JP2013207124A - 感光性黒色組成物、ブラックマトリクス及び有機el発光表示装置 - Google Patents

感光性黒色組成物、ブラックマトリクス及び有機el発光表示装置 Download PDF

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Abstract

【課題】
本発明は、色素含有量が高い、あるいは膜厚が厚くとも、高感度で、且つパタ−ン形状が優れた、ブラックマトリクス(BM)に使用する感光性黒色組成物、およびそれを用いたブラックマトリクス(BM)、さらにそれを用いた有機EL発光表示装置の提供を目的とする。
【解決手段】
少なくとも着色材(A)と、バインダ樹脂(B)と、光重合単量体(C)と、オキシムエステル系光重合開始剤(D)とを含有し、着色材(A)が少なくとも2種類の有機顔料を含むことを特徴とするブラックマトリクス(BM)用感光性黒色組成物。
さらに、多官能チオール(E)を含有することを特徴とする上記ブラックマトリクス(BM)用感光性黒色組成物。
さらに増感剤(F)を含むことを特徴とする上記ブラックマトリクス(BM)用感光性黒色組成物。
【選択図】なし

Description

本発明は、感光性黒色組成物、ブラックマトリクス(BM)、有機EL発光表示装置およびアクティブ駆動型有機EL発光表示装置に関する。
ブラックマトリクスの遮光性向上のためには、感光性黒色組成物中の色素の含有量を多くするか、あるいは、膜厚を厚くする必要がある。しかし、色素の含有量を多くする方法においては、感度低下、現像性、解像性が悪化する等の問題が発生する。膜厚を厚くする方法においては、膜底部まで露光光が届かず、パタ−ン形状が不良となる等の問題が発生する。このような問題を解決するため、感光性黒色組成物の高感度化が必要であり、一般的には、(1)樹脂への反応性二重結合の付与、(2)光重合開始剤、増感剤の選択あるいは増量、(3)モノマーの選択あるいは増量等が行われる。
特許文献1には、カーボンブラックを用いた上記技術が開示されている。
また、有機顔料を混合して、遮光性を確保する技術としては、以下のものが開示されている。
特許文献2には、特定の3種類以上の有機顔料を用いて、遮光性や電気特性を確保したブラックマトリクスの技術が開示させている。
特許文献3には、2種類以上の有機顔料と、顔料分散剤と特定の顔料分散助剤を用いて、遮光性や電気特性を確保したブラックマトリクスの技術が開示させている。
特許文献4には、カーボンブラックあるいは有機顔料の混合により、遮光性と絶縁性を両立させた有機EL装置用の黒色硬化膜が開示されている。
特開2009−301048号公報 特開2009−69822号公報 特開2011−118367号公報 特開2001−343743号公報
しかしながら、樹脂への二重結合の付与や光重合開始剤、増感剤およびモノマーの選択だけでは、感度向上には限界がある。特に、光重合開始剤を増量すると、光重合開始剤特有の色による着色、耐熱性の低下、光透過率の減少、解像力の低下等が生じる。また、モノマーを増量すると、タック等の問題が生じる。
そこで、本発明は、色素含有量が高い、あるいは膜厚が厚くとも、高感度で、且つパタ−ン形状が優れた、ブラックマトリクス(BM)に使用する感光性黒色組成物、およびそれを用いたブラックマトリクス(BM)、さらにそれを用いた有機EL発光表示装置の提供を目的とする。
即ち、本発明は、少なくとも着色材(A)と、バインダ樹脂(B)と、光重合単量体(C)と、オキシムエステル系光重合開始剤(D)とを含有し、着色材(A)が少なくとも2種類の有機顔料を含むことを特徴とするブラックマトリクス(BM)用感光性黒色組成物に関する。
また、本発明は、さらに、多官能チオール(E)を含有することを特徴とする上記ブラックマトリクス(BM)用感光性黒色組成物に関する。
また、本発明は、さらに増感剤(F)を含むことを特徴とする上記ブラックマトリクス (BM)用感光性黒色組成物に関する。
また、本発明は、着色材(A)が、赤色顔料を着色材(A)全体の40重量%以上、および青色顔料を着色材(A)全体の40重量%以上含むことを特徴とする上記ブラックマトリクス(BM)用感光性黒色組成物に関する。
また、本発明は、上記感光性黒色組成物から形成されてなるブラックマトリクス(BM )に関する。
また、本発明は、上記ブラックマトリクス(BM)を用いた有機EL発光表示装置に関する。
また、本発明は、有機EL発光素子(EL)を有する第一の層と、ブラックマトリクス(BM)を有する第二の層と、該有機EL素子(EL)を駆動するための薄膜トランジスター(TFT)およびカラーフィルタを有する第三の層と、を備えたアクティブ駆動型有機EL発光表示装置において、上記ブラックマトリクス(BM)を使用することを特徴とするアクティブ駆動型有機EL発光表示装置に関する。
本発明の感光性黒色組成物は、特定の化合物を光重合開始剤として用いることにより、色素含有量が高い、あるいはブラックマトリクスの形成膜厚が厚くとも、高感度で、且つ優れたブラックマトリクスパタ−ンを形成することができる。
従って、本発明の感光性黒色組成物を用いることにより、高品質な有機EL発光表示装置を得ることができる。
まず、本発明における感光性黒色組成物について具体的に説明する。
本発明の感光性黒色組成物は、少なくとも有機顔料(A)と、バインダ樹脂(B)と、光重合単量体(C)と、オキシムエステル系光重合開始剤(D)とを含有し、有機顔料(A)が少なくとも2種類の有機顔料を含むことを特徴とする。
<オキシムエステル系光重合開始剤(D)>
オキシムエステル系光重合開始剤(D)は、一般に感度が高く、該光重合開始剤を含有する感光性黒色組成物を用いることにより、優れたパタ−ン形状のブラックマトリクスを形成することができる。
オキシムエステル系光重合開始剤(D)としては、例えばフェノール系やカルバゾール系が挙げられるが、本発明においてはカルバゾール系が好ましい。
中でも下記式(1)で表される光重合開始剤がさらに好ましく、特に、光重合開始剤は、下記式(2)で表される化合物であることが特に好ましい。

Figure 2013207124
(式中、R1〜R4は、水素原子、C1〜C6のアルキル基、または置換基を有しても良いフェニル基を示す。)
Figure 2013207124
本発明の感光性黒色組成物には、上記式(1)で表される化合物と共に、他の光重合開始剤を併用することができる。
他の光重合開始剤としては、4−フェノキシジクロロアセトフェノン、4−t−ブチル−ジクロロアセトフェノン、ジエトキシアセトフェノン、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタン−1−オン等のアセトフェノン系化合物、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンジルジメチルケタール等のベンゾイン系化合物、ベンゾフェノン、ベンゾイル安息香酸、ベンゾイル安息香酸メチル、4−フェニルベンゾフェノン、ヒドロキシベンゾフェノン、アクリル化ベンゾフェノン、4−ベンゾイル−4'−メチルジフェニルサルファイド、3,3',4,4'−テトラ(t−ブチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン等のベンゾフェノン系化合物、チオキサントン、2−クロルチオキサントン、2−メチルチオキサントン、イソプロピルチオキサントン、2,4−ジイソプロピルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン等のチオキサントン系化合物、2,4,6−トリクロロ−s−トリアジン、2−フェニル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−メトキシフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−トリル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−ピペロニル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−スチリル−s−トリアジン、2−(ナフト−1−イル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(4−メトキシ−ナフト−1−イル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2,4−トリクロロメチル−(ピペロニル)−6−トリアジン、2,4−トリクロロメチル(4'−メトキシスチリル)−6−トリアジン等のトリアジン系化合物、1,2−オクタンジオン,1−〔4−(フェニルチオ)−,2−(O−ベンゾイルオキシム)〕、O−(アセチル)−N−(1−フェニル−2−オキソ−2−(4'−メトキシ−ナフチル)エチリデン)ヒドロキシルアミン等のオキシムエステル系化合物、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキサイド、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド等のホスフィン系化合物、9,10−フェナンスレンキノン、カンファーキノン、エチルアントラキノン等のキノン系化合物、ボレート系化合物、カルバゾール系化合物、イミダゾール系化合物、チタノセン系化合物等が用いられる。これらの光重合開始剤は1種または2種以上混合して用いることができる。
光重合開始剤の使用量は、感光性黒色組成物の全固形分量を基準として0.5〜50重量%が好ましく、より好ましくは3〜30重量%である。
<多官能チオール(E)>
さらに、本発明の感光性黒色組成物には、連鎖移動剤としての働きをする多官能チオールを含有させることができる。
多官能チオールは、チオール基を2個以上有する化合物であればよく、例えば、ヘキサンジチオール 、デカンジチオール 、1,4−ブタンジオールビスチオプロピオネート、1,4−ブタンジオールビスチオグリコレート、エチレングリコールビスチオグリコレート、エチレングリコールビスチオプロピオネート、トリメチロールプロパントリスチオグリコレート、トリメチロールプロパントリス(3−メルカプトプロピオネート)、トリメチロールプロパントリス(3−メルカプトブチレート)、ペンタエリスリトールテトラキスチオグリコレート、ペンタエリスリトールテトラキスチオプロピオネート、ジペンタエリスリトールヘキサキス(3−メルカプトプロピオネート)、トリメルカプトプロピオン酸トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレート、1,4−ジメチルメルカプトベンゼン、2、4、6−トリメルカプト−s−トリアジン、2−(N,N−ジブチルアミノ)−4,6−ジメルカプト−s−トリアジン等が挙げられる。これらの多官能チオールは、1種または2種以上混合して用いることができる。
多官能チオールの使用量は、感光性黒色組成物の全固形分量を基準として0.1〜30重量%が好ましく、より好ましくは1〜20重量%である。0.1質量%未満では多官能チオールの添加効果が不充分であり、30質量%を越えると感度が高すぎて逆に解像度が低下する。
<増感剤(F)>
さらに、増感剤として、トリエタノールアミン、メチルジエタノールアミン、トリイソプロパノールアミン、4−ジメチルアミノ安息香酸メチル、4−ジメチルアミノ安息香酸エチル、4−ジメチルアミノ安息香酸イソアミル、安息香酸2−ジメチルアミノエチル、4−ジメチルアミノ安息香酸2−エチルヘキシル、N,N−ジメチルパラトルイジン、4,4'−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン、4,4'−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、4,4'−ビス(エチルメチルアミノ)ベンゾフェノン等のアミン系化合物を併用することもできる。これらの増感剤は1種または2種以上混合して用いることができる。
また、増感剤の中でも4,4'−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン、4,4'−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノンが好ましく、より好ましくは4,4'−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノンである。
増感剤の使用量は、光重合開始剤と増感剤の合計量を基準として0.5〜60重量%が好ましく、より好ましくは3〜40重量%である。
<バインダ樹脂(B)>
本発明の樹脂組成物に含まれるバインダ樹脂(B)は、着色材(A)を分散するものであって、例えば、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂等が挙げられる。バインダ樹脂(B)は、可視光領域の400〜700nmの全波長領域において分光透過率が好ましくは80%以上、より好ましくは95%以上の透明樹脂であることが好ましい。また、アルカリ現像型感光性着色組成物の形態で用いる場合には、酸性置換基含有エチレン性不飽和単量体を共重合したアルカリ可溶性ビニル系樹脂を用いることが好ましい。また、さらに光感度を向上させるために、エチレン性不飽和二重結合を有する活性エネルギー線硬化性樹脂を用いることもできる。
熱可塑性樹脂としては、例えば、アクリル樹脂、ブチラール樹脂、スチレンーマレイン酸共重合体、塩素化ポリエチレン、塩素化ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリ酢酸ビニル、ポリウレタン系樹脂、ポリエステル樹脂、ビニル系樹脂、アルキッド樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリアミド樹脂、ゴム系樹脂、環化ゴム系樹脂、セルロース類、ポリエチレン(HDPE、LDPE)、ポリブタジエン、およびポリイミド樹脂等が挙げられる。
熱硬化性樹脂としては、例えば、エポキシ樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、ロジン変性マレイン酸樹脂、ロジン変性フマル酸樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂、およびフェノール樹脂等が挙げられる。
酸性置換基含有エチレン性不飽和単量体を共重合したビニル系アルカリ可溶性樹脂としては、例えば、カルボキシル基、スルホン基等の酸性置換基を有する樹脂が挙げられる。アルカリ可溶性樹脂として具体的には、酸性置換基を有するアクリル樹脂、α−オレフィン/(無水)マレイン酸共重合体、スチレン/スチレンスルホン酸共重合体、エチレン/(メタ)アクリル酸共重合体、又はイソブチレン/(無水)マレイン酸共重合体等が挙げられる。中でも、酸性置換基を有するアクリル樹脂、およびスチレン/スチレンスルホン酸共重合体から選ばれる少なくとも1種の樹脂、特に酸性置換基を有するアクリル樹脂は、耐熱性、透明性が高いため、好適に用いられる。
エチレン性不飽和二重結合を有する活性エネルギー線硬化性樹脂としては、たとえば以下に示す(i)や(ii)の方法によりエチレン性不飽和二重結合を導入した樹脂が挙げられる。
[方法(i)]
方法(i)としては、例えば、エポキシ基を有するエチレン性不飽和単量体と、他の1種類以上の単量体とを共重合することによって得られた共重合体の側鎖エポキシ基に、エチレン性不飽和二重結合を有する不飽和一塩基酸のカルボキシル基を付加反応させ、更に、生成した水酸基に、多塩基酸無水物を反応させ、エチレン性不飽和二重結合およびカルボキシル基を導入する方法がある。
