1.遊技機の構造
本発明の実施形態であるパチンコ遊技機1について、図面に基づいて説明する。なお、以下の説明において遊技機の一例としてのパチンコ遊技機1の各部の左右方向は、そのパチンコ遊技機1に対面する遊技者にとっての左右方向に一致させて説明する。また、パチンコ遊技機1の各部の前方向をパチンコ遊技機1に対面する遊技者に近づく方向とし、パチンコ遊技機1の各部の後方向をパチンコ遊技機1に対面する遊技者から離れる方向として、説明する。
図1に示すように、本形態のパチンコ遊技機1は、遊技機枠50と、遊技機枠50内に取り付けられた遊技盤2(図3参照)とを備えている。遊技機枠50は、パチンコ遊技機1の外郭部を構成するものであり、外枠51と内枠52と前枠(ガラス扉枠)53とを備えている。外枠(基枠部)51は、遊技機枠50の外郭を形成する縦長方形状の枠体である。内枠(保持枠部)52は、外枠51の内側に配置されていて、遊技盤2を取付ける縦長方形状の枠体である。前枠(前枠部)53は、外枠51及び内枠52の前面側に配置されていて、遊技盤2を保護する縦長方形状のものである。
遊技機枠50は、左端側にヒンジ部54を備えて構成されている。このヒンジ部54により、前枠53は、外枠51及び内枠52に対してそれぞれ回動自在になっていて、内枠52は、外枠51及び前枠53に対してそれぞれ回動自在になっている。前枠53の中央部には開口部が形成されていて、遊技者が後述する遊技領域3を視認できるように透明のガラス板55が前枠53の開口部に取付けられている。また遊技機枠50(前枠53)には、様々な発光色にて発光可能な枠ランプ66が設けられている。
前枠53は、図1に示すように、上側に上側装飾ユニット200を備え、左側に左側装飾ユニット210を備え、右側に右側装飾ユニット220を備え、下側に操作機構ユニット230を備えて構成されている。左側装飾ユニット210及び右側装飾ユニット220の各上側には、音を出力するスピーカ67が設けられている。操作機構ユニット230には、回転角度に応じた発射強度で遊技球を発射させるためのハンドル(発射操作部)60、遊技球を貯留する打球供給皿(上皿)61、及び打球供給皿61に収容しきれない遊技球を貯留する余剰球受皿(下皿)62が設けられている。また操作機構ユニット230には、遊技の進行に伴って実行される演出時などに遊技者が操作し得る演出ボタン63やセレクトボタン(十字キー)64が設けられている。
上側装飾ユニット200は、図2(A)(B)に示すように、上側が開放した箱状の収容部290と、この収容部290に収容された枠可動体600とを備えている。枠可動体600は、左側枠可動体600Lと右側枠可動体600Rとを備えて構成されている。収容部290の左右方向の中央には、前後方向に延びる回転軸441が取付けられている。この回転軸441は、前方に向かって下方に傾斜している。左側枠可動体600Lと右側枠可動体600Rは、回転軸441に対して回転可能に取付けられている。
左側枠可動体600Lと右側枠可動体600Rは、初期状態では、図2(A)に示す収納位置(待機位置)にある。そして、所定の演出時(後述する金ロゴリーチへの発展時や大当たり演出の実行時等)には、左側枠可動体600Lは収納位置から回転軸441周りに時計方向に90度回転して、図2(B)に示す突出位置になる。同時に、右側枠可動体600Rは収納位置から回転軸441周りに反時計方向に90度回転して、図2(B)に示す突出位置になる。左側枠可動体600L及び右側枠可動体600Rは、枠可動体駆動モータ600a(図8参照)によって駆動される。
こうして本形態では、枠可動体600は、収納位置にあるときには図2(A)に示すように、遊技機枠50(前枠53)の上縁50Uよりも下方にある。そして枠可動体600が、突出位置に移動すると図2(B)に示すように、遊技機枠50の上縁50Uよりも上方に突出する。これにより、遊技者に強いインパクトを与えることが可能である。なお、遊技機枠50の外縁部分である枠縁50Wは、上側の上縁50Uと下側の下縁50D(図4参照)と左側の左縁50Lと右側の右縁50Rとで構成されている。
次に、図3を参照して遊技盤2について説明する。図3に示すように、遊技盤2には、ハンドル60の操作により発射された遊技球が流下する遊技領域3が、レール部材4で囲まれて形成されている。また遊技盤2には、様々な発光色にて発光可能な盤ランプ5(図8参照)が設けられている。なお遊技盤2は、前側に配されている板状部材と、後側に配されている裏ユニット(後述する各種制御基板、画像表示装置7、ハーネス等を取付けるユニット)とが一体化されたものである。
遊技領域3には、遊技球を誘導する複数の遊技釘が突設されている。また遊技領域3の中央付近には、液晶表示装置である画像表示装置(表示手段)7が配されている。画像表示装置7の表示画面7aには、後述の第1特別図柄および第2特別図柄の変動表示(可変表示)及び停止表示に同期した演出図柄(装飾図柄)8L,8C,8Rの変動表示及び停止表示を行う演出図柄表示領域がある。なお、演出図柄8L,8C,8Rを表示する演出を演出図柄変動演出という。演出図柄変動演出を「装飾図柄変動演出」や単に「変動演出」と称することもある。
演出図柄表示領域は、例えば「左」「中」「右」の3つの図柄表示エリアからなる。左の図柄表示エリアには左演出図柄8Lが表示され、中の図柄表示エリアには中演出図柄8Cが表示され、右の図柄表示エリアには右演出図柄8Rが表示される。演出図柄はそれぞれ、例えば「1」~「9」までの数字をあらわした複数の図柄(数字図柄)からなる。画像表示装置7は、左、中、右の演出図柄の組合わせによって、後述の第1特別図柄表示器41aおよび第2特別図柄表示器41b(図6参照)にて表示される第1特別図柄および第2特別図柄の変動表示の結果(つまりは大当たり抽選の結果)を、わかりやすく表示する。
例えば大当たりに当選した場合には「777」などのゾロ目(大当たり停止態様)で演出図柄を停止表示する。また、ハズレであった場合には「637」などのバラケ目(ハズレ停止態様)で演出図柄を停止表示する。これにより、遊技者にとっては遊技の進行状況の把握が容易となる。つまり遊技者は、一般的には大当たり抽選の結果を第1特別図柄表示器41aや第2特別図柄表示器41bにより把握するのではなく、画像表示装置7にて把握する。なお、図柄表示エリアの位置は固定的でなくてもよい。また、演出図柄の変動表示の態様としては、例えば上下方向にスクロールする態様がある。また、各抽選結果に応じてどのような演出図柄の組合わせを停止表示するかは任意に変更可能である。
画像表示装置7は、上記のような演出図柄を用いた演出図柄変動演出のほか、大当たり遊技に並行して行われる大当たり演出や、客待ち用のデモ演出(客待ち演出)などを表示画面7aに表示する。なお演出図柄可変表示演出では、数字等の演出図柄のほか、背景画像やキャラクタ画像などの演出図柄以外の演出画像も表示される。
また画像表示装置7の表示画面7aには、後述の第1特図保留の記憶数又は第2特図保留の記憶数に応じて演出保留画像9を表示する第1保留表示領域17a、第2保留表示領域17b、第3保留表示領域17c、及び第4保留表示領域17dがある。第1保留表示領域17aにのみ演出保留画像9が表示されていれば、特図保留(第1特図保留又は第2特図保留)の数が1つであることを示している。第1保留表示領域17a及び第2保留表示領域17bに演出保留画像9が表示されていれば、特図保留の数が2つであることを示している。第1保留表示領域17aと第2保留表示領域17bと第3保留表示領域17cに演出保留画像9が表示されていれば、特図保留の数が3つであることを示している。全ての保留表示領域17a~17dに演出保留画像9が表示されていれば、特図保留の数が4つであることを示している。こうして演出保留画像9の表示により、後述の第1特図保留表示器43a(図6参照)にて表示される第1特図保留の記憶数、又は第2特図保留表示器43bにて表示される第2特図保留の記憶数を、遊技者にわかりやすく示すことができる。なお本形態において、後述する非時短状態では第1特図保留の記憶数を演出保留画像9として表示し、後述する時短状態では第2特図保留の記憶数を演出保留画像9として表示するようになっている。
遊技領域3の中央付近であって画像表示装置7の前方には、センター装飾体10が配されている。センター装飾体10の下部には、上面を転動する遊技球を、後述の第1始動口20へと誘導可能なステージ部11が形成されている。またセンター装飾体10には、画像表示装置7の表示画面7aよりも前方で移動可能な盤可動体(演出可動体)15が設けられている。
盤可動体15は、図4(A)に示すように、上側盤可動体15Uと左下盤可動体15Lと右下盤可動体15Rとを備えて構成されている。上側盤可動体15Uは、遊技盤2の上部にて隠れるように取付けられている。そして上側盤可動体15Uは、図4(A)に示す待機位置から下方に向かって移動して、図4(B)に示す動作位置へ駆動可能となっている。また左下盤可動体15Lは、遊技盤2の左下部にて隠れるように取付けられている。そして左下盤可動体15Lは、図4(A)に示す待機位置から右斜め上方に向かって移動して、図4(B)に示す動作位置へ駆動可能となっている。また右下盤可動体15Rは、遊技盤2の右下部の後方にて隠れるように取付けられている。そして右下盤可動体15Rは、図4(A)に示す待機位置から左斜め上方に向かって移動して、図4(B)に示す動作位置へ駆動可能となっている。
上側盤可動体15Uと左下盤可動体15Lと右下盤可動体15Rとは、連動して(同じタイミングで)駆動可能になっていて、図4(B)に示すように、表示画面7aよりも前方にて表示画面7aの大部分の領域(半分以上の領域)を隠すように移動可能である。そのため、上側盤可動体15Uと左下盤可動体15Lと右下盤可動体15Rとがそれぞれ動作位置にあることで、遊技者に強いインパクトを与えることが可能となっている。
また本形態のパチンコ遊技機1は、図5(A)(B)に示すように、剣可動体300を備えている。剣可動体(演出可動体)300は、遊技盤2の左部にて隠れるように取付けられている。そして、剣可動体300は、図5(A)に示す退避位置(第1位置)から右方に向かって移動して、図5(B)に示す露出位置(第2位置)へ駆動可能となっている。剣可動体300は、剣(詳細には刃)の形状を模していて、図5(B)に示すように、表示画面7aよりも前方にて表示画面7aの左部の領域を隠すように移動可能である。そのため、剣可動体300が図5(A)に示す退避位置から図5(B)に示す露出位置へ移動することで、表示画面7aに表示されている演出画像を剣の刃で切るような印象を与えることが可能である。
図3に示す遊技盤2の説明に戻る。図3に示すように、遊技領域3における画像表示装置7の下方には、遊技球の入球し易さが常に変わらない第1始動口(第1始動入賞口、入球口)20を備える固定入賞装置19が設けられている。第1始動口20への遊技球の入賞は、第1特別図柄の抽選(大当たり抽選、すなわち大当たり乱数等の取得と判定)の契機となっている。
また遊技領域3における第1始動口20の下方には、第2始動口(第2始動入賞口、入球口)21を備える普通可変入賞装置(いわゆる電チュー、可変入球手段)22が設けられている。第2始動口21への遊技球の入賞は、第2特別図柄の抽選(大当たり抽選、すなわち大当たり乱数等の取得と判定)の契機となっている。
電チュー22は、可動部材(入球口開閉部材)23を備え、可動部材23の作動によって第2始動口21を開閉するものである。可動部材23は、電チューソレノイド24(図7参照)により駆動される。第2始動口21は、可動部材23が開状態であるときのみ遊技球が入球可能となる。つまり、第2始動口21は、遊技球の入球し易さが変化可能な始動口である。なお、電チュー22は、可動部材23が開状態にあるときの方が閉状態にあるときよりも第2始動口21への入球を容易にするものであれば、閉状態にあるときに第2始動口21への入球を不可能とするものでなくてもよい。
また遊技領域3における第1始動口20の右上方には、大入賞口(特別入賞口)30を備えた大入賞装置(特別可変入賞装置、特別入賞手段)31が設けられている。大入賞装置31は、開閉部材(特別入賞口開閉部材)32を備え、開閉部材32の作動により大入賞口30を開閉するものである。開閉部材32は、大入賞口ソレノイド33(図7参照)により駆動される。大入賞口30は、開閉部材32が開いているときだけ遊技球が入球可能となる。
また遊技領域3における大入賞口30の上方には、遊技球が通過可能なゲート(通過領域)28が設けられている。ゲート28への遊技球の通過は、電チュー22を開放するか否かを決める普通図柄抽選(すなわち普通図柄乱数(当たり乱数)の取得と判定)の実行契機となっている。
また遊技領域3の下部には、普通入賞口27が設けられている。また遊技領域3の最下部には、遊技領域3へ打ち込まれたもののいずれの入賞口にも入賞しなかった遊技球を遊技領域3外へ排出するアウト口16が設けられている。
このように各種の入賞口等が配されている遊技領域3には、左右方向の中央より左側の左遊技領域(第1遊技領域)3Aと、右側の右遊技領域(第2遊技領域)3Bとがある。左遊技領域3Aを遊技球が流下するように遊技球を発射する打方を、左打ちという。一方、右遊技領域3Bを遊技球が流下するように遊技球を発射する打方を、右打ちという。本形態のパチンコ遊技機1では、左打ちにて遊技したときに遊技球が流下する流路を、第1流路R1といい、右打ちにて遊技したときに遊技球が流下する流路を、第2流路R2という。
第1流路R1上には、第1始動口20と、普通入賞口27と、アウト口16とが設けられている。遊技者は第1流路R1を流下するように左打ちを行うことで、第1始動口20や普通入賞口27への入賞を狙うことができる。なお、第1流路R1上にゲート28は配されていない。よって、左打ちをしている場合に電チュー22が開放されることはない。
一方、第2流路R2上には、ゲート28と、大入賞装置31と、電チュー22と、アウト口16とが設けられている。遊技者は第2流路R2を流下するように右打ちを行うことで、ゲート28への通過や、大入賞口30及び第2始動口21への入賞を狙うことができる。
また図3に示すように、遊技盤2の右側中央には表示器類40が配置されている。表示器類40には、図6に示すように、第1特別図柄を可変表示する第1特別図柄表示器41a、第2特別図柄を可変表示する第2特別図柄表示器41b、及び、普通図柄を可変表示する普通図柄表示器42が含まれている。また表示器類40には、第1特別図柄表示器41aの作動保留(第1特図保留)の記憶数を表示する第1特図保留表示器43a、第2特別図柄表示器41bの作動保留(第2特図保留)の記憶数を表示する第2特図保留表示器43b、および普通図柄表示器42の作動保留(普図保留)の記憶数を表示する普図保留表示器44が含まれている。
第1特別図柄の可変表示は、第1始動口20への遊技球の入賞を契機として行われる。第2特別図柄の可変表示は、第2始動口21への遊技球の入賞を契機として行われる。なお以下の説明では、第1特別図柄および第2特別図柄を総称して特別図柄(識別図柄)ということがある。また、第1特別図柄表示器41aおよび第2特別図柄表示器41bを総称して特別図柄表示器(識別図柄表示手段)41ということがある。また、第1特図保留および第2特図保留を総称して特図保留ということがある。また、第1特図保留表示器43aおよび第2特図保留表示器43bを総称して特図保留表示器43ということがある。
特別図柄表示器41では、特別図柄を可変表示(変動表示)したあと停止表示することにより、第1始動口20又は第2始動口21への入賞に基づく抽選(特別図柄抽選、大当たり抽選)の結果を報知する。停止表示される特別図柄(停止図柄、可変表示の表示結果として導出表示される特別図柄)は、特別図柄抽選によって複数種類の特別図柄の中から選択された一つの特別図柄である。停止図柄が予め定めた特定特別図柄(特定の停止態様の特別図柄すなわち大当たり図柄)である場合には、停止表示された大当たり図柄の種類(つまり当選した大当たりの種類)に応じた開放パターンにて大入賞口30を開放させる大当たり遊技(特別遊技)が行われる。なお、大当たり遊技における大入賞口30の開放パターンについては後述する。
特別図柄表示器41は、例えば横並びに配された8個のLEDから構成されており、その点灯態様によって大当たり抽選の結果に応じた特別図柄を表示するものである。例えば大当たり(後述の複数種類の大当たりのうちの一つ)に当選した場合には、「○○●●○○●●」(○:点灯、●:消灯)というように左から1,2,5,6番目にあるLEDが点灯した大当たり図柄を表示する。また、ハズレである場合には、「●●●●●●●○」というように一番右にあるLEDのみが点灯したハズレ図柄を表示する。ハズレ図柄として全てのLEDを消灯させる態様を採用してもよい。また、特別図柄が停止表示される前には所定の変動時間にわたって特別図柄の変動表示(可変表示)がなされるが、その変動表示の態様は、例えば左から右へ光が繰り返し流れるように各LEDが点灯するという態様である。なお変動表示の態様は、各LEDが停止表示(特定の態様での点灯表示)されていなければ、全LEDが一斉に点滅するなどなんでもよい。
本パチンコ遊技機1では、第1始動口20または第2始動口21への遊技球の入賞があると、その入賞に対して取得した大当たり乱数等の各種乱数の値(判定情報)は、特図保留記憶部85(図7参照)に一旦記憶される。詳細には、第1始動口20への入賞であれば第1特図保留として第1特図保留記憶部85aに記憶され、第2始動口21への入賞であれば第2特図保留として第2特図保留記憶部85bに記憶される。各々の特図保留記憶部85に記憶可能な特図保留の数には上限があり、本形態における各上限値は4個となっている。なお各上限値は4個に限られるものではなく、適宜変更可能である。
特図保留記憶部85に記憶された特図保留は、その特図保留に基づく特別図柄の可変表示が可能となったときに消化される。特図保留の消化とは、その特図保留に対応する大当たり乱数等を判定して、その判定結果を示すための特別図柄の可変表示を実行することをいう。従って本パチンコ遊技機1では、第1始動口20または第2始動口21への遊技球の入賞に基づく特別図柄の可変表示がその入賞後にすぐに行えない場合、すなわち特別図柄の可変表示の実行中や大当たり遊技の実行中に入賞があった場合であっても、所定個数を上限として、その入賞に対する大当たり抽選の権利を留保することができるようになっている。
そしてこのような特図保留の数は、特図保留表示器43に表示される。具体的には特図保留表示器43は、例えば4個のLEDで構成されており(図6参照)、特図保留の数だけLEDを点灯させることにより特図保留の数を表示する。
普通図柄の可変表示は、ゲート28への遊技球の通過を契機として行われる。普通図柄表示器42では、普通図柄を可変表示(変動表示)したあと停止表示することにより、ゲート28への遊技球の通過に基づく普通図柄抽選の結果を報知する。停止表示される普通図柄(普図停止図柄、可変表示の表示結果として導出表示される普通図柄)は、普通図柄抽選によって複数種類の普通図柄の中から選択された一つの普通図柄である。停止表示された普通図柄が予め定めた特定普通図柄(所定の停止態様の普通図柄すなわち普通当たり図柄)である場合には、現在の遊技状態に応じた開放パターンにて第2始動口21を開放させる補助遊技が行われる。なお、第2始動口21の開放パターンについては後述する。
具体的には普通図柄表示器42は、例えば2個のLEDから構成されており(図6参照)、その点灯態様によって普通図柄抽選の結果に応じた普通図柄を表示するものである。例えば抽選結果が当たりである場合には、「○○」(○:点灯、●:消灯)というように両LEDが点灯した普通当たり図柄を表示する。また抽選結果がハズレである場合には、「●○」というように右のLEDのみが点灯した普通ハズレ図柄を表示する。普通ハズレ図柄として全てのLEDを消灯させる態様を採用してもよい。普通図柄が停止表示される前には所定の変動時間にわたって普通図柄の変動表示(可変表示)がなされるが、その変動表示の態様は、例えば両LEDが交互に点灯するという態様である。なお変動表示の態様は、各LEDが停止表示(特定の態様での点灯表示)されていなければ、全LEDが一斉に点滅するなどなんでもよい。
本パチンコ遊技機1では、ゲート28への遊技球の通過があると、その通過に対して取得した普通図柄乱数(当たり乱数)の値は、普図保留記憶部86(図7参照)に普図保留として一旦記憶される。普図保留記憶部86に記憶可能な普図保留の数には上限があり、本形態における上限値は4個となっている。
普図保留記憶部86に記憶された普図保留は、その普図保留に基づく普通図柄の可変表示が可能となったときに消化される。普図保留の消化とは、その普図保留に対応する普通図柄乱数(当たり乱数)を判定して、その判定結果を示すための普通図柄の可変表示を実行することをいう。従って本パチンコ遊技機1では、ゲート28への遊技球の通過に基づく普通図柄の可変表示がその通過後にすぐに行えない場合、すなわち普通図柄の可変表示の実行中や補助遊技の実行中に入賞があった場合であっても、所定個数を上限として、その通過に対する普通図柄抽選の権利を留保することができるようになっている。
そしてこのような普図保留の数は、普図保留表示器44に表示される。具体的には普図保留表示器44は、例えば4個のLEDで構成されており(図6参照)、普図保留の数だけLEDを点灯させることにより普図保留の数を表示するものである。
2.遊技機の電気的構成
次に図7及び図8に基づいて、本パチンコ遊技機1における電気的な構成を説明する。図7及び図8に示すようにパチンコ遊技機1は、大当たり抽選や遊技状態の移行などの遊技利益に関する制御を行う主制御基板(遊技制御基板)80、遊技の進行に伴って実行する演出に関する制御を行うサブ制御基板(演出制御基板)90、遊技球の払い出しに関する制御を行う払出制御基板110等を備えている。主制御基板80は、メイン制御部を構成し、サブ制御基板90は、後述する画像制御基板100、サブ駆動基板107、および音声制御基板106とともにサブ制御部を構成する。なおサブ制御部は、少なくともサブ制御基板90を備え、演出手段(画像表示装置7や盤ランプ5、枠ランプ66、スピーカ67、盤可動体15、枠可動体600等)を用いた遊技演出を制御可能であればよい。
またパチンコ遊技機1は、電源基板150を備えている。電源基板(電源投入手段)150は、主制御基板80、サブ制御基板90、及び払出制御基板110に対して電力を供給するとともに、これらの基板を介してその他の機器に対して必要な電力を供給する。電源基板150には、バックアップ電源回路151が設けられている。バックアップ電源回路151は、営業終了や停電時等の電断によって本パチンコ遊技機1に対して電力が供給されていない場合に、後述する主制御基板80のRAM84やサブ制御基板90のRAM94に対して電力を供給することができる。従って、主制御基板80のRAM84やサブ制御基板90のRAM94に記憶されている情報は、パチンコ遊技機1の電断時であっても保持される。また電源基板150には、電源スイッチ155が接続されている。電源スイッチ155のON/OFF操作により、電源の投入/遮断が切換えられる。なお、主制御基板80のRAM84に対するバックアップ電源回路を主制御基板80に設けたり、サブ制御基板90のRAM94に対するバックアップ電源回路をサブ制御基板90に設けたりしても良い。
図7に示すように、主制御基板80には、プログラムに従ってパチンコ遊技機1の遊技の進行を制御する遊技制御用ワンチップマイコン(以下「遊技制御用マイコン」)81が実装されている。遊技制御用マイコン81には、遊技の進行を制御するためのプログラム等を記憶したROM83、ワークメモリとして使用されるRAM84、ROM83に記憶されたプログラムを実行するCPU82、データや信号の入出力を行うためのI/Oポート部(入出力回路)87が含まれている。RAM84には、上述した特図保留記憶部85と普図保留記憶部86とが設けられている。なお、ROM83は外付けであってもよい。
RAM84には、上述した特図保留記憶部85(第1特図保留記憶部85aおよび第2特図保留記憶部85b)と普図保留記憶部86とが設けられている。さらに詳細には第1特図保留記憶部85aは、図9(A)に示すように、記憶可能な第1特図保留の数に対応した4つの記憶領域からなる。また図9(B)に示すように、第2特図保留記憶部85bは記憶可能な第2特図保留の数に対応した4つの記憶領域からなる。各記憶領域は図9(C)に示すように、さらに4つの記憶領域に分かれている。これらの4つの記憶領域とは、後述の大当たり乱数を記憶する領域、当たり種別乱数を記憶する領域、リーチ乱数を記憶する領域、及び変動パターン乱数を記憶する領域である。
また主制御基板80には、図7に示すように、中継基板88を介して各種センサやソレノイドが接続されている。そのため、主制御基板80には各センサから信号が入力され、各ソレノイドには主制御基板80から信号が出力される。具体的にはセンサ類としては、第1始動口センサ20a、第2始動口センサ21a、ゲートセンサ28a、大入賞口センサ30a、および普通入賞口センサ27aが接続されている。
第1始動口センサ20aは、第1始動口20内に設けられて第1始動口20に入賞した遊技球を検出するものである。第2始動口センサ21aは、第2始動口21内に設けられて第2始動口21に入賞した遊技球を検出するものである。ゲートセンサ28aは、ゲート28内に設けられてゲート28を通過した遊技球を検出するものである。大入賞口センサ30aは、大入賞口30内に設けられて大入賞口30に入賞した遊技球を検出するものである。普通入賞口センサ27aは、各普通入賞口27内にそれぞれ設けられて普通入賞口27に入賞した遊技球を検出するものである。
