図1は、ぱちんこ遊技機の前面側における基本的な構造を示す。以下、弾球遊技機として従来にいういわゆる第1種ぱちんこ遊技機を例に説明する。ぱちんこ遊技機10は、主に遊技機枠と遊技盤で構成される。ぱちんこ遊技機10の遊技機枠は、外枠11、前枠12、透明板13、扉14、上球皿15、下球皿16、および発射ハンドル17を含む。外枠11は、開口部分を有し、ぱちんこ遊技機10を設置すべき位置に固定するための枠体である。前枠12は、外枠11の開口部分に整合する枠体であり、図示しないヒンジ機構により外枠11へ開閉可能に取り付けられる。前枠12は、遊技球を発射する機構や、遊技盤を着脱可能に収容させるための機構、遊技球を誘導または回収するための機構等を含む。
透明板13は、ガラスなどにより形成され、扉14により支持される。扉14は、図示しないヒンジ機構により前枠12へ開閉可能に取り付けられる。上球皿15は、遊技球の貯留、発射レールへの遊技球の送り出し、下球皿16への遊技球の抜き取り等をする機構を有する。下球皿16は、遊技球の貯留、抜き取り等の機構を有する。上球皿15と下球皿16の間にはスピーカ18が設けられており、後述する演出を制御する手段によって遊技状態などに応じた効果音が出力される。
遊技盤50は、外レール54と内レール56により区画された遊技領域52上に、アウト口58、特別図柄表示装置61、演出表示装置60、始動入賞口(以下、「始動口」という)62、センター飾り64、大入賞口66、作動口68、一般入賞口72を含む。さらに遊技領域52には、図示しない複数の遊技釘や風車などの機構が設置される。また、上球皿15の前面側には、サブ演出表示装置70が設けられている。
始動口62は、遊技球の入球が当否抽選を実行する契機となる入球口であって、遊技球の入球を検出するための始動入賞検出装置74と、始動口62に設けられた拡開機構63(いわゆる電動チューリップ)を拡開させるための普通電動役物ソレノイド76を備える。拡開機構63は、始動口62の開口部上部に設けられた二つの羽根部材で構成され、閉鎖時は始動口62の真上から落下する遊技球だけが入球できる程度の狭い開口幅となる。一方、拡開機構63が拡開された開放時は始動口62の開口幅が拡がることとなり、始動口62の真上だけでなくその近傍を落下する遊技球も始動口62へ誘導でき入球容易性が向上する。当否抽選は、通常遊技より遊技者に有利な状態である特別遊技へ移行するか否かを判定する抽選であり、始動口62へ入球があるたびに実行される。始動入賞検出装置74は、始動口62への遊技球の入球を検出するセンサであり、入球時にその入球を示す始動入賞情報を生成する。
一般入賞口72は、遊技球の入球を検出するための一般入賞検出装置73を備える。一般入賞検出装置73は、一般入賞口72への遊技球の入球を検出するセンサであり、入球時にその入球を示す一般入賞情報を生成する。
大入賞口66は、遊技球の入球を検出するための入賞検出装置78と、大入賞口66を開放させるための大入賞口ソレノイド80を備える。入賞検出装置78は、大入賞口66への遊技球の入球を検出するセンサであり、入球時にその入球を示す大入賞口入賞情報を生成する。大入賞口66は、特別図柄192が所定の態様にて停止したときに開始される特別遊技において「大当り」として開放状態となる横長方形状の入賞口である。大入賞口66は、例えばアウト口58の上方等の位置に設けられる。大入賞口66の設置個数としては、一つだけ設置する構成に限らず、複数個の大入賞口66を設置してそれぞれを遊技状態等に応じて使い分ける構成としてもよい。大入賞口66の入賞検出装置78は、遊技球の通過を検出するセンサを備えて構成される。
遊技領域52の左方に設けられた特別図柄表示装置61および遊技領域52の略中央に設けられた演出表示装置60は、それぞれの画面に特別図柄192の変動と、特別図柄192に連動する装飾図柄190を含む演出画像の変動を表示する。以下、そうした表示を「図柄変動」または「変動表示」等という。
特別図柄表示装置61は、例えば7セグメントLEDで構成される表示装置である。特別図柄192は、始動口62への遊技球の落入を契機として行われる抽選の結果に対応した図柄である。特別図柄192の変動表示が停止したときの図柄態様が、あらかじめ当りと定められた図柄であった場合に、その停止図柄が表示されたタイミングが大当り発生タイミングとなる。停止図柄は、図柄変動の終了時に表示すべき図柄である。本実施例における特別図柄192は、当りの図柄態様である「0」〜「9」といった数字、文字、記号、または外れの図柄態様である「−」の記号で表される。これらの数字または記号が高速で次々に入れ替わって特別図柄表示装置61へ表示されることにより、特別図柄192の図柄変動表示が実現される。なお、特別図柄192の態様は上記の数字または記号に限られず、英字などの文字であってもよいし、7セグメントLEDを構成する各セグメントの組合せで形成される一般に意味を持たない記号であってもよい。また、7セグメントLEDは、「8の字」を形成する7個のセグメントおよび「ドット」を表す1個のセグメントからなる8個のセグメントで構成されてもよい。この場合、8個のセグメントを組み合わせることにより8ビット分の数値を表現できる。さらに、特別図柄表示装置61を7セグメントLEDではないLEDドットアレーを用いて、その点灯パターンや点灯色の組合せで複数種類の特別図柄192を表現してもよい。
演出表示装置60は、特別図柄192の変動表示と連動する形で装飾図柄190を変動表示する液晶ディスプレイで構成される表示装置である。装飾図柄190は、特別図柄192で示される抽選の結果表示を視覚的に演出するための図柄である。演出表示装置60は、装飾図柄190として、例えばスロットマシンのゲームを模した複数列の図柄を変動させる動画像を画面の中央領域に表示する。本実施例においては、「0」〜「9」の数字で構成される図柄を3列に表示して変動させ、最終的に停止表示される3個の図柄組合せによって当りまたは外れを示す。装飾図柄190を構成する複数図柄のそれぞれは、色彩や模様の装飾が施された数字、文字、または記号で構成されるが、これら数字、文字、記号に対して全図柄に共通する絵柄または図柄ごとに異なる絵柄を加えて一体化させる形で構成されてもよい。この絵柄は、ぱちんこ遊技機10の当該機種に設定された装飾または演出のテーマに関連するモチーフが描かれた絵柄であり、例えば人物や動物のキャラクターが描かれた絵柄であってもよい。装飾図柄190は、絵柄が一体的に含まれる図柄が変動表示される場合と、絵柄が分離して数字、文字、記号の部分のみが変動表示される場合とが、演出の展開に沿って切り替えられる構成であってもよい。装飾図柄190の変動表示の背景には、ぱちんこ遊技機10の当該機種に設定された装飾または演出のテーマに関連する演出的効果を有する動画像が図柄変動と連動して表示される。
演出表示装置60は、本実施例では液晶ディスプレイなどの高精細なドットマトリクス型表示装置で構成されるが、ドラム回転式などの機械的表示手段やLEDマトリクス式などの表示手段で構成されてもよい。なお、特別図柄192は必ずしも演出的な役割をもつことを要しないため、本実施例では演出表示装置60の左下方の特別図柄表示装置61にて目立たない大きさで表示させる。ただし、特別図柄自体に演出的な役割をもたせることで装飾図柄を用いずに表現する手法を採用する場合には、特別図柄を7セグメントLEDではなく液晶ディスプレイに表示させる構成としてもよい。
サブ演出表示装置70は、演出表示装置60に表示される演出を補助する画像が表示される液晶ディスプレイで構成される表示装置である。具体的には、演出表示装置60に表示される演出が遊技者介入要素を伴う特定の演出である場合に、その演出が表示されることを報知して遊技者に注意を喚起する画像や、遊技者に所定の操作入力を促す文字列等の画像が表示される。本実施例ではこのように遊技機から遊技者に向けた要求を演出表示装置60とは別のサブ演出表示装置70に表示させることで、演出表示装置60に表示される背景画像やキャラクタ画像などの演出画像を損なわない工夫がなされている。なお、サブ演出表示装置70は、本実施例では液晶ディスプレイなどの高精細なドットマトリクス型表示装置で構成されるが、特定の要求内容が切替表示される機械的表示手段やLEDマトリクス式などの表示手段で構成されてもよい。
作動口68は、遊技盤50の左側方位置に設けられる。作動口68は、通過検出装置69を含む。通過検出装置69は、作動口68への遊技球の通過を検出するセンサであり、通過時にその通過を示す通過情報を生成する。作動口68への遊技球の通過は拡開機構63を拡開させるか否かを決定する開放抽選の契機となる。作動口68を遊技球が通過すると、開放抽選の結果を示す図柄である普通図柄が普通図柄表示装置59に変動表示される。したがって、開放抽選は「普通図柄抽選」とも呼ぶ。本実施例における普通図柄表示装置59は、便宜上、二つのランプで構成されるとともに、それらのうちいずれのランプが点灯しているかによって普通図柄の表示状態が表現される。例えば、第1のランプの点灯が外れを示し、第2のランプが当りを示すとき、それらが交互に点灯と消灯を繰り返すことによって普通図柄の変動表示が表現され、最終的にいずれかの点灯状態にて停止されることで普通図柄の停止図柄が表現される。普通図柄表示装置59は演出表示装置60の右下方に設けられる。変動開始から所定時間の経過後に、普通図柄の変動表示が停止する。このとき、通常状態では例えば1/256程度の低確率にて普通図柄が当りの図柄で停止し、後述する入球容易状態では例えば250/256程度の高確率にて普通図柄が当りの図柄で停止する。普通図柄が当りの図柄で停止すると、拡開機構63が所定時間拡開される。拡開機構63の開放時間は、例えば通常状態では0.1秒間であり、入球容易状態では6秒間である。
演出表示装置60の周囲には、センター飾り64が設けられる。センター飾り64は、遊技球の流路、演出表示装置60の保護、装飾等の機能を有する。遊技領域52の左下部には、特別図柄保留表示装置20が設けられ、その対称位置である遊技領域52の右下部には、普通図柄表示装置59の下に普通図柄保留表示装置22が設けられている。
特別図柄保留表示装置20は、4個のランプからなり、その点灯個数によって当否抽選の保留数を表示する。当否抽選の保留数は、図柄変動中または特別遊技中に始動口62へ入賞した抽選結果の個数であり、図柄変動がまだ実行されていない入賞球の数を示す。当否抽選の保留数が3個になると、遊技効率を高めるために外れの場合の図柄変動時間が通常より短縮される(以下、「短縮変動」ともいう)。同様に、当否抽選の保留数が4個になると、さらに遊技効率を高めるために外れの場合の図柄変動時間が上記3個の場合よりもさらに短縮される(以下、「超短縮変動」ともいう)。
