以下、本発明を遊技機の一種であるパチンコ遊技機(以下「パチンコ機」と示す)に具体化した一実施形態を図1〜図6に基づいて説明する。
図1には、パチンコ機10の機表側が略示されており、機体の外郭をなす外枠11の開口前面側には、各種の遊技用構成部材をセットする縦長方形の中枠12が開閉及び着脱自在に組み付けられている。中枠12の前面側には、機内部に配置された遊技盤13を保護するための保護ガラスが装着されるガラス枠を備えた前枠14と、上球皿15がそれぞれ横開き状態で開閉可能に組み付けられている。また、前枠14の前面側及び遊技盤13の遊技領域13aには、発光体(LED、ランプなど)の発光(点灯(点滅))により、発光演出を実行する装飾ランプ16が設けられている。また、外枠11の上部及び下部には、各種音声を出力し、音声出力に基づく遊技演出を行うスピーカ17が配置されている。中枠12の下部には、下球皿18及び発射装置19が装着されている。そして、遊技者が発射装置19を操作して、該発射装置19を駆動させることにより、上球皿15内の遊技球が遊技盤13の遊技領域13aへ発射されるようになっている。
そして、図2(a)に示すように、遊技盤13の遊技領域13aの右下方には、7セグメント型の表示手段としての特別図柄表示装置H1が配設されている。また、遊技盤13の遊技領域13aの略中央に配設されたセンター役物20は、液晶ディスプレイ型の表示手段としての画像表示部GHを有する演出表示装置H2を備えている。図2(a)に示すように、演出表示装置H2はセンター役物20の中央に設けられている。特別図柄表示装置H1では、複数種類の図柄を変動させて表示する図柄変動ゲームが行われる。演出表示装置H2では、特別図柄表示装置H1で行われる図柄変動ゲームに係わる表示演出が行われるようになっている。具体的には、演出表示装置H2では、変動画像(又は画像表示)に基づく表示演出が行われるとともに、複数種類の図柄を複数列で変動させて図柄組み合わせを表示する図柄変動ゲームが行われる。
そして、図柄変動ゲームにおいて特別図柄表示装置H1では、複数種類の特別図柄(以下、「特図」と示す場合がある)を1列で変動させて特図を表示する。この特図は、大当りか否かなどの内部抽選の結果を示す報知用の図柄である。一方、図柄変動ゲームに係わる表示演出において演出表示装置H2では、複数種類の飾り図柄(以下、「飾図」と示す場合がある)を複数列(本実施形態では3列)で変動させて各列毎に飾図を表示する。この飾図は、表示演出を多様化するために用いられる演出用の図柄である。
そして、特別図柄表示装置H1では、図柄変動ゲームの開始により同時に図柄の変動表示が開始され、該ゲームの終了と同時に特図が確定停止表示される。また、演出表示装置H2では、図柄変動ゲームの開始により同時に飾図の変動表示が開始され、各列の変動が停止すると、飾図が一旦停止表示され、該ゲームの終了と同時に各列の飾図が確定停止表示される。「変動表示」とは、図柄を表示する表示装置に定める表示領域内において表示される図柄の種類が変化している状態であり、「一旦停止表示」とは、前記表示領域内において図柄がゆれ変動状態で表示されている状態である。また、「確定停止表示」とは、前記表示領域内において図柄が確定停止している状態である。なお、特別図柄表示装置H1と演出表示装置H2では、同時に図柄変動ゲームと図柄変動ゲームに係わる表示演出が開始され、同時に終了する(すなわち、同時に特図と飾図が確定停止表示される)。
本実施形態において特別図柄表示装置H1には、複数種類の特図の中から、大当り抽選の抽選結果に対応する1つの特図が選択され、その選択された特図が図柄変動ゲームの終了によって確定停止表示される。複数種類の特図は、大当りを認識し得る図柄となる大当り図柄(大当り表示結果に相当する)と、はずれを認識し得る図柄となる1種類のはずれ図柄とに分類される。また、大当り図柄が確定停止表示された場合、遊技者には、大当り遊技が付与される。本実施形態の大当り遊技については後で詳細に説明する。
また、本実施形態において演出表示装置H2には、各列毎に[1]、[2]、[3]、[4]、[5]、[6]、[7]、[8]、[9]の9種類の数字が飾図として表示されるようになっている。そして、本実施形態において演出表示装置H2は、特別図柄表示装置H1に比較して大きい表示領域で構成されるとともに、飾図は特図に比較して遥かに大きく表示されるようになっている。このため、遊技者は、演出表示装置H2に確定停止表示された図柄組み合わせから大当り又ははずれを認識できる。演出表示装置H2に確定停止表示された全列の図柄が同一種類の場合には、その図柄組み合わせ([222][777]など)から大当りを認識できる。この大当りを認識できる図柄組み合わせが飾図による大当りの図柄組み合わせ(大当り図柄)となる。大当りの図柄組み合わせが確定停止表示されると、遊技者には、図柄変動ゲームの終了後に大当り遊技が付与される。一方、演出表示装置H2に確定停止表示された全列の図柄が異なる種類の場合、又は1列の図柄が他の2列の図柄とは異なる種類の場合には、その図柄組み合わせ([123][122][767]など)からはずれを認識できる。このはずれを認識できる図柄組み合わせが飾図によるはずれの図柄組み合わせ(はずれ図柄)となる。
また、本実施形態において、演出表示装置H2における各列は、図柄変動ゲームが開始すると、予め定めた変動方向(縦スクロール方向)に沿って飾図が変動表示されるようになっている。そして、図柄変動ゲームが開始すると(各列の飾図が変動を開始すると)、演出表示装置H2において遊技者側から見て左列(左図柄)→右列(右図柄)→中列(中図柄)の順に飾図が一旦停止表示されるようになっている。そして、一旦停止表示された左図柄と右図柄が同一種類の場合には、その図柄組み合わせ([1↓1]など、「↓」は変動中を示す)からリーチ状態を認識できる。リーチ状態は、複数列のうち、特定列(本実施形態では左列と右列)の飾図が同一種類となって一旦停止表示され、かつ前記特定列以外の列(本実施形態では中列)の飾図が変動表示されている状態である。このリーチ状態を認識できる図柄組み合わせが飾図によるリーチの図柄組み合わせとなる。また、本実施形態のパチンコ機10では、図柄変動ゲームの開始後、最初に飾図を一旦停止表示させる左列が第1停止表示列になるとともに、次に飾図を一旦停止表示させる右列が第2停止表示列になり、さらに最後に飾図を一旦停止表示させる中列が第3停止表示列となる。
また、演出表示装置H2には、特別図柄表示装置H1の表示結果に応じた図柄組み合わせが表示されるようになっている。より詳しくは、特別図柄表示装置H1の特図による図柄と、演出表示装置H2の飾図による図柄組み合わせが対応されており、図柄変動ゲームが終了すると、特図による図柄と飾図による図柄組み合わせが対応して確定停止表示されるようになっている。例えば、特別図柄表示装置H1に大当り図柄が確定停止表示される場合には、演出表示装置H2にも[222]や[444]などの大当りの図柄組み合わせが確定停止表示されるようになっている。また、特別図柄表示装置H1にはずれ図柄が確定停止表示される場合には、演出表示装置H2にも[121]や[345]などのはずれの図柄組み合わせが確定停止表示されるようになっている。なお、特図に対する飾図の図柄組み合わせは一対一とは限らず、1つの特図に対して複数の飾図による図柄組み合わせの中から1つの飾図による図柄組み合わせが選択されるようになっている。
以上のように、本実施形態の演出表示装置H2では、特別図柄表示装置H1で行われる図柄変動ゲーム(1列の図柄を変動表示させる図柄変動ゲーム)に係わる表示演出(3列の図柄を変動表示させて図柄の組み合わせを表示させる図柄変動ゲーム)が行われるようになっている。
また、遊技盤13の右下方(特別図柄表示装置H1の左側)には、2つのLEDから構成される普通図柄表示装置H10が配設されている。この普通図柄表示装置H10では、複数種類の普通図柄(以下、「普図」と示す場合がある)を変動させて1つの普図を導出する普通図柄による図柄組み合わせゲーム(以下、「普図ゲーム」と示す場合がある)が行われるようになっている。本実施形態では、普図を2つのLEDの発光態様にて2種類示しており、具体的には、上側LEDのみが点灯する、下側LEDのみが点灯することにより、複数種類の普図を示している。なお、以下では、説明の都合上、上側LEDだけが点灯することにより示す普図を普図「1」とし、下側LEDだけが点灯することにより示す普図を普図「0」とする。
遊技者は、普図ゲームで最終的に表示された図柄(普図ゲームで導出された表示結果)から普通当り又ははずれを認識できる。普通図柄表示装置H10に表示された普図が「1」の場合には、普通当りを認識できる。この普通当りを認識できる普図が普通当りの表示結果となる。普通当りの表示結果が表示された場合、遊技者には、普通当り遊技が付与される。また、普通図柄表示装置H10に表示された普図が「0」である場合には、その普図からはずれを認識できる。このはずれを認識できる普図がはずれの表示結果となる。
また、センター役物20の下方には、遊技球の入球口Naを有する上始動入賞口22aと遊技球の入球口Nbを有する下始動入賞口22bが上下方向に並ぶように配置されている。上始動入賞口22aは、常時遊技球の入球を許容し得るように入球口Naを常時開放させた構成とされている。一方で、下始動入賞口22bは普通電動役物とされ、図示しないアクチュエータ(ソレノイド、モータなど)の作動により開閉動作を行う開閉羽根21を備えており、開閉羽根21が開動作することにより遊技球の入球を許容し得るように入球口Nbを開放させる構成とされている。換言すれば、下始動入賞口22bは、開閉羽根21が開動作して入球口Nbが開放されない限り、遊技球の入球を不能とする構成とされている。
上始動入賞口22aの奥方には、入球した遊技球を検知する上始動口スイッチSW1(図4に示す)が配設されているとともに、下始動入賞口22bの奥方には、入球した遊技球を検知する下始動口スイッチSW2(図4に示す)が配設されている。上始動入賞口22aと下始動入賞口22bは、入球した遊技球を検知することにより、図柄変動ゲームの始動条件と予め定めた個数の賞球としての遊技球の払出条件を付与し得る。また、下始動入賞口22bの下方には、図示しないアクチュエータ(ソレノイド、モータなど)の作動により開閉動作を行う大入賞口扉24を備えた大入賞口23が配設されている。大入賞口23の奥方には、入球した遊技球を検知するカウントスイッチSW3(図4に示す)が配設されている。大入賞口23は、入球した遊技球を検知することにより、予め定めた個数の賞球としての遊技球の払出条件を付与し得る。そして、大当り遊技が付与されると、大入賞口扉24の開動作によって大入賞口23が開放されて遊技球が入賞可能となるため、遊技者は、賞球獲得のチャンスを得られる。
また、本実施形態のパチンコ機10は、上始動入賞口22a又は下始動入賞口22bへ遊技球が入賞した場合、その入賞した遊技球の個数を記憶し、始動保留球の記憶数(保留記憶数)として機内部(主制御基板45の主制御用RAM45c)で記憶されるようになっている。保留記憶数は、保留中(図柄変動ゲーム待機中)の図柄変動ゲームの回数を示している。保留記憶数は、上始動入賞口22a又は下始動入賞口22bに遊技球が入賞することで1加算され、図柄変動ゲームの開始により1減算されるようになっている。したがって、図柄変動ゲーム中に上始動入賞口22a又は下始動入賞口22bへ遊技球が入賞すると、保留記憶数は更に加算され、所定の上限数(本実施形態では4個)まで累積されるようになっている。そして、図2(a)に示すように、遊技盤13の右下部(特別図柄表示装置H1の左側であって、普通図柄表示装置H10の下方)には、保留記憶数に基づく保留中の図柄変動ゲームの回数を遊技者に報知するための特図保留記憶数表示部Lが配設されている。
