図1は、ぱちんこ遊技機の前面側における基本的な構造を示す。
以下、弾球遊技機として従来にいういわゆる第1種ぱちんこ遊技機を例に説明する。ぱちんこ遊技機10は、主に遊技機枠と遊技盤で構成される。ぱちんこ遊技機10の遊技機枠は、外枠11、前枠12、透明板13、扉14、上球皿15、下球皿16、および発射ハンドル17を含む。外枠11は、開口部分を有し、ぱちんこ遊技機10を設置すべき位置に固定するための枠体である。前枠12は、外枠11の開口部分に整合する枠体であり、図示しないヒンジ機構により外枠11へ開閉可能に取り付けられる。前枠12は、遊技球を発射する機構や、遊技盤を着脱可能に収容させるための機構、遊技球を誘導または回収するための機構等を含む。
透明板13は、ガラスなどにより形成され、扉14により支持される。扉14は、図示しないヒンジ機構により前枠12へ開閉可能に取り付けられる。上球皿15は、遊技球の貯留、発射レールへの遊技球の送り出し、下球皿16への遊技球の抜き取り等の機構を有する。下球皿16は、遊技球の貯留、抜き取り等の機構を有する。上球皿15と下球皿16の間にはスピーカ18が設けられており、遊技状態などに応じた効果音が出力される。
遊技盤50は、外レール54と内レール56により区画された遊技領域52上に、アウト口58、特別図柄表示装置61、演出表示装置60、始動入賞口(以下、「始動口」という)62、センター飾り64、大入賞口66、作動口68、一般入賞口72を含む。さらに遊技領域52には、図示しない複数の遊技釘や風車などの機構が設置される。始動口62は、遊技球の入球を検出するための始動入賞検出装置74と、始動口62の拡開機構を拡開させるための普通電動役物ソレノイド76を備える。始動口62の拡開機構が拡開されたとき、始動口62の開口幅が拡がって入球容易性が向上する。始動入賞検出装置74は、始動口62への遊技球の入球を検出するセンサであり、入球時にその入球を示す始動入賞情報を生成する。一般入賞口72は、遊技球の入球を検出するための一般入賞検出装置73を備える。一般入賞検出装置73は、一般入賞口72への遊技球の入球を検出するセンサであり、入球時にその入球を示す一般入賞情報を生成する。大入賞口66は、遊技球の入球を検出するための入賞検出装置78と、大入賞口66を拡開させるための大入賞口ソレノイド80を備える。入賞検出装置78は、大入賞口66への遊技球の入球を検出するセンサであり、入球時にその入球を示す大入賞口入賞情報を生成する。
大入賞口66は、特別図柄192が所定の態様にて停止したときに「大当たり」として開放状態となる横長方形状の入賞口である。大入賞口66はアウト口58の上方等の位置に設けられる。大入賞口66の入賞検出装置78は、遊技球の通過を検出するセンサを備えて構成される。
遊技領域52の左方に設けられた特別図柄表示装置61および遊技領域52の略中央に設けられた演出表示装置60は、それぞれの画面に特別図柄192の変動と、特別図柄192に連動する装飾図柄190を含む演出画像の変動を表示する(以下、そうした表示を「図柄変動」または「変動表示」等という)。ここで、特別図柄192は、始動口62への遊技球の落入を契機として行われる抽選の結果に対応した図柄であり、その変動表示が停止されたときの図柄態様が当たりと定められた図柄であった場合、その停止図柄が表示されたタイミングが大当たり発生タイミングとなる。
特別図柄表示装置61は、例えば7セグメントLEDで構成される表示手段である。演出表示装置60は、特別図柄192の変動表示と連動する形で装飾図柄190を変動表示する液晶ディスプレイである。装飾図柄190は、特別図柄192で示される抽選の結果表示を視覚的に演出するための図柄である。演出表示装置60は、装飾図柄190として、例えばスロットマシンのゲームを模した複数列の図柄変動の動画像を画面の中央領域に表示する。演出表示装置60は、この実施例では液晶ディスプレイで構成されるが、ドラムなどの機械式回転装置やLEDなどの他の表示手段で構成されてもよい。なお、特別図柄192は必ずしも演出的な役割をもつことを要しないため、本実施例では演出表示装置60の左下方の特別図柄表示装置61にて目立たない大きさで表示させるが、特別図柄自体に演出的な役割をもたせて装飾図柄を表示させないような手法を採用する場合には、特別図柄を演出表示装置60のような液晶ディスプレイに表示させてもよい。
作動口68は、遊技盤50の左側方位置に設けられる。作動口68は、通過検出装置69を含む。通過検出装置69は、作動口68への遊技球の通過を検出するセンサであり、通過時にその通過を示す通過情報を生成する。作動口68への遊技球の通過は始動口62の拡開機構を拡開させるか否かを決定する開放抽選の契機となる。作動口68を遊技球が通過すると、開放抽選の結果を示す図柄である普通図柄が普通図柄表示装置59に変動表示される。普通図柄表示装置59は演出表示装置60の右下方に設けられる。所定時間の経過後に普通図柄の変動表示が停止すると、通常、50%から80%程度の確率で始動口62が所定時間拡開する。
演出表示装置60の周囲には、センター飾り64が設けられる。センター飾り64は、遊技球の流路、特別図柄表示装置61および演出表示装置60の保護、装飾等の機能を有する。演出表示装置60の下方には、抽選保留ランプ20が設けられ、その対称的な位置である遊技領域52の右下部には、普通図柄表示装置59の下に作動保留ランプ22が設けられている。抽選保留ランプ20は、4個のランプからなり、その点灯個数によって当否抽選の保留数を表示する。当否抽選の保留数は、図柄変動中または特別遊技中に始動口62へ入賞した抽選結果の個数であり、図柄変動がまだ実行されていない入賞球の数を示す。当否抽選の保留数が3個になると、遊技効率を高めるために外れの場合の図柄変動時間が通常より短縮される(以下、「短縮」ともいう)。同様に、当否抽選の保留数が4個になると、さらに遊技効率を高めるために外れの場合の図柄変動時間が上記3個の場合よりもさらに短縮される(以下、「超短縮」ともいう)。
作動保留ランプ22もまた4個のランプからなり、その点灯個数によって普通図柄変動の保留数を表示する。普通図柄変動の保留数は、普通図柄の変動中に作動口68を通過した遊技球の個数であり、普通図柄の変動がまだ実行されていない普通図柄抽選の数を示す。さらに演出表示装置60の上方および下方には、それぞれ遊技効果ランプ90が設けられている。操作ボタン82は、遊技者が遊技機へ所定の指示を入力するために操作するボタンである。操作ボタン82は、上球皿15近傍の外壁面に設けられる。
遊技者が発射ハンドル17を手で回動させると、その回動角度に応じた強度で上球皿15に貯留された遊技球が1球ずつ内レール56と外レール54に案内されて遊技領域52へ発射される。遊技者が発射ハンドル17の回動位置を手で固定させると一定の時間間隔で遊技球の発射が繰り返される。遊技領域52の上部へ発射された遊技球は、複数の遊技釘や風車に当たりながらその当たり方に応じた方向へ落下する。遊技球が一般入賞口72や始動口62、大入賞口66の各入賞口へ落入すると、その入賞口の種類に応じた賞球が上球皿15または下球皿16に払い出される。一般入賞口72等の各入賞口に落入した遊技球はセーフ球として処理され、アウト口58に落入した遊技球はアウト球として処理される。なお、各入賞口は遊技球が通過するゲートタイプのものを含み、本願において「落入」「入球」「入賞」というときは「通過」を含むものとする。
遊技球が始動口62に落入すると、特別図柄表示装置61および演出表示装置60において特別図柄192および装飾図柄190が変動表示される。特別図柄192および装飾図柄190の変動表示は、表示に先だって決定された表示時間の経過後に停止される。停止時の特別図柄192および装飾図柄190が大当たりを示す図柄である場合、通常遊技よりも遊技者に有利な遊技状態である特別遊技に移行し、大入賞口66の開閉動作が開始される。このときスロットマシンのゲームを模した装飾図柄190は、3つの図柄を一致させるような表示態様をとる。特別遊技において、大入賞口66は、約30秒間開放された後、または9球以上の遊技球が落入した後で一旦閉鎖される。このような大入賞口66の開閉が所定回数、例えば15回繰り返される。
特別遊技が終了した後の通常遊技においては特定遊技の一つである変動時間短縮遊技(以下、適宜「時短」という)が開始される。変動時間短縮遊技においては、特別図柄および装飾図柄の変動時間が通常より短縮される。特別図柄および装飾図柄の変動時間は、所定の変動回数の変動表示がなされた後で元の変動時間に戻される。特別遊技が発生した場合であってそのときの当たり停止図柄が特定の態様であった場合、特別遊技の終了後に特定遊技の一つである確率変動遊技(以下、適宜「確変」という)がさらに開始される。確率変動遊技においては、通常の確率状態より当たりの確率が高い抽選が行われ、比較的早期に新たな特別遊技が発生する。
図2は、ぱちんこ遊技機の背面側における基本的な構造を示す。電源スイッチ40はぱちんこ遊技機10の電源をオンオフするスイッチである。メイン基板102は、ぱちんこ遊技機10の全体動作を制御し、特に始動口62へ入賞したときの抽選等、遊技動作全般を処理する。サブ基板104は、液晶ユニット42を備え、演出表示装置60における表示内容や複数の可動役物140の動作、遊技効果ランプ90の点灯を制御し、特にメイン基板102による抽選結果に応じて表示内容を変動させ、その演出の進行に沿って可動役物140や遊技効果ランプ90の点灯を作動させる。メイン基板102およびサブ基板104は、遊技制御装置100を構成する。セット基板39は、賞球タンク44や賞球の流路、賞球を払い出す払出ユニット43等を含む。払出ユニット43は、各入賞口への入賞に応じて賞球タンク44から供給される遊技球を上球皿15へ払い出す。払出制御基板45は、払出ユニット43による払出動作を制御する。発射装置46は、上球皿15の貯留球を遊技領域52へ1球ずつ発射する。発射制御基板47は、発射装置46の発射動作を制御する。電源ユニット48は、ぱちんこ遊技機10の各部へ電力を供給する。
