JP2005000441A - 遊技機およびその制御方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】遊技制御および演出制御の制御負担を軽減しつつ、斬新な変化と面白味のある予告演出を実行する。
【解決手段】遊技制御手段191に設けられている始動入賞時判定手段185により始動入賞時に当り外れ等の判定を行ない、その判定結果である始動入賞時判定結果指令情報183をコマンドデータとして表示制御基板80へ送信し、表示制御基板80側において、予告判定手段により予告をするか否かを判定するとともに予告保留表示態様選択手段181により予告保留表示態様を選択し、その選択された予告保留表示態様に対応する予告演出画像データを計時手段175からのトリガ信号に従って画像情報記憶手段179から読出して、画像生成手段176が予告演出画像を生成して変動表示装置9に表示させる。
【選択図】 図5
【解決手段】遊技制御手段191に設けられている始動入賞時判定手段185により始動入賞時に当り外れ等の判定を行ない、その判定結果である始動入賞時判定結果指令情報183をコマンドデータとして表示制御基板80へ送信し、表示制御基板80側において、予告判定手段により予告をするか否かを判定するとともに予告保留表示態様選択手段181により予告保留表示態様を選択し、その選択された予告保留表示態様に対応する予告演出画像データを計時手段175からのトリガ信号に従って画像情報記憶手段179から読出して、画像生成手段176が予告演出画像を生成して変動表示装置9に表示させる。
【選択図】 図5
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、パチンコ遊技機やコイン遊技機などで代表される遊技機およびその制御方法に関する。詳しくは、始動入賞領域へ遊技球が入賞した後予め定められた変動開始条件の成立により各々が識別可能な複数種類の識別情報の変動表示を行なう変動表示装置と、遊技球が前記始動入賞領域へ入賞したときに前記変動表示装置の表示結果をその導出表示以前に決定する事前決定手段とを備え、該事前決定手段が表示結果を特定表示結果とすることを決定したときに前記変動表示装置に前記特定表示結果を表示した後に遊技者に有利な特定遊技状態を発生させる遊技機およびその制御方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
この種の遊技機として従来から一般的に知られているものに、たとえば、パチンコ遊技機のような、所定の実行条件の成立にもとづいて各々が識別可能な複数種類の識別情報の可変表示を行ない表示結果を導出表示する可変表示装置と、前記実行条件の成立にもとづいて前記表示結果をその導出表示以前に決定する事前決定手段を備え、あらかじめ定められた開始条件が成立することにより可変表示を開始し、該事前決定手段が表示結果を特定表示結果とすることを決定したときに前記可変表示装置に前記特定表示結果を表示した後に遊技者に有利な特定遊技状態を発生させるものがある。
【0003】
このような遊技機において、可変表示装置による可変表示の面白さを十分に演出して遊技者の期待感を向上させるために、事前に可変表示装置の表示結果が特定の表示態様となるか否かを決定し、その決定内容が特定の表示態様となる旨のものであった場合に、始動記憶表示器の表示状態の色または形状を異ならせ、遊技者に特定の表示態様が表示されることを予告報知するもの(たとえば、特許文献1参照)があった。
【0004】
【特許文献1】
特開平08−243224号公報(第14頁)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記のような遊技機においては、予告演出に遊技者の関心を集めて興味を持たせるため、今まで以上にバラエティーに富んだ予告演出と高度な遊技性が求められ、遊技制御および遊技制御における処理負担が増大する不都合が生じていた。このような遊技制御および表示制御における処理負担の増大は、バグやエラーを発生させる要因の一つとなっていた。これは、近年、高度な演出と遊技性を有した遊技機の提供を求められている遊技機業界にとって、なんらかの改善策が求められていたところである。
【0006】
この発明は上述の問題に鑑みてなされたものであって、その目的は、遊技制御および表示制御の制御負担を軽減しつつ、斬新な変化と面白味のある予告演出を実行できる遊技機を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段の具体例およびその効果】
(1)始動入賞領域(始動入賞口14)へ遊技球が入賞した後予め定められた変動開始条件の成立(変動開始信号を含むコマンドデータの受信)により各々が識別可能な複数種類の識別情報(たとえば、数字図柄「1」〜「9」、および、英字図柄「A」〜「C」等)の変動表示を行なう変動表示装置(変動表示装置9)と、遊技球が前記始動入賞領域へ入賞したときに前記変動表示装置の表示結果をその導出表示以前に決定する事前決定手段(事前決定手段190、SA03〜SA05)とを備え、該事前決定手段が表示結果を特定表示結果(たとえば、「777」等のゾロ目)とすることを決定したときに前記変動表示装置に前記特定表示結果を表示した後に遊技者に有利な特定遊技状態(たとえば、大当り)を発生させる遊技機(パチンコ遊技機1、コイン遊技機等)であって、
前記始動入賞領域へ入賞した始動入賞球を検出する始動入賞球検出手段(始動口スイッチ17)と、
前記遊技機の遊技状態を制御するとともに、前記変動表示装置を制御するための制御情報(コマンドデータ)を出力する遊技制御手段(遊技制御基板31,遊技制御手段191)と、
該遊技制御手段から出力されてきた制御情報に基づいて、前記変動表示装置を表示制御する表示制御手段(表示制御基板80,表示制御手段164)と、
前記変動表示装置の表示結果を前記特定表示結果とするか否かの決定に用いる数値データを更新する数値データ更新手段(ランダムカウンタR1)とを備え、
前記遊技制御手段は、
前記始動入賞球検出手段が前記始動入賞球を検出したときに、前記数値データ更新手段の数値データを抽出する数値データ抽出手段(数値データ抽出手段186、SB04)と、
該数値データ抽出手段が抽出した数値データを用いて、前記始動入賞球検出手段が前記始動入賞球を検出したときに該始動入賞球の検出に起因する変動表示の表示結果を前記特定表示結果とするか否かを判定する始動入賞時判定手段(始動入賞時判定手段185、SC01,SC05,SC06)と、
前記始動入賞球検出手段により検出された始動入賞球数のうち未だ前記変動開始条件が成立せず前記変動表示装置の変動表示に用いられていない始動入賞球の球数を保留記憶する保留記憶手段(保留記憶手段184、SB06)と、
前記始動入賞時判定手段の判定結果を特定可能な始動入賞時判定結果特定情報(始動入賞時判定結果特定情報183、SC03、SC04、SC08、SC09により設定された各コマンド)と、前記保留記憶手段に保留記憶されている始動入賞球数を特定するための保留数表示特定情報(保留数表示特定情報182、保留記憶数コマンド)とを、前記表示制御手段に送信する特定情報送信手段(特定情報送信手段(出力ポート)57A)とを含み、
前記表示制御手段は、
前記特定情報送信手段が送信した前記始動入賞時判定結果特定情報および前記保留数表示特定情報を受信する特定情報受信手段(特定情報受信手段(入力ポート)57B)と、
該特定情報受信手段が受信した前記始動入賞時判定結果特定情報に基づいて前記変動表示装置の表示結果が前記特定表示結果となる旨の予告を実行するか否かの決定を行なう予告決定手段(予告決定手段177、SH08〜SH13)と、
前記特定情報受信手段が受信した前記保留数表示特定情報にもとづいて前記保留記憶手段に記憶されている始動入賞球数を特定可能な保留表示の制御を行なう保留表示制御手段(保留表示制御手段180、SE09〜SE17)と、
前記予告決定手段により予告を実行する旨の決定がなされたときに、前記保留表示制御手段により表示される保留表示の保留表示態様を複数種類(4種類)の予告保留表示態様(「?」,「リ」,「S」,「当」)から選択する予告保留表示態様選択手段(予告保留表示態様選択手段181、SI10〜SI17)と、
前記複数種類の予告保留表示態様を前記変動表示装置に表示させる予告演出画像を生成するための複数種類の予告演出画像データ(「?」,「リ」,「S」,「当」に対応する16×16ドットの画像データ)を含む各種画像データ(16×16ドットの画像データ)を記憶している画像情報記憶手段(画像情報記憶手段(キャラクタROM)179)と、
前記変動表示装置に各種画像を表示させるためのタイミングを特定するタイミングデータ(図5のタイミングデータ、図23の各プロセスタイマ1、2、…のタイマデータ)と、前記始動入賞時判定結果特定情報の受信から所定時間経過後に前記変動表示装置に前記予告演出画像を表示させるための制御データ(図19の昇格フラグのデータや図23の予告フラグ,態様フラグのデータ)とを記憶している制御データ記憶手段(制御データ記憶手段(RAM)178)と、
該制御データ記憶手段に記憶されている前記タイミングデータに基づいて計時し、前記変動表示装置に前記各種画像を表示させるための契機となるトリガ信号を出力する計時手段(計時手段175、各プロセスタイマ1、2、…)と、
前記制御データ記憶手段に記憶されている前記タイミングデータと前記画像情報記憶手段に記憶されている前記各種画像データとに基づいて、前記変動表示装置に表示する画像を生成する画像生成手段(画像生成手段176、CPU198とVDP195)とを備え、
前記画像生成手段は、前記予告決定手段により予告を実行する旨の決定がなされたことを条件として、前記変動表示装置で前記制御データ記憶手段に記憶されている前記制御データに基づく前記予告演出画像の表示を行なうために、前記予告保留表示態様選択手段により選択された予告保留表示態様に対応する前記予告演出画像データを前記計時手段からの前記トリガ信号に従って前記画像情報記憶手段から読み出して、予告演出画像を生成する予告演出画像生成手段(図5の予告演出画像生成手段、CPU198とVDP195)を含むことを特徴とする、遊技機。
【0008】
上述の構成によれば、遊技制御手段により始動入賞時に事前判定を行ない、表示制御手段により予告決定や予告保留表示態様選択を行なうことができるため、予告を行なうための処理を遊技制御手段と表示制御手段とに分担することができ、それぞれの制御負担を軽減させることができる。また、予告保留表示態様選択手段により複数種類の予告保留表示態様から選択された予告保留表示態様が表示されるために、バラエティーに富んだ予告演出が可能となり、予告演出に遊技者の関心を集めて興味を持たせることができる。さらに、表示制御手段側において、予告決定手段により予告を実行する旨の判定がなされたことを条件として、変動表示装置で制御データ記憶手段に記憶されている制御データに基づく予告演出画像の表示を行なうために、計時手段からのトリガ信号に従って画像情報記憶手段から予告演出画像データが読み出されて、予告演出画像が生成されることにより、画像表示処理を高速化することができる。
【0009】
(2)前記制御データ記憶手段に記憶されている前記制御データは、予告演出画像データの生成後に所定時間(変動表示の開始から次回の変動表示の開始までの時間等)を経過する毎に前記画像情報記憶手段に記憶されている次の新たな予告演出画像データ(たとえば「S」の次の「当」に相当する16×16ドットの画像データ)に基づいた予告演出画像を表示させるための継続制御データ(図19の昇格フラッグのデータと図23の予告フラグのデータ)を含み、
前記画像生成手段は、前記継続制御データに従って、前記所定時間を経過する毎に前記画像情報記憶手段から次の新たな予告演出画像データを読み出して新たな予告演出画像を生成する継続予告演出画像生成手段(図5の継続予告演出画像生成手段、図19のSG02〜SG05とCPU198とVDP195)を含むことを特徴とする。
【0010】
上述の構成によれば、所定時間が経過する毎に、予告保留表示態様が変化するため、変化性のあるバラエティーに富んだ予告保留表示態様により予告演出を行なうことができる。
【0011】
(3)始動入賞領域(始動入賞口14)へ遊技球が入賞した後予め定められた変動開始条件の成立(変動開始信号を含むコマンドデータの受信)により各々が識別可能な複数種類の識別情報(たとえば、数字図柄「1」〜「9」、および、英字図柄「A」〜「C」等)の変動表示を行なう変動表示装置(変動表示装置9)と、遊技球が前記始動入賞領域へ入賞したときに前記変動表示装置の表示結果をその導出表示以前に決定する事前決定手段(事前決定手段190、SA03〜SA05)と、遊技機の遊技状態を制御するとともに、前記変動表示装置を制御するための制御情報を出力する遊技制御ステップ(S01〜S15)を実行する遊技制御手段(遊技制御基板31,遊技制御手段191)と、該遊技制御手段から出力されてきた制御情報(コマンドデータ)に基づいて、前記変動表示装置を表示制御する表示制御ステップ(SD01〜SD09)を実行する表示制御手段(表示制御基板80,表示制御手段164)とを備え、前記事前決定手段が表示結果を特定表示結果(たとえば、「777」等のゾロ目)とすることを決定したときに前記変動表示装置に前記特定表示結果を表示した後に遊技者に有利な特定遊技状態(たとえば、大当り)を発生させる遊技機(パチンコ遊技機1、コイン遊技機、スロットマシン等)の制御方法であって、
前記始動入賞領域へ入賞した始動入賞球を検出する始動入賞球検出ステップ(SB01)と、
前記変動表示装置の表示結果を前記特定表示結果とするか否かの決定に用いる数値データを更新する数値データ更新ステップ(S05)とを備え、
前記遊技制御ステップは、
前記始動入賞球検出ステップにより前記始動入賞球が検出されたときに、前記数値データ更新ステップにより更新されている数値データを抽出する数値データ抽出ステップ(SB04)と、
該数値データ抽出ステップにより抽出された数値データを用いて、前記始動入賞球検出ステップで前記始動入賞球が検出されたときに該始動入賞球の検出に起因する変動表示の表示結果を前記特定表示結果とするか否かを判定する始動入賞時判定ステップ(SC01,SC05,SC06)と、
前記始動入賞球検出ステップにより検出された始動入賞球数のうち未だ前記開始条件が成立せず前記変動表示装置の変動表示に用いられていない始動入賞球の球数を保留記憶する保留記憶ステップ(SB06)と、
前記始動入賞時判定ステップの判定結果を特定可能な始動入賞時判定結果特定情報(始動入賞時判定結果特定情報183、SC03、SC04、SC08、SC09により設定された各コマンド)と、前記保留記憶ステップにより保留記憶されている始動入賞球数を特定するための保留数表示特定情報(保留数表示特定情報182、保留記憶数コマンド)とを、前記表示制御手段に送信する特定情報送信ステップ(S14)とを含み、
前記表示制御ステップは、
前記特定情報送信ステップで送信された前記始動入賞時判定結果特定情報および前記保留数表示特定情報を受信する特定情報受信ステップ(SE01、SE02)と、
該特定情報受信ステップで受信した前記始動入賞時判定結果特定情報に基づいて前記変動表示装置の表示結果が前記特定表示結果となる旨の予告を実行するか否かの決定を行なう予告決定ステップ(SH08〜SH13)と、
前記特定情報受信ステップで受信された前記保留数表示特定情報にもとづいて前記保留記憶ステップによって記憶されている始動入賞球数を特定可能な保留表示の制御を行なう保留表示制御ステップ(SE09〜SE17)と、
前記予告決定ステップにより予告を実行する旨の判定がなされたときに、前記保留表示制御ステップにより表示される保留表示の保留表示態様を複数種類(4種類)の予告保留表示態様(「?」,「リ」,「S」,「当」)から選択する予告保留表示態様選択ステップ(SI10〜SI17)とを含み、
前記遊技機は、
前記表示制御手段に備えられ、前記複数種類の予告保留表示態様を前記変動表示装置に表示させる予告演出画像を生成するための複数種類の予告演出画像データ(「?」,「リ」,「S」,「当」に対応する16×16ドットの画像データ)を含む各種画像データ(16×16ドットの画像データ)を記憶している画像情報記憶手段(画像情報記憶手段179、キャラクタROM179)と、
前記表示制御手段に備えられ、前記変動表示装置に各種画像を表示させるためのタイミングを特定するタイミングデータ(図5のタイミングデータ、図23の各プロセスタイマ1、2、…のタイマデータ)と、前記始動入賞時判定結果特定情報の受信から所定時間経過後に前記変動表示装置に前記予告演出画像を表示させるための制御データ(図19の昇格フラグのデータや図23の予告フラッグ,態様フラグのデータ)とを記憶している制御データ記憶手段(制御データ記憶手段178、RAM178)とを備え、
前記表示制御ステップは、さらに、
前記制御データ記憶手段に記憶されている前記タイミングデータに基づいて計時し、前記変動表示装置に前記各種画像を表示させるための契機となるトリガ信号を出力する計時ステップ(図15(b)の2msec毎に割込み処理がなされるタイマ割込み処理のプログラムステップ、プロセスタイマの計時ステップ)と、
前記制御データ記憶手段に記憶されている前記タイミングデータと前記画像情報記憶手段に記憶されている前記各種画像データとに基づいて、前記変動表示装置に表示する画像を生成する画像生成ステップ(SL01〜SL07、図24のアトリビュートテーブル174とキャラクタROM193とVRAM192とパレットテーブル173とを用いての画像生成ステップ)とを含み、
前記画像生成ステップは、前記予告決定ステップにより予告を実行する旨の決定がなされたことを条件として、前記変動表示装置で前記制御データ記憶手段に記憶されている前記制御データに基づく前記予告演出画像の表示を行なうために、前記予告保留表示態様選択ステップにより選択された予告保留表示態様に対応する前記予告演出画像データを前記計時ステップからの前記トリガ信号に従って前記画像情報記憶手段から読み出して、予告演出画像を生成する予告演出画像生成ステップ(SL01〜SL07、図24のアトリビュートテーブル174のテーブルデータに基づいてキャラクタROM193に記憶されている「?」,「リ」,「S」,「当」に対応する16×16ドットの画像データを読出してVRAM192上の指定されてスプライト領域にマッピングしパレットテーブル173の指定されたRGBデータを用いて着色して予告演出画像を生成するステップ)を含むことを特徴とする、遊技機の制御方法。
【0012】
上述の構成によれば、遊技制御手段により始動入賞時に事前判定を行ない、表示制御手段により予告決定や予告保留表示態様選択を行なうことができるため、予告を行なうための処理を遊技制御手段と表示制御手段とに分担することができ、それぞれの制御負担を軽減させることができる。また、予告保留表示態様選択ステップにより複数種類の予告保留表示態様から選択された予告保留表示態様が表示されるために、バラエティーに富んだ予告演出が可能となり、予告演出に遊技者の関心を集めて興味を持たせることができる。さらに、表示制御手段側において、予告決定ステップにより予告を実行する旨の決定がなされたことを条件として、変動表示装置で制御データ記憶手段に記憶されている制御データに基づく予告演出画像の表示を行なうために、計時手段からのトリガ信号に従って画像情報記憶手段から予告演出画像データが読み出されて、予告演出画像が生成されることにより、画像表示処理を高速化することができる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の実施の形態を図面にもとづいて説明する。なお、以下の実施の形態においては、遊技機の一例としてパチンコ遊技機を示すが、所定の始動入賞領域へ遊技球が入賞した後予め定められた変動開始条件の成立により各々が識別可能な複数種類の識別情報の変動表示を行なう変動表示装置と、遊技球が前記始動入賞領域へ入賞したときに前記変動表示装置の表示結果をその導出表示以前に決定する事前決定手段とを備え、該事前決定手段が表示結果を特定表示結果とすることを決定したときに前記変動表示装置に前記特定表示結果を表示した後に遊技者に有利な特定遊技状態を発生させる遊技機およびその制御方法であればどのようなものにおいても適用することが可能である。
【0014】
図1は、本発明に係る遊技機の一例のパチンコ遊技機1およびこれに対応して設置されたカードユニット50の正面図である。
【0015】
パチンコ遊技機1は、額縁状に形成されたガラス扉枠2の下部表面には、打球供給皿3がある。打球供給皿3の下部には、打球供給皿3から溢れた景品玉を貯留する余剰玉受皿4と打球を発射する打球操作ハンドル(操作ノブ)5とが設けられている。ガラス扉枠2の後方に取付けられた遊技盤6の前面には遊技領域7が設けられている。これについては、図2を用いて後述する。また、遊技領域7の外側の左右上部には、効果音を発する2つのスピーカ27が設けられている。遊技領域7の外周には、遊技効果LED28aおよび遊技効果LED28b,28cが設けられている。そして、この例では、ガラス扉枠2の左側中央部に、景品球払出時に点灯する賞球ランプ51が設けられ、ガラス扉枠2の中央上部、補給玉が切れたときに点灯する玉切れランプ52が設けられている。
【0016】
さらに、図1には、パチンコ遊技機1に隣接して設置され、プリペイドカードが挿入されることにより玉貸を可能にするカードユニット50も示されている。遊技者がカード残高の記録されたプリペイドカードをカード挿入口155に挿入し、所定の貸玉操作を行なうことにより、所定の貸出単位額分の打玉がパチンコ遊技機1の打球供給皿3に貸出される。
【0017】
図2は、パチンコ遊技機1の遊技盤6の前面に設けられている遊技領域7を説明するための図である。
【0018】
遊技領域7の中央付近には、特別図柄表示部(変動表示装置)9と遊技演出にあわせて作動する役物77を有する可変表示装置8が設けられている。また、可変表示装置8の下方中央部には始動入賞口14を構成する始動用電動役物15が、その両側には通過ゲート11がそれぞれ設けられている。さらに、始動入賞口14の下方には可変入賞球装置19が取付けられている。
【0019】
可変表示装置8の特別図柄表示部9では、「左図柄」、「中図柄」、「右図柄」の3つの特別図柄が上から下へスクロールされることによって可変表示される。このパチンコ遊技機1では、特別図柄として、左中右図柄共通で数字図柄「1」〜「9」、および、英字図柄「A」〜「C」の計12図柄が表示される。特別図柄は、打玉が始動入賞口14へ始動入賞することにもとづいて可変開始される。その他、特別図柄表示部9には、遊技の演出効果を高めるための様々なキャラクタが表示される。なお、特別図柄は各々が識別可能な複数種類の識別情報であればどのような表示であってもよい。
【0020】
可変表示装置8の下部の通過ゲート11に進入した打玉は、ゲートスイッチ12により検出された後、アウト口26の方に導かれる。ゲートスイッチ12で打玉が検出されると、特別図柄表示部9内上部左側に停止表示されている普通図柄が可変開始する。そして、その表示結果が予め定められた特定表示結果(たとえば「7」)となった場合には、ソレノイド16が励磁されることによって始動入賞口14を構成している始動用電動役物15が所定時間開成し、打玉を始動入賞口14に入賞させやすい状態となる。特別図柄表示部9の可変表示中に打玉が通過ゲート11を通過した場合には、その通過が保留記憶に記憶され、特別図柄表示部9の可変表示が終了して再度変動を開始可能な状態になってからその保留記憶にもとづいて特別図柄表示部9が可変開始する。この通過記憶の上限はたとえば「4」に定められており、現時点での通過記憶数は特別図柄表示部9内上部右側に表示される通過記憶表示により表示される。通過記憶表示は、通過が記憶される毎に、その点灯表示を1つ追加して点灯する。そして、特別図柄表示部9において普通図柄の可変表示が開始される毎に、点灯表示を1つ消灯させる。
【0021】
始動入賞口14に入った始動入賞玉は、始動口スイッチ(始動入賞球検出手段)17によって検出される。始動口スイッチ17で打玉が検出されると、可変表示装置8の特別図柄が可変開始する。たとえば、特別図柄の可変表示中に打玉が始動口スイッチ17で検出された場合には、その始動入賞がバッファに記憶され、特別図柄の変動が終了して再度、変動を開始可能な状態になってからその始動入賞記憶にもとづいて特別図柄の可変表示を開始する。この始動入賞記憶の上限はたとえば「4」に定められており、現時点での保留記憶数は特別図柄表示部9内に表示される保留記憶表示により表示される。保留記憶表示は、始動入賞がバッファに記憶される毎に、その点灯表示を1つ追加して点灯する。そして、特別図柄表示部9において特別図柄の可変表示が開始される毎に、点灯表示を1つ消灯させる。なお、本実施形態においては、打玉の始動入賞により可変表示が開始される前に大当り判定等がなされ、かかる判定結果にもとづき、保留記憶表示の表示態様を変化させ保留予告を行なっている。また、通過記憶表示においても同様に、打玉の通過ゲートを通過したことにより判定を行ない、その判定結果にもとづき表示態様を変化させ保留予告を行なうことができる。
【0022】
次に、可変表示装置8における左中右の各特別図柄のスクロールは、たとえば、左図柄、中図柄、右図柄の順で終了して最終的な表示結果が導出表示される。その結果、同一種類の図柄のゾロ目(たとえば、111、222等)が停止表示されると大当りとなる。大当りが発生すれば、ソレノイド21の励磁により開閉板20が傾動して可変入賞球装置19の大入賞口が開口する。これにより、可変入賞球装置19が遊技者にとって有利な第1の状態となる。この第1の状態は、所定期間(たとえば30秒間)の経過または打玉の所定個数(たとえば10個)の入賞のうちいずれか早い方の条件が成立することにより終了し、遊技者にとって不利な第2の状態となる。大入賞口には、特定領域(Vポケット)に入った入賞玉を検出するVカウントスイッチ22と、特定領域以外の通常領域へ入賞した入賞玉を検出するカウントスイッチ23とが設けられている。第1の状態となっている可変入賞球装置19内に進入した打玉が特定領域(Vポケット)に入賞してVカウントスイッチ22により検出されれば、その回の第1の状態が終了するのを待って再度開閉板20が開成されて第1の状態となる。この第1の状態の繰返し継続制御は最大15回まで実行可能であり、繰返し継続制御が実行されている遊技状態を特定遊技状態(大当り状態)という。かかる特定遊技状態とは、ランダムカウンタから抽出した乱数値を用いて判定処理(たとえば、所定値と一致するか否か等)を行ない、かかる判定処理の結果、予め定められた所定の判定結果(たとえば、所定値と一致する結果)であれば可変表示装置に大当り図柄(たとえば、「777」等のゾロ目)を導出表示し、その後移行される遊技状態のことをいう。なお、繰返し継続制御において、可変入賞球装置19が第1の状態にされている状態がラウンドと呼ばれる。繰返し継続制御の実行上限回数が16回の場合には、第1ラウンドから第16ラウンドまでの16ラウンド分、可変入賞球装置19が第1の状態にされ得る。
【0023】
可変表示装置8に表示された大当りの結果が予め定められた確変図柄のゾロ目により構成されるものである場合には、通常遊技状態に比べて大当りが発生する確率が向上された確率変動状態となる。以下、確変図柄による大当りを確変大当りという。また、確変図柄以外の大当り図柄を非確変図柄といい、非確変図柄のゾロ目による大当りを非確変大当りという。
【0024】
また、遊技盤6には、複数の入賞口24が設けられている。また、遊技領域7の左右周辺には、遊技中に点灯表示される装飾ランプ25が設けられ、下部には、入賞しなかった打玉を回収するアウト口26がある。
【0025】
次に、パチンコ遊技機1の背面の構造について説明する。図3はパチンコ遊技機1の内部構造を示す全体背面図である。
【0026】
パチンコ遊技機1の裏側には、前面枠2bが設けられており、さらに向かって手前に機構板36が備えられている。前面枠2bには、特別図柄表示部9の表示制御を行なう表示制御基板80、基板ケース32に覆われ遊技制御用マイクロコンピュータ等が搭載された遊技制御基板31、およびパチンコ玉の払出制御を行なう払出制御用マイクロコンピュータ等が搭載された払出制御基板37が設置されている。さらに、モータの回転力を利用して打玉を遊技領域7に発射する打球発射装置34と、スピーカー27および遊技効果LED・ランプ28a,28b,28cに信号を送るためのランプ制御基板35が設けられている。一方、機構板36の上部には玉タンク38が設けられ、パチンコ遊技機1が遊技機設置島に設置された状態でその上方からパチンコ玉が玉タンク38に供給される。玉タンク38内のパチンコ玉は、誘導樋39を通って球払出装置に供給される。
【0027】
図4は、遊技制御基板31と表示制御基板80とにおける回路構成の一例を示すブロック図である。図4には、制御基板として、遊技制御基板(主基板ともいう)31と、表示制御基板80とが示されている。
【0028】
遊技制御基板31には、遊技制御プログラムに従ってパチンコ遊技機1を制御する遊技制御用マイクロコンピュータ160が設けられている。この遊技制御用マイクロコンピュータは、遊技制御用のプログラム等を記録するROM(Read Only Memory)54、ワークメモリとして使用されるRAM(Random Access Memory)55、制御用のプログラムに従って制御動作を行なうCPU56、出力ポート57Aを含む。遊技制御用マイクロコンピュータ160は、定期的(たとえば2msec毎)にROM54に記憶されている遊技制御プログラムを先頭から繰返し実行する。そして、各種検出スイッチからの信号が遊技制御用マイクロコンピュータ160に入力され、始動用電動役物15の可動片を動作させるソレノイドや可変入賞球装置19の開閉板20を開閉するソレノイドおよび役物キャラクタ77を作動させるソレノイドとを駆動制御する。
【0029】
また、遊技制御用マイクロコンピュータ160の出力ポート57Aから各種コマが表示制御基板80に設けられた演出制御用マイクロコンピュータ100の入力ポート57Bに伝送される。このコマンドデータは、可変表示装置8の表示,遊技効果LED28等のランプ点灯,スピーカ27から発生される遊技音等の演出の制御に関する指令情報として用いられる表示制御コマンドデータと、図14を用いて後述する乱数判定処理において送信設定される外れコマンドデータ、リーチコマンドデータ等の判定結果コマンドとが送信される。演出制御用マイクロコンピュータ199では、伝送されてきた表示制御コマンドデータに応じて特別図柄表示部9の表示制御を行なう。なお、演出制御用マイクロコンピュータ199は、前述した遊技制御用マイクロコンピュータ160と同様の構成を有する。すなわち、制御用プログラム等が記録された制御ROM197と、ワークメモリとして機能するRAM196と、制御中枢としてのCPU198と、入力ポート57Bとを備えている。
【0030】
表示制御基板80には、さらに、VDP(Video Display Processor)195、キャラクタROM193、VRAM192、表示装置駆動回路194等が設けられている。VDP195は、画像生成のために必要となるアドレス信号・データ信号・制御信号等を要求するためのINT1信号を定期的に発信している。このVDP195に備えられている、アトリビュートテーブル、パレットテーブルについては、図24に基づいて詳述する。またスプライト演算部とは、アトリビュートテーブルの記憶情報に従いキャラクタROM193に記憶されているデータを読出してVRAM192に書込む処理を行なうものである。CPU198からの画像表示制御信号がVDP195に入力され、VDP195は、その入力信号に従って、キャラクタROM193に記憶されているデータを読出してVRAM192に表示用のデータをマッピングし、パレットテーブルの記憶データに従ってVRAM192にマッピングされた表示用の画像データに色付けを行ない、そのデータを表示装置駆動回路194に出力し、表示装置駆動回路194がそのデータに従って変動表示装置9に画像を表示させる。
【0031】
図5は、遊技制御基板31と表示制御基板80との機能を説明するための機能ブロック図である。遊技制御基板31により、遊技機の遊技状態を制御するとともに、変動表示装置9を制御するための制御情報を出力する遊技制御手段191が構成されている。この遊技制御用手段191は、変動表示装置9の表示結果をその導出表示以前に決定する事前決定手段190が備えられている。この事前決定手段190は、0からカウントしてその上限である299までカウントアップした後再度0からカウントアップする動作を繰返す数値データ更新手段が設けられており、始動入賞球検出手段17が始動入賞球を検出したその検出信号が事前決定手段190に入力された瞬間、数値データ抽出手段186が数値データ更新手段の数値データを抽出する。その抽出された数値データが始動入賞時判定手段185に与えられ、その始動入賞時判定手段185は、前記抽出された数値データを用いて、始動入賞球検出手段17が始動入賞球を検出したときに該始動入賞球の検出に起因する可変表示の表示結果を特定表示結果(大当りとなるゾロ目の組合せ)とするか否かを判定する。その判定結果が、特定情報送信手段57aに与えられ、その判定結果である始動入賞時判定結果特定情報が、表示制御基板80の特定情報受信手段(入力ポート57B)へ送信される。
【0032】
さらに、遊技制御手段191には、保留記憶手段184が備えられている。この保留記憶手段184は、始動入賞球検出手段17により検出された始動入賞球のうち未だ変動開始条件が成立せず変動表示装置9の変動表示に用いられていない始動入賞球数を保留記憶するものである。すなわち、変動開始待ちの始動入賞球数がこの保留記憶手段184に記憶される。この保留記憶手段184に記憶された保留記憶数を特定するデータ(保留数表示特定情報)182が特定情報送信手段(出力ポート)57Aに与えられ、その特定情報送信手段(出力ポート)57Aから表示制御基板80の特定情報受信手段(入力ポート)57Bに送信される。
【0033】
事前判定手段190は、前述した数値データ抽出手段186が抽出した数値データに従って大当りにするか否かを事前決定するばかりでなく、大当りと事前決定された場合の大当り図柄の種類を事前に決定し、外れと事前決定された場合の外れ図柄の種類を事前に決定し、さらにリーチにするか否かの事前判定を行なうとともにたとえば通常リーチ,スーパーリーチ等の変動パターンを事前に決定し、それらを特定するコマンドデータが特定情報送信手段(出力ポート)57Aから表示制御基板80の特定情報受信手段(入力ポート)57Bへ送信される。
【0034】
