以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。なお、遊技機の一例としてパチンコ遊技機を示すが、本発明はパチンコ遊技機に限られず、コイン遊技機等のその他の遊技機であってもよく、変動表示の実行条件が成立した後、開始条件の成立に基づいて、各々を識別可能な識別情報の変動表示を実行する変動表示部に導出された表示結果が特定表示結果となったときに遊技者にとって有利な特定遊技状態に制御する遊技機であれば、どのような遊技機であってもよい。
〔第1実施形態〕
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。まず、遊技機の一例であるパチンコ遊技機1の全体の構成について説明する。図1はパチンコ遊技機1を正面からみた正面図である。図2は当り種別表である。
パチンコ遊技機1は、縦長の方形状に形成された外枠(図示せず)と、外枠の内側に開閉可能に取り付けられた遊技枠とで構成される。また、パチンコ遊技機1は、遊技枠に開閉可能に設けられている額縁状に形成されたガラス扉枠2を有する。遊技枠は、外枠に対して開閉自在に設置される前面枠(図示せず)と、機構部品等が取り付けられる機構板(図示せず)と、それらに取り付けられる種々の部品(後述する遊技盤6を除く)とを含む構造体である。
ガラス扉枠2の下部表面には打球供給皿(上皿)3がある。打球供給皿3の下部には、打球供給皿3に収容しきれない遊技球を貯留する余剰球受皿4、および、打球を発射する打球操作ハンドル(操作ノブ)5が設けられている。また、ガラス扉枠2の背面には、遊技盤6が着脱可能に取り付けられている。遊技盤6は、それを構成する板状体と、その板状体に取り付けられた種々の部品とを含む構造体である。また、遊技盤6の前面には、打込まれた遊技球が流下可能な遊技領域7が形成されている。
余剰球受皿(下皿)4を形成する部材には、たとえば下皿本体の上面における手前側の所定位置(たとえば下皿の中央部分)等に、スティック形状(棒形状)に構成され、遊技者が把持して複数方向(前後左右)に傾倒する操作が可能なスティックコントローラ122が取付けられている。なお、スティックコントローラ122には、遊技者がスティックコントローラ122の操作桿を操作手(たとえば左手等)で把持した状態において、所定の操作指(たとえば人差し指等)で押引操作すること等により所定の指示操作が可能なトリガボタン125(図3参照)が設けられ、スティックコントローラ122の操作桿の内部には、トリガボタン125に対する押引操作等による所定の指示操作を検知するトリガセンサ121(図3参照)が内蔵されている。また、スティックコントローラ122の下部における下皿の本体内部等には、操作桿に対する傾倒操作を検知する傾倒方向センサユニット123(図3参照)が設けられている。また、スティックコントローラ122には、スティックコントローラ122を振動動作させるためのバイブレータ用モータ126(図3を参照)が内蔵されている。
打球供給皿(上皿)3を形成する部材には、たとえば上皿本体の上面における手前側の所定位置(たとえばスティックコントローラ122の上方)等に、遊技者が押下操作等により所定の指示操作を可能なプッシュボタン120が設けられている。プッシュボタン120は、遊技者からの押下操作等による所定の指示操作を、機械的、電気的、あるいは、電磁的に、検出できるように構成されていればよい。プッシュボタン120の設置位置における上皿の本体内部等には、プッシュボタン120に対してなされた遊技者の操作行為を検知するプッシュセンサ124(図3参照)が設けられていればよい。図1に示す構成例では、プッシュボタン120とスティックコントローラ122の取付位置が、上皿及び下皿の中央部分において上下の位置関係にある。これに対して、上下の位置関係を保ったまま、プッシュボタン120及びスティックコントローラ122の取付位置を、上皿及び下皿において左右のいずれかに寄せた位置としてもよい。あるいは、プッシュボタン120とスティックコントローラ122の取付位置が上下の位置関係にはなく、たとえば左右の位置関係にあるものとしてもよい。
なお、本実施の形態では、遊技者が操作可能な操作手段の一例として、プッシュボタン120と、トリガボタン125を有するスティックコントローラ122とを設けた例を示した。しかし、これに限らず、操作手段としては、プッシュボタン120とスティックコントローラ122とのいずれか1つのみを設けてもよい。また、操作手段としては、レバースイッチ、および、ジョグダイヤル等のその他の操作手段を設けてもよい。
遊技領域7の中央付近には、液晶表示装置(LCD)で構成された演出表示装置9が設けられている。演出表示装置9の表示画面には、第1特別図柄または第2特別図柄の変動表示(可変表示ともいう)に同期した演出図柄の変動表示を行なう演出図柄表示領域がある。よって、演出表示装置9は、演出図柄の変動表示を行なう変動表示装置に相当する。演出図柄表示領域には、たとえば「左」、「中」、「右」の3つの装飾用(演出用)の演出図柄を変動表示する図柄表示エリアがある。図柄表示エリアには「左」、「中」、「右」の各図柄表示エリアがあるが、図柄表示エリアの位置は、演出表示装置9の表示画面において固定的でなくてもよいし、図柄表示エリアの3つ領域が離れてもよい。演出表示装置9は、演出制御基板に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータによって制御される。演出制御用マイクロコンピュータが、第1特別図柄表示器8aで第1特別図柄の変動表示が実行されているときに、その変動表示に伴って演出表示装置9で演出表示を実行させ、第2特別図柄表示器8bで第2特別図柄の変動表示が実行されているときに、その変動表示に伴って演出表示装置9で演出表示を実行させるので、遊技の進行状況を把握しやすくすることができる。
また、演出表示装置9において、最終停止図柄(たとえば左右中図柄のうち中図柄)となる図柄以外の図柄が、所定時間継続して、大当り図柄(たとえば左中右の図柄が同じ図柄で揃った図柄の組み合わせ)と一致している状態で停止、揺動、拡大縮小もしくは変形している状態、または、複数の図柄が同一図柄で同期して変動したり、表示図柄の位置が入れ替わっていたりして、最終結果が表示される前で大当り発生の可能性が継続している状態(以下、これらの状態をリーチ状態という。)において行われる演出をリーチ演出という。また、リーチ状態やその様子をリーチ態様という。さらに、リーチ演出を含む変動表示をリーチ変動表示という。そして、演出表示装置9に変動表示される図柄の表示結果が大当り図柄でない場合には「はずれ」となり、変動表示状態は終了する。遊技者は、大当りをいかにして発生させるかを楽しみつつ遊技を行なう。
ここで、リーチ状態は、演出表示装置9の表示領域において停止表示された演出図柄が大当り組合せの一部を構成しているときに未だ停止表示されていない演出図柄の変動が継続している表示状態、または、全部もしくは一部の演出図柄が大当り組合せの全部または一部を構成しながら同期して変動している表示状態である。言い換えると、リーチとは、複数の変動表示領域において識別情報が特定表示結果を構成しているが少なくとも一部の変動領域が変動表示中である状態をいう。この実施形態において、リーチ状態は、たとえば、左,右の図柄表示領域で同じ図柄が停止し、中の図柄表示領域で図柄が停止していない状態で形成される。リーチ状態が形成されるときの左,右の図柄表示領域で停止された図柄は、リーチ形成図柄、または、リーチ図柄と呼ばれる。
そして、リーチ状態における表示演出が、リーチ演出表示(リーチ演出)である。また、リーチの際に、通常と異なる演出がランプや音で行なわれることがある。この演出をリーチ演出という。また、リーチの際に、キャラクタ(人物等を模した演出表示であり、図柄(演出図柄等)とは異なるもの)を表示させたり、演出表示装置9の背景画像の表示態様(たとえば、色等)を変化させたりすることがある。このキャラクタの表示や背景の表示態様の変化をリーチ演出表示という。また、リーチの中には、通常のリーチ(ノーマルリーチ)に比べて、実行されたときに大当りが発生しやすいように設定されたものがある。このような特別のリーチをスーパーリーチという。また、リーチの中には、特別なスーパーリーチ以外のリーチとして、基本的なリーチであるノーマルリーチが含まれている。ノーマルリーチは、スーパーリーチよりも実行されたときに大当りが発生しにくいように設定されたものである。
この実施の形態において、スーパーリーチにおいては、リーチ図柄が形成された後、所定の動画(たとえば、所定のキャラクタ動画等の動画)を表示した後、表示結果導出表示前の最終的な演出表示において、変動中の中演出図柄をスクロールさせる演出等の遊技者の期待感を向上させるような複雑な演出表示が実行される。また、ノーマルリーチにおいては、リーチ図柄が形成された後、前述の動画を表示せずに背景画像(図柄の背景を構成する画像)の種類をリーチ状態となる前に表示されていた画像とは異ならせるような比較的簡素な演出表示が実行される。このようなノーマルリーチでは、たとえば、中図柄の最終停止図柄の停止表示前のスクロール状態において、たとえば、3図柄前等の任意の図柄数(図柄配列数)前の図柄から変動表示速度を減速する演出が行なわれることにより、表示結果導出表示前の最終的な演出表示が行なわれる。なお、ノーマルリーチでは、その他の演出表示が行なわれる場合もある。
演出表示装置9の右方には、各々を識別可能な識別情報としての第1特別図柄を変動表示する第1特別図柄表示器(第1変動表示部)8aが設けられている。第1特別図柄表示器8aは、0〜9の数字等の特別図柄を変動表示可能な簡易で小型の表示器(たとえば7セグメントLED)で実現されている。また、演出表示装置9の右方(第1特別図柄表示器8aの右隣)には、各々を識別可能な識別情報としての第2特別図柄を変動表示する第2特別図柄表示器(第2変動表示部)8bが設けられている。第2特別図柄表示器8bは、0〜9の数字等の特別図柄を変動表示可能な簡易で小型の表示器(たとえば7セグメントLED)で実現されている。
以下、第1特別図柄と第2特別図柄とを特別図柄と総称することがあり、第1特別図柄表示器8aと第2特別図柄表示器8bとを特別図柄表示器(変動表示部)と総称することがある。
なお、この実施の形態では、2つの特別図柄表示器8a,8bを備える場合を示しているが、遊技機は、特別図柄表示器を1つのみ備えるものであってもよい。
第1特別図柄または第2特別図柄の変動表示は、変動表示の実行条件である第1始動条件(第1実行条件)または第2始動条件(第2実行条件)が成立(たとえば、遊技球が始動入賞領域としての第1始動入賞口13または第2始動入賞口14を通過(入賞を含む)したこと)した後、変動表示の開始条件(たとえば、保留記憶数が0でない場合であって、第1特別図柄および第2特別図柄の変動表示が実行されていない状態であり、かつ、大当り遊技が実行されていない状態)が成立したことに基づいて開始され、変動表示時間(変動時間)が経過すると表示結果(停止図柄)を導出表示する。なお、遊技球が通過するとは、入賞口やゲート等の予め入賞領域として定められている領域を遊技球が通過したことであり、入賞口に遊技球が入った(入賞した)ことを含む概念である。また、表示結果を導出表示するとは、図柄(識別情報の例)を最終的に停止表示させることである。また、第1始動入賞口13および第2始動入賞口14のような始動領域に遊技球が進入したにもかかわらず未だ開始条件が成立していない変動表示について、所定の上限数の範囲内で情報を記憶することが保留記憶と呼ばれる。また、このような保留記憶という用語は、保留記憶された情報を示す(特定する)場合にも用いられる。
演出表示装置9の下方には、第1始動入賞口13を有する入賞装置が設けられている。第1始動入賞口13に入賞した遊技球は、遊技盤6の背面に導かれ、第1始動口スイッチ13aによって検出される。
また、第1始動入賞口(第1始動口)13を有する入賞装置の下方には、遊技球が入賞可能な第2始動入賞口14を有する可変入賞球装置15が設けられている。第2始動入賞口(第2始動口)14に入賞した遊技球は、遊技盤6の背面に導かれ、第2始動口スイッチ14aによって検出される。可変入賞球装置15は、ソレノイド16によって開状態とされる。可変入賞球装置15が開状態になることによって、遊技球が第2始動入賞口14に入賞可能になり(始動入賞し易くなり)、遊技者にとって有利な状態になる。可変入賞球装置15が開状態になっている状態では、第1始動入賞口13よりも、第2始動入賞口14に遊技球が入賞しやすい。また、可変入賞球装置15が閉状態になっている状態では、遊技球は第2始動入賞口14に入賞しない。したがって、可変入賞球装置15が閉状態になっている状態では、第2始動入賞口14よりも、第1始動入賞口13に遊技球が入賞しやすい。なお、可変入賞球装置15が閉状態になっている状態において、入賞はしづらいものの、入賞することは可能である(すなわち、遊技球が入賞しにくい)ように構成されていてもよい。以下、第1始動入賞口13と第2始動入賞口14とを総称して始動入賞口または始動口ということがある。
第2特別図柄表示器8bの上方には、第2始動入賞口14に入った有効入賞球数すなわち第2保留記憶数を表示する4つの表示器からなる第2特別図柄保留記憶表示器18bが設けられている。第2特別図柄保留記憶表示器18bは、有効始動入賞がある毎に、点灯する表示器の数を1増やす。そして、第2特別図柄表示器8bでの変動表示が開始される毎に、点灯する表示器の数を1減らす。
また、第2特別図柄保留記憶表示器18bのさらに上方には、第1始動入賞口13に入った有効入賞球数すなわち第1保留記憶数(保留記憶を、始動記憶または始動入賞記憶ともいう。)を表示する4つの表示器からなる第1特別図柄保留記憶表示器18aが設けられている。第1特別図柄保留記憶表示器18aは、有効始動入賞がある毎に、点灯する表示器の数を1増やす。そして、第1特別図柄表示器8aでの変動表示が開始される毎に、点灯する表示器の数を1減らす。
遊技機には、遊技者が打球操作ハンドル5を操作することに応じて駆動モータを駆動し、駆動モータの回転力を利用して遊技球を遊技領域7に発射する打球発射装置(図示せず)が設けられている。打球発射装置から発射された遊技球は、遊技領域7を囲むように円形状に形成された打球レールを通って遊技領域7に入り、その後、遊技領域7を下りてくる。遊技球が第1始動入賞口13に入り第1始動口スイッチ13aで検出されると、第1特別図柄の変動表示を開始できる状態であれば(たとえば、特別図柄の変動表示が終了し、第1特別図柄の変動表示が開始可能となる第1の開始条件が成立したこと)、第1特別図柄表示器8aにおいて第1特別図柄の変動表示(変動)が開始されるとともに、演出表示装置9において演出図柄の変動表示が開始される。すなわち、第1特別図柄および演出図柄の変動表示は、第1始動入賞口13への入賞に対応する。第1特別図柄の変動表示を開始できる状態でなければ、第1保留記憶数が上限値に達していないことを条件として、第1保留記憶数を1増やす。
遊技球が第2始動入賞口14に入り第2始動口スイッチ14aで検出されると、第2特別図柄の変動表示を開始できる状態であれば(たとえば、特別図柄の変動表示が終了し、第2特別図柄の変動表示が開始可能となる第2の開始条件が成立したこと)、第2特別図柄表示器8bにおいて第2特別図柄の変動表示(変動)が開始されるとともに、演出表示装置9において演出図柄の変動表示が開始される。すなわち、第2特別図柄および演出図柄の変動表示は、第2始動入賞口14への入賞に対応する。第2特別図柄の変動表示を開始できる状態でなければ、第2保留記憶数が上限値に達していないことを条件として、第2保留記憶数を1増やす。
演出表示装置9は、第1特別図柄表示器8aによる第1特別図柄の変動表示時間中、および第2特別図柄表示器8bによる第2特別図柄の変動表示時間中に、装飾用(演出用)の図柄としての演出図柄の変動表示を行なう。第1特別図柄表示器8aにおける第1特別図柄の変動表示と、演出表示装置9における演出図柄の変動表示とは同期している。また、第2特別図柄表示器8bにおける第2特別図柄の変動表示と、演出表示装置9における演出図柄の変動表示とは同期している。また、第1特別図柄表示器8aにおいて大当り図柄が停止表示されるときと、第2特別図柄表示器8bにおいて大当り図柄が停止表示されるときには、演出表示装置9において大当り表示結果として大当りを想起させるような演出図柄の組合せが停止表示される。
また、演出表示装置9の表示画面の下部には、第1保留記憶数と第2保留記憶数との合計である合計数(合算保留記憶数)を表示する合算保留記憶表示部18cが設けられている。このように、この実施の形態では、合計数を表示する合算保留記憶表示部18cが設けられていることによって、可変表示の開始条件が成立していない実行条件の成立数の合計を把握しやすくすることができる。
また、演出表示装置9の表示画面の下部において、合算保留記憶表示部18cの左側には、対応表示領域60が設けられている。対応表示領域60は、変動表示中に当該変動表示に対応した表示(以下、対応表示と称する)が実行される領域であり、当該変動表示がスーパーリーチや大当りとなる期待度に応じた予告等を示す演出が実行される。このような対応表示領域60では、変動表示に応じて合算保留記憶表示部18cで表示される保留記憶(保留情報)が対応表示領域60の中へ移動(シフト)し、変動表示に対応した表示演出が実行される。このように、対応表示領域60が形成されていることで、遊技者は実行される変動表示に対する大当り期待度等を対応表示領域60に表示される表示演出の内容に基づいて知ることができる。
また、図1に示すように、可変入賞球装置15の下方には、特別可変入賞球装置20が設けられている。特別可変入賞球装置20は開閉板を備え、第1特別図柄表示器8aに特定表示結果(大当り図柄)が導出表示されたときと、第2特別図柄表示器8bに特定表示結果(大当り図柄)が導出表示されたときに生起する特定遊技状態(大当り遊技状態)においてソレノイド21によって開閉板が開放状態に制御されることによって、入賞領域となる大入賞口が開放状態になる。大入賞口に入賞した遊技球はカウントスイッチ23で検出される。
大当り遊技状態においては、特別可変入賞球装置20が開放状態と閉鎖状態とを繰返す繰返し継続制御が行なわれる。繰返し継続制御において、特別可変入賞球装置20が開放されている状態が、ラウンドと呼ばれる。これにより、繰返し継続制御は、ラウンド制御とも呼ばれる。本実施の形態では、大当りの種別が複数設けられており、大当りとすることが決定されたときには、いずれかの大当り種別が選択される。
演出表示装置9の左方には、各々を識別可能な普通図柄を変動表示する普通図柄表示器10が設けられている。この実施の形態では、普通図柄表示器10は、0〜9の数字を変動表示可能な簡易で小型の表示器(たとえば7セグメントLED)で実現されている。すなわち、普通図柄表示器10は、0〜9の数字(または、記号)を変動表示するように構成されている。また、小型の表示器は、たとえば方形状に形成されている。
遊技球がゲート32を通過しゲートスイッチ32aで検出されると、普通図柄表示器10の表示の変動表示が開始される。そして、普通図柄表示器10における停止図柄が所定の図柄(当り図柄。たとえば、図柄「7」。)である場合に、可変入賞球装置15が所定回数、所定時間だけ遊技者にとって不利な閉状態から遊技者にとって有利な開状態に変化する。普通図柄表示器10の近傍には、ゲート32を通過した入賞球数を表示する4つのLEDによる表示部を有する普通図柄保留記憶表示器41が設けられている。ゲート32への遊技球の通過がある毎に、すなわちゲートスイッチ32aによって遊技球が検出される毎に、普通図柄保留記憶表示器41は点灯するLEDを1増やす。そして、普通図柄表示器10の変動表示が開始される毎に、点灯するLEDを1減らす。
遊技盤6の下部には、入賞しなかった打球が取込まれるアウト口26がある。また、遊技領域7の外側の左右上部および左右下部には、所定の音声出力として効果音や音声を発声する4つのスピーカ27が設けられている。遊技領域7の外周には、前面枠に設けられた枠LED28が設けられている。
また、プリペイドカードが挿入されることによって球貸しを可能にするプリペイドカードユニット(以下、単に「カードユニット」ともいう。)が、パチンコ遊技機1に隣接して設置される(図示せず)。
図2の当り種別表においては、大当りにおける当りの種別ごとに、大当り遊技状態の終了後の大当り確率、大当り遊技状態の終了後のベース、大当り遊技状態終了後の変動時間、大当りにおける開放回数(ラウンド数)、および、各ラウンドの開放時間が示されている。図2に示すように、この実施の形態では、ラウンド数が異なる大当り遊技状態として、15ラウンドの大当り遊技状態と2ラウンドの大当り遊技状態との複数種類の大当り遊技状態が設けられている。
具体的に、15ラウンドの大当り遊技状態においては、特別可変入賞球装置20が、開放状態とされた後、所定の開放状態の終了条件(開放状態において所定期間(たとえば29秒間)が経過したこと、または、所定個数(たとえば10個)の入賞球が発生したという開放終了条件)が成立したことに応じて閉鎖状態とされる。そして、開放終了条件が成立すると、継続権が発生し、特別可変入賞球装置20の開放が再度行なわれる。継続権の発生は、大当り遊技状態における開放回数が予め定められた上限値となる15ラウンド(最終ラウンド)に達するまで繰返される。
また、2ラウンドの大当り遊技状態においては、特別可変入賞球装置20が、開放状態とされた後、所定の開放状態の終了条件(開放状態において所定期間(たとえば0.5秒間)が経過したこと、または、所定個数(たとえば10個)の入賞球が発生したという開放終了条件)が成立したことに応じて閉鎖状態とされる。そして、開放終了条件が成立すると、継続権が発生し、特別可変入賞球装置20の開放が再度行なわれる。継続権の発生は、大当り遊技状態における開放回数が予め定められた上限値となる2ラウンド(最終ラウンド)に達するまで繰返される。
このように、2ラウンドの大当りは、大入賞口の開放回数が15ラウンドよりも少ない回数(この実施の形態では2回)まで許容されるが、大入賞口の開放時間が短い(たとえば、0.5秒間)大当り種類(種別)である。また、本実施の形態の場合は、2ラウンドの大当りとして、大入賞口の開放時間が極めて短く(0.5秒間)、実質的に大入賞口に入賞することが不可能であり、実質的に賞球(入賞に対して払出される景品球)が得られない当りが設けられている。
