まず、本実施形態の遊技機の概要について説明する。
本実施形態の遊技機は、種々の図柄を変動表示する表示装置を備えた遊技機であって、遊技者が操作することで各種演出を選択可能な演出選択手段を備え、該遊技機を通常客待ち状態とする通常モードと、該遊技機を低消費電力の節電客待ち状態とする節電モードとを選択可能であり、遊技停止から所定時間が経過した際に、該通常客待ち状態又は該節電客待ち状態となるように構成され、前記所定時間の経過前に前記演出選択手段が操作された場合には、該所定時間が経過しても前記節電客待ち状態としない。
本実施形態の遊技機には、客が遊技を行っていない客待ち状態が異なる通常モードと節電モードがあり、例えば、遊技店の店員が切替えスイッチを操作することにより、何れかのモードを選択することができる。節電客待ち状態では、例えば、表示装置の画面を暗くしたり、一部を除いて装飾LEDを消灯する。
これから遊技を行おうとする者(遊技者)は、遊技停止から所定時間が経過する前に演出選択手段を操作することで、例えば、演出等を選択できるが、このような操作が行われた場合には、遊技機を節電客待ち状態とはしないように制御する。従って、遊技者による選択操作中に遊技機が節電客待ち状態となって、選択操作が無駄になってしまうことがない。
本実施形態において、前記所定時間の経過前に前記演出選択手段の操作がされた場合には、遊技に関連する表示を行う遊技関連表示処理が行われることが好ましい。
本実施形態では、所定時間の経過前に前記演出選択手段の操作がされた場合には、遊技に関する表示を行う遊技関連表示処理が行われるが、この例として、遊技内容を説明する情報画面や演出選択画面の表示が挙げられる。
これにより、遊技者は、遊技を開始するにあたり演出選択手段を操作することで、遊技に関する情報の取得等ができる。
また、本実施形態において、前記所定時間を計時するタイマをさらに備え、前記所定時間の経過前に前記演出選択手段の操作がされた場合には、前記タイマを停止し、前記遊技関連表示処理の終了後に該タイマによる計時を開始することを特徴とするが好ましい。
本実施形態では、例えば、後述する演出制御基板に前記所定時間を計時するタイマが接続されている。所定時間の経過前に遊技者によって演出選択手段が操作された場合には、このタイマを停止する。ここで、「タイマの停止」には、タイマによる計時を中止することの他、タイマを一時的に停止することが含まれる。
また、遊技関連表示処理の終了後に、前記タイマによって計時が開始する。タイマを一時的に停止した場合には、残り時間を計時することになるので、計時を中止した場合と比較して早く節電客待ち状態とすることができる。
タイマによる計時を中止するか又は一時的に停止するかは、例えば、次のように決定される。演出選択手段が操作された際に、節電客待ち状態となるまでの時間(最大180秒)が相当時間(例えば、60秒以上)残っている場合には、タイマを一時的に停止し、遊技関連表示処理の終了後に、残りの時間を計時する。また、節電客待ち状態となるまでの時間が少ない(例えば、60秒未満)場合には、タイマによる計時を中止し、遊技関連表示処理の終了後に、初めから所定時間を計時する。
これにより、遊技者が演出を選択している最中に遊技機が節電客待ち状態となることがなく、さらに、遊技関連表示処理の終了後に間もなく(例えば、遊技球の打出し開始直後に)、節電客待ち状態となることもない。
また、本実施形態において、前記遊技関連表示処理では、選択可能な複数の演出を示す演出選択表示が行われ、前記演出選択手段の操作により該複数の演出のうち何れかが選択されることが好ましい。
遊技関連表示処理では、例えば、キャラクタやステージ選択画面である演出選択表示が行われる。このような画面が表示された後、遊技者は、演出選択手段を操作することにより、演出選択表示の中から好みの演出(キャラクタ等)を選択することができる。
これにより、遊技を開始するにあたり、演出選択表示から演出を選択したい遊技者は、演出選択手段を操作して所望の演出を選択できる。
また、本実施形態において、前記通常客待ち状態では、前記演出選択手段が操作された場合に前記遊技関連表示処理が行われ、前記節電客待ち状態では、前記演出選択手段が操作された場合に該節電客待ち状態が中止されることが好ましい。
通常客待ち状態では、表示装置の画面を暗くする等の節電をしていないので、通常客待ち状態の移行前と同様に、演出選択手段が操作された場合に遊技関連表示処理が行われる。
一方、節電客待ち状態では、演出選択手段が操作された場合に突然、遊技関連表示処理が行われるのではなく、まず節電客待ち状態を中止する。例えば、演出選択手段の操作により、表示装置の画面が明るく、装飾LEDも全て使用される等、前記節電客待ち状態となる前の状態(前記所定時間が経過する前の状態)に復帰させる。そして、再度、演出選択手段が操作された場合に遊技関連表示処理が行われるようにする。
これにより、遊技機の状態によって演出選択手段の操作結果が異なるが、通常客待ち状態のときは1回、節電客待ち状態のときは2回、遊技者が演出選択手段を操作することにより遊技関連表示処理が行われる。
また、本実施形態において、遊技球の始動入賞により取得された乱数値を所定の上限個数まで保留可能な保留手段を備え、前記遊技停止は、図柄が変動停止した際に、前記保留手段の保留数がない状態であることが好ましい。
本実施形態では、例えば、後述する主制御基板が遊技球の始動入賞により取得された乱数値を所定の上限個数まで保留可能な保留手段を備えている。遊技停止は、図柄が変動停止した際に保留手段の保留数がない状態、すなわち、保留数が0であるために次の図柄変動が開始されない状態である。
これにより、本実施形態の遊技機は、例えば、遊技者が発射ハンドルを離したことを「遊技停止」とする遊技機と比較して早期に通常客待ち状態又は節電客待ち状態に移行する。特に、節電モードが選択されている場合には、節電効果を高めることができる。
また、本実施形態において、前記遊技停止の後かつ前記所定時間の経過前に前記種々の図柄の変動表示が開始された場合には、該所定時間の計時が中止されることが好ましい。
遊技停止の後かつ所定時間の経過前に遊技球が始動入賞した場合には、前記所定時間の計時が中止されるので、通常客待ち状態又は節電客待ち状態への移行は行われない。従って、遊技停止となっても遊技者が遊技を継続しているような状況では、客待ち状態に移行しにくい制御とすることができる。
次に、図1を参照して、本実施形態のパチンコ遊技機を構成する部分について説明する。図1に示すように、パチンコ遊技機1は、矩形状の外枠2と、この外枠2に開閉可能に枢着された前面枠3および前扉5を備えている。
前面枠3は、額縁状であり開口部に遊技盤4(図3参照)が取付け可能となっている。また、前扉5の中央部にはガラス板6が嵌め込まれており、外部より遊技盤4が視認可能となっている。
前扉5の上部左右両側にはスピーカ7が設けられている。スピーカ7は、遊技に伴う演出効果音を外部に出力する音響出力部である。また、前扉5の左右両側および上部には枠装飾LED8が設けられている。枠装飾LED8は、遊技の演出に連動してLEDが発光、点滅する装飾部である。
前扉5の下側には前面板9があり、その左端部は前面枠3に開放可能に枢着されている。前面板9には、発射機構を作動させるための発射ハンドル10、遊技球を貯留する上貯留皿11、下貯留皿12等が設けられている。
また、上貯留皿11の表面部分には、内蔵ランプが点灯したとき操作が可能となる左演出ボタン13と、中央演出ボタン14が設けられている。演出ボタン13、14は、遊技中に操作の機会が与えられ、ボタンを押下することにより演出を変化させることができる。演出ボタン13、14は、本発明の「演出選択手段」に相当する。
図2は、本実施形態のパチンコ遊技機の背面側の斜視図である。図2に示すように、パチンコ遊技機1の背面には、遊技盤4を裏側から押さえる枠体状の裏機構盤16が取り付けられている。
この裏機構盤16の上部には、パチンコホール側島設備の遊技球補給装置(図示省略)から供給される遊技球を貯留する遊技球貯留タンク17が設けられている。
また、遊技球貯留タンク17から球を導出するタンクレール18の傾斜下端には、遊技球を払い出すための遊技球払出装置19が設けられている。さらに、裏機構盤16の隅部には、パチンコホールにある全遊技機を統括的に管理するホールコンピュータ(図4参照)に電気的に接続するための外部端子基板21が、端子基板ケース22に収納され、設けられている。
また、裏機構板の略中央には、遊技盤4の裏側に装着された透明の裏カバー23が備えられており、この裏カバー23内に、演出制御基板25を収納した透明の演出制御基板ケース25aと、液晶制御基板26を収納した透明の液晶制御基板ケース26aとが設けられている。
演出制御基板25と液晶制御基板26の中間部には、ボリュームスイッチ31が設けられている。つまみ部分を回転させることで10段階の音量設定が可能である。ボリュームスイッチ31は、パチンコ遊技機1のモード(「プレゼンモード」、「節電モード」、「通常モード」等)を選択することもできる。
液晶制御基板ケース26aの下方には、その内部に主制御基板24を収納した透明な主制御基板ケース24aが設けられている。主制御基板24は、パチンコ遊技機1の動作を統括的に制御するものである。主制御基板24は、各種スイッチやセンサと接続されているため、これらの検知信号を受信して各種処理を行う。
