まず、本実施形態の弾球遊技機の概要について説明する。
本実施形態の弾球遊技機は、所定の始動条件が成立した場合に、所定の上限個数を限度に保留情報を記憶する記憶手段と、所定の開始条件が成立した場合に、前記記憶手段に記憶される保留情報に基づく図柄変動を開始させ、図柄を停止表示する図柄表示手段と、前記記憶手段に記憶される保留情報についての当否判定を、該保留情報に基づく図柄変動が開始される前に行う先読み判定手段と、前記先読み判定手段の判定結果に基づく保留表示画像を、その記憶順に配列して表示する保留情報表示手段とを備え、前記保留表示画像の表示態様は、前記保留情報の当り信頼度に対応付けられ、前記保留情報表示手段は、前記保留表示画像の前記当り信頼度が高い表示態様を前面側に表示させる。
本実施形態によれば、保留表示画像の表示態様は、保留情報の当り信頼度に対応付けられ、例えば、通常表示、青表示、赤表示の順で当り信頼度が高くなるように定められる。このとき、保留表示画像の当り信頼度の高い表示態様を前面側に表示させるので、遊技者は、複数の保留表示画像の中から当り信頼度の高い保留表示画像を容易に見つけることができる。これにより、遊技者に当り信頼度を的確に知得させることができる。
次に、図1を参照して、本実施形態のパチンコ遊技機1を構成する部分について説明する。図1に示すように、パチンコ遊技機1は、矩形状の外枠2と、この外枠2に開閉可能に枢着された前面枠3及び前扉5を備えている。
前面枠3は、額縁状であり開口部に遊技盤4(図3参照)が取付け可能となっている。また、前扉5の中央部にはガラス板6が嵌め込まれており、外部より遊技盤4が視認可能となっている。
前扉5の上部左右両側にはスピーカ7が設けられている。スピーカ7は、遊技に伴う演出効果音を外部に出力する音響出力部である。また、前扉5の左右両側及び上部には枠装飾LED(Light Emitting Diode)8が設けられている。枠装飾LED8は、遊技の演出に連動してLEDが発光、点滅する装飾部である。
前扉5の下側には前面板9があり、その左端部は前面枠3に開放可能に枢着されている。前面板9には、発射機構を作動させるための発射ハンドル10、遊技球を貯留する上貯留皿11、下貯留皿12等が設けられている。
また、上貯留皿11の表面部分には、内蔵ランプが点灯したとき操作が可能となる左演出ボタン13と、中央演出ボタン14が設けられている。演出ボタン13、14は、操作が有効となったとき、遊技者がボタンを押下することにより演出を変化させることができる。
図2は、本実施形態のパチンコ遊技機1の背面側の斜視図である。図2に示すように、パチンコ遊技機1の背面には、遊技盤4を裏側から押さえる枠体状の裏機構盤16が取り付けられている。
この裏機構盤16の上部には、パチンコホール側島設備の遊技球補給装置(図示省略)から供給される遊技球を貯留する遊技球貯留タンク17が設けられている。
また、遊技球貯留タンク17から球を導出するタンクレール18の傾斜下端には、遊技球を払い出すための遊技球払出装置19が設けられている。さらに、裏機構盤16の隅部には、パチンコホールにある全遊技機を統括的に管理するホールコンピュータ(図4参照)に電気的に接続するための外部端子基板21が、端子基板ケース22に収納され、設けられている。
また、裏機構盤16の略中央には、遊技盤4の裏側に装着された透明の裏カバー23が備えられており、この裏カバー23内に、演出制御基板25を収納した透明の演出制御基板ケース25aと、液晶制御基板26を収納した透明の液晶制御基板ケース26aとが設けられている。
演出制御基板25と液晶制御基板26の中間部には、ボリュームスイッチ31が設けられている。つまみ部分を回転させることで10段階の音量設定が可能である。
液晶制御基板ケース26aの下方には、主制御基板24を収納した透明な主制御基板ケース24aが設けられている。主制御基板24は、パチンコ遊技機1の動作を統括的に制御するものである。主制御基板24は、各種スイッチやセンサと接続されているため、これらの検知信号を受信して各種処理を行う。
また、主制御基板24には、RAMクリアスイッチ27が設けられている。RAMクリアスイッチ27を押下しながら、電源を投入することによりRAM領域の記憶内容は消去され、パチンコ遊技機1は初期状態となる。
演出制御基板25は、主制御基板24から送信される各種制御コマンドを受信し、その制御コマンドに基づいて、例えば、盤面装飾LED35或いは液晶表示装置36による演出を制御する。
主制御基板ケース24aの下方には、電源基板28を収めた透明な電源基板ケース28aと、払出制御基板29を収めた透明な払出制御基板ケース29aが配設されている。
さらに、発射ハンドル10に対応する位置には、遊技球を打撃する打撃槌やこれを駆動する発射モータを備えた遊技球発射装置(図示省略)の後側に発射制御基板30が設けられている。
次に、図3を参照して、本実施形態のパチンコ遊技機1の遊技盤について説明する。
図3に示すように遊技盤4は、略正方形のパネルで形成され、その盤面上の遊技領域4aは、化粧板4bの前面にビス等で固定されるセンター飾り体34a、左部コーナー飾り体34b、右部コーナー飾り体34c等の部材によって区画形成されている。飾り体34a〜34cは、ポリカーボネート等の硬質樹脂材料を用いた射出成形によってそれぞれ一体成型で形成されている。
センター飾り体34aには、複数の盤面装飾LED35が配置されている。盤面装飾LED35は、各遊技における図柄の変動表示や予告表示に伴い発光色や発光態様を変化させ、演出を盛り上げる装飾部である。
遊技盤4の中央部には開口が形成され、この開口内に液晶表示装置36の表示画面が配置される。液晶表示装置36は、種々の数字、キャラクタ等が描かれた図柄や背景画像、リーチ等の各種演出を遊技に応じて表示する表示器である。液晶表示装置36は、本発明の「図柄表示手段」に相当する。
センター飾り体34aの右側には、人形の腕の形状をした可動役物37aが配置されている。また、液晶表示装置36の前面下方には下駄の形状の可動役物37b配置されている。可動役物37a、37bは、いずれも遊技における演出や大当り期待度に応じて動作する。
液晶表示装置36の下方には、第1特別図柄始動口38a及び第2特別図柄始動口38bからなる始動入賞装置38が配置されている。遊技領域4aを流下する遊技球が第1特別図柄始動口38a、又は第2特別図柄始動口38bに入賞することにより抽選が行われ、後述する特別図柄表示装置43aにて特別図柄の変動表示がなされる。また、液晶表示装置36でも、特別図柄に対応した装飾図柄の変動表示が行われる。以下では、第1特別図柄始動口38aをスタートチャッカ(又は、短縮して「チャッカ」)と称することがある。
第2特別図柄始動口38bは開閉部材を備えており、開閉部材が開放した場合、遊技球が入賞し易い状態となる。上記開閉部材は、後述する普通図柄の抽選に当選した場合に、所定回数、所定時間開放する。以下では、第2特別図柄始動口38bと開閉部材を合わせた装置を普通電動役物、又は電動チューリップ(又は、短縮して「電チュー」)と称することがある。
始動入賞装置38の下方には、第1大入賞装置39aが配置されている。また、始動入賞装置38の右側には、第2大入賞装置39bが配置されている。大入賞装置39a、39bは、共に特別図柄の抽選に当選したとき、すなわち大当りとなったときに所定時間開放される入賞装置である。遊技球が大入賞装置39a、39bの内部にある大入賞口(図示省略)に入賞することにより、多くの賞球を獲得することが可能となる。
遊技領域4aの右側下方には、特別図柄表示装置43a及び普通図柄表示装置43bが配置されている。特別図柄表示装置43aは、2個の7セグメントLED(左及び中)から構成され、特別図柄始動口38a,38bへの入賞を契機として特別図柄を変動させ、抽選結果を表示する。なお、残り1個は(右)、特別図柄及び普通図柄の保留球数や、時短状態であることを表示する。
普通図柄表示装置43bは、複数のLEDからなる表示器であり、普通図柄用始動ゲート40aへの入賞を契機として普通図柄を始動させ、LEDの点灯により抽選結果を表示する。
遊技領域4aの左側には、普通図柄用始動ゲート40aや遊技球の流下方向を変化させる風車41、多数の遊技釘(図示省略)が配置されている。普通図柄用始動ゲート40aは、普通図柄の始動契機となる入賞装置である。遊技球が普通図柄用始動ゲート40aを通過することにより抽選が行われ、普通図柄表示装置43bにて、普通図柄が変動する。
また、第2大入賞装置39bの上方には、右普通図柄用始動ゲート40bが配置されている。これは、右打ちを行う遊技状態の場合の普通図柄用の始動ゲートであり、遊技者が右打ちをしているか否かを検知する役割も有する。
