JPH0987011A - スライディングノズル装置用上ノズルの製造方法およびその方法で製造された上ノズル - Google Patents
スライディングノズル装置用上ノズルの製造方法およびその方法で製造された上ノズルInfo
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- JPH0987011A JPH0987011A JP7276372A JP27637295A JPH0987011A JP H0987011 A JPH0987011 A JP H0987011A JP 7276372 A JP7276372 A JP 7276372A JP 27637295 A JP27637295 A JP 27637295A JP H0987011 A JPH0987011 A JP H0987011A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 溶鋼流および酸素洗浄に対する耐損耗性に優
れたスライディングノズル装置用上ノズルを得ることを
目的とする。 【解決手段】Al2O3含有量95wt%以上、SiO2
含有量3wt%以下のアルミナ60〜95wt%、粒径
75μm以下のAl2O3・MgO系スピネル1〜20w
t%、粒径が75μmを超えるAl2O3・MgO系スピ
ネル0〜5wt%、炭素1〜15wt%を含む耐火骨材
100wt%と、外掛けでアルミニウムおよび/または
アルミニウム合金0.5〜8wt%および炭素質結合剤
を含む配合物を成形後、加熱乾燥することを特徴したス
ライディングノズル装置用上ノズルの製造方法である。
れたスライディングノズル装置用上ノズルを得ることを
目的とする。 【解決手段】Al2O3含有量95wt%以上、SiO2
含有量3wt%以下のアルミナ60〜95wt%、粒径
75μm以下のAl2O3・MgO系スピネル1〜20w
t%、粒径が75μmを超えるAl2O3・MgO系スピ
ネル0〜5wt%、炭素1〜15wt%を含む耐火骨材
100wt%と、外掛けでアルミニウムおよび/または
アルミニウム合金0.5〜8wt%および炭素質結合剤
を含む配合物を成形後、加熱乾燥することを特徴したス
ライディングノズル装置用上ノズルの製造方法である。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、スライディングノ
ズル装置において、プレート耐火物の上部に位置する上
ノズルに関するものである。
ズル装置において、プレート耐火物の上部に位置する上
ノズルに関するものである。
【0002】
【従来の技術】鋼の連続鋳造に使用される取鍋、タンデ
ッシュなどの溶融金属容器の底に、溶鋼注出を制御する
スライディングノズル装置が設けられている。この装置
は、図1に示すように、複数のプレート耐火物(1)と、
その上下に設けられた上ノズル(2)、下ノズル(3)より
構成される。
ッシュなどの溶融金属容器の底に、溶鋼注出を制御する
スライディングノズル装置が設けられている。この装置
は、図1に示すように、複数のプレート耐火物(1)と、
その上下に設けられた上ノズル(2)、下ノズル(3)より
構成される。
【0003】図1には示していないが、下ノズル(3)の
下方には浸漬ノズル(サイズのなどの違いからロングノ
ズルと称されることもある)が取り付けられる。また、
浸漬ノズルがプレート耐火物(1)に直接取り付けられて
いることもある。浸漬ノズルあるいは下ノズルは、溶鋼
から析出するアルミナの付着で内孔の損耗は少ない。ア
ルミナの付着によるノズル閉塞を防止するために、むし
ろ易溶損材質となっている。
下方には浸漬ノズル(サイズのなどの違いからロングノ
ズルと称されることもある)が取り付けられる。また、
浸漬ノズルがプレート耐火物(1)に直接取り付けられて
いることもある。浸漬ノズルあるいは下ノズルは、溶鋼
から析出するアルミナの付着で内孔の損耗は少ない。ア
ルミナの付着によるノズル閉塞を防止するために、むし
ろ易溶損材質となっている。
【0004】これに対し、上ノズルは溶鋼流による摩耗
損傷を受けやすい。また、溶鋼容器から溶鋼が排出され