遊技制御手段191は、さらに、前述したように大当りとなったときの可変入賞球装置19の開閉板20を開閉するソレノイドを励磁制御して特定遊技状態制御を行なう機能を有するとともに、前述した事前決定された大当り図柄,外れ図柄,変動パターン等の変動情報と変動開始を指令する変動開始信号(コマンドデータ)を表示制御基板80へ出力するための変動情報出力手段187が備えられている。この変動情報出力手段187は、前述した変動情報と変動開始信号とからなるコマンドデータを変動表示装置9の変動開始時にのみ、特定情報送信手段(出力ポート)57Aから表示制御基板80の特定情報受信手段(入力ポート)57Bへ送信する。
【0035】
遊技制御手段191には、遊技状態の制御に関する制御時間を管理するための遊技制御時間計時手段189が備えられており、この遊技制御時間計時手段が所定時間を計時したときに前述した始動入賞時判定結果特定情報183や保留数表示特定情報182や変動情報等の各種コマンドが表示制御基板80へ送信される。
【0036】
具体的には、始動入賞球検出手段17の検出信号に基づいて保留記憶手段184の保留記憶数が増加したときには、その始動入賞の検出があったタイミングで、増加した保留数表示特定情報182と始動入賞時判定結果特定情報183とが表示制御基板80側へ送信される。一方、遊技制御時間計時手段189の働きにより変動表示装置9の変動開始タイミングが計時されたときに、前述した各種変動情報が表示制御基板80側へ送信される。
【0037】
表示制御基板80により、前記遊技制御手段から出力されてきた制御情報に基づいて、前記変動表示装置を表示制御する表示制御手段164が構成されている。この表示制御手段164には、前述したキャラクタROM179で構成された画像情報記憶手段、VRAM192、RAM178、VDP195、特定情報受信手段(入力ポート)57B、CPU198が備えられている。前述した制御ROM197に記憶されている制御プログラムによって動作するCPU198とVDP195は、保留表示制御手段180、予告決定手段177、予告保留表示態様選択手段181、計時手段175としての機能を備えている。特定情報受信手段(入力ポート)57Bが受信した始動入賞時判定結果特定情報183により特定される始動入賞時判定手段の判定結果に基づいて予告決定手段が、変動表示装置9の表示結果が特定表示結果となる旨の予告を実行するか否かの予告実行決定が行なわれる。この予告実行決定は、予告決定手段177に備えられている大当り予告決定手段によりなされる。一方、予告決定手段177は、リーチ予告決定手段も備えており、リーチ予告を行なうか否かの予告実行決定も行なう。それら予告実行決定結果が、画像生成手段176に与えられる。
【0038】
特定情報受信手段(入力ポート)57Bに入力された保留数表示特定情報182に基づいて保留表示制御手段180は、保留記憶手段184に記憶されている始動入賞球数を特定可能な保留表示を変動表示装置9により表示させるための制御を行なう。予告決定手段177により予告を実行する旨の判定がなされたときに、予告保留表示態様選択手段181により、保留表示制御手段180により表示される保留表示の保留表示態様を複数種類の予告保留表示態様から選択する。この予告表示態様は、図11、図12に基づいて説明するように、「?」、「リ」、「S」、「当」の4種類定められており、予告保留表示態様選択手段181によりそのうちのいずれかが選択され、その選択結果がVDP195に与えられる。
【0039】
表示制御手段164には、キャラクタROM179から構成された画像情報記憶手段が備えられており、この画像情報記憶手段179に、前述した複数種類の予告保留表示態様を変動表示装置9に表示させる予告演出画像を生成するための複数種類の予告演出画像データを含む各種画像データが記憶されている。
【0040】
RAM178には、変動表示装置9に各種画像を表示させるためのタイミングを特定するタイミングデータと、始動入賞時判定結果特定情報183の受信から所定時間経過後に変動表示装置9に予告演出画像を表示させるための制御データとが記憶されている。この制御データは、予告演出画像データの生成後に所定時間を経過する毎に画像情報記憶手段179に記憶されている次の新たな予告演出画像データに基づいた予告演出画像を表示させるための継続制御データを含んでいる。これらタイミングデータと制御データとは、それぞれ、具体的には、図23に示す各種プロセスタイマの計時データと、予告フラグ,態様フラグ,図19示す昇格フラグの各フラグデータである。
【0041】
このタイミングデータに従って計時手段175が計時して、変動表示装置9に各種画像を表示させるための契機となるトリガ信号をVDP195へ出力する。VDP195は、予告保留表示態様選択手段181により選択された予告保留表示態様に対応する予告演出画像データを計時手段175からのトリガ信号に従って画像情報記憶手段179から読出して、予告演出画像を生成する予告演出画像生成手段を備えている。具体的には、予告演出画像生成手段により、画像情報記憶手段179から読出された予告演出画像データがVRAM192にマッピングされ、そのマッピングされた画像データがVDP195により読出されて変動表示装置9に表示される。一方、画像生成手段176は、さらに、前述した継続制御データに従って、所定時間(変動表示装置9の変動開始から次回の変動開始までの時間)を経過する毎に画像情報記憶手段179から次の新たな予告演出画像データを読出して新たな予告演出画像を生成する継続予告演出画像生成手段を備えている。具体的には、継続予告演出画像生成手段により画像情報記憶手段179から読出された新たな予告演出画像がVRAM192にマッピングされ、そのマッピングされた画像データがVDP195により読出されて変動表示装置9に表示される。なお、画像生成手段としてのVDP195の制御動作に関しては、後に図24に基づいて詳述する。
【0042】
図6(a)は、遊技制御基板31側の遊技制御用マイクロコンピュータ160が遊技制御に用いる各種ランダムカウンタを説明するための図である。図6(a)には、ランダムカウンタR1、ランダムカウンタR2、ランダムカウンタR3、ランダムカウンタR4(4−1,4−2,4−3)、ランダムカウンタR5の5種類のランダムカウンタが示されている。
【0043】
ランダムカウンタR1は、始動記憶がある場合にその始動記憶にもとづく特別図柄の可変表示の結果を大当りとするか否かを始動入賞時に決定するために用いられる大当り決定用ランダムカウンタである。このランダムカウンタR1は、タイマ割込毎(具体的には2msec)に1ずつ加算され、0から加算更新されてその上限である299まで加算更新された後再度0から加算更新される。
【0044】
ランダムカウンタR2は、ランダムカウンタR1で大当りと決定された場合の停止図柄(左,中,右が同一の停止図柄)を始動入賞時に決定するために用いられるランダムカウンタである。また、ランダムカウンタR2での抽出値が奇数であるか偶数であるかにより、前述した確率変動状態へ移行されるか否かが決定される。
【0045】
ランダムカウンタR3は、ランダムカウンタR1で大当りと決定されなかった場合の図柄変動演出がリーチ(たとえば、左図柄と中図柄が同一の図柄)となり得るか否かを始動入賞時に決定するために用いられるランダムカウンタである。したがって、ランダムカウンタR3の抽出値が所定の値であった場合(たとえば、「11」等)には、その始動記憶に対応する停止図柄,図柄変動演出で必ずリーチ状態が発生する。なお、リーチとは、複数の表示領域における一部の表示領域において表示結果がまだ導出表示されていない段階で、既に導出表示されている表示領域の表示結果が特定表示結果の組み合わせとなる条件を満たしている表示状態や、複数の表示領域のすべてで特定表示結果の組み合わせを保持した状態で可変表示を行なっている表示状態をいう。
【0046】
ランダムカウンタR4(4−1,4−2,4−3)は、ランダムカウンタR1の抽出値にもとづいて特別図柄の可変表示の結果をはずれとすることが決定された場合に、はずれ図柄の種類を決定するために用いられる停止図柄決定用ランダムカウンタである。ただし、ランダムカウンタR3の抽出値が所定の値であった場合は、中図柄が左図柄と同一の図柄に変更され、強制的にリーチ状態に突入することとなる。
【0047】
ランダムカウンタR4−1は左図柄決定用であり、0から加算されてその上限である11まで加算されると再度0から加算される。ランダムカウンタR4−2は、中図柄決定用のランダムカウンタであり、0から加算されてその上限である11まで加算されると再度0から加算される。ランダムカウンタR4−2は、ランダムカウンタR4−1の桁上げ毎に1ずつ加算される。ランダムカウンタR4−3は、右図柄決定用のランダムカウンタであり、0から加算されてその上限である11まで加算された後再度0から加算される。ランダムカウンタR4−3は、ランダムカウンタR4−2の桁上げ毎に1ずつ加算される。
【0048】
ランダムカウンタR5は、特別図柄表示部9による表示変動態様の種類を決定するためのランダムカウンタであり、0から加算更新されてその上限である249まで加算更新された後再度0から加算更新される。このランダムカウンタR5は、タイマ割込毎すなわち2msec毎、および、割込処理余り時間毎に1ずつ加算される。
【0049】
なお、図示を省略したが、特別図柄表示部9の表示画面中で表示される普通図柄の表示結果もランダムカウンタにより決定される。そのランダムカウンタは、たとえば、2msec毎に1ずつ加算されるものであり、0からカウントアップして上限である10までカウントアップした後再度0からカウントアップし直す。このランダムカウンタのカウント値は、普通図柄の表示結果にもとづいて発生する普通当りを発生させるか否かをランダムに決定するためのものである。ゲートスイッチ12によりゲート通過検出がされると、それに応じてランダムカウンタのカウント値が抽出される。そして、ゲート通過検出がされた場合は、その抽出されたランダムカウンタの値が、普通当り判定値(たとえば「2」)と一致するか否かの判断がなされ、一致した場合に普通当りを発生させる制御が行なわれる。普通当りが決定された場合には、それに応じて普通当りに該当する停止図柄が決定され、はずれが決定された場合には、その他のランダムカウンタを用いて普通図柄の停止表示結果が決定される。
【0050】
図6(b)は、表示制御基板80が行なう保留予告の選択に用いられる表示制御用乱数を生成するためのランダムカウンタを説明するための図である。表示制御用乱数としては、予告を行なうか否かの判定に用いる予告判定用ランダムカウンタR6と、予告を行なうときの保留予告の表示態様を決定するための保留予告決定用ランダムカウンタR7と、保留予告が実行されているときに大当りとなる可能性・信頼度の高い表示態様に昇格させるか否か等の判定を行なうために用いる昇格判定用ランダムカウンタR8とが設けられている。
【0051】
予告判定用ランダムカウンタR6と昇格判定用ランダムカウンタR8のカウント範囲は0〜9であり、保留予告決定用ランダムカウンタR7のカウント範囲は0〜99である。
【0052】
上記した乱数を発生させている乱数発生手段により、カウント範囲内を順次数値が更新される。そして、乱数発生手段で発生された乱数を抽出する抽出手段によってカウント中の数値が抽出され、その抽出された数値が判定対象となる数値のいかなる範囲に属するかによって判定または決定される。
【0053】
図7は、表示制御基板80に送出される表示制御コマンドの内容の一例を示す説明図である。図7に示す例においては、始動入賞時に送出される表示制御コマンドのみ説明するが、その他特別図柄を可変表示する特別図柄表示部9における特別図柄の変動パターンを指定する表示制御コマンド等もあるがここではその説明を省略する。
【0054】
コマンドC3XX(H)は、始動入賞が生じたときに送信される判定結果コマンドである。C300(H)ははずれ入賞指定の表示制御コマンド(はずれコマンド)であり、C301(H)はリーチ入賞指定の表示制御コマンド(リーチコマンド)であり、C302(H)は非特定大当り入賞指定の表示制御コマンド(非確変大当りコマンド)であり、C303(H)は特定大当り入賞指定の表示制御コマンド(確変大当りコマンド)である。表示制御基板80は、遊技制御基板31から上述した表示制御コマンドを受信すると図7に示された内容に応じて、保留予告に関する決定または判定等を行なう。
【0055】
図8は、予告判定用テーブルを説明するための図である。予告判定用テーブルは、打玉が始動入賞口14に入賞したときに大当りとなるか否か等について実行条件成立時判定(以下、事前判定という)され送信される判定結果コマンドそれぞれに対応して設定されている。たとえば、遊技制御基板31から送信されてきた判定結果コマンドが「はずれコマンド」であった場合は、図8のRS1テーブルを参照し、あらかじめ設定されている振分率にしたがい、予告判定用ランダムカウンタR6から抽出した乱数が「0〜8」のときは予告フラグオフ、「9」のときは予告フラグがオンされる。また、遊技制御基板31から送信されてきた判定結果コマンドが「リーチコマンド」であった場合は、図8のRS2テーブルを参照し、あらかじめ設定されている振分率にしたがい、予告判定用ランダムカウンタR6から抽出した乱数が「0〜6」のときは予告フラグオフ、「7〜9」のときは予告フラグがオンされる。
【0056】
さらに、遊技制御基板31から送信されてきた判定結果コマンドが「非確変大当りコマンド」,「確変大当りコマンド」であった場合も同様に、図8のRS3テーブルまたはRS4テーブルを参照し、予告判定用ランダムカウンタR6から抽出した乱数があらかじめ設定されている振分率にしたがいいずれに属するかにより、予告フラグをオフまたはオンされる。
【0057】
以上、予告判定用テーブルについて説明したが、かかるテーブルの振分率により、予告演出が実行されたときに大当りとなる信頼度を調整することができる。すなわち、非確変大当りコマンドと確変大当りコマンドが送信されてきた大当りとなるときに用いられるRS3またはRS4の予告フラグオンとなる割合を高くし、はずれコマンドとリーチコマンドが送信されてきたはずれとなるときに用いられるRS1またはRS2の予告フラグオンとなる割合を低くすることにより、予告演出が実行されたときに大当りとなる割合を高く・信頼度を高く調整することができる。よって、本実施形態においては、前述した振分率に限らず、どのような振分率であってもよい。
【0058】
図9は、保留予告決定用テーブルを説明するための図である。保留予告決定用テーブルは、予告判定用テーブルを参照しての判定により予告フラグがオンされたときに、いかなる表示態様で保留予告を実行するか否かを決定するために用いられ、判定結果コマンドそれぞれに対応して振分率が設定されている。たとえば、遊技制御基板31から送信されてきた判定結果コマンドが「はずれコマンド」であった場合は、図9のRS5テーブルを参照し、あらかじめ設定されている振分率にしたがい、保留予告決定用ランダムカウンタR7から抽出した乱数が「0〜94」のときは態様フラグとして「0」がオンされ、「95〜99」のときは態様フラグとして「1」がオンされる。また、遊技制御基板31から送信されてきた判定結果コマンドが「リーチコマンド」であった場合は、図9のRS6テーブルを参照し、あらかじめ設定されている振分率にしたがい、保留予告決定用ランダムカウンタR7から抽出した乱数が「0〜69」のときは態様フラグとして「0」がオンされ、「70〜94」のときは態様フラグとして「1」がオンされ、「95〜99」のときは態様フラグとして「2」がオンされる。
【0059】
さらに、遊技制御基板31から送信されてきた判定結果コマンドが「非確変大当りコマンド」,「確変大当りコマンド」であった場合も同様に、図9のRS7テーブルまたはRS8テーブルを参照し、保留予告決定用ランダムカウンタR7から抽出した乱数があらかじめ設定されている振分率にしたがいいずれに属する態様フラグがオンされる。
【0060】
以上、保留予告決定用テーブルについて説明したが、かかるテーブルの振分率により、保留予告が実行されたときの表示態様によって大当りとなる可能性・信頼度を調整することができる。すなわち、本実施形態においてたとえば、態様フラグとして「2」がオンされる割合を、非確変大当りコマンドと確変大当りコマンドが送信されてきた大当りとなるときに用いられるRS7とRS8においては極めて高く、逆に、はずれコマンドとリーチコマンドが送信されてきたはずれとなるときに用いられるRS5とRS6においては極めて低くなるように設定されている。また、態様フラグとして「0」がオンされる割合を、非確変大当りコマンドと確変大当りコマンドが送信されてきた大当りとなるときに用いられるRS7とRS8においては極めて低くなるように、逆に、はずれコマンドとリーチコマンドが送信されてきたはずれとなるときに用いられるRS5とRS6においては極めて高くなるように設定されている。これにより、態様フラグ「0」に対応する表示態様により保留予告が実行されたときに大当りとなる可能性・信頼度よりも、態様フラグ「2」に対応する表示態様により保留予告が実行されたときに大当りとなる可能性・信頼度の方が高くなるようにすることができる。本実施形態における振分率は、態様フラグ「0」に対応する表示態様により保留予告が実行されたときが大当りとなる可能性・信頼度が最も低くなるように、また、「0」から「1」,「2」になるにしたがい徐々に大当りとなる可能性・信頼度が高くなるように、そして、態様フラグ「3」に対応する表示態様により保留予告が実行されたときが大当りとなる可能性・信頼度が最も高くなるように振分率を設定している。
【0061】
なお、本実施形態においては図8の予告判定用テーブルを用いて予告の判定を行ない、図9の保留予告決定用テーブルを用いて保留予告の表示態様を決定するようにした例を説明したが、これに限らず、ひとつのテーブルに振分率をまとめたものを用いてもよい。すなわち、保留予告の実行に関する表示態様が複数種類定められており、保留予告を実行するか否かを決定するためのデータが記憶されている記憶手段であって、複数種類の表示態様のうちのある表示態様と他の表示態様とでは、大当りとなる旨の判定がなされたときに選択される割合と大当りとはならない旨の判定がなされたときに選択される割合とのうち、少なくとも一方の割合が異なるようにデータが記憶されたテーブルを用いてもよい。
【0062】
図10は、昇格判定用テーブルを説明するための図である。昇格判定用テーブルは、複数の可変表示変動に亘って連続して保留予告が行なわれるときにおいて可変表示変動が開始される毎に、保留予告の表示態様をより大当りとなる可能性・信頼度が高い表示態様に変化させるか否かを判定するために用いられ、判定結果コマンドそれぞれに対応して設定されている。たとえば「はずれコマンド」によって予告フラグが「オン」状態にされた場合は、図10のRS9テーブルを参照し、あらかじめ設定されている振分率にしたがい、昇格判定用ランダムカウンタR8から抽出した乱数が「0〜6」のときは昇格フラグオフ、「7〜9」のときは昇格フラグがオンされる。また、「リーチコマンド」によって予告フラグが「オン」状態にされた場合は、図10のRS10テーブルを参照し、あらかじめ設定されている振分率にしたがい、昇格判定用ランダムカウンタR8から抽出した乱数が「0〜4」のときは昇格フラグオフ、「5〜9」のときは昇格フラグがオンされる。
【0063】
さらに、「非確変大当りコマンド」または「確変大当りコマンド」によって予告フラグが「オン」状態にされた場合も同様に、図10のRS11テーブルまたはRS12テーブルを参照し、昇格判定用ランダムカウンタR8から抽出した乱数があらかじめ設定されている振分率にしたがいいずれに属することになるかにより、昇格フラグがオフまたはオンされる。
【0064】
以上、昇格判定用テーブルについて説明したが、本実施形態における昇格判定用テーブルの振分率は、非確変大当りコマンドと確変大当りコマンドが送信されてきた大当りとなるときに用いられるRS11またはRS12の昇格フラグオンとなる割合を高くし、はずれコマンドとリーチコマンドが送信されてきたはずれとなるときに用いられるRS9またはRS10の昇格フラグがオンとなる割合を低くすることにより、大当りとなるときには実行されている保留予告の表示態様が昇格する可能性が高いため、保留予告の表示態様が昇格したときには大当りとなる可能性が高いことを遊技者に間接的に報知することができ、かつ、長期に亘り遊技者に期待感を抱かせることができるため、遊技の興趣を向上させることができる。
【0065】
図11から図12は、特別図柄表示部9において保留予告が実行されるときの保留記憶表示10の表示態様を説明するための図である。かかる表示態様は、図9を用いて前述した態様フラグ「0」から態様フラグ「3」のそれぞれに対応しており、セットされている態様フラグにより、以下説明する表示態様により保留予告が実行される。なお、前述したように、特別図柄表示部9では、左中右の特別図柄の表示と保留記憶表示10の表示態様が表示される。また、保留記憶表示10a,10b,10c,10dが点灯しているとき(塗りつぶし状態時)は、保留記憶が4つ記憶されていることを報知しており、特別図柄の可変表示が消化される毎に、保留記憶表示10dから順に消灯(白抜き状態時)させる表示処理がなされる。
【0066】
図11は、可変表示毎に保留記憶表示の表示態様を変化させる保留予告を説明するための図である。
【0067】
図11(a)は、左中右図柄の3つの特別図柄が上から下へ可変表示されている最中に、打玉が始動入賞口14に入賞し、予告を行なう判定がなされて、態様フラグ「0」が選択されセットされたときの表示画面を示している。本実施形態においては、可変表示中であっても保留記憶表示の表示態様を予告の表示態様で表示することができる。すなわち、保留記憶表示10dの表示態様を「?」マークの付加された表示態様により表示することにより保留予告を行なうことができる。
【0068】
図11(b)は、予告を行なう判定がなされたときの可変表示が終了し、保留記憶表示10を「1」減算させたときの表示画面を示している。本実施形態においては、保留記憶数が減少するときに、予告のターゲットとなる可変表示の保留記憶表示の表示態様を変化させることができる。すなわち、図11(a)の保留記憶表示10dを保留記憶表示10cの表示位置にスライドさせるときに、「?」マークの付加されていた表示態様を「リ」マークの付加された表示態様に変化させ、保留予告を行なうことができる。これは、昇格させる判定がなされて、態様フラグを「0」から「1」に変更する処理がなされたことによる。
【0069】
図11(c)は、図11(b)の可変表示が終了し、停止図柄が確定した停止表示画面を示している。かかる時点においては、保留記憶数が減少しておらず、保留記憶表示の表示位置のスライドも行なわれていないため、保留記憶10cの表示態様は「リ」マークの付加された表示態様により表示されている。
【0070】
図11(d)は、保留記憶表示10をさらに「1」減算させたときの表示画面を示している。図11(b)および図11(c)の保留記憶表示10cを保留記憶表示10bの表示位置にスライドさせるときに、「リ」マークの付加されていた表示態様を「S」マークの付加された表示態様に変化させ、保留予告を行なっている。これは、昇格させる判定がなされて、態様フラグを「1」から「2」に変更する処理がなされたことによる。
【0071】
図11(e)は、図11(d)の可変表示が終了し、停止図柄が確定した停止表示画面を示している。かかる時点においては、保留記憶数が減少しておらず、保留記憶表示の表示位置のスライドも行なわれていないため、保留記憶10bの表示態様は「S」マークの付加された表示態様により表示されている。
【0072】
図11(f)は、保留記憶表示10をさらに「1」減算させたときの表示画面を示している。図11(d)および図11(e)の保留記憶表示10bを保留記憶表示10aの表示位置にスライドさせるときに、「S」マークの付加されていた表示態様を「当」マークの付加された表示態様に変化させ、保留予告を行なっている。これは、昇格させる判定がなされて、態様フラグを「2」から「3」に変更する処理がなされたことによる。
【0073】
図11(g)は、図11(f)の可変表示が終了し、停止図柄が確定した停止表示画面を示している。かかる時点においては、保留記憶数が減少しておらず、保留記憶表示の表示位置のスライドも行なわれていないため、保留記憶10aの表示態様は「当」マークの付加された表示態様により表示されている。
【0074】
図11(h)は、保留記憶表示10をさらに「1」減算させたときの表示画面を示している。図11(f)および図11(g)の保留記憶表示10aの表示位置にスライドさせたときの可変表示画面を表している。
【0075】
図11(i)は、予告のターゲットとなる可変表示における特別図柄の表示結果が「7」のゾロ目となり、大当りが発生した表示画面を示している。すなわち、図11(f)および図11(g)の保留記憶表示10aでは、態様フラグとして「3」がセットされたことに対応した「当」の表示態様で保留予告が行なわれ、かかる保留予告に対応する可変表示により大当りを発生させている。これは、図9の保留予告決定用テーブルにおいて態様フラグとして「3」がセットされるときは、判定結果コマンドが非確変大当りコマンドまたは確変大当りコマンドのときだけであることによる。
【0076】
以上のように、可変表示毎に昇格させる判定がなされ、態様フラグが大当りとなる期待度・信頼度の比較的低い「0」から、大当りとなる期待度・信頼度が高くなる「1」、「2」へと段階的に変更し、予告のターゲットとなる可変表示が開始される直前には大当りとなる期待度・信頼度が最も高い「3」に変更されている。そして、態様フラグが変更される毎に、態様フラグに対応する表示態様により保留記憶表示を行ない、「?」から「リ」、「S」、「当」に表示態様を変更し保留予告を行なっている。ここで、段階的に変更するとは、たとえば、大当りとなる信頼度が20パーセントの表示態様から、大当りとなる信頼度が40パーセントの表示態様に変更され、さらには、大当りとなる信頼度が80パーセントの表示態様に変更されるように、段階的に信頼度を変化させることをいう。なお、保留予告の表示態様が変更するパターンとしては、以上のように段階的に変化するものに限らず、態様フラグが「0」から「2」または「3」に変更され、保留予告の表示態様が「?」から「S」または「当」に変化するようにし、大当りとなる信頼度が20パーセントの表示態様から一気に大当りとなる信頼度が80パーセントあるいはそれ以上となる表示態様に変更されるように、無段階的に信頼度を変化させるようなものであってもよい。
【0077】
なお、本実施形態においては、予告のターゲットとなる可変表示が終了し停止図柄が確定するまで、予告を行なうか否かの判定を行なっていない。具体的には、図11(f)の可変表示中に打玉の入賞があり、保留記憶数が増えた旨を保留記憶表示10bを点灯表示するが、かかる保留記憶表示10bに対して予告を行なうか否かの判定が行なわれないため、保留予告が行なわれることがない。すなわち、図11(a)のように保留記憶表示により保留予告が行なわれてから、かかる予告のターゲットとなる保留記憶の可変表示が終了し停止図柄が確定するまで、他の保留記憶表示により保留予告が行われることがない。これにより、保留予告が行なわれているときに、予告を行なうか否かの処理を行なう必要がなく、処理負担を軽減させることができる。
【0078】
図12は、保留記憶表示の表示態様を変化させる保留予告を説明するための図である。
【0079】
図12(a)は、左中右図柄の3つの特別図柄が上から下へ可変表示されている最中に、打玉が始動入賞口14に入賞し、予告を行なう判定がなされて、態様フラグ「2」が選択されセットされたときの表示画面を示している。本実施形態においては、可変表示中であっても保留記憶表示の表示態様を予告の表示態様で表示することができるため、保留記憶表示10dの表示態様を「S」マークの付加された表示態様により表示することにより保留予告を行なうことができる。
【0080】
図12(b)は、予告を行なう判定がなされたときの可変表示が終了し、保留記憶表示10を「1」減算させたときの表示画面を示している。本実施形態においては、保留記憶数が減少するときに、予告のターゲットとなる可変表示の保留記憶表示の表示態様を変化させることができるため、図12(a)の保留記憶表示10dを保留記憶表示10cの表示位置にスライドさせるときに、「S」マークの付加されていた表示態様を「当」マークの付加された表示態様に変化させ、保留予告を行なうことができる。しかし、昇格させる判定がなされなかったため、態様フラグを「2」から「3」に変更する処理がなされず、態様フラグとして「2」が再セットされ、再度「S」マークの付加された表示態様により保留予告が行なわれている。
【0081】
図12(c)は、図12(b)の可変表示が終了し、停止図柄が確定した停止表示画面を示している。かかる時点においては、保留記憶数が減少しておらず、保留記憶表示の表示位置のスライドも行なわれていないため、保留記憶10cの表示態様は「S」マークの付加された表示態様により表示されている。
【0082】
図12(d)は、保留記憶表示10をさらに「1」減算させたときの表示画面を示している。図12(b)および図12(c)の保留記憶表示10cを保留記憶表示10bの表示位置にスライドさせるときに、「S」マークの付加されていた表示態様を「当」マークの付加された表示態様に変化させ、保留予告を行なっている。これは、昇格させる判定がなされて、態様フラグを「2」から「3」に変更する処理がなされたことによる。
【0083】
図12(e)は、図12(d)の可変表示が終了し、停止図柄が確定した停止表示画面を示している。かかる時点においては、保留記憶数が減少しておらず、保留記憶表示の表示位置のスライドも行なわれていないため、保留記憶10bの表示態様は「当」マークの付加された表示態様により表示されている。
【0084】
図12(f)は、保留記憶表示10をさらに「1」減算させたときの表示画面を示している。図12(d)および図12(e)の保留記憶表示10bを保留記憶表示10aの表示位置にスライドさせるときに、「当」マークの付加されていた表示態様が他の表示態様に変更されることなく、保留予告が行なわれている。これは、「当」マークの付加されている表示態様による保留予告は、大当りとなる可能性・信頼度が最も高く、これ以上遊技者に期待を抱かせるような表示態様が本実施形態においては存在しないため、態様フラグが「3」のときは昇格判定を行なわないように処理していることによる。
【0085】
図12(g)は、図12(f)の可変表示が終了し、停止図柄が確定した停止表示画面を示している。かかる時点においては、保留記憶数が減少しておらず、保留記憶表示の表示位置のスライドも行なわれていないため、保留記憶10aの表示態様は「当」マークの付加された表示態様により表示されている。
【0086】
図12(h)は、保留記憶表示10をさらに「1」減算させたときの表示画面を示している。図12(f)および図12(g)の保留記憶表示10aの表示位置にスライドさせたときの可変表示画面を表している。
【0087】
図12(i)は、図11(i)と同様であり、予告のターゲットとなる可変表示における特別図柄の表示結果が「7」のゾロ目となり、大当りが発生した表示画面を示している。
【0088】
以上のように、可変表示毎に昇格判定がなされ、昇格させる旨の判定がなされなかった場合には、再度前回の態様フラグがセットされ、昇格させる旨の判定がなされた場合には、態様フラグが大当りとなる期待度・信頼度が最高ではない「2」から、大当りとなる期待度・信頼度が最高となる「3」に変更されている。そして、態様フラグが変更される毎に、態様フラグに対応する表示態様により保留記憶表示を行ない、「S」から「当」に表示態様を変更し保留予告を行なっている。
【0089】
なお、本実施形態においては、態様フラグに対応する表示態様として、それぞれが大当りとなる期待度・信頼度を遊技者に予測させることができるような「?」,「リ」,「S」および「当」を採用している。たとえば、「?」は、大当りになるか、リーチになるか等全く何もわからないといった印象を遊技者に与え、余り期待感を抱かせないことができる。「リ」は、リーチになるかもわからないといった印象を遊技者に与え、リーチ演出を楽しみつつ、大当りへの期待感をわずかながら抱かせることができる。「S」は、大当りとなる確率の高いときに行なわれるスーパーリーチになるかもわからないといった印象を遊技者に与え、大当りへの期待感をより一層高めることができる。「当」は、大当りとなる可能性・信頼度が最も高く遊技者を喜ばせることができるとともに、予告演出が行なわれている間、遊技者に確率変動状態に移行される大当りとなるか否かといった期待感を抱かせることができる。このように、態様フラグに対応する表示態様および表示態様数は、遊技者に異なる期待感を抱かせるような表示態様および表示態様数であればよく、以上説明した表示態様および表示態様数に限るものではない。たとえば、大当りとなる可能性・信頼度が高い保留記憶表示の表示態様として態様フラグ「3」に対応する「当」が設定されているが、100パーセント大当りとなる保留記憶表示の表示態様として、確変大当りコマンドを受信したときにのみ選択されるものとして態様フラグ「4」に対応する「確」を設け、確変大当りを予告できるような構成にしてもよい。
【0090】
図13は、入賞時判定処理のサブルーチンプログラムを示すフローチャートである。
【0091】
まず、SB01では、始動入賞があったか否かの判別がなされる。始動入賞がなかった場合は入賞時判定処理を終了し、始動入賞があった場合はSB02に移行し、保留記憶数が「4」であるか否かの判別がなされる。保留記憶数が「4」であった場合は入賞時判定処理を終了し、保留記憶数が「4」でなかった場合にはSB03に移行し保留記憶数に「1」加算する処理が行なわれる。
【0092】
次に、SB04では、前述したランダムカウンタR1,R2,R3,R4,R5のカウンタ値を抽出する処理が行なわれる。SB05では、乱数判定処理が行なわれる。ここでは、後述するように各種ランダムカウンタ値にもとづきコマンドの設定がなされる。SB06では、SB04で抽出したカウンタ値をそれぞれ対応した乱数記憶領域に記憶する処理が行なわれる。
【0093】
図14は、図13の入賞時判定処理で説明したSB05の乱数判定処理のサブルーチンプログラムを示すフローチャートである。
【0094】
まず、SC01では、ランダムカウンタR1を利用して抽出したカウント値が大当りとなる「7」であったか否かの判別がなされる。カウント値が「7」であった場合にはSC02に移行しランダムカウンタR2を利用し抽出したカウント値が確率変動大当りとなる「奇数」であったか否かの判別がなされ、SC03・SC04に移行し、「奇数」であった場合は確変大当りコマンドを送信設定し、「奇数」でなかった場合は非確変大当りコマンドを送信設定し乱数判定処理を終了する。
【0095】
