JP2010262058A - 前面設置型フィルタおよび該フィルタを用いた表示装置 - Google Patents

前面設置型フィルタおよび該フィルタを用いた表示装置 Download PDF

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Abstract

【課題】高色再現性および高輝度な前面設置型フィルタを提供する。
【解決手段】赤色、緑色、および青色に発光する発光素子からそれぞれ成る3色の画素を有する表示装置の前面に配置され、波長475nm〜525nmの範囲に光学濃度の極大値を有し、計算logP値が−5以上10以下である染料、および、水(40℃)への溶解度が10質量%以下であるポリマー、を含有する前面設置型フィルタ。
【選択図】なし

Description

本発明は前面設置型フィルタおよび該フィルタを用いた表示装置に関するものである。特に赤色、緑色、および青色の画素をもち、それぞれの色に発光する素子と、フィルタとを有する表示装置に関するものである。
近年、大型の壁掛けテレビをはじめ種々の電子機器の表示パネルとしてCRT、蛍光表示管、電界放射型ディスプレイ、エレクトロルミネッセンスディスプレイ、液晶ディスプレイ等の電子ディスプレイが使用され、その需要が増大し、その画質の向上に対する要求はますます高まってきている。
フルカラー化の方式としては液晶表示装置に代表される、白色発光するバックライトにカラーフィルタを組み合わせる方式に対して、画素ごとに青、緑、赤の3原色に発光する発光素子を用いる方式で高画質を追及する開発も盛んに行われるようになってきている。
画素に用いられる発光素子として、有機エレクトロルミネッセンス素子(有機EL素子:Organic Electro-Luminescence devices)が挙げられる。有機EL素子は、一層乃至複数層の薄い有機物層を負極と正極とで挟み込んだ構造を有し、前記有機物層に対し、前記正極から正孔を、前記負極から電子を、それぞれ注入し、正孔と電子とが有機物層で再結合する際の再結合エネルギーにより、有機物層中の発光材料の発光中心を励起させ、発光材料が励起状態から基底状態に失活する際に放出される光を利用した発光素子である。有機EL素子は、自発光性、高速応答性等の特徴を持ち、視認性が良好であり、超薄型、軽量であり、また高速応答性、動画表示性に優れることから、フルカラーのフラットパネルディスプレイへの適用が検討されている。特に、正孔輸送性の有機薄膜(正孔輸送層)と電子輸送性の有機薄膜(電子輸送層)とを積層した2層型(積層型)の有機EL素子が報告(例えば、非特許文献1参照。)されて以来、該有機EL素子は、10V以下の低電圧で発光可能な大面積発光素子として注目されている。
色の3原色(青色(B)、緑色(G)、赤色(R))に対応する光をそれぞれ発光する有機EL素子を基板上に配置する3色発光法は、画質、色再現に加え省エネルギーの観点でも好ましく、有機ELのフルカラー化の方式の中でも有力な一つである。
3色発光法は、本来カラーフィルタを使わずとも有機EL素子自身が各色に発光できるが、外光反射によるディスプレイとしてのコントラストの低下を防止する目的で、さらに各発光色に合わせたカラーフィルタを組み合わせる方法、さらにマイクロキャビティ構造を採用する方法も提案されている(例えば、特許文献1参照。)。マイクロキャビティ構造において強さを増す光の波長は、例えば、マイクロキャビティ構造の光路長を変更することにより変化させることができる。したがって、カラーフィルタの着色層毎にマイクロキャビティ構造の光路長を適宜設定すれば、最大強度の光の波長を、輝度・色再現の観点で好ましい波長と一致させることができる。
フルカラーディスプレイにおいては、従来、表示装置の色再現性の向上と輝度の向上とは互いにトレードオフの関係にあり、これら表示装置における主要性能である2つの性能の両立について長らく改善が望まれていた。また、特にフラットパネルディスプレイでは広い視野角からの観察において、画質が変化しないことも要求されている。
マイクロキャビティ構造を採用した有機EL素子を、カラーフィルタと組み合わせる技術を用いれば、上記の理由により高色再現性と高輝度を両立することが可能となる。しかしながら、マイクロキャビティ構造の光源を用いた有機EL表示装置には、斜め方向から観察した画像が、法線方向から観察した画像と比較して著しく暗いという問題がある。加えて、画像を法線方向から観察し、次いで、斜め方向から観察すると、色相が変化することも指摘されており、改善が望まれている。この観察方向依存性の改善については、デバイスの構造面からの改善提案がされており(例えば、特許文献2参照。)、その効果が示されているが、これらの方法はいずれも装置の複雑化を招き、結果として高コスト化につながるものであり、さらに簡便な方法での改善が望まれていた。
一方、カラーフィルタ方式の有機EL表示装置には、液晶ディスプレイ用に開発されたカラーフィルタ材料を使用できる。青色(B)、緑色(G)、赤色(R)の3原色の画素の中で、緑色(G)の画素に用いる顔料としてはC.I.ピグメントグリーン36が多用されている。この顔料は微細化によって、透過率を向上させ、高輝度を得る点で有利と考えられていたが、有機EL表示装置における高色再現性と高輝度との両立に対しては、十分なレベルではないことがわかった。
また、3原色のカラーフィルタの形成は、通常フォトリソグラフィーを用いて形成されるが、各色ごとにパターニングが必要で、工程を煩雑化させ、歩留まりを低下させる要因の一つとなっていた。
このため簡便な方法で有機EL表示装置の高色再現性と高輝度とを両立するカラーフィルタの出現が待ち望まれていた。
また、不要波長領域の光を吸収するフィルタを表示装置前面に用いて、簡便にコントラスト、色純度を改善しようとする試みがプラズマディスプレイ等で検討されているが(例えば、特許文献3参照。)、補助的なものでフォトリソグラフィー方式のカラーフィルタに代わり得るものでは無く、特に3原色の光源に対しての検討はこれまで行われていない。
一方、染料およびポリマーバインダーを含むディスプレイ用の光学フィルターが開示されている(例えば、特許文献4参照。)。この技術はポリマーバインダーとして親水的な化合物を用いており、外光の影響によるコントラスト低下を改善することが目的であり、表示装置の輝度および色再現性の改良に対する効果は不十分なものであった。
特開2003−86358号公報 特開2007−27042号公報 特開2003−157017号公報 特開2008−203436号公報
C.W.Tang and S.A.VanSlyke,Applied Physics Letters vol.51,913(1987)
本発明の課題は、高色再現性および高輝度な前面設置型フィルタを提供することである。また、本発明の他の課題は高色再現性および高輝度を両立する表示装置を提供することである。
上記課題を解決するため鋭意検討した結果、特定の波長領域に光学濃度の極大値を有し、かつ分配係数を規定した染料、および、疎水性のポリマー、を含有する前面設置型フィルタを用いることで、高色再現性および高輝度なフィルタ、ならびに、高色再現性および高輝度を両立する表示装置を実現し得ることを見出した。
即ち、前記課題を解決するための手段は以下の通りである
<1>赤色、緑色、および青色に発光する発光素子からそれぞれ成る3色の画素を有する表示装置の前面に配置され、波長475nm〜525nmの範囲に光学濃度の極大値を有し、計算logP値が−5以上10以下である染料、および、水(40℃)への溶解度が10質量%以下であるポリマー、を含有する前面設置型フィルタ。
<2>前記染料が前記ポリマーの存在下で会合状態を形成する前記<1>に記載のフィルタ。
<3>前記染料が、下記一般式(I)、一般式(II)および一般式(III)で表される化合物からなる群より選ばれる1種以上を含む前記<1>または<2>に記載のフィルタ。
Figure 2010262058
前記一般式(I)中、ZおよびZは、それぞれ独立に、5員または6員の含窒素複素環を形成する非金属原子群を示し、該含窒素複素環には他の複素環、芳香族環または脂肪族環が縮合していてもよい。RおよびRは、それぞれ独立に、置換基を有してもよいアルキル基、アルケニル基、アラルキル基またはアリール基を示す。Lは置換基を有してもよい、奇数個のメチンからなるメチン鎖を示す。a、bおよびcは、それぞれ独立に、0または1である。Xはアニオンを示す。
Figure 2010262058
前記一般式(II)中、YおよびYは、それぞれ独立に、脂肪族環または複素環を形成する非金属原子群を示す。Lは、置換基を有してもよい、奇数個のメチンからなるメチン鎖を示す。Xは、水素原子またはカチオンを示す。
Figure 2010262058
前記一般式(III)中、Yは、脂肪族環または複素環を形成する非金属原子群を示し、Lは、1または3個のメチンからなるメチン鎖を示し、Arは、芳香族環を示す。
<4>さらに波長550nm〜620nmの範囲に光学濃度の極大値を有し、該光学濃度の極大値に対する、波長500nmおよび波長630nmにおける光学濃度の比率が、いずれも12%以下である前記<1>〜<3>のいずれかに記載のフィルタ。
<5>前記水(40℃)への溶解度が10質量%以下であるポリマーが、アクリル樹脂、ポリウレタン樹脂およびポリエステル樹脂からなる群より選ばれる1種以上を含む前記<1>〜<4>のいずれかに記載のフィルタ。
<6>前記染料における計算logP値が、−5以上5以下である前記<1>〜<5>のいずれかに記載のフィルタ。