また、主制御基板24には、RAMクリアスイッチ27が設けられている。RAMクリアスイッチ27を押下げることによりRAM領域の記憶内容は消去され、パチンコ遊技機1は初期状態となる。
演出制御基板25は、主制御基板24から送信される各種制御コマンドを受信し、その制御コマンドに基づいて、例えば、盤面装飾LED35或いは液晶表示装置36による演出を制御する。
主制御基板ケース24aの下方には、電源基板28を収めた透明な電源基板ケース28aと、払出制御基板29を収めた透明な払出制御基板ケース29aが配設されている。
さらに、発射ハンドル10に対応する位置には、遊技球を打撃する打撃槌やこれを駆動する発射モータを備えた遊技球発射装置(図示省略)の後側に発射制御基板30が設けられている。
次に、図3を参照して、本実施形態のパチンコ遊技機の遊技盤について説明する。
図3に示すように遊技盤4は、略正方形のパネルで形成され、その盤面上の遊技領域4aは、化粧板4bの前面にビス等で固定されるセンター飾り体34a、左部コーナー飾り体34b、右部コーナー飾り体34c等の部材によって区画形成されている。飾り体34a〜34cは、ポリカーボネート等の硬質樹脂材料を用いた射出成形によってそれぞれ一体成型で形成されている。
センター飾り体34aには、複数の盤面装飾LED35が配置されている。盤面装飾LED35は、各遊技における図柄の変動表示や予告表示に伴い発光色や発光態様を変化させ、演出を盛り上げる装飾部である。
遊技盤4の中央部には開口が形成され、この開口内に液晶表示装置36の表示画面が配置される。液晶表示装置36は、種々の数字、キャラクタ等が描かれた図柄や背景画像、リーチ等の各種演出を遊技に応じて表示する表示器である。液晶表示装置36は、本発明の「表示装置」に相当する。
センター飾り体34aの右側には、人形の腕の形状をした可動役物37aが配置されている。また、液晶表示装置36の前面下方には下駄の形状の可動役物37b配置されている。可動役物37a、37bは、いずれも遊技における演出や大当り期待度に応じて動作する。
液晶表示装置36の下方には、第1特別図柄始動口38aおよび第2特別図柄始動口38bからなる始動入賞装置38が配置されている。遊技領域4aを流下する遊技球が第1特別図柄始動口38a、または第2特別図柄始動口38bに入賞することにより抽選が行われ、後述する特別図柄表示装置43aにて特別図柄の変動表示がなされる。また、液晶表示装置36でも、特別図柄に対応した装飾図柄の変動表示が行われる。
第2特別図柄始動口38bは開閉部材を備えており、開閉部材が開放した場合、遊技球が入賞し易い状態となる。上記開閉部材は、後述する普通図柄の抽選に当選した場合に、所定回数、所定時間開放する。以下では、第2特別図柄始動口38bと開閉部材を合わせた装置を普通電動役物と称することがある。
始動入賞装置38の下方には、第1大入賞装置39aが配置されている。また、始動入賞装置38の右側には、第2大入賞装置39bが配置されている。大入賞装置39a、39bは、共に特別図柄の抽選に当選したとき、すなわち大当りとなったときに所定時間開放される入賞装置である。遊技球が大入賞装置39a、39bの内部にある大入賞口(図示省略)に入賞することにより、多くの賞球を獲得することが可能となる。
遊技領域4aの右側下方には、特別図柄表示装置43aおよび普通図柄表示装置43bが配置されている。特別図柄表示装置43aは、2個の7セグメントLED(左及び中)から構成され、特別図柄始動口38a、38bへの入賞を契機として特別図柄を変動させ、抽選結果を表示する。なお、残り1個は(右)、特別図柄及び普通図柄の保留球数や、時短状態であることを表示する。
普通図柄表示装置43bは、複数のLEDからなる表示器であり、普通図柄用始動ゲート40aへの入賞を契機として普通図柄を始動させ、LEDの点灯により抽選結果を表示する。
遊技領域4aの左側には、普通図柄用始動ゲート40aや遊技球の流下方向を変化させる風車41、多数の遊技釘(図示省略)が配置されている。普通図柄用始動ゲート40aは、普通図柄の始動契機となる入賞装置である。遊技球が普通図柄用始動ゲート40aを通過することにより抽選が行われ、普通図柄表示装置43bにて、普通図柄が変動する。
また、第2大入賞装置39bの上方には、右普通図柄用始動ゲート40bが配置されている。これは、右打ちを行う遊技状態の場合の普通図柄用の始動ゲートであり、遊技者が右打ちをしているか否かを検知する役割も有する。
遊技領域4aの左側下方には、複数の一般入賞口42が配置されている。遊技球が一般入賞口42に入賞すると所定数の賞球の払出しが行われる。
遊技領域4aの最も左側には、発射機構により発射された遊技球を遊技領域4aに案内するため略上下方向に延びたガイドレール44が配置されている。ガイドレール44は、金属製の帯状の外内2本のガイドレール44a、44bで構成されている。
これら外内2本のガイドレール44a、44bの間で上下方向に延びた空間が、前記発射機構から発射された遊技球が通過する発射通路45を形成している。内側ガイドレール44bの上端には、発射球の発射方向(遊技領域4a側)への通過を許可すると共に戻り方向(発射通路45側)への通過を阻止する戻り球防止片46が配設されている。また、内側ガイドレール44bの最下部にはアウト球回収口47と、アウト球回収口47にアウト球を導入する球寄せ部48が形成されている。
図4は、パチンコ遊技機の制御装置の構成を示すブロック図である。なお、図4では信号を中継する中継基板や、本発明に関係のない一部の部材の構成を省略した。
この制御装置は、パチンコ遊技機1の動作を統括的に制御する主制御基板24と、主制御基板24からコマンド受けて演出の制御をする演出制御基板25を中心に構成される。電源基板28は、主制御基板24を初めとした各基板に接続され、外部電源から交流電圧24Vを受けて直流電圧に変換し、各基板に供給する。
主制御基板24は、その内部に、主制御基板側CPU241と、ROM242と、RAM243を備えている。主制御基板側CPU241は、いわゆるプロセッサ部であり、大当りを発生させるか否かの抽選処理、決定された変動パターンや停止図柄の情報から制御コマンド作成し、演出制御基板25に送信する等の処理を行う。
ROM242は、一連の遊技機制御手順を記述した制御プログラムや制御データ等を格納した記憶部である。また、RAM243は、主制御基板側CPU241の処理で設定されたデータを一時記憶するワークエリアを備えた記憶部である。
主制御基板24には、RAMクリアスイッチ27、始動入賞口センサ38c、大入賞口センサ39c、始動ゲート通過センサ40c、一般入賞口センサ42c、磁気センサ50、電波センサ51、振動センサ52が接続され、各検知信号を受信可能となっている。
磁気センサ50は、パチンコ遊技機1に磁石等を近づけた場合に、異常を検知するセンサである。また、電波センサ51は、パチンコ遊技機1に対し強い電波が発せられた場合に異常を検知するセンサであり、振動センサ52は、パチンコ遊技機1に対し強い振動が与えられた場合に異常を検知するセンサである。
また、主制御基板24には、特別図柄表示装置43a、普通図柄表示装置43bが接続され、主制御基板側CPU241が抽選処理により取得した乱数情報は、各図柄表示装置43a、43bに送信される。
さらに、主制御基板24には、パチンコ遊技機1の外部へ接続する端子を備えた外部端子基板21が接続されている。遊技における大当り、入賞数、ゲーム数等の各種情報は、主制御基板24から外部端子基板21を介してホールコンピュータに送信される。
さらに、主制御基板24には、払出制御基板29が接続されている。払出制御基板29には、下貯留皿満杯センサ12cおよび扉開放センサ32が接続されているため、これらのセンサが異常を検知すると、検知信号は払出制御基板29から主制御基板24に送信される。なお、払出制御基板29には、遊技球払出装置19と、発射制御基板30(さらに発射装置10aと接続)が接続している。
次に、演出制御基板25は、その内部に、演出制御基板側CPU251と、ROM252と、RAM253を備えている。演出制御基板側CPU251はいわゆるプロセッサ部であり、主制御基板24から送信された制御コマンドを受信し、その制御コマンドに基づいた各種演出を制御する処理を行う。
ROM252は、一連の演出制御手順を記述した制御プログラムや演出データ等を格納した記憶部である。また、RAM253は、演出制御基板側CPU251の処理で設定されたデータを一時記憶するワークエリアを備えた記憶部である。
演出制御基板25には、スピーカ7、枠装飾LED8、盤面装飾LED35、ボリュームスイッチ31、左演出ボタン13、中央演出ボタン14が接続されている。これにより、演出制御基板25は、例えば、スピーカ7の効果音や各LED等の動作を制御し、演出効果を高めている。
演出ボタン13、14は、遊技者が有効期間にこれらを押下げることで、検知信号が演出制御基板25に送信され、液晶表示装置36に表示される演出が変化する。
演出制御基板25には、液晶制御基板26が接続されている。液晶制御基板26は、演出制御基板25からコマンドを受けて液晶表示装置36の表示制御を行うものである。
液晶制御基板26は、その内部に、液晶制御CPU261と、液晶制御ROM262と、液晶制御RAM263と、映像表示プロセッサVDP264と、画像データROM265と、VRAM266を備えている。
