JP6222309B2 - 弾球遊技機 - Google Patents

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Description

遊技球が発射される遊技領域を備えた弾球遊技機に関する。
従来、各種の弾球遊技機のうち、いわゆる第1種ぱちんこ遊技機と呼ばれていた遊技機は、遊技盤の略中央に設けられた液晶ディスプレイなどの表示領域に複数の図柄を変動させながら表示する(以下、そうした表示を「図柄変動」または「変動表示」等という)。この遊技機は、複数列の図柄変動を停止させたときの図柄の組合せが特定の態様となった場合に、通常遊技より多くの賞球が得られる、いわゆる大当りと呼ばれる特別遊技へと移行するものとして知られている(例えば特許文献1参照)。表示領域における図柄の変動表示は、単に複数の図柄が変動表示されるだけでなく、いわゆるリーチ画面と呼ばれる状態のように、あと一つ図柄が揃えば大当りとなる状態で変動表示の時間を通常よりも長くする等、遊技者の期待感を高めるための演出が図られている。また、キャラクタ画像や背景画像等を用いて図柄の変動表示にストーリーを持たせる演出を施したり、大当りの獲得容易性を高める特定遊技として、確率変動(以下「確変」ともいう)および変動時間短縮(以下「時短」ともいう)、始動入賞口への入球容易性を高める入球容易状態へ移行したりする制御によっても遊技者の期待感を高めている。
遊技機の中には、いわゆる第1種ぱちんこ遊技機に相当する遊技が複数混在した遊技性を提供するものもある。このような遊技機では、第1の遊技において遊技者にもたらされる利益よりも、第2の遊技において遊技者にもたらされる利益が大きくなりやすいように設計されることもある(例えば特許文献2参照)。
特開2003−230714号公報 特開2010−22695号公報
一般的に、遊技者が効率的に出玉を獲得するには、遊技機の図柄変動が効率的になされた方が望ましいと言える。しかし、いわゆる第1種ぱちんこ遊技機に相当する遊技が複数混在した遊技機では、単に図柄変動を効率化するだけでは、却って遊技の興趣を損なってしまうことがあると本発明者は考えた。
本発明はこうした課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、複数種類の遊技が混在した遊技機において、遊技の興趣を損なうことを抑制するための好適な図柄変動を実現することにある。
上記課題を解決するために、本発明のある態様の弾球遊技機は、遊技領域が形成された遊技盤と、遊技領域の所定位置に設けられた第1始動口と、遊技領域の所定位置に設けられた第2始動口と、第1始動口への入球を契機として、第1の当否抽選を実行する第1抽選手段と、第2始動口への入球を契機として、第2の当否抽選を実行する第2抽選手段と、第1または第2の当否抽選が当りとなった場合に、通常遊技よりも遊技者に有利な状態である特別遊技へ移行させる特別遊技制御手段と、第1の当否抽選の結果を示すための図柄と、第2の当否抽選の結果を示すための図柄とが変動表示される図柄表示装置と、第1の当否抽選の結果と図柄の変動表示における変動パターンとの対応関係を定めた第1の決定基準にしたがって、第1の当否抽選の結果に応じて図柄の変動パターンを決定し、第2の当否抽選の結果と図柄の変動表示における変動パターンとの対応関係を定めた第2の決定基準にしたがって、第2の当否抽選の結果に応じて図柄の変動パターンを決定する変動パターン決定手段と、第1の当否抽選の結果を第1抽選結果として、所定個数を上限にその当否抽選に対応する図柄の変動表示開始まで保留する第1保留制御手段と、第2の当否抽選の結果を第2抽選結果として、所定個数を上限にその当否抽選に対応する図柄の変動表示開始まで保留する第2保留制御手段と、変動パターン決定手段により決定された変動パターンにしたがって図柄を図柄表示装置に変動表示させ、第2抽選結果が保留されている場合は第1の当否抽選に対応する図柄変動表示の開始を留保する一方、第1抽選結果が保留されているか否かにかかわらず第2の当否抽選に対応する図柄変動表示を開始する表示制御手段と、遊技領域の所定位置に設けられ、遊技球が入球可能な作動口と、作動口への入球を契機として、第2始動口が、遊技球が相対的に入球困難な状態から入球容易な状態へ変化する可否を判定するための普通図柄抽選を実行する普図抽選手段と、普通図柄抽選の結果が当りとなった場合に、第2始動口を入球容易な状態へ変化させる開閉制御手段と、第1または第2の当否抽選が特定の結果に該当した場合に、特別遊技の終了後の通常遊技において普通図柄抽選が当りとなる確率が通常状態よりも高確率となる入球容易状態へ移行させる特定遊技実行手段と、を備える。特別遊技制御手段は、遊技者にとって利益が相対的に小さい第1の特別遊技と、遊技者にとって利益が相対的に大きい第2の特別遊技について、第2の当否抽選が当りとなった場合に、第1の当否抽選が当りとなった場合よりも高確率で第2の特別遊技へ移行させ、第1の決定基準と第2の決定基準は、変動表示時間が相対的に短い変動パターンと変動表示時間が相対的に長い変動パターンのいずれを選択するかの条件として、互いに異なる条件を定めたものである。
なお、以上の構成要素に関する任意の組合せや、本発明の構成要素や表現を方法、装置、システム、コンピュータプログラム、コンピュータプログラムを格納した記録媒体、データ構造などの間で相互に置換したものもまた、本発明の態様として有効である。
本発明によれば、複数種類の遊技が混在した遊技機において、遊技の興趣を損なうことを抑制するための好適な図柄変動を実現できる。
ぱちんこ遊技機の前面側における基本的な構造を示す図である。 ぱちんこ遊技機の背面側における基本的な構造を示す図である。 ぱちんこ遊技機の機能ブロックを示す図である。 当否判定テーブルを模式的に示す図である。 図柄判定テーブルを模式的に示す図である。 変動パターンテーブルを模式的に示す図である。 変動パターンテーブルを模式的に示す図である。 変動パターンテーブルを模式的に示す図である。 ぱちんこ遊技機における基本的な動作過程を示すフローチャートである。 図9におけるS10の入賞処理を詳細に示すフローチャートである。 図10におけるS28の事前判定処理を詳細に示すフローチャートである。 、図9におけるS14の通常遊技制御処理の全体的な過程を示すフローチャートである。 図12におけるS152の特別図柄変動処理の実行処理を詳細に示すフローチャートである。 図13におけるS68の第2パターン決定処理を詳細に示すフローチャートである。 図12におけるS154の装飾図柄変動処理の実行処理を詳細に示すフローチャートである。 図12におけるS156の普通図柄の処理を詳細に示すフローチャートである。 図9におけるS16の特別遊技処理を詳細に示すフローチャートである。 図9におけるS17の小当り遊技を詳細に示すフローチャートである。 第1の変形例のぱちんこ遊技機の前面側における基本的な構造を示す図である。 第2の変形例のぱちんこ遊技機の前面側における基本的な構造を示す図である。 第3の変形例のぱちんこ遊技機の前面側における基本的な構造を示す図である。
本実施例のぱちんこ遊技機においては、従来にいう第1種ぱちんこ遊技機に相当する遊技が複数混在する。その複数の遊技としての第1の遊技と第2の遊技とが、同時に実行されないよう第2の遊技が優先的に実行される。またこれらの遊技性を両立させるために、本実施例のぱちんこ遊技機は、複数の始動口および複数の特別図柄表示装置を備える。詳細は後述するが、第1の遊技は第1始動口への入球を伴うものであり、第2の遊技は第2始動口への入球を伴うものである。また、遊技者にとって利益の大きさが異なる15ラウンド(15R)特別遊技・8R特別遊技・2R特別遊技が設けられており、第1の遊技で大当りとなるよりも第2の遊技で大当りとなるほうが15R特別遊技へ移行しやすいよう設定される。
本実施例のぱちんこ遊技機は、時短状態でない通常状態の通常遊技では、第2始動口への入球に伴う図柄変動の表示時間として、第1始動口への入球の保留個数に応じて異なる表示時間を決定する。これにより、第1の遊技での保留個数が異なれば、第2の遊技での図柄変動時間が異なり、演出表示時間も異なることとなり、第2の遊技における演出のバリエーションを増加させることができ、遊技の興趣を高めることができる。
また本実施例のぱちんこ遊技機は、時短状態の通常遊技では、基本的に第2始動口への入球に伴う図柄変動の変動表示時間を短縮する。しかし、第1始動口への入球が保留されている場合は、第2始動口への入球の保留のうち少なくとも1回は、図柄変動の変動表示時間を短縮せず、長時間の変動とする。これにより、時短状態において第1の遊技が保留されている場合に、第2の遊技の消化中に第2始動口への新たな入球が発生する可能性を高め、第2の遊技を継続しやすくする。言い換えれば、遊技者にとって利益の低い第1の遊技による当りを回避しやすくし、遊技者にとって利益の高い第2の遊技による当りを発生しやすくして遊技の興趣を高めることができる。
図1は、ぱちんこ遊技機の前面側における基本的な構造を示す。ぱちんこ遊技機10は、主に遊技機枠と遊技盤で構成される。ぱちんこ遊技機10の遊技機枠は、外枠11、前枠12、透明板13、扉14、上球皿15、下球皿16、および発射ハンドル17を含む。外枠11は、開口部分を有し、ぱちんこ遊技機10を設置すべき位置に固定するための枠体である。前枠12は、外枠11の開口部分に整合する枠体であり、図示しないヒンジ機構により外枠11へ開閉可能に取り付けられる。前枠12は、遊技球を発射する機構や、遊技盤を着脱可能に収容させるための機構、遊技球を誘導または回収するための機構等を含む。
透明板13は、ガラスなどにより形成され、扉14により支持される。扉14は、図示しないヒンジ機構により前枠12へ開閉可能に取り付けられる。上球皿15は、遊技球の貯留、発射レールへの遊技球の送り出し、下球皿16への遊技球の抜き取り等の機構を有する。下球皿16は、遊技球の貯留、抜き取り等の機構を有する。上球皿15と下球皿16の間にはスピーカ18が設けられており、遊技状態などに応じた効果音が出力される。
遊技盤50は、外レール54と内レール56により区画された遊技領域52上に、アウト口58、第1特別図柄表示装置70、第2特別図柄表示装置71、演出表示装置60、第1始動口62、第2始動口63、センター飾り64、大入賞口91、作動口68、一般入賞口72を含む。さらに遊技領域52には、図示しない多数の遊技釘や風車などの機構が設置される。
第1始動口62は第1の遊技に対応する始動入賞口として設けられ、第2始動口63は第2の遊技に対応する始動入賞口として設けられる。本実施例では、第1始動口62と第2始動口63はいずれも、遊技者が遊技領域52の左側を狙って比較的弱めに遊技球を発射した場合に入球しやすくなるような位置に設けられる。ただし、第2始動口63は第1始動口62の直下に配置され、拡開機構である普通電動役物65が拡開されず閉鎖されているときは第1始動口62の存在により第2始動口63へ遊技球が入球困難な構成である。言い換えれば、第2始動口63への入球を第1始動口62が阻害する配置構成である。
第1始動口62は、始動入賞検出装置74を備える。始動入賞検出装置74は、第1始動口62への遊技球の入球を検出するセンサであり、入球時にその入球を示す第1始動入賞情報を生成する。第2始動口63は、始動入賞検出装置75と、普通電動役物65と、普通電動役物65を開閉させるための普通電動役物ソレノイド76を備える。始動入賞検出装置75は、第2始動口63への遊技球の入球を検出するセンサであり、入球時にその入球を示す第2始動入賞情報を生成する。普通電動役物ソレノイド76の駆動力により普通電動役物65が拡開されると、第2始動口63への入球容易性が高まる。これに対して第1始動口62には普通電動役物が設置されていない。
一般入賞口72は、遊技球の入球を検出するための一般入賞検出装置73を複数備える。一般入賞検出装置73は、一般入賞口72への遊技球の入球を検出するセンサであり、入球時にその入球を示す一般入賞情報を生成する。
大入賞口91は、第1の遊技と第2の遊技で共通して使用される大入賞口である。大入賞口91は、遊技球の入球を検出するための入賞検出装置78と、大入賞口91を開閉させるための大入賞口ソレノイド80を備える。入賞検出装置78は、大入賞口91への遊技球の入球を検出するセンサであり、入球時にその入球を示す大入賞口入賞情報を生成する。大入賞口91は、第1特別図柄192または第2特別図柄193が所定の態様にて停止したときに「大当り」として開放状態となる横長方形状の入賞口である。大入賞口91はアウト口58の上方の位置に設けられる。変形例として、第1の遊技に対応する第1大入賞口と、第2の遊技に対応する第2大入賞口とが別に設けられてもよい。この場合、第1大入賞口は本実施例の大入賞口91と同様の位置に配置されてもよく、第2大入賞口はアウト口58の右上方の位置に設けられて、いわゆる左打ちと右打ちの打ち分けが必要な配置構成としてもよい。
遊技領域52の左下方に設けられた第1特別図柄表示装置70と第2特別図柄表示装置71、および遊技領域52の略中央に設けられた演出表示装置60は、それぞれの画面に第1特別図柄192または第2特別図柄193の変動と、第1特別図柄192および第2特別図柄193に連動する装飾図柄190を含む演出画像の変動を表示する。以下、そうした表示を「図柄変動」または「変動表示」等という。
