JP2010247606A - 筒状被固定物の保持構造とタンク搭載車両 - Google Patents

筒状被固定物の保持構造とタンク搭載車両 Download PDF

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Abstract

【課題】高圧タンク等の筒状の被固定物をその外周を取り囲んで保持するに当たり、その保持に関与する機材の小型軽量化を図る。
【解決手段】高圧タンクTの車載に用いるバンド保持機構200は、一端が固定されたタンクバンド140をボルト202にて保持した上で、第2固定端142とボルト202のボルトヘッドとの間に、磁石210と磁石212とを同じ磁極(例えば、N極)で向かい合わせている。このため、同じ磁極を向かい合わせた磁石210と磁石212の両磁石は、磁石間の反発力を第2固定端142に及ぼして、この第2固定端142をプラットフォームFのバンド固定部116の側に向けて付勢し、タンクバンド140にテンションを掛けつつ高圧タンクTをタンク収納凹所110に保持する。
【選択図】図3

Description

本発明は、高圧タンク等の筒状の被固定物をその外周を取り囲む第1部材と第2部材とで保持する保持構造に関する。
近年になり、車両への高圧タンク搭載の機会が増えている。例えば、燃料電池搭載車両では、燃料電池の燃料ガスである水素ガスを高圧タンクに貯留して、この高圧タンクを車両に搭載している。高圧タンクは外気温や貯留ガスの圧力増加の影響を受け、タンクの外径の膨張を起こす。よって、こうした膨張を吸収した上で高圧タンクを車載する際には、タンク外周に掛け渡した帯状のバンドにコイルバネによりテンションを掛ける手法が種々提案されている(例えば、特許文献1)。
特開平10−278601号公報
上記した特許文献で提案された手法において、コイルバネは、タンクの膨張・収縮の程度に合わせたテンションをバネの圧縮・伸張によりバンドに及ぼす都合上、圧縮代および伸張代を残した圧縮状態とする必要がある。コイルバネのバネ特性や耐久性は、バネの線径や巻数等で定まり、圧縮代および伸張代を残した圧縮状態での使用を想定すると、ある程度大きな線径で巻数も多いコイルバネが必要とされる。また、コイルバネの保持にはボルトが用いられているが、コイルバネを圧縮代および伸張代を残した圧縮状態で保持する都合上、長寸で大径のボルトがコイルバネ保持に用いられている。
コイルバネにおいて、大きな線径や巻数増はバネ体格の増大をもたらし、バネ重量増や大きなバネ配設スペースを要していた。また、ボルトにあっても、その長寸化や大径化により重量増を招いていた。なお、こうした問題は、高圧タンクを搭載した車両に限らず、高圧タンクをバンドにて保持する据え置き型の設備機器であっても解決することが望ましい。
本発明は、上記した課題を踏まえ、高圧タンク等の筒状の被固定物をその外周を取り囲んで保持するに当たり、その保持に関与する機材の小型軽量化を図ることを目的とする。
上記した目的の少なくとも一部を達成するために、本発明では、以下の構成を採用した。
[適用1:保持構造]
筒状の被固定物をその外周を取り囲む第1部材と第2部材とで保持する保持構造であって、
第1磁石と第2磁石とを対向させて備え、該対向する両磁石の間で生じる磁力を前記被固定物の膨張に伴って発生する力に抗して及ぼして、前記第1部材と前記第2部材による前記被固定物の保持状態を維持する磁力機構を備える
保持構造。
ことを要旨とする。
上記構成の保持構造では、筒状の被固定物外周を取り囲む第1部材と第2部材で被固定物を保持するに当たり、対向させた第1磁石と第2磁石の両磁石の間で生じる磁力を被固定物の膨張に伴って発生する力に対して及ぼすことで、第1部材と第2部材による被固定物の保持状態を維持する。対向させた両磁石の間で生じる磁力は、第1、第2の両磁石の体格で定まるものではなく、磁石構成材の保磁力の強弱と両磁石間の距離にて定まり、磁力と磁石間距離の関係については、クーロン力と同様に、磁力は対向する磁石間の距離の2乗に反比例する。このため、例えば、強い磁気異方性を有するが故に強い保磁力を呈する磁石を第1、第2の磁石に用いればよく、線径が太くて巻数も多いコイルバネを用いる場合に比べて、小型化軽量化を図ることができる。この場合、第1、第2の両磁石を対向させておくに当たっても、両磁石を近くに配置すれば大きな磁力を得られることから、両磁石の対向に必要な機材についても、コイルバネを保持する場合のように長寸とする必要がないので、小型軽量化を図ることができる。
上記した保持構造は、次のような態様とすることができる。例えば、前記第1部材については、これを前記被固定物の外周に接して前記被固定物を受ける部材とし、前記第2部材については、これを、前記第1部材で受けられた前記被固定物の外周に掛け渡される帯状のバンドとする。その上で、前記磁力機構を、前記第2部材の一端側のバンド部を前記第1部材に固定するバンド固定部と、前記第2部材の他端側のバンド部を前記第1部材に係合した上で該係合の状態を保持することで前記被固定物を保持するバンド係合部とを備えるものとし、該バンド係合部の側で前記磁力を前記他端側のバンド部に及ぼして前記他端側のバンド部を前記第1部材に向けて付勢しつつ、前記被固定物の膨張に伴って発生する力に前記磁力で抗するようにできる。こうすれば、バンド係合部の側において、他端側のバンド部に磁力が及ぶように第1、第2の両磁石を対向させればよく、バンド係合部の側での機材の小型軽量化を図ることができる。
