JP2002090521A - 光学フィルター - Google Patents

光学フィルター

Info

Publication number
JP2002090521A
JP2002090521A JP2001203298A JP2001203298A JP2002090521A JP 2002090521 A JP2002090521 A JP 2002090521A JP 2001203298 A JP2001203298 A JP 2001203298A JP 2001203298 A JP2001203298 A JP 2001203298A JP 2002090521 A JP2002090521 A JP 2002090521A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
dye
range
optical filter
absorption maximum
group
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2001203298A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4412867B2 (ja
Inventor
Toru Harada
徹 原田
Takumi Ando
工 安藤
Masaki Noro
正樹 野呂
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujifilm Holdings Corp
Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fuji Photo Film Co Ltd filed Critical Fuji Photo Film Co Ltd
Priority to JP2001203298A priority Critical patent/JP4412867B2/ja
Publication of JP2002090521A publication Critical patent/JP2002090521A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4412867B2 publication Critical patent/JP4412867B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Optical Filters (AREA)
  • Liquid Crystal (AREA)
  • Devices For Indicating Variable Information By Combining Individual Elements (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 画像表示装置から発生する赤外線および
色純度を低下させる波長の光を選択的にカットする。 【解決手段】 透明支持体とフィルター層とを有する光
学フィルターにおいて、フィルター層に、750乃至8
50nmの範囲の吸収極大波長、851乃至950nm
の範囲の吸収極大波長および951乃至1100nmの
範囲の吸収極大波長をそれぞれ設定する