第1特別図柄192と第2特別図柄193は、例えば7セグメントLEDで構成される表示装置である。第1特別図柄192は、第1の遊技に対応する特別図柄であり、第1始動口62への遊技球の落入を契機として行われる抽選の結果に対応した図柄である。第2特別図柄193は、第2の遊技に対応する特別図柄であり、第2始動口63への遊技球の落入を契機として行われる抽選の結果に対応した図柄である。第1特別図柄192および第2特別図柄193の変動表示が停止したときの図柄態様が、あらかじめ当りと定められた図柄であった場合に、その停止図柄が表示されたタイミングが大当り発生タイミングとなる。停止図柄は、図柄変動の終了時に表示すべき図柄である。本実施例においてセグメントの組合せで表される第1特別図柄192および第2特別図柄193は、必ずしも文字や数字の体をなしておらず、7セグメントLEDを構成する各セグメントの組合せで形成される一般に意味を持たない記号であってよい。これらの記号が高速で次々に入れ替わって第1特別図柄表示装置70および第2特別図柄表示装置71へ表示されることにより、第1特別図柄192および第2特別図柄193の図柄変動表示が実現される。また、7セグメントLEDは、「8の字」を形成する7個のセグメントおよび「ドット」を表す1個のセグメントからなる8個のセグメントで構成されてもよい。この場合、8個のセグメントを組み合わせることにより8ビット分の数値を表現できる。さらに、第1特別図柄表示装置70および第2特別図柄表示装置71を7セグメントLEDではないLEDドットアレーを用いて、その点灯パターンや点灯色の組合せで複数種類の第1特別図柄192および第2特別図柄193を表現してもよい。
演出表示装置60の表示領域194には第1特別図柄192に連動する装飾図柄190または第2特別図柄193に連動する装飾図柄190の変動が表示される。演出表示装置60は、たとえば液晶ディスプレイである。装飾図柄190は、第1特別図柄192で示される第1の抽選の結果表示または第2特別図柄193で示される第2の抽選の結果表示を視覚的に演出するための図柄である。演出表示装置60は、装飾図柄190として、例えばスロットマシンのゲームを模した複数列の図柄変動の動画像を表示領域194に表示する。演出表示装置60は、この実施例では液晶ディスプレイで構成されるが、機械式のドラムやLEDなどの他の表示手段で構成されてもよい。なお、第1特別図柄192および第2特別図柄193は必ずしも演出的な役割をもつことを要しないため、本実施例では演出表示装置60の左下方の第1特別図柄表示装置70および第2特別図柄表示装置71にて目立たない大きさで表示させるが、特別図柄自体に演出的な役割をもたせて装飾図柄を表示させないような手法を採用する場合には、特別図柄を演出表示装置60のような液晶ディスプレイに表示させてもよい。
作動口68は、遊技盤50の右側方位置に設けられる。作動口68は、通過検出装置69を含む。通過検出装置69は、作動口68への遊技球の通過を検出するセンサであり、通過時にその通過を示す通過情報を生成する。作動口68への遊技球の通過は第2始動口63の普通電動役物65を拡開させるための開放抽選(以下「普通図柄抽選」とも呼ぶ。)の契機となる。
遊技者が発射ハンドル17を手で回動させると、その回動角度に応じた強度で上球皿15に貯留された遊技球が1球ずつ内レール56と外レール54に案内されて遊技領域52へ発射される。遊技者が発射ハンドル17の回動位置を手で固定させると一定の時間間隔で遊技球の発射が繰り返される。遊技領域52の上部へ発射された遊技球は、複数の遊技釘や風車に当りながらその当り方に応じた方向へ落下する。遊技球が一般入賞口72、第1始動口62、第2始動口63、大入賞口91の各入賞口へ落入すると、その入賞口の種類に応じた賞球が上球皿15または下球皿16に払い出される。一般入賞口72等の各入賞口に落入した遊技球はセーフ球として処理され、アウト口58に落入した遊技球はアウト球として処理される。なお、各入賞口は遊技球が通過するゲートタイプのものを含み、本願において「落入」「入球」「入賞」というときは「通過」を含むものとする。
遊技球が第1始動口62に入球すると、第1特別図柄表示装置70において第1特別図柄192が変動表示され、演出表示装置60の表示領域194において装飾図柄190が変動表示される。遊技球が第2始動口63に入球すると、第2特別図柄表示装置71において第2特別図柄193が変動表示され、演出表示装置60の表示領域194において装飾図柄190が変動表示される。第1特別図柄192、第2特別図柄193、装飾図柄190の変動表示は、表示に先だって決定された変動時間の経過後に停止される。停止時の第1特別図柄192および装飾図柄190、もしくは、停止時の第2特別図柄193および装飾図柄190が大当り態様であった場合、通常遊技よりも遊技者に有利な遊技状態である特別遊技に移行し、大入賞口91の開閉動作が開始される。このときスロットマシンのゲームを模した装飾図柄190は、3つの図柄を一致させるような表示態様をとる。
特別遊技は、大入賞口91が開放される単位遊技が複数回繰り返される遊技である。本実施例では、単位遊技が15回繰り返されて多くの出玉を獲得できる特別遊技(以下「15R特別遊技」とも呼ぶ)と、単位遊技が8回繰り返されて中程度の出玉を獲得できる特別遊技(以下「8R特別遊技」とも呼ぶ)と、短い単位遊技が2回だけ繰り返されてほぼ出玉のない(以下「2R特別遊技」とも呼ぶ)の3種類がある。以下では、15R特別遊技・8R特別遊技・2R特別遊技の契機となる大当りを、それぞれ「15R大当り」・「8R大当り」・「2R大当り」とも呼ぶ。15R特別遊技および8R特別遊技では、大入賞口91は約30秒間開放されたとき、または9球以上の遊技球が落入したときに一旦閉鎖されることで1回の単位遊技が終了する。2R特別遊技では、大入賞口91は約0.2秒間開放されたときに一旦閉鎖されることで1回の単位遊技が終了する。
停止時の第1特別図柄192および装飾図柄190が所定の小当り態様であった場合、1回の単位遊技で構成される小当り遊技に移行し、大入賞口91の開閉動作が実行される。停止時の第2特別図柄193および装飾図柄190が小当り態様であった場合もまた小当り遊技に移行し、大入賞口91の開閉動作が実行される。小当り遊技を構成する1回の単位遊技においては、大入賞口91が約0.2秒間の開放を2回繰り返すので、外観上は2R大当りと同様の動作態様となる。
特別遊技が終了した後の通常遊技においては特定遊技の一つとして、第1特別図柄192、第2特別図柄193および装飾図柄190の変動時間短縮(以下、適宜「時短」という)が開始される。第1特別図柄192、第2特別図柄193および装飾図柄190の時短は、これらの図柄の変動時間が通常状態よりも短縮される状態である。第1特別図柄192、第2特別図柄193および装飾図柄190の変動時間は、所定の変動回数、例えば100回の変動表示がなされた後で元の変動時間に戻されるが、その変動回数に達する前に大当りが発生すれば時短も終了する。時短により第1特別図柄192、第2特別図柄193および装飾図柄190の変動時間が短縮されるため、通常の変動時間のまま図柄変動がなされる通常状態の場合と比べて、大当りが発生するまでの時間を短縮することができ、大当りの獲得容易性を相対的に高めることができる。
第1特別図柄192、第2特別図柄193および装飾図柄190の時短中は、特定遊技の一つである入球容易状態が実施される。入球容易状態は、普通図柄の時短、開放抽選の確率変動、普通電動役物65の開放延長が実施されることにより第2始動口63への入球容易性が高められる状態である。普通図柄の時短は、普通図柄の変動時間が通常状態より短縮される状態である。開放抽選の確率変動は、開放抽選の当り確率を通常状態より高める状態である。普通電動役物65の開放延長は、普通電動役物65の開放時間を通常状態よりも長くする状態である。このように、入球容易状態においては、一定時間あたりの普通図柄の変動回数が通常状態よりも増加する可能性が高まる上、第2始動口63への入球容易性も増すため、第2始動口63への入球数が増加する可能性も高い。したがって、第1特別図柄192、第2特別図柄193および装飾図柄190の時短および入球容易状態により、その期間中は第2始動口63への入球による賞球を得られる機会が増加する結果、持ち玉をほとんど減らさずに遊技し続けることが可能となる。
なお、本実施例における入球容易状態は、普通図柄の時短、開放抽選の確率変動、普通電動役物65の開放延長という3つの機能を用いて第2始動口63への入球容易性を高める。ただし、変形例としては、これら3つの機能のうち、1つまたは2つの機能を用いて第2始動口63への入球容易性を高める構成としてもよい。このように3つの機能のうち一部だけを用いても第2始動口63への入球容易性を高めることは可能である。また、3つの機能のうち少なくともいずれかを、実施する期間と実施しない期間とで遊技状態に応じて切り替える構成としてもよい。
特別遊技が発生した場合であってそのときの当り停止図柄が特定の態様であった場合、特別遊技の終了後に特定遊技の一つである当否抽選の確率変動遊技(以下、適宜「確変」という)がさらに開始される。当否抽選の確変中は、通常の確率状態より当りの確率が高い当否抽選が行われ、比較的早期に新たな特別遊技が発生し得る。当否抽選の確変は次の大当りが発生するまで継続されるが、変形例として、所定の限定的な回数の図柄変動がなされたときに終了する構成であってもよい。本実施例においては、確変が開始されるときに同時に第1特別図柄192、第2特別図柄193および装飾図柄190の時短や入球容易状態も開始されるが、変形例として時短や入球容易状態の開始を伴わない確変が実行される場合があってもよい。
作動口68を遊技球が通過すると、所定時間、普通図柄と呼ばれる図柄が普通図柄表示装置59に変動表示される。普通図柄表示装置59は大入賞口91の右方に設けられ、本実施例では二つのランプが交互に点灯と消灯を繰り返す形で普通図柄の変動表示を表現し、どちらのランプが最終的に点灯したまま停止するかによって普通図柄の抽選結果を表す。後述するように本実施例では、普通図柄の抽選結果が演出表示装置60において演出的に表示される。
所定時間の経過後に普通図柄の変動表示が所定の当り態様にて停止すると、第2始動口63の普通電動役物65が所定時間拡開する。このとき、通常状態では例えば1/256程度の低確率にて普通図柄が当り態様で停止し、後述する入球容易状態では例えば250/256程度の高確率にて普通図柄が当り態様で停止する。普通図柄が当り態様で停止すると、普通電動役物65が所定時間拡開される。普通電動役物65の開放時間は、例えば通常状態では1秒間もしくは6秒間であり、入球容易状態では6秒間である。すなわち、複数種類の開放時間に対応する複数種類の当たり態様が設けられており、通常状態では停止した当たり態様に応じた開放時間、普通電動役物65が拡開される。入球容易状態では、当たり態様にかかわらず6秒間、普通電動役物65が拡開されることとする。
演出表示装置60の周囲には、センター飾り64が設けられる。センター飾り64は、遊技球の流路、演出表示装置60の保護、装飾等の機能を有する。遊技効果ランプ90がセンター飾り64の上部および下部に設けられ、点滅等することで演出の役割を果たす。普通図柄変動に対応する普図保留ランプ22は、普通図柄表示装置59の下方に設けられる。普図保留ランプ22は2個のランプからなり、その点灯個数または点滅個数によって普通図柄変動の保留数を表示する。普通図柄変動の保留数は、普通図柄の変動中に作動口68を通過した遊技球の個数であり、普通図柄の変動がまだ実行されていない普通図柄抽選の数を示す。
第1の遊技における当否抽選値の保留数と、第2の遊技における当否抽選値の保留数は、演出表示装置60の保留表示領域20において一括して表示される。第1の遊技における当否抽選値の保留数は、第1特別図柄192の変動中または特別遊技の実行中に第1始動口62へ入賞した抽選結果の個数であり、図柄変動がまだ実行されていない入賞球の数であり、保留表示領域20では「○」の画像の個数により示される。第1の遊技における当否抽選値の保留を以下では「特1保留」とも呼ぶ。第2の遊技における当否抽選値の保留数は、第2特別図柄193の変動中または特別遊技の実行中に第2始動口63へ入賞した抽選結果の個数であり、図柄変動がまだ実行されていない入賞球の数であり、保留表示領域20では「△」の画像の個数により示される。第2の遊技における当否抽選値の保留を以下では「特2保留」とも呼ぶ。
図1の保留表示領域20では、特1保留個数が3で、特2保留個数が2であることを示している。また保留表示領域20では、次回に図柄変動がなされる保留を保留表示領域20の左端に示している。言い換えれば、単一の保留表示領域20において、左を先頭に図柄変動の実行順に、特1保留および特2保留を整列表示させる。既述したように、第1の遊技よりも第2の遊技が優先され、第2の遊技における当否抽選に対する図柄変動が優先的に実行されるため、「△」は常に「○」の左側に表示される。
操作ボタン82は、遊技者が遊技機に対して所定の指示を入力するために操作するボタンである。操作ボタン82は、上球皿15近傍の外壁面に設けられる。
図2は、ぱちんこ遊技機の背面側における基本的な構造を示す。電源スイッチ40はぱちんこ遊技機10の電源をオンオフするスイッチである。メイン基板102は、ぱちんこ遊技機10の全体動作を制御し、とくに第1始動口62、第2始動口63へ入賞したときの抽選等、遊技動作全般を処理する。サブ基板104は、液晶ユニット42を備え、演出表示装置60における表示内容を制御し、特にメイン基板102による抽選結果に応じて表示内容を変動させる。メイン基板102およびサブ基板104は、遊技制御装置100を構成する。裏セット機構39は、賞球タンク44や賞球の流路、賞球を払い出す払出ユニット43等を含む。払出ユニット43は、各入賞口への入賞に応じて賞球タンク44から供給される遊技球を上球皿15へ払い出す。払出制御基板45は、払出ユニット43による払出動作を制御する。発射装置46は、上球皿15の貯留球を遊技領域52へ1球ずつ発射する。発射制御基板47は、発射装置46の発射動作を制御する。電源ユニット48は、ぱちんこ遊技機10の各部へ電力を供給する。
