JP2000284116A - 光学フィルターおよび反射防止膜 - Google Patents

光学フィルターおよび反射防止膜

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JP2000284116A
JP2000284116A JP11087085A JP8708599A JP2000284116A JP 2000284116 A JP2000284116 A JP 2000284116A JP 11087085 A JP11087085 A JP 11087085A JP 8708599 A JP8708599 A JP 8708599A JP 2000284116 A JP2000284116 A JP 2000284116A
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JP11087085A
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Toru Harada
徹 原田
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Fuji Photo Film Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 染料の耐久性を改善し、適切な色補正機能ま
たは遠隔操作装置の誤作動防止機能を有する光学フィル
ターを得る。 【解決手段】 透明支持体上に染料およびポリマーバイ
ンダーを含むフィルター層を有する光学フィルターにお
いて、フィルター層にさらに有機酸化剤を添加する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、透明支持体および
フィルター層を有する光学フィルターに関する。また、
本発明は液晶表示装置(LCD)、プラズマディスプレ
イパネル(PDP)、エレクトロルミネッセンスディス
プレイ(ELD)、陰極管表示装置(CRT)、蛍光表
示管、電界放射型ディスプレイのような画像表示装置の
表面に、誤作動防止、反射防止あるいは色再現性改良の
ため取り付けられる反射防止膜にも関する。
【0002】
【従来の技術】液晶表示装置(LCD)、プラズマディ
スプレイパネル(PDP)、エレクトロルミネッセンス
ディスプレイ(ELD)、陰極管表示装置(CRT)、
蛍光表示管、電界放射型ディスプレイのような画像表示
装置は、原則として、赤、青、緑の三原色の光の組み合
わせでカラー画像を表示する。しかし、表示のための光
を理想的な三原色にすることは、非常に難しい(実質的
には不可能である)。例えば、プラズマディスプレイパ
ネル(PDP)では、三原色蛍光体からの発光に余分な
光(波長が560乃至620nmの範囲)が含まれてい
ることが知られている。そこで、表示色の色バランスを
補正するため特定の波長の光を吸収する光学フィルター
を用いて、色補正を行うことが提案されている。光学フ
ィルターによる色補正については、特開昭58−153
904号、同60−118748号、同60−1874
9号、同61−188501号、特開平3−23198
8号、同5−203804号、同5−205643号、
同7−307133号、同9−145918号、同9−
306366号、同10−26704号の各公報に記載
がある。
【0003】画像表示装置には、色補正に加えて、反射
防止の必要もある。すなわち、画像表示装置には、ディ
スプレイ上に背景が映り込む事でコントラストが低下す
る問題がある。この問題を解決するための手段として、
様々な反射防止膜が提案されている。これまでに提案さ
れた反射防止膜の反射防止機能層は、蒸着層と塗布層に
分類できる。光学的機能の観点では蒸着層の方が優れて
いるが、塗布層には製造が容易であるとの利点がある。
蒸着層は、眼鏡やカメラのようなレンズの反射防止膜と
して古くから用いられている。蒸着層は、真空蒸着法、
スパッタリング法、イオンプレーティング法、CVD法
あるいはPVD法により形成する。塗布層は、一般に、
微粒子およびバインダーの塗布により形成する。塗布層
については、特開昭59−49501号、同59−50
401号、同60−59250号、特開平7−4852
7号の各公報に記載がある。
【0004】前記の光学フィルターに、反射防止機能を
組み込むことも考えられる。前記の特開昭61−188
501号、特開平5−205643号、同9−1459
18号、同9−306366号、同10−26704号
の各公報は、反射防止機能が組み込まれた光学フィルタ
ーを開示している。特開昭61−188501号、特開
平5−205643号、同9−145918号、同9−
306366号の各公報に記載の光学フィルターでは、
透明支持体に染料または顔料を添加して、支持体をフィ
ルターとして機能させている。特開平10−26704
号公報記載の光学フィルターでは、透明支持体と反射防
止層との間に設けられるハードコート層(表面硬化層)
を着色し、ハードコート層をフィルターとして機能させ
ている。さらに、赤外線を発生する画像表示装置(例え
ば、プラズマディスプレイパネル)では、赤外線の遮蔽
対策も必要である。遠隔操作装置(リモコン)は、赤外
線を利用しているため、ディスプレイから発生する赤外
線により遠隔操作装置が誤作動することがある。特開平
10−180947号および同 −(=特願平9−27
9792)号の各公報には、遠隔操作装置の誤作動を防
止するため、赤外線吸収染料を用いた光学フィルターが
開示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】透明支持体あるいはハ
ードコート層を着色すれば、透明支持体またはハードコ
ート層がフィルターとして機能する。しかし、透明支持
体やハードコート層に添加できる染料は、種類が非常に
限られる。透明支持体は、プラスチックまたはガラス
(通常はプラスチック)から製造する。透明支持体に添
加する染料には、支持体の製造時の温度に耐えられる程
度の非常に高い耐熱性が要求される。ハードコート層
は、一般に架橋しているポリマーを含む層である。ポリ
マーの架橋反応は、層の塗布後に実施する。架橋のため
の反応条件では、褪色してしまう染料が多い。ハロゲン
化銀写真の技術分野で開発されたシアニン染料は、様々
な吸収スペクトル特性を有する化合物である。しかし、
シアニン染料は、ハロゲン化銀写真材料の層に添加する
ことを前提に開発されており、透明支持体やハードコー
ト層に添加すると、褪色の問題が生じる。また、色補正
には可視領域に吸収を有する染料が、そして、遠隔操作
装置の誤作動を防止するためには赤外線吸収染料が必要
とされる。さらに、画像表示装置の種類に応じて、染料
に対して様々な吸収スペクトル特性が要求される。
【0006】本発明者は、使用できる染料の種類に制約
が多い透明支持体やハードコート層ではなく、穏和な条
件で形成できるポリマー層に染料を添加し、ポリマー層
をフィルター層として機能させることを検討した。しか
し、ポリマー層は、透明支持体やハードコート層と比較
して、染料の保護機能が弱い。ポリマー層に染料を添加
するためには、染料の耐久性(特に光堅牢性)を改善す
る必要がある。本発明の目的は、適切な色補正機能また
は遠隔操作装置の誤作動防止機能を有する光学フィルタ
ーを提供することである。また、本発明の目的は、反射
防止機能に加えて、適切な色補正機能または遠隔操作装
置の誤作動防止機能を有する反射防止膜を提供すること
でもある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の目的は、下記
(1)〜(2)の光学フィルターおよび下記(3)〜
(6)の反射防止膜により達成された。 (1)透明支持体上に染料およびポリマーバインダーを
含むフィルター層を有する光学フィルターであって、フ
ィルター層がさらに下記式(I)で表される有機酸化剤
を含むことを特徴とする光学フィルター。
【0008】
【化4】
【0009】式中、X1 およびX2 は、それぞれ独立
