JP2016212372A - 有機el表示装置用赤色着色組成物、カラーフィルタ、および有機el表示装置 - Google Patents

有機el表示装置用赤色着色組成物、カラーフィルタ、および有機el表示装置 Download PDF

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Abstract

【課題】白色発光有機EL素子を光源として用いたカラー表示装置において、高い明度と広い色再現領域を可能にする、カラーフィルタを形成できるカラーフィルタ用赤色着色組成物、およびこれを用いたカラーフィルタを提供すること、さらにはこのカラーフィルタを装備したカラー表示装置を提供することである。【解決手段】上記課題は、一般式(1)で表されるアゾ顔料、バインダー樹脂、光重合性単量体、光重合開始剤を含有する赤色着色組成物によって解決される。【選択図】図1

Description

本発明は、白色発光有機EL(エレクトロルミネッセンス)素子(以下、「有機EL素子」ということがある。)を用いたカラー表示装置に好ましく用いられる有機EL表示装置用赤色着色組成物、カラーフィルタ、およびカラー表示装置に関する。なお、白色とは、擬似白色を含めた広い概念を意味する。
カラーフィルタを使用するカラー表示装置としては、たとえば(i)光源としてのバックライト、光シャッターとしての液晶、色調整機能(色変換機能、色分解機能、色補正機能など)を有するカラーフィルタの組み合わせからなる液晶表示装置、(ii)合成白色有機EL光源、色調整機能(色変換機能、色分解機能、色補正機能など)を有するカラーフィルタの組み合わせからなる有機EL表示装置などが挙げられる。
現在フラットパネルディスプレイは(i)の液晶ディスプレイが主流となっており、低消費電力、省スペース等の利点から、パソコンのモニター、携帯電話のディスプレイや、ノート型パーソナルコンピューター、携帯情報端末等の様々な用途で使用され、また近年は、従来のブラウン管テレビに替わり液晶テレビの用途にも使用されている。液晶テレビの用途では、色再現性が重要視される。カラー液晶表示装置の色再現性は、赤、緑、青のフィルタセグメントから放射される光の色で決まり、それぞれのフィルタセグメントの色度点をそれぞれ(xR,yR)、(xG,yG)、(xB,yB)としたとき、x−y色度図上のこれらの3点で囲まれる三角形の面積で評価され、アメリカNational Television System Committee(NTSC)により定められた標準方式の3原色、赤(0.67,0.33)、緑(0.21,0.71)、青(0.14,0.08)により囲まれる面積に対する比(単位は%、以下NTSC比と略す。)として表現される。この値は、一般のノートパソコンで40〜100%、パソコン用のモニターで50〜100%、液晶テレビでは70%〜100%となっている。
(i)の液晶表示装置におけるバックライトとしては、冷陰極管タイプバックライト、無機材料を用いた発光ダイオードや有機EL素子を用いた、2波長ピークの擬似白色バックライトと3波長ピークのバックライトなどがある。液晶表示装置は、2枚の偏光板に挟まれた液晶層が、1枚目の偏光板を通過した光の偏光度合いを制御して、2枚目の偏光板を通過する光量をコントロールすることにより表示を行う表示装置であり、VAモード、IPSモード等があり、中でもTN(ツイストネマチック)モード型液晶を用いるタイプが主流となっている。しかしながら、これら液晶表示装置においては、黒表示でもバックライトユニットは白表示と同じ発光をし続けているため、エネルギーの無駄が大きいという問題点を有している。
(ii)の有機EL表示装置の合成白色光源としては、2波長ピークを有する光源や3波長ピークを有する光源および可視光領域に多数のピークを有するものがあり、各色に発光する有機EL材料を混ぜるか層状に重ねるなどして合成白色光を得ている。
有機EL表示装置は、TFT(薄膜トランジスタ)などにより直接画素の光源をオン/オフコントロールすることが出来るため、指定画素の発光を消すことで黒表示を行うことが可能である。したがって、発光装置内に液晶表示装置において用いられる偏向板が不要となり、かつ液晶体によりコントロールを行う必要も無くなる。このため、表示装置における透過光の光量が増大するとともに、黒表示において発光装置を消すことにより、エネルギーの消費を大幅に減少させることができる。また真の暗闇の黒を再現することが可能となり、コントラスト比を大きくすることができる。このような液晶表示装置における問題点が解決された有機ELカラー表示装置として、例えばSONY社製「XEL−1」などの製品が既に上市されている。(例えば特許文献1参照)
しかしながら、このような有機EL素子を用いた発光装置は、従来用いられている光源の発光スペクトルと発光スペクトルが異なっている。例えば従来の光源では420〜430nm付近にピークを有しているが、有機EL素子を用いた光源では、材料の特性から420〜430nm近辺にピークは無く、460nm付近にピークを有している。また有機EL素子を用いた光源の発光スペクトルは、従来の光源と比較して全体的にブロードなピークを有しているため、460nm近辺のピークを過ぎた後においても、500nm付近まで従来の光源よりスペクトルが高くなっている。これらの理由から、有機EL素子を用いた光源を使用した表示装置に、現在使用されているカラーフィルタをそのまま用いることができないのが現状である。このため有機EL素子を用いた光源に使用できる、最適な色相や透過率特性を持つカラーフィルタ材料の選択、開発が必要となっている。
このような光源を有する有機EL表示装置においても、液晶表示装置と同様、NTSC比を高くすることが求められる。NTSC比を大きくするためには、それぞれのフィルタセグメントの色純度を高くする必要があるが、色純度を高くすると光源の光の利用効率(明度Y値で表す。)が低くなるため、消費電力が多くなるという問題点がある。
NTSC比の大きいカラーフィルタを得るために従来はC.I.ピグメントレッド177、C.I.ピグメントレッド179といった赤色顔料と、着色力に優れたC.I.ピグメントイエロー 185や、C.I.ピグメントイエロー 139といった黄色顔料を用いることが多い。
ここで、上記顔料を単独、もしくは組み合わせて使用した場合、明度が低いという問題がある。
特許文献2〜4には、赤色フィルタセグメントの更なる明度向上を図るべく、C.I.ピグメントレッド176、C.I.ピグメントレッド242、およびC.I.ピグメントオレンジ38などのアゾ顔料を主顔料として使用することが提案されているが、明度、色純度は十分ではなく、更なる改善が求められていた。
特開2005−100921号公報 特開2009−237462号公報 特開平11−14824号公報 特開平10−115709号公報
本発明の着色組成物は、白色発光有機EL素子を光源として用いる有機EL表示装置において、高い明度と高純度という2つの特性が満足できるカラーフィルタの提供が可能である。また、高NTSC比といった有機EL表示装置用カラーフィルタとして要求される品質も達成可能なカラー表示装置を提供することを目的とする。
本発明者らは、鋭意検討を重ねた結果、ある特定の構造を有するアゾ顔料と、特定の光重合開始剤とを含有する赤色着色組成物によって上記した課題を解決し得ることを見出し、本発明に至った。
即ち、本発明は、下記一般式(1)で表されるアゾ顔料[A]を含む着色剤、バインダー樹脂、光重合性単量体、およびオキシムエステル系化合物[B1]を含む光重合開始剤[B]を含有する有機EL表示装置用赤色着色組成物に関する。
[一般式(1)中、Aは、水素原子、ベンズイミダゾロン基、置換基を有してもよいフェニル基または置換基を有してもよい複素環基を表す。R1は、水素原子、ハロゲン原子、トリフルオロメチル基、炭素数1〜4のアルキル基、−OR7または−COOR8を表す。R2〜R6は、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、トリフルオロメチル基、炭素数1〜4のアルキル基、−OR9、−COOR10、−CONHR11、−NHCOR12または−SO2NHR13を表す。R7〜R13は、それぞれ独立して、水素原子または炭素数1〜4のアルキル基を表す。
ただし、R4が−NHCOR12であり、A、R2、R3、R5、およびR6が水素原子、かつR1がハロゲン原子の場合は除く。]
また、本発明は一般式(1)中、Aが置換基を有してもよいフェニル基であることを特徴とする前記有機EL表示装置用赤色着色組成物に関する。
また、少なくとも波長430nm〜485nmの範囲と波長560nm〜620nmの範囲とに発光強度が極大となるピーク波長(λ1)、(λ2)を有し、波長λ1における発光強度I1と波長λ2における発光強度I2の比(I2/I1)が、0.4以上0.9以下である発光スペクトルを有する白色有機EL光源を用いて測定された、着色膜のXYZ表色系における色度座標が、x≧0.640、かつ0.300≦y≦0.360の場合に、着色膜の膜厚が3.0μm未満になることを特徴とする前記有機EL表示装置用赤色着色組成物に関する。
また、本発明は、着色剤が、さらにC.I.ピグメントイエロー139、および下記一般式(2)で表されるキノフタロン化合物から選ばれる少なくとも1種類の顔料を含有することを特徴とする前記有機EL表示装置用赤色着色組成物に関する。
[一般式(2)中、X1〜X13は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、置換基を有しても良いアルキル基、置換基を有しても良いアルコキシル基、置換基を有しても良いアリール基、−SO3H基、−COOH基、−SO3H基もしくは−COOH基の金属塩、−SO3H基もしくは−COOH基のアルキルアンモニウム塩、置換基を有しても良いフタルイミドメチル基、または置換基を有しても良いスルファモイル基を示す。X1〜X4、および/または、X10〜X13の隣接した基は、一体となって、置換基を有してもよい芳香環を形成する。]
また、本発明は、着色剤が、さらにC.I.ピグメントオレンジ38、C.I.ピグメントオレンジ43、およびC.I.ピグメントオレンジ64から選択される少なくとも1種類の顔料を含有することを特徴とする前記有機EL表示装置用赤色着色組成物に関する。
また、本発明は、着色剤がさらにC.I.ピグメントレッド179を含有することを特徴とする前記有機EL表示装置用赤色着色組成物に関する。
また、本発明は、オキシムエステル系化合物[B1]が、カルバゾール基を有することを特徴とする前記有機EL表示装置用赤色着色組成物に関する。
また、本発明は、少なくとも1つの赤色フィルタセグメント、少なくとも1つの緑色フィルタセグメントおよび少なくとも1つの青色フィルタセグメントを備える有機EL表示装置用カラーフィルタにおいて、少なくとも1つの赤色フィルタセグメントが、前記有機EL表示装置用赤色着色組成物により形成されてなる有機EL表示装置用カラーフィルタに関する。
また、本発明は、少なくとも波長430nm〜485nmの範囲と波長560nm〜620nmの範囲に発光強度が極大となるピーク波長(λ1)と(λ2)を有し、波長λ1における発光強度I1と波長λ2における発光強度I2の比(I2/I1)が、0.4以上0.9以下である分光特性をもつ白色有機EL光源を用いた場合に、着色膜のXYZ表色系における色度座標をそれぞれ(xR,yR)、(xG,yG)、(xB,yB)としたとき、これらの3点で囲まれる三角形の面積が、赤(0.67,0.33)、緑(0.21,0.71)、青(0.14,0.08)により囲まれる面積に対して75%以上であることを特徴とする前記有機EL表示装置用赤色着色組成物により形成されてなる有機EL表示装置用カラーフィルタに関する。
また、本発明は、前記有機EL表示装置用カラーフィルタと、白色有機EL光源とを具備することを特徴とする有機EL表示装置に関する。
また、本発明は、白色有機EL光源が、少なくとも波長430nm〜485nmの範囲と波長560nm〜620nmの範囲とに発光強度が極大となるピーク波長(λ1)、(λ2)を有し、波長λ1における発光強度I1と波長λ2における発光強度I2の比(I2/I1)が、0.4以上0.9以下である発光スペクトルを有することを特徴とする前記有機EL表示装置に関する。
本発明の感光性着色組成物により、高い明度と高純度という2つの特性が満足できるカラーフィルタを提供することができる。
白色有機EL光源の発光スペクトルの一例である(EL−1)。
以下、本発明を詳細に説明する。
なお、本願では、「(メタ)アクリロイル」、「(メタ)アクリル」、「(メタ)アクリル酸」、「(メタ)アクリレート」、又は「(メタ)アクリルアミド」と表記した場合には、特に説明がない限り、それぞれ、「アクリロイル及び/又はメタクリロイル」、「アクリル及び/又はメタクリル」、「アクリル酸及び/又はメタクリル酸」、「アクリレート及び/又はメタクリレート」、又は「アクリルアミド及び/又はメタクリルアミド」を表すものとする。
また、本明細書に挙げる「C.I.」は、カラーインデクッス(C.I.)を意味する。
<赤色着色組成物>
まず、本発明の有機EL表示装置用赤色着色組成物について説明する。
本発明の赤色着色組成物は、前記一般式(1)で表されるアゾ顔料、バインダー樹脂、光重合性単量体、光重合開始剤を含有するものであって、特に白色有機EL光源を具備するカラー表示装置のカラーフィルタに好ましく用いられる赤色着色組成物である。まず、赤色着色組成物に用いられる着色剤、バインダー樹脂、光重合性単量体、光重合開始剤、必要に応じ用いられる溶剤、分散性向上剤、分散助剤などのその他の成分について順次説明する。
<着色剤>
(ナフトールアゾ顔料[A])
本発明の着色剤は、一般式(1)で表されるナフトールアゾ顔料[A]を含有することを特徴とする。
[一般式(1)中、Aは、水素原子、ベンズイミダゾロン基、置換基を有してもよいフェニル基または置換基を有してもよい複素環基を表す。R1は、水素原子、トリフルオロメチル基、炭素数1〜4のアルキル基、−OR7または−COOR8を表す。R2〜R6は、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、トリフルオロメチル基、炭素数1〜4のアルキル基、−OR9、−COOR10、−CONHR11、−NHCOR12または−SO2NHR13を表す。R7〜R13は、それぞれ独立して、水素原子または炭素数1〜4のアルキル基を表す。
ただし、R4が−NHCOR12であり、A、R2、R3、R5、およびR6が水素原子、かつR1がハロゲン原子の場合は除く。]
一般式(1)で表されるナフトールアゾ顔料[A]の中でも、好ましくは、R2〜R6のうち少なくとも1つがトリフルオロメチル基であるアゾ顔料[A1]、あるいはR2〜R6のうち少なくとも1つが−NHCOR12であるアゾ顔料[A2]が、顔料粒子を微細化しやすくコントラスト比が秀でているため好ましい。
一般式(1)で表されるナフトールアゾ顔料[A]としては、カラーインデックス(C.I.)ナンバーで示すと、C.I.ピグメントレッド31、32、146、147、150、184、187、188、210、238.245.247、266、268、269、C.I.バイオレット25、または50等が挙げられる。これらの中でも、色相・明度の観点から、C.I.ピグメントレッド150、170、187、266、268、269が好ましい。
一般式(1)中、Aにおいて、置換基を有してもよいフェニル基の「置換基」としては、ハロゲン原子、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシル基、シアノ基、トリフルオロメチル基、ニトロ基、水酸基、カルバモイル基、N−置換カルバモイル基、スルファモイル基、N−置換スルファモイル基、カルボキシル基、スルホ基、カルボキシル基またはスルホ基から選ばれる酸性基の1価〜3価の金属塩(例えば、ナトリウム塩、カリウム塩、アルミニウム塩等)などが挙げられる。したがって、置換基を有してもよいフェニル基の具体例としては、フェニル基、p-メチルフェニル基、4−tert−ブチルフェニル基、p−ニトロフェニル基、p−メトキシフェニル基、o−トリフルオロメチルフェニル基、p−クロロフェニル基、p−ブロモフェニル基、2,4−ジクロロフェニル基、3−カルバモイルフェニル基、2−クロロ−4−カルバモイルフェニル基、2−メチル−4−カルバモイルフェニル基、2−メトキシ−4−カルバモイルフェニル基、2−メトキシ−4−メチル−3−スルファモイルフェニル基、4−スルホフェニル基、4−カルボキシフェニル基、2−メチル−4−スルホフェニル基などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
また、Aにおいて、置換基を有してもよい複素環基の「置換基」としては、ハロゲン原子、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシル基、シアノ基、トリフルオロメチル基、ニトロ基、水酸基、カルバモイル基、N−置換カルバモイル基、スルファモイル基、N−置換スルファモイル基、カルボキシル基、スルホ基、カルボキシル基またはスルホ基から選ばれる酸性基の1価〜3価の金属塩(例えば、ナトリウム塩、カリウム塩、アルミニウム塩等)などが挙げられる。また、「複素環」とは、環系を構成する原子の中に、炭素原子以外のヘテロ原子が1個以上含まれるものを意味し、飽和環であっても不飽和環であっても良く、更に単環であっても縮合環であっても良い。したがって、複素環としては、ピリジン環、ピラジン環、ピリミジン環、ピリダジン環、トリアジン環、ピロール環、フラン環、チオフェン環、イミダゾール環、ピラゾール環、オキサゾール環、チアゾール環、イソオキサゾール環、イソチアゾール環、トリアゾール環、チアジアゾール環、オキサジアゾール環、キノリン環、ベンゾフラン環、インドール環、モルホリン環、ピロリジン環、ピペリジン環、テトラヒドロフラン環などが挙げられる。ゆえに、複素環基とは、これら複素環から水素原子を除いて誘導される一価の遊離基を意味し、したがって、置換基を有してもよい複素環基の具体例としては、2−ピリジル基、3−ピリジル基、4−ピリジル基、2−ピローリル基、3−ピローリル基、2−フリル基、3−フリル基、2−チエニル基、3−チエニル基、2−イミダゾリル基、2−オキサゾリル基、2−チアゾリル基、ピペリジノ基、4−ピペリジル基、モルホリノ基、2−モルホリニル基、N−インドリル基、2−インドリル基、2−ベンゾフリル基、2−ベンゾチエニル基、2−キノリノ基、N−カルバゾリル基などが挙げられる。
また、R2〜R6、R14におけるハロゲン原子としては、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素が挙げられる。
また、R1〜R14における炭素数1〜4のアルキル基としては、直鎖状でも分岐状でもよく、具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基が挙げられる。
顔料としては、明度の観点から、Aが、置換基を有してもよいフェニル基であることが好ましい。さらに、明度および分散性の観点から、R1が炭素数1〜4のアルキル基または−OR7であることが好ましく、R1がメチル基またはメトキシ基であることがより好ましい。
本発明の着色剤は、化学構造が一般式(1)、またはその互変異性体であっても良く、あらゆる結晶形態を持った顔料であっても良く、いわゆる多形と呼称されるあらゆる結晶形態を持った顔料同士の混晶であっても良い。これら顔料の結晶形態は、粉末X線回折測定やX線結晶構造解析により確認できる。
本発明のナフトールアゾ顔料[A]は、溶媒に対して、そして光に対して優れた堅ろう性を有する水不溶性の顔料であり、この顔料を用いることで、明度とコントラスト比のいずれも優れたカラーフィルタ用着色組成物を得ることができる。
本発明の着色剤は、ナフトールアゾ顔料[A]を単独で、または、2種以上を混合して使用することができる。
(ナフトールアゾ顔料[A1])
一般式(1)で表されるナフトールアゾ顔料[A]の中でも、好ましくは、R2〜R6のうち少なくとも1つがトリフルオロメチル基であるナフトールアゾ顔料[A1]が、微細化が容易であるために好ましい。
これらの中でも、R5が−トリフルオロメチル基であることが好ましく、R2が−Cl基であることが、好ましい。これらを満たすことにより、顔料の微細化が可能となるため、高コントラスト化を達成できる。
ナフトールアゾ顔料[A1]の具体例としては、下記に示すナフトールアゾ顔料等が挙げられるが、本発明はこれらに限定されるものではない。
(ナフトールアゾ顔料[A2])
一般式(1)で表されるナフトールアゾ顔料[A]の中でも、好ましくは、R2〜R6のうち少なくとも1つが−NHCOR12であるナフトールアゾ顔料[A2]が明度に優れていているために好ましい。ただし、R4が−NHCOR12であり、A、R2、R3、R5、およびR6が水素原子、かつR1がハロゲン原子の場合は除く。
これらの中でも、R4が−NHCOR12であることが好ましく、R1がメトキシ基であることがより好ましい。
ナフトールアゾ顔料[A2]の具体例としては、下記に示すナフトールアゾ顔料等が挙げられるが、本発明はこれらに限定されるものではない。
(ナフトールアゾ顔料[A]の製造方法)
本発明のナフトールアゾ顔料[A]は、顔料分野でよく知られているように、ジアゾニウム塩とβ−ナフトール類とをカップリング反応させることにより製造できる。また、下記に述べるように、芳香族アミン類(ジアゾ成分)、またはβ−ナフトール類(カップラー成分)、もしくはその両方を2種類反応に用いることにより、2種以上のナフトールアゾ顔料を同時に合成し、複数のナフトールアゾ顔料種を共に含むものとなっていてもよい。この場合の方が、微細化に優れかつ優れた明度を与える顔料組成物を得ることができる場合もあり、より好ましい。
2種以上のナフトールアゾ顔料を同時に合成することにより、結晶成長を阻害し、微細な顔料粒子が得られ、透明性が向上する等の理由から明度が向上することもできる。
ナフトールアゾ顔料[A]の製造は、先ず、下記一般式(7)で表されるアミン類(ジアゾ成分)を、塩酸、硫酸、または酢酸などを加えた酸性水溶液中、亜硝酸、亜硝酸塩または亜硝酸エステルにより、ジアゾ化することによって得られる下記一般式(8)で表されるジアゾニウム塩を製造する。
[一般式(7)および(8)中、AおよびR1は、一般式(1)におけるものと同義である。X-は、無機または有機アニオンを表す。]
上記無機または有機アニオンとしては、フッ化物イオン、塩化物イオン、臭化物イオン、ヨウ化物イオン、過塩素酸イオン、次亜塩素酸イオン、CH3COO-、C65COO-などが挙げられ、好ましくは塩化物イオン、臭化物イオン、CH3COO-が挙げられる。
次いで、上記一般式(8)で表されるジアゾニウム塩と、下記一般式(9)で表されるβ−ナフトール類(カップリング成分)とを、通常、水性溶媒中5℃〜70℃で反応させ、常法による後処理を行って、一般式(1)のナフトールアゾ顔料[A]を製造する。また、界面活性剤、樹脂、色素誘導体、または不活性溶剤の存在下で、カップリング反応を行っても良い。また、本発明のナフトールアゾ顔料[A]の製造方法は、これらの方法に限定されるものではない。
[一般式(9)中、R2〜R6は、一般式(1)におけるものと同義である。]
また、2種以上のナフトールアゾ顔料種を同時に製造する場合には、例えば下記に記す方法が挙げられる。
先ず、少なくとも1種の下記一般式(7)で表される芳香族アミン類(ジアゾ成分)の混合物を、塩酸、硫酸、または酢酸などを加えた酸性水溶液中、亜硝酸、亜硝酸塩または亜硝酸エステルにより、ジアゾ化することによって得られる下記一般式(8)で表されるジアゾニウム塩の混合物を製造する。
[一般式(7)、および(8)中、AおよびR1は、一般式(1)におけるものと同義である。X−は、無機または有機アニオンを表す。]
上記無機または有機アニオンとしては、フッ化物イオン、塩化物イオン、臭化物イオン、ヨウ化物イオン、過塩素酸イオン、次亜塩素酸イオン、CH3COO-、C65COO-などが挙げられ、好ましくは塩化物イオン、臭化物イオン、CH3COO-が挙げられる。
次いで、上記一般式(8)で表されるジアゾニウム塩の混合物を、下記一般式(9)で表されるβ−ナフトール類(カップラー成分)と下記化学式(10)で表されるβ−ナフトール類(カップラー成分)の混合物を、通常、水性溶媒中5℃〜70℃で反応させ、常法による後処理を行って、一般式(1)で表されるナフトールアゾ顔料[A]と、一般式(6)で表されるナフトールアゾ顔料[A’]を含有する顔料組成物を製造することができる。
このとき、一般式(6)におけるA1はAと同じになり、R51はR1と同じである顔料となる。
また、界面活性剤、樹脂、色素誘導体、または不活性溶剤の存在下で、カップリング反応を行っても良い。また、本発明の顔料組成物の製造方法は、これらの方法に限定されるものではない。
[一般式(9)中、R2〜R6は、一般式(1)におけるものと同義である。]
反応に用いる一般式(7)の芳香族アミン類の混合比および一般式(9)と化学式(10)のβ−ナフトール類の混合重量比はそれぞれ、60:40〜100:0の間で設定することができる。これらの混合比を調整することにより、目的の重量比の顔料組成物を得ることができる。
このように、一般式(9)で表されるナフトール化合物と化学式(10)で表されるナフトール化合物の混合物からなるカップラー成分と、一般式(7)で表される芳香族アミンのジアゾ化合物とを反応させて、一般式(1)、および一般式(6)で表されるアゾ顔料を含有する着色剤を製造する事ができる。
このような着色剤は、明度およびコントラスト比に優れ、好ましいものである。
このとき、一般式(9)で表されるナフトール化合物と化学式(10)で表されるナフトール化合物の混合物の重量比は、60.0:40.0〜100.0:0であることが好ましく、100.0:0の場合には、一般式(1)で表されるナフトールアゾ顔料[A]が唯一の生成物となる。
(その他の着色剤)
本発明のカラーフィルタ用着色組成物には、色度を調製するため等に、本発明の効果を損なわない範囲で上記一般式(1)のナフトールアゾ顔料[A]以外の顔料あるいは染料といったその他の着色剤を併用してもよい。これらの顔料・染料は、単独で、または必要に応じて任意の比率で2種以上混合して用いることができる。
併用することのできる着色剤としては、顔料として、ジケトピロロピロール系顔料、アゾ、ジスアゾ、又はポリアゾ等の一般式(1)のナフトールアゾ顔料[A]以外のアゾ系顔料、アミノアントラキノン、ジアミノジアントラキノン、アントラピリミジン、フラバントロン、アントアントロン、インダントロン、ピラントロン、又はビオラントロン等のアントラキノン系顔料、キナクリドン系顔料、ペリノン系顔料、ペリレン系顔料、チオインジゴ系顔料、イソインドリン系顔料、イソインドリノン系顔料、キノフタロン系顔料、スレン系顔料、ベンズイミダゾロン系または金属錯体系顔料等が挙げられる。
染料として、キサンテン系染料、アゾ系(ピリドン系、バルビツール酸系、金属錯体系など)染料、ジスアゾ系染料、アントラキノン系染料、メチン系染料などが挙げられる。またこれらの染料をレ−キ化したレ−キ顔料、スルホン酸やカルボン酸等の酸性基を有する酸性染料の無機塩、酸性染料と含窒素化合物との造塩化合物、酸性染料のスルホン酸アミド化合物等の形態であっても良い。
併用する着色剤で好ましいものは、明度および着色力の観点から、一般式(1)のナフトールアゾ顔料[A]以外のアゾ系顔料、ジケトピロロピロール系、アントラキノン系、キノフタロン系、イソインドリン系、ペリノン系、ペリレン系、ベンズイミダゾロン系の色素が挙げられる。具体的には、C.I.ピグメントレッド176、177、254、242、C.I.ピグメントイエロー138、139、150、185、後述する下記一般式(2)で表されるキノフタロン化合物、C.I.ピグメントオレンジ38、43および64が挙げられる。この中でも特に好ましい着色剤はC.I.ピグメントイエロー139、一般式(2)で表されるキノフタロン化合物またはC.I.ピグメントオレンジ64である。
一般式(1)のナフトールアゾ顔料[A]以外のアゾ系顔料としては、例えば、一般式(6)で表されるナフトールアゾ顔料[A’]、またはさらにその他のアゾ顔料[C]が挙げられ、一般式(6)で表されるナフトールアゾ顔料[A’]が、明度が高いために好ましい。
[ナフトールアゾ顔料[A’]]
ナフトールアゾ顔料[A’]は、一般式(6)で表わされるナフトールアゾ顔料である。
[一般式(6)中、A1は、それぞれ独立して、水素原子、置換基を有してもよいフェニル基または置換基を有してもよい複素環基を表す。R51は、水素原子、トリフルオロメチル基、炭素数1〜4のアルキル基、−OR57または−COOR58を表す。R57、R58は、それぞれ独立して、水素原子または炭素数1〜4のアルキル基を表す。]
1において、置換基を有してもよいフェニル基の「置換基」、および置換基を有してもよい複素環基の「置換基」は、一般式(1)のAにおける「置換基」と同様である。
また、R51、R57、R58における炭素数1〜4のアルキル基としては、直鎖状でも分岐状でもよく、具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基が挙げられる。
顔料としては、明度の観点から、A1が、置換基を有してもよいフェニル基であることが好ましい。さらに、明度および分散性の観点から、R51が炭素数1〜4のアルキル基または−OR57であることが好ましく、R51がメチル基またはメトキシ基であることがより好ましい。
本発明の着色剤は、化学構造が一般式(6)、またはその互変異性体であっても良く、あらゆる結晶形態を持った顔料であっても良く、いわゆる多形と呼称されるあらゆる結晶形態を持った顔料同士の混晶であっても良い。これら顔料の結晶形態は、粉末X線回折測定やX線結晶構造解析により確認できる。
着色剤が、一般式(6)で表されるナフトールアゾ顔料[A’]を含む場合には、一般式(1)で表わされるナフトールアゾ顔料[A]と、一般式(6)で表されるナフトールアゾ顔料[A’]の重量比は60.0:40.0〜95.0:5.0の範囲であることが好ましい。より好ましくは70.0:30.0〜90.0:10.0の範囲である。ナフトールアゾ顔料[A]の含有量が60以上、あるいは95以下の場合には、より優れた明度を得ることができるために好ましい。
このような一般式(6)で表されるナフトールアゾ顔料としては、例えばC.I.ピグメントレッド176等が挙げられる。
[その他のアゾ顔料[C]]
その他のアゾ顔料[C]は、一般式(1)で表わされるナフトールアゾ顔料[A]、一般式(6)で表されるアゾ顔料[A’]以外のアゾ、ジスアゾ、又はポリアゾ等のアゾ系顔料等が挙げられる。
このような顔料としては、例えばC.I.ピグメントレッド2、5、7、8、9、10、11、12、14、15、16、17、18、21、22、23、95、112、114、119、136、144、164、166、170、171、175、185、208、213、214、220、221、242、253、256、258、C.I.ピグメンオレンジ1、4、15、16、22、24、38、74、C.I.ピグメントイエロー1、2、3、4、5、6、7、9、10、12、13、14、15、16、17、49、55、60、63、65、73、74、75、77、81、83、87、97、98、105、106、111、113、114、116、124、126、127、130、152、155、165、167、170、172、174、176、205、214、219などが挙げられる。このなかでも、色相・明度・コントラスト比の観点から、C.I.ピグメントレッド185、242、C.I.ピグメントオレンジ38が望ましい。
その他併用することができる赤色顔料として具体的に挙げると、例えば、C.I.ピグメントレッド41、48:1、48:2、48:3、48:4、57:1、81、81:1、81:2、81:3、81:4、122、146、168、169、177、178、179、184、187、200、202、210、246、254、255、264、270、272、273、274,276、277、278、279、280、281、282、283、284、285、286、または287等の赤色顔料を挙げることができる。赤色染料としては、キサンテン系、アゾ系(ピリドン系、バルビツール酸系、金属錯体系など)、ジスアゾ系、アントラキノン系などが挙げられる。具体的には、C.I.アシッド レッド 52、87、92、289、338などのキサンテン系酸性染料の造塩化合物等が挙げられる。
また、C.I.ピグメントオレンジ43、71、または73等の橙色顔料および/またはC.I.ピグメントイエロー18、24、31、32、34、35、35:1、36、36:1、37、37:1、40、42、43、53、61、62、93、94、95、100、101、104、108、109、110、115、117、118、119、120、123、128、129、138、139、147、150、151、153、154、156、161、162、164、166、168、169、171、173、175、177、179、180、181、182、185、187、188、193、194、198、199、213、218、220、または221等の黄色顔料を併用することができる。また、橙色染料および/または黄色染料としては、キノリン系、アゾ系(ピリドン系、バルビツール酸系、金属錯体系など)、ジスアゾ系、メチン系などが挙げられる。
併用する着色剤で好ましいものは、明度および着色力の観点から、ジケトピロロピロール系、アントラキノン系、キノフタロン系、イソインドリン系、ペリレン系、ペリノン系、ベンズイミダゾロン系の色素が挙げられる。具体的には、C.I.ピグメントレッド176、177、254、242、C.I.ピグメントイエロー138、139、150、185、下記一般式(2)で表されるキノフタロン化合物、C.I.ピグメントオレンジ38、43および64が挙げられる。この中でも特に好ましい着色剤はC.I.ピグメントイエロー139、一般式(2)で表されるキノフタロン化合物、またはC.I.ピグメントオレンジ64である。
本発明に用いることができる一般式(2)で表されるキノフタロン化合物について説明する。
[一般式(2)中、X1〜X13は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、置換基を有しても良いアルキル基、置換基を有しても良いアルコキシル基、置換基を有しても良いアリール基、−SO3H基、−COOH基、−SO3H基もしくは−COOH基の金属塩、−SO3H基もしくは−COOH基のアルキルアンモニウム塩、置換基を有しても良いフタルイミドメチル基、または置換基を有しても良いスルファモイル基を示す。X1〜X4、および/または、X10〜X13の隣接した基は、一体となって、置換基を有してもよい芳香環を形成する。]
ここで、ハロゲン原子としては、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素が挙げられる。
また、置換基を有してもよいアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、プチル基、イソプチル基、tert−プチル基、ネオペンチル基、n−へキシル基、n−オクチル基、ステアリル基、2−エチルへキシル基等の直鎖又は分岐アルキル基の他、トリクロロメチル基、トリフルオロメチル基、2,2,2−トリフルオロエチル基、2,2−ジブロモエチル基、2,2,3,3−テトラフルオロプロピル基、2−エトキシエチル基、2−ブトキシエチル基、2−ニトロプロピル基、ペンジル基、4−メチルペンジル基、4−tert−プチルベンジル基、4−メトキシペンジル基、4−ニトロベンジル基、2,4−ジクロロベンジル基等の置換基を有するアルキル基が挙げられる。
また、置換基を有してもよいアルコキシル基としては、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、イソプチルオキシ基、tert−プチルオキシ基、ネオペンチルオキシ基、2,3−ジメチル−3−ペントキシ、n−へキシルオキシ基、n−オクチルオキシ基、ステアリルオキシ基、2−エチルへキシルオキシ基等の直鎖又は分岐アルコキシル基の他、トリクロロメトキシ基、トリフルオロメトキシ基、2,2,2−トリフルオロエトキシ基、2,2,3,3−テトラフルオロプロピルオキシ基、2,2−ジトリフルオロメチルプロポキシ基、2−エトキシエトキシ基、2−ブトキシエトキシ基、2−ニトロプロポキシ基、ベンジルオキシ基等の置換基を有するアルコキシル基が挙げられる。
また、置換基を有してもよいアリール基としては、フェニル基、ナフチル基、アントラニル基等のアリール基の他、p−メチルフェニル基、p−ブロモフェニル基、p−ニトロフェニル基、p−メトキシフェニル基、2,4−ジクロロフェニル基、ペンタフルオロフェニル基、2−アミノフェニル基、2−メチル−4−クロロフェニル基、4−ヒドロキシ−1−ナフチル基、6−メチル−2−ナフチル基、4,5,8−トリクロロ−2−ナフチル基、アントラキノニル基、2−アミノアントラキノニル基等の置換基を有するアリール基が挙げられる。
また、酸性基としては、−SO3H、−COOHが挙げられ、これら酸性基の1価〜3価の金属塩としては、ナトリウム塩、カリウム塩、マグネシウム塩、カルシウム塩、鉄塩、アルミニウム塩等が挙げられる。また、酸性基のアルキルアンモニウム塩としては、オクチルアミン、ラウリルアミン、ステアリルアミン等の長鎖モノアルキルアミンのアンモニウム塩、パルミチルトリメチルアンモニウム、ジラウリルジメチルアンモニウム、ジステアリルジメチルアンモニウム塩等の4級アルキルアンモニウム塩が挙げられる。
置換基を有してもよいフタルイミドメチル基(C64(CO)2N−CH2−)、および、置換基を有してもよいスルファモイル基(H2NSO2−)における「置換基」としては、上記のハロゲン原子、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有しても良いアルコキシル基、置換基を有してもよいアリール基等が挙げられる。
一般式(2)のX1〜X4、および/または、X10〜X13の隣接した基は、一体となって、置換基を有してもよい芳香環を形成する。ここでいう芳香環とは、炭化水素芳香環および複素芳香環が挙げられ、炭化水素芳香環としては、ベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環、フェナントレン環等が、また、複素芳香環としては、ピリジン環、ピラジン環、ピロール環、キノリン環、キノキサリン環、フラン環、ベンゾフラン環、チオフェン環、ベンゾチオフェン環、オキサゾール環、チアゾール環、イミダゾール環、ピラゾール環、インドール環、カルバゾール環などが挙げられる。
一般式(2)で表されるキノフタロン化合物は、下記一般式(2A)〜(2C)のいずれかであることが好ましい。
[一般式(2A)〜(2C)中、X14〜X28、X29〜X43、X44〜X60は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、置換基を有しても良いアルキル基、置換基を有しても良いアルコキシル基、置換基を有しても良いアリール基、−SO3H基、−COOH基、−SO3HH基もしくは−COOH基の金属塩、−SO3H基もしくは−COOH基のアルキルアンモニウム塩、置換基を有しても良いフタルイミドメチル基、または置換基を有しても良いスルファモイル基を示す。]
さらに、一般式(2A)〜(2C)のX14〜X28、X29〜X43、X44〜X60が、水素原子またはハロゲン原子あることがより好ましい。
一般式(2)で表されるキノフタロン化合物の具体例として、下記に示すキノフタロン化合物(a)〜(p)等が挙げられるが、本発明はこれらに限定されるものではない。
本発明の着色剤には一般式(1)で表されるアゾ顔料[A]以外の着色剤を併用する場合、着色剤全量中(100重量%)、本発明のアゾ顔料[A]は20〜100重量%の範囲であることが好ましい。より好ましくは、30〜100重量%の範囲である。アゾ顔料[A]が20重量%以上であれば、明度の優れた効果を十分に発揮する事できるために好ましいものである。
本発明の着色剤にはC.I.ピグメントオレンジ38、C.I.ピグメントオレンジ43あるいはC.I.ピグメントオレンジ64を併用する場合、着色剤全量中(100重量%)、C.I.ピグメントオレンジ38、C.I.ピグメントオレンジ43あるいはC.I.ピグメントオレンジ64は0〜20重量%の範囲であることが好ましい。より好ましくは0〜10重量%の範囲である。C.I.ピグメントオレンジ38、C.I.ピグメントオレンジ43あるいはC.I.ピグメントオレンジ64が0〜10重量%であれば、明度および着色力の優れた効果を十分に発揮することができる。
本発明の着色剤にはC.I.ピグメントレッド179を併用する場合、着色剤全量中(100重量%)、0〜45重量%の範囲であることが好ましい。より好ましくは0〜30重量%の範囲である。C.I.ピグメントレッド179が0〜30重量%であれば、明度および着色力の優れた効果を十分に発揮することができる。
(着色剤の微細化)
本発明に用いる顔料は、微細化して用いることができる。アゾ顔料[A]についても、微細化して用いることが好ましいが、微細化方法は特に限定されるものではなく、例えば湿式磨砕、乾式磨砕、溶解析出法いずれも使用でき、本発明で例示するように湿式磨砕の1種であるニーダー法によるソルトミリング処理を行うことができる。微細化を行うアゾ顔料[A]は市販のいずれの製品を用いてもよいし、アゾ顔料[A]に対応するジアゾニウム塩とβナフトール類とのカップリング反応により製造したものを用いてもよい。
これら着色剤の微細化を施すことにより、有機EL表示装置用赤色着色組成物として好適に使用することができる。
微細化した顔料の一次粒子径は、着色剤担体中への分散が良好なことから、20nm以上であることが好ましい。また、コントラスト比が高いフィルタセグメントを形成できることから、100nm以下であることが好ましい。特に好ましい範囲は、25〜85nmの範囲である。
なお、顔料の一次粒子径は、顔料のTEM(透過型電子顕微鏡)による電子顕微鏡写真から一次粒子の大きさを直接計測する方法で行った。具体的には、個々の顔料の一次粒子の短軸径と長軸径を計測し、平均をその顔料粒子の粒径とした。次に、100個以上の顔料粒子について、それぞれの粒子の体積を、求めた粒径の立方体と近似して平均体積を求め、この平均体積を有している立方体の一辺の長さを平均一次粒子径とする。
ソルトミリング処理とは、顔料と水溶性無機塩と水溶性有機溶剤との混合物を、ニーダー、トリミックス、2本ロールミル、3本ロールミル、ボールミル、アトライター、サンドミル等の混練機を用いて、加熱しながら機械的に混練した後、水洗により水溶性無機塩と水溶性有機溶剤を除去する処理である。水溶性無機塩は、破砕助剤として働くものであり、ソルトミリング時に無機塩の硬度の高さを利用して顔料が破砕される。顔料をソルトミリング処理する際の条件を最適化することにより、一次粒子径が非常に微細であり、また、分布の幅がせまく、シャープな粒度分布をもつ顔料を得ることができる。
水溶性無機塩としては、塩化ナトリウム、塩化バリウム、塩化カリウム、硫酸ナトリウム等を用いることができるが、価格の点から塩化ナトリウム(食塩)を用いるのが好ましい。水溶性無機塩は、処理効率と生産効率の両面から、顔料100重量部に対し、50〜2000重量部用いることが好ましく、300〜1000重量部用いることが最も好ましい。
水溶性有機溶剤は、顔料及び水溶性無機塩を湿潤する働きをするものであり、水に溶解(混和)し、かつ用いる無機塩を実質的に溶解しないものであれば特に限定されない。ただし、ソルトミリング時に温度が上昇し、溶剤が蒸発し易い状態になるため、安全性の点から、沸点120℃以上の高沸点溶剤が好ましい。例えば、2−メトキシエタノール、2−ブトキシエタノール、2−(イソペンチルオキシ)エタノール、2−(ヘキシルオキシ)エタノール、ジエチレングリコール、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコール、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、液状のポリエチレングリコール、1−メトキシ−2−プロパノール、1−エトキシ−2−プロパノール、ジプロピレングリコール、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、液状のポリプロピレングリコール等が用いられる。水溶性有機溶剤は、顔料100重量部に対し、5〜1000重量部用いることが好ましく、50〜500重量部用いることが最も好ましい。
顔料をソルトミリング処理する際には、必要に応じて樹脂を添加してもよい。用いられる樹脂の種類は特に限定されず、天然樹脂、変性天然樹脂、合成樹脂、天然樹脂で変性された合成樹脂等を用いることができる。用いられる樹脂は、室温で固体であり、水不溶性であることが好ましく、かつ上記有機溶剤に一部可溶であることがさらに好ましい。樹脂の使用量は、顔料100重量部に対し、5〜200重量部の範囲であることが好ましい。
<バインダー樹脂>
バインダー樹脂は、着色剤を分散、染色、または浸透させるものであって、熱可塑性樹脂等が挙げられる。また、アルカリ現像型着色レジスト材の形態で用いる場合には、酸性基含有エチレン性不飽和単量体を共重合したアルカリ可溶性ビニル系樹脂を用いることが好ましい。また、さらに光感度を向上させるために、エチレン性不飽和二重結合を有する活性エネルギー線硬化性樹脂を用いることもできる。
特に側鎖にエチレン性不飽和二重結合を有する活性エネルギー線硬化性樹脂をアルカリ現像型着色レジスト材に用いることで、活性エネルギー線で露光し塗膜を形成する際に、樹脂が3次元架橋されることで着色剤が固定され、耐熱性が良好になり、着色剤の熱による退色(分光特性の悪化)を抑制できる。また、現像工程においても着色剤成分の凝集・析出を抑制する効果もある。
バインダー樹脂としては、可視光領域の400〜700nmの全波長領域において分光透過率が好ましくは80%以上、より好ましくは95%以上の樹脂であることが好ましい。
バインダー樹脂の重量平均分子量(Mw)は、着色剤を好ましく分散させるためには、10,000〜100,000の範囲が好ましく、より好ましくは10,000〜80,000の範囲である。また数平均分子量(Mn)は5,000〜50,000の範囲が好ましく、Mw/Mnの値は10以下であることが好ましい。
バインダー樹脂をカラーフィルタ用感光性着色組成物として使用する場合には、着色剤吸着基および現像時のアルカリ可溶基として働くカルボキシル基、着色剤担体および溶剤に対する親和性基として働く脂肪族基及び芳香族基のバランスが、着色剤の分散性、浸透性、現像性、さらには耐久性にとって重要であり、酸価20〜300mgKOH/gの樹脂を用いることが好ましい。酸価が、20mgKOH/g未満では、現像液に対する溶解性が悪く、微細パターン形成するのが困難である。300mgKOH/gを超えると、微細パターンが残らなくなる。
バインダー樹脂は、成膜性および諸耐性が良好なことから、着色剤の全重量100重量部に対し、20重量部以上の量で用いることが好ましく、着色剤濃度が高く、良好な色特性を発現できることから、1000重量部以下の量で用いることが好ましい。
バインダー樹脂に用いる熱可塑性樹脂としては、例えば、アクリル樹脂、ブチラール樹脂、スチレン−マレイン酸共重合体、塩素化ポリエチレン、塩素化ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリ酢酸ビニル、ポリウレタン系樹脂、ポリエステル樹脂、ビニル系樹脂、アルキッド樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリアミド樹脂、ゴム系樹脂、環化ゴム系樹脂、セルロース類、ポリエチレン(HDPE、LDPE)、ポリブタジエン、およびポリイミド樹脂等が挙げられる。中でもアクリル樹脂を用いることが好ましい。
酸性基含有エチレン性不飽和モノマーを共重合したビニル系アルカリ可溶性樹脂としては、例えば、カルボキシル基、スルホン基等の酸性基を有する樹脂が挙げられる。
アルカリ可溶性樹脂として具体的には、酸性基を有するアクリル樹脂、α−オレフィン/(無水)マレイン酸共重合体、スチレン/スチレンスルホン酸共重合体、エチレン/(メタ)アクリル酸共重合体、又はイソブチレン/(無水)マレイン酸共重合体等が挙げられる。中でも、酸性基を有するアクリル樹脂、およびスチレン/スチレンスルホン酸共重合体から選ばれる少なくとも1種の樹脂、特に酸性基を有するアクリル樹脂は、耐熱性、透明性が高いため、好適に用いられる。
エチレン性不飽和二重結合を有する活性エネルギー線硬化性樹脂としては、たとえば以下に示す(i)や(ii)の方法により不飽和エチレン性二重結合を導入した樹脂が挙げられる。
[方法(i)]
方法(i)としては、例えば、エポキシ基を有する不飽和エチレン性単量体と、他の1種類以上の単量体とを共重合することによって得られた共重合体の側鎖エポキシ基に、不飽和エチレン性二重結合を有する不飽和一塩基酸のカルボキシル基を付加反応させ、更に、生成した水酸基に、多塩基酸無水物を反応させ、不飽和エチレン性二重結合およびカルボキシル基を導入する方法がある。
エポキシ基を有する不飽和エチレン性単量体としては、例えば、グリシジル(メタ)アクリレート、メチルグリシジル(メタ)アクリレート、2−グリシドキシエチル(メタ)アクリレート、3,4−エポキシブチル(メタ)アクリレート、及び3,4−エポキシシクロヘキシル(メタ)アクリレートが挙げられ、これらは、単独で用いても、2種類以上を併用してもかまわない。次工程の不飽和一塩基酸との反応性の観点で、グリシジル(メタ)アクリレートが好ましい。
不飽和一塩基酸としては、(メタ)アクリル酸、クロトン酸、o−、m−、p−ビニル安息香酸、(メタ)アクリル酸のα位ハロアルキル、アルコキシル、ハロゲン、ニトロ、シアノ置換体等のモノカルボン酸等が挙げられ、これらは、単独で用いても、2種類以上を併用してもかまわない。
多塩基酸無水物としては、テトラヒドロ無水フタル酸、無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、無水コハク酸、無水マレイン酸等が挙げられ、これらは単独で用いても、2種類以上を併用してもかまわない。カルボキシル基の数を増やす等、必要に応じて、トリメリット酸無水物等のトリカルボン酸無水物を用いたり、ピロメリット酸二無水物等のテトラカルボン酸二無水物を用いて、残った無水物基を加水分解すること等もできる。また、多塩基酸無水物として、不飽和エチレン性二重結合を有する、エトラヒドロ無水フタル酸、又は無水マレイン酸を用いると、更に不飽和エチレン性二重結合を増やすことができる。
方法(i)の類似の方法として、例えば、カルボキシル基を有する不飽和エチレン性単量体と、他の1種類以上の単量体とを共重合することによって得られた共重合体の側鎖カルボキシル基の一部に、エポキシ基を有する不飽和エチレン性単量体を付加反応させ、不飽和エチレン性二重結合およびカルボキシル基を導入する方法がある。
[方法(ii)]
方法(ii)としては、水酸基を有する不飽和エチレン性単量体を使用し、他のカルボキシル基を有する不飽和一塩基酸の単量体や、他の単量体とを共重合することによって得られた共重合体の側鎖水酸基に、イソシアネート基を有する不飽和エチレン性単量体のイソシアネート基を反応させる方法がある。
水酸基を有する不飽和エチレン性単量体としては、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−若しくは3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−若しくは3−若しくは4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、グリセロール(メタ)アクリレート、又はシクロヘキサンジメタノールモノ(メタ)アクリレート等のヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート類が挙げられ、これらは、単独で用いても、2種類以上を併用してもかまわない。また、上記ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートに、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、及び/又はブチレンオキシド等を付加重合させたポリエーテルモノ(メタ)アクリレートや、(ポリ)γ−バレロラクトン、(ポリ)ε−カプロラクトン、及び/又は(ポリ)12−ヒドロキシステアリン酸等を付加した(ポリ)エステルモノ(メタ)アクリレートも使用できる。塗膜異物抑制の観点から、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、又はグリセロール(メタ)アクリレートが好ましい。
イソシアネート基を有する不飽和エチレン性単量体としては、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルイソシアネート、又は1,1−ビス〔(メタ)アクリロイルオキシ〕エチルイソシアネート等が挙げられるが、これらに限定することなく、2種類以上併用することもできる。
[熱硬化性化合物]
本発明においては、バインダー樹脂である熱可塑性樹脂と併用して、さらに熱硬化性化合物を含んでもよい。
熱硬化性化合物としては、例えば、エポキシ化合物及び/または樹脂、ベンゾグアナミン化合物及び/または樹脂、ロジン変性マレイン酸化合物及び/または樹脂、ロジン変性フマル酸化合物及び/または樹脂、メラミン化合物及び/または樹脂、尿素化合物及び/または樹脂、フェノール化合物及び/または樹脂、が挙げられるが、本発明はこれに限定されるものではない。
<有機溶剤>
本発明の着色組成物には、着色剤を充分に着色剤担体中に分散、浸透させ、ガラス基板等の基板上に乾燥膜厚が0.2〜5μmとなるように塗布して着色膜を形成することを容易にするために有機溶剤を含有させることが好ましい。有機溶剤は、着色組成物の塗布性が良好であることに加え、着色組成物各成分の溶解性、さらには安全性を考慮して選定される。
有機溶剤としては、例えば、乳酸エチル、ベンジルアルコール、1,3−ブタンジオール、1,3−ブチレングリコール、1,3−ブチレングリコールジアセテート、1,4−ジオキサン、2−ヘプタノン、2−メチル−1,3−プロパンジオール、3,5,5−トリメチル−2−シクロヘキセン−1−オン、3,3,5−トリメチルシクロヘキサノン、3−エトキシプロピオン酸エチル、3−メチル−1,3−ブタンジオール、3−メトキシ−3−メチル−1−ブタノール、3−メトキシ−3−メチルブチルアセテート、3−メトキシブタノール、3−メトキシブチルアセテート、4−ヘプタノン、m−キシレン、m−ジエチルベンゼン、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、n−ブチルアルコール、n−ブチルベンゼン、n−プロピルアセテート、o−キシレン、o−ジエチルベンゼン、p−ジエチルベンゼン、sec−ブチルベンゼン、tert−ブチルベンゼン、γ―ブチロラクトン、イソブチルアルコール、イソホロン、エチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールジブチルエーテル、エチレングリコールモノイソプロピルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノターシャリーブチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールモノヘキシルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジイソブチルケトン、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールモノイソプロピルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、シクロヘキサノール、シクロヘキサノールアセテート、シクロヘキサノン、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、ジプロピレングリコールメチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノプロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ダイアセトンアルコール、トリアセチン、トリプロピレングリコールモノブチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールジアセテート、プロピレングリコールフェニルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルプロピオネート、ベンジルアルコール、メチルイソブチルケトン、メチルシクロヘキサノール、酢酸n−アミル、酢酸n−ブチル、酢酸イソアミル、酢酸イソブチル、酢酸プロピル、二塩基酸エステル等が挙げられる。
これらの溶剤は、単独で、または必要に応じて任意の比率で2種以上混合して用いることができる。
中でも、着色剤の分散性、浸透性、および着色組成物の塗布性が良好なことから、乳酸エチル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート等のグリコールアセテート類、ベンジルアルコール、ダイアセトンアルコール等のアルコール類やシクロヘキサノン等のケトン類を用いることが好ましい。
また有機溶剤は、着色組成物を適正な粘度に調節し、目的とする均一な膜厚の着色膜を形成できることから、着色剤100重量部に対して、500〜4000重量部の量で用いることが好ましい。
<光重合性単量体>
本発明の着色組成物に添加しても良い光重合性単量体には、紫外線や熱などにより硬化して透明樹脂を生成するモノマーもしくはオリゴマーが含まれる。
紫外線や熱などにより硬化して透明樹脂を生成するモノマー、オリゴマーとしては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、β−カルボキシエチル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテルジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAジグリシジルエーテルジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテルジ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、トリシクロデカニル(メタ)アクリレート、エステルアクリレート、メチロール化メラミンの(メタ)アクリル酸エステル、エポキシ(メタ)アクリレート、ウレタンアクリレート等の各種アクリル酸エステルおよびメタクリル酸エステル、(メタ)アクリル酸、スチレン、酢酸ビニル、ヒドロキシエチルビニルエーテル、エチレングリコールジビニルエーテル、ペンタエリスリトールトリビニルエーテル、(メタ)アクリルアミド、N−ヒドロキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−ビニルホルムアミド、アクリロニトリル等が挙げられるが、必ずしもこれらに限定されるものではない。
これらの光重合性化合物は、1種を単独で、または必要に応じて任意の比率で2種以上混合して用いることができる。
光重合性単量体の含有量は、着色剤100重量部に対し、5〜400重量部であることが好ましく、光硬化性および現像性の観点から10〜300重量部であることがより好ましい。
<光重合開始剤[B]>
本発明の感光性着色組成物は、光重合開始剤[B]が、オキシムエステル系光重合開始剤[B1]を含むものである。光重合開始剤[B1]を含むことにより、該組成物を紫外線照射により硬化させ、フォトリソグラフィー法によりフィルタセグメントを形成することができる溶剤現像型あるいはアルカリ現像型感光性着色組成物の形態で調製することができるものであり、色特性良好で耐熱性に優れ、パターニング性も良好な感光性着色組成物となる。
(オキシムエステル系光重合開始剤[B1])
オキシムエステル系光重合開始剤[B1]は、紫外線を吸収することによってオキシムのN−O結合の解裂がおこり、イミニルラジカルとアルキロキシラジカルを生成する。これらのラジカルは更に分解することにより活性の高いラジカルを生成するため、少ない露光量でパターンを形成させることができる。より好ましくは、カルバゾール基を有する場合、明度および色純度に優れた組成物とすることができる。特に好ましくは、一般式(3)で表わされるオキシムエステル系光重合開始剤である。
(一般式(3)で表わされるオキシムエステル系光重合開始剤)
一般式(3)