た後は、次の受鋼に備えてスライディングノズルが閉鎖
され、その際に残留の溶鋼が上ノズルの内孔に地金とし
て付着するため、溶融金属容器を使用再開する際には酸
素を吹き付けてその地金を酸素洗浄で溶解除去すること
が行われている。そしてこの酸素洗浄の際、上ノズルは
地金溶解よる高温と熱衝撃で損耗される。上ノズルは、
このような他の耐火物では見ることができない原因によ
って損耗される問題がある。
損傷を受けやすい。また、溶鋼容器から溶鋼が排出され
た後は、次の受鋼に備えてスライディングノズルが閉鎖
され、その際に残留の溶鋼が上ノズルの内孔に地金とし
て付着するため、溶融金属容器を使用再開する際には酸
素を吹き付けてその地金を酸素洗浄で溶解除去すること
が行われている。そしてこの酸素洗浄の際、上ノズルは
地金溶解よる高温と熱衝撃で損耗される。上ノズルは、
このような他の耐火物では見ることができない原因によ
って損耗される問題がある。
【0005】従来、上ノズルの材質として、特開平6-21
8531号公報にはアルミナ−ムライト質が提案されてい
る。また、上ノズルではないが、特開平5-360号公報に
はアルミナ−黒鉛質の浸漬ノズルが提案されている。
8531号公報にはアルミナ−ムライト質が提案されてい
る。また、上ノズルではないが、特開平5-360号公報に
はアルミナ−黒鉛質の浸漬ノズルが提案されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、アルミナ−ム
ライト質は耐スポーリング性の向上を目的としており、
溶鋼流に対する耐摩耗性は十分なものではない。しか
も、酸素洗浄による損耗問題が解決されていない。アル
ミナ−黒鉛質は浸漬ノズルとしては良好な使用結果を示
すが、上ノズルに要求される溶鋼流に対する耐摩耗性、
酸素洗浄の損耗は、ともに十分なものではない。本発明
は、上記従来の欠点を解消した上ノズルを提供すること
を目的とする。
ライト質は耐スポーリング性の向上を目的としており、
溶鋼流に対する耐摩耗性は十分なものではない。しか
も、酸素洗浄による損耗問題が解決されていない。アル
ミナ−黒鉛質は浸漬ノズルとしては良好な使用結果を示
すが、上ノズルに要求される溶鋼流に対する耐摩耗性、
酸素洗浄の損耗は、ともに十分なものではない。本発明
は、上記従来の欠点を解消した上ノズルを提供すること
を目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の特徴とするとこ
ろは、Al2O3含有量95wt%以上、SiO2含有量
3wt%以下のアルミナ60〜95wt%、粒径75μ
m以下のAl2O3・MgO系スピネル1〜25wt%、
粒径が75μmを超えるAl2O3・MgO系スピネル0
〜5wt%、炭素1〜15wt%を含む耐火骨材100
wt%と、外掛けでアルミニウムおよび/またはアルミ
ニウム合金0.5〜8wt%および炭素成分20wt%
以上の炭素質結合剤1〜7wt%を含む配合物を成形
後、加熱乾燥するスライディングノズル装置用上ノズル
の製造方法。また、前記の製造方法において、配合物に
耐火骨材100wt%に対する外掛けで、さらにシリコ
ンおよび/またはシリコン合金5wt%以下を含み、か
つ、金属の合量が8wt%以下であるスライディングノ
ズル装置用上ノズルの製造方法である。さらに、前記の
方法で製造されたスライディングノズル装置用上ノズル
である。
ろは、Al2O3含有量95wt%以上、SiO2含有量
3wt%以下のアルミナ60〜95wt%、粒径75μ
m以下のAl2O3・MgO系スピネル1〜25wt%、
粒径が75μmを超えるAl2O3・MgO系スピネル0
〜5wt%、炭素1〜15wt%を含む耐火骨材100
wt%と、外掛けでアルミニウムおよび/またはアルミ
ニウム合金0.5〜8wt%および炭素成分20wt%
以上の炭素質結合剤1〜7wt%を含む配合物を成形
後、加熱乾燥するスライディングノズル装置用上ノズル
の製造方法。また、前記の製造方法において、配合物に
耐火骨材100wt%に対する外掛けで、さらにシリコ
ンおよび/またはシリコン合金5wt%以下を含み、か
つ、金属の合量が8wt%以下であるスライディングノ
ズル装置用上ノズルの製造方法である。さらに、前記の
