1.遊技機の構造
本発明の実施形態であるパチンコ遊技機1について、図面に基づいて説明する。なお、以下の説明において遊技機の一例としてのパチンコ遊技機1の各部の左右方向は、そのパチンコ遊技機1に対面する遊技者にとっての左右方向に一致させて説明する。また、パチンコ遊技機1の各部の前方向をパチンコ遊技機1に対面する遊技者に近づく方向とし、パチンコ遊技機1の各部の後方向をパチンコ遊技機1に対面する遊技者から離れる方向として、説明する。
図1に示すように、本形態のパチンコ遊技機1は、遊技機枠50と、遊技機枠50内に取り付けられた遊技盤2(図3参照)とを備えている。遊技機枠50は、パチンコ遊技機1の外郭部を構成するものであり、外枠51と内枠52と前枠(ガラス扉枠)53とを備えている。外枠(基枠部)51は、遊技機枠50の外郭を形成する縦長方形状の枠体である。内枠(保持枠部)52は、外枠51の内側に配置されていて、遊技盤2を取付ける縦長方形状の枠体である。前枠(前枠部)53は、外枠51及び内枠52の前面側に配置されていて、遊技盤2を保護する縦長方形状のものである。
遊技機枠50は、左端側にヒンジ部54を備えて構成されている。このヒンジ部54により、前枠53は、外枠51及び内枠52に対してそれぞれ回動自在になっていて、内枠52は、外枠51及び前枠53に対してそれぞれ回動自在になっている。前枠53の中央部には開口部が形成されていて、遊技者が後述する遊技領域3を視認できるように透明のガラス板55が前枠53の開口部に取付けられている。また遊技機枠50(前枠53)には、様々な発光色にて発光可能な枠ランプ66が設けられている。
前枠53は、図1に示すように、上側に上側装飾ユニット200を備え、左側に左側装飾ユニット210を備え、右側に右側装飾ユニット220を備え、下側に操作機構ユニット230を備えて構成されている。左側装飾ユニット210及び右側装飾ユニット220の各上側には、音を出力するスピーカ67が設けられている。操作機構ユニット230には、回転角度に応じた発射強度で遊技球を発射させるためのハンドル(発射操作部)60、遊技球を貯留する打球供給皿(上皿)61、及び打球供給皿61に収容しきれない遊技球を貯留する余剰球受皿(下皿)62が設けられている。また操作機構ユニット230には、遊技の進行に伴って実行される演出時などに遊技者が操作し得る演出ボタン(操作手段)63やセレクトボタン(十字キー)64が設けられている。
上側装飾ユニット200は、図2(A)(B)に示すように、上側が開放した箱状の収容部290と、この収容部290に収容された枠可動体(演出可動体)600とを備えている。枠可動体600は、左側枠可動体600Lと右側枠可動体600Rとを備えて構成されている。収容部290の左右方向の中央には、前後方向に延びる回転軸441が取付けられている。この回転軸441は、前方に向かって下方に傾斜している。左側枠可動体600Lと右側枠可動体600Rは、回転軸441に対して回転可能に取付けられている。
左側枠可動体600Lと右側枠可動体600Rは、初期状態では、図2(A)に示す収納位置(待機位置)にある。そして、所定の演出時(後述する金ロゴリーチへの発展時や大当たり演出の実行時等)には、左側枠可動体600Lは収納位置から回転軸441周りに時計方向に90度回転して、図2(B)に示す突出位置になる。同時に、右側枠可動体600Rは収納位置から回転軸441周りに反時計方向に90度回転して、図2(B)に示す突出位置になる。左側枠可動体600L及び右側枠可動体600Rは、枠可動体駆動モータ600a(図8参照)によって駆動される。
こうして本形態では、枠可動体600は、収納位置にあるときには図2(A)に示すように、遊技機枠50(前枠53)の上縁50Uよりも下方にある。そして枠可動体600が、突出位置に移動すると図2(B)に示すように、遊技機枠50の上縁50Uよりも上方に突出する。これにより、遊技者に強いインパクトを与えることが可能である。なお、遊技機枠50の外縁部分である枠縁50Wは、上側の上縁50Uと下側の下縁50D(図4参照)と左側の左縁50Lと右側の右縁50Rとで構成されている。
次に、図3を参照して遊技盤2について説明する。図3に示すように、遊技盤2には、ハンドル60の操作により発射された遊技球が流下する遊技領域3が、レール部材4で囲まれて形成されている。また遊技盤2には、様々な発光色にて発光可能な盤ランプ5(図7参照)が設けられている。なお遊技盤2は、前側に配されている板状部材と、後側に配されている裏ユニット(後述する各種制御基板、画像表示装置7、ハーネス等を取付けるユニット)とが一体化されたものである。
遊技領域3には、遊技球を誘導する複数の遊技釘が突設されている。また遊技領域3の中央付近には、液晶表示装置である画像表示装置(表示手段)7が配されている。画像表示装置7の表示画面7aには、後述の第1特別図柄および第2特別図柄の変動表示(可変表示)及び停止表示に同期した演出図柄(装飾図柄)8L,8C,8Rの変動表示及び停止表示を行う演出図柄表示領域がある。なお、演出図柄8L,8C,8Rを表示する演出を演出図柄変動演出という。演出図柄変動演出を「装飾図柄変動演出」や単に「変動演出」と称することもある。
演出図柄表示領域は、例えば「左」「中」「右」の3つの図柄表示エリアからなる。左の図柄表示エリアには左演出図柄8Lが表示され、中の図柄表示エリアには中演出図柄8Cが表示され、右の図柄表示エリアには右演出図柄8Rが表示される。演出図柄はそれぞれ、例えば「1」〜「9」までの数字をあらわした複数の図柄(数字図柄)からなる。画像表示装置7は、左、中、右の演出図柄の組合わせによって、後述の第1特別図柄表示器41aおよび第2特別図柄表示器41b(図5参照)にて表示される第1特別図柄および第2特別図柄の変動表示の結果(つまりは大当たり抽選の結果)を、わかりやすく表示する。
例えば大当たりに当選した場合には「777」などのゾロ目(大当たり停止態様)で演出図柄を停止表示する。また、ハズレであった場合には「637」などのバラケ目(ハズレ停止態様)で演出図柄を停止表示する。これにより、遊技者にとっては遊技の進行状況の把握が容易となる。つまり遊技者は、一般的には大当たり抽選の結果を第1特別図柄表示器41aや第2特別図柄表示器41bにより把握するのではなく、画像表示装置7にて把握する。なお、図柄表示エリアの位置は固定的でなくてもよい。また、演出図柄の変動表示の態様としては、例えば上下方向にスクロールする態様がある。また、各抽選結果に応じてどのような演出図柄の組合わせを停止表示するかは任意に変更可能である。
画像表示装置7は、上記のような演出図柄を用いた演出図柄変動演出のほか、大当たり遊技に並行して行われる大当たり演出や、客待ち用のデモ演出(客待ち演出)などを表示画面7aに表示する。なお演出図柄可変表示演出では、数字等の演出図柄のほか、背景画像やキャラクタ画像などの演出図柄以外の演出画像も表示される。
また画像表示装置7の表示画面7aには、後述の第1特図保留の記憶数又は第2特図保留の記憶数に応じて演出保留画像9を表示する第1保留表示領域17a、第2保留表示領域17b、第3保留表示領域17c、及び第4保留表示領域17dがある。第1保留表示領域17aにのみ演出保留画像9が表示されていれば、特図保留(第1特図保留又は第2特図保留)の数が1つであることを示している。第1保留表示領域17a及び第2保留表示領域17bに演出保留画像9が表示されていれば、特図保留の数が2つであることを示している。第1保留表示領域17aと第2保留表示領域17bと第3保留表示領域17cに演出保留画像9が表示されていれば、特図保留の数が3つであることを示している。全ての保留表示領域17a〜17dに演出保留画像9が表示されていれば、特図保留の数が4つであることを示している。こうして演出保留画像9の表示により、後述の第1特図保留表示器43a(図6参照)にて表示される第1特図保留の記憶数、又は第2特図保留表示器43bにて表示される第2特図保留の記憶数を、遊技者にわかりやすく示すことができる。なお本形態において、後述する非時短状態では第1特図保留の記憶数を演出保留画像9として表示し、後述する時短状態では第2特図保留の記憶数を演出保留画像9として表示するようになっている。
遊技領域3の中央付近であって画像表示装置7の前方には、センター装飾体10が配されている。センター装飾体10の下部には、上面を転動する遊技球を、後述の第1始動口20へと誘導可能なステージ部11が形成されている。またセンター装飾体10には、画像表示装置7の表示画面7aよりも前方で移動可能な盤可動体(演出可動体)15が設けられている。
盤可動体15は、図4(A)に示すように、上側盤可動体15Uと左下盤可動体15Lと右下盤可動体15Rとを備えて構成されている。上側盤可動体15Uは、遊技盤2の上部にて隠れるように取付けられている。そして上側盤可動体15Uは、図4(A)に示す待機位置から下方に向かって移動して、図4(B)に示す動作位置へ駆動可能となっている。また左下盤可動体15Lは、遊技盤2の左下部にて隠れるように取付けられている。そして左下盤可動体15Lは、図4(A)に示す待機位置から右斜め上方に向かって移動して、図4(B)に示す動作位置へ駆動可能となっている。また右下盤可動体15Rは、遊技盤2の右下部の後方にて隠れるように取付けられている。そして右下盤可動体15Rは、図4(A)に示す待機位置から左斜め上方に向かって移動して、図4(B)に示す動作位置へ駆動可能となっている。
上側盤可動体15Uと左下盤可動体15Lと右下盤可動体15Rとは、連動して(同じタイミングで)駆動可能になっていて、図4(B)に示すように、表示画面7aよりも前方にて表示画面7aの大部分の領域(半分以上の領域)を隠すように移動可能である。そのため、上側盤可動体15Uと左下盤可動体15Lと右下盤可動体15Rとがそれぞれ動作位置にあることで、遊技者に強いインパクトを与えることが可能となっている。
図3に示す遊技盤2の説明に戻る。図3に示すように、遊技領域3における画像表示装置7の下方には、遊技球の入球し易さが常に変わらない第1始動口(第1始動入賞口、入球口)20を備える固定入賞装置19が設けられている。第1始動口20への遊技球の入賞は、第1特別図柄の抽選(大当たり抽選、すなわち大当たり乱数等の取得と判定)の契機となっている。
また遊技領域3における第1始動口20の下方には、第2始動口(第2始動入賞口、入球口)21を備える普通可変入賞装置(いわゆる電チュー、可変入球手段)22が設けられている。第2始動口21への遊技球の入賞は、第2特別図柄の抽選(大当たり抽選、すなわち大当たり乱数等の取得と判定)の契機となっている。
電チュー22は、可動部材(入球口開閉部材)23を備え、可動部材23の作動によって第2始動口21を開閉するものである。可動部材23は、電チューソレノイド24(図6参照)により駆動される。第2始動口21は、可動部材23が開状態であるときのみ遊技球が入球可能となる。つまり、第2始動口21は、遊技球の入球し易さが変化可能な始動口である。なお、電チュー22は、可動部材23が開状態にあるときの方が閉状態にあるときよりも第2始動口21への入球を容易にするものであれば、閉状態にあるときに第2始動口21への入球を不可能とするものでなくてもよい。
また遊技領域3における第1始動口20の右上方には、大入賞口(特別入賞口)30を備えた大入賞装置(特別可変入賞装置、特別入賞手段)31が設けられている。大入賞装置31は、開閉部材(特別入賞口開閉部材)32を備え、開閉部材32の作動により大入賞口30を開閉するものである。開閉部材32は、大入賞口ソレノイド33(図6参照)により駆動される。大入賞口30は、開閉部材32が開いているときだけ遊技球が入球可能となる。
また遊技領域3における大入賞口30の上方には、遊技球が通過可能なゲート(通過領域)28が設けられている。ゲート28への遊技球の通過は、電チュー22を開放するか否かを決める普通図柄抽選(すなわち普通図柄乱数(当たり乱数)の取得と判定)の実行契機となっている。
また遊技領域3の下部には、普通入賞口27が設けられている。また遊技領域3の最下部には、遊技領域3へ打ち込まれたもののいずれの入賞口にも入賞しなかった遊技球を遊技領域3外へ排出するアウト口16が設けられている。
このように各種の入賞口等が配されている遊技領域3には、左右方向の中央より左側の左遊技領域(第1遊技領域)3Aと、右側の右遊技領域(第2遊技領域)3Bとがある。左遊技領域3Aを遊技球が流下するように遊技球を発射する打方を、左打ちという。一方、右遊技領域3Bを遊技球が流下するように遊技球を発射する打方を、右打ちという。本形態のパチンコ遊技機1では、左打ちにて遊技したときに遊技球が流下する流路を、第1流路R1といい、右打ちにて遊技したときに遊技球が流下する流路を、第2流路R2という。
第1流路R1上には、第1始動口20と、普通入賞口27と、アウト口16とが設けられている。遊技者は第1流路R1を流下するように左打ちを行うことで、第1始動口20や普通入賞口27への入賞を狙うことができる。なお、第1流路R1上にゲート28は配されていない。よって、左打ちをしている場合に電チュー22が開放されることはない。
一方、第2流路R2上には、ゲート28と、大入賞装置31と、電チュー22と、アウト口16とが設けられている。遊技者は第2流路R2を流下するように右打ちを行うことで、ゲート28への通過や、大入賞口30及び第2始動口21への入賞を狙うことができる。
また図3に示すように、遊技盤2の右側中央には表示器類40が配置されている。表示器類40には、図5に示すように、第1特別図柄を可変表示する第1特別図柄表示器41a、第2特別図柄を可変表示する第2特別図柄表示器41b、及び、普通図柄を可変表示する普通図柄表示器42が含まれている。また表示器類40には、第1特別図柄表示器41aの作動保留(第1特図保留)の記憶数を表示する第1特図保留表示器43a、第2特別図柄表示器41bの作動保留(第2特図保留)の記憶数を表示する第2特図保留表示器43b、および普通図柄表示器42の作動保留(普図保留)の記憶数を表示する普図保留表示器44が含まれている。
第1特別図柄の可変表示は、第1始動口20への遊技球の入賞を契機として行われる。第2特別図柄の可変表示は、第2始動口21への遊技球の入賞を契機として行われる。なお以下の説明では、第1特別図柄および第2特別図柄を総称して特別図柄(識別図柄)ということがある。また、第1特別図柄表示器41aおよび第2特別図柄表示器41bを総称して特別図柄表示器(識別図柄表示手段)41ということがある。また、第1特図保留および第2特図保留を総称して特図保留ということがある。また、第1特図保留表示器43aおよび第2特図保留表示器43bを総称して特図保留表示器43ということがある。
特別図柄表示器41では、特別図柄を可変表示(変動表示)したあと停止表示することにより、第1始動口20又は第2始動口21への入賞に基づく抽選(特別図柄抽選、大当たり抽選)の結果を報知する。停止表示される特別図柄(停止図柄、可変表示の表示結果として導出表示される特別図柄)は、特別図柄抽選によって複数種類の特別図柄の中から選択された一つの特別図柄である。停止図柄が予め定めた特定特別図柄(特定の停止態様の特別図柄すなわち大当たり図柄)である場合には、停止表示された大当たり図柄の種類(つまり当選した大当たりの種類)に応じた開放パターンにて大入賞口30を開放させる大当たり遊技(特別遊技)が行われる。なお、大当たり遊技における大入賞口30の開放パターンについては後述する。
特別図柄表示器41は、例えば横並びに配された8個のLEDから構成されており、その点灯態様によって大当たり抽選の結果に応じた特別図柄を表示するものである。例えば大当たり(後述の複数種類の大当たりのうちの一つ)に当選した場合には、「○○●●○○●●」(○:点灯、●:消灯)というように左から1,2,5,6番目にあるLEDが点灯した大当たり図柄を表示する。また、ハズレである場合には、「●●●●●●●○」というように一番右にあるLEDのみが点灯したハズレ図柄を表示する。ハズレ図柄として全てのLEDを消灯させる態様を採用してもよい。また、特別図柄が停止表示される前には所定の変動時間にわたって特別図柄の変動表示(可変表示)がなされるが、その変動表示の態様は、例えば左から右へ光が繰り返し流れるように各LEDが点灯するという態様である。なお変動表示の態様は、各LEDが停止表示(特定の態様での点灯表示)されていなければ、全LEDが一斉に点滅するなどなんでもよい。
本パチンコ遊技機1では、第1始動口20または第2始動口21への遊技球の入賞があると、その入賞に対して取得した大当たり乱数等の各種乱数の値(判定情報)は、特図保留記憶部85(図6参照)に一旦記憶される。詳細には、第1始動口20への入賞であれば第1特図保留として第1特図保留記憶部85aに記憶され、第2始動口21への入賞であれば第2特図保留として第2特図保留記憶部85bに記憶される。各々の特図保留記憶部85に記憶可能な特図保留の数には上限があり、本形態における各上限値は4個となっている。なお第1特図保留の上限値又は第2特図保留の上限値は4個に限られるものではなく、適宜変更可能である。
特図保留記憶部85に記憶された特図保留は、その特図保留に基づく特別図柄の可変表示が可能となったときに消化される。特図保留の消化とは、その特図保留に対応する大当たり乱数等を判定して、その判定結果を示すための特別図柄の可変表示を実行することをいう。従って本パチンコ遊技機1では、第1始動口20または第2始動口21への遊技球の入賞に基づく特別図柄の可変表示がその入賞後にすぐに行えない場合、すなわち特別図柄の可変表示の実行中や大当たり遊技の実行中に入賞があった場合であっても、所定個数を上限として、その入賞に対する大当たり抽選の権利を留保することができるようになっている。
そしてこのような特図保留の数は、特図保留表示器43に表示される。具体的には特図保留表示器43は、例えば4個のLEDで構成されており(図5参照)、特図保留の数だけLEDを点灯させることにより特図保留の数を表示する。
普通図柄の可変表示は、ゲート28への遊技球の通過を契機として行われる。普通図柄表示器42では、普通図柄を可変表示(変動表示)したあと停止表示することにより、ゲート28への遊技球の通過に基づく普通図柄抽選の結果を報知する。停止表示される普通図柄(普図停止図柄、可変表示の表示結果として導出表示される普通図柄)は、普通図柄抽選によって複数種類の普通図柄の中から選択された一つの普通図柄である。停止表示された普通図柄が予め定めた特定普通図柄(所定の停止態様の普通図柄すなわち普通当たり図柄)である場合には、現在の遊技状態に応じた開放パターンにて第2始動口21を開放させる補助遊技が行われる。なお、第2始動口21の開放パターンについては後述する。
具体的には普通図柄表示器42は、例えば2個のLEDから構成されており(図5参照)、その点灯態様によって普通図柄抽選の結果に応じた普通図柄を表示するものである。例えば抽選結果が当たりである場合には、「○○」(○:点灯、●:消灯)というように両LEDが点灯した普通当たり図柄を表示する。また抽選結果がハズレである場合には、「●○」というように右のLEDのみが点灯した普通ハズレ図柄を表示する。普通ハズレ図柄として全てのLEDを消灯させる態様を採用してもよい。普通図柄が停止表示される前には所定の変動時間にわたって普通図柄の変動表示(可変表示)がなされるが、その変動表示の態様は、例えば両LEDが交互に点灯するという態様である。なお変動表示の態様は、各LEDが停止表示(特定の態様での点灯表示)されていなければ、全LEDが一斉に点滅するなどなんでもよい。
本パチンコ遊技機1では、ゲート28への遊技球の通過があると、その通過に対して取得した普通図柄乱数(当たり乱数)の値は、普図保留記憶部86(図6参照)に普図保留として一旦記憶される。普図保留記憶部86に記憶可能な普図保留の数には上限があり、本形態における上限値は4個となっている。なお普図保留の上限値は4個に限られるものではなく、適宜変更可能である。
普図保留記憶部86に記憶された普図保留は、その普図保留に基づく普通図柄の可変表示が可能となったときに消化される。普図保留の消化とは、その普図保留に対応する普通図柄乱数(当たり乱数)を判定して、その判定結果を示すための普通図柄の可変表示を実行することをいう。従って本パチンコ遊技機1では、ゲート28への遊技球の通過に基づく普通図柄の可変表示がその通過後にすぐに行えない場合、すなわち普通図柄の可変表示の実行中や補助遊技の実行中に入賞があった場合であっても、所定個数を上限として、その通過に対する普通図柄抽選の権利を留保することができるようになっている。
そしてこのような普図保留の数は、普図保留表示器44に表示される。具体的には普図保留表示器44は、例えば4個のLEDで構成されており(図5参照)、普図保留の数だけLEDを点灯させることにより普図保留の数を表示するものである。
2.遊技機の電気的構成
次に図6及び図7に基づいて、本パチンコ遊技機1における電気的な構成を説明する。図6及び図7に示すようにパチンコ遊技機1は、大当たり抽選や遊技状態の移行などの遊技利益に関する制御を行う主制御基板(遊技制御基板)80、遊技の進行に伴って実行する演出に関する制御を行うサブ制御基板(演出制御基板)90、遊技球の払い出しに関する制御を行う払出制御基板110等を備えている。主制御基板80は、メイン制御部を構成し、サブ制御基板90は、後述する画像制御基板100、サブ駆動基板107、および音声制御基板106とともにサブ制御部を構成する。なおサブ制御部は、少なくともサブ制御基板90を備え、演出手段(画像表示装置7や盤ランプ5、枠ランプ66、スピーカ67、盤可動体15、枠可動体600等)を用いた遊技演出を制御可能であればよい。
またパチンコ遊技機1は、電源基板150を備えている。電源基板(電源投入手段)150は、主制御基板80、サブ制御基板90、及び払出制御基板110に対して電力を供給するとともに、これらの基板を介してその他の機器に対して必要な電力を供給する。電源基板150には、バックアップ電源回路151が設けられている。バックアップ電源回路151は、営業終了や停電時等の電断によって本パチンコ遊技機1に対して電力が供給されていない場合に、後述する主制御基板80のRAM84やサブ制御基板90のRAM94に対して電力を供給することができる。従って、主制御基板80のRAM84やサブ制御基板90のRAM94に記憶されている情報は、パチンコ遊技機1の電断時であっても保持される。また電源基板150には、電源スイッチ155が接続されている。電源スイッチ155のON/OFF操作により、電源の投入/遮断が切換えられる。なお、主制御基板80のRAM84に対するバックアップ電源回路を主制御基板80に設けたり、サブ制御基板90のRAM94に対するバックアップ電源回路をサブ制御基板90に設けたりしても良い。