一般式(3)において、
1は、水素原子、または置換基を有しても良い、アルケニル基、アルキル基、アルキルオキシ基、アリール基、アリールオキシ基、複素環基、複素環オキシ基、アルキルスルファニル基、アリールスルファニル基、アルキルスルフィニル基、アリールスルフィニル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、アシル基、アシルオキシ基、アミノ基、ホスフィノイル基、カルバモイル基、もしくはスルファモイル基であり、
2は、水素原子、または置換基を有しても良い、アルケニル基、アルキル基、アルキルオキシ基、アリール基、アリールオキシ基、複素環基、複素環オキシ基、アルキルスルファニル基、アリールスルファニル基、アルキルスルフィニル基、アリールスルフィニル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基アシルオキシ基、もしくはアミノ基である。
Zは、直接結合又は−CO−基、
3は、置換基を有しても良いカルバゾール基を含む1価の有機基、Ph−S−Ph−基(Phは、置換基を有しても良い、フェニル基又はフェニレン基を示す)等であることが好ましい。
1における置換基を有しても良いアルケニル基としては、炭素数1から18の直鎖状、分岐鎖状、単環状または縮合多環状アルケニル基が挙げられ、それらは構造中に複数の炭素−炭素二重結合を有していてもよく、具体例としては、ビニル基、1−プロペニル基、アリル基、2−ブテニル基、3−ブテニル基、イソプロペニル基、イソブテニル基、1−ペンテニル基、2−ペンテニル基、3−ペンテニル基、4−ペンテニル基、1−ヘキセニル基、2−ヘキセニル基、3−ヘキセニル基、4−ヘキセニル基、5−ヘキセニル基、シクロペンテニル基、シクロヘキセニル基、1,3−ブタジエニル基、シクロヘキサジエニル基、シクロペンタジエニル基等を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
1における置換基を有しても良いアルキル基としては、炭素数1から18の直鎖状、分岐鎖状、単環状または縮合多環状アルキル基、または炭素数2から18であり場合により1個以上の−O−で中断されている直鎖状、分岐鎖状、単環状または縮合多環状アルキル基が挙げられる。炭素数1から18の直鎖状、分岐鎖状、単環状または縮合多環状アルキル基の具体例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ドデシル基、オクタデシル基、イソプロピル基、イソブチル基、イソペンチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、sec−ペンチル基、tert−ペンチル基、tert−オクチル基、ネオペンチル基、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、アダマンチル基、ノルボルニル基、ボロニル基、4−デシルシクロヘキシル基等を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。また、炭素数2から18であり場合により−O−の1個以上により中断されている直鎖状、分岐鎖状アルキル基の具体例としては、−CH2−O−CH3、−CH2−CH2−O−CH2−CH3、−CH2−CH2−CH2−O−CH2−CH3、−(CH2−CH2−O)n−CH3(ここでnは1から8である)、−(CH2−CH2−CH2−O)m−CH3(ここでmは1から5である)、−CH2−CH(CH3)−O−CH2−CH3−、−CH2−CH−(OCH32等を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
炭素数2から18であり場合により−O−の1個以上により中断されている単環状または縮合多環状アルキル基の具体例としては、以下のようなものを挙げることができるが、これらに限定されるものではない。








1における置換基を有しても良いアルキルオキシ基としては、炭素原子数1〜18の直鎖状、分岐鎖状、単環状または縮合多環状アルキルオキシ基、または炭素数2から18であり場合により1個以上の−O−で中断されている直鎖状、分岐鎖状、単環状または縮合多環状アルキルオキシ基が挙げられる。炭素原子数1〜18の直鎖状、分岐鎖状、単環状または縮合多環状アルキルオキシ基の具体例としては、メチルオキシ基、エチルオキシ基、プロピルオキシ基、ブチルオキシ基、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、ヘプチルオキシ基、オクチルオキシ基、ノニルオキシ基、デシルオキシ基、ドデシルオキシ基、オクタデシルオキシ基、イソプロピルオキシ基、イソブチルオキシ基、イソペンチルオキシ基、sec−ブチルオキシ基、tert−ブチルオキシ基、sec−ペンチルオキシ基、tert−ペンチルオキシ基、tert−オクチルオキシ基、ネオペンチルオキシ基、シクロプロピルオキシ基、シクロブチルオキシ基、シクロペンチルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基、アダマンチルオキシ基、ノルボルニルオキシ基、ボロニルオキシ基、4−デシルシクロヘキシルオキシ基等を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。また、炭素数2から18であり場合により1個以上の−O−で中断されている直鎖状、分岐鎖状アルキルオキシ基の具体例としては、−O−CH2−O−CH3、−O−CH2−CH2−O−CH2−CH3、−O−CH2−CH2−CH2−O−CH2−CH3、−O−(CH2−CH2−O)n−CH3(ここでnは1から8である)、−O−(CH2−CH2−CH2−O)m−CH3(ここでmは1から5である)、−O−CH2−CH(CH3)−O−CH2−CH3−、−O−CH2−CH−(OCH32等を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
炭素数2から18であり場合により−O−の1個以上により中断されている単環状または縮合多環状アルキルオキシ基の具体例としては、以下のようなものを挙げることができるが、これらに限定されるものではない。







1における置換基を有しても良いアリール基としては、炭素数6から24の単環または縮合多環アリール基が挙げられ、具体例としては、フェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基、1−アンスリル基、9−アンスリル基、2−フェナントリル基、3−フェナントリル基、9−フェナントリル基、1−ピレニル基、5−ナフタセニル基、1−インデニル基、2−アズレニル基、1−アセナフチル基、2−フルオレニル基、9−フルオレニル基、3−ペリレニル基、o−トリル基、m−トリル基、p−トリル基、2,3−キシリル基、2,5−キシリル基、メシチル基、p−クメニル基、p−ドデシルフェニル基、p−シクロヘキシルフェニル基、4−ビフェニル基、o−フルオロフェニル基、m−クロロフェニル基、p−ブロモフェニル基、p−ヒドロキシフェニル基、m−カルボキシフェニル基、o−メルカプトフェニル基、p−シアノフェニル基、m−ニトロフェニル基、m−アジドフェニル基等が挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
1における置換基を有しても良いアリールオキシ基としては、炭素数4〜18の単環または縮合多環アリールオキシ基が挙げられ、具体例としては、フェノキシ基、1ーナフチルオキシ基、2−ナフチルオキシ基、9−アンスリルオキシ基、9−フェナントリルオキシ基、1−ピレニルオキシ基、5−ナフタセニルオキシ基、1−インデニルオキシ基、2−アズレニルオキシ基、1−アセナフチルオキシ基、9−フルオレニルオキシ基等を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
1における置換基を有しても良い複素環基としては、窒素原子、酸素原子、硫黄原子、リン原子を含む、炭素原子数4〜24の芳香族あるいは脂肪族の複素環基が挙げられ、2−チエニル基、2−ベンゾチエニル基、ナフト[2,3−b]チエニル基、3−チアントレニル基、2−チアンスレニル基、2−フリル基、2−ベンゾフリル基、ピラニル基、イソベンゾフラニル基、クロメニル基、キサンテニル基、フェノキサチイニル基、2H−ピロリル基、ピロリル基、イミダゾリル基、ピラゾリル基、ピリジル基、ピラジニル基、ピリミジニル基、ピリダジニル基、インドリジニル基、イソインドリル基、3H−インドリル基、2−インドリル基、3−インドリル基、1H−インダゾリル基、プリニル基、4H−キノリジニル基、イソキノリル基、キノリル基、フタラジニル基、ナフチリジニル基、キノキサニリル基、キナゾリニル基、シンノリニル基、プテリジニル基、4aH−カルバゾリル基、2−カルバゾリル基、3−カルバゾリル基、β−カルボリニル基、フェナントリジニル基、2−アクリジニル基、ペリミジニル基、フェナントロリニル基、フェナジニル基、フェナルサジニル基、イソチアゾリル基、フェノチアジニル基、イソキサゾリル基、フラザニル基、3−フェニキサジニル基、イソクロマニル基、クロマニル基、ピロリジニル基、ピロリニル基、イミダゾリジニル基、イミダゾリニル基、ピラゾリジニル基、ピラゾリニル基、ピペリジル基、ピペラジニル基、インドリニル基、イソインドリニル基、キヌクリジニル基、モルホリニル基、チオキサントリル基、4−キノリニル基、4−イソキノリル基、3−フェノチアジニル基、2−フェノキサチイニル基、3−クマリニル基等を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
1における置換基を有しても良い複素環オキシ基としては、窒素原子、酸素原子、硫黄原子、リン原子を含む、炭素数4〜18の単環状または縮合多環状複素環オキシ基が挙げられ、具体例としては、2−フラニルオキシ基、2−チエニルオキシ基、2−インドリルオキシ基、3−インドリルオキシ基、2−ベンゾフリルオキシ基、2−ベンゾチエニルオキシ基、2−カルバゾリルオキシ基、3−カルバゾリルオキシ基、4−カルバゾリルオキシ基、9−アクリジニルオキシ基等が挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
1における置換基を有しても良いアルキルスルファニル基としては、炭素数1から18の直鎖状、分岐鎖状、単環状または縮合多環状アルキルチオ基が挙げられ、具体例としては、メチルチオ基、エチルチオ基、プロピルチオ基、ブチルチオ基、ペンチルチオ基、ヘキシルチオ基、オクチルチオ基、デシルチオ基、ドデシルチオ基、オクタデシルチオ基等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
1における置換基を有しても良いアリールスルファニル基としては、炭素数6〜18の単環状または縮合多環状アリールチオ基が挙げられ、具体例としては、フェニルチオ基、1−ナフチルチオ基、2−ナフチルチオ基、9−アンスリルチオ基、9−フェナントリルチオ基等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
1における置換基を有しても良いアルキルスルフィニル基としては、炭素数1〜20のアルキルスルフィニル基が好ましく、具体例としては、メチルスルフィニル基、エチルスルフィニル基、プロピルスルフィニル基、イソプロピルスルフィニル基、ブチルスルフィニル基、ヘキシルスルフィニル基、シクロヘキシルスルフィニル基、オクチルスルフィニル基、2−エチルヘキシルスルフィニル基、デカノイルスルフィニル基、ドデカノイルスルフィニル基、オクタデカノイルスルフィニル基、シアノメチルスルフィニル基、メチルオキシメチルスルフィニル基等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
1における置換基を有しても良いアリールスルフィニル基としては、炭素数6〜30のアリールスルフィニル基が好ましく、具体例としては、フェニルスルフィニル基、1−ナフチルスルフィニル基、2−ナフチルスルフィニル基、2−クロロフェニルスルフィニル基、2−メチルフェニルスルフィニル基、2−メチルオキシフェニルスルフィニル基、2−ブチルオキシフェニルスルフィニル基、3−クロロフェニルスルフィニル基、3−トリフルオロメチルフェニルスルフィニル基、3−シアノフェニルスルフィニル基、3−ニトロフェニルスルフィニル基、4−フルオロフェニルスルフィニル基、4−シアノフェニルスルフィニル基、4−メチルオキシフェニルスルフィニル基、4−メチルスルファニルフェニルスルフィニル基、4−フェニルスルファニルフェニルスルフィニル基、4−ジメチルアミノフェニルスルフィニル基等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
1における置換基を有しても良いアルキルスルホニル基としては、炭素数1〜20のアルキルスルホニル基が好ましく、具体例としては、メチルスルホニル基、エチルスルホニル基、プロピルスルホニル基、イソプロピルスルホニル基、ブチルスルホニル基、ヘキシルスルホニル基、シクロヘキシルスルホニル基、オクチルスルホニル基、2−エチルヘキシルスルホニル基、デカノイルスルホニル基、ドデカノイルスルホニル基、オクタデカノイルスルホニル基、シアノメチルスルホニル基、メチルオキシメチルスルホニル基等が挙げられるがこれらに限定されるものではない。
1における置換基を有しても良いアリールスルホニル基としては、炭素数6〜30のアリールスルホニル基が好ましく、具体例としては、フェニルスルホニル基、1−ナフチルスルホニル基、2−ナフチルスルホニル基、2−クロロフェニルスルホニル基、2−メチルフェニルスルホニル基、2−メチルオキシフェニルスルホニル基、2−ブチルオキシフェニルスルホニル基、3−クロロフェニルスルホニル基、3−トリフルオロメチルフェニルスルホニル基、3−シアノフェニルスルホニル基、3−ニトロフェニルスルホニル基、4−フルオロフェニルスルホニル基、4−シアノフェニルスルホニル基、4−メチルオキシフェニルスルホニル基、4−メチルスルファニルフェニルスルホニル基、4−フェニルスルファニルフェニルスルホニル基、4−ジメチルアミノフェニルスルホニル基等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
1における置換基を有しても良いアシル基としては、水素原子または炭素数1から18の直鎖状、分岐鎖状、単環状または縮合多環状の脂肪族が結合したカルボニル基、炭素数2から20のアルキルオキシ基が置換したカルボニル基、炭素数6から18の単環状あるいは縮合多環状アリール基が結合したカルボニル基、炭素数6から18の単環状あるいは縮合多環状のアリールオキシ基が置換したカルボニル基、窒素原子、酸素原子、硫黄原子、リン原子を含む、炭素数4〜18の単環または縮合多環状の複素環基が結合したカルボニル基が挙げられ、具体例としては、ホルミル基、アセチル基、プロピオニル基、ブチリル基、イソブチリル基、バレリル基、イソバレリル基、ピバロイル基、ラウロイル基、ミリストイル基、パルミトイル基、ステアロイル基、シクロペンチルカルボニル基、シクロヘキシルカルボニル基、アクリロイル基、メタクリロイル基、クロトノイル基、イソクロトノイル基、オレオイル基、シンナモイル基ベンゾイル基、メチルオキシカルボニル基、エチルオキシカルボニル基、プロピルオキシカルボニル基、ブチルオキシカルボニル基、ヘキシルオキシカルボニル基、オクチルオキシカルボニル基、デシルオキシカルボニル基、オクタデシルオキシカルボニル基、トリフルオロメチルオキシカルボニル基、ベンゾイル基、トルオイル基、1−ナフトイル基、2−ナフトイル基、9−アンスリルカルボニル基、フェニルオキシカルボニル基、4−メチルフェニルオキシカルボニル基、3−ニトロフェニルオキシカルボニル基、4−ジメチルアミノフェニルオキシカルボニル基、2−メチルスルファニルフェニルオキシカルボニル基、1−ナフトイルオキシカルボニル基、2−ナフトイルオキシカルボニル基、9−アンスルリルオキシカルボニル基、3−フロイル基、2−テノイル基、ニコチノイル基、イソニコチノイル基等を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
1における置換基を有しても良いアシルオキシ基としては、炭素数2〜20のアシルオキシ基が挙げられ、具体例としては、アセチルオキシ基、プロパノイルオキシ基、ブタノイルオキシ基、ペンタノイルオキシ基、トリフルオロメチルカルボニルオキシ基、ベンゾイルオキシ基、1−ナフチルカルボニルオキシ基、2−ナフチルカルボニルオキシ基等が挙げられる。
1における置換基を有しても良いアミノ基としては、アミノ基、アルキルアミノ基、ジアルキルアミノ基、アリールアミノ基、ジアリールアミノ基、アルキルアリールアミノ基、ベンジルアミノ基、ジベンジルアミノ基等が挙げられる。
ここで、アルキルアミノ基としては、メチルアミノ基、エチルアミノ基、プロピルアミノ基、ブチルアミノ基、ペンチルアミノ基、ヘキシルアミノ基、ヘプチルアミノ基、オクチルアミノ基、ノニルアミノ基、デシルアミノ基、ドデシルアミノ基、オクタデシルアミノ基、イソプロピルアミノ基、イソブチルアミノ基、イソペンチルアミノ基、sec−ブチルアミノ基、tert−ブチルアミノ基、sec−ペンチルアミノ基、tert−ペンチルアミノ基、tert−オクチルアミノ基、ネオペンチルアミノ基、シクロプロピルアミノ基、シクロブチルアミノ基、シクロペンチルアミノ基、シクロヘキシルアミノ基、シクロヘプチルアミノ基、シクロオクチルアミノ基、シクロドデシルアミノ基、1−アダマンタミノ基、2−アダマンタミノ基等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
ジアルキルアミノ基としては、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジプロピルアミノ基、ジブチルアミノ基、ジペンチルアミノ基、ジヘキシルアミノ基、ジヘプチルアミノ基、ジオクチルアミノ基、ジノニルアミノ基、ジデシルアミノ基、ジドデシルアミノ基、ジオクタデシルアミノ基、ジイソプロピルアミノ基、ジイソブチルアミノ基、ジイソペンチルアミノ基、メチルエチルアミノ基、メチルプロピルアミノ基、メチルブチルアミノ基、メチルイソブチルアミノ基、シクロプロピルアミノ基、ピロリジノ基、ピペリジノ基、ピペラジノ基等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
アリールアミノ基としては、アニリノ基、1−ナフチルアミノ基、2−ナフチルアミノ基、o−トルイジノ基、m−トルイジノ基、p−トルイジノ基、2−ビフェニルアミノ基、3−ビフェニルアミノ基、4−ビフェニルアミノ基、1−フルオレンアミノ基、2−フルオレンアミノ基、2−チアゾールアミノ基、p−ターフェニルアミノ基等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
ジアリールアミノ基としては、ジフェニルアミノ基、ジトリルアミノ基、N−フェニル−1−ナフチルアミノ基、N−フェニル−2−ナフチルアミノ基等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
アルキルアリールアミノ基としては、N−メチルアニリノ基、N−メチル−2−ピリジノ基、N−エチルアニリノ基、N−プロピルアニリノ基、N−ブチルアニリノ基、N−イソプロピル、N−ペンチルアニリノ基、N−エチルアニリノ基、N−メチル−1−ナフチルアミノ基等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
1における置換基を有しても良いホスフィノイル基としては、炭素数2から50のホスフィノイル基が挙げられ、具体例としては、ジメチルホスフィノイル基、ジエチルホスフィノイル基、ジプロピルホスフィノイル基、ジフェニルホスフィノイル基、ジメトキシホスフィノイル基、ジエトキシホスフィノイル基、ジベンゾイルホスフィノイル基、ビス(2,4,6−トリメチルフェニル)ホスフィノイル基等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
1における置換基を有しても良いカルバモイル基としては、炭素数1から30のカルバモイル基が挙げられ、具体例としては、N−メチルカルバモイル基、N−エチルカルバモイル基、N−プロピルカルバモイル基、N−ブチルカルバモイル基、N−ヘキシルカルバモイル基、N−シクロヘキシルカルバモイル基、N−オクチルカルバモイル基、N−デシルカルバモイル基、N−オクタデシルカルバモイル基、N−フェニルカルバモイル基、N−2−メチルフェニルカルバモイル基、N−2−クロロフェニルカルバモイル基、N−2−イソプロポキシフェニルカルバモイル基、N−2−(2−エチルヘキシル)フェニルカルバモイル基、N−3−クロロフェニルカルバモイル基、N−3−ニトロフェニルカルバモイル基、N−3−シアノフェニルカルバモイル基、N−4−メトキシフェニルカルバモイル基、N−4−シアノフェニルカルバモイル基、N−4−メチルスルファニルフェニルカルバモイル基、N−4−フェニルスルファニルフェニルカルバモイル基、N−メチル−N−フェニルカルバモイル基、N、N−ジメチルカルバモイル基、N、N−ジブチルカルバモイル基、N、N−ジフェニルカルバモイル基等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
1における置換基を有しても良いスルファモイル基としては、炭素数0から30のスルファモイル基が挙げられ、具体例としては、スルファモイル基、N−アルキルスルファモイル基、N−アリールスルファモイル基、N、N−ジアルキルスルファモイル基、N、N−ジアリールスルファモイル基、N−アルキル−N−アリールスルファモオイル基等が挙げられる。より具体的には、N−メチルスルファモイル基、N−エチルスルファモイル基、N−プロピルスルファモイル基、N−ブチルスルファモイル基、N−ヘキシルスルファモイル基、N−シクロヘキシルスルファモイル基、N−オクチルスルファモイル基、N−2−エチルヘキシルスルファモイル基、N−デシルスルファモイル基、N−オクタデシルスルファモイル基、N−フェニルスルファモイル基、N−2−メチルフェニルスルファモイル基、N−2−クロロフェニルスルファモイル基、N−2−メトキシフェニルスルファモイル基、N−2−イソプロポキシフェニルスルファモイル基、N−3−クロロフェニルスルファモイル基、N−3−ニトロフェニルスルファモイル基、N−3−シアノフェニルスルファモイル基、N−4−メトキシフェニルスルファモイル基、N−4−シアノフェニルスルファモイル基、N−4−ジメチルアミノフェニルスルファモイル基、N−4−メチルスルファニルフェニルスルファモイル基、N−4−フェニルスルファニルフェニルスルファモイル基、N−メチル−N−フェニルスルファモイル基、N,N−ジメチルスルファモイル基、N,N−ジブチルスルファモイル基、N,N−ジフェニルスルファモイル基等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
2における置換基を有しても良い、アルケニル基、アルキル基、アルキルオキシ基、アリール基、アリールオキシ基、複素環基、複素環オキシ基、アルキルスルファニル基、アリールスルファニル基、アルキルスルフィニル基、アリールスルフィニル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、アシルオキシ基、およびアミノ基としては、前述のR1における置換基を有しても良いアルケニル基、置換基を有しても良いアルキル基、置換基を有しても良いアルキルオキシ基、置換基を有しても良いアリール基、置換基を有しても良いアリールオキシ基、置換基を有しても良い複素環基、置換基を有しても良い複素環オキシ基、置換基を有しても良いアルキルスルファニル基、置換基を有しても良いアリールスルファニル基、置換基を有しても良いアルキルスルフィニル基、置換基を有しても良いアリールスルフィニル基、置換基を有しても良いアルキルスルホニル基、置換基を有しても良いアリールスルホニル基、置換基を有しても良いアシルオキシ基、および、置換基を有しても良いアミノ基と同義である。
1およびY2におけるこれら置換基としては、例えばフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等のハロゲン基、メトキシ基、エトキシ基、tert−ブトキシ基等のアルコキシ基、フェノキシ基、p−トリルオキシ基等のアリールオキシ基、メトキシカルボニル基、ブトキシカルボニル基、フェノキシカルボニル基等のアルコキシカルボニル基、アセトキシ基、プロピオニルオキシ基、ベンゾイルオキシ基等のアシルオキシ基、アセチル基、ベンゾイル基、イソブチリル基、アクリロイル基、メタクリロイル基、メトキサリル基等のアシル基、メチルスルファニル基、tert−ブチルスルファニル基等のアルキルスルファニル基、フェニルスルファニル基、p−トリルスルファニル基等のアリールスルファニル基、メチルアミノ基、シクロヘキシルアミノ基等のアルキルアミノ基、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、モルホリノ基、ピペリジノ基等のジアルキルアミノ基、フェニルアミノ基、p−トリルアミノ基等のアリールアミノ基、メチル基、エチル基、tert−ブチル基、ドデシル基、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、シクロオクタデシル基等のアルキル基、フェニル基、p−トリル基、キシリル基、クメニル基、ナフチル基、アンスリル基、フェナントリル基等のアリール基、フリル基、チエニル基等の複素環基等の他、ヒドロキシ基、カルボキシ基、ホルミル基、メルカプト基、スルホ基、メシル基、p−トルエンスルホニル基、アミノ基、ニトロ基、シアノ基、トリフルオロメチル基、トリクロロメチル基、トリメチルシリル基、ホスフィニコ基、ホスホノ基、トリメチルアンモニウミル基、ジメチルスルホニウミル基、トリフェニルフェナシルホスホニウミル基等が挙げられる。
また、これらの置換基は1個以上あるいは1種以上存在することができ、さらにこれらの置換基の水素原子がさらに他の置換基で置換されていても良い。
これらの中でも、下記一般式(4)、または(5)で表わされるオキシムエステル系光重合開始剤は、感度に優れ、好ましいものである。
[一般式(4)で表わされるオキシムエステル系光重合開始剤]
一般式(4)

