閉鎖タイミングでなければ(S190のN)、S192およびS194の処理をスキップする。
以上、本発明を実施例に基づいて説明した。この実施例はあくまで例示であり、それらの各構成要素や各処理プロセスの組合せにいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。
第1の変形例を説明する。上記実施例では事前演出を保留インジケータ196とは別に表示させたが、変形例では特定保留球に対応する保留インジケータ196を、特定保留球に対応する図柄変動時の演出内容を示唆する態様で表示させてもよい。すなわち、保留インジケータ196を使用して事前演出を表示させてもよい。例えば、特定保留球に対応する保留インジケータ196を、通常時とは異なる態様であって、複数種類の大当りの期待度に予め対応づけられた複数種類の表示態様(形状や模様、色彩等)のうち、特定保留球の演出内容に予め対応づけられた表示態様で表示させてもよい。
第2の変形例を説明する。上記実施例では、演出決定手段132は、パターン決定時点での保留数が少ないほど高頻度で相対的に期待度の高い演出パターンが選択されるよう定められた外れ用の予告種類テーブルにしたがって予告演出パターンおよび事前演出パターンを選択した。変形例では、演出決定手段132は、パターン決定時点での保留数が多いほど高頻度で相対的に期待度の高い演出パターンが選択されるよう定められた外れ用の予告種類テーブルにしたがって予告演出パターンおよび事前演出パターンを選択してもよい。この場合、変動パターン決定手段115もまた、予告種類テーブルと同様の変動パターンテーブルにしたがって第2の変形例での演出内容に対応する変動パターンを決定する。
第2の変形例において、演出決定手段132は、予告種類テーブルにおいて、事前判定結果としてのパターン範囲が保留数によってはリーチ状態を含まない演出と対応づけられていても、所定数以上の保留数においてリーチ状態を含む演出と対応づけられている場合、特定の保留球に対応する事前演出を表示させてもよい。また、15R大当り用の予告種類テーブルは、外れ用のテーブルとは逆に、パターン決定時点での保留数が少ないほど高頻度で相対的に期待度の高い演出パターンが選択されるよう定められたものであってもよい。この変形例においても、図柄の変動効率を重視する遊技者(保留数を減少させるよう遊技する)と、演出内容を重視する遊技者(保留数を増加させるよう遊技する)の両方を満足させる演出を提供できる。
第3の変形例を説明する。上記実施例では、変動パターン決定手段115は、変動パターン決定時点での保留数が少ないほど高頻度で相対的に期待度の高い(変動時間の長い)変動パターンを選択した。同様に、演出決定手段132は、演出パターン決定時点での保留数が少ないほど高頻度で相対的に期待度の高い(演出時間の長い)演出パターンを選択した。変形例では、変動パターン決定手段115は、変動パターン決定時点での保留数ごとに一定の期待度(変動時間)が予め割り当てられた変動パターンを固定的に選択してもよい。同様に、演出決定手段132は、演出パターン決定時点での保留数ごとに一定の期待度(演出時間)が予め割り当てられた演出パターンを固定的に選択してもよい。言い換えれば、演出決定手段132は、保留数が異なれば、常に異なる期待度(演出時間)の演出パターンを選択してもよい。なお、このような構成は、リーチ状態を含む変動パターンおよび演出パターンの選択においてのみ適用されてもよく、リーチ状態を含まないパターンの選択においては適用が除外されてもよい。
図28は、第3の変形例における変動パターンテーブルを模式的に示す。同図のリーチAは変動時間T1を有する変動パターンであり、リーチ無しAも同様であってもよい。リーチBは変動時間T2を有する変動パターンであり、リーチ無しBも同様であってもよい。リーチCは変動時間T3を有する変動パターンであり、リーチ無しCも同様であってもよい。リーチDは変動時間T4を有する変動パターンであり、リーチ無しDも同様であってもよい。変動効率の観点から好適にはT1>T2>T3>T4と設定されてもよいが、逆にT1<T2<T3<T4と設定されてもよい。なお、大当りの期待度も同様に、リーチA>リーチB>リーチC>リーチDと定められてもよく、逆にリーチA<リーチB<リーチC<リーチDと定められてもよい。
図29は、第3の変形例における事前パターン判定で事前パターン判定テーブルを模式的に示す。変動パターン決定手段115は、当否結果が外れの場合にこのテーブルを参照し、パターン抽選値に対応する変動パターン範囲の値(外れ範囲250〜外れ範囲254のいずれか)を事前判定結果としてのパターン範囲に設定する。
