JP2009109774A - 光学フィルターおよびそれを用いたプラズマディスプレイパネル - Google Patents
光学フィルターおよびそれを用いたプラズマディスプレイパネル Download PDFInfo
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Abstract
【課題】高い近赤外線遮蔽能と高い透明性を有する、近赤外線吸収フィルムを提供すること。また、該近赤外線吸収フィルムを有する光学フィルターおよびプラズマディスプレイを提供する。
【解決手段】特定のカチオン化合物を特定のメチン色素会合体とともに含有する近赤外線吸収フィルム、該近赤外線吸収フィルムを有する光学フィルターおよびプラズマディスプレイパネル。
【選択図】なし
【解決手段】特定のカチオン化合物を特定のメチン色素会合体とともに含有する近赤外線吸収フィルム、該近赤外線吸収フィルムを有する光学フィルターおよびプラズマディスプレイパネル。
【選択図】なし
Description
本発明は、メチン色素を含有する光学フィルターに関する。特に本発明は、プラズマディスプレイパネル(PDP)、液晶表示装置(LCD)、エレクトロルミネッセンスディスプレイ(ELD)、蛍光表示管、電界放射型ディスプレイのような画像形成装置の表面に、色再現性改良およびリモコンの誤動作防止のため取り付けられる光学フィルターに関する。
プラズマディスプレイパネル(PDP)、液晶表示装置(LCD)、エレクトロルミネッセンスディスプレイ(ELD)、陰極管表示装置(CRT)、蛍光表示管、電界放射型ディスプレイのような画像表示装置は、原則として、赤、青、緑の三原色の光の組み合わせでカラー画像を表示する。しかし、表示のための光を理想的な三原色にすることは、非常に難しい。例えば、プラズマディスプレイパネル(PDP)では、三原色蛍光体からの発光に余分な光(波長が500乃至620nmの範囲)が含まれていることが知られている。そこで、表示色の色バランスを補正するため、特定の波長の光を吸収するフィルターを用いて、色補正を行うことが提案されている。フィルターによる色補正については、特許文献1〜7の各公報に記載がある。また、ディスプレイから発生する赤外線(主に、750nmから1100nm)によって遠隔操作装置(リモコン)が誤動作するとの問題が報告されている。この問題を解決するために、赤外線吸収フィルターが用いられている。赤外線吸収フィルターに用いる染料については、特許文献8に記載がある。
また、シャープな吸収を有する色素として、シアニン色素やオキソノール色素を用いた例としては特許文献9が、更にスクアリウム色素を用いた例としては特許文献10が、更にクロコニウム色素を用いた例としては特許文献11に光学フィルターとしての記載があるが、いずれも耐光性が十分でなく、外光に長期間さらされると光学フィルターの性能が劣化し、色変化や、赤外線吸収フィルター能が劣化してしまう問題が発生した。また特許文献13には、メチン色素を含有させた光学フィルターが記載されている。
特開昭58−153904号公報
特開昭61−188501号公報
特開平3−231988号公報
特開平5−205643号公報
特開平9−145918号公報
特開平9−306366号公報
特開平10−26704号公報
米国特許5945209号公報
特開2002−90521号公報
特開平11−109126号公報
特開2002−122729号公報
WO00/23829
本発明の目的は、シャープな吸収を有し耐久性、特に耐光性に優れた光学フィルターを提供することにある。本発明のより具体的な目的は赤外線を選択的にカットする光学フィルターを提供することであり、色純度を低下させる波長の光を選択的にカットし、カラー画像表示を理想的な三原色による表現に近づけるのに有効な光学フィルターを提供することである。また、リモコンの誤動作が起こらないプラズマディスプレイパネルを提供すること、色バランスに優れた画像を表示する耐久性に優れたプラズマディスプレイパネルを提供することでもある。
発明者らは上記目的を達成するために鋭意検討を重ねた結果、驚くべきことに、特定の構造のカチオン化合物をメチン色素、特に会合状態を形成したシアニン色素やオキソノール色素と組み合わせることにより、シャープな吸収を有し、耐久性(特に耐光性)に優れた光学フィルターができることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち上記目的は、下記手段によって達成された。
(1)フィルター層を有する光学フィルターであって、フィルター層がメチン色素および下記一般式(I)で表されるカチオン化合物を含有することを特徴とする光学フィルター。
(1)フィルター層を有する光学フィルターであって、フィルター層がメチン色素および下記一般式(I)で表されるカチオン化合物を含有することを特徴とする光学フィルター。
(2)前記一般式(I)中、Ar1は、
[上記において、R1およびR2は、各々独立に、置換基を表し、置換しているベンゼン環と環を形成してもよく、m1およびm2は0〜5の範囲の整数を表し、m1、m2が2〜5の範囲の整数であるとき、複数存在するR1、R2は、それぞれ同じであっても異なってもよい。]
(3)前記一般式(I)中、L1が単結合を表すカチオン化合物を含有する(1)ないし(2)に記載の光学フィルター。
(4)前記一般式(I)中、L1が単結合を表し、R1、R2の少なくともいずれか1つに水素結合性基を有するカチオン化合物を含有する(2)または(3)に記載の光学フィルター。
(5)一般式(I)中、L1は、
[上記において、R5およびR6は、各々独立に、置換基を表し;m5およびm6は、各々独立に、0〜4の範囲の整数を表し、m5、m6が2〜4の範囲の整数であるとき、複数存在するR5、R6は、それぞれ同じであっても異なってもよく;Laは、2価の連結基を表す。]
(6)R1、R2、Laの少なくとも一つは水素結合性基を有する(5)記載の光学フィルター。
(7)水素結合性基がヒドロキシル基、アシルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、スルホニルアミノ基、カルバモイル基、スルファモイル基、ウレイド基の内の少なくとも1つである(4)もしくは(6)記載の光学フィルター。
(8)前記メチン色素がシアニン色素又はオキソノール色素である(1)ないし(7)のいずれか1項に記載の光学フィルター。
(9)前記シアニン色素が一般式(V)で表されるシアニン色素である(1)ないし(8)のいずれか1項に記載の光学フィルター。
(10)一般式(V)で表されるシアニン色素が2つ以上のアニオン性解離基を有する(9)記載の光学フィルター。
(11)フィルター層が750nmから1100nmの範囲に吸収極大波長を有する(10)記載の光学フィルター。
(12)前記オキソノール色素が一般式(VI)で表されるオキソノール色素である(1)ないし(7)のいずれか1項に記載の光学フィルター。
本発明によればシャープな吸収を有し、耐久性(特に耐光性)に優れた光学フィルターを提供することができる。これにより色再現性に優れ、リモコンの誤動作の起こらないプラズマディスプレイを提供できる。
本発明の光学フィルターは透明支持体とフィルター層を有する光学フィルターであって、フィルター層がメチン色素および一般式(I)で表されるカチオン化合物を含有することを特徴とする光学フィルター。
[カチオン化合物]
本発明に用いられるカチオン化合物は、下記一般式(I)で表されるカチオン化合物である。
[カチオン化合物]
本発明に用いられるカチオン化合物は、下記一般式(I)で表されるカチオン化合物である。
一般式(I)
一般式(I)中、Ar1およびAr2は、各々独立に、置換基を有してもよいアリール基または芳香族へテロ環基を表し、Ar1、Ar2の表すアリール基は、好ましくは炭素数6〜30、より好ましくは炭素数6〜20、特に好ましくは炭素数6〜12であり、例えばフェニル基、p−メチルフェニル基、ナフチル基、アントラニル基などが挙げられる。
Ar1、Ar2の表す芳香族へテロ環基は、好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20であり、特に好ましくは炭素数1〜12であり、前記芳香族ヘテロ環基に含まれるヘテロ原子としては、例えば窒素原子、酸素原子、硫黄原子を挙げることができる。前記芳香族ヘテロ環基の具体例としては、ピロール基、ピラゾール基、イミダゾール基、ピリジン基、フラン基、チオフェン基、オキサゾール基、チアゾール基やこれらのベンゾ縮環体やヘテロ環縮環体などが挙げられる。Ar1、Ar2は特に好ましくはフェニル基である。但し、L1が単結合を表す場合はAr1、Ar2の少なくとも一方は水素結合性基を含有する。水素結合性基としてはヒドロキシル基、アミノ基、アシルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、スルホニルアミノ基、スルファモイル基、カルバモイル基、ウレイド基、ウレタン基などが挙げられ、特に好ましくはヒドロキシル基、アシルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、スルホニルアミノ基、スルファモイル基、カルバモイル基、ウレイド基であり、具体的にはAr1、Ar2の置換基の例として以下に説明するものと同様である。
一般式(I)中、Ar1およびAr2は、各々独立に、置換基を有してもよいアリール基または芳香族へテロ環基を表し、Ar1、Ar2の表すアリール基は、好ましくは炭素数6〜30、より好ましくは炭素数6〜20、特に好ましくは炭素数6〜12であり、例えばフェニル基、p−メチルフェニル基、ナフチル基、アントラニル基などが挙げられる。
