JP7123683B2 - 容器成形金型、及び容器成形金型を使用したガラス容器の製造方法 - Google Patents

容器成形金型、及び容器成形金型を使用したガラス容器の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、ガラス容器を成形するための容器成形金型、容器成形金型を使用して製造されたガラス容器、及び容器成形金型を使用したガラス容器の製造方法に関する。
ガラス容器の表面に文字や図柄等のエンボス部(浮き彫り部)を形成するために、エンボス部に対応した凹部が金型面に形成された金型が使用される(例えば、特許文献1)。ガラス容器と金型との離型性の向上や、エンボス部におけるびり(微小なクラック)の抑制を目的として、金型面に形成された凹部の縁を形成する側面は底側に向けて凹部の内方に傾斜している。凹部の側面の金型面に対する傾斜角度は約45度に設定されることが多い。
特許第5570751号明細書
近年、デザインの観点から、ガラス容器のエンボス部の視認性を向上させたい、すなわちエンボス部を明瞭にしたいという要求がある。エンボス部の視認性を向上させるためには、エンボス部の高さを高くして輪郭を明瞭にすることが考えられる。そのためには、金型に形成された凹部の深さを一層深くする加工が必要であると考えられていた。しかし、本願発明者の研究によると、凹部の深さはエンボス部の視認性に対して顕著な影響を与えないことが確認された。
本発明は、以上の背景を鑑み、ガラス容器の表面に形成されるエンボス部の視認性を向上させることができる容器成形金型を提供することを課題とする。また、ガラス容器において、表面に形成されるエンボス部の視認性を向上させることを課題とする。また、ガラス容器の表面に形成されるエンボス部の視認性を向上させることができるガラス容器の製造方法を提供することを課題とする。
上記課題を解決するために、本発明のある態様は、ガラス容器(C)を成形するための容器成形金型(20)であって、前記ガラス容器の主表面(C1)を形成するためのベース型面(25)と、前記ガラス容器の主表面にエンボス部(C2)を形成するために、前記ベース型面に形成された凹部(26)とを有し、前記凹部は、凹部底壁(27)と、前記凹部底壁から前記ベース型面に向けて延びる凹部側壁(28)とによって形成され、前記凹部側壁は、前記ベース型面を前記凹部の上方に延長した第1基準面(29)に対して50度以上90度以下の角度(θ1)をなす凹部縦面(31)を前記第1基準面側の端部に有することを特徴とする。
この態様によれば、容器成形金型によって製造されるガラス容器のエンボス部の視認性を向上させることができる。凹部の凹部縦面が第1基準面に対して比較的大きな角度を有するため、成形時に凹部内に進入する可撓性のガラスと凹部縦面との接触面積が小さくなる。その結果、ガラスは凹部縦面から冷却され難くなり、高温状態を維持して流動性を維持することができる。そのため、凹部内へのガラスの進入量が増加し、エンボス部を高く形成することができる。また、エンボス部の縁部がガラス容器の主表面に対して急峻に立ち上がるため、エンボス部と主表面との境界が明瞭になる。これらにより、エンボス部の視認性が向上する。
また、上記の態様において、前記凹部縦面は、前記第1基準面に対して80度以上90度以下の角度をなすとよい。
この態様によれば、第1基準面に対して凹部縦面が略垂直になるため、成形時に凹部内に進入する可撓性のガラスと凹部縦面との接触面積を一層小さくすることができる。これにより、容器成形金型によって製造されるガラス容器のエンボス部の視認性を向上させることができる。
また、上記の態様において、前記凹部縦面は、前記凹部側壁の表面の1%以上100%以下を占めるとよい。
この態様によれば、成形時に凹部内に進入する可撓性のガラスと凹部側壁との接触面積を小さくすることができる。
また、上記の態様において、前記凹部の深さが0.2mm以上10mm以下であるとよい。
この態様によれば、金型によって成形されるエンボス部を高くして、エンボス部の視認性を向上させることができる。