に、酸素原子、硫黄原子、=NR1 または=CR2 3
であって、R1 、R2 およびR3 は、それぞれ独立に、
水素原子または一価の基であり;mおよびnは、それぞ
れ、0、1、2または3であって、mとnの合計は2以
上であり;そして、L1 およびL2 は、それぞれ独立
に、二価の連結基である。 (2)染料がメチン染料である(1)に記載の光学フィ
ルター。
【0010】(3)染料およびポリマーバインダーを含
むフィルター層、透明支持体、および透明支持体の屈折
率よりも低い屈折率を有する低屈折率層が、この順に積
層されている反射防止膜であって、フィルター層がさら
に上記式(I)で表される有機酸化剤を含むことを特徴
とする反射防止膜。 (4)染料がメチン染料である(3)に記載の反射防止
膜。
【0011】(5)透明支持体、染料およびポリマーバ
インダーを含むフィルター層、および透明支持体の屈折
率よりも低い屈折率を有する低屈折率層が、この順に積
層されている反射防止膜であって、フィルター層がさら
に上記式(I)で表される有機酸化剤を含むことを特徴
とする反射防止膜。 (6)染料がメチン染料である(5)に記載の反射防止
膜。
【0012】
【発明の効果】本発明者が研究を進めた結果、上記式
(I)で表される有機酸化剤を用いることで、ポリマー
層に添加した染料の褪色を有効に防止できることが判明
した。これにより、褪色しやすいポリマー層にも、必要
とされる吸収スペクトル特性を有する様々な種類の染料
を添加することが可能になった。以上の結果、本発明の
光学フィルターや反射防止膜は、画像表示装置の種類に
応じた適切な色補正機能または遠隔操作装置の誤作動防
止機能を有する。
【0013】
【発明の実施の形態】反射防止膜(反射防止層を設けた
光学フィルター)の代表的な層構成を、図面を参照しな
がら説明する。図1は、フィルター層を反射防止層とは
透明支持体の反対の側に設けた反射防止膜の層構成を示
す断面模式図である。図1の(a)に示す態様は、フィ
ルター層(2)、透明支持体(1)、低屈折率層(3)
の順序の層構成を有する。透明支持体(1)と低屈折率
層(3)は、以下の関係を満足する屈折率を有する。 低屈折率層の屈折率<透明支持体の屈折率
【0014】図1の(b)に示す態様は、フィルター層
(2)、透明支持体(1)、ハードコート層(4)、低
屈折率層(3)の順序の層構成を有する。 図1の
(c)に示す態様は、フィルター層(2)、透明支持体
(1)、ハードコート層(4)、高屈折率層(5)、低
屈折率層(3)の順序の層構成を有する。透明支持体
(1)、低屈折率層(3)および高屈折率層(5)は、
以下の関係を満足する屈折率を有する。 低屈折率層の屈折率<透明支持体の屈折率<高屈折率層
の屈折率 図1の(d)に示す態様は、フィルター層(2)、透明
支持体(1)、ハードコート層(4)、中屈折率層
(6)、高屈折率層(5)、低屈折率層(3)の順序の
層構成を有する。透明支持体(1)、低屈折率層
(3)、高屈折率層(5)および中屈折率層(6)は、
以下の関係を満足する屈折率を有する。 低屈折率層の屈折率<透明支持体の屈折率<中屈折率層
の屈折率<高屈折率層の屈折率
【0015】図2は、フィルター層と反射防止層とを透
明支持体の同じ側に設けた反射防止膜の層構成を示す断
面模式図である。図2の(a)に示す態様は、透明支持
体(1)、フィルター層(2)、低屈折率層(3)の順
序の層構成を有する。透明支持体(1)と低屈折率層
(3)の屈折率の関係は、図1の(a)と同様である。
図2の(b)に示す態様は、透明支持体(1)、フィル
ター層(2)、ハードコート層(4)、低屈折率層
(3)の順序の層構成を有する。図2の(c)に示す態
様は、透明支持体(1)、フィルター層(2)、ハード
コート層(4)、高屈折率層(5)、低屈折率層(3)
の順序の層構成を有する。透明支持体(1)、低屈折率
層(3)および高屈折率層(5)の屈折率の関係は、図
1の(c)と同様である。図2の(d)に示す態様は、
透明支持体(1)、フィルター層(2)、ハードコート
層(4)、中屈折率層(6)、高屈折率層(5)、低屈
折率層(3)の順序の層構成を有する。透明支持体
(1)、低屈折率層(3)、高屈折率層(5)および中
屈折率層(6)の屈折率の関係は、図1の(d)と同様
である。
【0016】(透明支持体)透明支持体を形成する材料
の例には、セルロースエステル(例、ジアセチルセルロ
ース、トリアセチルセルロース(TAC)、プロピオニ
ルセルロース、ブチリルセルロース、アセチルプロピオ
ニルセルロース、ニトロセルロース)、ポリアミド、ポ
リカーボネート、ポリエステル(例、ポリエチレンテレ
フタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレン
テレフタレート、ポリ−1,4−シクロヘキサンジメチ
レンテレフタレート、ポリエチレン−1,2−ジフェノ
キシエタン−4,4’−ジカルボキシレート、ポリブチ
レンテレフタレート)、ポリスチレン(例、シンジオタ
クチックポリスチレン)、ポリオレフィン(例、ポリエ
チレン、ポリプロピレン、ポリメチルペンテン)、ポリ
メチルメタクリレート、シンジオタクチックポリスチレ
ン、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリエーテ
ルケトン、ポリエーテルイミドおよびポリオキシエチレ
ンが含まれる。トリアセチルセルロース、ポリカーボネ
ートおよびポリエチレンテレフタレートが好ましい。透
明支持体の透過率は80%以上であることが好ましく、
86%以上であることがさらに好ましい。ヘイズは、2
%以下であることが好ましく、1%以下であることがさ
らに好ましい。屈折率は、1.45乃至1.70である
ことが好ましい。
【0017】透明支持体に、赤外線吸収剤あるいは紫外
線吸収剤を添加してもよい。赤外線吸収剤の添加量は、
透明支持体の0.01乃至20重量%であることが好ま
しく、0.05乃至10重量%であることがさらに好ま
しい。さらに滑り剤として、不活性無機化合物の粒子を
透明支持体に添加してもよい。無機化合物の例には、S
iO2 、TiO2 、BaSO4 、CaCO3 、タルクお
よびカオリンが含まれる。透明支持体に、表面処理を実
施してもよい。表面処理の例には、薬品処理、機械的処
理、コロナ放電処理、火焔処理、紫外線照射処理、高周
波処理、グロー放電処理、活性プラズマ処理、レーザー
処理、混酸処理およびオゾン酸化処理が含まれる。グロ
ー放電処理、紫外線照射処理、コロナ放電処理および火
焔処理が好ましく、グロー放電処理と紫外線処理がさら
に好ましい。さらに、上層との接着強化のための下塗り
層を設置してもよい。
【0018】(フィルター層)フィルター層の厚さは1
乃至15μmであることが好ましい。フィルター層は、
下記式(I)で表される有機酸化剤、染料およびポリマ
ーバインダーを含む。
【0019】
【化5】
【0020】式(I)において、X1 およびX2 は、そ
れぞれ独立に、酸素原子、硫黄原子、=NR1 または=
CR2 3 である。R1 、R2 およびR3 は、それぞれ
独立に、水素原子または一価の基である。上記一価の基
は、ハロゲン原子、シアノ、ニトロ、スルホ、脂肪族
基、芳香族基、複素環基、−O−R、−S−R、−CO
−R、−O−CO−R、−CO−O−R、−NRR、−
NR−CO−R、−NR−CO−O−R、−NR−CO
−NRR、−CO−NRR、−SO2 −R、−SO−
R、−NR−SO2 −R、−NR−SO2 −O−R、−
NR−SO2 −NRR、−NR−CS−NRRまたは−
SO2 −NRRである。Rは、それぞれ独立に、水素原
子、脂肪族基、芳香族基または複素環基である。スルホ
およびカルボキシル(−CO−O−RのRが水素原子)
は、塩の状態であってもよい。
【0021】本明細書において、脂肪族基は、アルキル
基、置換アルキル基、アルケニル基、置換アルケニル
基、アルキニル基、置換アルキニル基、アラルキル基ま
たは置換アラルキル基である。アルキル基は、分岐また
は環状構造を有していてもよい。アルキル基の炭素原子