図3は、本実施例におけるぱちんこ遊技機10の機能ブロックを示す。ぱちんこ遊技機10において、遊技制御装置100は、始動口62、大入賞口66、一般入賞口72、作動口68、特別図柄表示装置61、演出表示装置60、普通図柄表示装置59、操作ボタン82、スピーカ18、遊技効果ランプ90、可動役物140のそれぞれと電気的に接続されており、各種制御信号の送受信を可能とする。遊技制御装置100は、遊技の基本動作だけでなく、図柄変動表示や可動役物140、電飾等の演出的動作も制御する。遊技制御装置100は、遊技の基本動作を含むぱちんこ遊技機10の全体動作を制御するメイン基板102と、図柄の演出等を制御するサブ基板104とに機能を分担させた形態で構成される。遊技制御装置100は、ハードウエア的にはデータやプログラムを格納するROMやRAM、演算処理に用いるCPU等の素子を含んで構成される。
本実施例におけるメイン基板102は、入球判定手段110、当否抽選手段111、保留制御手段116、メイン表示制御手段118、特別遊技制御手段120、特定遊技実行手段122、開閉制御手段124、普図抽選手段136、条件保持手段176を備える。本実施例におけるサブ基板104は、パターン記憶手段130、図柄態様決定手段131、演出決定手段132、演出表示制御手段134、役物制御手段135を備える。なお、メイン基板102に含まれる各機能ブロックは、いずれかがメイン基板102ではなくサブ基板104に搭載されるかたちで構成されてもよい。同様に、サブ基板104に含まれる各機能ブロックは、いずれかがサブ基板104ではなくメイン基板102に搭載されるかたちで構成されてもよい。
ただし、メイン基板102とサブ基板104の間におけるデータの送受信はメイン基板102からサブ基板104への一方向であるため、そのような一方向でのデータ送受信にて全体動作が実現されるよう各構成がメイン基板102とサブ基板104に配置される。このようにメイン基板102からサブ基板104へのデータ送信の一方向性が保たれるため、サブ基板104に含まれる構成からメイン基板102に含まれる構成へはデータを送信することができず、データ送信の要求もできない。したがって、メイン基板102で生成された情報は、メイン基板102がサブ基板104へ一方的に送信しない限りサブ基板104から参照することはできない。
入球判定手段110は、各入賞口への遊技球の入球を判定する。入球判定手段110は、始動入賞情報を受け取ると遊技球が始動口62に入賞したと判断し、大入賞口入賞情報を受け取ると遊技球が大入賞口66に入賞したと判断し、一般入賞情報を受け取ると遊技球が一般入賞口72に入賞したと判断する。入球判定手段110は、通過情報を受け取ると遊技球が作動口68を通過したと判断する。
始動口62への入球に対応する当否抽選を実行する当否抽選手段111は、抽選値取得手段112、当否判定手段113、変動パターン決定手段114を含む。当否抽選の結果は、特別図柄表示装置61において特別図柄192の変動表示の形で示され、演出表示装置60において装飾図柄190の変動表示の形で示される。
当否抽選手段111は、図柄変動を開始するにあたり、その図柄変動に対応する抽選の結果を図柄変動の制御コマンドとともに図柄態様決定手段131および演出決定手段132へ送信する。さらに、当否抽選手段111は、始動口62への入球時にも事前判定処理として抽選値が当否判定におけるいずれの抽選値範囲に該当するかの事前当否判定を実行し、その判定結果を抽選結果として図柄態様決定手段131および演出決定手段132へ送信する。事前判定処理の結果は送信バッファに一時保存された後、その抽選に対応する図柄変動表示が直ちに開始されるか否かにかかわらず図柄態様決定手段131および演出決定手段132へ送信され、送信バッファから消去または後に上書きされる。そのため、サブ基板104の側にとっては図柄変動開始の順番が巡ってくる前にあらかじめ当否結果を推測的に認識できる、いわゆる「先読み」と呼ばれる処理が実現される。
抽選値取得手段112は、始動口62への入球を契機に、当否抽選のために乱数の値を当否抽選値として取得する。例えば、当否抽選のために当否抽選値として取得する値は「0」から「65535」までの値範囲から取得される。なお、本願にいう「乱数」は、数学的に発生させる乱数でなくてもよく、ハードウエア乱数やソフトウエア乱数などにより発生させる疑似乱数でもよい。抽選値取得手段112が当否抽選値として取得する値は、保留制御手段116により一時的に保留される。ただし、所定の保留上限数を超えない範囲で当否抽選値が保留される。
当否判定手段113は、当否抽選値に基づき、特別遊技または小当たり遊技へ移行するか否かを判定する当否判定と、当否抽選値が当否判定におけるいずれの抽選値範囲に該当するかの事前当否判定を実行する。当否判定手段113は、当否判定で参照する当否判定テーブルと事前当否判定テーブルを保持する。なお、図柄変動を開始するにあたって実行する当否判定を、特に事前当否判定と区別するために、適宜「本判定としての当否判定」とも呼ぶ。
図4は、当否判定テーブルを模式的に示す図である。本図の当否判定テーブルには、大当たり、小当たり、外れの判定結果と当否抽選値とが対応付けられており、対応付けられたそれぞれの範囲設定に応じて大当たり当否確率や小当たりの当否確率が定まる。当否判定手段113は、本判定としての当否判定において本図の当否判定テーブルを参照する。当否判定手段113による当否抽選においては、通常時には当否抽選値が0〜299の範囲に該当したときのみ大当たりとなる。確変時には大当たりの範囲が拡大され、当否抽選値が0〜299の範囲に該当する場合だけでなく、300〜2999の範囲に該当する場合にも大当たりとなる。このように、大当たりに該当する範囲は遊技状態に応じて変化する。なお、本図では単一の当否判定テーブルによって通常時と確変時の双方の大当たり範囲を示したが、当否判定テーブルは通常時用と確変時用とで別個に用意してもよい。
本実施例においては、当否抽選値が大当たり範囲に該当しない、いわゆる外れとなった場合であっても、所定の範囲に該当した場合には小当たりとなる。本図の例では、当否判定手段113が取得する当否抽選値が60000〜65535の範囲に該当した場合に小当たりとなる。このように、大当たりに該当しなかった場合、本来はすべて「外れ」であるが、本図の例では大当たりに該当しなかった場合のうち小当たりにも該当しなかった場合の当否抽選値範囲を特に「外れ」と表現している。なお、本図では大当たりか否かの判定テーブルと小当たりか否かの判定テーブルとを単一の当否判定テーブルの形で実現する例を示したが、それぞれを別個のテーブルとして実現してもよい。
図5は、事前当否判定で参照される事前当否判定テーブルを模式的に示す図である。当否判定手段113は、この事前当否判定テーブルを参照し、当否抽選値が「0〜299」の場合はその旨を示す「1」の値を判定結果としての当否範囲に設定し、当否抽選値が「300〜2999」の場合はその旨を示す「2」の値を判定結果としての当否範囲に設定する。当否抽選値が「3000〜59999」の場合はその旨を示す「3」の値を判定結果としての当否範囲に設定し、当否抽選値が「60000〜65535」の場合はその旨を示す「4」の値を判定結果としての当否範囲に設定する。当否判定手段113は、以上のように当否範囲を設定するたびにその値を保留の個数とともに図柄態様決定手段131および演出決定手段132へ送信する。
図3に戻り、当否判定手段113は、別途取得する図柄抽選値と当否判定の結果に基づいて、図柄の変動開始にあたってその停止図柄を決定するとともに、図柄抽選値がいずれの図柄範囲に該当するかの事前図柄判定を実行する。当否判定手段113は、特別図柄の停止図柄を決定するために参照する複数の図柄判定テーブルと事前図柄判定テーブルを保持する。当否判定手段113は、当否判定結果に応じて異なる図柄判定テーブルを参照する。なお、図柄変動を開始するにあたって実行する図柄判定を、特に事前図柄判定と区別するために、適宜「本判定としての図柄判定」とも呼ぶ。
図6は、図柄判定テーブルを模式的に示す図である。図6(a)は当否判定結果が大当たりであった場合に参照するテーブルであり、図6(b)は当否判定結果が外れであった場合に参照するテーブルであり、図6(c)は当否判定結果が小当たりであった場合に参照するテーブルである。当否判定手段113は、本判定としての図柄判定において本図の図柄判定テーブルを参照する。各図柄判定テーブルには、「0」〜「9」の数字および「−」の記号で表される特別図柄と図柄抽選値との対応関係が定められている。特別図柄の種類はそれぞれ大当たり、小当たり、外れの当否判定結果と対応付けられており、奇数の数字が大当たりに対応し、偶数の数字が小当たりに対応し、「−」の記号が外れに対応する。
図6(a)に示す通り、特別図柄「0」〜「9」のうち奇数の数字である特別図柄「1」「3」「5」「7」「9」が大当たりに対応付けられている。そのうち、特別図柄「7」は確変を伴う15R大当たりを示し、図柄抽選値の範囲「0〜99」に対応付けられる。特別図柄「3」は確変を伴う2R大当たりを示し、図柄抽選値の範囲「100〜149」に対応付けられる。特別図柄「1」「5」「9」は確変を伴わない15R大当たりを示し、図柄抽選値の範囲「150〜189」に特別図柄「1」が対応付けられ、「190〜229」に特別図柄「5」が対応付けられ、「230〜255」に特別図柄「9」が対応付けられる。