エポキシ基を有するエチレン性不飽和単量体としては、例えば、グリシジル(メタ)アクリレート、メチルグリシジル(メタ)アクリレート、2−グリシドキシエチル(メタ)アクリレート、3,4−エポキシブチル(メタ)アクリレート、及び3,4−エポキシシクロヘキシル(メタ)アクリレートが挙げられ、これらは、単独で用いても、2種類以上を併用してもかまわない。次工程の不飽和一塩基酸との反応性の観点で、グリシジル(メタ)アクリレートが好ましい。
不飽和一塩基酸としては、(メタ)アクリル酸、クロトン酸、o−、m−、p−ビニル安息香酸、(メタ)アクリル酸のα位ハロアルキル、アルコキシル、ハロゲン、ニトロ、シアノ置換体等のモノカルボン酸等が挙げられ、これらは、単独で用いても、2種類以上を併用してもかまわない。
多塩基酸無水物としては、テトラヒドロ無水フタル酸、無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、無水コハク酸、無水マレイン酸等が挙げられ、これらは単独で用いても、2種類以上を併用してもかまわない。カルボキシル基の数を増やす等、必要に応じて、トリメリット酸無水物等のトリカルボン酸無水物を用いたり、ピロメリット酸二無水物等のテトラカルボン酸二無水物を用いて、残った無水物基を加水分解したりすること等もできる。また、多塩基酸無水物として、エチレン性不飽和二重結合を有する、テトラヒドロ無水フタル酸、又は無水マレイン酸を用いると、更にエチレン性不飽和二重結合を増やすことができる。
方法(i)の類似の方法として、例えば、カルボキシル基を有するエチレン性不飽和単量体と、他の1種類以上の単量体とを共重合することによって得られた共重合体の側鎖カルボキシル基の一部に、エポキシ基を有するエチレン性不飽和単量体を付加反応させ、エチレン性不飽和二重結合およびカルボキシル基を導入する方法がある。
[方法(ii)]
方法(ii)としては、水酸基を有するエチレン性不飽和単量体を使用し、他のカルボキシル基を有する不飽和一塩基酸の単量体や、他の単量体とを共重合することによって得られた共重合体の側鎖水酸基に、イソシアネート基を有するエチレン性不飽和単量体のイソシアネート基を反応させる方法がある。
水酸基を有するエチレン性不飽和単量体としては、2−ヒドロキシエチル(メタ)アク
リレート、2−若しくは3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−若しくは3
−若しくは4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、グリセロール(メタ)アクリレート、又はシクロヘキサンジメタノールモノ(メタ)アクリレート等のヒドロキシアルキルメタアクリレート類が挙げられ、これらは、単独で用いても、2種類以上を併用して用いてもかまわない。また、上記ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートに、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、及び/又はブチレンオキシド等を付加重合させたポリエーテルモノ(メタ)アクリレートや、ポリγ−バレロラクトン、ポリε−カプロラクトン、及び/又はポリ12−ヒドロキシステアリン酸等を付加したポリエステルモノ(メタ)アクリレートも使用できる。塗膜異物抑制の観点から、2−ヒドロキシエチルメタアクリレート、又はグリセロールメタアクリレートが好ましい。
イソシアネート基を有するエチレン性不飽和単量体としては、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルイソシアネート、又は1,1−ビス〔メタアクリロイルオキシ〕エチルイソシアネート等が挙げられるが、これらに限定することなく、2種類以上併用することもできる。
着色材(A)を好ましく分散させるためには、バインダ樹脂(B)の重量平均分子量(Mw)は10,000〜100,000の範囲が好ましく、より好ましくは10,000〜80,000の範囲である。また数平均分子量(Mn)は5,000〜50,000の範囲が好ましく、Mw/Mnの値は10以下であることが好ましい。
また、着色材(A)の分散性、安定性、現像性、及び耐熱性の観点から、着色材吸着基及び現像時のアルカリ可溶性基として働くカルボキシル基、着色材担体及び溶剤に対する親和性基として働く脂肪族基及び芳香族基のバランスが、顔料の分散性、塗膜における現像液浸透性、未硬化部分の現像液溶解性、さらには耐久性にとって重要であり、酸価20〜300mgKOH/gの樹脂を用いることが好ましい。酸価が、20mgKOH/g未満では、現像液に対する溶解性が悪く、微細パターン形成するのが困難である。また300mgKOH/gを超えると、微細パターンが残らなくなる場合がある。
バインダ樹脂(B)、成膜性および諸耐性が良好なことから、着色材(A)の全重量100重量部に対して、30重量部以上の量で用いることが好ましく、着色材濃度が高く、良好な色特性を発現できることから、500重量部以下の量で用いることが好ましい。より好ましくは100〜400重量部。さらに好ましくは160〜320重量部である。このような顔料の構成比率により色度領域を広げることができる。
<光重合単量体(C)>
光重合単量体(C)としては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、β−カルボキシエチル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、1, 6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテルジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAジグリシジルエーテルジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテルジ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、トリシクロデカニル(メタ)アクリレート、エステルアクリレート、メチロール化メラミンの(メタ)アクリル酸エステル、エポキシ(メタ)アクリレート、ウレタンアクリレート等の各種アクリル酸エステルおよびメタクリル酸エステル、(メタ)アクリル酸、スチレン、酢酸ビニル、ヒドロキシエチルビニルエーテル、エチレングリコールジビニルエーテル、ペンタエリスリトールトリビニルエーテル、(メタ)アクリルアミド、N−ヒドロキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−ビニルホルムアミド、アクリロニトリル等が挙げられる。これらは、単独でまたは2種類以上混合して用いることができる。
感光性黒色組成物において、バインダ樹脂の重量(P)とその前駆体の重量(M)との比率M/Pは、0.10〜1.20であることが好ましく、0.15〜1.00であることがより好ましく、0.20〜0.98であることが特に好ましい。M/Pが0.10未満であると低感度となり、M/Pが1.20を越えるとパタ−ン形状の直線性不良あるいはタック等が生じる。
また、光重合開始剤の重量(Ia)と透明樹脂の前駆体の重量(M)との比率Ia/Mは、0.20〜1.50であることが好ましく、0.25〜1.40であることがより好ましく、0.30〜1.30であることが特に好ましい。
さらに、感光性黒色組成物が増感剤を含有する場合には、光重合開始剤と増感剤の合計重量(Ib)と透明樹脂の前駆体の重量(M)との比率Ib/Mは、0.20〜1.50であることが好ましく、0.25〜1.40であることがより好ましく、0.30〜1.30であることが特に好ましい。