特図保留記憶数表示部Lは、保留ランプL1、保留ランプL2、保留ランプL3及び保留ランプL4からなる複数(本実施形態では4個)のLEDからなる発光手段によって構成されている。前記各保留ランプL1〜L4の点灯個数により、保留中の図柄変動ゲームの回数を遊技者に報知している。例えば、保留ランプL1のみが点灯している場合には1回の図柄変動ゲームが保留中であることを示し、保留ランプL1〜L4の全てが点灯している場合には4回の図柄変動ゲームが保留中であることを示している。
また、センター役物20の左方領域には、作動ゲート25が配設されている。作動ゲート25の奥方には、入球(通過)した遊技球を検知する普通図柄変動スイッチSW4(図4に示す)が設けられている。作動ゲート25は、遊技球の入球検知(通過検知)を契機に、普図ゲームの始動条件を付与し得る。普図ゲームは、開閉羽根21を開状態とするか否かの抽選結果を導出するために行われる演出である。この普図当り遊技が付与されると、開閉羽根21の開放によって下始動入賞口22bに遊技球を入賞させやすくなり、遊技者は、図柄変動ゲームの始動条件を容易に獲得できるチャンスを得ることができる。
また、上球皿15には、押しボタン式の演出用操作ボタン26が配設されている。この演出用操作ボタン26が押下操作されると、演出用操作ボタン26に接続されているサブ統括制御基板46(図4参照)に検知信号が出力される。サブ統括制御基板46は、所定の操作有効期間内に演出用操作ボタン26から検知信号を入力すると、演出表示装置H2に表示演出を実行させるように制御する。従って、本実施形態の演出用操作ボタン26は、遊技者により操作される演出用操作手段となる。なお、演出用操作ボタン26自体は、半透明の樹脂により形成されており、内部に発光体(LED、ランプなど)が収容(内蔵)されている。このため、発光体が点灯することにより、演出用操作ボタン26が発光する。この発光体は、発光体を搭載した発光体用の制御基板を介してサブ統括制御基板46に接続されており、統括制御用CPU46aの指示により、点灯及び消灯するようになっている。
また、本実施形態のパチンコ機10は、大当り遊技終了後に遊技者に有利な確率変動(以下、「確変」と示す)機能を備えている。確変機能は、確定停止表示された大当り図柄(特図)の種類が予め定めた確変図柄であることを条件として、大当り遊技終了後に大当りの抽選確率(当選確率)を低確率(通常状態)である通常確率(本実施形態では4/1223)から高確率(本実施形態では40/1223)に変動させる確変状態(確率変動状態)を付与する機能である。本実施形態では、大当り遊技終了後に確変状態が付与される大当りが確変大当りとなる。一方、確変状態が付与されない大当りが非確変大当りとなる。また、本実施形態では、確変状態は、次の大当り遊技が付与されるまでの間、付与される。このように、確変状態が付与されると、大当りの抽選確率が高確率に変動して大当りが生起され易くなるため、確変状態は遊技者にとって有利であり、遊技者は確変大当りになることを期待しつつ遊技を行っている。
次に、本実施形態のパチンコ機10に規定する大当り遊技について、図3(a)に基づき詳しく説明する。
大当り遊技は、図柄変動ゲームにて特別図柄表示装置H1に大当り図柄が、演出表示装置H2に大当りの図柄組み合わせが確定停止表示されて該ゲームの終了後、開始される。大当り遊技が開始すると、最初に大当り遊技の開始を示すオープニング演出が行われる。オープニング演出終了後には、大入賞口23の大入賞口扉24が開放されるラウンド遊技が予め定めた規定ラウンド数を上限(本実施形態では15ラウンド)として複数回行われる。1回のラウンド遊技は、大入賞口23の大入賞口扉24の開閉が所定回数(本実施形態では1回)行われるまでであり、1回のラウンド遊技中に大入賞口23は、規定個数(入球上限個数)の遊技球が入賞するまでの間、又は規定時間(ラウンド遊技時間)が経過するまでの間、開放される。また、ラウンド遊技では、ラウンド演出が行われる。そして、大当り遊技の終了を示すエンディング演出が行われ、大当り遊技は終了される。
そして、本実施形態のパチンコ機10では、大当り抽選に当選した場合、図3(a)に示す2種類の大当り遊技の中から1つの大当り遊技が決定され、その決定された大当り遊技が付与されるようになっている。そして、2種類の大当り遊技のうち、何れの大当り遊技が付与されるかは、大当り抽選に当選した際に決定する特図(大当り図柄)の種類に応じて決定されるようになっている。本実施形態において特別図柄表示装置H1に表示される複数種類の特図の大当り図柄は、図3(a)に示すように、図柄A及び図柄Bの2つのグループに分類される。
図柄Aに分類される大当り図柄が特別図柄表示装置H1に表示されたときに付与される大当り遊技は、規定ラウンド数が「15回」に設定されているとともに、大当り遊技終了後に確変状態を付与する15ラウンド大当り遊技である。以下、図柄Aに分類される大当り図柄が特別図柄表示装置H1に表示されたときに付与される大当り遊技を「15R確変大当り遊技」と示す。
図柄Bに分類される大当り図柄が特別図柄表示装置H1に表示されたときに付与される大当り遊技は、規定ラウンド数が「15回」に設定されているとともに、大当り遊技終了後に確変状態を付与しない15ラウンド大当り遊技である。以下、図柄Bに分類される大当り図柄が特別図柄表示装置H1に表示されたときに付与される大当り遊技を「15R非確変大当り遊技」と示す。なお、各大当り遊技では、各ラウンド遊技において大入賞口23を「1回」開放させるように設定されているとともに、1回のラウンド遊技の入球上限個数(カウント数)が「9球」に設定されている。また、15R確変大当り遊技では、大当り抽選の当選時における遊技状態に関係なく、大当り遊技終了後、次の大当り遊技が付与されるまでの間、確変状態が付与されるようになっている。
本実施形態では、15R非確変大当り遊技よりも15R確変大当り遊技の方が、確変状態が付与されて大当りが生起されやすくなる分、遊技者が獲得し得る利益(賞球獲得数)も大きくなるので、15R確変大当りが利益の大きい大当りとなり、15R非確変大当りが利益の小さい大当りとなる。
本実施形態のパチンコ機10では、演出表示装置H2で行われる図柄変動ゲーム中に再変動演出として再抽選演出を実行可能に構成されている。再抽選演出は、図柄変動ゲームにおいて仮の大当り図柄を一旦停止表示(仮停止)させた後、最終的に確定停止表示させる確定大当り図柄を導出する演出である。本実施形態において再抽選演出は、仮の大当り図柄を構成する各図柄列を再び変動させ、全列が同一図柄で揃った状態(ぞろ目の状態)で変動させ、変動停止によって確定大当り図柄を導出する態様で行われる。なお、再抽選演出では、変動前と同一の大当り図柄、又は異なる大当り図柄が導出される。
次に、パチンコ機10の制御構成について図4に基づき説明する。
パチンコ機10の機裏側には、パチンコ機10全体を制御する主制御基板45が装着されている。主制御基板45は、パチンコ機10全体を制御するための各種処理を実行し、該処理結果に応じて遊技を制御するための各種の制御信号(制御コマンド)を演算処理し、該制御信号(制御コマンド)を出力する。また、機裏側には、サブ統括制御基板46と、演出表示制御基板47と、音声・ランプ制御基板48とが装着されている。サブ統括制御基板46は、主制御基板45が出力した制御信号(制御コマンド)に基づき、演出表示制御基板47及び音声・ランプ制御基板48を統括的に制御する。演出表示制御基板47は、主制御基板45とサブ統括制御基板46が出力した制御信号(制御コマンド)に基づき、演出表示装置H2の表示態様(図柄、背景、文字などの表示画像など)を制御する。また、音声・ランプ制御基板48は、主制御基板45とサブ統括制御基板46が出力した制御信号(制御コマンド)に基づき、装飾ランプ16の発光態様(点灯(点滅)/消灯のタイミングなど)を制御する。また、音声・ランプ制御基板48は、主制御基板45とサブ統括制御基板46が出力した制御信号(制御コマンド)に基づき、スピーカ17の音声出力態様(音声出力のタイミングなど)を制御する。
以下、各制御基板45〜48について、その具体的な構成を図4に基づき説明する。
前記主制御基板45には、主制御用CPU45aが備えられている。該主制御用CPU45aには、主制御用ROM45b及び主制御用RAM45cが接続されている。また、主制御用CPU45aには、上始動入賞口22aに入賞した遊技球を検知する始動口スイッチSW1と、下始動入賞口22bに入賞した遊技球を検知する始動口スイッチSW2が接続されている。また、主制御用CPU45aには、大入賞口23に入球した遊技球を検知するカウントスイッチSW3と、作動ゲート25へ入球(通過)した遊技球を検知する普通図柄変動スイッチSW4が接続されている。また、主制御用CPU45aには、図柄表示基板49を介して、特別図柄表示装置H1と、普通図柄表示装置H10と、特図保留記憶数表示部Lとが接続されている。図柄表示基板49は、特別図柄表示装置H1、普通図柄表示装置H10、及び特図保留記憶表示部Lと対応する位置にそれぞれ装着されており、各表示装置H1,H10及び特図保留記憶表示部Lを構成する発光体(本実施形態ではLED)が装着されている。そして、図柄表示基板49は、主制御基板45が出力する制御信号(LEDの点灯(ON)/消灯(OFF)を指示する信号)を入力し、各表示装置H1,H10及び特図保留記憶表示部Lの発光体を点灯及び消灯させる。
また、主制御用CPU45aは、大当り判定用乱数、特図振分用乱数、変動パターン振分用乱数などの各種乱数の値を所定の周期毎に更新し、更新後の値を主制御用RAM45cの設定領域に記憶(設定)して更新前の値を書き換えている。大当り判定用乱数は、大当りを付与するか否かの大当り判定(大当り抽選)で用いる乱数である。特図振分用乱数は、大当りの場合に特別図柄表示装置H1に確定停止表示させる特図を決定する際に用いる乱数である。変動パターン振分用乱数は、図柄変動ゲームの変動時間と変動内容(演出内容)を決定する際に用いる乱数である。また、本実施形態の主制御用CPU45aはタイマ機能を搭載しており、所定のタイミング(例えば、図柄変動ゲームを開始するタイミング)で時間を計測する。
主制御用ROM45bには、パチンコ機10全体を制御するためのメイン制御プログラムが記憶されている。また、主制御用ROM45bには、複数種類の変動パターンが記憶されている。変動パターンは、図柄(特図及び飾図)が変動を開始(図柄変動ゲームが開始)してから図柄が確定停止表示(図柄変動ゲームが終了)される迄の間の遊技演出(表示演出、発光演出、音声演出)のベースとなるパターンを示すものである。
変動パターンは、大当り抽選に当選した際に選択される大当り演出用の変動パターンと、大当り抽選に当選しなかったはずれの場合に選択されるはずれ演出用の変動パターンとからなる。はずれ演出用の変動パターンには、リーチを形成し、リーチ演出が行われた後に最終的にはずれとするはずれリーチ演出用の変動パターンと、リーチを形成せずにはずれとするリーチなしはずれ演出(以下、これを単にはずれ演出と示す)用の変動パターンとがある。
図3(b)に示すように、本実施形態において大当り演出用の変動パターンには、15R大当り遊技が決定された際に選択される変動パターンP1〜P4がある。また、はずれリーチ演出用の変動パターンには、はずれが決定された際に選択される変動パターンP5がある。