また、SC01で大当りではないと判別された場合にはSC05へ移行し、現在の遊技状態が確率変動中であるフラグがオンであるか否かの判別がなされる。確率変動中であった場合にはSC06へ移行し、ランダムカウンタR1を利用して抽出値が「7,17,41,57,107」のいずれかであったか否かの判別がなされ、いずれかであった場合にはSC02へ移行し前述した処理がなされる。いずれでもなかった場合にはSC07へ移行し、ランダムカウンタR3を利用して抽出したカウント値がリーチ状態になりうるカウント値「11」であったか否かの判別がなされる。「11」であった場合にはSC08においてリーチコマンドを送信設定し、「11」でなかった場合にはSC09においてはずれコマンドを送信設定し乱数判定処理を終了する。
【0096】
なお、乱数判定処理で設定された判定結果コマンドは、保留記憶処理において、始動入賞時に保留記憶数コマンドと判定結果コマンドが遊技制御基板31から表示制御基板80へ送信される。これにより、特別図柄コマンド処理において遊技制御基板31から表示制御基板80へ変動パターンコマンドや確定図柄(停止図柄)コマンドを送信する処理と別個独立に判定結果コマンド等の送信が行なわれるため、遊技制御基板31の処理負担を分散することができる。
【0097】
図15は、(a)が表示制御メイン処理を示すフローチャートであり、(b)がタイマ割込処理を説明するためのフローチャートである。表示制御メイン処理においては、SD01において、初期化処理が行なわれる。この初期化処理においては、RAMに記憶されている記憶内容すべてが消去され、新たに各パラメータの初期値(たとえば、「0」)が設定される。次に、SD02においては、乱数更新処理が行なわれる。この乱数更新処理においては、前述した予告判定用ランダムカウンタR6,保留予告決定用ランダムカウンタR7,昇格判定用ランダムカウンタR8の乱数を更新する処理が行なわれる。
【0098】
次に、SD03においてタイマ割込フラグがセットされているか否かが判別される。タイマ割込フラグがセットされていなければSD02に戻り、さらに乱数を更新するが、タイマ割込フラグがセットされていれば、SD04に進みタイマ割込フラグをクリアしてからSD05においてコマンド解析処理を行なう。SD05のコマンド解析処理においては、遊技制御基板31から送信されてきたコマンドを受信して、いかなるコマンドであるかを解析し、可変表示装置8に表示するための図柄をセットする処理や、保留記憶を表示する処理等が行なわれる。
【0099】
次に、SD06においては、表示制御プロセス処理が行なわれる。この表示制御プロセス処理は、可変表示装置8に表示させるための変動開始コマンド受信待処理、可変表示動作設定処理、図柄変動中処理、全図柄停止待ち処理、および大当り表示処理等の処理が行なわれる。SD07においては、音・ランプ制御コマンド処理が行なわれる。この音・ランプ制御コマンド処理は、遊技制御基板31から送信される変動パターンコマンドと実行される保留予告に対応させて、遊技音発生に関する音制御コマンドと装飾ランプ等の点灯パターンに関するランプ制御コマンドをそれぞれ音制御基板70とランプ制御基板35に送信を行なう。これにより、保留予告の実行が決定された場合に保留予告に同調して遊技音の発生・ランプの点灯を実行させる制御コマンドを送信することができるため可変表示装置8に表示される演出等と遊技音・ランプの点灯が相互にずれる不都合を未然に防止することができる。また、図15の(b)においてはタイマ割込処理が行なわれ、SD08においてタイマ割込フラグがセットされる。そして、SD09において、タイマ割込許可がなされてタイマ割込処理を終了する。なお、タイマ割り込み処理は、33msec経過する毎に1回行なわれる。
【0100】
図16は、SD06に示された表示制御用プロセス処理のサブルーチンプログラムを示すフローチャートである。まずSK01により、予告保留表示処理がなされる。これについては図23に基づいて後述する。次に、表示プロセスフラグの値に応じて制御が分岐する。表示プロセスフラグは、0〜4のいずれかの値をとる。変動表示装置9の表示状態の進行状況に応じてその都度表示プロセスフラグの値が更新されるように制御される。表示プロセスフラグの値が「0」のときには、制御がSK02へ進み、変動開始コマンド受信待ち処理がなされる。この変動開始コマンド受信待ち処理とは、変動表示装置9の変動開始時のタイミングで遊技制御基板の変動情報出力手段187から出力されてくる変動情報の受信を待っている状態の処理である。この状態のときには、変動表示装置9は、前回の停止図柄を表示している。
【0101】
そして、変動開始コマンドを受信すれば、表示プロセスフラグが「1」となり、制御がSK03へ進むこととなる。SK03では、可変表示動作設定処理がなされる。これにより、受信した各種コマンドデータに従って特定される予定停止図柄や変動パターン等が設定される。
【0102】
次に表示プロセスフラグが「2」に更新され、その結果制御がSK04へ進み、図柄変動中処理がなされる。これにより、変動表示装置9の各変動表示領域において図柄がスクロール表示される。そして表示プロセスフラグが「3」に更新される。
【0103】
その結果、制御がSK05へ進み、全図柄停止待ち処理が実行される。これにより、各変動表示領域において図柄の停止表示を行なうための制御がなされる。そして全図柄が停止制御される。その結果、大当り図柄の組合せが表示された場合には、表示プロセスフラグが「4」に更新され、制御がSK06に進み、大当り発生の際の画像表示処理がなされる一方、停止した図柄が大当りの組合せでない場合には表示プロセスフラグが「0」に更新されて、再び制御がSK02へ進む。
【0104】
なお、SK01の予告保留表示処理は、表示プロセスフラグの値がどのような値であっても、常に実行されるステップである。
【0105】
図17は、遊技制御基板31から出力されてきたコマンドが入力された表示制御基板80において行なわれるコマンド解析処理を説明するためのフローチャートである。図17に示すコマンド解析処理においては、SE01〜SE05において、コマンド受信バッファに受信コマンドがあるか否か、左中右の図柄の指定コマンドであるか否かを判別し、各図柄停止格納エリアに図柄番号を格納・各図柄指定コマンド受信フラグをセットする。
【0106】
また、SE03において受信コマンドが各図柄指定コマンドでなければSE06〜SE08に進み、受信コマンドが変動パターンコマンドであるか否かの判別がなされ、受信した変動パターンコマンドを変動パターン格納エリアの記憶バッファに格納される。なお、かかる変動パターンコマンドを受信することにより、変動パターンコマンド受信フラグがセットされ、可変表示中でないときには特別図柄表示部9における特別図柄の可変表示が開始されることとなる。
【0107】
また、SE06において受信コマンドが変動パターンコマンドでなければ、SE09において受信コマンドが保留記憶数コマンドであるか否かが判別される。受信コマンドが保留記憶数コマンドであった場合には、SE10において保留記憶数格納エリアの記憶バッファに保留記憶数を格納する処理が行なわれる。
【0108】
SE11において、前回受信した保留記憶数コマンドに対して今回受信した保留記憶数コマンドは、保留記憶数が減少したものであったか否かの判別がなされる。保留記憶数が減少したものであったときにはSE12において後述する変動時保留表示処理が行なわれ、保留記憶数が減少したものでなかったときにはSE13に移行される。
【0109】
SE13において、セットされた予告フラグ、態様フラグ、および実行カウントや保留記憶数にもとづいて保留記憶表示を更新する処理がなされる。具体的には、保留記憶数が増えたときには保留記憶表示を増やすように表示画面を更新し、保留記憶数が減ったときには保留記憶数を減少させるように表示画面を更新する処理がなされる。さらに、予告フラグがセットされ保留予告が行なわれているときには、実行カウント値に対応する保留記憶表示をセットされている態様フラグに対応する予告保留記憶表示となるように保留記憶数を増減させるように表示画面を更新する処理がなされる。また、予告フラグがセットされているときにおいては、変更時保留表示処理においてセットされた態様フラグに対応する予告保留記憶表示に更新する処理が行なわれる。
【0110】
SE14において受信コマンドが、はずれコマンド,リーチコマンド,非確変大当りコマンド,確変大当りコマンド等の判定結果コマンドであるか否かが判別される。かかる判別により、判定結果コマンドであったときにはSE15に移行し受信した判定結果コマンド格納エリアの記憶バッファにコマンドデータを格納する処理が行なわれ、読み出した受信コマンドが判定結果コマンドでなかったときにはその他の表示制御コマンドである場合のためSE18において受信コマンドに対応するフラグをセットする処理が行なわれる。
【0111】
SE16においては後述する入賞時保留表示処理が行なわれ、SE17においてSE13で前述した保留記憶表示を更新する処理が行なわれる。
【0112】
ここで、SE09からSE17までの処理を簡単に説明すると、SE09において受信コマンドが保留記憶数コマンドである判別がなされたときに、SE13において可変表示装置8に表示させる保留記憶表示を増減表示させる処理が行なわれる。また、SE14において受信コマンドが判定結果コマンドである判別がなされたときは、増加表示された保留記憶表示を予告保留記憶表示または通常の保留記憶表示により表示画面を更新する処理がなされる。
【0113】
図18は、図17を用いて前述したコマンド解析処理のSE16で行なわれる入賞時保留表示処理のサブルーチンプログラムを説明するためのフローチャートである。ここでは、保留記憶表示を増加させる処理が行なわれるとともに、予告を行なうか否かの判定や予告を行なうときの態様を選択する処理が行なわれる。
【0114】
まず、SF01において、入賞時保留表示処理が行なわれている現在の遊技状態が大当り遊技中以外の通常遊技状態中であるか否かの判別がなされる。通常遊技状態中であると判別されたときにSF02に移行され、現在予告フラグは未だオフ状態であるか否かの判別がなされる。オフ状態であると判別されたときにSF03に移行され、受信した保留記憶数コマンドの保留記憶数が「2」以上であるか否かの判別がなされる。「2」以上であると判別されたときには、SF04の予告判定処理が行なわれる。なお、SF01からSF03の判別処理においていずれも「no」の判別がなされたときには、そのまま入賞時保留表示処理のサブルーチンプログラムを終了する。
【0115】
SF04においては、図20を用いて後述する予告判定処理が行なわれる。かかる予告判定処理においては、受信した判定結果コマンドの種類がいずれのコマンドであったかにもとづき、予告を実行するか否かの判定がなされる。なお、予告を実行すると判定されたときには予告フラグを「オン」状態にする処理が行なわれる。
【0116】
なお、SF01からSF03の判別の結果は、SF04の予告判定処理を実行するか否かに関連する。たとえば、SF01は大当り遊技中の処理負担を軽減させるため、大当り遊技中に始動入賞があったときであっても予告判定処理が行なわれないように制御されている。また、SF02は重複した予告判定処理が実行されることを防止するべく、既に予告フラグがセットされているときには予告判定処理が行なわれないように制御されている。さらに、SF03は保留記憶数が「2」以上のとき以外、すなわち予告を長期にわたり実行できないため遊技者の期待を盛り下げてしまうようなときに、予告判定処理が行なわれないように制御されている。このように所定回数以上でないときに予告判定処理を行わないようにすることにより、予告が行なわれる一定の時間を確保することができるため予告が行なわれる時間が確保できずにバグ表示が行なわれてしまう不都合を未然に防止することができる。また、可変表示変動毎に保留予告の表示態様を変化させることが不可能なようなときに予告判定処理が行なわれないようにしている。すなわち、保留記憶数が「1」であるときに予告保留表示態様による保留予告を実行しても、保留予告のターゲットである可変表示変動が開始されると同時にかかる保留予告が消滅するため、保留予告の表示態様を段階的に変化できないような予告が実行されることを未然に防止することができる。なお、保留記憶数は「2」以上に限らず、遊技者の期待感を向上させる所定回数以上であればよい。また、保留記憶数が上限値のときに予告判定処理が行なわれるようにしてもよい。
【0117】
次に、SF05においては、SF04で予告を実行する判定がなされ予告フラグがセットされたか否かの判別がなされる。予告フラグが「オン」状態であると判別されたときには、SF06に移行され、「オン」状態でないと判別されたときには、そのまま入賞時保留表示処理のサブルーチンプログラムを終了する。
【0118】
SF06においては、予告を複数の変動に亘って実行するときに用いる実行カウント値に、保留記憶数に対応する実行カウント値をセットする処理がなされる。たとえば、保留記憶数が「3」であったときには、実行カウント値として「3」をセットする処理がなされる。
【0119】
SF07においては、図21を用いて説明する保留予告選択処理が行なわれる。かかる保留予告選択処理においては、受信した判定結果コマンドの種類がいずれのコマンドであったかにもとづき、保留予告表示を実行する表示態様を選択する処理が行なわれる。なお、実行する表示態様が選択されたときに、選択決定された表示態様に対応する態様フラグをセットする処理が行なわれ、入賞時保留表示処理のサブルーチンプログラムを終了する。
【0120】
図19は、図17を用いて前述したコマンド解析処理のSE12で行なわれる変動時保留表示処理のサブルーチンプログラムを説明するためのフローチャートである。ここでは、保留記憶表示を減少させる処理が行なわれるとともに、予告フラグが「オン」状態であるときに、表示態様を昇格させるか否かを判定する処理が行なわれる。
【0121】
まず、SG01においては、現時点で予告フラグが「オン」状態であるか否かの判別がなされる。予告フラグが「オン」状態と判別されたときにはSG02へ移行され、「オン」状態でないと判別されたときには変動時保留表示処理のサブルーチンプログラムを終了する。
【0122】
SG02においては、図22を用いて説明する昇格判定処理が行なわれる。かかる昇格判定処理においては、予告フラグを「オン」状態とさせた判定結果コマンドの種類がいずれのコマンドであったかにもとづき、保留予告表示の表示態様を昇格させるか否かを判定する処理が行なわれる。なお、本実施形態における昇格とは、実行されている保留予告表示の表示態様を、大当りとなる可能性がより高く、期待感をより多く抱けるような、より信頼度の高い表示態様に変化させることをいう。
【0123】
SG03においては、SG02の昇格判定処理で昇格フラグがセットされ「オン」状態となったか否かの判別がなされる。こらは、RAM196の昇格フラグ用のアドレスに記憶されているフラグデータを読み出して判定する。このRAM196の昇格フラグ用のアドレスに記憶されているフラグデータは、後述するSJ05、SJ08、SJ11、SJ14によりセットされる。昇格フラグが「オン」状態すなわち「0001」となっているときにはSG04に移行し、「オン」状態となっていないときすなわち「0000」となっているときにはSG06に移行される。
【0124】
SG04においては、前述した昇格を実行する処理が行なわれる。すなわち前回の保留予告表示の表示態様に対応する態様フラグに「+1」した態様フラグをセットする処理がなされる。たとえば、前回セットされていた態様フラグが「1」であったときには、「2」の態様フラグにセットする処理がなされる。なお、このように、本実施形態における昇格は、態様フラグが「0」から「3」に変化させられるにしたがって、大当りとなる旨の事前判定がなされたときに選択され易いように振分率が設定されている。つづいて、SG05においてはSG02においてセットされた昇格フラグを「オフ」状態にする処理がなされる。
【0125】
SG06においては、前述した昇格が実行されない処理が行なわれる。すなわち前回の保留予告表示の表示態様に対応する態様フラグを再セットする処理がなされる。たとえば、前回セットされていた態様フラグが「2」であったときには、再度「2」の態様フラグがセットされる処理がなされる。
【0126】
SG07においては、現在セットされている実行カウント値から「1」減算する処理がなされる。これは、その後に行なわれる図17のSE13で保留記憶表示を更新して表示されることに対応して事前に実行カウントを減算する処理がなされている。本実施形態における予告は、可変表示毎に実行カウントを対応させており、可変表示が行なわれる保留記憶数が減少した保留記憶数コマンドを受信したときに対応する実行カウント値を減算すればよいからである。
【0127】
SG08においては、現在セットされている実行カウント値が「0」であるか否かの判別がなされる。すなわち、図18のSF04で予告が行なわれる決定がなされたことに対応してSF06でセットされる実行カウント値がSE13においてすべて処理されたか否かの判別がなされる。実行カウント値が「0」である判別がなされたときはSG09へ移行し、SF04でセットされた予告フラグを、成立数が減少したことにより開始される可変表示の終了後に予告フラグを「オフ」状態にする処理がなされ、実行カウント値が未だ「0」でない判別がなされたときはそのまま変動時保留表示処理を終了する処理がなされる。
【0128】
図20は、図18を用いて前述した入賞時保留表示処理のSF04で行なわれる予告判定処理のサブルーチンプログラムを説明するためのフローチャートである。ここでは、受信した判定結果コマンドの種類がいずれのコマンドであったかにもとづき、それぞれのコマンドに対応して予め設けられている予告判定用テーブルをルックアップし、予告フラグをセットする処理が実行される。
【0129】
まず、SH01において、予告を実行するか否かを判定するために用いられる予告判定用ランダムカウンタR6からカウンタ値を抽出する処理が行なわれる。
【0130】
SH02においては、受信した判定結果コマンドがはずれコマンドであったか否かの判別がなされ、はずれコマンドであったときにはSH03に移行され、はずれコマンドでなかったときにはSH05に移行される。
【0131】
SH03においては、はずれコマンドに対応して予め設けられているはずれ用テーブルRS1をルックアップし、SH04においてRS1の振分率にもとづいて、SH01で抽出した抽出値が予告フラグを「オン」させる値であるときに予告フラグをセットする処理が行なわれ、予告判定処理を終了する。
【0132】
SH05においては、受信した判定結果コマンドがリーチコマンドであったか否かの判別がなされ、リーチコマンドであったときにはSH06に移行され、リーチコマンドでなかったときにはSH08に移行される。
【0133】
SH06においては、リーチコマンドに対応して予め設けられているリーチ用テーブルRS2をルックアップし、SH07においてRS2の振分率にもとづいて、SH01で抽出した抽出値が予告フラグを「オン」させる値であるときに予告フラグをセットする処理が行なわれ、予告判定処理を終了する。
【0134】
SH08においては、受信した判定結果コマンドが非確変大当りコマンドであったか否かの判別がなされ、非確変大当りコマンドであったときにはSH09に移行され、非確変大当りコマンドでなかったときにはSH11に移行される。
【0135】
SH09においては、非確変大当りコマンドに対応して予め設けられている非確変大当り用テーブルRS3をルックアップし、SH10においてRS3の振分率にもとづいて、SH01で抽出した抽出値が予告フラグを「オン」させる値であるときに予告フラグをセットする処理が行なわれ、予告判定処理を終了する。
【0136】
SH11においては、受信した判定結果コマンドが確変大当りコマンドであったか否かの判別がなされ、確変大当りコマンドであったときにはSH12に移行され、確変大当りコマンドでなかったときには予告判定処理を終了する。
【0137】
SH12においては、確変大当りコマンドに対応して予め設けられている確変大当り用テーブルRS4をルックアップし、SH13においてRS4の振分率にもとづいて、SH01で抽出した抽出値が予告フラグを「オン」させる値であるときに予告フラグをセットする処理が行なわれ、予告判定処理を終了する。
【0138】
図21は、図18を用いて前述した入賞時保留表示処理のSF07で行なわれる保留予告選択処理のサブルーチンプログラムを説明するためのフローチャートである。ここでは、受信した判定結果コマンドの種類がいずれのコマンドであったかにもとづき、それぞれのコマンドに対応して予め設けられている保留予告決定用テーブルをルックアップし、態様フラグをセットする処理が実行される。
【0139】
まず、SI01において、保留予告の表示態様を決定するために用いられる予告決定用ランダムカウンタR7からカウンタ値を抽出する処理が行なわれる。
【0140】
SI02においては、受信した判定結果コマンドがはずれコマンドであったか否かの判別がなされ、はずれコマンドであったときにはSI03に移行され、はずれコマンドでなかったときにはSI06に移行される。
【0141】
SI03においては、はずれコマンドに対応して予め設けられているはずれ用テーブルRS5をルックアップし、SI04においてRS5の振分率にもとづいて、SI01で抽出した抽出値がいずれの表示態様を実行させる値であるか判別し実行する保留予告の表示態様を決定し、SI05において決定された表示態様に対応する態様フラグをセットし、保留予告選択処理を終了する。
【0142】
SI06においては、受信した判定結果コマンドがリーチコマンドであったか否かの判別がなされ、リーチコマンドであったときにはSI07に移行され、リーチコマンドでなかったときにはSI10に移行される。
【0143】
SI07においては、リーチコマンドに対応して予め設けられているリーチ用テーブルRS6をルックアップし、SI08においてRS6の振分率にもとづいて、SI01で抽出した抽出値がいずれの表示態様を実行させる値であるか判別し、実行する保留予告の表示態様を決定し、SI09において決定された表示態様に対応する態様フラグをセットし、保留予告選択処理を終了する。
【0144】
SI10においては、受信した判定結果コマンドが非確変大当りコマンドであったか否かの判別がなされ、非確変大当りコマンドであったときにはSI11に移行され、非確変大当りコマンドでなかったときにはSI14に移行される。
【0145】
SI11においては、非確変大当りコマンドに対応して予め設けられている非確変大当り用テーブルRS7をルックアップし、SI12においてRS7の振分率にもとづいて、SI01で抽出した抽出値がいずれの表示態様を実行させる値であるか判別し、実行する保留予告の表示態様を決定し、SI13において決定された表示態様に対応する態様フラグをセットし、保留予告選択処理を終了する。
【0146】
SI14においては、受信した判定結果コマンドが確変大当りコマンドであったか否かの判別がなされ、確変大当りコマンドであったときにはSI15に移行され、確変大当りコマンドでなかったときには保留予告選択処理を終了する。
【0147】
SI15においては、確変大当りコマンドに対応して予め設けられている確変大当り用テーブルRS8をルックアップし、SI16においてRS8の振分率にもとづいて、SI01で抽出した抽出値がいずれの表示態様を実行させる値であるか判別し、実行する保留予告の表示態様を決定し、SI17において決定された表示態様に対応する態様フラグをセットし、保留予告選択処理を終了する。
【0148】
図22は、図19を用いて前述した変動時保留表示処理のSG02で行なわれる昇格判定処理のサブルーチンプログラムを説明するためのフローチャートである。ここでは、受信した判定結果コマンドの種類がいずれのコマンドであったかにもとづき、それぞれのコマンドに対応して予め設けられている昇格判定用テーブルをルックアップし、昇格フラグをセットする処理が実行される。
【0149】
まず、SJ01において、前回のセットされていた態様フラグが「3」であったか否かの判別がなされる。これは、本実施形態における大当りとなる可能性、信頼度が最も高い態様フラグが「3」であることにもとづくものであり、態様フラグ「3」より大当りとなる可能性・信頼度が高い態様フラグが存在しないため、昇格させることができないためである。よって、かかる判別により態様フラグが「3」でなかったときにはSJ02に移行し、「3」であったときには実質的な昇格判定を行なうことなく昇格判定処理を終了する。
【0150】
SJ02においては、昇格させるか否かを判定するために用いられる昇格判定用ランダムカウンタR8からカウンタ値を抽出する処理が行なわれる。
【0151】
SJ03においては、予告フラグを「オン」状態にさせた判定結果コマンドがはずれコマンドであったか否かの判別がなされ、はずれコマンドであったときにはSJ04に移行され、はずれコマンドでなかったときにはSJ06に移行される。
【0152】
SJ04においては、はずれコマンドに対応して予め設けられているはずれ用テーブルRS9をルックアップし、SJ05においてRS9の振分率にもとづいて、SJ02で抽出した抽出値が昇格フラグを「オン」させる値であるときに昇格フラグをセットする処理が行なわれ、昇格判定処理を終了する。
【0153】
SJ06においては、予告フラグを「オン」状態にさせた判定結果コマンドがリーチコマンドであったか否かの判別がなされ、リーチコマンドであったときにはSJ07に移行され、リーチコマンドでなかったときにはSJ09に移行される。
【0154】
SJ07においては、リーチコマンドに対応して予め設けられているリーチ用テーブルRS10をルックアップし、SJ08においてRS10の振分率にもとづいて、SJ02で抽出した抽出値が昇格フラグを「オン」させる値であるときに昇格フラグをセットする処理が行なわれ、昇格判定処理を終了する。
【0155】
SJ09においては、予告フラグを「オン」状態にさせた判定結果コマンドが非確変大当りコマンドであったか否かの判別がなされ、非確変大当りコマンドであったときにはSJ10に移行され、非確変大当りコマンドでなかったときにはSJ12に移行される。
【0156】
SJ10においては、非確変大当りコマンドに対応して予め設けられている非確変大当り用テーブルRS11をルックアップし、SJ11においてRS11の振分率にもとづいて、SJ02で抽出した抽出値が昇格フラグを「オン」させる値であるときに昇格フラグをセットする処理が行なわれ、昇格判定処理を終了する。
【0157】
SJ12においては、予告フラグを「オン」状態にさせた判定結果コマンドが確変大当りコマンドであったか否かの判別がなされ、確変大当りコマンドであったときにはSJ13に移行され、確変大当りコマンドでなかったときには昇格判定処理を終了する。
【0158】
SJ13においては、確変大当りコマンドに対応して予め設けられている確変大当り用テーブルRS12をルックアップし、SJ14においてRS12の振分率にもとづいて、SJ02で抽出した抽出値が昇格フラグを「オン」させる値であるときに昇格フラグをセットする処理が行なわれ、昇格判定処理を終了する。
【0159】
図23は、図16のSK01で示された予告保留表示処理のサブルーチンプログラムを示すフローチャートである。SL01により、現在の保留記憶数を変動表示装置9により表示する制御がなされる。これは、遊技制御基板31の特定情報送信手段(出力ポート)57Aから送信されてきた保留数表示特定情報182に基づいて表示制御がなされる。次にSL02へ進み、予告フラグがオンになっているか否かの判断がなされる。現在の予告フラグの値がRAM196の予告フラグ用のアドレスに記憶されている。この予告フラグの値は、SH04、SH07、SH10、SH13によりセットされたものである。この予告フラグ用のアドレスに記憶されている予告フラグの値に基づいてSL02により、予告フラグがオンになっているか否かの判断がなされる。図23の場合には、予告フラグが「0001」であり、オンになっている値であるため、制御がSL03へ進み、態様フラグの値が、0,1,2,3のいずれであるか判定される。現在の態様フラグの値が、RAM196の態様フラグ用のアドレスに記憶されている。この態様フラグの値は、SI05、SI09、SI13、SI17によりセットされたものである。この態様フラグ用のアドレスに記憶されている態様フラグの値に基づいて、SL03により、態様フラグの値の判定がなされる。態様フラグの値が「0」のときには、制御がSL04へ進み、実行カウント値に対応する保留記憶表示箇所に「?」を表示する制御がなされる。態様フラグの値が「1」のときには、制御がSL05へ進み、実行カウント値に対応する保留記憶表示箇所に「リ」を表示する制御がなされる。
【0160】
態様フラグの値が「2」のときには、制御がSL06へ進み、実行カウント値に対応する保留記憶表示箇所に「S」を表示する制御がなされる。態様フラグの値が「3」のときには制御がSL07へ進み、実行カウント値に対応する保留記憶表示箇所に「当」を表示する制御がなされる。なお、図23の場合には、態様フラグ用のアドレスに二進数で「0011」が記憶されている。これは十数で「3」であり、この場合には制御がSL07へ進むこととなる。
【0161】
また、RAM196には、各種プロセスタイマ1,2,3,…の現時点における値が記憶されている。この各種プロセスタイマは、図15に示したタイマ割込処理が1回行なわれる毎に「1」を加算更新するものであり、たとえばその加算更新された値が二進数で「1010」すなわち十進数が「10」のときには、2msec×10=20msecの時間が計時された状態となる。
【0162】
この各種プロセスタイマ1,2,3,…により、前述した制御データ記憶手段178に記憶されているタイミングデータが構成されている。
【0163】
図24は、VDP195が変動表示装置9に画像を表示させる制御動作の手順を説明する説明図である。キャラクタROM193には、各キャラクタコード0000H〜0255H(Hは16進数を示す)に対応して16×16ドットのデータが記憶されている。この各16×16ドットの画像データをVRAM192の指定された各スプライト領域にマッピングして各スプライトを組合せることにより、VRAM192内において表示画像のデータを作成し、そのデータにパレットテーブル173を利用して着色した上で実表示画像172として変動表示装置9に表示させる。
【0164】
1つの16×16ドットの画像データがマッピングされるスプライト領域の大きさは、小さければ小さいほど緻密で細かな映像を表示できる反面、全体としてスプライトの数が増加して表示制御動作の負担が増加して表示制御動作が遅くなる不都合が生じる。このような一長一短を考慮して本実施の形態においては16×16ドットの大きさのデータにしている。このキャラクタROM193には、前述した「?」、「リ」、「S」、「当」からなる予告演出画像用の画像データ(16×16ドットのデータ)や、各種図柄を表示させるための画像データ(16×16ドットのデータ)や、変動表示装置9の表示画面の背景を構成する画像データ(16×16ドットのデータ)等、各種画像データが記憶されている。
【0165】
アトリビュートテーブル174には、変動表示装置9の表示画面が大幅に切換えられる(たとえばデモンストレーション画面から変動表示画面に切換えられる)毎に切換えられた後の表示画面に必要な表示データが演出制御用マイクロコンピュータ199によって記憶される。アトリビュートテーブル174の記憶データは、変動表示装置9の表示画面に表示される所定領域であるスプライトの表示位置と色情報と表示画面上での優先順位とキャラクタコードとを含んでいる。この他に、たとえばスプライト領域のサイズや拡大・縮小・回転指令情報や反転指令情報を含んでもよい。変動表示装置9の表示画面上では、複数種類のスプライト領域が一部または全部重ね合わせられて表示される場合があり、その重ね合わせがVRAM192上で行なわれる。その重ね合わせの際に、どちらのスプライトを優先して表示させるかが、優先順位情報で決定される。
【0166】
パレットテーブル173は、色データを0〜15の16種類にグループ分けして記憶しており、その1グループ(1パレット)内においてさらに0〜15の16種類の色データが二次元テーブルの形で記憶されている。パレット0〜パレット15のどのグループのパレットを選択指定するかがアトリビュートテーブル174の色情報によって行なわれる。キャラクタコード(種類情報)とは、キャラクタROM193に記憶されている複数種類の画像データ(16×16ドットのデータ)のうちのどの画像データを選択するかを指定するための識別用の番号のことである。
【0167】
位置情報とは、選択された画像データを表示するスプライト領域を表示画面のどの位置に表示するかを決定するための座標データであり、具体的には、VRAM192上にその画像データをマッピングする際の表示座標を指定するためのデータである。なお、図24では、VRAM192の左上が座標(0,0)の原点である。
【0168】
VRAM192上にマッピングされた画像データに対してどのグループの色を使用するかが、アトリビュートテーブル174の色情報によって選択指定される。このVRAM192内にマッピングされた画像データが変動表示装置9に表示されるべく出力され、その出力された画像データに対し前述した色情報によって選択指定されたグループのパレットの色データに従って着色処理がなされ、その着色処理された後の画像データが変動表示装置9により表示される。
【0169】
キャラクタROM193には、前述したように、画素データが0〜15×0〜15のマトリックス状に配列された1単位の画像データが複数種類記憶されている。この16×16ドットのデータ毎にキャラクタコードが付されており、アトリビュートテーブル174の種類情報(キャラクタコード)によってそのキャラクタコードが指定されて選択されるように構成されている。
【0170】
16×16ドットの各ドットは、1画素(1ピクセル)に相当するものであり、この各ドット毎に0〜15の4bitの情報が記憶できるようになっている。この0〜15の4bitデータは、選択されたパレット(グループ)内に記憶されている0〜15の各色データを選択指定するものである。その結果、本実施の形態では、1画素(1ピクセル)毎に色データを指定してその指定された色データが変動表示装置9により表示される。すなわち、色指定の最小単位は1画素(1ピクセル)である。
【0171】