また、本発明の他の態様は、ガラス容器(C)を成形するための容器成形金型(20)であって、前記ガラス容器の主表面(C1)を形成するためのベース型面(25)と、前記ガラス容器の主表面にエンボス部(C2)を形成するために、前記ベース型面に形成された凸部(70)とを有し、前記凸部は、先端に設けられた凸部端壁(71)と、前記凸部端壁から前記ベース型面に向けて延びる凸部側壁(72)とによって形成され、前記凸部側壁は、前記凸部端壁を延長した第2基準面(74)に対して50度以上90度以下の角度(θ3)をなす凸部縦面(75)を前記凸部端壁側の端部に有することを特徴とする。
この態様によれば、容器成形金型によって製造されるガラス容器のエンボス部の視認性を向上させることができる。凸部縦面が第2基準面に対して比較的大きな角度を有するため、成形時に可撓性のガラスと凸部縦面との接触面積が小さくなる。その結果、ガラスは凸部縦面から冷却され難くなり、高温状態を維持して流動性を維持することができる。そのため、ガラスは凸部の周囲においてベース型面側に近づくことができ、エンボス部を高く(深く)形成することができる。また、エンボス部の縁部がガラス容器の主表面に対して急峻に凹むため、エンボス部と主表面との境界が明瞭になる。これらにより、エンボス部の視認性が向上する。
また、上記の態様において、前記凸部縦面は、前記第2基準面に対して80度以上90度以下の角度をなすとよい。
この態様によれば、第2基準面に対して凸部縦面が略垂直になるため、成形時に凸部の周囲においてベース型面側に移動する可撓性のガラスと凸部縦面との接触面積を一層小さくすることができる。これにより、容器成形金型によって製造されるガラス容器のエンボス部の視認性を向上させることができる。
また、上記の態様において、前記凸部縦面は、前記凸部側壁の表面の1%以上100%以下を占めるとよい。
この態様によれば、成形時に凸部の周囲においてベース型面側に移動する可撓性のガラスと凸部側壁との接触面積を小さくすることができる。
また、上記の態様において、前記凸部端壁は、前記ベース型面と平行な平面な面に形成されているとよい。
また、本発明の他の態様は、上記の容器成形金型(20)を使用して製造され、前記エンボス部(C2)の高さが0.2mm以上10mm以下であることを特徴とするガラス容器(C)を提供する。
この態様によれば、ガラス容器の表面に形成されるエンボス部の視認性を向上させることができる。
また、本発明の他の態様は、上記の容器成形金型(20)を使用したガラス容器(C)の製造方法であって、前記凹部(26)及び前記ベース型面(25)に温度が700℃以上1000℃以下の可撓性を有するガラスを押し当てる工程を有することを特徴とする。
この態様によれば、製造されるガラス容器の表面に形成されるエンボス部の視認性を向上させることができる。
本発明によれば、ガラス容器の表面に形成されるエンボス部の視認性を向上させることができる容器成形金型を提供することができる。また、ガラス容器において、表面に形成されるエンボス部の視認性を向上させることができる。また、ガラス容器の表面に形成されるエンボス部の視認性を向上させることができるガラス容器の製造方法を提供することができる。
成形装置を示す側面図 本実施形態に係る容器成形金型を示す説明図 (A)本実施形態に係る容器成形金型の凹部を示す平面図、(B)図3(A)のB-B断面図 実施形態に係る容器成形金型によるエンボス部の成形過程を示す説明図 比較例に係る容器成形金型によるエンボス部の成形過程を示す説明図 (A)実施例に係る容器成形金型により形成したエンボス部の写真画像、(B)図6(A)のB-B断面図、(C)実施例に係る容器成形金型の断面形状 (A)比較例に係る容器成形金型により形成したエンボス部の写真画像、(B)図7(A)のB-B断面図、(C)比較例に係る容器成形金型の断面形状 一部変形実施形態に係る容器成形金型の凹部の断面図 (A)他の本実施形態に係る容器成形金型の凸部を示す平面図、(B)図9(A)のB-B断面図
以下、本発明の実施形態について説明する。容器成形金型20は、ブロー成形によってガラス容器Cを成形するために使用され、ガラス容器Cの成形装置1の一部を構成する。成形装置1は、ガラスゴブからパリソンを成形する工程と、パリソンからガラス容器Cを成形する工程とを実行する。