数は、1乃至18であることが好ましく、6乃至18で
あることがさらに好ましい。アルケニル基は、分岐また
は環状構造を有していてもよい。アルケニル基の炭素原
子数は、2乃至18であることが好ましく、6乃至18
であることがさらに好ましい。アルキニル基は、分岐ま
たは環状構造を有していてもよい。アルキニル基の炭素
原子数は、2乃至18であることが好ましく、6乃至1
8であることがさらに好ましい。アラルキル基のアルキ
ル部分は、上記アルキル基と同様である。アラルキル基
のアリール部分は、後述するアリール基と同様である。
置換アルキル基のアルキル部分は、上記アルキル基と同
様である。置換アルケニル基のアルケニル部分は、上記
アルケニル基と同様である。置換アルキニル基のアルキ
ニル部分は、上記アルキニル基と同様である。置換アラ
ルキル基のアルキル部分は、上記アルキル基と同様であ
る。置換アラルキル基のアリール部分は、後述するアリ
ール基と同様である。
【0022】置換アルキル基、置換アルケニル基、置換
アルキニル基および置換アラルキル基のアルキル部分の
置換基は、ハロゲン原子、シアノ、ニトロ、スルホ、芳
香族基、複素環基、−O−R、−S−R、−CO−R、
−O−CO−R、−CO−O−R、−NRR、−NR−
CO−R、−NR−CO−O−R、−NR−CO−NR
R、−CO−NRR、−SO2 −R、−SO−R、−N
R−SO2 −R、−NR−SO2 −O−R、−NR−S
2 −NRR、−NR−CS−NRRまたは−SO2
NRRである。Rは、それぞれ独立に、水素原子、脂肪
族基、芳香族基または複素環基である。スルホおよびカ
ルボキシル(−CO−O−RのRが水素原子)は、塩の
状態であってもよい。置換アラルキル基のアリール部分
の置換基は、後述する置換アリール基の置換基と同様で
ある。
【0023】本明細書において、芳香族基は、アリール
基または置換アリール基である。アリール基の炭素原子
数は、6乃至10であることが好ましい。アリール基
は、フェニルであることが特に好ましい。置換アリール
基のアリール部分は、上記アリール基と同様である。置
換アリール基の置換基は、ハロゲン原子、シアノ、ニト
ロ、スルホ、脂肪族基、芳香族基、複素環基、−O−
R、−S−R、−CO−R、−O−CO−R、−CO−
O−R、−NRR、−NR−CO−R、−NR−CO−
O−R、−NR−CO−NRR、−CO−NRR、−S
2 −R、−SO−R、−NR−SO2−R、−NR−
SO2 −O−R、−NR−SO2 −NRR、−NR−C
S−NRRまたは−SO2 −NRRである。Rは、それ
ぞれ独立に、水素原子、脂肪族基、芳香族基または複素
環基である。スルホおよびカルボキシル(−CO−O−
RのRが水素原子)は、塩の状態であってもよい。
【0024】本明細書において、複素環基は、5員また
は6員の複素環を有することが好ましい。複素環には、
他の複素環、脂肪族環または芳香族環が縮合していても
よい。複素環のヘテロ原子としては、窒素原子、酸素原
子または硫黄原子が好ましい。複素環基の例には、フリ
ル、ベンゾフリル、ピラニル、ピロリル、イミダゾリ
ル、イソオキサゾリル、ピラゾリル、ベンゾトリアゾリ
ル、ピリジル、ピリミジル、ピリダジニル、チエニル、
インドリル、キノリル、フタラジニル、キノキサリニ
ル、ピロリジニル、ピロリニル、イミダゾリジニル、イ
ミダゾリニル、ピラゾリジニル、ピペリジル、ピペラジ
ニル、インドリニルおよびモルホリニルが含まれる。複
素環基は、置換基を有していてもよい。複素環基の置換
基は、ハロゲン原子、シアノ、ニトロ、スルホ、脂肪族
基、芳香族基、複素環基、−O−R、−S−R、−CO
−R、−O−CO−R、−CO−O−R、−NRR、−
NR−CO−R、−NR−CO−O−R、−NR−CO
−NRR、−CO−NRR、−SO2−R、−SO−
R、−NR−SO2 −R、−NR−SO2 −O−R、−
NR−SO2 −NRR、−NR−CS−NRRまたは−
SO2 −NRRである。Rは、それぞれ独立に、水素原
子、脂肪族基、芳香族基または複素環基である。スルホ
およびカルボキシル(−CO−O−RのRが水素原子)
は、塩の状態であってもよい。
【0025】式(I)において、mおよびnは、それぞ
れ、0、1、2または3である。ただし、mとnの合計
は2以上である。式(I)において、L1 およびL
2 は、それぞれ独立に、二価の連結基である。二価の連
結基は、−CR4 5 −、−CR6 =CR7 −、−CR
8 =N−、−N=CR9 −、−N=N−、−NR10−、
−O−、−S−またはこれらの組み合わせであることが
好ましい。R4 、R5 、R6 、R7 、R8 、R9 および
10は、それぞれ独立に、ハロゲン原子、シアノ、ニト
ロ、スルホ、脂肪族基、芳香族基、複素環基、−O−
R、−S−R、−CO−R、−O−CO−R、−CO−
O−R、−NRR、−NR−CO−R、−NR−CO−
O−R、−NR−CO−NRR、−CO−NRR、−S
2 −R、−SO−R、−NR−SO2 −R、−NR−
SO2 −O−R、−NR−SO2 −NRR、−NR−C
S−NRRまたは−SO2 −NRRである。Rは、それ
ぞれ独立に、水素原子、脂肪族基、芳香族基または複素
環基である。スルホおよびカルボキシル(−CO−O−
RのRが水素原子)は、塩の状態であってもよい。
【0026】L1 、L2 および式(I)に示される二つ
の炭素原子が形成する環は、4員環、5員環、6員環、
7員環または8員環であることが好ましく、5員環、6
員環または7員環であることがさらに好ましく、6員環
であることが最も好ましい。L1 、L2 および式(I)
に示される二つの炭素原子が形成する環に、複素環、脂
肪族環または芳香族環が縮合していてもよい。L1 、L
2 および式(I)に示される二つの炭素原子が形成する
4員環の例には、シクロブタンジオン、シクロブテンジ
オンおよびベンゾシクロブテンジオンが含まれる。
1 、L2 および式(I)に示される二つの炭素原子が
形成する5員環の例には、シクロペンタジオン、シクロ
ペンテンジオン、シクロペンタントリオン、シクロペン
テントリオン、インダンジオン、インダントリオン、テ
トラヒドロフランジオン、テトラヒドロフラントリオ
ン、テトラヒドロピロールジオン、テトラヒドロピロー
ルトリオン、テトラヒドロチオフェンンジオンおよびテ
トラヒドロチオフェントリオンが含まれる。
【0027】L1 、L2 および式(I)に示される二つ
の炭素原子が形成する6員環の例には、ベンゾキノン、
キノメタン、キノジメタン、キノンイミン、キノンジイ
ミン、チオベンゾキノン、ジチオベンゾキノン、ナフト
キノン、アントラキノン、ジヒドロクロメントリオン、
ジヒドロピリジンジオン、ジヒドロピラジンジオン、ジ
ホドロピリミジンジオン、ジヒドロピリジンジオン、ジ
ヒドロピラジンジオン、ジヒドロピリミジンジオン、ジ
ヒドロピリダジンジオン、ジヒドロフタラジンジオン、
ジヒドロイソキノリンジオンおよびテトラヒドロキノリ
ントリオンが含まれる。L1 、L2 および式(I)に示
される二つの炭素原子が形成する7員環の例には、シク
ロヘプタンジオン、シクロヘプタントリオン、アザシク
ロヘプタントリオン、ジアザシクロヘプタントリオン、
オキソシクロヘプタントリオン、ジオソキソシクロヘプ
タントリオンおよびオキソアザシクロヘプタントリオン
が含まれる。L1 、L2 および式(I)に示される二つ
の炭素原子が形成する8員環の例には、シクロオクタン
ジオン、シクロオクタントリオン、アザシクロオクタン
トリオン、ジアザシクロオクタントリオン、オキソシク
ロオクタントリオン、ジオキソシクロオクタントリオ
ン、オキソアザシクロオクタントリオン、シクロオクテ
ンジオン、シクロオクタジエンジオンおよびジベンゾシ
クロオクテンジオンが含まれる。有機酸化剤は、下記式
(Ia)で表される化合物であることが好ましい。
【0028】
【化6】
【0029】式(Ia)において、X11およびX12は、
それぞれ独立に、酸素原子、硫黄原子、=NR15または
=CR1617である。R15、R16およびR17は、それぞ
