JP2010227399A - 半回転釜の給油機構及びミシン - Google Patents

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Abstract

【課題】潤滑油を導く導油管の先端部と大釜体との間に隙間が生じることのない半回転釜の給油機構及びミシンを提供する。
【解決手段】半回転釜30の大釜体31の筒部34には、潤滑油を導く油芯を挿通する導油孔を穿設してある。導油孔は、筒部34の背面側から、中釜の回転を案内する摺動路まで貫通している。3つの導油孔の各々の背面側の端部には、円筒状の継ぎ部74〜76を固定している。継ぎ部74〜76は、筒部34の背面よりも後方へ突出している。油芯44〜46のそれぞれを内部に挿通した導油管24〜26が、オイルタンク又は廃油瓶から、シリンダベッド内を通って大釜体31の後方まで延びている。導油管24〜26の先端部が、継ぎ部74〜76に嵌合している。
【選択図】図5

Description

本発明は、縫目を形成する毎に往復半回転する中釜を備えた半回転釜の給油機構、及び当該半回転釜の給油機構を備えたミシンに関する。
従来、ミシンに装着する釜の一種に、縫目を形成する毎に往復半回転する中釜を備えた半回転釜がある(例えば、特許文献1参照)。半回転釜を用いたミシンによると、厚手の加工布に対しても閂止め縫いを良好に行うことができる。半回転釜は、剣先で捕らえた上糸のループが釜から抜けるタイミングが、全回転釜の場合よりも早い。半回転釜は上糸ループの釜抜けタイミングが早いので、糸締まりを良好にでき、閂止め縫いに好適である。
半回転釜の中釜は、ミシンのベッド部に固定した大釜体に対して高速で摺動する。よって、摺動路に潤滑油を給油して、摩擦による焼き付きの発生を防止する必要がある。摺動路に含油体を埋設させた半回転釜があるが(例えば、特許文献1参照)、埋設した含油体に適宜潤滑油を供給することは困難である。また、内部に油芯を挿通させた導油管を全回転釜とオイルタンクとの間に介在させて、全回転釜に潤滑油を給油する装置もある(例えば、特許文献2参照)。
実開昭51−141160号公報 特公昭53−6581号公報
しかしながら、半回転釜の大釜体に駆動軸側から導油管を接続する場合、大釜体の小型化のために、大釜体を構成する部材の厚みを薄く形成しているため、導油管を深く大釜体に挿入することができない。従って、導油管の先端面を大釜体の駆動軸側の端面に接触するように配置している。導油管の先端面は大釜体の端面に接触しているのみであるので、時間経過とともに、導油管の先端部と大釜体との間に隙間が生じる場合がある。また、中釜の剣先と縫針との隙間寸法である針隙を調整する目的で、駆動軸の軸方向へ大釜体を移動させると、導油管の先端部と大釜体との間に隙間ができてしまい、隙間を放置すると給油量が安定しないという問題点があった。隙間から埃や糸くず等が導油管に侵入して油芯に接触すると、糸くず等が潤滑油を吸うため、潤滑油を半回転釜へ給油できなくなるからである。
本発明は上記課題を解決するためになされたものであり、潤滑油を導く導油管の先端部と大釜体との間に隙間が生じることのない半回転釜の給油機構及びミシンを提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明の請求項1に記載の半回転釜の給油機構は、駆動軸の駆動によって往復半回転を行う中釜と、前記中釜の回転を案内する開環状の摺動路を有し、且つ前記駆動軸を内部へ挿通する大釜体と、前記大釜体に穿設し、毛細管現象によって潤滑油を導く油芯を前記摺動路へ挿通する筒状の導油孔と、前記導油孔の前記摺動路側とは反対側の端部から外方へ突出し、潤滑油供給源側から延びる前記油芯を内部に挿通した導油管に嵌合する筒状の継ぎ部とを備えている。