この場合、前記バンド係合部を、前記第1部材に固定されて該第1部材から延び、前記他端側のバンド部を貫通するシャフトと、該シャフトの先端に位置し、前記シャフトからの前記他端側のバンド部の抜けを防止するシャフトヘッドとを備えるものとし、該シャフトヘッドの下端と前記他端側のバンド部との間に、前記第1磁石と前記第2磁石とを同じ磁極を向かい合わせて配設するようにできる。こうすれば、同じ磁極を向かい合わせた第1磁石と第2磁石とは、磁石間の反発力を他端側のバンド部に及ぼして、当該バンド部を第1部材の側に向けて付勢しつつ、前記被固定物の膨張に伴って発生する力に前記磁力で抗する。
また、前記バンド係合部を、前記第1部材に固定されて該第1部材から延び、前記他端側のバンド部を貫通するシャフトと、該シャフトの先端に位置し、前記シャフトからの前記他端側のバンド部の抜けを防止するシャフトヘッドとを備えるものとし、前記第1部材に前記第1磁石を固定して、前記第2磁石を前記他端側のバンド部に固定すると共に、前記第1磁石と前記第2磁石とを異なる磁極を向かい合わせて配設するようにできる。こうすれば、異なる磁極を向かい合わせた第1磁石と第2磁石とは、磁石間の引力を他端側のバンド部に及ぼして、当該バンド部を第1部材の側に向けて付勢しつつ、前記被固定物の膨張に伴って発生する力に前記磁力で抗する。
シャフトとシャフトヘッドを用いた態様では、前記第1磁石と前記第2磁石とを貫通孔を備える円盤状として、該貫通孔に前記シャフトを貫通させて配設するようにできる。こうすれば、シャフト配設スペースと磁石配設スペースが共通となるので、省スペース化と小型化に有益である。
また、前記第1部材を前記被固定物を受ける部材とし、前記第2部材を、前記第1部材で受けられた前記被固定物の外周に掛け渡される帯状のバンドとした上で、バンド両端で前記第1部材に固定する。前記磁力機構については、前記被固定物の外周と向き合う前記第2部材のバンド内側面に前記第1磁石を配設し、前記被固定物の外周面には前記バンド内側面の前記第1磁石と対向して前記第2磁石を配設し、前記バンド内側面の前記第1磁石と前記被固定物の外周面の前記第2磁石とは、同じ磁極を向かい合わせて前記磁力を及ぼすようにすることもできる。この態様では、第1部材で受けられた被固定物は、その外周に掛け渡した帯状のバンドとしての第2部材がバンド両端で第1部材に固定されることで、両部材により保持される。そして、この被固定物には、第2部材のバンド内側面の第1磁石とこれと同じ磁極が向かい合った被固定物外周面の第2磁石との磁石間の反発力が及び、この反発力により被固定物は第1部材で受けられた状態で固定保持される。こうした被固定物の固定保持に当たっては、帯状のバンドとしての第2部材をそのバンド両端で第1部材に固定すればよいことから、その固定箇所においてコイルバネや当該バネ保持のための長寸のボルトを要しない。よって、上記の態様によっても、機材の小型軽量化を図ることができる。
この場合、前記被固定物を受ける前記第1部材の受け部に第3磁石を配設し、該第3磁石で受けられる前記被固定物の外周に第4磁石を配設した上で、該第4磁石と前記第3磁石とを異なる磁極が向かい合うようにすることもできる。こうすれば、第1部材にあっても、第3磁石と第4磁石の両磁石間の引力により被固定物を固定するので、被固定物の固定の信頼性が高まる。
[適用2:タンク搭載車両]
高圧タンクを搭載したタンク搭載車両であって、
高圧タンクを筒状の被固定物としてタンク外周を取り囲んで保持する上記いずれかに記載の保持機構を備え、
該保持機構は、前記第1部材を車両ボディ側に有する
ことを要旨とする。
上記構成のタンク搭載車両では、車両ボディ側の第1部材に対して、筒状の被固定物としての高圧タンクを、第2部材と、第1、第2の両磁石が生じる磁力とにより、保持できると共に、タンク保持に関与する機材の小型軽量化、延いては車両の軽量化をも図ることができる。
本発明の実施例としての保持構造を高圧タンク搭載車両に適用した場合の高圧タンクTの車載の様子を示す説明図である。 高圧タンクTの車載の様子をタンク周辺の構成と共に示す説明図である。 車載済みの高圧タンクTの保持の様子を要部を破断して示す説明図である。 図3相当図であり磁石配置の様子が異なる第2実施例のバンド保持機構200Aを示す説明図である。 磁石210の固定の様子を一部破断して示す斜視図である。 図4相当図でありバンド保持機構200Aにおいて磁石と第2固定端142と位置関係が異なる態様を示す説明図である。 図4相当図でありバンド保持機構200Aにおいて磁石とボルト202と位置関係が異なる態様を示す説明図である。 図1相当図であり第3実施例のバンド保持機構200Bをバンド端部に用いた車両10Aにおける高圧タンクTの車載の様子を示す説明図である。 図3相当図であり車載済みの高圧タンクTの保持の様子を示す説明図である。 図3相当図であり第4実施例のバンド保持機構200Cの構成と車載済みの高圧タンクTの保持の様子を示す説明図である。 図10相当図であり第5実施例のバンド保持機構200Dの構成と車載済みの高圧タンクTの保持の様子を示す説明図である。 図10相当図であり第6実施例のバンド保持機構200Eの構成と車載済みの高圧タンクTの保持の様子を示す説明図である。
以下、本発明の実施の形態について、その実施例を図面に基づき説明する。図1は本発明の実施例としての保持構造を高圧タンク搭載車両に適用した場合の高圧タンクTの車載の様子を示す説明図、図2は高圧タンクTの車載の様子をタンク周辺の構成と共に示す説明図、図3は車載済みの高圧タンクTの保持の様子を要部を破断して示す説明図である。