a/MおよびIb/Mが0.20未満であると低感度となり、Ia/MおよびIb/Mが1.50を越えるとパタ−ン形状の直線性不良を生ずる。
<着色材(A)>
本発明の樹脂組成物に用いる着色材(A)は、少なくとも2種の有機顔料を含む。
本発明においては本発明の作用効果を損なわない範囲で、さまざまな顔料が使用可能であり、たとえば以下のものが挙げられる。
C.I.ピグメントレッド7、9、14、41、48:1、48:2、48:3、48:4、81:1、81:2、81:3、97、122、123、146、149、168、177、178、179、180、184、185、187、192、200、202、208、210、215、216、217、220、223、224、226、227、228、240、242、246、254、255、264、266、272、276
C.I.ピグメントイエロー1、2、3、4、5、6、10、12、13、14、15、16、17、18、20、24、31、32、34、35、35:1、36、36:1、37、37:1、40、42、43、53、55、60、61、62、63、65、73、74、77、81、83、86、93、94、95、97、98、100、101、104、106、108、109、110、113、114、115、116、117、118、119、120、123、125、126、127、128、129、137、138、139、147、148、150、151、152、153、154、155、156、161、162、164、166、167、168、169、170、171、172、173、174、175、176、177、179、180、181、182、185、187、188、193、194、199、213
C.I.ピグメントオレンジ36、43、51、55、59、61、71
C.I.ピグメントグリーン7、10、36、58
C.I.ピグメントブルー15、15:1、15:2、15:3、15:4、15:6 、16、22、60、64、80
C.I.ピグメントバイオレット1、19、23、27、29、30、32、37、40、42、50
C.I.ピグメントブラック 1,7,31,32
中でも、赤顔料、青顔料を含む顔料の組合せ、あるいは、ピグメントブラック31や32のようなペリレンブラックとペリレンブラック以外の有機顔料の組合せが好ましい。
好ましい顔料の比率としては、赤顔料が40〜60%、青顔料が40〜60%、その他の顔料が0〜20%である。
さらに中でも、赤顔料としてC.I.ピグメントレッド254、青顔料としてC.I.ピグメントブルー15:6の組合せ、あるいは、さらにペリレンブラックの併用が好ましい。
<溶剤>
感光性黒色組成物には、色素を充分に色素担体中に分散させ、ガラス基板等の透明基板上に乾燥膜厚が0.2〜5μmとなるように塗布してフィルタセグメントやブラックマトリクスを形成することを容易にするために溶剤を含有させることができる。溶剤としては、例えばシクロヘキサノン、エチルセロソルブアセテート、ブチルセロソルブアセテート、1−メトキシ−2−プロピルアセテート、ジエチレングリコールジメチルエーテル、エチルベンゼン、エチレングリコールジエチルエーテル、キシレン、エチルセロソルブ、メチル−nアミルケトン、プロピレングリコールモノメチルエーテルトルエン、メチルエチルケトン、酢酸エチル、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、ブタノール、イソブチルケトン、石油系溶剤等が挙げられ、これらを単独でもしくは混合して用いる。
感光性黒色組成物は、三本ロールミル、二本ロールミル、サンドミル、ニーダー、アトライター等の各種分散手段を用いて微細に分散して製造することができる。また、2種以上の有機顔料を含む感光性黒色組成物は、各顔料を別々に微細に分散したものを混合して製造することもできる。顔料を分散する際には、適宜、樹脂型顔料分散剤、界面活性剤、色素誘導体等の分散助剤を含有させることができる。分散助剤は、顔料の分散に優れ、分散後の顔料の再凝集を防止する効果が大きい。
樹脂型顔料分散剤としては、顔料に吸着する性質を有する顔料親和性部位と、樹脂や溶剤と相溶性のある部位とを有し、顔料に吸着して顔料が樹脂や溶剤へ分散するのを安定化する働きをするものである。樹脂型顔料分散剤として具体的には、ポリウレタン、ポリアクリレートなどのポリカルボン酸エステル、不飽和ポリアミド、ポリカルボン酸、ポリカルボン酸(部分)アミン塩、ポリカルボン酸アンモニウム塩、ポリカルボン酸アルキルアミン塩、ポリシロキサン、長鎖ポリアミノアマイドリン酸塩、水酸基含有ポリカルボン酸エステルや、これらの変性物、ポリ(低級アルキレンイミン)と遊離のカルボキシル基を有するポリエステルとの反応により形成されたアミドやその塩などの油性分散剤、(メタ)アクリル酸−スチレン共重合体、(メタ)アクリル酸−(メタ)アクリル酸エステル共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドンなどの水溶性樹脂や水溶性高分子化合物、ポリエステル系、変性ポリアクリレート系、エチレンオキサイド/プロピレンオキサイド付加化合物、燐酸エステル系等が用いられ、これらは単独でまたは2種以上を混合して用いることができる。
界面活性剤としては、ラウリル硫酸ソーダ、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、ドデシルベンゼンスルホン酸ソーダ、スチレン−アクリル酸共重合体のアルカリ塩、ステアリン酸ナトリウム、アルキルナフタリンスルホン酸ナトリウム、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウム、ラウリル硫酸モノエタノールアミン、ラウリル硫酸トリエタノールアミン、ラウリル硫酸アンモニウム、ステアリン酸モノエタノールアミン、ステアリン酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム、スチレン−アクリル酸共重合体のモノエタノールアミン、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステルなどのアニオン性界面活性剤;ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート、ポリエチレングリコールモノラウレートなどのノニオン性界面活性剤;アルキル4級アンモニウム塩やそれらのエチレンオキサイド付加物などのカオチン性界面活性剤;アルキルジメチルアミノ酢酸ベタインなどのアルキルベタイン、アルキルイミダゾリンなどの両性界面活性剤が挙げられ、これらは単独でまたは2種以上を混合して用いることができる。
色素誘導体としては、有機色素に置換基を導入した化合物であり、有機色素には、一般に色素とは呼ばれていないナフタレン系、アントラキノン系等の淡黄色の芳香族多環化合物も含まれる。色素誘導体としては、特開昭63−305173号公報、特公昭57−15620号公報、特公昭59−40172号公報、特公昭63−17102号公報、特公平5−9469号公報等に記載されているものを使用でき、これらは単独でまたは2種類以上を混合して用いることができる。
感光性黒色組成物には、組成物の経時粘度を安定化させるために貯蔵安定剤を含有させることができ、また、透明基板との密着性を高めるためにシランカップリング剤等の密着向上剤を含有させることもできる。貯蔵安定剤としては、例えばベンジルトリメチルクロライド、ジエチルヒドロキシアミンなどの4級アンモニウムクロライド、乳酸、シュウ酸などの有機酸およびそのメチルエーテル、t−ブチルピロカテコール、テトラエチルホスフィン、テトラフェニルフォスフィンなどの有機ホスフィン、亜リン酸塩等が挙げられる。
