JP5922440B2 - 模様付ブロー成形品の製法およびそれによって得られる模様付ブロー成形品 - Google Patents

模様付ブロー成形品の製法およびそれによって得られる模様付ブロー成形品 Download PDF

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本発明は、文字や図形等の模様が付与された模様付ブロー成形品の製法と、それによって得られる模様付ブロー成形品に関するものである。
熱可塑性樹脂をブロー成形して得られる、いわゆるブローボトルは、薄肉で軽量でありながら耐久性にも優れ、安価に製造することができることから、化粧料容器や食品容器、薬品容器等、様々な用途に広く用いられている。
しかし、上記ブローボトルは、一般に、極性基がなく結晶化度の高いポリオレフィン系樹脂で成形されるため、印刷インクとの親和性がなく、そのままでは、印刷によって商品名や商品説明に関する表示を付与することができないという問題がある。また、これらの内容をラベルに表示してボトル表面に貼付することも考えられるが、ラベルを貼付するための接着剤に対しても親和性が小さいため、ラベルがすぐに剥がれてしまうという問題がある。
そこで、ブローボトル表面を、火炎処理やコロナ処理によって改質したり、大気圧プラズマ照射によって改質することによって、印刷インクや接着剤との親和性を高める方法(特許文献1を参照)や、ブロー成形の途中で、その中間体であるパリソン表面にインクを吹き付けて文字や図形等の模様を付与した後、金型を閉じて最終形状を付与することにより、上記模様を成形品の表面に固着させる方法(特許文献2を参照)が提案されている。
特開平10−310143公報 特開平11−170361公報
しかしながら、上記特許文献1のように、ブローボトル表面に改質処理を行うと、その改質処理時に、ボトル表面に傷が付いたりボトル形状が変形したりするおそれがあり、好ましくない。また、改質のために余分なコストがかかり、経済的でないという問題もある。
一方、上記特許文献2のように、パリソン表面に模様を印刷しようとすれば、金型近傍に、別途印刷装置を設置する必要があり、場所をとるだけでなく、金型内側が印刷インクで汚れるため、金型を開く都度、その内側に付着した残留インクを除去しなければならず煩雑な手間を要するという問題がある。また、金型による賦形時に、パリソン表面の模様が不鮮明になったり歪んだりしやすいという問題もある。
本発明は、このような事情に鑑みなされたもので、容易に剥げることのない、鮮明な色模様(文字等を含む)が立体的な凹凸模様とともに付与された、興趣に富む模様付ブロー成形品の製法と、それによって得られる模様付ブロー成形品の提供を目的とする。
上記の目的を達成するため、本発明は、着色樹脂からなる内層と透明樹脂からなる外層とを有し、上記外層表面に凹凸模様が付与された多層ブロー成形品を準備する工程と、上記多層ブロー成形品の外側から、上記凹凸模様を構成する凸部に向かってレーザ光を照射して内層表面に到達させ、上記凸部に対応する内層の表面のみを焦がして、レーザ非照射部とは異なる色に変色させることにより、外層を透かして視認できる色模様を現出させる工程とを備えた模様付ブロー成形品の製法を第1の要旨とする。
また、本発明は、そのなかでも、特に、上記外層表面の凹凸模様の高低差が、0.02〜3.0mmである多層ブロー成形品を用いるようにした模様付ブロー成形品の製法を第2の要旨とし、上記外層表面の凹凸模様を構成する各凸部の少なくとも頂面が、粗面になっている多層ブロー成形品を用いるようにした模様付ブロー成形品の製法を第3の要旨とし、上記外層が、透明アイオノマー樹脂で形成されている多層ブロー成形品を用いるようにした模様付ブロー成形品の製法を第4の要旨とする。