なお、2ラウンドの大当りとしては、実質的に賞球が得られない当りのみを設けてもよく、賞球を得ることができる当りのみを設けてもよく、実質的に賞球が得られない当りと賞球を得ることができる当りとの両方を設けてもよい。
「大当り」のうち、15ラウンドまたは2ラウンドの大当り遊技状態に制御された後、特別遊技状態として、通常状態(確変状態でない通常の遊技状態)に比べて大当りとすることに決定される確率が高い状態である確変状態(確率変動状態の略語であり、高確率状態ともいう)に移行する大当りの種類(種別)は、「確変大当り」と呼ばれる。本実施の形態では、15ラウンドの確変大当りを「確変大当り」と呼び、2ラウンドの確変大当りを後述するような理由で「突確大当り」と呼ぶ。また、本実施の形態では、特別遊技状態としては、確変状態に付随して、特別図柄や演出図柄の変動時間(変動表示期間)が非時短状態よりも短縮される時短状態に制御される場合がある。なお、特別遊技状態としては、確変状態とは独立して時短状態に制御される場合がある。
このように、時短状態に移行することによって、特別図柄や演出図柄の変動時間が短縮されるので、時短状態となったときには、有効な始動入賞が発生しやすくなり大当り遊技が行なわれる可能性が高まる。
なお、「大当り」のうち、15ラウンドの大当り遊技状態に制御された後、確変状態に移行しない大当りの種類(種別)は、「通常大当り」と呼ばれる。
また、特別遊技状態としては、確変状態または時短状態に付随して、可変入賞球装置15が開状態になる頻度を高くすることにより可変入賞球装置15に遊技球が進入する頻度を高くして可変入賞球装置15への入賞を容易化(高進入化、高頻度化)する電チューサポート制御状態に制御される場合がある。電チューサポート制御状態は、後述するように高ベース状態であるので、以下の説明においては、主として高ベース状態と呼ぶ。
ここで、電チューサポート制御について説明する。電チューサポート制御としては、普通図柄の変動時間(変動表示開始時から表示結果の導出表示時までの時間)を短縮して早期に表示結果を導出表示させる制御(普通図柄短縮制御)、普通図柄の停止図柄が当り図柄になる確率を高める制御(普通図柄確変制御)、可変入賞球装置15の開放時間を長くする制御(開放時間延長制御)、および、可変入賞球装置15の開放回数を増加させる制御(開放回数増加制御)が行なわれる。このような制御が行なわれると、当該制御が行なわれていないときと比べて、可変入賞球装置15が開状態となっている時間比率が高くなるので、第2始動入賞口14への入賞頻度が高まり、遊技球が始動入賞しやすくなる(特別図柄表示器8a,8bや演出表示装置9における変動表示の実行条件が成立しやすくなる)。また、このような制御によって第2始動入賞口14への入賞頻度が高まることにより、第2始動条件の成立頻度および/または第2特別図柄の変動表示の実行頻度が高まる遊技状態となる。
このような電チューサポート制御により第2始動入賞口14への入賞頻度が高められた状態(高頻度状態)は、発射球数に対して入賞に応じて賞球として払出される遊技球数の割合である「ベース」が、当該制御が行なわれないときと比べて、高い状態であるので、「高ベース状態」と呼ばれる。また、このような制御が行なわれないときは、「低ベース状態」と呼ばれる。また、このような制御は、可変入賞球装置15、すなわち、電動チューリップにより入賞をサポートすることにより可変入賞球装置15への入賞を容易化する制御であり、「電チューサポート制御」と呼ばれる。
この実施の形態においては、大当り確率の状態を示す用語として、「高確率状態(確変状態)」と、「低確率状態(非確変状態)」とを用い、ベースの状態の組合せを示す用語として、「高ベース状態(電チューサポート制御状態)」と、「低ベース状態(非電チューサポート制御状態)」とを用いる。
また、この実施の形態においては、大当り確率の状態およびベースの状態の組合せを示す用語として、「低確低ベース状態」、「低確高ベース状態」、および、「高確高ベース状態」を用いる。「低確低ベース状態」とは、大当り確率の状態が低確率状態で、かつ、ベースの状態が低ベース状態であることを示す状態(通常状態)である。「低確高ベース状態」とは、大当り確率の状態が低確率状態で、かつ、ベースの状態が高ベース状態であることを示す状態である。「高確高ベース状態」とは、大当り確率の状態が高確率状態で、かつ、ベースの状態が高ベース状態であることを示す状態である。
この実施の形態においては、高確率状態に制御されたときに、時短状態および高ベース状態に制御されるが、時短状態および高ベース状態は、制御の開始条件および終了条件が同じであるので、時短状態および高ベースに制御されている状態を、時短状態という用語で代表して示す場合があり、高ベース状態という用語で代表して示す場合がある。
図2に示すように、15ラウンドの大当りとしては、通常大当りと確変大当りとの複数種類の大当りが設けられている。また、2ラウンドの大当りとしては、突然確変大当り(以下、突確大当りという略称で呼ぶ)が設けられている。
通常大当りは、15ラウンドの大当り遊技状態の終了後に、非確変状態、時短状態、および、高ベース状態(低確高ベース状態)に制御される大当りである。通常大当りにおいては、このような低確高ベース状態が、変動表示が100回という所定回数実行されるまでという条件と、次回の大当りが発生するまでという条件とのいずれか早い方の条件が成立するまでの期間継続する。
確変大当りは、15ラウンドの大当り遊技状態の終了後に、確変状態、時短状態、および、高ベース状態(高確高ベース状態)に移行する制御が行なわれる大当りである。確変大当りにおいては、このような高確高ベース状態が、変動表示が100回という所定回数実行されるまでという条件と、次回の大当りが発生するまでという条件とのいずれか早い方の条件が成立するまでの期間継続する。
突確大当りは、2ラウンドの大当り遊技状態の終了後に、確変状態、時短状態、および、高ベース状態(高確高ベース状態)に移行する制御が行なわれる大当りである。突確大当りにおいては、このような高確高ベース状態が、変動表示が100回という所定回数実行されるまでという条件と、次回の大当りが発生するまでという条件とのいずれか早い方の条件が成立するまでの期間継続する。
突確大当りは、ラウンド数が少なく(2回)、大入賞口の開放時間が極めて短い態様(0.5秒間開放)で大入賞口が開放されることにより、大当り遊技状態の終了後に確変状態となったことを報知する場合に、遊技者に対して突然に確変状態となったかのように見せることが可能なものであり、「突然確変大当り」と呼ばれる。また、「突然確変大当り」は、「突確」という略称で呼ばれる場合もある。突確大当りは、大当り遊技状態において、0.5秒間の開放が2回しか行なわれないため、実質的に第入賞口への入賞が得られず賞球が得られない当りである。また、突確大当りの代わりに、実質的に賞球が得られる開放パターンで大入賞口が開放される2ラウンドの確変大当りを設けてもよい。
なお、大当りの他に、突確大当りと同様の開放回数および開放時間による開放パターンで大入賞口を開放する小当りを設けてもよい。小当りとなったときには、小当り遊技状態終了後に、大当り確率とベースとがともに、小当り遊技状態の開始前に対して変更されないようにする。このような小当りを設ければ、突確大当りと小当りとのそれぞれの当り遊技状態の終了後に確変状態となっているか否かを報知しないときには、開放パターンを見て突確大当りと小当りとのいずれが実行されたことが遊技者に認識されてしまったときでも、同じ開放パターンとなる当りが2種類あるので、確変状態となっているか否かが遊技者にとって把握しにくいものとなるため、実際には確変状態となっていないときでも遊技者の確変状態に対する期待感を高めることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
図3は、主基板(遊技制御基板)31における回路構成の一例を示すブロック図である。なお、図3には、払出制御基板37および演出制御基板80等も示されている。主基板31には、プログラムにしたがってパチンコ遊技機1を制御する遊技制御用マイクロコンピュータ(遊技制御手段に相当)560が搭載されている。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ゲーム制御(遊技進行制御)用のプログラム等を記憶するROM54、ワークメモリとして使用される記憶手段としてのRAM55、プログラムにしたがって制御動作を行なうCPU56およびI/Oポート部57を含む。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ROM54およびRAM55が内蔵された1チップマイクロコンピュータである。遊技制御用マイクロコンピュータ560には、さらに、ハードウェア乱数(ハードウェア回路が発生する乱数)を発生する乱数回路503が内蔵されている。
また、RAM55は、その一部または全部が電源基板910において作成されるバックアップ電源によってバックアップされている不揮発性記憶手段としてのバックアップRAMである。すなわち、遊技機に対する電力供給が停止しても、所定期間(バックアップ電源としてのコンデンサが放電してバックアップ電源が電力供給不能になるまで)は、RAM55の一部または全部の内容は保存される。特に、少なくとも、遊技状態すなわち遊技制御手段の制御状態に応じたデータ(特別図柄プロセスフラグ等)と未払出賞球数を示すデータは、バックアップRAMに保存される。
なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560においてCPU56がROM54に格納されているプログラムにしたがって制御を実行するので、以下、遊技制御用マイクロコンピュータ560(またはCPU56)が実行する(または、処理を行なう)ということは、具体的には、CPU56がプログラムにしたがって制御を実行することである。このことは、主基板31以外の他の基板に搭載されているマイクロコンピュータについても同様である。
乱数回路503は、特別図柄の変動表示の表示結果により大当りとするか否か判定するための判定用の乱数を発生するために用いられるハードウェア回路である。乱数回路503は、初期値(たとえば、0)と上限値(たとえば、65535)とが設定された数値範囲内で、数値データを、設定された更新規則にしたがって更新し、ランダムなタイミングで発生する始動入賞時が数値データの読出(抽出)時であることに基づいて、読出される数値データが乱数値となる乱数発生機能を有する。また、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、乱数回路503が更新する数値データの初期値を設定する機能を有している。
また、ゲートスイッチ32a、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14a、第3始動口スイッチ14b、カウントスイッチ23からの検出信号を遊技制御用マイクロコンピュータ560に与える入力ドライバ回路58も主基板31に搭載されている。また、可変入賞球装置15を開閉するソレノイド16、および大入賞口を形成する特別可変入賞球装置20を開閉するソレノイド21を遊技制御用マイクロコンピュータ560からの指令にしたがって駆動する出力回路59も主基板31に搭載されている。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、特別図柄を変動表示する第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8b、普通図柄を変動表示する普通図柄表示器10、第1特別図柄保留記憶表示器18a、第2特別図柄保留記憶表示器18bおよび普通図柄保留記憶表示器41の表示制御を行なう。
なお、大当り遊技状態の発生を示す大当り情報等の情報出力信号を、ターミナル基板160を介して、ホールコンピュータ等の外部装置に対して出力する情報出力回路64も主基板31に搭載されている。
演出制御基板80は、演出制御用マイクロコンピュータ100、ROM102、RAM103、VDP109、および、I/Oポート部105等を搭載している。ROM102は、表示制御等の演出制御用のプログラムおよびデータ等を記憶する。RAM103は、ワークメモリとして使用される。ROM102およびRAM103は、演出制御用マイクロコンピュータ100に内蔵されてもよい。VDP109は、演出制御用マイクロコンピュータ100と共動して演出表示装置9の表示制御を行なう。
演出制御用マイクロコンピュータ100は、主基板31から演出制御基板80の方向への一方向にのみ信号を通過させる中継基板77を介して、遊技制御用マイクロコンピュータ560から演出内容を指示する演出制御コマンドを受信し、演出表示装置9の変動表示制御を行なう他、ランプドライバ基板35を介して、枠側に設けられている枠LED28の表示制御を行なうとともに、音声出力基板70を介してスピーカ27からの音出力の制御を行なう等、各種の演出制御を行なう。
また、演出制御用CPU101は、スティックコントローラ122のトリガボタン125に対する遊技者の操作行為を検出したことを示す情報信号としての操作検出信号を、トリガセンサ121から、入力ポート106を介して入力する。また、演出制御用CPU101は、プッシュボタン120に対する遊技者の操作行為を検出したことを示す情報信号としての操作検出信号を、プッシュセンサ124から、入力ポート106を介して入力する。また、演出制御用CPU101は、スティックコントローラ122の操作桿に対する技者の操作行為を検出したことを示す情報信号としての操作検出信号を、傾倒方向センサユニット123から、入力ポート106を介して入力する。また、演出制御用CPU101は、出力ポート105を介してバイブレータ用モータ126に駆動信号を出力することにより、スティックコントローラ122を振動動作させる。
図4は、各乱数を示す説明図である。図4においては、乱数の種別、更新範囲、用途、および、加算条件が示されている。各乱数は、以下のように使用される。
(1)ランダムR:大当りにするか否かを判定する当り判定用のランダムカウンタである。ランダムRは、10MHzで1ずつ更新され、0から加算更新されてその上限である65535まで加算更新された後再度0から加算更新される。(2)ランダム1(MR1):大当りの種類(種別、通常大当り、確変大当り、および、突確大当りのいずれかの種別)および大当り図柄を決定する(大当り種別判定用、大当り図柄決定用)。(3)ランダム2(MR2):変動パターンの種類(種別)を決定する(変動パターン種別判定用)。(4)ランダム3(MR3):変動パターン(変動時間)を決定する(変動パターン判定用)。(5)ランダム4(MR4):普通図柄に基づく当りを発生させるか否か決定する(普通図柄当り判定用)。(6)ランダム5(MR5):ランダム4の初期値を決定する(ランダム4初期値決定用)。
この実施の形態では、特定遊技状態である大当りとして、通常大当り、確変大当り、および、突確大当りという複数の種別が含まれている。したがって、大当り判定用乱数(ランダムR)の値に基づいて、大当りとする決定がされたときには、大当り種別判定用乱数(ランダム1)の値に基づいて、大当りの種別が、これらいずれかの大当り種別に決定される。さらに、大当りの種別が決定されるときに、同時に大当り種別判定用乱数(ランダム1)の値に基づいて、大当り図柄も決定される。したがって、ランダム1は、大当り図柄決定用乱数でもある。
また、変動パターンは、まず、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)を用いて変動パターン種別を決定し、変動パターン判定用乱数(ランダム3)を用いて、決定した変動パターン種別に含まれるいずれかの変動パターンに決定する。このように、この実施の形態では、2段階の抽選処理によって変動パターンが決定される。変動パターン種別とは、複数の変動パターンをその変動態様の特徴にしたがってグループ化したものである。変動パターン種別には、1または複数の変動パターンが属している。
この実施の形態では、変動パターンが、リーチを伴なわない変動パターン種別である通常変動パターン種別と、リーチを伴う変動パターン種別(ノーマルリーチ、スーパーリーチを含む)であるリーチ変動パターン種別とに種別分けされている。
このような変動パターン種別は、表示結果がはずれとなる場合に、時短状態であるときと、時短状態でないときとで、変動パターン種別の選択割合が異なるように設定されていることにより、時短状態であるときには、時短状態でないときと比べて、変動時間が短縮される。たとえば、時短状態では、時短状態でないときと比べて、変動時間の平均時間を短くするために、変動パターン種別のうち最も変動時間が短い変動パターン種別が選択される割合が高くなるように設定されることで、時短状態でないときと比べて、変動時間の平均時間が短くなる。また、同種の変動パターン(たとえば、通常変動)において時短状態であるとき(たとえば、3秒)の方が時短状態でないとき(たとえば、7秒)と比べ変動時間を短くすることで、変動時間が短くなる。
なお、このような変動パターン種別は、変動表示をする特別図柄の保留記憶数(第1特別図柄と第2特別図柄との合算保留記憶数)が所定数以上であるときと、所定数未満であるときとで選択割合が異なるように設定されることにより、変動表示をする各特別図柄の保留記憶数が所定数以上であるときには、各特別図柄の保留記憶数が所定数未満であるときと比べて、変動時間が短縮される保留数短縮制御が実行されるようにしてもよい。たとえば、保留数短縮制御状態では、保留数短縮制御状態でないときと比べて、通常変動パターン種別のような変動時間が短い変動パターン種別が選択される割合が高くなるように設定されることで、保留数短縮制御状態でないときと比べて、変動時間の平均時間が短くなるようにしてもよい。また、保留数短縮制御では、保留数短縮制御状態でないときと比べて、同じ変動パターン種別が選択される場合でも、その変動パターン種別の変動時間自体を短くしてもよい。
図5は、大当り判定テーブルおよび大当り種別判定テーブルを示す説明図である。図5(A)は、大当り判定テーブルを示す説明図である。大当り判定テーブルとは、ROM54に記憶されているデータの集まりであって、ランダムRと比較される大当り判定値が設定されているテーブルである。大当り判定テーブルには、通常状態(確変状態でない遊技状態、すなわち非確変状態)において用いられる通常時(非確変時)大当り判定テーブルと、確変状態において用いられる確変時大当り判定テーブルとがある。
通常時大当り判定テーブルには、図5(A)の左欄に記載されている各数値が大当り判定値として設定され、確変時大当り判定テーブルには、図5(A)の右欄に記載されている各数値が大当り判定値として設定されている。確変時大当り判定テーブルに設定された大当り判定値は、通常時大当り判定テーブルに設定された大当り判定値と共通の大当り判定値(通常時大当り判定値または第1大当り判定値という)に、確変時固有の大当り判定値が加えられたことにより、確変時大当り判定テーブルよりも多い個数(10倍の個数)の大当り判定値(確変時大当り判定値または第2大当り判定値という)が設定されている。これにより、確変状態には、通常状態よりも高い確率で大当りとする判定がなされる。
CPU56は、所定の時期に、乱数回路503のカウント値を抽出して抽出値を大当り判定用乱数(ランダムR)の値と比較するのであるが、大当り判定用乱数値が図5(A)に示すいずれかの大当り判定値に一致すると、特別図柄に関して大当り(通常大当り、または、確変大当り)にすることに決定する。なお、図5(A)に示す「確率」は、大当りになる確率(割合)を示す。
図5(B),(C)は、ROM54に記憶されている大当り種別判定テーブルを示す説明図である。図5(B)は、遊技球が第1始動入賞口13に入賞したことに基づく保留記憶(第1保留記憶ともいう)を用いて大当り種別を決定する場合(第1特別図柄の変動表示が行なわれるとき)に用いる第1特別図柄大当り種別判定テーブル(第1特別図柄用)である。図5(C)は、遊技球が第2始動入賞口14(または、第3始動入賞口17)に入賞したことに基づく保留記憶(第2保留記憶ともいう)を用いて大当り種別を決定する場合(第2特別図柄の変動表示が行なわれるとき)に用いる第2特別図柄大当り種別判定テーブルである。
図5(B)、および、図5(C)の特別図柄大当り種別判定テーブルのそれぞれは、変動表示結果を大当り図柄にする旨の判定がなされたときに、大当り種別判定用の乱数(ランダム1)に基づいて、大当りの種別を「通常大当り」、「確変大当り」、「突確大当り」のうちのいずれかに決定するとともに、大当り図柄を決定するために参照される。
図5(B)の第1特別図柄大当り種別判定テーブルには、ランダム1の値と比較される数値であって、「通常大当り」、「確変大当り」、「突確大当り」のそれぞれに対応した判定値(大当り種別判定値)が設定されている。図5(C)の第2特別図柄大当り種別判定テーブルには、ランダム1の値と比較される数値であって、「通常大当り」、「確変大当り」のそれぞれに対応した判定値(大当り種別判定値)が設定されている。
また、図5(B),(C)に示すように、大当り種別判定値は、第1特別図柄および第2特別図柄の大当り図柄を決定する判定値(大当り図柄判定値)としても用いられる。「通常大当り」に対応した判定値は、第1特別図柄および第2特別図柄の大当り図柄の「3」に対応した判定値としても設定されている。「確変大当り」に対応した判定値は、第1特別図柄および第2特別図柄の大当り図柄の「7」に対応した判定値としても設定されている。「突確大当り」に対応した判定値は、第2特別図柄の大当り図柄の「5」に対応した判定値としても設定されている。
このような大当り種別大当り種別判定テーブルを用いて、CPU56は、大当り種別として、ランダム1の値が一致した大当り種別判定値に対応する種別を決定するともに、大当り図柄として、ランダム1の値が一致した大当り図柄を決定する。これにより、大当り種別と、大当り種別に対応する大当り図柄とが同時に決定される。