本発明の請求項2に記載の半回転釜の給油機構は、請求項1に記載の発明の構成に加え、前記大釜体と前記継ぎ部とを別体に形成し、前記継ぎ部は、外形が先細りとなるテーパー部を備え、前記継ぎ部の前記テーパー部を前記導油孔に圧入することで前記継ぎ部を前記大釜体に固定することを特徴とする。
本発明の請求項3に記載の半回転釜の給油機構は、請求項2に記載の発明の構成に加え、前記導油孔の前記摺動路側とは反対側の端部を、前記継ぎ部を固定する継ぎ部固定孔に形成し、前記継ぎ部固定孔の中心が、筒状である前記導油孔の中心軸よりも前記半回転釜の中心側に位置することを特徴とする。
本発明の請求項4に記載の半回転釜の給油機構は、請求項1ないし3のいずれかに記載の発明の構成に加え、前記導油孔は複数あり、前記複数の導油孔の少なくともいずれかが、前記摺動路の下部から前記潤滑油を排出する前記油芯である排出油芯を挿通するための排油孔であることを特徴とする。
本発明の請求項5に記載の半回転釜の給油機構は、請求項1ないし4のいずれかに記載の発明の構成に加え、前記潤滑油供給源と前記摺動路とを接続する前記油芯である供給油芯を、開環状の前記摺動路の両端部のそれぞれに接続させる2つの前記導油孔を備えている。
本発明の請求項6に記載のミシンは、請求項1ないし5のいずれかに記載の半回転釜の給油機構を備えている。
本発明の請求項1に記載の半回転釜の給油機構では、大釜体に穿設した導油孔の端部から、導油管と嵌まり合う筒状の継ぎ部が突出している。導油管と継ぎ部とを嵌合させることで、導油管の先端部と大釜体との間に隙間が生じることを防ぐことができる。縫針と半回転釜の剣先との間隔を調整するために駆動軸の軸方向へ大釜体を移動させた場合でも、導油管と大釜体との間に隙間は発生しない。よって、摺動路へ供給する潤滑油の給油量を安定させることができる。隙間から糸くず等が侵入しないため、給油の不安定や油漏れの発生を防止することができる。
本発明の請求項2に記載の半回転釜の給油機構によると、請求項1に記載の発明の効果に加え、大釜体と継ぎ部とを別体に形成することで、継ぎ部を一体に形成する場合に比べて容易に大釜体を製造することができる。継ぎ部のテーパー部を導油孔に圧入して継ぎ部を固定するため、継ぎ部及び導油孔にねじ山を形成して固定する場合に比べて、導油孔の径を小さくすることができる。よって、大釜体の形状の小型化、及び、大釜体を固定するベッド部の小型化を実現することができる。さらに、継ぎ部と導油孔との間に隙間が生じることを圧入によって防止し、油漏れの発生を防ぐことができる。
本発明の請求項3に記載の半回転釜の給油機構では、継ぎ部固定孔の中心が、導油孔の中心軸よりも半回転釜の中心に位置している。請求項2に記載の発明の効果に加え、大釜体のうち、継ぎ部固定孔よりも外側の部分の厚みを薄くすることができる。これにより、大釜体の形状の小型化、及び、大釜体を固定するベッド部の小型化を実現することができる。
本発明の請求項4に記載の半回転釜の給油機構には、摺動路の下部から潤滑油を排出する排油孔を形成している。請求項1ないし3のいずれかに記載の発明の効果に加え、油芯が露出して油漏れが生じることを継ぎ部によって防止しつつ、排油孔によって円滑に所定箇所へ潤滑油を排出することができる。
本発明の請求項5に記載の半回転釜の給油機構によると、請求項1ないし4のいずれかに記載の発明の効果に加え、開環状の摺動路の両端部のそれぞれに潤滑油を供給することができる。これにより、開環状の摺動路の両端部に確実に潤滑油を給油することができる。
また、本発明の請求項6に記載のミシンは、請求項1ないし5のいずれかに記載の発明と同様の作用効果を奏することができる。