れ独立に、水素原子または一価の基である。X11および
12は、それぞれ独立に、酸素原子または=CR1617
であることが好ましく、X11およびX12が共に、酸素原
子または=CR1617であることがさらに好ましい。式
(Ia)において、R11、R12、R13およびR14は、そ
れぞれ独立に、水素原子または一価の基であるか、ある
いは、R11とR12またはR13とR14が結合して、不飽和
脂肪族環、芳香族環または不飽和複素環を形成する。上
記一価の基は、ハロゲン原子、シアノ、ニトロ、スル
ホ、脂肪族基、芳香族基、複素環基、−O−R、−S−
R、−CO−R、−O−CO−R、−CO−O−R、−
NRR、−NR−CO−R、−NR−CO−O−R、−
NR−CO−NRR、−CO−NRR、−SO2 −R、
−SO−R、−NR−SO2 −R、−NR−SO2 −O
−R、−NR−SO2 −NRR、−NR−CS−NRR
または−SO2 −NRRである。Rは、それぞれ独立
に、水素原子、脂肪族基、芳香族基または複素環基であ
る。スルホおよびカルボキシル(−CO−O−RのRが
水素原子)は、塩の状態であってもよい。
【0030】X11またはX12が、=CR1617である場
合、R16およびR17は、それぞれ独立に、ハロゲン原
子、シアノ、−CO−R、−CO−O−Rまたは−SO
2 −Rであることが好ましい。R11、R12、R13および
14は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、シ
アノ、ニトロ、−O−R、−S−R、−CO−R、−C
O−O−R、−NRR、−NR−CO−R、−NR−C
O−O−R、−NR−CO−NRR、−CO−NRR、
−SO2 −R、−NR−SO2 −R、−NR−SO2
O−R、−NR−SO2 −NRR、−NR−CS−NR
Rまたは−SO2 −NRRであることが好ましい。
【0031】X11およびX12が、共に酸素原子である場
合、R11、R12、R13およびR14の少なくとも一つは、
電子吸引性基であることが好ましい。電子吸引性基は、
ハメットの置換基定数が、プラスとなる置換基である。
電子吸引性基の例には、ハロゲン原子、シアノ、ニト
ロ、−CO−R、−CO−O−R、−CO−NRRおよ
び−SO2 −Rでが含まれる。X11およびX12が、共に
酸素原子である場合、R11、R12、R13およびR14は、
水素原子、ハロゲン原子、シアノ、ニトロ、−S−R、
−CO−O−R、−NR−CO−R、−CO−NRRま
たは−NR−SO2 −Rであって、R11、R12、R13
よびR14の少なくとも二つは、ハロゲン原子またはシア
ノであることが好ましい。上記−S−Rは、炭素原子数
が1乃至18のアルキルチオ基であることが好ましい。
上記−CO−O−Rは、炭素原子数2乃至18のアルコ
キシカルボニル基または炭素原子数7乃至18のアリー
ルオキシカルボニル基であることが好ましい。上記−N
R−CO−Rは、炭素原子数が2乃至18のアミド基で
あることが好ましい。上記−CO−NRRは、炭素原子
数が2乃至18のアルキル置換カルバモイル基または炭
素原子数が7乃至18のアリール置換カルバモイル基で
あることが好ましい。上記−NR−SO2 −Rは、炭素
原子数が1乃至18のスルホンアミド基であることが好
ましい。有機酸化剤は、下記式(Ib)で表される化合
物であることがさらに好ましい。
【0032】
【化7】
【0033】式(Ib)において、R21、R22、R23
よびR24は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原
子、アルキル基、アルコキシ基、アシル基、アルコキシ
カルボニル基またはアリールオキシカルボニル基であ
る。R21、R22、R23およびR24は、それぞれ独立に、
水素原子、ハロゲン原子、炭素原子数が1乃至18のア
ルキル基、炭素原子数が1乃至18のアルコキシ基、炭
素原子数が2乃至18のアルコキシカルボニル基または
炭素原子数が7乃至18のアリールオキシカルボニル基
であることが好ましく、水素原子、フッ素原子、塩素原
子、臭素原子、メチル、エチル、メトキシカルボニルま
たはエトキシカルボニルであることがさらに好ましい。
以下に、式(I)で表される有機酸化剤の具体例を示
す。
【0034】
【化8】
【0035】 (I−1)R1 :−CN、R2 :−CN、R3 :−C
N、R4 :−CN (I−2)R1 :−CN、R2 :−CO−O−C
4 9 、R3 :−CN、R4 :−CO−O−C4 9 (I−3)R1 :−CO−O−C2 5 、R2 :−CO
−O−C2 5 、R3 :−CO−O−C2 5 、R4
−CO−O−C2 5 (I−4)R1 :−Cl、R2 :−Cl、R3 :−C
l、R4 :−Cl (I−5)R1 :−CO−CH3 、R2 :−CO−CH
3 、R3 :−CO−CH3 、R4 :−CO−CH3
【0036】
【化9】
【0037】 (I−6)R1 :−F、R2 :−F、R3 :−F、
4 :−F (I−7)R1 :−CN、R2 :−H、R3 :−CN、
4 :−H (I−8)R1 :−(CH2 3 −C(CH3 3 、R
2 :−H、R3 :−(CH2 3 −C(CH3 3 、R
4 :−H (I−9)R1 :−CO−O−C1123、R2 :−H、
3 :−CO−O−C1123、R4 :−H (I−10)R1 :−CH3 、R2 :−H、R3 :−CH
3 、R4 :−H (I−11)R1 :−C1225、R2 :−H、R3 :−
H、R4 :−H
【0038】
【化10】
【0039】 (I−12)R1 :−Cl、R2 :−Cl、R3 :−C
l、R4 :−Cl (I−13)R1 :−CN、R2 :−H、R3 :−CN、
4 :−H
【0040】
【化11】
【0041】 (I−14)X1 :=S、X2 :=S (I−15)X1 :=N−C8 17、X2 :=N−C8
17 (I−16)X1 :=S、X2 :=O (I−17)X1 :=CCl2 、X2 :=C(CN)2 (I−18)X1 :=O、X2 :=N−C8 17 (I−19)X1 :=N−SO2 −Ph、X2 :=N−S
2 −Ph 註:Phは、フェニル
【0042】
【化12】
【0043】
【化13】
【0044】 (I−21)R1 :−Cl、R2 :−Cl、R3 :−C
l、R4 :−Cl (I−22)R1 :−Cl、R2 :−NH−CO−C5
11、R3 :−Cl、R4 :−NH−CO−C5 11 (I−23)R1 :−Cl、R2 :−CO−O−C
1021、R3 :−Cl、R4 :−CO−O−C1021 (I−24)R1 :−Cl、R2 :−Cl、R3 :−C
N、R4 :−CN
【0045】
【化14】
【0046】
【化15】
【0047】 (I−28)R1 :−O−CH3 、R2 :−H (I−29)R1 :−O−CH3 、R2 :−O−CH3 (I−30)R1 :−O−C2 5 、R2 :−O−C2
5 (I−31)R1 :−CH2 −Ph、R2 :−H (I−32)R1 :−CH3 、R2 :−Br (I−33)R1 :−Cl、R2 :−Cl (I−34)R1 :−CH3 、R2 :−H (I−35)R1 :−O−CH3 、R2 :−CH3 註:Phは、フェニル
【0048】式(I)で表される有機酸化剤は、一般的
な合成方法(例えば、J. Chem. Soc. Perkin Trans. 1,
611(1992)およびSynthesis, 546(1971)記載)を参照し
て合成することができる。式(I)で表される有機酸化
剤の還元電位(Ered)は、−1.0Vよりも高いこ
とが好ましく、−0.5Vよりも高いことがより好まし
く、−0.2Vよりも高いことがさらに好ましく、0V
よりも高いことが最も好ましい。還元電位(Ered)
の値は、有機酸化剤がボルタメントリーにおいて、陰極
で電子注入を受けて還元される電位を意味する。還元電
位(Ered)の値は、ボルタメントリーにより正確に
測定することができる。ボルタメントリーでは、支持電
解質として、テトラエチルアンモニウム過塩素酸塩0.