以上の構成において、図23のSL07のステップがCPU198により実行されて、実行カウント値に対応する保留記憶表示箇所にたとえば「当」を表示する制御が演出制御用マイクロコンピュータ199によりなされた場合には、その表示制御用のデータがCPU198からVDP195に伝送される。VDP195では、その伝送されてきた表示制御用データに含まれている「当」を表示する旨の指令に基づいて、「当」に対応する画像データ(16×16ドットデータ)のキャラクタコードを割出し、さらに伝送されてきた制御用データに含まれている実行カウント値に基づいてスプライトの表示位置を特定する。その特定されたキャラクタコードと表示位置との2つを満たしている属性データを記憶しているアトリビュートテーブル174のアドレスを割出す。その割出されたアドレス(図24の場合にはアドレス0)に記憶されている属性データを用いて画像表示制御がなされる。具体的には、図24を参照して、「当」に対応するキャラクタコード0001Hに対応する画像データ(16×16ドットデータ)をキャラクタROM193から読出して、そのデータをVRAM192上にマッピングする。そのマッピングの際には、アトリビュートテーブル174のアドレス0に記憶されている位置情報(30,200)の座標データを用いて、VRAM192上でスプライトの左上コーナ部分が座標(30,200)に位置するようにマッピングされる。そしてこのスプライトは、優先順位のデータが高く設定されているために、他のスプライトと重複されたとしてもこのスプライトの方が優先して表示されることとなる。
【0172】
次に、アトリビュートテーブル174のアドレス0に記憶されている色情報が「パレット15」であるために、パレットテーブル173のパレット15に記憶されているデータを用いて着色処理がなされる。具体的には、VRAM192上にマッピングされた16×16ドットデータのスプライト領域にこのパレット15のデータが用いられ、16×16ドットの各画素を構成する4bitのデータがたとえば「2」の場合には、「2」のデータすなわち左から数えて3番目のデータであるR(レッド)が10でG(グリーン)が10でB(ブルー)が10のデータでその画素(ピクセル)が着色処理なされ、実表示画像172として表示される。またVRAM192にマッピングされた16×16ドットのデータ中のあるドットデータが「14」のときには、パレット15における「14」すなわち右から数えて2番目のデータであるRが10でGが9でBが0のデータによりその画素(ピクセル)が着色処理される。
【0173】
このようにしてたとえば図11(g)に示すように、「当」の予告演出画像が表示される。
【0174】
次に、この実施の形態により得られる主な効果をまとめて説明する。
前述したように、遊技制御基板31側で処理される遊技制御メイン処理における特別図柄プロセス処理において打玉が始動入賞口14に入賞したときに大当りとなるか否か等を事前に判定し、表示制御基板80側で処理される表示制御メイン処理におけるコマンド解析処理の入賞時保留表示処理により予告を実行するか否かの判定や予告保留表示態様の選択を行なうことができるため、予告を行なうための処理を遊技制御基板31と表示制御基板80とに分担することができ、それぞれの制御負担を軽減させることができる。また、表示制御基板80は、保留表示態様として予告保留表示態様を表示し、所定の条件としての保留記憶数の減少を意味する可変表示変動が開始される毎に、保留記憶表示の表示態様を変化させることができるため、保留記憶表示の表示態様の変化に遊技者の関心を集め、興味を持たせることができるとともにさらなる期待感を抱かせることができ予告演出を向上させることができる。さらに、遊技制御基板31が行なっていた制御を表示制御基板80等のサブ基板に移行・分割させることにより、遊技制御基板31に必要なプログラムや回路構成を簡素化させることができる。これにより、大当りの発生や、大当りの中でも確変当り等の判定を行ない、不正行為の対象となる遊技制御基板31の不正プログラムの検査を容易に行なうことができ、延いては、不正プログラムの早期発見につながる。さらに、不正回路の発見においても同様の効果を奏することができる。
【0175】
前述したように、可変表示変動が開始される毎に、「?」,「リ」,「S」等の表示態様で保留予告が実行されている表示態様を変化させることができるため、表示態様の変化する契機が遊技者にとってわかり易く、バラエティーに富んだ保留記憶表示の表示態様により予告演出を行なうことができる。
【0176】
前述したように、すでに予告フラグが「オン」状態であり、保留記憶表示の表示態様を変化させて予告演出が行なわれているときに、打玉が入賞し別の保留記憶に対し予告を行なうか否かの判定が行なわれるといった重複処理を回避できるため、表示制御基板80の制御負担を軽減することができる。
【0177】
前述したように、可変表示変動が開始される毎に大当りとなる可能性・信頼度の高い表示態様に変化されるため、予告保留表示態様の変化過程に興味を持たせることができる。また、初回の予告保留表示態様が大当りになる期待度・信頼度が最も高い表示態様でない場合であっても、その後の昇格判定処理において、昇格フラグがセットされ、大当りになる期待度等が高い表示態様の態様フラグがセットされる可能性があるため、遊技者に大当りへの期待感を抱かせることができる。
【0178】
前述したように、保留記憶数が「2」以上、すなわち所定数以上のときに、予告をするか否かの判定を行なうため、予告が複数の可変表示に亘り連続的に行なわれる割合が高くなり、遊技者に長期にわたり興味を持たせ、経過的に遊技者の抱く期待感を向上させることができる。また、予告が行なわれる一定の時間を確保することができるため、予告が行なわれる時間が確保できずにバグ表示が行われることを未然に防止することができる。
【0179】
前述したように、大当りとならない旨の判定、すなわち、リーチやはずれとなる旨の判定であったときにおいても、「?」,「リ」,「S」等の表示態様から選択し、ガセ予告を行なうことができるため、予告の出現頻度を高くすることができ、遊技者に興味を持たせる機会や期待感を抱かせることができる機会を多くすることができる。
【0180】
前述したように、始動入賞時に遊技状態が大当りとなり得るか否か、停止図柄がリーチとなり得るか否か等の判定が行なわれ、その判定結果にもとづいて保留記憶表示の表示態様を変化させ保留予告を実行するか否かを判定し、保留予告を実行するときの保留記憶表示の表示態様を決定することができる。すなわち、始動入賞に起因する図柄変動が開始される前から、大当り判定等にもとづき、保留記憶表示の表示態様を変化させることにより、保留予告を行なうことができる。これにより、遊技者が常に注意の視線を向けている可変表示装置内で、保留記憶表示の表示態様を変化させることができるので、遊技者がかかる保留記憶表示による保留予告を見落としてしまうといった不都合を防止することができる。さらに、遊技者は大きな視点移動を行なうことなく保留記憶表示の表示態様を変化させることによる多彩な保留予告を視覚的に十分楽しむことができる。
【0181】
前述したように、判定結果コマンドに対応する振分率にしたがい保留予告を実行するか否かの決定を行ない、さらに、いずれの表示態様で保留予告を実行するかを決定している。これにより、プログラムを大幅に変更することなくデータの変更のみでバリエーション豊かな保留予告を実行可能とすることができる。
【0182】
前述したように、実行条件成立毎に、保留記憶数を示す保留記憶数コマンドと、その保留記憶に対応する判定結果コマンドを互いに関連させて表示制御基板80に送信を行なう実施を説明した。これにより、保留記憶と対応する判定結果コマンドがずれてしまう不都合、たとえば、保留予告が行なわれるもととなる保留記憶の可変表示の変動ではない時に保留予告が終了してしまい、本来保留予告が行なわれるべき可変表示の変動で保留予告が行われないといった不都合を防止することができる。また、実行条件成立時の保留記憶数回の可変表示に亘り、保留予告を行なっている。これにより、大当り等となることが接近していることを遊技者に報知可能となり、何度も繰返し報知されるので遊技者のドキドキ感をあおることができ、興趣をさらに向上させることができる。
【0183】
前述したように、実行条件成立時に保留予告の選択に関わる判定結果コマンドを設定送信し、開始条件成立時に大当り判定・大当り図柄判定・リーチ判定・はずれ図柄判定を行ない対応するコマンドを設定送信するため、遊技制御基板31の処理負担を分散することができる。
【0184】
次に、以上説明した実施の形態の変形例や特徴点を以下に列挙する。
(1) 前述した実施形態においては、予告演出としての保留記憶表示の表示態様は、所定の条件としての保留記憶数が減少することとなる可変表示変動が開始される毎に、大当りとなる可能性・信頼度が高くなり発展していく昇格パターンについて説明したが、これに限らず、所定の条件が成立する毎に、大当りとなる可能性等が低くなり退行していく降格パターンであってもよい。この場合には、図19のSG04の処理内容を「前回の態様フラグに「−1」した態様フラグセット」する処理にし、図22のSJ01の処理内容を「前回の態様フラグが「0」であったか?」を判別させる処理にすればよい。また、前回の態様フラグに対して一律に「+1」あるいは「−1」するものに限らず、「+2」,「+3」,「−2」または「−3」させるような処理を行ってもよく、この場合には、これら態様フラグを増減させる値を処理がなされる毎にランダムに選択するようにしてもよい。さらに、図22を用いて説明した昇格判定処理の内容を、図21を用いて説明した保留予告選択処理と同内容にし、所定の条件としての保留記憶数が減少することとなる可変表示変動が開始される毎に、予告決定用ランダムカウンタR7から再度カウンタ値を抽出し、判定結果コマンド毎に対応させて設けられているテーブルの振分率にもとづいて、保留記憶表示の表示態様を再度決定するようにしてもよい。すなわち、予告を実行することが決定されて、保留予告としての表示態様を選択し、選択された表示態様で保留記憶表示を行ない、所定の条件が成立する毎に再度保留予告としての表示態様をランダムに選択できるように構成してもよい。この場合には、図19のSG02からSG06の処理に変えて、図21の保留予告選択処理をおこなうようにすればよい。これにより、昇格パターンと降格パターンを融合させ、大当りとなる可能性・信頼度の高い、または低い表示態様をランダムに出現させることができるため、保留記憶表示の表示態様が変化パターンを先読みすることが不可能となり、遊技者に意外性を抱かせることができ遊技の興趣を向上させることができる。たとえば、態様フラグ「0」がセットされているときであっても、次の変動時保留表示処理が実行されたときに、大当りとなる可能性・信頼度が最も高い態様フラグ「3」を再選択することができる。また、これとは逆に、大当りとなる可能性・信頼度が最も高い態様フラグ「3」がセットされているときであっても、次の変動時保留表示処理が実行されたときに、信頼度・期待度が最も低い態様フラグ「0」を再選択することができる。なお、このような場合においても、保留予告決定用テーブルにおいて、非確変大当りコマンドまたは確変大当りコマンドが送信されてきたときのみ、保留記憶表示として表示される表示態様を設け、100パーセント大当りとなる表示態様により保留記憶表示が行なわれたときには、昇格または降格させないようにしてもよい。
【0185】
また、前述した実施の形態においては、変動表示が終了して次回の変動表示の開始時すなわち保留記憶が「1」減算される瞬間たとえば予告演出画像が「S」から「当」に昇格するようにしたが、本発明はこれに限らず、たとえば、変動表示の開始タイミングに拘らず「S」等のある予告演出画像を所定時間表示させた後次の新たな予告演出画像(たとえば「当」)を表示させる昇格制御を行なうようにしてもよい。
【0186】
(2) 前述した実施形態においては、予告演出を行なっている保留記憶表示の表示態様を変化させる起因となる所定の条件として、可変表示が開始されることに関連し保留記憶数の数が減少したときについて説明したが、これに限らず、始動入賞口14に打玉が入賞したことに関連させて保留記憶数の数が増加したときに所定の条件が成立したとして、予告演出を行なっている保留記憶表示の表示態様を変化させてもよい。これにより、表示態様を変化させる起因となる所定の条件が成立したか否かを、遊技者は容易に認識させることができる。また、保留記憶表示により予告演出が開始されてからたとえば5秒経過する毎に、保留記憶表示の表示態様を変化させるようにしてもよい。すなわち、所定の条件として、所定の時間が経過することとして保留記憶表示の表示態様を変化させるようにしてもよい。この場合、所定の時間は、常に一定間隔で変化されるように、または、時間が長くなったり短くなったりと段階的に変化するように、時間間隔が予め定まっているものであってもよい。これにより、データを記憶させるための容量を必要最小限で実現することができる。
【0187】
また、保留記憶表示の表示態様が変化される都度ランダムカウンタにより次回保留記憶表示の表示態様が変化されるまでの時間を決定するようにしてもよい。すなわち、予告保留表示態様選択手段は、保留記憶表示の表示態様が経時的に変化していくタイミングを決定し、所定の条件を成立させる条件成立時選択手段を含むように構成してもよい。これにより、保留記憶表示の表示態様の変化スピードがランダムとなるため、遊技者に意外性を抱かせ、飽きさせることなく遊技の興趣を向上させることができる。また、さまざまなタイミングで保留記憶表示の表示態様を変化させ、予告演出にバリエーションを付加させることができるとともに、変化のタイミングを予め決定しておくことで表示制御基板側の処理負担を軽減させることができる。
【0188】
さらに、可変表示装置の可変表示状態に変化が発生するたびに、それと同期させて所定の条件を成立させるようにしてもよい。たとえば、可変表示変動が開始されたとき、可変表示変動の速度が低速、高速、こま送り速度等に変更されたとき、可変表示中にたとえば、左図柄等の特別図柄の一部が停止表示されたとき、等に所定の条件を成立させるようにしてもよい。遊技者が注目する可変表示状態と同期させて保留記憶表示の表示態様が変化するため、遊技に対する集中度を増大させることができる。また、所定の条件としては、普通図柄が特定表示結果となったときに成立させるようにしてもよく、入賞領域に入賞したときに成立させるようにしてもよく、遊技者が押圧ボタンを押すことにより成立させるようにしてもよい。
【0189】
(3) 前述した実施形態においては、予告演出を行なう場合として、保留記憶表示の表示態様を変化させる例について説明したが、これに限らず、普通入賞記憶画像の表示態様を変化させるようにしてもよい。これにより、保留記憶表示と普通入賞記憶画像を組み合わせて保留予告を行なうことで、変化態様を多彩にすることができ、遊技の興趣を向上させることができる。また、大当りやリーチ等の特別図柄表示部9に表示される特別図柄の識別情報の表示結果に関連させ、保留記憶表示の表示態様を変化させ予告を行なうか否かの判定がなされる例について説明したが、これに限らず、特別図柄表示部9内に表示される普通図柄表示の識別情報の表示結果が特定表示結果となる確率が高確率になる場合や特定表示結果となることをターゲットに予告を行なうように設定してもよい。これにより、通常、普通図柄の表示結果に興味を持たない遊技者にとっても、予告が行なわれた場合に特別図柄の大当りかまたは普通図柄の当りかどちらの予告か分からないため、遊技演出に集中させ興趣を向上させることができる。
【0190】
(4) 前述した実施形態においては、遊技制御基板31において実行条件成立時に大当り・リーチ等の判定を行ない判定結果コマンドを設定し、保留予告等の決定にのみ判定結果コマンドを用いる実施を説明したが、これに限らず、この判定結果コマンドにもとづき特別図柄変動待ち処理等の特別図柄表示制御を行なうよう構成してもよい。これにより、遊技制御基板31にタイマ機能を設ける必要がなくなり、さらに、抽出した乱数値を記憶バッファに記憶させる必要がなくなるため制御負担を軽減することができる。
【0191】
(5) 前述した実施形態においては、判定結果コマンドが大当りと判定された場合であっても、予告判定用テーブルの振分率にもとづいて予告フラグがオンされなければ予告が行なわれない実施を説明したが、これに限らず、大当りと判定された場合には必ず連続的に予告が行なわれるように設定してもよい。これにより、大当りとなるときは必ず予告が行なわれるため、予告を体験できる機会が増え興趣が向上する。
【0192】
(6) 前述した実施形態においては、図14の乱数判定処理において、非確変大当り,確変大当り,リーチおよびはずれのうち、いずれの表示態様・表示結果となるか否かを始動入賞時に判定し、保留記憶処理でかかる判定に対応した判定結果コマンドを表示制御基板80に送信され、表示制御基板80において受信した判定結果コマンドの種類に応じたテーブルを用いて図20から図22の予告判定処理,保留予告選択処理および昇格判定処理を行なう例について説明したが、これに限らず、図14の乱数判定処理において、非確変大当り,確変大当り,リーチ,はずれのいずれになるかの判定に加え、リーチとなる判定であったときにはさらにスーパーリーチとなるか否かを始動入賞時に判定し、保留記憶処理でスーパーリーチコマンドを表示制御基板80に送信可能にし、表示制御基板80において受信したスーパーリーチコマンドに対応したテーブルを用いて図20から図22の予告判定処理,保留予告選択処理および昇格判定処理を行なうようにしてもよい。
【0193】
なお、スーパーリーチコマンドに対応したテーブルの振分率として、たとえば、図8の予告判定用テーブルの振分率は、予告判定用ランダムカウンタR6から抽出した乱数が「0〜5」のときは予告フラグオフ、「6〜9」のときは予告フラグがオンされるようにすればよい。図9の保留予告決定用テーブルの振分率は、保留予告決定用ランダムカウンタR7から抽出した乱数が「0〜39」のときは態様フラグとして「0」がオンされ、「40〜49」のときは態様フラグとして「1」がオンされ、「50〜99」のときは態様フラグとして「2」がオンされるようにすればよい。図10の昇格判定用テーブルの振分率は、昇格判定用ランダムカウンタR8から抽出した乱数が「0〜3」のときは昇格フラグオフ、「4〜9」のときは昇格フラグがオンされるようにすればよい。さらに、図9の保留予告決定用テーブルのうち、RS5テーブルの振分率を態様フラグとして「0」のみが選択されるように、RS6テーブルの振分率を態様フラグとして「0」または「1」のいずれかが選択されるようにしてもよい。このように事前判定された判定結果内容と、予告保留表示態様から予測できる可変表示結果とが合致するように選択される割合が高くなるように振分率を設定することにより、大当りになるかもしれないといった信頼度・期待度のみならず、スーパーリーチになるかもしれないといった信頼度・期待度を予告保留表示態様により遊技者に報知することができ、遊技の興趣を向上させることができる。
【0194】
(7) 前述した実施形態においては、図9を用いて説明した保留予告決定用テーブルの振分率を、たとえば、はずれコマンドを受信したときにおいても態様フラグ「1」がセットされ、リーチコマンドを受信したときにおいても態様フラグ「2」がセットされるようなガセ予告が行なわれるように設定された例を説明した。また、図22の昇格判定処理においては、大当りとなる可能性・信頼度が最も高い態様フラグ「3」がセットされていなかったときに、たとえば、判定結果コマンドがはずれコマンドでありセットされた態様フラグが「1」のときに、SJ02からSJ14において昇格フラグがセットされ、態様フラグ「2」「3」へと昇格する可能性のあるような、実際の可変表示の表示結果内容以上の保留予告態様により予告が行なうことのできる例を説明した。しかし、これに限らず、図9の保留予告決定用テーブルの振分率を、受信した判定結果コマンドがはずれコマンドであったときには態様フラグ「0」のみを選択する振分率に、受信した判定結果コマンドがリーチコマンドであったときには態様フラグ「0」または「1」が選択される振分率に、さらに、判定結果コマンドが上述したスーパーリーチコマンドであったときには態様フラグ「0」,「1」または「2」のいずれかが選択される振分率に設定するようにしてもよい。また、図22の昇格判定処理におけるSJ01の処理を、受信した判定結果コマンドがはずれコマンドであったときにはそれ以降の処理を行なわず終了するように、受信した判定結果コマンドがリーチコマンドであったときには前回の態様フラグが「1」であったか否かの判別を行なうように、さらに、判定結果コマンドがスーパーリーチコマンドであったときには前回の態様フラグが「2」であったか否かの判別を行なうように処理するようにしてもよい。これにより、たとえば、予告のターゲットとなる可変表示においてスーパーリーチ演出が行なわれないにもかかわらず保留予告態様として「S」が表示されることがなく、また、予告のターゲットとなる可変表示においてリーチ演出が行なわれないにもかかわらず保留予告態様として「リ」が表示されるといった、遊技者を必要以上に期待させるようなガセ予告が行なわれることがないため、保留予告の信頼度を増大させることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
【0195】
なお、前述した実施形態のように、ガセ予告を行なうときには、図22の昇格判定処理を行なうか否かを判別するSJ01の態様フラグの値を上述したように、受信した判定結果コマンドに対応するように設けてもよい。たとえば、SJ01において、受信した判定結果コマンドがはずれコマンドであったときには態様フラグが「1」であるか否かの判別を行なうようにし、判定結果コマンドがリーチコマンドであったときには態様フラグが「2」であるか否かの判別を行なうようにし、それぞれ否定的なときにのみ昇格判定処理を行なうようにしてもよい。これにより、予告のターゲットとなる実際の可変表示内容と大きくかけ離れ過ぎた保留予告態様で予告が実行されることを防止でき、予告の出現と予告の信頼度・期待度との均衡を測りつつ遊技の興趣を向上させることができる。
【0196】
(8) 前述した実施形態においては、遊技制御基板31から表示制御基板80にコマンドが伝送され、表示制御コマンド80から各基板にコマンドを伝送する回路構成について説明したが、このように表示制御基板80を介すことなく、遊技制御基板からのコマンドを直接、音制御基板70あるいはランプ制御基板35に伝送するようにしてもよい。これにより、同期のとれた演出を実行することができる。また、制御負担を各基板に分担することができる。また、遊技制御基板31から送信されるコマンドは、表示制御基板80にすべて入力され、そのコマンドと選択された保留記憶表示の表示態様にもとづき、表示制御基板80において音制御コマンド・ランプ制御コマンドが設定され、それぞれ音制御基板70とランプ制御基板35にコマンドを伝送し、各機器を制御する回路構成を説明したが、これに限らず、表示制御基板80と音制御基板70とランプ制御基板35の遊技演出を制御する基板を演出制御基板(図示省略)にまとめ、遊技制御基板31から演出制御基板に各種コマンドが送信され入出力ドライバ基板82を経て各機器を制御するように回路を構成してもよい。これにより、選択された保留記憶表示による予告に対応する表示態様、遊技音、ランプ点灯等の演出全体が常に同調している状態で遊技を楽しむことができ、興趣を向上させることができる。
【0197】
(9) 前述した実施形態においては、遊技制御基板31から表示制御基板80へ送信する判定結果コマンドは、打玉が始動入賞口14に入賞したとき、すなわち実行条件が成立したときに判定が行なわれ送信設定される例について説明したが、これに限らず、可変表示が開始されるときに保留記憶されているすべての実行条件それぞれに対し判定を行ない送信設定するようにしてもよい。たとえば、所定の実行条件の成立(たとえば、打玉が始動入賞口14に入賞)にもとづいて各々が識別可能(たとえば、遊技者がそれぞれを区別し認識可能)な複数種類の識別情報(たとえば、数字図柄「1」〜「9」、および、英字図柄「A」〜「C」等)の可変表示を行ない表示結果を導出表示する可変表示装置(たとえば、可変表示装置8)と、前記実行条件の成立にもとづいて前記表示結果をその導出表示以前(たとえば、図柄を確定停止する以前)に決定する事前決定手段(たとえば、特別図柄判定処理、停止図柄設定処理、変動パターン設定処理等)を備え、あらかじめ定められた開始条件が成立(たとえば、変動パターンコマンドを受信等)することにより可変表示を開始し、該事前決定手段が表示結果を特定表示結果(たとえば、「777」等のゾロ目)とすることを決定したときに前記可変表示装置に前記特定表示結果を表示した後に遊技者に有利な特定遊技状態(たとえば、大当り)を発生させる遊技機(パチンコ遊技機1)であって、遊技の進行を制御するとともにコマンド(たとえば、表示制御コマンド等)を出力する遊技制御手段(遊技制御基板31)と、前記遊技制御手段からのコマンドにもとづいて前記可変表示装置の表示状態を制御する表示制御手段(表示制御基板80)とを備え、前記遊技制御手段は、前記実行条件は成立しているが未だ前記開始条件が成立していない前記実行条件の成立数(たとえば、保留記憶数)を保留記憶する保留記憶手段(遊技制御基板31の記憶バッファ,図13のSB06等参照)と、前記事前判定手段は前記開始条件の成立時に前記保留記憶手段に記憶されている情報にもとづく表示結果が特定の表示態様となるか否かを判定する開始条件成立時判定手段(たとえば、全図柄変動開始処理により全図柄の変動が開始される直前に、保留記憶バッファに記憶されているすべての実行条件の情報それぞれに図14の乱数判定処理を実行する)と、前記開始条件成立時判定手段により前記特定表示結果となる旨の判定が行なわれたことにもとづいて、前記特定表示結果となる旨の特定表示コマンド(たとえば、非確変大当りコマンド,確変大当りコマンド等)を前記表示制御手段に送信する特定表示コマンド送信手段(保留記憶処理等)と、前記保留記憶手段に保留記憶されている成立数を特定するための成立数コマンド(たとえば、保留記憶数コマンド等)を前記表示制御手段に送信する成立数コマンド送信手段(保留記憶処理等)とを含み、前記表示制御手段は、前記特定表示コマンド送信手段により送信された前記特定表示コマンドにもとづいて前記可変表示の表示結果が前記特定表示結果となる旨の予告(たとえば、遊技者に報知する、保留予告等)をするか否かの判定を行なう予告決定手段(図20等参照)と、前記成立数コマンド送信手段により送信された前記成立数コマンドにもとづいて前記保留記憶手段に記憶されている成立数を特定可能に表示する保留表示制御手段(たとえば、図17のSE09からSE17等参照)と、前記予告決定手段により予告を行なう旨の判定がなされたとき(図18のSF05で「YES」と判別されたとき等)に、前記保留表示制御手段により表示させる保留表示態様を複数種類の予告保留表示態様から選択する予告保留表示態様選択手段(図21等参照)とを含み、前記保留表示制御手段は、前記予告保留表示態様選択手段により選択された予告保留表示態様(図21のSI05,SI09,SI13,SI17参照)で表示制御を行なう予告保留表示制御手段(たとえば、図17のSE13,SE17等参照)と、所定の条件(たとえば、可変表示の開始条件,一定時間経過,可変表示の実行条件等)が成立したとき(たとえば、図17のSE11で「YES」と判別されたとき)に、前記予告保留表示制御手段により表示されている予告保留表示態様を変化させる予告保留表示態様変化手段(図19のSG04,SG06等参照)とを含むような構成であってもよい。このような構成によれば、遊技制御手段により開始条件成立時に事前判定を行ない、表示制御手段により予告決定や予告保留表示態様選択を行なうことができるため、予告を行なうための処理を遊技制御手段と表示制御手段とに分担することができ、それぞれの制御負担を軽減させることができる。また、表示制御手段は、保留表示態様として予告保留表示態様を表示し、所定の条件が成立したときに、予告保留表示態様を変化させることができるため、予告保留表示態様の表示態様変化に遊技者の関心を集め、興味を持たせることができるとともにさらなる期待感を抱かせることができ予告演出を向上させることができる。
【0198】
(10) 今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなく特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【図面の簡単な説明】
【図1】パチンコ遊技機を正面から見た正面図である。
【図2】パチンコ遊技機の遊技領域を正面から見た正面図である。
【図3】パチンコ遊技機の内部構造を説明するための全体背面図である。
【図4】遊技制御基板と表示制御基板とにおける回路構成の一例を説明するためのブロック図である。
【図5】遊技制御基板と表示制御基板との機能を説明するための機能ブロック図である。
【図6】(a)は、パチンコ遊技機の遊技制御に用いられる乱数を生成するための各種ランダムカウンタをを説明するための図であり、(b)は、表示制御基板が行なう保留予告の選択に用いられる表示制御用乱数を生成するためのランダムカウンタを説明するための図である。
【図7】表示制御基板に送出される表示制御コマンドの内容の一例を説明するための図である。
【図8】予告判定用テーブルを説明するための図である。
【図9】保留予告決定用テーブルを説明するための図である。
【図10】昇格判定用テーブルを説明するための図である。
【図11】特別図柄表示部において保留予告が実行されるときの保留記憶表示の表示態様であって、可変表示毎に保留記憶表示の表示態様を変化させる保留予告を説明するための図である。
【図12】特別図柄表示部において保留予告が実行されるときの保留記憶表示の表示態様であって、保留記憶表示の表示態様を変化させる保留予告を説明するための図である。
【図13】入賞時判定処理のサブルーチンプログラムを説明するためのフローチャートである。
【図14】乱数判定処理のサブルーチンプログラムを説明するためのフローチャートである。
【図15】表示制御基板により実行される表示制御メイン処理および割り込み処理を説明するためのフローチャートである。
【図16】表示制御プロセス処理のサブルーチンプログラムを示すフローチャートである。
【図17】コマンド解析処理のサブルーチンプログラムを説明するためのフローチャートである。
【図18】入賞時保留表示処理のサブルーチンプログラムを説明するためのフローチャートである。
【図19】変動時保留表示処理のサブルーチンプログラムを説明するためのフローチャートである。
【図20】予告判定処理のサブルーチンプログラムを説明するためのフローチャートである。
【図21】保留予告選択処理のサブルーチンプログラムを説明するためのフローチャートである。
【図22】昇格判定処理のサブルーチンプログラムを説明するためのフローチャートである。
【図23】予告保留表示処理のサブルーチンプログラムを示すフローチャートである。
【図24】VDPにより表示制御動作の手順を説明する説明図である。
【符号の説明】
1 パチンコ遊技機、80 表示制御基板、31 遊技制御基板、191 遊技制御手段、190 事前決定手段、189 遊技制御時間計時手段、57A 特定情報送信手段、186 数値データ抽出手段、185 始動入賞時判定手段、184 保留記憶手段、57B 特定情報受信手段、176 画像生成手段、198 CPU、179 画像情報記憶手段、178 制御データ記憶手段、177 予告決定手段、181 予告保留表示態様選択手段、175 計時手段、174 アトリビュートテーブル、173 パレットテーブル、192 VRAM。
【発明の属する技術分野】
本発明は、パチンコ遊技機やコイン遊技機などで代表される遊技機およびその制御方法に関する。詳しくは、始動入賞領域へ遊技球が入賞した後予め定められた変動開始条件の成立により各々が識別可能な複数種類の識別情報の変動表示を行なう変動表示装置と、遊技球が前記始動入賞領域へ入賞したときに前記変動表示装置の表示結果をその導出表示以前に決定する事前決定手段とを備え、該事前決定手段が表示結果を特定表示結果とすることを決定したときに前記変動表示装置に前記特定表示結果を表示した後に遊技者に有利な特定遊技状態を発生させる遊技機およびその制御方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
この種の遊技機として従来から一般的に知られているものに、たとえば、パチンコ遊技機のような、所定の実行条件の成立にもとづいて各々が識別可能な複数種類の識別情報の可変表示を行ない表示結果を導出表示する可変表示装置と、前記実行条件の成立にもとづいて前記表示結果をその導出表示以前に決定する事前決定手段を備え、あらかじめ定められた開始条件が成立することにより可変表示を開始し、該事前決定手段が表示結果を特定表示結果とすることを決定したときに前記可変表示装置に前記特定表示結果を表示した後に遊技者に有利な特定遊技状態を発生させるものがある。
【0003】
このような遊技機において、可変表示装置による可変表示の面白さを十分に演出して遊技者の期待感を向上させるために、事前に可変表示装置の表示結果が特定の表示態様となるか否かを決定し、その決定内容が特定の表示態様となる旨のものであった場合に、始動記憶表示器の表示状態の色または形状を異ならせ、遊技者に特定の表示態様が表示されることを予告報知するもの(たとえば、特許文献1参照)があった。
【0004】
【特許文献1】
特開平08−243224号公報(第14頁)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記のような遊技機においては、予告演出に遊技者の関心を集めて興味を持たせるため、今まで以上にバラエティーに富んだ予告演出と高度な遊技性が求められ、遊技制御および遊技制御における処理負担が増大する不都合が生じていた。このような遊技制御および表示制御における処理負担の増大は、バグやエラーを発生させる要因の一つとなっていた。これは、近年、高度な演出と遊技性を有した遊技機の提供を求められている遊技機業界にとって、なんらかの改善策が求められていたところである。
【0006】
この発明は上述の問題に鑑みてなされたものであって、その目的は、遊技制御および表示制御の制御負担を軽減しつつ、斬新な変化と面白味のある予告演出を実行できる遊技機を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段の具体例およびその効果】
(1)始動入賞領域(始動入賞口14)へ遊技球が入賞した後予め定められた変動開始条件の成立(変動開始信号を含むコマンドデータの受信)により各々が識別可能な複数種類の識別情報(たとえば、数字図柄「1」〜「9」、および、英字図柄「A」〜「C」等)の変動表示を行なう変動表示装置(変動表示装置9)と、遊技球が前記始動入賞領域へ入賞したときに前記変動表示装置の表示結果をその導出表示以前に決定する事前決定手段(事前決定手段190、SA03〜SA05)とを備え、該事前決定手段が表示結果を特定表示結果(たとえば、「777」等のゾロ目)とすることを決定したときに前記変動表示装置に前記特定表示結果を表示した後に遊技者に有利な特定遊技状態(たとえば、大当り)を発生させる遊技機(パチンコ遊技機1、コイン遊技機等)であって、
