JP2010253546A - 鋼の連続鋳造用浸漬ノズル - Google Patents

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Abstract

【課題】 溶鋼中のアルミナ介在物の付着抑制に優れ、かつ、耐溶損性および耐スポーリング性に優れた鋼の連続鋳造用浸漬ノズルを提供する。
【解決手段】 アルミナ−カーボン質ノズル本体の内周壁面に、35〜55質量%のシリカ粒および45〜65質量%のムライト粒から構成され、前記シリカ粒の粒度構成について0.2mm以下のものが80質量%以上で平均粒度が50〜200μmであり、前記ムライト粒の粒度構成について0.5mm以下のものが80質量%以上で平均粒度が10〜100μmであり、不可避不純物の合計量が5質量%以下である耐火物の内層を配置してなること。
【選択図】図2

Description

本発明は、鋼の連続鋳造に用いられる浸漬ノズルに関するものである。
鋼の連続鋳造において、溶鋼をタンディッシュからモールドへ導入するため、浸漬ノズルが使用されている。ノズルの材料としては、耐スポーリング性および耐食性が優れるSiOを20質量%程度、C(カーボン)を25質量%程度含むアルミナ−カーボン質を使うのが一般的である(ノズル外側のスラグライン部位2にはジルコニア−カーボン質を使用。図1)。しかし、この材質のノズルをアルミキルド鋼の鋳造に適用する際、溶鋼と接するノズルの内周壁面にアルミナ系付着物が生成し、ノズルの内孔部6が閉塞する現象がしばしば生じる。この現象は連続鋳造の生産性を低下させ、また操業の安定性および鋼の品質を悪化させるので、それを防止しなければならない。
ノズルの閉塞を防ぐため、現在溶鋼ヘアルゴンなどの不活性ガスを吹き込む方法が一般的に採用されている。しかし、この方法ではガス流量が小さいときは十分な付着防止効果が得られず、ガス流量が大きいときは鋼に大量の気泡起因欠陥が生じる。それゆえ、連鋳工程での安定的使用に必要な基本性能を具備すると同時に、アルミナ付着を防止できる耐付着性を兼ね備えた浸漬ノズル用材料の開発が重要となっている。
付着防止材料についての検討は、従来からなされている。「ノズルの内壁に付着しているAlと反応して低融点の液相を生成させ、この液相が溶鋼の流れとともに流出していくとすれば、ノズルの閉塞が生じない」という考え方が古くから知られている。この考え方にしたがって、例えば、「10〜50重量%のC、15〜30重量%のCaO、35〜65重量%のZrO」の組成を有する耐火物を浸漬ノズル内孔部壁面の耐火物とすることが特開平3−138054号公報に開示されている(以下、特許文献1とする)。
また、SiOを含有するアルミナ−カーボン材質では、「高温でSiOとCが反応し、COおよびSiOガスが発生する。これらのガスはノズルと溶鋼の界面へ拡散し、そこで溶鋼中のアルミニウム成分と反応してノズルの稼動面に網目状のアルミナ層を生成させる。この網目状アルミナ層が溶鋼中アルミナ介在物付着の起点になりやすく、その生成によってノズルの閉塞が生じやすい」とのことが考えられている。それゆえ、シリカレスまたはカーボンレスの浸漬ノズル用材料が提案されている。例えば、SiO成分の含有量が5重量%以下であって、Al(あるいはMgO、ZrO)が90重量%以上の「カーボンレス高Al(あるいは高MgO、高ZrO)質の耐火物」をスリーブとして、浸漬ノズルの内孔に挿入する浸漬ノズルが、特開平3−243258号公報に開示されている(以下、特許文献2という)。
さらに、溶鋼と接触するノズル内壁に5〜50重量%のSiO、50〜95重量%のAlを含み、かつC含有率を5重量%以下とした組成の耐火物で構成する連続鋳造用浸漬ノズルが、特開平7−51819号公報に開示されている(以下、特許文献3という)。
なお、本発明者らは、特開平11−216543号公報においてノズル本体の内周壁面にSiOが70重量%以上で、Al、MgO、CaO、ZrO、TiO、MnO、Feの1種または2種以上が30重量%未満の組成を有する耐火物の内層を配置してなる連続鋳造用ノズルを開示している(以下、特許文献4という)。また、ノズルをAl/Mn(濃度比)が0.1以上の鋼鋳造に適用する場合は、内層の組成はSiOが70重量%以上、MgO、CaO、TiO、MnO、Feの1種または2種以上が5〜30重量%未満であり、Al/Mn(濃度比)が0.1未満の鋼鋳造に適用する場合は、内層の組成はSiOが70重量%以上、Alおよび/またはZrOが5〜30重量%未満であるとしている。