遊技領域4aの左側下方には、複数の一般入賞口42が配置されている。遊技球が一般入賞口42に入賞すると所定数の賞球の払出しが行われる。
遊技領域4aの最も左側には、発射機構により発射された遊技球を遊技領域4aに案内するため略上下方向に延びたガイドレール44が配置されている。ガイドレール44は、金属製の帯状の外内2本のガイドレール44a、44bで構成されている。
これら外内2本のガイドレール44a、44bの間で上下方向に延びた空間が、前記発射機構から発射された遊技球が通過する発射通路45を形成している。内側ガイドレール44bの上端には、発射球の発射方向(遊技領域4a側)への通過を許可すると共に戻り方向(発射通路45側)への通過を阻止する戻り球防止片46が配設されている。また、内側ガイドレール44bの最下部にはアウト球回収口47と、アウト球回収口47にアウト球を導入する球寄せ部48が形成されている。
図4は、パチンコ遊技機1の制御装置の構成を示すブロック図である。なお、図4では信号を中継する中継基板や、本発明に関係のない一部の部材の構成を省略した。
この制御装置は、パチンコ遊技機1の動作を統括的に制御する主制御基板24と、主制御基板24からコマンドを受けて演出の制御をする演出制御基板25を中心に構成される。電源基板28は、主制御基板24を初めとした各基板に接続され、外部電源から交流電圧24Vを受けて直流電圧に変換し、各基板に供給する。
主制御基板24は、その内部に、主制御基板側CPU241と、ROM242と、RAM243を備えている。主制御基板側CPU241は、いわゆるプロセッサ部であり、大当りを発生させるか否かの抽選処理、決定された変動パターンや停止図柄の情報から制御コマンド作成し、演出制御基板25に送信する等の処理を行う。主制御基板側CPU241は、本発明の「先読み判定手段」に相当する。
ROM242は、一連の遊技機制御手順を記述した制御プログラムや制御データ等を格納した記憶部である。また、RAM243は、主制御基板側CPU241の処理で設定されたデータを一時記憶するワークエリアを備えた記憶部である。RAM243は、本発明の「記憶手段」に相当する。
主制御基板24には、RAMクリアスイッチ27、始動入賞口センサ38c、大入賞口センサ39c、始動ゲート通過センサ40c、一般入賞口センサ42c、磁気センサ50、電波センサ51、振動センサ52が接続され、各検知信号を受信可能となっている。
磁気センサ50は、パチンコ遊技機1に磁石等を近づけた場合に、異常を検知するセンサである。また、電波センサ51は、パチンコ遊技機1に対し強い電波が発せられた場合に異常を検知するセンサであり、振動センサ52は、パチンコ遊技機1に対し強い振動が与えられた場合に異常を検知するセンサである。
また、主制御基板24には、特別図柄表示装置43a、普通図柄表示装置43bが接続され、主制御基板側CPU241が抽選処理により取得した乱数情報は、各図柄表示装置43a、43bに送信される。
さらに、主制御基板24には、パチンコ遊技機1の外部へ接続する端子を備えた外部端子基板21が接続されている。遊技における大当り、入賞数、ゲーム数等の各種情報は、主制御基板24から外部端子基板21を介してホールコンピュータに送信される。
さらに、主制御基板24には、払出制御基板29が接続されている。払出制御基板29には、下貯留皿満杯センサ12c及び扉開放センサ32が接続されているため、これらのセンサが異常を検知すると、検知信号は払出制御基板29から主制御基板24に送信される。なお、払出制御基板29には、遊技球払出装置19と、発射制御基板30(さらに発射装置10aと接続)が接続している。
次に、演出制御基板25は、その内部に、演出制御基板側CPU251と、ROM252と、RAM253を備えている。演出制御基板側CPU251は、いわゆるプロセッサ部であり、主制御基板24から送信された制御コマンドを受信し、その制御コマンドに基づいた各種演出を制御する処理を行う。CPU251は、本発明の保留情報表示手段に相当する。
ROM252は、一連の演出制御手順を記述した制御プログラムや演出データ等を格納した記憶部である。また、RAM253は、演出制御基板側CPU251の処理で設定されたデータを一時記憶するワークエリアを備えた記憶部である。
演出制御基板25には、スピーカ7、枠装飾LED8、盤面装飾LED35、ボリュームスイッチ31、左演出ボタン13、中央演出ボタン14が接続されている。これにより、演出制御基板25は、例えば、スピーカ7の効果音や各LED等の動作を制御し、演出効果を高めている。
演出ボタン13、14は、遊技者が有効期間にこれらを押下げることで、検知信号が演出制御基板25に送信され、液晶表示装置36に表示される演出が変化する。
演出制御基板25には、液晶制御基板26が接続されている。液晶制御基板26は、演出制御基板25からコマンドを受けて液晶表示装置36の表示制御を行うものである。
液晶制御基板26は、その内部に、液晶制御CPU261と、液晶制御ROM262と、液晶制御RAM263と、映像表示プロセッサVDP264と、画像データROM265と、VRAM266を備えている。
液晶制御CPU261は、いわゆるプロセッサ部であり、演出制御基板25から受信した液晶制御コマンドに基づいて表示制御を行うために必要な液晶制御データを生成する。また、そのデータを映像表示プロセッサVDP264に出力する。
液晶制御ROM262は、液晶制御CPU261の動作手順を記述したプログラムを格納した記憶部であり、液晶制御RAM263は、ワークエリアやバッファメモリとして機能する記憶部である。
映像表示プロセッサVDP264は、液晶表示装置36に表示する画像データの画像処理を行うプロセッサである。また、画像データROM265は、映像表示プロセッサVDP264が画像処理を行うために必要な画像データを格納した記憶部であり、VRAM266は、映像表示プロセッサVDP264が画像処理した画像データを一時記憶する記憶部である。
上記の構成により液晶制御基板26は、演出制御基板25から送信された液晶制御コマンドに基づき画像処理を行い、液晶表示装置36に演出画像や動画を表示している。
次に、図5を参照して、特別図柄及び遊技状態について説明する。
まず、図5(a)を参照して、2種類の特別図柄について説明する。初めに、「特別図柄1」(以下、特図1という)は、遊技球がチャッカ(第1特別図柄始動口38a)に入賞した場合に変動表示が開始される特別図柄である。
特図1の変動表示は、特別図柄表示装置43aで行われ、液晶表示装置36では、遊技者が視認し易い装飾図柄で表示される。特図1が大当りの態様で停止した場合には、パチンコ遊技機1は、特別遊技状態(大当り遊技状態)に移行する。
大当り確率は機種によって異なるが、本実施形態では、低確率のとき1/390、高確率のとき1/45に設定されている。大当りには価値の異なる複数種類の当りがあり、本実施形態では、2ラウンド、6ラウンド、16ラウンドの大当り(以下、それぞれ2R、6R、16R大当りという)がある。
特図1の抽選では、大当り全体に占める2R大当りの割合が19.5%に設定されている。また、大当り全体に占める6R大当り、16R大当りの割合は、それぞれ46.5%、34%に設定されている。この割合も機種によって異なる。
次に、「特別図柄2」(以下、特図2という)について説明する。特図2は、遊技球が電動チューリップ(第2特別図柄始動口38b)に入賞した場合に変動表示が開始される特別図柄である。特図1と同様に、特図2が大当りの態様で停止した場合には、パチンコ遊技機1は、特別遊技状態に移行する。
大当り確率については、低確率、高確率共に特図1の場合と同じである。また、大当り全体に占める2R大当りの割合は、19.5%で同じ値に設定されているが、6R大当り、16R大当りの割合は、それぞれ38.5%、42%に設定され、異なっている。このようにパチンコ遊技機1は、電動チューリップから入賞する遊技状態の方が、16R大当りが発生し易い設定となっている。
次に、図5(b)を参照して、各遊技状態について説明する。まず、「通常状態」とは、後述する時短状態、確変状態及び特別遊技状態(大当り遊技状態)の何れのでもない通常の遊技状態をいう。大当り確率は、低確率(1/390)であり、電チューサポート、すなわち、電動チューリップが作動して始動入賞をアシストする機能がない。
次に、「時短状態」とは、図柄の変動表示時間が短縮される遊技状態をいう。大当り確率は、通常状態と同じ低確率(1/390)であるが、電チューサポートが行われる。すなわち、始動入賞し易く、図柄の変動表示時間も短いため、通常状態と比較して遊技の進行が早くなる。