ミシン1を左斜め前方から見た斜視図である。 半回転釜30の分解斜視図である。 カバー6を取り外した状態のシリンダベッド4をミシン1の右側から見た斜視図である。 針隙調整軸66の斜視図である。 半回転釜30を右斜め後方から見た斜視図である。 シリンダベッド4を上方から見た断面図である。 半回転釜30の右側面図である。 左継ぎ部74の拡大図である。 給油機構70の要部を示す拡大断面図である。
以下、本発明を具現化した一実施の形態である半回転釜30の給油機構70、及び給油機構70を備えたミシン1について、図面を参照して説明する。尚、参照する図面は、本発明が採用し得る技術的特徴を説明するために用いるものであり、記載している構成等は、それのみに限定する趣旨ではなく、単なる説明例である。
図1を参照して、ミシン1の全体構造について概略的に説明する。以下の説明では、図1の右斜め下側をミシン1の前方とし、図1の左斜め上側をミシン1の後方とする。図1の右斜め上側をミシン1の右側とし、図1の左斜め下側をミシン1の左側とする。
ミシン1は、ベッド部2、脚柱部7、及びアーム部8を備える。ベッド部2は、ベッド本体3及びシリンダベッド4からなる。ベッド本体3は、作業用テーブル(図示省略)に載置してあり、ミシン1の基台となる。シリンダベッド4は、左右方向及び上下方向の幅がベッド本体3よりも小さい筒状に形成してあり、ベッド本体3の前端部から前方に延びる。シリンダベッド4の先端部の内部には、後述する半回転釜30(図2参照)が設けてある。シリンダベッド4の先端部にはカバー6を着脱可能に取り付けてあり、カバー6を取り外すことで、半回転釜30の一部を露出させることができる。作業者は、半回転釜30を露出させた状態で、ボビンケース55(図2参照)の着脱、針隙の調整等の作業を行うが、詳細は後述する。シリンダベッド4は、往復半回転する駆動軸39(図2及び図6参照)を内部に備えている。駆動軸39は、半回転釜30の中釜53(図2参照)を往復半回転する。
脚柱部7は略角柱状であり、ベッド部2の後端部から上方に立設する。アーム部8は、シリンダベッド4と対向するように、脚柱部7の上端部から前方へ延びている。アーム部8の先端からは下方に頭部9が突き出しており、頭部9は、上下に往復移動する針棒10を備えている。針棒10は、頭部9の下端よりも下方へ突出しており、針棒10の下端には縫針11を装着している。上糸供給源である糸駒(図示省略)が、縫針11に上糸を供給する。アーム部8の内部に回転可能に設けた主軸(図示省略)がミシンモータ(図示省略)によって回転すると、針棒10が上下動する。ベッド部2は、主軸の回転に連動して前記駆動軸39を往復回転駆動する駆動機構(図示省略)を備えている。
シリンダベッド4の上面には、水平方向に移動可能な送り台12と、加工布を送り台12に対して固定する布押さえ装置13とを設けている。布押さえ装置13は、送り台12の後方から前方に湾曲して延びる押さえ腕14と、押さえ腕14の前端下部に設けた押さえ足15とを備えている。布押さえ装置13は、押さえ足15を下降して加工布を送り台12に押圧し、加工布を送り台12に固定する。
次に、図1を参照して、半回転釜30に潤滑油を給油し、半回転釜30から潤滑油を廃油するためのミシン1の構成の概略について説明する。ベッド部2のベッド本体3の内部の左側には、半回転釜30に供給する潤滑油を収容するオイルタンク20を設けてある。ベッド本体3の左側面には、オイルタンク20が収容している潤滑油の量を作業者が確認するための窓部21を形成している。ベッド本体3の上面からオイルタンク20へは、オイルタンク20に潤滑油を供給するための略筒状の潤滑油供給管22が延びている。
ベッド部2の内部では、左導油管24及び右導油管25の2本の導油管が、オイルタンク20から半回転釜30へ延びている。左導油管24は、半回転釜30の背面の上部左側に接続し、右導油管25は、半回転釜30の背面の上部右側に接続する。また、半回転釜30の背面下部には、使用済みの潤滑油を半回転釜30から廃油するための排出用導油管26が接続している。排出用導油管26は、ベッド本体3の内部で下方へ屈曲し、ベッド部2を支持しているテーブル(図示省略)に設けた廃油瓶28へ至る。