図6に示すように、主制御基板80には、プログラムに従ってパチンコ遊技機1の遊技の進行を制御する遊技制御用ワンチップマイコン(以下「遊技制御用マイコン」)81が実装されている。遊技制御用マイコン81には、遊技の進行を制御するためのプログラム等を記憶したROM83、ワークメモリとして使用されるRAM84、ROM83に記憶されたプログラムを実行するCPU82、データや信号の入出力を行うためのI/Oポート部(入出力回路)87が含まれている。RAM84には、上述した特図保留記憶部85と普図保留記憶部86とが設けられている。なお、ROM83は外付けであってもよい。
また主制御基板80には、中継基板88を介して各種センサやソレノイドが接続されている。そのため、主制御基板80には各センサから信号が入力され、各ソレノイドには主制御基板80から信号が出力される。具体的にはセンサ類としては、第1始動口センサ20a、第2始動口センサ21a、ゲートセンサ28a、大入賞口センサ30a、および普通入賞口センサ27aが接続されている。
第1始動口センサ20aは、第1始動口20内に設けられて第1始動口20に入賞した遊技球を検出するものである。第2始動口センサ21aは、第2始動口21内に設けられて第2始動口21に入賞した遊技球を検出するものである。ゲートセンサ28aは、ゲート28内に設けられてゲート28を通過した遊技球を検出するものである。大入賞口センサ30aは、大入賞口30内に設けられて大入賞口30に入賞した遊技球を検出するものである。普通入賞口センサ27aは、各普通入賞口27内にそれぞれ設けられて普通入賞口27に入賞した遊技球を検出するものである。
またソレノイド類としては、電チューソレノイド24、および大入賞口ソレノイド33が接続されている。電チューソレノイド24は、電チュー22の可動部材23を駆動するものである。大入賞口ソレノイド33は、大入賞装置31の開閉部材32を駆動するものである。
さらに主制御基板80には、第1特別図柄表示器41a、第2特別図柄表示器41b、普通図柄表示器42、第1特図保留表示器43a、第2特図保留表示器43b、および普図保留表示器44が接続されている。すなわち、これらの表示器類40の表示制御は、遊技制御用マイコン81によりなされる。
また主制御基板80は、払出制御基板110に各種コマンドを送信するとともに、払い出し監視のために払出制御基板110から信号を受信する。払出制御基板110には、賞球払出装置120、貸球払出装置130およびカードユニット135(パチンコ遊技機1に隣接して設置され、挿入されたプリペイドカード等の情報に基づいて球貸しを可能にするもの)が接続されているとともに、発射制御回路111を介して発射装置112が接続されている。発射装置112には、ハンドル60(図1参照)が含まれる。
払出制御基板110は、遊技制御用マイコン81からの信号や、パチンコ遊技機1に接続されたカードユニット135からの信号に基づいて、賞球払出装置120の賞球モータ121を駆動して賞球の払い出しを行ったり、貸球払出装置130の球貸モータ131を駆動して貸球の払い出しを行ったりする。払い出される賞球は、その計数のため賞球センサ122により検知される。また払い出される貸球は、その計数のため球貸センサ132により検知される。なお遊技者による発射装置112のハンドル60(図1参照)への操作があった場合には、タッチスイッチ114がハンドル60への接触を検知し、発射ボリューム115がハンドル60の回転量を検知する。そして、発射ボリューム115の検知信号の大きさに応じた強さで遊技球が発射されるよう発射モータ113が駆動されることとなる。なお本パチンコ遊技機1においては、0.6秒程度で一発の遊技球が発射されるようになっている。
また主制御基板80は、サブ制御基板90に対し各種コマンドを送信する。主制御基板80とサブ制御基板90との接続は、主制御基板80からサブ制御基板90への信号の送信のみが可能な単方向通信接続となっている。すなわち、主制御基板80とサブ制御基板90との間には、通信方向規制手段としての図示しない単方向性回路(例えばダイオードを用いた回路)が介在している。
図7に示すように、サブ制御基板90には、プログラムに従ってパチンコ遊技機1の演出を制御する演出制御用ワンチップマイコン(以下「演出制御用マイコン」)91が実装されている。演出制御用マイコン91には、遊技の進行に伴って演出を制御するためのプログラム等を記憶したROM93、ワークメモリとして使用されるRAM94、ROM93に記憶されたプログラムを実行するCPU92、データや信号の入出力を行うためのI/Oポート部(入出力回路)97が含まれている。なお、ROM93は外付けであってもよい。
サブ制御基板90には、画像制御基板100、音声制御基板106、サブ駆動基板107が接続されている。サブ制御基板90の演出制御用マイコン91は、主制御基板80から受信したコマンドに基づいて、画像制御基板100のCPU102に画像表示装置7の表示制御を行わせる。
画像制御基板100は、画像表示等の制御のためのプログラム等を記憶したROM103、ワークメモリとして使用されるRAM104、及びROM103に記憶されたプログラムを実行するCPU102を備えている。なお、ROM103には、画像表示装置7に表示される静止画データや動画データ、具体的にはキャラクタ、アイテム、図形、文字、数字および記号等(演出図柄を含む)や背景画像等の画像データが格納されている。画像制御基板100のCPU102は、演出制御用マイコン91からの指令に基づいてROM103から画像データを読み出す。そして、読み出した画像データに基づいて表示制御を実行する。
また演出制御用マイコン91は、主制御基板80から受信したコマンドに基づいて、音声制御基板106を介してスピーカ67から音声、楽曲、効果音等を出力する。スピーカ67から出力する音声等の音声データは、サブ制御基板90のROM93に格納されている。なお、音声制御基板106にCPUを実装してもよく、その場合、そのCPUに音声制御を実行させてもよい。さらにこの場合、音声制御基板106にROMを実装してもよく、そのROMに音声データを格納してもよい。また、スピーカ67を画像制御基板100に接続し、画像制御基板100のCPU102に音声制御を実行させてもよい。さらにこの場合、画像制御基板100のROM103に音声データを格納してもよい。
また演出制御用マイコン91は、主制御基板80から受信したコマンドに基づいて、サブ駆動基板107及び中継基板108を介して枠ランプ66、盤ランプ5等のランプの点灯制御を行う。詳細には演出制御用マイコン91は、各ランプの発光態様を決める発光パターンデータ(点灯/消灯や発光色等を決めるデータ、ランプデータともいう)を作成し、発光パターンデータに従って枠ランプ66、盤ランプ5等のランプの発光を制御する。なお、発光パターンデータの作成にはサブ制御基板90のROM93に格納されているデータを用いる。
さらに演出制御用マイコン91は、主制御基板80から受信したコマンドに基づいて、サブ駆動基板107及び中継基板108を介して盤可動体15を駆動させることが可能である。詳細には演出制御用マイコン91は、RAM94の所定の駆動データバッファに、盤可動体15の動作態様を決める盤可動体駆動データをセットする。これにより、盤可動体駆動モータ15aが回転駆動して、盤可動体15が図4(A)に示す待機位置から図4(B)に示す動作位置へ駆動可能になっている。盤可動体15が図4(A)に示す待機位置から図4(B)に示す動作位置へ駆動する演出を「盤可動体駆動演出」と呼ぶことにする。
また演出制御用マイコン91は、主制御基板80から受信したコマンドに基づいて、サブ駆動基板107及び中継基板108を介して枠可動体600を駆動させることが可能である。詳細には演出制御用マイコン91は、RAM94の所定の駆動データバッファに、枠可動体600の動作態様を決める枠可動体駆動データをセットする。これにより、枠可動体駆動モータ600aが回転駆動して、枠可動体600が図2(A)に示す収納位置から図2(B)に示す突出位置へ駆動可能になっている。枠可動体600が図2(A)に示す収納位置から図2(B)に示す突出位置へ駆動する演出を「枠可動体駆動演出」と呼ぶことにする。
なお変形例として、サブ駆動基板107にCPUを実装してもよく、そのCPUにランプの点灯制御や、盤可動体15又は枠可動体600の駆動制御を実行させてもよい。さらにこの場合、サブ駆動基板107にROMを実装してもよく、そのROMにランプデータや駆動データに関するデータを格納してもよい。
サブ制御基板90には、演出ボタン検出SW(スイッチ)63a及びセレクトボタン検出スイッチ64aが接続されている。演出ボタン検出スイッチ63aは、演出ボタン63(図1参照)が押下操作されたことを検出するものである。演出ボタン63が押下操作されると、演出ボタン検出スイッチ63aからサブ制御基板90に対して検出信号が出力される。セレクトボタン検出スイッチ64aは、セレクトボタン64(図1参照)が押下操作されたことを検出するものである。セレクトボタン64が押下操作されると、セレクトボタン検出スイッチ64aからサブ制御基板90に対して検出信号が出力される。
なお図6及び図7は、あくまで本パチンコ遊技機1における電気的な構成を説明するための機能ブロック図であり、図6及び図7に示す基板だけが設けられているわけではない。主制御基板80を除いて、図6又は図7に示す何れか複数の基板を1つの基板として構成しても良く、図6又は図7に示す1つの基板を複数の基板として構成しても良い。
3.大当たり等の説明
本形態のパチンコ遊技機1では、大当たり抽選(特別図柄抽選)の結果として、「大当たり」と「はずれ」がある。「大当たり」のときには、特別図柄表示器41に「大当たり図柄」が停止表示される。「はずれ」のときには、特別図柄表示器41に「ハズレ図柄」が停止表示される。大当たりに当選すると、停止表示された特別図柄の種類(大当たりの種類)に応じた開放パターンにて、大入賞口(大入賞口30)を開放させる「大当たり遊技」が実行される。大当たり遊技を特別遊技ともいう。
大当たり遊技は、本形態では、複数回のラウンド遊技(単位開放遊技)と、初回のラウンド遊技が開始される前のオープニング(OPとも表記する)と、最終回のラウンド遊技が終了した後のエンディング(EDとも表記する)とを含んでいる。各ラウンド遊技は、OPの終了又は前のラウンド遊技の終了によって開始し、次のラウンド遊技の開始又はEDの開始によって終了する。ラウンド遊技間の大入賞口の閉鎖の時間(インターバル時間)は、その閉鎖前の開放のラウンド遊技に含まれる。
大当たりには複数の種別がある。大当たりの種別は図8(A)に示す通りである。図8(A)に示すように、本形態では2つの種別がある。確変大当たりと通常大当たりである。「確変大当たり」は、大当たり遊技後に後述する高確率状態に制御されることになる大当たりである。「通常大当たり」は、大当たり遊技後に後述する通常確率状態に制御されることになる大当たりである。
特図1(第1特別図柄)の抽選で当選可能な「16R確変大当たり1」又は特図2(第2特別図柄)の抽選で当選可能な「16R確変大当たり2」は、図8(B)に示すように、1Rから16Rまで大入賞口30を1R当たり最大25.0秒にわたって開放する大当たりである。特図1の抽選によって「確変大当たり」に当選した場合には、第1特別図柄表示器41aに「特図1_大当たり図柄1」が停止表示される。また特図2の抽選によって「確変大当たり」に当選した場合には、第2特別図柄表示器41bに「特図2_大当たり図柄1」が停止表示される。
これに対して、特図1の抽選で当選可能な「16R通常大当たり1」又は特図2の抽選で当選可能な「16R通常大当たり2」は、図8(B)に示すように、1R〜12Rまでは大入賞口30を1R当たり最大25.0秒にわたって開放し、13R〜16Rまでは大入賞口30を1R当たり最大0.1秒にわたって開放する大当たりである。つまり、これらの大当たりの総ラウンド数は16Rであるものの、実質的なラウンド数は12Rである。実質的なラウンド数とは、1ラウンド当たりの入賞上限個数(本形態では8個)まで遊技球が入賞可能なラウンド数のことである。これら「通常大当たり」では13Rから16Rまでは、大入賞口30の開放時間が極めて短く、賞球の見込めないラウンドになっている。特図1の抽選によって「通常大当たり」に当選した場合には、第1特別図柄表示器41aに「特図1_大当たり図柄2」が停止表示される。また特図2の抽選によって「通常大当たり」に当選した場合には、第2特別図柄表示器41bに「特図2_大当たり図柄2」が停止表示される。
但し、「通常大当たり」に当選して大当たり遊技後に通常確率状態に制御された場合であっても、後述する時短状態には制御される。この場合の時短回数は100回に設定される。時短回数とは、時短状態における特別図柄の変動表示の上限実行回数のことである。なお本形態では、図8(A)に示すように、特図1の抽選における大当たりの振分率、及び特図2の抽選における大当たりの振分率は共に、確変大当たりが65%、通常大当たりが35%になるように設定されている。
ここで本パチンコ遊技機1では、大当たりか否かの抽選は「大当たり乱数」に基づいて行われ、当選した大当たりの種別の抽選は「当たり種別乱数」に基づいて行われる。図9(A)に示すように、大当たり乱数は0〜65535までの範囲で値をとる。当たり種別乱数は、0〜99までの範囲で値をとる。なお、第1始動口20又は第2始動口21への入賞に基づいて取得される乱数には、大当たり乱数および当たり種別乱数の他に、「リーチ乱数」および「変動パターン乱数」がある。
リーチ乱数は、大当たり判定の結果がハズレである場合に、その結果を示す演出図柄変動演出においてリーチを発生させるか否かを決める乱数である。リーチとは、複数の演出図柄のうち変動表示されている演出図柄が残り一つとなっている状態であって、変動表示されている演出図柄がどの図柄で停止表示されるか次第で大当たり当選を示す演出図柄の組み合わせとなる状態(例えば「7↓7」の状態)のことである。なお、リーチ状態において停止表示されている演出図柄は、表示画面7a内で多少揺れているように表示されていたり、拡大と縮小を繰り返すように表示されていたりしてもよい。このリーチ乱数は、0〜127までの範囲で値をとる。
また、変動パターン乱数は、変動時間を含む変動パターンを決めるための乱数である。変動パターン乱数は、0〜99までの範囲で値をとる。また、ゲート28への通過に基づいて取得される乱数には、図9(B)に示す普通図柄乱数(当たり乱数)がある。普通図柄乱数は、電チュー22を開放させる補助遊技を行うか否かの抽選(普通図柄抽選)のための乱数である。普通図柄乱数は、0〜255までの範囲で値をとる。
4.遊技状態の説明
次に、本形態のパチンコ遊技機1の遊技状態に関して説明する。パチンコ遊技機1の特別図柄表示器41および普通図柄表示器42には、それぞれ、確率変動機能と変動時間短縮機能がある。特別図柄表示器41の確率変動機能が作動している状態を「高確率状態」といい、作動していない状態を「通常確率状態(非高確率状態)」という。高確率状態では、大当たり確率が通常確率状態よりも高くなっている。すなわち、大当たりと判定される大当たり乱数の値が通常確率状態で用いる大当たり判定テーブルよりも多い大当たり判定テーブルを用いて、大当たり判定を行う(図10(A)参照)。つまり、特別図柄表示器41の確率変動機能が作動すると、作動していないときに比して、特別図柄表示器41による特別図柄の可変表示の表示結果(すなわち停止図柄)が大当たり図柄となる確率が高くなる。
また、特別図柄表示器41の変動時間短縮機能が作動している状態を「時短状態」といい、作動していない状態を「非時短状態」という。時短状態では、特別図柄の変動時間(変動表示開始時から表示結果の導出表示時までの時間)が、非時短状態よりも短くなっている。すなわち、変動時間の短い変動パターンが選択されることが非時短状態よりも多くなるように定められた特図変動パターンテーブルを用いて、変動パターンの判定を行う(図11参照)。つまり、特別図柄表示器41の変動時間短縮機能が作動すると、作動していないときに比して、特別図柄の可変表示の変動時間として短い変動時間が選択されやすくなる。その結果、時短状態では、特図保留の消化のペースが速くなり、始動口への有効な入賞(特図保留として記憶され得る入賞)が発生しやすくなる。そのため、スムーズな遊技の進行のもとで大当たりを狙うことができる。
特別図柄表示器41の確率変動機能と変動時間短縮機能とは同時に作動することもあるし、片方のみが作動することもある。そして、普通図柄表示器42の確率変動機能および変動時間短縮機能は、特別図柄表示器41の変動時間短縮機能に同期して作動するようになっている。すなわち、普通図柄表示器42の確率変動機能および変動時間短縮機能は、時短状態において作動し、非時短状態において作動しない。よって、時短状態では、普通図柄抽選における当選確率が非時短状態よりも高くなっている。すなわち、当たりと判定される普通図柄乱数(当たり乱数)の値が非時短状態で用いる普通図柄当たり判定テーブルよりも多い普通図柄当たり判定テーブルを用いて、当たり判定(普通図柄の判定)を行う(図10(C)参照)。つまり、普通図柄表示器42の確率変動機能が作動すると、作動していないときに比して、普通図柄表示器42による普通図柄の可変表示の表示結果が、普通当たり図柄となる確率が高くなる。
また時短状態では、普通図柄の変動時間が非時短状態よりも短くなっている。本形態では、普通図柄の変動時間は非時短状態では30秒であるが、時短状態では1秒である(図10(D)参照)。さらに時短状態では、補助遊技における電チュー22の開放時間が、非時短状態よりも長くなっている(図12参照)。すなわち、電チュー22の開放時間延長機能が作動している。加えて時短状態では、補助遊技における電チュー22の開放回数が非時短状態よりも多くなっている(図12参照)。すなわち、電チュー22の開放回数増加機能が作動している。
普通図柄表示器42の確率変動機能と変動時間短縮機能、および電チュー22の開放時間延長機能と開放回数増加機能が作動している状況下では、これらの機能が作動していない場合に比して、電チュー22が頻繁に開放され、第2始動口21へ遊技球が頻繁に入賞することとなる。その結果、発射球数に対する賞球数の割合であるベースが高くなる。従って、これらの機能が作動している状態を「高ベース状態」といい、作動していない状態を「低ベース状態」という。高ベース状態では、手持ちの遊技球を大きく減らすことなく大当たりを狙うことができる。なお高ベース状態とは、いわゆる電サポ制御(電チュー22により第2始動口21への入賞をサポートする制御)が実行されている状態である。よって、高ベース状態を電サポ制御状態や入球容易状態ともいう。これに対して、低ベース状態を非電サポ制御状態や非入球容易状態ともいう。
高ベース状態は、上記の全ての機能が作動するものでなくてもよい。すなわち、普通図柄表示器42の確率変動機能、普通図柄表示器42の変動時間短縮機能、電チュー22の開放時間延長機能、および電チュー22の開放回数増加機能のうち一つ以上の機能の作動によって、その機能が作動していないときよりも電チュー22が開放され易くなっていればよい。また高ベース状態は、時短状態に付随せずに独立して制御されるようにしてもよい。
本形態のパチンコ遊技機1では、確変大当たりへの当選に基づく大当たり遊技後の遊技状態は、高確率状態かつ時短状態かつ高ベース状態である。この遊技状態を特に、「高確高ベース状態」という。本形態の高確高ベース状態は、後述するように、実質的に次回の大当たりに当選してその大当たり遊技後が開始されるまで継続するようになっている。つまり高確高ベース状態は、遊技者にとって手持ちの遊技球を大きく減らすことなく次回の大当たりの当選を獲得できる非常に有利な状態である。
また、通常大当たりへの当選に基づく大当たり遊技後の遊技状態は、通常確率状態(非高確率状態すなわち低確率状態)かつ時短状態かつ高ベース状態である。この遊技状態を特に、「低確高ベース状態」という。低確高ベース状態は、所定回数(本形態では100回)の特別図柄の可変表示が実行されるか、又は、大当たりに当選してその大当たり遊技が開始されることにより終了する。
なお、パチンコ遊技機1を初めて遊技する場合において電源投入後の遊技状態は、通常確率状態かつ非時短状態かつ低ベース状態である。この遊技状態を特に、「低確低ベース状態」という。低確低ベース状態を「通常遊技状態」と称することもある。また、大当たり遊技(特別遊技)の実行中の状態を「大当たり遊技状態(特別遊技状態)」と称することとする。さらに、高確率状態および高ベース状態のうち少なくとも一方の状態に制御されている状態を、「特典遊技状態」と称することとする。
高確高ベース状態や低確高ベース状態といった高ベース状態では、右打ちにより右遊技領域3B(図3参照)へ遊技球を進入させた方が有利に遊技を進行できる。電サポ制御により低ベース状態と比べて電チュー22が開放されやすくなっており、第1始動口20への入賞よりも第2始動口21への入賞の方が容易となっているからである。そのため、普通図柄抽選の契機となるゲート28へ遊技球を通過させつつ、第2始動口21へ遊技球を入賞させるべく右打ちを行う。これにより左打ちをするよりも、多数の始動入賞(始動口への入賞)を得ることができる。なお本パチンコ遊技機1では、大当たり遊技中も右打ちにて遊技を行う。
これに対して、低ベース状態では、左打ちにより左遊技領域3A(図3参照)へ遊技球を進入させた方が有利に遊技を進行できる。電サポ制御が実行されていないため、高ベース状態と比べて電チュー22が開放されにくくなっており、第2始動口21への入賞よりも第1始動口20への入賞の方が容易となっているからである。そのため、第1始動口20へ遊技球を入賞させるべく左打ちを行う。これにより右打ちするよりも、多数の始動入賞を得ることができる。
5.遊技制御用マイコン81の動作
[主制御メイン処理]次に図13〜図27に基づいて遊技制御用マイコン81の動作について説明する。なお、遊技制御用マイコン81の動作説明にて登場するカウンタ、タイマ、フラグ、ステータス、バッファ等は、RAM84に設けられている。主制御基板80に備えられた遊技制御用マイコン81は、パチンコ遊技機1の電源がオンされると、ROM83から図13に示した主制御メイン処理のプログラムを読み出して実行する。同図に示すように、主制御メイン処理では、まず初期設定を行う(ステップS001)。初期設定では例えば、スタックの設定、定数設定、割り込み時間の設定、CPU82の設定、SIO、PIO、CTC(割り込み時間の管理のための回路)の設定や、各種のフラグ、ステータス及びカウンタ等のリセット等を行う。フラグの初期値は「0」つまり「OFF」であり、ステータスの初期値は「1」であり、カウンタの初期値は「0」である。なお初期設定(S001)は、電源投入後に一度だけ実行され、それ以降は実行されない。