方法で製造されたスライディングノズル装置用上ノズル
である。
【0008】
【発明の実施の形態】ノズル材質としてアルミナ−炭素
質は既に知られている。また、炭素含有耐火物に耐酸化
性などを目的としてアルミニウムを添加することも知ら
れている。これに対し本発明は、アルミナ−Al2O3・
MgO系スピネル−炭素質にアルミニウムを添加して製
造される上ノズルである。
質は既に知られている。また、炭素含有耐火物に耐酸化
性などを目的としてアルミニウムを添加することも知ら
れている。これに対し本発明は、アルミナ−Al2O3・
MgO系スピネル−炭素質にアルミニウムを添加して製
造される上ノズルである。
【0009】アルミニウムは高温下で炭素との反応によ
るAl3Cを経てAl2O3となり、その際の体積膨張で
耐火物組織を緻密化する。また、これと同時に高温下で
気相または液相となったAlがアルミナ粒子とAl2O3
・MgO系スピネル(以下、単にスピネルと称する)の
粒子間にAl2O3となって介在し、アルミナとスピネル
のセラミックボンドとして作用する。Alが気相または
液相を経てAl2O3となったことで、このセラミックボ
ンドは緻密かつ強固なものとなる。しかも、アルミナ−
スピネル間のセラミックボンドは、高耐火度である。そ
の結果、本発明より得られる上ノズルは、溶鋼流に対す
る耐摩耗性に優れた材質となる。
るAl3Cを経てAl2O3となり、その際の体積膨張で
耐火物組織を緻密化する。また、これと同時に高温下で
気相または液相となったAlがアルミナ粒子とAl2O3
・MgO系スピネル(以下、単にスピネルと称する)の
粒子間にAl2O3となって介在し、アルミナとスピネル
のセラミックボンドとして作用する。Alが気相または
液相を経てAl2O3となったことで、このセラミックボ
ンドは緻密かつ強固なものとなる。しかも、アルミナ−
スピネル間のセラミックボンドは、高耐火度である。そ
の結果、本発明より得られる上ノズルは、溶鋼流に対す
る耐摩耗性に優れた材質となる。
【0010】本発明で使用する結合剤は、炭素質結合剤
とする。この結合剤からの炭素成分とスピネルとがキレ
ート反応によるボンドを形成し、組織強度および耐Fe
O性を向上させる。また、アルミニウムが酸化してAl
2O3に変化する際の体積膨張が耐火物組織を緻密化し、
気孔中への地金を阻止する。その結果、本発明の上ノズ
ルは溶鋼流に対する耐損耗性と酸素洗浄時の耐溶損性が
向上する。
とする。この結合剤からの炭素成分とスピネルとがキレ
ート反応によるボンドを形成し、組織強度および耐Fe
O性を向上させる。また、アルミニウムが酸化してAl
2O3に変化する際の体積膨張が耐火物組織を緻密化し、
気孔中への地金を阻止する。その結果、本発明の上ノズ
ルは溶鋼流に対する耐損耗性と酸素洗浄時の耐溶損性が
向上する。
【0011】なお、リン状黒鉛などの炭素原料とスピネ
ルとの組み合わせではキレート反応が生じない。これ
は、炭素質結合剤の揮発成分が逸散して生成される炭素
成分のように粒子が微細でないためと考えられる。本発
明で使用するアルミナは耐食性および容積安定性にの効
果を持つ。その割合は、60wt%未満では耐食性に劣
り、95wt%を超えると溶鋼流に対する損耗性に劣
る。
ルとの組み合わせではキレート反応が生じない。これ
は、炭素質結合剤の揮発成分が逸散して生成される炭素
成分のように粒子が微細でないためと考えられる。本発
明で使用するアルミナは耐食性および容積安定性にの効
果を持つ。その割合は、60wt%未満では耐食性に劣
り、95wt%を超えると溶鋼流に対する損耗性に劣
る。
【0012】アルミナは、焼結品、電融品を問わない。
また、微粉部には仮焼アルミナを使用してもよい。その
化学組成は、Al2O3純度95wt%以上のもの好まし
い。しかし、SiO2含有量は3wt%以下、好ましく
は2wt%以下とする。SiO2が3wt%を超えると
スピネルとの反応による低融物の生成により、酸素洗浄
の際の耐溶損性に劣る。
また、微粉部には仮焼アルミナを使用してもよい。その
化学組成は、Al2O3純度95wt%以上のもの好まし
い。しかし、SiO2含有量は3wt%以下、好ましく
