JP5570751B2 - 輪郭模様入りガラスびん及びその製造方法 - Google Patents

輪郭模様入りガラスびん及びその製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、ガラス容器の表面に輪郭模様を表現する方法に関する。また、中身が入った状態においても輪郭模様の視認性が得られるガラス容器に関する。
ガラスびんの外観のデザイン向上を意図して、その表面に図柄の輪郭模様を設けたびんがある。ガラスびんに輪郭模様を表現する場合、ガラス成形の仕上げ型の表面に凸輪郭線を形成し、当該凸輪郭線によって、ガラスびんの表面に溝状の輪郭線を形成することが行なわれている。
ところで、粗型の表面に凹凸を形成してパリソンを成形し、続いて、平滑な内表面を有する仕上げ型を使用して、びんを仕上げることで、びんの内表面に凹凸を形成し、結果として、ガラスびんに凹凸模様を表現する技術が開示されている(例えば、特許文献1〜4を参照。)。なお、このようなびん成形方法を凹凸パリソン成形又はインナーモール成形という。凹凸パリソン成形とすれば、成形によるビリ発生が生じにくいという利点がある。
特開平8‐175824号公報 特開昭60‐112631号公報 特開昭60‐145918号公報 特開昭55‐56021号公報
仕上げ型の表面に凸輪郭線を形成する場合、輪郭線幅が広くなり、複雑な図柄の輪郭線を表現しにくいという問題があり、また、仕上げ型の寿命が短いという経済的な問題もある。また、仕上げ型に彫刻をふすと、成形によるビリ発生が生じやすい。
なお、特許文献1〜4に記載した技術をはじめ、凹凸パリソン成形では、仕上がりびんの内面側に盛り上がりを設ける成形法であるため、通常、仕上がりびんの外表面に輪郭線を設ける技術ではない。
本発明は、金型の維持費用が安く、ラベルが貼れて、成形によるビリの発生が少ないという凹凸パリソン成形のメリットを活かしつつ、びんの外表面に細い凹みの輪郭線(以下、「輪郭溝」ともいう)を設けることで、通常の仕上げ型への彫刻による方法では表現することができない、繊細かつ明瞭で、簡素な図柄から複雑な図柄に至るまでの輪郭模様を表現することが可能で、かつ、安価に製造することが可能な、輪郭模様入りガラスびんの製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記の課題を解決するために、鋭意検討した結果、凹凸パリソン成形法において、意図的にガラスの肉厚差を大きくすると、図柄の周辺部にしわが発生することに着目し、このしわを図柄の輪郭溝に応用することが可能であることを見出し、本発明を完成させた。すなわち、本発明に係る輪郭模様入りガラスびんの製造方法は、ガラスびんの側面に輪郭模様が表現された輪郭模様入りガラスびんの製造方法において、キャビティの内表面のうち、仕上がりびんの前記輪郭模様の輪郭線で包囲された領域に対応する箇所が深さ0.3〜2.0mmで底面を備えた凹部となるように窪み加工され、かつ、前記凹部の底面隅部が断面角状に加工され、該底面隅部のうち所定部分が断面角なしにR加工(但し、曲率半径はR0.3〜3.0mmとする。)された粗型内に溶融ガラス塊を投入して、外表面に前記凹部に対応した凸部を有するパリソンを成形する工程と、前記パリソンを、キャビティの内表面が平滑な仕上げ型に移送する工程と、前記仕上げ型内で前記パリソンをブロー成形して、仕上がりびんの外表面のうち断面角状に加工された底面隅部を転写して形成されたパリソンの凸部の角張った縁に対応する箇所にしわ状の溝を形成し、前記溝で囲まれた部分が前記輪郭模様として表現され、かつ、仕上がりびんの外表面のうち所定部分のR加工された底面隅部を転写して形成されたパリソンの凸部の縁を角なしとし、しわ状の溝の深さを、凹部の底面隅部が断面角状の箇所に対応するしわ状の溝の深さよりも浅くして、輪郭模様の所定部分の輪郭をぼかした仕上がりびんを成形する工程、とを有することを特徴とする。
瞭な輪郭線の一部をぼかした輪郭線とすることが可能であり、輪郭模様の表現を広げることができる。