またソレノイド類としては、電チューソレノイド24、および大入賞口ソレノイド33が接続されている。電チューソレノイド24は、電チュー22の可動部材23を駆動するものである。大入賞口ソレノイド33は、大入賞装置31の開閉部材32を駆動するものである。
さらに主制御基板80には、第1特別図柄表示器41a、第2特別図柄表示器41b、普通図柄表示器42、第1特図保留表示器43a、第2特図保留表示器43b、および普図保留表示器44が接続されている。すなわち、これらの表示器類40の表示制御は、遊技制御用マイコン81によりなされる。
また主制御基板80は、払出制御基板110に各種コマンドを送信するとともに、払い出し監視のために払出制御基板110から信号を受信する。払出制御基板110には、賞球払出装置120、貸球払出装置130およびカードユニット135(パチンコ遊技機1に隣接して設置され、挿入されたプリペイドカード等の情報に基づいて球貸しを可能にするもの)が接続されているとともに、発射制御回路111を介して発射装置112が接続されている。発射装置112には、ハンドル60(図1参照)が含まれる。
払出制御基板110は、遊技制御用マイコン81からの信号や、パチンコ遊技機1に接続されたカードユニット135からの信号に基づいて、賞球払出装置120の賞球モータ121を駆動して賞球の払い出しを行ったり、貸球払出装置130の球貸モータ131を駆動して貸球の払い出しを行ったりする。払い出される賞球は、その計数のため賞球センサ122により検知される。また払い出される貸球は、その計数のため球貸センサ132により検知される。なお遊技者による発射装置112のハンドル60(図1参照)への操作があった場合には、タッチスイッチ114がハンドル60への接触を検知し、発射ボリューム115がハンドル60の回転量を検知する。そして、発射ボリューム115の検知信号の大きさに応じた強さで遊技球が発射されるよう発射モータ113が駆動されることとなる。なお本パチンコ遊技機1においては、0.6秒程度で一発の遊技球が発射されるようになっている。
また主制御基板80は、サブ制御基板90に対し各種コマンドを送信する。主制御基板80とサブ制御基板90との接続は、主制御基板80からサブ制御基板90への信号の送信のみが可能な単方向通信接続となっている。すなわち、主制御基板80とサブ制御基板90との間には、通信方向規制手段としての図示しない単方向性回路(例えばダイオードを用いた回路)が介在している。
図8に示すように、サブ制御基板90には、プログラムに従ってパチンコ遊技機1の演出を制御する演出制御用ワンチップマイコン(以下「演出制御用マイコン」)91が実装されている。演出制御用マイコン91には、遊技の進行に伴って演出を制御するためのプログラム等を記憶したROM93、ワークメモリとして使用されるRAM94、ROM93に記憶されたプログラムを実行するCPU92、データや信号の入出力を行うためのI/Oポート部(入出力回路)97が含まれている。なお、ROM93は外付けであってもよい。
またRAM94には、図10(A)に示すように、第1始動口20への入賞に基づいて特定された第1始動入賞コマンド(後に詳述)等を記憶可能な第1特図保留演出記憶部95aと、第2始動口21への入賞に基づいて特定された第2始動入賞コマンド(後に詳述)等を記憶可能な第2特図保留演出記憶部95bと、第1特別図柄および第2特別図柄に共通の当該変動用演出記憶部(第0記憶領域)95cとが設けられている。第1特図保留演出記憶部95aは、図10(B)に示すように、記憶可能な第1特図保留の数に対応して4つの記憶領域(第1記憶領域~第4記憶領域)に分けられている。また第2特図保留演出記憶部95bは、図10(C)に示すように、記憶可能な第2特図保留の数に対応して4つの記憶領域(第1記憶領域~第4記憶領域)からなる。
さらに各記憶領域には、図10(D)に示すように、2つの記憶領域が含まれている。これらの2つの記憶領域とは、始動入賞コマンドを記憶する始動入賞コマンド記憶領域、後述する演出保留画像(特図保留画像)9の表示態様を示すデータ(特図保留表示態様データ)を記憶する保留表示態様データ記憶領域である。なお当該変動用演出記憶部95cもこれらの4つの記憶領域を含んでいる。
サブ制御基板90には、図8に示すように、画像制御基板100、音声制御基板106、サブ駆動基板107が接続されている。サブ制御基板90の演出制御用マイコン91は、主制御基板80から受信したコマンドに基づいて、画像制御基板100のCPU102に画像表示装置7の表示制御を行わせる。
画像制御基板100は、画像表示等の制御のためのプログラム等を記憶したROM103、ワークメモリとして使用されるRAM104、及びROM103に記憶されたプログラムを実行するCPU102を備えている。なお、ROM103には、画像表示装置7に表示される静止画データや動画データ、具体的にはキャラクタ、アイテム、図形、文字、数字および記号等(演出図柄を含む)や背景画像等の画像データが格納されている。画像制御基板100のCPU102は、演出制御用マイコン91からの指令に基づいてROM103から画像データを読み出す。そして、読み出した画像データに基づいて表示制御を実行する。
また演出制御用マイコン91は、主制御基板80から受信したコマンドに基づいて、音声制御基板106を介してスピーカ67から音声、楽曲、効果音等を出力する。スピーカ67から出力する音声等の音声データは、サブ制御基板90のROM93に格納されている。なお、音声制御基板106にCPUを実装してもよく、その場合、そのCPUに音声制御を実行させてもよい。さらにこの場合、音声制御基板106にROMを実装してもよく、そのROMに音声データを格納してもよい。また、スピーカ67を画像制御基板100に接続し、画像制御基板100のCPU102に音声制御を実行させてもよい。さらにこの場合、画像制御基板100のROM103に音声データを格納してもよい。
また演出制御用マイコン91は、主制御基板80から受信したコマンドに基づいて、サブ駆動基板107及び中継基板108を介して枠ランプ66、盤ランプ5等のランプの点灯制御を行う。詳細には演出制御用マイコン91は、各ランプの発光態様を決める発光パターンデータ(点灯/消灯や発光色等を決めるデータ、ランプデータともいう)を作成し、発光パターンデータに従って枠ランプ66、盤ランプ5等のランプの発光を制御する。なお、発光パターンデータの作成にはサブ制御基板90のROM93に格納されているデータを用いる。
さらに演出制御用マイコン91は、主制御基板80から受信したコマンドに基づいて、サブ駆動基板107及び中継基板108を介して盤可動体15を駆動させることが可能である。詳細には演出制御用マイコン91は、RAM94の所定の駆動データバッファに、盤可動体15の動作態様を決める盤可動体駆動データをセットする。これにより、盤可動体駆動モータ15aが回転駆動して、盤可動体15が図4(A)に示す待機位置から図4(B)に示す動作位置へ駆動可能になっている。盤可動体15が図4(A)に示す待機位置から図4(B)に示す動作位置へ駆動する演出を「盤可動体駆動演出」と呼ぶことにする。
また演出制御用マイコン91は、主制御基板80から受信したコマンドに基づいて、サブ駆動基板107及び中継基板108を介して枠可動体600を駆動させることが可能である。詳細には演出制御用マイコン91は、RAM94の所定の駆動データバッファに、枠可動体600の動作態様を決める枠可動体駆動データをセットする。これにより、枠可動体駆動モータ600aが回転駆動して、枠可動体600が図2(A)に示す収納位置から図2(B)に示す突出位置へ駆動可能になっている。枠可動体600が図2(A)に示す収納位置から図2(B)に示す突出位置へ駆動する演出を「枠可動体駆動演出」と呼ぶことにする。
また演出制御用マイコン91は、主制御基板80から受信したコマンドに基づいて、サブ駆動基板107及び中継基板108を介して剣可動体300を駆動させることが可能である。詳細には演出制御用マイコン91は、RAM94の所定の駆動データバッファに、剣可動体300の動作態様を決める剣可動体駆動データをセットする。これにより、剣可動体駆動モータ300aが回転駆動して、剣可動体300が図5(A)に示す退避位置から図5(B)に示す露出位置へ駆動可能になっている。剣可動体300が図5(A)に示す退避位置から図5(B)に示す露出位置へ駆動する演出を「剣可動体駆動演出」と呼ぶことにする。
なお変形例として、サブ駆動基板107にCPUを実装してもよく、そのCPUにランプの点灯制御や、盤可動体15又は枠可動体600の駆動制御を実行させてもよい。さらにこの場合、サブ駆動基板107にROMを実装してもよく、そのROMにランプデータや駆動データに関するデータを格納してもよい。
サブ制御基板90には、演出ボタン検出SW(スイッチ)63a及びセレクトボタン検出スイッチ64aが接続されている。演出ボタン検出スイッチ63aは、演出ボタン63(図1参照)が押下操作されたことを検出するものである。演出ボタン63が押下操作されると、演出ボタン検出スイッチ63aからサブ制御基板90に対して検出信号が出力される。セレクトボタン検出スイッチ64aは、セレクトボタン64(図1参照)が押下操作されたことを検出するものである。セレクトボタン64が押下操作されると、セレクトボタン検出スイッチ64aからサブ制御基板90に対して検出信号が出力される。
なお図7及び図8は、あくまで本パチンコ遊技機1における電気的な構成を説明するための機能ブロック図であり、図7及び図8に示す基板だけが設けられているわけではない。主制御基板80を除いて、図7又は図8に示す何れか複数の基板を1つの基板として構成しても良く、図7又は図8に示す1つの基板を複数の基板として構成しても良い。
3.大当たり等の説明
本形態のパチンコ遊技機1では、大当たり抽選(特別図柄抽選)の結果として、「大当たり」と「はずれ」がある。「大当たり」のときには、特別図柄表示器41に「大当たり図柄」が停止表示される。「はずれ」のときには、特別図柄表示器41に「ハズレ図柄」が停止表示される。大当たりに当選すると、停止表示された特別図柄の種類(大当たりの種類)に応じた開放パターンにて、大入賞口(大入賞口30)を開放させる「大当たり遊技」が実行される。大当たり遊技を特別遊技ともいう。
大当たり遊技は、本形態では、複数回のラウンド遊技(単位開放遊技)と、初回のラウンド遊技が開始される前のオープニング(OPとも表記する)と、最終回のラウンド遊技が終了した後のエンディング(EDとも表記する)とを含んでいる。各ラウンド遊技は、OPの終了又は前のラウンド遊技の終了によって開始し、次のラウンド遊技の開始又はEDの開始によって終了する。ラウンド遊技間の大入賞口の閉鎖の時間(インターバル時間)は、その閉鎖前の開放のラウンド遊技に含まれる。
大当たりには複数の種別がある。大当たりの種別は図11(A)に示す通りである。図11(A)に示すように、本形態では2つの種別がある。確変大当たりと通常大当たりである。「確変大当たり」は、大当たり遊技後に後述する高確率状態に制御されることになる大当たりである。「通常大当たり」は、大当たり遊技後に後述する通常確率状態に制御されることになる大当たりである。
特図1(第1特別図柄)の抽選で当選可能な「16R確変大当たり1」又は特図2(第2特別図柄)の抽選で当選可能な「16R確変大当たり2」は、図11(B)に示すように、1Rから16Rまで大入賞口30を1R当たり最大25.0秒にわたって開放する大当たりである。特図1の抽選によって「確変大当たり」に当選した場合には、第1特別図柄表示器41aに「特図1_大当たり図柄1」が停止表示される。また特図2の抽選によって「確変大当たり」に当選した場合には、第2特別図柄表示器41bに「特図2_大当たり図柄1」が停止表示される。
これに対して、特図1の抽選で当選可能な「16R通常大当たり1」又は特図2の抽選で当選可能な「16R通常大当たり2」は、図11(B)に示すように、1R~12Rまでは大入賞口30を1R当たり最大25.0秒にわたって開放し、13R~16Rまでは大入賞口30を1R当たり最大0.1秒にわたって開放する大当たりである。つまり、これらの大当たりの総ラウンド数は16Rであるものの、実質的なラウンド数は12Rである。実質的なラウンド数とは、1ラウンド当たりの入賞上限個数(本形態では8個)まで遊技球が入賞可能なラウンド数のことである。これら「通常大当たり」では13Rから16Rまでは、大入賞口30の開放時間が極めて短く、賞球の見込めないラウンドになっている。特図1の抽選によって「通常大当たり」に当選した場合には、第1特別図柄表示器41aに「特図1_大当たり図柄2」が停止表示される。また特図2の抽選によって「通常大当たり」に当選した場合には、第2特別図柄表示器41bに「特図2_大当たり図柄2」が停止表示される。
但し、「通常大当たり」に当選して大当たり遊技後に通常確率状態に制御された場合であっても、後述する時短状態には制御される。この場合の時短回数は100回に設定される。時短回数とは、時短状態における特別図柄の変動表示の上限実行回数のことである。なお本形態では、図11(A)に示すように、特図1の抽選における大当たりの振分率、及び特図2の抽選における大当たりの振分率は共に、確変大当たりが65%、通常大当たりが35%になるように設定されている。
ここで本パチンコ遊技機1では、大当たりか否かの抽選は「大当たり乱数」に基づいて行われ、当選した大当たりの種別の抽選は「当たり種別乱数」に基づいて行われる。図12(A)に示すように、大当たり乱数は0~65535までの範囲で値をとる。当たり種別乱数は、0~99までの範囲で値をとる。なお、第1始動口20又は第2始動口21への入賞に基づいて取得される乱数には、大当たり乱数および当たり種別乱数の他に、「リーチ乱数」および「変動パターン乱数」がある。
リーチ乱数は、大当たり判定の結果がハズレである場合に、その結果を示す演出図柄変動演出においてリーチを発生させるか否かを決める乱数である。リーチとは、複数の演出図柄のうち変動表示されている演出図柄が残り一つとなっている状態であって、変動表示されている演出図柄がどの図柄で停止表示されるか次第で大当たり当選を示す演出図柄の組み合わせとなる状態(例えば「7↓7」の状態)のことである。なお、リーチ状態において停止表示されている演出図柄は、表示画面7a内で多少揺れているように表示されていたり、拡大と縮小を繰り返すように表示されていたりしてもよい。このリーチ乱数は、0~127までの範囲で値をとる。
また、変動パターン乱数は、変動時間を含む変動パターンを決めるための乱数である。変動パターン乱数は、0~99までの範囲で値をとる。また、ゲート28への通過に基づいて取得される乱数には、図12(B)に示す普通図柄乱数(当たり乱数)がある。普通図柄乱数は、電チュー22を開放させる補助遊技を行うか否かの抽選(普通図柄抽選)のための乱数である。普通図柄乱数は、0~255までの範囲で値をとる。
4.遊技状態の説明
次に、本形態のパチンコ遊技機1の遊技状態に関して説明する。パチンコ遊技機1の特別図柄表示器41および普通図柄表示器42には、それぞれ、確率変動機能と変動時間短縮機能がある。特別図柄表示器41の確率変動機能が作動している状態を「高確率状態」といい、作動していない状態を「通常確率状態(非高確率状態)」という。高確率状態では、大当たり確率が通常確率状態よりも高くなっている。すなわち、大当たりと判定される大当たり乱数の値が通常確率状態で用いる大当たり判定テーブルよりも多い大当たり判定テーブルを用いて、大当たり判定を行う(図13(A)参照)。つまり、特別図柄表示器41の確率変動機能が作動すると、作動していないときに比して、特別図柄表示器41による特別図柄の可変表示の表示結果(すなわち停止図柄)が大当たり図柄となる確率が高くなる。
また、特別図柄表示器41の変動時間短縮機能が作動している状態を「時短状態」といい、作動していない状態を「非時短状態」という。時短状態では、特別図柄の変動時間(変動表示開始時から表示結果の導出表示時までの時間)が、非時短状態よりも短くなっている。すなわち、変動時間の短い変動パターンが選択されることが非時短状態よりも多くなるように定められた特図変動パターンテーブルを用いて、変動パターンの判定を行う(図14参照)。つまり、特別図柄表示器41の変動時間短縮機能が作動すると、作動していないときに比して、特別図柄の可変表示の変動時間として短い変動時間が選択されやすくなる。その結果、時短状態では、特図保留の消化のペースが速くなり、始動口への有効な入賞(特図保留として記憶され得る入賞)が発生しやすくなる。そのため、スムーズな遊技の進行のもとで大当たりを狙うことができる。
特別図柄表示器41の確率変動機能と変動時間短縮機能とは同時に作動することもあるし、片方のみが作動することもある。そして、普通図柄表示器42の確率変動機能および変動時間短縮機能は、特別図柄表示器41の変動時間短縮機能に同期して作動するようになっている。すなわち、普通図柄表示器42の確率変動機能および変動時間短縮機能は、時短状態において作動し、非時短状態において作動しない。よって、時短状態では、普通図柄抽選における当選確率が非時短状態よりも高くなっている。すなわち、当たりと判定される普通図柄乱数(当たり乱数)の値が非時短状態で用いる普通図柄当たり判定テーブルよりも多い普通図柄当たり判定テーブルを用いて、当たり判定(普通図柄の判定)を行う(図13(C)参照)。つまり、普通図柄表示器42の確率変動機能が作動すると、作動していないときに比して、普通図柄表示器42による普通図柄の可変表示の表示結果が、普通当たり図柄となる確率が高くなる。
また時短状態では、普通図柄の変動時間が非時短状態よりも短くなっている。本形態では、普通図柄の変動時間は非時短状態では30秒であるが、時短状態では1秒である(図13(D)参照)。さらに時短状態では、補助遊技における電チュー22の開放時間が、非時短状態よりも長くなっている(図15参照)。すなわち、電チュー22の開放時間延長機能が作動している。加えて時短状態では、補助遊技における電チュー22の開放回数が非時短状態よりも多くなっている(図15参照)。すなわち、電チュー22の開放回数増加機能が作動している。
普通図柄表示器42の確率変動機能と変動時間短縮機能、および電チュー22の開放時間延長機能と開放回数増加機能が作動している状況下では、これらの機能が作動していない場合に比して、電チュー22が頻繁に開放され、第2始動口21へ遊技球が頻繁に入賞することとなる。その結果、発射球数に対する賞球数の割合であるベースが高くなる。従って、これらの機能が作動している状態を「高ベース状態」といい、作動していない状態を「低ベース状態」という。高ベース状態では、手持ちの遊技球を大きく減らすことなく大当たりを狙うことができる。なお高ベース状態とは、いわゆる電サポ制御(電チュー22により第2始動口21への入賞をサポートする制御)が実行されている状態である。よって、高ベース状態を電サポ制御状態や入球容易状態ともいう。これに対して、低ベース状態を非電サポ制御状態や非入球容易状態ともいう。
高ベース状態は、上記の全ての機能が作動するものでなくてもよい。すなわち、普通図柄表示器42の確率変動機能、普通図柄表示器42の変動時間短縮機能、電チュー22の開放時間延長機能、および電チュー22の開放回数増加機能のうち一つ以上の機能の作動によって、その機能が作動していないときよりも電チュー22が開放され易くなっていればよい。また高ベース状態は、時短状態に付随せずに独立して制御されるようにしてもよい。
本形態のパチンコ遊技機1では、確変大当たりへの当選に基づく大当たり遊技後の遊技状態は、高確率状態かつ時短状態かつ高ベース状態である。この遊技状態を特に、「高確高ベース状態」という。本形態の高確高ベース状態は、後述するように、実質的に次回の大当たりに当選してその大当たり遊技後が開始されるまで継続するようになっている。つまり高確高ベース状態は、遊技者にとって手持ちの遊技球を大きく減らすことなく次回の大当たりの当選を獲得できる非常に有利な状態である。
また、通常大当たりへの当選に基づく大当たり遊技後の遊技状態は、通常確率状態(非高確率状態すなわち低確率状態)かつ時短状態かつ高ベース状態である。この遊技状態を特に、「低確高ベース状態」という。低確高ベース状態は、所定回数(本形態では100回)の特別図柄の可変表示が実行されるか、又は、大当たりに当選してその大当たり遊技が開始されることにより終了する。
なお、パチンコ遊技機1を初めて遊技する場合において電源投入後の遊技状態は、通常確率状態かつ非時短状態かつ低ベース状態である。この遊技状態を特に、「低確低ベース状態」という。低確低ベース状態を「通常遊技状態」と称することもある。また、大当たり遊技(特別遊技)の実行中の状態を「大当たり遊技状態(特別遊技状態)」と称することとする。さらに、高確率状態および高ベース状態のうち少なくとも一方の状態に制御されている状態を、「特典遊技状態」と称することとする。
高確高ベース状態や低確高ベース状態といった高ベース状態では、右打ちにより右遊技領域3B(図3参照)へ遊技球を進入させた方が有利に遊技を進行できる。電サポ制御により低ベース状態と比べて電チュー22が開放されやすくなっており、第1始動口20への入賞よりも第2始動口21への入賞の方が容易となっているからである。そのため、普通図柄抽選の契機となるゲート28へ遊技球を通過させつつ、第2始動口21へ遊技球を入賞させるべく右打ちを行う。これにより左打ちをするよりも、多数の始動入賞(始動口への入賞)を得ることができる。なお本パチンコ遊技機1では、大当たり遊技中も右打ちにて遊技を行う。
これに対して、低ベース状態では、左打ちにより左遊技領域3A(図3参照)へ遊技球を進入させた方が有利に遊技を進行できる。電サポ制御が実行されていないため、高ベース状態と比べて電チュー22が開放されにくくなっており、第2始動口21への入賞よりも第1始動口20への入賞の方が容易となっているからである。そのため、第1始動口20へ遊技球を入賞させるべく左打ちを行う。これにより右打ちするよりも、多数の始動入賞を得ることができる。
5.始動入賞コマンドについて
本形態のパチンコ遊技機1は、後述するように所謂先読み演出を実行可能である。先読み演出とは、始動入賞によって取得された判定情報(大当たり乱数等の乱数値)に基づき特定された始動入賞コマンド(入賞情報)を利用して、その始動入賞に基づく特図変動(特別図柄の変動表示)の開始直前の当否判定(特図1大当たり判定処理,特図2大当たり判定処理,第1判定)よりも前に、その始動入賞に対する大当たり期待度や確変大当たり期待度を示唆する演出である。本形態では先読み演出として、弱体化演出と保留変化演出がある。弱体化演出と保留変化演出については後述する。
図16に示すように、本形態において生成される始動入賞コマンドは、2バイト(1バイトの上位コマンドと1バイトの下位コマンド)からなっている。この始動入賞コマンドには、大当たりか否かを示す当否情報が含まれている。本形態では下位コマンド(16進数で2桁)の下の桁の値が、「1」,「2」,「6」,「7」であれば、大当たりであることを示す当否情報が含まれている。更に始動入賞コマンドには、確変大当たり又は通常大当たりのどちらの大当たりであるかを示す当たり種別情報が含まれている。本形態では下位コマンドの下の桁が、「1」,「6」であれば確変大当たりであることを示す当たり種別情報が含まれ、「2」,「7」であれば、通常大当たりであることを示す当たり種別情報が含まれている。
その他に、始動入賞コマンドには、第1始動口20と第2始動口21とのどちらの始動口に入賞したのかを示す始動口情報、非時短状態と時短状態とのどちらの遊技状態で入賞したのかを示す遊技状態情報、入賞時の特図保留球数を示す特図保留球数情報、リーチを形成するか否かを示すリーチ情報、SPリーチを形成するか否かを示すSPリーチ情報等が含まれている。ここでSPリーチ(スーパーリーチ)とは、ノーマルリーチよりもリーチ後の変動時間が長いリーチである。なお始動入賞コマンドは、少なくとも大当たりか否かの当否情報を含むものであればよく、始動入賞コマンドにどのような情報を含ませるかは適宜変更可能である。
本形態では図16に示すように、始動入賞コマンドには、特図2の抽選でSPリーチを伴う確変大当たりになる場合に、後述する弱体化演出の実行を示す情報(弱体化演出用SPリーチ確変大当たりを示す情報)が含まれる場合がある。また始動入賞コマンドには、特図2の抽選でSPリーチを伴う通常大当たりになる場合に、弱体化演出の実行を示す情報(弱体化演出用SPリーチ通常大当たりを示す情報)が含まれる場合がある。また始動入賞コマンドには、特図2の抽選でドハズレになる場合に、弱体化演出の実行を示す情報(弱体化演出用ハズレを示す情報)が含まれる場合がある。
6.遊技制御用マイコン81の動作
[主制御メイン処理]次に図17~図31に基づいて遊技制御用マイコン81の動作について説明する。なお、遊技制御用マイコン81の動作説明にて登場するカウンタ、タイマ、フラグ、ステータス、バッファ等は、RAM84に設けられている。主制御基板80に備えられた遊技制御用マイコン81は、パチンコ遊技機1の電源がオンされると、ROM83から図17に示した主制御メイン処理のプログラムを読み出して実行する。同図に示すように、主制御メイン処理では、まず初期設定を行う(ステップS001)。初期設定では例えば、スタックの設定、定数設定、割り込み時間の設定、CPU82の設定、SIO、PIO、CTC(割り込み時間の管理のための回路)の設定や、各種のフラグ、ステータス及びカウンタ等のリセット等を行う。フラグの初期値は「0」つまり「OFF」であり、ステータスの初期値は「1」であり、カウンタの初期値は「0」である。なお初期設定(S001)は、電源投入後に一度だけ実行され、それ以降は実行されない。