前記始動入賞領域へ入賞した始動入賞球を検出する始動入賞球検出手段(始動口スイッチ17)と、
前記遊技機の遊技状態を制御するとともに、前記変動表示装置を制御するための制御情報(コマンドデータ)を出力する遊技制御手段(遊技制御基板31,遊技制御手段191)と、
該遊技制御手段から出力されてきた制御情報に基づいて、前記変動表示装置を表示制御する表示制御手段(表示制御基板80,表示制御手段164)と、
前記変動表示装置の表示結果を前記特定表示結果とするか否かの決定に用いる数値データを更新する数値データ更新手段(ランダムカウンタR1)とを備え、
前記遊技制御手段は、
前記始動入賞球検出手段が前記始動入賞球を検出したときに、前記数値データ更新手段の数値データを抽出する数値データ抽出手段(数値データ抽出手段186、SB04)と、
該数値データ抽出手段が抽出した数値データを用いて、前記始動入賞球検出手段が前記始動入賞球を検出したときに該始動入賞球の検出に起因する変動表示の表示結果を前記特定表示結果とするか否かを判定する始動入賞時判定手段(始動入賞時判定手段185、SC01,SC05,SC06)と、
前記始動入賞球検出手段により検出された始動入賞球数のうち未だ前記変動開始条件が成立せず前記変動表示装置の変動表示に用いられていない始動入賞球の球数を保留記憶する保留記憶手段(保留記憶手段184、SB06)と、
前記始動入賞時判定手段の判定結果を特定可能な始動入賞時判定結果特定情報(始動入賞時判定結果特定情報183、SC03、SC04、SC08、SC09により設定された各コマンド)と、前記保留記憶手段に保留記憶されている始動入賞球数を特定するための保留数表示特定情報(保留数表示特定情報182、保留記憶数コマンド)とを、前記表示制御手段に送信する特定情報送信手段(特定情報送信手段(出力ポート)57A)とを含み、
前記表示制御手段は、
前記特定情報送信手段が送信した前記始動入賞時判定結果特定情報および前記保留数表示特定情報を受信する特定情報受信手段(特定情報受信手段(入力ポート)57B)と、
該特定情報受信手段が受信した前記始動入賞時判定結果特定情報に基づいて前記変動表示装置の表示結果が前記特定表示結果となる旨の予告を実行するか否かの決定を行なう予告決定手段(予告決定手段177、SH08〜SH13)と、
前記特定情報受信手段が受信した前記保留数表示特定情報にもとづいて前記保留記憶手段に記憶されている始動入賞球数を特定可能な保留表示の制御を行なう保留表示制御手段(保留表示制御手段180、SE09〜SE17)と、
前記予告決定手段により予告を実行する旨の決定がなされたときに、前記保留表示制御手段により表示される保留表示の保留表示態様を複数種類(4種類)の予告保留表示態様(「?」,「リ」,「S」,「当」)から選択する予告保留表示態様選択手段(予告保留表示態様選択手段181、SI10〜SI17)と、
前記複数種類の予告保留表示態様を前記変動表示装置に表示させる予告演出画像を生成するための複数種類の予告演出画像データ(「?」,「リ」,「S」,「当」に対応する16×16ドットの画像データ)を含む各種画像データ(16×16ドットの画像データ)を記憶している画像情報記憶手段(画像情報記憶手段(キャラクタROM)179)と、
前記変動表示装置に各種画像を表示させるためのタイミングを特定するタイミングデータ(図5のタイミングデータ、図23の各プロセスタイマ1、2、…のタイマデータ)と、前記始動入賞時判定結果特定情報の受信から所定時間経過後に前記変動表示装置に前記予告演出画像を表示させるための制御データ(図19の昇格フラグのデータや図23の予告フラグ,態様フラグのデータ)とを記憶している制御データ記憶手段(制御データ記憶手段(RAM)178)と、
該制御データ記憶手段に記憶されている前記タイミングデータに基づいて計時し、前記変動表示装置に前記各種画像を表示させるための契機となるトリガ信号を出力する計時手段(計時手段175、各プロセスタイマ1、2、…)と、
前記制御データ記憶手段に記憶されている前記タイミングデータと前記画像情報記憶手段に記憶されている前記各種画像データとに基づいて、前記変動表示装置に表示する画像を生成する画像生成手段(画像生成手段176、CPU198とVDP195)とを備え、
前記画像生成手段は、前記予告決定手段により予告を実行する旨の決定がなされたことを条件として、前記変動表示装置で前記制御データ記憶手段に記憶されている前記制御データに基づく前記予告演出画像の表示を行なうために、前記予告保留表示態様選択手段により選択された予告保留表示態様に対応する前記予告演出画像データを前記計時手段からの前記トリガ信号に従って前記画像情報記憶手段から読み出して、予告演出画像を生成する予告演出画像生成手段(図5の予告演出画像生成手段、CPU198とVDP195)を含むことを特徴とする、遊技機。
【0008】
上述の構成によれば、遊技制御手段により始動入賞時に事前判定を行ない、表示制御手段により予告決定や予告保留表示態様選択を行なうことができるため、予告を行なうための処理を遊技制御手段と表示制御手段とに分担することができ、それぞれの制御負担を軽減させることができる。また、予告保留表示態様選択手段により複数種類の予告保留表示態様から選択された予告保留表示態様が表示されるために、バラエティーに富んだ予告演出が可能となり、予告演出に遊技者の関心を集めて興味を持たせることができる。さらに、表示制御手段側において、予告決定手段により予告を実行する旨の判定がなされたことを条件として、変動表示装置で制御データ記憶手段に記憶されている制御データに基づく予告演出画像の表示を行なうために、計時手段からのトリガ信号に従って画像情報記憶手段から予告演出画像データが読み出されて、予告演出画像が生成されることにより、画像表示処理を高速化することができる。
【0009】
(2)前記制御データ記憶手段に記憶されている前記制御データは、予告演出画像データの生成後に所定時間(変動表示の開始から次回の変動表示の開始までの時間等)を経過する毎に前記画像情報記憶手段に記憶されている次の新たな予告演出画像データ(たとえば「S」の次の「当」に相当する16×16ドットの画像データ)に基づいた予告演出画像を表示させるための継続制御データ(図19の昇格フラッグのデータと図23の予告フラグのデータ)を含み、
前記画像生成手段は、前記継続制御データに従って、前記所定時間を経過する毎に前記画像情報記憶手段から次の新たな予告演出画像データを読み出して新たな予告演出画像を生成する継続予告演出画像生成手段(図5の継続予告演出画像生成手段、図19のSG02〜SG05とCPU198とVDP195)を含むことを特徴とする。
【0010】
上述の構成によれば、所定時間が経過する毎に、予告保留表示態様が変化するため、変化性のあるバラエティーに富んだ予告保留表示態様により予告演出を行なうことができる。
【0011】
(3)始動入賞領域(始動入賞口14)へ遊技球が入賞した後予め定められた変動開始条件の成立(変動開始信号を含むコマンドデータの受信)により各々が識別可能な複数種類の識別情報(たとえば、数字図柄「1」〜「9」、および、英字図柄「A」〜「C」等)の変動表示を行なう変動表示装置(変動表示装置9)と、遊技球が前記始動入賞領域へ入賞したときに前記変動表示装置の表示結果をその導出表示以前に決定する事前決定手段(事前決定手段190、SA03〜SA05)と、遊技機の遊技状態を制御するとともに、前記変動表示装置を制御するための制御情報を出力する遊技制御ステップ(S01〜S15)を実行する遊技制御手段(遊技制御基板31,遊技制御手段191)と、該遊技制御手段から出力されてきた制御情報(コマンドデータ)に基づいて、前記変動表示装置を表示制御する表示制御ステップ(SD01〜SD09)を実行する表示制御手段(表示制御基板80,表示制御手段164)とを備え、前記事前決定手段が表示結果を特定表示結果(たとえば、「777」等のゾロ目)とすることを決定したときに前記変動表示装置に前記特定表示結果を表示した後に遊技者に有利な特定遊技状態(たとえば、大当り)を発生させる遊技機(パチンコ遊技機1、コイン遊技機、スロットマシン等)の制御方法であって、
前記始動入賞領域へ入賞した始動入賞球を検出する始動入賞球検出ステップ(SB01)と、
前記変動表示装置の表示結果を前記特定表示結果とするか否かの決定に用いる数値データを更新する数値データ更新ステップ(S05)とを備え、
前記遊技制御ステップは、
前記始動入賞球検出ステップにより前記始動入賞球が検出されたときに、前記数値データ更新ステップにより更新されている数値データを抽出する数値データ抽出ステップ(SB04)と、
該数値データ抽出ステップにより抽出された数値データを用いて、前記始動入賞球検出ステップで前記始動入賞球が検出されたときに該始動入賞球の検出に起因する変動表示の表示結果を前記特定表示結果とするか否かを判定する始動入賞時判定ステップ(SC01,SC05,SC06)と、
前記始動入賞球検出ステップにより検出された始動入賞球数のうち未だ前記開始条件が成立せず前記変動表示装置の変動表示に用いられていない始動入賞球の球数を保留記憶する保留記憶ステップ(SB06)と、
前記始動入賞時判定ステップの判定結果を特定可能な始動入賞時判定結果特定情報(始動入賞時判定結果特定情報183、SC03、SC04、SC08、SC09により設定された各コマンド)と、前記保留記憶ステップにより保留記憶されている始動入賞球数を特定するための保留数表示特定情報(保留数表示特定情報182、保留記憶数コマンド)とを、前記表示制御手段に送信する特定情報送信ステップ(S14)とを含み、
前記表示制御ステップは、
前記特定情報送信ステップで送信された前記始動入賞時判定結果特定情報および前記保留数表示特定情報を受信する特定情報受信ステップ(SE01、SE02)と、
該特定情報受信ステップで受信した前記始動入賞時判定結果特定情報に基づいて前記変動表示装置の表示結果が前記特定表示結果となる旨の予告を実行するか否かの決定を行なう予告決定ステップ(SH08〜SH13)と、
前記特定情報受信ステップで受信された前記保留数表示特定情報にもとづいて前記保留記憶ステップによって記憶されている始動入賞球数を特定可能な保留表示の制御を行なう保留表示制御ステップ(SE09〜SE17)と、
前記予告決定ステップにより予告を実行する旨の判定がなされたときに、前記保留表示制御ステップにより表示される保留表示の保留表示態様を複数種類(4種類)の予告保留表示態様(「?」,「リ」,「S」,「当」)から選択する予告保留表示態様選択ステップ(SI10〜SI17)とを含み、
前記遊技機は、
前記表示制御手段に備えられ、前記複数種類の予告保留表示態様を前記変動表示装置に表示させる予告演出画像を生成するための複数種類の予告演出画像データ(「?」,「リ」,「S」,「当」に対応する16×16ドットの画像データ)を含む各種画像データ(16×16ドットの画像データ)を記憶している画像情報記憶手段(画像情報記憶手段179、キャラクタROM179)と、
前記表示制御手段に備えられ、前記変動表示装置に各種画像を表示させるためのタイミングを特定するタイミングデータ(図5のタイミングデータ、図23の各プロセスタイマ1、2、…のタイマデータ)と、前記始動入賞時判定結果特定情報の受信から所定時間経過後に前記変動表示装置に前記予告演出画像を表示させるための制御データ(図19の昇格フラグのデータや図23の予告フラッグ,態様フラグのデータ)とを記憶している制御データ記憶手段(制御データ記憶手段178、RAM178)とを備え、
前記表示制御ステップは、さらに、
前記制御データ記憶手段に記憶されている前記タイミングデータに基づいて計時し、前記変動表示装置に前記各種画像を表示させるための契機となるトリガ信号を出力する計時ステップ(図15(b)の2msec毎に割込み処理がなされるタイマ割込み処理のプログラムステップ、プロセスタイマの計時ステップ)と、
前記制御データ記憶手段に記憶されている前記タイミングデータと前記画像情報記憶手段に記憶されている前記各種画像データとに基づいて、前記変動表示装置に表示する画像を生成する画像生成ステップ(SL01〜SL07、図24のアトリビュートテーブル174とキャラクタROM193とVRAM192とパレットテーブル173とを用いての画像生成ステップ)とを含み、
前記画像生成ステップは、前記予告決定ステップにより予告を実行する旨の決定がなされたことを条件として、前記変動表示装置で前記制御データ記憶手段に記憶されている前記制御データに基づく前記予告演出画像の表示を行なうために、前記予告保留表示態様選択ステップにより選択された予告保留表示態様に対応する前記予告演出画像データを前記計時ステップからの前記トリガ信号に従って前記画像情報記憶手段から読み出して、予告演出画像を生成する予告演出画像生成ステップ(SL01〜SL07、図24のアトリビュートテーブル174のテーブルデータに基づいてキャラクタROM193に記憶されている「?」,「リ」,「S」,「当」に対応する16×16ドットの画像データを読出してVRAM192上の指定されてスプライト領域にマッピングしパレットテーブル173の指定されたRGBデータを用いて着色して予告演出画像を生成するステップ)を含むことを特徴とする、遊技機の制御方法。
【0012】
上述の構成によれば、遊技制御手段により始動入賞時に事前判定を行ない、表示制御手段により予告決定や予告保留表示態様選択を行なうことができるため、予告を行なうための処理を遊技制御手段と表示制御手段とに分担することができ、それぞれの制御負担を軽減させることができる。また、予告保留表示態様選択ステップにより複数種類の予告保留表示態様から選択された予告保留表示態様が表示されるために、バラエティーに富んだ予告演出が可能となり、予告演出に遊技者の関心を集めて興味を持たせることができる。さらに、表示制御手段側において、予告決定ステップにより予告を実行する旨の決定がなされたことを条件として、変動表示装置で制御データ記憶手段に記憶されている制御データに基づく予告演出画像の表示を行なうために、計時手段からのトリガ信号に従って画像情報記憶手段から予告演出画像データが読み出されて、予告演出画像が生成されることにより、画像表示処理を高速化することができる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の実施の形態を図面にもとづいて説明する。なお、以下の実施の形態においては、遊技機の一例としてパチンコ遊技機を示すが、所定の始動入賞領域へ遊技球が入賞した後予め定められた変動開始条件の成立により各々が識別可能な複数種類の識別情報の変動表示を行なう変動表示装置と、遊技球が前記始動入賞領域へ入賞したときに前記変動表示装置の表示結果をその導出表示以前に決定する事前決定手段とを備え、該事前決定手段が表示結果を特定表示結果とすることを決定したときに前記変動表示装置に前記特定表示結果を表示した後に遊技者に有利な特定遊技状態を発生させる遊技機およびその制御方法であればどのようなものにおいても適用することが可能である。
【0014】
図1は、本発明に係る遊技機の一例のパチンコ遊技機1およびこれに対応して設置されたカードユニット50の正面図である。
【0015】
パチンコ遊技機1は、額縁状に形成されたガラス扉枠2の下部表面には、打球供給皿3がある。打球供給皿3の下部には、打球供給皿3から溢れた景品玉を貯留する余剰玉受皿4と打球を発射する打球操作ハンドル(操作ノブ)5とが設けられている。ガラス扉枠2の後方に取付けられた遊技盤6の前面には遊技領域7が設けられている。これについては、図2を用いて後述する。また、遊技領域7の外側の左右上部には、効果音を発する2つのスピーカ27が設けられている。遊技領域7の外周には、遊技効果LED28aおよび遊技効果LED28b,28cが設けられている。そして、この例では、ガラス扉枠2の左側中央部に、景品球払出時に点灯する賞球ランプ51が設けられ、ガラス扉枠2の中央上部、補給玉が切れたときに点灯する玉切れランプ52が設けられている。
【0016】
さらに、図1には、パチンコ遊技機1に隣接して設置され、プリペイドカードが挿入されることにより玉貸を可能にするカードユニット50も示されている。遊技者がカード残高の記録されたプリペイドカードをカード挿入口155に挿入し、所定の貸玉操作を行なうことにより、所定の貸出単位額分の打玉がパチンコ遊技機1の打球供給皿3に貸出される。
【0017】
図2は、パチンコ遊技機1の遊技盤6の前面に設けられている遊技領域7を説明するための図である。
【0018】
遊技領域7の中央付近には、特別図柄表示部(変動表示装置)9と遊技演出にあわせて作動する役物77を有する可変表示装置8が設けられている。また、可変表示装置8の下方中央部には始動入賞口14を構成する始動用電動役物15が、その両側には通過ゲート11がそれぞれ設けられている。さらに、始動入賞口14の下方には可変入賞球装置19が取付けられている。
【0019】
可変表示装置8の特別図柄表示部9では、「左図柄」、「中図柄」、「右図柄」の3つの特別図柄が上から下へスクロールされることによって可変表示される。このパチンコ遊技機1では、特別図柄として、左中右図柄共通で数字図柄「1」〜「9」、および、英字図柄「A」〜「C」の計12図柄が表示される。特別図柄は、打玉が始動入賞口14へ始動入賞することにもとづいて可変開始される。その他、特別図柄表示部9には、遊技の演出効果を高めるための様々なキャラクタが表示される。なお、特別図柄は各々が識別可能な複数種類の識別情報であればどのような表示であってもよい。
【0020】
可変表示装置8の下部の通過ゲート11に進入した打玉は、ゲートスイッチ12により検出された後、アウト口26の方に導かれる。ゲートスイッチ12で打玉が検出されると、特別図柄表示部9内上部左側に停止表示されている普通図柄が可変開始する。そして、その表示結果が予め定められた特定表示結果(たとえば「7」)となった場合には、ソレノイド16が励磁されることによって始動入賞口14を構成している始動用電動役物15が所定時間開成し、打玉を始動入賞口14に入賞させやすい状態となる。特別図柄表示部9の可変表示中に打玉が通過ゲート11を通過した場合には、その通過が保留記憶に記憶され、特別図柄表示部9の可変表示が終了して再度変動を開始可能な状態になってからその保留記憶にもとづいて特別図柄表示部9が可変開始する。この通過記憶の上限はたとえば「4」に定められており、現時点での通過記憶数は特別図柄表示部9内上部右側に表示される通過記憶表示により表示される。通過記憶表示は、通過が記憶される毎に、その点灯表示を1つ追加して点灯する。そして、特別図柄表示部9において普通図柄の可変表示が開始される毎に、点灯表示を1つ消灯させる。
【0021】
始動入賞口14に入った始動入賞玉は、始動口スイッチ(始動入賞球検出手段)17によって検出される。始動口スイッチ17で打玉が検出されると、可変表示装置8の特別図柄が可変開始する。たとえば、特別図柄の可変表示中に打玉が始動口スイッチ17で検出された場合には、その始動入賞がバッファに記憶され、特別図柄の変動が終了して再度、変動を開始可能な状態になってからその始動入賞記憶にもとづいて特別図柄の可変表示を開始する。この始動入賞記憶の上限はたとえば「4」に定められており、現時点での保留記憶数は特別図柄表示部9内に表示される保留記憶表示により表示される。保留記憶表示は、始動入賞がバッファに記憶される毎に、その点灯表示を1つ追加して点灯する。そして、特別図柄表示部9において特別図柄の可変表示が開始される毎に、点灯表示を1つ消灯させる。なお、本実施形態においては、打玉の始動入賞により可変表示が開始される前に大当り判定等がなされ、かかる判定結果にもとづき、保留記憶表示の表示態様を変化させ保留予告を行なっている。また、通過記憶表示においても同様に、打玉の通過ゲートを通過したことにより判定を行ない、その判定結果にもとづき表示態様を変化させ保留予告を行なうことができる。
【0022】
次に、可変表示装置8における左中右の各特別図柄のスクロールは、たとえば、左図柄、中図柄、右図柄の順で終了して最終的な表示結果が導出表示される。その結果、同一種類の図柄のゾロ目(たとえば、111、222等)が停止表示されると大当りとなる。大当りが発生すれば、ソレノイド21の励磁により開閉板20が傾動して可変入賞球装置19の大入賞口が開口する。これにより、可変入賞球装置19が遊技者にとって有利な第1の状態となる。この第1の状態は、所定期間(たとえば30秒間)の経過または打玉の所定個数(たとえば10個)の入賞のうちいずれか早い方の条件が成立することにより終了し、遊技者にとって不利な第2の状態となる。大入賞口には、特定領域(Vポケット)に入った入賞玉を検出するVカウントスイッチ22と、特定領域以外の通常領域へ入賞した入賞玉を検出するカウントスイッチ23とが設けられている。第1の状態となっている可変入賞球装置19内に進入した打玉が特定領域(Vポケット)に入賞してVカウントスイッチ22により検出されれば、その回の第1の状態が終了するのを待って再度開閉板20が開成されて第1の状態となる。この第1の状態の繰返し継続制御は最大15回まで実行可能であり、繰返し継続制御が実行されている遊技状態を特定遊技状態(大当り状態)という。かかる特定遊技状態とは、ランダムカウンタから抽出した乱数値を用いて判定処理(たとえば、所定値と一致するか否か等)を行ない、かかる判定処理の結果、予め定められた所定の判定結果(たとえば、所定値と一致する結果)であれば可変表示装置に大当り図柄(たとえば、「777」等のゾロ目)を導出表示し、その後移行される遊技状態のことをいう。なお、繰返し継続制御において、可変入賞球装置19が第1の状態にされている状態がラウンドと呼ばれる。繰返し継続制御の実行上限回数が16回の場合には、第1ラウンドから第16ラウンドまでの16ラウンド分、可変入賞球装置19が第1の状態にされ得る。
【0023】
可変表示装置8に表示された大当りの結果が予め定められた確変図柄のゾロ目により構成されるものである場合には、通常遊技状態に比べて大当りが発生する確率が向上された確率変動状態となる。以下、確変図柄による大当りを確変大当りという。また、確変図柄以外の大当り図柄を非確変図柄といい、非確変図柄のゾロ目による大当りを非確変大当りという。
【0024】
また、遊技盤6には、複数の入賞口24が設けられている。また、遊技領域7の左右周辺には、遊技中に点灯表示される装飾ランプ25が設けられ、下部には、入賞しなかった打玉を回収するアウト口26がある。
【0025】
次に、パチンコ遊技機1の背面の構造について説明する。図3はパチンコ遊技機1の内部構造を示す全体背面図である。
【0026】
パチンコ遊技機1の裏側には、前面枠2bが設けられており、さらに向かって手前に機構板36が備えられている。前面枠2bには、特別図柄表示部9の表示制御を行なう表示制御基板80、基板ケース32に覆われ遊技制御用マイクロコンピュータ等が搭載された遊技制御基板31、およびパチンコ玉の払出制御を行なう払出制御用マイクロコンピュータ等が搭載された払出制御基板37が設置されている。さらに、モータの回転力を利用して打玉を遊技領域7に発射する打球発射装置34と、スピーカー27および遊技効果LED・ランプ28a,28b,28cに信号を送るためのランプ制御基板35が設けられている。一方、機構板36の上部には玉タンク38が設けられ、パチンコ遊技機1が遊技機設置島に設置された状態でその上方からパチンコ玉が玉タンク38に供給される。玉タンク38内のパチンコ玉は、誘導樋39を通って球払出装置に供給される。
【0027】
図4は、遊技制御基板31と表示制御基板80とにおける回路構成の一例を示すブロック図である。図4には、制御基板として、遊技制御基板(主基板ともいう)31と、表示制御基板80とが示されている。
【0028】
遊技制御基板31には、遊技制御プログラムに従ってパチンコ遊技機1を制御する遊技制御用マイクロコンピュータ160が設けられている。この遊技制御用マイクロコンピュータは、遊技制御用のプログラム等を記録するROM(Read Only Memory)54、ワークメモリとして使用されるRAM(Random Access Memory)55、制御用のプログラムに従って制御動作を行なうCPU56、出力ポート57Aを含む。遊技制御用マイクロコンピュータ160は、定期的(たとえば2msec毎)にROM54に記憶されている遊技制御プログラムを先頭から繰返し実行する。そして、各種検出スイッチからの信号が遊技制御用マイクロコンピュータ160に入力され、始動用電動役物15の可動片を動作させるソレノイドや可変入賞球装置19の開閉板20を開閉するソレノイドおよび役物キャラクタ77を作動させるソレノイドとを駆動制御する。
【0029】
また、遊技制御用マイクロコンピュータ160の出力ポート57Aから各種コマが表示制御基板80に設けられた演出制御用マイクロコンピュータ100の入力ポート57Bに伝送される。このコマンドデータは、可変表示装置8の表示,遊技効果LED28等のランプ点灯,スピーカ27から発生される遊技音等の演出の制御に関する指令情報として用いられる表示制御コマンドデータと、図14を用いて後述する乱数判定処理において送信設定される外れコマンドデータ、リーチコマンドデータ等の判定結果コマンドとが送信される。演出制御用マイクロコンピュータ199では、伝送されてきた表示制御コマンドデータに応じて特別図柄表示部9の表示制御を行なう。なお、演出制御用マイクロコンピュータ199は、前述した遊技制御用マイクロコンピュータ160と同様の構成を有する。すなわち、制御用プログラム等が記録された制御ROM197と、ワークメモリとして機能するRAM196と、制御中枢としてのCPU198と、入力ポート57Bとを備えている。
【0030】
表示制御基板80には、さらに、VDP(Video Display Processor)195、キャラクタROM193、VRAM192、表示装置駆動回路194等が設けられている。VDP195は、画像生成のために必要となるアドレス信号・データ信号・制御信号等を要求するためのINT1信号を定期的に発信している。このVDP195に備えられている、アトリビュートテーブル、パレットテーブルについては、図24に基づいて詳述する。またスプライト演算部とは、アトリビュートテーブルの記憶情報に従いキャラクタROM193に記憶されているデータを読出してVRAM192に書込む処理を行なうものである。CPU198からの画像表示制御信号がVDP195に入力され、VDP195は、その入力信号に従って、キャラクタROM193に記憶されているデータを読出してVRAM192に表示用のデータをマッピングし、パレットテーブルの記憶データに従ってVRAM192にマッピングされた表示用の画像データに色付けを行ない、そのデータを表示装置駆動回路194に出力し、表示装置駆動回路194がそのデータに従って変動表示装置9に画像を表示させる。
【0031】
図5は、遊技制御基板31と表示制御基板80との機能を説明するための機能ブロック図である。遊技制御基板31により、遊技機の遊技状態を制御するとともに、変動表示装置9を制御するための制御情報を出力する遊技制御手段191が構成されている。この遊技制御用手段191は、変動表示装置9の表示結果をその導出表示以前に決定する事前決定手段190が備えられている。この事前決定手段190は、0からカウントしてその上限である299までカウントアップした後再度0からカウントアップする動作を繰返す数値データ更新手段が設けられており、始動入賞球検出手段17が始動入賞球を検出したその検出信号が事前決定手段190に入力された瞬間、数値データ抽出手段186が数値データ更新手段の数値データを抽出する。その抽出された数値データが始動入賞時判定手段185に与えられ、その始動入賞時判定手段185は、前記抽出された数値データを用いて、始動入賞球検出手段17が始動入賞球を検出したときに該始動入賞球の検出に起因する可変表示の表示結果を特定表示結果(大当りとなるゾロ目の組合せ)とするか否かを判定する。その判定結果が、特定情報送信手段57aに与えられ、その判定結果である始動入賞時判定結果特定情報が、表示制御基板80の特定情報受信手段(入力ポート57B)へ送信される。
【0032】
さらに、遊技制御手段191には、保留記憶手段184が備えられている。この保留記憶手段184は、始動入賞球検出手段17により検出された始動入賞球のうち未だ変動開始条件が成立せず変動表示装置9の変動表示に用いられていない始動入賞球数を保留記憶するものである。すなわち、変動開始待ちの始動入賞球数がこの保留記憶手段184に記憶される。この保留記憶手段184に記憶された保留記憶数を特定するデータ(保留数表示特定情報)182が特定情報送信手段(出力ポート)57Aに与えられ、その特定情報送信手段(出力ポート)57Aから表示制御基板80の特定情報受信手段(入力ポート)57Bに送信される。
【0033】
事前判定手段190は、前述した数値データ抽出手段186が抽出した数値データに従って大当りにするか否かを事前決定するばかりでなく、大当りと事前決定された場合の大当り図柄の種類を事前に決定し、外れと事前決定された場合の外れ図柄の種類を事前に決定し、さらにリーチにするか否かの事前判定を行なうとともにたとえば通常リーチ,スーパーリーチ等の変動パターンを事前に決定し、それらを特定するコマンドデータが特定情報送信手段(出力ポート)57Aから表示制御基板80の特定情報受信手段(入力ポート)57Bへ送信される。
【0034】
遊技制御手段191は、さらに、前述したように大当りとなったときの可変入賞球装置19の開閉板20を開閉するソレノイドを励磁制御して特定遊技状態制御を行なう機能を有するとともに、前述した事前決定された大当り図柄,外れ図柄,変動パターン等の変動情報と変動開始を指令する変動開始信号(コマンドデータ)を表示制御基板80へ出力するための変動情報出力手段187が備えられている。この変動情報出力手段187は、前述した変動情報と変動開始信号とからなるコマンドデータを変動表示装置9の変動開始時にのみ、特定情報送信手段(出力ポート)57Aから表示制御基板80の特定情報受信手段(入力ポート)57Bへ送信する。
【0035】
遊技制御手段191には、遊技状態の制御に関する制御時間を管理するための遊技制御時間計時手段189が備えられており、この遊技制御時間計時手段が所定時間を計時したときに前述した始動入賞時判定結果特定情報183や保留数表示特定情報182や変動情報等の各種コマンドが表示制御基板80へ送信される。
【0036】
具体的には、始動入賞球検出手段17の検出信号に基づいて保留記憶手段184の保留記憶数が増加したときには、その始動入賞の検出があったタイミングで、増加した保留数表示特定情報182と始動入賞時判定結果特定情報183とが表示制御基板80側へ送信される。一方、遊技制御時間計時手段189の働きにより変動表示装置9の変動開始タイミングが計時されたときに、前述した各種変動情報が表示制御基板80側へ送信される。
【0037】
表示制御基板80により、前記遊技制御手段から出力されてきた制御情報に基づいて、前記変動表示装置を表示制御する表示制御手段164が構成されている。この表示制御手段164には、前述したキャラクタROM179で構成された画像情報記憶手段、VRAM192、RAM178、VDP195、特定情報受信手段(入力ポート)57B、CPU198が備えられている。前述した制御ROM197に記憶されている制御プログラムによって動作するCPU198とVDP195は、保留表示制御手段180、予告決定手段177、予告保留表示態様選択手段181、計時手段175としての機能を備えている。特定情報受信手段(入力ポート)57Bが受信した始動入賞時判定結果特定情報183により特定される始動入賞時判定手段の判定結果に基づいて予告決定手段が、変動表示装置9の表示結果が特定表示結果となる旨の予告を実行するか否かの予告実行決定が行なわれる。この予告実行決定は、予告決定手段177に備えられている大当り予告決定手段によりなされる。一方、予告決定手段177は、リーチ予告決定手段も備えており、リーチ予告を行なうか否かの予告実行決定も行なう。それら予告実行決定結果が、画像生成手段176に与えられる。
【0038】
特定情報受信手段(入力ポート)57Bに入力された保留数表示特定情報182に基づいて保留表示制御手段180は、保留記憶手段184に記憶されている始動入賞球数を特定可能な保留表示を変動表示装置9により表示させるための制御を行なう。予告決定手段177により予告を実行する旨の判定がなされたときに、予告保留表示態様選択手段181により、保留表示制御手段180により表示される保留表示の保留表示態様を複数種類の予告保留表示態様から選択する。この予告表示態様は、図11、図12に基づいて説明するように、「?」、「リ」、「S」、「当」の4種類定められており、予告保留表示態様選択手段181によりそのうちのいずれかが選択され、その選択結果がVDP195に与えられる。
【0039】
表示制御手段164には、キャラクタROM179から構成された画像情報記憶手段が備えられており、この画像情報記憶手段179に、前述した複数種類の予告保留表示態様を変動表示装置9に表示させる予告演出画像を生成するための複数種類の予告演出画像データを含む各種画像データが記憶されている。
【0040】
RAM178には、変動表示装置9に各種画像を表示させるためのタイミングを特定するタイミングデータと、始動入賞時判定結果特定情報183の受信から所定時間経過後に変動表示装置9に予告演出画像を表示させるための制御データとが記憶されている。この制御データは、予告演出画像データの生成後に所定時間を経過する毎に画像情報記憶手段179に記憶されている次の新たな予告演出画像データに基づいた予告演出画像を表示させるための継続制御データを含んでいる。これらタイミングデータと制御データとは、それぞれ、具体的には、図23に示す各種プロセスタイマの計時データと、予告フラグ,態様フラグ,図19示す昇格フラグの各フラグデータである。
【0041】
このタイミングデータに従って計時手段175が計時して、変動表示装置9に各種画像を表示させるための契機となるトリガ信号をVDP195へ出力する。VDP195は、予告保留表示態様選択手段181により選択された予告保留表示態様に対応する予告演出画像データを計時手段175からのトリガ信号に従って画像情報記憶手段179から読出して、予告演出画像を生成する予告演出画像生成手段を備えている。具体的には、予告演出画像生成手段により、画像情報記憶手段179から読出された予告演出画像データがVRAM192にマッピングされ、そのマッピングされた画像データがVDP195により読出されて変動表示装置9に表示される。一方、画像生成手段176は、さらに、前述した継続制御データに従って、所定時間(変動表示装置9の変動開始から次回の変動開始までの時間)を経過する毎に画像情報記憶手段179から次の新たな予告演出画像データを読出して新たな予告演出画像を生成する継続予告演出画像生成手段を備えている。具体的には、継続予告演出画像生成手段により画像情報記憶手段179から読出された新たな予告演出画像がVRAM192にマッピングされ、そのマッピングされた画像データがVDP195により読出されて変動表示装置9に表示される。なお、画像生成手段としてのVDP195の制御動作に関しては、後に図24に基づいて詳述する。