図5(B)の第1特別図柄大当り種別判定テーブルと、図5(C)の第2特別図柄大当り種別判定テーブルとでは、高確率状態となる大当りに決定される割合が同じであるが、第2特別図柄大当り種別判定テーブルの方が、第1特別図柄大当り種別判定テーブルよりも、大当り遊技状態におけるラウンド数が多い大当り(15ラウンドの大当り)が選択される割合が高く、また、大当り遊技状態における実質的な入賞可能数が多い大当り(15ラウンドの大当り)が選択される割合が高い。したがって、第2特別図柄の方が第1特別図柄よりも、大当りとなったときに、大入賞口への入賞に関して遊技者にとって有利度合いが高い(たとえば、実質的に入賞可能なラウンド数が多い、実質的な入賞可能数が多い等)有利状態としての大当り遊技状態に制御される。
なお、この実施の形態では、図5(C)の第2特別図柄大当り種別判定テーブルにおいて、突確大当りが選択されない例を示した。しかし、これに限らず、図5(C)の第2特別図柄大当り種別判定テーブルにおいては、突確大当りが選択可能であるが、図5(B)の第1特別図柄大当り種別判定テーブルよりも突確大当りの選択割合が低くなるようにデータを設定してもよい。
次に、図6を用いて、遊技制御用マイクロコンピュータ560において、特別図柄および演出図柄の変動パターンを選択決定するために用いる変動パターンテーブルについて説明する。図6は、変動パターンを決定するために用いる変動パターンテーブルを表形式で示す図である。
図6には、(a)に通常状態はずれ時判定テーブル、(b)に時短状態はずれ時判定テーブルが示されている。また、(c)には通常大当り時判定テーブル、(d)には確変大当り時判定テーブルが示されている。図6(a)〜(d)の各判定テーブルは、ROM54に記憶されており、遊技状態に応じて選択され、変動パターン種別および変動パターンを判定(決定)するために用いられる。
図6に示す判定テーブルは、ランダム2と変動パターン種別との関係を示す変動パターン種別判定テーブルと、各変動パターン種別についてランダム3と各種別に属する変動パターンとの関係を示す変動パターン判定テーブルとを含む。
図6の各テーブルでの「変動パターン種別」または「変動パターン」の欄において、「通常」または「通常変動」は、リーチとならない通常変動パターンを示している。
また、図6の各テーブルでの「ノーマルリーチ」は、リーチ状態となったときに特に派手な演出を実行しないノーマルリーチの変動パターンを示している。「スーパーリーチ」は、リーチ状態となったときに特別な演出画像を表示するリーチ演出を行なう変動パターンを示している。
また、前述したように、「スーパーリーチ」は、「ノーマルリーチ」と比べて大当りとなるときに選択される割合が高く、大当りとなる信頼度が高い変動パターンである。さらに、「スーパーリーチ」は、「ノーマルリーチ」と比べて変動時間が長い(たとえば、ノーマルリーチ10秒、スーパーリーチ30秒)変動パターンである。なお、ノーマルリーチのA,Bの符号、および、スーパーリーチのA,Bの符号はリーチ演出の種類を示しており、ノーマルリーチA<ノーマルリーチB<スーパーリーチA<スーパーリーチBとなるような関係で大当り期待度が高いことを示している。
「はずれ」は、変動表示の最終的な表示結果が「はずれ」の表示結果となる変動パターンである。「通常大当り」は、変動表示の最終的な表示結果が「通常大当り」の表示結果となる変動パターンである。「確変大当り」は、変動表示の最終的な表示結果が「確変大当り」の表示結果となる変動パターンである。
これらの情報に基づいて、たとえば、「変動パターン」の欄に示された「スーパーリーチA はずれ (30秒)」という変動パターンは、「はずれ表示結果となる変動時間が30秒のスーパーリーチAの変動パターン」であることが示される。
図6のテーブルで「ランダム2範囲」および「変動パターン種別」という記載がされた欄は、「ランダム2範囲」と「変動パターン種別」との関係を示す変動パターン種別判定テーブル部としての機能を示す欄である。たとえば、図6(a)を例にとれば、「通常」、「ノーマルリーチ」、「スーパーリーチ」というような複数の変動パターン種別のそれぞれに、ランダム2(1〜251)のすべての値が複数の数値範囲に分けて割振られている。たとえば、図6(a)を例にとれば、所定のタイミングで抽出したランダム2の値が1〜251の乱数値のうち、140〜229に割振られた判定値のいずれかの数値と合致すると、変動パターン種別として「ノーマルリーチ」とすることが決定される。
また、図6のテーブルで「ランダム3範囲」および「変動パターン」という記載がされた欄は、「ランダム3範囲」と「変動パターン」との関係を示す変動パターン判定テーブル部としての機能を示す欄である。変動パターン種別判定テーブルの各種別に対応して示されている変動パターンが、各種別に属する変動パターンである。たとえば、図6(a)を例にとれば、「ノーマルリーチ」の種別に属する変動パターンは、「ノーマルリーチA はずれ」および「ノーマルリーチB はずれ」である。
各変動パターン種別に対応する複数の変動パターンのそれぞれに、ランダム3(1〜220)のすべての値が、複数の数値範囲に分けて割振られている。たとえば、図6(a)を例にとれば、「ノーマルリーチ」の変動パターン種別とすることが決定されたときに、所定のタイミングで抽出したランダム3が1〜220の乱数値のうち、1〜140に割振られた判定値のいずれかの数値と合致すると、変動パターンとして、「ノーマルリーチA はずれ (10秒)」の変動パターンとすることが決定される。
第1特別図柄または第2特別図柄について変動表示結果がはずれとなるときには、変動パターンを決定するために、次のように判定テーブルを選択する。非時短状態において、変動表示結果がはずれとなるときには、図6(a)の通常状態はずれ時判定テーブルを選択する。一方、時短状態において、変動表示結果がはずれとなるときには、図6(b)の時短状態はずれ時判定テーブルを選択する。なお、図6(a),図6(b)の判定テーブルを用いることで、保留数に関わらず、通常状態はずれ時、時短状態はずれ時でのリーチ割合を一定にしている。
また、時短状態であるか否かにかかわらず第1特別図柄または第2特別図柄について変動表示結果が大当りとなるときには、変動パターンを決定するために、次のように判定テーブルを選択する。変動表示結果が通常大当りとなるときには、図6(c)の通常大当り時判定テーブルを選択する。時短状態であるか否かにかかわらず変動表示結果が確変大当りとなるときには、図6(d)の確変大当り時判定テーブルを選択する。
図6(b)の時短状態はずれ時判定テーブルでは、図6(a)の通常状態はずれ時判定テーブルと比べて、リーチ変動(ノーマルリーチ変動およびスーパーリーチ変動を含む)よりも変動時間が短い通常変動(非リーチはずれ変動(リーチとならずにはずれ表示結果となる変動))に決定される割合が高く、通常変動よりも変動時間が長いリーチ変動に決定される割合が低くなるように、データが設定されている。さらに、通常変動の変動パターンとして、図6(b)の時短状態はずれ時判定テーブルでは、図6(a)の通常状態はずれ時判定テーブルと比べて、変動時間が短い変動パターンが設定されている。
これにより、非時短状態(通常状態)のときと比べて、時短状態のときの方が、変動時間が短い変動パターンが選択される割合が高いので、時短状態のときの方が、非時短状態のときよりも平均的に短い変動時間で変動表示が行なわれることとなる。このように判定テーブルを選択することにより時短状態を実現することができる。また、通常変動を非時短状態よりも時短状態ときの方が変動時間が短くなるように設定することで、時短状態中の保留消化を短縮することができる。
また、はずれとなるときに選択される図6(a)および図6(b)の判定テーブルでは、リーチの種別の選択割合がノーマルリーチ>スーパーリーチとなるような高低関係で選択されるようにデータが設定されている。一方、大当りとなるときに選択される図6(c)および図6(d)の判定テーブルでは、リーチの種別の選択割合がノーマルリーチ<スーパーリーチというような割合の高低関係で選択されるようにデータが設定されている。これにより、大当りとなるときには、はずれとなるときと比べて、スーパーリーチのリーチ演出が行なわれる割合(リーチが選択されるときにおけるスーパーリーチのリーチ演出が占める割合)が高くなるので、スーパーリーチのリーチ演出が行なわれることにより、遊技者の期待感を高めることができる。
また、大当りのうち確変大当りとなるときに選択される図6(d)の判定テーブルでは、大当りのうち通常大当りとなるときに選択される図6(c)の判定テーブルと比べて、ノーマルリーチに対してスーパーリーチ演出の種別が選択される割合が高くなるようにデータが設定されている。これにより、確変大当りとなるときには、通常大当りとなるときと比べて、スーパーリーチのリーチ演出が行なわれる割合(リーチが選択されるときにおけるスーパーリーチのリーチ演出が占める割合)が高くなるので、スーパーリーチのリーチ演出が行なわれることにより、遊技者の確変大当りへの期待感を高めることができる。
なお、このような変動パターンは、変動表示をする第1特別図柄および第2特別図柄の合算保留記憶数(合計値)が所定数以上であるとき(たとえば、合算保留記憶数が3以上)と、所定数未満であるときとで選択割合が異なるように設定されることにより、合算保留記憶数が所定数以上であるときには、合算保留記憶数が所定数未満であるときと比べて、変動時間が短縮される保留数短縮制御を実行するようにしてもよい。ただし、保留数短縮制御が実行される条件下でも(たとえば、合算保留記憶数が3以上)リーチ(ノーマルリーチ、スーパーリーチ含む)の割合を一定にすることで、リーチに対する期待感が保たれる。また、リーチの中でもスーパーリーチBのみ変動時間が短縮されないようにして、保留数時短制御を実行するようにしてもよい。さらに、保留数時短制御は変動時間が短い通常変動が高い割合で選択されるようにすることで実行可能としてもよく、各変動パターン自体の変動時間を短くすることで実行可能としてもよいし、その組合せでもよい。
図7は、遊技制御用マイクロコンピュータ560が送信する演出制御コマンドの内容の一例を示す説明図である。図7においては、演出制御コマンドについて具体的なコマンドデータと、コマンドの名称およびコマンドの指定内容との関係が示されている。演出制御コマンドの遊技制御用マイクロコンピュータ560においては、図7に示すように、遊技制御状態に応じて、各種の演出制御コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100へ送信する。
図7のうち、主なコマンドを説明する。コマンド80XX(H)は、特別図柄の変動表示に対応して演出表示装置9において変動表示される演出図柄の変動パターンを指定する演出制御コマンド(変動パターンコマンド)である(それぞれ変動パターンXXに対応)。複数の変動パターンのそれぞれに対して一意な番号を付した場合に、その番号で特定される変動パターンのそれぞれに対応する変動パターンコマンドがある。「(H)」は16進数であることを示す。また、変動パターンを指定する演出制御コマンドは、変動開始を指定するためのコマンドでもある。したがって、演出制御用CPU101は、コマンド80XX(H)を受信すると、演出表示装置において演出図柄の変動表示を開始するように制御する。
コマンド8C01(H)〜8C04(H)は、大当りとするか否か、および大当り種別を示す表示結果指定コマンドである。
コマンド8D01(H)は、第1特別図柄の変動表示を開始することを示す第1図柄変動指定コマンドである。コマンド8D02(H)は、第2特別図柄の変動表示を開始することを示す第2図柄変動指定コマンドである。コマンド8F00(H)は、第1,第2特別図柄の変動を終了することを指定する図柄確定指定コマンドである。
コマンドA001〜A002(H)は、大当りの種別(通常大当り、確変大当り、または、突確大当り)ごとに大当り遊技状態の開始を指定する大当り開始指定コマンドである。
コマンドA1XX(H)は、XXで示す回数目(ラウンド)の大入賞口開放中の表示を示す大入賞口開放中指定コマンドである。A2XX(H)は、XXで示す回数目(ラウンド)の大入賞口開放後(閉鎖)を示す大入賞口開放後指定コマンドである。
コマンドA301〜A303(H)は、大当りの種別(通常大当り、確変大当り、または、突確大当り)ごとに大当り遊技状態の終了を指定する大当り終了指定コマンドである。
コマンドA401(H)は、第1始動入賞があったことを指定する第1始動入賞指定コマンドである。コマンドA402(H)は、第2始動入賞があったことを指定する第2始動入賞指定コマンドである。
コマンドB000(H)は、遊技状態が通常状態(低確率状態)であることを指定する通常状態指定コマンドである。コマンドB001(H)は、遊技状態が時短状態(高ベース状態)であることを指定する時短状態指定コマンドである。コマンドB002(H)は、遊技状態が確変状態(高確率状態)であることを指定する確変状態指定コマンドである。
コマンドC0XX(H)は、第1保留記憶数と第2保留記憶数との合計数(合算保留記憶数)を指定する合算保留記憶数指定コマンドである。コマンドC0XX(H)における「XX」が、合算保留記憶数を示す。コマンドC100(H)は、合算保留記憶数を1減算することを指定する演出制御コマンド(合算保留記憶数減算指定コマンド)である。なお、この実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、合算保留記憶数を減算する場合には合算保留記憶数減算指定コマンドを送信するが、合算保留記憶数減算指定コマンドを使用せず、合算保留記憶数を減算するときに、減算後の合算保留記憶数を指定する合算保留記憶数指定コマンドを送信するようにしてもよい。
なお、この実施の形態では、保留記憶数を指定するコマンドとして、合算保留記憶数を指定する合算保留記憶数指定コマンドを送信する場合を示しているが、第1保留記憶と第2保留記憶とのうち増加した方の保留記憶数を指定するコマンドを送信するように構成してもよい。具体的には、第1保留記憶が増加した場合に第1保留記憶数を指定する第1保留記憶数指定コマンドを送信し、第2保留記憶が増加した場合に第2保留記憶数を指定する第2保留記憶数指定コマンドを送信するようにしてもよい。
また、この実施の形態では、保留記憶情報として、第1始動入賞口13と第2始動入賞口14とのいずれに始動入賞したかを指定する始動入賞指定コマンドを送信するとともに、合算保留記憶数を指定する合算保留記憶数指定コマンドを送信する場合を示しているが、保留記憶情報として送信する演出制御コマンドは、この実施の形態で示したものに限られない。たとえば、保留記憶数が増加したときに、第1保留記憶数または第2保留記憶数が増加したことを示す保留記憶数加算指定コマンド(第1保留記憶数加算指定コマンドまたは第2保留記憶数加算指定コマンド)を送信する一方、保留記憶数が減少したときに、第1保留記憶数または第2保留記憶数が減少したことを示す保留記憶数減算指定コマンド(第1保留記憶数減算指定コマンドまたは第2保留記憶数減算指定コマンド)を送信するようにしてもよい。
コマンドC2XX(H)およびコマンドC3XX(H)は、第1始動入賞口13または第2始動入賞口14への始動入賞時における大当り判定、大当り種別判定、変動パターン種別判定等の入賞時判定結果の内容を示す演出制御コマンドである。このうち、コマンドC2XX(H)は、入賞時判定結果のうち、大当りとなるか否か、および、大当りの種別の判定結果を示す図柄指定コマンドである。また、コマンドC3XX(H)は、入賞時判定結果のうち、変動パターン種別判定用乱数の値がいずれの判定値の範囲となるかの判定結果(変動パターン種別の判定結果)を示す変動種別コマンドである。
この実施の形態では、後述する入賞時演出処理(図12参照)において、遊技制御用マイクロコンピュータ560が、始動入賞時に、大当りとなるか否か、大当りの種別、変動パターン種別判定用乱数の値がいずれの判定値の範囲となるかを判定する。そして、図柄指定コマンドのEXTデータに、大当りとなることを指定する値、および、大当りの種別を指定する値を設定し、演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行なう。また、変動種別コマンドのEXTデータに変動パターン種別の判定結果としての判定値の範囲を指定する値を設定し、演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行なう。この実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ100が、図柄指定コマンドに設定されている値に基づいて、表示結果が大当りとなるか否か、大当りの種別を認識できるとともに、変動種別コマンドに基づいて、変動パターン種別を認識できる。
図8は、遊技制御用マイクロコンピュータ560における保留記憶バッファの構成例を示す説明図である。
図8(A)は、保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)の構成例を示す説明図である。保留特定領域は、RAM55に形成(RAM55内の領域である)され、図8(A)に示すように、合算保留記憶数を計数する合計保留記憶数カウンタの値の最大値(この例では8)に対応した領域が確保されている。図8(A)には、合計保留記憶数カウンタの値が5である場合の例が示されている。
図8(A)に示すように、保留特定領域には、第1始動入賞口13または第2始動入賞口14への入賞に基づいて入賞順に「第1」または「第2」であることを示すデータがセットされる。したがって、保留特定領域には、第1始動入賞口13および第2始動入賞口14への入賞順を特定可能なデータが記憶される。なお、保留特定領域は、RAM55に形成されている。
図8(B)は、保留記憶に対応する乱数等を保存する保存領域(保留記憶バッファ)の構成例を示す説明図である。図8(B)に示すように、第1保留記憶バッファには、第1保留記憶数の上限値(この例では4)に対応した保存領域が確保されている。また、第2保留記憶バッファには、第2保留記憶数の上限値(この例では4)に対応した保存領域が確保されている。第1保留記憶バッファおよび第2保留記憶バッファは、RAM55に形成されている。第1保留記憶バッファおよび第2保留記憶バッファには、ハードウェア乱数である大当り判定用乱数(ランダムR)、および、ソフトウェア乱数である大当り種別決定用乱数(ランダム1)、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)、および、変動パターン判定用乱数(ランダム3)が記憶される。
第1始動入賞口13または第2始動入賞口14への入賞に基づいて、CPU56は、乱数回路503およびソフトウェア乱数を生成するためのランダムカウンタからこのような乱数値を抽出し、それらを、第1保留記憶バッファまたは第2保留記憶バッファにおける保存領域に保存(格納)する処理を実行する。具体的に、第1始動入賞口13への入賞に基づいて、これら乱数値が抽出されて第1保留記憶バッファに保存される。また、第2始動入賞口14への入賞に基づいて、これら乱数値が抽出されて第2保留記憶バッファに保存される。
このように第1保留記憶バッファまたは第2保留記憶バッファに前述のような始動入賞に関する情報が記憶されることを「保留記憶される」と示す場合がある。なお、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)および変動パターン判定用乱数(ランダム3)は、始動入賞時において抽出して保存領域に予め格納しておくのではなく、後述する変動パターン設定処理(特別図柄の変動開始時)に抽出するようにしてもよい。
このように保留特定領域および保存領域に記憶されたデータは、後述するように、始動入賞時に読出されて先読み予告演出のために用いられるとともに、変動表示開始時に読出されて変動表示のために用いられる。
第1始動入賞口13または第2始動入賞口14への始動入賞があったときには、図柄指定コマンド、変動種別コマンド、および、合算保留記憶数指定コマンドという3つのコマンドを1セットとして、主基板31から演出制御基板80へと送信される。演出制御用マイクロコンピュータ100のRAM103に設けられた始動入賞時受信コマンドバッファには、受信した図柄指定コマンド、変動種別コマンド、および、合算保留記憶数指定コマンド等の各種コマンドを対応付けて格納できるように、受信したコマンドを特定可能なデータを記憶する記憶領域が確保されている。
この実施の形態において、第1特別図柄および第2特別図柄の変動表示に対応して行なわれる演出図柄の演出制御パターンは、複数種類の変動パターンに対応して、演出図柄の変動表示動作、リーチ演出等における演出表示動作、あるいは、演出図柄の変動表示を伴わない各種の演出動作というような、様々な演出動作の制御内容を示すデータ等から構成されている。また、予告演出制御パターンは、予め複数パターンが用意された予告パターンに対応して実行される予告演出となる演出動作の制御内容を示すデータ等から構成されている。各種演出制御パターンは、パチンコ遊技機1における遊技の進行状況に応じて実行される各種の演出動作に対応して、その制御内容を示すデータ等から構成されている。
次に、パチンコ遊技機1の動作について説明する。パチンコ遊技機1においては、主基板31における遊技制御用マイクロコンピュータ560が予め定められたメイン処理を実行すると、所定時間(たとえば2ms)毎に定期的にタイマ割込がかかりタイマ割込処理が実行されることにより、各種の遊技制御が実行可能となる。
メイン処理においては、たとえば、必要な初期設定処理、通常時の初期化処理、通常時以外の遊技状態復旧処理、乱数回路設定処理(乱数回路503を初期設定)、表示用乱数更新処理(変動パターンの種別決定、変動パターン決定等の各種乱数の更新処理)、および、初期値用乱数更新処理(普通図柄当り判定用乱数発生カウンタのカウント値の初期値の更新処理)等が実行される。
図9は、タイマ割込処理を示すフローチャートである。タイマ割込が発生すると、CPU56は、図9に示すステップS(以下、単に「S」と示す)20〜S34のタイマ割込処理を実行する。タイマ割込処理において、まず、電源断信号が出力されたか否か(オン状態になったか否か)を検出する電源断検出処理を実行する(S20)。次いで、入力ドライバ回路58を介して、ゲートスイッチ32a、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14aおよびカウントスイッチ23の検出信号を入力し、それらの状態判定を行なう(スイッチ処理:S21)。