図1に示すように、車両10は、高圧タンクTを、タンク長手方向が車両幅方向となるように、プラットフォームFの下方に横置きに搭載する。高圧タンクTは、水素ガスを高圧で貯留する。タンクに貯留された水素ガスは、車両10が搭載した図示しない燃料電池に高圧タンクTから図示しないガス配管を経て供給され、ガス供給の際には図示しない減圧弁にて減圧される。高圧タンクTは、後輪RTの車軸より後方側に車両幅方向に横置き搭載され、紙面奥側にも並べて横置き搭載したり、図示するタンク位置の後方側に並べて横置き搭載することも可能である。
高圧タンクTは、樹脂製とされており、図2に示すように、長尺で円柱状をなし、タンク一端側に、金属製のバルブベースTVBを有する。このバルブベースTVBは、タンク内充填ガスの流路を備えてタンク一端に装着されガス配管との接続の用をなす。
本実施例の車両10は、車両のプラットフォームFの下面にタンク収納凹所110を車両幅方向に陥没形成して備え、高圧タンクTにタンク下端側半周に亘って掛け渡されたタンクバンド140を、バンド保持機構200を用いてプラットフォームFに保持する。タンク収納凹所110は、車両幅方向に延びて車両前後に位置して向かい合う前方傾斜面112Fと後方傾斜面112Rとを備え、両傾斜面の間を車両幅方向に延びる陥没溝114とする。陥没溝114を挟んで向かい合う上記の両傾斜面は、高圧タンクTの外周の異なる位置でタンク円柱側面に当接する。つまり、高圧タンクTがこの前方傾斜面112Fと後方傾斜面112Rに当接するようにされると、横置き状の高圧タンクTは、両傾斜面に支えられることになるので、タンク径方向に位置決めされる。この場合、上記の両傾斜面は、搭載された高圧タンクTの上方側に位置することから、高圧タンクTは、両傾斜面への当接により、上下方向および左右方向(即ち、車両上下方向と車両前後方向)に位置決めされることになる。高圧タンクTの回転方向の位置決めは、バルブベースTVBを用いる等の手法でなされるが、本発明の要旨とは直接関係しないので、その説明は省略する。
タンクバンド140は、スチール製とされ、その両端を第1固定端141、第2固定端142とする。両固定端とも、貫通孔141a、142aを備えるが、貫通孔141aにあってはボルト径より大きい円形の貫通孔とされ、貫通孔142aにあっては小判状の長孔とされている。タンクバンド140は、プラットフォームFが有するバンド固定部116の雌ネジFSにボルト143を螺合することで、第1固定端141においてバンド固定部116に固定される。この際、平座金144が用いられ、割り座金を併用することもできるほか、雌ネジFSに当たる箇所を貫通孔とし、後述の第2固定端142の保持と同様にナットを用いてボルト143をネジ締めするようにしても良い。また、本実施例では、ボルト143を六角穴付きボルトとしているが六角ボルトとしても良い。タンクバンド140は、第2固定端142の側では、バンド保持機構200を用いてプラットフォームFのバンド固定部116に保持される。こうしたバンド保持により、タンクバンド140は、タンク外周の下端側半周に掛け渡された状態で、タンク収納凹所110の向かい合う前方傾斜面112Fと後方傾斜面112Rに当接した高圧タンクTを上記の両傾斜面の側に向けて締め付けて固定する。
高圧タンクTを車載するには、タンクバンド140の第2固定端142をプラットフォームFから取り外しておき、横置き状の高圧タンクTを昇降させる図示しないタンクリフタにて、タンク収納凹所110に向けて高圧タンクTを持ち上げる。このタンク持ち上げは、高圧タンクTの側面がタンク収納凹所110の向かい合う前方傾斜面112Fと後方傾斜面112Rに当接するまで行われる。このタンク持ち上げと斜面当接と前後して、タンクの回転方向の位置決めも行われる。
次いで、タンクバンド140を、バンド保持機構200を用いてプラットフォームFに保持する。バンド保持機構200は、上記したタンク収納凹所110とタンクバンド140に加え、ボルト202とナット203と二つの磁石210、212とを備える。磁石210と磁石212の両磁石は、希土類磁性材料を用いた磁石であって一軸結晶磁気異方性の性質を備え、強い保持力を有する。こうした磁石としては、例えば、ネオジウム磁石や、サマコバ磁石、フェライト磁石、アルニコ磁石などがあり、本実施例では、上記両磁石をネオジウム磁石とした。磁石210と磁石212の両磁石は、ボルト202を貫通させる貫通孔213を備えた円盤状とされている。
ボルト202は、六角穴付きボルトであり、プラットフォームFのバンド固定部116における貫通孔FHに挿入された状態で、平座金205を介在させてナット203と螺合される。これにより、ボルト202は、プラットフォームFのバンド固定部116から延びて、タンクバンド140における第2固定端142の貫通孔142aと、磁石210と磁石212の両磁石の貫通孔213とを貫通し、ボルトヘッドと平座金205にて、ボルト軸からの第2固定端142の抜けを防止し、第2固定端142と両磁石との位置関係を維持する。つまり、ボルト202は、ボルトヘッド下端、詳しくは平座金205の下面からバンド固定部116の表面までの距離を、ナット203の螺合箇所で規定して維持し、その上で両磁石を保持する。
この状態において、ボルト202のボルトヘッド側の磁石210と第2固定端142の側の磁石212とは対向し、磁石210と磁石212は、その有するN極を向かい合わせている。そして、磁石210はS極の側の磁力にて平座金205に磁力吸着し、磁石212はS極の側の磁力にて第2固定端142に磁力吸着している。この場合、磁石210と磁石212の両磁石を、S極が向かい合うように第2固定端142とボルト202のボルトヘッドとの間に配設することもできる。
以上説明した本実施例のバンド保持機構200では、ボルト202にてボルトヘッド下端からバンド固定部116の表面までの距離を規定した上で、ボルト202のボルトヘッド側の磁石210と第2固定端142の側の磁石212とを同じ磁極(例えば、N極)で向かい合わせている。このため、同じ磁極を向かい合わせた磁石210と磁石212の両磁石は、磁石間の反発力を第2固定端142に及ぼして、この第2固定端142をプラットフォームFのバンド固定部116の側に向けて付勢しつつ、高圧タンクTの膨張に伴って発生する力に上記した磁石間の反発力で抗する。これにより、磁石210と磁石212の両磁石は、タンクバンド140にテンションを掛けつつ、タンクバンド140の第2固定端142をプラットフォームFのバンド固定部116の側に押し付けて保持する。高圧タンクTは、こうして保持されたタンクバンド140によりプラットフォームFに対して固定される。なお、第2固定端142は、強度確保のため、多層構造とすること、或いは図示しないリブ等にて補強されている。
以上説明した本実施例の車両10は、タンク収納凹所110にて高圧タンクTを受けた上で、タンク下端側半周に掛け渡したタンクバンド140を磁石210と磁石212の両磁石の磁力(磁石間の反発力)にてテンションを掛けて保持し、このタンク保持を、高圧タンクTの膨張に伴って発生する力に抗する磁石間の反発力にて維持する。タンク保持とその維持のためのテンションをタンクバンド140に掛けるに当たっては、ボルトヘッド下端と第2固定端142との間に磁石210と磁石212の両磁石を同じ磁極(例えば、N極)を向かい合わせて配設すれば足りる。そして、本実施例では、タンク保持とその維持に関与する機材として、磁石210と磁石212の両磁石の両磁石と、この両磁石を対向保持するボルト202とナット203を用いるだけでよい。同じ磁極(例えば、N極)を向かい合わせた磁石210と磁石212の両磁石で得られる磁力としての磁石間の反発力は、この両磁石の体格で定まるものではなく、両磁石の保磁力の強弱と両磁石間の距離にて定まる。
本実施例の車両10では、磁石210と磁石212の両磁石を、一軸結晶磁気異方性の性質を備えるがために強い保持力を有するネオジウム磁石としたので、磁石210と磁石212の両磁石はコイルバネに比べて小型のもので済む。しかも、図3に示すように、同じ磁極(例えば、N極)を向かい合わせた磁石210と磁石212の両磁石を近接配置した。この両磁石にて得られる磁石間の反発力は、両磁石の距離の2乗に反比例するので、近接配置により、大きな磁石間の反発力を、第2固定端142に及ぼすことができる。また、近接配置した両磁石を保持するボルト202についても、コイルバネを用いる場合に比べて短寸化できる。これらの結果、本実施例によれば、高圧タンクTの保持に必要なバンド保持機構200の小型化軽量化を図ることができる。
また、ボルト短寸化に伴い次の利点もある。ボルトのようなシャフト材は長寸になるほど曲げ強度が低下するので、長寸なボルトであれば曲がりやすい。ところが、本実施例では、上記したようにボルト202の短寸化が可能であることから、曲げ強度が高くなりその分だけ強度も増し、タンク固定の信頼性が高まる。加えて、長寸のボルトで曲げ強度を高めるにはボルト径の増大が必要となり、その分だけ重量増を招くが、本実施例のボルト202は短寸であるので、大径の長寸ボルトと同じ強度を確保する場合に比べて、小型軽量化が可能となる。しかも、ボルト202の短寸化によりボルトの強度も増すことから、大型で重い高圧タンクTであっても、高い信頼性で当該タンクを保持できる。
また、本実施例のバンド保持機構200では、磁石210はボルトヘッド側の平座金205に、磁石212は第2固定端142にそれぞれ磁気吸着した上で、この両磁石は、磁石間の反発力を第2固定端142に及ぼしつつ、この反発力は磁気強着を維持する側に作用する。よって、両磁石を固定するための構造が不要となり、構成の簡略化、組み付け作業の簡略化をも図ることができる。
また、本実施例のバンド保持機構200では、磁石210と磁石212の両磁石を貫通孔213を有する円盤状とした上で、この貫通孔213にボルト202を貫通させて両磁石を配設した。よって、ボルト202の配設スペースと磁石配設スペースが共通となるので、省スペース化と小型化を図ることができる。
ところで、コイルバネをボルトだけで保持する既存の構造では、バネ上端を受けるためのフランジをボルトヘッド下面に設けると共に、バネ案内のための大径部をフランジに続いて有するような特異なボルト形状とする必要がある。よって、既存の保持機構では、シャフト材から、ボルトヘッドとフランジと大径部と雄ネジ軸とを有するボルトの切削工程が必要となる。しかしながら、本実施例のバンド保持機構200は、バンド固定部116から延びたボルト202を磁石210と磁石212の両磁石の貫通孔213に挿入して既存の平座金205を介在させれば済む。よって、上記したシャフト材からの切削工程は不要となり、既存のボルトの使用が可能となるので、コスト低下と軽量化を図ることができる。
次に、他の実施例について説明する。図4は図3相当図であり磁石配置の様子が異なる第2実施例のバンド保持機構200Aを示す説明図である。この実施例のバンド保持機構200Aは、磁石配置に基づいて磁石間の引力を利用する点に特徴がある。なお、上記した実施例と同一の部材、或いは同一の機能を果たす部材については、同一の部材名と符号を付してその説明を省略する。