<7>前記<1>〜<6>のいずれかに記載のフィルタと、発光素子と、を有する表示装置。
<8>発光素子として赤色(R)、緑色(G)、青色(B)に発光する有機エレクトロルミネッセンス素子を有する前記<7>に記載の表示装置。
<9>マイクロキャビティ構造を有する前記<8>に記載の表示装置。
本発明によれば、高色再現性および高輝度な前面設置型フィルタを提供することができる。また本発明によれば、高色再現性および高輝度を両立する表示装置を提供することができる。
図1は、本発明の前面設置型フィルタと組み合わせることで本発明の表示装置を構成する有機EL発光素子を用いた表示部材の一態様を示す断面構造である。 図2は、有機EL発光素子10R、10Bにおける有機層13の構成を拡大して表すものである。 図3は、有機EL発光素子10Gにおける有機層13の構成を拡大して表すものである。 図4は、有機EL発光素子10R、10G、10Bの光源の分光スペクトルである。 実線:緑色有機EL発光素子の光源スペクトル 点線:赤色有機EL発光素子の光源スペクトル 一点鎖線:青色有機EL発光素子の光源スペクトル 縦軸:発光強度(相対値) 横軸:波長
表示装置用のフィルタの色材としては顔料を用いる方法が一般的であるが、特定波長領域に光学濃度の極大値を有する染料を用い、さらに水系溶媒に溶解している染料に対して、あえて疎水性のポリマーを用いて染料を分散させることで、高輝度および高色再現性を同時に向上させることが可能となる。理由は定かではないが以下のように考えている。
疎水性のポリマーを導入することで、染料の周りに疎水性ポリマーが存在することで、水溶性染料の会合状態が変化する。すなわちポリマーの疎水的な部位に、染料の親水的な部位が会合状態となってとりこまれ、特異的な会合状態が選択的に形成され、その結果透過率が向上したものと考えられる。
以下、本発明に係る前面設置型フィルタについて説明する。
本発明の前面設置型フィルタは、波長475nm〜525nmの範囲に光学濃度の極大値を有し、計算logP値が−5以上10以下である染料、および、水(40℃)への溶解度が10質量%以下であるポリマー、を含有することを特徴とする。
本発明に係る前面設置型フィルタ(以下、適宜、フィルタ層と称する)では、特定の吸収波長に所望の光学濃度を持たせるために染料を使用する。
上記目的に対していかなる染料を用いてもよいが、吸収スペクトルの制御に用いられる好ましい染料としては、スクアリリウム染料、アゾメチン染料、シアニン染料、オキソノール染料、アゾ染料、アリーリデン染料、キサンテン染料あるいはメロシアニン染料を挙げることができる。フィルタ層には、以上のような二種類以上の染料を組み合わせて用いることができる。
上記のようなシャープな吸収を得る目的に対しては、会合状態にある染料を用いることが特に好ましい。
会合状態の染料は、いわゆるJバンドを形成するため、シャープな吸収スペクトルピークを示す。染料の会合とJバンドについては、文献(例えば、Photographic Science and Engineering Vol.18,No.323−335(1974))に記載がある。会合状態の染料では、さらに、会合状態の染料の吸収極大が、溶液状態の染料の吸収極大よりも長波長側に移動する。従って、フィルタ層に含まれる染料が会合状態であるか、非会合状態であるかは、吸収極大を測定することで容易に判断できる。
染料の分散を、適当な媒体(水、アルコール、溶剤)の存在下で実施してもよい。分散に際しては、分散用界面活性剤を用いることが好ましい。分散用界面活性剤としては、アニオン性界面活性剤(例えば、特開昭52−92716号公報および国際特許88/074794号明細書に記載のもの)が好ましく用いられる。必要に応じて、アニオン性ポリマー、ノニオン性界面活性剤あるいはカチオン性界面活性剤を用いてもよい。
染料を適当な溶媒に溶解した後、その貧溶媒に添加して、微粒子状の粉末を得てもよい。この場合も、上記の界面活性剤を用いることができる。
また、溶液のpHを調整することにより、染料の微結晶を析出させてもよく、ここで析出により得られる微結晶も染料の会合体である。
会合状態の染料が微粒子(または微結晶)である場合、平均粒径は0.01μm乃至10μmであることが好ましい。染料の粒子又は微結晶の平均粒径は、走査型電子顕微鏡にて撮影した画像より、抽出した500個の測定値を平均した値を用いている。
<波長475nm〜525nmの範囲に光学濃度の極大値を有し、計算logP値が−5以上10以下である染料(以下適宜、特定染料と称する。)>
本発明に係る前面設置型フィルタは、波長475nm〜525nmの範囲に光学濃度の極大値を有する。当該波長領域は青と緑の分離に必要な波長である。
また本発明に係る前面設置型フィルタは、より好ましくは波長475nm〜515nmの範囲に光学濃度の極大値を有するものであり、更に好ましくは波長485nm〜505nmの範囲に光学濃度の極大値を有するものである。
また本発明の前面設置型フィルタは、計算logP値が−5以上10以下である染料を含有する。
ここで、logP値とは、分配係数P(Partition Coefficient)の常用対数を意味し、有機化合物が油(一般的には1−オクタノール)と水の2相系の平衡で、どのように分配されるかを定量的な数値として表す物性値であり、下記式で表される。
logP=log(Coil/Cwater)
Coil=油相中のモル濃度
Cwater=水相中のモル濃度
logPの値が0をはさんでプラスに大きくなるほど油溶性が増し、0をはさんでマイナスでは絶対値が大きくなるほど水溶性が増す。
古典的には対象物質と2種類の溶媒を実際にフラスコに入れ、よく振りまぜる方法があるが、実際に測定しなくても定量的構造活性相関アルゴリズムを用いた計算によって求めることができ、その値を計算logP値と呼ぶ。計算には各種プログラムが開発・市販されているが、本発明においては、米国Pomona大学のC. Hansch, A. LeoらのMedchemプロジェクトによって開発されたlogP値推算プログラム:CLOGP(厳密にはDaylight Chemical Information Systems社のシステム:PCModelsに組み込まれたCLOGPプログラム)を用いて計算した。
本発明において、染料は後述するポリマー中にある程度均一に分散されていなければならないが、同時に特異的な会合状態を形成しなければならない。そのために存在状態を制御することが必要である。親水的な部分と疎水的な部分が共存する系において、それぞれに対する親和性のバランスが存在状態を支配していると推定され、上記分配係数の値を適切に調整することで、所望の会合状態が得られるものと考えられる。分配係数が大きすぎると相分離が起こりやすくなる等で均一に分散することが難しくなり、逆に分配係数が小さすぎると疎水性ポリマーを利用して特異的な会合状態を形成することが難しくなる。
本発明に用いる特定染料の計算logP値は、−5以上10以下であり、−5以上5以下がより好ましく、−3以上5以下が更に好ましい。
本発明における前面設置型フィルタは、上記した如き、波長475nm〜525nmの範囲に光学濃度の極大値を有し、計算logP値が−5以上10以下である染料である特定染料を含有するが、波長475nm〜525nmの範囲に光学濃度の極大値を有する染料としては、下記一般式(I)、一般式(II)および一般式(III)で表される化合物からなる群より選ばれる1種以上が好ましいものとして挙げられ、これらの構造を有する化合物であって計算logP値が、上記範囲にあるものと用いればよい。
Figure 2010262058
前記一般式(I)中、ZおよびZは、それぞれ独立に、5員または6員の含窒素複素環を形成する非金属原子群を示す。
含窒素複素環には、他の複素環、芳香族環または脂肪族環が縮合していてもよい。ZおよびZで表される含窒素複素環およびその縮合環の例には、オキサゾール環、イソオキサゾール環、ベンゾオキサゾール環、ナフトオキサゾール環、チアゾール環、ベンゾチアゾール環、ナフトチアゾール環、インドレニン環、ベンゾインドレニン環、イミダゾール環、ベンゾイミダゾール環、ナフトイミダゾール環、キノリン環、ピリジン環、ピロロピリジン環、フロピロール環、インドリジン環、イミダゾキノキサリン環およびキノキサリン環が含まれる。
およびZで表される含窒素複素環およびそれに縮合している環は、置換基を有していてもよい。置換基の例には、アルキル基(例、メチル、エチル、プロピル)、アルコキシ基(例、メトキシ、エトキシ)、アリールオキシ基(例、フェノキシ、p−クロロフェノキシ)、ハロゲン原子(Cl、Br、F)、アルコキシカルボニル基(例、エトキシカルボニル)、ハロゲン化炭素基(例、トリフルオロメチル)、アルキルチオ基(例、メチルチオ、エチルチオ、ブチルチオ)、アリールチオ基(フェニルチオ、o−カルボキシルフェニルチオ)、シアノ基、ニトロ基、アミノ基、アルキルアミノ基(例、メチルアミノ、エチルアミノ)、アミド基(例、アセトアミド、プロピオンアミド)、アシルオキシ基(例、アセトキシ、ブチリルオキシ)、ヒドロキシル基、スルホ基およびカルボキシル基が含まれる。スルホ基とカルボキシル基は塩の状態であってもよい。
一般式(I)において、RおよびRはそれぞれ独立に、置換基を有してもよいアルキル基、アルケニル基、アラルキル基またはアリール基を示す。
およびRがアルキル基を表すとき、アルキル基の炭素原子数は、1乃至20であることが好ましい。アルキル基は置換基を有していてもよい。アルキル基に導入可能な置換基の例には、ハロゲン原子(Cl、Br、F)、アルコキシカルボニル基(例、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル)、ヒドロキシル基、スルホ基およびカルボキシル基が含まれる。スルホ基とカルボキシル基は塩の状態であってもよい。
