以下、適宜図面を参照しつつ、本発明の一実施形態に係るパチンコ遊技機1について説明する。なお、以下では、パチンコ遊技機1を、単に、遊技機1という場合がある。
[パチンコ遊技機1の概略構成]
以下、図1〜図3を参照して、本発明の第1の実施形態に係るパチンコ遊技機1の概略構成について説明する。なお、図1は、本発明の一実施形態に係る遊技機1の一例を示す概略正面図である。図2は、遊技機1に設けられた表示器4の一例を示す拡大図である。図3は、遊技機1の部分平面図である。
図1において、遊技機1は、例えば遊技者の操作により打ち出された遊技球が入賞すると賞球を払い出すように構成されたパチンコ遊技機である。この遊技機1は、遊技球が打ち出される遊技盤2と、遊技盤2を囲む枠部材5とを備えている。枠部材5は、軸支側に設けられた蝶番を中心に、遊技機1の主部に対して開閉可能に構成されている。そして、枠部材5の前面側となる所定位置(例えば、軸支側とは反対側となる端部)には錠部43が設けられており、錠部43を開錠することによって枠部材5を開くことが可能となる。
遊技盤2は、その前面に、遊技球により遊技を行うための遊技領域20が形成されている。遊技領域20には、下方(発射装置211;図4参照)から発射された遊技球が遊技盤2の主面に沿って上昇して遊技領域20の上部位置へ向かう通路を形成するレール部材(図示せず)と、上昇した遊技球を遊技領域20の右側に案内する案内部材(図示せず)とが備えられている。
また、遊技盤2には、遊技者により視認され易い位置に、各種演出のための画像を表示する画像表示部6が配設されている。画像表示部6は、遊技者による遊技の進行に応じて、例えば、装飾図柄を表示することによって特別図柄抽選(大当り抽選)の結果を遊技者に報知したり、キャラクタの登場やアイテムの出現等による予告演出を表示したり、特別図柄抽選が保留されている回数を示す保留画像を表示したりする。画像表示部6は、画像表示部6に表示される演出に付随した演出表示等を行う。なお、画像表示部6は、液晶表示装置やEL(Electro Luminescence:電界発光)表示装置等によって構成されるが、他の任意の表示装置を利用してもよい。さらに、遊技盤2の前面には、各種の演出に用いられる可動役物7および盤ランプ8が設けられている。可動役物7は、遊技盤2に対して可動に構成され、遊技の進行に応じて又は遊技者の操作に応じて、所定の動作を行うことによって演出を行う。また、盤ランプ8は、遊技の進行に応じて発光することによって光による各種の演出を行う。
遊技領域20には、遊技球の落下方向を変化させる遊技くぎ及び風車(共に図示せず)等が配設されている。また、遊技領域20には、入賞や抽選に関する種々の役物が所定の位置に配設されている。なお、図1においては、入賞や抽選に関する種々の役物の一例として、第1始動口21、第2始動口22、ゲート25、大入賞口23、および普通入賞口24が遊技盤2に配設されている。さらに、遊技領域20には、遊技領域20に打ち出された遊技球のうち何れの入賞口にも入賞しなかった遊技球を、遊技領域20の外に排出する排出口26が配設されている。
第1始動口21および第2始動口22は、それぞれ遊技球が入ると入賞して特別図柄抽選(大当り抽選)が始動する。第1始動口21は、予め定められた特別電動役物(大入賞口23)および/または予め定められた特別図柄表示器(後述する第1特別図柄表示器4a)を作動させることとなる、遊技球の入賞に係る入賞口である。また、第2始動口22は、上記特別電動役物および/または予め定められた特別図柄表示器(後述する第2特別図柄表示器4b)を作動させることとなる、遊技球の入賞に係る入賞口である。ゲート25を遊技球が通過すると普通図柄抽選(下記の電動チューリップ27の開閉抽選)が始動する。なお、普通入賞口24に遊技球が入賞しても抽選は始動しない。
第2始動口22は、第1始動口21の下部に設けられ、普通電動役物の一例として、遊技球の入口近傍に電動チューリップ27を備えている。電動チューリップ27は、チューリップの花を模した一対の羽根部を有しており、後述する電動チューリップ開閉部112(例えば、電動ソレノイド)の駆動によって当該一対の羽根部が左右に開閉する。電動チューリップ27は、一対の羽根部が閉じていると、第2始動口22の入口へ案内される開口幅が極めて狭いため、遊技球が第2始動口22へ入らない閉状態となる。一方、電動チューリップ27は、一対の羽根部が左右に開くと、第2始動口22の入口へ案内される開口幅が拡大するため、遊技球が第2始動口22へ入り易い開状態となる。そして、電動チューリップ27は、ゲート25を遊技球が通過して普通図柄抽選に当選すると、一対の羽根部が規定時間(例えば、0.10秒間)開き、規定回数(例えば、1回)だけ開閉する。
大入賞口23は、第2始動口22の下側中央に位置し、特別図柄抽選の結果に応じて開放する。大入賞口23は、通常は閉状態であり遊技球が入ることがない状態となっているが、特別図柄抽選の結果に応じて遊技盤2の主面から突出傾斜して開状態となって遊技球が入り易い状態となる。例えば、大入賞口23は、所定条件(例えば、29.5秒経過または遊技球10個の入賞)を満たすまで開状態となるラウンドを、所定回数(例えば、16回)だけ繰り返す。
また、遊技盤2の右下には、上述した特別図柄抽選や普通図柄抽選の結果や保留数に関する表示を行う表示器4が配設されている。表示器4の詳細については後述する。
ここで、賞球の払い出しについて説明する。第1始動口21、第2始動口22、大入賞口23、および普通入賞口24に遊技球が入る(入賞する)と、遊技球が入賞した場所に応じて、1つの遊技球当たり規定個数の賞球が払い出される。例えば、第1始動口21および第2始動口22に遊技球が1個入賞すると3個の賞球、大入賞口23に遊技球が1個入賞すると13個の賞球、普通入賞口24に遊技球が1個入賞すると10個の賞球がそれぞれ払い出される。なお、ゲート25を遊技球が通過したことを検出しても、それに連動した賞球の払い出しは無い。
遊技機1の前面となる枠部材5には、ハンドル31、レバー32、停止ボタン33、取り出しボタン34、スピーカ35、枠ランプ36、演出ボタン37、演出キー38、および皿39等が設けられている。
遊技者がハンドル31に触れてレバー32を時計回りに回転させる操作を行うと、その操作角度に応じた打球力にて所定の時間間隔(例えば、1分間に100個)で、発射装置211(図4参照)が遊技球を電動発射する。皿39(図3参照)は、遊技機1の前方に突出して設けられ、発射装置211に供給される遊技球を一時的に溜めておく。また、皿39には、上述した賞球が払い出される。そして、皿39に溜められた遊技球は、遊技者のレバー32による操作と連動したタイミングで、供給装置(図示せず)によって1つずつ発射装置211に供給される。
停止ボタン33は、ハンドル31の下部側面に設けられ、ハンドル31に遊技者が触れてレバー32を時計回りに回転させている状態であっても、遊技者に押下されることによって遊技球の発射を一時的に停止させる。取り出しボタン34は、皿39が設けられた位置近傍の前面に設けられ、遊技者に押下されることによって皿39に溜まっている遊技球を箱(図示せず)に落下させる。
スピーカ35および枠ランプ36は、それぞれ遊技機1の遊技状態や状況を告知したり各種の演出を行ったりする。スピーカ35は、楽曲や音声、効果音による各種の演出を行う。また、枠ランプ36は、点灯/点滅によるパターンや発光色の違い等によって光による各種の演出を行う。
次に、図2を参照して、遊技機1に設けられる表示器4について説明する。図2において、表示器4は、第1特別図柄表示器4a、第2特別図柄表示器4b、第1特別図柄保留表示器4c、第2特別図柄保留表示器4d、普通図柄表示器4e、普通図柄保留表示器4f、および遊技状態表示器4gを備えている。
第1特別図柄表示器4aは、第1始動口21に遊技球が入賞することに対応して表示図柄が変動して表示される。例えば、第1特別図柄表示器4aは、7セグ表示装置で構成され、第1始動口21に遊技球が入賞した場合、特別図柄を変動表示した後に停止表示してその抽選結果を表示する。また、第2特別図柄表示器4bは、第2始動口22に遊技球が入賞することに対応して表示図柄が変動して表示される。例えば、第2特別図柄表示器4bも同様に、7セグ表示装置で構成され、第2始動口22に遊技球が入賞した場合、特別図柄を変動表示した後に停止表示してその抽選結果を表示する。普通図柄表示器4eは、ゲート25を遊技球が通過することに対応して表示図柄が変動して表示される。例えば、普通図柄表示器4eは、LED表示装置で構成され、遊技球がゲート25を通過した場合、普通図柄を変動表示した後に停止表示してその抽選結果を表示する。
第1特別図柄保留表示器4cは、第1始動口21に遊技球が入賞した場合の特別図柄抽選を保留している回数を表示する。第2特別図柄保留表示器4dは、第2始動口22に遊技球が入賞した場合の特別図柄抽選を保留している回数を表示する。普通図柄保留表示器4fは、普通図柄抽選を保留している回数を表示する。例えば、第1特別図柄保留表示器4c、第2特別図柄保留表示器4d、および普通図柄保留表示器4fは、それぞれ列設されたLED表示装置で構成され、その点灯態様によって保留回数が表示される。
遊技状態表示器4gは、遊技機1の電源投入時点における遊技状態(通常遊技状態等)を表示する。
次に、図3を参照して、遊技機1に設けられる入力装置について説明する。図3において、遊技機1には、入力装置の一例として、演出ボタン37および演出キー38が設けられている。
演出ボタン37および演出キー38は、それぞれ遊技者が演出に対する入力を行うために設けられている。演出ボタン37は、遊技機1の前方に突出した皿39の上面脇部に設けられる。演出キー38は、中央キーと略十字に配列された4つの方向キーとを有し、演出ボタン37に隣接して皿39の上面脇部に設けられる。演出ボタン37および演出キー38は、それぞれ遊技者に押下されることによって所定の演出が行われる。例えば、遊技者は、所定のタイミングで演出ボタン37を押下することによって所定の演出を楽しむことができる。また、遊技者は、演出キー38の4つの方向キーを操作することにより、画像表示部6に表示されている複数の画像のいずれかを選ぶこと等が可能である。また、遊技者は、演出キー38の中央キーを操作することにより、選んだ画像を情報として入力することが可能である。
また、遊技機1の背面側には、払出用の遊技球を溜めておく球タンクや遊技球を皿39に払い出す払出装置(払出駆動部311)が設けられ、各種の基板等が取り付けられている。例えば、遊技盤2の後面には、メイン基板およびサブ基板等が配設されている。具体的には、メイン基板には、内部抽選および当選の判定等を行うメイン制御部100(図4参照)が構成されたメイン制御基板が配設されている。サブ基板には、遊技球を遊技領域20の上部へ発射する発射装置211を制御する発射制御部200(図4参照)が構成された発射制御基板、賞球の払出を制御する払出制御部300が構成された払出制御基板、演出を統括的に制御する演出制御部400が構成された演出制御基板、画像および音による演出を制御する画像音響制御部500が構成された画像制御基板、および各種のランプ(枠ランプ36、盤ランプ8)や可動役物7による演出を制御するランプ制御部600が構成されたランプ制御基板等が配設されている。また、遊技盤2の後面には、遊技機1の電源オン/オフを切り替えるとともに、遊技機1に供給された24V(ボルト)の交流電力を各種電圧の直流電力に変換して、それぞれの電圧の直流電力を上述した各種の基板等に出力するスイッチング電源が配設されている。
[パチンコ遊技機1の制御装置の構成]
次に、図4を参照して、遊技機1における動作制御や信号処理を行う制御装置について説明する。なお、図4は、遊技機1に設けられた制御装置の構成の一例を示すブロック図である。
図4において、遊技機1の制御装置は、メイン制御部100、発射制御部200、払出制御部300、演出制御部400、画像音響制御部500、およびランプ制御部600等を備えている。
メイン制御部100は、CPU(Central Processing Unit;中央処理装置)101、ROM(Read Only Memory)102、およびRAM(Random Access Memory)103を備えている。CPU101は、内部抽選および当選の判定等の払い出し賞球数に関連する各種制御を行う際の演算処理を行う。ROM102には、CPU101により実行されるプログラムや各種データ等が記憶されている。RAM103は、CPU101の作業用メモリ等として用いられる。以下、メイン制御部100の主な機能について説明する。
メイン制御部100は、第1始動口21または第2始動口22に遊技球が入賞すると特別図柄抽選(大当り抽選)を行い、特別図柄抽選で当選したか否かを示す判定結果データを演出制御部400に送る。
メイン制御部100は、電動チューリップ27の羽根部が開状態となる開時間や羽根部が開閉する回数、さらには羽根部が開閉する開閉時間間隔を制御する。また、メイン制御部100は、遊技球が第1始動口21へ入賞したときの特別図柄抽選の実行保留回数、遊技球が第2始動口22へ入賞したときの特別図柄抽選の実行保留回数、および遊技球がゲート25を通過したときの普通図柄抽選の実行保留回数をそれぞれ管理し、これらの保留回数に関連するデータを演出制御部400に送る。
メイン制御部100は、特別図柄抽選の結果に応じて、大入賞口23の開閉動作を制御する。例えば、メイン制御部100は、所定条件(例えば、29.5秒経過または遊技球10個の入賞)を満たすまで、大入賞口23が突出傾斜して開状態となるラウンドを所定回数(例えば、16回)だけ繰り返すように制御する。また、メイン制御部100は、大入賞口23が開閉する開閉時間間隔を制御する。
メイン制御部100は、遊技の進行に応じて遊技状態を変化させ、又、遊技の進行に応じて、特別図柄抽選の当選確率、特別図柄抽選の実行間隔(特別図柄が表示器4に変動表示されて停止表示される時間と言ってもよい)、電動チューリップ27の開閉動作等を変化させる。
メイン制御部100は、第1始動口21、第2始動口22、大入賞口23、および普通入賞口24に遊技球が入賞すると、遊技球が入賞した場所に応じて1つの遊技球当たり所定数の賞球を払い出すように払出制御部300に対して指示する。なお、メイン制御部100は、ゲート25を遊技球が通過したことを検出しても、それに連動した賞球の払い出しを払出制御部300に指示しない。払出制御部300がメイン制御部100の指示に応じて賞球の払い出しを行った場合、払出制御部300から払い出した賞球の個数に関する情報がメイン制御部100へ送られる。そして、メイン制御部100は、払出制御部300から取得した情報に基づいて、払い出した賞球の個数を管理する。
上述した機能を実現するために、メイン制御部100には、第1始動口スイッチ111a、第2始動口スイッチ111b、電動チューリップ開閉部112、ゲートスイッチ113、大入賞口スイッチ114、大入賞口開閉部115、普通入賞口スイッチ116、表示器4(第1特別図柄表示器4a、第2特別図柄表示器4b、第1特別図柄保留表示器4c、第2特別図柄保留表示器4d、普通図柄表示器4e、普通図柄保留表示器4f、および遊技状態表示器4g)が接続されている。
第1始動口スイッチ111aは、第1始動口21へ遊技球が入賞したことに応じた信号をメイン制御部100へ送る。第2始動口スイッチ111bは、第2始動口22へ遊技球が入賞したことに応じた信号をメイン制御部100へ送る。電動チューリップ開閉部112は、メイン制御部100から送られる制御信号に応じて、電動チューリップ27の一対の羽根部を開閉する。ゲートスイッチ113は、ゲート25を遊技球が通過したことに応じた信号をメイン制御部100へ送る。大入賞口スイッチ114は、大入賞口23へ遊技球が入賞したことに応じた信号をメイン制御部100へ送る。大入賞口開閉部115は、メイン制御部100から送られる制御信号に応じて、大入賞口23を開閉する。普通入賞口スイッチ116は、普通入賞口24へ遊技球が入賞したことに応じた信号をメイン制御部100へ送る。
[スイッチ処理について]
以下では、本実施形態のスイッチ処理(遊技球通過判定処理)について、具体的に説明する。なお、この遊技球通過判定処理は、上記した第1始動口21、第2始動口22、ゲート25、大入賞口23等に遊技球が入球(又は通過)したことを判定する場合に限らず、例えば、払い出した賞球(賞球数)を払出制御部300が判定(カウント)する場合等にも実行される。
図5は、上記した第1始動口21等への遊技球入賞(通過)を検出するための第1始動口スイッチ111a等として設置される近接スイッチの出力信号の例、および、この出力信号を通過判定閾値(5V)を用いてONレベルとOFFレベルとに2値化した2値化信号の例について説明するための図である。なお、近接スイッチは、一例として、長方形のプレートに遊技球が通過する円形の貫通孔を有しており、この貫通孔を遊技球が通過する際の磁束の変化に対応した電圧の出力信号を出力する直流2線式電子スイッチである。図5の点線で示すように、近接スイッチの出力信号の電圧レベルは、遊技球が貫通孔の中心に近づくにつれて降下していき、遊技球が貫通孔の中心に達する辺りで最小(極小)となり、遊技球が貫通孔の中心を通り過ぎて離れるにつれて上昇していく。また、図5に示すように、近接スイッチの出力信号は、コンパレータ(図示なし)によって、電圧レベルが通過判定閾値(5V)よりも大きいときには2値化信号のOFFレベルに変換され、電圧レベルが通過判定閾値(5V)以下のときには2値化信号のONレベルに変換される。なお、図5の例では、判定に用いる通過判定閾値を1つの通過判定閾値(5V)として説明したが、例えば、OFFレベルからONレベルに切り替わる際には第1の通過判定閾値(5V)を用いる一方で、ONレベルからOFFレベルに切り替わる際には第2の通過判定閾値(6V)を用いる構成としてもよい。これにより、ノイズの影響等で通過判定閾値を跨いで近接スイッチの出力信号が上下することによって2値化信号が不適切にON/OFF間で行き来することを防止できる。
そして、図9を用いて後述するメイン制御部100により4ミリ秒(4ms)間隔で実行されるタイマ割り込み処理における各処理の一部として、図5に示す2値化信号を4ミリ秒間隔でON/OFF判定することによって、遊技球の通過判定を行う。以下、具体的に説明する。
図5に示すように、2値化信号に対して、ONレベルであるのかOFFレベルであるのかが4ミリ秒間隔で判定(ON/OFF判定)される。図5では、自然数nを用いて、ON/OFF判定の順番を表している。また、図5では、n−2回目からn回目のON/OFF判定によってOFFレベルと判定され、その後、n+1回目のON/OFF判定によってONレベルと判定されている。ここで、本実施形態では、ONレベルと判定された場合には、このONレベルと判定したON/OFF判定の処理において、4ミリ秒間隔よりも短い所定の微小時間(例えば4マイクロ秒)が経過したタイミングで2回目のON/OFF判定を実行する。図5では、n+1回目のタイマ割り込み処理におけるON/OFF判定で2回ともONレベルと判定されている。その後、n+2回目からn+4回目のON/OFF判定によってOFFレベルと判定されている。なお、2値化信号のONレベルの期間(ON期間という)が図5の場合よりも長く(つまり、遊技球が図5の場合よりも遅い速度で通過して)例えばn+2回目のON/OFF判定もON期間に実行される場合には、n+2回目のON/OFF判定においても2回の判定を実行する。
本実施形態では、図5に示すように、n回目のON/OFF判定によってOFFレベルと判定されて、n+1回目のON/OFF判定によって2回ONレベルと判定されると、近接スイッチの貫通孔を遊技球が1つ通過したと判定する。なお、これらのON/OFF判定は、例えば第1始動口スイッチ111aとして設置された近接スイッチに対しては、メイン制御部100(より正確にはCPU101)が実行し、例えば払出制御部300に接続された遊技球の払い出し数を検出するための近接スイッチに対しては、払い出し制御部300(より正確にはCPU301)が実行する(図4参照)。
ここで、図5に示すn+1回目のON/OFF判定における上記した所定の微小時間(例えば4マイクロ秒)は、遊技球通過判定の演算処理を実行するためのソフトウエアのプログラミング内容によって予め設定される。つまり、上記した所定の微小時間は、このプログラミング内容によって任意な時間に設定できる可変時間である。遊技機1には微細周期のノイズ(例えば3〜15マイクロ秒周期のノイズ)が発生する場合があり、このノイズの周期は、遊技機の機種に或る程度依存している。例えば、或る機種の遊技機には5マイクロ秒周期のノイズが発生し易く、或る機種の遊技機には9マイクロ秒周期のノイズが発生し易い。そこで、本実施形態では、上記した所定の微小時間をプログラミング内容によって任意な時間に設定できる構成とすることによって、微細周期のノイズによる誤判定を有効に回避することができる。なお、上記した所定の微小時間を設けるための演算処理は、遊技進行には関係しない処理であって時間を稼ぐためだけの処理である。例えば、1マイクロ秒の時間を要する処理を4回繰り返すことによって、上記した所定の微小時間として4マイクロ秒をソフト的に設けることができる。
ところで、近年の遊技機では、演算処理内容の増大により演算処理の負荷が増大したために、以前の遊技機では2ミリ秒であったタイマ割り込み処理の実行間隔は4ミリ秒に延長され、このため、図5を用いて説明したように、近接スイッチを用いたON/OFF判定も2ミリ秒間隔から延長されて4ミリ秒間隔で実行される。
ここで、以前の遊技機は、n回目のON/OFF判定でOFFレベルと判定してn+1回目のON/OFF判定でONレベルと判定してn+2回目のON/OFF判定でONレベルと判定したことを持って1つの遊技球が通過したと判定していた(以下、「以前の判定方法」という)。つまり、3回のタイマ割り込み処理による3回のON/OFF判定によって遊技球通過を判定していた。なお、この様にn+1回目およびn+2回目でONレベルと判定するのは、ノイズにより偶然ONレベルと1回判定されたことによって遊技球が通過したと誤判定することを回避するためである。しかしながら、ON/OFF判定の間隔が4ミリ秒間隔に延長された近年の遊技機においては、上記した以前の判定方法では、速い速度で通過する遊技球の通過を判定することはできない。例えば、図5に示すような2値化信号のONレベルの期間(ON期間)が非常に短くなる(例えば7ミリ秒前後)ほど速い速度で通過する遊技球の通過を判定することは困難となってしまう。そこで、本実施形態では、図5を用いて説明した判定方法により、1つの遊技球が通過したと判定する。このことから、本実施形態によれば、2回のタイマ割り込み処理によるON/OFF判定によって、ノイズによる誤判定を防止しつつ確実に遊技球通過を判定することができる。
ところで、遊技機1には、遊技機1への電源供給が遮断されたことを検知するための電源監視回路、近接スイッチの配線が断線したことを検知するための断線検知回路、および近接スイッチの配線が短絡(ショート)したことを検知するための短絡検知回路等の異常検知回路(何れも図示なし)が設けられている。これらの異常検知回路は、異常発生を判定するための閾値(異常判定レベル)を、図5に示した通過判定閾値(5V)よりも高い電圧レベルに設けることによって、断線、電源遮断、又は短絡により近接スイッチの出力信号の電圧が低下した場合に、この出力信号の電圧が通過判定閾値まで降下する前に異常を判定して、遊技球が通過したと誤判定することを防止している。この様に、通過判定閾値よりも高い電圧レベルに異常判定レベルを設けているため、通過判定閾値を高い値(例えば10V)にすることによってON期間を長く取ることは困難である(図5参照)。この結果として、遊技機1において、出力信号のON期間を長く取って、上記した以前の判定方法を用いて遊技球通過を判定することは、現実的ではない。
なお、以上に説明したスイッチ処理において、ON判定されたタイマ割り込み処理の後に実行されるON判定されるタイマ割り込み処理においては、2回目のON/OFF判定は行わない構成としてもよい。
また、以上に説明したスイッチ処理において、2値化信号がONからOFFに切り替わるところを検出して遊技球の通過を判定する構成としてもよい。つまり、図5において、n+1回目のタイマ割り込み処理で2回ON判定してn+2回目のタイマ割り込み処理でOFF判定したことを持って1つの遊技球が通過したと判定してもよい。
また、以上に説明したスイッチ処理において、1回のタイマ割り込み処理(ON検出)において、3回以上ON/OFF判定を行ってもよいし、又、1回のタイマ割り込み処理(OFF検出)において、2回以上ON/OFF判定を行ってもよい。
また、以上に説明したスイッチ処理において、近接スイッチの出力信号(アナログ信号)を2値化信号(デジタル信号)に変換することなく遊技球通過判定を行う構成としてもよい。つまり、近接スイッチの出力信号(アナログ信号)に対して通過判定閾値(5V)以下か否かを判定することによって、遊技球通過判定を行ってもよい。
また、以上に説明したスイッチ処理において、近接スイッチの出力信号は、遊技球非検出時には低電圧レベルであり遊技球検出時に高電圧レベルになる出力信号であり、この出力信号を反転させる信号反転手段によりこの出力信号を反転させて図5の点線で示すような信号に変換する構成としてもよい。
また、以上に説明したスイッチ処理において、近接スイッチ自身がアナログ信号を2値化信号に変換して出力する構成を備えて、近接スイッチから2値化信号が出力される構成としてもよい。
以上で、本実施形態のスイッチ処理(遊技球通過判定処理)についての説明を終わる。
図4を用いた説明に戻り、メイン制御部100は、第1始動口21への遊技球の入賞により始動した特別図柄抽選(以下、第1特別図柄抽選という場合がある)の結果を、第1特別図柄表示器4aに表示する。メイン制御部100は、第2始動口22への遊技球の入賞により始動した特別図柄抽選(以下、第2特別図柄抽選という場合がある)の結果を、第2特別図柄表示器4bに表示する。メイン制御部100は、第1特別図柄抽選を保留している保留回数を、第1特別図柄保留表示器4cに表示する。メイン制御部100は、第2特別図柄抽選を保留している保留回数を、第2特別図柄保留表示器4dに表示する。メイン制御部100は、ゲート25への遊技球の通過により始動した普通図柄抽選の結果を、普通図柄表示器4eに表示する。メイン制御部100は、普通図柄抽選を保留している保留回数を、普通図柄保留表示器4fに表示する。また、メイン制御部100は、遊技機1の電源投入時にその時点の遊技状態を遊技状態表示器4gに表示する。
発射制御部200は、CPU201、ROM202、およびRAM203を備えている。CPU201は、発射装置211に関連する各種制御を行う際の演算処理を行う。ROM202は、CPU201にて実行されるプログラムや各種データ等を記憶している。RAM203は、CPU201の作業用メモリ等として用いられる。
レバー32は、その位置が中立位置にある場合、信号を出力せずに発射停止状態となる。そして、レバー32は、遊技者によって時計回りに回転操作されると、その回転角度に応じた信号を打球発射指令信号として発射制御部200に出力する。発射制御部200は、打球発射指令信号に基づいて、発射装置211の発射動作を制御する。例えば、発射制御部200は、レバー32の回転角度が増すほど、遊技球が発射される速度が速くなるように、発射装置211の動作を制御する。発射制御部200は、停止ボタン33が押下された信号が出力された場合、発射装置211が遊技球を発射する動作を停止させる。
払出制御部300は、CPU301、ROM302、およびRAM303を備えている。CPU301は、払出球の払い出しを制御する際の演算処理を行う。ROM302は、CPU301にて実行されるプログラムや各種データ等を記憶している。RAM303は、CPU301の作業用メモリ等として用いられる。
払出制御部300は、メイン制御部100から送られたコマンドに基づいて、払出球の払い出しを制御する。具体的には、払出制御部300は、メイン制御部100から、遊技球が入賞した場所に応じた所定数の賞球を払い出すコマンドを取得する。そして、コマンドに指定された数だけの賞球を払い出すように払出駆動部311を制御する。ここで、払出駆動部311は、遊技球の貯留部(球タンク)から遊技球を送り出す駆動モータ等で構成される。
演出制御部400は、CPU401、ROM402、RAM403、およびRTC(リアルタイムクロック)404を備えている。また、演出制御部400には、遊技者によって操作される演出キー38が接続され、演出制御部400は、遊技者による演出キー38の操作に応じて演出キー38から出力される操作データを取得する。また、演出制御部400は、ランプ制御部600を介して演出ボタン37から出力される操作データを取得する。CPU401は、演出を制御する際の演算処理を行う。ROM402は、CPU401にて実行されるプログラムや各種データ等を記憶している。RAM403は、CPU401の作業用メモリ等として用いられる。RTC404は、現時点の日時を計測する。
演出制御部400は、メイン制御部100から送られる特別図柄抽選結果等を示すデータに基づいて、演出内容を設定する。また、演出制御部400は、遊技者によって演出ボタン37または演出キー38が押下操作された場合、当該操作入力に応じて演出内容を設定する場合もある。
画像音響制御部500は、CPU501、ROM502、およびRAM503を備えている。CPU501は、演出内容を表現する画像および音響を制御する際の演算処理を行う。ROM502は、CPU501にて実行されるプログラムや各種データ等を記憶している。RAM503は、CPU501の作業用メモリ等として用いられる。
画像音響制御部500は、演出制御部400から送られたコマンドに基づいて、画像表示部6に表示する画像およびスピーカ35から出力する音響を制御する。具体的には、画像音響制御部500のROM502には、特別図柄抽選結果を報知等するための装飾図柄画像、予告演出や先読み予告演出を表示するためのキャラクタやアイテム等の画像、特別図柄抽選が保留されていることを示す保留画像、および各種背景画像等を、画像表示部6に表示するための画像データが記憶されている。また、画像音響制御部500のROM502には、画像表示部6に表示される画像と同期させて、または表示される画像とは独立に、スピーカ35から出力させる楽曲や音声等の各種音響データが記憶されている。画像音響制御部500のCPU501は、ROM502に記憶された画像データや音響データの中から、演出制御部400から送られたコマンドに対応したものを選択して読み出す。そして、CPU501は、読み出した画像データを用いて、背景画像表示、装飾図柄画像表示、およびキャラクタ/アイテム表示等のための画像処理を行って、演出制御部400から送られたコマンドに対応した各種演出表示を行う。そして、CPU501は、画像処理された画像データが示す画像を画像表示部6に表示する。また、CPU501は、読み出した音響データを用いて音声処理を行い、音声処理された音響データが示す音響をスピーカ35から出力する。