図示するように、このバンド保持機構200Aでは、プラットフォームFのバンド固定部116から延びたボルト202は、バンド固定部116と第2固定端142との間に、磁石210と磁石212の両磁石をその貫通孔213に貫通して近接保持する。この状態において、第2固定端142の側の磁石210とバンド固定部116の側の磁石212とは対向し、磁石210と磁石212は、異なる磁極、即ちS極とN極とを向かい合わせている。そして、磁石210はS極の側の磁力にて第2固定端142に磁力吸着し、磁石212はN極の側の磁力にてバンド固定部116に磁力吸着している。このように両磁石は磁力吸着しているが、本実施例では、両磁石を第2固定端142とバンド固定部116にそれぞれ固定するようにした。図5は磁石210の固定の様子を一部破断して示す斜視図である。図示するように、磁石210は、貫通孔213の周囲に等ピッチでネジ挿入孔210hを備える。磁石210は、座繰り穴付きのネジ挿入孔210hに配設されるネジ210sとネジナット210nとにより、第2固定端142に固定される。磁石212にあっては、ネジ210sによりバンド固定部116に直接ネジ止めされる。
上記の第2実施例のバンド保持機構200Aでは、ボルト202のボルトヘッドにて第2固定端142の抜止を図った上で、第2固定端142に固定された磁石210とバンド固定部116に固定された磁石212とを異なる磁極で向かい合わせている。このため、異なる磁極を向かい合わせた磁石210と磁石212の両磁石は、磁石間の引力を第2固定端142に及ぼして、この第2固定端142をプラットフォームFのバンド固定部116の側に向けて付勢しつつ、高圧タンクTの膨張に伴って発生する力に上記した磁石間の引力で抗する。これにより、磁石210と磁石212の両磁石は、タンクバンド140にテンションを掛けつつ、タンクバンド140の第2固定端142をプラットフォームFのバンド固定部116の側に押し付けて保持する。高圧タンクTは、こうして保持されたタンクバンド140によりプラットフォームFに対して固定される。
従って、図4に示す第2実施例のバンド保持機構200Aによっても、高圧タンクTのタンク保持を、高圧タンクTの膨張に伴って発生する力に抗する磁石間の引力にて維持でき、上記した実施例と同様、高圧タンクTの保持に必要なバンド保持機構200の小型化軽量化を図ることができる。
図6は図4相当図でありバンド保持機構200Aにおいて磁石と第2固定端142と位置関係が異なる態様を示す説明図である。この態様のバンド保持機構200Aは、磁石間の引力を利用しつつ磁石固定の簡略化を図った点に特徴がある。
図示するように、このバンド保持機構200Aでは、プラットフォームFのバンド固定部116から延びたボルト202は、バンド固定部116と第2固定端142とを対向させた上で、磁石210を第2固定端142とボルトヘッドとの間に置き、磁石212をバンド固定部116とナット203の側の平座金205との間に置く。この状態において、第2固定端142の側の磁石210とバンド固定部116の側の磁石212とは対向し、磁石210と磁石212は、異なる磁極、即ちS極とN極とを向かい合わせている。そして、磁石210は、N極の側の磁力にて第2固定端142に磁力吸着して固定され、第2固定端142を磁化してバンド固定部116に向いた第2固定端142の対向面をN極の磁極とする。磁石212は、S極の側の磁力にてバンド固定部116に磁力吸着して固定され、バンド固定部116を磁化して第2固定端142の側に向いたバンド固定部116の対向面をS極の磁極とする。
図6に示すバンド保持機構200Aにあっても、ボルト202にて第2固定端142の抜止を図った上で、対向する第2固定端142とバンド固定部116の両側から磁石210と磁石212とを異なる磁極で向かい合わせている。このため、磁石間の引力をプラットフォームFのバンド固定部116の側に向かうよう第2固定端142に付勢しつつ、高圧タンクTの膨張に伴って発生する力に上記した磁石間の引力で抗する。よって、図6に示す磁石配置を取ったバンド保持機構200Aによっても、上記した実施例と同様、高圧タンクTの保持に必要なバンド保持機構自体の小型化軽量化を図ることができる。
また、図6に示すバンド保持機構200Aでは、磁石210は第2固定端142に、磁石212はバンド固定部116にそれぞれ磁気吸着した上で、この両磁石は、磁石間の引力を第2固定端142に及ぼしつつ、この引力は磁気強着を維持する側に作用する。よって、両磁石を固定するための構造が不要となり、構成の簡略化、組み付け作業の簡略化をも図ることができる。
図7は図4相当図でありバンド保持機構200Aにおいて磁石とボルト202と位置関係が異なる態様を示す説明図である。この態様のバンド保持機構200Aも、磁石間の引力を利用する。
図示するように、このバンド保持機構200Aでは、プラットフォームFのバンド固定部116から延びたボルト202は、バンド固定部116に対向する第2固定端142をバンド固定部116に係合し、この係合状態を保持する。磁石210は、バンド固定部116に向いた第2固定端142の対向面に固定され、磁石212は、第2固定端142の側に向いたバンド固定部116の対向面に固定されている。この磁石固定には、図5に示したようなネジ210sが用いられる。この状態において、第2固定端142の側の磁石210とバンド固定部116の側の磁石212とは対向し、磁石210と磁石212は、異なる磁極、即ちS極とN極とを向かい合わせている。この場合、磁石210と磁石212の形状についての制約はなく、円盤状、或いは矩形ブロック状の磁石とすればよい。
図7に示すバンド保持機構200Aにあっても、ボルト202にて第2固定端142の抜止を図った上で、対向する第2固定端142とバンド固定部116との間で、磁石210と磁石212とを異なる磁極で向かい合わせている。このため、磁石間の引力をプラットフォームFのバンド固定部116の側に向かうよう第2固定端142に付勢しつつ、高圧タンクTの膨張に伴って発生する力に上記した磁石間の引力で抗する。よって、図7に示す磁石配置を取ったバンド保持機構200Aによっても、上記した実施例と同様、高圧タンクTの保持に必要なバンド保持機構自体の小型化軽量化を図ることができる。