は2wt%以下とする。SiO2が3wt%を超えると
スピネルとの反応による低融物の生成により、酸素洗浄
の際の耐溶損性に劣る。
【0013】スピネルについても、電融品または焼結品
のいずれも使用できる。その化学組成は、Al2O3とM
gOの割合は理論組成に限らず使用できる。例えばモル
比でAl2O3:MgOが0.7〜1.3:1.3〜0.7の
範囲のものが好ましい。強固なセラミックボンドを得る
ために、スピネルの粒径は75μm以下、好ましくは4
5μm以下の微粉とする。また、その割合は1wt%未
満ではスピネル添加の効果がなく、25wt%を超える
と耐スポール性が低下する。
のいずれも使用できる。その化学組成は、Al2O3とM
gOの割合は理論組成に限らず使用できる。例えばモル
比でAl2O3:MgOが0.7〜1.3:1.3〜0.7の
範囲のものが好ましい。強固なセラミックボンドを得る
ために、スピネルの粒径は75μm以下、好ましくは4
5μm以下の微粉とする。また、その割合は1wt%未
満ではスピネル添加の効果がなく、25wt%を超える
と耐スポール性が低下する。
【0014】耐火物全体の粒度構成上、粒径が75μm
を超えるスピネルを前記のスピネル微粉と併用してもよ
い。しかし、粒径が大きなスピネルの配合は、耐スポー
ル性低下の原因となるため、その割合は5wt%以下と
する。炭素は、耐スポーリング性などの効果をもつ。そ
の具体例は、黒鉛、カーボンブラック、ピッチコーク
ス、無煙炭、電極屑などが例示される。1wt%未満で
は耐スポール性が低下し、15wt%を超えると酸化に
よって溶鋼流に対する耐摩耗性に劣る。
を超えるスピネルを前記のスピネル微粉と併用してもよ
い。しかし、粒径が大きなスピネルの配合は、耐スポー
ル性低下の原因となるため、その割合は5wt%以下と
する。炭素は、耐スポーリング性などの効果をもつ。そ
の具体例は、黒鉛、カーボンブラック、ピッチコーク
ス、無煙炭、電極屑などが例示される。1wt%未満で
は耐スポール性が低下し、15wt%を超えると酸化に
よって溶鋼流に対する耐摩耗性に劣る。
【0015】本発明におけるアルミニウムの効果は、ア
ルミニウム合金あるいはアルミニウムとアルミニウム合
金との併用によっても得られる。Al合金の例として
は、Al−Mg、Al−Si、Al−Mg−Si、Al
−Mg−Crが挙げられる。アルミニウムおよび/また
はアルミニウム合金の割合は、0.5wt%未満では添
加の効果が得られない。また、8wt%を超えると体積
膨張により、耐スポール性の大巾な低下を招く。
ルミニウム合金あるいはアルミニウムとアルミニウム合
金との併用によっても得られる。Al合金の例として
は、Al−Mg、Al−Si、Al−Mg−Si、Al
−Mg−Crが挙げられる。アルミニウムおよび/また
はアルミニウム合金の割合は、0.5wt%未満では添
加の効果が得られない。また、8wt%を超えると体積
膨張により、耐スポール性の大巾な低下を招く。
【0016】さらに、シリコンおよび/またはシリコン
合金を併用添加してもよい。シリコン合金の例として
は、前記のアルミニウム合金の例と一部重なるが、Si
−Al、Si−Mg、Si−Cr、Si−Al−Mgな
どである。このシリコンおよび/またはシリコン合金
は、低温域における耐酸化性に効果がある。その添加量
は5wt%以下、好ましくは1〜3wt%である。5w
t%を超えると焼結過多となって耐スポーリング性が低
下する。
合金を併用添加してもよい。シリコン合金の例として
は、前記のアルミニウム合金の例と一部重なるが、Si
−Al、Si−Mg、Si−Cr、Si−Al−Mgな
どである。このシリコンおよび/またはシリコン合金
は、低温域における耐酸化性に効果がある。その添加量
は5wt%以下、好ましくは1〜3wt%である。5w
t%を超えると焼結過多となって耐スポーリング性が低
下する。
【0017】以上のアルミニウム、アルミニウム合金、
シリコンあるいはシリコン合金の合計量は、8wt%以
下とする。8wt%を超えると体積膨張による耐スポー
ル性の低下と溶鋼流に対する耐摩耗性および酸素洗浄時
の耐溶損性の低下を招く。炭素質結合剤は、炭素成分が
