JP2010260764A - 凹凸模様入りガラスびん及びその製造方法 - Google Patents

凹凸模様入りガラスびん及びその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】ラベルが貼れて、成形によるビリの発生が少ないという凹凸パリソン成形のメリットを活かしつつ、金型作製費用が高いという問題を解決し、凹凸模様が表現されたガラスびんを安価に製造する。
【解決手段】ガラスびんの側面に凹凸模様が表現され、かつ、ガラスびんの外表面には凹凸模様に相当する凹凸を設けていない凹凸模様入りガラスびんの製造方法において、キャビティの内表面のうち、仕上がりびんの凹凸模様の凹部に対応する箇所に溝が加工された粗型内に溶融ガラス塊を投入して、外表面に溝に対応した凸部を有するパリソンを成形する工程と、パリソンを、キャビティの内表面が平滑な仕上げ型に移送する工程と、仕上げ型内でパリソンをブロー成形して、粗型の溝に対応する箇所が凹凸模様の凹部と表現され、かつ、溝の未加工の箇所が凹凸模様の凸部と表現された仕上がりびんを成形する工程と、を設ける。
【選択図】図7

Description

本発明は、ガラス容器の表面に凹凸模様を表現する方法に関する。また、中身が入った状態においても凹凸模様の視認性が得られるガラス容器に関する。
ガラスびんの外観のデザイン向上を意図して、その表面に凹凸模様を設けたびんがある。ガラスびんに凹凸模様を表現する場合、ガラス成形の仕上げ型の表面に凹部を形成し、当該凹部によって、ガラスびんの表面に凸部を形成することが行なわれている。しかし、図柄の輪郭が鮮明になる利点があるものの、複雑な形状や細かく繊細な図柄は表現できず、ラベルが貼りにくく、凸部が傷つき易く、成形によるビリ発生が生じやすく、また、金型費用が高価である等の問題があった。
そこで、粗型の表面に凹凸を形成してパリソンを成形し、続いて、平滑な内表面を有する仕上げ型を使用して、びんを仕上げることで、びんの内表面に凹凸を形成し、結果として、ガラスびんに凹凸模様を表現する技術が開示されている(例えば、特許文献1〜4を参照。)。なお、このようなびん成形方法を凹凸パリソン成形又はインナーモール成形という。凹凸パリソン成形とすれば、成形によるビリ発生が生じにくいという利点がある。
特開平8‐175824号公報 特開昭60‐112631号公報 特開昭60‐145918号公報 特開昭55‐56021号公報
しかし、特許文献1〜4に記載した技術をはじめ、凹凸パリソン成形では、粗型に設ける凹凸は、仕上がりのびんの凹凸の形状及び高さを考慮して、それに対応するような形状及び深さに加工する。例えば、パリソンを形成したときに凸の斜面が形成されるように粗型には斜面のある凹部を設ける必要がある。したがって、粗型の凹凸の形状は、凹部に斜面を設ける必要があるなど金型加工の観点では複雑となるため、依然として粗型の製造コストが高いという問題があった。
そこで本発明は、ラベルが貼れて、成形によるビリの発生が少ないという凹凸パリソン成形のメリットを活かしつつ、前記金型作製費用が高いという問題を解決し、凹凸模様が表現されたガラスびんを安価に製造することを目的とする。
本発明者らは、上記の課題を解決するために、鋭意検討した結果、パリソン成形用の粗型に、仕上がりのびんの凹凸の形状及び高さを考慮した凹凸を設けなくても、簡易にできる溝加工を粗型に施すだけで、凹凸模様を表現できることを見出し、本発明を完成させた。すなわち、本発明に係る凹凸模様入りガラスびんの製造方法は、ガラスびんの側面に凹凸模様が表現され、かつ、該ガラスびんの外表面には前記凹凸模様に相当する凹凸を設けていない凹凸模様入りガラスびんの製造方法において、キャビティの内表面のうち、仕上がりびんの前記凹凸模様の凹部に対応する箇所に溝が加工された粗型内に溶融ガラス塊を投入して、外表面に前記溝に対応した凸部を有するパリソンを成形する工程と、前記パリソンを、キャビティの内表面が平滑な仕上げ型に移送する工程と、前記仕上げ型内で前記パリソンをブロー成形して、前記粗型の溝に対応する箇所が凹凸模様の凹部と表現され、かつ、溝の未加工の箇所が凹凸模様の凸部と表現された仕上がりびんを成形する工程、とを有することを特徴とする。
