JP2010239089A - 固体電解コンデンサ - Google Patents

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秀範 末永
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Abstract

【課題】 過渡応答特性が良好で、ノイズフィルタとしても機能しうる固体電解コンデンサを提供する。
【解決手段】 陽極体の両端を陽極引出部22,22とし、陽極体の中央部の両面を陰極引出部23としたコンデンサ素子個片21を2枚用意する。この2枚のコンデンサ素子個片21、21を陰極引出部23、23同士が重なり合うとともに、陽極引出部22、22が互いにほぼ直角方向にずれるように積層して、コンデンサ素子20とする。搭載基板41として、搭載面にコンデンサ素子の陽極引出部22,22と陰極引出し部23と合致した導体44,45を有し、実装面に陽極端子部42、陰極端子部43を有し、導体44,45と陽極端子部42、陰極端子部43がスルーホール接続された搭載基板41を用意する。コンデンサ素子20を搭載基板41に搭載して固体電解コンデンサを作成する。
【選択図】 図2

Description

本発明は、固体電解コンデンサに関するものであり、より詳細には、電気的特性として等価直列インダクタンスが低く、また過渡応答特性が良好である固体電解コンデンサに関するものである。
電子機器の高周波化に伴って電子部品の一つであるコンデンサにも従来よりも高周波領域でのインピーダンス特性に優れたコンデンサが求められてきており、このような要求に応えるために電気伝導度の高い導電性高分子を固体電解質に用いた固体電解コンデンサが種々検討されている。
また、近年、コンピュータに代表されるCPU等のLSIやテレビジョンの画像処理用LSI、それらLSIとデータのやり取りを行うメモリー等の周辺に配置されて、これらのデバイスに対しての電力供給用途として使用される固体電解コンデンサには小型大容量化が強く望まれており、更に高周波化に対応して低ESR(等価直列抵抗)化のみならず、ノイズ除去や過渡応答性に優れた低ESL(等価直列インダクタンス)化が強く要求されており、このような要求に応えるために種々の検討がなされている。
一般に、低ESL化を図る方法としては、第1に、電流経路の長さを極力短くする方法、第2に、電流経路によって形成される磁場を別の電流経路によって形成される磁場により相殺する方法、第3に、電流経路をn個に分割して実効的なESLを1/nにする方法が知られている。
例えば、特開2000−311832号公報に開示された発明は、第1および第3の方法を採用するものであり、また特開平06−267802号公報に開示された発明は、第2および第3の方法を採用するものであり、また特開平06−267801号公報、および特開平11−288846号公報、特許4208831号に開示された発明は、第3の方法を採用するものである。
また、特開2002−164760号公報では、導電性高分子を電解質として用いた分布定数型ノイズフィルタとして、平板形状の2つの誘電体となる酸化皮膜が、平板形状の弁作用金属からなる板を挟んでなる分布定数回路形成部を備え、分布定数回路形成部に導通する陰極端子と弁作用金属からなる板の一部が誘電体となる酸化皮膜から突出した陽極引出部に接続した陽極端子を備えた3端子コンデンサ形式の分布定数型ノイズフィルタが開示されている。
特開2000−311832号 特開平06−267802号 特開平06−267801号 特開平11−288846号 特許4208831号 特開2002−164760号公報
上述した文献の中では、特許文献1で開示されたコンデンサでは、薄膜コンデンサによって高周波対応を行うことはできるが、静電容量の大容量化のためには、誘電体層の領域を大きくするか、誘電体層を積層することが必要になる。そして、誘電体層として利用しているのは、Ba、Tiを含むペロブスカイト型複合酸化物結晶であり、実現できる静電容量はナノファラド(nF)オーダーの静電容量であり、マイクロファラド(μF)オーダーの静電容量が要求される場合には採用が困難であるという欠点がある。
また、特許文献2、特許文献4で開示された固体電解コンデンサでは、固体電解コンデンサを4端子化することで電流経路を分割して、従来の2端子型の固体電解コンデンサよりも、固体電解コンデンサの低ESL化を図っている。しかしながら、特許文献2では、コンデンサ素子に外部陽極端子、外部陰極端子を取付けた構造となっており、固体電解コンデンサ内部での電流経路が必ず短いものとはなっていない。