初期設定(S001)に次いで、割り込みを禁止し(S002)、普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S003)を実行する。この普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S003)では、図9に示した種々の乱数カウンタ値を1加算して更新する。各乱数カウンタ値は上限値に至ると「0」に戻って再び加算される。なお各乱数カウンタの初期値は「0」以外の値であってもよく、ランダムに変更されるものであってもよい。また各乱数は、カウンタIC等からなる公知の乱数生成回路を利用して生成される所謂ハードウェア乱数であってもよい。
普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S003)が終了すると、割り込みを許可する(S004)。割り込み許可中は、メイン側タイマ割り込み処理(S005)の実行が可能となる。メイン側タイマ割り込み処理(S005)は、例えば4msec周期でCPU82に繰り返し入力される割り込みパルスに基づいて実行される。すなわち、例えば4msec周期で実行される。そして、メイン側タイマ割り込み処理(S005)が終了してから、次にメイン側タイマ割り込み処理(S005)が開始されるまでの間に、普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S003)による各種カウンタ値の更新処理が繰り返し実行される。なお、割り込み禁止状態のときにCPU82に割り込みパルスが入力された場合は、メイン側タイマ割り込み処理(S005)はすぐには開始されず、割り込み許可(S004)がされてから開始される。
[メイン側タイマ割り込み処理]次に、メイン側タイマ割り込み処理(S005)について説明する。図14に示すように、メイン側タイマ割り込み処理(S005)では、まず出力処理(S101)を実行する。出力処理(S101)では、以下に説明する各処理において主制御基板80のRAM84に設けられた出力バッファにセットされたコマンド等を、サブ制御基板90や払出制御基板110等に出力する。
出力処理(S101)に次いで行われる入力処理(S102)では、主にパチンコ遊技機1に取付けられている各種センサ(第1始動口センサ20a、第2始動口センサ21a、大入賞口センサ30a、普通入賞口センサ27a等(図6参照))が検知した検出信号を読み込み、賞球情報としてRAM84の出力バッファに記憶(セット)する。また、下皿62の満杯を検出する下皿満杯スイッチからの検出信号も取り込み、下皿満杯データとしてRAM84の出力バッファに記憶する。
次に行われる普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S103)は、図13の主制御メイン処理で行う普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S003)と同じである。即ち、図9に示した各種乱数カウンタ値(普通図柄乱数カウンタ値も含む)の更新処理は、メイン側タイマ割り込み処理(S005)の実行期間と、それ以外の期間(メイン側タイマ割り込み処理(S005)の終了後、次のメイン側タイマ割り込み処理(S005)が開始されるまでの期間)との両方で行われている。
普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S103)に次いで、後述するセンサ検出処理(S104)、普通動作処理(S105)、および特別動作処理(S106)を実行する。その後、その他の処理(S107)を実行して、メイン側タイマ割り込み処理(S005)を終了する。その他の処理(S107)としては、後述の特図2保留球数に基づいて第2特図保留表示器43bをその数を示す表示態様に制御したり、後述の特図1保留球数に基づいて第1特図保留表示器43aをその数を示す表示態様に制御したりする。そして、次にCPU82に割り込みパルスが入力されるまでは主制御メイン処理のステップS002〜S004の処理が繰り返し実行され(図13参照)、割り込みパルスが入力されると(約4msec後)、再びメイン側タイマ割り込み処理(S005)が実行される。再び実行されたメイン側タイマ割り込み処理(S005)の出力処理(S101)においては、前回のメイン側タイマ割り込み処理(S005)にてRAM84の出力バッファにセットされたコマンド等が出力される。
[センサ検出処理]図15に示すように、センサ検出処理(S104)ではまず、ゲート28に遊技球が通過したか否か、即ち、ゲートセンサ28aによって遊技球が検出されたか否か判定する(S201)。ゲート28を遊技球が通過していれば(S201でYES)、後述のゲート通過処理を行う(S202)。一方、遊技球がゲート28を通過していなければ(S201でNO)、ゲート通過処理(S202)をパスしてステップS203に進む。
ステップS203では、第2始動口21に遊技球が入賞したか否か、即ち、第2始動口センサ21aによって遊技球が検出されたか否か判定する(S203)。第2始動口21に遊技球が入賞していない場合(S203でNO)にはステップS207に進むが、第2始動口21に遊技球が入賞した場合には(S203でYES)、特図2保留球数(第2特図保留の数、具体的にはRAM84に設けた第2特図保留の数をカウントするカウンタの数値)が「4」(上限記憶数)に達しているか否か判定する(S204)。そして、特図2保留球数が「4」に達している場合(S204でYES)には、ステップS207に進むが、特図2保留球数が「4」未満である場合には(S204でNO)、特図2保留球数に1を加算する(S205)。
続いて特図2関係乱数取得処理を行う(S206)。特図2関係乱数取得処理(S206)では、大当たり乱数カウンタ値(ラベル−TRND−A)、当たり種別乱数カウンタ値(ラベル−TRND−AS)、リーチ乱数カウンタ値(ラベル−TRND−RC)及び変動パターン乱数カウンタ値(ラベル−TRND−T1)を取得し(つまり図9(A)に示す乱数値群を取得し)、それら取得乱数値を第2特図保留記憶部85bのうち現在の特図2保留球数に応じた第2特図保留記憶部85bの記憶領域に格納する。
続いてセンサ検出処理(S104)では、第1始動口20に遊技球が入賞したか否か、即ち、第1始動口センサ20aによって遊技球が検出されたか否かを判定する(S207)。第1始動口20に遊技球が入賞していない場合(S207でNO)には処理を終えるが、第1始動口20に遊技球が入賞した場合には(S207でYES)、特図1保留球数(第1特図保留の数、具体的にはRAM84に設けた第1特図保留の数をカウントするカウンタの数値)が「4」(上限記憶数)に達しているか否か判定する(S208)。そして、特図1保留球数が「4」に達している場合(S208でYES)には、処理を終えるが、特図1保留球数が「4」未満である場合には(S208でNO)、特図1保留球数に「1」を加算する(S209)。
続いて特図1関係乱数取得処理(S210)を行って、本処理を終える。特図1関係乱数取得処理(S210)では、特図2関係乱数取得処理(S206)と同様に、大当たり乱数カウンタ値(ラベル−TRND−A)、当たり種別乱数カウンタ値(ラベル−TRND−AS)、リーチ乱数カウンタ値(ラベル−TRND−RC)及び変動パターン乱数カウンタ値(ラベル−TRND−T1)を取得し(つまり図9(A)に示す乱数値群を取得し)、それら取得乱数値を第1特図保留記憶部85aのうち現在の特図1保留球数に応じた第1特図保留記憶部85aの記憶領域に格納する。
[ゲート通過処理]図16に示すようにゲート通過処理(S202)では、普通図柄保留球数(普図保留の数、具体的にはRAM84に設けた普図保留の数をカウントするカウンタの値)が4以上であるか否かを判定し(S301)、普通図柄保留球数が4以上であれば(S301でYES)、処理を終了する。一方、普通図柄保留球数が4以上でなければ(S301でNO)、普通図柄保留球数に「1」を加算し(S302)、普通図柄乱数取得処理を行う(S303)。普通図柄乱数取得処理(S303)では、普通図柄乱数カウンタ値(ラベル−TRND−Hの値、図12(B)参照)を取得し、その取得乱数値をRAM84の普図保留記憶部86のうち現在の普通図柄保留球数に応じた記憶領域に格納する。
[普通動作処理]遊技制御用マイコン81は、センサ検出処理(S104)に次いで普通動作処理(S105)を行う(図14参照)。図17に示すように、普通動作処理(S105)ではまず、電チュー22の作動中か否かを判定する(S401)。電チュー22の作動中でなければ(S401でNO)、続いて、普通図柄の停止表示中か否かを判定する(S402)。普通図柄の停止表示中でなければ(S402でNO)、続いて、普通図柄の変動表示中か否かを判定する(S403)。普通図柄の変動表示中でなければ(S403でNO)、続いて、普通図柄の保留球数が「0」か否かを判定する(S404)。普通図柄の保留球数が「0」であれば(S404でYES)、本処理を終える。
ステップS404において普通図柄の保留球数が「0」でなければ(S404でNO)、当たり判定処理を行う(S405)。当たり判定処理(S405)では、普図保留記憶部86に格納されている普通図柄乱数カウンタ値(ラベル−TRND−Hの値)を読み出し、図10(C)に示す普通図柄当たり判定テーブルに基づいて当たりか否か判定する。そして、当たり判定の結果に応じた普図停止図柄データをRAM84の所定の記憶領域にセットする図柄決定処理を行う(S406)。つまり図柄決定処理(S406)では、「ハズレ」であれば「普図ハズレ図柄」に応じたデータをセットし、「当たり」であれば「普通当たり図柄」に応じたデータをセットする。
続いて遊技制御用マイコン81は、普通図柄変動時間決定処理を行う(S407)。普通図柄変動時間決定処理(S407)では、図10(D)に示す普通図柄変動パターン選択テーブルを参照して、遊技状態が時短状態であれば、普通図柄の変動時間が1秒の普通図柄変動パターンを選択する。一方、遊技状態が非時短状態であれば、普通図柄の変動時間が30秒の普通図柄変動パターンを選択する。
次いで遊技制御用マイコン81は、普通図柄保留球数を1ディクリメントする(S408)。そして、普図保留記憶部86における各普図保留の格納場所(記憶領域)を現在の位置から読み出される側に一つシフトするとともに、普図保留記憶部86における保留4個目に対応する記憶領域(読み出される側から最も遠い記憶領域)をクリアする(S409)。このようにして、普図保留が保留された順に消化されるようにしている。その後、遊技制御用マイコン81は、ステップS407で選択した普通図柄変動パターンにて普通図柄の変動表示を開始する(S410)。なおこれに伴い、サブ制御基板90に普通図柄の変動開始を知らせるため、普通図柄変動開始コマンドをセットする。
上述のステップS403にて普通図柄の変動表示中であれば(S403でYES)、続いて、普通図柄の変動時間が経過したか否か判定し(S411)、経過していなければ処理を終える。一方、経過していれば(S411でYES)、普通図柄の変動表示を、普通図柄乱数の判定結果に応じた表示結果(普通当たり図柄又は普通ハズレ図柄)で停止させる(S412)。そして、サブ制御基板90に普通図柄の変動停止を知らせるための普通図柄変動停止コマンドをセットするとともに(S413)、普通図柄の停止時間をセットして(S414)本処理を終える。
また、上述のステップS402にて普通図柄の停止表示中であれば(S402でYES)、続いて、ステップS414でセットした普通図柄の停止時間が経過したか否か判定し(S415)、経過していなければ処理を終える。一方、経過していれば(S415でYES)、普通当たり図柄の普図停止図柄データがセットされているか否かを判定し(S416)、普通当たり図柄のデータでなければ(つまり当たりでなければ(S416でNO))、本処理を終える。一方、普通当たり図柄のデータであれば(つまり当たりであれば(S416でYES))、電チュー22の開放パターンをセットする(S417)。詳細には、時短状態中であれば、電チュー22の開放パターンとして時短状態中の開放パターン(図12の電チュー開放TBL2参照)をセットする。これに対して、非時短状態中であれば、電チュー22の開放パターンとして非時短状態中の開放パターン(図12の電チュー開放TBL1参照)をセットする。そして、ステップS417でセットした開放パターンに従って、電チュー22を作動させる(S418)。
また、上述のステップS401にて電チュー22の作動中であれば(S401でYES)、続いて、電チュー22の作動時間が経過したか否かを判定し(S419)、経過していなければ処理を終える。一方、経過していれば(S419でYES)、電チュー22の作動を終了させる(S420)。
[特別動作処理]遊技制御用マイコン81は、普通動作処理(S105)に次いで特別動作処理(S106)を行う(図14参照)。図18に示すように特別動作処理(S106)では、特別図柄表示器41および大入賞装置31に関する処理を4つの段階に分け、それらの各段階に「特別動作ステータス1,2,3,4」を割り当てている。そして、遊技制御用マイコン81は、「特別動作ステータス」が「1」である場合には(S1301でYES)、特別図柄待機処理(S1302)を行い、「特別動作ステータス」が「2」である場合には(S1301でNO、S1303でYES)、特別図柄変動中処理(S1304)を行い、「特別動作ステータス」が「3」である場合には(S1301,S1303で共にNO、S1305でYES)、特別図柄確定処理(S1306)を行い、「特別動作ステータス」が「4」である場合には(S1301,S1303,S1305の全てがNO)、特別電動役物処理(S1307)を行う。なお特別動作ステータスは、初期設定では「1」である。
[特別図柄待機処理]図19に示すように、特別図柄待機処理(S1302)ではまず、第2始動口21の保留球数(即ち特図2保留球数)が「0」であるか否かを判定する(S1401)。特図2保留球数が「0」である場合(S1401でYES)、即ち、第2始動口21への入賞に起因して取得した乱数カウンタ値群の記憶がない場合には、第1始動口20の保留球数(即ち特図1保留球数)が「0」であるか否かを判定する(S1407)。そして、特図1保留球数も「0」である場合(S1407でYES)、即ち、第1始動口20への入賞に起因して取得した乱数カウンタ値群の記憶もない場合には、客待ちフラグがONか否かを判定する(S1415)。ONであれば(S1415でYES)本処理を終え、ONでなければ(S1415でNO)、客待ちコマンドをRAM84の出力バッファにセットするとともに(S1416)、客待ちフラグをONにして(S1417)、本処理を終える。
ステップS1401において特図2保留球数が「0」でない場合(S1401でNO)、即ち、第2始動口21への入賞に起因して取得した乱数カウンタ値群の記憶(特図2の保留情報)が1つ以上ある場合には、後述の特図2大当たり判定処理(S1402)及び特図2変動パターン選択処理(S1403)を行う。その後、遊技制御用マイコン81は、特図2保留球数を1ディクリメントする(S1404)。そして、第2特図保留記憶部85bにおける各種カウンタ値の格納場所(記憶領域)を、現在の位置から読み出される側に一つシフトするとともに、第2特図保留記憶部85bにおける保留1個目に対応する記憶領域をクリアする(S1405)。続いて遊技制御用マイコン81は、特図2変動開始処理(S1406)を実行して、ステップS1413に進む。特図2変動開始処理(S1406)では、特別動作ステータスを「2」にセットするとともに変動開始コマンドをRAM84の出力バッファにセットして、第2特別図柄の変動表示を開始する。なお、特図2変動開始処理(S1406)でセットされる変動開始コマンド(特図2変動開始コマンドともいう)には、特図2大当たり判定処理(S1402)でセットされた特図停止図柄データの情報や特図2変動パターン選択処理(S1403)でセットされた変動パターンの情報(変動時間の情報を含む情報)が含まれている。
また、特図2保留球数が「0」であるが特図1保留球数が「0」でない場合(S1401でYES且つS1407でNO)、即ち、特図2の保留情報はないが、第1始動口20への入賞に起因して取得した乱数カウンタ値群の記憶(特図1の保留情報)が1つ以上ある場合には、後述の特図1大当たり判定処理(S1408)及び特図1変動パターン選択処理(S1409)を行う。その後、遊技制御用マイコン81は、特図1保留球数を1ディクリメントする(S1410)。そして、第1特図保留記憶部85aにおける各種カウンタ値の格納場所(記憶領域)を、現在の位置から読み出される側に一つシフトするとともに、第1特図保留記憶部85aにおける保留4個目に対応する記憶領域(読み出される側から最も遠い記憶領域)をクリアする(S1411)。このようにして、第1特図保留が保留された順に消化されるようにしている。続いて遊技制御用マイコン81は、特図1変動開始処理(S1412)を実行して、ステップS1413に進む。特図1変動開始処理(S1412)では、特別動作ステータスを「2」にセットするとともに変動開始コマンドをRAM84の出力バッファにセットして、第1特別図柄の変動表示を開始する。なお、特図1変動開始処理(S1412)でセットされる変動開始コマンド(特図1変動開始コマンドともいう)には、特図1大当たり判定処理(S1408)でセットされた特図停止図柄データの情報や特図1変動パターン選択処理(S1409)でセットされた変動パターンの情報(変動時間の情報を含む情報)が含まれている。
ステップS1413に進むと客待ちフラグがONか否かを判定し、ONであれば客待ちフラグをOFFして(S1414)、処理を終える。上記のように本形態では、第1特図保留に基づく特別図柄の変動表示は、第2特図保留が「0」の場合(S1401でYESの場合)に限って行われる。すなわち第2特図保留の消化は、第1特図保留の消化に優先して実行される。
[特図2大当たり判定処理(特図1大当たり判定処理)]特図2大当たり判定処理(S1402)と特図1大当たり判定処理(S1408)とは、処理の流れが同じであるため図20に基づいてまとめて説明する。図20に示すように、特図2大当たり判定処理(S1402)又は特図1大当たり判定処理(S1408)ではまず、判定値として、大当たり乱数カウンタ値(ラベル−TRND−Aの値)を読み出す(S1501)。詳細には、特図2大当たり判定処理(S1402)では、RAM84の第2特図保留記憶部85bの第1記憶領域(即ち第2特図保留の1個目に対応する記憶領域)に記憶されている大当たり乱数カウンタ値を読み出す。また特図1大当たり判定処理(S1408)では、RAM84の第1特図保留記憶部85aの第1記憶領域(即ち第1特図保留の1個目に対応する記憶領域)に記憶されている大当たり乱数カウンタ値を読み出す。
次に、大当たり判定テーブル(図10(A))をセットする(S1502)。次いで、確変フラグがONであるか否か、すなわち高確率状態であるか否かを判定する(S1503)。そして、高確率状態でなければ(S1503でNO)、すなわち通常確率状態(非高確率状態)であれば、大当たり判定テーブル(図10(A))のうち非高確率状態用のテーブル(大当たり判定値が「0」〜「218」)に基づいて大当たりか否かを判定する(S1504)。一方、高確率状態であれば(S1503でYES)、大当たり判定テーブル(図10(A))のうち高確率状態用のテーブル(大当たり判定値が「0」〜「1499」)に基づいて大当たりか否かを判定する(S1505)。
大当たり判定(S1504,S1505)の結果が「大当たり」であれば、当たり種別乱数カウンタ値(ラベル−TRND−ASの値)を読み出して、図8(A)に示す大当たり種別判定テーブルに基づいて当たり種別を判定する(S1506)。当たり種別を判定した後(S1506)、大当たりフラグをONにするとともに(S1507)、当たり種別に応じた特図停止図柄データ(図8(A)参照)を、RAM84に設けた当たり種別バッファにセットして(S1508)処理を終える。一方、大当たり判定(S1504,S1505)の結果が「ハズレ」であれば、ハズレ図柄に応じた特図停止図柄データをセットして(S1508)処理を終える。
[特図2変動パターン選択処理(特図1変動パターン選択処理)]特図2変動パターン選択処理(S1403)と特図1変動パターン選択処理(S1409)とは、処理の流れが同じであるため図21及び図22に基づいてまとめて説明する。図21に示すように、特図2変動パターン選択処理(S1403)又は特図1変動パターン選択処理(S1409)ではまず、遊技状態が時短状態か否か(時短フラグがONか否か)を判定する(S1601)。
時短状態でなければ(S1601でNO)、すなわち非時短状態であれば、続いて大当たりフラグがONか否かを判定する(S1602)。ONであれば(S1602でYES)、非時短状態中大当たり通常テーブル(図11に示す特図変動パターン判定テーブルのうち非時短状態且つ大当たりに該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値(ラベル−TRND−T1の値)に基づいて変動パターンを選択する(S1603)。図11に示すように、変動パターンが決まれば変動時間も決まる。
本パチンコ遊技機1では、ノーマルリーチよりもリーチ後の変動時間が長いSPリーチ(スーパーリーチ)が実行され得るように、変動パターンが選択される。SPリーチでは、当選期待度(大当たり当選に対する期待度)がノーマルリーチよりも高くなるように各種の変動パターンの振分率が設定されている。従って遊技者は、変動時間が長いSPリーチを見れば、ノーマルリーチよりも当選期待度が高いことを把握することができる。
図21に示すステップS1602において、大当たりフラグがONでなければ、リーチ乱数カウンタ値(ラベル−TRND−RCの値)がリーチ成立乱数値か否かを判定する(S1604)。なお、図10(B)に示すように、リーチ成立乱数値は非時短状態であれば「0」〜「13」であり、時短状態であれば「0」〜「5」である。すなわち、時短状態の方が非時短状態よりもハズレ時のリーチがかかりにくくなっている。これは、時短状態において変動時間の短いリーチ無しハズレがより多く選択されようにすることで、特図保留の消化スピードを早めるためである。