なお、大当り演出用の変動パターン(例えば、変動パターンP1〜P4)に基づき行われる大当り演出は、演出表示装置H2において、図柄変動ゲームが、リーチ演出を経て、最終的に大当りの図柄組み合わせを確定停止表示させるように展開される演出である。また、はずれリーチ演出用の変動パターン(例えば、変動パターンP5)に基づき行われるはずれリーチ演出は、演出表示装置H2において、図柄変動ゲームが、リーチ演出を経て、最終的にはずれの図柄組み合わせを確定停止表示させるように展開される演出である。はずれ演出は、図柄変動ゲームが、リーチ演出を経ることなく最終的にはずれの図柄組み合わせを確定停止表示させるように展開される演出である。リーチ演出は、演出表示装置H2の飾図による図柄変動ゲームにおいて、リーチの図柄組み合わせが形成されてから、大当りの図柄組み合わせ、又ははずれの図柄組み合わせが導出される迄の間に行われる演出である。なお、特別図柄表示装置H1では、図柄変動ゲームが開始されると、リーチ演出を行うことなく、変動時間の経過時まで図柄の変動が継続される。
以下、各変動パターンP1〜P5について詳しく説明する。
15R大当り遊技が決定された際に、変動パターンP1〜P4に基づき図柄変動ゲームが行われた場合、特別図柄表示装置H1及び演出表示装置H2において、夫々に大当りを認識できる大当り図柄及び大当りの図柄組み合わせが最終的に表示されるようになっている。また、はずれリーチ演出用の変動パターンP5に基づき図柄変動ゲームが行われると、特別図柄表示装置H1及び演出表示装置H2において、夫々にはずれ図柄及びはずれ(はずれリーチ)の図柄組み合わせが最終的に表示されるようになっている。本実施形態では、15R確変大当り遊技が決定された場合、奇数の飾図による大当りの図柄組み合わせが最終的に表示される一方で、15R非確変大当り遊技が決定された場合、偶数の飾図による大当りの図柄組み合わせが最終的に表示されるようになっている。
また、本実施形態のパチンコ機10では、変動パターンP1〜P5に基づき図柄変動ゲームが行われる場合、リーチ演出の内容としてバトル演出が実行されるようになっている。バトル演出では、キャラクタの対戦によって勝敗を決定する演出態様により図柄変動ゲームが実行され、例えば、2種類の怪獣(キャラクタ)が演出表示装置H2上に登場する。そして、バトル演出中は、演出表示装置H2上に登場した前記怪獣は、互いに対戦相手に対して攻撃を繰り出し対戦相手に所定のダメージを与えたり、所定回数の攻撃を加えたりする演出が行われる。そして、バトル演出の結果として、いずれかの怪獣が勝利となる演出結果が導出されるようになっている。
そして、バトル演出では、当該演出で導出される演出結果により主制御基板45で決定された特図の種類を遊技者に報知することで、付与される大当り遊技の種類を遊技者に報知するようになっている。また、本実施形態のバトル演出では、2種類のキャラクタのうちいずれかのキャラクタを遊技者の味方(又は遊技者)と見立てて、もう一方のキャラクタ(遊技者の敵)とバトルを行わせ、遊技者の味方に対応するキャラクタが「勝利」となる、又は「敗北」となるいずれかの結果を導出する。
本実施形態において変動パターンP1〜P5に基づいてバトル演出が実行されると、遊技者側のキャラクタの先制攻撃からバトル演出が開始され、その後、対戦キャラクタが攻撃、又は防御を行う演出を経てバトル演出の演出結果が導出される。そして、本実施形態では、変動パターンP1,P2に対戦キャラクタが防御を行う内容のバトル演出が対応付けられている一方で、変動パターンP3〜P5に対戦キャラクタが攻撃を行う内容のバトル演出が対応付けられている。
そして、バトル演出において、遊技者側のキャラクタが勝利する演出結果を導出する場合には、15R確変大当り遊技が付与されることを遊技者に報知することとなる。つまり、15R確変大当り遊技を決定している場合、変動パターンP1,P3に基づく図柄変動ゲームでは、バトル演出が実行され、遊技者側のキャラクタが「勝利」する演出結果が導出されるようになっている。したがって、遊技者側のキャラクタが勝利する演出結果を導出することが、遊技者に15R確変大当り遊技の付与を認識させる演出結果を導出することとなる。本実施形態では、変動パターンP1,P3に基づき、遊技者側のキャラクタの先制攻撃後、対戦キャラクタの防御又は攻撃を経て「勝利」が確定する。
一方、バトル演出において、遊技者側のキャラクタが敗北する演出結果を導出する場合には、15R大当り遊技が付与されること、又ははずれを遊技者に報知することとなる。つまり、15R大当り遊技を決定している場合、変動パターンP2,P4に基づく図柄変動ゲームでは、バトル演出が実行され、遊技者側のキャラクタが「敗北」する演出結果が導出されるようになっている。同様に、はずれが決定されている場合、変動パターンP5に基づく図柄変動ゲームでは、バトル演出が実行され、遊技者側のキャラクタが「敗北」する演出結果が導出されるようになっている。本実施形態では、変動パターンP2,P4,P5に基づき、遊技者側のキャラクタの先制攻撃後、対戦キャラクタの防御又は攻撃を経て「敗北」が確定する。さらに、本実施形態では、変動パターンP2,P4に、再抽選演出を行う演出内容が対応付けられている。なお、再抽選演出を行うタイミングは、バトル演出の終了後であって、図柄の変動が確定停止表示されるまでである。
また、主制御用ROM45bには、大当り判定値が記憶されている。大当り判定値は、大当りか否かの内部抽選で用いる判定値であり、大当り判定用乱数の取り得る数値(0〜1222までの全1223通りの整数)の中から定められている。また、主制御用RAM45cには、大当り判定時に使用する大当り判定用乱数が記憶されている。
また、主制御用RAM45cには、大当り決定時に大当り図柄となる特図の種類を決定する際に用いる特図振分用乱数が記憶されている。各特図には、この特図振分用乱数が所定個数(本実施形態では1個)ずつ振り分けられており、主制御用CPU45aは、大当りの決定時(大当り判定が肯定となった場合)、取得した特図振分用乱数に基づき大当り図柄を決定する。この特図振分用乱数は、予め定められた数値範囲内の数値を取り得るように、主制御用CPU45aが所定の周期毎(4ms毎)に数値を1加算して更新するようになっている。そして、主制御用CPU45aは、更新後の値を特図振分用乱数の値として主制御用RAM45cに記憶し、既に記憶されている特図振分用乱数の値を書き換えることで特図振分用乱数の値を順次更新するようになっている。本実施形態において、特図振分用乱数は、上始動入賞口22a又は下始動入賞口22bへ遊技球が入賞したことを契機に取得するようになっている。
次に、図4に基づきサブ統括制御基板46について説明する。
サブ統括制御基板46には、制御動作を所定の手順で実行することができる統括制御用CPU46aと、統括制御用CPU46aの制御プログラムを格納する統括制御用ROM46bと、必要なデータの書き込み及び読み出しができる統括制御用RAM46cが設けられている。統括制御用CPU46aには、統括制御用ROM46bと統括制御用RAM46cが接続されている。また、統括制御用CPU46aは、各種乱数の値を所定の周期毎に更新し、更新後の値を統括制御用RAM46cの設定領域に記憶(設定)して更新前の値を書き換えている。また、統括制御用ROM46bには、演出表示制御基板47、及び音声・ランプ制御基板48を統括的に制御するための統括制御プログラムが記憶されている。また、統括制御用CPU46aは、演出用操作ボタン26と接続されており、検知信号を入力することができるようになっている。すなわち、統括制御用CPU46aは、演出用操作ボタン26が操作されたことを検知することができる。また、統括制御用CPU46aは、演出用操作ボタン26に内蔵されている発光体の発光態様を制御できるように、発光体用の制御基板(図示せず)と接続されている。そして、統括制御用CPU46aはタイマ機能を搭載しており、所定のタイミング(例えば、図柄変動ゲームを開始するタイミング)で時間を計測する。
次に、図4に基づき演出表示制御基板47について説明する。
演出表示制御基板47には、制御動作を所定の手順で実行することができる表示制御用CPU47aと、表示制御用CPU47aの制御プログラムを格納する表示制御用ROM47bと、必要なデータの書き込み及び読み出しができる表示制御用RAM47cが設けられている。表示制御用CPU47aには、演出表示装置H2(画像表示部GH)が接続されている。また、本実施形態の表示制御用CPU47aはタイマ機能を搭載しており、所定のタイミング(例えば、図柄変動ゲームを開始するタイミング)で時間を計測する。表示制御用ROM47bには、各種の画像データ(図柄、背景、文字、キャラクタなどの画像データ)が記憶されている。
次に、図4に基づき音声・ランプ制御基板48について説明する。
音声・ランプ制御基板48には、制御動作を所定の手順で実行することができる音声ランプ制御用CPU48aと、音声ランプ制御用CPU48aの制御プログラムを格納する音声ランプ制御用ROM48bと、必要なデータの書き込み及び読み出しができる音声ランプ制御用RAM48cが設けられている。音声ランプ制御用CPU48aには、装飾ランプ16及びスピーカ17が接続されている。また、本実施形態の音声ランプ制御用CPU48aはタイマ機能を搭載しており、所定のタイミング(例えば、図柄変動ゲームを開始するタイミング)で時間を計測する。音声ランプ制御用ROM48bには、音声演出用の音声データ(音楽用データ)や発光演出用の発光データが記憶されている。
以下、主制御基板45、サブ統括制御基板46、演出表示制御基板47、及び音声・ランプ制御基板48が実行する制御内容を説明する。
最初に、主制御基板45について説明する。
主制御基板45の主制御用CPU45aは、上始動入賞口22a又は下始動入賞口22bへ遊技球が入球し、該遊技球を検知した始動口スイッチSW1、又は始動口スイッチSW2が出力する検知信号を入力すると、主制御用RAM45cに記憶されている特図用の保留記憶数が上限数(本実施形態では4)未満であるか否かの保留判定を行う。保留判定の判定結果が肯定(特図用の保留記憶数<4)の場合、主制御用CPU45aは、特図用の保留記憶数を1加算(+1)し、特図用の保留記憶数を書き換える。また、主制御用CPU45aは、特図用の保留記憶数を書き換えた後、該書き換え後の前記保留記憶数に対応する数の特別図柄保留記憶表示部Lを点灯させる。また、主制御用CPU45aは、保留判定を肯定判定している場合、大当り判定用乱数の値及び特図振分用乱数の値を主制御用RAM45cから取得し、その取得した大当り判定用乱数の値及び特図振分用乱数の値を特図用の保留記憶数に対応付けて主制御用RAM45cの所定の記憶領域に格納する。なお、主制御用CPU45aは、保留判定の判定結果が否定(保留記憶数=4)の場合、上限数を超える特図用の保留記憶数の書き換えを行わないとともに、大当り判定用乱数の値も取得しない。
そして、主制御用CPU45aは、図柄変動ゲームの開始直前に、主制御用RAM45cの所定の記憶領域に格納した大当り判定用乱数の値と特図振分用乱数の値を読み出し、その読み出した大当り判定用乱数の値と主制御用ROM45bに記憶されている大当り判定値とを比較し、大当りか否かの大当り判定を行う。なお、本実施形態において、大当り判定値は、確変状態が付与されているか否かで変更されるようになっている。具体的には、通常状態時の大当り判定値の個数は、1223個中4個に設定されている一方で、確変状態時の大当り判定値の個数は、1223個中40個に設定されている。したがって、本実施形態では、通常状態時の大当り判定の判定結果が肯定となる確率(大当り確率)は、4/1223となり、確変状態時の大当り判定の判定結果が肯定となる確率(大当り確率)は、40/1223となる。