20wt%以上、さらに好ましく30wt%以上のフェ
ノール樹脂、フラン樹脂、ピッチ、タールなどを使用す
る。炭素成分が20wt%未満では酸素洗浄時の耐損耗
性に劣る。
シリコンあるいはシリコン合金の合計量は、8wt%以
下とする。8wt%を超えると体積膨張による耐スポー
ル性の低下と溶鋼流に対する耐摩耗性および酸素洗浄時
の耐溶損性の低下を招く。炭素質結合剤は、炭素成分が
20wt%以上、さらに好ましく30wt%以上のフェ
ノール樹脂、フラン樹脂、ピッチ、タールなどを使用す
る。炭素成分が20wt%未満では酸素洗浄時の耐損耗
性に劣る。
【0018】炭素質結合剤の割合は、前記した配合物1
00wt%に対する外掛けで1wt%未満では添加の効
果がなく、7wt%を超えると耐食性を低下させる。ま
た、本発明の効果を損なわない範囲であれば、上記以外
の炭化物、窒化物、ほう化物(例えば、B4C)、酸化
防止剤、耐火骨材、ファイバー類、ガラス類などを適当
量、添加してもよい。成形および加熱乾燥の方法は従来
の不焼成炭素含有耐火物の製造方法と特に変わりなく、
例えば加圧ニーダー、加圧フレットなどで混練し、フリ
クションプレス、オイルプレスなどで成形後、例えば5
00℃以下、好ましくは300℃前後で加熱乾燥する。
00wt%に対する外掛けで1wt%未満では添加の効
果がなく、7wt%を超えると耐食性を低下させる。ま
た、本発明の効果を損なわない範囲であれば、上記以外
の炭化物、窒化物、ほう化物(例えば、B4C)、酸化
防止剤、耐火骨材、ファイバー類、ガラス類などを適当
量、添加してもよい。成形および加熱乾燥の方法は従来
の不焼成炭素含有耐火物の製造方法と特に変わりなく、
例えば加圧ニーダー、加圧フレットなどで混練し、フリ
クションプレス、オイルプレスなどで成形後、例えば5
00℃以下、好ましくは300℃前後で加熱乾燥する。
【0019】例えば1000℃以上の高温で焼成した焼
成品にした場合は、気孔率が高くなって地金が気孔中に
浸透し、酸素洗浄の際の損耗か著しく、本発明の効果が
得られない。なお、本発明による上ノズルは、ノズル内
孔に不活性ガスを噴出させるためのノズル孔あるいは多
孔質耐火物を内在させてもよい。
成品にした場合は、気孔率が高くなって地金が気孔中に
浸透し、酸素洗浄の際の損耗か著しく、本発明の効果が
得られない。なお、本発明による上ノズルは、ノズル内
孔に不活性ガスを噴出させるためのノズル孔あるいは多
孔質耐火物を内在させてもよい。
【0020】
【実施例】以下、本発明の実施例とその比較例を説明す
る。表1は、各例で使用した配合組成と、それにより得
られた上ノズルの試験結果である。
る。表1は、各例で使用した配合組成と、それにより得
られた上ノズルの試験結果である。
【0021】
【図1】
【0022】
【図2】
【0023】
【図3】
【0024】各例は、表に示す配合物を加圧ニーダーで
混練後、フリクションプレスにて加圧成形したものを2
50℃×24時間の加熱乾燥を行って上ノズルを得た。
試験方法は、以下のとおりである。 (試験装置による) 溶鋼流に対する耐摩耗性;溶鋼取鍋スラグと鋼とを重量
比で1:1よりなる溶剤を使用し、1600℃×3時間
の回転侵食で摩耗寸法を求め、比較例1の溶損寸法を1
00とした指数で示した。
混練後、フリクションプレスにて加圧成形したものを2
50℃×24時間の加熱乾燥を行って上ノズルを得た。
試験方法は、以下のとおりである。 (試験装置による) 溶鋼流に対する耐摩耗性;溶鋼取鍋スラグと鋼とを重量
比で1:1よりなる溶剤を使用し、1600℃×3時間
の回転侵食で摩耗寸法を求め、比較例1の溶損寸法を1
00とした指数で示した。
【0025】酸素洗浄の耐損耗性;試験片を張り付けた
回転侵食装置に、溶鋼取鍋スラグと鋼が重量比で1:1
よりなる溶剤を投入し、ガスバーナーで1650℃に昇
温すし、前記溶剤を溶解する。次いで、溶剤を回転侵食
装置から排出した後、回転侵食装置に張り付けた試験片
に付着した溶剤を酸素バーナーで溶解除去させ、その際
の損耗寸法を求め、比較例1の溶損寸法を100とした
指数で示した。
回転侵食装置に、溶鋼取鍋スラグと鋼が重量比で1:1
よりなる溶剤を投入し、ガスバーナーで1650℃に昇