普通図柄保留表示装置22もまた4個のランプからなり、その点灯個数によって普通図柄変動の保留数を表示する。普通図柄変動の保留数は、普通図柄の変動中に作動口68を通過した遊技球の個数であり、普通図柄の変動がまだ実行されていない普通図柄抽選の数を示す。
演出表示装置60の上方および下方には、それぞれ遊技効果ランプ90が設けられている。操作ボタン82は、遊技者が遊技機へ所定の指示を入力するために操作する操作入力手段であり、その操作入力の内容に応じて演出内容等に変化が加えられる。操作ボタン82は、上球皿15近傍の外壁面にサブ演出表示装置70の隣接するように設けられる。本実施例における操作ボタン82は一つのボタンで構成されるが、複数のボタンや十字キーなどの方向指示ボタンで構成されてもよい。
以上のような構成においてなされる遊技の方法および制御の流れを概説する。遊技者が発射ハンドル17を手で回動させると、その回動角度に応じた強度で上球皿15に貯留された遊技球が1球ずつ内レール56と外レール54に案内されて遊技領域52へ発射される。遊技者が発射ハンドル17の回動位置を手で固定させると一定の時間間隔で遊技球の発射が繰り返される。遊技領域52の上部へ発射された遊技球は、複数の遊技釘や風車に当りながらその当り方に応じた方向へ落下する。遊技球が一般入賞口72や始動口62、大入賞口66の各入賞口へ落入すると、その入賞口の種類に応じた賞球が上球皿15または下球皿16に払い出される。一般入賞口72等の各入賞口に落入した遊技球はセーフ球として処理され、アウト口58に落入した遊技球はアウト球として処理される。なお、各入賞口は遊技球が通過するゲートタイプのものを含み、本願において「落入」「入球」「入賞」というときは「通過」を含むものとする。
遊技球が始動口62に落入すると、特別図柄表示装置61および演出表示装置60において特別図柄192および装飾図柄190が変動表示される。特別図柄192および装飾図柄190の変動表示は、表示に先だって決定された変動表示時間の経過後に停止される。特別図柄192は、その変動開始から停止までの変動態様が定められた変動パターンにしたがって変動表示される。装飾図柄190は、その変動開始から停止までの変動態様が定められた変動演出パターンにしたがって変動表示される。変動パターンおよび変動演出パターンはそれぞれ複数種ずつ用意され、それぞれが長短様々な変動時間をもつ。変動パターンにしたがって特別図柄192が変動表示される間、同じ変動時間をもつ変動演出パターンにしたがって装飾図柄190が変動表示される。変動パターンには、その図柄変動の終了条件としてパターンごとに変動表示時間が定められており、その変動表示時間の経過時に特別図柄192および装飾図柄190の変動が停止される。
装飾図柄190の変動表示としては、まず変動開始とともにスロットマシンのリール回転のように3列とも図柄を変動させ、変動終了タイミングへ近づいたときに一列ずつ停止させることで最終的な停止態様としての図柄組合せを表示する。停止時の特別図柄192および装飾図柄190が大当りを示す停止態様となった場合、通常遊技よりも遊技者に有利な遊技状態である特別遊技に移行し、大入賞口66の開閉動作が開始される。大当りを示す装飾図柄190の停止態様は、例えば3つの図柄の種類が一致する組合せの態様である。
変動演出パターンには、通常外れ演出パターン、リーチ外れ演出パターン、リーチ大当り演出パターンが含まれる。通常外れ演出パターンは、通常の外れの図柄組合せを表示するときの演出パターンである。リーチ外れ演出パターンは、あと一つ図柄が揃えば大当りとなる状態であるリーチ状態を経て外れの図柄組合せを表示するときの演出パターンである。リーチ大当り演出パターンは、リーチ状態を経て大当りの図柄組合せを表示するときの演出パターンである。特に、リーチ状態を経るときのパターンとしては、長短様々な変動時間をもつパターンが含まれ、相対的に変動時間の短いリーチパターンを「ノーマルリーチ」と称し、変動時間の長いリーチパターンを「スーパーリーチ」と称する。
特別遊技は、開始デモ演出と呼ばれる演出画面の表示によって開始される。開始デモ演出の画面表示後に大入賞口66が開放され、その開放が約30秒間続いた後、または9球以上の遊技球が落入した後で一旦閉鎖される。このような大入賞口66の開放から閉鎖までが、基本的には単位遊技と呼ばれるが、1回の単位遊技の間に複数回の短時間の開放を繰り返す場合があってもよい。大入賞口66の開閉ないし単位遊技が所定の複数回数、例えば15回繰り返された後、終了デモ演出と呼ばれる演出画面の表示によって特別遊技が終了される。これに対し、当否抽選が小当りと呼ばれる結果に該当した場合は小当り遊技が実行される。小当りは、当否抽選の結果としては外れに含まれる結果である。小当り遊技は、一部の種類の特別遊技と類似の態様にて実行される単位遊技である。ただし、小当り遊技として実行される単位遊技は1回だけであり、複数回数の単位遊技が実行される特別遊技とは異なる。
特別遊技が終了した後の通常遊技においては特定遊技の一つである特別図柄192および装飾図柄190の変動時間短縮(以下、適宜「時短」という)が開始される。特別図柄192および装飾図柄190の時短は、特別図柄192および装飾図柄190の変動時間が通常状態よりも短縮される状態である。特別図柄192および装飾図柄190の変動時間は、所定の変動回数、例えば100回の変動表示がなされた後で元の変動時間に戻されるが、その変動回数に達する前に大当りが発生すれば時短も終了する。時短により特別図柄192および装飾図柄190の変動時間が短縮されるため、通常の変動時間のまま図柄変動がなされる通常状態の場合と比べて、大当りが発生するまでの時間を短縮することができ、大当りの獲得容易性を相対的に高めることができる。
特別図柄192および装飾図柄190の時短中は、特定遊技の一つである入球容易状態が実施される。入球容易状態は、普通図柄の時短、開放抽選の確率変動、拡開機構63の開放延長が実施されることにより始動口62への入球容易性が高められる状態である。普通図柄の時短は、普通図柄の変動時間が通常状態より短縮される状態である。開放抽選の確率変動は、開放抽選の当り確率を通常状態より高める状態である。拡開機構63の開放延長は、拡開機構63の開放時間を通常状態よりも長くする状態である。このように、入球容易状態においては、一定時間あたりの普通図柄の変動回数が通常状態よりも増加する可能性が高まる上、始動口62への入球容易性も増すため、始動口62への入球数が増加する可能性も高い。したがって、特別図柄192および装飾図柄190の時短および入球容易状態により、その期間中は始動口62への入球による賞球を得られる機会が増加する結果、持ち玉をほとんど減らさずに遊技し続けることが可能となる。
なお、本実施例における入球容易状態は、普通図柄の時短、開放抽選の確率変動、拡開機構63の開放延長という3つの機能を用いて始動口62への入球容易性を高める。ただし、変形例としては、これら3つの機能のうち、1つまたは2つの機能を用いて始動口62への入球容易性を高める構成としてもよい。このように3つの機能のうち一部だけを用いても始動口62への入球容易性を高めることは可能である。また、3つの機能のうち少なくともいずれかを、実施する期間と実施しない期間とで遊技状態に応じて切り替える構成としてもよい。
特別遊技が発生した場合であってそのときの当り停止図柄が特定の態様であった場合、特別遊技の終了後に特定遊技の一つである当否抽選の確率変動遊技(以下、適宜「確変」という)がさらに開始される。当否抽選の確変中は、通常の確率状態より当りの確率が高い当否抽選が行われ、比較的早期に新たな特別遊技が発生し得る。当否抽選の確変は次の大当りが発生するまで継続されるが、変形例として、所定の限定的な回数の図柄変動がなされたときに終了する構成であってもよい。本実施例においては、確変が開始されるときに同時に特別図柄192および装飾図柄190の時短や入球容易状態も開始されるが、変形例として時短や入球容易状態の開始を伴わない確変が実行される場合があってもよい。
図2は、ぱちんこ遊技機の背面側における基本的な構造を示す。電源スイッチ40はぱちんこ遊技機10の電源をオンオフするスイッチである。メイン基板102は、ぱちんこ遊技機10の全体動作を制御し、特に始動口62へ入賞したときの抽選等、遊技動作全般を処理する。サブ基板104は、演出表示装置60やサブ演出表示装置70における表示内容、スピーカ18から出力する音声の内容、遊技効果ランプ90の点灯表示の内容を決定する。第1演出制御基板106は、液晶ユニット42に接続され、演出表示装置60における表示内容を制御し、特にメイン基板102による抽選結果に応じて表示内容を変動させ、その演出の進行に沿ってスピーカ18から出力する音声を制御する。第2演出制御基板108は、特に後述する演出協調制御において演出表示装置60に表示される演出内容に同期する形で液晶ユニットを備えるサブ演出表示装置70における表示内容を制御する。なお、本実施例の遊技効果ランプ90については処理負荷が小さいため、サブ基板104が直接その点灯・点滅制御を実行する。メイン基板102、サブ基板104、第1演出制御基板106および第2演出制御基板108は、遊技制御装置100を構成する。裏セット機構39は、賞球タンク44や賞球の流路、賞球を払い出す払出ユニット43等を含む。払出ユニット43は、各入賞口への入賞に応じて賞球タンク44から供給される遊技球を上球皿15へ払い出す。払出制御基板45は、払出ユニット43による払出動作を制御する。発射装置46は、上球皿15の貯留球を遊技領域52へ1球ずつ発射する。発射制御基板47は、発射装置46の発射動作を制御する。電源ユニット48は、ぱちんこ遊技機10の各部へ電力を供給する。
図3は、本実施例におけるぱちんこ遊技機10の機能ブロックを示す。ぱちんこ遊技機10において、遊技制御装置100は、始動口62、大入賞口66、一般入賞口72、作動口68、特別図柄表示装置61、普通図柄表示装置59、演出表示装置60、操作ボタン82、スピーカ18、サブ演出表示装置70、遊技効果ランプ90のそれぞれと電気的に接続されており、各種制御信号の送受信を可能とする。遊技制御装置100は、遊技の基本動作だけでなく、図柄変動表示を含む演出表示や電飾等の演出的動作も制御する。遊技制御装置100は、遊技の基本動作を含むぱちんこ遊技機10の全体動作を制御するメイン基板102、図柄の演出等を含む演出内容を決定するサブ基板104、決定された演出内容にしたがって演出制御を実行する第1演出制御基板106および第2演出制御基板108に機能を分担させた形態で構成される。なお、本実施例において第2演出制御基板108が「第1演出制御装置」として機能し、第1演出制御基板106が「第2演出制御装置」として機能する。