【0042】
図6(a)は、遊技制御基板31側の遊技制御用マイクロコンピュータ160が遊技制御に用いる各種ランダムカウンタを説明するための図である。図6(a)には、ランダムカウンタR1、ランダムカウンタR2、ランダムカウンタR3、ランダムカウンタR4(4−1,4−2,4−3)、ランダムカウンタR5の5種類のランダムカウンタが示されている。
【0043】
ランダムカウンタR1は、始動記憶がある場合にその始動記憶にもとづく特別図柄の可変表示の結果を大当りとするか否かを始動入賞時に決定するために用いられる大当り決定用ランダムカウンタである。このランダムカウンタR1は、タイマ割込毎(具体的には2msec)に1ずつ加算され、0から加算更新されてその上限である299まで加算更新された後再度0から加算更新される。
【0044】
ランダムカウンタR2は、ランダムカウンタR1で大当りと決定された場合の停止図柄(左,中,右が同一の停止図柄)を始動入賞時に決定するために用いられるランダムカウンタである。また、ランダムカウンタR2での抽出値が奇数であるか偶数であるかにより、前述した確率変動状態へ移行されるか否かが決定される。
【0045】
ランダムカウンタR3は、ランダムカウンタR1で大当りと決定されなかった場合の図柄変動演出がリーチ(たとえば、左図柄と中図柄が同一の図柄)となり得るか否かを始動入賞時に決定するために用いられるランダムカウンタである。したがって、ランダムカウンタR3の抽出値が所定の値であった場合(たとえば、「11」等)には、その始動記憶に対応する停止図柄,図柄変動演出で必ずリーチ状態が発生する。なお、リーチとは、複数の表示領域における一部の表示領域において表示結果がまだ導出表示されていない段階で、既に導出表示されている表示領域の表示結果が特定表示結果の組み合わせとなる条件を満たしている表示状態や、複数の表示領域のすべてで特定表示結果の組み合わせを保持した状態で可変表示を行なっている表示状態をいう。
【0046】
ランダムカウンタR4(4−1,4−2,4−3)は、ランダムカウンタR1の抽出値にもとづいて特別図柄の可変表示の結果をはずれとすることが決定された場合に、はずれ図柄の種類を決定するために用いられる停止図柄決定用ランダムカウンタである。ただし、ランダムカウンタR3の抽出値が所定の値であった場合は、中図柄が左図柄と同一の図柄に変更され、強制的にリーチ状態に突入することとなる。
【0047】
ランダムカウンタR4−1は左図柄決定用であり、0から加算されてその上限である11まで加算されると再度0から加算される。ランダムカウンタR4−2は、中図柄決定用のランダムカウンタであり、0から加算されてその上限である11まで加算されると再度0から加算される。ランダムカウンタR4−2は、ランダムカウンタR4−1の桁上げ毎に1ずつ加算される。ランダムカウンタR4−3は、右図柄決定用のランダムカウンタであり、0から加算されてその上限である11まで加算された後再度0から加算される。ランダムカウンタR4−3は、ランダムカウンタR4−2の桁上げ毎に1ずつ加算される。
【0048】
ランダムカウンタR5は、特別図柄表示部9による表示変動態様の種類を決定するためのランダムカウンタであり、0から加算更新されてその上限である249まで加算更新された後再度0から加算更新される。このランダムカウンタR5は、タイマ割込毎すなわち2msec毎、および、割込処理余り時間毎に1ずつ加算される。
【0049】
なお、図示を省略したが、特別図柄表示部9の表示画面中で表示される普通図柄の表示結果もランダムカウンタにより決定される。そのランダムカウンタは、たとえば、2msec毎に1ずつ加算されるものであり、0からカウントアップして上限である10までカウントアップした後再度0からカウントアップし直す。このランダムカウンタのカウント値は、普通図柄の表示結果にもとづいて発生する普通当りを発生させるか否かをランダムに決定するためのものである。ゲートスイッチ12によりゲート通過検出がされると、それに応じてランダムカウンタのカウント値が抽出される。そして、ゲート通過検出がされた場合は、その抽出されたランダムカウンタの値が、普通当り判定値(たとえば「2」)と一致するか否かの判断がなされ、一致した場合に普通当りを発生させる制御が行なわれる。普通当りが決定された場合には、それに応じて普通当りに該当する停止図柄が決定され、はずれが決定された場合には、その他のランダムカウンタを用いて普通図柄の停止表示結果が決定される。
【0050】
図6(b)は、表示制御基板80が行なう保留予告の選択に用いられる表示制御用乱数を生成するためのランダムカウンタを説明するための図である。表示制御用乱数としては、予告を行なうか否かの判定に用いる予告判定用ランダムカウンタR6と、予告を行なうときの保留予告の表示態様を決定するための保留予告決定用ランダムカウンタR7と、保留予告が実行されているときに大当りとなる可能性・信頼度の高い表示態様に昇格させるか否か等の判定を行なうために用いる昇格判定用ランダムカウンタR8とが設けられている。
【0051】
予告判定用ランダムカウンタR6と昇格判定用ランダムカウンタR8のカウント範囲は0〜9であり、保留予告決定用ランダムカウンタR7のカウント範囲は0〜99である。
【0052】
上記した乱数を発生させている乱数発生手段により、カウント範囲内を順次数値が更新される。そして、乱数発生手段で発生された乱数を抽出する抽出手段によってカウント中の数値が抽出され、その抽出された数値が判定対象となる数値のいかなる範囲に属するかによって判定または決定される。
【0053】
図7は、表示制御基板80に送出される表示制御コマンドの内容の一例を示す説明図である。図7に示す例においては、始動入賞時に送出される表示制御コマンドのみ説明するが、その他特別図柄を可変表示する特別図柄表示部9における特別図柄の変動パターンを指定する表示制御コマンド等もあるがここではその説明を省略する。
【0054】
コマンドC3XX(H)は、始動入賞が生じたときに送信される判定結果コマンドである。C300(H)ははずれ入賞指定の表示制御コマンド(はずれコマンド)であり、C301(H)はリーチ入賞指定の表示制御コマンド(リーチコマンド)であり、C302(H)は非特定大当り入賞指定の表示制御コマンド(非確変大当りコマンド)であり、C303(H)は特定大当り入賞指定の表示制御コマンド(確変大当りコマンド)である。表示制御基板80は、遊技制御基板31から上述した表示制御コマンドを受信すると図7に示された内容に応じて、保留予告に関する決定または判定等を行なう。
【0055】
図8は、予告判定用テーブルを説明するための図である。予告判定用テーブルは、打玉が始動入賞口14に入賞したときに大当りとなるか否か等について実行条件成立時判定(以下、事前判定という)され送信される判定結果コマンドそれぞれに対応して設定されている。たとえば、遊技制御基板31から送信されてきた判定結果コマンドが「はずれコマンド」であった場合は、図8のRS1テーブルを参照し、あらかじめ設定されている振分率にしたがい、予告判定用ランダムカウンタR6から抽出した乱数が「0〜8」のときは予告フラグオフ、「9」のときは予告フラグがオンされる。また、遊技制御基板31から送信されてきた判定結果コマンドが「リーチコマンド」であった場合は、図8のRS2テーブルを参照し、あらかじめ設定されている振分率にしたがい、予告判定用ランダムカウンタR6から抽出した乱数が「0〜6」のときは予告フラグオフ、「7〜9」のときは予告フラグがオンされる。
【0056】
さらに、遊技制御基板31から送信されてきた判定結果コマンドが「非確変大当りコマンド」,「確変大当りコマンド」であった場合も同様に、図8のRS3テーブルまたはRS4テーブルを参照し、予告判定用ランダムカウンタR6から抽出した乱数があらかじめ設定されている振分率にしたがいいずれに属するかにより、予告フラグをオフまたはオンされる。
【0057】
以上、予告判定用テーブルについて説明したが、かかるテーブルの振分率により、予告演出が実行されたときに大当りとなる信頼度を調整することができる。すなわち、非確変大当りコマンドと確変大当りコマンドが送信されてきた大当りとなるときに用いられるRS3またはRS4の予告フラグオンとなる割合を高くし、はずれコマンドとリーチコマンドが送信されてきたはずれとなるときに用いられるRS1またはRS2の予告フラグオンとなる割合を低くすることにより、予告演出が実行されたときに大当りとなる割合を高く・信頼度を高く調整することができる。よって、本実施形態においては、前述した振分率に限らず、どのような振分率であってもよい。
【0058】
図9は、保留予告決定用テーブルを説明するための図である。保留予告決定用テーブルは、予告判定用テーブルを参照しての判定により予告フラグがオンされたときに、いかなる表示態様で保留予告を実行するか否かを決定するために用いられ、判定結果コマンドそれぞれに対応して振分率が設定されている。たとえば、遊技制御基板31から送信されてきた判定結果コマンドが「はずれコマンド」であった場合は、図9のRS5テーブルを参照し、あらかじめ設定されている振分率にしたがい、保留予告決定用ランダムカウンタR7から抽出した乱数が「0〜94」のときは態様フラグとして「0」がオンされ、「95〜99」のときは態様フラグとして「1」がオンされる。また、遊技制御基板31から送信されてきた判定結果コマンドが「リーチコマンド」であった場合は、図9のRS6テーブルを参照し、あらかじめ設定されている振分率にしたがい、保留予告決定用ランダムカウンタR7から抽出した乱数が「0〜69」のときは態様フラグとして「0」がオンされ、「70〜94」のときは態様フラグとして「1」がオンされ、「95〜99」のときは態様フラグとして「2」がオンされる。
【0059】
さらに、遊技制御基板31から送信されてきた判定結果コマンドが「非確変大当りコマンド」,「確変大当りコマンド」であった場合も同様に、図9のRS7テーブルまたはRS8テーブルを参照し、保留予告決定用ランダムカウンタR7から抽出した乱数があらかじめ設定されている振分率にしたがいいずれに属する態様フラグがオンされる。
【0060】
以上、保留予告決定用テーブルについて説明したが、かかるテーブルの振分率により、保留予告が実行されたときの表示態様によって大当りとなる可能性・信頼度を調整することができる。すなわち、本実施形態においてたとえば、態様フラグとして「2」がオンされる割合を、非確変大当りコマンドと確変大当りコマンドが送信されてきた大当りとなるときに用いられるRS7とRS8においては極めて高く、逆に、はずれコマンドとリーチコマンドが送信されてきたはずれとなるときに用いられるRS5とRS6においては極めて低くなるように設定されている。また、態様フラグとして「0」がオンされる割合を、非確変大当りコマンドと確変大当りコマンドが送信されてきた大当りとなるときに用いられるRS7とRS8においては極めて低くなるように、逆に、はずれコマンドとリーチコマンドが送信されてきたはずれとなるときに用いられるRS5とRS6においては極めて高くなるように設定されている。これにより、態様フラグ「0」に対応する表示態様により保留予告が実行されたときに大当りとなる可能性・信頼度よりも、態様フラグ「2」に対応する表示態様により保留予告が実行されたときに大当りとなる可能性・信頼度の方が高くなるようにすることができる。本実施形態における振分率は、態様フラグ「0」に対応する表示態様により保留予告が実行されたときが大当りとなる可能性・信頼度が最も低くなるように、また、「0」から「1」,「2」になるにしたがい徐々に大当りとなる可能性・信頼度が高くなるように、そして、態様フラグ「3」に対応する表示態様により保留予告が実行されたときが大当りとなる可能性・信頼度が最も高くなるように振分率を設定している。
【0061】
なお、本実施形態においては図8の予告判定用テーブルを用いて予告の判定を行ない、図9の保留予告決定用テーブルを用いて保留予告の表示態様を決定するようにした例を説明したが、これに限らず、ひとつのテーブルに振分率をまとめたものを用いてもよい。すなわち、保留予告の実行に関する表示態様が複数種類定められており、保留予告を実行するか否かを決定するためのデータが記憶されている記憶手段であって、複数種類の表示態様のうちのある表示態様と他の表示態様とでは、大当りとなる旨の判定がなされたときに選択される割合と大当りとはならない旨の判定がなされたときに選択される割合とのうち、少なくとも一方の割合が異なるようにデータが記憶されたテーブルを用いてもよい。
【0062】
図10は、昇格判定用テーブルを説明するための図である。昇格判定用テーブルは、複数の可変表示変動に亘って連続して保留予告が行なわれるときにおいて可変表示変動が開始される毎に、保留予告の表示態様をより大当りとなる可能性・信頼度が高い表示態様に変化させるか否かを判定するために用いられ、判定結果コマンドそれぞれに対応して設定されている。たとえば「はずれコマンド」によって予告フラグが「オン」状態にされた場合は、図10のRS9テーブルを参照し、あらかじめ設定されている振分率にしたがい、昇格判定用ランダムカウンタR8から抽出した乱数が「0〜6」のときは昇格フラグオフ、「7〜9」のときは昇格フラグがオンされる。また、「リーチコマンド」によって予告フラグが「オン」状態にされた場合は、図10のRS10テーブルを参照し、あらかじめ設定されている振分率にしたがい、昇格判定用ランダムカウンタR8から抽出した乱数が「0〜4」のときは昇格フラグオフ、「5〜9」のときは昇格フラグがオンされる。
【0063】
さらに、「非確変大当りコマンド」または「確変大当りコマンド」によって予告フラグが「オン」状態にされた場合も同様に、図10のRS11テーブルまたはRS12テーブルを参照し、昇格判定用ランダムカウンタR8から抽出した乱数があらかじめ設定されている振分率にしたがいいずれに属することになるかにより、昇格フラグがオフまたはオンされる。
【0064】
以上、昇格判定用テーブルについて説明したが、本実施形態における昇格判定用テーブルの振分率は、非確変大当りコマンドと確変大当りコマンドが送信されてきた大当りとなるときに用いられるRS11またはRS12の昇格フラグオンとなる割合を高くし、はずれコマンドとリーチコマンドが送信されてきたはずれとなるときに用いられるRS9またはRS10の昇格フラグがオンとなる割合を低くすることにより、大当りとなるときには実行されている保留予告の表示態様が昇格する可能性が高いため、保留予告の表示態様が昇格したときには大当りとなる可能性が高いことを遊技者に間接的に報知することができ、かつ、長期に亘り遊技者に期待感を抱かせることができるため、遊技の興趣を向上させることができる。
【0065】
図11から図12は、特別図柄表示部9において保留予告が実行されるときの保留記憶表示10の表示態様を説明するための図である。かかる表示態様は、図9を用いて前述した態様フラグ「0」から態様フラグ「3」のそれぞれに対応しており、セットされている態様フラグにより、以下説明する表示態様により保留予告が実行される。なお、前述したように、特別図柄表示部9では、左中右の特別図柄の表示と保留記憶表示10の表示態様が表示される。また、保留記憶表示10a,10b,10c,10dが点灯しているとき(塗りつぶし状態時)は、保留記憶が4つ記憶されていることを報知しており、特別図柄の可変表示が消化される毎に、保留記憶表示10dから順に消灯(白抜き状態時)させる表示処理がなされる。
【0066】
図11は、可変表示毎に保留記憶表示の表示態様を変化させる保留予告を説明するための図である。
【0067】
図11(a)は、左中右図柄の3つの特別図柄が上から下へ可変表示されている最中に、打玉が始動入賞口14に入賞し、予告を行なう判定がなされて、態様フラグ「0」が選択されセットされたときの表示画面を示している。本実施形態においては、可変表示中であっても保留記憶表示の表示態様を予告の表示態様で表示することができる。すなわち、保留記憶表示10dの表示態様を「?」マークの付加された表示態様により表示することにより保留予告を行なうことができる。
【0068】
図11(b)は、予告を行なう判定がなされたときの可変表示が終了し、保留記憶表示10を「1」減算させたときの表示画面を示している。本実施形態においては、保留記憶数が減少するときに、予告のターゲットとなる可変表示の保留記憶表示の表示態様を変化させることができる。すなわち、図11(a)の保留記憶表示10dを保留記憶表示10cの表示位置にスライドさせるときに、「?」マークの付加されていた表示態様を「リ」マークの付加された表示態様に変化させ、保留予告を行なうことができる。これは、昇格させる判定がなされて、態様フラグを「0」から「1」に変更する処理がなされたことによる。
【0069】
図11(c)は、図11(b)の可変表示が終了し、停止図柄が確定した停止表示画面を示している。かかる時点においては、保留記憶数が減少しておらず、保留記憶表示の表示位置のスライドも行なわれていないため、保留記憶10cの表示態様は「リ」マークの付加された表示態様により表示されている。
【0070】
図11(d)は、保留記憶表示10をさらに「1」減算させたときの表示画面を示している。図11(b)および図11(c)の保留記憶表示10cを保留記憶表示10bの表示位置にスライドさせるときに、「リ」マークの付加されていた表示態様を「S」マークの付加された表示態様に変化させ、保留予告を行なっている。これは、昇格させる判定がなされて、態様フラグを「1」から「2」に変更する処理がなされたことによる。
【0071】
図11(e)は、図11(d)の可変表示が終了し、停止図柄が確定した停止表示画面を示している。かかる時点においては、保留記憶数が減少しておらず、保留記憶表示の表示位置のスライドも行なわれていないため、保留記憶10bの表示態様は「S」マークの付加された表示態様により表示されている。
【0072】
図11(f)は、保留記憶表示10をさらに「1」減算させたときの表示画面を示している。図11(d)および図11(e)の保留記憶表示10bを保留記憶表示10aの表示位置にスライドさせるときに、「S」マークの付加されていた表示態様を「当」マークの付加された表示態様に変化させ、保留予告を行なっている。これは、昇格させる判定がなされて、態様フラグを「2」から「3」に変更する処理がなされたことによる。
【0073】
図11(g)は、図11(f)の可変表示が終了し、停止図柄が確定した停止表示画面を示している。かかる時点においては、保留記憶数が減少しておらず、保留記憶表示の表示位置のスライドも行なわれていないため、保留記憶10aの表示態様は「当」マークの付加された表示態様により表示されている。
【0074】
図11(h)は、保留記憶表示10をさらに「1」減算させたときの表示画面を示している。図11(f)および図11(g)の保留記憶表示10aの表示位置にスライドさせたときの可変表示画面を表している。
【0075】
図11(i)は、予告のターゲットとなる可変表示における特別図柄の表示結果が「7」のゾロ目となり、大当りが発生した表示画面を示している。すなわち、図11(f)および図11(g)の保留記憶表示10aでは、態様フラグとして「3」がセットされたことに対応した「当」の表示態様で保留予告が行なわれ、かかる保留予告に対応する可変表示により大当りを発生させている。これは、図9の保留予告決定用テーブルにおいて態様フラグとして「3」がセットされるときは、判定結果コマンドが非確変大当りコマンドまたは確変大当りコマンドのときだけであることによる。
【0076】
以上のように、可変表示毎に昇格させる判定がなされ、態様フラグが大当りとなる期待度・信頼度の比較的低い「0」から、大当りとなる期待度・信頼度が高くなる「1」、「2」へと段階的に変更し、予告のターゲットとなる可変表示が開始される直前には大当りとなる期待度・信頼度が最も高い「3」に変更されている。そして、態様フラグが変更される毎に、態様フラグに対応する表示態様により保留記憶表示を行ない、「?」から「リ」、「S」、「当」に表示態様を変更し保留予告を行なっている。ここで、段階的に変更するとは、たとえば、大当りとなる信頼度が20パーセントの表示態様から、大当りとなる信頼度が40パーセントの表示態様に変更され、さらには、大当りとなる信頼度が80パーセントの表示態様に変更されるように、段階的に信頼度を変化させることをいう。なお、保留予告の表示態様が変更するパターンとしては、以上のように段階的に変化するものに限らず、態様フラグが「0」から「2」または「3」に変更され、保留予告の表示態様が「?」から「S」または「当」に変化するようにし、大当りとなる信頼度が20パーセントの表示態様から一気に大当りとなる信頼度が80パーセントあるいはそれ以上となる表示態様に変更されるように、無段階的に信頼度を変化させるようなものであってもよい。
【0077】
なお、本実施形態においては、予告のターゲットとなる可変表示が終了し停止図柄が確定するまで、予告を行なうか否かの判定を行なっていない。具体的には、図11(f)の可変表示中に打玉の入賞があり、保留記憶数が増えた旨を保留記憶表示10bを点灯表示するが、かかる保留記憶表示10bに対して予告を行なうか否かの判定が行なわれないため、保留予告が行なわれることがない。すなわち、図11(a)のように保留記憶表示により保留予告が行なわれてから、かかる予告のターゲットとなる保留記憶の可変表示が終了し停止図柄が確定するまで、他の保留記憶表示により保留予告が行われることがない。これにより、保留予告が行なわれているときに、予告を行なうか否かの処理を行なう必要がなく、処理負担を軽減させることができる。
【0078】
図12は、保留記憶表示の表示態様を変化させる保留予告を説明するための図である。
【0079】
図12(a)は、左中右図柄の3つの特別図柄が上から下へ可変表示されている最中に、打玉が始動入賞口14に入賞し、予告を行なう判定がなされて、態様フラグ「2」が選択されセットされたときの表示画面を示している。本実施形態においては、可変表示中であっても保留記憶表示の表示態様を予告の表示態様で表示することができるため、保留記憶表示10dの表示態様を「S」マークの付加された表示態様により表示することにより保留予告を行なうことができる。
【0080】
図12(b)は、予告を行なう判定がなされたときの可変表示が終了し、保留記憶表示10を「1」減算させたときの表示画面を示している。本実施形態においては、保留記憶数が減少するときに、予告のターゲットとなる可変表示の保留記憶表示の表示態様を変化させることができるため、図12(a)の保留記憶表示10dを保留記憶表示10cの表示位置にスライドさせるときに、「S」マークの付加されていた表示態様を「当」マークの付加された表示態様に変化させ、保留予告を行なうことができる。しかし、昇格させる判定がなされなかったため、態様フラグを「2」から「3」に変更する処理がなされず、態様フラグとして「2」が再セットされ、再度「S」マークの付加された表示態様により保留予告が行なわれている。
【0081】
図12(c)は、図12(b)の可変表示が終了し、停止図柄が確定した停止表示画面を示している。かかる時点においては、保留記憶数が減少しておらず、保留記憶表示の表示位置のスライドも行なわれていないため、保留記憶10cの表示態様は「S」マークの付加された表示態様により表示されている。
【0082】
図12(d)は、保留記憶表示10をさらに「1」減算させたときの表示画面を示している。図12(b)および図12(c)の保留記憶表示10cを保留記憶表示10bの表示位置にスライドさせるときに、「S」マークの付加されていた表示態様を「当」マークの付加された表示態様に変化させ、保留予告を行なっている。これは、昇格させる判定がなされて、態様フラグを「2」から「3」に変更する処理がなされたことによる。
【0083】
図12(e)は、図12(d)の可変表示が終了し、停止図柄が確定した停止表示画面を示している。かかる時点においては、保留記憶数が減少しておらず、保留記憶表示の表示位置のスライドも行なわれていないため、保留記憶10bの表示態様は「当」マークの付加された表示態様により表示されている。
【0084】
図12(f)は、保留記憶表示10をさらに「1」減算させたときの表示画面を示している。図12(d)および図12(e)の保留記憶表示10bを保留記憶表示10aの表示位置にスライドさせるときに、「当」マークの付加されていた表示態様が他の表示態様に変更されることなく、保留予告が行なわれている。これは、「当」マークの付加されている表示態様による保留予告は、大当りとなる可能性・信頼度が最も高く、これ以上遊技者に期待を抱かせるような表示態様が本実施形態においては存在しないため、態様フラグが「3」のときは昇格判定を行なわないように処理していることによる。
【0085】
図12(g)は、図12(f)の可変表示が終了し、停止図柄が確定した停止表示画面を示している。かかる時点においては、保留記憶数が減少しておらず、保留記憶表示の表示位置のスライドも行なわれていないため、保留記憶10aの表示態様は「当」マークの付加された表示態様により表示されている。
【0086】
図12(h)は、保留記憶表示10をさらに「1」減算させたときの表示画面を示している。図12(f)および図12(g)の保留記憶表示10aの表示位置にスライドさせたときの可変表示画面を表している。
【0087】
図12(i)は、図11(i)と同様であり、予告のターゲットとなる可変表示における特別図柄の表示結果が「7」のゾロ目となり、大当りが発生した表示画面を示している。
【0088】
以上のように、可変表示毎に昇格判定がなされ、昇格させる旨の判定がなされなかった場合には、再度前回の態様フラグがセットされ、昇格させる旨の判定がなされた場合には、態様フラグが大当りとなる期待度・信頼度が最高ではない「2」から、大当りとなる期待度・信頼度が最高となる「3」に変更されている。そして、態様フラグが変更される毎に、態様フラグに対応する表示態様により保留記憶表示を行ない、「S」から「当」に表示態様を変更し保留予告を行なっている。
【0089】
なお、本実施形態においては、態様フラグに対応する表示態様として、それぞれが大当りとなる期待度・信頼度を遊技者に予測させることができるような「?」,「リ」,「S」および「当」を採用している。たとえば、「?」は、大当りになるか、リーチになるか等全く何もわからないといった印象を遊技者に与え、余り期待感を抱かせないことができる。「リ」は、リーチになるかもわからないといった印象を遊技者に与え、リーチ演出を楽しみつつ、大当りへの期待感をわずかながら抱かせることができる。「S」は、大当りとなる確率の高いときに行なわれるスーパーリーチになるかもわからないといった印象を遊技者に与え、大当りへの期待感をより一層高めることができる。「当」は、大当りとなる可能性・信頼度が最も高く遊技者を喜ばせることができるとともに、予告演出が行なわれている間、遊技者に確率変動状態に移行される大当りとなるか否かといった期待感を抱かせることができる。このように、態様フラグに対応する表示態様および表示態様数は、遊技者に異なる期待感を抱かせるような表示態様および表示態様数であればよく、以上説明した表示態様および表示態様数に限るものではない。たとえば、大当りとなる可能性・信頼度が高い保留記憶表示の表示態様として態様フラグ「3」に対応する「当」が設定されているが、100パーセント大当りとなる保留記憶表示の表示態様として、確変大当りコマンドを受信したときにのみ選択されるものとして態様フラグ「4」に対応する「確」を設け、確変大当りを予告できるような構成にしてもよい。
【0090】
図13は、入賞時判定処理のサブルーチンプログラムを示すフローチャートである。
【0091】
まず、SB01では、始動入賞があったか否かの判別がなされる。始動入賞がなかった場合は入賞時判定処理を終了し、始動入賞があった場合はSB02に移行し、保留記憶数が「4」であるか否かの判別がなされる。保留記憶数が「4」であった場合は入賞時判定処理を終了し、保留記憶数が「4」でなかった場合にはSB03に移行し保留記憶数に「1」加算する処理が行なわれる。
【0092】
次に、SB04では、前述したランダムカウンタR1,R2,R3,R4,R5のカウンタ値を抽出する処理が行なわれる。SB05では、乱数判定処理が行なわれる。ここでは、後述するように各種ランダムカウンタ値にもとづきコマンドの設定がなされる。SB06では、SB04で抽出したカウンタ値をそれぞれ対応した乱数記憶領域に記憶する処理が行なわれる。
【0093】
図14は、図13の入賞時判定処理で説明したSB05の乱数判定処理のサブルーチンプログラムを示すフローチャートである。
【0094】
まず、SC01では、ランダムカウンタR1を利用して抽出したカウント値が大当りとなる「7」であったか否かの判別がなされる。カウント値が「7」であった場合にはSC02に移行しランダムカウンタR2を利用し抽出したカウント値が確率変動大当りとなる「奇数」であったか否かの判別がなされ、SC03・SC04に移行し、「奇数」であった場合は確変大当りコマンドを送信設定し、「奇数」でなかった場合は非確変大当りコマンドを送信設定し乱数判定処理を終了する。
【0095】
また、SC01で大当りではないと判別された場合にはSC05へ移行し、現在の遊技状態が確率変動中であるフラグがオンであるか否かの判別がなされる。確率変動中であった場合にはSC06へ移行し、ランダムカウンタR1を利用して抽出値が「7,17,41,57,107」のいずれかであったか否かの判別がなされ、いずれかであった場合にはSC02へ移行し前述した処理がなされる。いずれでもなかった場合にはSC07へ移行し、ランダムカウンタR3を利用して抽出したカウント値がリーチ状態になりうるカウント値「11」であったか否かの判別がなされる。「11」であった場合にはSC08においてリーチコマンドを送信設定し、「11」でなかった場合にはSC09においてはずれコマンドを送信設定し乱数判定処理を終了する。
【0096】
なお、乱数判定処理で設定された判定結果コマンドは、保留記憶処理において、始動入賞時に保留記憶数コマンドと判定結果コマンドが遊技制御基板31から表示制御基板80へ送信される。これにより、特別図柄コマンド処理において遊技制御基板31から表示制御基板80へ変動パターンコマンドや確定図柄(停止図柄)コマンドを送信する処理と別個独立に判定結果コマンド等の送信が行なわれるため、遊技制御基板31の処理負担を分散することができる。
【0097】
図15は、(a)が表示制御メイン処理を示すフローチャートであり、(b)がタイマ割込処理を説明するためのフローチャートである。表示制御メイン処理においては、SD01において、初期化処理が行なわれる。この初期化処理においては、RAMに記憶されている記憶内容すべてが消去され、新たに各パラメータの初期値(たとえば、「0」)が設定される。次に、SD02においては、乱数更新処理が行なわれる。この乱数更新処理においては、前述した予告判定用ランダムカウンタR6,保留予告決定用ランダムカウンタR7,昇格判定用ランダムカウンタR8の乱数を更新する処理が行なわれる。
【0098】
次に、SD03においてタイマ割込フラグがセットされているか否かが判別される。タイマ割込フラグがセットされていなければSD02に戻り、さらに乱数を更新するが、タイマ割込フラグがセットされていれば、SD04に進みタイマ割込フラグをクリアしてからSD05においてコマンド解析処理を行なう。SD05のコマンド解析処理においては、遊技制御基板31から送信されてきたコマンドを受信して、いかなるコマンドであるかを解析し、可変表示装置8に表示するための図柄をセットする処理や、保留記憶を表示する処理等が行なわれる。
【0099】
次に、SD06においては、表示制御プロセス処理が行なわれる。この表示制御プロセス処理は、可変表示装置8に表示させるための変動開始コマンド受信待処理、可変表示動作設定処理、図柄変動中処理、全図柄停止待ち処理、および大当り表示処理等の処理が行なわれる。SD07においては、音・ランプ制御コマンド処理が行なわれる。この音・ランプ制御コマンド処理は、遊技制御基板31から送信される変動パターンコマンドと実行される保留予告に対応させて、遊技音発生に関する音制御コマンドと装飾ランプ等の点灯パターンに関するランプ制御コマンドをそれぞれ音制御基板70とランプ制御基板35に送信を行なう。これにより、保留予告の実行が決定された場合に保留予告に同調して遊技音の発生・ランプの点灯を実行させる制御コマンドを送信することができるため可変表示装置8に表示される演出等と遊技音・ランプの点灯が相互にずれる不都合を未然に防止することができる。また、図15の(b)においてはタイマ割込処理が行なわれ、SD08においてタイマ割込フラグがセットされる。そして、SD09において、タイマ割込許可がなされてタイマ割込処理を終了する。なお、タイマ割り込み処理は、33msec経過する毎に1回行なわれる。
【0100】
図16は、SD06に示された表示制御用プロセス処理のサブルーチンプログラムを示すフローチャートである。まずSK01により、予告保留表示処理がなされる。これについては図23に基づいて後述する。次に、表示プロセスフラグの値に応じて制御が分岐する。表示プロセスフラグは、0〜4のいずれかの値をとる。変動表示装置9の表示状態の進行状況に応じてその都度表示プロセスフラグの値が更新されるように制御される。表示プロセスフラグの値が「0」のときには、制御がSK02へ進み、変動開始コマンド受信待ち処理がなされる。この変動開始コマンド受信待ち処理とは、変動表示装置9の変動開始時のタイミングで遊技制御基板の変動情報出力手段187から出力されてくる変動情報の受信を待っている状態の処理である。この状態のときには、変動表示装置9は、前回の停止図柄を表示している。
【0101】
そして、変動開始コマンドを受信すれば、表示プロセスフラグが「1」となり、制御がSK03へ進むこととなる。SK03では、可変表示動作設定処理がなされる。これにより、受信した各種コマンドデータに従って特定される予定停止図柄や変動パターン等が設定される。
【0102】
次に表示プロセスフラグが「2」に更新され、その結果制御がSK04へ進み、図柄変動中処理がなされる。これにより、変動表示装置9の各変動表示領域において図柄がスクロール表示される。そして表示プロセスフラグが「3」に更新される。
【0103】
その結果、制御がSK05へ進み、全図柄停止待ち処理が実行される。これにより、各変動表示領域において図柄の停止表示を行なうための制御がなされる。そして全図柄が停止制御される。その結果、大当り図柄の組合せが表示された場合には、表示プロセスフラグが「4」に更新され、制御がSK06に進み、大当り発生の際の画像表示処理がなされる一方、停止した図柄が大当りの組合せでない場合には表示プロセスフラグが「0」に更新されて、再び制御がSK02へ進む。