次に、CPU56は、第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8b、普通図柄表示器10、第1特別図柄保留記憶表示器18a、第2特別図柄保留記憶表示器18b、普通図柄保留記憶表示器41の表示制御を行なう表示制御処理を実行する(S22)。第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8bおよび普通図柄表示器10については、S32,S33で設定される出力バッファの内容に応じて各表示器に対して駆動信号を出力する制御を実行する。
また、遊技制御に用いられる普通図柄当り判定用乱数(ランダム4)および大当り種別判定用乱数(ランダム1)等の各判定用乱数を生成するための各カウンタのカウント値を更新する処理を行なう(判定用乱数更新処理:S23)。CPU56は、さらに、初期値用乱数(ランダム4初期値決定用乱数等)、および、表示用乱数(ランダム2,3)を生成するためのランダムカウンタのカウント値を更新する処理を行なう(初期値用乱数更新処理,表示用乱数更新処理:S24,S25)。
さらに、CPU56は、特別図柄プロセス処理を行なう(S26)。特別図柄プロセス処理では、第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8b、および、大入賞口を所定の順序で制御するための特別図柄プロセスフラグにしたがって該当する処理を実行し、特別図柄プロセスフラグの値を、遊技状態に応じて更新する。
次いで、普通図柄プロセス処理を行なう(S27)。普通図柄プロセス処理では、CPU56は、普通図柄表示器10の表示状態を所定の順序で制御するための普通図柄プロセスフラグにしたがって該当する処理を実行し、普通図柄プロセスフラグの値を、遊技状態に応じて更新する。
また、CPU56は、演出制御用マイクロコンピュータ100に演出制御コマンドを送信する処理を行なう(演出制御コマンド制御処理:S28)。さらに、CPU56は、たとえばホール管理用コンピュータに供給される大当り情報、始動情報、確率変動情報等のデータを出力する情報出力処理を行なう(S29)。
また、CPU56は、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14aおよびカウントスイッチ23の検出信号に基づく賞球個数の設定等を行なう賞球処理を実行する(S30)。
この実施の形態では、出力ポートの出力状態に対応したRAM領域(出力ポートバッファ)が設けられているのであるが、CPU56は、出力ポートの出力状態に対応したRAM領域におけるソレノイドのオン/オフに関する内容を出力ポートに出力する(S31:出力処理)。
また、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値に応じて特別図柄の演出表示を行なうための特別図柄表示制御データを特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する特別図柄表示制御処理を行なう(S32)。
さらに、CPU56は、普通図柄プロセスフラグの値に応じて普通図柄の演出表示を行なうための普通図柄表示制御データを普通図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する普通図柄表示制御処理を行なう(S33)。また、CPU56は、出力バッファに設定された表示制御データに応じて、S22において駆動信号を出力することによって、普通図柄表示器10における普通図柄の演出表示を実行する。
その後、割込許可状態に設定し(S34)、処理を終了する。以上の制御によって、この実施の形態では、遊技制御処理は所定時間毎に起動されることになる。
図10は、特別図柄プロセス処理(S26)を示すフローチャートである。特別図柄プロセス処理では、第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bおよび大入賞口を制御するための処理が実行される。特別図柄プロセス処理においては、始動口スイッチ通過処理を実行する(S311)。そして、内部状態に応じて、S300〜S307のうちのいずれかの処理を行なう。
遊技制御用マイクロコンピュータ560において、RAM55には、第1始動入賞口13への始動入賞に基づいて得られる大当り判定用乱数等の保留記憶データ(第1保留記憶データ)が記憶される第1保留記憶バッファと、第2始動入賞口14への始動入賞に基づいて得られる大当り判定用乱数等の保留記憶データ(第2保留記憶データ)が記憶される第2保留記憶バッファとが設けられている。これら各保留記憶バッファには、各保留記憶の記憶数の上限値(この例では4)に対応した保存領域が確保されている。
始動口スイッチ通過処理では、第1始動口スイッチ13aがオンしていれば、第1保留記憶数が上限値(たとえば、4)に達していないことを条件として、第1保留記憶データの記憶数を計数する第1保留記憶数カウンタの値を1増やし、乱数回路503やソフトウェア乱数を生成するためのカウンタから数値データ(たとえば、大当り判定用乱数、変動パターン種別判定用乱数、および、変動パターン判定用乱数)を抽出し、それらを、第1保留記憶バッファにおける保存領域に保存(格納)する処理を実行する。一方、第2始動口スイッチ14aがオンしていれば、第2保留記憶数が上限値(たとえば、4)に達していないことを条件として、第2保留記憶データの記憶数を計数する第2保留記憶数カウンタの値を1増やし、乱数回路503やソフトウェア乱数を生成するためのカウンタから数値データ(たとえば、大当り判定用乱数、変動パターン種別判定用乱数、および、変動パターン判定用乱数)を抽出し、それらを、第2保留記憶バッファにおける保存領域に保存(格納)する処理を実行する。
以下の保留記憶に関する説明に関しては、第1保留記憶バッファまたは第2保留記憶バッファに前述のような始動入賞に関する情報が記憶されることを「保留記憶される」と示す場合がある。また、第1保留記憶バッファに記憶される数値データを第1保留記憶情報と呼び、第2保留記憶バッファに記憶される数値データを第2保留記憶情報と呼ぶ場合がある。
S300〜S307の処理は、以下のような処理である。特別図柄通常処理(S300)は、変動表示の表示結果を大当りとするか否かの決定、および、大当りとする場合の大当り種別の決定等を行なう処理である。なお、特別図柄の変動を開始するときに、合算保留記憶数減算指定コマンドが、演出制御コマンドが演出制御用CPU101に送信される。変動パターン設定処理(S301)は、変動パターンの決定(変動パターン種別判定用乱数および変動パターン判定用乱数を用いた変動パターンの決定)、および、決定された変動パターンに応じて変動時間を計時するための変動時間タイマの計時開始等の制御を行なう処理である。
表示結果指定コマンド送信処理(S302)は、演出制御用マイクロコンピュータ100に、表示結果指定コマンドを送信する制御を行なう処理である。特別図柄変動中処理(S303)は、変動パターン設定処理で選択された変動パターンの変動時間が経過すると特別図柄停止処理にプロセスを進める処理である。特別図柄停止処理(S304)は、決定された変動パターンに対応する変動時間の経過が変動時間タイマにより計時されたときに第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bにおける変動表示を停止して停止図柄を導出表示させる処理である。
大入賞口開放前処理(S305)は、大当りの種別に応じて、特別可変入賞球装置20において大入賞口を開放する制御等を行なう処理である。大入賞口開放中処理(S306)は、大当り遊技状態中のラウンド表示演出用の演出制御コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御、および、大入賞口の閉成条件の成立を確認する処理等を行なう処理である。大入賞口の閉成条件が成立し、かつ、まだ残りラウンドがある場合には、大入賞口開放前処理(S305)に移行する。また、全てのラウンドを終えた場合には、大当り終了処理(S307)に移行する。大当り終了処理(S307)は、大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を演出制御用マイクロコンピュータ100に行なわせるための制御等を行なう処理である。
図11は、S311の始動口スイッチ通過処理を示すフローチャートである。始動入賞判定処理において、CPU56は、まず、第1始動口スイッチ13aがオン状態であるか否かを確認する(S1211)。第1始動口スイッチ13aがオン状態でなければ、S1222に移行する。第1始動口スイッチ13aがオン状態であれば、CPU56は、第1保留記憶数が上限値に達しているか否か(具体的には、第1保留記憶数をカウントするための第1保留記憶数カウンタの値が4であるか否か)を確認する(S1212)。第1保留記憶数が上限値に達していれば、S1222に移行する。
第1保留記憶数が上限値に達していなければ、CPU56は、第1保留記憶数カウンタの値を1増やす(S1213)とともに、合算保留記憶数をカウントするための合算保留記憶数カウンタの値を1増やす(S1214)。また、CPU56は、図8で説明した第1始動入賞口13および第2始動入賞口14への入賞順を記憶するための保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)において、合算保留記憶数カウンタの値に対応した領域に、「第1」を示すデータをセットする(S1215)。
この実施の形態では、第1始動口スイッチ13aがオン状態となった場合(すなわち、第1始動入賞口13に遊技球が始動入賞した場合)には「第1」を示すデータをセットし、第2始動口スイッチ14aがオン状態となった場合(すなわち、第2始動入賞口14に遊技球が始動入賞した場合)には「第2」を示すデータをセットする。たとえば、CPU56は、図8に示す保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)において、第1始動口スイッチ13aがオン状態となった場合には「第1」を示すデータとして01(H)をセットし、第2始動口スイッチ14aがオン状態となった場合には「第2」を示すデータとして02(H)をセットする。なお、この場合、対応する保留記憶がない場合には、保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)には、00(H)がセットされている。
図8(A)に示すように、保留特定領域には、合算保留記憶数カウンタの値の最大値(この例では8)に対応した領域が確保されており、第1始動入賞口13または第2始動入賞口14への入賞に基づき入賞順に「第1」または「第2」であることを示すデータがセットされる。したがって、保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)には、第1始動入賞口13および第2始動入賞口14への入賞順番が記憶される。
次いで、CPU56は、乱数回路503やソフトウェア乱数を生成するためのカウンタから値を抽出し、それらを、第1保留記憶バッファ(図8(B)参照)における保存領域に格納する処理を実行する(S1216)。S1216の処理では、大当り判定用乱数(ランダムR)、大当り種別決定用乱数(ランダム1)、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)、および、変動パターン判定用乱数(ランダム3)が抽出され、保存領域に格納される。
次いで、CPU56は、検出した始動入賞に基づく変動がその後実行されたときの変動表示結果や変動パターン種別を始動入賞時に予め判定する入賞時演出処理を実行する(S1217)。そして、CPU56は、入賞時演出処理の判定結果に基づいて、図柄指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行なう(S1218)とともに、変動種別コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行なう(S1219)。また、CPU56は、第1始動入賞指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行なう(S1220)とともに、合算保留記憶数カウンタの値をEXTデータに設定して合算保留記憶数指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行なう(S1221)。
S1218,S1219の処理を実行することによって、この実施の形態では、遊技状態(高確率状態、低確率状態、高ベース状態、低ベース状態、大当り遊技状態等の遊技状態)にかかわらず、第1始動入賞口13に始動入賞するごとに、必ず図柄指定コマンドおよび変動種別コマンドの両方が、演出制御用マイクロコンピュータ100に送信される。
また、この実施の形態では、S1218〜S1221の処理が実行されることによって、第1始動入賞口13への始動入賞が発生したときに、図柄指定コマンド、変動種別コマンド、第1始動入賞指定コマンドおよび合算保留記憶数指定コマンドの4つのコマンドのセットが1タイマ割込内に一括して送信される。
次いで、CPU56は、第2始動口スイッチ14aがオン状態であるか否かを確認する(S1222)。第2始動口スイッチ14aがオン状態でなければ、そのまま処理を終了する。第2始動口スイッチ14aがオン状態であれば、CPU56は、第2保留記憶数が上限値に達しているか否か(具体的には、第2保留記憶数をカウントするための第2保留記憶数カウンタの値が4であるか否か)を確認する(S1223)。第2保留記憶数が上限値に達していれば、そのまま処理を終了する。
第2保留記憶数が上限値に達していなければ、CPU56は、第2保留記憶数カウンタの値を1増やす(S1224)とともに、合算保留記憶数をカウントするための合算保留記憶数カウンタの値を1増やす(S1225)。また、CPU56は、保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)において、合算保留記憶数カウンタの値に対応した領域に、「第2」を示すデータをセットする(S1226)。
次いで、CPU56は、乱数回路503やソフトウェア乱数を生成するためのカウンタから値を抽出し、それらを、第2保留記憶バッファ(図7(B)参照)における保存領域に格納する処理を実行する(S1227)。なお、S1227の処理では、大当り判定用乱数(ランダムR)、大当り種別決定用乱数(ランダム1)、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)、および、変動パターン判定用乱数(ランダム3)が抽出され、保存領域に格納される。
次いで、CPU56は、入賞時演出処理を実行する(S1228)。そして、CPU56は、入賞時演出処理の判定結果に基づいて図柄指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行なう(S1229)とともに、変動種別コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行なう(S1230)。また、CPU56は、第2始動入賞指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行なう(S1231)とともに、合算保留記憶数カウンタの値をEXTデータに設定して合算保留記憶数指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行なう(S1232)。
S1229,S1230の処理を実行することによって、この実施の形態では、遊技状態(高確率状態、低確率状態、高ベース状態、低ベース状態、大当り遊技状態等の遊技状態)CPU56は、第2始動入賞口14に始動入賞するごとに、必ず図柄指定コマンドおよび変動種別コマンドの両方を演出制御用マイクロコンピュータ100に対して送信する。
また、この実施の形態では、S1229〜S1232の処理が実行されることによって、第2始動入賞口14への始動入賞が発生したときに、図柄指定コマンド、変動種別コマンド、第2始動入賞指定コマンドおよび合算保留記憶数指定コマンドの4つのコマンドのセットが1タイマ割込内に一括して送信される。
図12は、S1217,S1228の入賞時演出処理を示すフローチャートである。入賞時演出処理では、CPU56は、まず、S1216,S1227で抽出した大当り判定用乱数(ランダムR)と図5(A)の左欄に示す通常時の大当り判定値とを比較し、それらが一致するか否かを確認する(S220)。この実施の形態では、特別図柄および演出図柄の変動を開始するタイミングで、特別図柄通常処理において大当りとするか否か、および大当り種別を決定したり、変動パターン設定処理において変動パターン(変動パターン種別の決定も含む)を決定したりするのであるが、それとは別に、遊技球が第1始動入賞口13または第2始動入賞口14に始動入賞したタイミングで、その始動入賞に基づく変動表示が開始される前に、入賞時演出処理を実行することによって、予め大当りとなるか否か、および、大当りの種別、変動パターンを先読み判定する。そのようにすることによって、演出図柄の変動表示が実行されるより前に予め変動表示結果を予測し、後述するように、入賞時の判定結果に基づいて、演出制御用CPU101によって演出図柄の変動表示中に大当りとなること(大当りとなる可能性)を予告する先読み予告を実行する。
なお、この実施の形態では、第1特別図柄の変動表示および第2特別図柄の変動表示の両方を対象として先読み予告を実行する例を説明するが、低ベース状態中は第1特別図柄のみを対象として先読み予告を実行可能とし、高ベース状態中は第2特別図柄のみを対象として先読み予告を実行可能とするようにしてもよい。
大当り判定用乱数(ランダムR)が通常時の大当り判定値と一致しなければ(S220のN)、CPU56は、遊技状態が確変状態(高確率状態)であることを示す確変フラグがセットされているか否かを確認する(S221)。確変フラグがセットされていれば、CPU56は、S1216,S1227で抽出した大当り判定用乱数(ランダムR)と図5(A)の右欄に示す確変時の大当り判定値とを比較し、それらが一致するか否かを確認する(S222)。
大当り判定用乱数(ランダムR)が確変時の大当り判定値とも一致しなければ(S222のN)、CPU56は、「はずれ」となることを示すEXTデータを図柄指定コマンドに設定する処理を行なう(S223)。これにより、「はずれ」となることを示す図柄指定コマンドが始動入賞時に出力されることとなる。
S220またはS222で大当り判定用乱数(ランダムR)が大当り判定値と一致した場合には、CPU56は、S1216,S1227で抽出した大当り種別決定用乱数(ランダム1)に基づいて大当りの種別を判定する(S224)。この場合、CPU56は、第1始動入賞口13への始動入賞があった場合(S1217の入賞時演出処理を実行する場合)には、図5(B)に示す大当り種別判定テーブル(第1特別図柄用)を用いて大当り種別が「通常大当り」、または、「確変大当り」のいずれとなるかを判定する。また、第2始動入賞口14への始動入賞があった場合(S1228の入賞時演出処理を実行する場合)には、図5(C)に示す大当り種別判定テーブル(第2特別図柄用)を用いて大当り種別が「通常大当り」、または、「確変大当り」のいずれとなるかを判定する。
次に、CPU56は、大当り種別の判定結果に応じたEXTデータを図柄指定コマンドに設定する処理を行なう(S225)。たとえば、「通常大当り」となると判定した場合に、CPU56は、「通常大当り」となることを示すEXTデータを図柄指定コマンドに設定する処理を行なう。また、「確変大当り」となると判定した場合に、CPU56は、「確変大当り」となることを示すEXTデータを図柄指定コマンドに設定する処理を行なう。これにより、大当りとなるときは、始動入賞時に、「通常大当り」、または、「確変大当り」となることを示す図柄指定コマンドが出力されることとなる。
次に、CPU56は、S1216,S1227で抽出した変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)を用いて、S223、S225で設定された各表示結果、および、遊技状態に応じた変動パターンを判定する(S226)。たとえば、この実施形態では、大当りとなるか否か、および、時短状態であるか否かに応じて、変動パターン種別を決定するために用いるテーブルが異なっているので、S226では、変動パターンの判定対象となる保留記憶データについて、時短フラグ(時短状態に制御されるときにセットされるフラグ)のような遊技状態を示すデータに基づいて、当該保留記憶データに基づく変動表示が実行されるときの遊技状態を認識し、当該保留記憶データに基づく変動表示の表示結果等に基づいて、前記した変動パターンの決定に用いるテーブルを選択し、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)を用いて変動パターンを判定する。
そして、CPU56は、決定結果に応じたEXTデータを変動種別コマンドに設定する処理を行なう(S227)。これにより、始動入賞時には、変動種別を示す変動種別コマンドが出力されることとなる。
なお、始動入賞時にS221により確変状態であるか否かを確認してから、実際にその始動入賞に基づく変動表示が開始されるまでの間には、複数回の変動表示が実行される可能性がある。そのため、S221で確変状態であるか否かを確認してから、実際にその始動入賞に基づく変動表示が開始されるまでの間に遊技状態が変化している(たとえば、変動回数により遊技状態が変わる場合に、変動回数が100回までと100回より後とで確変状態から通常状態へと遊技状態が変化している。)場合がある。そのため、始動入賞時にS222で判定する遊技状態と変動開始時に判定する遊技状態とは、必ずしも一致するとは限らない。そのような不一致を防止するため、現在記憶している保留記憶内の遊技状態の変更を伴うものを特定して、変更後の遊技状態に基づいて始動入賞時の判定を行なうようにしてもよい。また、大当りの判定対象となる保留記憶データについて、確変回数カウンタ、および、時短回数カウンタのような遊技状態を示すデータに基づいて、当該保留記憶データに基づく変動表示が実行されるときの遊技状態を認識して、当該保留記憶データに基づく変動表示の表示結果等に基づいて、前記した変動パターンの決定に用いるテーブルを選択し、大当り種別判定用乱数(ランダムR)を用いて大当り判定をするようにしてもよい。
