JPH10146655A - 鋼の連続鋳造用ノズル - Google Patents
鋼の連続鋳造用ノズルInfo
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- JPH10146655A JPH10146655A JP8306656A JP30665696A JPH10146655A JP H10146655 A JPH10146655 A JP H10146655A JP 8306656 A JP8306656 A JP 8306656A JP 30665696 A JP30665696 A JP 30665696A JP H10146655 A JPH10146655 A JP H10146655A
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Abstract
耐損傷性及び耐スポーリング性を同時に具備する鋼の連
続鋳造用ノズルを提供することにある。 【解決手段】 本発明の鋼の連続鋳造用ノズルは、少な
くともノズルの内孔部及び/または溶鋼に接する部分の
耐火物が、非晶質シリカ及びアルミナから構成され、S
iO2:5〜40重量%、Al2O3:60〜95重量%
及び不可避不純物:3重量%以下の組成を有することを
特徴とする。
Description
グノズル等の鋼の連続鋳造用ノズルに関するものであ
る。
来から、耐食性及び耐スポール性に優れたAl2O3−S
iO2−C質ノズルが最も広く用いられている。しか
し、鋼中のAl脱酸により生じたAl2O3介在物の付着
によるノズル内管の閉塞が問題になっている。
耐火物中において、耐火原料として使用されているSi
O2とCとの間に(1)式の反応が起こる。そして、生
成したSiO(気体:以下「(g)」と記載する)及び
CO(g)が、ノズルと溶鋼の界面に拡散し、溶鋼中の
Alと(2)式、(3)式の反応を起こして、ノズルの
稼働面で網目状のアルミナを生成する。この網目状のア
ルミナは、ノズル表面に融着して、Al2O3介在物付着
の発端となる:
し、Al、Si、Cは、溶鋼に溶解状態のAl、Si及
びCをそれぞれ表す。
ルの閉塞が進行する。これは、ノズルの耐用性を短縮さ
せるばかりではなく、連鋳操業上の支障になるので、そ
の抑制は重要な課題である。
を解消する目的で、浸漬ノズルの内孔部をCを含まない
耐火物で被覆する方法、即ち、浸漬ノズルの湯道表層部
にAl2O3、MnO2、MgO、CaO、SiO2を単独
または複合して添加した耐火物を配設した連続鋳造用の
浸漬ノズルが、特開昭51−54836号公報に開示さ
れている。しかしながら、該公報で望ましいとされるS
iO290〜99重量%の領域では、以下に示す(4)
式に示す反応により、ノズルの稼働面でAl2O3を生成
する:
介在物は、SiO2の表面に付着し、更に、SiO2の中
に固溶して、融点が1600℃以下の低融点層を生成す
る。この低融点の層が、連続鋳造において、溶鋼に洗い
流され、その結果、ノズルの損傷が生ずる。
O2を含まず、Al2O3(あるいはMgO)が90重量
%以上のカーボンレス高アルミナ質耐火物が特開平3−
243258号公報に開示されている。また、特開平5
−154628号公報には、アルミナ含有量99重量%
以上のアルミナクリンカーを主成分とし、アルミナ含有
量が70重量%以上、カーボン含有量が1重量%未満、
シリカ含有量が1重量%未満の耐火物組成を有し、且つ
0.21mm以下の粒度が20〜70重量%を占める粒
度構成を有する連続鋳造用ノズル内孔体が開示されてい
る。
原料配合物とノズル本体の原料配合物を同時に加圧成形
する方法、あるいは先に成形されたノズル本体に内孔体
の原料配合物を内装充填する方法がある。しかし、何れ
の方法においても、内装充填される内孔体を構成するカ
ーボンレス質材質の熱膨張率は、ノズル本体のカーボン
含有材質の熱膨張率と比較すると格段に大きく、ノズル
本体に予熱中や使用中に亀裂を生じる問題がある。
に、後者の製造方法において、ノズル本体をカーボン源
を含有する耐火材料によって形成し、溶鋼が通過する部
位及び溶鋼と接する部位をカーボン源を含有しない耐火
材料によって被覆した連続鋳造用ノズルにおいて、前記
カーボン源を含有しない耐火材料による被覆部位が内孔
直胴部、内孔下底部、吐出孔部及び溶鋼に浸漬する外周