図3は、ぱちんこ遊技機10の機能ブロックを示す。ぱちんこ遊技機10において、遊技制御装置100は、第1始動口62、第2始動口63、大入賞口91、一般入賞口72、作動口68、第1特別図柄表示装置70、第2特別図柄表示装置71、演出表示装置60、普通図柄表示装置59、操作ボタン82、スピーカ18、遊技効果ランプ90のそれぞれと電気的に接続されており、各種制御信号の送受信を可能とする。遊技制御装置100は、遊技の基本動作だけでなく、図柄変動表示や電飾等の演出的動作も制御する。遊技制御装置100は、遊技の基本動作や遊技の進行を含むぱちんこ遊技機10の全体動作を制御する主制御装置としてのメイン基板102と、図柄の演出等を制御する副制御装置としてのサブ基板104とに機能を分担させた形態で構成される。遊技制御装置100は、ハードウエア的にはデータやプログラムを格納するROMやRAM、演算処理に用いるCPU等の素子を含んで構成される。
本実施例におけるメイン基板102は、入球判定手段110、第1抽選手段126、第2抽選手段128、普図抽選手段136、保留制御手段116、メイン表示制御手段118、特別遊技制御手段120、小当り遊技制御手段330、特定遊技実行手段122、開閉制御手段124、条件保持手段176を備える。本実施例におけるサブ基板104は、演出記憶手段130、演出決定手段132、演出表示制御手段134を備える。なお、メイン基板102に含まれる各機能ブロックは、いずれかがメイン基板102ではなくサブ基板104に搭載されるかたちで構成されてもよい。同様に、サブ基板104に含まれる各機能ブロックは、いずれかがサブ基板104ではなくメイン基板102に搭載されるかたちで構成されてもよい。
ただし、メイン基板102とサブ基板104の間におけるデータの送受信はメイン基板102からサブ基板104への一方向であるため、そのような一方向でのデータ送受信にて全体動作が実現されるよう各構成がメイン基板102とサブ基板104に配置される。このようにメイン基板102からサブ基板104へのデータ送信の一方向性が保たれるため、サブ基板104に含まれる構成からメイン基板102に含まれる構成へはデータを送信することができず、データ送信の要求もできない。したがって、メイン基板102で生成された情報は、メイン基板102がサブ基板104へ一方的に送信しない限りサブ基板104から参照することはできない。
入球判定手段110は、各入賞口への遊技球の入球を判定する。入球判定手段110は、第1始動入賞情報を受け取ると遊技球が第1始動口62に入賞したと判断し、第2始動入賞情報を受け取ると遊技球が第2始動口63に入賞したと判断する。入球判定手段110は、大入賞口入賞情報を受け取ると遊技球が大入賞口91に入賞したと判断し、一般入賞情報を受け取ると遊技球が一般入賞口72に入賞したと判断する。入球判定手段110は、通過情報を受け取ると遊技球が作動口68を通過したと判断する。
第1始動口62への入球に対応する第1の抽選を実行する第1抽選手段126は、第1抽選値取得手段112、第1当否判定手段113、第1パターン決定手段114、第1図柄決定手段320、第1パターン記憶手段324を含む。第2始動口63への入球に対応する第2の抽選を実行する第2抽選手段128は、第2抽選値取得手段115、第2当否判定手段117、第2パターン決定手段119、第2図柄決定手段322、第2パターン記憶手段326を含む。第1の抽選の結果は、第1特別図柄表示装置70において第1特別図柄192の変動表示の形で示され、演出表示装置60の表示領域194において装飾図柄190の変動表示の形で示される。第2の抽選の結果は、第2特別図柄表示装置71において第2特別図柄193の変動表示の形で示され、演出表示装置60の表示領域194において装飾図柄190の変動表示の形で示される。
第1抽選手段126および第2抽選手段128は、図柄変動を開始するにあたり、その図柄変動に対応する抽選の結果を図柄変動の制御コマンドとともに演出決定手段132へ送信する。
第1抽選値取得手段112は、第1始動口62への入球を契機に、第1の抽選のために乱数の値を第1当否抽選値として取得する。第2抽選値取得手段115は、第2始動口63への入球を契機に、第2の抽選のために乱数の値を第2当否抽選値として取得する。たとえば、当否抽選のために第1当否抽選値および第2当否抽選値として取得する値は「0」から「65535」までの値範囲から取得される。なお、本願にいう「乱数」は、数学的に発生させる乱数でなくてもよく、ハードウエア乱数やソフトウエア乱数などにより発生させる疑似乱数でもよい。第1抽選値取得手段112および第2抽選値取得手段115が第1当否抽選値または第2当否抽選値として取得する値は、保留制御手段116により一時的に保留される。ただし、保留制御手段116により保留される所定の保留上限数を超えない範囲で第1当否抽選値と第2当否抽選値が保留される。
第1当否判定手段113は、第1当否抽選値に基づき、特別遊技または小当り遊技へ移行するか否かを判定する当否判定を実行する。第2当否判定手段117は、第2当否抽選値に基づき、特別遊技または小当り遊技へ移行するか否かを判定する当否判定を実行する。第1当否判定手段113および第2当否判定手段117は、当否判定で参照する当否判定テーブルを保持する。
図4は、当否判定テーブルを模式的に示す図である。本図の当否判定テーブルには、大当り、小当り、外れの判定結果と当否抽選値とが対応付けられており、対応付けられたそれぞれの範囲設定に応じて大当り当否確率や小当りの当否確率が定まる。第1当否判定手段113および第2当否判定手段117は、当否判定において本図の当否判定テーブルを参照する。第1当否判定手段113による第1の抽選と第2当否判定手段117による第2の抽選のいずれにおいても、通常時には当否抽選値が0〜299の範囲に該当したときのみ大当りとなる。確変時には大当りの範囲が拡大され、当否抽選値が0〜299の範囲に該当する場合だけでなく、300〜6549の範囲に該当する場合にも大当りとなる。このように、大当りに該当する範囲は遊技状態に応じて変化する。なお、本図では単一の当否判定テーブルによって通常時と確変時の双方の大当り範囲を示したが、当否判定テーブルは通常時用と確変時用とで別個に用意してもよいし、第1の抽選用と第2の抽選用とで別個に用意してもよい。
本実施例においては、当否抽選値が大当り範囲に該当しない場合であっても、所定の範囲に該当した場合には小当りとなる。本図の例では、第1当否判定手段113が取得する当否抽選値が56500〜65535の範囲に該当した場合に小当りとなり、第2当否判定手段117が取得する当否抽選値が64000〜65535の範囲に該当した場合に小当りとなる。すなわち、第2の抽選よりも第1の抽選の方が小当りに該当する範囲が広く、小当りが発生しやすい。このように、大当りに該当しなかった場合、本来はすべて「外れ」であるが、本図の例では大当りに該当しなかった場合のうち小当りにも該当しなかった場合の当否抽選値範囲を特に「外れ」と表現している。なお、本図では大当りか否かの判定テーブルと小当りか否かの判定テーブルとを単一の当否判定テーブルの形で実現する例を示したが、それぞれを別個のテーブルとして実現してもよい。
なお、第1当否判定手段113および第2当否判定手段117は、第1始動口62または第2始動口63への入球時に、事前判定処理として、抽選値が当否判定におけるいずれの抽選値範囲に該当するかの事前当否判定をさらに実行する。そして、その判定結果をサブ基板104(例えば演出決定手段132)へ送信する。事前当否判定の結果は、送信バッファに一時保存された後、事前当否判定の対象とした抽選値に対応する図柄変動表示が直ちに開始されるか否かにかかわらずサブ基板104へ送信される。そして、送信バッファから消去され、または後に上書きされる。そのため、サブ基板104側にとっては図柄変動開始の順番が巡ってくる前にあらかじめ当否結果を推測的に認識できる、いわゆる「先読み」と呼ばれる処理が実現される。なお、図柄変動を開始するにあたって実行する当否判定を、特に事前当否判定と区別するために、「本判定としての当否判定」とも呼ぶ。
図3に戻り、第1図柄決定手段320および第2図柄決定手段322は、別途取得する図柄抽選値と当否判定の結果に基づいて、図柄の変動開始にあたってその停止図柄を決定する。第1図柄決定手段320および第2図柄決定手段322は、特別図柄の停止図柄を決定するために参照する複数の図柄判定テーブルを保持する。第1図柄決定手段320および第2図柄決定手段322は、当否判定結果に応じて異なる図柄判定テーブルを参照する。
図5は、図柄判定テーブルを模式的に示す図である。図5(a)は当否判定結果が大当りであった場合に参照するテーブルであり、図5(b)は当否判定結果が外れであった場合に参照するテーブルであり、図5(c)は当否判定結果が小当りであった場合に参照するテーブルである。第1図柄決定手段320および第2図柄決定手段322は、図柄判定において本図の図柄判定テーブルを参照する。各図柄判定テーブルには、「0」〜「9」の数字および文字以外の記号「−」で表される特別図柄と第1図柄抽選値または第2図柄抽選値との対応関係が定められている。特別図柄の種類はそれぞれ大当り、小当り、外れの当否判定結果と対応付けられており、奇数の数字と「0」が大当りに対応し、「0」を除く偶数の数字が小当りに対応し、記号「−」が外れに対応する。
図5(a)に示す通り、特別図柄「0」〜「9」のうち特別図柄「1」「3」「5」「7」「9」「0」が大当りに対応づけられている。そのうち、特別図柄「7」は確変状態への移行を伴う15R大当りを示し、第1図柄抽選値の場合は「0〜24」に対応づけられ、第2図柄抽選値の場合は「0〜99」に対応づけられる。特別図柄「3」は確変状態への移行を伴う8R大当りを示し、第1図柄抽選値の場合は「25〜99」に対応づけられ、第2図柄抽選値の場合は「100〜149」に対応づけられる。特別図柄「1」は確変状態への移行を伴う2R大当りを示し、第1図柄抽選値の場合は「100〜179」に対応づけられ、第2図柄抽選値の場合は「150〜179」に対応づけられる。
特別図柄「9」は確変状態への移行を伴わない15R大当りを示し、第1図柄抽選値の場合は「180〜194」に対応づけられ、第2図柄抽選値の場合は「180〜219」に対応づけられる。特別図柄「5」は確変状態への移行を伴わない8R大当りを示し、第1図柄抽選値の場合は「195〜219」に対応づけられ、第2図柄抽選値の場合は「220〜255」に対応づけられる。特別図柄「0」は確変状態への移行を伴わない2R大当りを示し、第1図柄抽選値の場合は「220〜255」に対応づけられるが、第2図柄抽選値の場合には対応づけられていない。このように、第2始動口63に入球させる限りは確変状態への移行を伴わない2R大当りは発生しない。また、第2始動口63への入球を契機とする大当りの方が、第1始動口62への入球を契機とする大当りよりもラウンド数がより多い特別遊技が高確率で実行される。したがって、遊技者にとって、第1始動口62への入球に基づく第1の遊技よりも、第2始動口63への入球に基づく第2の遊技の方がより多くの利益を期待しやすい構成となっている。
図5(b)に示す通り、記号「−」は図柄抽選値の全範囲である「0〜255」に対応づけられる。
図5(c)に示す通り、特別図柄「0」〜「9」のうち特別図柄「2」「4」「6」「8」が小当りに対応づけられている。特別図柄「2」は図柄抽選値の範囲「0〜99」に対応づけられ、特別図柄「4」は図柄抽選値の範囲「100〜149」に対応づけられ、特別図柄「6」は図柄抽選値の範囲「150〜199」に対応づけられ、特別図柄「8」は図柄抽選値の範囲「200〜255」に対応づけられる。
なお、第1図柄決定手段320および第2図柄決定手段322は、第1始動口62または第2始動口63への入球時に、事前判定処理として、図柄抽選値がいずれの図柄範囲に該当するか(例えば、特別図柄「7」の範囲か、特別図柄「3」の範囲か)の事前図柄判定をさらに実行する。そして、その判定結果を、事前図柄判定の対象とした抽選値に対応する図柄変動表示が直ちに開始されるか否かにかかわらずサブ基板104(例えば演出決定手段132)へ送信する。そのため、サブ基板104側にとっては図柄変動開始の順番が巡ってくる前にあらかじめ大当りの種類を識別可能な先読みが実現される。
第1図柄決定手段320および第2図柄決定手段322は、事前図柄判定において、特別図柄の停止図柄の範囲を決定するために参照する複数の事前図柄判定テーブルを保持する。第1図柄決定手段320および第2図柄決定手段322は、事前当否判定の結果が大当りの場合は、大当り用の事前図柄判定テーブルを参照して、図柄抽選値が属する図柄範囲を判定する。この大当り用の事前図柄判定テーブルは、複数種類の大当りと、各大当りに対応する図柄抽選値の範囲とを対応づけて定める。すなわち、事前当否判定の結果が大当りの場合、事前図柄判定の結果は大当りの種類(確変状態への移行を伴う15R大当り・8R大当り・2R大当り、確変状態への移行を伴わない15R大当り・8R大当り・2R大当りのいずれか)を示す。
図3に戻り、第1パターン記憶手段324は、第1特別図柄表示装置70および演出表示装置60に表示させる図柄変動の表示過程が定められた変動パターンを保持する。具体的には、複数種類の変動表示時間に対応する複数種類の変動パターンを保持し、例えば後述するように、変動表示時間が12秒・8秒・5秒・3秒のそれぞれに対応する変動パターンを保持する。同様に第2パターン記憶手段326は、第2特別図柄表示装置71および演出表示装置60に表示させる図柄変動の表示過程が定められた変動パターンを保持する。具体的には、複数種類の変動表示時間に対応する複数種類の変動パターンを保持し、例えば後述するように、変動表示時間が11秒・10秒・9秒・7秒・6秒・5秒・3秒のそれぞれに対応する変動パターンを保持する。これらのパターンは、リーチ状態に至らず外れとなるパターンや、外れおよび当りのそれぞれに対応する比較的短時間のリーチパターンであるノーマルリーチパタン、外れおよび当りのそれぞれに対応する比較的長時間のリーチパターンであるスーパーリーチパターン等を含む。