液晶制御CPU261は、いわゆるプロセッサ部であり、演出制御基板25から受信した液晶制御コマンドに基づいて表示制御を行うために必要な液晶制御データを生成する。また、そのデータを映像表示プロセッサVDP264に出力する。
液晶制御ROM262は、液晶制御CPU261の動作手順を記述したプログラムを格納した記憶部であり、液晶制御RAM263は、ワークエリアやバッファメモリとして機能する記憶部である。
映像表示プロセッサVDP264は、液晶表示装置36に表示する画像データの画像処理を行うプロセッサである。また、画像データROM265は、映像表示プロセッサVDP264が画像処理を行うために必要な画像データを格納した記憶部であり、VRAM266は、映像表示プロセッサVDP264が画像処理した画像データを一時記憶する記憶部である。
上記の構成により液晶制御基板26は、演出制御基板25から送信された液晶制御コマンドに基づき画像処理を行い、液晶表示装置36に演出画像や動画を表示している。
次に、図5を参照して、パチンコ遊技機のボリュームスイッチの仕様について説明する。パチンコ遊技機1の背面にあるボリュームスイッチ31は、音量を調整すると共に、パチンコ遊技機1のモードを選択的に切替えることが可能である。
ボリュームスイッチ31には、10段階の音量設定があり、「ボリュームスイッチの値」が「0」、すなわち「vol_0」の場合には、「無音(ミュート)」の設定となる(以下、「vol_」の表記で説明する)。「SAC(Simple Access Code)」は、「ボリュームスイッチの値」を設定レジスタに記憶するときに用いられる値である。
「vol_1」、及び「vol_2」の場合、パチンコ遊技機1は、「プレゼンモード」の設定となる。「プレゼンモード」とは、例えば、室内で機種説明をする場合に用いられるものである。ボリュームは、「小(vol_1)」、「大(vol_2)」の2段階があるが、後述する「ホール用」と比較して音量が抑えられている。
「vol_3」〜「vol_5」の場合(音量によって3段階)、パチンコ遊技機1は、「ホール用節電モード」の設定となる。「ホール用節電モード」に設定すると、パチンコ遊技機1は、特別図柄の変動が停止して、次回変動が開始しない状態で所定時間が経過した際に、低消費電力の客待ち状態(以下では、「低消費電力状態」という)に移行する。
低消費電力状態では、幾つかのLEDを除いてパチンコ遊技機1に使用されたLED(ランプ)を消灯し、液晶表示装置36では、黒い画面に「節電中」と表示された「節電デモ表示(節電客待ち表示)」が実行される。また、低消費電力状態では、スピーカ7による音の出力は行われない。なお、「節電デモ表示」の実行中に遊技者が左演出ボタン13を押下げることにより、特別図柄を停止表示した通常遊技画面に復帰するようになっている。
ボリュームスイッチ31は、パチンコ遊技機1の背面に設けられているため、遊技店の店員のみが音量設定を切替えることができる(図2参照)。島の全台について「節電モード」を選択すると、稼動状況によっては、低消費電力状態の遊技機が並んで島全体が暗くなってしまうことも考えられる。従って、1台おきに「節電モード」を選択し、島が暗くならないようにすることができる。
「vol_6」〜「vol_9」の場合(音量によって4段階)、パチンコ遊技機1は、「ホール用通常モード」の設定となる。「ホール用通常モード」に設定すると、特別図柄の変動が停止して、次回変動が開始しない状態で所定時間が経過した際に、従来の客待ちデモ表示(通常客待ち表示)が実行される。この客待ち表示の詳細は後述する。
「ホール用通常モード」には、「大大(vol_9)」の設定があり、上述の「ホール用節電モード」のいずれより大きい音量の設定ができるようになっている。なお、「ホール用節電モード」と「ホール用通常モード」の同じボリューム(例えば、「小(vol_3)」と、「小(vol_6)」)は、同じ音量レベルにして、音量に関するデータ量を抑えている。
次に、図6A〜Eを参照してパチンコ遊技機の節電モードについて説明する。「節電モード」の設定とするためには、「ボリュームスイッチの値」として、「3」〜「5」を選択する必要がある。
まず、図6Aを参照して主制御基板24、演出制御基板25、液晶制御基板26の制御コマンドの通信について説明する。主制御基板24は、遊技停止の際に、演出制御基板25に向けて「客待ちデモコマンド」を送信する。ここで、「遊技停止」とは、特別図柄の変動が停止した時点で、保留球がない状態を意味する。従って、遊技者が遊技球の発射を継続していても主制御基板24は、「客待ちデモコマンド」を送信する。
主制御基板24、演出制御基板25は共に通常状態であり、液晶制御基板26では、液晶表示装置36で「A:客待ち前演出表示(図柄停止表示)」が実行される(図6B参照)。「A:客待ち前演出表示」は、特別図柄(装飾図柄)が停止した状態を表示するものであり、この状態が遊技停止から180秒間継続する。
「A:客待ち前演出表示」の期間において、遊技停止から10秒間は、装飾図柄が停止した表示画面であるが(図6B(a)参照)、その後は、装飾図柄の下側に左演出ボタン13を示すマーク(遊技者操作表示)と、「キャラクタが選べるよ!」という文字による案内が表示された画面となる(図6B(b)参照)。
これに一致するように、図6A中の「遊技者操作表示」は、遊技停止から10秒間は「無」、その後は「有」となる。また、「演出ボタン入力」は、遊技停止から10秒間は「無効」、その後は「有効」となる。
詳細は後述するが、遊技停止から10秒経過後、すなわち、図6(b)が表示されている状態で遊技者が左演出ボタン13を操作すると、液晶表示装置36に「X:キャラクタ選択表示」が出現する(図6E参照)。
また、遊技停止から180秒経過したとき、演出制御基板25は、液晶制御基板26に向けて「節電デモ表示コマンド」を送信する。これにより、液晶制御基板26は、液晶表示装置36で「B:節電デモ表示(節電客待ち表示)」を行う。これは、「節電モード」が選択された場合にのみ行われる表示である。
これも詳細は後述するが、演出制御基板25で行われる処理の中で、タイマが遊技停止から180秒を計時する。また、180秒が経過する前に第1特別図柄始動口38a又は第2特別図柄始動口38bに遊技球が入賞(始動入賞)した場合には、このタイマをクリアする。すなわち、遊技者が遊技球の発射を継続している場合には、180秒の経過前に始動入賞が発生する可能性が高く、後述する「B:節電デモ表示」が実行されることはほとんどない。
「B:節電デモ表示」は、具体的には、黒い画面に企業ロゴや「節電中」の文字が表示されたものである(図6C参照)。画面の下部には、「[PUSH]を押すと画面が復帰します」との文字が表示され、文字は画面右から左へ移動する。これに一致するように、遊技停止から180秒経過後の「遊技者操作表示」は「有」、「演出ボタン入力」は「有効」であり、遊技者が左演出ボタン13を操作することにより通常遊技画面(「A:客待ち前演出表示」)に復帰する。
パチンコ遊技機1は、低消費電力状態が解除されるまでの期間、液晶表示装置36で図6Cの画像のループ再生が行われる。
図6Aに示すように、パチンコ遊技機1が低消費電力状態のとき遊技者が左演出ボタン13を操作すると、演出制御基板25から液晶制御基板26に向けて「客待ち前演出表示コマンド」が送信される。なお、このとき復帰する「A:客待ち前演出表示」は、左演出ボタン13が表示された図6B(b)の方であり、再度、遊技者が左演出ボタン13を操作すると、液晶表示装置36に「X:遊技者操作表示」が出現する。
通常遊技画面に復帰する契機は、遊技者が遊技を開始して遊技球が始動入賞したこと、すなわち、液晶表示装置36で装飾図柄の変動が開始したことであってもよい。
「B:節電デモ表示」に移行した後、演出制御基板25は、定期的にボリュームスイッチ31の設定を確認するが、「節電モード」が選択されたままであれば、特に、液晶制御基板26に制御コマンドを送信しない。従って、液晶表示装置36では、左演出ボタン13が操作されるまで、「B:節電デモ表示」が継続される。
なお、ここでは主に、液晶表示装置36の表示について説明したが、「B:節電デモ表示」が実行されているとき、装飾LEDは、一部を除いて消灯し、スピーカ7の音出力は行わない。
次に、図6D、Eを参照して、「節電モード」が選択されたパチンコ遊技機1において、低消費電力状態となる前に左演出ボタン13が操作された場合について説明する。
図6Dに示すように、遊技者が左演出ボタン13を操作すると、演出制御基板25から液晶制御基板26に向けて「キャラクタ選択表示コマンド」が送信され、液晶表示装置36に「X:キャラクタ選択表示」が出現する。「キャラクタ選択表示」は、本発明の「演出選択表示」に相当する。また、このとき「遊技者操作表示」は「有」、「演出ボタン入力」は「有効」である。
「X:キャラクタ選択表示」は、図6E(a)、(b)のように遊技に関連する複数のキャラクタが表示された画面である。例えば、遊技者は、左演出ボタン13の操作により「キャラクタA」〜「キャラクタD」のうち、好みのキャラクタを選択できるようになっている。
また、遊技者は、中央演出ボタン14の操作によりキャラクタを決定することができる。例えば、「キャラクタA」に決定した場合には(図6E(c)参照)、大当りの予告演出に「キャラクタA」が登場して期待度を報知したり、リーチ演出で「キャラクタA」が敵と戦う等、様々な場面で演出のために登場するようになる。