また、特許文献4で開示された固体電解コンデンサでは、陽極と陰極の各端子は固体電解コンデンサの4つの側面に配置され、4つの端子は互いに離間した形態となってしまい、誘導磁界の相殺という効果を期待することはできない。
特許文献3に記載された固体電解コンデンサでは、コンデンサ部とコンデンサ部の間に位置する複数の金属基板部を互いに反対方向にジグザク状に折り曲げてコンデンサ部を互いに接合して積層するか、又は積層した固体コンデンサ単位板のコンデンサ部の両端に位置する金属基板を全金属基板が直列接続になるように接合するので、折り曲げた金属基板部又は互いに接合された金属基板部がコイルとして作用し、積層形の固体電解コンデンサは一種のフィルタ回路として構成される。そして、折り曲げた金属基板部又は互いに接合された金属基板部の縁周を磁性体で覆うことにより、この積層形の固体電解コンデンサはコンデンサとコイルを組み合わせることにより効果的なフィルターディバイスとして構成することができ、高周波数領域において、ノイズ吸収装置として利用できることが示されているが、固体電解コンデンサ内部でのコンデンサ素子から、外部電極にいたるまでの電流経路としてリードフレームを用いているために、固体電解コンデンサ内部での電流経路が冗長になり、ESL低減効果が充分でないという問題を抱えている。
特許文献5に開示された固体電解コンデンサでは、擬似5端子型の固体電解コンデンサを採用し、陽極の電流経路を4個に分割して実効的なESLを低減している。しかし、固体電解コンデンサ内部でのコンデンサ素子から、外部電極にいたるまでの電流経路としてリードフレームを用いているために、固体電解コンデンサ内部での電流経路が冗長になり、ESL低減効果が充分でないという問題を抱えている。
以上のように、前述の特許文献1から特許文献5に記載された固体電解コンデンサは、従来より知られる2端子型のコンデンサよりも、ESLの低減効果はあり、過渡応答特性の改善は期待されるものの、近年求められる低ESLの要請に対しては、必ずしも充分な効果を得るものではなかった。
また、前述の特許文献1から特許文献5に記載された固体電解コンデンサは、ESLの低減を目的とした固体電解コンデンサであり、伝送線路としての機能を目的としたものでない。なお、特許文献2、特許文献3、特許文献5は3端子型の固体電解コンデンサであり、伝送線路として利用することも可能であると考えられるが、これらは、伝送線路として利用する場合には、過渡応答対応の固体電解コンデンサとして利用することはできず、単機能のものであった。
一方で、3端子型の固体電解コンデンサの構造を採用し、伝送線路構造のノイズフィルタとしては特許文献6に開示された分布定数型ノイズフィルタが知られているが、この構造ではノイズフィルタとしての単機能しか有しておらず、過渡応答特性の要求には十分対応できるものではない。
本発明では、静電容量の大容量化が容易な固体電解コンデンサを利用して、固体電解コンデンサのさらなるESLの低減を図ることで過渡応答特性が良好であり、ノイズフィルタとしても機能しうる固体電解コンデンサを提供するものである。
そこで、この出願の請求項1に係る発明は、陽極体の両端を陽極引出部とし、陽極体の中央部の両面を陰極引出部としたコンデンサ素子個片を、陰極引出部が重なり合うとともに、陽極引出部が互いに直角方向にずれるように積層したコンデンサ素子を有する固体電解コンデンサであることを特徴とする。
また、この出願の請求項2に係る発明では、請求項1に記載の固体電解コンデンサにおいて、積層されたコンデンサ素子個片の側面の陰極引出部同士を導電材料で接続したことを特徴とする。
この出願の請求項1の発明によれば、陽極体の両端を陽極引出部とし、陽極体の中央部の両面を陰極引出部としたコンデンサ素子個片を、陰極引出部が重なり合うとともに、陽極引出部が互いに直角方向にずれるように積層したコンデンサ素子を用いた固体電解コンデンサとしたことで、陽極電引出部を4箇所に形成することになり、電流経路を4分割することができ、実質的なESLを1/4にすることができる。