そして、大当り判定の判定結果が肯定(大当り判定用乱数の値と大当り判定値とが一致)の場合、主制御用CPU45aは、大当りを決定する。大当りを決定した主制御用CPU45aは、主制御用RAM45cから読み出した特図振分用乱数の値に基づき、特図による大当り図柄の中から特別図柄表示装置H1にて確定停止表示させる最終停止図柄を決定する。また、大当りを決定した主制御用CPU45aは、変動パターン振分用乱数の値を主制御用RAM45cから取得し、該値に対応する変動パターンを大当り演出用の変動パターンの中から選択して決定する。具体的に言えば、主制御用CPU45aは、決定した最終停止図柄が図柄Aに分類される場合には、大当り演出用の変動パターン(本実施形態では、変動パターンP1〜P4)の中から決定する。一方、主制御用CPU45aは、決定した最終停止図柄が図柄Bに分類される場合には、大当り演出用の変動パターン(本実施形態では、変動パターンP2,P4)の中から決定する。
一方、主制御用CPU45aは、大当り判定の判定結果が否定(大当り判定用乱数の値と大当り判定値とが不一致)の場合、はずれを決定する。そして、はずれを決定した主制御用CPU45aは、はずれリーチ演出を実行するか否かを乱数抽選で決定する。はずれリーチ演出の実行を決定した場合、主制御用CPU45aは、特別図柄表示装置H1に確定停止表示させる特図としてはずれ図柄を決定する。加えて、主制御用CPU45aは、変動パターン振分用乱数の値を主制御用RAM45cから取得し、該値に対応する変動パターンをはずれリーチ演出用の変動パターン(本実施形態では、変動パターンP5)の中から選択して決定する。一方、はずれリーチ演出の非実行を決定した場合、主制御用CPU45aは、前述同様にはずれ図柄を決定するとともに、変動パターン振分用乱数の値を主制御用RAM45cから取得し、該値に対応する変動パターンをはずれ演出用の変動パターンの中から選択して決定する。
特図及び変動パターンを決定した主制御用CPU45aは、所定の制御コマンドを所定のタイミングでサブ統括制御基板46(統括制御用CPU46a)に出力する。具体的に言えば、主制御用CPU45aは、変動パターンを指示するとともに図柄変動ゲームの開始を指示する変動パターン指定コマンドを最初に出力する。次に、主制御用CPU45aは、特図を指示する特図用の停止図柄指定コマンドを出力する。そして、主制御用CPU45aは、指示した変動パターンに定められている変動時間の経過時に、図柄変動ゲームの終了(図柄の確定停止)を指示する図柄停止コマンドを出力する。
また、主制御用CPU45aは、図柄変動ゲームの開始時に特図用の保留記憶数を1減算(−1)し、特図用の保留記憶数を書き換える。そして、主制御用CPU45aは、特図用の保留記憶数を書き換えた後、該書き換え後の前記保留記憶数に対応する数の特別図柄保留記憶表示部Lを点灯させる。また、主制御用CPU45aは、図柄変動ゲームの開始に伴って特別図柄表示装置H1の表示内容を制御する。すなわち、主制御用CPU45aは、図柄変動ゲームの開始により特図の変動を開始させ、決定した変動パターンに定められている変動時間の経過時に決定した特図(大当り図柄又ははずれ図柄)を確定停止表示させる。
次に、主制御用CPU45aが実行する制御内容として、大当り遊技時の制御内容を説明する。
主制御用CPU45aは、大当り遊技の開始時にオープニングコマンドを出力するとともに、各ラウンド遊技の開始時にラウンドコマンドを出力し、さらに大当り遊技の終了時にエンディングコマンドを出力する。オープニングコマンドはオープニングの開始を指示し、ラウンドコマンドはラウンド遊技の開始を指示し、エンディングコマンドはエンディングの開始を指示する。
また、大当り遊技を終了させた主制御用CPU45aは、大当り遊技終了後に確変状態を付与するか否かの確変判定(状態移行判定)の判定結果に基づき、前記判定結果が肯定の場合には確変状態を付与し、前記判定結果が否定の場合には確変状態を付与しない。具体的には、主制御用CPU45aは、最終停止図柄として特図Aに分類される大当り図柄が選択された場合、遊技状態が確変状態であることを示す確変フラグを設定する。また、主制御用CPU45aは、最終停止図柄として特図Bに分類される大当り図柄が選択された場合、遊技状態が通常状態であることを示すために、確変フラグをクリアする。なお、各フラグは、主制御用RAM45cの所定の記憶領域に記憶されるようになっている。
以上により、本実施形態の主制御用CPU45aは、大当りとなるか否かの大当り抽選を行う大当り抽選手段となる。また、主制御用CPU45aは、大当りの種類を決定する大当り種決定手段となる。
次に、サブ統括制御基板46について説明する。
主制御用CPU45aから所定の制御コマンドを所定のタイミングで入力すると、統括制御用CPU46aは、それに応じて所定の制御コマンドを所定のタイミングで出力する。具体的に言えば、統括制御用CPU46aは、変動パターン指定コマンドを入力すると、当該変動パターン指定コマンドを演出表示制御基板47及び音声・ランプ制御基板48に出力する。また、統括制御用CPU46aは、特図用の停止図柄指定コマンドを入力すると、該コマンドを演出表示制御基板47及び音声・ランプ制御基板48に出力する。また、統括制御用CPU46aは、オープニングコマンド、ラウンドコマンド、及びエンディングコマンドを入力すると、当該コマンドに対応する演出指示コマンドを演出表示制御基板47及び音声・ランプ制御基板48に出力する。
また、統括制御用CPU46aは、変動パターン指定コマンド及び特図用の停止図柄指定コマンドを入力すると、指定された最終停止図柄及び変動パターンに基づき、演出表示装置H2に最終的に確定停止表示させる飾図による図柄組み合わせを決定する。
詳しく説明すると、特図用の停止図柄指定コマンドにより指定される最終停止図柄(特図)が特図Aである場合、統括制御用CPU46aは、最終的に確定停止表示させる飾図の図柄組み合わせ(以下、確定停止飾図と示す)として、奇数の飾図からなる大当りの図柄組み合わせ(例えば、[777])を決定する。これにより、演出表示装置H2に奇数の飾図からなる大当りの図柄組み合わせが確定停止表示された場合、遊技者は、15R確変大当り遊技が付与されることを認識できる。
また、特図用の停止図柄指定コマンドにより指定される最終停止図柄(特図)が特図Aであって、変動パターン指定コマンドで指示される変動パターンが、再抽選演出を実行する変動パターン(変動パターンP2,P4)であった場合、統括制御用CPU46aは、以下のように飾図を決定する。すなわち、統括制御用CPU46aは、最終的に確定停止表示させる飾図の組合せの決定に加えて、再抽選演出の開始時に一時的に一旦停止表示させる飾図の大当り図柄を、[1]〜[9]の中から決定する。なお、特図用の停止図柄指定コマンドにより指定される最終停止図柄(特図)が特図Aであって、変動パターンP2,P4が選択された場合、奇数図柄[1]、[3]、[5]、[7]、[9]が仮停止図柄として選択される割合は、偶数図柄[2]、[4]、[6]、[8]が仮停止図柄として選択される割合よりも低くなるように設定している。
また、特図用の停止図柄指定コマンドにより指定される最終停止図柄(特図)が特図Bである場合、統括制御用CPU46aは、確定停止飾図として、偶数の飾図からなる大当りの図柄組み合わせ(例えば、[222])を決定する。そして、特図用の停止図柄指定コマンドにより指定される最終停止図柄(特図)が特図Bであって、変動パターン指定コマンドで指示される変動パターンが、再抽選演出を実行する変動パターン(変動パターンP2,P4)であった場合、統括制御用CPU46aは以下のように飾図を決定する。すなわち、統括制御用CPU46aは、最終的に確定停止表示させる飾図の組合せの決定に加えて、再抽選演出の開始時に一時的に一旦停止表示させる飾図の大当り図柄を偶数図柄[2]、[4]、[6]、[8]の中から決定する。これにより、非確変大当りを認識し得る図柄の組合せが一旦停止表示されたとしても、確変大当りを認識し得る図柄の組合せに昇格するかもしれないと遊技者に思わせることができる。そして、一時的に一旦停止表示させる飾図の大当り図柄を決定した統括制御用CPU46aは、各列の飾図を指示する仮停止図柄指定コマンドを演出表示制御基板47に出力する。
また、特図用の停止図柄指定コマンドにより指定される最終停止図柄(特図)がはずれ図柄であって、はずれリーチ演出用の変動パターン(例えば、変動パターンP5)が指定された場合、統括制御用CPU46aは、確定停止飾図として、はずれリーチの図柄組み合わせを決定する。また、特図用の停止図柄指定コマンドにより指定される最終停止図柄(特図)がはずれ図柄であって、はずれ演出用の変動パターンが指定された場合、統括制御用CPU46aは、確定停止飾図として、はずれの図柄組み合わせを決定する。そして、統括制御用CPU46aは、決定した各列の飾図を指定する飾図用の停止図柄指定コマンドを演出表示制御基板47に出力する。また、統括制御用CPU46aは、図柄停止コマンドを入力すると、当該コマンドを演出表示制御基板47及び音声・ランプ制御基板48に出力する。
また、本実施形態のパチンコ機10では、図柄変動ゲームの変動時間内に演出用操作ボタン26の操作を有効とする操作有効期間が設定されるようになっている。そして、パチンコ機10において操作有効期間を設定した場合には、演出用操作ボタン26に内蔵された発光体が点灯することによって、操作有効期間が設定されていることを遊技者に示唆するようになっている。
また、本実施形態のパチンコ機10において設定される操作有効期間には、操作有効期間が設定されていることに対する遊技者の認識度合いが変化し得るように、第1の操作有効期間と第2の操作有効期間とからなる2種類の操作有効期間が設定されるようになっている。第1の操作有効期間は、操作有効期間が設定されていることを積極的に遊技者に知らしめるために、演出表示装置H2上に演出用操作ボタン26の操作を促す所定の画像を表示させる期間として設定される。本実施形態において所定の画像は、図2(b)のような演出用操作ボタン26を模写した画像によって構成されている。その一方で、第2の操作有効期間は、操作有効期間が設定されていることに対する遊技者の認識度合いを第1の操作有効期間に比して下げ、第2の操作有効期間が設定されていることを探求させるために、演出表示装置H2上に前記所定の画像を表示させない期間として設定される。
通常、遊技者は、演出表示装置H2の表示内容を注視している。このため、図柄変動ゲーム中に操作有効期間が設定されたか否かの認識は、演出用操作ボタン26の発光体が点灯したことから得るよりも、演出表示装置H2上に表示された演出用操作ボタン26の操作を促す画像から得る場合の方が圧倒的に多い。したがって、第1の操作有効期間と第2の操作有効期間では、何れの期間においても演出用操作ボタン26の発光体を点灯させて操作有効期間が設定されていることを示唆しても、演出用操作ボタン26の操作を促す前記所定の画像の有無によって操作有効期間が設定されていることに対する認識度合いは異なる。なお、本実施形態において第2の操作有効期間は、演出用操作ボタン26の発光体を点灯させていることから、当該期間の設定を完全秘匿する訳ではないが、前記所定の画像を表示させないことで操作有効期間が設定されていることを気付き難くしている。すなわち、本実施形態の第2の操作有効期間は、擬似的な秘匿期間として設定されている。一方、本実施形態の第1の操作有効期間は、所定の画像が表示されることによって操作有効期間が設定されていることを遊技者のほぼ全員が気付くと考えられることから、第2の操作有効期間のような「秘匿」的な要素を何ら持たない非秘匿期間として設定されている。