1Mを含むアセトニトリルを用いる。そして、有機酸化
剤1×10-3Mのボルタグラムを測定する。還元電位
(Ered)は、測定される半波電位として求める。作
用電極には白金を、比較電極には飽和カルメル電極(S
CE)を、それぞれ使用し、測定は25℃で行う。式
(I)で表される有機酸化剤の使用量は、染料の使用量
の0.5乃至200重量%であることが好ましく、1乃
至100重量%であることがより好ましく、2乃至50
重量%であることがさらに好ましく、5乃至20重量%
であることが最も好ましい。
【0049】フィルター層には、可視光吸収染料または
赤外線吸収染料を用いることが好ましい。可視光吸収染
料の例には、アリーリデン染料(米国特許354088
7号、同379533号の各明細書および特開昭60−
64346号公報記載)、オキソノール染料(米国特許
2274782号明細書および特公昭41−18459
号明細書記載)、シアニン染料(米国特許314095
1号明細書記載)、メロシアニン染料(特開昭55−1
61232号公報記載)、アントラキノン染料(米国特
許348819号明細書および特開昭48−5425号
公報記載)、トリフェニルメタン染料(特開昭59−2
28250号公報記載)、キサンテン染料(特開平5−
117536号公報記載)、アゾメチン染料(特公平3
−67115号公報記載)およびアゾ染料(英国特許5
39703号明細書記載)が含まれる。
【0050】赤外線吸収染料の例には、スクアリウム染
料(米国特許5380635号明細書記載)、シアニ
ン、ピリリウムまたはジイモニウム染料(特開平3−2
11542号、同3−138640号の各公報記載)、
ピラゾロピリドン染料(特開平2−282244号公報
記載)、シアニン染料(特開昭62−123454号、
特開平3−226736号、同6−43583号の各公
報および欧州特許430244A号、米国特許5853
969号の各明細書記載)、インドアニリン染料(特開
平5−323500号、同5−323501号の各公報
記載)、ポリメチン染料(特開平3−26765号、同
4−190343号の各公報および欧州特許37796
1B号明細書記載)、オキソノール染料(特開平3−9
346号公報記載)、アントラキノン染料(特開平4−
13654号公報記載)、ナフタロシアニン染料(米国
特許5009989号明細書記載)およびナフトラクタ
ム染料(欧州特許568267号明細書記載)が含まれ
る。メチン染料(シアニン染料、オキソノール染料、ア
リーリデン染料、トリフェニルメタン染料、キサンテン
染料)を用いることが好ましく、シアニン染料を用いる
ことがさらに好ましい。。シアニン染料は、下記式(I
I)で表される化合物であることが好ましい。
【0051】
【化16】
【0052】式(II)において、Z1 およびZ2 は、そ
れぞれ独立に、5員または6員の含窒素複素環を形成す
る非金属原子群である。含窒素複素環には、他の複素
環、芳香族環または脂肪族環が縮合していてもよい。含
窒素複素環およびその縮合環の例には、オキサゾール
環、イソオキサゾール環、ベンゾオキサゾール環、ナフ
トオキサゾール環、チアゾール環、ベンゾチアゾール
環、ナフトチアゾール環、インドレニン環、ベンゾイン
ドレニン環、イミダゾール環、ベンゾイミダゾール環、
ナフトイミダゾール環、キノリン環、ピリジン環、ピロ
ロピリジン環、フロピロール環、インドリジン環、イミ
ダゾキノキサリン環およびキノキサリン環が含まれる。
含窒素複素環は、6員環よりも5員環の方が好ましい。
5員の含窒素複素環に、ベンゼン環またはナフタレン環
が縮合していることがさらに好ましい。ベンゾイミダゾ
ール環が最も好ましい。含窒素複素環およびそれに縮合
している環は、置換基を有していてもよい。置換基の例
には、アルキル基、シクロアルキル基、アラルキル基、
アルコキシ基、アリール基、アリールオキシ基、ハロゲ
ン原子(Cl、Br、F)、アルコキシカルボニル基、
アルキルチオ基、アリールチオ基、アシル基、アシルオ
キシ基、アミノ、置換アミノ基、アミド基、スルホンア
ミド基、ウレイド、置換ウレイド基、カルバモイル、置
換カルバモイル基、スルファモイル、置換スルファモイ
ル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、
ヒドロキシル、シアノ、ニトロ、スルホ、カルボキシル
およびヘテロ環基が含まれる。スルホとカルボキシルは
塩の状態であってもよい。
【0053】アルキル基は、分岐を有していてもよい。
アルキル基の炭素原子数は、1乃至20であることが好
ましい。アルキル基は、置換基を有していてもよい。置
換基の例には、ハロゲン原子(Cl、Br、F)、アル
コキシ基(例、メトキシ、エトキシ)、ヒドロキシルお
よびシアノが含まれる。(置換アルキル基を含む)アル
キル基の例には、メチル、エチル、プロピル、t−ブチ
ル、ヒドロキシエチル、メトキシエチル、シアノエチル
およびトリフルオロメチルが含まれる。シクロアルキル
基の例には、シクロペンチルおよびシクロヘキシルが含
まれる。アラルキル基の炭素原子数は、7乃至20であ
ることが好ましい。アラルキル基の例には、ベンジルお
よび2−フェネチルが含まれる。アルコキシ基は、分岐
を有していてもよい。アルコキシ基の炭素原子数は、1
乃至12であることが好ましい。アルコキシ基は、置換
基を有していてもよい。アルコキシ基の置換基の例に
は、アルコキシ基およびヒドロキシルが含まれる。(置
換アルコキシ基を含む)アルコキシ基の例には、メトキ
シ、エトキシ、メトキシエトキシおよびヒドロキシエト
キシが含まれる。アリール基は、フェニルであることが
好ましい。アリール基は、置換基を有していてもよい。
置換基の例には、アルキル基、アルコキシ基、ハロゲン
原子およびニトロが含まれる。置換アリール基の例に
は、p−トリル、p−メトキシフェニル、o−クロロフ
ェニルおよびm−ニトロフェニルが含まれる。アリール
オキシ基は、フェノキシであることが好ましい。アリー
ルオキシ基は、置換基を有していてもよい。置換基の例
には、アルキル基、アルコキシ基およびハロゲン原子が
含まれる。置換アリールオキシ基の例には、p−クロロ
フェノキシ、p−メチルフェノキシおよびo−メトキシ
フェニルが含まれる。アルコキシカルボニル基の炭素原
子数は、2乃至20であることが好ましい。アルコキシ
カルボニル基の例には、メトキシカルボニルおよびエト
キシカルボニルが含まれる。
【0054】アルキルチオ基の炭素原子数は、1乃至1
2であることが好ましい。アルキルチオ基の例には、メ
チルチオ、エチルチオおよびブチルチオが含まれる。ア
リールチオ基は、フェニルチオであることが好ましい。
アリールチオ基は、置換基を有していてもよい。置換基
の例には、アルキル基、アルコキシ基およびカルボキシ
ルが含まれる。置換アリールチオ基の例には、p−メチ
ルフェニルチオ、p−メトキシフェニルチオおよびo−
カルボキシフェニルチオが含まれる。アシル基の炭素原
子数は、2乃至20であることが好ましい。アシル基の
例には、アセチルおよびブチロイルが含まれる。アシル
オキシ基の炭素原子数は、2乃至20であることが好ま
しい。アシルオキシ基の例には、アセトキシおよびブチ
リルオキシが含まれる。置換アミノ基の炭素原子数は、
1乃至20であることが好ましい。置換アミノ基の例に
は、メチルアミノ、アニリノおよびトリアジニルアミノ
が含まれる。アミド基の炭素原子数は、2乃至20であ
ることが好ましい。アミド基の例には、アセトアミド、
プロピオンアミドおよびイソブタンアミドが含まれる。
スルホンアミド基の炭素原子数は、1乃至20であるこ
とが好ましい。スルホンアミド基の例には、メタンスル
ホンアミドおよびベンゼンスルホンアミドが含まれる。
置換ウレイド基の炭素原子数は、2乃至20であること
が好ましい。置換ウレイド基の例には、3−メチルウレ
イドおよび3,3−ジメチルウレイドが含まれる。置換
カルバモイル基の炭素原子数は、2乃至20であること
が好ましい。置換カルバモイル基の例には、メチルカル
バモイルおよびジメチルカルバモイルが含まれる。置換
スルファモイル基の炭素原子数は、1乃至20であるこ
とが好ましい。置換スルファモイル基の例には、ジメチ
ルスルファモイルおよびジエチルスルファモイルが含ま
れる。アルキルスルホニル基の炭素原子数は、1乃至2
0であることが好ましい。アルキルスルホニル基の例に
は、メタンスルホニルが含まれる。アリールスルホニル
基は、ベンゼンスルホニルであることが好ましい。ヘテ
ロ環基の例には、ピリジルおよびチエニルが含まれる。
【0055】式(II)において、R1 およびR2 は、そ
れぞれ独立に、アルキル基、アルケニル基、アラルキル
基またはアリール基である。アルキル基が好ましい。ア
ルキル基は、分岐を有していてもよい。アルキル基の炭
素原子数は、1乃至20であることが好ましい。アルキ
ル基は置換基を有していてもよい。置換基の例には、ハ
ロゲン原子(Cl、Br、F)、アルコキシカルボニル
基(例、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル)、
ヒドロキシル、スルホおよびカルボキシルが含まれる。
スルホとカルボキシルは塩の状態であってもよい。アル
ケニル基は、分岐を有していてもよい。アルケニル基の
炭素原子数は、2乃至10であることが好ましい。アル
ケニル基の例には、2−ペンテニル、ビニル、アリル、
2−ブテニルおよび1−プロペニルが含まれる。アルケ
ニル基は置換基を有していてもよい。アルケニル基の置
換基の例は、アルキル基の置換基の例と同様である。ア
ラルキル基の炭素原子数は、7乃至12であることが好
ましい。アラルキル基の例には、ベンジルおよびフェネ
チルが含まれる。アラルキル基は置換基を有していても
よい。置換基の例には、アルキル基(例、メチル、エチ
ル、プロピル)、アルコキシ基(例、メトキシ、エトキ
シ)、アリールオキシ基(例、フェノキシ、p−クロロ
フェノキシ)、ハロゲン原子(Cl、Br、F)、アル
コキシカルボニル基(例、エトキシカルボニル)、ハロ
ゲン化炭素基(例、トリフルオロメチル)、アルキルチ
オ基(例、メチルチオ、エチルチオ、ブチルチオ)、ア
リールチオ基(フェニルチオ、o−カルボキシルフェニ
ルチオ)、シアノ、ニトロ、アミノ、アルキルアミノ基
(例、メチルアミノ、エチルアミノ)、アミド基(例、