また、始動入賞時に時短状態であるか否かを確認してもよい。このような場合には、実際にその始動入賞に基づく変動表示が開始されるまでの間には、複数回の変動表示が実行される可能性がある。よって、時短状態であるか否かを確認してから、実際にその始動入賞に基づく変動表示が開始されるまでの間に遊技状態が変化している(たとえば、変動回数により遊技状態が変わる場合に、変動回数が100回までと100回より後とで時短状態から通常状態へと遊技状態が変化している。)場合がある。そのため、始動入賞時に判定する遊技状態と変動開始時に判定する遊技状態とは、必ずしも一致するとは限らない。そのような不一致を防止するため、現在記憶している保留記憶内の遊技状態の変更を伴うものを特定して、変更後の遊技状態に基づいて始動入賞時の判定を行なうようにしてもよい。また、変動パターンの判定対象となる保留記憶データについて、時短回数カウンタのような遊技状態を示すデータに基づいて、当該保留記憶データに基づく変動表示が実行されるときの遊技状態を認識して、当該保留記憶データに基づく変動表示の表示結果等に基づいて、前記した変動パターンの決定に用いるテーブルを選択し、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)を用いて変動パターン種別を判定するようにしてもよい。
図13は、特別図柄プロセス処理における特別図柄通常処理(S300)を示すフローチャートである。特別図柄通常処理において、CPU56は、第1保留記憶バッファまたは第2保留記憶バッファに保留記憶データがあるかどうかを確認する(S51)。第1保留記憶バッファおよび第2保留記憶バッファのどちらにも保留記憶データがない場合には、処理を終了する。
第1保留記憶バッファまたは第2保留記憶バッファに保留記憶データがあるときには、CPU56は、保留特定領域(図8(A)参照)に設定されているデータのうち1番目のデータが「第1」を示すデータであるか否か確認する(S52)。保留特定領域に設定されている1番目のデータが「第1」を示すデータでない(すなわち、「第2」を示すデータである)場合(S52のN)、CPU56は、特別図柄ポインタ(第1特別図柄について特別図柄プロセス処理を行なっているのか第2特別図柄について特別図柄プロセス処理を行なっているのかを示すフラグ)に「第2」を示すデータを設定する(S53)。保留特定領域に設定されている1番目のデータが「第1」を示すデータである場合(S52のY)、CPU103は、特別図柄ポインタに「第1」を示すデータを設定する(S54)。
この実施の形態では、以下、特別図柄ポインタに「第1」を示すデータが設定されたか「第2」を示すデータが設定されたかに応じて、第1特別図柄表示器8aにおける第1特別図柄の変動表示と、第2特別図柄表示器8bにおける第2特別図柄の変動表示とを、共通の処理ルーチンを用いて実行する。特別図柄ポインタに「第1」を示すデータが設定されたときには、第1保留記憶バッファに記憶された保留記憶データに基づいて、第1特別図柄表示器8aにおける第1特別図柄の変動表示が行なわれる。一方、特別図柄ポインタに「第2」を示すデータが設定されたときには、第2保留記憶バッファに記憶された保留記憶データに基づいて、第2特別図柄表示器8bにおける第2特別図柄の変動表示が行なわれる。
S52〜S54の処理が実行されることによって、この実施の形態では、第1始動入賞口13と第2始動入賞口14とに遊技球が入賞した始動入賞順にしたがって、第1特別図柄の変動表示または第2特別図柄の変動表示が実行される。
次いで、CPU56は、RAM55において、特別図柄ポインタが示す方の保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読出してRAM55の保留記憶バッファに格納する(S55)。具体的には、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合には、第1保留記憶バッファにおける第1保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読出してRAM55の保留記憶バッファに格納する。また、CPU56は、特別図柄ポインタが「第2」を示している場合には、第2保留記憶バッファにおける第2保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読出してRAM55の保留記憶バッファに格納する。
そして、CPU56は、特別図柄ポインタが示す方の保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し、かつ、各保存領域の内容をシフトする(S56)。具体的には、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合には、第1保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し、かつ、第1保留記憶バッファにおける各保存領域の内容をシフトする。また、特別図柄ポインタが「第2」を示している場合に、第2保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し、かつ、第2保留記憶バッファにおける各保存領域の内容をシフトする。
すなわち、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合に、RAM55の第1保留記憶バッファにおいて第1保留記憶数=n(n=2,3,4)に対応する保存領域に格納されている各乱数値を、第1保留記憶数=n−1に対応する保存領域に格納する。また、特別図柄ポインタが「第2」を示す場合に、RAM55の第2保留記憶バッファにおいて第2保留記憶数=n(n=2,3,4)に対応する保存領域に格納されている各乱数値を、第2保留記憶数=n−1に対応する保存領域に格納する。また、CPU56は、保留特定領域において合算保留記憶数=m(m=2〜8)に対応する保存領域に格納されている値(「第1」または「第2」を示す値)を、合算保留記憶数=m−1に対応する保存領域に格納する。よって、各第1保留記憶数(または、各第2保留記憶数)に対応するそれぞれの保存領域に格納されている各乱数値が抽出された順番は、常に、第1保留記憶数(または、第2保留記憶数)=1,2,3,4の順番と一致するようになっている。また、各合算保留記憶数に対応するそれぞれの保存領域に格納されている各値が抽出された順番は、常に、合算保留記憶数=1〜8の順番と一致するようになっている。
RAM55に形成され合算保留記憶数を計数する合計保留記憶数カウンタのカウント値を1減算する(S57)。なお、CPU56は、カウント値が1減算される前の合算保留記憶数カウンタの値をRAM55の所定の領域に保存する。
特別図柄通常処理では、最初に、第1始動入賞口13を対象として処理を実行することを示す「第1」を示すデータすなわち第1特別図柄を対象として処理を実行することを示す「第1」を示すデータ、または第2始動入賞口14を対象として処理を実行することを示す「第2」を示すデータすなわち第2特別図柄を対象として処理を実行することを示す「第2」を示すデータが、特別図柄ポインタに設定される。そして、特別図柄プロセス処理における以降の処理では、特別図柄ポインタに設定されているデータに応じた処理が実行される。よって、S300〜S307の処理を、第1特別図柄を対象とする場合と第2特別図柄を対象とする場合とで共通化することができる。
次いで、CPU56は、保留記憶バッファからランダムR(大当り判定用乱数)を読出し、大当り判定モジュールを実行する(S61)。なお、この場合、CPU56は、始動口スイッチ通過処理のS1216や始動口スイッチ通過処理のS1227で抽出し第1保留記憶バッファや第2保留記憶バッファに予め格納した大当り判定用乱数を読出し、大当り判定を行なう。大当り判定モジュールは、予め決められている大当り判定値(図5参照)と大当り判定用乱数とを比較し、それらが一致したら大当りとすることに決定する処理を実行するプログラムである。すなわち、大当り判定の処理を実行するプログラムである。
大当り判定の処理では、遊技状態が確変状態(高確率状態)の場合は、遊技状態が非確変状態(通常遊技状態)の場合よりも、大当りとなる確率が高くなるように構成されている。具体的には、予め大当り判定値の数が多く設定されている確変時大当り判定テーブル(ROM54における図5(A)の右側の数値が設定されているテーブル)と、大当り判定値の数が確変時大当り判定テーブルよりも少なく設定されている通常時大当り判定テーブル(ROM54における図5(A)の左側の数値が設定されているテーブル)とが設けられている。そして、CPU56は、遊技状態が確変状態であるか否かを確認し、遊技状態が確変状態であるときは、確変時大当り判定テーブルを使用して大当り判定の処理を行ない、遊技状態が通常遊態や時短状態であるときは、通常時大当り判定テーブルを使用して大当り判定の処理を行なう。すなわち、CPU56は、大当り判定用乱数(ランダムR)の値が図5(A)に示すいずれかの大当り判定値に一致すると、特別図柄に関して大当りとすることに決定する。大当りとすることに決定した場合には(S61のY)、S71に移行する。なお、大当りとするか否か決定するということは、大当り遊技状態に移行させるか否か決定するということであるが、特別図柄表示器における停止図柄を大当り図柄とするか否か決定するということでもある。
なお、現在の遊技状態が確変状態であるか否かの確認は、確変フラグがセットされているか否かにより行なわれる。確変フラグは、遊技状態を確変状態に移行するときにセットされ、確変状態を終了するときにリセットされる。具体的に、確変フラグは、確変大当りとなったときに、大当り終了処理(図10のS307)においてセットされ、その後、次回の大当りが決定されたという条件、または、はずれ表示結果となる変動表示が所定回数(たとえば100回)が実行されたという条件が成立したときに、特別図柄の変動表示を終了して停止図柄を停止表示するタイミングでリセットされる。
大当り判定用乱数(ランダムR)の値がいずれの大当り判定値にも一致しなければ(S61のN)、後述するS75に進む。
S61において大当り判定用乱数(ランダムR)の値がいずれかの大当り判定値に一致すればCPU56は、大当りであることを示す大当りフラグをセットする(S71)。なお、大当りフラグは、大当り遊技が終了するときにリセットされる。そして、大当り種別を複数種類のうちのいずれかに決定するために使用するテーブルとして、図5(B)の第1特別図柄大当り種別判定用テーブルおよび図5(C)の第2特別図柄大当り種別判定用テーブルのうち、いずれかのテーブルを選択する(S72)。具体的に、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合には、図5(B)に示す第1特別図柄大当り種別判定用テーブルを選択する。また、CPU56は、特別図柄ポインタが「第2」を示している場合において、図5(C)の第2特別図柄大当り種別判定用テーブルを選択する。
次いで、CPU56は、始動口スイッチ通過処理で抽出し第1保留記憶バッファや第2保留記憶バッファに予め格納した大当り種別判定用乱数を読出し、S72で選択した大当り種別判定テーブルを用いて、保留記憶バッファに格納された大当り種別判定用の乱数(ランダム1)の値と一致する値に対応した大当り種別および大当り図柄を決定する(S73)。
図5(B),(C)に示すように、第1特別図柄および第2特別図柄については、大当り種別ごとに大当り図柄が異なるように大当り種別と大当り図柄との関係が設定されており、大当り種別と大当り図柄とが同時に決定されるので、大当り図柄と、大当り種別に応じた遊技制御との対応関係が単純化するため、遊技制御の複雑化を防ぐことができる。
また、CPU56は、決定した大当りの種別を示す大当り種別データをRAM55における大当り種別バッファに設定する(S74)。たとえば、大当り種別が「通常大当り」の場合には、大当り種別データとして「01」が設定される。大当り種別が「確変大当り」の場合には、大当り種別データとして「02」が設定される。大当り種別が「突然確変大当り」の場合には大当り種別を示すデータとして「03」が設定される。
次いで、CPU56は、特別図柄の停止図柄を設定する(S75)。具体的には、大当りフラグがセットされていない場合には、はずれ図柄となる「−」を特別図柄の停止図柄として設定する。大当りフラグがセットされている場合には、大当り種別の決定結果に応じて、S73により決定された大当り図柄を特別図柄の停止図柄に設定する。すなわち、大当り種別が「確変大当り」に決定されたときには「7」を特別図柄の停止図柄に設定する。大当り種別が「通常大当り」に決定した場合には「3」を特別図柄の停止図柄に決定する。大当り種別が「突然確変大当り」に決定されたときには「5」を特別図柄の停止図柄に設定する。
そして、特別図柄プロセスフラグの値を変動パターン設定処理(S301)に対応した値に更新する(S76)。
次に、演出制御手段としての演出制御用マイクロコンピュータ100の動作を説明する。
図14は、演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ100(具体的には、演出制御用CPU101)が実行する演出制御メイン処理を示すフローチャートである。
演出制御用CPU101は、電源が投入されると、演出制御メイン処理の実行を開始する。演出制御メイン処理では、まず、RAM領域のクリアや各種初期値の設定、また演出制御の起動間隔(たとえば、2ms)を決めるためのタイマの初期設定等を行なうための初期化処理を行なう(S701)。その後、演出制御用CPU101は、タイマ割込フラグの監視(S702)を行なうループ処理に移行する。タイマ割込が発生すると、演出制御用CPU101は、タイマ割込処理においてタイマ割込フラグをセットする。演出制御メイン処理において、タイマ割込フラグがセットされていたら、演出制御用CPU101は、そのフラグをクリアし(S703)、以下の演出制御処理を実行する。
演出制御処理において、演出制御用CPU101は、まず、受信した演出制御コマンドを解析し、受信した演出制御コマンドに応じたフラグをセットする処理等を行なう(コマンド解析処理:S704)。次いで、演出制御用CPU101は、演出制御プロセス処理を行なう(S705)。演出制御プロセス処理では、S704で解析した演出制御コマンドの内容にしたがって演出表示装置9での演出図柄の変動表示等の各種演出を行なうために、制御状態に応じた各プロセスのうち、現在の制御状態(演出制御プロセスフラグ)に対応した処理を選択して演出制御を実行する。
次いで、演出図柄の停止図柄決定用乱数および各種演出内容の選択決定用乱数等の各種乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する乱数更新処理を実行する(S706)。また、合算保留記憶表示部18cの表示状態の制御を行なう保留記憶表示制御処理を実行する(S707)。S707の処理では、保留記憶の発生に応じて、合算保留記憶表示部18cに保留記憶を出現させる処理を実行する。その後、S702に移行する。
このような演出制御メイン処理が実行されることにより、演出制御用マイクロコンピュータ100では、遊技制御用マイクロコンピュータ560から送信され、受信した演出制御コマンドに応じて、演出表示装置9、各種ランプ、および、スピーカ27等の演出装置を制御することにより、遊技状態に応じた各種の演出制御が行なわれる。
図15は、演出制御基板80で用いる各乱数を示す説明図である。各乱数はS706の乱数更新処理において乱数ごとに設定されたタイミングおよび更新数でカウントされる。図15においては、乱数の種別、計数範囲、および、用途が示されている。
図15に示すように、この実施の形態では、演出制御基板80の側において、演出図柄の左停止図柄決定用の乱数値SR1−1、演出図柄の中停止図柄決定用の乱数値SR1−2、演出図柄の右停止図柄決定用の乱数値SR1−3、後述する対応表示実行決定用の乱数値SR3−1、対応表示内容決定用の乱数値SR3−2、先読み予告対応表示実行決定用の乱数値SR3−3、対応表示数決定用の乱数値SR3−4、および、対応表示期待度選択用の乱数値SR3−5のそれぞれを示す数値データがカウント可能に制御される。なお、演出効果を高めるために、これら以外の乱数値が用いられてもよい。
このような乱数SR1−1〜SR3−5のそれぞれは、演出制御用マイクロコンピュータ100においてソフトウェアによりカウント値を更新するランダムカウンタのカウントにより生成されるものであり、図15において対応付けられた範囲内でそれぞれ巡回更新され、それぞれについて定められたタイミングで抽出されることにより乱数として用いられる。
図16は、図14に示された演出制御メイン処理における演出制御プロセス処理(S705)を示すフローチャートである。演出制御プロセス処理では、演出制御用CPU101は、S500の先読み予告処理を行なった後、演出制御プロセスフラグの値に応じてS800〜S807のうちのいずれかの処理を行なう。各処理において、以下のような処理を実行する。演出制御プロセス処理では、演出表示装置9の表示状態が制御され、演出図柄の変動表示が実現されるが、第1特別図柄の変動に同期した演出図柄の変動表示に関する制御も、第2特別図柄の変動に同期した演出図柄の変動表示に関する制御も、一つの演出制御プロセス処理において実行される。
先読み予告処理(S500):先読み予告演出を実行するか否かの判定、および、先読み予告を実行するときに、先読み予告の演出態様の決定等の処理を行なう。S500の具体的な処理内容については、図24を用いて後述する。
変動パターンコマンド受信待ち処理(S800):遊技制御用マイクロコンピュータ560から変動パターンコマンドを受信しているか否か確認する。具体的には、コマンド解析処理でセットされる変動パターンコマンド受信フラグがセットされているか否か確認する。変動パターンコマンドを受信していれば、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動開始処理(S801)に対応した値に変更する。
演出図柄変動開始処理(S801):演出図柄(飾り図柄)の変動表示が開始されるように制御する。また、演出図柄の停止図柄(表示結果)を演出図柄の停止図柄決定用の乱数に基づいて決定する。受信した変動パターンコマンドに対応して、演出図柄の変動表示時の演出パターンを選択し、実行する変動表示の変動時間を計時する変動表示時間タイマの計時をスタートさせる。そして、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動中処理(S802)に対応した値に更新する。
演出図柄変動中処理(S802):変動パターンを構成する各変動状態(変動速度)の切替えタイミング等を制御するとともに、変動表示時間タイマにより計時される変動時間が終了したか否かを監視する。そして、変動時間が終了したか、または、全図柄停止を指示する演出制御コマンド(図柄確定指定コマンド)を受信したことに基づいて、変動表示を終了させるために、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動停止処理(S803)に対応した値に更新する。
演出図柄変動停止処理(S803):演出図柄(飾り図柄)の変動表示を停止し、変動表示の表示結果(停止図柄)を導出表示する制御を行なう。そして、演出制御プロセスフラグの値を大当り表示処理(S804)または変動パターンコマンド受信待ち処理(S800)に対応した値に更新する。
大当り表示処理(S804):変動時間の終了後、演出表示装置9に大当りの発生を報知するための大当り表示等の演出としてのファンファーレ演出を行なう制御等の表示制御を行なう。そして、演出制御プロセスフラグの値を大当り遊技中処理(S805)に対応した値に更新する。
ラウンド中処理(S805):ラウンド中の表示制御を行なう。そして、ラウンド終了条件が成立したら、最終ラウンドが終了していなければ、演出制御プロセスフラグの値をラウンド後処理(S806)に対応した値に更新する。最終ラウンドが終了していれば、演出制御プロセスフラグの値を大当り終了処理(S807)に対応した値に更新する。
ラウンド後処理(S806):ラウンド間の表示制御を行なう。そして、ラウンド開始条件が成立したら、演出制御プロセスフラグの値をラウンド中処理(S805)に対応した値に更新する。
大当り終了演出処理(S807):演出表示装置9において、大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を行なう。そして、演出制御プロセスフラグの値を変動パターンコマンド受信待ち処理(S800)に対応した値に更新する。
図17は、演出表示装置9における対応表示の表示例を示す表示画面図である。本実施の形態では、演出表示装置9の表示画面の下部には、第1保留記憶数と第2保留記憶数との合計数(合算保留記憶数)を表示する合算保留記憶表示部18cが設けられており、合算保留記憶表示部18cの左側には、対応表示領域60が設けられている。また、本実施の形態では、先読み予告が実行される場合と先読み予告が実行されない場合とで、対応表示領域60で表示される表示態様が異なっており、図17(a)〜(e)が先読み予告が実行されない通常の表示態様を示しており、図17(a)、および(f)〜(j)が先読み予告が実行される場合の表示態様を示している。
まず、通常の表示態様の場合を図17(a)〜(e)により説明する。図17(a)に示すように合算保留記憶表示部18cに表示される保留記憶(保留情報)のうち、表示画面上で最も左側の保留記憶から順番に消化されることにより、変動表示が順番に実行されていく。保留記憶は、入賞した順に左側から順に並んで表示され、最も左側の保留記憶が表示されている保留記憶のうちで最初(1番目)に入賞した保留記憶である。最も左側の保留記憶は、変動表示が開始される際に対応表示領域60の中へ移動する(シフトする)。そして、「左」,「中」,「右」の演出図柄表示エリア91,92,93において、当該保留記憶に対応する演出図柄の変動表示中に、当該変動表示に対応して対応表示が、「○」の表示態様で、対応表示領域60の中で表示される。