およびRがアルケニル基を表すとき、アルケニル基の炭素原子数は、2乃至10であることが好ましい。アルケニル基の例には、2−ペンテニル、ビニル、アリル、2−ブテニルおよび1−プロペニルが含まれる。アルケニル基は置換基を有していてもよい。アルケニル基に導入可能な置換基の例は、アルキル基における置換基の例と同様である。
およびRがアラルキル基を表すとき、アラルキル基の炭素原子数は、7乃至12であることが好ましい。アラルキル基の例には、ベンジルおよびフェネチルが含まれる。アラルキル基は置換基を有していてもよい。置換基の例には、アルキル基(例、メチル、エチル、プロピル)、アルコキシ基(例、メトキシ、エトキシ)、アリールオキシ基(例、フェノキシ、p−クロロフェノキシ)、ハロゲン原子(Cl、Br、F)、アルコキシカルボニル基(例、エトキシカルボニル)、ハロゲン化炭素基(例、トリフルオロメチル)、アルキルチオ基(例、メチルチオ、エチルチオ、ブチルチオ)、アリールチオ基(フェニルチオ、o−カルボキシルフェニルチオ)、シアノ、ニトロ、アミノ、アルキルアミノ基(例、メチルアミノ、エチルアミノ)、アミド基(例、アセトアミド、プロピオンアミド)、アシルオキシ基(例、アセトキシ、ブチリルオキシ)、ヒドロキシル基、スルホ基およびカルボキシル基が含まれる。スルホ基とカルボキシル基は塩の状態であってもよい。
およびRがアリール基を表すとき、アリール基の例には、フェニルおよびナフチルが含まれる。アリール基は、置換基を有していてもよい。アリール基の置換基の例は、アラルキル基の置換基の例と同様である。
一般式(I)において、Lは、奇数個のメチンからなるメチン鎖である。メチンの数は、1、3、5または7個であることが好ましい。
メチン鎖は、置換基を有していてもよい。置換基を有するメチンは、メチン鎖の中央(メソ位)のメチンであることが好ましい。メチン鎖に導入可能な置換基の例には、アルキル基、アリール基、アルコキシ基、アリールオキシ基、ハロゲン原子、アルコキシカルボニル基、ハロゲン化炭素基、アルキルチオ基、アリールチオ基、シアノ、ニトロ、アミノ、アルキルアミノ基、アミド基、アシルオキシ基、ヒドロキシル基、スルホ基およびカルボキシル基が含まれる。アルキル基およびアリール基の定義および例は、上記RおよびRで示したものと同様である。
一般式(I)において、a、bおよびcは、それぞれ独立に、0または1である。aおよびbは、0である方が好ましい。cは、シアニン染料がスルホやカルボキシルのようなアニオン性置換基を有して分子内塩を形成する場合は、0である。
一般式(I)において、Xはアニオンを表す。アニオンの例には、ハライドイオン(Cl、Br、I)、p−トルエンスルホン酸イオン、エチル硫酸イオン、PF 、BF 、ClO および下記一般式(1)で表される錯イオンが含まれる。
Figure 2010262058
前記一般式(1)において、R、R10、R11およびR12は、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、アリール基またはシアノ基であるか、あるいは、RとR10、または、R11とR12とが結合して形成された芳香族環を表す。
、R10、R11およびR12がアルキル基を表す場合のアルキル基の炭素原子数は、1乃至20であることが好ましい。アルキル基は置換基を有していてもよい。置換基の例には、ハロゲン原子(Cl、Br、F)、アルコキシカルボニル基(例、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル)、ヒドロキシル基、スルホ基およびカルボキシル基が含まれる。スルホ基とカルボキシル基は塩の状態であってもよい。
、R10、R11およびR12がアリール基を表す場合のアリール基の例には、フェニルおよびナフチルが含まれる。アリール基は、置換基を有していてもよい。置換基の例には、アルキル基(例、メチル、エチル、プロピル)、アルコキシ基(例、メトキシ、エトキシ)、アリールオキシ基(例、フェノキシ、p−クロロフェノキシ)、ハロゲン原子(Cl、Br、F)、アルコキシカルボニル基(例、エトキシカルボニル)、ハロゲン化炭素基(例、トリフルオロメチル)、アルキルチオ基(例、メチルチオ、エチルチオ、ブチルチオ)、アリールチオ基(フェニルチオ、o−カルボキシルフェニルチオ)、シアノ、ニトロ、アミノ、アルキルアミノ基(例、メチルアミノ、エチルアミノ)、アミド基(例、アセトアミド、プロピオンアミド)、アシルオキシ基(例、アセトキシ、ブチリルオキシ)、ヒドロキシル基、スルホ基およびカルボキシル基が含まれる。スルホ基とカルボキシル基は塩の状態であってもよい。
とR10、または、R11とR12とが結合して形成する芳香族環の例には、ベンゼン環およびナフタレン環が含まれる。ベンゼン環およびナフタレン環は、置換基を有していてもよい。置換基の例は、上記のアリール基において挙げた置換基の例と同様である。
一般式(1)において、YとYは、それぞれ独立に、O、SまたはNHを表すが、Sが最も好ましい。
一般式(1)において、Mは、金属原子を表す。金属原子は、周期律表のII族からIV族までの金属原子が好ましく、より好ましくは、遷移金属原子である。遷移金属原子の例には、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Pd、MdおよびCdが含まれる。なかでも、Fe、Co、CuおよびZnが特に好ましい。
前記一般式(I)で表されるシアニン染料は、少なくとも一つの水溶性基(化合物を水溶性にする程度の強い親水性基)を有することが好ましい。ここでシアニン染料が有することができる水溶性基の例には、スルホ基、カルボキシル基、ホスホノ基およびそれらの塩が含まれる。塩を形成するための対イオンの例には、アルカリ金属イオン(例、Na、K)、アンモニウムイオン、トリエチルアンモニウムイオン、トリブチルアンモニウムイオン、ピリジニウムイオン、テトラブチルアンモニウムイオンおよび下記一般式(2)で表されるオニウムイオンが含まれる。
Figure 2010262058
一般式(2)において、R13およびR14は、それぞれ独立に、アルキル基、アルケニル基、アラルキル基、アリール基または複素環基である。アルキル基、アルケニル基、アラルキル基およびアリール基の定義および例は、前記一般式(I)におけるRおよびRと同様である。
13およびR14が複素環基を表す場合の複素環の例には、オキサゾール環、ベンゾオキサゾール環、チアゾール環、ベンゾチアゾール環、イミダゾール環、ベンゾイミダゾール環、ピリジン環、ピペリジン環、ピロリジン環、モルホリン環、ピラゾール環、ピロール環およびクマリン環が含まれる。
複素環基は置換基を有していてもよい。置換基の例には、アルキル基(例、メチル、エチル、プロピル)、アルコキシ基(例、メトキシ、エトキシ)、アリールオキシ基(例、フェノキシ、p−クロロフェノキシ)、ハロゲン原子(Cl、Br、F)、アルコキシカルボニル基(例、エトキシカルボニル)、ハロゲン化炭素基(例、トリフルオロメチル)、アルキルチオ基(例、メチルチオ、エチルチオ、ブチルチオ)、アリールチオ基(フェニルチオ、o−カルボキシルフェニルチオ)、シアノ、ニトロ、アミノ、アルキルアミノ基(例、メチルアミノ、エチルアミノ)、アミド基(例、アセトアミド、プロピオンアミド)、アシルオキシ基(例、アセトキシ、ブチリルオキシ)、ヒドロキシル基、スルホ基およびカルボキシル基が含まれる。スルホ基とカルボキシル基は塩の状態であってもよい。
一般式(2)において、R15およびR16は、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、ハロゲン原子、アルコキシカルボニル基、ハロゲン化炭素基、アルキルチオ基、アリールチオ基、シアノ、ニトロ、アミノ、アルキルアミノ基、アミド基、アシルオキシ基、ヒドロキシル基、スルホ基またはカルボキシル基である。
13、R14、R15およびR16のいずれか二つが結合して環を形成してもよい。
一般式(2)において、n1およびn2は、それぞれ独立に、1、2、3または4である。
一般式(2)において、bは、0.25乃至3.0である。bは、染料に含まれる水溶性基の数に応じて決定する。例えば、染料がスルホ基を二つ有すると、bは0.5である。また、染料がスルホ基を三つ有すると、bは1.0である。
特定の計算logP値を有し、かつ上記一般式(I)で表される、本発明において好適な染料の具体例を以下に示すが、本発明は以下の化合物に限定されない。なお化合物におけるかっこ書きは、計算logP値を示す。
Figure 2010262058
一般式(I)で表されるシアニン染料は、エフ・エム・ハーマー(F.M.Harmer)著「ヘテロサイクリック・コンパウンズ−シアニンダイズ・アンド・リレイテッド コンパウンズ(Heterocyclic Compounds Cyanine Dyes and Related Compounds)」、ジョン・ウィリー・アンド・サンズ(John Wiley and Sons)、ニューヨーク、ロンドン、1964年;デー・エム・スターマー(D.M.Sturmer)著「ヘテロサイクリック・コンパウンズ−スペシャル・トピックス・イン・ヘテロサイクリック・ケミストリー(Heterocyclic Compounds−Special topics in heterocyclic chemistry)」、第18章、第14節、482〜515頁、ジョン・ウィリー・アンド・サンズ(John Wiley and Sons)、ニューヨーク、ロンドン、1977年;「ロッズ・ケミストリー・オブ・カーボン・コンパウンズ(Rodd’s Chemistry of Carbon Compounds)」、第2版、第4巻B、第15章、369〜422頁、エルセビア・サイエンス・パブリック・カンパニー・インク(Elsevier Science Publishing Company Inc.)、ニューヨーク、1977年;および特開平6−313939号、同5−88293号の各公報の記載を参照して合成できる。