本発明に係る輪郭模様入りガラスびんの製造方法では、前記粗型の凹部は、粗型のキャビティの内表面のうち、前記パリソンの側面を形成する面の全周にわたって窪み加工されており、かつ、前記粗型の合わせ目を挟んで両側に設けられている凹部の深さを、粗型の中央部分に設けられている凹部の深さよりも浅くしていることが好ましい。粗型からパリソンを抜くときに、粗型の合わせ目付近に形成されたパリソンの凸部と粗型とが接触して、型抜きし難いところ、溝の深さを浅くすることでこの接触を防止することができる。こうすることによって、型の無理抜きをすることなしに、びんの側面全周にわたって輪郭模様を付与することができる。
本発明に係る輪郭模様入りガラスびんの製造方法では、前記仕上がりびんの表面を着色コーティング剤で被覆する工程をさらに有していてもよい。この工程を設けることで、輪郭線である輪郭溝に着色コーティング剤が入り込むので、当該箇所において着色が濃く表現されるため、より鮮明に輪郭が強調されることとなる。
本発明に係る輪郭模様入りガラスびんの製造方法では、前記ガラスとして着色ガラスを使用する形態が包含される。びんの肉厚差によって色の濃淡が変化し、この現象を利用して凹凸模様の図柄を表現しやすい。
本発明に係る輪郭模様入りガラスびんの製造方法では、前記粗型として、前記粗型の凹部の底面に小溝を複数設けた粗型を使用する形態が包含される。小溝を多数設けることで、しわ状の模様を所望の場所に表現することができる。
本発明に係る輪郭模様入りガラスびんは、本発明に係る輪郭模様入りガラスびんの製造方法によって製造されたことを特徴とする。
本発明に係る輪郭模様入りガラスびんでは、裏面に図柄が印刷されたラベルを貼付したことが好ましい。中身が充填されると輪郭模様の視認性が低下する。しかし、裏面に図柄が印刷されたラベルを貼付することによって、ラベルを付した反対側からびんを見ると、ラベル裏に印刷された図柄が輪郭模様による変形を受けて見え方が変化するため、視認性が向上する。
本発明に係る輪郭模様入りガラスびんでは、着色剤を含有する糊を使用してラベルを貼付したことが好ましい。中身が充填されると輪郭模様の視認性が低下する。しかし、着色剤を含有する糊を使用してラベルを貼付することによって、ラベルを付した反対側からびんを見ると、着色した糊跡が輪郭模様による変形を受けて見え方が変化するため、視認性が向上する。
本発明に係る輪郭模様入りガラスびんの製造方法によれば、金型の維持費用が安く、ラベルが貼れて、成形によるビリの発生が少ないという凹凸パリソン成形のメリットを活かしつつ、びんの外表面に細い凹みの輪郭線を設けることで、通常の仕上げ型への彫刻による方法では表現することができない、繊細かつ明瞭で、簡素な図柄から複雑な図柄に至るまでの輪郭模様を表現することが可能で、かつ、輪郭模様入りガラスびんを安価に製造することが可能となる。
本実施形態の製法で得られたガラスびんの一形態を示す画像であり、(a)は正面画像、(b)模様部分の拡大画像、である。 図1の仕上がりガラスびんの概略図であり、図柄(輪郭模様として聖獣が表現されている)を黒で塗りつぶしているが、その輪郭部分に輪郭線が形成されている。 粗型のキャビティの内表面において、図柄領域を窪み加工(彫刻)して凹部にした箇所のうち凹部隅部の部分拡大断面図であり、(a)は凹部の底面隅部が断面角状に加工された場合、(b)は凹部の底面隅部の一部が断面角なしにR加工された場合である。 粗型の凹部を転写したパリソンの凸部を含む部分拡大断面図であり、(a)は図3(a)の凹部で形成された凸部、(b)は図3(b)の凹部で形成された凸部である。 キャビティをとおるように容器主軸方向を横断した面で切ったときの粗型の破断面の一形態を示す図である。 輪郭模様の内側領域に細かいしわ状の模様を表現するときに用いる、(a)粗型の部分拡大断面図及び(b)それから得られるパリソンの部分拡大断面図である。 パリソンから仕上がりびんに至るまでの変形の様子を説明するための概略図であり、(a)はパリソン、(b)は仕上がりびん、(c)は、凸部の変化を示した。 しわ状凸起を設けてしわ状の模様を表現したときのしわ部分の拡大画像を示した。