図17(b)では、図17(a)で変動表示中の保留記憶の変動表示が停止した場合を示している。「左」,「中」,「右」の演出図柄表示エリア91,92,93は、それぞれ、たとえば、「1」,「2」,「3」が表示されてはずれの表示結果となっている。このとき、対応表示領域60での「○」の対応表示は演出図柄の変動表示中(変動停止時でもよい)における所定のタイミングで消去され、これにより、演出図柄が停止したときには、対応表示領域60には何も表示されない状態となる。次いで、合算保留記憶表示部18cの保留記憶が左にシフトされ、そのシフトされた保留記憶のうち、最も左側の保留記憶に対応する変動表示が図17(c)のように実行される。図17(c)では、「左」,「中」,「右」の演出図柄表示エリア91,92,93において、演出図柄の変動表示中に、当該変動表示に対応して「△」の表示態様が、対応表示領域60の中に表示される。
図17(d)では、図17(c)で変動表示中の保留記憶の変動表示が停止した場合を示している。「左」,「中」,「右」の演出図柄表示エリア91,92,93では、それぞれ、たとえば、「3」,「2」,「3」が表示されてリーチはずれ(リーチとなった後にはずれ表示結果となること)の表示結果となる。後述するが、「△」の表示態様は「○」の表示態様と比べて大当りとなる期待度が高いときに表示される割合が高く設定された表示態様である。つまり、「△」の表示態様は「○」の表示態様より、大当たり期待度が高いのでリーチとなりやすい。また、このとき対応表示領域60での対応表示は演出図柄の変動表示中(変動停止時でもよい)における所定のタイミングで消去され、これにより、演出図柄が停止したときには、対応表示領域60には何も表示されない状態となる。次いで、合算保留記憶表示部18cの保留記憶が左にシフトされ、そのシフトされた保留記憶のうち、最も左側の保留記憶に対応する変動表示が図17(e)のように実行される。図17(e)では、「左」,「中」,「右」の演出図柄表示エリア91,92,93において、演出図柄の変動表示中に対応表示領域60には、何も表示されない。このように、対応表示領域60には、保留記憶に伴う変動表示中に対応表示が実行されない場合がある。しかし、対応表示領域60に保留記憶がシフトされ、当該保留記憶に基づく変動表示中は、対応表示が必ず実行されるようにしてもよい。
次に先読み予告が実行される場合の表示態様を図17(a)、および(f)〜17(j)により説明する。本実施の形態では、図17(a)の変動表示中に、先読み予告の対象(以下、ターゲットとも称する。なお、ターゲットはターゲットの保留(保留記憶)を含む概念である。)となる条件が成立した始動入賞(スーパーリーチとなる変動)が発生したときは、図17(f)に示すようにターゲットの保留記憶が通常の保留記憶とは異なる態様(通常と異なる態様の色で表示される。たとえば、通常が白で、ターゲットの保留が黒など。)のターゲット保留61として合算保留記憶表示部18cに表示される。図17(a)で示す保留記憶に対応する変動表示が実行された後(対応表示領域60で「○」の表示が消去された後)は、最も左側の保留記憶が対応表示領域60にシフトされて、ターゲット保留61から2つ前の保留記憶の変動表示が開始される。そして、図17(f)に示すように、「左」,「中」,「右」の演出図柄表示エリア91,92,93において、演出図柄の変動表示中に、当該変動表示に対応して「☆」の表示態様が、対応表示領域60の中に表示される。
図17(g)では、ターゲット保留61の始動入賞が発生しているので、図17(b)の場合と異なり、対応表示領域60において、ターゲット保留61から2つ前の保留記憶に対応する「☆」の表示が消去されることなく、ターゲット保留61から1つ前の保留記憶の変動表示が開始される。このとき、「左」,「中」,「右」の演出図柄表示エリア91,92,93において、演出図柄の変動表示中に、合算保留記憶表示部18cの最も左側の保留記憶が対応表示領域60にシフトし、シフトした保留記憶が当該変動表示に対応して「○」の表示態様で表示され、当該変動表示より前の変動表示に対応する「☆」の表示態様とともに対応表示領域60の中に表示される。このように、ターゲット保留61がある場合には、対応表示領域60には、対応表示が溜まる(残る、追加される)演出が実行される。ここで、保留記憶に基づく当該変動表示が終了しても対応表示領域60から消去されない対応表示を以下では、「対応表示残留保留記憶」とも称する。対応表示残留保留記憶とは、ターゲットの保留記憶と、ターゲットの保留記憶以前に実行される保留記憶とを含む保留記憶が含まれる。対応表示残留保留記憶は、これらの保留記憶に基づく変動表示が実行されるときに、対応表示領域60に溜まる保留記憶を示している。なお、後述するように、ターゲットの保留以前の保留記憶は全て対応表示領域60に溜められる演出が実行されない場合もあり、溜める演出が実行されない保留記憶は、対応表示残留保留記憶には含まれない。
図17(h)では、対応表示領域60において、ターゲット保留61から2つ前の保留記憶に対応する「☆」の表示、および、ターゲット保留61から1つ前の保留記憶に対応する「○」の表示が消去されることなく、ターゲット保留61の変動表示が開始される。このとき、「左」,「中」,「右」の演出図柄表示エリア91,92,93において、演出図柄の変動表示中に、最も左側のターゲット保留61が対応表示領域60にシフトされる。そして、対応表示領域60にシフトされたターゲット保留61の変動表示に対応して「☆」の表示態様が、さらに対応表示領域60に溜まる演出が実行される。図17(i)に示すように、ターゲット保留61の変動表示中は、対応表示領域60にはターゲット保留61の対応表示も含め対応表示が溜められて表示される。合算保留記憶表示部18cには、ターゲット保留61が入賞してから後に始動入賞した保留記憶に対応する保留表示が実行されている。次いで、図17(j)では、ターゲット保留61の変動表示が停止した場合を示している。たとえば、このようにターゲット保留に基づく変動表示の表示結果が大当り表示結果であるときには、ターゲット保留61の変動表示が停止すると、「左」,「中」,「右」の演出図柄表示エリア91,92,93はそれぞれ、「7」,「7」,「7」が表示されて大当りの表示結果となる。また、対応表示領域60での表示は、演出図柄の変動表示中(変動停止時でもよい)に所定のタイミングで消去され、ターゲット保留61の変動表示に伴う演出図柄が停止したときには、対応表示領域60には何も表示されない。なお、大当りの表示結果となる場合には、対応表示領域60に溜められた対応表示残留保留記憶を演出図柄の変動表示中や変動停止のタイミングで消去せず、大当り演出の開始のタイミングで消去するようにしてもよい。
このように、ターゲット保留61が発生したことに基づいて先読み予告が実行される場合には、ターゲット保留61も含め、複数回の変動表示に渡って対応表示領域60に変動表示に対応する保留記憶が溜まる演出が実行される。したがって、遊技者は、複数回の変動に渡って、対応表示領域60に注目するようになり、遊技の興趣が向上する。
なお、本実施の形態では、図17(f)に示すように合算保留記憶表示部18cにおいて、ターゲット保留61のみが通常と異なる態様で表示されていたが、ターゲットの入賞があったことに基づいて、ターゲット保留61以前に入賞して表示されている保留記憶の表示態様を変化させてもよい。このようにすると、ターゲット保留以前に対応表示領域60に溜まっていく保留が通常の保留態様と区別されて表示されるので、先読み予告が実行される期間を遊技者に認識しやすくすることが可能となる。
なお、本実施の形態では、ターゲット保留61は、始動入賞のタイミングで通常の態様と区別して表示するような場合を示したが、変化のタイミングは始動入賞時ではなく、保留記憶がシフトするタイミングでもよい。また、複数種類のタイミングから、ターゲット保留61の大当り期待度に基づいて変化するタイミングが決定されるようにしてもよい。また、ターゲット保留61の入賞以降に入賞した保留がある場合には、それらの保留も含め、ターゲット保留61が変化するタイミングで通常態様から特別な表示態様へ全ての保留を変化させてもよい。なお、ターゲット保留61の入賞以降に入賞された保留を変化させた場合には、ターゲット保留61が消化(変動停止のタイミング)されることにより、変化させていた保留を通常の態様に戻すようにしてもよい。
図18は、演出制御プロセス処理における演出図柄変動開始処理(S801)を示すフローチャートである。演出図柄変動開始処理において、演出制御用CPU101は、次のような処理を行なう。
演出図柄変動開始処理において、演出制御用CPU101は、変動表示結果をはずれとすることに決定されているか否か確認する(S601)。はずれとすることに決定されているか否かは、たとえば、表示結果特定コマンド格納領域に表示結果1指定コマンドが格納されているか否かによって判定される。なお、はずれとすることに決定されているか否かは、大当りとするか否かを特定可能な変動パターンコマンドに基づいて、確認するようにしてもよい。はずれとすることに決定されている場合には、変動パターンコマンドとして、非リーチ変動パターンに対応したコマンドを受信したか否か確認する(S602)。非リーチ変動パターンに対応したコマンドを受信したか否かは、たとえば、変動パターンコマンド格納領域に格納されているデータによって判定される。
非リーチ変動パターンに対応したコマンドを受信したと判定した場合、演出制御用CPU101は、予め定められたはずれ図柄決定用データテーブルを用いて、演出図柄のリーチにならないはずれの停止図柄を決定し(S604)、S616へ進む。はずれ図柄決定用データテーブルでは、複数種類の演出図柄のそれぞれに、SR1−1〜SR1−3のそれぞれの数値データが対応付けられている。S604の処理では、所定のタイミングでSR1−1〜SR1−3のそれぞれから数値データ(乱数)を抽出し、演出制御用マイクロコンピュータ100のROMに記憶されたはずれ図柄決定用データテーブルを用い、抽出した数値データに対応する図柄がそれぞれ左,中,右の演出図柄の変動表示結果となる停止図柄の組合せとして決定される。このように非リーチはずれの図柄の組合せを決定する場合において、抽出された乱数に対応する停止図柄が偶然大当り図柄の組合せ(確変大当り図柄の組合せ、突確大当り図柄の組合せと一致する場合には、はずれ図柄の組合せとなるように補正(たとえば、右図柄を1図柄ずらす補正)して各停止図柄が決定される。また、抽出された乱数に対応する停止図柄が偶然リーチ図柄となってしまう場合には、非リーチはずれ図柄の組合せとなるように補正(たとえば、右図柄を1図柄ずらす補正)して各停止図柄が決定される。
S602の処理で非リーチ変動パターンではないと判定した場合(リーチ変動パターンであると判定した場合)に、演出制御用CPU101は、リーチの組合せを構成する演出図柄の停止図柄を決定し(S605)、S616へ進む。S605の処理では、所定のタイミングでSR1−1〜SR1−3のそれぞれから数値データ(乱数)を抽出し、はずれ図柄決定用データテーブルを用い、SR1−1から抽出された乱数に対応する図柄がリーチ状態を形成する左,右の各演出図柄の停止図柄として決定され、SR1−2から抽出されたカウンタの値と合致する乱数に対応する図柄が中図柄の停止図柄として決定される。また、この場合も、偶然大当り図柄の組合せとなってしまうときには、はずれ図柄の組合せとなるように補正(たとえば、中図柄を1図柄ずらす補正)して各停止図柄が決定される。
はずれとすることに決定されていない場合に(S601)、演出制御用CPU101は、大当りの種別に応じて、当り図柄の組合せを構成する演出図柄の停止図柄を決定し(S603)、S616へ進む。
S603では、以下のように、当りの種別に応じて当り図柄の組合せを決定する。
演出制御用CPU101は、表示結果2指定コマンド、表示結果3指定コマンドのうちのどの表示結果指定コマンドが表示結果特定コマンド格納領域に格納されているかに基づいて、大当りの種別を判定する。
確変大当りにすることに決定されていると判定したときには、大当り図柄決定用テーブルを用いて、確変大当り図柄の組合せ(たとえば、左,中,右が「7,7,7」というようないずれかのゾロ目の組合せ)を選択決定する。大当り図柄決定用テーブルは、予め定められた複数種類の確変大当り図柄のそれぞれに、SR1−1のそれぞれの数値データが対応付けられている。確変大当り図柄の組合せを決定するときには、所定のタイミングでSR1−1から数値データ(乱数)を抽出し、大当り図柄決定用テーブルを用い、抽出した乱数に対応する図柄を、確変大当り図柄の組合せを構成する左,中,右の演出図柄の停止図柄の組合せとして決定する。このように決定された図柄が大当り遊技状態に制御される前の変動表示結果である最終停止図柄として用いられる。
また、演出制御用CPU101は、突確大当りにすることに決定されていると判定したときには、突確図柄決定用テーブルを用いて、突確大当り図柄の組合せ(たとえば、左,中,右が「1,3,5」というようなチャンス目の組合せ)を選択決定する。突確図柄決定用テーブルは、複数種類の突確図柄の組合せのそれぞれに、SR1−1のそれぞれの数値データが対応付けられている。突確大当り図柄の組合せを決定するときには、所定のタイミングでSR1−1から数値データ(乱数)を抽出し、突確図柄決定用テーブルを用い、抽出した乱数に対応する図柄を、突確図柄の組合せを構成する左,中,右の演出図柄の停止図柄の組合せとして決定する。突確大当りとなるときには、一旦リーチ図柄の組合せが表示された後、図柄の差替えが行なわれる場合がある。そのときのリーチ図柄は、所定のタイミングでSR1−1から数値データ(乱数)を抽出し、通常大当り図柄決定用テーブルを用い、抽出した乱数に対応する図柄を、リーチ図柄を構成する左,右の演出図柄の組合せとして決定する。
次に、演出制御用CPU101は、演出パターンを設定するための演出設定処理を実行する(S616)。演出設定処理の詳細については、後述する。
次に、演出制御パターンを複数種類の演出制御パターンのうちのいずれかに設定する(S617)。対応表示内容もこの処理において設定される。演出制御用CPU101は、変動パターン指定コマンドによって指定された変動パターン、および、S616の処理で決定した演出パターン等により指定された各種演出制御(演出動作)パターンに応じて、図柄変動制御パターンテーブルに格納されている複数種類の図柄変動制御パターンのうち、指定された各種演出動作パターンに対応するいずれかの演出制御パターンを使用パターンとして選択決定する。
演出制御用マイクロコンピュータ100におけるROMに記憶されている制御パターンテーブルには、たとえば、演出図柄の変動表示が開始されてから最終停止図柄となる確定演出図柄が停止表示されるまでの期間における、演出表示装置9の表示領域における演出図柄の変動表示動作、リーチ演出における演出表示動作、擬似連または滑りの演出による演出表示動作、予告演出における演出表示動作、および、対応表示領域60で対応表示を実行する演出表示動作といった各種の演出動作の制御内容を示すデータが、図柄変動制御パターンとして複数種類格納されている。
また、各図柄変動制御パターンは、たとえば、演出制御プロセスタイマ設定値、演出制御プロセスタイマ判定値、演出表示制御データ、音声制御データ、ランプ制御データ、および、終了コードといった、演出図柄の変動表示に応じた各種の演出動作を制御するための制御データを含み、時系列的に、各種の演出制御の内容、および、演出制御の切替えタイミング等が設定されている。なお、図柄変動制御パターンテーブルとしては、演出図柄の演出動作を制御するための制御データよりなる図柄制御パターンテーブルと、演出図柄の演出動作とは別の予告演出の演出動作を制御するための制御データよりなる予告制御パターンテーブルとを設け、これら演出図柄の演出動作を制御するための制御データと、予告演出の演出動作を制御するための制御データとを組合せて用いることにより、1つの図柄変動制御パターンテーブルにより図柄の演出動作と予告の演出動作とを実行する場合と同様の演出動作を実行するように構成してもよい。
次いで、演出制御用CPU101は、S617で選択した演出制御パターンに応じたプロセステーブルを選択する(S618)。そして、選択したプロセステーブルのプロセスデータ1におけるプロセスタイマ(演出設定プロセスタイマ)をスタートさせる(S619)。
演出制御用CPU101は、S619の処理を実行したら、プロセスデータ1の内容(表示制御実行データ1、ランプ制御実行データ1、音番号データ1)にしたがって演出装置(演出用部品としての演出表示装置9、演出用部品としての各種ランプ、および、演出用部品としてのスピーカ27)の制御を開始する(S620)。たとえば、表示制御実行データにしたがって、演出表示装置9において変動パターンに応じた画像(演出図柄を含む。)を表示させるために、VDP109に指令を出力する。また、各種ランプを点灯/消灯制御を行なわせるために、ランプドライバ基板35に対して制御信号(ランプ制御実行データ)を出力する。また、スピーカ27からの音声出力を行なわせるために、音声出力基板70に対して制御信号(音番号データ)を出力する。
そして、変動時間タイマに、変動パターンコマンドで特定される変動時間に相当する値を設定し(S621)、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動中処理(S802)に対応した値にする(S622)。
図19は、対応表示実行決定テーブルを示す説明図である。対応表示実行決定テーブルは、演出設定処理(S616)において対応表示を実行するか否かを決定するときに用いられるデータテーブルである。なお、対応表示実行決定テーブルは、後述する先読み予告処理で用いられるデータテーブルではなく、今回始まる変動表示に対して対応表示を実行するか否かを決定するために用いられるデータテーブルである。一方、先読み予告処理では、図22に示すような先読み予告用のテーブルが使用される。対応表示実行決定テーブルは、リーチとなる変動パターンかリーチとならない通常はずれ(非リーチはずれ)となる変動パターンかによって、異なるテーブルが選択される。図19(A)には、変動パターンがリーチとなるときに用いられるリーチ時対応表示実行決定テーブル、図19(B)には、変動パターンが通常はずれとなるときに用いられる通常はずれ時対応表示実行決定テーブルが示されている。
図19(A),(B)のぞれぞれのテーブルにおいては、対応表示領域60に対応表示を実行する場合と対応表示を実行しない場合とに対応表示実行決定用の乱数SR3−1(1〜95の数値範囲)の値が割振られている。SR3−1については、説明を明確化するために、割振られた乱数値の個数が各テーブルに示されている。図19(A),(B)のそれぞれのテーブルでは、所定のタイミングで抽出したSR3−1の値によって対応表示を実行するか実行しないかが決定される。
図19に示すように、リーチ時には、通常はずれ(非リーチはずれ)時に比べ対応表示が実行される割合が高く設定されている。よって、対応表示が実行されることで、対応表示に伴なう変動表示がリーチになりやすい変動表示であることが分かる。
なお、本実施の形態では、リーチになるか否かで対応表示を実行する割合が異なるテーブルが設けられていたが、大当りか否かにより対応表示を実行する割合が異なるテーブルが設けられてもよい。このような場合には、大当りの場合に選択されるテーブルには、はずれの場合に選択されるテーブルより対応表示が実行されやすいように乱数値を割り振るようにすればよい。
図20は、対応表示内容決定テーブルを示す説明図である。対応表示内容決定テーブルは演出設定処理(S616)において、対応表示内容を決定するときに用いられるデータテーブルである。なお、対応表示内容決定テーブルは、後述する先読み予告処理で用いられるデータテーブルではなく、今回始まる変動表示に対して対応表示の内容を決定するために用いられるデータテーブルである。一方、先読み予告処理では、図25に示すような先読み予告用のテーブルが使用される。対応表示内容決定テーブルは、大当りとなるかはずれとなるかによって、異なるテーブルが選択される。図20(A)には、表示結果が大当りとなる場合に用いられる大当り時対応表示内容決定テーブル、図20(B)には、表示結果がはずれとなる場合に用いられるはずれ時対応表示内容決定テーブルが示されている。
図20(A),(B)のぞれぞれのテーブルにおいては、対応表示領域60に表示させる表示内容が高期待度の「☆」で表示するか、中期待度の「△」で表示するか、低期待度の「○」で表示するかに対応表示内容決定用の乱数SR3−2(1〜100の数値範囲)の値が割振られている。期待度は、大当りに対する期待度を示しており、○<△<☆という関係が設定されている。SR3−2については、説明を明確化するために、割振られた乱数値の個数が各テーブルに示されている。図20(A),(B)のそれぞれのテーブルでは、所定のタイミングで抽出したSR3−2の値によって対応表示の表示内容を「☆」,「△」,「○」のいずれで表示するかが決定される。なお、「○」で表示される場合は、合算保留記憶表示部18cに表示されていた保留記憶の表示態様と同じ形態の「○」のまま大きくなって、対応表示領域60に表示されるだけなので表示内容の欄に“変化なし”と記載されている。
図20に示すように、大当り時には、はずれ時より、対応表示の表示内容が高期待度である「☆」で表示される割合が高くなるようにデータが設定されている。また、ノーマルリーチとスーパーリーチとを比較すると、ノーマルリーチよりスーパーリーチの変動パターンの方が対応表示の表示内容が高期待度である「☆」で表示される割合が高くなるようにデータが設定されている。よって、対応表示領域60に「☆」が表示されることで、大当りの期待度が高いこと、およびスーパーリーチになる期待度が高いことが分かる。
図21は、前述の演出設定処理(S616)を示すフローチャートである。演出設定においては、まず、演出制御用CPU101は先読み予告実行中フラグがセットいるか否かを判定する(S720)。先読み予告実行中フラグは、後述する先読み予告処理においてセットされるフラグであり、先読み予告実行中フラグがセットされていることで、先読み予告が実行されていると判定することが可能である。S720で先読み予告実行中フラグがセットされていなければ、演出制御用CPU101は、受信した演出制御コマンド(変動パターン指定コマンド)に基づいて、今回実行する変動表示が、通常はずれの変動パターンであるか否かを判定する(S721)。
