以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。なお、遊技機の一例としてパチンコ遊技機を示すが、本発明はパチンコ遊技機に限られず、コイン遊技機、スロットマシン等のその他の遊技機であってもよく、遊技媒体が遊技領域に設けられた始動領域を通過した後に、開始条件が成立したことに基づいて、各々を識別可能な識別情報の変動表示を実行する変動表示手段に導出された識別情報の変動表示の表示結果が特定表示結果となったときに遊技者にとって有利な特定遊技状態に制御する遊技機であれば、どのような遊技機であってもよい。
〔第1実施形態〕
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。まず、遊技機の一例であるパチンコ遊技機1の全体の構成について説明する。図1はパチンコ遊技機1を正面からみた正面図である。
パチンコ遊技機1は、縦長の方形状に形成された外枠(図示せず)と、外枠の内側に開閉可能に取付けられた遊技枠とで構成される。また、パチンコ遊技機1は、遊技枠に開閉可能に設けられている額縁状に形成されたガラス扉枠2を有する。遊技枠は、外枠に対して開閉自在に設置される前面枠(図示せず)と、機構部品等が取付けられる機構板(図示せず)と、それらに取付けられる種々の部品(後述する遊技盤6を除く)とを含む構造体である。
ガラス扉枠2の下部表面には打球供給皿(上皿)3がある。打球供給皿3の下部には、打球供給皿3に収容しきれない遊技球を貯留する余剰球受皿4、および、打球を発射する打球操作ハンドル(操作ノブ)5等が設けられている。また、ガラス扉枠2の背面には、遊技盤6が着脱可能に取付けられている。遊技盤6は、それを構成する板状体と、その板状体に取付けられた種々の部品とを含む構造体である。また、遊技盤6の前面には、打込まれた遊技球が流下可能な遊技領域7が形成されている。
余剰球受皿(下皿)4を形成する部材には、たとえば下皿本体の上面における手前側の所定位置(たとえば下皿の中央部分)等に、スティック形状(棒形状)に構成され、遊技者が把持して複数方向(前後左右)に傾倒する操作が可能なスティックコントローラ122が取付けられている。なお、スティックコントローラ122には、遊技者がスティックコントローラ122の操作桿を操作手(たとえば左手等)で把持した状態において、所定の操作指(たとえば人差し指等)で押引操作すること等により所定の指示操作が可能なトリガボタン125(図5参照)が設けられ、スティックコントローラ122の操作桿の内部には、トリガボタン125に対する押引操作等による所定の指示操作を検知するトリガセンサ121(図5参照)が内蔵されている。また、スティックコントローラ122の下部における下皿の本体内部等には、操作桿に対する傾倒操作を検知する傾倒方向センサユニット123(図5参照)が設けられている。また、スティックコントローラ122には、スティックコントローラ122を振動動作させるためのバイブレータ用モータ126(図5参照)が内蔵されている。
打球供給皿(上皿)3を形成する部材には、たとえば上皿本体の上面における手前側の所定位置(たとえばスティックコントローラ122の上方)等に、遊技者が押下操作等により所定の指示操作を可能なプッシュボタン120が設けられている。プッシュボタン120は、遊技者からの押下操作等による所定の指示操作を、機械的、電気的、あるいは、電磁的に、検出できるように構成されていればよい。プッシュボタン120の設置位置における上皿の本体内部等には、プッシュボタン120に対してなされた遊技者の操作行為を検知するプッシュセンサ124(図5参照)が設けられていればよい。図1に示す構成例では、プッシュボタン120とスティックコントローラ122の取付位置が、上皿及び下皿の中央部分において上下の位置関係にある。これに対して、上下の位置関係を保ったまま、プッシュボタン120及びスティックコントローラ122の取付位置を、上皿及び下皿において左右のいずれかに寄せた位置としてもよい。あるいは、プッシュボタン120とスティックコントローラ122の取付位置が上下の位置関係にはなく、たとえば左右の位置関係にあるものとしてもよい。
なお、本実施の形態では、遊技者が操作可能な操作手段として、スティックコントローラを設けた例を示したが、これに限らず、操作手段としては、単なるプッシュボタン、レバースイッチ、および、ジョグダイヤル等のその他の操作手段を設けてもよい。
遊技領域7の中央付近には、各々を識別可能な複数種類の識別情報としての演出図柄を表示(可変表示ともいう。なお、以下の説明で「変動」と「変動表示」とは同じ概念を示している。)可能な変動表示部としての演出表示装置9が設けられている。また、演出表示装置9を取囲むように飾り部材47が設けられている。遊技領域7における演出表示装置9の右側方には、各々を識別可能な複数種類の識別情報としての第1特別図柄を変動表示する第1特別図柄表示器8aと、各々を識別可能な複数種類の識別情報としての第2特別図柄を変動表示する第2特別図柄表示器8bとが設けられている。
第1特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8bのそれぞれは、数字および文字を変動表示可能な簡易で小型の表示器(たとえば7セグメントLED)で構成されている。演出表示装置9は、液晶表示装置(LCD)で構成されており、画像表示領域9a(表示画面)において、第1特別図柄または第2特別図柄の変動表示に同期した演出図柄の変動表示を行なう演出図柄表示領域が設けられる。演出図柄表示領域には、たとえば「左」、「中」、「右」の3つの装飾用(演出用)の演出図柄を変動表示する図柄表示エリアが形成される。
第1特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8bのそれぞれは、主基板(遊技制御基板)に搭載されている遊技制御用マイクロコンピュータによって制御される。演出表示装置9は、演出制御基板に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータによって制御される。第1特別図柄表示器8aで第1特別図柄の変動表示が実行されているときに、その変動表示に伴なって演出表示装置9で演出表示が実行され、第2特別図柄表示器8bで第2特別図柄の変動表示が実行されているときに、その変動表示に伴なって演出表示装置9で演出表示が実行されるので、遊技の進行状況を把握しやすくすることができる。
第1特別図柄表示器8aに特定表示結果としての大当り表示結果(大当り図柄)が導出表示されたとき、または、第2特別図柄表示器8bに特定表示結果としての大当り表示結果(大当り図柄)が導出表示されたときには、演出表示装置9においても、特定表示結果としての大当り表示結果(大当り図柄の組合せ)が導出表示される。このように変動表示の表示結果として特定表示結果が表示されたときには、遊技者にとって有利な価値(有利価値)が付与される有利状態としての特定遊技状態(大当り遊技状態)に制御される。
また、演出表示装置9において、最終停止図柄(たとえば左右中図柄のうち中図柄)となる図柄以外の図柄が、所定時間継続して、大当り図柄(たとえば左中右の図柄が同じ図柄で揃った図柄の組合せ)と一致している状態で停止、揺動、拡大縮小もしくは変形している状態、または、複数の図柄が同一図柄で同期して変動したり、表示図柄の位置が入れ替わっていたりして、最終結果が表示される前で大当り発生の可能性が継続している状態(以下、これら状態をリーチ状態という。)で行なわれる演出をリーチ演出という。
ここで、リーチ状態は、演出表示装置9の表示領域において停止表示された演出図柄が大当り組合せの一部を構成しているときに未だ停止表示されていない演出図柄の変動が継続している表示状態、または、全部もしくは一部の演出図柄が大当り組合せの全部または一部を構成しながら同期して変動している表示状態である。言い換えると、リーチとは、複数の変動表示領域において識別情報が特定表示結果を構成しているが少なくとも一部の変動領域が変動表示中である状態をいう。この実施形態において、リーチ状態は、たとえば、左,右の図柄表示エリアで同じ図柄が停止し、中の図柄表示エリアで図柄が停止していない状態で形成される。リーチ状態が形成されるときの左,右の図柄表示エリアで停止された図柄は、リーチ形成図柄、または、リーチ図柄と呼ばれる。
そして、リーチ状態における表示演出が、リーチ演出表示(リーチ演出)である。また、リーチの際に、通常と異なる演出がランプや音で行なわれることがある。この演出をリーチ演出という。また、リーチの際に、キャラクタ(人物等を模した演出表示であり、図柄(演出図柄等)とは異なるもの)を表示させたり、演出表示装置9の背景画像の表示態様(たとえば、色等)を変化させたりすることがある。このキャラクタの表示や背景の表示態様の変化をリーチ演出表示という。また、リーチの中には、それが出現すると、通常のノーマルリーチに比べて、大当りが発生しやすいように設定されたものがある。このような特別のリーチをスーパーリーチという。
演出表示装置9の右方には、各々を識別可能な識別情報としての第1特別図柄を変動表示する第1特別図柄表示器(第1変動表示部)8aが設けられている。第1特別図柄表示器8aは、0〜9の数字等の特別図柄を変動表示可能な簡易で小型の表示器(たとえば7セグメントLED)で実現されている。また、演出表示装置9の右方(第1特別図柄表示器8aの右隣)には、各々を識別可能な識別情報としての第2特別図柄を変動表示する第2特別図柄表示器(第2変動表示部)8bが設けられている。第2特別図柄表示器8bは、0〜9の数字等の特別図柄を変動表示可能な簡易で小型の表示器(たとえば7セグメントLED)で実現されている。
以下、第1特別図柄と第2特別図柄とを特別図柄と総称することがあり、第1特別図柄表示器8aと第2特別図柄表示器8bとを特別図柄表示器(変動表示部)と総称することがある。
なお、この実施の形態では、2つの特別図柄表示器8a,8bを備える場合を示しているが、遊技機は、特別図柄表示器を1つのみ備えるものであってもよい。
第1特別図柄または第2特別図柄の変動表示は、変動表示の実行条件である第1始動条件または第2始動条件が成立(たとえば、遊技球が第1始動入賞口13または第2始動入賞口14を通過(入賞を含む)したこと)した後、変動表示の開始条件(たとえば、保留記憶数が0でない場合であって、第1特別図柄および第2特別図柄の変動表示が実行されていない状態であり、かつ、大当り遊技が実行されていない状態)が成立したことに基づいて開始され、変動表示時間(変動時間)が経過すると表示結果(停止図柄)を導出表示する。なお、始動条件は、始動領域に入賞することにより成立するものに限らず、始動領域を通過することにより成立するものであってもよい。また、変動表示の開始を許容する開始条件は、大当り遊技中でなくかつ先に始動入賞した保留記憶に起因する変動表示が終了することにより成立する。実行条件は成立しているが開始条件が成立していない保留記憶、すなわち遊技球が第1始動入賞口13または第2始動入賞口14に入賞したが未だ変動表示の開始を許容する開始条件が成立していない保留記憶に関するデータは、開始条件が成立するまで保留記憶データとして保留して記憶される。具体的に、保留記憶データは、後述する遊技制御用マイクロコンピュータ560のRAM55の所定領域に記憶される。なお、遊技球が通過するとは、入賞口やゲート等の予め入賞領域として定められている領域を遊技球が通過したことであり、入賞口に遊技球が入った(入賞した)ことを含む概念である。また、表示結果を導出表示するとは、図柄(識別情報の例)を最終的に停止表示させることである。
演出表示装置9の下方には、第1始動入賞口13を有する入賞装置が設けられている。第1始動入賞口13に入賞した遊技球は、遊技盤6の背面に導かれ、第1始動口スイッチ13aによって検出される。
また、第1始動入賞口(第1始動口)13を有する入賞装置の下方には、遊技球が入賞可能な第2始動入賞口14を有する可変入賞球装置15が設けられている。第2始動入賞口(第2始動口)14に入賞した遊技球は、遊技盤6の背面に導かれ、第2始動口スイッチ14aによって検出される。可変入賞球装置15は、ソレノイド16によって開状態とされる。可変入賞球装置15が開状態になることによって、遊技球が第2始動入賞口14に入賞可能になり(始動入賞し易くなり)、遊技者にとって有利な状態になる。可変入賞球装置15が開状態になっている状態では、第1始動入賞口13よりも、第2始動入賞口14に遊技球が入賞しやすい。また、可変入賞球装置15が閉状態になっている状態では、遊技球は第2始動入賞口14に入賞しない。したがって、可変入賞球装置15が閉状態になっている状態では、第2始動入賞口14よりも、第1始動入賞口13に遊技球が入賞しやすい。なお、可変入賞球装置15が閉状態になっている状態において、入賞はしづらいものの、入賞することは可能である(すなわち、遊技球が入賞しにくい)ように構成されていてもよい。以下、第1始動入賞口13と第2始動入賞口14とを総称して始動入賞口または始動口ということがある。
第2特別図柄表示器8bの上方には、第2始動入賞口14に入った有効入賞球数すなわち第2保留記憶数を表示する4つの表示器からなる第2特別図柄保留記憶表示器18bが設けられている。第2特別図柄保留記憶表示器18bは、有効始動入賞がある毎に、点灯する表示器の数を1増やす。そして、第2特別図柄表示器8bでの変動表示が開始される毎に、点灯する表示器の数を1減らす。
また、第2特別図柄保留記憶表示器18bのさらに上方には、第1始動入賞口13に入った有効入賞球数すなわち第1保留記憶数(保留記憶を、始動記憶または始動入賞記憶ともいう。)を表示する4つの表示器からなる第1特別図柄保留記憶表示器18aが設けられている。第1特別図柄保留記憶表示器18aは、有効始動入賞がある毎に、点灯する表示器の数を1増やす。そして、第1特別図柄表示器8aでの変動表示が開始される毎に、点灯する表示器の数を1減らす。
遊技機には、遊技者が打球操作ハンドル5を操作することに応じて駆動モータを駆動し、駆動モータの回転力を利用して遊技球を遊技領域7に発射する打球発射装置(図示せず)が設けられている。打球発射装置から発射された遊技球は、遊技領域7を囲むように円形状に形成された打球レールを通って遊技領域7に入り、その後、遊技領域7を下りてくる。遊技球が第1始動入賞口13に入り第1始動口スイッチ13aで検出されると、第1特別図柄の変動表示を開始できる状態であれば(たとえば、特別図柄の変動表示が終了し、第1の開始条件が成立したこと)、第1特別図柄表示器8aにおいて第1特別図柄の変動表示(変動)が開始されるとともに、演出表示装置9において演出図柄の変動表示が開始される。すなわち、第1特別図柄および演出図柄の変動表示は、第1始動入賞口13への入賞に対応する。第1特別図柄の変動表示を開始できる状態でなければ(たとえば、第1の開始条件が成立していないこと)、第1保留記憶数が上限値に達していないことを条件として、第1保留記憶数を1増やす。
遊技球が第2始動入賞口14に入り第2始動口スイッチ14aで検出されると、第2特別図柄の変動表示を開始できる状態であれば(たとえば、特別図柄の変動表示が終了し、第2の開始条件が成立したこと)、第2特別図柄表示器8bにおいて第2特別図柄の変動表示(変動)が開始されるとともに、演出表示装置9において演出図柄の変動表示が開始される。すなわち、第2特別図柄および演出図柄の変動表示は、第2始動入賞口14への入賞に対応する。第2特別図柄の変動表示を開始できる状態でなければ(たとえば、第2の開始条件が成立していないこと)、第2保留記憶数が上限値に達していないことを条件として、第2保留記憶数を1増やす。
演出表示装置9は、第1特別図柄表示器8aによる第1特別図柄の変動表示時間中、および第2特別図柄表示器8bによる第2特別図柄の変動表示時間中に、装飾用(演出用)の図柄としての演出図柄の変動表示を行なう。第1特別図柄表示器8aにおける第1特別図柄の変動表示と、演出表示装置9における演出図柄の変動表示とは同期している。また、第2特別図柄表示器8bにおける第2特別図柄の変動表示と、演出表示装置9における演出図柄の変動表示とは同期している。また、第1特別図柄表示器8aにおいて大当り図柄が停止表示されるときと、第2特別図柄表示器8bにおいて大当り図柄が停止表示されるときには、演出表示装置9において大当りを想起させるような演出図柄の組合せが停止表示される。
また、演出表示装置9の下方には、第1保留記憶数を表示する第1保留記憶表示部18cと、第2保留記憶数を表示する第2保留記憶表示部18dとが形成された保留表示器46が設けられている。保留表示器46は、演出表示装置9とパチンコ遊技機1の上下方向において重ならない位置に配置されている。また、保留表示器46に設けられた第1保留記憶表示部18cおよび第2保留記憶表示部18dは、LEDの点灯により保留記憶数を表示する。また、演出表示装置9の下方には、パチンコ遊技機1の前後方向において、保留表示器46と演出表示装置9との間に可動部材45が設けられている。なお、保留表示器46には、第1保留記憶表示部18cおよび第2保留記憶表示部18dの代わりに、第1保留記憶数と第2保留記憶数との合計数(合算保留記憶数)を表示する合算保留記憶表示部を設けてもよい。そのように、合計数を表示する合算保留記憶表示部を設ければ、保留記憶の合計数(変動表示の開始条件が成立していない実行条件の成立数の合計値)を把握しやすくすることができる。
また、図1に示すように、可変入賞球装置15の下方には、特別可変入賞球装置20が設けられている。特別可変入賞球装置20は開閉板を備え、第1特別図柄表示器8aに特定表示結果(大当り図柄)が導出表示されたときと、第2特別図柄表示器8bに特定表示結果(大当り図柄)が導出表示されたときに生起する特定遊技状態(大当り遊技状態)においてソレノイド21によって開閉板が開放状態に制御されることによって、入賞領域となる大入賞口が開放状態になる。大入賞口に入賞した遊技球はカウントスイッチ23で検出される。
大当り遊技状態においては、特別可変入賞球装置20が開放状態と閉鎖状態とを繰返す繰返し継続制御が行なわれる。繰返し継続制御において、特別可変入賞球装置20が開放されている状態が、ラウンドと呼ばれる。これにより、繰返し継続制御は、ラウンド制御とも呼ばれる。本実施の形態では、大当りの種別が複数設けられており、大当りとすることが決定されたときには、いずれかの大当り種別が選択される。
演出表示装置9の左方には、各々を識別可能な普通図柄を変動表示する普通図柄表示器10が設けられている。この実施の形態では、普通図柄表示器10は、0〜9の数字を変動表示可能な簡易で小型の表示器(たとえば7セグメントLED)で実現されている。すなわち、普通図柄表示器10は、0〜9の数字(または、記号)を変動表示するように構成されている。また、小型の表示器は、たとえば方形状に形成されている。
遊技球がゲート32を通過しゲートスイッチ32aで検出されると、普通図柄表示器10の表示の変動表示が開始される。そして、普通図柄表示器10における停止図柄が所定の図柄(当り図柄。たとえば、図柄「7」。)である場合に、可変入賞球装置15が所定回数、所定時間だけ遊技者にとって不利な閉状態から遊技者にとって有利な開状態に変化する。普通図柄表示器10の近傍には、ゲート32を通過した入賞球数を表示する4つのLEDによる表示部を有する普通図柄保留記憶表示器41が設けられている。ゲート32への遊技球の通過がある毎に、すなわちゲートスイッチ32aによって遊技球が検出される毎に、普通図柄保留記憶表示器41は点灯するLEDを1増やす。そして、普通図柄表示器10の変動表示が開始される毎に、点灯するLEDを1減らす。
遊技盤6の下部には、入賞しなかった打球が取込まれるアウト口26がある。また、遊技領域7の外側の左右上部および左右下部には、所定の音声出力として効果音や音声を発声する4つのスピーカ27が設けられている。遊技領域7の外周には、前面枠に設けられた枠LED28が設けられている。
また、プリペイドカードが挿入されることによって球貸しを可能にするプリペイドカードユニット(以下、単に「カードユニット」ともいう。)が、パチンコ遊技機1に隣接して設置される(図示せず)。
図2は、可動部材の動作を示す説明図である。図2(a)は、可動部材45の収納時を示し、図2(b)は可動部材45の出現時を示している。また、図3は、演出表示装置と可動部材と保留表示器との位置関係を示す説明図である。
図1に示す遊技盤6においては、図2、図3に示すように、演出表示装置9の画像表示領域(9a)を取囲む態様の開口部(47a)が形成された飾り部材47が設けられている。飾り部材47の後方において、画像表示領域(9a)が開口部(47a)から臨む態様で、演出表示装置9が設けられている。飾り部材47の下部には、遊技領域7を落下する遊技球を受入れて転動させた後に再度遊技領域7に放出する構造のステージ部48が形成されている。このようなステージ部48の中央には、第1始動入賞口13の上方位置に向けて遊技球が落下する穴部(図示せず)が設けられている。また、ステージ部48で転動した遊技球が後方へ落下しないように、飾り部材47の下部には、ステージ部48の後方において上方に突出する透明の樹脂で形成された球止め板49が設けられている。