リーチ乱数カウンタ値がリーチ成立乱数値である場合(S1604でYES)、即ち、リーチ有りハズレの場合には、非時短状態中リーチ有りハズレテーブル(図11に示す特図変動パターン判定テーブルのうち非時短状態且つリーチ有りハズレに該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値に基づいて変動パターンを選択する(S1605)。
一方、リーチ乱数カウンタ値がリーチ成立乱数値でない場合(S1604でNO)、即ち、リーチ無しハズレの場合には、非時短状態中リーチ無しハズレテーブル(図11に示す特図変動パターン判定テーブルのうち非時短状態且つリーチ無しハズレに該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値に基づいて変動パターンを選択する(S1606)。このリーチ無しハズレ時には、保留球数に応じた短縮変動の機能が働くようになっている。すなわち、特別図柄の保留球数が「3」又は「4」であるときは、特別図柄の保留球数が「0」〜「2」であるときに比して変動時間の短い変動パターンが選択されるようになっている。
またステップS1601において、遊技状態が時短状態であると判定した場合(S1601でYES)には、図22に示すように、参照する特図変動パターン判定テーブルを時短状態中のテーブル(図11に示す特図変動パターン判定テーブルのうち時短状態に該当する部分)にする事以外は上記ステップS1602〜S1606と同様の流れで処理(S1607〜S1611)を行う。
すなわち大当たりであれば、図11の時短状態中且つ大当たりに該当する部分を参照して、変動パターン乱数カウンタ値に基づいて変動パターンを選択する(S1608)。またリーチ有りハズレであれば、図11の時短状態中且つリーチ有りハズレに該当する部分を参照して、変動パターン乱数カウンタ値に基づいて変動パターンを選択する(S1610)。またリーチ無しハズレであれば、図11の時短状態中且つリーチ無しハズレに該当する部分を参照して、変動パターン乱数カウンタ値に基づいて変動パターンを選択する(S1611)。
なお、時短状態中の特図変動パターン判定テーブル(図11に示す特図変動パターン判定テーブルのうち時短状態に該当する部分)では、リーチ無しハズレ時の保留球数に応じた短縮変動の機能が保留球数「2」〜「4」のときに働く。すなわち、非時短状態中よりも短縮変動が選択され易くなっている。また、短縮変動としての変動時間は、時短状態中の方が非時短状態中よりも短くなっている。つまり、時短状態中の特図変動パターン判定テーブルは、非時短状態中の特図変動パターン判定テーブルよりも変動時間が短くなるようなテーブルとなっている。
上記のようにして変動パターンの選択を行った後は、図21に示すように、選択した変動パターンをセットして(S1612)、本処理を終える。ステップS1612でセットした変動パターンの情報は、特別図柄待機処理(S1302)におけるステップS1406又はS1412でセットされる変動開始コマンドに含められて、出力処理(S101)によりサブ制御基板90に送られる。
[特別図柄変動中処理]図23に示すように、特別図柄変動中処理(S1304)ではまず、特別図柄の変動時間(ステップS1403又はS1409で選択された変動パターンに応じて決まる変動時間、図11参照)が経過したか否かを判定する(S1801)。経過していなければ(S1801でNO)、直ちにこの処理を終える。これにより特別図柄の変動表示が継続される。
一方、変動時間が経過していれば(S1801でYES)、変動停止コマンドをセットするとともに(S1802)、特別動作ステータスを「3」にセットする(S1803)。そして、特別図柄の変動表示を、セットされている特図停止図柄データに応じた図柄(大当たり図柄又はハズレ図柄)で停止させる等のその他の処理を行ってから(S1804)、この処理を終える。
[特別図柄確定処理]図24に示すように、特別図柄確定処理(S1306)ではまず、特別図柄の停止時間(ステップS1403又はS1409で選択された変動パターンに応じて決まる停止時間、図11参照)が経過したか否かを判定する(S1901)。経過していなければ(S1901でNO)、直ちにこの処理を終える。これにより特別図柄の停止表示が継続される。一方、停止時間が経過していれば(S1901でYES)、後述の遊技状態管理処理を行う(S1902)。
次に、大当たりフラグがONであるか否かを判定する(S1903)。大当たりフラグがONであれば(S1903でYES)、当選した大当たりの種別に応じた開放パターン(詳しくは図8(B)参照)をセットする(S1904)。なおこのときに、大当たり遊技中に実行した単位開放遊技(ラウンド遊技)の回数をカウントするラウンドカウンタの値を、当選した大当たりの種類に応じたラウンド数にセットする。なお、開放パターンのセット(開放パターンに応じたデータのセット)は、ラウンド毎に行うようにしてもよい。
遊技制御用マイコン81は、ステップS1904に続いて、遊技状態リセット処理を行う(S1905)。遊技状態リセット処理(S1905)ではまず、確変フラグがONであれば確変フラグをOFFにして、時短フラグがONであればOFFにする。つまり、大当たり遊技の実行中は、非高確率状態且つ非時短状態に制御される。その後、大当たり遊技を開始するべく、大当たりのオープニングコマンドをセットするとともに(S1906)、大当たり遊技のオープニングを開始する(S1907)。そして特別動作ステータスを「4」にセットして(S1908)、本処理を終える。
また、ステップS1903において大当たりフラグがONでなければ(S1903でNO)、大当たり遊技を開始しないため、特別動作ステータスを「1」にセットして(S1909)、本処理を終える。
[遊技状態管理処理]図25に示すように、遊技状態管理処理(S1902)ではまず、時短フラグがONか否か判定する(S2001)。ONであれば(S2001でYES)、時短状態中に実行した特別図柄の変動回数をカウントする時短カウンタの値を1ディクリメントして(S2002)、時短カウンタの値が「0」か否か判定する(S2003)。「0」であれば(S2003でYES)、時短フラグをOFFにして(S2004)、ステップS2005に進む。ステップS2001又はS2003の判定結果がNOであれば、直ちにステップS2005に進む。ステップS2005では、現在の遊技状態の情報(確変フラグ及び時短フラグがON又はOFFの何れであるかの情報)、時短カウンタの値の情報等を含む遊技状態指定コマンドをRAM84の出力バッファにセットして、本処理を終える。
[特別電動役物処理(大当たり遊技)]図26に示すように、特別電動役物処理(S1307)ではまず、大当たり終了フラグがONであるか否かを判定する(S2201)。大当たり終了フラグは、実行中の大当たり遊技において大入賞口30の開放が全て終了したことを示すフラグである。
大当たり終了フラグがONでなければ(S2201でNO)、大入賞口30の開放中か否かを判定する(S2202)。開放中でなければ(S2202でNO)、大入賞口30を開放させる時間に至ったか否か、すなわち大当たり遊技のオープニングの時間が経過して初回のラウンド遊技における開放開始の時間に至ったか、又は、一旦閉鎖した大入賞口30を再び開放させるまでのインターバル時間(閉鎖時間)が経過して開放開始の時間に至ったか否かを判定する(S2203)。
ステップS2203の判定結果がNOであれば、そのまま処理を終える。一方、ステップS2203の判定結果がYESであれば、大当たりの種類に応じた開放パターン(図8(B)参照)に従って大入賞口30を開放させる(S2204)。
続くステップS2205では、ラウンド指定コマンド送信判定処理を行う。ラウンド指定コマンド送信判定処理(S2205)では、ステップS2204での大入賞口30の開放が1回のラウンド遊技中での初めての開放か否かを判定し、そうであれば、実行中の大当たり遊技のラウンド数の情報を含むラウンド指定コマンドを、RAM84の出力バッファにセットする。なお本形態では、1回のラウンド遊技中に複数回の大入賞口30の開放がなされることはない。そのため、このステップS2205では、必ずラウンド指定コマンドがセットされることとなる。
特別電動役物処理(S1307)のステップS2202において、大入賞口30の開放中であれば(S2202でYES)、大入賞口30の閉鎖条件が成立しているか否かを判定する(S2206)。本形態では、閉鎖条件は、そのラウンド遊技における大入賞口30への入賞個数が規定の最大入賞個数(本形態では1R当たり8個)に達したこと、又は、大入賞口30を閉鎖させる時間に至ったこと(すなわち大入賞口30を開放してから所定の開放時間(図8(B)参照)が経過したこと)のいずれかが満たされていることである。そして、大入賞口30の閉鎖条件が成立していなければ(S2206でNO)、処理を終える。
これに対して、大入賞口30の閉鎖条件が成立している場合には(S2206でYES)、大入賞口30を閉鎖(閉塞)する(S2207)。そしてステップS2207の閉鎖によって1回のラウンド遊技が終了するか否かを判定する(S2208)。1回のラウンド遊技が終了しない場合には(S2208でNO)、本処理を終える。一方、1回のラウンド遊技終了する場合には(S2208でYES)、ラウンドカウンタの値を1ディクリメントし(S2209)、ラウンドカウンタの値が「0」であるか否か判定する(S2210)。「0」でなければ(S2210でNO)、次のラウンド遊技を開始するためにそのまま処理を終える。
一方「0」であれば(S2210でYES)、大当たり遊技を終了させる大当たり終了処理として、大当たりのエンディングコマンドをセットするとともに(S2211)、大当たりのエンディングを開始する(S2212)。そして、大当たり終了フラグをセットして(S2213)、処理を終える。
またステップS2201において大当たり終了フラグがONであれば(S2201でYES)、最終ラウンドが終了しているので、大当たりのエンディング時間が経過したか否かを判定する(S2214)。エンディング時間が経過していなければ(S2214でNO)処理を終える。一方、エンディング時間が経過していれば(S2214でYES)、大当たり終了フラグをOFFするとともに(S2215)、大当たりフラグをOFFし(S2216)、特別動作ステータスを「1」にセットする(S2217)。これにより、次回のメイン側タイマ割り込み処理(S005)において、特別動作処理(図18参照)として再び特別図柄待機処理(S1302)が実行されることになる。その後、後述の遊技状態設定処理(S2218)を行って、本処理を終える。
[遊技状態設定処理]図27に示すように、遊技状態設定処理(S2218)ではまず、大当たりの種類が確変大当たり(停止図柄が特図1_大当たり図柄1又は特図2_大当たり図柄1、図8(A)参照)であるか否かを判定する(S2301)。確変大当たりでなければ(S2301でNO)、時短フラグをONするとともに(S2305)、時短カウンタに「100」をセットして(S2306)、ステップS2307に進む。これにより、今回の大当たり遊技後の遊技状態が通常確率状態且つ時短状態且つ高ベース状態(すなわち低確高ベース状態)になる。この低確高ベース状態は、特別図柄の可変表示が100回行われること、又は次の大当たりに当選することのいずれかの条件の成立により終了する。
一方、ステップS2301において確変大当たりであれば、確変フラグをONするとともに(S2302)、時短フラグをONにする(S2303)。そして時短カウンタに「10000」をセットして(S2304)、ステップS2307に進む。これにより、今回の大当たり遊技後の遊技状態が、高確率状態且つ時短状態且つ高ベース状態(すなわち高確高ベース状態)になる。この高確高ベース状態は、実質的に次の大当たりに当選するまで継続することになる。つまり確変フラグは次回の大当たり遊技が開始されるまでOFFされることはない。そして時短カウンタの値が「10000」から「0」になるまで特別図柄の変動表示が実行されることがほぼあり得ないため、時短フラグも次回の大当たり遊技が開始されるまでOFFされることはない。
ステップS2307では、現在の遊技状態の情報(確変フラグ及び時短フラグがON又はOFFの何れであるかの情報)、時短カウンタの値の情報等を含む遊技状態指定コマンドをRAM84の出力バッファにセットして、本処理を終える。
6.本形態の演出の特徴
次に演出制御用マイコン91の動作を説明する前に、本形態の演出の特徴を図49〜図53に基づいて説明する。本形態ではSPリーチとして、図49に示すように、炎ロゴリーチと金ロゴリーチと全回転リーチとがある。炎ロゴリーチでは、図49(A)に示すように、表示画面7aにて炎ロゴに変身した主人公キャラを示す画像W1が表示される。また金ロゴリーチでは、図49(B)に示すように、表示画面7aにて金ロゴに変身した主人公キャラX1が表示される。
全回転リーチでは、図49(C)に示すように、同じ数字(例えば「7」)を示す左演出図柄8Lと中演出図柄8Cと右演出図柄8Rとが、横一列に並んだまま縦方向に回転表示する。その後、左演出図柄8Lと中演出図柄8Cと右演出図柄8Rとが、横一列に並んだまま「左」の図柄表示エリアと「中」の図柄表示エリアと「右」の図柄表示エリアで同時に停止表示する。つまり、全回転リーチでは必ず大当たりの当選が報知されることになる。従って遊技者は、全回転リーチを見た時点で、大当たり当選の確定を認識することが可能である。但し炎ロゴリーチと金ロゴリーチでは、ハズレの場合があり得るようになっている。
金ロゴリーチは、炎ロゴリーチよりも当選期待度(大当たり当選に対する期待度、即ち当選報知演出に対する期待度)が高くなるように、各種の変動パターンの振分率が設定されている。従って、遊技者は金ロゴリーチを見れば、炎ロゴリーチよりも当選期待度が高いことを把握することが可能である。言い換えると、遊技者は炎ロゴリーチの実行よりも金ロゴリーチの実行を期待することになる。
金ロゴリーチ又は炎ロゴリーチでは、バトル演出を実行する。通常遊技状態に制御されているときのバトル演出では、主人公キャラが敵キャラに勝利すれば、大当たりの抽選結果が大当たり当選であることを示す当選報知演出が実行される。一方、主人公キャラが敵キャラに敗北すれば、大当たりの抽選結果がハズレであることを示すハズレ報知演出が実行される。
ここで金ロゴリーチ又は炎ロゴリーチでは、当選報知演出又はハズレ報知演出が実行される前に、主人公キャラが敵キャラに勝利する可能性(即ち当選期待度)が示される。具体的には、図50(A)〜(D)に示すように、当選期待度に応じたキャラ画像及び星画像が表示画面7aに表示される。
キャラ画像には、バトル演出で戦う敵の強さに応じて、第1敵キャラを示す第1敵画像T1と、第2敵キャラを示す第2敵画像T2と、第3敵キャラを示す第3敵画像T3と、第4敵キャラを示す第4敵画像T4とがある。星画像には、当選期待度をより把握し易くするために、第1敵画像T1と併せて表示される第1星画像H1と、第2敵画像T2と併せて表示される第2星画像H2と、第3敵画像T3と併せて表示される第3星画像H3と、第4敵画像T4と併せて表示される第4星画像H4とがある。第1敵画像T1⇒第2敵画像T2⇒第3敵画像T3⇒第4敵画像T4の順番に、当選期待度が高くなるように各種演出の振分けが設定されている。これにより遊技者は、第4敵画像T4及び第4星画像H4を見れば当選期待度が非常に高いことを把握することができ、第1敵画像T1及び第1星画像H1を見れば当選期待度が低いことを把握することができる。
なお全回転リーチでは、左演出図柄8Lと中演出図柄8Cと右演出図柄8Rとが、横一列に並んだまま縦方向に回転表示する前に、図50(E)に示すように、覚醒している主人公キャラ(覚醒キャラ)を示す覚醒画像T5と、5つの星を示す第5星画像H5が表示画面7aに表示される。本形態では以下、第1敵画像T1と第1星画像H1とを併せて「第1パネルPN1」と呼び、第2敵画像T2と第2星画像H2とを併せて「第2パネルPN2」と呼び、第3敵画像T3と第3星画像H3とを併せて「第3パネルPN3」と呼び、第4敵画像T4と第4星画像H4とを併せて「第4パネルPN4」と呼び、覚醒画像T5と第5星画像H5とを併せて「第5パネルPN5」と呼ぶことにする。
ところで本パチンコ遊技機1では、演出ボタン63への押下操作を利用した押下演出を実行可能としている。押下演出は、遊技者による演出ボタン63への押下操作に基づいて、当選期待度を示唆する各パネルPN1〜PN5を段階的に変更し得る演出(期待度示唆演出)である。つまり押下演出において、当選期待度が高いことを示す場合には、演出ボタン63への押下操作により、第1パネルPN1⇒第2パネルPN2⇒第3パネルPN3⇒第4パネルPN4⇒第5パネルPN5へ表示を切替可能である。なお第5パネルPN5まで表示された場合には、全回転リーチが実行されるため、大当たり当選が確定している。一方、押下演出において、当選期待度が低いことを示す場合には、演出ボタン63を押下操作しても、第1パネルPN1や第2パネルPN2しか表示されずに、第3パネルPN3、第4パネルPN4、第5パネルPN5を表示不能にする。このようにして押下演出では、遊技者に積極的に演出ボタン63を押下操作させて、より当選期待度が高いパネルに変更表示されるのを期待させることが可能である。なお第1パネルPN1〜第5パネルPN5が、本発明の「期待度示唆演出の表示態様」に相当する。
以下、本パチンコ遊技機1で実行する押下演出について、図51に基づいて説明する。押下演出が実行される場合には、図51(A)に示すように、変動演出が開始された後、図51(B)に示すように、消灯した演出図柄8L,8C,8Rがハズレ停止態様(例えばバラケ目「172」)で仮停止表示する図柄全消灯演出が実行される。そして、図51(C)に示すように、演出図柄8L,8C,8Rの一部が発光する図柄一部発光演出が実行される。そして、図51(D)に示すように、略六角形状の銀色物体を示す画像Q1が表示された後、図51(E)に示すように、銀色物体が回転しながら放射状に分割される画像Q2が表示される。その後に、押下演出が開始されることになる。
こうして本パチンコ遊技機では、遊技者に図柄全消灯演出を契機に、押下演出が実行されるのを把握させる。本形態では遊技制御用マイコン81が、図11に示すように、変動パターンとして押下演出用SPリーチ大当たりの実行を示す変動パターンP2、又は押下演出用SPリーチハズレの実行を示す変動パターンP4を選択する場合がある。この場合に演出制御用マイコン91が、変動パターンP2,P4の情報を含む変動開始コマンドの受信に基づいて、押下演出を実行するようになっている。しかしながら変形例として、演出制御用マイコン91が、後述する変動演出パターンを選択する際に、押下演出の実行を決めるようにしても良い。
以下、押下演出の一例を図51(F)〜図51(K)に基づいて説明する。押下演出では、例えば先ず図51(F)に示すように、第1パネルPN1と、敵キャラを囲む銀色のパネル枠を示す画像PW1(銀パネル枠PW1)が表示画面7aに表示される。ここでパネル枠について説明する。パネル枠には、上述した銀パネル枠PW1の他、敵キャラを囲む金色のパネル枠を示す金パネル枠PW2(図51(H)参照)がある。これらパネル枠PW1,PW2は、パネルの最終表示がなされる前に、表示されるものである。つまり、各パネル枠PW1,PW2が表示されている間は、遊技者にパネルPN1〜PN5が最終的に決まっていないことを示している。各パネル枠PW1,PW2は、レイヤー制御により各パネルPN1〜PN5の上から重ねて表示される。
本形態では、銀パネル枠PW1は、第1パネルPN1又は第2パネルPN2の表示の際に限って、併せて表示される。一方、金パネル枠PW2は、第3パネルPN3又は第4パネルPN4或いは第5パネルPN5の表示の際に限って、併せて表示される。こうして、各パネルPN1〜PN5の他に、各パネル枠PW1,PW2も併せて表示することで、現時点での目安の当選期待度がより把握し易くなる。更に、遊技者には未だパネルが変更するかもしれないという期待感を煽ることが可能である。
ここで、銀パネル枠PW1又は金パネル枠PW2が表示される際には、遊技者に演出ボタン63の押下操作を促す操作促進演出が実行される。具体的に、操作促進演出では、演出ボタン63の形状を模したボタン画像BTが表示画面7aの中央の下側に表示される(図51(F)〜図51(I)参照)。このボタン画像BTの表示により、遊技者に演出ボタン63を押下操作する状況を把握させることが可能である。なお操作促進演出では、ボタン画像BTの下方に時間バーZBが表示される。時間バーZBでは、遊技者による演出ボタン63への押下操作で、各パネルPN1〜PN5を変更可能な残り時間を示すようになっている。
また押下演出の実行中において、遊技者が演出ボタン63を押下操作する度に、スピーカ(演出手段)67から効果音(ボタンプッシュ音)が出力されると共に、盤ランプ(演出手段)5が特定の発光態様で発光するようになっている。これらの効果音や盤ランプ5の発光により、遊技者には演出ボタン63の押下操作が有効であると認識させることが可能である。
押下演出の説明に戻る。図51(F)に示すように、第1パネルPN1及び銀パネル枠PW1が表示されているときに、遊技者による演出ボタン63への押下操作に基づいて、後述するように演出制御用マイコン91が昇格抽選処理(図39に示すステップS5003又はS5004)で昇格と判定する場合がある。この場合には、例えば図51(G)に示すように、第2パネルPN2と銀パネル枠PW1とが表示画面7aに表示される。こうして、第1パネルPN1から第2パネルPN2への変更により、遊技者には当選期待度が向上したことによる高揚感を与えることが可能である。
続いて、遊技者による演出ボタン63への押下操作に基づいて、昇格抽選処理で昇格と判定されれば、例えば図51(H)に示すように、第3パネルPN3と金パネル枠PW2とが表示画面7aに表示される。こうして、第2パネルPN2から第3パネルPN3への変更、及び銀パネル枠PW1から金パネル枠PW2への変更により、遊技者には更に当選期待度が向上したことによる高揚感を与えることが可能である。
続いて、遊技者による演出ボタン63への押下操作に基づいて、昇格抽選処理で昇格と判定されれば、例えば図51(I)に示すように、第4パネルPN4と金パネル枠PW2とが表示画面7aに表示される。こうして、第3パネルPN3から第4パネルPN4により、遊技者には更に当選期待度が向上したことによる高揚感を与えることが可能である。
