JP2020007166A - バッフル、パリソン成形用金型、ガラス容器製造装置及びガラス容器 - Google Patents
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Abstract
【課題】ガラス容器の表面に対するシールの貼り付けや印刷への影響を抑えながら、視認性に優れた記号や模様を該表面に設けることができるバッフル、パリソン成形用金型、ガラス容器製造装置及びガラス容器を提供すること。【解決手段】本発明に係るバッフル5は、姿面に凹部12が形成されたパリソン成形用の金型である。本発明に係るパリソン成形用金型は、上記バッフル5を有する。本発明に係るガラス容器製造装置は、上記バッフル又は上記パリソン成形用金型を具備する。【選択図】図1
Description
本発明は、例えば、ガラス容器の製造に用いられるバッフル、パリソン成形用金型、ガラス容器製造装置及びガラス容器に関する。
従来、ガラス容器入りの商品は市場に出回っており、ガラス容器の底部外面には、その容器がいつ、どこで製造されたものかが分かるように、製造時期や製造工場名等を表す出所表示記号が刻印される。この出所表示記号は、商品の供給者側にて識別可能であればその用が足りるといった観点から、比較的少数の文字で構成されることが多い。
一方、例えば化粧品や健康食品等の商品が入るガラス容器の底部外面には、商品の消費期限や賞味期限など、消費者向けの商品情報を示したシールが貼られたり、同情報が印刷(インクジェット印刷等)されたりすることがある。
ところで、従来のガラス容器では、出所表示記号を構成する凸状の文字が底部外面に形成されるが、特にガラス容器の底部を厚くするべくパリソンの底部を厚くしてある場合には、このパリソンをブロー成形する際に、金型に設けた文字形成用の凹溝にパリソンの厚い底部が入り込みづらくなり、形成された文字の凸量が不足してその判別が難しくなるため、凹溝を深くしたりその幅を広げたりする必要がある。
しかし、その結果、形成された文字の凸量や幅が大きくなると、ガラス容器の底部外面へのシールの貼り付けや印刷に支障を来し、斯かるシールや印刷により表示される商品情報の正確な認識が困難になる恐れがある。そして、シールが剥がれた場合は勿論、印刷の一部がかすれる等して、比較的多くの文字(上記出所表示記号に係る文字数よりも多くの文字)で構成される傾向にある商品情報が一部でも損なわれてしまうと、例えば消費期限を過ぎた商品の使用、あるいは消費期限内の商品の廃棄といった事態に結びつき、消費者等が危険に晒されたり不利益を被ったりすることになり兼ねない。
そこで、ガラス容器の底部外面ではなく底部内面に凹凸模様として文字や数字等を設け、容器の底部外面に凹凸を生じさせなくすることも考えられるが(引用文献1、段落0029等)、この場合、容器の内面底部に形成された文字等の視認性が懸念される。
本発明は上述の事柄に留意してなされたもので、その目的は、ガラス容器の表面に対するシールの貼り付けや印刷への影響を抑えながら、視認性に優れた記号や模様を該表面に設けることができるバッフル、パリソン成形用金型、ガラス容器製造装置及びガラス容器を提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明に係るバッフルは、姿面に凹部が形成されたパリソン成形用の金型である(請求項1)。
上記目的を達成するために、本発明に係るパリソン成形用金型は、請求項1に記載のバッフルを有する(請求項2)。
一方、上記目的を達成するために、本発明に係るガラス容器製造装置は、請求項1に記載のバッフル又は請求項2に記載のパリソン成形用金型を具備する(請求項3)。
また、上記目的を達成するために、本発明に係るガラス容器は、外面に文字又は模様が形成されているガラス容器であって、前記文字又は模様は無端溝によって囲まれている(請求項4)。
本願発明では、ガラス容器の表面に対するシールの貼り付けや印刷への影響を抑えながら、視認性に優れた記号や模様を該表面に設けることができるバッフル、パリソン成形用金型、ガラス容器製造装置及びガラス容器が得られる。