飾り部材47(球止め板49)の後方には、第1保留記憶表示部18cと、第2保留記憶表示部18dとが形成された保留表示器46が設けられている。保留表示器46の後方には、可動部材45が設けられている。可動部材45は、棒状部材の端に星形状の部材が設けられている。さらに、可動部材45の後方には、演出表示装置9が設けられている。このように、パチンコ遊技機1の正面視前後方向には、前方から飾り部材47(球止め板49)、保留表示器46、可動部材45、演出表示装置9の順に各構造物が並んで配置され、それぞれが互いに干渉することなく配置されている。よって、図2(a)、図2(b)に示すように、可動部材45が、演出表示装置9の下方に位置する収納位置から、演出表示装置9の前面の出現位置まで移動したとしても、各構造物が接触することはない。また、可動部材45は、可動部材45の一部が保留表示器46と正面視上下方向に重なる位置となるように配置されている。球止め板49は、透明の樹脂で形成されているので、後方の保留表示器46のLEDの表示で示される第1保留記憶表示部18cと第2保留記憶表示部18dとの視認を妨げない。
ここで、可動部材45の動作について説明する。可動部材45は、パチンコ遊技機1の内部に収納された可動部材用モータ50により上方または下方に動作(上昇動作または下降動作)させられることによって、パチンコ遊技機1内部の収納位置から演出表示装置9の出現位置に出現する上昇動作と、演出表示装置9の前方位置から下方の当該収納位置に収納される下降動作とを行なうことが可能である。
可動部材45は、可動部材用モータ50により駆動される昇降装置(図示省略)と連動連結されており、当該昇降装置による昇降動作により、前述したような収納位置と出現位置との間で上下動させられる。これにより、可動部材45は、遊技者にとって視認可能な位置と、遊技者にとって視認不可能な位置とのいずれかに存在することが可能となる。なお、可動部材45については、前述のような収納位置と出現位置との両方が、視認可能である構成としてもよい。また、可動部材45については、収納位置と出現位置との間の経路についても、視認可能であるように構成してもよい。また、可動部材45について、収納位置は視認不可能であるが、収納位置と出現位置との間の経路が視認可能であるように構成してもよい。
上記したように、可動部材45は、その動作を遊技者にわかり易くするために、所定の初期位置(正面視で演出表示装置9より下方の収納位置)から演出表示装置9の画面前方で画像表示領域(9a)に重なる位置(出現位置)へと移動するものとすることが望ましい。あるいは、所定の初期位置(収納位置)から少なくとも遊技盤6あるいは遊技領域7の前方で遊技盤6あるいは遊技領域7に重なる位置へと移動させる。これにより、遊技盤6の盤面、特には演出表示装置9に注視している遊技者が可動部材45による演出を見逃すことを防止でき、効果的な演出を行なうことが可能になる。
可動部材45の初期位置は、パチンコ遊技機1の前面側から見て遊技者に見えない位置とすることが望ましい。可動部材45の初期位置は、少なくとも遊技領域7と重ならない位置とすればよい。たとえば、初期位置は、遊技盤6の前面に設けた装飾板よりも後方側とすればよい。これにより、演出をしていないときの可動部材45が遊技者の遊技の邪魔になることを防止できる。もちろん、可動部材45による演出を実行しないときでも可動部材45の一部を遊技者の目に留まる位置に覗かせておき、それ自体が遊技領域を囲む装飾部の一部として機能するようにしてもよい。
ただし、可動部材45は、その動作によって第1保留記憶表示部18cおよび第2保留記憶表示部18dの保留表示が妨げられないように工夫することが望ましい。第1保留記憶表示部18cおよび第2保留記憶表示部18dの保留表示の変化の前兆、または、保留表示の変化に合せて可動部材45を移動させる場合にはもちろん、それ以外の演出として可動部材45を移動させる場合であっても、保留表示が妨げられることは遊技者への情報表示の確実化という観点から好ましいとはいえない。
そこで、可動部材45の動作と保留表示との関係に留意する必要がある。ここでは、可動部材45を演出表示装置9の画像表示領域9aに対して略水平方向に移動させる場合を想定する。図1に示されるように、パチンコ遊技機1には、保留記憶表示に関する表示部として、第1保留記憶表示部18cと第2保留記憶表示部18dとが設けられた保留表示器46が設けられている。
図1に示されるとおり、保留表示器46は演出表示装置9の近傍に設けられている。このため、仮に、可動部材45を所定の初期位置(収納位置)から演出表示装置9の画像表示領域9aに対して水平方向に、かつ、画像表示領域9a上を通過するように移動させるならば、可動部材45の移動によって保留記憶表示の一部の視認性が阻害されるおそれがある。
そこで、保留表示器46を演出表示装置9とは独立させ、かつ、パチンコ遊技機1を正面から見たときの奥行き方向において、可動部材45よりも手前側に保留表示器46を設けることが考えられる。すなわち、その奥行き方向において、手前から、保留表示器46、可動部材45、演出表示装置9の順に各部品が配置されるようにする。換言すると、演出表示装置9の前方に保留表示器46を配設し、保留表示器46と演出表示装置9との間に可動部材45を配設した上で、正面から見て可動部材45が演出表示装置9に重なる位置に移動可能とする。そうすれば、可動部材45を演出表示装置9の画像表示領域9aに対して略水平方向に移動させたとしても、可動部材45の動作によって保留表示器46の視認性が阻害されることがない。
具体的には、次のような構成とする。遊技盤6の略中央付近は、図1に示されるように演出表示装置9の画像表示領域9aを臨ませるための開口が設けてある。遊技盤6の裏側にベース部材を取付け、このベース部材が取付けられた遊技盤6がパチンコ遊技機1の枠に設けられるものとする。ベース部材は遊技盤6の大きさよりもやや小さめの略矩形の枠形状とする。この枠形状のベース部材の前面に遊技盤6を取付ける一方、ベース部材の後方には、遊技盤6に設けられた開口に臨むように演出表示装置9を取付ける。ベース部材は略矩形の枠形状であるため、演出表示装置9の画像表示領域9aが遊技盤6の開口面に対して奥行き方向に距離をとるような配置関係で、遊技盤6と演出表示装置9とをベース部材に取付けることができる。
すると、ベース部材の前面側と後面側との間、すなわち、遊技盤6と演出表示装置9との間には空間が形成される。この空間に演出用の可動部材45を設ける。可動部材45は、演出に用いられていないときには遊技盤6の開口部分(すなわち、演出表示装置9の画像表示領域9a部分)に位置しないことが望ましいため、遊技盤6の開口よりも下方の位置に可動部材45を収容しておき、演出のタイミングに応じて可動部材45が遊技盤6の開口の下方から開口付近に移動してくるように設計する。以下、可動部材45を収容する空間を“収容空間”と称する。可動部材45は、たとえば、棒状部材の端に星形状の部材を設けたものとする。また、可動部材45の動作に合わせ、星形状の部材をモータにより回転するようにしてもよい。
さらに、パチンコ遊技機1の奥行き方向で遊技盤6の手前側に保留表示器46を設ける。保留表示器46は、板状部材に保留記憶数を表示するためのLEDよりなるランプを複数設けたもので構成することが考えられる。保留表示器46は、収容空間に対応する位置、すなわち、遊技盤6の開口よりも下方に設ける。ただし、これに代えて、遊技盤6の下方を保留表示器46に対応する領域分だけ切り欠いた形状とし、ベース部材の下部(遊技盤6の開口よりも下部に位置する箇所)に先に保留表示器46を取付け、その後に遊技盤6をベース部材に取付けるようにしてもよい。いずれにしても、このような構成とすると、パチンコ遊技機1を正面から見たときの奥行き方向において、手前から、保留表示器46、可動部材45、演出表示装置9の順に各構造物が配置されることになる。
このように構成すると、保留表示器46は可動部材45よりも手前側に配置されているため、可動部材45を演出表示装置9の画像表示領域9aに対して略水平方向に移動させたとしても、可動部材45の動作によって保留表示器46の視認性が阻害されることがない。
図4は、当り種別表を示す図である。図4の当り種別表においては、大当りにおける当りの種別ごとに、大当り遊技状態の終了後の大当り確率、大当り遊技状態の終了後のベース、大当り遊技状態終了後の変動時間、大当りにおける開放回数(ラウンド数)、および、各ラウンドの開放時間が示されている。
具体的に、大当り遊技状態においては、特別可変入賞球装置20が、開放状態とされた後、所定の開放状態の終了条件(開放状態において所定期間(たとえば29秒間)が経過したこと、または、所定個数(たとえば10個)の入賞球が発生したという開放終了条件)が成立したことに応じて閉鎖状態とされる。そして、開放終了条件が成立すると、継続権が発生し、特別可変入賞球装置20の開放が再度行なわれる。継続権の発生は、大当り遊技状態における開放回数が予め定められた上限値となる15ラウンド(最終ラウンド)に達するまで繰返される。
「大当り」のうち、大当り遊技状態に制御された後、特別遊技状態として、通常状態(確変状態でない通常の遊技状態)に比べて大当りとすることに決定される確率が高い状態である確変状態(確率変動状態の略語であり、高確率状態ともいう)に移行する大当りの種類(種別)は、「確変大当り」と呼ばれる。また、本実施の形態では、特別遊技状態としては、確変状態に付随して、特別図柄や演出図柄の変動時間(変動表示期間)が非時短状態よりも短縮される時短状態に制御される場合がある。なお、特別遊技状態としては、確変状態とは独立して時短状態に制御される場合があるようにしてもよい。
このように、時短状態に移行することによって、特別図柄や演出図柄の変動時間が短縮されるので、時短状態となったときには、有効な始動入賞が発生しやすくなり大当り遊技が行なわれる可能性が高まる。
なお、「大当り」のうち、15ラウンドの大当り遊技状態に制御された後、確変状態に移行しない大当りの種類(種別)は、「通常大当り」と呼ばれる。
また、特別遊技状態としては、確変状態に付随して、可変入賞球装置15が開状態になる頻度を高くすることにより可変入賞球装置15に遊技球が進入する頻度を高くして可変入賞球装置15への入賞を容易化(高進入化、高頻度化)する電チューサポート制御状態に制御される場合がある。
ここで、電チューサポート制御について説明する。電チューサポート制御としては、普通図柄の変動時間(変動表示開始時から表示結果の導出表示時までの時間)を短縮して早期に表示結果を導出表示させる制御(普通図柄短縮制御)、普通図柄の停止図柄が当り図柄になる確率を高める制御(普通図柄確変制御)、可変入賞球装置15の開放時間を長くする制御(開放時間延長制御)、および、可変入賞球装置15の開放回数を増加させる制御(開放回数増加制御)が行なわれる。このような制御が行なわれると、当該制御が行なわれていないときと比べて、可変入賞球装置15が開状態となっている時間比率が高くなるので、第2始動入賞口14への入賞頻度が高まり、遊技球が始動入賞しやすくなる(特別図柄表示器8a,8bや演出表示装置9における変動表示の実行条件が成立しやすくなる)。また、このような制御によって第2始動入賞口14への入賞頻度が高まることにより、第2始動条件の成立頻度および/または第2特別図柄の変動表示の実行頻度が高まる遊技状態となる。
このような電チューサポート制御により第2始動入賞口14への入賞頻度が高められた状態(高頻度状態)は、発射球数に対して入賞に応じて賞球として払出される遊技球数の割合である「ベース」が、当該制御が行なわれないときと比べて、高い状態であるので、「高ベース状態」と呼ばれる。また、このような制御が行なわれないときは、「低ベース状態」と呼ばれる。また、このような制御は、可変入賞球装置15、すなわち、電動チューリップにより入賞をサポートすることにより可変入賞球装置15への入賞を容易化する制御であり、「電チューサポート制御」と呼ばれる。
この実施の形態においては、大当り確率の状態を示す用語として、「高確率状態(確変状態)」と、「低確率状態(非確変状態)」とを用い、ベースの状態の組合せを示す用語として、「高ベース状態(電チューサポート制御状態)」と、「低ベース状態(非電チューサポート制御状態)」とを用いる。
また、この実施の形態においては、大当り確率の状態およびベースの状態の組合せを示す用語として、「低確低ベース状態」、「低確高ベース状態」、および、「高確高ベース状態」を用いる。「低確低ベース状態」とは、大当り確率の状態が低確率状態で、かつ、ベースの状態が低ベース状態であることを示す状態である。「低確高ベース状態」とは、大当り確率の状態が低確率状態で、かつ、ベースの状態が高ベース状態であることを示す状態である。「高確高ベース状態」とは、大当り確率の状態が高確率状態で、かつ、ベースの状態が高ベース状態であることを示す状態である。
図4に示すように、15ラウンドの大当りとしては、通常大当りと、確変大当りとの複数種類の大当りが設けられている。
通常大当りは、15ラウンドの大当り遊技状態の終了後に、非確変状態、時短状態、および、電チューサポート制御状態(低確高ベース状態)に制御される大当りである。確変大当りは、15ラウンドの大当り遊技状態の終了後に、確変状態、時短状態、および、電チューサポート制御状態(高確高ベース状態)に移行する制御が行なわれる大当りである。確変大当りにおいては、確変状態、時短状態、および、電チューサポート制御状態が、変動表示が100回という所定回数実行されるまでという条件と、次回の大当りが発生するまでという条件とのいずれか早い方の条件が成立するまでの期間継続する。このように時短状態が継続する変動表示の回数は、時短回数とも呼ばれる。
また、通常大当りにおいては、時短状態が、変動表示が100回という所定回数実行されるまでという条件と、次回の大当りが発生するまでという条件とのいずれか早い方の条件が成立するまでの期間継続する。なお、通常大当りは、非確変状態、非時短状態、および、非電チューサポート制御状態(低確低ベース状態)に制御される大当りとなるように制御するものであってもよい。
図5は、主基板(遊技制御基板)31における回路構成の一例を示すブロック図である。なお、図5は、払出制御基板37および演出制御基板80等も示されている。主基板31には、プログラムにしたがってパチンコ遊技機1を制御する遊技制御用マイクロコンピュータ(遊技制御手段に相当)560が搭載されている。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ゲーム制御(遊技進行制御)用のプログラム等を記憶するROM54、ワークメモリとして使用される記憶手段としてのRAM55、プログラムにしたがって制御動作を行なうCPU56およびI/Oポート部57を含む。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ROM54およびRAM55が内蔵された1チップマイクロコンピュータである。遊技制御用マイクロコンピュータ560には、さらに、ハードウェア乱数(ハードウェア回路が発生する乱数)を発生する乱数回路503が内蔵されている。
また、RAM55は、その一部または全部が電源基板910において作成されるバックアップ電源によってバックアップされている不揮発性記憶手段としてのバックアップRAMである。すなわち、遊技機に対する電力供給が停止しても、所定期間(バックアップ電源としてのコンデンサが放電してバックアップ電源が電力供給不能になるまで)は、RAM55の一部または全部の内容は保存される。特に、少なくとも、遊技状態すなわち遊技制御手段の制御状態に応じたデータ(特別図柄プロセスフラグ等)と未払出賞球数を示すデータは、バックアップRAMに保存される。
なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560においてCPU56がROM54に格納されているプログラムにしたがって制御を実行するので、以下、遊技制御用マイクロコンピュータ560(またはCPU56)が実行する(または、処理を行なう)ということは、具体的には、CPU56がプログラムにしたがって制御を実行することである。このことは、主基板31以外の他の基板に搭載されているマイクロコンピュータについても同様である。
乱数回路503は、特別図柄の変動表示の表示結果により大当りとするか否か判定するための判定用の乱数を発生するために用いられるハードウェア回路である。乱数回路503は、初期値(たとえば、0)と上限値(たとえば、65535)とが設定された数値範囲内で、数値データを、設定された更新規則にしたがって更新し、ランダムなタイミングで発生する始動入賞時が数値データの読出(抽出)時であることに基づいて、読出される数値データが乱数値となる乱数発生機能を有する。また、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、乱数回路503が更新する数値データの初期値を設定する機能を有している。
また、ゲートスイッチ32a、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14a、カウントスイッチ23からの検出信号を遊技制御用マイクロコンピュータ560に与える入力ドライバ回路58も主基板31に搭載されている。また、可変入賞球装置15を開閉するソレノイド16、および大入賞口を形成する特別可変入賞球装置20を開閉するソレノイド21を遊技制御用マイクロコンピュータ560からの指令にしたがって駆動する出力回路59も主基板31に搭載されている。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、特別図柄を変動表示する第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8b、普通図柄を変動表示する普通図柄表示器10、第1特別図柄保留記憶表示器18a、第2特別図柄保留記憶表示器18bおよび普通図柄保留記憶表示器41の表示制御を行なう。
演出制御基板80は、演出制御用マイクロコンピュータ100、ROM102、RAM103、VDP109、および、I/Oポート部105等を搭載している。ROM102は、表示制御等の演出制御用のプログラムおよびデータ等を記憶する。RAM103は、ワークメモリとして使用される。ROM102およびRAM103は、演出制御用マイクロコンピュータ100に内蔵されてもよい。VDP109は、演出制御用マイクロコンピュータ100と共動して演出表示装置9の表示制御を行なう。
演出制御用マイクロコンピュータ100は、主基板31から演出制御基板80の方向への一方向にのみ信号を通過させる中継基板77を介して、遊技制御用マイクロコンピュータ560から演出内容を指示する演出制御コマンドを受信し、演出表示装置9の変動表示制御を行なう他、ランプドライバ基板35を介して、枠側に設けられている枠LED28の表示制御を行なうとともに、音声出力基板70を介してスピーカ27からの音出力の制御を行なう等、各種の演出制御を行なう。
また、演出制御用CPU101は、スティックコントローラ122のトリガボタン125に対する遊技者の操作行為を検出したことを示す情報信号としての操作検出信号を、トリガセンサ121から、入力ポートを介して入力する。また、演出制御用CPU101は、プッシュボタン120に対する遊技者の操作行為を検出したことを示す情報信号としての操作検出信号を、プッシュセンサ124から、入力ポートを介して入力する。また、演出制御用CPU101は、スティックコントローラ122の操作桿に対する遊技者の操作行為を検出したことを示す情報信号としての操作検出信号を、傾倒方向センサユニット123から、入力ポートを介して入力する。また、演出制御用CPU101は、出力ポートを介してバイブレータ用モータ126に駆動信号を出力することにより、スティックコントローラ122を振動動作させる。
また、演出制御用CPU101は、出力ポートを介して可動部材用モータ50に駆動信号を出力することにより、可動部材45を可動させる制御を行なう。また、演出制御用CPU101は、出力ポートを介して保留表示器46に表示信号を出力することにより、保留表示器46に設けられた第1保留記憶表示部18cおよび第2保留記憶表示部18dを点灯させる制御を行なう。
図6は、各乱数を示す説明図である。各乱数は、以下のように使用される。
(1)ランダムR:大当りにするか否かを判定する当り判定用のランダムカウンタである。ランダムRは、10MHzで1ずつ更新され、0から加算更新されてその上限である65535まで加算更新された後再度0から加算更新される。(2)ランダム1(MR1):大当りの種類(種別、通常大当り、および、確変大当りのいずれかの種別)および大当り図柄を決定する(大当り種別判定用、大当り図柄決定用)。(3)ランダム2(MR2):変動パターンの種類(種別)を決定する(変動パターン種別判定用)。(4)ランダム3(MR3):変動パターン(変動時間)を決定する(変動パターン判定用)。(5)ランダム4(MR4):普通図柄に基づく当りを発生させるか否か決定する(普通図柄当り判定用)。(6)ランダム5(MR5):ランダム4の初期値を決定する(ランダム4初期値決定用)。
この実施の形態では、特定遊技状態である大当りとして、通常大当り、および、確変大当りという複数の種別が含まれている。したがって、大当りとする決定がされたときには、大当り種別判定用乱数(ランダム1)の値に基づいて、大当りの種別が、これらいずれかの大当り種別に決定される。さらに、大当りの種別が決定されるときに、同時に大当り種別判定用乱数(ランダム1)の値に基づいて、大当り図柄も決定される。したがって、ランダム1は、大当り図柄決定用乱数でもある。