初期設定(S001)に次いで、割り込みを禁止し(S002)、普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S003)を実行する。この普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S003)では、図12に示した種々の乱数カウンタ値を1加算して更新する。各乱数カウンタ値は上限値に至ると「0」に戻って再び加算される。なお各乱数カウンタの初期値は「0」以外の値であってもよく、ランダムに変更されるものであってもよい。また各乱数は、カウンタIC等からなる公知の乱数生成回路を利用して生成される所謂ハードウェア乱数であってもよい。
普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S003)が終了すると、割り込みを許可する(S004)。割り込み許可中は、メイン側タイマ割り込み処理(S005)の実行が可能となる。メイン側タイマ割り込み処理(S005)は、例えば4msec周期でCPU82に繰り返し入力される割り込みパルスに基づいて実行される。すなわち、例えば4msec周期で実行される。そして、メイン側タイマ割り込み処理(S005)が終了してから、次にメイン側タイマ割り込み処理(S005)が開始されるまでの間に、普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S003)による各種カウンタ値の更新処理が繰り返し実行される。なお、割り込み禁止状態のときにCPU82に割り込みパルスが入力された場合は、メイン側タイマ割り込み処理(S005)はすぐには開始されず、割り込み許可(S004)がされてから開始される。
[メイン側タイマ割り込み処理]次に、メイン側タイマ割り込み処理(S005)について説明する。図18に示すように、メイン側タイマ割り込み処理(S005)では、まず出力処理(S101)を実行する。出力処理(S101)では、以下に説明する各処理において主制御基板80のRAM84に設けられた出力バッファにセットされたコマンド等を、サブ制御基板90や払出制御基板110等に出力する。
出力処理(S101)に次いで行われる入力処理(S102)では、主にパチンコ遊技機1に取付けられている各種センサ(第1始動口センサ20a、第2始動口センサ21a、大入賞口センサ30a、普通入賞口センサ27a等(図7参照))が検知した検出信号を読み込み、賞球情報としてRAM84の出力バッファに記憶(セット)する。また、下皿62の満杯を検出する下皿満杯スイッチからの検出信号も取り込み、下皿満杯データとしてRAM84の出力バッファに記憶する。
次に行われる普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S103)は、図17の主制御メイン処理で行う普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S003)と同じである。即ち、図12に示した各種乱数カウンタ値(普通図柄乱数カウンタ値も含む)の更新処理は、メイン側タイマ割り込み処理(S005)の実行期間と、それ以外の期間(メイン側タイマ割り込み処理(S005)の終了後、次のメイン側タイマ割り込み処理(S005)が開始されるまでの期間)との両方で行われている。
普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S103)に次いで、後述するセンサ検出処理(S104)、普通動作処理(S105)、および特別動作処理(S106)を実行する。その後、その他の処理(S107)を実行して、メイン側タイマ割り込み処理(S005)を終了する。その他の処理(S107)としては、後述の特図2保留球数に基づいて第2特図保留表示器43bをその数を示す表示態様に制御したり、後述の特図1保留球数に基づいて第1特図保留表示器43aをその数を示す表示態様に制御したりする。そして、次にCPU82に割り込みパルスが入力されるまでは主制御メイン処理のステップS002~S004の処理が繰り返し実行され(図17参照)、割り込みパルスが入力されると(約4msec後)、再びメイン側タイマ割り込み処理(S005)が実行される。再び実行されたメイン側タイマ割り込み処理(S005)の出力処理(S101)においては、前回のメイン側タイマ割り込み処理(S005)にてRAM84の出力バッファにセットされたコマンド等が出力される。
[センサ検出処理]図19に示すように、センサ検出処理(S104)ではまず、ゲート28に遊技球が通過したか否か、即ち、ゲートセンサ28aによって遊技球が検出されたか否か判定する(S201)。ゲート28を遊技球が通過していれば(S201でYES)、後述のゲート通過処理を行う(S202)。一方、遊技球がゲート28を通過していなければ(S201でNO)、ゲート通過処理(S202)をパスしてステップS203に進む。
ステップS203では、第2始動口21に遊技球が入賞したか否か、即ち、第2始動口センサ21aによって遊技球が検出されたか否か判定する(S203)。第2始動口21に遊技球が入賞していない場合(S203でNO)にはステップS209に進むが、第2始動口21に遊技球が入賞した場合には(S203でYES)、特図2保留球数(第2特図保留の数、具体的にはRAM84に設けた第2特図保留の数をカウントするカウンタの数値)が「4」(上限数)に達しているか否か判定する(S204)。そして、特図2保留球数が「4」に達している場合(S204でYES)には、ステップS209に進むが、特図2保留球数が「4」未満である場合には(S204でNO)、特図2保留球数に1を加算する(S205)。なお特図2保留球数の上限数は「4」に限られるものではなく、適宜変更可能である。
続いて特図2関係乱数取得処理を行う(S206)。特図2関係乱数取得処理(S206)では、大当たり乱数カウンタ値(ラベル-TRND-A)、当たり種別乱数カウンタ値(ラベル-TRND-AS)、リーチ乱数カウンタ値(ラベル-TRND-RC)及び変動パターン乱数カウンタ値(ラベル-TRND-T1)を取得する(つまり図12(A)に示す乱数値群を取得する)。
続いて第2始動入賞コマンド特定処理を行う(S207)。第2始動入賞コマンド特定処理(S207)では、ステップS206で取得した乱数値群に基づき、図16に示す始動入賞コマンド特定テーブルを用いて始動入賞コマンド(以下「第2始動入賞コマンド」ともいう)を特定する。特定された第2始動入賞コマンドには上述したように、当否情報、当たり種別情報、始動口情報、特図保留球数情報、リーチ情報、SPリーチ情報等が含まれている。特定された第2始動入賞コマンドは、RAM84の出力バッファにセットされる。ここで第2始動入賞コマンド特定処理(S207)において、遊技制御用マイコン81は、第2始動入賞コマンドに当否情報を含めているため、後述する第2大当たり判定処理(S1402,第1判定)が行われるよりも前に、大当たりになるかの先読み判定を行っているといえる。つまり、第2始動入賞コマンド特定処理(S207)は、当否判定よりも前に大当たり遊技状態になるかを判断する先読み判定(第2判定)ともいえる。
なお、先読み判定では、当否判定、当たり種別(大当たり図柄)の判定、始動口の種類の判定、特図保留球数の判定、リーチの有無の判定、SPリーチの有無の判定などを行っているが、先読み判定にどのような判定を含ませるかは適宜変更可能である。
そして遊技制御用マイコン81は、ステップS206で取得した図12(A)に示す乱数値群(特図2関係乱数)を、第2特図保留記憶部85bのうち現在の特図2保留球数に応じた記憶領域に格納する(S208)。具体的には、特図2保留球数が「1」の場合には特図2関係乱数を第2特図保留記憶部85bの第1記憶領域に格納し、特図2保留球数が「2」の場合には特図2関係乱数を第2特図保留記憶部85bの第2記憶領域に格納し、特図2保留球数が「3」の場合には特図2関係乱数を第2特図保留記憶部85bの第3記憶領域に格納し、特図2保留球数が「4」の場合には特図2関係乱数を第2特図保留記憶部85bの第4記憶領域に格納する(図9(B)参照)。
続いてセンサ検出処理(S104)では、第1始動口20に遊技球が入賞したか否か、即ち、第1始動口センサ20aによって遊技球が検出されたか否かを判定する(S209)。第1始動口20に遊技球が入賞していない場合(S209でNO)には処理を終えるが、第1始動口20に遊技球が入賞した場合には(S209でYES)、特図1保留球数(第1特図保留の数、具体的にはRAM84に設けた第1特図保留の数をカウントするカウンタの数値)が「4」(上限数)に達しているか否か判定する(S210)。そして、特図1保留球数が「4」に達している場合(S210でYES)には、処理を終えるが、特図1保留球数が「4」未満である場合には(S210でNO)、特図1保留球数に「1」を加算する(S211)。なお特図1保留球数の上限数は「4」に限られるものではなく、適宜変更可能である。
続いて特図1関係乱数取得処理を行う(S212)。特図1関係乱数取得処理(S212)では、大当たり乱数カウンタの値(ラベル-TRND-Aの値)、当たり種別乱数カウンタの値(ラベル-TRND-ASの値)、リーチ乱数カウンタの値(ラベル-TRND-RCの値)、及び変動パターン乱数カウンタの値(ラベル-TRND-T1の値)を取得する(つまり図12(A)に示す乱数値群を取得する)。
続いて第1始動入賞コマンド特定処理を行う(S213)。第1始動入賞コマンド特定処理(S213)では、ステップS212で取得した乱数値群に基づき、図16に示す始動入賞コマンド特定テーブルを用いて始動入賞コマンド(以下「第1始動入賞コマンド」ともいう)を特定する。特定された第1始動入賞コマンドには上述したように、当否情報、当たり種別情報、始動口情報、特図保留球数情報、リーチ情報、SPリーチ情報等が含まれている。特定された第1始動入賞コマンドは、RAM84の出力バッファにセットされる。ここで第1始動入賞コマンド特定処理(S213)において、遊技制御用マイコン81は、第1始動入賞コマンドに当否情報を含めているため、後述する第1大当たり判定処理(S1408,第1判定)が行われるよりも前に、大当たりになるかの先読み判定を行っているといえる。つまり、第1始動入賞コマンド特定処理(S213)は、当否判定よりも前に大当たり遊技状態になるかを判断する先読み判定(第2判定)ともいえる。
遊技制御用マイコン81は、ステップS212で取得した図12(A)に示す乱数値群(特図1関係乱数)を、第1特図保留記憶部85aのうち現在の特図1保留球数に応じた記憶領域に格納して(S214)、本処理を終える。具体的には、特図1保留球数が「1」の場合には特図1関係乱数を第1特図保留記憶部85aの第1記憶領域に格納し、特図1保留球数が「2」の場合には特図1関係乱数を第1特図保留記憶部85aの第2記憶領域に格納し、特図1保留球数が「3」の場合には特図1関係乱数を第1特図保留記憶部85aの第3記憶領域に格納し、特図1保留球数が「4」の場合には特図1関係乱数を第1特図保留記憶部85aの第4記憶領域に格納する(図9(A)参照)。
[ゲート通過処理]図20に示すようにゲート通過処理(S202)では、普通図柄保留球数(普図保留の数、具体的にはRAM84に設けた普図保留の数をカウントするカウンタの値)が4以上であるか否かを判定し(S301)、普通図柄保留球数が4以上であれば(S301でYES)、処理を終了する。一方、普通図柄保留球数が4以上でなければ(S301でNO)、普通図柄保留球数に「1」を加算し(S302)、普通図柄乱数取得処理を行う(S303)。普通図柄乱数取得処理(S303)では、普通図柄乱数カウンタ値(ラベル-TRND-Hの値、図12(B)参照)を取得し、その取得乱数値をRAM84の普図保留記憶部86のうち現在の普通図柄保留球数に応じた記憶領域に格納する。
[普通動作処理]遊技制御用マイコン81は、センサ検出処理(S104)に次いで普通動作処理(S105)を行う(図18参照)。図21に示すように、普通動作処理(S105)ではまず、電チュー22の作動中か否かを判定する(S401)。電チュー22の作動中でなければ(S401でNO)、続いて、普通図柄の停止表示中か否かを判定する(S402)。普通図柄の停止表示中でなければ(S402でNO)、続いて、普通図柄の変動表示中か否かを判定する(S403)。普通図柄の変動表示中でなければ(S403でNO)、続いて、普通図柄の保留球数が「0」か否かを判定する(S404)。普通図柄の保留球数が「0」であれば(S404でYES)、本処理を終える。
ステップS404において普通図柄の保留球数が「0」でなければ(S404でNO)、当たり判定処理を行う(S405)。当たり判定処理(S405)では、普図保留記憶部86に格納されている普通図柄乱数カウンタ値(ラベル-TRND-Hの値)を読み出し、図13(C)に示す普通図柄当たり判定テーブルに基づいて当たりか否か判定する。そして、当たり判定の結果に応じた普図停止図柄データをRAM84の所定の記憶領域にセットする図柄決定処理を行う(S406)。つまり図柄決定処理(S406)では、「ハズレ」であれば「普図ハズレ図柄」に応じたデータをセットし、「当たり」であれば「普通当たり図柄」に応じたデータをセットする。
続いて遊技制御用マイコン81は、普通図柄変動時間決定処理を行う(S407)。普通図柄変動時間決定処理(S407)では、図13(D)に示す普通図柄変動パターン選択テーブルを参照して、遊技状態が時短状態であれば、普通図柄の変動時間が1秒の普通図柄変動パターンを選択する。一方、遊技状態が非時短状態であれば、普通図柄の変動時間が30秒の普通図柄変動パターンを選択する。
次いで遊技制御用マイコン81は、普通図柄保留球数を1ディクリメントする(S408)。そして、普図保留記憶部86における各普図保留の格納場所(記憶領域)を現在の位置から読み出される側に一つシフトするとともに、普図保留記憶部86における保留4個目に対応する記憶領域(読み出される側から最も遠い記憶領域)をクリアする(S409)。このようにして、普図保留が保留された順に消化されるようにしている。その後、遊技制御用マイコン81は、ステップS407で選択した普通図柄変動パターンにて普通図柄の変動表示を開始する(S410)。なおこれに伴い、サブ制御基板90に普通図柄の変動開始を知らせるため、普通図柄変動開始コマンドをセットする。
上述のステップS403にて普通図柄の変動表示中であれば(S403でYES)、続いて、普通図柄の変動時間が経過したか否か判定し(S411)、経過していなければ処理を終える。一方、経過していれば(S411でYES)、普通図柄の変動表示を、普通図柄乱数の判定結果に応じた表示結果(普通当たり図柄又は普通ハズレ図柄)で停止させる(S412)。そして、サブ制御基板90に普通図柄の変動停止を知らせるための普通図柄変動停止コマンドをセットするとともに(S413)、普通図柄の停止時間をセットして(S414)本処理を終える。
また、上述のステップS402にて普通図柄の停止表示中であれば(S402でYES)、続いて、ステップS414でセットした普通図柄の停止時間が経過したか否か判定し(S415)、経過していなければ処理を終える。一方、経過していれば(S415でYES)、普通当たり図柄の普図停止図柄データがセットされているか否かを判定し(S416)、普通当たり図柄のデータでなければ(つまり当たりでなければ(S416でNO))、本処理を終える。一方、普通当たり図柄のデータであれば(つまり当たりであれば(S416でYES))、電チュー22の開放パターンをセットする(S417)。詳細には、時短状態中であれば、電チュー22の開放パターンとして時短状態中の開放パターン(図15の電チュー開放TBL2参照)をセットする。これに対して、非時短状態中であれば、電チュー22の開放パターンとして非時短状態中の開放パターン(図15の電チュー開放TBL1参照)をセットする。そして、ステップS417でセットした開放パターンに従って、電チュー22を作動させる(S418)。
また、上述のステップS401にて電チュー22の作動中であれば(S401でYES)、続いて、電チュー22の作動時間が経過したか否かを判定し(S419)、経過していなければ処理を終える。一方、経過していれば(S419でYES)、電チュー22の作動を終了させる(S420)。
[特別動作処理]遊技制御用マイコン81は、普通動作処理(S105)に次いで特別動作処理(S106)を行う(図18参照)。図22に示すように特別動作処理(S106)では、特別図柄表示器41および大入賞装置31に関する処理を4つの段階に分け、それらの各段階に「特別動作ステータス1,2,3,4」を割り当てている。そして、遊技制御用マイコン81は、「特別動作ステータス」が「1」である場合には(S1301でYES)、特別図柄待機処理(S1302)を行い、「特別動作ステータス」が「2」である場合には(S1301でNO、S1303でYES)、特別図柄変動中処理(S1304)を行い、「特別動作ステータス」が「3」である場合には(S1301,S1303で共にNO、S1305でYES)、特別図柄確定処理(S1306)を行い、「特別動作ステータス」が「4」である場合には(S1301,S1303,S1305の全てがNO)、特別電動役物処理(S1307)を行う。なお特別動作ステータスは、初期設定では「1」である。
[特別図柄待機処理]図23に示すように、特別図柄待機処理(S1302)ではまず、第2始動口21の保留球数(即ち特図2保留球数)が「0」であるか否かを判定する(S1401)。特図2保留球数が「0」である場合(S1401でYES)、即ち、第2始動口21への入賞に起因して取得した乱数カウンタ値群の記憶がない場合には、第1始動口20の保留球数(即ち特図1保留球数)が「0」であるか否かを判定する(S1407)。そして、特図1保留球数も「0」である場合(S1407でYES)、即ち、第1始動口20への入賞に起因して取得した乱数カウンタ値群の記憶もない場合には、客待ちフラグがONか否かを判定する(S1415)。ONであれば(S1415でYES)本処理を終え、ONでなければ(S1415でNO)、客待ちコマンドをRAM84の出力バッファにセットするとともに(S1416)、客待ちフラグをONにして(S1417)、本処理を終える。
ステップS1401において特図2保留球数が「0」でない場合(S1401でNO)、即ち、第2始動口21への入賞に起因して取得した乱数カウンタ値群の記憶(特図2の保留情報)が1つ以上ある場合には、後述の特図2大当たり判定処理(S1402)及び特図2変動パターン選択処理(S1403)を行う。その後、遊技制御用マイコン81は、特図2保留球数を1ディクリメントする(S1404)。そして、第2特図保留記憶部85bにおける各種カウンタ値の格納場所(記憶領域)を、現在の位置から読み出される側に一つシフトするとともに、第2特図保留記憶部85bにおける保留1個目に対応する記憶領域をクリアする(S1405)。続いて遊技制御用マイコン81は、特図2変動開始処理(S1406)を実行して、ステップS1413に進む。特図2変動開始処理(S1406)では、特別動作ステータスを「2」にセットするとともに変動開始コマンドをRAM84の出力バッファにセットして、第2特別図柄の変動表示を開始する。なお、特図2変動開始処理(S1406)でセットされる変動開始コマンド(特図2変動開始コマンドともいう)には、特図2大当たり判定処理(S1402)でセットされた特図停止図柄データの情報や特図2変動パターン選択処理(S1403)でセットされた変動パターンの情報(変動時間の情報を含む情報)が含まれている。
また、特図2保留球数が「0」であるが特図1保留球数が「0」でない場合(S1401でYES且つS1407でNO)、即ち、特図2の保留情報はないが、第1始動口20への入賞に起因して取得した乱数カウンタ値群の記憶(特図1の保留情報)が1つ以上ある場合には、後述の特図1大当たり判定処理(S1408)及び特図1変動パターン選択処理(S1409)を行う。その後、遊技制御用マイコン81は、特図1保留球数を1ディクリメントする(S1410)。そして、第1特図保留記憶部85aにおける各種カウンタ値の格納場所(記憶領域)を、現在の位置から読み出される側に一つシフトするとともに、第1特図保留記憶部85aにおける保留4個目に対応する記憶領域(読み出される側から最も遠い記憶領域)をクリアする(S1411)。このようにして、第1特図保留が保留された順に消化されるようにしている。続いて遊技制御用マイコン81は、特図1変動開始処理(S1412)を実行して、ステップS1413に進む。特図1変動開始処理(S1412)では、特別動作ステータスを「2」にセットするとともに変動開始コマンドをRAM84の出力バッファにセットして、第1特別図柄の変動表示を開始する。なお、特図1変動開始処理(S1412)でセットされる変動開始コマンド(特図1変動開始コマンドともいう)には、特図1大当たり判定処理(S1408)でセットされた特図停止図柄データの情報や特図1変動パターン選択処理(S1409)でセットされた変動パターンの情報(変動時間の情報を含む情報)が含まれている。
ステップS1413に進むと客待ちフラグがONか否かを判定し、ONであれば客待ちフラグをOFFして(S1414)、処理を終える。上記のように本形態では、第1特図保留に基づく特別図柄の変動表示は、第2特図保留が「0」の場合(S1401でYESの場合)に限って行われる。すなわち第2特図保留の消化は、第1特図保留の消化に優先して実行される。
[特図2大当たり判定処理(特図1大当たり判定処理)]特図2大当たり判定処理(S1402)と特図1大当たり判定処理(S1408)とは、処理の流れが同じであるため図24に基づいてまとめて説明する。図24に示すように、特図2大当たり判定処理(S1402)又は特図1大当たり判定処理(S1408)ではまず、判定値として、大当たり乱数カウンタ値(ラベル-TRND-Aの値)を読み出す(S1501)。詳細には、特図2大当たり判定処理(S1402)では、RAM84の第2特図保留記憶部85bの第1記憶領域(図9(B)参照)に記憶されている大当たり乱数カウンタ値を読み出す。また特図1大当たり判定処理(S1408)では、RAM84の第1特図保留記憶部85aの第1記憶領域(図9(A)参照)に記憶されている大当たり乱数カウンタ値を読み出す。
次に、大当たり判定テーブル(図13(A))をセットする(S1502)。次いで、確変フラグがONであるか否か、すなわち高確率状態であるか否かを判定する(S1503)。そして、高確率状態でなければ(S1503でNO)、すなわち通常確率状態(非高確率状態)であれば、大当たり判定テーブル(図13(A))のうち非高確率状態用のテーブル(大当たり判定値が「0」~「218」)に基づいて大当たりか否かを判定する(S1504)。一方、高確率状態であれば(S1503でYES)、大当たり判定テーブル(図13(A))のうち高確率状態用のテーブル(大当たり判定値が「0」~「1499」)に基づいて大当たりか否かを判定する(S1505)。
大当たり判定(S1504,S1505)の結果が「大当たり」であれば、当たり種別乱数カウンタ値(ラベル-TRND-ASの値)を読み出して、図11(A)に示す大当たり種別判定テーブルに基づいて当たり種別を判定する(S1506)。当たり種別を判定した後(S1506)、大当たりフラグをONにするとともに(S1507)、当たり種別に応じた特図停止図柄データ(図11(B)参照)を、RAM84に設けた当たり種別バッファにセットして(S1508)処理を終える。一方、大当たり判定(S1504,S1505)の結果が「ハズレ」であれば、ハズレ図柄に応じた特図停止図柄データをセットして(S1508)処理を終える。
[特図2変動パターン選択処理(特図1変動パターン選択処理)]特図2変動パターン選択処理(S1403)と特図1変動パターン選択処理(S1409)とは、処理の流れが同じであるため図25及び図26に基づいてまとめて説明する。図25に示すように、特図2変動パターン選択処理(S1403)又は特図1変動パターン選択処理(S1409)ではまず、遊技状態が時短状態か否か(時短フラグがONか否か)を判定する(S1601)。
時短状態でなければ(S1601でNO)、すなわち非時短状態であれば、続いて大当たりフラグがONか否かを判定する(S1602)。ONであれば(S1602でYES)、非時短状態中大当たり通常テーブル(図14に示す特図変動パターン判定テーブルのうち非時短状態且つ大当たりに該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値(ラベル-TRND-T1の値)に基づいて変動パターンを選択する(S1603)。図14に示すように、変動パターンが決まれば変動時間も決まる。
本パチンコ遊技機1では、SPリーチ(スーパーリーチ)が実行され得るように、変動パターンが選択される。SPリーチでは、当選期待度(大当たり当選に対する期待度)がノーマルリーチよりも高くなるように各種の変動パターンの振分率が設定されている(図14参照)。従って遊技者は、変動時間が長いSPリーチを見れば、ノーマルリーチよりも当選期待度が高いことを把握することができる。