図1に示すように、成形装置1は、基台2に回転可能に支持された反転アーム3を有する。反転アーム3は、水平方向に延びる回転中心を有し、初期位置と、初期位置に対して180°回転した反転位置との間で回転する。反転アーム3の先端には、少なくとも1つの口型4が支持されている。口型4は、反転アーム3が初期位置にあるときに、反転アーム3の上側に配置される。各口型4は、上下に延びる合せ面を有する割型と、一対の割型の間に配置されるガイドリングとを有する。一対の割型及びガイドリングのそれぞれは、反転アーム3に支持されている。基台には、口型が初期位置にあるときに、ガイドリングを通過して、割型間に突入するプランジャが設けられている。
各口型4の上方には、一対の粗型5がそれぞれ配置されている。一対の粗型5は、上下に延びる合せ面を有し、下端部において口型4を側方から挟み込むように配置される。一対の粗型5は、合せ面にパリソンの側部に対応した形状を形成する。粗型5の上端開口は、バッフル6によって開閉可能に閉じられる。
ガラスゴブからパリソンを成形する工程は、例えばブローアンドブロー成形によって行う。最初に、バッフル6を退避させた状態で口型4及び粗型5内にゴブを投入する。次に、バッフル6によって粗型5の上端を閉じ、バッフル6からセッツルエアーを噴射してゴブを口型4に押し付けてパリソンの口部を形成する。次に、口型4の割型及びプランジャの間から口部の内部にエアーを噴射してゴブを膨張させ、粗型5及びバッフル6にゴブを押し付けてパリソンの側部及び底部を形成する。これにより、パリソンが形成される。次にバッフル6と口型4のプランジャを退避させると共に、一対の粗型5を開いてパリソンを露出させる。この状態で、パリソンは口部において口型4に支持される。そして、反転装置が反転位置に移動することによって、パリソンは口部が上端に位置するように反転し、口型4に吊るされた状態になる。他の実施形態では、ブローアンドブロー成形に代えて、プレスアンドブロー成形やナローネックプレスアンドブロー成形によってパリソンを成形してもよい。
基台2において、反転位置にある口型4の下方にはディストリビュータプレート10が設けられている。ディストリビュータプレート10の上面には、それぞれガラス容器Cの底部を形成するための底型12が配置される。ディストリビュータプレート10と底型12とは、互いに嵌合する係合部によって相対位置が定められている。
図2に示すように、底型12の上部の中央には、上方に向けて突出した円柱状の抱き部13が設けられている。抱き部13の上端には、同軸に鍔部14が設けられている。鍔部14の上部には、成形するガラス容器Cの底部の表面に対応した形状を有する底部金型面15が形成されている。
底型12の上方には、一対の仕上型18がそれぞれ配置されている。一対の仕上型18のそれぞれは、上下に延びると共に互いに当接する合せ面と、合せ面に形成された側部金型面19とを有する。側部金型面19は、成形するガラス容器Cの側部の表面に対応した形状を有する。各仕上型18の下部には、底型12の抱き部13及び鍔部14を挟持する挟持部21が形成されている。
一対の仕上型18は、図示しない支持装置に支持され、それぞれの合せ面が互いに当接した成形位置と、それぞれの合せ面が互いに分離し、底型12から離れた退避位置との間で移動可能になっている。一対の仕上型18が成形位置にあるときに、底型12の抱き部13及び鍔部14が各仕上型18の挟持部21に挟持される。これにより、一対の仕上型18と底型12の相対位置が定まる。各仕上型18が成形位置にあるときに、底部金型面15と側部金型面19のそれぞれとは滑らかに接続し、成形するガラス容器Cの表面(外形)に対応した形状を形成する。
底型12及び一対の仕上型18は、ガラス容器Cを成形する容器成形金型20を構成する。側部金型面19及び底部金型面15は、ガラス容器Cの表面を形成するために使用される。底型12及び一対の仕上型18は、例えば工具鋼等の金属によって形成されている。
側部金型面19及び底部金型面15は、前記ガラス容器Cの主表面C1を形成するためのベース型面25と、ガラス容器Cの主表面C1にエンボス部C2を形成するために、ベース型面25に形成された凹部26とを有する。ここで、ガラス容器Cの主表面C1は、ガラス容器Cの表面を形成する平滑な面をいい、側面や底面を含む。エンボス部C2は、主表面C1に対して外方に突出した凸部をいう。エンボス部C2は、ガラス容器Cの主表面C1に例えば文字や数字、図形、模様等を形成する。また、エンボス部C2は、ガラス容器Cの底部に形成されるナーリングや、社標、識別番号(記号)等を含む。後述するが、エンボス部C2は凹部も含む。