以下本発明について実施形態を示して詳細に説明するが本発明はこれらの記載に限定して解釈されない。本発明の効果を奏する限り、実施形態は種々の変形をしてもよい。
ガラスびんの一般的な製造方法の概略は、次のとおりである。ガラス溶解炉から1100〜1200℃の所定量の溶融ガラス塊(ゴブという)を切り出し、キャビティを有する粗型内に投入する。ゴブは粗型内でパリソンという中間形状に成形される。ここでパリソンの成形法には大きく分類すると二通りある。一つめはプレスブロー成形と呼ばれる下方からプランジャーと呼ばれる棒状の金型で突き上げてパリソンを成形する方法である。プランジャーと接する部分がパリソンの内表面となり、粗型のキャビティの内表面と接する部分がパリソンの外表面となる。二つめはブローブロー成形と呼ばれるパリソンを高圧空気で膨らませる成形方法である。空気で押される部分がパリソンの内表面となり、粗型のキャビティの内表面と接する部分がパリソンの外表面となる。本実施形態に係る輪郭模様入りガラスびんの製造方法では、プレスブロー成形とブローブロー成形のいずれも適用が可能である。次に、パリソンを仕上げ型内に移送し、パリソンの内部をブローして、空気で押される部分が仕上がりびんの内表面となり、仕上げ型のキャビティの内表面と接する部分が仕上がりびんの外表面となる。
次に本実施形態の製法で得られるガラスびんの基本的特徴について説明する。本実施形態の製法で得られるガラスびんは、びんの側面に輪郭模様が表現された輪郭模様入りガラスびんであり、仕上がりびんの外表面に細い凹みの輪郭線(輪郭溝)を設けることで、当該輪郭溝で囲まれた領域を輪郭模様(図柄)として表現している。輪郭溝は、仕上げ型に凸条を設けて形成した溝ではなく、凹凸パリソン成形において意図的にしわを形成したことで輪郭溝としていることから、仕上げ型への彫刻による溝よりも溝幅が狭い。このため、輪郭溝は明瞭な線として認識される。図1は、本実施形態の製法で得られたガラスびんの一形態を示す画像であり、(a)は正面画像、(b)模様部分の拡大画像、である。図2は、図1の仕上がりガラスびん30の概略図であり、図柄(輪郭模様31として聖獣が表現されている)を黒で塗りつぶしているが、図柄の輪郭部分に輪郭線が形成されている。
次に本実施形態に係る輪郭模様入りガラスびんの製造方法について、パリソンの成形、パリソンの移送工程及び最終品である仕上がりびんの成形を順に説明する。
(パリソン成形工程)
図3は、粗型のキャビティの内表面において、図柄領域を窪み加工(彫刻)して凹部にした箇所のうち凹部隅部の部分拡大断面図であり、(a)は凹部の底面隅部が断面角状に加工された場合、(b)は凹部の底面隅部の一部が断面角なしにR加工された場合である。図4は、粗型の凹部を転写したパリソンの凸部を含む部分拡大断面図であり、(a)は図3(a)の凹部で形成された凸部、(b)は図3(b)の凹部で形成された凸部である。パリソン成形工程で使用する粗型1は、キャビティ10の内表面3のうち、輪郭模様の輪郭線で包囲された領域に対応する箇所が凹部2となるように窪み加工されている。パリソンの伸び代は、横方向よりも縦方向が少ない。凹部2の深さは例えば0.3〜2.0mm、好ましくは0.5〜1.0mmである。粗型1内に溶融ガラス塊(不図示)を投入して、パリソン4を形成する。このとき、パリソン4の外表面5に凹部2に対応した凸部6を有するパリソン4を成形する。凸部6は、ほぼ凹部2の転写した形状となる。なお、溶解ガラス塊が成形される際に、冷却されガラスの粘度が上昇するため、凹部2の隅々までは転写した形状とならない場合がある。また、型にくっついて離型するときに引っ張られることがあり、粗型加工寸法(凹部深さ)よりも凸部が高くなる場合もある。このようにガラス温度によって粘度などが変化することによって厳密に転写した形状とならない場合もありうるが、凸部6の高さは例えば0.3〜2.0mm、好ましくは0.5〜1.0mmである。そして、図3(a)の底面隅部が断面角状に加工された粗型の凹部2によって、図4(a)に示したように、角張った凸部(図4では凸部の断面形状を示している。)がパリソン4の外表面5上に形成される。なお、凸部6の角6aは、パリソンの他の箇所と比べて冷えやすいため、仕上げ型でブローされるときには、当該角のガラス粘度は角から離れた箇所と比べて高くなっている。
