以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。なお、遊技機の一例としてパチンコ遊技機を示すが、本発明はパチンコ遊技機に限られず、コイン遊技機等のその他の遊技機であってもよく、開始条件の成立に基づいて、各々を識別可能な識別情報の変動表示を実行する遊技機であれば、どのような遊技機であってもよい。
[第1実施形態]
図1はパチンコ遊技機1を正面からみた正面図である。図2は当り種別表である。
パチンコ遊技機1は、縦長の方形状に形成された外枠(図示せず)と、外枠の内側に開閉可能に取付けられた遊技枠とで構成される。また、パチンコ遊技機1は、遊技枠に開閉可能に設けられている額縁状に形成されたガラス扉枠2を有する。遊技枠は、外枠に対して開閉自在に設置される前面枠(図示せず)と、機構部品等が取付けられる機構板(図示せず)と、それらに取付けられる種々の部品(後述する遊技盤6を除く)とを含む構造体である。
ガラス扉枠2の下部表面には打球供給皿(上皿)3がある。打球供給皿3の下部には、打球供給皿3に収容しきれない遊技球を貯留する余剰球受皿4、および、打球を発射する打球操作ハンドル(操作ノブ)5等が設けられている。また、ガラス扉枠2の背面には、遊技盤6が着脱可能に取付けられている。遊技盤6は、それを構成する板状体と、その板状体に取付けられた種々の部品とを含む構造体である。また、遊技盤6の前面には、打込まれた遊技球が流下可能な遊技領域7が形成されている。
余剰球受皿(下皿)4を形成する部材には、たとえば下皿本体の上面における手前側の所定位置(たとえば下皿の中央部分)等に、スティック形状(棒形状)に構成され、遊技者が把持して複数方向(前後左右)に傾倒する操作が可能なスティックコントローラ122が取付けられている。なお、スティックコントローラ122には、遊技者がスティックコントローラ122の操作桿を操作手(たとえば左手等)で把持した状態において、所定の操作指(たとえば人差し指等)で押引操作すること等により所定の指示操作が可能なトリガボタン125(図3参照)が設けられ、スティックコントローラ122の操作桿の内部には、トリガボタン125に対する押引操作等による所定の指示操作を検知するトリガセンサ121(図3参照)が内蔵されている。また、スティックコントローラ122の下部における下皿の本体内部等には、操作桿に対する傾倒操作を検知する傾倒方向センサユニット123(図3参照)が設けられている。また、スティックコントローラ122には、スティックコントローラ122を振動動作させるためのバイブレータ用モータ126(図3参照)が内蔵されている。
打球供給皿(上皿)3を形成する部材には、たとえば上皿本体の上面における手前側の所定位置(たとえばスティックコントローラ122の上方)等に、遊技者が押下操作等により所定の指示操作を可能なプッシュボタン120が設けられている。プッシュボタン120は、遊技者からの押下操作等による所定の指示操作を、機械的、電気的、あるいは、電磁的に、検出できるように構成されていればよい。プッシュボタン120の設置位置における上皿の本体内部等には、プッシュボタン120に対してなされた遊技者の操作行為を検知するプッシュセンサ124(図3参照)が設けられていればよい。図1に示す構成例では、プッシュボタン120とスティックコントローラ122の取付位置が、上皿及び下皿の中央部分において上下の位置関係にある。これに対して、上下の位置関係を保ったまま、プッシュボタン120及びスティックコントローラ122の取付位置を、上皿及び下皿において左右のいずれかに寄せた位置としてもよい。あるいは、プッシュボタン120とスティックコントローラ122との取付位置が上下の位置関係にはなく、たとえば左右の位置関係にあるものとしてもよい。
なお、本実施の形態では、遊技者が操作可能な操作手段の一例として、プッシュボタン120と、トリガボタン125を有するスティックコントローラ122とを設けた例を示した。しかし、これに限らず、操作手段としては、プッシュボタン120とスティックコントローラ122とのいずれか1つのみを設けてもよい。また、操作手段としては、レバースイッチ、および、ジョグダイヤル等のその他の操作手段を設けてもよい。
遊技領域7の中央付近には、各々を識別可能な複数種類の識別情報としての演出図柄を変動表示(可変表示ともいう)可能な演出表示装置9が設けられている。遊技領域7における演出表示装置9の右側方には、各々を識別可能な複数種類の識別情報としての第1特別図柄を変動表示する第1特別図柄表示器8aと、各々を識別可能な複数種類の識別情報としての第2特別図柄を変動表示する第2特別図柄表示器8bとが設けられている。
第1特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8bのそれぞれは、数字および文字を変動表示可能な簡易で小型の表示器(たとえば7セグメントLED)で構成されている。演出表示装置9は、液晶表示装置(LCD)で構成されており、表示画面において、第1特別図柄または第2特別図柄の変動表示に同期した演出図柄の変動表示等の各種画像を表示する表示領域が設けられる。このような表示領域には、たとえば「左」、「中」、「右」の3つの装飾用(演出用)の演出図柄を変動表示する図柄表示領域が形成される。
第1特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8bのそれぞれは、主基板(遊技制御基板)に搭載されている遊技制御用マイクロコンピュータによって制御される。演出表示装置9は、演出制御基板に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータによって制御される。第1特別図柄表示器8aで第1特別図柄の変動表示が実行されているときに、その変動表示に伴なって演出表示装置9で演出表示が実行され、第2特別図柄表示器8bで第2特別図柄の変動表示が実行されているときに、その変動表示に伴なって演出表示装置9で演出表示が実行されるので、遊技の進行状況を把握しやすくすることができる。
第1特別図柄表示器8aに特定表示結果としての大当り表示結果(大当り図柄)が導出表示されたとき、または、第2特別図柄表示器8bに特定表示結果としての大当り表示結果(大当り図柄)が導出表示されたときには、演出表示装置9においても、特定表示結果としての大当り表示結果(大当り図柄の組合せ)が導出表示される。このように変動表示の表示結果として特定表示結果が表示されたときには、遊技者にとって有利な価値(有利価値)が付与される有利状態としての特定遊技状態(大当り遊技状態)に制御される。
また、演出表示装置9において、最終停止図柄(たとえば左右中図柄のうち中図柄)となる図柄以外の図柄が、所定時間継続して、大当り図柄(たとえば左中右の図柄が同じ図柄で揃った図柄の組合せ)と一致している状態で停止、揺動、拡大縮小もしくは変形している状態、または、複数の図柄が同一図柄で同期して変動したり、表示図柄の位置が入替わっていたりして、最終結果が表示される前で大当り発生の可能性が継続している状態(以下、これら状態をリーチ状態という。)で行なわれる演出をリーチ演出という。
ここで、リーチ状態は、演出表示装置9の表示領域において停止表示された演出図柄が大当り組合せの一部を構成しているときに未だ停止表示されていない演出図柄の変動が継続している表示状態、または、全部もしくは一部の演出図柄が大当り組合せの全部または一部を構成しながら同期して変動している表示状態である。言い換えると、リーチとは、複数の変動表示領域において識別情報が特定表示結果を構成しているが少なくとも一部の変動領域が変動表示中である状態をいう。この実施形態において、リーチ状態は、たとえば、左,右の図柄表示領域で同じ図柄が停止し、中の図柄表示領域で図柄が停止していない状態で形成される。リーチ状態が形成されるときの左,右の図柄表示領域で停止された図柄は、リーチ形成図柄、または、リーチ図柄と呼ばれる。
そして、リーチ状態における表示演出が、リーチ演出表示(リーチ演出)である。また、リーチの際に、通常と異なる演出がランプや音で行なわれることがある。この演出をリーチ演出という。また、リーチの際に、キャラクタ(人物等を模した演出表示であり、図柄(演出図柄等)とは異なるもの)を表示させたり、演出表示装置9の背景画像の表示態様(たとえば、色等)を変化させたりすることがある。このキャラクタの表示や背景の表示態様の変化をリーチ演出表示という。また、リーチの中には、それが出現すると、通常のリーチ(ノーマルリーチ)に比べて、大当りが発生しやすいように設定されたものがある。このような特別のリーチをスーパーリーチという。また、リーチの中には、特別なスーパーリーチ以外のリーチとして、基本的なリーチであるノーマルリーチが含まれている。ノーマルリーチは、スーパーリーチよりも大当りが発生しにくいように設定されたものである。
この実施の形態において、スーパーリーチにおいては、リーチ図柄が形成された後、所定の動画(たとえば、所定のキャラクタ動画等の動画)を表示した後、表示結果導出表示前の最終的な演出表示において、変動中の中演出図柄をスクロールさせる演出等の遊技者の期待感を向上させるような複雑な演出表示が実行される。また、ノーマルリーチにおいては、リーチ図柄が形成された後、前述の動画を表示せずに背景画像(図柄の背景を構成する画像)の種類をリーチ状態となる前に表示されていた画像とは異ならせるような比較的簡素な演出表示が実行される。このようなノーマルリーチでは、たとえば、中図柄の最終停止図柄の停止表示前のスクロール状態において、たとえば、3図柄前等の任意の図柄数(図柄配列数)前の図柄から変動表示速度を減速する演出が行なわれることにより、表示結果導出表示前の最終的な演出表示が行なわれる。なお、ノーマルリーチでは、その他の演出表示が行なわれる場合もある。
演出表示装置9の右方には、各々を識別可能な識別情報としての第1特別図柄を変動表示する第1特別図柄表示器(第1変動表示部)8aが設けられている。第1特別図柄表示器8aは、0〜9の数字等の特別図柄を変動表示可能な簡易で小型の表示器(たとえば7セグメントLED)で実現されている。また、演出表示装置9の右方(第1特別図柄表示器8aの右隣)には、各々を識別可能な識別情報としての第2特別図柄を変動表示する第2特別図柄表示器(第2変動表示部)8bが設けられている。第2特別図柄表示器8bは、0〜9の数字等の特別図柄を変動表示可能な簡易で小型の表示器(たとえば7セグメントLED)で実現されている。
以下、第1特別図柄と第2特別図柄とを特別図柄と総称することがあり、第1特別図柄表示器8aと第2特別図柄表示器8bとを特別図柄表示器(変動表示部)と総称することがある。
なお、この実施の形態では、2つの特別図柄表示器8a,8bを備える場合を示しているが、遊技機は、特別図柄表示器を1つのみ備えるものであってもよい。
第1特別図柄または第2特別図柄の変動表示は、変動表示の実行条件である第1始動条件(第1実行条件)または第2始動条件(第2実行条件)が成立(たとえば、遊技球が始動入賞領域としての第1始動入賞口13または第2始動入賞口14を通過(入賞を含む)したこと)した後、変動表示の開始条件(たとえば、保留記憶数が0でない場合であって、第1特別図柄および第2特別図柄の変動表示が実行されていない状態であり、かつ、大当り遊技が実行されていない状態)が成立したことに基づいて開始され、変動表示時間(変動時間)が経過すると表示結果(停止図柄)を導出表示する。なお、遊技球が通過するとは、入賞口やゲート等の予め入賞領域として定められている領域を遊技球が通過したことであり、入賞口に遊技球が入った(入賞した)ことを含む概念である。また、表示結果を導出表示するとは、図柄(識別情報の例)を最終的に停止表示させることである。また、第1始動入賞口13および第2始動入賞口14のような始動領域に遊技球が進入したにもかかわらず未だ開始条件が成立していない変動表示について、所定の上限数の範囲内で情報を記憶することが保留記憶と呼ばれる。また、このような保留記憶という用語は、保留記憶された情報を示す(特定する)場合にも用いられる。
演出表示装置9の下方には、第1始動入賞口13を有する入賞装置が設けられている。第1始動入賞口13に入賞した遊技球は、遊技盤6の背面に導かれ、第1始動口スイッチ13aによって検出される。
また、第1始動入賞口(第1始動口)13を有する入賞装置の下方には、遊技球が入賞可能な第2始動入賞口(第2始動口)14を有する可変入賞球装置15が設けられている。第2始動入賞口14に入賞した遊技球は、遊技盤6の背面に導かれ、第2始動口スイッチ14aによって検出される。可変入賞球装置15は、ソレノイド16によって開状態とされる。可変入賞球装置15が開状態になることによって、遊技球が第2始動入賞口14に入賞可能になり(始動入賞し易くなり)、遊技者にとって有利な状態になる。可変入賞球装置15が開状態になっている状態では、第1始動入賞口13よりも、第2始動入賞口14に遊技球が入賞しやすい。また、可変入賞球装置15が閉状態になっている状態では、遊技球は第2始動入賞口14に入賞しない。したがって、可変入賞球装置15が閉状態になっている状態では、第2始動入賞口14よりも、第1始動入賞口13に遊技球が入賞しやすい。なお、可変入賞球装置15が閉状態になっている状態において、入賞はしづらいものの、入賞することは可能である(すなわち、遊技球が入賞しにくい)ように構成されていてもよい。以下、第1始動入賞口13と第2始動入賞口14とを総称して始動入賞口または始動口ということがある。
第2特別図柄表示器8bの上方には、第2始動入賞口14に入った有効入賞球数すなわち第2保留記憶数を表示する4つの表示器からなる第2特別図柄保留記憶表示器18bが設けられている。第2特別図柄保留記憶表示器18bは、有効始動入賞がある毎に、点灯する表示器の数を1増やす。そして、第2特別図柄表示器8bでの変動表示が開始される毎に、点灯する表示器の数を1減らす。
また、第2特別図柄保留記憶表示器18bのさらに上方には、第1始動入賞口13に入った有効入賞球数すなわち第1保留記憶数(保留記憶を、始動記憶または始動入賞記憶ともいう。)を表示する4つの表示器からなる第1特別図柄保留記憶表示器18aが設けられている。第1特別図柄保留記憶表示器18aは、有効始動入賞がある毎に、点灯する表示器の数を1増やす。そして、第1特別図柄表示器8aでの変動表示が開始される毎に、点灯する表示器の数を1減らす。
遊技機には、遊技者が打球操作ハンドル5を操作することに応じて駆動モータを駆動し、駆動モータの回転力を利用して遊技球を遊技領域7に発射する打球発射装置(図示せず)が設けられている。打球発射装置から発射された遊技球は、遊技領域7を囲むように円形状に形成された打球レールを通って遊技領域7に入り、その後、遊技領域7を下りてくる。遊技球が第1始動入賞口13に入り第1始動口スイッチ13aで検出されると、第1特別図柄の変動表示を開始できる状態であれば(たとえば、特別図柄の変動表示が終了し、第1特別図柄の変動表示が開始可能となる第1の開始条件が成立したこと)、第1特別図柄表示器8aにおいて第1特別図柄の変動表示(変動)が開始されるとともに、演出表示装置9において演出図柄の変動表示が開始される。すなわち、第1特別図柄および演出図柄の変動表示は、第1始動入賞口13への入賞に対応する。第1特別図柄の変動表示を開始できる状態でなければ、第1保留記憶数が上限値に達していないことを条件として、第1保留記憶数を1増やす。
遊技球が第2始動入賞口14に入り第2始動口スイッチ14aで検出されると、第2特別図柄の変動表示を開始できる状態であれば(たとえば、特別図柄の変動表示が終了し、第2特別図柄の変動表示が開始可能となる第2の開始条件が成立したこと)、第2特別図柄表示器8bにおいて第2特別図柄の変動表示(変動)が開始されるとともに、演出表示装置9において演出図柄の変動表示が開始される。すなわち、第2特別図柄および演出図柄の変動表示は、第2始動入賞口14への入賞に対応する。第2特別図柄の変動表示を開始できる状態でなければ、第2保留記憶数が上限値に達していないことを条件として、第2保留記憶数を1増やす。
演出表示装置9は、第1特別図柄表示器8aによる第1特別図柄の変動表示時間中、および第2特別図柄表示器8bによる第2特別図柄の変動表示時間中に、装飾用(演出用)の図柄としての演出図柄の変動表示を行なう。第1特別図柄表示器8aにおける第1特別図柄の変動表示と、演出表示装置9における演出図柄の変動表示とは同期している。また、第2特別図柄表示器8bにおける第2特別図柄の変動表示と、演出表示装置9における演出図柄の変動表示とは同期している。また、第1特別図柄表示器8aにおいて大当り図柄が停止表示されるときと、第2特別図柄表示器8bにおいて大当り図柄が停止表示されるときには、演出表示装置9において大当り表示結果として大当りを想起させるような演出図柄の組合せが停止表示される。
また、演出表示装置9の表示画面の下部には、第1保留記憶数と第2保留記憶数との合計数を表示する保留記憶表示部が設けられる。これにより、変動表示の開始条件が成立していない実行条件の成立数の合計を把握しやすくすることができる。
また、図1に示すように、可変入賞球装置15の下方には、特別可変入賞球装置20が設けられている。特別可変入賞球装置20は開閉板を備え、第1特別図柄表示器8aに特定表示結果(大当り図柄)が導出表示されたときと、第2特別図柄表示器8bに特定表示結果(大当り図柄)が導出表示されたときに生起する特定遊技状態(大当り遊技状態)においてソレノイド21によって開閉板が開放状態に制御されることによって、入賞領域となる大入賞口が開放状態になる。大入賞口に入賞した遊技球はカウントスイッチ23で検出される。
大当り遊技状態においては、特別可変入賞球装置20が開放状態と閉鎖状態とを繰返す繰返し継続制御が行なわれる。繰返し継続制御において、特別可変入賞球装置20が開放されている状態が、ラウンドと呼ばれる。これにより、繰返し継続制御は、ラウンド制御とも呼ばれる。本実施の形態では、大当りの種別が複数設けられており、大当りとすることが決定されたときには、いずれかの大当り種別が選択される。
演出表示装置9の左方には、各々を識別可能な普通図柄を変動表示する普通図柄表示器10が設けられている。この実施の形態では、普通図柄表示器10は、0〜9の数字を変動表示可能な簡易で小型の表示器(たとえば7セグメントLED)で実現されている。すなわち、普通図柄表示器10は、0〜9の数字(または、記号)を変動表示するように構成されている。また、小型の表示器は、たとえば方形状に形成されている。
遊技球がゲート32を通過しゲートスイッチ32aで検出されると、普通図柄表示器10の表示の変動表示が開始される。そして、普通図柄表示器10における停止図柄が所定の図柄(当り図柄。たとえば、図柄「7」。)である場合に、可変入賞球装置15が所定回数、所定時間だけ遊技者にとって不利な閉状態から遊技者にとって有利な開状態に変化する。普通図柄表示器10の近傍には、ゲート32を通過した入賞球数を表示する4つのLEDによる表示部を有する普通図柄保留記憶表示器41が設けられている。ゲート32への遊技球の通過がある毎に、すなわちゲートスイッチ32aによって遊技球が検出される毎に、普通図柄保留記憶表示器41は点灯するLEDを1増やす。そして、普通図柄表示器10の変動表示が開始される毎に、点灯するLEDを1減らす。
遊技盤6の下部には、入賞しなかった打球が取込まれるアウト口26がある。また、遊技領域7の外側の左右上部および左右下部には、所定の音声出力として効果音や音声を発声する4つのスピーカ27が設けられている。遊技領域7の外周には、前面枠に設けられた枠LED28が設けられている。
また、プリペイドカードが挿入されることによって球貸しを可能にするプリペイドカードユニット(以下、単に「カードユニット」ともいう。)が、パチンコ遊技機1に隣接して設置される(図示せず)。
図2の当り種別表においては、大当りにおける当りの種別ごとに、大当り遊技状態の終了後の大当り確率、大当り遊技状態の終了後のベース、大当り遊技状態終了後の変動時間、大当りにおける開放回数(ラウンド数)、および、各ラウンドの開放時間が示されている。図2に示すように、この実施の形態では、ラウンド数が異なる大当り遊技状態として、15ラウンドの大当り遊技状態と2ラウンドの大当り遊技状態との複数種類の大当り遊技状態が設けられている。
具体的に、15ラウンドの大当り遊技状態においては、特別可変入賞球装置20が、開放状態とされた後、所定の開放状態の終了条件(開放状態において所定期間(たとえば29秒間)が経過したこと、または、所定個数(たとえば10個)の入賞球が発生したという開放終了条件)が成立したことに応じて閉鎖状態とされる。そして、開放終了条件が成立すると、継続権が発生し、特別可変入賞球装置20の開放が再度行なわれる。継続権の発生は、大当り遊技状態における開放回数が予め定められた上限値となる15ラウンド(最終ラウンド)に達するまで繰返される。
また、2ラウンドの大当り遊技状態においては、特別可変入賞球装置20が、開放状態とされた後、所定の開放状態の終了条件(開放状態において所定期間(たとえば0.5秒間)が経過したこと、または、所定個数(たとえば10個)の入賞球が発生したという開放終了条件)が成立したことに応じて閉鎖状態とされる。そして、開放終了条件が成立すると、継続権が発生し、特別可変入賞球装置20の開放が再度行なわれる。継続権の発生は、大当り遊技状態における開放回数が予め定められた上限値となる2ラウンド(最終ラウンド)に達するまで繰返される。
このように、2ラウンドの大当りは、大入賞口の開放回数が15ラウンドよりも少ない回数(この実施の形態では2回)まで許容されるが、大入賞口の開放時間が短い(たとえば、0.5秒間)大当り種類(種別)である。また、本実施の形態の場合は、2ラウンドの大当りとして、大入賞口の開放時間が極めて短く(0.5秒間)、実質的に大入賞口に入賞することが不可能であり、実質的に賞球(入賞に対して払出される景品球)が得られない当りが設けられている。
なお、2ラウンドの大当りとしては、実質的に賞球が得られない当りのみを設けてもよく、賞球を得ることができる当りのみを設けてもよく、実質的に賞球が得られない当りと賞球を得ることができる当りとの両方を設けてもよい。
「大当り」のうち、15ラウンドまたは2ラウンドの大当り遊技状態に制御された後、特別遊技状態として、通常状態(確変状態でない通常の遊技状態)に比べて大当りとすることに決定される確率が高い状態である確変状態(確率変動状態の略語であり、高確率状態ともいう)に移行する大当りの種類(種別)は、「確変大当り」と呼ばれる。本実施の形態では、15ラウンドの確変大当りを「確変大当り」と呼び、2ラウンドの確変大当りを後述するような理由で「突確大当り」と呼ぶ。また、本実施の形態では、特別遊技状態としては、確変状態に付随して、特別図柄や演出図柄の変動時間(変動表示期間)が非時短状態よりも短縮される時短状態に制御される場合がある。なお、特別遊技状態としては、確変状態とは独立して時短状態に制御される場合があるようにしてもよい。
このように、時短状態に移行することによって、特別図柄や演出図柄の変動時間が短縮されるので、時短状態となったときには、有効な始動入賞が発生しやすくなり大当り遊技が行なわれる可能性が高まる。
なお、「大当り」のうち、15ラウンドの大当り遊技状態に制御された後、確変状態に移行しない大当りの種類(種別)は、「通常大当り」と呼ばれる。
また、特別遊技状態としては、確変状態または時短状態に付随して、可変入賞球装置15が開状態になる頻度を高くすることにより可変入賞球装置15に遊技球が進入する頻度を高くして可変入賞球装置15への入賞を容易化(高進入化、高頻度化)する電チューサポート制御状態に制御される場合がある。電チューサポート制御状態は、後述するように高ベース状態であるので、以下の説明においては、主として高ベース状態と呼ぶ。
ここで、電チューサポート制御について説明する。電チューサポート制御としては、普通図柄の変動時間(変動表示開始時から表示結果の導出表示時までの時間)を短縮して早期に表示結果を導出表示させる制御(普通図柄短縮制御)、普通図柄の停止図柄が当り図柄になる確率を高める制御(普通図柄確変制御)、可変入賞球装置15の開放時間を長くする制御(開放時間延長制御)、および、可変入賞球装置15の開放回数を増加させる制御(開放回数増加制御)が行なわれる。このような制御が行なわれると、当該制御が行なわれていないときと比べて、可変入賞球装置15が開状態となっている時間比率が高くなるので、第2始動入賞口14への入賞頻度が高まり、遊技球が始動入賞しやすくなる(特別図柄表示器8a,8bや演出表示装置9における変動表示の実行条件が成立しやすくなる)。また、このような制御によって第2始動入賞口14への入賞頻度が高まることにより、第2始動条件の成立頻度および/または第2特別図柄の変動表示の実行頻度が高まる遊技状態となる。
このような電チューサポート制御により第2始動入賞口14への入賞頻度が高められた状態(高頻度状態)は、発射球数に対して入賞に応じて賞球として払出される遊技球数の割合である「ベース」が、当該制御が行なわれないときと比べて、高い状態であるので、「高ベース状態」と呼ばれる。また、このような制御が行なわれないときは、「低ベース状態」と呼ばれる。また、このような制御は、可変入賞球装置15、すなわち、電動チューリップにより入賞をサポートすることにより可変入賞球装置15への入賞を容易化する制御であり、「電チューサポート制御」と呼ばれる。
この実施の形態においては、大当り確率の状態を示す用語として、「高確率状態(確変状態)」と、「低確率状態(非確変状態)」とを用い、ベースの状態の組合せを示す用語として、「高ベース状態(電チューサポート制御状態)」と、「低ベース状態(非電チューサポート制御状態)」とを用いる。
また、この実施の形態においては、大当り確率の状態およびベースの状態の組合せを示す用語として、「低確低ベース状態」、「低確高ベース状態」、および、「高確高ベース状態」を用いる。「低確低ベース状態」とは、大当り確率の状態が低確率状態で、かつ、ベースの状態が低ベース状態であることを示す状態である。「低確高ベース状態」とは、大当り確率の状態が低確率状態で、かつ、ベースの状態が高ベース状態であることを示す状態である。「高確高ベース状態」とは、大当り確率の状態が高確率状態で、かつ、ベースの状態が高ベース状態であることを示す状態である。