アセトアミド、プロピオンアミド)、アシルオキシ基
(例、アセトキシ、ブチリルオキシ)、ヒドロキシル、
スルホおよびカルボキシルが含まれる。スルホとカルボ
キシルは塩の状態であってもよい。アリール基の例に
は、フェニルおよびナフチルが含まれる。アリール基
は、置換基を有していてもよい。アリール基の置換基の
例は、アラルキル基の置換基の例と同様である。
【0056】式(II)において、L1 は、奇数個のメチ
ンからなるメチン鎖である。メチンの数は、3、5また
は7個であることが好ましい。メチン鎖は、置換基を有
していてもよい。置換基を有するメチンは、メチン鎖の
中央(メソ位)のメチンであることが好ましい。置換基
の例には、アルキル基、アルコキシ基、アリールオキシ
基、ハロゲン原子、アルコキシカルボニル基、ハロゲン
化炭素基、アルキルチオ基、アリールチオ基、シアノ、
ニトロ、アミノ、アルキルアミノ基、アミド基、アシル
オキシ基、ヒドロキシル、スルホおよびカルボキシルが
含まれる。二つの置換基が結合して、5員環または6員
環を形成してもよい。式(II)において、、a、bおよ
びcは、それぞれ独立に、0または1である。aおよび
bは、0である方が好ましい。cは、シアニン染料がス
ルホやカルボキシルのようなアニオン性置換基を有して
分子内塩を形成する場合は、0である。式(II)におい
て、Xはアニオンである。アニオンの例には、ハライド
イオン(Cl- 、Br- 、I- )、p−トルエンスルホ
ン酸イオン、エチル硫酸イオン、PF6 -、BF4 -および
ClO4 -が含まれる。
【0057】以下に、フィルター層に好ましく用いられ
る染料の具体例を示す。
【0058】
【化17】
【0059】 (1)R1 :−H、R2 :−CH3 、R3 :−H、n:
0 (2)R1 :−H、R2 :−C4 9 、R3 :−Cl、
n:3 (3)R1 :−CH3 、R2 :−C2 5 、R3 :−C
l、n:2 (4)R1 :−H、R2 :−C6 13、R3 :−S−P
h、n:3 (5)R1 :−CH3 、R2 :−C5 11、R3 :−S
2 −CH3 、n:2 (6)R1 :−H、R2 :−C4 9 、R3 :−N(P
h)2 、n:2 (7)R1 :−CO−O−C2 5 、R2 :−C
2 5 、R3 :−O−Ph、n:3 (8)R1 :−COOH、R2 :−CH3 、R3 :−N
(Ph)2 、n:2 註:Phは、フェニル
【0060】
【化18】
【0061】
【化19】
【0062】
【化20】
【0063】
【化21】
【0064】 (12)R1 :−CH3 、R2 :−N(Ph)2 、n:
2 (13)R1 :−C4 9 、R2 :−N(Ph)2
n:2 (14)R1 :−C4 9 、R2 :−S−Ph、n:3 (15)R1 :−C4 9 、R2 :−Cl、n:3 (16)R1 :−C6 13、R2 :−SO2 −CH3
n:3 註:Phは、フェニル
【0065】
【化22】
【0066】
【化23】
【0067】
【化24】
【0068】 (19)R1 :−CH3 、R2 :−C1123 (20)R1 :−C5 11、R2 :−C5 11 (21)R1 :−CH2 −O−CO−C5 11、R2
−CH2 −O−CO−C5 11
【0069】
【化25】
【0070】
【化26】
【0071】
【化27】
【0072】
【化28】
【0073】
【化29】
【0074】
【化30】
【0075】
【化31】
【0076】
【化32】
【0077】シアニン染料の合成については、米国特許
5853969号明細書および特開平4−190344
号、同6−145539号の各公報の記載を参照でき
る。その他の染料の合成については、J. Org. Chem. 19
92, 57, 3278、欧州特許412379A1号明細書およ
び特開昭63−145281号、特開平1−13444
7号、同4−178646号、同5−14902号の各
公報の記載を参照できる。染料は、溶媒(水または有機
溶媒)中に溶解または乳化して使用する。染料を会合状
態で用いてもよい。二種類以上の染料を混合して用いて
もよい。
【0078】フィルター層は、さらにポリマーバインダ
ーを含む。天然ポリマー(例、ゼラチン、セルロース誘
導体、アルギン酸)または合成ポリマー(例、ポリメチ
ルメタクリレート、ポリビニルブチラール、ポリビニル
ピロリドン、ポリビニルアルコール、ポリ塩化ビニル、
スチレン−ブタジエンコポリマー、ポリスチレン、ポリ
カーボネート、水溶性ポリアミド)をポリマーバインダ
ーとして用いることができる。親水性ポリマー(上記天
然ポリマー、ポリビニルブチラール、ポリビニルピロリ
ドン、ポリビニルアルコール、水溶性ポリアミド)が好
ましく、ゼラチンが特に好ましい。
【0079】フイルター層に、その他の褪色防止剤を添
加してもよい。染料の安定化剤として機能する褪色防止
剤の例には、ハイドロキノン誘導体(米国特許3935
016号、同3982944号の各明細書記載)、ハイ
ドロキノンジエーテル誘導体(米国特許4254216
号明細書および特開昭55−21004号公報記載)、
フェノール誘導体(特開昭54−145530号公報記
載)、スピロインダンまたはメチレンジオキシベンゼン
の誘導体(英国特許公開2077455号、同2062
888号の各明細書および特開昭61−90155号公
報記載)、クロマン、スピロクロマンまたはクマランの
誘導体(米国特許3432300号、同3573050
号、同3574627号、同3764337号の各明細
書および特開昭52−152225号、同53−203
27号、同53−17729号、同61−90156号
の各公報記載)、ハイドロキノンモノエーテルまたはパ
ラアミノフェノールの誘導体(英国特許1347556
号、同2066975号の各明細書および特公昭54−
12337号、特開昭55−6321号の各公報記載)
およびビスフェノール誘導体(米国特許3700455
号明細書および特公昭48−31625号公報記載)が
含まれる。
【0080】光あるいは熱に対する色素の安定性を向上
させるため、金属錯体(米国特許4245018号明細
書および特開昭60−97353号公報記載)を褪色防
止剤として用いてもよい。さらに色素の耐光性を改良す
るために、一重項酸素クエンチャーを褪色防止剤として
用いてもよい。一重項酸素クエンチャーの例には、ニト
ロソ化合物(特開平2−300288号公報記載)、ジ
インモニウム化合物(米国特許465612号明細書記
載)、ニッケル錯体(特開平4−146189号公報記
載)および酸化防止剤(欧州特許公開820057A1
号明細書記載)が含まれる。
【0081】(下塗り層)透明支持体とフィルター層と
の間に、下塗り層を設けることが好ましい。下塗り層
は、ガラス転移温度が25℃以下のポリマーを含む層、
フィルター層側の表面が粗面である層またはフィルター
層のポリマーと親和性を有するポリマーを含む層として
形成する。なお、フィルター層が設けられていない透明
支持体の面に下塗り層を設けて、透明支持体とその上に
設けられる層(例えば、反射防止層、ハードコート層)
との接着力を改善してもよい。また、下塗り層は、反射
防止膜と画像形成装置とを接着するための接着剤と反射
防止膜との親和性を改善するために設けてもよい。下塗
り層の厚みは、20nm乃至1000nmが好ましく、
80nm乃至300nmがより好ましい。
【0082】ガラス転移温度が25℃以下のポリマーを
含む下塗り層は、ポリマーの粘着性で、透明支持体とフ
ィルター層とを接着する。ガラス転移温度が25℃以下
のポリマーは、塩化ビニル、塩化ビニリデン、酢酸ビニ
ル、ブタジエン、ネオプレン、スチレン、クロロプレ
ン、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、アク
リロニトリルまたはメチルビニルエーテルの重合または
共重合により得ることができる。ガラス転移温度は、2
0℃以下であることが好ましく、15℃以下であること
がより好ましく、10℃以下であることがさらに好まし
く、5℃以下であることがさらにまた好ましく、0℃以
下であることが最も好ましい。表面が粗面である下塗り
層は、粗面の上にフィルター層を形成することで、透明
支持体とフィルター層とを接着する。表面が粗面である
下塗り層は、ポリマーラテックスの塗布により容易に形
成することができる。ラテックスの平均粒径は、0.0
2乃至3μmであることが好ましく、0.05乃至1μ
mであることがさらに好ましい。フィルター層のバイン
ダーポリマーと親和性を有するポリマーの例には、アク
リル樹脂、セルロース誘導体、ゼラチン、カゼイン、で
んぷん、ポリビニルアルコール、可溶性ナイロンおよび
高分子ラテックスが含まれる。二以上の下塗り層を設け
てもよい。下塗り層には、透明支持体を膨潤させる溶
剤、マット剤、界面活性剤、帯電防止剤、塗布助剤や硬
膜剤を添加してもよい。
【0083】(反射防止層)反射防止層を設ける場合
は、低屈折率層が必須である。低屈折率層の屈折率は、
上記透明支持体の屈折率よりも低い。低屈折率層の屈折
率は、1.20乃至1.55であることが好ましく、
1.30乃至1.55であることがさらに好ましい。低
屈折率層の厚さは、50乃至400nmであることが好
ましく、50乃至200nmであることがさらに好まし
い。低屈折率層は、屈折率の低い含フッ素ポリマーから
なる層(特開昭57−34526号、特開平3−130
103号、同6−115023号、同8−313702
号、同7−168004号の各公報記載)、ゾルゲル法
により得られる層(特開平5−208811号、同6−
299091号、同7−168003号の各公報記
載)、あるいは微粒子含む層(特公昭60−59250
号、特開平5−13021号、同6−56478号、同
7−92306号、同9−288201号の各公報に記
載)として形成することができる。微粒子を含む層で
は、微粒子間または微粒子内のミクロボイドとして、低
屈折率層に空隙を形成することができる。微粒子を含む
層は、3乃至50体積%の空隙率を有することが好まし
く、5乃至35体積%の空隙率を有することがさらに好
ましい。
【0084】広い波長領域の反射を防止するためには、
低屈折率層に加えて、屈折率の高い層(中・高屈折率
層)を積層することが好ましい。高屈折率層の屈折率
は、1.65乃至2.40であることが好ましく、1.