ランプ制御部600は、CPU601、ROM602、およびRAM603を備えている。CPU601は、盤ランプ8や枠ランプ36の発光、および可動役物7の動作を制御する際の演算処理を行う。ROM602は、CPU601にて実行されるプログラムや各種データ等を記憶している。RAM603は、CPU601の作業用メモリ等として用いられる。
ランプ制御部600は、演出制御部400から送られたコマンドに基づいて、盤ランプ8や枠ランプ36の点灯/点滅や発光色等を制御する。また、ランプ制御部600は、演出制御部400から送られたコマンドに基づいて、可動役物7の動作を制御する。具体的には、ランプ制御部600のROM602には、演出制御部400により設定される演出内容に応じた盤ランプ8や枠ランプ36での点灯/点滅パターンデータおよび発光色パターンデータ(発光パターンデータ)が記憶されている。CPU601は、ROM602に記憶された発光パターンデータの中から、演出制御部400から送られたコマンドに対応したものを選択して読み出す。そして、CPU601は、読み出した発光パターンデータに基づいて、盤ランプ8や枠ランプ36の発光を制御する。また、ROM602には、演出制御部400により設定される演出内容に応じた可動役物7の動作パターンデータが記憶されている。CPU601は、ROM602に記憶された動作パターンデータの中から、演出制御部400から送られたコマンドに対応したものを選択して読み出す。そして、CPU601は、読み出した動作パターンデータに基づいて、可動役物7の動作を制御する。
また、ランプ制御部600には、遊技者によって操作される演出ボタン37が接続され、ランプ制御部600は、遊技者による演出ボタン37の操作に応じて演出ボタン37から出力される操作データを取得して、当該操作データを演出制御部400に伝達する。更に、ランプ制御部600は、演出制御部400から送られたコマンドに基づいて、演出ボタン37を突出動作させることによって演出ボタン37を可動役物として動作制御することもできる。
なお、演出制御部400は、ランプ制御部600から伝達される演出ボタン37の操作データ、および演出キー38から出力された操作データに基づいて、画像音響制御部500に対して、演出ボタン37および演出キー38の操作状態を通知する。ここで、演出ボタン37および演出キー38の操作状態とは、操作が行われているか否かや、どのような操作が行われているか(例えば、演出ボタン37の長押しや、演出キー38左方向キーの押下)等を含む情報である。したがって、例えば演出ボタン37が遊技者によって操作された場合、ランプ制御部600によって検出された演出ボタン37の操作状態が、演出制御部400を介して画像音響制御部500に伝達される。このため、画像音響制御部500は、演出制御部400から伝達される演出ボタン37の操作状態に基づいて、演出内容を変化させたり、所定の演出を実行したりすることもできる。
[本実施形態における遊技状態の概要]
次に、本実施形態における遊技機1の遊技状態について説明する。遊技機1の遊技状態としては、高確状態、低確状態、電サポ状態、非電サポ状態、時短状態、非時短状態、大当り遊技状態が少なくとも存在する。低確状態は、特別図柄抽選の当選確率が通常の低確率(例えば1/300)に設定されている遊技状態であり、高確状態は、特別図柄抽選の当選確率が、低確状態よりも高確率(例えば1/50)に設定されている遊技状態である。非電サポ状態は、普通図柄抽選の当選確率が通常の低確率(例えば1/10)であり、かつ通図柄抽選に当選した場合であっても電動チューリップ27が短時間(例えば0.10秒間を1回)しか開放制御されない遊技状態であり、このため、第2始動口22に遊技球が入球し難い遊技状態である。電サポ状態は、普通図柄抽選の当選確率が非電サポ状態よりも高確率(例えば10/10)であり、かつ普通図柄抽選に当選した場合に電動チューリップ27が長時間(例えば2.00秒間を3回)開放されるように制御される遊技状態であり、このため、電動チューリップ27が頻繁に長時間開放されて第2始動口22に遊技球が頻繁に入球(入賞)し易くなる遊技状態である。非時短状態とは、特別図柄抽選の実行時間が通常の所定時間である遊技状態であり(図14参照)、時短状態とは、特別図柄抽選の実行時間が、非時短状態よりも短縮される遊技状態である(図17参照)。大当り遊技状態とは、特別図柄抽選に当選して(大当りして)大入賞口23が開放される大当り遊技が実行されている遊技状態である。なお、本実施形態においては、電サポ状態と時短状態とは同時に制御されるものとするが、この遊技状態においては、第2始動口22へ遊技球が入賞し易くなることにより遊技球が殆ど減ることなく、かつ短時間で多数の特別図柄抽選を実行できることとなる。また、以下では、低確状態かつ非電サポ状態かつ非時短状態に制御される遊技状態を通常遊技状態といい、高確状態かつ電サポ状態かつ時短状態に制御される遊技状態を確変遊技状態という。なお、本実施形態では、高確状態かつ非電サポ状態かつ非時短状態に制御される遊技状態である潜伏遊技状態は設けていない。
次に、パチンコ遊技機1が実行する処理フローについて説明する。
[メイン制御部100によるメイン処理]
まず、図6を参照しつつ、メイン制御部100によって実行されるメイン処理について説明する。なお、このメイン処理は、パチンコ遊技機1の電源が投入されると開始され、メイン制御部100が起動している間、継続的に実行される。
図6のステップS901において、まず、CPU101は、例えば2000ms待機して、処理はステップS902に移る。なお、図示はしていないが、演出制御部400のCPU401は、パチンコ遊技機1の電源が投入されると、待機処理を行うことなく、メイン制御部100からの信号を受信可能な状態となる。すなわち、演出制御部400のCPU401は、メイン制御部100のCPU101よりも先に、処理を開始できる状態となる。
ステップS902において、CPU101は、RAM103へのアクセス可能となり、処理はステップS903に移る。
ステップS903において、CPU101は、不図示のRAMクリアスイッチが「ON」であるか否かを判定する。ステップS903での判定がYESの場合、処理はステップS904に移り、この判定がNOの場合、処理はステップS907に移る。
ステップS904において、CPU101は、RAMクリアを行う。ここで、RAMクリアは、公知の技術であるため詳細な説明は省略するが、RAM103に格納されている各種情報(例えば遊技状態を示す情報)を所定の初期状態とすることである。その後、処理はステップS905に移る。
ステップS905において、CPU101は、RAMクリア時の作業領域を設定し、処理はステップS906に移る。
ステップS906において、CPU101は、周辺部の初期設定を行う。ここで、周辺部とは、演出制御部400や払出制御部300等である。周辺部の初期設定は、それぞれの制御部に対して、初期設定の実行を指示する初期設定コマンドを送信することによって行われる。その後、処理はステップS910に移る。
ステップS907において、CPU101は、バックアップフラグが「ON」であるか否かを判定する。なお、バックアップフラグとは、電源遮断時にバックアップデータの生成が正常に完了した場合、オンになるフラグであり、生成したバックアップデータに関連付けて、当該バックアップデータが有効であることを示すフラグである。ステップS907での判定がYESの場合、処理はステップS908に移り、この判定がNOの場合、処理はステップS904に移る。
ステップS908において、CPU101は、チェックサムが正常であるか否かを判定する。ステップS908での判定がYESの場合、処理はステップS909に移り、この判定がNOの場合、処理はステップS904に移る。
ステップS909において、CPU101は、後述する復旧処理(図8参照)を実行し、処理はステップS910に移る。
ステップS910において、CPU101は、内蔵されているCTC(タイマカウンタ)の周期(4ms)を設定する。なお、CPU101は、ここで設定された周期を用いて後述するタイマ割込処理(図9参照)を実行する。その後、処理はステップS911に移る。
ステップS911において、CPU101は、後述する電源遮断監視処理(図7参照)を実行し、処理はステップS912に移る。
ステップS912において、CPU101は、タイマ割込処理の割り込みを禁止する設定を行い、処理はステップS913に移る。
ステップS913において、CPU101は、初期値乱数を更新し、処理はステップS914に移る。こで、初期値乱数とは、後述するタイマ割り込み処理(図9参照)においてカウントアップ更新される各種の乱数(大当り乱数、図柄乱数、リーチ乱数、変動パターン乱数)の開始値を決定するための乱数であり、この各種の乱数に対応して複数の初期値乱数が用意されている。なお、初期値乱数は、所定のCTCの周期(4ms)ごとに発生するタイマ割込み処理(図9参照)と、その残余時間(すなわち、この所定のCTCの周期からタイマ割込み処理に要する処理時間を減じた時間)に処理されるメイン処理(図6参照)の両方でカウントアップ更新され、設定されている乱数の最大値(例えば299)に達した後は再び最小値(例えば0)に戻る。また、この残余時間は、CPU101の処理状況に応じて異なるので、ランダムな時間となっており、この残余時間で更新される初期値乱数の更新回数もランダムとなる。一方、詳細は後述するが、他の各種乱数(大当り乱数、図柄乱数、リーチ乱数、変動パターン乱数)は、タイマ割込み処理(図9参照)でしか更新されないため、初期値乱数とは乱数更新処理の処理周期が相違する。このように、処理周期が相違することにより、例えば、初期値乱数と大当り乱数の乱数範囲が同じ(例えば0〜299)であったとしても、大当り乱数の開始値として取得される初期値乱数の値は毎回ランダムとなる。そのため、大当たりを発生させる大当たり乱数値が取得されるタイミングを予測することを困難にすることができる。
ステップS914において、CPU101は、タイマ割込処理の割り込みを許可する設定を行い、処理がステップS911に戻される。すなわち、CPU101は、ステップS911〜ステップS914の処理を繰り返し実行する。
[メイン制御部100による電源遮断監視処理]
図7は、図6のステップS911における電源遮断監視処理の詳細フローチャートである。図7のステップS9111において、CPU101は、割込処理を禁止し、処理はステップS9112に移る。
ステップS9112において、CPU101は、不図示の電源部から電源遮断信号が入力されたか否かに基づいて、パチンコ遊技機1に対する電源供給が遮断されたか否かを判定する。ステップS9112での判定がYESの場合、処理はステップS9114に移り、この判定がNOの場合、処理はステップS9113に移る。
ステップS9113において、CPU101は、割込処理を許可し、電源遮断監視処理を終了する(処理は図6のステップS912に移る)。
一方、ステップS9114において、CPU101は、CPU101に対して各種情報が入出力される出力ポートをクリアし、処理はステップS9115に移る。
ステップS9115において、CPU101は、現在の遊技機1の遊技状態等に基づいて、バックアップデータをRAM103に作成後、RAM103の内容からチェックサムを作成してRAM103に格納する。なお、この処理は、メイン制御部100に供給される電源の電源遮断により電源電圧が低下し始めたことを検出してから(ステップS9112で「YES」と判定されてから)電源電圧が「0」になるまでの期間に行われる。この処理によって、電源が遮断される直前の遊技状態情報等がRAM103に記憶される。その後、処理はステップS9116に移る。
ステップS9116において、CPU101は、バックアップフラグを「ON」に設定し、処理はステップS9117に移る。
ステップS9117において、CPU101は、RAM103へのアクセスを禁止し、電源遮断監視処理を終了する(処理は図6のステップS912に移る)。
[メイン制御部100による復旧処理]
図8は、図6のステップS909における復旧処理の詳細フローチャートである。まず、図8のステップS9091において、CPU101は、復旧時におけるRAM103の作業領域を設定し、処理はステップS9092に移る。
ステップS9092において、CPU101は、RAM103の情報を参照して、電源遮断時における遊技状態や特別図柄抽選の保留数に関する情報を確認し、当該情報を含めた復旧通知コマンドを演出制御部400に対して送信する。このように、CPU101は、パチンコ遊技機1に対する電源供給が復旧したことを通知するために、電源遮断時の状態を示す復旧通知コマンドを演出制御部400へ送信する。このステップS9092の処理により、演出制御部400は、電源遮断前の遊技状態等を確認することができる。
ステップS9093において、CPU101は、周辺部の設定を行い、処理はステップS9094に移る。
ステップS9094において、CPU101は、バックアップフラグを「OFF」に設定し、復旧処理を終了する(処理は図6のステップS910に移る)。
[メイン制御部のタイマ割り込み処理]
次に、メイン制御部100において実行されるタイマ割込処理について説明する。図9は、メイン制御部100によって行われるタイマ割込み処理の一例を示すフローチャートである。以下に、図9を参照して、メイン制御部100において行われるタイマ割込み処理について説明する。メイン制御部100は、電源投入時や電源断時等の特殊な場合を除く通常の動作時において、図9に示す一連の処理を一定時間(4ミリ秒)毎に繰り返し実行する。なお、図9以降のフローチャートに基づいて説明するメイン制御部100で行われる処理は、ROM102に記憶されているプログラムに基づいて実行される。
まず、ステップS1において、メイン制御部100のCPU101は、大当り乱数、図柄乱数、リーチ乱数、及び変動パターン乱数等の各種の乱数の更新、及びこの各乱数がカウントアップ更新される際の開始値となるそれぞれの初期値乱数の更新を行う乱数更新処理を実行する。ここで、大当り乱数は、特別図柄抽選の当選又は落選を判定する(つまり、特別図柄抽選を行う)ための乱数である。図柄乱数は、特別図柄抽選に当選した場合に大当りの種類を決定するための乱数である。大当り乱数及び図柄乱数は、後に説明する図13のステップS407の処理で使用される乱数である。リーチ乱数は、特別図柄抽選に落選した場合にリーチ演出を行うか否かを決定するための乱数である。変動パターン乱数は、特別図柄の変動時間(変動パターン)を決定するための乱数である。ここで、特別図柄の変動時間は、この特別図柄の変動に同期して実行される報知演出(変動演出)の実行時間と等しい。リーチ乱数及び変動パターン乱数は、後に説明する図13のステップS408の処理で使用される。ステップS1の乱数更新処理において、大当り乱数、図柄乱数、リーチ乱数、及び変動パターン乱数等および各初期値乱数の値は、それぞれ、1ずつ加算されて更新される。つまり、カウントアップされる。そして、ステップS2の始動口スイッチ(SW)処理やステップS3のゲートスイッチ(SW)処理において各乱数が取得されて、後述するステップS4の特別図柄処理やステップS5の普通図柄処理で使用される。なお、このステップS1の処理を行うカウンタは、典型的にはループカウンタであり、設定されている乱数の最大値(例えば大当り乱数では299)に達した後は再び0に戻る(つまり、循環する)。また、ステップS1の乱数更新処理において、大当り乱数、図柄乱数、リーチ乱数、変動パターン乱数等の各カウンタは、それぞれ、ループカウンタのカウントが一巡すると、その時点での各乱数に対応する初期値乱数を取得して、当該初期値乱数の値を開始値として、新たにループカウンタのカウントを開始する。なお、大当り乱数、図柄乱数、リーチ乱数、及び変動パターン乱数等の乱数範囲は、任意に設定すればよいが、それぞれを互いに異なる範囲に設定することで(例えば、大当り乱数の範囲は0〜299としリーチ乱数の範囲は0〜99とする等)、これらの乱数の間でカウンタの値(カウント値)が同期しないように設定することが好ましい。
次に、ステップS2において、CPU101は、第1始動口スイッチ111a及び第2始動口スイッチ111bの状態を監視することにより、第1始動口21又は第2始動口22に遊技球が入賞したと判定された時点で、第1特別図柄抽選の保留数U1や第2特別図柄抽選の保留数U2に関する処理や各種乱数を取得する処理を行う始動口スイッチ処理を実行する。この始動口スイッチ処理の詳細については、図12を参照して後に詳述する。
次に、ステップS3において、CPU101は、ゲートスイッチ113の状態を監視することにより、ゲート25を遊技球が通過したと判定された時点で普通図柄抽選の保留数が上限値(例えば4)未満か否かを判断し、保留数が上限値未満であると判断した場合、後述するステップS5の普通図柄処理に使用される乱数を取得するゲートスイッチ処理を実行する。
次に、ステップS4において、CPU101は、第1特別図柄抽選又は第2特別図柄抽選を実行し、第1特別図柄表示器4a又は第2特別図柄表示器4bに特別図柄を変動表示させた後にこれらの抽選結果を示す停止図柄の表示処理や、演出制御部400へ各種コマンドを送信等するための特別図柄処理を実行する。この特別図柄処理については、図13を参照して後に詳述する。
次に、ステップS5において、CPU101は、ステップS3のゲートスイッチ処理で取得された乱数が所定の当たり乱数と一致するか否かを判定する普通図柄処理を実行する。そして、CPU101は、普通図柄表示器4eに普通図柄を変動表示させた後に判定結果を示す普通図柄を停止表示させる。具体的には、CPU101は、普通図柄を変動表示させた後に停止表示させる普通図柄変動時間を、非時短状態/非電サポ状態では10秒に設定し、時短状態/電サポ状態では0.5秒に短縮する。また、CPU101は、普通図柄表示器4eに表示された普通図柄が所定の当たり図柄となる確率(つまり、普通図柄抽選の当選確率)を、非時短状態/非電サポ状態では低確率(1/10)に設定し、時短状態/電サポ状態では高確率(10/10)に上昇させる。
次に、ステップS6において、CPU101は、ステップS4の特別図柄処理で特別図柄抽選に当選したと判定された場合(大当りした場合)に、大入賞口開閉部115を制御して大入賞口23に所定の開閉動作を行わせ、また、いわゆる大当り遊技演出等に関する各種コマンドを演出制御部400に対して送信等するための大入賞口処理を実行する。この処理によって、大当り遊技(特別遊技)が進行され、遊技者は多量の賞球を獲得可能となる。この大入賞口処理については、図18及び図19を参照して後に詳述する。
次に、ステップS7において、CPU101は、ステップS5の普通図柄処理によって普通図柄表示器4eに表示された普通図柄が所定の当たり図柄である場合(つまり、普通図柄抽選に当選した場合)に、電動チューリップ27を作動させる電動チューリップ処理を実行する。その際、CPU101は、非時短状態/非電サポ状態では電動チューリップ27を極短期間(0.10秒間を1回)開放制御し、時短状態/電サポ状態では電動チューリップ27を長期間(2.00秒間を3回)開放制御する。なお、電動チューリップ27が開放状態に制御されることによって第2始動口22に遊技球が入賞可能な状態となり、第2始動口22に遊技球が入賞することで、第2特別図柄抽選が行われることとなる。
次に、ステップS8において、CPU101は、遊技球の入賞個数の管理及び入賞に応じた賞球の払出しを制御する賞球処理を実行する。
次に、ステップS9において、CPU101は、ステップS2の始動口スイッチ処理、ステップS4の特別図柄処理、ステップS6の大入賞口処理、ステップS8の賞球処理等でRAM103にセットされた各種コマンドや演出に必要な情報を演出制御部400又は/及び払出制御部300へ出力する出力処理を実行する。なお、CPU101は、第1始動口21、第2始動口22、大入賞口23、普通入賞口24に遊技球が入賞する毎に、それぞれの入賞口に遊技球が入賞したことを通知するための入賞コマンドをRAM103にセットして、当該入賞コマンドを演出制御部400又は/及び払出制御部300へ出力する。
[制御時間カウント処理について]
ここで、図9を用いて上述したタイマ割り込み処理では説明を省略したが、このタイマ割り込み処理において、CPU101は、特別図柄ゲーム側の一連の制御時間を1つのタイマ機能を用いて計測する特別図柄ゲーム側の制御時間カウント処理(「特図ゲームカウント処理」という)、および、普通図柄ゲーム側の一連の制御時間を1つのタイマ機能を用いて計測する普通図柄ゲーム側の制御時間カウント処理(「普図ゲームカウント処理」という)を実行する。特図ゲームカウント処理および普図ゲームカウント処理は、例えば、図9のステップS7の処理とステップS8の処理との間に、順番に実行される。なお、特別図柄ゲームは、始動口(21又は22)への遊技球の入賞を待機し、遊技球が入賞したことに応じて特別図柄抽選を実行してその抽選結果を報知することを繰り返し、特別図柄抽選に当選した場合には大当り遊技を実行するゲームである。また、普通図柄ゲームは、ゲート25への遊技球の通過を待機し、遊技球が通過したことに応じて普通図柄抽選を実行してその抽選結果を報知することを繰り返し、普通図柄抽選に当選した場合には電動チューリップ27の開閉制御(電チューの開放遊技)を実行するゲームである。
以下では、まず、特図ゲームカウント処理について説明する。図10は、特図ゲームカウント処理および普図ゲームカウント処理を実行する際に使用されるデータ、および、メイン制御部100のRAM103の記憶エリア(作業エリア)について説明するための図である。
図10(1)は、特別図柄ゲーム側のカウント対象の時間を設定(特定)するためのデータ(「特図側設定データ」という)の種類を示している。特図側設定データは、特別図柄ゲームの各期間(時間)のうち何れの期間を計測しているのかを設定するためのデータである。この特別図柄ゲームの各期間(時間)には、図10(1)に示すように、「始動口入賞待ち中」と、「特別図柄変動表示中」と、「特別図柄停止表示中」と、「オープニング表示中」と、「ラウンド中」と、「大入賞口有効期間中」と、「エンディング表示中」とが含まれる。
「始動口入賞待ち中」は、始動口入賞が有ると即時にこの始動口入賞に係る特別図柄抽選を実行して特別図柄の変動表示を開始できる状態(期間)であり、典型的には、大当り遊技中ではなく、特別図柄の変動表示中でも規定時間の停止表示中でもない状態である。「特別図柄変動表示中」は、始動口入賞に応じて特別図柄抽選を実行して表示器4に特別図柄の変動表示を実行している状態(期間)である。「特別図柄停止表示中」は、表示器4に変動表示していた特別図柄を特別図柄抽選結果を報知する表示態様で規定時間(0.5秒間)完全に停止表示している状態(期間)である。「オープニング表示中」は、特別図柄抽選に当選して画像表示部6に大当り遊技が開始したことを報知するオープニング演出を表示している状態(期間)である。「ラウンド中」は、大当り遊技において大入賞口23が開放されるラウンド(ラウンド遊技)を実行している状態(期間)である。「大入賞口有効期間中」は、各ラウンドの直後に配置され、ラウンドが終了して大入賞口23が閉塞されたにも関わらず遊技球の大入賞口23への入賞を有効と認める期間であり、これによって、いわゆるオーバー入賞が認められることとなる(図18及び図19を用いて後に詳述する大入賞口処理では、説明の簡単のため、オーバー入賞の処理内容は省略している)。なお、ラウンド中の期間および大入賞口有効期間を除く期間においては、遊技球の大入賞口23への入賞は有効と認められない。「エンディング表示中」は、画像表示部6に大当り遊技が終了することを報知するエンディング演出を表示している状態(期間)である。
図10(1)に示すように、例えば、特図側設定データ「00H」は「始動口入賞待ち中」であることを設定するデータであり、例えば、特図側設定データ「01H」は「特別図柄変動表示中」であることを設定するデータである。なお、これらの特図側設定データは、ROM102に記憶されている。
図10(3)は、RAM103の記憶エリア(作業エリア)の模式図である。図10(3)に示すように、RAM103の記憶エリアには、カウント対象時間設定エリア10と、時間カウントエリア11と、単純変動表示用時間カウントエリア12とが含まれている。カウント対象時間設定エリア10は、特別図柄ゲーム側のカウント対象時間設定エリア10A(「エリア10A」という)と、普通図柄ゲーム側のカウント対象時間設定エリア10B(「エリア10B」という)とから成る。時間カウントエリア11は、特別図柄ゲーム側の時間カウントエリア11A(「エリア11A」という)と、普通図柄ゲーム側の時間カウントエリア11B(「エリア11B」という)とから成る。単純変動表示用時間カウントエリア12は、特別図柄ゲーム側の単純変動表示用時間カウントエリア12A(「エリア12A」という)と、普通図柄ゲーム側の単純変動表示用時間カウントエリア12B(「エリア12B」という)とから成る。
エリア11Aは、上記した特別図柄ゲームの各期間(「特別図柄変動表示中」等)についての時間経過を計測するためのタイマエリアであり、1つの時間データを書き込んで1つの時間経過について計測するためのタイマエリアである。エリア10Aは、図10(1)を用いて説明した特図側設定データの何れか1つが書き込まれることによって、エリア11Aで計測する時間の種類を設定するためのエリアである。エリア12Aは、第1特別図柄表示器4a(又は第2特別図柄表示器4b)に特別図柄が7セグ表示で変動表示される際に、この7セグ表示の3つの表示態様を48ミリ秒毎に順番に切替えて循環表示させる制御を実行するにあたって、この48ミリ秒の時間経過を計測するためのタイマエリアであり、1つの時間データを書き込んで1つの時間経過について計測するためのタイマエリアである。なお、上記の7セグ表示の3つの表示態様は、例えば、数字の0を示す表示態様と、数字の7を示す表示態様と、7つのセグ全てが消灯した表示態様である。
CPU101は、エリア10Aに特図側設定データを書き込むことでエリア11Aによる計測対象の期間(時間)の種類を設定すると共に、エリア11Aに計測する時間データを書き込み、図9のタイマ割込み処理において4ミリ秒毎に実行される特図ゲームカウント処理によってエリア11Aの時間データの値を1ずつ減算することで、1つのタイマ領域(エリア11A)を順番に用いて特別図柄ゲームの各期間の経過を順番に計測する。
また、CPU101は、エリア11Aで特別図柄変動表示の時間が計測されているときには、エリア12Aに所定の時間データ(「12」)を書き込んで、図9のタイマ割込み処理において4ミリ秒毎に実行される特図ゲームカウント処理によってエリア12Aの時間データの値を1ずつ減算して0になると再び所定の時間データ(「12」)を書き込むと共に特別図柄の表示態様を切替える。これにより、第1特別図柄表示器4a(又は第2特別図柄表示器4b)に特別図柄が7セグ表示で変動表示される際に、この7セグ表示の3つの表示態様が48ミリ秒毎に順番に切替わって循環表示されることとなる。
なお、図10(3)では、一例として、エリア10Aに「01H」が書き込まれていることによって、エリア11Aにおいて特別図柄変動表示の時間経過が計測されることを設定している。また、図10(3)のエリア11Aには、一例として、時間を示す値「2500」が書き込まれているが、この値は図9のタイマ割り込み処理によって4ミリ秒毎に1減算されて更新されるので、この値「2500」は10.000秒を示している。また、図10(3)のエリア12Aには、一例として、時間を示す値「12」が書き込まれているが、この値も同様に図9のタイマ割り込み処理によって4ミリ秒毎に1減算されて更新されるので、この値「12」は48ミリ秒を示している。
以上のように、本実施形態によれば、特別図柄ゲームの一連の制御時間を1つのタイマ機能(図10(3)の11A参照)を用いて計測する。ここで、従来の遊技機においては、特別図柄ゲームを構成する各制御時間(特別図柄変動表示の制御時間、ラウンド実行の制御時間等)をそれぞれ個別のタイマ機能を用いて計測していたので、メイン制御部のRAMの記憶エリアに特別図柄ゲームを構成する制御時間毎に個別の時間カウントエリアを設けていた。一方、本実施形態では、上記のように特別図柄ゲームの一連の制御時間を1つのタイマ機能を用いて計測するので、演算負荷を効果的に低減することができる。また、本実施形態によれば、特別図柄変動表示の実行期間において特別図柄表示器4a(又は4b)に7セグ表示の3つの表示態様を48ミリ秒毎に順番に切替えて循環表示させる際の切替え時間の計測には、上記したタイマ機能(図10(3)の11A参照)とは別のタイマ機能(図10(3)の12A参照)を用いる。このことから、本実施形態によれば、演算処理の複雑化を効果的に抑制できる。
図11は、特別図柄変動表示の時間をエリア11Aに設定するために用いられる変動時間テーブルの概念図の一例である。この変動時間テーブルは、ROM102に記憶されており、RAM103に読み出されて使用される。図11に示すように、変動時間テーブルは、変動パターンの識別番号と、基本変動時間(秒)を示すデータと、加算変動時間(秒)を示すデータとから成る。変動パターンの識別番号は、図14〜図17を用いて後述する変動パターン決定テーブルHT1−1、HT1−2、HT2−1およびHT2−2に含まれる変動パターンを識別するための番号である。基本変動時間は、変動パターン(つまり、特別図柄変動時間)を構成する基本の変動時間である。加算変動時間は、変動パターンを構成する加算される変動時間である。基本変動時間と加算変動時間とを加算した時間が、変動パターン(図14〜図17参照)である。例えば、識別番号1に対応する変動パターンは、基本変動時間90秒に加算変動時間0.06秒を加算した90.06秒であり、例えば、識別番号17に対応する変動パターンは、基本変動時間8秒である。
CPU101は、図10(3)のエリア11Aで特別図柄変動表示の時間を計測する場合には、後述する図13のステップS408の処理で決定された変動パターンに対応する時間データ(「秒」の時間を示すデータ)を、RAM103の変動時間テーブル(図11)から読み出して、読み出した時間データに250を乗算して4ミリ秒周期で実行される時間計測処理に適応する時間データに変換し、変換した時間データをRAM103のエリア11Aに書き込む。例えば、識別番号1に対応する変動パターン「90.06秒」を示す時間データの値をエリア11Aに設定する場合には、RAM103の変動時間テーブルから基本変動時間90秒および加算変動時間0.06秒を示す時間データを読み出して加算し、この加算した時間データに250を乗算して4ミリ秒周期の演算処理に適応する時間データ「22515」に変換し、変換した時間データ「22515」をRAM103のエリア11Aに書き込む。なお、図11の変動時間テーブルの横には、参考のために、250を乗算して4ミリ秒周期の演算処理に適応させた時間データを記載しているが、250を乗算すると自然数ではなくなるものは(括弧書きの値を参照)、四捨五入により自然数に調整して処理している。