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、透明支持体とフィ
ルター層とを有する光学フィルターに関する。特に本発
明は、プラズマディスプレイパネル(PDP)、液晶表
示装置(LCD)、エレクトロルミネッセンスディスプ
レイ(ELD)、蛍光表示管、電界放射型ディスプレイ
のような画像表示装置の表面に、誤動作防止および色再
現性改良のため取り付けられる光学フィルターに関す
る。
【0002】
【従来の技術】プラズマディスプレイパネル(PD
P)、液晶表示装置(LCD)、エレクトロルミネッセ
ンスディスプレイ(ELD)、陰極管表示装置(CR
T)、蛍光表示管、電界放射型ディスプレイのような画
像表示装置は、原則として、赤、青、緑の三原色の光の
組み合わせでカラー画像を表示する。しかし、表示のた
めの光を理想的な三原色にすることは、非常に難しい
(実質的には不可能である)。例えば、プラズマディス
プレイパネル(PDP)では、三原色蛍光体からの発光
に余分な光(波長が500乃至620nmの範囲)が含
まれていることが知られている。そこで、表示色の色バ
ランスを補正するため、特定の波長の光を吸収するフィ
ルターを用いて、色補正を行うことが提案されている。
フィルターによる色補正については、特開昭58−15
3904号、同61−188501号、特開平3−23
1988号、同5−205643号、同9−14591
8号、同9−306366号、同10−26704号の
各公報に記載がある。また、ディスプレイから発生する
赤外線(主に、750nmから1100nm)によって
遠隔操作装置(リモコン)が誤動作するとの問題が報告
されている。この問題を解決するために、赤外線吸収フ
ィルターが用いられている。赤外線吸収フィルターに用
いる染料については、米国特許5945209号明細書
に記載がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、赤外
線を選択的にカットする光学フィルターを提供すること
である。また、本発明の目的は、さらに色純度を低下さ
せる波長の光を選択的にカットする光学フィルターを提
供することである。さらに、本発明の目的は、リモコン
の誤動作が起こらないプラズマディスプレイパネルを提
供することでもある。さらにまた、本発明の目的は、色
バランスに優れた画像を表示するプラズマディスプレイ
パネルを提供することでもある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明の目的は、下記
(1)〜(11)の光学フィルターおよび下記(12)
のプラズマディスプレイパネルによって達成された。 (1)透明支持体とフィルター層とを有する光学フィル
ターであって、フィルター層が、750乃至850nm
の範囲、851乃至950nmの範囲および951乃至
1100nmの範囲にそれぞれ吸収極大波長を有してい
ることを特徴とする光学フィルター。
【0005】(2)フィルター層が、染料およびポリマ
ーバインダーを含む(1)記載の光学フィルター。 (3)染料が、会合状態である(2)記載の光学フィル
ター。 (4)会合状態の染料が、メチン染料である(3)記載
の光学フィルター。
【0006】(5)フィルター層が、750乃至850
nmの範囲に吸収極大波長を有する会合状態のメチン染
料、851乃至950nmの範囲に吸収極大波長を有す
る会合状態のメチン染料および951乃至1100nm
の範囲に吸収極大波長を有する会合状態のメチン染料を
含む(4)記載の光学フィルター。 (6)いずれかのメチン染料が、下記式(I)で表され
るシアニン染料である(5)記載の光学フィルター:
【0007】
【化4】
【0008】[式中、Z1 およびZ2 は、それぞれ独立
に、縮環してもよい5員または6員の含窒素複素環を形
成する非金属原子群であり;R1 およびR2 は、それぞ
れ独立に、脂肪族基または芳香族基であり;L1 は、奇
数個のメチンからなるメチン鎖であり;a、bおよびc
は、それぞれ独立に、0または1であり;そして、X1
は、アニオンである]。 (7)750乃至850nmの範囲に吸収極大波長を有
するメチン染料が、下記式(II)で表されるオキソノー
ル染料である(5)記載の光学フィルター:
【0009】
【化5】
【0010】[式中、Y1 およびY2 は、それぞれ独立
に脂肪族基または複素環を形成する非金属原子群であ
り;L2 は、奇数個のメチンからなるメチン鎖であり;
そして、X2 は、水素原子またはカチオンである]。 (8)750乃至850nm、851乃至950nmお
よび951乃至1100nmの範囲の吸収極大における
光透過率がそれぞれ0.01乃至30%の範囲である
(1)記載の光学フィルター。
【0011】(9)フィルター層が、さらに560nm
乃至620nmの範囲に吸収極大波長を有する(1)記
載の光学フィルター。 (10)フィルター層が、560nm乃至620nmの
範囲に吸収極大波長を有する会合状態のメチン染料を含
む(9)記載の光学フィルター。 (11)560nm乃至620nmの範囲に吸収極大波
長を有するメチン染料が、下記式(III)で表される(1
0)記載の光学フィルター;。
【0012】
【化6】
【0013】[式中、Z1 およびZ2 は、それぞれ独立
に、縮環してもよい5員または6員の含窒素複素環を形
成する非金属原子群であり;R1 およびR2 は、それぞ
れ独立に、脂肪族基または芳香族基であり;L3 は、3
個のメチンからなるメチン鎖であり;a、bおよびc
は、それぞれ独立に、0または1であり;そして、X1
は、アニオンである]。
【0014】(12)透明支持体とフィルター層とを有
する光学フィルターで覆われたディスプレイ表面を有す
るプラズマディスプレイパネルであって、フィルター層
が、750乃至850nmの範囲、851乃至950n
mの範囲および951乃至1100nmの範囲にそれぞ
れ吸収極大波長を有していることを特徴とするプラズマ
ディスプレイパネル。
【0015】
【発明の実施の形態】[フィルター層]光学フィルター
は、透明支持体とフィルター層とを有する。そして、フ
ィルター層は、750乃至850nmの範囲、851乃
至950nmの範囲および951乃至1100nmの範
囲にそれぞれ吸収極大波長を有している。フィルター層
は、790乃至845nmの範囲、860乃至945n
mの範囲および960乃至1050nmの範囲にそれぞ
れ吸収極大波長を有していることが好ましく、800乃
至840nmの範囲、870乃至940nmの範囲およ
び970乃至1030nmの範囲にそれぞれ吸収極大波
長を有していることがさらに好ましい。それぞれの吸収
極大波長における光透過率は、0.01乃至30%の間
であることが好ましく、0.05乃至20%であること
がさらに好ましく、0.1乃至10%であることが最も
好ましい。
【0016】上記の吸収スペクトルを実現するために
は、色素(染料または顔料)を用いてフィルター層を形
成すればよい。顔料よりも染料の方が好ましい。750
〜1100nmの範囲に吸収極大波長を示す染料の吸収
スペクトルは、蛍光体の輝度を下げることのないよう、
可視域(400〜700nm)の副吸収が少ないことが
好ましい。可視域の副吸収が少ない吸収波形(シャープ
な吸収スペクトルピーク)を得るためには、会合状態に
ある染料を用いることが特に好ましい。
【0017】会合状態の染料は、いわゆるJバンドを形
成するため、シャープな吸収スペクトルピークを示す。
染料の会合とJバンドについては、文献(例えば、Phot
ographic Science and Engineering Vol 18,No 323-335
(1974))に詳細がある。J会合状態の染料では、吸収極
大が、溶液状態の染料における吸収極大よりも長波側に
移動する。従って、フィルター層に含まれる染料が会合
状態であるか、非会合状態であるかは、吸収極大を測定
することで容易に判断できる。本明細書では、溶液状態
の染料の吸収極大より30nm以上長波長側に移動して
いる状態を会合状態と称する。会合状態の染料では、吸
収極大の移動が35nm以上であることが好ましく、4
0nm以上であることがさらに好ましく、45nm以上
であることが最も好ましい。
【0018】染料には、水に溶解するだけで会合体が形
成する化合物もある。ただし、一般には、染料の水溶液
にゼラチンまたは塩(例、塩化バリウム、塩化カリウ
ム、塩化ナトリウム、塩化カルシウム)を添加して会合
体を形成する。染料の水溶液にゼラチンを添加する方法
が特に好ましい。染料の会合体は、染料の固体微粒子分
散物として形成することもできる。固体微粒子分散物に
するためには、公知の分散機を用いることが出来る。分
散機の例には、ボールミル、振動ボールミル、遊星ボー
ルミル、サンドミル、コロイドミル、ジェットミル及び
ローラミルが含まれる。分散機については、特開昭52
−92716号公報およびWO88/074794号明
細書に記載がある。縦型または横型の媒体分散機が好ま
しい。
【0019】分散は、適当な媒体(例、水、アルコー
ル)の存在下で実施してもよい。分散用界面活性剤を用
いることが好ましい。分散用界面活性剤としては、アニ
オン界面活性剤(特開昭52−92716号公報および
WO88/074794号明細書に記載)が好ましく用
いられる。必要に応じてアニオン性ポリマー、ノニオン
性界面活性剤あるいはカチオン性界面活性剤を用いても
よい。染料を適当な溶媒中に溶解した後、その貧溶媒を
添加して、微粒子状の粉末を得てもよい。この場合も、
上記の分散用界面活性剤を用いてることができる。ある
いはpHを調整することによって溶解し、次にpHを変
化させて染料の微結晶を析出させてもよい。この微結晶
も染料の会合体である。会合状態の染料が微粒子(また
は微結晶)である場合、平均粒径は0.01乃至10μ
mであることが好ましい。
【0020】会合状態で使用する染料は、メチン染料
(例えば、シアニン染料、メロシアニン染料、アリーリ
デン染料、オキソノール染料、スチリル染料)であるこ
とが好ましく、シアニン染料またはオキソノール染料で
あることがさらに好ましい。
【0021】シアニン染料は、下記式で定義される。 Bs=Lo−Bo 式中、Bsは、塩基性核であり;Boは、塩基性核のオ
ニウム体であり;そして、Loは、奇数個のメチンから
なるメチン鎖である。下記式(I)で表されるシアニン
染料は、(特に会合状態で)好ましく用いることができ
る。
【0022】
【化7】
【0023】式(I)において、Z1 およびZ2 は、そ
れぞれ独立に、5員または6員の含窒素複素環を形成す
る非金属原子群である。含窒素複素環には、他の複素
環、芳香族環または脂肪族環が縮合してもよい。含窒素
複素環およびその縮合環の例には、オキサゾール環、イ
ソオキサゾール環、ベンゾオキサゾール環、ナフトオキ
サゾール環、オキサゾロカルバゾール環、オキサゾロジ
ベンゾフラン環、チアゾール環、ベンゾチアゾール環、
ナフトチアゾール環、インドレニン環、ベンゾインドレ
ニン環、イミダゾール環、ベンゾイミダゾール環、ナフ
トイミダゾール環、キノリン環、ピリジン環、ピロロピ
リジン環、フロピロール環、インドリジン環、イミダゾ
キノキサリン環およびキノキサリン環が含まれる。含窒
素複素環は、6員環より5員環の方が好ましい。5員の
含窒素複素環にベンゼン環またはナフタレン環が縮合し
ていることがさらに好ましい。ベンゾチアゾール環、ナ
フトチアゾール環、インドレニン環またはベンゾインド
レニン環が最も好ましい。
【0024】含窒素複素環およびその縮合環は、置換基
を有していてもよい。置換基の例には、ハロゲン原子、
シアノ、ニトロ、ヒドロキシル、カルボキシル、アミ
ノ、ホルミル、カルバモイル、ウレイド、ウレタン、メ
ルカプト、スルホ、スルファモイル、脂肪族基、芳香族
基、複素環基、−O−R、−CO−R、−CO−O−
R、−O−CO−R、−NH−R、−NR2 、−NH−
CO−R、−CO−NH−R、−CO−NR2 、−NH
−CO−NH−R、−NH−CO−NR2 、−NH−C
O−O−R、−S−R、−SO2 −R、−SO2 −O−
R、−NH−SO2−R、−SO2 −NH−R、−SO
2 −NR2 が含まれる。Rは、それぞれ独立に、脂肪族
基、芳香族基または複素環基である。なお、カルボキシ
ルおよびスルホは、水素原子が解離しても、塩の状態で
あってもよい。
【0025】本明細書において脂肪族基は、アルキル
基、置換アルキル基、アルケニル基、置換アルケニル
基、アルキニル基または置換アルキニル基を意味する。
アルキル基は、環状であってもよい。鎖状アルキル基
は、分岐を有していてもよい。アルキル基の炭素原子数
は、1乃至20が好ましく、1乃至12がさらに好まし
く、1乃至8最も好ましい。アルキル基の例には、メチ
ル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、t−ブ
チル、シクロプロピル、シクロヘキシルおよび2−エチ
ルヘキシルが含まれる。
【0026】置換アルキル基のアルキル部分は、上記ア
ルキル基と同様である。置換アルキル基の置換基の例に
は、ハロゲン原子、ヒドロキシル、カルボキシル、アミ
ノ、ホルミル、カルバモイル、ウレイド、ウレタン、メ
ルカプト、スルホ、スルファモイル、芳香族基、複素環
基、−O−R、−CO−R、−CO−O−R、−O−C
O−R、−NH−R、−NR2 、−NH−CO−R、−
CO−NH−R、−CO−NR2 、−NH−CO−NH
−R、−NH−CO−NR2 、−NH−CO−O−R、
−S−R、−SO2 −R、−SO2 −O−R、−NH−
SO2 −R、−SO2 −NH−R、−SO2 −NR2
含まれる。Rは、それぞれ独立に、脂肪族基、芳香族基
または複素環基である。なお、カルボキシルおよびスル
ホは、水素原子が解離しても、塩の状態であってもよ
い。置換アルキル基の例には、2−ヒドロキシエチル、
2−カルボキシエチル、2−メトキシエチル、2−ジエ
チルアミノエチル、3−スルホプロピル、4−スルホブ
チル、ベンジルおよびフェネチルが含まれる。
【0027】アルケニル基は、環状であってもよい。鎖
状アルケニル基は、分岐を有していてもよい。アルケニ
ル基の炭素原子数は、2ないし20が好ましく、2乃至