本実施形態に係る輪郭模様入りガラスびんの製造方法では、粗型の凹部の底面隅部がいずれの箇所においても断面角状に加工されている(断面角状の底面隅部を符号2aで示した)ことによって、仕上がりびんの輪郭溝を、いずれの箇所においても幅の細いしわ状とすることができる。この場合は、輪郭模様の輪郭がいずれの箇所においても繊細であり、かつ、明瞭に認識できる。しかし、輪郭模様の表現を広げるために、輪郭模様の輪郭の一部をぼかして不明瞭としたデザインが求められる場合もある。このような場合には、図3(b)に示すように、粗型1の凹部の底面隅部のうち所定部分(2b)が断面角なしにR加工された粗型を使用する。なお、図3(b)において、所定部分であるR加工された断面角なしの底面隅部2b以外は断面角状に加工されている(断面角状の底面隅部を符号2aで示した)。R加工された底面隅部2bを転写して形成されたパリソン4の凸部6の縁を角なし(6b)とすることで、輪郭溝の深さを、凹部2の底面隅部が断面角状の箇所(2a)に対応する輪郭溝の深さよりも浅くすることができる。それによって輪郭模様の所定部分の輪郭をぼかした形態となる。R加工する場合の曲率半径はR0.3〜3.0mm、好ましくは1.0〜1.5mmである。パリソン4の凸部6の縁を角なし(6b)とすることで当該箇所のガラスの温度低下することが防止でき、仕上がりびんの外表面にできるしわが浅くなる。
凹部2の縁は、所望の図柄の輪郭に対応するように彫刻されることで形成され、粗型の加工費は安価である。また、繊細で明瞭な輪郭溝を仕上がりびんに形成することができるので、複雑な図柄としても対応が可能である。
図5は、キャビティを通るように容器主軸方向を横断した面で切ったときの粗型の破断面の一形態を示す図である。なお、粗型は、例えば図5の正面視で粗型の下方の中心点(不図示)を中心として観音開き状に開かれ、次いでパリソンの型抜きが行われる。粗型に凹部を設けるときの位置は、例えば、凹部を粗型1の中央部分23にのみに設けて、仕上がりびんの合わせ目と合わせ目との間の中央の箇所に輪郭模様が表現されるようにする。さらに合わせ目をまたがって輪郭模様を表現する場合には(不図示)、凹部2は、図5の粗型2のキャビティ10の内表面3のうち、パリソンの側面を形成する面の全周にわたって窪み加工されていてもよい(図5では、図示の容易化のため、複数の凹部を全周に渡って配置している)。仕上がりびんの側面の全周にわたって輪郭模様を付すことができる。この場合、粗型1の合わせ目11を挟んで両側に設けられている凹部21の深さを、粗型の中央部分に設けられている凹部22の深さよりも浅くしていることが好ましい。粗型からパリソンを抜くときに、粗型の合わせ目付近に形成されたパリソンの凸部(図5の凹部21によって形成される凸部である)と粗型のキャビティの内表面とが接触して、型抜きしにくい。そこで、粗型1の合わせ目11を挟んで両側に設けられている凹部21の深さを、中央部分に設けた凹部22の深さよりも浅くすることでこの接触を防止することができる。こうすることによって型の無理抜きをすることなしに、びんの側面全周にわたって輪郭模様を付与することができる。
図6は、輪郭模様の内側領域に細かいしわ状の模様を表現するときに用いる(a)粗型の部分拡大断面図及び(b)それから得られるパリソンの部分拡大断面図である。粗型の凹部又はパリソンの凸部を横断する面で切った図である。図6(a)に示すように、粗型1として、粗型1の凹部2の底面2cに小溝7を複数設けた粗型を使用してもよい。このような粗型を用いると、図6(b)に示したようにしわ状凸起8を凸部の頂部6cに有するパリソン4が得られる。このしわ状凸起8は、後の仕上げ工程で仕上げ型のキャビティの平滑な内表面に押し付けられることによって、仕上がりびんの外表面の輪郭溝で囲まれた領域にしわ状の模様を付すことができる。なお、しわ状凸起8を設ける場所は輪郭溝で囲まれた領域であれば全部であっても或いは一部であってもよく、特に制限がないので、しわ状の模様を所望の場所に表現することができる。