ベース型面25は、ガラス容器Cの主表面C1に対応した面であり、例えば滑らかな曲面や凹面に形成されている。図3(A)は、本実施形態に係る容器成形金型20の凹部26を示す平面図である。図3(A)では、凹部26の一例として、数字「7」の形状のエンボス部C2を形成するための構成を示す。図3に示すように、凹部26は、ベース型面25に凹設され、凹部底壁27と、凹部底壁27からベース型面25に向けて延びる凹部側壁28とによって形成されている。凹部側壁28は、少なくとも1つ設けられ、例えば凹部底壁27の両側に互いに対向するように一対設けられる。ベース型面25を凹部26の上方に外挿した面を第1基準面29とする。
凹部側壁28は、第1基準面29に対して50度以上90度以下の角度(θ1)をなす凹部縦面31を第1基準面29側の端部に有する。凹部縦面31は、第1基準面29に対して80度以上90度以下の角度をなすことが好ましく、第1基準面29に対して85度以上90度以下の角度をなすことが更に好ましい。凹部縦面31の第1基準面29に対する角度は、90度に近いほど好ましい。凹部縦面31は、ベース型面25に接続し、ベース型面25と共に角部33を形成する。角部33は、直角に近いことが好ましい。凹部縦面31は、凹部側壁28部の表面の1%以上100%以下を占める。すなわち、凹部縦面31は、凹部側壁28の表面の全域を形成してもよく、凹部側壁28の開口端側の領域のみを形成してもよい。また、凹部縦面31は、ベース型面25から凹部底壁27の表面まで延びていてもよい。
凹部底壁27の表面の形状は、特に限定されないが、平面や曲面(凹面、凸面)に形成されるとよい。凹部底壁27と凹部側壁28との境界には、凹部底壁27の表面と凹部側壁28の表面とを滑らかに接続する曲面状の接続部34が形成されてもよい。接続部34の曲率は、例えば0.2mm以上0.4mm以下であるとよい。なお、接続部34が省略され、凹部底壁27の表面と凹部側壁28の表面とが直接に接続されてもよい。
互いに対向する凹部側壁28間の距離(凹部26の幅)の下限は、好ましくは0.2mm以上、より好ましくは0.8mm以上、更に好ましくは1.0mm以上である。互いに対向する凹部側壁28間の距離の上限は、特に限定されないが、例えば200mm以下、10mm以下、或は3mm以下としてもよい。
凹部26の深さは、0.2mm以上10mm以下、好ましく0.3mm以上1.0mm以下であるとよい。ここで、凹部26の深さとは、第1基準面29と凹部底壁27の表面との距離の内で最大となる値をいう。凹部26は、例えば、幅が1.0mm以上3mm以下であり、かつ深さが0.6mm以上1.0mm以下であるとよい。
パリソンからガラス容器Cを成形する工程では、最初に、口型4に支持されたパリソンは、反転アーム3が反転位置に移動することによって、底型12の上方に口型4によって吊るされた状態となる。このとき、底型12は固定位置に配置され、仕上型18は退避位置に配置されている。次に、仕上型18が成形位置に移動し、底型12の上方に配置される。このとき、各仕上型18の挟持部21によって底型12の抱き部13及び鍔部14が挟持され、底型12及び仕上型18の位置が定まる。
各仕上型18が成形位置に配置されることによって、パリソンは各仕上型18の間に形成される空洞部に配置され、口型4は仕上型18空洞部の上端開口に配置される。この状態で、パリソンの口部を介してパリソンの内側に圧縮空気が吹き込まれ、パリソンが下方かつ側方に膨張する。パリソンは、底型12の底部金型面15及び仕上型18の側部金型面19に押し当てられて成形され、ガラス容器Cが成形される。このとき、ガラス容器Cの表面の一部が凹部26に進入することによって、主表面C1に対して突出したエンボス部C2が形成される。このとき、ガラスは、700℃以上1000℃以下であり、可撓性を有する。また、圧縮空気の圧力は、成形するガラス容器の厚みが0.6mm~30.0mmである場合に、例えば0.02MPa~0.28MPaである。