Ar1、Ar2の表す芳香族へテロ環基は、好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20であり、特に好ましくは炭素数1〜12であり、前記芳香族ヘテロ環基に含まれるヘテロ原子としては、例えば窒素原子、酸素原子、硫黄原子を挙げることができる。前記芳香族ヘテロ環基の具体例としては、ピロール基、ピラゾール基、イミダゾール基、ピリジン基、フラン基、チオフェン基、オキサゾール基、チアゾール基やこれらのベンゾ縮環体やヘテロ環縮環体などが挙げられる。Ar1、Ar2は特に好ましくはフェニル基である。但し、L1が単結合を表す場合はAr1、Ar2の少なくとも一方は水素結合性基を含有する。水素結合性基としてはヒドロキシル基、アミノ基、アシルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、スルホニルアミノ基、スルファモイル基、カルバモイル基、ウレイド基、ウレタン基などが挙げられ、特に好ましくはヒドロキシル基、アシルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、スルホニルアミノ基、スルファモイル基、カルバモイル基、ウレイド基であり、具体的にはAr1、Ar2の置換基の例として以下に説明するものと同様である。
Ar1、Ar2は更に置換基を有しても良い。前記置換基としては、例えば、アルキル基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜10であり、例えばメチル基、エチル基、iso−プロピル基、tert−ブチル基、n−オクチル基、n−デシル基、n−ヘキサデシル基、シクロプロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基などが挙げられる。)、アルケニル基(好ましくは炭素数2〜30、より好ましくは炭素数2〜20、特に好ましくは炭素数2〜10であり、例えばビニル基、アリル基、2−ブテニル基、3−ペンテニル基などが挙げられる。)、アルキニル基(好ましくは炭素数2〜30、より好ましくは炭素数2〜20、特に好ましくは炭素数2〜10であり、例えばプロパルギル基、3−ペンチニル基などが挙げられる。)、アリール基(好ましくは炭素数6〜30、より好ましくは炭素数6〜20、特に好ましくは炭素数6〜12であり、例えばフェニル基、p−メチルフェニル基、ナフチル基、アントラニル基などが挙げられる。)、アミノ基(好ましくは炭素数0〜30、より好ましくは炭素数0〜20、特に好ましくは炭素数0〜10であり、例えばアミノ基、メチルアミノ基、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジベンジルアミノ基、ジフェニルアミノ基、ジトリルアミノ基などが挙げられる。)、アルコキシ基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜10であり、例えばメトキシ基、エトキシ基、ブトキシ基、2−エチルヘキシロキシ基などが挙げられる。)、アリールオキシ基(好ましくは炭素数6〜30、より好ましくは炭素数6〜20、特に好ましくは炭素数6〜12であり、例えばフェニルオキシ基、1−ナフチルオキシ基、2−ナフチルオキシ基などが挙げられる。)、芳香族へテロ環オキシ基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばピリジルオキシ基、ピラジルオキシ基、ピリミジルオキシ基、キノリルオキシなどが挙げられる。)、アシル基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばアセチル基、ベンゾイル基、ホルミル基、ピバロイル基などが挙げられる。)、アルコキシカルボニル基(好ましくは炭素数2〜30、より好ましくは炭素数2〜20、特に好ましくは炭素数2〜12であり、例えばメトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基などが挙げられる。)、アリールオキシカルボニル基(好ましくは炭素数7〜30、より好ましくは炭素数7〜20、特に好ましくは炭素数7〜12であり、例えばフェニルオキシカルボニル基などが挙げられる。)、アシルオキシ基(好ましくは炭素数2〜30、より好ましくは炭素数2〜20、特に好ましくは炭素数2〜10であり、例えばアセトキシ基、ベンゾイルオキシ基などが挙げられる。)、アシルアミノ基(好ましくは炭素数2〜30、より好ましくは炭素数2〜20、特に好ましくは炭素数2〜10であり、例えばアセチルアミノ基、ベンゾイルアミノ基などが挙げられる。)、アルコキシカルボニルアミノ基(好ましくは炭素数2〜30、より好ましくは炭素数2〜20、特に好ましくは炭素数2〜12であり、例えばメトキシカルボニルアミノ基などが挙げられる。)、アリールオキシカルボニルアミノ基(好ましくは炭素数7〜30、より好ましくは炭素数7〜20、特に好ましくは炭素数7〜12であり、例えばフェニルオキシカルボニルアミノ基などが挙げられる。)、カルバモイルオキシ基、スルホニルアミノ基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばメタンスルホニルアミノ基、ベンゼンスルホニルアミノ基などが挙げられる。)、スルファモイル基(好ましくは炭素数0〜30、より好ましくは炭素数0〜20、特に好ましくは炭素数0〜12であり、例えばスルファモイル基、メチルスルファモイル基、ジメチルスルファモイル基、フェニルスルファモイル基などが挙げられる。)、カルバモイル基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばカルバモイル基、メチルカルバモイル基、ジエチルカルバモイル基、フェニルカルバモイル基などが挙げられる。)、アルキルチオ基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばメチルチオ基、エチルチオ基などが挙げられる。)、アリールチオ基(好ましくは炭素数6〜30、より好ましくは炭素数6〜20、特に好ましくは炭素数6〜12であり、例えばフェニルチオ基などが挙げられる。)、芳香族へテロ環チオ基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばピリジルチオ基、2−ベンズイミゾリルチオ基、2−ベンズオキサゾリルチオ基、2−ベンズチアゾリルチオ基などが挙げられる。)、スルホニル基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばメシル基、トシル基などが挙げられる。)、スルフィニル基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばメタンスルフィニル基、ベンゼンスルフィニル基などが挙げられる。)、ウレイド基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばウレイド基、メチルウレイド基、フェニルウレイド基などが挙げられる。)、リン酸アミド基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばジエチルリン酸アミド基、フェニルリン酸アミド基などが挙げられる。)、ヒドロキシル基、メルカプト基、ハロゲン原子(例えばフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)、シアノ基、スルホ基、カルボキシル基、ニトロ基、ヒドロキサム酸基、スルフィノ基、ヒドラジノ基、イミノ基、芳香族へテロ環基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜12であり、ヘテロ原子としては、例えば窒素原子、酸素原子、硫黄原子、具体的には例えばイミダゾリル基、ピリジル基、キノリル基、フリル基、チエニル基、ピペリジル基、モルホリノ基、ベンズオキサゾリル基、ベンズイミダゾリル基、ベンズチアゾリル基、カルバゾリル基、アゼピニル基などが挙げられる。)、シリル基(好ましくは炭素数3〜40、より好ましくは炭素数3〜30、特に好ましくは炭素数3〜24であり、例えばトリメチルシリル基、トリフェニルシリル基などが挙げられる。)などが挙げられる。これらの置換基は更に置換されてもよい。
R3、R4は、各々独立に置換基を表す。R3、R4が表す置換基の例としては、好ましくは前述のAr1、Ar2の置換基の例が挙げられ、より好ましくはアルキル基、アリール基、ヘテロ環基、アミノ基、アルコキシ基、アシル基、アシルオキシ基、アシルアミノ基であり、特に好ましくは、アルキル基、アリール基、アルコキシ基、アシル基である。またR3、R4が表す置換基同士が結合していてもよい。即ち、左右のピリジン環がR3とR4が結合した連結基で結合していてもよい。また、R3、R4は、それぞれが置換しているピリジニウム環と環を形成してもよい。
m3、m4は、各々独立に0〜4の範囲の整数を表す。m3、m4は、それぞれ好ましくは0〜2、より好ましくは0〜1である。m3、m4が2〜4の範囲の整数であるときに複数存在するR3、R4は、それぞれ同じであっても異なってもよい。
L1は、単結合または2価の連結基を表す。2価の連結基としては、ピリジニウム基を両末端に有するものが好ましい。L1が表す2価の連結基については、一般式(III)中の連結基について後述する通りである。
一般式(I)中のカチオン部の数は、好ましくは2つ以上20以下であり、より好ましくは2つ以上10以下、特に好ましくは2以上6以下である。
本発明のカチオン化合物の好ましい態様としては、一般式(I)中、Ar1が、
水素結合性基としてはヒドロキシル基、アミノ基、アシルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、スルホニルアミノ基、スルファモイル基、カルバモイル基、ウレイド基、ウレタン基などが挙げられ、特に好ましくはヒドロキシル基、アシルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、スルホニルアミノ基、スルファモイル基、カルバモイル基、ウレイド基であり、具体的にはAr1、Ar2の置換基の例として説明したものと同様である。