また、変動パターンは、まず、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)を用いて変動パターン種別を決定し、変動パターン判定用乱数(ランダム3)を用いて、決定した変動パターン種別に含まれるいずれかの変動パターンに決定する。そのように、この実施の形態では、2段階の抽選処理によって変動パターンが決定される。変動パターン種別とは、複数の変動パターンをその変動態様の特徴にしたがってグループ化したものである。変動パターン種別には、1または複数の変動パターンが属している。
この実施の形態では、通常大当り、および、確変大当りである場合には、変動パターンが、ノーマルリーチを伴うノーマルリーチ変動パターン種別と、スーパーリーチを伴うスーパーリーチ変動パターン種別とに種別分けされている。このような変動パターン種別は、予め定められた割合で選択される。また、はずれである場合には、リーチを伴わない変動パターン種別である通常変動パターン種別と、ノーマルリーチ変動パターン種別と、スーパーリーチ変動パターン種別とに種別分けされている。
このような変動パターン種別は、表示結果がはずれとなる場合に、時短状態であるときと、時短状態でないときとで、変動パターン種別の選択割合が異なる(時短状態では、時短状態でないときと比べて、通常変動パターン種別のような変動時間が短い変動パターン種別が選択される割合が高く設定されている)ように設定されていることにより、時短状態であるときには、時短状態でないときと比べて、変動時間が短縮される。たとえば、時短状態では、時短状態でないときと比べて、変動時間の平均時間を短くするために、変動パターン種別のうち最も変動時間が短い変動パターン種別が選択される割合が高くなるように設定されることで、時短状態でないときと比べて、変動時間の平均時間が短くなる。また、同種の変動パターン(たとえば、通常変動)において時短状態であるとき(たとえば、3秒)の方が時短状態でないとき(たとえば、7秒)と比べ変動時間を短くすることで、変動時間が短くなる。
なお、このような変動パターン種別は、変動表示をする各特別図柄の保留記憶数が所定数以上であるときと、所定数未満であるときとで選択割合が異なるように設定されることにより、変動表示をする各特別図柄の保留記憶数が所定数以上であるときには、各特別図柄の保留記憶数が所定数未満であるときと比べて、変動時間が短縮される保留数短縮制御を実行するようにしてもよい。たとえば、保留数短縮制御状態では、保留数短縮制御状態でないときと比べて、通常変動パターン種別のような変動時間が短い変動パターン種別が選択される割合が高くなるように設定されることで、保留数短縮制御状態でないときと比べて、変動時間の平均時間が短くなるようにしてもよい。また、保留数短縮制御では、保留数短縮制御状態でないときと比べて、同じ変動パターン種別が選択される場合でも、その変動パターン種別の変動時間自体を短くしてもよい。
また、変動パターンは、変動パターン種別を決定してから変動パターンを決定する2段階の決定方法ではなく、1回の乱数抽選により変動パターンが決定される1段階の決定方法としてもよい。
図7は、大当り判定テーブルおよび大当り種別判定テーブルを示す説明図である。図7(A)は、大当り判定テーブルを示す説明図である。大当り判定テーブルとは、ROM54に記憶されているデータの集まりであって、ランダムRと比較される大当り判定値が設定されているテーブルである。大当り判定テーブルには、通常状態(確変状態でない遊技状態、すなわち非確変状態)において用いられる通常時(非確変時)大当り判定テーブルと、確変状態において用いられる確変時大当り判定テーブルとがある。
通常時大当り判定テーブルには、図7(A)の左欄に記載されている各数値が大当り判定値として設定され、確変時大当り判定テーブルには、図7(A)の右欄に記載されている各数値が大当り判定値として設定されている。確変時大当り判定テーブルに設定された大当り判定値は、通常時大当り判定テーブルに設定された大当り判定値と共通の大当り判定値(通常時大当り判定値または第1大当り判定値という)に、確変時固有の大当り判定値が加えられたことにより、確変時大当り判定テーブルよりも多い個数(10倍の個数)の大当り判定値(確変時大当り判定値または第2大当り判定値という)が設定されている。これにより、確変状態には、通常状態よりも高い確率で大当りとする判定がなされる。
CPU56は、所定の時期に、乱数回路503のカウント値を抽出して抽出値を大当り判定用乱数(ランダムR)の値と比較するのであるが、大当り判定用乱数値が図7(A)に示すいずれかの大当り判定値に一致すると、特別図柄に関して大当り(通常大当り、または、確変大当り)にすることに決定する。なお、図7(A)に示す「確率」は、大当りになる確率(割合)を示す。
図7(B),(C)は、ROM54に記憶されている大当り種別判定テーブルを示す説明図である。図7(B)は、遊技球が第1始動入賞口13に入賞したことに基づく保留記憶(第1保留記憶ともいう)を用いて大当り種別を決定する場合(第1特別図柄の変動表示が行なわれるとき)に用いる第1特別図柄大当り種別判定テーブル(第1特別図柄用)である。図7(C)は、遊技球が第2始動入賞口14に入賞したことに基づく保留記憶(第2保留記憶ともいう)を用いて大当り種別を決定する場合(第2特別図柄の変動表示が行なわれるとき)に用いる第2特別図柄大当り種別判定テーブルである。
図7(B)、および、図7(C)特別図柄大当り種別判定テーブルのそれぞれは、変動表示結果を大当り図柄にする旨の判定がなされたときに、大当り種別判定用の乱数(ランダム1)に基づいて、大当りの種別を「通常大当り」、「確変大当り」のうちのいずれかに決定するとともに、大当り図柄を決定するために参照される。
図7(B)の第1特別図柄大当り種別判定テーブルには、ランダム1の値と比較される数値であって、「通常大当り」、「確変大当り」のそれぞれに対応した判定値(大当り種別判定値)が設定されている。図7(C)の第2特別図柄大当り種別判定テーブルには、ランダム1の値と比較される数値であって、「通常大当り」、「確変大当り」のそれぞれに対応した判定値(大当り種別判定値)が設定されている。
また、図7(B),(C)に示すように、大当り種別判定値は、第1特別図柄および第2特別図柄の大当り図柄を決定する判定値(大当り図柄判定値)としても用いられる。「通常大当り」に対応した判定値は、第1特別図柄および第2特別図柄の大当り図柄の「3」に対応した判定値としても設定されている。「確変大当り」に対応した判定値は、第1特別図柄および第2特別図柄の大当り図柄の「7」に対応した判定値としても設定されている。
このような大当り種別大当り種別判定テーブルを用いて、CPU56は、大当り種別として、ランダム1の値が一致した大当り種別判定値に対応する種別を決定するとともに、大当り図柄として、ランダム1の値が一致した大当り図柄を決定する。これにより、大当り種別と、大当り種別に対応する大当り図柄とが同時に決定される。
図7(B)の第1特別図柄大当り種別判定テーブルと図7(C)の第2特別図柄大当り種別判定テーブルとは、確変大当りに決定される割合が同じである。しかし、図7(C)の第2特別図柄大当り種別判定テーブルの方が、図7(B)の第1特別図柄大当り種別判定テーブルよりも、確変大当りに決定される割合を高くしてもよい。そうすることにより、第2特別図柄の変動表示の方が、第1特別図柄の変動表示よりも、確変大当りとなる割合を高くすることができる。また、第1特別図柄大当り種別判定テーブルの方が、第2特別図柄大当り種別判定テーブルよりも、確変大当りに決定される割合が高くなるようにしてもよい。また、ラウンド数が異なる確変大当りや通常大当りを複数設け、特別図柄毎に大当り種別の振分けが異なるようにしてもよい。
次に、図8を用いて、遊技制御用マイクロコンピュータ560において、特別図柄および演出図柄の変動パターンを選択決定するために用いる変動パターンテーブルについて説明する。図8は、変動パターンを決定するために用いる変動パターンテーブルを表形式で示す図である。
図8には、(a)に通常状態はずれ時判定テーブル、(b)に時短状態はずれ時判定テーブルが示されている。また、(c)には通常大当り時判定テーブル、(d)には確変大当り時判定テーブルが示されている。図8(a)〜(d)の各判定テーブルは、ROM54に記憶されており、遊技状態に応じて選択され、変動パターン種別および変動パターンを判定(決定)するために用いられる。
図8に示す判定テーブルは、ランダム2と変動パターン種別との関係を示す変動パターン種別判定テーブルと、各変動パターン種別についてランダム3と各種別に属する変動パターンとの関係を示す変動パターン判定テーブルとを含む。
図8の各テーブルでの「変動パターン種別」または「変動パターン」の欄において、「通常」または「通常変動」は、リーチとならない通常変動パターンを示している。
また、図8の各テーブルでの「ノーマルリーチ」は、リーチ状態となったときに特に派手な演出を実行しないノーマルリーチの変動パターンを示している。「スーパーリーチ」は、リーチ状態となったときに特別な演出画像を表示するリーチ演出を行なう変動パターンを示している。
また、前述したように、「スーパーリーチ」は、「ノーマルリーチ」と比べて大当りとなるときに選択される割合が高く、大当りとなる信頼度が高い変動パターンである。さらに、「スーパーリーチ」は、「ノーマルリーチ」と比べて変動時間が長い(たとえば、ノーマルリーチ10秒、スーパーリーチ30秒)変動パターンである。なお、ノーマルリーチのA,Bの符号、および、スーパーリーチのA,Bの符号はリーチ演出の種類を示しており、ノーマルリーチA<ノーマルリーチB<スーパーリーチA<スーパーリーチBとなるような関係で大当り期待度が高いことを示している。
「はずれ」は、変動表示の最終的な表示結果が「はずれ」の表示結果となる変動パターンである。「通常大当り」は、変動表示の最終的な表示結果が「通常大当り」の表示結果となる変動パターンである。「確変大当り」は、変動表示の最終的な表示結果が「確変大当り」の表示結果となる変動パターンである。
これらの情報に基づいて、たとえば、「変動パターン」の欄に示された「スーパーリーチA はずれ (30秒)」という変動パターンは、「はずれ表示結果となる変動時間が30秒のスーパーリーチAの変動パターン」であることが示される。
図8のテーブルで「ランダム2範囲」および「変動パターン種別」という記載がされた欄は、「ランダム2範囲」と「変動パターン種別」との関係を示す変動パターン種別判定テーブル部としての機能を示す欄である。たとえば、図8(a)を例にとれば、「通常」、「ノーマルリーチ」、「スーパーリーチ」というような複数の変動パターン種別のそれぞれに、ランダム2(1〜251)のすべての値が複数の数値範囲に分けて割振られている。たとえば、図8(a)を例にとれば、所定のタイミングで抽出したランダム2の値が1〜251の乱数値のうち、140〜229に割振られた判定値のいずれかの数値と合致すると、変動パターン種別として「ノーマルリーチ」とすることが決定される。
また、図8のテーブルで「ランダム3範囲」および「変動パターン」という記載がされた欄は、「ランダム3範囲」と「変動パターン」との関係を示す変動パターン判定テーブル部としての機能を示す欄である。変動パターン種別判定テーブルの各種別に対応して示されている変動パターンが、各種別に属する変動パターンである。たとえば、図8(a)を例にとれば、「ノーマルリーチ」の種別に属する変動パターンは、「ノーマルリーチA はずれ」および「ノーマルリーチB はずれ」である。
各変動パターン種別に対応する複数の変動パターンのそれぞれに、ランダム3(1〜220)のすべての値が、複数の数値範囲に分けて割振られている。たとえば、図8(a)を例にとれば、「ノーマルリーチ」の変動パターン種別とすることが決定されたときに、所定のタイミングで抽出したランダム3が1〜220の乱数値のうち、1〜140に割振られた判定値のいずれかの数値と合致すると、変動パターンとして、「ノーマルリーチA はずれ (10秒)」の変動パターンとすることが決定される。
第1特別図柄または第2特別図柄について変動表示結果がはずれとなるときには、変動パターンを決定するために、次のように判定テーブルを選択する。非時短状態において、変動表示結果がはずれとなるときには、図8(a)の通常状態はずれ時判定テーブルを選択する。一方、時短状態において、変動表示結果がはずれとなるときには、図8(b)の時短状態はずれ時判定テーブルを選択する。なお、図8(a),図8(b)の判定テーブルを用いることで、保留数に関わらず、通常状態はずれ時、時短状態はずれ時でのリーチ割合を一定にしている。
また、時短状態であるか否かにかかわらず第1特別図柄または第2特別図柄について変動表示結果が大当りとなるときには、変動パターンを決定するために、次のように判定テーブルを選択する。変動表示結果が通常大当りとなるときには、図8(c)の通常大当り時判定テーブルを選択する。時短状態であるか否かにかかわらず変動表示結果が確変大当りとなるときには、図8(d)の確変大当り時判定テーブルを選択する。
図8(b)の時短状態はずれ時判定テーブルでは、図8(a)の通常状態はずれ時判定テーブルと比べて、リーチ変動(ノーマルリーチ変動およびスーパーリーチ変動を含む)よりも変動時間が短い通常変動(非リーチはずれ変動(リーチとならずにはずれ表示結果となる変動))に決定される割合が高く、通常変動よりも変動時間が長いリーチ変動に決定される割合が低くなるように、データが設定されている。さらに、通常変動の変動パターンとして、図8(b)の時短状態はずれ時判定テーブルでは、図8(a)の通常状態はずれ時判定テーブルと比べて、変動時間が短い変動パターンが設定されている。
これにより、非時短状態(通常状態)のときと比べて、時短状態のときの方が、変動時間が短い変動パターンが選択される割合が高いので、時短状態のときの方が、非時短状態のときよりも平均的に短い変動時間で変動表示が行なわれることとなる。このように判定テーブルを選択することにより時短状態を実現することができる。また、通常変動を非時短状態よりも時短状態ときの方が変動時間が短くなるように設定することで、時短状態中の保留消化を短縮することができる。
また、はずれとなるときに選択される図8(a)および図8(b)の判定テーブルでは、リーチの種別の選択割合がノーマルリーチ>スーパーリーチとなるような高低関係で選択されるようにデータが設定されている。一方、大当りとなるときに選択される図8(c)および図8(d)の判定テーブルでは、リーチの種別の選択割合がノーマルリーチ<スーパーリーチというような割合の高低関係で選択されるようにデータが設定されている。これにより、大当りとなるときには、はずれとなるときと比べて、スーパーリーチのリーチ演出が行なわれる割合(リーチが選択されるときにおけるスーパーリーチのリーチ演出が占める割合)が高くなるので、スーパーリーチのリーチ演出が行なわれることにより、遊技者の期待感を高めることができる。
また、大当りのうち確変大当りとなるときに選択される図8(d)の判定テーブルでは、大当りのうち通常大当りとなるときに選択される図8(c)の判定テーブルと比べて、ノーマルリーチに対してスーパーリーチ演出の種別が選択される割合が高くなるようにデータが設定されている。これにより、確変大当りとなるときには、通常大当りとなるときと比べて、スーパーリーチのリーチ演出が行なわれる割合(リーチが選択されるときにおけるスーパーリーチのリーチ演出が占める割合)が高くなるので、スーパーリーチのリーチ演出が行なわれることにより、遊技者の確変大当りへの期待感を高めることができる。
なお、このような変動パターンは、変動表示をする第1特別図柄および第2特別図柄の合算保留記憶数(合計値)が所定数以上であるとき(たとえば、合算保留記憶数が3以上)と、所定数未満であるときとで選択割合が異なるように設定されることにより、合算保留記憶数が所定数以上であるときには、合算保留記憶数が所定数未満であるときと比べて、変動時間が短縮される保留数短縮制御を実行するようにしてもよい。ただし、保留数短縮制御が実行される条件下でも(たとえば、合算保留記憶数が3以上)リーチ(ノーマルリーチ、スーパーリーチ含む)の割合を一定にすることで、リーチに対する期待感が保たれる。また、リーチの中でもスーパーリーチBのみ変動時間が短縮されないようにして、保留数時短制御を実行するようにしてもよい。さらに、保留数時短制御は変動時間が短い通常変動が高い割合で選択されるようにすることで実行可能としてもよく、各変動パターン自体の変動時間を短くすることで実行可能としてもよいし、その組合せでもよい。
図9は、遊技制御用マイクロコンピュータ560が送信する演出制御コマンドの内容の一例を示す説明図である。遊技制御用マイクロコンピュータ560においては、図9に示すように、遊技制御状態に応じて、各種の演出制御コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100へ送信する。
図9のうち、主なコマンドを説明する。コマンド80XX(H)は、特別図柄の変動表示に対応して演出表示装置9において変動表示される飾り図柄(演出図柄)の変動パターンを指定する演出制御コマンド(変動パターンコマンド)である(それぞれ変動パターンXXに対応)。複数の変動パターンのそれぞれに対して一意な番号を付した場合に、その番号で特定される変動パターンのそれぞれに対応する変動パターンコマンドがある「(H)」は16進数であることを示す。また、変動パターンを指定する演出制御コマンドは、変動開始を指定するためのコマンドでもある。したがって、演出制御用CPU101は、コマンド80XX(H)を受信すると、演出表示装置9において演出図柄の変動表示を開始するように制御する。
コマンド8C01(H)〜8C03(H)は、大当りとするか否か、および大当り種別を示す表示結果指定コマンドである。
コマンド8D01(H)は、第1特別図柄の変動表示を開始することを示す第1図柄変動指定コマンドである。コマンド8D02(H)は、第2特別図柄の変動表示を開始することを示す第2図柄変動指定コマンドである。コマンド8F00(H)は、第1,第2特別図柄の変動を終了することを指定するコマンド(図柄確定指定コマンド)である。
コマンドA001〜A002(H)は、大当りの種別(通常大当り、または、確変大当り)ごとに大当り遊技状態の開始を指定する大当り開始指定コマンドである。
コマンドA1XX(H)は、XXで示す回数目(ラウンド)の大入賞口開放中の表示を示す大入賞口開放中指定コマンドである。A2XX(H)は、XXで示す回数目(ラウンド)の大入賞口開放後(閉鎖)を示す大入賞口開放後指定コマンドである。
コマンドA301〜A302(H)は、大当りの種別(通常大当り、または、確変大当り)ごとに大当り遊技状態の終了を指定する大当り終了指定コマンドである。
コマンドA401(H)は、第1始動入賞があったことを指定する第1始動入賞指定コマンドである。コマンドA402(H)は、第2始動入賞があったことを指定する第2始動入賞指定コマンドである。
コマンドB000(H)は、遊技状態が通常状態(低確率状態)であることを指定する通常状態指定コマンドである。コマンドB001(H)は、遊技状態が時短状態(高ベース状態)であることを指定する時短状態指定コマンドである。コマンドB002(H)は、遊技状態が確変状態(高確率状態)であることを指定する確変状態指定コマンドである。
コマンドC0XX(H)は、第1保留記憶数と第2保留記憶数との合計数(合算保留記憶数)を指定する合算保留記憶数指定コマンドである。コマンドC0XX(H)における「XX」が、合算保留記憶数を示す。コマンドC100(H)は、合算保留記憶数を1減算することを指定する演出制御コマンド(合算保留記憶数減算指定コマンド)である。なお、この実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、合算保留記憶数を減算する場合には合算保留記憶数減算指定コマンドを送信するが、合算保留記憶数減算指定コマンドを使用せず、合算保留記憶数を減算するときに、減算後の合算保留記憶数を指定する合算保留記憶数指定コマンドを送信するようにしてもよい。
なお、この実施の形態では、保留記憶数を指定するコマンドとして、合算保留記憶数を指定する合算保留記憶数指定コマンドを送信する場合を示しているが、第1保留記憶と第2保留記憶とのうち増加した方の保留記憶数を指定するコマンドを送信するように構成してもよい。具体的には、第1保留記憶が増加した場合に第1保留記憶数を指定する第1保留記憶数指定コマンドを送信し、第2保留記憶が増加した場合に第2保留記憶数を指定する第2保留記憶数指定コマンドを送信するようにしてもよい。
コマンドC2XX(H)およびコマンドC3XX(H)は、第1始動入賞口13または第2始動入賞口14への始動入賞時における大当り判定、大当り種別判定、変動パターン種別判定等の入賞時判定結果の内容を示す演出制御コマンドである。このうち、コマンドC2XX(H)は、入賞時判定結果のうち、大当りとなるか否か、および、大当りの種別の判定結果を示す図柄指定コマンドである。また、コマンドC3XX(H)は、入賞時判定結果のうち、変動パターン種別判定用乱数の値がいずれの判定値の範囲となるかの判定結果(変動パターン種別の判定結果)を示す変動種別コマンドである。