その後、成形されたガラス容器Cの口部を口型4が離すと共に、反転アーム3が初期位置に移動する。同時に、各仕上型18が退避位置に移動する。これにより、ガラス容器Cは底部において底型12に支持された状態になる。この状態から図示しないクランプ装置が成形されたガラス容器Cの口部を挟持してガラス容器Cを上方に持ち上げ、底型12からガラス容器Cの底部を引き離す。クランプ装置によって底型12から取り外されたガラス容器Cは、続く徐冷工程に送られる。
次に、本実施形態に係る容器成形金型20を使用した場合のエンボス部C2の形成過程について説明する。実施形態に係る容器成形金型20の作用を明確にするために、比較例に係る容器成形金型50と対比して説明を行なう。図5に示すように、比較例に係る容器成形金型50は、実施形態に係る容器成形金型20と比べて、凹部側壁28の形状が異なる。比較例に係る容器成形金型50は、凹部側壁28が傾斜面51に形成されている。傾斜面51は、第1基準面29に対して45度(鋭角)の角度を有し、開口端側の端部においてベース型面25に接続している。傾斜面51の凹部底壁27側の端部は接続部34と滑らかに連続し、凹部26の断面はすり鉢形に形成されている。
図4(A)に示すように、実施形態に係る容器成形金型20では、圧縮空気によってベース型面25に押し当てられた高温かつ可撓性のガラスは、更に圧縮空気に押されて凹部26内に向けて膨出する。このとき、凹部側壁28の凹部縦面31が第1基準面29に対して略垂直に配置されているため、凹部26内に膨出したガラスが凹部縦面31に接触し難く、ガラスと凹部縦面31との接触面積が小さくなる。すなわち、ガラスはベース型面25と凹部縦面31との間の角部33から剥離して、凹部26内に浮いた状態になる。これにより、ガラスが凹部縦面31によって冷却され難くなり、高温状態を維持して流動性を維持することができる。そのため、図4(B)に示すように、凹部26内へのガラスの進入量が増加し、エンボス部C2が高く形成される。また、エンボス部C2の縁部がガラス容器Cの主表面C1に対して急峻に立ち上がるため、エンボス部C2のガラスの主表面C1に対する境界が明瞭になる。これらにより、エンボス部C2の視認性が向上する。
凹部26内に膨出したガラスの先端は、凹部26の凹部底壁27に接触してもよく、或は接触しなくてもよい。凹部26内に膨出したガラスの先端が凹部26の凹部底壁27に接触する場合、更に凹部26内にガラスの進入量が増加すると、ガラスは凹部底壁27にガイドされて凹部側壁28側に広がる。これにより、ガラス容器Cの主表面C1に対してエンボス部C2の縁部がなす角度が更に大きくなり、エンボス部C2のガラスの主表面C1に対する境界が一層明瞭になる。
また、容器成形金型20ではエンボス部C2と凹部縦面31との接触面積が小さくなるため、ガラス容器Cの離型性が向上する。なお、エンボス部C2の基部の一部が凹部縦面31と接触する場合にも、その接触面積は小さく抑えられるため、離型性が悪化することはない。
また、容器成形金型20ではエンボス部C2と凹部縦面31との接触面積が小さくなるため、エンボス部C2の急冷が抑制される。これにより、エンボス部C2にびり等の欠点が生じ難くなる。
一方、図5(A)に示すように、比較例に係る容器成形金型50では、凹部側壁28が傾斜面51を有するため、ガラスは凹部26内に膨出するときに傾斜面51に接触する。すなわち、ガラスはベース型面25と凹部縦面31との間の角部33において剥離せず、傾斜面51に沿って膨出する。これにより、ガラスは傾斜面51によって冷却され、温度が低下して流動性が低下する。そのため、図5(B)に示すように、凹部26内へのガラスの進入量が低下し、エンボス部C2が所期の高さよりも低く形成される。そのため、エンボス部C2の視認性が低下する。
以下、実施例について説明する。実施例に係る容器成形金型20は、凹部縦面31を凹部側壁28のベース型面25側の端部から凹部底壁27側の端部にかけて形成し、第1基準面29に対する凹部縦面31の角度を90°とした。比較例に係る容器成形金型50は、傾斜面51を凹部側壁28の全域に形成し、第1基準面29に対する傾斜面51の角度を45°とした。実施例及び比較例において、凹部26の幅を1.0mm(比較例では開口端の幅)、深さを0.4mmとした。また、凹部26の形状は、文字「700ml」に対応した形状とした。成形条件は、ガラス(パリソン)の温度を1146℃、容器成形金型20、50の温度を542℃、圧縮空気の圧力を0.16MPaとした。