本発明の前面設置型フィルタに用いる波長475nm〜525nmの範囲に光学濃度の極大値を有する好ましい染料としては、他の例として、下記一般式(II)で表されるオキソノール染料が挙げられる。
Figure 2010262058
前記一般式(II)中、YおよびYは、それぞれ独立に、脂肪族環または複素環を形成する非金属原子群を表す。Lは、置換基を有してもよい、奇数個のメチンからなるメチン鎖を示す。Xは、水素原子またはカチオンを示す。
前記一般式(II)中、YおよびYは、それぞれ独立に、脂肪族環または複素環を形成する非金属原子群を表す。YおよびYとしては、脂肪族環よりも複素環の方が好ましい。
脂肪族環の例には、インダンジオン環が含まれる。複素環の例には、5−ピラゾロン環、オキサゾロン環、バルビツール酸環、ピリドン環、ローダニン環、ピラゾリジンジオン環、ピラゾロピリドン環およびメルドラム酸環が含まれる。
脂肪族環および複素環は、置換基を有していてもよい。導入可能な置換基の例には、アルキル基(例、メチル、エチル、プロピル)、アルコキシ基(例、メトキシ、エトキシ)、アリールオキシ基(例、フェノキシ、p−クロロフェノキシ)、ハロゲン原子(Cl、Br、F)、アルコキシカルボニル基(例、エトキシカルボニル)、ハロゲン化炭素基(例、トリフルオロメチル)、アルキルチオ基(例、メチルチオ、エチルチオ、ブチルチオ)、アリールチオ基(フェニルチオ、o−カルボキシルフェニルチオ)、シアノ、ニトロ、アミノ、アルキルアミノ基(例、メチルアミノ、エチルアミノ)、アミド基(例、アセトアミド、プロピオンアミド)、アシルオキシ基(例、アセトキシ、ブチリルオキシ)、ヒドロキシル基、スルホ基およびカルボキシル基が含まれる。スルホ基とカルボキシル基は塩の状態であってもよい。
前記一般式(II)において、Lは、奇数個のメチンからなるメチン鎖である。メチンの数は、3、5または7個であることが好ましい。
メチン鎖は、置換基を有していてもよい。置換基を有するメチンは、メチン鎖の中央(メソ位)のメチンであることが好ましい。置換基の例には、アルキル基、アリール基、アルコキシ基、アリールオキシ基、ハロゲン原子、アルコキシカルボニル基、ハロゲン化炭素基、アルキルチオ基、アリールチオ基、シアノ基、ニトロ基、アミノ基、アルキルアミノ基、アミド基、アシルオキシ基、ヒドロキシル基、スルホ基およびカルボキシル基が含まれる。ただし、メチン鎖は無置換であることが好ましい。
一般式(II)において、Xは、水素原子またはカチオンを表す。Xがカチオンを表す場合のカチオンの例には、アルカリ金属(例、Na、K)イオン、アンモニウムイオン、トリエチルアンモニウムイオン、トリブチルアンモニウムイオン、ピリジニウムイオンおよびテトラブチルアンモニウムイオンが含まれる。
特定の計算logP値を有し、かつ上記一般式(II)で表される、本発明において好適な染料の具体例を以下に示すが、本発明は以下の化合物に限定されない。なお化合物におけるかっこ書きは、計算logP値を示す。
Figure 2010262058
Figure 2010262058
Figure 2010262058
本発明の前面設置型フィルタに用いる波長475nm〜525nmの範囲に光学濃度の極大値を有する好ましい染料としては、他の例として、下記一般式(III)で表される染料が挙げられる。
Figure 2010262058
一般式(III)において、Yは一般式(II)におけるY、Yと同義であり、好ましい範囲も同様である。Lは、1または3個のメチンからなるメチン鎖であり、好ましいメチンの数は1個である。メチン鎖は、置換基を有していてもよい。置換基の例には、アルキル基、アリール基、アルコキシ基、アリールオキシ基、ハロゲン原子、アルコキシカルボニル基、ハロゲン化炭素基、アルキルチオ基、アリールチオ基、シアノ、ニトロ、アミノ、アルキルアミノ基、アミド基、アシルオキシ基、ヒドロキシル、スルホおよびカルボキシルが含まれる。ただし、メチン鎖は無置換であることが好ましい。
Arは、芳香族環である。芳香族環は、炭化水素環であっても複素環であってもよいが、炭化水素環が好ましい。最も好ましい芳香族環は、ベンゼン環である。芳香族環は置換基を有していてもよく、好ましい置換基は、一般式(II)の脂肪族環および複素環の置換基の説明で挙げたものである。
特定の計算logP値を有し、かつ上記一般式(III)で表される、本発明において好適な染料の具体例を以下に示すが、本発明は以下の化合物に限定されない。なお化合物におけるかっこ書きは、計算logP値を示す。
Figure 2010262058
Figure 2010262058
上記一般式(I)〜一般式(III)で表される化合物以外で、波長475nm〜525nmの範囲に光学濃度の極大値を有し、かつ計算logP値が−5以上10以下である染料として、下記化合物(V−1)〜化合物(V−3)も好ましく用いることができる。
なお化合物におけるかっこ書きは、計算logP値を示す。
Figure 2010262058
染料の総含有量は(特定染料+他の併用しうる染料の総含有量)、前面設置型フィルタを構成する全成分中、固形分換算で5〜70質量%の範囲が好ましく、8〜60質量%の範囲であることがより好ましい。
また染料の使用量は後述するポリマー100質量部に対して、0.001〜500質量部であり、好ましくは0.05〜200質量部である。
このような吸収スペクトルを有する染料を、前面設置型フィルタに用いる際、1種のみを用いてもよく、2種以上を組みあわて用いてもよい。
<水(40℃)への溶解度が10質量%以下であるポリマー>
本発明の前面設置型フィルタは、40℃の水への溶解度が10質量%以下であるポリマー、好ましくは40℃の水への溶解度が8質量%以下であるポリマーを含有する。
このように本発明の前面設置型フィルタに含有されるポリマーは、水に溶けないことを特徴としており、本明細書では、該ポリマーを疎水性ポリマーと称する。
具体的には本発明におけるポリマーは、主成分が水である分散媒(本明細書では溶媒と呼ぶこともある)に疎水性のポリマー(合成樹脂)が分散された水性分散物(以下適宜、特定疎水性ポリマーと称する。)として使用されることが好ましい。
本発明における特定疎水性ポリマーは、主成分が水である溶媒と、後述する有機溶媒と、を含む溶媒中に水性分散物として分散されてなるが、該溶媒中に含まれる水の含有量は、30〜100質量%が好ましく、50〜100質量%がより好ましく、70〜100質量%が更に好ましい。また水以外の溶媒としては、メタノールやエタノール、イソプロピルアルコールなどのアルコール類、アセトンやメチルエチルケトンなどのケトン類、テトラヒドロフランやブチルセロソルブなど、水に溶解性を有する溶剤が好ましく用いられる。
特定疎水性ポリマーとしては、アクリル樹脂、ビニル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂等の水(40℃)への溶解度が10質量%以下である種々のポリマーを使用することができ、なかでもアクリル樹脂、ポリウレタン樹脂およびポリエステル樹脂からなる群より選ばれる1種以上を含んでいるのが好ましく、アクリル樹脂がより好ましい。
アクリル樹脂としては、アクリル酸、アクリル酸アルキル等のアクリル酸エステル類、アクリルアミド、アクリロニトリル、メタクリル酸、メタクリル酸アルキル等のメタクリル酸エステル類、メタクリルアミド及びメタクリロニトリルのいずれかのモノマーの単独重合体又はこれらのモノマー2種以上の重合により得られる共重合体を挙げることができる。これらの中では、アクリル酸アルキル等のアクリル酸エステル類、及びメタクリル酸アルキル等のメタクリル酸エステル類のいずれかのモノマーの単独重合体又はこれらのモノマー2種以上の重合により得られる共重合体が好ましい。
例えば、炭素原子数1〜6のアルキル基を有するアクリル酸エステル類及びメタクリル酸エステル類のいずれかのモノマーの単独重合体又はこれらのモノマー2種以上の重合により得られる共重合体を挙げることができる。上記アクリル樹脂は、上記組成を主成分とし、カルボジイミド化合物との架橋反応が可能なように、例えば、メチロール基、水酸基、カルボキシル基及びアミノ基のいずれかの基を有するモノマーを一部使用して得られるポリマーが好ましい。
ビニル樹脂としては、ポリビニルアルコール、酸変性ポリビニルアルコール、ポリビニルホルマール、ポリビニルブチラール、ポリビニルメチルエーテル、ポリオレフィン、エチレン/ブタジエン共重合体、ポリ酢酸ビニル、塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル/(メタ)アクリル酸エステル共重合体及びエチレン/酢酸ビニル系共重合体(好ましくはエチレン/酢酸ビニル/(メタ)アクリル酸エステル共重合体)を挙げることができる。これらの中で、ポリビニルアルコール、酸変性ポリビニルアルコール、ポリビニルホリマール、ポリオレフィン、エチレン/ブタジエン共重合体及びエチレン/酢酸ビニル系共重合体(好ましくは、エチレン/酢酸ビニル/アクリル酸エステル共重合体)が好ましい。