図4は、遊技制御装置100の電気的構成を示すブロック図である。遊技制御装置100の各制御基板は、演算処理を実行するCPU、遊技プログラムが格納されたROM、遊技プログラムを実行する上で作業領域として機能するRAM等の素子を含んで構成される。なお、RAMは揮発性の処理RAMであってもよいし、遊技データをバックアップ可能な不揮発性のバックアップRAMであってもよい。すなわち、メイン基板102は、CPU102a、ROM102b、RAM102c、入出力インターフェイス(I/F)102d、通信インターフェイス(I/F)102e等を含むマイクロコンピュータから構成されている。サブ基板104は、CPU104a、ROM104b、RAM104c、入出力I/F104d、通信I/F104e等を含むマイクロコンピュータから構成されている。第1演出制御基板106は、CPU106a、ROM106b、RAM106c、入出力I/F106d、通信I/F106e等を含むマイクロコンピュータから構成されている。第2演出制御基板108は、CPU108a、ROM108b、RAM108c、入出力I/F108d、通信I/F108e等を含むマイクロコンピュータから構成されている。なお、メイン基板102およびサブ基板104には、抽選用の所定桁数の乱数値を発生させるための図示しない乱数発生回路が搭載されている。
メイン基板102とサブ基板104とは通信ラインL1を介して接続されている。また、サブ基板104は一方で通信ラインL2を介して第1演出制御基板106と接続され、他方で通信ラインL3を介して第2演出制御基板108に接続されている。また、本実施例では第2演出制御基板108が個別の通信ラインL4を介して第1演出制御基板106に直接接続されている。本実施例において、通信ラインL1は複数の信号線からなり、メイン基板102とサブ基板104との間でパラレル通信が行われる。通信ラインL2および通信ラインL3は1本の信号線からなり、サブ基板104と各演出制御基板との間でシリアル通信が行われる。通信ラインL4は複数の信号線からなり、第2演出制御基板108と第1演出制御基板106との間でパラレル通信が行われる。
本実施例では、メイン基板102とサブ基板104の間におけるデータの送受信はメイン基板102からサブ基板104への一方向である。また、サブ基板104と第1演出制御基板106の間におけるデータの送受信、およびサブ基板104と第2演出制御基板108の間におけるデータの送受信はサブ基板104から各演出制御基板への一方向である。さらに、第2演出制御基板108から第1演出制御基板106に向けても一方向のデータの送受信が可能となっている。このため、そのような一方向でのデータ送受信にて全体動作が実現されるよう各構成がメイン基板102、サブ基板104、第1演出制御基板106、第2演出制御基板108に配置される。このようなデータ送信の一方向性が保たれるため、逆方向へのデータの送信はできず、またデータ送信の要求もできない。したがって、送信側の基板からデータを送信しない限り、受信側の基板でそれを参照することはできない。
図3に戻り、メイン基板102は、入球判定手段110、当否抽選手段112、図柄決定手段114、変動パターン決定手段115、保留制御手段116、メイン表示制御手段118、特別遊技制御手段120、特定遊技実行手段122、開閉制御手段124を備える。サブ基板104は、図柄態様決定手段131、演出決定手段132、補助演出制御手段133を備える。第1演出制御基板106は、第1パターン記憶手段134、第1演出制御手段135、音声制御手段136を備える。第2演出制御基板108は、第2パターン記憶手段137、第2演出制御手段138を備える。
入球判定手段110は、各入賞口への遊技球の入球を判定する。入球判定手段110は、始動入賞情報を受け取ると遊技球が始動口62に入賞したと判断し、大入賞口入賞情報を受け取ると遊技球が大入賞口66に入賞したと判断し、一般入賞情報を受け取ると遊技球が一般入賞口72に入賞したと判断する。入球判定手段110は、通過情報を受け取ると遊技球が作動口68を通過したと判断する。
当否抽選手段112は、始動口62への入球を契機に、通常遊技より遊技者に有利な状態である特別遊技へ移行するか否かを判定するための乱数の値を当否抽選値として取得する。たとえば、当否抽選値は「0」から「65535」までの値範囲から取得される。なお、本願にいう「乱数」は、数学的に発生させる乱数でなくてもよく、ハードウエア乱数やソフトウエア乱数などにより発生させる疑似乱数でもよい。当否抽選手段112が当否抽選値として取得する値は、保留制御手段116により一時的に保留される。ただし、所定の保留上限数を超えない範囲で当否抽選値が保留される。
当否抽選手段112は、当否判定で参照する当否テーブルを複数保持する。複数の当否テーブルには、大当り、小当り、外れの判定結果と当否抽選値とが対応付けられており、対応付けられた大当りの範囲設定に応じて当否確率が定まる。当否抽選手段112は、通常時には通常確率による当否テーブルを参照し、確率変動時には通常確率より当りの確率が高くなる当否テーブルを参照する。当否抽選手段112は、複数の当否テーブルのうちいずれかを参照し、当否抽選値が当りであるか否かを判定する。
当否抽選手段112は、遊技球が作動口68を通過した場合に、普通図柄を決定するための開放抽選として抽選値を取得する。当否抽選手段112は、開放抽選の抽選値と当否結果の対応関係が定められた当否テーブルを保持し、その当否テーブルを参照して開放抽選の当否結果を決定する。通常状態においては1/256の確率で当りとなる当否テーブルを参照し、入球容易状態においては250/256の確率で当りとなる当否テーブルを参照する。普通図柄の抽選値は、保留制御手段116により一時的に保留される。ただし、保留制御手段116により保留される所定の保留上限数を超えない場合にだけ抽選値が保留される。
図5は、当否判定テーブルを模式的に示す図である。本図の当否判定テーブルには、大当り、小当り、外れの判定結果と当否抽選値とが対応付けられており、対応付けられたそれぞれの範囲設定に応じて大当り当否確率や小当りの当否確率が定まる。当否抽選手段112は、当否判定において本図の当否判定テーブルを参照する。当否抽選手段112による当否抽選においては、通常時には図5(a)の通り、当否抽選値が0〜399の範囲に該当したときのみ大当りとなる。確変時には図5(b)の通り、大当りの範囲が拡大され、当否抽選値が0〜399の範囲に該当する場合だけでなく、400〜2999の範囲に該当する場合にも大当りとなる。このように、大当りに該当する範囲は遊技状態に応じて変化する。大当りに該当した場合、15R大当りと2R大当りのいずれとなるか、および、確変を伴うか否かは、特別図柄の停止図柄に応じて別途決定される。なお、本図では単一の当否判定テーブルによって通常時と確変時の双方の大当り範囲を示したが、当否判定テーブルは通常時用と確変時用とで別個に用意してもよい。
本実施例においては、当否抽選値が大当り範囲に該当しない、いわゆる外れとなった場合であっても、所定の範囲に該当した場合には小当りとなる。本図の例では、当否抽選手段112が取得する当否抽選値が65000〜65535の範囲に該当した場合に小当りとなる。このように、大当りに該当しなかった場合、本来はすべて「外れ」であるが、本図の例では大当りに該当しなかった場合のうち小当りにも該当しなかった場合の当否抽選値範囲を特に「外れ」と表現している。なお、本図では大当りか否かの判定テーブルと小当りか否かの判定テーブルとを単一の当否判定テーブルの形で実現する例を示したが、それぞれを別個のテーブルとして実現してもよい。
図3に戻り、当否抽選手段112による判定結果は、特別図柄表示装置61において特別図柄のかたちで変動表示される。また、当否抽選手段112による判定結果を演出的に示す装飾図柄が演出表示装置60において変動表示される。当否抽選手段112は、図柄変動を開始するタイミングにおいて、その図柄変動に対応する抽選の結果を図柄変動の制御コマンドとともに図柄態様決定手段131および演出決定手段132へ送信する。
図柄決定手段114は、特別図柄表示装置61に表示させる特別図柄の停止図柄を、当否抽選手段112による抽選の結果に応じて決定する。図柄決定手段114は、特別図柄の停止図柄を決定するために参照すべき図柄判定テーブルを保持する。図柄決定手段114は、特別図柄を決定するための図柄決定抽選値を取得し、当否抽選手段112による当否判定結果と図柄決定抽選値とに応じて特別図柄の停止図柄を決定する。
図柄決定手段114は、普通図柄表示装置59に表示させる普通図柄の停止図柄を、当否抽選手段112による開放抽選の結果に応じて決定する。図柄決定手段114は、開放抽選の結果を普通図柄のかたちで普通図柄表示装置59に変動表示させるために、開放抽選の結果に応じて普通図柄の停止図柄を決定する。決定された停止図柄が所定の図柄となった場合に普通図柄が当りに該当したと判定され、その停止図柄にて普通図柄の変動表示が停止された後に開閉制御手段124が始動口62の拡開機構63を所定時間拡開する。
図柄決定手段114は、決定した停止図柄を示すデータをメイン表示制御手段118、図柄態様決定手段131、演出決定手段132へ送出する。
図6は、図柄判定テーブルを模式的に示す図である。図6(a)は当否判定結果が大当りであった場合に参照するテーブルであり、図6(b)は当否判定結果が外れであった場合に参照するテーブルであり、図6(c)は当否判定結果が小当りであった場合に参照するテーブルである。図柄決定手段114は、図柄判定において本図の図柄判定テーブルを参照する。各図柄判定テーブルには、「0」〜「9」の数字および「−」の記号で表される特別図柄と図柄抽選値との対応関係が定められている。特別図柄の種類はそれぞれ大当り、小当り、外れの当否判定結果と対応付けられており、奇数の数字が大当りに対応し、偶数の数字が小当りに対応し、「−」の記号が外れに対応する。