図6は、実施例に係る容器成形金型20を使用して製造したガラス容器Cの外観の写真画像(図6(A))と、エンボス部C2の断面形状(図6(B))、実施例に係る容器成形金型20の断面形状(図6(C))を示す。図7は、比較例に係る容器成形金型50を使用して製造したガラス容器Cの外観の写真画像(図7(A))と、エンボス部C2の断面形状(図7(B))、比較例に係る容器成形金型50の断面形状(図7(C))を示す。図6(B)及び図7(B)に示すエンボス部C2の高さは、触針を用いて対象物の表面をなぞることで、その輪郭形状を測定する輪郭形状測定機を使用して測定した。図6及び図7から判るように、実施例の容器成形金型20により製造したガラス容器Cの方が、比較例の容器成形金型50により製造したガラス容器Cよりもエンボス部C2(700mlの文字)が、視認性が高いことが確認された。また、実施例の容器成形金型20により製造したガラス容器Cの方が、比較例の容器成形金型50により製造したガラス容器Cよりもエンボス部C2の高さが高いことが確認された。
以上で具体的実施形態の説明を終えるが、本発明は上記実施形態に限定されることなく幅広く変形実施することができる。例えば、凹部縦面31は凹部側壁28の全域に設ける必要がない。図8に示すように、凹部側壁28は、凹部縦面31の凹部底壁27側に傾斜面36を有してもよい。傾斜面36は、第1基準面29に対して例えば10°以上70°以下の角度(θ2)を有するとよい。
エンボス部C2は、ガラス容器Cの主表面C1に形成された凸部に限らず、凹部も含む。凹部であるエンボス部C2は、ベース型面25に設けられた凸部70によって形成することができる。図9(A)は、他の実施形態に係る容器成形金型20の凸部70を示す平面図である。図9(A)では、凸部70の一例として、数字「7」の形状のエンボス部C2を形成するための構成を示す。図9に示すように、凸部70は、ベース型面25に突設され、先端に設けられた凸部端壁71と、凸部端壁71からベース型面25に向けて延びる凸部側壁72とによって形成されている。凸部側壁72は、少なくとも1つ設けられ、例えば凸部端壁71の両側に一対設けられる。凸部端壁71を延長(外挿)した面を第2基準面74とする。
凸部側壁72は、第2基準面74に対して50度以上90度以下の角度をなす凸部縦面75を凸部端壁71(第2基準面74側)の端部に有する。凸部縦面75は、第2基準面74に対して80度以上90度以下の角度(θ3)をなすことが好ましく、第2基準面74に対して85度以上90度以下の角度をなすことが更に好ましい。凸部縦面75の第2基準面74に対する角度は、90度に近いほど好ましい。凸部縦面75は、凸部端壁71に接続し、凸部端壁71と共に角部76を形成する。角部76は直角に近いことが好ましい。凸部縦面75は、凸部側壁72部の表面の1%以上100%以下を占める。すなわち、凸部縦面75は、凸部側壁72の表面の全域を形成してもよく、凸部側壁72の凸部端壁71側の領域のみを形成してもよい。また、凸部縦面75は、凸部端壁71(角部76)からベース型面25まで延びていてもよい。
凸部端壁71の表面は、ベース型面25と平行な平面な面に形成されていることが好ましい。凸部側壁72とベース型面25との境界には、凸部側壁72の表面とベース型面25とを滑らかに接続する曲面状の接続部77が形成されてもよい。接続部77の曲率は、例えば0.2mm以上0.4mm以下であるとよい。なお、接続部77が省略され、凸部側壁72の表面とベース型面25とが直接に接続されてもよい。
凸部70の高さは、特に限定されないが、例えば0.2mm以上10mm以下、好ましく0.3mm以上1.0mm以下であるとよい。ここで、凸部70の高さとは、凸部端壁71の表面とベース型面25の距離の内で最大となる値をいう。