以上のように、本実施形態によれば、ROM102に記憶されRAM103に読み出される変動時間テーブルの変動パターン(特別図柄変動時間)を示す時間データを「秒」の時間を示すデータ(つまり、除算値の時間データ;図11の基本変動時間の部分を参照)とし、特別図柄変動時間を設定する際に250を乗算して4ミリ秒周期の演算処理に適応する時間データ(つまり、乗算値の時間データ;図11の変動時間テーブルの右横の部分を参照)に変換する。このことから、本実施形態によれば、変動時間テーブルの特別図柄変動時間を示すデータを1バイト以下のデータ量に押さえられる場合があるので(図11の識別番号16〜20参照)、ROM102およびRAM103の使用メモリ領域を効果的に抑制することができる。また、本実施形態によれば、例えば特別図柄変動時間90.06秒のように、除算値の時間データで示してもデータ量が1バイトを超える特別図柄変動時間については、加算変動時間の時間データ(小数点以下の時間を示す時間データ)として分割して変動時間テーブルを構成させている(図11参照)。ここで、図11では、加算変動時間の部分のテーブルにおいて、説明の便宜上、同じ時間データ値を変動パターン毎にそれぞれ記載しているが、実際にはこのテーブルにおいて同じ時間データ値は、重複して記憶されず、1つだけ記憶されている。例えば、加算変動時間の部分のテーブルにおいて、0.01秒の時間データ値は、図11では説明の便宜上3つ記載しているが、実際は1つだけ記憶されている。このことから、本実施形態によれば、ROM102およびRAM103の使用モリ領域を効果的に抑制することができる。ここで、本実施形態では、説明の簡単のために、変動パターンを20個とした(図11参照)。しかし、実際の遊技機では、変動パターンは1000個〜10000個と膨大である。このことから、本実施形態による上記した使用メモリ領域抑制の効果は、実際の遊技機において絶大となる。
次に、普通図柄ゲーム側の一連の制御時間を1つのタイマ機能を用いて計測する普図ゲームカウント処理について、図10を用いて説明する。
図10(2)は、普通図柄ゲーム側のカウント対象の時間を設定(特定)するためのデータ(以下、「普図側設定データ」という)の種類を示している。普図側設定データは、普通図柄ゲームの各期間(時間)のうち何れの期間を計測しているのかを設定するためのデータである。この普通図柄ゲームの各期間(時間)には、図10(2)に示すように、「ゲート通過待ち中」と、「普通図柄変動表示中」と、「普通図柄停止表示中」と、「電チュー開閉制御中」と、「第2始動口有効期間中」とが含まれる。
「ゲート通過待ち中」は、ゲート25を遊技球が通過すると即時にこの通過に係る普通図柄抽選を実行して普通図柄の変動表示を開始できる状態(期間)であり、典型的には、電動チューリップ27の開閉制御中(電チューの開放遊技中)ではなく、後述する第2始動口有効期間中ではなく、普通図柄の変動表示中でも規定時間の停止表示中でもない状態である。「普通図柄変動表示中」は、遊技球のゲート25通過に応じて普通図柄抽選を実行して表示器4に普通図柄の変動表示を実行している状態(期間)である。「普通図柄停止表示中」は、表示器4に変動表示していた普通図柄を普通図柄抽選結果を報知する表示態様で規定時間(0.5秒間)完全に停止表示している状態(期間)である。「電チュー開閉制御中」は、普通図柄抽選に当選して電動チューリップ27の開閉制御(電チューの開放遊技)が実行されている状態(期間)である。「第2始動口有効期間中」は、電動チューリップ27の開閉制御が終了した直後の所定期間について例外的に第2始動口22への遊技球入賞を有効と認める期間である。なお、電動チューリップ27の開閉制御中は、一律に(つまり、電動チューリップ27が閉塞状態であっても)第2始動口22への遊技球入賞は有効と認められ、電動チューリップ27の開閉制御中および第2始動口有効期間を除く期間には、第2始動口22への遊技球入賞は有効と認められない。
図10(2)に示すように、例えば普図側設定データ「00K」は「ゲート通過待ち中」であることを設定するデータである。また、普図側設定データはROM102に記憶されている。
以下、図10(3)を参照して説明する。エリア11Bは、上記した普通図柄ゲームの各期間(「普通図柄変動表示中」等)についての時間経過を計測するためのタイマエリアであり、1つの時間データを書き込んで1つの時間経過について計測するためのタイマエリアである。エリア10Bは、図10(2)を用いて説明した普図側設定データの何れか1つが書き込まれることによって、エリア11Bで計測する時間の種類を設定するためのエリアである。エリア12Bは、普通図柄表示器4e(図2参照)に普通図柄がマルバツで変動表示される際に、このマルバツ表示の2つの表示態様(マルのみが点灯する表示態様とバツのみが点灯する表示態様)を48ミリ秒毎に切替えて交互表示させる制御を実行するにあたって、この48ミリ秒の時間経過を計測するためのタイマエリアであり、1つの時間データを書き込んで1つの時間経過について計測するためのタイマエリアである。
CPU101は、エリア10Bに普図側設定データを書き込むことでエリア11Bによる計測対象の期間の種類を設定すると共に、エリア11Bに計測する時間データを書き込み、図9のタイマ割込み処理において4ミリ秒毎に実行される普図ゲームカウント処理によってエリア11Bの時間データの値を1ずつ減算することで、1つのタイマ領域(エリア11B)を順番に用いて普通図柄ゲームの各期間の経過を順番に計測する。
また、CPU101は、エリア11Bで普通図柄変動表示の時間が計測されているときには、エリア12Bに所定の時間データ(「12」)を書き込んで、図9のタイマ割込み処理において4ミリ秒毎に実行される普図ゲームカウント処理によってエリア12Bの時間データの値を1ずつ減算して0になると再び所定の時間データ(「12」)を書き込むと共に普通図柄の表示態様を切替える。これにより、普通図柄表示器4eに普通図柄がマルバツで変動表示される際に、このマルバツ表示の2つの表示態様が48ミリ秒毎に切替わって交互表示されることとなる。
以上のことから、本実施形態によれば、既に説明した特図ゲームカウント処理と同様の効果を、普図ゲームカウント処理においても実現できる。
なお、以上に説明した特別図柄ゲームの一連の制御時間を1つのタイマ機能を用いて計測する構成において、大当り遊技の制御において大入賞口有効期間の直後に大入賞口23への入賞を有効とみなさない大入賞口休止期間を設けてもよい。
また、第1特別図柄抽選による特別図柄変動表示および特別図柄停止表示と、第2特別図柄抽選による特別図柄変動表示および特別図柄停止表示とを並行して実行可能な制御構成にして、例えば、第1特別図柄抽選による特別図柄変動表示および特別図柄停止表示の制御時間と、第1特別図柄抽選の当選による大当り遊技に関する制御時間とを、1つのタイマ機能を用いて計測し、一方で、第2特別図柄抽選による特別図柄変動表示および特別図柄停止表示の制御時間と、第2特別図柄抽選の当選による大当り遊技に関する制御時間とを、1つの他のタイマ機能を用いて計測してもよい。
また、特別図柄ゲームおよび普通図柄ゲームの一連の制御時間をそれぞれ1つのタイマ機能を用いて計測する際に、計測対象時間の経過を、「減算」処理ではなく、「加算」処理によって計測する構成としてもよい。この場合、例えば、特別図柄ゲーム側のタイマ(11A)の値が、計測対象時間(例えば、特別図柄停止表示の時間0.5秒)を示す時間データの値「125」に到達したか否かを判定する制御となる。
また、上記したように図11の加算変動時間の部分のテーブルにおいて同じ時間データ値を重複して記憶せずに1つだけ記憶することに加えて、図11の基本変動時間の部分のテーブルにおいても同じ時間データ値を重複して記憶せずに1つだけ記憶する構成にして、使用メモリ領域抑制の効果を更に高めてもよい。
また、以上に説明した方法により、演出制御部400等によって実行される各種演出の実行時間を計測してもよい。
以上で、制御時間カウント処理についての説明を終わる。
[始動口スイッチ処理]
図12は、図9のステップS2における始動口スイッチ処理の詳細フローチャートの一例である。以下に、図9のステップS2における始動口スイッチ処理について、図12を参照して説明する。
まず、ステップS201において、メイン制御部100のCPU101は、第1始動口スイッチ111aから出力信号に基づいて、第1始動口21に遊技球が入賞したか否かを判定する。ステップS201での判定がYESの場合、処理はステップS202に移り、この判定がNOの場合、処理はステップS207に移る。
ステップS202において、CPU101は、ROM102から第1特別図柄抽選の保留数の上限値Umax1(本実施形態では「4」)を読み出し、RAM103に記憶されている第1特別図柄抽選の保留数U1が上限値Umax1未満であるか否かを判定する。ステップS202での判定がYESの場合、処理はステップS203に移り、この判定がNOの場合、処理はステップS207に移る。
ステップS203において、CPU101は、RAM103に記憶されている保留数U1の値を、1加算した値に更新する。また、CPU101は、第1始動口21に遊技球が入賞したことを演出制御部400に対して通知するための入賞コマンドをRAM103にセットする。この入賞コマンドは、図9のステップS9の出力処理によって演出制御部400へ送信される。その後、処理はステップS204に移る。
ステップS204において、CPU101は、第1特別図柄抽選等に使用される乱数のセット(大当り乱数、図柄乱数、リーチ乱数、及び変動パターン乱数)を取得して、取得した乱数の各セット(遊技情報)を、時系列順でRAM103に格納する。なお、後述する図11のステップS406の処理によって第1特別図柄抽選の保留数U1の値が1減算される度に、RAM103に格納された上記乱数セットは、格納時期が早いものから順に1セットずつ削除される。このことから、例えば第1特別図柄抽選の保留数U1の値が「3」の場合、直近3回のステップS204の処理によって取得された直近3回の上記乱数セットが、時系列順でRAM103に格納されていることとなる。その後、処理はステップS205に移る。
ステップS205において、CPU101は、事前判定処理を行う。具体的には、CPU101は、直近のステップS204の処理で取得されてRAM103に格納された大当り乱数等の乱数セット(つまり、直近に格納された第1特別図柄抽選用の大当り乱数等の乱数セット)を読み出し、この大当り乱数等がROM102に記憶されている所定値等と一致するか否かに基づいて、この大当り乱数を用いる第1特別図柄抽選の結果が大当りであるか否かや、リーチ演出を実行するか否かや、変動パターン(図14等参照)等を事前判定する。つまり、先読み予告演出や保留変化予告演出(先読み保留予告演出)を実行するために必要な判定を、後述する図13のステップS407及びS408の処理に先立って事前判定する。その後、処理はステップS206に移る。なお、上記したステップS204およびS205の処理内容の実行順序は、これには限らず、例えば、乱数のセットを取得して事前判定してから、この乱数のセットを格納してもよい。
ステップS206において、CPU101は、第1特別図柄抽選の保留数が1増加したことを通知する第1保留数増加コマンドをRAM103にセットする。ここで、この第1保留数増加コマンドには、ステップS205の処理で行われた事前判定の結果を示す情報(以下、「事前判定情報」という)が含められている。なお、この事前判定情報を含む第1保留数増加コマンドが、図9のステップS9の出力処理によって出力されることにより、第1特別図柄抽選の保留に対する抽選結果が、第1特別図柄抽選における図柄変動が開始されるよりも前にメイン制御部100から演出制御部400に通知される。その後、処理はステップS207に移る。
ステップS207において、CPU101は、第2始動口スイッチ111bからの出力信号に基づいて、第2始動口22に遊技球が入賞したか否かを判定する。ステップS207での判定がYESの場合、処理はステップS208に移り、この判定がNOの場合、処理は図9のステップS3(ゲートスイッチ処理)に移る。
ステップS208において、CPU101は、ROM102から第2特別図柄抽選の保留数の上限値Umax2(本実施形態では「4」)を読み出し、RAM103に記憶されている第2特別図柄抽選の保留数U2が上限値Umax2未満であるか否かを判定する。ステップS208での判定がYESの場合、処理はステップS209に移り、この判定がNOの場合、処理は図9のステップS3(ゲートスイッチ処理)に移る。
ステップS209において、CPU101は、RAM103に格納されている保留数U2の値を、1加算した値に更新する。また、CPU101は、第2始動口22に遊技球が入賞したことを演出制御部400に対して通知するための入賞コマンドをRAM103にセットする。この入賞コマンドは、図9のステップS9の出力処理によって演出制御部400へ送信される。その後、処理はステップS210に移る。
ステップS210において、CPU101は、第2特別図柄抽選等に使用される乱数のセット(大当り乱数、図柄乱数、リーチ乱数、及び変動パターン乱数)を取得して、取得した乱数の各セットを、時系列順でRAM103に格納する。なお、後述する図13のステップS404の処理によって第2特別図柄抽選の保留数U2の値が1減算される度に、RAM103に格納された上記乱数セットは、格納時期が早いものから順に1セットずつ削除される。このことから、例えば第2特別図柄抽選の保留数U2の値が「3」の場合、直近3回のステップS210の処理によって取得された直近3回の上記乱数セットが、時系列順でRAM103に格納されていることとなる。その後、処理はステップS211に移る。
ステップS211において、CPU101は、事前判定処理を行う。具体的には、CPU101は、直近のステップS210の処理で取得されてRAM103に格納された大当り乱数等の乱数セット(つまり、直近に格納された第2特別図柄抽選用の大当り乱数等の乱数セット)を読み出し、この大当り乱数等がROM102に記憶されている所定値等と一致するか否かに基づいて、この大当り乱数を用いる第2特別図柄抽選の結果が大当りであるか否かや、リーチ演出を実行するか否かや、変動パターン(図15等参照)等を事前判定する。つまり、先読み予告演出や保留変化予告演出(先読み保留予告演出)を実行するために必要な判定を、後述する図13のステップS407及びS408の処理に先立って事前判定する。その後、処理はステップS212に移る。なお、上記したステップS210およびS212の処理内容の実行順序は、これには限らず、例えば、乱数のセットを取得して事前判定してから、この乱数のセットを格納してもよい。
ステップS212において、CPU101は、第2特別図柄抽選の保留数が1増加したことを通知する第2保留数増加コマンドをRAM103にセットする。ここで、この第2保留数増加コマンドには、ステップS211の処理で行われた事前判定の結果を示す情報(事前判定情報)が含められている。なお、この事前判定情報を含む第2保留数増加コマンドが、図9のステップS9の出力処理によって出力されることにより、第2特別図柄抽選の保留に対する抽選結果が、第2特別図柄抽選における図柄変動が開始されるよりも前にメイン制御部100から演出制御部400に通知される。その後、処理は図9のステップS3(ゲートスイッチ処理)に移る。
[特別図柄処理]
図13は、図9のステップS4における特別図柄処理の詳細フローチャートの一例である。以下に、図13を参照して、図9のステップS4における特別図柄処理について説明する。
まず、ステップS401において、メイン制御部100のCPU101は、RAM103に記憶されている情報(典型的にはフラグによる情報)に基づいて、遊技機1の現在の状態が大当り遊技中(大当り遊技状態)であるか否かを判定する。つまり、特別図柄抽選に当選した場合に実行される大当り遊技(特別遊技)の実行中であるか否かを判定する。ステップS401での判定がYESの場合、処理は図9のステップS5(普通図柄処理)に移り、この判定がNOの場合、処理はステップS402に移る。
ステップS402において、CPU101は、第1特別図柄表示器4a又は第2特別図柄表示器4bによる特別図柄の変動表示中であるか否かを判定する。なお、ここでの特別図柄の変動表示中は、図10を用いて説明した特別図柄停止表示中の期間(規定時間;0.5秒間)を含んだものを意味する。ステップS402での判定がYESの場合、処理はステップS411に移り、この判定がNOの場合、処理はステップS403に移る。
ステップS403において、CPU101は、RAM103に記憶されている保留数U2が1以上であるか否か(つまり第2特別図柄抽選が保留されているか否か)を判定する。ステップS403での判定がYESの場合、処理はステップS404に移り、この判定がNOの場合、処理はステップS405に移る。
ステップS404において、CPU101は、RAM103に記憶されている保留数U2を、1減算した値に更新する。また、その際、CPU101は、RAM103に格納されている図12のステップS210によって取得されて格納された乱数セットのうち格納時期が最も早いものを読み出してRAM103から削除する。その後、処理はステップS407に移る。
一方、ステップS405において、CPU101は、RAM103に記憶されている保留数U1が1以上であるか否か(つまり第1特別図柄抽選が保留されているか否か)を判定する。ステップS405での判定がYESの場合、処理はステップS406に移り、この判定がNOの場合、実行されるべき特別図柄抽選は無いので、処理はステップS415に移る。
ステップS406において、CPU101は、RAM103に記憶されている保留数U1を、1減算した値に更新する。また、その際、CPU101は、RAM103に格納されている図12のステップS204によって取得されて格納された乱数セットのうち格納時期が最も早いものを読み出してRAM103から削除する。その後、処理はステップS407に移る。
以上のステップS403〜S406の処理によって、第2特別図柄抽選が、第1特別図柄抽選よりも優先して実行されることとなる。
ステップS407において、CPU101は、特別図柄抽選が大当りであるかハズレであるかを判定する大当り判定処理を実行する。具体的には、ステップS404の処理に続いてステップS407の処理を実行する場合、CPU101は、このステップS404の処理でRAM103から読み出した大当り乱数が、ROM102に記憶されている大当りの当選値と一致するか否かに基づいて、第2特別図柄抽選の結果が大当りであるかハズレであるかを判定する。一方、ステップS406の処理に続いてステップS407の処理を実行する場合、CPU101は、このステップS406の処理でRAM103から読み出した大当り乱数が、ROM102に記憶されている大当りの当選値と一致するか否かに基づいて、第1特別図柄抽選の結果が大当りであるかハズレであるかを判定する。そして、CPU101は、特別図柄抽選の結果がハズレと判定した場合、特別図柄抽選にハズレたことを表すハズレ図柄を、設定情報における特別図柄の停止図柄としてRAM103にセットする。一方、CPU101は、特別図柄抽選の結果が大当りであると判定した場合、この判定に使用した大当り乱数と共にRAM103から読み出された図柄乱数がROM102に記憶されている所定値の何れと一致するかに基づいて、今回の大当りの種類を判定する。なお、本実施形態では、一例として、大当り遊技後に次回大当りするまで確変遊技状態に設定される確変大当りと、大当り遊技後に次回大当りするまで通常遊技状態に設定される通常大当りとがある。また、本実施形態では、第2特別図柄抽選の方が、第1特別図柄抽選よりも、遊技者の利益が比較的大きい確変大当りの当選割合が多いものとする。具体的には、第2特別図柄抽選では7割が確変大当りであり3割が通常大当りであり、一方、第1特別図柄抽選では4割が確変大当りであり6割が通常大当りである。そして、CPU101は、大当りしたこと及び大当りの種類を表す大当り図柄の情報を、設定情報における特別図柄の停止図柄の情報としてRAM103にセットする。その後、処理はステップS408に移る。
[変動パターン選択処理]
ステップS408において、CPU101は、変動パターン選択処理を実行する。具体的には、ステップS408において、CPU101は、通常遊技状態(非時短状態)のときには、図14及び図15に示す変動パターン決定テーブルHT1−1及びHT1−2を使用し、確変遊技状態(時短状態)のときには、図16及び図17に示す変動パターン決定テーブルHT2−1及びHT2−2を使用して、特別図柄抽選毎に変動パターンを決定(選択)する。ここで、この変動パターンは、表示器4に特別図柄が変動表示されてから停止表示されるまでの時間である特別図柄変動時間であり、この特別図柄変動時間は、報知演出の実行時間と同期しており報知演出の実行時間と同じ時間である。なお、以下では、変動パターン決定テーブルHT1−1、HT1−2、HT2−1およびHT2−2を、単に、HT1−1、HT1−2、HT2−1およびHT2−2いう場合がある。
まず、通常遊技状態(非時短状態)のときに、図14及び図15に示すHT1−1及びHT1−2を使用して変動パターンを選択する場合について、説明する。図14は、通常遊技状態(非時短状態)においてステップS407の処理で第1特別図柄抽選が実行された場合に、変動パターン決定に使用されるテーブルである。図15は、通常遊技状態(非時短状態)においてステップS407の処理で第2特別図柄抽選が実行された場合に、変動パターン決定に使用されるテーブルである。
[非時短状態/第1特別図柄抽選での変動パターン選択処理]
以下に、図14を用いて、通常遊技状態(非時短状態)においてステップS407の処理で第1特別図柄抽選が実行された場合における変動パターンの決定について、説明する。
ステップS408において、CPU101は、ステップS407の大当り判定処理で第1特別図柄抽選で大当りしたと判定した場合、変動パターン乱数に基づいて変動パターン(特別図柄変動時間)を決定する。具体的には、CPU101は、ステップS407の大当り判定処理で使用した大当り乱数と共にRAM103から読み出された変動パターン乱数(0〜299のうちの何れか1つ)が、HT1−1の「大当り」の部分の各変動パターンに割り振られた乱数値の何れと一致するかに基づいて、変動パターン(特別図柄変動時間)を決定する。例えば、CPU101は、ステップS407の大当り判定処理で使用した大当り乱数と共にRAM103から読み出された変動パターン乱数が「78」である場合、HT1−1の「大当り」の部分の変動パターン「90.01秒」に割り振られた乱数値「75〜124」に一致するので、変動パターンとして「90.01秒」を決定する。ここで、HT1−1に示すように、「大当り」の部分の変動パターン「15.01秒」、「40.01秒」、「40.02秒」、「40.03秒」、「90.01秒」、「90.02秒」及び「90.03秒」は、それぞれ、報知演出の演出パターンのタイプ「ノーマルリーチ当り」、「第1SP当り」、「第2SP当り」、「第3SP当り」、「第1SPSP当り」、「第2SPSP当り」及び「第3SPSP当り」に対応する。「ノーマルリーチ当り」は、後述する「擬似変動に2回目」〜「第3SPSP」の何れも実行されることなく、リーチ成立した後に大当りするタイプである。「第1SP当り」〜「第3SP当り」は、最終的にSPリーチに発展した後に大当りするタイプである。「第1SPSP当り」〜「第3SPSP当り」は、最終的にSPSPリーチに発展した後に大当りするタイプである。
なお、リーチ(リーチ成立、リーチ演出)とは、報知演出において例えば複数の装飾図柄列のうち変動中の残りの1つ装飾図柄列が停止したならば既に停止(仮停止)している装飾図柄列との関係で大当りを報知する特定の図柄状態になる演出(大当りを期待させる演出)であり、典型的には、右側と左側の装飾図柄列が同じ図柄(例えば7)で既に停止しており、残りの中央の装飾図柄列が同じ図柄(例えば7)で停止したならばゾロ目(例えば777)となる演出である。また、SPリーチとは、一般にスーパーリーチやスペシャルリーチと呼ばれ、リーチよりも大当りすることを更に期待させるリーチ演出であり、例えば主人公のキャラクタが小判をゲットする動画像の演出である。また、SPSPリーチとは、一般にスーパースーパーリーチやスペシャルスペシャルリーチと呼ばれ、SPリーチ演出よりも大当りすることを更に期待させるリーチ演出であり、例えば主人公のキャラクタが敵のキャラクタと戦う動画像の演出である。
また、ステップS408において、CPU101は、ステップS407の大当り判定処理で第1特別図柄抽選でハズレと判定した場合、第1特別図柄抽選の保留数(U1)、リーチ乱数、及び変動パターン乱数に基づいて変動パターン(特別図柄変動時間)を決定する。
具体的には、CPU101は、第1特別図柄抽選の保留数が「1」又は「2」である場合、ステップS407の大当り判定処理で使用した大当り乱数と共にRAM103から読み出されたリーチ乱数(0〜99のうちの何れか1つ)が、HT1−1の「ハズレ」の保留数「1、2」の部分のリーチ乱数値範囲「0〜69」に含まれるのかリーチ乱数値範囲「70〜99」に含まれるのかを判定する。
そして、CPU101は、この読み出されたリーチ乱数がリーチ乱数値範囲「0〜69」に含まれる場合、ステップS407の大当り判定処理で使用した大当り乱数と共にRAM103から読み出された変動パターン乱数(0〜299のうちの何れか1つ)が、変動パターン乱数値範囲「0〜59」に含まれるのか変動パターン乱数値範囲「60〜299」に含まれるのかを判定する。そして、CPU101は、この変動パターン乱数が変動パターン乱数値範囲「0〜59」に含まれる場合には変動パターンとして「8.00秒」を決定し、この変動パターン乱数が変動パターン乱数値範囲「60〜299」に含まれる場合には変動パターンとして「13.50秒」を決定する。ここで、HT1−1に示すように、変動パターン「8.00秒」及び「13.50秒」は、何れも、報知演出の演出パターンのタイプ「即ハズレ」に対応する。なお、「即ハズレ」は、リーチ成立もなく即ハズレる演出パターンのタイプである。
一方、CPU101は、この読み出されたリーチ乱数がリーチ乱数値範囲「70〜99」に含まれる場合、ステップS407の大当り判定処理で使用した大当り乱数と共にRAM103から読み出された変動パターン乱数(0〜299のうちの何れか1つ)が、HT1−1の上記したリーチ乱数値範囲「70〜99」の部分の各変動パターンに割り振られた変動パターン乱数値範囲の何れに含まれるかに基づいて、変動パターン(特別図柄変動時間)を決定する。例えば、CPU101は、ステップS407の大当り判定処理で使用した大当り乱数と共にRAM103から読み出された変動パターン乱数が「260」である場合、変動パターン「40.06秒」に割り振られた変動パターン乱数値範囲「267〜291」に含まれるので、変動パターンとして「40.06秒」を決定する。ここで、HT1−1に示すように、HT1−1の上記したリーチ乱数値範囲「70〜99」の部分の変動パターン「15.02秒」、「40.04秒」、「40.05秒」、「40.06秒」、「90.04秒」、「90.05秒」及び「90.06秒」は、それぞれ、報知演出の演出パターンのタイプ「ノーマルリーチハズレ」、「第1SPハズレ」、「第2SPハズレ」、「第3SPハズレ」、「第1SPSPハズレ」、「第2SPSPハズレ」及び「第3SPSPハズレ」に対応する。「ノーマルリーチハズレ」は、「第1SP」〜「第3SPSP」の何れも実行されることなく、リーチ成立した後にハズレるタイプである。「第1SPハズレ」〜「第3SPハズレ」は、最終的にSPリーチに発展した後にハズレるタイプである。「第1SPSPハズレ」〜「第3SPSPハズレ」は、最終的にSPSPリーチに発展した後にハズレるタイプである。
なお、図44を用いて後述するが、上記した「ノーマルリーチ当り」〜「第3SPSP当り」および「ノーマルリーチハズレ」〜「第3SPSPハズレ」の演出パターンが実行される場合において、最終的な演出(例えば、第3SPSPリーチ演出)までに実行される演出は、演出制御部400により決定される。
また、CPU101は、第1特別図柄抽選の保留数が「3」の場合、上記した第1特別図柄抽選の保留数が「1」又は「2」の場合と基本的に同様にして、変動パターンを決定する。但し、第1特別図柄抽選の保留数が「3」の場合には、CPU101は、HT1−1に示すように、上記した第1特別図柄抽選の保留数が「1」又は「2」の場合に対して、リーチ乱数値範囲「0〜69」を「0〜79」に置き換え、リーチ乱数値範囲「70〜99」を「80〜99」に置き換え、又、変動パターン「8.00秒」に割り振られた変動パターン乱数値範囲「0〜59」を「0〜209」に置き換え、変動パターン「13.50秒」に割り振られた変動パターン乱数値範囲「60〜299」を「210〜299」に置き換えた乱数値範囲によって、変動パターンを決定する。
また、CPU101は、第1特別図柄抽選の保留数が「4」の場合、上記した第1特別図柄抽選の保留数が「1」又は「2」の場合と基本的に同様にして、変動パターンを決定する。但し、第1特別図柄抽選の保留数が「4」の場合には、CPU101は、HT1−1に示すように、上記した第1特別図柄抽選の保留数が「1」又は「2」の場合に対して、リーチ乱数値範囲「0〜69」を「0〜84」に置き換え、リーチ乱数値範囲「70〜99」を「85〜99」に置き換え、又、変動パターン「8.00秒」に割り振られた変動パターン乱数値範囲「0〜59」を「210〜269」に置き換え、変動パターン「13.50秒」に割り振られた変動パターン乱数値範囲「60〜299」を「270〜299」に置き換え、更に、演出パターンのタイプ「即ハズレ」に対応し変動パターン乱数値範囲「0〜209」が割り振られた変動パターン「3.00秒」が加えられた内容の乱数値範囲によって、変動パターンを決定する。
以上に図14に示す変動パターン決定テーブルHT1−1を用いて説明したように、通常遊技状態(非時短状態)において第1特別図柄抽選でハズレた場合には、第1特別図柄抽選の保留数が少ないほど、リーチありの変動パターンが選択され易く、又、リーチなしの変動パターンが選択された場合には第1特別図柄抽選の保留数が少ないほど長い変動パターンが選択され易い。
[大当り信頼度]
ここで、大当り信頼度(大当り期待度)について説明する。大当り信頼度が高い演出とは、その演出が実行された場合において大当りが報知される可能性が高い演出であり、大当り信頼度が低い演出とは、その演出が実行された場合において大当りが報知される可能性が低い演出である。以下、図14に示すHT1−1を用いて具体的に説明する。HT1−1の「大当り」の部分から分かるように、大当りの場合には、「ノーマルリーチ当り」、「第1SP当り」、「第2SP当り」、「第3SP当り」、「第1SPSP当り」、「第2SPSP当り」、「第3SPSP当り」の順で、変動パターン乱数値範囲が大きくなっている(一部同一あり)。一方で、HT1−1の「ハズレ」の部分から分かるように、ハズレの場合には、「ノーマルリーチハズレ」、「第1SPハズレ」、「第2SPハズレ」、「第3SPハズレ」、「第1SPSPハズレ」、「第2SPSPハズレ」、「第3SPSPハズレ」の順で、変動パターン乱数値範囲が小さくなっている(一部同一あり)。以上から分かるように、大当りの場合に実行され易くハズレの場合に実行され難い演出は大当り信頼度が高い一方で、大当りの場合に実行され難くハズレの場合に実行され易い演出は大当り信頼度が低い。つまり、「ノーマルリーチ演出」、「第1SPリーチ演出」、「第2SPリーチ演出」、「第3SPリーチ演出」、「第1SPSPリーチ演出」、「第2SPSPリーチ演出」、「第3SPSPリーチ演出」の順で大当り信頼度が高くなる。