さらに、本発明は、着色樹脂からなる内層と透明樹脂からなる外層とを有し、上記外層表面に凹凸模様が付与されており、その凹凸模様を構成する凸部に対応する内層の表面のみレーザ光照射による焦げ目が形成されその焦げ目部分が外層を透かして色模様として視認されるようになっている模様付ブロー成形品を第5の要旨とする。
そして、本発明は、そのなかでも、特に、上記外層表面の凹凸模様の高低差が、0.02〜3.0mmに設定されている模様付ブロー成形品を第6の要旨とし、上記外層表面の凹凸模様を構成する各凸部の少なくとも頂面が、粗面になっている模様付ブロー成形品を第7の要旨とし、上記外層が、透明アイオノマー樹脂で形成されている模様付ブロー成形品を第8の要旨とする。
なお、本発明において、「凹凸模様」とは、模様を構成する点や線が、全て凸部によって形成されていたり、あるいは全て凹部で形成されている場合も含む趣旨である。
すなわち、本発明の第1の要旨である模様付ブロー成形品の製法は、外層表面に凹凸模様を有する多層ブロー成形品を用い、その凹凸模様の凸部へのレーザ光照射によって、その凸部に対応する内層の色を焦がして変色させ、それによって色模様を付与するようにしたものである。この製法によれば、鮮明で立体的に見える色模様を、短時間で簡単にブロー成形品に付与することができるため、従来の、ブロー成形品の表面改質処理やパリソンへの印刷等に比べて、製造の手間とコストを大幅に削減することができる。
そして、上記製法のなかでも、特に、上記外層表面の凹凸模様の高低差が、0.02〜3.0mmである多層ブロー成形品を用いたものは、凸部におけるレーザ光の集光性に優れ、色模様の発現性に優れており、好適である。
また、上記製法のなかでも、特に、上記外層表面の凹凸模様を構成する各凸部の少なくとも頂面が、粗面になっている多層ブロー成形品を用いたものは、凸部におけるレーザ光の集光性に一層優れ、色模様がより濃く発現するため、好適である。
さらに、上記製法のなかでも、特に、上記外層が、透明アイオノマー樹脂で形成されている多層ブロー成形品を用いたものは、上記透明アイオノマー樹脂が、金型への追従性に優れ、微細な凹凸模様を賦形することができるため、微細な凹凸模様と組み合わせた複雑な色模様(小さな文字を含む)を付与することができ、好適である。
また、本発明の模様付ブロー成形品は、本発明の第1の要旨である製法によって得られるもので、その色模様が、外層表面の凹凸模様の凸部に対応する内層において現出したものであるため、透明な外層表面の凸部による立体感と相俟って、非常に鮮明で興趣に富む印象を与える。そして、色模様が現出している部分とそれ以外の部分との境界が明確で、線幅や配置にずれや歪みがなく、しかも透明な凸部の光学的な効果が加わるため、例えば細かい文字の羅列であっても、その内容が読み取りやすいという利点を有する。
さらに、その色模様が、多層ブロー成形品の内側に配置する着色樹脂層の表面に形成され、外側の外層を透かして見えるようになっているため、剥がれたり傷付いたりすることがなく、長期にわたって美麗な状態が維持されるという利点を有する。
そして、上記模様付ブロー成形品のなかでも、特に、上記外層表面の凹凸模様の高低差が、0.02〜3.0mmに設定されているものは、色模様がより鮮明で美麗である。
また、上記模様付ブロー成形品のなかでも、特に、上記外層表面の凹凸模様を構成する各凸部の少なくとも頂面が、粗面になっているものは、色模様がさらに一層鮮明で美麗である。
さらに、上記模様付ブロー成形品のなかでも、特に、上記外層が、透明アイオノマー樹脂で形成されているものは、微細な凹凸模様と組み合わせた複雑な色模様(小さな文字を含む)を付与することができ、好適である。