本発明に係る凹凸模様入りガラスびんの製造方法では、前記粗型として、前記溝が複数の囲み線状に設けられている粗型を使用することが好ましい。溝が設けられた箇所に対応するびんの箇所が凹部に見え、未加工の箇所に対応するびんの箇所が凸部に見えるところ、囲み線状の溝一つに付き、その囲まれた部分が一つの凸部として視認性よく表現され、さらにそれが複数設けられることによって、視認性の良い凹凸模様が配列したデザインが得られる。
本発明に係る凹凸模様入りガラスびんの製造方法では、前記溝は、溝の長さ方向の横断面の形状がV字状に彫られており、かつ、溝のへりの角が丸められていることが好ましい。溝のへりの角が丸められていることによって、当該箇所と接するガラスが局所的に温度低下を生じにくく、仕上がりびんの外表面に、当該箇所の痕跡を残しにくい。
本発明に係る凹凸模様入りガラスびんの製造方法では、前記溝は、前記粗型のキャビティの内表面のうち、前記パリソンの側面を形成する面の全周にわたって加工されており、かつ、前記粗型の合わせ目を挟んで両側に設けられている溝の深さを、粗型の中央部分に設けられている溝の深さよりも浅くしていることが好ましい。粗型からパリソンを抜くときに、粗型の合わせ目付近に形成されたパリソンの凸部と粗型とが接触して、型抜きし難いところ、溝の深さを浅くすることでこの接触を防止することができる。こうすることによって、型の無理抜きをする以外は、びんの側面全周にわたって凹凸模様を付与できなかったところ、びんの側面全周にわたる凹凸模様の付与が可能となった。
本発明に係る凹凸模様入りガラスびんの製造方法では、前記ガラスとして着色ガラスを使用することが好ましい。びんの肉厚差によって色の濃淡が変化し、この現象を利用して凹凸模様の図柄を表現しやすい。
本発明に係る凹凸模様入りガラスびんの製造方法では、前記粗型として、前記粗型のキャビティの内表面のうち、前記溝の未加工の箇所に、前記溝よりも浅く、かつ、前記溝同士の間隔よりも狭い間隔で小溝を複数設けた粗型を使用することが好ましい。小溝を多数設けることで、しわ状の模様を所望の場所に表現することができる。
本発明に係る凹凸模様入りガラスびんは、本発明に係る凹凸模様入りガラスびんの製造方法によって製造されたことを特徴とする。
本発明に係る凹凸模様入りガラスびんでは、裏面に図柄が印刷されたラベルを貼付したことが好ましい。中身が充填されると凹凸模様の視認性が低下する。しかし、裏面に図柄が印刷されたラベルを貼付することによって、ラベルを付した反対側からびんを見ると、ラベル裏に印刷された図柄が凹凸による変形を受けて見え方が変化するため、視認性が向上する。
本発明に係る凹凸模様入りガラスびんでは、着色剤を含有する糊を使用してラベルを貼付したことが好ましい。中身が充填されると凹凸模様の視認性が低下する。しかし、着色剤を含有する糊を使用してラベルを貼付することによって、ラベルを付した反対側からびんを見ると、着色した糊跡が凹凸による変形を受けて見え方が変化するため、視認性が向上する。
本発明によれば、ラベルが貼れて、成形によるビリの発生が少ないという凹凸パリソン成形のメリットを活かしつつ、高額な金型作製費用をかけずに、凹凸模様が表現されたガラスびんを安価に製造することができる。
本実施形態の製法で得られたガラスびんの一形態を示す正面の画像である。 図1のガラスびんの概略図であり、肩部と裾部に入れたダイヤカットはびん内表面に形成した凸状の筋であり、この筋を線で表現している。 溝の長さ方向の横断面の形状の例を示す粗型の部分拡大断面図であり、(a)は横断面の形状がV字状に彫られた場合、(b)はさらに溝のへりの角が丸められた場合、(c)はさらにV字の底が丸められた場合である。 パリソンの凸状の筋の横断面を含む部分拡大断面図であり、(a)は図3(a)の溝で形成された筋、(b)は図3(b)の溝で形成された筋、(c)は図3(c)の溝で形成された筋である。 キャビティをとおるように容器主軸方向を横断した面で切ったときの粗型の破断面の一形態を示す図である。 しわ状の模様を表現するときに用いる、(a)粗型の部分拡大断面図及び(b)それから得られるパリソンの部分拡大断面図である。 パリソンから仕上がりびんに至るまでの変形の様子を説明するための概略図であり、(a)はパリソン、(b)は仕上がりびん、(c)は、凸部の変化を示した。 しわ状凸起を設けてしわ状の模様を表現したときのしわ部分の拡大画像を示した。 本実施形態の製法で得られたガラスびんの一形態に、裏面に模様を付したラベルを貼付したときの様子を説明するための画像であって、(a)はラベル裏面の画像、(b)はびんに貼り付けたラベルを裏面側から見た模様、を示した。