ここで、左演出ボタン13が操作された場合には、遊技停止から180秒を計時するタイマを停止するので、遊技者がキャラクタを選択している最中に180秒が経過し、パチンコ遊技機1が低消費電力状態となることがない。すなわち、キャラクタ選択中に液晶表示装置36で「B:節電デモ表示」が開始し、遊技者によるキャラクタ選択操作が無駄になるようなことがない。
「X:キャラクタ選択表示」は、遊技者が特にキャラクタを選択しなかった場合には、表示開始から60秒後にその表示を終了し、液晶表示装置36は、「A:客待ち前演出表示」に戻る。
このとき、演出制御基板25は、液晶制御基板26に向けて「客待ち前演出復帰コマンド」を送信する。なお、遊技者が一度キャラクタを決定した後に、再度キャラクタを選択し直した場合には、再度の選択操作から60秒間後に、「X:キャラクタ選択表示」を終了する。
また、「X:キャラクタ選択表示」の終了とともに、前記タイマによる計測が開始する。そして、180秒が経過したとき、演出制御基板25は、液晶制御基板26に向けて「節電デモ表示コマンド」を送信するので、液晶制御基板26は、液晶表示装置36で「B:節電デモ表示」を行う。
左演出ボタン13の操作が検出された場合に、前記タイマを一時的に停止し、「X:キャラクタ選択表示」の終了後に前記タイマによる計時を再開するようにしてもよい。
次に、図7A、Bを参照してパチンコ遊技機の通常モードについて説明する。「通常モード」の設定とするためには、上述の通り「ボリュームスイッチの値」として、「6」〜「9」を選択する必要がある。
まず、図7Aを参照して主制御基板24、演出制御基板25、液晶制御基板26の制御コマンドの通信について説明する。「節電モード」の場合と同様に、主制御基板24は、遊技停止の際に、演出制御基板25に向けて「客待ちデモコマンド」を送信する。
また、遊技停止から180秒間、液晶制御基板26は、液晶表示装置36で「A:客待ち前演出表示(図柄停止表示)」を行う。図7A中の「遊技者操作表示」は、遊技停止から10秒経過後に「有」、「演出ボタン入力」は、遊技停止から10秒経過後に「有効」となる。
遊技停止から10秒経過後は、遊技者が左演出ボタン13を操作すると、液晶表示装置36に「X:キャラクタ選択表示」が出現する(図示省略)。また、左演出ボタン13が操作されたときに、遊技停止から180秒を計時するタイマを停止する。これらの点は、「節電モード」の場合と同様である。
遊技停止から180秒経過したとき、演出制御基板25は、液晶制御基板26に向けて「客待ちデモ表示コマンド」を送信する。これにより、液晶制御基板26は、液晶表示装置36で客待ちデモ表示(通常客待ち表示)を行う。
通常客待ち表示の例として、まず、「C:機種イメージデモ表示」が実行される。これは、機種毎に異なる画像及び動画であって、例えば、その機種のタイトルや登場キャラクタを表示するものである。本実施形態では、「C:機種イメージデモ表示」は、40秒間実行される。
このとき、「遊技者操作表示」は、「有」に設定されており(図7A参照)、遊技者が左演出ボタン13を操作すると、液晶表示装置36に「X:遊技者操作表示」が出現する(図示省略)。
続いて、「D:不正禁止表示」が実行される。これは、「ゴト行為は犯罪です!」や、「悪質な攻略法販売にご注意ください!」といった文字を含む画面が順番に表示される動画である(図7B参照)。本実施形態では、「D:不正禁止表示」は、20秒間実行される。
続いて、「E:企業ロゴ表示」が実行される。これは、企業ロゴが徐々に画面中央に現れてくる動画である(図7B参照)。本実施形態では、「E:企業ロゴ表示」は、5秒間実行される。
上記「D:不正禁止表示」及び「E:企業ロゴ表示」が実行されている期間には、「遊技者操作表示」は、「無」に設定されている(図7A参照)。これらは、メッセージ性の強い表示であるため、「遊技者操作表示」を行わないが、「演出ボタン入力」は「有効」となっている。「D:不正禁止表示」及び「E:企業ロゴ表示」が終了するまで遊技者を待たせることがないように、左演出ボタン13の操作は有効にしている。
続いて、「F:待機画面表示(図柄停止表示)」が実行される。これは、特別図柄が停止していた状態を再度表示するものである。「F:待機画面表示」は、新たな「客待ちデモ表示コマンド」を液晶制御基板26が受信するまで継続される。
そして、「C:機種イメージデモ」が開始してから所定の時間(この例では90秒)が経過した際に、演出制御基板25は、液晶制御基板26に向けて「客待ちデモ表示コマンド」を再度送信する。これにより、液晶表示装置36では、通常客待ち表示が最初から開始される。
これ以降、90秒毎に「C:機種イメージデモ表示」、「D:不正禁止表示」、「E:企業ロゴ表示」、「F:待機画面表示(図柄表示)」から構成される一連の表示態様が繰り返される。
通常客待ち表示を構成する各表示の時間は、上記の時間に限られない。また、「D:不正禁止表示」と「E:企業ロゴ表示」は、表示の順番が逆であってもよい。
次に、図8を参照してパチンコ遊技機の起動時の処理について説明する。以下では、「通常モード」が選択された場合で説明するが、客待ちデモ表示の開始前の処理は、「節電モード」でも同じである。
まず、主制御基板24、演出制御基板25、液晶制御基板26の制御コマンドの通信について説明する。主制御基板24は、パチンコ遊技機1が起動され、所定の待機時間が経過すると、演出制御基板25に向けて「RAMクリアコマンド」及び「客待ちデモコマンド」を送信する。
「RAMクリアコマンド」を受信した演出制御基板25は、液晶制御基板26に向けて「RAMクリア表示コマンド」及び「客待ち前演出表示コマンド」を送信する。
これにより、液晶表示装置36では、「A:客待ち前演出表示(図柄停止表示)」と共に、「RAMクリア処理中です」等のRAMクリア表示がなされる。RAMクリアが行われると、RAMクリア表示の他、スピーカ7によるRAMクリア音報知(30秒間)が行われる。
ここで、「遊技者操作表示」は「無」、「演出ボタン入力」は「無効」に設定されている。パチンコ遊技機1の起動直後は、演出ボタン13、14のセンサが正常であるか否かを確認できる検査期間となっており、少なくとも左演出ボタン13が操作されることで、液晶表示装置36に「X:キャラクタ選択表示」が出現することはない。
主制御基板24が「RAMクリアコマンド」及び「客待ちデモコマンド」を送信した時点で、タイマにより、客待ちデモ表示を開始するための180秒の計時が開始する。
180秒が経過したとき、演出制御基板25は、液晶制御基板26に向けて「客待ちデモ表示コマンド」を送信する。これにより、液晶制御基板26は、液晶表示装置36で客待ちデモ表示(通常客待ち表示)を行う。
これ以降は、図7Aの処理と同じであるため、説明を省略する。なお、「節電モード」が選択されている場合には、液晶制御基板26は、「節電デモ表示(節電客待ち表示)」を行う。
次に、図9を参照してパチンコ遊技機が通常モードから節電モードに変更された場合について説明する。
「通常モード」において、液晶表示装置36で客待ちデモ表示(通常客待ち表示)が実行されている期間に、遊技店の店員がボリュームスイッチ31を操作して、「節電モード」に切替えたとする。この場合、演出制御基板25は、直ちに「B:節電デモ表示(節電客待ち表示)」に切替えるのではなく、所定時間が経過した後に切替える。
例えば、通常客待ち表示の「D:不正禁止表示」が表示されている時に、「節電モード」へ変更した場合には、液晶表示装置36では、「F:待機画面表示(図柄表示)」までの一連の表示態様が継続して表示される。
次回、通常客待ち表示が最初から開始するタイミングで、演出制御基板25は、液晶制御基板26に向けて「節電デモ表示コマンド」を送信する。これにより、液晶表示装置36では、「B:節電デモ表示」が開始する。このような制御とした方が、突然に「B:節電デモ表示」に切替わるよりも違和感が少ない。
なお、ここでは主に、液晶表示装置36で表示される「B:節電デモ表示」について説明したが、表示画面の変更と共に、枠装飾LED8等は、一部を除いて消灯する等、パチンコ遊技機1を低消費電力状態とする。
また、「節電モード」から「通常モード」に切替える場合もある(図示省略)。この場合には、液晶制御基板26は、液晶制御コマンドを受信するタイミング(例えば、90秒毎)で、演出制御基板25から送信された「客待ちデモ表示コマンド」を受信するので、液晶表示装置36では、通常客待ち表示(「C:機種イメージデモ表示」)が開始する。
次に、図10を参照して低消費電力状態のパチンコ遊技機にエラーが発生した場合について説明する。
「節電モード」の低消費電力状態の期間において、前扉5が開放する「扉開放エラー」が発生したとする。この場合、液晶表示装置36では、「B:節電デモ表示(節電用客待ち表示)」と共に、エラー表示が行われる。本実施形態のパチンコ遊技機1は、低消費電力状態の期間中であっても、あらゆるエラーに対して報知を行う。
具体的には、「扉開放エラー」が発生すると、主制御基板24は、演出制御基板25に向けて「扉開放エラーコマンド」を送信する。また、「扉開放エラーコマンド」を受信した演出制御基板25は、液晶制御基板26に向けて「エラー表示コマンド」を送信する。