図6(a)に示す通り、特別図柄「0」〜「9」のうち奇数の数字である特別図柄「1」「3」「5」「7」「9」が大当りに対応付けられている。そのうち、特別図柄「7」は確変を伴う15R大当りを示し、図柄抽選値の範囲「0〜99」に対応付けられる。特別図柄「3」は確変を伴う2R大当りを示し、図柄抽選値の範囲「100〜149」に対応付けられる。特別図柄「1」「5」「9」は確変を伴わない15R大当りを示し、図柄抽選値の範囲「150〜189」に特別図柄「1」が対応付けられ、「190〜229」に特別図柄「5」が対応付けられ、「230〜255」に特別図柄「9」が対応付けられる。
図6(b)に示す通り、特別図柄「−」は当否判定結果が外れの場合における全範囲の図柄抽選値に対応付けられている。
図6(c)に示す通り、特別図柄「0」〜「9」のうち偶数の数字である特別図柄「0」「2」「4」「6」「8」が小当りに対応付けられている。特別図柄「0」は図柄抽選値の範囲「0〜49」に対応付けられ、特別図柄「2」は図柄抽選値の範囲「50〜99」に対応付けられる。特別図柄「4」は図柄抽選値の範囲「100〜149」に対応付けられ、特別図柄「6」は図柄抽選値の範囲「150〜199」に対応付けられ、特別図柄「8」は図柄抽選値の範囲「200〜255」に対応付けられる。
図3に戻り、変動パターン決定手段115は、当否抽選の結果に応じて複数種の変動パターンからいずれかの変動パターンを選択する。変動パターン決定手段115は、変動パターンを決定するために参照すべき変動パターンテーブルを保持する。図柄決定手段114は、決定した変動パターンを示すデータをメイン表示制御手段118、図柄態様決定手段131、演出決定手段132へ送出する。変動パターン決定手段115は、複数種の変動パターンを記憶する。複数種の変動パターンは、長短様々な変動時間をもつとともに、その変動時間にて複数の図柄で構成される装飾図柄による図柄変動も実行されることを前提として規定される。各変動パターンには、その図柄変動の終了条件としてパターンごとに変動表示時間が定められており、その変動表示時間の経過時に特別図柄および装飾図柄の変動が停止される。
図7は、変動パターンテーブルを模式的に示す図である。変動パターン決定手段115は、当否判定結果が外れのときは図7(a)に示される外れ用の変動パターンテーブルを参照する。当否判定結果が15R大当りのときは図7(b)に示される15R大当り用の変動パターンテーブルを参照する。当否判定結果が2R大当りまたは小当りのときは図7(c)に示される2R大当りおよび小当り用の変動パターンテーブルを参照する。
図7(a)においては、パターン抽選値0〜10には「スーパー1」というスーパーリーチが対応付けられ、パターン抽選値11〜20には「スーパー2」というスーパーリーチが対応付けられている。パターン抽選値21〜255には「ノーマル1」「ノーマル2」「リーチなし」のいずれかの変動パターンが対応付けられている。このように、当否判定結果が外れの場合、スーパーリーチ、ノーマルリーチ、リーチなしのいずれも選択される可能性がある。なお、外れ用の変動パターンテーブルにおいて、特に「リーチなし」の変動パターンを選択するとき、時短状態においては通常状態よりもさらに変動時間が概ね短い変動パターンが選択されるよう異なるテーブルを参照する。
図7(b)においては、パターン抽選値0〜120には「スーパー1」のスーパーリーチが対応付けられ、パターン抽選値121〜240には「スーパー2」のスーパーリーチが対応付けられている。パターン抽選値241〜250には「ノーマル1」のリーチが対応付けられ、パターン抽選値251〜255には「ノーマル2」のリーチが対応付けられている。このように、当否判定結果が15R大当りの場合はリーチ付きの変動パターンが選択される。
図7(c)においては、パターン抽選値0〜122には「スーパー3」というスーパーリーチが対応付けられ、パターン抽選値123〜255には「ノーマル3」というノーマルリーチが対応付けられている。このように当否判定結果が2R大当りまたは小当りの場合は「スーパー3」または「ノーマル3」がそれぞれ約50%の確率で選択される。
図3に戻り、変動パターン決定手段115は、普通図柄の変動表示時間を決定する。通常状態においては変動表示時間を60秒に決定し、入球容易状態においては変動表示時間を6秒に決定する。
保留制御手段116は、始動口62へ新たな入球があって新たに当否抽選が実行されるときにそれ以前の入球ないし抽選に対応する図柄変動が表示されている場合、新たな入球に基づく当否抽選の結果をその抽選に対応する図柄の変動表示開始まで保留する。本実施例では当否抽選の結果として4個を上限として当否抽選値を保留球として保持する。ここでいう当否抽選値は、当否抽選値、図柄抽選値、変動パターン抽選値を含む。保留制御手段116はさらに、当否抽選手段112により取得された普図抽選値を保留球として保持する。これらの保留数がそれぞれ特別図柄保留表示装置20、普通図柄保留表示装置22の点灯数または点滅数により表される。
メイン表示制御手段118は、当否抽選手段112による抽選の結果を、変動パターン決定手段115により決定された変動パターンにしたがって特別図柄192の変動表示として特別図柄表示装置61に表示させる。メイン表示制御手段118は、それ以前になされた当否抽選に対応する図柄の変動表示が終了していることを新たな図柄変動の開始条件とする。メイン表示制御手段118は、特別図柄192の変動表示を開始するタイミングと停止するタイミングにて、変動開始コマンドと変動停止コマンドを演出決定手段132へ送信する。変動開始コマンドを送信するとき、判定された当否判定結果、停止図柄、変動パターンのそれぞれを示す値を変動開始コマンドとともに演出決定手段132へ送信する。演出決定手段132は、変動開始コマンドを受信すると、第1演出制御手段135、音声制御手段136および第2演出制御手段138に演出開始コマンドを送信する。また、変動停止コマンドを受信すると、第1演出制御手段135、音声制御手段136および第2演出制御手段138に演出終了コマンドを送信する。なお、メイン表示制御手段118は、変動停止コマンドを送信するときに、あらためて停止図柄を示す値を変動停止コマンドとともに演出決定手段132へ送信する。これにより、メイン表示制御手段118および第1演出制御手段135による図柄の変動表示が同期し、連動が保たれる。メイン表示制御手段118は、普通図柄抽選の結果を普通図柄の変動表示として普通図柄表示装置59に表示させる。
特別遊技制御手段120は、当否抽選手段112による当否抽選が特別遊技への移行を示す結果となった場合、特別図柄192が所定の大当り態様で停止されたときに特別遊技作動条件が成立したと判定し、大入賞口66を開放させることにより特別遊技を実行する。特別遊技は、大入賞口66の開閉動作を複数回数連続して継続する遊技であり、1回の開閉を単位とした複数回の単位遊技で構成される。特別遊技には、単位遊技を15回繰り返す15R大当りと、15R大当りより開放時間が短い単位遊技を2回だけ繰り返す2R大当りがある。15R大当りにおいては、1回の単位遊技において大入賞口66を原則として約30秒間開放させる。2R大当りにおいては、1回の単位遊技において大入賞口66を約0.5秒間だけ開放させる。特別遊技制御手段120は、単位遊技の設定ラウンド数を消化したときに特別遊技を終了させる。なお、2R大当りとなった場合においても、所定の条件を満たした場合には、15R大当りと同様の開放態様で大入賞口66を開放させてもよい。
特定遊技実行手段122は、確変状態、時短状態、および入球容易状態における通常遊技を制御する。特定遊技実行手段122は、特別遊技の終了後に遊技状態を時短状態および入球容易状態へ移行させる。一方、特別遊技の終了後に確変状態へ移行させるのは、図柄決定手段114により決定された図柄が確変への移行を伴う大当り図柄であった場合に限られる。時短状態および入球容易状態は、特別図柄192の変動表示回数が特別遊技の終了時点から数えて所定の終了条件回数、例えば100回に達するまで継続される。ただし、同時に確変状態へ移行した場合は確変状態が続く限り時短状態および入球容易状態も継続される。すなわち、次の大当りが発生するまで継続される。このように時短状態および入球容易状態の終期は遊技状態に応じて定まる。時短状態においては、特別図柄192の変動表示時間が概ね短くなるよう、変動パターン決定手段115が変動時間の短い変動パターンを選択する。ただし、通常状態においては、保留制御手段116による当否抽選結果の保留数に応じた変動パターンテーブルを参照し、保留制御手段116による保留数が少なくなるほど変動時間の長い変動パターンが出現しやすくなる。入球容易状態においては、普通図柄の時短、普通図柄の確変、拡開機構63の開放延長が実施される。一方、確変状態は、次の大当りによる特別遊技が実行されるまで継続される。確変状態の間は当否抽選手段112による当否判定結果が大当りとなる確率が高い値のまま維持される。
開閉制御手段124は、始動口62の普通電動役物や大入賞口66の開閉を制御する。開閉制御手段124は、普通図柄が特定の図柄で停止されると、普通電動役物ソレノイド76に開放指示を送り、始動口62を開放させる。また、開閉制御手段124は、特別遊技中、大入賞口ソレノイド80に開放指示を送り、大入賞口66を開放させる。
演出決定手段132は、当否抽選手段112から受け取る当否抽選の結果に応じて、第1演出制御基板106や第2演出制御基板108に実行させる演出制御の内容を決定する。すなわち、演出決定手段132は、第1演出制御手段135によって演出表示装置60へ表示させる演出内容、音声制御手段136によってスピーカ18から出力させる音声の内容、第2演出制御手段138によってサブ演出表示装置70に表示させる演出内容、補助演出制御手段133によって表示させる遊技効果ランプ90の点灯・点滅表示の演出内容を決定する。演出決定手段132は、装飾図柄190の変動において演出表示装置60に表示させる演出的な画像内容とその表示過程が定められた複数の演出パターンを選択対象として保持する。演出パターンには、装飾図柄190の変動表示における変動開始から停止までの変動過程と演出過程が定められた複数の変動演出パターンと、装飾図柄の変動表示とは別に表示されて大当りへの期待度の高さを変動表示の停止前に予告的に示唆する複数の予告演出パターンとが含まれる。
演出決定手段132は、変動パターン決定手段115により決定された特別図柄の変動パターンに対応する複数の変動演出パターンデータからいずれかを選択し、その変動演出パターンの情報を第1演出制御手段135および第2演出制御手段138へ送信する。演出決定手段132は、変動演出パターンを選択するために参照すべきパターンテーブルを保持する。各変動演出パターンには、その図柄変動の終了条件としてパターンごとに変動時間が定められており、その変動時間の経過時に図柄変動が停止される。演出決定手段132は、特別図柄の変動パターンに応じて、変動時間が等しい演出画像の変動演出パターンを選択する。