12がさらに好ましく、2乃至8が最も好ましい。アル
ケニル基の例には、ビニル、アリル、1−プロペニル、
2ーブテニル、2−ペンテニルおよび2−ヘキセニルが
含まれる。置換アルケニル基のアルケニル部分は、上記
アルケニル基と同様である。置換アルケニル基の置換基
は、アルキル基の置換基と同様である。
【0028】アルキニル基は、環状であってもよい。鎖
状アルキニル基は、分岐を有していてもよい。アルキニ
ル基の炭素原子数は、2ないし20が好ましく、2乃至
12がさらに好ましく、2乃至8が最も好ましい。アル
キニル基の例には、エチニルおよび2−プロピニルが含
まれる。置換アルキニル基のアルキニル部分は、上記ア
ルキニル基と同様である。置換アルキニル基の置換基
は、アルキル基の置換基と同様である。
【0029】本明細書において、芳香族基は、アリール
基または置換アリール基を意味する。アリール基の炭素
原子数は、6乃至25であることが好ましく、6乃至1
5であることがさらに好ましく、6乃至10であること
が最も好ましい。アリール基の例には、フェニルおよび
ナフチルが含まれる。置換アリール基のアリール部分
は、上記アリール基と同様である。置換アリール基の置
換基の例には、ハロゲン原子、シアノ、ニトロ、ヒドロ
キシル、カルボキシル、アミノ、ホルミル、カルバモイ
ル、ウレイド、ウレタン、メルカプト、スルホ、スルフ
ァモイル、脂肪族基、芳香族基、複素環基、−O−R、
−CO−R、−CO−O−R、−O−CO−R、−NH
−R、−NR2 、−NH−CO−R、−CO−NH−
R、−CO−NR2 、−NH−CO−NH−R、−NH
−CO−NR2 、−NH−CO−O−R、−S−R、−
SO2 −R、−SO2 −O−R、−NH−SO2 −R、
−SO2 −NH−R、−SO2 −NR2 が含まれる。R
は、それぞれ独立に、脂肪族基、芳香族基または複素環
基である。なお、カルボキシルおよびスルホは、水素原
子が解離しても、塩の状態であってもよい。置換アリー
ル基の例には、4−カルボキシフェニル、4−アセトア
ミドフェニル、3−メタンスルホンアミドフェニル、4
−メトキシフェニル、3−カルボキシフェニル、3,5
−ジカルボキシフェニル、4−メタンスルホンアミドフ
ェニルおよび4−ブタンスルホンアミドフェニルが含ま
れる。
【0030】本明細書において、複素環基は、無置換複
素環基または置換複素環基を意味する。複素環基の複素
環は、5員環または6員環であることが好ましい。複素
環に、脂肪族環、芳香族環または他の複素環が縮合して
いてもよい。複素環(縮合環を含む)の例には、ピリジ
ン環、ピペリジン環、フラン環、フルフラン環、チオフ
ェン環、ピロール環、キノリン環、モルホリン環、イン
ドール環、イミダゾール環、ピラゾール環、カルバゾー
ル環、フェノチアジン環、フェノキサジン環、インドリ
ン環、チアゾール環、ピラジン環、チアジアジン環、ベ
ンゾキノリン環およびチアジアゾール環が含まれる。置
換複素環基の置換基は、置換アリール基の置換基と同様
である。
【0031】式(I)において、R1 およびR2 は、そ
れぞれ独立に、脂肪族基または芳香族基である。脂肪族
基と芳香族基の定義および例は、前述した通りである。
【0032】式(I)において、L1 は、奇数個のメチ
ンからなるメチン鎖である。L1 は、5個または7個の
メチンからなるメチン鎖であることが好ましい。メチン
は置換基を有していてもよい。置換基を有するメチンは
中央の(メソ位の)メチンであることが好ましい。置換
基の例には、ハロゲン原子、シアノ、ニトロ、ヒドロキ
シル、カルボキシル、アミノ、ホルミル、カルバモイ
ル、ウレイド、ウレタン、メルカプト、スルホ、スルフ
ァモイル、脂肪族基、芳香族基、複素環基、−O−R、
−CO−R、−CO−O−R、−O−CO−R、−NH
−R、−NR2 、−NH−CO−R、−CO−NH−
R、−CO−NR2 、−NH−CO−NH−R、−NH
−CO−NR2 、−NH−CO−O−R、−S−R、−
SO2 −R、−SO2 −O−R、−NH−SO2 −R、
−SO2 −NH−R、−SO2 −NR 2 が含まれる。R
は、それぞれ独立に、脂肪族基、芳香族基または複素環
基である。メチン鎖の二つの置換基が結合して5員環ま
たは6員環を形成してもよい。
【0033】式(I)において、a、bおよびcは、そ
れぞれ独立に、0または1である。aおよびbは、0で
あることが好ましい。cはシアニン染料がスルホやカル
ボキシルのようなアニオン性置換基を有して分子内塩を
形成する場合は、0である。式(I)において、X1
アニオンである。アニオンの例には、ハライドイオン
(Clー、Brー、Iー)、p−トルエンスルホン酸イオ
ン、エチル硫酸イオン、PF6 -、BF4 -およびClO4 -
が含まれる。シアニン染料は、カルボキシルまたはスル
ホ、いずれかの置換基として含むことが好ましい。以下
に、式(I)で表されるシアニン染料の例を示す。
【0034】
【化8】
【0035】
【化9】
【0036】
【化10】
【0037】
【化11】
【0038】
【化12】
【0039】
【化13】
【0040】
【化14】
【0041】
【化15】
【0042】
【化16】
【0043】
【化17】
【0044】
【化18】
【0045】シアニン染料は、エフ・エム・ハーマー
(F.M.Harmer)著「ヘテロサイクリック・コンパウンズー
シアニンダイズ・アンド・リレイテッド・コンパウンズ
(Heterocyclic Compounds Cyanine Dyes and Related C
ompounds)」、ジョン・ウィリー・アンド・サンズ(John
Wiley & Sons)社ーニューヨーク、ロンドン、1964
年刊、およびデー・エム・スターマー(D.M.Sturmer)著
「ヘテロサイクリック・コンパウンズースペシャル・ト
ッピクス・イン・ヘテロサイクリック・ケミストリー(H
eterocyclic Compounds-Special topics in heterocycl
ic chmistry)」、第18章、第14節、482〜515
頁、ジョン・ウィリー・アンド・サンズ(John Wiley &
Sons)社ーニューヨーク、ロンドン、1977年刊、
「ロッズ・ケミストリー・オブ・カーボン・コンパウン
ズ(Rodds Chemistry of Carbon Compounds)」2nd.Ed.vo
l.IV,partB,1977年刊、第15章、369〜422頁、
エルセビア・サイエンス・パブリック・カンパニー・イ
ンク(Elsevier Science Publishing Company Inc.)社
刊、ニューヨーク、特開平5−88293号、同6−3
13939号の各公報の記載を参照して合成できる。
【0046】オキソノール染料は、下記式で定義され
る。 Ak=Lo−Ae 式中、Akは、ケト型酸性核であり;Aeは、エノール
型酸性核であり;そして、Loは、奇数個のメチンから
なるメチン鎖である。下記式(II)で表されるオキソノ
ール染料は、(特に会合状態で)好ましく用いることが
できる。
【0047】
【化19】
【0048】式(II)において、Y1 およびY2 は、そ
れぞれ独立に、脂肪族環または複素環を形成する非金属
原子群である。脂肪族環よりも複素環の方が好ましい。
脂肪族環の例には、インダンジオン環が含まれる。複素
環の例には、5−ピラゾロン環、イソオキサゾロン環、
バルビツール酸環、ピリドン環、ローダニン環、ピラゾ
リジンジオン環、ピラゾロピリドン環およびメルドラム
酸環が含まれる。5−ピラゾロン環およびバルビツール
酸環が好ましい。脂肪族環および複素環は置換基を有し
ていてもよい。置換基の例には、ハロゲン原子、シア
ノ、ニトロ、ヒドロキシル、カルボキシル、アミノ、ホ
ルミル、カルバモイル、ウレイド、ウレタン、メルカプ
ト、スルホ、スルファモイル、脂肪族基、芳香族基、複
素環基、−O−R、−CO−R、−CO−O−R、−O
−CO−R、−NH−R、−NR2 、−NH−CO−
R、−CO−NH−R、−CO−NR2 、−NH−CO
−NH−R、−NH−CO−NR2 、−NH−CO−O
−R、−S−R、−SO2 −R、−SO2 −O−R、−
NH−SO2 −R、−SO2 −NH−R、−SO2 −N
2 が含まれる。Rは、それぞれ独立に、脂肪族基、芳
香族基または複素環基である。
【0049】式(II)において、L2 は、奇数個のメチ
ンからなるメチン鎖である。L2 は、3個、5個または
7個のメチンからなるメチン鎖であることが好ましく、
5個のメチンからなるメチン鎖であること特に好まし
い。メチンは置換基を有していてもよい。置換基を有す
るメチンは中央の(メソ位の)メチンであることが好ま
しい。置換基の例には、ハロゲン原子、シアノ、ニト
ロ、ヒドロキシル、カルボキシル、アミノ、ホルミル、
カルバモイル、ウレイド、ウレタン、メルカプト、スル
ホ、スルファモイル、脂肪族基、芳香族基、複素環基、
−O−R、−CO−R、−CO−O−R、−O−CO−
R、−NH−R、−NR2 、−NH−CO−R、−CO
−NH−R、−CO−NR2 、−NH−CO−NH−
R、−NH−CO−NR2 、−NH−CO−O−R、−
S−R、−SO2 −R、−SO2 −O−R、−NH−S
2 −R、−SO2 −NH−R、−SO2 −NR2 が含
まれる。Rは、それぞれ独立に、脂肪族基、芳香族基ま
たは複素環基である。メチン鎖の二つの置換基が結合し
て5員環または6員環を形成してもよい。
【0050】式(II)において、X2 は、水素原子また
はカチオンである。カチオンの例には、アルカリ金属
(例、Na、K)イオン、アンモニウムイオン、トリエ
チルアンモニウムイオン、トリブチルアンモニウムイオ
ン、ピリジニウムイオンおよびテトラブチルアンモニウ
ムイオンが含まれる。以下に、オキソノール染料の例を
示す。
【0051】
【化20】
【0052】
【化21】
【0053】
【化22】
【0054】
【化23】
【0055】
【化24】
【0056】
【化25】
【0057】
【化26】
【0058】
【化27】
【0059】式(II)で表されるオキソノール染料は、
特開平7−230671号公報、欧州特許077849
3号および米国特許5459265号の各明細書の記載
を参照して合成できる。
【0060】以上述べた染料を用いることで、フィルタ
ー層に、750乃至850nmの範囲の吸収極大波長、
851乃至950nmの範囲の吸収極大波長および95
1乃至1100nmの範囲の吸収極大波長を設けること
ができる。フィルター層は、750乃至850nmの範
囲に吸収極大波長を有する会合状態のメチン染料、85
1乃至950nmの範囲に吸収極大波長を有する会合状
態のメチン染料および951乃至1100nmの範囲に
吸収極大波長を有する会合状態のメチン染料を含むこと
が好ましい。750乃至850nmの範囲に吸収極大波
長を有するメチン染料として、式(I)で表されるシア
ニン染料または式(II)で表されるオキソノール染料を
会合状態で用いることが好ましく、式(II)で表される
オキソノール染料を会合状態で用いることがさらに好ま
しい。851乃至950nmの範囲または951乃至1
100nmの範囲に吸収極大波長を有するメチン染料と
して、式(I)で表されるシアニン染料を用いることが
好ましい。
【0061】前述した具体例(I−1)〜(I−7)、
(I−14)および(II−1)〜(II−16)は、会合
状態において、750乃至850nmの範囲に吸収極大
波長を有する。具体例(I−8)、(I−10)〜(I
−12)および(I−15)〜(I−19)は、会合状
態において、851乃至950nmの範囲に吸収極大波
長を有する。具体例(I−9)、(I−13)および
(I−20)〜(I−23)は、会合状態において、9
51乃至1100nmの範囲に吸収極大波長を有する
【0062】フィルター層は、さらに色補正の目的で、
560乃至620nmの範囲に吸収極大波長を有するこ
とができる。また、赤外線吸収(第1)フィルター層
(吸収極大波長:750〜1100nm)とは別に、可
視光吸収(第2)フィルター層(吸収極大波長:560
〜620nm)を設けてもよい。560乃至620nm
の範囲の吸収極大も、染料を用いてフィルター層(また
は第2フィルター層)に導入することが好ましい。56
0乃至620nmの範囲に吸収極大波長を有する染料の
吸収スペクトルは、なるべく緑の蛍光体の必要な発光領
域に影響を与えないよう選択的に光をカットするために
シャープにすることが好ましい。具体的には、吸収極大
の半値幅が5乃至100nmであることが好ましく、1
0乃至70nmであることがさらに好ましく、10乃至
50nmであることが最も好ましい。560乃至620
nmの範囲に吸収極大を有する染料も、会合状態で用い
ることが好ましい。会合状態の定義については、750
〜1100nmの範囲に吸収極大波長を有する染料と同
様である。560乃至620nmの範囲に吸収極大を有
する染料としては、下記式に示される染料を用いること
ができる。
【0063】
【化28】
【0064】式中、PおよびQは、それぞれ独立に、酸
性核、塩基性核または芳香族核であり;Lは、1乃至5
個のメチンもしくはアザメチンが共役したメチン鎖であ
る。実線と破線で表された結合は、PとL、QとLとが
それぞれ単結合あるいは二重結合で連結されていること
を意味する。そして、P、L、Qで構成される染料分子
の発色団(クロモフォア)が共役鎖で連結されるよう
に、結合次数を選択する。P、L、Qは、それぞれ置換
基を有していてもよい。複数の置換基が互いに結合し
て、4員乃至7員の環を形成してもよい。L(メチン
鎖)の置換基が結合して形成する環の例には、スクアリ
リウム染料のシクロブテノン環が含まれる。核(Pと
Q)の置換基が結合して形成する環の例には、キサンテ
ン環およびチオキサンテン環が含まれる。
【0065】酸性核は、環状のケトメチレン構造か、電
子吸引性基によってはさまれたメチレン基を有する開鎖
状構造であることが好ましく、環状のケトメチレン構造
がさらに好ましい。環状のケトメチレン構造には、さら
に複素環、芳香族環または脂肪族環が縮合してもよい。
酸性核の環は、脂肪族環よりも複素環が好ましい。酸性