これにより、液晶表示装置36には、表示中の「B:節電デモ表示」に加えて、「扉開放中!」等のエラー表示がなされる。さらに、スピーカ7から警告音を発生させたり、発生したエラーの種類に応じて枠装飾LED8等の発光態様を変化させてもよい。
図10に示すように、パチンコ遊技機1の通常状態において、枠装飾LED8及び盤面装飾LED35は、「通常時点灯パターン」に従って点灯、点滅しているが、低消費電力状態となると、「節電用点灯パターン」による制御に変更される。
さらに、「扉開放エラー」が発生した場合には、演出制御基板25は、枠装飾LED8等を「エラー報知用点灯パターン」による制御に切替える。「エラー報知用点灯パターン」では、エラーの種類によってLEDの発光態様を変化させて、どのようなエラーであるかも報知する。
スピーカ7の場合(図示省略)、パチンコ遊技機1が低消費電力状態となると、スピーカ7の駆動を中止するので、一切の音が出力されない。しかし、エラーが発生した場合には、警告音や「扉が開いています」等の音報知を行う。
エラーが解消した場合には、主制御基板24は、演出制御基板25に向けて「エラー解消コマンド」を送信する。また、「エラー解消コマンド」を受信した演出制御基板25は、液晶制御基板26に向けて「エラー表示中止コマンド」を送信する。
これにより、エラー表示が消えて液晶表示装置36は、「B:節電デモ表示」のみの画面に戻る。ここで、警告音やエラーの種類に応じたLEDの発光は、エラーが解消しても予め定めた所定の時間は継続して行うようにする。
例えば、図10に示すように、「扉開放エラー」が20秒で解消しても、演出制御基板25は、「エラー報知用点灯パターン」に従って枠装飾LED8等を予め定めた30秒間継続して行うようにする。これにより、たとえ前扉5の開放が2〜3秒のように短い期間であっても、確実にエラー報知が行われる。また、エラーの解消(上記の例では、前扉5の閉鎖時)から予め定めた所定時間、枠装飾LED8等によるエラー報知を行ってもよい。
スピーカ7による警告音、音報知も予め定めた期間継続して行うようにすることができる。エラーがすぐに解消した場合でも、例えば、「扉が開いています」等の音報知が5回繰り返されるまで、報知を継続するようにしてもよい。
「エラー報知用点灯パターン」による制御期間が終了した場合には、演出制御基板25は、再度、枠装飾LED8等を「節電用点灯パターン」による制御に切替える。
本実施形態のパチンコ遊技機1は、磁気異常、電波異常、振動異常の他、球詰まりエラーや不正入賞エラー等の如何なるエラーに対しても、仮に低消費電力状態であっても確実に報知が行える。
次に、図11を参照して、主制御側で行われる遊技管理処理について説明する。以下で説明する遊技管理処理は、電源投入処理が正常に終了した場合に、主制御側のメインループに対して実行されるタイマ割込み処理である。
まず、主制御手段(主制御基板24)は、遊技球発射処理を行う(ステップS10)。遊技者により発射ハンドル10(図1参照)が操作された場合、発射ハンドル10の内部にあるタッチセンサによる操作検知信号が、発射制御基板30、払出制御基板29を介して主制御基板24に送信される。
主制御手段は、上記信号を受信すると、発射制御基板30に向けて遊技球を所定の強度で発射するように制御信号を送信する。これにより、発射制御基板30は、発射装置10a(図4参照)の動作を制御する。その後、ステップS20に進む。
なお、発射装置10aは、1分間に最大約100発の遊技球を遊技盤4の遊技領域に向けて発射する。また、下貯留皿満杯センサ12cにより、下貯留皿12が満杯になった旨の信号が主制御基板24に送信されると、液晶表示装置36では、「球を抜いて下さい。」等のエラーメッセージが表示される。
次に、主制御手段は、賞球管理処理を行う(ステップS20)。これは、遊技盤4の遊技領域を流下する遊技球が、第1特別図柄始動口38aや一般入賞口42に入賞した場合に行われる処理である。例えば、一般入賞口42の内部にある一般入賞口センサ42cが遊技球を検出し、球検出信号を主制御手段に送信する。
主制御手段は、上記信号を受信すると、払出制御基板29(更には、遊技球払出装置19)に向けて所定個数の賞球の払出しを行うための制御信号を送信する。遊技球払出装置19は、上記制御信号を受信した後に、上貯留皿11(上貯留皿11が満杯である場合には、下貯留皿12)に所定個数の賞球を払出す。その後、ステップS30に進む。
次に、主制御手段は、普通図柄管理処理を行う(ステップS30)。これは、遊技盤4の遊技領域を流下する遊技球が、普通図柄用始動ゲート40a、または右普通図柄用始動ゲート40bを通過した場合に行われる処理である。具体的には、始動ゲート40a、40bの内部にある始動ゲート通過センサ40cは、ゲートを通過した遊技球を検出して、球検出信号を主制御手段に送信する。
主制御手段は、上記信号を受信すると、普通図柄の抽選乱数を取得する。この抽選乱数は最大4個まで記憶可能であり、記憶した順に上記抽選乱数の当否を抽選する。
また、主制御手段は、普通図柄表示装置43bに制御信号を送信する。普通図柄表示装置43bは、LEDの点滅による普通図柄の変動を行い、一定時間の経過後に上記抽選結果を表示する。その後、ステップS40に進む。
次に、主制御手段は、普通電動役物管理処理を行う(ステップS40)。これは、普通図柄の抽選結果により普通電動役物の動作を制御する処理である。普通図柄管理処理(ステップS30)にて、普通図柄の抽選に当選した場合には、主制御手段は、普通電動役物用ソレノイドに制御信号を送信し、所定時間、第2特別図柄始動口38bの開閉部材を開放する。
主制御手段は、上記所定時間が経過した場合、または所定時間経過前に第2特別図柄始動口38bに予め定められた上限数の遊技球の入賞した場合に、上記開閉部材を閉鎖するための制御信号を普通電動役物用ソレノイドに送信する。これにより、上記開閉部材は閉鎖する。その後、ステップS50に進む。
なお、普通図柄管理処理(ステップS30)にて、普通図柄の抽選に当選していない場合は、上記開閉部材を開放することはなく、主制御手段は、何もせず普通電動役物遊技処理を終了する。
次に、主制御手段は、特別図柄管理処理を行う(ステップS50)。これは、遊技盤4の遊技領域を流下する遊技球が、第1特別図柄始動口38a、または第2特別図柄始動口38bに入賞した場合に行われる処理である。
詳細は後述するが、始動入賞口センサ38cが遊技球を検出すると、始動入賞口センサ38cは、球検出信号を主制御手段に送信し、主制御手段では特別図柄の抽選が行われる。
主制御手段は、特別図柄表示装置43aに制御信号を送信する。特別図柄表示装置43aは、7セグメントLEDによる特別図柄の変動を行い、一定時間の経過後に上記抽選結果を表示する。また、特別図柄の変動は、液晶表示装置36においても遊技者に確実に認識可能な装飾図柄で表示される。その後、ステップS60に進む。
次に、主制御手段は、特別電動役物管理処理を行う(ステップS60)。これは、特別図柄の抽選結果により特別電動役物(大入賞装置39a、39b)の動作を制御する処理である。
特別図柄の抽選に当選した場合、いわゆる大当り状態となり、所定のラウンド数の特別遊技が遊技者に付与される。特別図柄管理処理(ステップS50)にて、特別図柄の抽選に当選していない場合は、主制御手段は、何もせず特別電動役物管理処理を終了する。特別電動役物管理処理が終了すると、遊技管理処理は終了する。
次に、図12を参照して、遊技管理処理の中で行われる特別図柄管理処理について説明する。具体的には、主制御手段が後述する特別図柄の動作ステータス(変動待機中、変動中、確認時間中)を判定して、それぞれの処理を管理するものである。
まず、主制御手段は、始動口チェック処理1を行う(ステップS71)。これは、第1特別図柄始動口38aへの遊技球の入賞を判断し、大当り判定用乱数等を保留記憶エリアに格納し、必要に応じて保留先読みコマンドの作成等を行うものである。なお、大当り判定用乱数等の保留記憶エリアは、主制御基板24のRAM243であり、RAM243は本発明の「保留手段」相当する。その後、ステップS72に進む。
ステップS72では、主制御手段は、始動口チェック処理2を行う。第2特別図柄始動口38bへの遊技球の入賞について、始動口チェック処理1と同様の処理を行う。その後、ステップS73に進む。
次に、主制御手段は、小当りフラグがONしているか否かを判定する(ステップS73)。小当りが発生して小当りフラグがONしている場合には、「YES」の判定となり、ステップS79に進む。一方、小当りフラグがONしていない場合には、「NO」の判定となり、ステップS74に進む。
ステップS73の判定が「NO」である場合、主制御手段は、条件装置作動フラグがONしているか否かを判定する(ステップS74)。条件装置とは、大当り発生時に大当りを継続する条件が成立した場合に作動する装置である。条件装置作動フラグがONしている場合には、「YES」の判定となり、ステップS79に進む。
一方、条件装置作動フラグがONしていない場合には、「NO」の判定となり、ステップS75に進む。すなわち、ステップS75以降は、小当りや大当りが発生していない通常遊技の場合の処理となる。
ステップS74の判定が「NO」である場合、主制御手段は、特別図柄動作ステータス判定を行う(ステップS75)。特別図柄動作ステータス(以下、特図動作ステータスともいう)が00H、01Hに設定されている場合は、特別図柄が「変動待機中」であることを意味するので、ステップS76に進む。