(パリソンの移送工程)
パリソンは口部とそれ以外の部分とでは温度が異なり、型との接触時間が長いパリソンの口部は温度低下が大きく、ガラスが硬くなる。そこで、パリソンの口部を把持して、パリソンを、キャビティの内表面が平滑な仕上げ型に移送する。
(仕上げ工程)
仕上げ型内でパリソンをブロー成形する。図7はパリソンから仕上がりびんに至るまでの変形の様子を説明するための概略図であり、(a)はパリソン、(b)は仕上がりびん、(c)は、凸部の変化を示した。このとき、パリソン4の外表面は、その面に形成された凸部6とともに、仕上げ型のキャビティの平滑な内表面に押し付けられる。凸部6があるために、凸部を設けた裏面側、すなわち、仕上がりびん30の内部空間の表面が盛り上がる。一方、パリソン4の外表面にあった凸部6は、仕上がりびん30となったときには仕上げ型のキャビティの内表面の形状に転写されて、平滑化される。ここで、パリソン4の凸部6の角6aは、ガラス粘度が角から離れた箇所と比べて高くなっているため、平滑化される際にしわを形成する。しわは凸部6の角6aに沿って輪郭線状に形成される。このしわが輪郭溝32である。また、R加工された底面隅部2bを転写して形成されたパリソン4の凸部6の角なしのR部6bは、凸部6の角6aよりも冷却されにくいため、ガラス粘度が凸部6の角6aよりも低く、浅めの輪郭溝しか形成されない。したがって、輪郭溝32は明瞭ではなく、ぼかし線となる。
以上の工程を経ることで、図2に示すように、粗型1の凹部2の縁に対応する箇所が輪郭模様の輪郭線として表現される。なお、パリソン4の凸部6は、図7(a)に示すごとく、凸部6以外の箇所と比較して肉厚差が生じる。凸部6があるため、輪郭溝32の内側は、図7(b)に示すごとく、他の箇所よりも肉厚となる。このため、輪郭溝32による縁取りの認識と相俟って、肉厚差に基づく変化のある輪郭模様を表現することができる。
図8にしわ状凸起8を設けてしわ状の模様を表現したときのしわ部分の拡大画像を示す。ラベルの貼付は可能であり、成形上のびり発生はなく、鮮明にしわを表現できた。
本実施形態に係る輪郭模様入りガラスびんは、ガラスとして着色ガラスを使用する形態が包含される。びんに中身が入ると液とガラスの屈折率が近づくため、輪郭模様の視認性が低下する。しかし、ガラスとして着色ガラスを使用すると、びんの肉厚差によって色の濃淡が変化し、この現象を利用して輪郭模様の図柄を表現しやすい。例えば、350nm〜600nmの平均透光率が50%以上の色の薄い着色ガラスを用いた場合、肉厚の薄い箇所は中身の色が強く表現され、肉厚の厚い箇所はびんの着色の色が表現されるため、輪郭模様の視認性が向上する。
本発明に係る輪郭模様入りガラスびんの製造方法では、仕上がりびんの表面を着色コーティング剤で被覆する工程をさらに有していてもよい。着色コーティング剤に含有させる色剤は、例えば、無機着色顔料又は有機着色染料であるが、本発明はこれらの種類には限定されない。また、着色コーティング剤の被膜の主成分は、例えば、樹脂が好ましく、例えばウレタン樹脂である。被膜の主成分は、ウレタン樹脂のほか、公知公用のびんコーティング剤の樹脂を使用することができる。着色被膜を施すことで、輪郭線である輪郭溝に着色コーティング剤が入り込むので、当該箇所において着色が濃く表現されるため、より鮮明に輪郭が強調されることとなる。
びんに中身が入ることで輪郭模様の視認性が低下することを抑制し、視認性を改善するため、本実施形態に係る輪郭模様入りガラスびんでは、裏面に図柄が印刷されたラベルを貼付したことが好ましい。輪郭溝の存在及び輪郭溝の内側の領域と他の部分との肉厚差によって、ラベルを付した反対側からびんを見ると、ラベル裏に印刷された図柄が輪郭模様によって歪むように変形を受けて見える。見る角度によってもこの変形は変化するため、輪郭模様の存在が見る者に伝わり、視認性が向上する。