図柄態様決定手段131は、装飾図柄190の停止図柄の組合せとその配置を、当否抽選手段112による抽選の結果、特別図柄の停止図柄、特別図柄の変動パターン、装飾図柄の変動演出パターンに応じて決定する。図柄態様決定手段131は、決定した停止図柄の組合せを示す情報を第1演出制御手段135および第2演出制御手段138へ送信する。図柄態様決定手段131は、装飾図柄の停止図柄を決定するために参照すべき図柄判定テーブルを保持する。
装飾図柄190の停止図柄は、3つの図柄の組合せとして形成され、例えば当否抽選手段112による当否判定結果が15R大当りの特別遊技への移行を示す場合には特定の組合せ、例えば「777」や「111」のように3つの図柄が揃った組合せが選択される。この場合、装飾図柄190として揃える数字には、特別図柄192と同じ数字が選ばれるのが好ましいが、必ずしも同じ数字でなくともよい。例えば、特別図柄192が「7」の場合は装飾図柄190が「777」となる。当否判定結果が2R大当りの場合や小当りの場合もまた特定の組合せ、例えば「357」のような所定の組合せが選択されるが、それらの特定の組合せは必ずしも3つの図柄が揃った組合せでなくてもよい。当否判定結果が大当りでも小当りでもない場合は、「312」や「946」のように3つの図柄が揃っていない組合せであって、2R大当りや小当りのときに選択される特定の組合せに該当しない組合せが選択される。当否判定結果が15R大当りではない場合であって、リーチ付きの外れを示す変動パターンが選択された場合は、「191」や「727」のように一つだけ図柄が揃っていない組合せを選択する。
予告演出パターンは、特定のキャラクタやモチーフの画像、アニメーション、映像などを一時的に画面表示させる演出パターンや、特定の音声を出力する演出パターンである。予告演出パターンによる演出は、図柄変動と並行して実行され、その図柄変動が大当り態様にて停止する期待度が高いことを予告的に示唆する。例えば、キャラクタの画像を一つだけ画面に表示させるだけの通常予告演出や、多数のキャラクタの群れを画面の一端から他端へ通過させるように表示させる群予告演出がある。また、予告演出の表示過程を複数段階に分け、表示させる段階数を可変にして段階数が多いほど大当りへの期待度が高くなるように設定されるステップアップ予告演出がさらに含まれる。
予告演出パターンには、装飾図柄190の表示態様がリーチ状態となった後のタイミングで演出が実行されて図柄の最終的な停止態様を予告するパターンと、装飾図柄190が一つも停止していないタイミングで演出が実行されてリーチ状態となることを同時に予告するパターンとがある。
演出決定手段132は、当否抽選の結果に応じて演出表示装置60に予告演出を表示させるか否かを所定の予告抽選により決定して事前演出設定をするとともに、表示させるべき予告演出パターンを決定する。演出決定手段132は、予告演出を表示させるか否かを決定するために参照すべき予告決定テーブルと、予告演出パターンの種類を選択するときに参照すべき予告種類テーブルとを保持する。予告決定テーブルは、当否抽選の結果に応じて異なる欄が参照されるように設定されており、当否抽選が当りの場合は外れの場合よりも高い確率で予告演出を表示させるよう、当否抽選の結果と予告演出を表示するか否かの対応関係が定められる。これにより、予告演出が表示されること自体で大当りへの期待度の高さを示唆することができる。
演出決定手段132は、当否抽選の結果に応じて遊技効果ランプ90の点灯・点滅表示の表示パターンを決定する。補助演出制御手段133は、決定された表示パターンにしたがって遊技効果ランプの点灯・点滅表示を制御する。
第1パターン記憶手段134は、上述した複数の演出パターンを形成するパターンデータ、つまり複数の変動演出パターンをそれぞれ形成するための変動演出パターンデータや、複数の予告演出パターンをそれぞれ形成するための予告演出パターンデータを保持する。第1パターン記憶手段134は、また、変動演出パターンによる図柄変動演出や予告演出パターンによる予告演出の演出表示に伴わせる複数種の音声データを保持する。
第1演出制御手段135は、当否抽選手段112による当否抽選の結果として、選択された変動演出パターンに対応する変動演出パターンデータを第1パターン記憶手段134から読み出し、その変動演出パターンにしたがって演出表示装置60へ装飾図柄を含む演出画像を変動表示させる。第1演出制御手段135は、装飾図柄190の演出開始コマンドを受け取ったときに新たな図柄変動を開始させる。
第1演出制御手段135は、予告演出を表示させる旨が演出決定手段132により決定された場合、選択された予告演出パターンに対応する予告演出パターンデータを第1パターン記憶手段134から読み出し、その予告演出パターンにしたがった予告演出を図柄変動の演出に重畳させる形で演出表示装置60へ表示させる。音声制御手段136は、第1演出制御手段135による図柄変動演出や予告演出に予め対応付けられた音声をスピーカ18から出力する演出処理を制御する。
音声制御手段136は、決定された演出パターンにしたがい、基本的には第1演出制御手段135が表示する演出画像に沿って音声出力制御を実行するが、第2演出制御手段138との後述する演出協調制御を実行する際には、第2演出制御手段138からの指示にしたがい、第2演出制御手段138が表示する演出画像に沿って音声出力制御を実行する。この協調制御の詳細については後述する。
第2パターン記憶手段137は、サブ演出表示装置70に表示させる特定の演出画像の表示開始から表示停止までの表示過程が定められた特定演出表示パターンを形成する複数種類の演出パターンデータを保持する。本実施例では、その特定演出表示パターンとして、後述するバトル演出の表示が開始されるときに遊技者の注意を促す報知演出の演出パターンが設定されており、第2パターン記憶手段137は、その報知演出パターンの演出パターンデータを保持する。
第2演出制御手段138は、特定演出表示パターンが選択された場合に、複数種類の演出パターンデータの中から抽選で決定された1つの演出パターンデータを第2パターン記憶手段137から読み出し、その演出表示パターンにしたがってサブ演出表示装置70に演出画像を変動表示させる。そして特に、その演出表示パターンが音声を伴う場合には、その音声出力タイミングにて音声制御手段136に対応する音声を出力させる演出協調制御を実行する。すなわち、第2演出制御手段138は、報知演出を表示させる過程でその音声を出力させるべきタイミングにて音声制御手段136に演出同期コマンドを送信する。演出同期コマンドには、その演出協調制御の内容を特定するための識別情報が含まれる。すなわち、第2演出制御手段138は、決定した演出パターンデータに対応する音声データを特定するための識別情報を演出同期コマンドに含めて音声制御手段136に送信する。音声制御手段136は、演出同期コマンドを受信すると、その演出同期コマンドに含まれる識別情報に基づいて第2演出制御手段138が表示させようとする演出パターンデータに対応する音声データを特定し、その対応する音声データを第1パターン記憶手段134から読み出してスピーカ18から出力する。
次に、本実施例の特徴的構成および動作の詳細について説明する。本実施例では上述のように、メイン基板102、サブ基板104、第1演出制御基板106、第2演出制御基板108が互いに独立に設けられ、通信ラインL1〜L4を介して接続されている。演出的動作については、サブ基板104がその演出制御内容を統括的に決定する。各種演出制御は、第1演出制御基板106や第2演出制御基板108がサブ基板104の決定にしたがって個別に実行する。ただし本実施例では、第1演出制御基板106には音声制御手段136が設けられるが、第2演出制御基板108には音声制御手段は設けられていない。このため、第2演出制御基板108における報知演出の際に出力される音声についても第1演出制御基板106の音声制御手段136が担当する。したがって、第2演出制御手段138が実行する演出表示に同期する形で音声制御手段136による音声出力が実行される必要がある。
この点につき、仮に第1演出制御基板106および第2演出制御基板108がそれぞれサブ基板104とのみ通信可能であるとすると、サブ基板104に指示されたタイミングでそれぞれの演出制御基板が演出を協調させる演出協調制御を開始することになる。しかしながら、両演出制御基板においてサブ基板104からのコマンドの受信タイミングのずれなどが発生し得るため、高精度な演出協調制御を実現するには限界がある。そこで、本実施例では上述のように、第1演出制御基板106と第2演出制御基板108とを通信ラインL4にて直接接続し、第2演出制御手段138は、報知演出の表示過程で音声出力をさせるべきタイミングにて音声制御手段136に演出同期コマンドを送信する。その演出同期コマンドには、その演出協調制御にて出力させるべき音声を特定するための識別情報が含まれる。音声制御手段136は、その演出同期コマンドを受信したことを契機に対応する音声をスピーカ18から出力させる。これにより、第2演出制御基板108の第2演出制御手段138と、第1演出制御基板106の音声制御手段136との演出協調制御を精度良く実現することができる。
図8は、演出協調制御が実行される場合に演出表示装置60およびサブ演出表示装置70に表示される演出の画面例を表す図である。図8(a)に示すように、演出表示装置60の表示領域194には、その略中央の領域に装飾図柄190が変動表示される他、その装飾図柄190の変動表示に重ねられるように、各種演出の画像が表示される。一方、サブ演出表示装置70の表示領域196は、通常はバックライトが消灯された無地の状態となるが、演出協調制御が実行される特定の期間はバックライトが点灯され、遊技者の注意を喚起するための所定の文字列や絵柄が表示される。
本実施例においては、特定のバトル演出が表示される際に演出協調制御が実行される。すなわち、図7に示す変動パターンとして「スーパー1」が選択されると、バトル演出が開始される。具体的には図8(b)に示すように、サブ演出表示装置70に「バトルリーチ!」の文字列が表示されるとともにスピーカ18からその「バトルリーチ!」の音声出力がなされる。この文字列の表示と音声出力とを同期させる報知演出が演出協調制御として実行される。このとき、装飾図柄190がそのリーチ態様を保ちながら画面隅に小さく変動表示され、画面中央にバトル演出の登場キャラクタが表示される。