核には、オキソノール染料のようにケト型とエノール型
との互変異性体(酸素原子を窒素原子やイオウ原子に変
えた、イミノおよびアミノ、チオケトおよびチオールの
互変異性体も含む)をとることもできる。また、解離体
で用いる場合もある。酸性核の環およびその縮合環の例
としては、2−ピラゾリン−5−オン、ロダニン、ヒダ
ントイン、チオヒダントイン、2,4−オキサゾリジン
ジオン、イソオキサゾロン、バルビツール酸、チオバル
ビツール酸、インダンジオン、ジオキソピラゾロピリジ
ン、ヒドロキシピリジン、ピラゾリジンジオン、2,5
−ジヒドロフラン−2−オン、ピロリン−2−オン、ピ
ラゾロトリアゾールおよびピロロトリアゾールが含まれ
る。酸性核は、置換基を有していてもよい。
【0066】塩基性核は、開鎖状構造よりも環状構造を
有することが好ましい。塩基性核の環には、複素環、芳
香族環、または脂肪族環が縮合してもよい。塩基性核の
環は、含窒素複素環が好ましい。塩基性核は、シアニン
染料のようにオニウム体をとることもできる。塩基性核
の含窒素複素環およびその縮合環の例には、オキサゾー
ル、イソオキサゾール、ベンゾオキサゾール、ナフトオ
キサゾール、オキサゾロカルバゾール、オキサゾロジベ
ンゾフラン、チアゾール、ベンゾチアゾール、ナフトチ
アゾール、インドレニン、ベンゾインドレニン、イミダ
ゾール、ベンゾイミダゾール、ナフトイミダゾール、キ
ノリン、ピリジン、オキサゾリン、ピロロピリジン、ピ
ロール、フロピロール、インドリジン、イミダゾキノキ
サリン、およびキノキサリンが含まれる。塩基性核は、
置換基を有していてもよい。
【0067】芳香族核は、芳香族(炭化水素)環または
芳香族性複素環を有する。芳香族(炭化水素)環の例に
は、ベンゼンおよびナフタレンが含まれる。芳香族性複
素環の例としては、ピロール、インドール、インドレニ
ン、ベンゾインドレニン、カルバゾール、フロピロー
ル、チオフェン、ベンゾチオフェン、フラン、ベンゾフ
ラン、ジベンゾフラン、オキサゾール、ベンゾオキサゾ
ール、ナフトオキサゾール、イソオキサゾール、チアゾ
ール、ベンゾチアゾール、ナフトチアゾール、イソチア
ゾール、ピラゾール、イミダゾール、インダゾール、ナ
フトイミダゾール、ベンズイミダゾール、インドリジ
ン、キノリン、フェノチアジン、フェノキサジン、イン
ドリン、ピリジン、ピリダジン、チアジアジン、ピラ
ン、チオピラン、オキサジアゾール、ベンゾキノリン、
チアジアゾール、ピロロチアゾール、ピロロピリダジ
ン、ピロロピリジン、イミダゾキノリン、イミダゾキノ
キサリン、テトラゾール、クマリンおよびクマロンが含
まれる。芳香族核は、置換基を有していてもよい。芳香
族核の環は、メチン鎖(L)と共役できる位置に、アミ
ノ、ヒドロキシルまたはアルコキシ基を置換基として有
することが好ましい。
【0068】前記式で表される染料には、メチン染料
(例えば、シアニン染料、メロシアニン染料、アリーリ
デン染料、オキソノール染料、スチリル染料)、ジフェ
ニルメタン染料、トリフェニルメタン染料、キサンテン
染料、スクアリリウム染料、クロコニウム染料、アジン
染料、アクリジン染料、チアジン染料およびオキサジン
染料が含まれる。
【0069】これらの染料は、金属と錯体を形成させて
使用することができる。錯体を形成することで堅牢性を
高めることができる。金属錯体として使用する染料は、
ピロメテン染料が好ましい。これらの染料については、
WO00/23829号、特願2000−40694
号、同2000−159820号、同2000−261
334号の各明細書、特開平11−92682号、同1
1−227332号、同11−255774号、同11
−256057号、特開2000−121807号、同
2000−193802号の各公報に記載がある。
【0070】オキソノール染料またはシアニン染料を会
合状態で用いることが好ましく、シアニン染料を会合状
態で用いることがさらに好ましい。下記式(III)で表さ
れるシアニン染料は、(特に会合状態で)好ましく用い
ることができる。
【0071】
【化29】
【0072】式(III)において、Z1 およびZ2 は、そ
れぞれ独立に、5員または6員の含窒素複素環を形成す
る非金属原子群である。Z1 およびZ2 の定義、例およ
び置換基は、式(I)と同様である。式(III)におい
て、R1 およびR2 は、それぞれ独立に、脂肪族基また
は芳香族基である。脂肪族基および芳香族基の定義およ
び例は、前述した通りである。式(III)において、L3
は、3個のメチンからなるメチン鎖である。式(III)に
おいて、a、bおよびcは、それぞれ独立に、0または
1である。式(III)において、X1 は、アニオンであ
る。アニオンの定義および例は、式(I)と同様であ
る。以下に、式(III)で表されるシアニン染料の例を示
す。
【0073】
【化30】
【0074】
【化31】
【0075】
【化32】
【0076】光学フィルターのフィルター層は、さら
に、500乃至550nmの範囲に吸収極大波長を有す
ることができる。500乃至550nmの範囲の吸収極
大における光透過率は、20乃至85%の範囲であるこ
とが好ましい。また、赤外線吸収フィルター層(吸収極
大波長:750〜1100nm)とは別に、可視光吸収
フィルター層(吸収極大波長:500〜550nm)を
設けてもよい。500乃至550nmの波長範囲におけ
る光吸収の極大は、視感度が高い緑の蛍光体の発光強度
を調整するために設定される。緑の蛍光体の発光域は、
なだらかにカットすることが好ましい。波長が500乃
至550nmの範囲の吸収極大での半値幅(吸収極大で
の吸光度の半分の吸光度を示す波長領域の幅)は、30
乃至300nmであることが好ましく、40乃至300
nmであることがより好ましく、50乃至150nmで
あることがさらに好ましく、60乃至150nmである
ことが最も好ましい。500乃至550nmの範囲の吸
収極大も、染料を用いてフィルター層に導入することが
好ましい。500乃至550nmの範囲の吸収極大に用
いる染料は、非会合状態であることが好ましい。染料と
しては、シアニン染料、スクアリリウム染料、オキソノ
ール染料、メロシアニン染料、アリーリデン染料、アゾ
染料、アゾメチン染料、アントラキノン染料およびそれ
らの金属キレート化合物が好ましく、オキソノール染
料、メロシアニン染料、アリーリデン染料、アゾ染料、
アゾメチン染料およびアントラキノン染料がさらに好ま
しい。
【0077】オキソノール染料については、非会合状態
で用いることが好ましい以外は、前述した通りである。
メロシアニン染料は、下記式で定義される。 Bs=Le−Ak 式中、Bsは、塩基性核であり;Akは、ケト型酸性核
であり;そして、Leは、偶数個のメチンからなるメチ
ン鎖である。下記式(IV)で表されるメロシアニン染料
は、(特に非会合状態で)好ましく用いることができ
る。
【0078】
【化33】
【0079】式(IV)において、Z3 は、5員または6
員の含窒素複素環を形成する非金属原子群である。Z3
の定義、例および置換基は、式(I)におけるZ1 およ
びZ 2 の定義、例おおよび置換基と同様である。式(I
V)において、R3 は、脂肪族基または芳香族基であ
る。脂肪族基および芳香族基の定義および例は、前述し
た通りである。式(IV)において、Y3 は、脂肪族環ま
たは複素環を形成する非金属原子群である。Y3 の定
義、例および置換基は、式(II)におけるY1 およびY
2 の定義、例および置換基と同様である。式(IV)にお
いて、L4 は、偶数個のメチンからなるメチン鎖であ
る。L4 は、2個のメチンからなるメチン鎖であること
が特に好ましい。メチンは、置換基を有していてもよ
い。置換基の例は、式(I)におけるL1 の置換基と同
様である。式(IV)において、dは、0または1であ
る。メロシアニン染料は、米国特許2170806号明
細書および特開昭55−155350号、同55−16
1232号の各公報の記載を参照して合成できる。
【0080】アリーリデン染料は、下記式で定義され
る。 Ak=Lo−Ar 式中、Akは、ケト型酸性核であり;Arは、芳香族核
であり;そして、Loは、奇数個のメチンからなるメチ
ン鎖である。下記式(V)で表されるアリーリデン染料
は、(特に非会合状態で)好ましく用いることができ
る。
【0081】
【化34】
【0082】式(V)において、Y4 は、脂肪族環また
は複素環を形成する非金属原子群である。Y4 の定義、
例および置換基は、式(II)におけるY1 およびY2
定義、例および置換基と同様である。式(V)におい
て、R4 およびR5 は、それぞれ独立に、アルキル基ま
たは置換アルキル基である。アルキル基および置換アル
キル基の定義および例は、脂肪族基について説明した通
りである。R4 とR5 とが結合して複素環を形成しても
よい。複素環の例には、ピロリジン環、ピペリジン環お
よびピペラジン環が含まれる。R4 またはR5 とR6
が結合して複素環を形成してもよい。複素環の例には、
ジュロリジン環、ピロリジン環およびピペリジン環が含
まれる。
【0083】式(V)において、R6 は、アルキル基
(例、メチル、エチル、プロピル)、アルコキシ基
(例、メトキシ、エトキシ)、アリールオキシ基(例、
フェノキシ、p−クロロフェノキシ)、ハロゲン原子
(Cl、Br、F)、アルコキシカルボニル基(例、エ
トキシカルボニル基)、ハロゲン化炭素基(例、トリフ
ルオロメチル)、アルキルチオ基(例、メチルチオ、エ
チルチオ、ブチルチオ)、アリールチオ基(例、フェニ
ルチオ、o−カルボキシフェニルチオ)、シアノ、ニト
ロ、アミノ、アルキルアミノ基(例、メチルアミノ、エ
チルアミノ)、アミド基(例、アセトアミド、プロピオ
ンアミド)、アシルオキシ基(例、アセトキシ、ブチル
オキシ)、ヒドロキシル、スルホまたはカルボキシルで
ある。なお、カルボキシルおよびスルホは、水素原子が
解離しても、塩の状態であってもよい。式(V)におい
て、L5 は、奇数個のメチンからなるメチン鎖である。
5 は、1個または3個のメチンからなるメチン鎖であ
ることが好ましく、1個のメチンからなるメチン鎖であ
ることがさらに好ましい。メチン鎖は、置換基を有して
いてもよい。ただし、メチン鎖は、無置換のメチンから
なることが特に好ましい。式(V)において、m2は、
0、1、2、3または4である。アリーリデン染料は、
欧州特許274723A1号明細書および特開昭62−
106455号公報の記載を参照して合成できる。
【0084】アゾ染料は、分子内にアゾ構造(−N=N
−、場合により=N−N=)を有する化合物である。下
記式(VIa)または(VIb)で表されるアゾ染料は、
(特に非会合状態で)好ましく用いることができる。
【0085】
【化35】
【0086】式(VIa)および(VIb)において、
7 、R8 およびR9 は、それぞれ独立に、アルキル基
(例、メチル、エチル、プロピル)、アルコキシ基
(例、メトキシ、エトキシ)、アリールオキシ基(例、
フェノキシ、p−クロロフェノキシ)、ハロゲン原子
(Cl、Br、F)、アルコキシカルボニル基(例、エ
トキシカルボニル基)、ハロゲン化炭素基(例、トリフ
ルオロメチル)、アルキルチオ基(例、メチルチオ、エ
チルチオ、ブチルチオ)、アリールチオ基(例、フェニ
ルチオ、o−カルボキシフェニルチオ)、シアノ、ニト
ロ、アミノ、アルキルアミノ基(例、メチルアミノ、エ
チルアミノ)、アミド基(例、アセトアミド、プロピオ
ンアミド)、アシルオキシ基(例、アセトキシ、ブチル
オキシ)、ヒドロキシル、スルホまたはカルボキシルで
ある。なお、カルボキシルおよびスルホは、水素原子が
解離しても、塩の状態であってもよい。式(VIa)にお
いて、Mは、金属原子であり、好ましくは遷移金属原子
であり、さらに好ましくは、Fe、Co、Ni、Cu、
ZnまたはCdであり、最も好ましくは、Cuである。
式(VIa)および(VIb)において、m3およびm5
は、それぞれ独立に、0、1、2、3または4である。
式(VIa)および(VIb)において、m4は、0、1ま
たは2である。アゾ染料は、英国特許539703号、
同575691号、米国特許2956879号の各明細
書の記載を参照して合成できる。
【0087】アゾメチン染料は、塩基性核型と酸性核型
とに分類できる。塩基性核型の方が酸性核型よりも好ま
しい。 塩基性核型:Bs=N−Ar 酸性核型: Ak=N−Ar 式中、Bsは、塩基性核であり;Akは、ケト型酸性核
であり;そして、Arは、芳香族核である。下記式(VI
I)で表される塩基性核型アゾメチン染料は、(特に非会
合状態で)好ましく用いることができる。
【0088】
【化36】
【0089】
【化37】
【0090】式(VII)において、Za、ZbおよびZc
は、それぞれ独立に、−C(R14)=または−N=であ
る。ZaおよびZcは、好ましくは、−N=である。Z
bは、好ましくは、−C(R14)=である。式(VII)に
おいて、R10、R11、R12、R13およびR14は、それぞ
れ独立に、アルキル基(例、メチル、エチル、プロピ
ル)、アルコキシ基(例、メトキシ、エトキシ)、アリ
ールオキシ基(例、フェノキシ、p−クロロフェノキ
シ)、ハロゲン原子(Cl、Br、F)、アルコキシカ
ルボニル基(例、エトキシカルボニル基)、ハロゲン化
炭素基(例、トリフルオロメチル)、アルキルチオ基
(例、メチルチオ、エチルチオ、ブチルチオ)、アリー
ルチオ基(例、フェニルチオ、o−カルボキシフェニル
チオ)、シアノ、ニトロ、アミノ、アルキルアミノ基
(例、メチルアミノ、エチルアミノ)、アミド基(例、
アセトアミド、プロピオンアミド)、アシルオキシ基
(例、アセトキシ、ブチルオキシ)、ヒドロキシル、ス
ルホまたはカルボキシルである。なお、カルボキシルお
よびスルホは、水素原子が解離しても、塩の状態であっ
てもよい。R11とR12とが結合して複素環を形成しても
よい。複素環の例には、ピロリジン環、ピペリジン環お
よびピペラジン環が含まれる。R11またはR12とR13
が結合して複素環を形成してもよい。複素環の例には、
ジュロリジン環、ピロリジン環およびピペリジン環が含
まれる。式(VII)において、m6は、0、1、2、3ま
たは4である。アゾメチン染料は、特開昭62−325