図25に示すステップS1602において、大当たりフラグがONでなければ、リーチ乱数カウンタ値(ラベル-TRND-RCの値)がリーチ成立乱数値か否かを判定する(S1604)。なお、図13(B)に示すように、リーチ成立乱数値は非時短状態であれば「0」~「13」であり、時短状態であれば「0」~「5」である。すなわち、時短状態の方が非時短状態よりもハズレ時のリーチがかかりにくくなっている。これは、時短状態において変動時間の短いリーチ無しハズレがより多く選択されようにすることで、特図保留の消化スピードを早めるためである。
リーチ乱数カウンタ値がリーチ成立乱数値である場合(S1604でYES)、即ち、リーチ有りハズレの場合には、非時短状態中リーチ有りハズレテーブル(図14に示す特図変動パターン判定テーブルのうち非時短状態且つリーチ有りハズレに該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値に基づいて変動パターンを選択する(S1605)。
一方、リーチ乱数カウンタ値がリーチ成立乱数値でない場合(S1604でNO)、即ち、リーチ無しハズレの場合には、非時短状態中リーチ無しハズレテーブル(図14に示す特図変動パターン判定テーブルのうち非時短状態且つリーチ無しハズレに該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値に基づいて変動パターンを選択する(S1606)。このリーチ無しハズレ時には、保留球数に応じた短縮変動の機能が働くようになっている。すなわち、特別図柄の保留球数が「3」又は「4」であるときは、特別図柄の保留球数が「0」~「2」であるときに比して変動時間の短い変動パターンが選択されるようになっている。
またステップS1601において、遊技状態が時短状態であると判定した場合(S1601でYES)には、図26に示すように、参照する特図変動パターン判定テーブルを時短状態中のテーブル(図14に示す特図変動パターン判定テーブルのうち時短状態に該当する部分)にする事以外は上記ステップS1602~S1606と同様の流れで処理(S1607~S1611)を行う。
すなわち大当たりであれば、図14の時短状態中且つ大当たりに該当する部分を参照して、変動パターン乱数カウンタ値に基づいて変動パターンを選択する(S1608)。またリーチ有りハズレであれば、図14の時短状態中且つリーチ有りハズレに該当する部分を参照して、変動パターン乱数カウンタ値に基づいて変動パターンを選択する(S1610)。またリーチ無しハズレであれば、図14の時短状態中且つリーチ無しハズレに該当する部分を参照して、変動パターン乱数カウンタ値に基づいて変動パターンを選択する(S1611)。
なお、時短状態中の特図変動パターン判定テーブル(図14に示す特図変動パターン判定テーブルのうち時短状態に該当する部分)では、リーチ無しハズレ時の保留球数に応じた短縮変動の機能が保留球数「2」~「4」のときに働く。すなわち、非時短状態中よりも短縮変動が選択され易くなっている。また、短縮変動としての変動時間は、時短状態中の方が非時短状態中よりも短くなっている。つまり、時短状態中の特図変動パターン判定テーブルは、非時短状態中の特図変動パターン判定テーブルよりも変動時間が短くなるようなテーブルとなっている。
上記のようにして変動パターンの選択を行った後は、図25に示すように、選択した変動パターンをセットして(S1612)、本処理を終える。ステップS1612でセットした変動パターンの情報は、特別図柄待機処理(S1302)におけるステップS1406又はS1412でセットされる変動開始コマンドに含められて、出力処理(S101)によりサブ制御基板90に送られる。
[特別図柄変動中処理]図27に示すように、特別図柄変動中処理(S1304)ではまず、特別図柄の変動時間(ステップS1403又はS1409で選択された変動パターンに応じて決まる変動時間、図14参照)が経過したか否かを判定する(S1801)。経過していなければ(S1801でNO)、直ちにこの処理を終える。これにより特別図柄の変動表示が継続される。
一方、変動時間が経過していれば(S1801でYES)、変動停止コマンドをセットするとともに(S1802)、特別動作ステータスを「3」にセットする(S1803)。そして、特別図柄の変動表示を、セットされている特図停止図柄データに応じた図柄(大当たり図柄又はハズレ図柄)で停止させる等のその他の処理を行ってから(S1804)、この処理を終える。
[特別図柄確定処理]図28に示すように、特別図柄確定処理(S1306)ではまず、特別図柄の停止時間(ステップS1403又はS1409で選択された変動パターンに応じて決まる停止時間、図14参照)が経過したか否かを判定する(S1901)。経過していなければ(S1901でNO)、直ちにこの処理を終える。これにより特別図柄の停止表示が継続される。一方、停止時間が経過していれば(S1901でYES)、後述の遊技状態管理処理を行う(S1902)。
次に、大当たりフラグがONであるか否かを判定する(S1903)。大当たりフラグがONであれば(S1903でYES)、当選した大当たりの種別に応じた開放パターン(詳しくは図11(B)参照)をセットする(S1904)。なおこのときに、大当たり遊技中に実行した単位開放遊技(ラウンド遊技)の回数をカウントするラウンドカウンタの値を、当選した大当たりの種類に応じたラウンド数にセットする。なお、開放パターンのセット(開放パターンに応じたデータのセット)は、ラウンド毎に行うようにしてもよい。
遊技制御用マイコン81は、ステップS1904に続いて、遊技状態リセット処理を行う(S1905)。遊技状態リセット処理(S1905)ではまず、確変フラグがONであれば確変フラグをOFFにして、時短フラグがONであればOFFにする。つまり、大当たり遊技の実行中は、非高確率状態且つ非時短状態に制御される。その後、大当たり遊技を開始するべく、大当たりのオープニングコマンドをセットするとともに(S1906)、大当たり遊技のオープニングを開始する(S1907)。そして特別動作ステータスを「4」にセットして(S1908)、本処理を終える。
また、ステップS1903において大当たりフラグがONでなければ(S1903でNO)、大当たり遊技を開始しないため、特別動作ステータスを「1」にセットして(S1909)、本処理を終える。
[遊技状態管理処理]図29に示すように、遊技状態管理処理(S1902)ではまず、時短フラグがONか否か判定する(S2001)。ONであれば(S2001でYES)、時短状態中に実行した特別図柄の変動回数をカウントする時短カウンタの値を1ディクリメントして(S2002)、時短カウンタの値が「0」か否か判定する(S2003)。「0」であれば(S2003でYES)、時短フラグをOFFにして(S2004)、ステップS2005に進む。ステップS2001又はS2003の判定結果がNOであれば、直ちにステップS2005に進む。ステップS2005では、現在の遊技状態の情報(確変フラグ及び時短フラグがON又はOFFの何れであるかの情報)、時短カウンタの値の情報等を含む遊技状態指定コマンドをRAM84の出力バッファにセットして、本処理を終える。
[特別電動役物処理(大当たり遊技)]図30に示すように、特別電動役物処理(S1307)ではまず、大当たり終了フラグがONであるか否かを判定する(S2201)。大当たり終了フラグは、実行中の大当たり遊技において大入賞口30の開放が全て終了したことを示すフラグである。
大当たり終了フラグがONでなければ(S2201でNO)、大入賞口30の開放中か否かを判定する(S2202)。開放中でなければ(S2202でNO)、大入賞口30を開放させる時間に至ったか否か、すなわち大当たり遊技のオープニングの時間が経過して初回のラウンド遊技における開放開始の時間に至ったか、又は、一旦閉鎖した大入賞口30を再び開放させるまでのインターバル時間(閉鎖時間)が経過して開放開始の時間に至ったか否かを判定する(S2203)。
ステップS2203の判定結果がNOであれば、そのまま処理を終える。一方、ステップS2203の判定結果がYESであれば、大当たりの種類に応じた開放パターン(図11(B)参照)に従って大入賞口30を開放させる(S2204)。
続くステップS2205では、ラウンド指定コマンド送信判定処理を行う。ラウンド指定コマンド送信判定処理(S2205)では、ステップS2204での大入賞口30の開放が1回のラウンド遊技中での初めての開放か否かを判定し、そうであれば、実行中の大当たり遊技のラウンド数の情報を含むラウンド指定コマンドを、RAM84の出力バッファにセットする。なお本形態では、1回のラウンド遊技中に複数回の大入賞口30の開放がなされることはない。そのため、このステップS2205では、必ずラウンド指定コマンドがセットされることとなる。
特別電動役物処理(S1307)のステップS2202において、大入賞口30の開放中であれば(S2202でYES)、大入賞口30の閉鎖条件が成立しているか否かを判定する(S2206)。本形態では、閉鎖条件は、そのラウンド遊技における大入賞口30への入賞個数が規定の最大入賞個数(本形態では1R当たり8個)に達したこと、又は、大入賞口30を閉鎖させる時間に至ったこと(すなわち大入賞口30を開放してから所定の開放時間(図11(B)参照)が経過したこと)のいずれかが満たされていることである。そして、大入賞口30の閉鎖条件が成立していなければ(S2206でNO)、処理を終える。
これに対して、大入賞口30の閉鎖条件が成立している場合には(S2206でYES)、大入賞口30を閉鎖(閉塞)する(S2207)。そしてステップS2207の閉鎖によって1回のラウンド遊技が終了するか否かを判定する(S2008)。1回のラウンド遊技が終了しない場合には(S2208でNO)、本処理を終える。一方、1回のラウンド遊技終了する場合には(S2208でYES)、ラウンドカウンタの値を1ディクリメントし(S2209)、ラウンドカウンタの値が「0」であるか否か判定する(S2210)。「0」でなければ(S2210でNO)、次のラウンド遊技を開始するためにそのまま処理を終える。
一方「0」であれば(S2210でYES)、大当たり遊技を終了させる大当たり終了処理として、大当たりのエンディングコマンドをセットするとともに(S2211)、大当たりのエンディングを開始する(S2212)。そして、大当たり終了フラグをセットして(S2213)、処理を終える。
またステップS2201において大当たり終了フラグがONであれば(S2201でYES)、最終ラウンドが終了しているので、大当たりのエンディング時間が経過したか否かを判定する(S2214)。エンディング時間が経過していなければ(S2214でNO)処理を終える。一方、エンディング時間が経過していれば(S2214でYES)、大当たり終了フラグをOFFするとともに(S2215)、大当たりフラグをOFFし(S2216)、特別動作ステータスを「1」にセットする(S2217)。これにより、次回のメイン側タイマ割り込み処理(S005)において、特別動作処理(図22参照)として再び特別図柄待機処理(S1302)が実行されることになる。その後、後述の遊技状態設定処理(S2218)を行って、本処理を終える。
[遊技状態設定処理]図31に示すように、遊技状態設定処理(S2218)ではまず、大当たりの種類が確変大当たり(停止図柄が特図1_大当たり図柄1又は特図2_大当たり図柄1、図11(A)参照)であるか否かを判定する(S2301)。確変大当たりでなければ(S2301でNO)、時短フラグをONするとともに(S2305)、時短カウンタに「100」をセットして(S2306)、ステップS2307に進む。これにより、今回の大当たり遊技後の遊技状態が通常確率状態且つ時短状態且つ高ベース状態(すなわち低確高ベース状態)になる。この低確高ベース状態は、特別図柄の可変表示が100回行われること、又は次の大当たりに当選することのいずれかの条件の成立により終了する。
一方、ステップS2301において確変大当たりであれば、確変フラグをONするとともに(S2302)、時短フラグをONにする(S2303)。そして時短カウンタに「10000」をセットして(S2304)、ステップS2307に進む。これにより、今回の大当たり遊技後の遊技状態が、高確率状態且つ時短状態且つ高ベース状態(すなわち高確高ベース状態)になる。この高確高ベース状態は、実質的に次の大当たりに当選するまで継続することになる。つまり確変フラグは次回の大当たり遊技が開始されるまでOFFされることはない。そして時短カウンタの値が「10000」から「0」になるまで特別図柄の変動表示が実行されることがほぼあり得ないため、時短フラグも次回の大当たり遊技が開始されるまでOFFされることはない。
ステップS2307では、現在の遊技状態の情報(確変フラグ及び時短フラグがON又はOFFの何れであるかの情報)、時短カウンタの値の情報等を含む遊技状態指定コマンドをRAM84の出力バッファにセットして、本処理を終える。
以上、遊技制御用マイコン81の動作の説明から分かるように、本形態のパチンコ遊技機1は、大当たり遊技後に高確率状態に移行すれば、その高確率状態が実質的に次回の大当たりの当選まで継続する所謂「確変ループタイプ」になっている。そして高確率状態に制御されているときには、時短状態且つ高ベース状態にも制御されているため、持ち球がほとんど減ることがない。従って、高確率状態に制御されているときには、持ち球を減らさずに特図2の抽選で次回の大当たりの当選を獲得できるという非常に有利な状況になる。
しかしながらこの有利な状況において、次回当選する大当たりの種別が、確変大当たり又は通常大当たりのどちらであるのかが重要になってくる。確変大当たりであれば、大当たり遊技後に高確率状態に移行することで、再び大当たりの当選をほぼ獲得できるのに対して、通常大当たりであれば、大当たり遊技後に通常確率状態に移行するため、大当たりに当選し難くなる。従って遊技者には、高確率状態に制御されているときに、高確率状態が終了することになる通常大当たりではなく、高確率状態を再び獲得できる確変大当たりに当選することを期待させるというゲーム性になっている。
7.本形態の演出の特徴
次に演出制御用マイコン91の動作を説明する前に、本形態の演出の特徴を図57~図62に基づいて説明する。図57(A)(B)(C)に示すように、本形態のSPリーチには、弱SPリーチと、炎ロゴリーチと、金ロゴリーチとがある。金ロゴリーチでは、図57(A)に示すように表示画面7aにて金ロゴに変身した主人公キャラを示す画像X1が表示される。また炎ロゴリーチでは、図57(B)に示すように表示画面7aにて炎ロゴに変身した主人公キャラを示す画像W1が表示される。また弱SPリーチでは、図57(C)に示すように表示画面7aにて2頭身である主人公キャラを示す画像V1が表示される。
本形態では、弱SPリーチ⇒炎ロゴリーチ⇒金ロゴリーチの順番に、遊技者が望む演出の結果になる期待度が高くなるように設定されている。従って遊技者は、金ロゴリーチを見れば期待度が極めて高いことを把握することができ、炎ロゴリーチを見れば期待度がある程度高いことを把握することができ、弱SPリーチを見れば期待度があまり高くないことを把握することができる。ここで金ロゴリーチ又は炎ロゴリーチの場合には、変身した主人公キャラが敵キャラと戦うバトル演出(特定演出)が実行される。バトル演出では主人公キャラが敵キャラに勝利するバトル勝利、又は敵キャラに敗北するバトル敗北が示される。バトル勝利となる演出態様が「特定態様」に相当し、バトル敗北となる演出態様が「他の演出態様」に相当する。なお弱SPリーチでは、特定のミッションが成功するか否かを示す成否演出が実行される。
ところで本パチンコ遊技機1は、高確時短状態(高確率状態且つ時短状態)に制御されているときに、上述したように金ロゴリーチ又は炎ロゴリーチによるバトル演出を実行し得る。このバトル演出では、主人公キャラが敵キャラに勝利すれば確変大当たりに当選したことを示唆していて、主人公キャラが敵キャラに敗北すれば通常大当たりに当選したことを示唆する。即ち、本パチンコ遊技機1は上述したように所謂「確変ループタイプ」であるため、バトル演出で主人公キャラが敵キャラに勝利すれば、遊技者は確変大当たりによって再び高確率状態を獲得できる。その一方で、バトル演出で主人公キャラが敵キャラに敗北すれば、遊技者は通常大当たりによって通常確率状態に転落し得る。
ここで高確時短状態に制御されているときのバトル演出では、主人公キャラが敵キャラに敗北する可能性(以下「敗北可能性」という)を事前に示唆する危険度示唆演出(可能性示唆演出)を実行する。この危険度示唆演出の表示態様には、敗北可能性に応じた3つの危険表示態様がある。第1の危険表示態様(基準態様)では、図58(A)に示すように、表示画面7aに強敵キャラを示す敵画像(第1演出画像)T1が表示されると共に、「危険度」及び5つの星を示す星画像(第2演出画像)K5が表示される。図58(A)に示す敵画像T1及び星画像K5を見た遊技者には、通常大当たりに当選する可能性が高い(確変大当たりに当選する可能性が低い)ことを意識させることになる。
また第2の危険表示態様(基準態様)では、図58(B)に示すように、表示画面7aに中敵キャラを示す敵画像T2が表示されると共に、「危険度」及び4つの星を示す星画像K4が表示される。図58(B)に示す敵画像T2及び星画像K4を見た遊技者には、第1の危険表示態様に比べて敗北可能性が低いことを意識させることになる。即ち、バトル勝利となる可能性が、第1の危険表示態様よりも高いことを示唆している。
また第3の危険表示態様(基準態様)では、図58(C)に示すように、表示画面7aに弱敵キャラを示す敵画像T3が表示されると共に、「危険度」及び3つの星を示す星画像K3が表示される。図58(C)に示す敵画像T3及び星画像K3を見た遊技者には、第2の危険表示態様に比べて敗北可能性が低いことを意識させることになる。即ち、バトル勝利となる可能性が、第2の危険表示態様よりも高いことを示唆している。以上、第3の危険表示態様⇒第2の危険表示態様⇒第1の危険表示態様の順番に、強い敵キャラが現れていると共に星の数が多くなって、敗北可能性が高い(通常大当たりに当選し易い)ことを示唆している。
次に高確時短状態で炎ロゴリーチになった場合の演出の推移を、図59に基づいて説明する。通常、炎ロゴリーチの場合には、図59(A)に示すようにノーマルリーチを経て、図59(B)に示すように鎧準備演出が実行される。鎧準備演出は、弱SPリーチ又は炎ロゴリーチ或いは金ロゴリーチの何れになるのかを煽る発展煽り演出である。従って遊技者にとっては、鎧準備演出を見た時点では、弱SPリーチ又は炎ロゴリーチ或いは金ロゴリーチの何れになるのか未だ分からない。
図59(B)に示す鎧準備演出の後、図59(C)に示すように表示画面7aにて炎ロゴに変身した主人公キャラを示す画像W1が表示される。これにより遊技者には、炎ロゴリーチとしてバトル演出が実行されるのを把握させることになる。こうして変身した主人公キャラが表示された後、図59(D)に示すように第1の危険表示態様で危険度示唆演出が実行されたこととする。なお本パチンコ遊技機1においては、通常大当たりに当選していれば、第3の危険表示態様⇒第2の危険表示態様⇒第1の危険表示態様の順番で危険度示唆演出が実行され易い。一方、確変大当たりであれば、上記した逆の順番で危険度示唆演出が実行され易いように、演出の振分けが設定されている。
図59(D)に示す危険度示唆演出が実行された後、図59(E)に示すように主人公キャラが敵キャラに先制攻撃を行う画像S1(以下「主人公先制攻撃画像S1」という)が表示画面7aに示される場合と、図59(F)に示すように敵キャラが主人公キャラに先制攻撃を行う画像S2(以下「敵先制攻撃画像S2」という)が表示画面7aに示される場合とに分かれる。図59(E)に示す主人公先制攻撃画像S1が表示された後では、図59(G)に示すようにバトル勝利演出が実行される場合と、図59(H)に示すようにバトル敗北演出が実行される場合とがある。
バトル勝利演出では、主人公キャラが敵キャラに勝利する勝利画像Y1が表示画面7aに表示され、バトル敗北演出では、主人公キャラが敵キャラに敗北する敗北画像Y2が表示画面7aに表示される。一方、図59(F)に示す敵先制攻撃画像S2が表示された後でも同様に、図59(J)に示すようにバトル勝利演出が実行される場合と、図59(K)に示すようにバトル敗北演出が実行される場合とがある。なお本パチンコ遊技機1において、バトル勝利演出を実行する(確変大当たりである)場合には、主人公先制攻撃画像S1が敵先制攻撃画像S2よりも表示され易く、バトル敗北演出を実行する(通常大当たりである)場合には、その逆が表示され易いように、演出の振分けが設定されている。
以上、高確時短状態で炎ロゴリーチになった場合の演出の推移を説明したが、経験豊富な遊技者は、図59(C)に示すように変身した主人公キャラが表示された後に、敗北可能性を示唆する危険度示唆演出が実行されるのを十分に把握している。そして、危険度示唆演出が実行されるタイミングにて、例えば図59(D)に示すように、強敵キャラを示す敵画像T1と5つの星を示す星画像K5(第1の危険表示態様)を見れば、敗北可能性がどのくらいなのかも十分に把握してしまっている。要するに、経験豊富な遊技者にとっては、危険度示唆演出が実行されるタイミングと、それぞれの危険表示態様に対する敗北可能性を知り尽くしていることで、危険度示唆演出が既にありきたりな演出という印象を与える可能性があった。
そこで本形態では、危険度示唆演出を実行する前に、弱体化演出を実行し得るようにしている。弱体化演出(事前変化演出)は、危険度示唆演出で示すことになる敗北可能性を事前に減少させることを示す演出である。以下では、弱体化演出の一例を図60及び図61に基づいて説明する。
弱体化演出では、先ず図60(A)に示すように、変動演出中に例えば強敵キャラを示す敵画像T1と、「危険度」及び5つの星を示す星画像H5が表示画面7aに表示される。そのためこの場合には、遊技者に敗北可能性が非常に高いことを把握させることになる。なお弱体化演出で表示される星画像H5(図60(A)参照)は、危険度示唆演出で表示される星画像K5(図59(D)参照)と表示位置及び大きさが異なり、小さな星が表示画面7aの広範囲で表示される。そのため表示される星の数は同じであるものの、弱体化演出と危険度示唆演出とを区別することが可能である。こうして弱体化演出では、通常のSPリーチのように変身した主人公キャラが表示された後に敵画像と星画像が表示されるわけではなく、変動演出中にいきなり敵画像T1と星画像H5が表示されるため、遊技者に驚きを与えることが可能である。なお本形態では、星画像に色が付いていて、星画像で表示される星の数に応じて色が異なるようになっているが、この点については後述する。
その後、図60(B)に示すように、剣可動体300が退避位置(図5(A)参照)から露出位置(図5(B)参照)へ駆動する剣可動体駆動演出が実行される。このときに表示画面7aでは、星画像H5で表示されていた5つの星のうち2つの星が消える。これにより、剣可動体300の駆動で星を切っているように見せている。その結果、図60(C)に示すように、強敵キャラを示す敵画像T1と、「危険度」及び3つの星を示す星画像H3が表示画面7aに表示される。こうして表示されている星の数が減少することで、遊技者には敗北可能性が減少して、バトル勝利となる可能性が上昇したと思わせることが可能である。
続いて、図60(D)に示すように、剣可動体駆動演出が実行される。このときに表示画面7aでは、星画像H3で表示されていた3つの星のうち1つの星が消える。そして、残っている2つの星が表示画面7aの下側の中央に集まるように移動する。その結果、図60(E)に示すように、強敵キャラを示す敵画像T1と、「危険度」及び2つの星を示す星画像K2が表示画面7aに表示される危険度示唆演出が実行される。なお図60(E)に示す危険度示唆演出が実行されれば、その後に星の数が減少することはない。
このようにして、図60(A)~(D)に示す弱体化演出を経て、図60(E)に示す危険度示唆演出を実行することで、遊技者には敗北可能性が段階的に減少するのを把握させることが可能である。言い換えれば、強敵キャラを示す敵画像T1が表示されているにも拘わらず、星の数が減少していくことで、遊技者には強敵キャラが弱くなっていく印象を与えることが可能である。従って、強敵キャラを示す敵画像T1の表示で落胆している遊技者には、星の減少に伴ってバトル勝利演出への期待感を徐々に向上させていくことが可能である。
なお弱体化演出が「事前変化演出」に相当し、危険度示唆演出が「可能性示唆演出」に相当する。そして、敵キャラを示す敵画像が「第1演出画像」に相当し、星の数を示す星画像が「第2演出画像」に相当する。ここで図60に示す弱体化演出を例にすれば、敵画像において強敵キャラを示すと共に星画像において5つの星を示す表示態様が、「基準態様」に相当する。また敵画像において強敵キャラを示しつつ、星画像において5つよりも減少した星を示す表示態様が、「変化態様」に相当する。この「変化態様」とは、バトル勝利となる可能性が「基準態様」から変化していることを示す表示態様(つまり星の数の変化を示す表示態様)の意味であり、単に星の形状や大きさが変化した表示態様という意味ではない。
本パチンコ遊技機1では、複数回の特別図柄の変動表示にわたって弱体化演出(即ち星の数を減少させる星減少表示)を実行可能としている。なお図60では、星の減少表示を2回実行した場合を示している。本形態では、バトル演出の実行契機となる特別図柄の変動表示(当該変動)よりも3回前の特別図柄の変動表示(3変動前)から弱体化演出を実行可能である。そして、3変動前では弱体化演出を最大で1回、2変動前では弱体化演出を最大で1回、1変動前では弱体化演出を最大で1回実行可能としている。但し、当該変動よりも前に特別図柄の変動表示で弱体化演出を実行した場合には、当該変動で弱体化演出を最大で2回実行可能としている。一方、当該変動だけで弱体化演出を実行する場合には、当該変動で弱体化演出を最大で1回実行可能としている。