この実施の形態においては、大当り遊技状態に制御された後、時短状態および高ベース状態に制御されるが、時短状態および高ベース状態は、制御の開始条件および終了条件が同じであるので、時短状態および高ベースに制御されている状態を、時短状態という用語で代表して示す場合があり、高ベース状態という用語で代表して示す場合がある。
図2に示すように、15ラウンドの大当りとしては、通常大当りと確変大当りとの複数種類の大当りが設けられている。また、2ラウンドの大当りとしては、突然確変大当り(以下、突確大当りという略称で呼ぶ)が設けられている。
通常大当りは、15ラウンドの大当り遊技状態の終了後に、非確変状態、時短状態、および、高ベース状態(低確高ベース状態)に制御される大当りである。通常大当りの大当り遊技状態後の高ベース状態は、特別図柄および演出図柄の変動表示(はずれ表示結果となる変動表示)が所定回数(たとえば、100回)実行されるという条件と、次回の大当りが発生するまでという条件とのどちらかが成立するまでの期間継続し、その後、低ベース状態に移行する。
確変大当りは、15ラウンドの大当り遊技状態の終了後に、確変状態、時短状態、および、高ベース状態(高確高ベース状態)に移行する制御が行なわれる大当りである。確変大当りにおいては、このような高確高ベース状態が、次回の大当りが発生するまでという条件が成立するまでの期間継続する。
突確大当りは、2ラウンドの大当り遊技状態の終了後に、確変状態、時短状態、および、高ベース状態(高確高ベース状態)に移行する制御が行なわれる大当りである。突確大当りにおいては、このような高確高ベース状態が、次回の大当りが発生するまでという条件が成立するまでの期間継続する。
なお、確変大当りと突確大当りとの両方またはいずれか一方は、高確高ベース状態が、特別図柄および演出図柄の変動表示(はずれ表示結果となる変動表示)が所定回数実行されるという条件と、次回の大当りが発生するまでという条件とのどちらかが成立するまでの期間継続するようにしてもよい。
突確大当りは、ラウンド数が少なく(2回)、大入賞口の開放時間が極めて短い態様(0.5秒間開放)で大入賞口が開放されることにより、大当り遊技状態の終了後に確変状態となったことを報知する場合に、遊技者に対して突然に確変状態となったかのように見せることが可能なものであり、「突然確変大当り」と呼ばれる。また、「突然確変大当り」は、「突確」という略称で呼ばれる場合もある。突確大当りは、大当り遊技状態において、0.5秒間の開放が2回しか行なわれないため、実質的に大入賞口への入賞が得られず賞球が得られない当りである。また、突確大当りの代わりに、実質的に賞球が得られる開放パターンで大入賞口が開放される2ラウンドの確変大当りを設けてもよい。
なお、大当りの他に、突確大当りと同様の開放回数および開放時間による開放パターンで大入賞口を開放する小当りを設けてもよい。小当りとなったときには、小当り遊技状態終了後に、大当り確率とベースとがともに、小当り遊技状態の開始前に対して変更されないようにする。このような小当りを設ければ、突確大当りと小当りとのそれぞれの当り遊技状態の終了後に確変状態となっているか否かを報知しないときには、開放パターンを見て突確大当りと小当りとのいずれが実行されたことが遊技者に認識されてしまったときでも、同じ開放パターンとなる当りが2種類あるので、確変状態となっているか否かが遊技者にとって把握しにくいものとなるため、実際には確変状態となっていないときでも遊技者の確変状態に対する期待感を高めることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
図3は、主基板(遊技制御基板)31における回路構成の一例を示すブロック図である。なお、図3は、払出制御基板37および演出制御基板80等も示されている。主基板31には、プログラムにしたがってパチンコ遊技機1を制御する遊技制御用マイクロコンピュータ(遊技制御手段に相当)560が搭載されている。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ゲーム制御(遊技進行制御)用のプログラム等を記憶するROM54、ワークメモリとして使用される記憶手段としてのRAM55、プログラムにしたがって制御動作を行なうCPU56およびI/Oポート部57を含む。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ROM54およびRAM55が内蔵された1チップマイクロコンピュータである。遊技制御用マイクロコンピュータ560には、さらに、ハードウェア乱数(ハードウェア回路が発生する乱数)を発生する乱数回路503が内蔵されている。
また、RAM55は、その一部または全部が電源基板910において作成されるバックアップ電源によってバックアップされている不揮発性記憶手段としてのバックアップRAMである。すなわち、遊技機に対する電力供給が停止しても、所定期間(バックアップ電源としてのコンデンサが放電してバックアップ電源が電力供給不能になるまで)は、RAM55の一部または全部の内容は保存される。特に、少なくとも、遊技状態すなわち遊技制御手段の制御状態に応じたデータ(特別図柄プロセスフラグ等)と未払出賞球数を示すデータは、バックアップRAMに保存される。
なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560においてCPU56がROM54に格納されているプログラムにしたがって制御を実行するので、以下、遊技制御用マイクロコンピュータ560(またはCPU56)が実行する(または、処理を行なう)ということは、具体的には、CPU56がプログラムにしたがって制御を実行することである。このことは、主基板31以外の他の基板に搭載されているマイクロコンピュータについても同様である。
乱数回路503は、特別図柄の変動表示の表示結果により大当りとするか否か判定するための判定用の乱数を発生するために用いられるハードウェア回路である。乱数回路503は、初期値(たとえば、0)と上限値(たとえば、65535)とが設定された数値範囲内で、数値データを、設定された更新規則にしたがって更新し、ランダムなタイミングで発生する始動入賞時が数値データの読出(抽出)時であることに基づいて、読出される数値データが乱数値となる乱数発生機能を有する。また、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、乱数回路503が更新する数値データの初期値を設定する機能を有している。
また、ゲートスイッチ32a、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14a、カウントスイッチ23からの検出信号を遊技制御用マイクロコンピュータ560に与える入力ドライバ回路58も主基板31に搭載されている。また、可変入賞球装置15を開閉するソレノイド16、および大入賞口を形成する特別可変入賞球装置20を開閉するソレノイド21を遊技制御用マイクロコンピュータ560からの指令にしたがって駆動する出力回路59も主基板31に搭載されている。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、特別図柄を変動表示する第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8b、普通図柄を変動表示する普通図柄表示器10、第1特別図柄保留記憶表示器18a、第2特別図柄保留記憶表示器18bおよび普通図柄保留記憶表示器41の表示制御を行なう。
演出制御基板80は、演出制御用マイクロコンピュータ100、ROM102、RAM103、VDP109、および、I/Oポート部105等を搭載している。ROM102は、表示制御等の演出制御用のプログラムおよびデータ等を記憶する。RAM103は、ワークメモリとして使用される。ROM102およびRAM103は、演出制御用マイクロコンピュータ100に内蔵されてもよい。VDP109は、演出制御用マイクロコンピュータ100と共動して演出表示装置9の表示制御を行なう。
演出制御用マイクロコンピュータ100は、主基板31から演出制御基板80の方向への一方向にのみ信号を通過させる中継基板77を介して、遊技制御用マイクロコンピュータ560から演出内容を指示する演出制御コマンドを受信し、演出表示装置9の変動表示制御を行なう他、ランプドライバ基板35を介して、枠側に設けられている枠LED28の表示制御を行なうとともに、音声出力基板70を介してスピーカ27からの音出力の制御を行なう等、各種の演出制御を行なう。
また、演出制御用CPU101は、スティックコントローラ122のトリガボタン125に対する遊技者の操作行為を検出したことを示す情報信号としての操作検出信号を、トリガセンサ121から、入力ポート106を介して入力する。また、演出制御用CPU101は、プッシュボタン120に対する遊技者の操作行為を検出したことを示す情報信号としての操作検出信号を、プッシュセンサ124から、入力ポート106を介して入力する。また、演出制御用CPU101は、スティックコントローラ122の操作桿に対する技者の操作行為を検出したことを示す情報信号としての操作検出信号を、傾倒方向センサユニット123から、入力ポート106を介して入力する。また、演出制御用CPU101は、出力ポート105を介してバイブレータ用モータ126に駆動信号を出力することにより、スティックコントローラ122を振動動作させる。
図4は、各乱数を示す説明図である。図4においては、乱数の種別、更新範囲、用途、および、加算条件が示されている。各乱数は、以下のように使用される。
(1)ランダムR:大当りにするか否かを判定する当り判定用のランダムカウンタである。ランダムRは、10MHzで1ずつ更新され、0から加算更新されてその上限である65535まで加算更新された後再度0から加算更新される。(2)ランダム1(MR1):大当りの種類(種別、通常大当り、確変大当り、および、突確大当りのいずれかの種別)および大当り図柄を決定する(大当り種別判定用、大当り図柄決定用)。(3)ランダム2(MR2):変動パターンの種類(種別)を決定する(変動パターン種別判定用)。(4)ランダム3(MR3):変動パターン(変動時間)を決定する(変動パターン判定用)。(5)ランダム4(MR4):普通図柄に基づく当りを発生させるか否か決定する(普通図柄当り判定用)。(6)ランダム5(MR5):ランダム4の初期値を決定する(ランダム4初期値決定用)。
この実施の形態では、特定遊技状態である大当りとして、通常大当り、確変大当り、および、突確大当りという複数の種別が含まれている。したがって、大当り判定用乱数(ランダムR)の値に基づいて、大当りとする決定がされたときには、大当り種別判定用乱数(ランダム1)の値に基づいて、大当りの種別が、これらいずれかの大当り種別に決定される。さらに、大当りの種別が決定されるときに、同時に大当り種別判定用乱数(ランダム1)の値に基づいて、大当り図柄も決定される。したがって、ランダム1は、大当り図柄決定用乱数でもある。
また、変動パターンは、まず、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)を用いて変動パターン種別を決定し、変動パターン判定用乱数(ランダム3)を用いて、決定した変動パターン種別に含まれるいずれかの変動パターンに決定する。そのように、この実施の形態では、2段階の抽選処理によって変動パターンが決定される。変動パターン種別とは、複数の変動パターンをその変動態様の特徴にしたがってグループ化したものである。変動パターン種別には、1または複数の変動パターンが属している。
この実施の形態では、変動パターンが、リーチを伴なわない変動パターン種別である通常変動パターン種別と、リーチを伴なう変動パターン種別であるリーチ変動パターン種別とに種別分けされている。
このような変動パターン種別は、表示結果がはずれとなる場合に、時短状態であるときと、時短状態でないときとで、変動パターン種別の選択割合が異なるように設定されていることにより、時短状態であるときには、時短状態でないときと比べて、変動時間が短縮される。たとえば、時短状態では、時短状態でないときと比べて、変動時間の平均時間を短くするために、変動パターン種別のうち最も変動時間が短い変動パターン種別が選択される割合が高くなり、リーチ種別が選択されるときでも変動パターン種別のうち最も変動時間が短いノーマルリーチの変動パターンが選択される割合が高くなるように設定されることで、時短状態でないときと比べて、変動時間の平均時間が短くなる。
なお、このような変動パターン種別は、変動表示をする特別図柄の保留記憶数(第1特別図柄と第2特別図柄との合算保留記憶数)が所定数以上であるときと、所定数未満であるときとで選択割合が異なるように設定されることにより、変動表示をする各特別図柄の保留記憶数が所定数以上であるときには、各特別図柄の保留記憶数が所定数未満であるときと比べて、変動時間が短縮される保留数短縮制御が実行される。たとえば、保留数短縮制御状態では、保留数短縮制御状態でないときと比べて、通常変動パターン種別のような変動時間が短い変動パターン種別が選択される割合が高くなり、リーチ種別が選択されるときでもノーマルリーチのような変動時間が短いリーチの変動パターンが選択される割合が高くなるように設定されることで、保留数短縮制御状態でないときと比べて、変動時間の平均時間が短くなる。
図5は、大当り判定テーブルおよび大当り種別判定テーブルを示す説明図である。図5(A)は、大当り判定テーブルを示す説明図である。大当り判定テーブルとは、ROM54に記憶されているデータの集まりであって、ランダムRと比較される大当り判定値が設定されているテーブルである。大当り判定テーブルには、通常状態(確変状態でない遊技状態、すなわち非確変状態)において用いられる通常時(非確変時)大当り判定テーブルと、確変状態において用いられる確変時大当り判定テーブルとがある。
通常時大当り判定テーブルには、図5(A)の左欄に記載されている各数値が大当り判定値として設定され、確変時大当り判定テーブルには、図5(A)の右欄に記載されている各数値が大当り判定値として設定されている。確変時大当り判定テーブルに設定された大当り判定値は、通常時大当り判定テーブルに設定された大当り判定値と共通の大当り判定値(通常時大当り判定値または第1大当り判定値という)に、確変時固有の大当り判定値が加えられたことにより、確変時大当り判定テーブルよりも多い個数(10倍の個数)の大当り判定値(確変時大当り判定値または第2大当り判定値という)が設定されている。これにより、確変状態には、通常状態よりも高い確率で大当りとする判定がなされる。
CPU56は、所定の時期に、乱数回路503のカウント値を抽出して抽出値を大当り判定用乱数(ランダムR)の値と比較するのであるが、大当り判定用乱数値が図5(A)に示すいずれかの大当り判定値に一致すると、特別図柄に関して大当り(通常大当り、または、確変大当り)にすることに決定する。なお、図5(A)に示す「確率」は、大当りになる確率(割合)を示す。
図5(B),(C)は、ROM54に記憶されている大当り種別判定テーブルを示す説明図である。図5(B)は、遊技球が第1始動入賞口13に入賞したことに基づく保留記憶(第1保留記憶ともいう)を用いて大当り種別を決定する場合(第1特別図柄の変動表示が行なわれるとき)に用いる第1特別図柄大当り種別判定テーブル(第1特別図柄用)である。図5(C)は、遊技球が第2始動入賞口14に入賞したことに基づく保留記憶(第2保留記憶ともいう)を用いて大当り種別を決定する場合(第2特別図柄の変動表示が行なわれるとき)に用いる第2特別図柄大当り種別判定テーブルである。
図5(B)、および、図5(C)の特別図柄大当り種別判定テーブルのそれぞれは、変動表示結果を大当り図柄にする旨の判定がなされたときに、大当り種別判定用の乱数(ランダム1)に基づいて、大当りの種別を「通常大当り」、「確変大当り」、「突確大当り」のうちのいずれかに決定するとともに、大当り図柄を決定するために参照される。
図5(B)の第1特別図柄大当り種別判定テーブルには、ランダム1の値と比較される数値であって、「通常大当り」、「確変大当り」、「突確大当り」のそれぞれに対応した判定値(大当り種別判定値)が設定されている。図5(C)の第2特別図柄大当り種別判定テーブルには、ランダム1の値と比較される数値であって、「通常大当り」、「確変大当り」のそれぞれに対応した判定値(大当り種別判定値)が設定されている。
また、図5(B),(C)に示すように、大当り種別判定値は、第1特別図柄および第2特別図柄の大当り図柄を決定する判定値(大当り図柄判定値)としても用いられる。「通常大当り」に対応した判定値は、第1特別図柄および第2特別図柄の大当り図柄の「3」に対応した判定値としても設定されている。「確変大当り」に対応した判定値は、第1特別図柄および第2特別図柄の大当り図柄の「7」に対応した判定値としても設定されている。「突確大当り」に対応した判定値は、第2特別図柄の大当り図柄の「5」に対応した判定値としても設定されている。
このような大当り種別大当り種別判定テーブルを用いて、CPU56は、大当り種別として、ランダム1の値が一致した大当り種別判定値に対応する種別を決定するともに、大当り図柄として、ランダム1の値が一致した大当り図柄を決定する。これにより、大当り種別と、大当り種別に対応する大当り図柄とが同時に決定される。
図5(B)の第1特別図柄大当り種別判定テーブルと、図5(C)の第2特別図柄大当り種別判定テーブルとでは、高確率状態となる大当りに決定される割合が同じであるが、第2特別図柄大当り種別判定テーブルの方が、第1特別図柄大当り種別判定テーブルよりも、大当り遊技状態におけるラウンド数が多い大当り(15ラウンドの大当り)が選択される割合が高く、また、大当り遊技状態における実質的な入賞可能数が多い大当り(15ラウンドの大当り)が選択される割合が高い。したがって、第2特別図柄の方が第1特別図柄よりも、大当りとなったときに、大入賞口への入賞に関して遊技者にとって有利度合いが高い(たとえば、実質的に入賞可能なラウンド数が多い、実質的な入賞可能数が多い等)有利状態としての大当り遊技状態に制御される。
なお、この実施の形態では、図5(C)の第2特別図柄大当り種別判定テーブルにおいて、突確大当りが選択されない例を示した。しかし、これに限らず、図5(C)の第2特別図柄大当り種別判定テーブルにおいては、突確大当りが選択可能であるが、図5(B)の第1特別図柄大当り種別判定テーブルよりも突確大当りの選択割合が高くなるようにデータを設定してもよい。
図6は、遊技制御用マイクロコンピュータ560が送信する演出制御コマンドの内容の一例を示す説明図である。図6においては、演出制御コマンドについて具体的なコマンドデータと、コマンドの名称およびコマンドの指定内容との関係が示されている。演出制御コマンドの遊技制御用マイクロコンピュータ560においては、図6に示すように、遊技制御状態に応じて、各種の演出制御コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100へ送信する。
図6のうち、主なコマンドを説明する。コマンド80XX(H)は、特別図柄の変動表示に対応して演出表示装置9において変動表示される演出図柄の変動パターンを指定する演出制御コマンド(変動パターンコマンド)である(それぞれ変動パターンXXに対応)。複数の変動パターンのそれぞれに対して一意な番号を付した場合に、その番号で特定される変動パターンのそれぞれに対応する変動パターンコマンドがある。「(H)」は16進数であることを示す。また、変動パターンを指定する演出制御コマンドは、変動開始を指定するためのコマンドでもある。したがって、演出制御用CPU101は、コマンド80XX(H)を受信すると、演出表示装置において演出図柄の変動表示を開始するように制御する。
コマンド8C01(H)〜8C04(H)は、大当りとするか否か、および大当り種別を示す表示結果指定コマンドである。
コマンド8D01(H)は、第1特別図柄の変動表示を開始することを示す第1図柄変動指定コマンドである。コマンド8D02(H)は、第2特別図柄の変動表示を開始することを示す第2図柄変動指定コマンドである。コマンド8F00(H)は、第1,第2特別図柄の変動を終了することを指定する図柄確定指定コマンドである。
コマンドA001〜A003(H)は、大当りの種別(通常大当り、確変大当り、突確大当り)ごとに大当り遊技状態の開始を指定する大当り開始指定コマンドである。
コマンドA1XX(H)は、XXで示す回数目(ラウンド)の大入賞口開放中の表示を示す大入賞口開放中指定コマンドである。A2XX(H)は、XXで示す回数目(ラウンド)の大入賞口開放後(閉鎖)を示す大入賞口開放後指定コマンドである。
コマンドA301〜A303(H)は、大当りの種別(通常大当り、確変大当り、突確大当り)ごとに大当り遊技状態の終了を指定する大当り終了指定コマンドである。
コマンドA401(H)は、第1始動入賞があったことを指定する第1始動入賞指定コマンドである。コマンドA402(H)は、第2始動入賞があったことを指定する第2始動入賞指定コマンドである。
コマンドB000(H)は、遊技状態が通常状態(低確率/低ベース状態)であることを指定する通常状態指定コマンドである。コマンドB001(H)は、遊技状態が時短状態(高ベース状態)であることを指定する時短状態指定コマンドである。コマンドB002(H)は、遊技状態が確変状態(高確率状態)であることを指定する確変状態指定コマンドである。
コマンドC0XX(H)は、第1保留記憶数と第2保留記憶数との合計数(合算保留記憶数)を指定する合算保留記憶数指定コマンドである。コマンドC0XX(H)における「XX」が、合算保留記憶数を示す。コマンドC100(H)は、合算保留記憶数を1減算することを指定する演出制御コマンド(合算保留記憶数減算指定コマンド)である。なお、この実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、合算保留記憶数を減算する場合には合算保留記憶数減算指定コマンドを送信するが、合算保留記憶数減算指定コマンドを使用せず、合算保留記憶数を減算するときに、減算後の合算保留記憶数を指定する合算保留記憶数指定コマンドを送信するようにしてもよい。
なお、この実施の形態では、保留記憶数を指定するコマンドとして、合算保留記憶数を指定する合算保留記憶数指定コマンドを送信する場合を示しているが、第1保留記憶と第2保留記憶とのうち増加した方の保留記憶数を指定するコマンドを送信するように構成してもよい。具体的には、第1保留記憶が増加した場合に第1保留記憶数を指定する第1保留記憶数指定コマンドを送信し、第2保留記憶が増加した場合に第2保留記憶数を指定する第2保留記憶数指定コマンドを送信するようにしてもよい。
また、この実施の形態では、保留記憶情報として、第1始動入賞口13と第2始動入賞口14とのいずれに始動入賞したかを指定する始動入賞指定コマンドを送信するとともに、合算保留記憶数を指定する合算保留記憶数指定コマンドを送信する場合を示しているが、保留記憶情報として送信する演出制御コマンドは、この実施の形態で示したものに限られない。たとえば、保留記憶数が増加したときに、第1保留記憶数または第2保留記憶数が増加したことを示す保留記憶数加算指定コマンド(第1保留記憶数加算指定コマンドまたは第2保留記憶数加算指定コマンド)を送信する一方、保留記憶数が減少したときに、第1保留記憶数または第2保留記憶数が減少したことを示す保留記憶数減算指定コマンド(第1保留記憶数減算指定コマンドまたは第2保留記憶数減算指定コマンド)を送信するようにしてもよい。
コマンドC2XX(H)およびコマンドC3XX(H)は、第1始動入賞口13または第2始動入賞口14への始動入賞時における大当り判定、大当り種別判定、変動パターン種別判定等の入賞時判定結果の内容を示す演出制御コマンドである。このうち、コマンドC2XX(H)は、入賞時判定結果のうち、大当りとなるか否か、および、大当りの種別の判定結果を示す図柄指定コマンドである。コマンドC2XX(H)の「XX」の部分は、たとえば、入賞時判定結果がはずれであることを指定する場合は「00」であり、入賞時判定結果が通常大当りであることを指定する場合は「01」であり、入賞時判定結果が確変大当りであることを指定する場合は「02」であり、入賞時判定結果が確変大当りであることを指定する場合は「03」であり、入賞時判定結果が突確大当りであることを指定する場合は「04」である。
また、コマンドC3XX(H)は、入賞時判定結果のうち、変動パターン種別判定用乱数の値がいずれの判定値の範囲となるかの判定結果(変動パターン種別の判定結果)を示す変動種別コマンドである。コマンドC3XX(H)の「XX」の部分は、たとえば、変動パターンが非リーチである場合は「00」であり、変動パターンがノーマルリーチである場合は「01」であり、変動パターンがスーパーリーチである場合は「02」である。なお、ノーマルリーチあるいはスーパーリーチは、それぞれ複数種類あってもよい。
この実施の形態では、後述する入賞時演出処理(図11参照)において、遊技制御用マイクロコンピュータ560が、始動入賞時に、大当りとなるか否か、大当りの種別、変動パターン種別判定用乱数の値がいずれの判定値の範囲となるかを判定する。そして、図柄指定コマンドのEXTデータに、大当りとなることを指定する値、および、大当りの種別を指定する値を設定し、演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行なう。また、変動種別コマンドのEXTデータに変動パターン種別の判定結果としての判定値の範囲を指定する値を設定し、演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行なう。この実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ100が、図柄指定コマンドに設定されている値に基づいて、表示結果が大当りとなるか否か、大当りの種別を認識できるとともに、変動種別コマンドに基づいて、変動パターン種別を認識できる。