その後、時間バーZBにおいて各パネルPN1〜PN5を変更可能な残り時間(変更可能時間)が無くなったことが示されると、図51(J)に示すように、金色の歯が噛み合わされる噛合画像KMが表示画面7aに表示される。この噛合画像KMの表示により、演出ボタン63への押下操作に基づくパネルの変更表示が終了したことが明確に示される。なお本形態では、変更可能時間が無くなる直前に、金パネル枠PW2が表示されていれば、金色の歯が噛み合わされる噛合画像KMが表示され、銀パネル枠PW1が表示されていれば、銀色の歯が噛み合わされる噛合画像GM(図55(D)参照)が表示される。
そして、噛合画像KMの直前に表示されていた第4パネルPN4と金パネル枠PW2とボタン画像BTと時間バーZBのうち(図51(I)参照)、図51(K)に示すように、第4パネルPN4だけが表示画面7aに表示される。これにより遊技者には、最終的に第4パネルPN4まで昇格したことを認識させることが可能である。なお本形態ではその後に更にパネルが昇格する復活演出(図57(G)(H)参照)が実行される場合があり得るが、復活演出については後述する。
次に、図52に基づいて、最終的に表示されるパネル(最終態様)が決定された後の演出の推移について説明する。図52(A)に示すように、最終態様として第1パネルPN1又は第2パネルPN2が表示された場合には、図52(B)に示すように、盤可動体駆動演出が実行される。そして、図52(C)に示すように、炎ロゴリーチが実行されるようにしている。
これに対して、図52(D)に示すように、最終態様として第3パネルPN3又は第4パネルPN4が表示された場合には、図52(E)に示すように、枠可動体駆動演出が実行される。そして、図52(F)に示すように、金ロゴリーチが実行されるようにしている。こうして本形態の押下演出では、遊技者が演出ボタン63を押下している最中等に、第1パネルPN1や第2パネルPN2を見れば、金ロゴリーチよりも当選期待度が低い炎ロゴリーチが実行されるのを把握させることになる。その一方で、第3パネルPN3や第4パネルPN4を見れば、金ロゴリーチを獲得したことによる高揚感を与えることが可能である。
また、図52(G)に示すように、最終態様として第5パネルPN5(覚醒している主人公キャラを示す覚醒画像TK)が表示された場合には、図52(H)に示すように、枠可動体駆動演出が実行される。そして、図52(I)に示すように、全回転リーチが実行されるようにしている。こうして本形態の押下演出では、遊技者が演出ボタン63を押下している最中等に、第5パネルPN5を見れば、全回転リーチ即ち大当たり当選を獲得したことによる達成感を与えることが可能である。
ところで上述したような押下演出の実行中では、遊技者が演出ボタン63への押下操作(連打操作)と、表示中のパネルの変更だけに夢中になってしまい、その他の演出に目が行き届かなくなる可能性があった。そこで本パチンコ遊技機1では、押下演出の実行中でも、遊技者の目が向かうように、カットイン演出を実行し得るようにしている。以下、本形態のカットイン演出について、図53に基づいて説明する。
例えば図53(A)に示すように、第1パネルPN1及び銀パネル枠PW1が表示画面7aに表示されているとき、図53(B)に示すように、カットイン演出が突然実行される場合がある。カットイン演出では、それまでに表示されていた第1パネルPN1及び銀パネル枠PW1等が見えなくなって、金ロゴの横顔を示すカットイン画像(特定画像)KIが表示画面7aに表示される。こうして、演出ボタン63への連打操作に夢中になっている遊技者に、いきなりカットイン画像KIを見せることで、強い驚きを与えることが可能である。
本形態では、カットイン画像KIが表示されている時間(カットイン演出の実行時間)は、約1秒である。なおカットイン画像KIでは、約1秒の間に複数の表示態様に切替わる。但しカットイン演出の実行時間は、1秒に限られるものではなく、適宜変更可能である。カットイン演出が終わると、例えば図53(C)に示すように、第3パネルPN3及び金パネル枠PW2が表示画面7aに表示される。従って遊技者には、引き続き演出ボタン63への連打操作により、更に当選期待度が高いパネルに変更されるのを期待させることが可能である。
ここでカットイン演出の意味について説明する。カットイン演出は、第1パネルPN1又は第2パネルPN2と、銀パネル枠PW1が表示されている場合にのみ実行され得るようにしている。後に詳述するが、カットイン演出抽選処理(図40に示すステップS5106)で実行すると決定された場合に、カットイン演出が実行される。そしてカットイン演出が実行された後では、第3パネルPN3又は第4パネルPN4或いは第5パネルPN5の何れかと、金パネル枠PW2が表示される。
従ってカットイン演出が実行されれば、炎ロゴリーチ(低期待度演出)が実行されることはなく、金ロゴリーチ又は全回転リーチ(高期待度演出)が実行されることになる。よって、カットイン演出を見た遊技者には、少なくとも金ロゴリーチの実行を獲得したことによる高揚感を与えることが可能である。言い換えれば、第1パネルPN1又は第2パネルPN2を見ている遊技者に、いきなりカットイン演出を見せることで、パネルの昇格以外の方法で当選期待度が高まったことによる斬新な印象を与えることが可能である。なお第1パネルPN1又は第2パネルPN2が「第1表示態様」に相当し、第3パネルPN3又は第4パネルPN4或いは第5パネルPN5が「第2表示態様」に相当する。
ところでカットイン演出の実行途中において、仮に、演出ボタン63への押下操作により昇格したパネルが表示画面7aに表示されてしまうと、表示中のカットイン画像KIが急に終わってしまう。その結果、遊技者に見た目の違和感を与えることになってしまう。そこで本パチンコ遊技機1では、カットイン演出の実行中に、演出ボタン63への押下操作が無効になるように制御する押下無効期間を設定する。これにより、遊技者による演出ボタン63への押下操作に基づいて、昇格抽選処理(図39に示すステップS5003又はS5004)が実行されないようにしている。その結果、カットイン演出の実行中にも拘わらず昇格したパネルが急に表示されるのを回避することが可能であり、遊技者には表示中のカットイン画像KIを最後まで堪能させることが可能である。
ここでカットイン演出の実行中で、遊技者が演出ボタン63を押下操作したときに、仮に、カットイン演出が実行される前と同様に、スピーカ67から効果音(ボタンプッシュ音)が出力されなかったり、盤ランプ5が特定の発光態様で発光しないと、遊技者は演出ボタン63の押下操作自体が無効になったと感じるおそれがある。つまり、カットイン演出の実行によって、遊技者は押下演出が終了してしまったと感じて、演出ボタン63の押下操作を止めてしまう可能性がある。
そこで本パチンコ遊技機1では、カットイン演出の実行中でも、遊技者が演出ボタン63を押下操作する度に、スピーカ67から効果音(ボタンプッシュ音)を出力すると共に、盤ランプ5が特定の発光態様で発光するようにしている。これにより遊技者には、演出ボタン63の押下操作が無効になっていないことを把握させることが可能であり、引き続き演出ボタン63への押下操作を促すことが可能である。その結果、遊技者はカットイン演出の実行中(約1秒)でも演出ボタン63の押下操作を継続するようになり、カットイン演出が終わった後にパネルの変更表示による押下演出にすぐに順応することが可能である。
7.演出制御用マイコン91の動作
[サブ制御メイン処理]次に図28〜図40に基づいて演出制御用マイコン91の動作について説明する。なお、演出制御用マイコン91の動作説明にて登場するカウンタ、タイマ、フラグ、ステータス、バッファ等は、RAM94に設けられている。サブ制御基板90に備えられた演出制御用マイコン91は、パチンコ遊技機1の電源がオンされると、ROM93から図28に示したサブ制御メイン処理のプログラムを読み出して実行する。同図に示すように、サブ制御メイン処理では、まずCPU初期化処理を行う(S4001)。CPU初期化処理(S4001)では、スタックの設定、定数設定、CPU92の設定、SIO、PIO、CTC(割り込み時間の管理のための回路)等の設定等を行う。
続いて、電源断信号がONで且つRAM94の内容が正常であるか否かを判定する(S4002)。そしてこの判定結果がNOであれば、RAM94の初期化をして(S4003)、ステップS4004に進む。一方、判定結果がYESであれば(S4002でYES)、RAM94の初期化をせずにステップS4004に進む。即ち電源断信号がONでない場合、又は電源断信号がONであってもRAM94内容が正常でない場合には(S4002でNO)、RAM94を初期化するが、停電などで電源断信号がONとなったがRAM94内容が正常に保たれている場合には(S4002でYES)、RAM94を初期化しない。なお、RAM94を初期化すれば、各種のフラグ、ステータスおよびカウンタ等の値はリセットされる。また、このステップS4001〜S4003は、電源投入後に一度だけ実行され、それ以降は実行されない。
ステップS4004では、割り込みを禁止する。次いで、乱数シード更新処理を実行する(S4005)。乱数シード更新処理(S4005)では、種々の演出決定用乱数カウンタの値を更新する。なお演出決定用乱数には、演出図柄を決定するための演出図柄決定用乱数、変動演出パターンを決定するための変動演出パターン決定用乱数、種々の予告演出を決定するための予告演出決定用乱数等がある。乱数の更新方法は、前述の主制御基板80が行う乱数更新処理と同様の方法をとることができる。更新に際して乱数値を1ずつ加算するのではなく、2ずつ加算するなどしてもよい。これは、前述の主制御基板80が行う乱数更新処理においても同様である。
乱数シード更新処理(S4005)が終了すると、コマンド送信処理を実行する(S4006)。コマンド送信処理(S4006)では、サブ制御基板90のRAM94内の出力バッファに格納されている各種のコマンドを、画像制御基板100に送信する。コマンドを受信した画像制御基板100は、コマンドに従い画像表示装置7を用いて各種の演出(変動演出や、大当たり遊技に伴うオープニング演出、ラウンド演出、エンディング演出等)を実行する。なお、画像制御基板100による各種の演出の実行に伴ってサブ制御基板90は、音声制御基板106を介してスピーカ67から音声を出力したり、サブ駆動基板107及び中継基板108を介して盤ランプ5や枠ランプ66を発光させたり、盤可動体15や枠可動体600或いは剣可動体300を駆動させたりする。演出制御用マイコン91は続いて、割り込みを許可する(S4007)。以降、ステップS4004〜S4007をループさせる。割り込み許可中においては、受信割り込み処理(S4008)、1msタイマ割り込み処理(S4009)および10msタイマ割り込み処理(S4010)の実行が可能となる。
[受信割り込み処理]受信割り込み処理(S4008)は、主制御基板80から送られたストローブ信号(STB信号)が演出制御用マイコン91の外部INT入力部に入力されることに基づいて行われる。つまり、ストローブ信号が演出制御用マイコン91の外部INT入力部に入力されなければ、受信割り込み処理(S4008)は行われない。図29に示すように、受信割り込み処理(S4008)では、主制御基板80から送信されてきた各種のコマンドをRAM94の受信バッファに格納する(S4101)。この受信割り込み処理(S4008)は、他の割り込み処理(S4009、S4010)に優先して実行される処理である。
[1msタイマ割り込み処理]1msタイマ割り込み処理(S4009)は、サブ制御基板90に1msec周期の割り込みパルスが入力される度に実行される。図30に示すように、1msタイマ割り込み処理(S4009)ではまず、入力処理(S4201)を行う。入力処理(S4201)では、演出ボタン検出スイッチ63a(図7参照)、セレクトボタン検出スイッチ64aからの検知信号に基づいてスイッチデータ(エッジデータおよびレベルデータ)を作成する。
続いて、ランプデータ出力処理(S4202)を行う。ランプデータ出力処理(S4202)では、演出に合うタイミングで盤ランプ5や枠ランプ66を発光させるべく、後述の10msタイマ割り込み処理(S4010)におけるその他の処理(S4307)で作成したランプデータ等をサブ駆動基板107に出力する。つまり、ランプデータに従って盤ランプ5や枠ランプ66を所定の発光態様で発光させる。本形態では、後述するステップS4907で押下演出用ランプデータがセットされると、その押下演出用ランプデータがサブ駆動基板107に出力される。これにより盤ランプ5が、特定の発光態様で発光することになる。
次いで、駆動制御処理を行う(S4203)。駆動制御処理(S4203)では、SPリーチや大当たり演出中等の演出に合うタイミングで盤可動体15や枠可動体600を駆動させるべく、駆動データ(盤可動体駆動データ、枠可動体復帰データ)を作成したり、出力したりする。つまり、駆動データに従って、盤可動体15を待機位置から動作位置へ駆動させたり、枠可動体600を収納位置から突出位置へ駆動させたりする。
駆動制御処理(S4203)の後、ウォッチドッグタイマのリセット設定を行うウォッチドッグタイマ処理(S4204)を行って、本処理を終える。
[10msタイマ割り込み処理]10msタイマ割り込み処理(S4010)は、サブ制御基板90に10msec周期の割り込みパルスが入力される度に実行される。図31に示すように、10msタイマ割り込み処理(S4010)ではまず、後述する受信コマンド解析処理を行う(S4301)。次に、後述する押下操作有効期間設定処理を行う(S4302)。続いて、1msタイマ割り込み処理(S4009)の入力処理(S4201)で作成したスイッチデータを10msタイマ割り込み処理用のスイッチデータとしてRAM94に格納するスイッチ状態取得処理を行う(S4303)。そして、後述するスイッチ処理(S4304)、カットイン演出設定処理(S4305)を行う。
続いて、演出制御用マイコン91は、音声制御処理を行う(S4306)。音声制御処理(S4306)では、音声データ(スピーカ67からの音声を出力するデータ)の作成及び音声制御基板106への出力や、音声演出の時間管理等を行う。これにより、実行する演出に合った音声がスピーカ67から出力される。本形態では、後述するステップS4908で押下演出用音声データがセットされると、その押下演出用音声データが音声制御基板106に出力される。これによりスピーカ67から効果音(ボタンプッシュ音)が出力されることになる。その後、ランプデータ(盤ランプ5や枠ランプ66の点灯を制御するデータ)を作成したり、各種の演出決定用乱数を更新したりするなどのその他の処理を実行して(S4307)、本処理を終える。
[受信コマンド解析処理]図32に示すように、受信コマンド解析処理(S4301)ではまず、演出制御用マイコン91は、主制御基板80から遊技状態指定コマンドを受信したか否かを判定し(S4401)、受信していれば後述するモードステータス設定処理を行う(S4402)。
続いて、演出制御用マイコン91は、主制御基板80から変動開始コマンド(特図1変動開始コマンド又は特図2変動開始コマンド)を受信したか否か判定し(S4403)、受信していれば後述する変動演出開始処理を行う(S4404)。
続いて、演出制御用マイコン91は、主制御基板80から変動停止コマンド(特図1変動停止コマンド又は特図2変動停止コマンド)を受信したか否か判定し(S4405)、受信していれば変動演出終了処理を行う(S4406)。変動演出終了処理(S4406)では、変動停止コマンドを解析し、その解析結果に基づいて、変動演出を終了させるための変動演出終了コマンドをRAM94の出力バッファにセットする。
続いて、演出制御用マイコン91は、主制御基板80からオープニングコマンドを受信したか否か判定し(S4407)、受信していればオープニング演出選択処理を行う(S4408)。オープニング演出選択処理(S4408)では、オープニングコマンドを解析して、その解析結果に基づいて、大当たり遊技のオープニング中に実行するオープニング演出のパターン(内容)を選択する。そして、選択したオープニング演出パターンにてオープニング演出を開始するためのオープニング演出開始コマンドをRAM94の出力バッファにセットする。
続いて、演出制御用マイコン91は、主制御基板80からラウンド指定コマンドを受信したか否か判定し(S4409)、受信していればラウンド演出選択処理を行う(S4410)。ラウンド演出選択処理(S4410)では、ラウンド指定コマンドを解析して、その解析結果に基づいて、大当たり遊技のラウンド遊技中に実行するラウンド演出のパターン(内容)を選択する。そして、選択したラウンド演出パターンにてラウンド演出を開始するためのラウンド演出開始コマンドをRAM94の出力バッファにセットする。
続いて、演出制御用マイコン91は、主制御基板80からエンディングコマンドを受信したか否か判定し(S4411)、受信していればエンディング演出選択処理を行う(S4412)。エンディング演出選択処理(S4412)では、エンディングコマンドを解析して、その解析結果に基づいて、大当たり遊技のエンディング中に実行するエンディング演出のパターン(内容)を選択する。そして、選択したエンディング演出パターンにてエンディング演出を開始するためのエンディング演出開始コマンドをRAM94の出力バッファにセットする。
続いて、演出制御用マイコン91は、その他の処理(S4413)として上記のコマンド以外の受信コマンドに基づく処理(例えば客待ちコマンドの受信に基づいて客待ち演出を行うための処理や、普通図柄変動開始コマンドの受信に基づいて普図変動演出を行うための処理)を行って、受信コマンド解析処理(S4301)を終える。
[モードステータス設定処理]モードステータス設定処理(S4402)は、遊技状態の変更に伴って、演出モードの設定を変更するための処理である。演出モードは、画像表示装置7における演出の態様である。演出モードが異なると、登場するキャラクタやアイテム、背景画像が異なる等、画像表示装置7に表示される画像が異なり、変動演出も演出モードに応じた態様で実行される。本形態では、低確非時短状態(通常確率状態且つ非時短状態)に対応する低確非時短用モードと、低確時短状態(通常確率状態且つ時短状態)に対応する低確時短用モードと、高確時短状態(高確率状態且つ時短状態)に対応する高確時短用モードがある。
図33に示すように、モードステータス設定処理(S4402)ではまず、現在設定されているモードステータスを参照する(S4501)。なおモードステータスは、初期設定では「1」である。続いて、受信した遊技状態指定コマンドを解析する(S4502)。そして、解析した遊技状態指定コマンドに基づいて、モードステータスを変更するか否かを判定する(S4503)。即ち、解析した遊技状態指定コマンドに含まれている遊技状態の情報が、ステップS4501で参照したモードステータスに基づく遊技状態の情報と異なるか否かを判定する。モードステータスを変更すると判定した場合には(S4503でYES)、ステップS4504に進む。一方、変更しないと判定した場合には(S4503でNO)、本処理を終える。
ステップS4504では、ステップS4502で解析した遊技状態指定コマンドに含まれている遊技状態の情報が、低確非時短状態の情報であるか否かを判定する。低確非時短状態の情報であれば(S4504でYES)、モードステータスに「1」をセットする(S4505)。そして、通常用背景演出コマンドをRAM94の出力バッファにセットして(S4506)、本処理を終える。これにより、通常用背景演出コマンドが画像制御基板100に送信されると、画像制御基板100のCPU102は、表示画面7aに低確非時短用モードを示す背景画像を表示する。
ステップS4504でNOと判定された場合、ステップS4502で解析した遊技状態指定コマンドに含まれている遊技状態の情報が、低確時短状態の情報であるか否かを判定する(S4507)。低確時短状態の情報であれば(S4507でYES)、モードステータスに「2」をセットする(S4508)。そして、時短用背景演出コマンドをRAM94の出力バッファにセットして(S4509)、本処理を終える。これにより、時短用背景演出コマンドが画像制御基板100に送信されると、画像制御基板100のCPU102は、表示画面7aに低確時短用モードを示す背景画像を表示する。
ステップS4507でNOと判定された場合、ステップS4502で解析した遊技状態指定コマンドに含まれている遊技状態の情報が、高確時短状態の情報である。そのため、モードステータスに「3」をセットする(S4510)。そして、高確用背景演出コマンドをRAM94の出力バッファにセットして(S4511)、本処理を終える。これにより、高確用背景演出コマンドが画像制御基板100に送信されると、画像制御基板100のCPU102は、表示画面7aに高確時短用モードを示す背景画像を表示する。
[変動演出開始処理]図34に示すように、変動演出開始処理(S4404)ではまず、演出制御用マイコン91は、変動開始コマンドを解析する(S4601)。変動開始コマンドには、特図1大当たり判定処理や特図2大当たり判定処理(図20参照)でセットされた特図停止図柄データの情報や、特図1変動パターン選択処理や特図2変動パターン選択処理(図21参照)でセットされた変動パターンの情報、現在の遊技状態を指定する情報等が含まれている。なお、ここで演出制御用マイコン91が取得した情報は、これ以降に実行する処理においても適宜利用可能なものとする。
次に演出制御用マイコン91は、現時点で設定されているモードステータスの値を参照する(S4602)。続いて、変動演出において最終的に停止表示する演出図柄8L,8C,8Rの選択を行う(S4603)。具体的には、演出図柄決定用乱数を取得するとともに、リーチの有無に応じて分類されている複数のテーブルの中から、変動開始コマンドの解析結果に基づいて一つのテーブルを選択する。そして、選択したテーブルを用いて、取得した演出図柄決定用乱数を判定することにより、演出図柄を選択する。これにより、最終的に停止表示される演出図柄8L,8C,8Rの組み合わせ(例えば「777」等)が決定される。
続いて演出制御用マイコン91は、後述する変動演出パターン選択処理を行う(S4604)。そして予告演出の選択を行う(S4605)。具体的に予告演出の選択(S4605)では、予告演出決定用乱数を取得するとともに、リーチの有無に応じて分類されている複数のテーブルの中から、変動開始コマンドの解析結果に基づいて一つのテーブルを選択する。そして、その選択したテーブルを用いて、取得した予告演出決定用乱数を判定することにより、予告演出を選択する。これにより、いわゆるステップアップ予告演出やチャンスアップ予告演出などの予告演出の内容が決定される。