続いて、弱体化演出を経て危険度示唆演出を実行した場合に、その後の演出の推移を説明する。図60(E)に示す危険度示唆演出の後、図60(F)に示すように、リーチ煽り演出が実行される。リーチ煽り演出は、左演出図柄8Lと右演出図柄8Rとが下方に移動して、「左」の図柄表示エリアと「右」の図柄表示エリアとに停止表示(リーチ態様を形成)するか否かを煽る演出である。このときに、ボタン押下促進演出が併せて実行される。ボタン押下促進演出は、演出ボタン63の形態を示すボタン画像E1を表示画面7aに表示して、遊技者に演出ボタン63の押下操作を促す演出である。
その後、図61(A)に示すように、剣可動体駆動演出が実行される場合と、図61(E)に示すようにリーチ態様を形成する場合とに分かれる。図61(A)に示す剣可動体駆動演出が実行された場合には、図61(B)に示すように金ロゴリーチを経て、図61(C)に示すように盤可動体駆動演出が実行される。そして図61(D)に示すように、主人公先制攻撃画像S1が表示画面7aに表示されることになる。これに対して、図61(E)に示すようにリーチ態様が形成された場合には、図61(F)に示すように、敵先制攻撃画像S2が表示画面7aに表示されることになる。こうして本形態では、図60(F)に示すリーチ煽り演出及びボタン押下促進演出の後に、図61(A)に示す剣可動体駆動演出が実行された方が、主人公先制攻撃画像S1の表示を経てバトル勝利演出が実行され易いようにしている。
また本形態では、図60(F)に示すリーチ煽り演出及びボタン押下促進演出の後に、図62(A)に示すように画面割れ演出が実行される場合がある。画面割れ演出では、表示画面7aにそれまでに表示されていた画像が割られることが示される。その後、図62(B)に示すように、ハズレ報知演出として、表示画面7aに演出図柄8L,8C,8Rがハズレ停止態様で停止表示される。こうして、ハズレ報知演出を把握した遊技者には、確変大当たり又は通常大当たりの何れでもなかったことを把握させることが可能である。
なお弱体化演出は、上述したように危険度示唆演出で示すことになる敗北可能性を事前に減少させることを示す演出であるが、言い換えれば、遊技者に有利なバトル勝利(特定態様)になる可能性が高まることを示唆する演出ともいえる。
ところで本形態では、弱体化演出(図60(A)~(D)参照)や危険度示唆演出(図60(E)参照)において、「危険度」及び星を示す星画像が表示画面7aに表示される。しかしながら、経験の浅い遊技者にとっては、星の数だけではその意味を正確に理解していない場合もあり得る。即ち、高確率状態が次回の大当たりまで継続する所謂確変ループ機においては、星画像が示す星の数が多い(危険度が高い)ほど、バトル演出での敗北可能性が高い(遊技者にとって不利な結果になる可能性が高い)ことになる。しかしながら、経験の浅い遊技者にとっては、星画像が示す星の数が多いほど、遊技者にとって有利な結果になる可能性(バトル勝利になる可能性)が高いと誤解するおそれがある。
そこで本形態では、上記した誤解を防止すべく、星画像で表示される星の数に応じて、星に異なる色を付けるようにしている。具体的に、星画像で表示される星の数が5つである場合には、星に「白色」を付けることにしている。また星画像で表示される星の数が4つである場合には、星に「緑色」を付けることにしている。また星画像で表示される星の数が3つである場合には、星に「赤色」を付けることにしている。また星画像で表示される星の数が2つである場合には、星に「金色」を付けることにしている。こうして星の色が「白色」⇒「緑色」⇒「赤色」⇒「金色」の順番に、バトル演出での敗北可能性が低いことを示唆している。つまり、星の数だけでなく、星の数に応じて色を付けることによって、遊技者にとって有利な結果になる可能性を示唆している。
ここで、パチンコ遊技機1を遊技したことがあるほとんどの遊技者は、「緑色」⇒「赤色」⇒「金色」の順番に、遊技者にとって有利な結果になる可能性が高い(バトル勝利になる可能性が高い)ことを把握している。そのため、図60(A)~(D)に示す弱体化演出において、経験の浅い遊技者でも、星の数が減少すると共に、星の色の変化(「白色」⇒「緑色」⇒「赤色」⇒「金色」)を把握することで、バトル勝利になる可能性が高まっている状況(敗北可能性が低くなっている状況)を正確に把握することが可能である。
8.演出制御用マイコン91の動作
[サブ制御メイン処理]次に図32~図49に基づいて演出制御用マイコン91の動作について説明する。なお、演出制御用マイコン91の動作説明にて登場するカウンタ、タイマ、フラグ、ステータス、バッファ等は、RAM94に設けられている。サブ制御基板90に備えられた演出制御用マイコン91は、パチンコ遊技機1の電源がオンされると、ROM93から図32に示したサブ制御メイン処理のプログラムを読み出して実行する。同図に示すように、サブ制御メイン処理では、まずCPU初期化処理を行う(S4001)。CPU初期化処理(S4001)では、スタックの設定、定数設定、CPU92の設定、SIO、PIO、CTC(割り込み時間の管理のための回路)等の設定等を行う。
続いて、電源断信号がONで且つRAM94の内容が正常であるか否かを判定する(S4002)。そしてこの判定結果がNOであれば、RAM94の初期化をして(S4003)、ステップS4004に進む。一方、判定結果がYESであれば(S4002でYES)、RAM94の初期化をせずにステップS4004に進む。即ち電源断信号がONでない場合、又は電源断信号がONであってもRAM94内容が正常でない場合には(S4002でNO)、RAM94を初期化するが、停電などで電源断信号がONとなったがRAM94内容が正常に保たれている場合には(S4002でYES)、RAM94を初期化しない。なお、RAM94を初期化すれば、各種のフラグ、ステータスおよびカウンタ等の値はリセットされる。また、このステップS4001~S4003は、電源投入後に一度だけ実行され、それ以降は実行されない。
ステップS4004では、割り込みを禁止する。次いで、乱数シード更新処理を実行する(S4005)。乱数シード更新処理(S4005)では、種々の演出決定用乱数カウンタの値を更新する。なお演出決定用乱数には、演出図柄を決定するための演出図柄決定用乱数、変動演出パターンを決定するための変動演出パターン決定用乱数、種々の予告演出を決定するための予告演出決定用乱数等がある。乱数の更新方法は、前述の主制御基板80が行う乱数更新処理と同様の方法をとることができる。更新に際して乱数値を1ずつ加算するのではなく、2ずつ加算するなどしてもよい。これは、前述の主制御基板80が行う乱数更新処理においても同様である。
乱数シード更新処理(S4005)が終了すると、コマンド送信処理を実行する(S4006)。コマンド送信処理(S4006)では、サブ制御基板90のRAM94内の出力バッファに格納されている各種のコマンドを、画像制御基板100に送信する。コマンドを受信した画像制御基板100は、コマンドに従い画像表示装置7を用いて各種の演出(変動演出や、大当たり遊技に伴うオープニング演出、ラウンド演出、エンディング演出等)を実行する。なお、画像制御基板100による各種の演出の実行に伴ってサブ制御基板90は、音声制御基板106を介してスピーカ67から音声を出力したり、サブ駆動基板107及び中継基板108を介して盤ランプ5や枠ランプ66を発光させたり、盤可動体15や枠可動体600或いは剣可動体300を駆動させたりする。演出制御用マイコン91は続いて、割り込みを許可する(S4007)。以降、ステップS4004~S4007をループさせる。割り込み許可中においては、受信割り込み処理(S4008)、1msタイマ割り込み処理(S4009)および10msタイマ割り込み処理(S4010)の実行が可能となる。
[受信割り込み処理]受信割り込み処理(S4008)は、主制御基板80から送られたストローブ信号(STB信号)が演出制御用マイコン91の外部INT入力部に入力されることに基づいて行われる。つまり、ストローブ信号が演出制御用マイコン91の外部INT入力部に入力されなければ、受信割り込み処理(S4008)は行われない。図33に示すように、受信割り込み処理(S4008)では、主制御基板80から送信されてきた各種のコマンドをRAM94の受信バッファに格納する(S4101)。この受信割り込み処理(S4008)は、他の割り込み処理(S4009、S4010)に優先して実行される処理である。
[1msタイマ割り込み処理]1msタイマ割り込み処理(S4009)は、サブ制御基板90に1msec周期の割り込みパルスが入力される度に実行される。図34に示すように、1msタイマ割り込み処理(S4009)ではまず、入力処理(S4201)を行う。入力処理(S4201)では、演出ボタン検出スイッチ63a(図8参照)、セレクトボタン検出スイッチ64aからの検知信号に基づいてスイッチデータ(エッジデータおよびレベルデータ)を作成する。
続いて、ランプデータ出力処理(S4202)を行う。ランプデータ出力処理(S4202)では、演出に合うタイミングで盤ランプ5や枠ランプ66を発光させるべく、後述の10msタイマ割り込み処理(S4010)におけるその他の処理(S4305)で作成したランプデータをサブ駆動基板107に出力する。つまり、ランプデータに従って盤ランプ5や枠ランプ66を所定の発光態様で発光させる。
次いで、駆動制御処理を行う(S4203)。駆動制御処理(S4203)では、SPリーチや大当たり演出中等の演出に合うタイミングで盤可動体15や枠可動体600或いは剣可動体300を駆動させるべく、駆動データ(盤可動体駆動データ、枠可動体復帰データ、剣可動体駆動データ)を作成したり、出力したりする。つまり、駆動データに従って、盤可動体15を待機位置から動作位置へ駆動させたり、枠可動体600を収納位置から突出位置へ駆動させたり、剣可動体300を退避位置から露出位置へ駆動させたりする。
駆動制御処理(S4203)の後、ウォッチドッグタイマのリセット設定を行うウォッチドッグタイマ処理(S4204)を行って、本処理を終える。
[10msタイマ割り込み処理]10msタイマ割り込み処理(S4010)は、サブ制御基板90に10msec周期の割り込みパルスが入力される度に実行される。図35に示すように、10msタイマ割り込み処理(S4010)ではまず、後述する受信コマンド解析処理を行う(S4301)。次に、後述する剣可動体駆動設定処理(S4302)、ボタン演出設定処理(S4303)を行う。続いて、1msタイマ割り込み処理(S4009)の入力処理(S4201)で作成したスイッチデータを10msタイマ割り込み処理用のスイッチデータとしてRAM94に格納するスイッチ状態取得処理を行う(S4304)。そして、後述するスイッチ処理(S4305)、保留変化演出制御処理(S4306)を行う。
その後、演出制御用マイコン91は、ランプデータ(盤ランプ5や枠ランプ66の点灯を制御するデータ)を作成したり、音声データ(スピーカ67からの音声の出力を制御するデータ)の作成及び音声制御基板106への出力をしたり、各種の演出決定用乱数を更新したりするなどのその他の処理を実行して(S4307)、本処理を終える。
[受信コマンド解析処理]図36に示すように、受信コマンド解析処理(S4301)ではまず、演出制御用マイコン91は、主制御基板80から遊技状態指定コマンドを受信したか否かを判定し(S4401)、受信していれば後述するモードステータス設定処理を行う(S4402)。
続いて、演出制御用マイコン91は、主制御基板80から始動入賞コマンド(第1始動入賞コマンド又は第2始動入賞コマンド)を受信したか否か判定し(S4403)、受信していれば後述する保留数加算処理(S4404)、先読み演出判定処理(S4405)を行う。
続いて、演出制御用マイコン91は、主制御基板80から変動開始コマンド(特図1変動開始コマンド又は特図2変動開始コマンド)を受信したか否か判定し(S4406)、受信していれば後述する変動演出開始処理(S4407)、保留数減算処理(S4408)を行う。
続いて、演出制御用マイコン91は、主制御基板80から変動停止コマンド(特図1変動停止コマンド又は特図2変動停止コマンド)を受信したか否か判定し(S4409)、受信していれば変動演出終了処理を行う(S4410)。変動演出終了処理(S4410)では、変動停止コマンドを解析し、その解析結果に基づいて、変動演出を終了させるための変動演出終了コマンドをRAM94の出力バッファにセットする。
続いて、演出制御用マイコン91は、主制御基板80からオープニングコマンドを受信したか否か判定し(S4411)、受信していればオープニング演出選択処理を行う(S4412)。オープニング演出選択処理(S4412)では、オープニングコマンドを解析して、その解析結果に基づいて、大当たり遊技のオープニング中に実行するオープニング演出のパターン(内容)を選択する。そして、選択したオープニング演出パターンにてオープニング演出を開始するためのオープニング演出開始コマンドをRAM94の出力バッファにセットする。
続いて、演出制御用マイコン91は、主制御基板80からラウンド指定コマンドを受信したか否か判定し(S4413)、受信していればラウンド演出選択処理を行う(S4414)。ラウンド演出選択処理(S4414)では、ラウンド指定コマンドを解析して、その解析結果に基づいて、大当たり遊技のラウンド遊技中に実行するラウンド演出のパターン(内容)を選択する。そして、選択したラウンド演出パターンにてラウンド演出を開始するためのラウンド演出開始コマンドをRAM94の出力バッファにセットする。
続いて、演出制御用マイコン91は、主制御基板80からエンディングコマンドを受信したか否か判定し(S4415)、受信していればエンディング演出選択処理を行う(S4416)。エンディング演出選択処理(S4416)では、エンディングコマンドを解析して、その解析結果に基づいて、大当たり遊技のエンディング中に実行するエンディング演出のパターン(内容)を選択する。そして、選択したエンディング演出パターンにてエンディング演出を開始するためのエンディング演出開始コマンドをRAM94の出力バッファにセットする。
続いて、演出制御用マイコン91は、その他の処理(S4417)として上記のコマンド以外の受信コマンドに基づく処理(例えば客待ちコマンドの受信に基づいて客待ち演出を行うための処理や、普通図柄変動開始コマンドの受信に基づいて普図変動演出を行うための処理)を行って、受信コマンド解析処理(S4301)を終える。
[モードステータス設定処理]モードステータス設定処理(S4402)は、遊技状態の変更に伴って、演出モードの設定を変更するための処理である。演出モードは、画像表示装置7における演出の態様である。演出モードが異なると、登場するキャラクタやアイテム、背景画像が異なる等、画像表示装置7に表示される画像が異なり、変動演出も演出モードに応じた態様で実行される。本形態では、低確非時短状態(通常確率状態且つ非時短状態)に対応する低確非時短用モードと、低確時短状態(通常確率状態且つ時短状態)に対応する低確時短用モードと、高確時短状態(高確率状態且つ時短状態)に対応する高確時短用モードがある。
図37に示すように、モードステータス設定処理(S4402)ではまず、現在設定されているモードステータスを参照する(S4501)。なおモードステータスは、初期設定では「1」である。続いて、受信した遊技状態指定コマンドを解析する(S4502)。そして、解析した遊技状態指定コマンドに基づいて、モードステータスを変更するか否かを判定する(S4503)。即ち、解析した遊技状態指定コマンドに含まれている遊技状態の情報が、ステップS4501で参照したモードステータスに基づく遊技状態の情報と異なるか否かを判定する。モードステータスを変更すると判定した場合には(S4503でYES)、ステップS4504に進む。一方、変更しないと判定した場合には(S4503でNO)、本処理を終える。
ステップS4504では、ステップS4502で解析した遊技状態指定コマンドに含まれている遊技状態の情報が、低確非時短状態の情報であるか否かを判定する。低確非時短状態の情報であれば(S4504でYES)、モードステータスに「1」をセットする(S4505)。そして、通常用背景演出コマンドをRAM94の出力バッファにセットして(S4506)、本処理を終える。これにより、通常用背景演出コマンドが画像制御基板100に送信されると、画像制御基板100のCPU102は、表示画面7aに低確非時短用モードを示す背景画像を表示する。
ステップS4504でNOと判定された場合、ステップS4502で解析した遊技状態指定コマンドに含まれている遊技状態の情報が、低確時短状態の情報であるか否かを判定する(S4507)。低確時短状態の情報であれば(S4507でYES)、モードステータスに「2」をセットする(S4508)。そして、時短用背景演出コマンドをRAM94の出力バッファにセットして(S4509)、本処理を終える。これにより、時短用背景演出コマンドが画像制御基板100に送信されると、画像制御基板100のCPU102は、表示画面7aに低確時短用モードを示す背景画像を表示する。
ステップS4507でNOと判定された場合、ステップS4502で解析した遊技状態指定コマンドに含まれている遊技状態の情報が、高確時短状態の情報である。そのため、モードステータスに「3」をセットする(S4510)。そして、高確用背景演出コマンドをRAM94の出力バッファにセットして(S4511)、本処理を終える。これにより、高確用背景演出コマンドが画像制御基板100に送信されると、画像制御基板100のCPU102は、表示画面7aに高確時短用モードを示す背景画像を表示する。
[保留数加算処理]図38に示すように、保留数加算処理(S4404)ではまず、演出制御用マイコン91は、RAM94の受信バッファに格納されている始動入賞コマンドをRAM94の特図保留演出記憶部(第1特図保留演出記憶部95a又は第2特図保留演出記憶部95b)に記憶する(S4601)。すなわち第1始動入賞コマンドであれば、その第1始動入賞コマンドを第1特図保留演出記憶部95a(図10(B)参照)に記憶する。また第2始動入賞コマンドであれば、その第2始動入賞コマンドを第2特図保留演出記憶部95b(図10(C)参照)に記憶する。なお第1始動入賞コマンド又は第2始動入賞コマンドは、第1~第4まである記憶領域のうち当該コマンドが記憶されていない最も番号の小さい記憶領域に記憶される。これにより、特図保留の記憶順に対応した順で始動入賞コマンドが記憶されていくことになる。
続いて演出制御用マイコン91は、ステップS4601で始動入賞コマンドを記憶した記憶領域の保留表示態様データ記憶領域(図10(D)参照)に、特図保留表示態様データとして、演出保留画像9の通常の表示態様(通常態様)に対応する通常態様データ(01H)を記憶する(S4602)。なお、本形態における通常態様の演出保留画像9(通常の演出保留表示)とは、赤色及び黄色の三角形と灰色の円形とから成るエンブレムを示す画像である。その後、演出制御用マイコン91は、ステップS4601で記憶した始動入賞コマンドを解析して(S4603)、第1始動入賞コマンドであるか否かを判定する(S4604)。第1始動入賞コマンドであれば(S4604でYES)、RAM94に設けられた第1特図保留演出カウンタの値を「1」加算して更新するとともに(S4605)、第1特図保留発生フラグをONにして(S4606)、処理を終える。一方、第2始動入賞コマンドであれば(S4604でNO)、RAM94に設けられた第2特図保留演出カウンタの値を「1」加算して更新するとともに(S4607)、第2特図保留発生フラグをONにして(S4608)、処理を終える。
[先読み演出判定処理]図39に示すように、先読み演出判定処理(S4405)ではまず、演出制御用マイコン91は、記憶した始動入賞コマンドに含まれている情報を解析する(S4701)。そして、弱体化演出フラグがONであるか否かを判定する(S4702)。弱体化演出フラグは、弱体化演出の実行中であることを示すフラグである。弱体化演出フラグがONであれば(S4702でYES)、既に弱体化演出の実行中であるため、ステップS4707に進む。一方、弱体化演出フラグがONでなければ(S4702でNO)、続いて、モードステータスの値が「3」であるか否かを判定する。モードステータスの値が「3」でなければ(S4703でNO)、高確時短状態でないことになり、ステップS4707に進む。これに対して、モードステータスの値が「3」であれば(S4703でYES)、次に弱体化演出を実行するか否かを判定する(S4704)。
具体的にはステップS4704の処理において、記憶した始動入賞コマンドが、図16に示すように、弱体化演出用SPリーチ確変大当たりを示す始動入賞コマンド(「F2H46H」)、又は弱体化演出用SPリーチ通常大当たりを示す始動入賞コマンド(「F2H47H」)、或いは弱体化演出用ハズレを示す始動入賞コマンド(「F2H48H」)であるか否かを解析する。これらの始動入賞コマンドであり、且つ記憶した始動入賞コマンドよりも先に記憶されている始動入賞コマンドが全てドハズレを示すものであれば、弱体化演出を実行すると判定して(S4704でYES)、後述する弱体化演出設定処理を実行する(S4705)。そして弱体化演出フラグをONにして(S4706)、ステップS4707に進む。一方、上記した各始動入賞コマンドでない場合や、記憶した始動入賞コマンドよりも先に記憶されている始動入賞コマンドがリーチを形成することを示している場合には、弱体化演出を実行しないと判定して(S4704でNO)、ステップS4707に進む。
ステップS4707では、RAM94の所定の記憶領域に、後述する保留変化シナリオデータがセットされているか否かを判定する。セットされていれば(S4707でYES)、既に保留変化演出を実行しているため、本処理を終える。一方、セットされていなければ(S4707でNO)、記憶した始動入賞コマンドがSPリーチの実行を示す始動入賞コマンド(図16参照)であるか否かを判定する(S4708)。SPリーチの実行を示す始動入賞コマンドであれば(S4708でYES)、後述する保留変化演出設定処理を実行して(S4709)、本処理を終える。これに対して、SPリーチの実行を示す始動入賞コマンドでなければ(S4708でNO)、直ちに本処理を終える。
[弱体化演出設定処理]図40に示すように、弱体化演出設定処理(S4705)ではまず、演出制御用マイコン91は、敵キャラ抽選処理を実行する(S4801)。敵キャラ抽選処理(S4801)では、図50に示す弱体化演出決定テーブルの中から、記憶した始動入賞コマンドの内容に基づいて、一つのテーブルを選択する。即ち、図16に示す弱体化演出用SPリーチ確変大当たりを示す始動入賞コマンド(「F2H46H」)であれば、図50に示す弱体化演出決定テーブルの中から確変大当たり用のテーブルを選択する。また、図16に示す弱体化演出用SPリーチ通常大当たりを示す始動入賞コマンド(「F2H47H」)、又は弱体化演出用ハズレを示す始動入賞コマンド(「F2H48H」)であれば、図50に示す弱体化演出決定テーブルの中から、通常大当たり又はハズレ用のテーブルを選択する。そして敵キャラ決定乱数を取得して、選択したテーブルを用いて取得した敵キャラ決定乱数を判定する。これにより、始めに表示される敵キャラ及び星の数が決定する。決定された敵キャラを示す敵キャラデータは、RAM94の所定の記憶領域に記憶される。
なお図50に示す弱体化演出決定テーブルから分かるように、確変大当たりであれば、通常大当たり又はハズレである場合よりも、弱い敵キャラが選択され易いように設定されている。その反対に、通常大当たり又はハズレであれば、確変大当たりである場合よりも、強い敵キャラが選択され易いように設定されている。
ステップS4801に続いて、星最終態様抽選処理を実行する(S4802)。星最終態様とは、弱体化演出の最後に示される星の数、即ち危険度示唆演出で示される星の数のことである。星最終態様抽選処理(S4802)では、図50に示す弱体化演出決定テーブルの中から、記憶した始動入賞コマンドの内容に基づいて、一つのテーブルを選択する。そして、星最終態様決定乱数を取得して、選択したテーブルを用いて取得した星最終態様決定乱数を判定する。これにより、星最終態様が決定する。決定された星最終態様を示す星最終態様データは、RAM94の所定の記憶領域に記憶される。
なお図50に示す弱体化演出決定テーブルから分かるように、確変大当たりであれば、通常大当たり又はハズレである場合よりも、星最終態様が示す星の数が少なくなり易い(星が減少し易い)ように設定されている。その反対に、通常大当たり又はハズレであれば、確変大当たりである場合よりも、星最終態様が示す星の数が多くなり易い(星が減少し難い)ように設定されている。
ステップS4802に続いて、星の数が変化する場合か否かを判定する。つまり、始めに表示する星の数に対して、星最終態様として決定した星の数が減少しているか否かを判定する。星の数が変化しないと判定すれば(S4803でNO)、ステップS4806に進む。なおこの場合には、弱体化演出が実行されるものの、星の数が減少しないまま危険度示唆演出が実行されることになる。