特開平3−138054号公報 特開平3−243258号公報 特開平7−51819号公報 特開平11−216543号公報 「材料とプロセス」Vol.8(1995),p.71,(社)日本鉄鋼協会
本発明者らは、浸漬ノズル用材料とアルミキルド溶鋼との反応についてさらに研究を重ね、従来発明された材料の不十分な点が判明した。
例えば、前記の特許文献1では、耐火物の配合原料である“ZrO−CaO原料”の鉱物相は、“ZrOとCaO・ZrO”であり、通常の鋳造温度の1550〜1600℃の範囲では溶鋼中のアルミニウムなどの溶存元素とほとんど反応せず、またアルミナ介在物と反応しても液相は生成しない(非特許文献1)。したがって、この材質でノズルの閉塞を防止することは困難である。
特許文献2では、スリーブの材料はカーボンレス高Al(あるいは高MgO、高ZrO)質で、アルミキルド溶鋼との反応性が小さく、また濡れ性が悪いため、スリーブに近づいている溶鋼中のアルミナ介在物がその表面に付着しやすい。なお、スリーブが気孔率の小さい緻密なものである場合は、これらの材料の熱膨張率が大きいので、使用中にスリーブに亀裂が生じ、またノズルの本体に対するスリーブの膨張力が強くノズルが割れてしまうという問題も含まれる。スリーブが一定量の気孔を含む非緻密なものであると、熱膨張が弱く、使用中に亀裂および割れが生じる可能性が小さくなるが、スリーブ稼働面での網目状アルミナ層の形成は避けられない。これは、Al、MgOおよびZrOはいずれもアルミキルド鋼との反応性が小さく、使用中にスリーブの稼働面に緻密層は生成できず、アルミナ−カーボン質の本体内で生じるSiOおよびCOガスはスリーブ中の気孔を通して溶鋼へ拡散し、溶鋼中のアルミニウムと反応するためである。これによって、アルミナ付着は、スリーブが緻密な場合に比べてより速くなる。
特許文献3では、内壁の耐火物が緻密な場合、特許文献2と同様に亀裂や割れが生じる。内壁の耐火物が非緻密な場合は、内壁中のSiO含有量が低い範囲(約30重量%以下)では、そのSiOが高温で内壁中のAlと反応してムライトとなり、ムライトがアルミキルド溶鋼と液相を生成させず、Alを生成させるため、結局溶鋼中アルミナ介在物の付着は避けられない。また、SiO含有量が高い範囲(約30〜50重量%)では、Alとムライトを生成させる以外のSiOが溶鋼と反応し液相を生成させ、この液相によって内層中の気孔の一部に液相が充満し、内壁の組織は緻密になる傾向があるが、液相の量が全体の組織に対して少なく、組織緻密化程度が不十分で、同様に本体からのSiOおよびCOガスによる網目状アルミナ層の生成は避けられない。
特許文献4の場合は、内層のSiO含有量が70重量%以上なので、溶鋼と十分な量の液相を生成させ、ノズルの閉塞を防止するが、実際の連続鋳造生産において、同じ浸漬ノズルにより連続的にAl/Mn(濃度比)が異なるアルミキルド鋼を鋳造する場合が少なくなく、この場合はノズルの内層が大きく溶損することがある。
本発明の目的は、Al/Mn(濃度比)が異なるアルミキルド鋼に対して優れる付着防止効果を示し、また十分な耐溶損性および耐スポーリング性を有する浸漬ノズルを提供することにある。
アルミナ−カーボン質浸漬ノズルの本体の内周壁面に、35〜55質量%のシリカ粒および45〜65質量%のムライト粒から構成され、前記シリカ粒の粒度構成について0.2mm以下のものが80質量%以上で平均粒度が50〜200μmであり、前記ムライト粒の粒度構成について0.5mm以下のものが80質量%以上で平均粒度が10〜100μmであり、不可避不純物の合計量が5質量%以下である耐火物の内層を配置してなることを特徴とする。
また、前記内層が5質量%以下の添加物を含有することを特徴とする。
本発明の浸漬ノズルは、アルミキルド鋼鋳造時に生じるアルミナ付着の問題を有効に防止することができる。同時に、当該浸漬ノズルは十分な耐溶損性および耐スポーリング性を有し、安定的な使用が可能である。本発明の浸漬ノズルの適用によって、連続鋳造の生産性、操業の安定性および鋼の品質が顕著に向上する。
慣用の浸漬ノズルの断面図である。 本発明の浸漬ノズルの1例の断面図である。 本発明の浸漬ノズルの1例の断面図である。 本発明の浸漬ノズルの1例の断面図である。 本発明の浸漬ノズルの1例の断面図である。