詳細は後述するが、左導油管24、右導油管25、及び排出用導油管26(以下、これらをまとめて「導油管24〜26」という。)は、毛細管現象によって潤滑油を導く油芯を内部に挿通している。従って、オイルタンク20が収容している潤滑油は、左導油管24及び右導油管25を通って半回転釜30へ到達する。半回転釜30から生じた廃油は、排出用導油管26を通って廃油瓶28に蓄積する。本実施の形態では、左導油管24、右導油管25、及び排出用導油管26には、適度な可撓性を有するビニールチューブを用いている。尚、オイルタンク20が本発明の「潤滑油供給源」に相当する。
次に、図2を参照して、半回転釜30の構造の概略について説明する。以下の説明では、図2の左斜め下側を半回転釜30の前方とし、図2の右斜め上側を半回転釜30の後方とする。図2の右斜め下側を半回転釜30の右側とし、図2の左斜め上側を半回転釜30の左側とする。
図2に示すように、半回転釜30は、大釜体31と、大釜体31の内部に組み込んだ中釜53と、中釜53を大釜体31に保持する釜押さえ50と、中釜53を往復回動する駆動軸39と、中釜53に装着可能なボビンケース55とを備える。大釜体31は、胴部32、筒部34、及び鍔部35を備える。胴部32は円柱状であり、中心軸と一致する位置に、駆動軸39を回転可能に保持する軸孔33(図5及び図6参照)を形成している。シリンダベッド4に正面側から胴部32を挿入することで、大釜体31をシリンダベッド4に装着する。筒部34は、正面側が開放された有底の円筒状開口341(図6参照)を備え、中釜53を内部に装着する。
中釜53は、ボビンケース55を着脱可能に保持し、ボビンケース55はボビンを内部に保持する。駆動軸39の前端は前記円筒状開口341に突出し、ドライバ(図示せず)を支持している。周知のように、ドライバは駆動軸39と一体に半回転し、中釜53を半回転する。
筒部34の径は胴部32の径よりも大きい。筒部34の軸心と、円筒状の胴部32の軸心とが一致するように、胴部32の前端部に筒部34を一体形成している。筒部34の前端部には、径方向外側に延びる鍔部35を形成してある。鍔部35の前面の左右の2箇所には、釜押さえ50を鍔部35に保持する止め具36を設けてある。鍔部35の各止め具36の上方には、左導油孔71及び右導油孔72を穿設しているが、この詳細は後述する。鍔部35の内側の面は、中釜53が摺動する摺動路37となっている。摺動路37は、上端が開放した開環状である。図2,3,5に示すように、鍔部35には、摺動路37の上端開放部の上方に糸案内板100を取り付けてある。糸案内板100は、上糸のループが拡大しながら中釜53をくぐるときに、上糸ループを案内するためのものである。
中釜53は、駆動軸39の駆動によって、大釜体31の鍔部35の内側で往復半回転する。正面視略半円状である中釜53の一端部には、縫針11の目孔から延びる上糸のループを引っ掛ける剣先54を形成してある。中釜53は、大釜体31の摺動路37に外周部を摺動させつつ往復半回転し、剣先54で上糸を捕らえる。略環状の釜押さえ50は、大釜体31に正面側から装着し、止め具36によって鍔部35に保持する。
次に、図3〜図5を参照して、大釜体31を軸方向(ミシン1の前後方向)に移動させる移動機構について説明する。ミシン1では、中釜53の剣先54と縫針11との間の前後方向の隙間寸法である針隙を、大釜体31を移動させることで調整する。