このようなビニル樹脂は、カルボジイミド化合物との架橋反応が可能なように、ポリビニルアルコール、酸変性ポリビニルアルコール、ポリビニルホルマール、ポリビニルブチラール、ポリビニルメチルエーテル及びポリ酢酸ビニルでは、例えば、ビニルアルコール単位をポリマー中に残すことにより水酸基を有するポリマーとし、他のポリマーについては、例えば、メチロール基、水酸基、カルボキシル基及びアミノ基のいずれかの基を有するモノマーを一部使用することにより架橋可能なポリマーとすることができる。
上記ポリウレタン樹脂としては、ポリヒドロキシ化合物(例、エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン、トリメチロールプロパン)、ポリヒドロキシ化合物と多塩基酸との反応により得られる脂肪族ポリエステル系ポリオール、ポリエーテルポリオール(例、ポリ(オキシプロピレンエーテル)ポリオール、ポリ(オキシエチレン−プロピレンエーテル)ポリオール)、ポリカーボネート系ポリオール、及びポリエチレンテレフタレートポリオールのいずれか一種、あるいはこれらの混合物とポリイソシアネートから誘導されるポリウレタンを挙げることができる。このようなポリウレタン樹脂では、例えば、ポリオールとポリイソシアネートとの反応後、未反応として残った水酸基を、カルボジイミド化合物との架橋反応が可能な官能基として利用することができる。
ポリエステル樹脂としては、一般にポリヒドロキシ化合物(例、エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン、トリメチロールプロパン)と多塩基酸との反応により得られるポリマーが挙げられる。このようなポリエステル樹脂では、例えば、ポリオールと多塩基酸との反応終了後、未反応として残った水酸基、カルボキシル基を、カルボジイミド化合物との架橋反応が可能な官能基として利用することができる。勿論、水酸基等の官能基を有する第三成分を添加してもよい。
本発明で用いうる上記ポリマーは、後述するカルボジイミド化合物などの硬化剤との架橋反応を可能にするため、メチロール基、水酸基、カルボキシル基及びアミノ基のいずれかの基を有するのが好ましい。
なかでも水酸基およびカルボキシル基を有するのが好ましく、特にカルボキシル基を有するのが好ましい。
ポリマー中の水酸基またはカルボキシル基の含有量は、ポリマー中0.0001〜1当量/kgが好ましく、特に0.001〜1当量/kgが好ましい。
本発明の前面設置型フィルタに用いうる特定疎水性ポリマーは、水等の溶媒にポリマーが分散された水性分散物であり、該特定疎水性ポリマーの水性分散物の分散状態としては、ポリマーが分散媒中に乳化されているもの、乳化重合されたもの、ミセル分散されたもの、あるいはポリマー分子中に部分的に親水的な構造を持つもの等いずれでもよい。なお、本発明のポリマーの水性分散物(または単に水分散物と呼ぶ)については「合成樹脂エマルジョン(奥田平、稲垣寛編集、高分子刊行会発行(1978))」、「合成ラテックスの応用(杉村孝明、片岡靖男、鈴木聡一、笠原啓司編集、高分子刊行会発行(1993))」、「合成ラテックスの化学(室井宗一著、高分子刊行会発行(1970))」等に記載されている。
特定疎水性ポリマー(分散粒子)の平均粒径は1nm〜50000nmであり、より好ましくは5nm〜1000nmの範囲が好ましい。分散粒子の粒径分布に関しては特に制限はなく、広い粒径分布を持つものでも単分散の粒径分布を持つものでもよい。
なお本発明における特定疎水性ポリマーのように、水等の溶媒にポリマーが分散された水性分散物としては下記のような市販ポリマーを好ましく用いることができる。
スーパフレックス830、460、870、420、420NS(第一工業製薬製ポリウレタン)、ボンディック1370NS、1320NS、ハイドランHw140SF、WLS201、WLS202、WLS213(大日本インキ化学工業製ポリウレタン)、オレスターUD350、UD500、UD600(三井化学製ポリウレタン)、ネオレッツR972、R966、R9660(楠本化成製ポリウレタン)、ファインテックスEs650、Es2200(大日本インキ化学工業製ポリエステル)、バイロナールMD1100、MD1400、MD1480(東洋紡製ポリエステル)、ジュリマーET325、ET410、AT-613、SEK301(日本純薬製アクリル)、ボンコートAN117、AN226(大日本インキ化学工業製アクリル)、ラックスターDS616、DS807(大日本インキ化学工業製スチレン−ブタジエンゴム)、ニッポールLX110、LX206、LX426、LX433(日本ゼオン製スチレン−ブタジエンゴム)、ニッポールLX513、LX1551、LX550、LX1571(日本ゼオン製アクリロニトリル−ブタジエンゴム)。
本発明の前面設置型フィルタにバインダーとして用いる上記ポリマーの分子量は特に制限はないが、通常、重量平均分子量で3000〜1000000程度のものが好ましく、5000〜500000がより好ましい。上記範囲とすることで、膜強度が良好となり、また塗布面のムラが抑制される。
前面設置型フィルタを構成する全成分中、特定疎水性ポリマーの含有量は、0.2〜10g/mが好ましい。上記範囲とすることで、フィルタの膜強度や、フィルタと支持体との密着性が良好となる。さらに上記範囲とすることで、支持体への塗布性が良好となり、膜の厚みムラが抑制され、高温高湿度下におけるヘイズ上昇が抑制される。
本発明の前面設置型フィルタにバインダーとして用いる上記特定疎水性ポリマーは1種類を単独で用いてもよいし、必要に応じて2種類以上を混合して使用してもよい。
本発明の前面設置型フィルタは、上述した通り、特定の波長領域に光学濃度の極大値を有するものであるが、さらに他の波長領域にシャープな吸収を有するために、波長550nm〜620nmの範囲に光学濃度の極大値を有し、該光学濃度の極大値に対する、波長500nmおよび波長630nmにおける光学濃度の比率が、いずれも12%以下であるのが好ましい態様である。
フィルタが、波長550nm〜620nmの範囲に光学濃度の極大値を有する場合、光学濃度の極大値を示す波長領域は、より好ましくは550nm〜605nmであり、更に好ましくは560nm〜600nmである。
このとき該光学濃度の極大値に対する、波長500nmおよび波長630nmにおける光学濃度の比率が、いずれも10%以下であるのがより好ましく、8%以下であるのが更に好ましい。
550nm〜620nmの波長領域に吸収極大を有する、本発明の前面設置型フィルタに使用される色材としては特に制限は無く、いかなる染料や顔料をも用いることができる。
また該極大値に対する500nmおよび630nmにおける光学濃度の比率がいずれも12%以下となるように、複数の色材を併用してもよい。
吸収波形の調整が容易であるという点で、染料を使用することがより好ましい。このような好ましい染料種を具体的に挙げると、アゾ染料、アントラキノン染料、トリフェニルメタン染料、スクアリリウム染料、アゾメチン染料、シアニン染料、オキソノール染料、アリーリデン染料、キサンテン染料、フタロシアニン染料、ピロメテン染料、またはメロシアニン染料を挙げることができる。
好ましい染料の具体例としては、国際公開第00−23829号パンフレットに記載の560nm〜620nmの範囲に極大吸収を有する染料のほか、以下の染料〔例示化合物(IV−1)〜(IV−5)〕を挙げることができる。
Figure 2010262058

Figure 2010262058
本発明の前面設置型フィルタは、支持体との密着性を改良する観点から、硬化剤(架橋剤)を含有するのが好ましい。
本発明の前面設置型フィルタに用いる架橋剤としては特に制限はなく、エポキシ系、カルボジイミド系、メラミン系、イソシアネート系、シクロカーボネート系、ヒドラジン系等の公知の架橋剤を用いることができる。これらの架橋剤については、例えば文献(「架橋剤ハンドブック」山下晋三ら編集、大成社、昭和56年発行)に記載されている。
また、特開2008−181096号公報の段落番号[0076]〜[0090]記載の架橋剤が好ましく用いられる。
本発明で用いられうる硬化剤(架橋剤)はバインダー固形分に対して1〜100質量%、より好ましくは3〜50質量%の範囲で添加することが好ましく、特に5〜20重量%が好ましい。当該範囲とすることで、支持体との密着性が良好となり、塗布面の表面の荒れを低減できる。
ただし、架橋剤として、特に好ましく用いられるカルボジイミド系化合物の場合は、バインダー固形分に対して1〜200質量%、より好ましくは5〜100質量%の範囲で添加することが好ましい。
本発明に係る前面設置型フィルタは、発光素子などの光源からの光がカラーフィルタを介して表示される位置に配置され、以下に説明する如き、表示装置の前面に設置される態様である。
<前面設置型カラーフィルタ>
本発明の表示装置における前面設置型フィルタは、プラズマディスプレイ用の色補正フィルタと同様に、ディスプレイ表面に貼り付けるなどの方法により、ディスプレイの前面に設置する方法を用いる。この方式に関しては前出の特許文献3などに記載されている。