[非時短状態/第2特別図柄抽選での変動パターン選択処理]
以下に、図15を用いて、通常遊技状態(非時短状態)においてステップS407の処理で第2特別図柄抽選が実行された場合における変動パターンの決定について、説明する。ステップS408において、CPU101は、図14を用いて説明した変動パターン決定の処理と基本的に同様の処理を行って、変動パターンを決定する。但し、CPU101は、図14を用いて説明した変動パターン決定の処理ではHT1−1を用いて第1特別図柄抽選に対して処理を行ったのに対して、この変動パターン決定の処理では図15に示すHT1−2を用いて第2特別図柄抽選に対して処理を行う点で異なる。ここで、図15に示すHT1−2は、図14に示したHT1−1に対して、「第1特別図柄抽選の保留数」が「第2特別図柄抽選の保留数」に置き換わった点で異なるのみである。つまり、図14を用いて説明した変動パターン決定の処理では第1特別図柄抽選の保留数が考慮されたのに対して、この変動パターン決定の処理では第2特別図柄抽選の保留数が考慮される。
[時短状態/第1特別図柄抽選での変動パターン選択処理]
以下に、図16を用いて、確変遊技状態(時短状態)においてステップS407の処理で第1特別図柄抽選が実行された場合における変動パターンの決定について、説明する。ステップS408において、CPU101は、図14を用いて説明した変動パターン決定の処理と基本的に同様の処理を行って、変動パターンを決定する。但し、CPU101は、図14を用いて説明した変動パターン決定の処理ではHT1−1を用いて第1特別図柄抽選に対して処理を行ったのに対して、この変動パターン決定の処理では図16に示すHT2−1を用いて第1特別図柄抽選に対して処理を行う点で異なる。ここで、図16に示すHT2−1は、図14に示したHT1−1に対して、「ハズレ」においてリーチ乱数によってリーチなしが選択された場合において、第1特別図柄抽選の保留数に関わらず一律に変動パターン「13.50秒」(即ハズレに対応)が選択される点で異なる。
[時短状態/第2特別図柄抽選での変動パターン選択処理]
以下に、図17を用いて、確変遊技状態(時短状態)においてステップS407の処理で第2特別図柄抽選が実行された場合における変動パターンの決定について、説明する。ステップS408において、CPU101は、図14を用いて説明した変動パターン決定の処理と基本的に同様の処理を行って、変動パターンを決定する。但し、CPU101は、図14を用いて説明した変動パターン決定の処理ではHT1−1を用いて第1特別図柄抽選に対して処理を行ったのに対して、この変動パターン決定の処理では図17に示すHT2−2を用いて第2特別図柄抽選に対して処理を行う点で異なる。ここで、図17に示すように、HT2−2は、図14に示したHT1−1に対して、「第1特別図柄抽選の保留数」が「第2特別図柄抽選の保留数」に置き換わっている。つまり、図14を用いて説明した変動パターン決定の処理では第1特別図柄抽選の保留数が考慮されたのに対して、この変動パターン決定の処理では第2特別図柄抽選の保留数が考慮される。また、図17に示すように、HT2−2では、「ハズレ」における第2特別図柄抽選の保留数「1」の場合においてリーチ乱数によってリーチなしが選択された場合に、一律に変動パターン「13.50秒」が決定される。また、図17に示すように、HT2−2では、「ハズレ」における第2特別図柄抽選の保留数「2〜4」の場合においてリーチ乱数によってリーチなしが選択された場合に、変動パターン乱数値範囲「0〜239」において変動パターン「2.00秒」が決定され、変動パターン乱数値範囲「240〜269」において変動パターン「4.00秒」が決定され、変動パターン乱数値範囲「270〜299」において変動パターン「10.00秒」が決定される。
ここで、図13のステップS403〜S406での処理で説明したように、本実施形態では、第2特別図柄抽選の保留が、第1特別図柄抽選の保留よりも優先して消化される。また、確変遊技状態(時短状態)では、図9のステップS5及びS7での処理で説明したように、電動チューリップ27が頻繁に長期間開放して第2始動口22に遊技球が頻繁に入賞するので、第2特別図柄抽選が頻繁に連続して実行される。また、ステップS407での処理で説明したように、第2始動口22への遊技球入賞による第2特別図柄抽選の方が、第1始動口21への遊技球入賞による第1特別図柄抽選よりも、次回大当りするまで確変遊技状態(時短状態)に制御される確変大当り(遊技者の利益が大きい大当り)の当選割合が多い。このことから、逆に言えば、確変遊技状態(時短状態)において、第1特別図柄抽選が実行されると、通常遊技状態に制御されることになる通常大当り(遊技者の利益が小さい大当り)に当選してしまう可能性が多くなってしまうと言える。本実施形態では、以上に図17のHT2−2を用いて説明したように、確変遊技状態(時短状態)においては、第2特別図柄抽選の保留数が2〜4でリーチなしの場合には短時間の変動パターン(2.00秒、4.00秒)を選択し易くして第2特別図柄抽選の保留が高速で消化されるようにしてスピード感のある遊技を実行する一方で、第2特別図柄抽選の保留数が1でリーチなしの場合には長時間の変動パターン(13.50秒)を必ず選択して遊技者に比較的不利な第1特別図柄抽選が実行され難く制御している。更に、本実施形態では、以上に図16のHT2−1を用いて説明したように、確変遊技状態(時短状態)においては、遊技者に比較的不利な第1特別図柄抽選が実行されたとしても、第1特別図柄抽選の保留数が1〜4の全てにおいて、リーチなしの場合には長時間の変動パターン(13.50秒)を必ず選択して、第2始動口22に遊技球が入賞して遊技者に比較的有利な第2特別図柄抽選が実行されるための時間を稼ぐように制御している。
以上のようにしてステップS408において決定された変動パターンの情報(つまり、報知演出の実行時間:報知演出の演出パターンのタイプの情報とも言える)は、設定情報としてRAM103にセットされる。その後、処理はステップS409に移る。
ステップS409において、CPU101は、ステップS407の大当り判定処理によってセットされた設定情報、及びステップS408の変動パターン選択処理によってセットされた設定情報を含む報知演出開始コマンドを生成して、RAM103にセットする。ここで、報知演出開始コマンドは、演出制御部400に対して、画像表示部6及びスピーカ35等による報知演出の開始を指示するコマンドである。また、報知演出開始コマンドに含まれる設定情報には、第1特別図柄抽選及び第2特別図柄抽選の何れが実行されたかを示す情報も含まれる。また、CPU101は、現在の遊技状態(例えば、確変遊技状態)を示す遊技状態通知コマンドをRAM103にセットする。上記した報知演出開始コマンドおよび遊技状態通知コマンドは、図9のステップS9における出力処理によって、演出制御部400へ送信される。その後、処理はステップS410に移る。
ステップS410において、CPU101は、ステップS409の処理でセットされた報知演出開始コマンドに含まれている設定情報に基づいて、第1特別図柄表示器4a又は第2特別図柄表示器4bによる特別図柄の変動表示を開始する。その後、処理はステップS411に移る。
ステップS411において、CPU101は、ステップS410における特別図柄の変動表示の開始時点から、ステップS408の変動パターン選択処理で設定された変動パターンが示す特別図柄変動時間が経過したか否かを判定する。ステップS411での判定がYESの場合、処理はステップS412に移り、この判定がNOの場合、処理は図9のステップS5(普通図柄処理)に移る。
ステップS412において、CPU101は、画像表示部6による報知演出の終了を指示する報知演出停止コマンドをRAM103にセットする。その後、処理はステップS413に移る。なお、ステップS412でセットされた報知演出停止コマンドは、図9のステップS9の出力処理によって演出制御部400へ送信される。
ステップS413において、CPU101は、ステップS410の処理で開始した第1特別図柄表示器4a又は第2特別図柄表示器4bによる特別図柄の変動表示を終了して特別図柄抽選結果を報知する図柄の所定時間(0.5秒間)の停止表示を実行する。その後、処理はステップS414に移る。
ステップS414において、CPU101は、停止中処理を実行する。具体的には、CPU101は、ステップS407の大当り判定処理で大当りしたと判定した場合、RAM103に記憶されている情報(典型的にはフラグによる情報)を大当り遊技中(大当り遊技状態)であることを示すものに変更し、大当り遊技演出の開始を指示するオープニングコマンドをRAM103にセットする。なお、このオープニングコマンドは、ステップS413の処理で特別図柄の停止表示が開始された時点から所定時間(0.5秒間)経過したタイミングで(つまり、特別図柄停止表示時間0.5秒が経過して大当り遊技が開始するタイミングで)、図9のステップS9の出力処理によって演出制御部400へ送信され、大当り遊技演出が開始される。
ステップS415おいて、CPU101は、客待ちコマンドおよび現在の遊技状態を示す遊技状態通知コマンドを、ステップ416の処理(後述)で既に送信済みであるか否かを判定する。ここで、客待ちコマンドとは、ステップS413の処理において開始された特別図柄の所定時間(0.5秒間)の停止表示が終了した時点において、特別図柄抽選の保留が存在しない場合に送信されるコマンドであり、特別図柄抽選の抽選結果を報知する報知演出が実行されていない客待ち状態になったことを通知するコマンドである。ステップS415での判定がYESの場合、処理は図9のステップS5(普通図柄処理)に移り、この判定がNOの場合、処理はステップS416に移る。
ステップS416おいて、CPU101は、客待ちコマンドおよび遊技状態通知コマンドをRAM103にセットする。この客待ちコマンドおよび遊技状態通知コマンドは図9のステップS9の出力処理によって演出制御部400へ送信され、当該客待ちコマンドに基づいて、所定の停止演出(例えば装飾図柄停止表示の演出)が開始される。なお、上記した所定の停止演出が開始されてから所定時間(例えば90秒)が経過すると、客待ち演出が開始される。ここで、客待ち演出は、例えば、遊技機1の題材となったコンテンツ(アニメや物語等)に関する映像を画像表示部6に表示させる演出や、例えば、遊技中に実行される所定の演出(例えばリーチ演出)の一部を画像表示部6に表示させる演出である。その後、処理は図9のステップS5(普通図柄処理)に移る。
[大入賞口処理]
図18及び図19は、図9のステップS6における大入賞口処理の詳細フローチャートの一例である。以下に、図9のステップS6における大入賞口処理について、図18及び図19を参照して説明する。
まず、ステップS601において、メイン制御部100のCPU101は、RAM103に格納されている情報(典型的には、フラグによる情報)に基づいて、遊技機1の状態が大当り遊技中であるか否かを判定する。ステップS601での判定がYESの場合、処理はステップS602に移り、この判定がNOの場合、処理は図9のステップS7(電動チューリップ処理)に移る。
ステップS602において、CPU101は、RAM103に格納されている情報に基づいて、遊技機1の状態が大当り遊技のオープニング演出中であるか否かを判定する。ステップS602での判定がYESの場合、処理はステップS603に移り、この判定がNOの場合、処理はステップS609に移る。
ステップS603において、CPU101は、オープニング演出の実行時間を規定する設定オープニング時間が経過したか否かを判定する。ステップS603での判定がYESの場合、処理はステップS604に移り、この判定がNOの場合、オープニング演出は終了していないので、処理は図9のステップS7(電動チューリップ処理)に移る。
ステップS604において、CPU101は、大当り遊技の全ラウンド数Rmaxと大当り遊技の大入賞口23の動作パターンとを設定し、その設定情報をRAM103にセットする。具体的には、CPU101は、大当り遊技に含まれるラウンドの数量(Rmax:本実施形態では「16」)と大当り遊技中の大入賞口23の動作パターンを設定し、その設定情報をRAM103にセットする。ステップS604の処理によって、大当り遊技の全ラウンド数Rmax、大当り遊技中のラウンドとラウンドとの間のインターバル時間、大当り遊技の最後にエンディング演出を行う時間である設定エンディング時間等が設定される。その後、処理はステップS605に移る。
ステップS605において、CPU101は、RAM103に格納されている大入賞口23への遊技球の入賞数Cを「0」にリセットする。その後、処理はステップS606に移る。
ステップS606において、CPU101は、RAM103に格納されている大当り遊技のラウンド数Rを、1加算した値に更新する。その後、処理はステップS607に移る。
ステップS607において、CPU101は、大入賞口開閉部115を制御して大入賞口23の開放制御を開始する。この処理によって、大当り遊技のラウンド(ラウンド遊技)が開始されて大入賞口23の開放動作(1回の開放動作)が開始される。その後、処理はステップS608に移る。
ステップS608において、CPU101は、ラウンド開始(ラウンド遊技開始)を通知するラウンド開始通知コマンドをRAM103にセットする。このラウンド開始通知コマンドは図9のステップS9の出力処理によって演出制御部400へ送信され、ラウンド演出が開始されることとなる。なお、このラウンド開始通知コマンドには、ステップS604で設定された全ラウンド数Rmaxを示す情報およびステップS606の処理により更新された現在のラウンド数Rを示す情報が含まれている。その後、処理はステップS612に移る。
ステップS609において、CPU101は、RAM103に格納された情報に基づいて、遊技機1の状態が大当り遊技のインターバル中であるか否かを判定する。ステップS609での判定がYESの場合、処理はステップS610に移り、この判定がNOの場合、処理はステップS611に移る。
ステップS610において、CPU101は、大当り遊技中の前回のラウンド終了時に大入賞口23が閉塞された時点から、ステップS604の処理で設定された大当り遊技中の設定インターバル時間が経過したか否かを判定する。ステップS610での判定がYESの場合、大当り遊技中の次のラウンドを開始するタイミングになっているので処理はステップS605に移り、この判定がNOの場合、大当り遊技中の次のラウンドを開始するタイミングになっていないので、処理は図9のステップS7(電動チューリップ処理)に移る。
ステップS611において、CPU101は、RAM103に格納された情報に基づいて、遊技機1の状態が大当り遊技のエンディング演出の実行中であるか否かを判定する。ステップS611での判定がYESの場合、処理は図17のステップS621に移り、この判定がNOの場合、処理はステップS612に移る。
ステップS612において、CPU101は、遊技機1の状態が大当り遊技のラウンド中であると判断して、大入賞口スイッチ114からの出力信号に基づいて、大入賞口23に遊技球が入賞したか否かを判定する。ステップS612での判定がYESの場合、処理はステップS613に移り、この判定がNOの場合、処理はステップS614に移る。
ステップS613において、CPU101は、RAM103に格納されている大入賞口23への遊技球の入賞数Cを、1加算した値に更新する。ステップS613の処理が実行されることで、1つのラウンド中に大入賞口23に入賞した遊技球の総数(入賞数C)がRAM103に累積記憶されていく。また、CPU101は、大入賞口23に遊技球が入賞したことを演出制御部400に対して通知するための入賞コマンドをRAM103にセットする。この入賞コマンドは、図9のステップS9の出力処理によって演出制御部400へ送信され、図20のステップS123の入賞処理が実行されることとなる。その後、処理はステップS614に移る。
ステップS614において、CPU101は、ステップS607の処理で大入賞口23の開放制御が開始された時点から規定の開放制御時間(本実施形態では29.5秒間)が経過したか否かを判定する。ステップS614での判定がYESの場合、処理はステップS616に移り、この判定がNOの場合、処理はステップS615に移る。
ステップS615において、CPU101は、今回のラウンドにおける遊技球の入賞数Cが、大入賞口23が閉塞されるタイミングを規定する上限遊技球数Cmax(本実施形態では「10」)となったか否かを判定する。ステップS615での判定がYESの場合、処理はステップS616に移り、この判定がNOの場合、処理は図9のステップS7(電動チューリップ処理)に移る。
ステップS616において、CPU101は、大入賞口開閉部115を制御して、ステップS607で開始した大入賞口23の開放制御を終了する。このように、CPU101は、大当り遊技中の各ラウンドにおいて、大入賞口23を開放してから29.5秒が経過するまでに大入賞口スイッチ114によって検出された遊技球の総数(入賞数C)が10個(Cmax)に達したこと、又は大入賞口23を開放してから10個の遊技球が入賞することなく29.5秒が経過したことを条件として大入賞口23を閉塞する。その後、処理はステップS617に移る。
ステップS617において、CPU101は、ラウンド終了(ラウンド遊技終了)を通知するラウンド終了通知コマンドをRAM103にセットする。このラウンド開始通知コマンドは図9のステップS9の出力処理によって演出制御部400へ送信され、ラウンド演出が終了されることとなる。その後、処理はステップS618に移る。
ステップS618において、CPU101は、RAM103に格納されている現在のラウンド数Rが、ステップS604の処理で設定された大当り遊技の最大ラウンド数Rmaxに達したか否かを判定する。ステップS618での判定がYESの場合、処理は図19のステップS619に移り、この判定がNOの場合、処理は図9のステップS7(電動チューリップ処理)に移る。
図19のステップS619において、CPU101は、RAM103に格納されているラウンド数Rを「0」にリセットする。その後、処理はステップS620に移る。
ステップS620において、CPU101は、演出制御部400に対して大当り遊技のエンディング演出の実行を指示するエンディングコマンドを、RAM103にセットする。この処理でセットされたエンディングコマンドは、図9のステップS9(出力処理)によって演出制御部400へ送信される。なお、このエンディングコマンドとしては、大当り図柄(つまり、大当りの種類)および大当り遊技終了後に制御される遊技状態に対応したコマンドが送信され、演出制御部400は、このエンディングコマンドに基づいて、エンディング演出終了後(大当り遊技演出終了後)の演出を制御する。具体的には、確変大当りを示す大当り図柄に対応したエンディングコマンドが送信された場合、演出制御部400は、当該エンディングコマンドに基づいて大当り遊技演出の終了後、確変遊技状態を示す演出モードで報知演出を実行する。その後、処理はステップS621に移る。
ステップS621において、CPU101は、ステップS620でエンディングコマンドをRAM103にセットした時点から図18のステップS604の処理で設定された設定エンディング時間が経過したか否かを判定する。ステップS621での判定がYESの場合、処理はステップS622に移り、この判定がNOの場合、処理は図9のステップS7(電動チューリップ処理)に移る。
ステップS622において、CPU101は、実行していた大当り遊技を終了する。具体的には、CPU101は、RAM103に格納されている大当り遊技中であることを示す設定情報(典型的には、フラグによる情報)を解除して、大当り遊技を終了する。その後、処理はステップS623に移る。
ステップS623において、CPU101は、遊技状態設定処理を実行する。具体的には、CPU101は、ステップS622で大当り遊技を終了した場合に、今回の大当りの種類(大当り図柄)に応じて遊技状態を切り替える(つまり、特別図柄抽選の当選確率設定および電動チューリップ27の開放設定を切り替える)。より具体的には、今回の大当りが通常大当りの場合は通常遊技状態に制御し、今回の大当りが確変大当りの場合は確変遊技状態に制御する。その後、処理は図9のステップS7(電動チューリップ処理)に移る。
[演出制御部による演出制御処理]
図20は、演出制御部400によって行われるタイマ割込み処理の一例を示すフローチャートである。以下に、図20を参照して、演出制御部400において行われるタイマ割込み処理について説明する。演出制御部400は、電源投入時や電源断時等の特殊な場合を除く通常の動作時において、図20に示す一連の処理を一定時間(4ミリ秒)毎に繰り返し実行する。なお、図20以降のフローチャートに基づいて説明する演出制御部400で行われる処理は、ROM402に記憶されているプログラムに基づいて実行される。
まず、ステップS11において、演出制御部400のCPU401は、メイン制御部100から図9のステップS9の出力処理により出力された各種コマンドを受信して、受信したコマンドに応じて演出内容を設定し、設定した演出内容の演出を画像音響制御部500等に実行指示するための各種コマンドをRAM403にセットするコマンド受信処理を実行する。このコマンド受信処理については、図21及び図22等を参照して後に詳述する。
次に、ステップS12において、CPU401は、ステップS11の処理でRAM403にセットされた各種コマンドを画像音響制御部500等に出力する出力処理を実行する。この処理によって、ステップS11の処理で実行決定された各種演出が、画像音響制御部500等の実行制御により、画像表示部6、スピーカ35および盤ランプ8等で実行されることとなる。
なお、上記したタイマ割り込み処理の実行毎に、CPU401は、演出内容の決定等に使用する各種演出乱数を更新する乱数更新処理を行う。この乱数更新処理においても、図9のステップS1の乱数更新処理と同様に、典型的にはループカウンタが用いられ、そのカウント値(更新された乱数値)は、最大値(例えば、99)に達した後は再び0に戻る(つまり、循環する)。また、この乱数更新処理において、各演出乱数のカウンタは、それぞれ、1回循環するとランダムに初期値(循環の起点となる値)を更新する。このことによって、これらの演出乱数の間でカウンタの値(カウント値)が同期することを回避できる。
[コマンド受信処理]
図21および図22は、図20のステップS11のコマンド受信処理の詳細フローチャートの一例である。以下に、図21および図22を参照して、図20のステップS11のコマンド受信処理について説明する。
まず、ステップS111において、演出制御部400のCPU401は、メイン制御部100から保留増加コマンド(第1保留数増加コマンド又は第2保留数増加コマンド)を受信したか否かを判定する(図12のステップS206及びS212参照)。ステップS111での判定がYESの場合、処理はステップS112に移り、この判定がNOの場合、処理はステップS114に移る。
また、ステップS111において、CPU401は、第1保留数増加コマンドを受信した場合、RAM403に、第1特別図柄抽選の保留を示すデータ(第1保留データ)を時系列順で1つ累積記憶させ、一方、第2保留数増加コマンドを受信した場合、RAM403に、第2特別図柄抽選の保留を示すデータ(第2保留データ)を時系列順で1つ累積記憶させる。また、その際に、CPU401は、保留増加コマンドに含まれる事前判定情報を抽出して上記した各保留データに含めて、RAM403に記憶する。なお、後述するステップS115の処理において、第1特別図柄抽選結果を報知する報知演出の実行が指示された際に最先に記憶された第1保留データがRAM403から削除され、第2特別図柄抽選結果を報知する報知演出の実行が指示された際に最先に記憶された第2保留データがRAM403から削除される。
ステップS112において、CPU401は、先読み保留予告演出を実行するか否かを決定し、実行する場合には先読み保留予告演出の内容を設定する先読み保留予告演出設定処理を行う。ここで、先読み保留予告演出は、図53〜図70を用いて後に具体的に説明するが、事前判定情報に基づいて保留画像を用いて(加えて消化保留画像を用いる場合もある)大当りの可能性(大当り信頼度)等を示唆する演出である。先読み保留予告演出設定処理については、図23等を用いて後に詳述する。その後、処理はステップS113に移る。
ステップS113において、CPU401は、ステップS112の処理で受信した保留増加コマンドに応じて、画像音響制御部500に対して、特別図柄抽選の保留を示す保留画像を画像表示部6に表示(追加表示)させる指示を画像音響制御部500に行う。この画像音響制御部500への指示は、保留表示コマンドをRAM403にセットすることで行われる。ここで、ステップS112において先読み保留予告演出(又はそのガセ演出)を実行すると決定されて先読み保留予告演出(又はそのガセ演出)の内容が設定された場合には、その設定内容を示す情報(指示情報)が保留表示コマンドに含められる。その後、処理はステップS114に移る。
ステップS114において、CPU401は、図13のステップS409でセットされた報知演出開始コマンドおよび遊技状態通知コマンドを受信したか否かを判定する。ステップS114での判定がYESの場合、処理はステップS115に移り、この判定がNOの場合、処理はステップS116に移る。
ステップS115において、CPU401は、ステップS114の処理で受信した報知演出開始コマンド等に応じて、画像音響制御部500等に指示して、画像表示部6等による報知演出の開始を指示する報知演出実行指示処理を行う。ここで、報知演出(変動演出)は、特別図柄の変動表示に応じて画像表示部6等において実行されて特別図柄抽選の結果を報知する演出であり、本実施形態では、装飾図柄DI(後述する図52参照)が変動表示され、この変動表示された装飾図柄DIが停止表示(確定停止表示)されることにより特別図柄抽選の結果が報知される演出である。なお、この画像音響制御部500等への指示は、変動開始コマンドをRAM403にセットすることで行われる。この報知演出実行指示処理については、図43を用いて後に詳述する。その後、処理はステップS116に移る。
ステップS116において、CPU401は、図13のステップS412の処理でセットされた報知演出停止コマンドを受信したか否かを判定する。ステップS116での判定がYESの場合、処理はステップS117に移り、この判定がNOの場合、処理は図22のステップS118に移る。
ステップS117において、CPU401は、画像音響制御部500等に対して、ステップS115の処理で実行開始した報知演出を終了して、変動表示させていた装飾図柄を最終的に全て停止させて(規定時間(0.5秒間)確定停止表示させて)特別図柄抽選の結果を演出的に報知する指示を行う。なお、この画像音響制御部500等への指示は、コマンドをRAM403にセットすることで行われる。その後、処理は図22のステップS118に移る。
図22のステップS118において、CPU401は、図13のステップS414の停止中処理でセットされたオープニングコマンドを受信したか否かを判定する。ステップS118での判定がYESの場合、処理はステップS119に移り、この判定がNOの場合、処理はステップS120に移る。
ステップS119において、CPU401は、画像音響制御部500等に対して、大当り遊技演出のオープニング演出を開始する指示を行う。つまり、大当り遊技演出を開始させる。ここで、大当り遊技演出のオープニング演出は、大当り遊技の開始を報知する演出であり、典型的には、大入賞口23に向けて遊技球を発射するように遊技者に促す画像演出である。この画像音響制御部500等への指示は、コマンドをRAM403にセットすることで行われる。その後、処理はステップS120に移る。
ステップS120において、CPU401は、図18のステップS608の処理でセットされたラウンド開始通知コマンドを受信したか否かを判定する。ステップS120での判定がYESの場合、処理はステップS121に移り、この判定がNOの場合、処理はステップS122に移る。
ステップS121において、CPU401は、画像音響制御部500等に対して、大当り遊技演出のラウンド演出の開始を指示する。ここで、ラウンド演出は、大当り遊技のラウンド遊技中に実行される演出であり、例えば、主人公のキャラクタが敵のキャラクタと戦っている画像等による演出である。なお、この画像音響制御部500等への指示は、コマンドをRAM403にセットすることで行われる。その後、処理はステップS122に移る。
ステップS122において、CPU401は、図18のステップS613等の処理でセットされた入賞コマンドを受信したか否かを判定する。ステップS122での判定がYESの場合、処理はステップS123に移り、この判定がNOの場合、処理はステップS124に移る。
ステップS123において、CPU401は、画像音響制御部500に指示して入賞処理を開始する。ここで、入賞処理は、例えば大当り遊技中(ラウンド中)に開放される大入賞口23に入賞した遊技球に基づいて払い出された賞球数をカウントする処理であり、入賞処理の開始を指示された画像音響制御部500のCPU501は、演出制御部400を介して受信した入賞コマンドのうち、大入賞口23への遊技球入賞に基づく入賞コマンドを受信する毎に(つまり、大入賞口23へ遊技球が1つ入賞する毎に)、大入賞口23入賞に対応する賞球数「13」をRAM503に記憶された賞球総数に加算して更新し、更新された賞球総数を画像表示部6に表示する。その後、処理はステップS124に移る。
ステップS124において、CPU401は、図18のステップS617の処理でセットされたラウンド終了通知コマンドを受信したか否かを判定する。ステップS124での判定がYESの場合、処理はステップS125に移り、この判定がNOの場合、処理はステップS126に移る。
ステップS125において、CPU401は、画像音響制御部500等に対して、大当り遊技演出のラウンド演出を終了する指示を行う。なお、この画像音響制御部500等への指示は、コマンドをRAM403にセットすることで行われる。その後、処理はステップS126に移る。
ステップS126において、CPU401は、図19のステップS620の処理でセットされたエンディングコマンドを受信したか否かを判定する。ステップS126での判定がYESの場合、処理はステップS127に移り、この判定がNOの場合、処理はステップS128に移る。
ステップS127において、CPU401は、画像音響制御部500等に対して、大当り遊技演出のエンディング演出を開始する指示を行う。つまり、大当り遊技演出を終了させる。ここで、エンディング演出は、大当り遊技の終了を報知する演出であり、典型的には、遊技機1のメーカー名を表示させる演出である。この画像音響制御部500等への指示は、コマンドをRAM403にセットすることで行われる。その後、処理はステップS128に移る。
