JP2008020717A - 液晶ディスプレイ及びこれに用いられる光学素子 - Google Patents

液晶ディスプレイ及びこれに用いられる光学素子 Download PDF

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Abstract

【課題】バックライトから発せられる近赤外線を原因として起こるリモコン感度の低下を抑制できる液晶ディスプレイ及びこれに用いられる光学素子を提供する。
【解決手段】本発明に係る液晶ディスプレイ10は、液晶表示パネル11と、冷陰極管を具備するバックライトユニット12と、可視領域の光を透過し、赤外領域の波長の一部を選択的に反射する光学素子(光学フィルタ)4とを備えている。光学フィルタ4は、少なくとも2種類以上の異なる屈折率を有する物質からなる多層膜からなり、波長400nm以上700nm以下の光の透過率平均値が85%以上であり、850nm以上1150nm以下の光の透過率平均値が80%以下である。これにより、表示輝度の低下を抑制しつつ、バックライトから放射される上記波長範囲の赤外線を原因して起こる周辺機器及びディスプレイ自身のリモコン感度の低下や誤動作を抑制する。
【選択図】図1

Description

本発明は、液晶表示パネルから出射される赤外線によりリモートコントローラの感度の低下を抑制することができる液晶ディスプレイ及びこれに用いられる光学素子に関する。
今日の映像表示ディスプレイは、ブラウン管ディスプレイ、プラズマディスプレイ、液晶ディスプレイなど数種にわたっている。これら映像表示ディスプレイのほぼ全ての機種には、近赤外線通信を利用した遠隔操作装置すなわちリモートコントローラ(以下「リモコン」と略称する。)が付属されている。
一般的なリモコンの信号波長とその受光部の感度曲線を図8に示す。リモコン信号波長は、940nmを中心とし、半値幅50nm程度の1つのピーク形状を有している。一方、受光部については、波長850nm〜1150nmと広い波長範囲に感度を有している。
この受光部の感度波長領域にリモコン信号以外の近赤外線が混在する環境下では、リモコンの通信感度が低下し、動作可能なリモコンと通信機器本体の距離が減少する。特に、プラズマディスプレイにおいては、膨大な近赤外線が発せられることが知られており、この近赤外線が、ディスプレイの周辺にある赤外線通信機器(例えば電話機の子機やエアコンディショナー、DVDプレイヤ等の光ディスク装置等)のリモコン感度の低下を引き起こす原因となる。
これに対して、近赤外領域の波長の光を吸収する色素を含有させた光学フィルタをディスプレイ前面側に設ける方法が有効であることが知られている(例えば下記特許文献1参照)。現在のプラズマディスプレイのほとんどには、この種の光学フィルタが用いられている。
特開2005−272660号公報
ところで、最近大型テレビで主流となりつつある薄型テレビとして、プラズマディスプレイのほかに液晶ディスプレイがある。この液晶ディスプレイのバックライトから発せられる近赤外線量はプラズマディスプレイより少ないが、昨今の画面サイズの大型化に伴い、徐々に発生量が増大する傾向にある。図9は、液晶ディスプレイから放射される赤外線波長領域の発光スペクトルを示している。
液晶ディスプレイのバックライトから発せられる近赤外線をカットする方法としては、プラズマディスプレイと同様、色素を含む光学フィルタをディスプレイ前面に設ける方法がある。しかし、一般に近赤外線吸収色素は可視領域にも若干の光吸収能を有しているため、ディスプレイ映像の輝度が低下する。プラズマディスプレイに比べて、輝度に余裕がない液晶ディスプレイにとっては、このフィルタにより吸収された分の輝度をバックライトの出力等で補うのは極めて困難である。
本発明は上述の問題に鑑みてなされ、液晶ディスプレイから発せられる近赤外線を原因として起こる周辺機器及びディスプレイ自身のリモコン感度の低下を抑制することができる液晶ディスプレイ及びこれに用いられる光学素子を提供することを課題とする。
以上の課題を解決するに当たり、本発明に係る液晶ディスプレイは、液晶表示パネルと、冷陰極管を具備するバックライトユニットと、可視領域の光を透過し、赤外領域の波長の一部を選択的に反射する光学素子とを備えている。