0号、特開平4−178646号、同5−323501
号の各公報の記載を参照して合成できる。
【0091】下記式(VIIIa)または(VIIIb)で表さ
れるアントラキノン染料は、(特に非会合状態で)好ま
しく用いることができる。
【0092】
【化38】
【0093】式(VIIIa)および(VIIIb)において、
15、R16、R18およびR19は、それぞれ独立に、アル
キル基(例、メチル、エチル、プロピル)、アルコキシ
基(例、メトキシ、エトキシ)、アリールオキシ基
(例、フェノキシ、p−クロロフェノキシ)、ハロゲン
原子(Cl、Br、F)、アルコキシカルボニル基
(例、エトキシカルボニル基)、ハロゲン化炭素基
(例、トリフルオロメチル)、アルキルチオ基(例、メ
チルチオ、エチルチオ、ブチルチオ)、アリールチオ基
(例、フェニルチオ、o−カルボキシフェニルチオ)、
シアノ、ニトロ、アミノ、アルキルアミノ基(例、メチ
ルアミノ、エチルアミノ)、アミド基(例、アセトアミ
ド、プロピオンアミド)、アシルオキシ基(例、アセト
キシ、ブチルオキシ)、ヒドロキシル、スルホまたはカ
ルボキシルである。なお、カルボキシルおよびスルホ
は、水素原子が解離しても、塩の状態であってもよい。
式(VIIIb)において、R17は、水素原子、アルキル基
または置換アルキル基である。アルキル基および置換ア
ルキル基の定義および例は、脂肪族基について説明した
通りである。式(VIIIa)および(VIIIb)において、
m7、m8およびm9は、それぞれ独立に、0、1、
2、3または4である。式(VIIIb)において、m10
は、0、1、2または3である。アントラキノン染料
は、英国特許710060号、米国特許3575704
号の各明細書、特開昭48−5425号公報の記載を参
照して合成できる。
【0094】さらに、色調を調整するため、フィルター
層は、350乃至450nmまたは470乃至530n
mの波長領域に吸収極大を有することもできる。また、
赤外線吸収フィルター層(吸収極大波長:750〜11
00nm)とは別に、可視光吸収フィルター層(吸収極
大波長:350〜530nm)を設けてもよい。350
乃至450nmまたは470乃至530nmの範囲の吸
収極大も、染料を用いてフィルター層に導入することが
好ましい。染料としては、スクアリリウム染料、アゾメ
チン染料、シアニン染料、メロシアニン染料系、オキソ
ノール染料、アントラキノン染料、アゾ染料、アリーリ
デン染料およびそれらの金属キレート化合物が好ましく
用いられる。
【0095】フィルター層に、褪色防止剤、酸化防止剤
や紫外線防止剤を添加してもよい。褪色防止剤には、ハ
イドロキノン誘導体、ハイドロキノンジエーテル、フェ
ノール誘導体、スピロインダン、メチレンジオキシベン
ゼン、クロマン、スピロクロマン、クマラン誘導体、ハ
イドロキノンモノエーテル、p−アミノフェノール誘導
体およびビスフェノール誘導体が含まれる。ハイドロキ
ノン誘導体については、米国特許3935016号、同
3982944号の各明細書に記載がある。ハイドロキ
ノンジエーテルについては、米国特許4254216号
明細書、特開昭55−21004号公報に記載がある。
フェノール誘導体については、特開昭54−14553
0号公報に記載がある。スピロインダン、メチレンジオ
キシベンゼンについては、英国特許2062888号、
同2077455号の各明細書に記載がある。クロマ
ン、スピロクロマン、クマラン誘導体については、米国
特許3432300号、同3573050号、同357
4627号、同3764337号の各明細書、特開昭5
2−152225、同53−17729号、同53−2
0327号、同61−90156号の各公報に記載があ
る。ハイドロキノンモノエーテル、p−アミノフェノー
ル誘導体については、英国特許1347556号、同2
066975号の各明細書、特公昭54−12337
号、特開昭55−6321号の各公報に記載がある。ビ
スフェノール誘導体については、米国特許370045
5号明細書、特公昭48−31625号公報に記載があ
る。のが含まれる。
【0096】金属錯体(米国特許4245018号明細
書、特開昭60ー97353号公報記載の)や一重項酸
素クウェンチャーをフィルター層に添加しても良い。一
重項酸素クウェンチャーには、ニトロソ化合物(特開平
2−300288号公報記載)、ジインモニウム化合物
(米国特許465612号明細書記載)、ニッケル錯体
(特開平4−146189号公報記載)および酸化防止
剤(欧州特許820057A1号明細書記載)が含まれ
る。
【0097】フィルター層の厚さは0.1μm乃至1c
mであることが好ましく、0.5μm乃至100μmで
あることがさらに好ましい。
【0098】フィルター層は、さらにポリマーバインダ
ーを含む。天然ポリマー(例、ゼラチン、セルロース誘
導体、アルギン酸)または合成ポリマー(例、ポリメチ
ルメタクリレート、ポリビニルブチラール、ポリビニル
ピロリドン、ポビニルアルコール、ポリ塩化ビニル、ス
チレン−ブタジエンコポリマー、ポリスチレン、ポリカ
ーボネート、水溶性ポリアミド)をポリマーバインダー
として用いることができる。親水性ポリマー(上記天然
ポリマー、ポリビニルブチラール、ポリビニルピロリド
ン、ポビニルアルコール、水溶性ポリアミド)が特に好
ましい。
【0099】[透明支持体]透明支持体は、ポリマーフイ
ルムからなることが好ましい。ポリマーの例には、セル
ロースエステル(例、セルロースジアセテート、セルロ
ーストリアセテート、セルロースプロピオネート、セル
ロースブチレート、セルロースアセテートプロピオネー
ト、セルロースニトレート)、ポリアミド、ポリカーボ
ネート、ポリエステル(例、ポリエチレンテレフタレー
ト、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンテレフタ
レート、ポリ−1,4−シクロヘキサンジメチレンテレ
フタレート、ポリエチレン−1,2−ジフェノキシエタ
ン−4,4’−ジカルボキシレート、ポリブチレンテレ
フタレート)、ポリアリレート(例、ビスフェノールA
とフタル酸の縮合物)、ポリスチレン(例、シンジオタ
クチックポリスチレン)、ポリオレフィン(例、ポリエ
チレン、ポリプロピレン、ポリメチルペンテン)、ポリ
(メタ)アクリル酸エステル(例、ポリメチルメタクリ
レート)、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリ
エーテルケトン、ポリエーテルイミドおよびポリオキシ
エチレンが含まれる。セルローストリアセテート、ポリ
カーボネート、ポリメチルメタクリレート、ポリエチレ
ンテレフタレートおよびポリエチレンナフタレートが好
ましい。透明支持体の厚みは、5μm乃至5cm以下で
あることが好ましく、25μm乃至1cmであることが
さらに好ましく、80μm乃至1.2mmであることが
最も好ましい。
【0100】透明支持体の透過率は80%以上であるこ
とが好ましく、86%以上であることがさらに好まし
い。ヘイズは、2%以下であることが好ましく、1%以
下であることがさらに好ましい。屈折率は、1.45〜
1.70であることが好ましい。
【0101】透明支持体に、紫外線吸収剤を添加しても
よい。紫外線吸収剤の添加量は、透明支持体の0.01
乃至20質量%であることが好ましく、0.05乃至1
0質量%であることがさらに好ましい。滑り剤として、
不活性無機化合物の粒子を透明支持体に添加してもよ
い。無機化合物の例には、SiO2 、TiO2 、BaS
4 、CaCO3 、タルクおよびカオリンが含まれる。
透明支持体に表面処理を施すことが好ましい。表面処理
の例には、薬品処理、機械的処理、コロナ放電処理、火
炎処理、紫外線照射処理、高周波処理、グロー放電処
理、活性プラズマ処理、レーザー処理、混酸処理および
オゾン酸化処理が含まれる。グロー放電処理、紫外線照
射処理、コロナ放電処理および火炎処理が好ましく、コ
ロナ放電処理がさらに好ましい。
【0102】[下塗り層]透明支持体とフィルター層の間
に下塗り層を設けることができる。下塗り層としては、
室温での弾性率が1000乃至1Mpaの柔らかいポリ
マーを用いて形成することが好ましい。弾性率は、80
0乃至5Mpaであることがさらに好ましく、500乃
至10Mpaであることが最も好ましい。下塗り層の厚
みは、2nm乃至20μmであることが好ましく、5n
m乃至5μmであることがさらに好ましく、50nm乃
至1μmであることが最も好ましい。下塗り層に使用す
るポリマーは、ガラス転移温度が60℃以下−60℃以
上であることが好ましい。ガラス転移温度が60℃以下
−60℃以上のポリマーは、塩化ビニル、塩化ビニリデ
ン、酢酸ビニル、ブタジエン、ネオプレン、スチレン、
クロロプレン、アクリル酸エステル、メタクリル酸エス
テル、アクリロニトリルまたはメチルビニルエーテルを
重合または共重合させることによる得られる。二層以上
の下塗り層を設けることが好ましい。
【0103】[反射防止層]光学フィルターに反射防止層
を設けて、反射防止機能を得ることもできる。反射防止
層により得られる光学フィルター層表面の反射率は、正
反射率として3.0%以下が好ましく、1.8%以下が
さらに好ましい。反射防止層としては、一般に低屈折率
層を設ける。低屈折率層とは、屈折率が、その下層の屈
折率よりも(相対邸に)低い層を意味する。低屈折率層
の屈折率は、1.20乃至1.55であることが好まし
く、1.20乃至1.50であることがさらに好まし
い。低屈折率層の厚さは、50乃至400nmであるこ
とが好ましく、50乃至200nmであることがさらに
好ましい。低屈折率層は、屈折率の低い含フッ素ポリマ
ーからなる層(特開昭57−34526号、特開平3−
130103号、同6−115023号、同8−313
702号、同7−168004号の各公報記載)、ゾル
ゲル法により得られる層(特開平5−208811号、
同6−299091号、同7−168003号の各公報
記載)、あるいは微粒子を含む層(特公昭60−592
50号、特開平5−13021号、同6−56478
号、同7−92306号、同9−288201号の各公
報に記載)として形成できる。微粒子を含む層では、微
粒子間または微粒子内のミクロボイドとして、低屈折率
層に空隙を形成することができる。微粒子を含む層は、
3乃至50体積%の空隙率を有することが好ましく、5
乃至35体積%の空隙率を有することがさらに好まし
い。
【0104】広い波長領域の反射を防止するためには、
低屈折率層に加えて、屈折率の高い層(中・高屈折率
層)を設けることが好ましい。高屈折率層の屈折率は、
1.65乃至2.40であることが好ましく、1.70
乃至2.20であることがさらに好ましい。中屈折率層
の屈折率は、低屈折率層の屈折率と高屈折率層の屈折率
との中間の値となるように調整する。中屈折率層の屈折
率は、1.50乃至1.90であることが好ましい。中
・高屈折率層の厚さは、5nm乃至100μmであるこ
とが好ましく、10nm乃至10μmであることがさら
に好ましく、30nm乃至1μmであることが最も好ま
しい。中・高屈折率層のヘイズは、5%以下であること
が好ましく、3%以下であることがさらに好ましく、1
%以下であることが最も好ましい。中・高屈折率層は、
比較的高い屈折率を有するポリマーを用いて形成するこ
とができる。屈折率が高いポリマーの例には、ポリスチ
レン、スチレン共重合体、ポリカーボネート、メラミン
樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂および環状(脂環
式または芳香族)イソシアネートとポリオールとの反応
で得られるポリウレタンが含まれる。その他の環状(芳
香族、複素環式、脂環式)基を有するポリマーや、フッ
素以外のハロゲン原子を置換基として有するポリマー
も、屈折率が高い。二重結合を導入してラジカル硬化を
可能にしたモノマーの重合反応によりポリマーを形成し
てもよい。
【0105】さらに高い屈折率を得るため、ポリマーバ
インダー中に無機微粒子を分散してもよい。無機微粒子
の屈折率は、1.80乃至2.80であることが好まし
い。無機微粒子は、金属の酸化物または硫化物から形成
することが好ましい。金属の酸化物または硫化物の例に
は、二酸化チタン(粒子構造としては、ルチル、ルチル
/アナターゼの混晶、アナターゼ、アモルファス構造の
いずれでも良い)、酸化錫、酸化インジウム、酸化亜
鉛、酸化ジルコニウムおよび硫化亜鉛が含まれる。酸化
チタン、酸化錫および酸化インジウムが特に好ましい。
無機微粒子は、これらの金属の酸化物または硫化物を主
成分とし、さらに他の元素を含むことができる。主成分
とは、粒子を構成する成分の中で最も含有量(質量%)
が多い成分を意味する。他の元素の例には、Ti、Z
r、Sn、Sb、Cu、Fe、Mn、Pb、Cd、A
s、Cr、Hg、Zn、Al、Mg、Si、PおよびS
が含まれる。被膜形成性で溶剤に分散し得るか、それ自
身が液状である無機材料、例えば、各種元素のアルコキ
シド、有機酸の塩、配位性化合物と結合した配位化合物
(例、キレート化合物)や、活性無機ポリマーを用い
て、中・高屈折率層を形成することもできる。
【0106】[電磁波遮蔽層]光学シルターに電磁波遮蔽
効果を有する層を設けてもよい。電磁波遮蔽層の表面抵
抗は、0.01〜500Ω/□であることが好ましく、
0.01〜10Ω/□であることがさらに好ましい。電
磁波遮蔽効果を付与するには、光学フィルターの透過率
を低下させないように、透明導電層を用いることが好ま
しい。透明導電層は、金属層、金属酸化物層または導電
性ポリマー層として形成できる。
【0107】透明導電層を形成する金属の例には、銀、
パラジウム、金、白金、ロジウム、アルミニウム、鉄、
コバルト、ニッケル、銅、亜鉛、ルテニウム、錫、タン
グステン、イリジウムよび鉛が含まれる。これらを組み
合わせた合金を用いてもよい。銀、パラジウム、金、白
金、ロジウムおよびこれらの合金が好ましく、銀とパラ
ジウムとの合金が最も好ましい。銀−パラジウム合金に
おける銀の含有率は60乃至99質量%が好ましく、8
0乃至98質量%がさらに好ましい。金属層の膜厚は、
1乃至100nmが好ましく、5乃至40nmがさらに