前面設置型フィルタにおけるフィルタ層には、前記染料及びバインダーポリマーに加えて、さらに、褪色防止剤や紫外線吸収剤を添加してもよい。顔料の安定化剤として機能する褪色防止剤の例には、ハイドロキノン誘導体(米国特許3935016号、同3982944号の各明細書記載)、ハイドロキノンジエーテル誘導体(米国特許4254216号明細書および特開昭55−21004号公報記載)、フェノール誘導体(特開昭54−145530号公報記載)、スピロインダンまたはメチレンジオキシベンゼンの誘導体(英国特許公開2077455号、同2062888号の各明細書および特開昭61−90155号公報記載)、クロマン、スピロクロマンまたはクマランの誘導体(米国特許3432300号、同3573050号、同3574627号、同3764337号の各明細書および特開昭52−152225号、同53−20327号、同53−17729号、同61−90156号の各公報記載)、ハイドロキノンモノエーテルまたはパラアミノフェノールの誘導体(英国特許1347556号、同2066975号の各明細書および特公昭54−12337号、特開昭55−6321号の各公報記載)およびビスフェノール誘導体(米国特許3700455号明細書および特公昭48−31625号公報記載)が含まれる。
また、光あるいは熱に対する顔料の安定性を向上させるため、金属錯体(米国特許4245018号明細書および特開昭60−97353号公報記載)を褪色防止剤として用いてもよい。
さらに、顔料の耐光性を改良するために、一重項酸素クエンチャーを褪色防止剤として用いてもよい。一重項酸素クエンチャーの例には、ニトロソ化合物(特開平2−300288号公報記載)、ジインモニウム化合物(米国特許465612号明細書記載)、ニッケル錯体(特開平4−146189号公報記載)および酸化防止剤(欧州特許公開820057A1号明細書記載)が含まれる。
(反射防止層)
本態様においては、前記フィルタ層に、さらに反射防止層を設けて、フィルタに反射防止機能を付与してもよい。
反射防止層の反射防止機能としては、正反射率が3%以下であることが好ましく、1.8%以下であることがさらに好ましい。
反射防止層を設ける場合は、低屈折率層を設けることが必須である。低屈折率層としては、その屈折率が透明支持体の屈折率よりも低いものを用いる。低屈折率層の屈折率は、1.20乃至1.55であることが好ましく、1.30乃至1.55であることがさらに好ましい。
低屈折率層の厚さは、50乃至400nmであることが好ましく、50乃至200nmであることがさらに好ましい。
本発明で用いることができる反射防止層は、例えば、特開2004−117848号公報の段落番号[0066]〜[0069]記載の反射防止層が挙げられる。
(その他の層)
本態様における前面設置型フィルタには、ハードコート層、潤滑層、防汚層、帯電防止層、紫外線吸収層あるいは中間層を設けることもできる。
ハードコート層は、架橋しているポリマーを含むことが好ましい。ハードコート層は、アクリル系、ウレタン系、エポキシ系のポリマー、オリゴマーまたはモノマー(例、紫外線硬化型樹脂)を用いて形成することができる。シリカ系材料からハードコート層を形成することもできる。
前面設置型フィルタの最表面に潤滑層を形成してもよい。潤滑層は、反射防止膜表面に滑り性を付与し、耐傷性を改善する機能を有する。潤滑層は、ポリオルガノシロキサン(例、シリコンオイル)、天然ワックス、石油ワックス、高級脂肪酸金属塩、フッ素系潤滑剤またはその誘導体を用いて形成することができる。潤滑層の厚さは、2乃至20nmであることが好ましい。
防汚層は、含フッ素ポリマーを用いて形成することができる。防汚層の厚さは、2乃至100nmであることが好ましく、5乃至30nmであることがさらに好ましい。
反射防止層(中屈折率層、高屈折率層、低屈折率層)、フィルタ層、下塗り層、ハードコート層、潤滑層、その他の層は、一般的な塗布方法により形成することができる。塗布方法の例には、ディップコート法、エアーナイフコート法、カーテンコート法、ローラーコート法、ワイヤーバーコート法、グラビアコート法およびホッパーを使用するエクストルージョンコート法(米国特許2681294号明細書記載)が含まれる。二以上の層を同時塗布により形成してもよい。同時塗布法については、米国特許2761791号、同2941898号、同3508947号、同3526528号の各明細書および原崎勇次著「コーティング工学」253頁(1973年朝倉書店発行)に記載がある。
<前面設置型フィルタの製造方法>
本発明の前面設置型フィルタの製造方法は特に限定されないが、例えば以下の手順で製造することができる。まず水系溶媒に染料を溶解した染料溶液を調製し、ポリマーラテックス(本発明における特定疎水性ポリマーに相当)と混合し、上記調製液にさらに塗布助剤を加え支持体上に塗布し、さらに乾燥することによって本発明の前面設置型フィルタが得られる。
攪拌混合された塗布液中では、染料化合物はポリマーラテックス中に均一に分散されていると考えられる。またポリマーラテックス中では、特定のlogP値を選択することにより、染料は特異的な会合状態をとっている。さらに乾燥して溶媒を失うことにより均一で微細な析出物を生じ、それがポリマーラテックス上に均一に保持されていると考えられる。
本発明において上記の液調整の際、攪拌が不十分であるとフィルタとしての性能が不十分であるばかりではなく、相分離を起こす等によりフィルタが形成できなくなるがある。攪拌の際には剪断力のある攪拌装置を用いることが好ましい。
本発明でいう剪断力とは撹拌羽根が、ポリマーにより生成する液滴(ドロップレット)に及ぼすズリ力のことであり、剪断力がかかるとは、液滴内の任意の平行面に関して、それぞれの面に反対方向に力が作用している状態である。剪断力がかかることによって、液滴が変形する形式としては、例えば、球体の液体が扁長回転楕円体となり、さらに長い円筒状の糸または平らな板となり、破壊されて小さな粒子となる形式、球体の液体が扁長回転楕円体となり、その中心にくびれができ、くびれ部分が分裂して小さな粒子となる形式などが挙げられる。
本発明では、液滴に剪断力をかけるための撹拌部を用いることが好ましく、その形状は、目的とする剪断力を施し得る形状であることが好ましく、一般にパドル羽根、タービン羽根、スクリュー羽根、ファウドラー羽根、ディゾルバー羽根、回転し得るタービン部と固定化されたステータ部を備えた撹拌器等が挙げられ、特に好ましくはディゾルバー羽根、回転し得るタービン部とその周囲にわずかな間隙を置いて位置する固定化されたステータ部から構成されている撹拌器が好ましい。
本発明においては、剪断条件下での混合を、ディゾルバー撹拌機、又は、回転し得るタービン部とその周囲にわずかな間隙を置いて位置する固定化されたステータ部から構成されている撹拌器を備えた撹拌機、乳化機、もしくは分散機で行うことも好ましい。
本発明の効果が発現し得る撹拌速度は、選ばれる染料やラテックスの粘度、温度、界面活性剤の種類や添加量によって異なった値をとるが、100〜10000rpmが好ましく150〜8000rpmがより好ましく、200〜6000rpmが特に好ましい。上記範囲とすることで、本発明の効果が充分発揮され、また塗布液中に気泡を含むことがなく好ましい。
本発明の前面設置型フィルタの膜厚は0.1μm〜1mmであり、好ましくは0.2μm〜100μmであり、更に好ましくは0.5μm〜20μmである。
(前面設置型フィルタの適性)
前面設置型フィルタは、液晶表示装置(LCD)、プラズマディスプレイパネル(PDP)、エレクトロルミネッセンスディスプレイ(ELD)や陰極管表示装置(CRT)のような画像表示装置に適用可能なものである。反射防止層を設ける場合は、低屈折率層が設けられていない側の面が画像表示装置の画像表示面と対向するように配置する。本発明に係る前面設置型フィルタは、有機EL発光素子を有する表示装置用の前面設置型フィルタとして使用すると、特に顕著な効果が得られる。
有機EL表示装置のような画像表示装置では、前面設置型フィルタをディスプレイの表面をカバーするように配置する。前面設置型フィルタをディスプレイの表面に直接貼り付けることができる。また、ディスプレイの前に前面板が設けられている場合は、前面板の表側(外側)または裏側(ディスプレイ側)に前面設置型フィルタを貼り付けることもできる。
<表示装置>
本発明の表示装置は、上述した本発明の前面設置型フィルタが、以下に詳述する表示部材の前面に設置された態様であり、既述の本発明の前面設置型フィルタと、発光素子を備える表示部材とを有する。
本発明における表示装置は、無機または有機EL等のR、G、Bの3色に発光する素子を有することを特徴とし、3原色の他にも白色、またはその他の中間色に発光する画素を更に有していても良い。また、いかなる原理の発光素子、光源も利用できるが有機EL素子を用いた有機EL表示装置を表示部材として用いることが好ましい。
以下に本発明に好ましく用いられる有機EL表示装置について詳細に説明する。
<有機EL表示装置とマイクロキャビティ構造>
本発明に用いる、有機EL表示装置は特許第3944906号明細書の段落番号[0012]〜[0037]を参照し、作製することが可能である。以下図を用いて説明する。
〔第1の実施の形態〕
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る発光素子である有機EL発光素子を用いた有機EL表示装置の断面構造を表すものである。この表示装置は、極薄型の有機発光カラーディスプレイ装置などとして用いられるものであり、例えば、駆動パネル10と封止パネル20とが対向配置され、接着層30により全面が貼り合わされている。駆動パネル10は、ガラスなどの絶縁材料よりなる駆動用基板11の上に、赤色の光を発生する有機EL発光素子10Rと、緑色の光を発生する有機EL発光素子10Gと、青色の光を発生する有機EL発光素子10Bとが、順に、全体としてマトリクス状に設けられている。