この実施の形態では、後述する入賞時演出処理(図14参照)において、遊技制御用マイクロコンピュータ560が、始動入賞時に、大当りとなるか否か、大当りの種別、変動パターン種別判定用乱数の値がいずれの判定値の範囲となるかを判定する。そして、図柄指定コマンドのEXTデータに、大当りとなることを指定する値、および、大当りの種別を指定する値を設定し、演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行なう。また、変動種別コマンドのEXTデータに変動パターン種別の判定結果としての判定値の範囲を指定する値を設定し、演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行なう。この実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ100が、図柄指定コマンドに設定されている値に基づいて、表示結果が大当りとなるか否か、大当りの種別を認識できるとともに、変動種別コマンドに基づいて、変動パターン種別を認識できる。
図10は、遊技制御用マイクロコンピュータ560における保留記憶バッファの構成例を示す説明図である。
図10(A)は、保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)の構成例を示す説明図である。保留特定領域は、RAM55に形成(RAM55内の領域である)され、図10(A)に示すように、合算保留記憶数を計数する合計保留記憶数カウンタの値の最大値(この例では8)に対応した領域が確保されている。図10(A)には、合計保留記憶数カウンタの値が5である場合の例が示されている。
図10(A)に示すように、保留特定領域には、第1始動入賞口13または第2始動入賞口14への入賞に基づいて入賞順に「第1」または「第2」であることを示すデータがセットされる。したがって、保留特定領域には、第1始動入賞口13および第2始動入賞口14への入賞順を特定可能なデータが記憶される。なお、保留特定領域は、RAM55に形成されている。
図10(B)は、保留記憶に対応する乱数等を保存する保存領域(保留記憶バッファ)の構成例を示す説明図である。図10(B)に示すように、第1保留記憶バッファには、第1保留記憶数の上限値(この例では4)に対応した保存領域が確保されている。また、第2保留記憶バッファには、第2保留記憶数の上限値(この例では4)に対応した保存領域が確保されている。第1保留記憶バッファおよび第2保留記憶バッファは、RAM55に形成されている。第1保留記憶バッファおよび第2保留記憶バッファには、ハードウェア乱数である大当り判定用乱数(ランダムR)、および、ソフトウェア乱数である大当り種別決定用乱数(ランダム1)、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)、および、変動パターン判定用乱数(ランダム3)が記憶される。
第1始動入賞口13または第2始動入賞口14への入賞に基づいて、CPU56は、乱数回路503およびソフトウェア乱数を生成するためのランダムカウンタからこのような乱数値を抽出し、それらを、第1保留記憶バッファまたは第2保留記憶バッファにおける保存領域に保存(格納)する処理を実行する。具体的に、第1始動入賞口13への入賞に基づいて、これら乱数値が抽出されて第1保留記憶バッファに保存される。また、第2始動入賞口14への入賞に基づいて、これら乱数値が抽出されて第2保留記憶バッファに保存される。
このように第1保留記憶バッファまたは第2保留記憶バッファに前述のような始動入賞に関する情報が記憶されることを「保留記憶される」と示す場合がある。なお、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)および変動パターン判定用乱数(ランダム3)は、始動入賞時において抽出して保存領域に予め格納しておくのではなく、後述する変動パターン設定処理(特別図柄の変動開始時)に抽出するようにしてもよい。
このように保留特定領域および保存領域に記憶されたデータは、後述するように、始動入賞時に読出されて先読み予告演出のために用いられるとともに、変動表示開始時に読出されて変動表示のために用いられる。
第1始動入賞口13または第2始動入賞口14への始動入賞があったときには、図柄指定コマンド、変動種別コマンド、および、合算保留記憶数指定コマンドという3つのコマンドを1セットとして、主基板31から演出制御基板80へと送信される。演出制御用マイクロコンピュータ100のRAM103に設けられた始動入賞時受信コマンドバッファには、受信した図柄指定コマンド、変動種別コマンド、および、合算保留記憶数指定コマンド等の各種コマンドを対応付けて格納できるように、受信したコマンドを特定可能なデータを記憶する記憶領域が確保されている。
この実施の形態において、第1特別図柄および第2特別図柄の変動表示に対応して行なわれる演出図柄の演出制御パターンは、複数種類の変動パターンに対応して、演出図柄の変動表示動作、リーチ演出等における演出表示動作、あるいは、演出図柄の変動表示を伴わない各種の演出動作というような、様々な演出動作の制御内容を示すデータ等から構成されている。また、予告演出制御パターンは、予め複数パターンが用意された予告パターンに対応して実行される予告演出となる演出動作の制御内容を示すデータ等から構成されている。各種演出制御パターンは、パチンコ遊技機1における遊技の進行状況に応じて実行される各種の演出動作に対応して、その制御内容を示すデータ等から構成されている。
次に、パチンコ遊技機1の動作について説明する。パチンコ遊技機1においては、主基板31における遊技制御用マイクロコンピュータ560が予め定められたメイン処理を実行すると、所定時間(たとえば2ms)毎に定期的にタイマ割込がかかりタイマ割込処理が実行されることにより、各種の遊技制御が実行可能となる。
メイン処理においては、たとえば、必要な初期設定処理、通常時の初期化処理、通常時以外の遊技状態復旧処理、乱数回路設定処理(乱数回路503を初期設定)、表示用乱数更新処理(変動パターンの種別決定、変動パターン決定等の各種乱数の更新処理)、および、初期値用乱数更新処理(普通図柄当り判定用乱数発生カウンタのカウント値の初期値の更新処理)等が実行される。
図11は、タイマ割込処理を示すフローチャートである。タイマ割込が発生すると、CPU56は、図11に示すステップS(以下、単に「S」と示す)20〜S34のタイマ割込処理を実行する。タイマ割込処理において、まず、電源断信号が出力されたか否か(オン状態になったか否か)を検出する電源断検出処理を実行する(S20)。次いで、入力ドライバ回路58を介して、ゲートスイッチ32a、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14aおよびカウントスイッチ23の検出信号を入力し、それらの状態判定を行なう(スイッチ処理:S21)。
次に、CPU56は、第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8b、普通図柄表示器10、第1特別図柄保留記憶表示器18a、第2特別図柄保留記憶表示器18b、普通図柄保留記憶表示器41の表示制御を行なう表示制御処理を実行する(S22)。第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8bおよび普通図柄表示器10については、S32,S33で設定される出力バッファの内容に応じて各表示器に対して駆動信号を出力する制御を実行する。
また、遊技制御に用いられる普通図柄当り判定用乱数および大当り種別判定用乱数等の各判定用乱数を生成するための各カウンタのカウント値を更新する処理を行なう(判定用乱数更新処理:S23)。CPU56は、さらに、初期値用乱数および表示用乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する処理を行なう(初期値用乱数更新処理,表示用乱数更新処理:S24,S25)。
さらに、CPU56は、特別図柄プロセス処理を行なう(S26)。特別図柄プロセス処理では、第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8bおよび大入賞口を所定の順序で制御するための特別図柄プロセスフラグにしたがって該当する処理を実行し、特別図柄プロセスフラグの値を、遊技状態に応じて更新する。
次いで、普通図柄プロセス処理を行なう(S27)。普通図柄プロセス処理では、CPU56は、普通図柄表示器10の表示状態を所定の順序で制御するための普通図柄プロセスフラグにしたがって該当する処理を実行し、普通図柄プロセスフラグの値を、遊技状態に応じて更新する。
また、CPU56は、演出制御用マイクロコンピュータ100に演出制御コマンドを送出する処理を行なう(演出制御コマンド制御処理:S28)。さらに、CPU56は、たとえばホール管理用コンピュータに供給される大当り情報、始動情報、確率変動情報等のデータを出力する情報出力処理を行なう(S29)。
また、CPU56は、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14aおよびカウントスイッチ23の検出信号に基づく賞球個数の設定等を行なう賞球処理を実行する(S30)。
この実施の形態では、出力ポートの出力状態に対応したRAM領域(出力ポートバッファ)が設けられているのであるが、CPU56は、出力ポートの出力状態に対応したRAM領域におけるソレノイドのオン/オフに関する内容を出力ポートに出力する(S31:出力処理)。
また、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値に応じて特別図柄の演出表示を行なうための特別図柄表示制御データを特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する特別図柄表示制御処理を行なう(S32)。
さらに、CPU56は、普通図柄プロセスフラグの値に応じて普通図柄の演出表示を行なうための普通図柄表示制御データを普通図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する普通図柄表示制御処理を行なう(S33)。また、CPU56は、出力バッファに設定された表示制御データに応じて、S22において駆動信号を出力することによって、普通図柄表示器10における普通図柄の演出表示を実行する。
その後、割込許可状態に設定し(S34)、処理を終了する。以上の制御によって、この実施の形態では、遊技制御処理は所定時間毎に起動されることになる。
図12は、特別図柄プロセス処理(S26)を示すフローチャートである。特別図柄プロセス処理では第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bおよび大入賞口を制御するための処理が実行される。特別図柄プロセス処理においては、始動口スイッチ通過処理を実行する(S311)。そして、内部状態に応じて、S300〜S307のうちのいずれかの処理を行なう。
S300〜S307の処理は、以下のような処理である。
特別図柄通常処理(S300)は、変動表示の表示結果を大当りとするか否かの決定、および、大当りとする場合の大当り種別の決定等を行なう処理である。変動パターン設定処理(S301)は、変動パターンの決定および変動時間タイマの計時開始等の制御を行なう処理である。
表示結果指定コマンド送信処理(S302)は、演出制御用マイクロコンピュータ100に、表示結果指定コマンドを送信する制御を行なう処理である。特別図柄変動中処理(S303)は、変動パターン設定処理で選択された変動パターンの変動時間が経過すると、特別図柄停止処理にプロセスを進める処理である。特別図柄停止処理(S304)は、決定された変動パターンに対応する変動時間の経過が変動時間タイマにより計時されたときに第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bにおける変動表示を停止して停止図柄を導出表示させる処理である。
大入賞口開放前処理(S305)は、大当りの種別に応じて、特別可変入賞球装置20において大入賞口を開放する制御等を行なう処理である。大入賞口開放中処理(S306)は、大当り遊技状態中のラウンド表示の演出制御コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御や大入賞口の閉成条件の成立を確認する処理等を行なう処理である。大入賞口の閉成条件が成立し、かつ、まだ残りラウンドがある場合には、大当り終了処理に移行する。大当り終了処理(S307)は、大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を演出制御用マイクロコンピュータ100に行なわせるための制御等を行なう処理である。
図13は、S311の始動口スイッチ通過処理を示すフローチャートである。始動入賞判定処理において、CPU56は、まず、第1始動口スイッチ13aがオン状態であるか否かを確認する(S1211)。第1始動口スイッチ13aがオン状態でなければ、S1222に移行する。第1始動口スイッチ13aがオン状態であれば、CPU56は、第1保留記憶数が上限値に達しているか否か(具体的には、第1保留記憶数をカウントするための第1保留記憶数カウンタの値が4であるか否か)を確認する(S1212)。第1保留記憶数が上限値に達していれば、S1222に移行する。
第1保留記憶数が上限値に達していなければ、CPU56は、第1保留記憶数カウンタの値を1増やす(S1213)とともに、合算保留記憶数をカウントするための合算保留記憶数カウンタの値を1増やす(S1214)。また、CPU56は、図10で説明した第1始動入賞口13および第2始動入賞口14への入賞順を記憶するための保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)において、合算保留記憶数カウンタの値に対応した領域に、「第1」を示すデータをセットする(S1215)。
この実施の形態では、第1始動口スイッチ13aがオン状態となった場合(すなわち、第1始動入賞口13に遊技球が始動入賞した場合)には「第1」を示すデータをセットし、第2始動口スイッチ14aがオン状態となった場合(すなわち、第2始動入賞口14に遊技球が始動入賞した場合)には「第2」を示すデータをセットする。たとえば、CPU56は、図8に示す保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)において、第1始動口スイッチ13aがオン状態となった場合には「第1」を示すデータとして01(H)をセットし、第2始動口スイッチ14aがオン状態となった場合には「第2」を示すデータとして02(H)をセットする。なお、この場合、対応する保留記憶がない場合には、保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)には、00(H)がセットされている。
図10(A)に示すように、保留特定領域には、合算保留記憶数カウンタの値の最大値(この例では8)に対応した領域が確保されており、第1始動入賞口13または第2始動入賞口14への入賞に基づき入賞順に「第1」または「第2」であることを示すデータがセットされる。したがって、保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)には、第1始動入賞口13および第2始動入賞口14への入賞順番が記憶される。
次いで、CPU56は、乱数回路503やソフトウェア乱数を生成するためのカウンタから値を抽出し、それらを、第1保留記憶バッファ(図10(B)参照)における保存領域に格納する処理を実行する(S1216)。S1216の処理では、大当り判定用乱数(ランダムR)、大当り種別決定用乱数(ランダム1)、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)、および、変動パターン判定用乱数(ランダム3)が抽出され、保存領域に格納される。
次いで、CPU56は、検出した始動入賞に基づく変動がその後実行されたときの変動表示結果や変動パターン種別を始動入賞時に予め判定する入賞時演出処理を実行する(S1217)。そして、CPU56は、入賞時演出処理の判定結果に基づいて、図柄指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行なう(S1218)とともに、変動種別コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行なう(S1219)。また、CPU56は、第1始動入賞指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行なう(S1220)とともに、合算保留記憶数カウンタの値をEXTデータに設定して合算保留記憶数指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行なう(S1221)。
S1218,S1219の処理を実行することによって、この実施の形態では、遊技状態(高確率状態、低確率状態、高ベース状態、低ベース状態、大当り遊技状態等の遊技状態)にかかわらず、第1始動入賞口13に始動入賞するごとに、必ず図柄指定コマンドおよび変動種別コマンドの両方が、演出制御用マイクロコンピュータ100に送信される。
また、この実施の形態では、S1218〜S1221の処理が実行されることによって、第1始動入賞口13への始動入賞が発生したときに、図柄指定コマンド、変動種別コマンド、第1始動入賞指定コマンドおよび合算保留記憶数指定コマンドの4つのコマンドのセットが1タイマ割込内に一括して送信される。
次いで、CPU56は、第2始動口スイッチ14aがオン状態であるか否かを確認する(S1222)。第2始動口スイッチ14aがオン状態でなければ、そのまま処理を終了する。第2始動口スイッチ14aがオン状態であれば、CPU56は、第2保留記憶数が上限値に達しているか否か(具体的には、第2保留記憶数をカウントするための第2保留記憶数カウンタの値が4であるか否か)を確認する(S1223)。第2保留記憶数が上限値に達していれば、そのまま処理を終了する。
第2保留記憶数が上限値に達していなければ、CPU56は、第2保留記憶数カウンタの値を1増やす(S1224)とともに、合算保留記憶数をカウントするための合算保留記憶数カウンタの値を1増やす(S1225)。また、CPU56は、保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)において、合算保留記憶数カウンタの値に対応した領域に、「第2」を示すデータをセットする(S1226)。
次いで、CPU56は、乱数回路503やソフトウェア乱数を生成するためのカウンタから値を抽出し、それらを、第2保留記憶バッファ(図10(B)参照)における保存領域に格納する処理を実行する(S1227)。なお、S1227の処理では、大当り判定用乱数(ランダムR)、大当り種別決定用乱数(ランダム1)、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)、および、変動パターン判定用乱数(ランダム3)が抽出され、保存領域に格納される。
次いで、CPU56は、入賞時演出処理を実行する(S1228)。そして、CPU56は、入賞時演出処理の判定結果に基づいて図柄指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行なう(S1229)とともに、変動種別コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行なう(S1230)。また、CPU56は、第2始動入賞指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行なう(S1231)とともに、合算保留記憶数カウンタの値をEXTデータに設定して合算保留記憶数指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行なう(S1232)。
S1229,S1230の処理を実行することによって、この実施の形態では、遊技状態(高確率状態、低確率状態、高ベース状態、低ベース状態、大当り遊技状態等の遊技状態)CPU56は、第2始動入賞口14に始動入賞するごとに、必ず図柄指定コマンドおよび変動種別コマンドの両方を演出制御用マイクロコンピュータ100に対して送信する。
また、この実施の形態では、S1229〜S1232の処理が実行されることによって、第2始動入賞口14への始動入賞が発生したときに、図柄指定コマンド、変動種別コマンド、第2始動入賞指定コマンドおよび合算保留記憶数指定コマンドの4つのコマンドのセットが1タイマ割込内に一括して送信される。