シランカップリング剤としては、ビニルトリス(β−メトキシエトキシ)シラン、ビニルエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン等のビニルシラン類、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン等の(メタ)アクリルシラン類、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)メチルトリメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリエトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)メチルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン等のエポキシシラン類、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルメチルジエトキシシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリエトキシシラン等のアミノシラン類、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリエトキシシラン等のチオシラン類等が挙げられる。
感光性黒色組成物は、遠心分離、焼結フィルタ、メンブレンフィルタ等の手段にて、5μm以上の粗大粒子、好ましくは1μm以上の粗大粒子、さらに好ましくは0.5μm以上の粗大粒子および混入した塵の除去を行うことが好ましい。
ブラックマトリクスの乾燥膜厚は、0.2〜10μmであることが好ましく、より好ましくは0.2〜5μmである。塗布膜を乾燥させる際には、減圧乾燥機、コンベクションオーブン、IRオーブン、ホットプレート等を使用してもよい。
フォトリソグラフィー法によるブラックマトリクスの形成は、下記の方法で行う。すなわち、溶剤現像型あるいはアルカリ現像型着色レジスト材として調製した感光性黒色組成物を、透明基板上に、スプレーコートやスピンコート、スリットコート、ロールコート等の塗布方法により、乾燥膜厚が0.2〜10μmとなるように塗布する。必要により乾燥された膜には、この膜と接触あるいは非接触状態で設けられた所定のパターンを有するマスクを通して紫外線露光を行う。その後、溶剤またはアルカリ現像液に浸漬するか、もしくはスプレーなどにより現像液を噴霧して未硬化部を除去し所望のパターンを形成することができる。さらに、着色レジスト材の重合を促進するため、必要に応じて加熱を施すこともできる。フォトリソグラフィー法によれば、印刷法より精度の高いブラックマトリクスが形成できる。
現像に際しては、アルカリ現像液として炭酸ナトリウム、水酸化ナトリウム等の水溶液が使用され、ジメチルベンジルアミン、トリエタノールアミン等の有機アルカリを用いることもできる。また、現像液には、消泡剤や界面活性剤を添加することもできる。
現像処理方法としては、シャワー現像法、スプレー現像法、ディップ(浸漬)現像法、パドル(液盛り)現像法等を適用することができる。
なお、紫外線露光感度を上げるために、上記着色レジスト材を塗布乾燥後、水溶性あるいはアルカリ可溶性樹脂、例えばポリビニルアルコールや水溶性アクリル樹脂等を塗布乾燥し、酸素による重合阻害を防止する膜を形成した後、紫外線露光を行うこともできる。
<EL発光表示装置>
本発明のブラックマトリクス(BM)は、有機EL発光表示装置に好ましく用いられる。

<有機EL発光素子(EL)>
有機EL発光表示装置は、有機EL発光素子(EL)を利用した表示媒体であり、本発明においては、白色発光有機EL素子を使うことが出来る。(以下、単に「有機EL素子」と言う。)
本発明に用いられる有機EL素子としては、波長400nm〜700nmの範囲内で2つ以上の極大値を有する分光特性を有し、少なくとも波長430nm〜485nmの範囲と波長580nm〜620nmの範囲とに発光強度が極大となるピーク波長(λ1)、(λ2)を有し、波長λ1における発光強度I1と波長λ2における発光強度I2の比(I2/I1)が、0.4以上0.9以下である発光スペクトルを有していることが好ましく、0.5以上0.8以下であることがより好ましい。特に好ましくは、0.5以上0.7以下である。
さらに波長530nm〜650nmの範囲に、発光強度の極大値またはショルダーを有していることが好ましい。
波長430nm〜485nmの範囲は、前記カラーフィルタを具備するカラー表示装置が色再現性のよい青色を表示する際に好ましいものである。より好ましくは430nm〜475nmの範囲である。
これらの構成を満足する有機EL素子と前記カラーフィルタとを用いることで、色再現領域が広く、高明度、高コントラスト比を有するカラー表示装置を得ることができる。
有機EL素子は、陽極と陰極間に一層または多層の有機層を形成した素子から構成される。ここで、一層型有機EL素子とは、陽極と陰極との間に発光層のみからなる素子を指し、一方、多層型有機EL素子とは、発光層の他に、発光層への正孔や電子の注入を容易にしたり、発光層内での正孔と電子との再結合を円滑に行わせたりすることを目的として、正孔注入層、正孔輸送層、正孔阻止層、電子注入層などを積層させたものを指す。したがって、多層型有機EL素子の代表的な素子構成としては、(1)陽極/正孔注入層/発光層/陰極、(2)陽極/正孔注入層/正孔輸送層/発光層/陰極、(3)陽極/正孔注入層/発光層/電子注入層/陰極、(4)陽極/正孔注入層/正孔輸送層/発光層/電子注入層/陰極、(5)陽極/正孔注入層/発光層/正孔阻止層/電子注入層/陰極、(6)陽極/正孔注入層/正孔輸送層/発光層/正孔阻止層/電子注入層/陰極、(7)陽極/発光層/正孔阻止層/電子注入層/陰極、(8)陽極/発光層/電子注入層/陰極等の多層構成で積層した素子構成が挙げられる。しかし、本発明で用いられる有機EL素子がこれらに限定されるものではない。
また、上述した各有機層は、それぞれ二層以上の層構成により形成されてもよく、いくつかの層が繰り返し積層されていてもよい。そのような例として、近年、光取り出し効率の向上を目的に、上述多層型有機EL素子の一部の層を多層化する「マルチ・フォトン・エミッション」と呼ばれる素子構成が提案されている。これは例えば、ガラス基板/陽極/正孔輸送層/電子輸送性発光層/電子注入層/電荷発生層/発光ユニット/陰極から構成される有機EL素子に於いて、電荷発生層と発光ユニットの部分を複数層積層するといった方法が挙げられる。
まず、これら各層に用いることのできる材料を具体的に例示する。但し、本発明に使用出来る材料はこれ等に限定されるものではない。
正孔注入層に用いることができる材料としては、フタロシアニン系化合物が有効であり、銅フタロシアニン(略:CuPc)、バナジルフタロシアニン(略:VOPc)等を用いることが出来る。また、導電性高分子化合物に化学ドーピングを施した材料もあり、ポリエチレンジオキシチオフェン(略:PEDOT)にポリスチレンスルフォン酸(略:PSS)をドープした材料や、ポリアニリン(略:PANI)などを用いることもできる。また、酸化モリブデン(略:MoOx)、酸化バナジウム(略:VOx)、酸化ニッケル(略:NiOx)などの無機半導体の薄膜や、酸化アルミニウム(略:Al23)などの無機絶縁体の超薄膜も有効である。また、4,4’,4’’−トリス(N,N−ジフェニル−アミノ)−トリフェニルアミン(略:TDATA)、4,4’,4’’−トリス[N−(3−メチルフェニル)−N−フェニル−アミノ]−トリフェニルアミン(略:MTDATA)、N,N’−ビス(3−メチルフェニル)−N,N’−ジフェニル−1,1’−ビフェニル−4,4’−ジアミン(略:TPD)、4,4’−ビス[N−(1−ナフチル)−N−フェニル−アミノ]−ビフェニル(略:α−NTPD)、4,4’−ビス[N−(4−(N,N−ジ−m−トリル)アミノ)フェニル−N−フェニルアミノ]ビフェニル(略:DNTPD)などの芳香族アミン系化合物も用いることができる。さらに、それら芳香族アミン系化合物に対してアクセプタ性を示す物質を芳香族アミン系化合物に添加してもよく、具体的にはVOPcにアクセプタである2,3,5,6−テトラフルオロ−7,7,8,8−テトラシアノキノジメタン(略:F4−TCNQ)を添加したものや、α−NPDにアクセプタであるMoOxを添加したものを用いてもよい。