また、特図動作ステータスが02Hに設定されている場合は、特別図柄が「変動中」であることを意味するので、ステップS77に進む。さらに、特図動作ステータスが03Hに設定されている場合は、特別図柄の「確認時間中」であることを意味するので、ステップS78に進む。
ステップS76では、主制御手段は、特別図柄変動開始処理を行う。詳細は後述するが、この処理において特定の条件となった場合に、主制御手段(主制御基板24)は、副制御手段(演出制御基板25)に向けて「客待ちデモコマンド」を送信する。その後、ステップS79に進む。
ステップS77では、主制御手段は、特別図柄変動中処理を行う。例えば、特別図柄の変動時間タイマが0となった場合に、「変動停止コマンド」を副制御手段(演出制御基板25)に向けて送信する。
また、変動停止時の各種設定を行うが、特図動作ステータスを03H(確認時間中)にセットするので、次回の特別図柄管理処理では、特別図柄動作ステータス判定(ステップS75)にて、後述する特別図柄確認時間中処理(ステップS78)に分岐するようになる。その後、ステップS79に進む。
ステップS78では、主制御手段は、特別図柄確認時間中処理を行う。これは、特別図柄の変動が停止したときに、大当り又は小当り時の設定や、時短回数の減算、回数限定の確率変動であるST回数の減算等を行う処理である。
特別図柄の変動時間タイマが0となった場合、特図動作ステータスを01H(変動待機中)にセットするので、次回の特別図柄管理処理では、特別図柄動作ステータス判定(ステップS75)にて、特別図柄変動開始処理(ステップS76)に分岐するようになる。その後、ステップS79に進む。
最後に、ステップS79では、主制御手段は、特別図柄表示データを更新する。具体的には、特別図柄表示装置43aの特別図柄を更新する。その後、特別図柄管理処理を終了する。
次に、図13A、Bを参照して、特別図柄管理処理の中で行われる特別図柄変動開始処理について説明する。上述の通り、主制御手段は、特別図柄動作ステータス判定(ステップS75)にて、特図動作ステータスが00H、01H(変動待機中)と判断された場合、この特別図柄変動開始処理を行う。
まず、主制御手段は、特図2保留球数が0であるか否かを判定する(ステップS81)。特図2とは、第2特別図柄始動口38bに遊技球が入賞した場合に、特別図柄表示装置43a(中央の7セグメントLED)で変動する特別図柄2のことである。
保留球数が0である場合には、「YES」の判定となり、ステップS82に進む。一方、保留球数が0でない場合には、「NO」の判定となり、ステップS86(図13B参照)に進む。
ステップS81の判定が「YES」である場合、主制御手段は、特図1の保留球数が0であるか否かを判定する(ステップS82)。特図1とは、第1特別図柄始動口38aに遊技球が入賞した場合に、特別図柄表示装置43a(左側の7セグメントLED)で変動する特別図柄1のことである。
保留球数が0である場合には、「YES」の判定となり、ステップS83に進む。一方、保留球数が0でない場合には、「NO」の判定となり、ステップS86に進む。
ステップS82の判定が「YES」である場合、主制御手段は、特別図柄動作ステータスが00Hであるか否かを判定する(ステップS83)。上述の通り、特別図柄確認時間中処理(図12:ステップS78)が実行された直後は、特図動作ステータスとして01Hがセットされている。
特図動作ステータスが00Hである場合には、「YES」の判定となり、特別図柄変動開始処理を終了する。一方、特図動作ステータスが00Hでない場合(01Hである場合)には、「NO」の判定となり、ステップS84に進む。
ステップS83の判定が「NO」である場合、主制御手段は、客待ちデモコマンドを送信する(ステップS84)。「客待ちデモコマンド」は、特図1、特図2の保留球がなく、特図動作ステータスが01Hという条件の場合に、主制御手段(主制御基板24)から副制御手段(演出制御基板25)に向けて送信される。その後、ステップS85に進む。
ステップS85では、主制御手段は、特別図柄動作ステータスに00Hをセットする。これで特別図柄変動開始処理は終了となるが、これ以後、特別図柄変動開始処理では、保留球が発生しない限り、ステップS83の判定で「YES」となる処理を繰り返す。
ステップS81、ステップS82の判定が「NO」である場合、主制御手段は、特図1又は特図2の保留球数を1デクリメントする(図13B:ステップS86)。その後、ステップS87に進む。
ステップS87では、主制御手段は、保留減算コマンドを送信する。主制御手段(主制御基板24)は、副制御手段(演出制御基板25)に向けて「保留減算コマンド」を送信するので、特別図柄表示装置43a(右側の7セグメントLED)の保留表示及び液晶表示装置36に表示された保留表示が1減算される。その後、ステップS88に進む。
ステップS88では、主制御手段は、特別図柄動作確認データをセットする。具体的には、特図1が変動を開始する場合は特別図柄動作確認データとして00Hを、特図2が変動を開始する場合は01Hをセットする。その後、ステップS89に進む。
ステップS89では、主制御手段は、保留記憶エリアをシフトする。保留記憶エリア1〜4は、保留球数の減算に伴い1だけシフトする。このとき、保留記憶エリア4については0をセットする。その後、ステップS90に進む。
ステップS90では、主制御手段は、特別電動役物作動判定用乱数判定処理を行う。これは、特図に対応した当り乱数判定用テーブルを決定して乱数判定処理を行う、いわゆる、特図の抽選処理である。大当り、小当り判定フラグをワークエリアへ格納する処理も行う。その後、ステップS91に進む。
ステップS91では、主制御手段は、特別停止図柄作成処理を行う。ここでは、特図に対応した図柄テーブル選択テーブルを選択し、図柄判定用乱数値、上記大当り、小当り判定フラグを取得して特図の停止図柄を作成する。その後、ステップS92に進む。
ステップS92では、主制御手段は、遊技状態移行準備処理を行う。ここでは、大当り判定フラグがONしている場合に、大当り種別に応じた遊技状態移行テーブルを選択し、これを参照して各種バッファに値を格納する。その後、ステップS93に進む。
ステップS93では、主制御手段は、特図変動パターン作成処理を行う。これは、変動パターン振分けテーブルを選択し、変動パターン用乱数に基づいて特図の変動パターンを作成する処理である。変動時間テーブルを参照し、特図の変動時間も決定する。その後、ステップS94に進む。
ステップS94では、主制御手段は、特図1又は特図2の変動中フラグをONにセットする。具体的には、これから変動することになる一方の特図の変動中フラグをONとする。その後、ステップS95に進む。
ステップS95では、主制御手段は、装飾図柄指定コマンドを送信する。装飾図柄とは、液晶表示装置36で変動表示する図柄のことである。主制御手段(主制御基板24)は、「装飾図柄指定コマンド」を作成し、副制御手段(演出制御基板25)に向けて送信する。その後、ステップS96に進む。
最後に、ステップS96では、主制御手段は、変動開始時の各種設定を行う。具体的には、特別図柄動作ステータスを02H(変動中)にセットし、乱数記憶エリアに00H(消去)をセットする。その後、特別図柄変動開始処理を終了する。以上が主制御側で行われる処理である。
次に、図14を参照して、副制御側で行われるメイン処理について説明する。このメイン処理には、副制御手段(演出制御基板25)の起動時に行われる初期化処理が含まれる。
まず、副制御手段は、初期化処理を行う(ステップS101)。これは、主に、副制御手段の各種初期設定を行うものであり、起動時に一度だけ行われる。その後、ステップS102に進む。
次に、副制御手段は、メインループ更新周期となったか否かを判定する(ステップS102)。メインループとは、後述するステップS104〜S109までの処理であるが、その更新周期は16msである。
ステップS102に進んだとき更新周期の16msが経過すると、「YES」の判定となり、ステップS104に進む。一方、16ms経過する前の状態では、更新周期となっていないので、「NO」の判定となる。この場合には、ステップS103に進む。
ステップS102の判定が「NO」である場合、副制御手段は、各種ソフト乱数の更新処理を行う(ステップS103)。その後、ステップS102の判定が「YES」となるまでステップS102、S103の処理を繰り返す。このループの期間に、1ms周期のタイマ割込み処理(図17参照)が実行されるが、副制御手段は、この割込み処理回数をカウントして、上記の16msが経過したか否かを判定する。
ステップS102の判定が「YES」である場合、副制御手段は、LEDデータ更新処理を行う(ステップS104)。上述の通り、ステップS104〜S109はメインループの処理となるが、ここでは、枠装飾LED8、盤面装飾LED35のデータを更新することで、LEDの発光態様を変化させる。その後、ステップS105に進む。
ステップS105では、副制御手段は、受信コマンド解析処理を行う。詳細は後述するが、受信コマンドの種別を解析し、それに応じた各種設定を行うものである。その後、ステップS106に進む。