図14は、S1217,S1228の入賞時演出処理を示すフローチャートである。入賞時演出処理では、CPU56は、まず、S1216,S1227で抽出した大当り判定用乱数(ランダムR)と図7(A)の左欄に示す通常時の大当り判定値とを比較し、それらが一致するか否かを確認する(S220)。この実施の形態では、特別図柄および演出図柄の変動を開始するタイミングで、特別図柄通常処理において大当りとするか否か、および大当り種別を決定したり、変動パターン設定処理において変動パターン(変動パターン種別の決定も含む)を決定したりするのであるが、それとは別に、遊技球が第1始動入賞口13または第2始動入賞口14に始動入賞したタイミングで、その始動入賞に基づく変動表示が開始される前に、入賞時演出処理を実行することによって、予め大当りとなるか否か、および、大当りの種別、変動パターンを先読み判定する。そのようにすることによって、演出図柄の変動表示が実行されるより前に予め変動表示結果を予測し、後述するように、入賞時の判定結果に基づいて、演出制御用CPU101によって演出図柄の変動表示中に大当りとなること(大当りとなる可能性)を予告する先読み予告を実行する。
なお、この実施の形態では、第1特別図柄の変動表示および第2特別図柄の変動表示の両方を対象として先読み予告を実行する例を説明するが、低ベース状態中は第1特別図柄のみを対象として先読み予告を実行可能とし、高ベース状態中は第2特別図柄のみを対象として先読み予告を実行可能とするようにしてもよい。
大当り判定用乱数(ランダムR)が通常時の大当り判定値と一致しなければ(S220のN)、CPU56は、遊技状態が確変状態(高確率状態)であることを示す確変フラグがセットされているか否かを確認する(S221)。確変フラグがセットされていれば、CPU56は、S1216,S1227で抽出した大当り判定用乱数(ランダムR)と図7(A)の右欄に示す確変時の大当り判定値とを比較し、それらが一致するか否かを確認する(S222)。
大当り判定用乱数(ランダムR)が確変時の大当り判定値とも一致しなければ(S222のN)、CPU56は、「はずれ」となることを示すEXTデータを図柄指定コマンドに設定する処理を行なう(S223)。これにより、「はずれ」となることを示す図柄指定コマンドが始動入賞時に出力されることとなる。
S220またはS222で大当り判定用乱数(ランダムR)が大当り判定値と一致した場合には、CPU56は、S1216,S1227で抽出した大当り種別決定用乱数(ランダム1)に基づいて大当りの種別を判定する(S224)。この場合、CPU56は、第1始動入賞口13への始動入賞があった場合(S1217の入賞時演出処理を実行する場合)には、図7(B)に示す大当り種別判定テーブル(第1特別図柄用)を用いて大当り種別が「通常大当り」、または、「確変大当り」のいずれとなるかを判定する。また、第2始動入賞口14への始動入賞があった場合(S1228の入賞時演出処理を実行する場合)には、図7(C)に示す大当り種別判定テーブル(第2特別図柄用)を用いて大当り種別が「通常大当り」、または、「確変大当り」のいずれとなるかを判定する。
次に、CPU56は、大当り種別の判定結果に応じたEXTデータを図柄指定コマンドに設定する処理を行なう(S225)。たとえば、「通常大当り」となると判定した場合に、CPU56は、「通常大当り」となることを示すEXTデータを図柄指定コマンドに設定する処理を行なう。また、「確変大当り」となると判定した場合に、CPU56は、「確変大当り」となることを示すEXTデータを図柄指定コマンドに設定する処理を行なう。これにより、大当りとなるときは、始動入賞時に、「通常大当り」、または、「確変大当り」となることを示す図柄指定コマンドが出力されることとなる。
次に、CPU56は、S1216,S1227で抽出した変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)を用いて、S223、S225で設定された各表示結果、および、遊技状態に応じた変動パターンを判定する(S226)。たとえば、この実施形態では、大当りとなるか否か、および、時短状態であるか否かに応じて、変動パターン種別を決定するために用いるテーブルが異なっているので、S226では、変動パターンの判定対象となる保留記憶データについて、時短フラグ(時短状態に制御されるときにセットされるフラグ)のような遊技状態を示すデータに基づいて、当該保留記憶データに基づく変動表示が実行されるときの遊技状態を認識し、当該保留記憶データに基づく変動表示の表示結果等に基づいて、前記した変動パターンの決定に用いるテーブルを選択し、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)を用いて変動パターンを判定する。
そして、CPU56は、決定結果に応じたEXTデータを変動種別コマンドに設定する処理を行なう(S227)。これにより、始動入賞時には、変動種別を示す変動種別コマンドが出力されることとなる。
なお、始動入賞時にS221により確変状態であるか否かを確認してから、実際にその始動入賞に基づく変動表示が開始されるまでの間には、複数回の変動表示が実行される可能性がある。そのため、S221で確変状態であるか否かを確認してから、実際にその始動入賞に基づく変動表示が開始されるまでの間に遊技状態が変化している(たとえば、変動回数により遊技状態が変わる場合に、変動回数が100回までと100回より後とで確変状態から通常状態へと遊技状態が変化している。)場合がある。そのため、始動入賞時にS222で判定する遊技状態と変動開始時に判定する遊技状態とは、必ずしも一致するとは限らない。そのような不一致を防止するため、現在記憶している保留記憶内の遊技状態の変更を伴うものを特定して、変更後の遊技状態に基づいて始動入賞時の判定を行なうようにしてもよい。また、大当りの判定対象となる保留記憶データについて、確変回数カウンタ、および、時短回数カウンタのような遊技状態を示すデータに基づいて、当該保留記憶データに基づく変動表示が実行されるときの遊技状態を認識して、当該保留記憶データに基づく変動表示の表示結果等に基づいて、前記した変動パターンの決定に用いるテーブルを選択し、大当り種別判定用乱数(ランダムR)を用いて大当り判定をするようにしてもよい。
また、始動入賞時に時短状態であるか否かを確認してもよい。このような場合には、実際にその始動入賞に基づく変動表示が開始されるまでの間には、複数回の変動表示が実行される可能性がある。よって、時短状態であるか否かを確認してから、実際にその始動入賞に基づく変動表示が開始されるまでの間に遊技状態が変化している(たとえば、変動回数により遊技状態が変わる場合に、変動回数が100回までと100回より後とで時短状態から通常状態へと遊技状態が変化している。)場合がある。そのため、始動入賞時に判定する遊技状態と変動開始時に判定する遊技状態とは、必ずしも一致するとは限らない。そのような不一致を防止するため、現在記憶している保留記憶内の遊技状態の変更を伴うものを特定して、変更後の遊技状態に基づいて始動入賞時の判定を行なうようにしてもよい。また、変動パターンの判定対象となる保留記憶データについて、時短回数カウンタのような遊技状態を示すデータに基づいて、当該保留記憶データに基づく変動表示が実行されるときの遊技状態を認識して、当該保留記憶データに基づく変動表示の表示結果等に基づいて、前記した変動パターンの決定に用いるテーブルを選択し、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)を用いて変動パターン種別を判定するようにしてもよい。
図15は、特別図柄プロセス処理における特別図柄通常処理(S300)を示すフローチャートである。特別図柄通常処理において、CPU56は、第1保留記憶バッファまたは第2保留記憶バッファに保留記憶データがあるかどうかを確認する(S51)。第1保留記憶バッファおよび第2保留記憶バッファのどちらにも保留記憶データがない場合には、処理を終了する。
第1保留記憶バッファまたは第2保留記憶バッファに保留記憶データがあるときには、CPU56は、保留特定領域(図10(A)参照)に設定されているデータのうち1番目のデータが「第1」を示すデータであるか否か確認する(S52)。保留特定領域に設定されている1番目のデータが「第1」を示すデータでない(すなわち、「第2」を示すデータである)場合(S52のN)、CPU56は、特別図柄ポインタ(第1特別図柄について特別図柄プロセス処理を行なっているのか第2特別図柄について特別図柄プロセス処理を行なっているのかを示すフラグ)に「第2」を示すデータを設定する(S53)。保留特定領域に設定されている1番目のデータが「第1」を示すデータである場合(S52のY)、CPU103は、特別図柄ポインタに「第1」を示すデータを設定する(S54)。
この実施の形態では、以下、特別図柄ポインタに「第1」を示すデータが設定されたか「第2」を示すデータが設定されたかに応じて、第1特別図柄表示器8aにおける第1特別図柄の変動表示と、第2特別図柄表示器8bにおける第2特別図柄の変動表示とを、共通の処理ルーチンを用いて実行する。特別図柄ポインタに「第1」を示すデータが設定されたときには、第1保留記憶バッファに記憶された保留記憶データに基づいて、第1特別図柄表示器8aにおける第1特別図柄の変動表示が行なわれる。一方、特別図柄ポインタに「第2」を示すデータが設定されたときには、第2保留記憶バッファに記憶された保留記憶データに基づいて、第2特別図柄表示器8bにおける第2特別図柄の変動表示が行なわれる。
S52〜S54の処理が実行されることによって、この実施の形態では、第1始動入賞口13と第2始動入賞口14とに遊技球が入賞した始動入賞順にしたがって、第1特別図柄の変動表示または第2特別図柄の変動表示が実行される。
次いで、CPU56は、RAM55において、特別図柄ポインタが示す方の保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読出してRAM55の保留記憶バッファに格納する(S55)。具体的には、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合には、第1保留記憶バッファにおける第1保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読出してRAM55の保留記憶バッファに格納する。また、CPU56は、特別図柄ポインタが「第2」を示している場合には、第2保留記憶バッファにおける第2保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読出してRAM55の保留記憶バッファに格納する。
そして、CPU56は、特別図柄ポインタが示す方の保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し、かつ、各保存領域の内容をシフトする(S56)。具体的には、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合には、第1保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し、かつ、第1保留記憶バッファにおける各保存領域の内容をシフトする。また、特別図柄ポインタが「第2」を示している場合に、第2保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し、かつ、第2保留記憶バッファにおける各保存領域の内容をシフトする。
すなわち、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合に、RAM55の第1保留記憶バッファにおいて第1保留記憶数=n(n=2,3,4)に対応する保存領域に格納されている各乱数値を、第1保留記憶数=n−1に対応する保存領域に格納する。また、特別図柄ポインタが「第2」を示す場合に、RAM55の第2保留記憶バッファにおいて第2保留記憶数=n(n=2,3,4)に対応する保存領域に格納されている各乱数値を、第2保留記憶数=n−1に対応する保存領域に格納する。また、CPU56は、保留特定領域において合算保留記憶数=m(m=2〜8)に対応する保存領域に格納されている値(「第1」または「第2」を示す値)を、合算保留記憶数=m−1に対応する保存領域に格納する。よって、各第1保留記憶数(または、各第2保留記憶数)に対応するそれぞれの保存領域に格納されている各乱数値が抽出された順番は、常に、第1保留記憶数(または、第2保留記憶数)=1,2,3,4の順番と一致するようになっている。また、各合算保留記憶数に対応するそれぞれの保存領域に格納されている各値が抽出された順番は、常に、合算保留記憶数=1〜8の順番と一致するようになっている。
RAM55に形成され合算保留記憶数を計数する合計保留記憶数カウンタのカウント値を1減算する(S57)。なお、CPU56は、カウント値が1減算される前の合算保留記憶数カウンタの値をRAM55の所定の領域に保存する。
特別図柄通常処理では、最初に、第1始動入賞口13を対象として処理を実行することを示す「第1」を示すデータすなわち第1特別図柄を対象として処理を実行することを示す「第1」を示すデータ、または第2始動入賞口14を対象として処理を実行することを示す「第2」を示すデータすなわち第2特別図柄を対象として処理を実行することを示す「第2」を示すデータが、特別図柄ポインタに設定される。そして、特別図柄プロセス処理における以降の処理では、特別図柄ポインタに設定されているデータに応じた処理が実行される。よって、S300〜S307の処理を、第1特別図柄を対象とする場合と第2特別図柄を対象とする場合とで共通化することができる。
次いで、CPU56は、保留記憶バッファからランダムR(大当り判定用乱数)を読出し、大当り判定モジュールを実行する(S61)。なお、この場合、CPU56は、始動口スイッチ通過処理のS1216や始動口スイッチ通過処理のS1227で抽出し第1保留記憶バッファや第2保留記憶バッファに予め格納した大当り判定用乱数を読出し、大当り判定を行なう。大当り判定モジュールは、予め決められている大当り判定値(図7参照)と大当り判定用乱数とを比較し、それらが一致したら大当りとすることに決定する処理を実行するプログラムである。すなわち、大当り判定の処理を実行するプログラムである。
大当り判定の処理では、遊技状態が確変状態(高確率状態)の場合は、遊技状態が非確変状態(通常遊技状態)の場合よりも、大当りとなる確率が高くなるように構成されている。具体的には、予め大当り判定値の数が多く設定されている確変時大当り判定テーブル(ROM54における図7(A)の右側の数値が設定されているテーブル)と、大当り判定値の数が確変時大当り判定テーブルよりも少なく設定されている通常時大当り判定テーブル(ROM54における図7(A)の左側の数値が設定されているテーブル)とが設けられている。そして、CPU56は、遊技状態が確変状態であるか否かを確認し、遊技状態が確変状態であるときは、確変時大当り判定テーブルを使用して大当り判定の処理を行ない、遊技状態が通常遊態や時短状態であるときは、通常時大当り判定テーブルを使用して大当り判定の処理を行なう。すなわち、CPU56は、大当り判定用乱数(ランダムR)の値が図7(A)に示すいずれかの大当り判定値に一致すると、特別図柄に関して大当りとすることに決定する。大当りとすることに決定した場合には(S61のY)、S71に移行する。なお、大当りとするか否か決定するということは、大当り遊技状態に移行させるか否か決定するということであるが、特別図柄表示器における停止図柄を大当り図柄とするか否か決定するということでもある。
なお、現在の遊技状態が確変状態であるか否かの確認は、確変フラグがセットされているか否かにより行なわれる。確変フラグは、遊技状態を確変状態に移行するときにセットされ、確変状態を終了するときにリセットされる。具体的に、確変フラグは、確変大当りとなったときに、大当り終了処理(図12のS307)においてセットされ、その後、次回の大当りが決定されたという条件、または、はずれ表示結果となる変動表示が所定回数(たとえば100回)が実行されたという条件が成立したときに、特別図柄の変動表示を終了して停止図柄を停止表示するタイミングでリセットされる。
大当り判定用乱数(ランダムR)の値がいずれの大当り判定値にも一致しなければ(S61のN)、後述するS75に進む。
S61において大当り判定用乱数(ランダムR)の値がいずれかの大当り判定値に一致すればCPU56は、大当りであることを示す大当りフラグをセットする(S71)。なお、大当りフラグは、大当り遊技が終了するときにリセットされる。そして、大当り種別を複数種類のうちのいずれかに決定するために使用するテーブルとして、図7(B)の第1特別図柄大当り種別判定用テーブルおよび図7(C)の第2特別図柄大当り種別判定用テーブルのうち、いずれかのテーブルを選択する(S72)。具体的に、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合には、図7(B)に示す第1特別図柄大当り種別判定用テーブルを選択する。また、CPU56は、特別図柄ポインタが「第2」を示している場合において、図7(C)の第2特別図柄大当り種別判定用テーブルを選択する。
次いで、CPU56は、始動口スイッチ通過処理で抽出し第1保留記憶バッファや第2保留記憶バッファに予め格納した大当り種別判定用乱数を読出し、S72で選択した大当り種別判定テーブルを用いて、保留記憶バッファに格納された大当り種別判定用の乱数(ランダム1)の値と一致する値に対応した大当り種別および大当り図柄を決定する(S73)。
図7(B),(C)に示すように、第1特別図柄および第2特別図柄については、大当り種別ごとに大当り図柄が異なるように大当り種別と大当り図柄との関係が設定されており、大当り種別と大当り図柄とが同時に決定されるので、大当り図柄と、大当り種別に応じた遊技制御との対応関係が単純化するため、遊技制御の複雑化を防ぐことができる。
また、CPU56は、決定した大当りの種別を示す大当り種別データをRAM55における大当り種別バッファに設定する(S74)。たとえば、大当り種別が「通常大当り」の場合には、大当り種別データとして「01」が設定される。大当り種別が「確変大当り」の場合には、大当り種別データとして「02」が設定される。
次いで、CPU56は、特別図柄の停止図柄を設定する(S75)。具体的には、大当りフラグがセットされていない場合には、はずれ図柄となる「−」を特別図柄の停止図柄として設定する。大当りフラグがセットされている場合には、大当り種別の決定結果に応じて、S73により決定された大当り図柄を特別図柄の停止図柄に設定する。すなわち、大当り種別が「確変大当り」に決定されたときには「7」を特別図柄の停止図柄に設定する。大当り種別が「通常大当り」に決定した場合には「3」を特別図柄の停止図柄に決定する。
そして、特別図柄プロセスフラグの値を変動パターン設定処理(S301)に対応した値に更新する(S76)。
次に、演出制御用マイクロコンピュータ100の動作を説明する。図16は、演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ100(具体的には、演出制御用CPU101)が実行する演出制御メイン処理を示すフローチャートである。
演出制御用CPU101は、電源が投入されると、演出制御メイン処理の実行を開始する。演出制御メイン処理では、まず、RAM領域のクリアや各種初期値の設定、また演出制御の起動間隔(たとえば、2ms)を決めるためのタイマの初期設定等を行なうための初期化処理を行なう(S701)。その後、演出制御用CPU101は、タイマ割込フラグの監視(S702)を行なうループ処理に移行する。タイマ割込が発生すると、演出制御用CPU101は、タイマ割込処理においてタイマ割込フラグをセットする。演出制御メイン処理において、タイマ割込フラグがセットされていたら、演出制御用CPU101は、そのフラグをクリアし(S703)、以下の演出制御処理を実行する。
演出制御処理において、演出制御用CPU101は、まず、受信した演出制御コマンドを解析し、受信した演出制御コマンドがどのようなことを指示するコマンドであるかを特定可能なフラグ等のデータをセットする処理(たとえば、RAM102に設けられた各種コマンド格納領域に受信したコマンドを特定可能なデータを格納する処理等)等を行なう(コマンド解析処理:S704)。次いで、演出制御用CPU101は、演出制御プロセス処理を行なう(S705)。演出制御プロセス処理では、S704で解析した演出制御コマンドの内容にしたがって演出表示装置9での演出図柄の変動表示等の各種演出を行なうために、制御状態に応じた各プロセスのうち、現在の制御状態(演出制御プロセスフラグ)に対応した処理を選択して演出制御を実行する。
次いで、演出制御用マイクロコンピュータ100が用いる乱数(演出図柄の左停止図柄決定用のSR1−1、演出図柄の中停止図柄決定用のSR1−2、演出図柄の右停止図柄決定用のSR1−3、先読み予告実行決定用のSR2、演出内容決定用のSR3を含む各種乱数)を生成するためのカウンタのカウント値を更新する乱数更新処理を実行する(S706)。このような乱数SR1−1〜SR3のそれぞれは、ソフトウェアによりカウント値を更新するランダムカウンタのカウントにより生成されるものであり、それぞれについて予め定められた範囲内でそれぞれ巡回更新され、それぞれについて定められたタイミングで抽出されることにより乱数として用いられる。その後、S702に移行する。