一方、星の数が変化すると判定すれば(S4803でYES)、星変化シナリオデータ抽選処理を実行する(S4804)。星変化シナリオデータ抽選処理(S4804)では、強敵キャラが決定されていれば、図51に示す星変化シナリオデータ抽選テーブルを選択し、中敵キャラが決定されていれば、図52に示す星変化シナリオデータ抽選テーブルを選択し、弱敵キャラが決定されていれば、図53に示す星変化シナリオデータ抽選テーブルを選択する。
そして、選択した星変化シナリオデータ抽選テーブルの中で、記憶した始動入賞コマンドが示す第2特図保留の数に応じて、一つのテーブルを選択する。例えば、始動入賞コマンドが示す第2特図保留の数が「4」であれば、3変動前から弱体化演出を開始することになるため、演出開始が3変動前であることを示すテーブルを選択する。そして、星シナリオ決定乱数を取得して、選択したテーブルを用いて取得した星シナリオ決定乱数を判定する。これにより、星変化シナリオデータが決定する。なお星変化シナリオデータとは、図51~図53に示すように、弱体化演出を開始してから危険度示唆演出が実行されるまでの星の数の推移を示すデータである。
こうして決定された星変化シナリオデータを、RAM94の所定の記憶領域にセットして(S4805)、ステップS4806に進む。ステップS4806では、弱体化演出の実行回数を弱体化演出カウンタにセットして(S4806)、本処理を終える。以上、実行する弱体化演出を保留表示を変化させる演出にしても良い。なおここで意味する弱体化演出の実行回数とは、星の減算表示がなされる最大回数を意味している。従って例えば3変動前から弱体化演出を実行する場合には、当該変動よりも前の各変動表示で弱体化演出を実行可能であると共に、当該変動で最大2回弱体化演出を実行可能であるため、弱体化演出カウンタに「5」をセットする。一方、当該変動だけで弱体化演出を実行する場合には、最大で1回しか弱体化演出を実行しないため、弱体化演出カウンタに「1」をセットする。
[保留変化演出設定処理]図41に示すように、保留変化演出設定処理(S4709)ではまず、演出制御用マイコン91は、保留変化抽選処理を実行する(S4901)。なお保留変化演出は、演出保留画像9の表示態様を変化させることにより当選期待度の高さを示す演出である。保留変化抽選処理(S4901)では、図54に示す保留変化乱数判定テーブルの中から、記憶した始動入賞コマンドの内容に基づいて、一つのテーブルを選択する。即ち、大当たりを示す始動入賞コマンドであれば、図54に示す保留変化乱数判定テーブルの中から、大当たり用のテーブルを選択する。一方、SPリーチハズレを示す始動入賞コマンドであれば、図54に示す保留変化乱数判定テーブルの中から、ハズレ用のテーブルを選択する。
そして保留変化乱数を取得して、選択したテーブルを用いて取得した保留変化乱数を判定する。これにより、保留変化演出を実行するか否かが決定される。更に保留変化演出を実行する場合には、保留最終態様データ、即ち保留変化演出で最後に示される演出保留画像9の表示態様が決定される。決定された保留最終態様データは、RAM94の所定の記憶領域に記憶される。
なお本形態では、演出保留画像9の表示態様として、通常態様と異なる特別態様がある。特別態様の演出保留画像9(特別演出保留画像)には、青色のエンブレムを示す演出保留画像9と、赤色のエンブレムを示す演出保留画像9と、金色のエンブレムを示す演出保留画像9がある。なお特別演出保留画像では、その他の表示色や表示態様があっても良い。図54に示す保留変化乱数判定テーブルから分かるように、通常⇒青色⇒赤色⇒金色の順番に当選期待度が高くなるように設定されている。
ステップS4901の保留変化抽選処理により、保留変化演出を実行しないと判定すれば(S4902でNO)、本処理を終える。一方、保留変化演出を実行する場合には(S4902でYES)、続いて、保留変化シナリオデータ抽選処理を実行する(S4903)。保留変化シナリオデータ抽選処理(S4903)では、図55に示す保留変化シナリオデータ抽選テーブルの中から、保留最終態様データに応じて、一つのテーブルを選択する。更に選択したテーブルの中で、記憶した始動入賞コマンドが示す特図保留の数に応じて、一つのテーブルを選択する。そして、保留変化シナリオ乱数を取得して、選択したテーブルを用いて取得した保留変化シナリオ乱数を判定する。これにより、保留変化シナリオデータが決定する。なお保留変化シナリオデータとは、図55に示すように、特図保留が発生してから消滅するまでの間で演出保留画像9の表示態様の推移を示すデータである。
こうして決定された保留変化シナリオデータを、RAM94の所定の記憶領域にセットして(S4904)、ステップS4905に進む。ステップS4905では、保留変化演出の実行回数を保留変化演出カウンタにセットして、本処理を終える。なおここで意味する保留変化演出の実行回数とは、演出保留画像9の表示態様が変化可能な最大回数を意味している。従って例えば特図保留が4個になったときに保留変化演出を開始する場合には、保留変化演出カウンタに「4」をセットする。
[変動演出開始処理]図42に示すように、変動演出開始処理(S4407)ではまず、演出制御用マイコン91は、変動開始コマンドを解析する(S5001)。変動開始コマンドには、特図1大当たり判定処理や特図2大当たり判定処理(図24参照)でセットされた特図停止図柄データの情報や、特図1変動パターン選択処理や特図2変動パターン選択処理(図25参照)でセットされた変動パターンの情報、現在の遊技状態を指定する情報等が含まれている。なお、ここで演出制御用マイコン91が取得した情報は、これ以降に実行する処理においても適宜利用可能なものとする。
次に演出制御用マイコン91は、現時点で設定されているモードステータスの値を参照する(S5002)。続いて、変動演出において最終的に停止表示する演出図柄8L,8C,8Rの選択を行う(S5003)。具体的には、演出図柄決定用乱数を取得するとともに、リーチの有無に応じて分類されている複数のテーブルの中から、変動開始コマンドの解析結果に基づいて一つのテーブルを選択する。そして、選択したテーブルを用いて、取得した演出図柄決定用乱数を判定することにより、演出図柄を選択する。これにより、最終的に停止表示される演出図柄8L,8C,8Rの組み合わせ(例えば「777」等)が決定される。
続いて演出制御用マイコン91は、後述する変動演出パターン選択処理を行う(S5004)。そして予告演出の選択を行う(S5005)。具体的に予告演出の選択(S5005)では、予告演出決定用乱数を取得するとともに、リーチの有無に応じて分類されている複数のテーブルの中から、変動開始コマンドの解析結果に基づいて一つのテーブルを選択する。そして、その選択したテーブルを用いて、取得した予告演出決定用乱数を判定することにより、予告演出を選択する。これにより、いわゆるステップアップ予告演出やチャンスアップ予告演出などの予告演出の内容が決定される。
続いて演出制御用マイコン91は、選択した演出図柄と変動演出パターンと予告演出とを開始するための変動演出開始コマンドをRAM94の出力バッファにセットして(S5006)、本処理を終える。ステップS5006でセットされた変動演出開始コマンドが、コマンド送信処理(S4006)により画像制御基板100に送信されると、表示画面7aにて特別図柄の変動表示に同期した変動演出が開始される。
[変動演出パターン選択処理]図43に示すように、変動演出パターン選択処理(S5004)ではまず、演出制御用マイコン91は、モードステータスの値が「3」であるか否かを判定する(S5101)。「3」でなければ(S5101でNO)、高確非時短状態でないことになり、ステップS5126に進む。「3」であれば(S5101でYES)、続いて、弱体化演出フラグがONであるか否かを判定する(S5102)。ONでなければ(S5102でNO)、ステップS5126に進む。一方、ONであれば(S5102でYES)、弱体化演出に関する処理を行うべく、ステップS5103に進む。
ステップS5103では、図40に示す敵キャラ抽選処理(S4801)で決定された敵キャラを確認する。具体的には、RAM94の所定の記憶領域に記憶されている敵キャラデータを参照する。そして、弱体化演出カウンタにセットされている値(弱体化演出の実行回数を示す値)を確認する(S5104)。続いて、弱体化演出カウンタの値が「1」であるか否かを判定する(S5105)。「1」でなければ(S5105でNO)、弱体化演出の実行契機となった特別図柄の変動表示(当該変動)よりも前に弱体化演出を実行することになり、ステップS5106に進む。
ステップS5106では、RAM94の所定の記憶領域に星変化シナリオデータがセットされているか否かを判定する。セットされていなければ(S5106でNO)、星を一度も減算しないまま弱体化演出を実行する場合であり、ステップS5110に進む。一方、セットされていれば(S5106でYES)、星変化シナリオデータを確認する。そして星変化シナリオデータと特図2保留演出カウンタの値とに基づいて、星の数を減少させる状況であるか否かを判定する(S5108)。星を減少させる状況であれば(S5108でYES)、剣可動体駆動データをRAM94の所定の駆動データバッファにセットして(S5109)、ステップS5110に進む。これにより、剣可動体駆動演出が実行される。従って、遊技者には剣可動体駆動演出を契機として、星の数が減少するように見せることが可能である(図60(B)参照)。一方、星を減少させる状況でなければ(S5108でNO)、ステップS5109をパスして、ステップS5110に進む。
ステップS5110では、減少させる星の数に応じて分類されている先読み用弱体化演出パターンを選択して、ステップS5123に進む。なおステップS5106又はS5108でNOと判定されていれば、星の数を減少させない先読み用弱体化演出パターンが選択される。こうして先読み用弱体化演出パターンに基づく変動演出開始コマンドがコマンド送信処理(S4006)により画像制御基板100に送信されると、当該変動よりも前に弱体化演出が実行されることになる。
またステップS5105において、弱体化演出カウンタの値が「1」であれば、当該変動で弱体化演出を実行する状況であり、図44に示すステップS5111に進む。ステップS5111では、RAM94の所定の記憶領域に星変化シナリオデータがセットされているか否かを判定する。セットされていなければ(S5111でNO)、当該変動でも星を減少させないため、ステップS5117に進む。一方、セットされていれば(S5111でYES)、星変化シナリオデータを確認する(S5112)。
そして星変化シナリオデータに基づいて(図51~図53に示すテーブルの当該変動前半の欄を参照)、当該変動の前半で星を減少させる状況であるか否かを判定する(S5113)。当該変動の前半で星を減少させる状況であれば(S5113でYES)、変動前半タイマに、星を減少させるタイミングまでの時間をセットして(S5114)、ステップS5115に進む。一方、当該変動の前半で星を減少させる状況でなければ(S5113でNO)、ステップS5114をパスして、ステップS5115に進む。
続いて、星変化シナリオデータに基づいて(図51~図53に示すテーブルの当該変動後半の欄を参照)、当該変動の後半で星を減少させる状況であるか否かを判定する(S5115)。当該変動の後半で星を減少させる状況であれば(S5115でYES)、変動後半タイマに、星を減少させるタイミングまでの時間をセットして(S5116)、ステップS5117に進む。一方、当該変動の後半で星を減少させる状況でなければ(S5115でNO)、ステップS5116をパスして、ステップS5117に進む。
ステップS5117では、受信している変動開始コマンドが、SPリーチの実行を示すものであるか否かを判定する(S5117)。即ち受信した変動開始コマンドに、弱体化演出用SPリーチとなる変動パターンP7(図14参照)の情報が含まれているか否かを判定する。SPリーチの実行を示すものであれば(S5117でYES)、先制攻撃抽選処理を実行する(S5118)。
先制攻撃抽選処理(S5118)は、主人公先制攻撃画像S1(図59(E)参照)又は敵先制攻撃画像S2(図59(F)参照)の何れを表示するかを抽選で決定する処理である。先制攻撃抽選処理(S5118)では、図56に示す先制攻撃決定乱数判定テーブルの中から、大当たりの種別と星最終態様とに応じて一つのテーブルを選択する。なお大当たりの種別は、変動開始コマンドに含まれている特図停止図柄データ(図11参照)の情報を参照する。また星最終態様は、RAM94の所定の記憶領域にセットされている星最終態様データを参照する。そして、先制攻撃決定乱数を取得して、選択したテーブルを用いて取得した先制攻撃決定乱数を判定する。これにより、主人公キャラ又は敵キャラのどちらが先制攻撃をするのかが決定される。決定された先制攻撃データは、RAM94の所定の記憶領域に記憶される。
なお図56に示す先制攻撃決定乱数判定テーブルから分かるように、確変大当たりであれば、通常大当たりである場合よりも、主人公キャラの先制攻撃が選択され易いように設定されている。更に、星最終態様として星の数が小さいほど、主人公キャラの先制攻撃が選択され易いように設定されている。
ステップS5118の先制攻撃抽選処理の後、ボタン演出タイマに、ボタン押下促進演出(図60(F)参照)を開始するまでの時間をセットする(S5119)。そして、当該用弱体化演出パターンを選択して(S5120)、図43に示すステップS5123に進む。ここでステップS5120において、確変大当たりであれば、主人公キャラが敵キャラに勝利するバトル勝利演出が実行される当該用弱体化演出パターンが選択される。一方、通常大当たりであれば、主人公キャラが敵キャラに敗北するバトル敗北演出が実行される当該用弱体化演出パターンが選択されることになる。
こうしてバトル勝利演出が実行される当該用弱体化演出パターンに基づく変動演出開始コマンドが、コマンド送信処理(S4006)により画像制御基板100に送信されると、当該変動において弱体化演出⇒危険度示唆演出⇒バトル演出⇒バトル勝利演出が実行される。一方、バトル敗北演出が実行される当該用弱体化演出パターンに基づく変動演出開始コマンドが、コマンド送信処理(S4006)により画像制御基板100に送信されると、当該変動において弱体化演出⇒危険度示唆演出⇒バトル演出⇒バトル敗北演出が実行される。
またステップS5117において、受信している変動開始コマンドがSPリーチの実行を示すものでなければ、変動開始コマンドに弱体化演出用ハズレとなる変動パターンP12(図14参照)の情報が含まれていることになる。この場合には(S5117でNO)、ボタン押下促進演出(図60(F)参照)を開始するまでの時間をセットする(S5121)。そして、弱体化ガセ演出パターンを選択して(S5122)、図43に示すステップS5123に進む。こうして弱体化ガセ演出パターンの選択に基づく変動演出開始コマンドが、コマンド送信処理(S4006)により画像制御基板100に送信されると、図60(F)に示すリーチ煽り演出から、図62(A)に示す画面割れ演出を経て、図62(B)に示すハズレ報知演出が実行されることになる。
図43に示すステップS5123では、弱体化演出カウンタの値を「1」だけ減算する。そして、弱体化演出カウンタの値が「0」であるか否かを判定する(S5124)。「0」であれば(S5124でYES)、次の特別図柄の変動表示では弱体化演出を実行しないため、弱体化演出フラグをOFFして(S5125)、本処理を終える。一方、「0」でなければ、弱体化演出フラグをOFFすることなく、本処理を終える。
これらに対して、ステップS5126では、その他の変動演出パターンを選択して本処理を終える。具体的には、変動演出パターン決定用乱数を取得するとともに、演出モードの種類(モードステータスの値)および変動パターンの種類に応じて分類されている複数のテーブルの中から、変動開始コマンドの解析結果に基づいて一つのテーブルを選択する。そして、選択したテーブルを用いて、取得した変動演出パターン決定用乱数を判定することにより、変動演出パターンを選択する。これにより、変動演出の詳細が決定される。つまり変動演出パターンが決まれば、変動演出の時間、演出図柄の変動表示態様、リーチ演出の有無、リーチ演出の内容、演出ボタン演出(SW演出)の有無、演出ボタン演出の内容、演出展開構成、演出図柄の背景の種類等からなる変動演出の内容の詳細が決まることとなる。
従ってステップS5126において、弱体化演出を実行しない炎ロゴリーチとなる変動演出パターンや、弱体化演出を実行しない金ロゴリーチとなる変動演出パターンが選択され得る。弱体化演出を実行しない炎ロゴリーチとなる変動演出パターンが選択された場合には、その変動演出パターンに基づく変動演出開始コマンドがコマンド送信処理(S4006)により画像制御基板100に送信されると、図59に示すように演出が推移することになる。
なお本形態では上述したように、サブ制御基板90が星変化シナリオデータに基づいて星を減算させるための表示制御を行ったが、サブ制御基板90が星変化シナリオデータを画像制御基板100に送信することとし、画像制御基板100に星変化シナリオデータに従って星を減算させるための表示制御を実行させても良い。この場合、弱体化演出カウンタの値の情報をサブ制御基板90から画像制御基板100に送信することとし、画像制御基板100が弱体化演出カウンタの値の情報と星変化シナリオデータとに基づいて、星を減算させるための表示制御を行えば良い。
[保留数減算処理]図45に示すように、保留数減算処理(S4408)ではまず、演出制御用マイコン91は、RAM94の受信バッファに格納されている変動開始コマンドを解析する(S5201)。そして、解析した変動開始コマンドが特図1変動開始コマンドであるか否かを判定する(S5202)。特図1変動開始コマンドであれば(S5202でYES)、RAM94に設けられている第1特図保留演出カウンタの値を「1」だけ減算するとともに(S5203)、第1特図保留消滅フラグをONにして(S5204)、ステップS5207に進む。一方、ステップS5202において特図1変動開始コマンドでなければ(S5202でNO)、RAM94に設けられている第2特図保留演出カウンタの値を「1」だけ減算するとともに(S5205)、第2特図保留消滅フラグをONにして(S5206)、ステップS5207に進む。
ステップS5207では、演出制御用マイコン91は、RAM94の第1特図保留演出記憶部95a(図10(B)参照)、又は第2特図保留演出記憶部95b(図10(C)参照)に記憶されているデータのシフト処理を行う。第1特図保留演出記憶部95aにおけるシフト処理では、第1記憶領域~第4記憶領域に記憶されている各データを1つ前の記憶領域にシフトさせるとともに、第4記憶領域をクリアする。第2特図保留演出記憶部95bにおけるシフト処理では、第1記憶領域~第4記憶領域に記憶されている各データを1つ前の記憶領域にシフトさせるとともに、第4記憶領域をクリアする。こうして、前回の変動演出に係るデータは消去される。
次に演出制御用マイコン91は、RAM94の所定の記憶領域に保留変化シナリオデータがセットされているか否かを判定する(S5208)。変化シナリオデータがセットされていなければ(S5208でNO)、本処理を終える。一方、保留変化シナリオデータがセットされていれば(S5208でYES)、保留変化演出の実行中であるため、保留変化演出カウンタの値を「1」だけ減算して(S5209)、本処理を終える。
[剣可動体駆動設定処理]演出制御用マイコン91は、受信コマンド解析処理(S4301)の後、剣可動体駆動設定処理(S4302)を実行する(図35参照)。剣可動体駆動設定処理(S4302)は、弱体化演出を実行する場合の当該変動において、剣可動体300の駆動設定を行う処理である。図46に示すように、剣可動体駆動設定処理(S4302)ではまず、演出制御用マイコン91は、変動前半タイマの値が「0」より大きいか否かを判定する(S5301)。なお上述したように、当該変動の前半において星を減少させる状況であれば、図44に示すステップS5114で変動前半タイマに時間がセットされている。変動前半タイマの値が「0」であれば(S5301でNO)、ステップS5305に進む。一方、「0」より大きければ(S5301でYES)、変動前半タイマの値を減少させる(S5302)。
続いて、変動前半タイマの値が「0」であるか否かを判定する(S5303)。「0」でなければ(S5303でNO)、未だ剣可動体駆動演出を実行するタイミングでないため、ステップS5305に進む。これに対して「0」であれば(S5303でYES)、剣可動体駆動データをRAM94の所定の駆動データバッファにセットして(S5304)、ステップS5305に進む。これにより、弱体化演出を実行する場合の当該変動の前半において、剣可動体駆動演出が実行される。
ステップS5305では、変動後半タイマの値が「0」より大きいか否かを判定する。なお上述したように、当該変動の後半において星を減少させる状況であれば、図44に示すステップS5116で変動後半タイマに時間がセットされている。変動後半タイマの値が「0」であれば(S5305でNO)、本処理を終える。一方、「0」より大きければ(S5305でYES)、変動後半タイマの値を減少させる(S5306)。
続いて、変動後半タイマの値が「0」であるか否かを判定する(S5307)。「0」でなければ(S5307でNO)、未だ剣可動体駆動演出を実行するタイミングでないため、本処理を終える。これに対して「0」であれば(S5307でYES)、剣可動体駆動データをRAM94の所定の駆動データバッファにセットして(S5308)、本処理を終える。これにより、弱体化演出を実行する場合の当該変動の後半において、剣可動体駆動演出が実行される(図63(E)参照)。
[ボタン演出設定処理]演出制御用マイコン91は、剣可動体駆動演出処理(S4302)の後、ボタン演出設定処理(S4303)を実行する(図35参照)。ボタン演出設定処理(S4303)は、弱体化演出を実行する場合の当該変動において、ボタン押下促進演出(図60(F)参照)の設定を行うための処理である。図47に示すように、ボタン演出設定処理(S4303)ではまず、演出制御用マイコン91は、ボタン演出タイマの値が「0」より大きいか否かを判定する。なお上述したように、弱体化演出を実行する場合の当該変動では、図44に示すステップS5119又はS5121でボタン演出タイマに時間がセットされている。ボタン演出タイマの値が「0」であれば(S5401でNO)、本処理を終える。一方、「0」より大きければ(S5401でYES)、ボタン演出タイマの値を減少させる(S5402)。
続いて、ボタン演出タイマの値が「0」であるか否かを判定する(S5403)。「0」でなければ(S5403でNO)、未だボタン押下促進演出を実行するタイミングでないため、本処理を終える。これに対して「0」であれば(S5403でYES)、演出ボタン有効期間を設定する(S5404)。演出ボタン有効期間(例えば3秒)は、演出ボタン検出スイッチ63aによる検知があった場合にその検知を有効なものとみて、ボタン押下促進演出を実行可能とするための期間である。ステップS5404に続いて、弱体化ボタン演出用フラグをONにして(S5405)、本処理を終える。弱体化ボタン演出用フラグは、弱体化演出でのボタン押下促進演出の実行を示すフラグである。
[スイッチ処理]演出制御用マイコン91は、ボタン演出設定処理(S4303)及びスイッチ状態取得処理(S4304)の後、スイッチ処理(S4305)を実行する(図35参照)。図48に示すように、スイッチ処理(S4305)ではまず、弱体化ボタン演出用フラグがONであるか否かを判定する(S5501)。ONでなければ(S5501でNO)、その他の処理(S5512)として、弱体化演出でのボタン押下促進演出以外で操作手段を用いた演出(スイッチ演出)に関する処理を実行して、本処理を終える。
弱体化ボタン演出用フラグがONであれば(S5501でYES)、続いて演出ボタン検出スイッチ63aがONであるか否かを判定する(S5502)。ここでは、演出ボタン検出スイッチ63aがONされているか否かは、スイッチ状態取得処理(S4304)にて格納されたスイッチデータに基づいて判定される。ONでなければ(S5502でNO)、ステップS5505に進む。一方、ONであれば(S5502でYES)、設定された演出ボタン有効期間内であるか否かを判定する(S5503)。
演出ボタン有効期間内でなければ(S5503でNO)、ステップS5505に進む。これに対して、演出ボタン有効期間内であれば(S5503でYES)、変動演出に係る変動パターンが弱体化演出用SPリーチ大当たりの実行を示す変動パターンP7(図14参照)であるか否かを判定する(S5504)。変動パターンP7であれば(S5504でYES)、次に、主人公キャラの先制攻撃を示す先制攻撃データがRAM94の所定の記憶領域にセットされているか否かを判定する。セットされていれば(S5506でYES)、剣可動体駆動データをRAM94の所定の駆動データバッファにセットする(S5507)。これにより、図60(F)に示すボタン押下促進演出を経て、図61(A)に示すように剣可動体駆動演出が実行される。
続いて、金ロゴリーチ発展演出コマンドをRAM94の出力バッファにセットする(S5508)。これによりセットされた金ロゴリーチ発展演出コマンドが、コマンド送信処理(S4006)により画像制御基板100に送信されると、表示画面7aにて金ロゴに変身した主人公キャラを示す画像X1が表示される。そして、盤可動体駆動データをRAM94の所定の駆動データバッファにセットして(S5509)、ステップS5511に進む。この盤可動体駆動データのセットにより、図61(C)に示すように盤可動体駆動演出が実行される。