最後に、「確変状態」とは、大当り確率を変動させて大当りを発生し易くした確率変動状態のことである。大当り確率は、高確率(1/45)であり、例えば、特定の図柄による大当りの後に確変状態に移行する。電チューサポートが行われる点は、時短状態の場合と同じである。
次に、図6を参照して、液晶表示装置36に表示される装飾図柄56及び保留情報画像58の表示状態について説明する。保留情報表示部57は表示画面の左下隅に設定され、保留情報画像58を表示する。保留情報画像58は保留球情報に対応する。保留球情報は、遊技球が第1特別図柄始動口38a又は第2特別図柄始動口38bに入賞するごとに1つ生成されて、1つの保留情報としてRAM243に記憶される。保留情報表示部57の位置は、保留情報画像58が表示されたときに、変動中の装飾図柄56と干渉しない(=重ならない)位置として設定されたものである。
液晶表示装置36における装飾図柄56の変動及びその後の停止図柄は、保留情報画像58と同様に、1つの保留球情報に対応付けられる。保留情報表示部57における各保留情報画像58は、その保留球情報を介して対応付けられている、装飾図柄56の変動の開始の直前に保留情報表示部57から消滅する。
なお、RAM243における保留球情報の記憶数については、所定の上限が設定されている。このパチンコ遊技機1では、遊技球が第1特別図柄始動口38aに入賞するごとに1つずつ生成される保留球情報の上限数と、遊技球が第2特別図柄始動口38bに入賞するごとに1つずつ生成される保留球情報の上限数が共に4に設定されているので、合計の上限数は8となる。
保留情報表示部57における保留情報画像58の表示方式には、遊技球の入賞場所が第1特別図柄始動口38aか第2特別図柄始動口38bかを区別することなく、各保留情報画像58に係る保留球情報の生成順に対応の保留情報画像58を並べる方式がある。
また、保留情報表示部57を、遊技球が第1特別図柄始動口38aに入賞するのに起因して生成された保留球情報の順に保留情報画像58を並べる領域と、遊技球が第2特別図柄始動口38bに入賞するのに起因して生成された保留球情報の順に保留情報画像58を並べる領域とに分ける方式がある。
以下の説明は、前者の方式で行う場合についての説明である。前者の方式の場合、保留情報表示部57における保留情報画像58の最大数は8となる。なお、後者の方式における各領域の保留情報画像58の表示態様(例:後述の前面側配置、径変更又は点滅)は、前者の方式における1つにまとめられた保留情報表示部57の保留情報画像58の表示態様と同一である。
図6(a)では、装飾図柄56は変動中となっている。装飾図柄56は、例えば‘0’〜‘9’を順番に並べた数字列から成り、液晶表示装置36の横方向に3列が設定される。図6(a)の下向きの3個の矢印は、各装飾図柄56が液晶表示装置36内を上から下へ流れている「変動中」を意味している。
図6(b)では、3つの装飾図柄56は共に変動を停止し、3つの数字が横方向に並ぶ。3つの装飾図柄56は同時に停止することなく、所定の停止順で1つずつ停止する。3つの装飾図柄56が停止したときに、同一数字が横方向に揃った場合には、今回の変動に対応する入賞が‘大当り’となったことを意味し、揃わなかった場合には、‘外れ’となったことを意味する。図6(a)と図6(b)では、保留情報表示部57における保留情報画像58の個数及び位置は同一である。
図6(c)は、装飾図柄56が図6(b)の停止状態(当り・外れ確認状態)から変動開始した時を示し、3つの装飾図柄56は図6(a)と同様の変動状態になる。保留情報表示部57における保留情報画像58の表示態様は図7で詳説するが、装飾図柄56の変動開始に先立ち、図6(b)の複数の保留情報画像58の内、左端の保留情報画像58が消滅し、左端から2番目以降の保留情報画像58が図6(c)の矢印で示すように、1つずつ左の位置へシフトされる。
なお、液晶表示装置36における装飾図柄56の変動及び停止と特別図柄表示装置43aにおける特図1,2の変動及び停止とは相互に同期されている。
次に、図7を参照して、保留情報表示部57における保留情報画像58の表示態様について具体的に説明する。図7及び後述の図8において、保留情報画像58の末尾の2字である符号"−1","−2","−3","−4"は、保留情報画像58に対応する保留球情報の生成順、すなわち生成の起因になった遊技球が第1特別図柄始動口38a又は38bに入賞した順番を示している。また、保留情報画像58−1〜58−4を総称するときは、保留情報画像58を用いる。
各保留球情報に対応する装飾図柄56が変動を開始することに先立って後述の図16のステップS176,S177が実行されて、後述の図19の表に示す抽選結果が取得されると共に、該抽選結果に対応する表示態様による保留情報画像58の表示が行われる。なお、図19の表において、抽選結果とは通常表示、青表示及び赤表示であり、これらは当り信頼度に対応し、当り信頼度は、通常表示<青表示<赤表示となっている。保留情報表示部57における各保留情報画像58の表示態様は、当り信頼度が反映される。図7は、この具体的な表示態様を示している。
図7及び後述の図8では、保留情報画像58の形状はすべて同一形状である。保留情報画像58は、その当り信頼度に応じて通常色、青又は赤とされる。なお、保留情報画像58の当り信頼度は、該保留情報画像58に対応する保留球情報についての当り信頼度に等しいものと定義する。保留球情報についての当り信頼度の抽選は後述の図16のステップS176で実施されるものである。
図7(a)〜(c)は、保留情報画像58の当り信頼度が高低の2段階に設定されているときの表示態様を示し、図7(d)は、保留情報画像58の当り信頼度が高中低の3段階に設定されているときの表示態様を示している。後述の図19は、保留情報画像58の信頼度を3段階(通常表示、青表示及び赤表示に対応する3段階)に設定されたときのものである。
赤又は青の保留情報画像58は、該保留情報画像58に対応する保留球情報が必ずしも‘当り’となることを意味しない。赤又は青の保留情報画像58が保留情報表示部57に表示されても、該保留情報画像58に対応する装飾図柄56の変動が終了し、終了時の停止図柄が外れを示すことがある(後述の図19のB*02〜B*05の行)。
逆に、通常色の保留情報画像58が表示されても、装飾図柄56の変動停止後の停止図柄が当りとなることもある(後述の図19のB*06〜B*08の行)。このような保留情報画像58の当り信頼度と実際の当り・外れとの関係は、装飾図柄56の変動中に遊技者に与える興趣を増加させる。
図7では、複数の保留情報画像58は、対応する保留球情報の生成順に左から右への配列で、保留情報画像58−1,58−2,58−3,58−4の順番で並べられる。また、配列方向に相互に隣接する保留情報画像58同士は、配列方向に両側の側縁を相互に重ねている。この重なりは、保留情報画像58の配置スペースとしての保留情報表示部57の面積の抑制に寄与している。
図7(a)は、表示中の4つの保留情報画像58の当り信頼度がすべて高低の2段階の内の‘低(以下、「低信頼度」又は「通常信頼度」という)’であるときの保留情報画像58の表示態様を示している。
すべての保留情報画像58は、同一の径(以下、「通常径」という)及び色(以下、「通常色」という)となっている。また、配列方向に隣接する保留情報画像58同士では、対応する保留球情報の古い方の保留情報画像58(左側の保留情報画像58)の側縁が新しい方の保留情報画像58(右側の保留情報画像58)の側縁より前側に表示される。
図7(b)は、保留情報画像58−3は、当り信頼度が高低の2段階の内の‘高’であり、他の3つの保留情報画像58−1,58−2,58−4は、通常信頼度の表示態様を示している。
本明細書では、保留情報画像58の当り信頼度を高低の2段階に設定したときの‘高’と、保留情報画像58の当り信頼度を高中低の3段階に設定したときの‘高’とを区別するためには、前者を‘高/2’といい、後者を‘高/3’という。
保留情報画像58の当り信頼度を高低の2段階に設定したときの‘低’の当り信頼度と、保留情報画像58の当り信頼度を高中低の3段階に設定したときの‘低’の当り信頼度とは等しい。また、両者の保留情報画像58の表示態様は、遊技者に対して当り信頼度の予告をしないときの保留情報画像58の表示態様と同一であるので、共に‘通常信頼度’と呼ぶ。
図7(b)の表示状態において、液晶表示装置36における装飾図柄56の変動(図6(a)。後述の図10のステップS77。)は、図7(b)の保留情報画像58−1に対応する保留球情報の1つ前に生成された保留球情報に対応するものであり、保留情報表示部57からは対応の保留情報画像58がすでに消去されている。