好ましく、10乃至30nmが最も好ましい。膜厚が1
nm未満では電磁波遮蔽効果が乏しく、100nmを超
えると可視光線の透過率が低下する。
【0108】透明導電層を形成する金属酸化物の例に
は、酸化錫、酸化インジウム、酸化アンチモン、酸化亜
鉛、ITOおよびATOが組まれる。金属酸化物層の膜
厚は、20乃至1000nmが好ましく、40乃至10
0nmがさらに好ましい。金属導電層と金属酸化物導電
層とを組み合わせて設けてもよい。また、同一層内に金
属と導電性金属酸化物とを共存させてもよい。金属層の
保護または酸化劣化の防止あるいは可視光線の透過率を
高める目的で透明導電層に透明酸化物層を積層すること
ができる。透明酸化物層には、導電性がなくてもよい。
透明酸化物層は、2〜4価金属の酸化物、酸化ジルコニ
ウム、酸化チタン、酸化マグネシウム、酸化ケイ素、酸
化アルミニウムあるいは金属アルコキサイド化合物の薄
膜として形成できる。透明導電層および透明酸化物層
は、任意の加工処理方法で形成できる。例えば、スパッ
タリング法、真空蒸着法、イオンプレーティング法、プ
ラズマCVD法、PVD法、金属あるいは金属酸化物の
超微粒子の塗布あるいは金属シートの接着により、層を
形成できる。
【0109】[その他の層]光学フィルター表面に、アン
チグレア機能(入射光を表面で散乱させて、膜周囲の景
色が膜表面に移るのを防止する機能)を付与してもよ
い。例えば、光学フィルター表面に微細な凹凸を形成
し、そしてその表面に反射防止層を形成するか、あるい
は反射防止層を形成後、エンボスロールにより表面に凹
凸を形成することにより、アンチグレア機能を得ること
ができる。アンチグレア機能を有する反射防止層は、一
般に3乃至30%のヘイズを有する。
【0110】光学フィルターには、ハードコート層、潤
滑層、防汚層、帯電防止層あるいは中間層を設けること
もできる。ハードコート層は、架橋しているポリマーを
含むことが好ましい。ハードコート層は、アクリル系、
ウレタン系、エポキシ系、シロキサン系のポリマー、オ
リゴマーまたはモノマー(例、紫外線硬化型樹脂)を用
いて形成することができる。シリカ系のフィラーをハー
ドコート層に添加することもできる。光学フィルターの
最表面には潤滑層を形成してもよい。潤滑層は、光学フ
ィルター表面に滑り性を付与し、耐傷性を改善する機能
を有する。潤滑層は、ポリオルガノシロキサン(例、シ
リコンオイル)、天然ワックス、石油ワックス、高級脂
肪酸金属塩、フッ素系潤滑剤またはその誘導体を用いて
形成することができる。潤滑層の厚さは、2乃至20n
mであることが好ましい。光学フィルターの最表面に防
汚層を設けることもできる。防汚層は反射防止層の表面
エネルギーを下げ、親水性、親油性の汚れを付きにくく
するものである。そのほか防汚層は含フッ素ポリマーを
用いて形成することができる。防汚層の厚さは、2乃至
100nmであることが好ましく、5乃至30nmであ
ることがさらに好ましい。
【0111】光学フィルターの層、すなわち、フィルタ
ー層、反射防止層(低屈折率層)、電磁波遮蔽層、下塗
り層、ハードコート層、潤滑層、防汚層、その他の層
は、一般的な塗布方法により形成することができる。塗
布方法の例には、ディップコート法、エアーナイフコー
ト法、カーテンコート法、ローラーコート法、ワイヤー
バーコート法、グラビアコート法およびホッパーを使用
するエクストルージョンコート法(米国特許26812
94号明細書記載)が含まれる。二以上の層を同時塗布
により形成してもよい。同時塗布法については、米国特
許2761791号、同2941898号、同3508
947号、同3526528号の各明細書および原崎勇
次著「コーティング工学」253頁(1973年朝倉書
店発行)に記載がある。また、本発明における層の形成
方法として、スパッタリング法、真空蒸着法、イオンプ
レーティング法、プラズマCVD法あるいはPVD法も
適宜選択することができる。
【0112】[光学フィルターの用途]光学フィルター
は、液晶表示装置(LCD)、プラズマディスプレイパ
ネル(PDP)、エレクトロルミネッセンスディスプレ
イ(ELD)や陰極管表示装置(CRT)のような画像
表示装置に用いられる。光学フィルターは、プラズマデ
ィスプレイパネル(PDP)または陰極管表示装置(C
RT)、特にプラズマディスプレイパネル(PDP)に
使用すると、顕著な効果が得られる。
【0113】プラズマディスプレイパネル(PDP)
は、ガス、ガラス基板、電極、電極リード材料、厚膜印
刷材料、蛍光体により構成される。ガラス基板は、前面
ガラス基板と後面ガラス基板の二枚である。二枚のガラ
ス基板には電極と絶縁層を形成する。後面ガラス基板に
は、さらに蛍光体層を形成する。二枚のガラス基板を組
み立てて、その間にガスを封入する。前面板とは該プラ
ズマディスプレイパネルの前面に位置する基板のことで
ある。前面板はプラズマディスプレイパネルを保護する
ために充分な強度を備えていることが好ましい。前面板
はプラズマディスプレイパネルと隙間を置いて使用する
こともできるし、プラズマディスプレイ本体に直貼りし
て使用することもできる。
【0114】光学フィルターは、前面板に張り付けて
も、プラズマディスプレイ本体に直貼りしてもよい。ま
た、前面板を設けずに、光学フィルターをプラズマディ
スプレイ本体に直貼りして使用することもできる。プラ
ズマディスプレイ表示装置とは少なくともプラズマディ
スプレイパネル本体と筐体をふくむ表示装置全体のこと
である。前面板を有する場合はこれもプラズマディスプ
レイ表示装置に含まれる。プラズマディスプレイパネル
(PDP)は、既に市販されている。プラズマディスプ
レイパネルについては、特開平5−205643号、同
9−306366号の各公報に記載がある。
【0115】
【実施例】[実施例1] (光学フィルターの作製)厚さ175μmの透明な2軸
延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムの両面をコロ
ナ処理した後、両面に屈折率1.55、ガラス転移温度
37℃のスチレン−ブタジエンコポリマーからなるラテ
ックス(日本ゼオン(株)製、LX407C5)を塗布
し、下塗り層を形成した。乾燥後の膜厚さとして、片面
には厚さ300nm、もう片面には厚さ150nmとな
るように塗布した。
【0116】ゼラチンの10質量%水溶液180gにp
Hが7になるように1規定の水酸化ナトリウム溶液を添
加し、オキソノール染料(II−7)24.5mg/
2 、シアニン染料(I−12)45.9mg/m2
よびシアニン染料(I−13)29.1mg/m2 を添
加し、30℃で24時間攪拌した。得られたフィルター
層用塗布液を透明支持体の厚さ300nmの下塗り層側
に、乾燥膜厚が3.5μmとなるように塗布し、120
℃で10分間乾燥して光学フィルターを作製した。
【0117】(吸光度の測定)作製した光学フィルターに
ついて、分光透過率を調べたところ、810nm、90
4nmおよび985nmに吸収極大を有していた。81
0nmの吸収極大での透過率は5%、905nmの吸収
極大での透過率は1%、983nmの吸収極大での透過
率は3%であった。使用した染料の溶液中でのλmax
は以下の通りであった。 オキソノール染料(II−7):620nm/DMF シアニン染料(I−12): 780nm/水 シアニン染料(I−13): 836nm/水
【0118】[実施例2]染料をオキソノール染料(II
−4)25.5mg/m2 、シアニン染料(I−15)
40mg/m2 およびシアニン染料(I−9)32mg
/m2 に変更した以外は、実施例1と同様に光学フィル
ターを作製した。作製した光学フィルターについて、分
光透過率を調べたところ、818nm,914nmおよ
び1000nmに吸収極大を有していた。818nmの
吸収極大での透過率は6%、914nmの吸収極大での
透過率は3%、1000nmの吸収極大での透過率は5
%であった。使用した染料の溶液中でのλmaxは以下
の通りであった。 オキソノール染料(II−4):620nm/DMF シアニン染料(I−15): 806nm/水 シアニン染料(I−9): 804nm/メタノール
【0119】[実施例3]染料をシアニン染料(III-
8)20mg/m2 、オキソノール染料(II−7)2
4.5mg/m2 、シアニン染料(I−12)45.9
mg/m2 およびシアニン染料(I−13)29.1m
g/m2 に変更した以外は、実施例1と同様に光学フィ
ルターを作製した。作製した光学フィルターについて、
分光透過率を調べたところ、595nm、810nm、
904nmおよび985nmに吸収極大を有していた。
595nmの吸収極大での透過率は30%、810nm
の吸収極大での透過率は5%、905nmの吸収極大で
の透過率は1%、983nmの吸収極大での透過率は3
%であった。使用した染料の溶液中でのλmaxは以下
の通りであった。 シアニン染料(III-8): 539nm/メタノール オキソノール染料(II−7):620nm/DMF シアニン染料(I−12): 780nm/水 シアニン染料(I−13): 836nm/水
【0120】[実施例4] (フィルター層の形成)1規定の水酸化ナトリウム水溶
液を用いて、10質量%ゼラチン水溶液180gのpH
を7に調整した。次に、シアニン染料(III-8)20m
g/m2 、オキソノール染料(II−7)24.5mg/
2 、シアニン染料(I−12)45.9mg/m2
シアニン染料(I−13)29.1mg/m2 および下
記のオキソノール染料(II−A)120mg/m2 を添
加し、30℃で24時間攪拌した。得られたフィルター
層用塗布液を、実施例1で作製した透明支持体の厚さ3
00nmの下塗り層側に、乾燥膜厚が3.5μmとなる
ように塗布し、120℃で10分間乾燥してフィルター
層を形成した。
【0121】
【化39】
【0122】(反射防止層の形成)反応性フッ素ポリマ
ー(JN−7219、JSR(株)製)2.50gにt
−ブタノール1.5gを加え、室温で10分間攪拌し、
1μmのポリプロピレンフィルターでろ過し、塗布液を
調製した。フィルター層とは反対側の透明支持体面にこ
の液をバーコーターを用いて乾燥膜厚90nmになるよ
うに塗布し、120℃で3分間乾燥した。フィルター層
側に、アクリル系粘着剤を塗工した金属薄膜からなるメ
ッシュを貼り合わせた。作製した光学フィルターについ
て、分光透過率を調べたところ、400nm、595n
m、810nm、904nmおよび985nmに吸収極
大を有していた。400nmの吸収極大での透過率は3
5%、595nmの吸収極大での透過率は30%、81
0nmの吸収極大での透過率は5%、905nmの吸収
極大での透過率は1%、983nmの吸収極大での透過
率は3%であった。使用した染料の溶液中でのλmax
は以下の通りであった。 シアニン染料(III-8): 539nm/メタノール オキソノール染料(II−7):620nm/DMF シアニン染料(I−12): 780nm/水 オキソノール染料(II−A):396nm/水
【0123】[比較例1]染料を添加しない以外は、実
施例1と同様に光学フィルターを作製した。
【0124】(光学フィルターの評価)市販のプラズマデ
ィスプレイパネル(PDS4202J−H、富士通
(株)製)の前面板の最表面フィルムを剥がし、その代
わりに作製した光学フィルターを接着剤で貼りつけた。
プラズマディスプレイパネルに対向して設置したテレビ
ジョンのリモコンの誤動作があるかどうかを評価した。
比較例では、しばしば誤動作を起こしたが、実施例1〜
4の光学フィルターを用いると誤動作は解消された。ま
た、実施例3のフィルターを用いると、コントラストが
よく、白色光および赤色光が改善された。さらに、実施
例4のフィルターを用いると、色味補正によってディス
プレイがグレー色になった。
【0125】[実施例5] (可視光吸収フィルター層の形成)1規定の水酸化ナト
リウム水溶液を用いて、10質量%ゼラチン水溶液18
0gのpHを7に調整した。次に、シアニン染料(III-
8)10mg/m2 を添加し、30℃で24時間攪拌し
た。得られた可視光吸収フィルター層用塗布液を、実施
例1で作製した透明支持体の厚さ300nmの下塗り層
側に、乾燥膜厚が1.3μmとなるように塗布し、12
0℃で10分間乾燥して可視光吸収フィルター層を形成
した。
【0126】(赤外線吸収フィルター層の形成)1規定
の水酸化ナトリウム水溶液を用いて、10質量%ゼラチ
ン水溶液180gのpHを7に調整した。次に、オキソ
ノール染料(II−7)24.5mg/m 2 、シアニン染
料(I−12)45.9mg/m2 、シアニン染料(I
−13)29.1mg/m2 および下記のアゾ染料(VI
−A)120mg/m2 を添加し、30℃で24時間攪
拌した。得られた赤外線吸収フィルター層用塗布液を、
可視光吸収フィルター層の上に、乾燥膜厚が1.7μm
となるように塗布し、120℃で10分間乾燥して赤外
線吸収フィルター層を形成した。
【0127】
【化40】
【0128】(光学フィルターの作製と評価)フィルタ
ー層とは反対側の面に、実施例4と同様に反射防止層を
形成した。フィルター層側には、アクリル系粘着剤を塗
工した金属薄膜からなるメッシュを貼り合わせた。作製
した光学フィルターについて、分光透過率を測定した。
測定したスペクトルを図1に示す。
【0129】
【発明の効果】本発明の光学フィルターは、赤外線およ
び色純度を低下させる波長の光を選択的にカットでき
る。この光学フィルターをプラズマディスプレイパネル
に使用することで、リモコンの誤動作防止および色バラ
ンスの補正ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例5で作製した光学フィルターの吸収スペ
クトルである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 野呂 正樹 神奈川県南足柄市中沼210番地 富士写真 フイルム株式会社内 Fターム(参考) 2H048 CA01 CA04 CA09 CA12 CA14 CA19 2H091 FA01X LA03 5G435 AA00 AA04 BB06 CC12 GG11 HH02 KK07