一般式(4)は、一般式(3)におけるZが−CO−基、Y3がPh−S−Ph−基の場合に相当し、Y4〜Y6は、水素原子、または置換基を有しても良い、アルキル基またはアリール基が好ましい。
さらにY1としては置換基を有しても良いアリール基が、Y2としては置換基を有しても良い炭素数1〜20のアルキル基が、Y4〜Y6としては水素原子が好ましい。
4〜Y6における、置換基を有しても良いアルキル基、または置換基を有しても良いアリール基としては、Y1およびY2におけるアルキル基、またはアリール基と同義である。
置換基を有しても良いアルキル基、または置換基を有しても良いアリール基の置換基としては、Y1およびY2における置換基と同義である。
2は、置換基を有しても良い炭素数1〜20のアルキル基が好ましく、置換基として好ましくは、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、シクロオクタデシル基等のシクロアルキル基である。
一般式(4)で表わされるオキシムエステル系光重合開始剤としては、具体的には、下記化学式(4−1)または(4−2)で表わされる光重合開始剤等である。
化学式(4−1) 化学式(4−2)
[一般式(5)で表わされるオキシムエステル系光重合開始剤]
一般式(5)

一般式(5)は、一般式(3)におけるY3が置換基を有しても良いカルバゾール基を含む1価の有機基の場合に相当し、Y7〜Y14は、Y1およびY2における置換基と同義である。
さらにY1として置換基を有しても良い炭素数1〜20のアルキル基が、Y2として置換基を有しても良い炭素数1〜20のアルキル基、または置換基を有しても良いアリール基が、Y7〜Y14として水素原子、または置換基を有しても良い炭素数1〜20のアルキル基、または置換基を有しても良いアリール基が好ましい。
一般式(5)におけるZが直接結合の場合には、下記一般式(5a)で表わされるオキシムエステル系光重合開始剤が好ましい。
「一般式(5a)で表わされるオキシムエステル系光重合開始剤」
一般式(5a)

一般式(5a)は、一般式(3)におけるZが直接結合、Y3が置換基を有しても良いカルバゾール基を含む1価の有機基の場合に相当し、一般式(5)におけるY7〜Y10、およびY12〜Y13が水素原子である。
また、Y11はY15−CO−基、またはニトロ基であることが好ましい。Y15はY1およびY2における置換基と同義であり、置換基を有しても良いアリール基であることが好ましい。Y15−CO−基としては、さらに置換基を有しても良いアセチル基、ベンゾイル基、イソブチリル基、アクリロイル基、メタクリロイル基、メトキサリル基等のアシル基であることが好ましい。より好ましくは置換基を有しても良いベンゾイル基、またはニトロ基である。Y14としては、置換基を有しても良い炭素数1〜20のアルキル基、または置換基を有しても良いアリール基が好ましい。
また、置換基を有しても良いベンゾイル基における置換基として好ましくは、炭素数1〜20のアルキル基、またはアルキルオキシ基が好ましい。さらにアルキル基としては、メチル基、エチル基が好ましく、アルキルオキシ基のなかでも、炭素数2から18であり場合により1個以上の−O−で中断されている直鎖状、分岐鎖状、単環状または縮合多環状アルキルオキシ基が好ましく、Y1における炭素数2から18であり場合により1個以上の−O−で中断されている直鎖状、分岐鎖状、単環状または縮合多環状アルキルオキシ基と同義である。
2は、置換基を有しても良い炭素数1〜20のアルキル基が好ましく、置換基として好ましくは、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、シクロオクタデシル基等のシクロアルキル基である。また、置換基を有しても良いアリール基が好ましく、置換基として好ましくは、さらに置換基を有しても良い炭素数1〜20のアルキル基、またはメトキシ基、エトキシ基、tert−ブトキシ基等のアルコキシ基が好ましい。
一般式(5a)で表わされるオキシムエステル系光重合開始剤としては、具体的には、下記化学式(5a−1)〜(5a−4)で表わされる光重合開始剤等である。
化学式(5a−1) 化学式(5a−2)