この有機EL発光素子10R,10G,10Bは、例えば、駆動用基板11の側から、陽極としての第1電極12、有機層13、および陰極としての第2電極14がこの順に積層され、第2電極14の上には、必要に応じて保護膜15が形成されている。
第1電極12は、反射層としての機能も兼ねており、できるだけ高い反射率を有するようにすることが発光効率を高める上で望ましい。例えば、金属などの消衰係数の高い材料を用いる場合には、できるだけ実部屈折率の低い材料を用いて、積層方向の厚み(以下、単に厚みと言う)を光が透過しない程度、具体的には概ね100nm以上とすれば、反射率を高くすることができるので好ましい。具体的には、厚みを例えば200nm程度とし、白金(Pt)、金(Au)またはタングステン(W)などの仕事関数の高い金属元素の単体または合金により構成することが好ましい。なお、第1電極12には、光学定数に実質的な差を生じない程度に別の元素を添加してもよい。
有機層13は、有機EL発光素子10の発光色によって構成が異なっている。図2は、有機EL発光素子10R、10Bにおける有機層13の構成を拡大して表すものである。有機EL発光素子10R、10Bの有機層13は、正孔輸送層13A,発光層13Bおよび電子輸送層13Cが第1電極12の側からこの順に積層された構造を有している。正孔輸送層13Aは、発光層13Bへの正孔注入効率を高めるためのものである。本実施の形態では、正孔輸送層13Aが正孔注入層を兼ねている。発光層13Bは、電流の注入により光を発生するものである。電子輸送層13Cは、発光層13Bへの電子注入効率を高めるためのものである。
有機EL発光素子10Rの正孔輸送層13Aは、例えば、厚みが45nm程度であり、ビス[(N−ナフチル)−N−フェニル]ベンジジン(α−NPD)により構成されている。有機EL発光素子10Rの発光層13Bは、例えば、厚みが50nm程度であり、2,5−ビス[4−[N−(4−メトキシフェニル)―N−フェニルアミノ]]スチリルベンゼン―1,4−ジカーボニトリル(BSB)により構成されている。有機発光素子10Rの電子輸送層13Cは、例えば、厚みが30nm程度であり、8−キノリノールアルミニウム錯体(Alq3)により構成されている。
有機EL発光素子10Bの正孔輸送層13Aは、例えば、厚みが30nm程度であり、α−NPDにより構成されている。有機EL発光素子10Bの発光層13Bは、例えば、厚みが30nm程度であり、4,4’−ビス(2,2’−ジフェニルビニン)ビフェニル(DPVBi)により構成されている。有機発光素子10Bの電子輸送層13Cは、例えば、厚みが30nm程度であり、Alq3により構成されている。
図3は、有機EL発光素子10Gにおける有機層13の構成を拡大して表すものである。有機EL発光素子10Gの有機層13は、正孔輸送層13Aおよび発光層13Bが第1電極12の側からこの順に積層された構造を有している。正孔輸送層13Aは、正孔注入層を兼ねており、発光層13Bは、電子輸送層を兼ねている。
有機EL発光素子10Gの正孔輸送層13Aは、例えば、厚みが50nm程度であり、α−NPDにより構成されている。有機EL発光素子10Gの発光層13Bは、例えば、厚みが60nm程度であり、Alq3にクマリン6(C6;Coumarin6)を1体積%混合したものにより構成されている。
図1ないし図3に示した第2電極14は、半透過性反射層としての機能を兼ねている。すなわち、この有機EL発光素子10R,10G,10Bは、第1電極12の発光層13B側の端面を第1端部P1、第2電極14の発光層13B側の端面を第2端部P2とし、有機層13を共振部として、発光層13Bで発生した光を共振させて第2端部P2の側から取り出す共振器構造を有している。このように共振器構造を有するようにすれば、発光層13Bで発生した光が多重干渉を起こし、一種の狭帯域フィルタとして作用することにより、取り出される光のスペクトルの半値幅が減少し、色純度を向上させることができるので好ましい。
また、封止パネル20から入射した外光についても多重干渉により減衰させることができる。
図1に示した保護膜15は、例えば、厚みが500nm以上10000nm以下であり、透明誘電体からなるパッシベーション膜である。保護膜15は、例えば、酸化シリコン(SiO)、窒化シリコン(SiN)などにより構成されている。
封止パネル20は、図1に示したように、駆動パネル10の第2電極14の側に位置しており、接着層30と共に有機EL発光素子10R,10G,10Bを封止する封止用基板21を有している。
以上により、駆動パネル10と封止パネル20とが接着され、図1ないし図3に示した表示装置が完成する。
この表示装置では、第1電極12と第2電極14との間に所定の電圧が印加されると、発光層13Bに電流が注入され、正孔と電子とが再結合することにより、主として発光層13Bの界面において発光が起こる。この光は、第1電極12と第2電極14との間で多重反射し、第2電極14、保護層15、および封止用基板21を透過して取り出される。このとき、封止用基板21の側から外光が入射するが、共振波長以外の外光は、有機EL発光素子10R、10G、10Bにおける多重干渉により減衰される。
実施の形態を挙げて本発明の第一の実施形態を説明したが、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、種々変形が可能である。例えば、上記実施の形態において説明した各層の材料および厚み、または成膜方法および成膜条件などは限定されるものではなく、他の材料および厚みとしてもよく、または他の成膜方法および成膜条件としてもよい。本実施の形態では、本発明に好適なマイクロキャビティ構造を採用しているが、当然これを用いない形態でも実施が可能である。
また、上記実施の形態では、有機EL発光素子の構成を具体的に挙げて説明したが、保護膜15などの全ての層を備える必要はなく、また、他の層を更に備えていてもよい。例えば第1電極12を、誘電体多層膜またはAlなどの反射膜の上部に透明導電膜を積層した2層構造とすることもできる。この場合、この反射膜の発光層側の端面が共振部の端部を構成し、透明導電膜は共振部の一部を構成することになる。
さらにまた、上記実施の形態では、第2電極14が半透過性反射層により構成されている場合について説明したが、第2電極14は、半透過性反射層と透明電極とが第1電極の側から順に積層された構造としてもよい。この透明電極は、半透過性反射層の電気抵抗を下げるためのものであり、発光層で発生した光に対して十分な透光性を有する導電性材料により構成されている。透明電極を構成する材料としては、例えば、ITOまたはインジウムと亜鉛(Zn)と酸素とを含む化合物が好ましい。室温で成膜しても良好な導電性を得ることができるからである。透明電極の厚みは、例えば30nm以上1000nm以下とすることができる。また、この場合、半透過性反射層を一方の端部とし、透明電極を挟んだ位置に他方の端部を設け、透明電極を共振部とする共振器構造を形成するようにしてもよい。さらに、そのような共振器構造を設ける場合には、保護膜15を、透明電極を構成する材料と同程度の屈折率を有する材料により構成すれば、保護膜15を共振部の一部とすることができ、好ましい。
さらに、本発明は、第2電極14を透明電極により構成すると共に、この透明電極の有機層13と反対側の端面の反射率が大きくなるように構成し、第1電極12の発光層13B側の端面を第1端部、透明電極の有機層と反対側の端面を第2端部とした共振器構造を構成した場合についても適用することができる。例えば、保護膜15または接着層30との境界面での反射率を大きくして、この境界面を第2端部としてもよい。また、保護膜15および接着層30を設けずに、透明電極を大気層に接触させ、透明電極と大気層との境界面の反射率を大きくして、この境界面を第2端部とするようにしてもよい。
〔第2の実施の形態〕
次に、第2の実施形態として、TFT基板側から光を取り出す場合について述べる。
上記実施の形態においては、駆動用基板11の上に、第1電極12,有機層13および第2電極14を駆動用基板11の側から順に積層し、封止パネル20の側から光を取り出すようにした場合について説明したが、積層順序を逆にして、駆動用基板11の上に、第2電極14,有機層13および第1電極12を駆動用基板11の側から順に積層し、駆動用基板11の側から光を取り出すようにすることもできる。
また、例えば、上記実施の形態では、第1電極12を陽極、第2電極14を陰極とする場合について説明したが、陽極および陰極を逆にして、第1電極12を陰極、第2電極14を陽極としてもよい。この場合、第2電極14の材料としては、仕事関数が高い金,銀,白金,銅などの単体または合金が好適である。また、第2電極14には、光学定数に実質的な差を生じない程度に別の元素を添加してもよい。さらに、第1電極12を陰極、第2電極14を陽極とすると共に、駆動用基板11の上に、第2電極14,有機層13および第1電極12を駆動用基板11の側から順に積層し、駆動用基板11の側から光を取り出すようにすることもできる。
有機EL表示装置に代表される本発明の表示装置は、有機EL発光素子と上記方法で形成された前面設置型フィルタを備えることで、高色再現性と高輝度との両立という優れた効果を奏する。
以下、本発明を実施例により更に具体的に説明するが、本発明はその主旨を越えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。なお、特に断りのない限り、「部」は質量基準である。
(実施例1)