第1パターン決定手段114は、第1特別図柄表示装置70および演出表示装置60に表示させる図柄変動の表示過程が定められた変動パターンを、別途取得する第1パターン抽選値に基づいて、第1パターン記憶手段324に保持された複数の変動パターンの中から決定する。第2パターン決定手段119は、第2特別図柄表示装置71および演出表示装置60に表示させる図柄変動の表示過程が定められた変動パターンを、別途取得する第2パターン抽選値に基づいて第2パターン記憶手段326に保持された複数の変動パターンの中から決定する。
第1パターン決定手段114および第2パターン決定手段119は、それぞれ図柄変動を開始する際に変動パターンテーブルを参照してその図柄変動の変動パターンを決定する。第1パターン決定手段114および第2パターン決定手段119は、変動パターンを決定するために参照する変動パターン選択基準として複数の変動パターンテーブルをそれぞれ保持または共有する。変動パターンには、特別図柄を変動表示させるときの変動開始から停止までの変動時間が定められており、その種類によって長短様々な変動時間をもつ。すなわち、各変動パターンには、その図柄変動の終了条件としてパターンごとに変動表示時間が定められており、その変動表示時間の経過時に特別図柄の変動が停止される。複数の変動パターンテーブルは、変動パターンと抽選値との対応関係としてそれぞれ変動時間の選択傾向が異なるように定められている。
図6は、変動パターンテーブルを模式的に示す図である。図6(a)および(b)は、第1パターン決定手段114が第1始動口62への入球に対する図柄変動の変動パターンを選択する基準を定めたテーブルである。第1パターン決定手段114は、通常状態で当否結果が外れ時の変動パターン判定において図6(a)の通常変動パターンテーブルを参照する。特定遊技状態(典型的には確変状態+時短状態+入球容易状態)で当否結果が外れ時の変動パターン判定においては図6(b)の特定遊技用変動パターンテーブルを参照する。なお、当否結果が大当りもしくは小当りの場合は図8に関連して後述する。
図6(a)の通常変動パターンテーブルは、特1保留個数に応じた変動表示時間の変動パターンを選択することを定める。具体的には、特1保留個数が1であるとき、すなわち当該図柄変動により特1保留個数が0になるとき、パターン抽選値の全範囲である「0〜255」が、変動表示時間が12秒の変動パターン(以下「12秒パターン」とも呼ぶ、他の変動傍示時間に対応する変動パターンについても同様。)に対応づけられている。すなわち必ず12秒パターンを選択することになる。また特1保留個数が2であるときも、パターン抽選値の全範囲である「0〜255」が12秒パターンに対応づけられている。その一方、特1保留個数が3もしくは4であるとき、パターン抽選値の全範囲である「0〜255」が、12秒パターンを短縮した8秒パターンに対応づけられている。このように、本実施例での特1保留に対する通常パターンテーブルは、特1保留個数が3以上の場合に短縮変動へ切り替えることを定める。
なお図6および後述の図7では説明の簡明化のために、特定の変動パターンの選択確率を100%とし、他の変動パターンの選択確率を0%として示すことがあるが、実際には特定の変動パターンの選択確率が他の変動パターンの選択確率よりも大きく設定されてよいことはもちろんである。例えば、図6の(a)において特1保留個数が1の場合に、12秒パターンに対応するパターン抽選値が「0〜199」、8秒パターンに対応するパターン抽選値が「200〜255」であってもよい。
図6(b)の特定遊技用変動パターンテーブルも、特1保留個数に応じた変動表示時間の変動パターンを選択することを定める。具体的には、特1保留個数が1もしくは2であるとき、パターン抽選値の全範囲である「0〜255」が、通常状態での変動表示時間を短縮した5秒パターンに対応づけられている。また特1保留個数が3もしくは4であるとき、パターン抽選値の全範囲である「0〜255」が、5秒パターンよりも短い3秒パターンに対応づけられている。このように、本実施例での特1保留に対する特定遊技用パターンテーブルは、特1保留個数が3以上の場合に、それまでの短縮変動から超短縮変動へ切り替えることを定める。
図7は、変動パターンテーブルを模式的に示す図である。図7(a)〜(c)は、第2パターン決定手段119が第2始動口63への入球に対する図柄変動の変動パターンを選択する基準を定めたテーブルである。第2パターン決定手段119は、通常状態で当否結果が外れ時の変動パターン判定において図7(a)の通常変動パターンテーブルを参照する。特定遊技状態、当否結果が外れ、特1保留個数が0であるときの変動パターン判定においては図7(b)の第1特定遊技用変動パターンテーブルを参照する。特定遊技状態、当否結果が外れ、特1保留個数が1以上であるときの変動パターン判定においては図7(c)の第2特定遊技用変動パターンテーブルを参照する。なお、当否結果が大当りもしくは小当りの場合は図8に関連して後述する。
図7(a)の通常変動パターンテーブルは、特1保留個数に応じた変動表示時間の変動パターンを選択することを定める。具体的には、特1保留個数が0であるとき11秒パターンを高確率で選択するよう定め、特1保留個数が1であるとき10秒パターンを高確率で選択するよう定め、特1保留個数が2であるとき9秒パターンを高確率で選択するよう定める。また特1保留個数が3であるとき7秒パターンを高確率で選択するよう定め、特1保留個数が4であるとき6秒パターンを高確率で選択するよう定める。このように、本実施例での特2保留に対する通常パターンテーブルは、特1保留個数が多いほど、より短い変動表示時間の変動パターンを高確率で選択するよう定める。
図7(b)の第1特定遊技用変動パターンテーブルは、特2保留個数に応じた変動表示時間の変動パターンを選択することを定める。具体的には、特2保留個数が1もしくは2であるとき、パターン抽選値の全範囲である「0〜255」が、通常状態での変動表示時間を短縮した5秒パターンに対応づけられている。また特2保留個数が3もしくは4であるとき、パターン抽選値の全範囲である「0〜255」が、5秒パターンよりも短い3秒パターンに対応づけられている。このように、本実施例での特2保留に対する第1特定遊技用パターンテーブルは、特1保留が無い場合に短縮変動を行い、特2保留個数が3以上の場合に超短縮変動へ切り替えることを定める。
図7(c)の第2特定遊技用変動パターンテーブルも、特2保留個数に応じた変動表示時間の変動パターンを選択することを定める。具体的には、特2保留個数が1であるとき、パターン抽選値の全範囲である「0〜255」が、通常状態での変動表示時間と同様の11秒パターンに対応づけられている。その一方、特2保留個数が2であるとき、パターン抽選値の全範囲である「0〜255」が、通常状態での変動表示時間を短縮した5秒パターンに対応づけられている。また特2保留個数が3もしくは4であるとき、パターン抽選値の全範囲である「0〜255」が、5秒パターンよりも短い3秒パターンに対応づけられている。このように、本実施例での特2保留に対する第2特定遊技用パターンテーブルは、特1保留がある場合も原則として短縮変動を行う一方、特2保留個数が1であるときは短縮変動よりも長い変動(例えば通常状態時と同様の11秒変動)へ切り替えることを定める。
図8は、変動パターンテーブルを模式的に示す図である。図8(a)は、当否結果が15R大当りもしくは8R大当り時に、第1パターン決定手段114が第1始動口62への入球に対する図柄変動の変動パターンを選択する基準を定めたテーブルであり、第2パターン決定手段119が第2始動口63への入球に対する図柄変動の変動パターンを選択する基準を定めたテーブルでもある。第1パターン決定手段114および第2パターン決定手段119は、当否結果が15R大当りもしくは8R大当りとなった場合の変動パターン判定において図8(a)の変動パターンテーブルを参照する。図8(b)は、当否結果が2R大当りもしくは小当り時に、第1パターン決定手段114が第1始動口62への入球に対する図柄変動の変動パターンを選択する基準を定めたテーブルであり、第2パターン決定手段119が第2始動口63への入球に対する図柄変動の変動パターンを選択する基準を定めたテーブルでもある。第1パターン決定手段114および第2パターン決定手段119は、当否結果が2R大当りもしくは小当りとなった場合の変動パターン判定において図8(b)の変動パターンテーブルを参照する。
図8(a)においては、パターン抽選値0〜120には「スーパー1」のスーパーリーチが対応付けられ、パターン抽選値121〜240には「スーパー2」のスーパーリーチが対応付けられている。パターン抽選値241〜250には「ノーマル1」のリーチが対応付けられ、パターン抽選値251〜255には「ノーマル2」のリーチが対応付けられている。
図8(b)においては、パターン抽選値0〜122には「スーパー3」というスーパーリーチが対応付けられ、パターン抽選値123〜255には「ノーマル3」というノーマルリーチが対応付けられている。このように当否判定結果が2R大当りまたは小当りの場合は「スーパー3」または「ノーマル3」がそれぞれ約50%の確率で選択される。
なお、第1パターン決定手段114および第2パターン決定手段119は、第1始動口62または第2始動口63への入球時に、事前判定処理として、パターン抽選値がいずれのパターン範囲に該当するかの事前パターン判定をさらに実行する。そして、その判定結果を、事前パターン判定の対象とした抽選値に対応する図柄変動表示が直ちに開始されるか否かにかかわらずサブ基板104(例えば演出決定手段132)へ送信する。
第1パターン決定手段114および第2パターン決定手段119は、事前パターン判定において、図柄変動のパターン範囲を決定するために参照する複数の事前パターン判定テーブルを保持する。このパターン範囲は、特別図柄の変動表示時間をサブ基板104側で特定可能な情報であり、具体的には変動パターンの種別を示す情報である。例えば、10秒パターン・6秒パターン・ノーマル1・スーパー1等を示す情報であってもよい。第1パターン決定手段114および第2パターン決定手段119は、事前当否判定の結果が大当りの場合は、大当り用の事前パターン判定テーブルを参照して、パターン抽選値が属するパターン範囲を判定する。また事前当否判定の結果が外れの場合は、外れ用の事前パターン判定テーブルを参照して、パターン抽選値が属するパターン範囲を判定する。したがって、上述の事前当否判定の結果、事前図柄判定の結果、および事前パターン判定の結果により、サブ基板104(例えば演出決定手段132)は、将来時点での大当りの発生有無と、発生する大当りの種類と、変動パターンの種類(変動表示時間)を予め判定できる。
このように、本実施例の第1抽選手段126は、第1始動口62への入球時に、事前判定処理として、事前当否判定、事前図柄判定および事前パターン判定を実行する。同様に、本実施例の第2抽選手段128は、第2始動口63への入球時に、事前判定処理として、事前当否判定、事前図柄判定、事前パターン判定を実行する。そして、事前判定処理の結果データ(以下、「事前判定結果」とも呼ぶ。)として、当否範囲、図柄範囲、パターン範囲のそれぞれを示すデータを設定してサブ基板104へ送信する。
図3に戻り、普図抽選手段136は、作動口68を遊技球が通過したときに抽選値を取得することにより抽選を実行して、普通図柄抽選の当否を決定する。普図抽選手段136による抽選の結果は、普通図柄表示装置59において普通図柄の形で変動表示されるとともに、演出表示装置60において演出表示される。普図抽選手段136は、普通図柄表示装置59に表示させる普通図柄の停止図柄を決定するために参照すべき図柄判定テーブルを保持する。その図柄判定テーブルには抽選値と普通図柄の対応関係が定められており、普図抽選手段136は普通図柄の停止図柄を図柄判定テーブルを参照して決定する。本実施例では、普通図柄抽選の当りを示す停止図柄として、普通電動役物65の複数種類の開放時間に対応する複数種類の停止図柄の中から抽選でいずれかを選択する。例えば、開放時間6秒と1秒のそれぞれに対応する2つの停止図柄のうちいずれかを選択する。
また普図抽選手段136は、普通図柄の変動時間を決定するために参照すべき時間決定テーブルを保持し、遊技機の内部状態に応じて普通図柄の変動時間を選択する。普図抽選手段136は、通常状態における普通図柄の変動表示において30〜60秒と比較的長い変動時間を選択する。一方、時短中は0.5秒と通常状態よりも相当短い変動時間を選択する。時間決定テーブルには、このような内部状態と普通図柄の変動時間との対応関係が定められており、普図抽選手段136は、普通図柄の変動時間を時間決定テーブルを参照して決定する。普図抽選手段136は、普通図柄抽選の当否結果と停止図柄と変動時間とをサブ基板104(例えば演出決定手段132)へ通知する。
普図抽選手段136により決定された停止図柄が所定の図柄となった場合に普通図柄が当りに該当したと判定され、その停止図柄にて普通図柄の変動表示が停止された後に開閉制御手段124が第2始動口63の普通電動役物65を所定時間拡開する。普通図柄の抽選値は、保留制御手段116により一時的に保留される。ただし、保留制御手段116により保留される所定の保留上限数を超えない場合にだけ抽選値が保留される。