化学式(5a−3) 化学式(5a−4)
「一般式(5b)で表わされるオキシムエステル系光重合開始剤」
一般式(5)におけるZが−CO−基の場合には、下記一般式(5b)で表わされるオキシムエステル系光重合開始剤が好ましい。
一般式(5b)
一般式(5b)は、一般式(3)におけるZが−CO−基、Y3が置換基を有しても良いカルバゾール基を含む1価の有機基の場合に相当し、ケト型カルバゾール基を有するオキシムエステル系光重合開始剤である。
7〜Y13は水素原子、置換基を有しても良い炭素数1〜20のアルキル基、または置換基を有しても良いアリール基が好ましく、Y14は置換基を有しても良いアリール基であることが好ましい。
置換基を有しても良いアリール基の置換基としては、アセチル基、ベンゾイル基、イソブチリル基、アクリロイル基、メタクリロイル基、メトキサリル基等のアシル基が好ましく、より好ましくはベンゾイル基である。
一般式(5b)で表わされるオキシムエステル系光重合開始剤としては、具体的には、下記化学式(5b−1)〜(5b−4)で表わされる光重合開始剤等である。
化学式(5b−1) 化学式(5b−2)
化学式(5b−3) 化学式(5b−4)
これらオキシムエステル系光重合開始剤[B1]の市販品としては、BASF社から、1,2−オクタンジオン,1−[4−(フェニルチオ)フェニル−,2−(O−ベンゾイルオキシム)](IRGACURE OXE−01)、エタノン,1−[9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]−,1−(O−アセチルオキシム)(IRGACURE OXE 02)が市販されている。また、この他に、特開2007−210991号公報、特開2009−179619号公報、特開2010−037223号公報、特開2010−215575号公報、特開2011−020998号公報等に記載のオキシムエステル系光重合開始剤を用いることも可能である。
オキシムエステル系光重合開始剤[B1]の含有量は、着色剤100重量部に対し、2〜200重量部であることが好ましく、光硬化性及び現像性の観点から3〜150重量部であることがより好ましい。
(その他の光重合開始剤)
本発明の感光性着色組成物には、オキシムエステル系光重合開始剤[B1]と共に、その他の光重合開始剤を併用することができる。
本発明におけるその他の光重合開始剤としては、アセトフェノン系化合物、ベンゾイン系化合物、ベンゾフェノン系化合物、チオキサントン系化合物、トリアジン系化合物、ホスフィン系化合物、キノン系化合物、ボレート系化合物、カルバゾール系化合物、イミダゾール系化合物、およびチタノセン系化合物等の光重合開始剤[B2]と、増感剤[B3]とをさす。
光重合開始剤[B2]として具体的には、4−フェノキシジクロロアセトフェノン、4−t−ブチル−ジクロロアセトフェノン、ジエトキシアセトフェノン、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1−オン、2−(ジメチルアミノ)−2−[(4−メチルフェニル)メチル]−1−[4−(4−モルホリニル)フェニル]−1−ブタノン、または2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタン−1−オン等のアセトフェノン系化合物;ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、またはベンジルジメチルケタール等のベンゾイン系化合物;ベンゾフェノン、ベンゾイル安息香酸、ベンゾイル安息香酸メチル、4−フェニルベンゾフェノン、ヒドロキシベンゾフェノン、アクリル化ベンゾフェノン、4−ベンゾイル−4’−メチルジフェニルサルファイド、または3,3’,4,4’−テトラ(t−ブチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン等のベンゾフェノン系化合物;チオキサントン、2−クロルチオキサントン、2−メチルチオキサントン、イソプロピルチオキサントン、2,4−ジイソプロピルチオキサントン、または2,4−ジエチルチオキサントン等のチオキサントン系化合物;2,4,6−トリクロロ−s−トリアジン、2−フェニル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−メトキシフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−トリル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−ピペロニル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−スチリル−s−トリアジン、2−(ナフト−1−イル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(4−メトキシ−ナフト−1−イル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2,4−トリクロロメチル−(ピペロニル)−6−トリアジン、または2,4−トリクロロメチル−(4’−メトキシスチリル)−6−トリアジン等のトリアジン系化合物;ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキサイド、または2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド等のホスフィン系化合物;9,10−フェナンスレンキノン、カンファーキノン、エチルアントラキノン等のキノン系化合物; ボレート系化合物; カルバゾール系化合物;イミダゾール系化合物;あるいは、チタノセン系化合物等が挙げられる。
増感剤[B3]としては、カルコン誘導体、ジベンザルアセトン等に代表される不飽和ケトン類、ベンジルやカンファーキノン等に代表される1,2−ジケトン誘導体、ベンゾイン誘導体、フルオレン誘導体、ナフトキノン誘導体、アントラキノン誘導体、キサンテン誘導体、チオキサンテン誘導体、キサントン誘導体、チオキサントン誘導体、クマリン誘導体、ケトクマリン誘導体、シアニン誘導体、メロシアニン誘導体、オキソノ−ル誘導体等のポリメチン色素、アクリジン誘導体、アジン誘導体、チアジン誘導体、オキサジン誘導体、インドリン誘導体、アズレン誘導体、アズレニウム誘導体、スクアリリウム誘導体、ポルフィリン誘導体、テトラフェニルポルフィリン誘導体、トリアリールメタン誘導体、テトラベンゾポルフィリン誘導体、テトラピラジノポルフィラジン誘導体、フタロシアニン誘導体、テトラアザポルフィラジン誘導体、テトラキノキサリロポルフィラジン誘導体、ナフタロシアニン誘導体、サブフタロシアニン誘導体、ピリリウム誘導体、チオピリリウム誘導体、テトラフィリン誘導体、アヌレン誘導体、スピロピラン誘導体、スピロオキサジン誘導体、チオスピロピラン誘導体、金属アレーン錯体、有機ルテニウム錯体、又はミヒラーケトン誘導体、ビイミダゾール誘導体、α−アシロキシエステル、アシルフォスフィンオキサイド、メチルフェニルグリオキシレート、ベンジル、9,10−フェナンスレンキノン、カンファーキノン、エチルアンスラキノン、4,4’−ジエチルイソフタロフェノン、3,3’,又は4,4’−テトラ(t−ブチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン、4,4’−ジエチルアミノベンゾフェノン等が挙げられる。
さらに具体的には、大河原信ら編、「色素ハンドブック」(1986年、講談社)、大河原信ら編、「機能性色素の化学」(1981年、シーエムシー)、池森忠三朗ら編、及び「特殊機能材料」(1986年、シーエムシー)に記載の増感剤が挙げられるがこれらに限定されるものではない。また、その他、紫外から近赤外域にかけての光に対して吸収を示す増感剤を含有させることもできる。
これら光重合開始剤[B2]、または増感剤[B3]等のその他の光重合開始剤は、1種を単独で、または必要に応じて任意の比率で2種以上混合して用いることができる。
その他の光重合開始剤の中でも、パターニング性が良好となるため、光重合開始剤[B2]では、アセトフェノン系化合物、ホスフィン系化合物、およびイミダゾール系化合物、増感剤[B3]では、チオキサントン誘導体、ミヒラーケトン誘導体、カルバゾール誘導体等を用いることが好ましい。
その他の光重合開始剤を含有する場合、その含有量は、光硬化性、解像度の観点から、感光性着色組成物中に含まれる光重合開始剤[B]100重量%中、0.1重量%以上90重量%以下であることが好ましく、より好ましくは10重量%以上90重量%以下である。
本発明の感光性着色組成物における、光重合開始剤[B]と光重合性単量体の重量比(光重合開始剤[B])/(光重合性単量体)は、光硬化性と解像度が両立できることから、0.01〜3.00であることが好ましく、0.04〜2.50であることがより好ましい。
<酸化防止剤>
本発明のカラーフィルタ用着色組成物は、酸化防止剤を含有することができる。酸化防止剤は、カラーフィルタ用着色組成物に含まれる光重合開始剤や熱硬化性化合物が、熱硬化やITOアニール時の熱工程によって酸化し黄変することを防ぐため、塗膜の透過率を高くすることができる。そのため、酸化防止剤を含むことで、加熱工程時の酸化による黄変を防止し、高い塗膜の透過率を得る事ができる。
本発明における「酸化防止剤」とは、紫外線吸収機能、ラジカル補足機能、または、過酸化物分解機能を有する化合物であればよく、具体的には、酸化防止剤としてヒンダードフェノール系、ヒンダードアミン系、リン系、イオウ系、ベンゾトリアゾール系、ベンゾフェノン系、ヒドロキシルアミン系、サルチル酸エステル系、およびトリアジン系の化合物があげられ、公知の紫外線吸収剤、酸化防止剤等が使用できる。また、本発明で用いられる酸化防止剤は、ハロゲン原子を含有していないものが好ましい。
これらの酸化防止剤の中でも、塗膜の透過率と感度の両立の観点から、好ましいものとしては、ヒンダードフェノール系酸化防止剤、ヒンダードアミン系酸化防止剤、リン系酸化防止剤またはイオウ系酸化防止剤が挙げられる。また、より好ましくは、ヒンダードフェノール系酸化防止剤、ヒンダードアミン系酸化防止剤、またはリン系酸化防止剤である。
ヒンダードフェノール系酸化防止剤としては、2,4−ビス〔(ラウリルチオ)メチル〕−o−クレゾール、1,3,5−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)、1,3,5−トリス(4−t−ブチル−3−ヒドロキシ−2,6−ジメチルベンジル)、2,4−ビス−(n−オクチルチオ)−6−(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチルアニリノ)−1,3,5−トリアジン、ペンタエリスリトールテトラキス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、2,6−ジ−t−ブチル−4−ノニルフェノール、2,2’−イソブチリデン−ビス−(4,6−ジメチル−フェノール)、4,4’−ブチリデン−ビス−(2−t−ブチル−5−メチルフェノール)、2,2’−チオ−ビス−(6−t−ブチル−4−メチルフェノール)、2,5−ジ−t−アミル−ヒドロキノン、2,2’チオジエチルビス−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)−プロピオネート、1,1,3−トリス−(2’−メチル−4’−ヒドロキシ−5’−t−ブチルフェニル)−ブタン、2,2’−メチレン−ビス−(6−(1−メチル−シクロヘキシル)−p−クレゾール)、2,4−ジメチル−6−(1−メチル−シクロヘキシル)−フェノール、N,N−ヘキサメチレンビス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシ−ヒドロシンナムアミド)等が挙げられる。その他ヒンダードフェノール構造を有するオリゴマータイプ及びポリマータイプの化合物等も使用することが出来る。
ヒンダードアミン系酸化防止剤としては、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(N−メチル−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、N,N’−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−1,6−ヘキサメチレンジアミン、2−メチル−2−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)アミノ−N−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)プロピオンアミド、テトラキス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)(1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレート、ポリ〔{6−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)イミノ−1,3,5−トリアジン−2,4−ジイル}{(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ}ヘキサメチル{(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ}〕、ポリ〔(6−モルホリノ−1,3,5−トリアジン−2,4−ジイル){(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ}ヘキサメチン{(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ}〕、コハク酸ジメチルと1−(2−ヒドロキシエチル)−4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジンとの重縮合物、N,N’−4,7−テトラキス〔4,6−ビス{N−ブチル−N−(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)アミノ}−1,3,5−トリアジン−2−イル〕−4,7−ジアザデカン−1,10−ジアミン等が挙げられる。その他ヒンダードアミン構造を有するオリゴマータイプ及びポリマータイプの化合物等も使用することが出来る。
リン系酸化防止剤としては、トリス(イソデシル)フォスファイト、トリス(トリデシル)フォスファイト、フェニルイソオクチルフォスファイト、フェニルイソデシルフォスファイト、フェニルジ(トリデシル)フォスファイト、ジフェニルイソオクチルフォスファイト、ジフェニルイソデシルフォスファイト、ジフェニルトリデシルフォスファイト、トリフェニルフォスファイト、トリス(ノニルフェニル)フォスファイト、4,4’−イソプロピリデンジフェノールアルキルフォスファイト、トリスノニルフェニルフォスファイト、トリスジノニルフェニルフォスファイト、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)フォスファイト、トリス(ビフェニル)フォスファイト、ジステアリルペンタエリスリトールジフォスファイト、ジ(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジフォスファイト、ジ(ノニルフェニル)ペンタエリスリトールジフォスファイト、フェニルビスフェノールAペンタエリスリトールジフォスファイト、テトラトリデシル−4,4’−ブチリデンビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)ジフォスファイト、ヘキサトリデシル1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)ブタントリフォスファイト、3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジルフォスファイトジエチルエステル、ソジウムビス(4−t−ブチルフェニル)フォスファイト、ソジウム−2,2−メチレン−ビス(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)−フォスファイト、1,3−ビス(ジフェノキシフォスフォニロキシ)−ベンゼン、亜リン酸エチルビス(2,4−ジtert−ブチル−6−メチルフェニル)等が挙げられる。その他フォスファイト構造を有するオリゴマータイプ及びポリマータイプの化合物等も使用することが出来る。
イオウ系酸化防止剤としては、2,2−チオ−ジエチレンビス〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、2,4−ビス〔(オクチルチオ)メチル〕−o−クレゾール、2,4−ビス〔(ラウリルチオ)メチル〕−o−クレゾール等が挙げられる。その他チオエーテル構造を有するオリゴマータイプ及びポリマータイプの化合物等も使用することが出来る。
ベンゾトリアゾール系酸化防止剤としては、ベンゾトリアゾール構造を有するオリゴマータイプ及びポリマータイプの化合物等を使用することが出来る。
ベンゾフェノン系酸化防止剤として具体的には、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−n−オクトキシベンゾフェノン、4−ドデシロキシ−2−ヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−オクタデシロキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4,4’−ジメトキシベンゾフェノン、2,2’,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−5−スルフォベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−2’−カルボキシベンゾフェノン等が挙げられる。その他ベンゾフェノン構造を有するオリゴマータイプ及びポリマータイプの化合物等も使用することが出来る。
トリアジン系酸化防止剤としては、2,4−ビス(アリル)−6−(2−ヒドロキシフェニル)1,3,5−トリアジン等が挙げられる。その他トリアジン構造を有するオリゴマータイプ及びポリマータイプの化合物等も使用することが出来る。
サルチル酸エステル系酸化防止剤としては、サリチル酸フェニル、サリチル酸p−オクチルフェニル、サリチル酸p−tertブチルフェニル等が挙げられる。その他サルチル酸エステル構造を有するオリゴマータイプ及びポリマータイプの化合物等も使用することが出来る。
これらの酸化防止剤は、1種を単独で、または必要に応じて任意の比率で2種以上混合して用いることができる。
また酸化防止剤の含有量は、赤色着色組成物の固形分重量を基準として、0.5〜5.0重量%の場合、分光特性、および感度が良好であるためより好ましい。
<アミン系化合物>
また、本発明の着色組成物には、溶存している酸素を還元する働きのあるアミン系化合物を含有させることができる。
このようなアミン系化合物としては、トリエタノールアミン、メチルジエタノールアミン、トリイソプロパノールアミン、4−ジメチルアミノ安息香酸メチル、4−ジメチルアミノ安息香酸エチル、4−ジメチルアミノ安息香酸イソアミル、安息香酸2−ジメチルアミノエチル、4−ジメチルアミノ安息香酸2−エチルヘキシル、およびN,N−ジメチルパラトルイジン等が挙げられる。
<レベリング剤>
本発明のカラーフィルタ用着色組成物には、透明基板上での組成物のレベリング性をよくするため、レベリング剤を添加することが好ましい。レベリング剤としては、主鎖にポリエーテル構造又はポリエステル構造を有するジメチルシロキサンが好ましい。主鎖にポリエーテル構造を有するジメチルシロキサンの具体例としては、東レ・ダウコーニング社製FZ−2122、ビックケミー社製BYK−333などが挙げられる。主鎖にポリエステル構造を有するジメチルシロキサンの具体例としては、ビックケミー社製BYK−310、BYK−370などが挙げられる。主鎖にポリエーテル構造を有するジメチルシロキサンと、主鎖にポリエステル構造を有するジメチルシロキサンとは、併用することもできる。レベリング剤の含有量は通常、着色組成物の全重量100重量%中、0.003〜0.5重量%用いることが好ましい。
レベリング剤として特に好ましいものとしては、分子内に疎水基と親水基を有するいわゆる界面活性剤の一種で、親水基を有しながらも水に対する溶解性が小さく、着色組成物に添加した場合、その表面張力低下能が低いという特徴を有し、さらに表面張力低下能が低いにも拘らずガラス板への濡れ性が良好なものが有用であり、泡立ちによる塗膜の欠陥が出現しない添加量において十分に帯電性を抑止できるものが好ましく使用できる。このような好ましい特性を有するレベリング剤として、ポリアルキレンオキサイド単位を有するジメチルポリシロキサンが好ましく使用できる。ポリアルキレンオキサイド単位としては、ポリエチレンオキサイド単位、ポリプロピレンオキサイド単位があり、ジメチルポリシロキサンは、ポリエチレンオキサイド単位とポリプロピレンオキサイド単位とを共に有していてもよい。
また、ポリアルキレンオキサイド単位のジメチルポリシロキサンとの結合形態は、ポリアルキレンオキサイド単位がジメチルポリシロキサンの繰り返し単位中に結合したペンダント型、ジメチルポリシロキサンの末端に結合した末端変性型、ジメチルポリシロキサンと交互に繰り返し結合した直鎖状のブロックコポリマー型のいずれであってもよい。ポリアルキレンオキサイド単位を有するジメチルポリシロキサンは、東レ・ダウコーニング株式会社から市販されており、例えば、FZ−2110、FZ−2122、FZ−2130、FZ−2166、FZ−2191、FZ−2203、FZ−2207が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
レベリング剤には、アニオン性、カチオン性、ノニオン性、または両性の界面活性剤を補助的に加えることも可能である。界面活性剤は、2種以上混合して使用しても構わない。
レベリング剤に補助的に加えるアニオン性界面活性剤としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、スチレン−アクリル酸共重合体のアルカリ塩、アルキルナフタリンスルホン酸ナトリウム、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウム、ラウリル硫酸モノエタノールアミン、ラウリル硫酸トリエタノールアミン、ラウリル硫酸アンモニウム、ステアリン酸モノエタノールアミン、ステアリン酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム、スチレン−アクリル酸共重合体のモノエタノールアミン、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステルなどが挙げられる。
レベリング剤に補助的に加えるカオチン性界面活性剤としては、アルキル4級アンモニウム塩やそれらのエチレンオキサイド付加物が挙げられる。レベリング剤に補助的に加えるノニオン性界面活性剤としては、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート、ポリエチレングリコールモノラウレートなどの;アルキルジメチルアミノ酢酸ベタインなどのアルキルベタイン、アルキルイミダゾリンなどの両性界面活性剤、また、フッ素系やシリコーン系の界面活性剤が挙げられる。
<硬化剤、硬化促進剤>
また本発明の着色組成物には、熱硬化性樹脂の硬化を補助するため、必要に応じて、硬化剤、硬化促進剤などを含んでいてもよい。硬化剤としては、フェノール系樹脂、アミン系化合物、酸無水物、活性エステル、カルボン酸系化合物、スルホン酸系化合物などが有効であるが、特にこれらに限定されるものではなく、熱硬化性樹脂と反応し得るものであれば、いずれの硬化剤を使用してもよい。また、これらの中でも、1分子内に2個以上のフェノール性水酸基を有する化合物、アミン系硬化剤が好ましく挙げられる。上記硬化促進剤としては、例えば、アミン化合物(例えば、ジシアンジアミド、ベンジルジメチルアミン、4−(ジメチルアミノ)−N,N−ジメチルベンジルアミン、4−メトキシ−N,N−ジメチルベンジルアミン、4−メチル−N,N−ジメチルベンジルアミン等)、ブロックイソシアネート化合物(例えば、ジメチルアミン等)、イミダゾール誘導体二環式アミジン化合物およびその塩(例えば、イミダゾール、2−メチルイミダゾール、2−エチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、4−フェニルイミダゾール、1−シアノエチル−2−フェニルイミダゾール、1−(2−シアノエチル)−2−エチル−4−メチルイミダゾール等)、リン化合物(例えば、トリフェニルホスフィン等)、グアナミン化合物(例えば、メラミン、グアナミン、アセトグアナミン、ベンゾグアナミン等)、S−トリアジン誘導体(例えば、2,4−ジアミノ−6−メタクリロイルオキシエチル−S−トリアジン、2−ビニル−2,4−ジアミノ−S−トリアジン、2−ビニル−4,6−ジアミノ−S−トリアジン・イソシアヌル酸付加物、2,4−ジアミノ−6−メタクリロイルオキシエチル−S−トリアジン・イソシアヌル酸付加物等)などを用いることができる。これらは1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。上記硬化促進剤の含有量としては、熱硬化性樹脂100重量部に対し、0.01〜15重量部が好ましい。
<その他の添加剤成分>
本発明の着色組成物には、経時粘度を安定化させるために貯蔵安定剤を含有させることができる。また、透明基板との密着性を高めるためにシランカップリング剤等の密着向上剤を含有させることもできる。
(貯蔵安定剤)
貯蔵安定剤としては、例えば、乳酸、シュウ酸などの有機酸およびそのメチルエーテル、t−ブチルピロカテコール、テトラエチルホスフィン、テトラフェニルフォスフィンなどの有機ホスフィン、亜リン酸塩等が挙げられる。貯蔵安定剤は、着色剤100重量部に対し、0.1〜10重量部の量で用いることができる。
(密着向上剤)
密着向上剤としては、ビニルトリス(β−メトキシエトキシ)シラン、ビニルエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン等のビニルシラン類、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン等の(メタ)アクリルシラン類、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)メチルトリメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリエトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)メチルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン等のエポキシシラン類、N−β−(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β−(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−β−(アミノエチル)γ−アミノプロピルメチルジエトキシシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリエトキシシラン等のアミノシラン類、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリエトキシシラン等のチオシラン類等のシランカップリング剤が挙げられる。密着向上剤は、着色組成物中の着色剤100重量部に対し、0.01〜10重量部、好ましくは0.05〜5重量部の量で用いることができる。
(多官能チオール)
本発明の着色組成物は多官能チオールとして、チオール(SH)基を2個以上有する化合物を含んでも良い。
多官能チオールを光重合開始剤とともに使用することにより、光照射後のラジカル重合過程において、連鎖移動剤として働き、酸素による重合阻害を受けにくいチイルラジカルが発生するので、得られる着色組成物は高感度となる。特に、SH基がメチレン、エチレン基等の脂肪族基に結合した多官能脂肪族チオールが好ましい。多官能チオールとしては、例えば、ヘキサンジチオール、デカンジチオール、1,4−ブタンジオールビスチオプロピオネート、1,4−ブタンジオールビスチオグリコレート、エチレングリコールビスチオグリコレート、エチレングリコールビスチオプロピオネート、トリメチロールプロパントリスチオグリコレート、トリメチロールプロパントリスチオプロピオネート、トリメチロールプロパントリス(3−メルカプトブチレート)、ペンタエリスリトールテトラキスチオグリコレート、ペンタエリスリトールテトラキスチオプロピオネート、トリメルカプトプロピオン酸トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレート、1,4−ジメチルメルカプトベンゼン、2、4、6−トリメルカプト−s−トリアジン、2−(N,N−ジブチルアミノ)−4,6−ジメルカプト−s−トリアジンなどが挙げられ、好ましくは、エチレングリコールビスチオプロピオネート、トリメチロールプロパントリスチオプロピオネート、ペンタエリスリトールテトラキスチオプロピオネートが挙げられる。