また、本発明のカチオン化合物のより好ましい別の態様としては、一般式(II)においてL1が、
一般式(III)
一般式(III)中、R1、R2、R3、R4は、一般式(I)および(II)における定義と同義であり、R5およびR6は、各々独立に置換基を表す。R5、R6で表される置換基の好ましい例等の詳細は、前述のR3、R4の置換基の説明に記載した通りである。一般式(III)中、R1、R2、R3、R4、R5、R6で表される置換基の特に好ましい例としては、アルキル基、
アリール基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アシル基、アルコキシカルボニル基、アミド基、スルファモイル基、ウレイド基等を挙げることができる。
一般式(III)中、m5およびm6は、各々独立に、0〜4の範囲の整数を表し、好ましくは0〜2の範囲の整数を表し、特に好ましくは0である。m5、m6が2〜4の範囲の整数であるとき、複数存在するR5、R6は、それぞれ同じであっても異なっていてもよい。
一般式(III)中、m1、m2、m3、m4は、一般式(I)および(II)における定義と同義である。一般式(III)中、m1およびm2は、より好ましくは0〜2の範囲の整数を表し、m3、m4は、好ましくは0〜4の範囲の整数を表し、より好ましくは0〜2の範囲の整数を表し、特に好ましくは0である。
一般式(III)中、Laは、2価の連結基を表し、好ましくは単結合、酸素原子、硫黄原子、窒素原子、メチレン基、フェニレン基、カルボニル基、スルファニル基、アミド基およびそれらの組合せからなる基を表す。Laは特に好ましくは下記連結基である。
一般式(III)中のカチオン部の数は、一般式(I)、一般式(II)と同様に、好ましくは3つ以上1000以下であり、より好ましくは3つ以上10以下、特に好ましくは4以上6以下である。
さらに好ましくは、R1、R2およびLaの内、少なくともひとつが水素結合性基を有する置換基を表すカチオン化合物を挙げることができる。
水素結合性基としてはヒドロキシ基、アミノ基、アシルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、スルホニルアミノ基、スルファモイル基、カルバモイル基、ウレイド基、ウレタン基などが挙げられ、特に好ましくはアシルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、スルホニルアミノ基、スルファモイル基、カルバモイル基、ウレイド基であり、具体的にはAr1、Ar2の置換基の例として説明したものと同様である。
さらに好ましくは、R1、R2およびLaの内、少なくともひとつが水素結合性基を有する置換基を表すカチオン化合物を挙げることができる。
水素結合性基としてはヒドロキシ基、アミノ基、アシルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、スルホニルアミノ基、スルファモイル基、カルバモイル基、ウレイド基、ウレタン基などが挙げられ、特に好ましくはアシルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、スルホニルアミノ基、スルファモイル基、カルバモイル基、ウレイド基であり、具体的にはAr1、Ar2の置換基の例として説明したものと同様である。
以下に、本発明のカチオン化合物の好ましい具体例を挙げるが、本発明は下記具体例に限定されるものではない。
本発明に用いられる前記のカチオン化合物は、特開2003−128654号公報や特開2007−153878号公報に記載のように、ピリジニウム化合物の窒素上にジニトロベンゼンやヘテロアリールが置換したものをアニリンやヘテロアリールアミンで置換することで合成することができる。また、得られた化合物は公知の方法で精製することもできる。なお、本発明のカチオン化合物が得られたことは、NMR等の公知の分析方法によって確認することができる。
本発明に用いられる前記のカチオン化合物は、該カチオン化合物の電荷を中和し得る量の陰イオンとを含む。前記陰イオンは、本発明のカチオン化合物の電荷を中和して塩を形成し得る陰イオンであれば、無機陰イオンまたは有機陰イオンのいずれであってもよく、例えば、ハライドイオン(Cl−、Br−、I−など)、スルホナートイオン(CH3SO3 −、CF3SO3 −、CF3(CF2)7SO3 −、p−トルエンスルホナートイオン、ナフタレン−1,5−ジスルホナートイオンなど)、硫酸イオン(CH3SO4 −など)、ClO4 −、BF4 −、SbF6 −、およびリン酸イオン(PF6 −など)、金属錯体イオン(例えば、
次に、本発明のフィルター層に含まれるメチン色素について説明する。
[色素化合物]
メチン色素としては、シアニン色素、オキソノール色素、スクアリウム色素、クロコニウム色素、ピリリウム色素、メロシアニン色素のいずれでも有っても良いが、一般式(I)で表されるカチオン化合物と相互作用する観点から色素分子単体としてアニオン電荷をもつことが好ましい。メチン色素としてより好ましくはシアニン色素、オキソノール色素である。
本発明に用いられるメチン色素化合物は複数で会合体を形成する。
[色素化合物]
メチン色素としては、シアニン色素、オキソノール色素、スクアリウム色素、クロコニウム色素、ピリリウム色素、メロシアニン色素のいずれでも有っても良いが、一般式(I)で表されるカチオン化合物と相互作用する観点から色素分子単体としてアニオン電荷をもつことが好ましい。メチン色素としてより好ましくはシアニン色素、オキソノール色素である。
本発明に用いられるメチン色素化合物は複数で会合体を形成する。
シアニン色素
シアニン色素は、下記式で定義される。
Bs=Lo−Bo式中、Bsは、塩基性核であり;Boは、塩基性核のオニウム体であり;そして、Loは、奇数個のメチンからなるメチン鎖である。下記式(I)で表されるシアニン色素は、特に会合状態で好ましく用いることができる。
シアニン色素は特に好ましくは一般式(V)で表される。
シアニン色素は、下記式で定義される。
Bs=Lo−Bo式中、Bsは、塩基性核であり;Boは、塩基性核のオニウム体であり;そして、Loは、奇数個のメチンからなるメチン鎖である。下記式(I)で表されるシアニン色素は、特に会合状態で好ましく用いることができる。
シアニン色素は特に好ましくは一般式(V)で表される。
式(V)において、Z1およびZ2は、それぞれ独立に、5員または6員の含窒素複素環を形成する非金属原子群である。含窒素複素環には、他の複素環、芳香族環または脂肪族環が縮合してもよい。含窒素複素環およびその縮合環の例には、オキサゾール環、イソオキサゾール環、ベンゾオキサゾール環、ナフトオキサゾール環、オキサゾロカルバゾール環、オキサゾロジベンゾフラン環、チアゾール環、ベンゾチアゾール環、ナフトチアゾール環、インドレニン環、ベンゾインドレニン環、イミダゾール環、ベンゾイミダゾール環、ナフトイミダゾール環、キノリン環、ピリジン環、ピロロピリジン環、フロピロール環、インドリジン環、イミダゾキノキサリン環およびキノキサリン環が含まれる。含窒素複素環は、6員環より5員環の方が好ましい。5員の含窒素複素環にベンゼン環またはナフタレン環が縮合していることがさらに好ましい。ベンゾチアゾール環、ナフトチアゾール環、インドレニン環またはベンゾインドレニン環が最も好ましい。
含窒素複素環およびその縮合環は、置換基を有していてもよい。置換基の例には、ハロゲン原子、シアノ、ニトロ、ヒドロキシル、カルボキシル、アミノ、ホルミル、カルバモイル、ウレイド、ウレタン、メルカプト、スルホ、スルファモイル、脂肪族基、芳香族基、複素環基、−O−R、−CO−R、−CO−O−R、−O−CO−R、−NH−R、−NR2、−NH−CO−R、−CO−NH−R、−CO−NR2、−NH−CO−NH−R、−NH−CO−NR2、−NH−CO−O−R、−S−R、−SO2−R、−SO2−O−R、−NH−SO2−R、−SO2−NH−R、−SO2−NR2が含まれる。Rは、それぞれ独立に、脂肪族基、芳香族基または複素環基である。なお、カルボキシルおよびスルホは、水素原子が解離しても、塩の状態であってもよい。
本明細書において脂肪族基は、アルキル基、置換アルキル基、アルケニル基、置換アルケニル基、アルキニル基または置換アルキニル基を意味する。アルキル基は、環状であってもよい。鎖状アルキル基は、分岐を有していてもよい。アルキル基の炭素原子数は、1乃至20が好ましく、1乃至12がさらに好ましく、1乃至8最も好ましい。アルキル基の例には、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、t−ブチル、シクロプロピル、シクロヘキシルおよび2−エチルヘキシルが含まれる。
置換アルキル基のアルキル部分は、上記アルキル基と同様である。置換アルキル基の置換基の例には、ハロゲン原子、ヒドロキシル、カルボキシル、アミノ、ホルミル、カルバモイル、ウレイド、ウレタン、メルカプト、スルホ、スルファモイル、芳香族基、複素環基、−O−R、−CO−R、−CO−O−R、−O−CO−R、−NH−R、−NR2、−NH−CO−R、−CO−NH−R、−CO−NR2、−NH−CO−NH−R、−NH−CO−NR2、−NH−CO−O−R、−S−R、−SO2−R、−SO2−O−R、−NH−SO2−R、−SO2−NH−R、−SO2−NR2が含まれる。Rは、それぞれ独立に、脂肪族基、芳香族基または複素環基である。なお、カルボキシルおよびスルホは、水素原子が解離しても、塩の状態であってもよい。置換アルキル基の例には、2−ヒドロキシエチル、2−カルボキシエチル、2−メトキシエチル、2−ジエチルアミノエチル、3−スルホプロピル、4−スルホブチル、ベンジルおよびフェネチルが含まれる。