温すし、前記溶剤を溶解する。次いで、溶剤を回転侵食
装置から排出した後、回転侵食装置に張り付けた試験片
に付着した溶剤を酸素バーナーで溶解除去させ、その際
の損耗寸法を求め、比較例1の溶損寸法を100とした
指数で示した。
【0026】耐スポールリング性;1600℃の溶鋼に
5分間浸漬後、5分間の冷却を3回繰返し、亀裂の状態
を観察した。
5分間浸漬後、5分間の冷却を3回繰返し、亀裂の状態
を観察した。
【0027】(実機による)300t溶鋼取鍋のスラィ
デングノズル装置のにおいて、上ノズルとして使用し、
耐溶鋼流摩耗速度および耐酸素洗浄性の良否と耐用寿命
を求めた。表2の結果のとおり、本発明により得られた
上ノズルは、いずれも溶鋼流に対する耐摩耗性、酸素洗
浄に対する耐損耗性に優れ、その効果は実機試験におい
ても確認することができた。
デングノズル装置のにおいて、上ノズルとして使用し、
耐溶鋼流摩耗速度および耐酸素洗浄性の良否と耐用寿命
を求めた。表2の結果のとおり、本発明により得られた
上ノズルは、いずれも溶鋼流に対する耐摩耗性、酸素洗
浄に対する耐損耗性に優れ、その効果は実機試験におい
ても確認することができた。
【0028】これに対し、スピネルを配合していない比
較例1、アルミナのSiO2成分の割合が多い比較例
3、金属の添加量が少ない比較例6は、いずれも溶鋼流
に対する耐摩耗性と酸素洗浄の対する耐損耗性に劣る。
炭素の割合が少ない比較例2、スピネルが多い比較例
4、金属の添加量が多い比較例6は、耐スポーリング性
に劣る。炭素の割合が少ない比較例5は、組織強度が小
さく、溶鋼流に対する耐摩耗性に著しく劣る。
較例1、アルミナのSiO2成分の割合が多い比較例
3、金属の添加量が少ない比較例6は、いずれも溶鋼流
に対する耐摩耗性と酸素洗浄の対する耐損耗性に劣る。
炭素の割合が少ない比較例2、スピネルが多い比較例
4、金属の添加量が多い比較例6は、耐スポーリング性
に劣る。炭素の割合が少ない比較例5は、組織強度が小
さく、溶鋼流に対する耐摩耗性に著しく劣る。
【0029】
【発明の効果】以上のように本発明により得られる上ノ
ズルは、溶鋼流に対する耐摩耗性と酸素洗浄の際の耐溶
損性という、上ノズルに必要な特性を備えている。溶融
金属容器の内張り耐火物に比べて寿命が短い上ノズル
は、内張り耐火物の全体が補修されるまでの間に何回か
交換されるが、本発明による上ノズルは耐用寿命に優
れ、その交換回数を大巾に減らすことができる。その結
果、ノズル交換に要する工数およびノズル費用の低減の
みならず、溶融金属容器の稼働率を向上させることがで
きる。
ズルは、溶鋼流に対する耐摩耗性と酸素洗浄の際の耐溶
損性という、上ノズルに必要な特性を備えている。溶融
金属容器の内張り耐火物に比べて寿命が短い上ノズル
は、内張り耐火物の全体が補修されるまでの間に何回か
交換されるが、本発明による上ノズルは耐用寿命に優
れ、その交換回数を大巾に減らすことができる。その結
果、ノズル交換に要する工数およびノズル費用の低減の
みならず、溶融金属容器の稼働率を向上させることがで
きる。
【図1】スライディングノズル装置の縦断面図である。
1 プレート耐火物 2 上ノズル 3 下ノズル
【表1】
【表2】
【表3】
Claims (3)
- 【請求項1】Al2O3含有量95wt%以上、SiO2
含有量3wt%以下のアルミナ60〜95wt%、粒径
75μm以下のAl2O3・MgO系スピネル1〜25w
t%、粒径が75μmを超えるAl2O3・MgO系スピ
ネル0〜5wt%、炭素1〜15wt%を含む耐火骨材
100wt%と、外掛けでアルミニウムおよび/または
アルミニウム合金0.5〜8wt%および炭素質結合剤
を含む配合物を成形後、加熱乾燥することを特徴したス
ライディングノズル装置用上ノズルの製造方法。 - 【請求項2】請求項1記載の製造方法において、配合物
に耐火骨材100wt%に対する外掛けで、さらにシリ
コンおよび/またはシリコン合金5wt%以下を含み、
かつ、金属の合量が8wt%以下であるスライディング
ノズル装置用上ノズルの製造方法。 - 【請求項3】請求項1または2記載の方法で製造された
スライディングノズル装置用上ノズル。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7276372A JPH0987011A (ja) | 1995-09-29 | 1995-09-29 | スライディングノズル装置用上ノズルの製造方法およびその方法で製造された上ノズル |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7276372A JPH0987011A (ja) | 1995-09-29 | 1995-09-29 | スライディングノズル装置用上ノズルの製造方法およびその方法で製造された上ノズル |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0987011A true JPH0987011A (ja) | 1997-03-31 |
Family
ID=17568515
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP7276372A Pending JPH0987011A (ja) | 1995-09-29 | 1995-09-29 | スライディングノズル装置用上ノズルの製造方法およびその方法で製造された上ノズル |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0987011A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2010137279A (ja) * | 2008-12-15 | 2010-06-24 | Kurosaki Harima Corp | タンディッシュへのコーティング層の形成方法 |
WO2010095637A1 (ja) * | 2009-02-19 | 2010-08-26 | 黒崎播磨株式会社 | アルミナカーボン系不焼成れんが及びそれを用いた窯炉設備 |
JP2012036064A (ja) * | 2010-08-11 | 2012-02-23 | Kurosaki Harima Corp | 溶融金属保持炉の内張り用アルミナカーボン系不焼成れんが及び製造方法、並びにそれを用いた窯炉設備及び施工方法 |
JP2016527083A (ja) * | 2013-09-12 | 2016-09-08 | リフラクトリー・インテレクチュアル・プロパティー・ゲー・エム・ベー・ハー・ウント・コ・カーゲー | 炭素結合又は樹脂結合定形耐火製品を製造するためのバッチ、当該製品を製造するための方法、当該製品、及び、マグネシアスピネル‐酸化ジルコニウムの使用 |
-
1995
- 1995-09-29 JP JP7276372A patent/JPH0987011A/ja active Pending
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2010137279A (ja) * | 2008-12-15 | 2010-06-24 | Kurosaki Harima Corp | タンディッシュへのコーティング層の形成方法 |
WO2010095637A1 (ja) * | 2009-02-19 | 2010-08-26 | 黒崎播磨株式会社 | アルミナカーボン系不焼成れんが及びそれを用いた窯炉設備 |
JP2012036064A (ja) * | 2010-08-11 | 2012-02-23 | Kurosaki Harima Corp | 溶融金属保持炉の内張り用アルミナカーボン系不焼成れんが及び製造方法、並びにそれを用いた窯炉設備及び施工方法 |
JP2016527083A (ja) * | 2013-09-12 | 2016-09-08 | リフラクトリー・インテレクチュアル・プロパティー・ゲー・エム・ベー・ハー・ウント・コ・カーゲー | 炭素結合又は樹脂結合定形耐火製品を製造するためのバッチ、当該製品を製造するための方法、当該製品、及び、マグネシアスピネル‐酸化ジルコニウムの使用 |
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