そして、操作有効期間内に演出用操作ボタン26が操作された場合(本実施形態では1回)には、演出表示装置H2で表示されている図柄変動ゲームで導出される結果を示唆する示唆演出(予告演出)が実行されるようになっている。本実施形態では、複数種類の予告演出が設定されており、第1の操作有効期間が設定された場合には、予告演出として「ロゴ予告」が実行可能となっており、第2の操作有効期間が設定された場合には、予告演出として「カットイン予告」が実行可能となっている。
「ロゴ予告」とは、図柄変動ゲーム中の画像表示部GHに、例えば「大当りかも」、「チャンス」などの文字を表示させ、当該文字が表示されるか否かに応じて大当りとなるか否かの可能性を変化させる予告である。一方、「カットイン予告」とは、図柄変動ゲーム中の画像表示部GHに、例えばリーチ演出に登場するキャラクタの画像を差込み表示させ、そのカットイン予告用の画像が表示されるか否かに応じて大当りとなるか否かの可能性を変化させる予告である。本実施形態では、「カットイン予告」で表示される画像は、複数種類設定されており、具体的には、「キャラクタKA」、「キャラクタKB」、及び「キャラクタKC」の3種類である。
次に、予告演出の実行に係る統括制御用CPU46aの制御内容を説明する。ちなみに、本実施形態におけるカットイン予告の実行契機は、バトル演出を実行する変動パターンP1〜P5を選択した場合となっており、変動パターンP1〜P5には、第2の操作有効期間を設定するように対応付けられている。
統括制御用CPU46aは、主制御用CPU45aから変動パターンP1〜P5のうちいずれか1つの変動パターンを指示する変動パターン指定コマンドを入力すると、図柄変動ゲーム中に、第2の操作有効期間の設定を決定する。そして、統括制御用CPU46aは、第2の操作有効期間の設定を決定した場合、統括制御用ROM46bに設定された図3(b)に示す予告演出振分けテーブルTAにしたがって、カットイン予告を実行させるか否か、及び実行させる場合におけるカットイン予告の種類を決定する。本実施形態では、予告演出振分けテーブルTAが示唆演出振分テーブルに該当する。なお、統括制御用CPU46aは、主制御用CPU45aから第1の操作有効期間を設定する内容が対応付けられた変動パターン指定コマンドを入力すると、図示しない予告演出振分けテーブルを選択し、ロゴ予告の演出内容を決定する。
以下、予告演出振分けテーブルTAについて説明する。
予告演出振分けテーブルTAには、特定の変動パターン(変動パターンP1〜P5)に対して、カットイン予告を実行させるか否か、及び実行させる場合に選択される複数(本実施形態では3つ)の演出内容が振分けられているとともに、カットイン予告の種類を指示するための演出内容指定コマンドが対応付けられている。本実施形態では、カットイン予告の演出内容として、「キャラクタKA」、「キャラクタKB」、及び「キャラクタKC」が定められている。また、演出内容指定コマンドは、2バイトの制御データから構成され、1バイト目が各コマンドで共通な「B2H」で構成されるとともに、2バイト目が「21H」〜「23H」の範囲で異なる3種類で構成されている。なお、カットイン予告「なし」は、カットイン予告を実行させない(実行非)ことを示しており、演出内容指定コマンドは対応付けられていない。そして、予告演出振分けテーブルTAに振分けられたカットイン予告の演出内容には、それぞれに予告演出用乱数の値が所定個数ずつ振分けられている。予告演出用乱数とは、統括制御用CPU46aが所定の周期毎に更新する乱数であって、更新後の値は統括制御用RAM46cの設定領域に記憶(設定)される。本実施形態では、予告演出用乱数の取り得る数値を「0(零)」〜「990」までの全991通りの整数としている。
予告演出振分けテーブルTAでは、変動パターンP1に対して、「なし」(実行非)に245個の値(予告演出用乱数の値)が振分けられているとともに、実行可に746個の値が振分けられている。その内訳は、「キャラクタKA」に506個、「キャラクタKB」に197個、「キャラクタKC」に43個である。また、予告演出振分けテーブルTAでは、変動パターンP3に対して、「なし」(実行非)に430個の値が振分けられているとともに、実行可に561個の値が振分けられている。その内訳は、「キャラクタKA」のみに561個の値が振分けられており、「キャラクタKB」、「キャラクタKC」には値が振分けられていない。
また、予告演出振分けテーブルTAでは、15R確変大当り遊技が決定された場合、変動パターンP2に対して、「なし」(実行非)に50個、「キャラクタA」に100個、「キャラクタB」に53個の値が振分けられており、「キャラクタC」には値が振分けられていない。また、予告演出振分けテーブルTAでは、15R非確変大当り遊技が決定された場合、変動パターンP2に対して、「なし」(実行非)に357個、「キャラクタKA」に400個、「キャラクタKB」に31個の値が振分けられており、「キャラクタKC」には値が振分けられていない。また、予告演出振分けテーブルTAでは、15R確変大当り遊技が決定された場合、変動パターンP4に対して、「なし」(実行非)に77個、「キャラクタA」に100個、「キャラクタB」に10個の値が振分けられており、「キャラクタC」には値が振分けられていない。また、予告演出振分けテーブルTAでは、15R非確変大当り遊技が決定された場合、変動パターンP4に対して、「なし」(実行非)に300個、「キャラクタKA」に437個、「キャラクタKB」に67個の値が振分けられており、「キャラクタKC」には値が振分けられていない。
また、予告演出振分けテーブルTAでは、変動パターンP5に対して、「なし」(実行非)に934個の値が振分けられているとともに、実行可に57個の値が振分けられている。その内訳は、「キャラクタKA」のみに57個の値が振分けられており、「キャラクタKB」、「キャラクタKC」には、値が振分けられていない。
このような振分態様によって、変動パターンP1〜P5が選択された場合には、予告演出振分けテーブルTAにて、最初に、カットイン予告を実行させるか否かが決定される。そして、カットイン予告の実行が決定された場合には、カットイン予告の演出内容として「キャラクタKA」、「キャラクタKB」、「キャラクタKC」のうちいずれか1つが決定されるようになっている。そして、本実施形態のような演出と大当り遊技の関連付けによれば、15R大当り遊技の付与が決定されている場合、バトル演出中に何らかのカットイン予告が実行される可能性が高くなっている。その一方で、はずれが決定されている場合は、バトル演出中にカットイン予告が実行される可能性が低くなっている。
そして、「キャラクタKA」は、15R大当り遊技が決定されている場合でも、はずれの場合でも選択され得るようになっている。また、「キャラクタKB」は、15R確変大当り遊技及び15R非確変大当り遊技が決定された場合にしか選択されないので、遊技の流れとしてバトル演出中にカットイン予告が「キャラクタKB」で実行されると、カットイン予告が実行された時点ではどちらの大当り遊技に当選したのかは分からないが、何らかの大当り遊技に当選したことが分かる。ちなみに、本実施形態では、再抽選演出が行われるようになっているので、偶数図柄による大当りの図柄組み合わせが一旦停止表示されても、再抽選演出によって確変大当りを認識し得る図柄組み合わせに昇格する場合もあるため、バトル演出が終了しても、図柄か確定停止表示される迄、どちらの大当り遊技に当選したのかが分からないようになっている。また、「キャラクタKC」は、15R確変大当り遊技が決定された場合にした選択されないので、遊技の流れとしてバトル演出中にカットイン予告が「キャラクタKC」で実行されると、カットイン予告が実行された時点で15R確変大当り遊技が付与されることが分かる。つまり、本実施形態では、カットイン予告の演出内容によって付与される大当り遊技の選択割合が異なるように設定されており、「キャラクタKA」<「キャラクタKB」<「キャラクタKC」の順に、当該図柄変動ゲームにおける利益の大きい大当りへの期待度が高くなっている。
また、本実施形態では、第2の操作有効期間の開始タイミングは、図柄変動ゲームの内容に応じて異なっている(図5(b),(c)参照)。具体的には、対戦キャラクタが防御を行う演出内容が定められた変動パターンP1,P2が選択されると、第2の操作有効期間は、図柄の変動開始が開始してから時間T1の経過後に、時間Txの間、設定される(図5(b)参照)。一方、対戦キャラクタが攻撃を行う演出内容が定められた変動パターンP3〜P5が選択されると、第2の操作有効期間は、図柄の変動が開始してから時間T2(>時間T1)後に、時間Txの間、設定される(図5(c)参照)。
ちなみに、本実施形態では、時間T1の経過後に第2の操作有効期間が設定されるタイミングは、バトル演出において遊技者側のキャラクタが対戦キャラクタに攻撃を仕掛ける(対戦キャラクタが防御を行う)タイミングとなっている。一方、時間T2の経過後に第2の操作有効期間が設定されるタイミングは、バトル演出において対戦キャラクタが遊技者側のキャラクタに攻撃を仕掛けるタイミングとなっている。なお、第1の操作有効期間を設定する内容が定められた変動パターンが選択されると、第1の操作有効期間は、図柄の変動が開始してから時間T(時間T1<時間T<時間T2)の経過後に、時間Tw(<時間Tx)の間、設定されるようになっている(図5(a)参照)。
本実施形態では、統括制御用CPU46aは、第2の操作有効期間内に演出用操作ボタン26が操作されると、予告演出振分けテーブルTAにてカットイン予告の実行非を決定していない場合以外には、該テーブルにて選択した演出内容でカットイン予告を実行させるようになっている。一方、予告演出振分けテーブルTAにてカットイン予告の実行を決定したが、第2の操作有効期間内に演出用操作ボタン26が操作されなかった場合には、統括制御用CPU46aは、選択した演出内容でカットイン予告を実行させるか否かを決定する演出実行抽選を行うようになっている。
以下、統括制御用CPU46aが実行する演出実行抽選について図3(c)に従って説明する。
統括制御用CPU46aは、カットイン予告の実行を決定したが、第2の操作有効期間内に演出用操作ボタン26が操作されなかった場合、第2の操作有効期間の終了後に、図3(c)に示すカットイン予告実行抽選テーブルTBを用い、カットイン予告を実行させるか否かを決定する。
図3(c)に示すように、カットイン予告実行抽選テーブルTBには、大当り遊技の種類毎に、カットイン予告を実行させるか否かを指定するための抽選用乱数の値が所定個数ずつ振分けられている。ちなみに、抽選用乱数とは、統括制御用CPU46aが所定の周期毎に更新する乱数であって、更新後の値は統括制御用RAM46cの設定領域に記憶(設定)される。本実施形態では、抽選用乱数の取り得る数値を「0(零)」〜「100」までの全101通りの整数としている。そして、統括制御用CPU46aは、決定された大当り遊技の種類(又ははずれ)に基づき、選択した演出内容でカットイン予告を実行させるか否かの抽選を行う。なお、カットイン予告実行抽選テーブルTBでは、カットイン予告を実行させない場合を「実行非」と示し、カットイン予告を実行させる場合を「実行可」と示す。
カットイン予告実行抽選テーブルTBでは、15R確変大当り遊技が決定されている場合、「実行非」に21個の値(抽選用乱数の値)が振分けられているとともに、「実行可」に80個の値が振分けられている。また、15R非確変大当り遊技、及びはずれリーチが決定されている場合、「実行非」に1個の値が振分けられているとともに、「実行可」に100個の値が振分けられている。