通常はずれの変動パターンでなければ、リーチとなる変動パターン(リーチはずれ表示結果と、大当り表示結果(必ずリーチとなる)との両方の表示結果を含む)であるので、SR3−1を抽出し、その抽出値に基づいて、図19(A)のリーチ時対応表示実行決定テーブルにより、対応表示を行なうか否かを決定する(S722)。次いで、S722で決定された内容に基づいて対応表示時を実行するか否かを判定する(S723)。対応表示が実行される場合(S723のY)には、さらに、演出制御用CPU101は、受信した演出制御コマンド(表示結果指定コマンド)に基づいて表示結果が大当りであるか否かを判定する(S724)。S724において、表示結果が大当りである場合には、変動パターンに基づいて、図20(A)の大当り時対応表示内容決定テーブルにより、対応表示の表示内容を決定する(S725)。このとき、演出制御用CPU101は、SR3−2を抽出し、その抽出値に基づいて各変動パターンにおける対応表示の表示内容を「☆」,「△」,「○」の中のいずれかに決定する。そして、処理を終了する。
S721において、通常はずれの変動パターンであれば、SR3−1を抽出し、その抽出値に基づいて、図19(B)の通常はずれ時対応表示実行決定テーブルにより、対応表示を行なうか否かを決定する(S726)。次いで、S726で決定された内容に基づいて対応表示時を実行するか否かを判定する(S727)。演出制御用CPU101は、S727において対応表示を実行すると判定した場合、および、S724において表示結果が大当りでない場合(はずれである場合)には、S728の処理へ移行する。S728では、変動パターンに基づいて、図20(B)のはずれ時対応表示内容決定テーブルにより、対応表示の表示内容を決定する(S728)。このとき、演出制御用CPU101は、SR3−2を抽出し、その抽出値に基づいて各変動パターンにおける対応表示の表示内容を「☆」,「△」,「○」の中のいずれかに決定する。そして、処理を終了する。
S723、および、S727の処理において、対応表示が実行されないと判定されると(S723のN,S727のY)、演出制御用CPU101は、対応表示領域60に保留(保留記憶)をシフトさせずに消去することに決定する。なお、対応表示が実行されないと判定されたときは、対応表示領域60に保留をシフトさせずに消去する場合を示したが、対応表示領域60に保留をシフトさせた後、一瞬(たとえば、数秒の短い時間)だけ保留を対応表示領域60で表示させ後に消去するようにしてもよい。
S720において、先読み予告実行中フラグがセットされていれば、演出制御用CPU101は、今回の変動表示が、対応表示残留保留記憶か否かを判定する(S730)。対応表示残留保留記憶か否かは、後述する先読み処理の中のS529の処理で決定されるデータを参照することで判定する。具体的には、演出制御基板80に搭載されたRAM103に設けられた保持領域に始動入賞毎に保持されるデータを参照する。保存領域には、始動入賞したときの保留情報が対応表示領域に残留させる保留であるか否かのデータ(先読み予告処理のS529で記憶されるデータ)、および、対応表示での表示態様を何にするかというデータ(対応表示期待度決定処理のS751,S752で記憶されるデータ)を含めて各種データが保存されており、演出制御用CPU101は、演出設定処理において当該データを確認することで、今回の変動表示が対応表示残留保留記憶であるかを判定することができる。
S730において、今回の変動表示が、対応表示残留保留記憶であると判定された場合(S730のY)、演出制御用CPU101は、対応表示期待度決定処理を実行する(S731)。対応表示期待度決定処理の詳細については後述するが、対応表示期待度決定処理において、保留記憶が対応表示として表示されるときの表示態様が決定される。次いで、先読み予告処理で設定される対応表示の表示数n(nは、ターゲット保留が発生したときの保留記憶数のうち対応表示として表示する表示数を示す値)が−1減算(今回の変動表示が終了したため減算)される(S733)。その後、対応表示の表示数nがn=0となるか否かを判定する(S734)。n=0となるときには、今回の変動表示がターゲットの変動表示(ターゲットの保留記憶に基づく変動表示)であることが分かる。なぜなら、先読み予告が実行され、対応表示領域に対応表示が溜められる演出が実行されている場合には、対応表示の表示数がnと設定されるので、n個保留が消化されることで、n=0となるときがターゲットの変動表示となるときに該当するからである。S734において、n=0と判定された場合には、S735の処理において先読み予告実行中フラグをリセットし、処理を終了する。S734においてn=0とならない場合(S734のN)には、未だターゲットの変動表示ではないので、先読み予告実行中フラグをリセットせずに処理を終了する。
S730において、今回の変動表示が対応表示残留保留記憶でないと判定された場合(S730のN)は、対応表示領域に保留をシフトさせずに消去することに決定する(S732)。なお、このような場合には、対応表示領域60に保留をシフトさせた後、一瞬だけ保留を対応表示領域60で表示させ後に消去するようにしてもよい。S732の後は、S734の処理へ移行する。S734において、対応表示の数は減算されておらず、未だターゲット変動表示ではないので、先読み予告実行中フラグをリセットせずに処理を終了する(S734のN)。なお、演出設定処理における、S725,S728,S729,S731,S732で決定では、演出図柄の変動開始毎に合算保留記憶数減算指定コマンドに基づき、合算保留記憶表示部18cに表示されていた最も左側の保留記憶の表示を消去し、当該保留記憶より左側の保留記憶の表示を左側にシフトさせる表示をすることが決定される。また、S730において、今回の変動表示が対応表示残留保留記憶でないと判定された場合には、S721の処理以降の処理と同様の処理により、今回消化される保留記憶に基づいて対応表示を実行するか否かの決定、および、対応表示の表示内容の決定をするようにしてもよい。
図22は、先読み予告対応表示実行決定テーブルを示す説明図である。先読み予告対応表示実行決定テーブルは、先読み予告処理(S500)において先読み予告演出として対応表示を実行するか否かを決定するときに用いられるデータテーブルである。図22のテーブルに示すように、対応表示領域60に対応表示を実行する場合と対応表示を実行しない場合とに先読み予告対応表示実行決定用の乱数SR3−3(1〜90の数値範囲)の値が割振られている。SR3−3については、説明を明確化するために、割振られた乱数値の個数が各テーブルに示されている。図20のテーブルでは、所定のタイミングで抽出したSR3−3の値によって先読み予告演出として対応表示を実行するか実行しないかが決定される。なお、対応表示を実行するか否かは、ターゲットの保留記憶が大当りとなるか否かにより異なる割振りで決定されるようにしてもよい。
図23は、対応表示数決定テーブルを示す説明図である。対応表示数決定テーブルは、先読み予告処理(S500)において対応表示を実行すると決定している場合に用いられるテーブルであり、対応表示数決定テーブルを用いて保留記憶数に応じた対応表示数(対応表示残留保留記憶数)を決定する。対応表示数決定テーブルは、ターゲットの保留記憶に基づく変動表示が大当りとなるかはずれとなるかによって、異なるテーブルが選択される。図23(A)には、ターゲットの保留記憶に基づく変動表示の表示結果が大当りとなるときに選択される大当り時対応表示数決定テーブル、図23(B)には、ターゲットの保留記憶に基づく変動表示の表示結果がはずれとなるときに選択されるはずれ時対応表示数決定テーブルが示されている。
図23の対応表示数決定テーブルに示すように、ターゲット保留となる始動入賞があった場合の保留記憶数に対して対応表示数(対応表示残留保留記憶数)決定用の乱数SR3−4(1〜360の数値範囲)の値が割振られている。SR3−6については、説明を明確化するために、割振られた乱数値の個数が各テーブルに示されている。図23のテーブルでは、所定のタイミングで抽出したSR3−4の値によって保留記憶数に応じた対応表示数(対応表示として溜める表示数)が決定される。
図23(A)の大当り時対応表示数決定テーブルに示すように、大当り時には、保留記憶数に応じてターゲット保留となる始動入賞が発生した際に対応表示に溜められる保留記憶数の最大値が選択されやすくなっている。具体的には、保留記憶数が5のときには、1〜5の対応表示数のうち最も対応表示数が多い5が選択されやすいように乱数値が割振られている。
また、図23(B)のはずれ時対応表示数決定テーブルに示すように、はずれ時には、保留記憶数に応じてターゲット保留となる始動入賞が発生した際に対応表示に溜められる保留記憶数の最小値が選択されやすくなっている。具体的には、保留記憶数が5のときには、1〜5の対応表示数のうち最も対応表示数が少ない1が選択されやすいように乱数値が割振られている。
図23の対応表示数決定テーブルのように対応表示数が割振られていると、先読み予告演出が実行されているときに、ターゲット保留に基づく変動表示の表示結果が大当りである場合には、ターゲット保留に基づく変動表示の表示結果がはずれである場合よりも、対応表示領域60に溜められる(残留する)対応表示の数が多くなるように制御される。よって、対応表示に保留記憶が残留する場合には、溜められる保留記憶が多いほどターゲット保留に基づく変動表示の表示結果が大当りになる期待度が高くなる。よって、遊技者に対応表示領域60の数に注目させることができ、遊技の興趣が向上する。
図24は、先読み予告処理(S500)を示すフローチャートである。先読み予告処理において、演出制御用CPU101は、まず、始動入賞時受信コマンドバッファにおける記憶内容をチェックし、新たに合算保留記憶数指定コマンド、図柄指定コマンド、変動種別コマンドを受信しているか否かを判定する(S520)。これらのコマンドが、始動入賞時受信コマンドバッファに無ければ(S520のN)処理を終了する。一方、これらのコマンドを受信していればS521の処理へ移行する。
次いで、新たに受信した変動種別コマンドは、スーパーリーチ種別の変動パターン種別であるか否かを判定する(S521)。本実施の形態では、新たに受信した変動種別コマンドがスーパーリーチ種別の変動パターン種別である場合に、先読み予告演出を実行するようにしており、その変動表示をターゲットの変動表示(ターゲットの保留記憶に基づく変動表示)と呼んでいる。新たに受信した変動種別コマンドがスーパーリーチ種別の変動パターン種別でない場合(S521のN)には、処理を終了する。
新たに受信した変動種別コマンドがスーパーリーチ種別の変動パターン種別である場合(S521のY)には、先読み予告実行中フラグがセットされているか否かを判定する(S522)。先読み予告実行中フラグは、先読み予告演出が現在実行中か否かを判定するためのフラグであり、後述するS530の処理においてセットされる。S522において先読み予告実行中フラグがセットされている場合(S522のY)場合には、処理を終了する。S522において先読み予告実行中フラグがセットされていない場合(S522のN)場合には、S523の処理へ移行する。
S523において、演出制御用CPU101は、先読み予告対応表示実行決定テーブルにより、対応表示を行なうか否かを決定する。次いで、S523において決定された結果により、対応表示を実行するか否かを判定する(S524)。対応表示が実行されない場合(S524のN)には、処理を終了する。対応表示時が実行される場合(S524のY)には、新たに受信した図柄指定コマンドは、大当り表示結果を示すコマンドであるか否かを判定する(S525)。
新たに受信した図柄指定コマンドが、大当り表示結果を示すコマンドである場合(S525のY)には、図23(A)の大当り時対応表示数決定テーブルにより、現在の保留記憶数に基づいて対応表示数を決定する。次いで、決定した対応表示数をnに設定する(S528)。新たに受信した図柄指定コマンドが、大当り表示結果でない場合(S525のN)には、表示結果がはずれとなるので、図23(B)のはずれ時対応表示数決定テーブルにより、現在の保留記憶数に基づいて対応表示数を決定する。次いで、決定した対応表示数をnに設定する(S528)。
S528の処理の後に、ターゲット変動表示からn個の保留記憶を対応表示領域60に残留することを決定する(対応表示残留保留記憶を決定)(S529)。S529の処理では、ターゲットの始動入賞が発生した時点での保留記憶に応じた対応表示数nが決定されたとき、ターゲットの変動表示から近い保留記憶から対応表示に充てられてこととなる。具体的には、ターゲットの始動入賞が発生し対応表示が実行される場合に、その時点での保留記憶数が5で、対応表示が3であった場合には、始めに消化される1、2番目の保留記憶については、対応表示を実行せず、3〜5番目に消化される保留記憶を対象として対応表示が実行される。対応表示残留保留記憶をいずれにするかのデータ(対応表示数をnとするデータ)は、演出制御基板80に搭載されたRAM103に設けられた保持領域に保持される。そして、対応表示残留保留記憶をいずれのものとするか決定された後に、先読み予告実行フラグをセットし(S530)、処理を終了する。
このように、演出制御基板80に搭載されたRAM103に設けられた保持領域に記憶された保留記憶が、スーパーリーチであると判定されたことに基づいて、ターゲットの保留記憶以前に存在する保留記憶について、対応表示領域60に対応表示が残留していくように制御される。よって、対応表示領域60に対応表示が残留していく演出を実行することで、複数回の変動表示に対して遊技者に対応表示領域60の表示態様に注目させることができ、遊技の興趣が向上する。
図25は、対応表示期待度決定テーブルを示す説明図である。対応表示期待度決定テーブルは、演出設定処理(S616)におけるS731の対応表示期待度決定処理で対応表示の期待度を決定するときに用いられるテーブルである。対応表示期待度決定テーブルは、大当りとなるかはずれとなるかによって、異なるテーブルが選択される。図25(A)には、表示結果が大当りとなる場合に用いられる大当り時対応表示期待度決定テーブル、図25(B)には、表示結果がはずれとなる場合に用いられるはずれ時対応表示期待度決定テーブルが示されている。
図25(A),(B)のぞれぞれのテーブルにおいては、対応表示領域60に表示させる表示内容が高期待度の「☆」で表示するか、中期待度の「△」で表示するか、低期待度の「○」で表示するかに対応表示期待度決定用の乱数SR3−5(1〜80の数値範囲)の値が割振られている。SR3−5については、説明を明確化するために、割振られた乱数値の個数が各テーブルに示されている。図25(A),(B)のそれぞれのテーブルでは、所定のタイミングで抽出したSR3−5の値によって対応表示の表示内容を「☆」,「△」,「○」のいずれで表示するかが決定される。なお、「○」で表示される場合は、合算保留記憶表示部18cに表示されていた保留記憶の表示態様と同じ形態の「○」のまま大きくなって、対応表示領域60に表示されるだけなので表示内容の欄に“変化なし”と記載されている。
図25に示すように、大当り時には、はずれ時より、対応表示の表示内容が高期待度で表示される割合が高くなるように乱数値が割振られている。また、はずれ時には、大当り時より、対応表示の表示内容が低期待度で表示される割合が高くなるように乱数値が割振られている。よって、遊技者は、対応表示領域60に高期待度の「☆」が溜められていくことで、ターゲットの保留記憶に基づく表示結果が大当りであることに期待が持てる。なお、対応表示が残留していく場合は、先読み予告処理でターゲットの変動表示がスーパーリーチであるときなので、「☆」が溜められることは、スーパーリーチの大当りである期待度が高いことを示している。
図26は、演出設定処理(S616)におけるS731の処理を示す対応表示期待度決定処理を示すフローチャートである。対応表示期待度決定処理において、演出制御用CPU101は、演出制御基板80に搭載されたRAM103に設けられた保持領域に記憶されたターゲットの保留情報に基づき、ターゲットの保留記憶に基づく表示結果が大当りか否かを判定する(S750)。ターゲットの保留記憶に基づく表示結果が大当りの場合(S750のY)には、SR3−5を抽出し、その抽出値に基づいて、図25(A)の大当り時対応表示期待度決定テーブルにより、対応表示に残留させる表示内容を決定する(S751)。また、ターゲットの保留記憶に基づく表示結果がはずれの場合(S750のN)には、SR3−5を抽出し、その抽出値に基づいて、図25(B)のはずれ時対応表示期待度決定テーブルにより、対応表示に残留させる表示内容を決定する(S752)。対応表示に残留させる表示内容を示すデータは、演出制御基板80に搭載されたRAM103に設けられた保持領域に保存される。そして、S751、S752の処理の後、対応表示期待度決定処理を終了する。なお、対応表示に表示される内容は、このように一律にどの対応表示にするかを同じ割合で決定するのではなく、ターゲットの保留記憶が現在記憶されている保留記憶のうち何個目の保留記憶に対応するのか、また残り何回(ターゲットまでの変動表示の残り回数)対応表示として溜めるのか等により、割振りを異ならせるようにしてもよい。
このように、対応表示領域60に溜められていく対応表示の表示態様に応じて、ターゲットの保留記憶が、大当りとなる期待度が異なるように表示制御される。よって、遊技者に対応表示領域60の表示態様に注目させることができ、遊技の興趣が向上する。
次に、前述した実施の形態により得られる主な効果を説明する。
(1) 図21、図24に示すように、演出制御基板80に搭載されたRAM103に設けられた保持領域に記憶された保留記憶が、スーパーリーチ(スーパーリーチの変動パターン種別)であると判定されたときに、対応表示領域60に表示された対応表示を引き継ぎ、新たに実行される変動表示に対応する対応表示を対応表示領域60で行なう制御がされる(S521,S731)。よって、対応表示領域60で引き継がれていく対応表示により、複数回の変動表示に対して遊技者に対応表示領域60の表示態様に注目させることができ、遊技の興趣が向上する。
(2) 図23、図24に示すように、ターゲットの保留記憶がスーパーリーチである場合に、先読み予告として対応表示領域60に対応表示として、消化される保留が溜まる演出表示が実行される。そして、ターゲットの保留記憶に基づく表示結果が大当りである場合には、ターゲットの保留記憶に基づく表示結果がはずれである場合よりも、対応表示領域60に溜められる(残留する)対応表示の数が多くなるように制御される。よって、対応表示に保留記憶が残留する場合には、溜められる保留記憶が多いほどターゲットの保留記憶に基づく表示結果が大当りになる期待度が高くなる。よって、遊技者に対応表示領域60の数に注目させることができ、遊技の興趣が向上する。
(3) 図25、図26に示すように、ターゲットの保留記憶に基づく表示結果が大当り時には、はずれ時より、対応表示の表示内容が高期待度で表示される割合が高くなるように乱数値が割振られている。また、はずれ時には、大当り時より、対応表示の表示内容が低期待度で表示される割合が高くなるように乱数値が割振られている。よって、遊技者は、対応表示領域60に高期待度の「☆」が溜められていくことで、ターゲット保留記憶に基づく表示結果が大当りであることに期待が持てる。このように、先読み予告としてスーパーリーチの変動種別に対して対応表示が溜められる演出が実行されているときに、ターゲットの保留記憶に基づく表示結果に応じて対応表示領域60に表示される表示態様が異なるので、遊技者に対応表示領域60に溜まる対応表示の表示内容に注目させることができ、遊技の興趣が向上する。
(4) 図17、図25、図26に示すように、演出制御用CPU101は、ターゲットの保留記憶に対して変動表示が開始されるとき、対応表示領域60にターゲットの期待度に合わせ、対応表示を変化させる制御を実行する。つまり、ターゲットの保留記憶が、対応表示領域60にシフトするときにどのように変化するかを示している。具体的には、ターゲット保留61に基づく変動が開始されるときに、合算保留記憶表示部18cで「○」で表示されていたターゲット保留は、対応表示領域60へシフトされ、対応表示領域に、たとえば「☆」で表示される。このように、ターゲットの変動表示時に対応表示が変化するので、ターゲットの変動表示に対応する保留記憶に基づいた変動表示に注目させることができ、遊技の興趣が向上する。
次に、以上に説明した実施の形態の変形例や特徴点等を以下に列挙する。
(1) 前述した実施の形態では、変動表示において実行する演出として、擬似連の演出を実行するようにしてもよい。擬似連とは、本来は1つの保留記憶に対応する1回の変動であるものの複数の保留記憶に対応する複数回の変動が連続して行なわれているように見せる演出表示である擬似連続変動を示す略語である。また、変動表示において実行する演出としては、滑り演出を実行するようにしてもよい。滑りとは、変動表示において図柄の停止直前に図柄を停止予測位置から滑らせる演出表示をいう。たとえば、擬似連演出と対応表示を関連付けた演出を実行するようにしてもよい。具体的には、擬似連演出が実行される擬似連の複数回の変動毎に対応表示領域において、複数回の変動に対応する対応表示を溜める演出を実行するようにしてもよい。このとき、溜められる対応表示は、変動毎に大当り期待度の高い表示内容が溜められるようにしてもよい。また、溜められる対応表示の数によって大当りの期待度が異なるようにしてもよい。