なお、認識された変動パターンを用いる場合に、変動表示をする第1特別図柄および第2特別図柄の合算保留記憶数(合計値)が所定数以上であるとき(たとえば、合算保留記憶数が3以上)と、所定数未満であるときとで選択割合が異なるように設定されることにより、合算保留記憶数が所定数以上であるときには、合算保留記憶数が所定数未満であるときと比べて、変動時間が短縮される保留数短縮制御を実行するようにしてもよい。ただし、保留数短縮制御が実行される条件下でも(たとえば、合算保留記憶数が3以上)リーチ(ノーマルリーチ、スーパーリーチ含む)の選択割合を一定にする(保留記憶数にかかわらず判定値を共通にする)。このような保留数短縮制御をするときに共通の判定値を用いる場合には、入賞時判定結果を先読みするための先読み用のコマンド(図柄指定コマンドおよび変動種別コマンド)を送信するが、このような先読み用のコマンドに基づいて、共通の判定値に合致する変動パターンであるとき、または、表示結果が大当りとなるとき等に先読み予告(たとえば、後述する図20に示すような演出)が実行されてもよい。なお、合算保留記憶数に代えて、たとえば、第1保留記憶数あるいは第2保留記憶数に基づいて保留数短縮制御を実行してもよい。
図7は、遊技制御用マイクロコンピュータ560における保留記憶バッファの構成例を示す説明図である。
図7(A)は、保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)の構成例を示す説明図である。保留特定領域は、RAM55に形成(RAM55内の領域である)され、図7(A)に示すように、合算保留記憶数を計数する合計保留記憶数カウンタの値の最大値(この例では8)に対応した領域が確保されている。図7(A)には、合計保留記憶数カウンタの値が5である場合の例が示されている。
図7(A)に示すように、保留特定領域には、第1始動入賞口13または第2始動入賞口14への入賞に基づいて入賞順に「第1」または「第2」であることを示すデータがセットされる。したがって、保留特定領域には、第1始動入賞口13および第2始動入賞口14への入賞順を特定可能なデータが記憶される。なお、保留特定領域は、RAM55に形成されている。
図7(B)は、保留記憶に対応する乱数等を保存する保存領域(保留記憶バッファ)の構成例を示す説明図である。図7(B)に示すように、第1保留記憶バッファには、第1保留記憶数の上限値(この例では4)に対応した保存領域が確保されている。また、第2保留記憶バッファには、第2保留記憶数の上限値(この例では4)に対応した保存領域が確保されている。第1保留記憶バッファおよび第2保留記憶バッファは、RAM55に形成されている。第1保留記憶バッファおよび第2保留記憶バッファには、ハードウェア乱数である大当り判定用乱数(ランダムR)、および、ソフトウェア乱数である大当り種別決定用乱数(ランダム1)、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)、および、変動パターン判定用乱数(ランダム3)が記憶される。
第1始動入賞口13または第2始動入賞口14への入賞に基づいて、CPU56は、乱数回路503およびソフトウェア乱数を生成するためのランダムカウンタからこのような乱数値を抽出し、それらを、第1保留記憶バッファまたは第2保留記憶バッファにおける保存領域に保存(格納)する処理を実行する。具体的に、第1始動入賞口13への入賞に基づいて、これら乱数値が抽出されて第1保留記憶バッファに保存される。また、第2始動入賞口14への入賞に基づいて、これら乱数値が抽出されて第2保留記憶バッファに保存される。
このように第1保留記憶バッファまたは第2保留記憶バッファに前述のような始動入賞に関する情報が記憶されることを「保留記憶される」と示す場合がある。なお、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)および変動パターン判定用乱数(ランダム3)は、始動入賞時において抽出して保存領域に予め格納しておくのではなく、後述する変動パターン設定処理(特別図柄の変動開始時)に抽出するようにしてもよい。
このように保留特定領域および保存領域に記憶されたデータは、後述するように、始動入賞時に読出されて先読み予告演出のために用いられるとともに、変動表示開始時に読出されて変動表示のために用いられる。
この実施の形態において、第1特別図柄および第2特別図柄の変動表示に対応して行なわれる演出図柄の演出制御パターンは、複数種類の変動パターンに対応して、演出図柄の変動表示動作、リーチ演出等における演出表示動作、あるいは、演出図柄の変動表示を伴わない各種の演出動作というような、様々な演出動作の制御内容を示すデータ等から構成されている。また、予告演出制御パターンは、予め複数パターンが用意された予告パターンに対応して実行される予告演出となる演出動作の制御内容を示すデータ等から構成されている。各種演出制御パターンは、パチンコ遊技機1における遊技の進行状況に応じて実行される各種の演出動作に対応して、その制御内容を示すデータ等から構成されている。
次に、パチンコ遊技機1の動作について説明する。パチンコ遊技機1においては、主基板31における遊技制御用マイクロコンピュータ560が予め定められたメイン処理を実行すると、所定時間(たとえば2ms)毎に定期的にタイマ割込がかかりタイマ割込処理が実行されることにより、各種の遊技制御が実行可能となる。
メイン処理においては、たとえば、必要な初期設定処理、通常時の初期化処理、通常時以外の遊技状態復旧処理、乱数回路設定処理(乱数回路503を初期設定)、表示用乱数更新処理(変動パターンの種別決定、変動パターン決定等の各種乱数の更新処理)、および、初期値用乱数更新処理(普通図柄当り判定用乱数発生カウンタのカウント値の初期値の更新処理)等が実行される。
図8は、タイマ割込処理を示すフローチャートである。タイマ割込が発生すると、CPU56は、図8に示すステップS(以下、単に「S」と示す)20〜S34のタイマ割込処理を実行する。タイマ割込処理において、まず、電源断信号が出力されたか否か(オン状態になったか否か)を検出する電源断検出処理を実行する(S20)。次いで、入力ドライバ回路58を介して、ゲートスイッチ32a、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14aおよびカウントスイッチ23の検出信号を入力し、それらの状態判定を行なう(スイッチ処理:S21)。
次に、CPU56は、第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8b、普通図柄表示器10、第1特別図柄保留記憶表示器18a、第2特別図柄保留記憶表示器18b、普通図柄保留記憶表示器41の表示制御を行なう表示制御処理を実行する(S22)。第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8bおよび普通図柄表示器10については、S32,S33で設定される出力バッファの内容に応じて各表示器に対して駆動信号を出力する制御を実行する。
また、遊技制御に用いられる普通図柄当り判定用乱数(ランダム4)および大当り種別判定用乱数(ランダム1)等の各判定用乱数を生成するための各カウンタのカウント値を更新する処理を行なう(判定用乱数更新処理:S23)。CPU56は、さらに、初期値用乱数(ランダム4初期値決定用乱数等)、および、表示用乱数(ランダム2,3)を生成するためのランダムカウンタのカウント値を更新する処理を行なう(初期値用乱数更新処理,表示用乱数更新処理:S24,S25)。
さらに、CPU56は、特別図柄プロセス処理を行なう(S26)。特別図柄プロセス処理では、第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8b、および、大入賞口を所定の順序で制御するための特別図柄プロセスフラグにしたがって該当する処理を実行し、特別図柄プロセスフラグの値を、遊技状態に応じて更新する。
次いで、普通図柄プロセス処理を行なう(S27)。普通図柄プロセス処理では、CPU56は、普通図柄表示器10の表示状態を所定の順序で制御するための普通図柄プロセスフラグにしたがって該当する処理を実行し、普通図柄プロセスフラグの値を、遊技状態に応じて更新する。
また、CPU56は、演出制御用マイクロコンピュータ100に演出制御コマンドを送出する処理を行なう(演出制御コマンド制御処理:S28)。さらに、CPU56は、たとえばホール管理用コンピュータに供給される大当り情報、始動情報、確率変動情報等のデータを出力する情報出力処理を行なう(S29)。
また、CPU56は、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14aおよびカウントスイッチ23の検出信号に基づく賞球個数の設定等を行なう賞球処理を実行する(S30)。
この実施の形態では、出力ポートの出力状態に対応したRAM領域(出力ポートバッファ)が設けられているのであるが、CPU56は、出力ポートの出力状態に対応したRAM領域におけるソレノイドのオン/オフに関する内容を出力ポートに出力する(S31:出力処理)。
また、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値に応じて特別図柄の演出表示を行なうための特別図柄表示制御データを特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する特別図柄表示制御処理を行なう(S32)。
さらに、CPU56は、普通図柄プロセスフラグの値に応じて普通図柄の演出表示を行なうための普通図柄表示制御データを普通図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する普通図柄表示制御処理を行なう(S33)。また、CPU56は、出力バッファに設定された表示制御データに応じて、S22において駆動信号を出力することによって、普通図柄表示器10における普通図柄の演出表示を実行する。
その後、割込許可状態に設定し(S34)、処理を終了する。以上の制御によって、この実施の形態では、遊技制御処理は所定時間毎に起動されることになる。
図9は、特別図柄プロセス処理(S26)を示すフローチャートである。特別図柄プロセス処理では、第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bおよび大入賞口を制御するための処理が実行される。特別図柄プロセス処理においては、始動口スイッチ通過処理を実行する(S311)。そして、内部状態に応じて、S300〜S307のうちのいずれかの処理を行なう。
遊技制御用マイクロコンピュータ560において、RAM55には、第1始動入賞口13への始動入賞に基づいて得られる大当り判定用乱数等の保留記憶データ(第1保留記憶データ)が記憶される第1保留記憶バッファと、第2始動入賞口14への始動入賞に基づいて得られる大当り判定用乱数等の保留記憶データ(第2保留記憶データ)が記憶される第2保留記憶バッファとが設けられている。これら各保留記憶バッファには、各保留記憶の記憶数の上限値(この例では4)に対応した保存領域が確保されている。
始動口スイッチ通過処理では、第1始動口スイッチ13aがオンしていれば、第1保留記憶数が上限値(たとえば、4)に達していないことを条件として、第1保留記憶データの記憶数を計数する第1保留記憶数カウンタの値を1増やし、乱数回路503やソフトウェア乱数を生成するためのカウンタから数値データ(たとえば、大当り判定用乱数、変動パターン種別判定用乱数、および、変動パターン判定用乱数)を抽出し、それらを、第1保留記憶バッファにおける保存領域に保存(格納)する処理を実行する。一方、第2始動口スイッチ14aがオンしていれば、第2保留記憶数が上限値(たとえば、4)に達していないことを条件として、第2保留記憶データの記憶数を計数する第2保留記憶数カウンタの値を1増やし、乱数回路503やソフトウェア乱数を生成するためのカウンタから数値データ(たとえば、大当り判定用乱数、変動パターン種別判定用乱数、および、変動パターン判定用乱数)を抽出し、それらを、第2保留記憶バッファにおける保存領域に保存(格納)する処理を実行する。
以下の保留記憶に関する説明に関しては、第1保留記憶バッファまたは第2保留記憶バッファに前述のような始動入賞に関する情報が記憶されることを「保留記憶される」と示す場合がある。また、第1保留記憶バッファに記憶される数値データを第1保留記憶情報と呼び、第2保留記憶バッファに記憶される数値データを第2保留記憶情報と呼ぶ場合がある。
S300〜S307の処理は、以下のような処理である。特別図柄通常処理(S300)は、変動表示の表示結果を大当りとするか否かの決定、および、大当りとする場合の大当り種別の決定等を行なう処理である。変動パターン設定処理(S301)は、変動パターンの決定(変動パターン種別判定用乱数および変動パターン判定用乱数を用いた変動パターンの決定)、および、決定された変動パターンに応じて変動時間を計時するための変動時間タイマの計時開始等の制御を行なう処理である。
表示結果指定コマンド送信処理(S302)は、演出制御用マイクロコンピュータ100に、表示結果指定コマンドを送信する制御を行なう処理である。特別図柄変動中処理(S303)は、変動パターン設定処理で選択された変動パターンの変動時間が経過すると特別図柄停止処理にプロセスを進める処理である。特別図柄停止処理(S304)は、決定された変動パターンに対応する変動時間の経過が変動時間タイマにより計時されたときに第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bにおける変動表示を停止して停止図柄を導出表示させる処理である。
大入賞口開放前処理(S305)は、大当りの種別に応じて、特別可変入賞球装置20において大入賞口を開放する制御等を行なう処理である。大入賞口開放中処理(S306)は、大当り遊技状態中のラウンド表示演出用の演出制御コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御、および、大入賞口の閉成条件の成立を確認する処理等を行なう処理である。大入賞口の閉成条件が成立し、かつ、まだ残りラウンドがある場合には、大入賞口開放前処理(S305)に移行する。また、全てのラウンドを終えた場合には、大当り終了処理(S307)に移行する。大当り終了処理(S307)は、大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を演出制御用マイクロコンピュータ100に行なわせるための制御等を行なう処理である。
図10は、S311の始動口スイッチ通過処理を示すフローチャートである。
始動入賞判定処理において、CPU56は、まず、第1始動口スイッチ13aがオン状態であるか否かを確認する(S1211)。第1始動口スイッチ13aがオン状態でなければ、S1222に移行する。第1始動口スイッチ13aがオン状態であれば、CPU56は、第1保留記憶数が上限値に達しているか否か(具体的には、第1保留記憶数をカウントするための第1保留記憶数カウンタの値が4であるか否か)を確認する(S1212)。第1保留記憶数が上限値に達していれば、S1222に移行する。
第1保留記憶数が上限値に達していなければ、CPU56は、第1保留記憶数カウンタの値を1増やす(S1213)とともに、合算保留記憶数をカウントするための合算保留記憶数カウンタの値を1増やす(S1214)。また、CPU56は、図7で説明した第1始動入賞口13および第2始動入賞口14への入賞順を記憶するための保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)において、合算保留記憶数カウンタの値に対応した領域に、「第1」を示すデータをセットする(S1215)。
この実施の形態では、第1始動口スイッチ13aがオン状態となった場合(すなわち、第1始動入賞口13に遊技球が始動入賞した場合)には「第1」を示すデータをセットし、第2始動口スイッチ14aがオン状態となった場合(すなわち、第2始動入賞口14に遊技球が始動入賞した場合)には「第2」を示すデータをセットする。たとえば、CPU56は、図7に示す保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)において、第1始動口スイッチ13aがオン状態となった場合には「第1」を示すデータとして01(H)をセットし、第2始動口スイッチ14aがオン状態となった場合には「第2」を示すデータとして02(H)をセットする。なお、この場合、対応する保留記憶がない場合には、保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)には、00(H)がセットされている。
図7(A)に示すように、保留特定領域には、合算保留記憶数カウンタの値の最大値(この例では8)に対応した領域が確保されており、第1始動入賞口13または第2始動入賞口14への入賞に基づき入賞順に「第1」または「第2」であることを示すデータがセットされる。したがって、保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)には、第1始動入賞口13および第2始動入賞口14への入賞順番が記憶される。
次いで、CPU56は、乱数回路503やソフトウェア乱数を生成するためのカウンタから値を抽出し、それらを、第1保留記憶バッファ(図7(B)参照)における保存領域に格納する処理を実行する(S1216)。S1216の処理では、大当り判定用乱数(ランダムR)、大当り種別決定用乱数(ランダム1)、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)、および、変動パターン判定用乱数(ランダム3)が抽出され、保存領域に格納される。
次いで、CPU56は、検出した始動入賞に基づく変動がその後実行されたときの変動表示結果や変動パターン種別を始動入賞時に予め判定する入賞時演出処理を実行する(S1217)。そして、CPU56は、入賞時演出処理の判定結果に基づいて、図柄指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行なう(S1218)とともに、変動種別コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行なう(S1219)。また、CPU56は、第1始動入賞指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行なう(S1220)とともに、合算保留記憶数カウンタの値をEXTデータに設定して合算保留記憶数指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行なう(S1221)。
S1218,S1219の処理を実行することによって、この実施の形態では、遊技状態(高確率状態、低確率状態、高ベース状態、低ベース状態、大当り遊技状態等の遊技状態)にかかわらず、第1始動入賞口13に始動入賞するごとに、必ず図柄指定コマンドおよび変動種別コマンドの両方が、演出制御用マイクロコンピュータ100に送信される。
また、この実施の形態では、S1218〜S1221の処理が実行されることによって、第1始動入賞口13への始動入賞が発生したときに、図柄指定コマンド、変動種別コマンド、第1始動入賞指定コマンドおよび合算保留記憶数指定コマンドの4つのコマンドのセットが1タイマ割込内に一括して送信される。
次いで、CPU56は、第2始動口スイッチ14aがオン状態であるか否かを確認する(S1222)。第2始動口スイッチ14aがオン状態でなければ、そのまま処理を終了する。第2始動口スイッチ14aがオン状態であれば、CPU56は、第2保留記憶数が上限値に達しているか否か(具体的には、第2保留記憶数をカウントするための第2保留記憶数カウンタの値が4であるか否か)を確認する(S1223)。第2保留記憶数が上限値に達していれば、そのまま処理を終了する。
第2保留記憶数が上限値に達していなければ、CPU56は、第2保留記憶数カウンタの値を1増やす(S1224)とともに、合算保留記憶数をカウントするための合算保留記憶数カウンタの値を1増やす(S1225)。また、CPU56は、保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)において、合算保留記憶数カウンタの値に対応した領域に、「第2」を示すデータをセットする(S1226)。
次いで、CPU56は、乱数回路503やソフトウェア乱数を生成するためのカウンタから値を抽出し、それらを、第2保留記憶バッファ(図7(B)参照)における保存領域に格納する処理を実行する(S1227)。なお、S1227の処理では、大当り判定用乱数(ランダムR)、大当り種別決定用乱数(ランダム1)、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)、および、変動パターン判定用乱数(ランダム3)が抽出され、保存領域に格納される。
次いで、CPU56は、入賞時演出処理を実行する(S1228)。そして、CPU56は、入賞時演出処理の判定結果に基づいて図柄指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行なう(S1229)とともに、変動種別コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行なう(S1230)。また、CPU56は、第2始動入賞指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行なう(S1231)とともに、合算保留記憶数カウンタの値をEXTデータに設定して合算保留記憶数指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行なう(S1232)。
S1229,S1230の処理を実行することによって、この実施の形態では、遊技状態(高確率状態、低確率状態、高ベース状態、低ベース状態、大当り遊技状態等の遊技状態)にかかわらず、CPU56は、第2始動入賞口14に始動入賞するごとに、必ず図柄指定コマンドおよび変動種別コマンドの両方を演出制御用マイクロコンピュータ100に対して送信する。
また、この実施の形態では、S1229〜S1232の処理が実行されることによって、第2始動入賞口14への始動入賞が発生したときに、図柄指定コマンド、変動種別コマンド、第2始動入賞指定コマンドおよび合算保留記憶数指定コマンドの4つのコマンドのセットが1タイマ割込内に一括して送信される。
図11は、S1217,S1228の入賞時演出処理を示すフローチャートである。入賞時演出処理では、CPU56は、まず、S1216,S1227で抽出した大当り判定用乱数(ランダムR)と図5(A)の左欄に示す通常時の大当り判定値とを比較し、それらが一致するか否かを確認する(S220)。この実施の形態では、特別図柄および演出図柄の変動を開始するタイミングで、特別図柄通常処理において大当りとするか否か、および大当り種別を決定したり、変動パターン設定処理において変動パターン(変動パターン種別の決定も含む)を決定したりするのであるが、それとは別に、遊技球が第1始動入賞口13または第2始動入賞口14に始動入賞したタイミングで、その始動入賞に基づく変動表示が開始される前に、入賞時演出処理を実行することによって、予め大当りとなるか否か、および、大当りの種別、変動パターンを先読み判定する。そのようにすることによって、演出図柄の変動表示が実行されるより前に予め変動表示結果を予測し、後述するように、入賞時の判定結果に基づいて、演出制御用CPU101によって演出図柄の変動表示中に大当りとなること(大当りとなる可能性)を予告する先読み予告を実行する。
大当り判定用乱数(ランダムR)が通常時の大当り判定値と一致しなければ(S220のN)、CPU56は、遊技状態が確変状態(高確率状態)であることを示す確変フラグがセットされているか否かを確認する(S221)。確変フラグがセットされていれば、CPU56は、S1216,S1227で抽出した大当り判定用乱数(ランダムR)と図5(A)の右欄に示す確変時の大当り判定値とを比較し、それらが一致するか否かを確認する(S222)。
大当り判定用乱数(ランダムR)が確変時の大当り判定値とも一致しなければ(S222のN)、CPU56は、「はずれ」となることを示すEXTデータを図柄指定コマンドに設定する処理を行なう(S223)。これにより、「はずれ」となることを示す図柄指定コマンドが始動入賞時に出力されることとなる。
S220またはS222で大当り判定用乱数(ランダムR)が大当り判定値と一致した場合には、CPU56は、S1216,S1227で抽出した大当り種別決定用乱数(ランダム1)に基づいて大当りの種別を判定する(S224)。この場合、CPU56は、第1始動入賞口13への始動入賞があった場合(S1217の入賞時演出処理を実行する場合)には、図5(B)に示す大当り種別判定テーブル(第1特別図柄用)を用いて大当り種別が「通常大当り」、「確変大当り」、または、「突確大当り」のいずれとなるかを判定する。また、第2始動入賞口14への始動入賞があった場合(S1228の入賞時演出処理を実行する場合)には、図5(C)に示す大当り種別判定テーブル(第2特別図柄用)を用いて大当り種別が「通常大当り」、または、「確変大当り」のいずれとなるかを判定する。
次に、CPU56は、大当り種別の判定結果に応じたEXTデータを図柄指定コマンドに設定する処理を行なう(S225)。たとえば、「通常大当り」となると判定した場合に、CPU56は、「通常大当り」となることを示すEXTデータを図柄指定コマンドに設定する処理を行なう。また、「確変大当り」となると判定した場合に、CPU56は、「確変大当り」となることを示すEXTデータを図柄指定コマンドに設定する処理を行なう。また、「突確大当り」となると判定した場合に、CPU56は、「突確大当り」となることを示すEXTデータを図柄指定コマンドに設定する処理を行なう。これにより、大当りとなるときは、始動入賞時に、「通常大当り」、「確変大当り」、または、「突確大当り」となることを示す図柄指定コマンドが出力されることとなる。