すなわち、本願の各請求項に係る発明のバッフル等では、ガラス容器に形成した記号又は模様が、無端溝によって囲まれて強調され、視認性に優れたものとなる。そして、本発明のバッフル等によってガラス容器に形成された記号又は模様の表面は、無端溝よりも外側の部分と滑らかに連続するように延び、かつ、無端溝の溝幅は比較的狭いため、記号又は模様や無端溝はこれらが位置する部分に対するシールの貼り付けや印刷に殆ど悪影響を及ぼすことはない。特に、本発明は、底部の厚い(例えば底部肉厚が約7.5mm以上の)ガラス容器の底部外面に文字や模様を設ける場合に効果的である。
また、パリソンの仕上成形に用いられる底型の上面に凹凸を設けてガラス容器の底面に記号又は模様を形成しようとした場合には、その凹凸に離型剤が溜まり易く、メンテナンス性が低下することになるが、本発明では、バッフルの姿面としての下面に凹部を設ければ、そこに離型剤が溜まり易くなることにはならないので、離型剤の溜まり易さに基づくメンテナンス性の低下を招来せず、この点で優れたものとなる。
本発明の実施の形態について図面を参照しながら以下に説明する。
本実施形態のガラス容器製造装置は、図1(A)〜(H)に示すプレスアンドブロー方式のガラス容器製造方法を実行可能に構成されたものである。以下では、このガラス容器製造装置の構成の説明を兼ねて、ガラス容器製造方法の内容について説明する。
本実施形態のガラス容器製造方法では、まず、口型1及びこの口型1内を通って昇降可能なプランジャ2がセットされた粗型3内の空洞部4に上方からゴブ(ガラス溶融の塊)Gを投入する(図1(A))。次いで、バッフル5を降ろして空洞部4に蓋をし(図1(B))、プランジャ2を上昇させて空洞部4内の上部にまで進入させ、パリソンPを成形する(図1(C))。すなわち、粗型3及びバッフル5は、パリソン成形用金型を構成する。
パリソンPの成形後、粗型3を構成する一対の割型3A,3Bを開き、パリソンPを口型1で支持した状態でインバート装置6により上下反転させて型開きした仕上型7へ移送する(図1(D))。その後、一対の割型からなる仕上型7は、底型8及びパリソンPを抱き込んで閉じ、口型1はパリソンPを離しインバート装置6によって粗型側に戻る(図1(E))。
続いて、仕上型7にブローヘッド9をセットし(図1(F))、パリソンPの内部に高圧空気を吹き込み(所謂ファイナルブロー)、仕上型7及び底型8の姿面に沿うまでパリソンPを膨らませる。こうしてガラス容器10の成形が完了すれば、ブローヘッド9を退かせ仕上型7を開放した後、ガラス容器10の口部をテイクアウトトング11によって掴み、宙吊り状態でガラス容器10を搬出する(図1(G)、(H))。
そして、本実施形態では、図2及び図3(A)に示すように、バッフル5の姿面(下面)5aに凹部12を設ける。これにより、ガラス容器成形用のパリソンPの表面(外側面であって、本例ではガラス容器10に成形されたときの底面に相当する位置)に、凹部12が転写された凸部13が形成されることになる(図3(B)及び(C)参照)。そして、この凸部13は、パリソンPがファイナルブローによってガラス容器10に成形される際に、底型8の姿面(上面)に押し当てられることにより、最終的には、無端溝14に囲まれ、かつ、その表面は無端溝14の外側の部分と滑らかに連続するように延びる記号又は模様(以下、「記号等」という)15に変形する(図3(D)〜(F)参照)。
つまり、記号等15は、ガラス容器10の底面に形成されることになり、例えば、図4(A)に示すように、凸部13が「S」の字を象ったものである場合、記号等15は、同図(B)に示すように、同じく「S」の字を象ったものとなるが、さらにその周囲が無端溝14で囲まれた形状を呈することになり、縁(輪郭)が無端溝14によって強調されて、視認性に優れたものとなる。
また、形成された記号等15の表面は、無端溝14よりも外側の部分と滑らかに連続するように延び(例えば略面一となり)、かつ、無端溝14の溝幅は比較的狭いため、記号等15や無端溝14はこれらが位置する部分に対するシールの貼り付けや印刷に殆ど悪影響を及ぼすことはない。しかも、無端溝14において記号等15側に連なる部分も外側に連なる部分も、それぞれ滑らかな曲線状に形成されるので、指で無端溝14付近に触れた際に怪我をし難い上、物が無端溝14付近に接触した場合でも凹凸による抵抗が小さく破損し難い。