アルケニル基は、環状であってもよい。鎖状アルケニル基は、分岐を有していてもよい。アルケニル基の炭素原子数は、2ないし20が好ましく、2乃至12がさらに好ましく、2乃至8が最も好ましい。アルケニル基の例には、ビニル、アリル、1−プロペニル、2ーブテニル、2−ペンテニルおよび2−ヘキセニルが含まれる。置換アルケニル基のアルケニル部分は、上記アルケニル基と同様である。置換アルケニル基の置換基は、アルキル基の置換基と同様である。
アルキニル基の炭素原子数は、2ないし20が好ましく、2乃至12がさらに好ましく、2乃至8が最も好ましい。アルキニル基の例には、エチニルおよび2−プロピニルが含まれる。置換アルキニル基のアルキニル部分は、上記アルキニル基と同様である。置換アルキニル基の置換基は、アルキル基の置換基と同様である。
芳香族基は、アリール基または置換アリール基を意味する。アリール基の炭素原子数は、6乃至25であることが好ましく、6乃至15であることがさらに好ましく、6乃至10であることが最も好ましい。アリール基の例には、フェニルおよびナフチルが含まれる。置換アリール基のアリール部分は、上記アリール基と同様である。置換アリール基の置換基の例には、ハロゲン原子、シアノ、ニトロ、ヒドロキシル、カルボキシル、アミノ、ホルミル、カルバモイル、ウレイド、ウレタン、メルカプト、スルホ、スルファモイル、脂肪族基、芳香族基、複素環基、−O−R、−CO−R、−CO−O−R、−O−CO−R、−NH−R、−NR2、−NH−CO−R、−CO−NH−R、−CO−NR2、−NH−CO−NH−R、−NH−CO−NR2、−NH−CO−O−R、−S−R、−SO2−R、−SO2−O−R、−NH−SO2−R、−SO2−NH−R、−SO2−NR2が含まれる。Rは、それぞれ独立に、脂肪族基、芳香族基または複素環基である。なお、カルボキシルおよびスルホは、水素原子が解離しても、塩の状態であってもよい。置換アリール基の例には、4−カルボキシフェニル、4−アセトアミドフェニル、3−メタンスルホンアミドフェニル、4−メトキシフェニル、3−カルボキシフェニル、3,5−ジカルボキシフェニル、4−メタンスルホンアミドフェニルおよび4−ブタンスルホンアミドフェニルが含まれる。
複素環基は、無置換複素環基または置換複素環基を意味する。複素環基の複素環は、5員環または6員環であることが好ましい。複素環に、脂肪族環、芳香族環または他の複素環が縮合していてもよい。複素環(縮合環を含む)の例には、ピリジン環、ピペリジン環、フラン環、フルフラン環、チオフェン環、ピロール環、キノリン環、モルホリン環、インドール環、イミダゾール環、ピラゾール環、カルバゾール環、フェノチアジン環、フェノキサジン環、インドリン環、チアゾール環、ピラジン環、チアジアジン環、ベンゾキノリン環およびチアジアゾール環が含まれる。置換複素環基の置換基は、置換アリール基の置換基と同様である。
式(V)において、R1およびR2は、それぞれ独立に、脂肪族基または芳香族基である。脂肪族基と芳香族基の定義および例は、前述した通りである。
式(V)において、L1は、奇数個のメチンからなるメチン鎖である。L1は、1個、3個、5個または7個のメチンからなるメチン鎖であることが好ましく、特に赤外フィルター用としては、5個または7個のメチンからなるメチン鎖であることが好ましい。メチンは置換基を有していてもよい。置換基を有するメチンは中央の(メソ位の)メチンであることが好ましい。置換基の例には、ハロゲン原子、シアノ、ニトロ、ヒドロキシル、カルボキシル、アミノ、ホルミル、カルバモイル、ウレイド、ウレタン、メルカプト、スルホ、スルファモイル、脂肪族基、芳香族基、複素環基、−O−R、−CO−R、−CO−O−R、−O−CO−R、−NH−R、−NR2、−NH−CO−R、−CO−NH−R、−CO−NR2、−NH−CO−NH−R、−NH−CO−NR2、−NH−CO−O−R、−S−R、−SO2−R、−SO2−O−R、−NH−SO2−R、−SO2−NH−R、−SO2−NR2が含まれる。Rは、それぞれ独立に、脂肪族基、芳香族基または複素環基である。メチン鎖の二つの置換基が結合して5員環または6員環を形成してもよい。
式(V)において、a、bおよびcは、それぞれ独立に、0または1である。aおよびbは、0であることが好ましい。シアニン染料がスルホやカルボキシルのようなアニオン性置換基有することが好ましく、分子内塩を形成する場合は、cは0である。式(V)において、X1はアニオンである。アニオンの例には、ハライドイオン(Clー、Brー、Iー)、p−トルエンスルホン酸イオン、エチル硫酸イオン、PF6 −、BF4 −およびClO4 −が含まれる。シアニン染料は、カルボキシル、スルホもしくはリン酸基のいずれかの置換基として含むことが好ましい。以下に、式(V)で表されるシアニン染料の例を示す。
シアニン染料は、エフ・エム・ハーマー(F.M.Harmer)著「ヘテロサイクリック・コンパウンズーシアニンダイズ・アンド・リレイテッド・コンパウンズ(Heterocyclic Compounds Cyanine Dyes and Related Compounds)」、ジョン・ウィリー・アンド・サンズ(John Wiley & Sons)社ーニューヨーク、ロンドン、1964年刊、およびデー・エム・スターマー(D.M.Sturmer)著「ヘテロサイクリック・コンパウンズースペシャル・トッピクス・イン・ヘテロサイクリック・ケミストリー(Heterocyclic Compounds−Special topics in heterocyclic chmistry)」、第18章、第14節、482〜515頁、ジョン・ウィリー・アンド・サンズ(John Wiley & Sons)社ーニューヨーク、ロンドン、1977年刊、「ロッズ・ケミストリー・オブ・カーボン・コンパウンズ(Rodds Chemistry of Carbon Compounds)」2nd.Ed.vol.IV,partB,1977年刊、第15章、369〜422頁、エルセビア・サイエンス・パブリック・カンパニー・インク(Elsevier Science Publishing Company Inc.)社刊、ニューヨーク、特開平5−88293号、同6−313939号の各公報の記載を参照して合成できる。
オキソノール色素
オキソノール色素は、下記式で定義される。
Ak=Lo−Ae式中、Akは、ケト型酸性核であり;Aeは、エノール型酸性核であり;そして、Loは、奇数個のメチンからなるメチン鎖である。下記式(VI)で表されるオキソノール色素は、(特に会合状態で)好ましく用いることができる。
オキソノール色素は特に好ましくは一般式(VI)で表される。
オキソノール色素は、下記式で定義される。
Ak=Lo−Ae式中、Akは、ケト型酸性核であり;Aeは、エノール型酸性核であり;そして、Loは、奇数個のメチンからなるメチン鎖である。下記式(VI)で表されるオキソノール色素は、(特に会合状態で)好ましく用いることができる。
オキソノール色素は特に好ましくは一般式(VI)で表される。
式(VI)において、Y1およびY2は、それぞれ独立に、脂肪族環または複素環を形成する非金属原子群である。脂肪族環よりも複素環の方が好ましい。脂肪族環の例には、インダンジオン環が含まれる。複素環の例には、5−ピラゾロン環、イソオキサゾロン環、バルビツール酸環、ピリドン環、ローダニン環、ピラゾリジンジオン環、ピラゾロピリドン環およびメルドラム酸環が含まれる。5−ピラゾロン環およびバルビツール酸環が好ましい。脂肪族環および複素環は置換基を有していてもよい。置換基の例には、ハロゲン原子、シアノ、ニトロ、ヒドロキシル、カルボキシル、アミノ、ホルミル、カルバモイル、ウレイド、ウレタン、メルカプト、スルホ、スルファモイル、脂肪族基、芳香族基、複素環基、−O−R、−CO−R、−CO−O−R、−O−CO−R、−NH−R、−NR2、−NH−CO−R、−CO−NH−R、−CO−NR2、−NH−CO−NH−R、−NH−CO−NR2、−NH−CO−O−R、−S−R、−SO2−R、−SO2−O−R、−NH−SO2−R、−SO2−NH−R、−SO2−NR2が含まれる。Rは、それぞれ独立に、脂肪族基、芳香族基または複素環基である。
式(VI)において、L2は、奇数個のメチンからなるメチン鎖である。L2は、3個、5個または7個のメチンからなるメチン鎖であることが好ましく、赤外用色素としては5個のメチンからなるメチン鎖であること特に好ましい。メチンは置換基を有していてもよい。置換基を有するメチンは中央の(メソ位の)メチンであることが好ましい。置換基の例には、ハロゲン原子、シアノ、ニトロ、ヒドロキシル、カルボキシル、アミノ、ホルミル、カルバモイル、ウレイド、ウレタン、メルカプト、スルホ、スルファモイル、脂肪族基、芳香族基、複素環基、−O−R、−CO−R、−CO−O−R、−O−CO−R、−NH−R、−NR2、−NH−CO−R、−CO−NH−R、−CO−NR2、−NH−CO−NH−R、−NH−CO−NR2、−NH−CO−O−R、−S−R、−SO2−R、−SO2−O−R、−NH−SO2−R、−SO2−NH−R、−SO2−NR2が含まれる。
Rは、それぞれ独立に、脂肪族基、芳香族基または複素環基である。メチン鎖の二つの置換基が結合して5員環または6員環を形成してもよい。
Rは、それぞれ独立に、脂肪族基、芳香族基または複素環基である。メチン鎖の二つの置換基が結合して5員環または6員環を形成してもよい。
式(VI)において、X2は、水素原子またはカチオンである。カチオンの例には、アルカリ金属(例、Na、K)イオン、アンモニウムイオン、トリエチルアンモニウムイオン、トリブチルアンモニウムイオン、ピリジニウムイオンおよびテトラブチルアンモニウムイオンが含まれる。以下に、オキソノール染料の例を示す。