次に、CPU56は、S1216,S1227で抽出した変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)を用いて、S223、S225で設定された各表示結果、および、遊技状態に応じた変動パターンを判定する(S226)。たとえば、この実施形態では、大当りとなるか否か、および、時短状態であるか否かに応じて、変動パターン種別を決定するために用いるテーブルが異なっているので、S226では、変動パターンの判定対象となる保留記憶データについて、時短フラグ(時短状態に制御されるときにセットされるフラグ)のような遊技状態を示すデータに基づいて、当該保留記憶データに基づく変動表示が実行されるときの遊技状態を認識し、当該保留記憶データに基づく変動表示の表示結果等に基づいて、前記した変動パターンの決定に用いるテーブルを選択し、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)を用いて変動パターンを判定する。
そして、CPU56は、決定結果に応じたEXTデータを変動種別コマンドに設定する処理を行なう(S227)。これにより、始動入賞時には、変動種別を示す変動種別コマンドが出力されることとなる。
なお、大当りの判定対象となる保留記憶データについて、確変回数カウンタ、および、時短回数カウンタのような遊技状態を示すデータに基づいて、当該保留記憶データに基づく変動表示が実行されるときの遊技状態を認識して、当該保留記憶データに基づく変動表示の表示結果等に基づいて、前記した変動パターンの決定に用いるテーブルを選択し、大当り種別判定用乱数(ランダムR)を用いて大当り判定をするようにしてもよい。
また、変動パターンの判定対象となる保留記憶データについて、時短回数カウンタのような遊技状態を示すデータに基づいて、当該保留記憶データに基づく変動表示が実行されるときの遊技状態を認識して、当該保留記憶データに基づく変動表示の表示結果等に基づいて、前記した変動パターンの決定に用いるテーブルを選択し、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)を用いて変動パターン種別を判定するようにしてもよい。
図12は、特別図柄プロセス処理における特別図柄通常処理(S300)を示すフローチャートである。特別図柄通常処理において、CPU56は、第1保留記憶バッファまたは第2保留記憶バッファに保留記憶データがあるかどうかを確認する(S51)。第1保留記憶バッファおよび第2保留記憶バッファのどちらにも保留記憶データがない場合には、処理を終了する。
第1保留記憶バッファまたは第2保留記憶バッファに保留記憶データがあるときには、CPU56は、保留特定領域(図7(A)参照)に設定されているデータのうち1番目のデータが「第1」を示すデータであるか否か確認する(S52)。保留特定領域に設定されている1番目のデータが「第1」を示すデータでない(すなわち、「第2」を示すデータである)場合(S52のN)、CPU56は、特別図柄ポインタ(第1特別図柄について特別図柄プロセス処理を行なっているのか第2特別図柄について特別図柄プロセス処理を行なっているのかを示すフラグ)に「第2」を示すデータを設定する(S54)。保留特定領域に設定されている1番目のデータが「第1」を示すデータである場合(S52のY)、CPU103は、特別図柄ポインタに「第1」を示すデータを設定する(S53)。
この実施の形態では、以下、特別図柄ポインタに「第1」を示すデータが設定されたか「第2」を示すデータが設定されたかに応じて、第1特別図柄表示器8aにおける第1特別図柄の変動表示と、第2特別図柄表示器8bにおける第2特別図柄の変動表示とを、共通の処理ルーチンを用いて実行する。特別図柄ポインタに「第1」を示すデータが設定されたときには、第1保留記憶バッファに記憶された保留記憶データに基づいて、第1特別図柄表示器8aにおける第1特別図柄の変動表示が行なわれる。一方、特別図柄ポインタに「第2」を示すデータが設定されたときには、第2保留記憶バッファに記憶された保留記憶データに基づいて、第2特別図柄表示器8bにおける第2特別図柄の変動表示が行なわれる。
S52〜S54の処理が実行されることによって、この実施の形態では、第1始動入賞口13と第2始動入賞口14とに遊技球が入賞した始動入賞順にしたがって、第1特別図柄の変動表示または第2特別図柄の変動表示が実行される。
次いで、CPU56は、RAM55において、特別図柄ポインタが示す方の保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読出してRAM55の保留記憶バッファに格納する(S55)。具体的には、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合には、第1保留記憶バッファにおける第1保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読出してRAM55の保留記憶バッファに格納する。また、CPU56は、特別図柄ポインタが「第2」を示している場合には、第2保留記憶バッファにおける第2保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読出してRAM55の保留記憶バッファに格納する。
そして、CPU56は、特別図柄ポインタが示す方の保留記憶数カウンタの値から「1」を減算し、かつ、各保存領域の内容をシフトする(S56)。具体的には、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合には、第1保留記憶数カウンタの値から「1」を減算し、かつ、第1保留記憶バッファにおける各保存領域の内容をシフトする。また、特別図柄ポインタが「第2」を示している場合に、第2保留記憶数カウンタの値から「1」を減算し、かつ、第2保留記憶バッファにおける各保存領域の内容をシフトする。
すなわち、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合に、RAM55の第1保留記憶バッファにおいて第1保留記憶数=n(n=2,3,4)に対応する保存領域に格納されている各乱数値を、第1保留記憶数=n−1に対応する保存領域に格納する。また、特別図柄ポインタが「第2」を示す場合に、RAM55の第2保留記憶バッファにおいて第2保留記憶数=n(n=2,3,4)に対応する保存領域に格納されている各乱数値を、第2保留記憶数=n−1に対応する保存領域に格納する。また、CPU56は、保留特定領域において合算保留記憶数=m(m=2〜8)に対応する保存領域に格納されている値(「第1」または「第2」を示す値)を、合算保留記憶数=m−1に対応する保存領域に格納する。
よって、各第1保留記憶数(または、各第2保留記憶数)に対応するそれぞれの保存領域に格納されている各乱数値が抽出された順番は、常に、第1保留記憶数(または、第2保留記憶数)=1,2,3,4の順番と一致するようになっている。また、各合算保留記憶数に対応するそれぞれの保存領域に格納されている各値が抽出された順番は、常に、合算保留記憶数=1〜8の順番と一致するようになっている。
RAM55に形成され合算保留記憶数を計数する合計保留記憶数カウンタの値から「1」を減算する(S57)。なお、CPU56は、カウント値から「1」が減算される前の合算保留記憶数カウンタの値をRAM55の所定の領域に保存する。
特別図柄通常処理では、最初に、第1始動入賞口13を対象として処理を実行することを示す「第1」を示すデータすなわち第1特別図柄を対象として処理を実行することを示す「第1」を示すデータ、または第2始動入賞口14を対象として処理を実行することを示す「第2」を示すデータすなわち第2特別図柄を対象として処理を実行することを示す「第2」を示すデータが、特別図柄ポインタに設定される。そして、特別図柄プロセス処理における以降の処理では、特別図柄ポインタに設定されているデータに応じた処理が実行される。よって、S300〜S307の処理を、第1特別図柄を対象とする場合と第2特別図柄を対象とする場合とで共通化することができる。
次いで、CPU56は、保留記憶バッファからランダムR(大当り判定用乱数)を読出し、大当り判定モジュールを実行する(S61)。なお、この場合、CPU56は、始動口スイッチ通過処理のS1216や始動口スイッチ通過処理のS1227で抽出し第1保留記憶バッファや第2保留記憶バッファに予め格納した大当り判定用乱数を読出し、大当り判定を行なう。大当り判定モジュールは、予め決められている大当り判定値(図5参照)と大当り判定用乱数とを比較し、それらが一致したら大当りとすることに決定する処理を実行するプログラムである。すなわち、大当り判定の処理を実行するプログラムである。
大当り判定の処理では、遊技状態が確変状態(高確率状態)の場合は、遊技状態が非確変状態(通常遊技状態)の場合よりも、大当りとなる確率が高くなるように構成されている。具体的には、予め大当り判定値の数が多く設定されている確変時大当り判定テーブル(ROM54における図5(A)の右側の数値が設定されているテーブル)と、大当り判定値の数が確変時大当り判定テーブルよりも少なく設定されている通常時大当り判定テーブル(ROM54における図5(A)の左側の数値が設定されているテーブル)とが設けられている。そして、CPU56は、遊技状態が確変状態であるか否かを確認し、遊技状態が確変状態であるときは、確変時大当り判定テーブルを使用して大当り判定の処理を行ない、遊技状態が通常遊態や時短状態であるときは、通常時大当り判定テーブルを使用して大当り判定の処理を行なう。すなわち、CPU56は、大当り判定用乱数(ランダムR)の値が図5(A)に示すいずれかの大当り判定値に一致すると、特別図柄に関して大当りとすることに決定する。大当りとすることに決定した場合には(S61のY)、S71に移行する。なお、大当りとするか否か決定するということは、大当り遊技状態に移行させるか否か決定するということであるが、特別図柄表示器における停止図柄を大当り図柄とするか否か決定するということでもある。
なお、現在の遊技状態が確変状態であるか否かの確認は、確変フラグがセットされているか否かにより行なわれる。確変フラグは、遊技状態を確変状態に移行するときにセットされ、確変状態を終了するときにリセットされる。具体的に、確変フラグは、確変大当りまたは突確大当りとなったときに、大当り終了処理(図10のS307)においてセットされ、その後、次回の大当りが決定されたという条件が成立したときに、特別図柄の変動表示を終了して停止図柄を停止表示するタイミングでリセットされる。
大当り判定用乱数(ランダムR)の値がいずれの大当り判定値にも一致しなければ(S61のN)、後述するS75に進む。
S61において大当り判定用乱数(ランダムR)の値がいずれかの大当り判定値に一致すればCPU56は、大当りであることを示す大当りフラグをセットする(S71)。なお、大当りフラグは、大当り遊技が終了するときにリセットされる。そして、大当り種別を複数種類のうちのいずれかに決定するために使用するテーブルとして、図5(B)の第1特別図柄大当り種別判定用テーブルおよび図5(C)の第2特別図柄大当り種別判定用テーブルのうち、いずれかのテーブルを選択する(S72)。具体的に、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合には、図5(B)に示す第1特別図柄大当り種別判定用テーブルを選択する。また、CPU56は、特別図柄ポインタが「第2」を示している場合において、図5(C)の第2特別図柄大当り種別判定用テーブルを選択する。
次いで、CPU56は、始動口スイッチ通過処理で抽出し第1保留記憶バッファや第2保留記憶バッファに予め格納した大当り種別判定用乱数を読出し、S72で選択した大当り種別判定テーブルを用いて、保留記憶バッファに格納された大当り種別判定用の乱数(ランダム1)の値と一致する値に対応した大当り種別および大当り図柄を決定する(S73)。
図5(B),(C)に示すように、第1特別図柄および第2特別図柄については、大当り種別ごとに大当り図柄が異なるように大当り種別と大当り図柄との関係が設定されており、大当り種別と大当り図柄とが同時に決定されるので、大当り図柄と、大当り種別に応じた遊技制御との対応関係が単純化するため、遊技制御の複雑化を防ぐことができる。
また、CPU56は、決定した大当りの種別を示す大当り種別データをRAM55における大当り種別バッファに設定する(S74)。たとえば、大当り種別が「通常大当り」の場合には、大当り種別データとして「01」が設定される。大当り種別が「確変大当り」の場合には、大当り種別データとして「02」が設定される。大当り種別が「突確大当り」の場合には、大当り種別データとして「03」が設定される。
次いで、CPU56は、特別図柄の停止図柄を設定する(S75)。具体的には、大当りフラグがセットされていない場合には、はずれ図柄となる「−」を特別図柄の停止図柄として設定する。大当りフラグがセットされている場合には、大当り種別の決定結果に応じて、S73により決定された大当り図柄を特別図柄の停止図柄に設定する。すなわち、大当り種別が「確変大当り」に決定されたときには「7」を特別図柄の停止図柄に設定する。大当り種別が「通常大当り」に決定した場合には「3」を特別図柄の停止図柄に決定する。大当り種別が「突確大当り」に決定した場合には「5」を特別図柄の停止図柄に決定する。
そして、特別図柄プロセスフラグの値を変動パターン設定処理(S301)に対応した値に更新する(S76)。
次に、演出制御手段としての演出制御用マイクロコンピュータ100の動作を説明する。
図13は、演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ100(具体的には、演出制御用CPU101)が実行する演出制御メイン処理を示すフローチャートである。
演出制御用CPU101は、電源が投入されると、演出制御メイン処理の実行を開始する。演出制御メイン処理では、まず、RAM領域のクリアや各種初期値の設定、また演出制御の起動間隔(たとえば、2ms)を決めるためのタイマの初期設定等を行なうための初期化処理を行なう(S701)。その後、演出制御用CPU101は、タイマ割込フラグの監視(S702)を行なうループ処理に移行する。タイマ割込が発生すると、演出制御用CPU101は、タイマ割込処理においてタイマ割込フラグをセットする。演出制御メイン処理において、タイマ割込フラグがセットされていたら、演出制御用CPU101は、そのフラグをクリアし(S703)、以下の演出制御処理を実行する。
演出制御処理において、演出制御用CPU101は、まず、受信した演出制御コマンドを解析し、受信した演出制御コマンドに応じたフラグをセットする処理等を行なう(コマンド解析処理:S704)。次いで、演出制御用CPU101は、演出制御プロセス処理を行なう(S705)。演出制御プロセス処理では、S704で解析した演出制御コマンドの内容にしたがって演出表示装置9での演出図柄の変動表示等の各種演出を行なうために、制御状態に応じた各プロセスのうち、現在の制御状態(演出制御プロセスフラグ)に対応した処理を選択して演出制御を実行する。
次いで、演出図柄の大当り図柄決定用乱数および各種演出内容の選択決定用乱数等の各種乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する乱数更新処理を実行する(S706)。また、演出表示装置9での保留記憶表示の表示状態の制御を行なう保留記憶表示制御処理を実行する(S707)。その後、S702に移行する。
このような演出制御メイン処理が実行されることにより、演出制御用マイクロコンピュータ100では、遊技制御用マイクロコンピュータ560から送信され、受信した演出制御コマンドに応じて、演出表示装置9、各種ランプ、および、スピーカ27等の演出装置を制御することにより、遊技状態に応じた各種の演出制御が行なわれる。
たとえば、演出制御用マイクロコンピュータ100においては、受信した変動パターンコマンドを受信したときに、演出図柄の変動表示を開始させ、図柄確定指定コマンドを受信したときに、演出図柄の変動表示を停止させる。変動パターンコマンドは、変動時間の長さ、リーチ演出の有無、リーチ演出を実行するときのリーチ種別(ノーマルリーチ、スーパーリーチ等の種別)、および、変動表示結果(大当り、はずれ、大当りの種別)等の変動表示態様を指定するために必要な情報が特定なデータよりなるコマンドである。変動表示は、各変動パターンコマンドに対応する変動時間で実行されるように制御される。また、演出図柄の停止図柄は、表示結果指定コマンドに基づいて、はずれとなるか、大当りとなるかの判別、および、大当りとなるときの大当り種別の判別を行なうことに基づいて決定する。
図14は、演出制御基板80側のデータ保持エリアおよび始動入賞時受信コマンドバッファを示す説明図である。
図3に示す演出制御基板80に搭載されたRAM103には、演出動作を制御するために用いられる各種データを保持する領域として、たとえば図14(A)に示すような演出制御用データ保持エリア190が設けられている。図14(A)に示す演出制御用データ保持エリア190は、演出制御フラグ設定部191と、演出制御タイマ設定部192と、演出制御カウンタ設定部193と、演出制御バッファ設定部194とを備えている。
演出制御フラグ設定部191には、たとえば演出表示装置9の画面上における演出画像の表示状態等というような演出動作状態や主基板31から伝送された演出制御コマンド等に応じて状態を更新可能な複数種類のフラグが設けられている。たとえば、演出制御フラグ設定部191には、複数種類のフラグそれぞれについて、フラグの値を示すデータや、オン状態あるいはオフ状態を示すデータが記憶される。
演出制御タイマ設定部192には、たとえば演出表示装置9の画面上における演出画像の表示動作等というような各種演出動作の進行を制御するために用いられる複数種類のタイマが設けられている。たとえば、演出制御タイマ設定部192には、複数種類のタイマそれぞれにおけるタイマ値を示すデータが記憶される。
演出制御カウンタ設定部193には、各種演出動作の進行を制御するために用いられる複数種類のカウンタが設けられている。たとえば、演出制御カウンタ設定部193には、複数種類のカウンタそれぞれにおけるカウント値を示すデータが記憶される。
演出制御バッファ設定部194には、各種演出動作の進行を制御するために用いられるデータを一時的に記憶する各種のバッファが設けられている。たとえば、演出制御バッファ設定部194には、複数種類のバッファのそれぞれにおけるバッファ値を示すデータが記憶される。
この実施の形態では、図14(B)に示すような、現在の保留記憶情報のそれぞれに対応して、始動入賞時に受信した演出制御コマンドを格納するための始動入賞時受信コマンドバッファを構成するデータが、演出制御バッファ設定部194の所定領域に記憶される。始動入賞時受信コマンドバッファには、合計保留記憶数の最大値(たとえば「8」)に対応した個数分の各種データを格納可能な格納領域(バッファ番号「1」〜「8」のそれぞれに対応した領域)が設けられている。
第1始動入賞口13または第2始動入賞口14への始動入賞があったときには、始動入賞時において、図柄指定コマンド、変動種別コマンド、始動入賞指定コマンド(第1または第2始動入賞指定コマンド)、および、合算保留記憶数指定コマンドという4つのコマンドを1セットとした演出制御コマンドが、主基板31から演出制御基板80へと送信される。始動入賞時受信コマンドバッファには、これら図柄指定コマンド、変動種別コマンド、始動入賞指定コマンド、および、合算保留記憶数指定コマンドに加えて、その他の情報を各保留記憶情報に対応付けて格納できるように記憶領域(シフトデータ領域)が確保されている。
演出制御用CPU101は、始動入賞時に受信した順番で、受信した演出制御コマンドを特定するデータを始動入賞時受信コマンドバッファの空き領域における先頭(バッファ番号「1」)から格納していく。始動入賞時受信コマンドバッファの空き領域、すなわち、データが格納されていない領域のデータは、「0000(H)」である。始動入賞時には、図柄指定コマンド、変動種別コマンド、始動入賞指定コマンド、および、合算保留記憶数指定コマンドの順にコマンド送信が行なわれる。したがって、コマンド受信が正常に行なわれれば、図14(B)に示すように、バッファ番号「1」〜「8」のそれぞれに対応する格納領域に、図柄指定コマンド、変動種別コマンド、始動入賞指定コマンド、および、合算保留記憶数指定コマンドの順に、演出制御コマンドが格納されていくことになる。図14(B)では、バッファ番号「1」〜「3」に対応する格納領域においてコマンドが格納されている例が示されている。
また、始動入賞時受信コマンドバッファには、バッファ番号「1」〜「8」のそれぞれに対応してその他の情報を格納する格納領域として、バッファ番号「1」〜「8」のそれぞれに格納された保留記憶に関するデータに対応して、次に示すような先読み判定済情報、先読み大当りフラグ情報、通常表示態様情報、特殊表示態様情報、第1特別表示態様情報、ボトル表示態様情報、および、第2特別表示態様情報のようなその他の各種情報を格納するための記憶領域が設けられている。
演出制御用マイクロコンピュータ100では、始動入賞時受信コマンドバッファに格納された図柄指定コマンド情報等の所定のデータに基づいて、大当り表示結果になるか否かについての先読み判定が行なわれる。先読み判定が行なわれたときに、先読み判定済情報が初期状態のデータ「0」からデータ「1」にセットされる。各種の情報やフラグがデータ「0」からデータ「1」にセットされることをオン状態にセットされるといい、逆にデータ「1」からデータ「0」にリセットされることをオフ状態にリセットするという。このように、先読み判定済情報は、先読み判定がされたか否かを特定可能な情報である。
大当り表示結果になるか否かについての先読み判定が行なわれて、大当り表示結果になると判定された場合に、先読み大当りフラグ情報が初期状態のデータ「0」(オフ状態)からデータ「1」(オン状態)にセットされる。先読み大当りフラグ情報は、後述するように保留表示の表示態様が決定されたときにデータ「0」にリセットされる。
保留表示の表示態様は、通常表示態様と、特殊表示態様と、第1特別表示態様と、ボトル表示態様と、第2特別表示態様とを含む。通常表示態様と、特殊表示態様と、第1特別表示態様と、第2特別表示態様とは、いずれもカクテルグラスの形状を有する保留画像の表示態様である。ボトル表示態様は、カクテルグラスにカクテルを注ぐことが可能なボトル(シェイカーを含む)の形状を有する保留画像の表示態様である。
通常表示態様は、カクテルグラスの形状のみを表示する態様であって、空の(カクテルが注がれていない状態の)カクテルグラスを表示する態様である。
特殊表示態様は、通常表示態様とは異なる表示態様であって、カクテルグラスの形状と「?」マークとを重複して表示する態様であって、特殊表示態様とは異なる第1特別表示態様に変化する可能性があることを示唆する態様である。第1特別表示態様は、カクテルグラスにカクテルが注がれた状態を表示する態様であって、遊技者に有利な状態になる可能性があることを示唆する態様である。
第1特別表示態様および第2特別表示態様のそれぞれは、通常表示態様および特殊表示態様とは異なる表示態様の特別表示態様であって、たとえば、カクテルグラスに注がれたカクテルの色(たとえば、赤色、緑色および青色)が異なることによって、複数種類の態様を有している。また、第1特別表示態様および第2特別表示態様のそれぞれの種類に応じて遊技者に有利な状態となる期待度が異なる。この実施の形態においては、各色の期待度が赤色>緑色>青色となるように設定される。
第1特別表示態様と第2特別表示態様とは、この実施の形態において、画像の形状の一部が異なるものが用いられる例が示されている。なお、第1特別表示態様と第2特別表示態様とは、画像の形状の全部が同一のものが設けられてもよい。また、第1特別表示態様と第2特別表示態様とは、選択される色の種類が同一のものを用いてもよく、選択される色の種類が異なるものを用いてもよい。このように、第1特別表示態様と第2特別表示態様とは、全く同じ画像を用いてもよく、少なくとも一部が異なる画像を用いてもよい。
保留表示の表示態様として通常表示態様で表示されることが決定された場合には、当該保留表示に対応する領域の通常表示態様情報が初期状態のデータ「0」からデータ「1」にセットされる。図14(B)の例では、バッファ番号「1」に対応する保留表示が通常表示態様で表示されることが決定されていることを示している。
また、保留表示の表示態様として特殊表示態様で表示されることが決定された場合には、当該保留表示に対応する領域の特殊表示態様情報が初期状態のデータ「0」からデータ「1」にセットされる。なお、図14(B)の例では、バッファ番号「2」に対応する保留表示が特殊表示態様で表示されることが決定されていることを示している。特殊表示態様情報は、保留表示が、特殊表示態様から第1特別表示態様に変更されたときに、図14(B)に示すようにデータ「1」→「0」となってリセットされる。
また、保留表示の表示態様として特殊表示態様で表示されることが決定されるときには、保留表示を、特殊表示態様で表示させることが決定されることに加えて、特殊表示態様を第1特別表示態様に変更して表示させることが決定される。この第1特別表示態様は、特殊表示態様から変更される(たとえば、カクテルグラスにカクテルが入った態様に変更される)表示態様である。第1特別表示態様は、複数種類の第1特別表示態様のうちから選択決定される。これにより、ある保留表示について、特殊表示態様情報がデータ「1」にセットされるときには、当該保留表示を第1特別表示態様で表示するときの表示態様の種類が複数種類の表示態様(たとえば、カクテルの色が異なる3種類)のうちから選択決定される(図18(D),(E)参照)。