ステップS128において、CPU401は、図13のステップS416の処理でセットされた客待ちコマンドおよび遊技状態通知コマンドを受信したか否かを判定する。ステップS128での判定がYESの場合、処理はステップS129に移り、この判定がNOの場合、コマンド受信処理を終了し、処理は図20のステップS12に移る。
ステップS129において、CPU401は、ステップS128で受信した客待ちコマンドおよび遊技状態通知コマンドに基づいて、画像音響制御部500に対して、停止状態処理を開始する指示を行う。ここで、停止状態処理は、いわゆる客待ち状態になることを契機に開始される処理であり、停止状態処理の開始を指示された画像音響制御部500のCPU501は、遊技状態に応じた所定の停止演出(例えば、装飾図柄が停止表示された演出)を画像表示部6に表示する。なお、CPU501は、上記した所定の停止演出を開始してから、所定時間(例えば90秒)が経過したときに、CPU401から、他の演出の指示を受けない場合、客待ち演出を開始する。なお、客待ち演出は、例えば、遊技機1の題材となったコンテンツ(アニメや物語等)に関する映像を画像表示部6に表示させる演出や、例えば、遊技中に実行される所定の演出(例えばリーチ演出)の一部を画像表示部6に表示させる演出である。そして、コマンド受信処理を終了し、処理は図20のステップS12に移る。
[先読み保留予告演出設定処理]
図23は、図21のステップS112の先読み保留予告演出設定処理の詳細フローチャートの一例である。以下に、図23を参照して、図21のステップS112の先読み保留予告演出設定処理について説明する。
まず、ステップS301において、演出制御部400のCPU401は、図21のステップS111で受信判定した保留増加コマンドに含まれる事前判定情報(つまり、保留データ)を解析する。その後、処理はステップS302に移る。
ステップS302において、CPU401は、ステップS301で解析した今回の保留データよりも前に記憶された保留データに含まれる事前判定情報を確認(参照)する。言い換えると、今回の保留データの発生時に既にRAM403に記憶されている保留データの事前判定情報を確認する。その後、処理はステップS303に移る。
ステップS303において、CPU401は、ステップS301で解析した今回の保留データの事前判定情報およびステップS301で確認した既に記憶されていた保留データの事前判定情報に基づいて、先読み保留予告演出を実行できる所定の条件を満たすか否かを判定する。具体的には、CPU401は、ステップS301で解析した今回の保留データの事前判定情報が示す特別図柄抽選の種類(つまり、第1特別図柄抽選であるか第2特別図柄抽選であるか)が現在表示可能な保留画像の種類(つまり、第1特別図柄抽選の保留を示す保留画像であるか第2特別図柄抽選の保留を示す保留画像であるか)に対応しており(条件1)、今回表示される保留画像を含めて2つ以上の保留画像が表示され(条件2)、この事前判定情報に含まれる変動パターンがノーマルリーチ以上の演出パターンに対応するものであり(つまり、15.00秒以上の変動パターンであり;図14〜図17参照)(条件3)、先読み保留予告演出の実行中ではなく(条件4)、RAM403に現在記憶されている第1保留データおよび第2保留データに特別図柄抽選の当選を示すものがなく(条件5)、今回の保留データを除いたRAM403に記憶されている保留データの事前判定情報に含まれる変動パターンが全て即ハズレである(条件6)という条件を全て満たしているか否かを判定する。ここで、図52を用いて後述するが、本実施形態では、第1特別図柄抽選が主に実行される通常遊技状態(非電サポ状態かつ非時短状態)では、第1特別図柄抽選の保留を示す保留画像だけを画像表示部6に表示する一方で、第2特別図柄抽選が主に実行される確変遊技状態(電サポ状態かつ時短状態)では、第2特別図柄抽選の保留を示す保留画像だけを画像表示部6に表示する。このため、本実施形態では、通常遊技状態においては第2特別図柄抽選の先読み保留予告演出は実行せず、確変遊技状態においては第1特別図柄抽選の先読み保留予告演出は実行しない。ステップS303での判定がYESの場合、処理はステップS304に移り、この判定がNOの場合、処理はS312に移る。
ステップS304において、CPU401は、先読み保留予告演出を実行するか否か、および、実行する場合には先読み保留予告演出の種類を、図24に示す先読み保留予告演出決定テーブルを用いた演出乱数による抽選を行って決定する。例えば、CPU401は、ステップS301で解析した今回の保留データが示す変動パターン(図14等参照)がノーマルリーチ当り又はハズレの演出パターンのタイプに対応する場合、図24の「ノーマルリーチ当り/ハズレ」の行の乱数割り振りを用いて、0〜999の範囲を変動する演出乱数の値を1つ取得して、取得した値が例えば「120」の場合には「メンバ集合」保留変化予告演出を実行することを決定する。ここで、先読み保留予告演出には、「通常」保留変化予告演出と、「メンバ集合」保留変化予告演出と、「大物かも」保留変化予告演出と、「ズッコケ」保留変化予告演出と、「色変化示唆」保留変化予告演出と、「保留ボタン」保留変化予告演出とがある。その後、処理はステップS305に移る。なお、図24に示す先読み保留予告演出決定テーブルでは、今回の保留データが示す変動パターンがSPリーチ当り又はハズレであれば、第1〜第3SPリーチ当り又はハズレ(図14等参照)の何れであっても一律の乱数割り振りにしており、又、この変動パターンがSPSPリーチ当り又はハズレであれば、第1〜第3SPSPリーチ当り又はハズレの何れであっても一律の乱数割り振りにしている。しかし、例えば、図24に示す先読み保留予告演出決定テーブルにおいて、「SPリーチ当り/ハズレ」を第1〜第3SPリーチ当り/ハズレに細分化して異なる乱数割り振りを設定し、又、「SPSPリーチ当り/ハズレ」を第1〜第3SPSPリーチ当り/ハズレに細分化して異なる乱数割り振りを設定してもよい。更には、例えば、先読み保留予告演出の種類のそれぞれにおいて、大当り信頼度の高いSPリーチを実行する演出パターンほど乱数範囲が大きくなるように設定し(つまり、第1SPリーチから第3SPリーチの方向で選択確率を大きく設定し)、又、大当り信頼度の高いSPSPリーチを実行する演出パターンほど乱数範囲が大きくなるように設定してもよい(つまり、第1SPSPリーチから第3SPSPリーチの方向で選択確率を大きく設定してもよい)。また、例えば、相対的に選択率の大きい「メンバ集合」および「大物かも」保留変化予告演出において(特定の先読み保留予告演出において)、上記のように細分化して、第1SPリーチから第3SPリーチの方向で選択率を大きく設定し、又、第1SPSPリーチから第3SPSPリーチの方向で選択率を大きく設定してもよい。また、例えば、先読み保留予告演出において上記のように細分化して、先読み保留予告演出の種類に応じて、それぞれ、第1〜第3SPリーチの選択率、及び/又は、第1〜第3SPSPリーチの選択率を設定してもよい。なお、後に説明する図31、図32、図34、図35、図37、図38、図40、図41等についても、以上に説明した図24の場合と同様に設定してもよい。
ステップS305において、CPU401は、ステップS304で先読み保留予告演出を実行すると決定されたか否かを判定する。ステップS305での判定がNOの場合、処理は図21のステップS113に移り、この判定がYESの場合、処理はステップS306〜S311の何れかに移る。より具体的には、ステップS305での判定がYESの場合、ステップS304において、「通常」保留変化予告演出の実行が決定された場合には処理はステップS306に移り、「メンバ集合」保留変化予告演出の実行が決定された場合には処理はステップS307に移り、「大物かも」保留変化予告演出の実行が決定された場合には処理はステップS308に移り、「ズッコケ」保留変化予告演出の実行が決定された場合には処理はステップS309に移り、「色変化示唆」保留変化予告演出の実行が決定された場合には処理はステップS310に移り、「保留ボタン」保留変化予告演出の実行が決定された場合には処理はステップS311に移る。
ステップS312において、CPU401は、ステップS301で解析した今回の保留データの事前判定情報およびステップS302で確認した既に記憶されていた保留データの事前判定情報に基づいて、今回の保留も含めて全ての保留が即ハズレの演出パターンに対応する変動パターンであるか否かを判定する。ステップS312での判定がYESの場合、処理はステップS313に移り、この判定がNOの場合、処理は図21のS113に移る。
ステップS313において、CPU401は、先読み保留予告演出のガセ演出を実行するか否か、および、実行する場合にはガゼ演出の種類を、図25に示すガゼ演出決定テーブルを用いた演出乱数による抽選を行って決定(設定)する。例えば、CPU401は、0〜999の範囲を変動する演出乱数の値を1つ取得して、取得した値が例えば「8」の場合には「通常」保留変化予告演出のガセ演出を実行することを決定する。その後、処理は図21のS113に移る。
ここで、先読み保留予告演出のガセ演出は、大当り信頼度の示唆程度が最も低い態様で先読み保留予告演出が実行されて、この先読み保留予告演出において報知演出が全て即ハズレとなるタイプの演出である。具体的には、「通常」保留変化予告演出のガセ演出は、図29を用いて後述するが白色の保留画像を点滅させて青色以上に変化することを期待させたまま最後まで白のまま変化せず報知演出が全て即ハズレとなる演出であり、「メンバ集合」保留変化予告演出のガセ演出は、図55を用いて後述するがコンビ集合に失敗して報知演出が全て即ハズレとなる演出であり、「ズッコケ」保留変化予告演出のガセ演出は、図61を用いて後述するが保留画像がこけても最後まで白色のまま色変化せず報知演出が全て即ハズレとなる演出であり、「色変化示唆」保留変化予告演出のガセ演出は、図65を用いて後述するがキャラDの保留画像が消化した消化保留画像が白色のまま色変化せず報知演出が全て即ハズレとなる演出であり、「保留ボタン」保留変化予告演出のガセ演出は、図67を用いて後述するが保留ボタンの引張りに失敗して保留ボタン表示できず報知演出が全て即ハズレとなる演出である。このように、ガセ演出では、報知演出が全て即ハズレとなる場合において大当り信頼度の示唆程度が最も低い態様で先読み保留予告演出を実行するので、遊技者にかすかな期待感を与えると共に落胆感を抑制できる。なお、図60を用いて後述するが、「大物かも」保留変化予告演出にはガセ演出はなく、必ずノーマルリーチ以上の演出が実行される。
ステップS306において、CPU401は、以下に説明する「通常」保留変化予告演出設定処理を行う。その後、処理は図21のステップS113に移る。
[「通常」保留変化予告演出設定処理]
図26は、図23のステップS306の「通常」保留変化予告演出設定処理の詳細フローチャートの一例である。図52は、装飾図柄、保留画像、および消化保留画像の表示の概要について説明するための具体図である。図53及び図54は、「通常」保留変化予告演出について説明するための具体図である。
まず、図52を用いて、特別図柄抽選が行われてその結果を報知するために装飾図柄DIが変動表示されてから停止表示される様子、特別図柄抽選が保留されていることを示す保留画像RIが消化されて、この保留画像RIに係る装飾図柄DIによる変動表示(報知演出)が行われていることを示す消化保留画像KIが表示される様子を説明する。装飾図柄DIは、特別図柄抽選の判定結果を演出的に報知するための図柄(本実施形態では数字の「1」〜「9」等を表す図柄)であり、本実施形態では3つの装飾図柄DI1〜DI3の列を用いて特別図柄抽選の結果を演出的に報知する。このように、装飾図柄DIが変動表示されてから停止表示されることによって特別図柄抽選の結果を報知する演出を、報知演出(「変動演出」、又は単に「変動」)という。また、報知演出は、様々な演出画像の表示や様々な演出音声の出力等を含む場合がある。
ここで、本実施形態では、通常遊技状態(非時短状態かつ非電サポ状態)においては第1特別図柄抽選が保留されていることを示す保留画像および第1特別図柄抽選が実行されていることを示す消化保留画像が表示される一方で、確変遊技状態(時短状態かつ電サポ状態)においては第2特別図柄抽選が保留されていることを示す保留画像および第2特別図柄抽選が実行されていることを示す消化保留画像が表示される。図52以降では、通常遊技状態において第1特別図柄抽選が保留されていることを示す保留画像および第1特別図柄抽選が実行されていることを示す消化保留画像が表示される場合を例に説明するが、確変遊技状態において第2特別図柄抽選が保留されていることを示す保留画像および第2特別図柄抽選が実行されていることを示す消化保留画像が表示される場合も同様である。
まず、図52(1)に示すように、画像表示部6には、装飾図柄DI(DI1〜DI3)、保留画像RI(RI1〜RI4)、消化保留画像KI、ステージST(ST0〜ST4)が表示される。装飾図柄DIは、3つの(3列の)装飾図柄DI1〜DI3から構成されて画像表示部6に表示される。より具体的には、左側に左装飾図柄DI1が表示され、右側に右装飾図柄DI2が表示され、中央に中装飾図柄DI3が表示される。この左右中装飾図柄DI1〜DI3は、特別図柄の変動表示に応じて(変動表示に同期して)変動表示される。
特別図柄の変動表示が表示器4により開始すると(つまり、報知演出が開始されると)、左右中装飾図柄DI1〜DI3が変動表示される。その後、図52(1)に示すように、左装飾図柄DI1として、例えば数字「1」が描かれた図柄が仮停止する。その後、図52(2)に示すように、右装飾図柄DI2として、例えば数字「6」が描かれた図柄が仮停止する。その後、中装飾図柄DI3として、例えば数字「2」が描かれた図柄が仮停止した後、図3523)に示すように、3つの装飾図柄DI1〜DI3が完全に停止する(確定停止表示する)。このタイミングで今回の特別図柄の変動表示が終了して(つまり、今回の報知演出が終了して)第1特別図柄抽選の結果が遊技者に報知される。具体的には、装飾図柄DIが、当り目となる特定の図柄パターン(典型的にはゾロ目「777」等)で揃うことで第1特別図柄抽選の結果が大当りであることが報知され、特定の図柄で揃わないことで(ハズレ目:典型的にはバラケ目「692」等)、第1特別図柄抽選の結果がハズレであることが報知される。そして、図52(4)に示すように、以降同様に次の特別図柄の変動表示に応じて装飾図柄DIの変動表示が開始される。なお、仮停止とは、装飾図柄DIの変動が仮に停止したと遊技者が認識できる態様で停止されることをいい、完全に停止しているわけではなく、例えば、上下に僅かに変動した状態(揺れ動いている状態)で表示される。これにより、特別図柄が未だ変動中であることが示される。なお、図52以後では、装飾図柄DIが上から下に変動している様子を矢印で表現している。
保留画像RIは、遊技者に第1特別図柄抽選が保留されている数を示すための画像である。また、画像表示部6には、保留画像RIがそれぞれ表示される位置となる複数のステージST1〜ST4が表示される。図52に示した一例では、画像表示部6の下部領域に左右方向にそれぞれ列設された複数のステージST1〜ST4の上に、第1特別図柄抽選が保留されている回数それぞれに対応する保留画像RIが表示される。
消化保留画像KIは、保留画像が示す特別図柄抽選の保留が消化されてこの特別図柄抽選が実行されてその抽選結果を報知する報知演出(装飾図柄の変動表示)が行われていることを示すための画像である。また、画像表示部6には、消化保留画像KIが表示される位置となるステージST0が表示される。図52に示した一例では、ステージST1の右側に配置されたステージST0の上に、消化保留画像KIが表示される。消化保留画像KIは、第1特別図柄抽選における特別図柄の変動が終了するまで(つまり、報知演出が終了するまで)表示される。
図52(1)に示すように、ステージST0には、現時点において第1特別図柄抽選における特別図柄の変動中(装飾図柄の変動中)となっていることを示す消化保留画像KIが表示される。また、ステージST0の左隣に配置されているステージST1には、第1特別図柄抽選が保留されており、次に第1特別図柄抽選が行われる予定となっている保留(第1保留)に対応する保留画像RI1が表示される。また、ステージST1の左隣に配置されているステージST2には、上記第1保留の次に第1特別図柄抽選が行われる予定となっている保留(第2保留)に対応する保留画像RI2が表示される。また、ステージST2の左隣に配置されているステージST3には、上記第2保留の次に第1特別図柄抽選が行われる予定となっている保留(第3保留)に対応する保留画像RI3が表示される。また、ステージST3の左隣に配置されているステージST4には、上記第3保留の次に第1特別図柄抽選が行われる予定となっている保留(第4保留)に対応する保留画像RI4が表示される。
ステージST1〜ST4にそれぞれ表示された保留画像RIは、第1特別図柄抽選が終了するごとに、順次表示位置を変更する(つまり、シフト移動する)。以下、具体的に説明する。まず、図52(1)〜(3)に示す装飾図柄DIの変動表示(報知演出)において、この変動表示に対応する消化保留画像KIがステージST0上に表示されている。そして、図52(1)〜(3)に示す装飾図柄DIの変動表示が終了すると、この変動表示に対応する消化保留画像KIがステージST0上から消滅する(消える)。そして、図52(4)に示すように、装飾図柄DIの次の変動表示(次の報知演出)が開始されると共に、ステージST1に表示されていた保留画像RI1は消化して、消化保留画像KIとしてステージST0へ移動する。より正確には、報知演出の開始に応じて保留画像RI1が消化すると共に、この報知演出の変動表示が行われていることを示す消化保留画像KIがステージST0上に表示される。同様に、ステージST2〜ST4に表示されていた保留画像RI2〜RI4は、それぞれ、ステージST2〜ST4からステージST1〜ST3へ移動する。このように、保留画像RIは、第1特別図柄抽選の保留が消化されるごとに、順次ステージSTを移動していく。
ここで、図52(4)の消化保留画像KIは、保留画像RI1が消化して表示された消化保留画像であるため、保留画像RI1が消化した消化保留画像KIと呼んでもよい。以下では、この様な呼び方で消化保留画像KIを区別して呼ぶ場合がある。
図53は、本実施形態における保留画像および消化保留画像の通常表示態様および先読み表示態様について説明するための図である。保留画像および消化保留画像は、図53(1)に示すように通常表示態様として白色の人間キャラの画像で表示され、図53(2)に示すように先読み予告表示態様として青色、緑色、赤色又は虹色(7色の縞模様の色)の人間キャラの画像で表示される。図53以降では、図示都合上、「白」の文字を付して白色を表し、「青」の文字を付して青色を表し、「緑」の文字を付して緑色を表し、「赤」の文字を付して赤色を表し、「虹」の文字を付して虹色を表している。なお、白色の人間キャラの画像が点滅表示されることによって、先読み予告表示態様に色変化する可能性が示唆される場合がある。
ここで、既に説明したように、本実施形態では、保留された特別図柄抽選の結果が、この特別図柄抽選における図柄変動が開始される直前の通知に先立って、メイン制御部100から演出制御部400に通知される(図12等参照)。つまり、メイン制御部100が大当り抽選の結果を「先読み」して演出制御部400に通知する。そして、この先読み(事前判定)に基づいて図53(2)に示すような先読み予告表示態様で保留画像を表示することによって、特別図柄抽選において当選する信頼度(大当り信頼度、大当り期待度)が相対的に高い保留が存在することを、前もって遊技者に示唆して期待させる。以下では、この先読み(事前判定)に基づいて、特別図柄抽選において当選する信頼度が相対的に高いことを示唆される保留画像を「先読み対象保留画像」という場合がある。また、図53(2)に示すような先読み予告表示態様で消化保留画像を表示することによって、今回の特別図柄抽選(今回の報知演出)において当選した信頼度(大当り信頼度)が相対的に高いことを、遊技者に示唆して期待させる。なお、以下では、先読み対象保留画像が消化して表示される消化保留画像を、「先読み消化保留画像」という場合がある。また、先読み対象保留画像ではない他の保留画像を、「非先読み対象保留画像」という場合があり、非先読み対象保留画像が消化して表示される消化保留画像を、「非先読み消化保留画像」という場合がある。
図53(3)は、保留画像および消化保留画像の色と、報知演出の演出パターンと、大当り信頼度との関係を示す図である。図53(3)に示すように、保留画像および消化保留画像の青色は、ノーマルリーチ以上まで実行される演出パターンの報知演出が実行されることを示唆し(図14等参照)、これにより、大当り信頼度が低いことを示唆する。また、保留画像および消化保留画像の緑色は、SPリーチ以上まで実行される演出パターンの報知演出が実行されることを示唆し、これにより、大当り信頼度が中程度であることを示唆する。保留画像および消化保留画像の赤色は、SPSPリーチ以上まで実行される演出パターンの報知演出が実行されることを示唆し、これにより、大当り信頼度が高いことを示唆する。保留画像および消化保留画像の虹色は、大当り報知される演出パターンの報知演出が実行されることを報知し、これにより、大当り確定を報知する。例えば、赤色の保留画像は、図14〜図17を用いて説明した第1〜第3SPSP当りおよび第1〜第3SPSPハズレの何れかの演出パターンの報知演出が実行されることを示唆する。
以下に、図26〜図28および図54を用いて、「通常」保留変化予告演出設定処理について具体的に説明する。
まず、図26のステップS321において、演出制御部400のCPU401は、先読み対象保留画像(図21のステップS111で今回受信した保留増加コマンドに係る保留を示す保留画像)の変化パターンを決定する。具体的には、CPU401は、図21のステップS111で今回受信した保留増加コマンドに含まれる事前判定情報が示す変動パターンが対応する演出パターンのタイプ(図14等参照)に基づいて、図28に示す最終変化態様決定テーブルを用いた演出乱数による抽選により先読み対象保留画像(又は先読み消化保留画像)の最終変化態様を決定する。例えば、CPU401は、上記の事前判定情報が示す変動パターンが対応する演出パターンのタイプが「SPリーチハズレ」の場合、演出乱数による抽選により最終変化態様を、10%の確率で点滅(白色の点滅)と決定し、40%の確率で青色と決定し、50%の確率で緑色と決定する。なお、説明の簡単のため、点滅も色変化(変化色)の一つとして表現する場合がある。そして、CPU401は、上記した事前判定情報が示す変動パターンが対応する演出パターンのタイプ、および、決定した最終変化態様に基づいて、第1特別図柄抽選の保留画像だけを表示する通常遊技状態では第1特別図柄抽選の保留数(第1保留データの数)に応じて、第2特別図柄抽選の保留画像だけを表示する確変遊技状態では第2特別図柄抽選の保留数(第2保留データの数)に応じて、先読み対象保留画像が最終変化態様に変化するまでの変化パターンを演出乱数を用いた抽選によって決定する。図27は、第1特別図柄抽選の保留画像だけを表示する通常遊技状態における第1特別図柄抽選の保留数が4つの場合の変化パターンの具体例である。例えば、CPU401は、演出パターンのタイプが「SPリーチハズレ」の場合において、最終変化態様が緑色と決定された場合、図27(4)の変化パターン2、3、5、6のうちの1つを決定する。この場合において、図27(4)の変化パターン6が決定されると、先読み対象保留画像は、表示開始時の変動(入賞時)から青色で表示され、次の変動(3変動前)も青色のまま表示され、その次の変動(2変動前)で緑色に変化し、その次の変動(1変動前)も緑色のまま表示され、その後、先読み消化保留画像の変動(消化変動)でも緑色のまま表示される。このように、先読み対象保留画像および先読み消化保留画像は、大当り信頼度が低下しないように変化する。なお、他の実施形態では、大当り信頼度が低下するように変化する場合があるものとしてもよい。
図54は、通常遊技状態において第1特別図柄抽選の保留画像(先読み対象保留画像)等の最終変化態様が赤色に決定された場合の変化パターンの画面例である。まず、図54(1)に示すように、RI0が消化したKIの変動中(報知演出実行中)に第1始動口21に遊技球が入賞して第1特別図柄抽選の保留画像RI3(つまり、最終変化色が赤色に決定された先読み対象保留画像RI3)がステージST3に表示される。次に、図54(2)に示すように、RI1が消化したKIの変動開始時に、先読み対象保留画像RI3が青色に変化する。次に、図54(3)に示すように、RI2が消化したKIの変動開始時に、先読み対象保留画像RI3が最終変化色の赤色に変化する。次に、図54(4)に示すように、先読み対象保留画像RI3が消化したKIの変動(つまり、先読み対象保留画像RI3が消化して実行される報知演出)において、大当り信頼度の高いSPSPリーチ演出が実行される。なお、本実施形態では、先読み対象保留画像の態様変化の回数は1つの変動で1回までであり、図51等を用いて後述するように先読み消化保留画像の態様変化は複数回の場合があるものとするが、先読み対象保留画像の態様変化の回数は1つの変動で複数回変化する場合があるものとしてもよい。
以上のようにして、ステップS321において、先読み対象保留画像等の変化パターンが決定された後に、処理はステップS322に移る。
ステップS322において、CPU401は、ステップS321で決定した変化パターンを、画像音響制御部500に対する指示情報として設定する。その後、処理は図21のステップS113に移り、この指示情報が保留表示コマンドに含められることとなる。そして、後述する図47のステップS717の画像音響制御部500による先読み保留予告演出進行処理によって、この指示情報に基づいて「通常」保留変化予告演出が進行制御される。この結果として、保留画像等の色変化により前もって大当り信頼度を予告する非常に効果的な先読み保留予告演出が実行される。
ここで、図23のステップS313の処理で「通常」保留変化予告演出のガセ演出の実行が決定された場合の先読み対象保留画像(又は先読み消化保留画像)の変化パターンの具体例について、図29を用いて説明する。図29は、第1特別図柄抽選の保留画像だけを表示する通常遊技状態における第1特別図柄抽選の保留数が4つの場合の「通常」保留変化予告演出のガセ演出の変化パターンの具体例である。この場合、演出乱数による抽選によって例えば図29の変化パターン4が決定されると、先読み対象保留画像は、表示開始時の変動(入賞時)から2変動前までは白色で表示され、1変動前からは白色の点滅態様で表示される。
[「メンバ集合」保留変化予告演出設定処理]
図30は、図23のステップS307の「メンバ集合」保留変化予告演出設定処理の詳細フローチャートの一例である。図55〜図58は、「メンバ集合」保留変化予告演出について説明するための具体図である。ここで、「メンバ集合」保留変化予告演出は、消化保留画像が特定の表示態様(所定のコンビ又は所定のトリオの表示態様)になることによってこの消化保留画像に係る変動(報知演出)でSPリーチ演出以上の大当りを期待させる演出が実行されることを示唆すると共に特定の表示態様になった際に表示されるカットイン予告画像の色によって大当り信頼度を示唆し、又、特定の表示態様の消化保留画像になり得ることを保留画像の表示態様で予め示唆する演出である。以下に、図30、図55〜図58を用いて、「メンバ集合」保留変化予告演出設定処理について具体的に説明する。
まず、図30のステップS331において、演出制御部400のCPU401は、表示される保留画像数が2であるか否かを判定する。具体的には、CPU401は、第1特別図柄抽選が主に実行され第1特別図柄抽選の保留画像だけが表示される通常遊技状態(非電サポ状態かつ非時短状態)では、今回追加された保留の保留画像を含めて、第1特別図柄抽選の保留画像数(つまり、第1保留データの数)が2であるか否かを判定し、一方、第2特別図柄抽選が主に実行され第2特別図柄抽選の保留画像だけが表示される確変遊技状態(電サポ状態かつ時短状態)では、今回追加された保留の保留画像を含めて、第2特別図柄抽選の保留画像数(つまり、第2保留データの数)が2であるか否かを判定する。ステップS331での判定がYESの場合、処理はステップS332に移り、この判定がNOの場合、処理はS333に移る。
ステップS332において、CPU401は、設定する「メンバ集合」保留変化予告演出の種類を「コンビ集合」に決定する。つまり、「メンバ集合」保留変化予告演出として、所定のコンビが集合する方向の予告演出を実行することを決定する。この所定のコンビは、本実施形態では、実在するお笑い芸人のコンビ(2人組)XとYである。その後、処理はステップS335に移る。
ステップS333において、CPU401は、設定する「メンバ集合」保留変化予告演出の種類を「トリオ集合」にするか否かを判定する。つまり、「メンバ集合」保留変化予告演出として、所定のトリオが集合する方向の予告演出を実行するのか、上記した所定のコンビが集合する方向の予告演出を実行するのかを、演出乱数を用いた抽選によって決定する。この所定のトリオは、本実施形態では、実在するお笑い芸人のトリオ(3人組)AとBとCである。ステップS333での判定がYESの場合、処理はステップS334に移り、この判定がNOの場合、処理はS332に移る。
ステップS334において、CPU401は、設定する「メンバ集合」保留変化予告演出の種類を「トリオ集合」に決定する。つまり、「メンバ集合」保留変化予告演出として、上記した所定のトリオが集合する方向の予告演出を実行することを決定する。その後、処理はステップS335に移る。
ステップS335において、CPU401は、「メンバ集合」保留変化予告演出のパターンを決定する。具体的には、CPU401は、図21のステップS111で今回受信した保留増加コマンドに含まれる事前判定情報が示す変動パターンに対応する報知演出の演出パターンタイプ(図14等参照)に基づいて、「メンバ集合」保留変化予告演出のパターンを決定する。より具体的には、CPU401は、上記した報知演出の演出パターンタイプがノーマルリーチ当り又はハズレの場合には、80%の割合(収束率)でコンビ集合失敗パターンを選択し20%の割合(収束率)でトリオ集合失敗パターンを選択し、上記した報知演出の演出パターンタイプがSPリーチ当り又はハズレ、又はSPSPリーチ当り又はハズレの場合には、40%の割合(収束率)でコンビ集合成功パターンを選択し60%の割合(収束率)でトリオ集合成功パターンを選択する。そして、CPU401は、コンビ集合成功パターン又はトリオ集合成功パターンを選択した場合、上記した報知演出の演出パターンタイプに基づいて、図32に示すカットイン予告画像色決定テーブルを用いた演出乱数による抽選によって、コンビ集合成功時又はトリオ集合成功時に大当り信頼度を示唆するカットイン予告画像の色を決定する。例えば、CPU401は、上記した報知演出の演出パターンタイプがSPリーチハズレの場合、カットイン予告画像の色として、70%の確率で緑色を決定し、30%の確率で赤色を決定する。ステップS335において、コンビ集合失敗パターンを決定した場合には処理はステップS336に移り、コンビ集合成功パターンを決定した場合には処理はステップS337に移り、トリオ集合失敗パターンを決定した場合には処理はステップS338に移り、トリオ集合成功パターンを決定した場合には処理はステップS339に移る。なお、上記したステップS333の処理が実行されるのは保留画像数が3以上の場合なので(図23のS303の内容を参照)、ステップS335の処理でトリオ集合失敗のパターンが決定されてトリオ集合方向の演出が実行された場合において、保留画像の数が足りないことにより集合が失敗すると遊技者に認識されてしまうことを防止できる。