部であり、前記被覆部位がカーボンを含有しない耐火材
料の円筒形状によって形成され、且つ前記円筒状体が前
記直胴部では0.5〜2.0mm厚みの目地を介して、ま
た、前記内孔底部及び吐出孔部では1〜5mm厚みの目
地を介して設けられていることを特徴とする連続鋳造用
ノズルが特開平8−57601号公報に開示されてい
る。しかしながら、この場合、目地部分からの溶鋼侵入
が生じ、鋳造途中に内孔体が欠落しやすい欠点がある。
物付着性、耐損傷性及び耐スポーリング性を同時に具備
する鋼の連続鋳造用ノズルを提供することにある。
鋳造用ノズルは、鋼の連続鋳造用ノズルにおいて、少な
くともノズルの内孔部及び/または溶鋼に接する部分の
耐火物が、非晶質シリカ及びアルミナから構成され、S
iO2:5〜40重量%、Al2O3:60〜95重量%
及び不可避不純物:3重量%以下の組成を有することを
特徴とする。
少なくともノズルの内孔部及び/または溶鋼に接する部
分の耐火物が、1000μm以下の粒度を有し、且つ
0.5〜1000μmの粒度割合が80重量%以上であ
る耐火原料から構成されていることを特徴とする。
少なくともノズルの内孔部及び/または溶鋼に接する部
分の耐火物の厚みが、2〜10mmであることを特徴と
する。
本発明の鋼の連続鋳造用ノズル(以下、単に「ノズル」
と記載する)は、少なくともノズルの内孔部及び/また
は溶鋼に接する部分の耐火物が、非晶質シリカ及びアル
ミナから構成されるAl2O3−SiO2系耐耐火物で、
SiO2:5〜40重量%、Al2O3:60〜95重量
%及び不可避不純物:3重量%以下の組成を有するとこ
ろに特徴がある。
を有しており、急熱あるいは急冷されると、割れ易い傾
向にある。従って、高純度アルミナを製鋼用耐火材料と
すると、耐火材料の割れに起因して溶鋼が漏れる恐れが
ある。これは安定操業の障害となるばかりでなく、不安
全の因子になる。
小さい。例えば1000℃において、アルミナの熱膨張
率が0.82%であるのに対して、非晶質シリカのそれ
はわずかに0.05%である。従って、アルミナに非晶
質シリカを含有させると、加熱あるいは冷却において、
非晶質シリカがアルミナの膨張を吸収し、その結果、ア
ルミナ含有耐火物の耐スポール性を向上させることがで
きる。
なく、その含有量がSiO2としてが5重量%未満で
は、その割合が少なすぎて、耐火物の耐スポール性が実
機の使用条件に対応しかねる。
0重量%を超えると、耐スポール性は問題がないが、融
点が1600℃以下の低融点相が生じ、且つその低融点
相の割合が多すぎるので、耐火物の溶鋼流に洗い流され
る等により損傷することがある。
または溶鋼に接する部分の耐火物の組成は、SiO2:
5〜40重量%及びAl2O3:60〜95重量%の範囲
内にあることが望ましい。なお、SiO2が28〜40
重量%の範囲では、低融点相が生じるものの、低融点相
の割合が少ないので、後述の実施例で説明するように、
耐火物の損傷はほとんど問題とはならない。
物を成形するために配合されるバインダー等に起因する
不可避不純物(炭素、CaO等)や、出発原料に起因す
る不可避不純物(TiO2、MgO、β−アルミナ中の
Na2O、K2O等)が存在することがあるが、これらの
不可避不純物は、その合計量が3重量%以下であれば許
容できる。
もノズルの内孔部及び/または溶鋼に接する部分に配設
される非晶質シリカ及びアルミナから構成される耐火物
は、実質上Al2O3及びSiO2から構成されるAl2O
3−SiO2系耐火物であり、炭素が実質上不在であるの
で、上記(1)〜(3)式の反応を抑制することができ
る。
ル稼働面ではAl2O3が生成するが、このAl2O3は網
目状とはならず、溶鋼中のAl2O3介在物の付着の発端
とはならない。従って、Al2O3介在物の付着に起因す
るノズルの閉塞は生じない。
O3−SiO2系耐火物は、ロングノズル、浸漬ノズルの
ような連続鋳造用ノズルの内孔部及び/または溶鋼と接
する部分に適用すれば良く、また、ロングノズル、浸漬
ノズル等の連続鋳造用ノズル全体に使用しても良い。
耐火物のみで構成する場合には、所定の耐火原料からな
る配合物に、セメントのような慣用・公知のバインダー
を混練して混練物を、CIP等により所定のノズル形状
に成形、乾燥後、焼成して製造することができる。ま
た、混練物を流し込み成形、圧入成形し、乾燥し、場合
によっては焼成して製造することもできる。