式(VI)で表されるオキソノール染料は、特開平7−230671号公報、欧州特許0778493号および米国特許5459265号の各明細書の記載を参照して合成できる。
以上述べた染料を用いることで、フィルター層に、750乃至850nmの範囲の吸収極大波長、851乃至950nmの範囲の吸収極大波長および951乃至1100nmの範囲の吸収極大波長を設けることができる。フィルター層は、750乃至850nmの範囲に吸収極大波長を有する会合状態のメチン染料、851乃至950nmの範囲に吸収極大波長を有する会合状態のメチン染料および951乃至1100nmの範囲に吸収極大波長を有する会合状態のメチン染料を含むことが好ましい。750乃至850nmの範囲に吸収極大波長を有するメチン染料として、式(V)で表されるシアニン染料または式(VI)で表されるオキソノール染料を会合状態で用いることが好ましく、式(VI)で表されるオキソノール染料を会合状態で用いることがさらに好ましい。851乃至950nmの範囲または951乃至1100nmの範囲に吸収極大波長を有するメチン染料として、式(V)で表されるシアニン染料を用いることが好ましい。
前述した具体例(I−1)〜(I−7)、(I−14)および(II−1)〜(II−16)は、会合状態において、750乃至850nmの範囲に吸収極大波長を有する。具体例(I−8)、(I−10)〜(I−12)および(I−15)〜(I−19)は、会合状態において、851乃至950nmの範囲に吸収極大波長を有する。具体例(I−9)、(I−13)および(I−20)〜(I−23)は、会合状態において、951乃至1100nmの範囲に吸収極大波長を有する。
フィルター層は、さらに色補正の目的で、560乃至620nmの範囲に吸収極大波長を有することができる。また、赤外線吸収(第1)フィルター層(吸収極大波長:750〜1100nm)とは別に、可視光吸収(第2)フィルター層(吸収極大波長:560〜620nm)を設けてもよい。560乃至620nmの範囲の吸収極大も、染料を用いてフィルター層(または第2フィルター層)に導入することが好ましい。560乃至620nmの範囲に吸収極大波長を有する染料の吸収スペクトルは、なるべく緑の蛍光体の必要な発光領域に影響を与えないよう選択的に光をカットするためにシャープにすることが好ましい。具体的には、吸収極大の半値幅が5乃至100nmであることが好ましく、10乃至70nmであることがさらに好ましく、10乃至50nmであることが最も好ましい。560乃至620nmの範囲に吸収極大を有する染料も、会合状態で用いることが好ましい。会合状態の定義については、750〜1100nmの範囲に吸収極大波長を有する染料と同様である。560乃至620nmの範囲に吸収極大を有する染料としては、下記式に示される染料を用いることができる。
式中、PおよびQは、それぞれ独立に、酸性核、塩基性核または芳香族核であり;Lは、1乃至5個のメチンもしくはアザメチンが共役したメチン鎖である。実線と破線で表された結合は、PとL、QとLとがそれぞれ単結合あるいは二重結合で連結されていることを意味する。そして、P、L、Qで構成される染料分子の発色団(クロモフォア)が共役鎖で連結されるように、結合次数を選択する。P、L、Qは、それぞれ置換基を有していてもよい。複数の置換基が互いに結合して、4員乃至7員の環を形成してもよい。L(メチン鎖)の置換基が結合して形成する環の例には、スクアリリウム染料のシクロブテノン環が含まれる。核(PとQ)の置換基が結合して形成する環の例には、キサンテン環およびチオキサンテン環が含まれる。
酸性核は、環状のケトメチレン構造か、電子吸引性基によってはさまれたメチレン基を有する開鎖状構造であることが好ましく、環状のケトメチレン構造がさらに好ましい。環状のケトメチレン構造には、さらに複素環、芳香族環または脂肪族環が縮合してもよい。酸性核の環は、脂肪族環よりも複素環が好ましい。酸性核には、オキソノール染料のようにケト型とエノール型との互変異性体(酸素原子を窒素原子やイオウ原子に変えた、イミノおよびアミノ、チオケトおよびチオールの互変異性体も含む)をとることもできる。また、解離体で用いる場合もある。酸性核の環およびその縮合環の例としては、2−ピラゾリン−5−オン、ロダニン、ヒダントイン、チオヒダントイン、2,4−オキサゾリジンジオン、イソオキサゾロン、バルビツール酸、チオバルビツール酸、インダンジオン、ジオキソピラゾロピリジン、ヒドロキシピリジン、ピラゾリジンジオン、2,5−ジヒドロフラン−2−オン、ピロリン−2−オン、ピラゾロトリアゾールおよびピロロトリアゾールが含まれる。酸性核は、置換基を有していてもよい。
塩基性核は、開鎖状構造よりも環状構造を有することが好ましい。塩基性核の環には、複素環、芳香族環、または脂肪族環が縮合してもよい。塩基性核の環は、含窒素複素環が好ましい。塩基性核は、シアニン染料のようにオニウム体をとることもできる。塩基性核の含窒素複素環およびその縮合環の例には、オキサゾール、イソオキサゾール、ベンゾオキサゾール、ナフトオキサゾール、オキサゾロカルバゾール、オキサゾロジベンゾフラン、チアゾール、ベンゾチアゾール、ナフトチアゾール、インドレニン、ベンゾインドレニン、イミダゾール、ベンゾイミダゾール、ナフトイミダゾール、キノリン、ピリジン、オキサゾリン、ピロロピリジン、ピロール、フロピロール、インドリジン、イミダゾキノキサリン、およびキノキサリンが含まれる。塩基性核は、置換基を有していてもよい。
芳香族核は、芳香族(炭化水素)環または芳香族性複素環を有する。芳香族(炭化水素)環の例には、ベンゼンおよびナフタレンが含まれる。芳香族性複素環の例としては、ピロール、インドール、インドレニン、ベンゾインドレニン、カルバゾール、フロピロール、チオフェン、ベンゾチオフェン、フラン、ベンゾフラン、ジベンゾフラン、オキサゾール、ベンゾオキサゾール、ナフトオキサゾール、イソオキサゾール、チアゾール、ベンゾチアゾール、ナフトチアゾール、イソチアゾール、ピラゾール、イミダゾール、インダゾール、ナフトイミダゾール、ベンズイミダゾール、インドリジン、キノリン、フェノチアジン、フェノキサジン、インドリン、ピリジン、ピリダジン、チアジアジン、ピラン、チオピラン、オキサジアゾール、ベンゾキノリン、チアジアゾール、ピロロチアゾール、ピロロピリダジン、ピロロピリジン、イミダゾキノリン、イミダゾキノキサリン、テトラゾール、クマリンおよびクマロンが含まれる。芳香族核は、置換基を有していてもよい。芳香族核の環は、メチン鎖(L)と共役できる位置に、アミノ、ヒドロキシルまたはアルコキシ基を置換基として有することが好ましい。
前記式で表される色素には、メチン色素(例えば、シアニン色素、メロシアニン色素、アリーリデン色素、オキソノール色素、スチリル色素)、ジフェニルメタン色素、トリフェニルメタン色素、キサンテン色素、スクアリリウム色素、クロコニウム色素、アジン色素、アクリジン色素、チアジン色素およびオキサジン色素が含まれる。
これらの染料は、金属と錯体を形成させて使用することができる。錯体を形成することで堅牢性を高めることができる。金属錯体として使用する染料は、ピロメテン染料が好ましい。これらの染料については、WO00/23829号、特願2000−40694号、同2000−159820号、同2000−261334号の各明細書、特開平11−92682号、同11−227332号、同11−255774号、同11−256057号、特開2000−121807号、同2000−193802号の各公報に記載がある。
式(VII)において、Z1およびZ2は、それぞれ独立に、5員または6員の含窒素複素環を形成する非金属原子群である。Z1およびZ2の定義、例および置換基は、式(I)と同様である。式(VII)において、R1およびR2は、それぞれ独立に、脂肪族基または芳香族基である。脂肪族基および芳香族基の定義および例は、前述した通りである。式(VII)において、L3は、3個のメチンからなるメチン鎖である。式(VII)において、a、bおよびcは、それぞれ独立に、0または1である。式(VII)において、X1は、アニオンである。アニオンの定義および例は、式(V)と同様である。以下に、式(VII)で表されるシアニン染料の例を示す。
光学フィルターのフィルター層は、さらに、500乃至550nmの範囲に吸収極大波長を有することができる。500乃至550nmの範囲の吸収極大における光透過率は、20乃至85%の範囲であることが好ましい。また、赤外線吸収フィルター層(吸収極大波長:750〜1100nm)とは別に、可視光吸収フィルター層(吸収極大波長:500〜550nm)を設けてもよい。500乃至550nmの波長範囲における光吸収の極大は、視感度が高い緑の蛍光体の発光強度を調整するために設定される。緑の蛍光体の発光域は、なだらかにカットすることが好ましい。波長が500乃至550nmの範囲の吸収極大での半値幅(吸収極大での吸光度の半分の吸光度を示す波長領域の幅)は、30乃至300nmであることが好ましく、40乃至300nmであることがより好ましく、50乃至150nmであることがさらに好ましく、60乃至150nmであることが最も好ましい。500乃至550nmの範囲の吸収極大も、染料を用いてフィルター層に導入することが好ましい。500乃至550nmの範囲の吸収極大に用いる染料は、非会合状態であることが好ましい。染料を非会合状態として用いるには、会合し難い構造を有する色素を分子分散状態で用い、会合状態にとするには会合しやすい構造を有する色素を、ラテックスと混合し、J会合を形成させて用いる。染料としては、シアニン染料、スクアリリウム染料、オキソノール染料、メロシアニン染料、アリーリデン染料、アゾ染料、アゾメチン染料、アントラキノン染料およびそれらの金属キレート化合物が好ましく、オキソノール染料、メロシアニン染料、アリーリデン染料、アゾ染料、アゾメチン染料およびアントラキノン染料がさらに好ましい。
オキソノール染料については、非会合状態で用いることが好ましい以外は、前述した通りである。