このような演出制御メイン処理が実行されることにより、演出制御用マイクロコンピュータ100では、遊技制御用マイクロコンピュータ560から送信され、受信した演出制御コマンドに応じて、演出表示装置9、各種ランプ、および、スピーカ27L,27R等の演出装置を制御することにより、遊技状態に応じた各種の演出制御が行なわれる。
図17は、演出制御基板で用いる乱数を示す図である。SR1−1〜SR1−3は、演出図柄の変動表示結果である停止図柄として、演出表示装置9の表示領域における「左」、「中」、「右」の各図柄表示エリアに停止表示される演出図柄(最終停止図柄)を決定するために用いられる乱数である。なお、最終停止図柄は、演出図柄の変動表示が終了する時点で「左」、「中」、「右」の図柄表示エリアそれぞれにおいて最終的に停止表示される3つの演出図柄のことである。なお、演出図柄の大当り図柄の組合せは、SR1−1〜SR1−3のうちのいずれか1個の乱数によって決定される。
先読み予告実行決定用乱数SR2は、後述する図19の先読み予告決定テーブルに示すように、先読み予告を実行するか実行しないかを決定するために用いる乱数である。演出内容決定用乱数SR3は、後述する図20の演出内容決定テーブルに示すように、複数種類の演出の中からいずれの演出内容にするかを決定するために用いる乱数である。
SR1−1〜SR3のそれぞれはS706の乱数更新処理において予め定められたタイミングで、図中に示された計数範囲内において繰返し加算更新される。たとえば、SR1−1が33msecごと、SR1−2がSR1−1の桁上げごと、SR1−3がSR1−2の桁上げごとにそれぞれ加算更新され、0から更新されてその上限である9まで更新された後再度0から更新される。
図18は、図16に示された演出制御メイン処理における演出制御プロセス処理(S705)を示すフローチャートである。演出制御プロセス処理では、演出制御用CPU101は、S791の処理を行なった後、演出制御プロセスフラグの値に応じてS800〜S807のうちのいずれかの処理を行なう。各処理において、以下のような処理を実行する。なお、演出制御プロセス処理では、演出表示装置9の表示状態が制御され、演出図柄の変動表示が実現されるが、第1特別図柄の変動に同期した演出図柄の変動表示に関する制御も、第2特別図柄の変動に同期した演出図柄の変動表示に関する制御も、一つの演出制御プロセス処理において実行される。
先読み予告処理(S791)は、先読み予告演出を実行するか否かの判定、および、先読み予告を実行するときに、先読み予告の演出態様の決定等の処理を行なう。S791の具体的な処理内容については、図21を用いて後述する。
変動パターンコマンド受信待ち処理(S800)は、遊技制御用マイクロコンピュータ560から変動パターンコマンドを受信しているか否か確認する処理等を行なう処理である。変動パターンコマンドを受信していれば、演出図柄変動開始処理に移行する。
演出図柄変動開始処理(S801)は、演出図柄(飾り図柄)の変動表示が開始されるように制御するための処理である。演出図柄変動中処理(S802)は、変動パターンを構成する各変動状態(変動速度)の切替えタイミングを制御する処理等を行なう処理である。演出図柄変動停止処理(S803)は、演出図柄(飾り図柄)の変動表示を停止し、変動表示の表示結果(最終停止図柄)を導出表示する制御を行なう処理である。
大当り表示処理(S804)は、変動時間の終了後、演出表示装置9に大当りの発生を報知するためのファンファーレ演出を表示する制御等の表示制御を行なう処理である。ラウンド中処理(S805)は、ラウンド中の表示制御を行なう処理である。ラウンド終了条件が成立したときに、最終ラウンドが終了していなければ、ラウンド後処理に移行し、最終ラウンドが終了していれば、大当り終了処理に移行する。ラウンド後処理(S806)は、ラウンド間の表示制御を行なう処理である。ラウンド開始条件が成立したら、ラウンド中処理に移行する。大当り終了演出処理(S807)は、演出表示装置9において、大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を行なう処理である。
演出制御用CPU101は、変動表示の開始時から変動表示の停止時まで、および、大当り遊技状態の開始時から大当り遊技状態の終了時までの予め定められた演出制御期間中において、ROM102に格納されたプロセステーブルに設定されているプロセスデータにしたがって演出表示装置9等の演出装置(演出用部品)の制御を行なう。
プロセステーブルは、プロセスタイマ設定値と、表示制御実行データ、ランプ制御実行データおよび音番号データの組合せが複数集まったデータとで構成されている。表示制御実行データには、演出図柄(飾り図柄)の変動表示の変動時間(変動表示時間)中の変動態様を構成する各変動の態様を示すデータ等が記載されている。具体的には、演出表示装置9の画像表示領域9aの変更に関わるデータが記載されている。また、プロセスタイマ設定値には、その変動の態様での変動時間が設定されている。演出制御用CPU101は、プロセステーブルを参照し、プロセスタイマ設定値に設定されている時間だけ表示制御実行データに設定されている変動の態様で演出図柄を表示させる制御を行なう。このようなプロセステーブルは、各変動パターンに応じて用意されている。
図19は、先読み予告決定テーブルを示す説明図である。先読み予告決定テーブルは、表示結果が大当りとなるときとはずれとなるときとで、異なる割合で先読み予告決定用の乱数SR2(1〜90個の範囲)の値が割振られている。SR2については、説明を明確化するために割振られた乱数値の個数が示されている。
演出制御CPU101は、所定のタイミングでSR2の値を抽出し、先読み予告決定テーブルにおいて、その抽出値が「実行する」と「実行しない」とのどちらに属するかに基づいて、先読み予告を「実行する」か、「実行しない」かを決定する。
図19(A)の大当り時先読み予告決定テーブルでは、所定のタイミングで抽出したSR2の値によって先読み予告を実行する場合に60個の乱数値が割振られており、先読み予告を実行しない場合に30個の乱数値が割振られている。つまり、表示結果が大当りの場合には、先読み予告を実行しないことよりも先読み予告を実行することが高い割合で選択されるようになっている。図19(B)のはずれ時先読み予告決定テーブルでは、所定のタイミングで抽出したSR2の値によって先読み予告を実行する場合に30個の乱数値が割振られており、先読み予告を実行しない場合に60個の乱数値が割振られている。つまり、表示結果がはずれの場合には、先読み予告を実行することよりも先読み予告を実行しないことが高い割合で選択されるようになっている。よって、表示結果が大当りとなる期待度が高いほど先読み予告が実行されやすくなるので、遊技者は先読み予告に対して期待を持つことができる。
なお、大当りとなるかはずれとなるかで先読み予告の実行割合(乱数値の割振り)が変化するのではなく、スーパーリーチ等の変動パターンに基づいて、先読み予告の実行割合が異なるようにしてもよい。また、通常大当り、確変大当り等の大当りの種類によって、先読み予告の実行割合が異なるようにしてもよい。
図20は、演出内容決定テーブルを示す説明図である。演出内容決定テーブルは、表示結果が大当りとなるときとはずれとなるときとで、異なる割合で演出内容決定用の乱数SR3(1〜85個の範囲)の値が割振られている。なお、SR3については、説明を明確化するために割振られた乱数値の個数が示されている。図20に示すように、演出内容として、保留表示器46の保留表示態様および可動部材45の動作の有無が同時に決定される。保留表示の態様としては、青保留で表示(低期待度)される場合と赤保留で表示(高期待度)される場合とがある。
図20(A)の大当り時演出内容決定テーブルでは、次のように複数種類の演出内容のそれぞれにSR3の値が割振られている。保留表示態様を青保留表示、かつ、可動部材45の動作無に5個の乱数値が割振られている。保留表示態様を青保留表示、かつ、可動部材45の動作有に10個の乱数値が割振られている。保留表示態様を赤保留表示、かつ、可動部材45の動作無に20個の乱数値が割振られている。保留表示態様を赤保留表示、かつ、可動部材45の動作有に50個の乱数値が割振られている。つまり、表示結果が大当りの場合には、青保留よりも赤保留で表示される割合が高く、可動部材45の動作は無よりも有に決定される割合が高い。
図20(B)のはずれ時演出内容決定テーブルでは、次のように複数種類の演出内容のそれぞれにSR3の値が割振られている。保留表示態様を青保留表示、かつ、可動部材45の動作無に50個の乱数値が割振られている。保留表示態様を青保留表示、かつ、可動部材45の動作有に20個の乱数値が割振られている。保留表示態様を赤保留表示、かつ、可動部材45の動作無に10個の乱数値が割振られている。保留表示態様を赤保留表示、かつ、可動部材45の動作有に5個の乱数値が割振られている。つまり、表示結果がはずれの場合には、保留表示が赤保留よりも青保留で表示される割合が高く、可動部材45の動作は有よりも無に決定される割合が高い。
よって、保留表示の態様によって可動部材45が動作する期待度が異なる。具体的には、保留表示の態様として赤保留で表示することが選択された場合には、青保留で表示することが選択されたときよりも可動部材45が動作する期待度が高い(はずれの場合では、赤保留の出現頻度は低いが、出現した場合には、青保留より可動部材45が動作する割合が高い)。このように保留表示の態様で可動部材45が動作する期待度が異なるので、保留表示の態様によって遊技者に可動部材45が動作することに対する期待感を持たせることができる。また、保留表示態様が赤保留で表示され、可動部材45の動作が有となる場合が、最も大当り期待度が高く、保留表示態様が青保留で表示され、可動部材45の動作が無となる場合が、最も大当り期待度が低い。なお、変動表示の表示結が大当りのときには、赤保留である場合に、青保留である場合よりも可動部材45が動作する期待度が高くし、はずれとなる場合には、青保留である場合に、赤保留である場合よりも可動部材45が動作する期待度を高くしてもよい。
なお、このように一回の乱数抽選で保留表示の色と可動部材45の動作の有無を決定するのではなく、可動部材45の動作の有無を決定してから、その決定に基づいて、保留表示の色を決定するようにしてもよい。また、保留表示の色を決定してから、その決定に基づいて、可動部材45の動作の有無を決定するようにしてもよい。また、演出制御用マイクロコンピュータ100側で可動部材45の動作の有無と保留表示の色を決定するのではなく、遊技制御用マイクロコンピュータ560側で可動部材45の動作の有無を決定し、その決定に基づいて、出制御用マイクロコンピュータ100側で保留表示の色を決定するようにしてもよい。なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560側で可動部材45の動作の有無を決定する場合は、たとえばスーパーリーチの変動パターンに決定された場合において、可動部材45の動作の有無が所定の割合で決定されるようにすればよい。
図21は前述の先読み予告処理(S791)を示すフローチャートである。先読み予告処理において、演出制御用CPU101は、まず、始動入賞時受信コマンドバッファにおける記憶内容をチェックし、新たに、合算保留記憶数指定コマンド、図柄指定コマンド(始動入賞時の表示結果を指定するコマンド)、および変動種別コマンド(始動入賞時の変動パターン種別を指定するコマンド)を受信しているか否かを判定する(S719)。これらのコマンドが、始動入賞時受信コマンドバッファに無ければ処理を終了する。一方、新たにこれらのコマンドを受信していれば、変動種別コマンドに基づいて新たな保留記憶がスーパーリーチの変動パターンであるか否かを判定する(S720)。
ここで、始動入賞時受信コマンドバッファについて具体的に説明する。演出制御用CPU101は、始動入賞時に受信した順番でコマンドを特定するデータを始動入賞時受信コマンドバッファの空き領域における先頭から格納していく。始動入賞時受信コマンドバッファの空き領域、すなわち、データが格納されていない領域のデータは、「0000(H)」である。始動入賞時には、図柄指定コマンド、変動種別コマンド、始動入賞指定コマンド、および、合算保留記憶数指定コマンドの順にコマンド送信が行なわれる。したがって、コマンド受信が正常に行なわれれば、バッファ番号「1」〜「8」のそれぞれに対応する格納領域に、図柄指定コマンド、変動種別コマンド、始動入賞指定コマンド、および、合算保留記憶数指定コマンドの順に格納されていくことになる。
また、始動入賞時受信コマンドバッファには、バッファ番号「1」〜「8」のそれぞれに対応する格納領域として、バッファ番号「1」〜「8」のそれぞれに格納された保留記憶に関するデータに対応して、次に示すような先読み判定済情報を格納するための記憶領域が設けられている。
始動入賞時受信コマンドバッファに格納された図柄指定情報等の所定のデータに基づいて、大当り表示結果になるか否かについての先読み判定が行なわれる。先読み判定が行なわれたときに、先読み判定済情報がデータ「1」にセットされる。以下の説明においては、各種の情報やフラグがデータ「1」にセットされることをオン状態にセットされるともいう。
さらに、始動入賞時受信コマンドバッファには、バッファ番号「1」〜「8」のそれぞれに対応する格納領域として、バッファ番号「1」〜「8」のそれぞれに格納された保留記憶に関するデータに対応して、上述した先読み判定の結果、先読み予告を実行すると決定した場合には、先読み予告実行中フラグがデータ「1」にセットされる。なお、先読み予告実行中フラグは、初期状態においてデータ「0」(以下、オフ状態ともいう)にセットされるものとする。以下の説明において、大当り判定フラグをデータ「1」から初期状態のデータ「0」に戻すことを「リセットする」という。
さらに、始動入賞時受信コマンドバッファには、バッファ番号「1」〜「8」のそれぞれに対応する格納領域として、バッファ番号「1」〜「8」のそれぞれに格納された保留記憶に関するデータに対応して、保留記憶に対応する保留表示の表示態様を特別態様(通常の白保留表示とは異なる、青保留表示、赤保留表示)に変化することを決定したかどうかのデータを格納するための記憶領域が設けられている。また、可動部材45を変動開始時動作させるか否かのデータも保留表示の態様と関連付けられて記憶される。
始動入賞時受信コマンドバッファにおける先読み判定済情報の確認について具体的に説明すると、S719では、図柄指定コマンドの情報に基づいて先読み予告判定をしていない保留記憶の判定結果(確変大当り、通常大当り、はずれ)を認識する。そして、S719の判定対象となった保留記憶の先読み判定済情報に、先読み予告判定済を示すデータ「1」をセットする。このように、先読み予告判定済を示すデータがセットされるので、当該データを除いて、先読み予告判定がされていない保留記憶情報が生じるごとに先読み予告判定を行なうことができる。なお、先読み予告の判定対象となる保留記憶がS719の処理の時点で複数存在する場合には、S719の処理を繰返して、すべての保留記憶を対象に判定を行なうようにしてもよい。
S720において、新たな保留記憶がスーパーリーチの変動パターンである場合には、新たな保留記憶に基づく変動表示の表示結果が大当りであるか否かを判定する(S721)。新たな保留記憶に基づく変動表示の表示結果が大当りである場合には、SR2を抽出し、その抽出値に基づいて図19(A)の大当り時先読み予告決定テーブルを用いて先読み予告を実行するかしないかを決定する(S722)。次いで、S723において、S722の決定結果に基づいて先読み予告を実行するか否かを判定する。
S723において先読み予告を実行すると判定された場合には、SR3を抽出し、その抽出値に基づいて図20(A)の大当り時演出内容決定テーブルを用いて演出内容を決定する(S724)。次いで、S725の処理へ移行する。
S721において、新たな保留記憶の表示結果が大当りでない場合(はずれの場合)には、SR2を抽出し、その抽出値に基づいて図19(B)のはずれ時先読み予告決定テーブルを用いて先読み予告を実行するかしないかを決定する(S728)。次いで、S729において、S728の決定結果に基づいて先読み予告を実行するか否かを判定する。
S729において先読み予告を実行すると判定された場合には、SR3を抽出し、その抽出値に基づいて図20(B)のはずれ時演出内容決定テーブルを用いて演出内容を決定する(S730)。次いで、S725の処理へ移行する。
S725では、S724またはS730で決定された演出内容の決定結果を始動入賞時受信コマンドバッファに新たに記憶する。そして、今回始動入賞した新たな保留記憶をS724またはS730で決定された先読み予告演出の内容(赤保留または青保留で保留表示を行なう)を保留表示器46で表示し、処理を終了する。
また、S720において、新たな保留記憶がスーパーリーチの変動パターンで無いと判定された場合(ノーマルリーチ、非リーチはずれの変動パターンであると判定された場合)には、新たな保留記憶を通常態様で保留表示器46に表示し、処理を終了する。
図22は、演出制御プロセス処理における演出図柄変動開始処理(S801)を示すフローチャートである。演出図柄変動開始処理において、演出制御用CPU101は、次のような処理を行なう。
演出図柄変動開始処理においては、変動表示結果をはずれとすることに決定されているか否か確認する(S601)。はずれとすることに決定されているか否かは、たとえば、表示結果特定コマンド格納領域に表示結果1指定コマンドが格納されているか否かによって判定される。はずれとすることに決定されている場合には、変動パターンコマンドとして、非リーチ変動パターンに対応したコマンドを受信したか否か確認する(S602)。非リーチ変動パターンに対応したコマンドを受信したか否かは、たとえば、変動パターンコマンド格納領域に格納されているデータによって判定される。
非リーチ変動パターンに対応したコマンドを受信したと判定した場合、ROM102に格納されたはずれ図柄決定用データテーブルを用いて、リーチにならない(はずれの)表示結果を演出図柄の最終停止として決定し(S604)、S616へ進む。はずれ図柄決定用データテーブルでは、複数種類の演出図柄のそれぞれに、SR1−1〜SR1−3のそれぞれの数値データが対応付けられている。
S604の処理では、所定のタイミングでSR1−1〜SR1−3のそれぞれから数値データ(乱数)を抽出し、はずれ図柄決定用データテーブルを用い、抽出した数値データに対応する図柄がそれぞれ左,中,右の演出図柄の変動表示結果となる停止図柄の組合せとして決定される。このように非リーチはずれの図柄の組合せを決定する場合において、抽出された乱数に対応する停止図柄が偶然大当り図柄の組合せと一致する場合には、はずれ図柄の組合せとなるように補正(たとえば、右図柄を1図柄ずらす補正)して各停止図柄が決定される。また、抽出された乱数に対応する停止図柄が偶然リーチ図柄となってしまう場合には、非リーチはずれ図柄の組合せとなるように補正(たとえば、右図柄を1図柄ずらす補正)して各停止図柄が決定される。
S602の処理で非リーチ変動パターンではないと判定した場合(リーチ変動パターンであると判定した場合)は、リーチ図柄の組合せを構成する演出図柄の停止図柄を決定し(S605)、S616へ進む。S605の処理では、所定のタイミングでSR1−1〜SR1−3のそれぞれから数値データ(乱数)を抽出し、はずれ図柄決定用データテーブルを用い、SR1−1から抽出された乱数に対応する図柄がリーチ状態を形成する左,右の各演出図柄の停止図柄として決定され、SR1−2から抽出されたカウンタの値と合致する乱数に対応する図柄が中図柄の停止図柄として決定される。また、この場合も、偶然大当り図柄の組合せとなってしまうときには、はずれ図柄の組合せとなるように補正(たとえば、中図柄を1図柄ずらす補正)して各停止図柄が決定される。
また、S601の処理ではずれとすることに決定されていない場合(大当りとすることが決定された場合)に、演出制御用CPU101は、大当りの種別に応じて、大当り図柄の組合せを構成する演出図柄の停止図柄を決定し(S603)、S616へ進む。
S603では、次のように大当りの種別に応じて当り図柄の組合せを決定する。表示結果2指定コマンドと表示結果3指定コマンドとのうちのどの表示結果指定コマンドが表示結果特定コマンド格納領域に格納されているかに基づいて、確変大当りと、通常大当りとのうちから、大当りの種別を判定し、確変大当りにすることに決定されていると判定したときには、所定のタイミングでSR1−1から数値データ(乱数)を抽出し、SR1−1と確変大当り図柄の組合せ(たとえば、左,中,右が「7,7,7」等の奇数のゾロ目の組合せ)との関係が設定されたデータテーブル(確変大当り図柄決定用テーブル)を用いて、抽出値からいずれかの確変大当り図柄の組合せを選択決定する。また、通常大当りにすることに決定されていると判定したときには、所定のタイミングでSR1−1から数値データ(乱数)を抽出し、SR1−1と通常大当り図柄の組合せ(たとえば、左,中,右が「4,4,4」等の偶数のゾロ目の組合せ)との関係が設定されたデータテーブル(通常大当り図柄決定用テーブル)を用いて、抽出値からいずれかの通常大当り図柄の組合せを選択決定する。このように決定された図柄が大当り遊技状態に制御される前の変動表示結果である最終停止図柄として用いられる。