本発明者らは、耐火物を構成する原料の成分、鉱物相および粒度が異なる耐火物とアルミキルド溶鋼との反応について系統的に検討した結果、シリカームライト系耐火物の溶鋼中アルミナ介在物の耐付着性について、耐火物中のシリカおよびムライト含有量という化学的因子のみではなく、シリカおよびムライト原料粒度という物理的因子も大いに関与することが判明し、アルミナ−カーボン質浸漬ノズル本体の内周壁面に、35〜55質量%のシリカおよび45〜65質量%のムライトから構成され、シリカの粒度構成について0.2mm以下のものが80質量%以上で、平均粒度が50〜200μmであり、ムライトの粒度構成について0.5mm以下のものが80質量%以上で、平均粒度が10〜100μmである耐火物の内層を配置してなることを特徴とする浸漬ノズルについての本発明を完成させた。
本発明の浸漬ノズルにおいて、内層の組成および粒度構成はいずれも所定の条件を満たすことが重要である。これによって、使用開始のとき内層の稼働面においてSiO−MnO−FeO−Al系の溶融ガラス相に固体のムライトの粒子が均一に分散する微組織を有する緻密層が速やかに形成し、アルミナ介在物の付着が抑制される。溶融ガラス相の生成は、シリカとアルミキルド溶鋼中のAlとMnとの反応によるものである。アルミナ付着の抑制は、緻密層の形成によってアルミナ−カーボン質ノズル本体からのSiOおよびCOガスの溶鋼への拡散が遮断され、網目状アルミナ層は生成できなくなること、ムライト粒子の周囲に溶融ガラス相が分布するので、ムライトと溶鋼が接触せず、両者間の反応によるアルミナの生成は避けられること、溶融ガラス相と溶鋼の濡れ性が良く、溶鋼中アルミナ介在物が溶融ガラス相に付着し難いことによるものである。
また、その緻密層は溶融ガラス相に適した量および大きさのムライト粒子が均一に分散するもので、一定の粘度を持ち、溶鋼の流れへ流失し難く、稼働面に長時間保持できる。これによって、その内層は耐溶損性が高い特徴も有する。
使用時間が長く、または溶鋼の流れが非常に激しく緻密層の流失が生じた場合でも、内層中のシリカと溶鋼が速やかに反応し、新しい緻密層が生成するので、付着防止効果が長時間維持する。
なお、内層は適した粒度構成を有するため、使用中にノズル本体に対する膨張力が小さく、ノズルの耐スポーリング性を確保することができる。
シリカ含有量が35質量%未満であり、またはムライト含有量が65質量%を超える場合は、溶融ガラス相の生成量が少なく、またはムライトの量が多過ぎ、緻密層は形成できず、また一部のムライト粒子と溶鋼が接触するため、アルミナ−カーボン質本体からのCOおよびSiOガスと溶鋼の反応およびムライトと溶鋼の反応によるアルミナ層の生成は避けられず、ノズルの付着防止効果は小さい。
シリカ含有量が55質量%を超え、またはムライト含有量が45質量%未満である場合では、Al濃度が低く、Mn濃度が高いアルミキルド鋼を鋳造する際は溶融相の生成量が多過ぎ、内層は溶損することがある。
シリカおよびムライト粒度の制御も非常に重要である。シリカの適した粒度範囲は0.2mm以下のものが80質量%以上で、平均粒度が50〜200μmである。0.2mm以下のものが80質量%未満であり、または平均粒度が200μmを超えると、溶融ガラス相の生成が遅く、アルミナ−カーボン質本体からのCOおよびSiOガスと溶鋼の反応およびムライトと溶鋼の反応によるアルミナ層の生成は先に進行してしまう。
シリカの平均粒度が50μm未満の場合は、生成した溶融ガラス相の連続性が悪く、上述した平均粒度が200μmを超える場合と同様な問題が生じることがある。
ムライトの適した粒度構成は0.5mm以下のものが80質量%以上で、平均粒度が10〜100μmである。
0.5mm以下のものが80質量%未満であり、または平均粒度が100μmを超えると、溶融ガラス相中のムライト粒子の分散が不均一となり、ムライト粒子が少ないところでは溶融ガラス相が流失してしまい、ムライト粒子が多いところでは溶融ガラス相の量が少なく、上述したシリカ含有量が35質量%未満の場合と同様にアルミナ層が形成する。
ムライトの平均粒度が10μm未満であると、ムライトにもSiO成分が含まれるため、ムライト粒がシリカ粒の周囲に分布する組織が形成し、シリカと溶鋼が接触しなくなり、溶融ガラス相は生成できなくなることがある。