さらに、色調を調整するため、フィルター層は、350乃至450nmまたは470乃至530nmの波長領域に吸収極大を有することもできる。また、赤外線吸収フィルター層(吸収極大波長:750〜1100nm)とは別に、可視光吸収フィルター層(吸収極大波長:350〜530nm)を設けてもよい。350乃至450nmまたは470乃至530nmの範囲の吸収極大も、染料を用いてフィルター層に導入することが好ましい。染料としては、スクアリリウム染料、アゾメチン染料、シアニン染料、メロシアニン染料系、オキソノール染料、アントラキノン染料、アゾ染料、アリーリデン染料およびそれらの金属キレート化合物が好ましく用いられる。
発明ではフィルター層中にメチン色素と一般式(I)で表されるカチオン化合物が存在するがその混合モル比は100:1〜1:100が好ましく、より好ましくは50:1〜1:50は更に好ましくは10:1〜1:10である。より具体的な実施態様として本発明の光学フィルター中のメチン色素の含有量は、好ましくは50〜1000mg/m2、より好ましくは100〜400mg/m2とする。また前記一般式(I)で表わされるカチオン化合物は光学フィルター中、好ましくは50〜500mg/m2、より好ましくは50〜200mg/m2とする。本発明ではフィルター層に、さらに褪色防止剤、酸化防止剤や紫外線防止剤を添加してもよい。褪色防止剤には、ハイドロキノン誘導体、ハイドロキノンジエーテル、フェノール誘導体、ヒンダードアミン、スピロインダン、メチレンジオキシベンゼン、クロマン、スピロクロマン、クマラン誘導体、ハイドロキノンモノエーテル、p−アミノフェノール誘導体およびビスフェノール誘導体が含まれる。ハイドロキノン誘導体については、米国特許3935016号、同3982944号の各明細書に記載がある。ハイドロキノンジエーテルについては、米国特許4254216号明細書、特開昭55−21004号公報に記載がある。フェノール誘導体については、特開昭54−145530号公報に記載がある。スピロインダン、メチレンジオキシベンゼンについては、英国特許2062888号、同2077455号の各明細書に記載がある。クロマン、スピロクロマン、クマラン誘導体については、米国特許3432300号、同3573050号、同3574627号、同3764337号の各明細書、特開昭52−152225、同53−17729号、同53−20327号、同61−90156号の各公報に記載がある。ハイドロキノンモノエーテル、p−アミノフェノール誘導体については、英国特許1347556号、同2066975号の各明細書、特公昭54−12337号、特開昭55−6321号の各公報に記載がある。ビスフェノール誘導体については、米国特許3700455号明細書、特公昭48−31625号公報に記載がある。のが含まれる。
金属錯体(米国特許4245018号明細書、特開昭60ー97353号公報記載の)や一重項酸素クウェンチャーをフィルター層に添加しても良い。一重項酸素クウェンチャーには、ニトロソ化合物(特開平2−300288号公報記載)、ジインモニウム化合物(米国特許465612号明細書記載)、ニッケル錯体(特開平4−146189号公報記載)および酸化防止剤(欧州特許820057A1号明細書記載)が含まれる。
フィルター層の厚さは0.1μm乃至1cmであることが好ましく、0.5μm乃至100μmであることがさらに好ましい。
フィルター層は、さらにポリマーバインダーを含む。天然ポリマー(例、ゼラチン、セルロース誘導体、アルギン酸)または合成ポリマー(例、ポリメチルメタクリレート、ポリビニルブチラール、ポリビニルピロリドン、ポビニルアルコール、ポリ塩化ビニル、スチレン−ブタジエンコポリマー、ポリスチレン、ポリカーボネート、水溶性ポリアミド)をポリマーバインダーとして用いることができる。親水性ポリマー(上記天然ポリマー、ポリビニルブチラール、ポリビニルピロリドン、ポビニルアルコール、水溶性ポリアミド)が特に好ましい。
[透明支持体]
透明支持体は、ポリマーフイルムからなることが好ましい。ポリマーの例には、セルロースエステル(例、セルロースジアセテート、セルローストリアセテート、セルロースプロピオネート、セルロースブチレート、セルロースアセテートプロピオネート、セルロースニトレート)、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリエステル(例、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリ−1,4−シクロヘキサンジメチレンテレフタレート、ポリエチレン−1,2−ジフェノキシエタン−4,4’−ジカルボキシレート、ポリブチレンテレフタレート)、ポリアリレート(例、ビスフェノールAとフタル酸の縮合物)、ポリスチレン(例、シンジオタクチックポリスチレン)、ポリオレフィン(例、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメチルペンテン)、ポリ(メタ)アクリル酸エステル(例、ポリメチルメタクリレート)、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリエーテルケトン、ポリエーテルイミドおよびポリオキシエチレンが含まれる。セルローストリアセテート、ポリカーボネート、ポリメチルメタクリレート、ポリエチレンテレフタレートおよびポリエチレンナフタレートが好ましい。透明支持体の厚みは、5μm乃至5cm以下であることが好ましく、25μm乃至1cmであることがさらに好ましく、80μm乃至1.2mmであることが最も好ましい。
透明支持体は、ポリマーフイルムからなることが好ましい。ポリマーの例には、セルロースエステル(例、セルロースジアセテート、セルローストリアセテート、セルロースプロピオネート、セルロースブチレート、セルロースアセテートプロピオネート、セルロースニトレート)、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリエステル(例、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリ−1,4−シクロヘキサンジメチレンテレフタレート、ポリエチレン−1,2−ジフェノキシエタン−4,4’−ジカルボキシレート、ポリブチレンテレフタレート)、ポリアリレート(例、ビスフェノールAとフタル酸の縮合物)、ポリスチレン(例、シンジオタクチックポリスチレン)、ポリオレフィン(例、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメチルペンテン)、ポリ(メタ)アクリル酸エステル(例、ポリメチルメタクリレート)、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリエーテルケトン、ポリエーテルイミドおよびポリオキシエチレンが含まれる。セルローストリアセテート、ポリカーボネート、ポリメチルメタクリレート、ポリエチレンテレフタレートおよびポリエチレンナフタレートが好ましい。透明支持体の厚みは、5μm乃至5cm以下であることが好ましく、25μm乃至1cmであることがさらに好ましく、80μm乃至1.2mmであることが最も好ましい。
透明支持体の透過率は80%以上であることが好ましく、86%以上であることがさらに好ましい。ヘイズは、2%以下であることが好ましく、1%以下であることがさらに好ましい。屈折率は、1.45〜1.70であることが好ましい。
透明支持体に、紫外線吸収剤を添加してもよい。紫外線吸収剤の添加量は、透明支持体の0.01乃至20質量%であることが好ましく、0.05乃至10質量%であることがさらに好ましい。滑り剤として、不活性無機化合物の粒子を透明支持体に添加してもよい。無機化合物の例には、SiO2、TiO2、BaSO4、CaCO3、タルクおよびカオリンが含まれる。透明支持体に表面処理を施すことが好ましい。表面処理の例には、薬品処理、機械的処理、コロナ放電処理、火炎処理、紫外線照射処理、高周波処理、グロー放電処理、活性プラズマ処理、レーザー処理、混酸処理およびオゾン酸化処理が含まれる。グロー放電処理、紫外線照射処理、コロナ放電処理および火炎処理が好ましく、コロナ放電処理がさらに好ましい。
[下塗り層]
透明支持体とフィルター層の間に下塗り層を設けることができる。下塗り層としては、室温での弾性率が1000乃至1Mpaの柔らかいポリマーを用いて形成することが好ましい。弾性率は、800乃至5Mpaであることがさらに好ましく、500乃至10Mpaであることが最も好ましい。下塗り層の厚みは、2nm乃至20μmであることが好ましく、5nm乃至5μmであることがさらに好ましく、50nm乃至1μmであることが最も好ましい。下塗り層に使用するポリマーは、ガラス転移温度が60℃以下−60℃以上であることが好ましい。ガラス転移温度が60℃以下−60℃以上のポリマーは、塩化ビニル、塩化ビニリデン、酢酸ビニル、ブタジエン、ネオプレン、スチレン、クロロプレン、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、アクリロニトリルまたはメチルビニルエーテルを重合または共重合させることによる得られる。二層以上の下塗り層を設けることが好ましい。
透明支持体とフィルター層の間に下塗り層を設けることができる。下塗り層としては、室温での弾性率が1000乃至1Mpaの柔らかいポリマーを用いて形成することが好ましい。弾性率は、800乃至5Mpaであることがさらに好ましく、500乃至10Mpaであることが最も好ましい。下塗り層の厚みは、2nm乃至20μmであることが好ましく、5nm乃至5μmであることがさらに好ましく、50nm乃至1μmであることが最も好ましい。下塗り層に使用するポリマーは、ガラス転移温度が60℃以下−60℃以上であることが好ましい。ガラス転移温度が60℃以下−60℃以上のポリマーは、塩化ビニル、塩化ビニリデン、酢酸ビニル、ブタジエン、ネオプレン、スチレン、クロロプレン、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、アクリロニトリルまたはメチルビニルエーテルを重合または共重合させることによる得られる。二層以上の下塗り層を設けることが好ましい。