図6(b)に示す通り、特別図柄「−」は当否判定結果が外れの場合における全範囲の図柄抽選値に対応付けられている。
図6(c)に示す通り、特別図柄「0」〜「9」のうち偶数の数字である特別図柄「0」「2」「4」「6」「8」が小当たりに対応付けられている。特別図柄「0」は図柄抽選値の範囲「0〜49」に対応付けられ、特別図柄「2」は図柄抽選値の範囲「50〜99」に対応付けられ、特別図柄「4」は図柄抽選値の範囲「100〜149」に対応付けられ、特別図柄「6」は図柄抽選値の範囲「150〜199」に対応付けられ、特別図柄「8」は図柄抽選値の範囲「200〜255」に対応付けられる。
図7は、事前図柄判定で参照される事前図柄判定テーブルを模式的に示す図である。当否判定手段113は当否抽選値が大当たりに該当する場合にこの事前図柄判定テーブルを参照する。図柄抽選値が「0〜99」の場合はその旨を示す「1」の値を判定結果としての図柄範囲に設定し、図柄抽選値が「100〜149」の場合はその旨を示す「2」の値を判定結果としての図柄範囲に設定する。図柄抽選値が「150〜255」の場合はその旨を示す「3」の値を判定結果としての図柄範囲に設定する。当否判定手段113は、以上のように図柄範囲を設定するたびにその値を保留の個数とともに図柄態様決定手段131および演出決定手段132へ送信する。なお、当否抽選値が外れまたは小当たりに該当する場合は本図のテーブルは参照せず、外れまたは小当たりを示す値として例えば「4」の値を図柄範囲に設定してもよいし、何も設定しないこととしてもよい。
図3に戻り、変動パターン決定手段114は、特別図柄表示装置61および演出表示装置60に表示させる図柄変動の表示過程が定められた変動パターンを、別途取得するパターン抽選値に基づいて複数の変動パターンの中から決定してメイン表示制御手段118へ送る。変動パターン決定手段114は、図柄変動を開始する際に変動パターンテーブルを参照してその図柄変動の変動パターンを決定する。また、変動パターン決定手段114は、パターン抽選値がいずれの変動パターン範囲に該当するかの事前パターン判定を実行する。変動パターン決定手段114は、変動パターンを決定するために参照する変動パターンテーブルと事前パターン判定テーブルを保持する。変動パターンには、特別図柄を変動表示させるときの変動開始から停止までの変動時間が定められており、その種類によって長短様々な変動時間をもつ。すなわち、各変動パターンには、その図柄変動の終了条件としてパターンごとに変動表示時間が定められており、その変動表示時間の経過時に特別図柄の変動が停止される。なお、図柄変動を開始するにあたって実行する変動パターン判定を、特に事前パターン判定と区別するために、適宜「本判定としての変動パターン判定」とも呼ぶ。
図8は、変動パターンテーブルを模式的に示す図である。変動パターン決定手段114は、当否判定結果が外れのときは図8(a)に示される外れ用の変動パターンを参照する。変動パターン決定手段114は、本判定としての変動パターン判定において本図の変動パターンテーブルを参照する。当否判定結果が15R大当たりのときは図8(b)に示される15R大当たり用の変動パターンテーブルを参照する。当否判定結果が2R大当たりまたは小当たりのときは図8(c)に示される2R大当たりおよび小当たり用の変動パターンテーブルを参照する。さらに、当否判定結果が外れである場合に、特図保留手段144による当否抽選結果の保留数が3つまたは4つになった場合には、図8(d)に示される変動短縮用の変動パターンテーブルを優先的に参照するが、連続予告演出の結果表示を示す変動については、その時間短縮は適用されず、所定時間以上の変動パターンが選択される。例えば、変動時間が30秒以上のリーチ演出を伴う変動パターンが選択される。
図8(a)においては、パターン抽選値0〜10には「スーパー1」というスーパーリーチが対応付けられ、パターン抽選値11〜20には「スーパー2」というスーパーリーチが対応付けられている。パターン抽選値21〜255には「ノーマル1」「ノーマル2」「リーチなし」のいずれかの変動パターンが対応付けられている。図柄の変動時間は、「スーパー1」の場合は90〜120秒、「スーパー2」の場合は60〜90秒、「ノーマル1」「ノーマル2」「リーチなし」の場合は10〜30秒に設定されており、当たり期待度が高いリーチ演出を伴うほど長く設定される。当否判定結果が外れの場合も、このようにスーパーリーチ、ノーマルリーチ、リーチなしのいずれも選択される可能性があるが、期待度の高いリーチが選択される確率は相対的に低く設定されている。なお、外れ用の変動パターンテーブルにおいて、特に「リーチなし」の変動パターンを選択するとき、時短状態においては通常状態よりもさらに変動時間が概ね短い変動パターンが選択されるよう異なるテーブルを参照する。
図8(b)においては、パターン抽選値0〜120には「スーパー1」のスーパーリーチが対応付けられ、パターン抽選値121〜240には「スーパー2」のスーパーリーチが対応付けられている。パターン抽選値241〜250には「ノーマル1」のリーチが対応付けられ、パターン抽選値251〜255には「ノーマル2」のリーチが対応付けられている。このように、当否判定結果が15R大当たりの場合はリーチ付きの変動パターンが選択される。
図8(c)においては、パターン抽選値0〜122には「スーパー3」というスーパーリーチが対応付けられ、パターン抽選値123〜255には「ノーマル3」というノーマルリーチが対応付けられている。このように当否判定結果が2R大当たりまたは小当たりの場合は「スーパー3」または「ノーマル3」がそれぞれ約50%の確率で選択される。図柄の変動時間は、「スーパー3」の場合は60〜90秒、「ノーマル3」の場合は10〜30秒に設定されており、当たり期待度が高いリーチ演出を伴うほど長く設定される。
図8(d)に示される変動パターンテーブルは、始動口62への入球により特図保留手段144による当否抽選結果の保留数が3つまたは4つになった場合に、当否判定結果にかかわらず図8(a)〜(c)の変動パターンテーブルよりも優先的に選択される。保留数が3つの場合には変動時間が6秒と比較的短い短縮変動となり、保留数が4つの場合には変動時間が3秒とさらに短い超短縮変動となる。しかし、上述のように、連続予告演出の結果表示を示す変動については、その短縮変動は適用されず、所定時間以上の変動になる。
図9は、事前パターン判定で参照される事前パターン判定テーブルを模式的に示す図である。変動パターン決定手段114は、当否結果が外れの場合に図9(a)のテーブルを参照し、パターン抽選値が「0〜10」の場合はその旨を示す「1」の値を判定結果としてのパターン範囲に設定し、パターン抽選値が「11〜20」の場合はその旨を示す「2」の値を判定結果としてのパターン範囲に設定する。パターン抽選値が「21〜255」の場合はその旨を示す「3」の値を判定結果としてのパターン範囲に設定する。
変動パターン決定手段114は、当否結果が15R大当たりの場合に図9(b)のテーブルを参照し、パターン抽選値が「0〜120」の場合はその旨を示す「4」の値を判定結果としてのパターン範囲に設定し、パターン抽選値が「121〜240」の場合はその旨を示す「5」の値を判定結果としてのパターン範囲に設定する。パターン抽選値が「241〜250」の場合はその旨を示す「6」の値を判定結果としてのパターン範囲に設定し、パターン抽選値が「251〜255」の場合はその旨を示す「7」の値を判定結果としてのパターン範囲に設定する。
変動パターン決定手段114は、当否結果が2R大当たりまたは小当たりの場合に図9(c)のテーブルを参照し、パターン抽選値が「0〜122」の場合はその旨を示す「8」の値を判定結果としてのパターン範囲に設定し、パターン抽選値が「123〜255」の場合はその旨を示す「9」の値を判定結果としてのパターン範囲に設定する。変動パターン決定手段114は、以上のようにパターン範囲を設定するたびにその値を保留の個数とともに図柄態様決定手段131および演出決定手段132へ送信する。
図3に戻り、普図抽選手段136は、作動口68を遊技球が通過したときに抽選値を取得することにより抽選を実行する。普図抽選手段136による抽選の結果は、普通図柄表示装置59において普通図柄の形で変動表示される。普図抽選手段136は、普通図柄表示装置59に表示させる普通図柄の停止図柄を決定するために参照すべき図柄判定テーブルを保持する。その図柄判定テーブルには抽選値と普通図柄の対応関係が定められており、普図抽選手段136は普通図柄の停止図柄を図柄判定テーブルを参照して決定する。決定された停止図柄が所定の図柄となった場合に普通図柄が当たりに該当したと判定され、その停止図柄にて普通図柄の変動表示が停止された後に開閉制御手段124が始動口62の普通電動役物を所定時間拡開する。普通図柄の抽選値は、保留制御手段116により一時的に保留される。ただし、保留制御手段116により保留される所定の保留上限数を超えない場合にだけ抽選値が保留される。