これらの多官能チオールは、1種を単独で、または2種以上を混合して用いることができる。
多官能チオールの含有量は、着色剤100重量部に対して0.05〜100重量部が好ましく、より好ましくは1.0〜50.0重量部である。多官能チオールの含有量が0.05重量部未満では、連鎖移動剤の効果が小さく、100重量部より多くても、重合開始機能は向上しないうえ、現像性、密着性等が不十分になる。
<赤色着色組成物の製造方法>
本発明の赤色着色組成物は、前記一般式(1)で表されるアゾ顔料[A]を、バインダー樹脂などの着色剤担体および/または溶剤中に、好ましくは分散助剤と一緒に、ニーダー、2本ロールミル、3本ロールミル、ボールミル、横型サンドミル、縦型サンドミル、アニュラー型ビーズミル、またはアトライター等の各種分散手段を用いて微細に分散して製造することができる(着色剤分散体)。このとき、2種以上の着色剤等を同時に着色剤担体に分散しても良いし、別々に着色材担体に分散したものを混合しても良い。
染料等、着色剤の溶解性が高い場合、具体的には使用する溶剤への溶解性が高く、攪拌により溶解、異物が確認されない状態であれば、上記のような微細に分散して製造する必要はない。
また、カラーフィルタ用感光性着色組成物(レジスト材)として用いる場合には、溶剤現像型あるいはアルカリ現像型着色組成物として調製することができる。溶剤現像型あるいはアルカリ現像型着色組成物は、前記着色剤分散体と、光重合性単量体及び/または光重合開始剤と、必要に応じて、溶剤、その他の顔料分散剤、及び添加剤等を混合して調整することができる。光重合開始剤は、着色組成物を調製する段階で加えてもよく、調製した着色組成物に後から加えてもよい。
(分散助剤)
着色剤を着色剤担体中に分散する際に、適宜、色素誘導体、樹脂型分散剤、界面活性剤等の分散助剤を含有してもよい。分散助剤は、分散後の着色剤の再凝集を防止する効果が大きいので、分散助剤を用いて着色剤を着色剤担体中に分散してなる着色組成物は、分光特性および粘度安定性が良好になる。
色素誘導体としては、有機顔料、アントラキノン、アクリドンまたはトリアジンに、塩基性置換基、酸性置換基、または置換基を有していても良いフタルイミドメチル基を導入した化合物があげられ、例えば、特開昭63−305173号公報、特公昭57−15620号公報、特公昭59−40172号公報、特公昭63−17102号公報、特公平5−9469号公報等に記載されているものを使用でき、これらは単独または2種類以上を混合して用いることができる。
色素誘導体の配合量は、添加着色剤の分散性向上の観点から、着色剤100重量部に対し、好ましくは0.5重量部以上、さらに好ましくは1重量部以上、最も好ましくは3重量部以上である。また、耐熱性、耐光性の観点から、着色剤100重量部に対し、好ましくは40重量部以下、さらに好ましくは35重量部以下である。
<樹脂型分散剤>樹脂型分散剤は、添加着色剤に吸着する性質を有する着色剤親和性部位と、着色剤担体と相溶性のある部位とを有し、添加着色剤に吸着して着色剤担体への分散を安定化する働きをするものである。樹脂型分散剤として具体的には、ポリウレタン、ポリアクリレート等のポリカルボン酸エステル、不飽和ポリアミド、ポリカルボン酸、ポリカルボン酸(部分)アミン塩、ポリカルボン酸アンモニウム塩、ポリカルボン酸アルキルアミン塩、ポリシロキサン、長鎖ポリアミノアマイドリン酸塩、水酸基含有ポリカルボン酸エステルや、これらの変性物、ポリ(低級アルキレンイミン)と遊離のカルボキシル基を有するポリエステルとの反応により形成されたアミドやその塩等の油性分散剤、(メタ)アクリル酸−スチレン共重合体、(メタ)アクリル酸−(メタ)アクリル酸エステル共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン等の水溶性樹脂や水溶性高分子化合物、ポリエステル系、変性ポリアクリレート系、エチレンオキサイド/プロピレンオキサイド付加化合物、リン酸エステル系等が用いられ、これらは単独または2種以上を混合して用いることができるが、必ずしもこれらに限定されるものではない。
上記分散剤のうち少量の添加量で分散体の粘度が低くなり高いコントラストを示すという理由から、塩基性官能基を有する高分子分散剤が好ましく、窒素原子含有グラフト共重合体や、側鎖に3級アミノ基、4級アンモニウム塩基、含窒素複素環などを含む官能基を有する、窒素原子含有アクリル系ブロック共重合体およびウレタン系高分子分散剤などが好ましい。
樹脂型分散剤は、顔料全量に対して5〜200重量%程度使用することが好ましく、成膜性の観点から10〜100重量%程度使用することがより好ましい。
市販の樹脂型分散剤としては、ビックケミー・ジャパン社製のDsperbyk−101、103、107、108、110、111、116、130、140、154、161、162、163、164、165、166、170、171、174、180、181、182、183、184、185、190、2000、2001、2020、2025、2050、2070、2095、2150、2155またはAnti−Terra−U、203、204、またはBYK−P104、P104S、220S、6919、またはLactimon、Lactimon−WSまたはBykumen等、日本ルーブリゾール社製のSOLSPERSE−3000、9000、13000、13240、13650、13940、16000、17000、18000、20000、21000、24000、26000、27000、28000、31845、32000、32500、32550、33500、32600、34750、35100、36600、38500、41000、41090、53095、55000、76500等、チバ・ジャパン社製のEFKA−46、47、48、452、4008、4009、4010、4015、4020、4047、4050、4055、4060、4080、4400、4401、4402、4403、4406、4408、4300、4310、4320、4330、4340、450、451、453、4540、4550、4560、4800、5010、5065、5066、5070、7500、7554、1101、120、150、1501、1502、1503、等、味の素ファインテクノ社製のアジスパーPA111、PB711、PB821、PB822、PB824等が挙げられる。
<界面活性剤>
界面活性剤としては、ラウリル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、スチレン−アクリル酸共重合体のアルカリ塩、ステアリン酸ナトリウム、アルキルナフタリンスルホン酸ナトリウム、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウム、ラウリル硫酸モノエタノールアミン、ラウリル硫酸トリエタノールアミン、ラウリル硫酸アンモニウム、ステアリン酸モノエタノールアミン、スチレン−アクリル酸共重合体のモノエタノールアミン、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステル等のアニオン性界面活性剤;ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート、ポリエチレングリコールモノラウレート等のノニオン性界面活性剤;アルキル4級アンモニウム塩やそれらのエチレンオキサイド付加物等のカオチン性界面活性剤;アルキルジメチルアミノ酢酸ベタイン等のアルキルベタイン、アルキルイミダゾリン等の両性界面活性剤が挙げられ、これらは単独でまたは2種以上を混合して用いることができるが、必ずしもこれらに限定されるものではない。
樹脂型分散剤、界面活性剤を添加する場合の配合量は、着色剤100重量部に対し、好ましくは0.1〜55重量部、さらに好ましくは0.1〜45重量部である。樹脂型分散剤、界面活性剤の配合量が、0.1重量部未満の場合には、添加した効果が得られ難く、配合量が55重量部より多いと、過剰な分散剤により分散に悪影響を及ぼすことがある。
<粗大粒子の除去>
本発明の着色組成物は、遠心分離、焼結フィルタやメンブレンフィルタによる濾過等の手段にて、5μm以上の粗大粒子、好ましくは1μm以上の粗大粒子、さらに好ましくは0.5μm以上の粗大粒子および混入した塵の除去を行うことが好ましい。このように着色組成物は、実質的に0.5μm以上の粒子を含まないことが好ましい。より好ましくは0.3μm以下であることが好ましい。
<カラーフィルタ>
本発明の有機EL表示装置用カラーフィルタについて説明する。
本発明のカラーフィルタは、少なくとも1つの赤色フィルタセグメント、少なくとも1つの緑色フィルタセグメント、および少なくとも1つの青色フィルタセグメントを具備し、少なくとも1つの赤色フィルタセグメントが本発明の赤色着色組成物からなるものであることが好ましい。
また緑色フィルタセグメントを形成する緑色着色組成物は、緑色顔料もしくは染料に置き換えることで、前記述べた赤色着色組成物と同様に作製できる。青色フィルタセグメントを形成する青色着色組成物についても同様である。
緑色フィルタセグメントは、通常の緑色着色組成物を用いて形成することができる。緑色着色組成物は、例えば、C.I.ピグメントグリーン7、10、36、37、または58等の緑色顔料を用いて得られる組成物である。緑色着色組成物には、C.I.ピグメントイエロー1、2、3、4、5、6、10、12、13、14、15、16、17、18、24、31、32、34、35、35:1、36、36:1、37、37:1、40、42、43、53、55、60、61、62、63、65、73、74、77、81、83、93、94、95、97、98、100、101、104、106、108、109、110、113、114、115、116、117、118、119、120、123、126、127、128、129、138、139、147、150、151、152、153、154、155、156、161、162、164、166、167、168、169、170、171、172、173、174、175、176、177、179、180、181、182、185、187、188、193、194、198、199、213、または214等の黄色顔料を併用することができる。
青色フィルタセグメントは、青色顔料と着色剤担体を含む通常の青色着色組成物を用いて形成することができる。青色顔料としては、例えばC.I.ピグメントブルー15、15:1、15:2、15:3、15:4、15:6、16、22、60、または64等が用いられる。
また、青色着色組成物には、C.I.ピグメントバイオレット23等の紫色顔料や、C.I.ピグメントレッド81、81:1、81:2、81:3、81:4、81:5などのローダミン系染料の金属レーキ顔料を併用できる。また青色や紫色を呈する塩基性染料、酸性染料の造塩化合物を使用することもできる。
また、該フィルタセグメントは、少なくとも波長430nm〜485nmの範囲と波長560nm〜620nmの範囲に発光強度が極大となるピーク波長(λ1)、(λ2)を有し、波長λ1における発光強度I1と波長λ2における発光強度I2の比(I2/I1)が、0.4以上0.9以下である分光特性をもつ白色有機EL光源を用いた場合に、各色それぞれにおいて、特定の色度特性を有する場合、カラー表示装置としての色再現性が高くなるため好ましい。
このような発光スペクトルの発光強度I2の比(I2/I1)が、0.4以上0.9以下、好ましくは、0.5以上0.8以下、さらに好ましくは0.5以上0.7以下であって、これらの範囲内のいずれかの条件において特定の色度特性を満たすことにより、NTSC比といった有機EL表示装置用カラーフィルタとして要求される品質を達成することができる。
本発明の有機EL表示装置用カラーフィルタは、少なくとも波長430nm〜485nmの範囲と波長560nm〜620nmの範囲に発光強度が極大となるピーク波長(λ1)、(λ2)を有し、波長λ1における発光強度I1と波長λ2における発光強度I2の比(I2/I1)が、0.4以上0.9以下である分光特性をもつ白色有機EL光源を用いた場合に、着色膜のXYZ表色系における色度座標をそれぞれ(xR,yR)、(xG,yG)、(xB,yB)としたとき、これらの3点で囲まれる三角形の面積が、赤(0.67,0.33)、緑(0.21,0.71)、青(0.14,0.08)により囲まれる面積に対して75%以上である場合、カラー表示装置としての色再現性が高くなるため好ましい。
基材としては、ソーダ石灰ガラス、低アルカリ硼珪酸ガラス、無アルカリアルミノ硼珪酸ガラスなどのガラス板や、ポリカーボネート、ポリメタクリル酸メチル、ポリエチレンテレフタレートなどの樹脂板が用いられる。また、ガラス板や樹脂板の表面には、パネル化後の液晶駆動のために、酸化インジウム、酸化錫などからなる透明電極が形成されていてもよい。
<カラーフィルタの製造方法>
本発明のカラーフィルタは、着色組成物を用いて、印刷法またはフォトリソグラフィー法により、製造することができる。
印刷法による着色膜の形成は、印刷インキとして調製した着色組成物の印刷と乾燥を繰り返すだけでパターン化ができるため、カラーフィルタの製造法としては、低コストで量産性に優れている。さらに、印刷技術の発展により高い寸法精度および平滑度を有する微細パターンの印刷を行うことができる。印刷を行うためには、印刷の版上にて、あるいはブランケット上にてインキが乾燥、固化しないような組成とすることが好ましい。また、印刷機上でのインキの流動性の制御も重要であり、分散剤や体質顔料によるインキ粘度の調整を行うこともできる。
フォトリソグラフィー法により着色膜を形成する場合は、上記溶剤現像型あるいはアルカリ現像型着色レジスト材として調製した着色組成物を、透明基板上に、スプレーコートやスピンコート、スリットコート、ロールコート等の塗布方法により、乾燥膜厚が0.2〜5μmとなるように塗布する。必要により乾燥された膜には、この膜と接触あるいは非接触状態で設けられた所定のパターンを有するマスクを通して紫外線露光を行う。その後、溶剤またはアルカリ現像液に浸漬するかもしくはスプレーなどにより現像液を噴霧して未硬化部を除去して所望のパターンを形成したのち、同様の操作を他色について繰り返してカラーフィルタを製造することができる。さらに、着色レジスト材の重合を促進するため、必要に応じて加熱を施すこともできる。フォトリソグラフィー法によれば、上記印刷法より精度の高いカラーフィルタが製造できる。
現像に際しては、アルカリ現像液として炭酸ナトリウム、水酸化ナトリウム等の水溶液が使用され、ジメチルベンジルアミン、トリエタノールアミン等の有機アルカリを用いることもできる。また、現像液には、消泡剤や界面活性剤を添加することもできる。
なお、紫外線露光感度を上げるために、上記着色レジストを塗布乾燥後、水溶性あるいはアルカリ水溶性樹脂、例えばポリビニルアルコールや水溶性アクリル樹脂等を塗布乾燥し酸素による重合阻害を防止する膜を形成した後、紫外線露光を行うこともできる。
本発明のカラーフィルタは、上記方法の他に電着法、転写法、インクジェット法などにより製造することができるが、本発明の着色組成物はいずれの方法にも用いることができる。なお、電着法は、基板上に形成した透明導電膜を利用して、コロイド粒子の電気泳動により各色着色膜を透明導電膜の上に電着形成することでカラーフィルタを製造する方法である。また、転写法は剥離性の転写ベースシートの表面に、あらかじめ着色膜を形成しておき、この着色膜を所望の基板に転写させる方法である。
透明基板または反射基板上にフィルタセグメントを形成する前に、あらかじめブラックマトリクスを形成しておくと、表示パネルのコントラストを一層高めることができる。ブラックマトリクスとしては、クロムやクロム/酸化クロムの多層膜、窒化チタニウムなどの無機膜や、遮光剤を分散した樹脂膜が用いられるが、これらに限定されない。また、前記の透明基板または反射基板上に薄膜トランジスタ(TFT)をあらかじめ形成しておき、その後にフィルタセグメントを形成することもできる。TFT基板上にフィルタセグメントを形成することにより、パネルの開口率を高め、輝度を向上させることができる。
本発明のカラーフィルタ上には、必要に応じてオーバーコート膜や透明導電膜、などが形成される。
<有機EL表示装置>
本発明における有機EL表示装置は、一般式(1)で表されるアゾ顔料[A]、バインダー樹脂、光重合性単量体、光重合開始剤を含有する赤色着色組成物により形成されてなるカラーフィルタと、白色発光有機EL素子(以下有機EL素子とする)を光源として有する表示装置であることが好ましい。
(有機EL素子(白色発光有機EL素子))
本発明に用いられる有機EL素子としては、少なくとも波長430nm〜485nmの範囲と波長560nm〜620nmの範囲とに発光強度が極大となるピーク波長(λ1)、(λ2)を有し、波長λ1における発光強度I1と波長λ2における発光強度I2の比(I2/I1)が、0.4以上0.9以下である発光スペクトルを有していることが好ましく、0.5以上0.8以下であることがより好ましい。特に好ましくは、0.5以上0.7以下である。
発光強度I2の比(I2/I1)が、0.4以上0.9以下である発光スペクトルを有している場合、高い明度と広い色再現性が得られるため好ましい。
さらに波長530nm〜650nmの範囲に、発光強度の極大値またはショルダーを有していることが好ましい。
波長430nm〜485nmの範囲は、前記カラーフィルタを具備するカラー表示装置が色再現性のよい青色を表示する際に好ましいものである。より好ましくは430nm〜475nmの範囲である。
これらの構成を満足する有機EL素子と前記カラーフィルタとを用いることで、色再現領域が広く、高明度を有するカラー表示装置を得ることができる。
有機EL素子は、陽極と陰極間に一層または多層の有機層を形成した素子から構成される。ここで、一層型有機EL素子とは、陽極と陰極との間に発光層のみからなる素子を指し、一方、多層型有機EL素子とは、発光層の他に、発光層への正孔や電子の注入を容易にしたり、発光層内での正孔と電子との再結合を円滑に行わせたりすることを目的として、正孔注入層、正孔輸送層、正孔阻止層、電子注入層などを積層させたものを指す。したがって、多層型有機EL素子の代表的な素子構成としては、(1)陽極/正孔注入層/発光層/陰極、(2)陽極/正孔注入層/正孔輸送層/発光層/陰極、(3)陽極/正孔注入層/発光層/電子注入層/陰極、(4)陽極/正孔注入層/正孔輸送層/発光層/電子注入層/陰極、(5)陽極/正孔注入層/発光層/正孔阻止層/電子注入層/陰極、(6)陽極/正孔注入層/正孔輸送層/発光層/正孔阻止層/電子注入層/陰極、(7)陽極/発光層/正孔阻止層/電子注入層/陰極、(8)陽極/発光層/電子注入層/陰極等の多層構成で積層した素子構成が挙げられる。しかし、本発明で用いられる有機EL素子がこれらに限定されるものではない。
また、上述した各有機層は、それぞれ二層以上の層構成により形成されてもよく、いくつかの層が繰り返し積層されていてもよい。そのような例として、近年、光取り出し効率の向上を目的に、上述多層型有機EL素子の一部の層を多層化する「マルチ・フォトン・エミッション」と呼ばれる素子構成が提案されている。これは例えば、ガラス基板/陽極/正孔輸送層/電子輸送性発光層/電子注入層/電荷発生層/発光ユニット/陰極から構成される有機EL素子に於いて、電荷発生層と発光ユニットの部分を複数層積層するといった方法が挙げられる。
まず、これら各層に用いることのできる材料を具体的に例示する。但し、本発明に使用出来る材料はこれ等に限定されるものではない。
正孔注入層に用いることができる材料としては、フタロシアニン系化合物が有効であり、銅フタロシアニン(略:CuPc)、バナジルフタロシアニン(略:VOPc)等を用いることが出来る。また、導電性高分子化合物に化学ドーピングを施した材料もあり、ポリエチレンジオキシチオフェン(略:PEDOT)にポリスチレンスルフォン酸(略:PSS)をドープした材料や、ポリアニリン(略:PANI)などを用いることもできる。また、酸化モリブデン(略:MoOx)、酸化バナジウム(略:VOx)、酸化ニッケル(略:NiOx)などの無機半導体の薄膜や、酸化アルミニウム(略:Al23)などの無機絶縁体の超薄膜も有効である。また、4,4’,4”−トリス(N,N−ジフェニル−アミノ)−トリフェニルアミン(略:TDATA)、4,4’,4”−トリス[N−(3−メチルフェニル)−N−フェニル−アミノ]−トリフェニルアミン(略:MTDATA)、N,N’−ビス(3−メチルフェニル)−N,N’−ジフェニル−1,1’−ビフェニル−4,4’−ジアミン(略:TPD)、4,4’−ビス[N−(1−ナフチル)−N−フェニル−アミノ]−ビフェニル(略:α−NTPD)、4,4’−ビス[N−(4−(N,N−ジ−m−トリル)アミノ)フェニル−N−フェニルアミノ]ビフェニル(略:DNTPD)などの芳香族アミン系化合物も用いることができる。さらに、それら芳香族アミン系化合物に対してアクセプタ性を示す物質を芳香族アミン系化合物に添加してもよく、具体的にはVOPcにアクセプタである2,3,5,6−テトラフルオロ−7,7,8,8−テトラシアノキノジメタン(略:F4−TCNQ)を添加したものや、α−NPDにアクセプタであるMoOxを添加したものを用いてもよい。
正孔輸送層に用いることができる材料としては、芳香族アミン系化合物が好適であり、正孔注入材料で記述したTDATA、MTDATA、TPD、α−NPD、DNTPDなどを用いることができる。
電子輸送層に用いることができる電子輸送材料としては、トリス(8−キノリノラト)アルミニウム(略:Alq3)、トリス(4−メチル−8−キノリノラト)アルミニウム(略:Almq3)、ビス(10−ヒドロキシベンゾ[h]−キノリナト)ベリリウム(略:BeBq2)、ビス(2−メチル−8−キノリノラト)(4−フェニルフェノラト)アルミニウム(略:BAlq)、ビス[2−(2−ヒドロキシフェニル)ベンゾオキサゾラト]亜鉛(略:Zn(BOX)2)、ビス[2−(2−ヒドロキシフェニル)ベンゾチアゾラト]亜鉛(略:Zn(BTZ)2)などの金属錯体が挙げられる。さらに、金属錯体以外にも、2−(4−ビフェニリル)−5−(4−tert−ブチルフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール(略:PBD)、1,3−ビス[5−(p−tert−ブチルフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール−2−イル]ベンゼン(略:OXD−7)などのオキサジアゾール誘導体、3−(4−tert−ブチルフェニル)−4−フェニル−5−(4−ビフェニリル)−1,2,4−トリアゾール(略:TAZ)、3−(4−tert−ブチルフェニル)−4−(4−エチルフェニル)−5−(4−ビフェニリル)−1,2,4−トリアゾール(略:p−EtTA Z)などのトリアゾール誘導体、2,2’,2"−(1,3,5−ベンゼントリイル)トリス[1−フェニル−1H−ベンズイミダゾール](略:TPBI)のようなイミダゾール誘導体、バソフェナントロリン(略:BPhen)、バソキュプロイン(略:BCP)などのフェナントロリン誘導体を用いることができる。
電子注入層に用いることができる材料としては、先に記述したAlq3、Almq3、BeBq2、BAlq、Zn(BOX)2、Zn(BTZ)2、PBD、OXD−7、TAZ、p−EtTAZ、TPBI、BPhen、BCPなどの電子輸送材料を用いることができる。その他に、LiF、CsFなどのアルカリ金属ハロゲン化物や、CaF2のようなアルカリ土類ハロゲン化物、Li2Oなどのアルカリ金属酸化物のような絶縁体の超薄膜がよく用いられる。また、リチウムアセチルアセトネート(略:Li(acac))や8−キノリノラト−リチウム(略:Liq)などのアルカリ金属錯体も有効である。また、これら電子注入材料に対してドナー性を示す物質を電子注入材料に添加してもよく、ドナーとしてはアルカリ金属、アルカリ土類金属、希土類金属などを用いることができる。具体的にはBCPにドナーであるリチウムを添加したものや、Alq3にドナーであるリチウムを添加したものを用いることができる。
さらに、正孔阻止層には、発光層を経由した正孔が電子注入層に達するのを防ぎ、薄膜形成性に優れた層を形成できる正孔阻止材料が用いられる。そのような正孔阻止材料の例としては、ビス(8−ヒドロキシキノリナ−ト)(4−フェニルフェノラ−ト)アルミニウム等のアルミニウム錯体化合物や、ビス(2−メチル−8−ヒドロキシキノリナ−ト)(4−フェニルフェノラ−ト)ガリウム等のガリウム錯体化合物、2,9−ジメチル−4,7−ジフェニル−1,10−フェナントロリン(略:BCP)等の含窒素縮合芳香族化合物が挙げられる。
白色の発光を得る発光層としては特に制限はないが、例えば、下記のものを用いることができる。すなわち、有機EL積層構造体の各層のエネルギー準位を規定し、トンネル注入を利用して発光させるもの(欧州特許第0390551号公報)、同じくトンネル注入を利用する素子で実施例として白色発光素子が記載されているもの(特開平3−230584号公報)、二層構造の発光層が記載されているもの(特開平2−220390号公報および特開平2−216790号公報)、発光層を複数に分割してそれぞれ発光波長の異なる材料で構成されたもの(特開平4−51491号公報)、青色発光体(蛍光ピ−ク380〜480nm)と緑色発光体(480〜580nm)とを積層させ、さらに赤色蛍光体を含有させた構成のもの(特開平6−207170号公報)、青色発光層が青色蛍光色素を含有し、緑色発光層が赤色蛍光色素を含有した領域を有し、さらに緑色蛍光体を含有する構成のもの(特開平7−142169号公報)等が挙げられる。
さらに、本発明において用いられる発光材料は、従来発光材料として公知の材料が用いられればよい。下記に青色、緑色、橙色から赤色発光のために好適に用いられる化合物を例示する。しかし、発光材料が以下の具体的に例示したものに限定されるものではない。
青色の発光は、例えば、ペリレン、2,5,8,11−テトラ−t−ブチルペリレン(略:TBP)、9,10−ジフェニルアントラセン誘導体などをゲスト材料として用いることによって得られる。また、4,4’−ビス(2,2−ジフェニルビニル)ビフェニル(略:DPVBi)などのスチリルアリーレン誘導体や、9,10−ジ−2−ナフチルアントラセン(略:DNA)、9,10−ビス(2−ナフチル)−2−tert−ブチルアントラセン(略:t−BuDNA)などのアントラセン誘導体から得ることもできる。また、ポリ(9,9−ジオクチルフルオレン)等のポリマーを用いてもよい。
さらに好ましい具体例を、表1に示す。
緑色の発光は、クマリン30、クマリン6などのクマリン系色素や、ビス[2−(2,4−ジフルオロフェニル)ピリジナト]ピコリナトイリジウム(略:FIrpic)、ビス(2−フェニルピリジナト)アセチルアセトナトイリジウム(略:Ir(ppy)(acac))などをゲスト材料として用いることによって得られる。また、トリス(8−ヒドロキシキノリン)アルミニウム(略:Alq3)、BAlq、Zn(BTZ)、ビス(2−メチル−8−キノリノラト)クロロガリウム(略:Ga(mq)2Cl)などの金属錯体からも得ることができる。また、ポリ(p−フェニレンビニレン)等のポリマーを用いてもよい。
さらに好ましい具体例を、表2に示す。
橙色から赤色の発光は、ルブレン、4−(ジシアノメチレン)−2−[p−(ジメチルアミノ)スチリル]−6−メチル−4H−ピラン(略:DCM1)、4−(ジシアノメチレン)−2−メチル−6−(9−ジュロリジル)エチニル−4H−ピラン(略:DCM2)、4−(ジシアノメチレン)−2,6−ビス[p−(ジメチルアミノ)スチリル]−4H−ピラン(略:BisDCM)、ビス[2−(2−チエニル)ピリジナト]アセチルアセトナトイリジウム(略:Ir(thp)2(acac))、ビス(2−フェニルキノリナト)アセチルアセトナトイリジウム(略:Ir(pq)(acac))などをゲスト材料として用いることによって得られる。ビス(8−キノキリノラト)亜鉛(略:Znq2)やビス[2−シンナモイル−8−キノリノラト]亜鉛(略:Znsq2)などの金属錯体からも得ることができる。また、ポリ(2,5−ジアルコキシ−1,4−フェニレンビニレン)等のポリマーを用いてもよい。
さらに好ましい具体例を、表3に示す。
さらに、本発明に用いる有機EL素子の陽極に使用される材料は、仕事関数の大きい(4eV以上)金属、合金、電気伝導性化合物またはこれらの混合物を電極物質とするものが好ましく用いられる。このような電極物質の具体例としては、Au等の金属、CuI、ITO、SNO2、ZNO等の導電性材料が挙げられる。この陽極を形成するには、これらの電極物質を、蒸着法やスパッタリング法等の方法で薄膜を形成させることができる。この陽極は、上記発光層からの発光を陽極から取り出す場合、陽極の発光に対する透過率が10%より大きくなるような特性を有していることが望ましい。また、陽極のシ−ト抵抗は、数百Ω/cm2以下としてあるものが好ましい。さらに、陽極の膜厚は、材料にもよるが通常10nm〜1μm、好ましくは10〜200nmの範囲で選択される。
また、本発明に用いる有機EL素子の陰極に使用される材料は、仕事関数の小さい(4eV以下)金属、合金、電気伝導性化合物およびこれらの混合物を電極物質とするものが用いられる。このような電極物質の具体例としては、ナトリウム、ナトリウム−カリウム合金、マグネシウム、リチウム、マグネシウム・銀合金、アルミニウム/酸化アルミニウム、アルミニウム・リチウム合金、インジウム、希土類金属などが挙げられる。この陰極は、これらの電極物質を蒸着やスパッタリング等の方法により薄膜を形成させることにより、作製することができる。ここで、発光層からの発光を陰極から取り出す場合、陰極の発光に対する透過率は10%より大きくすることが好ましい。また、陰極としてのシ−ト抵抗は数百Ω/cm2以下が好ましく、さらに、膜厚は通常10nm〜1μm、好ましくは50〜200Nmである。
本発明に用いる有機EL素子を作製する方法については、上記の材料および方法により陽極、発光層、必要に応じて正孔注入層、および必要に応じて電子注入層を形成し、最後に陰極を形成すればよい。また、陰極から陽極へ、前記と逆の順序で有機EL素子を作製することもできる。
この有機EL素子は、透光性の基板上に作製する。この透光性基板は有機EL素子を支持する基板であり、その透光性については、400〜700nmの可視領域の光の透過率が50%以上、好ましくは90%以上であるものが望ましく、さらに平滑な基板を用いるのが好ましい。
これら基板は、機械的、熱的強度を有し、透明であれば特に限定されるものではないが、例えば、ガラス板、合成樹脂板などが好適に用いられる。ガラス板としては、特にソ−ダ石灰ガラス、バリウム・ストロンチウム含有ガラス、鉛ガラス、アルミノケイ酸ガラス、ホウケイ酸ガラス、バリウムホウケイ酸ガラス、石英などで成形された板が挙げられる。また、合成樹脂板としては、ポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリエーテルサルファイド樹脂、ポリサルフォン樹脂などの板が挙げられる。
本発明に用いる有機EL素子の各層の形成方法としては、真空蒸着、電子線ビ−ム照射、スパッタリング、プラズマ、イオンプレ−ティング等の乾式成膜法、もしくはスピンコ−ティング、ディッピング、フローコーティング、インクジェット法等の湿式成膜法、発光体をドナーフイルム上に蒸着する方法、また、特表2002−534782号公報やS.T.Lee,et al.,Proceedings of SID’02,p.784(2002)に記載されているLITI(Laser Induced Thermal Imaging、レーザー熱転写)法や、印刷(オフセット印刷、フレキソ印刷、グラビア印刷、スクリーン印刷)、インクジェット等の方法を適用することもできる。
有機層は、特に分子堆積膜であることが好ましい。ここで分子堆積膜とは、気相状態の材料化合物から沈着され形成された薄膜や、溶液状態または液相状態の材料化合物から固体化され形成された膜のことであり、通常この分子堆積膜は、LB法により形成された薄膜(分子累積膜)とは凝集構造、高次構造の相違や、それに起因する機能的な相違により区分することができる。また特開昭57−51781号公報に開示されているように、樹脂等の結着剤と材料化合物とを溶剤に溶かして溶液とした後、これをスピンコ−ト法等により薄膜化することによっても、有機層を形成することができる。各層の膜厚は特に限定されるものではないが、膜厚が厚すぎると一定の光出力を得るために大きな印加電圧が必要となり効率が悪くなり、逆に膜厚が薄すぎるとピンホ−ル等が発生し、電界を印加しても充分な発光輝度が得にくくなる。したがって、各層の膜厚は、1nmから1μmの範囲が適しているが、10nmから0.2μmの範囲がより好ましい。
また、有機EL素子の温度、湿度、雰囲気等に対する安定性向上のために、素子の表面に保護層を設けたり、樹脂等により素子全体を被覆や封止を施したりしてもよい。特に素子全体を被覆や封止する際には、光によって硬化する光硬化性樹脂が好適に使用される。
本発明に用いる有機EL素子に印加する電流は、通常、直流であるが、パルス電流や交流を用いてもよい。電流値、電圧値は、素子破壊しない範囲内であれば特に制限はないが、素子の消費電力や寿命を考慮すると、なるべく小さい電気エネルギーで効率よく発光させることが望ましい。
本発明に用いる有機EL素子の駆動方法は、パッシブマトリクス法のみならず、アクティブマトリックス法での駆動も可能である。また、本発明の有機EL素子から光を取り出す方法としては、陽極側から光を取り出すボトム・エミッションという方法のみならず、陰極側から光を取り出すトップ・エミッションという方法にも適用可能である。これらの方法や技術は、城戸淳二著、「有機ELのすべて」、日本実業出版社(2003年発行)に記載されている。
本発明に用いる有機EL素子のフルカラー化方式の主な方式は、カラーフィルタ方式である。カラーフィルタ方式では、白色発光の有機EL素子を使って、カラーフィルタを通して3原色の光を取り出す方法であるが、これら3原色に加えて、一部白色光をそのまま取り出して発光に利用することで、素子全体の発光効率をあげることもできる。
さらに、本発明に用いる有機EL素子は、マイクロキャビティ構造を採用しても構わない。これは、有機EL素子は、発光層が陽極と陰極との間に挟持された構造であり、発光した光は陽極と陰極との間で多重干渉を生じるが、陽極および陰極の反射率、透過率などの光学的な特性と、これらに挟持された有機層の膜厚とを適当に選ぶことにより、多重干渉効果を積極的に利用し、素子より取り出される発光波長を制御するという技術である。これにより、発光色度を改善することも可能となる。この多重干渉効果のメカニズムについては、J.Yamada等によるAM−LCD Digest of Technical Papers, OD−2,p.77〜80(2002)に記載されている。
上記の様にしてガラス基板等に並置してRGBのカラーフィルタ層を作製し、そのカラーフィルタ層上に、ITO電極層と上記有機EL素子を用いて作製された発光層(バックライト)を載せることでカラー表示が可能となり、カラー表示装置が得られることになる。その際、発光時の電流の流れをTFTによりコントロールすることで高コントラスト比をもつカラー表示装置を実現することが可能となる。
以下に、本発明を実施例に基づいて説明するが、本発明はこれによって限定されるものではない。なお、実施例中、「部」および「%」は、「重量部」および「重量%」をそれぞれ表す。
また、顔料の平均一次粒子径の測定方法、アゾ顔料の同定方法、樹脂の重量平均分子量(Mw)および樹脂の酸価の測定方法は以下の通りである。
(顔料の平均一次粒子径)
顔料の平均一次粒子径は、透過型電子顕微鏡(TEM)を使用して、電子顕微鏡写真から一次粒子の大きさを直接計測する方法で測定した。具体的には、個々の顔料の一次粒子の短軸径と長軸径を計測し、平均をその顔料一次粒子の粒径とした。次に、100個以上の顔料粒子について、それぞれの粒子の体積(重量)を、求めた粒径の立方体と近似して求め、体積平均粒径を平均一次粒子径とした。
(アゾ顔料の同定方法)
本発明のアゾ顔料の同定は、ブルカー・ダルトニクス社製MALDI質量分析装置autoflex III(以下、TOF−MSと称す)を用い、得られたマススペクトラムの分子イオンピークと、計算によって得られる質量数との一致をもって同定した。
(樹脂の重量平均分子量(Mw))
樹脂の重量平均分子量(Mw)は、TSKgelカラム(東ソー社製)を用い、RI検出器を装備したGPC(東ソー社製、HLC−8120GPC)で、展開溶媒にTHFを用いて測定したポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)である。
(樹脂の酸価)
樹脂溶液0.5〜1.0部に、アセトン80mlおよび水10mlを加えて攪拌して均一に溶解させ、0.1mol/LのKOH水溶液を滴定液として、自動滴定装置(「COM−555」平沼産業製)を用いて滴定し、樹脂溶液の酸価を測定した。そして、樹脂溶液の酸価と樹脂溶液の固形分濃度から、樹脂の固形分あたりの酸価を算出した。
続いて、実施例および比較例に用いた有機EL素子、バインダー樹脂溶液、アゾ顔料[A]、その他の顔料、着色剤分散体、感光性緑色着色組成物、および感光性青色着色組成物の製造方法について説明する。
<有機EL素子の製造例>
以下に白色光源として使用する有機EL素子の製造例を具体的に示す。有機EL素子の製造例においては、特に断りのない限り、混合比は全て重量比を示す。蒸着(真空蒸着)は10-6Torrの真空中で、基板加熱、冷却等の温度制御なしの条件下で行った。また、素子の発光特性評価においては、電極面積2mm×2mmの有機EL素子の特性を測定した。
(有機EL素子1(EL−1)の製造)
洗浄したITO電極付きガラス板を酸素プラズマで約1分間処理した後、4,4’−ビス[N−(1−ナフチル)−N−フェニルアミノ]ビフェニル(α−NPD)を真空蒸着して、膜厚150nmの正孔注入層を得た。この正孔注入層の上に、さらに、表3の化合物(R−2)と化合物(R−3)とを100:2の組成比で共蒸着して膜厚10nmの第1発光層を形成した。さらに、表1の化合物(B−1)と化合物(B−4)とを100:3の組成比で共蒸着して膜厚20nmの第2発光層を形成した。この発光層の上に、さらに、α−NPDを5nm、表2の化合物(G−3)を20nm蒸着して第3発光層を形成した。さらに、トリス(8−ヒドロキシキノリン)アルミニウム錯体を真空蒸着して膜厚35nmの電子注入層を作成し、その上に、まずフッ化リチウムを1nm、次いでアルミニウムを200nm蒸着して電極を形成して、有機EL素子1を得た。
さらに、この有機EL素子を、周囲環境から保護するために、純窒素を充填したドライグローボックス内で気密封止をした。この素子は、直流電圧5Vで発光輝度950(cd/m2)、最大発光輝度55000(cd/m2)、発光効率3.9(lm/W)の白色発光が得られた。図1に、得られた機EL素子(EL−1)の発光スペクトルを示す。
有機EL素子(EL−1)の430nm〜485nmの範囲と波長560nm〜620nmの範囲それぞれにおいて発光強度が極大となるピーク波長(λ1)、(λ2)と、波長λ1における発光強度I1と波長λ2における発光強度I2の比(I2/I1)を表4に示す。
<バインダー樹脂溶液の製造方法>
(アクリル樹脂溶液1の調製)
セパラブル4口フラスコに温度計、冷却管、窒素ガス導入管、滴下管および撹拌装置を取り付けた反応容器にシクロヘキサノン196部を仕込み、80℃に昇温し、反応容器内を窒素置換した後、滴下管より、n−ブチルメタクリレート37.2部、2−ヒドロキシエチルメタクリレート12.9部、メタクリル酸12.0部、パラクミルフェノールエチレンオキサイド変性アクリレート(東亞合成株式会社製「アロニックスM110」)20.7部、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル1.1部の混合物を2時間かけて滴下した。滴下終了後、更に3時間反応を継続し、アクリル樹脂の溶液を得た。室温まで冷却した後、樹脂溶液約2部をサンプリングして180℃、20分加熱乾燥して不揮発分を測定し、先に合成した樹脂溶液に不揮発分が20重量%になるようにメトキシプロピルアセテートを添加してアクリル樹脂溶液1を調製した。重量平均分子量(Mw)は26000であった。
(アクリル樹脂溶液2の調製)
セパラブル4口フラスコに温度計、冷却管、窒素ガス導入管、滴下管および撹拌装置を取り付けた反応容器にシクロヘキサノン207部を仕込み、80℃に昇温し、反応容器内を窒素置換した後、滴下管より、メタクリル酸20部、パラクミルフェノールエチレンオキサイド変性アクリレート(東亜合成社製アロニックスM110)20部、メタクリル酸メチル45部、2−ヒドロキシエチルメタクリレート8.5部、及び2,2’−アゾビスイソブチロニトリル1.33部の混合物を2時間かけて滴下した。滴下終了後、更に3時間反応を継続し、共重合体樹脂溶液を得た。次に得られた共重合体溶液全量に対して、窒素ガスを停止し乾燥空気を1時間注入しながら攪拌したのちに、室温まで冷却した後、2−メタクリロイルオキシエチルイソシアネート(昭和電工社製カレンズMOI)6.5部、ラウリン酸ジブチル錫0.08部、シクロヘキサノン26部の混合物を70℃で3時間かけて滴下した。滴下終了後、更に1時間反応を継続し、アクリル樹脂の溶液を得た。室温まで冷却した後、樹脂溶液約2部をサンプリングして180℃、20分加熱乾燥して不揮発分を測定し、先に合成した樹脂溶液に不揮発分が20重量%になるようにシクロヘキサノンを添加してアクリル樹脂溶液2を調製した。重量平均分子量(Mw)は18000であった。
<アゾ顔料[A]の製造方法>
(赤色着色剤(PR−1))
以下に、前記アゾ顔料(A1−1)の具体的な合成方法をその反応スキーム(下記反応スキームA)とともに示す。本発明に係る他のアゾ顔料も同様のスキームに従って合成することができる。なお、アゾ顔料の製造方法(合成方法)は以下の方法に限定されるものではない。
(1)化合物(B)の合成
トルエン573部に、2,3−ヒドロキシナフトエ酸90部、およびN,N−ジメチルホルムアミド1.2部を加え、85℃に加熱後、塩化チオニル556.3部を15分間で滴下した。滴下終了後、1時間還流した。別途調製した化合物(A)80.9部とトルエン264部を85℃に加熱した溶液に、上記反応溶液を30分間かけて滴下し、2時間加熱還流した。この反応液を95℃に冷却後、28%アンモニア水溶液8.0部および水20部を加え、95〜100℃にて15分間攪拌後、トルエンおよび未反応の化合物(A)を水蒸気蒸留により除去した。析出した反応物をろ取し、熱湯で洗浄後、乾燥して化合物(B)を152部(収率:95.8%)得た。
(2)アゾ顔料(A1−1)の合成
氷酢酸252.2部に化合物(C)36.3部を加えた後、35%塩酸39.1部を加え、−2〜0℃になるよう冷却した。この溶液に25%亜硝酸ナトリウム水溶液42.2部を加えた後、0〜5℃に保持しながら、30分間攪拌した。別途調製した前期の方法で得た化合物(B)50.7部と、25%水酸化ナトリウム溶液67.1部、水772部、イソプロピルアルコール680部からなる混合溶液に、この反応溶液を15分間で滴下した。滴下終了後、室温で30分間攪拌した後、さらに、80℃に保持しながら攪拌し、析出した反応物をろ取し、熱湯およびメタノールで洗浄後、乾燥してアゾ色素1を85.9部(収率:98%)得た。TOF−MSによる質量分析の結果、アゾ顔料(A1−1)であることを同定した。
次に、上記アゾ顔料(A1−1)を80部、塩化ナトリウム800部、およびジエチレングリコール90部をステンレス製1ガロンニーダー(井上製作所社製)に仕込み、60℃で6時間混練し、ソルトミリング処理した。得られた混練物を3リットルの温水に投入し、70℃に加熱しながら1時間撹拌してスラリー状とし、濾過、水洗を繰り返して塩化ナトリウムおよびジエチレングリコールを除いた後、80℃で一昼夜乾燥し、78部の赤色着色剤(PR−1)を得た。平均一次粒子径は38nmであった。
(赤色着色剤(PR−2))
赤色着色剤(PR−1)の製造で使用した化合物(A)80.9部のかわりに、3−アミノベンズトリフロリド66.8部を使用した以外は、赤色着色剤(PR−1)の製造と同様の操作を行い、アゾ顔料(A1−2)を80.0部(収率98%)得た。TOF−MSによる質量分析の結果、アゾ顔料(A1−2)であることを同定した。
次に、上記アゾ顔料(A1−2)を80部、塩化ナトリウム800部、およびジエチレングリコール90部をステンレス製1ガロンニーダー(井上製作所社製)に仕込み、60℃で6時間混練し、ソルトミリング処理した。得られた混練物を3リットルの温水に投入し、70℃に加熱しながら1時間撹拌してスラリー状とし、濾過、水洗を繰り返して塩化ナトリウムおよびジエチレングリコールを除いた後、80℃で一昼夜乾燥し、78部の赤色着色剤(PR−2)を得た。平均一次粒子径は42nmであった。
(赤色着色剤(PR−3))
赤色着色剤(PR−1)の製造で使用した3−アミノ−4−メトキシベンズアニリド36.3部のかわりに、3−アミノ−4−メトキシベンズアミド24.9部を使用した以外は、赤色着色剤(PR−1)の製造と同様の操作を行い、アゾ顔料(A1−3)を80.0部(収率97%)得た。TOF−MSによる質量分析の結果、アゾ顔料(A1−3)であることを同定した。
次に、上記アゾ顔料(A1−3)を80部、塩化ナトリウム800部、およびジエチレングリコール90部をステンレス製1ガロンニーダー(井上製作所社製)に仕込み、60℃で6時間混練し、ソルトミリング処理した。得られた混練物を3リットルの温水に投入し、70℃に加熱しながら1時間撹拌してスラリー状とし、濾過、水洗を繰り返して塩化ナトリウムおよびジエチレングリコールを除いた後、80℃で一昼夜乾燥し、78部の赤色着色剤(PR−3)を得た。平均一次粒子径は45nmであった。
(赤色着色剤(PR−4))
赤色着色剤(PR−1)の製造で使用した化合物(A)80.9部のかわりに、3−アミノベンズトリフロリドを66.8部、および3−アミノ−4−メトキシベンズアニリドのかわりに、3−アミノ−4−メトキシベンズアミド24.9部を使用した以外は、赤色着色剤(PR−1)の製造と同様の操作を行い、アゾ顔料(A1−4)を80.0部(収率97%)得た。TOF−MSによる質量分析の結果、アゾ顔料(A1−4)であることを同定した。
次に、上記アゾ顔料(A1−4)を80部、塩化ナトリウム800部、およびジエチレングリコール90部をステンレス製1ガロンニーダー(井上製作所社製)に仕込み、60℃で6時間混練し、ソルトミリング処理した。得られた混練物を3リットルの温水に投入し、70℃に加熱しながら1時間撹拌してスラリー状とし、濾過、水洗を繰り返して塩化ナトリウムおよびジエチレングリコールを除いた後、80℃で一昼夜乾燥し、78部の赤色着色剤(PR−4)を得た。平均一次粒子径は39nmであった。
(赤色着色剤(PR−5))
赤色着色剤(PR−1)の製造で使用した化合物(A)のかわりに、2−アミノベンズトリフロリドを66.8部、および3−アミノ−4−メトキシベンズアニリドのかわりに、3−アミノ−4−メトキシベンズアミドを24.9部使用した以外は、赤色着色剤(PR−1)の製造と同様の操作を行い、アゾ顔料(A1−5)を80.0部(収率95%)得た。TOF−MSによる質量分析の結果、アゾ顔料(A1−5)であることを同定した。
次に、上記アゾ顔料(A1−5)を80部、塩化ナトリウム800部、およびジエチレングリコール90部をステンレス製1ガロンニーダー(井上製作所社製)に仕込み、60℃で6時間混練し、ソルトミリング処理した。得られた混練物を3リットルの温水に投入し、70℃に加熱しながら1時間撹拌してスラリー状とし、濾過、水洗を繰り返して塩化ナトリウムおよびジエチレングリコールを除いた後、80℃で一昼夜乾燥し、78部の赤色着色剤(PR−5)を得た。平均一次粒子径は38nmであった。
(赤色着色剤(PR−6))
赤色着色剤(PR−1)の製造で使用した化合物(A)のかわりに、5−クロロ−2−アミノベンズトリフロリド、および3−アミノ−4−メトキシベンズアニリドのかわりに、3−アミノ−4−メトキシベンズアミドを24.9部使用した以外は、赤色着色剤(PR−1)の製造と同様の操作を行い、アゾ顔料(A1−6)を80.0部得た。TOF−MSによる質量分析の結果、アゾ顔料(A1−6)であることを同定した。
次に、上記アゾ顔料(A1−6)を80部、塩化ナトリウム800部、およびジエチレングリコール90部をステンレス製1ガロンニーダー(井上製作所社製)に仕込み、60℃で6時間混練し、ソルトミリング処理した。得られた混練物を3リットルの温水に投入し、70℃に加熱しながら1時間撹拌してスラリー状とし、濾過、水洗を繰り返して塩化ナトリウムおよびジエチレングリコールを除いた後、80℃で一昼夜乾燥し、78部の赤色着色剤(PR−6)を得た。平均一次粒子径は42nmであった。
(赤色着色剤(PR−7))
赤色着色剤(PR−1)の製造で使用した化合物(A)のかわりに、3,5−ビス(トリフロオロメチル)アニリンを95.1部、および3−アミノ−4−メトキシベンズアニリドのかわりに、3−アミノ−4−メトキシベンズアミドを24.9部使用した以外は、赤色着色剤(PR−1)の製造と同様の操作を行い、アゾ顔料(A1−7)を80.0部(収率96%)得た。TOF−MSによる質量分析の結果、アゾ顔料(A1−7)であることを同定した。
次に、上記アゾ顔料(A1−7)を80部、塩化ナトリウム800部、およびジエチレングリコール90部をステンレス製1ガロンニーダー(井上製作所社製)に仕込み、60℃で6時間混練し、ソルトミリング処理した。得られた混練物を3リットルの温水に投入し、70℃に加熱しながら1時間撹拌してスラリー状とし、濾過、水洗を繰り返して塩化ナトリウムおよびジエチレングリコールを除いた後、80℃で一昼夜乾燥し、78部の赤色着色剤(PR−7)を得た。平均一次粒子径は47nmであった。
(赤色着色剤(PR−8))
赤色着色剤(PR−1)の製造で使用した化合物(A)のかわりに、4−フルオロ−3−アミノベンズトリフロリドを0.050mol量、および3−アミノ−4−メトキシベンズアニリドのかわりに、3−アミノ−4−メトキシベンズアミドを0.015mol量使用した以外は、赤色着色剤(PR−1)の製造と同様の操作を行い、アゾ顔料(A1−8)を7.97g(収率96%)得た。TOF−MSによる質量分析の結果、アゾ顔料(A1−8)であることを同定した。
次に、上記アゾ顔料(A1−8)を80部、塩化ナトリウム800部、およびジエチレングリコール90部をステンレス製1ガロンニーダー(井上製作所社製)に仕込み、60℃で6時間混練し、ソルトミリング処理した。得られた混練物を3リットルの温水に投入し、70℃に加熱しながら1時間撹拌してスラリー状とし、濾過、水洗を繰り返して塩化ナトリウムおよびジエチレングリコールを除いた後、80℃で一昼夜乾燥し、78部の赤色着色剤8(PR−8)を得た。平均一次粒子径は42nmであった。
(赤色着色剤(PR−9))
赤色着色剤(PR−1)の製造で使用した化合物(A)のかわりに、2−クロロ−5−アミノベンズトリフロリドを74.3部、および3−アミノ−4−メトキシベンズアニリドのかわりに、3−アミノ−4−メトキシベンズアミドを24.9部使用した以外は、赤色着色剤(PR−1)の製造と同様の操作を行い、アゾ顔料(A1−9)を80.0部(収率97%)得た。TOF−MSによる質量分析の結果、アゾ顔料(A1−9)であることを同定した。
次に、上記アゾ顔料(A1−9)を80部、塩化ナトリウム800部、およびジエチレングリコール90部をステンレス製1ガロンニーダー(井上製作所社製)に仕込み、60℃で6時間混練し、ソルトミリング処理した。得られた混練物を3リットルの温水に投入し、70℃に加熱しながら1時間撹拌してスラリー状とし、濾過、水洗を繰り返して塩化ナトリウムおよびジエチレングリコールを除いた後、80℃で一昼夜乾燥し、78部の赤色着色剤(PR−9)を得た。平均一次粒子径は41nmであった。
(赤色着色剤(PR−10))
赤色着色剤(PR−1)の製造で使用した化合物(A)のかわりに、4−アミノベンズトリフロリドを66.8部、および3−アミノ−4−メトキシベンズアニリドのかわりに、3−アミノ−4−メトキシベンズアミドを24.9部使用した以外は、赤色着色剤(PR−1)の製造と同様の操作を行い、アゾ顔料(A1−10)を80.0部(収率95%)得た。TOF−MSによる質量分析の結果、アゾ顔料(A1−10)であることを同定した。
次に、上記アゾ顔料(A1−10)を80部、塩化ナトリウム800部、およびジエチレングリコール90部をステンレス製1ガロンニーダー(井上製作所社製)に仕込み、60℃で6時間混練し、ソルトミリング処理した。得られた混練物を3リットルの温水に投入し、70℃に加熱しながら1時間撹拌してスラリー状とし、濾過、水洗を繰り返して塩化ナトリウムおよびジエチレングリコールを除いた後、80℃で一昼夜乾燥し、78部の赤色着色剤(PR−10)を得た。平均一次粒子径は48nmであった。
(赤色着色剤(PR−11))
赤色着色剤(PR−1)の製造で使用した3−アミノ−4−メトキシベンズアニリドのかわりに、3−アミノ−4−メチルベンズアミドを24.9部使用した以外は、赤色着色剤(PR−1)の製造と同様の操作を行い、アゾ顔料(A1−11)を80.0部(収率97%)得た。TOF−MSによる質量分析の結果、アゾ顔料(A1−11)であることを同定した。
次に、上記アゾ顔料(A1−11)を80部、塩化ナトリウム800部、およびジエチレングリコール90部をステンレス製1ガロンニーダー(井上製作所社製)に仕込み、60℃で6時間混練し、ソルトミリング処理した。得られた混練物を3リットルの温水に投入し、70℃に加熱しながら1時間撹拌してスラリー状とし、濾過、水洗を繰り返して塩化ナトリウムおよびジエチレングリコールを除いた後、80℃で一昼夜乾燥し、78部の赤色着色剤(PR−11)を得た。平均一次粒子径は50nmであった。
(赤色着色剤(PR−12))
赤色着色剤(PR−1)の製造で使用した3−アミノ−4−メトキシベンズアニリドのかわりに、3−アミノ−4−メトキシベンズ−(2’−クロロ−5’−トリフルオロメチル)アニリドを51.6部使用した以外は、赤色着色剤(PR−1)の製造と同様の操作を行い、アゾ顔料(A1−12)を80.0部(収率96%)得た。TOF−MSによる質量分析の結果、アゾ顔料(A1−12)であることを同定した。
次に、上記アゾ顔料(A1−12)を80部、塩化ナトリウム800部、およびジエチレングリコール90部をステンレス製1ガロンニーダー(井上製作所社製)に仕込み、60℃で6時間混練し、ソルトミリング処理した。得られた混練物を3リットルの温水に投入し、70℃に加熱しながら1時間撹拌してスラリー状とし、濾過、水洗を繰り返して塩化ナトリウムおよびジエチレングリコールを除いた後、80℃で一昼夜乾燥し、78部の赤色着色剤(PR−12)を得た。平均一次粒子径は38nmであった。
(赤色着色剤(PR−13))
赤色着色剤(PR−1)の製造で使用した化合物(A)のかわりに、3−アミノベンズトリフロリドを66.8部、および3−アミノ−4−メトキシベンズアニリドのかわりに、3−アミノ−4−メトキシベンズ−(3’−トリフルオロメチル)アニリドを46.5部使用した以外は、赤色着色剤(PR−1)の製造と同様の操作を行い、アゾ顔料(A1−13)を80.0部(収率95%)得た。TOF−MSによる質量分析の結果、アゾ顔料(A1−13)であることを同定した。
次に、上記アゾ顔料(A1−13)を80部、塩化ナトリウム800部、およびジエチレングリコール90部をステンレス製1ガロンニーダー(井上製作所社製)に仕込み、60℃で6時間混練し、ソルトミリング処理した。得られた混練物を3リットルの温水に投入し、70℃に加熱しながら1時間撹拌してスラリー状とし、濾過、水洗を繰り返して塩化ナトリウムおよびジエチレングリコールを除いた後、80℃で一昼夜乾燥し、78部の赤色着色剤(PR−13)を得た。平均一次粒子径は36nmであった。
(赤色着色剤(PR−14))
赤色着色剤(PR−1)の製造で使用した3−アミノ−4−メトキシベンズアニリドのかわりに、下記化合物(D)を44.7部使用した以外は、赤色着色剤(PR−1)の製造と同様の操作を行い、アゾ顔料(A1−14)を80.0部(収率95%)得た。TOF−MSによる質量分析の結果、アゾ顔料(A1−14)であることを同定した。
次に、上記アゾ顔料(A1−14)を80部、塩化ナトリウム800部、およびジエチレングリコール90部をステンレス製1ガロンニーダー(井上製作所社製)に仕込み、60℃で6時間混練し、ソルトミリング処理した。得られた混練物を3リットルの温水に投入し、70℃に加熱しながら1時間撹拌してスラリー状とし、濾過、水洗を繰り返して塩化ナトリウムおよびジエチレングリコールを除いた後、80℃で一昼夜乾燥し、78部の赤色着色剤(PR−14)を得た。平均一次粒子径は40nmであった。
(赤色着色剤(PR−15))
赤色着色剤(PR−1)の製造で使用した(A)のかわりに、3−アミノベンズトリフロリドを66.8部、および3−アミノ−4−メトキシベンズアニリドのかわりに、化合物(D)を44.7部使用した以外は、赤色着色剤(PR−1)の製造と同様の操作を行い、アゾ顔料(A1−15)を80.0部(収率97%)得た。TOF−MSによる質量分析の結果、アゾ顔料(A1−15)であることを同定した。
次に、上記アゾ顔料(A1−15)を80部、塩化ナトリウム800部、およびジエチレングリコール90部をステンレス製1ガロンニーダー(井上製作所社製)に仕込み、60℃で6時間混練し、ソルトミリング処理した。得られた混練物を3リットルの温水に投入し、70℃に加熱しながら1時間撹拌してスラリー状とし、濾過、水洗を繰り返して塩化ナトリウムおよびジエチレングリコールを除いた後、80℃で一昼夜乾燥し、78部の赤色着色剤(PR−15)を得た。平均一次粒子径は43nmであった。
(赤色着色剤(PR−16))
赤色着色剤(PR−1)の製造で使用した3−アミノ−4−メトキシベンズアニリドのかわりに、3−アミノ−N−メチルベンズアミドを27.0部使用した以外は、赤色着色剤(PR−1)の製造と同様の操作を行い、アゾ顔料(A1−16)を80.0部(収率97%)得た。TOF−MSによる質量分析の結果、アゾ顔料(A1−16)であることを同定した。
次に、上記アゾ顔料(A1−16)を80部、塩化ナトリウム800部、およびジエチレングリコール90部をステンレス製1ガロンニーダー(井上製作所社製)に仕込み、60℃で6時間混練し、ソルトミリング処理した。得られた混練物を3リットルの温水に投入し、70℃に加熱しながら1時間撹拌してスラリー状とし、濾過、水洗を繰り返して塩化ナトリウムおよびジエチレングリコールを除いた後、80℃で一昼夜乾燥し、78部の赤色着色剤(PR−16)を得た。平均一次粒子径は43nmであった。
(赤色着色剤(PR−17))
濃硫酸1200部に赤色着色剤(PR−1)の製造で得られたアゾ顔料(A1−1)を80部加えて、40℃、3時間撹拌した後、3℃の冷水24000部にこの硫酸溶液を注入した。生成した析出物をろ過、水洗した後、80℃で一昼夜乾燥し、78部の赤色着色剤(PR−17)を得た。平均一次粒子径は65nmであった。
(赤色着色剤(PR−18))
3−アミノ−4−メトキシベンズアニリド63.4部を水900部に分散させ、氷を加えて温度5℃に調整し、35%塩酸水溶液104.0部を加えて1時間攪拌後、亜硝酸ナトリウム19.9部を水50部に加えて調整した水溶液を添加して3時間攪拌した。スルファミン酸3.2部を加えて過剰の亜硝酸ナトリウムを消去した後、80%酢酸水溶液192部、25%水酸化ナトリウム水溶液210部、および水180部からなる水溶液を加えて、ジアゾニウム塩水溶液とした。
一方、N−[4−(アセチルアミノ)フェニル]−3−ヒドロキシ−2−ナフタレンカルボアミド88.4部、25%水酸化ナトリウム水溶液174.0部を水1500部に50℃で溶解させ、カップラー溶液とした。
このカップラー溶液を上記5℃のジアゾニウム塩水溶液に30分かけて注入し、カップリング反応を行った。この時のpHは4.5であった。3時間攪拌して、ジアゾニウム塩の消失を確認後、70℃に加熱し、濾過、水洗、および90℃で24時間乾燥させ、式(A2−1)で示されるナフトールアゾ顔料141部を得た。TOF−MSによる質量分析の結果、式(A2−1)のナフトールアゾ顔料であることを同定した。
続いて、ソルトミリング処理を行った。式(A2−1)で示されるナフトールアゾ顔料を100部、塩化ナトリウム1200部、およびジエチレングリコール120部をステンレス製1ガロンニーダー(井上製作所社製)に仕込み、60℃で6時間混練し、ソルトミリング処理した。得られた混練物を3リットルの温水に投入し、70℃に加熱しながら1時間撹拌してスラリー状とし、濾過、水洗を繰り返して塩化ナトリウムおよびジエチレングリコールを除いた後、80℃で一昼夜乾燥し、97部の微細化ナフトールアゾ顔料(PR−18)を得た。
(赤色着色剤(PR−19)
3−アミノ−4−メチルベンズアミド39.3部を水900部に分散させ、氷を加えて温度5℃に調整し、35%塩酸水溶液104.0部を加えて1時間撹拌後、亜硝酸ナトリウム19.9部を水50部に加えて調整した水溶液を添加して3時間撹拌した。スルファミン酸3.2部を加えて過剰の亜硝酸ナトリウムを消去した後、80%酢酸水溶液192部、25%水酸化ナトリウム水溶液210部、および水180部からなる水溶液を加えて、ジアゾニウム塩水溶液とした。一方、N−[4−(アセチルアミノ)フェニル]−3−ヒドロキシ−2−ナフタレンカルボアミド88.4部、25%水酸化ナトリウム水溶液174.0部を水1500部に50℃で溶解させ、カップラー溶液とした。
このカップラー溶液を上記5℃のジアゾニウム塩水溶液に30分かけて注入し、カップリング反応を行った。この時のpHは4.4であった。3時間撹拌して、ジアゾニウム塩の消失を確認後、70℃に加熱し、濾過、水洗、および90℃で24時間乾燥させ、式(A2−4)で表されるアゾ顔料118部を得た。TOF−MSによる質量分析の結果、式(A2−4)のアゾ顔料であることを同定した。
次に、式(A2−4)のアゾ顔料100部、塩化ナトリウム1200部、およびジエチレングリコール120部をステンレス製1ガロンニーダー(井上製作所社製)に仕込み、60℃で6時間混練し、ソルトミリング処理した。得られた混練物を3リットルの温水に投入し、70℃に加熱しながら1時間撹拌してスラリー状とし、濾過、水洗を繰り返して塩化ナトリウムおよびジエチレングリコールを除いた後、80℃で一昼夜乾燥し、98部の微細化ナフトールアゾ顔料(PR−19)を得た。平均一次粒子径は38nmであった。
(赤色着色剤(PR−20))
3−アミノ−4−メトキシベンズアミド43.5部を水900部に分散させ、氷を加えて温度5℃に調整し、35%塩酸水溶液104.0部を加えて1時間攪拌後、亜硝酸ナトリウム19.9部を水50部に加えて調整した水溶液を添加して3時間攪拌した。スルファミン酸3.2部を加えて過剰の亜硝酸ナトリウムを消去した後、80%酢酸水溶液192部、25%水酸化ナトリウム水溶液210部、および水180部からなる水溶液を加えて、ジアゾニウム塩水溶液とした。一方、N−[4−(アセチルアミノ)フェニル]−3−ヒドロキシ−2−ナフタレンカルボアミド88.4部、25%水酸化ナトリウム水溶液174.0部を水1500部に50℃で溶解させ、カップラー溶液とした。
このカップラー溶液を上記5℃のジアゾニウム塩水溶液に30分かけて注入し、カップリング反応を行った。この時のpHは4.4であった。3時間攪拌して、ジアゾニウム塩の消失を確認後、70℃に加熱し、濾過、水洗、および90℃で24時間乾燥させ、式(A2−3)で表されるアゾ顔料118部を得た。TOF−MSによる質量分析の結果、式(A2−3)のアゾ顔料であることを同定した。
次に、式(A2−3)のアゾ顔料100部、塩化ナトリウム1200部、およびジエチレングリコール120部をステンレス製1ガロンニーダー(井上製作所社製)に仕込み、60℃で6時間混練し、ソルトミリング処理した。得られた混練物を3リットルの温水に投入し、70℃に加熱しながら1時間撹拌してスラリー状とし、濾過、水洗を繰り返して塩化ナトリウムおよびジエチレングリコールを除いた後、80℃で一昼夜乾燥し、98部の微細化ナフトールアゾ顔料(PR−20)を得た。平均一次粒子径は38nmであった。
(赤色着色剤(PR−21))
下記化学式(11)のアミン化合物74.6部を水900部に分散させ、氷を加えて温度5℃に調整し、35%塩酸水溶液104.0部を加えて1時間攪拌後、亜硝酸ナトリウム19.9部を水50部に加えて調整した水溶液を添加して3時間攪拌した。スルファミン酸3.2部を加えて過剰の亜硝酸ナトリウムを消去した後、80%酢酸水溶液192部、25%水酸化ナトリウム水溶液210部、および水180部からなる水溶液を加えて、ジアゾニウム塩水溶液とした。一方、N−[4−(アセチルアミノ)フェニル]−3−ヒドロキシ−2−ナフタレンカルボアミド88.4部、25%水酸化ナトリウム水溶液174.0部を水1500部に50℃で溶解させ、カップラー溶液とした。
このカップラー溶液を上記5℃のジアゾニウム塩水溶液に30分かけて注入し、カップリング反応を行った。この時のpHは4.5であった。3時間攪拌して、ジアゾニウム塩の消失を確認後、70℃に加熱し、濾過、水洗、および90℃で24時間乾燥させ、式(A2−8)で示されるナフトールアゾ顔料145部を得た。TOF−MSによる質量分析の結果、式(A2−8)のナフトールアゾ顔料であることを同定した。
得られた式(A2−8)で示されるナフトールアゾ顔料を、ナフトールアゾ顔料(a−1)と同様のソルトミリング処理法で、微細化ナフトールアゾ顔料(a−12)を得た。平均一次粒子径は49nmであった。
化学式(11)
(赤色着色剤(PR−22))
市販のC.I.ピグメント レッド 269(平均一次粒子径は35nm)を使用した。
(赤色着色剤(PR−23))
3−アミノ−4−メトキシベンズアニリド66.1部を水1027部に分散させ、氷を加えて温度5℃に調整し、35%塩酸水溶液108.3部を加えて1時間撹拌後、亜硝酸ナトリウム19.9部を水50部に加えて調整した水溶液を添加して3時間撹拌した。スルファミン酸3.2部を加えて過剰の亜硝酸ナトリウムを消去した後、80%酢酸水溶液192部、25%水酸化ナトリウム水溶液210部、および水180部からなる水溶液を加えて、ジアゾニウム塩水溶液とした。一方、N−[4−アセチルアミノフェニル]−3−ヒドロキシ−2−ナフタレンカルボアミド70.7部、N−[4−(2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−ベンズイミダゾール−5−イル)]−3−ヒドロキシ−2−ナフタレンカルボアミド17.6部、25%水酸化ナトリウム水溶液174.0部をメタノール1500部に50℃で溶解させ、カップラー溶液とした。
このカップラー溶液を上記5℃のジアゾニウム塩水溶液に30分かけて注入し、カップリング反応を行った。この時のpHは4.2であった。3時間撹拌して、ジアゾニウム塩の消失を確認後、70℃に加熱し、濾過、水洗、および90℃で24時間乾燥させ、式(A2−1)で表わされるアゾ顔料と化学式(12)で表わされるアゾ顔料の混合物142部を得た。TOF−MSによる質量分析の結果、式(A2−1)及び化学式(12)のアゾ顔料の混合物の重量比は80.1:19.9であることを確認した。
次に、上記の反応によって得られた式(A2−1)及び化学式(12)のアゾ顔料の混合物100部、塩化ナトリウム1200部、およびジエチレングリコール120部をステンレス製1ガロンニーダー(井上製作所社製)に仕込み、60℃で6時間混練し、ソルトミリング処理した。得られた混練物を3リットルの温水に投入し、70℃に加熱しながら1時間撹拌してスラリー状とし、濾過、水洗を繰り返して塩化ナトリウムおよびジエチレングリコールを除いた後、80℃で一昼夜乾燥し、97部の微細化ナフトールアゾ顔料(PR−23)を得た。平均一次粒子径は35nmであった。
(赤色着色剤(PR−24))
3−アミノ−4−メトキシベンズアニリド66.1部を水1027部に分散させ、氷を加えて温度5℃に調整し、35%塩酸水溶液108.3部を加えて1時間撹拌撹拌後、亜硝酸ナトリウム19.9部を水50部に加えて調整した水溶液を添加して3時間撹拌撹拌した。スルファミン酸3.2部を加えて過剰の亜硝酸ナトリウムを消去した後、80%酢酸水溶液192部、25%水酸化ナトリウム水溶液210部、および水180部からなる水溶液を加えて、ジアゾニウム塩水溶液とした。一方、N−[5−クロロ−2−メトキシフェニル]−3−ヒドロキシ−2−ナフタレンカルボアミド72.4部、N−[4−(2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−ベンズイミダゾール−5−イル)]−3−ヒドロキシ−2−ナフタレンカルボアミド17.6部、25%水酸化ナトリウム水溶液174.0部をメタノール1500部に50℃で溶解させ、カップラー溶液とした。
このカップラー溶液を上記5℃のジアゾニウム塩水溶液に30分かけて注入し、カップリング反応を行った。この時のpHは4.3であった。3時間撹拌撹拌して、ジアゾニウム塩の消失を確認後、70℃に加熱し、濾過、水洗、および90℃で24時間乾燥させ、化学式(13)で表わされるアゾ顔料と化学式(12)で表わされるアゾ顔料の混合物143部を得た。TOF−MSによる質量分析の結果、化学式(13)及び化学式(12)のアゾ顔料の混合物の重量比は80.4:19.6であることを確認した。
次に、上記の反応によって得られた化学式(12)及び化学式(13)のアゾ顔料の混合物100部、塩化ナトリウム1200部、およびジエチレングリコール120部をステンレス製1ガロンニーダー(井上製作所社製)に仕込み、60℃で6時間混練し、ソルトミリング処理した。得られた混練物を3リットルの温水に投入し、70℃に加熱しながら1時間撹拌してスラリー状とし、濾過、水洗を繰り返して塩化ナトリウムおよびジエチレングリコールを除いた後、80℃で一昼夜乾燥し、96部の微細化ナフトールアゾ顔料(PR−24)を得た。平均一次粒子径は35nmであった。
(赤色着色剤(PR−25))
3−アミノ−4−メトキシベンズアニリド52.9部、化学式(14)のアミン化合物16.3部の混合物を水1027部に分散させ、氷を加えて温度5℃に調整し、35%塩酸水溶液108.3部を加えて1時間撹拌後、亜硝酸ナトリウム19.9部を水50部に加えて調製した水溶液を添加して3時間撹拌した。スルファミン酸3.2部を加えて過剰の亜硝酸ナトリウムを消去した後、80%酢酸水溶液192部、25%水酸化ナトリウム水溶液210部、及び水180部からなる水溶液を加えて、ジアゾニウム塩水溶液とした。一方、N−[4−アセチルアミノフェニル]−3−ヒドロキシ−2−ナフタレンカルボアミド88.4部、25%水酸化ナトリウム水溶液174.0部をメタノール1500部に50℃で溶解させ、カップラー溶液とした。
このカップラー溶液を上記5℃のジアゾニウム塩水溶液に30分かけて注入し、カップリング反応を行った。この時のpHは4.3であった。3時間撹拌して、ジアゾニウム塩の消失を確認後、70℃に加熱し、濾過、水洗、及び90℃で24時間乾燥させ、式(A2−1)で表されるアゾ顔料と化学式(A2−6)で表されるアゾ顔料の混合物141部を得た。TOF−MSによる質量分析の結果、式(A2−1)及び化学式(A2−6)のアゾ顔料の混合物の重量比が80.3:19.7であることを確認した。
次に、上記の反応によって得られた式(A2−1)及び化学式(15)のアゾ顔料の混合物100部、塩化ナトリウム1200部、及びジエチレングリコール120部をステンレス製1ガロンニーダー(井上製作所社製)に仕込み、60℃で6時間混練し、ソルトミリング処理した。得られた混練物を3リットルの温水に投入し、70℃に加熱しながら1時間撹拌してスラリー状とし、濾過、水洗を繰り返して塩化ナトリウム及びジエチレングリコールを除いた後、80℃で一昼夜乾燥し、97部の微細化ナフトールアゾ顔料(PR−25)を得た。平均一次粒子径は37nmであった。
(赤色着色剤(PR−26))
3−アミノ−4−メトキシベンズアニリド66.1部を水1027部に分散させ、氷を加えて温度5℃に調整し、35%塩酸水溶液108.3部を加えて1時間攪拌後、亜硝酸ナトリウム19.9部を水50部に加えて調整した水溶液を添加して3時間攪拌した。スルファミン酸3.2部を加えて過剰の亜硝酸ナトリウムを消去した後、80%酢酸水溶液192部、25%水酸化ナトリウム水溶液210部、および水180部からなる水溶液を加えて、ジアゾニウム塩水溶液とした。一方、N−[2−クロロ−5−トリフルオロメチルフェニル]−3−ヒドロキシ−2−ナフタレンカルボアミド80.7部、N−[4−(2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−ベンズイミダゾール−5−イル)]−3−ヒドロキシ−2−ナフタレンカルボアミド17.6部、25%水酸化ナトリウム水溶液174.0部をメタノール1500部に50℃で溶解させ、カップラー溶液とした。
このカップラー溶液を上記5℃のジアゾニウム塩水溶液に30分かけて注入し、カップリング反応を行った。この時のpHは4.4であった。3時間攪拌して、ジアゾニウム塩の消失を確認後、70℃に加熱し、濾過、水洗、および90℃で24時間乾燥させ、式(A1−1)で表されるアゾ顔料と化学式(12)で表わされるアゾ顔料の混合物158部を得た。TOF−MSによる質量分析の結果、式(A1−1)及び化学式(12)で表わされるアゾ顔料の混合物の重量比は82.1:17.9であることを確認した。
次に、上記の反応によって得られた式(A1−1)及び化学式(12)のアゾ顔料の混合物100部、塩化ナトリウム1200部、およびジエチレングリコール120部をステンレス製1ガロンニーダー(井上製作所社製)に仕込み、60℃で6時間混練し、ソルトミリング処理した。得られた混練物を3リットルの温水に投入し、70℃に加熱しながら1時間撹拌してスラリー状とし、濾過、水洗を繰り返して塩化ナトリウムおよびジエチレングリコールを除いた後、80℃で一昼夜乾燥し、98部の微細化ナフトールアゾ顔料(PR−26)を得た。平均一次粒子径は38nmであった。
(赤色着色剤(PR−27))
3−アミノ−4−メチルベンズアニリド61.7部を水1027部に分散させ、氷を加えて温度5℃に調整し、35%塩酸水溶液108.3部を加えて1時間攪拌後、亜硝酸ナトリウム19.9部を水50部に加えて調整した水溶液を添加して3時間攪拌した。スルファミン酸3.2部を加えて過剰の亜硝酸ナトリウムを消去した後、80%酢酸水溶液192部、25%水酸化ナトリウム水溶液210部、および水180部からなる水溶液を加えて、ジアゾニウム塩水溶液とした。一方、N−[2−クロロ−5−トリフルオロメチルフェニル]−3−ヒドロキシ−2−ナフタレンカルボアミド80.7部、N−[4−(2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−ベンズイミダゾール−5−イル)]−3−ヒドロキシ−2−ナフタレンカルボアミド17.6部、25%水酸化ナトリウム水溶液174.0部をメタノール1500部に50℃で溶解させ、カップラー溶液とした。
このカップラー溶液を上記5℃のジアゾニウム塩水溶液に30分かけて注入し、カップリング反応を行った。この時のpHは4.5であった。3時間攪拌して、ジアゾニウム塩の消失を確認後、70℃に加熱し、濾過、水洗、および90℃で24時間乾燥させ、式(A1−17)で表されるアゾ顔料と式(16)で表されるアゾ顔料の混合物149部を得た。TOF−MSによる質量分析の結果、式(A1−17)及び式(16)のアゾ顔料の混合物の重量比は82.1:17.9であることを確認した。
次に、上記の反応によって得られた式(A1−17)及び式(16)のアゾ顔料の混合物100部、塩化ナトリウム1200部、およびジエチレングリコール120部をステンレス製1ガロンニーダー(井上製作所社製)に仕込み、60℃で6時間混練し、ソルトミリング処理した。得られた混練物を3リットルの温水に投入し、70℃に加熱しながら1時間撹拌してスラリー状とし、濾過、水洗を繰り返して塩化ナトリウムおよびジエチレングリコールを除いた後、80℃で一昼夜乾燥し、97部の微細化ナフトールアゾ顔料(PR−27)を得た。平均一次粒子径は36nmであった。
(赤色着色剤(PR−28))
3―アミノ−4−メトキシベンズアニリド52.8部、化学式(14)のアミン化合物16.3部の混合物を水1027部に分散させ、氷を加えて温度5℃に調整し、35%塩酸水溶液108.3部を加えて1時間攪拌後、亜硝酸ナトリウム19.9部を水50部に加えて調整した水溶液を添加して3時間攪拌した。スルファミン酸3.2部を加えて過剰の亜硝酸ナトリウムを消去した後、80%酢酸水溶液192部、25%水酸化ナトリウム水溶液210部、および水180部からなる水溶液を加えて、ジアゾニウム塩水溶液とした。一方、N−[2−クロロ−5−トリフルオロメチルフェニル]−3−ヒドロキシ−2−ナフタレンカルボアミド100.9部、25%水酸化ナトリウム水溶液174.0部をメタノール1500部に50℃で溶解させ、カップラー溶液とした。
このカップラー溶液を上記5℃のジアゾニウム塩水溶液に30分かけて注入し、カップリング反応を行った。この時のpHは4.3であった。3時間攪拌して、ジアゾニウム塩の消失を確認後、70℃に加熱し、濾過、水洗、および90℃で24時間乾燥させ、式(A1−1)で表されるアゾ顔料と式(A1−14)で表されるアゾ顔料の混合物154部を得た。TOF−MSによる質量分析の結果、式(A1−1)及び式(A1−14)のアゾ顔料の混合物の重量比は76.5:23.5であることを確認した。
次に、上記の反応によって得られた式(A1−1)及び式(A1−14)のアゾ顔料の混合物100部、塩化ナトリウム1200部、およびジエチレングリコール120部をステンレス製1ガロンニーダー(井上製作所社製)に仕込み、60℃で6時間混練し、ソルトミリング処理した。得られた混練物を3リットルの温水に投入し、70℃に加熱しながら1時間撹拌してスラリー状とし、濾過、水洗を繰り返して塩化ナトリウムおよびジエチレングリコールを除いた後、80℃で一昼夜乾燥し、97部の微細化ナフトールアゾ顔料(PR−28)を得た。平均一次粒子径は34nmであった。
<その他の着色剤の製造方法>
(赤色着色剤(PR−29))
市販のC.I.ピグメントレッド254(PR254)(BASF社製「イルガフォアレッドB−CF」)100部、塩化ナトリウム1200部、およびジエチレングリコール120部をステンレス製1ガロンニーダー(井上製作所社製)に仕込み、60℃で6時間混練し、ソルトミリング処理した。得られた混練物を3リットルの温水に投入し、70℃に加熱しながら1時間撹拌してスラリー状とし、濾過、水洗を繰り返して塩化ナトリウムおよびジエチレングリコールを除いた後、80℃で一昼夜乾燥し、98部の赤色着色剤(PR−29)を得た。平均一次粒子径は33nmであった。
(赤色着色剤(PR−30))
C.I.ピグメントレッド254を、C.I.ピグメントレッド179(PR179)(BASF社製「パリオゲン マルーン L−3920」)に変更した以外は、赤色着色剤(PR−29)の製造と同様に行い、赤色着色剤(PR―30)97部を得た。平均一次粒子径は40.8nmであった。
(赤色着色剤(PR−31))
C.I.ピグメントレッド254を、C.I.ピグメントレッド177(PR177)(BASF社製「クロモフタルレッド A2B」)に変更した以外は、赤色着色剤(PR−29)の製造と同様に行い、赤色着色剤(PR―31)97部を得た。平均一次粒子径は27.6nmであった。
(赤色着色剤(PR−32))
C.I.ピグメントレッド254を、C.I.ピグメントレッド242(PR242)(クラリアント社製のSandorinScarlet4RF)に変更した以外は、赤色着色剤(PR−29)の製造と同様に行い、赤色着色剤(PR−32)97部を得た。平均一次粒子径は39nmであった。
(赤色着色剤(PR−33))
C.I.ピグメントレッド254を、C.I.ピグメントレッド176(PR176)(クラリアント社製「Novoperm Carmine HF3C」)に変更した以外は、赤色着色剤(PR−29)の製造と同様に行い、赤色着色剤(PR−33)97部を得た。平均一次粒子径は35nmであった。
(黄色着色剤(PY−1))
キノフタロン化合物(c)を原料として、特開2008−81566号公報に記載の合成方法に従い、化合物(1)を得た。
安息香酸メチル300部に、化合物(1)100部、テトラクロロ無水フタル酸108部、および安息香酸143部を加え、180℃に加熱し、4時間反応させた。TOF−MSにより、キノフタロン化合物(b)の生成、および原料の化合物(1)の消失を確認した。さらに、室温まで冷却後、反応混合物をアセトン3510部に投入し、室温下にて1時間攪拌した。生成物を濾別し、メタノール洗浄、および乾燥を行い、120部のキノフタロン化合物(b)を得た。TOF−MSによる質量分析の結果、キノフタロン化合物(b)であることを同定した。
続いて、得られたキノフタロン化合物(b)100部、塩化ナトリウム1200部、およびジエチレングリコール120部をステンレス製1ガロンニーダー(井上製作所社製)に仕込み、60℃で8時間混練した。次に、この混練物を温水に投入し、約70℃に加熱しながら1時間撹拌してスラリー状として、濾過、水洗を繰り返して塩化ナトリウムおよびジエチレングリコールを除いた後、80℃で一昼夜乾燥し、黄色着色剤(PY−1)98部を得た。平均一次粒子径は31.1nmであった。
(黄色着色剤(PY−2)
特開2008−81566号公報に記載の合成方法に従い、化合物(2)を得た。
安息香酸メチル300部に、化合物(2)100部、2,3−ナフタレンジカルボン酸無水物70部、および安息香酸143部を加え、180℃に加熱し、4時間反応させた。TOF−MSにより、キノフタロン化合物(a)の生成、および原料の化合物(2)の消失を確認した。さらに、室温まで冷却後、反応混合物をアセトン3130部に投入し、室温下にて1時間攪拌した。生成物を濾別し、メタノールにて洗浄、乾燥を行い、120部のキノフタロン化合物(a)を得た。TOF−MSによる質量分析の結果、キノフタロン化合物(a)であることを同定した。
次に、上記キノフタロン化合物(a)100部、塩化ナトリウム1200部、およびジエチレングリコール120部をステンレス製1ガロンニーダー(井上製作所社製)に仕込み、60℃で6時間混練し、ソルトミリング処理した。得られた混練物を3リットルの温水に投入し、70℃に加熱しながら1時間撹拌してスラリー状とし、濾過、水洗を繰り返して塩化ナトリウムおよびジエチレングリコールを除いた後、80℃で一昼夜乾燥し、98部の黄色着色剤2(PY−2)を得た。平均一次粒子径は31.3nmであった。
(黄色着色剤(PY−3)
安息香酸メチル200部に、8−アミノキナルジン40部、2,3−ナフタレンジカルボン酸無水物150部、安息香酸154部を加え、180℃に加熱し、4時間攪拌を行った。さらに、室温まで冷却後、反応混合物をアセトン5440部に投入し、室温下にて1時間攪拌した。生成物を濾別し、メタノール洗浄、および乾燥を行い、116部のキノフタロン化合物(c)を得た。TOF−MSによる質量分析の結果、キノフタロン化合物(c)であることを同定した。
続いて、得られたキノフタロン化合物(c)100部、塩化ナトリウム1200部、およびジエチレングリコール120部をステンレス製1ガロンニーダー(井上製作所社製)に仕込み、60℃で8時間混練した。次に、この混練物を温水に投入し、約70℃に加熱しながら1時間撹拌してスラリー状として、濾過、水洗を繰り返して塩化ナトリウムおよびジエチレングリコールを除いた後、80℃で一昼夜乾燥し、黄色着色剤3(PY−3)97部を得た。平均一次粒子径は34.1nmであった。
(黄色着色剤(PY−4))
C.I.ピグメントイエロー138(PY138)(BASF社製「パリオトールイエローK0960−HD」)100部、塩化ナトリウム700部、およびジエチレングリコール180部をステンレス製1ガロンニーダー(井上製作所製)に仕込み、80℃で6時間混練した。この混合物を温水2000部に投入し、80℃に加熱しながら1時間攪拌してスラリー状とし、濾過、水洗をくりかえして食塩および溶剤を除いた後、80℃で一昼夜乾燥し、95部の黄色着色剤(PY−4)を得た。平均一次粒子径は40.2nmであった。
(黄色着色剤(PY−5))
C.I.ピグメントイエロー138を、C.I.ピグメントイエロー139(PY139)(BASF社製「イルガフォアイエロー 2R−CF」)に変えた以外は、黄色着色剤(PY−4)の製造と同様に行い、黄色着色剤(PY−5)を得た。平均一次粒子径は40.2nmであった。
(黄色着色剤(PY−6))
C.I.ピグメントイエロー138を、C.I.ピグメントイエロー185(PY185)(BASF社製「パリオゲンイエロー D1155」)に変えた以外は、黄色着色剤(PY−4)の製造と同様に行い、黄色着色剤(PY−6)を得た。平均一次粒子径は40.2nmであった。
(橙色着色剤(DO−1))
市販のC.I.ピグメントオレンジ38(PO38)(クラリアント社製「Novoperm Red HF部」)100部、塩化ナトリウム1200部、およびジエチレングリコール120部をステンレス製1ガロンニーダー(井上製作所社製)に仕込み、60℃で6時間混練し、ソルトミリング処理した。得られた混練物を3リットルの温水に投入し、70℃に加熱しながら1時間撹拌してスラリー状とし、濾過、水洗を繰り返して塩化ナトリウムおよびジエチレングリコールを除いた後、80℃で一昼夜乾燥し、97部の橙色着色剤(PO−1)を得た。平均一次粒子径は39nmであった。
(橙色着色剤(DO−2))
C.I.ピグメントオレンジ38を、市販のC.I.ピグメントオレンジ43(PO43)(クラリアント社製「HOSTPERM ORANGE GR」)に変えた以外は、橙色着色剤(PO−1)の製造と同様に行い、橙色着色剤(PO−2)を得た。平均一次粒子径は42nmであった。
(橙色着色剤(DO−3))
C.I.ピグメントオレンジ38を、C.I.ピグメントオレンジ64(PO64)(BASF社製「Cromophtal Orange K 2960」)に変えた以外は、橙色着色剤(PO−1)の製造と同様に行い、橙色着色剤(PO−3)を得た。平均一次粒子径は38nmであった。
(緑色着色剤(PG−1))
フタロシアニン系緑色顔料C.I.ピグメントグリーン7(PG7)(トーヨーカラー株式会社製「リオノールグリーン YS−07」)200部、塩化ナトリウム1400部、およびジエチレングリコール360部をステンレス製1ガロンニーダー(井上製作所製)に仕込み、120℃で4時間混練した。次に、この混練物を5リットルの温水に投入し、70℃に加熱しながら1時間攪拌してスラリー状とし、濾過、水洗を繰り返して塩化ナトリウム及びジエチレングリコールを除いた後、80℃で一昼夜乾燥し、490部の緑色着色剤(PG−1)を得た。平均一次粒子径は55.3nmであった。
(青色着色剤(PB−1))
C.I.ピグメントブルー15:6(PB15:6)(トーヨーカラー社製「リオノールブルーES」)100部、粉砕した食塩800部、およびジエチレングリコール100部をステンレス製1ガロンニーダー(井上製作所製)に仕込み、70℃で12時間混練した。この混合物を温水3000部に投入し、70℃に加熱しながら1時間攪拌してスラリー状とし、濾過、水洗をくりかえして食塩および溶剤を除いた後、80℃で一昼夜乾燥し、98部の青色着色剤(PB−1)を得た。平均一次粒子径は28.3nmであった。
(紫色着色剤(PV−1))
C.I.ピグメントバイオレット23(PV23)(クラリアント社製「Fast Violet RL」)120部、粉砕した食塩1600部、およびジエチレングリコール100部をステンレス製1ガロンニーダー(井上製作所製)に仕込み、90℃で18時間混練した。この混合物を温水5000部に投入し、70℃に加熱しながら1時間攪拌してスラリー状とし、濾過、水洗をくりかえして食塩および溶剤を除いた後、80℃で一昼夜乾燥し、118部の紫色着色剤(PV−1)を得た。平均一次粒子径は26.4nmであった。
<着色剤分散体の製造方法>
(着色剤分散体(DR−1))
下記の混合物を均一になるように攪拌混合した後、直径0.5mmのジルコニアビーズを用いて、アイガーミル(アイガージャパン社製「ミニモデルM−250 MKII」)で5時間分散した後、5.0μmのフィルタで濾過し着色剤分散体(DR−1)を作製した。