通常信頼度の保留情報画像58−1,58−2,58−4は、通常径の通常色となっているのに対し、高/2信頼度の保留情報画像58−3は通常径の特別色となる。また、保留情報画像58−3に対応する保留球情報は、保留情報画像58−2に対応する保留球情報より生成順が後であるにもかかわらず、保留情報画像58−3は、保留情報画像58−2の前面側に配置され、保留情報画像58−2の保留情報画像58−3側の側縁は保留情報画像58−3の裏に隠される。この結果、保留情報画像58−3の露出面積が増大し、遊技者は、保留情報画像58−3の存在を視認し易くなる。
図7(c)は、保留情報画像58のシフトについての説明図である。図7(b)において液晶表示装置36における装飾図柄56の変動が終了して、液晶表示装置36における停止図柄により保留球情報の当り・外れが遊技者に通知されると(後述の図10のステップS78に対応する)、保留情報画像58−1に対応する装飾図柄56の変動等が開始され(後述の図10のステップS76に対応する)、液晶表示装置36は図7(c)の状態になる。
また、変動等の開始の直前に、該変動等に対応する保留情報画像58−1は、保留情報表示部57から消去される。具体的には、保留情報画像58−2,58−3,58−4が、左へ1ピッチずつシフトされて、シフト前の保留情報画像58−1,58−2,58−3に上書きされることにより、シフト前の保留情報画像58−1,58−2,58−3が消去される。また、シフト前の保留情報画像58−4が保留情報画像58−3にシフトすることにより、保留情報画像58−4は保留情報表示部57から消滅する。
図7(b)において高/2信頼度の表示態様で表示されている保留情報画像58−3は、図7(c)へのシフト後の保留情報画像58−2においても、高/2信頼度の表示態様を維持する。同様に、通常信頼度の表示態様で表示されている保留情報画像58−2,58−4も、図7(c)へのシフト後の保留情報画像58−1,58−3において、通常信頼度の表示態様を維持する。すなわち、各保留情報画像58の当り信頼度は、保留情報表示部57に表示開始された時のものを保留情報表示部57における表示中、維持することになる。
図7(d)は保留情報画像58の当り信頼度が3段階に設定されているときの具体的な表示態様の一例である。図7(d)では、保留情報画像58−3は、高中低の3段階の内の‘高’(前述したように、「高/3信頼度」という)であり、保留情報画像58−2は、高中低の3段階の内の‘中’であり、その他の保留情報画像58は高中低の3段階の内の‘低’(前述したように、「通常信頼度」という)となっている。
図7(d)では、通常信頼度の保留情報画像58−1,58−4は、通常径の通常色となっているのに対し、中信頼度の保留情報画像58−2及び高/3信頼度の保留情報画像58−3は、通常径ではあるものの、通常色とは異なる特別色で表示される。中信頼度及び高/3信頼度の特別色とは、具体的には、例えば後述の図19の青及び赤である。
さらに、図7(d)では、高/3信頼度の保留情報画像58−3は、それに対応する保留球情報の生成順に関係なく最前面側に配置され、配列方向両側の保留情報画像58−2,58−4の側縁を裏側に隠す。中信頼度の保留情報画像58−2は、それに隣接する保留情報画像58が通常信頼度であるときには、保留情報画像58に対応する保留球情報の生成順に関係なく、それより低い信頼度としての通常信頼度の保留情報画像58、具体的には保留情報画像58−1より前面側に配置され、保留情報画像58−1の側縁を裏側に隠す。
ただし、保留情報画像58−2は、それに隣接する保留情報画像58がそれより高い信頼度としての高/3信頼度であるときには、保留情報画像58に対応する保留球情報の生成順に関係なく、高/3信頼度の保留情報画像58、具体的には保留情報画像58−3より後面側に配置され、側縁を保留情報画像58−3の裏側に隠される。
次に、図8を参照して、保留情報表示部57における保留情報画像58の別の表示態様について具体的に説明する。図8(a)〜(d)は、当り信頼度(保留情報)が高低の2段階に設定されているときの表示態様を示し、図8(e),(f)は、当り信頼度が高中低の3段階に設定されているときの表示態様を示している。図8(a)〜(d)は、保留情報画像58が計3個であるときを示し、図8(e),(f)は、保留情報画像58が計4個であるときを示す。
図8(a),(b),(d)及び(f)では、配列方向の隣接保留情報画像58同士が通常径(最小径)であるときに、両者の間に所定寸法の間隙が形成されるように、保留情報画像58間の間隔が設定されている。これに対し、図8(c)では、配列方向の隣接保留情報画像58同士が通常径(最小径)であるときに、両者が側縁を部分的に重ならせるように、保留情報画像58間の間隔が固定されている。図8(c)及び(e)では、保留情報画像58間の間隔は保留情報画像58の径に応じて調整される。
図8(b)は、3つの保留球情報の内、生成順が3番である保留球情報が高/2信頼度であり、他の2つの保留球情報が通常信頼度であるときの保留情報画像58の表示態様を示している。保留情報画像58−1,58−2は通常径の通常色となっているのに対し、保留情報画像58−3は拡大径(拡大径>通常径)の特別色となる。
また、保留情報画像58−2,58−3は、保留情報画像58−3の拡大径のために、配列方向(左右方向)が部分的に重なる。その際、高/2信頼度の保留情報画像58−3は、通常信頼度の保留情報画像58−2の前面側に配置され、保留情報画像58−2は、部分的に保留情報画像58−3の裏に隠される。
なお、保留情報画像58の配列において、図8(b)における保留情報画像58の配置間隔は、図8(a)における保留情報画像58の配置間隔と同一となっている。これにより、高信頼度の保留情報画像58について径が拡大しても、保留情報表示部57の面積拡大が抑制されると共に、高信頼度の保留情報画像58についての径拡大により、遊技者は高信頼度の保留情報画像58の存在を視認し易くなる。
図8(c)では、図8(b)と同様に、高/2信頼度の保留情報画像58−3が拡大径で表示される。図8(c)では、保留情報画像58の表示領域としての保留情報表示部57の面積を低減するために、隣接した保留情報画像58同士が配列方向に部分的に重なるように設定されている。したがって、拡大径の保留情報画像58の表示により隣接の通常径の保留情報画像58が完全に隠れるか、露出面積が極端に小さくなり、遊技者が当該隣接の保留情報画像58を認識し難くなることがある。
この対策として、拡大径の保留情報画像58と隣接する通常径の保留情報画像58との間隔を、通常径の保留情報画像58の隣接同士の間隔より一定量広げる。この結果、通常径の保留情報画像58が拡大径の保留情報画像58と隣接したときにも、所定値以上の露出面積が確保される。
図8(d)では、通常信頼度の保留情報画像58−1,58−3は、通常色の通常径で常時表示状態になっているのに対し、高/2信頼度の保留情報画像58−2は、特別色の通常径を維持しつつ、所定の時間間隔で点滅する。保留情報画像58−2の点滅は、遊技者に当該保留表示画像を視認し易くさせる。
図8(e)では、保留情報画像58−2が中信頼度であり、保留情報画像58−3が高/3信頼度となっている。通常信頼度の保留情報画像58−1,58−4は通常色の通常径で表示される。中信頼度の保留情報画像58−2は、中信頼度用に設定した特別色(後述の図19では青)でかつ通常径より1回り大きい中拡大の径で表示される。高/3信頼度の保留情報画像58−3は、高/3信頼度用に設定した特別色(後述の図19では赤)でかつ中拡大の径より1回り大拡大の径で表示される。
さらに、図8(e)では、保留情報画像58について、図7(d)の場合と同様に、高信頼度の保留情報画像58ほど前面側になるように配置される。したがって、保留情報画像58−3は最前面に表示され、保留情報画像58−2は最前面から2番目に表示され、保留情報画像58−1,58−4は最背面に表示される。この結果、当り信頼度の高い保留情報画像58ほど遊技者に視認し易くなると共に、注目され易くなる。
このように、図8(e)では、当り信頼度の低い保留情報画像58が高い保留情報画像58の裏に隠れても、所定量の露出面積が確保されるように、配列方向の保留情報画像58の間隔が、高/3信頼度及び中信頼度の保留情報画像58の両側では増大される。