第3の変形例における予告種類テーブルも図28と同様の内容になる。また、予告種類テーブルでは、保留数ごとに一定のキャラクタが割り当てられてもよい。例えば、保留1(すなわちリーチA)にはキャラクタA、保留2(すなわちリーチB)にはキャラクタB、保留3(すなわちリーチC)にはキャラクタC、保留4(すなわちリーチD)にはキャラクタD、が予め固定的に割り当てられてもよい。事前演出決定手段144は、特定保留球に対する事前判定結果としてのパターン範囲が事前演出範囲238に含まれる場合、そのパターン範囲と、特定保留球の当該変動開始前の複数時点における保留数とに応じたキャラクタを事前演出表示領域198に順次表示させる。これにより、特定保留球の当該変動開始前の複数時点に亘る保留数の増減に応じて、事前演出における表示キャラクタを逐次変化させる。この変形例においても、遊技者の趣向を反映した保留数の推移に応じて、将来の演出内容(すなわち大当りの期待度や演出時間)が変化したことを遊技者に都度把握させることができ、遊技の興趣を高めることができる。
10 ぱちんこ遊技機、 50 遊技盤、 52 遊技領域、 60 演出表示装置、 112 当否抽選手段、 115 変動パターン決定手段、 116 保留制御手段、 120 特別遊技制御手段、 132 演出決定手段、 142 予告演出決定手段、 144 事前演出決定手段。
Claims (3)
- 遊技領域が形成された遊技盤と、
前記遊技領域の所定位置に設けられ、遊技球の入球が抽選の契機となる始動入賞口と、
前記始動入賞口への入球を契機として、通常遊技より遊技者に有利な状態である特別遊技へ移行するか否かを判定するための当否抽選を実行する当否抽選手段と、
前記当否抽選の結果を示すための図柄が変動表示される図柄表示装置と、
前記当否抽選の結果を所定個数を上限にその当否抽選に対応する図柄の変動表示開始まで保留する保留制御手段と、
前記当否抽選の結果に応じて、前記図柄の変動表示過程を示す変動表示パターンを決定する変動パターン決定手段と、
前記当否抽選の結果が大当りである期待度としてそれぞれ異なる期待度を示す複数種類の演出パターンからいずれかを選択するとともに、そのパターン決定時点での前記当否抽選の結果の保留数が少ないほど高頻度で相対的に期待度の高い演出パターンが選択されるよう定められた基準にしたがって前記演出パターンを選択する演出決定手段と、
前記当否抽選の結果が大当りとなった場合、前記特別遊技を実行する特別遊技制御手段と、
を備え、
前記変動パターン決定手段は、前記始動入賞口への入球があったときに、その入球に対応する図柄変動表示が直ちに開始されるか否かにかかわらず、その入球に対応する変動表示パターンを示す情報を事前判定情報として前記演出決定手段へ通知し、
前記演出決定手段は、前記保留されたいずれか特定の抽選結果がそのパターン決定時点での前記保留数によっては前記期待度の高い演出パターンに該当する可能性があることが前記事前判定情報により判明した場合にその旨を事前に示唆するための事前演出として、前記特定の抽選結果より先に演出が開始される1以上の抽選結果に対する演出期間内の複数時点において、それぞれの時点での前記保留数が前記特定の抽選結果に対する演出時まで維持されると仮定した場合に前記演出パターンとしていずれの種類が選択されるかを示唆する演出内容を決定することにより、前記それぞれの時点に亘る前記保留数の増減に応じて示唆内容を変化させることを特徴とする弾球遊技機。 - 前記変動パターン決定手段は、前記事前判定情報として、前記特定の保留球に対応する変動表示パターンを決定するための抽選値を示す情報を前記演出決定手段へ通知し、
前記演出決定手段は、前記基準において前記抽選値を示す情報が保留数によってはリーチ状態を含まない演出と対応づけられていても、所定数以下の保留数においてリーチ状態を含む演出と対応づけられている場合、前記特定の抽選結果に対応する事前演出を表示させることを特徴とする請求項1に記載の弾球遊技機。 - 前記演出決定手段は、前記特定の抽選結果が外れの場合、前記基準にしたがって前記特定の抽選結果に対応する演出パターンを決定する一方、大当りの場合、演出パターンと保留数との対応関係が前記基準とは異なる基準にしたがって前記特定の抽選結果に対応する演出パターンを決定することにより、外れの場合と大当りの場合とで前記それぞれの時点に亘る前記保留数の増減が同じであっても、外れの場合における示唆内容の変化と大当りの場合における示唆内容の変化とを異なるものにすることを特徴とする請求項1または2に記載の弾球遊技機。
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