保留制御手段116は、第1保留手段144、第2保留手段146、普図保留手段147を含む。第1保留手段144は、新たに第1の抽選が実行されるときにそれ以前の抽選に対応する図柄変動が表示されている場合、新たな第1の抽選の結果を特1保留としてその抽選に対応する図柄の変動表示開始まで保留する。本実施例では第1の抽選の結果(特1保留)として4個を上限として当否抽選値を保持する。第2保留手段146は、新たに第2の抽選が実行されるときにそれ以前の抽選に対応する図柄変動が表示されている場合、新たな第2の抽選の結果を特2保留としてその抽選に対応する図柄の変動表示開始まで保留する。本実施例では第2の抽選の結果(特2保留)として4個を上限として当否抽選値を保持する。普図保留手段147は、普図抽選手段136により取得された普図抽選値を保留球として保持する。
普図保留手段147は、普図抽選値の保留球数を普図保留ランプ22の点灯数または点滅数により表示させる。第1保留手段144は、特1保留を演出表示装置60の保留表示領域20に所定の絵柄(例えば「○」)の個数で表示させる。第2保留手段146は、特2保留を演出表示装置60の保留表示領域20に所定の絵柄(例えば「△」)の個数で表示させ、常に特1保留の絵柄よりも実行順序が前を示す態様で(すなわち左方)に特2保留の絵柄を表示させる。なお、演出表示装置60の保留表示領域20とは別に、特1保留と特2保留それぞれの個数をランプの点灯数や点滅数により示す第1特図保留ランプと第2特図保留ランプが遊技領域52内にさらに設けられてもよい。
第2保留手段146に保留された抽選値は第1保留手段144に保留された抽選値より優先的に消化されて図柄変動が表示される。そのため、第1保留手段144に大当りの抽選値が保留されていても第2保留手段146に保留がある限りは第1保留手段144の大当り抽選値に対応する図柄変動は表示されない。したがって、第1保留手段144に大当りの保留があっても、さらに第2保留手段146へ大当りの保留が入るまで打ち続けることで、複数回の連続的な大当りを獲得できる可能性がある。
メイン表示制御手段118は、第1特図制御手段148、第2特図制御手段150、普図制御手段153を含む。第1特図制御手段148は、第1抽選手段126による第1の抽選の結果として決定された変動パターンにしたがい第1特別図柄192の変動を第1特別図柄表示装置70に表示させる。第1特図制御手段148は、それ以前になされた第1の抽選または第2の抽選に対応する図柄の変動表示が終了していることを新たな図柄変動の開始条件とする。第2特図制御手段150は、第2抽選手段128による第2の抽選の結果として決定された変動パターンにしたがい第2特別図柄193の変動を第2特別図柄表示装置71に表示させる。第2特図制御手段150もまた、それ以前になされた第1の抽選または第2の抽選に対応する図柄の変動表示が終了していることを新たな図柄変動の開始条件とする。
第1特図制御手段148は、第2保留手段146により第2の抽選の結果が保留されている場合は第1の抽選に対応する図柄変動表示の開始を留保する。一方、第2特図制御手段150は、第1保留手段144により第1の抽選の結果が保留されているか否かにかかわらず第2の抽選に対応する図柄変動表示を開始する。これにより、第1保留手段144と第2保留手段146の双方によって抽選値が保留されていた場合、第2保留手段146によって保留された抽選値が優先的に読み出されて図柄変動が表示される。そのような場合、第2保留手段146の保留数が0になるまでは第1保留手段144に保留された抽選値は読み出されずその図柄変動も開始しない。
第1特図制御手段148および第2特図制御手段150は、第1特別図柄192および第2特別図柄193の変動表示を開始するタイミングと停止するタイミングにて、変動開始コマンドと変動停止コマンドを演出表示制御手段134へ送信する。変動開始コマンドを送信するとき、決定された当否判定結果、停止図柄、変動パターンのそれぞれを示す値と第1の抽選と第2の抽選のいずれであるかを示す値とを変動開始コマンドとともに演出表示制御手段134へ送信する。変動停止コマンドを送信するとき、あらためて停止図柄を示す値を変動停止コマンドとともに演出表示制御手段134へ送信する。これにより、メイン表示制御手段118および演出表示制御手段134による変動表示が同期し、連動が保たれる。
普図制御手段153は、普図抽選手段136による抽選の結果を普通図柄の変動表示として普通図柄表示装置59に表示させる。普図制御手段153は、普通図柄の変動表示を開始するタイミングと停止するタイミングにて、変動開始コマンドと変動停止コマンドを演出表示制御手段134へ送信する。変動開始コマンドを送信するとき、普通図柄抽選による当否判定結果、停止図柄、変動時間のそれぞれを示す値を変動開始コマンドとともに演出表示制御手段134へ送信する。変動停止コマンドを送信するとき、あらためて停止図柄を示す値を変動停止コマンドとともに演出表示制御手段134へ送信する。これにより、メイン表示制御手段118および演出表示制御手段134による普通図柄の変動表示が同期し、連動が保たれる。
条件保持手段176は、大入賞口の開放を伴う単位遊技を複数回含む特別遊技へ移行するための条件として特別遊技作動条件を保持する。特別遊技作動条件は、第1の抽選または第2の抽選で特別遊技へ移行する旨を示す結果となり、その抽選に対応する図柄変動が停止したことを条件の内容とする。
特別遊技制御手段120は、第1抽選手段126による第1の抽選が特別遊技への移行を示す結果となった場合、第1特別図柄192が所定の大当り態様で停止されたときに特別遊技作動条件が成立したと判定し、大入賞口91を開放させることにより特別遊技を実行する。同様に、特別遊技制御手段120は、第2抽選手段128による第2の抽選が特別遊技への移行を示す結果となった場合、第2特別図柄193が所定の大当り態様で停止されたときに特別遊技作動条件が成立したと判定し、大入賞口91を開放させることにより特別遊技を実行する。特別遊技は、大入賞口91の開閉動作を複数回数連続して継続する遊技であり、1回の開閉を単位とした複数回の単位遊技で構成される。
特別遊技には、相対的に出玉の多くなる態様で大入賞口91を開閉させる第1の特別遊技と、相対的に出玉の少なくなる態様で大入賞口91を開閉させる第2の特別遊技と、が含まれる。第1の特別遊技は、単位遊技を15回繰り返す15R大当りに伴う15R特別遊技である。第2の特別遊技は、短い単位遊技を2回だけ繰り返す2R大当りに伴う2R特別遊技である。また本実施例の特別遊技には、15R特別遊技と2R特別遊技の中間の出玉となる態様で大入賞口91を開閉させる特別遊技であり、単位遊技を8回繰り返す8R大当りに伴う8R特別遊技がさらに含まれる。特別遊技制御手段120は、15R大当りおよび8R大当りにおいては、1回の単位遊技において大入賞口91を原則として約30秒間開放させる。特別遊技制御手段120は、単位遊技の設定ラウンド数を消化したときに特別遊技を終了させる。
小当り遊技制御手段330は、第1抽選手段126による第1の抽選が小当り遊技への移行を示す結果となった場合、第1特別図柄192が所定の小当り態様で停止されたときに小当り遊技作動条件が成立したと判定し、大入賞口91を開放させることにより小当り遊技を実行する。同様に、小当り遊技制御手段330は、第2抽選手段128による第2の抽選が小当り遊技への移行を示す結果となった場合、第2特別図柄193が所定の小当り態様で停止されたときに小当り遊技作動条件が成立したと判定し、大入賞口91を開放させることにより小当り遊技を実行する。小当り遊技は、大入賞口91の開閉動作を複数回行う遊技であり、2回の開閉を単位とした1回の単位遊技で構成される。小当り遊技においては、大入賞口91を2R大当りと同様に短時間だけ開放させる。小当り遊技制御手段330は、単位遊技を1回実行した後に小当り遊技を終了させる。
特定遊技実行手段122は、特別遊技の終了後から次の大当りが発生するまでの期間、あらたに大当りを獲得する容易性が通常状態より有利となる特定遊技の状態に移行させる。特定遊技には、確変と時短が含まれる。特定遊技実行手段122は、第1の抽選と第2の抽選のいずれの結果に起因する特別遊技であったかにかかわらずその特別遊技の終了後に必ず第1特別図柄192および第2特別図柄193の時短状態へ移行させる。一方、特別遊技の終了後に確変状態へ移行させるのは、第1図柄決定手段320または第2図柄決定手段322により決定された図柄が、確変状態への移行を伴う15R大当り図柄・8R大当り図柄・2R大当り図柄であった場合に限られる。
確変状態の間は第1当否判定手段113または第2当否判定手段117による当否判定結果が大当りとなる確率が通常状態より高められる。第1特別図柄192、第2特別図柄193の時短状態は、次の大当りが発生するまで継続される。
開閉制御手段124は、第2始動口63の普通電動役物65や大入賞口91の開閉を制御する。開閉制御手段124は、普通図柄が特定の態様で停止されると、普通電動役物ソレノイド76に開放指示を送り、第2始動口63の普通電動役物65を開放させる。本実施例では、普通図柄の停止図柄が開放時間6秒の当りを示す態様である場合に、開閉制御手段124は普通電動役物65を6秒間、開放させる。また、普通図柄の停止図柄が開放時間1秒の当りを示す態様である場合に、開閉制御手段124は普通電動役物65を1秒間、開放させる。入球容易状態においては、普通図柄の停止図柄が当りを示すものであれば、その態様にかかわらず普通電動役物65を6秒間、開放させる。開閉制御手段124は、特別遊技において、大入賞口ソレノイド80または大入賞口ソレノイド81に開放指示を送り、大入賞口91を開放させる。
演出記憶手段130は、装飾図柄の変動演出パターンとして、複数種類の演出時間に対応する複数種類の変動演出パターンデータを保持する。演出決定手段132は、第1抽選手段126から受け取る第1の抽選の結果または第2抽選手段128から受け取る第2の抽選の結果に応じて、演出表示制御手段134によって演出表示装置60へ表示させる演出内容を決定する。例えば演出決定手段132は、特別図柄の複数種類の変動パターンと、各変動パターンが規定する変動表示時間に整合する演出時間を規定した複数種類の変動演出パターンとを対応づけた演出決定基準である変動演出決定テーブルを保持する。演出決定手段132は、演出決定テーブルを参照して、演出記憶手段130に保持された複数種類の変動演出パターンの中から、第1パターン決定手段114または第2パターン決定手段119により決定された特別図柄の変動パターンに対応する変動演出パターンデータを読み出す。すなわち特別図柄の変動パターンが規定した変動表示時間に整合する演出時間を規定した変動演出パターンを選択する。演出決定手段132は、装飾図柄190の停止図柄の組合せを第1抽選手段126または第2抽選手段128が決定する特別図柄の停止図柄や変動パターンに基づいて決定する。
装飾図柄190の停止図柄は、3つの図柄の組合せとして形成され、たとえば第1抽選手段126または第2抽選手段128による当否判定結果が15R大当りや8R大当りの特別遊技への移行を示す場合には特定の組合せ、例えば「777」や「333」のように3つの図柄が揃った組合せが選択される。この場合、装飾図柄190として揃える数字には、第1特別図柄192や第2特別図柄193と同じ数字が選ばれるのが好ましい。たとえば、第1特別図柄192または第2特別図柄193が「7」の場合は装飾図柄190が「777」となる。あるいは、3つの図柄の少なくとも一つに当りであることを示す特定の図柄が含まれる図柄の組み合わせによっても、その大当りを示すようにしてもよい。当否判定結果が2R大当りの場合や小当りの場合もまた特定の組合せ、例えば「357」のような所定の組合せが選択されるが、それらの特定の組合せは必ずしも3つの図柄が揃った組合せでなくてもよい。当否判定結果が大当りでも小当りでもない場合は、「312」や「946」のように3つの図柄が揃っていない組合せであって、2R大当りや小当りのときに選択される特定の組合せに該当しない組合せが選択される。当否判定結果が15R大当りではない場合であって、リーチ付きの外れを示す変動パターンが選択された場合は、「191」や「727」のように一つだけ図柄が揃っていない組合せを選択する。演出決定手段132は、装飾図柄190の停止図柄組合せと装飾図柄の変動演出パターンデータを演出表示制御手段134へ送る。
装飾図柄の変動演出パターンデータには、装飾図柄の変動表示態様、すなわち装飾図柄の変動開始から変動停止までの変動過程と演出過程が定義される。変動演出パターンには、あと一つ図柄が揃えば大当りとなるリーチ状態を経てから当り態様または外れ態様である停止図柄組合せを表示するリーチパターンと、リーチ状態を経ずに外れ態様である停止図柄組合せを表示するリーチなしパターンが含まれる。特に、リーチ状態を経るときのパターンとしては、長短様々な変動時間をもつパターンが含まれ、相対的に変動時間の短いリーチパターンを「ノーマルリーチ」と称し、変動時間の長いリーチパターンを「スーパーリーチ」と称する。各変動演出パターンには、その図柄変動の終了条件としてパターンごとに変動時間が定められており、その変動時間の経過時に図柄変動が停止される。演出決定手段132は、特別図柄の変動パターンに応じて、特別図柄と変動時間が等しい装飾図柄の変動演出パターンを選択する。
なお演出記憶手段130は、装飾図柄の変動表示とは別に表示されて大当りへの期待度の高さを予告的に示唆する複数の予告演出パターンをさらに保持する。予告演出パターンは、特定のキャラクタやモチーフの画像、アニメーション、映像などを一時的に画面表示させる演出パターンや、特定の音声を出力する演出パターンである。予告演出パターンによる演出は、図柄変動と並行して実行され、その図柄変動が大当り態様にて停止する期待度が高いことを予告的に示唆する。演出決定手段132は、メイン基板102における当否抽選の結果、特別図柄の停止図柄、特別図柄の変動パターン、装飾図柄の変動演出パターンの複数の組み合わせと、複数種類の予告演出パターンとを対応づけた予告演出の決定基準である予告演出決定テーブルを保持する。そして、予告演出決定テーブルを参照して、メイン基板102における当否抽選の結果、特別図柄の停止図柄、特別図柄の変動パターン、装飾図柄の変動演出パターンに応じて予告演出パターンを決定する。そして、決定した予告演出パターンのデータを演出表示制御手段134へ送る。