この光学素子は、波長400nm以上700nm以下の光の透過率平均値が85%以上である。また、光学素子は、波長850nm以上1150nm以下の範囲に少なくとも一つの透過率の最小値を有している。好適には、光学素子は、850nm以上1150nm以下の光の透過率平均値が80%以下である。850nm〜1150nmの波長範囲は、一般的なリモコン信号受光部の受光感度領域に対応する。
本発明に係る光学素子は、少なくとも2種類以上の異なる屈折率を有する物質からなる光学多層膜であり、波長850nm〜1150nmの近赤外線の反射によって透過率を低下させる。これにより、表示輝度の低下を抑制しつつ、バックライトから放射される上記波長範囲の赤外線を原因して起こる周辺機器及びディスプレイ自身のリモコン感度の低下を抑制する。
本発明に係る光学素子は、液晶表示パネルとバックライトユニットの間に配置されるのが好適である。特に、液晶表示パネルとバックライトユニットの間に偏光分離素子が配置される場合には、当該光学素子による偏光分離光の無偏光化を防ぐため、光学素子は、偏光分離素子とバックライトユニットの間に配置されるのが好ましい。
以上述べたように、本発明によれば、表示輝度の低下を抑制しつつ、バックライトから放射される赤外線を原因して起こる周辺機器及びディスプレイ自身のリモコン感度の低下を抑制することができる。
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。なお、本発明は以下の実施形態に限定されることはなく、本発明の技術的思想に基づいて種々の変形が可能である。
図1は、本発明の実施形態による液晶ディスプレイ10の一構成例を示す概略断面図である。図示する液晶ディスプレイ10は、例えば大型液晶テレビ用に構成され、液晶表示パネル11と、この液晶表示パネル11の背面側(図1において下方側)に配置されたバックライトユニット12とを有している。液晶表示パネル11とバックライトユニット12との間には、拡散板13、拡散シート14、プリズムシート15、光学フィルタ4、偏光分離素子16等が適宜組み合わされて配置されている。
なお、これらバックライトユニット12、拡散板13、拡散シート14、プリズムシート15、光学フィルタ4、偏光分離素子16により、液晶表示パネル11に対して照明光を照射するバックライト装置が構成されている。
光学フィルタ4は、本発明に係る「光学素子」として構成されるもので、後述するように、バックライトユニット12から照射される可視領域の光を透過し、赤外領域の波長の一部を選択的に反射する機能を有している。
液晶表示パネル11は、液晶層1を挟んで対向する一対の透明基板2a,2bと、これらの透明基板2a,2bの外面側に各々配置された一対の偏光板3a,3bとを備えている。なお、必要に応じて、透明基板2a,2bと偏光板3a,3bとの間に位相差板等の光学補償フィルムを介在させてもよい。
液晶層1の構成は特に限定されず、誘電異方性が正で電界印加時に分子長軸が電界方向と略平行となる液晶材料や、誘電異方性が負で電界印加時に分子長軸が電界方向と略直交する垂直配向型液晶材料などが用いられる。
図1を参照して、バックライトユニット12から出射した光(バックライト光)は、拡散板13、拡散シート14、プリズムシート15、光学フィルタ4及び偏光分離素子16を介して液晶表示パネル11へ入射される。
拡散板13は、入射したバックライト光を散乱出射させて、液晶表示パネル11の前面からバックライトユニット12の輝線を見えなくする働きをする。拡散シート14はバックライト光を所定の角度範囲で拡散出射する。プリズムシート15は、拡散シート14で拡散されたバックライト光を集光して光学フィルタ4へ入射させる。光学フィルタ4は、バックライト光の可視領域を透過する一方、赤外領域の波長の一部を選択的に反射することで透過量を制限する。
偏光分離素子16は、入射光に含まれる一定の直線偏光成分(例えばP波)を透過させ、他の直線偏光成分(例えばS波)を反射する。これにより、一定の偏光光のみが液晶表示パネル11へ入射される。偏光分離素子16から出射した偏光光は、その偏光方向と平行な透過軸を有する偏光板3bを介して液晶層1へ入射する。液晶層1を構成する液晶分子は、透明電極間に挟まれた画素領域毎に電圧駆動されることで配向制御され、入射偏光光に旋光性を与える。その結果、カラーフィルタを通過し、液晶表示パネル11の前面側の偏光板3aを透過する光と透過しない光とが画素毎に制御され、液晶表示パネル11の前面にカラー画像が形成される。