次に、変動表示における各種演出を設定するための処理(たとえば、可動部材45の動作決定等の処理)を行なう演出設定処理(S616)を実行した後、S617に進む。演出設定処理の処理内容については、図23を用いて後述する。
S617では、演出制御パターンを複数種類の演出制御パターンのうちのいずれかに決定する。S617においては、変動パターン指定コマンドによって指定された変動パターン、および、S616の処理で決定した演出の演出制御パターン等により指定された各種演出制御(演出動作)パターンに応じて、図柄変動制御パターンテーブルに格納されている複数種類の図柄変動制御パターンのうち、指定された各種演出動作パターンに対応するいずれかの演出制御パターンを使用パターンとして選択決定する。
ROM102に記憶されている制御パターンテーブルには、たとえば、演出図柄の変動が開始されてから最終停止図柄となる確定演出図柄が停止表示されるまでの期間における、演出表示装置9の表示領域における演出図柄の変動表示動作、リーチ演出における演出表示動作、および、予告演出における演出表示動作における演出表示動作といった各種の演出動作の制御内容を示すデータが、図柄変動制御パターンとして複数種類格納されている。
また、各図柄変動制御パターンは、たとえば、演出制御プロセスタイマ設定値、演出制御プロセスタイマ判定値、演出表示制御データ、音声制御データ、ランプ制御データ、および、終了コードといった、演出図柄の変動表示に応じた各種の演出動作を制御するための制御データを含み、時系列的に、各種の演出制御の内容、および、演出制御の切替えタイミング等が設定されている。
次いで、S617で選択した演出制御パターンに応じたプロセステーブルを選択する(S618)。そして、選択したプロセステーブルのプロセスデータ1におけるプロセスタイマ(演出設定プロセスタイマ)をスタートさせる(S619)。
S619の処理を実行したら、プロセスデータ1の内容(表示制御実行データ1、ランプ制御実行データ1、音番号データ1)にしたがって演出装置(演出用部品としての演出表示装置9、演出用部品としての各種ランプ、および、演出用部品としてのスピーカ27)の制御を開始する(S620)。たとえば、表示制御実行データにしたがって、演出表示装置9において変動パターンに応じた画像(演出図柄を含む。)を表示させるために、VDP109に指令を出力する。また、各種LED等の発光体を点灯/消灯制御を行なわせるために、ランプドライバ基板35に対して制御信号(ランプ制御実行データ)を出力する。また、スピーカ27からの音声出力を行なわせるために、音声出力基板70に対して制御信号(音番号データ)を出力する。
そして、変動時間タイマに、変動パターンコマンドで特定される変動時間に相当する値を設定し(S621)、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動中処理(S802)に対応した値にし、演出図柄変動開始処理を実行する(S622)。そして、演出図柄変動開始処理が終了する。
図23は、前述の演出設定処理(S616)を示すフローチャートである。演出設定処理においては、始動入賞時コマンドバッファを参照し、今回変動が実行される保留記憶であるターゲット変動の可動部材45の動作が、「有」として記憶されているか否かを判定する(S651)。「有」として記録されていなければ(「無」として記録されていれば)、処理を終了する。
S651において、「有」として記憶されていれば、今回実行されるターゲット変動において、可動部材45を特定パターンで動作することに決定して処理を終了する。ここで述べる特定パターンとは、ターゲット変動の変動開始時に可動部材45が出現し、変動中に可動部材45が元の位置に収納される動作パターンのことを示す。
なお、可動部材45が動作するタイミングを次のように設定してもよい。たとえば、ターゲット変動のリーチ開始時に可動部材45が動作するようにしてもよい。また、ターゲット変動のリーチが開始され、そのリーチがより大当り期待度の高いリーチへと発展する際に可動部材45が動作するようにしてもよい。
また、ターゲット変動の表示結果が大当り表示結果となることが決定されるとともに、可動部材45が動作有に決定されている場合にターゲット変動の終盤の時間(リーチ演出の後半等の時間)に可動部材45が動作するようにしてもよい。また、先読み予告演出として、ターゲット変動よりも前に実行される変動において、可動部材45が動作するようにしてもよい。
また、通常大当りの図柄で図柄停止すると見せかけた後に、通常大当りの図柄から確変大当りの図柄へと図柄を変更する(変更されない場合もある)、いわゆる再抽選演出が行なわれるときのタイミングで可動部材45が動作するようにしてもよい。また、大当り遊技中において、大当り遊技後の状態が確変状態に昇格することを示す演出である、いわゆる確変昇格演出が行なわれるときのタイミングで可動部材45が動作するようにしてもよい。さらに、大当り遊技中において、ラウンドがさらに継続することを示す演出である、いわゆるラウンド昇格演出が行なわるときのタイミングで可動部材45が動作するようにしてもよい。
また、ラウンド数が少なく(2回)、大入賞口の開放時間が極めて短い態様(0.5秒間開放)で大入賞口が開放されることにより、大当り遊技状態の終了後に確変状態となったことを報知する突然確変大当り(突確大当り)と、突確大当りと同様の開放回数および開放時間で大入賞口を開放するが、当り遊技終了後の大当り確率とベース状態とがともに、開始前に対して変更されない小当りとを備え、突確大当り遊技状態の終了後および小当り遊技状態の終了後において、確変状態となっていることを報知しない共通の演出が行なわれることにより、確変状態が潜伏しているような潜伏演出の実行中に確変状態であることを示す演出として、可動部材45が動作するようにしてもよい。
このように、可動部材45の動作タイミングを複数設定し、その中からターゲット変動の大当り期待度等に基づいて、動作タイミングが決定されるようにしてもよい。また、設定された複数の動作タイミングのうち、ターゲット変動の大当り期待度等に基づいて、可動部材45が複数回動作するようにしてもよい。
〔第2実施形態〕
図24は、第2実施形態における保留変化を示す説明図である。なお、保留変化とは、保留表示の態様が、保留表示がシフトするタイミングで変化することを示している。具体的な変化タイミング等については後述するが、始動入賞時に保留表示器46においてLEDで何らかの色で点灯された保留表示が、別の色で点灯することによって保留が変化する。
図24(a)に示すように、演出表示装置9を取囲むように設けられた飾り部材47の下方位置に、第1保留記憶数を表示する第1保留記憶表示部18cと、第2保留記憶数を表示する第2保留記憶表示部18dとが形成された保留表示器46が設けられている。第1保留記憶表示部18cには、LEDが2個点灯しており、保留記憶が2個あることが分かる。また、透明の樹脂で形成された球止め板49の後方(正面視奥方向)に可動部材45が位置している。演出表示装置9では、「左」、「中」、「右」の各図柄表示エリア91、92、93のぞれぞれで変動表示が実行される。
図24(a)の保留表示の状態から、図24(b),(c)へと保留表示が変化する場合と図24(d),(e)へと保留表示が変化する場合とについて説明する。図24(b),(c)へと保留表示が変化する場合は、図24(b)に示すように、演出表示装置9の画像表示領域9aにおいて変動実行中にハンマーを持ったキャラクタ95が登場する画像が表示される。そして、保留表示器46の上部のうち、LEDが点灯している保留表示の上方へキャラクタ95が移動する。さらに、図24(c)に示すように、演出表示装置9の画像表示領域9aにおいてキャラクタ95がハンマーを振り下ろす動作をする画像が表示されると、保留表示の態様が変化する。このように、図24(b),(c)へと保留が変化する場合は、演出制御用CPU101が演出表示装置9を制御することで、演出表示装置9の画像表示領域9aにおいて実行される演出画像が保留表示器46の保留表示に作用する。このように、保留表示に作用する演出を保留作用演出とし、保留作用演出のうち、演出表示装置9の画像表示領域9aに表示される演出画像が保留表示器46の保留表示に作用する演出を演出画像作用演出とする。
図24(d),(e)へと保留が変化する場合は、演出図柄の変動中に可動部材45が図24(a)に示すような演出表示装置9の下方位置にある収納状態から、図24(d)に示すように上方へ向けて移動する。さらに変動時間が経過すると、図24(e)に示すように可動部材45が、演出表示装置9の画像表示領域9aの前方位置に移動し、出現状態となる。そして、出現状態となった際に保留表示の態様が変化する。このように、図24(d),(e)へと保留が変化する場合は、演出制御用CPU101が可動部材用モータ50を制御し、可動部材45を演出表示装置9を制御することで、可動部材45の動作が保留表示に作用する。このように、保留表示に作用する演出を保留作用演出とし、保留作用演出のうち、可動部材45が保留表示に作用する演出を可動部材作用演出とする。
なお、保留表示に作用するとは、保留表示と重なるように表示(動作)することや、保留表示の近傍で表示(動作)することや、保留表示の遠方で表示(動作)するものでもよく、保留表示が変化することを認識できるように表示(動作)するものであればよい。
図25は、ターゲット変動可動部材動作用決定テーブルを示す説明図である。ターゲット変動可動部材動作用決定テーブルは、表示結果が大当りとなるときとはずれとなるときとで、異なる割合で可動部材45の動作決定用の乱数SR4(1〜60個の範囲)の値が割振られている。なお、SR4については、説明を明確化するために割振られた乱数値の個数が示されている。
演出制御CPU101は、所定のタイミングでSR4の値を抽出し、ターゲット変動可動部材動作用決定テーブルにおいて、その抽出値が「有」と「無」とのどちらに属するかに基づいて、可動部材45を「動作有とする」か、「動作無とする」かを決定する。
図25(A)の大当り時ターゲット変動可動部材動作用決定テーブルでは、所定のタイミングで抽出したSR4の値によって可動部材45の動作有となる場合に50個の乱数値が割振られており、可動部材45の動作無となる場合に10個の乱数値が割振られている。つまり、表示結果が大当りの場合には、可動部材45の動作無となるよりも可動部材45の動作有となることが高い割合で選択されるようになっている。図25(B)のはずれ時ターゲット変動可動部材動作用決定テーブルでは、所定のタイミングで抽出したSR4の値によって可動部材45の動作有となる場合に10個の乱数値が割振られており、可動部材45の動作無となる場合に50個の乱数値が割振られている。つまり、表示結果がはずれの場合には、可動部材45の動作有となるよりも可動部材45の動作無となることが高い割合で選択されるようになっている。
図26は、保留作用演出実行決定テーブルを示す説明図である。保留作用演出実行決定テーブルは、表示結果が大当りとなるときとはずれとなるときとで、異なる割合で保留作用演出決定用の乱数SR5(1〜95個の範囲)の値が割振られている。なお、SR5については、説明を明確化するために割振られた乱数値の個数が示されている。
演出制御CPU101は、所定のタイミングでSR5の値を抽出し、保留作用演出実行決定テーブルにおいて、その抽出値が「実行する」と「実行しない」とのどちらに属するかに基づいて、保留作用演出を「実行する」か、「実行しない」かを決定する。
図26(A)の大当り時保留作用演出決定テーブルでは、所定のタイミングで抽出したSR5の値によって保留作用演出を実行する場合に65個の乱数値が割振られており、保留作用演出を実行しない場合に30個の乱数値が割振られている。つまり、表示結果が大当りの場合には、保留作用演出を実行しない場合より、保留作用演出を実行する場合が高い割合で選択されるようになっている。図26(B)のはずれ時保留作用演出決定テーブルでは、所定のタイミングで抽出したSR5の値によって保留作用演出を実行する場合に30個の乱数値が割振られており、保留作用演出を実行しない場合に65個の乱数値が割振られている。つまり、表示結果がはずれの場合には、保留作用演出を実行する場合より、保留作用演出を実行しない場合が高い割合で選択されるようになっている。
図27は、作用演出内容決定テーブルを示す説明図である。作用演出内容決定テーブルは、表示結果が大当りとなるときとはずれとなるときとで、異なる割合で作用演出内容決定用の乱数SR6(1〜70個の範囲)の値が割振られている。なお、SR6については、説明を明確化するために割振られた乱数値の個数が示されている。
演出制御CPU101は、所定のタイミングでSR6の値を抽出し、作用演出内容決定テーブルにおいて、その抽出値により、「可動部材作用演出」を実行するか「演出画像作用演出」を実行するかを決定する。
図27(A)の大当り時作用演出内容決定テーブルでは、所定のタイミングで抽出したSR6の値によって可動部材作用演出を実行する場合に40個の乱数値が割振られており、演出画面作用演出を実行する場合に30個の乱数値が割振られている。つまり、表示結果が大当りの場合には、演出画面作用演出より、可動部材作用演出が高い割合で選択されるようになっている。図27(B)のはずれ時作用演出内容決定テーブルでは、所定のタイミングで抽出したSR6の値によって可動部材作用演出を実行する場合に30個の乱数値が割振られており、演出画面作用演出を実行する場合に40個の乱数値が割振られている。つまり、表示結果がはずれの場合には、可動部材作用演出より、演出画面作用演出が高い割合で選択されるようになっている。
図28は、変化パターン決定テーブルを示す説明図である。変化パターン決定テーブルは、表示結果が大当りとなるときとはずれとなるときとで、異なる割合で保留表示の変化パターン決定用の乱数SR7(1〜80個の範囲)の値が割振られている。なお、SR7については、説明を明確化するために割振られた乱数値の個数が示されている。
演出制御CPU101は、所定のタイミングでSR7の値を抽出し、変化パターン決定テーブルにおいて、その抽出値により、保留表示の変化パターンを「白→青」、「白→赤」、「青→赤」のうちいずれを実行するかを決定する。
図28(A)の大当り時変化パターン決定テーブルでは、所定のタイミングで抽出したSR7の値によって保留表示の変化パターンが白保留から青保留へ変化する場合に10個の乱数値が割振られており、白保留から赤保留へ変化する場合に20個の乱数値が割振られており、青保留から赤保留へ変化する場合に50個の乱数値が割振られている。つまり、表示結果が大当りの場合には、最初青保留で表示された保留表示が、その後赤保留へ変化する変化パターンが他の変化パターンより高い割合で選択されるようになっている。
図28(B)のはずれ時変化パターン決定テーブルでは、所定のタイミングで抽出したSR7の値によって保留表示の変化パターンが白保留から青保留へ変化する場合に50個の乱数値が割振られており、白保留から赤保留へ変化する場合に20個の乱数値が割振られており、青保留から赤保留へ変化する場合に10個の乱数値が割振られている。つまり、表示結果がはずれの場合には、最初白保留で表示された保留表示が、その後青保留へ変化する変化パターンが他の変化パターンより高い割合で選択されるようになっている。
図29は、変化タイミング決定テーブルを示す説明図である。変化タイミング決定テーブルは、合算保留数が1〜8の場合における保留表示の変化タイミングを示している。本実施の形態では、第1保留記憶表示部18cまたは第2保留記憶表示部18dに表示される保留記憶(保留情報)のうち最も左側の保留記憶から順番に消化されることにより、変動表示が順番に実行されていく。最も左側の保留記憶に基づく保留表示が消去されると、次の変動に基づく保留表示が最も左側へ表示される。このように、保留表示は所定のタイミングで次の保留表示の領域へ移動(シフト)する。そして、保留表示の変化タイミングは、保留表示がシフトするときである(保留表示のシフト回数)。図29のテーブルに示す数字は、保留表示が必ず変化するタイミングがいずれのタイミングであるかを合算保留記憶数ごとにパーセントで示しており、「−」はこのタイミングでは保留表示が変化しないことを示している。
たとえば、合算保留記憶数が3個のときには、保留表示の変化タイミングは、保留表示が3から2へシフトする場合に20パーセント、保留表示が2から1へシフトする場合に30パーセント、保留表示が1から0へシフトする場合に50パーセントの実行割合で保留変化が行なわれる。なお、合算保留記憶数が1のときは、保留表示がシフトすることがないので、保留表示が行なわれる入賞時に保留表示が変化する。図29のテーブルに示すように、保留表示は最も左側で表示される場合に変化する割合が最も高い。なお、保留表示の変化タイミングは、大当り表示結果となるかはずれ表示結果となるかにより、変化タイミングが異なるように実行割合を割振るようにしてもよい。
図30は、第2実施形態における先読み予告処理を示すフローチャートである。第2実施形態における先読み予告処理において、演出制御用CPU101は、まず、始動入賞時受信コマンドバッファにおける記憶内容をチェックし、その中に合算保留記憶数指定コマンド、図柄指定コマンド(始動入賞時の表示結果を指定するコマンド)、および変動種別コマンド(始動入賞時の変動パターン種別を指定するコマンド)を受信しているか否かを判定する(S740)。これらのコマンドが、始動入賞時受信コマンドバッファに無ければ処理を終了する。一方、これらのコマンドを受信していれば、変動種別コマンドに基づいて新たな保留記憶がスーパーリーチの変動パターンであるか否かを判定する(S741)。
始動入賞時受信コマンドバッファにおける先読み判定済情報の確認について具体的に説明すると、S740では、図柄指定コマンドの情報に基づいて先読み予告判定をしていない保留記憶の判定結果(確変大当り、通常大当り、はずれ)を認識する。そして、S740の判定対象となった保留記憶の先読み判定済情報に、先読み予告判定済を示すデータ「1」をセットする。このように、先読み予告判定済を示すデータがセットされるので、当該データを除いて、先読み予告判定がされていない保留記憶情報が生じるごとに先読み予告判定を行なうことができる。なお、先読み予告の判定対象となる保留記憶がS740の処理の時点で複数存在する場合には、S740の処理を繰返して、すべての保留記憶を対象に判定を行なうようにしてもよい。
新たな保留記憶がスーパーリーチの変動パターンである場合には、新たな保留記憶に基づく変動表示の表示結果が大当りであるか否かを判定する(S742)。新たな保留記憶に基づく変動表示の表示結果が大当りである場合には、SR4を抽出し、その抽出値に基づいて図25(A)の大当り時ターゲット変動可動部材動作用決定テーブルを用いて可動部材45を変動開始時に動作させるか否かを決定する(S743)。次いで、図26(A)の大当り時保留作用演出決定テーブルを用いて保留作用演出を実行するかしないかを決定する(S744)。次いで、S745において、S744の決定結果に基づいて保留作用演出を実行するか否かを判定する。
S745において保留作用演出を実行すると判定された場合には、SR6を抽出し、その抽出値に基づいて図27(A)の大当り時保留作用演出内容決定テーブルを用いて保留作用演出の内容を決定する(S746)。次いで、SR7を抽出し、その抽出値に基づいて図28(A)の大当り時変化パターン決定テーブルを用いて保留表示の変化パターンを決定する(S747)。次いで、S753の処理へ移行する。
S742において、新たな保留記憶の表示結果が大当りでない場合(はずれの場合)には、SR4を抽出し、その抽出値に基づいて図25(B)のはずれ時ターゲット変動可動部材動作用決定テーブルを用いて可動部材45を変動開始時に動作させるか否かを決定する(S748)。次いで、図26(B)のはずれ時保留作用演出決定テーブルを用いて保留作用演出を実行するかしないかを決定する(S749)。次いで、S750において、S749の決定結果に基づいて保留作用演出を実行するか否かを判定する。
S749において保留作用演出を実行すると判定された場合には、SR6を抽出し、その抽出値に基づいて図27(A)の大当り時保留作用演出内容決定テーブルを用いて保留作用演出の内容を決定する(S746)。次いで、SR7を抽出し、その抽出値に基づいて図28(B)のはずれ時変化パターン決定テーブルを用いて保留表示の変化パターンを決定する(S752)。次いで、S753の処理へ移行する。
S753では、図29の変化タイミング決定テーブルにより、合算保留記憶数に基づいて保留表示の変化タイミングを決定する。次いで、先読み予告処理において決定された種々の演出内容の決定結果を始動入賞時受信コマンドバッファに新たに記憶する。そして、今回始動入賞した新たな保留記憶をS747またはS752で決定された先読み予告演出の内容(白保留、青保留、赤保留のいずれかで保留表示する)で表示し、処理を終了する。
また、S741において、新たな保留記憶がスーパーリーチの変動パターンで無いと判定された場合(ノーマルリーチ、非リーチはずれの変動パターンであると判定された場合)には、新たな保留記憶を通常態様で表示し、処理を終了する。