保留制御手段116は、特図保留手段144および普図保留手段147を含む。特図保留手段144は、始動口62へ新たな入球があって新たに当否抽選が実行されるときにそれ以前の入球ないし抽選に対応する図柄変動が表示されている場合、新たな入球に基づく当否抽選の結果をその抽選に対応する図柄の変動表示開始まで保留する。本実施例では当否抽選の結果として4個を上限として当否抽選値と事前判定結果としての当否範囲、図柄範囲、パターン範囲の設定を保持する。あるいは、当否抽選値とは別の領域に事前判定の結果を保持してもよい。普図保留手段147は、普図抽選手段136により取得された普図抽選値を保留球として保持する。これらの保留数がそれぞれ抽選保留ランプ20、作動保留ランプ22の点灯数または点滅数により表される。
メイン表示制御手段118は、特図制御手段148および普図制御手段153を含む。特図制御手段148は、当否抽選手段111による当否抽選の結果として決定された変動パターンにしたがい特別図柄192の変動を特別図柄表示装置61に表示させる。特図制御手段148は、それ以前になされた当否抽選に対応する図柄の変動表示が終了していることを新たな図柄変動の開始条件とする。
特図制御手段148は、特別図柄192の変動表示を開始するタイミングと停止するタイミングにて、変動開始コマンドと変動停止コマンドを演出表示制御手段134へ送信する。変動開始コマンドを送信するとき、本判定として判定ないし決定された当否判定結果、停止図柄、変動パターンのそれぞれを示す値を変動開始コマンドとともに演出表示制御手段134へ送信する。変動停止コマンドを送信するとき、あらためて停止図柄を示す値を変動停止コマンドとともに演出表示制御手段134へ送信する。これにより、メイン表示制御手段118および演出表示制御手段134による変動表示が同期し、連動が保たれる。普図制御手段153は、普図抽選手段136による抽選の結果を普通図柄の変動表示として普通図柄表示装置59に表示させる。
条件保持手段176は、大入賞口の開放を伴う単位遊技を複数回含む特別遊技へ移行するための条件として特別遊技作動条件を保持する。特別遊技作動条件は、当否抽選で特別遊技へ移行する旨を示す結果となり、その抽選に対応する図柄変動が停止したことを条件の内容とする。
特別遊技制御手段120は、当否抽選手段111による当否抽選が特別遊技への移行を示す結果となった場合、特別図柄192が所定の大当たり態様で停止されたときに特別遊技作動条件が成立したと判定し、大入賞口66を開放させることにより特別遊技を実行する。特別遊技は、大入賞口66の開閉動作を複数回数連続して継続する遊技であり、1回の開閉を単位とした複数回の単位遊技で構成される。特別遊技には、単位遊技を15回繰り返す15R大当たりと、短い単位遊技を2回だけ繰り返す2R大当たりがある。15R大当たりにおいては、1回の単位遊技において大入賞口66を原則として約30秒間開放させる。特別遊技制御手段120は、単位遊技の設定ラウンド数を消化したときに特別遊技を終了させる。
特定遊技実行手段122は、確変および時短の状態における通常遊技を制御する。特定遊技実行手段122は、特別遊技の終了後に必ず時短状態へ移行させる。一方、特別遊技の終了後に確変状態へ移行させるのは、当否判定手段113により決定された図柄が確変への移行を伴う大当たり図柄であった場合に限られる。時短状態は、特別図柄192の変動表示回数が特別遊技の終了時点から数えて所定の終了条件回数、例えば100回に達するまで継続される。時短状態においては、特別図柄192の変動表示時間が概ね短くなるよう、変動パターン決定手段114が変動時間の短い変動パターンを選択する。ただし、通常状態においては、特図保留手段144による保留数に応じた変動パターンテーブルを参照し、特図保留手段144による保留数が少なくなるほど変動時間の長い変動パターンが出現しやすくなる。一方、確変状態は、次の大当たりによる特別遊技が実行されるまで継続される。確変状態の間は当否判定手段113による当否判定結果が大当たりとなる確率が高い値のまま維持される。
開閉制御手段124は、始動口62の普通電動役物や大入賞口66の開閉を制御する。開閉制御手段124は、普通図柄が特定の図柄で停止されると、普通電動役物ソレノイド76に開放指示を送り、始動口62を開放させる。また、開閉制御手段124は、特別遊技中、大入賞口ソレノイド80に開放指示を送り、大入賞口66を開放させる。
パターン記憶手段130は、装飾図柄190の変動において演出表示装置60に表示させる演出的な画像内容とその表示過程が定められた複数の演出パターンを保持する。演出パターンには、装飾図柄190の変動表示における変動開始から停止までの変動過程と演出過程が定められた複数の変動演出パターンと、装飾図柄の変動表示とは別に表示されて大当たりへの期待度の高さを予告的に示唆する複数の予告演出パターンとが含まれる。
演出決定手段132は、当否抽選手段111から受け取る当否抽選の結果に応じて、演出表示制御手段134によって演出表示装置60へ表示させる演出内容を決定する。演出決定手段132は、変動パターン決定手段114により決定された特別図柄の変動パターンに対応する複数の変動演出パターンデータの中からいずれかを選択してパターン記憶手段130から読み出し、その変動演出パターンの情報を演出表示制御手段134へ送る。図柄態様決定手段131は、装飾図柄190の停止図柄の組合せを当否抽選手段111が決定する特別図柄の停止図柄、特別図柄の変動パターン、装飾図柄の変動演出パターンに応じて決定する。図柄態様決定手段131は、決定した停止図柄の組合せを示す情報を演出表示制御手段134へ送信する。図柄態様決定手段131は、装飾図柄の停止図柄を決定するために参照すべき図柄範囲テーブルを保持する。
装飾図柄190の停止図柄は、3つの図柄の組合せとして形成され、例えば当否抽選手段111による当否判定結果が15R大当たりの特別遊技への移行を示す場合には特定の組合せ、例えば「777」や「111」のように3つの図柄が揃った組合せが選択される。この場合、装飾図柄190として揃える数字には、特別図柄192と同じ数字が選ばれるのが好ましい。例えば、特別図柄192が「7」の場合は装飾図柄190が「777」となる。あるいは、3つの図柄の少なくとも一つに当たりであることを示す特定の図柄が含まれる図柄の組み合わせによっても、その大当たりを示すようにしてもよい。当否判定結果が2R大当たりの場合や小当たりの場合もまた特定の組合せ、例えば「357」のような所定の組合せが選択されるが、それらの特定の組合せは必ずしも3つの図柄が揃った組合せでなくてもよい。当否判定結果が大当たりでも小当たりでもない場合は、「312」や「946」のように3つの図柄が揃っていない組合せであって、2R大当たりや小当たりのときに選択される特定の組合せに該当しない組合せが選択される。当否判定結果が15R大当たりではない場合であって、リーチ付きの外れを示す変動パターンが選択された場合は、「191」や「727」のように一つだけ図柄が揃っていない組合せを選択する。
装飾図柄の変動演出パターンデータには、装飾図柄の変動表示態様、すなわち装飾図柄の変動開始から変動停止までの変動過程と演出過程が定義される。変動演出パターンには、あと一つ図柄が揃えば大当たりとなるリーチ状態を経てから当たり態様または外れ態様である停止図柄組合せを表示するリーチパターンと、リーチ状態を経ずに外れ態様である停止図柄組合せを表示するリーチなしパターンが含まれる。特に、リーチ状態を経るときのパターンとしては、長短様々な変動時間をもつパターンが含まれ、相対的に変動時間の短いリーチパターンを「ノーマルリーチ」と称し、変動時間の長いリーチパターンを「スーパーリーチ」と称する。各変動演出パターンには、その図柄変動の終了条件としてパターンごとに変動時間が定められており、その変動時間の経過時に図柄変動が停止される。演出決定手段132は、特別図柄の変動パターンに応じて、特別図柄と変動時間が等しい装飾図柄の変動演出パターンを選択する。
予告演出パターンは、特定のキャラクタやモチーフの画像、アニメーション、映像などを一時的に画面表示させる演出パターンや、特定の音声を出力する演出パターンである。本実施例では、可動役物140を作動させることによる予告演出も含まれる。予告演出パターンによる演出は、図柄変動と並行して実行され、その図柄変動が大当たり態様にて停止する期待度が高いことを予告的に示唆する。
予告演出パターンには、装飾図柄190の表示態様がリーチ状態となった後のタイミングで演出が実行されて図柄の最終的な停止態様を予告するパターンと、装飾図柄190が一つも停止していないタイミングで演出が実行されてリーチ状態となることを同時に予告するパターンとがある。
演出決定手段132は、当否抽選の結果に応じて演出表示装置60に予告演出を表示させるか否かを所定の予告抽選により決定するとともに、表示させるべき予告演出パターンを決定する。演出決定手段132は、予告演出を表示させるか否かを決定するために参照すべき予告決定テーブルと、予告演出パターンの種類を選択するときに参照すべき予告種類テーブルとを保持する。予告決定テーブルは、当否抽選の結果に応じて異なる欄が参照されるように設定されており、当否抽選が当たりの場合は外れの場合よりも高い確率で予告演出を表示させるよう、当否抽選の結果と予告演出を表示するか否かの対応関係が定められる。これにより、予告演出が表示されること自体で大当たりへの期待度の高さを示唆することができる。