本発明の浸漬ノズルの本体としては、耐スポーリング性および耐食性が良い慣用のアルミナ−カーボン質を用いることができる。本発明の内層を本体の内周壁面の全体に配置しても良いし、内周壁面の一部に配置しても良い。図2〜5に本発明浸漬ノズル配材のいくつかの例を示す。
ノズルの成形において、内層を構成する耐火物の原料混合物とノズル本体を構成する耐火物の原料混合物とを同時に加圧成形して所定のノズル形状に成形する方法(一体成形法)と、予め成形されたノズル本体に、内層の耐火物を構成する原料配合物を内装充填する方法(内装法)のいずれによっても、ノズルを成形することができる。成形したノズルを乾燥後、焼成するかまたは不焼成とする。成形圧力を0.5〜2.0t/cmにし、焼成の場合は焼成温度を800〜1200℃にすることができる。また、不焼成の場合は、100℃〜500℃で加熱処理をすることができる。
ノズルの製造面から、一般的な考え方にしたがって原料の最大粒度を1mm以下にすることが必要である。原料の最大粒度が1mmを超えると、充填や成形が難しく、またノズル吐出口などを機械加工する時に原料粒子の脱落が起こりやすい。なお、成形時には慣用の技術に従い、バインダーや充填性、成形性を向上させるための助剤を適量添加することができる。
また、内層の厚みを2〜15mmにすることが良い。2mm未満であると内層の強度が弱く、溶鋼流れの衝撃で内層が摩耗され、15mmを超えるとノズル全体の強度が低下し、使用中にノズルが折れる恐れがある。
内層のほかの特性改善の目的で、本発明の内層にシリカおよびムライト以外の酸化物、非酸化物や金属などの添加物を添加すること、例えば、高温強度アップのため金属Si、SiC、BC、Siなどを添加することができる。しかし、添加物の量を5質量%以下にすることが好ましい。同様に、原料における工業的に不可避の不純物も5質量%以下であることが好ましい。また、内層にはバインダーなど製造工程由来の残存カーボンが存在しても良いが、その量は5質量%以下であることが好ましい。不純物は5質量%を超えると、内層の付着防止特性は悪化することがある。
前記残存カーボンとしては、バインダー以外では還元焼成時に浸漬ノズルと共に詰めるコークス粉などからのカーボン沈積が挙げられる。
本発明に使用するシリカ粒には非晶質の溶融シリカが溶鋼との反応性に優れる点で好ましい。石英、クリストバライトなどの結晶質シリカも使用可能であるが、非晶質シリカが20質量%以上含まれると溶融ガラス相の生成が速く、付着防止効果に優れる。
また、非晶質シリカは熱膨張率が低いため(表1を参照)、これを20質量%以上含有することで、本発明品による内層の熱膨張率が低下し、ノズル全体の耐スポーリング性が向上する。
Figure 2010253546
ムライト粒には電融品、焼結品のいずれも使用可能である。
実施例
下記の実験方法により本発明品および比較品の耐アルミナ付着性、耐溶損性評価および耐スポーリング性を評価した。
本発明品の内層または比較品の内層を有するアルミナ−カーボン質ルツボにアルミナキルド鋼を入れ、高周波炉によりアルゴン雰囲気において20℃/分の昇温速度で1580℃まで昇温し、1時間保持した。実験後の内層表面での付着厚みを測定し、溶損が生じた場合は溶損の厚みを測定した。また、内層およびルツボ本体の亀裂有無を確認した。
ルツボと内層のセットは一体成形方法により製造したもので、成形圧力は1t/cmである。また、成形体をブリーズ粉体の中に埋め込み、1000℃で8時間焼成した。バインダーとしてフェノール樹脂を用いた。
アルミナ−カーボン質ルツボの材質は慣用のもので、成分はAl:55質量%、SiO:20質量%、C:25質量%である。ルツボの寸法は外径200mm、厚み20mm、内側の高さ250mmであり、内層の厚みは5mmである。
鋼としては、成分が異なる2種類のアルミキルド鋼を用いた。鋼種AはAl濃度が0.05質量%、Mn濃度が0.3質量%で、Al/Mn(濃度比)が0.17と高いものであり、鋼種BはAl濃度が0.03質量%、Mn濃度が1.5質量%で、Al/Mn(濃度比)が0.02と低いものである。いずれの鋼種においても、アルミナ介在物が存在した。用いた鋼の重量は、20kgである。
比較のため、内層を持たないアルミナ−カーボン質ルツボについても同様な評価実験を行った。
Figure 2010253546
Figure 2010253546
Figure 2010253546