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 透明支持体とフィルター層とを有する光
    学フィルターであって、フィルター層が、750乃至8
    50nmの範囲、851乃至950nmの範囲および9
    51乃至1100nmの範囲にそれぞれ吸収極大波長を
    有していることを特徴とする光学フィルター。
  2. 【請求項2】 フィルター層が、染料およびポリマーバ
    インダーを含む請求項1記載の光学フィルター。
  3. 【請求項3】 染料が、会合状態である請求項2記載の
    光学フィルター。
  4. 【請求項4】 会合状態の染料が、メチン染料である請
    求項3記載の光学フィルター。
  5. 【請求項5】 フィルター層が、750乃至850nm
    の範囲に吸収極大波長を有する会合状態のメチン染料、
    851乃至950nmの範囲に吸収極大波長を有する会
    合状態のメチン染料および951乃至1100nmの範
    囲に吸収極大波長を有する会合状態のメチン染料を含む
    請求項4記載の光学フィルター。
  6. 【請求項6】 いずれかのメチン染料が、下記式(I)
    で表されるシアニン染料である請求項5記載の光学フィ
    ルター: 【化1】 [式中、Z1 およびZ2 は、それぞれ独立に、縮環して
    もよい5員または6員の含窒素複素環を形成する非金属
    原子群であり;R1 およびR2 は、それぞれ独立に、脂
    肪族基または芳香族基であり;L1 は、奇数個のメチン
    からなるメチン鎖であり;a、bおよびcは、それぞれ
    独立に、0または1であり;そして、X1は、アニオン
    である]。
  7. 【請求項7】 750乃至850nmの範囲に吸収極大
    波長を有するメチン染料が、下記式(II)で表されるオ
    キソノール染料である請求項5記載の光学フィルター: 【化2】 [式中、Y1 およびY2 は、それぞれ独立に脂肪族基ま
    たは複素環を形成する非金属原子群であり;L2 は、奇
    数個のメチンからなるメチン鎖であり;そして、X
    2 は、水素原子またはカチオンである]。
  8. 【請求項8】 750乃至850nm、851乃至95
    0nmおよび951乃至1100nmの範囲の吸収極大
    における光透過率がそれぞれ0.01乃至30%の範囲
    である請求項1記載の光学フィルター。
  9. 【請求項9】 フィルター層が、さらに560nm乃至
    620nmの範囲に吸収極大波長を有する請求項1記載
    の光学フィルター。
  10. 【請求項10】 フィルター層が、560nm乃至62
    0nmの範囲に吸収極大波長を有する会合状態のメチン
    染料を含む請求項9記載の光学フィルター。
  11. 【請求項11】 560nm乃至620nmの範囲に吸
    収極大波長を有するメチン染料が、下記式(III)で表さ
    れる請求項10記載の光学フィルター: 【化3】 [式中、Z1 およびZ2 は、それぞれ独立に、縮環して
    もよい5員または6員の含窒素複素環を形成する非金属
    原子群であり;R1 およびR2 は、それぞれ独立に、脂
    肪族基または芳香族基であり;L3 は、3個のメチンか
    らなるメチン鎖であり;a、bおよびcは、それぞれ独
    立に、0または1であり;そして、X1 は、アニオンで
    ある]。
  12. 【請求項12】 透明支持体とフィルター層とを有する
    光学フィルターで覆われたディスプレイ表面を有するプ
    ラズマディスプレイパネルであって、フィルター層が、
    750乃至850nmの範囲、851乃至950nmの
    範囲および951乃至1100nmの範囲にそれぞれ吸
    収極大波長を有していることを特徴とするプラズマディ
    スプレイパネル。
JP2001203298A 2000-07-06 2001-07-04 光学フィルター Expired - Fee Related JP4412867B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001203298A JP4412867B2 (ja) 2000-07-06 2001-07-04 光学フィルター