このような振分態様によって、カットイン予告の実行が決定されているが、第2の操作有効期間内に演出用操作ボタン26が操作されなかった場合、選択した内容でカットイン予告を実行させる場合と実行させない場合の両方の状態を作り出すことができる。そして、15R確変大当り遊技が決定されている場合よりも、15R非確変大当り遊技、及びはずれリーチが決定された場合の方が、カットイン予告の実行が決定されていると、第2の操作有効期間内に演出用操作ボタン26を操作しなくても、カットイン予告が実行され易くなっている。これにより、第2の操作有効期間内に演出用操作ボタン26を操作したことによりカットイン予告が実行される場合はもちろんのこと、演出実行抽選によってカットイン予告が実行されるか否かによっても大当りへの期待感を推測することができる。
なお、予告演出振分けテーブルTAにおいてカットイン予告の実行非が決定された場合には、第2の操作有効期間内に演出用操作ボタン26が操作されてもされなくてもカットイン予告は実行されない。また、演出実行抽選も実行されない。
そして、統括制御用CPU46aは、変動パターンにしたがって第2の操作有効期間を設定するとともに、上述した予告演出振分けテーブルTA、及びカットイン予告実行抽選テーブルTBを用いて、以下に説明するようにカットイン予告の実行に係る制御を行う。
まず、第1の操作有効期間の設定について図5(a)に従って説明する。
統括制御用CPU46aは、主制御用CPU45aから第1の操作有効期間を設定する内容が対応付けられた変動パターン指定コマンドを入力すると、ロゴ予告の選択に係る制御を実行する。すなわち、統括制御用CPU46aは、ロゴ予告用の予告演出振分けテーブルの中から、予告演出用乱数を取得し、取得した予告演出用乱数の値をもとにロゴ予告の演出内容を決定する。そして、統括制御用CPU46aは、ロゴ予告の種類を指示するための演出内容指定コマンドを、演出表示制御基板47及び音声・ランプ制御基板48に出力する。
また、統括制御用CPU46aは、第1の操作有効期間の設定に係る制御を実行する。すなわち、統括制御用CPU46aは、図柄変動ゲームの開始時からの経過時間を計測し、経過時間が時間Tを経過したことを契機に第1の操作有効期間を時間Twの間、設定する。また、統括制御用CPU46aは、第1の操作有効期間中であることを示す情報(フラグなど)を統括制御用RAM46cにセットするとともに、第1の操作有効期間が開始してからの経過時間を計測する。さらに、統括制御用CPU46aは、第1の操作有効期間の開始とともに、演出用操作ボタン26の発光体の点灯を指示する電気信号を、発光体用の制御基板に出力し、発光体を点灯させる。それと同時に、統括制御用CPU46aは、演出用操作ボタン26の操作を促す前記所定の画像の表示を指示する制御コマンド(表示制御コマンド)を演出表示制御基板47に出力する。
また、統括制御用CPU46aは、第1の操作有効期間内に演出用操作ボタン26が操作されたか否かを判定する。第1の操作有効期間内に演出用操作ボタン26が操作された場合、統括制御用CPU46aは、先に出力された演出内容指定コマンドで指定される演出内容でロゴ予告を実行させるために、ロゴ予告の実行を指示する演出実行コマンドを演出表示制御基板47及び音声・ランプ制御基板48に出力する。つまり、統括制御用CPU46aは、演出内容指定コマンドを、予め演出表示制御基板47及び音声・ランプ制御基板48に出力し、演出用操作ボタン26の操作が行われた場合のみ、演出用操作ボタン26が操作された時点で演出実行コマンドを演出表示制御基板47及び音声・ランプ制御基板48に出力する。
そして、演出用操作ボタン26が操作されたことを示す検知信号を、第1の操作有効期間内に入力した場合、及び予め定められた規定時間(時間Tw)の経過によって第1の操作有効期間が終了した場合、統括制御用CPU46aは、統括制御用RAM46cにセットされた情報(フラグなど)をリセットする。また、統括制御用CPU46aは、第1の操作有効期間が開始してからの経過時間の計測を終了する。それと同時に、統括制御用CPU46aは、演出用操作ボタン26の発光体の消灯を指示する電気信号を発光体用の制御基板に出力し、発光体を消灯させる。それと同時に、統括制御用CPU46aは、演出用操作ボタン26の操作を促す前記所定の画像の表示を終了させることを指示する制御コマンド(表示終了制御コマンド)を演出表示制御基板47に出力する。
次に、第2の操作有効期間の設定について図5(b),(c)に従って説明する。
統括制御用CPU46aは、主制御用CPU45aから変動パターンP1〜P5を指示する変動パターン指定コマンドを入力すると、第2の操作有効期間の設定を決定する。具体的には、変動パターン指定コマンドで指定された変動パターンが、対戦キャラクタが防御を行う演出内容が定められた変動パターンP1,P2の場合、統括制御用CPU46aは、図柄の変動開始が開始してから時間T1の経過後に、第2の操作有効期間を時間Txの間、設定する。また、変動パターン指定コマンドで指定された変動パターンが、対戦キャラクタが攻撃を行う演出内容が定められた変動パターンP3〜P5である場合、統括制御用CPU46aは、図柄の変動が開始してから時間T2の経過後に、第2の操作有効期間を時間Txの間、設定する。
そして、統括制御用CPU46aは、第1の操作有効期間の設定と同様に、第2の操作有効期間中であることを示す情報(フラグなど)を統括制御用RAM46cにセットするとともに、第2の操作有効期間が開始してからの経過時間を計測する。さらに、統括制御用CPU46aは、第2の操作有効期間の開始とともに、演出用操作ボタン26の発光体の点灯を指示する電気信号を発光体用の制御基板に出力し、発光体を点灯させる。
そして、演出用操作ボタン26が操作されたことを示す検知信号を、第2の操作有効期間内に入力した場合、及び予め定められた規定時間(時間Tx)の経過によって第2の操作有効期間が終了した場合、統括制御用CPU46aは、前述同様に、統括制御用RAM46cにセットされた情報(フラグなど)をリセットする。また、統括制御用CPU46aは、第2の操作有効期間が開始してからの経過時間の計測を終了する。それと同時に、統括制御用CPU46aは、演出用操作ボタン26の発光体の消灯を指示する電気信号を発光体用の制御基板に出力し、発光体を消灯させる。
次に、第2の操作有効期間内に演出用操作ボタン26が操作された場合に統括制御用CPU46aが実行する制御について図6(a)に従って説明する。なお、図6(a),(b)は、変動パターンP3が選択されるとともに、カットイン予告として「キャラクタKC」が選択された場合の遊技の流れを示している。
統括制御用CPU46aは、主制御用CPU45aから変動パターン指定コマンドを入力すると、変動パターン指定コマンド、及び付与される大当り遊技の種類に応じて、予告演出振分けテーブルTAを用いてカットイン予告を実行させるか否かを決定する。予告演出振分けテーブルTAにてカットイン予告の実行を決定した場合、統括制御用CPU46aは、カットイン予告の種類を指示するための演出内容指定コマンドを、所定の制御周期の経過後(時間αの経過後)、演出表示制御基板47及び音声・ランプ制御基板48に出力する。ちなみに、図6(a)では、カットイン予告の演出内容として「キャラクタKC」を指示する演出内容指定コマンド「B2H23H」が選択されている。
また、統括制御用CPU46aは、変動パターンに基づいて図柄の変動が開始してから時間T2の経過後に第2の操作有効期間を設定する。そして、統括制御用CPU46aは、第2の操作有効期間が予め定められた規定時間(時間Tx)を経過していないかを判定し、第2の操作有効期間内に演出用操作ボタン26が操作されたか否かを判定する。この判定結果が肯定の場合、統括制御用CPU46aは、カットイン予告の実行を指示する演出実行コマンドを、演出用操作ボタン26が操作された時点で演出表示制御基板47及び音声・ランプ制御基板48に出力する。
次に、カットイン予告の実行が決定されているが、第2の操作有効期間内に演出用操作ボタン26が操作されなかった場合に統括制御用CPU46aが実行する制御について図6(b)に従って説明する。
統括制御用CPU46aは、第2の操作有効期間が予め定められた規定時間(時間Tx)を経過していないかを判定し、第2の操作有効期間内に演出用操作ボタン26が操作されたか否かを判定する。この判定が否定の場合、統括制御用CPU46aは、第2の操作有効期間の終了後に、カットイン予告実行抽選テーブルTBを参照し、予め決定した内容でカットイン予告を実行させるか否かを決定する演出実行抽選を実行する。
そして、カットイン予告実行抽選テーブルTBにおいて、大当り抽選の結果に基づいて「実行可」を選択した場合、統括制御用CPU46aは、決定した演出内容でカットイン予告を実行させるため、第2の操作有効期間が終了した時点で、演出表示制御基板47及び音声・ランプ制御基板48に演出実行コマンドを出力する。一方、カットイン予告実行抽選テーブルTBにおいて、「実行非」を選択した場合、統括制御用CPU46aは、決定した演出内容でカットイン予告を実行させないので、演出実行コマンドを演出表示制御基板47及び音声・ランプ制御基板48に出力しない。つまり、カットイン予告実行抽選テーブルTBにおいて「実行非」が選択された場合、すでに演出内容指定コマンドは演出表示制御基板47及び音声・ランプ制御基板48に出力されているが、演出実行コマンドが出力されないため、カットイン予告が実行されないようになっている。
ちなみに、本実施形態のパチンコ機10では、予告演出振分けテーブルTAにてカットイン予告の実行非が決定された場合であっても、統括制御用CPU46aは、第2の操作有効期間を設定するとともに、第2の操作有効期間が設定されている間、演出用操作ボタン26の発光体を点灯させるように制御する。ただし、この場合、第2の操作有効期間内に演出用操作ボタン26が操作されたとしても、統括制御用CPU46aは、カットイン予告を実行させない。
本実施形態では、図柄変動ゲームにおいて操作有効期間を設定するか否かを決定し、操作有効期間を設定することを決定した場合に、図柄変動ゲーム中に操作有効期間を設定する統括制御用CPU46aが、操作有効期間設定手段となる。また、操作有効期間内に演出用操作ボタン26が操作されたか否かを判定する統括制御用CPU46aが、操作判定手段となる。また、操作有効期間が設定される場合に、予告演出の実行可否と実行可の場合における予告演出の演出内容を選択する統括制御用CPU46aが演出内容選択手段となる。また、予告演出振分けテーブルTAを記憶する統括制御用ROM46bが、テーブル記憶手段となる。また、統括制御用CPU46aが演出指示制御部となる。また、サブ統括制御基板46が演出指示基板となる。
次に、演出表示制御基板47について説明する。
演出表示制御基板47の表示制御用CPU47aは、変動パターン指定コマンドを入力すると、該コマンドに指示される変動パターンに対応する演出内容を選択し、該演出内容で図柄変動ゲームを実行させるように演出表示装置H2の表示内容を制御する。このとき、表示制御用CPU47aは、選択した演出内容をもとに表示制御用ROM47bの画像データを用いて前記演出内容に沿った画像を表示するための表示用データを生成する。
そして、表示制御用CPU47aは、図柄変動ゲームの開始に伴って該ゲームの開始からの経過時間を計時し、その計時した時間と表示用データをもとに演出表示装置H2に映し出す画像を所定の制御周期毎(例えば、4ms毎)に切り替える。そして、表示制御用CPU47aは、図柄変動ゲーム中に図柄停止コマンドを入力すると、飾図用の停止図柄指定コマンドで指示された図柄を演出表示装置H2に確定停止表示させるように演出表示装置H2の表示内容を制御し、図柄変動ゲームを終了させる。また、表示制御用CPU47aは、再抽選演出を演出内容に含む変動パターン(本実施形態では、変動パターンP2,P4)が指定された場合には、該変動パターンに基づき、バトル演出の終了後に、仮図柄指定コマンドにより指定された仮図柄を一旦停止表示させる。そして、表示制御用CPU47aは、図柄停止コマンドを入力すると、入力した飾図用の停止図柄指定コマンドで指定された図柄組み合わせを演出表示装置H2に確定停止表示させるように演出表示装置H2の表示内容を制御する。