70乃至2.20であることがさらに好ましい。中屈折
率層の屈折率は、低屈折率層の屈折率と高屈折率層の屈
折率との中間の値となるように調整する。中屈折率層の
屈折率は、1.55乃至1.70であることが好まし
い。中・高屈折率層の厚さは、5nm乃至100μmで
あることが好ましく、10nm乃至10μmであること
がさらに好ましく、30nm乃至1μmであることが最
も好ましい。中・高屈折率層のヘイズは、5%以下であ
ることが好ましく、3%以下であることがさらに好まし
く、1%以下であることが最も好ましい。中・高屈折率
層は、比較的高い屈折率を有するポリマーバインダーを
用いて形成することができる。屈折率が高いポリマーの
例には、ポリスチレン、スチレン共重合体、ポリカーボ
ネート、メラミン樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂
および環状(脂環式または芳香族)イソシアネートとポ
リオールとの反応で得られるポリウレタンが含まれる。
その他の環状(芳香族、複素環式、脂環式)基を有する
ポリマーや、フッ素以外のハロゲン原子を置換基として
有するポリマーも、屈折率が高い。二重結合を導入して
ラジカル硬化を可能にしたモノマーの重合反応によりポ
リマーを形成してもよい。
【0085】さらに高い屈折率を得るため、ポリマーバ
インダー中に無機微粒子を分散してもよい。無機微粒子
の屈折率は、1.80乃至2.80であることが好まし
い。無機微粒子は、金属の酸化物または硫化物から形成
することが好ましい。金属の酸化物または硫化物の例に
は、二酸化チタン(例、ルチル、ルチル/アナターゼの
混晶、アナターゼ、アモルファス構造)、酸化錫、酸化
インジウム、酸化亜鉛、酸化ジルコニウムおよび硫化亜
鉛が含まれる。酸化チタン、酸化錫および酸化インジウ
ムが特に好ましい。無機微粒子は、これらの金属の酸化
物または硫化物を主成分とし、さらに他の元素を含むこ
とができる。主成分とは、粒子を構成する成分の中で最
も含有量(重量%)が多い成分を意味する。他の元素の
例には、Ti、Zr、Sn、Sb、Cu、Fe、Mn、
Pb、Cd、As、Cr、Hg、Zn、Al、Mg、S
i、PおよびSが含まれる。被膜形成性で溶剤に分散し
得るか、それ自身が液状である無機材料、例えば、各種
元素のアルコキシド、有機酸の塩、配位性化合物と結合
した配位化合物(例、キレート化合物)、活性無機ポリ
マーを用いて、中・高屈折率層を形成することもでき
る。
【0086】反射防止層は、表面をアンチグレア機能
(入射光を表面で散乱させて、膜周囲の景色が膜表面に
移るのを防止する機能)を付与することができる。例え
ば、透明フィルムの表面に微細な凹凸を形成し、そして
その表面に反射防止層を形成するか、あるいは反射防止
層を形成後、エンボスロールにより表面に凹凸を形成す
ることにより、アンチグレア機能を得ることができる。
アンチグレア機能を有する反射防止層は、一般に3乃至
30%のヘイズを有する。
【0087】(その他の層)光学フィルターには、ハー
ドコート層、潤滑層、帯電防止層あるいは中間層を設け
ることもできる。ハードコート層は、架橋しているポリ
マーを含むことが好ましい。ハードコート層は、アクリ
ル系、ウレタン系、エポキシ系のポリマー、オリゴマー
またはモノマー(例、紫外線硬化型樹脂)を用いて形成
することができる。シリカ系材料からハードコート層を
形成することもできる。光学フィルターの最表面に潤滑
層を形成してもよい。潤滑層は、反射防止膜表面に滑り
性を付与し、耐傷性を改善する機能を有する。潤滑層
は、ポリオルガノシロキサン(例、シリコンオイル)、
天然ワックス、石油ワックス、高級脂肪酸金属塩、フッ
素系潤滑剤またはその誘導体を用いて形成することがで
きる。潤滑層の厚さは、2乃至20nmであることが好
ましい。
【0088】反射防止層(中屈折率層、高屈折率層、低
屈折率層)、フィルター層、下塗り層、ハードコート
層、潤滑層、その他の層は、一般的な塗布方法により形
成することができる。塗布方法の例には、ディップコー
ト法、エアーナイフコート法、カーテンコート法、ロー
ラーコート法、ワイヤーバーコート法、グラビアコート
法およびホッパーを使用するエクストルージョンコート
法(米国特許2681294号明細書記載)が含まれ
る。二以上の層を同時塗布により形成してもよい。同時
塗布法については、米国特許2761791号、同29
41898号、同3508947号、同3526528
号の各明細書および原崎勇次著「コーティング工学」2
53頁(1973年朝倉書店発行)に記載がある。
【0089】(光学フィルターの用途)光学フィルター
は、液晶表示装置(LCD)、プラズマディスプレイパ
ネル(PDP)、エレクトロルミネッセンスディスプレ
イ(ELD)や陰極管表示装置(CRT)のような画像
表示装置に適用する。反射防止層を設ける場合は、低屈
折率層が設けられていない側の面が画像表示装置の画像
表示面と対向するように配置する。本発明の光学フィル
ターは、プラズマディスプレイパネル(PDP)の反射
防止フィルターとして使用すると、特に顕著な効果が得
られる。プラズマディスプレイパネル(PDP)は、ガ
ス、ガラス基板、電極、電極リード材料、厚膜印刷材料
および蛍光体により構成される。ガラス基板は、前面ガ
ラス基板と後面ガラス基板の二枚である。二枚のガラス
基板には電極と絶縁層を形成する。後面ガラス基板に
は、さらに蛍光体層を形成する。二枚のガラス基板を組
み立てて、その間にガスを封入する。プラズマディスプ
レイパネル(PDP)は、既に市販されている。プラズ
マディスプレイパネルについては、特開平5−2056
43号、同9−306366号の各公報に記載がある。
【0090】
【実施例】[実施例1] (下塗り層の形成)厚さ125μmの透明なポリエチレ
ンテレフタレートフイルムの両面をコロナ処理した後、
片面にスチレンーブタジエンコポリマーからなるラテッ
クスを厚さ140nmとなるよう塗布し、下塗り層を形
成した。
【0091】(第2下塗り層の形成)下塗り層の上に、
酢酸とグルタルアルデヒドを含むゼラチン水溶液を、厚
さ40nmとなるよう塗布し、第2下塗り層を形成し
た。
【0092】(低屈折率層の形成)反応性フッ素ポリマ
ー(JN−7219、日本合成ゴム(株)製)2.50
gにt−ブタノール1.3gを加え、室温で10分間撹
拌し、孔径1μmのポリプロピレンフィルターで濾過し
た。得られた低屈折率層用塗布液を、透明支持体の下塗
り面とは反対側の面に、バーコーターを用いて乾燥膜厚
が110nmとなるように塗布し、120℃で30分間
乾燥して硬化させ低屈折率層を形成した。
【0093】(フイルター層の形成)ポリビニルブチラ
ール(PVB−3000K、電気化学工業(株)製)
3.0gをクロロホルム80gに溶解した。得られた溶
液に、有機酸化剤(I−30)12mgおよび染料(1
3)120mgを添加した。混合物を30分間攪拌した
後、孔径1μmのポリプロピレンフィルターで濾過し、
フィルター層塗布液を調製した。フィルター層用塗布液
を、第2下塗り層の上に、乾燥膜厚が0.4μmとなる
ように塗布し、120℃で3分間乾燥してフィルター層
を形成し、光学フィルターを作製した。
【0094】[実施例2]有機酸化剤(I−30)に代
えて、有機酸化剤(I−8)を同量用いた以外は、実施
例1と同様にして光学フィルターを作製した。
【0095】[実施例3]染料(13)に代えて、染料
(4)を同量用いた以外は、実施例1と同様にして光学
フィルターを作製した。
【0096】[実施例4]染料(13)に代えて、染料
(5)を同量用いた以外は、実施例1と同様にして光学
フィルターを作製した。
【0097】[実施例5]染料(13)に代えて、染料
(26)を同量用いた以外は、実施例1と同様にして光
学フィルターを作製した。
【0098】[実施例6]染料(13)に加えて、さら
に染料(26)を同量用いた以外は、実施例1と同様に
して光学フィルターを作製した。
【0099】[比較例1]有機酸化剤(I−30)を添