図3に示すように、シリンダベッド4は、右側面の所定位置に針隙調整部61を備えている。針隙調整部61は、後述する針隙調整軸66(図4参照)を回転可能に挿入する軸孔62と、大釜体31の位置を固定するねじ(図示省略)を締め付けるための固定用ねじ孔63とからなる。軸孔62及び固定用ねじ孔63は共にシリンダベッド4の内部まで貫通している。
図4に示すように、針隙調整軸66は、頭部67、胴部68、及び偏心軸69とからなる。頭部67には、工具が係合する溝を形成してある。胴部68は円柱状であり、シリンダベッド4の軸孔62は、胴部68を回転可能に保持する。偏心軸69は、胴部68のうち、頭部67が接続する端部とは反対側の端部に設けている。偏心軸69は、胴部68よりも径が小さい円柱状であり、且つ、偏心軸69の軸心と胴部68の軸心とが偏心している。工具を用いて頭部67を回転させると、胴部68の軸心を中心に針隙調整軸66の全体が回転する。胴部68の軸心とずれた状態で接続している偏心軸69は、胴部68の軸心を中心に円弧を描きながら移動する。よって、頭部67を回転させることで、偏心軸69の位置を移動させることができる。
図5に示すように、半回転釜30の大釜体31の胴部32の右側面(図5の左下側の面)には、係合溝64及びねじ当接部65を設けてある。係合溝64は、シリンダベッド4の軸孔62に対応する位置に上下方向に延びている。係合溝64の幅は偏心軸69の径と略同一であり、針隙調整軸66の偏心軸69と係合溝64とが係合する。ねじ当接部65は、シリンダベッド4の固定用ねじ孔63に対応する位置に形成した平面部である。
大釜体31を移動させる方法について説明する。大釜体31を移動させる場合、作業者は、固定用ねじ孔63に締め付けてあるねじを緩めて、シリンダベッド4に対する大釜体31の固定を解除する。次いで、軸孔62に挿入してある針隙調整軸66の頭部67に工具を係合し、針隙調整軸66を回転させる。すると、偏心軸69が円弧を描きながら移動するため、係合溝64を介して偏心軸69と係合している大釜体31も、ミシン1の前後方向に移動する。大釜体31が保持している中釜53の剣先54(図2参照)の位置も移動し、針隙が変化する。大釜体31を所望の位置に移動させた状態で、固定用ねじ孔63にねじを締め付けて、ねじの先端をねじ当接部65に当接させる。これにより、僅かな針隙の調整であっても容易に実行することができる。
次に、図5〜図9を参照して、半回転釜30の給油機構70について説明する。図5に示すように、半回転釜30の大釜体31の筒部34の背面(図5の右斜め下側の面)には、円筒状の左継ぎ部74、右継ぎ部75、及び排出用継ぎ部76(以下、これらをまとめて「継ぎ部74〜76」という。)が接続している。左継ぎ部74は、大釜体31の背面の上部左側に接続している。右継ぎ部75は、大釜体31の背面の上部右側に接続している。排出用継ぎ部76は、大釜体31の背面の下部中央に接続している。また、オイルタンク20(図1参照)から延びる左導油管24は、内部に左油芯44を挿通している。右導油管25は右油芯45を挿通している。廃油瓶28(図1参照)へ延びる排出用導油管26は、排出油芯46を内部に挿通している。尚、左油芯44及び右油芯45が本発明の「供給油芯」に相当する。
図6に示すように、大釜体31の左側(図中上側)には、左油芯44を背面側から摺動路37の左上端部へ挿通する筒状の左導油孔71を穿設している。左導油孔71は、筒部34の背面の左上部から、筒部34の外周壁内を駆動軸39と平行に正面側へ真っ直ぐに延び、鍔部35の正面側まで貫通している。左継ぎ部74は、左導油孔71の後端に接続している。左油芯44は、左導油管24の内部、左継ぎ部74の内部、及び左導油孔71を通り、オイルタンク20(図1参照)から摺動路37の左上端部へ毛細管現象によって潤滑油を導く。左油芯44の前端部には結び目を形成している。左導油孔71の前端部には、左油芯44の結び目を収納するために径を大きく形成した左大径部81を設けてある。これにより、左油芯44が大釜体31の後方へ抜け落ちることを防止している。