このバトル演出は、味方キャラクタと敵キャラクタとの間で勝敗を決めるゲームの演出であり、味方キャラクタが大勢の敵キャラクタの殲滅に成功した場合、それが大当りの発生(つまり特別遊技への移行)を示唆する。遊技者は、そのバトル演出の過程で敵キャラクタの減り具合からその殲滅に成功するか否かを予測できる。続いて図8(c)に示すように、サブ演出表示装置70に「連打!」の文字列と操作ボタン82のオブジェクト画像が表示されるとともにスピーカ18からその「連打!」の音声出力がなされる。この文字列およびオブジェクト画像の表示と音声出力とを同期させる報知演出が演出協調制御として実行される。なお、本実施例では、バトル演出にてサブ演出表示装置70に表示させる文字列として、連続操作を要求する「連打!」以外にも、1回の押圧操作のみで足りる「PUSH!」、やや強い調子での押圧操作を要求する「殴打!」等も設定され、各文字列に対応する音声として「PUSH!」、「殴打!」等が設定されている。すなわち、サブ演出表示装置70に表示させる複数種類の文字列の演出パターンデータが設けられるとともに、各文字列の表示とともにスピーカ18から出力させる対応する複数種類の音声データが設けられている。
このとき、遊技者が画面の要求にしたがって操作ボタン82の操作入力を行うと、その入力ごとに所定数の敵キャラクタが減少する。ただし、バトル演出はその結末により当否抽選の結果を示唆するため、当否抽選の結果が大当りであれば連打の継続により敵キャラクタを殲滅できるが、外れであれば敵キャラクタの数が所定の限界値にて固定される。言い換えれば、当否抽選の結果とバトル演出の結末とは対応しており、当否抽選の結果に応じた演出パターンが選択される。
図9は、演出協調制御の流れを概略的に示すシーケンス図である。バトル演出を伴う変動演出パターンが選択され、メイン基板102からサブ基板104に変動開始コマンドが送信されると(S200)、サブ基板104は、そのバトル演出を含む図柄変動演出を表示させるための演出開始コマンドを第1演出制御基板106および第2演出制御基板108に送信する(S202)。これにより、第1演出制御基板106および第2演出制御基板108は、その図柄変動演出の変動演出パターンにしたがう演出制御を開始する(S204,S206)。
そして、バトル演出の過程で第2演出制御手段138が報知演出を表示させるタイミングに合わせるように、第2演出制御基板108が第1演出制御基板106へ演出同期コマンドを送信する(S208)。この演出同期コマンドには、第2演出制御手段138が決定した演出内容の演出パターンデータに対応する音声データを特定するための識別情報が含まれる。これにより、音声制御手段136が出力すべき音声を特定でき、その音声データを取り出すことができる。その結果、第2演出制御手段138による演出表示に合わせて音声制御手段136の音声出力がなされる演出協調制御が開示される(S210,S212)。このような演出協調制御による複数種類の報知演出が、バトル演出の演出過程の予め設定されたタイミングにて実行される。
そして、メイン基板102からサブ基板104に変動停止コマンドが送信されると(S214)、サブ基板104は、そのバトル演出を含む図柄変動演出を終了させるための演出終了コマンドを第1演出制御基板106および第2演出制御基板108に送信する(S216)。これにより、第1演出制御基板106および第2演出制御基板108は、その変動演出パターンにしたがう演出制御を終了する(S218,S220)。
次に、このような演出協調制御を可能とするために行われる通信検査処理について説明する。すなわち、上述した演出協調制御を実現するためには、サブ基板104、第1演出制御基板106および第2演出制御基板108に故障がなく、またそれらを接続する通信ラインに断線等の問題がないことが必要である。そこで、本実施例では、ぱちんこ遊技機10の製造工程の一部として通信検査処理を実行する。具体的には、製造工場に設置された検査装置を図4に示したサブ基板104に接続し、予め設定された通信検査データの送受信が正常に行われるか否かを検査する。
図10は、その検査処理において演出表示装置60に表示される画面例を表す図である。検査工程においては、検査装置から第2演出制御基板108に通信検査開始コマンドが送信される。第2演出制御基板108は、その通信検査開始コマンドを受信すると、第1演出制御基板106に向けて通信検査データを送信する。この通信検査データは、通信ラインL4を構成する複数(本実施例では8本)の信号線によりパラレルで送られる。本実施例では、特許4164074号公報に記載の検査方法を流用するが、通信ラインL4の全ての信号線の正常/異常を判定可能であれば、他の検査方法を採用してもよい。
具体的には、第2演出制御基板108は、通信検査開始コマンドを受信すると、8本の信号線の各々について「0」または「1」のビットデータ(2値化データ)を順次生成し、これを例えば3回まで行って生成した信号を識別信号として各信号線に送り出す。第2演出制御基板108は、各回ごとの信号生成に際して、4本の信号線には「0」を割り当て、残りの4本の信号線には「1」を割り当てた信号線割当パターンで信号を生成するとともに、各回ごとの信号線割当パターンの全てを異ならせて識別信号を生成する。第2演出制御基板108は、今回の信号線の割り当てについて、前回の信号線の割り当ての際に「0」が割り当てられた信号線の半分の信号線については「0」を割り当て、残りの信号線については「1」を割り当て、かつ、前回の信号線の割り当ての際に「1」が割り当てられた信号線の半分の信号線については「1」を割り当て、残りの半分の信号線については「0」を割り当てる。第2演出制御基板108は、このように各信号線について各回ごとに生成された信号のつながりを通信検査データを構成する識別信号として各信号線に送り出す。
第1演出制御基板106は、第2演出制御基板108から受信した識別信号が示す通信検査データが、各信号線について予め記憶された通信検証データと一致するか否かを判定する。通信検証データは、上述のような信号線割当パターンによって送信されるべき識別信号として予め記憶されている。第1演出制御基板106は、通信検査データと通信検証データとが一致する場合に通信検査が正常に終了したことを示す通信正常フラグをオンにする。第1演出制御基板106は、サブ基板104から検査結果の表示を要求する通信検査確認コマンドが入力されると、その通信結果を示す図10(a)または(b)のいずれかの画面を表示させる。
すなわち、通信検査が正常に終了した場合には、図10(a)に示すように、「2nd→1st:OK」の文字列が表示される。これは、第2演出制御基板108から第1演出制御基板106への通信検査データが正常に送受信されたことを意味する。一方、通信検査が正常に終了しなかった場合には、図10(b)に示すように、「2nd→1st:−−」の文字列が表示される。これは、第2演出制御基板108から第1演出制御基板106への通信検査データが未だ正常に送受信されていないことを意味する。
図11は、通信検査処理の流れを概略的に示すシーケンス図である。作業員の操作入力により検査装置からサブ基板104に通信検査実行コマンドが送信されると(S230)、サブ基板104は、第2演出制御基板108に向けて通信検査開始コマンドを送信する(S232)。第2演出制御基板108は、その通信検査開始コマンド受信すると、第1演出制御基板106に向けて上述した通信検査データを送信する(S234)。
第1演出制御基板106は、第2演出制御基板108から通信検査データを受信すると、通信検証データと比較して各信号線の通信状態が正常であるか異常であるかを判定し、その検査結果を記憶する(S236)。このとき、全ての信号線の検査結果が正常であれば、通信正常フラグをオンにする(S238)。
そして、作業員の操作入力により検査装置からサブ基板104に通信検査確認コマンドが送信されると(S240)、サブ基板104は、第1演出制御基板106に向けて通信結果報知コマンドを送信する(S242)。第1演出制御基板106は、その通信結果報知コマンド受信すると、図10に示したように通信結果を示す画面を表示させ(S244)、検査結果をクリアする(S246)。すなわち、通信正常フラグがオンであれば、これをオフにして通信検査処理を終了する。
図12は、ぱちんこ遊技機における基本的な動作過程を示すフローチャートである。まず、遊技球が始動口62、一般入賞口72、大入賞口66などへ入球した場合の処理を実行し(S10)、通常遊技中であれば(S12のY)、当否抽選などの通常遊技の制御処理を実行し(S14)、通常遊技中でなければ(S12のN)、特別遊技の制御処理(S16)や、小当り遊技の制御処理を実行し(S17)、S10の入賞処理においてセットされた賞球数により各種の入賞に応じた賞球払出を処理する(S18)。
図13は、図12におけるS14の通常遊技制御処理の全体的な過程を示すフローチャートである。この通常遊技制御処理は、メイン基板102における特別図柄変動処理の実行(S250)、サブ基板104,第1演出制御基板106および第2演出制御基板108における装飾図柄変動処理の実行(S252)が、繰り返し処理されることとなる。
図14は、図13におけるS250の特別図柄変動処理を詳細に示すフローチャートである。まだ図柄変動表示が開始されていない場合(S60のN)、保留制御手段116により当否抽選値の保留がなされている場合(S70のY)、当否抽選手段112が保留制御手段116から当否抽選値を読み出して当否を判定し(S72)、図柄決定手段114が特別図柄192を決定し(S74)、変動パターン決定手段115が特別図柄192の変動パターンを決定し(S76)、決定した結果とともに変動開始コマンドをサブ基板104へ送信して特別図柄192の図柄変動(すなわち当該変動)を開始する(S77)。保留制御手段116により抽選値の保留がなされていない場合はS72からS77までの処理をスキップする(S70のN)。
すでに図柄変動表示が開始されている場合(S60のY)、特別図柄の図柄変動表示を処理し(S78)、所定の変動時間が経過して図柄表示の停止タイミングに達したときは(S80のY)、変動停止コマンドをサブ基板104へ送信して表示中の図柄変動をあらかじめ決定された停止図柄にて停止し(S82)、本図のフローを終了する。図柄表示の停止タイミングに達していない場合はS82の処理をスキップして本図のフローを終了する(S80のN)。