正孔輸送層に用いることができる材料としては、芳香族アミン系化合物が好適であり、正孔注入材料で記述したTDATA、MTDATA、TPD、α−NPD、DNTPDなどを用いることができる。
電子輸送層に用いることができる電子輸送材料としては、トリス(8−キノリノラト)アルミニウム(略:Alq3)、トリス(4−メチル−8−キノリノラト)アルミニウム(略:Almq3)、ビス(10−ヒドロキシベンゾ[h]−キノリナト)ベリリウム(略:BeBq2)、ビス(2−メチル−8−キノリノラト)(4−フェニルフェノラト)アルミニウム(略:BAlq)、ビス[2−(2−ヒドロキシフェニル)ベンゾオキサゾラト]亜鉛(略:Zn(BOX)2)、ビス[2−(2−ヒドロキシフェニル)ベンゾチアゾラト]亜鉛(略:Zn(BTZ)2)などの金属錯体が挙げられる。さらに、金属錯体以外にも、2−(4−ビフェニリル)−5−(4−tert−ブチルフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール(略:PBD)、1,3−ビス[5−(p−tert−ブチルフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール−2−イル]ベンゼン(略:OXD−7)などのオキサジアゾール誘導体、3−(4−tert−ブチルフェニル)−4−フェニル−5−(4−ビフェニリル)−1,2,4−トリアゾール(略:TAZ)、3−(4−tert−ブチルフェニル)−4−(4−エチルフェニル)−5−(4−ビフェニリル)−1,2,4−トリアゾール(略:p−EtTA Z)などのトリアゾール誘導体、2,2’,2”−(1,3,5−ベンゼントリイル)トリス[1−フェニル−1H−ベンズイミダゾール](略:TPBI)のようなイミダゾール誘導体、バソフェナントロリン(略:BPhen)、バソキュプロイン(略:BCP)などのフェナントロリン誘導体を用いることができる。
電子注入層に用いることができる材料としては、先に記述したAlq3、Almq3、BeBq2、BAlq、Zn(BOX)2、Zn(BTZ)2、PBD、OXD−7、TA
Z、p−EtTAZ、TPBI、BPhen、BCPなどの電子輸送材料を用いることができる。その他に、LiF、CsFなどのアルカリ金属ハロゲン化物や、CaF2のよう
なアルカリ土類ハロゲン化物、Li2Oなどのアルカリ金属酸化物のような絶縁体の超薄
膜がよく用いられる。また、リチウムアセチルアセトネート(略:Li(acac))や8−キノリノラト−リチウム(略:Liq)などのアルカリ金属錯体も有効である。また、これら電子注入材料に対してドナー性を示す物質を電子注入材料に添加してもよく、ドナーとしてはアルカリ金属、アルカリ土類金属、希土類金属などを用いることができる。具体的にはBCPにドナーであるリチウムを添加したものや、Alq3にドナーであるリチウムを添加したものを用いることができる。
さらに、正孔阻止層には、発光層を経由した正孔が電子注入層に達するのを防ぎ、薄膜形成性に優れた層を形成できる正孔阻止材料が用いられる。そのような正孔阻止材料の例としては、ビス(8−ヒドロキシキノリナ−ト)(4−フェニルフェノラ−ト)アルミニウム等のアルミニウム錯体化合物や、ビス(2−メチル−8−ヒドロキシキノリナ−ト)(4−フェニルフェノラ−ト)ガリウム等のガリウム錯体化合物、2,9−ジメチル−4,7−ジフェニル−1,10−フェナントロリン(略:BCP)等の含窒素縮合芳香族化合物が挙げられる。
白色の発光を得る発光層としては特に制限はないが、例えば、下記のものを用いることができる。すなわち、有機EL積層構造体の各層のエネルギー準位を規定し、トンネル注入を利用して発光させるもの(欧州特許第0390551号公報)、同じくトンネル注入を利用する素子で実施例として白色発光素子が記載されているもの(特開平3−230584号公報)、二層構造の発光層が記載されているもの(特開平2−220390号公報および特開平2−216790号公報)、発光層を複数に分割してそれぞれ発光波長の異なる材料で構成されたもの(特開平4−51491号公報)、青色発光体(蛍光ピ−ク380〜480nm)と緑色発光体(480〜580nm)とを積層させ、さらに赤色蛍光体を含有させた構成のもの(特開平6−207170号公報)、青色発光層が青色蛍光色素を含有し、緑色発光層が赤色蛍光色素を含有した領域を有し、さらに緑色蛍光体を含有する構成のもの(特開平7−142169号公報)等が挙げられる。
さらに、本発明において用いられる発光材料は、従来発光材料として公知の材料が用いられればよい。下記に青色、緑色、橙色から赤色発光のために好適に用いられる化合物を例示する。しかし、発光材料が以下の具体的に例示したものに限定されるものではない。
青色の発光は、例えば、ペリレン、2,5,8,11−テトラ−t−ブチルペリレン(略:TBP)、9,10−ジフェニルアントラセン誘導体などをゲスト材料として用いることによって得られる。また、4,4’−ビス(2,2−ジフェニルビニル)ビフェニル(略:DPVBi)などのスチリルアリーレン誘導体や、9,10−ジ−2−ナフチルアントラセン(略:DNA)、9,10−ビス(2−ナフチル)−2−tert−ブチルアントラセン(略:t−BuDNA)などのアントラセン誘導体から得ることもできる。また、ポリ(9,9−ジオクチルフルオレン)等のポリマーを用いてもよい。
さらに好ましい具体例を、表1に示す。


Figure 2013207124
緑色の発光は、クマリン30、クマリン6などのクマリン系色素や、ビス[2−(2,4−ジフルオロフェニル)ピリジナト]ピコリナトイリジウム(略:FIrpic)、ビス(2−フェニルピリジナト)アセチルアセトナトイリジウム(略:Ir(ppy)(acac))などをゲスト材料として用いることによって得られる。また、トリス(8−ヒドロキシキノリン)アルミニウム(略:Alq3)、BAlq、Zn(BTZ)、ビス(2−メチル−8−キノリノラト)クロロガリウム(略:Ga(mq)2Cl)などの金属錯体からも得ることができる。また、ポリ(p−フェニレンビニレン)等のポリマーを用いてもよい。
さらに好ましい具体例を、表2に示す。
Figure 2013207124
橙色から赤色の発光は、ルブレン、4−(ジシアノメチレン)−2−[p−(ジメチルアミノ)スチリル]−6−メチル−4H−ピラン(略:DCM1)、4−(ジシアノメチレン)−2−メチル−6−(9−ジュロリジル)エチニル−4H−ピラン(略:DCM2)、4−(ジシアノメチレン)−2,6−ビス[p−(ジメチルアミノ)スチリル]−4H−ピラン(略:BisDCM)、ビス[2−(2−チエニル)ピリジナト]アセチルアセトナトイリジウム(略:Ir(thp)2(acac))、ビス(2−フェニルキノリナト)アセチルアセトナトイリジウム(略:Ir(pq)(acac))などをゲスト材料として用いることによって得られる。ビス(8−キノキリノラト)亜鉛(略:Znq2)やビス[2−シンナモイル−8−キノリノラト]亜鉛(略:Znsq2)などの金属錯体からも得ることができる。また、ポリ(2,5−ジアルコキシ−1,4−フェニレンビニレン)等のポリマーを用いてもよい。
さらに好ましい具体例を、表3に示す。
Figure 2013207124