ステップS336において、CPU401は、「メンバ集合」保留変化予告演出として、コンビ集合が失敗するパターンを設定する。その後、処理は図21のステップS113に移る。
ステップS337において、CPU401は、「メンバ集合」保留変化予告演出として、コンビ集合が成功するパターンを設定する。その後、処理は図21のステップS113に移る。
ステップS338において、CPU401は、「メンバ集合」保留変化予告演出として、トリオ集合が失敗するパターンを設定する。その後、処理は図21のステップS113に移る。
ステップS339において、CPU401は、「メンバ集合」保留変化予告演出として、トリオ集合が成功するパターンを設定する。その後、処理は図21のステップS113に移る。
図55は、第1特別図柄抽選の保留画像が表示される通常遊技状態において実行される、コンビ集合が成功(又は失敗)するパターンの「メンバ集合」保留変化予告演出の具体例である。
まず、図55(1)に示すように、RI0が消化したKIの変動中(報知演出実行中)に第1始動口21に遊技球が入賞して第1特別図柄抽選の保留画像RI2(つまり、先読み対象保留画像RI2)がステージST2に表示されると共に、先読み対象保留画像RI2が消化して表示される消化保留画像KIが所定のコンビ(キャラXとキャラY)の表示態様になり得ることを示唆する右手を上げた表示態様で保留画像RI1およびRI2が表示される。
次に、図55(2)に示すように、RI1が消化したKIの変動が開始されて、右手を上げた表示態様を継続してこのKIがステージTS0に表示されると共に、右手を上げた表示態様のRI2がステージTS1に移動する。
そして、図55(3)に示すように、RI1が消化したKIの変動の停止直前(例えば、0.5秒前)に、このKIがステージTS0の中に落ちかける演出を行った後に、このKIが足を踏ん張って落下回避すると共にKIの顔部分をキャラX(キャラXの顔)に変化させて、ステージTS0にキャラXが居座った演出を実行する。また、その際に、「KEEP!」の文字を書いた吹き出し画像を表示することで、キャラXが居座った演出を遊技者が認識し易くする。
次に、図55(4)に示すように、先読み対象保留画像RI2が消化したKIの変動開始時に、このKIをキャラXとキャラYのコンビが完成した表示態様(キャラXとキャラYの顔のコンビ)で表示すると共に大当り信頼度を示唆する色でカットイン予告画像eを表示してから、SPリーチ演出以上まで実行される。ここで、図58は、コンビ又はトリオの集合成功時に表示されるカットイン予告画像eの色と、報知演出の演出パターン等との関係をまとめた図である。なお、先読み対象保留画像RI2が消化したKIの変動開始の際に、RI1が消化したキャラXの表示態様のKI(図55(3)参照)を背景画像にしてステージST0上に表示継続し、先読み対象保留画像RI2(図55(3)参照)を消化して先読み消化保留画像KIとしてステージST0上に表示する際にキャラYの表示態様に変化させる制御構成としてもよい。つまり、図55(4)のステージST0上の画像のうち、キャラYの画像を先読み消化保留画像KIにし、キャラXの画像を背景画像にするように表示制御してもよい。また、同様の方法で、後述する図56(4)〜(6)のステージST0上の画像を表示制御してもよい。
ここで、保留画像が右手を上げた表示態様で表示されるタイミングには、様々なタイミングがあり、先読み対象保留画像が表示開始された時点で右手を上げて表示される場合や、先読み対象保留画像が表示されてから所定時間経過後(例えば、0.2秒後、1.0秒後)に右手を上げて表示される場合がある。
また、ステップS333でNOと判定された後にステップS336又はS337の処理を実行する場合は、保留画像が3つ以上表示されることとなるが、この場合には、ステップS336又はS337において、先読み対象保留画像を右手を上げた表示態様で表示し、演出乱数を用いた抽選によって他の保留画像のうちの1つを右手を上げた表示態様で表示する。
一方、図55(3−1)に示すように、RI1が消化したKIの変動の停止直前にこのKIがステージTS0の中に落ちかける演出を行った後に落ちて、居座り失敗の演出が実行された場合には、「メンバ集合」保留変化予告演出は終了する。この場合には、RI2は右手を上げた表示態様から元の白色の表示態様に戻る。
図55(3−1)に続いて、図55(4−2)に示すように、RI2が消化したKIの変動においてノーマルリーチ演出までが実行される。この場合、大当り信頼度を示唆するカットイン予告画像eは表示されない。
以上のように、ステップS336又はS337において、CPU401は、「メンバ集合」保留変化予告演出としてコンビ集合が成功又は失敗するパターンを設定し、その内容を、画像音響制御部500に対する指示情報として設定する。その後、処理は図21のステップS113に移り、この指示情報が保留表示コマンドに含められることとなる。そして、後述する図47のステップS717の画像音響制御部500による先読み保留予告演出進行処理によって、この指示情報に基づいてコンビ集合が成功又は失敗するパターンの「メンバ集合」保留変化予告演出が進行制御される。この結果として、右手を上げた表示態様で保留画像が表示されることによって後の変動でコンビ完成することを期待させ、コンビ完成すると大当り信頼度を示唆するカットイン予告が行われる非常に効果的な「メンバ集合」保留変化予告演出が実行される。
なお、図23のステップS313での決定によって、図55(3−1)に続いて図55(4−1)に示すように、RI2が消化したKIの変動において白のまま変化せず即ハズレの演出が実行される(つまり、「メンバ集合」保留変化予告演出のガセ演出が実行される)場合がある。この場合も、大当り信頼度を示唆するカットイン予告画像eは表示されない。
図56は、第1特別図柄抽選の保留画像が表示される通常遊技状態において実行される、トリオ集合が成功(又は失敗)するパターンの「メンバ集合」保留変化予告演出の具体例である。
まず、図56(1)に示すように、RI0が消化したKIの変動中(報知演出実行中)に第1始動口21に遊技球が入賞して第1特別図柄抽選の保留画像RI3(つまり、先読み対象保留画像RI3)がステージST3に表示されると共に、先読み対象保留画像RI3が消化して表示される消化保留画像KIが所定のトリオ(キャラAとキャラBとキャラC)の表示態様になり得ることを示唆する右手を上げた表示態様で保留画像RI1〜RI3が表示される。
次に、図56(2)に示すように、RI1が消化したKIの変動(報知演出)が開始されて、右手を上げた表示態様を継続してこのKIがステージTS0に表示されると共に、右手を上げた表示態様のRI2およびRI3がステージTS1およびTS2にそれぞれ移動する。
そして、図56(3)に示すように、RI1が消化したKIの変動の停止直前(例えば、0.5秒前)に、このKIがステージTS0の中に落ちかける演出を行った後に、このKIが足を踏ん張って落下回避すると共にKIの顔部分をキャラA(キャラAの顔)に変化させて、ステージTS0にキャラAが居座った演出を実行する。また、その際に、「KEEP!」の文字を書いた吹き出し画像を表示することで、キャラAが居座った演出を遊技者が認識し易くする。
一方、図56(3−1)に示すように、RI1が消化したKIの変動の停止直前にこのKIがステージTS0の中に落ちかける演出を行った後に落ちて、居座り失敗の演出が実行された場合には、「メンバ集合」保留変化予告演出は終了する。この場合には、RI2およびRI3は右手を上げた表示態様から元の白色の表示態様に戻る。
次に、図56(4)に示すように、RI2が消化したKIの変動開始時に、このKIをキャラAとキャラB(キャラAとキャラBの顔)で表示すると共に、右手を上げた表示態様のRI3がステージTS1に移動する。
そして、図56(5)に示すように、RI2が消化したKIの変動の停止直前(例えば、0.5秒前)に、このKIがステージTS0の中に落ちかける演出を行ってからステージTS0に居座った演出を実行する。また、その際に、「KEEP!」の文字を書いた吹き出し画像を表示することで、キャラAとキャラBが居座った演出を遊技者が認識し易くする。
一方、図56(5−1)に示すように、RI2が消化したKIの変動の停止直前にこのKIがステージTS0の中に落ちかける演出を行った後に落ちて、居座り失敗の演出が実行された場合には、「メンバ集合」保留変化予告演出は終了する。この場合には、RI3は右手を上げた表示態様から元の白色の表示態様に戻る。
次に、図56(6)に示すように、先読み対象保留画像RI3が消化したKIの変動開始時に、このKIをキャラAとキャラBとキャラCのトリオが完成した表示態様(キャラAとキャラBとキャラCの顔のトリオ)で表示すると共に大当り信頼度を示唆する色でカットイン予告画像eを表示してから(図58参照)、SPリーチ演出以上まで実行される。
ここで、保留画像が右手を上げた表示態様で表示されるタイミングには、上記したコンビ集合の場合と同様に、様々なタイミングがある。
一方、図56(3−1)又は(5−1)に続いて、図57(6−1)に示すように、RI3が消化したKIの変動においてノーマルリーチ演出までが実行される。この場合、大当り信頼度を示唆するカットイン予告画像eは表示されない。
以上のように、ステップS338又はS339において、CPU401は、「メンバ集合」保留変化予告演出としてトリオ集合が成功又は失敗するパターンを設定し、その内容を、画像音響制御部500に対する指示情報として設定する。その後、処理は図21のステップS113に移り、この指示情報が保留表示コマンドに含められることとなる。そして、後述する図47のステップS717の画像音響制御部500による先読み保留予告演出進行処理によって、この指示情報に基づいてトリオ集合が成功又は失敗するパターンの「メンバ集合」保留変化予告演出が進行制御される。この結果として、右手を上げた表示態様で保留画像が表示されることによって後の変動でトリオ完成することを期待させ、トリオ完成すると大当り信頼度を示唆するカットイン予告が行われる非常に効果的な「メンバ集合」保留変化予告演出が実行される。
[「大物かも」保留変化予告演出設定処理]
図33は、図23のステップS308の「大物かも」保留変化予告演出設定処理の詳細フローチャートの一例である。図59及び図60は、「大物かも」保留変化予告演出について説明するための具体図である。ここで、「大物かも」保留変化予告演出は、先読み対象保留画像を特定の表示態様(腰に手を当ててふんぞり返った表示態様)にすると共に、他の保留画像(非先読み対象保留画像)および消化保留画像(非先読み消化保留画像)にこの先読み対象保留画像に向かってアクションを行わせ、このアクションの種類によって、先読み対象保留画像が消化された消化保留画像の表示態様を示唆すると共に、先読み対象保留画像が消化される変動(報知演出)の演出パターン(大当り信頼度)を予め示唆する演出である。以下に、図33〜図35、図59及び図60を用いて、「大物かも」保留変化予告演出設定処理について具体的に説明する。
まず、図33のステップS352において、演出制御部400のCPU401は、先読み消化保留画像の表示態様を決定する。具体的には、CPU401は、図21のステップS111で今回受信した保留増加コマンドに含まれる事前判定情報が示す変動パターン(図14等参照;つまり、報知演出の演出パターンのタイプ)に基づいて、図34に示すキャラ決定テーブルを用いた演出乱数による抽選により、先読み消化保留画像の表示態様(キャラ)を決定する。例えば、CPU401は、上記した演出パターンのタイプがSPリーチ当りの場合、40%の確率でキャラDを決定し、50%の確率でキャラEを決定し、10%の確率でキャラGを決定する。
ステップS352において、CPU401は、先読み対象保留画像ではない保留画像(非先読み対象保留画像)、および、非先読み対象保留画像が消化した消化保留画像(非先読み消化保留画像)のアクションを決定する。具体的には、CPU401は、図21のステップS111で今回受信した保留増加コマンドに含まれる事前判定情報が示す変動パターン(図14等参照;つまり、報知演出の演出パターンのタイプ)、および、ステップS352で決定したキャラに基づいて、図35に示すアクション決定テーブルを用いた演出乱数による抽選により、先読み対象保留画像ではない保留画像(非先読み対象保留画像)、および、非先読み対象保留画像が消化した消化保留画像(非先読み消化保留画像)のアクションを決定する。例えば、CPU401は、上記した演出パターンのタイプがSPリーチ当り又はハズレで、ステップS352でキャラEが決定された場合、50%の確率で会釈アクションを決定し、50%の確率で敬礼アクションを決定する。その後、処理は、ステップS352で決定されたアクションに対応した処理に移る。具体的には、ステップS352で会釈アクションが決定された場合には処理はステップS353に移り、ステップS352で敬礼アクションが決定された場合には処理はステップS354に移り、ステップS352で土下座アクションが決定された場合には処理はステップS355に移り、ステップS352でバンザイアクションが決定された場合には処理はステップS356に移る。
ステップS353において、CPU401は、「大物かも」保留変化予告演出として、先読み対象保留画像に向けて他の保留画像および他の消化保留画像が会釈アクションを行うパターンを設定する。その後、処理は図21のステップS113に移る。
ステップS354において、CPU401は、「大物かも」保留変化予告演出として、先読み対象保留画像に向けて非先読み対象保留画像および非先読み消化保留画像が敬礼アクションを行うパターンを設定する。その後、処理は図21のステップS113に移る。
ステップS355において、CPU401は、「大物かも」保留変化予告演出として、先読み対象保留画像に向けて非先読み対象保留画像および非先読み消化保留画像が土下座アクションを行うパターンを設定する。その後、処理は図21のステップS113に移る。
ステップS356において、CPU401は、「大物かも」保留変化予告演出として、先読み対象保留画像に向けて非先読み対象保留画像および非先読み消化保留画像がバンザイアクションを行うパターンを設定する。その後、処理は図21のステップS113に移る。
図59(1)は、非先読み対象保留画像および非先読み消化保留画像のアクションと、先読み消化保留画像のキャラ(顔)と、報知演出の演出パターンと、大当り信頼度との関係をまとめた図である。図59(1)に示すように、非先読み対象保留画像および非先読み消化保留画像の会釈アクションは、ノーマルリーチ以上まで実行される演出パターンの報知演出が実行されることを示唆し(図14等参照)、これにより、大当り信頼度が「低」以上であることを示唆する。また、非先読み対象保留画像および非先読み消化保留画像の敬礼アクションは、SPリーチ以上まで実行される演出パターンの報知演出が実行されることを示唆し、これにより、大当り信頼度が「中」以上であることを示唆する。非先読み対象保留画像および非先読み消化保留画像の土下座アクションは、SPSPリーチ以上まで実行される演出パターンの報知演出が実行されることを示唆し、これにより、大当り信頼度が「高」以上であることを示唆する。非先読み対象保留画像および非先読み消化保留画像のバンザイアクションは、ノーマルリーチ以上まで実行されてから大当り報知される演出パターンの報知演出が実行されることを報知し、これにより、大当り確定を報知する。
また、図59(1)および(2)に示すように、上記の会釈アクションが実行された場合には先読み消化保留画像はキャラD(キャラDの顔)以上で表示され、上記の敬礼アクションが実行された場合には先読み消化保留画像はキャラE(キャラEの顔)以上で表示され、上記の土下座アクションが実行された場合には先読み消化保留画像はキャラF(キャラFの顔)以上で表示され、上記のバンザイアクションが実行された場合には先読み消化保留画像はキャラG(キャラGの顔)で表示される。ここで、キャラDからGは、実在のお笑い芸人であり、キャラDからGの順に、より大物の芸人である。
図60は、第1特別図柄抽選の保留画像が表示される通常遊技状態において実行される、敬礼アクションを行うパターンの「大物かも」保留変化予告演出の具体例である。なお、会釈アクションを行うパターン、土下座アクションを行うパターン、およびバンザイアクションを行うパターンは、何れも、以下に説明する敬礼アクションを行うパターンのアクションを置き換えたものであるため、具体的な説明は省略する。
まず、図60(1)に示すように、RI0が消化したKIの変動中(報知演出実行中)に第1始動口21に遊技球が入賞して第1特別図柄抽選の保留画像RI2(つまり、先読み対象保留画像RI2)がステージST2に表示されると共に、先読み対象保留画像RI2が消化された先読み消化保留画像KIがキャラD〜Gの何れかで表示されることを示唆する腰に手を当ててふんぞり返った表示態様(「大物かも」示唆態様)に、先読み対象保留画像RI2が変化する。
その後、図60(2)に示すように、「大物かも」示唆態様の先読み対象保留画像RI2に向かって、非先読み対象保留画像RI1および非先読み消化保留画像KI(RI0)が敬礼アクションを行うことによって、先読み対象保留画像RI2が消化された変動でSPリーチ演出以上の大当りを期待させる演出が実行されて大当り信頼度が「中」以上に高いことが示唆される。
次に、図60(3)に示すように、RI1が消化したKIの変動中においても、「大物かも」示唆態様の先読み対象保留画像RI2に向かって、非先読み対象保留画像RI3および非先読み消化保留画像KI(RI1)が敬礼アクションを行うことによって、先読み対象保留画像RI2が消化された変動でSPリーチ演出以上の大当りを期待させる演出が実行されて大当り信頼度が「中」以上に高いことが示唆される。ここで、図60(3)の例では、新たに第1特別図柄抽選の保留が発生して非先読み対象保留画像RI3が追加表示されており、このRI3も敬礼アクションを行っている。この様に、本実施形態では、新たに発生した非先読み対象保留画像もアクションを行う。
次に、図60(4)に示すように、先読み対象保留画像RI2が消化した先読み消化保留画像KIの変動開始時に、このKIをキャラE(キャラEの顔)以上で表示して大当り信頼度が示唆される。図60(4)では、このKIをキャラE(キャラEの顔)で表示してから、SPリーチ演出以上の大当りを期待させる演出が実行されている。
以上のように、ステップS353〜S356において、CPU401は、「大物かも」保留変化予告演出として会釈アクションパターン〜バンザイアクションパターンの何れかを設定し、その内容を、画像音響制御部500に対する指示情報として設定する。その後、処理は図21のステップS113に移り、この指示情報が保留表示コマンドに含められることとなる。そして、後述する図47のステップS717の画像音響制御部500による先読み保留予告演出進行処理によって、この指示情報に基づいて会釈アクションパターン〜バンザイアクションパターンの何れかの「大物かも」保留変化予告演出が進行制御される。この結果として、非先読み対象保留画像等のアクションの種類によって、先読み対象保留画像が消化されて実行される変動(報知演出)の演出パターンが予め示唆されてこの変動での大当り信頼度が予め示唆される非常に演出効果の高い「大物かも」保留変化予告演出が実行される。
[「ズッコケ」保留変化予告演出設定処理]
図36は、図23のステップS309の「ズッコケ」保留変化予告演出設定処理の詳細フローチャートの一例である。図60−1、図61及び図62は、「ズッコケ」保留変化予告演出について説明するための具体図である。ここで、「ズッコケ」保留変化予告演出は、非先読み消化保留画像が所定のキャラ(実際のお笑い芸人のキャラ)で表示されて、先読み対象保留画像および非先読み対象保留画像に向けてアクション(ギャグ)を行い、これに応じて先読み対象保留画像および非先読み保留画像がこけると共に、先読み対象保留画像が色変化して、先読み対象保留画像が消化する変動(報知演出)の演出パターン(大当り信頼度)を示唆する演出である。以下に、図36〜図38、図60−1、図61及び図62を用いて、「ズッコケ」保留変化予告演出設定処理について具体的に説明する。
まず、図36のステップS361において、演出制御部400のCPU401は、先読み対象保留画像の最終変化色を決定する。具体的には、CPU401は、図21のステップS111で今回受信した保留増加コマンドに含まれる事前判定情報が示す変動パターン(図14等参照;つまり、報知演出の演出パターンのタイプ)に基づいて、図37に示す最終色決定テーブルを用いた演出乱数による抽選により、先読み対象保留画像の最終変化色を決定する。例えば、CPU401は、上記した演出パターンのタイプがSPリーチハズレの場合、50%の確率で青を決定し、50%の確率で緑を決定する。その後、処理はステップS362に移る。
ステップS362において、CPU401は、非先読み消化保留画像のキャラおよびギャグを決定する。具体的には、CPU401は、図21のステップS111で今回受信した保留増加コマンドに含まれる事前判定情報が示す変動パターン(図14等参照;つまり、報知演出の演出パターンのタイプ)、および、ステップS352で決定したキャラに基づいて、図38に示すキャラおよびギャグ決定テーブルを用いた演出乱数による抽選により、非先読み消化保留画像のキャラおよびギャグを決定する。例えば、CPU401は、上記した演出パターンのタイプがSPリーチ当り又はハズレで、ステップS361で緑色が決定された場合、50%の確率でキャラHの第1ギャグを決定し、50%の確率でキャラHの第2ギャグを決定する。ここで、このキャラHおよびIは、それぞれ、実際のお笑い芸人のキャラである。その後、処理はステップS363に移る。
ステップS363において、CPU401は、ステップS361での決定において、先読み対象保留画像の色変化があるか否かを判定する(つまり、青以上に変化するか白のままかを判定する)。ステップS363での判定がYESの場合、処理はステップS364に移り、この判定がNOの場合、処理はステップS366に移る。
ステップS364において、CPU401は、先読み対象保留画像の色変化パターンを決定する。この決定は、図27を用いて説明した「通常」保留変化予告演出の変化パターンの決定と同様にして行われる。但し、「ズッコケ」保留変化予告演出は非先読み消化保留画像のアクション(ギャグ)に応じて先読み対象保留画像が青以上に変化する演出であるため、「通常」保留変化予告演出の変化パターンに対して、白の点滅態様への変化はなく、入賞時の変化および消化変動での変化はない。その後、処理はステップS365に移る。
ステップS365において、CPU401は、「ズッコケ」保留変化予告演出として、非先読み消化保留画像をキャラで表示させてアクション(ギャグ)を行い、そのアクションに応じて全ての保留画像がこけると共に、先読み対象保留画像が色変化するパターンを設定する。具体的には、CPU401は、非先読み消化保留画像をステップS362で決定したキャラ(キャラの顔)で表示して、ステップS362での決定に応じたアクション(ギャグ)を行わせ、そのアクションに応じて全ての保留画像がこけると共に、先読み対象保留画像がステップS364での決定に応じて色変化する場合のある制御を、変動毎(報知演出毎)に実行し、最終的にステップS361での決定に応じた最終変化色に先読み対象保留画像が変化する演出のパターンを設定する。ここで、図37から分かるように、ステップS365で演出のパターンが設定された場合には、先読み消化保留画像の変動では、ノーマルリーチ以上が実行される。その後、処理は図21のステップS113に移る。
一方、ステップS366において、CPU401は、「ズッコケ」保留変化予告演出として、非先読み消化保留画像を所定のキャラで表示させてアクション(ギャグ)を行わせ、そのアクションに応じて全ての保留画像がこける一方で、先読み対象保留画像が白のまま色変化しないパターンを設定する。具体的には、CPU401は、非先読み消化保留画像をステップS362で決定したキャラ(キャラの顔)で表示して、ステップS362での決定に応じたアクション(ギャグ)を行わせ、そのアクションに応じて全ての保留画像がこける一方で、先読み対象保留画像が最後まで白のまま色変化しない制御を、変動毎(報知演出毎)に実行するパターンを設定する。ここで、図37から分かるように、ステップS366で演出のパターンが設定された場合には、先読み消化保留画像の変動では、ノーマルリーチまでが実行される。その後、処理は図21のステップS113に移る。
図60−1は、非先読み消化保留画像のキャラおよびギャグ(アクション)と、先読み対象保留画像の最終変化色と、先読み消化保留画像表示中の報知演出の演出パターンと、先読み消化保留画像表示中の報知演出の大当り信頼度との関係をまとめた図である。図60−1に示すように、非先読み消化保留画像のキャラHの第1ギャグは、最終変化色が変化なし(白)以上を示唆すると共にノーマルリーチ以上まで実行される演出パターンの報知演出が実行されることを示唆し(図14等参照)、これにより、大当り信頼度が「低」以上であることを示唆する。また、非先読み消化保留画像のキャラHの第2ギャグは、最終変化色が緑以上を示唆すると共にSPリーチ以上まで実行される演出パターンの報知演出が実行されることを示唆し、これにより、大当り信頼度が「中」以上であることを示唆する。また、非先読み消化保留画像のキャラIの第1ギャグは、最終変化色が赤以上を示唆すると共にSPSPリーチ以上まで実行される演出パターンの報知演出が実行されることを示唆し、これにより、大当り信頼度が「高」以上であることを示唆する。また、非先読み消化保留画像のキャラIの第2ギャグは、ノーマルリーチ以上まで実行されてから大当り報知される演出パターンの報知演出が実行されることを報知し、これにより、大当り確定を報知する。
図61は、第1特別図柄抽選の保留画像が表示される通常遊技状態において実行される、先読み対象保留画像の色変化が成功(又は失敗)するパターンの「ズッコケ」保留変化予告演出の具体例である。
まず、図61(1)に示すように、RI0が消化したKIの変動中(報知演出実行中)に第1始動口21に遊技球が入賞して第1特別図柄抽選の保留画像RI3(つまり、先読み対象保留画像RI3)がステージST3に表示される。
次に、図61(2)に示すように、RI1が消化したKIの変動が開始されて、このKIがステージTS0にキャラH(キャラHの顔)で表示されてから保留画像に向けて第1ギャグを行う。ここで、図61(2)の例では、新たに第1特別図柄抽選の保留が発生して非先読み対象保留画像RI4が追加表示されている。
そして、図61(3)に示すように、キャラH(KI)の第1ギャグに応じてRI2〜RI4がこけた態様に変化すると共に、先読み対象保留画像RI3を青色に感化させる。
一方、色変化を失敗させる場合には、図61(3−1)に示すように、キャラH(KI)のギャグに応じてRI2〜RI4がこけた態様に変化する一方で、先読み対象保留画像RI3は白色のままで、色変化失敗する。
次に、図61(4)に示すように、RI2が消化したKIの変動(報知演出)が開始されて、図61(2)と同様に、このKIがステージTS0にキャラH(キャラHの顔)で表示されてから保留画像に向けて第1ギャグを行う。
そして、図61(5)に示すように、キャラH(KI)の第1ギャグに応じてRI3およびRI4がこけた態様に変化すると共に、先読み対象保留画像RI3を緑色に変化させる。
一方、色変化を失敗させる場合には、図61(5−1)に示すように、キャラH(KI)の第1ギャグに応じてRI2〜RI4がこけた態様に変化する一方で、先読み対象保留画像RI3は青色のままで、色変化失敗する。
次に、図61(6)に示すように、先読み対象保留画像RI3が消化した先読み消化保留画像KIの変動において、緑色が示唆する報知演出の演出パターンとしてSPリーチ演出以上の大当りを期待させる演出が実行される。
図61(3−1)においてRI3が白のまま色変化しなかった場合に続いて、図61(3−1−2)に示すように「ズッコケ」保留変化予告演出が継続される場合、図62(7)に示すように、RI2が消化したKIの変動(報知演出)が開始されて、図61(2)と同様に、このKIがステージTS0にキャラH(キャラHの顔)で表示されてから保留画像に向けて第1ギャグを行う。
そして、図62(8)に示すように、キャラH(KI)の第1ギャグに応じてRI3およびRI4がこけた態様に変化すると共に、先読み対象保留画像RI3を緑色に変化させる。
次に、図62(9)に示すように、先読み対象保留画像RI3が消化した先読み消化保留画像KIの変動において、図61(6)と同様に、緑色が示唆する報知演出の演出パターンとしてSPリーチ演出以上の大当りを期待させる演出が実行される。
一方、色変化を失敗させる場合には、図62(8−1)に示すように、キャラH(KI)の第1ギャグに応じてRI3およびRI4がこけた態様に変化する一方で、先読み対象保留画像RI3は青色のままで、色変化失敗する。
図62(8−1)においてRI3が白のまま色変化しなかった場合に続いて、「ズッコケ」保留変化予告演出が継続される場合、図62(9−1)に示すように、先読み対象保留画像RI3が消化した先読み消化保留画像KIの変動において、白色が示唆する報知演出の演出パターンとしてノーマルリーチ演出までが実行される。
なお、図23のステップS313での決定によって、図61(3−1)に続いて図61(3−1−1)に示すように、又、図62(8−1)に続いて図61(9−2)に示すように、RI3が消化したKIの変動において白のままで即ハズレの演出が実行される(つまり、「ズッコケ」保留変化予告演出のガセ演出が実行される)場合がある。
以上のように、ステップS365又はS366において、CPU401は、「ズッコケ」保留変化予告演出として先読み対象保留画像が色変化に成功又は失敗するパターンを設定し、その内容を、画像音響制御部500に対する指示情報として設定する。その後、処理は図21のステップS113に移り、この指示情報が保留表示コマンドに含められることとなる。そして、後述する図47のステップS717の画像音響制御部500による先読み保留予告演出進行処理によって、この指示情報に基づいて先読み対象保留画像が色変化に成功又は失敗するパターンの「ズッコケ」保留変化予告演出が進行制御される。この結果として、非先読み消化保留画像がキャラになってギャグを行うことによって、全ての保留画像がこけると共に、先読み対象保留画像が色変化することで、先読み対象保留画像の変動での大当りを遊技者に期待させる非常に効果的な「ズッコケ」保留変化予告演出が実行される。