大釜体31の右側(図6の下側)には、左導油孔71と左右対称となるように右導油孔72を穿設している。右継ぎ部75は、右導油孔72の後端に接続している。右油芯45は、右導油管25、右継ぎ部75、及び右導油孔72を通り、摺動路37の右上端部へ潤滑油を導く。右油芯45の前端部には結び目を形成しており、結び目を右大径部82に収納してある。
図7に示すように、大釜体31の下部(図中下側)には、排出油芯46(図5参照)を摺動路37(図2参照)の下端から背面側へ挿通するための筒状の排油孔73を穿設している。排出用継ぎ部76は、排油孔73の後端に接続している。
以上の構成により、潤滑油は、左油芯44及び右油芯45によって摺動路37の両端部のそれぞれに達し、摺動路37と中釜53(図2参照)とを円滑に摺動させる。摺動路37の下端に生じる廃油は、排出油芯46を介して廃油瓶28(図1参照)へ移動する。
図6及び図7に示すように、ビニールチューブである左導油管24の前端部は、弾性作用により左継ぎ部74の外周に密接に嵌合している。同様に、右導油管25の前端部は、右継ぎ部75の外周に密接に嵌合している。排出用導油管26の前端部は、排出用継ぎ部76の外周に密接に嵌合している。従って、導油管24〜26の前端部と大釜体31との間に隙間が生じることがない。特に、針隙調整を行って大釜体31を前方に移動させた場合でも、導油管24〜26と大釜体31との間に隙間は発生しない。導油管24〜26の内部の油芯44〜46が外部に露出しない。大釜体31を後方に移動させた場合でも、導油管24〜26が折れ曲がるおそれも低い。よって、潤滑油の供給及び排出の不具合の発生や油漏れの発生を防止することができる。ここで、前記「密接に嵌合」は、継ぎ部74〜76の外周と導油管24〜26との間から潤滑油が外部に漏出しない嵌合を意味しており、導油管24〜26の嵌合部分全面が継ぎ部74〜76の外周に密着することを限定しているものではない。
給油機構70の詳細について説明する。まず、図8を参照して、左継ぎ部74の形状について説明する。右継ぎ部75及び排出用継ぎ部76の形状は、左継ぎ部74の形状と同様である。先述したように、左継ぎ部74は円筒状である。左継ぎ部74の後部である露出部78は、外径が一定となるように形成してある。露出部78は、大釜体31の背面よりも後方へ突出して外部に露出し、左導油管24と嵌まり合う。左継ぎ部74の前部は、前方ほど外径が小さくなるテーパー部79となっている。
図9を参照して、左導油孔71の形状について詳細に説明する。左導油孔71の後端部(図中右側の端部)は、円筒状の継ぎ部固定孔84に形成してある。左継ぎ部74は、テーパー部79(図8参照)側から継ぎ部固定孔84に圧入して固定してある。
継ぎ部固定孔84の径Lは、左導油孔71の前後方向(図9の左右方向)中央の小径部85の径Mよりも大きい。さらに、継ぎ部固定孔84の左側(図9の上側)の壁面の位置と、小径部85の左側の壁面の位置とが一致している。継ぎ部固定孔84の中心Pは、左導油孔71の中心軸Qよりも、大釜体31の中心側に位置する。従って、大釜体31のうち、継ぎ部固定孔84よりも外側の部分の厚みDを薄くすることができる。尚、右導油孔72及び排油孔73の形状は、左導油孔71の形状と同様であるため、説明を省略する。