次に、高圧タンクTをタンク周囲に掛け渡した複数本のベルトで固定する態様の実施例について説明する。図8は図1相当図であり第3実施例のバンド保持機構200Bをバンド端部に用いた車両10Aにおける高圧タンクTの車載の様子を示す説明図、図9は図3相当図であり車載済みの高圧タンクTの保持の様子を示す説明図である。この実施例では、例えば後輪RTの側のステアリングフレームSFにサブフレームSMを車両前後に配し、前後のサブフレームの間に高圧タンクTをバントにて保持・固定する。
この実施例では、図9に示すように、ステアリングフレームSFに設置された前後のサブフレームSMの間に高圧タンクTを固定した場合において、タンク下端側半周に亘って掛け渡される下端タンクバンド160と、タンク上端側のタンクバンド165とタンクバンド140とを備える。下端タンクバンド160は、タンク両端をサブフレームSM上面のバンド固定台座SMDに置かれて固定される厚肉の固定端161、162とし、各固定端にはボルト143が挿入される貫通孔を備える。タンクバンド165は、高圧タンクTの上端側において約1/4周に亘って掛け渡されるバンド長とされ、バンド一端を下端タンクバンド160の固定端162に重なる厚肉の固定端166とし、当該固定端にボルト143が挿入される貫通孔を備える。このタンクバンド165は、バンド他端側を、タンクバンド140を保持するための厚肉のバンド保持端167とし、当該保持端に、バンド保持機構200のボルト202が挿入される貫通孔を備える。
タンクバンド140は、高圧タンクTの上端側において約1/4周に亘って掛け渡されるバンド長とされている以外は既述した構成を備え、第1固定端141は、下端タンクバンド160の固定端161と重ねて配設され、ボルト202をバンド固定台座SMDの雌ネジに螺合することで、サブフレームSMに固定される。高圧タンクTの上側に掛け渡されるタンクバンド165とタンクバンド140については、バンド両端に補強リブ168を設けることが、高圧タンクTをその周囲に掛け渡したバンドで固定する上で望ましい。
また、バンド保持機構200Bは、タンクバンド140の第2固定端142に、図3で説明したように第2固定端142と平座金205の間に同じ磁極を対向させた磁石210と磁石212とを配置している。この場合、サブフレームSMに固定された下端タンクバンド160とタンクバンド165が、図3におけるタンク収納凹所110の機能を果たす。
この実施例のバンド保持機構200Bにあっても、図3のバンド保持機構200と同様、同じ磁極を向かい合わせた磁石210と磁石212の両磁石間の反発力を第2固定端142に及ぼして、この第2固定端142をタンクバンド165のバンド保持端167の側に向けて付勢しつつ、高圧タンクTの膨張に伴って発生する力に上記した磁石間の反発力で抗する。よって、バンド保持機構200Bによっても、高圧タンクTの保持に必要なバンド保持機構自体の小型化軽量化を図ることができる。
図9で示すバンド保持機構200Bにおけるタンクバンド140とタンクバンド165を、既述した実施例におけるタンク収納凹所110と組み合わせることもできる。つまり、図9に示した下端タンクバンド160と前後のサブフレームSMに代わって、タンク収納凹所110を有するプラットフォームFを用い、図3に示すタンク収納凹所110の両側のバンド固定部116に、タンクバンド165の固定端166と、タンクバンド140の第1固定端141をボルト143にて固定することもできる。
次に、高圧タンクTの保持に磁力を用いるものの、その磁力をタンクに及ぼす態様について説明する。図10は図3相当図であり第4実施例のバンド保持機構200Cの構成と車載済みの高圧タンクTの保持の様子を示す説明図である。
図示するように、このバンド保持機構200Cでは、既述した実施例と同様、高圧タンクTをその外周で受けるタンク収納凹所110をプラットフォームFに備え、タンク収納凹所110の両端のバンド固定部116にタンク下端側半周に掛け渡されたタンクバンド140をその両端の第1固定端141で固定する。このタンクバンド140のバンド両端の固定に際しては、ボルト143が平座金144を介在させて雌ネジFSに螺合箇所され、これにより、高圧タンクTはタンク収納凹所110を有するプラットフォームFとタンクバンド140で保持される。
また、バンド保持機構200Cでは、高圧タンクTの下端側半周に、磁石250を点在配置し、タンクバンド140には、タンク側内側面に、磁石250の配置箇所に合わせて磁石252を備える。なお、上記の両磁石の固定については、後述する。
そして、上記のバンド保持機構200Cは、高圧タンクTの磁石250と第2固定端142の磁石252とを、配置箇所の適合により対向させた上で、同じ磁極(例えば、N極)が向かい合うようにしている。このため、バンド保持機構200Cは、同じ磁極が向かい合った磁石250と磁石252の両磁石間の反発力を、高圧タンクTに対してその外周からタンク中心に向かうようにして及ぼし、この反発力でタンク膨張に伴う力に抗した上で、反発力により高圧タンクTをタンク収納凹所110に押し当てて固定保持する。
上記構成を有するバンド保持機構200Cでは、高圧タンクTの固定保持に当たっては、帯状のタンクバンド140をそのバンド両端でバンド固定部116に固定すればよいことから、その固定箇所においてコイルバネや当該バネ保持のための長寸のボルトを要しない。よって、上記実施例のバンド保持機構200Cによっても、タンク固定に関与する固定箇所周りのバンド保持機構自体の小型軽量化を図ることができる。