[「色変化示唆」保留変化予告演出設定処理]
図39は、図23のステップS310の「色変化示唆」保留変化予告演出設定処理の詳細フローチャートの一例である。図63〜図65は、「色変化示唆」保留変化予告演出について説明するための具体図である。ここで、「色変化示唆」保留変化予告演出は、先読み消化保留画像を色変化させ、この最終変化色を、この先読み消化保留画像に変化する前の先読み対象保留画像の表示態様(キャラの顔)で予め示唆する演出である。以下に、図39、図40、図41、図63〜図65を用いて、「色変化示唆」保留変化予告演出設定処理について具体的に説明する。
まず、図39のステップS371において、演出制御部400のCPU401は、白色から変化開始する先読み消化保留画像の最終変化色を決定する。具体的には、CPU401は、図21のステップS111で今回受信した保留増加コマンドに含まれる事前判定情報が示す変動パターン(図14等参照;つまり、報知演出の演出パターンのタイプ)に基づいて、図40に示す最終色決定テーブルを用いた演出乱数による抽選により、白色から変化開始する先読み消化保留画像の最終変化色を決定する。例えば、CPU401は、上記した演出パターンのタイプがSPリーチハズレの場合、50%の確率で青を決定し、50%の確率で緑を決定する。その後、処理はステップS372に移る。
ステップS372において、CPU401は、先読み対象保留画像のキャラを決定する。具体的には、CPU401は、図21のステップS111で今回受信した保留増加コマンドに含まれる事前判定情報が示す変動パターン(図14等参照;つまり、報知演出の演出パターンのタイプ)、および、ステップS371で決定した色に基づいて、図41に示すキャラ決定テーブルを用いた演出乱数による抽選により、先読み対象保留画像のキャラをキャラD〜Gから決定する。例えば、CPU401は、上記した演出パターンのタイプがSPリーチ当り又はハズレで、ステップS371で緑色が決定された場合、50%の確率でキャラDを決定し、50%の確率でキャラEを決定する。ここで、このキャラD〜Gは、図34のキャラD〜Gと同じであり、実際のお笑い芸人のキャラである。その後、処理はステップS373に移る。
ステップS373において、CPU401は、「色変化示唆」保留変化予告演出として、先読み対象保留画像をキャラで表示させて、この先読み対象保留画像が消化した先読み消化保留画像が服脱ぎ成功して色変化するパターンを設定する。具体的には、CPU401は、先読み対象保留画像をステップS372で決定したキャラ(キャラの顔)で表示して、キャラ表示された白色の先読み消化保留画像が服脱ぎアクションを行ってステップS371で決定した最終変化色まで変化する演出のパターンを設定する。ここで、図40から分かるように、先読み消化保留画像の変動では、ノーマルリーチ以上が実行される。その後、処理は図21のステップS113に移る。
図63(1)は、先読み対象保留画像の変化キャラ(顔)と、先読み消化保留画像の最終変化色と、報知演出の演出パターンと、大当り信頼度との関係を示す図である。
図63(1)に示すように、先読み対象保留画像の変化キャラ(顔)Dは、先読み対象保留画像の最終変化色が青以上であってノーマルリーチ以上まで実行される演出パターンの報知演出が実行されることを示唆し(図14等参照)、これにより、大当り信頼度が「低」以上であることを示唆する。また、先読み対象保留画像の変化キャラ(顔)Eは、先読み消化保留画像の最終変化色が緑以上であってSPリーチ以上まで実行される演出パターンの報知演出が実行されることを示唆し、これにより、大当り信頼度が「中」以上であることを示唆する。また、先読み対象保留画像の変化キャラ(顔)Fは、先読み消化保留画像の最終変化色が赤以上であってSPSPリーチ以上まで実行される演出パターンの報知演出が実行されることを示唆し、これにより、大当り信頼度が「高」以上であることを示唆する。また、先読み対象保留画像の変化キャラ(顔)Gは、先読み消化保留画像の最終変化色が虹色であってノーマルリーチ以上が実行されて大当り報知される演出パターンの報知演出が実行されることを報知し、これにより、大当り確定を報知する。ここで、キャラDからGは、図59を用いて説明したキャラと同じ実在のお笑い芸人であり、キャラDからGの順に、より大物の芸人である。また、図63(2)に例示するように、通常表示態様の先読み対象保留画像がキャラF(キャラFの顔)で表示されることにより、先読み消化保留画像が最終的に赤以上に変化することが示唆された後に、この先読み消化保留画像が最終的に赤以上に変化する。
図64は、第1特別図柄抽選の保留画像が表示される通常遊技状態において実行される、先読み消化保留画像が白から赤まで変化するパターンの「色変化示唆」保留変化予告演出の具体例である。
まず、図64(1)に示すように、RI0が消化したKIの変動中(報知演出実行中)に第1始動口21に遊技球が入賞して第1特別図柄抽選の保留画像RI3(つまり、先読み対象保留画像RI3)がステージST3に表示されると共に、先読み対象保留画像RI3(より正確には、先読み対象保留画像RI3の顔部分)がキャラFに変化する。
次に、図64(2)に示すように、先読み対象保留画像RI3が消化した先読み消化保留画像KIの変動でキャラFのKIが白の服を脱ごうとするアクションを行う。
次に、図64(3)に示すように、先読み消化保留画像KIの変動においてSPリーチ演出開始時(変動開始時)にKIが白の服脱ぎに成功して緑に変化する。
次に、図64(4)に示すように、先読み消化保留画像KIの変動でキャラFのKIが緑の服を脱ごうとするアクションを行う。
次に、図64(5)に示すように、先読み消化保留画像KIの変動においてSPSPリーチ演出開始時にKIが緑の服脱ぎに成功して赤に変化する。
図65は、第1特別図柄抽選の保留画像が表示される通常遊技状態において実行される、先読み消化保留画像が白から青まで変化するパターンの「色変化示唆」保留変化予告演出の具体例である。
まず、図65(1)に示すように、RI0が消化したKIの変動中(報知演出実行中)に第1始動口21に遊技球が入賞して第1特別図柄抽選の保留画像RI3(つまり、先読み対象保留画像RI3)がステージST3に表示されると共に、先読み対象保留画像RI3(より正確には、先読み対象保留画像RI3の顔部分)がキャラDに変化する。
次に、図65(2)に示すように、先読み対象保留画像RI3が消化した先読み消化保留画像KIの変動開始時にキャラDのKIが白の服を脱ごうとするアクションを行う。
次に、図65(3)に示すように、先読み消化保留画像KIの変動開始時に、即座にKIが白の服脱ぎに成功して青に変化する。この場合、先読み消化保留画像KIの変動はノーマルリーチ以上が実行される。
以上のように、ステップS373において、CPU401は「色変化示唆」保留変化予告演出の内容を設定し、その内容を、画像音響制御部500に対する指示情報として設定する。その後、処理は図21のステップS113に移り、この指示情報が保留表示コマンドに含められることとなる。そして、後述する図47のステップS716の画像音響制御部500による先読み保留予告演出進行処理によって、この指示情報に基づいて「色変化示唆」保留変化予告演出が進行制御される。この結果として、先読み対象保留画像の表示態様(キャラの顔)によって、先読み消化保留画像の最終変化色が予め示唆されて、先読み消化保留画像の変動(報知演出)の演出パターンおよび大当り信頼度が予め示唆される非常に演出効果の高い「色変化示唆」保留変化予告演出が実行される。
ここで、以上では、「色変化示唆」保留変化予告演出として、先読み対象保留画像の顔部分が変化することで先読み消化保留画像の最終変化色を示唆する例を説明した。しかし、他の実施形態では、例えば、先読み対象保留画像の形状が変化することで先読み消化保留画像の最終変化色を示唆してもよい。この場合、例えば、図66(1)および(2)に示すように、先読み対象保留画像の形状が自転車に変化することで最終的に青以上に変化することを示唆し、先読み対象保留画像の形状が車に変化することで最終的に緑以上に変化することを示唆し、先読み対象保留画像の形状が飛行機に変化することで最終的に赤以上に変化することを示唆し、先読み対象保留画像の形状がUFOに変化することで最終的に虹色に変化することを示唆してもよい。
なお、図23のステップS313でのガセ演出の実行決定によって、図65(2)に続いて図65(4)に示すように、先読み消化保留画像KIが服脱ぎに失敗して白のままで即ハズレの演出が実行される(つまり、「色変化示唆」保留変化予告演出のガセ演出が実行される)場合がある。
[「保留ボタン」保留変化予告演出設定処理]
図42は、図23のステップS311の「保留ボタン」保留変化予告演出設定処理の詳細フローチャートの一例である。図50、図51、図67〜図70は、「保留ボタン」保留変化予告演出について説明するための具体図である。ここで、「保留ボタン」保留変化予告演出は、先読み対象保留画像が演出ボタン37を示す保留ボタン画像aを引張り上げる演出を行い、引張り上げに成功した場合、発光態様で保留ボタン画像aが表示されている期間(操作有効期間)に遊技者が演出ボタン37を押下すると、先読み対象保留画像(又は先読み消化保留画像)の変化予定の色(変化パターン)が開示されて、この押下以後の色変化が表示される演出である。以下に、図42および図50を用いて、「保留ボタン」保留変化予告演出設定処理について具体的に説明する。
まず、図42のステップS381において、演出制御部400のCPU401は、先読み対象保留画像(及び先読み消化保留画像)の色変化パターン(変化予定)を決定する。具体的には、CPU401は、図26の「通常」保留変化予告演出設定処理のステップS321での処理と同様にして(図27、図28参照)、先読み対象保留画像(及び先読み消化保留画像)の変化パターンを決定する。その後、処理はステップS382に移る。
ステップS382において、CPU401は、先読み対象保留画像による保留ボタン画像aを引張り上げる演出を実行するタイミング(保留ボタン引張りタイミング)を決定する。具体的には、CPU401は、演出乱数を用いた抽選によって、先読み対象保留画像を表示させた直後のタイミング、又は、先読み対象保留画像を表示させた後に開始される次の変動(次の報知演出)の開始タイミング(つまり、先読み対象保留画像が移動表示されたタイミング)の何れかを、保留ボタン引張りタイミングに決定する。その後、処理はステップS383に移る。
ステップS383において、CPU401は、先読み対象保留画像が保留ボタン画像aを引張り上げる演出で引張り上げに成功して保留ボタン画像aの表示を成功させるか否かを決定する。具体的には、CPU401は、図21のステップS111で今回受信した保留増加コマンドに含まれる事前判定情報が示す変動パターン(図14等参照)がノーマルリーチ当り又はハズレの報知演出の演出パターンタイプに対応する場合、演出乱数による抽選によって所定割合(例えば50%)で引張り上げに成功して保留ボタン画像aの表示を成功させると決定し、この事前判定情報が示す変動パターンがSPリーチ当り又はハズレ以上の報知演出の演出パターンタイプに対応する場合、一律に、引張り上げに成功して保留ボタン画像aの表示を成功させると決定する。ステップS383での判定がYESの場合、処理はステップS384に移り、この判定がNOの場合、処理はステップS387に移る。
ステップS384において、CPU401は、引張り上げに成功して表示された保留ボタン画像aの発光表示態様を、連続発光態様、又は、点滅発光態様の何れかに決定する。具体的には、CPU401は、図21のステップS111で今回受信した保留増加コマンドに含まれる事前判定情報が示す変動パターン(図14等参照;つまり、報知演出の演出パターン)が大当り信頼度の高いものであるほど、点滅発光態様に決定し易く設定され、この変動パターンが大当り信頼度の低いものであるほど、連続発光態様に決定し易く設定された抽選テーブルを用いた演出乱数による抽選によって、保留ボタン画像aの発光表示態様を決定する。その後、処理はステップS385に移る。
ステップS385において、CPU401は、操作有効予定期間を設定する。操作有効予定期間は、先読み対象保留画像(又は先読み消化保留画像)の色変化パターン(色変化予定)を開示して色変化させるための演出ボタン37の押下操作を有効とする予定の期間である。ステップS385において、CPU401は、先読み対象保留画像が表示された変動の次の変動から先読み消化保留画像の変動までのそれぞれの変動開始から6秒間を、一律に操作有効予定期間に設定する。その後、処理はステップS386に移る。なお、本実施形態では、先読み消化保留画像の変動で擬似変動演出が実行された場合には擬似変動演出開始から6秒間も、上記の操作有効予定期間として設定される。しかし、擬似変動演出の実行は、先読み消化保留画像の変動開始時に決定されるので、この擬似変動演出開始から6秒間の操作有効予定期間は、後述する図45のステップS514〜S516の処理によって、先読み消化保留画像の変動開始時に設定される。
ステップS386において、CPU401は、「保留ボタン」保留変化予告演出として、ステップS381、S382、S384およびS385で決定(設定)された内容の保留ボタン表示成功のパターンを設定する。なお、ステップS386での設定が行われた場合、先読み消化保留画像の変動ではノーマルリーチ以上が実行される。その後、処理は図21のステップS113に移る。
一方、ステップS387において、CPU401は、「保留ボタン」保留変化予告演出として、ステップS382で決定されたタイミングで保留ボタン引張り演出を行ってから保留ボタン表示に失敗する保留ボタン表示失敗の演出のパターンを設定する。なお、ステップS387での設定が行われた場合、先読み消化保留画像の変動ではノーマルリーチまでが実行される。その後、処理は図21のステップS113に移る。
以上のように、ステップS386又はS387において、CPU401は「保留ボタン」保留変化予告演出の内容を設定し、その内容を、画像音響制御部500に対する指示情報として設定する。その後、処理は図21のステップS113に移り、この指示情報が保留表示コマンドに含められることとなる。そして、後述する図47のステップS717の画像音響制御部500による先読み保留予告演出進行処理によって、この指示情報に基づいて「保留ボタン」保留変化予告演出が進行制御される。この「保留ボタン」保留変化予告演出の進行制御の詳細については、図48及び図49を用いて後述する。
図50は、第1特別図柄抽選の保留画像が表示される通常遊技状態における保留ボタン表示成功パターンの「保留ボタン」保留変化予告演出の具体例を示すタイムチャートである。なお、図50では、説明の簡単のために、第1特別図柄抽選の変動だけが実行される場合について記載している。
図50(1)は、第1始動口21への入賞によって第1特別図柄抽選の先読み対象保留が発生した後に(つまり、先読み対象保留画像が表示された後に)、既に保留されている2つの第1特別図柄抽選の保留が順番に消化されて2つの変動(報知演出)が順番に実行され、その後、先読み対象保留が消化されて先読み対象保留の変動(SPSPリーチ演出以上を行う報知演出)が実行される例を示すタイムチャートである。
図50(2)は、図42を用いて説明した「保留ボタン」保留変化予告演出設定処理によって上記の先読み対象保留の発生時に設定される操作有効予定期間および色変化パターン(色変化予定)の例である。図50(2)では、図42のステップS385の処理によって、先読み対象保留の変動の2つ前の変動の開始時点から6秒間と、先読み対象保留の変動の1つ前の変動の開始時点から6秒間と、先読み対象保留の変動の開始時点から6秒間とが、操作有効予定期間に設定されている。また、図50(2)では、図42のステップS381の処理によって、先読み対象保留画像の色変化パターン(色変化予定)が、1つ前の変動および2つ前の変動では青に設定され、先読み対象保留の変動では青から赤への変化が設定されている。ここで、先読み対象保留の変動はノーマルリーチ以上が実行される演出パターンであるため(図23のS303、図14等参照)6秒より長い変動である一方で、先読み対象保留の変動の2つ前の変動および1つ前の変動は即ハズレの演出パターンである場合があるので6秒より短い変動である可能性がある。このため、図42のステップS385の処理において設定される操作有効予定期間には、6秒より短い変動が実行される場合にはその変動の実行時間(例えば3.00秒)に操作有効予定期間を短縮して調整する条件が付加されている。
図50(3)は、カットイン予告ボタン演出が実行される場合に設定される操作有効期間(カットイン予告の操作有効期間)、および、カットイン予告ボタン演出のカットイン予告の実行期間を示している。カットイン予告ボタン演出は、図43及び図68等を用いて後述するが、変動(報知演出)開始時にその変動での実行が設定されてその変動での大当り信頼度を示唆する予告演出であり、演出ボタン37の押下を促すボタン画像bの表示中(つまり、カットイン予告の操作有効期間中)に演出ボタン37の押下があると大当り信頼度を示唆するカットイン予告の画像を表示し、又、ボタン画像bの表示終了(つまり、カットイン予告の操作有効期間終了)までに演出ボタン37の押下がない場合にも、大当り信頼度を示唆するカットイン予告の画像を表示する予告演出である。図50(3)では、ボタン画像bの表示終了まで演出ボタン37の押下がない場合について示している。
図50(4)は、図50(2)に示すように「保留ボタン」保留変化予告演出の操作有効予定期間および先読み対象保留画像等の変化パターン(変化予定)が設定された場合において、保留ボタン引張り成功演出が実行されてから保留ボタン画像aが表示され、2つ目の操作有効予定期間において演出ボタン37が押下操作された場合について示している。この場合、この押下操作時から、先読み予告保留画像の色変化パターン(色変化)が公開されて、先読み予告保留画像は、この押下操作時に白から青に変化し、その後、先読み対象保留の変動で青から赤まで変化する。図50(4)の場合の具体的な説明は、図67および図68を用いて後述する。なお、図43〜図45等を用いて後述するが、先読み対象保留の変動中の変化(青から赤までの変化)のパターン(変化段階および変化タイミング)は、この変動開始時にこの変動の演出内容に応じて決定される。
図50(5)は、図50(2)に示すように「保留ボタン」保留変化予告演出の操作有効予定期間および先読み対象保留画像等の色変化パターン(色変化予定)が設定された場合において、保留ボタン引張り成功演出が実行されてから保留ボタン画像aが表示され、操作有効予定期間の全てにおいて演出ボタン37の押下操作されなかった場合の保留ボタン画像aの表示期間および保留ボタン画像aの表示態様について示している。図50(5)の場合の具体的な説明は、図69及び図70を用いて後述する。
なお、図50(4)および(5)において、保留ボタンaが発光表示(連続発光又は点滅発光)されている期間が、演出ボタン37の押下操作を有効とみなして先読み対象保留画像の変化パターンを公開できる「保留ボタンに係る操作有効期間」である。
以上で、図21のステップS112の先読み保留予告演出設定処理の説明を終わる。
[報知演出実行指示処理]
図43は、図21のステップS115の報知演出実行指示処理の詳細フローチャートの一例である。以下に、図43を参照して、図21のステップS115の報知演出実行指示処理について説明する。
まず、ステップS501において、演出制御部400のCPU401は、図21のステップS114の処理で受信した報知演出開始コマンドおよび遊技状態通知コマンドを解析する。つまり、報知演出開始コマンドに含まれる設定情報が示す変動パターンの情報(図14等参照)と、第1特別図柄抽選及び第2特別図柄抽選の何れが実行されたのかを示す情報と、大当りの場合に大当りの種類を示す情報を取得し、又、遊技状態通知コマンドに含まれる遊技状態を示す情報を取得する。その後、処理はステップS502に移る。
ステップS502において、CPU401は、ステップS501での解析結果に基づいて、今回実行する報知演出の演出パターンを決定する。具体的には、CPU401は、ステップS501で取得した変動パターンに対応する報知演出の演出パターンタイプの演出パターンを、演出乱数を用いた抽選によって構築して設定する。図44は、実行する報知演出の演出パターンを決定(構築)するために使用される演出パターン決定テーブルの概念図の一例である。以下に、図44を参照して、より具体的に説明する。図44に示すように、報知演出の演出パターンタイプには、即ハズレ、ノーマルリーチ当り又はハズレ、SPリーチ当り又はハズレ、およびSPSPリーチ当り又はハズレがあり、図14等に示したように変動パターンと対応している。そして、図44に示すように、演出パターンタイプ毎に、必ず実行される演出と、実行可の演出と、実行できない演出とがある。例えば、ノーマルリーチ当り又はハズレの演出パターンタイプでは、ノーマルリーチ演出および当落演出は必ず実行される演出であり、カットイン予告ボタン演出は実行可の演出であり、擬似変動2回目演出、擬似変動3回目演出、ミニキャラカットイン予告演出、SPリーチ演出、およびSPSPリーチ演出は実行できない演出である。擬似変動演出(擬似連演出)は、1回の報知演出において全ての装飾図柄が擬似停止(仮停止)してから変動を再開する演出であり、この仮停止してから変動を再開する回数が多いほど今回の報知演出での大当り信頼度が高いことを示す演出である。そして、1回目の擬似停止後に変動が再開されることを擬似変動2回目演出といい、2回目の擬似停止後に変動が再開されることを擬似変動3回目演出という。ミニキャラカットイン予告演出は、アイドルのミニキャラ画像を表示することによりSPリーチ演出が実行されることを示唆する演出である。当落演出は、全ての装飾図柄を完全に停止させて、その停止図柄のパターンによって特別図柄抽選結果を報知する演出である。例えば、CPU401は、ステップS501で取得した変動パターンに対応する報知演出の演出パターンタイプがノーマルリーチ当りである場合、ノーマルリーチ演出および当落演出を実行すると必ず決定し、演出乱数を用いた抽選によってカットイン予告ボタン演出を所定確率(例えば2%)で実行すると決定して、演出パターンを決定する。また、その際に、CPU401は、演出間に順序等の関係性がある場合には、その関係性を考慮する。また、CPU401は、ステップS501で取得した遊技状態を示す情報に応じた背景画像を、今回実行する報知演出の背景画像として設定する。具体的には、遊技状態を示す情報が通常遊技状態を示す場合には青色の背景画像を設定し、この情報が確変遊技状態を示す場合には赤色の背景画像を設定する。その後、処理はステップS504に移る。
ステップS504において、CPU401は、以下に説明する先読み消化保留画像色変化パターン設定処理を行う。
[先読み消化保留画像色変化パターン設定処理]
図45は、図43のステップS504の先読み消化保留画像色変化パターン設定処理の詳細フローチャートの一例である。以下に、図45を参照して、図43のステップS504の先読み消化保留画像色変化パターン設定処理について説明する。
まず、図45のステップS511において、演出制御部400のCPU401は、今回実行する報知演出が、先読み保留予告演出における先読み消化保留画像を表示する報知演出であるか否かを判定する。ステップS511での判定がYESの場合、処理はステップS512に移り、この判定がNOの場合、処理は図43のステップS505に移る。
ステップS512において、CPU401は、今回実行する報知演出において先読み消化保留画像を色変化させるか否かを判定する。具体的には、CPU401は、図26の「通常」保留変化予告演出設定処理、図39の「色変化示唆」保留変化予告演出設定処理、又は、図42の「保留ボタン」保留変化予告演出設定処理によって、先読み消化保留画像を色変化させる設定が行われているか否かを判定する。つまり、先読み消化保留画像を色変化させることのある先読み保留予告演出において先読み消化保留画像の色変化が予定されているか否かを判定する。ステップS512での判定がYESの場合、処理はステップS513に移り、この判定がNOの場合、処理はステップS514に移る。
ステップS513において、CPU401は、図43のステップS502で決定された演出パターンの内容に基づいて、先読み消化保留画像の色変化パターンを設定する。具体的には、CPU401は、図43のステップS502で決定された演出パターンに含まれる先読み消化保留画像の色変化契機となる演出の実行タイミングに基づいて、先読み消化保留画像の色変化パターンを設定する。ここで、この色変化契機となる演出は、ミニキャラカットイン予告演出、SPリーチ演出およびSPPリーチ演出である。また、先読み消化保留画像の変動の開始タイミングも、先読み消化保留画像の色変化契機となる。図51は、先読み消化保留画像の色変化パターン等の例について説明するためのタイムチャートである。図51(1)は、一例として、変動開始してから、リーチ成立し(ノーマルリーチ演出実行し)、擬似変動2回目演出を実行し、ミニキャラカットイン予告演出を実行し、SPリーチ演出を実行し、SPSPリーチ演出を実行し、その後、当落演出を実行するSPSPリーチ当り/ハズレの演出パターンである。図51(1)では、先読み消化保留画像の色変化契機となる演出を四角で囲んでいる。CPU401は、図51(1)の演出パターンにおいて先読み消化保留画像の色変化が青から赤までと予定されている場合、例えば図51(3)に示すように、先読み消化保留画像を、SPリーチ演出実行のタイミングで青から緑に変化させてからSPSPリーチ演出実行のタイミングで緑から赤に変化させる色変化パターンを設定する。また、CPU401は、図51(1)の演出パターンにおいて先読み消化保留画像の色変化が白から赤までと予定されている場合、例えば図51(4)に示すように、先読み消化保留画像を、変動開始のタイミングで白から青に変化させ、ミニキャラカットイン予告演出実行のタイミングで青から赤に変化させる色変化パターンを設定する。また、CPU401は、図51(1)の演出パターンにおいて先読み消化保留画像の色変化が白から赤までと予定されている場合、例えば図51(5)に示すように、先読み消化保留画像を、変動開始のタイミングで白から緑に変化させ、SPリーチ演出実行のタイミングで緑から赤に変化させる色変化パターンを設定する。その後、処理はステップS514に移る。
ステップS514において、CPU401は、今回実行する報知演出が、「保留ボタン」保留変化予告演出における先読み対象保留画像が消化される報知演出であるか否かを判定する。ステップS514での判定がYESの場合、処理はステップS515に移り、この判定がNOの場合、処理は図43のステップS505に移る。
ステップS515において、CPU401は、図43のステップS502で決定された報知演出の演出パターンに擬似変動演出があるか否かを判定する。ステップS515での判定がYESの場合、処理はステップS516に移り、この判定がNOの場合、処理は図43のステップS505に移る。
ステップS516において、CPU401は、擬似変動演出実行から6秒間を「保留ボタン」保留変化予告演出における操作有効予定期間に設定する。ここで、図51(2)は、擬似変動2回目演出の実行から6秒間が、「保留ボタン」保留変化予告演出における操作有効予定期間に設定されている例である。その後、処理は図43のステップS505に移る。
図43に戻り、ステップS505において、CPU401は、画像音響制御部500等に対して、ステップS502およびS504で決定(設定)された内容で報知演出を実行するように指示を行う。この指示は、変動開始コマンドをRAM403にセットすることで行われる。
以上のように、演出制御部400による図20のコマンド受信処理において、メイン制御部100から受信した各種コマンドに基づいて演出内容が決定され、その決定内容が図20の出力処理によって画像音響制御部500等に通知される。これにより、画像音響制御部500等によって画像表示部6等を用いた演出が実行制御されることとなる。
[画像音響制御部による演出制御処理]
図46及び図47は、画像音響制御部500によって行われるタイマ割込み処理の一部を示すフローチャートの一例である。以下に、図46及び図47を参照して、画像音響制御部500において行われるタイマ割込み処理の一部について説明する。なお、以下では、大当り遊技演出等についての処理の説明は省略する。画像音響制御部500は、電源投入時や電源断時等の特殊な場合を除く通常の動作時において、図46及び図47に示す一連の処理を一定時間(例えば4ミリ秒)毎に繰り返し実行する。なお、図46以降のフローチャートに基づいて説明する画像音響制御部500で行われる処理は、ROM502に記憶されているプログラムに基づいて実行される。
まず、図46のステップS701において、画像音響制御部500のCPU501は、図43のステップS505でセットされた変動開始コマンドを受信したか否かを判定する。ステップS701での判定がYESの場合、処理はステップS702に移り、この判定がNOの場合、処理はステップS704に移る。
ステップS702において、CPU501は、ステップS701で受信した変動開始コマンドの内容に基づいて、報知演出をスケジューリングして開始する。例えば、変動開始コマンドの内容がノーマルリーチ成立させてから第1SPリーチ演出を実行して最終的に大当りを報知する内容の場合、これらの演出をスケジューリングしてから報知演出を開始する。ここで、変動開始コマンドの内容がカットイン予告ボタン演出を実行するものである場合、CPU501は、カットイン予告の操作有効期間についてもスケジューリングする。その後、処理はステップS703に移る。なお、CPU501は、ステップS702で報知演出を開始した後には、ステップS702でのスケジューリングに従って、報知演出を進行制御する。
ステップS703において、CPU501は、保留画像消化処理を実行する。具体的には、図52を用いて説明したように、報知演出開始(変動開始)と共に、保留画像を消化させて消化保留画像として表示したり、他の保留画像を移動表示したりする。その後、処理はステップS704に移る。
ステップS704において、CPU501は、図21のステップS117でセットされた変動停止コマンドを受信したか否かを判定する。ステップS704での判定がYESの場合、処理はステップS705に移り、この判定がNOの場合、処理はステップS706に移る。
ステップS705において、CPU501は、実行中の報知演出において装飾図柄を確定停止させて報知演出を終了させる。なお、この確定停止の表示は規定時間(0.5秒)実行される。その後、処理はステップS706に移る。
ステップS706において、CPU501は、ステップS702でスケジューリングされたカットイン予告の操作有効期間(図50(3)参照)中であるか否かを判定する。ここで、CPU501は、カットイン予告の操作有効期間には、ボタン画像bを表示させて遊技者に演出ボタン37の押下操作を促す(図68(7)参照)。ステップS706での判定がYESの場合、処理はステップS707に移り、この判定がNOの場合、処理はステップS709に移る。