以下本発明について実施形態を示して詳細に説明するが本発明はこれらの記載に限定して解釈されない。本発明の効果を奏する限り、実施形態は種々の変形をしてもよい。
ガラスびんの一般的な製造方法の概略は、次のとおりである。ガラス溶解炉から1100〜1200℃の所定量の溶融ガラス塊(ゴブという)を切り出し、キャビティを有する粗型内に投入する。ゴブは粗型内でパリソンという中間形状に成形される。ここでパリソンの成形法には大きく分類すると二通りある。一つめはプレスブロー成形と呼ばれる下方からプランジャーと呼ばれる棒状の金型で突き上げてパリソンを成形する方法である。プランジャーと接する部分がパリソンの内表面となり、粗型のキャビティの内表面と接する部分がパリソンの外表面となる。二つめはブローブロー成形と呼ばれるパリソンを高圧空気で膨らませる成形方法である。空気で押される部分がパリソンの内表面となり、粗型のキャビティの内表面と接する部分がパリソンの外表面となる。本実施形態に係る凹凸模様入りガラスびんの製造方法では、プレスブロー成形とブローブロー成形のいずれも適用が可能である。次に、パリソンを仕上げ型内に移送し、パリソンの内部をブローして、空気で押される部分が仕上がりびんの内表面となり、仕上げ型のキャビティの内表面と接する部分が仕上がりびんの外表面となる。
次に本実施形態の製法で得られるガラスびんの基本的特徴について説明する。本実施形態の製法で得られるガラスびんは、びんの側面に凹凸模様が表現された凹凸模様入りガラスびんであるが、ガラスびんの外表面には凹凸模様に相当する凹凸を設けていないタイプのガラスびんである。ただし、従来、凹凸パリソン成形で得られたガラスびんのようにガラスびんの内表面に凹凸模様に相当する凹凸が形成されたガラスびんではない。本実施形態の製法で得られるびんは、ガラスびんの内表面に凸状の筋を形成し、この筋の部分を凹に見せ、筋の部分以外の平坦部分を凸に見せたびんである。一例を挙げると、凸状の筋を菱形に形成すると、菱形の輪郭部分が凹と見え、菱形の内側が凸に見える。凸状の筋を複数形成し、さらに筋同士の間隔を調整することによって、各種形状の凹凸模様を表現することができる。図1は、本実施形態の製法で得られたガラスびんの一形態を示す正面の画像である。図2は、図1のガラスびんの概略図であり、肩部と裾部に入れたダイヤカットはびん内表面に形成した凸状の筋であり、この筋を線で表現している。
次に本実施形態に係る凹凸模様入りガラスびんの製造方法について、パリソンの成形、パリソンの移送工程及び最終品である仕上がりびんの成形を順に説明する。
(パリソン成形工程)
図3は、溝の長さ方向の横断面の形状の例を示す粗型の部分拡大断面図であり、(a)は横断面の形状がV字状に彫られた場合、(b)はさらに溝のへりの角が丸められた場合、(c)はさらにV字の底が丸められた場合である。図4は、パリソンの凸状の筋の横断面を含む部分拡大断面図であり、(a)は図3(a)の溝で形成された筋、(b)は図3(b)の溝で形成された筋、(c)は図3(c)の溝で形成された筋である。パリソン成形工程で使用する粗型1は、キャビティ10の内表面3のうち、仕上がりびんの凹凸模様の凹部に対応する箇所に溝2が加工されている。溝2の幅は例えば1.5〜16.0mm、好ましくは3.0〜5.0mmであり、溝2の深さは例えば0.3〜2.0mm、好ましくは0.5〜1.0mmである。粗型1内に溶融ガラス塊(不図示)を投入して、パリソン4を形成する。このとき、パリソン4の外表面5に溝2に対応した凸部、すなわち凸状の筋6を有するパリソン4を成形する。凸状の筋6は、溝2の転写した形状となる。