以上の点から、凹部12の深さは、0.1mm〜0.5mmとするのが好ましい。すなわち、0.1mmを下回ると、無端溝14が浅くなって記号等15の視認性の向上を図ることができず、逆に0.5mmを上回ると、無端溝14が幅広になってシールの貼り付けや印刷への影響が懸念される程度の凹凸を形成することになる。特に0.3mm前後(0.25mm〜0.35mm)とすれば、視認性においてもシールの貼り付けや印刷に対する影響の抑制を図れるという点においても、非常に優れた効果が得られると考えられる。
ここで、最終的にガラス容器10の底面に無端溝14を設ければよいという観点から、パリソンPに凸部13を形成せずに、底型8の上面に無端溝14を転写するための凸部を設けておけばよいとも考えられるが、このようにして形成される無端溝14は、本実施形態による無端溝14よりも、浅くなるか幅広になることを避けられない。すなわち、本実施形態のガラス容器製造方法では、無端溝14の溝幅を狭めつつ(例えば0.1mm〜0.3mm程度)比較的深く(例えば0.3〜0.6mm程度に)することが可能であるが、この無端溝14と同様の溝幅及び深さを持った無端溝を、底型8に凸部を設けて実現することは、型抜き等を考慮すれば不可能といえる。
詳述すると、上記ファイナルブローにより、パリソンP(ガラス)は金型(仕上型・底型)に沿ってガラス容器10(製品)の形になるが、パリソンPがブローによって膨らんでいく際に、金型に接して温度(流動性)の下がるパリソンPの外表面側ほどその層(面)の連続性が高く維持されつつ変形することになり、このような変形によってパリソンPにおける凸部13の周囲付近に無端溝14が形成されることになると考えられる。そして、例えば、バッフル5の凹部12の深さを0.3mm程度、凹部12の長手方向に垂直な断面幅を1.0mm程度とした場合、形成される無端溝14の深さは0.3mm強程度、溝幅は0.2mm位になる。
しかも、底型8の上面に凸部を設けると、その凹凸に離型剤が溜まり易く、メンテナンス性が低下することになるが、本実施形態では、バッフル5の下面に凹部12を設けるので、離型剤の溜まり易さに基づくメンテナンス性の低下を招来せず、この点でも優れたものとなる。
そして、以上の説明から理解されるように、ガラス容器10に設けたい記号等15の形状に応じて凹部12の形状を決めればよく、そうした凹部12あるいは記号等15の形状には、種々の記号(文字やマーク、絵などの意味を付された図形)や模様(装飾のための図形)を採用することができ、世界の各言語に使用される数字や文字の他、様々なキャラクターをモチーフにしたもの等であってもよい。
なお、本発明は、上記の実施の形態に何ら限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々に変形して実施し得ることは勿論である。例えば、以下のような変形例を挙げることができる。
上記実施の形態では、ガラス容器10の底面に記号等15を設けるために、バッフル5に凹部12を形成しているが、これに限らず、例えば、粗型3に凹部12を形成し、ガラス容器10の側面に記号等15を設けるようにしてもよい。つまり、粗型3もバッフル5もパリソン成形用の金型であり、このパリソン成形用の金型に形成する凹部12の位置は任意に決定することができ、例えば粗型3とバッフル5とにわたって延びるような凹部12を形成することも考えられる。
また、ガラス容器の製造は、一般に、先ずゴブを粗成形して半製品であるパリソンとし、次にパリソンを仕上成形してガラス容器に完成させる工程を採り、ゴブからパリソンへの粗成形は、プレス成形で行ったりブロー成形で行ったりするが、パリソンからの仕上成形はブロー成形で行う。そして、ガラス容器の製造方法は、粗成形と仕上成形の組み合わせに応じて、プレスアンドブロー方式あるいはブローアンドブロー方式と称する。上記実施の形態のガラス容器製造方法は、プレスアンドブロー方式によるものであるが、本発明は、ブローアンドブロー方式にも適用可能であり、具体的には、粗成形で用いるブロー装置(カウンターブローを行うための装置)を構成するパリソン成形用の金型(粗型、バッフル)の姿面に凹部12を形成するようにしてもよい。
そして、本明細書で挙げた変形例どうしを適宜に組み合わせてもよいことはいうまでもない。
1 口型
2 プランジャ
3 粗型
3A 割型
3B 割型
4 空洞部
5 バッフル
5a 姿面(下面)
6 インバート装置
7 仕上型
8 底型
9 ブローヘッド
10 ガラス容器
11 テイクアウトトング
12 凹部
13 凸部
14 無端溝
15 記号等(記号又は模様)
G ゴブ
P パリソン
2 プランジャ
3 粗型