また、始動入賞の発生に応じて新たな保留表示の画像を出現させるときに、先に表示された保留表示として、特殊表示態様の保留表示が存在しているときには、所定条件を満たせば、当該新たな保留表示をボトル表示態様で表示させることが決定される。ボトル表示態様は、複数種類のボトル表示態様(たとえば、ボトル容器の形状またはラベルが異なる3種類)のうちから選択決定される(図18(F)参照)。さらに、先に表示された保留表示として特殊表示態様の保留表示が存在しているときには、所定条件を満たせば、当該新たな保留表示を、ボトル表示態様で表示させることに加えて、ボトル表示態様を第2特別表示態様に変更して表示させることが決定される。
第2特別表示態様は、ボトル表示態様から変更される(たとえば、ボトルがカクテルグラスに変化しカクテルが入った態様に変更される)表示態様である。第2特別表示態様は、複数種類(たとえば、カクテルの色が異なる3種類)の第2特別表示態様のうちから選択決定される(図18(G),(H)参照)。これにより、ある保留表示について、特殊表示態様情報がデータ「1」にセットされるときには、当該保留表示をボトル表示態様で表示するときの表示態様の種類が複数種類の表示態様(たとえば、3種類)のうちから選択決定され(図18(F)参照)、さらに、第2特別表示態様で表示するときの表示態様の種類が複数種類の表示態様(たとえば、3種類)のうちから選択決定される(図18(G),(H)参照)。
図14(B)を参照して、たとえば、決定された第1特別表示態様の種類が赤色のカクテルが注がれた状態を示す態様である場合には、第1特別表示態様情報がデータ「R」にセットされる。また、決定された第1特別表示態様の種類が緑色のカクテルが注がれた状態を示す態様である場合には、第1特別表示態様情報がデータ「G」にセットされる。また、決定された第1特別表示態様の種類が青色のカクテルが注がれた状態を示す態様である場合には、第1特別表示態様情報がデータ「B」にセットされる。図14(B)の例では、バッファ番号「2」に対応する保留表示について第1特別表示態様の種類が赤色のカクテルが注がれた状態を示す態様に決定されていることを示している。
図14(B)を参照して、たとえば、決定されたボトル表示態様の種類が「シェイカー」である場合には、ボトル表示態様情報がデータ「H」を特定するデータ(以下、データ「H」と呼ぶ)にセットされる。また、決定されたボトル表示態様の種類が「金ラベルのボトル」である場合には、ボトル表示態様情報がデータ「G」を特定するデータ(以下、データ「G」と呼ぶ)にセットされる。また、決定されたボトル表示態様の種類が「銀ラベルのボトル」である場合には、ボトル表示態様情報がデータ「S」を特定するデータ(以下、データ「S」と呼ぶ)にセットされる。図14(B)の例では、バッファ番号「3」に対応する保留表示についてボトル表示態様の種類がデータ「H」であるので「シェイカー」を示す態様に決定されていることを示している。ボトル表示態様情報は、保留表示が、ボトル表示態様から第2特別表示態様に変更されたときに、図14(B)に示すようにデータ「H」→「0」となってリセットされる。
図14(B)を参照して、たとえば、決定された第2特別表示態様の種類が赤色のカクテルが注がれた状態を示す態様である場合には、第2特別表示態様情報がデータ「R」を特定するデータ(以下、データ「R」と呼ぶ)にセットされる。また、決定された第2特別表示態様の種類が緑色のカクテルが注がれた状態を示す態様である場合には、第2特別表示態様情報がデータ「G」を特定するデータ(以下、データ「G」と呼ぶ)にセットされる。また、決定された第2特別表示態様の種類が青色のカクテルが注がれた状態を示す態様である場合には、第2特別表示態様情報がデータ「B」を特定するデータ(以下、データ「B」と呼ぶ)にセットされる。図14(B)の例では、バッファ番号「2」に対応する保留表示について第2特別表示態様の種類が緑色のカクテルが注がれた状態を示す態様に決定されていることを示している。
なお、第1特別表示態様情報、ボトル表示態様情報、および、第2特別表示態様情報のそれぞれについて、データ上において2進数でこれら情報が管理される場合には、これら情報の初期値を「00」とし、第1特別表示態様情報「R」、ボトル表示態様情報「H」、または、第2特別表示態様情報「R」にセットされる場合を「01」とし、第1特別表示態様情報「G」、ボトル表示態様情報「G」、または、第2特別表示態様情報「G」にセットされる場合「G」にセットされる場合を「10」とし、第1特別表示態様情報「B」、ボトル表示態様情報「S」、または、第2特別表示態様情報「B」にセットされる場合を「11」とすればよい。
図14(B)に示す始動入賞時受信コマンドバッファに格納されているコマンドに関するデータ、先読み判定に関するデータ、および、保留表示の表示態様に関するデータは、演出図柄の変動表示を開始する毎に、1つ目の格納領域(バッファ番号「1」に対応した領域)に格納されているものから削除され、以降の記憶内容がシフトされる。たとえば図14(B)に示す格納状態において新たな演出図柄の変動表示が開始されるときには、当該変動表示を行なうデータとしてバッファ番号「1」に格納されている各データが削除される。そして、そのデータの削除に応じて、バッファ番号「2」に対応した領域において格納されている各データがバッファ番号「1」に対応した領域にシフトされ、バッファ番号「3」に対応した領域において格納されている各データが、バッファ番号「2」に対応した領域にシフトされる。
以上に説明したような始動入賞時受信コマンドバッファにおけるデータの格納状態の一例として、図14(B)では、3個の保留記憶情報が発生した状態が示されている。そして、図14(B)の例では、バッファ番号「1」〜「3」に対応した保留記憶情報について先読み判定が行なわれたことが示されている。
また、図14においては、先読み判定済情報および先読み判定結果情報を始動入賞時受信コマンドバッファに格納する例を示した。しかし、これに限らず、始動入賞時受信コマンドバッファとは別に、各始動入賞記憶情報に対応して先読み判定済情報、先読み判定結果情報あるいは保留表示の表示態様に関するデータを格納する領域を演出制御用データ保持エリア190に設けてもよい。
図15は、図13に示された演出制御メイン処理における演出制御プロセス処理(S705)を示すフローチャートである。演出制御プロセス処理では、演出制御用CPU101は、S500の処理を行なった後、演出制御プロセスフラグの値に応じてS800〜S807のうちのいずれかの処理を行なう。各処理において、以下のような処理を実行する。演出制御プロセス処理では、演出表示装置9の表示状態が制御され、演出図柄の変動表示が実現されるが、第1特別図柄の変動に同期した演出図柄の変動表示に関する制御も、第2特別図柄の変動に同期した演出図柄の変動表示に関する制御も、一つの演出制御プロセス処理において実行される。
先読み判定処理(S500):先読み判定の処理を行なう。S500の具体的な処理内容については、図17を用いて詳述する。
変動パターンコマンド受信待ち処理(S800):遊技制御用マイクロコンピュータ560から変動パターンコマンドを受信しているか否か確認する。具体的には、コマンド解析処理でセットされる変動パターンコマンド受信フラグがセットされているか否か確認する。変動パターンコマンドを受信していれば、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動開始処理(S801)に対応した値に変更する。
演出図柄変動開始処理(S801):演出図柄(飾り図柄)の変動表示が開始されるように制御する。また、演出図柄の停止図柄(表示結果)を演出図柄の停止図柄決定用の乱数に基づいて決定する。受信した変動パターンコマンドに対応して、演出図柄の変動表示時の演出パターンを選択し、実行する変動表示の変動時間を計時する変動表示時間タイマの計時をスタートさせる。そして、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動中処理(S802)に対応した値に更新する。
演出図柄変動中処理(S802):変動パターンを構成する各変動状態(変動速度)の切替えタイミング等を制御するとともに、変動表示時間タイマにより計時される変動時間が終了したか否かを監視する。そして、変動時間が終了したか、または、全図柄停止を指示する演出制御コマンド(図柄確定指定コマンド)を受信したことに基づいて、変動表示を終了させるために、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動停止処理(S803)に対応した値に更新する。
演出図柄変動停止処理(S803):演出図柄(飾り図柄)の変動表示を停止し、変動表示の表示結果(停止図柄)を導出表示する制御を行なう。そして、演出制御プロセスフラグの値を大当り表示処理(S804)または変動パターンコマンド受信待ち処理(S800)に対応した値に更新する。
大当り表示処理(S804):変動時間の終了後、演出表示装置9に大当りの発生を報知するための大当り表示等の演出としてのファンファーレ演出を行なう制御等の表示制御を行なう。そして、演出制御プロセスフラグの値を大当り遊技中処理(S805)に対応した値に更新する。
ラウンド中処理(S805):ラウンド中の表示制御を行なう。そして、ラウンド終了条件が成立したら、最終ラウンドが終了していなければ、演出制御プロセスフラグの値をラウンド後処理(S806)に対応した値に更新する。最終ラウンドが終了していれば、演出制御プロセスフラグの値を大当り終了処理(S807)に対応した値に更新する。
ラウンド後処理(S806):ラウンド間の表示制御を行なう。そして、ラウンド開始条件が成立したら、演出制御プロセスフラグの値をラウンド中処理(S805)に対応した値に更新する。
大当り終了演出処理(S807):演出表示装置9において、大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を行なう。そして、演出制御プロセスフラグの値を変動パターンコマンド受信待ち処理(S800)に対応した値に更新する。
演出制御プロセス処理では、上記した各処理により、演出表示装置9の表示状態が制御され、演出図柄の変動表示が開始され、演出図柄の停止図柄が導出表示される。演出制御用CPU101は、たとえば、受信した変動パターンコマンド、および、表示結果指定コマンドに基づいて、実行される変動表示について、指定された変動パターン、および、表示結果を認識し、次のようにこの演出図柄の停止図柄を決定する。演出図柄変動開始処理(S801)においては、表示結果に応じて、演出図柄の停止図柄決定用の乱数値SR1−1〜SR1−3のうちから各種表示結果を決定するために必要な種類の乱数値を抽出し、これらと、演出図柄を示すデータと数値とが対応付けられている停止図柄決定テーブルとを用いて、演出図柄の停止図柄を決定する。この実施の形態では、演出制御基板80の側において、左演出図柄(左図柄)決定用の乱数値SR1−1、中演出図柄(中図柄)決定用の乱数値SR1−2、右演出図柄(右図柄)決定用の乱数値SR1−3、後述する先読み予告判定用の乱数値SR2、保留表示態様決定用の乱数値SR3−1、第1特別表示態様決定用の乱数値SR3−2、および、第2特別表示態様決定用の乱数値SR3−3等のそれぞれを示す数値データがカウント可能に制御される。なお、演出効果を高めるために、これら以外の乱数値が用いられてもよい。
このような乱数値SR1−1〜SR1−3,SR2,SR3−1,SR3−2,SR3−3等のそれぞれは、演出制御用マイクロコンピュータ100においてソフトウェアによりカウント値を更新するランダムカウンタのカウントにより生成されるものであり、それぞれについて設定された所定の数値範囲内でそれぞれ巡回更新され、それぞれについて定められたタイミングで抽出されることにより乱数として用いられる。すなわち、抽出した乱数値と同じ数値に対応する演出図柄の組合せを示すデータを選択することによって停止図柄を決定する。そして、演出制御用CPU101は、演出図柄の変動表示を停止するときに、このように決定された停止図柄で演出図柄を停止させる。演出図柄についても、大当りを想起させるような停止図柄を大当り図柄という。そして、はずれを想起させるような停止図柄をはずれ図柄という。
具体的に、演出図柄の停止図柄は、たとえば、次のように決定する。なお、以下の説明において、リーチ状態となった後にはずれ表示結果となることを「リーチはずれ」といい、リーチ状態とならずにはずれ表示結果となることを「非リーチはずれ」というものとする。
非リーチはずれの図柄の組合せを決定する場合においては、所定のタイミングでSR1−1〜SR1−3のそれぞれから数値データ(乱数)を抽出し、ROM102に記憶されたはずれ図柄決定用データテーブル(乱数値とはずれ図柄になる左,中,右の演出図柄との関係を示すデータテーブル)を用い、抽出した乱数に対応する図柄がそれぞれ左,中,右の演出図柄の変動表示結果となる停止図柄の組合せとして決定される。また、このように非リーチはずれの図柄の組合せを決定する場合において、抽出された乱数に対応する停止図柄が偶然大当り図柄の組合せと一致する場合には、はずれ図柄の組合せとなるように補正(たとえば、右図柄を1図柄ずらす補正)して各停止図柄が決定される。また、抽出された乱数に対応する停止図柄が偶然リーチ図柄となってしまう場合には、非リーチはずれ図柄の組合せとなるように補正(たとえば、右図柄を1図柄ずらす補正)して各停止図柄が決定される。このように決定された非リーチはずれ図柄の組合せが、変動表示結果である最終停止図柄として用いられる。
また、リーチはずれの図柄の組合せを決定する場合においては、所定のタイミングでSR1−1〜SR1−3のそれぞれから数値データ(乱数)を抽出し、ROM102に記憶されたはずれ図柄決定用データテーブルを用い、SR1−1から抽出された乱数に対応する図柄が、リーチ状態を形成する各演出図柄(左,右演出図柄)の停止図柄として決定され、SR1−2から抽出された乱数に対応する図柄が、最後に停止する演出図柄(中演出図柄)の停止図柄として決定される。このように決定されたリーチはずれ図柄の組合せが、変動表示結果である最終停止図柄として用いられる。
また、大当りの図柄の組合せを決定する場合においては、大当りの種別に応じて大当り図柄の組合せを決定する。たとえば、確変大当りとなるときには、確変大当りを想起させるような確変大当り図柄の組合せ(たとえば、左,中,右演出図柄が「7,7,7」というようないずれかの奇数図柄が揃った図柄の組合せ)を選択決定する。また、通常大当りとなるときには、通常大当りを想起させるような通常大当り図柄の組合せ(たとえば、左,中,右演出図柄が「2,2,2」というようないずれかの偶数図柄が揃った図柄の組合せ)を選択決定する。また、突確大当りとなるときは、チャンス目図柄の組合せ(たとえば、左,中,右が「1,2,3」というような特定のはずれ図柄の組合せ)を選択決定する。
確変大当りにすることに決定されているときには、ROM102に記憶された確変大当り図柄決定用テーブル(乱数値と確変大当り図柄になる左,中,右の演出図柄との関係を示すデータテーブル)を用いて、左,中,右演出図柄がいずれかの奇数図柄で揃った組合せを選択決定する。確変大当り図柄決定用テーブルは、予め定められた複数種類の奇数図柄のそれぞれに、SR1−1のそれぞれの数値データが対応付けられている。確変大当り図柄の組合せを決定するときには、所定のタイミングでSR1−1から数値データ(乱数)を抽出し、確変大当り図柄決定用テーブルを用い、抽出した乱数に対応する図柄が、確変大当り図柄の組合せを構成する左,中,右演出図柄の停止図柄の組合せとして決定される。このように決定された確変大当り図柄の組合せが、変動表示結果である最終停止図柄として用いられる。
また、通常大当りにすることに決定されているときには、ROM102に記憶された通常大当り図柄決定用テーブル(乱数値と通常大当り図柄になる左,中,右の演出図柄との関係を示すデータテーブル)を用いて、左,中,右演出図柄がいずれかの偶数図柄で揃った組合せを選択決定する。通常大当り図柄決定用テーブルは、予め定められた複数種類の偶数図柄のそれぞれに、SR1−1のそれぞれの数値データが対応付けられている。通常大当り図柄の組合せを決定するときには、所定のタイミングでSR1−1から数値データ(乱数)を抽出し、通常大当り図柄決定用テーブルを用い、抽出した乱数に対応する図柄が、通常大当り図柄の組合せを構成する左,中,右演出図柄の停止図柄の組合せとして決定される。このように決定された通常大当り図柄の組合せが変動表示結果である最終停止図柄として用いられる。
また、突確大当りにすることに決定されているときには、ROM102に記憶されたチャンス目図柄決定用テーブル(乱数値とチャンス目になる左,中,右の演出図柄との関係を示すデータテーブル)を用いて、チャンス目図柄の組合せを選択決定する。チャンス目図柄決定用テーブルは、複数種類のチャンス目図柄の組合せのそれぞれに、SR1−1のそれぞれの数値データが対応付けられている。チャンス目図柄の組合せを決定するときには、所定のタイミングでSR1−1から数値データ(乱数)を抽出し、チャンス目図柄決定用テーブルを用い、抽出した乱数に対応する図柄が、チャンス目図柄の組合せを構成する左,中,右演出図柄の停止図柄の組合せとして決定される。このように決定された突確大当り図柄の組合せが変動表示結果である最終停止図柄として用いられる。
また、変動パターンコマンドにおいてノーマルリーチが指定されたときには、各ノーマルリーチの種類に対応したリーチ演出が行なわれる。さらに、変動パターンコマンドにおいてスーパーリーチが指定されたときには、各スーパーリーチの種類に対応したリーチ演出が行なわれる。
そして、演出制御用マイクロコンピュータ100においては、確変状態指定コマンドに基づいて確変状態であることを認識でき、時短状態指定コマンドに基づいて時短状態であることを認識できるので、演出表示装置9等の演出装置により、確変状態および時短状態に応じて特有の演出を行なうことができる。
たとえば、演出制御用マイクロコンピュータ100においては、遊技制御用マイクロコンピュータ560から送信されてくる通常状態指定コマンド、時短状態指定コマンド、確変状態指定コマンド等に基づいて、遊技状態がどのような状態にあるかを特定するデータを記憶し、その記憶データに基づいて、遊技状態を常に認識する。そして、このように認識している遊技状態と、遊技制御用マイクロコンピュータ560から送信されてくる変動パターンコマンドとに基づいて、演出制御用マイクロコンピュータ100は、現在の遊技状態に応じた演出態様で演出図柄の変動表示を実行させることが可能である。
なお、変動パターンコマンドにより、変動パターンに加えて、大当りとするか否か、および、大当りの種別を特定可能とする場合には、変動パターンコマンドにより特定される大当りとするか否かの情報、および、大当りの種別の情報に基づいて、演出図柄の停止図柄の組合せを決定するようにしてもよい。
次に、図16を用いて、本実施の形態における演出表示装置9の表示画面の構成について説明する。
図16に示すように、演出表示装置9における表示画面は、左変動表示領域9L、中変動表示領域9C、および、右変動表示領域9Rを含む。図中においては、演出図柄が変動中(図中下向きの矢印で示す)であることを示す。
演出表示装置9の表示画面の左下部の所定領域9Bには、最大で8個の開始条件が成立していない保留表示が行なわれる。この所定領域9Bが、前述した保留記憶表示部に該当する。図16では、所定領域9Bにおいて、保留表示の表示態様がカクテルグラスの形状またはボトルの形状である例が示されている。保留表示の数は、未消化の保留記憶数を示す。図16においては、1つ目の保留表示が通常表示態様で表示され、2つ目の保留表示が特殊表示態様で表示され、3つ目の保留表示がボトルの表示態様で表示されている場合を一例として示している。
この実施の形態においては、先読み判定結果に基づいて、保留表示が特殊表示態様で表示された場合には、その次に生じた保留記憶情報に基づいて、その後に表示される保留表示を、ボトルの形状で表示して、当該特殊表示態様で表示された保留表示に作用させる演出(以下、作用演出と呼ぶ場合がある)を実行し、当該演出を実行した後に、特殊表示態様で表示された保留表示を大当りとなる期待度に応じた第1特別表示態様に変更(変化)して表示させる演出制御が行なわれる。
「保留表示が特殊表示で表示された場合に、その次に生じた保留記憶情報に基づいて、その後に表示される保留表示を、ボトルの形状で表示して、特殊表示態様で表示された保留表示に作用させる」とは、「先に特殊表示態様で表示された保留表示」の変化が期待できるように「その後に表示される保留表示」が動作することをいう。
この実施の形態においては、先の保留表示(第1保留表示と呼ぶ場合がある)が特殊表示態様で表示された場合に、その後に表示される保留表示(第2保留表示と呼ぶ場合がある)を、当該特殊表示態様で表示された第1の保留表示に作用させる作用演出として、保留表示が特殊表示態様で表示された直後の第2の保留表示としてボトルの形状を有する保留画像を表示させ、ボトルから特殊表示態様で表示されたカクテルグラスに対してカクテルが注がれることにより、第1の保留表示(先に表示された保留表示)に第2の保留表示(後に表示された保留表示)が作用する演出が実行されるものとする。
特殊表示態様で表示された第1の保留表示を特別表示態様で表示させることによって、当該保留表示が遊技者にとって有利な状態になる可能性がある保留表示であることを遊技者に容易に認識させることができる。そのため、遊技の興趣を向上させることができる。
また、この実施の形態においては、前述のような作用演出が実行されるときに、特殊表示態様で表示された第1の保留表示を大当りとなる期待度に応じた第1特別表示態様に変更(変化)して表示させた後、第2の保留表示を、大当りとなる期待度に応じた第2特別表示態様に変更(変化)して表示させる演出制御が行なわれる。これにより、特殊表示態様で表示された第1保留表示を第1特別表示態様という特別表示態様で表示することのみならず、その直後の第2保留表示についても、第2特別表示態様という特別表示態様で表示させることによって、遊技者にとって有利な状態になる期待感を遊技者に持たせることができる。
このような保留表示による作用演出は、たとえば、ボトルの形状の保留画像が表示された後、先に特殊表示態様で表示された第1の保留表示よりも前に表示された保留表示に基づく変動表示のうち次回の変動表示(1つ目の保留表示に基づく変動表示)の開始時(開始前)における保留表示のシフト表示時において実行される。なお、作用演出が実行される保留表示のシフト表示時は、変動表示が開始される前(直前)であってもよく、変動表示の開始と同時であってもよく、変動表示の開始後(直後)であってもよい。
なお、このような保留表示による作用演出は、ボトルの形状の保留画像が表示されたときに、特殊表示態様で表示された保留表示よりも前に表示された保留表示のうち、1つ目の保留表示に基づく変動表示(次回の変動表示)開始時(保留表示のシフト表示時)ではなく、2つ目以降の保留表示に基づく変動表示(次々回以降の変動表示)開始時(保留表示のシフト表示時)に実行されるようにしてもよい。そのような作用演出を実行する保留表示のシフト表示時のタイミングは、予め固定的に定められたタイミングであってもよく、演出制御用マイクロコンピュータ100により演出用の乱数等を用いてランダムに決定される選択的なタイミングであってもよい。
また、このような保留表示による作用演出の実行タイミングは、保留表示のシフト表示時ではなく、変動表示の実行中に行なうようにしてもよく、変動表示が実行されていないタイミングで行なうようにしてもよい。
次に、図15に示される先読み判定処理(S500)の具体的な処理内容を説明する。図17は、先読み判定処理を示すフローチャートである。
S504で先読み判定をしていない保留記憶があるか否かを判定する(S504)。具体的には、演出制御用マイクロコンピュータ100は、図14(B)に示す始動入賞時受信コマンドバッファにおける先読み判定済情報を確認することによって、先読み判定をしていない保留記憶があるか否かを判定する。
先読み判定済情報は、データ「0」である場合に先読み判定済みでないことを示し、データ「1」がセットされることによって先読み判定済みであることを示す。先読み判定済み情報は、図柄指定コマンドおよび変動種別コマンドを受信し、格納する処理においてデータ「0」がセットされる。そして、後述するS505で先読み判定をしていない保留記憶が大当りであるか否かが判定された後(すなわち、S505でYあるいはNと判定された後)に、当該保留記憶に対応する先読み判定済情報においてデータ「1」がセットされる。
データが格納された各バッファのうちのいずれのバッファにおいても先読み判定済情報が先読み判定済みであることを示すデータ「1」である(オン状態である)場合には、先読み判定をしていない保留記憶がないと判定され、データが格納された各バッファのうち先読み判定済情報が先読み判定済みでないことを示すデータ「0」のバッファが1つでもある場合には、先読み判定をしていない保留記憶があると判定される。
S504で先読み判定をしていない保留記憶がないときは、処理を終了する。一方、S504で先読み判定をしていない保留記憶があるときは、先読み判定をしていない保留記憶が大当り表示結果となるか否かを判定する(S505)。
S505で先読み判定をしていない保留記憶が大当り表示結果とならないときは、処理はS504に移される。これにより、先読み判定をしていない保留記憶が大当り表示結果となると判定されない限りにおいて、全ての保留記憶の先読み判定が行なわれることとなる。一方、S505で先読み判定をしていない保留記憶が大当り表示結果となるときは、対応する保留記憶の先読み大当りフラグをオン状態にセットし(S506)、処理を終了する。なお、S505で先読み判定をしていない保留記憶が大当り表示結果となり、対応する保留記憶の先読み大当りフラグをオン状態にセットしたときでも(S506)、全ての保留記憶の先読み判定を行なうために(先読み判定をしていない保留記憶が残っている場合に当該保留記憶の先読み判定を行なうために)処理をS504に移してもよい。