同様に、びんに中身が入ることで輪郭模様の視認性が低下することを抑制し、視認性を改善するため、本実施形態に係る輪郭模様入りガラスびんでは、着色剤を含有する糊を使用してラベルを貼付したことが好ましい。通常、ラベルの裏の全面に糊を塗らず、横縞状に糊を塗る箇所と塗らない箇所を設ける。着色した糊を使用することで、ラベルの裏面が縞模様に見える。そこで、ラベルを付した反対側からびんを見ると、着色した糊跡が輪郭溝の存在及び輪郭溝の内側の領域と他の部分との肉厚差によって、歪むように変形を受けて見える。見る角度によってもこの変形は変化するため、輪郭模様の存在が見る者に伝わり、視認性が向上する。
1 粗型
2 凹部
2a 凹部の底面隅部が断面角状の箇所
2b 凹部の底面隅部がR加工された箇所
3 粗型の内表面
4 パリソン
5 パリソンの外表面
6 凸部
6a 凸部の角
6b 凸部の角なしのR部
6c 凸部の頂部
7 小溝
8 しわ状凸起
10 キャビティ
11 粗型の合わせ目
21 粗型の合わせ目に隣接して設けた凹部
22 粗型の中央部分に設けた凹部
23 粗型の中央部分
30 仕上がりびん
31 輪郭模様
32 輪郭溝

Claims (8)

  1. ガラスびんの側面に輪郭模様が表現された輪郭模様入りガラスびんの製造方法において、
    キャビティの内表面のうち、仕上がりびんの前記輪郭模様の輪郭線で包囲された領域に対応する箇所が深さ0.3〜2.0mmで底面を備えた凹部となるように窪み加工され、かつ、前記凹部の底面隅部が断面角状に加工され、該底面隅部のうち所定部分が断面角なしにR加工(但し、曲率半径はR0.3〜3.0mmとする。)された粗型内に溶融ガラス塊を投入して、外表面に前記凹部に対応した凸部を有するパリソンを成形する工程と、
    前記パリソンを、キャビティの内表面が平滑な仕上げ型に移送する工程と、
    前記仕上げ型内で前記パリソンをブロー成形して、仕上がりびんの外表面のうち断面角状に加工された底面隅部を転写して形成されたパリソンの凸部の角張った縁に対応する箇所にしわ状の溝を形成し、前記溝で囲まれた部分が前記輪郭模様として表現され、かつ、仕上がりびんの外表面のうち所定部分のR加工された底面隅部を転写して形成されたパリソンの凸部の縁を角なしとし、しわ状の溝の深さを、凹部の底面隅部が断面角状の箇所に対応するしわ状の溝の深さよりも浅くして、輪郭模様の所定部分の輪郭をぼかした仕上がりびんを成形する工程、とを有することを特徴とする輪郭模様入りガラスびんの製造方法。
  2. 前記粗型の凹部は、粗型のキャビティの内表面のうち、前記パリソンの側面を形成する面の全周にわたって窪み加工されており、かつ、前記粗型の合わせ目を挟んで両側に設けられている凹部の深さを、粗型の中央部分に設けられている凹部の深さよりも浅くしていることを特徴とする請求項に記載の輪郭模様入りガラスびんの製造方法。
  3. 前記仕上がりびんの表面を着色コーティング剤で被覆する工程をさらに有することを特徴とする請求項1又は2に記載の輪郭模様入りガラスびんの製造方法。
  4. 前記ガラスとして着色ガラスを使用することを特徴とする請求項1、2又は3に記載の輪郭模様入りガラスびんの製造方法。
  5. 前記粗型として、前記粗型の凹部の底面に小溝を複数設けた粗型を使用することを特徴とする請求項1、2、3又は4に記載の輪郭模様入りガラスびんの製造方法。
  6. 請求項1〜のいずれかに記載の輪郭模様入りガラスびんの製造方法によって製造されたことを特徴とする輪郭模様入りガラスびん。
  7. 裏面に図柄が印刷されたラベルを貼付したことを特徴とする請求項に記載の輪郭模様入りガラスびん。
  8. 着色剤を含有する糊を使用してラベルを貼付したことを特徴とする請求項6又は7に記載の輪郭模様入りガラスびん。
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