図15は、図13におけるS252の装飾図柄変動処理を詳細に示すフローチャートである。サブ基板104がメイン基板102から変動開始コマンドを受信した場合(S260のY)、演出決定手段132は、受信された当否判定結果および特別図柄の停止図柄に応じて装飾図柄の停止態様を決定する(S262)。また、受信された当否判定結果および変動パターンに応じて変動演出パターンを決定し(S264)、予告演出パターンを決定する(S266)。サブ基板104は、決定された変動演出パターンおよび予告演出パターンの情報を、第1演出制御基板106および第2演出制御基板108に送信する。
第1演出制御基板106および第2演出制御基板108が、決定された変動演出パターンおよび予告演出パターンを受信すると、第1演出制御手段135、音声制御手段136、第2演出制御手段138のそれぞれが、対応する演出制御を開始する(S268)。すなわち、図柄変動演出、予告演出、報知演出などが開始される。一方、サブ基板104が変動開始コマンドを受信していなければ(S260のN)、S262からS268の処理はスキップされる。
続いて、図柄変動中であれば(S270のY)、第1演出制御手段135、音声制御手段136、第2演出制御手段138のそれぞれが、対応する演出制御を実行する(S272)。このとき、演出協調制御の実行タイミングであれば、図9に示した一連の処理が実行される。そして、サブ基板104がメイン基板102から変動停止コマンドを受信すると(S274のY)、S262で決定された停止態様にて装飾図柄を停止表示させることで図柄変動表示を停止するとともに、付加的な演出制御についても終了する(S276)。変動停止コマンドをメイン基板102から受信していないときは(S274のN)、S276の処理をスキップする。変動表示が開始済みでないときは(S270のN)、S272からS276の処理をスキップする。
図16は、図12におけるS16の特別遊技制御処理を詳細に示すフローチャートである。当否抽選の結果が大当りであった場合(S90のY)、すでに特別遊技が開始済みであって(S92のY)、大入賞口66が開放済でなければ(S98のN)、大入賞口66の開放処理を実行する(S100)。このとき、設定された大当り演出の表示も開始する。大入賞口66が開放済みであれば(S98のY)、大入賞口66の閉鎖処理を実行する(S102)。その結果、大入賞口66が閉鎖状態になっていれば(S104のY)、S106へ移行する。閉鎖状態でなければ(S104のN)、S106以降の処理をスキップして本処理を一旦終了する。一方、S92において特別遊技が開始済みでない場合は(S92のN)、特別遊技を開始して(S94)、その開始デモ演出の表示を開始し(S96)、本処理を一旦終了する。
S106においては、特別遊技中の演出であるデモ演出中であるか否かを判定する。なお、ここでいう「デモ演出」は、開始デモ演出および終了デモ演出を含む。デモ演出中でなければ(S106のN)、後述する終了フラグを参照して特別遊技終了条件が満たされるか否かを判定し(S110)、特別遊技終了条件が満たされていれば(S110のY)、その終了フラグをオフにしたうえで(S112)、終了デモ演出の表示を開始する(S114)。特別遊技終了条件が満たされていなければ(S110のN)、本処理を一旦終了する。S106にてデモ演出中であると判定され(S106のY)、終了デモ演出が終了した場合(S116のY)、特別遊技を終了し(S118)、特定遊技、すなわち確変、時短、および入球容易状態を開始する(S120)。終了デモ演出が終了していない場合は(S116のN)、S118およびS120の処理をスキップする。大当りでない場合は(S90のN)、本図のS92以降のフローをスキップする。
図17は、図16におけるS100の開放処理を詳細に示すフローチャートである。設定された開閉パターンに基づく大入賞口66の開放タイミングとなったとき(S122のY)、開閉制御手段124は、通過フラグを一律にオフにするとともに開閉パターンの動作を設定し(S124)、大入賞口66を開放させる(S126)。また、現在の単位遊技の繰り返し回数に対応した大当り演出、または繰り返し回数が異なる回数になることに対応した大当り演出を設定して開始する。開放タイミングでないときは(S122のN)、S124およびS126の処理をスキップする。
図18は、図16におけるS102の閉鎖処理を詳細に示すフローチャートである。設定された開閉パターンに基づく大入賞口66の閉鎖タイミングとなったとき、開閉制御手段124は大入賞口66を閉鎖させる。すなわち、特別遊技中において、入球数による終了条件が満たされるか(S130のY)、入球数による終了条件が満たされなくとも(S130のN)、開放時間による終了条件が満たされれば(S132のY)、大入賞口66を閉鎖する(S134)。開放時間による終了条件も満たされなければ(S132のN)、S134以降のフローをスキップする。
なお、15R大当りにおける入球数による終了条件は大入賞口66への10球以上の入球であり、開放時間による終了条件は、大入賞口66の開放開始から開閉パターンに沿った設定時間の経過である。15R大当りの場合は、その開放開始から30秒の経過であり、2R大当りの場合は、その開放開始から0.5秒の経過である。ただし、0.5秒の開放は極めて短いため、10球以上の入球はもちろん、入球そのものが困難である。その大入賞口の開放と同時に遊技球を打ち出したとしても入球困難であるため、大入賞口66の極短開放が行われる2R大当りについては、大入賞口66の開放前にその開放を予測して遊技球を打ち出す必要がある。一方、15R大当りにおける入球数による終了条件は大入賞口への10球以上の入球であり、開放時間による終了条件は、大入賞口66の開放開始から30秒の経過である。このとき、継続上限回数に達していれば(S136のY)、終了フラグをオンにする(S138)。継続上限回数に達していなければ(S136のN)、S138の処理をスキップする。本実施例においてこの継続上限回数は15回である。入球数による終了条件および開放時間による終了条件のいずれも満たされていなければ(S130のN,S132のN)、S134以降の処理をスキップする。
図19は、図12におけるS17の小当り遊技制御処理を詳細に示すフローチャートである。当否抽選の結果が小当りであった場合(S150のY)、既に小当り遊技が開始済みであって(S152のY)、大入賞口66が開放済でなければ(S158のN)、大入賞口66の開放処理を実行し(S160)、開放済みであれば(S158のY)、大入賞口66の閉鎖処理を実行する(S162)。その結果、大入賞口66が閉鎖状態になっていれば(S164のY)、S166へ移行する。閉鎖状態でなければ(S164のN)、S166以降の処理をスキップして本処理を一旦終了する。一方、S152において小当り遊技が開始済みでない場合は(S152のN)、小当り遊技を開始して(S154)、2R大当りと同様の開始デモ演出の表示を開始し(S156)、本処理を一旦終了する。
S166においては、小当り遊技中の演出であるデモ演出中であるか否かを判定する。デモ演出中でなければ(S166のN)、小当り遊技終了条件が満たされたか否かを判定する。ここでは、後述する終了フラグがオンになっていれば、小当り遊技終了条件が満たされることになる。小当り遊技終了条件が満たされていれば(S170のY)、その終了フラグをオフにしたうえで(S172)、終了デモ演出の表示を開始する(S174)。小当り遊技終了条件が満たされていなければ(S170のN)、本処理を一旦終了する。S166にてデモ演出中であると判定され(S166のY)、終了デモ演出が終了した場合(S176のY)、小当り遊技を終了する(S178)。終了デモ演出が終了していない場合は(S176のN)、S178の処理をスキップする。小当りでない場合は(S150のN)、本図のS152以降のフローをスキップする。
図20は、図19におけるS160の開放処理を詳細に示すフローチャートである。設定された開閉パターンに基づく大入賞口66の開放タイミングとなったとき(S180のY)、開閉制御手段124は、開閉パターンの動作を設定し(S182)、大入賞口66の開放を開始する(S184)。開放タイミングでないときは(S180のN)、S182およびS184の処理をスキップする。
図21は、図19におけるS162の閉鎖処理を詳細に示すフローチャートである。設定された開閉パターンに基づく大入賞口66の終了タイミングとなったとき(S190のY)、終了フラグをオンにし(S192)、大入賞口66を閉鎖する(S194)。なお、この閉鎖タイミングは、大入賞口66の開放開始から0.5秒の経過したタイミングである。閉鎖タイミングでなければ(S190のN)、S192およびS194の処理をスキップする。
以上に説明したように、本実施例では、遊技の基本制御を実行するメイン基板102と演出制御を決定するサブ基板104とで遊技制御の役割分担がなされ、さらに第1演出制御基板106および第2演出制御基板108により演出制御の役割分担がなされる。このため、各制御基板の処理負荷をバランス良く保つことができ遊技の進行を円滑に制御することができる。そして特に、第1演出制御基板106と第2演出制御基板108とが通信ラインを介して直接接続され、演出協調制御の際に第2演出制御基板108からサブ基板104を介することなく第1演出制御基板106へ演出同期コマンドが直接送信される。このため、第1演出制御基板106は、第2演出制御基板108の演出表示制御に対応する音声制御を特定して確実に実行できるようになり、演出協調制御の高精度な実行を確保することができる。
また、本実施例によれば、第1演出制御基板106と第2演出制御基板108との間に設けられた通信ラインL4を有効に活用して通信検査を行うことができる。すなわち、サブ基板104は、外部の検査装置から通信検査実行コマンドが入力されたことを契機に、第2演出制御基板108に対して第1演出制御基板106に向けて通信検査データを送信させる。第1演出制御基板106は、その通信検査データを正常に受信した場合に通信正常フラグをオンにする。そして、サブ基板104は、検査装置から通信検査確認コマンドが入力されたことを契機に、第1演出制御基板106に対してその通信結果を表示させるための通信検査結果報知コマンドを送信する。第1演出制御基板106は、その通信検査結果報知コマンドを受信したときに通信正常フラグをオンであれば、通信検査が正常に終了したことを示す結果表示を実行する。このため、第1演出制御基板106により通信検査データを正常に受信できた旨が報知された場合、サブ基板104と第1演出制御基板106とをつなぐ通信ラインL2、サブ基板104と第2演出制御基板108とをつなぐ通信ラインL3、および第1演出制御基板106と第2演出制御基板108とをつなぐ通信ラインL4のいずれも断線等の問題がないと判定することができる。そして、このように正常な通信状態を確保したうえで第2演出制御基板108と第1演出制御基板106との協調制御を安定に実現することができる。