凸部70を有する容器成形金型20では、圧縮空気によってベース型面25側に押される高温かつ可撓性のガラスは、最初に凸部70の凸部端壁71に接触し、その後凸部端壁71の縁部からベース型面25側に押される。このとき、凸部縦面75が第2基準面74に対して略垂直に配置されているため、ベース型面25側に移動するガラスが凸部縦面75に接触し難く、ガラスと凸部縦面75との接触面積が小さくなる。すなわち、ガラスは凸部端壁71と凸部縦面75との間の角部76から剥離して、浮いた状態になる。これにより、ガラスが凸部縦面75によって冷却され難くなり、高温状態を維持して流動性を維持することができる。そのため、ガラスは、凸部70の周囲においてベース型面25側に接近し易くなり、エンボス部C2の縁部の角度がガラス容器Cの主表面C1に対して急峻に立ち上がる。これにより、エンボス部C2のガラスの主表面C1に対する境界が明瞭になる。これにより、エンボス部C2の視認性が向上する。このように、凸部70を備えた容器成形金型20は、上述した凹部26を備えた容器成形金型20と同様のメカニズムでエンボス部C2の視認性を向上させることができる。
上記の凹部26及び凸部70の少なくとも一方を備えた容器成形金型20は、ブロー成形工程の他に、ガラス容器のプレス成形工程やスピン成形(遠心成形)工程にも使用することができる。
1 :成形装置
12 :底型
15 :底部金型面
18 :仕上型
19 :側部金型面
20 :容器成形金型
25 :ベース型面
26 :凹部
27 :凹部底壁
28 :凹部側壁
29 :第1基準面
31 :凹部縦面
33 :角部
34 :接続部
50 :容器成形金型(比較例)
51 :傾斜面
70 :凸部
71 :凸部端壁
72 :凸部側壁
74 :第2基準面
75 :凸部縦面
76 :角部
77 :接続部
C :ガラス容器
C1 :主表面
C2 :エンボス部

Claims (9)

  1. ガラス容器を成形するための容器成形金型であって、
    前記ガラス容器の主表面を形成するためのベース型面と、
    前記ガラス容器の主表面にエンボス部を形成するために、前記ベース型面に形成された凹部とを有し、
    前記凹部は、凹部底壁と、前記凹部底壁から前記ベース型面に向けて延びる凹部側壁とによって形成され、
    前記凹部側壁は、前記ベース型面を前記凹部の上方に延長した第1基準面に対して80度以上90度以下の角度をなす凹部縦面を前記第1基準面側の端部に有することを特徴とする容器成形金型。
  2. 前記凹部縦面は、前記凹部側壁の表面の1%以上100%以下を占めることを特徴とする請求項1に記載の容器成形金型。
  3. 前記凹部の深さが0.2mm以上10mm以下であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の容器成形金型。
  4. ガラス容器を成形するための容器成形金型であって、
    前記ガラス容器の主表面を形成するためのベース型面と、
    前記ガラス容器の主表面にエンボス部を形成するために、前記ベース型面に形成された凸部とを有し、
    前記凸部は、先端に設けられた凸部端壁と、前記凸部端壁から前記ベース型面に向けて延びる凸部側壁とによって形成され、
    前記凸部側壁は、前記凸部端壁を延長した第2基準面に対して50度以上90度以下の角度をなす凸部縦面を前記凸部端壁側の端部に有することを特徴とする容器成形金型。
  5. 前記凸部縦面は、前記第2基準面に対して80度以上90度以下の角度をなすことを特徴とする請求項4に記載の容器成形金型。
  6. 前記凸部縦面は、前記凸部側壁の表面の1%以上100%以下を占めることを特徴とする請求項4又は請求項5に記載の容器成形金型。
  7. 前記凸部端壁は、前記ベース型面と平行な平面な面に形成されていることを特徴とする請求項4請求項6のいずれか1つの項に記載の容器成形金型。
  8. 請求項1~請求項3のいずれか1つの項に記載の容器成形金型を使用したガラス容器の製造方法であって、
    前記凹部及び前記ベース型面に温度が700℃以上1000℃以下の可撓性を有するガラスを押し当てる工程を有することを特徴とするガラス容器の製造方法。
  9. 請求項4請求項7のいずれか1つの項に記載の容器成形金型を使用したガラス容器の製造方法であって、
    前記凸部及び前記ベース型面に温度が700℃以上1000℃以下の可撓性を有するガラスを押し当てる工程を有することを特徴とするガラス容器の製造方法。
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