続いて演出制御用マイコン91は、選択した演出図柄と変動演出パターンと予告演出とを開始するための変動演出開始コマンドをRAM94の出力バッファにセットして(S4606)、本処理を終える。ステップS4606でセットされた変動演出開始コマンドが、コマンド送信処理(S4006)により画像制御基板100に送信されると、表示画面7aにて特別図柄の変動表示に同期した変動演出が開始される。
[変動演出パターン選択処理]図35に示すように、変動演出パターン選択処理(S4604)ではまず、演出制御用マイコン91は、モードステータスの値が「1」であるか否かを判定する(S4701)。「1」でなければ(S4701でNO)、通常遊技状態(低確非時短状態)でないことになり、ステップS4713に進む。「1」であれば(S4701でYES)、続いて、受信した変動開始コマンドに含まれる変動パターンの情報が、押下演出用SPリーチ大当たりの実行を示す変動パターンP2(図11参照)、又は押下演出用SPリーチハズレの実行を示す変動パターンP4(図11参照)であるか否かを判定する(S4702)。変動パターンP2又はP4でなければ(S4702でNO)、ステップS4713に進む。一方、変動パターンP2又はP4であれば(S4702でYES)、ステップS4703に進み、押下演出に関する処理を実行する。こうして本形態では、通常遊技状態に限って押下演出が実行され得るようにしている。
ステップS4703では、SPリーチ抽選処理を実行する。このSPリーチ抽選処理(S4703)は、押下演出の後にどのSPリーチを実行するのかを抽選で決める処理である。具体的には、図41に示すSPリーチ抽選テーブルの中から、変動パターンに応じて一つのテーブルを選択する。つまり、変動パターンP2であれば、押下演出用SPリーチ大当たり用のテーブルを選択する。一方、変動パターンP4であれば、押下演出用SPリーチハズレ用のテーブルを選択する。そしてSPリーチ決定乱数を取得して、選択したテーブルを用いて取得したSPリーチ決定乱数を判定する。これにより、押下演出の後に実行されるSPリーチの種類が決定される。
なお図41に示すSPリーチ抽選テーブルから分かるように、押下演出用SPリーチ大当たりである場合には、押下演出用SPリーチハズレである場合よりも、金ロゴリーチが実行され易いように設定されている。更に、押下演出用SPリーチ大当たりである場合にだけ、全回転リーチが実行されるように設定されている。そして、全回転リーチの振分率は、金ロゴリーチ又は炎ロゴリーチの振分率よりも低く設定されている。このようにして、押下演出を経て実行される全回転リーチを、希少価値のある演出(プレミア演出)にしている。
ステップS4703のSPリーチ抽選処理の後、押下演出用SPリーチ大当たりであるか否かを判定する(S4704)。押下演出用SPリーチ大当たりであれば(S4704でYES)、大当たり用最終パネル抽選処理を実行する(S4705)。大当たり用最終パネル抽選処理(S4705)は、大当たりに当選している場合に押下演出で最後に表示するパネル(最終パネル)を抽選で決める処理である。具体的には、図42に示す大当たり用最終パネル抽選テーブルの中から、SPリーチの種類に応じて一つのテーブルを選択する。そして最終パネル決定乱数を取得して、選択したテーブルを用いて取得した最終パネル決定乱数を判定する。これにより、押下演出で最後に表示するパネルが決定される。なお全回転リーチの場合には、最終パネルとして第5パネルPN5が決定される。決定された最終パネルを示す最終パネルデータは、RAM94の所定の記憶領域にセットされる。
ステップS4705の大当たり用最終パネル抽選処理の後、大当たり用パネル変化シナリオ抽選処理を実行する(S4706)。大当たり用パネル変化シナリオ抽選処理(S4706)は、大当たりに当選している場合のパネル変化シナリオを抽選で決める処理である。パネル変化シナリオとは、押下演出を開始してから終了するまでのパネルの変更の推移を示すものである。具体的にステップS4706では、図43に示す大当たり用パネル変化シナリオ抽選テーブルの中から、SPリーチの種類と最終パネルの種類とに応じて、一つのテーブルを選択する。そしてパネル変化シナリオ決定乱数を取得して、選択したテーブルを用いて取得したパネル変化シナリオ決定乱数を判定する。これにより、パネル変化シナリオが決定される。決定されたパネル変化シナリオを示すパネル変化シナリオデータは、RAM94の所定の記憶領域にセットされる。
ステップS4706の大当たり用パネル変化シナリオ抽選処理の後、大当たり用押下演出パターン作成処理を実行して(S4707)、ステップS4711に進む。大当たり用押下演出パターン作成処理(S4707)では、変動パターンP2(図11参照)とSPリーチの種類に基づいて、押下演出を含む大当たり用の変動演出を実行するための変動演出パターン(大当たり用押下演出パターン)を作成する。
またステップS4704にて、押下演出用SPリーチハズレであれば、ステップS4708に進み、ハズレ用最終パネル抽選処理を実行する(S4708)。ハズレ用最終パネル抽選処理(S4708)は、ハズレである場合に押下演出で最後に表示するパネルを抽選で決める処理である。具体的には、図44に示すハズレ用最終パネル抽選テーブルの中から、SPリーチの種類に応じて一つのテーブルを選択する。そして最終パネル決定乱数を取得して、選択したテーブルを用いて取得した最終パネル決定乱数を判定する。これにより、押下演出で最後に表示するパネルが決定される。決定された最終パネルを示す最終パネルデータは、RAM94の所定の記憶領域にセットされる。
なお図42に示す大当たり用最終パネル抽選テーブルと、図44に示すハズレ用最終パネル抽選テーブルとの比較から分かるように、大当たりである場合には、ハズレである場合よりも、最終パネルとして当選期待度が高いことを示すパネルが選択され易いように設定されている。更に金ロゴリーチを実行する場合を見ても、大当たりである場合には、ハズレである場合よりも、より当選期待度が高いパネル(第4パネルPN4)が選択され易いように設定されている。
ステップS4708のハズレ用最終パネル抽選処理の後、ハズレ用パネル変化シナリオ抽選処理を実行する(S4709)。ハズレ用パネル変化シナリオ抽選処理(S4709)は、ハズレである場合のパネル変化シナリオを抽選で決める処理である。具体的には、図45に示すハズレ用パネル変化シナリオ抽選テーブルの中から、SPリーチの種類と最終パネルの種類とに応じて、一つのテーブルを選択する。そしてパネル変化シナリオ決定乱数を取得して、選択したテーブルを用いて取得したパネル変化シナリオ決定乱数を判定する。これにより、パネル変化シナリオが決定される。決定されたパネル変化シナリオを示すパネル変化シナリオデータは、RAM94の所定の記憶領域にセットされる。
なお図43に示す大当たり用パネル変化シナリオ抽選テーブルと、図45に示すハズレ用パネル変化シナリオ抽選テーブルとの比較から分かるように、大当たりである場合の方が、ハズレである場合よりもパネルが昇格される回数(パネルの変更回数)が多くなり易いように設定されている。従って遊技者には、押下演出でパネルが昇格する回数が多いほど、押下演出を楽しませると共に、大当たり当選への信頼度が高いことを把握させ得るようにしている。
ステップS4709のハズレ用パネル変化シナリオ抽選処理の後、ハズレ用押下演出パターン作成処理を実行して(S4710)、ステップS4711に進む。ハズレ用押下演出パターン作成処理(S4710)では、変動パターンP4(図11参照)とSPリーチの種類に基づいて、押下演出を含むハズレ用の変動演出を実行するための変動演出パターン(ハズレ用押下演出パターン)を作成する。
ステップS4711では、押下演出フラグをONにする。押下演出フラグは、押下演出の実行を示すフラグである。続いて、押下開始タイマに、変動演出の開始から押下演出を開始するまでの時間(最初のパネルが表示されるまでの時間)をセットして(S4712)、本処理を終える。
上述したように押下演出を実行する場合に対して、ステップS4713に進んだ場合には、押下演出を実行しないその他の変動演出パターンを選択して本処理を終える。具体的には、変動演出パターン決定用乱数を取得するとともに、演出モードの種類(モードステータスの値)および変動パターンの種類に応じて分類されている複数のテーブルの中から、変動開始コマンドの解析結果に基づいて一つのテーブルを選択する。そして、選択したテーブルを用いて、取得した変動演出パターン決定用乱数を判定することにより、変動演出パターンを選択する。これにより、変動演出の詳細が決定される。つまり変動演出パターンが決まれば、変動演出の時間、演出図柄の変動表示態様、リーチ演出の有無、リーチ演出の内容、演出ボタン演出(SW演出)の有無、演出ボタン演出の内容、演出展開構成、演出図柄の背景の種類等からなる変動演出の内容の詳細が決まることとなる。
従ってステップS4713において、押下演出を実行しない炎ロゴリーチとなる変動演出パターンや、押下演出を実行しない金ロゴリーチとなる変動演出パターン等が選択され得る。また当選期待度を示唆することになる本形態の押下演出とは異なり、当選期待度を示唆しない押下演出を行う変動演出パターン等も選択され得る。ステップS4707で大当たり用押下演出パターンが選択された場合、又はステップS4710でハズレ用押下演出パターンが選択された場合には、図51(A)に示すように変動演出が開始された後に、図51(B)に示す図柄全消灯演出を経て、押下演出が開始されることになる。
[押下操作有効期間設定処理]演出制御用マイコン91は、受信コマンド解析処理(S4301)の後、押下操作有効期間設定処理(S4302)を実行する(図31参照)。押下操作有効期間設定処理(S4302)は、押下演出を開始するタイミングで、押下操作有効期間を設定するための処理である。押下操作有効期間(本形態では5秒)は、演出ボタン検出スイッチ63aによる検知があった場合にその検知を有効なものとみて、パネルの変更を可能とするための期間である。
図36に示すように、押下操作有効期間設定処理(S4302)ではまず、演出制御用マイコン91は、押下開始タイマの値が「0」より大きいか否かを判定する(S4801)。なお上述したように、押下演出を実行する場合には、図35に示すステップS4712で押下開始タイマに時間がセットされている。押下開始タイマの値が「0」であれば(S4801でNO)、本処理を終える。一方、「0」より大きければ(S4801でYES)、押下開始タイマの値を減算する(S4802)。
続いて、押下開始タイマの値が「0」であるか否かを判定する(S4803)。「0」でなければ(S4803でNO)、未だ押下演出を実行するタイミングでないため、本処理を終える。これに対して「0」であれば(S4803でYES)、押下操作有効期間(5秒)を設定して(S4804)、本処理を終える。なお押下操作有効期間は、押下演出の実行時間と同じであるが、5秒に限られるものではなく、適宜変更可能である。
[スイッチ処理]演出制御用マイコン91は、押下操作有効期間設定処理(S4302)及びスイッチ状態取得処理(S4303)の後、スイッチ処理(S4304)を実行する(図31参照)。スイッチ処理(S4304)では、図37に示すようにまず、演出ボタン検出スイッチ63aがONであるか否かを判定する(S4901)。ONでなければ(S4901でNO)、演出ボタン63が押下操作されていないため、本処理を終える。一方、ONであれば(S4901でYES)、続いて、押下演出フラグがONであるか否かを判定する(S4902)。ONであれば(S4902でYES)、押下演出に関する処理を行うべく、ステップS4903に進む。
ステップS4903では、押下操作有効期間内であるか否かを判定する。押下操作有効期間内であれば(S4903でYES)、続いて、押下無効期間であるか否かを判定する(S4904)。押下無効期間は、カットイン演出が開始されるときに、演出ボタン63への押下操作を制御的に無効にするために設定される時間である。なお後述するように押下無効期間であっても、演出ボタン63への押下操作により、スピーカ67から効果音(ボタンプッシュ音)が出力されると共に、盤ランプ5が特定の発光態様で発光する。押下無効期間の設定については、後に説明する。ステップS4904で押下無効期間でなければ、押下カウンタの値を「1」だけ加算する。そして後述するパネル変更設定処理を実行する(S4906)。
続いて、押下演出用ランプデータをRAM94の所定のランプデータバッファにセットする(S4907)。これにより、押下演出の実行中に遊技者が演出ボタン63を押下操作する度に、盤ランプ5が特定の発光態様で発光する。更に、押下演出用音声データをRAM94の所定の音声データバッファにセットして(S4908)、本処理を終える。これにより、押下演出の実行中に遊技者が演出ボタン63を押下操作する度に、スピーカ67から効果音(ボタンプッシュ音)が出力される。
またステップS4903にて、押下操作有効期間内でなければ、押下操作有効期間が終了するタイミングであることになり、ステップS4909に進む。ステップS4909では、パネル設定コマンドをRAM94の出力バッファにセットする。なおこのパネル設定コマンドには、現時点で表示しているパネルの情報に基づいて、金色の歯が噛み合わされた噛合画像KM(図51(J)参照)、又は銀色の歯が噛み合わされた噛合画像GM(図55(D)参照)の何れを表示するかの情報が含まれる。
これにより、セットされたパネル設定コマンドがコマンド送信処理(S4006)により画像制御基板100に送信されると、表示画面7aにて噛合画像KM又は噛合画像GMが表示される。そして、噛合画像KM,GMの直前までに表示されていたパネルが、パネル枠とボタン画像BTと時間バーZBとが無い状態で現れる(図51(K)参照)。こうして遊技者には、噛合画像KM,GMの直前までに表示されていたパネルが最終パネルとして決定されたように見せることにしている。
ステップS4909の後、表示しているパネルが最終パネルに到達しているか否かを判定する(S4910)。最終パネルに到達していれば(S4910でYES)、ステップS4912に進む。これに対して、最終パネルに到達していなければ(S4910でNO)、RAM94の所定の記憶領域にセットされている最終パネルデータ(図42又は図44参照)の情報を含む復活昇格コマンドをRAM94の出力バッファにセットして(S4911)、ステップS4912に進む。
これにより、セットされた復活昇格コマンドがコマンド送信処理(S4006)により画像制御基板100に送信されると、表示画面7aにて、最終パネルに応じた噛合画像KM又は噛合画像GMが表示される。なお最終パネルが第1パネルPN1又は第2パネルPN2であれば、銀色の歯が噛み合わされた噛合画像GMが表示され、最終パネルが第3パネルPN3又は第4パネルPN4或いは第5パネルPN5であれば、金色の歯が噛み合わされた噛合画像KMが表示される(図57(G)参照)。その後、最終パネルデータが示す最終パネルが表示画面7aに表示される(図57(H)参照)。
こうして押下演出では、遊技者が演出ボタン63の押下操作を行わなかった場合、又は押下操作しても最終パネルに到達しなかった場合には、押下操作有効期間が終了するタイミングで一旦、それまでに表示されていたパネルが表示される。その後に、最終パネルが未だ表示されていない場合に限って、最終パネルが改めて表示される。その結果、遊技者には最終パネルが復活して表示されたかのように見せることが可能である。
ステップS4912では、押下演出が終了したことにより、押下演出フラグをOFFにする。そして、実行中の変動演出に係るSPリーチの種類が、金ロゴリーチ又は全回転リーチであるか否かを判定する(S4913)。なお図35に示すステップS4703のSPリーチ抽選処理にて、SPリーチの種類が決定されている。金ロゴリーチ又は全回転リーチであれば(S4913でYES)、枠可動体駆動データをRAM94の所定の駆動データバッファにセットして(S4914)、本処理を終える。これにより、最終パネル(第3パネルPN3又は第4パネルPN4或いは第5パネルPN5)の表示を経て、枠可動体駆動演出が実行されるようになっている(図52(E),(H)参照)。
これに対してステップS4913の判定結果がNOである、即ちSPリーチの種類が炎ロゴリーチであれば、盤可動体駆動データをRAM94の所定の駆動データバッファにセットして(S4915)、本処理を終える。これにより、最終パネル(第1パネルPN1又は第2パネルPN2)の表示を経て、盤可動体駆動演出が実行されるようになっている(図52(B)参照)。
またステップS4904にて、押下無効期間内であれば、図38に示すステップS4917に進む。図38に示すようにステップS4917では、押下無効期間終了タイミングであるか否かを判定する。なおここで説明する押下無効期間終了タイミングとは、設定された押下無効期間の中の最終タイミング(本形態では押下無効期間の設定が開始された時点から1秒が経過した時点)のことであり、カットイン演出の終了タイミングでもある。押下無効期間終了タイミングでなければ(S4917でNO)、未だカットイン演出の実行途中であることになり、図37に示すステップS4907に進む。
これに対して、押下無効期間終了タイミングであれば(S4917でYES)、カットイン後昇格コマンドをセットする(S4918)。このカットイン後昇格コマンドには、カットイン演出後にどのパネル(第3パネルPN3又は第4パネルPN4或いは第5パネルPN5(図48参照))を表示するのかの情報が含まれている。よって、ステップS4918でセットされたカットイン後昇格コマンドがコマンド送信処理(S4006)により画像制御基板100に送信されると、カットイン演出後に表示画面7aにて第3パネルPN3又は第4パネルPN4或いは第5パネルPN5が表示される。なおこのときには未だ押下演出の実行中であるため、金パネル枠PW2、ボタン画像BT、及び時間バーZBも併せて表示画面7aに表示される。
ステップS4918の後、カットイン演出フラグをOFFにして(S4919)、図37に示すステップS4907及びS4908の処理に進む。カットイン演出フラグは、カットイン演出の実行を示すフラグである。
ところで、後述するようにカットイン演出の実行中、押下無効期間になる。この場合に、仮に遊技者が演出ボタン63を押下操作すると、図37に示すステップS4901でYESと判定されて、ステップS4904にてYESと判定される。そして図38に示す処理を経て、図37に示すステップS4907及びS4908の処理に進むことになる。つまりこの場合には、ステップS4905の押下カウンタを加算する処理と、ステップS4906の後述するパネル変更設定処理を実行しない。このようにして、カットイン演出の実行中には、遊技者が演出ボタン63を押下操作しても、その押下操作を無効にして、パネルの変更表示がなされるのを回避することが可能である。
但し、カットイン演出の実行中に、演出ボタン63が押下操作されると、ステップS4905とS4906をパスするものの、上述したようにステップS4907の処理により、盤ランプ5が特定の発光態様で発光する。そしてステップS4908の処理により、スピーカ67から効果音(ボタンプッシュ音)が出力される。従って遊技者には、カットイン演出の実行中であっても、演出ボタン63の操作自体は有効であると思わせることが可能である。
また図37に示すスイッチ処理(S4304)において、演出ボタン63が押下操作されたが(S4901でNO)、押下演出の実行中でなければ(S4902でNO)、ステップS4916にてその他のスイッチ演出の設定を行って、本処理を終了する。その他のスイッチ演出の設定の一例として、演出制御用マイコン91が、変動演出の実行中に、特定スイッチ演出コマンドをRAM94の出力バッファにセットする場合が挙げられる。この場合、セットされた特定スイッチ演出コマンドがコマンド送信処理(S4006)により画像制御基板100に送信されると、図54に示すように、特定スイッチ演出が表示画面7aにて実行される。
特定スイッチ演出では、先ず図54(A)に示すように、女の子のキャラクタ画像ONが表示されると共に、演出ボタン63への押下操作を促すボタン画像BTが表示画面7aに表示される。その後図54(B)に示すように、キャラクタ画像ONと「金ロゴはチャンス!」を示すセリフ画像SFが表示画面7aに表示される。これらキャラクタ画像ON、ボタン画像BT、セリフ画像SFは、当選期待度を何ら示唆しないものである。こうして本パチンコ遊技機1では、当選期待度を示唆可能な押下演出(スイッチ演出)の他に、当選期待度を示唆しない特定スイッチ演出(押下演出)も実行可能になっている。
[パネル変更設定処理]パネル変更設定処理(S4906)は、押下演出の実行中に演出ボタン63への押下操作に基づいて、パネルの変更表示を行うか否かを抽選で決める処理である。図39に示すように、パネル変更設定処理(S4906)ではまず、演出制御用マイコン91は、表示しているパネルが最終パネルに到達しているか否かを判定する(S5001)。最終パネルに到達していれば(S5001でYES)、変更表示を行う必要がないため、本処理を終える。一方、最終パネルに到達していなければ(S5001でNO)、押下カウンタの値が「5」以上であるか否かを判定する(S5002)。
押下カウンタの値が「5」未満であれば(S5002でNO)、低確昇格抽選処理を実行して(S5003)、ステップS5005に進む。低確昇格抽選処理(S5003)では、図46に示す低確昇格抽選テーブルの中から、現時点で表示しているパネルに応じて一つのテーブルを選択する。そして昇格決定乱数を取得して、選択したテーブルを用いて取得した昇格決定乱数を判定する。これにより、パネルの変更表示、即ち当選期待度がより高いパネルへの変更(昇格)を実行するか否かが決定される。
一方、押下カウンタの値が「5」以上であれば(S5002でYES)、高確昇格抽選処理を実行して(S5004)、ステップS5005に進む。高確昇格抽選処理(S5004)では、図47に示す高確昇格抽選テーブルの中から、現時点で表示しているパネルに応じて一つのテーブルを選択する。そして昇格決定乱数を取得して、選択したテーブルを用いて取得した昇格決定乱数を判定する。これにより、当選期待度がより高いパネルへの変更(昇格)を実行するか否かが決定される。
ここで図46に示す低確昇格抽選テーブルと、図47に示す高確昇格抽選テーブルとの比較から分かるように、高確昇格抽選テーブルでは低確昇格抽選テーブルよりも、昇格と決定され易いように設定している。これにより、遊技者が演出ボタン63を5回以上連打操作すれば昇格し易くなって、なかなかパネルの変更表示が実行されないと感じるのを回避することが可能である。なお高確昇格抽選処理(S5004)を実行する場合の押下カウンタの値は「5」に限られるものではなく、2以上であれば適宜変更可能である。