ステップS106では、副制御手段は、メインシナリオ更新処理を行う。これも詳細は後述するが、主に「通常モード」と「節電モード」の何れが選択されているかにより、それに応じた各種設定を行うものである。その後、ステップS107に進む。
ステップS107では、副制御手段は、サウンド出力処理を行う。具体的には、シナリオに応じてスピーカ7からサウンドを出力させる。その後、ステップS108に進む。
ステップS108では、副制御手段は、ソレノイド更新処理を行う。具体的には、大入賞装置39等に用いられているソレノイドの詳細な動作を設定する。その後、ステップS109に進む。
ステップS109では、副制御手段は、ノイズ対策用処理を行う。具体的には、周辺LSIがノイズの影響を受けていないかチェックする。この処理が終了すると、ステップS102に戻り、以降の処理を継続して実行する。
次に、図15を参照して、副制御側メイン処理の中で行われる受信コマンド解析処理について説明する。
まず、副制御手段は、受信コマンドが正常であるか否かを判定する(ステップS111)。受信コマンドが正常である場合には、「YES」の判定となり、ステップS112に進む。一方、受信コマンドが正常でない場合には、「NO」の判定となり、受信コマンド解析処理を終了する。
ステップS111の判定が「YES」である場合、副制御手段は、受信コマンドが客待ちデモコマンドであるか否かを判定する(ステップS112)。「客待ちデモコマンド」である場合には、「YES」の判定となり、ステップS113に進む。一方、「客待ちデモコマンド」でない場合には、「NO」の判定となり、ステップS114に進む。
なお、「客待ちデモコマンド」は、遊技停止の際、主制御基板24から演出制御基板25に向けて送信される制御コマンドである(図6A、7A参照)。これは、「節電モード」、「通常モード」に関係なく、遊技停止を意味する共通の制御コマンドである。
ステップS112の判定が「YES」である場合、副制御手段は、客待ちデモ開始タイマに180sをセットする(ステップS113)。これにより、副制御手段が「客待ちデモコマンド」を受信してから180秒が経過した時点で客待ち表示(「節電モード」の場合は、「節電デモ表示(節電客待ち表示)」)が開始する(図6A、7A参照)。その後、受信コマンド解析処理を終了する。
ステップS112の判定が「NO」である場合、副制御手段は、受信コマンドに対応した情報をセットする(ステップS114)。例えば、「保留減算コマンド」を受信した場合には、液晶表示装置36等に表示されている保留表示が1個消えるような情報をセットする。その後、ステップS115に進む。
ステップS115では、副制御手段は、客待ちデモ開始タイマをゼロクリアする。すなわち、「客待ちデモコマンド」を受信した後にスタートしたタイマはリセットされる。その後、受信コマンド解析処理を終了する。
次に、図16A、Bを参照して、副制御側メイン処理の中で行われるメインシナリオ更新処理について説明する。
まず、副制御手段は、シナリオ更新のタイミングであるか否かを判定する(ステップS121)。シナリオ更新のタイミングである場合には、「YES」の判定となり、ステップS122に進む。一方、シナリオ更新のタイミングでない場合には、「NO」の判定となり、ステップS123に進む。
ステップS121の判定が「YES」である場合、副制御手段は、現在の状態に合わせた演出シナリオをセットする(ステップS122)。具体的には、受信した制御コマンドの演出シナリオに基づいて液晶制御コマンド、サウンド出力、LEDの出力設定等を行う。
また、「節電モード」における「節電デモ表示(節電客待ち表示)」の実行中に、始動入賞により図柄変動が開始する場合は、上記シナリオ更新のタイミングで「節電デモ表示」が解除され、図柄変動が開始する。その後、ステップS123に進む。
次に、副制御手段は、客待ちデモ開始タイマが0であるか否かを判定する(ステップS123)。客待ちデモ開始タイマが0である場合には、「YES」の判定となり、ステップS130(図16B参照)に進む。一方、客待ちデモ開始タイマが0でない場合には、「NO」の判定となり、ステップS124に進む。
ステップS123の判定が「NO」である場合、副制御手段は、客待ちデモ開始タイマを減算する(ステップS124)。その後、ステップS125に進む。
次に、副制御手段は、客待ちデモ開始タイマが0であるか否かを判定する(ステップS125)。客待ちデモ開始タイマが0である場合には、「YES」の判定となり、ステップS126に進む。一方、客待ちデモ開始タイマが0でない場合、すなわち、セットしたタイマに残り時間がある場合には、「NO」の判定となり、ステップS130に進む。
ステップS125の判定が「YES」である場合、副制御手段は、節電モードか否かを判定する(ステップS126)。副制御手段は、モードの設定レジスタが格納された領域を確認する。現在、「節電モード」が選択されている場合には、「YES」の判定となり、ステップS127に進む。一方、現在、「通常モード」が選択されている場合には、「NO」の判定となり、ステップS128に進む。
ステップS126の判定が「YES」である場合、副制御手段は、節電モード用のデモ表示シナリオを更新する(ステップS127)。すなわち、「節電モード」の場合に実行される「節電デモ表示」のシナリオ更新を行う。その後、ステップS129に進む。
ステップS126の判定が「NO」である場合、副制御手段は、通常モード用のデモ表示シナリオを更新する(ステップS128)。すなわち、「通常モード」の場合に実行される「(通常)客待ち表示」のシナリオ更新を行う。
ステップS129では、副制御手段は、客待ちデモ開始タイマに90sをセットする。「客待ち表示」が開始した後に、演出制御基板25は、90秒毎に液晶制御基板26に向けて「客待ちデモ表示コマンド」を送信するため、90秒のタイマセットが必要となる(図7A参照)。その後、ステップS130に進む。
「節電モード」の「節電デモ表示」は、最初にセットしたシナリオ(ステップS127)をループ再生するだけであり、90秒毎のシナリオ更新をしていないが、上記の「客待ち表示」と同様、シナリオ更新をして表示制御してもよい。
次に、副制御手段は、エラーが発生したか否かを判定する(図16B:ステップS130)。例えば、パチンコ遊技機1に扉開放エラー等のエラー発生した場合には、「YES」の判定となり、ステップS131に進む。一方、エラーが発生していない場合には、「NO」の判定となり、ステップS132に進む。
ステップS130の判定が「YES」である場合、副制御手段は、エラー用の報知シナリオをセットする(ステップS131)。例えば、「節電デモ表示」の実行中であっても、このシナリオとは別に液晶表示装置36にエラーメッセージを表示し、LEDや音声によるエラー報知のシナリオをセットする。
具体的には、実行中の「節電デモ表示」は、バックグラウンド制御に切替わり、液晶表示装置36には、「節電デモ表示」と共にエラーメッセージが表示される。その後、ステップS132に進む。
なお、「通常モード」の客待ち表示の実行中にエラーが発生した場合も、液晶表示装置36では、客待ち表示に加えて、エラーに対応したエラーメッセージが表示される。
次に、副制御手段は、エラーが解消したか否かを判定する(ステップS132)。エラーが解消した場合には、「YES」の判定となり、ステップS133に進む。一方、未だエラーが解消していない場合には、「NO」の判定となり、ステップS134に進む。
なお、ステップS130の判定が「NO」の場合にも、ステップS132の処理に進むが、前回のメインシナリオ更新処理にてエラーが発生し(ステップS130:YES)、今回のメインシナリオ更新処理の際にもエラーが継続している(ステップS130:NO)場合等である。
ステップS132の判定が「YES」である場合、副制御手段は、エラー用の報知シナリオを解除する(ステップS133)。具体的には、エラーが解消した場合には、エラー用の報知シナリオを中断する。このとき、バックグラウンド制御されていた「節電デモ表示」のシナリオが復帰する。その後、ステップS134に進む。
次に、副制御手段は、節電モードのデモ表示中か否かを判定する(ステップS134)。すなわち、「節電デモ表示」が実行中か否かを判定する。節電モードのデモ表示中の場合には、「YES」の判定となり、ステップS135に進む。一方、節電モードのデモ表示中でない場合には、「NO」の判定となり、メインシナリオ更新処理を終了する。
ステップS134の判定が「YES」である場合、副制御手段は、演出ボタンの入力があったか否かを判定する(ステップS135)。具体的には、これから遊技を行おうとする者が、左演出ボタン13を操作入力した場合には、「YES」の判定となり、ステップS136に進む。一方、左演出ボタン13の操作がない場合には、「NO」の判定となり、メインシナリオ更新処理を終了する。
ステップS135の判定が「YES」である場合、副制御手段は、客待ち前演出シナリオ設定待機画面表示コマンドをコマンド送信バッファにセットする(ステップS136)。客待ち前演出シナリオとは、図6Aの「A:客待ち前演出表示(図柄表示)」についてのシナリオであり、「節電モード」において実行されていた「B:節電デモ表示」を「A:客待ち前演出表示」に戻すための処理である。その後、ステップS137に進む。