本発明の一実施の形態である化粧料容器の斜視図である。 図1の縦断面図である。 図1のA−A′断面を拡大して模式的に示す説明図である。 上記実施の形態の製法の説明図である。 上記実施の形態の製法の説明図である。 (a)、(b)は、ともに本発明の凹凸模様の変形例を示す説明図である。 本発明の他の実施の形態の説明図である。 上記他の実施の形態の製法の説明図である。 上記他の実施の形態の製法の説明図である。
つぎに、本発明を実施するための形態について説明する。
図1は、本発明の一実施の形態である化粧料容器の斜視図を示している。この化粧料容器は、保湿用化粧水を収容するためのもので、その縦断面図である図2に示すように、内側に、白色に着色されたポリプロピレンからなる内層1が形成され、その外側に、透明なアイオノマー樹脂からなる外層2が形成された、2層ブロー成形ボトルによって構成されている。
そして、上記化粧料容器(図1に戻る)の胴体部の正面には、この化粧水のブランド名である「Listen」の文字3と、これを修飾する細かな図柄4と、内容物である化粧料の効能に関する説明書き5とが、外層2の表面に、浮き彫り状に突出形成されており(凹凸模様P)、その突出した部分が全て濃い灰色に着色されている。したがって、全体として、白地の容器表面に、濃い灰色の線からなる色模様Qが付与されているように見える。
より詳しく説明すると、上記文字3と図柄4と説明書き5からなる凹凸模様Pにおいて、凸部の着色は、外層2の凸部表面に直接なされているのではなく、図1のA−A′断面を拡大して模式的に示す図3に示すように、外層2の内側の、内層1の表面において、外層2の凸部に対応する部分のみが、本来の白色から濃い灰色に変色しており、この変色による色模様Qが、透明な外層2の凸部から透けて見えるため、あたかも外層2の凸部表面が着色されているように見えるのである。
上記化粧料容器は、例えばつぎのようにして得ることができる。
すなわち、まず、内層1を形成するための着色樹脂材料と、外層2を形成するための透明樹脂材料とを準備し、これら2種類の樹脂を共押出しダイを用いて2層が積層されたパリソンを成形する。そして、このパリソンをブロー金型に装着しブロー成形することによって、図1に示すようなボトル形状の成形品を得る。
なお、上記ブロー金型(図3において鎖線で示す)には、その賦形用凹部内周面に、上記凹凸模様Pを転写形成するための凹凸模様P′が形成されたものを用いる。上記ブロー金型への凹凸模様P′の形成は、機械加工によっても、エッチング等による化学的な処理によっても差し支えない。
したがって、得られたボトル形状の成形品には、図4に示すように、上記ブロー金型の凹凸模様P′によって、文字3等の凹凸模様P(図1参照)が転写形成されている。
つぎに、図5に示すように、上記ボトル形状の成形品の胴体部正面と平行にレーザーを走査させ、図示のように、外層2表面の凹凸模様Pの凸部に対してのみレーザ光を照射し、外層2を通過させて内層1表面に到達させ、内層1表面の、上記凸部に対応する部分に限った領域の樹脂を焦がして樹脂の色を変色させる。その結果、内層1表面に、上記凸部に対応する色模様Q(図1に示す文字3、図柄4および説明書き5)が現出し、外層2を透かして、これを鮮明に見ることができる。
このようにして得られた図1の化粧料容器は、その胴体部正面に、文字3、図柄4および説明書き5を示す凹凸模様Pの凸部に対応した、内層1表面の部分のみに、変色によって色模様Qが鮮明に現出しており、上記文字3等が立体的で見栄えがよく、興趣に富むものとなる。また、線幅や配置にずれや歪みがないため、緻密な模様が美麗であり、説明書き5の文字も読み取りやすい。
しかも、上記色模様Qは、内側の内層1の表面に形成され、外側の外層2を透かして見えるようになっているため、剥がれたり傷付いたりすることがなく、長期にわたって、その美麗な状態が維持されるという利点を有する。さらに、上記色模様Qは、この化粧料容器となるブロー成形品に凹凸模様Pを賦形するための加工条件と、これに合わせたレーザ光の照射条件とを変更するだけで、即座に変更ができるため、ニーズに応じた多種多様な色模様が付与された商品を、短期間で納品することができるという利点を有する。