なお、溶解ガラス塊が成形される際に、冷却されガラスの粘度が上昇するため、溝2の底面までは転写した形状とならない場合がある。また、型にくっついて離型するときに引っ張られることがあり、粗型加工寸法(溝深さ)よりも凸状の筋が高くなる場合もある。このようにガラス温度によって粘度などが変化することによって厳密に転写した形状とならない場合もありうるが、凸状の筋6の幅は例えば1.5〜16.0mm、好ましくは3.0〜5.0mmであり、凸状の筋6の高さは例えば0.3〜2.0mm、好ましくは0.5〜1.0mmである。そして、図3(a)のV字状の溝2によって、図4(a)に示したように、裾6bに角を有する凸状の筋6(図4では筋の断面形状を示している)がパリソン4の外表面5上に形成される。このタイプの筋を形成した場合、仕上がりびんでは、筋に対応する箇所が三重線のように見えて、凹部に見える箇所において複雑な内部反射が生じた見え方をさせることができる。なお、三重線は、筋6の頂部6aとその両側の裾6bの角の成形時の冷えに起因する。
本実施形態に係る凹凸模様入りガラスびんの製造方法では、溝2は、溝の長さ方向の横断面の形状がV字状に彫られており、かつ、溝2のへり2bの角が図3(b)に示すごとく、丸められていることが好ましい。溝2のへり2bの角は、R(曲率半径)が1.0〜11.0mm、好ましくは3.0〜7.0mmである。溝2のへり2bの角が丸められていることによって、図4(b)に示すごとく、裾6bに角がなく、緩やかに隆起した凸状の筋6を形成することができる。この結果、溝2のへり2bと接するガラスの裾6bの部分が局所的に温度低下することが防止でき、仕上がりびんの外表面に、ガラスの裾6bの部分の痕跡を残しにくい。したがって、このタイプの筋を形成した場合、仕上がりびんでは、筋の頂部6aに対応する箇所が1本の線として見えて、凹部に見える箇所において図4(a)の場合よりも簡素な内部反射が生じた見え方をさせることができる。
本実施形態に係る凹凸模様入りガラスびんの製造方法では、さらに、溝2のV字の底2aが図3(c)に示すごとく、丸められていることが好ましい。溝2のV字の底2aは、R(曲率半径)が0.5〜8.0mm、好ましくは2.0〜4.0mmである。溝2のV字の底2aが丸められていることによって、図4(c)に示すごとく、筋の頂部6aに角がなく、なだらかな頂部の凸状の筋6を形成することができる。この結果、筋の頂部6aの部分が局所的に温度低下することが防止でき、仕上がりびんの外表面に、筋の頂部6aに起因する痕跡を残しにくい。したがって、このタイプの筋を形成した場合、仕上がりびんでは、筋に対応する箇所において内部反射が起きず、筋による表現ではなくガラスの肉厚で凹凸模様が表現されているかのごとく見る者に認識させることができる。
溝2は、線状の溝の形態のみならず、穴を配列した点線状の形態、長穴を配列した鎖線状の形態としてもよい。また、溝2は、図1に示したダイヤカット状の溝のように、複数の囲み線状に設けられていることが好ましい。本実施形態に係る凹凸模様入りガラスびんは、溝が設けられた箇所に対応するびんの箇所が凹部に見え、溝を設けていない未加工の箇所に対応するびんの箇所が凸部に見えるが、囲み線状の溝一つにつき(図1では菱形の囲み線一つにつき)、囲まれた内部が一つの凸部として視認性よく表現される。図1に示したようにさらにそれが複数設けられることによって、視認性の良い凹凸模様が配列したデザインがびんの表面に表現できる。
図5は、キャビティを通るように容器主軸方向を横断した面で切ったときの粗型の破断面の一形態を示す図である。なお、粗型は、例えば図5の正面視で粗型の下方の中心点(不図示)を中心として観音開き状に開かれ、次いでパリソンの型抜きが行われる。粗型に溝を設けるときの位置は、例えば、溝を粗型1の中央部分にのみに設けて、仕上がりびんの合わせ目と合わせ目との間の中央の箇所に凹凸模様が表現されるようにする。さらに図1に示したびんのように合わせ目をまたがって凹凸模様を表現するために、図5の粗型2のキャビティ10の内表面3のうち、パリソンの側面を形成する面の全周にわたって溝が加工されていてもよい(図5では、図示の容易化のため、溝の記載を少なく、所定間隔で表示している。)