また、表示制御用CPU47aは、大当り遊技が決定されている場合、サブ統括制御基板46が出力する演出指示コマンドをもとに、オープニング演出、各ラウンド演出及びエンディング演出を実行させる。
次に、演出表示制御基板47が行うカットイン予告の実行に係る制御内容について説明する。
演出表示制御基板47の表示制御用CPU47aは、サブ統括制御基板46(統括制御用CPU46a)から演出内容指定コマンドと演出実行コマンドの2つのコマンドを入力すると、演出内容指定コマンドによって指示されたカットイン予告を表示させるように演出表示装置H2の表示内容を制御する。具体的には、表示制御用CPU47aは、演出内容指定コマンド「B2H21H」及び演出実行コマンドを入力すると、演出表示装置H2に「キャラクタKA」を表示させるように制御する。また、表示制御用CPU47aは、演出内容指定コマンド「B2H22H」及び演出実行コマンドを入力すると、演出表示装置H2に「キャラクタKB」を表示させるように制御する。表示制御用CPU47aは、演出内容指定コマンド「B2H23H」及び演出実行コマンドを入力すると、演出表示装置H2に「キャラクタKC」を表示させるように制御する。
ただし、表示制御用CPU47aは、演出内容指定コマンドを入力した時点でカットイン予告を表示させるように演出表示装置H2の表示内容を制御するのではなく、演出内容指定コマンドと演出実行コマンドを入力しない限りカットイン予告を実行させないようになっている。そのため、表示制御用CPU47aは、演出内容指定コマンドを入力すると、該コマンドを表示制御用RAM47cで一旦記憶しておく。そして、第2の操作有効期間内に演出用操作ボタン26が操作されて演出実行コマンドを入力すると、表示制御用CPU47aは、表示制御用RAM47cに記憶しておいた演出内容指定コマンドを読み出し、該コマンドで指示される内容でカットイン予告を実行させるべく演出表示装置H2を制御する。
同様に、予告演出振分けテーブルTAにて、予め、カットイン予告の実行が決定されたが、第2の操作有効期間内に演出用操作ボタン26が操作されなかった場合であっても、演出実行抽選においてカットイン予告の実行が決定された場合は、第2の操作有効期間が終了した時点で、演出実行コマンドが出力される。したがって、表示制御用CPU47aは、第2の操作有効期間が終了した時点で、演出内容指定コマンドで指示される内容でカットイン予告を実行させるべく演出表示装置H2を制御する。これにより、表示制御用CPU47aは、表示制御用RAM47cに記憶しておいた演出内容指定コマンドを読み出し、該コマンドで指示される内容でカットイン予告を実行させるように演出表示装置H2を制御する。一方、予告演出振分けテーブルTAにて、予め、カットイン予告の実行が決定されたが、演出実行抽選においてカットイン予告の実行非が決定された場合は、演出実行コマンドが出力されない。したがって、表示制御用CPU47aは、表示制御用RAM47cに記憶しておいた演出内容指定コマンドを読み出すことはせず、カットイン予告を実行させない。なお、予め、カットイン予告の実行非が決定された場合は、第2の操作有効期間内に演出用操作ボタン26がされてもされなくても、表示制御用CPU47aは、カットイン予告を実行しない。
また、表示制御用CPU47aは、第1の操作有効期間の開始タイミングに達したことを契機に、統括制御用CPU46aから前述した表示制御コマンドを入力すると、演出用操作ボタン26の操作を促す前記所定の画像を表示させるように演出表示装置H2(画像表示部GH)を制御する。そして、第1の操作有効期間内に演出用操作ボタン26が操作された場合や、規定時間の経過によって第1の操作有効期間が終了した場合に、表示終了制御コマンドを入力すると、表示制御用CPU47aは、前記所定の画像の表示を終了させるように演出表示装置H2(画像表示部GH)を制御する。なお、第1の操作有効期間が設定された場合も、表示制御用CPU47aは、第2の操作有効期間内に演出用操作ボタン26が操作された場合と同様の手法にてロゴ予告の制御を実行する。
本実施形態では、操作有効期間内に演出用操作ボタン26が操作された場合に予告演出を実行させる統括制御用CPU46a及び表示制御用CPU47aが演出制御手段となる。また、表示制御用CPU47aが表示制御部となる。また、第1,第2の操作有効期間が設定されている場合には、演出用操作ボタン26の発光体により操作有効期間が設定されていることが示唆されるため、演出用操作ボタン26の発光体が期間示唆手段となる。
次に、音声・ランプ制御基板48について説明する。
音声・ランプ制御基板48の音声ランプ制御用CPU48aは、変動パターン指定コマンドを入力すると、変動パターン指定コマンドで指示される変動パターンに対応する演出内容をもとに、音声データ及び発光データを選択する。そして、音声ランプ制御用CPU48aは、選択した音声データ及び発光データで音声演出及び発光演出を行わせるように装飾ランプ16及びスピーカ17を制御する。そして、音声ランプ制御用CPU48aは、図柄停止コマンドを入力すると、図柄変動ゲームの終了に伴って音声演出及び発光演出を終了させる。
次に、音声・ランプ制御基板48が行うカットイン予告の実行に係る制御内容について説明する。
音声・ランプ制御基板48の音声ランプ制御用CPU48aは、サブ統括制御基板46(統括制御用CPU46a)から演出内容指定コマンドと演出実行コマンドの2つのコマンドを入力すると、該演出内容指定コマンドにより指示されたカットイン予告専用の音声演出や発光演出を実行させるように装飾ランプ16及びスピーカ17を制御する。
また、音声ランプ制御用CPU48aも、表示制御用CPU47aで行われる制御と同様に、演出内容指定コマンドを入力した時点でカットイン予告専用の音声演出や発光演出を実行させるのではなく、演出実行コマンドを入力しない限り演出を実行させないようになっている。そのため、音声ランプ制御用CPU48aは、演出内容指定コマンドを入力すると、該コマンドを音声ランプ制御用RAM48cで、一旦記憶しておく。そして、第2の操作有効期間内に演出用操作ボタン26が操作されて演出実行コマンドを入力すると、音声ランプ制御用CPU48aは、音声ランプ制御用RAM48cに記憶しておいた演出内容指定コマンドを読み出し、該コマンドで指示される内容で音声演出及び発光演出を実行させるように装飾ランプ16及びスピーカ17を制御する。
また、音声ランプ制御用CPU48aは、第2の操作有効期間内に演出用操作ボタン26が操作されて演出実行コマンドを入力すると、カットイン予告が演出表示装置H2に表示されるタイミングと合わせて、カットイン予告専用の音声を出力するようにスピーカ17を制御する。なお、本実施形態では、演出実行抽選においてカットイン予告の実行が決定された場合であっても、カットイン予告専用の音声は出力されない。また、第1の操作有効期間が設定された場合も、音声ランプ制御用CPU48aは、第2の操作有効期間内に演出用操作ボタン26が操作された場合と同様の手法にて予告演出に係る制御を実行する。
次に、操作有効期間が設定された場合における遊技の流れについて図5(a),図6(a),図6(b)に従って説明する。
図5(a)に示すように、図柄変動ゲームが開始すると、図柄の変動が開始してから時間Tの経過後に、時間Twの間、第1の操作有効期間が設定される。そして、演出表示装置H2では、第1の操作有効期間の設定とともに、演出用操作ボタン26の操作を促す前記所定の画像が表示されるようになっている。それと同時に、演出用操作ボタン26に内蔵された発光体が点灯される。なお、第1の操作有効期間内に演出用操作ボタン26が操作されると、演出表示装置H2ではロゴ予告が実行される。そして、第1の操作有効期間内に演出用操作ボタン26が操作された場合、及び予め定めた規定時間(時間Tw)の経過によって第1の操作有効期間が終了した場合には、第1の操作有効期間の終了とともに演出表示装置H2に表示されていた前記所定の画像の表示が終了される。それと同時に、演出用操作ボタン26の発光体が消灯される。そして、変動パターンに予め定められた変動時間の経過とともに図柄変動ゲームが終了する。
また、図6(a)に示すように、図柄変動ゲームが開始すると、図柄の変動が開始してから時間T2の経過後に第2の操作有効期間が時間Txの間、設定される。それと同時に、演出用操作ボタン26に内蔵された発光体が点灯される。また、このとき、演出表示装置H2では、演出用操作ボタン26の操作を促す前記所定の画像は演出表示装置H2に表示されないようになっている。そして、第2の操作有効期間内に演出用操作ボタン26が操作されると、演出用操作ボタン26の操作に伴って、演出表示装置H2ではカットイン予告として「キャラクタKC」の画像が表示される。そして、第2の操作有効期間内に演出用操作ボタン26が操作されると、演出用操作ボタン26が操作された時点で演出用操作ボタン26に内蔵された発光体が消灯される。そして、変動パターンに予め定められた変動時間の経過とともに図柄変動ゲームが終了する。
また、図6(b)に示すように、予め、カットイン予告の実行が決定されており、かつ、第2の操作有効期間内に演出用操作ボタン26が操作されなかった場合には、演出実行抽選が実行される。また、第2の操作有効期間の終了とともに、演出用操作ボタン26に内蔵された発光体が消灯される。そして、演出実行抽選に当選した場合には、第2の操作有効期間が終了した時点で、演出表示装置H2ではカットイン予告として「キャラクタKC」の画像が表示される。そして、変動パターンに予め定められた変動時間の経過とともに図柄変動ゲームが終了する。
以上詳述したように、本実施形態は、以下の効果を有する。
(1)統括制御用CPU46aは、カットイン予告が実行可の場合に、第2の操作有効期間内に演出用操作ボタン26が操作されたときには選択した演出内容でカットイン予告を実行させる。その一方で、統括制御用CPU46aは、カットイン予告が実行可の場合に、第2の操作有効期間内に演出用操作ボタン26が操作されなかったときには、演出実行抽選を行う。そして、統括制御用CPU46aは、演出実行抽選に当選したときには選択した演出内容でカットイン予告を実行させる。その一方で、統括制御用CPU46aは、カットイン予告が実行否の場合において第2の操作有効期間内に演出用操作ボタン26が操作されたときにはカットイン予告を実行させず、かつ第2の操作有効期間内に演出用操作ボタン26が操作されなかったときには演出実行抽選も行わない。これにより、第2の操作有効期間内に演出用操作ボタン26を操作した場合の方が、操作しなかった場合よりもカットイン予告が実行され易くなって演出用操作ボタン26を操作した遊技者と操作しなかった遊技者との間に差が生じ、遊技の興趣を高めることができる。
(2)演出実行抽選は、大当り抽選の結果に応じて実行可に当選する確率が設定されている。これにより、遊技者は、第2の操作有効期間内に演出用操作ボタン26の操作を行わなかった場合であっても、カットイン予告が実行されるか否かによって大当りへの期待感を推測することができる。また、第2の操作有効期間の存在を知った遊技者は、第2の操作有効期間内に演出用操作ボタン26の操作を行わなかった場合であっても、カットイン予告が実行されるか否かによって大当りへの期待感を推測することができる。