最後に、図8(f)では、図8(e)と同様に、保留情報画像58−2が中信頼度であり、保留情報画像58−3が高/3信頼度となっている。また、図8(e)では、保留情報画像58の径は当り信頼度に応じて異なるものになっているのに対し、図8(f)では、保留情報画像58の径は、図8(d)のときと同様に、当り信頼度に関係なく通常径となっている。
さらに、図8(f)では、通常信頼度の保留情報画像58−1,58−4は、常時表示状態になっているのに対し、中信頼度及び高/3信頼度の保留情報画像58−2,58−3は、当り信頼度に応じた点滅周波数を設定され、点滅する。点滅周波数は、高信頼度の保留情報画像58ほど高い点滅周波数が設定され、遊技者の見易さ及び注目度を大きくさせる。すなわち、高/3信頼度の保留情報画像58−3の点滅周波数は中信頼度の保留情報画像58−2の点滅周波数より高くなっている。
以下では、図9を参照して、主制御側で行われる遊技管理処理について説明する。以下で説明する遊技管理処理は、電源投入処理が正常に終了した場合に、主制御側のメインループに対して実行されるタイマ割込み処理である。
まず、主制御基板24におけるプログラム実行主体としてのCPU241は、タイマ管理処理を行う(ステップS10)。パチンコ遊技機1には、後述する特別図柄役物動作タイマの他、普図及び特図役物動作タイマ等の多数のタイマが用意されており、それぞれ遊技に関する時間を計時している。
CPU241は、処理状態に応じて各種タイマを更新(タイマを減算)することで、多数のタイマを管理している。その後、ステップS20に進む。
ステップS20では、CPU241は、賞球管理処理を行う。これは、遊技盤4の遊技領域を流下する遊技球が、第1特別図柄始動口38aや一般入賞口42に入賞した場合に行われる処理である。例えば、一般入賞口42の内部にある一般入賞口センサ42cが遊技球を検出し、球検出信号をCPU241に送信する。
CPU241は、上記信号を受信すると、払出制御基板29(さらには、遊技球払出装置19)に向けて所定個数の賞球の払出しを行うための制御信号を送信する。遊技球払出装置19は、上記制御信号を受信した後に、上貯留皿11(上貯留皿11が満杯である場合には、下貯留皿12)に所定個数の賞球を払出す。その後、ステップS30に進む。
ステップS30では、CPU241は、普通図柄管理処理を行う。これは、遊技盤4の遊技領域を流下する遊技球が、普通図柄用始動ゲート40a、又は右普通図柄用始動ゲート40bを通過した場合に行われる処理である。具体的には、始動ゲート40a、40bの内部にある始動ゲート通過センサ40cは、ゲートを通過した遊技球を検出して、球検出信号をCPU241に送信する。
CPU241は、上記信号を受信すると、普通図柄の抽選乱数を取得する。この抽選乱数は最大4個まで記憶可能であり、記憶した順に上記抽選乱数の当否を抽選する。
また、CPU241は、普通図柄表示装置43bに制御信号を送信する。普通図柄表示装置43bでは、LEDの点滅による普通図柄の変動が行われ、普通図柄は、所定時間の経過後、抽選結果に応じて当り又は外れの態様を表示して停止する。その後、ステップS40に進む。
ステップS40では、CPU241は、普通電動役物管理処理を行う。これは、普通図柄の抽選結果により普通電動役物の動作を制御する処理である。普通図柄管理処理(ステップS30)にて、普通図柄が当り態様で停止した場合には、CPU241は、普通電動役物用ソレノイドに制御信号を送信し、所定時間、第2特別図柄始動口38bの開閉部材を開放する。
CPU241は、上記所定時間が経過した場合、又は所定時間経過前に第2特別図柄始動口38bに予め定められた上限数の遊技球が入賞した場合に、上記開閉部材を閉鎖するための制御信号を普通電動役物用ソレノイドに送信する。これにより、上記開閉部材は閉鎖する。その後、ステップS50に進む。
なお、普通図柄管理処理(ステップS30)にて、普通図柄が外れ態様で停止した場合には、上記開閉部材を開放することはなく、CPU241は、何もせず普通電動役物管理処理を終了する。
ステップS50では、CPU241は、特別図柄管理処理を行う。これは、遊技盤4の遊技領域を流下する遊技球が、第1特別図柄始動口38a、又は第2特別図柄始動口38bに入賞した場合に行われる処理である。
詳細は後述するが、始動入賞口センサ38cが遊技球を検出すると、始動入賞口センサ38cは、球検出信号をCPU241に送信し、CPU241では特別図柄の抽選が行われる。
CPU241は、特別図柄表示装置43aに制御信号を送信する。特別図柄表示装置43aでは、7セグメントLEDによる特別図柄の変動が行われ、特別図柄は、所定時間の経過後に抽選結果に応じて当り又は外れの態様を表示して停止する。また、特別図柄の変動は、液晶表示装置36においても遊技者に確実に認識可能な装飾図柄で表示される。その後、ステップS60に進む。
最後に、ステップS60では、CPU241は、特別電動役物管理処理を行う。これは、特別図柄の抽選結果により特別電動役物(大入賞装置39a、39b)の動作を制御する処理である。
特別図柄が当り態様で停止した場合には、いわゆる大当りが発生し、所定のラウンド数の特別遊技が遊技者に付与される。特別図柄管理処理(ステップS50)にて、特別図柄が外れ態様で停止した場合には、CPU241は、何もせず特別電動役物管理処理を終了する。特別電動役物管理処理が終了すると、遊技管理処理も終了となる。
次に、図10を参照して、遊技管理処理の中で行われる特別図柄管理処理について説明する。特別図柄管理処理では、CPU241は、後述する特別図柄の動作ステータス(変動待機中、変動中、確認時間中)を判定し、それぞれの処理を行う。
まず、CPU241は、始動口チェック処理1を行う(ステップS71)。これは、遊技球が第1特別図柄始動口38aへ入賞した場合の処理である。
以下、図11を参照して、始動口チェック処理1について説明する。
まず、CPU241は、特図1始動口へ入賞したか否かを判定する(ステップS81)。特図1始動口である第1特別図柄始動口38aに遊技球が入賞した場合には、「YES」の判定となり、ステップS82に進む。一方、特図1始動口へ入賞していない場合には、「NO」の判定となり、始動口チェック処理1を終了する。
ステップS81の判定が「YES」である場合、CPU241は、特図1の保留球数が上限値か否かを判定する(ステップS82)。特図1の保留球数の上限は、4個である。
特図1の保留球数が上限値に達した場合には、「YES」の判定となり、ステップS89に進む。ここで、後述する「保留加算コマンド」は、保留球数が上限値である場合(オーバーフロー時)にも送信されることがあるため、ステップS89に進む。一方、特図1の保留球数が上限値に達していない場合には、「NO」の判定となり、ステップS83に進む。
ステップS82の判定が「NO」である場合、CPU241は、特図1の保留球数を1インクリメントする(ステップS83)。その後、ステップS84に進む。
ステップS84では、CPU241は、大当り判定用乱数、特別図柄用乱数、変動パターン用乱数1、変動パターン用乱数2を保留記憶エリアに格納する。「大当り判定用乱数」は、大当りか否かの抽選に用いられる乱数、「特別図柄用乱数」は、変動後に停止する特別図柄に関する乱数である。また、「変動パターン用乱数1」、「変動パターン用乱数2」は、上述の特図変動パターンを選択するための乱数である。なお、保留記憶エリアとは、主制御基板24のRAM243である。その後、ステップS85に進む。
ステップS85では、CPU241は、入賞コマンドデータに01Hをセットする。「入賞コマンドデータ」とは、保留先読みに関する情報を含むデータであり、「01H」は、入賞コマンドデータの下位バイトを保留先読み禁止にセットすることを意味する。その後、ステップS86に進む。
次に、CPU241は、保留先読みが禁止か否かを判定する(ステップS86)。保留先読みが禁止の場合には、「YES」の判定となり、ステップS89に進む。一方、保留先読みが禁止でない場合には、「NO」の判定となり、ステップS87に進む。なお、ステップS86における保留先読みが禁止か否かの判定は、現在の遊技状態に基づいて行っている。これに対し、前述のステップS85における入賞コマンドデータの下位バイトへの保留先読み禁止のセットは、現在の遊技状態に関係なく、行うものとなっている。
ステップS86において保留先読みが禁止となる現在の遊技状態とは、例えば、遊技球が(イ)大当り中に始動入賞したとき、(ロ)普通電動役物開放延長状態中(いわゆる、電チューサポート状態)に第1特別図柄始動口に入賞したとき、又は(ハ)普通電動役物開放延長状態中以外(いわゆる、通常時)に第2特別図柄始動口に入賞したときである。