なお、複数種類の演出時間に対応する複数種類の変動演出パターンおよび予告演出パターンは、対応する演出時間ごとに演出内容が異なることが望ましい。演出内容が異なる変動演出パターンは、例えば、装飾図柄190の変動態様や表示態様が異なるものであってもよい。また、演出内容が異なる予告演出パターンは、キャラクタやモチーフ、アニメーションの内容が異なるものであってもよい。
演出表示制御手段134は、第1抽選手段126による第1の抽選の結果または第2抽選手段128による第2の抽選の結果を、選択された変動演出パターンデータにしたがって装飾図柄190として演出表示装置60の表示領域194に変動表示させる。演出表示制御手段134は、それ以前の第1の抽選または第2の抽選に対応する装飾図柄190の変動表示が終了していることを新たな図柄変動の開始条件とする。演出表示制御手段134は、特別遊技制御手段120により特別遊技が実行される場合、特別遊技における演出内容を定めた演出データにしたがって演出表示装置60の表示領域194に特別遊技の演出を表示させる。
演出表示制御手段134は、第2保留手段146により第2の抽選の結果が保留されている場合は第1の抽選に対応する図柄変動表示の開始を留保する一方、第1保留手段144により第1の抽選の結果が保留されているか否かにかかわらず第2の抽選に対応する図柄変動表示を開始する。これにより、第1保留手段144と第2保留手段146の双方によって抽選値が保留されていた場合は第2保留手段146により保留された抽選値が優先的に読み出されて装飾図柄の変動が表示される。そのような場合、第2保留手段146の保留数が0になるまでは第1保留手段144に保留された抽選値は読み出されずその装飾図柄の変動も開始しない。このように演出表示制御手段134は、装飾図柄190の変動表示を含む図柄変動演出を演出表示装置60に表示させる。また演出表示制御手段134は、遊技効果ランプ90の点灯および消灯や、スピーカ18からの音声出力などの演出処理をさらに制御する。
演出決定手段132は、普通図柄抽選の複数の結果と、普通図柄抽選の結果を異なる態様で示唆する複数の演出とを対応づけた普図演出決定基準である普図演出決定テーブルを保持する。これら複数の演出は、普通図柄抽選の結果を示唆または報知する態様の演出である。例えば、普通図柄抽選の当りや外れを示唆または報知するためのキャラクタやアニメーションを表示させる演出であってもよく、普通図柄表示装置59における複数種類の変動時間に対応する複数種類の演出時間の演出であってもよい。演出決定手段132は、普図演出決定テーブルを参照して、普図抽選手段136から通知された普通図柄抽選の当否結果と停止図柄と変動時間に対応する演出を決定し、そのデータを演出表示制御手段134へ送る。演出表示制御手段134は、普図保留手段147から受け付けた変動開始コマンドに応じて普通図柄抽選の結果を示唆する演出(以下、「普図演出」とも呼ぶ。)の演出表示装置60での表示処理を開始し、普図保留手段147から受け付けた変動停止コマンドに応じてその演出の表示処理を終了する。
例えば、普通図柄の停止図柄が普通電動役物65の6秒開放を示すものである場合に、演出決定手段132は、その停止図柄に対応づけられた絵柄(例えば「○」)を選択し、演出表示制御手段134は普図演出の終了時にその絵柄を表示させてもよい。また、普通図柄の停止図柄が普通電動役物65の1秒開放を示すものである場合に、演出決定手段132は、その停止図柄に対応づけられた絵柄(例えば「△」)を選択し、演出表示制御手段134は普図演出の終了時にその絵柄を表示させてもよい。また、普通図柄抽選の当否結果が外れであり、または、普通図柄の停止図柄が外れを示すものである場合に、演出決定手段132は、普通図柄抽選の外れに対応づけられた絵柄(例えば「×」)を選択し、演出表示制御手段134は普図演出の終了時にその絵柄を表示させてもよい。なお入球容易状態では、演出決定手段132は、普通図柄抽選の当否結果が当りの場合に、その停止図柄の態様にかかわらず常に6秒開放を示す絵柄(例えば「○」)を選択してもよく、そもそも入球容易状態では普図演出の実行は抑制されてもよい。
以上の構成による動作および制御の過程を以下説明する。
図9は、ぱちんこ遊技機における基本的な動作過程を示すフローチャートである。まず、遊技球が第1始動口62、第2始動口63、一般入賞口72、大入賞口91などへ入賞した場合の処理を実行し(S10)、通常遊技中であれば(S12のY)、図柄変動などの通常遊技の制御処理を実行し(S14)、通常遊技中でなければ(S12のN)、特別遊技の制御処理を実行し(S16)、小当り遊技の制御処理を実行する(S17)。その後、S10の入賞処理においてセットされた賞球数にて各種入賞に応じた賞球払出を処理する(S18)。
図10は、図9におけるS10の入賞処理を詳細に示すフローチャートである。第1始動口62または第2始動口63に入球があった場合(S20のY)、始動口に対応する賞球数をセットする(S22)。第1始動口62への入球であれば第1保留手段144による保留数が4未満であるか否かを参照し、第2始動口63への入球であれば第2保留手段146による保留数が4未満であるか否かを参照し、それぞれにさらなる保留が可能な状態であれば(S24のY)、当否抽選値を取得する(S26)。そして、その当否抽選値に基づいて当否を判定する事前判定処理を実行し(S28)、当否抽選値を第1保留手段144または第2保留手段146に保留する(S30)。S20において第1始動口62または第2始動口63への入球がない場合はS22からS30までの処理をスキップする(S20のN)。S24において保留数が上限に達していてさらなる保留が不可能な場合はS26からS30までの処理をスキップする(S24のN)。以上のS20からS30までの処理が始動口への入球に対する入賞処理である。
なお、本実施例では第1の遊技(第1当否判定手段113と第1図柄決定手段320)と第2の遊技(第2当否判定手段117と第2図柄決定手段322)の双方において事前判定として当否判定を実行する例としているが、変形例としては第1の遊技における事前判定と第2の遊技における事前判定とを異なる態様としてもよい。例えば、当否判定、図柄決定、パターン決定のうちいずれを事前判定として実行するかについての態様を第1の遊技と第2の遊技とで相違させてもよい。または、いずれか一方のみが事前判定を実行してその判定結果を送信する態様としてもよいし、確変中か否かといった遊技状態に応じていずれが事前判定を実行するかを切り替えてもよい。あるいは、第1の遊技と第2の遊技の双方において遊技状態に応じて事前判定を実行するか否かを決定する態様としてもよい。また、メイン基板102が事前判定結果をサブ基板104に送信しつつ、サブ基板104側で遊技状態に応じてその判定結果を利用するか否かを切り替えてもよい。
一般入賞口72に入球があった場合は(S32のY)、一般入賞口72に対応する賞球数をセットし(S34)、一般入賞口72への入球がないときはS34をスキップする(S32のN)。大入賞口91に入球があった場合は(S36のY)、大入賞口91に対応する賞球数をセットする(S38)。大入賞口91への入球がないときはS38をスキップする(S36のN)。
図11は、図10におけるS28の事前判定処理を詳細に示すフローチャートである。まず、事前当否判定テーブルを参照して事前当否判定を実行し(S40)、その判定結果として当否範囲を示す値を設定する(S42)。また、事前図柄判定テーブルを参照して事前図柄判定を実行し(S44)、その判定結果として図柄範囲を示す値を設定する(S46)。また、事前パターン判定テーブルを参照して事前パターン判定を実行し(S48)、その判定結果としてパターン範囲を示す値を設定する(S50)。メイン基板102の第1抽選手段126および第2抽選手段128は、以上のように事前判定結果の値を設定すると、保留される当否抽選値の種別(第1当否抽選値であるか第2当否抽選値か)を示す情報や、保留の個数を示す入賞情報とともに事前判定結果をサブ基板104(例えば演出決定手段132)へ送信する。具体的には、送信バッファに一時保存されて、サブ基板104側へ送信される(S52)。
図12は、図9におけるS14の通常遊技制御処理の全体的な過程を示すフローチャートである。この通常遊技制御処理では、メイン基板102における特別図柄変動処理と(S152)、サブ基板104における装飾図柄変動処理と(S154)、作動口68への入球に関わる普通図柄の処理(S156)とが、繰り返し実行され、また並行して実行される。
図13は、図12におけるS152の特別図柄変動処理の実行処理を詳細に示すフローチャートである。まだ図柄変動表示が開始されていない場合(S60のN)、第2保留手段146により抽選値の保留がなされている場合(S62のY)、第2当否判定手段117が第2保留手段146から抽選値を読み出して第2特別図柄193の当否を判定し(S64)、第2図柄決定手段322が第2特別図柄193を決定し(S66)、第2パターン決定手段119が第2特別図柄193の変動パターンを決定し(S68)、決定した結果とともに変動開始コマンドをサブ基板104へ送信して第2特別図柄193の図柄変動を開始する(S77)。
第2保留手段146により抽選値の保留がなされていない場合であって(S62のN)、第1保留手段144により抽選値の保留がなされている場合(S70のY)、第1当否判定手段113が第1保留手段144から抽選値を読み出してあらためて第1特別図柄192の当否を判定し(S72)、第1図柄決定手段320が第1特別図柄192を決定し(S74)、第1パターン決定手段114が第1特別図柄192の変動パターンを決定し(S75)、決定した結果とともに変動開始コマンドをサブ基板104へ送信して第1特別図柄192の図柄変動を開始する(S77)。第1保留手段144により抽選値の保留がなされていない場合はS72からS77までの処理をスキップする(S70のN)。
S75の処理について詳細に説明する。第1特別図柄192の変動表示時間は、通常状態と特定遊技状態の両方で、第1保留手段144の保留個数に応じて決定される。すなわち通常状態においては、図6(a)の変動パターンテーブルが規定するように、特1保留個数が2以下の場合に、通常の変動表示時間の変動パターンを選択し、特1保留個数が3以上の場合に、変動表示時間が短縮された短縮変動パターンを選択する。特定遊技状態においては、図6(b)の変動パターンテーブルが規定するように、特1保留個数2以下の場合に、通常状態時よりも短縮された短縮変動パターンを選択し、特1保留個数が3以上の場合に、短縮変動パターンよりもさらに短い超短縮変動パターンを選択する。
すでに図柄変動表示が開始されている場合(S60のY)、特別図柄の図柄変動表示を処理し(S78)、所定の変動時間が経過して図柄表示の停止タイミングに達したときは(S80のY)、変動停止コマンドをサブ基板104へ送信して表示中の図柄変動を予め決定された停止図柄にて停止する(S82)。図柄表示の停止タイミングに達していない場合はS82の処理をスキップして本図のフローを終了する(S80のN)。
図14は、図13におけるS68の第2パターン決定処理を詳細に示すフローチャートである。第2特別図柄193の変動表示時間は、通常状態では第1保留手段144の保留個数によって変化する一方、特定遊技状態では第1保留手段144における保留の有無によって変化する。
具体的には、時短状態等の特定遊技状態でない通常状態の場合(S240のN)、第2パターン決定手段119は、図7(a)の変動パターンテーブルが規定するように、特1保留個数が多いほど、より変動時間が短い変動パターンを高確率で選択する。特定遊技状態であり(S240のY)、特1保留が存在しなければ(S244のN)、図7(b)の変動パターンテーブルが規定するように、特2保留数に応じて短縮変動パターンもしくは超短縮変動パターンを選択する(S246)。その一方、特1保留が存在すれば(S244のY)、図7(c)の変動パターンテーブルが規定するように、特2保留が2以上であるとき(S248のN)、特2保留数に応じて短縮変動パターンもしくは超短縮変動パターンを選択する(S246)。特2保留が1であるときは(S248のY)、短縮変動パターンよりも変動表示時間が長い変動パターン(本実施例では11秒パターン)を選択する(S250)。
図15は、図12におけるS154の装飾図柄変動処理の実行処理を詳細に示すフローチャートである。サブ基板104の演出決定手段132がメイン基板102から変動開始コマンドを受信した場合(S180のY)、受信した特別図柄の停止図柄、変動パターン、当否判定結果に応じて装飾図柄の停止態様を決定し(S182)、特別図柄の変動パターンにおける変動表示時間に整合する変動演出パターンを決定する(S188)。演出表示制御手段134は、演出決定手段132で決定された変動演出パターンにしたがって装飾図柄の変動表示を開始し、演出決定手段132で決定された予告演出パターンにしたがって予告演出の表示を開始する(S196)。メイン基板102から変動開始コマンドを受信しなかった場合はS182からS196をスキップする(S180のN)。