【0104】
なお、SK01の予告保留表示処理は、表示プロセスフラグの値がどのような値であっても、常に実行されるステップである。
【0105】
図17は、遊技制御基板31から出力されてきたコマンドが入力された表示制御基板80において行なわれるコマンド解析処理を説明するためのフローチャートである。図17に示すコマンド解析処理においては、SE01〜SE05において、コマンド受信バッファに受信コマンドがあるか否か、左中右の図柄の指定コマンドであるか否かを判別し、各図柄停止格納エリアに図柄番号を格納・各図柄指定コマンド受信フラグをセットする。
【0106】
また、SE03において受信コマンドが各図柄指定コマンドでなければSE06〜SE08に進み、受信コマンドが変動パターンコマンドであるか否かの判別がなされ、受信した変動パターンコマンドを変動パターン格納エリアの記憶バッファに格納される。なお、かかる変動パターンコマンドを受信することにより、変動パターンコマンド受信フラグがセットされ、可変表示中でないときには特別図柄表示部9における特別図柄の可変表示が開始されることとなる。
【0107】
また、SE06において受信コマンドが変動パターンコマンドでなければ、SE09において受信コマンドが保留記憶数コマンドであるか否かが判別される。受信コマンドが保留記憶数コマンドであった場合には、SE10において保留記憶数格納エリアの記憶バッファに保留記憶数を格納する処理が行なわれる。
【0108】
SE11において、前回受信した保留記憶数コマンドに対して今回受信した保留記憶数コマンドは、保留記憶数が減少したものであったか否かの判別がなされる。保留記憶数が減少したものであったときにはSE12において後述する変動時保留表示処理が行なわれ、保留記憶数が減少したものでなかったときにはSE13に移行される。
【0109】
SE13において、セットされた予告フラグ、態様フラグ、および実行カウントや保留記憶数にもとづいて保留記憶表示を更新する処理がなされる。具体的には、保留記憶数が増えたときには保留記憶表示を増やすように表示画面を更新し、保留記憶数が減ったときには保留記憶数を減少させるように表示画面を更新する処理がなされる。さらに、予告フラグがセットされ保留予告が行なわれているときには、実行カウント値に対応する保留記憶表示をセットされている態様フラグに対応する予告保留記憶表示となるように保留記憶数を増減させるように表示画面を更新する処理がなされる。また、予告フラグがセットされているときにおいては、変更時保留表示処理においてセットされた態様フラグに対応する予告保留記憶表示に更新する処理が行なわれる。
【0110】
SE14において受信コマンドが、はずれコマンド,リーチコマンド,非確変大当りコマンド,確変大当りコマンド等の判定結果コマンドであるか否かが判別される。かかる判別により、判定結果コマンドであったときにはSE15に移行し受信した判定結果コマンド格納エリアの記憶バッファにコマンドデータを格納する処理が行なわれ、読み出した受信コマンドが判定結果コマンドでなかったときにはその他の表示制御コマンドである場合のためSE18において受信コマンドに対応するフラグをセットする処理が行なわれる。
【0111】
SE16においては後述する入賞時保留表示処理が行なわれ、SE17においてSE13で前述した保留記憶表示を更新する処理が行なわれる。
【0112】
ここで、SE09からSE17までの処理を簡単に説明すると、SE09において受信コマンドが保留記憶数コマンドである判別がなされたときに、SE13において可変表示装置8に表示させる保留記憶表示を増減表示させる処理が行なわれる。また、SE14において受信コマンドが判定結果コマンドである判別がなされたときは、増加表示された保留記憶表示を予告保留記憶表示または通常の保留記憶表示により表示画面を更新する処理がなされる。
【0113】
図18は、図17を用いて前述したコマンド解析処理のSE16で行なわれる入賞時保留表示処理のサブルーチンプログラムを説明するためのフローチャートである。ここでは、保留記憶表示を増加させる処理が行なわれるとともに、予告を行なうか否かの判定や予告を行なうときの態様を選択する処理が行なわれる。
【0114】
まず、SF01において、入賞時保留表示処理が行なわれている現在の遊技状態が大当り遊技中以外の通常遊技状態中であるか否かの判別がなされる。通常遊技状態中であると判別されたときにSF02に移行され、現在予告フラグは未だオフ状態であるか否かの判別がなされる。オフ状態であると判別されたときにSF03に移行され、受信した保留記憶数コマンドの保留記憶数が「2」以上であるか否かの判別がなされる。「2」以上であると判別されたときには、SF04の予告判定処理が行なわれる。なお、SF01からSF03の判別処理においていずれも「no」の判別がなされたときには、そのまま入賞時保留表示処理のサブルーチンプログラムを終了する。
【0115】
SF04においては、図20を用いて後述する予告判定処理が行なわれる。かかる予告判定処理においては、受信した判定結果コマンドの種類がいずれのコマンドであったかにもとづき、予告を実行するか否かの判定がなされる。なお、予告を実行すると判定されたときには予告フラグを「オン」状態にする処理が行なわれる。
【0116】
なお、SF01からSF03の判別の結果は、SF04の予告判定処理を実行するか否かに関連する。たとえば、SF01は大当り遊技中の処理負担を軽減させるため、大当り遊技中に始動入賞があったときであっても予告判定処理が行なわれないように制御されている。また、SF02は重複した予告判定処理が実行されることを防止するべく、既に予告フラグがセットされているときには予告判定処理が行なわれないように制御されている。さらに、SF03は保留記憶数が「2」以上のとき以外、すなわち予告を長期にわたり実行できないため遊技者の期待を盛り下げてしまうようなときに、予告判定処理が行なわれないように制御されている。このように所定回数以上でないときに予告判定処理を行わないようにすることにより、予告が行なわれる一定の時間を確保することができるため予告が行なわれる時間が確保できずにバグ表示が行なわれてしまう不都合を未然に防止することができる。また、可変表示変動毎に保留予告の表示態様を変化させることが不可能なようなときに予告判定処理が行なわれないようにしている。すなわち、保留記憶数が「1」であるときに予告保留表示態様による保留予告を実行しても、保留予告のターゲットである可変表示変動が開始されると同時にかかる保留予告が消滅するため、保留予告の表示態様を段階的に変化できないような予告が実行されることを未然に防止することができる。なお、保留記憶数は「2」以上に限らず、遊技者の期待感を向上させる所定回数以上であればよい。また、保留記憶数が上限値のときに予告判定処理が行なわれるようにしてもよい。
【0117】
次に、SF05においては、SF04で予告を実行する判定がなされ予告フラグがセットされたか否かの判別がなされる。予告フラグが「オン」状態であると判別されたときには、SF06に移行され、「オン」状態でないと判別されたときには、そのまま入賞時保留表示処理のサブルーチンプログラムを終了する。
【0118】
SF06においては、予告を複数の変動に亘って実行するときに用いる実行カウント値に、保留記憶数に対応する実行カウント値をセットする処理がなされる。たとえば、保留記憶数が「3」であったときには、実行カウント値として「3」をセットする処理がなされる。
【0119】
SF07においては、図21を用いて説明する保留予告選択処理が行なわれる。かかる保留予告選択処理においては、受信した判定結果コマンドの種類がいずれのコマンドであったかにもとづき、保留予告表示を実行する表示態様を選択する処理が行なわれる。なお、実行する表示態様が選択されたときに、選択決定された表示態様に対応する態様フラグをセットする処理が行なわれ、入賞時保留表示処理のサブルーチンプログラムを終了する。
【0120】
図19は、図17を用いて前述したコマンド解析処理のSE12で行なわれる変動時保留表示処理のサブルーチンプログラムを説明するためのフローチャートである。ここでは、保留記憶表示を減少させる処理が行なわれるとともに、予告フラグが「オン」状態であるときに、表示態様を昇格させるか否かを判定する処理が行なわれる。
【0121】
まず、SG01においては、現時点で予告フラグが「オン」状態であるか否かの判別がなされる。予告フラグが「オン」状態と判別されたときにはSG02へ移行され、「オン」状態でないと判別されたときには変動時保留表示処理のサブルーチンプログラムを終了する。
【0122】
SG02においては、図22を用いて説明する昇格判定処理が行なわれる。かかる昇格判定処理においては、予告フラグを「オン」状態とさせた判定結果コマンドの種類がいずれのコマンドであったかにもとづき、保留予告表示の表示態様を昇格させるか否かを判定する処理が行なわれる。なお、本実施形態における昇格とは、実行されている保留予告表示の表示態様を、大当りとなる可能性がより高く、期待感をより多く抱けるような、より信頼度の高い表示態様に変化させることをいう。
【0123】
SG03においては、SG02の昇格判定処理で昇格フラグがセットされ「オン」状態となったか否かの判別がなされる。こらは、RAM196の昇格フラグ用のアドレスに記憶されているフラグデータを読み出して判定する。このRAM196の昇格フラグ用のアドレスに記憶されているフラグデータは、後述するSJ05、SJ08、SJ11、SJ14によりセットされる。昇格フラグが「オン」状態すなわち「0001」となっているときにはSG04に移行し、「オン」状態となっていないときすなわち「0000」となっているときにはSG06に移行される。
【0124】
SG04においては、前述した昇格を実行する処理が行なわれる。すなわち前回の保留予告表示の表示態様に対応する態様フラグに「+1」した態様フラグをセットする処理がなされる。たとえば、前回セットされていた態様フラグが「1」であったときには、「2」の態様フラグにセットする処理がなされる。なお、このように、本実施形態における昇格は、態様フラグが「0」から「3」に変化させられるにしたがって、大当りとなる旨の事前判定がなされたときに選択され易いように振分率が設定されている。つづいて、SG05においてはSG02においてセットされた昇格フラグを「オフ」状態にする処理がなされる。
【0125】
SG06においては、前述した昇格が実行されない処理が行なわれる。すなわち前回の保留予告表示の表示態様に対応する態様フラグを再セットする処理がなされる。たとえば、前回セットされていた態様フラグが「2」であったときには、再度「2」の態様フラグがセットされる処理がなされる。
【0126】
SG07においては、現在セットされている実行カウント値から「1」減算する処理がなされる。これは、その後に行なわれる図17のSE13で保留記憶表示を更新して表示されることに対応して事前に実行カウントを減算する処理がなされている。本実施形態における予告は、可変表示毎に実行カウントを対応させており、可変表示が行なわれる保留記憶数が減少した保留記憶数コマンドを受信したときに対応する実行カウント値を減算すればよいからである。
【0127】
SG08においては、現在セットされている実行カウント値が「0」であるか否かの判別がなされる。すなわち、図18のSF04で予告が行なわれる決定がなされたことに対応してSF06でセットされる実行カウント値がSE13においてすべて処理されたか否かの判別がなされる。実行カウント値が「0」である判別がなされたときはSG09へ移行し、SF04でセットされた予告フラグを、成立数が減少したことにより開始される可変表示の終了後に予告フラグを「オフ」状態にする処理がなされ、実行カウント値が未だ「0」でない判別がなされたときはそのまま変動時保留表示処理を終了する処理がなされる。
【0128】
図20は、図18を用いて前述した入賞時保留表示処理のSF04で行なわれる予告判定処理のサブルーチンプログラムを説明するためのフローチャートである。ここでは、受信した判定結果コマンドの種類がいずれのコマンドであったかにもとづき、それぞれのコマンドに対応して予め設けられている予告判定用テーブルをルックアップし、予告フラグをセットする処理が実行される。
【0129】
まず、SH01において、予告を実行するか否かを判定するために用いられる予告判定用ランダムカウンタR6からカウンタ値を抽出する処理が行なわれる。
【0130】
SH02においては、受信した判定結果コマンドがはずれコマンドであったか否かの判別がなされ、はずれコマンドであったときにはSH03に移行され、はずれコマンドでなかったときにはSH05に移行される。
【0131】
SH03においては、はずれコマンドに対応して予め設けられているはずれ用テーブルRS1をルックアップし、SH04においてRS1の振分率にもとづいて、SH01で抽出した抽出値が予告フラグを「オン」させる値であるときに予告フラグをセットする処理が行なわれ、予告判定処理を終了する。
【0132】
SH05においては、受信した判定結果コマンドがリーチコマンドであったか否かの判別がなされ、リーチコマンドであったときにはSH06に移行され、リーチコマンドでなかったときにはSH08に移行される。
【0133】
SH06においては、リーチコマンドに対応して予め設けられているリーチ用テーブルRS2をルックアップし、SH07においてRS2の振分率にもとづいて、SH01で抽出した抽出値が予告フラグを「オン」させる値であるときに予告フラグをセットする処理が行なわれ、予告判定処理を終了する。
【0134】
SH08においては、受信した判定結果コマンドが非確変大当りコマンドであったか否かの判別がなされ、非確変大当りコマンドであったときにはSH09に移行され、非確変大当りコマンドでなかったときにはSH11に移行される。
【0135】
SH09においては、非確変大当りコマンドに対応して予め設けられている非確変大当り用テーブルRS3をルックアップし、SH10においてRS3の振分率にもとづいて、SH01で抽出した抽出値が予告フラグを「オン」させる値であるときに予告フラグをセットする処理が行なわれ、予告判定処理を終了する。
【0136】
SH11においては、受信した判定結果コマンドが確変大当りコマンドであったか否かの判別がなされ、確変大当りコマンドであったときにはSH12に移行され、確変大当りコマンドでなかったときには予告判定処理を終了する。
【0137】
SH12においては、確変大当りコマンドに対応して予め設けられている確変大当り用テーブルRS4をルックアップし、SH13においてRS4の振分率にもとづいて、SH01で抽出した抽出値が予告フラグを「オン」させる値であるときに予告フラグをセットする処理が行なわれ、予告判定処理を終了する。
【0138】
図21は、図18を用いて前述した入賞時保留表示処理のSF07で行なわれる保留予告選択処理のサブルーチンプログラムを説明するためのフローチャートである。ここでは、受信した判定結果コマンドの種類がいずれのコマンドであったかにもとづき、それぞれのコマンドに対応して予め設けられている保留予告決定用テーブルをルックアップし、態様フラグをセットする処理が実行される。
【0139】
まず、SI01において、保留予告の表示態様を決定するために用いられる予告決定用ランダムカウンタR7からカウンタ値を抽出する処理が行なわれる。
【0140】
SI02においては、受信した判定結果コマンドがはずれコマンドであったか否かの判別がなされ、はずれコマンドであったときにはSI03に移行され、はずれコマンドでなかったときにはSI06に移行される。
【0141】
SI03においては、はずれコマンドに対応して予め設けられているはずれ用テーブルRS5をルックアップし、SI04においてRS5の振分率にもとづいて、SI01で抽出した抽出値がいずれの表示態様を実行させる値であるか判別し実行する保留予告の表示態様を決定し、SI05において決定された表示態様に対応する態様フラグをセットし、保留予告選択処理を終了する。
【0142】
SI06においては、受信した判定結果コマンドがリーチコマンドであったか否かの判別がなされ、リーチコマンドであったときにはSI07に移行され、リーチコマンドでなかったときにはSI10に移行される。
【0143】
SI07においては、リーチコマンドに対応して予め設けられているリーチ用テーブルRS6をルックアップし、SI08においてRS6の振分率にもとづいて、SI01で抽出した抽出値がいずれの表示態様を実行させる値であるか判別し、実行する保留予告の表示態様を決定し、SI09において決定された表示態様に対応する態様フラグをセットし、保留予告選択処理を終了する。
【0144】
SI10においては、受信した判定結果コマンドが非確変大当りコマンドであったか否かの判別がなされ、非確変大当りコマンドであったときにはSI11に移行され、非確変大当りコマンドでなかったときにはSI14に移行される。
【0145】
SI11においては、非確変大当りコマンドに対応して予め設けられている非確変大当り用テーブルRS7をルックアップし、SI12においてRS7の振分率にもとづいて、SI01で抽出した抽出値がいずれの表示態様を実行させる値であるか判別し、実行する保留予告の表示態様を決定し、SI13において決定された表示態様に対応する態様フラグをセットし、保留予告選択処理を終了する。
【0146】
SI14においては、受信した判定結果コマンドが確変大当りコマンドであったか否かの判別がなされ、確変大当りコマンドであったときにはSI15に移行され、確変大当りコマンドでなかったときには保留予告選択処理を終了する。
【0147】
SI15においては、確変大当りコマンドに対応して予め設けられている確変大当り用テーブルRS8をルックアップし、SI16においてRS8の振分率にもとづいて、SI01で抽出した抽出値がいずれの表示態様を実行させる値であるか判別し、実行する保留予告の表示態様を決定し、SI17において決定された表示態様に対応する態様フラグをセットし、保留予告選択処理を終了する。
【0148】
図22は、図19を用いて前述した変動時保留表示処理のSG02で行なわれる昇格判定処理のサブルーチンプログラムを説明するためのフローチャートである。ここでは、受信した判定結果コマンドの種類がいずれのコマンドであったかにもとづき、それぞれのコマンドに対応して予め設けられている昇格判定用テーブルをルックアップし、昇格フラグをセットする処理が実行される。
【0149】
まず、SJ01において、前回のセットされていた態様フラグが「3」であったか否かの判別がなされる。これは、本実施形態における大当りとなる可能性、信頼度が最も高い態様フラグが「3」であることにもとづくものであり、態様フラグ「3」より大当りとなる可能性・信頼度が高い態様フラグが存在しないため、昇格させることができないためである。よって、かかる判別により態様フラグが「3」でなかったときにはSJ02に移行し、「3」であったときには実質的な昇格判定を行なうことなく昇格判定処理を終了する。
【0150】
SJ02においては、昇格させるか否かを判定するために用いられる昇格判定用ランダムカウンタR8からカウンタ値を抽出する処理が行なわれる。
【0151】
SJ03においては、予告フラグを「オン」状態にさせた判定結果コマンドがはずれコマンドであったか否かの判別がなされ、はずれコマンドであったときにはSJ04に移行され、はずれコマンドでなかったときにはSJ06に移行される。
【0152】
SJ04においては、はずれコマンドに対応して予め設けられているはずれ用テーブルRS9をルックアップし、SJ05においてRS9の振分率にもとづいて、SJ02で抽出した抽出値が昇格フラグを「オン」させる値であるときに昇格フラグをセットする処理が行なわれ、昇格判定処理を終了する。
【0153】
SJ06においては、予告フラグを「オン」状態にさせた判定結果コマンドがリーチコマンドであったか否かの判別がなされ、リーチコマンドであったときにはSJ07に移行され、リーチコマンドでなかったときにはSJ09に移行される。
【0154】
SJ07においては、リーチコマンドに対応して予め設けられているリーチ用テーブルRS10をルックアップし、SJ08においてRS10の振分率にもとづいて、SJ02で抽出した抽出値が昇格フラグを「オン」させる値であるときに昇格フラグをセットする処理が行なわれ、昇格判定処理を終了する。
【0155】
SJ09においては、予告フラグを「オン」状態にさせた判定結果コマンドが非確変大当りコマンドであったか否かの判別がなされ、非確変大当りコマンドであったときにはSJ10に移行され、非確変大当りコマンドでなかったときにはSJ12に移行される。
【0156】
SJ10においては、非確変大当りコマンドに対応して予め設けられている非確変大当り用テーブルRS11をルックアップし、SJ11においてRS11の振分率にもとづいて、SJ02で抽出した抽出値が昇格フラグを「オン」させる値であるときに昇格フラグをセットする処理が行なわれ、昇格判定処理を終了する。
【0157】
SJ12においては、予告フラグを「オン」状態にさせた判定結果コマンドが確変大当りコマンドであったか否かの判別がなされ、確変大当りコマンドであったときにはSJ13に移行され、確変大当りコマンドでなかったときには昇格判定処理を終了する。
【0158】
SJ13においては、確変大当りコマンドに対応して予め設けられている確変大当り用テーブルRS12をルックアップし、SJ14においてRS12の振分率にもとづいて、SJ02で抽出した抽出値が昇格フラグを「オン」させる値であるときに昇格フラグをセットする処理が行なわれ、昇格判定処理を終了する。
【0159】
図23は、図16のSK01で示された予告保留表示処理のサブルーチンプログラムを示すフローチャートである。SL01により、現在の保留記憶数を変動表示装置9により表示する制御がなされる。これは、遊技制御基板31の特定情報送信手段(出力ポート)57Aから送信されてきた保留数表示特定情報182に基づいて表示制御がなされる。次にSL02へ進み、予告フラグがオンになっているか否かの判断がなされる。現在の予告フラグの値がRAM196の予告フラグ用のアドレスに記憶されている。この予告フラグの値は、SH04、SH07、SH10、SH13によりセットされたものである。この予告フラグ用のアドレスに記憶されている予告フラグの値に基づいてSL02により、予告フラグがオンになっているか否かの判断がなされる。図23の場合には、予告フラグが「0001」であり、オンになっている値であるため、制御がSL03へ進み、態様フラグの値が、0,1,2,3のいずれであるか判定される。現在の態様フラグの値が、RAM196の態様フラグ用のアドレスに記憶されている。この態様フラグの値は、SI05、SI09、SI13、SI17によりセットされたものである。この態様フラグ用のアドレスに記憶されている態様フラグの値に基づいて、SL03により、態様フラグの値の判定がなされる。態様フラグの値が「0」のときには、制御がSL04へ進み、実行カウント値に対応する保留記憶表示箇所に「?」を表示する制御がなされる。態様フラグの値が「1」のときには、制御がSL05へ進み、実行カウント値に対応する保留記憶表示箇所に「リ」を表示する制御がなされる。
【0160】
態様フラグの値が「2」のときには、制御がSL06へ進み、実行カウント値に対応する保留記憶表示箇所に「S」を表示する制御がなされる。態様フラグの値が「3」のときには制御がSL07へ進み、実行カウント値に対応する保留記憶表示箇所に「当」を表示する制御がなされる。なお、図23の場合には、態様フラグ用のアドレスに二進数で「0011」が記憶されている。これは十数で「3」であり、この場合には制御がSL07へ進むこととなる。
【0161】
また、RAM196には、各種プロセスタイマ1,2,3,…の現時点における値が記憶されている。この各種プロセスタイマは、図15に示したタイマ割込処理が1回行なわれる毎に「1」を加算更新するものであり、たとえばその加算更新された値が二進数で「1010」すなわち十進数が「10」のときには、2msec×10=20msecの時間が計時された状態となる。
【0162】
この各種プロセスタイマ1,2,3,…により、前述した制御データ記憶手段178に記憶されているタイミングデータが構成されている。
【0163】
図24は、VDP195が変動表示装置9に画像を表示させる制御動作の手順を説明する説明図である。キャラクタROM193には、各キャラクタコード0000H〜0255H(Hは16進数を示す)に対応して16×16ドットのデータが記憶されている。この各16×16ドットの画像データをVRAM192の指定された各スプライト領域にマッピングして各スプライトを組合せることにより、VRAM192内において表示画像のデータを作成し、そのデータにパレットテーブル173を利用して着色した上で実表示画像172として変動表示装置9に表示させる。
【0164】
1つの16×16ドットの画像データがマッピングされるスプライト領域の大きさは、小さければ小さいほど緻密で細かな映像を表示できる反面、全体としてスプライトの数が増加して表示制御動作の負担が増加して表示制御動作が遅くなる不都合が生じる。このような一長一短を考慮して本実施の形態においては16×16ドットの大きさのデータにしている。このキャラクタROM193には、前述した「?」、「リ」、「S」、「当」からなる予告演出画像用の画像データ(16×16ドットのデータ)や、各種図柄を表示させるための画像データ(16×16ドットのデータ)や、変動表示装置9の表示画面の背景を構成する画像データ(16×16ドットのデータ)等、各種画像データが記憶されている。
【0165】
アトリビュートテーブル174には、変動表示装置9の表示画面が大幅に切換えられる(たとえばデモンストレーション画面から変動表示画面に切換えられる)毎に切換えられた後の表示画面に必要な表示データが演出制御用マイクロコンピュータ199によって記憶される。アトリビュートテーブル174の記憶データは、変動表示装置9の表示画面に表示される所定領域であるスプライトの表示位置と色情報と表示画面上での優先順位とキャラクタコードとを含んでいる。この他に、たとえばスプライト領域のサイズや拡大・縮小・回転指令情報や反転指令情報を含んでもよい。変動表示装置9の表示画面上では、複数種類のスプライト領域が一部または全部重ね合わせられて表示される場合があり、その重ね合わせがVRAM192上で行なわれる。その重ね合わせの際に、どちらのスプライトを優先して表示させるかが、優先順位情報で決定される。
【0166】
パレットテーブル173は、色データを0〜15の16種類にグループ分けして記憶しており、その1グループ(1パレット)内においてさらに0〜15の16種類の色データが二次元テーブルの形で記憶されている。パレット0〜パレット15のどのグループのパレットを選択指定するかがアトリビュートテーブル174の色情報によって行なわれる。キャラクタコード(種類情報)とは、キャラクタROM193に記憶されている複数種類の画像データ(16×16ドットのデータ)のうちのどの画像データを選択するかを指定するための識別用の番号のことである。
【0167】
位置情報とは、選択された画像データを表示するスプライト領域を表示画面のどの位置に表示するかを決定するための座標データであり、具体的には、VRAM192上にその画像データをマッピングする際の表示座標を指定するためのデータである。なお、図24では、VRAM192の左上が座標(0,0)の原点である。
【0168】
VRAM192上にマッピングされた画像データに対してどのグループの色を使用するかが、アトリビュートテーブル174の色情報によって選択指定される。このVRAM192内にマッピングされた画像データが変動表示装置9に表示されるべく出力され、その出力された画像データに対し前述した色情報によって選択指定されたグループのパレットの色データに従って着色処理がなされ、その着色処理された後の画像データが変動表示装置9により表示される。
【0169】
キャラクタROM193には、前述したように、画素データが0〜15×0〜15のマトリックス状に配列された1単位の画像データが複数種類記憶されている。この16×16ドットのデータ毎にキャラクタコードが付されており、アトリビュートテーブル174の種類情報(キャラクタコード)によってそのキャラクタコードが指定されて選択されるように構成されている。
【0170】
16×16ドットの各ドットは、1画素(1ピクセル)に相当するものであり、この各ドット毎に0〜15の4bitの情報が記憶できるようになっている。この0〜15の4bitデータは、選択されたパレット(グループ)内に記憶されている0〜15の各色データを選択指定するものである。その結果、本実施の形態では、1画素(1ピクセル)毎に色データを指定してその指定された色データが変動表示装置9により表示される。すなわち、色指定の最小単位は1画素(1ピクセル)である。
【0171】
以上の構成において、図23のSL07のステップがCPU198により実行されて、実行カウント値に対応する保留記憶表示箇所にたとえば「当」を表示する制御が演出制御用マイクロコンピュータ199によりなされた場合には、その表示制御用のデータがCPU198からVDP195に伝送される。VDP195では、その伝送されてきた表示制御用データに含まれている「当」を表示する旨の指令に基づいて、「当」に対応する画像データ(16×16ドットデータ)のキャラクタコードを割出し、さらに伝送されてきた制御用データに含まれている実行カウント値に基づいてスプライトの表示位置を特定する。その特定されたキャラクタコードと表示位置との2つを満たしている属性データを記憶しているアトリビュートテーブル174のアドレスを割出す。その割出されたアドレス(図24の場合にはアドレス0)に記憶されている属性データを用いて画像表示制御がなされる。具体的には、図24を参照して、「当」に対応するキャラクタコード0001Hに対応する画像データ(16×16ドットデータ)をキャラクタROM193から読出して、そのデータをVRAM192上にマッピングする。そのマッピングの際には、アトリビュートテーブル174のアドレス0に記憶されている位置情報(30,200)の座標データを用いて、VRAM192上でスプライトの左上コーナ部分が座標(30,200)に位置するようにマッピングされる。そしてこのスプライトは、優先順位のデータが高く設定されているために、他のスプライトと重複されたとしてもこのスプライトの方が優先して表示されることとなる。
【0172】
次に、アトリビュートテーブル174のアドレス0に記憶されている色情報が「パレット15」であるために、パレットテーブル173のパレット15に記憶されているデータを用いて着色処理がなされる。具体的には、VRAM192上にマッピングされた16×16ドットデータのスプライト領域にこのパレット15のデータが用いられ、16×16ドットの各画素を構成する4bitのデータがたとえば「2」の場合には、「2」のデータすなわち左から数えて3番目のデータであるR(レッド)が10でG(グリーン)が10でB(ブルー)が10のデータでその画素(ピクセル)が着色処理なされ、実表示画像172として表示される。またVRAM192にマッピングされた16×16ドットのデータ中のあるドットデータが「14」のときには、パレット15における「14」すなわち右から数えて2番目のデータであるRが10でGが9でBが0のデータによりその画素(ピクセル)が着色処理される。
【0173】
このようにしてたとえば図11(g)に示すように、「当」の予告演出画像が表示される。
【0174】
次に、この実施の形態により得られる主な効果をまとめて説明する。
前述したように、遊技制御基板31側で処理される遊技制御メイン処理における特別図柄プロセス処理において打玉が始動入賞口14に入賞したときに大当りとなるか否か等を事前に判定し、表示制御基板80側で処理される表示制御メイン処理におけるコマンド解析処理の入賞時保留表示処理により予告を実行するか否かの判定や予告保留表示態様の選択を行なうことができるため、予告を行なうための処理を遊技制御基板31と表示制御基板80とに分担することができ、それぞれの制御負担を軽減させることができる。また、表示制御基板80は、保留表示態様として予告保留表示態様を表示し、所定の条件としての保留記憶数の減少を意味する可変表示変動が開始される毎に、保留記憶表示の表示態様を変化させることができるため、保留記憶表示の表示態様の変化に遊技者の関心を集め、興味を持たせることができるとともにさらなる期待感を抱かせることができ予告演出を向上させることができる。さらに、遊技制御基板31が行なっていた制御を表示制御基板80等のサブ基板に移行・分割させることにより、遊技制御基板31に必要なプログラムや回路構成を簡素化させることができる。これにより、大当りの発生や、大当りの中でも確変当り等の判定を行ない、不正行為の対象となる遊技制御基板31の不正プログラムの検査を容易に行なうことができ、延いては、不正プログラムの早期発見につながる。さらに、不正回路の発見においても同様の効果を奏することができる。
【0175】
前述したように、可変表示変動が開始される毎に、「?」,「リ」,「S」等の表示態様で保留予告が実行されている表示態様を変化させることができるため、表示態様の変化する契機が遊技者にとってわかり易く、バラエティーに富んだ保留記憶表示の表示態様により予告演出を行なうことができる。
【0176】
前述したように、すでに予告フラグが「オン」状態であり、保留記憶表示の表示態様を変化させて予告演出が行なわれているときに、打玉が入賞し別の保留記憶に対し予告を行なうか否かの判定が行なわれるといった重複処理を回避できるため、表示制御基板80の制御負担を軽減することができる。
【0177】
前述したように、可変表示変動が開始される毎に大当りとなる可能性・信頼度の高い表示態様に変化されるため、予告保留表示態様の変化過程に興味を持たせることができる。また、初回の予告保留表示態様が大当りになる期待度・信頼度が最も高い表示態様でない場合であっても、その後の昇格判定処理において、昇格フラグがセットされ、大当りになる期待度等が高い表示態様の態様フラグがセットされる可能性があるため、遊技者に大当りへの期待感を抱かせることができる。
【0178】
前述したように、保留記憶数が「2」以上、すなわち所定数以上のときに、予告をするか否かの判定を行なうため、予告が複数の可変表示に亘り連続的に行なわれる割合が高くなり、遊技者に長期にわたり興味を持たせ、経過的に遊技者の抱く期待感を向上させることができる。また、予告が行なわれる一定の時間を確保することができるため、予告が行なわれる時間が確保できずにバグ表示が行われることを未然に防止することができる。
【0179】