なお、本実施の形態では、保留表示に作用する保留作用演出が実行されることによって保留表示の態様が必ず変化していたが、保留作用演出が実行されることによって保留表示が変化する場合と、保留作用演出が実行されずに保留表示が変化する場合との両方の場合が実行されるようにしてもよい。
図31は、第2実施形態における演出設定処理を示すフローチャートである。演出設定処理においては、まず、演出制御用CPU101は保留記憶バッファ(始動入賞時受信コマンドバッファ)内に変化する保留があるか否かを判定する(S660)。この判定は、S754で記憶されたデータに保留変化のデータがあるか否かに基づいて判定する。保留記憶バッファ内に変化する保留がある場合には、S754で記憶された保留変化タイミングのデータに基づき、保留変化タイミングか否かを判定する(S661)。
保留変化タイミングである場合には、S754で記憶された可動部材作用演出を実行するデータがあるか否かに基づき、可動部材作用演出を実行することが記憶されているか否かを判定する(S662)。可動部材作用演出を実行することが記憶されている場合には、可動部材45を作用させ、保留表示を変化させるパターンに決定する(S663)。次いで、S665の処理へ移行する。S662において、可動部材作用演出を実行することが記憶されていない場合には、演出画面作用演出を実行することが決定されているので(S754で記憶された演出画像作用演出を実行するデータに基づき)、S664において、演出画面を作用させ、保留表示を変化させる演出パターンに決定する。次いで、S665の処理へ移行する。
S660で、保留記憶バッファ内に変化する保留がないと判定された場合、S661で、保留変化タイミングではないと判定された場合には、S665の処理へ移行する。S665の処理では、今回変動が実行される保留記憶であるターゲット変動の可動部材45の動作が、「有」として始動入賞時受信コマンドバッファ内に記憶されているか否かを判定する。「有」として記録されていなければ(「無」として記録されていれば)、処理を終了する。
S665において、「有」として記憶されていれば、今回実行されるターゲット変動において、可動部材45を特定パターンで動作することに決定して処理を終了する。ここで述べる特定パターンとは、ターゲット変動の変動開始時に可動部材45が出現し、変動中に可動部材45が元の位置に収納される動作パターンのことを示す。
なお、第2実施形態に示すように、大当りとなるときには、可動部材45が動作する割合が高く、赤保留となる割合が高いので、結果的に赤保留で表示されたときには、他の保留表示態様となるときよりも可動部材45が動作する割合が高くなる。また、青保留で表示されるときは、白保留で表示(変化なし)されるときよりも可動部材45が動作する割合が高くなる。さらに、赤保留または青保留で表示されるときは、白保留で表示(変化なし)されるときよりも可動部材45が動作する割合が高くなる。
次に、前述した実施の形態により得られる主な効果を説明する。
(1) 図3に示すように、演出表示装置9の前方に保留表示器46が設けられ、演出表示装置9と保留表示器46の間に可動部材45が設けられている。また、図20に示すように、保留表示の態様によって、可動部材45の動作が実行される割合が異なる。たとえば、図20(A)に示すように、大当り時には、青保留よりも赤保留の方が可動部材45が動作する割合が高い。よって、保留表示の態様によって可動部材45が動く期待度が異なる。このような構成によれば、遊技者が視認しやすい保留表示の態様によって、遊技者に可動部材45が動くことに対して期待感を持たせることができる。
(2) 図3に示すように、保留表示器46は、パチンコ遊技機1の上下方向において演出表示装置9と重ならない位置に設けられている。よって、演出表示装置9の表示が保留表示器46により妨げられて興趣が低下してしまうことを抑制できる。
(3) 図24に示すように、保留表示器46の保留表示は、演出表示装置9に表示されるキャラクタ95が保留表示に作用する演出が実行されることで保留表示の態様が変化する。よって、遊技者に保留表示の態様が変化することを容易に認識させることができる。
(4) 図24に示すように、保留表示器46の保留表示は、可動部材45が動作し、保留表示に作用する演出が実行されることで保留表示の態様が変化する。よって、遊技者に保留表示の態様が変化することを容易に認識させることができる。
次に、以上に説明した実施の形態の変形例や特徴点等を以下に列挙する。
(1) 前述した実施の形態では、演出表示装置9の画像表示領域9aを極めて大きなサイズとした場合には、その前方に配置される保留表示器46によって、画面の下方の一部が隠れてしまう可能性がある。しかしながら、パチンコ遊技機1を正面から見たときの奥行き方向において、手前から、保留表示器46、可動部材45、演出表示装置9の順に各部品が配置されるものであれば、演出表示装置9の画像表示領域9aと重なる位置に保留表示器46を配設してもよく、あるいは画面とは重ならない位置に保留表示器46を配置してもよい。
(2) 前述した実施の形態では、パチンコ遊技機1を正面から見たときの奥行き方向において、手前から、保留表示器46、可動部材45、演出表示装置9の順に各部品が配置されるものであれば、可動部材45と保留表示器46とが上下方向に重なる位置に配置してもよく、重ならない位置に配置してもよい。
(3) 前述した実施の形態では、可動部材45の動作が実行されるときは、保留表示はターゲット保留のみ変化していたが、保留表示器46に表示されているターゲット保留を含むすべての保留が変化するようにしてもよい。そして、遊技者にターゲット保留がいずれの保留なのかを分からないようにした上で、ターゲット変動の変動開始時に可動部材45を動作させることで、今回の変動がターゲット変動であることを示唆するようにしてもよい。また、保留表示器46に表示されているターゲット保留を含むすべての保留が変化するときに可動部材45を動作させるようにしてもよい。
(4) 前述した実施の形態では、可動部材45の動作に第1の態様(単に揺れるなど控えめ(簡素)な動作等)と第2の態様(激しく上下に動く動作等)とを設けてもよい。そして、保留表示器46に表示されているターゲット保留を含むすべての保留を変化させた後、ターゲットの変動が開始されるまでの各変動の開始毎に、第1の態様で可動部材45を動かし、遊技者に対して期待を抱かせ、ターゲットの変動では、第1の態様の後で、さらに第2の態様で可動部材45を動かすようにしてもよい。
(5) 前述した実施の形態では、演出画面作用演出が実行されるときには、保留表示器46と演出表示装置9とを重なる位置にしてもよい。このようにすれば、キャラクタ95が保留表示の近くで保留表示に作用する演出を実行でき、演出がより連動し、遊技者に保留作用演出を分かりやすく示すことができる。
(6) 前述した実施の形態では、保留表示器46のLEDの発光色により、可動部材45の動作することに対する期待度が変化していた。保留表示器46は、LEDの発光色の違いではなく、常時点灯する、点滅する(点滅の期間が違う)などの点灯態様の違いにより、態様が異なるようにしてもよい。
(7) 前述した実施の形態では、演出表示装置9とは別に表示装置(画像表示装置)を設け、その表示装置上で保留表示が実行されるようにしてもよい。このように、別途設けられた表示装置により保留表示が実行される場合には、保留表示の色を変更するだけでなく、保留表示の形状や大きさを異ならせるようにしてもよい。
(8) 前述した実施の形態では、可動部材45は、収納位置において保留表示器46と正面視上下方向に重なる位置に配置されていたが、可動部材45が保留表示器46と重ならない位置に設けられてもよい。また、可動部材45は、下方から上方への移動だけではなく、上方から下方への移動や、左右への移動であってもよく、移動方法が大当り期待度によって異なるようにしてもよい。
(9) 前述した実施の形態では、保留表示器46が移動するようにしてもよい。また、演出表示装置9とは別に設けられた表示装置が移動するようにしてもよい。たとえば、別途設けられた表示装置は通常は、演出表示装置9と重なる位置にあるが、ターゲットとなる保留記憶の始動入賞があると離れた位置に変化するようにしてもよい。または、離れた位置から重なる位置に変化するようにしてもよい。
(10) 前述した実施の形態では、パチンコ遊技機1を正面から見たときの奥行き方向において、手前から、保留表示器46、可動部材45、演出表示装置9の順に配置されるものであれば可動部材45の移動範囲は演出表示装置9の画面にまで及ぶものであっても、あるいは、その画面にまでは及ばないものであってもよい。
(11) 前述した実施の形態では、保留表示器46は遊技盤6自体に設けてもよい。すなわち、保留表示器46は、遊技盤6に設けたLEDによって構成してもよい。このようにしても、可動部材45が遊技盤6の開口よりも奥行き方向で奥側に配置されるのであれば、可動部材45が演出表示装置9の画像表示領域9aに対して水平方向に移動する限り、可動部材45によって保留表示器46の視認性が妨げられることはない。
(12) 前述した実施の形態では、可動部材45を移動させる演出は、保留表示器46の表示態様の変化と連動して行なうものであっても、他の演出条件の成立より行なうものであってもよい。たとえば、大当り期待度の高いスーパーリーチ演出の実行と連動して可動部材45を移動させる演出を行なうものとしてもよく、あるいは、スーパーリーチの予告演出および大当り予告演出等の所定演出の機能の1つとして可動部材45を移動させる演出を実行してもよい。
(13) 前述した実施の形態では、演出表示装置9と保留表示器46との両方で保留表示が実行されるようにしてもよい。このようにすれば、通常は演出表示装置9の画面に注目しているときに演出画面上で保留表示を確認できるとともに、可動部材45が動作する際には、保留表示器46で保留表示を確認できる。
(14) 前述した実施の形態では、可動部材45の動作態様を複数設け、保留表示の表示態様によっていずれの動作態様となるかの期待度が異なるようにしてもよい。たとえば、赤保留で表示されるときには、大当り期待度の高い動作態様となる割合が高くなるようにすればよい。
(15) 前述した実施の形態では、可動部材45が動作することにより大当りとなる期待度が報知されていた。しかし、可動部材45が動作することにより大当りとなる期待度以外が報知されるようにしてもよい。たとえば、リーチとなる前に可動部材45を動作させることで、リーチ期待度(リーチとなる期待度)を報知するようにしてもよい。また、大当り遊技中に可動部材45を動作させることで、確変昇格、ラウンド昇格の期待度を報知するようにしてもよい。
(16) 前述した実施の形態では、保留表示の態様によって可動部材45が動作する期待度が異なるものであれば、可動部材45の動作の実行に対する抽選方法はどのようなものであってもよい。たとえば、保留表示の態様を決定してから、その決定結果に基づいて可動部材45の動作の有無を決定するようにしてもよい。また、可動部材45の動作の有無を決定してから、その決定結果に基づいて保留表示の態様を決定するようにしてもよい。また、保留表示の態様と可動部材45の動作の有無を同時に決定してもよい。また、変動開始前(たとえば、始動入賞時)に保留表示の表示態様を変化させ、変動開始時にいずれかの保留表示であったかに応じて、可動部材45の動作の有無を決定するようにしてもよい。さらに、遊技制御用マイクロコンピュータ560側で可動部材45の動作の有無を決定し、その決定結果に基づいて演出制御用マイクロコンピュータ100側で保留表示の表示態様を決定するようにしてもよい。
(17) 前述した実施の形態では、保留表示の態様によって可動部材45が動作する期待度が異なるとは、保留表示が行なわれているときに可動部材45が動作する期待度であってもよいし、保留表示が消えた後に可動部材45が動作する期待度であってもよい。たとえば、可動部材45がターゲットの変動で動作する場合、そのターゲット変動に対応する保留表示は変動開始時に消えてしまうが、保留表示の表示態様がいずれの表示態様であったかに応じて異なる割合で可動部材45が動作すればよい。また、変動表示が開始されても、その変動表示に対応した保留表示を消去せずに継続して表示するようにしてもよい。そのようにすれば、当該変動で可動部材45が動作するか否かの期待度を保留表示の態様により分かりやすくすることができる。このようにした場合には、変動表示が終了するときに保留表示を消去してもよいし、可動部材45が動作したときに保留表示を消去してもよい。また、変動中の予め定められたタイミングで保留表示を消去するようにしてもよい。
(18) 前述した実施の形態では、変動表示において実行する演出として、擬似連の演出を実行するようにしてもよい。擬似連とは、本来は1つの保留記憶に対応する1回の変動であるものの複数の保留記憶に対応する複数回の変動が連続して行なわれているように見せる演出表示である擬似連続変動を示す略語である。また、変動表示において実行する演出としては、滑り演出を実行するようにしてもよい。滑りとは、変動表示において図柄の停止直前に図柄を停止予測位置から滑らせる演出表示をいう。
(19) 前述した実施の形態では、変動時間およびリーチ演出の種類や擬似連の有無等の変動態様を示す変動パターンを演出制御用マイクロコンピュータに通知するために、変動を開始するときに1つの変動パターンコマンドを送信する例を示したが、2つ乃至それ以上のコマンドにより変動パターンを演出制御用マイクロコンピュータに通知する様にしてもよい。具体的には、2つのコマンドにより通知する場合、遊技制御マイクロコンピュータは、1つ目のコマンドでは擬似連の有無、滑り演出の有無等、リーチとなる以前(リーチとならない場合には所謂第2停止の前)の変動時間や変動態様を示すコマンドを送信し、2つ目のコマンドではリーチの種類や再抽選演出の有無等、リーチとなった以降(リーチとならない場合には所謂第2停止の後)の変動時間や変動態様を示すコマンドを送信する様にしてもよい。この場合、演出制御用マイクロコンピュータは2つのコマンドの組合せから導かれる変動時間に基づいて変動表示における演出制御を行なうようにすればよい。なお、遊技制御用マイクロコンピュータの方では2つのコマンドのそれぞれにより変動時間を通知し、それぞれのタイミングで実行される具体的な変動態様については演出制御用マイクロコンピュータの方で選択を行なう様にしてもよい。2つのコマンドを送る場合、同一のタイマ割込内で2つのコマンドを送信する様にしてもよく、1つ目のコマンドを送信した後、所定期間が経過してから(たとえば次のタイマ割込において)2つ目のコマンドを送信する様にしてもよい。なお、それぞれのコマンドで示される変動態様はこの例に限定されるわけではなく、送信する順序についても適宜変更可能である。このように2つ乃至それ以上のコマンドにより変動パターンを通知する様にすることで、変動パターンコマンドとして記憶しておかなければならないデータ量を削減することができる。このように2つのコマンドにより変動パターンを演出制御用マイクロコンピュータに通知する構成においては、1つ目のコマンドを送信した後の2つ目のコマンドにおいて、入賞時演出処理による表示結果の判定結果、および、変動パターン種別のような先読み判定情報を送信し、その2つ目のコマンドを受信したことに基づいて、先読み予告の演出を実行するようにしてもよい。
(20) 前述した実施の形態では、演出装置を制御する回路が搭載された基板として、演出制御基板80、音声出力基板70およびランプドライバ基板35が設けられているが、演出装置を制御する回路を1つの基板に搭載してもよい。さらに、演出表示装置9等を制御する回路が搭載された第1の演出制御基板(表示制御基板)と、その他の演出装置(ランプ、LED、スピーカ27R,27L等)を制御する回路が搭載された第2の演出制御基板との2つの基板を設けるようにしてもよい。
(21) 前述した実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、演出制御用マイクロコンピュータ100に対して直接コマンドを送信していたが、遊技制御用マイクロコンピュータ560が他の基板(たとえば、図3に示す音声出力基板70やランプドライバ基板35等、または音声出力基板70に搭載されている回路による機能とランプドライバ基板35に搭載されている回路による機能とを備えた音/ランプ基板)に演出制御コマンドを送信し、他の基板を経由して演出制御基板80における演出制御用マイクロコンピュータ100に送信されるようにしてもよい。その場合、他の基板においてコマンドが単に通過するようにしてもよいし、音声出力基板70、ランプドライバ基板35、音/ランプ基板にマイクロコンピュータ等の制御手段を搭載し、制御手段がコマンドを受信したことに応じて音声制御やランプ制御に関わる制御を実行し、さらに、受信したコマンドを、そのまま、またはたとえば簡略化したコマンドに変更して、演出表示装置9を制御する演出制御用マイクロコンピュータ100に送信するようにしてもよい。その場合でも、演出制御用マイクロコンピュータ100は、上記の実施の形態における遊技制御用マイクロコンピュータ560から直接受信した演出制御コマンドに応じて表示制御を行なうのと同様に、音声出力基板70、ランプドライバ基板35または音/ランプ基板から受信したコマンドに応じて表示制御を行なうことができる。このような構成の場合には、前述した実施の形態で演出制御用マイクロコンピュータ100が行なっていた各種決定については、同様に演出制御用マイクロコンピュータ100が行なうようにしてもよく、または、音声出力基板70、ランプドライバ基板35、または、音/ランプ基板に搭載したマイクロコンピュータ等の制御手段が行なうようにしてもよい。
(22) 前述した実施の形態では、入賞の発生に応じて遊技媒体を遊技者の手元に払い出す遊技機を説明したが、遊技媒体が封入され、入賞の発生に応じて遊技媒体を遊技者の手元に払い出すことなく遊技点(得点)を加算する封入式の遊技機を採用してもよい。封入式の遊技機には、遊技媒体の一例となる複数の玉を遊技機内で循環させる循環経路が形成されているとともに、遊技点を記憶する記憶部が設けられており、玉貸操作に応じて遊技点が記憶部に加算され、玉の発射操作に応じて遊技点が記憶部から減算され、入賞の発生に応じて遊技点が記憶部に加算される。また、遊技機は、発射装置および玉払出装置を備えた遊技枠に遊技球が打ち込まれる遊技領域を形成する遊技盤を取付けた構成としたが、これに限らず、発射装置は玉払出装置などの基本的な機能を共通化し、遊技の特長的構成である遊技盤のみを流通させるようにしてもよい。この場合、遊技の特長的構成であるところの遊技盤を遊技機と称する。
(23) 前述した実施の形態では、パチンコ遊技機1の動作をシミュレーションするゲーム機などの装置にも適用することができる。前述した実施の形態を実現するためのプログラム及びデータは、コンピュータ装置等に対して、着脱自在の記録媒体により配布・提供される形態に限定されるものではなく、予めコンピュータ装置等の有する記憶装置にプリインストールしておくことで配布される形態を採っても構わない。さらに、本発明を実現するためのプログラム及びデータは、通信処理部を設けておくことにより、通信回線等を介して接続されたネットワーク上の、他の機器からダウンロードすることによって配布する形態を採っても構わない。そして、ゲームの実施形態も、着脱自在の記録媒体を装着することにより実行するものだけではなく、通信回線等を介してダウンロードしたプログラム及びデータを、内部メモリ等に一旦格納することにより実行可能とする形態、通信回線等を介して接続されたネットワーク上における、他の機器側のハードウェア資源を用いて直接実行する形態としてもよい。さらには、他のコンピュータ装置等とネットワークを介してデータの交換を行なうことによりゲームを実行するような形態とすることもできる。
(24) 前述した実施の形態では、大当り種別として、15ラウンドの通常大当りと15ラウンドの確変大当りとを設けた例を示した。しかし、これに限らず、たとえば、15ラウンドの大当り、10ラウンドの大当り、5ラウンドの大当り、および、2ラウンドの大当りを設ける場合のように、3種類以上のラウンド数の大当り種別を設けてもよい。その場合には、たとえば、大当りの種別を、賞球が得られやすい大当り種別グループ(たとえば、15ラウンドの大当り、10ラウンドの大当り)と、賞球が得られにくい大当り種別グループ(たとえば、5ラウンドの大当り、2ラウンドの大当り)とに分類し、第2特別図柄の方が第1特別図柄よりも、賞球が得られやすい大当り種別グループの大当り種別が選択される割合が高くなるように設定してもよい。
(25) 前述した実施の形態では、「割合(比率、確率)」として、0%を越える所定の値を具体例に挙げて説明した。しかしながら、「割合(比率、確率)」としては、0%であってもよい。たとえば、所定の遊技期間における所定の遊技状態1の発生割合と他の遊技状態2との発生割合とを比較して、「一方の発生割合が他方の発生割合よりも高い」とした場合には、一方の遊技状態の発生割合が0%の場合も含んでいる。
(26) なお、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなく特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。