加しなかった以外は、実施例1と同様にして光学フィル
ターを作製した。
【0100】[比較例2]有機酸化剤(I−30)を添
加しなかった以外は、実施例3と同様にして光学フィル
ターを作製した。
【0101】[比較例3]有機酸化剤(I−30)を添
加しなかった以外は、実施例4と同様にして光学フィル
ターを作製した。
【0102】[比較例4]有機酸化剤(I−30)を添
加しなかった以外は、実施例5と同様にして光学フィル
ターを作製した。
【0103】(耐光性試験)実施例1〜5および比較例
1〜4で作製した光学フィルターに、キセノンランプで
照度が10万ルクスになるように、フィルター層とは反
対側の面から光を照射し、50時間照射後の染料の残存
量を測定した。残存量は、下記式に従い計算した。 残存量=100×(100−照射後の透過率)/(10
0−照射前の透過率) 上記透過率は、染料の吸収極大波長で測定した値であ
る。結果を第1表に示す。
【0104】
【表1】第1表 ──────────────────────────────────── 試料 有機酸化剤 染料 染料残存量(耐光性) ──────────────────────────────────── 実施例1(I−30) (13) 91% 実施例2(I−8) (13) 89% 実施例3(I−30) (4) 90% 実施例4(I−30) (5) 87% 実施例5(I−30) (26) 97% 実施例6(I−30) (13)+(26) (13)90%、(26)95% 比較例1 なし (13) 70% 比較例2 なし (4) 67% 比較例3 なし (5) 65% 比較例4 なし (26) 88% ────────────────────────────────────
【0105】染料(13)、(4)および(5)は、赤
外線吸収染料である。これらの染料を用いた実施例1〜
4および6の光学フィルターをプラズマディスプレイパ
ネルの表面に取り付けた。このパネルに対向して設置し
たテレビのリモコンは、誤作動が全く認められなかっ
た。また、染料(26)は、580nm(三原色蛍光体
からの発光の余分な光の波長に相当)に吸収極大波長を
有する。これらの染料を用いた実施例5および6の光学
フィルターをプラズマディスプレイパネルの表面に取り
付けた。これにより、プラズマディスプレイパネルが表
示する画像は、充分に色補正された。
【0106】[実施例7] (下塗り層の形成)実施例1と同様に、透明支持体の片
面に下塗り層(a)および第2下塗り層(a)を形成し
た。透明支持体の下塗り層が設けられていない側の面
に、塩化ビニリデン−アクリル酸−メチルアクリレート
コポリマーからなるラテックスを厚さ120nmとなる
よう塗布し、下塗り層(b)を形成した。
【0107】(第2下塗り層の形成)下塗り層(b)の
上に、アクリル系ラテックス(HA16、日本アクリル
(株)製)を厚さ50nmとなるよう塗布し、第2下塗
り層(b)を形成した。
【0108】(フイルター層の形成)第2下塗り層
(b)の上に、実施例1と同様にフィルター層を形成し
た。
【0109】(低屈折率層の形成)フィルター層の上
に、実施例1と同様に、低屈折率層用塗布液を用いて低
屈折率層を形成し、光学フィルターを作製した。作製し
た光学フィルターについて、吸収極大、吸収極大におけ
る透過率と半値幅を測定したところ、実施例1で作製し
た光学フィルターと同じ結果が得られた。
【図面の簡単な説明】
【図1】フィルター層を反射防止層とは透明支持体の反
対の側に設けた反射防止膜の層構成を示す断面模式図で
ある。
【図2】フィルター層と反射防止層とを透明支持体の同
じ側に設けた反射防止膜の層構成を示す断面模式図であ
る。 1 透明支持体 2 フィルター層 3 低屈折率層 4 ハードコート層 5 高屈折率層 6 中屈折率層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2H048 CA04 CA12 CA14 CA19 CA24 2H091 FA01X FA37X FB02 FB12 FC05 FD06 FD24 KA01 LA03 LA04 2K009 AA02 BB24 CC26 DD02 DD17 4H056 CA01 CA03 CA05 CB01 CC02 CC08 CE01 CE03 CE06 CE07 DD01 DD03 DD06 FA01 FA05

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 透明支持体上に染料およびポリマーバイ
    ンダーを含むフィルター層を有する光学フィルターであ
    って、フィルター層がさらに下記式(I)で表される有
    機酸化剤を含むことを特徴とする光学フィルター。 【化1】 式中、X1 およびX2 は、それぞれ独立に、酸素原子、
    硫黄原子、=NR1 または=CR2 3 であって、
    1 、R2 およびR3 は、それぞれ独立に、水素原子ま
    たは一価の基であり;mおよびnは、それぞれ、0、
    1、2または3であって、mとnの合計は2以上であ
    り;そして、L1 およびL2 は、それぞれ独立に、二価
    の連結基である。
  2. 【請求項2】 染料がメチン染料である請求項1に記載
    の光学フィルター。
  3. 【請求項3】 染料およびポリマーバインダーを含むフ
    ィルター層、透明支持体、および透明支持体の屈折率よ
    りも低い屈折率を有する低屈折率層が、この順に積層さ
    れている反射防止膜であって、フィルター層がさらに下
    記式(I)で表される有機酸化剤を含むことを特徴とす
    る反射防止膜。 【化2】 式中、X1 およびX2 は、それぞれ独立に、酸素原子、
    硫黄原子、=NR1 または=CR2 3 であって、
    1 、R2 およびR3 は、それぞれ独立に、水素原子ま
    たは一価の基であり;mおよびnは、それぞれ、0、
    1、2または3であって、mとnの合計は2以上であ
    り;そして、L1 およびL2 は、それぞれ独立に、二価
    の連結基である。
  4. 【請求項4】 染料がメチン染料である請求項3に記載
    の反射防止膜。
  5. 【請求項5】 透明支持体、染料およびポリマーバイン
    ダーを含むフィルター層、および透明支持体の屈折率よ
    りも低い屈折率を有する低屈折率層が、この順に積層さ
    れている反射防止膜であって、フィルター層がさらに下
    記式(I)で表される有機酸化剤を含むことを特徴とす
    る反射防止膜。 【化3】 式中、X1 およびX2 は、それぞれ独立に、酸素原子、
    硫黄原子、=NR1 または=CR2 3 であって、
    1 、R2 およびR3 は、それぞれ独立に、水素原子ま
    たは一価の基であり;mおよびnは、それぞれ、0、
    1、2または3であって、mとnの合計は2以上であ
    り;そして、L1 およびL2 は、それぞれ独立に、二価
    の連結基である。
  6. 【請求項6】 染料がメチン染料である請求項5に記載
    の反射防止膜。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002228829A (ja) * 2001-02-02 2002-08-14 Asahi Denka Kogyo Kk 光学フィルター
JP2006313303A (ja) * 2004-11-24 2006-11-16 Dainippon Printing Co Ltd 光学フィルタおよびこれを用いたディスプレイ
US11737720B2 (en) 2016-09-12 2023-08-29 Dürr Dental SE System and method for providing imaging parameters

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