すでに装飾図柄の変動表示が開始済みであれば(S198のY)、その図柄変動の表示処理を実行し(S200)、メイン基板102から変動停止コマンドを受信したときは(S202のY)、S182で決定された停止態様にて装飾図柄を停止表示させることで図柄変動表示を停止する(S204)。変動停止コマンドをメイン基板102から受信していないときはS204をスキップし(S202のN)、変動表示が開始済みでないときはS200からS204をスキップする(S198のN)。
図16は、図12におけるS156の普通図柄の処理を詳細に示すフローチャートである。普図保留手段147に普図抽選値の保留がなされている場合(S260のY)、普通図柄が変動表示中でなければ(S262のN)、普図抽選手段136が普図保留手段147から抽選値を読み出して当否を判定し(S264)、普通図柄表示装置59に表示させる普通図柄の停止図柄を決定し(S266)、その普通図柄の変動時間を決定する(S268)。そして、決定されたタイミングにて普通図柄の図柄変動を開始する(S270)。本実施例では、普通図柄表示装置59における普通図柄の変動表示に同期して、演出表示装置60においても普通図柄変動に対応する演出を表示する。S260において普図抽選値が保留されていなかった場合は(S260のN)、S262からS270までの処理はスキップされ、S262において普通図柄が変動表示中であった場合は(S262のY)、S264からS270までの処理はスキップされる。
続いて、普通図柄の変動表示が開始済であれば(S272のY)、普通図柄の変動表示を処理し(S274)、設定された変動時間が経過して普通図柄の変動表示の停止タイミングに達したときは(S276のY)、変動表示中の普通図柄を停止させる(S278)。これに同期して、演出表示装置60における普通図柄変動に対応する演出も終了する。このとき、停止図柄が当り態様であれば(S280のY)、第2始動口63を拡開させる開放時間を決定する(S282)。すなわち、このとき時短中であれば比較的長い時間値(例えば6秒)が設定され、時短中でなければ比較的短い時間値(例えば0.5秒)が設定される。そして、その開放時間にしたがって普通電動役物65を作動させて第2始動口63を開放させる(S284)。既に述べたように、時短中であれば比較的長い開放時間が設定される。一方、停止図柄が当り態様でなければ(S280のN)、S282およびS284の処理はスキップされる。変動時間経過前である場合(S276のN)、S278からS284の処理はスキップされる。S272において変動表示が開始されていないときは(S272のN)、S274からS284の処理はスキップされる。
図17は、図9におけるS16の特別遊技処理を詳細に示すフローチャートである。まず、大入賞口91がまだ開放済でない場合(S100のN)、演出表示制御手段134が特別遊技の開始デモを表示して、特別遊技の演出処理を開始し(S102)、開閉制御手段124が大入賞口91を開放する(S104)。大入賞口91が開放済であればS102およびS104をスキップする(S100のY)。大入賞口91が開放されてから、所定の開放時間が経過した場合(S106のY)、または、開放時間が経過していないものの(S106のN)、大入賞口91への入球数が9球以上に達した場合(S108のY)、開閉制御手段124が大入賞口91を閉鎖させる(S110)。開放時間が経過しておらず(S106のN)、大入賞口91への入球数も9球以上に達していない場合は(S108のN)、S110以降の処理をスキップしてS16のフローを終了する。
S110における大入賞口91の閉鎖後、単位遊技が最終ラウンドに達していた場合(S112のY)、演出表示制御手段134は特別遊技の終了デモを表示させた後、特別遊技の演出処理を終了させ(S118)、特別遊技制御手段120は特別遊技を終了させ(S120)、特定遊技実行手段122は特定遊技を開始する(S122)。S112において単位遊技が最終ラウンドに達していなければ(S112のN)、ラウンド数に1を加算してS16のフローを終了する(S124)。
図18は、図9におけるS17の小当り遊技を詳細に示すフローチャートである。大入賞口91が開放済でなければ(S220のN)、大入賞口91の開放処理を実行し(S222)、開放済みであれば(S220のY)、S222をスキップする。所定の開放時間を経過した場合(S224のY)、大入賞口91を閉鎖し(S226)、所定の開放時間を経過していなければ(S224のN)、S226以降をスキップする。S226における大入賞口91の閉鎖後、設定回数分の開閉が終了していれば(S228のY)、小当り遊技を終了する(S230)。設定回数分の開閉が終了していなければ(S228のN)、開閉回数に1を加算してS17のフローを終了する(S232)。
本実施例のぱちんこ遊技機10によると、第1の遊技の保留個数ごとに第2の遊技の図柄変動を高確率で異なる時間実行し、高確率で異なる種類の演出を表示させる。これにより、第2の遊技での図柄変動における演出のバリエーションを増加させることができる。既述したように第1の遊技は第2の遊技よりも遊技者にとって利益が少ないものであるが、第1の遊技の保留個数ごとに異なる演出を表示させることにより、第1始動口62へ入球させるインセンティブを遊技者へ提供することができ、遊技球の射出を促進できる。また特2保留が上限数に達しても、所望の演出を表示させるために第1始動口62への入球を遊技者に狙わせることができる。すなわち、第1始動口62への入球によるメリットを遊技者へ提供して遊技球の射出を促進させることができる。
またぱちんこ遊技機10によると、第1の遊技の保留個数が多いほど、第2の遊技の図柄変動時間をより短くする。これにより、第1の遊技と第2の遊技の両方の保留が無くなり図柄変動が停止する可能性、すなわち遊技中に大当りの可能性が無くなってしまう可能性を低減しつつ、第2の遊技における図柄変動の効率を高めることができる。なお変形例として、第2パターン決定手段119は、実施例の図7(a)とは逆に、第1の遊技の保留個数が多いほど、長い変動時間の変動パターンを高確率で選択するよう定めた第2の遊技の変動パターンテーブルを保持してもよい。そして第2パターン決定手段119は、第1の遊技の保留個数が多いほど、第2の遊技の図柄変動時間をより長く決定してもよい。この場合も、第1の遊技の保留個数が多くなるほど、第2の遊技の図柄変動を長い時間実行し、異なる種類の演出を表示させることになるため、第2の遊技での図柄変動における演出のバリエーションを増加させることができる。
またぱちんこ遊技機10によると、普通図柄抽選の結果を示唆する演出を演出表示装置60で表示させる。ぱちんこ遊技機10においては第1の遊技よりも第2の遊技が遊技者にとって有利であるところ、普通図柄抽選の結果を演出で示唆することにより、第2始動口63への入球を遊技者が効率的に狙いやすくなる。特に、時短でない通常状態では普通電動役物65の開放確率が低く、また開放時間も短いため、普通図柄抽選の結果を演出で示唆することにより、第2始動口63の入球容易な状態を遊技者が認識しやすくし、通常状態での第2始動口63への入球を支援することができる。なお実施例では言及していないが変形例として、演出決定手段132および演出表示制御手段134は、普通図柄抽選の結果を示唆する演出を通常状態に限り表示させてもよい。時短状態では第2始動口63が常時入球容易状態となるため、普通図柄抽選の結果を示唆しても遊技者にとってのメリットは薄く、却って装飾図柄190の変動表示や予告演出の視認性を低下させてしまうデメリットが大きくなることが想定されるからである。
またぱちんこ遊技機10によると、第1の遊技において図柄変動時間が短縮される条件と、第2の遊技において図柄変動時間が短縮される条件とが異なる。例えば本実施例では、第1の遊技の図柄変動時間を特1保留のみに応じて決定する一方、第2の遊技の図柄変動時間については特1保留の有無により短縮条件を変化させる。これにより、第1の遊技は第2の遊技よりも遊技者にとって利益が少なく、ただし特定遊技状態でなければ第2始動口63への入球は困難という遊技機において、第1および第2の遊技で共通の短縮条件で図柄変動を短縮する場合とは異なり、遊技の興趣を損なうことを抑制しつつ、図柄変動の消化における好適な変動表示時間を設計しやすくなる。
より具体的には本実施例のぱちんこ遊技機10は、時短状態の通常遊技では、基本的に第2の遊技の図柄変動時間を短縮するが、特1保留が存在すれば、特2保留が1のときの図柄変動時間を短縮せず、長時間の変動とする。これにより、時短状態において基本的に第2の遊技の図柄変動効率を高めつつも、第1の遊技が保留されている場合に、第2の遊技を消化する間に第2始動口63へ新たに入球する可能性を高める。遊技者は第1の遊技への移行を回避して第2の遊技を継続しやすくなり、利益の大きな当りの発生に対する遊技者の期待感を継続させやすくなる。変形例として、時短状態において、第1の遊技では特1保留個数に応じて特1保留に対する図柄変動を短縮する一方、第2の遊技では特1保留があれば特2保留の全てに対する図柄変動を短縮し、特1保留がなければ特2保留(1〜4)のうち少なくとも1回の図柄変動は非短縮としてもよい。これにより、基本的には特2保留の変動効率を高めつつも、特2保留が全て消化されても特1保留が残ることになり、また特1保留が0の場合は特2保留の消化に時間がかかることになり、図柄変動の非実行期間が生じることを回避しやすくなる。すなわち、遊技中のある期間に大当りの可能性が0になることを回避して、遊技者の期待感が低下することを防止しやすくなる。
以上、本発明を実施例をもとに説明した。この実施例はあくまで例示であり、それらの各構成要素や各処理プロセスの組合せにいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。以下、変形例について述べる。
上記実施例では第1始動口62と第2始動口63を、演出表示装置60の下方位置に上下に近接して配置することとした。変形例としては、第1始動口62と第2始動口63は、遊技球の発射強弱によっていずれかを目標にした打ち分けが可能な程度に互いに離れた位置に設けられてもよい。すなわち、第1始動口62と第2始動口63は、遊技者の意思にしたがった遊技球の発射強弱によっていずれか一方への入球を狙うことが可能となるよう、それぞれ遊技領域52の左側と右側に離れて設置され、一方を狙った遊技球が他方へ入球しがたい構成とされてもよい。以下の第1〜第3の変形例では、第1始動口62は遊技領域52の左側を狙って比較的弱めに発射したときに入球しやすくなるような位置(実施例と同様の位置)に設けられ、第2始動口63は遊技領域52の右側を狙って比較的強めに発射したときに入球しやすくなるような位置に設けられることとする。
図19は、第1の変形例のぱちんこ遊技機の前面側における基本的な構造を示す。第1の変形例では、第1始動口62と第2始動口63の配置構成が実施例と異なる。この態様によると、第2始動口63が入球容易状態となる時短時において遊技者はいわゆる右打ちを行うこととなり、右打ちで発射された遊技球は第1始動口62には入球困難となる。したがって、時短時において、第1始動口62への入球が発生する可能性は低く、言い換えれば、第2始動口63への入球を第1始動口62が阻害することはなく、第2始動口63への入球可能性を高め、また特2保留の図柄変動効率を高めやすくなる。また実施例と同様に、第1の遊技と第2の遊技で大入賞口91を共用するため、特別遊技中は左打ちとなって第1始動口62への入球が発生しやすく、特2保留が無くなっても特1保留が存在する可能性が高くなる。これにより、遊技中に図柄変動が停止してしまう可能性、すなわち遊技中のある期間において大当りの可能性が0になってしまうことを回避しやすくなる。
図20は、第2の変形例のぱちんこ遊技機の前面側における基本的な構造を示す。第2の変形例では、第1始動口62と第2始動口63の配置構成が実施例と異なる。これに加えて、大入賞口91がアウト口58の右上方の位置に設けられ、大入賞口91への入球を狙う場合には右打ちが必要になる点で実施例と異なる。この態様によると、時短中および特別遊技中の両方で右打ちがなされ、その期間に第1始動口62への入球が発生する可能性は低く、第2始動口63への入球可能性を高め、特2保留の図柄変動効率を高めやすくなる。
図21は、第3の変形例のぱちんこ遊技機の前面側における基本的な構造を示す。第3の変形例では、第1始動口62と第2始動口63の配置構成が実施例と異なる。これに加えて、第1の遊技で大当りとなった場合に開放される第1大入賞口92と、第2の遊技で大当りとなった場合に開放される第2大入賞口93とが別個に設けられた点で実施例と異なる。第1大入賞口92には入賞検出装置78と大入賞口ソレノイド80が設けられ、第2大入賞口93には入賞検出装置79と大入賞口ソレノイド81が設けられる。本変形例の第1大入賞口92は実施例の大入賞口91と同様の位置に配置され、入球を狙う場合には左打ちが必要になる一方、第2大入賞口93はアウト口58の右上方の位置に設けられ、入球を狙う場合には右打ちが必要になる。この態様によると、第1の遊技における特別遊技は第1大入賞口92で消化することで第1始動口62への入球可能性を高め、特別遊技終了後に変動が行われない期間が発生することを抑制しやすくなる。
なお第3の変形例において、第1大入賞口92と第2大入賞口93のそれぞれは第1の遊技と第2の遊技の両方で使用されてもよく、大当りの図柄により第1大入賞口92と第2大入賞口93のいずれを開放させるかは設計上選択可能である。したがって、第1始動口62への入球可能性を高めるべき大当り(第1大入賞口92を開放する)と、逆に第1始動口62への入球可能性を低減して第2始動口63への入球のみとする大当り(第2大入賞口93を開放する)とを、構築すべき遊技性に応じて第1の遊技と第2の遊技のそれぞれで設けることができ、設計者は遊技機の遊技性を柔軟に構築することができる。
第4の変形例を説明する。