最後に、副制御手段は、客待ちデモ開始タイマに180sをセットする(ステップS137)。左演出ボタン13が操作され、図柄表示をした通常遊技画面に戻った場合には、客待ちデモ開始タイマを再度、客待ち表示(「節電モード」の場合は、「節電デモ表示」)が開始するまでの時間である180秒にセットする。その後、メインシナリオ更新処理を終了する。
次に、図17を参照して、副制御側のタイマ割込み処理について説明する。このタイマ割込み処理は、上述の副制御側メイン処理に対して、1ms周期で実行される処理である。
まず、副制御手段は、CPUレジスタの初期設定をする(ステップS141)。具体的には、ポートのリフレッシュ初期値の設定を行う。その後、ステップS142に進む。
ステップS142では、副制御手段は、出力処理を行う。具体的には、可動役物37a、37bに用いられているソレノイドやモータの出力処理を行う。その後、ステップS143に進む。
ステップS143では、副制御手段は、演出ボタン入力状態更新処理を行う。副制御手段は、演出ボタン13、14の操作がされた場合に、入力状態を更新する。
例えば、(左)演出ボタン13が操作された場合には、液晶表示装置36にキャラクタ選択表示が現れ、さらに操作することでキャラクタを選択することができるが(図6D参照)、本ステップで演出ボタン13、14の入力を確認、更新していることによる。その後、ステップS144に進む。
ステップS144では、副制御手段は、スイッチ入力状態更新処理を行う。詳細は後述するが、ボリュームスイッチ31の入力情報を確認し、その情報に応じた処理を行う。その後、ステップS145に進む。
ステップS145では、副制御手段は、液晶制御コマンド送信処理を行う。演出制御基板25は、例えば、「客待ち前演出シナリオ設定待機画面表示コマンド(図16B:ステップS136)」を液晶制御基板26に向けて送信する。その後、ステップS146に進む。
ステップS146では、副制御手段は、モータ更新処理を行う。具体的には、可動役物37a等に用いられているモータの詳細な動作設定をする。その後、ステップS147に進む。
ステップS147では、副制御手段は、LEDデータ出力処理を行う。具体的には、必要なタイミングで枠装飾LED8、盤面装飾LED35を点灯、点滅させるLEDデータ出力を行う。その後、ステップS148に進む。
最後に、副制御手段は、メインループ更新周期用ワークを1インクリメント(ステップS148)。これは、メインループ処理(図14:ステップS104〜S109)の更新周期である16msをカウントするため、メインループ更新周期用ワークを1だけインクリメントする処理である。その後、タイマ割込み処理を終了する。
次に、図18を参照して、タイマ割込み処理の中で行われるスイッチ入力状態更新処理について説明する。
まず、副制御手段は、現在のスイッチ入力情報をポートから取得し、今回の入力情報として格納する(ステップS151)。具体的には、現在のボリュームスイッチ31の値(1バイトデータ)をポートから取得し、今回の入力情報としてRAM253のワークエリアに記憶する。
ここで、1バイトデータは、上位4ビットを0固定とし、下位4ビットを用いて「ボリュームスイッチの値」(図5参照)を表わす。例えば、「ボリュームスイッチの値」が「4」の場合のデータは、「00000100(04H)」となる。なお、ボリュームスイッチ31が操作され、各ボリューム値の間を移動している際のデータは、「00001111(0FH)」とする。その後、ステップS152に進む。
ステップS152では、副制御手段は、前回の入力情報を取得する。具体的には、前回、ポートから入力されたスイッチ入力情報を取得する。その後、ステップS153に進む。
次に、副制御手段は、前回の入力情報と今回の入力情報が一致するか否かを判定する(ステップS153)。入力情報が一致する場合には、「YES」の判定となり、ステップS154に進む。一方、入力情報が一致しない場合には、「NO」の判定となり、ステップS159に進む。
まず、ステップS153の判定が「NO」である場合を説明する。副制御手段は、今回の入力情報は正常値であるか否かを判定する(ステップS159)。ここで、上記のボリュームスイッチ31が各ボリューム値の間を移動している際のデータ「00001111(0FH)」の場合には、正常値でないと判定し、入力情報はかなったものとして処理する。
今回の入力情報が正常値である場合には、「YES」の判定となり、ステップS160に進む。また、正常値でない場合には、「NO」の判定となり、スイッチ入力状態更新処理を終了する。
ステップS159の判定が「YES」である場合、副制御手段は、切替え判定カウンタに1をセットする(ステップS160)。切替え判定カウンタは、ノイズ等の影響でモードが切替わらないように、カウンタ値が所定値以上になったことを確認してからモードを切替えるためのカウンタである。
例えば、「ボリュームスイッチの値」が「4(04H)」から「5(05H)」に完全に切替わった(ボリュームスイッチ31の移動が終了した)場合に、切替え判定カウンタに1をセットする。その後、ステップS161に進む。
ステップS161では、副制御手段は、前回の入力情報に今回の入力情報をセットする。今回の入力情報を前回の入力情報にセットすることにより、次回のスイッチ入力状態更新処理で新たにスイッチ入力情報を取得できるようにする。その後、スイッチ入力状態更新処理を終了する。
次に、ステップS153の判定が「YES」である場合を説明する。副制御手段は、切替え判定カウンタが0であるか否かを判定する(ステップS154)。切替え判定カウンタが0である場合には、「YES」の判定となり、スイッチ入力状態更新処理を終了する。一方、切替え判定カウンタが0でない場合には、「NO」の判定となり、ステップS155に進む。
ステップS155では、副制御手段は、切替え判定カウンタを1インクリメントする。すなわち、タイマ割込み処理が実行され、スイッチ入力状態更新処理の本ステップを通過すると切替え判定カウンタが1だけ加算される。その後、ステップS156に進む。
次に、副制御手段は、切替え判定カウンタが5より大きいか否かを判定する(ステップS156)。すなわち、一度入力情報の一致を確認してから5割込みを超えて連続して同じ状態が継続した場合に、「YES」の判定となり、ステップS157に進む。一方、切替え判定カウンタが5以下の場合には、「NO」の判定となり、スイッチ入力状態更新処理を終了する。
ステップS156の判定が「YES」である場合、副制御手段は、現在のボリュームスイッチの値に合せたボリューム設定、客待ちモードを設定する(ステップS157)。ボリュームスイッチ31については、現在の「SAC」を設定レジスタに記憶する(図5参照)。その後、ステップS158に進む。
ステップS158では、副制御手段は、切替え判定カウンタをゼロクリアする。これは、ボリュームスイッチ31の切替えが終了した後に、切替え判定カウンタをリセットする処理である。その後、スイッチ入力状態更新処理を終了する。以上、パチンコ遊技機1の一連の動作を説明した。
上記のように、本実施形態の遊技機は、所定時間の経過前(節電客待ち状態となる前)に演出選択手段が操作された場合には、所定時間が経過しても節電客待ち状態としない。これにより、遊技者が遊技を開始しようとして、例えば、キャラクタの選択操作をしている最中に、突然に遊技機が客待ち状態となって遊技者の選択操作が無駄になってしまうことがない。
上記の実施形態は、本発明の一例であり、これ以外にも本発明を実施することができる種々の変形例が考えられる。
「節電モード」の遊技機の低消費電力客待ち状態では、幾つかのLEDを除いてLED(ランプ)を消灯させ、通常客待ち状態より消費電力を抑えているが、LED(ランプ)は全部消灯してもよい。ただし、この場合であっても、少なくとも表示装置等で遊技が行える状態にあることを示す必要がある。
また、低消費電力客待ち態では、液晶表示装置36の液晶バックライトを通常時より暗くしたり、「節電中」等の文字のみが見えるように液晶バックライトを部分的に光らせる制御として、消費電力を低減するようにしてもよい。
「節電モード」は、3段階の設定が可能であったが、2段階又は4段階等、複数段階の設定ができるものであればよい。設定によってLED(ランプ)の消費電力が異なるようにしてもよい。
「通常モード」が選択された場合に実行される通常客待ち表示は、「機種イメージデモ表示」、「不正禁止表示」、「企業ロゴ表示」、「待機画面表示(図柄停止表示)」をどのような順序で表示してもよい。また、これらの表示以外にも、例えば、「遊技説明表示」を加えて、一連の動画を構成してもよい。
また、遊技店の店員が客待ちモードの切替えを行った場合に、所定時間が経過するのを待たずにモードが切替ったことを確認できるように、切替えたモードの表示を直ちに行うようにしてもよい。
節電モードが選択され、所定時間の経過前に演出選択手段が操作された場合には、所定時間を計時するタイマを停止(クリア)するが、タイマを一時的に停止するようにしてもよい。このとき、演出選択表示の終了後に計時を再開する。
遊技関連表示処理によって出現する表示画面は、演出を選択できる条件等を示した「遊技説明画面」であってもよく、遊技者による選択操作が必要ない表示も含まれる。
以上、本実施形態としてパチンコ遊技機について説明したが、本発明は、これに限らず、雀球式遊技機、アレンジボール機、回胴式遊技機、遊技球が遊技媒体となる回胴式遊技機(いわゆる、パロット機)等の遊技機にも適用可能である。