(3)統括制御用CPU46aは、演出内容指定コマンドを演出表示制御基板47に予め出力し、操作有効期間内に演出用操作ボタン26が操作された場合、及び操作有効期間内に演出用操作ボタン26が操作されなかったときに演出実行抽選に当選した場合に演出実行コマンドを演出表示制御基板47に出力する。これにより、操作有効期間内に演出用操作ボタン26が操作されたときや演出実行抽選において実行可に当選したときに、予告演出の演出内容の決定と予告演出の実行とを兼ねたコマンドを出力するよりも、演出内容の決定や予告演出の実行に係る処理を迅速に行うことができる。
(4)予告演出振分けテーブルTAには、カットイン予告の実行否を示す内容と、15R確変大当り遊技が決定されている場合に選択可能な「キャラクタKC」と、大当りが決定されている場合に選択可能な「キャラクタKB」と、大当り及びはずれの場合に選択可能な「キャラクタKA」とが振分けられている。そして、予告演出振分けテーブルTAでは、これらの演出内容の選択割合が大当り抽選の抽選結果及び大当りの種類に応じて定められている。これにより、第2の操作有効期間の存在を知った遊技者は、カットイン予告の演出内容から図柄変動ゲームの展開を推測することができるので、カットイン予告の実行契機となる演出用操作ボタン26の操作を積極的に行わせることができる。また、演出用操作ボタン26を操作するために、いつ第2の操作有効期間が設定されているのかを探す探究心を向上させることができる。
(5)遊技者が押下操作可能な押しボタン式の演出用操作ボタン26には発光体が内蔵されており、統括制御用CPU46aは、発光体を発光させることによって、操作有効期間が設定されていることを示唆する。これにより、発光体による発光によってさりげなく演出用操作ボタン26の操作が有効であることが報知されることになる。したがって、遊技者に対して、操作有効期間内に演出用操作ボタン26を操作すると何か起こるのかもしれないと推測させることができ、次回、同じように発光体が発光した場合には演出用操作ボタン26を操作してみようと思わせることができる。
(6)統括制御用CPU46aは、図柄変動ゲームの内容に応じて第2の操作有効期間の開始時期を異ならせて設定する。具体的には、統括制御用CPU46aは、変動パターンP1,P2が選択された場合、図柄の変動開始が開始してから時間T1の経過後に第2の操作有効期間を設定する。一方、統括制御用CPU46aは、変動パターンP3〜P5が選択された場合、図柄の変動が開始してから時間T2の経過後に第2の操作有効期間を設定する。これにより、遊技者が、今回の図柄変動ゲームにおいて前回の図柄変動ゲームで第2の操作有効期間が設定されたタイミングと同じタイミングで演出用操作ボタン26を操作したとしても、カットイン予告が実行されない場合もある。つまり、第2の操作有効期間がいつ設定されるかを予測し難くなり、当てもなく演出用操作ボタン26を操作してもカットイン予告が実行されるわけではないので、いつ第2の操作有効期間が設定されているのかを探す探究心を向上させることができる。
(7)第2の操作有効期間は、キャラクタの対戦によって勝敗を決定し、遊技者側のキャラクタの勝敗により図柄変動ゲームの結果を導出するバトル演出中に設定される。より詳しくは、第2の操作有効期間は、遊技者側のキャラクタが対戦キャラクタに攻撃を仕掛けるタイミング又は対戦キャラクタが遊技者側のキャラクタに攻撃を仕掛けるタイミングの何れかに設定される。バトル演出において、遊技者側のキャラクタが対戦キャラクタに攻撃を仕掛けるタイミング等は、バトルの結果に影響するかもしれないので遊技者が最も力の入るタイミングのひとつである。そして、そのタイミングにおいて演出用操作ボタン26を操作するとバトルの結果に影響するかもしれないと思わせることができるので、前述したようなタイミングに第2の操作有効期間を設定することで、演出用操作ボタン26の操作を促すことができる。
(8)予告演出振分けテーブルTAのような振分態様を採用することで、1つの変動パターンに対して複数種類のカットイン予告が選択可能となった。これにより、変動パターンとカットイン予告を1対1の関係で設定する必要がなく、演出の多様化を実現し得る。
(9)予告演出振分けテーブルTAでは、カットイン予告「なし」という内容が振分けられているため、最初にカットイン予告を実行するか否かの抽選が行われることになる。そして、カットイン予告「なし」以外の演出内容が決定され、第2の操作有効期間内に演出用操作ボタン26が操作されなかった場合には、演出実行抽選が行われ、実行可となった場合のみカットイン予告が実行される。このため、第2の操作有効期間内に演出用操作ボタン26が操作されない場合には、2段階の抽選が行われることになるので、演出用操作ボタン26を操作しない場合に比べてカットイン予告が実行され難くなっており、演出用操作ボタン26を操作した遊技者と操作しなかった遊技者との間に差が生じ、遊技の興趣を高めることができる。
尚、上記実施形態は、次のような別の実施形態(別例)にて具体化できる。
○ 実施形態において、第2の操作有効期間は、バトル演出中に設定されるものとしたが、その他の演出や大当り遊技中などにも第2の操作有効期間が設定されるようにしても良い。
○ 実施形態において、演出用操作手段は押しボタン式の演出用操作ボタン26としたが、タッチパネル式のものであっても良い。
○ 実施形態において、図柄変動ゲームの内容に応じて第2の操作有効期間の開始時期を異ならせたが、有効期間の長さを異ならせても良い。また、第2の操作有効期間の開始タイミングと長さの両方が異なっていても良い。
○ 実施形態では、第2の操作有効期間内に演出用操作ボタン26が操作されず、演出実行抽選に当選した場合には、第2の操作有効期間が終了した時点で決定された演出内容でカットイン予告を実行させるようにした。変更例として、第2の操作有効期間が終了した時点ではなく、終了してから所定時間が経過した後に、決定された演出内容でカットイン予告が実行されるようにしても良い。
○ 実施形態において、統括制御用CPU46aは、操作有効期間が設定された時に演出内容指定コマンドを演出表示制御基板47及び音声・ランプ制御基板48に出力するようにしても良い。
○ 実施形態において、第2の操作有効期間内に複数回、演出用操作ボタン26の操作が行われた場合にカットイン予告が実行されるようにしても良い。
○ 実施形態において、カットイン予告の演出内容を2種類以下にしても良いし、5種類以上にしても良い。
○ 実施形態において、大当り遊技の種類を3種類以上にしても良い。例えば、規定ラウンド数を2回とするとともに、1回のラウンド遊技時間を15R大当り遊技のラウンド遊技時間よりも短く設定し、大当り遊技終了後に確変状態を付与する2R確変大当り遊技を設定しても良い。また、規定ラウンド数を2回とするとともに、1回のラウンド遊技時間を15R大当り遊技のラウンド遊技時間よりも短く設定し、大当り遊技終了後に確変状態を付与しない2R非確変大当り遊技を設定しても良い。加えて、規定ラウンド数を1回とするとともに、1回のラウンド遊技時間を15R大当り遊技のラウンド遊技時間よりも短く設定した小当り遊技を設定しても良い。なお、小当り遊技に当選すると、小当り遊技終了後の遊技状態を、小当り抽選の当選時における遊技状態で継続させるようになっている。そして、2R大当り遊技と小当り遊技を、見た目上、どちらの当り遊技が付与されているのかが分からないように、演出内容や変動時間が同一となるように設定する。また、バトル演出の結果として遊技者側のキャラクタと対戦キャラクタのバトルが引き分ける「引き分け」を設定しても良い。このような当り遊技を設定し、はずれ、2R確変大当り遊技、2R非確変大当り遊技、又は小当り遊技が選択された場合には、バトル演出において「引き分け」が表示されるようにしても良い。このようにすることで、「引き分け」という結果が導出されると、遊技者は確変状態が継続されているのかどうかが分かり難くなるため、確変状態が付与されていることに期待を抱かせることができる。また、大当り遊技の種類が多くなると、図柄変動ゲームの結果を見ただけでは、どの大当り遊技に当選したのか、又は大当り遊技終了後の遊技状態を把握しにくくなる。しかし、このように予告演出の内容と大当り遊技の種類を対応付けることによって、予告演出の内容を見るだけで、大当り遊技の種類や大当り遊技終了後の遊技状態を把握しやすくすることができる。
○ 実施形態において、カットイン予告実行抽選テーブルTBにおける抽選用乱数の値の振分けの設定を変更しても良い。例えば、15R確変大当り遊技が決定されている場合、「実行非」と「実行可」の割合をほぼ1対1となるようにしても良い。このようにすることで、第2の操作有効期間内に演出用操作ボタン26が操作されない場合には、カットイン予告が実行されにくくなり、第2の操作有効期間の存在を知った遊技者に対して、より演出用操作ボタン26の操作を積極的に行わせることができる。
○ 実施形態において、演出表示制御基板47を省略し、サブ統括制御基板46が画像表示に係る制御を実行するようにしても良い。
○ 実施形態において、カットイン予告実行抽選テーブルTBでは、大当り抽選に当選して15R非確変大当り遊技が決定されている場合よりも、15R確変大当り遊技が決定されている場合において、実行可となる可能性が高くなるように設定しても良い。
○ 実施形態において、遊技者が獲得し得る利益は、15R確変大当り遊技と15R非確変大当り遊技の組合せに限られない。例えば、利益の大小を、確変状態が付与される図柄変動ゲームの回数としても良い。また、普図ゲームの変動時間が短縮されるとともに、作動ゲート25の通過に基づく普図ゲームの抽選確率(当りの当選確率)を低確率から高確率に変動する時短状態が付与される回数の違いとしても良い。また、ラウンド遊技時間の長さ、小当り抽選への当選確率の低さ、プレミアム的な演出の出現率の高さ等としても良い。
○ 実施形態において、第2の操作有効期間中は、演出用操作ボタン26に内蔵された発光体も点灯せず、完全に操作有効期間が設定されていることを秘匿するようにしても良い。
○ 実施形態において、第2の操作有効期間中であることを、演出用操作ボタン26以外の遊技機構成部材によって報知するようにしても良い。例えば、装飾ランプ16を通常行われる発光演出よりも弱く発光させたり、スピーカ17によって報知したりしても良い。
○ 実施形態において、第1の操作有効期間が設定されているときに演出用操作ボタン26が操作されなかった場合、演出実行抽選を行うようにしても良い。
○ 実施形態において、第1の操作有効期間を設定せず、操作有効期間が設定されている場合には、演出用操作ボタン26の発光体による発光によってのみ、操作有効期間が設定されていることを報知するようにしても良い。
次に、上記実施形態及び別例から把握できる技術的思想を以下に追記する。
(イ)前記第2の操作有効期間は、前記図柄変動ゲームの内容がキャラクタの対戦によって勝敗を決定し、遊技者側のキャラクタの勝敗により前記図柄変動ゲームの結果を導出するバトル演出の場合に前記バトル演出中に設定され、前記遊技者側のキャラクタが対戦キャラクタに攻撃を仕掛けるタイミング又は前記対戦キャラクタが前記遊技者側のキャラクタに攻撃を仕掛けるタイミングの何れかに設定される。
10…パチンコ機、20…センター役物、26…演出用操作ボタン(演出用操作手段)、45…主制御基板、45a…主制御用CPU(大当り抽選手段、大当り種決定手段)、46…サブ統括制御基板(演出指示基板)、46a…統括制御用CPU(演出指示制御部、演出内容選択手段、操作判定手段、操作有効期間設定手段)、46b…統括制御用ROM(テーブル記憶手段)、47…演出表示制御基板、47a…表示制御用CPU(表示制御部、演出制御手段)、GH…画像表示部、H1…特別図柄表示装置(表示手段)、H2…演出表示装置(表示手段)。