演出表示制御手段134は、当否抽選手段111による当否抽選の結果を、選択された変動演出パターンデータにしたがって演出表示装置60へ装飾図柄を含む演出画像を変動表示させる。演出表示制御手段134は、それ以前の当否抽選に対応する装飾図柄190の変動表示が終了していることを新たな図柄変動の開始条件とする。演出表示制御手段134は、予告演出を表示させる旨が演出決定手段132により決定された場合、選択された予告演出パターンにしたがった予告演出を図柄変動の演出に重畳させて演出表示装置60へ同時表示させる。このように演出表示制御手段134は、装飾図柄190の変動表示を含む図柄変動演出を演出表示装置60に表示させる。演出表示制御手段134は、遊技効果ランプ90の点灯および消灯や、スピーカ18からの音声出力などの演出処理をさらに制御する。
本実施例の予告演出には、複数回の図柄変動にわたって連続的に表示される連続変動演出として連続予告演出が含まれる。連続予告演出は、特図保留手段144に保留されている結果のうちいずれかが当たりを示すか否かに応じて、その結果に対応する図柄変動に至るまでの複数回の図柄変動のそれぞれに演出表示要素を表示させる演出である。その演出表示要素を複数回の図柄変動のそれぞれに表示させることで、全体として当たりの期待度を示唆する一つの演出内容が展開される。本実施例においては、連続予告演出としてミッション演出が表示される。ミッション演出は、当否抽選が当たりとなるための条件として演出が特定の態様を呈すべきことを内容とする指令を遊技者に提示する演出である。ここでは、演出表示要素として指定されたオブジェクトを指定個数出現させた場合に大当たりであることを示し、指定個数未満の出現であったときに外れであることを示す。したがって、オブジェクトの出現回数が増加して指定個数に近づくほど大当たりへの期待度も増す。本実施例では、その連続予告演出の過程でオブジェクトの個数を内部的に決定して表示させる予告演出と、遊技者による操作ボタン82の操作入力に応じてオブジェクトの表示有無を決定する予告演出が含まれる。
演出決定手段132は、事前判定結果として取得する当否抽選の結果の中に大当たりの結果が含まれる場合に、大当たりの結果が含まれていない場合よりも高い確率で連続予告演出の開始を決定する。演出決定手段132は、連続予告演出の開始前にその時点の事前判定において選択されている変動パターンに基づく演出表示要素の表示許容度、および連続変動演出中の遊技者の対応を想定した指令内容の達成可能性に応じて、図柄の変動ごとに表示させる演出表示要素の態様を決定することで連続予告演出の演出内容を決定する。
本実施例における演出表示要素は、所定のオブジェクトとして1個または複数個のチェリーが出現する映像であり、連続予告演出中に表示させるべきチェリーの数が指定される。すなわち、決定された個数の演出表示要素を連続予告演出において順次出現させていき、連続予告演出の終了までにミッション内容にかかる指定個数の演出表示要素が出現すれば大当たりとなることを示す。逆に指定個数に満たない数の演出表示要素出現であれば、外れであることを示す。
本実施例における演出表示要素の表示許容度は、連続予告演出が表示される複数回の図柄変動のそれぞれに演出表示要素の出現が時間的にどの程度許容されるかを示す。本実施例では、連続予告演出として大きくわけてボタン予告とキャラクタ予告が設けられている。ボタン予告は、遊技者に対して操作ボタン82の操作入力を要求する予告であるため、その操作入力の待ち時間を要する。このため、保留数が3個になって短縮変動になるか、または4個になって超短縮変動になると、出現させることができなくなる。また、キャラクタ予告は、ボタン予告ほどではないが、所定のストーリーを展開するための表示時間を要する。このため、保留数が3個の短縮変動の場合にはかろうじて出現させることができるが、保留数が4個になって超短縮変動になると、出現させることができなくなる。
一方、本実施例における指令内容の達成可能性は、ボタン予告に対して遊技者の操作入力がなされるか否かによって変化する。すなわち、ボタン予告が選択された場合には、その予告演出にて出現させる演出表示要素の数が同時に決定されるが、遊技者が入力要求を無視してその操作入力を怠った場合、そのボタン予告に割り当てられた演出表示要素はカウントされない。演出上のペナルティを課すものである。このため、遊技者の操作入力が行われない場合には、指令内容の達成可能性が相対的に低下することになる。本実施例では遊技者による操作入力があると想定し、連続予告演出の開始前の時点においては、その後のボタン予告によるチェリーは獲得されるものとして演出表示要素の態様を決定する。
演出決定手段132は、連続予告演出の内容を決定する場合、事前判定の段階で複数回の図柄変動における演出表示要素出現の配分予定を決定する。本実施例の連続予告演出は一律に3回の図柄変動で構成される。なお、特図保留手段144による4個目の保留に大当たりがセットされた場合であっても、その時点で保留数が4個に達しているため、直後の図柄変動は超短縮変動となって実質的に演出表示要素を出現させる演出ができない。このように、4個目の保留が大当たりの場合でも2番目の図柄変動から連続予告演出を開始させることとなるため、連続予告演出はつねに3回の図柄変動で構成する。そして、その3回の図柄変動内に当たり結果が含まれていれば、その当たり結果に対応する図柄変動が終了するまでに指定個数の演出表示要素を出現させ、当たり結果が含まれていなければ、その3回以内に出現する演出表示要素の個数を指定個数未満表示させるよう調整制御する。変形例としては、連続予告演出の開始を決定するたびに図柄変動回数をランダムに決定し、その回数で連続予告演出を構成させてもよい。
演出決定手段132は、本判定において選択される変動パターンが事前判定において選択された変動パターンと異なる変動パターンとなった場合、その相違に基づく演出表示要素の表示許容度の変化に応じて演出表示要素の態様を決定し直す。すなわち、事前判定においていったん予定された図柄変動時間が本判定によって短くなると演出表示要素の表示許容度が事後的に低下するため、演出表示要素の出現配分を変更して演出内容を決定し直す。例えば、3回の図柄変動の途中で当たり結果が表示される前に新たに入球があり保留数が4個に達すると、図柄変動が一時的に超短縮変動となって時間的に指定個数の演出表示要素が表示できなくなる場合がある。そのような場合、少なくとも当たり結果に対応する図柄変動ではその不足分を全て消化するよう演出表示要素を出現させることにより、当初の予定通りに帳尻を合わせて指定個数の演出表示要素出現を維持できる。
また、演出決定手段132は、連続予告演出の実行過程で表示されたボタン予告において遊技者の操作入力がなかった場合、ミッション演出における指令内容の達成可能性の変化に応じて演出表示要素の態様を決定し直す。すなわち、ミッション演出の指定期間の図柄変動に当たり結果を含むものがある場合、ボタン予告を実行したにもかかわらず遊技者の操作入力がなければ演出表示要素の出現数が事後的に低下する。このため、その当たり結果に対応する図柄変動が終了するまでに指定個数の演出表示要素を出現させる状態を保持できるよう演出表示要素の出現配分を変更して演出内容を決定し直す。
このように、保留される当否抽選結果数の事後的な変化によって変動パターンが当初の予定とは異なることとなっても、その後の図柄変動において表示させる演出表示要素の態様を調整することで演出全体の示唆内容をそのまま維持することができる。すなわち、予定回数の図柄変動の間に予定通りの個数の演出表示要素を出現させ、演出による示唆内容が当否抽選の結果と矛盾することを回避することができる。また、そのような矛盾の回避をするために演出が不自然となることも回避することができる。
役物制御手段135は、演出表示制御手段134から受け取る指示にしたがい、演出表示装置60における演出内容や遊技効果ランプ90の点滅過程に沿って、可動役物140を演出的に動作させる。
図10は、外れ用の変動パターンテーブルを詳細に示す図である。本図の変動パターンテーブル210においては、保留数ごとにそれぞれ変動パターンに対応付けられたパターン抽選値の範囲が異なる。具体的には、保留数が少ないほど変動時間が相対的に長い変動パターンに割り当てられたパターン抽選値の範囲が広くされており、それら変動時間の長い変動パターンが選択される確率を高めている。そのため、特図保留手段144による保留数が少ないほど平均的な変動時間が長くなる。したがって、特図保留手段144による保留数が所定数、例えば1〜2個より少なくなった場合に、変動時間の長い変動パターンの選択確率が通常より高くなり、変動時間が比較的長くなりやすい。
第1欄212には、特図保留手段144による当否抽選の結果保留数が0の場合のパターン抽選値範囲と変動パターンとの対応関係が示される。同様に、第2欄214、第3欄216、第4欄218、第5欄220に、特図保留手段144による当否抽選の結果保留数がそれぞれ1、2、3、4の場合のパターン抽選値範囲と変動パターンとの対応関係が示される。すなわち、第1欄212、第2欄214、第3欄216、第4欄218、第5欄220が保留数ごとの変動パターンテーブルを示すと考えることができる。本図では、外れのときに選択され得る複数の変動パターンを変動時間別に5種類に分類した例を説明するが、実際にはそれらの分類ごとに複数の変動演出パターンが用意されており、全体で数十種類の変動演出パターンがそれぞれの分類ごとの抽選値範囲に対応付けられていることに等しい。
第1範囲222には、抽選値が0から10までのパターン抽選値に該当する場合の変動パターンとして、第1欄212、第2欄214、第3欄216、第4欄218、第5欄220のいずれにも「スーパー1」というスーパーリーチの変動パターンが対応付けられる。第2範囲224には、抽選値が11から20までのパターン抽選値に該当する場合の変動パターンとして、第1欄212、第2欄214、第3欄216、第4欄218、第5欄220のいずれにも「スーパー2」というスーパーリーチの変動パターンが対応付けられる。このように、抽選値が0から10までのパターン抽選値と抽選値が11から20までのパターン抽選値の場合には、保留数にかかわらず同じ変動時間の変動パターンが選択される。