また、対向して配置される陽極引出部はコンデンサ素子個片の内部で電気的に接続した構造であり、さらに陽極引出部に挟まれた陰極引出部を有することから、伝送線路構造を構成し、三端子のノイズフィルタとして機能させることもできる。すなわち、この固体電解コンデンサが回路基板に実装された場合、対向する陽極引出部の一方から入力された電気信号が濾波され、その電気信号は他方の陽極引出部に出力されることとなる。一方で、本願発明の固体電解コンデンサでは、積層されたコンデンサ素子個片は電気回路的にはそれぞれ独立したコンデンサとみなすこともできる。しかも伝送線路構造としてみた場合には、伝送線路構造を構成するコンデンサ素子個片は交差しているため、相互影響が少ない。このため、対向する一対の陽極引出部をノイズフィルタとし、このノイズフィルタとして機能する陽極引出部と直角の回転角度で配置された一対の陽極引出部を、過渡応答対応のコンデンサの出力端子として利用することも可能となる。また、2つのコンデンサ素子個片をそれぞれ伝送線路として利用することも可能となる。
請求項2の発明によれば、積層されたコンデンサ素子個片の陰極引出部の側面を導電材料で接続することにより、積層されたコンデンサ素子の陰極引出部同士の内部抵抗の低減を図ることができる。このため、積層されたコンデンサ素子の容量形成部に蓄積された電荷を、四つの陽極引出部のどこからでも速やかに供給できるようになるため、固体電解コンデンサ全体として、過渡応答特性に優れた固体電解コンデンサを得ることができる。
この発明の固体電解コンデンサに用いるコンデンサ素子個片の形状示す図面で、(a)、(b)は断面図、(c)は上面図である。 この発明の固体電解コンデンサに用いるコンデンサ素子個片とコンデンサ素子の形状示す斜視図で、(a)はコンデンサ素子個片、(b)はコンデンサ素子を示す。 この発明の固体電解コンデンサに用いる搭載基板の形状を示す図面で、(a)はコンデンサ素子の搭載面、(b)は実装面を示す図面である。 この発明の固体電解コンデンサに用いる搭載基板の断面図である。 この発明の固体電解コンデンサを示す図面で、(a)は上面図、(b)は断面図である。
次にこの発明を実施するための形態について詳細に説明する。
まず、この発明の固体電解コンデンサに用いるコンデンサ素子について説明する。この発明の固体電解コンデンサに用いるコンデンサ素子は、両端が陽極引出部、陽極引出部の間の中央部を陰極引出部とした矩形状のコンデンサ素子個片を、陰極引出部が重なりあい、かつ相互の陽極引出部が直角の回転角度の向きとなるようにコンデンサ素子個片をずらして重ね合わせ、中央部が陰極引出部となり、陰極引出部から4方向に陽極引出部を形成した形態となっている。
このようなコンデンサ素子について以下により詳細に説明する。
図1に示すように、コンデンサ素子個片21は、略長方形状のアルミニウム等の弁金属板または弁金属箔(以下、陽極体という)を用い、陽極体の中央部をエッチング処理により拡面化処理し、アルミニウム箔の両面に多孔質のエッチング層25を形成する。この際、陽極体の内部はエッチングされることなくアルミニウムの地金が残されており、このアルミニウム地金が残芯層となる(図1(a))。そして、エッチング層25の表面には陽極酸化により誘電体酸化皮膜を形成する。この場合、陽極体の両端部は未エッチング部であり、陽極引出部22となる。次に、エッチング層25の表面には陽極酸化処理により誘電体酸化皮膜を形成する。
より詳細には、エッチング処理は、陽極体の両面を、塩酸等により溶解し、多孔質のエッチング層を形成する工程である。例えば、断面サイズが10mm×5mm、厚さが120μmの高純度のアルミニウム箔よりなる陽極体を用い、陽極体の両端端からそれぞれ1.5mmの位置までをレジスト材を塗布してレジスト保護膜(図示せず)を形成する。レジスト保護膜を形成した後、陽極体の中央部を、両面よりそれぞれ40μmの深さでエッチング層を形成する。この場合、残芯層の厚さは40μmとなる。
このコンデンサ素子個片には分離層24が形成されており、コンデンサ素子個片21の陽極引出部22と陰極引出部23を区分してある。分離層24は、エッチングが終了した後に、絶縁性の樹脂を塗布してエッチング層25に浸透させ、陽極引出部22とエッチング層25の絶縁を図っている。例えば、この分離層24は未エッチング部から0.5mmの位置まで形成することができる。
そして、このエッチングした陽極体を陽極酸化による化成処理を行い、酸化アルミニウムからなる誘電体酸化皮膜層を形成する。陽極酸化は、エッチング箔をホウ酸、アジピン酸等の水溶液に浸漬した状態で所定の電圧を印加して、誘電体酸化皮膜を形成する。
さらに誘電体酸化皮膜の上に固体電解質層(図示せず)を形成する。固体電解質層は重合して導電性高分子となる重合性モノマーを含有する溶液と酸化剤溶液に順次浸漬し、各液より引き上げて重合反応を進める。これらの固体電解質層の形成は、重合性モノマーを含有する溶液と酸化剤溶液を塗布または吐出する方法によって形成してもよい。また、重合性モノマー溶液と酸化剤を混合した混合溶液に浸漬、塗布する方法であってもよい。