[反射防止層]
光学フィルターに反射防止層を設けて、反射防止機能を得ることもできる。反射防止層により得られる光学フィルター層表面の反射率は、正反射率として3.0%以下が好ましく、1.8%以下がさらに好ましい。反射防止層としては、一般に低屈折率層を設ける。低屈折率層とは、屈折率が、その下層の屈折率よりも(相対邸に)低い層を意味する。低屈折率層の屈折率は、1.20乃至1.55であることが好ましく、1.20乃至1.50であることがさらに好ましい。低屈折率層の厚さは、50乃至400nmであることが好ましく、50乃至200nmであることがさらに好ましい。低屈折率層は、屈折率の低い含フッ素ポリマーからなる層(特開昭57−34526号、特開平3−130103号、同6−115023号、同8−313702号、同7−168004号の各公報記載)、ゾルゲル法により得られる層(特開平5−208811号、同6−299091号、同7−168003号の各公報記載)、あるいは微粒子を含む層(特公昭60−59250号、特開平5−13021号、同6−56478号、同7−92306号、同9−288201号の各公報に記載)として形成できる。微粒子を含む層では、微粒子間または微粒子内のミクロボイドとして、低屈折率層に空隙を形成することができる。微粒子を含む層は、3乃至50体積%の空隙率を有することが好ましく、5乃至35体積%の空隙率を有することがさらに好ましい。
光学フィルターに反射防止層を設けて、反射防止機能を得ることもできる。反射防止層により得られる光学フィルター層表面の反射率は、正反射率として3.0%以下が好ましく、1.8%以下がさらに好ましい。反射防止層としては、一般に低屈折率層を設ける。低屈折率層とは、屈折率が、その下層の屈折率よりも(相対邸に)低い層を意味する。低屈折率層の屈折率は、1.20乃至1.55であることが好ましく、1.20乃至1.50であることがさらに好ましい。低屈折率層の厚さは、50乃至400nmであることが好ましく、50乃至200nmであることがさらに好ましい。低屈折率層は、屈折率の低い含フッ素ポリマーからなる層(特開昭57−34526号、特開平3−130103号、同6−115023号、同8−313702号、同7−168004号の各公報記載)、ゾルゲル法により得られる層(特開平5−208811号、同6−299091号、同7−168003号の各公報記載)、あるいは微粒子を含む層(特公昭60−59250号、特開平5−13021号、同6−56478号、同7−92306号、同9−288201号の各公報に記載)として形成できる。微粒子を含む層では、微粒子間または微粒子内のミクロボイドとして、低屈折率層に空隙を形成することができる。微粒子を含む層は、3乃至50体積%の空隙率を有することが好ましく、5乃至35体積%の空隙率を有することがさらに好ましい。
広い波長領域の反射を防止するためには、低屈折率層に加えて、屈折率の高い層(中・高屈折率層)を設けることが好ましい。高屈折率層の屈折率は、1.65乃至2.40であることが好ましく、1.70乃至2.20であることがさらに好ましい。中屈折率層の屈折率は、低屈折率層の屈折率と高屈折率層の屈折率との中間の値となるように調整する。中屈折率層の屈折率は、1.50乃至1.90であることが好ましい。中・高屈折率層の厚さは、5nm乃至100μmであることが好ましく、10nm乃至10μmであることがさらに好ましく、30nm乃至1μmであることが最も好ましい。中・高屈折率層のヘイズは、5%以下であることが好ましく、3%以下であることがさらに好ましく、1%以下であることが最も好ましい。中・高屈折率層は、比較的高い屈折率を有するポリマーを用いて形成することができる。屈折率が高いポリマーの例には、ポリスチレン、スチレン共重合体、ポリカーボネート、メラミン樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂および環状(脂環式または芳香族)イソシアネートとポリオールとの反応で得られるポリウレタンが含まれる。その他の環状(芳香族、複素環式、脂環式)基を有するポリマーや、フッ素以外のハロゲン原子を置換基として有するポリマーも、屈折率が高い。二重結合を導入してラジカル硬化を可能にしたモノマーの重合反応によりポリマーを形成してもよい。
さらに高い屈折率を得るため、ポリマーバインダー中に無機微粒子を分散してもよい。無機微粒子の屈折率は、1.80乃至2.80であることが好ましい。無機微粒子は、金属の酸化物または硫化物から形成することが好ましい。金属の酸化物または硫化物の例には、二酸化チタン(粒子構造としては、ルチル、ルチル/アナターゼの混晶、アナターゼ、アモルファス構造のいずれでも良い)、酸化錫、酸化インジウム、酸化亜鉛、酸化ジルコニウムおよび硫化亜鉛が含まれる。酸化チタン、酸化錫および酸化インジウムが特に好ましい。無機微粒子は、これらの金属の酸化物または硫化物を主成分とし、さらに他の元素を含むことができる。主成分とは、粒子を構成する成分の中で最も含有量(質量%)が多い成分を意味する。他の元素の例には、Ti、Zr、Sn、Sb、Cu、Fe、Mn、Pb、Cd、As、Cr、Hg、Zn、Al、Mg、Si、PおよびSが含まれる。被膜形成性で溶剤に分散し得るか、それ自身が液状である無機材料、例えば、各種元素のアルコキシド、有機酸の塩、配位性化合物と結合した配位化合物(例、キレート化合物)や、活性無機ポリマーを用いて、中・高屈折率層を形成することもできる。
[電磁波遮蔽層]
光学シルターに電磁波遮蔽効果を有する層を設けてもよい。電磁波遮蔽層の表面抵抗は、0.01〜500Ω/□であることが好ましく、0.01〜10Ω/□であることがさらに好ましい。電磁波遮蔽効果を付与するには、光学フィルターの透過率を低下させないように、透明導電層を用いることが好ましい。透明導電層は、金属層、金属酸化物層または導電性ポリマー層として形成できる。
光学シルターに電磁波遮蔽効果を有する層を設けてもよい。電磁波遮蔽層の表面抵抗は、0.01〜500Ω/□であることが好ましく、0.01〜10Ω/□であることがさらに好ましい。電磁波遮蔽効果を付与するには、光学フィルターの透過率を低下させないように、透明導電層を用いることが好ましい。透明導電層は、金属層、金属酸化物層または導電性ポリマー層として形成できる。
透明導電層を形成する金属の例には、銀、パラジウム、金、白金、ロジウム、アルミニウム、鉄、コバルト、ニッケル、銅、亜鉛、ルテニウム、錫、タングステン、イリジウムよび鉛が含まれる。これらを組み合わせた合金を用いてもよい。銀、パラジウム、金、白金、ロジウムおよびこれらの合金が好ましく、銀とパラジウムとの合金が最も好ましい。銀−パラジウム合金における銀の含有率は60乃至99質量%が好ましく、80乃至98質量%がさらに好ましい。金属層の膜厚は、1乃至100nmが好ましく、5乃至40nmがさらに好ましく、10乃至30nmが最も好ましい。膜厚が1nm未満では電磁波遮蔽効果が乏しく、100nmを超えると可視光線の透過率が低下する。
透明導電層を形成する金属酸化物の例には、酸化錫、酸化インジウム、酸化アンチモン、酸化亜鉛、ITOおよびATOが組まれる。金属酸化物層の膜厚は、20乃至1000nmが好ましく、40乃至100nmがさらに好ましい。金属導電層と金属酸化物導電層とを組み合わせて設けてもよい。また、同一層内に金属と導電性金属酸化物とを共存させてもよい。金属層の保護または酸化劣化の防止あるいは可視光線の透過率を高める目的で透明導電層に透明酸化物層を積層することができる。透明酸化物層には、導電性がなくてもよい。透明酸化物層は、2〜4価金属の酸化物、酸化ジルコニウム、酸化チタン、酸化マグネシウム、酸化ケイ素、酸化アルミニウムあるいは金属アルコキサイド化合物の薄膜として形成できる。透明導電層および透明酸化物層は、任意の加工処理方法で形成できる。例えば、スパッタリング法、真空蒸着法、イオンプレーティング法、プラズマCVD法、PVD法、金属あるいは金属酸化物の超微粒子の塗布あるいは金属シートの接着により、層を形成できる。
[その他の層]
光学フィルター表面に、アンチグレア機能(入射光を表面で散乱させて、膜周囲の景色が膜表面に移るのを防止する機能)を付与してもよい。例えば、光学フィルター表面に微細な凹凸を形成し、そしてその表面に反射防止層を形成するか、あるいは反射防止層を形成後、エンボスロールにより表面に凹凸を形成することにより、アンチグレア機能を得ることができる。アンチグレア機能を有する反射防止層は、一般に3乃至30%のヘイズを有する。
光学フィルター表面に、アンチグレア機能(入射光を表面で散乱させて、膜周囲の景色が膜表面に移るのを防止する機能)を付与してもよい。例えば、光学フィルター表面に微細な凹凸を形成し、そしてその表面に反射防止層を形成するか、あるいは反射防止層を形成後、エンボスロールにより表面に凹凸を形成することにより、アンチグレア機能を得ることができる。アンチグレア機能を有する反射防止層は、一般に3乃至30%のヘイズを有する。