第3範囲226には、抽選値が21から255までのパターン抽選値に該当する場合の変動パターンとして、第1欄212、第2欄214、第3欄216、第4欄218、第5欄220にはそれぞれノーマルリーチである「ノーマル1」「ノーマル2」と「リーチなし外れ」の3種類の変動パターンが対応付けられる。ただし、それぞれの変動パターンが対応付けられるパターン抽選値の範囲は保留数によって異なる。第1欄212では、「ノーマル1」「ノーマル2」「リーチなし」のそれぞれが対応付けられる抽選値範囲の大きさがそれぞれほぼ等しく、21から255をほぼ3等分した範囲が対応付けられている。これに対し、第2欄214では、「ノーマル1」「ノーマル2」のそれぞれに対応付けられる抽選値範囲の大きさが「リーチなし」に対応付けられる抽選値範囲よりやや小さい。また、第3欄216では「ノーマル1」「ノーマル2」のそれぞれに対応付けられる抽選値範囲の大きさがさらに小さくなり、第4欄218および第5欄220にて「ノーマル1」「ノーマル2」のそれぞれに対応付けられる抽選値範囲の大きさはまたさらに小さくなっている。
「ノーマル1」「ノーマル2」の変動時間は「リーチなし外れ」の変動時間より長くてもよく、また「リーチなし外れ」のときは時短状態のように変動時間が短縮される場合もあるため、上記の第3範囲226の設定内容に応じて平均的な変動時間が異なることとなる。保留数が0から1、2、3、4と多くなるにつれて「ノーマル1」および「ノーマル2」のパターン抽選値範囲は小さくなり、逆に「リーチなし外れ」のパターン抽選値範囲が大きくなる。したがって、保留数が多いほど平均的な変動時間は短くなり、逆に保留数が少ないほど平均的な変動時間は長くなる。このように保留数ごとにパターン抽選値範囲と変動パターンの対応関係が異なる変動パターンテーブルを用いることにより、保留数が少なくなったときに変動時間の長い変動パターンが選択されやすくなる制御を実現することができる。
第4欄218に対応付けられた「リーチなし外れ」の変動パターンは、第1欄212、第2欄214、第3欄216に対応付けられた「リーチなし外れ」よりも変動時間が短い、いわゆる「短縮変動」の変動パターンである。また、第5欄220に対応付けられた「リーチなし外れ」の変動パターンは、第1欄212、第2欄214、第3欄216に対応付けられた「リーチなし外れ」よりも変動時間が短く、第4欄218の「短縮変動」よりもさらに変動時間が短い、いわゆる「超短縮変動」の変動パターンである。これにより、始動口62へ入球したときに保留数が0〜2であれば、少なくとも通常の変動時間以上の変動パターンが事前判定で選択されるが、図柄変動を開始する時点で保留数が3または4となっていれば、実際には通常の変動時間より短い変動時間の変動パターンが選択される。したがって、事前判定の時点で予定する変動時間に合わせて連続的な予告演出を設定しても、事後的にその変動時間が確保できなくなって予定通りの予告演出ができなくなる場合が生じる。
次に、本実施例における特徴的な演出の進行制御の内容について説明する。
本実施例では、連続予告演出としてその複数回の図柄変動期間にチェリーを指定個数表示させることを指令内容とするミッション演出が表示される。すなわち、図柄変動ごとにオブジェクト画像であるチェリーを順次表示させる。また、本実施例では可動役物予告においてもチェリーが表示されうる。図柄変動回数にて指定された達成期限までに表示されたチェリーのトータル数が指定個数に達していれば大当たりであることが確定する。逆に表示されたチェリーのトータル数が指定個数に満たない場合には外れであることが確定する。
図11および図12は、演出表示装置に表示される連続予告演出の画面例を表す図である。図11(a)〜(d)および図12(a)〜(c)には、その演出過程が例示されている。
図11(a)に示すように、演出表示装置60の表示領域194には、その略中央の領域に装飾図柄190が変動表示されるほか、その変動表示に重ねられるように各種予告演出等の画像が表示される。表示領域194の下方領域には、保留対応画像202が表示される。保留対応画像202は、特図保留手段144により保持される当否抽選の結果の保留数がランプ画像の形で表示される。図示の例では、その保留数の上限値と同数(本実施例では4つ)のランプ画像のうち、現在の保留数に相当する2つのランプが点灯表示されている。保留対応画像202の4つのランプ画像は、特図保留手段144による当否抽選値の保留が追加されるごとに、左方から順次追加点灯され、保留が消化されるごとに右方から消灯される。演出上は、そのランプ画像が左端側から順次消化されてその点灯状態が左方へシフトするように表示される。
本実施例では連続予告演出の実行が決定された場合、同図(b)に示すように装飾図柄190が画面右上に小さく退避され、その連続予告演出の開始を報知するための犯人画像204が表示される。犯人画像204は、保留対応画像202のいずれかのランプ画像に重畳表示される特殊画像であり、その表示位置がその後に開始されるミッション演出における指令内容の達成期限を示す。図示の例では、3つめのランプ画像に犯人画像204が重畳表示されている。
そして、保留球が1つ消化されるとともに次の図柄変動が開始され、同図(c)に示すように装飾図柄190が画面右上に小さく退避されるとともに、「3回転以内にチェリーを7個集めろ!」という指令内容が表示されている。この図柄変動は連続変動演出における1変動目に該当する。この指令内容が表示されると、同図(d)に示すように、当該変動も含めたその達成期限までの図柄変動回数が「残り回数」として表示される。
同図(d)には、連続予告演出において出現しうるボタン予告が表示されている。図示の例では、画面中央に宝箱の画像が表示されるとともに、その左横に操作ボタン82の操作入力を促す画像が表示されている。すなわち、このボタン予告は、遊技者の介入を前提とした予告演出であり、遊技者が操作ボタン82を操作すると、その宝箱が開かれる。
図12(a)には、その宝箱が開かれて中から2つのチェリーを獲得できた様子が示されている。画面左上には、連続予告演出において獲得されたチェリーのトータル数が累積的に表示される。同図には、当該図柄変動によって犯人画像204が左側にシフトするとともに、残り回数が2回であることが示されている。
同図(b)には、続く2変動目の図柄変動にてキャラクタ予告が表示された場合が示されている。図示の例では、女性キャラクタとともにチェリーが2つ出現している。さらに、そのキャラクタ予告に続いて可動役物予告が実行され、画面左下の可動役物140が作動して表示領域194にまで進出している。その可動役物140にはチェリーの絵柄が付されているため、チェリーがさらに1つ出現したことになる。つまり、この図柄変動にてチェリーがさらに3つ出現し、その結果、チェリーの獲得数が5つとなっている。なお、この変動中に始動口62に新たな入球があったため、犯人画像204の右横のランプ画像が点灯表示されている。なお、図示の例では、ボタン予告、キャラクタ予告が異なる図柄変動にて表示されているが、1回の図柄変動においてボタン予告およびキャラクタ予告が順次表示される演出パターンもある。また、図示の例では可動役物予告として画面左下の可動役物140が作動された例を示したが、当否抽選の結果に応じて、画面左上、画面右上の可動役物140もチェリーを出現させるために作動される。本実施例では、画面左上の可動役物140に2つ、画面右上の可動役物140に3つのチェリー絵柄が付されている。一方、画面右下の可動役物140にはチェリーは付されていない。
このようにして3変動目にリーチ演出がなされるとともにチェリーが指定の7個獲得されると、同図(c)に示すように「ミッション達成!!」が示される。そして、同図(d)に示すように、画面中央に装飾図柄190が当たり図柄組合せ「777」にて大きく表示され、「大当たり!」の文字列が表示される。すなわち、連続予告演出が表示される3回の図柄変動に対応する当否抽選の結果に当たりが含まれている場合には、同図に示したような演出を経て大当たりが確定表示される。なお、同図には、ミッションの達成期限にあたる図柄変動と当たり結果に対応する図柄変動とが一致する例を示したが、それらが異なる場合も生じうる。その場合には、当たり結果に対応する図柄変動において獲得したチェリーのトータル数が指定数に達するように調整される。一方、その3回の図柄変動に対応する当否抽選の結果に当たりが含まれていない場合、つまりいずれも外れであった場合には、ミッション不達成が示されるとともに、装飾図柄190として外れ図柄組合せが表示される。
図13は、連続予告演出の実行が決定されたときに参照される予告種類テーブルを模式的に示す図である。なお、実際には図示のものより詳細な内容が定義されるが、説明の便宜上、簡略表記したものを示している。同図において「B予告」はボタン予告を表し、「C予告」はキャラクタ予告を示している。各予告に付された括弧内にはそこで出現させる予定のチェリー数が示されている。なお、同図には説明の便宜上、当否抽選の結果が当たりの場合に参照されるテーブルが示されている。
演出決定手段132は、連続予告演出を表示させる複数回の図柄変動における変動時間の組合せに応じて図13のようなテーブルに含まれるいずれかの組合せを選択し、その組合せに応じた予告演出パターンを選択する。また、連続予告演出を表示させる複数回の図柄変動における変動時間の組合せが変化するたびに、その変化後の組合せに応じてテーブルに含まれるいずれかの組合せを選択し直すとともに、選択し直した組合せに応じて予告演出パターンを差し替える。