<表示装置前面設置型フィルタの作製>
−下塗り層の形成−
厚さ100μmの透明なポリエチレンテレフタレートフイルムの両面をコロナ放電処理した後、片面にスチレン−ブタジエンコポリマーからなるラテックスを厚さ110nmとなるよう塗布し、下塗り層を形成した。
−第2下塗り層の形成−
下塗り層の上に、酢酸とグルタルアルデヒドを含むゼラチン水溶液を、厚さ50nmとなるよう塗布し、第2下塗り層を形成した。
−低屈折率層の形成−
反応性フッ素ポリマー(JN−7219、日本合成ゴム(株)製)2.20gにt−ブタノール1.3gを加え、室温で10分間撹拌し、孔径1μmのポリプロピレンフィルターで濾過した。得られた低屈折率層用塗布液を、透明支持体の下塗り面とは反対側の面に、バーコーターを用いて乾燥膜厚が100nmとなるように塗布し、120℃で30分間乾燥して硬化させ低屈折率層を形成した。
−フィルタ層の形成−
475nm〜525nmの範囲に最大吸収波長をもつ染料(II−8)を2質量部、550〜620nmに吸収極大をもつ比較染料Cを1質量部、水100質量部、および日本純薬(株)製アクリルポリマーエマルジョン:ジュリマーET410(固形分30%)100質量部、さらに硬化剤としてナガセケムテックス(株)製架橋剤デナコールEX614B 3質量部を混合し、ディゾルバーを用いて900rpmで60分間攪拌し、フィルタ層塗布液を調製した。
フィルタ層用塗布液を、第2下塗り層の上に、上記染料の合計塗布量が0.3g/mとなるように塗布し、120℃で10分間乾燥してフィルタ層を形成し、実施例1の前面設置型フィルタを作製した。
<有機EL装置の作製>
上記第1の実施の形態と同様の構成を有する有機EL発光素子10R、10G、10Bをそれぞれ作製した。その際、第1電極12は、アルミニウムを98質量%含むアルミニウム系合金により構成し、厚みは200nmとした。正孔注入用薄膜層16は、酸化クロム(II)により構成し、厚みは4nmとした。有機層13は、上記実施の形態で例示した材料により構成し、その合計厚みは、有機EL発光素子10Rでは125nm、有機EL発光素子10Gでは110nm、有機EL発光素子10Bでは93nmとする(マイクロキャビティを形成)。第2電極14は、第1電極12と同様の材料により構成し、厚みは17nmとした。さらに、実施例1で作製した表示装置前面設置型フィルタ(低屈折率層が設けられていない側の面)を接着剤で貼りつけ、有機EL装置とした。
以上のようにして実施例1の有機EL表示装置を作製した。
(実施例2〜18および比較例1〜4)
475nm〜525nmの範囲に最大吸収波長をもつ染料、550nm〜620nmに吸収極大をもつ染料、および、ポリマー(特定疎水性ポリマー)を表1に示すように適宜変更する他は、実施例1の前面設置型フィルタと同様に実施例2〜18および比較例1〜4の前面設置型フィルタを作製した。
実施例1における有機EL装置の作製において、実施例1で作製した前面設置型フィルタの変わりに、実施例2〜18および比較例1〜4で作製した各前面設置型フィルタを用いた以外は、実施例1と同様にして、実施例2〜18および比較例1〜4の各有機EL装置を作製した。
実施例1〜18および比較例1〜4で作製した各有機EL装置について、下記評価方法に基づいて評価した。
<有機EL表示装置の評価>
−色再現域、透過率−
各有機EL表示装置の色度および輝度を、表示装置に対して法線方向に色彩輝度計((株)トプコン社製 BM−5)を設置して色度(x値、y値)、および輝度(cd/m)を測定した。
(色再現域)
R,G,B各色を表示させたときのCIE色度値を測定し、CIE色度の図上における再現域をNTSC比で示した。
ここでNTSCとはNational Television System Committee の略であり、NTSC規格はカラーテレビ放送方式の規格の一つである。NTSC比とはCIE標準のxy色度図上における色再現範囲を、NTSC規格に対する面積比率で表したものである。結果を表2に示した。
(透過率)
R、G、Bそれぞれについて、CF無しでの測定輝度に対する、CF設置後の輝度の比(%)を透過率とし、3色の平均値をとって表示装置の透過率の目安とした。結果を表2に示した。
−観察方向依存性−
グレーを表示させたときの色味の、法線方向と法線方向に対し45度の角度とから見た色味の違いを10人のパネラーにより評価し、5段階評価を行って、その平均点とし表2に示した。
(評価基準)
5:全く差は分からない。
4:僅かに差を認識できる。
3:差が認識できる。
2:差が大きい。
1:全く違った色になる。
Figure 2010262058
Figure 2010262058
本発明において光学濃度の測定には、日立製作所製 分光光度計 U−3500を用いた。
表1における染料種およびポリマーは、前記した染料およびポリマーの例示化合物である。
表1におけるゼラチン #881は、新田ゼラチン(株)製、ポリビニルピロリドン K−30は、和光純薬(株)製のものである。
なおポリマーの40℃の水への溶解性については、10g/L超溶解した場合を○、溶解が10g/L以下の場合を×とした。
また比較染料A〜比較染料Cの構造を下記に示す。
Figure 2010262058
表の結果から、波長475〜525nmに光学濃度の極大値を有し、計算logP値が−5以上10以下である染料および40℃の水への溶解度が10質量%以下であるポリマーを含有する本発明の前面設置型フィルタを用いた表示装置は、広い色再現域と高い透過率を両立しうることがわかる。
また、本発明の前面設置型フィルタを用いた表示装置は、視野角依存性の改良についても効果を示すことが分かった。
また、さらに波長550〜620nmの範囲に光学濃度の極大値を有し、該光学濃度の極大値に対する、波長500nmおよび波長630nmにおける光学濃度の比率が、いずれも12%以下である染料を併用すると、色再現域はさらに拡大でき、高画質の表示装置を提供しうることがわかる。
10:駆動パネル
10R:赤色の光を発生する有機EL発光素子
10G:緑色の光を発生する有機EL発光素子
10B:青色の光を発生する有機EL発光素子
11:駆動用基板
12:第1電極
13:有機層
13A:正孔輸送層
13B:発光層
13C:電子輸送層
14:第2電極
15:保護膜
20:封止パネル
21:封止用基板
30:接着層
P1:第1端部
P2:第2端部

Claims (9)

  1. 赤色、緑色、および青色に発光する発光素子からそれぞれ成る3色の画素を有する表示装置の前面に配置され、波長475nm〜525nmの範囲に光学濃度の極大値を有し、計算logP値が−5以上10以下である染料、および、水(40℃)への溶解度が10質量%以下であるポリマー、を含有する前面設置型フィルタ。
  2. 前記染料が前記ポリマーの存在下で会合状態を形成する請求項1に記載のフィルタ。
  3. 前記染料が、下記一般式(I)、一般式(II)および一般式(III)で表される化合物からなる群より選ばれる1種以上を含む請求項1または請求項2に記載のフィルタ。
    Figure 2010262058

    [前記一般式(I)中、ZおよびZは、それぞれ独立に、5員または6員の含窒素複素環を形成する非金属原子群を示し、該含窒素複素環には他の複素環、芳香族環または脂肪族環が縮合していてもよい。RおよびRは、それぞれ独立に、置換基を有してもよいアルキル基、アルケニル基、アラルキル基またはアリール基を示す。Lは置換基を有してもよい、奇数個のメチンからなるメチン鎖を示す。a、bおよびcは、それぞれ独立に、0または1である。Xはアニオンを示す。]
    Figure 2010262058

    [前記一般式(II)中、YおよびYは、それぞれ独立に、脂肪族環または複素環を形成する非金属原子群を示す。Lは、置換基を有してもよい、奇数個のメチンからなるメチン鎖を示す。Xは、水素原子またはカチオンを示す。]
    Figure 2010262058

    [前記一般式(III)中、Yは、脂肪族環または複素環を形成する非金属原子群を示し、Lは、1または3個のメチンからなるメチン鎖を示し、Arは、芳香族環を示す。]
  4. さらに波長550nm〜620nmの範囲に光学濃度の極大値を有し、該光学濃度の極大値に対する、波長500nmおよび波長630nmにおける光学濃度の比率が、いずれも12%以下である請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載のフィルタ。
  5. 前記水(40℃)への溶解度が10質量%以下であるポリマーが、アクリル樹脂、ポリウレタン樹脂およびポリエステル樹脂からなる群より選ばれる1種以上を含む請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載のフィルタ。
  6. 前記染料における計算logP値が、−5以上5以下である請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載のフィルタ。
  7. 請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載のフィルタと、発光素子と、を有する表示装置。
  8. 前記発光素子として赤色(R)、緑色(G)、青色(B)に発光する有機エレクトロルミネッセンス素子を有する請求項7記載の表示装置。
  9. マイクロキャビティ構造を有する請求項8に記載の表示装置。
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