ばフェノール樹脂のようにバインダーに起因する炭素
や、セメントに起因するCaOが混入することがある
が、その量は少なく、不可避不純物と見なすことができ
る。これらの不可避不純物は、出発原料に起因する他の
不可避不純物との合計量で3重量%以下であれば特に問
題はない。
接する部分に、Al2O3−SiO2系耐火物を配設する
場合、ノズルの内孔部及び/または溶鋼と接する部分の
作成は、これらの部分を構成するAl2O3−SiO2系
耐火物の原料配合物と、ノズル本体を構成する耐火材料
の原料配合物を同時に加圧成形して所定のノズル形状に
成形する方法(同時成形法)、あるいは予め成形された
ノズル本体に、内孔部及び/または溶鋼と接する部分を
構成するAl2O3−SiO2系耐火物を形成する耐火原
料の配合物を内装充填する方法(内装法)の何れでも良
い。なお、ノズル本体(母体)を構成する耐火材料とし
て従来用いられているアルミナ−カーボン質耐火材料、
ジルコニア−カーボン質耐火材料等の材料を適宜使用す
ることができる。
配材パターンを図1〜4に示す。ここで、図1〜3は、
浸漬ノズルのパウダーライン部にZrO2−C系耐火材
料を配したものである。パウダーライン部は、浸漬ノズ
ル使用中に侵食性の大きいモールドパウダーと接する帯
域であり、このためノズル本体を構成するAl2O3−C
系耐火材料を耐食性に優れたZrO2−C系耐火材料で
このパウダーライン部を補強した構成のものである。な
お、Al2O3−C系耐火材料やZrO2−C系耐火材料
は慣用の組成のものを使用することができ、Al2O3−
C系耐火材料にあっては、例えば、Al2O330〜90
重量%、SiO20〜35重量%、C10〜35重量%
の組成を有するものを使用することができ、また、Zr
O2−C系耐火材料にあっては、CaO安定化ZrO2
を使用する場合、例えば、ZrO266〜88重量%、
CaO2〜4重量%及びC10〜30重量%の組成を有
するものを使用することができる。なお、ZrO2原料
としては通常CaO安定化ZrO2が広く使用されてい
るが、この他にMgO安定化ZrO2、Y2O3安定化Z
rO2、バデライト等を用いることができる。
樹脂や多糖類をバインダーとして混練したアルミナ−カ
ーボン等のノズル本体を構成する耐火材料の原料配合物
と、内孔部及び/または溶鋼と接する部分を構成するA
l2O3−SiO2系耐火物の原料配合物を、型枠の所定
の位置に充填、CIP等により成形し、乾燥後、不焼成
品とするか、または焼成して製造することができる。
り予め作成されたノズル本体に、セメントや珪酸塩、リ
ン酸塩のようなバインダーを用い、混練した原料配合物
を流し込み成形、圧入成形した後、乾燥、場合によって
は焼成し、製造しても良いし、慣用の方法により予め作
成したノズル本体(母体部)に、加圧成形、流し込みあ
るいは圧入成形により、別に作成した内装部(内孔部及
び/または溶鋼と接する部分)を装填しても良い。
2系耐火物を製造する際に使用する出発原料の粒度は、
1000μm以下であり、且つ0.5〜1000μmの
粒度割合が80重量%以上とすることが好ましい。最大
粒度が1000μmを超るとノズル肉厚に対する粒径が
大きすぎ、使用時に耐火組織の脆化、粒の抜け落ち等の
原因となる。また、粒径が0.5μm未満の原料が20
重量%を超ると、耐火物の耐スポール性が劣化し、割れ
が発生することがあるので望ましくない。
ル内孔部及び/または溶鋼と接する部分のみに使用する
場合、その厚みは2〜10mmの範囲が望ましい。該耐
火物の厚みが2mm未満の場合には使用中に溶損されて
本来の機能を発揮できない場合があるため望ましくな
く、また、10mmを超るとノズル本体(母体)を構成
する耐火材料との熱膨張差に由来する亀裂が発生するよ
うになる(耐スポール性が劣化)ため、望ましくない。
耐スポール性、耐損傷性、耐アルミナ付着性の各試験に
ついて説明する。スポール試験は、寸法40×40×2
30mmの試料を電気炉の中で1580℃の溶鋼に5分
間浸漬し、水冷した後の試料の亀裂の発生状況で評価し
た。試料を10個準備し、亀裂が発生した試料の個数で
評価した。損傷試験は、直径が40mm、高さが230
mmの試料を1580℃の溶鋼に浸漬し、更に100r
pmの速度で30分間回転させた後の試料の直径の減少
量で評価した。アルミナ付着試験は、1580℃の溶鋼