バックライトユニット12は、液晶表示パネル11の背面側から照明光を照射する直下型バックライトユニットで構成され、複数本の冷陰極管(CCFL:Cold Cathode Fluorescent Lamp )からなる線状光源8と、光源8の背面側及び側面側を覆う反射板9とで構成されている。
光源8を構成する冷陰極管には、一般に、Ar(アルゴン)ガス及びHg(水銀)が封入されている。このため、冷陰極管をバックライトとする液晶ディスプレイの場合、図9に示したように、912nm、922nm及び965nmにある3本のAr起因の輝線ピークと、1013nmにあるHg起因の輝線ピークとをもつ近赤外線が放射される。Ar起因の3本の輝線は、テレビ電源投入直後に発生量が多く、時間経過と共に減少する。逆に、Hg起因の輝線ピークは、冷陰極管の管内温度が上がりHg蒸気量が増加するに従い増加する。
従って、液晶ディスプレイ10から放射される近赤外線は、液晶ディスプレイ10自身のリモコン受光部や他の周辺機器(例えば、電話機の子機、エアコンディショナ、DVDプレイヤ等の光ディスク装置など)のリモコン受光部の受光感度分布(図8)上にあり、更に室内の壁や家具、使用者の衣服等で反射され易いということもあるため、この液晶ディスプレイ10から発せられる近赤外線を原因として、当該液晶ディスプレイ10及び他の周辺機器のリモコン感度の低下を引き起こすおそれがある。
そこで、本実施形態では、液晶ディスプレイ10から放射される近赤外線を原因として起こる周辺機器及び液晶ディスプレイ10自身のリモコン感度の低下を抑制するために、液晶表示パネル11とバックライトユニット12との間に本発明に係る光学フィルタ4を配置している。
図2は、光学フィルタ4の構成の一例を示す断面図である。光学フィルタ4は、例えば透過率90%以上の透明プラスチックフィルム(例えばポリエチレンテレフタレートフィルム)やガラス等からなる透明支持体5の上に、高屈折率材料層6と低屈折率材料層7とを交互に複数積層した多層膜で構成されている。更に、これらと異なる屈折率を有する他の材料を積層してもよい。この光学フィルタ4は、可視領域の光は透過する一方、赤外領域の波長の一部を反射により透過量を減衰させる機能を有している。
高屈折率材料層6及び低屈折率材料層7は、真空蒸着法やスパッタ法等のドライプロセスあるいはディップコート法等のウェットプロセスによって作製することができる。例えば、高屈折率材料層6は、TiO2 微粒子を含有した樹脂膜(屈折率1.94)で構成でき、低屈折率材料層7は、フッ素樹脂(屈折率1.34)で構成することができる。なお、高屈折率材料層6はTiO2 の代わりに、Nb25、Ta25、ZrO2 の膜又はこれら何れかの微粒子を含有する塗膜で構成してもよく、低屈折率材料層8はフッ素樹脂の代わりに、SiO2、MgF2、Agの膜又はこれら何れかの微粒子を含有する塗膜で構成しても構わない。
更に、高屈折率材料層6は、光劣化を抑制するために、コバルトやジルコニア、酸化アルミニウム、シリコン酸化物、ステアリン酸等を含有していてもよい。例えば、高屈折率材料層6を、コバルトを含有する導電性のTiO2 微粒子を含有する塗膜、あるいは、導電性物質で被覆されコバルトを含有するTiO2 微粒子を含有する塗膜で構成する。導電性物質としては、スズ、インジウム、アンチモン、亜鉛、アルミニウム、ケイ素、ジルコニウム、マンガンから少なくとも1種類の元素を含有する無機化合物が挙げられる。
高屈折率材料層6及び低屈折率材料層7の構成材料、膜厚、積層数は特に制限されず、目的とする分光透過率特性が得られるように適宜選定することができる。具体的に、光学フィルタ4は、波長400nm以上700nm以下の可視光の透過率平均値が85%以上とされる。そして、光学フィルタ4は、波長850nm以上1150nm以下の範囲に少なくとも一つの透過率の最小値を有するように構成される。850nm〜1150nmの波長範囲は、一般的なリモコン信号受光部の受光感度領域に対応する。
また、光学フィルタ4は、850nm以上1150nm以下の光の透過率平均値が80%以下となるように構成される。このとき、上記波長範囲において透過率の最小値を有するように膜設計される。透過率の最小値は一つだけに限られない。また、透過率の最小値は透過率のボトムピークも含まれる。
更に、光学フィルタ4を備えない場合の液晶ディスプレイの表示輝度に対する、光学フィルタ4を備えた場合の液晶ディスプレイの表示輝度の低下率が、10%以下となるように光学フィルタ4が構成される。