なお、上記の例において、内層1を形成するための着色樹脂材料としては、一般に、顔料や染料等の着色剤を配合した樹脂材料が用いられる。また、樹脂自体が不透明の、何らかの色を有するものである場合は、その樹脂自体を「着色樹脂材料」として用いることができる。このような樹脂材料の樹脂成分としては、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)等のポリオレフィンの他、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリカーボネート(PC)等、各種の熱可塑性樹脂があげられる。これらは、単独で用いても2種以上を併用してもよい。なかでも、PE、PP等のポリオレフィンを用いることが、成形性や着色性の上で好適である。
そして、上記内層1の色は、これをレーザ光照射によって焦がして変色させたときの色との対比が明確になるような色であることが好ましく、例えば、その明度が7〜10であることが好適である。内層1の色がこの範囲の、白色もしくはごく淡い淡色であれば、とりわけ、レーザ光照射による変色後の色(濃色)と、背景となる内層1の色との濃淡の差が大きくなり、文字3等の色模様を、鮮明に視認させることができる。なお、上記変色後の色、すなわち色模様Qの色は、明度が0〜6の濃色〜黒色となるようレーザ光の照射条件を調整することが好適である。
また、逆に、上記内層1の色の明度が、0〜6の濃色〜黒色である場合、レーザ光照射による変色後の色が淡色(例えば明度7〜10)になるよう調整すると、両者の濃淡の差が大きくなるため、上記の場合と同様に、文字3等の色模様を、鮮明に視認させることができる。
なお、上記色模様Qの色は、外層2の表面に形成される凹凸模様Pの各凸部の頂面形状によっても左右される。すなわち、各凸部は、通常、転写用の凹凸模様P′が付与されたブロー金型からの転写によって賦形されるため、その頂面は,実際には、図5に示すように、やや中央が盛り上がった形に賦形されやすい。そのため、その盛り上がりの程度が大きければ大きいほど、レーザ光の集光効果によって、上記凸部に対応する内層1表面の、内側領域に、より濃い焦げ目が得られる。これを利用して、意図的に凸部が盛り上がった凹凸模様Pを形成して、より濃色の色模様Qを得ることができる。
また、上記凹凸模様Pの各凸部の側面を、図6(a)に示すように、傾斜面にすると、この傾斜面へのレーザ光が、凸部中心側に集光するため、上記と同様、上記凸部に対応する内層1表面の、内側領域に、より濃い焦げ目が得られ、より濃色の色模様Qを得ることができる。
さらに、上記凹凸模様Pの各凸部の頂面を、粗面(規則的な細かい凹凸を含む)にすることも、上記色模様Qを、より濃色にするのに有効である。すなわち、図6(b)に示すように、凹凸模様Pの各凸部が粗面になっていると、レーザ光が、上記粗面を通過する際に乱反射を起こし、結果として、内層1表面に到達する光の量が増加して上記凸部に対応する内層1表面に、より濃い焦げ目を得ることができる。
凹凸模様Pの各凸部の頂面を、このような粗面にするには、凹凸模様Pを賦形するためのブロー金型の転写用凹凸模様P′の各凹部の底にシボ加工を施したり、凹凸模様Pが形成されたブロー成形ボトルを得た後に、上記凹凸模様Pが形成された面に、サンドブラスト等の粗面処理を施したりすることが好適である。その場合、容器表面全体を粗面にしても差し支えない。
一方、外層2を形成するための透明樹脂材料としては、熱可塑性樹脂であって透明なものが好ましく、このような透明樹脂材料の樹脂成分としては、上記PE、PP等のポリオレフィン、PET、PCの他、透明性と諸物性に優れたアイオノマー樹脂があげられる。これらも、単独で用いても2種以上を併用してもよい。なかでも、透明性や耐久性に優れ、微細な凹凸模様を転写できる点において、アイオノマー樹脂が最適である。