にアルミニウムを1重量%溶解し、この溶鋼に、直径が
40mm、高さが230mの試料を60分間浸漬した際
のアルミナ付着厚みで評価した。
メント(CaO:25重量%、Al2O3:75重量%)
を外掛で5重量%、アクリル酸ソーダを外掛で0.1重
量%、及び所定量の水を加えて混練し、振動鋳込みで成
形した後、24時間養生し、更に、105℃で24時間
乾燥して試料を作成した。得られた試料につき、上述の
要領でスポール試験、損傷試験及びアルミナ付着試験を
行った。得られた結果を表1に併記する。
2重量%の組成にある比較品1は悪かったが、それ以外
のものは問題はなかった。 耐損傷性は、最も悪いのが比較品3、次いで比較品2
であるが、それ以外のものは問題がなかった。 耐アルミナ付着性は、比較品4(従来のAl2O3−C
系耐火物)は悪かったが、他の試料はアルミナの付着は
観察されなかった。従って、本発明に用いるAl2O3−
SiO2系耐火物は、耐スポール性、耐損傷性、耐アル
ミナ介在物付着性を兼備していることが判る。
と同様の方法にて、試料を作成し、スポール試験、損傷
試験及びアルミナ付着試験を行った。得られた結果を表
2に併記する。
面における粗粒が脱落する。 0.5μm未満の出発原料の割合が20重量%以下で
あれば耐スポール性に余り影響しないが、20重量%を
超ると耐スポール性が顕著に低下する。 耐アルミナ付着性に関しては、粒度の影響は少ない。
をノズルの本体材料とし、表1に示した本発明品2をノ
ズル内孔部材質にしたノズル(ノズル外径130mm、
内径70mm、長さ600mm)を、内孔部材質の厚み
を変えて(1mm、2mm、5mm、10mm、12m
m、ただしノズル肉厚は一定)作成した。試料はCIP
成形により同時成形後、24時間放置し、更に105℃
で24時間乾燥することにより得た。なお、配材バター
ンは図4に示す通りである。
て、高周波誘導炉によって1580℃で溶解したAlを
1重量%含有する鋼に3時間浸漬したときの、亀裂の発
生の有無で耐スポール性を、内孔部の溶損量で耐食性を
比較した。テストサンプルは10本準備し、耐スポール
性については亀裂が発生したテストサンプルの本数で、
溶損量については、内孔部の平均溶損深さで評価した。
試験結果を表3に示す。
は、鋳造中に内装部分が溶損してしまう可能性があり、
また、10mmを超えると耐スポール性が顕著に低下す
ることが判明した。
た。表3に示した本発明ノズル2の浸漬ノズルと、図5
に示す配材パターンを有する表1の比較品4のAl2O3
−C系耐火材料とZrO2−C系耐火材料(CaO安定
化ZrO280重量%、黒鉛20重量%)を組み合わせ
た従来品の比較ノズルをテストした。テストは、低炭素
アルミキルド鋼[組成(重量%)、C:0.08、S
i:0.03、Mn:0.2、P:0.01、S:0.0
1、Al:0.05]を用いて、鋳造温度1580℃で
行った。210分間鋳造した後の内管の最大介在物付着
層の厚みは、比較ノズルが14mmであるのに対して、
本発明ノズルでは2.2mmであり、大幅なアルミナ付
着低減効果が見られた。また、ノズル内孔部の割れ、損
傷も全くなかった。
て、アルミキルド鋼鋳造時のAl2O3介在物の付着によ
るノズルの閉塞が大幅に抑制され、また、ノズルの割
れ、損傷もなく、アルミキルド鋼の長時間にわたる連続
鋳造が可能となる。
示す図である。
を示す図である。
を示す図である。
を示す図である。
Claims (3)
- 【請求項1】 鋼の連続鋳造用ノズルにおいて、少なく
ともノズルの内孔部及び/または溶鋼に接する部分の耐
火物が、非晶質シリカ及びアルミナから構成され、Si
O2:5〜40重量%、Al2O3:60〜95重量%及
び不可避不純物:3重量%以下の組成を有することを特
徴とする鋼の連続鋳造用ノズル。 - 【請求項2】 少なくともノズルの内孔部及び/または
溶鋼に接する部分の耐火物が、1000μm以下の粒度
を有し、且つ0.5〜1000μmの粒度割合が80重
量%以上である耐火原料から構成されている、請求項1
記載の鋼の連続鋳造用ノズル。 - 【請求項3】 少なくともノズルの内孔部及び/または
溶鋼に接する部分の耐火物の厚みが、2〜10mmであ
る、請求項1または2記載の鋼の連続鋳造用ノズル。
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