さらに、本発明に用いる有機EL素子の陽極に使用される材料は、仕事関数の大きい(4eV以上)金属、合金、電気伝導性化合物またはこれらの混合物を電極物質とするものが好ましく用いられる。このような電極物質の具体例としては、Au等の金属、CuI、ITO、SNO2、ZNO等の導電性材料が挙げられる。この陽極を形成するには、これらの電極物質を、蒸着法やスパッタリング法等の方法で薄膜を形成させることができる。この陽極は、上記発光層からの発光を陽極から取り出す場合、陽極の発光に対する透過率が10%より大きくなるような特性を有していることが望ましい。また、陽極のシ−ト抵抗は、数百Ω/cm2以下としてあるものが好ましい。さらに、陽極の膜厚は、材料にもよるが通常10nm〜1μm、好ましくは10〜200nmの範囲で選択される。
また、本発明に用いる有機EL素子の陰極に使用される材料は、仕事関数の小さい(4eV以下)金属、合金、電気伝導性化合物およびこれらの混合物を電極物質とするものが用いられる。このような電極物質の具体例としては、ナトリウム、ナトリウム−カリウム合金、マグネシウム、リチウム、マグネシウム・銀合金、アルミニウム/酸化アルミニウム、アルミニウム・リチウム合金、インジウム、希土類金属などが挙げられる。この陰極は、これらの電極物質を蒸着やスパッタリング等の方法により薄膜を形成させることにより、作製することができる。ここで、発光層からの発光を陰極から取り出す場合、陰極の発光に対する透過率は10%より大きくすることが好ましい。また、陰極としてのシ−ト抵抗は数百Ω/cm2以下が好ましく、さらに、膜厚は通常10nm〜1μm、好ましく
は50〜200Nmである。
本発明に用いる有機EL素子を作製する方法については、上記の材料および方法により陽極、発光層、必要に応じて正孔注入層、および必要に応じて電子注入層を形成し、最後に陰極を形成すればよい。また、陰極から陽極へ、前記と逆の順序で有機EL素子を作製することもできる。
この有機EL素子は、透光性の基板上に作製する。この透光性基板は有機EL素子を支持する基板であり、その透光性については、400〜700nmの可視領域の光の透過率が50%以上、好ましくは90%以上であるものが望ましく、さらに平滑な基板を用いるのが好ましい。
これら基板は、機械的、熱的強度を有し、透明であれば特に限定されるものではないが、例えば、ガラス板、合成樹脂板などが好適に用いられる。ガラス板としては、特にソ−ダ石灰ガラス、バリウム・ストロンチウム含有ガラス、鉛ガラス、アルミノケイ酸ガラス、ホウケイ酸ガラス、バリウムホウケイ酸ガラス、石英などで成形された板が挙げられる。また、合成樹脂板としては、ポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリエーテルサルファイド樹脂、ポリサルフォン樹脂などの板が挙げられる。
本発明に用いる有機EL素子の各層の形成方法としては、真空蒸着、電子線ビ−ム照射、スパッタリング、プラズマ、イオンプレ−ティング等の乾式成膜法、もしくはスピンコ−ティング、ディッピング、フローコーティング、インクジェット法等の湿式成膜法、発光体をドナーフイルム上に蒸着する方法、また、特表2002−534782号公報やS.T.Lee,et al.,Proceedings of SID’02,p.784(2002)に記載されているLITI(Laser Induced Thermal Imaging、レーザー熱転写)法や、印刷(オフセット印刷、フレキソ印刷、グラビア印刷、スクリーン印刷)、インクジェット等の方法を適用することもできる。
有機層は、特に分子堆積膜であることが好ましい。ここで分子堆積膜とは、気相状態の材料化合物から沈着され形成された薄膜や、溶液状態または液相状態の材料化合物から固体化され形成された膜のことであり、通常この分子堆積膜は、LB法により形成された薄膜(分子累積膜)とは凝集構造、高次構造の相違や、それに起因する機能的な相違により区分することができる。また特開昭57−51781号公報に開示されているように、樹脂等の結着剤と材料化合物とを溶剤に溶かして溶液とした後、これをスピンコ−ト法等により薄膜化することによっても、有機層を形成することができる。各層の膜厚は特に限定されるものではないが、膜厚が厚すぎると一定の光出力を得るために大きな印加電圧が必要となり効率が悪くなり、逆に膜厚が薄すぎるとピンホ−ル等が発生し、電界を印加しても充分な発光輝度が得にくくなる。したがって、各層の膜厚は、1nmから1μmの範囲が適しているが、10nmから0.2μmの範囲がより好ましい。
また、有機EL素子の温度、湿度、雰囲気等に対する安定性向上のために、素子の表面に保護層を設けたり、樹脂等により素子全体を被覆や封止を施したりしてもよい。特に素子全体を被覆や封止する際には、光によって硬化する光硬化性樹脂が好適に使用される。
本発明に用いる有機EL素子に印加する電流は、通常、直流であるが、パルス電流や交流を用いてもよい。電流値、電圧値は、素子破壊しない範囲内であれば特に制限はないが、素子の消費電力や寿命を考慮すると、なるべく小さい電気エネルギーで効率よく発光させることが望ましい。
また、本発明の有機EL素子から光を取り出す方法としては、陽極側から光を取り出すボトム・エミッションという方法のみならず、陰極側から光を取り出すトップ・エミッションという方法にも適用可能である。これらの方法や技術は、城戸淳二著、「有機ELのすべて」、日本実業出版社(2003年発行)に記載されている。
また、本発明のブラックマトリクス(BM)は、有機EL発光素子(EL)を有する第一の層と、ブラックマトリクス(BM)を有する第二の層と、該有機EL素子(EL)を駆動するための薄膜トランジスター(TFT)およびカラーフィルタを有する第三の層と、を備えたアクティブ駆動型有機EL発光表示装置にも使用可能である。
本発明に用いる有機EL素子のフルカラー化方式の主な方式は、カラーフィルタ方式である。カラーフィルタ方式では、白色発光の有機EL素子を使って、カラーフィルタを通して3原色の光を取り出す方法であるが、これら3原色に加えて、一部白色光をそのまま取り出して発光に利用することで、素子全体の発光効率をあげることもできる。
さらに、本発明に用いる有機EL素子は、マイクロキャビティ構造を採用しても構わない。これは、有機EL素子は、発光層が陽極と陰極との間に挟持された構造であり、発光した光は陽極と陰極との間で多重干渉を生じるが、陽極および陰極の反射率、透過率などの光学的な特性と、これらに挟持された有機層の膜厚とを適当に選ぶことにより、多重干渉効果を積極的に利用し、素子より取り出される発光波長を制御するという技術である。これにより、発光色度を改善することも可能となる。この多重干渉効果のメカニズムについては、J.Yamada等によるAM−LCD Digest of Technical Papers, OD−2,p.77〜80(2002)に記載されている。
上記の様にしてガラス基板等に並置してRGBのカラーフィルタ層を作製し、そのカラーフィルタ層上に、ITO電極層と上記有機EL素子を用いて作製された発光層(バックライト)を載せることでカラー表示が可能となり、カラー表示装置が得られることになる。その際。発光時の電流の流れをTFTによりコントロールすることで高コントラスト比をもつカラー表示装置を実現することが可能となる。
以下に、実施例により本発明をより具体的に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り以下の実施例に限定されるものではない。
なお、実施例および比較例中、「部」とは「重量部」を意味する。
まず、実施例および比較例で用いたアクリル樹脂溶液の調製について説明する。樹脂の分子量は、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィ)により測定したポリスチレン換算の重量平均分子量である。
[アクリル樹脂溶液の調製]