すなわち、連続予告演出用の予告種類テーブルには、ミッション演出の達成期限である3回の図柄変動についてそれぞれ表示される演出内容の組合せが定義されている。各図柄変動における演出は、単一の予告演出または複数の予告演出の組合せからなる。同図に示すように、連続予告演出の開始から1回目の図柄変動(「第1図柄変動」)、2回目の図柄変動(「第2図柄変動」)、3回目の図柄変動(「第3図柄変動」)と、その組合せが演出パターン番号に対応づけられている。
連続予告演出が開始されると、図柄変動ごとに図示の予告種類テーブルが参照され、連続予告演出の組合せパターンが設定される。すなわち、連続予告演出開始時に、まず仮のパターン組合せが選択され、その後の図柄変動開始ごとにその演出内容の整合性を保つために必要に応じたパターン組合せの調整処理がなされる。これは、連続予告演出中に新たな入球により短縮変動または超短縮変動になったり、ボタン予告に対して遊技者の操作入力がなかった場合など、連続予告演出の表示に不測の規制が加わった場合にも、その後の連続予告演出の辻褄を合わせるものである。図柄変動ごとにその調整を行うのは、連続予告演出においてなるべくチェリーを徐々に出現させることにより、遊技者に違和感なく指令達成に向かうような演出を実現するためである。
例えば、連続予告演出の開始時に演出パターン番号21のパターン組合せが選択された場合、当初の想定どおりに連続予告演出が進行すれば、第1図柄変動にてボタン予告が表示され、遊技者の操作入力によってチェリーが1個獲得される。続く第2図柄変動ではボタン予告およびキャラクタ予告が連続的に表示され、それぞれ3個、1個のチェリーが獲得される。さらに、第3図柄変動ではキャラクタ予告が表示されてチェリーが2個獲得される。このようにして指令どおりトータル7個のチェリーが獲得され、大当たりの発生が確定表示される。
しかしながら、例えば第1図柄変動にて遊技者が操作入力を怠った場合、当初の予定よりもチェリー数が1個不足する。このため、そのような場合には、次の第2図柄変動開始時にパターン組合せを変更し、指令内容が達成されるよう調整する。例えば演出パターン番号32のパターン組合せに切り替え、その第2図柄変動、第3図柄変動に対応する連続予告演出を順次表示させることにより指令内容を達成させる。
一方、その3回の図柄変動に対応する当否抽選の結果に当たりが含まれていない場合には、第3図柄変動を経てもトータル7個のチェリーが獲得されないようにパターン組合せが決定される。そして、第3図柄変動の停止表示にて外れであることが確定表示される。本実施例では、図示の当たり用の予告種類テーブルのほか、外れ用の予告種類テーブルが別途用意されるが、その内容については説明を省略する。パターン組合せの選択に際しては、当否抽選の結果に応じていずれかの予告種類テーブルが参照され、パターン抽選によってその組合せが決定される。
図14は、連続予告演出におけるミッション達成過程を示す調整制御の例を示すタイミングチャートである。同図(a)はその一例を示し、同図(b)は他の例を示している。 同図(a)に示す例では、ミッション演出の達成期限である第3図柄変動に対応する当否抽選結果が当たりとなっている。第1図柄変動がリーチなし外れの10秒、第2図柄変動もリーチなし外れの10秒、第3図柄変動がリーチ付き当たりの30秒の変動時間となっている。そして、図13に示した演出パターン番号21のパターン組合せが選択され、時刻t1にて図柄変動および連続予告演出が開始されている。当初の連続予告演出の設定は、最初の図柄変動である第1図柄変動においてチェリー1個を獲得可能なボタン予告が表示され、第2図柄変動においてチェリー3個を獲得可能なボタン予告およびチェリー1個を獲得可能なキャラクタ予告が表示され、第3図柄変動においてチェリー2個を獲得可能なボタン予告が表示される予定となっている。
この場合、短縮変動等がなく、第1図柄変動等のボタン予告において遊技者による操作入力があった場合には、設定どおりの連続予告演出が順次表示され、チェリーが徐々に獲得される。その結果、ミッション演出の指令内容(図示の例ではチェリー7個の獲得)が達成され、大当たりが確定表示される。しかし、図示の例では、時刻t2において遊技者に操作ボタン82の操作入力を要求したにもかかわらずその入力がなかったため、その第1図柄変動のチェリー1個を獲得できていない。そこで、第2図柄変動の開始時にパターン組合せの補正を実行している。図示の例では、演出パターン番号32のパターン組合せを選択し直す補正がなされ、時刻t3にて第2図柄変動が開始されている。その結果、時刻t4にて開始された第3図柄変動の期間において指令内容が達成されている。
同図(b)に示す例においても、同図(a)の場合と同様に、ミッション演出の達成期限である第3図柄変動に対応する当否抽選結果が当たりであり、連続予告演出の開始時に演出パターン番号21のパターン組合せが選択されている。しかし、第2図柄変動が開始される前に保留数が4つになり、その第2図柄変動が超短縮変動(変動時間:3秒)となってしまったため、このままでは連続予告演出の開始時に設定された演出内容を表示できない。そこで、その第2変動が開始される前に第3図柄変動にてチェリー6個を出現させるキャラクタ予告が表示されるよう演出パターンを切り替える補正を実行し、指令内容を達成する調整が行われている。
図15は、ぱちんこ遊技機における基本的な動作過程を示すフローチャートである。まず、遊技球が始動口62、一般入賞口72、大入賞口66などへ入賞した場合の処理を実行し(S10)、通常遊技中であれば(S12のY)、図柄変動などの通常遊技の制御処理を実行し(S14)、通常遊技中でなければ(S12のN)、特別遊技の制御処理を実行する(S16)。その後、S10の入賞処理においてセットされた賞球数にて各種入賞に応じた賞球払出を処理する(S18)。
図16は、図15におけるS10の入賞処理を詳細に示すフローチャートである。始動口62に入球があった場合(S20のY)、始動口62に対応する賞球数をセットし(S22)、特図保留手段144による保留数が4未満であるか否かを参照してさらなる保留が可能な状態であれば(S24のY)、当否抽選値を取得する(S26)。その当否抽選値に基づいて当否判定する事前判定処理を実行し(S28)、当否抽選値を特図保留手段144に保留する(S30)。S20において始動口62への入球がない場合はS22からS30までの処理をスキップする(S20のN)。S24において保留数が上限に達していてさらなる保留が不可能な場合はS26からS30までの処理をスキップする(S24のN)。
一般入賞口72に入球があった場合は(S32のY)、一般入賞口72に対応する賞球数をセットし(S34)、一般入賞口72への入球がないときはS34をスキップする(S32のN)。大入賞口66に入球があった場合は(S36のY)、大入賞口66に対応する賞球数をセットし(S38)、大入賞口66への入球がないときはS38をスキップする(S36のN)。
図17は、図16におけるS28の事前判定処理を詳細に示すフローチャートである。まず、事前当否判定テーブルを参照して事前当否判定を実行し(S40)、その判定結果として当否範囲を示す値を設定し(S42)、事前図柄判定テーブルを参照して事前図柄判定を実行し(S44)、その判定結果として図柄範囲を示す値を設定し(S46)、事前パターン判定テーブルを参照して事前パターン判定を実行し(S48)、その判定結果としてパターン範囲を示す値を設定する(S50)。以上のように設定された事前判定結果の値が、保留の個数とともに送信バッファに一時保存され、サブ基板104の図柄態様決定手段131および演出決定手段132へ送信される(S52)。
図18は、図15におけるS14の通常遊技制御処理の全体的な過程を示すフローチャートである。この通常遊技制御処理は、サブ基板104における先読み処理が実行され(S150)、メイン基板102における特別図柄変動処理の実行(S152)、サブ基板104における装飾図柄変動処理の実行(S154)が、繰り返し処理されることとなる。
図19は、図18におけるS150の先読み処理を詳細に示すフローチャートである。いわゆる先読みによって得られる情報に基づいてどのような演出をサブ基板104において実行するか、また事前判定結果がどのような結果の場合にその結果に応じた演出を実行するかといった基準は、ぱちんこ遊技機10における遊技性の設計に応じて種々考えられる。本実施例においては、「スーパー1」または「スーパー2」の変動パターンが新たに選択されたことを事前判定処理の結果に基づいてあらかじめサブ基板104側でも認識したことを条件に、連続予告演出により大当たりの期待度が高いことを演出的に示唆する決定をする。ただし、その「スーパー1」または「スーパー2」の変動パターンに係る事前判定での当否判定結果が大当たりであった場合は、大当たりでなかった場合よりも高い確率で連続予告演出を実行する旨の決定をする。