ステップS87,S88は、保留先読みが禁止状態でないときに実行される。ステップS87では、CPU241は、保留先読み処理を行う。具体的には、ステップS84で保留記憶エリアに格納した乱数を参照して、取得した大当り判定用乱数値が当りか否かを判定したり、特図1の停止図柄や変動パターンに関する入賞コマンドデータを取得する。その後、ステップS88に進む。
ステップS88では、CPU241は、ステップS87の判定結果に基づいて、入賞コマンドデータに応じた保留加算コマンド(下位バイト)を作成する。具体的には、入賞コマンドデータに応じて「保留加算コマンド(2バイトの制御コマンド)」の下位バイトを作成する。これにより、ステップS85でセットした「01H」が書き換えられる。その後、ステップS89に進む。
ステップS89では、CPU241は、保留球数に応じた保留加算コマンド(上位バイト)を作成する。すなわち、「保留加算コマンド」は、ステップS83で加算した保留球数の情報を上位バイト、ステップS87で作成した保留先読みに関する情報を下位バイトとする制御コマンドである。その後、ステップS90に進む。
最後に、CPU241は、保留加算コマンドを送信する(ステップS90)。具体的には、主制御基板24は、演出制御基板25に向けて「保留加算コマンド」を送信する。その後、始動口チェック処理1を終了する。
CPU241がステップS90において送信する保留加算コマンドは、図18に送信コマンドとして示されている。保留加算コマンドは、保留球数ごとに8種類、定義されており、リーチ等についての情報と共に、当り・外れの情報を含んでいる。なお、保留球数の上限は8である。ただし、遊技球の入賞場所が第1特別図柄始動口38aか第2特別図柄始動口38bかを区別して、保留情報画像58を表示するときは、保留球数の上限は入賞口ごとに4である。
図10に戻るが、その後、ステップS72に進む。ステップS72では、CPU241は、始動口チェック処理2を行う。始動口チェック処理2は、遊技球が第2特別図柄始動口38bへ入賞した場合の処理である。
以下、図12を参照して、始動口チェック処理2について説明する。始動口チェック処理2は、始動口チェック処理1と内容がほぼ共通するので、説明を一部省略する。
まず、CPU241は、特図2始動口へ入賞したか否かを判定する(ステップS101)。特図2始動口である特別図柄始動口38bに遊技球が入賞した場合には、「YES」の判定となり、ステップS102に進む。一方、特図2始動口へ入賞していない場合には、「NO」の判定となり、始動口チェック処理2を終了する。
ステップS101の判定が「YES」である場合、CPU241は、特図2の保留球数が上限値か否かを判定する(ステップS102)。特図2の保留球数の上限も、4個である。
特図2の保留球数が上限値に達した場合には、「YES」の判定となり、ステップS109に進む。一方、特図2の保留球数が上限値に達していない場合には、「NO」の判定となり、ステップS103に進む。
ステップS102の判定が「NO」である場合、CPU241は、特図2の保留球数を1インクリメントする(ステップS103)。このとき、特図1と特図2の保留球数の合計である合算値も更新される。その後、ステップS104に進む。
ステップS104では、CPU241は、大当り判定用乱数、特別図柄用乱数、変動パターン用乱数1、変動パターン用乱数2を保留記憶エリアに格納する。その後、ステップS105に進む。
ステップS105では、CPU241は、入賞コマンドデータに01Hをセットする。その後、ステップS106に進む。
次に、CPU241は、保留先読みが禁止か否かを判定する(ステップS106)。なお、保留先読みを禁止する条件は、始動口チェック処理1の条件とは必ずしも一致しない。保留先読みが禁止の場合には、「YES」の判定となり、ステップS109に進む。一方、保留先読みが禁止でない場合には、「NO」の判定となり、ステップS107に進む。
ステップS107では、CPU241は、保留先読み処理を行う。保留先読み処理の具体的な内容は、始動口チェック処理1の場合と同じである。その後、ステップS108に進む。
ステップS108では、CPU241は、入賞コマンドデータに応じた保留加算コマンド(下位バイト)を作成する。その後、ステップS109に進む。
ステップS109では、CPU241は、保留球数に応じた保留加算コマンド(上位バイト)を作成する。その後、ステップS110に進む。
最後に、CPU241は、保留加算コマンドを送信する(ステップS110)。その後、始動口チェック処理2を終了する。具体的な保留加算コマンドは、始動口チェック処理1のステップS90において説明した図18に示したものである。
図10に戻るが、その後、ステップS73に進む。ステップS73では、CPU241は、小当りフラグがONしているか否かを判定する。小当りが発生して小当りフラグがONしている場合には、「YES」の判定となり、ステップS79に進む。一方、小当りフラグがONしていない場合には、「NO」の判定となり、ステップS74に進む。
ステップS73の判定が「NO」である場合、CPU241は、条件装置作動フラグがONしているか否かを判定する(ステップS74)。条件装置とは、大当り発生時に大当りを継続する条件が成立した場合に作動する装置である。条件装置作動フラグがONしている場合には、「YES」の判定となり、ステップS79に進む。
一方、条件装置作動フラグがONしていない場合には、「NO」の判定となり、ステップS75に進む。すなわち、ステップS75以降は、小当りや大当りが発生していない通常遊技状態での処理となる。
ステップS74の判定が「NO」である場合、CPU241は、特別図柄動作ステータス判定を行う(ステップS75)。特別図柄動作ステータス(以下、特図動作ステータスともいう)が00H、01Hに設定されている場合は、特別図柄が「変動待機中」であるので、ステップS76に進む。
また、特図動作ステータスが02Hに設定されている場合は、特別図柄が「変動中」であるので、ステップS77に進む。さらに、特図動作ステータスが03Hに設定されている場合は、特別図柄の「確認時間中」であるので、ステップS78に進む。以下、各特図動作ステータスにおける処理ついて説明する。
まず、図13A、13Bを参照して、特別図柄管理処理の中で行われる特別図柄変動開始処理について説明する。上述の通り、CPU241は、特別図柄動作ステータス判定(図10:ステップS75)で、特図動作ステータスが00H、01H(共に変動待機中)と判断された場合に、この処理を行う。
まず、CPU241は、特図2保留球数が0であるか否かを判定する(ステップS121)。特図2の保留球数が0である場合には、「YES」の判定となり、ステップS122に進む。一方、特図2の保留球数が0でない場合には、「NO」の判定となり、ステップS126(図13B参照)に進む。
ステップS121の判定が「YES」である場合、CPU241は、特図1の保留球数が0であるか否かを判定する(ステップS122)。特図1の保留球数が0である場合には、「YES」の判定となり、ステップS123に進む。一方、特図1の保留球数が0でない場合には、「NO」の判定となり、ステップS126に進む。
ステップS122の判定が「YES」である場合、CPU241は、特別図柄動作ステータスが00Hであるか否かを判定する(ステップS123)。なお、後述の特別図柄確認時間中処理(図10:ステップS78)が実行された直後は、特図動作ステータスとして01Hがセットされている。
特図動作ステータスが00Hである場合には、「YES」の判定となり、特別図柄変動開始処理を終了する。一方、特図動作ステータスが00Hでない場合(01Hである場合)には、「NO」の判定となり、ステップS124に進む。
ステップS123の判定が「NO」である場合、CPU241は、客待ちデモコマンドを送信する(ステップS124)。「客待ちデモコマンド」は、特図1、特図2の保留球情報がなく、特図動作ステータスが01Hという条件の場合に、主制御基板24から演出制御基板25に向けて送信される。その後、ステップS125に進む。
ステップS125では、CPU241は、特別図柄動作ステータスに00Hをセットする。これで特別図柄変動開始処理は終了となるが、これ以後、特別図柄変動開始処理では、保留球情報が発生しない限り、ステップS123の判定で「YES」となる処理を繰り返す。
次に、ステップS121、S122の判定が「NO」である場合、CPU241は、特図1又は特図2の保留球数を1デクリメントする(ステップS126)。その後、ステップS127に進む。