図18は、演出表示装置9における保留表示の表示態様を決定するための各種データテーブルを表形式で示す図である。図18(A)は、演出制御基板80の側においてカウントされる保留表示態様決定用乱数値SR3−1(1〜300)と、第1特別表示態様決定用乱数値SR3−2(1〜301)と、第2特別表示態様決定用乱数値SR3−3(1〜403)とを例示する説明図である。図18(A)においては、乱数の種別、計数範囲、および、用途が示されている。
図18(A)に示すように、この実施の形態では、演出制御基板80の側において、保留表示態様決定用の乱数値SR3−1、第1特別表示態様決定用乱数値SR3−2、および、第2特別表示態様決定用乱数値SR3−3を示す数値データがカウント可能に制御される。
このような乱数値SR3−1、SR3−2、および、SR3−3は、演出制御用マイクロコンピュータ100においてソフトウェアによりカウント値を更新するランダムカウンタのカウントにより生成されるものであり、図18(A)において対応付けられた範囲内で巡回更新され、定められたタイミングで抽出されることにより乱数として用いられる。
次に、先読み判定結果に基づく保留表示態様の決定について説明する。図18(B)は、当り時保留表示態様決定テーブルを表形式で示す図である。図18(C)は、はずれ時保留表示態様決定テーブルを表形式で示す図である。当り時保留表示態様決定テーブルおよびはずれ時保留表示態様決定テーブルは、いずれもROM102に記憶されている。
図18(B)あるいは図18(C)を用いて決定される保留表示態様の種類は、通常表示態様と、特殊表示態様とのうちのいずれか一方である。先読み判定結果が大当り表示結果である場合の保留表示の表示態様は、図18(B)の当り時保留表示態様決定テーブルを用いて決定される。一方、先読み判定結果がはずれ表示結果となる場合の保留表示の表示態様は、図18(C)のはずれ時保留表示態様決定テーブルを用いて決定される。
図18(B)では、特殊表示態様の方が通常表示態様よりも多い割合で乱数値SR3−1(1〜300)が割り振られている。そのため、先読み判定結果が大当り表示結果となる場合には、保留表示の表示態様としては、先読み判定結果がはずれ表示結果となる場合よりも特殊表示態様が決定されやすくなる(特殊表示態様で表示されやすくなる)。これにより、特殊表示態様の方が通常表示態様よりも大当りとなる期待度が高い表示態様である。
また、図18(C)では、通常表示態様の方が特殊表示態様よりも多い割合で乱数値SR3−1(1〜300)が割り振られている。そのため、先読み判定結果がはずれ表示結果となる場合には、保留表示の表示態様としては、先読み判定結果が大当り表示結果となる場合よりも通常表示態様が決定されやすくなる(通常表示態様で表示されやすくなる)。これにより、特殊表示態様の方が通常表示態様よりも大当りとなる期待度が高い表示態様である。
次に、先読み判定結果に基づく、特殊表示態様から変化する特別表示態様である第1特別表示態様の種類の決定について説明する。図18(D)は、当り時第1特別表示態様決定テーブルを表形式で示す図である。図18(E)は、はずれ時第1特別表示態様決定テーブルを表形式で示す図である。当り時第1特別表示態様決定テーブルおよびはずれ時第1特別表示態様決定テーブルは、いずれもROM102に記憶されている。
第1特別表示態様の種類は、カクテルグラスに注がれたカクテルが「赤」(R)で表示される態様と、「緑」(G)で表示される態様と、「青」(B)で表示される態様とを含む。先読み判定結果が大当り表示結果である場合の第1特別表示態様の種類は、図18(D)の当り時第1特別表示態様決定テーブルを用いて決定される。一方、先読み判定結果がはずれ表示結果となる場合の第1特別表示態様の種類は、図18(E)のはずれ時第1特別表示態様決定テーブルを用いて決定される。
図18(D)では、「赤」>「緑」>「青」という対応関係で割合が高くなるように乱数値SR3−2(1〜301)が割り振られている。そのため、先読み判定結果が大当り表示結果となる場合には、特別表示態様の種類としては、上記3色のうち「赤」が最も選択されやすくなり、「青」が最も選択されにくくなる。これにより、「赤」が大当りとなる期待度が最も高い表示態様であり、「青」が大当りとなる期待度が最も低い表示態様である。
また、図18(E)では、「青」>「緑」>「赤」という対応関係で割合が高くなるように乱数値SR3−2(301〜600)が割り振られている。そのため、先読み判定結果がはずれ表示結果となる場合には、特別表示態様の種類としては、上記3色のうち「青」が最も選択されやすくなり、「赤」が最も選択されにくくなる。これにより、「赤」が大当りとなる期待度が最も高い表示態様であり、「青」が大当りとなる期待度が最も低い表示態様である。
次にボトルの表示態様の決定について説明する。図18(F)は、ボトル保留表示態様決定テーブルを表形式で示す図である。ボトル保留表示態様決定テーブルは、ROM102に記憶されている。
本実施の形態においては、第1特別表示態様の種類に応じてボトル保留表示態様の種類が異なる。ボトル保留表示態様の種類は、「シェイカー」(H)が表示される態様と、「ボトル(金ラベル)」(G)が表示される態様と、「ボトル(銀ラベル)」(S)が表示される態様とを含む。なお、「ボトル(金ラベル)」は、ボトルのラベルが金色であることを意味する。また、「ボトル(銀ラベル)」は、ボトルのラベルが銀色であることを意味する。
ボトル保留表示態様の種類は、図18(F)を用いて決定される。たとえば、第1特別表示態様の種類が「赤」の場合には、図18(F)のボトル保留表示態様決定テーブルに基づいて、ボトル保留表示態様の種類として「シェイカー」が選択される。また、第1特別表示態様の種類が「緑」の場合には、図18(F)のボトル保留表示態様決定テーブルに基づいて、ボトル保留表示態様の種類として「ボトル(金ラベル)」が選択される。さらに、第1特別表示態様の種類が「青」の場合には、図18(F)のボトル保留表示態様決定テーブルに基づいて、ボトル保留表示態様の種類として「ボトル(銀ラベル)」が選択される。このように、ボトル保留表示態様の種類は、第1特別表示態様の種類と予め定められた対応関係があり、その対応関係に基づいて選択される。これにより、「シェイカー」が大当りとなる期待度が最も高い表示態様であり、「ボトル(銀ラベル)」が大当りとなる期待度が最も低い表示態様である。
なお、ボトル保留表示態様の種類は、第1特別表示態様等と同様に、演出用の乱数に基づいて、ランダムに選択決定してもよく、その場合には、先読み判定結果が大当り表示結果となる場合には、「シェイカー」>「ボトル(金ラベル)」>「ボトル(銀ラベル)」という選択割合とし、先読み判定結果がはずれ表示結果となる場合には、「ボトル(銀ラベル)」>「ボトル(金ラベル)」>「シェイカー」という選択割合とする等、大当り表示結果となるか否かに応じて、選択割合が異なるようにしてもよい。
次に、先読み判定結果に基づく、ボトル表示態様から変化する特別表示態様である第2特別表示態様の種類の決定について説明する。図18(G)は、当り時第2特別表示態様決定テーブルを表形式で示す図である。図18(H)は、はずれ時第2特別表示態様決定テーブルを表形式で示す図である。当り時第2特別表示態様決定テーブルおよびはずれ時第2特別表示態様決定テーブルは、いずれもROM102に記憶されている。
第2特別表示態様の種類は、カクテルグラスに注がれたカクテルが「赤」(R)で表示される態様と、「緑」(G)で表示される態様と、「青」(B)で表示される態様とを含む。先読み判定結果が大当り表示結果である場合の第2特別表示態様の種類は、図18(G)の当り時第2特別表示態様決定テーブルを用いて決定される。一方、先読み判定結果がはずれ表示結果となる場合の第2特別表示態様の種類は、図18(H)のはずれ時第2特別表示態様決定テーブルを用いて決定される。
図18(G)では、「赤」>「緑」>「青」という対応関係で割合が高くなるように乱数値SR3−3(1〜403)が割り振られている。そのため、先読み判定結果が大当り表示結果となる場合には、第2特別表示態様の種類として、上記3色のうち「赤」が最も選択されやすくなり、「青」が最も選択されにくくなる。これにより、「赤」が大当りとなる期待度が最も高い表示態様であり、「青」が大当りとなる期待度が最も低い表示態様である。
また、図18(H)では、「青」>「緑」>「赤」という対応関係で割合が高くなるように乱数値SR3−3(1〜403)が割り振られている。そのため、先読み判定結果がはずれ表示結果となる場合には、第2特別表示態様の種類として、上記3色のうち「青」が最も選択されやすくなり、「赤」が最も選択されにくくなる。これにより、「赤」が大当りとなる期待度が最も高い表示態様であり、「青」が大当りとなる期待度が最も低い表示態様である。
図18(G)および図18(H)に示す当り時とはずれ時との第2特別表示態様は、図18(D)および図18(E)に示す当り時とはずれ時との第1特別表示態様と比べて、最も期待度が高い「赤」が選択される割合が高く、最も期待度が低い「青」が選択される割合が低く設定されており、2番目に期待度が高い「緑」が選択される割合が高く設定されている。これにより、先の保留表示による第1特別表示態様と、後の保留表示による第2特別表示態様とに関し、第1特別表示態様よりも、第2特別表示態様の方について、遊技者の期待感を向上させることができる。
このように、特別表示態様については、第1特別表示態様と第2特別表示態様とのそれぞれが、遊技者にとって有利な状態となる期待度が異なる複数種類の特別表示態様のうちから選択され、先に表示された保留表示の第1特別表示態様と比べて、後に表示された保留表示の第2特別表示態様の方が、大当りとなる期待度が高い特別表示態様で表示する割合を高くする制御が行なわれる。
なお、図18(A)等に示すように、第1特別表示態様と第2特別表示態様とについては、異なる乱数値(SR3−2、SR3−3)を用いて決定する例を示したが、これに限らず、同じ乱数値を用いて決定する(たとえば、SR3−2を第1特別表示態様と第2特別表示態様とを決定するために兼用する)ようにしてもよい。
また、図18(G),(H)に示すように、作用演出が実行されたときの後の保留表示(第2保留表示)については、必ず第2特別表示態様に変化する例を示したが、これに限らず、所定の割合により第2特別表示態様に変化しないようにしてもよい。たとえば、作用演出後の第2保留表示については、ボトル表示態様が継続して表示される場合があるようにしてもよく、また、空のカクテルグラス(第1保留表示の通常表示態様と同じ表示態様)に変化して表示される場合があるようにしてもよい。このように作用演出が実行されたときの後の保留表示(第2保留表示)について、第2特別表示態様に変化する場合と、第2特別表示態様に変化しない場合とを設ける場合には、保留表示についての大当りの期待度の高さに応じて設定された割合で、保留表示が第2特別表示態様に変化する制御を行なうようにしてもよい(たとえば、大当りの期待度が高い程、保留表示が第2特別表示態様に変化する割合が高くなる等)。
図19は、S707の保留記憶表示制御処理を示すフローチャートである。
保留記憶表示制御処理において、演出制御用マイクロコンピュータ100の演出制御用CPU101は、未処理数カウンタが「1」以上であるか否かを判定する(S521)。この未処理数カウンタは、第1始動入賞または第2始動入賞に対応した図柄指定コマンド(入賞時判定結果を指定するコマンド)を受信する毎にコマンド解析処理において「1」が加算され、後述するS540で「1」が減算される。このように、未処理カウンタは、保留記憶情報のうちの表示されていない(表示をするための処理が未処理である)数を計数するカウンタである。
S521で未処理数カウンタが「1」以上でないときは(「0」であるときは)、後述するS541に処理が進む。一方、S521で未処理数カウンタが「1」以上であるときは、演出制御用CPU101は、演出表示装置9の表示画面に特殊表示態様で表示される保留表示があるか否かを判定する(S522)。S522では、図14(B)に示した始動入賞時受信コマンドバッファのバッファ番号「1」〜「8」に対応する格納領域における新たな保留表示に関する情報が格納されるバッファ番号の直前(1つ前)のバッファ番号に対応する格納領域でデータ「1」にセットされている特殊表示態様情報がある場合には、演出表示装置9の表示画面に特殊表示態様で表示される保留表示があると判定される。
本実施の形態において、演出制御用CPU101は、新たな保留表示の対象となる保留記憶の1個前(直前)の保留記憶に対応する保留表示が特殊表示態様で表示されている場合に(1個前の保留記憶に対応するバッファ番号に格納される特殊表示態様情報がデータ「1」にセットされている場合に)、演出表示装置9の表示画面に特殊表示態様で表示される保留表示があると判定する。
なお、特殊表示態様で表示される保留表示に対しては、当該保留表示から所定数後の保留記憶に対応する保留表示を作用させてもよい。その場合には、演出制御用CPU101は、たとえば、保留表示の対象となる保留記憶の所定数前の保留記憶に対応する保留表示が特殊表示態様で表示されているか否かを判定してもよい。そして、演出制御用CPU101は、保留表示の対象となる保留記憶の所定数前の保留記憶に対応する保留表示が特殊表示態様で表示されている場合に、演出表示装置9の表示画面に特殊表示態様で表示される保留表示があると判定してもよい。
S522で演出表示装置9の表示画面の所定領域9B内に特殊表示態様で表示された保留表示がないときは、S529により、未処理の保留記憶情報について、その保留記憶情報が生じたときの合算保留記憶数指定コマンドにより指定された合算保留記憶数が「1」であるか否かを判定する(S529)。S529では、図14(B)のような始動入賞時コマンドバッファに記憶された当該保留記憶情報に対応する合算保留記憶数指定コマンドにより指定された合算保留記憶数に基づいて、合算保留記憶数が「1」であるか否かの判定がされる。
S529で合算保留記憶数が「1」であるときは、後述するS530に進む。一方、S529で合算保留記憶数が「1」でない(この場合は「2」以上である)ときは、対象とする未処理の保留記憶情報について、図14(B)に示す始動入賞時受信コマンドバッファにおいて、先読み大当りフラグ情報がデータ「1」にセットされているか否かを判定する(S531)。
S531で先読み大当りフラグ情報がデータ「1」にセットされているときは、図18(B)に示した当り時保留表示態様決定テーブルを用いて保留表示態様を決定し、決定結果の情報を始動入賞時受信コマンドバッファに記憶させ(S532)、処理をS533に進める。S532では、乱数値SR3−1を抽出し、その抽出値と、図18(B)に示した当り時保留表示態様決定テーブルとを用いて、対象となる保留表示の表示態様(保留表示態様)を通常表示態様とするか、あるいは、特殊表示態様とするかを決定する。
S532において、演出制御用CPU101は、対象となる未処理の保留記憶について、保留表示態様として通常表示態様が決定される場合には、図14(B)に示した始動入賞時受信コマンドバッファにおける、対象となる保留記憶のバッファ番号の通常表示態様情報をデータ「1」にセットする。
S532において、演出制御用CPU101は、対象となる未処理の保留記憶について、保留表示態様として特殊表示態様が決定される場合には、図14(B)に示した始動時入賞時受信コマンドバッファにおける、対象となる保留記憶のバッファ番号の特殊表示態様情報をデータ「1」にセットする。
S533では、S531で確認された先読み大当りフラグ情報がリセットされて、S534に処理を進める。S534では、S532で保留表示の表示態様として特殊表示態様が決定されたか否かを判定する。S534で保留表示の表示態様として特殊表示態様が決定されたときには、図18(D)に示した当り時第1特別表示態様決定テーブルを用いて第1特別表示態様の種類を決定して決定結果の情報を始動入賞時受信コマンドバッファに記憶させ(S535)、S539に処理を進める。S535では、乱数値SR3−2を抽出し、その抽出値と、図18(D)に示した当り時第1特別表示態様決定テーブルとを用いて第1特別表示態様の種類を決定し、図14(B)に示した始動入賞時受信コマンドバッファにおける、対象となる保留記憶のバッファ番号の第1特別表示態様情報を決定された種類に対応したデータにセットする。
S539では、S532,S536、または、S530(S530,S538については後述する)の処理において決定された通常表示態様または特殊表示態様で保留表示の画像を表示して(S539)、S540に処理を進める。S539では、図14(B)に示した始動入賞時受信コマンドバッファにおける新たな保留記憶情報のバッファ番号において通常表示態様情報および特殊表示態様情報のうち、データ「1」がセットされた方の表示態様で保留表示を表示する。
S540では、未処理数カウンタの値から「1」を減算更新して、S521に処理を戻す。これにより、未処理数カウンタの値が「0」になるまで、演出表示装置9の表示画面の所定領域9Bにおいて新たな保留表示が増加更新表示される。
一方、前述のS531で対象とする未処理の保留記憶情報について、先読み大当りフラグ情報がデータ「1」にセットされていないときは、はずれ時保留表示態様決定テーブルを用いて保留表示態様を決定し、決定結果の情報を始動入賞時受信コマンドバッファに記憶させ(S536)、処理をS537に進める。S536では、乱数値SR3−1を抽出し、その抽出値と、図18(C)に示したはずれ時保留表示態様決定テーブルとを用いて対象となる保留表示態様を通常表示態様とするか、あるいは、特殊表示態様とするかを決定する。
S537では、保留表示の表示態様として特殊表示態様が決定されたか否かを判定する。S537で保留表示の表示態様として特殊表示態様が決定されたと判定したときには、図18(E)に示したはずれ時第1特別表示態様決定テーブルを用いて第1特別表示態様の種類を決定し、決定結果の情報を始動入賞時受信コマンドバッファに記憶させ(S538)、S539に処理を進める。S538では、乱数値SR3−2を抽出し、その抽出値と、図18(E)に示したはずれ時第1特別表示態様決定テーブルとを用いて第1特別表示態様の種類を決定し、図14(B)に示した始動入賞時受信コマンドバッファにおける、対象となる保留記憶のバッファ番号の第1特別表示態様情報を決定された種類に対応したデータにセットする。
また、前述したS529で、合算保留記憶数が「1」であるときは、未処理の保留記憶情報について、保留表示の表示態様を、通常表示態様に決定し、決定結果の情報を始動入賞時受信コマンドバッファに記憶させ(S530)、処理をS539に進める。S530では、乱数値SR3−1を用いた表示態様の抽出をせずに、保留表示態様を、固定的に通常表示態様に決定する。このような処理をする理由は、次のとおりである。たとえば、保留記憶情報が1個以下のときには、保留表示(第1の保留表示)を特殊表示態様で表示してみても、後続の保留表示(第2の保留表示)が生じる前に、その特殊表示態様の保留表示が変動表示開始のために消去されることにより、保留表示が第1特別表示態様に変化する演出等のその後の演出が完了しない等、特殊表示態様を用いた演出が完了できずに遊技の興趣が低下してしまうのを防止することができる。
また、前述のS522で演出表示装置9の表示画面に特殊表示態様で表示される保留表示があると判定される場合は、未処理の保留記憶情報について、その保留記憶情報が生じたときの合算保留記憶数指定コマンドにより指定された合算保留記憶数が「2」であるか否かを判定する(S522A)。S522Aでは、図14(B)のような始動入賞時コマンドバッファに記憶された当該保留記憶情報に対応する合算保留記憶数指定コマンドにより指定された合算保留記憶数の情報に基づいて、合算保留記憶数が「2」であるか否かの判定がされる。
この実施の形態では、特殊表示態様の保留表示が第1特別表示態様に変化するタイミングは、当該保留表示よりも前の保留表示に対応する保留記憶情報に基づく変動表示開始時における保留表示のシフト表示時である。ところが、保留表示が特殊表示態様で表示された後、当該保留表示に対応する保留記憶情報に基づく変動表示が次回の変動表示の順番となるまでに新たな保留記憶情報が生じなかったときには、次回の変動表示時に当該特殊表示態様の保留表示が消去されてしまうので、せっかく特殊表示態様で保留表示を表示しても、新たに生じた保留表示を用いた作用演出が完了できなくなる。
したがって、この実施の形態では、そのような状況が生じるかどうかがS522Aにより確認される。すなわち、新たな保留記憶情報が生じたときに(S521YES)、特殊表示態様の保留表示があり(S522YES)、かつ、合算保留記憶数が「2」であるとき(S522A YES)は、特殊表示態様の保留表示(1個目の保留表示)のみが表示されているときに新たな保留表示(2個目の保留表示)がされる場合であり、新たな保留表示をボトル形状で表示してみても次回の保留表示のシフト時に作用演出の対象となる特殊表示態様の保留表示が消去されるので、せっかく新たな保留表示をボトル形状で表示しても、当該ボトル形状の保留表示を用いる作用演出が完了しないこととなるからである。
このように、S522で合算保留記憶数が「2」であると判定されたときは、未処理の保留記憶情報について、保留表示の表示態様を、通常表示態様に決定(固定的に決定)し(S552B)、決定結果の情報を始動入賞時受信コマンドバッファに記憶させ(S530)、処理をS540に進める。このようにS522で合算保留記憶数が「2」であるときに新たな保留表示を通常表示態様とすることで、完了しない作用演出のために用いるボトル表示の実行を禁止することができる。
一方、S522Aで、合算保留記憶数が「2」でないと判定されたとき(この場合「3」以上のとき)は、前述とは逆に作用演出が完了することになるので、未処理の保留記憶情報について、ボトル表示態様決定テーブルを用いてボトル保留表示態様を決定し、決定結果の情報を始動入賞時受信コマンドバッファに記憶させ(S523)、S524に処理を進める。たとえば、S523では、特殊表示態様情報がデータ「1」にセットされているバッファ番号と同じバッファ番号の第1特別表示態様情報に基づいて、図18(F)に示したボトル表示態様決定テーブルを用い、ボトル保留表示態様を決定する。
S524では、ボトル保留表示が演出表示装置9の表示画面の所定領域9Bに表示されて(図20(c)参照)、S525に処理を進める。S524では、所定領域9B内の特殊表示態様で表示された保留表示の右側において、ボトルの保留表示を、S523で決定された表示態様で表示する。
S525では、対象とする未処理の保留記憶情報について、図14(B)に示す始動入賞時受信コマンドバッファにおいて、先読み大当りフラグ情報がデータ「1」にセットされているか否かを判定する(S525)。
S525で先読み大当りフラグ情報がデータ「1」にセットされているときは、図18(G)に示した当り時第2特別表示態様決定テーブルを用いて第2特別表示態様の種類を決定し、決定結果の情報を始動入賞時受信コマンドバッファに記憶させ(S526)、S528に処理を進める。S526では、乱数値SR3−3を抽出し、その抽出値と、図18(G)に示した当り時第2特別表示態様決定テーブルとを用いて第2特別表示態様の種類を決定し、図14(B)に示した始動入賞時受信コマンドバッファにおける、対象となる保留記憶のバッファ番号の第2特別表示態様情報を、決定された種類に対応したデータにセットする。
S528では、S525で確認された先読み大当りフラグ情報がリセットされて、S528Aに処理を進める。
一方、S525で先読み大当りフラグ情報がデータ「1」にセットされていないときは、図18(H)に示したはずれ時第2特別表示態様決定テーブルを用いて第2特別表示態様の種類を決定し、決定結果の情報を始動入賞時受信コマンドバッファに記憶させ(S527)、S528Aに処理を進める。S527では、乱数値SR3−3を抽出し、その抽出値と、図18(H)に示したはずれ時第2特別表示態様決定テーブルとを用いて第2特別表示態様の種類を決定し、図14(B)に示した始動入賞時受信コマンドバッファにおける、対象となる保留記憶のバッファ番号の第2特別表示態様情報を、決定された種類に対応したデータにセットする。
S528Aでは、S522で確認された特殊表示態様情報をデータ「0」にリセットし、S540に処理を進める。
また、前述のS521で未処理数カウンタの値が「1」以上でない(「0」である)とき、演出制御用CPU101は、保留減算カウンタの値が「1」以上であるか否かを判定する(S541)。
この保留減算カウンタは、合算保留記憶数減算指定コマンドが送信されてくる毎に、コマンド解析処理においてカウント値に「1」が加算されるものである。つまり、保留減算カウンタは、保留記憶データが消化されて第1特別図柄あるいは第2特別図柄の変動表示を行なう毎に送信されてくる合算保留記憶数減算指定コマンドを受信する毎に所定領域に表示された保留記憶表示の表示個数を減らすための計数を行なうものである。
S541で保留減算カウンタの値が「1」以上であるときは、演出制御用CPU101は、バッファ番号「1」のデータ(保留記憶データ)を消去し、始動入賞時受信コマンドバッファ内のデータ内容を前述のようにシフトし(S542)、S543に処理を進める。
S543では、演出表示装置9の表示画面の所定領域9B内の保留表示を減算更新する処理を行なう。具体的には、S543により、所定領域9B内の最も左端部の保留表示(保留記憶画像)が削除され、残りの保留表示があるときは、残りの当該保留表示を左端部に向けて1つずつシフトさせる保留表示のシフト表示をする表示制御が行なわれる。そして、演出制御用CPU101は、保留減算カウンタの値から「1」を減算更新し(S544)、S545に進む。
S545では、演出表示装置9の表示画面にボトル保留表示態様で示された保留表示があるか否かを判定する(S545)。S545では、図14(B)に示した始動入賞時受信コマンドバッファのバッファ番号「1」〜「8」に対応する格納領域においてボトル表示態様情報がデータ「1」にセットされている保留記憶データがある場合には、演出表示装置9の表示画面にボトル保留表示態様で示された保留表示があると判定される。