サブ基板104の演出決定手段132がメイン基板102から事前判定結果を受信した場合(S160のY)、演出表示制御手段134は事前判定結果とともに受信した当否範囲、パターン範囲および保留数の情報に基づいて、その時点での保留数が連続予告演出の実行に必要な3回分以上の図柄変動が確保される保留数となっており(S164のY)、連続予告演出中でなければ(S165のN)、事前判定により設定された当否範囲の値が「1」でパターン範囲の値が「4」または「5」の場合、つまり確変状態であるか否かにかかわらず大当たり確定となり、「スーパー1」または「スーパー2」を伴う場合(S166のY)、連続予告演出を開始させるか否かを当否判定結果に応じた確率での抽選で決定する(S172)。一方、その当否範囲の値がこれと異なる値であっても(S166のN)、事前判定により設定された当否範囲の値が「3」でパターン範囲の値が「1」または「2」の場合、つまり外れ確定にはなるが「スーパー1」または「スーパー2」を伴う場合にも(S168のY)、連続予告演出を開始させるか否かを当否判定結果に応じた確率での抽選で決定する(S172)。
S168において当否範囲の値とパターン範囲の値が該当しない場合は(S168のN)、S172をスキップする。連続予告演出中である場合には(S165のY)、S166からS172をスキップする。保留数が所定数に満たない場合は(S164のN)、S166からS172までの処理をスキップする。事前判定処理の結果を受信していない場合は本図のフロー全体をスキップする(S160のN)。なお、本図の例では、事前判定により設定された当否範囲とパターン範囲に基づいて連続予告演出を開始すべきか否かを決定する。変形例としては事前判定結果として送られる当否範囲およびパターン範囲のいずれかの情報を用いて連続予告演出を開始すべきか否かを決定してもよい。なお、本実施例では、当否判定の結果が通常時および確変時を問わず大当たりの場合、つまり大当たり確定の場合に連続予告演出の開始を決定する例を示したが、確変時のみに大当たりとなる場合、あるいは小当たりとなる場合に連続予告演出の開始を決定するようにしてもよい。あるいは、15R大当たりまたは2R大当たりのときに、連続予告演出の開始を決定するようにしてもよい。
図20は、図18におけるS152の特別図柄変動処理の実行処理を詳細に示すフローチャートである。まだ図柄変動表示が開始されていない場合(S60のN)、特図保留手段144により当否抽選値の保留がなされている場合(S70のY)、当否判定手段113が特図保留手段144から当否抽選値を読み出してあらためて特別図柄192の当否を判定し(S72)、当否判定手段113が特別図柄192を決定し(S74)、変動パターン決定手段114が特別図柄192の変動パターンを決定し(S76)、決定した結果とともに変動開始コマンドをサブ基板104へ送信して特別図柄192の図柄変動を開始する(S77)。特図保留手段144により抽選値の保留がなされていない場合はS72からS77までの処理をスキップする(S70のN)。
すでに図柄変動表示が開始されている場合(S60のY)、特別図柄の図柄変動表示を処理し(S78)、所定の変動時間が経過して図柄表示の停止タイミングに達したときは(S80のY)、変動停止コマンドをサブ基板104へ送信して表示中の図柄変動をあらかじめ決定された停止図柄にて停止し(S82)、本図のフローを終了する。図柄表示の停止タイミングに達していない場合はS82の処理をスキップして本図のフローを終了する(S80のN)。
図21は、図18におけるS154の装飾図柄変動処理の実行処理を詳細に示すフローチャートである。サブ基板104の演出決定手段132がメイン基板102から変動開始コマンドを受信した場合(S180のY)、受信した特別図柄の停止図柄、変動パターン、当否判定結果に応じて装飾図柄の停止態様を決定し(S182)、新たな変動演出パターンを決定する(S184)。ここで、連続予告演出を実行する旨の決定がなされている場合(S186のY)、次の図柄変動時間とそれ以降の図柄変動時間に応じて演出表示要素の出現配分が最適となるように予告演出パターンを決定する(S192)。このとき、すでに事前に決定されていた予告演出パターンがその後の表示許容度の変化によって表示不可となっていた場合は、事前に決定されていた予告演出パターンとは異なる予告演出パターンを決定し直すこととなる。また、ボタン予告において遊技者が操作入力を怠ったことによりミッション演出における指令内容の達成可能性が変化して当否抽選の結果に整合した演出結果を表示できなくなった場合にも、事前に決定されていた予告演出パターンとは異なる予告演出パターンを決定し直すこととなる。その後、装飾図柄の変動表示を開始する(S196)。
連続予告演出を実行する旨の決定がなされていない場合(S186のN)、S192の処理をスキップする。メイン基板102から変動開始コマンドを受信しなかった場合はS182からS196をスキップする(S180のN)。
すでに装飾図柄の変動表示が開始済みであれば(S198のY)、その図柄変動や予告演出の表示処理を実行し(S200)、メイン基板102から変動停止コマンドを受信したときは(S202のY)、S182で決定された停止態様にて装飾図柄を停止表示させることで図柄変動表示を停止する(S204)。変動停止コマンドをメイン基板102から受信していないときはS204をスキップし(S202のN)、変動表示が開始済みでないときはS200からS204をスキップする(S198のN)。
図22は、図15におけるS16の特別遊技を詳細に示すフローチャートである。まず、大入賞口66がまだ開放済でない場合(S100のN)、演出表示制御手段134が特別遊技の演出処理を開始し(S102)、開閉制御手段124が大入賞口66を開放する(S104)。大入賞口66が開放済であればS102およびS104をスキップする(S100のY)。大入賞口66が開放されてから、所定の開放時間が経過した場合(S106のY)、または、開放時間が経過していないものの(S106のN)、大入賞口66への入球数が9球以上に達した場合(S108のY)、開閉制御手段124が大入賞口66を閉鎖させる(S110)。開放時間が経過しておらず(S106のN)、大入賞口66への入球数も9球以上に達していない場合は(S108のN)、S110以降の処理をスキップしてS16のフローを終了する。
S110における大入賞口66の閉鎖後、単位遊技が最終ラウンドに達していた場合(S112のY)、演出表示制御手段134は特別遊技の演出処理を終了させ(S114)、特別遊技制御手段120は特別遊技を終了させ(S116)、特定遊技、すなわち確変および時短の実行を開始する(S118)。単位遊技が最終ラウンドに達していなければ(S112のN)、ラウンド数に1を加算してS16のフローを終了する(S119)。
以上、本発明を実施例をもとに説明した。この実施例はあくまで例示であり、それらの各構成要素や各処理プロセスの組合せにいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。
(変形例1)
上記実施例においては、連続予告演出として、演出表示要素の出現個数の合計によって大当たりへの期待度の高さを示唆する演出の例を説明した。変形例においては、その合計の出現回数の合計によって大当たりへの期待度の高さを示唆してもよい。あるいは、所定の種類の演出表示要素がすべて出現したか否かで大当たりへの期待度の高さを示唆してもよい。例えば、種類Aと種類Bが双方とも出現すれば大当たりになるところ、種類Aばかりが何度も出現しても種類Bが一度も出現しない場合には大当たりとはならないとする演出である。あるいは、演出表示要素の出現順序を問う形の演出であってもよい。例えば、種類A、B、Cの順に出現すれば大当たりになるところ、種類A、C、Bの順に出現した場合には大当たりとならないとする演出である。あるいは、表示オブジェクトの色が特定の色から目的の色へ徐々に変化するような連続予告演出とし、その目的の色への変化が達成されたときに大当たり確定を示すようにしてもよい。例えば、キャラクタの顔色が怒りを表す赤色から徐々に薄まり、通常の肌色に変化するようなミッション内容としてもよい。いずれにしても、徐々に指令内容が達成に向かう演出とするようにするとよい。
(変形例2)
上記実施例では述べなかったが、連続予告演出の開始から指定回数の図柄変動が表示される間に新たな当否抽選の結果の保留があり、その結果に当たりを示すものが含まれている場合、少なくともその当たりを示す結果に対応する図柄変動まで指令の達成期間の延長を示すよう演出内容を決定し直すようにしてもよい。そして、その当たり結果に対応する図柄変動にてチェリーのトータルの獲得数が指定個数に達するようパターン組合せを決定し直すようにしてもよい。このようにして、事後的ではあるが連続予告演出の期間中に意図的に当たりを発生させることで、その連続変動演出への遊技者の関心を高められるようになり、同演出の実効を図ることができる。
(変形例3)
上記実施例では述べなかったが、連続予告演出において演出表示要素の出現個数の合計が多くなるほど、スーパーリーチのような当たり期待度(当否抽選の結果が大当たりとなる確率)の高い演出が選択されやすくなるよう、変動パターンテーブルの選択形式を設定してもよい。具体的には、スーパーリーチの出現頻度が異なる複数の変動パターンテーブルを設定し、演出表示要素の出現個数が多いほどスーパーリーチの出現頻度が高い変動パターンテーブルが選択されるよう、演出表示要素の出現個数と変動パターンテーブルとの対応付けがなされてもよい。これにより、演出表示要素をより多く獲得することで、単にミッション達成有無のみでなく、期待度の高い演出を見ることができるようになり、連続予告演出に対する遊技者の興味をさらにかき立てることができるようになる。また、演出表示要素の出現個数というより、その演出表示要素の出現によりミッション演出における指令内容が達成されたことを条件に、スーパーリーチの出現頻度が高い変動パターンテーブルが選択されるようにしてもよい。