光学フィルターには、ハードコート層、潤滑層、防汚層、帯電防止層あるいは中間層を設けることもできる。ハードコート層は、架橋しているポリマーを含むことが好ましい。ハードコート層は、アクリル系、ウレタン系、エポキシ系、シロキサン系のポリマー、オリゴマーまたはモノマー(例、紫外線硬化型樹脂)を用いて形成することができる。シリカ系のフィラーをハードコート層に添加することもできる。光学フィルターの最表面には潤滑層を形成してもよい。潤滑層は、光学フィルター表面に滑り性を付与し、耐傷性を改善する機能を有する。潤滑層は、ポリオルガノシロキサン(例、シリコンオイル)、天然ワックス、石油ワックス、高級脂肪酸金属塩、フッ素系潤滑剤またはその誘導体を用いて形成することができる。潤滑層の厚さは、2乃至20nmであることが好ましい。光学フィルターの最表面に防汚層を設けることもできる。防汚層は反射防止層の表面エネルギーを下げ、親水性、親油性の汚れを付きにくくするものである。そのほか防汚層は含フッ素ポリマーを用いて形成することができる。防汚層の厚さは、2乃至100nmであることが好ましく、5乃至30nmであることがさらに好ましい。
光学フィルターの層、すなわち、フィルター層、反射防止層(低屈折率層)、電磁波遮蔽層、下塗り層、ハードコート層、潤滑層、防汚層、その他の層は、一般的な塗布方法により形成することができる。塗布方法の例には、ディップコート法、エアーナイフコート法、カーテンコート法、ローラーコート法、ワイヤーバーコート法、グラビアコート法およびホッパーを使用するエクストルージョンコート法(米国特許2681294号明細書記載)が含まれる。二以上の層を同時塗布により形成してもよい。同時塗布法については、米国特許2761791号、同2941898号、同3508947号、同3526528号の各明細書および原崎勇次著「コーティング工学」253頁(1973年朝倉書店発行)に記載がある。また、本発明における層の形成方法として、スパッタリング法、真空蒸着法、イオンプレーティング法、プラズマCVD法あるいはPVD法も適宜選択することができる。
[光学フィルターの用途]
光学フィルターは、液晶表示装置(LCD)、プラズマディスプレイパネル(PDP)、エレクトロルミネッセンスディスプレイ(ELD)や陰極管表示装置(CRT)のような画像表示装置に用いられる。光学フィルターは、プラズマディスプレイパネル(PDP)または陰極管表示装置(CRT)、特にプラズマディスプレイパネル(PDP)に使用すると、顕著な効果が得られる。
光学フィルターは、液晶表示装置(LCD)、プラズマディスプレイパネル(PDP)、エレクトロルミネッセンスディスプレイ(ELD)や陰極管表示装置(CRT)のような画像表示装置に用いられる。光学フィルターは、プラズマディスプレイパネル(PDP)または陰極管表示装置(CRT)、特にプラズマディスプレイパネル(PDP)に使用すると、顕著な効果が得られる。
プラズマディスプレイパネル(PDP)は、ガス、ガラス基板、電極、電極リード材料、厚膜印刷材料、蛍光体により構成される。ガラス基板は、前面ガラス基板と後面ガラス基板の二枚である。二枚のガラス基板には電極と絶縁層を形成する。後面ガラス基板には、さらに蛍光体層を形成する。二枚のガラス基板を組み立てて、その間にガスを封入する。前面板とは該プラズマディスプレイパネルの前面に位置する基板のことである。前面板はプラズマディスプレイパネルを保護するために充分な強度を備えていることが好ましい。前面板はプラズマディスプレイパネルと隙間を置いて使用することもできるし、プラズマディスプレイ本体に直貼りして使用することもできる。
光学フィルターは、前面板に張り付けても、プラズマディスプレイ本体に直貼りしてもよい。また、前面板を設けずに、光学フィルターをプラズマディスプレイ本体に直貼りして使用することもできる。プラズマディスプレイ表示装置とは少なくともプラズマディスプレイパネル本体と筐体をふくむ表示装置全体のことである。前面板を有する場合はこれもプラズマディスプレイ表示装置に含まれる。プラズマディスプレイパネル(PDP)は、既に市販されている。プラズマディスプレイパネルについては、特開平5−205643号、同9−306366号の各公報に記載がある。
次に本発明を実施例に基づきさらに詳細に説明する。
[実施例1]
[近赤外線吸収フィルムの作製]
(近赤外線吸収性組成物の調製)
塗布時の塗布量が、近赤外線吸収染料としてシアニン色素(I−13)が200mg/m2に、日本純薬(株)製ポリマーエマルジョン(アクリル樹脂の水分散物);ジュリマーET−410(固形分含有量30%)が800mg/m2に、カチオン化合物が表1記載の塗布量に、硬化剤としてデナコールEX614B(ナガセケムテックス(株)製エポキシ系架橋剤)が40mg/m2にそれぞれなるよう各成分を混合した近赤外線吸収性組成物を調製した。
[実施例1]
[近赤外線吸収フィルムの作製]
(近赤外線吸収性組成物の調製)
塗布時の塗布量が、近赤外線吸収染料としてシアニン色素(I−13)が200mg/m2に、日本純薬(株)製ポリマーエマルジョン(アクリル樹脂の水分散物);ジュリマーET−410(固形分含有量30%)が800mg/m2に、カチオン化合物が表1記載の塗布量に、硬化剤としてデナコールEX614B(ナガセケムテックス(株)製エポキシ系架橋剤)が40mg/m2にそれぞれなるよう各成分を混合した近赤外線吸収性組成物を調製した。
また、シアニン色素(I―13)のかわりにオキソノール色素(II―3)を200mg/m2用いた以外は上記と全く同様にして、近赤外線吸収性組成物を調製した。
(近赤外線吸収層の塗工)
富士フィルム製PET樹脂フィルム(厚み96μm)に、上記の近赤外線吸収性組成物を塗工して近赤外線吸収層(厚み150μm)を積層し、近赤外線吸収フィルム(101)〜(109)を得た。
富士フィルム製PET樹脂フィルム(厚み96μm)に、上記の近赤外線吸収性組成物を塗工して近赤外線吸収層(厚み150μm)を積層し、近赤外線吸収フィルム(101)〜(109)を得た。
(近赤外線吸収能の評価)
日立(株)製の分光器U−3500を用いて、900nmの波長の透過率を測定した。
試料(101)及び試料(109)の900nmの透過率は15%以下であり、共にPDP用途の近赤外線吸収フィルムとして好適に用いることができる。
日立(株)製の分光器U−3500を用いて、900nmの波長の透過率を測定した。
試料(101)及び試料(109)の900nmの透過率は15%以下であり、共にPDP用途の近赤外線吸収フィルムとして好適に用いることができる。
(耐光性の評価)
スガ試験機(株)製スーパーキセノンウェザーメーターSX75を用い、ブラックパネル温度63℃、湿度50%、150W/m2でキセノンランプの光照射を10日間行なった。尚、本発明試料とキセノンランプの間に富士写真フィルム(株)製SC39フィルターを設置した。
光照射後の試料フィルムの900nmの透過率を測定し、次のように耐光性を評価した。
結果を下表に示す。
×: 透過率60%以上
△: 透過率60〜40%
〇: 透過率40〜20%
◎: 透過率20〜0%
スガ試験機(株)製スーパーキセノンウェザーメーターSX75を用い、ブラックパネル温度63℃、湿度50%、150W/m2でキセノンランプの光照射を10日間行なった。尚、本発明試料とキセノンランプの間に富士写真フィルム(株)製SC39フィルターを設置した。
光照射後の試料フィルムの900nmの透過率を測定し、次のように耐光性を評価した。
結果を下表に示す。
×: 透過率60%以上
△: 透過率60〜40%
〇: 透過率40〜20%
◎: 透過率20〜0%
(ヘイズの測定法)
ヘイズ値(%)は、日本電色工業製のヘイズメーターNDH2000を用いて、JIS K 7136に準じて測定した。
(吸収強度の評価)
作成した試料フィルムの900nmの透過率を測定し、透過率が大きいものから×、△、○、◎の4段階評価を行った。
吸収強度×: 透過率5%以上
吸収強度△: 透過率3%以上5%未満
吸収強度〇: 透過率2%〜3%未満
吸収強度◎: 透過率2%未満
ヘイズ値(%)は、日本電色工業製のヘイズメーターNDH2000を用いて、JIS K 7136に準じて測定した。
(吸収強度の評価)
作成した試料フィルムの900nmの透過率を測定し、透過率が大きいものから×、△、○、◎の4段階評価を行った。
吸収強度×: 透過率5%以上
吸収強度△: 透過率3%以上5%未満
吸収強度〇: 透過率2%〜3%未満
吸収強度◎: 透過率2%未満
また、ポリマーエマルジョンをNeoRez R−9660(楠本化成(株)社製水性ウレタン)に変更し赤外線吸収フィルムを作成したところ、カチオン化合物を添加しないものは、耐光性評価時の褪色後の900nmの透過率が60%以上となり赤外吸収能は不十分であったが、カチオン化合物を添加したものは透過率が15%以下となり良好な赤外線吸収能を示し、特に水素結合性基を有するものは効果が大きく透過率が10%以下となり優れた赤外線吸収能を示した。
Claims (12)
- フィルター層を有する光学フィルターであって、
フィルター層がメチン色素および下記一般式(I)で表されるカチオン化合物を含有することを特徴とする光学フィルター。
- 前記一般式(I)中、L1が単結合を表すカチオン化合物を含有する請求項1ないし2に記載の光学フィルター。
- 前記一般式(I)中、L1が単結合を表し、R1、R2の少なくともいずれか1つに水素結合性基を有するカチオン化合物を含有する請求項2または3に記載の光学フィルター。
- R1、R2、Laの少なくとも一つは水素結合性基を有する請求項5記載の光学フィルター。
- 水素結合性基がヒドロキシル基、アシルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、スルホニルアミノ基、カルバモイル基、スルファモイル基、ウレイド基の内の少なくとも1つである請求項4もしくは請求項6記載の光学フィルター。
- 前記メチン色素がシアニン色素又はオキソノール色素である請求項1ないし7のいずれか1項に記載の光学フィルター。
- 一般式(V)で表されるシアニン色素が2つ以上のアニオン性解離基を有する請求項9記載の光学フィルター。
- 請求項1ないし11のいずれか1項に記載の光学フィルターを用いることを特徴とするプラズマディスプレイパネル。
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