こうして、図60(F)に示すリーチ煽り演出及びボタン押下促進演出の後に、図61(A)に示す剣可動体駆動演出、図61(B)に示す金ロゴリーチへの発展、図61(C)に示す盤可動体駆動演出、図61(D)に示す主人公先制攻撃画像S1の表示という一連の派手な演出を実行することで、遊技者には確変大当たりへ大きな期待感を抱かせることが可能である。
一方、ステップS5506にて主人公キャラの先制攻撃を示す先制攻撃データがセットされていない、即ち敵キャラの先制攻撃を示す先制攻撃データがセットされていれば、ステップS5507,S5508,S5509の処理をパスして、ステップS5511に進む。こうして、図60(F)に示すリーチ煽り演出及びボタン押下促進演出の後に、図61(E)に示すリーチ態様の形成と、図61(F)に示す敵先制攻撃画像S2の表示だけを行うことで、遊技者には通常大当たりに当選しているかもしれないという危機感を抱かせることが可能である。
またステップS5504にて、弱体化演出用SPリーチ大当たりの実行を示す変動パターンP7(図14参照)でなければ、弱体化演出用ハズレの実行を示す変動パターンP12(図14参照)であることになり、ステップS5510に進む。ステップS5510では、画面割れ演出コマンドをRAM94の出力バッファにセットして(S5510)、ステップS5511に進む。これによりセットされた画面割れ演出コマンドが、コマンド送信処理(S4006)により画像制御基板100に送信されると、図60(F)に示すリーチ煽り演出を経て、図62(A)に示すように、表示画面7aにそれまでに表示されていた画像が割られる画面割れ演出が実行される。その後、図62(B)に示すように、演出図柄8L,8C,8Rがハズレ停止態様で停止表示する。
こうして、図60(F)に示すリーチ煽り演出及びボタン押下促進演出の後に、図62(A)に示す画面割れ演出が実行されることで、バトル演出が実行されると思わせておきながら、実行されないガセ演出を見せることになる。その結果、遊技者には確変大当たり又は通常大当たりの何れでもなく、ハズレであることを把握させることが可能である。
またステップS5505では、設定した演出ボタン有効期間が経過したタイミングであるか否かを判定する。ステップS5505の判定結果がNOであれば、本処理を終える。一方、設定した演出ボタン有効期間が経過するタイミングであれば(S5505でYES)、上述したようにステップS5504以降の処理を行う。こうして、演出ボタン有効期間が設定されているにも拘わらず、演出ボタン63の押込操作を行わなかった場合(S5502でNO)、演出ボタン有効期間の経過タイミングでステップS5505からステップS5504に進む。従って、図60(F)に示すボタン押下促進演出を見た遊技者が、演出ボタン63の押下操作を行わなくても、剣可動体駆動演出や盤可動体駆動演出は実行され得るようにしている。
[保留変化演出制御処理]演出制御用マイコン91は、スイッチ処理(S4305)の後、保留変化演出制御処理(S4306)を実行する(図35参照)。保留変化演出制御処理(S4306)は、演出保留画像9を当選期待度の高さに応じた色に変化させる保留変化演出を実行するための処理である。なお保留変化演出と弱体化演出とは、連続予告によって遊技者に所定の期待度(例えばバトル勝利になる可能性)が段階的に高まることを見せるという点で同じ演出ということができる。図49に示すように、保留変化演出制御処理(S4306)ではまず、第1特図保留発生フラグ、第2特図保留発生フラグ、第1特図保留消滅フラグ、又は第2特図保留消滅フラグのいずれかがONされているか否かを判定する(S5601)。これらのフラグのいずれかがONされていることは、第1特図保留の数(U1)や第2特図保留の数(U2)の変化に基づく演出保留画像9の表示の変更タイミングであることを意味する。
演出制御用マイコン91は、上記のいずれのフラグもONされていない場合には(S5601でNO)、本処理を終了する。一方、上記のいずれかのフラグがONされている場合には(S5601でYES)、フラグの内容を確認する(S5602)。すなわち、第1特図保留発生フラグ、第2特図保留発生フラグ、第1特図保留消滅フラグ、又は第2特図保留消滅フラグのいずれがONされているかを確認する。これにより、変化する特図保留は第1特図保留なのか第2特図保留なのかを確認するとともに、特図保留の数が増加するのか減少するのかを確認する。
続いて、第1特図保留演出カウンタの値及び第2特図保留演出カウンタの値を確認する(S5603)。これにより、特図保留の数の変化によって、特図保留の数がいくつになるのかを確認する。更に、RAM94の所定の記憶領域に保留変化シナリオデータがセットされているか否かを判定する(S5604)。セットされていれば(S5604でYES)、保留変化シナリオデータ及び先読み保留演出カウンタの値を確認して(S5605)、表示すべき態様に応じた特図保留表示態様データ(図55参照)を保留表示態様データ記憶領域(図10(D)参照)に上書きする。例えば2個目の第2特図保留の表示として、金色の演出保留画像9を表示させる場合には、第2特図保留演出記憶部95bの第2記憶領域の保留表示態様データ記憶領域に、特別態様データ(04H)を上書きする。一方、保留変化シナリオデータがセットされていなければ(S5604でNO)、ステップS5605をパスして、ステップS5606に進む。
ステップS5606では、ステップS5602で確認したフラグの内容、ステップS5603で確認した第1特図保留演出カウンタ及び第2特図保留演出カウンタの値、並びに、ステップS5605で確認した保留変化シナリオデータ及び先読み保留演出カウンタのカウンタ値(つまり保留表示態様データ記憶領域に上書きされた特図保留表示態様データ)に基づいて、演出保留画像9の表示制御の内容を示す特図保留演出制御コマンドを生成する。そして、この特図保留演出制御コマンドをRAM94の出力バッファにセットする(S5607)。
ステップS5607でセットされた特図保留演出制御コマンドが、コマンド送信処理(S4006)により画像制御基板100に送信されると、画像制御基板100のCPU102は、演出保留画像9をROM103から読み出して、表示画面7aにて第1特図保留の数(U1)や第2特図保留の数(U2)が変化するときに演出保留画像9の表示制御を行う。
続いてステップS5608では、先読み保留演出カウンタの値が「0」であるか否かを判定する。先読み保留演出カウンタの値が「0」でなければ(S5608でNO)、ステップS5610に進む。これに対して、先読み保留演出カウンタの値が「0」であれば(S5608でYES)、保留変化シナリオに基づく演出保留画像9の表示を終了するタイミングであるため、保留変化シナリオデータ及び最終態様データをクリアする(S5609)。そしてステップS5602で確認したフラグをOFFして(S5610)、本処理を終える。
なお、サブ制御基板90は、保留変化シナリオデータを画像制御基板100に送信することとし、その保留変化シナリオデータに従った演出保留画像9の詳細な表示制御を、画像制御基板100に実行させても良い。この場合、特図保留の増減に関する情報をサブ制御基板90から画像制御基板100に送るようにし、特図保留の増減に関する情報を受信した画像制御基板100が、保留変化シナリオデータに従った演出保留画像9を表示するようにすれば良い。
9.演出例
次に、図63に基づいて、本パチンコ遊技機1の演出例について説明する。前提条件として、高確時短状態にて第2特図保留が4個から3個になったこととする。そして、この3個目の第2特図保留は、大当たりに当選するものであり、且つ大当たりの種別として確変大当たりが選択されるものとする。この場合には、弱体化演出用SPリーチ確変大当たりの実行を示す第2始動入賞コマンド(「F2H46H」、図16参照)が生成されていて、変動パターンP7(図14参照)が選択されることになる。
この場合において、図40に示すステップS4801の敵キャラ抽選処理で、強敵キャラが決定されたこととする(図50参照)。また図40に示すステップS4802の星最終態様抽選処理で、星最終態様として「2」が決定されたこととする(図50参照)。そして図40に示すステップS4804の星変化シナリオデータ抽選処理で、3変動前「5(白)」⇒2変動前「4(緑)」⇒1変動前「3(赤)」⇒当該変動前半「3(赤)」⇒当該変動後半「2(金)」となる星変化シナリオデータ「11H」が決定されたこととする(図51参照)。
上記した前提条件において、先ず図63(A)に示すように、3変動前において、弱体化演出の開始として強敵キャラを示す敵画像T1と白色で5つの星を示す星画像H5とが表示される。このとき、強敵キャラと5つの星を見た遊技者は、敗北可能性が高いことによって、通常大当たりになることへの危機感を感じることになる。なお弱体化演出が実行される場合には、表示画面7aの左下部にて、小さな3つの演出図柄9U,9M,9Dが変動表示を経て停止表示するようになっている。
次に図63(B)に示すように、2変動前になると、剣可動体駆動演出が実行されると共に、1つの星が減算表示される弱体化演出が実行される。このときには遊技者に、強敵キャラを見せつつ緑色で4つの星を示す星画像H4への切替わりを見せることより、強敵キャラが少し弱くなったという印象を与えることが可能である。即ち、確変大当たりになる可能性(遊技者にとって有利な結果になる可能性)が少し上昇したと思わせることが可能である。
続いて図63(C)に示すように、1変動前になると、剣可動体駆動演出が実行されると共に、更に1つの星が減算表示される弱体化演出が実行される。このときには遊技者に、強敵キャラを見せつつ赤色で3つの星を示す星画像H3への切替わりを見せることより、強敵キャラが更に弱くなったという印象を与えることが可能である。即ち、確変大当たりになる可能性が更に上昇したと思わせることが可能である。
次に図63(D)に示すように、当該変動の前半になるが、このときには、剣可動体駆動演出が実行されない。そして星が減算表示される弱体化演出も実行されない。こうして本形態では、弱体化演出を実行可能なタイミングであっても、星の減算表示が実行されない場合もあり得るようにしている。
続いて図63(E)に示すように、当該変動の後半になると、剣可動体駆動演出が実行されると共に、更に1つの星が減算表示される弱体化演出が実行される。このときには遊技者に、強敵キャラを見せつつ金色で2つの星を示す星画像H2への切替わりを見せることより、強敵キャラが非常に弱くなったという印象を与えることが可能である。即ち、確変大当たりになる可能性が非常に上昇したと思わせることが可能である。
そして図63(F)に示すように、残っている2つの星が表示画面7aの下側の中央に集まるように移動して、星の数が確定するように危険度示唆演出が実行される。尚これらの演出を保留表示を利用した演出に替えて実行しても良い。以上により遊技者には、非常に危険度が高いと感じた強敵キャラが、剣可動体駆動演出の実行の度に、段階的に弱くなっていくという斬新な演出を見せることが可能である。即ち、危険度示唆演出が実行される前に、遊技者には敵キャラが事前に弱くなっていると思わせることが可能である。その結果、強敵キャラにも拘わらず確変大当たりへの可能性が増加していくという高揚感を与えることが可能である。
その後図63(G)に示すように、リーチ煽り演出が実行されると共に、ボタン押下促進演出が実行される。これにより、遊技者が演出ボタン63に対して押下操作すると、図63(H)に示すように、剣可動体駆動演出が実行される。続いて、表示画面7aにて金ロゴに変身した主人公キャラを示す画像X1が表示される。更に図63(J)に示すように、盤可動体駆動演出が実行される。そして図63(K)に示すように、表示画面7aに主人公先制攻撃画像S1が表示される。こうして図63(H)~図63(K)に示す一連の演出により、遊技者は主人公キャラ(金ロゴ)が強敵キャラに勝利するだろうという予測可能性を高めることが可能である。
最後に図63(L)に示すように、主人公キャラが強敵キャラに勝利するバトル勝利演出が実行されて、当選報知演出がなされる(演出図柄8L,8C,8Rが「777」の大当たり停止態様で停止表示する)。つまり遊技者には、確変大当たりであることが報知される。
以上、この演出例によれば、始めに強敵キャラを見せることで敗北可能性が高いと遊技者に一旦思わせることになる。しかしながらその後に徐々に星の数を減少させていくことで、強敵キャラが次第に弱くなっていくように見せることが可能である。そしてバトル演出で主人公キャラが強敵キャラに勝利することで、遊技者には強敵キャラにも拘わらず勝利できたという大きな達成感を与えることが可能である。即ち、確変大当たりを引き当てたことによるより一層の高揚感を与えることが可能である。
またこの演出例によれば、弱体化演出によって、星の色が全く変化しないわけではない。つまり、星の数の減少に伴って、星の色が「緑色」⇒「赤色」⇒「金色」という遊技者にとって馴染みのある変化がなされる。その結果、遊技者にとって有利な結果にある可能性が高くなる(敗北可能性が低くなる)ことをより分かり易く示すことが可能である。言い換えれば、星の数の減少に伴って、遊技者にとって不利な結果になる可能性が高くなっているのではないかという誤解を与え難くすることが可能である。
10.本形態の効果
以上詳細に説明したように、本形態のパチンコ遊技機1によれば、危険度示唆演出の実行タイミングよりも前に、弱体化演出が実行される場合がある。この場合には、敗北可能性を示す星の数が事前に減少していくと共に、星の色が「白色」⇒「緑色」⇒「赤色」⇒「金色」に変化していく(図63(A)~(E))。これにより遊技者には、バトル勝利になる可能性が高まっているのを確実に把握させることが可能である。その後、最終的に減少した星の数及び色で危険度示唆演出が実行される(図63(F)参照)。こうして遊技者には、危険度示唆演出が実行される前から、バトル勝利になる可能性が事前に増加していくという驚きを与えることが可能である。よって、バトル演出の結果が示される前の遊技興趣を高めることが可能である。
また本形態のパチンコ遊技機1によれば、例えば弱体化演出で強敵キャラを示す敵画像T1を遊技者に見せつつ、白色で5つの星を示す星画像H5から、金色で2つの星を示す星画像H2まで星の数が減少するのを把握させることが可能である(図63参照)。従って、強敵キャラを示す敵画像T1が表示されれば、白色で5つの星を示す星画像H5が表示されると認識している遊技者の固定観念を覆すことが可能である。その結果、経験豊富な遊技者であるほど、強敵キャラが表示されているのに星の数が減少していくという斬新な印象及び高揚感を与えることが可能である。
また本形態のパチンコ遊技機1によれば、バトル演出の実行契機となる特別図柄の変動表示が開始される前から、弱体化演出が実行され得る。つまり複数回の特別図柄の変動表示にわたって、弱体化演出により星減算表示及び星の色の変化が複数回実行され得る。こうして、弱体化演出の実行タイミングを多様にすることで、弱体化演出の遊技興趣を一層高めることが可能である。
11.変更例
以下、変更例について説明する。なお、変更例の説明において、上記形態のパチンコ遊技機1と同様の構成については、同じ符号を付して説明を省略する。
<第1変形例>
上記形態では、弱体化演出において、敵画像(例えば強敵キャラを示す敵画像T1)の表示態様を変えないまま、星画像において表示する星の数を減少させるようにした。しかしながら図64に示す第1変形例のように、敵画像の表示態様を弱くなるように変えつつ、星画像において表示する星の数も減少させるようにしても良い。
即ち第1変形例の一例として、先ず図64(A)に示すように、強敵キャラを示す敵画像T1を表示すると共に、白色で5つの星を示す星画像H5を表示する。次に図64(B)に示すように、剣可動体駆動演出に伴って、敵画像T1よりも強敵キャラが弱くなったことを示す敵画像T1aを表示する共に、緑色で4つの星を示す星画像H4を表示する。続いて図64(C)に示すように、剣可動体駆動演出に伴って、敵画像T1aよりも強敵キャラが弱くなったことを示す敵画像T1bを表示する共に、赤色で3つの星を示す星画像H3を表示する。更に図64(D)に示すように、剣可動体駆動演出に伴って、敵画像T1bよりも強敵キャラが弱くなったことを示す敵画像T1cを表示すると共に、金色で2つの星を示す星画像H1を表示する。そして敵画像T1cと、「危険度」及び金色で2つの星を示す星画像K2が表示画面7aに表示される危険度示唆演出を実行する。
以上図64に示す第1変形例によれば、弱体化演出において、星の数が減少すると共に色が変化するだけでなく、敵画像の表示態様も弱くなるように変化するため、遊技者には強敵キャラが弱体化していることをより分かり易く示すことが可能である。なお弱体化演出において、敵キャラ自体を弱い敵キャラ(中敵キャラを示す敵画像T2(図58(B)参照)、弱敵キャラを示す敵画像T3(図58(C)参照))に切替えるようにしても良い。或いは、星画像(例えば5つの星を示す星画像H5)の表示態様を変えないまま、敵画像の表示態様を弱くなるように(図64(A)~図64(D)参照)変化させても良い。
<第2変形例>
また上記形態では、弱体化演出において、星画像において表示させる星を減少させることにより、敗北可能性が減少する(確変大当たりになる可能性が高くなる)ように見せた。しかしながら図65に示す第2変形例のように、敗北可能性が増加する(確変大当たりになる可能性が低くなる)場合があるように見せても良い。
即ち第2変形例の一例として、先ず図65(A)に示すように、弱敵キャラを示す敵画像T3を表示すると共に、赤色で3つの星を示す星画像H3を表示する。次に図65(B)に示すように、剣可動体駆動演出に伴って、星画像H3で表示されていた3つの星に対して1つの星が追加される。これにより図65(C)に示すように、弱敵キャラを示す敵画像T3と、「危険度」及び緑色で4つの星を示す星画像H4が表示される。その結果、遊技者には弱敵キャラが強くなって、敗北可能性が増加したと思わせることが可能である。即ち、遊技者には、通常大当たり(他の演出態様)になる可能性が増加したことへの危機感を抱かせることが可能である。
続いて図65(D)に示すように、剣可動体駆動演出に伴って、星画像H4で表示されていた4つの星に対して更に1つの星が追加される。これにより図65(E)に示すように、弱敵キャラを示す敵画像T3と、「危険度」及び白色で5つの星を示す星画像H5が表示される。その結果、遊技者には敵キャラが更に強くなって、敗北可能性が更に増加したと思わせることが可能である。その後、表示されている5つの星が表示画面7aの下側に集まるように移動して、図65(F)に示すように、弱敵キャラを示す敵画像T3と、「危険度」及び白色で5つの星を示す星画像K5とが表示される危険度示唆演出が実行される。
以上図65に示す第2変形例によれば、弱敵キャラを示す敵画像T3を遊技者に見せつつ、星の数が「3」⇒「4」⇒「5」に増加すると共に、星の色が「赤色」⇒「緑色」⇒「白色」に変化するのを把握させることが可能である。従って、弱敵キャラを示す敵画像T3が表示されれば、3つの星画像H3が必ず表示されると認識している遊技者の固定観念を覆すことが可能である。その結果、弱敵キャラが表示されているにも拘わらず、星の数の増加及び期待度のより低い色の変化により、弱敵キャラが強くなっていくという緊迫感を与えることが可能である。こうして、星の数の減少だけでなく、星の数の増加もあり得るようにすることで、危険度示唆演出が実行される前の演出に一層注目させることが可能である。
<第3変形例>
また上記形態では、高確時短状態において、バトル勝利になる可能性が高まることを示唆する弱体化演出を実行し得るようにした。しかしながら、図66に示す第3変形例のように、通常遊技状態(低確非時短状態)又は低確時短状態において、バトル勝利になる可能性が高まることを示唆する期待増加演出を実行し得るようにしても良い。以下、第3変形例について説明する。
通常遊技状態又は低確時短状態において、バトル演出(特定演出)が実行される場合には、通常、特別図柄の抽選で大当たりであればバトル勝利演出が実行され、特別図柄の抽選でハズレであればバトル敗北演出が実行される。これらバトル勝利演出又はバトル敗北演出が実行される前に、図66(E)に示すように、期待度示唆演出(可能性示唆演出)が実行されることが多い。期待度示唆演出は、大当たりへの当選の期待度(当選期待度、勝利可能性)を示唆する演出である。この期待度示唆演出では、敵キャラを示す敵画像が表示されると共に、星の数と星の色を示す星画像が表示される。ここで、経験豊富な遊技者にとっては、期待度示唆演出が実行されるタイミングと、敵画像及び星画像と当選期待度との関係を知り尽くしていることで、期待度示唆演出が既にありきたりな演出という印象を与える可能性があった。
そこでこの第3変形例では、期待度示唆演出が実行される前に、バトル勝利(特定態様)になる可能性が高まることを示唆する期待増加演出(事前変化演出)を実行し得るようにしている。なおこの第3変形例では、遊技制御用マイコン81がSPリーチ大当たりになることを示す始動入賞コマンドをサブ制御基板90に送信した場合には、演出制御用マイコン91が先読み演出として期待増加演出を実行し得るようにして、その後の当該変動で期待度示唆演出を経てバトル勝利演出を実行する。一方、遊技制御用マイコン81がSPリーチハズレになることを示す始動入賞コマンドをサブ制御基板90に送信した場合には、演出制御用マイコン91が先読み演出として期待増加演出を実行し得るようにして、その後の当該変動で期待度示唆演出を経てバトル敗北演出を実行することになる。
第3変形例では、期待度示唆演出を実行する前に、先ず図66(A)に示すように、いきなり弱敵キャラを示す敵画像(第1演出画像)T3を表示すると共に、「期待度」及び緑色で3つの星を示す星画像(第2演出画像)H3を表示する。これら敵画像T3及び星画像H3の表示では、遊技者に当選期待度がそれほど高くないことを把握させておくことが可能である。次に図66(B)に示すように、剣可動体駆動演出に伴って、星画像H3で表示されていた3つの星に対して1つの星が追加される。これにより図66(C)に示すように、弱敵キャラを示す敵画像T3と、「期待度」及び赤色で4つの星を示す星画像H4が表示される。その結果、遊技者には弱敵キャラにも拘わらず、当選期待度が増加したことへの期待感を与えることが可能である。
続いて図66(D)に示すように、剣可動体駆動演出に伴って、星画像H4で表示されていた4つの星に対して更に1つの星が追加される。これにより、弱敵キャラを示す敵画像T3と、「期待度」及び金色で5つの星を示す星画像H5が表示される。その結果、遊技者には更に当選期待度が増加したことへの大きな期待感を与えることが可能である。その後、表示されている5つの星が表示画面7aの下側に集まるように移動して、図66(E)に示すように、弱敵キャラを示す敵画像T3と、「期待度」及び金色で5つの星を示す星画像K5が表示される期待度示唆演出が実行される。
このようにして第3変形例では、期待度示唆演出が実行される前に、弱敵キャラを示す敵画像T3を遊技者に見せつつ、3つの星を示す星画像H3から5つの星を示す星画像H5まで星の数が増加するのを把握させることが可能である。従って、通常遊技状態又は低確時短状態で弱敵キャラを示す敵画像T3が表示されれば、3つの星を示す星画像H3が必ず表示されて、当選期待度(勝利可能性)があまり高くないと認識している遊技者の固定観念を覆すことが可能である。その結果、経験豊富な遊技者であるほど、弱敵キャラが表示されているのに星の数が増加していくと共に、星の色が期待度のより高い色に変化していくという斬新な印象及び高揚感を与えることが可能である。
なおこの第3変形例において、図66(E)に示す期待度示唆演出の後、図66(F)に示すように、リーチ煽り演出及びボタン押下促進演出が実行される。その後の演出では、上記形態で説明した演出(図61参照)と同様に推移するようになっているため、詳細な説明は省略する。但しこの第3変形例では、図66(G)に示すように、主人公キャラが敵キャラに勝利するバトル勝利演出が実行されれば、大当たりに当選したことが報知されることになる。一方、図66(H)に示すように、主人公キャラが敵キャラに敗北するバトル敗北演出が実行されれば、ハズレであったことが報知されることになる。
<第4変形例>
また上記形態では、弱体化演出において、星の数が最大で「2」まで減少するようにした(図50に示す星最終態様の欄参照)。しかしながら図67に示す第4変形例のように、星の数が最大で「1」まで減少するようにしても良い。そして、弱体化演出で星の数が「1」まで減少した場合には、星の色が虹色(レインボー)になって、大当たりの当選が確定(遊技者にとって有利な結果が確定)していることとして、必ず当選報知演出を実行するようにしても良い。
即ち第4変形例の一例として、先ず図67(A)に示すように、強敵キャラを示す敵画像T1を表示すると共に、白色で5つの星を示す星画像H5を表示する。次に図65(B)に示すように、剣可動体駆動演出に伴って、星画像H5で表示されていた5つの星に対して4つの星を減少させる。これにより図67(C)に示すように、強敵キャラを示す敵画像T1と、「危険度」及び虹色で1つの星を示す星画像H1が表示される。その後図67(D)に示すように、覚醒演出が実行される。この覚醒演出では主人公キャラが覚醒した覚醒画像KKが表示画面7aに表示される。