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000204846 2000-07-06
JP2000-204846 2000-07-06
JP2001203298A JP4412867B2 (ja) 2000-07-06 2001-07-04 光学フィルター

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2002090521A true JP2002090521A (ja) 2002-03-27
JP4412867B2 JP4412867B2 (ja) 2010-02-10

Family

ID=26595491

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001203298A Expired - Fee Related JP4412867B2 (ja) 2000-07-06 2001-07-04 光学フィルター

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4412867B2 (ja)

Cited By (16)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005292393A (ja) * 2004-03-31 2005-10-20 Mitsubishi Chemicals Corp ディスプレイ装置用フィルタ及びディスプレイ装置
WO2007029649A1 (ja) * 2005-09-05 2007-03-15 Matsushita Electric Industrial Co., Ltd. 表示装置用フィルタ
WO2007148621A1 (ja) * 2006-06-20 2007-12-27 Kabushiki Kaisha Hayashibara Seibutsu Kagaku Kenkyujo 遮光剤
JP2008020717A (ja) * 2006-07-13 2008-01-31 Sony Corp 液晶ディスプレイ及びこれに用いられる光学素子
JP2008255323A (ja) * 2006-09-29 2008-10-23 Fujifilm Corp 近赤外吸収画像形成用組成物、それを用いたインクおよび電子写真用トナー、並びにそれらを用いたインクジェット記録方法、電子写真記録方法および近赤外線読み取り方法
JP2009108316A (ja) * 2007-10-26 2009-05-21 Dymax Corp オキソノール色素を含有する光重合性組成物
JP2009227866A (ja) * 2008-03-24 2009-10-08 Nitto Denko Corp 光学フィルムの吸収帯域制御方法、光学フィルムの製造方法、光学フィルム、色純度向上シートおよび画像表示装置
JP2009229933A (ja) * 2008-03-24 2009-10-08 Nitto Denko Corp 光学フィルムの吸収帯域制御方法、光学フィルムの製造方法、光学フィルム、色純度向上シートおよび画像表示装置
US7820254B2 (en) 2006-03-30 2010-10-26 Fujifilm Corporation Near infrared-absorbing dye-containing curable composition
JP2014052482A (ja) * 2012-09-06 2014-03-20 Nippon Sheet Glass Co Ltd 赤外線カットフィルタおよび撮像装置
KR20150003712A (ko) * 2012-04-25 2015-01-09 가부시키가이샤 아데카 파장 컷 필터
JP2017120433A (ja) * 2017-01-26 2017-07-06 日本板硝子株式会社 赤外線カットフィルタ、撮像装置および赤外線カットフィルタの製造方法
KR101755595B1 (ko) * 2010-04-22 2017-07-07 신에쓰 가가꾸 고교 가부시끼가이샤 근적외광 흡수층 형성재료 및 적층막
JP2019109526A (ja) * 2019-02-06 2019-07-04 日本板硝子株式会社 赤外線カットフィルタ、撮像装置および赤外線カットフィルタの製造方法
WO2020049903A1 (ja) * 2018-09-05 2020-03-12 富士フイルム株式会社 眼鏡用レンズ及び眼鏡
WO2022049862A1 (ja) 2020-09-01 2022-03-10 富士フイルム株式会社 色素組成物、インクジェット記録方法、画像記録物、及び色素化合物

Cited By (21)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005292393A (ja) * 2004-03-31 2005-10-20 Mitsubishi Chemicals Corp ディスプレイ装置用フィルタ及びディスプレイ装置
WO2007029649A1 (ja) * 2005-09-05 2007-03-15 Matsushita Electric Industrial Co., Ltd. 表示装置用フィルタ
US7820254B2 (en) 2006-03-30 2010-10-26 Fujifilm Corporation Near infrared-absorbing dye-containing curable composition
WO2007148621A1 (ja) * 2006-06-20 2007-12-27 Kabushiki Kaisha Hayashibara Seibutsu Kagaku Kenkyujo 遮光剤
JP5116673B2 (ja) * 2006-06-20 2013-01-09 株式会社林原 遮光剤
JP2008020717A (ja) * 2006-07-13 2008-01-31 Sony Corp 液晶ディスプレイ及びこれに用いられる光学素子
JP2008255323A (ja) * 2006-09-29 2008-10-23 Fujifilm Corp 近赤外吸収画像形成用組成物、それを用いたインクおよび電子写真用トナー、並びにそれらを用いたインクジェット記録方法、電子写真記録方法および近赤外線読み取り方法
JP2009108316A (ja) * 2007-10-26 2009-05-21 Dymax Corp オキソノール色素を含有する光重合性組成物
JP2009227866A (ja) * 2008-03-24 2009-10-08 Nitto Denko Corp 光学フィルムの吸収帯域制御方法、光学フィルムの製造方法、光学フィルム、色純度向上シートおよび画像表示装置
JP2009229933A (ja) * 2008-03-24 2009-10-08 Nitto Denko Corp 光学フィルムの吸収帯域制御方法、光学フィルムの製造方法、光学フィルム、色純度向上シートおよび画像表示装置
KR101755595B1 (ko) * 2010-04-22 2017-07-07 신에쓰 가가꾸 고교 가부시끼가이샤 근적외광 흡수층 형성재료 및 적층막
KR20150003712A (ko) * 2012-04-25 2015-01-09 가부시키가이샤 아데카 파장 컷 필터
KR101987926B1 (ko) 2012-04-25 2019-06-11 가부시키가이샤 아데카 파장 컷 필터
JP2014052482A (ja) * 2012-09-06 2014-03-20 Nippon Sheet Glass Co Ltd 赤外線カットフィルタおよび撮像装置
JP2017120433A (ja) * 2017-01-26 2017-07-06 日本板硝子株式会社 赤外線カットフィルタ、撮像装置および赤外線カットフィルタの製造方法
WO2020049903A1 (ja) * 2018-09-05 2020-03-12 富士フイルム株式会社 眼鏡用レンズ及び眼鏡
JPWO2020049903A1 (ja) * 2018-09-05 2021-08-12 富士フイルム株式会社 眼鏡用レンズ及び眼鏡
JP7123149B2 (ja) 2018-09-05 2022-08-22 富士フイルム株式会社 眼鏡用レンズ及び眼鏡
US11958959B2 (en) 2018-09-05 2024-04-16 Fujifilm Corporation Lens for spectacles and spectacles
JP2019109526A (ja) * 2019-02-06 2019-07-04 日本板硝子株式会社 赤外線カットフィルタ、撮像装置および赤外線カットフィルタの製造方法
WO2022049862A1 (ja) 2020-09-01 2022-03-10 富士フイルム株式会社 色素組成物、インクジェット記録方法、画像記録物、及び色素化合物

Also Published As

Publication number Publication date
JP4412867B2 (ja) 2010-02-10

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4533538B2 (ja) 光学フィルター
KR100808210B1 (ko) 두 개의 최대 흡광값을 가지는 광학 필터
JP4412867B2 (ja) 光学フィルター
US6680009B2 (en) Optical filter comprising transparent support and filter layer having three absorption maximums
JP2002122731A (ja) 光学フィルター
US6307671B1 (en) Optical filter comprising transparent support and filter layer containing dye and binder polymer
JP2008250336A (ja) 反射防止フイルムおよびそれを用いたプラズマディスプレイ
JP2009108267A (ja) シアニン化合物およびそれを含んでなる近赤外線吸収組成物
JP4011766B2 (ja) 反射防止膜
JP4148548B2 (ja) 反射防止フイルムおよびそれを用いたプラズマディスプレイ
JP5243056B2 (ja) 少なくとも2種のシアニン化合物を含む近赤外吸収組成物
JP2001147319A (ja) 光学フィルターおよび反射防止膜
US6586057B1 (en) Optical filter comprising transparent support and filter layer containing dye and binder polymer
JP2003255105A (ja) 透明反射防止膜、光学フィルター、および画像表示装置
JP2001166131A (ja) 光学フィルターおよび反射防止膜
JP2009109774A (ja) 光学フィルターおよびそれを用いたプラズマディスプレイパネル
JP2002122729A (ja) 光学フィルター
JP2002022935A (ja) 光学フィルター
JP2000258605A (ja) 光学フィルターおよび反射防止膜
JP2002214426A (ja) 光学フィルターおよびプラズマディスプレイパネル
JP2002122730A (ja) 光学フィルター
JP2002372617A (ja) 光学フィルターおよび画像表示装置
JP2000321419A (ja) 光学フィルターおよび反射防止膜
JP2000258618A (ja) 光学フィルターおよび反射防止膜
JP2002228827A (ja) 光学フィルターおよびプラズマディスプレイパネル

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20060118

A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A712

Effective date: 20061212

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20090403

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20090521

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20090707

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20091030

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20091117

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121127

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent (=grant) or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121127

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131127

Year of fee payment: 4

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees