JP2010260858A - 芳香族アミンの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】式Iの芳香族アミンを、反応器中、固定床または実質的な固定床として配置された触媒を用いて気相中、式IIのニトロ芳香族化合物を水素化することにより製造する方法を提供する。
【解決手段】反応器中の触媒が少なくとも部分的に、連続的に、もしくは周期的な間隔で交換され、その際、
触媒を連続的に交換する場合には、水素化の開始からそのつど20日間の期間内に、
および
触媒を周期的な間隔で交換する場合には、そのつどの運転期間の開始から20日間以内に
触媒の少なくとも10%が交換される。
【選択図】図1

Description

本発明は、反応器中、固定床または実質的な固定床として配置された触媒を用いて気相中、水素によりニトロ芳香族化合物を芳香族アミンへと水素化するための方法であって、反応器中の触媒が、少なくとも部分的に、連続的に、または周期的な間隔で、20日間以内に触媒の少なくとも10%が交換される方法に関する。
芳香族アミンは、安価に、かつ大量に入手可能でなくてはならない重要な中間生成物である。特にアニリンは、ジフェニルメタン系列のジイソシアネートおよびポリイソシアネート(以下ではMDIと略す)の製造における中間生成物として極めて重要である:
従来技術によれば、MDIは、相応するジアミンおよびポリアミンから、一般にはホスゲン化によって得られる。ジフェニルメタン系列のジアミンおよびポリアミン(以下ではMDAと略す)は、アニリンとホルムアルデヒドとの反応により製造される。アニリンは通常、ニトロベンゼンの水素化により大工業的規模で製造される。ニトロベンゼンは、ベンゼンのニトロ化により得られるので、全プロセス連鎖は、簡単には以下のとおりに示すことができる:
商業的に入手可能なベンゼンは、その由来に依存して、程度の差はあれ不純物を含有している。一般的な不純物は、他の芳香族化合物、特にトルエンおよびキシレンであり、これらは目下の純度のベンゼン中にはそれぞれ0.05質量%までの量で含有されていてよい。ベンゼンのその他の典型的な不純物は非芳香族有機化合物であり、これは合計して0.07質量%までの量であってもよい。ここでは特に、シクロヘキサン(0.03質量%まで)およびメチルシクロヘキサン(0.02質量%まで)を挙げることができる。上記の不純物は上記の濃度で、MDIプロセス連鎖のその後の工程において、全く妨げとならないか、またはわずかに妨げになるにすぎず、たとえばニトロベンゼンプロセスにおいて、ベンゼン中の非芳香族有機物質に基づいて廃水および排気を生じることにより、最小限の困難性を生じるのみである。従って、MDIプロセス連鎖において使用するためのベンゼン高価な精製は不相応であり、省略することができる。ジフェニルメタン系列のジイソシアネートおよびポリイソシアネートの工業的な重要性は高いので、ニトロベンゼンからアニリンへの水素化のためには極めて高い容量を有する設備を建築しなくてはならない。
ニトロ芳香族化合物の水素化は、極めて発熱性の反応である。従ってニトロキシレンからキシリジンへの水素化では、たとえば200℃で約488kJ モル-1が放出され、ニトロベンゼンからアニリンへの水素化では、約544kJ モル-1が放出される。この反応熱の除去および利用は、ニトロ芳香族化合物の水素化のためのプロセスの実施において、環境学的な側面からも、経済的な側面からも重要な点である。
従って、確立された手順では、触媒は熱安定化された流動床として運転される(DE−B−1114820)。この手順における熱の効率的な除去は、不均一な滞留時間の分布(ニトロベンゼンのブレークスルー)および触媒の摩耗による問題に直面する。特許文献であるDE−B−1133394はさらに、加圧下での手順も教示しており、その結果として触媒の寿命が延長されると記載されている。流動床を用いた比較的最近のアプローチ(WO2008/034770A1)は、流動床を水平に配置された複数のセルと垂直に配置された複数のセルに分割するバッフルを備えた反応器を記載しており、その結果、物質移動、ひいては変換率が改善されると記載されている。しかしこれによって当然のことながら反応器の構成は著しく複雑なものとなる。
触媒の狭い滞留時間分布および低い摩耗率は、原則として、水素化プロセスの間、バルク触媒が固定されている反応器中で実現することができるが、これを以下では固定床とよぶ。
2種類の固定床反応器がしばしば使用される。つまり、一方では管束式反応器であり、これは触媒床のサーモスタット制御のための冷却循環を有している(いわゆる「等温法」、たとえばDE−OS2201528を参照)。さらに、単純な支持用格子および/または金属スクリーンの上またはこれらの間にバルク触媒を有するのみで、反応器中の熱経済のためのシステムを有していない、つまり触媒床のサーモスタット制御のための手段、たとえば熱媒油による管理手段が完全に省略されている反応器構造が存在する。このタイプの反応器中では、反応エンタルピーは原料と生成物の気体流との間の、回避することができない熱損失までの温度差において定量的に反映される(いわゆる「断熱法」)。以下に両方の方法からの例を共に従来技術を記載する。
GB1452466は、ニトロベンゼンの水素化法に関するものであり、ここでは断熱反応器が等温反応器の下流に接続されている。この方法では、ニトロベンゼンの大部分が、サーモスタット制御されている管束式反応器中で反応する。断熱反応器中では、ニトロベンゼンの残りの分の水素化のみが、比較的小さい水素過剰(30:1未満)で実施される。
DE−OS1809711は、有利には反応器の直接上流のくびれた部分での、自動化による高温ガス流への液状ニトロ化合物の均質な導入に関するものである。この反応器の構成はDE−OS1809711では議論されていない。
DE−OS3636984は、ニトロ化による相応する炭化水素からのニトロ芳香族化合物およびジニトロ芳香族化合物の結合された製造とその後のこれらの化合物の水素化を記載している。水素化は気相中、176℃〜343.5℃の温度で気相中で実施される。実質的に2つの反応器からなり、これらの反応器が原料の中間冷却および中間供給と共に直列に接続されている気相水素化のための装置が記載されているが、その大きさおよび構造は議論されていない。
上記の刊行物では、銅触媒が低い負荷率で運転されており、かつ低い温度レベルが使用されているが、結果として空時収率は低い。
記載されている銅触媒に加えて、多数のその他の、ニトロ芳香族化合物の気相水素化のための接触触媒が記載されている。これらは多くの刊行物に記載されており、かつ水素化活性元素としてPd、Pt、Ru、Fe、Co、Ni、Mn、Re、Cr、Mo、V、Pb、Ti、Sn、Dy、Zn、Cd、Ba、Cu、Ag、Auおよびこれらの化合物を含んでおり、いくつかの場合には、酸化物、硫化物またはセレン化物、およびラネー合金の形のもの、および担体、たとえばAl23、Fe23/Al23、SiO2、ケイ酸塩、活性炭、TiO2、Cr23上に担持されたものである。
DE−A−2244401およびDE−A−2849002は、酸化アルミニウム担体上のパラジウム触媒を記載しており、これらは固定されたバルク触媒として標準圧力下に熱交換管中で1gニトロ芳香族化合物/[ml触媒・h]よりも低い負荷下に低い水素/ニトロベンゼン比で運転される。
DE4039026A1は、グラファイト担体上のパラジウム触媒を記載しており、この触媒は酸化アルミニウム上のパラジウム触媒と同様の条件下で運転される。これらの全ての変法において、生じた大量の反応熱を工業的な反応器から、熱伝達システムを介して除去しなくてはならない。
DE19651688A1は、芳香族アミンの製造に関するものであり、ここでは芳香族ニトロ化合物による触媒の比負荷率は、連続的に、または段階的に5.0kgニトロ化合物/(l触媒・h)の値まで増大され、その結果として、高い空時収率が達成されている。特別な実施態様では、バルク触媒は不活性充填物により希釈され、場合により活性勾配を有する。この出願は、比較的低い水素過剰率でサーモスタット制御されている反応器中での水素化を記載している。しかし負荷率における連続的な、または段階的な増大、およびバルク触媒の希釈の肯定的な効果は、特定の反応器のタイプの結果ではなく、また水素過剰率の結果でもない。従ってDE19651688A1からの教示は、高い水素過剰率を用いる断熱法にも適用することができる。
特許EP0696573B1、EP0696574B1、EP0748789B1、EP0748790B1およびEP1882681A1は、純粋に断熱条件下で実施される方法に関する。
EP0696574B1は、ニトロ芳香族化合物および水素からなる気体混合物が、断熱条件下に触媒を通過する、芳香族アミンの製造方法をごく一般的に記載している。特許EP0696573B1、EP0748789B1、EP0748790B1およびEP1882681A1に記載の方法では、それぞれの場合において種々のパラメータを変更することによって一定の利点が達成されている。
EP0696573B1は、反応させるべきニトロ芳香族化合物を、反応の間に形成された大量の芳香族アミンおよび大量の水と共に、ならびに水素と共に触媒を通過させる場合の特に高い選択率という利点を記載している。この方法では、それぞれの触媒体積中のニトロ基1モルあたり少なくとも2モルのアミノ基および4モルの水が存在している。記載されている触媒はEP0696574B1におけるものと同じである。この方法の欠点は、原則として実際の反応にとって可欠である大量の化合物、つまりは水およびアミンを連続的に循環させなくてはならないことである。特に形成されるアミン、つまり方法の有価生成物を少なくとも2当量一定して循環することは大きな欠点である。とうのも、製造されるアミンはこのことにより複数回、激しく熱にさらされるからである。
特許EP0748789B1およびEP0748790B1は、単に特定の触媒系を使用することによって利点が達成されることを記載している:
●>1.5〜≦7質量%のパラジウム含有率を有する、グラファイトまたはグラファイト含有コークス上のパラジウム触媒(EP0748789B1)。この利点は、それ以前に記載されていた全ての触媒と比較して著しく長い寿命である。高いパラジウム濃度と否定しがたい関連性を有する触媒の著しく高いコストは、この方法の欠点である。この特許は、大規模な工業的使用のために必要とされる大量のパラジウムの高い触媒コストは、この長い寿命によって相殺することができるかについて論じていない。
●>0.001〜7質量%のパラジウム含有率を有するグラファイトまたはグラファイト含有コークス上のパラジウム・鉛触媒(EP748790B1)。この利点は、鉛が添加されていない同様の触媒と比較して選択率が高いことである。この特許に記載されている全ての実施例において、パラジウムを2質量%含有する触媒が使用されているので、この場合も同様に高い触媒コストという欠点が挙げられる。
特許出願EP1882681A1は、水素化の開始時に著量の水をすでに含有しており、ごく少量の、循環ガス流に由来して形成される芳香族アミンを含有している原料気体流により達成される利点を記載している。このようにして寿命における改善が達成されている。この出願はまた、窒素を供給することにより選択率が改善されることを教示している。この方法は依然として欠点も有している。つまり製造が、触媒の再生のために規則的な間隔で中断されなくてはならないのである。このことと否定しがたい関連性を有する製造の損失に加えて、そのつどの新たな製造サイクルが低レベルの選択率で開始されるという事実に、さらなる、そしてより深刻な欠点が見られる。>99%という選択率の値は、著量の窒素を供給する場合にのみ、すでに短時間の後に達成されるが(EP1882681A1、第10頁、段落[0081])、これは高いコストを生じる。窒素を完全に省略することにより後処理は困難になる。というのも、プロセスに由来する粗製アミンの品質は、これらの条件下での広範な種類のサイクルの対象だからである。
上記の刊行物は、製造サイクルの全運転時間にわたって、できる限りわずかな変更のみで、できる限り高いレベルの選択率を達成するという問題に関するものではないか、あるいは単に高価で、ひいては不経済的な解決手段、たとえばEP1882681A1の教示である、水素化の開始時に極めて大量の窒素を供給するという手段を提供しているにすぎない。
選択率における一般的な改善および触媒の寿命の延長は、原則として、DE4207905A1(第6頁、第61行目以降)に教示されているように、触媒床が、該触媒床を原料ガスが垂直に流れる平坦な層として配置されている(いわゆるラジアルフロー型反応器)ことによって達成することができる。この出願は、サーモスタット制御されている反応器を記載している。ニトロ芳香族化合物の水素化のための断熱運転される固定床法(EP0696574B1および選択特許)は、当然のことながらラジアルフロー型反応器で実施することができる。しかしこのような方法のみでは選択率における広い周期的な変動は防止されない。
選択率における顕著な周期的変動は、原則として触媒の活性(ひいては一般に選択率も)が製造サイクルの開始時に、製造サイクルの終了時と著しく異なっている場合には常に問題になる。本発明の文脈では、「活性」とは触媒ができる限り長く、かつできる限り完全にニトロ芳香族化合物と反応することができる性能を意味すると理解される。製造サイクルの開始時に触媒は最も高い活性と最も低い選択性を有している。次いで製造サイクルの過程で活性は、たとえば触媒活性金属の緩慢なコークス化および/または焼結の結果として低下し、選択性は増大する。変換率がもはや認容できない値まで低下したら、製造を中断し、触媒を再生する。次いで次の製造サイクルにおいて触媒は最初から新鮮な触媒と同じか、または少なくとも同等の状態で存在している、つまり高い活性と低い選択性と有している。こうして触媒は、それぞれの製造サイクルにおいて幅広い老化プロセスを通過する。従って触媒床の所定の増分体積における触媒の選択率の、運転時間への依存性は、極めて高く、かつ所定の時点で測定される瞬間選択率は、全製造サイクルにわたる平均選択率とは著しく異なりうる。これらの記載から、選択率における広い変動の問題は、製造サイクルが終了した後で、意識的に「不十分に(less well)」、つまりたとえば最大の活性の意味で最適であろうよりよりも短い時間および/または低い温度で再生することによって低減することができる。この結果、次の製造サイクルにおける水素化の開始時に、固定床反応器中に存在する触媒が、同じ触媒系の新鮮な触媒とは異なった特性を有しており、そのため寿命は犠牲になるが、完全に(最大の活性の意味で)再生された触媒を用いるよりも開始時からより良好な選択性を達成することができる。これらの再生条件によって選択率の向上と、寿命の低下の間の認容可能な妥協が可能になるが、しかし経費の増大が要求される。
触媒の再生の結果としての製造プロセスの中断は、原則として回避することができ、従って選択率における幅広い周期的な変動の問題は、使用された触媒を除去し、かつ新鮮な、もしくは再生された触媒を連続的に、もしくは周期的に供給する場合には、少なくとも程度の差はあれ低減することができる。このことは実際、特許明細書のDE−B−1114820(第2欄、第31〜35行目)で、またCN−A−101016247ですでに言及されているように、流動床法による芳香族ニトロ化合物の水素化において原則として可能である。しかし、このプロセス手順の上記の根本的な問題は解消されない。
さらに、製造プロセスを中断することなく触媒の交換が可能であり、触媒が流動されるのではなく、重力下に適切なスルースシステムを通って「流れる(flow)」反応器(いわゆる「移動床反応器(migrating bed reactor)」が存在する。このタイプの反応器では、バルク触媒が反応の間に移動することができる、つまり上記のような固定床システムにおけるような完全に固定されているとはみなされない。触媒はそれにもかかわらず、バルク触媒の形であり、流動しない。この固定されたバルク触媒(固定床)と、流動触媒床、つまり永続的に流動モーションに維持される触媒床(流動床)との間の中間的な位置を、以下では実質的に固定されている(移動床)とよぶ。
このような反応器の機能化の基本的なモードは、すでに久しく知られている。気相法のために適切な方法は、すでに1930年代に記載されている(US−A−1982099およびUS−A−1995293を参照のこと)。移動床反応器は今日、多数の特許出願が示しているように、特に石油化学産業で使用されている。これらは炭化水素のための、しばしば水素も用いる精製法である。
たとえばUS−A−3647680は、リホーミング再生法の連続的な運転法を記載しており、ここでは炭化水素および水素の混合物が移動触媒床(いわゆる「ラジアルフロー型移動床反応器(radial migrating bed reactor)」を通って流れ、かつ使用された触媒は、再生して、中断されることなくプロセスに返送することができる。
US−A−4133743は同様に、ラジアルフロー型移動床反応器中での炭化水素と水素との反応に関するものである。芳香族炭化水素を生じる水素改質法および反応が明記されている。少なくとも2つの反応器が直列に接続され、1つの反応器から除去される触媒は次の反応器に供給される。触媒の再生は、最後の反応器の後で行われるのみである。この方法により、プロセスを中断する必要なしに、比較的一定した触媒活性を確立することができる。
US−A−4188283は、オレフィン材料の水素化法のための始動法を記載しているが、これは供給流の確立と、触媒の除去量または割合の問題である。
CN−A−1454970は、触媒の粘着/接着、および温度のより均一な軸方向での分布の問題に関するものである。水素は不足状態で使用される(H2:炭化水素のモル比=1:3)。
CN−A−1333084は、触媒の輸送を平均的にならすための触媒床の下部への付加的なバッフル板の組み込みを記載している。
US−A−2006/0063957は、プロピレンの製造のためのラジアルフロー型移動床反応器の使用を記載している。移動触媒床内での反応性の違いは、除去される触媒を部分的に再生し、これを再生されていない触媒との混合物に返送することによってのみ低減される。
さらに、1の反応器内に多数の反応帯域を有する移動床反応器(いわゆる「多段式反応器(multiple-stage reactor)」も公知である。たとえばUS−A−3706536およびEP−A−0154492を参照のこと。
極端な反応エンタルピーで反応、たとえば芳香族ニトロ化合物の水素化を実施することは、移動床反応器に関して記載した出願の対象ではない。極めて高い発熱反応もしくは吸熱反応は、移動床反応器中で制御することが容易でなく、まさに固定床システムの場合のように、熱の移動を制御可能なものにするアプローチがなかったわけではない。
従って、US2006/0122446A1は、高い反応エンタルピーでの反応のための移動触媒床を有する特殊なアキシャルフロー型またはラジアルフロー型反応器を記載している。ここに記載されている反応器は、2つの反応帯域に分割されており、この2つの帯域の間での反応性における違いは、新鮮な、または再生された触媒をそれぞれの帯域の前に添加混合することによって平均化される。従って反応器の構造は比較的複雑である。さらに、特定の実施態様では、一体化された熱交換器がこの2つの反応帯域の間に設けられており、このことから、極めて高い発熱特性の反応の場合には、サーモスタット制御は、省略することができないことが導き出せる。反応器のサーモスタット制御は、生産規模が極めて大きい場合には、固定床システム中ですでに問題になりうる。移動床システムでは、この出願が示しているように、反応器のサーモスタット制御は全く不可能であるが、しかし固定床システムにおけるよりも複雑である。
US2006/0115387A1では、一体化された熱交換器が全ての実施態様において設けられている。
DE−B−1114820 DE−B−1133394 WO2008/034770A1 DE−OS2201528 GB1.452.466 DE−OS1809711 DE−OS3636984 DE−A−2244401 DE−A−2849002 DE4039026A1 DE19651688A1 EP0696573B1 EP0696574B1 EP0748789B1 EP0748790B1 EP1882681A1 EP0696574B1 DE4207905A1 CN−A−101016247 US−A−1982099 US−A−1995293 US−A−3647680 US−A−4133743 US−A−4188283 CN−A−1454970 CN−A−1333084 US−A−2006/0063957 US−A−3706536 EP−A−0154492 US2006/0122446A1 US2006/0115387A1
従って本発明の課題は、わずかな変更を加えるだけで、粗製アミンを極めて高い選択性で製造することができる芳香族アミンの製造方法を提供することであった。
上記の課題は固定床または実質的な固定床で配置された触媒を用いて気相中、ニトロ芳香族化合物を芳香族アミンへ水素化するための方法であって、使用された触媒の少なくとも一部を連続的に、または周期的に交換することによって、ごくわずかな変更で、関与する触媒の活性を、水素化法において所定の時点で積極的に調整することによって、高い選択率で芳香族アミンを形成することができる方法によって解決された。有利な実施態様では、関与する触媒の活性は積極的に水素化において、および所望の芳香族アミンを形成する選択率は全水素化プロセスの間、狭い範囲に維持される。
本発明は、反応器中に固定床として、または実質的な固定床として配置された触媒を用いて気相中、水素により、式
[式中、R1およびR2は、相互に無関係に水素、メチルまたはエチルを表し、その際、R1は、さらにアミノを表す]の芳香族アミンを、式
[式中、R2およびR3は、相互に無関係に水素、メチルまたはエチルを表し、その際、R3は、さらにニトロを表す]のニトロ芳香族化合物を水素化することにより製造する方法において、反応器中の触媒が、少なくとも部分的に、連続的に、もしくは周期的な間隔で、触媒の少なくとも10%が20日以内に交換されることを特徴とする、式Iの芳香族アミンの製造方法に関する。
本発明は、特に式
[式中、R1およびR2は、相互に無関係に水素、メチルまたはエチルを表し、その際、R1は、さらにアミノを表す]の芳香族アミンを、式
[式中、R2およびR3は、相互に無関係に水素、メチルまたはエチルを表し、その際、R3は、さらにニトロを表す]のニトロ芳香族化合物を、反応器中、固定床または実質的な固定床として配置された触媒を用いて気相中、水素で水素化することにより製造する方法であって、反応器中の触媒が、少なくとも部分的に、連続的に、もしくは周期的な間隔で交換され、その際、
触媒を連続的に交換する場合には、水素化の開始からそのつど20日間の期間内に、
および
触媒を周期的な間隔で交換する場合には、そのつどの運転期間(運転期間とは、反応器の最初の充填を含む、少なくとも2回の触媒交換操作の間の時間の期間をいう)の開始から20日間以内に
触媒の少なくとも10%が交換されることを特徴とする芳香族アミンの製造方法に関する。
本発明の文脈で、「連続的に、触媒の少なくとも一部を交換」とは、触媒が反応器から永続的に排出され、かつ供給される触媒によって交換されることを意味すると理解する。この方法で、反応器の全運転時間は、それぞれ20日の区間に分割され、かつそれぞれの場合において、触媒の少なくとも10%がこれらの区間のそれぞれにおいて交換される。触媒の連続的な交換と、水素化法の連続的な運転とを区別しなくてはならない。
本発明の文脈で、「周期的な間隔で触媒を少なくとも部分的に交換」とは、水素化の開始から遅くても20日で、触媒の少なくとも10%を初めて交換し、次いでふたたび、この触媒の交換後、遅くとも20日後に触媒を交換する等を意味すると理解される。
この文脈で、「触媒の少なくとも10%」という記載は、固定床または実質的な固定床で配置された触媒の全質量に対する「質量%」と、「固定床または実質的な固定床で配置された触媒の全バルク体積に対するバルク体積%」の両方を意味することができる。この文脈で、触媒の10%〜100%、有利には20%〜90%、特に有利には30%〜80%、およびとりわけ有利には50%〜70%が交換される。
方法の有利な実施態様では、反応器から除去される触媒は、触媒を交換した後に、その活性が、少なくとも24時間、有利には少なくとも12時間、特に有利には少なくとも6時間、およびとりわけ有利には少なくとも3時間で、触媒を交換する前の最後の運転期間における平均選択率の少なくとも99.0%、有利には少なくとも99.5%、および特に有利には少なくとも99.9%の瞬間選択率が達成される触媒によって交換される。運転期間とは、そのつど2回、触媒を交換する運転の間の時間を意味するものと理解される。
本発明による方法にとって有利なニトロ芳香族化合物は、式
[式中、R3は、上記の意味を有する]の化合物である。ニトロベンゼン(R3=H)は、ニトロ芳香族化合物として特に有利である。
ニトロ芳香族化合物の計量は、DE−OS−1809711に記載されているとおりに実施することができるが、ニトロ芳香族化合物は有利には新鮮な水素中で完全に気化され、次いで気体状の形で循環ガス流に導入される。この方法の利点は、反応器および供給ライン中での堆積物の形成の著しい低減である。気化は、従来技術によれば、公知の蒸発器、たとえば流下薄膜式、上昇管式、射出式、薄膜式、循環式およびらせん管式の蒸発器中で実施することができる。気化の後にミストの回収を行ってもよく、これは原則的に公知である。原料ガス流は、公知の方法で適切な供給および分配手段によって、および/または混合装置によって循環流に混合される。
さらに、1成分または2成分ノズルを用いた液状のニトロ芳香族化合物の、新鮮な水素または循環しているガス/水素流への噴霧が可能であり、原料ガス流が熱交換器中で過熱された後に合されることが可能である。
噴霧処理の場合は特に、平坦な触媒層の上流に、この層への流れの方向で不活性材料の追加の層を設置することが有利であることが判明した。このことは、噴霧の間に使用されたニトロ化合物の気化されていない液滴が堆積し、さらに気化され、次いで触媒層と接触することができるという利点を有する。触媒はこのようにしても芳香族ニトロ化合物中に存在する不純物、たとえば高沸点の有機二次成分または塩から保護される。たとえば不活性材料として、スチールウール構造の充填材または低BET表面積のバルク酸化アルミニウムも可能である。後者の場合には、粒径は有利には、触媒粒子自体と比較して1.5〜100倍大きい。使用される粒子は場合により、酸化触媒、有利にはバナジウムの酸化物によって含浸されていてもよい。有利な実施態様では、不活性材料の追加の層は、水素化プロセスを中断しないで交換することができるように配置されている。
本発明による方法は、原則として所望の反応器形状寸法および処理で使用することができる。特に経済的であり、そのため有利な実施態様では、全水素化プロセスの間、触媒の活性が平均して、ニトロ芳香族化合物の変換率が、いずれの時点でも(しかるべき場合には水素化の開始時の始動段階および理想的な運転サイクルにおける短い外乱を除く)99.9000%を下回らないように保持される。
これは有利には、触媒が反応器中で1もしくは複数の実質的な固定触媒床の形で配置されている方法であって、
(i)触媒床は反応器中で、1もしくは複数の規則的な形状の平坦な触媒層の形で配置されている(該触媒層を流れて通過するガスの均一な滞留時間分布はこれにより有利に確保される)、
(ii)平坦な触媒層からの触媒の除去および平坦な触媒層への触媒の供給は、水素化プロセスを中断することなく連続的に、または周期的な間隔で実施される、
(iii)ニトロ基1モルあたり、水素を3モル〜150モル含有する気体混合物が、1の平坦な触媒層へ、または直列に接続された複数の平坦な触媒層へ流れる、
(iv)水素化を1バール〜50バールの絶対圧下に150℃〜400℃の使用される気体混合物の全温度および600℃の最大触媒温度で断熱条件下で実施する、
(v)水素化で得られた反応混合物から水素を分離し、かつこうして得られた水素を水素化へ返送する
方法によって達成される。
本発明による方法のこの有利な実施態様は、特に水素化プロセスを中断する必要なく触媒の供給および除去を連続的に、または周期的な間隔で実施することができる点で優れている(これを本発明では移動床とよぶ)。
本発明による方法のこの有利な実施態様、つまり「移動床の変法」では、反応器中の触媒の一部のみが、所定の時点での水素化プロセスにおいて積極的に関与する、つまり触媒作用を発揮する(図1aの3b)。この、まさに所定の時点で水素化プロセスに積極的に関与する触媒のみが、規則的な形状の平坦な層として配置されている。水素化プロセスで積極的に関与した触媒の一定の割合が、これらの規則的な形状の平坦な層から連続的に、または周期的に、有利には周期的に除去され、かつ供給される触媒によって交換される。除去される触媒の量、交換頻度および供給される触媒の性質は、有利にはこの文脈では、ニトロ芳香族化合物の変換率が、しかるべき場合には水素化の開始時の始動段階および理想的な運転サイクルにおける短時間の外乱を除いて、いずれの時点でも99.9000%を下回ることなく、有利には99.9900%を、特に有利には99.9990%を下回ることがないように選択される。従って水素化プロセスは、本発明による方法のこの実施態様では、たとえば法律で定められたメンテナンスおよび検査に基づいて製造プロセスを中断することが回避できない場合を除いて、完全に連続的に運転することができる。この実施態様では、「水素化の開始時」という表現は相応して反応器の最初の始動およびこのような中断の後の再開に関する。
本発明による方法の移動床の変法の特に有利な実施態様では、原料ガス混合物の流れの方向への平坦な触媒層の長さ(LE)は、触媒排出の方向への長さ(LC)よりも小さい。LEはここで1cm〜100cm未満、有利には2cm〜50cm未満、および特に有利には5cm〜25cm未満である。この実施態様でLCは常にLEよりも大きく、かつ有利には20mを超えず、特に有利には10mを超えず、かつとりわけ有利には5mを超えない。触媒の流れの方向および原料ガス混合物の流れの方向は、有利には図1aおよび1bに示されているように、互いに垂直である。±20%の範囲での理想的な正確な角度からの逸脱も可能である。
平坦な触媒層は有利にはガス透過性の壁の間に設置されている。これらはここで有利にはそれぞれの場合において、2つの金属製格子であるか、または中空円筒形のスクリーンであり、これらの間に触媒は配置されている。気体の均一な分布のための技術的な装置はさらに、触媒層の上流、下流、または上流と下流とに設置されていてもよい。これらは、たとえば穿孔板、バブルトレイ、バルブトレイ、またはその他の、十分に高い均一な圧力損失を生じることによりバルク触媒への気体の均一な導入の効果を有する、設置された部材であってよい。(この適用では、「触媒層の上流」および「触媒層の下流」という記載は、常に原料ガスの流れの方向に関するものである。)
本発明による方法では、平坦な触媒層は、1つの反応器中に配置されていても、複数の反応器中に配置されていてもよい。本発明による方法では、反応器は1の触媒層または複数の触媒層を含有していてよい。従って1の触媒層を有する複数の反応器は複数の触媒層を有するより少ない数の反応器により代えられてもよい。
反応器中の複数の触媒層は、上下に重ねて配置されていても、横並びで配置されていてもよい。いずれの場合でも全ての触媒層が有利には触媒の添加および除去のための装置を備えている。複数の触媒層が反応器中で上下に配置されている場合には、上部の触媒層に反応器の外部から触媒を装入し、他方、残りの触媒層は有利には次に高い位置に存在する触媒層から除去された触媒が装入される。複数の触媒層が反応器中で横並びに配置されている場合には、それぞれが有利には反応器の外部からの触媒を装入される。
複数の反応器を使用する場合には、これらは直列または並列で配置されていてもよい。
有利には少なくとも1の反応器が本発明による方法では断熱で運転される。この文脈で、このような反応器は10未満、特に有利には5未満、とりわけ有利には3未満が直列に接続されている。直列に接続された反応器のそれぞれは、複数の接続された並列によって代えられてもよい。この文脈で、有利には5未満、特に有利には3未満、とりわけ有利には2未満の反応器が並列に接続される。従って本発明による方法は有利には50以下かつ1以上の反応器からなる。
反応器中の触媒層の数は、有利には1〜10、特に有利には1〜5、およびとりわけ有利には1〜3である。
図1aおよび1bは、本発明による方法を実施するために適切な反応器を図面の形で示している。スルース装置および類似の部材は明瞭性の理由で省略した。図1aは、縦軸方向での断面図を示しており、図1bは、図1aと同じ反応器の横方向での断面図を示している。符号は以下のものを示す:
(1)反応器
(2)原料供給部(灰色の矢印は気体混合物の流れを示す)
(3a)水素化プロセスに供給することができる触媒
(3b)水素化プロセスに積極的に関与し、かつ平坦な形の層として配置された触媒
(3c)反応器のスルースを介して除去することができる触媒
(4)気体透過性の壁
(5)生成物出口
(6)触媒供給部(黒色の←は触媒の流れの方向を示す)
(7)触媒出口
E 原料ガス流の方向(流れの方向)での平坦な触媒層の長さ
C 触媒排出の方向での平坦な触媒層の長さ
記載の実施態様では、気体混合物はまず外側から触媒層を通過して内側へ流れ、次いで上向きに流れて反応器から排出される。気体を案内するための他の可能性は(たとえば内側から外側、および次いで上向きに、または内側から外側、および次いで下向きに、または外側から内側、および次いで下向きに)、同様に考えられる。
気体混合物は有利には均質化されている。つまりたとえばスタチックミキサー中で触媒層を用いた水素化の開始前に混合される。ニトロ基1モルあたり、有利に3モル〜150モル、特に有利には6モル〜125モル、とりわけ有利には12モル〜100モル、殊には50モル〜90モルの水素を含有する気体混合物が、平坦な触媒層へ流れるか、または直列に接続された複数の平坦な触媒層の第一の層に流れる。有利な実施態様では原料ガス混合物は、さらにニトロ基1モルあたり、0.01モル〜100モル、特に有利には3モル〜50モル、とりわけ有利には4モル〜25モルの水も含有している。原料ガス流中の水の存在は、有利であることが判明した。というのも、コーキングによる触媒の失活を遅らせ、その結果として、交換の頻度を低減することが可能になるからである。水分子は、触媒の表面上の遊離中心のための有機分子と競合し、その結果として有機分子の滞留時間が低減され、かつ失活プロセスの速度が低減される。
反応器に導入される気体混合物は150℃〜400℃の有利な入口温度、特に有利には200℃〜300℃、およびとりわけ有利には220℃〜280℃を有している。芳香族ニトロ化合物の水素化の高い発熱特性により、触媒層中で、温度における断熱ジャンプが生じる。方法パラメータは、触媒層中で、有利には600℃までの温度を超えないように、好ましくは550℃までの温度を超えないように、および特に有利には500℃までの温度を超えないように選択する。
水素化は有利には1バール〜50バール、特に有利には2バール〜20バール、およびとりわけ有利には2バール〜10バールの絶対圧下に実施する。
有利な実施態様では、触媒層を離れた後に反応混合物はまず冷却されて蒸気を生じる(有利には水蒸気)。このために、1もしくは複数の熱交換器を通過する。これらの熱交換器は、当業者に公知の熱交換器、たとえば管束式、プレート式、環状の溝、らせん形フローまたはリブ型管式熱交換器であってよい。反応混合物が更なる触媒層も通過する場合には、この冷却は形成される芳香族アミンが凝縮されることなく、有利には次の触媒層の入口温度へと冷却される。有利には最後の触媒層を通過した後に初めて気体混合物も凝縮により反応混合物から芳香族アミンを除去することができる程度に冷却される。この実施態様で、次いで3モル〜150モルの水素および場合により0.01モル〜100モルの水を含有する気体混合物が第一の触媒層のみを流れる。先行する触媒層から得られ、かつ場合によりたとえば新鮮な水素および新鮮なニトロ芳香族化合物により処理された気体混合物は、次いですでに次の触媒層へと流れる。しかし、個々の成分を排出するか、または触媒層の間に別の、もしくは更なる成分を供給することも可能である。
直列に接続された複数の反応器の場合、芳香族アミンは最後の反応器の後のみでなく、それぞれの反応器の後でも凝縮によって分離され、3〜150モルの水素および0.01〜100モルの水を含有する気体混合物は有利にはそれぞれの反応器に流れる。
水素の循環は有利には、反応混合物の凝縮可能な成分を分離した後の処理により実施され、水素および場合により不活性ガス(有利には窒素)および場合により水蒸気は、水素化プロセスに返送される。
循環ガス流は有利には、反応器および熱交換器の流れ抵抗を補償し、かつ循環ガスの流量を制御するために、1もしくは複数の圧縮機を通過する。圧縮機は単純な公知の装置(たとえば液体リングポンプ、回転ブロワ、ターボブロワ、またはターボ圧縮機)であってよい。というのも、圧力損失は、反応器の構造によって小さく維持することができるからである。ドライ・ラン圧縮機が有利に使用される。
有利には循環ガスはふたたび第一の触媒層の直接上流で熱交換器を用いて150℃〜400℃の入口温度にされる。この上流または下流、有利には下流で、ニトロ芳香族化合物および新鮮な水素が上記のとおりに計量され、かつ水および不活性ガスが場合により供給される。
方法の特に経済的な変法では、気体状で得られる反応水は有利には不完全に凝縮され、かつ残留する水蒸気は、残りの循環ガスと一緒に返送されるので、外部からの水の添加は省略することができる。
凝縮液は有利には液相の分離のための技術的な装置へ送られ、水相および有機相は別々に後処理される。水相から得られる芳香族アミンは、有機相の後処理に供給される。後処理操作は公知の方法で蒸留により、または蒸気を用いたストリッピングにより実施される。本発明による方法の利点に基づいて(高いレベルでの均一な選択率)、後処理はその他の方法と比較して簡単である。
使用することができる触媒は、原則としてニトロ化合物の気相水素化のためにこれまで記載された全ての接触触媒である。移動床反応器の有利な実施態様では、さらに使用される触媒の形態および機械的抵抗性によって触媒の連続的な、または周期的な供給および除去が可能であることが重要である。このような触媒は、たとえば上記の元素を、合金として、または混合酸化物として、および場合により不活性担体材料上に含有する。可能な担体材料は、特にα−Al23およびγ−Al23、SiO2、TiO2、Fe23/Al23混合物およびCuO/Cr23混合物である。しかし、その他の担体も原則として使用することができる。
原則として、担体材料は任意の形状を有していてよい。移動床反応器の有利な実施態様では、さらに材料が易流動性であることが確保されることが重要である。形態が実質的に球形である担体材料が有利に使用される。本発明による方法で使用することができる担体の球の直径は、0.01mm〜10mm、有利には0.1mmおよび8mm、特に有利には0.5mmおよび4mm、およびとりわけ有利には1mm〜2mmである。
移動床反応器の有利な実施態様では、担体材料の耐摩耗性が極めて重要である。従って、破断力が平均して30N以上、有利には60N以上、特に有利には80N以上、およびとりわけ有利には90N以上(DIN EN ISO 604による測定、2003年12月版、破断力の値は、個々の球体を少なくとも100回測定した平均値である)の担体材料が本発明による方法では有利に使用される。
本発明による方法では、担体材料のBET表面積は、同様に極めて重要である。というのも、極めて高いBET表面積の担体上の触媒は、副生成物の形成を増加する傾向があるからである。従って、BET表面積が50m2/g未満、有利には25m2/g未満、特に有利には13m2/g未満、およびとりわけ有利には7m2/gの担体材料が特に有利に使用される。
特に有利な担体材料は、7m2/g未満のBET表面積および90N以上の破断力を有するα−酸化アルミニウムの球体である。
以下の活性物質クラスが担体材料上に有利に堆積される:
(a)元素の周期律表の8〜12族の1もしくは複数の金属1〜100g/l触媒(周期律表の記号はここで、および以下では1986年のIUPACの推奨によるものである)、および
(b)4〜7族および12族の1もしくは複数の遷移金属0.01〜100g/l触媒、および場合により
(c)13〜15族の1もしくは複数の主族の元素0.01〜100g/l触媒。
従って12族の元素は、場合により活性物質(a)および(b)として作用する。有利な活性物質は、金属(a)としてPd、遷移金属(b)としてTi、V、Nb、Ta、Cr、Mo、W、Re、および主族元素(c)としてGa、Pb、Biである。
活性物質は有利にはそれらの可溶性の塩の形で担体上に施与され、かつ成分あたり複数の処理(含浸)が必要でありうる。
さらに、上記の触媒を、硫黄含有、またはリン含有、有利にはリン含有化合物によって付加的にドープすることが有利であることが判明した。このような付加的なドープ剤の含有率は、化学的に結合した形の硫黄またはリン、有利にはリンを、触媒の全質量に対して、有利には0.001〜2質量%、好ましくは0.01〜1質量%である。本発明による触媒をドープするために挙げられる有利なリン含有化合物は、亜リン酸の酸素酸H3PO4、H3PO3、H3PO2またはこれらのアルカリ金属塩、たとえばリン酸二水素ナトリウム、リン酸ナトリウムもしくはリン酸カリウム、または次亜塩素酸ナトリウムである。可能な硫黄含有化合物は有利には硫黄の酸素酸であり、硫酸のアルカリ金属塩が特に有利である。
適切な触媒は、たとえばDE−OS2849002またはEP1882681A1に記載されている。しかし、DE−OS2849002に記載の塩基による前処理は全く不要である。
本発明による方法における触媒の負荷は、極めて高くてもよく、有利には0.1gニトロ芳香族化合物/[ml触媒・h]〜20gニトロ芳香族化合物/[ml触媒・h]まで、特に有利には15gニトロ芳香族化合物/[ml触媒・h]まで、とりわけ有利には10gニトロ芳香族化合物/[ml触媒・h]まで、および殊には5gニトロ芳香族化合物/[ml触媒・h]までである。複数の触媒層の場合には、負荷はバルク層毎に異なっていてよい。しかし有利には負荷は、全ての触媒層において、0.1gニトロ芳香族化合物/[ml触媒・h]〜20gニトロ芳香族化合物/[ml触媒・h]までの範囲である。従って、本発明による方法は、高い空時収率によって優れている。
移動床法としての有利な実施態様では、本発明による方法によって運転中の水素化プロセスを中断する必要無しに触媒を除去および供給することが可能になる。
この場合、触媒の除去は有利には
− 触媒層を通過する原料ガスの均一な流れが保証される、かつ/または
− 触媒層中での原料ガスの滞留時間分布が極めて狭い、かつ/または
− 狭い滞留時間分布と共に、触媒の均一な輸送が達成される、かつ/または
− デッドスペース領域、つまり原料ガス流が通過する領域内のバルク触媒の休止もしくは再循環領域が回避される、かつ/または
− 摩耗を回避するために、できる限り可能な、触媒の機械的に穏やかな輸送が達成される
処理により実施される。
このために、触媒は有利には回収容器または回収領域に導入され、かつここから適切な計量排出装置によって中央で排出される。可能な排出装置は、セルラー・ホイールスルース(cellular wheel sluice)、サイクル運転される、適切な閉鎖装置を有する二重弁システム、たとえばボール弁、バタフライ弁、またはゲート弁、速度制御された、もしくは速度調整されたスクリュー式コンベア、振動式流路などである。
反応空間から、反応器へ直接にフランジ接続されていてもよい回収領域への輸送は、全ての反応領域を通過する固体の均一な輸送を保証するために、その形状においてできる限り対称形でなくてはならない。
反応から回収容器への輸送は、平坦な触媒層の周端に沿った1もしくは複数の管の列としてできる限り等間隔に、かつ同じ勾配角度ならびに同じ管長さで対称的に回収容器の入口領域に配置された管によって行われてもよい。管は反応器の上で、原料ガスが流れる触媒層の下に、反応器の下部において管開口部の間の触媒の輸送のデッドスペース領域を通過する原料ガスの流れが回避されるように十分な間隔で配置される。これらの触媒を輸送するためのデッドスペースは、場合により個々の管の流入領域の円すい形の領域によって、および/または反応器下部に相応して据え付けられた部材によって最小化される。
原料ガスの反応器内部への流入または生成物ガスの反応器内部からの流出は、場合により、反応器の下側でも行われる。この場合、管による触媒の除去の変法は有利である。というのも、ガスはこの場合、触媒回収管の間に配置された1もしくは複数のガス管によって案内されうるからである。
触媒の供給は有利には、
− 触媒層を通過する原料ガスの均一な流れが保証される、かつ/または
− 触媒層中での原料ガスの滞留時間分布が極めて狭い、かつ/または
− 狭い滞留時間分布と共に、触媒の均一な輸送が達成される、かつ/または
− デッドスペース領域、つまり原料ガス流が通過する領域内のバルク触媒の休止もしくは再循環領域が回避される、かつ/または
− 摩耗を回避するために、できる限り可能な、触媒の機械的に穏やかな輸送が達成される
処理によって実施される。
このために、触媒は有利には平坦な触媒層の周端の分配容器によって分配される。供給はたとえばバルク材料の特性に適合した勾配角度、特に触媒粒子のスリップ角および安息角を有する円すい形に設置された部材によって対称的であるべきである。
分配容器から平坦な触媒層への輸送は、分配容器に同心円状に配置され、触媒層の周端に沿って等間隔の1もしくは複数の管の列において開放された管によって行うこともできる。この勾配角および個々の管の管長さは一致すべきである。
反応空間の触媒の流入領域は、有利には原料ガスが通過する領域中に触媒層が十分な高さを有し、かつバルク触媒上のガス空間を介した原料ガスの通過が困難になるような長さで構成されている。これは、ガスが通過する触媒層の厚さと比較して、バルク触媒を通過する流路が長いことによって達成される。
個々の管を介した供給は、原料の反応器内部への供給ラインまたは生成物ガスの反応器内部からの除去ラインが、反応器の上側の配置されている場合には特に適切である。この場合、ガスは触媒供給管の間に配置されていてもよい1もしくは複数のガス管によって案内される。
ガスが流れる領域内での触媒の案内は、有利には
− 薄く、平坦な触媒層を通過するガスの均一な流れが狭い滞留時間分布で達成され、かつ/または
− 触媒が均一に、かつできる限りわずかな機械的負荷で輸送されるように
行う。
このために、平坦な触媒層の内側および外側のジャケットはその構造において気体透過性であり、たとえば穿孔されたシート金属、多孔質材料、メンブランまたは有利には触媒の流れの方向に配置された溝を有する溝付きスクリーンであるか、または触媒側にその他の平滑な構造を有する。
触媒のための可能な輸送ガスは、たとえば水素、水素と不活性ガスとの混合物、または不活性ガスである。有利な不活性ガスは窒素である。
気体は有利には0.1m/s〜20m/s、特に有利には0.5m/s〜10m/s、および特に有利には1m/s〜3m/sの速度で通過する。気体速度は一般に、湾曲した、円形の触媒層の横断面の変化により、および反応帯域中のガスの温度および組成の変化により、一定していない。
除去された触媒(触媒排出物)は有利にはストリッピング段階を通過し、ここで反応ガスはウェッジおよび触媒担体粒子から除去される。ストリッピングは流通している不活性ガス、有利には窒素により実施される。
触媒の摩耗の結果として生じるダストは、適切な装置、たとえばふるい、シフター、サイクロンまたはフィルターにより連続的に、または周期的に分離し、かつプロセスから排出して廃棄処理することができる。
排出される触媒は、排出される触媒の全質量に対して、有利には1%〜100%、好ましくは70%〜100%、特に有利には90%〜100%の割合で再循環される。
反応器に返送される前に、再循環される割合は、酸素含有気体混合物、有利には空気または空気と窒素との混合物により、高めた温度で、および特に有利には100℃〜400℃、殊に有利には200℃〜300℃の温度で完全に、または部分的に再生することができる。再生はここでは完全に(もはや顕著な炭素含有率の残分はない)か、または不完全に(たとえば完全な再生の場合よりも短い時間および/または低い温度)実施することもできる。再生された触媒の質量割合は、再循環される触媒の合計量の0.1〜100%、有利には1%〜50%、特に有利には5%〜30%であってよい。再生された触媒は場合により、プロセスから排出された触媒量を補充するため、および補償するために、再生されないで循環される触媒と、および/または追加で供給される新鮮な触媒、および/または外部で後処理された触媒と混合される。この混合は、連続式の固体用スタチックミキサーまたはダイナミックミキサー、あるいは不連続的に運転される固体用ミキサーにより実施することができる。
このようにして得られる触媒混合物は有利にはプロセスに返送する前にふたたびストリッピングされて、ウェッジおよび触媒担体粒子から酸素が除去される。このために、不活性ガス、有利には窒素を触媒に通過させる。
次いでこのようにして得られた触媒混合物を、活性化ガス、有利には水素に通過させる。活性化は100℃〜400℃、有利には200℃〜300℃の温度で実施する。
このようにして得られた触媒混合物は、場合により合され、再生しないで再循環される触媒と混合される。これらの成分は、上記のとおりに活性化する前に合されてもよい。次いでこの触媒混合物をプロセスに返送する。
プロセスに供給される触媒は、適切な輸送装置によって反応器の触媒供給部の回収容器に輸送される。この固体の輸送は有利には不活性雰囲気中で微細な粒子を輸送する殊によって行われる。不活性ガスとして有利には窒素が使用される。
再生すべき触媒の割合は、再生のための反応器の取付箇所に依存して、再生されない触媒の割合の固体を輸送する前に、または輸送後に排出することができる。
再生された触媒の割合または再生すべき触媒の割合の輸送は、再生されない再循環触媒の割合とは別個に、分離の後および合する前に行うこともできる。
図2は、移動触媒床(移動床)を使用する本発明による方法の可能な実施態様のブロックフロー図を図面の形で示している。この図は、著しく単純化されている。
符号は以下のものを示している:
(1)反応器、
(3d)外部から系に供給される触媒、
(3e)系から排出される触媒ダスト、
(3f)再生に供給される触媒、
(3g)再生されずに反応に返送される触媒、
(8)混合室、
(9)ストリッピング装置、
(10)活性化、
(11)ストリッピング装置、
(12)ダストの堆積、
(13)再生。
本発明による方法の移動床変法の特に有利な実施態様では、反応器から排出されて再生される触媒の割合のみを不活性ガス、有利には窒素によるストリッピングに供する。安全性の理由からも、この触媒割合の再生は有利にはバッチ法で不連続的に運転される。再生の後に、触媒を再度、不活性ガスによりストリッピングし、有利には水素により活性化する。再生の不連続的なバッチ法により、活性化は原則として再生と同じ装置中で実施することができる。しかし有利には、活性化のための追加の装置が再生の下流に接続されており、これが有利には再生され、かつ活性化された触媒のための貯蔵容器としても機能する。このようにして製造された触媒は、今度はふたたび反応に供給される。この目的のために、触媒は再生されずに返送された割合、および場合により外部から系へ供給され、有利には同様に水素による処理によって活性化された触媒と完全に、または部分的に混合される。
あるいは、再生された触媒は活性化の前に外部から供給された触媒と混合することもできるので、これらの2種類の触媒を同時に活性化することも可能である。これは、たとえば系中での触媒の再生後にすでに処理により実施することができ、これは第一に不活性ガス、有利には窒素によりストリッピングし、かつ次いで活性化のための下流の装置へ完全に、または部分的に排出される。その後、外部から系へ供給される触媒を、不活性ガス下の再生装置に導入し、かつ完全に、または部分的に活性化装置に排出することができる。この活性化装置中で、これら2つを次いで水素により一緒に処理し、次いで場合により再生されないで返送される触媒の割合と混合した後で、反応に供給される。
あるいは、外部から供給される触媒は、活性化装置に直接に、有利にはストリッピング装置を通過した後に導入することもできる。
種々の触媒割合(再生された触媒および場合により外部から供給された触媒および場合により再生されない触媒)は有利には水素化反応器に導入する前に十分に混合し、次いで触媒ダストを、有利には水素を用いて吹き飛ばして排除することができる。
図3は、3つの反応器を用いる本発明による方法のこの実施態様を、例として可能なブロックフロー図の形の図で示している。図面は明瞭性の理由で単純化されており、たとえばスルース、バルブ、循環ガス流、凝縮および生成物の後処理は記載されていない。
符号は以下のものを示している:
(1a、1b、1c)反応器、
(3d)外部から系に供給される触媒、
(3f)再生に供給される触媒、
(3g)再生されないで反応に供給される触媒、
(3h)触媒ダストおよび水素の流れ、
(3i)系から排出される触媒、
(8)混合室、
(10)活性化、
(14)触媒からのダストの除去、
(15)触媒ダストを除去するための水素流、
(16)段階的な容器、
(17a、17b、17c)反応器1a、1b、1cからの生成物ガス混合物、
(18a、18b、18c)反応器1a、1b、1cのためのニトロベンゼン、水素および場合により水の原料ガス混合物、
(19)熱交換器、
(20)触媒のための搬送装置、
(21)再生およびストリッピング。
本発明による方法によれば、わずかに変更するのみで(例を参照のこと)恒久的に高い選択率で所望のアミンが形成され、後処理の間の費用を著しく低減する。
わずかに変更するのみで一定して高い選択率が確立されることは、触媒を連続的に、または周期的に交換する本発明による方法で保証される。さらに、選択率を増大するためにすでに先に記載したその他の手段、たとえば化学量論的な過剰量で使用される水素を部分的に不活性ガス、たとえば窒素により交換すること、を、本発明による方法で適用することができるが、しかし一般には不要である。
触媒の連続的な、もしくは周期的な交換を行わない慣用の固定床法と比較した本発明による方法の有利な移動床変法の特別な利点は、新鮮な、または従来技術による完全に再生された触媒により最初に生じ、かつ上記のとおり生成物の後処理を著しくより困難なものにする低い選択率を、簡単な方法で回避することができることである。というのも、連続的な方法では、有利には反応器の小さな領域のみが高い活性の触媒を用いて運転されるからである。さらに、触媒の活性ひいてはプロセスの選択性を、触媒の還流比および再生された触媒の含有率によって最適に調整する可能性が存在する。結果として、中程度の活性と最適な選択性を有する触媒が全反応器中で運転される。平均的な選択率は、このようにして従来の方法と比較して改善することもでき、かつ選択率における変化は最小に低減される。従って本発明による方法の移動床変法では触媒組成を改善することによって寿命を最適化するという課題が存在しないので、さらに、高い選択率の方向で触媒のより良好な最適化の可能性が存在し、その結果として、本発明による方法は、さらに改善することができる。さらに、製造は触媒の再生のために中断する必要がなくなる。
本発明による方法を実施するための反応器断面図 本発明による移動触媒床を使用する方法のブロックフロー図を示す図 本発明により3つの反応器を用いる方法ブロックフロー図を示す図 例3および4により得られた平均選択率SAを対比して示す図
全ての実施例は、α−酸化アルミニウム上のPd9g/l、V9g/lおよびPb3g/lの触媒系(DE−OS−2849002)を用いて実施した。この触媒系の異なった度合いに老化させた触媒を使用した。
A)複数の製造サイクルですでに使用し、ニトロベンゼンのブレークスルーまで運転し、次いで簡単に再生した(つまり空気中290℃で約10時間処理した)触媒、
B)複数の製造サイクルですでに使用し、ニトロベンゼンのブレークスルーまで運転し、次いで再生しなかった触媒、
C)複数の製造サイクルですでに使用し、ニトロベンゼンのブレークスルーまで運転し、次いで長時間再生した(つまり空気中290℃で約24時間処理した)触媒、および
D)新鮮な触媒。
生成物はそれぞれガスクロマトグラフィーにより分析した。種々の触媒の混合物と関連した百分率のデータは、バルク体積の%を意味すると理解すべきである。
以下の例1〜2に記載の試験を、それぞれ触媒100mlのバルク体積を有するサーモスタット制御された管型反応器中で実施した。熱伝達媒体の温度は段階的に250℃から300℃まで、全ての試験で同じ速度で増大させた。ニトロベンゼンを、水素対ニトロベンゼンのモル比12.5:1のモル比で反応させてアニリンが得られた。
例1(本発明による、固定床変法。触媒を変更するために水素化を中断)
反応器を触媒A20%および触媒B80%の均質な混合物で充填した。反応率が99.9900%に低下するまでニトロベンゼンを供給した(130h、合計してニトロベンゼン10.95kg、運転段階I)。
触媒の最初の交換および次の運転期間:
触媒を完全に除去し、触媒A40%および触媒B60%の均質な混合物と交換した。反応率が99.9900%に低下するまでニトロベンゼンを供給した(134h、合計してニトロベンゼン11.55kg、運転段階II)。
触媒の第二の交換および次の運転段階:
触媒を完全に除去し、触媒A100%と換した。反応率が99.9900%に低下するまでニトロベンゼンを供給した(184h、合計してニトロベンゼン15.46kg、運転段階III)。
触媒の第三の交換および次の運転段階:
触媒を完全に除去し、触媒A60%および触媒B40%の均質な混合物と交換した。反応率が99.9900%に低下するまでニトロベンゼンを供給した(150h、合計してニトロベンゼン12.70kg、運転段階IV)。
触媒の第四の交換および次の運転段階:
触媒を完全に除去し、触媒A80%および触媒B20%の均質な混合物と交換した。反応率が99.9900%に低下するまでニトロベンゼンを供給した(155h、合計してニトロベンゼン12.47kg、運転段階V)。
例2(比較例、触媒の交換を行わない。反応器中での再生のために水素化を中断)
反応器を触媒Cで完全に充填した。反応率が99.9900%に低下するまでニトロベンゼンを供給した(342h、合計してニトロベンゼン31.57kg、運転段階I)。
再生および次の運転段階:
使用した触媒は、除去しないで反応器中、290℃で空気中、24時間再生した。その後、ふたたび反応率が99.9900%に低下するまでニトロベンゼンを供給した(341h、合計してニトロベンゼン30.35kg、運転段階II)。
例2に記載の処理は、固定床反応器の従来技術に相応する。以下の表は、例1と例2との比較を示している。
使用したニトロベンゼンの比較可能な合計量および最小の反応率に関する同じ要求において、比較例では本発明による例におけるよりも著しく低い平均選択率が達成された。選択率の変動は、本発明による実施例における方が、比較例におけるよりも一桁低い。
例3(本発明による、移動床変法)
この試験は断熱運転される反応器中、循環ガス法で実施した。反応器は、水素化プロセスを中断することなく、スルースシステムを介した触媒の供給および除去の可能性を提供する。さらに、組み込まれた攪拌装置によって、反応の間も触媒の十分な攪拌が可能になる。ニトロベンゼンを原料ガス混合物の入口温度約240℃、4バールの絶対圧、1.0gニトロベンゼン/ml触媒・hの負荷率、および水素対ニトロベンゼンのモル比約80:1で反応させてアニリンが形成された。反応器は、触媒B(例1のバッチとは異なる)20%および触媒C(例2のバッチとは異なる)80%の均一な混合物約530mlのバルク体積で充填し、これは20cmの床高さに相応する。それぞれの事例において一定の時間で、触媒30mlを反応器から除去し、かつ他の触媒と交換した。いくつかの場合には、そのつど触媒を添加した後に2分間攪拌を実施して、バルク触媒を均質化した。詳細は第2表に記載されている。
試験は、491時間後に中断した。しかし継続することは容易に可能であった。生成物中の平均ニトロベンゼン含有率は、86ppmであった。
この例は、すでに例1に記載した触媒の交換が、水素化プロセスを中断しなくても実施することができることを示しており、このことは大規模な工業的使用にとって著しい利点である。生成物中の平均ニトロベンゼン含有率86ppmは、依然として認容可能な範囲である。
例4(比較例)
この試験は、3段階の断熱運転される反応器中、循環ガスシステムを用いて実施した。反応器はそれぞれ触媒D約540mlのバルク体積で充填したが、これは20cmの床高さに相応する。この試験は、第一の反応器の比負荷率1.0gニトロベンゼン/(ml触媒・h)で開始され、これは試験の間に、より良好な選択率を達成するために段階的に増大させた(24時間後に1.5gニトロベンゼン/(ml触媒・h)および48時間後に2.7gニトロベンゼン/(ml触媒・h))。約80:1の水素対ニトロベンゼンのモル比を使用し、絶対圧力は4バール、原料ガス混合物の入口温度は、約240℃であった。この手順は、断熱運転法の手順のための従来技術に相当する。この試験は、312時間実施され、ニトロベンゼンのブレークスルーは、第三の反応器の後のサンプリング点で観察された。それまでの間は、生成物中のニトロベンゼンの平均含有率は第一の反応器の後で2ppmであった。
設置によって、それぞれの反応器の後でのサンプリングが可能になる。例3との比較のために、第一の反応器の後の分析結果のみを使用した。
図4は、例3および4で達成された平均選択率SAを相互に比較して示している。(所定の時点tでのSA(t)の値は、得られたアニリンのこの時点までに製造された平均選択率を示してる。)例4の値は、三段階の設置の第一の反応器の後のものである。
アニリンは、例3では、例4と比較して顕著に高い選択率で形成された。例4における比負荷率は選択率を改善するために増大されたが(触媒上で形成されるアニリンの滞留時間の低減)、本発明による例におけるよりも顕著に劣った結果を達成することができたにすぎない。例4と比較した例3における選択率の改善は著しく大きいので、生成物中の高いニトロベンゼン含有率の欠点は補って余る。例3からの移動床変法により、水素化プロセスを中断することなく触媒の交換が可能であるので、水素化プロセスで積極的に関与する触媒の活性は、狭い限界値内で変動するのみであり、かつ特にこれにより開始から高い選択率が生じるほどである。
図2:
(1)反応器、
(3d)外部から供給される触媒、
(3e)系から排出される触媒ダスト、
(3f)再生に供給される触媒、
(3g)再生されずに反応に返送される触媒、
(8)混合室、
(9)ストリッピング装置、
(10)活性化、
(11)ストリッピング装置、
(12)ダストの堆積、
(13)再生。
図3:
(1a、1b、1c)反応器、
(3d)外部から系に供給される触媒、
(3f)再生に供給される触媒、
(3g)再生されないで反応に供給される触媒、
(3h)触媒ダストおよび水素の流れ、
(3i)系から排出される触媒、
(8)混合室、
(10)活性化、
(14)触媒からのダストの除去、
(15)触媒ダストを除去するための水素の流、
(16)段階的な容器、
(17a、17b、17c)反応器1a、1b、1cからの生成物ガス混合物、
(18a、18b、18c)反応器1a、1b、1cのニトロベンゼン、水素および場合により水の原料ガス混合物、
(19)熱交換器、
(20)触媒のための搬送装置、
(21)再生およびストリッピング

Claims (10)


  1. [式中、R1およびR2は、相互に無関係に水素、メチルまたはエチルを表し、その際、R1は、さらにアミノを表す]の芳香族アミンを、反応器中、固定床または実質的な固定床として配置された触媒を用いて気相中、水素により、式
    [式中、R2およびR3は、相互に無関係に水素、メチルまたはエチルを表し、その際、R3は、さらにニトロを表す]のニトロ芳香族化合物を水素化することにより製造する方法において、反応器中の触媒が、少なくとも部分的に、連続的に、もしくは周期的な間隔で交換され、その際、
    触媒を連続的に交換する場合には、水素化の開始からそのつど20日間の期間内に、
    および
    触媒を周期的な間隔で交換する場合には、そのつどの運転期間(運転期間とは、反応器の最初の充填を含む、少なくとも2回の触媒交換操作が実施される間の時間の期間をいう)の開始から20日間以内に
    触媒の少なくとも10%が交換されることを特徴とする、式Iの芳香族アミンの製造方法。
  2. 触媒が、1もしくは複数の、実質的な固定触媒床の形で配置されており、
    (i)触媒床は、1もしくは複数の規則的な形状の平坦な触媒層の形で反応器中に配置されており、
    (ii)平坦な触媒層からの触媒の除去および平坦な触媒層への触媒の供給は、連続的に、または周期的な間隔で水素化プロセスを中断することなく実施され、
    (iii)ニトロ基1モルあたり水素を3モル〜150モル含有する気体混合物が、1の平坦な触媒層または直列に接続された複数の平坦な触媒層の第一の層へ流れ、
    (iv)水素化は、1バール〜50バールの絶対圧力下に、使用される気体混合物の入口温度150℃〜400℃および最大の触媒温度600℃で、断熱条件下に実施され、
    (v)水素は、水素化で得られた反応混合物から分離され、かつこうして得られた水素を水素化に返送する
    ことを特徴とする、請求項1記載の方法。
  3. 気体混合物の流れの方向が触媒排出方向に対して実質的に垂直であり、かつ原料ガス流の方向での平坦な触媒層の長さLEが、触媒排出方向での平坦な触媒層の長さLCよりも短く、その際、LEは、1cm〜100cm未満であり、かつLCは、20mを超えないことを特徴とする、請求項2記載の方法。
  4. ニトロ基1モルあたり、水素を3モル〜150モル、および水を0.01〜100モル含有する気体混合物が、1の平坦な触媒層または直列に接続された複数の平坦な触媒層の第一の層へ流れることを特徴とする、請求項2または3記載の方法。
  5. 反応器から除去された触媒を、
    時間の間隔において除去された触媒の全質量に対して、1質量%〜100質量%の割合で水素化に返送し、かつ
    水素化に返送される触媒の全質量に対して0.1質量%〜100質量%の割合で水素化に返送する前に、酸素含有気体混合物を用いて100℃〜400℃の温度で再生を実施し、かつ再生されなかった割合を、再生された割合と一緒に水素化に返送することを特徴とする、請求項2から4までのいずれか1項記載の方法。
  6. 再生を不完全に実施するのみであることを特徴とする、請求項5記載の方法。
  7. 触媒を反応器に返送する前に、または返送した後に均質化することを特徴とする、請求項5記載の方法。
  8. 摩耗した触媒材料を、連続的に、または周期的にプロセスから排出し、かつ外部から触媒を供給することにより交換することを特徴とする、請求項2から7までのいずれか1項記載の方法。
  9. ニトロベンゼンまたはニトロトルエンをニトロ芳香族化合物として使用することを特徴とする、請求項1記載の方法。
  10. 1〜100g/l触媒の含有量のパラジウム、および0.01〜100g/l触媒の含有量のバナジウム、または
    1〜100g/l触媒の含有量のパラジウム、および0.01〜100g/l触媒の含有量のバナジウム、および0.01〜100g/l触媒の含有量の鉛、または
    1〜100g/l触媒の含有量のパラジウム、および0.01〜100g/l触媒の含有量のバナジウム、および0.01〜100g/l触媒の含有量のガリウム
    を、50m2/g未満のBET表面積および30Nより大の破断力を有するα−酸化アルミニウム上に担持して含有する触媒を使用することを特徴とする、請求項1記載の方法。
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