(2) 前述した実施の形態では、変動時間およびリーチ演出の種類や擬似連の有無等の変動態様を示す変動パターンを演出制御用マイクロコンピュータに通知するために、変動を開始するときに1つの変動パターンコマンドを送信する例を示したが、2つ乃至それ以上のコマンドにより変動パターンを演出制御用マイクロコンピュータに通知する様にしてもよい。具体的には、2つのコマンドにより通知する場合、遊技制御マイクロコンピュータは、1つ目のコマンドでは擬似連の有無、滑り演出の有無等、リーチとなる以前(リーチとならない場合には所謂第2停止の前)の変動時間や変動態様を示すコマンドを送信し、2つ目のコマンドではリーチの種類や再抽選演出の有無等、リーチとなった以降(リーチとならない場合には所謂第2停止の後)の変動時間や変動態様を示すコマンドを送信する様にしてもよい。この場合、演出制御用マイクロコンピュータは2つのコマンドの組合せから導かれる変動時間に基づいて変動表示における演出制御を行なうようにすればよい。なお、遊技制御用マイクロコンピュータの方では2つのコマンドのそれぞれにより変動時間を通知し、それぞれのタイミングで実行される具体的な変動態様については演出制御用マイクロコンピュータの方で選択を行なう様にしてもよい。2つのコマンドを送る場合、同一のタイマ割込内で2つのコマンドを送信する様にしてもよく、1つ目のコマンドを送信した後、所定期間が経過してから(たとえば次のタイマ割込において)2つ目のコマンドを送信する様にしてもよい。なお、それぞれのコマンドで示される変動態様はこの例に限定されるわけではなく、送信する順序についても適宜変更可能である。このように2つ乃至それ以上のコマンドにより変動パターンを通知する様にすることで、変動パターンコマンドとして記憶しておかなければならないデータ量を削減することができる。このように2つのコマンドにより変動パターンを演出制御用マイクロコンピュータに通知する構成においては、1つ目のコマンドを送信した後の2つ目のコマンドにおいて、入賞時演出処理による表示結果の判定結果、および、変動パターン種別のような先読み判定情報を送信し、その2つ目のコマンドを受信したことに基づいて、前述した実施の形態に示したような先読み予告の演出を実行するようにしてもよい。
(3) 前述の実施の形態では、対応表示領域60に溜められる対応表示は、保留表示の形が変化するものであったが、保留表示を所定のキャラクタで表示するようにし、対応表示領域60に所定のキャラクタがシフトするときに、その態様を変化させるようにしてもよい。具体的には、保留表示を所定のキャラクタの顔のみで表し、対応表示領域60に移動した際に、全身が表示されるようにしてもよい。また、対応表示領域60に移動した際は、所定のキャラクタが動く演出を実行すれば、現在実行されている変動表示に対する予告であることを遊技者に容易に理解させることができる。このように、保留表示の態様、および対応表示領域60に表示される対応表示の態様は適宜変更が可能である。なお、保留表示に表示される段階の表示内容と対応表示領域60に溜められる段階で表示される対応表示の表示内容が同じ態様で表示されるようにしてもよい。
(4) 前述の実施の形態において、対応表示領域60に溜められる対応表示が変動表示中の図柄に作用する演出を実行するようにしてもよい。たとえば、図柄に作用する演出とは、対応表示領域60に溜められた所定のキャラクタが変動表示中の図柄にピストルを撃ち、図柄を攻撃することにより図柄の変動表示に作用する(影響を及ぼす)ような演出のことである。このように、図柄の変動表示に作用する演出が実行されたときには、上述した擬似連演出や滑り演出などの特定の演出(遊技者にとって有利となる演出)を実行することにより、停止表示される図柄が変更される等の図柄が何らかの作用の影響を受ける演出が行なわれる。そして、図柄に作用する演出、および予告演出については、遊技制御用マイクロコンピュータ560側から演出制御用マイクロコンピュータ100側へ送られてくる変動パターンコマンドに基づいて、演出制御用CPU101により、どのような演出を実行するかを所定の割合で決定することができる。また、図柄に作用する演出は、ターゲットの保留記憶となる始動入賞が発生したことに基づいて対応表示領域60に溜められた対応表示に対応する各変動表示が開始される毎に実行し、滑り演出等の演出自体は、ターゲットの変動表示のみで実行するようにしてもよい。このように、図柄に作用する演出を実行することで、ターゲットの保留記憶に基づく表示結果が導出される以前に対応表示領域60に表示される対応表示に対して遊技者に期待を持たせ、対応表示の演出効果を向上させることができるので、遊技の興趣が向上する。また、変動表示が実行される際に、演出制御用マイクロコンピュータ100側で詳細な演出を決定することで、先読み予告演出と実際に実行される演出との整合を取る(演出を実行する変動表示時間が担保できないような場合を無くす)ことができる。なお、図柄に作用する演出は、ターゲットの保留記憶に基づく表示結果が導出されるまで、毎回の変動表示(保留記憶)を対象として実行される場合を示したが、ターゲットの期待度に基づいて所定の割合で実行されない場合があってもよい。また、ターゲットの変動表示中に図柄に作用する演出が実行されても、滑り演出等の予告演出が実行されない場合があってもよい。また、ターゲットの保留記憶に基づく表示結果が導出される以前の変動表示において、図柄が作用する演出を毎回実行するとともに、予告演出を毎回実行するようにしてもよい。また、所定のキャラクタを複数種類設定し、ターゲットの変動表示の期待度(スーパーリーチや大当りとなる期待度)に基づいて、キャラクタを変更するようにしてもよい。また、キャラクタは同じでもキャラクタが持つ武器を変更させることで、期待度を示唆するようにしてもよい。また、リーチとならない通常変動はずれの変動時間が保留数によって左右されない(変化しない)場合(保留数短縮制御を実行しない場合)に、先読み予告としてターゲット保留以前の保留記憶が全て通常変動はずれのときに図柄に作用する演出を実行してもよい。このようにすれば、通常変動はずれの変動時間が一定なので、図柄に作用する演出を一定の範囲の時間毎に実行することができ、図柄に作用する演出が実現しやすくなる。
(5) 前述の実施の形態では、ターゲットの変動表示が大当りかはずれかにより、テーブルを使用して対応表示領域60に表示される対応表示を決定するようにしていた。よって、大当り時にあまりにもはずれ結果となるような演出が選択されすぎたり、はずれ時にあまりにも大当り結果となるような演出が選択されすぎたりする場合も考えられる。したがって、表示結果と大幅にずれる演出が連続すると、予め設定される期待度に対して演出の信頼が保てなくなる。このような場合、演出制御用CPU101は、表示結果と大幅にずれる演出に対して、強制的に表示結果と合うように制御してもよい。強制的に変更する制御を実行することで、演出に対する期待度を適切に保つことが可能となる。ここで述べる強制的に変更する制御とは、たとえば、ターゲットの表示結果が大当りとなるにも関わらず、大当り期待度の低い「○」の表示がターゲットの変動表示が実行される前に対応表示領域に複数溜まっていた場合、ターゲットの変動表示に対応する対応表示が「○」と決定されていても強制的に大当り期待度の高い「☆」に表示内容を変更する制御のことである。なお、期待度の高い表示内容に変更する制御は、保留記憶数によりターゲット保留の複数回以前から実行するようにしてもよい。
(6) 前述の実施の形態では、ターゲットの変動表示に対する保留記憶は、ターゲットの変動表示までの保留記憶と同じように対応表示領域60に表示される場合を示したが、ターゲットの保留自体は対応表示領域60に溜める表示を実行しないように制御してもよい。また、ターゲットの変動表示が実行される場合には、対応表示領域60に溜められた対応表示が結合し、所定の態様と異なる特殊な態様の対応表示に変化するようにしてもよい。具体的には、ターゲットの変動表示が実行される前に対応表示領域60に所定の態様として「☆」の対応表示が複数個溜められる演出が実行されていたとする。このような場合に、ターゲットの変動表示が開始される際にそれら「☆」の対応表示が結合し、特殊な態様として1つの大きな「☆」に対応表示が変更される演出を実行してもよい。このように対応表示を特殊な態様に変更することで、遊技者はターゲットの変動表示に対し期待を持つことができる。ここで、特殊な態様は、大当りの期待度に基づいて複数種類の変更パターンから決定するようにしてもよい。さらに、ターゲットの変動表示が実行されるときに、対応表示領域60に溜められた対応表示を、変更するようにしてもよい。具体的には、対応表示領域60に「○」、「○」、「○」と溜めたときに、ターゲットの変動表示が実行される場合に、それら溜まっている対応表示をターゲットの大当り期待度に基づいて複数種類の変更パターンからたとえば、「☆」、「☆」、「△」等に変更してもよい。このように対応表示をターゲットの変動表示が実行されるときに変更することで、遊技者をターゲットの変動表示に対し注目させることができる。
(7) 前述の実施の形態では、ターゲットの保留記憶に基づく表示結果が導出される前に対応表示領域60に溜められた対応表示は、一度表示されると減少する場合は無いが、ターゲットの期待度に応じて、ターゲットの保留記憶に基づく表示結果が導出されるまでに減少してもよい。このような場合には、ターゲットの保留記憶に基づく表示結果が導出されるまでの対応表示の個数により、期待度が異なるようにしてもよい。また、対応表示領域60に表示される表示を変動表示毎に減少させることで先読み予告演出を実行するようにしてもよい。具体的には、対応表示領域60に木の先端にリンゴが実っているような表示をし、保留の消化とともにキコリが木を切るような演出が実行された場合、キコリが木を切り損ねたときは保留が通常に消化され、対応表示を実行するような特定の保留があると判断されたときはキコリが木を切ることで木の高さが段々下がってきて、ターゲットの変動表示時にリンゴに手が届くようにするような表示態様としてもよい。
(8) 前述の実施の形態では、対応表示領域60に表示される対応表示は、大当り期待度に基づいて「○」<「△」<「☆」の順に高期待度の対応表示が表示される場合を示したが、たとえば、「○」、「△」、「☆」の組合せが最も高い期待度とするようにし、「○」、「○」、「○」の組合せが最も低い期待度となるようにしてもよい。このように、組合せにより期待度が異なるようにする場合には、ターゲットの始動入賞が発生した際に、ターゲットの保留記憶が大当りかはずれかに基づいてどの組合せにするかを予め決定しておき、その決められた組合せにより溜める演出を実行することで実現できる。また、「△」の表示を設けず、「☆」だけを表示し、「☆」の数のみによって期待度が異なるように表示してもよい。このように、「☆」の数により期待度が異なるようにする場合には、ターゲットの始動入賞が発生した際に、ターゲットの保留記憶が大当りかはずれかに基づいて表示する「☆」の数を予め決定しておき、その決められた「☆」の数で溜める演出を実行することで実現できる。このように、対応表示領域60に表示される対応表示の組合せは適宜変更することができ、複数のモードを有する遊技機において、遊技者の好みによりどのような対応表示を実行するかをプッシュボタン120等を使用し、選択できるようにしてもよい。
(9) 前述の実施の形態では、図24の先読み予告処理において、対応表示領域60に残留する保留記憶は、S529に示すようにターゲット変動表示の保留記憶からn個の保留記憶を対応表示領域60に残留する場合を示したが、残留する保留記憶をターゲットの始動入賞があった際にランダムに決定するようにしてもよい。このような場合には、ターゲットの始動入賞が発生した時点で、現在の保留記憶の中から対応表示領域に溜める保留記憶の数をランダムに決定する。さらに、決定した数の保留記憶を何番目の保留記憶で表示するかを予め決められたパターンの中からランダムに選択するようにすればよい。
(10) 前述の実施の形態では、合算保留記憶表示部18cに表示される保留表示は、「○」で表示されるのみであったが、合算保留記憶表示部18cに表示される保留表示の態様を複数種類設けるようにしてもよい。また、保留表示は期待度に応じて色や形が異なる態様で表示されるようにしてもよい。また、ターゲットの保留表示は、通常とは異なる態様で表示されていたが、通常の態様と同様に表示してもよいし、ターゲットの期待度に応じて、保留がシフトする毎に段階的に態様を変化させてもよい。このような場合には、始動入賞が発生した時点で、大当り期待度に基づいて予め決められた表示態様の中から合算保留記憶表示部18cに表示する表示態様が決定されるようにすればよい。また、ターゲットの大当たり期待度に応じて、保留がシフトする毎に段階的に表示態様を変化するような演出は、最終段階で表示される表示態様を大当たり期待度に基づいて事前に決定しておき、その表示態様となる前の複数回の保留のシフトがされるときに、最終段階より低い段階から徐々に期待度の高い表示態様に変更していけばよい。
(11) 前述の実施の形態では、合算保留記憶表示部18cに表示される保留表示と対応表示領域60に表示される対応表示とでは、形が異なるようなものが表示される場合を示したが、合算保留記憶表示部18cに表示される保留表示と対応表示領域60に表示される対応表示とで、全く異なる表示態様にしてもよい。具体的には、合算保留記憶表示部18cに表示される保留表示は、「○」などの形状で表示され、対応表示領域60に表示される対応表示は、「人」などの全く異なる形状で表示されてもよい。
(12) 前述の実施の形態では、先読み予告演出が一旦実行され、対応表示領域60に対応表示として保留が溜められる演出が実行された場合には、ターゲットの変動表示が終了するまで、対応表示は終了しなかった。しかし、ターゲットの保留記憶に基づく表示結果がはずれで先読み予告演出が実行されていた場合に、始動入賞が複数発生し、その中の保留が大当りの表示結果となる場合には、はずれの表示結果となる先読み予告演出を終了させるようにして、大当りの表示結果となる保留を新たなターゲットとして溜める演出を実行してもよい。また、このような場合には、はずれの表示結果となる溜められる演出を途中で終了させてもよいし、対応表示領域60に溜められた保留表示を新たなターゲットとなる大当り表示結果の保留まで引き継ぐようにしてもよい。
(13) 前述の実施の形態では、ターゲットとなる始動入賞が発生した時点で対応表示領域60で溜める演出を実行するか否かが決定されていたが、溜める演出は変動表示開始時に実行するか否かを決定するようにしてもよい。このような場合には、変動表示開始時に特定の変動表示となるターゲットの保留記憶の変動表示が開始されたことに基づいて対応表示領域60において対応表示を溜める演出を実行する。また、変動表示開始時に溜める演出を実行しない判定がされたときでも、それ以降に溜める演出を実行するターゲットの保留記憶が記憶されていたなら、演出制御用CPU101は溜める演出を実行しないとしていた変動表示開始時の保留記憶を強制的に溜める演出を実行するように変更してもよい。
(14) 前述の実施の形態では、ターゲットとなる始動入賞が発生した時点で対応表示領域60で溜める演出を実行するか否かが決定されていたが、始動入賞が発生した時点では対応表示を実行するか否かは決定せず、溜める演出は変動表示開始時にのみ実行するか否かを決定するようにしてもよい。具体的には、変動表示開始時に溜める演出が実行されていたとき、次の変動表示でスーパーリーチなどの大当り期待度が高い変動表示が実行される場合には、変動表示開始時にさらに溜める演出を実行するようにしてもよい。このようにすれば、先読み予告処理で溜める演出を実行しなくても、変動表示開始時での判定により溜める演出を実行することが可能となる。
(15) 前述の実施の形態では、対応表示領域60へシフトされたときに溜められる保留が変化する場合を示したが、変化するタイミングを複数設けるようにしてもよい。たとえば、保留表示が対応表示領域60へシフトされてから所定期間たった後に変化してもよいし、図柄の変動表示が開始され、リーチが発生するタイミングで変化してもよい。このように、複数の変化タイミングを設け、ターゲットの期待度に応じてタイミングが変化タイミングが異なるようにしてもよい。
(16) 前述の実施の形態では、第1特別図柄の変動表示および第2特別図柄の変動表示の両方を対象として先読み予告を実行する例を説明したが、第2特別図柄の方の変動表示を優先して先読み予告を実行する場合には、低ベース状態中は第1特別図柄のみを対象として先読み予告を実行し、高ベース状態中は第2特別図柄のみを対象として先読み予告を実行してもよい。このようにすれば、たとえば、高ベース中は第2特別図柄の方の変動表示が優先して消化されるので、ターゲット保留の入賞が発生すると、第2特別図柄のみを対象として対応表示領域60に溜まっていく演出が実行される。具体的には、高ベース中(大当り遊技中でもよい)は第1特別図柄について先読み予告を実行しないので、遊技制御用マイクロコンピュータ560側からは、第1特別図柄についての先読み予告の実行に関連したコマンド自体を演出制御用マイクロコンピュータ100側に送らず、第2特別図柄についての先読み予告の実行に関連したコマンドのみを送るようにしてもよい。また、遊技制御用マイクロコンピュータ560側からは、第1特別図柄、および、第2特別図柄についての先読み予告の実行に関連したコマンドは送信するが、演出制御用マイクロコンピュータ100側で、第1特別図柄についての先読み予告の実行に関連したコマンドを実行しないようにしてもよい。
(17) 前述の実施の形態では、演出装置を制御する回路が搭載された基板として、演出制御基板80、音声出力基板70およびランプドライバ基板35が設けられているが、演出装置を制御する回路を1つの基板に搭載してもよい。さらに、演出表示装置9等を制御する回路が搭載された第1の演出制御基板(表示制御基板)と、その他の演出装置(ランプ、LED、スピーカ27R,27L等)を制御する回路が搭載された第2の演出制御基板との2つの基板を設けるようにしてもよい。
(18) 前述の実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、演出制御用マイクロコンピュータ100に対して直接コマンドを送信していたが、遊技制御用マイクロコンピュータ560が他の基板(たとえば、図3に示す音声出力基板70やランプドライバ基板35等、または音声出力基板70に搭載されている回路による機能とランプドライバ基板35に搭載されている回路による機能とを備えた音/ランプ基板)に演出制御コマンドを送信し、他の基板を経由して演出制御基板80における演出制御用マイクロコンピュータ100に送信されるようにしてもよい。その場合、他の基板においてコマンドが単に通過するようにしてもよいし、音声出力基板70、ランプドライバ基板35、音/ランプ基板にマイクロコンピュータ等の制御手段を搭載し、制御手段がコマンドを受信したことに応じて音声制御やランプ制御に関わる制御を実行し、さらに、受信したコマンドを、そのまま、またはたとえば簡略化したコマンドに変更して、演出表示装置9を制御する演出制御用マイクロコンピュータ100に送信するようにしてもよい。その場合でも、演出制御用マイクロコンピュータ100は、上記の実施の形態における遊技制御用マイクロコンピュータ560から直接受信した演出制御コマンドに応じて表示制御を行なうのと同様に、音声出力基板70、ランプドライバ基板35または音/ランプ基板から受信したコマンドに応じて表示制御を行なうことができる。このような構成の場合には、前述した実施の形態で演出制御用マイクロコンピュータ100が行なっていた各種決定については、同様に演出制御用マイクロコンピュータ100が行なうようにしてもよく、または、音声出力基板70、ランプドライバ基板35、または、音/ランプ基板に搭載したマイクロコンピュータ等の制御手段が行なうようにしてもよい。
(19) 本実施の形態として、入賞の発生に応じて遊技媒体を遊技者の手元に払い出す遊技機を説明したが、遊技媒体が封入され、入賞の発生に応じて遊技媒体を遊技者の手元に払い出すことなく遊技点(得点)を加算する封入式の遊技機を採用してもよい。封入式の遊技機には、遊技媒体の一例となる複数の玉を遊技機内で循環させる循環経路が形成されているとともに、遊技点を記憶する記憶部が設けられており、玉貸操作に応じて遊技点が記憶部に加算され、玉の発射操作に応じて遊技点が記憶部から減算され、入賞の発生に応じて遊技点が記憶部に加算される。また、遊技機は、発射装置および玉払出装置を備えた遊技枠に遊技球が打ち込まれる遊技領域を形成する遊技盤を取り付けた構成としたが、これに限らず、発射装置は玉払出装置などの基本的な機能を共通化し、遊技の特長的構成である遊技盤のみを流通させるようにしてもよい。この場合、遊技の特長的構成であるところの遊技盤を遊技機と称する。
(20) 前述した実施の形態は、パチンコ遊技機1の動作をシミュレーションするゲーム機等の装置にも適用することができる。前述した実施の形態を実現するためのプログラム及びデータは、コンピュータ装置等に対して、着脱自在の記録媒体により配布・提供される形態に限定されるものではなく、予めコンピュータ装置等の有する記憶装置にプリインストールしておくことで配布される形態を採っても構わない。さらに、本発明を実現するためのプログラム及びデータは、通信処理部を設けておくことにより、通信回線等を介して接続されたネットワーク上の、他の機器からダウンロードすることによって配布する形態を採っても構わない。そして、ゲームの実施形態も、着脱自在の記録媒体を装着することにより実行するものだけではなく、通信回線等を介してダウンロードしたプログラム及びデータを、内部メモリ等に一旦格納することにより実行可能とする形態、通信回線等を介して接続されたネットワーク上における、他の機器側のハードウェア資源を用いて直接実行する形態としてもよい。さらには、他のコンピュータ装置等とネットワークを介してデータの交換を行なうことによりゲームを実行するような形態とすることもできる。
(21) 前述の実施形態では、大当り種別として、15ラウンドの通常大当りと15ラウンドの確変大当りを設けた例を示した。しかし、これに限らず、たとえば、15ラウンドの大当り、10ラウンドの大当り、および、5ラウンドの大当りを設ける場合のように、3種類以上のラウンド数の大当り種別を設けてもよい。その場合には、たとえば、大当りの種別を、賞球が得られやすい大当り種別グループ(たとえば、15ラウンドの大当り、10ラウンドの大当り)と、賞球が得られにくい大当り種別グループ(たとえば、5ラウンドの大当り)とに分類し、第2特別図柄の方が第1特別図柄よりも、賞球が得られやすい大当り種別グループの大当り種別が選択される割合が高くなるように設定してもよい。
(22) なお、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなく特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。