赤色着色剤(PR−1) :12.0部
(アゾ顔料 式(A1−1))
樹脂型分散剤 : 1.0部
(BASF社製「EFKA4300」)
アクリル樹脂溶液1 :35.0部
溶剤 :52.0部
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMAC)
(着色剤分散体(DR−2〜33、DY−1〜6、DO−1〜3、DG−1、DB−1、DV−1))
表5、および表6に示す組成(重量部)の混合物に変更した以外は、着色剤分散体(DR−1)と同様にして、着色組成物(DR−1〜3)、(DY−1〜6)、(DG―1)、(DB−1)、及び(DV−1)を作製した。















なお、表5、6中、EFKA4300、BYK−LPN6919、およびPGMACは以下のものである。EFKA4300:BASF社製;BYK−LPN6919:ビックケミー社製;PGMAC:プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート
<感光性緑色着色組成物、感光性青色着色組成物の製造方法>
(感光性緑色着色組成物(RG−1))
下記組成の混合物を均一になるように撹拌混合した後、1.0μmのフィルタで濾過し、感光性緑色着色組成物(RG−1)を作製した。

着色剤分散体(DG−1) :45.1部
(C.I.ピグメントグリーン7(PG7))
着色剤分散体(DY−6) :21.6部
(C.I.ピグメントイエロー185(PY185))
アクリル樹脂溶液2 : 4.3部
光重合性単量体 : 4.2部
(東亞合成社製「アロニックスM402」)
光重合開始剤 : 1.2部
(BASF社製「イルガキュアー907」)
増感剤 : 0.4部
(保土谷化学社製「EAB−F」)
溶剤 :23.2部
(プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMAC))
(感光性青色着色組成物(RB−1))
下記組成の混合物を均一になるように撹拌混合した後、1.0μmのフィルタで濾過し、感光性青色着色組成物(RB−1)を作製した。

着色剤分散体(DB−1) :24.6部
(C.I.ピグメントブルー15:6(PB15:6))
着色剤分散体(DV−1) :12.9部
(C.I.ピグメントバイオレット23(PV23))
アクリル樹脂溶液2 :23.0部
光重合性単量体 : 2.1部
(東亞合成社製「アロニックスM402」)
光重合開始剤 : 0.6部
(BASF社製「イルガキュアー907」)
増感剤 : 0.2部
(保土谷化学社製「EAB−F」)
溶剤 :36.6部
(プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMAC))
<有機EL表示装置用赤色着色組成物の作製>
[実施例1]
(感光性赤色着色組成物(RR−1))
下記の混合物を均一になるように攪拌混合した後、1.0μmのフィルタで濾過し感光性着色組成物(RR−1)を作製した。

着色剤分散体(DR−1) :46.4部
(アゾ顔料 式(A1−1))
着色剤分散体(DY−1) :20.3部
(キノフタロン化合物(b))
アクリル樹脂溶液2 : 4.3部
光重合単量体 : 4.2部
(東亞合成社製「アロニックスM402」)
光重合開始剤 : 1.2部
(BASF社製「OXE−02」)
増感剤 : 0.4部
(保土谷化学社製「EAB−F」)
溶剤 :23.2部
(プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMAC))
[実施例2〜89、比較例1〜6]
(感光性着色組成物(RR−2〜95)
以下、着色組成物、アクリル樹脂溶液、光重合性単量体、光重合開始剤、増感剤、溶剤を表7、8に示す種類、および配合量(重量部)に変更した以外は感光性赤着色組成物(RR−1)と同様にして、感光性赤色着色組成物(RR−2〜95)を作製した。また、表7〜9記載の光重合単量体は東亜合成社製の「アロニックスM402」を用い、増感剤は保土谷化学社製の「EAB−F」を用いた。
表7〜9の略語について下記に記す。
《オキシムエステル系光重合開始剤[B1]》
・オキシムエステル系光重合開始剤(B1−1):1,2−オクタンジオン,1−[4−(フェニルチオ)フェニル−,2−(O−ベンゾイルオキシム)]
(BASF社製「IRGACURE OXE−01」)
・オキシムエステル系光重合開始剤(B1−2):下記化学式(4−2)の構造の化合物
化学式(4−2)

・オキシムエステル系光重合開始剤(B1−3):エタノン,1−[9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]−,1−(O−アセチルオキシム)
(BASF社製「IRGACURE OXE 02」)
・オキシムエステル系光重合開始剤(B1−4):下記化学式(5a−2)の構造の化合物
化学式(5a−2)

・オキシムエステル系光重合開始剤(B1−5):下記化学式(5b−1)の構造の化合物
化学式(5b−1)

・オキシムエステル系光重合開始剤(B1−6):下記化学式(5b−2)の構造の化合物
化学式(5b−2)

・オキシムエステル系光重合開始剤(B1−7):下記化学式(5b−3)の構造の化合物
化学式(5b−3)

・オキシムエステル系光重合開始剤(B1−8):下記化学式(5b−4)の構造の化合物
化学式(5b−4)
《その他の光重合開始剤》
・光重合開始剤(B2−1):−(ジメチルアミノ)−2−[(4−メチルフェニル)メチル]−1−[4−(4−モルホリニル)フェニル]−1−ブタノン
(BASF社製「IRGACURE 379」)
・光重合開始剤(B2−2):2−メチル−1−(4−メチルチオフェニル)−2−モルフォリノプロパン−1−オン
(BASF社製「IRGACURE 907」)
[感光性赤色着色組成物の評価]
実施例および比較例で得られた感光性赤色着色組成物の色特性および膜厚の評価を下記の方法で行った。表10〜12に評価結果を示す。
<フィルタセグメントの形成>
ガラス基板上にブラックマトリクスをパターン加工し、該基板上にスピンコーターで表8に示す着色組成物を用いて光源として有機EL素子(EL−1)において、表8記載のx、yの値になるような膜厚にそれぞれ塗布し、着色組成物の被膜を形成した。該被膜にフォトマスクを介して、超高圧水銀ランプを用いて150mJ/cm2の紫外線を照射した。次いで炭酸ナトリウム0.15重量% 炭酸水素ナトリウム0.05重量% 陰イオン系界面活性剤(花王社製「ペリレックスNBL」)0.1重量%及び水99.7重量%からなるアルカリ現像液によりスプレー現像して未露光部分を取り除いた後、イオン交換水で洗浄し、この基板を230℃で20分加熱して、表10、11に示す赤色フィルタセグメントを形成した。
<色特性・膜厚評価>
得られた赤色フィルタセグメントに、光源として有機EL素子1(EL−1)を用いて光を照射したときの赤色フィルタセグメントの色特性(x、y、Y)を顕微分光光度計(オリンパス光学社製「OSP−SP100」)を用いて測定した。
膜厚については表面形状測定器DEKTAK150(アルバックイーエス社製)を用いて測定した。

本発明の一般式(1)で表されるアゾ顔料[A]とオキシムエステル系光重合開始剤[C]を含有する感光性着色組成物は、フィルタセグメントが高い明度Yを示しながら、かつ膜厚3.0μm以下という実用的な範囲内で形成することが可能であった。
<有機EL表示装置用カラーフィルタの作製>
[実施例90]
(カラーフィルタ(CF−1))
感光性赤色着色組成物(RR−1)を用い、実施例1の赤色フィルタセグメントと同様の方法により形成した赤色フィルタセグメントと、光源として有機EL素子(EL−1)を用い、緑色フィルタセグメントは、感光性緑色着色組成物(RG−1)を用いてx=0.200、y=0.700の色度に合うようにし、青色フィルタセグメントは、感光性青色着色組成物(RB−1)を用いてx=0.140、y=0.080の色度に合うよう塗布を行い、カラーフィルタ(CF−1)を得た。
[実施例91〜94、比較例7]
(カラーフィルタ(CF−2〜6))
感光性赤色着色組成物(RR−1)の変わりに、表10〜12に記載した感光性赤色着色組成物を用いた以外は、実施例90(カラーフィルタ(CF−1))と同様にして、(カラーフィルタ(CF−2〜6)を得た。
<カラーフィルタの評価>
実施例および比較例で作製したカラーフィルタに有機EL素子1(EL−1)を用いて光を照射したときのカラーフィルタの色特性を顕微分光光度計(オリンパス光学社製「OSP−SP100」)を用いて測定した。各色フィルタセグメントのCIE表色系における色度点(x、y)、NTSC比(アメリカNational Television System Committee(NTSC)により定められた標準方式の3原色、赤(0.67,0.33)、緑(0.21,0.71)、青(0.14,0.08)により囲まれる面積に対する比率)、白色表示の明度(Y値)を表13に示す。
一般式(1)で表されるアゾ顔料[A]を含有する赤色着色組成物によって形成された赤色フィルタセグメントを含むカラーフィルタ(CF−1〜5)は、高い白色表示の明度を維持しながら、NTSC比99%という広い色再現性を示していることが確認できた。

Claims (10)

  1. 下記一般式(1)で表されるアゾ顔料[A]を含む着色剤、バインダー樹脂、光重合性単量体、およびオキシムエステル系化合物[B1]を含む光重合開始剤[B]を含有する有機EL表示装置用赤色着色組成物。
    [一般式(1)中、Aは、水素原子、ベンズイミダゾロン基、置換基を有してもよいフェニル基または置換基を有してもよい複素環基を表す。R1は、水素原子、ハロゲン原子、トリフルオロメチル基、炭素数1〜4のアルキル基、−OR7または−COOR8を表す。R2〜R6は、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、トリフルオロメチル基、炭素数1〜4のアルキル基、−OR9、−COOR10、−CONHR11、−NHCOR12または−SO2NHR13を表す。R7〜R13は、それぞれ独立して、水素原子または炭素数1〜4のアルキル基を表す。
    ただし、R4が−NHCOR12であり、A、R2、R3、R5、およびR6が水素原子、かつR1がハロゲン原子の場合は除く。]
  2. 少なくとも波長430nm〜485nmの範囲と波長560nm〜620nmの範囲とに発光強度が極大となるピーク波長(λ1)、(λ2)を有し、波長λ1における発光強度I1と波長λ2における発光強度I2の比(I2/I1)が、0.4以上0.9以下である発光スペクトルを有する白色有機EL光源を用いて測定された、着色膜のXYZ表色系における色度座標が、x≧0.640、かつ0.300≦y≦0.360の場合に、着色膜の膜厚が3.0μm未満になることを特徴とする請求項1記載の有機EL表示装置用赤色着色組成物。
  3. 着色剤が、さらにC.I.ピグメントイエロー139、および下記一般式(2)で表されるキノフタロン化合物から選ばれる少なくとも1種類の顔料を含有することを特徴とする請求項1または2記載の有機EL表示装置用赤色着色組成物。
    [一般式(2)中、X1〜X13は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、置換基を有しても良いアルキル基、置換基を有しても良いアルコキシル基、置換基を有しても良いアリール基、−SO3H基、−COOH基、−SO3H基もしくは−COOH基の金属塩、−SO3H基もしくは−COOH基のアルキルアンモニウム塩、置換基を有しても良いフタルイミドメチル基、または置換基を有しても良いスルファモイル基を示す。X1〜X4、および/または、X10〜X13の隣接した基は、一体となって、置換基を有してもよい芳香環を形成する。]
  4. 着色剤が、さらにC.I.ピグメントオレンジ38、C.I.ピグメントオレンジ43、およびC.I.ピグメントオレンジ64から選択される少なくとも1種類の顔料を含有することを特徴とする請求項1〜3いずれか記載の有機EL表示装置用赤色着色組成物。
  5. 着色剤が、さらにC.I.ピグメントレッド179を含有することを特徴とする請求項1〜4いずれか記載の有機EL表示装置用赤色着色組成物。
  6. オキシムエステル系化合物[B1]が、カルバゾール基を有することを特徴とする請求項1〜5いずれか1項記載の有機EL表示装置用赤色着色組成物。
  7. 少なくとも1つの赤色フィルタセグメント、少なくとも1つの緑色フィルタセグメントおよび少なくとも1つの青色フィルタセグメントを備える有機EL表示装置用カラーフィルタにおいて、少なくとも1つの赤色フィルタセグメントが、請求項1〜6いずれか記載の有機EL表示装置用赤色着色組成物により形成されてなる有機EL表示装置用カラーフィルタ。
  8. 少なくとも波長430nm〜485nmの範囲と波長560nm〜620nmの範囲に発光強度が極大となるピーク波長(λ1)、(λ2)を有し、波長λ1における発光強度I1と波長λ2における発光強度I2の比(I2/I1)が、0.4以上0.9以下である分光特性をもつ白色有機EL光源を用いた場合に、着色膜のXYZ表色系における色度座標をそれぞれ(xR,yR)、(xG,yG)、(xB,yB)としたとき、これらの3点で囲まれる三角形の面積が、赤(0.67,0.33)、緑(0.21,0.71)、青(0.14,0.08)により囲まれる面積に対して75%以上であることを特徴とする請求項7記載の有機EL表示装置用カラーフィルタ。
  9. 請求項7または8記載の有機EL表示装置用カラーフィルタと、白色有機EL光源とを具備することを特徴とする有機EL表示装置。
  10. 白色有機EL光源が、少なくとも波長430nm〜485nmの範囲と波長560nm〜620nmの範囲とに発光強度が極大となるピーク波長(λ1)、(λ2)を有し、波長λ1における発光強度I1と波長λ2における発光強度I2の比(I2/I1)が、0.4以上0.9以下である発光スペクトルを有することを特徴とする請求項10記載の有機EL表示装置。
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