3A 割型
3B 割型
4 空洞部
5 バッフル
5a 姿面(下面)
6 インバート装置
7 仕上型
8 底型
9 ブローヘッド
10 ガラス容器
11 テイクアウトトング
12 凹部
13 凸部
14 無端溝
15 記号等(記号又は模様)
G ゴブ
P パリソン
Claims (4)
- 姿面に凹部が形成されたパリソン成形用の金型であるバッフル。
- 請求項1に記載のバッフルを有するパリソン成形用金型。
- 請求項1に記載のバッフル又は請求項2に記載のパリソン成形用金型を具備するガラス容器製造装置。
- 底部下面に文字又は模様が形成されているガラス容器であって、
前記文字又は模様は無端溝によって囲まれていることを特徴とするガラス容器。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2018126483A JP2020007166A (ja) | 2018-07-03 | 2018-07-03 | バッフル、パリソン成形用金型、ガラス容器製造装置及びガラス容器 |
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Publication Number | Publication Date |
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JP2020007166A true JP2020007166A (ja) | 2020-01-16 |
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JP2018126483A Pending JP2020007166A (ja) | 2018-07-03 | 2018-07-03 | バッフル、パリソン成形用金型、ガラス容器製造装置及びガラス容器 |
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Country | Link |
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JP (1) | JP2020007166A (ja) |
Citations (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS62108739A (ja) * | 1985-11-08 | 1987-05-20 | エムハート グラス マシーネリー インヴェストメンツ インコーポレイテッド | ガラス容器の製造におけるパリソンの形成方法 |
JP2000159526A (ja) * | 1998-11-20 | 2000-06-13 | Ishizuka Glass Co Ltd | 中空ガラス製品の底部彫刻品成形方法 |
JP2005179074A (ja) * | 2003-12-16 | 2005-07-07 | Toyo Glass Co Ltd | バッフル及びパリソン成形装置 |
-
2018
- 2018-07-03 JP JP2018126483A patent/JP2020007166A/ja active Pending
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Title |
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カゴメソース瓶・其の1, 川原の一本松, 2009年06月26日, HTTPS://BLOG.GOO.NE.JP/987SIGURE/E/7C68333AA5F, JPN6022007415, ISSN: 0004714479 * |
星マークのある瓶底, こんなものを見た2, 2015年07月03日, HTTPS://ARISUABU.EXBLOG.JP/24345964/ [検索, JPN6022007413, ISSN: 0004714481 * |
発掘品(カゴメ), ガラス集めてみました 趣味で集めたガラスたち, 2008年08月05日, HTTP://BIKKI.BLOG103, JPN6022007414, ISSN: 0004714480 * |
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