。仕上がりびんの側面の全周にわたって凹凸模様を付すことができる。この場合、粗型1の合わせ目11を挟んで両側に設けられている溝21の深さを、粗型1の中央部分23に設けられている溝22の深さよりも浅くしていることが好ましい。粗型からパリソンを抜くときに、粗型の合わせ目付近に形成されたパリソンの凸部(図5の溝21によって形成される筋である)と粗型のキャビティの内表面とが接触して、型抜きしにくい。そこで、粗型1の合わせ目11を挟んで両側に設けられている溝21の深さを、中央部分に設けた溝22の深さよりも浅くすることでこの接触を防止することができる。こうすることによって、型の無理抜きをする以外は、びんの側面全周にわたって凹凸模様を付与できなかったところ、びんの側面全周にわたる凹凸模様の付与が可能となった。
図6は、しわ状の模様を表現するときに用いる、(a)粗型の部分拡大断面図及び(b)それから得られるパリソンの部分拡大断面図である。いずれも溝又は筋を横断する面で切った図である。図6(a)に示すように、粗型1として、粗型1のキャビティ10の内表面3のうち、溝2の未加工の箇所に、溝2よりも浅く、かつ、溝2同士の間隔よりも狭い間隔で小溝7を複数設けた粗型を使用することが好ましい。このような粗型を用いると、図6(b)に示す表面を有するパリソンが得られる。すなわち、パリソン4の外表面5に筋6及び筋6同士の間隔よりも狭い間隔で筋6よりも小さなしわ状凸起8が形成される。このしわ状凸起8は、後の仕上げ工程で仕上げ型のキャビティの平滑な内表面に押し付けられることによって、仕上がりびんの外表面にしわ状の模様を付すことができる。なお、しわ状凸起8を設ける場所は特に制限がないので、しわ状の模様を所望の場所に表現することができる。
(パリソンの移送工程)
パリソンは口部とそれ以外の部分とでは温度が異なり、型との接触時間が長いパリソンの口部は温度低下が大きく、ガラスが硬くなる。そこで、パリソンの口部を把持して、パリソンを、キャビティの内表面が平滑な仕上げ型に移送する。
(仕上げ工程)
仕上げ型内でパリソンをブロー成形する。図7はパリソンから仕上がりびんに至るまでの変形の様子を説明するための概略図であり、(a)はパリソン、(b)は仕上がりびん、(c)は、凸部の変化を示した。このとき、パリソン4の外表面は、その面に形成された凸部(筋)6とともに、仕上げ型のキャビティの平滑な内表面に押し付けられる。凸部(筋)6があるために、凸部を設けた裏面側、すなわち、仕上がりびん30の内部空間の表面が盛り上がり、凸部(筋)31が形成される。一方、パリソン4の外表面にあった凸部(筋)6は、仕上がりびん30となったときには仕上げ型のキャビティの内表面の形状に転写されて、平滑化される。
以上の工程を経ることで、図2に示すように、粗型1の溝2に対応する箇所(凸部(筋)31)が凹凸模様の凹部と表現され、かつ、溝の未加工の箇所が凹凸模様の凸部と表現された仕上がりびんが得られる。
図8にしわ状凸起8を設けてしわ状の模様を表現したときのしわ部分の拡大画像を示す。ラベルの貼付は可能であり、成形上のびり発生はなく、鮮明にしわを表現できた。
また、ガラスとして着色ガラスを使用することが好ましい。びんに中身が入ると液とガラスの屈折率が近づくため、凹凸模様の視認性が低下する。しかし、ガラスとして着色ガラスを使用すると、びんの肉厚差によって色の濃淡が変化し、この現象を利用して凹凸模様の図柄を表現しやすい。例えば、350nm〜600nmの平均透光率が50%以上の色の薄い着色ガラスを用いた場合、肉厚の薄い箇所は中身の色が強く表現され、肉厚の厚い箇所はびんの着色の色が表現されるため、凹凸模様の視認性が向上する。