以上、本発明を実施例に基づいて説明した。この実施例はあくまで例示であり、それらの各構成要素や各処理プロセスの組合せにいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。
(変形例1)
上記実施例では、特定の演出制御対象として遊技効果ランプ90の点灯・点滅表示制御をサブ基板104にて実行する例を示したが、例えば第1演出制御基板106または第2演出制御基板108が実行するようにしてもよい。あるいは、遊技効果ランプ90の点灯・点滅表示制御を担当する第3演出制御基板を別途追加してもよい。その場合、第1演出制御基板106と第3演出制御基板とを個別の通信ラインにて接続し、両者で演出協調制御を実行するようにしてもよい。また、第2演出制御基板108と第3演出制御基板とを個別の通信ラインにて接続し、両者で演出協調制御を実行するようにしてもよい。
第1演出制御基板106と第3演出制御基板とを個別の通信ラインにて接続する場合、通信検査処理においては、例えばサブ基板104から第2演出制御基板108へ通信検査開示コマンドを送信し、その通信検査開示コマンドを受信した第2演出制御基板108が通信検査データを第1演出制御基板106を送信し、その通信検査データを受信した第1演出制御基板106がさらにその通信検査データを転送する形で第3演出制御基板に送信するようにしてもよい。そして、サブ基板104が第3演出制御基板に通信結果報知コマンドを送信し、第3演出制御基板が検査結果を表示させるようにしてもよい。その際、第3演出制御基板は、遊技効果ランプ90の点灯・点滅パターンやその点灯表示の色などにより、検査処理が正常に終了したか否かを外部から識別できるように報知してもよい。同様に、第2演出制御基板108と第3演出制御基板とを個別の通信ラインにて接続する場合、通信検査処理においては、例えばサブ基板104から第2演出制御基板108へ通信検査開示コマンドを送信し、第2演出制御基板108から第1演出制御基板106および第3演出制御基板のそれぞれに通信検査データを順次送信するようにしてもよい。そして、サブ基板104が第1演出制御基板106および第3演出制御基板に通信結果報知コマンドを送信し、第1演出制御基板106および第3演出制御基板がそれぞれ検査結果を表示させるようにしてもよい。
(変形例2)
上記実施例では、音声制御手段136を第1演出制御基板106側にのみ設け、第2演出制御基板108側で音声出力を要する場合には第1演出制御基板106との演出協調制御を実行するようにした。変形例においては、第1演出制御基板106と第2演出制御基板108の双方に音声制御手段を設けるとともに、その双方の音声制御手段にて音声出力を制御する対象を異ならせるようにしてもよい。例えば第1演出制御基板106には精密なスピーカ18を接続し、第2演出制御基板108には簡易なスピーカを接続するようにしてもよい。そして、基本的には第1演出制御手段135による演出表示制御に付加する音声出力についてはスピーカ18が担当し、第2演出制御手段138による演出表示制御に付加する音声出力については簡易なスピーカが担当するようにしてもよい。そして、特定の演出協調制御において例外的に第2演出制御手段138による演出表示制御に付加する音声出力をスピーカ18が担当するようにしてもよい。
(変形例3)
上記実施例では、第1演出制御基板106と第2演出制御基板108との通信を第2演出制御基板108から第1演出制御基板106への一方向通信とする例を示したが、双方向通信としてもよい。そして、例えば演出協調制御については第2演出制御基板108から第1演出制御基板106に向けて演出同期コマンドを送信する形とし、通信検査処理においては、第1演出制御基板106から第2演出制御基板108に通信検査データを送信する形としてもよい。
(変形例4)
上記実施例では、第1種ぱちんこ遊技機に相当する遊技が一つ存在する遊技機を前提とした例を示した。変形例においては、第1種ぱちんこ遊技機に相当する遊技が複数混在し、少なくともいずれかの遊技において当否抽選の結果が複数保留される遊技機において上記実施例を適用してもよい。すなわち、複数の遊技としての第1の遊技と第2の遊技の遊技性を両立させるために、複数の始動口、複数の特別図柄表示装置、複数の保留ランプを備えるものでもよい。遊技球が第1始動口または第2始動口に入球すると、第1の抽選、第2の抽選がそれぞれ実行され、その当否抽選の結果である大当りの種類や小当り遊技によって異なる遊技モードへ移行させるものとしてもよい。その場合、時短中には第2始動口への一定時間あたりの入球容易性が高められ、第1始動口よりも入球容易となるようにしてもよい。そして、例えば第1の抽選の結果および第2の抽選の結果の一方を第1演出制御基板106により報知し、他方の抽選の結果を第2演出制御基板108により報知してもよい。その場合、他方の抽選の結果を示す演出表示は第2演出制御手段138が実行し、音声出力は音声制御手段136が実行すればよい。
あるいは、第1特別遊技として従来にいう第1種ぱちんこ遊技機における特別遊技に対応する遊技を、第2特別遊技として従来にいう第2種ぱちんこ遊技機における特別遊技に対応する遊技を提供する遊技機において上記実施例を適用してもよい。例えば、遊技球が始動口に入球すると第1の抽選が実行されるとともに、その結果を示すための特別図柄の変動表示がなされ、第1の抽選が当たりとなり特別図柄が所定の当たり態様で停止されると第1大入賞口を開放する第1特別遊技が開始されるものでもよい。そして、遊技球が可変入球口に入球すると、第2大入賞口が一時的に開放されて第2特別遊技の第1段階が開始され、その第2大入賞口に入球した遊技球がその内部の特定領域を通過すると第2特別遊技の第2段階が開始され、第1大入賞口を開放する第2特別遊技が継続されるものでもよい。その場合、時短中には可変入球口への一定時間あたりの入球容易性が高められ、始動口よりも入球容易となるようにしてもよい。そして、例えば第1の抽選の結果の報知と第1特別遊技中の大当り演出を第1演出制御基板106が担当し、第2特別遊技中の大当り演出を第2演出制御基板108が担当するようにしてもよい。その場合、第2の特別遊技中の演出表示は第2演出制御手段138が実行し、音声出力は音声制御手段136が実行すればよい。
(変形例5)
上記実施例では、ぱちんこ遊技機について上述の演出協調制御や通信検査処理を適用する例を示した。変形例においては、いわゆる雀球遊技機に対して上述の演出協調制御や通信検査処理を適用してもよい。すなわち、予め選定された複数の上がり役から、ゲームごとに特別遊技役の権利を獲得できる上がり役を抽選により決定する特別遊技役抽選手段と、上がりを完成した手牌データについて、その上がり役を判定する上がり役判定手段を備え、上がりを完成した上がり役が、当該ゲームにおいて特別遊技役の権利を獲得できる上がり役と一致していると、遊技者は通常遊技よりも有利な前記特別遊技役の権利を獲得できる雀球遊技機に適用してもよい。この雀球遊技機は、複数種の麻雀牌(以下、牌という)の図柄に対応して複数の入球口が配設された遊技盤と、この遊技盤内に1ゲームに所定の個数の遊技球を発射するための遊技球発射装置と、ゲームの演出画像等を表示するための液晶表示装置等の表示手段と、ゲーム進行を制御する制御装置等を備える。そして、遊技者が1ゲームの実施に必要な所定の枚数のメダルをメダル投入口に投入すると、マイクロコンピュータから構成された制御装置に搭載されているソフトウエア(プログラム)は、1ゲームをスタートさせ、遊技者の捨て牌及び自摸牌の操作等に従ってゲームの進行を制御する。
具体的には、図4に示す演出表示装置60が、遊技盤の中央に配置される第1の表示手段を構成し、サブ演出表示装置70が操作パネルに配置される第2の表示手段を構成するものであってもよい。操作パネルにはメダル投入口や各種の操作ボタンも設けられる。例えば、捨て牌の操作を行なうための捨て牌用ボタン、自摸した牌を捨て牌とする操作を行なうための自摸捨て牌用ボタン、手牌が聴牌したときにリーチをかけるためのリーチボタン、選択決定ボタン、遊技終了ボタン、メダル払出しボタン等が設けられる。演出表示装置60には、主として捨て牌とすべき牌の図柄や自摸すべき牌の図柄を表示するなどして遊技者をアシストする演出表示が行われる。一方、サブ演出表示装置70には、主として遊技者の現在のメダル枚数、手牌を構成する牌の図柄、捨て牌として捨てた牌の図柄等を表示する。
演出の基本的な流れは演出表示装置60に表示され、その演出表示制御と音声制御を第1演出制御基板106が担当する。一方、遊技者により捨て牌用ボタンが操作されたときのサブ演出表示装置70における演出表示制御を第2演出制御基板108が担当する。そして、この捨て牌をするときの牌切り音を第2演出制御基板108と第1演出制御基板106との演出協調制御により実行するものでもよい。この場合、第2演出制御手段138による捨て牌の表示制御と同期するように音声制御手段136が牌切り音を出力する。
(変形例6)
上記実施例では、第2演出制御手段138が、演出協調制御の開始タイミングにて音声制御手段136に演出同期コマンドを送信し、音声制御手段136が、その演出同期コマンドを受信したタイミングでその演出協調制御に対応する音声出力制御を実行する例を示した。変形例においては、第2演出制御手段138が、演出協調制御を開始するに先立って事前に音声制御手段136に演出同期コマンドを送信し、音声制御手段136との間で演出協調制御を同時に開始するようにしてもよい。すなわち、第2演出制御手段138が、所定時間経過後(x秒経過後)に演出協調制御を開始する旨とその演出協調制御の種類を特定するための情報を演出同期コマンドに含めて音声制御手段136に送信してもよい。そして、第2演出制御手段138がその演出同期コマンドの送信からその所定時間経過後(x秒経過後)に演出協調制御に係る演出画像の表示を開始する一方、音声制御手段136がその演出同期コマンドの受信からその所定時間経過後(x秒経過後)に演出協調制御に係る音声出力を開始することで、演出協調制御のタイミングを同期させるようにしてもよい。