また、固体電解コンデンサの分野で用いられる電解重合による方法や、導電性高分子溶液を塗布・乾燥する方法によっても固体電解質層を形成することができる。さらに、これらの固体電解質層の形成方法を組み合わせて固体電解質層を形成することも可能である。
以上のように固体電解質層の形成に用いる重合性モノマーとしてはチオフェン、ピロールまたはそれら誘導体を好適に使用することができる。特にモノマーがチオフェン又はその誘導体であると好適である。
チオフェンの誘導体としては次に掲げる構造のものを例示できる、チオフェン又はその誘導体は、ポリピロール又はポリアニリンと比較して、導電率が高いとともに熱安定性が特に優れているため、低ESRで耐熱特性に優れた固体電解コンデンサを得ることができる。

XはOまたはS
XがOのとき、Aはアルキレン、又はポリオキシアルキレン
Xの少なくとも一方がSのとき、
Aはアルキレン、ポリオキシアルキレン、置換アルキレン、置換ポリオキシアルキレン:ここで、置換基はアルキル基、アルケニル基、アルコキシ基
チオフェンの誘導体の中でも、3,4−エチレンジオキシチオフェンを用いると好適である。
重合性モノマーの重合に用いる酸化剤としては、エタノールに溶解したパラトルエンスルホン酸第二鉄、過ヨウ素酸もしくはヨウ素酸の水溶液を用いることができる。
さらに、図1(b)に示すように、コンデンサ素子個片の固体電解質層上には、グラファイト層および銀ペースト層からなる陰極層26を順次形成し、陰極引出部23とする。
陰極引出部23まで作成が終了したら、予め陽極体に形成していたレジスト保護膜を除去し、陽極体の両端部のアルミニウムを露出されて陽極引出部22とし、コンデンサ素子個片21とする。このコンデンサ素子個片21は、両端の陽極引出部22,22がそれぞれ1.5mm、分離層24がそれぞれ0.5mm、陰極引出部23が6mmの長さで、幅は全て5mmのコンデンサ素子個片21となる。
以上のように形成したコンデンサ素子個片21を、陰極引出部23が重なりあい、かつ陽極引出部22、22が互いに直角の角度をなすように積層することで、中央が陰極引出部23、陰極引出部23から4方向に放射状に陽極引出部22が配置された上面視形状が十字型のコンデンサ素子20を作成する。
このコンデンサ素子個片21を積層してコンデンサ素子20を作成する際、コンデンサ素子個片21の陰極引出部23の大きさは5×6mmと長方形となっているため、陰極引出部の22の端部が互いに0.5mmずつ突出するように重ね合わせると好適である。陰極引出部の23の端部が互いに0.5mmずつ突出するように重ね合わせると、コンデンサ素子20は上面視形状が十字型に形成されており、その中央に陰極引出部23が配置されているが、陰極引出部23は、ほぼ6×6mmの正方形状で、その4つの角部がそれぞれ0.5×0.5mmの大きさで切り欠かれた形状となる。この切り欠かれた箇所に、後述する導電材料を充填することで、上下のコンデンサ素子個片21,21の陰極引出部23,23同士を導通する導電経路が形成されるようになる。
このように、両端が陽極引出部、中央を陰極引出部としたコンデンサ素子個片を上面視形状が十字型に積層してコンデンサ素子とすることで、次の特性を得ることができる。
(1) 陽極電極を4箇所に形成することで、電流経路を4分割することができ、実質的なESLを1/4にすることができる。
(2) 対向する陽極電極はコンデンサ素子個片の内部で電気的に接続した構造であり、対向する陽極電極2と、陰極引出部と接続した陰極端子とからなるため、伝送線路構造を構成し、三極端子のノイズフィルタとして機能させることもできる。この固体電解コンデンサが回路基板に実装された場合、対向する陽極電極の一方から入力された電気信号が濾波され、その電気信号は他方の陽極電極に出力されることとなる。
しかも、この伝送線路構造は交差することで、相互影響が少ないため、対向する一対の陽極電極をノイズフィルタとし、対向するもう一対の陽極電極を、過渡応答対応のコンデンサの出力端子として利用することも可能となる。
次にこの発明で用いるコンデンサ素子の搭載基板について説明する。搭載基板41は矩形状のガラスエポキシ基板等の絶縁基板をベースとし、下面に陽極電極42及び陰極電極43を備え、上面にはコンデンサ素子の陽極引出部、陰極引出部とそれぞれに接続される陽極導体44,陰極導体45を備えると共に、上面と裏面の陽極導体46と陽極電極44、陰極導体45と陰極電極43をそれぞれ導通させたものである。