びんに中身が入ることで凹凸模様の視認性が低下することを抑制し、視認性を改善するため、本実施形態に係る凹凸模様入りガラスびんでは、裏面に図柄が印刷されたラベルを貼付したことが好ましい。仕上がりびん30の内表面に形成した凸部(筋)31があるため、ラベルを付した反対側からびんを見ると、ラベル裏に印刷された図柄が凸部(筋)31の存在によって歪むように変形を受けて見える。見る角度によってもこの変形は変化するため、凹凸模様の存在が見る者に伝わり、視認性が向上する。図9は、本実施形態の製法で得られたガラスびんの一形態に、裏面に模様を付したラベルを貼付したときの具体例を示している。図9(a)はラベル裏面であり、上半分は複数の立て線が印刷されており、下半分は複数の横線が印刷されている。図9(b)はびんに貼り付けたラベルを裏面側から見た画像である。なお、使用したびんは、図1に示したびんではなく、胴部全体にダイヤカット状模様を付している。そして、ラベルを裏面側から見ると、ラベル裏側に印刷された複数の立て線は、凹凸模様の影響を受けて歪んで見え、見る角度によってもこの変形は変化するため、凹凸模様の存在が見る者に伝わり、視認性が向上する。
同様に、びんに中身が入ることで凹凸模様の視認性が低下することを抑制し、視認性を改善するため、本実施形態に係る凹凸模様入りガラスびんでは、着色剤を含有する糊を使用してラベルを貼付したことが好ましい。通常、ラベルの裏の全面に糊を塗らず、横縞状に糊を塗る箇所と塗らない箇所を設ける。着色した糊を使用することで、ラベルの裏面が縞模様に見える。そこで、ラベルを付した反対側からびんを見ると、着色した糊跡が凸部(筋)31の存在によって歪むように変形を受けて見える。見る角度によってもこの変形は変化するため、凹凸模様の存在が見る者に伝わり、視認性が向上する。
1 粗型
2 溝
2a 溝の底
2b 溝のへりの角
3 粗型の内表面
4 パリソン
5 パリソンの外表面
6 凸(筋)
6a 凸(筋)の頂部
6b 凸(筋)の裾
7 小溝
8 しわ状凸起
10 キャビティ
11 粗型の合わせ目
21 粗型の合わせ目に隣接して設けた溝
22 粗型の中央部分に設けた溝
23 粗型の中央部分

Claims (9)

  1. ガラスびんの側面に凹凸模様が表現され、かつ、該ガラスびんの外表面には前記凹凸模様に相当する凹凸を設けていない凹凸模様入りガラスびんの製造方法において、
    キャビティの内表面のうち、仕上がりびんの前記凹凸模様の凹部に対応する箇所に溝が加工された粗型内に溶融ガラス塊を投入して、外表面に前記溝に対応した凸部を有するパリソンを成形する工程と、
    前記パリソンを、キャビティの内表面が平滑な仕上げ型に移送する工程と、
    前記仕上げ型内で前記パリソンをブロー成形して、前記粗型の溝に対応する箇所が凹凸模様の凹部と表現され、かつ、溝の未加工の箇所が凹凸模様の凸部と表現された仕上がりびんを成形する工程、とを有することを特徴とする凹凸模様入りガラスびんの製造方法。
  2. 前記粗型として、前記溝が複数の囲み線状に設けられている粗型を使用することを特徴とする請求項1に記載の凹凸模様入りガラスびんの製造方法。
  3. 前記溝は、溝の長さ方向の横断面の形状がV字状に彫られており、かつ、溝のへりの角が丸められていることを特徴とする請求項1又は2に記載の凹凸模様入りガラスびんの製造方法。
  4. 前記溝は、前記粗型のキャビティの内表面のうち、前記パリソンの側面を形成する面の全周にわたって加工されており、かつ、前記粗型の合わせ目を挟んで両側に設けられている溝の深さを、粗型の中央部分に設けられている溝の深さよりも浅くしていることを特徴とする請求項1、2又は3に記載の凹凸模様入りガラスびんの製造方法。
  5. 前記ガラスとして着色ガラスを使用することを特徴とする請求項1、2、3又は4に記載の凹凸模様入りガラスびんの製造方法。
  6. 前記粗型として、前記粗型のキャビティの内表面のうち、前記溝の未加工の箇所に、前記溝よりも浅く、かつ、前記溝同士の間隔よりも狭い間隔で小溝を複数設けた粗型を使用することを特徴とする請求項1、2、3、4又は5に記載の凹凸模様入りガラスびんの製造方法。
  7. 請求項1〜6のいずれかに記載の凹凸模様入りガラスびんの製造方法によって製造されたことを特徴とする凹凸模様入りガラスびん。
  8. 裏面に図柄が印刷されたラベルを貼付したことを特徴とする請求項7に記載の凹凸模様入りガラスびん。
  9. 着色剤を含有する糊を使用してラベルを貼付したことを特徴とする請求項7又は8に記載の凹凸模様入りガラスびん。
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