前述したように、大当りとならない旨の判定、すなわち、リーチやはずれとなる旨の判定であったときにおいても、「?」,「リ」,「S」等の表示態様から選択し、ガセ予告を行なうことができるため、予告の出現頻度を高くすることができ、遊技者に興味を持たせる機会や期待感を抱かせることができる機会を多くすることができる。
【0180】
前述したように、始動入賞時に遊技状態が大当りとなり得るか否か、停止図柄がリーチとなり得るか否か等の判定が行なわれ、その判定結果にもとづいて保留記憶表示の表示態様を変化させ保留予告を実行するか否かを判定し、保留予告を実行するときの保留記憶表示の表示態様を決定することができる。すなわち、始動入賞に起因する図柄変動が開始される前から、大当り判定等にもとづき、保留記憶表示の表示態様を変化させることにより、保留予告を行なうことができる。これにより、遊技者が常に注意の視線を向けている可変表示装置内で、保留記憶表示の表示態様を変化させることができるので、遊技者がかかる保留記憶表示による保留予告を見落としてしまうといった不都合を防止することができる。さらに、遊技者は大きな視点移動を行なうことなく保留記憶表示の表示態様を変化させることによる多彩な保留予告を視覚的に十分楽しむことができる。
【0181】
前述したように、判定結果コマンドに対応する振分率にしたがい保留予告を実行するか否かの決定を行ない、さらに、いずれの表示態様で保留予告を実行するかを決定している。これにより、プログラムを大幅に変更することなくデータの変更のみでバリエーション豊かな保留予告を実行可能とすることができる。
【0182】
前述したように、実行条件成立毎に、保留記憶数を示す保留記憶数コマンドと、その保留記憶に対応する判定結果コマンドを互いに関連させて表示制御基板80に送信を行なう実施を説明した。これにより、保留記憶と対応する判定結果コマンドがずれてしまう不都合、たとえば、保留予告が行なわれるもととなる保留記憶の可変表示の変動ではない時に保留予告が終了してしまい、本来保留予告が行なわれるべき可変表示の変動で保留予告が行われないといった不都合を防止することができる。また、実行条件成立時の保留記憶数回の可変表示に亘り、保留予告を行なっている。これにより、大当り等となることが接近していることを遊技者に報知可能となり、何度も繰返し報知されるので遊技者のドキドキ感をあおることができ、興趣をさらに向上させることができる。
【0183】
前述したように、実行条件成立時に保留予告の選択に関わる判定結果コマンドを設定送信し、開始条件成立時に大当り判定・大当り図柄判定・リーチ判定・はずれ図柄判定を行ない対応するコマンドを設定送信するため、遊技制御基板31の処理負担を分散することができる。
【0184】
次に、以上説明した実施の形態の変形例や特徴点を以下に列挙する。
(1) 前述した実施形態においては、予告演出としての保留記憶表示の表示態様は、所定の条件としての保留記憶数が減少することとなる可変表示変動が開始される毎に、大当りとなる可能性・信頼度が高くなり発展していく昇格パターンについて説明したが、これに限らず、所定の条件が成立する毎に、大当りとなる可能性等が低くなり退行していく降格パターンであってもよい。この場合には、図19のSG04の処理内容を「前回の態様フラグに「−1」した態様フラグセット」する処理にし、図22のSJ01の処理内容を「前回の態様フラグが「0」であったか?」を判別させる処理にすればよい。また、前回の態様フラグに対して一律に「+1」あるいは「−1」するものに限らず、「+2」,「+3」,「−2」または「−3」させるような処理を行ってもよく、この場合には、これら態様フラグを増減させる値を処理がなされる毎にランダムに選択するようにしてもよい。さらに、図22を用いて説明した昇格判定処理の内容を、図21を用いて説明した保留予告選択処理と同内容にし、所定の条件としての保留記憶数が減少することとなる可変表示変動が開始される毎に、予告決定用ランダムカウンタR7から再度カウンタ値を抽出し、判定結果コマンド毎に対応させて設けられているテーブルの振分率にもとづいて、保留記憶表示の表示態様を再度決定するようにしてもよい。すなわち、予告を実行することが決定されて、保留予告としての表示態様を選択し、選択された表示態様で保留記憶表示を行ない、所定の条件が成立する毎に再度保留予告としての表示態様をランダムに選択できるように構成してもよい。この場合には、図19のSG02からSG06の処理に変えて、図21の保留予告選択処理をおこなうようにすればよい。これにより、昇格パターンと降格パターンを融合させ、大当りとなる可能性・信頼度の高い、または低い表示態様をランダムに出現させることができるため、保留記憶表示の表示態様が変化パターンを先読みすることが不可能となり、遊技者に意外性を抱かせることができ遊技の興趣を向上させることができる。たとえば、態様フラグ「0」がセットされているときであっても、次の変動時保留表示処理が実行されたときに、大当りとなる可能性・信頼度が最も高い態様フラグ「3」を再選択することができる。また、これとは逆に、大当りとなる可能性・信頼度が最も高い態様フラグ「3」がセットされているときであっても、次の変動時保留表示処理が実行されたときに、信頼度・期待度が最も低い態様フラグ「0」を再選択することができる。なお、このような場合においても、保留予告決定用テーブルにおいて、非確変大当りコマンドまたは確変大当りコマンドが送信されてきたときのみ、保留記憶表示として表示される表示態様を設け、100パーセント大当りとなる表示態様により保留記憶表示が行なわれたときには、昇格または降格させないようにしてもよい。
【0185】
また、前述した実施の形態においては、変動表示が終了して次回の変動表示の開始時すなわち保留記憶が「1」減算される瞬間たとえば予告演出画像が「S」から「当」に昇格するようにしたが、本発明はこれに限らず、たとえば、変動表示の開始タイミングに拘らず「S」等のある予告演出画像を所定時間表示させた後次の新たな予告演出画像(たとえば「当」)を表示させる昇格制御を行なうようにしてもよい。
【0186】
(2) 前述した実施形態においては、予告演出を行なっている保留記憶表示の表示態様を変化させる起因となる所定の条件として、可変表示が開始されることに関連し保留記憶数の数が減少したときについて説明したが、これに限らず、始動入賞口14に打玉が入賞したことに関連させて保留記憶数の数が増加したときに所定の条件が成立したとして、予告演出を行なっている保留記憶表示の表示態様を変化させてもよい。これにより、表示態様を変化させる起因となる所定の条件が成立したか否かを、遊技者は容易に認識させることができる。また、保留記憶表示により予告演出が開始されてからたとえば5秒経過する毎に、保留記憶表示の表示態様を変化させるようにしてもよい。すなわち、所定の条件として、所定の時間が経過することとして保留記憶表示の表示態様を変化させるようにしてもよい。この場合、所定の時間は、常に一定間隔で変化されるように、または、時間が長くなったり短くなったりと段階的に変化するように、時間間隔が予め定まっているものであってもよい。これにより、データを記憶させるための容量を必要最小限で実現することができる。
【0187】
また、保留記憶表示の表示態様が変化される都度ランダムカウンタにより次回保留記憶表示の表示態様が変化されるまでの時間を決定するようにしてもよい。すなわち、予告保留表示態様選択手段は、保留記憶表示の表示態様が経時的に変化していくタイミングを決定し、所定の条件を成立させる条件成立時選択手段を含むように構成してもよい。これにより、保留記憶表示の表示態様の変化スピードがランダムとなるため、遊技者に意外性を抱かせ、飽きさせることなく遊技の興趣を向上させることができる。また、さまざまなタイミングで保留記憶表示の表示態様を変化させ、予告演出にバリエーションを付加させることができるとともに、変化のタイミングを予め決定しておくことで表示制御基板側の処理負担を軽減させることができる。
【0188】
さらに、可変表示装置の可変表示状態に変化が発生するたびに、それと同期させて所定の条件を成立させるようにしてもよい。たとえば、可変表示変動が開始されたとき、可変表示変動の速度が低速、高速、こま送り速度等に変更されたとき、可変表示中にたとえば、左図柄等の特別図柄の一部が停止表示されたとき、等に所定の条件を成立させるようにしてもよい。遊技者が注目する可変表示状態と同期させて保留記憶表示の表示態様が変化するため、遊技に対する集中度を増大させることができる。また、所定の条件としては、普通図柄が特定表示結果となったときに成立させるようにしてもよく、入賞領域に入賞したときに成立させるようにしてもよく、遊技者が押圧ボタンを押すことにより成立させるようにしてもよい。
【0189】
(3) 前述した実施形態においては、予告演出を行なう場合として、保留記憶表示の表示態様を変化させる例について説明したが、これに限らず、普通入賞記憶画像の表示態様を変化させるようにしてもよい。これにより、保留記憶表示と普通入賞記憶画像を組み合わせて保留予告を行なうことで、変化態様を多彩にすることができ、遊技の興趣を向上させることができる。また、大当りやリーチ等の特別図柄表示部9に表示される特別図柄の識別情報の表示結果に関連させ、保留記憶表示の表示態様を変化させ予告を行なうか否かの判定がなされる例について説明したが、これに限らず、特別図柄表示部9内に表示される普通図柄表示の識別情報の表示結果が特定表示結果となる確率が高確率になる場合や特定表示結果となることをターゲットに予告を行なうように設定してもよい。これにより、通常、普通図柄の表示結果に興味を持たない遊技者にとっても、予告が行なわれた場合に特別図柄の大当りかまたは普通図柄の当りかどちらの予告か分からないため、遊技演出に集中させ興趣を向上させることができる。
【0190】
(4) 前述した実施形態においては、遊技制御基板31において実行条件成立時に大当り・リーチ等の判定を行ない判定結果コマンドを設定し、保留予告等の決定にのみ判定結果コマンドを用いる実施を説明したが、これに限らず、この判定結果コマンドにもとづき特別図柄変動待ち処理等の特別図柄表示制御を行なうよう構成してもよい。これにより、遊技制御基板31にタイマ機能を設ける必要がなくなり、さらに、抽出した乱数値を記憶バッファに記憶させる必要がなくなるため制御負担を軽減することができる。
【0191】
(5) 前述した実施形態においては、判定結果コマンドが大当りと判定された場合であっても、予告判定用テーブルの振分率にもとづいて予告フラグがオンされなければ予告が行なわれない実施を説明したが、これに限らず、大当りと判定された場合には必ず連続的に予告が行なわれるように設定してもよい。これにより、大当りとなるときは必ず予告が行なわれるため、予告を体験できる機会が増え興趣が向上する。
【0192】
(6) 前述した実施形態においては、図14の乱数判定処理において、非確変大当り,確変大当り,リーチおよびはずれのうち、いずれの表示態様・表示結果となるか否かを始動入賞時に判定し、保留記憶処理でかかる判定に対応した判定結果コマンドを表示制御基板80に送信され、表示制御基板80において受信した判定結果コマンドの種類に応じたテーブルを用いて図20から図22の予告判定処理,保留予告選択処理および昇格判定処理を行なう例について説明したが、これに限らず、図14の乱数判定処理において、非確変大当り,確変大当り,リーチ,はずれのいずれになるかの判定に加え、リーチとなる判定であったときにはさらにスーパーリーチとなるか否かを始動入賞時に判定し、保留記憶処理でスーパーリーチコマンドを表示制御基板80に送信可能にし、表示制御基板80において受信したスーパーリーチコマンドに対応したテーブルを用いて図20から図22の予告判定処理,保留予告選択処理および昇格判定処理を行なうようにしてもよい。
【0193】
なお、スーパーリーチコマンドに対応したテーブルの振分率として、たとえば、図8の予告判定用テーブルの振分率は、予告判定用ランダムカウンタR6から抽出した乱数が「0〜5」のときは予告フラグオフ、「6〜9」のときは予告フラグがオンされるようにすればよい。図9の保留予告決定用テーブルの振分率は、保留予告決定用ランダムカウンタR7から抽出した乱数が「0〜39」のときは態様フラグとして「0」がオンされ、「40〜49」のときは態様フラグとして「1」がオンされ、「50〜99」のときは態様フラグとして「2」がオンされるようにすればよい。図10の昇格判定用テーブルの振分率は、昇格判定用ランダムカウンタR8から抽出した乱数が「0〜3」のときは昇格フラグオフ、「4〜9」のときは昇格フラグがオンされるようにすればよい。さらに、図9の保留予告決定用テーブルのうち、RS5テーブルの振分率を態様フラグとして「0」のみが選択されるように、RS6テーブルの振分率を態様フラグとして「0」または「1」のいずれかが選択されるようにしてもよい。このように事前判定された判定結果内容と、予告保留表示態様から予測できる可変表示結果とが合致するように選択される割合が高くなるように振分率を設定することにより、大当りになるかもしれないといった信頼度・期待度のみならず、スーパーリーチになるかもしれないといった信頼度・期待度を予告保留表示態様により遊技者に報知することができ、遊技の興趣を向上させることができる。
【0194】
(7) 前述した実施形態においては、図9を用いて説明した保留予告決定用テーブルの振分率を、たとえば、はずれコマンドを受信したときにおいても態様フラグ「1」がセットされ、リーチコマンドを受信したときにおいても態様フラグ「2」がセットされるようなガセ予告が行なわれるように設定された例を説明した。また、図22の昇格判定処理においては、大当りとなる可能性・信頼度が最も高い態様フラグ「3」がセットされていなかったときに、たとえば、判定結果コマンドがはずれコマンドでありセットされた態様フラグが「1」のときに、SJ02からSJ14において昇格フラグがセットされ、態様フラグ「2」「3」へと昇格する可能性のあるような、実際の可変表示の表示結果内容以上の保留予告態様により予告が行なうことのできる例を説明した。しかし、これに限らず、図9の保留予告決定用テーブルの振分率を、受信した判定結果コマンドがはずれコマンドであったときには態様フラグ「0」のみを選択する振分率に、受信した判定結果コマンドがリーチコマンドであったときには態様フラグ「0」または「1」が選択される振分率に、さらに、判定結果コマンドが上述したスーパーリーチコマンドであったときには態様フラグ「0」,「1」または「2」のいずれかが選択される振分率に設定するようにしてもよい。また、図22の昇格判定処理におけるSJ01の処理を、受信した判定結果コマンドがはずれコマンドであったときにはそれ以降の処理を行なわず終了するように、受信した判定結果コマンドがリーチコマンドであったときには前回の態様フラグが「1」であったか否かの判別を行なうように、さらに、判定結果コマンドがスーパーリーチコマンドであったときには前回の態様フラグが「2」であったか否かの判別を行なうように処理するようにしてもよい。これにより、たとえば、予告のターゲットとなる可変表示においてスーパーリーチ演出が行なわれないにもかかわらず保留予告態様として「S」が表示されることがなく、また、予告のターゲットとなる可変表示においてリーチ演出が行なわれないにもかかわらず保留予告態様として「リ」が表示されるといった、遊技者を必要以上に期待させるようなガセ予告が行なわれることがないため、保留予告の信頼度を増大させることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
【0195】
なお、前述した実施形態のように、ガセ予告を行なうときには、図22の昇格判定処理を行なうか否かを判別するSJ01の態様フラグの値を上述したように、受信した判定結果コマンドに対応するように設けてもよい。たとえば、SJ01において、受信した判定結果コマンドがはずれコマンドであったときには態様フラグが「1」であるか否かの判別を行なうようにし、判定結果コマンドがリーチコマンドであったときには態様フラグが「2」であるか否かの判別を行なうようにし、それぞれ否定的なときにのみ昇格判定処理を行なうようにしてもよい。これにより、予告のターゲットとなる実際の可変表示内容と大きくかけ離れ過ぎた保留予告態様で予告が実行されることを防止でき、予告の出現と予告の信頼度・期待度との均衡を測りつつ遊技の興趣を向上させることができる。
【0196】
(8) 前述した実施形態においては、遊技制御基板31から表示制御基板80にコマンドが伝送され、表示制御コマンド80から各基板にコマンドを伝送する回路構成について説明したが、このように表示制御基板80を介すことなく、遊技制御基板からのコマンドを直接、音制御基板70あるいはランプ制御基板35に伝送するようにしてもよい。これにより、同期のとれた演出を実行することができる。また、制御負担を各基板に分担することができる。また、遊技制御基板31から送信されるコマンドは、表示制御基板80にすべて入力され、そのコマンドと選択された保留記憶表示の表示態様にもとづき、表示制御基板80において音制御コマンド・ランプ制御コマンドが設定され、それぞれ音制御基板70とランプ制御基板35にコマンドを伝送し、各機器を制御する回路構成を説明したが、これに限らず、表示制御基板80と音制御基板70とランプ制御基板35の遊技演出を制御する基板を演出制御基板(図示省略)にまとめ、遊技制御基板31から演出制御基板に各種コマンドが送信され入出力ドライバ基板82を経て各機器を制御するように回路を構成してもよい。これにより、選択された保留記憶表示による予告に対応する表示態様、遊技音、ランプ点灯等の演出全体が常に同調している状態で遊技を楽しむことができ、興趣を向上させることができる。
【0197】
(9) 前述した実施形態においては、遊技制御基板31から表示制御基板80へ送信する判定結果コマンドは、打玉が始動入賞口14に入賞したとき、すなわち実行条件が成立したときに判定が行なわれ送信設定される例について説明したが、これに限らず、可変表示が開始されるときに保留記憶されているすべての実行条件それぞれに対し判定を行ない送信設定するようにしてもよい。たとえば、所定の実行条件の成立(たとえば、打玉が始動入賞口14に入賞)にもとづいて各々が識別可能(たとえば、遊技者がそれぞれを区別し認識可能)な複数種類の識別情報(たとえば、数字図柄「1」〜「9」、および、英字図柄「A」〜「C」等)の可変表示を行ない表示結果を導出表示する可変表示装置(たとえば、可変表示装置8)と、前記実行条件の成立にもとづいて前記表示結果をその導出表示以前(たとえば、図柄を確定停止する以前)に決定する事前決定手段(たとえば、特別図柄判定処理、停止図柄設定処理、変動パターン設定処理等)を備え、あらかじめ定められた開始条件が成立(たとえば、変動パターンコマンドを受信等)することにより可変表示を開始し、該事前決定手段が表示結果を特定表示結果(たとえば、「777」等のゾロ目)とすることを決定したときに前記可変表示装置に前記特定表示結果を表示した後に遊技者に有利な特定遊技状態(たとえば、大当り)を発生させる遊技機(パチンコ遊技機1)であって、遊技の進行を制御するとともにコマンド(たとえば、表示制御コマンド等)を出力する遊技制御手段(遊技制御基板31)と、前記遊技制御手段からのコマンドにもとづいて前記可変表示装置の表示状態を制御する表示制御手段(表示制御基板80)とを備え、前記遊技制御手段は、前記実行条件は成立しているが未だ前記開始条件が成立していない前記実行条件の成立数(たとえば、保留記憶数)を保留記憶する保留記憶手段(遊技制御基板31の記憶バッファ,図13のSB06等参照)と、前記事前判定手段は前記開始条件の成立時に前記保留記憶手段に記憶されている情報にもとづく表示結果が特定の表示態様となるか否かを判定する開始条件成立時判定手段(たとえば、全図柄変動開始処理により全図柄の変動が開始される直前に、保留記憶バッファに記憶されているすべての実行条件の情報それぞれに図14の乱数判定処理を実行する)と、前記開始条件成立時判定手段により前記特定表示結果となる旨の判定が行なわれたことにもとづいて、前記特定表示結果となる旨の特定表示コマンド(たとえば、非確変大当りコマンド,確変大当りコマンド等)を前記表示制御手段に送信する特定表示コマンド送信手段(保留記憶処理等)と、前記保留記憶手段に保留記憶されている成立数を特定するための成立数コマンド(たとえば、保留記憶数コマンド等)を前記表示制御手段に送信する成立数コマンド送信手段(保留記憶処理等)とを含み、前記表示制御手段は、前記特定表示コマンド送信手段により送信された前記特定表示コマンドにもとづいて前記可変表示の表示結果が前記特定表示結果となる旨の予告(たとえば、遊技者に報知する、保留予告等)をするか否かの判定を行なう予告決定手段(図20等参照)と、前記成立数コマンド送信手段により送信された前記成立数コマンドにもとづいて前記保留記憶手段に記憶されている成立数を特定可能に表示する保留表示制御手段(たとえば、図17のSE09からSE17等参照)と、前記予告決定手段により予告を行なう旨の判定がなされたとき(図18のSF05で「YES」と判別されたとき等)に、前記保留表示制御手段により表示させる保留表示態様を複数種類の予告保留表示態様から選択する予告保留表示態様選択手段(図21等参照)とを含み、前記保留表示制御手段は、前記予告保留表示態様選択手段により選択された予告保留表示態様(図21のSI05,SI09,SI13,SI17参照)で表示制御を行なう予告保留表示制御手段(たとえば、図17のSE13,SE17等参照)と、所定の条件(たとえば、可変表示の開始条件,一定時間経過,可変表示の実行条件等)が成立したとき(たとえば、図17のSE11で「YES」と判別されたとき)に、前記予告保留表示制御手段により表示されている予告保留表示態様を変化させる予告保留表示態様変化手段(図19のSG04,SG06等参照)とを含むような構成であってもよい。このような構成によれば、遊技制御手段により開始条件成立時に事前判定を行ない、表示制御手段により予告決定や予告保留表示態様選択を行なうことができるため、予告を行なうための処理を遊技制御手段と表示制御手段とに分担することができ、それぞれの制御負担を軽減させることができる。また、表示制御手段は、保留表示態様として予告保留表示態様を表示し、所定の条件が成立したときに、予告保留表示態様を変化させることができるため、予告保留表示態様の表示態様変化に遊技者の関心を集め、興味を持たせることができるとともにさらなる期待感を抱かせることができ予告演出を向上させることができる。
【0198】
(10) 今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなく特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【図面の簡単な説明】
【図1】パチンコ遊技機を正面から見た正面図である。
【図2】パチンコ遊技機の遊技領域を正面から見た正面図である。
【図3】パチンコ遊技機の内部構造を説明するための全体背面図である。
【図4】遊技制御基板と表示制御基板とにおける回路構成の一例を説明するためのブロック図である。
【図5】遊技制御基板と表示制御基板との機能を説明するための機能ブロック図である。
【図6】(a)は、パチンコ遊技機の遊技制御に用いられる乱数を生成するための各種ランダムカウンタをを説明するための図であり、(b)は、表示制御基板が行なう保留予告の選択に用いられる表示制御用乱数を生成するためのランダムカウンタを説明するための図である。
【図7】表示制御基板に送出される表示制御コマンドの内容の一例を説明するための図である。
【図8】予告判定用テーブルを説明するための図である。
【図9】保留予告決定用テーブルを説明するための図である。
【図10】昇格判定用テーブルを説明するための図である。
【図11】特別図柄表示部において保留予告が実行されるときの保留記憶表示の表示態様であって、可変表示毎に保留記憶表示の表示態様を変化させる保留予告を説明するための図である。
【図12】特別図柄表示部において保留予告が実行されるときの保留記憶表示の表示態様であって、保留記憶表示の表示態様を変化させる保留予告を説明するための図である。
【図13】入賞時判定処理のサブルーチンプログラムを説明するためのフローチャートである。
【図14】乱数判定処理のサブルーチンプログラムを説明するためのフローチャートである。
【図15】表示制御基板により実行される表示制御メイン処理および割り込み処理を説明するためのフローチャートである。
【図16】表示制御プロセス処理のサブルーチンプログラムを示すフローチャートである。
【図17】コマンド解析処理のサブルーチンプログラムを説明するためのフローチャートである。
【図18】入賞時保留表示処理のサブルーチンプログラムを説明するためのフローチャートである。
【図19】変動時保留表示処理のサブルーチンプログラムを説明するためのフローチャートである。
【図20】予告判定処理のサブルーチンプログラムを説明するためのフローチャートである。
【図21】保留予告選択処理のサブルーチンプログラムを説明するためのフローチャートである。
【図22】昇格判定処理のサブルーチンプログラムを説明するためのフローチャートである。
【図23】予告保留表示処理のサブルーチンプログラムを示すフローチャートである。
【図24】VDPにより表示制御動作の手順を説明する説明図である。
【符号の説明】
1 パチンコ遊技機、80 表示制御基板、31 遊技制御基板、191 遊技制御手段、190 事前決定手段、189 遊技制御時間計時手段、57A 特定情報送信手段、186 数値データ抽出手段、185 始動入賞時判定手段、184 保留記憶手段、57B 特定情報受信手段、176 画像生成手段、198 CPU、179 画像情報記憶手段、178 制御データ記憶手段、177 予告決定手段、181 予告保留表示態様選択手段、175 計時手段、174 アトリビュートテーブル、173 パレットテーブル、192 VRAM。
Claims (3)
- 始動入賞領域へ遊技球が入賞した後予め定められた変動開始条件の成立により各々が識別可能な複数種類の識別情報の変動表示を行なう変動表示装置と、遊技球が前記始動入賞領域へ入賞したときに前記変動表示装置の表示結果をその導出表示以前に決定する事前決定手段とを備え、該事前決定手段が表示結果を特定表示結果とすることを決定したときに前記変動表示装置に前記特定表示結果を表示した後に遊技者に有利な特定遊技状態を発生させる遊技機であって、
前記始動入賞領域へ入賞した始動入賞球を検出する始動入賞球検出手段と、
前記遊技機の遊技状態を制御するとともに、前記変動表示装置を制御するための制御情報を出力する遊技制御手段と、
該遊技制御手段から出力されてきた制御情報に基づいて、前記変動表示装置を表示制御する表示制御手段と、
前記変動表示装置の表示結果を前記特定表示結果とするか否かの決定に用いる数値データを更新する数値データ更新手段とを備え、
前記遊技制御手段は、
前記始動入賞球検出手段が前記始動入賞球を検出したときに、前記数値データ更新手段の数値データを抽出する数値データ抽出手段と、
該数値データ抽出手段が抽出した数値データを用いて、前記始動入賞球検出手段が前記始動入賞球を検出したときに該始動入賞球の検出に起因する変動表示の表示結果を前記特定表示結果とするか否かを判定する始動入賞時判定手段と、
前記始動入賞球検出手段により検出された始動入賞球数のうち未だ前記変動開始条件が成立せず前記変動表示装置の変動表示に用いられていない始動入賞球の球数を保留記憶する保留記憶手段と、
前記始動入賞時判定手段の判定結果を特定可能な始動入賞時判定結果特定情報と、前記保留記憶手段に保留記憶されている始動入賞球数を特定するための保留数表示特定情報とを、前記表示制御手段に送信する特定情報送信手段とを含み、
前記表示制御手段は、
前記特定情報送信手段が送信した前記始動入賞時判定結果特定情報および前記保留数表示特定情報を受信する特定情報受信手段と、
該特定情報受信手段が受信した前記始動入賞時判定結果特定情報に基づいて前記変動表示装置の表示結果が前記特定表示結果となる旨の予告を実行するか否かの決定を行なう予告決定手段と、
前記特定情報受信手段が受信した前記保留数特定情報にもとづいて前記保留記憶手段に記憶されている始動入賞球数を特定可能な保留表示の制御を行なう保留表示制御手段と、
前記予告決定手段により予告を実行する旨の決定がなされたときに、前記保留表示制御手段により表示される保留表示の保留表示態様を複数種類の予告保留表示態様から選択する予告保留表示態様選択手段と、
前記複数種類の予告保留表示態様を前記変動表示装置に表示させる予告演出画像を生成するための複数種類の予告演出画像データを含む各種画像データを記憶している画像情報記憶手段と、
前記変動表示装置に各種画像を表示させるためのタイミングを特定するタイミングデータと、前記始動入賞時判定結果特定情報の受信から所定時間経過後に前記変動表示装置に前記予告演出画像を表示させるための制御データとを記憶している制御データ記憶手段と、
該制御データ記憶手段に記憶されている前記タイミングデータに基づいて計時し、前記変動表示装置に前記各種画像を表示させるための契機となるトリガ信号を出力する計時手段と、
前記制御データ記憶手段に記憶されている前記タイミングデータと前記画像情報記憶手段に記憶されている前記各種画像データとに基づいて、前記変動表示装置に表示する画像を生成する画像生成手段とを備え、
前記画像生成手段は、前記予告決定手段により予告を実行する旨の決定がなされたことを条件として、前記変動表示装置で前記制御データ記憶手段に記憶されている前記制御データに基づく前記予告演出画像の表示を行なうために、前記予告保留表示態様選択手段により選択された予告保留表示態様に対応する前記予告演出画像データを前記計時手段からの前記トリガ信号に従って前記画像情報記憶手段から読み出して、予告演出画像を生成する予告演出画像生成手段を含むことを特徴とする、遊技機。 - 前記制御データ記憶手段に記憶されている前記制御データは、予告演出画像データの生成後に所定時間を経過する毎に前記画像情報記憶手段に記憶されている次の新たな予告演出画像データに基づいた予告演出画像を表示させるための継続制御データを含み、
前記画像生成手段は、前記継続制御データに従って、前記所定時間を経過する毎に前記画像情報記憶手段から次の新たな予告演出画像データを読み出して新たな予告演出画像を生成する継続予告演出画像生成手段を含むことを特徴とする、請求項1に記載の遊技機。 - 始動入賞領域へ遊技球が入賞した後予め定められた変動開始条件の成立により各々が識別可能な複数種類の識別情報の変動表示を行なう変動表示装置と、遊技球が前記始動入賞領域へ入賞したときに前記変動表示装置の表示結果をその導出表示以前に決定する事前決定手段と、遊技機の遊技状態を制御するとともに、前記変動表示装置を制御するための制御情報を出力する遊技制御ステップを実行する遊技制御手段と、該遊技制御手段から出力されてきた制御情報に基づいて、前記変動表示装置を表示制御する表示制御ステップを実行する表示制御手段とを備え、前記事前決定手段が表示結果を特定表示結果とすることを決定したときに前記変動表示装置に前記特定表示結果を表示した後に遊技者に有利な特定遊技状態を発生させる遊技機の制御方法であって、
前記始動入賞領域へ入賞した始動入賞球を検出する始動入賞球検出ステップと、
前記変動表示装置の表示結果を前記特定表示結果とするか否かの決定に用いる数値データを更新する数値データ更新ステップとを備え、
前記遊技制御ステップは、
前記始動入賞球検出ステップにより前記始動入賞球が検出されたときに、前記数値データ更新ステップにより更新されている数値データを抽出する数値データ抽出ステップと、
該数値データ抽出ステップにより抽出された数値データを用いて、前記始動入賞球検出ステップで前記始動入賞球が検出されたときに該始動入賞球の検出に起因する変動表示の表示結果を前記特定表示結果とするか否かを判定する始動入賞時判定ステップと、
前記始動入賞球検出ステップにより検出された始動入賞球数のうち未だ前記開始条件が成立せず前記変動表示装置の変動表示に用いられていない始動入賞球の球数を保留記憶する保留記憶ステップと、
前記始動入賞時判定ステップの判定結果を特定可能な始動入賞時判定結果特定情報と、前記保留記憶ステップにより保留記憶されている始動入賞球数を特定するための保留数表示特定情報とを、前記表示制御手段に送信する特定情報送信ステップとを含み、
前記表示制御ステップは、
前記特定情報送信ステップで送信された前記始動入賞時判定結果特定情報および前記保留数表示特定情報を受信する特定情報受信ステップと、
該特定情報受信ステップで受信した前記始動入賞時判定結果特定情報に基づいて前記変動表示装置の表示結果が前記特定表示結果となる旨の予告を実行するか否かの決定を行なう予告決定ステップと、
前記特定情報受信ステップで受信された前記保留数表示特定情報にもとづいて前記保留記憶ステップによって記憶されている始動入賞球数を特定可能な保留表示の制御を行なう保留表示制御ステップと、
前記予告決定ステップにより予告を実行する旨の決定がなされたときに、前記保留表示制御ステップにより表示される保留表示の保留表示態様を複数種類の予告保留表示態様から選択する予告保留表示態様選択ステップとを含み、
前記遊技機は、
前記表示制御手段に備えられ、前記複数種類の予告保留表示態様を前記変動表示装置に表示させる予告演出画像を生成するための複数種類の予告演出画像データを含む各種画像データを記憶している画像情報記憶手段と、
前記表示制御手段に備えられ、前記変動表示装置に各種画像を表示させるためのタイミングを特定するタイミングデータと、前記始動入賞時判定結果特定情報の受信から所定時間経過後に前記変動表示装置に前記予告演出画像を表示させるための制御データとを記憶している制御データ記憶手段とを備え、
前記表示制御ステップは、さらに、
前記制御データ記憶手段に記憶されている前記タイミングデータに基づいて計時し、前記変動表示装置に前記各種画像を表示させるための契機となるトリガ信号を出力する計時ステップと、
前記制御データ記憶手段に記憶されている前記タイミングデータと前記画像情報記憶手段に記憶されている前記各種画像データとに基づいて、前記変動表示装置に表示する画像を生成する画像生成ステップとを含み、
前記画像生成ステップは、前記予告決定ステップにより予告を実行する旨の決定がなされたことを条件として、前記変動表示装置で前記制御データ記憶手段に記憶されている前記制御データに基づく前記予告演出画像の表示を行なうために、前記予告保留表示態様選択ステップにより選択された予告保留表示態様に対応する前記予告演出画像データを前記計時ステップからの前記トリガ信号に従って前記画像情報記憶手段から読み出して、予告演出画像を生成する予告演出画像生成ステップを含むことを特徴とする、遊技機の制御方法。
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