この実施例のバンド保持機構200Cでは、磁石252はスチール製のタンクバンド140のタンク内側面に磁気吸着した上で、この磁石252には、磁石間の反発力をタンクバンド140の外側に向けて及ぼし、この反発力は磁気強着を維持する側に作用する。よって、磁石252については、スチール製のタンクバンド140に磁石固定のための構造が不要となり、構成の簡略化、組み付け作業の簡略化をも図ることができる。この場合、タンクバンド140のタンク内側面の磁石配置箇所に磁石陥没用の凹所を設ければ、上記した反発力がバンド内側面に沿った磁石移動に作用しても、磁石のズレを防止でき好ましい。なお、磁石252を適宜な接着剤やネジ210s等を用いてタンクバンド140に固定することもできる。磁石250については、高圧タンクTが樹脂製であれば適宜な接着剤により固定され、高圧タンクTが鋼板製であれば磁気吸着を得られることから、適宜な接着剤や上記した凹所を併用すればよい。
次に、磁石間の反発力をタンクに及ぼしてタンク保持を図る他の態様について説明する。図11は図10相当図であり第5実施例のバンド保持機構200Dの構成と車載済みの高圧タンクTの保持の様子を示す説明図である。この実施例のバンド保持機構200Dは、タンクを受けるに当たりタンクを磁力により磁気吸着する点に特徴がある。
図示するように、このバンド保持機構200Dでは、高圧タンクTを受けるタンク収納凹所110を備える点と、タンク収納凹所110のバンド固定部116に両側で固定されたタンクバンド140にてタンク保持を図る点と、タンク表面の磁石250とタンクバンド140の磁石252の両磁石間の反発力を高圧タンクTに及ぼす点で、既述したバンド保持機構200Cと同一である。そして、このバンド保持機構200Dは、タンク収納凹所110におけるタンク受け箇所に磁石260を備え、高圧タンクTにはこの磁石260に対応させて磁石262を有する。しかも、この磁石260と磁石262については、図11に拡大して示すように、異なる磁極が向かい合うように配設した上で、バンド保持機構200Cで説明したように接着剤やネジ210s或いは凹所を用いて、上記両磁石をタンク収納凹所110および高圧タンクTに固定した。
上記構成を有するバンド保持機構200Dにあっても、バンド保持機構200Cと同様に、高圧タンクTの固定保持に当たって帯状のタンクバンド140をそのバンド両端でバンド固定部116に固定すればよいことから、その固定箇所においてコイルバネや当該バネ保持のための長寸のボルトを要しない。よって、上記実施例のバンド保持機構200Dによっても、タンク固定に関与する固定箇所周りのバンド保持機構自体の小型軽量化を図ることができる。
そして、この実施例のバンド保持機構200Dでは、タンク収納凹所110の側の磁石260と高圧タンクTの側の磁石262の両磁石間の引力により、高圧タンクTをタンク収納凹所110に吸着して固定する。このため、バンド保持機構200Dによれば、高圧タンクTの固定の信頼性が高まると共に、高圧タンクTをタンク収納凹所110に吸着固定した上でタンクバンド140を掛け渡せばよいので、バンド掛け渡しやバンド固定の作業が容易となる。
次に、磁石間の反発力をタンクに及ぼしてタンク保持を図るまた別の態様について説明する。図12は図10相当図であり第6実施例のバンド保持機構200Eの構成と車載済みの高圧タンクTの保持の様子を示す説明図である。この実施例のバンド保持機構200Eは、タンク全周に亘って磁石間の反発力をタンク軸方向に及ぼす点に特徴がある。
図示するように、このバンド保持機構200Eでは、高圧タンクTの下端側の構成、即ち、両側で固定されたタンクバンド140にてタンク保持を図る点と、タンク表面の磁石250とタンクバンド140の磁石252の両磁石間の反発力を高圧タンクTに及ぼす点で、既述したバンド保持機構200Cと同一である。そして、このバンド保持機構200Eは、高圧タンクTをその上端側で受けるタンク収納部110Aをタンク外径に倣った湾曲形状として備え、当該収納部の内周面に、タンクバンド140の内側面と同様にして磁石252を点在配置し、高圧タンクTの上端側外周にも、磁石252に合わせて磁石250を点在配置させている。この場合、タンク上端側における磁石250と磁石252にあっては、タンク下端側の磁石250と磁石252と同様、同じ磁極(例えば、N極)が向かい合うように配設した上で、バンド保持機構200Cで説明したように接着剤やネジ210s或いは凹所を用いて固定されている。このため、バンド保持機構200Eは、高圧タンクTのタンク全周において、磁石間の反発力を高圧タンクTに対してその外周からタンク中心軸に向けて及ぼしてタンク保持を図っている。
上記構成を有するバンド保持機構200Eにあっては、高圧タンクTの固定保持に当たって帯状のタンクバンド140をそのバンド両端でバンド固定部116に固定すればよいことから、その固定箇所においてコイルバネや当該バネ保持のための長寸のボルトを要しない。よって、上記実施例のバンド保持機構200Dによっても、タンク固定に関与する固定箇所周りのバンド保持機構自体の小型軽量化を図ることができる。
そして、この実施例のバンド保持機構200Eでは、高圧タンクTのタンク全周において、磁石間の反発力を高圧タンクTに対してその外周からタンク中心軸に向けて及ぼすので、高圧タンクTを非接触の状態で調芯して保持できる。また、非接触であるが故に、外気による高圧タンクTの冷却効果を高めることができる。
以上、本発明の実施例について説明したが、本発明は、上記した実施の形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様にて実施することが可能である。例えば、図9で上記した実施例では、タンク上端側の2本のバンドとタンク下端側のタンクバンド165を用いているが、タンク上端側においてもタンク上端側半周に掛け渡された1本のバンド(タンクバンド140)とすることができる。