そして、上記外層2の透明度は、内層1表面に現出した色模様を、透かして見せることを考慮すれば、完全な透明であることが好ましいが、多少透明性が減じられた、半透明のものであっても、その内側に設けられる内層1と、その表面に現出する色模様とが外側から見えるようになっていれば差し支えない。例えば、外層2を意図的にやや半透明にすることによって、全体にやわらかい印象を与えることができる。
さらに、2層ブロー成形品を得る方法は、上記の例のように、2層構造のパリソンをダイレクトブローする方法以外に、2層構造のブロープリフォームを成形した後、これを二軸延伸ブローする方法や、内層1のみからなる単層ブローボトルを得た後、インサート成形したりすることにより、2層構造のブローボトルにする方法であってもよい。ただし、いずれの方法によって得られた2層ブロー成形品であっても、その外層2には、凹凸模様Pが形成されていなければならない。
なお、上記2層ブロー成形品において、上記内層1の厚みを、0.1〜2mmに設定し、上記外層2の厚み(凹凸を形成していない部分の厚み)を、0.1〜3mmに設定することが好適である。すなわち、各層1、2の厚みが、上記の範囲より厚くなると、容器全体が厚肉となり、ブロー成形品らしい、すっきりした美しさが得られにくく、好ましくない。逆に、内層1の厚みが、上記の範囲より薄くなると、レーザ光照射によって鮮明な焦げ目を得ようとすると、内層1に破れが生じるおそれがあり、また外層2の厚みが、上記の範囲より薄くなると、ブロー成形品の耐久性、成形性に問題が生じるおそれがあり、好ましくない。
また、外層2の表面に形成される凹凸模様Pの高低差(図4においてHで示す)は、0.02〜3.0mmに設定することが好適である。高低差が上記の範囲よりも小さいと、凹凸模様Pの立体的な印象が弱くなるとともに、レーザ光照射によって現出する色模様Qの色が曖昧になる傾向がみられ、逆に、上記の範囲よりも大きいと、凹凸模様Pの凸部に照射したレーザ光が内層1表面に到達するまでに乱れ、色模様Qが不鮮明になってしまうおそれがあるからである。
そして、上記の例では、レーザ光照射によって現出させる色模様Qが、ブランド名を示す文字3とこれを修飾する図柄4と説明書き5とであったが、上記色模様Qとしては、文字、図柄、あるいはこれらの組み合わせといった、様々なバリエーションのものを現出させることができる。
上記レーザ光の照射は、従来ガラス加工等に用いられるNd:YAGレーザ等によって行うことができる。そして、上記レーザ光の照射による加工方法としては、上記の例のように、レーザを、外層2の凹凸模様形成面と平行に走査させながら、その凸部に向かってレーザ光を、内層1の表面に焦点を合わせながら照射して、所望の色模様を現出させる方法が好適である。
なお、本発明の対象となるブロー成形品は、上記の例のように、ボトル形状の化粧料容器に限るものではなく、食品容器や薬品容器等、様々な分野に利用される容器を含むものである。また、容器以外の、装飾品や生活用品として用いられるブロー成形品であってもよい。そして、その形態も、比較的剛性の高いボトルに限らず、スクイズボトルや、チューブ、スタンディングパウチ等、ブロー成形されたものであれば、どのような形態であってもよい。
そして、上記の例では、ブロー成形品が内層1と外層2との2層ブロー成形品であったが、上記内層1の内側に、さらにガスバリア層を設けたものや、内層1の外側に、2層以上の透明な外層が積層されたもの等、3層以上の多層ブロー成形品であっても差し支えない。ただし、凹凸模様Pが形成された外層2の、その凸部に対応する内層1の表面に、レーザ光照射によって色模様を形成することが本発明の特徴であり、必ず、ブロー成形品の外側に外層2が設けられ内側に内層1が設けられた構成になっていなければならない。