また図46に示す低確昇格抽選テーブル及び図47に示す高確昇格抽選テーブルにおいて、現時点で表示しているパネルの当選期待度が高いものであるほど、昇格と決定され易いように設定されている。従って演出ボタン63を連打操作する遊技者には、第1パネルPN1⇒第2パネルPN2⇒第3パネルPN3⇒第4パネルPN4⇒第5パネルPN5の順番で徐々にスピードアップして昇格するように感じさせて、気分良くパネル変更を楽しませることが可能である。
ステップS5003の低確昇格抽選処理、又はステップS5004の高確昇格抽選処理で昇格と決定されなければ(S5005でNO)、本処理を終える。これに対して昇格と決定されれば(S5005でYES)、昇格パネル決定処理を行う(S5006)。具体的に昇格パネル決定処理(S5006)では、RAM94の所定の記憶領域に記憶されているパネル変化シナリオデータ(図43又は図45参照)に基づいてパネル変化シナリオを参照する。そして、参照したパネル変化シナリオと現時点で表示しているパネルとに基づいて、どのパネルに変更(昇格)するのかを決定する。
ステップS5006の昇格パネル決定処理の後、昇格するパネルの情報を含む昇格コマンドをRAM94の出力バッファにセットする(S5007)。これによりセットされた昇格コマンドがコマンド送信処理(S4006)により画像制御基板100に送信されると、昇格するパネルが表示画面7aに表示される。なおこのときには、パネル枠とボタン画像BTと時間バーZBも併せて表示される。そして、押下カウンタの値を「0」にリセットして(S5008)、本処理を終える。
なお本形態では上述したように、サブ制御基板90(演出制御用マイコン91)がパネル変化シナリオデータに基づいてパネルの表示制御を行うが、サブ制御基板90がパネル変化シナリオデータを画像制御基板100に送信することとし、画像制御基板100にパネル変化シナリオデータに従ってパネルの表示制御を実行させても良い。
[カットイン演出設定処理]演出制御用マイコン91は、スイッチ処理(S4304)の後、カットイン演出設定処理(S4305)を実行する(図31参照)。カットイン演出設定処理(S4305)は、押下演出の実行中にカットイン演出を行うか否かを抽選で決める処理である。カットイン演出設定処理(S4305)では、図40に示すようにまず、カットイン演出フラグがONであるか否かを判定する(S5101)。ONであれば(S5101でYES)、既にカットイン演出を実行しているため、本処理を終える
一方、カットイン演出フラグがONでなければ(S5101でNO)、押下操作有効期間開始タイミング、又は押下カウンタ増加タイミングであるか否かを判定する(S5102)。押下操作有効期間開始タイミングは、最初のパネルの表示が開始されるタイミングを意味する。押下カウンタ増加タイミングは、演出ボタン63が押下操作されたタイミングを意味する。これら何れかのタイミングでなければ(S5102でNO)、本処理を終える。一方、これら何れかのタイミングであれば(S5102でYES)、続いて、実行中の変動演出に係るSPリーチの種類が金ロゴリーチ又は全回転リーチであるか否かを判定する(S5103)。
金ロゴリーチ又は全回転リーチではない(S5103でNO)、即ち炎ロゴリーチであれば、本処理を終える。こうして本形態では、炎ロゴリーチを実行する場合には、カットイン演出が実行されないようにしている。一方、金ロゴリーチ又は全回転リーチであれば(S5103でYES)、現時点で表示しているパネルが第1パネルPN1又は第2パネルPN2であるか否かを判定する(S5104)。第1パネルPN1又は第2パネルPN2でなければ(S5104でNO)、本処理を終える。こうして本形態では、第3パネルPN3又は第4パネルPN4或いは第5パネルPN5の表示中には、カットイン演出が実行されないようにしている。
現時点で表示しているパネルが第1パネルPN1又は第2パネルPN2であれば(S5104でYES)、続いて、RAM94の所定の記憶領域にセットされている最終パネルデータ(図42参照)に基づいて最終パネルを参照する。そして、カットイン演出抽選処理を実行する(S5106)。カットイン演出抽選処理(S5106)では、図48に示すカットイン演出抽選テーブルの中から、現時点で表示しているパネルと最終パネルに応じて一つのテーブルを参照する。そしてカットイン演出決定乱数を取得して、選択したテーブルを用いて取得したカットイン演出決定乱数を判定する。これにより、カットイン演出を実行するか否かが決定されると共に、カットイン演出後に表示されるパネルが決定される(図48参照)。
ここで図48に示すカットイン演出抽選テーブルから分かるように、特別図柄の抽選の結果が大当たりである場合の方が、ハズレである場合よりも、カットイン演出が実行され易いように設定している。従ってカットイン演出を見た遊技者には、大当たりになり易い状況であると認識させて、当選への大きな期待感を抱かせることが可能である。更に図48に示すカットイン演出抽選テーブルから分かるように、特別図柄の抽選の結果が大当たりである場合の方が、ハズレである場合よりも、カットイン演出後に表示するパネルが、当選期待度がより高いものになり易いように設定されている。従って、カットイン演出後に、2段階又は3段階当選期待度が高くなったパネルを見た遊技者には、大当たりになり易い状況であると認識させて、当選への大きな期待感を抱かせることが可能である。
ステップS5106のカットイン演出抽選処理により、カットイン演出を実行しないと決定されれば(S5107でNO)、本処理を終える。一方、カットイン演出を実行すると決定されれば(S5107でYES)、カットイン演出後に表示されるパネルの情報を含むカットイン演出コマンドをRAM94の出力バッファにセットする(S5108)。これによりセットされたカットイン演出コマンドがコマンド送信処理(S4006)により画像制御基板100に送信されると、表示画面7aにてカットイン画像KI(図53(B)参照)が表示されるカットイン演出が実行される。そして、カットイン演出の実行時間(本形態では1秒)が経過すると、カットイン演出抽選処理(S5106)で決定されたカットイン演出後のパネル(図48参照)が表示画面7aに表示される。なおカットイン演出後には、金パネル枠PW2とボタン画像BTと時間バーZBが併せて表示される。
こうして押下演出の途中で、いきなりカットイン演出が実行されることにより、遊技者の注意をカットイン演出に引き付けることが可能である。そして、カットイン演出後に、第3パネルPN3以上の当選期待度であるパネルと金パネル枠PW2とが表示されることにより、少なくとも金ロゴリーチの実行が確定したことによる高揚感を遊技者に与えることが可能である。
ステップS5108の後、押下無効期間を設定する(S5109)。押下無効期間(本形態では1秒)は、演出ボタン検出スイッチ63aによる検知があった場合でも、パネルの変更表示を不可能とするための期間である。この押下無効期間の設定により、カットイン演出の実行中に上述したスイッチ処理(S4304)のステップS4904にてYESと判定される。その結果、パネル変更設定処理(S4906)が実行されなくなって、カットイン演出の実行途中にも拘わらず、カットイン画像KIからパネルへの表示に切替わるのを回避することが可能である。本形態の押下無効期間は、カットイン演出の実行時間と同じ1秒に設定されるが、カットイン演出の実行時間よりも僅かに長い時間(例えば1.5秒)であっても良く、適宜変更可能である。ステップS5109にて押下無効期間を設定した後、カットイン演出フラグをONにして(S5110)、本処理を終える。
8.演出例
次に、図55〜図58に基づいて、本パチンコ遊技機1の各演出例について説明する。
<第1演出例>
先ず図55に基づいて第1演出例について説明する。前提条件として通常遊技状態で特別図柄の抽選でハズレになり、変動パターンとして押下演出用SPリーチハズレの実行を示す変動パターンP4が選択されたこととする。そして図35に示す変動演出パターン選択処理(S4604)のSPリーチ抽選処理(S4703)によりSPリーチの種類として炎ロゴリーチが決定されたこととする(図41参照)。そしてハズレ用最終パネル抽選処理(S4708)により、最終パネルとして第2パネルPN2が決定され(図44参照)、ハズレ用パネル変化シナリオ抽選処理(S4709)により、第1パネルPN1⇒第2パネルPN2となるパネル変化シナリオが決定されたこととする(図45参照)。
この場合、変動演出が開始された後に、図柄全消灯演出(図51(B)参照)及び図柄一部発光演出(図51(C)参照)を経て、図55(A)に示すように、銀色物体が回転しながら放射状に分割される画像Q2が表示される。その後、押下演出が始まり、先ず図55(B)に示すように第1パネルPN1及び銀パネル枠PW1が表示される。このときボタン画像BTが表示されるため、遊技者は演出ボタン63に対して押下(連打)操作する。これにより、図39に示すパネル変更設定処理(S4906)により昇格と判定されたこととする(S5005でYES)。その結果、図55(C)に示すように、第2パネルPN2の表示に切替わる。
その後、第2パネルPN2から昇格することがなくて、押下操作有効期間(本形態では5秒)が経過すると、図55(D)に示すように、銀色の歯が噛み合わされた噛合画像GMが表示される。そして、図55(E)に示すように、銀パネル枠PW1が無い状態で第2パネルPN2が表示される。これにより遊技者には第2パネルPN2が最終パネルであるのを把握させて、第3パネルPN3以上に到達したかった危機感を与えることになる。続いて、図55(F)に示すように、盤可動体駆動演出が実行されて、図55(G)に示すように、炎ロゴリーチが実行される。
そしてこの第1演出例では、特別図柄の抽選がハズレであるため、図55(H)に示すように、主人公キャラが第2敵キャラに敗北するバトル敗北演出が実行され、図55(I)に示すように、演出図柄8L,8C,8Rがハズレ停止態様で停止表示する。つまりハズレ報知演出が実行される。こうして第1演出例においては、押下演出の実行中にカットイン演出が実行されなくて、当選期待度が相対的に低い演出(最終パネルが第2パネルであること、盤可動体駆動演出、炎ロゴリーチ)が実行されることを示している。
<第2演出例>
次に図56に基づいて第2演出例について説明する。前提条件として通常遊技状態で特別図柄の抽選で大当たり当選になり、変動パターンとして押下演出用SPリーチ大当たりの実行を示す変動パターンP2が選択されたこととする。そして図35に示す変動演出パターン選択処理(S4604)のSPリーチ抽選処理(S4703)によりSPリーチの種類として金ロゴリーチが決定されたこととする(図41参照)。そして大当たり用最終パネル抽選処理(S4705)により、最終パネルとして第4パネルPN4が決定され(図42参照)、大当たり用パネル変化シナリオ抽選処理(S4706)により、第1パネルPN1⇒第3パネルPN3⇒第4パネルPN4となるパネル変化シナリオが決定されたこととする(図43参照)。
この場合、図56(A)に示すように銀色物体が回転しながら放射状に分割される画像Q2が表示された後、押下演出が開始される。このとき先ず図56(B)に示すように、第1パネルPN1及び銀パネル枠PW1が表示されて、遊技者は演出ボタン63に対して押下(連打)操作する。ここで図40に示すカットイン演出設定処理(S4305)のカットイン演出設定処理(S5106)によりカットイン演出を実行すると決定されると共に、カットイン演出後のパネルが第3パネルPN3に決定されたこととする(図48参照)。これにより図56(C)に示すようにカットイン演出が実行されて、連打操作に夢中になっている遊技者にいきなりカットイン画像KIを見せることが可能である。
ここでカットイン画像KIの表示中、遊技者は勢いで演出ボタン63の連打操作を継続することになる。このとき、連打操作の度に盤ランプ5が特定の発光態様で発光すると共に、スピーカ67から効果音(ボタンプッシュ音)が出力される。従って遊技者には、ボタン画像BTが見えなくなってカットイン画像KIが表示されても、演出ボタン63の押下操作自体は有効であると認識させることが可能である。その結果遊技者に、演出ボタン63の連打操作を中止させないようにすることが可能である。
そしてカットイン画像KIの表示中には、遊技者が演出ボタン63の連打操作を行っても、押下無効期間が設定されている。そのため、カットイン画像KIの表示が終了するまで、カットイン画像KIの表示から昇格したパネルの表示に切替わることはない。よって、遊技者にはカットイン画像KIを途切れることなく、最後まで堪能させることが可能である。
こうしてカットイン演出が終了すると、図56(D)に示すように、第3パネルPN3及び金パネル枠PW2が表示される。従って、第1パネルPN1から第3パネルPN3に昇格すると共に、銀パネル枠PW1から金パネル枠PW2に昇格したことにより、遊技者には当選期待度の向上による高揚感を与えることが可能である。そして遊技者は演出ボタン63に対して引き続き連打操作を行う。これにより、図39に示すパネル変更設定処理(S4906)により昇格と判定されたこととする(S5005でYES)。その結果、図56(D)に示すように、第4パネルPN4の表示に切替わる。
その後、第4パネルPN4から昇格することがなくて、押下操作有効期間が経過すると、図56(F)に示すように、金色の歯が噛み合わされた噛合画像KMが表示される。そして、図56(G)に示すように、金パネル枠PW2が無い状態で第4パネルPN4が表示される。こうして遊技者には第4パネルPN4まで到達したことによる高揚感を与えることが可能である。続いて、図56(H)に示すように、枠可動体駆動演出が実行されて、図56(I)に示すように、金ロゴリーチが実行される。
そしてこの第2演出例では、特別図柄の抽選が大当たり当選であるため、図56(J)に示すように、主人公キャラが第4敵キャラに勝利するバトル勝利演出が実行され、図56(K)に示すように、演出図柄8L,8C,8Rが大当たり停止態様で停止表示する。つまり当選報知演出が実行される。こうして第2演出例においては、押下演出の実行中にカットイン演出が実行されることで、当選期待度が相対的に高い演出(最終パネルが第4パネルであること、枠可動体駆動演出、金ロゴリーチ)が実行されることを示している。
<第3演出例>
次に図57に基づいて第3演出例について説明する。前提条件として通常遊技状態で特別図柄の抽選で大当たり当選になり、変動パターンとして押下演出用SPリーチ大当たりの実行を示す変動パターンP2が選択されたこととする。そして図35に示す変動演出パターン選択処理(S4604)のSPリーチ抽選処理(S4703)によりSPリーチの種類として全回転リーチが決定されたこととする(図41参照)。なおこの場合には、大当たり用最終パネル抽選処理(S4705)により、最終パネルとして第5パネルPN5が決定される(図42参照)。また大当たり用パネル変化シナリオ抽選処理(S4706)により、第2パネルPN2⇒第3パネルPN3⇒第4パネルPN4⇒第5パネルPN5となるパネル変化シナリオが決定されたこととする(図43参照)。
この場合、図57(A)に示すように銀色物体が回転しながら放射状に分割される画像Q2が表示された後、押下演出が開始される。このとき先ず図57(B)に示すように、第2パネルPN2及び銀パネル枠PW1が表示されて、遊技者は演出ボタン63に対して押下(連打)操作する。そして図57(C)に示すように、カットイン演出が実行されて、その後に図57(D)に示すように、第3パネルPN3及び金パネル枠PW2が表示されたこととする。ここで遊技者が演出ボタン63の連打操作を行っているにも拘わらず、第3パネルPN3から昇格することがなくて、押下操作有効期間が経過したこととする。
このとき、図57(E)に示すように、金色の歯が噛み合わされた噛合画像KMが表示される。そして図57(F)に示すように、金パネル枠PW2が無い状態で第3パネルPN3が表示される。これにより、遊技者には最終パネルが第3パネルPN3に決定されたと一旦思わせることになる。但しこの場合には、図37に示すスイッチ処理(S4304)のステップS4910にて、最終パネル(第5パネルPN5)に到達していないと判定され(S4910でNO)、復活昇格コマンドがセットされている(S4911)。そのため、図57(F)に示す第3パネルPN3の表示の後、図57(G)に示すように、金色の歯が噛み合わされた噛合画像KMが再び表示される。そして図57(H)に示すように、第5パネルPN5が表示される。
このようにして、遊技者には、最終パネルが第3パネルPN3だと一旦思わせた後で、復活して第5パネルPN5を見せることが可能である。従って、第5パネルPN5に昇格したことによる驚きを与えると共に、復活演出が実行されたことによる高揚感を与えることが可能である。その後、図57(I)に示すように、枠可動体駆動演出が実行されて、図57(J)に示すように、全回転リーチが実行される。そしてこの場合には、図57(K)に示すように、当選報知演出が必ず実行されることになる。こうして第3演出例では、押下演出で最終パネルまで到達しなくても、復活演出により最終パネルが表示されることを示している。
<第4演出例>
次に図58に基づいて第4演出例について説明する。前提条件は上述した第3演出例と同様である。そのため先ず図58(A)に示すように銀色物体が回転しながら放射状に分割される画像Q2が表示された後、押下演出が開始される。ここで第4演出例では、押下演出が開始されるタイミング、即ち押下操作有効期間開始タイミングにて、図40に示すカットイン演出設定処理(S4305)のカットイン演出設定処理(S5106)により、カットイン演出を実行すると決定されると共に、カットイン演出後のパネルが第5パネルPN5に決定されたこととする(図48参照)。
これにより、図58(B)に示すように押下演出の開始に伴って、いきなりカットイン画像KIが表示される。こうして遊技者には、カットイン演出が様々なタイミングで実行され得ると思わせることが可能である。そして、図58(C)に示すように、第5パネルPN5及び金パネル枠PW2が表示される。これにより遊技者には、いきなり全回転リーチを獲得したことによる大きな満足感を与えることが可能である。
その後、押下操作有効期間が経過すると、図58(D)に示すように、金色の歯が噛み合わされた噛合画像KMが表示されて、図58(E)に示すように、第5パネルPN5が表示される。その後の演出の推移(図58(F)〜図58(H)は、上述した第3演出例の図57(I)〜図57(K)と同様であるため、説明を省略する。こうして第4演出例では、カットイン演出の後に大当たり当選が確定している第5パネルPN5が表示されることがあり得ることを示している。
9.本形態の効果
以上詳細に説明したように、本形態のパチンコ遊技機1によれば、押下演出の実行中に、遊技者が演出ボタン63を連打操作することで、パネルが段階的に変更し得る。これにより遊技者には、バトル勝利となる可能性(即ち当選期待度)を自らの操作で段階的に増加させていると思わせることが可能である。しかしながらこのとき、遊技者は演出ボタン63への連打操作とパネルが変更されるか否かだけに夢中になってしまう可能性がある。そこで本パチンコ遊技機1では、図53(B)に示すように、押下演出の実行中にも拘わらずパネルが一時的に表示されなくなって、カットイン画像KIが一時的に表示され得る。そのため遊技者には、急に表示されるカットイン画像KIに驚きを与えると共に、カットイン画像KIの表示の意味に関心を向けさせることが可能である。こうして押下演出にて連打操作中である遊技者には、カットイン画像KIの表示にも注目させることが可能であり、遊技興趣を高めることが可能である。
また本形態のパチンコ遊技機1によれば、押下演出の実行中にカットイン画像KIが表示されると、押下無効期間が設定される。そのため、押下無効期間で遊技者が演出ボタン63を押下操作しても、カットイン画像KIの表示からパネルの表示に切替わることがない。従って、遊技者にはカットイン画像KIの表示を最後まで把握させることが可能である。即ち、カットイン画像KIが表示途中で急に終わってしまい、遊技者に見た目の違和感を与えるのを回避することが可能である。
また本形態のパチンコ遊技機1によれば、カットイン画像KIの表示中に、遊技者が演出ボタン63を押下操作しても、パネルの表示に切替わることはないが、盤ランプ5が特定の発光態様で発光すると共に、スピーカ67から効果音(ボタンプッシュ音)が出力される。従って、遊技者には演出ボタン63に対する押下操作自体は有効と思わせることが可能である。よって、カットイン画像KIが表示されても、演出ボタン63に対する押下操作を継続させることが可能である。即ち、演出ボタン63への押下操作を中止させないようにすることが可能である。その結果、カットイン画像KIの表示が終了した後、演出ボタン63への押下操作を伴う押下演出にスムーズに移行させることが可能である。
また本形態のパチンコ遊技機1によれば、特別図柄の抽選の結果が大当たり当選である場合には、ハズレである場合よりも、押下演出の実行中にカットイン画像KIが表示され易くなる。従って、押下演出にて演出ボタン63の連打操作中である遊技者には、パネルが変更(昇格)されること加えて、カットイン画像KIが表示されることを強く期待させることが可能である。
また本形態のパチンコ遊技機1によれば、押下演出の実行中に、第1パネルPN1又は第2パネルPN2を見ている遊技者は、炎ロゴリーチが実行されると思うことになる。このときカットイン画像KIが表示されると、カットイン画像KIの表示が終了した後に、必ず第3パネルPN3又は第4パネルPN4或いは第5パネルPN5の何れかが表示されて、金ロゴリーチ又は全回転リーチの実行が確定する。こうして、カットイン画像KIの表示を契機に、少なくとも金ロゴリーチ以上の演出の実行を獲得できるため、第1パネルPN1又はPN2を見ている遊技者には、カットイン画像KIの表示を一層期待させつつ遊技させることが可能である。
10.変更例
以下、変更例について説明する。なお、変更例の説明において、上記形態のパチンコ遊技機1と同様の構成については、同じ符号を付して説明を省略する。
<第1変形例>
上記形態では、通常遊技状態において実行する押下演出において、大当たりへの当選期待度が段階的に高くなるようにパネルを変更表示可能とした。即ち、第1パネルPN1⇒第2パネルPN2⇒第3パネルPN3⇒第4パネルPN4⇒第5パネルPN5へ切替わるようにした。これに対して第1変形例では、高確時短状態において押下演出を実行し得るようにして、その押下演出において確変大当たりへの当選期待度が段階的に高くなるようにパネルを変更表示可能としても良い。即ち第1変形例では、通常大当たりへの当選による危険度が段階的に低くなるようにパネルを変更表示可能としても良い。