上記実施例では、時短状態において特1保留がある場合に、特2保留1に対する変動パターンとして、特2保留2以上のときの短縮変動よりも長い変動パターン(実施例の11秒パターン、ここでは「特殊変動パターン」と呼ぶ)を選択することとした。変形例としては、特2保留1以外に対する変動パターンとして特殊変動パターンを選択してもよい。例えば、特2保留1と特2保留2に対して特殊変動パターンを選択し、特2保留3と特2保留4に対して短縮変動パターンを選択してもよい。また、特2保留1と特2保留2と特2保留3に対して特殊変動パターンを選択し、特2保留4に対してのみ短縮変動パターンを選択してもよい。この変形例においても、時短状態において第1の遊技が保留されている場合に、第2の遊技を消化する間に第2始動口63へ新たに入球する可能性を高めることができる。
いわゆる先読み演出に関する第5の変形例を説明する。
演出決定手段132は、第1始動口62への入球に対する事前判定結果が確変移行を伴わない大当りであることを示す場合に、遊技者に対して第2始動口63への入球を狙うことを促すための予告演出パターンを選択し、確変移行を伴わない大当りが発生する以前の図柄変動においてその予告演出を先読み演出として表示させてもよい。第2始動口63への入球を狙うことを促すための予告演出パターンは、その旨のメッセージやアニメーションを表示させるものであってもよい。また、第2始動口63への入球に右打ちが必要な盤面構成であれば、右打ちを促す内容の予告演出であってもよい。また演出決定手段132は、この先読み演出を、確変状態に限り実行してもよい。この変形例によると、遊技者に第2始動口63への入球を狙わせることにより、第1の遊技による確変移行を伴わない大当りが発生する前に、第2の遊技による確変移行を伴う大当りを優先して発生させることを支援できる。特に確変状態においては、第1の遊技による確変移行を伴わない大当りが発生してしまうと確変状態が終了してしまうため、遊技者に確変状態の終了に対する回避行動をとらせることができ、遊技の興趣を高めることができる。
第6の変形例を説明する。
上記実施の形態では、演出表示装置60の単一の保留表示領域20において特1保留数と特2保留数の両方を表示させることとした。変形例では、演出表示装置60に、特1保留数を表示する第1保留表示領域と、特2保留数を表示する第2保留表示領域とが別個に設けられてもよく、第1保留手段144は特1保留個数を第1保留表示領域に表示させ、第2保留手段146は特2保留個数を第2保留表示領域に表示させてもよい。
時短状態における図柄変動の短縮条件に関する第7の変形例を説明する。
例えば、第1の遊技においては特1保留個数のみで短縮の有無を判断してもよく、具体的には、第1パターン決定手段114が保持する特定遊技用変動パターンテーブルは、実施例と同様に、特1保留個数3以上の場合に2以下の場合よりも変動表示時間が短縮された変動パターンを高確率で選択するよう定めたものであってもよい。その一方、第2パターン決定手段119が保持する特定遊技用変動パターンテーブルは、特1保留が存在すれば特2保留個数にかかわらず、通常状態よりも変動表示時間が短縮された変動パターンを高確率で選択するよう定めたものであってもよい。また、第2パターン決定手段119が保持する特定遊技用変動パターンテーブルは、特1保留が存在しなければ特2保留個数のみで短縮の有無を判断するもの、具体的には、特2保留2以上で通常状態よりも変動表示時間が短縮された変動パターンを高確率で選択し、特2保留1では上記短縮された変動パターンよりも長い変動パターン(例えば通常状態と同様の変動表示時間のパターン)を高確率で選択するよう定めたものであってもよい。この変形例によると、時短状態において基本的には第2の遊技の図柄変動の効率を高めつつも、第1の遊技と第2の遊技の両方の保留が無くなり図柄変動が停止してしまう可能性、すなわち遊技中のある期間において大当りの可能性が0になってしまう可能性を低減することができる。
なお第7の変形例において、第2パターン決定手段119が保持する特定遊技用変動パターンテーブルは、特1保留が存在しなければ、存在する場合に選択すべき通常状態よりも変動表示時間が短縮された変動パターンよりも長い変動パターン(例えば通常状態と同様の変動表示時間のパターン)を高確率で選択するよう定めたものであってもよい。この態様でも上記と同様の効果を奏する。また、遊技者にとって第1の遊技は第2の遊技よりも不利なものであるが、第1始動口62へ1球でも入球させることで、第2の遊技における図柄変動が短縮されるというメリットを提供でき、効率的な図柄変動のために第1の遊技と第2の遊技とのバランスが重要になるという斬新な遊技性を提供できる。
第8の変形例を説明する。
上記実施例では言及していないが、特定遊技実行手段122は、第1始動口62への入球を契機とした特別遊技終了後の時短よりも、第2始動口63への入球を契機とした特別遊技終了後の時短を高確率で長くしてもよい。例えば、複数種類の時短期間を予め定めておく。ここでは時短期間として、30回、50回または100回の図柄変動が終了するまでの3種類を定めておくこととする。ただし、確変状態への移行を伴う場合は次回の大当り発生まで時短を継続させる。特定遊技実行手段122は、第1特別図柄192による確変移行を伴わない大当りの場合に、時短30回・時短50回・時短100回を、それぞれ10分の6・10分の3・10分の1の確率で選択する。その一方、第2特別図柄193による確変移行を伴わない大当りの場合に、時短30回・時短50回・時短100回を、それぞれ10分の1・10分の1・10分の8の確率で選択する。この変形例によると、第1の遊技よりも第2の遊技の方がより多い時短回数が選択されやすくなり、遊技者にとって第1の遊技よりも第2の遊技の方が一層利益が大きいものとなる。したがって、入球容易状態において特1保留がある場合に、その特1保留の変動開始前の特2保留の消化中に第2始動口63への新たな入球が発生する可能性を高め、第2の遊技による図柄変動を継続させやすくすることで、遊技者にとって利益の低い大当り(すなわち時短回数が少なくなりやすい第1の遊技の大当り)を回避しやすくなり、遊技者にとって利益の高い大当り(すなわち時短回数が多くなりやすい第2の遊技の大当り)を遊技者が期待できる期間を継続させやすくなる。
第9の変形例を説明する。
上記実施例では言及していないが、演出記憶手段130は、遊技において特定の条件が満たされることを条件として遊技者に提供される演出であり、通常の演出とは異なるプレミアム演出をさらに保持してもよい。本変形例におけるプレミアム演出は、第2始動口63への入球を契機とする図柄変動(第2の遊技での図柄変動)が、第1始動口62への入球を契機とする図柄変動(第1の遊技での図柄変動)を挟むことなく、所定回数以上連続して実行されることを条件として表示される演出である。演出決定手段132は、所定回数以上の図柄変動に亘り、第2の遊技での図柄変動が連続して実行される場合に、第2パターン決定手段119で決定された変動パターンに対応するプレミアム演出を選択し、演出表示装置60に表示させてもよい。この態様によると、第2の遊技による図柄変動を継続させることへのさらなるインセンティブを遊技者に提供でき、実施例のぱちんこ遊技機10において好適な演出を実現できる。
第10の変形例を説明する。
ぱちんこ遊技機10は、所定数の遊技球を保持し、それらの遊技球が遊技機外部へ流出しないように遊技機内部に封入された封入球式の構成であってもよい。言い換えれば、ぱちんこ遊技機10は、遊技球を遊技機外部へ流出させることなく、遊技機内部、例えば遊技球発射機構、遊技領域52、各入賞口またはアウト口58を循環させる構成であってもよい。この場合、ぱちんこ遊技機10は、遊技球の流出に関する各種部材、例えば上球皿15や下球皿16、払出ユニット43に代えて、遊技者が保有する遊技球数を遊技者の持点(いわゆるクレジット数)として電子的に管理する持点管理部をさらに備えてもよい。持点管理部は、ぱちんこ遊技機10での遊技状況に応じて遊技者の持点を刻々と増減させる。例えば、遊技球が発射されるたびに遊技者の持点を1減算してもよく、各入賞口への入賞を入球判定手段110が検出するたびにその入賞に対応する払い出し球数を遊技者の持点に加算してもよい。なお、ぱちんこ遊技機10とは別筐体の情報処理装置であり、ぱちんこ遊技機10と通信可能に接続された遊技用装置に持点管理部が設けられてもよい。この場合、ぱちんこ遊技機10は、遊技中に遊技者の持点が変化する所定のイベント、例えば遊技球の発射や入賞等を検出するたびに、遊技者の持点の変化量を遊技用装置へ通知してもよい。遊技用装置の持点管理部は、遊技者の持点を保持し、ぱちんこ遊技機10から通知された遊技者の持点の変化量に応じて、遊技者の持点を増減させてもよい。
10 ぱちんこ遊技機、50 遊技盤、 52 遊技領域、 62 第1始動口、 63 第2始動口、 114 第1パターン決定手段、 119 第2パターン決定手段、 120 特別遊技制御手段、 122 特定遊技実行手段、 132 演出決定手段、 134 演出表示制御手段。

Claims (1)

  1. 遊技領域が形成された遊技盤と、
    前記遊技領域の所定位置に設けられた第1始動口と、
    前記遊技領域の所定位置に設けられ、遊技球の入球容易性を高めるよう作動可能な入球変動機構を有する第2始動口と、
    前記第1始動口または第2始動口に対し遊技球が入球したことに基づき、当否抽選値、図柄抽選値、パターン抽選値を取得する抽選値取得手段と、
    前記第1始動口への入球に基づき前記抽選値取得手段で取得された当否抽選値を用いて、第1の当否抽選を実行する第1抽選手段と、
    前記第2始動口への入球に基づき前記抽選値取得手段で取得された当否抽選値を用いて、第2の当否抽選を実行する第2抽選手段と、
    前記第1または第2の当否抽選が当りとなった場合に、通常遊技よりも遊技者に有利な状態である特別遊技へ移行させる特別遊技制御手段と、
    前記第1の当否抽選の結果を示すための図柄と、前記第2の当否抽選の結果を示すための図柄とが変動表示される図柄表示装置と、
    前記第1の当否抽選の結果と前記図柄の変動表示における変動パターンとの対応関係を定めた第1の決定基準にしたがって、前記第1の当否抽選の結果に応じて前記図柄の変動パターンを決定し、前記第2の当否抽選の結果と前記図柄の変動表示における変動パターンとの対応関係を定めた第2の決定基準にしたがって、前記第2の当否抽選の結果に応じて前記図柄の変動パターンを決定する変動パターン決定手段と、
    前記第1始動口への入球に基づき前記抽選値取得手段で取得された抽選値である第1抽選値を、所定個数を上限に、対応する図柄の変動表示開始まで保留する第1保留制御手段と、
    前記第2始動口への入球に基づき前記抽選値取得手段で取得された抽選値である第2抽選値を、所定個数を上限に、対応する図柄の変動表示開始まで保留する第2保留制御手段と、
    前記変動パターン決定手段により決定された変動パターンにしたがって前記図柄を前記図柄表示装置に変動表示させ、前記第2抽選値が保留されている場合は前記第1の当否抽選に対応する図柄変動表示の開始を留保する一方、前記第1抽選値が保留されているか否かにかかわらず前記第2の当否抽選に対応する図柄変動表示を開始する表示制御手段と、
    前記遊技領域の所定位置に設けられ、遊技球が入球可能な作動口と、
    前記作動口への入球を契機として、前記第2始動口の入球変動機構を作動させるか否かを決定するための開放抽選を実行する開放抽選手段と、
    前記開放抽選の結果が当りとなった場合に、前記第2始動口の入球変動機構を作動させる作動制御手段と、
    前記第1または第2の当否抽選が特定の結果に該当した場合に、前記特別遊技の終了後の通常遊技において前記開放抽選の確率変動機能を作動させ、前記第2始動口に対する遊技球の入球を通常状態と比して容易とする入球容易状態へ移行させる特定遊技実行手段と、
    を備え、
    前記第2始動口を狙って打ち出された遊技球の前記第1始動口への入球が困難となる配置構成にて前記第1始動口および前記第2始動口が前記遊技領域に設けられ、
    前記特別遊技制御手段は、遊技者にとって利益が相対的に小さい第1の特別遊技と、遊技者にとって利益が相対的に大きい第2の特別遊技について、前記第2の当否抽選が当りとなった場合に、前記第1の当否抽選が当りとなった場合よりも高確率で前記第2の特別遊技へ移行させ、
    前記第1の決定基準と前記第2の決定基準は、変動表示時間が相対的に短い変動パターンと変動表示時間が相対的に長い変動パターンのいずれを選択するかの条件として、互いに異なる条件を定めたものであり、
    前記第2の決定基準は、前記入球容易状態において、前記第1抽選値が保留されている場合はその変動開始を抑制するために、前記第2保留制御手段に保留された第2抽選値のうち少なくとも1つに対する変動パターンとして、変動表示時間が相対的に長い変動パターンを高確率で選択するよう定めたものであり、
    前記第1始動口または前記第2始動口へ遊技球が入球したことに基づき、前記第1抽選値または前記第2抽選値のうち今回取得した抽選値について、事前判定を行う事前判定手段をさらに有し、
    前記入球容易状態において、前記事前判定手段により事前判定された結果に前記特別遊技へ移行することとなる結果が含まれる状況下であって、前記特別遊技へ移行することとなる事前判定がなされた抽選値に対応する図柄変動表示が実行される前と実行された後とで前記入球容易状態であるか否かが異なる場合には、前記第2始動口が設けられた遊技領域に向けて遊技球の発射を促す報知演出を実行し得る
    ことを特徴とする弾球遊技機。
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