反応容器にシクロヘキサノン800部を入れ、容器に窒素ガスを注入しながら100℃に加熱して、同温度で下記モノマーおよび熱重合開始剤の混合物を1時間かけて滴下して重合反応を行った。
スチレン 60.0部
メタクリル酸 60.0部
メチルメタクリレート 65.0部
ブチルメタクリレート 65.0部
アゾビスイソブチロニトリル 10.0部
滴下後さらに100℃で3時間反応させた後、アゾビスイソブチロニトリル2.0部をシクロヘキサノン50部で溶解させたものを添加し、さらに100℃で1時間反応を続けてアクリル樹脂の溶液を得た。アクリル樹脂の重量平均分子量は、約40000であった。
室温まで冷却した後、樹脂溶液約2gをサンプリングして180℃、20分加熱乾燥して不揮発分を測定し、先に合成した樹脂溶液に不揮発分が20重量%になるようにシクロヘキサノンを添加してアクリル樹脂溶液を調製した。
[黒色顔料分散体1の調整]
下記の組成の混合物を均一に撹拌混合し、直径1mmのガラスビーズを用いて、サンドミルで5時間分散した後、5μmのフィルタで濾過し黒色顔料分散体を作製した。
PR254 6.0部
PB15:6 6.0部
分散剤(ゼネカ社製「ソルスパース20000」) 2.4部
アクリル樹脂溶液 28.0部
シクロヘキサノン 57.6部
[黒色顔料分散体2〜8の調整]
顔料の種類とその重量部を表4に示す様にそれぞれ変更した以外は、黒色顔料分散体1と同様にして黒色顔料分散体2〜8を作製した。
Figure 2013207124
尚、表中の記載は以下の通り。
PR254、PR177、PB15:6、PB15:4、PG36は、それぞれPigment Red254,Pigment Red177,Pigment Blue 15:6,Pigment Blue 15:4,Pigment Green36を表わし、ペリレンブラックは、Pigment Black 31を表わす。
また、カーボンブラックは、三菱化学社製「MS−10E」を使用した。
[実施例1〜11および比較例1〜3](感光性黒色組成物の調整)
表5に示す配合組成で、混合物を均一になるように攪拌混合した後、1μmのフィルタで濾過して、感光性黒色組成物を得た。
Figure 2013207124
モノマー :トリメチロールプロパントリアクリレート
(新中村化学社製「NKエステルATMPT」)
光重合開始剤A:前記式(2)で表される化合物
光重合開始剤B:1,2−オクタンジオン,1−[4−(フェニルチオ)−,2−(O−
ベンゾイルオキシム)
(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製「イルガキュア OXE01」)
光重合開始剤C:2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニ
ル)−ブタノン−1
(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製「イルガキュア 369」)
増感剤 :4,4'−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン
(保土ヶ谷化学社製「EAB−F」)
多官能チオールX:トリメチロールプロパントリス(3−メルカプトプロピオネート)
多官能チオールY:ジペンタエリスリトールヘキサキス(3−メルカプトプロピオネート)
溶剤 :シクロヘキサノン
[ブラックマトリクスのパタ−ン形成]
得られた感光性黒色組成物をスピンコート法により10cm×10cmのガラス基板にポストベーク後の膜厚が、表3に示す膜厚になるよう塗工した後、クリーンオーブン中で、70℃で15分間プリベークした。次いで、この基板を室温に冷却後、超高圧水銀ランプを用い、フォトマスクを介して紫外線を露光した。その後、この基板を23℃の炭酸ナトリウム水溶液を用いてスプレー現像した後、イオン交換水で洗浄し、風乾した。その後、クリーンオーブン中で、230℃で30分間ポストベークを行い、基板上に厚さ3.0μmのストライプ状のブラックマトリクスを形成した。
[評価]
得られた感光性黒色組成物の感度および上記方法により形成されたブラックマトリクスのパタ−ン形状、遮光性、絶縁性を下記の方法で評価した。結果を表6に示す。
(感度)
形成されたブラックマトリクスのパタ−ンがフォトマスクの画像寸法とおりに仕上がる照射露光量をもって感光性黒色組成物の感度とした。評価のランクは次の通りである。
○:100mJ/cm2未満
△:100mJ/cm2以上300mJ/cm2未満
×:300mJ/cm2以上
(パタ−ン形状)
形成されたブラックマトリクスのパタ−ンの形状を、(1)パタ−ンの直線性、(2)パタ−ンの断面形状により評価を行った。
(1)については、光学顕微鏡により観察して評価を行った。評価のランクは次の通りである。
○:直線性良好
△:部分的に直線性良好
×:直線性不良
(2)については、走査型電子顕微鏡(SEM)により観察して評価を行った。評価のランクは次の通りである。
○:順テーパー形状。
△:ノンテーパー形状。
×:逆テーパー形状。
(遮光性)
「ブラックマトリクスのパタ−ン形成」と同様の方法で膜厚1.0μmのブラックマトリクスのパタ−ンを作成し、その光学濃度(OD)を、マクベス濃度計(GRETAG D200−II)により測定し、以下の評価を行った。
○:1.0以上
×:1.0未満
(絶縁性)
ITO膜付きガラス基板上に、前述と同様の方法でブラックマトリクスが形成されたITO基板を作製した。ついで、ブラックマトリクス上に金の対向電極を蒸着法により形成した。このようにして準備した基板の体積抵抗率(Ωcm)を測定し、下記の基準により絶縁性を評価した。
○:体積低効率(Ωcm)が1×1013以上
×:体積低効率(Ωcm)が1×1013未満

Figure 2013207124
表6に示すように、式(2)で表される化合物を光重合開始剤として用いた実施例1〜11は、高感度であり、得られたパタ−ンの直線性および断面形状も良好であり、さらに遮光性や絶縁性も良好であったのに対し、他の光重合開始剤を用いた比較例1は、感度、パタ−ンの直線性および断面形状が不良であり、有機顔料を2つ以上を含まない比較例2〜4は、感度、断面形状、絶縁性のいずれかが良好ではなかった。

Claims (7)

  1. 少なくとも着色材(A)と、バインダ樹脂(B)と、光重合単量体(C)と、オキシムエステル系光重合開始剤(D)とを含有し、着色材(A)が少なくとも2種類の有機顔料を含むことを特徴とするブラックマトリクス(BM)用感光性黒色組成物。
  2. さらに、多官能チオール(E)を含有することを特徴とする請求項1に記載のブラックマトリクス(BM)用感光性黒色組成物。
  3. さらに増感剤(F)を含むことを特徴とする請求項1または2に記載のブラックマト リクス(BM)用感光性黒色組成物。
  4. 着色材(A)が、赤色顔料を着色材(A)全体の40重量%以上、および青色顔料を着色材(A)全体の40重量%以上含むことを特徴とする請求項1〜3いずれか一項に記載のブラックマトリクス(BM)用感光性黒色組成物。
  5. 請求項1〜4いずれかに記載の感光性黒色組成物から形成されてなるブラックマトリ クス(BM)。
  6. 請求項5記載のブラックマトリクス(BM)を用いた有機EL発光表示装置。
  7. 有機EL発光素子(EL)を有する第一の層と、ブラックマトリクス(BM)を有する第二の層と、該有機EL素子(EL)を駆動するための薄膜トランジスター(TFT)およびカラーフィルタを有する第三の層と、を備えたアクティブ駆動型有機EL発光表示装置において、請求項5に記載されたブラックマトリクス(BM)を使用することを特徴とするアクティブ駆動型有機EL発光表示装置。
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