第1変形例では、図59(B)に示すように、第1パネルPN1aとして、第1敵キャラを示す第1敵画像T1と危険度の文字と5つの星を示す第5星画像H5とを表示するようにする。そしてこの第1パネルPN1aは、バトル演出で主人公キャラが敵キャラ(第1敵キャラ)に勝利する可能性が最も低く、つまり確変大当たりへの当選期待度が最も低いことを示すこととする。また図59(C)に示すように、第2パネルPN2aとして、第2敵キャラを示す第2敵画像T2と危険度の文字と4つの星を示す第4星画像H4とを表示するようにする。そしてこの第2パネルPN2aは、第1パネルPN1aよりも確変大当たりへの当選期待度が高いことを示すこととする。
また図59(E)に示すように、第3パネルPN3aとして、第3敵キャラを示す第3敵画像T3と危険度の文字と3つの星を示す第3星画像H3とを表示するようにする。そしてこの第3パネルPN3aは、第2パネルPN2aよりも確変大当たりへの当選期待度が高いことを示すこととする。また図59(F)に示すように、第4パネルPN4aとして、第4敵キャラを示す第4敵画像T4と危険度の文字と2つの星を示す第2星画像H2とを表示するようにする。そしてこの第4パネルPN4aは、第3パネルPN3aよりも確変大当たりへの当選期待度が高いことを示すこととする。
そして上記形態と同様に、第1パネルPN1a又は第2パネルPN2aの表示中にだけ、カットイン演出(カットイン画像KIの表示)が実行され得るようにする。そして、カットイン演出が実行された後には、第3パネルPN3a又は第4パネルPN4aが表示され得るようにする。なお第5パネルとして、確変大当たりへの当選が確定するパネルを設けるようにしても良い。
以下では、第1変形例の一例を図59に基づいて説明する。高確時短状態において変動演出が開始されて、図59(A)に示すように銀色物体が回転しながら放射状に分割される画像Q2が表示された後に、押下演出が開始される。この場合、先ず図59(B)に示すように、第1パネルPN1a及び銀パネル枠PW1が表示される。このとき、遊技者はパネルの変更表示が実行されることを期待して、演出ボタン63の押下(連打操作)を行う。これにより、図59(C)に示すように、第2パネルPN2aが表示される。
このとき、図59(D)に示すように、カットイン画像KIが表示されるカットイン演出が実行される。これにより、連打操作に夢中になっている遊技者に驚きを与えることが可能である。そしてカットイン演出後に図59(E)に示すように、第3パネルPN3a及び金パネル枠PW2が表示される。これにより、カットイン演出後に確変大当たりへの当選期待度が高まったことによる高揚感を与えることが可能である。言い換えれば、通常大当たりへの当選で通常確率状態へ転落する可能性が減ったことによる安堵感を与えることが可能である。なおカットイン画像KIの表示中には、上記形態で説明したように、演出ボタン63の押下操作がなされていても、パネルの表示に切替わることはない。その一方で、演出ボタン63が押下操作される度に、盤ランプ5が特定の発光態様で発光すると共に、スピーカ67から効果音(ボタンプッシュ音)が出力されるようになっている。
その後、遊技者が演出ボタン63への押下操作を継続することで、図59(F)に示すように、第4パネルPN4aが表示される。これにより遊技者に対して、更に確変大当たりへの当選期待度が高まったことを示している。そして図59(G)に示すように、金色の歯が噛み合わされた噛合画像KMが表示される。その結果図59(H)に示すように、第4パネルPN4aが最終パネルとして表示される。その後第1変形例では、バトル演出として金ロゴリーチが実行される。そして主人公キャラ(金ロゴ)が第4敵キャラに勝利すれば、確変大当たりに当選していることが報知される。一方、主人公キャラが第4敵キャラに敗北すれば、通常大当たりに当選していることが報知されることになる。
<第2変形例>
次に図60に基づいて第2変形例について説明する。上記形態では、押下演出の実行中に、第1パネルPN1又は第2パネルPN2が表示されているときに限って、カットイン演出が実行され得るようにした。そして、カットイン演出後には第3パネルPN3又は第4パネルPN4或いは第5パネルPN5の何れかが表示されるようになっていた。これに対して第2変形例では、第1パネルPN1から第4パネルPN4の何れのパネルが表示されているときでも、カットイン演出が実行され得るようになっている。そして、カットイン演出後には、そのカットイン演出が開始される直前に表示されていたパネルと同じパネルが表示されるようになっている。但しカットイン演出(カットイン画像KIの表示)が実行された方が、実行されない場合に比べて、当選期待度が高いことを示唆するようになっている。
以下では、第2変形例の一例を図60に基づいて説明する。先ず図60(A)に示すように、表示画面7aには第3パネルPN3及び金パネル枠PW2が表示されている。このとき図60(B)に示すように、カットイン演出により表示画面7aにカットイン画像KIが表示される。そしてカットイン演出の実行時間(1秒)が経過すると、図60(C)に示すように、表示画面7aでは再び第3パネルPN3及び金パネル枠PW2が表示される。
こうして第2変形例によれば、カットイン演出が実行されても、カットイン演出の前後でパネルが変わらない。従って、カットイン演出を初めて見る遊技者や経験の浅い遊技者にとっては、カットイン演出を契機にパネルが変更する際の違和感を軽減することが可能である。そして、カットイン演出の前後のパネルの種類に拘わらず、押下演出の実行中にカットイン画像KIが表示されれば当選期待度が高いことを示すことにより、当選期待度の示唆を単純化する(把握し易くする)ことが可能である。
<第3変形例>
次に図61に基づいて第3演出例について説明する。上記形態では、カットイン演出が実行される場合、図53(A)(B)に示すように、カットイン演出が実行される直前のパネル(第1パネルPN1)全体が見えなくなって、カットイン画像KIが表示画面7aの全体に表示されるようにした。これに対して第3変形例では、カットイン演出が実行される場合、図61(A)(B)に示すように、カットイン演出が実行される直前のパネル(第1パネルPN1)の上部分が見えなくなって、カットイン画像KIaが表示画面7aの上部分に表示されるようになっている。なおカットイン演出が終われば、図61(C)に示すように、パネル(第3パネルPN3)が表示画面7aの全体に表示されるようになっている。
こうして第3変形例によれば、カットイン画像KIaの表示中に、カットイン演出が実行される直前のパネル(第1パネルPN1)を部分的に見ることが可能である。よって遊技者には、カットイン演出の前後でどのパネルからどのパネルに変更したのかを分かり易く示すことが可能である。なお第3変形例において、カットイン画像KIaが表示画面7aに表示される範囲は適宜変更可能であり、カットイン画像KIaの表示により見えなくなるパネルの範囲(位置)等も適宜変更可能である。
<第4変形例>
次に図62に基づいて第4変形例について説明する。上記形態では、押下演出の実行中に表示されるパネルとして、第1パネルPN1から第5パネルPN5までがあった。そして各パネルPN1〜PN5は、星の数が1個単位で増えることを示すものであった。これに対して第4変形例では、星の数を0.5個単位で示すパネルがあるようになっている。例えば図62(C)に示すように、新たな敵キャラと1.5個の星を示す第1.5パネルPN1bが設けられている。第1.5パネルPN1bは、第1パネルPN1よりも当選期待度が高いことを示唆する一方、第2パネルPN2よりも当選期待度が低いことを示唆するものである。
こうして第4変形例では、図62(A)に示すように、表示画面7aに第1パネルPN1が表示されているときに、図62(B)に示すカットイン演出が実行されると、その後に図62(C)に示すように、第1.5パネルPN1bが表示され得る。これにより、遊技者には当選期待度をより詳細に把握させることが可能である。なお当選期待度を示すパネルとして、第2.5パネルや第3.5パネル等を設けても良く、パネルの種類は適宜変更可能である。例えば当選期待度を示さない零(0)パネルや、当選期待度が最大(大当たり当選確定)である無限大(∞)パネルを設けても良い。
<その他の変形例>
上記形態では、最終パネルとして第3パネルPN3又は第4パネルPN4或いは第5パネルPN5が表示されれば、枠可動体駆動演出を実行するようにした。しかしながら押下演出の実行途中に、初めて第3パネルPN3又は第4パネルPN4或いは第5パネルPN5が表示された時点で、枠可動体駆動演出を実行するようにしても良い。この場合には、カットイン演出の実行中において押下無効期間が設定されているため、遊技者が演出ボタン63を押下操作しても、第3パネルPN3又は第4パネルPN4或いは第5パネルPN5が表示されることがない。よって、カットイン演出の実行中にも拘わらず、枠可動体駆動演出が実行されてしまうのを回避することが可能であり、枠可動体600動作が不自然になるのを回避することが可能である。
また上記形態では、押下演出において演出ボタン63への押下操作に基づいて、大当たり(通常大当たり及び確変大当たり)への当選期待度が段階的に高くなるようにパネルを変更表示可能とした。しかしながら、大当たりへの当選期待度が段階的に低くなるようにパネルを変更表示可能としても良い。また押下演出において演出ボタン63への押下操作に基づいて、大当たりへの当選期待度が高まったり、その反対に低くなったりする場合があるように、パネルを変更表示しても良い。
また第1変形例では、押下演出において演出ボタン63への押下操作に基づいて、確変大当たりへの当選期待度が段階的に高くなるようにパネルを変更表示可能とした。しかしながら、確変大当たりへの当選期待度が段階的に低くなるようにパネルを変更表示可能としても良い。また押下演出において演出ボタン63への押下操作に基づいて、確変大当たりへの当選期待度が高まったり、その反対に低くなったりする場合があるように、パネルを変更表示しても良い。
また上記形態では、通常遊技状態で押下演出が実行され得るようにして、第1変形例では、高確時短状態で押下演出が実行され得るようにした。しかしながら押下演出が実行される遊技状態は、通常遊技状態や高確時短状態に限られるものではなく、その他の遊技状態(例えば低確時短状態等)であっても良く、適宜変更可能である。また大当たり演出(オープニング演出、ラウンド演出、エンディング演出)の実行中に押下演出が実行され得るようにしても良い。
また上記形態では、押下演出においてカットイン演出が1回だけ実行され得るようにした。しかしながら、カットイン演出が複数回実行され得るようにしても良い。この場合には、押下演出においてカットイン演出が実行される回数が多いほど当選期待度が高いことを示唆するようにすると良い。これにより遊技者には、押下演出の実行中にカットイン演出の実行回数にも注目させることが可能である。
また上記形態では、カットイン画像(特定画像)KIの種類は1種類であった。しかしながら、カットイン画像の種類は2種類以上であっても良く、適宜変更可能である。例えば、カットイン演出で表示されるカットイン画像には、当選期待度が非常に高いことを示唆する高期待度カットイン画像と、高期待度カットイン画像よりも当選期待度が低いことを示唆する中期待度カットイン画像と、中期待度カットイン画像よりも当選期待度が低いことを示唆する低期待度カットイン画像とがあるようにしても良い。この場合には、押下演出でカットイン演出が実行されたときに、遊技者にはカットイン画像の種類にも注目させることが可能である。
また上記形態では、押下演出においてカットイン演出が実行されると、そのカットイン演出後には第3パネルPN3又は第4パネルPN4或いは第5パネルPN5の何れかを表示するようにした。しかしながら、カットイン演出が実行されなければ表示されることがないパネルや特別演出(プレミア演出)をカットイン演出後に実行し得るようにしても良い。これにより遊技者には、カットイン演出が実行されるのを一層期待させることが可能である。
また上記形態では、押下演出において当選期待度を示唆する表示態様を、キャラを示すキャラ画像と星の数を示す星画像とを含む第1パネルPN1〜第5パネルPN5(図50参照)とした。しかしながら押下演出において当選期待度を示唆する表示態様は、上記したパネルPN1〜PN5に限られるものではなく、適宜変更可能である。例えばキャラ画像だけとしたり、星画像だけとしても良い。
また上記形態では、パネルの変更表示を行うために、遊技者が演出ボタン(操作手段)63を押下操作するようにした。しかしながら、パネルの変更表示を行うための操作手段は、演出ボタン63に限られるものではなく、遊技者が操作するものであれば適宜変更可能である。例えば、レバー、ハンドル、スイッチ等であっても良い。
また上記形態では、1回の特別図柄の変動表示が実行されている間(当該変動)において、押下演出及びカットイン演出を実行し得るように制御した。しかしながら、複数回の特別図柄の変動表示にわたって、押下演出及びカットイン演出を実行し得るように制御しても良い。この場合には、遊技球が始動口20,21に入球した際に、遊技制御用マイコン81がその入球に基づく当否判定の結果の情報等を含む入賞情報(始動入賞コマンド)を演出制御用マイコン91に送信する。そして、その入賞情報を受信した演出制御用マイコン91は、その入賞情報に係る特別図柄の変動表示が開始される前に、入賞情報に含まれる情報に基づいて、押下演出及びカットイン演出を実行し得るように制御すれば良い。
また上記形態では、押下演出の実行中に遊技者が演出ボタン63を押下操作する度に、スピーカ(演出手段)67が効果音(ボタンプッシュ音)を出力すると共に、盤ランプ(演出手段)5が特定の発光態様で発光するという付加演出を実行した。しかしながら付加演出は上記した演出に限られるものではなく、適宜変更可能である。例えば、押下演出の実行中に遊技者が演出ボタン63を押下操作する度に、演出ボタン63が振動する演出や、枠ランプ66が特定の発光態様で発光する演出を、付加演出としても良い。また例えば、押下演出の実行中に遊技者が演出ボタン63を押下操作する度に、表示画面7aにエフェクト画像(例えば放射状に延びる線状の画像等)を表示する演出を、付加演出としても良い。この場合には、押下演出にてカットイン画像KIの表示中に、遊技者が演出ボタン63を押下操作すると、表示画面7aには、エフェクト画像がカットイン画像KIと共に表示されることになる。このエフェクト画像は、盤ランプ5や騒がしいホール内での効果音に比べて、表示画面7aを通常注視している遊技者が把握し易い。よって、押下操作と連係して表示されるエフェクト画像を見た遊技者には、演出ボタン63の押下操作が有効であると一層思わせることが可能である。
また上記形態では、押下演出の後にバトル演出を実行するようにした。しかしながら、押下演出の後に実行する演出は、バトル演出に限られるものではなく、適宜変更可能である。例えば押下演出の後に、特定のミッションが成功するか否かを示す成否演出を実行したり、1着になるか否かを示すレース演出を実行するようにしても良い。
また上記形態では、押下演出において大当たり(通常大当たり及び確変大当たり)への当選期待度を示唆するようにして、第1変形例では、押下演出において確変大当たりへの当選期待度を示唆するようにした。しかしながら、押下演出において示唆する期待度は、適宜変更可能であり、ラウンド数の多い大当たり(例えば16R大当たり)に当選する可能性を示唆するようにしても良い。
また上記形態では、疑似連(疑似連続予告演出)について説明していないが、疑似連を実行可能なパチンコ遊技機としても良い。なお疑似連とは、一回の特別図柄の変動表示に対する変動演出において、3つの演出図柄8L,8C,8Rの全てを一旦仮停止表示させ、その後全ての演出図柄8L,8C,8Rを再変動表示させる演出である。疑似連を実行可能なパチンコ遊技機において、疑似連の実行と並行して押下演出を実行し得るようにしても良い。
また上記形態では、高確率状態に制御されたあと実質的に次回の大当たりに当選するまで高確率状態が継続する所謂「確変ループタイプ」のパチンコ遊技機1であった。しかしながら、高確率状態に制御されたあと特別図柄の変動表示の回数が所定回数に達すると、通常確率状態に制御される所謂「STタイプ」のパチンコ遊技機としても良い。また上記形態では、また特別図柄の抽選で大当たりに当選すると大当たり遊技が実行される所謂「1種タイプ」のパチンコ遊技機1であったが、小当たり遊技を実行可能なその他のタイプのパチンコ遊技機(例えば所謂1種2種混合機)であっても良い。
また上記形態では、1つの大入賞装置31を備えるパチンコ遊技機1であった。しかしながら、2つの大入賞装置を備えるパチンコ遊技機であっても良い。また上記形態では、停止表示される特別図柄の種類に応じて高確率状態に移行するパチンコ遊技機1であった。しかしながら、大入賞装置の中に特定領域(V領域)を設けて、特定領域への遊技球の通過に基づいて高確率状態に移行するパチンコ遊技機や、高確率状態に移行しないパチンコ遊技機であっても良い。
また上記形態では、大当たり遊技後に時短回数が「100」回に設定される、又は実質的に次回の大当たりに当選するまで時短状態が続くようにした。しかしながら、大当たり遊技後に時短回数が「0」回に設定される(即ち「非時短状態」に制御される)ことがあり得るようにしても良い。
また上記形態では、第1始動口20又は第2始動口21への入賞に基づいて取得する乱数(判定情報)として、大当たり乱数等の4つの乱数を取得することとしたが、一つの乱数を取得してその乱数に基づいて、大当たりか否か、大当たりの種類、リーチの有無、及び変動パターンの種類を決めるようにしてもよい。すなわち、始動入賞に基づいて取得する乱数の個数および各乱数において何を決定するようにするかは任意に設定可能である。
本発明の「予め定められた制御条件」とは、上記形態では、第1特別図柄の抽選又は第2特別図柄の抽選において大当たりに当選し、その当選を示す大当たり図柄が停止表示されることである。
また本発明の「所定の取得条件の成立」とは、上記形態では、特図1保留球数が上限記憶数(4)に達していない状態で遊技球が第1始動口20に入球すること、又は特図2保留球数が上限記憶数(4)に達していない状態で遊技球が第2始動口21に入球することである。
また上記形態では、パチンコ遊技機1として構成したが、スロットマシン(回胴式遊技機、パチスロ遊技機)として構成しても良い。この場合、ビッグボーナスやレギュラーボーナスへの入賞によって獲得メダルを増やす所謂ノーマル機であれば、ビッグボーナスやレギュラーボーナス等のボーナスを実行している状態が特別遊技状態に相当する。また、小役に頻繁に入賞可能なART(アシストリプレイタイム)やAT(アシストタイム)等の特別な遊技期間にて獲得メダルを増やす所謂ART機やAT機であれば、ARTやAT中の状態が特別遊技状態に相当する。またノーマル機では特別遊技状態への制御条件は、ビッグボーナスやレギュラーボーナスに当選した上で、有効化された入賞ライン上に、ビッグボーナスやレギュラーボーナスへの移行契機となる図柄の組合せが各リールの表示結果として導出表示されることである。また、ART機やAT機では特別遊技状態への制御条件は、例えばARTやATの実行抽選に当選した上で、規定ゲーム数を消化するなどしてARTやATの発動タイミングを迎えることである。
また上記形態で用いた各テーブル(図11、図41〜図48参照)の各値や各態様はあくまで一例であって、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
なお上記形態の特徴及び変形例の特徴をそれぞれ組合わせて実施したり、一部取り除いて実施することは勿論可能である。
なお、上記形態には、課題を解決するための手段の欄に記載した<A>〜<C>の遊技機の他、以下の<D>〜<E>の遊技機が示されている。以下に記す説明では、上記形態における対応する構成名や表現、図面に使用した符号を参考のためにかっこ書きで付記している。但し、各遊技機の構成要素はこの付記に限定されるものではない。
<D>
<A>乃至<C>の何れかに記載の遊技機において、
所定の取得条件の成立に基づいて判定情報(大当たり乱数等の各種乱数)を取得する判定情報取得手段(ステップS206,S210を実行する遊技制御用マイコン81)と、
前記判定情報取得手段により取得された判定情報に基づいて、当たりであるかの当たり判定を行う当たり判定手段(ステップS1402,S1408を実行する遊技制御用マイコン81)と、を備え、
前記特定画像表示手段は、前記当たり判定の結果が当たりである場合には、前記当たり判定の結果がハズレである場合よりも、前記特定画像を表示し易いものである(図48のカットイン演出抽選テーブル参照)ことを特徴とする遊技機。
この構成の遊技機によれば、当たりであればハズレである場合よりも、期待度示唆演出の実行中に特定画像が表示され易くなる。従って、期待度示唆演出にて操作手段の操作中である遊技者には、表示態様が変更されることに加えて、特定画像が表示されることにも強く期待させることが可能である。
<E>
<A>乃至<D>の何れかに記載の遊技機において、
所定の低期待度演出(炎ロゴリーチ)又は前記低期待度演出よりも前記期待度が高いことを示す高期待度演出(金ロゴリーチ又は全回転リーチ)を実行可能な演出実行手段(ステップS4703を実行する演出制御用マイコン91)を備え、
前記期待度示唆演出の表示態様には、前記低期待度演出の実行を示す第1表示態様(第1パネルPN1又は第2パネルPN2)と、前記高期待度演出の実行を示す第2表示態様(第3パネルPN3又は第4パネルPN4或いは第5パネルPN5)とが少なくともあり、
前記期待度示唆演出実行手段は、
前記期待度示唆演出で前記第1表示態様を表示しているときに前記特定画像が表示された場合には、当該特定画像の表示が終了した後に前記第1表示態様を表示することがなく、前記第2表示態様を表示するものである(図48のカットイン演出抽選テーブル参照)ことを特徴とする遊技機。
この構成の遊技機によれば、期待度示唆演出の実行中に、第1表示態様を見ている遊技者は、低期待度演出が実行されると思うことになる。このときに特定画像が表示されると、特定画像の表示が終了した後に必ず第2表示態様になって、高期待度演出の実行が確定する。こうして、特定画像の表示を契機に高期待度演出の実行を獲得できるため、第1表示態様を見ている遊技者には、特定画像の表示を一層期待させつつ遊技させることが可能である。