ステップS127では、CPU241は、保留減算コマンドを送信する。主制御基板24は、演出制御基板25に向けて「保留減算コマンド」を送信するので、特別図柄表示装置43a(右側の7セグメントLED)の保留表示及び液晶表示装置36に表示された保留表示が1減算される。その後、ステップS128に進む。
ステップS128では、CPU241は、特別図柄動作確認データをセットする。具体的には、特図1が変動を開始する場合は特別図柄動作確認データとして00Hを、特図2が変動を開始する場合は01Hをセットする。その後、ステップS129に進む。
ステップS129では、CPU241は、保留記憶エリアをシフトする。保留記憶エリア1〜4は、保留球数の減算に伴い1だけシフトする。このとき、保留記憶エリア4については0をセットする。その後、ステップS130に進む。
ステップS130では、CPU241は、特別電動役物作動判定用乱数判定処理を行う。これは、特図に対応した当り乱数判定用テーブルを決定して乱数判定処理を行う、いわゆる特図の抽選処理である。大当り、小当り判定フラグをワークエリアへ格納する処理も行う。その後、ステップS131に進む。
ステップS131では、CPU241は、特別停止図柄作成処理を行う。具体的には、特図に対応した図柄テーブル選択テーブルを選択し、図柄判定用乱数値、大当り、小当り判定フラグを取得して特図の停止図柄を作成する。また、特図1又は特図2の停止図柄番号、大当り判定フラグ等を対応するワークエリアに格納する。その後、ステップS132に進む。
ステップS132では、CPU241は、遊技状態移行準備処理を行う。ここでは、大当り判定フラグがONしている場合に、大当り種別に応じた遊技状態移行テーブルを選択し、これを参照して各種バッファに値を格納する。その後、ステップS133に進む。
ステップS133では、CPU241は、特図変動パターン作成処理を行う。これは、変動パターン振分けテーブルを選択し、特別図柄の変動パターンを作成する処理である。その後、ステップS134に進む。
ステップS134では、CPU241は、特図1又は特図2の変動中フラグをONにセットする。具体的には、これから変動することになる一方の特図の変動中フラグをONとする。その後、ステップS135に進む。
ステップS135では、CPU241は、特図指定コマンドを作成する。特図指定コマンドには、液晶表示装置36で変動表示する装飾図柄の情報も含まれる。その後、ステップS136に進む。
ステップS136では、CPU241は、特図指定コマンドを送信する。具体的には、主制御基板24は、演出制御基板25に向けて、「特図指定コマンド」を送信する。その後、ステップS137に進む。
最後に、CPU241は、変動開始時の各種設定を行う(ステップS137)。具体的には、乱数記憶エリアに00H(消去)をセットする。また、特別図柄動作ステータスを02H(変動中)にセットするので、次回の特別図柄管理処理では、特別図柄動作ステータス判定(図10:ステップS75)にて、後述する特別図柄変動中処理(図10:ステップS77)に分岐するようになる。その後、特別図柄変動開始処理を終了する。図10に戻るが、その後、ステップS79に進む(後述する)。
続いて、図14を参照して、特別図柄管理処理の中で行われる特別図柄変動中処理(図10:ステップS77)について説明する。上述の通り、CPU241は、特別図柄動作ステータス判定(図10:ステップS75)にて、特図動作ステータスが02H(変動中)と判断された場合、この処理を行う。
まず、CPU241は、特別図柄役物動作タイマが0であるか否かを判定する(ステップS151)。特別図柄役物動作タイマは、特図の変動時間に関するタイマである。特別図柄役物動作タイマが0である場合には、「YES」の判定となり、ステップS152に進む。一方、特別図柄役物動作タイマがまだ0となっていない場合には、「NO」の判定となり、特別図柄変動中処理を終了する。
ステップS151の判定が「YES」である場合、CPU241は、変動停止コマンドを送信する(ステップS152)。具体的には、主制御基板24は、演出制御基板25に向けて「変動停止コマンド」を送信するので、変動中の特別図柄が当り又は外れの態様で停止する。その後、ステップS153に進む。
ステップS153では、CPU241は、変動停止時の各種設定を行う。具体的には、特別図柄確定タイマを100msに、特別図柄役物動作タイマを500msに、特図1又は特図2の変動中フラグをOFFにセットする。
また、特別図柄動作ステータスを03H(確認時間中)にセットするので、次回の特別図柄管理処理では、特別図柄動作ステータス判定(図10:ステップS75)にて、後述する特別図柄確認時間中処理(図10:ステップS78)に分岐するようになる。その後、特別図柄変動中処理を終了する。図10に戻るが、その後、後述のステップS79に進む。
CPU241は、特別図柄動作ステータス判定(ステップS75)にて、特図動作ステータスが03H(確認時間中)と判断された場合、特別図柄確認時間中処理(ステップS78)を行う。
特別図柄確認時間中処理は、特別図柄の変動が停止したときに、大当り又は小当り時の設定、時短回数の減算、回数限定の確率変動であるST回数の減算等を行う処理である。
特別図柄役物時間タイマが0となった場合、特図動作ステータスを01H(変動待機中)にセットするので、次回の特別図柄管理処理では、特別図柄動作ステータス判定(ステップS75)にて、特別図柄変動開始処理(ステップS76)に分岐するようになる。その後、ステップS79に進む。
最後に、ステップS79では、CPU241は、特別図柄表示データを更新する。具体的には、特別図柄表示装置43aの特別図柄を更新する。その後、特別図柄管理処理を終了する。以上、主制御側で行われる各種処理について説明した。
以下では、図15を参照して、副制御側で行われる演出制御メイン処理について説明する。このメイン処理には、演出制御基板25におけるプログラム実行主体としてのCPU251の起動時に行われる初期化処理が含まれる。
まず、CPU251は、初期化処理を行う(ステップS161)。これは、主に、CPU251の各種初期設定を行うものであり、起動時に一度だけ行われる。その後、ステップS162に進む。
次に、CPU251は、メインループ更新周期となったか否かを判定する(ステップS162)。メインループとは、後述するステップS164〜S169までの処理であるが、その更新周期は16msである。
ステップS162に進んだとき更新周期の16msが経過すると、「YES」の判定となり、ステップS164に進む。一方、16ms経過する前の状態では、更新周期となっていないので、「NO」の判定となる。この場合には、ステップS163に進む。
ステップS162の判定が「NO」である場合、CPU251は、各種ソフト乱数の更新処理を行う(ステップS163)。その後、ステップS162の判定が「YES」となるまでステップS162、S163の処理を繰り返す。このループの期間に、1ms周期のタイマ割込み処理(図16参照)が実行されるが、CPU251は、この割込み処理回数をカウントして、上記の16msが経過したか否かを判定する。
ステップS162の判定が「YES」である場合、CPU251は、LEDデータ更新処理を行う(ステップS164)。上述の通り、ステップS164〜S169はメインループの処理となるが、ここでは、枠装飾LED8、盤面装飾LED35のデータを更新することで、装飾LEDの発光態様を変化させる。その後、ステップS165に進む。
ステップS165では、CPU251は、受信コマンド解析処理を行う。受信コマンド解析処理の詳細は後述するが、受信した制御コマンドの種別を解析し、それに応じた各種処理を行うものである。その後、ステップS166に進む。
ステップS166では、CPU251は、メインシナリオ更新処理を行う。具体的には、制御コマンドに応じた演出の各種設定を行う。その後、ステップS167に進む。
ステップS167では、CPU251は、サウンド出力処理を行う。具体的には、シナリオに応じてスピーカ7からサウンドを出力させる。その後、ステップS168に進む。
ステップS168では、CPU251は、ソレノイド更新処理を行う。具体的には、大入賞装置39等に用いられているソレノイドの詳細な動作を設定する。その後、ステップS169に進む。
ステップS169では、CPU251は、ノイズ対策用処理を行う。具体的には、周辺LSIがノイズの影響を受けていないかチェックする。この処理が終了すると、ステップS162に戻り、以降の処理を継続して実行する。
次に、図16を参照して、説明を後に回した副制御側のメイン処理の中で行われる受信コマンド解析処理(図15のステップS165)について説明する。