図7は、本発明の他の実施の形態である化粧料容器の斜視図を示している。この化粧料容器は、図1に示す化粧料容器と略同一の構成を有し、同一部分に同一番号を付して、その説明を省略する。ただし、この化粧料容器の胴体部は、その正面に形成された凹凸模様Pのうち、文字3とこれを修飾する図柄4の背景となる部分に、正面からみて長方形状の金属薄膜層10が形成されている。
より詳しく説明すると、上記金属薄膜層10は、厚み0.04μmのアルミニウム薄膜層からなり、外層2表面の凹凸模様Pのうち、文字3とこれを修飾する図柄4に対応する部分に、その凸部と同一形状の透かし模様11が形成されており、この透かし模様11と、その下に露出した透明な外層2を透かして、内層1に形成された色模様Qが見えるようになっている。
上記化粧料容器は、例えばつぎのようにして得ることができる。
すなわち、まず、図1に示す化粧料容器と同様、内側の内層1を形成するための着色樹脂材料と、外側の外層2を形成するための透明樹脂材料とを準備し、これら2種類の樹脂を共押出しダイを用いて2層が積層されたパリソンを成形する。そして、このパリソンをブロー金型に装着しブロー成形することによって、図4に示すような、凹凸模様Pが形成された2層ブロー成形ボトルを得る。
つぎに、図8に示すように、上記成形品の胴体部正面の上部に、蒸着によって、帯状の金属薄膜層10を形成する。そして、図9に示すように、上記ボトル形状の成形品の胴体部正面の凹凸模様Pのうち、凸部のみにレーザ光を照射して凸部を被覆していた金属薄膜層10を除去加工して透かし模様11を形成しながら、その除去跡からレーザ光を、外層2の内側に進めて内層1の表面に到達させる。そして、上記内層1表面の樹脂を焦がすことにより、前記の例と同様の色模様Q(文字3と図柄4の部分)を現出させる。
一方、上記ボトル形状の成形品の胴体部の下部においては、前記の例と同様、その胴体部の外層2を通過したレーザ光によって、上記内層1表面を焦がし、外層2の凹凸模様Pの説明書き5の部分と対応する色模様Qを現出させる。
このようにして得られた図7の化粧料容器も、図1の化粧料容器と同様、色模様Qが鮮明に付与されており、上記文字3等が立体的で見栄えがよく、興趣に富むものとなる。また、線幅や配置にずれや歪みがないため、緻密な模様が美麗であり、説明書き5の文字も読み取りやすい。
しかも、上記色模様Qのうち、文字3および図柄4の部分は、金属薄膜層10の透かし模様11と、その内側の外層2とを透かして見えるため、上記金属薄膜層10が華やかな印象を与えるだけでなく、上記文字3等が、あたかも金属部分を深く彫り込んだかのような、奥行きのある、立体的な模様に見えるようになっており、より印象的である。
そして、上記色模様Qは、前記図1の化粧料容器における色模様Qと同様、剥がれたり傷付いたりすることがなく、長期にわたって、その美麗な状態が維持されるという利点を有する。さらに、上記色模様Qも、化粧料容器となるブロー成形品に凹凸模様Pを賦形するための加工条件と、これに合わせたレーザ光の照射条件とを変更するだけで、即座に変更ができるため、ニーズに応じた多種多様な色模様が付与された商品を、短期間で納品することができるという利点を有する。
なお、上記の例において、金属薄膜層10は、蒸着によって形成されたアルミニウム薄膜層であるが、金属の種類は、アルミニウムに限らず、ステンレス、スズ、インジウム等であってもよい。そして、その形成方法としては、蒸着の他、スパッタリング等のように、凹凸面への薄膜層形成が可能な方法が用いられる。