図3は、光学フィルタ4の分光透過率曲線の一例を示している。図示の例の光学フィルタ4は、リモコン受光部が感度を有する波長850nm以上1150nm以下において透過率を低くしているため、バックライトユニット12から発生したこの波長領域の近赤外線を内部反射させ、ディスプレイ外部へ放射される量を減少させることができる。
特に、冷陰極管をバックライトとする液晶ディスプレイの場合、波長850nm〜1150nmに発生する近赤外線は、図9に示したような912nm、922nm及び965nmにある3本のAr起因の輝線ピークと、1013nmにあるHg起因の輝線ピークであり、この光学フィルタ4を設けることにより、これらの近赤外線放射量を減少させることができる。これにより、液晶ディスプレイ10から放射される赤外線を原因として起こる周辺機器及びディスプレイ自身のリモコン感度の低下を抑制することができる。
その一方で、図3の光学特性を有する光学フィルタ4は、可視領域の光の透過率が高いため、ディスプレイ映像の品位、特に輝度に与える影響を少なくすることができる。
この光学フィルタ4の近赤外領域の反射率は、対象とするディスプレイの画面サイズにより変更されることが望ましい。即ち、画面サイズが大きいほど、発生する近赤外線の量も多くなるため、光学フィルタ4の反射率もそれに合わせて高くする必要がある。また、この光学素子4の可視領域の透過率は、ディスプレイが表示する映像の輝度と関連し、透過率が低いほど輝度が低下する。仮に、この光学素子4をディスプレイ内部に設けることによる映像の輝度の低下量を10%以下にする必要がある場合、光学フィルタ4の可視領域波長400〜700nmにおける透過率平均値が少なくとも85%以上である必要がある。
また、本実施形態の液晶ディスプレイ10は、バックライトユニット12から放射される所定波長領域の赤外線の透過量を減衰させる光学フィルタ4を、液晶表示パネル11とバックライトユニット12との間に配置しているので、液晶表示パネル11の前面側に光学フィルタ4を設置する場合と比較して、外光反射による画像品位の劣化を防ぐことができる。
また、偏光分離素子16とバックライトユニット12との間に光学フィルタ4を配置しているので、偏光分離作用を受けた光の無偏光化を防止でき、光の利用効率を高めて輝度の向上を図ることが可能となる。
以下、本発明の実施例について説明する。なお、以下の実施例は例示であり、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
本発明に係る光学素子としての光学フィルタのサンプルを以下の手順により作製した。
サンプル作製に用いた高屈折率材料層は、TiO2 微粒子を含有する塗膜とした。当該塗膜を形成する塗料Aの構成は以下のとおりである。
(塗料A)
・顔料微粒子:TiO2 微粒子 100重量部
(石原産業社製、平均粒径約20nm、屈折率2.48)
・結合剤:SO3 Na基含有ウレタンアクリレート 9.2重量部
(数平均分子量:350、SO3Na濃度:1×10-1mol/g
・分散剤:ポリオキシエチレンリン酸エステル 7.5重量部
・有機溶媒:メチルイソブチルケトン(MIBK) 4800重量部
・紫外線(UV)硬化性樹脂:ジペンタエリスリトールヘキサアクリレートとジペンタエリスリトールペンタアクリレートとの混合物 22重量部
(日本化薬社製、商品名DPHA)
上記顔料微粒子、分散剤、結合剤、有機溶媒を所定量混合し、ペイントシェーカーで分散処理を行い微粒子分散液を得た。次に、UV硬化性樹脂を添加し、撹拌器にて撹拌処理を行い、塗料Aとした。なお、当該塗料Aより成膜した光学膜について、フィルメトリックス(松下インターテクノ社製)を用いて膜の屈折率を測定したところ、可視領域で平均1.94であった。
一方、サンプル作製に用いた低屈折率材料層は、フッ素樹脂膜とした。当該樹脂膜を形成する塗料Bの構成は以下のとおりである。
(塗料B)
・結合剤:末端カルボキシル基をもつパーフルオロブテニルビニルエーテルの重合体 100重量部
・有機溶媒:含フッ素アルコール(C6F13C2H4OH)とパーフルオロブテニルアミンとの混合溶媒(混合比95:5) 1666重量部
上記結合剤と有機溶媒とを混合し、十分撹拌して塗料Bとした。なお、当該塗料Bより成膜した光学膜について、フィルメトリックス(松下インターテクノ社製)を用いて巻くの屈折率を測定したところ、可視領域で1.34であった。