まず、CPU251は、受信コマンドが正常であるか否かを判定する(ステップS171)。受信コマンドが正常である場合には、「YES」の判定となり、ステップS172に進む。一方、受信コマンドが正常でない場合には、「NO」の判定となり、受信コマンド解析処理を終了する。
ステップS171の判定が「YES」である場合、CPU251は、受信コマンドが保留加算コマンドであるか否かを判定する(ステップS172)。「保留加算コマンド」は、始動口チェック処理1、2の中で、主制御基板24から演出制御基板25に向けて送信される制御コマンドである(図11のステップS90及び図12のステップS110参照)。
受信コマンドが「保留加算コマンド」である場合には、「YES」の判定となり、ステップS173に進む。一方、「保留加算コマンド」でない場合には、「NO」の判定となり、ステップS179に進む。
まず、ステップS172の判定が「YES」である場合を説明する。この場合、CPU251は、保留加算処理としてステップS173〜S177を実施する。受信コマンド解析処理の中で行われる保留加算処理は、遊技球が始動入賞した後であって、その入賞球に対応する図柄変動の開始前に行われる。
最初に、CPU251は、受信した保留加算コマンドに基づいて増加後の保留球数が2以上であるか否かを判定する(ステップS173)。CPU251は、保留球数を図19の受信コマンドの‘*’の値から知得することができる。増加後の保留球数が2以上である場合には、「YES」の判定となり、ステップS174に進む。一方、増加後の保留球数が2未満である場合には、「NO」の判定となり、受信コマンド解析処理を終了する。
ステップS174では、CPU251は、先読み予告を行うか否かの抽選を行う。先読み予告とは、今回の受信コマンドの基になった入球に対応して液晶表示装置36において行われる装飾図柄56の変動に対し、装飾図柄56の変動終了後に明らかになる当りの可能性を、装飾図柄56の変動開始前に、一定の当り信頼度で保留情報画像58を使って、遊技者に予告することをいう。
次に、CPU251は、先読み予告の抽選結果が当りであるか否かを判定する(ステップS175)。抽選結果が当りであれば、ステップS176へ進み、外れであれば、受信コマンド解析処理を終了する。
ステップS176では、CPU251は、当り信頼度の抽選を行う。この抽選結果としての当り信頼度は、保留情報画像58の色に対応付けられる。ここで、図19は、CPU251による当り信頼度の抽選における保留情報画像58の色の出現率を示している。以下、図18及び図19について説明する。
まず、図19において、通常表示、青表示及び赤表示とは、保留情報画像58(図7及び図8)の色を意味する。保留情報画像58の当り信頼度は、通常表示<青表示<赤表示となっている。受信コマンドは、CPU251が受信した「保留加算コマンド」のことであり、図18の送信コマンドに対応する。
例えば、CPU251が送信コマンド「B*07」を受信することに伴い実施する先読み判定の抽選では、抽選結果が通常表示、青表示及び赤表示となる確率は、それぞれ70%,10%,20%となっている。また、CPU251が送信コマンド「B*02」を受信することに伴い実施する先読み判定の抽選では、抽選結果が通常表示、青表示及び赤表示となる確率は、それぞれ99%,1%,0%となっている。
通常表示の保留情報画像58についても当り信頼度が定義されているが、通常表示の保留情報画像58は、遊技者に対して保留情報画像58による信頼度の予告はしないことも意味する。したがって、通常表示の保留情報画像58に所定の当り信頼度が割り当てられても、遊技者は通常表示の保留情報画像58を見ても、その当り信頼度を知得することはない。
ここで、図18から分かるように、送信コマンド「B*02」〜「B*05」は、第1特別図柄始動口38a及び第2特別図柄始動口38bへの入賞球について事前判定した大当り抽選では、外れとなった入賞球についてのコマンドである。したがって、送信コマンド「B*02」〜「B*05」の受信に対して実施する保留情報画像58の青表示又は赤表示は、遊技者にとっては偽情報となる。
これに対し、送信コマンド「B*06」〜「B*08」は、第1特別図柄始動口38a及び第2特別図柄始動口38bへの入賞球について事前判定した大当り抽選では、当りとなった入賞球についてのコマンドである。
こうして、CPU251は、送信コマンド「B*01」〜「B*08」を受信し次第、今回の保留球情報が当りか外れかを液晶表示装置36の停止図柄等により直ちに遊技者に知得させることなく、送信コマンド「B*01」〜「B*05」の受信時に偽情報として所定の割合で赤表示又は青表示の保留情報画像58を保留情報表示部57に表示することになる。この結果、遊技者は、青表示又は赤表示の保留情報画像58についてまた偽情報ではないかの疑心を抱きつつ、装飾図柄56の停止を待つことになり、停止図柄より大当りを知得した時には、喜びが増大する。
図16に戻るが、CPU251は、ステップS176の実施後、ステップS177に進む。ステップS177では、CPU251は、ステップS176の抽選結果の信頼度に対応する表示態様(図19で説明した表示色並びに図7及び図8で説明した前面側表示等の表示態様)で保留情報画像58を保留情報表示部57に表示する。その後、受信コマンド解析処理を終了する。
次に、ステップS172の判定が「NO」である場合を説明する。この場合、CPU251は、受信コマンドに応じた処理をセットする(ステップS179)。例えば、受信コマンドが「変動停止コマンド」であった場合には、図柄の変動停止に関する処理をセットする。その後、受信コマンド解析処理を終了する。
最後に、図17を参照して、副制御側のタイマ割込み処理について説明する。このタイマ割込み処理は、上述の副制御側メイン処理(図15参照)に対して、1ms周期で実行される処理である。
まず、CPU251は、CPUレジスタの初期設定をする(ステップS181)。具体的には、ポートのリフレッシュ初期値の設定を行う。その後、ステップS182に進む。
ステップS182では、CPU251は、出力処理を行う。具体的には、可動役物37に用いられているソレノイドやモータの出力処理を行う。その後、ステップS183に進む。
ステップS183では、CPU251は、演出ボタン入力状態更新処理を行う。CPU251は、演出ボタン13、14の操作がされた場合に、入力状態を更新する。その後、ステップS184に進む。
ステップS184では、CPU251は、スイッチ入力状態更新処理を行う。具体的には、ボリュームスイッチ31等の入力情報を確認し、その情報に応じた処理を行う。その後、ステップS185に進む。
ステップS185では、CPU251は、液晶制御コマンド送信処理を行う。演出制御基板25は、例えば、保留表示に関するコマンドを液晶制御基板26に向けて送信する。その後、ステップS186に進む。
ステップS186では、CPU251は、モータ更新処理を行う。具体的には、可動役物37等に用いられているモータの詳細な動作設定をする。その後、ステップS187に進む。
ステップS187では、CPU251は、LEDデータ出力処理を行う。具体的には、必要なタイミングで枠装飾LED8、盤面装飾LED35を点灯、点滅させるLEDデータ出力を行う。その後、ステップS188に進む。
最後に、CPU251は、メインループ更新周期用ワークを1インクリメントする(ステップS188)。これは、メインループ処理(図15:ステップS164〜S169)の更新周期である16msをカウントするため、メインループ更新周期用ワークを1だけインクリメントする処理である。その後、タイマ割込み処理を終了する。以上、パチンコ遊技機1の一連の動作を説明した。
上記のように、本実施形態の弾球遊技機では、保留表示画像の表示態様(色や形状等)が保留情報の当り信頼度に対応付けられている。当り信頼度が高い態様の保留表示画像は前面側に表示されるので、遊技者が当り信頼度を的確に知得できるようになる。
上記の実施形態は、本発明の一例であり、これ以外にも本発明を実施することができる種々の変形例が考えられる。
本実施形態では、特別保留表示画像は通常保留表示画像とは同一形状(例:円)の赤や青の色で区別しているが、その他の色(例:金色、銀色及び銅色)や形状(例:スペード、ハート及びクローバ)で区別することもできる。
本実施形態では、保留表示画像の信頼度は、2段階又は3段階になっているが、4段階以上にしてもよい。
本実施形態では、遊技球の入賞場所が第1特別図柄始動口か第2特別図柄始動口かを区別することなく、保留表示画像を記憶順(入賞順)に配列しているが、両者を区別して別々の配列にして表示することもできる。