また、上記金属薄膜層10の厚みは、上記の例に限らず、0.02〜0.1μmに設定することが好適である。すなわち、金属薄膜層10の厚みが上記の範囲よりも厚いと、レーザ照射による除去を短時間でスムーズに行うことができず、生産効率が悪くなるとともに、金属薄膜層10の除去部と非除去部との間、あるいは金属薄膜層10の形成部分と非形成部分との間に微妙な段差が生じて、容器表面の平滑性が損なわれるおそれがあるからである。逆に、金属薄膜層10の厚みが上記の範囲よりも薄いと、成形品表面への金属薄膜層10の形成が困難になるおそれがあり、好ましくない。
そして、上記金属薄膜層10は、上記の例のように、成形品表面の限られた部分に形成する以外に、表面全体に形成してもよい。すなわち、文字3等からなる色模様Qとのバランスや全体的なデザインに応じて、適宜の領域に形成することができる。
なお、上記の例では、レーザ光照射によって、内層1表面を焦がすことによる変色と、その手前の金属薄膜層10の除去加工とを同時に行うため、用いるレーザ光が、金属に対する除去加工性能に優れたものでなければならない。このようなレーザとしては、Nd:YAGレーザが好適である。
また、上記の例において、内層1の色は、前記の例と同様、これをレーザ光照射によって焦がしたときの色との対比が明確になるような色であることが好ましい。すなわち、色模様Qの色と、容器全体の地の色となる内層1の色とが、互いに近い色合いでは、視覚的な印象が弱いからである。ただし、金属薄膜層10を、容器の表面全体に形成する場合には、容器の地の色、すなわち内層1の色が外から見えることがないため、その場合は、色模様Qの色と、金属薄膜層10の光沢色との対比が明確になるように、内層1の色を選択することが好ましい。
本発明は、容易に剥げることのない鮮明な色模様(文字等を含む)が付与された模様付ブロー成形品の製法と、それによって得られる模様付ブロー成形品に利用することができる。
1 内層
2 外層
3 文字
4 図柄
5 説明書き
P 凹凸模様
Q 色模様

Claims (8)

  1. 着色樹脂からなる内層と透明樹脂からなる外層とを有し、上記外層表面に凹凸模様が付与された多層ブロー成形品を準備する工程と、上記多層ブロー成形品の外側から、上記凹凸模様を構成する凸部に向かってレーザ光を照射して内層表面に到達させ、上記凸部に対応する内層の表面のみを焦がして、レーザ非照射部とは異なる色に変色させることにより、外層を透かして視認できる色模様を現出させる工程とを備えたことを特徴とする模様付ブロー成形品の製法。
  2. 上記外層表面の凹凸模様の高低差が、0.02〜3.0mmである多層ブロー成形品を用いるようにした請求項1記載の模様付ブロー成形品の製法。
  3. 上記外層表面の凹凸模様を構成する各凸部の少なくとも頂面が、粗面になっている多層ブロー成形品を用いるようにした請求項1または2記載の模様付ブロー成形品の製法。
  4. 上記外層が、透明アイオノマー樹脂で形成されている多層ブロー成形品を用いるようにした請求項1〜3のいずれか一項に記載の模様付ブロー成形品の製法。
  5. 色樹脂からなる内層と透明樹脂からなる外層とを有し、上記外層表面に凹凸模様が付与されており、その凹凸模様を構成する凸部に対応する内層の表面のみレーザ光照射による焦げ目が形成されその焦げ目部分が外層を透かして色模様として視認されるようになっていることを特徴とする模様付ブロー成形品。
  6. 上記外層表面の凹凸模様の高低差が、0.02〜3.0mmに設定されている請求項5記載の模様付ブロー成形品。
  7. 上記外層表面の凹凸模様を構成する各凸部の少なくとも頂面が、粗面になっている請求項5または6記載の模様付ブロー成形品。
  8. 上記外層が、透明アイオノマー樹脂で形成されている請求項5〜7のいずれか一項に記載の模様付ブロー成形品。
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