(実施例1)
上述の塗料A,Bを用いて以下のようにして光学フィルムのサンプルを作製した。
透明支持体としてPETフィルム(厚み188μm、東レ社製、商品名U426)の主面に塗料Aをディッピング方式で塗布した。塗布膜の膜厚は、引き上げ速度により調整した。塗料Aの塗膜を80℃で乾燥後、UV硬化させ(1000mJ/cm2 )、高屈折率材料層を形成した。
次いで、作製した高屈折率材料層の上に塗料Bをディッピング方式で塗布した。塗布膜の膜厚は、引き上げ速度により調整した。塗料Bの塗膜を室温で乾燥後、90℃で熱硬化を行い、低屈折率材料層を形成した。以上の動作を繰り返し、PETフィルムの片面に6層ずつ多層膜を構成した。各層の膜厚を表1に示す。
Figure 2008020717
得られたサンプルの光学特性について、分光反射率測定器により、分光透過率を測定した。分光透過率曲線を図4Aに示す。また、波長400nm以上700nm以下の間における光の平均透過率及び波長850nm以上1150nm以下の間における光の平均透過率を表2に示す。
Figure 2008020717
この光学フィルタのサンプルを液晶ディスプレイ構造内の液晶表示パネルとバックライトユニットとの間に設置し(図1参照)、リモコンの操作が可能な距離について、次の方法により評価を行った。
まず、図7に示す位置関係で、液晶ディスプレイ(ソニー社製42インチ液晶テレビ)10と光ディスク装置(ソニー社製DVDプレイヤ)20を置き、液晶ディスプレイ10のディスプレイ画面と光ディスク装置20のリモコン受光部20Aとを3メートル離して対向させた。この状態で、リモコン21を持っている試験者が前後に移動しながら光ディスク装置20のリモコン操作が可能である最長距離を確認し、その距離を「リモコン動作可能距離」とし、この距離が長いほどリモコン動作保障効果が大きいものと判断した。リモコン21の信号波長領域は930nm〜960nmであり、リモコン受光部20Aの受光感度領域は850〜1150nmである。
また、液晶ディスプレイ10については、電源投入直後ではバックライトの温度が急激に変化しており、近赤外線の発生挙動も不安定であることを考慮して、試験開始5分前に電源を投入した。また、液晶ディスプレイ10の画面中央部における輝度について、分光輝度計(コニカミノルタ社製CS1000A)を用いて測定し、光学フィルタサンプル未設置の場合に対する輝度減少率を求めた。リモコン動作可能距離及びディスプレイ輝度についての測定結果を表3にそれぞれ示す。
Figure 2008020717
(実施例2)
高屈折率材料層及び低屈折率材料層を表1に示す層数及び厚みとした以外は上述の実施例1と同様な方法で光学素子サンプルを作製し、実施例1と同様な方法で透過率及びリモコン動作可能距離について測定した。測定結果を表2及び表3に示す。また、得られたサンプルの分光透過率曲線を図4Bに示す。
(実施例3)
高屈折率材料層及び低屈折率材料層を表1に示す層数及び厚みとした以外は上述の実施例1と同様な方法で光学素子サンプルを作製し、実施例1と同様な方法で透過率及びリモコン動作可能距離について測定した。測定結果を表2及び表3に示す。また、得られたサンプルの分光透過率曲線を図5Aに示す。
(実施例4)
高屈折率材料層及び低屈折率材料層を表1に示す層数及び厚みとした以外は上述の実施例1と同様な方法で光学素子サンプルを作製し、実施例1と同様な方法で透過率及びリモコン動作可能距離について測定した。測定結果を表2及び表3に示す。また、得られたサンプルの分光透過率曲線を図5Bに示す。
(実施例5)
真空スパッタ法により、Nb25膜、Ag膜、SiO2 膜を表4に示す膜厚で形成し、実施例1と同様な方法で透過率及びリモコン動作可能距離について測定した。測定結果を表2及び表3に示す。また、得られたサンプルの分光透過率曲線を図6Aに示す。
Figure 2008020717
(実施例6)
真空スパッタ法により、Nb2O5膜、Ag膜、SiO2膜を表4に示す膜厚で形成し、実施例1と同様な方法で透過率及びリモコン動作可能距離について測定した。測定結果を表2及び表3に示す。また、得られたサンプルの分光透過率曲線を図6Bに示す。
(比較例1)
液晶ディスプレイの電源を切った状態で、リモコン動作可能距離を測定した。測定結果を表3に示す。
(比較例2)