搭載基板41のコンデンサ素子搭載面の中央部にはコンデンサ素子の陰極引出部と接合する陰極導体が正方形状に形成されており、この陰極導体45を取り囲むように、陽極導体44が配置されている。一方、搭載基板41の実装面には、中央部には陰極電極43が形成され、この陰極電極43を取り囲むように、四つの陽極電極42が配置されている。この搭載基板41の両面に形成された陽極導体44と陽極電極42、陰極導体45と陰極電極43はそれぞれビアホールまたはスルーホール等の表裏を貫通する電極48を介して電気的に接合されている。
このような搭載基板のベースとなるガラスエポキシ基板は、200μm程度の厚さのものを用いることが強度の面で好適であるが、80μm程度の厚さのものも使用することが可能である。そして、ガラスエポキシ基板の上に形成する電極と導体は電気抵抗が小さいことと半田付けが可能であればよく、銅や、ニッケルに金をメッキした導体を用いることが好ましい。この電極、導体の厚さは片面で3〜5μmの厚さで形成することが可能である。また、搭載基板41の両面の電極と導体、およびそれらを電気的に接合するスルーホール等の形成は、プリント基板で多用されている両面プリント基板の作成方法によって形成することができる。この際のスルーホールの配置、内径等は、任意に設定することができる。
このような搭載基板では、第一に、コンデンサ素子の陽極引出部、陰極引出部から、電流の出口である搭載基板の陽極電極、陰極電極までの距離は、搭載基板の厚さだけの距離で達成することができ、電流経路の短縮化を図ることができる。特に搭載基板の厚さは、200μ程度の厚さが好適であるが、80μm程度の厚さのものも製造可能であることから、コンデンサ素子をリードフレームに取付けて樹脂モールドした場合に比べ、コンデンサ素子の陰極引出部から陰極電極までの距離を極めて短くすることができる。また、陽極電極を4箇所に形成することで、電流経路を4分割することができ、実質的なESLを1/4にすることができる。この二つのESL低減効果が相俟って、固体電解コンデンサのESLの低減化を図ることができる。
次にコンデンサ素子を搭載基板に搭載する工程について説明する。
図5に示すように、コンデンサ素子20を搭載基板41に搭載し、コンデンサ素子20の陰極引出部22と搭載基板の陰極導体45を導電性接着材によって接合する。また、コンデンサ素子20の陽極引出部21と陽極導体44を接続する。この際、コンデンサ素子20の陽極引出部21はアルミニウムであり、銀ペースト等との濡れ性が良好ではなく、銀ペーストでの接着が困難な場合がある。このような場合には、コンデンサ素子20の陽極引出部21には、銅材等の接続部材27をレーザー溶接、超音波溶接等により接続しておき、この接続部材27を銀ペースト等の導電性接着材で搭載基板41の陽極導体44に接合することが好ましい。
さらに、コンデンサ素子20の積層されたコンデンサ素子個片21の陰極引出部23の側面を導電材料49で接続し、さらに陰極導体45に接続することにより、積層され上下に配置されたコンデンサ素子個片21,21の陰極引出部23、23同士の内部抵抗の低減を図ることができるとともに、搭載基板41の陰極導体45に至る導電経路が形成される。このため、積層されたコンデンサ素子の容量形成部に蓄積された電荷を、四つの陽極端子のどこからでも速やかに供給できるようになるため、固体電解コンデンサ全体として、過渡応答特性に優れた固体電解コンデンサを得ることができる。
また、搭載基板41に搭載するコンデンサ素子は1個とは限るものではない。大きな静電容量が求められる場合には、コンデンサ素子をさらに積層し、求められる静電容量を達成することも可能である。
そして、搭載基板に搭載したコンデンサ素子の機械的保護や、外気との遮断を目的として、外装樹脂によってモールド成形して外装を施す。なお、外装は、樹脂製のケースを用い基板に貼り付けることで外装しても良い。
20 コンデンサ素子
21 コンデンサ素子個片
22 陽極引出部
23 陰極引出部
24 分離部
25 エッチング層
26 陰極層
27 接続部材
41 搭載基板
42 陽極端子部
43 陰極端子部
44 陽極導体
45 陰極導体
48 スルーホール(電極)
49 導電材料

Claims (2)

  1. 陽極体の両端を陽極引出部とし、陽極体の中央部の両面を陰極引出部としたコンデンサ素子個片を、陰極引出部が重なり合うとともに、陽極引出部が互いにほぼ直角方向にずれるように積層したコンデンサ素子を有する固体電解コンデンサ。
  2. 積層されたコンデンサ素子個片の側面の陰極引出部同士を導電材料で接続した請求項1に記載の固体電解コンデンサ。
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