また、図3のバンド保持機構200において、ボルト202のボルトヘッド側の磁石210とボルトヘッドとの間、詳しくは磁石210と平座金205との間に、もう一つの磁石を、磁石210と同じ磁極が向き合うように配設することもできる。つまり、ボルト202の平座金205から第2固定端142の上面に掛けて、三つの磁石を、隣り合う磁石同士は同じ磁極が向き合うように配設することもできる。こうすれば、バンド固定部116の側に向けた第2固定端142の付勢を、磁石212と磁石210との間の反発力と、磁石210ともう一つの磁石との間の反発力とで達成でき、タンクバンド140により確実にテンションを掛けて高圧タンクTを保持・固定できる。
10、10A…車両
110…タンク収納凹所
110A…タンク収納部
112F…前方傾斜面
112R…後方傾斜面
114…陥没溝
116…バンド固定部
140…タンクバンド
141…第1固定端
141a…貫通孔
142…第2固定端
142a…貫通孔
143…ボルト
144…平座金
160…下端タンクバンド
161…固定端
162…固定端
165…タンクバンド
166…固定端
167…バンド保持端
168…補強リブ
200、200A〜200E…バンド保持機構
202…ボルト
203…ナット
205…平座金
210…磁石
210h…ネジ挿入孔
210n…ネジナット
210s…ネジ
212…磁石
213…貫通孔
250…磁石
252…磁石
260…磁石
262…磁石
T…高圧タンク
F…プラットフォーム
FH…貫通孔
FS…雌ネジ
SF…ステアリングフレーム
SM…サブフレーム
RT…後輪
SMD…バンド固定台座
TVB…バルブベース

Claims (8)

  1. 筒状の被固定物をその外周を取り囲む第1部材と第2部材とで保持する保持構造であって、
    第1磁石と第2磁石とを対向させて備え、該対向する両磁石の間で生じる磁力を前記被固定物の膨張に伴って発生する力に抗して及ぼして、前記第1部材と前記第2部材による前記被固定物の保持状態を維持する磁力機構を備える
    保持構造。
  2. 請求項1に記載の保持構造であって、
    前記第1部材を、前記被固定物の外周に接して前記被固定物を受ける部材とし、
    前記第2部材を、前記第1部材で受けられた前記被固定物の外周に掛け渡される帯状のバンドとし、
    前記磁力機構は、
    前記第2部材の一端側のバンド部を前記第1部材に固定するバンド固定部と、
    前記第2部材の他端側のバンド部を前記第1部材に係合した上で該係合の状態を保持することで前記被固定物を保持するバンド係合部とを備え、
    該バンド係合部の側で前記磁力を前記他端側のバンド部に及ぼして前記他端側のバンド部を前記第1部材に向けて付勢しつつ、前記被固定物の膨張に伴って発生する力に前記磁力で抗する
    保持構造。
  3. 請求項2に記載の保持構造であって、
    前記バンド係合部は、
    前記第1部材に固定されて該第1部材から延び、前記他端側のバンド部を貫通するシャフトと、
    該シャフトの先端に位置し、前記シャフトからの前記他端側のバンド部の抜けを防止するシャフトヘッドとを備え、
    該シャフトヘッドの下端と前記他端側のバンド部との間に、前記第1磁石と前記第2磁石とを同じ磁極を向かい合わせて配設させている
    保持構造。
  4. 請求項2に記載の保持構造であって、
    前記バンド係合部は、
    前記第1部材に固定されて該第1部材から延び、前記他端側のバンド部を貫通するシャフトと、
    該シャフトの先端に位置し、前記シャフトからの前記他端側のバンド部の抜けを防止するシャフトヘッドとを備え、
    前記第1部材に前記第1磁石を固定して、前記第2磁石を前記他端側のバンド部に固定すると共に、前記第1磁石と前記第2磁石とを異なる磁極を向かい合わせて配設させている
    保持構造。
  5. 前記第1磁石と前記第2磁石とは、貫通孔を備える円盤状とされ、該貫通孔に前記シャフトを貫通させて配設されている請求項3または請求項4に記載の保持構造。
  6. 請求項1に記載の保持構造であって、
    前記第1部材を、前記被固定物を受ける部材とし、
    前記第2部材を、前記第1部材で受けられた前記被固定物の外周に掛け渡される帯状のバンドとした上で、バンド両端で前記第1部材に固定し、
    前記磁力機構は、
    前記被固定物の外周と向き合う前記第2部材のバンド内側面に前記第1磁石を配設し、前記被固定物の外周面には前記バンド内側面の前記第1磁石と対向して前記第2磁石を配設し、
    前記バンド内側面の前記第1磁石と前記被固定物の外周面の前記第2磁石とは、同じ磁極を向かい合わせて前記磁力を及ぼしている
    保持構造。
  7. 請求項6に記載の保持構造であって、
    前記磁力機構は、
    前記被固定物を受ける前記第1部材の受け部に第3磁石を配設し、該第3磁石で受けられる前記被固定物の外周に第4磁石を配設した上で、該第4磁石と前記第3磁石とを異なる磁極を向かい合わせて備える
    保持構造。
  8. 高圧タンクを搭載したタンク搭載車両であって、
    高圧タンクを筒状の被固定物としてタンク外周を取り囲んで保持する請求項1ないし請求項7のいずれかに記載の保持機構を備え、
    該保持機構は、前記第1部材を車両ボディ側に有する
    車両。
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