内層の原料組成の影響について調べた結果を表2に示す。ここで、いずれの試料においても、用いた原料の粒度は1mm以下である。詳細な粒度構成については、シリカ原料では0.2mm以下のものが92質量%で、平均粒度が130μmであり、シリカ原料以外の原料では0.5mm以下のものが95質量%で、平均粒度が45〜80μmである。内層の見掛け気孔率は、すべて約20%である。
表2に示している結果からわかるように、いずれの鋼種の場合でもアルミナ−カーボン質(比較品1)には最も厚い付着層が生じ、内層がAl(比較品2)、MgO(比較品3)、ZrO(比較品4)の比較品にも厚い付着層が生じた。それ以外の比較品では比較的厚い付着層が生じたり(比較品6、9)、大きく溶損したりした(比較品7、8)。また、比較品2の場合は内層に、比較品3の場合は内層とルツボ本体の両方に亀裂が発生した。これらに対して、本発明品では付着層の厚みが顕著に小さく、溶損が生じた場合(本発明品5)でも溶損量がわずかであり、またいずれも内層およびルツボ本体に亀裂は生じなかった。
Figure 2010253546
Figure 2010253546
Figure 2010253546
Figure 2010253546
内層の原料の粒度構成の影響について調べた結果を表3に示す。それぞれ本発明品8、9と比較品10、13、本発明品10、11と比較品11、14、本発明品12、13と比較品15、本発明品14、15と比較品16を比較することによって、シリカおよびムライト原料の粒度構成は内層の耐付着性に大きな影響を与え、原料の組成および化学成分が同じであっても、原料の粒度構成は本発明の範囲でなければ、内層の耐付着性が顕著に低下することがわかる。
次に、本発明浸漬ノズルの実際の連続鋳造での使用実績の例を、表4に示す結果を用いて説明する。
Figure 2010253546
本発明品16は表2に示している本発明品4の内層を有する浸漬ノズルであり、比較品17、18はそれぞれ比較品6と8の内層を有する浸漬ノズルである。内層の厚みは5mmで、本体は比較品1のアルミナ−カーボン質である。また、比較品19は、内層を持たないアルミナ−カーボン質(比較品1)浸漬ノズルである。すべてのノズルのスラグライン部には慣用のジルコニア−カーボン質(ZrO:87質量%、C:13質量%)が配置された。
ノズルのいずれも、Al/Mn(濃度比)が高いアルミキルド鋼(C:0.003、Si:0.01、Mn:0.2、Al:0.05質量%)の600トンの鋳造に使用された後、さらにAl/Mn(濃度比)が低いアルミキルド鋼(C:0.03、Si:0.1、Mn:0.8、Al:0.03質量%)の600トンの鋳造に使用されたものである。
表4の結果からわかるように、比較品19、17では厚い付着層、比較品18では大きな溶損が生じているのに対して、本発明品16では付着層の厚みが顕著に小さく、また溶損は生じていない。本発明の浸漬ノズルは優れる耐付着性、十分な耐溶損性および耐スポーリング性を有することが、実際の連続鋳造の結果によって裏付けられている。
本発明の鋼の連続鋳造用浸漬ノズルは、アルミキルド鋼の連続鋳造時にアルミナ介在物の付着抑制効果に優れると同時に、耐溶損性および耐スポーリング性にも優れているので、安定した連続鋳造操業に寄与することができる。
1 浸漬ノズル
2 スラグライン部位
3 本体
4 内層
5 吐出孔
6 内孔部

Claims (3)

  1. 鋼の連続鋳造用浸漬ノズルにおいて、アルミナ−カーボン質ノズル本体の内周壁面に、35〜55質量%のシリカ粒および45〜65質量%のムライト粒から構成され、前記シリカ粒の粒度構成について0.2mm以下のものが80質量%以上で平均粒度が50〜200μmであり、前記ムライト粒の粒度構成について0.5mm以下のものが80質量%以上で平均粒度が10〜100μmであり、不可避不純物の合計量が5質量%以下である耐火物の内層を配置してなることを特徴とする鋼の連続鋳造用浸漬ノズル。
  2. 前記内層が5質量%以下の添加物を含有することを特徴とする請求項1に記載の連続鋳造用浸漬ノズル。
  3. シリカ粒としての非晶質の溶融シリカを20質量%以上含むことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の連続鋳造用浸漬ノズル。
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