本発明に係る光学素子サンプルを液晶ディスプレイ内に設置せずにリモコン動作可能距離を測定した。測定結果を表3に示す。
図4及び図5に示すように、実施例1〜6に係る光学フィルタのサンプルは、波長850nm以上1150nm以下の範囲に透過率の最小値あるいはボトムピークを有している。また、表2に示すように、実施例1〜6に係る光学フィルタのサンプルは、波長400nm以上700nm以下の光の透過率平均値が85%以上であり、波長850nm以上1150nm以下の光の透過率平均値が80%以下であることがわかる。
次に、表3を参照して、比較例2では、液晶ディスプレイに電源が投入されると、そのバックライトから放射される近赤外線の影響で、光ディスク装置20のリモコン動作可能距離が、比較例1の15mから3mへと大幅に減少することがわかる。
一方、本発明に係る光学素子を液晶ディスプレイ内に設けた実施例1〜6においては、比較例2の場合よりもリモコン動作可能距離を長くすることができることがわかる。そして、実施例1〜6に関して、光学フィルタの設置による液晶ディスプレイの輝度低下率を10%以下に抑えることができた。
以上の結果から、本発明に係る光学素子をディスプレイ内部に設けることで、映像の品位に大きな影響を与えることなく近赤外線放射量を減少させる有効な手段であることが確認できた。
本発明の実施形態による液晶ディスプレイの構成を示す概略断面図である。 本発明の実施形態による光学素子としての光学フィルタの構成を示す概略断面図である。 図2に示した光学素子の一構成例における分光透過率曲線である。 本発明の実施例1,2に係る光学素子の分光透過率曲線である。 本発明の実施例3,4に係る光学素子の分光透過率曲線である。 本発明の実施例5,6に係る光学素子の分光透過率曲線である。 本発明の実施例において説明する光学素子の特性評価方法を説明する図である。 リモコン信号波長とリモコン受光部感度との関係を説明する図である。 液晶ディスプレイから放射される赤外線の発光スペクトルを示す図である。
符号の説明
1…液晶層、2a,2b…透明基板、3a,3b…偏光板、4…光学素子(光学フィルタ)、5…透明支持体、6…高屈折率材料層、7…低屈折率材料層、8…光源(冷陰極管)、9…反射板、10…液晶ディスプレイ、11…液晶表示パネル、12…バックライトユニット、13…拡散板、14…拡散シート、15…プリズムシート、16…偏光分離素子

Claims (9)

  1. 液晶表示パネルと、
    冷陰極管を具備するバックライトユニットと、
    可視領域の光を透過し、赤外領域の波長の一部を選択的に反射する光学素子とを備えた
    ことを特徴とする液晶ディスプレイ。
  2. 前記光学素子は、波長400nm以上700nm以下の光の透過率平均値が85%以上である
    ことを特徴とする請求項1に記載の液晶ディスプレイ。
  3. 前記光学素子は、波長850nm以上1150nm以下の範囲に少なくとも一つの透過率の最小値を有する
    ことを特徴とする請求項1に記載の液晶ディスプレイ。
  4. 前記光学素子は、波長850nm以上1150nm以下の光の透過率平均値が80%以下である
    ことを特徴とする請求項1に記載の液晶ディスプレイ。
  5. 前記光学素子は、少なくとも2種類以上の異なる屈折率を有する物質からなる光学多層膜である
    ことを特徴とする請求項1に記載の液晶ディスプレイ。
  6. 前記光学素子を備えない場合の液晶ディスプレイの表示輝度に対する、前記光学素子を備えた場合の液晶ディスプレイの表示輝度の低下率が、10%以下である
    ことを特徴とする請求項1に記載の液晶ディスプレイ。
  7. 前記光学素子は、前記液晶表示パネルと前記バックライトユニットとの間に配置されている
    ことを特徴とする請求項1に記載の液晶ディスプレイ。
  8. 前記液晶表示パネルと前記バックライトユニットとの間には偏光分離素子が配置されており、
    前記光学素子は、前記偏光分離素子と前記バックライトユニットとの間に配置されている
    ことを特徴とする請求項7に記載の液晶ディスプレイ。
  9. 冷陰極管をバックライトとして備えた液晶表示パネルと組み合わせて用いられ、
    可視領域の光を透過し、赤外領域の波長の一部を選択的に反射する
    ことを特徴とする光学素子。
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