S545でボトル保留表示態様で示された保留表示がないと判定されたときは、処理を終了する。一方、ボトル保留表示態様で示された保留表示があると判定されたときは、ボトル保留表示態様で示された保留表示(特殊表示態様で表示されている)の直前(1個前)の保留表示における表示態様を、特殊表示態様から第1特別表示態様に変更した後、当該ボトル保留表示態様で示された保留表示における表示態様を、ボトル保留表示態様から第2特別表示態様に変更(変化)する表示を実行する処理をし(S546)、その後、保留記憶表示処理を終了する。
具体的に、S546では、図14(B)に示した始動入賞時受信コマンドバッファに格納されたデータにおいて、ボトル保留表示態様で示された保留記憶情報の直前に記憶された保留記憶情報に対応する第1特別表示態様の種類(S535またはS538で決定されて記憶された種類)を確認(データを読出して記憶)するとともに、ボトル保留表示態様で示された保留記憶情報に対応する第2特別表示態様の種類(S526またはS527で決定されて記憶された種類)を確認(データを読出して記憶)する。そして、S543の処理により保留表示をシフトする表示が行なわれた後、S546により、ボトル保留表示態様の保留表示によるボトルの注ぎ口が左側に隣接する特殊表示態様で表示された保留表示によるカクテルグラスに近づくようにボトルの保留表示が傾けられ、ボトルからカクテルグラスに対してカクテルが注がれる演出(図20(d)参照)を実行した後に、ボトル保留表示の直前の保留表示における表示態様を特殊表示態様から、前述のように確認した第1特別表示態様の種類に変更(変化)する演出(図20(e)参照、カクテルグラス内のカクテルの色が赤、緑、青のいずれかの色となる演出)を実行する。その後、ボトル保留表示の保留表示における表示態様を、前述のように確認した第2特別表示態様の種類に変更(変化)する演出(図20(f)参照、保留表示がボトルからカクテルグラスに変更され、かつ、カクテルグラス内のカクテルの色が赤、緑、青のいずれかの色となる演出)を実行する。
次に、特殊表示態様で表示された保留表示が第1特別表示態様に変化する演出、および、第1特別表示態様で表示された保留表示の後に表示された保留表示が第2特別表示態様に変化する演出の具体例を説明する。図20は、保留表示の表示態様が変化する演出の一例を示す演出表示装置9の表示画面図である。
図20の(a)に示すように、たとえば、演出表示装置9の表示画面において、左下の所定領域9B内に通常表示態様の保留表示が1つ表示されている状態で、左変動表示領域9L、中変動表示領域9C、および、右変動表示領域9Rにおいて、演出図柄が変動表示中(図中下向きの矢印で示す)である場合を想定して、演出表示例を説明する。
第1始動入賞口13または第2始動入賞口14に遊技球が入賞した場合には、未処理カウンタの値に「1」が加算される(S521にてYES)。
このとき、先読み判定をしていない保留記憶に対して(S504にてYES)、先読み判定が行なわれる。そして、先読み判定をしていない保留記憶に大当り表示結果となるものがない場合には(S505にてNO)、先読み大当りフラグ情報は「0」のままとなる。一方、先読み判定をしていない保留記憶に大当り表示結果となるものがある場合には(S505にてYES)、先読み大当りフラグ情報には「1」がセットされる(S506)。
図20(a)に示すように、演出表示装置9の表示画面の所定領域9B内に特殊表示態様の保留表示が表示されておらず(S522にてNO)、合算保留記憶数が「1」ではなく(S529にてNO)、かつ、先読み大当りフラグ情報がデータ「1」にセットされている場合には(S531にてNO)、図18(B)に示した当り時保留表示態様決定テーブルを用いて保留表示態様が決定されて記憶され(S532)、先読み大当りフラグ情報が「0」にリセットされる(S533)。なお、S533の処理は省略してもよい。すなわち、当り時保留表示態様決定テーブルを用いて保留表示態様が決定された後に(S532)、先読み大当りフラグ情報は「0」にリセットされなくてもよい。
このような保留表示の表示態様として特殊表示態様が決定される場合には(S534にてYES)、図18(D)に示した当り時第1特別表示態様決定テーブルを用いて第1特別表示態様の種類が決定されて記憶される(S535)。
また、図20(a)に示すように、演出表示装置9の表示画面の所定領域9B内に特殊表示態様の保留表示が表示されておらず(S522にてNO)、合算保留記憶数が「1」ではなく(S529にてNO)、かつ、先読み大当りフラグ情報がデータ「1」にセットされていない場合には(S531にてNO)、図18(C)に示したはずれ時保留表示態様決定テーブルを用いて保留表示態様が決定されて記憶される(S536)。
このような保留表示の表示態様として特殊表示態様が決定される場合には(S537にてYES)、図18(E)に示したはずれ時第1特別表示態様決定テーブルを用いて第1特別表示態様の種類が決定されて記憶される(S538)。
このように、S532またはS536により特殊表示態様が決定されたときには、図20(b)に示すように、演出表示装置9の表示画面の所定領域9B内の通常表示態様で表示された保留表示の右側に特殊表示態様の保留表示が表示されて(S539)、未処理カウンタの値から「1」が減算更新される(S540)。
一方、S532またはS536により通常表示態様が決定されたときには、演出表示装置9の表示画面の所定領域9B内の通常表示態様で表示された保留表示の右側に通常表示態様の保留表示が表示されて(S539)、未処理カウンタの値から「1」が減算更新される(S540)。
そして、図20(b)に示すような保留表示がされている状態で変動表示が終了する前に、第1始動入賞口13または第2始動入賞口14に遊技球がさらに入賞した場合には、未処理カウンタの値に「1」が加算され、保留記憶情報の未処理数が1以上となる(S521にてYES)。
図20(b)に示すような演出表示装置9の表示画面の所定領域9B内に特殊表示態様で表示された保留表示があるときには(S522にてYES)、合算保留記憶数が3以上であることを条件に(S552A)、図18(F)に示したボトル保留表示態様決定テーブルを用いてボトルの保留表示態様が決定され(S523)、図20(c)に示すように、ボトル表示態様の画像を示す保留表示が表示される(S524)。
そして、先読み大当りフラグ情報がデータ「1」にセットされている場合には(S525にてYES)、図18(G)に示した当り時第2特別表示態様決定テーブルを用いて保留表示態様が決定されて記憶され(S526)、先読み大当りフラグ情報が「0」にリセットされる(S528)。そして、未処理カウンタの値から「1」が減算更新される(S540)。なお、S528の処理は省略してもよい。すなわち、当り時第2特別表示態様決定テーブルを用いて第2特別表示態様が決定された後に(S526)、先読み大当りフラグ情報は「0」にリセットされなくてもよい。
変動表示が終了すると、左変動表示領域9L、中変動表示領域9C、および、右変動表示領域9Rにおいて、演出図柄の表示結果がそれぞれに導出表示されることとなる。次の保留記憶に対応する変動表示が行なわれる際に送信されてくる合算保留記憶数減算指定コマンドの受信により保留減算カウンタの値に「1」が加算される。
保留減算カウンタの値が1以上である場合には(S541にてYES)、図14(B)に示す始動入賞時受信コマンドバッファ内のバッファ番号「1」の記憶データが消去され、始動入賞時受信コマンドバッファのデータ内容がシフトされて(S542)、所定領域9B内の保留表示数が減算更新され(S554)、保留減算カウンタの値から「1」が減算される(S556)。
そして、未処理数が「0」となり(S521にてNO)、図20(d)に示すように、演出図柄の変動表示結果が導出表示されて、次の変動表示を開始するときに保留減算カウンタが1となると(S541にてYES)、図14(B)に示す始動入賞時受信コマンドバッファ内のバッファ番号「1」の記憶データが消去され、始動入賞時受信コマンドバッファのデータ内容がシフトされて(S542)、最も左端部の保留表示が削除され、残りの保留表示が1つずつシフトさせる表示制御が行なわれる(S543)。そして、保留減算カウンタの値から「1」が減算更新される(S544)。
保留表示が1つずつシフトされる表示制御が行なわれた後、図20(d)に示すように、ボトル形状の保留表示が存在しているときには(S545にてYES)、ボトル形状の保留表示が直前の特殊表示態様で表示された保留表示に作用する演出、すなわち、ボトルからカクテルグラスに対してカクテルが注がれる演出が行なわれる(S546)。さらに、当該演出の後に図20(e)に示すように特殊表示態様で表示された保留表示の表示態様が、S535またはS538により決定された種類の第1特別表示態様に変更される(S546)。これにより、カクテルグラスに、S535またはS538により決定された色のカクテルが貯留する表示が行なわれる。さらに、その後、図20(f)に示すように、ボトル形状の保留表示が、S526またはS527により決定された種類の第2特別表示態様に変更される(S546)。これにより、ボトルがカクテルグラスに変化し、S526またはS527により決定された色のカクテルが貯留する表示が行なわれる。
その後、たとえば、大当り表示結果となる保留記憶情報に基づいて第1特別表示態様で表示された保留表示に対応する保留記憶に基づく変動表示が開始されると、左変動表示領域9L、中変動表示領域9C、および、右変動表示領域9Rにおいて大当り表示結果が導出表示されて、パチンコ遊技機1が特定遊技状態(大当り状態)に制御される。一方、はずれ表示結果となる保留記憶情報に基づいて第1特別表示態様で表示された保留表示に対応する保留記憶に基づく変動表示が開始されるときには、はずれ表示結果が導出表示される。
なお、前述した実施の形態では、先に特殊表示態様で表示された第1の保留表示に対して、後に表示される第2の保留表示が作用する作用演出に関連する制御に関して、以下に列挙するような変形例を適用してもよい。
(1) 第2保留表示は、作用演出が実行されるときにおいて、第1保留表示が第1特別表示態様に変化すると同時に、第2特別表示態様に変化させてもよい。
(2) 第2保留表示は、作用演出が実行されるときにおいて、第1保留表示が第1特別表示態様に変化するよりも先に、第2特別表示態様に変化させてもよい。
(3) 第1保留表示は、作用演出において、第2保留表示が直接作用するのではなく、第2保留表示と関連性を持たせた所定の画像(たとえば、キャラクタ画像)が作用することにより、第1特別表示態様に変化するようにしてもよい。
(4) 第2保留表示は、作用演出において変化するときに、視認可能な、形状、色、大きさ、色彩等の画像の構成要素のうちの少なくともいずれかが変化するものであればよい。
(5) 第2保留表示は、作用演出において変化するときに、第1保留表示が変化した第1特別表示態様の種類の大当り期待度に応じて、第2特別表示態様の種類の選択割合が異なるようにしてもよい。たとえば、第1保留表示が変化した特別表示態様の種類の大当り期待度が高いときには、当該大当り期待度が低いときよりも「赤」に変化する割合が高くなるように制御してもよい。
(6) 第2保留表示が変化する第2特別表示態様は、複数種類から選択可能なものではなく、1種類のものが固定的に決定されるようにしてもよい。
(7) 作用演出としては、新たに第2保留表示が出現したときに、まず最初に特殊表示態様の第1保留表示が、当該第2保留表示に作用(保留表示間の何らかの関連性が示せればよく、第1保留表示および第2保留表示はまだ変化しない)した後、当該第2保留表示から、前述したような演出態様で第1保留表示に作用することにより、第1保留表示が第1特別表示態様に変化し、第2保留表示が第2特別表示態様に変化する演出をしてもよい。
(8) 第2保留表示を用いた前述の作用演出は、変動表示前の保留表示のシフト表示時に、変動表示が実行される保留記憶に対応する保留表示が消去されずに演出表示装置9の表示画面の下部等の所定領域に設けられた対応表示領域に移動して表示され、当該対応表示領域において、移動後の保留表示を用いて、変動表示中に当該変動表示に対応した、大当りとなる期待度に応じた予告等を示す演出表示(対応表示)を実行する表示制御が行なわれるときに、当該移動後の保留表示を作用対象として、実行するようにしてもよい。
(9) 第2保留表示を用いた前述の作用演出は、直前(1つ前)の保留表示を作用対象の第1保留表示として実行してもよく、2つ以上前の保留表示を作用対象の第1保留表示として実行してもよい。
(10) 第2保留表示を用いた前述の作用演出は、1つの保留表示を作用対象の第1保留表示として実行してもよく、複数個の保留表示を作用対象の第1保留表示として実行してもよい。たとえば、1つ前の保留表示と2つ前の保留表示との両方を第1の保留表示として特殊表示態様で表示して、第2保留表示が作用する演出をしてもよい。
(11) 第2保留表示を用いた前述の作用演出として、複数個の保留表示を作用対象の第1保留表示として実行するときには、第2保留表示が第1保留表示に作用するごとに第2保留表示が変化することにより、第2保留表示が複数回変化する演出をしてもよい。
(12) 作用演出における第1保留表示の変化態様と第2保留表示の変化態様とは、同じ変化態様(たとえば第1特別表示態様と第2特別表示態様とで変化する色の種類が同じである等)であってよく、異なる変化態様(たとえば第1特別表示態様と第2特別表示態様とで変化する形状の種類が異なる、または、第1特別表示態様は色が変化するものであるが、第2特別表示態様は形状が変化するものである等)であってもよい。前述した実施の形態では、一例として、第1保留表示の変化態様は色が変化し、第2保留表示は形状および色が変化するものを説明した。
(13) 第2保留表示を用いた前述の作用演出としては、第2保留表示が第1保留表示に作用したときに第1保留表示と第2保留表示との両方が特別表示態様に変化する例に加え、(a)第2保留表示が第1保留表示に作用しても第1保留表示が第1特別表示態様に変化しない場合、(b)第2保留表示が第1保留表示に作用したときに第1保留表示が第1特別表示態様に変化するが第2保留表示が第2特別表示態様に変化しない場合、(c)第2保留表示が第1保留表示に作用したときに第1保留表示が第1特別表示態様に変化しないが第2保留表示が第2特別表示態様に変化する場合、のような、その他の演出のいずれか1つ、または、いずれかの組合せが、所定割合で選択されるようにしてもよい。
(14) 前述の作用演出として、第2保留表示が第1保留表示に作用するタイミングは、変動表示の非実行時、変動表示開始時(たとえば、保留表示のシフト表示時)、変動表示中、変動表示終了時等のうち、固定的に予め定められた1つのタイミングが用いられてもよく、これら複数種類のタイミングから選択されたタイミングが用いられてもよい。そのようにタイミングを選択する場合には、大当りとなる期待度がタイミングにより異なる(たとえば、当該タイミングが、第2保留表示が表示されてからの経過時間が長い程、大当りとなる期待度が高い等)ようにしてもよい。
(15) 作用演出により第1保留表示に作用した第2保留表示が第2特別表示態様に変化するタイミングは、変動表示の非実行時、変動表示開始時(たとえば、保留表示のシフト表示時)、変動表示中、変動表示終了時等のうち、固定的に予め定められた1つのタイミングが用いられてもよく、これら複数種類のタイミングから選択されたタイミングが用いられてもよい。また、作用演出中において第1保留表示に作用した第2保留表示が第2特別表示態様に変化するタイミングは、第1保留表示への作用演出開始時、作用演出の途中、作用演出終了後のいずれか1つのタイミングが用いられてもよく、これら複数種類のタイミングから選択されたタイミングが用いられてもよい。
(16) 第2保留表示が第1保留表示に作用するタイミングを複数種類設け、第2保留表示が第1保留表示に作用するタイミングにより、第1保留表示の大当り期待度が異なる(たとえば、当該タイミングが、第2保留表示が表示されてからの経過時間が長い程、第1保留表示の大当りとなる期待度が高い等)ように、第2保留表示が第1保留表示に作用するタイミングを選択するようにしてもよい。
(17) 第2保留表示が第1保留表示に作用するタイミングを複数種類設け、第2保留表示が第1保留表示に作用するタイミングにより、第2保留表示の大当り期待度が異なる(たとえば、当該タイミングが、第2保留表示が表示されてからの経過時間が長い程、第2保留表示の大当りとなる期待度が高い等)ように、第2保留表示が第1保留表示に作用するタイミングを選択するようにしてもよい。
(18) 第2保留表示が第1保留表示に作用するタイミングを複数種類設け、第2保留表示が第1保留表示に作用するタイミングにより、第1保留表示および第2保留表示の両方の大当り期待度が異なる(たとえば、当該タイミングが、第2保留表示が表示されてからの経過時間が長い程、第1保留表示および第2保留表示の両方の大当りとなる期待度が高い等)ように、第2保留表示が第1保留表示に作用するタイミングを選択するようにしてもよい。
(19) 第2保留表示が第1保留表示に作用するタイミングを複数種類設け、第2保留表示が第1保留表示に作用するタイミングと、第1保留表示が変化する第1特別表示態様の種類との両方を用いて、第1保留表示の大当り期待度の大きさを特定可能とする演出をしてもよい(たとえば、当該タイミングが、第2保留表示が表示されてからの経過時間が長い程、第1保留表示の大当りとなる期待度が高く、かつ、第1保留表示が変化する第1特別表示態様が特定態様である程、第1保留表示の大当りとなる期待度が高い等)。
(20) 第2保留表示が第1保留表示に作用するタイミングを複数種類設け、第2保留表示が第1保留表示に作用するタイミングと、第2保留表示が変化する第2特別表示態様の種類との両方を用いて、第2保留表示の大当り期待度の大きさを特定可能とする演出をしてもよい(たとえば、当該タイミングが、第2保留表示が表示されてからの経過時間が長い程、第2保留表示の大当りとなる期待度が高く、かつ、第2保留表示が変化する第2特別表示態様が特定態様である程、第2保留表示の大当りとなる期待度が高い等)。
(21) 第2保留表示は、図20(c)のようなボトル表示態様で表示されるとき(ボトル表示態様出現時)に、当該ボトル表示態様の裏側に、作用演出後に表示される予定の第2特別表示態様を、たとえば一部が視認できるような態様で予め表示してもよい。その場合には、作用演出の実行後にボトル表示態様が消去されて、裏側に表示されていた第2特別表示態様を全部が視認可能な態様で表示されるようにすればよい。
[第2実施形態]
次に、第2実施形態を説明する。第2実施形態としては、第1特別表示態様と第2特別表示態様とのそれぞれが、遊技者にとって有利な状態となる期待度が異なる複数種類の特別表示態様のうちから選択され、先に表示された保留表示(第1保留表示)の第1特別表示態様と比べて、後に表示された保留表示(第2保留表示)の第2特別表示態様の方が、大当りとなる期待度が高い特別表示態様で表示する割合を高くする制御を行なう例を説明する。
第2実施形態については、たとえば、図19のS535またはS538により第1特別表示態様の種類を決定して先の保留表示を第1特別表示態様で表示した後において、後の保留表示について、図19のS526またはS527により第2特別表示態様を選択することにより第2特別表示態様を仮決定し、S546を実行する前に、決定された第1特別表示態様と、選択(仮決定)された第2特別表示態様とを比較し、第2特別表示態様の大当りとなる期待度が第1特別表示態様以上であるときにのみ、後の保留表示について、選択された第2特別表示態様を実行する第2特別表示態様として本決定し、その第2特別表示態様に変化させる表示制御を実行させる。このように、第2実施形態においては、後の保留表示が第2特別表示態様に変化することを、第1特別表示態様との大当り期待度の比較結果に基づいて制限する制御が行なわれる。
このような第2特別表示態様に関する表示制御が実行されることにより、先の保留表示(第1の保留表示)における第1特別表示態様と比べて、後続の保留表示(第2の保留表示)における第2特別表示態様の方が、遊技者にとって有利な状態となる期待度が高い特別表示態様で表示する割合が高いので、先の保留表示よりも後に特別表示態様で表示させる後続の保留表示に対して、遊技者の期待感を向上させることができる。
なお、第2実施形態については、決定された第1特別表示態様と、選択(仮決定)された第2特別表示態様とを比較し、第2特別表示態様の大当りとなる期待度が第1特別表示態様よりも高いときにのみ、後の保留表示について、選択された第2特別表示態様に変化させる表示制御を実行させるようにしてもよい。
また、第2実施形態については、決定された第1特別表示態様と、選択(仮決定)された第2特別表示態様とを比較し、第2特別表示態様の大当りとなる期待度が第1特別表示態様以上であるときに第1の割合(100%を含む)で当該第2特別表示態様での表示を実行する選択をし、第2特別表示態様の大当りとなる期待度が第1特別表示態様未満であるときに第2の割合(0%を含まない)で当該第2特別表示態様での表示を実行する選択をする場合において、第1の割合を第2の割合よりも高くすることで、第2特別表示態様の実行を制限する制御を行なってもよい。
次に、前述した実施の形態により得られる主な効果を説明する。
(1) 図20(d),(e)に示すように、特殊表示態様で表示された保留表示を直後の保留表示を作用させる演出(ボトルからカクテルグラスにカクテルを注ぐ演出)を実行することによって、特殊表示態様で表示された保留表示に着目させることができ、当該演出の後に第1特別表示態様で表示させることによって当該保留表示が遊技者にとって有利な状態になる可能性がある保留表示(大当り表示結果が得られるような特定の変動表示となる保留記憶情報に対応する保留表示)であることを遊技者に容易に認識させることができる。そのため、遊技の興趣を向上させることができる。さらに、図20(f)に示すように、特殊表示態様で表示された保留表示(第1保留表示)を第1特別表示態様という特別表示態様で表示することのみならず、その直後の保留表示(第2保留表示)についても、第2特別表示態様という特別表示態様で表示させることによって、遊技者にとって有利な状態になる期待感(大当り表示結果が得られるような特定の変動表示となる期待感)を遊技者に持たせることができる。
(2) 図19のS529,S530に示すように、保留記憶情報が所定数以下のときに、保留表示を特殊表示態様で表示することを制限することにより、たとえば、保留記憶情報が1個以下のときには、保留表示(第1の保留表示)を特殊表示態様で表示してみても、後続の保留表示(第2の保留表示)が生じる前に、その特殊表示態様の保留表示が変動表示開始のために消去されることにより、保留表示が第1特別表示態様に変化する演出等のその後の演出が完了しない等、特殊表示態様を用いた演出が完了できずに遊技の興趣が低下してしまうのを防止することができる。
(3) 図18(F)に示すように、特殊表示態様で表示された保留表示に作用するボトルの表示態様は、複数種類あり、ボトルの表示態様の種類に応じて特別表示態様の態様が異なるので、ボトルの表示態様によって保留表示が遊技者に有利な状態になる可能性が高い特別表示態様で表示されることを期待させることができるため、遊技の興趣を向上させることができる。
(4) 第2実施形態に示したように、先の保留表示(第1の保留表示)における第1特別表示態様と比べて、後続の保留表示(第2の保留表示)における第2特別表示態様の方が、遊技者にとって有利な状態となる期待度(大当り表示結果が得られるような特定の変動表示となる期待度)が高い特別表示態様で表示する割合が高いので、先の保留表示よりも後に特別表示態様で表示させる後続の保留表示に対して、遊技者の期待感を向上させることができる。
(5) 図18(D),(E)に示すように、特定の変動表示となる保留記憶情報に対応する保留表示を特殊表示態様で表示した後、必ず特殊表示態様を複数種類のうちのいずれかの種類の第1特別表示態様に変化させるので、保留表示が特殊表示態様で表示される場合には、遊技者は、特殊表示態様で表示された保留表示を第1特別表示態様に変化させるために新たな保留表示が表示されるように遊技を行なわせることができるため、止め打ちを防止することができる。
(6) 図18(D),(E)に示すように、保留表示(第1の保留表示)が特殊表示態様で表示される場合には、それ以降に第1始動入賞口13または第2始動入賞口14への入賞があれば、必ずいずれかの種類の特別表示態様に変化するので、保留表示(第1の保留表示)が特殊表示態様で表示される場合には、遊技者は、特殊表示態様で表示された保留表示(第1の保留表示)を第1特別表示態様に変化させるために新たな保留表示が表示されるように遊技を行なわせることができるため、所謂止め打ち(特殊表示態様で表示された保留表示が変動表示により消化されるまで新たな保留表示が生じないように遊技を休止する(すなわち、特殊表示態様で表示された保留表示が変動表示により消化されるまで新たな保留表示が生じないように遊技者が打球発射を休止する)遊技者の行為)を防止することができる。
(7)ガセ演出が実行される場合には、その後に特定保留記憶情報に基づいて変動表示が実行される可能性が高いことを遊技者に認識させることができるため、遊技者の期待感を向上させることができる。
次に、以上に説明した実施の形態の変形例や特徴点等を以下に列挙する。
(1) 前述の実施の形態では、特殊表示態様で保留表示(第1の保留表示)が行なわれた場合には、当該保留表示の次に表示される保留表示(第2の保留表示)を特殊表示態様で表示された保留表示に作用させる演出が実行されるものとして説明したが、特殊表示態様で表示された保留表示の次の保留表示だけでなく、たとえば、特殊表示態様で保留表示が行なわれた後に表示される複数の保留表示のうちの少なくとも一つの保留表示を特殊表示態様で表示された保留表示に作用させる演出が実行されるものであってもよい。
たとえば、特殊表示態様で保留表示(第1の保留表示)が行なわれる場合に、特殊表示態様で保留表示が行なわれた後に表示される複数の保留表示(第2の保留表示)のうちのいずれかを選択し(すなわち、特殊表示態様で表示された保留表示に対応する保留記憶情報が記憶されてから後何個目の保留記憶情報に対応する保留表示を作用させるかを決定し)、選択された保留表示が表示される場合に、ボトルを表示して当該保留表示を特殊表示態様で表示された保留表示に作用させる演出が実行されてもよい。
また、この場合、特殊表示態様で表示された保留表示(第1の保留表示)に対応する保留記憶情報が記憶されてから、当該保留表示に作用させる保留表示に対応する保留記憶情報が記憶されるまでに記憶された保留記憶情報の数に応じて、特殊表示態様で表示された保留表示に対応する保留記憶情報に基づいた変動表示の表示結果が遊技者に有利な状態(たとえば、大当り表示結果)となる割合が異なるように、特殊表示態様で表示された保留表示に作用させる保留表示を選択してもよい。このようにすると、遊技の興趣を向上させることができる。なお、特殊表示態様で表示された保留表示から当該保留表示に作用させる保留表示が後の保留表示になるほど遊技者に有利な状態となる割合(信頼度)が高くなるように設定してもよい。このようにすると、止め打ちを効果的に防止することができる。
(2) 前述の実施の形態では、特殊表示態様で保留表示(第1の保留表示)が表示された場合には、当該保留表示の後に表示される保留表示(第2の保留表示)を特殊表示態様で表示された保留表示に作用させる演出が行なわれた後に、必ず保留表示の表示態様が特殊表示態様から特別表示態様に変更されるものとして説明したが、たとえば、特殊表示態様で保留表示が表示された場合に、当該保留表示の後に表示される保留表示を特殊表示態様で表示された保留表示に作用させる演出が行なわれても、保留表示の表示態様が特別表示態様に変更されないガセ演出が行なわれてもよい。
また、特殊表示態様で保留表示(第1の保留表示)が表示された以降において遊技者に有利な状態となる期待度の高い(大当り表示結果となる可能性が高い)保留記憶がある場合には、期待度の高い保留記憶がない場合よりもガセ演出を行なう割合を高くしてもよい。たとえば、特殊表示態様で保留表示(第1の保留表示)が表示された場合に、直後の保留表示(第2の保留表示)を特殊表示態様で表示された保留表示に作用させて第1特別表示態様に変化させる演出の実行が決定されている場合にも特殊表示態様で表示された保留表示に対応する保留記憶情報が記憶された後に期待度の高い保留記憶が発生した場合には、当該演出をガセ演出に変更してもよい。このようにすると、ガセ演出が行なわれる場合には、その後に期待度の高い保留記憶が発生した可能性が高いことを遊技者に認識させることができるため、遊技者の期待感を向上させることができる。
また、ガセ演出は、特殊表示態様で表示された保留表示(第1の保留表示)に対して、当該保留表示の後に表示される保留表示(第2の保留表示)を作用させる演出が行なわれても、保留表示の表示態様を特殊表示態様のままとしてもよいし、あるいは、通常表示態様としてもよい。
(3) 前述の実施の形態では、保留表示(第1の保留表示)が特殊表示態様で表示された場合には、直後の保留表示(第2の保留表示)が作用して特殊表示態様で表示された保留表示が特別表示態様で表示されため、所定領域9B内において特殊表示態様で表示される保留表示は1つとなるものとして説明したが、複数の保留表示が特殊表示態様で表示されるようにしてもよい。
たとえば、保留記憶情報が記憶される場合には、所定領域9B内に特殊表示態様で表示される保留表示があるか否かにかかわらず、先読み大当りフラグ情報に応じた保留表示態様決定テーブルを用いて通常表示態様とするか特殊表示態様とするかを決定してもよい。
この場合において、直前の保留表示(第1の保留表示)が特殊表示態様で表示され、かつ、その後の保留表示(第2の保留表示)の表示態様として特殊表示態様が決定される場合(すなわち、特殊表示態様で表示される保留表示が連続する場合)には、たとえば、第1の保留表示を通常表示態様に変化させてもよいし(すなわち、第2の保留表示を第1の保留表示よりも優先して特殊表示態様で表示してもよいし)、あるいは、第2の保留表示の表示態様を通常表示態様あるいはボトル表示に上書きしてもよいし(すなわち、第1の保留表示を第2の保留表示よりも優先して特殊表示態様で表示してもよいし)、特殊表示態様の保留表示を並存させてもよい(すなわち、保留表示が連続して特殊表示態様で表示されることを許容してもよい)。
たとえば、第1の保留表示が遊技者にとって有利な状態になる保留記憶に対応するものである場合には(先読み大当りフラグ情報がセットされている場合)、第2の保留表示の表示態様を特殊表示態様に代えてボトル表示として第1の保留表示に作用する演出を実行してもよい。
あるいは、第2の保留表示が遊技者にとって有利な状態になる保留記憶に対応するものである場合には、第1の保留表示を通常表示態様に変更するとともに第2の保留表示の表示態様の特殊表示態様の決定を最終的に確定してもよい。
あるいは、第1の保留表示も第2の保留表示も遊技者にとって有利な状態になる保留記憶に対応するものではない場合に、特殊表示態様の保留表示を並存させ、第2の保留表示の後の保留表示が作用することによって特殊表示態様から第1特別表示態様に変化させるようにしてもよい。たとえば、第2の保留表示の後の保留表示(以下、第3の保留表示と記載する)が第1の保留表示に作用して第1特別表示態様に変化させられ、第2の保留表示の後の保留表示(以下、第4の保留表示と記載する)が第2の保留表示に作用して第1特別表示態様に変化させられるようにしてもよい。
なお、第3の保留表示は、第2の保留表示の直後の保留表示であってもよいし、あるいは、所定個だけ間隔を空けた保留表示であってもよい。また、第4の保留表示は、第3の保留表示の前の保留表示であってもよいし、第3の保留表示の後の保留表示であってもよいし、第3の保留表示と同一の保留表示であってもよい。すなわち、第2の保留表示の後の1つの保留表示が第1の保留表示および第2の保留表示の双方に作用して、第1の保留表示および第2の保留表示の双方を特殊表示態様から特別表示態様に変化させるようしてもよい。
(4) 前述の実施の形態では、保留表示の表示態様は、少なくともカクテルグラスの形状を有するものであるとして説明したが、たとえば、カクテルグラスに代えてワイングラス、ビールジョッキ、あるいは、コップ等の容器の形状を有するものであってもよいし、容器以外でも所定の形状を有するものであってもよい。
(5) 前述の実施の形態では、特殊表示態様は、カクテルグラスの形状と「?」とが重複する態様であるものとして説明したが、たとえば、カクテルグラスに無色あるいはグレーの液体が注がれた状態の表示態様を特殊表示態様としてもよいし、「?」を含む所定形状の画像によってカクテルグラスの形状が見えない表示態様を特殊表示態様としてもよい。あるいは、「?」のみを表示する表示態様を特殊表示態様としてもよい。
(6) 前述の実施の形態では、第1特別表示態様は、カクテルの色が特定された表示態様であるとして説明したが、たとえば、背景や装飾や反射光や光沢感等の表示効果が付与された表示態様としてもよい。
(7) 前述の実施の形態では、特殊表示態様で表示される保留表示に対して、当該保留表示の後に表示される保留表示を作用させる演出として、ボトルをカクテルグラスに注ぐ演出を一例として説明したが、たとえば、特殊表示態様で表示される保留表示に対して、当該保留表示の後に表示される保留表示(たとえば、ボトルやカクテルグラス)が所定領域9Bの右端部から左端部に向けて移動し、特殊表示態様で表示される保留表示と接触させる演出であってもよい。あるいは、ボトルに代えて所定のキャラクタを出現させ、当該キャラクタが特殊表示態様で表示される保留表示に向かってアクション(たとえば、叩く、蹴る)を行なう演出であってもよい。
あるいは、上述したような特殊表示態様で表示される保留表示に対して直接的に作用して第1特別表示態様に変更する場合に加えて、あるいは、代えて、間接的に作用して第1特別表示態様に変更してもよい。たとえば、看板に「変化するよ」と変化を示唆する文字情報が表示されることにより、特殊表示態様で表示される保留表示を第1特別表示態様に変更してもよいし、あるいは、「変われ!」といった変化を示唆する音声がスピーカ27から出力されることにより、特殊表示態様で表示される保留表示を第1特別表示態様に変更してもよい。
(8) 前述の実施の形態では、第1特別表示態様の種類に基づいてボトル表示態様の種類が決定されるものとして説明したが、たとえば、ボトル表示態様の種類に所定の割合で乱数値を割り振って、乱数値に基づいてボトル表示態様の種類を決定してもよい。また、たとえば、大当り表示結果となる場合と、はずれ表示結果となる場合とで、割合が異なるように乱数値を割り振ってもよい。たとえば、大当り表示結果となる場合には、シェイカーが選択されやすく、はずれ表示結果となる場合には、ボトル(銀ラベル)が選択されやすくなるように割合を設定してもよい。
(9) 前述の実施の形態では、特殊表示態様で表示される保留表示に対して、当該保留表示の後に表示される保留表示を作用させる演出を実行して、特殊表示態様で表示される保留表示の表示態様を第1特別表示態様で表示させるものとして説明したが、たとえば、第1特別表示態様で表示させるときに、所定の効果音、楽曲、ランプ等による演出を実行してもよい。
(10) 前述の実施の形態では、保留表示態様を通常表示態様とするか特殊表示態様とするかを決定するときに、第1特別表示態様の種類を決定するものとして説明したが、たとえば、ボトル表示態様を決定するときに(特殊表示態様で表示された保留表示の次に記憶される保留記憶の保留表示の表示態様を決定するときに)、第1特別表示態様の種類を決定してもよい。
(11) 前述の実施の形態では、特殊表示態様から第1特別表示態様に変更することによって、「赤」、「緑」および「青」のうちのいずれか一つの色のカクテルが注がれたカクテルグラスが表示されるものとして説明したが、カクテルグラスに注がれたカクテルの色は、その後に1回または複数回変化させるようにしてもよい。たとえば、特殊表示態様で表示された保留表示に対して、当該保留表示が表示された直後の保留表示が作用する演出によって、「青」のカクテルが注がれたカクテルグラスが第1特別表示態様として表示され、さらにその後の保留表示が第1特別表示態様で表示された保留表示に作用して、「緑」や「赤」に変化したカクテルが注がれたカクテルグラスが第1特別表示態様として表示されてもよい。
この場合、カクテルの色の変化回数に応じて遊技者に有利な状態となる期待度が異なるようにしてもよい。たとえば、期待度が高い保留記憶がある場合には、期待度の高い保留記憶がない場合よりも変化回数を多くしてもよい。
あるいは、最終的なカクテルの色に応じて遊技者に有利な状態となる期待度が異なるようにしてもよい。たとえば、期待度が高い保留記憶がある場合には、期待度の高い保留記憶がない場合よりも最終的なカクテルの色として「赤」が決定されやすくしてもよい。
(12) 前述の実施の形態では、保留表示の通常表示態様および特殊表示態様の各々は、いずれもカクテルグラスの形状を有する表示態様であるものとして説明したが、たとえば、通常表示態様で表示される保留表示と特殊表示態様で表示される保留表示とで全く別の(共通する形状、模様あるいは色彩のない)表示であってもよい。
(13) 前述の実施の形態では、先に保留表示を特殊表示態様で表示するか否かを決定した後に第1特別表示態様を決定するものとして説明したが、たとえば、先に保留表示を第1特別表示態様で表示するか否かを決定した後に保留表示を特殊表示態様で表示するか否かを決定してもよいし、第1特別表示態様の種類を決定した後に保留表示を特殊表示態様で表示するか否かを決定してもよい。
(14) 前述の実施の形態では、特殊表示態様で表示される保留表示が第1特別表示態様に変化することによって、大当り表示結果となる期待度が高くなることを遊技者に示唆するものとして説明したが、遊技者に対して少なくとも遊技者にとって有利な有利状態になることを示唆できればよい。有利状態は、たとえば、大当り遊技状態に代えてまたは加えて、確変状態、時短回数が増加した状態あるいは潜伏確変の割合が高い状態を含む。
なお、ここでいう潜伏確変とは、確率変動制御が行われていることを遊技者が特定できないあるいは特定し難いような遊技状態である。たとえば、大当り確率のみを向上させ、時間短縮制御(時短制御)を行わないように遊技状態を制御することによって潜伏確変を発生させることができる。
(15) 前述の実施の形態では、特殊表示態様で表示される保留表示が第1特別表示態様に変化することによって、大当り表示結果となる期待度が高くなることを遊技者に示唆するものとして説明したが、少なくとも遊技者に対して特定の変動表示となることを予告できればよい。特定の変動表示は、大当り表示結果となる変動表示以外にもリーチ、スーパーリートとなる変動表示等を含む。
(16) 前述の実施の形態では、第1特別図柄の変動表示および第2特別図柄の変動表示の両方を対象として先読み予告を実行する例を説明したが、第2特別図柄の方の変動表示を優先して先読み予告を実行する場合には、低ベース状態中は第1特別図柄のみを対象として先読み予告を実行し、高ベース状態中は第2特別図柄のみを対象として先読み予告を実行してもよい。このようにすれば、たとえば、高ベース中は第2特別図柄の方の変動表示が優先して消化されるので、ターゲット保留の入賞が発生すると、第2特別図柄のみを対象として、特殊表示態様で表示された保留表示にその直後に表示されるボトル表示の保留表示が作用して第1特別表示態様に表示態様が変更される演出が実行される。具体的には、高ベース中(大当り遊技中でもよい)は第1特別図柄について先読み予告を実行しないので、遊技制御用マイクロコンピュータ560側からは、第1特別図柄についての先読み予告の実行に関連したコマンド自体を演出制御用マイクロコンピュータ100側に送らず、第2特別図柄についての先読み予告の実行に関連したコマンドのみを送るようにしてもよい。また、遊技制御用マイクロコンピュータ560側からは、第1特別図柄、および、第2特別図柄についての先読み予告の実行に関連したコマンドは送信するが、演出制御用マイクロコンピュータ100側で、第1特別図柄についての先読み予告の実行に関連したコマンドを実行しないようにしてもよい。
(17) 前述の実施の形態では、はずれ時においては、はずれ時の変動の種別に関わらず、図18(C)に示すはずれ時保留表示態様決定テーブルを用いて特殊表示態様で表示するかを決定し、図18(E)に示すはずれ時第1特別表示態様決定テーブルを用いて特別表示態様の種類を決定するものとして説明したが、たとえば、変動の種別がスーパーリーチはずれであることを条件として、図18(C)を用いて特殊表示態様で表示するか否かを決定し、特殊表示態様で表示することが決定される場合には図18(E)を用いて第1特別表示態様の種類を決定してもよい。あるいは、変動の種別がスーパーリーチはずれであることを条件として、図18(C)を用いて特殊表示態様で表示するか否かの決定のみ行うようにしてもよい。あるいは、第1特別表示態様の種類を先に決定する場合には、変動の種別がスーパーリーチはずれであることを条件として、図18(E)を用いて第1特別表示態様の種類の決定のみを行なうようにしてもよい。
(18) 前述の実施の形態では、演出表示装置9の表示画面の所定領域9Bに保留表示が表示されるものとして説明したが、たとえば、演出表示装置9とは別の表示装置に保留表示が表示されてもよい。
(19) 前述の実施の形態では、演出装置を制御する回路が搭載された基板として、演出制御基板80、音声出力基板70およびランプドライバ基板35が設けられているが、演出装置を制御する回路を1つの基板に搭載してもよい。さらに、演出表示装置9等を制御する回路が搭載された第1の演出制御基板(表示制御基板)と、その他の演出装置(ランプ、LED、スピーカ27R,27L等)を制御する回路が搭載された第2の演出制御基板との2つの基板を設けるようにしてもよい。
(20) 前述の実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、演出制御用マイクロコンピュータ100に対して直接コマンドを送信していたが、遊技制御用マイクロコンピュータ560が他の基板(たとえば、図3に示す音声出力基板70やランプドライバ基板35等、または音声出力基板70に搭載されている回路による機能とランプドライバ基板35に搭載されている回路による機能とを備えた音/ランプ基板)に演出制御コマンドを送信し、他の基板を経由して演出制御基板80における演出制御用マイクロコンピュータ100に送信されるようにしてもよい。その場合、他の基板においてコマンドが単に通過するようにしてもよいし、音声出力基板70、ランプドライバ基板35、音/ランプ基板にマイクロコンピュータ等の制御手段を搭載し、制御手段がコマンドを受信したことに応じて音声制御やランプ制御に関わる制御を実行し、さらに、受信したコマンドを、そのまま、またはたとえば簡略化したコマンドに変更して、演出表示装置9を制御する演出制御用マイクロコンピュータ100に送信するようにしてもよい。その場合でも、演出制御用マイクロコンピュータ100は、上記の実施の形態における遊技制御用マイクロコンピュータ560から直接受信した演出制御コマンドに応じて表示制御を行なうのと同様に、音声出力基板70、ランプドライバ基板35または音/ランプ基板から受信したコマンドに応じて表示制御を行なうことができる。このような構成の場合には、前述した実施の形態で演出制御用マイクロコンピュータ100が行なっていた各種決定については、同様に演出制御用マイクロコンピュータ100が行なうようにしてもよく、または、音声出力基板70、ランプドライバ基板35、または、音/ランプ基板に搭載したマイクロコンピュータ等の制御手段が行なうようにしてもよい。
(21) 上記実施の形態においては、変動表示において実行する演出として、擬似連の演出を実行するようにしてもよい。擬似連とは、本来は1つの保留記憶に対応する1回の変動であるものの複数の保留記憶に対応する複数回の変動が連続して行なわれているように見せる演出表示である擬似連続変動を示す略語である。
(22) 上記実施の形態においては、変動表示において実行する演出として、滑り演出を実行するようにしてもよい。滑りとは、変動表示において図柄の停止直前に図柄を停止予測位置から滑らせる演出表示をいう。
(23) 上記実施の形態においては、変動時間およびリーチ演出の種類や擬似連の有無等の変動態様を示す変動パターンを演出制御用マイクロコンピュータ100に通知するために、変動を開始するときに1つの変動パターンコマンドを送信する例を示したが、2つ乃至それ以上のコマンドにより変動パターンを演出制御用マイクロコンピュータ100に通知する様にしてもよい。具体的には、2つのコマンドにより通知する場合、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、1つ目のコマンドでは擬似連の有無、滑り演出の有無等、リーチとなる以前(リーチとならない場合には所謂第2停止の前)の変動時間や変動態様を示すコマンドを送信し、2つ目のコマンドではリーチの種類や再抽選演出の有無等、リーチとなった以降(リーチとならない場合には所謂第2停止の後)の変動時間や変動態様を示すコマンドを送信する様にしてもよい。この場合、演出制御用マイクロコンピュータ100は2つのコマンドの組合せから導かれる変動時間に基づいて変動表示における演出制御を行なうようにすればよい。なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560の方では2つのコマンドのそれぞれにより変動時間を通知し、それぞれのタイミングで実行される具体的な変動態様については演出制御用マイクロコンピュータ100の方で選択を行なう様にしてもよい。2つのコマンドを送る場合、同一のタイマ割込内で2つのコマンドを送信する様にしてもよく、1つ目のコマンドを送信した後、所定期間が経過してから(たとえば次のタイマ割込において)2つ目のコマンドを送信する様にしてもよい。なお、それぞれのコマンドで示される変動態様はこの例に限定されるわけではなく、送信する順序についても適宜変更可能である。このように2つ乃至それ以上のコマンドにより変動パターンを通知する様にすることで、変動パターンコマンドとして記憶しておかなければならないデータ量を削減することができる。
(24) 前述した実施の形態では、入賞の発生に応じて遊技媒体を遊技者の手元に払い出す遊技機を説明したが、遊技媒体が封入され、入賞の発生に応じて遊技媒体を遊技者の手元に払い出すことなく遊技点(得点)を加算する封入式の遊技機を採用してもよい。封入式の遊技機には、遊技媒体の一例となる複数の玉を遊技機内で循環させる循環経路が形成されているとともに、遊技点を記憶する記憶部が設けられており、玉貸操作に応じて遊技点が記憶部に加算され、玉の発射操作に応じて遊技点が記憶部から減算され、入賞の発生に応じて遊技点が記憶部に加算される。入賞の発生に応じて遊技媒体を遊技者の手元に払い出す遊技機を説明したが、遊技媒体が封入され、入賞の発生に応じて遊技媒体を遊技者の手元に払い出すことなく遊技点(得点)を加算する封入式の遊技機を採用してもよい。封入式の遊技機には、遊技媒体の一例となる複数の玉を遊技機内で循環させる循環経路が形成されているとともに、遊技点を記憶する記憶部が設けられており、玉貸操作に応じて遊技点が記憶部に加算され、玉の発射操作に応じて遊技点が記憶部から減算され、入賞の発生に応じて遊技点が記憶部に加算される。
(25) 前述した実施の形態は、パチンコ遊技機1の動作をシミュレーションするゲーム機などの装置にも適用することができる。前述した実施の形態を実現するためのプログラム及びデータは、コンピュータ装置等に対して、着脱自在の記録媒体により配布・提供される形態に限定されるものではなく、予めコンピュータ装置等の有する記憶装置にプリインストールしておくことで配布される形態を採っても構わない。さらに、本発明を実現するためのプログラム及びデータは、通信処理部を設けておくことにより、通信回線等を介して接続されたネットワーク上の、他の機器からダウンロードすることによって配布する形態を採っても構わない。そして、ゲームの実施形態も、着脱自在の記録媒体を装着することにより実行するものだけではなく、通信回線等を介してダウンロードしたプログラム及びデータを、内部メモリ等に一旦格納することにより実行可能とする形態、通信回線等を介して接続されたネットワーク上における、他の機器側のハードウェア資源を用いて直接実行する形態としてもよい。さらには、他のコンピュータ装置等とネットワークを介してデータの交換を行なうことによりゲームを実行するような形態とすることもできる。
(26) 前述の実施形態では、大当り種別として、15ラウンドの通常大当りと15ラウンドの確変大当りと2ラウンドの確変大当りを設けた例を示した。しかし、これに限らず、たとえば、15ラウンドの大当り、10ラウンドの大当り、5ラウンドの大当り、および、2ラウンドの大当りを設ける場合のように、3種類以上のラウンド数の大当り種別を設けてもよい。その場合には、たとえば、大当りの種別を、賞球が得られやすい大当り種別グループ(たとえば、15ラウンドの大当り、10ラウンドの大当り)と、賞球が得られにくい大当り種別グループ(たとえば、5ラウンドの大当り、2ラウンドの大当り)とに分類し、第2特別図柄の方が第1特別図柄よりも、賞球が得られやすい大当り種別グループの大当り種別が選択される割合が高くなるように設定してもよい。
(27) 本実施の形態では、「割合(比率、確率)」を例示したが、「割合(比率、確率)」は、これに限るものではなく、たとえば0%〜100%の範囲内の値のうち、0%を含む値や、100%を含む値、0%および100%を含まない値であってもよい。
(28) 前述した実施の形態では、変動表示の表示結果を確変大当りとすることが決定されたときの変動表示結果が導出表示された後、大当り遊技状態の終了後に、無条件で確変状態に制御される確変状態制御例を示した。しかし、これに限らず、特別可変入賞球装置20における大入賞口内に設けられた特定領域を遊技球が通過したことが検出手段により検出されたときに、確変状態に制御される、確変判定装置タイプの確変状態制御が実行されるようにしてもよい。
(29) 前述した実施の形態は、スロットマシンにも適用することができる。
スロットマシンは、各々が識別可能な複数種類の識別情報を変動表示可能な複数の可変表示領域のそれぞれに表示結果を導出表示させることが可能な可変表示装置を備え、遊技用価値を用いて1ゲームに対して所定数の賭数を設定することによりゲームが開始可能となるとともに、前記複数の可変表示領域のすべてに前記表示結果が導出表示されることにより1ゲームが終了し、1ゲームの結果として前記複数の可変表示領域のそれぞれに導出表示された前記表示結果の組合せに応じて入賞が発生可能とされたスロットマシンであってもよい。具体的には、3つのリール2L、2C、2Rを有する可変表示装置を備え、全てのリールが停止した時点で1ゲームが終了し、3つのリールに導出された表示結果の組合せに応じて入賞が発生するスロットマシンであってもよい。
しかし、遊技用価値を用いて1ゲームに対して所定数の賭数を設定することによりゲームが開始可能となるとともに、各々が識別可能な複数種類の識別情報を変動表示可能な可変表示装置に表示結果が導出されることにより1ゲームが終了し、該可変表示装置に導出された表示結果に応じて入賞が発生可能とされたスロットマシンであれば、3つのリールを有する可変表示装置を備えるものに限らず、1のリールしか有しないものや、3以外の複数のリールを有する可変表示装置を備えるスロットマシンであってもよい。
(30) 上記(1)〜(29)で開示した変形例は、その全部または一部を組み合わせて実施してもよい。
(31) なお、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなく特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。