そして図67(E)に示すように、全回転リーチが示される。全回転リーチでは、同じ数字図柄(例えば「7」)を示す左演出図柄8Lと中演出図柄8Cと右演出図柄8Rとが、横一列に並んだまま下方に移動する。そして図67(F)に示すように、左演出図柄8Lと中演出図柄8Cと右演出図柄8Rとが、横一列に並んだまま「左」の図柄表示エリアと「中」の図柄表示エリアと「右」の図柄表示エリアで同時に停止表示する。つまり当選報知演出がなされる。
以上図67に示す第4変形例によれば、弱体化演出において、星の数が「1」まで減少することにより、星の色が虹色になって、遊技者には強敵キャラが最も弱体化していること示すことが可能である。そしてこの場合には、全回転リーチを経て当選報知演出が必ず実行されることになるため、遊技者にはプレミア演出を見せることが可能である。こうして遊技者には、弱体化演出で当選が確定する場合があり得るという斬新な見せ方(期待感)を提供することが可能である。
<その他の変形例>
また上記形態では、星の数を1個単位で表示するようにした。しかしながら図68に示すように、0.5個単位で表示するようにしても良い。この場合には例えば図68(A)に示すように、剣可動体駆動演出に伴って、星画像H5で表示されていた5つの星に対して2.5個の星を減少させる弱体化演出が実行される。これにより、星の数が残り2.5個であることを示す星画像H2Aが表示される。なお星画像H2Aで示されている星の色は、星の数が3個である場合と同様に赤色であるが、例えば橙色等にしても良く、適宜変更可能である。その後、表示されている2.5個の星が表示画面7aの下側に集まるように移動して、図68(B)に示すように、強敵キャラを示す敵画像T1と、「危険度」及び赤色で2.5個の星を示す星画像K2Aが表示される危険度示唆演出が実行される。その結果、遊技者には敗北可能性をより詳細に把握させることが可能である。なお敗北可能性や当選期待度を示す星の数は、1つ~5つに限られるものではなく、適宜変更可能であり、「0」や「6」以上があっても良い。また敗北可能性や当選期待度を示す表示態様を、∞(無限大)としても良い。
また上記形態では、高確時短状態において、星の数が5個である場合に星の色を「白色」とし、星の数が4個である場合に星の色を「緑色」とし、星の数が3個である場合に星の色を「赤色」とし、星の数が2個である場合に星の色を「金色」としたが、星の数と星の色との関係は、適宜変更可能である。例えば、星の数が5個である場合に星の色を「青色」にしても良い。また星の数が1個である場合を設けて、この場合に星の色を「虹色」にしても良い。
また上記形態において、通常遊技状態又は低確時短状態において、星の数が3個である場合に星の色を「緑色」とし、星の数が4個である場合に星の色を「赤色」とし、星の色が5個である場合に星の色を「金色」にしたが、星の数と星の色との関係は、適宜変更可能である。例えば、星の数が2個である場合を設けて、この場合に星の色を「青色」にしても良い。また星の数が6個である場合を設けて、この場合に星の色を「虹色」にしても良い。
また上記形態において、弱体化演出では、星の数と星の色を変化させるようにしたが、星の形状自体を変化させるようにしても良い。例えば、星の大きさを変化させたり、星が分裂したり、星に剣が突き刺さるようにしても良い。
また上記形態では、弱体化演出(事前変化演出)及び危険度示唆演出(可能性示唆演出)において、敵キャラを示す敵画像(第1演出画像)と星の数を示す星画像(第2演出画像)の両方を表示した。しかしながら、弱体化演出及び危険度示唆演出において、敵画像又は星画像の何れか一方の表示だけで敗北可能性(逆の意味で確変大当たりへの当選期待度)を示すようにしても良い。また第3変形例(図66参照)において、期待増加演出(事前変化演出)及び期待度示唆演出(可能性示唆演出)において、敵キャラを示す敵画像(第1演出画像)と星の数を示す星画像(第2演出画像)の両方を表示した。しかしながら、期待増加演出及び期待度示唆演出において、敵画像又は星画像の何れか一方の表示だけで当選期待度を示すようにしても良い。
また上記形態では、敵キャラを示す敵画像(第1演出画像)は、バトル勝利となる可能性を示唆するものであって、強敵キャラ(図58(A)参照)と中敵キャラ(図58(B)参照)と弱敵キャラ(図58(C)参照)とを示す表示態様があった。しかしながら、その他の敵キャラを示す表示態様があっても良い。また敵キャラの種類を1種類又は2種類だけとしても良い。
また上記形態では、星の数を示す星画像(第2演出画像)により、バトル勝利となる可能性を示唆したが、その他の画像、例えば異なる表情を示すキャラクタの画像、異なるセリフを示す画像、異なる色を示す背景画像、異なる色を示すカッイン画像等でバトル勝利となる可能性を示唆しても良い。
また上記形態では、敵キャラを示す敵画像や星の数を示す星画像で、バトル勝利となる可能性を示唆したが、画像以外でバトル勝利となる可能性を示唆するようにしても良い。例えば、発光手段(LED)による発光数或いは発光態様、演出可動体による駆動態様、音発生手段(スピーカ67)から出力される音の大きさや音色、操作手段を兼ねる振動手段の振動の大きさ、風発生手段から出力される風の強さ等によって、バトル勝利となる可能性を示唆しても良い。
また上記形態では、バトル演出(特定演出)において、バトル勝利(特定態様)になる可能性を示唆するようにしたが、特定演出はバトル演出に限られるものではなく、適宜変更可能である。例えば、特定のミッションが成功するか否かを示す成否演出(特定演出)としても良い。この場合には、その成否演出の結果に対する可能性を示唆するようにすれば良い。或いは、1着になるか否かを示すレース演出としても良い。この場合には、そのレース演出の結果に対する可能性を示唆するようにすれば良い。
また上記形態では、バトル演出でのバトル勝利という演出態様を特定態様としたが、特定態様は、特定演出の種類に応じて適宜変更可能である。例えば、成否演出では、特定態様を特定のミッションに成功するという演出態様にすれば良い。またレース演出では、特定態様を1着になるという演出態様にすれば良い。
また上記形態では、危険度示唆演出(可能性示唆演出)において、確変大当たりになる可能性を示唆するようにした。また第3変形例では、期待度示唆演出(特定演出)において、大当たりに当選する可能性(当選期待度)を示唆するようにした。しかしながら、可能性示唆演出において示唆する可能性は、適宜変更可能であり、例えばラウンド数の多い大当たり(例えば16R大当たり)に当選する可能性を示唆するようにしても良い。要するに、バトル演出(特定演出)の演出態様の結果として示される特定態様(バトル勝利)は、確変大当たりや、大当たり当選という遊技者に有利になり得ることを示唆するもの以外に、ラウンド数の多い大当たりの当選を示唆するものであっても良い。なお特定態様は、遊技者に有利になり得ることを示唆するものに限られず、遊技者に不利になり得ることを示唆するものであっても良い。
また上記形態では、先読み演出として複数回の特別図柄の変動表示にわたって弱体化演出(事前変化演出)を実行可能にした。しかしながら、当該変動だけ弱体化演出を実行し得るようにしても良い。
また上記形態では、3変動前で弱体化演出を最大で1回、2変動前で弱体化演出を最大で1回、1変動前で弱体化演出を最大で1回実行可能とした。しかしながら、当該変動よりも前の各変動において、弱体化演出を2回以上実行しても良く、実行回数は適宜変更可能である。また当該変動では、弱体化演出を1回又は2回実行し得るようにしたが、3回以上実行しても良い。
また上記形態では、疑似連(疑似連続予告演出)について説明していないが、疑似連を実行可能なパチンコ遊技機としても良い。なお疑似連とは、一回の特別図柄の変動表示に対する変動演出において、3つの演出図柄8L,8C,8Rの全てを一旦仮停止表示させ、その後全ての演出図柄8L,8C,8Rを再変動表示させる演出である。疑似連を実行可能なパチンコ遊技機において、再変動表示を開始してから仮停止表示までの間に、弱体化演出を実行し得るようにしても良い。
また上記形態では、剣可動体駆動演出の実行に伴って、弱体化演出が実行され得るようにした。しかしながら、操作手段(例えば演出ボタン63)を示す画像(例えば図60(F)に示すボタン画像E1)を表示画面7aに表示しているときに、遊技者が操作手段を操作すると、弱体化演出が実行され得るようにしても良い。この場合には、遊技者に自らの操作で敵キャラを弱くしたように感じさせることが可能であり、遊技興趣を高めることが可能である。
また上記形態では、弱体化演出が実行される際に、剣可動体駆動演出が実行されるようにした。しかしながら弱体化演出が実行される際に、剣可動体300以外の演出可動体(例えば枠可動体600や盤可動体15、操作手段を兼ねる振動手段等)が駆動するようにしても良い。なお演出可動体が駆動しないで、弱体化演出が実行される場合があるようにしても良い。
また上記形態では、高確時短状態にて、弱体化演出を実行し得るようにした。しかしながら、高確時短状態以外の遊技状態(通常遊技状態、低確時短状態等)で弱体化演出を実行し得るようにしても良い。また第3変形例では、通常遊技状態又は低確時短状態で期待増加演出を実行し得るようにした。しかしながら、通常遊技状態又は低確時短状態以外の遊技状態(高確時短状態等)で期待増加演出を実行し得るようにしても良い。
また上記形態では、高確率状態に制御されたあと実質的に次回の大当たりに当選するまで高確率状態が継続する所謂「確変ループタイプ」のパチンコ遊技機1であった。しかしながら、高確率状態に制御されたあと特別図柄の変動表示の回数が所定回数に達すると、通常確率状態に制御される所謂「STタイプ」のパチンコ遊技機としても良い。また上記形態では、また特別図柄の抽選で大当たりに当選すると大当たり遊技が実行される所謂「1種タイプ」のパチンコ遊技機1であったが、小当たり遊技を実行可能なその他のタイプのパチンコ遊技機(例えば所謂1種2種混合機)であっても良い。
また上記形態では、1つの大入賞装置31を備えるパチンコ遊技機1であった。しかしながら、2つの大入賞装置を備えるパチンコ遊技機であっても良い。また上記形態では、停止表示される特別図柄の種類に応じて高確率状態に移行するパチンコ遊技機1であった。しかしながら、大入賞装置の中に特定領域(V領域)を設けて、特定領域への遊技球の通過に基づいて高確率状態に移行するパチンコ遊技機や、高確率状態に移行しないパチンコ遊技機であっても良い。
また上記形態では、大当たり遊技後に時短回数が「100」回に設定される、又は実質的に次回の大当たりに当選するまで時短状態が続くようにした。しかしながら、大当たり遊技後に時短回数が「0」回に設定される(即ち「非時短状態」に制御される)ことがあり得るようにしても良い。
また上記形態では、第1始動口20又は第2始動口21への入賞に基づいて取得する乱数(判定情報)として、大当たり乱数等の4つの乱数を取得することとしたが、一つの乱数を取得してその乱数に基づいて、大当たりか否か、大当たりの種類、リーチの有無、及び変動パターンの種類を決めるようにしてもよい。すなわち、始動入賞に基づいて取得する乱数の個数および各乱数において何を決定するようにするかは任意に設定可能である。
本発明の「予め定められた制御条件」とは、上記形態では、第1特別図柄の抽選又は第2特別図柄の抽選において大当たりに当選し、その当選を示す大当たり図柄が停止表示されることである。
また本発明の「所定の取得条件の成立」とは、上記形態では、特図1保留球数が上限記憶数(4)に達していない状態で遊技球が第1始動口20に入球すること、又は特図2保留球数が上限記憶数(4)に達していない状態で遊技球が第2始動口21に入球することである。
また上記形態では、パチンコ遊技機1として構成したが、スロットマシン(回胴式遊技機、パチスロ遊技機)として構成しても良い。この場合、ビッグボーナスやレギュラーボーナスへの入賞によって獲得メダルを増やす所謂ノーマル機であれば、ビッグボーナスやレギュラーボーナス等のボーナスを実行している状態が特別遊技状態に相当する。また、小役に頻繁に入賞可能なART(アシストリプレイタイム)やAT(アシストタイム)等の特別な遊技期間にて獲得メダルを増やす所謂ART機やAT機であれば、ARTやAT中の状態が特別遊技状態に相当する。またノーマル機では特別遊技状態への制御条件は、ビッグボーナスやレギュラーボーナスに当選した上で、有効化された入賞ライン上に、ビッグボーナスやレギュラーボーナスへの移行契機となる図柄の組合せが各リールの表示結果として導出表示されることである。また、ART機やAT機では特別遊技状態への制御条件は、例えばARTやATの実行抽選に当選した上で、規定ゲーム数を消化するなどしてARTやATの発動タイミングを迎えることである。
また上記形態で用いた各テーブル(図14、図16、図50~図56参照)の各値や各態様はあくまで一例であって、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
なお上記形態の特徴及び変形例の特徴をそれぞれ組合わせて実施したり、一部取り除いて実施することは勿論可能である。
なお、上記形態には、以下の<A>~<G>の遊技機が示されている。以下に記す説明では、上記形態における対応する構成名や表現、図面に使用した符号を参考のためにかっこ書きで付記している。但し、各遊技機の構成要素はこの付記に限定されるものではない。
<A>
本発明の遊技機は、
所定の取得条件の成立に基づいて判定情報(大当たり乱数等の各種乱数)を取得する取得手段(ステップS206,S212を実行する遊技制御用マイコン)と、
前記取得手段により取得された判定情報に基づいて遊技者に有利な特別遊技状態(大当たり遊技状態)にするかの第1判定(特図1大当たり判定処理,特図2大当たり判定処理)を行う第1判定手段(ステップS1402,S1408を実行する遊技制御用マイコン81)と、
前記第1判定の結果を示す図柄(特別図柄)を変動表示したあと停止表示する図柄表示手段(特別図柄表示器41)と、
前記第1判定が行われる前に、前記取得手段により取得された判定情報に基づいて前記特別遊技状態になるかの第2判定(先読み判定)を行う第2判定手段(ステップS207,S213を実行する遊技制御用マイコン81)と、を備える遊技機(パチンコ遊技機1)において、
所定の特定演出(バトル演出)を実行可能であると共に、前記特定演出の演出態様の結果を特定態様(バトル勝利となる演出態様)にすることが可能な特定演出実行手段(ステップS5006を実行する演出制御用マイコン91)と、
前記特定演出の演出態様の結果が示される前に、前記特定態様になる可能性を示唆する可能性示唆演出(危険度示唆演出)を実行可能な可能性示唆演出実行手段(ステップS4801,S4802を実行する演出制御用マイコン91)と、を備え、
前記可能性示唆演出の演出態様には、前記特定態様になる可能性が所定の基準可能性であることを示唆する基準態様(例えば第1の危険表示態様、図58(A)参照)が含まれていて、
前記可能性示唆演出が実行される前に、前記基準態様とは異なる変化態様(例えば金色で2つの星を示す星画像H2を表示する表示態様、図60(D)参照)を表す事前変化演出(弱体化演出)を実行可能な事前変化演出実行手段(ステップS5110,S5120を実行する演出制御用マイコン91)を備え、
前記事前変化演出の変化態様は、前記特定態様になる可能性が前記基準可能性から変化していることを示唆するものであり(図63(B),(C),(E)参照)、
前記可能性示唆演出実行手段は、
前記事前変化演出が実行された場合には、当該事前変化演出により表された変化態様で前記可能性示唆演出(図63(F)参照)を実行する一方、
前記事前変化演出が実行されない場合には、前記基準態様で前記可能性示唆演出(図59(D)参照)を実行可能なものであり、
前記変化態様には、前記特定態様になる可能性が異なることを示唆する複数の変化態様(緑色で4つの星を示す星画像H4を表示する表示態様,赤色で3つの星を示す星画像H3を表示する表示態様,金色で2つの星を示す星画像H2を表示する表示態様)があり、
前記事前変化演出実行手段は、
前記第2判定の結果に基づいて、当該第2判定が実行される契機となった判定情報よりも前に取得された判定情報に基づく図柄の変動表示から、当該第2判定が実行される契機となった判定情報に基づく図柄の変動表示中にて前記可能性示唆演出が実行されるまでの間に、前記事前変化演出の変化態様を、前記特定態様になる可能性が順に高くなることを示唆するように色の変化(「白色」⇒「緑色」⇒「赤色」⇒「金色」)を含めて複数回変化可能なものである(図51の星変化シナリオデータ抽選テーブル、及び図63の演出例参照)ことを特徴とする遊技機である。
遊技者は、特定演出の演出態様の結果が示される前に、可能性示唆演出の実行タイミングにて、いつも通りに基準態様で可能性示唆演出が実行されると思い込んでいる場合があり得る。そこでこの構成の遊技機によれば、可能性示唆演出の実行タイミングよりも前に、複数回の図柄の変動表示にわたって、基準態様とは異なる変化態様を表す事前変化演出が実行されて、変化態様で可能性示唆演出が実行されることがある。これにより遊技者には、可能性示唆演出が実行される前から、有利な特定態様になる可能性が事前に変化し得るという驚きを与えることが可能である。つまり、複数回の図柄の変動表示にわたって、事前変化演出の変化態様が複数回変化し得ることで、特定演出の結果に対する期待感を向上させることが可能である。こうして、特定演出の演出態様の結果が示される前の遊技興趣を高めることが可能である。更に、事前変化演出の変化態様が、色の変化を含めて複数回変化することで、特定態様になる可能性が順に高くなることをより分かり易く示すことが可能である。
<B>
本発明の遊技機は、
予め定められた制御条件の成立に基づいて遊技者に有利な特別遊技状態に制御される遊技機において、
所定の特定演出(バトル演出)を実行可能であると共に、前記特定演出の演出態様の結果を特定態様(バトル勝利となる演出態様)にすることが可能な特定演出実行手段(ステップS5006を実行する演出制御用マイコン91)と、
前記特定演出の演出態様の結果が示される前に、前記特定態様になる可能性を示唆する可能性示唆演出(危険度示唆演出)を実行可能な可能性示唆演出実行手段(ステップS4801,S4802を実行する演出制御用マイコン91)と、を備え、
前記可能性示唆演出の演出態様には、前記特定態様になる可能性が所定の基準可能性であることを示唆する基準態様(例えば第1の危険表示態様、図58(A)参照)が含まれていて、
前記可能性示唆演出が実行される前に、前記基準態様とは異なる変化態様(例えば2つの星を示す星画像H2を表示する表示態様、図60(D)参照)を表す事前変化演出(弱体化演出)を実行可能な事前変化演出実行手段(ステップS5110,S5120を実行する演出制御用マイコン91)を備え、
前記事前変化演出の変化態様は、前記特定態様になる可能性が前記基準可能性から変化していることを示唆するものであり(図63(B),(C),(E),(F)参照)、
前記可能性示唆演出実行手段は、
前記事前変化演出が実行された場合には、当該事前変化演出により表された変化態様で前記可能性示唆演出(図63(F)参照)を実行する一方、
前記事前変化演出が実行されない場合には、前記基準態様で前記可能性示唆演出(図59(D)参照)を実行可能なものであることを特徴とする遊技機である。
遊技者は、特定演出の演出態様の結果が示される前に、可能性示唆演出の実行タイミングにて、いつも通りに基準態様で可能性示唆演出が実行されると思い込んでいる場合があり得る。そこでこの構成の遊技機によれば、可能性示唆演出の実行タイミングよりも前に、基準態様とは異なる変化態様を表す事前変化演出が実行されて、変化態様で可能性示唆演出が実行されることがある。これにより遊技者には、可能性示唆演出が実行される前から、特定態様になる可能性が事前に変化し得るという驚きを与えることが可能である。こうして、特定演出の演出態様の結果が示される前の遊技興趣を高めることが可能である。
<C>
<B>に記載の遊技機において、
前記特定演出の演出態様の結果には、前記特定態様と異なる他の演出態様(バトル敗北となる演出態様)があり、
前記特定態様は、前記他の演出態様よりも遊技者に有利になり得ることを示す演出態様であり、
前記変化態様は、前記基準態様よりも前記特定態様になる可能性が高いことを示唆するものであることを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、可能性示唆演出が実行される前に、変化態様を表す事前変化演出が実行されれば、有利な特定態様になる可能性が高まっていると遊技者に認識させることが可能である。従って事前変化演出を把握した遊技者には、特定演出の結果に対する期待感を向上させることが可能である。
<D>
<B>又は<C>に記載の遊技機において、
所定の表示手段(画像表示装置7)を備え、
前記基準態様は、前記表示手段に前記特定態様になる可能性が前記基準可能性であることを示唆する第1演出画像(敵キャラを示す敵画像)及び第2演出画像(星の数を示す星画像)を少なくとも表示しているものであり、
前記変化態様は、前記表示手段に前記第1演出画像(例えば強敵キャラを示す敵画像T1)を表示しつつ、前記第2演出画像の表示態様が変化しているもの(星画像の星の数が変化している表示態様、図63参照)であることを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、事前変化演出の変化態様を見た遊技者には、第1演出画像により特定態様になる可能性が基準可能性かもしれないと意識させつつ、第2演出画像の表示態様の変化により基準可能性から変化することを把握させることが可能である。従って、第1演出画像に対して遊技者が認識している基準可能性の固定観念を覆すことが可能であり、斬新な印象及び高揚感を与えることが可能である。
<E>
<C>又は<D>に記載の遊技機において、
前記変化態様には、前記特定態様になる可能性が異なることを示唆する複数の変化態様(4つの星を示す星画像H4を表示する表示態様,3つの星を示す星画像H3を表示する表示態様,2つの星を示す星画像H2を表示する表示態様)があり、
前記事前変化演出実行手段は、前記事前変化演出の変化態様を、前記特定態様になる可能性が順に高くなることを示唆するように複数回変化可能なものである(図63参照)ことを特徴とする遊技機。
この構成の遊技機によれば、事前変化演出により、特定態様になる可能性が段階的に高まっていくことを遊技者に把握させることが可能である。よって、遊技者の期待感を徐々に向上させることが可能であり、事前変化演出の遊技興趣を高めることが可能である。
<F>
<D>又は<E>に記載の遊技機において、
所定の取得条件の成立に基づいて判定情報を取得する判定情報取得手段(ステップS206,S212を実行する遊技制御用マイコン81)と、
前記判定情報取得手段により取得された判定情報を所定の上限数(例えば4個)まで記憶可能な記憶手段(第1特図保留記憶部85a,第2特図保留記憶部85b)と、
前記記憶手段に記憶された判定情報に基づいて当たりであるかの当たり判定を行う当たり判定手段(ステップS1402,S1408を実行する遊技制御用マイコン81)と、
前記当たり判定の結果を示す識別図柄(特別図柄)を変動表示したあと停止表示する識別図柄表示手段(特別図柄表示器41)と、
前記判定情報取得手段により取得された判定情報に基づいて、その判定情報が前記当たり判定で当たりになることを示す特別の判定情報(大当たり当選であると判定される乱数値)であるか否かの情報を含む入賞情報(始動入賞コマンド)を、その判定情報の取得の際に生成する入賞情報生成手段(ステップS207,S213を実行する遊技制御用マイコン81)と、
前記入賞情報生成手段により生成された入賞情報に基づいて、前記記憶手段に記憶されている判定情報の中に前記特別の判定情報があるか否かを、前記当たり判定手段による当たり判定の前に判定する事前判定手段(ステップS4704を実行する演出制御用マイコン91)と、を備え、
前記事前変化演出実行手段は、
前記事前判定手段による判定結果に基づいて、前記入賞情報に対応する判定情報よりも前に記憶された判定情報に基づく識別図柄の変動表示から、当該入賞情報に対応する判定情報に基づく識別図柄の変動表示中にて前記可能性示唆演出が実行されるまでの間に、前記事前変化演出の変化態様を、前記特定態様になる可能性が順に高くなることを示唆するように複数回変化可能なものである(図51の星変化シナリオデータ抽選テーブル、及び図63の演出例参照)ことを特徴とする遊技機。
この構成の遊技機によれば、特定演出の実行契機となる識別図柄の変動表示が開始される前から、事前変化演出が実行され得る。つまり複数回の識別図柄の変動表示にわたって、事前変化演出の変化態様が複数回変化し得る。こうして、事前変化演出の変化態様が変化するタイミングを多様にすることで、事前変化演出の遊技興趣を一層高めることが可能である。
<G>
<C>乃至<F>の何れかに記載の遊技機において、
所定の第1位置(図5(A)に示す退避位置)又は第2位置(図5(B)に示す露出位置)へ移動可能な演出可動体(剣可動体300)と、
前記演出可動体の移動を制御可能な可動体制御手段(ステップS4203を実行する演出制御用マイコン91)と、を備え、
前記可動体制御手段は、前記事前変化演出が実行される際に、前記演出可動体を前記第1位置から前記第2位置へ移動させることが可能なものである(ステップS5109,S5304,S5308を実行する)ことを特徴とする遊技機。
この構成の遊技機によれば、遊技者には、演出可動体が第1位置から第2位置へ移動することを契機に、事前変化演出で遊技者にとって有利な特定態様になる可能性が高まっていると思わせることが可能である。よって、事前変化演出による演出効果を高めることが可能である。