ステップS707において、CPU501は、演出ボタン37が押下操作されたか否かを判定する。なお、既に説明したように、この判定は、ランプ制御部600および演出制御部400を介して画像音響制御部500に入力される演出ボタン37の操作信号に基づいて行われる。ステップS707での判定がYESの場合、処理はステップS708に移り、この判定がNOの場合、処理はステップS709に移る。
ステップS708において、CPU501は、ボタン画像bの表示を終了させると共にカットイン予告の操作有効期間を終了させて、実行中の報知演出で大当りする可能性(大当り信頼度)を示唆するカットイン予告画像cを表示させるカットイン予告演出を実行する(図68(8)参照)。その後、処理はステップS709に移る。
ステップS709において、CPU501は、ステップS702でスケジューリングされたカットイン予告の操作有効期間の満了タイミングであるか否かを判定する。ステップS709での判定がYESの場合、処理はステップS710に移り、この判定がNOの場合、処理は図47のステップS711に移る。
ステップS710において、CPU501は、実行中の報知演出で大当りする可能性(大当り信頼度)を示唆するカットイン予告画像cを表示させるカットイン予告演出を実行する(図50(3)参照)。その後、処理は図47のステップS711に移る。
図47のステップS711において、CPU501は、図21のステップS113でセットされた保留表示コマンドを受信したか否かを判定する。ステップS711での判定がYESの場合、処理はステップS712に移り、この判定がNOの場合、処理はステップS716に移る。
ステップS712において、CPU501は、ステップS711で受信判定した保留表示コマンドに基づいて、先読み保留予告演出(又はそのガセ演出)を実行するか否かを判定する。具体的には、CPU501は、ステップS711で受信判定した保留表示コマンドに図23のステップS306〜S311、S313の処理の何れかで設定された先読み保留予告演出(又はそのガセ演出)の設定内容を示す指示情報が含まれている場合には、先読み保留予告演出(又はそのガセ演出)を実行すると判定する。ステップS712での判定がYESの場合、処理はステップS713に移り、この判定がNOの場合、処理はステップS715に移る。
ステップS713において、CPU501は、テップS711で受信判定した保留表示コマンドに含まれる指示情報に基づいて、図23のステップS306〜S311、S313の処理の何れかで設定された先読み保留予告演出(又はそのガセ演出)を実行すること及び実行内容を設定する。その後、処理はステップS714に移る。
ステップS714において、CPU501は、通常表示態様(又は先読み保留予告演出での表示態様)で保留画像を表示する(図54、図55等参照)。その後、処理はステップS716に移る。
ステップS715において、CPU501は、通常表示態様で保留画像を表示する(図52参照)。その後、処理はステップS716に移る。
ステップS716において、CPU501は、ステップS713で設定した先読み保留予告演出(又はそのガセ演出)の実行期間中であるか否かを判定する。ステップS716での判定がYESの場合、処理はステップS717に移り、この判定がNOの場合、処理は図46のステップS701に戻る。
ステップS716において、CPU501は、先読み保留予告演出を進行制御する先読み保留予告演出進行処理を実行する。具体的には、CPU501は、ステップS713で設定した先読み保留予告演出(又はそのガセ演出)の実行内容に基づいて、「通常」保留変化予告演出の実行期間中の場合には「通常」保留変化予告演出を進行制御し、「メンバ集合」保留変化予告演出の実行期間中の場合には「メンバ集合」保留変化予告演出を進行制御し、「大物かも」保留変化予告演出の実行期間中の場合には「大物かも」保留変化予告演出を進行制御し、「ズッコケ」保留変化予告演出の実行期間中の場合には「ズッコケ」保留変化予告演出を進行制御し、「色変化示唆」保留変化予告演出の実行期間中の場合には「色変化示唆」保留変化予告演出を進行制御し、「保留ボタン」保留変化予告演出の実行期間中の場合には「保留ボタン」保留変化予告演出を進行制御する。その後、処理は図46のステップS701に戻る。
ここで、ステップS717の先読み保留予告演出進行処理のうち、「通常」保留変化予告演出、「メンバ集合」保留変化予告演出、「大物かも」保留変化予告演出、「ズッコケ」保留変化予告演出、および「色変化示唆」保留変化予告演出の進行処理については、図23のステップS306〜S310の処理の説明において図53〜図66を用いて具体的に説明したため、説明を省略する。一方、ステップS717の先読み保留予告演出進行処理のうち、図23のステップS311の処理で設定した「保留ボタン」保留変化予告演出の進行処理については、遊技者による演出ボタン37の押下操作、および、カットイン予告の操作有効期間に応じて進行制御する必要があるため、図48〜図50、図67〜図70を用いて、以下に説明する。
[先読み保留予告演出進行処理(「保留ボタン」保留変化予告演出設定処理)]
図48及び図49は、図47のステップS717の先読み保留予告演出進行処理のうちの「保留ボタン」保留変化予告演出の進行処理の詳細フローチャートの一例である。図67〜図70は、「保留ボタン」保留変化予告演出について説明するための具体画面図である。
まず、図48のステップS731において、画像音響制御部500のCPU501は、図47のステップS713で設定した先読み保留予告演出の実行内容に基づいて、先読み対象保留画像が保留ボタン画像aを引張り上げようとしてから(図67(1)参照)失敗する保留ボタン引張り失敗演出のガセ演出の実行タイミングであるか否かを判定する。ステップS731での判定がYESの場合、処理はステップS732に移り、この判定がNOの場合、処理はステップS733に移る。
ステップS732において、CPU501は、保留ボタン引張り失敗演出を実行(開始)する。その後、処理はステップSステップS733に移る。
ステップS733において、CPU501は、図47のステップS713で設定した先読み保留予告演出の実行内容に基づいて、先読み対象保留画像が保留ボタン画像aを引張り上げようとしてから成功する(図67(1)および(2)参照)保留ボタン引張り成功演出の実行タイミングであるか否かを判定する。ステップS733での判定がYESの場合、処理はステップS734に移り、この判定がNOの場合、処理はステップS735に移る。
ステップS734において、CPU501は、保留ボタン引張り成功演出を実行(開始)する。その後、処理はステップSステップS735に移る。
ステップS735において、CPU501は、ステップS734で実行した保留ボタン引張り成功演出の終了タイミングであるか否かを判定する。ステップS735での判定がYESの場合、処理はステップS736に移り、この判定がNOの場合、処理は図49のステップS740に移る。
ステップS736において、CPU501は、図47のステップS713での設定内容および図45のステップS516での設定内容に基づいて、操作有効予定期間(図50(2)、図51(2)参照)中であるか否かを判定する。ステップS736での判定がYESの場合、処理はステップS737に移り、この判定がNOの場合、処理はステップS738に移る。
ステップS737において、CPU501は、図46のステップS702でスケジューリングされるカットイン予告ボタン演出の操作有効期間(カットイン予告の操作有効期間;図50(3)参照)中であるか否かを判定する。ここで、この操作有効期間には、ボタン画像bが表示されて遊技者に演出ボタン37の押下操作が促され、この操作有効期間中に演出ボタン37の押下操作があると操作有効期間が終了すると共にボタン画像bが表示終了してカットイン予告演出が実行され、又、この操作有効期間が演出ボタン37の押下操作なく満了するとカットイン予告演出が実行される(図68(7)および(8)参照)。ステップS737での判定がYESの場合、処理はステップS738に移り、この判定がNOの場合、処理はステップS739に移る。
ステップS738において、CPU501は、保留ボタンに係る操作有効期間ではないことを示す消灯態様で保留ボタン画像aの表示を開始する(図50(4)および(5)、図67(2)参照)。その後、処理は図49の処理はステップS740に移る。
一方、ステップS739において、CPU501は、保留ボタンに係る操作有効期間であることを示す連続発光態様又は点滅発光態様で、保留ボタン画像aの表示を開始する。ここで、CPU501は、保留ボタン画像aを発光表示(連続発光表示又は点滅発光表示)している期間は操作有効期間(保留ボタンに係る操作有効期間)に制御し、保留ボタンaを消灯表示している期間および保留ボタンaを表示していない期間は操作有効期間(保留ボタンに係る操作有効期間)には制御しない。その後、処理は図49の処理はステップS740に移る。
図49のステップS740において、CPU501は、保留ボタン画像aの表示中であるか否かを判定する。ステップS740での判定がYESの場合、処理はステップS741に移り、この判定がNOの場合、処理はステップS745に移る。
ステップS741において、CPU501は、図47のステップS713等での設定内容に基づいて、操作有効予定期間(図50(2)、図51(2)参照)中であるか否かを判定する。ステップS741での判定がYESの場合、処理はステップS742に移り、この判定がNOの場合、処理はステップS743に移る。
ステップS742において、CPU501は、図46のステップS702でスケジューリングされたカットイン予告ボタン演出の操作有効期間(カットイン予告の操作有効期間;図50(3)参照)中であるか否かを判定する。ステップS742での判定がYESの場合、処理はステップS743に移り、この判定がNOの場合、処理はステップS744に移る。
ステップS743において、CPU501は、保留ボタンに係る操作有効期間ではないことを示す消灯態様で保留ボタン画像aを表示させる(図50(3)および(5)、図70(7)参照)。その後、処理はステップS745に移る。
一方、ステップS744において、CPU501は、保留ボタンに係る操作有効期間であることを示す連続発光態様又は点滅発光態様で、保留ボタン画像aを表示する。その後、処理はステップS745に移る。以上に説明したステップS736〜S739、S741〜S744の処理によって、カットイン予告演出の操作有効期間中には、この操作有効期間を優先制御し、保留ボタンに係る操作有効期間は無効とする制御が実現される。
ステップS745において、CPU501は、発光表示態様で保留ボタン画像aが表示中であるか否かを判定する(つまり、保留ボタンに係る操作有効期間中か否かを判定する)。ステップS745での判定がYESの場合、処理はステップS746に移り、この判定がNOの場合、処理は図48のステップS701に戻る。
ステップS746において、CPU501は、演出ボタン37の押下操作があったか否かを判定する。ステップS746での判定がYESの場合、処理はステップS747に移り、この判定がNOの場合、処理は図48のステップS701に戻る。
ステップS747において、CPU501は、図26のステップS321、図36のステップS365、図42のステップS381、図45のステップS513で決定(設定)された色変化パターンに基づいて、先読み対象保留画像(又は先読み消化保留画像)の色変化を実行する。例えば図50(2)に示すように色変化パターンが設定されている場合において、CPU501は、図50(4)に示すように、2回目の操作有効予定期間にボタン操作があった場合には先読み対象保留画像を青色に変化させると共に、ボタン操作以後の色変化を公開して実行する。その後、処理はステップS748に移る。
ステップS748において、CPU501は、保留ボタン画像aの表示を終了させる(つまり、保留ボタンに係る操作有効期間を終了する)。その後、処理は図48のステップS701に戻る。
以下では、図48および図49を用いて以上に説明した進行制御によって実行される「保留ボタン」保留変化予告演出の具体画面例について、図50、図67〜図70を用いて説明する。図67および図68は、図50(1)〜(4)に示す場合に対応しており、保留ボタン画像aの発光表示中(つまり、保留ボタンに係る操作有効期間中)に演出ボタン37が押下操作される場合について示している。図69および図70は、図50(1)〜(3)および(5)に示す場合に対応しており、保留ボタン画像aの発光表示中(つまり、保留ボタンに係る操作有効期間中)に演出ボタン37が押下操作されない場合について示している。なお、既に説明したように、図50は、説明の簡単のために、第1特別図柄抽選の保留画像が表示される通常遊技状態において、第1特別図柄抽選の変動だけが実行される場合について記載している。以下では、図67および図68の場合について説明した後に、図69および図70の場合について説明する。
まず、図67(1)に示すように、RI0が消化したKIの変動中(報知演出実行中)に第1始動口21に遊技球が入賞して第1特別図柄抽選の保留画像RI3(つまり、先読み対象保留画像RI3)がステージST3に表示されると共に、先読み対象保留画像RI3が保留ボタン画像aを引張り上げようとする保留ボタン引張り演出を実行する。
その後、図67(2)に示すように、先読み対象保留画像RI3が保留ボタン画像aの引張り上げに成功して、先読み対象保留画像RI3に保留ボタン画像aが表示開始される。ここで、図67(2)および図50(4)では、操作有効予定期間ではないため保留ボタン画像aは消灯表示されている。
一方、図67(2−1)に示すように、先読み対象保留画像RI3が保留ボタン画像aの引張り上げに失敗した場合には、先読み対象保留画像RI3に保留ボタン画像aは表示されない。この場合、先読み対象保留画像RI3が消化した変動で即ハズレの演出パターンが実行されて、ガセ演出となる。
次に、図67(3)に示すように、RI1が消化したKIの変動開始から最長6秒間、保留ボタン画像aを発光表示させる。
次に、図67(4)に示すように、保留ボタン画像aの発光表示中(つまり、保留ボタンに係る操作有効期間中)に演出ボタン37の押下操作がなかった場合、保留ボタン画像aを消灯表示する。
次に、図67(5)に示すように、RI2が消化したKIの変動開始から最長6秒間、保留ボタン画像aを発光表示させる。この変動(及び図67(3)の変動)の実行時間は保留数等により6秒よりも短い場合があり(図14等参照)、この場合には、保留ボタン画像aを発光表示させる最長時間は、この変動の実行時間まで短縮されて調整される。
次に、図67(6)に示すように、保留ボタン画像aの発光表示中(つまり、保留ボタンに係る操作有効期間中)に演出ボタン37の押下操作があった場合、設定された色変化パターン(図50(2)参照)に従って、先読み対象保留画像RI3を青に変化させると共に、保留ボタン画像aの表示を終了して保留ボタンに係る操作有効期間を終了する。
次に、図68(7)に示すように、RI2が消化したKIの変動において、この変動開始時に実行することが決定されたカットイン予告ボタン演出が実行されて、ボタン画像bが表示される。ここで、ボタン画像bの表示中はこのカットイン予告の操作有効期間に制御される(図50(3)参照)。
そして、ボタン画像bの表示に応じて演出ボタン37が押下操作された場合、又は、押下操作されることなくカットイン予告の操作有効期間が終了した場合、図68(8)に示すようにカットイン予告画像cが表示されて、この変動の大当り信頼度が示唆される。
次に、図68(9)に示すように、先読み対象保留画像RI3が消化した先読み消化保留画像KIの変動において、SPリーチ演出開始時に、設定された色変化パターン(図51(3)参照)に従ってKIを緑に変化させる。
次に、図68(10)に示すように、先読み対象保留画像RI3が消化した先読み消化保留画像KIの変動において、SPSPリーチ演出開始時に、設定された色変化パターン(図51(3)参照)に従ってKIを赤に変化させる。
以下では、図69および図70の場合について説明する。
まず、図69(1)〜(5)は、上記した図67(1)〜(5)と同様であるため、説明を省略する。
図69(5)に続いて、図69(6)に示すように、図69(4)と同様に保留ボタン画像aの発光表示中(つまり、保留ボタンに係る操作有効期間中)に演出ボタン37の押下操作がされなかった場合、設定された色変化パターン(図50(2)参照)に関わりなく、先読み対象保留画像RI3を変化させることなく、保留ボタンaを消灯表示する。
次に、図70(7)に示すように、図68(7)と同様に、RI2が消化したKIの変動において、この変動開始時に実行することが決定されたカットイン予告ボタン演出が実行されて、ボタン画像bが表示される。ここで、ボタン画像bの表示中はこのカットイン予告ボタン演出の操作有効期間(カットイン予告の操作有効期間)を優先制御して、保留ボタンに係る操作有効期間は中断すると共に保留ボタン画像aを消灯表示する(図50(3)および(5)参照)。
そして、ボタン画像bの表示に応じて演出ボタン37が押下操作された場合、又は、押下操作されることなくカットイン予告の操作有効期間が終了した場合、図70(8)に示すようにカットイン予告画像cが表示されて、この変動の大当り信頼度が示唆される。
次に、図70(9)に示すように、先読み対象保留画像RI3が消化したKIの変動開始から最長6秒間保留ボタンaを発光表示させる。
次に、図70(10)に示すように、保留ボタン画像aの発光表示中(つまり、保留ボタンに係る操作有効期間中)に演出ボタン37の押下操作がされなかった場合、設定された色変化パターン(図51(2)参照)に関わりなく、先読み対象保留画像RI3が消化した先読み消化保留画像KIを変化させることなく、保留ボタン画像aの表示を終了する。
その後、図70(11)に示すように、図68(9)と同様に、先読み対象保留画像RI3が消化した先読み消化保留画像KIの変動において、SPリーチ演出が実行される。
その後、図70(12)に示すように、図68(10)と同様に、先読み対象保留画像RI3が消化した先読み消化保留画像KIの変動において、SPSPリーチ演出が実行される。
以上に、図30〜図32、図55および図56等を用いて説明したように、本実施形態によれば、消化保留画像が特定の表示態様(所定のコンビ又は所定のトリオの表示態様)になることによってこの消化保留画像に係る変動(報知演出)でSPリーチ演出以上の大当りを期待させる演出が実行されることを示唆すると共にカットイン予告画像を表示して大当り信頼度を示唆し、又、この特定の表示態様の消化保留画像になり得ることを保留画像の表示態様で予め示唆する非常に効果的な「メンバ集合」保留変化予告演出を実行することができる。
また、図33〜図35、図59および図60等を用いて説明したように、本実施形態によれば、先読み対象保留画像を特定の表示態様(腰に手を当ててふんぞり返った表示態様)にすると共に、他の保留画像(非先読み対象保留画像)および消化保留画像(非先読み消化保留画像)にこの先読み対象保留画像に向かってアクションを行わせ、このアクションの種類によって、先読み対象保留画像が消化された消化保留画像の表示態様を示唆すると共に、先読み対象保留画像が消化される変動(報知演出)の演出パターン(大当り信頼度)を予め示唆する非常に効果的な「大物かも」保留変化予告演出を実行することができる。
また、図36、図37、図60−1、図61、図62等を用いて説明したように、本実施形態によれば、非先読み消化保留画像が所定のキャラ(実際のお笑い芸人のキャラ)で表示されて、先読み対象保留画像および非先読み対象保留画像に向けてアクション(ギャグ)を行い、これに応じて先読み対象保留画像および非先読み保留画像がこけると共に、先読み対象保留画像が色変化して、先読み対象保留画像が消化する変動(報知演出)の演出パターン(大当り信頼度)を示唆する非常に効果的な「ズッコケ」保留変化予告演出を実行することができる。
また、図39〜図41、図63〜図66等を用いて説明したように、本実施形態によれば、先読み消化保留画像の最終変化色を、この先読み対象保留画像の表示態様(キャラの顔等)で予め示唆する非常に効果的な「色変化示唆」保留変化予告演出を実行することができる。
また、図48〜図51、図68〜図70等を用いて説明したように、先読み対象保留画像が演出ボタン37を示す保留ボタン画像aを引張り上げる演出を行い、引張り上げに成功した場合、発光態様で保留ボタン画像aが表示されている期間(保留ボタンに係る操作有効期間)に遊技者が演出ボタン37を押下すると、先読み対象保留画像(又は先読み消化保留画像)の色変化パターンに基づいて色変化が公開されて、先読み消化保留画像での変動(報知演出)の大当り信頼度を予め示唆する非常に効果的な「保留ボタン」保留変化予告演出を実行することができる。
ここで、従来の遊技機において、本実施形態のカットイン予告ボタン演出のように、ボタン画像の表示に応じてボタン操作がされると所定の演出を実行するものがある。しかし、従来の遊技機のこの様な演出では、本実施形態のカットイン予告ボタン演出のように、ボタン画像の表示中は操作有効期間に制御される。一方、本実施形態の「保留ボタン」保留変化予告演出では、保留ボタン画像aの表示態様を、ボタン操作可能な操作有効期間中であることを示す発光表示態様と、ボタン操作不能な操作有効期間外であることを示す消灯表示態様とで切替えて表示する。このことにより、本実施形態によれば、複数の報知演出に亘って断続的に演出ボタン37の一連の操作を遊技者に行わせる「保留ボタン」保留変化予告演出において、遊技者が直感的に分かるように、保留ボタンに係る操作有効期間を示すことができる。
更に、本実施形態によれば、「保留ボタン」保留変化予告演出とカットイン予告ボタン演出とが並行して実行される場合において、カットイン予告の操作有効期間を保留ボタンに係る操作有効期間よりも優先する競合制御を行う(図50(3)及び(5)参照)。このことにより、本実施形態によれば、演出ボタン37を共用して、演出ボタン37を用いる複数の演出を並行的に実行することができる。また、本実施形態によれば、このように「保留ボタン」保留変化予告演出とカットイン予告ボタン演出とを並行して実行する場合において、カットイン予告の操作有効期間を保留ボタンに係る操作有効期間よりも優先する制御中には、保留ボタン画像aを、ボタン操作不能な操作有効期間外であることが直感的に分かる消灯表示態様で表示する。
また、従来の遊技機において、本実施形態のカットイン予告ボタン演出のように、ボタン操作が可能(有効)である操作有効期間終了までにボタン操作がされなかった場合にも、演出効果の低下を抑制する趣旨から、ボタン操作に応じて実行すべき演出を実行する。一方、本実施形態の「保留ボタン」保留変化予告演出では、ボタン操作が可能である操作有効期間終了までにボタン操作がされなかった場合には、敢えて、ボタン操作に応じて実行する大当り信頼度を示唆する演出を実行しないことによって、ボタン操作したことによる大当り信頼度を示唆する演出の価値を高めている。
[変形例]
なお、以上に、図30〜図32、図55および図56等を用いて説明した「メンバ集合」保留変化予告演出において、集合を試みるコンビやトリオの種類を複数設けて、集合を試みるコンビやトリオの種類に応じて、集合が成功した場合に、大当り信頼度が高くなるように制御してもよい。
また、「メンバ集合」保留変化予告演出において、上記した本実施形態では消化保留画像を芸人のコンビ等に変化させて報知演出の演出パターン(大当り信頼度)を示唆したが、これには限られず、例えば、消化保留画像の色を変化させて、変化した色によって報知演出の演出パターン(大当り信頼度)を示唆してもよい。
また、「メンバ集合」保留変化予告演出において、保留画像の表示態様の種類(例えば、右手を上げた態様や、左手を上げた態様)によって、消化保留画像の変化内容(つまり、報知演出の演出パターン、大当り信頼度)を示唆してもよい。更には、保留画像の表示態様が変化して、示唆する消化保留画像の変化内容を、より大当り信頼度の高い演出パターンを示唆するものに変化させてもよい。
また、「メンバ集合」保留変化予告演出において、先読み対象保留画像よりも後から表示される(発生する)非先読み対象保留画像も、先読み消化保留画像がコンビ又はトリオ集合完成の表示態様にされることを示唆する態様(図55(1)のRI1等参照)で表示されるように制御してもよい。更には、表示される保留画像の全部が、先読み消化保留画像がコンビ又はトリオ集合完成の表示態様で表示されることを示唆する態様で表示されるように制御してもよい。また、先読み対象保留画像は、先読み消化保留画像がコンビ又はトリオ集合完成の表示態様で表示されることを示唆する態様で表示されないように制御してもよい。更には、先読み消化保留画像がコンビ又はトリオ集合完成の表示態様で表示されることを示唆する保留画像が、この示唆する表示態様になったり、元の表示態様に戻ったりするように制御してもよい。この様に制御することにより、遊技者は、先読み対象保留画像が何れの保留画像であるか判らなくなり、演出の意外性が向上する。
また、以上に図33〜図35、図59および図60等を用いて説明した「大物かも」保留変化予告演出において、先読み対象保留画像の表示態様は変化させないように制御してもよい。
また、「大物かも」保留変化予告演出において、非先読み対象保留画像(および非先読み消化保留画像)のアクション(図59参照)が、より大当り信頼度が高くなる方向に変化(アップ)する場合があるように制御してもよい。
また、「大物かも」保留変化予告演出において、非先読み対象保留画像のうちの一部(1つ以上)がアクションを行う場合があるように制御してもよい。
また、「大物かも」保留変化予告演出において、非先読み対象保留画像がアクションを止めたり再開したりする場合があるように制御してもよい。
また、「大物かも」保留変化予告演出において、先読み対象保留画像よりも前に表示された(又は後に表示された)非先読み対象保留画像はアクションしないように制御してもよい。
また、「大物かも」保留変化予告演出において、非先読み消化保留画像はアクションしないように制御してもよい。
また、「大物かも」保留変化予告演出において、非先読み対象保留画像は、アクションを実行するのではなく、表示態様が変化(例えば、先読み対象保留画像の方向に向いた矢印形状の画像に変化)するように制御してもよい。更には、非先読み対象保留画像のアクションの代わりに(又はアクションに追加して)、非先読み対象保留画像に付随する画像(例えば、先読み対象保留画像の方向に流れるオーラ画像)を表示してもよい。
また、図36、図37、図60−1、図61、図62等を用いて説明した「ズッコケ」保留変化予告演出において、先読み対象保留画像は、こけた後のタイミングで、色変化するように制御してもよい(図61(3)参照)。
また、「ズッコケ」保留変化予告演出において、全ての保留画像が形状変化(例えば、飛行機の形状に変化)すると共に(又は形状変化の後に)、先読み対象保留画像が色変化するように制御してもよい。
また、「ズッコケ」保留変化予告演出において、非先読み消化保留画像がアクションを実行することに応じて保留画像がこけるのではなく、他の演出(例えば、装飾図柄の周辺にミニキャラが出現する演出)に応じて保留画像がこけるように制御してもよい。
また、「ズッコケ」保留変化予告演出において、先読み対象保留画像を含む一部の保留画像がこけるように制御してもよい。
また、「ズッコケ」保留変化予告演出において、非先読み対象保留画像が消化されて実行される報知演出の実行時間(変動時間)に応じて、非先読み消化保留画像のアクションの実行時間を変えたり、実行するアクションの種類を決定したりするように制御してもよい。これにより、短い変動時間に収まるように、アクションを実行できる。
また、「ズッコケ」保留変化予告演出において、非先読み消化保留画像が、先読み対象保留画像だけに向けてアクションして(例えば、先読み対象保留画像にボールを投げて)、非先読み対象保留画像はこけないように制御してもよい。
また、「ズッコケ」保留変化予告演出において、逆に、少なくとも1つの非先読み対象保留画像のアクションにより、先読み消化保留画像が、大当り信頼度を示唆する態様に変化するように制御してもよい。
また、図39〜図41、図63〜図66等を用いて説明した「色変化示唆」保留変化予告演出において、先読み対象保留画像の段階で、顔変化させてから色変化させる場合があるように制御してもよい。
また、図48〜図51、図68〜図70等を用いて説明した「保留ボタン」保留変化予告演出において、ボタン操作は、連打、長押し、一発押し(1回の短押し)の何れでもよい。
また、「保留ボタン」保留変化予告演出において、保留ボタン画像aは、保留ボタンに係る操作有効期間外において、一旦非表示になって、再表示されるように制御されてもよい。
また、「保留ボタン」保留変化予告演出において、図48のステップS736〜S739等の制御構成とするのではなく、保留ボタンに係る操作有効期間中には、この操作有効期間を優先制御し、カットイン予告演出の操作有効期間は無効とする制御構成としてもよい。
また、「保留ボタン」保留変化予告演出において、図48のステップS736〜S739等の制御構成とするのではなく、保留ボタンに係る操作有効期間およびカットイン予告演出の操作有効期間の何れも有効に制御して、演出ボタン37の1回の操作に応じて、両方の操作有効期間に係る演出が実行される制御構成としてもよい。
また、以上に説明した先読み保留予告演出の何れかが実行されている際に、実行中の先読み保留予告演出の種類を示唆する情報を、消化保留画像が表示されるステージST0等に表示してもよい。
また、以上に説明した本実施形態において、特1特別図柄抽選の保留を示す保留画像、および、特2特別図柄抽選の保留を示す保留画像の両方を、それぞれ一列に表示する構成としてもよい。
また、以上に説明した本実施形態において、保留画像を表示する代わりに、ランプ(例えば、LED)を表示して、特別図柄抽選の保留数を演出的に表示する構成にして、適用可能な範囲で、以上に説明した先読み保留予告演出を実行するものとしてもよい。
また、以上に説明した本実施形態及び変形例等に記載された様々な特徴を任意に組み合わせてもよいことは言うまでもない。
また、上述したパチンコ遊技機1に設けられている各構成要素の形状、数、および設置位置等は、単なる一例に過ぎず他の形状、数、および設置位置であっても、本発明の範囲を逸脱しなければ本発明を実現できることは言うまでもない。また、上述した処理で用いられている数値等は、単なる一例に過ぎず他の数値であっても、本発明を実現できることは言うまでもない。
以上、本発明を実施形態を用いて詳細に説明してきたが、前述の説明はあらゆる点において本発明の例示にすぎず、その範囲を限定しようとするものではない。本発明の範囲を逸脱することなく種々の改良や変形を行うことができることは言うまでもない。また、本明細書において使用される用語は、特に言及しない限り、当該分野で通常用いられる意味で用いられることが理解されるべきである。したがって、他に定義されない限り、本明細書中で使用される全ての専門用語および技術用語は、本発明の属する分野の当業者によって一般的に理解されるのと同じ意味を有する。矛盾する場合、本明細書(定義も含めて)が優先する。