以上説明したように、本実施の形態のミシン1では、大釜体31に穿設した左導油孔71、右導油孔72、及び排油孔73(以下、これらを「導油孔71〜73」という。)の背面側の端部の各々から、導油管24〜26の各々と密接に嵌合する筒状の継ぎ部74〜76が突出している。継ぎ部74〜76の外周に導油管24〜26を密接に嵌合することで、従来のように導油管24〜26の先端部と大釜体31の背面との間に隙間が生じることを防ぐことができる。縫針11と半回転釜30の剣先54との前後方向の間隔である針隙間隔を調整するために、駆動軸39の軸方向へ大釜体31を移動させた場合でも、導油管24〜26と大釜体31との間に隙間は発生しない。隙間が生じて糸くず、埃等が導油管24〜26の内部に侵入することがないため、糸くず等が油芯に接触して潤滑油を吸うことがない。よって、給油の不具合や油漏れの発生を防止し、給油量を安定させることができる。
本実施の形態では、大釜体31と継ぎ部74〜76とを別体に形成している。従って、一体に形成する場合に比べて容易に大釜体31を製造することができる。また、継ぎ部74〜76のテーパー部を導油孔71〜73に圧入して継ぎ部74〜76を固定するため、継ぎ部74〜76及び導油孔71〜73にねじ山を形成して固定する場合に比べて、導油孔71〜73の径を小さくすることができる。よって、大釜体31の小型化、及び、大釜体31を固定するシリンダベッド4の小型化を実現することができる。さらに、継ぎ部74〜76と導油孔71〜73との間に隙間が生じることを圧入によって防止し、油漏れの発生を防ぐことができる。
給油機構70では、左導油孔71の背面側の端部の径を大きくし、左継ぎ部74を固定する継ぎ部固定孔84に形成している。継ぎ部固定孔84の中心が、左導油孔71の小径部85の中心軸よりも半回転釜30の中心側に位置している。従って、大釜体31のうち、継ぎ部固定孔84よりも外側の部分の厚みDを薄くすることができる。これにより、大釜体31の形状の小型化、及び、大釜体31を固定するシリンダベッド4の小型化を実現することができる。また、左導油孔71を駆動軸39の軸方向に対して斜めに穿設しても、筒部34の背面側の厚みDを薄くすることは可能である。しかし、軸方向に対して斜めに左導油孔71を穿設するためには、複雑且つ困難な工程を経る必要がある。さらに、筒部34の厚みDが一定とならず、強度が低下する。本実施の形態によれば、厚みDが薄く、且つ一定である筒部34を、容易に製造することができる。右導油孔72及び排油孔73の形状についても同様である。
給油機構70によると、開環状の摺動路37の両端部のそれぞれに潤滑油を供給することができるため、摺動路37に確実に潤滑油を供給することができる。さらに、摺動路37の下部から潤滑油を排出するための排油孔73を形成している。よって、油芯が露出して油漏れが生じることを継ぎ部74〜76によって防止しつつ、摺動路37への潤滑油の供給及び排出を円滑に行うことができる。
尚、上記実施の形態に示した構成は例示であり、各種の変更が可能であることは言うまでもない。例えば、継ぎ部74〜76の構造は変更できる。先述したように、導油孔71〜73の径を小さくし、且つ、継ぎ部74〜76と導油孔71〜73との間に隙間が生じることを防止するためには、継ぎ部74〜76を導油孔71〜73に圧入して固定することが望ましい。しかし、継ぎ部74〜76及び導油孔71〜73にねじ山を形成して継ぎ部74〜76を締め付けることで、継ぎ部74〜76を固定してもよい。この場合には、継ぎ部74〜76の取り付け及び取り外しを容易に行うことができる。継ぎ部74〜76を大釜体31と一体に形成してもよい。上記実施の形態では、左導油孔71の継ぎ部固定孔84の中心が、左導油孔71の小径部85の中心軸よりも半回転釜30の中心側に位置している。しかし、小径部85の中心軸と継ぎ部固定孔84の中心とを一致させてもよい。右導油孔72及び排油孔73の形状についても同様である。
1 ミシン
4 シリンダベッド
20 オイルタンク
24 左導油管
25 右導油管
26 排出用導油管
30 半回転釜
31 大釜体
34 筒部
37 摺動路
39 駆動軸
44 左油芯
45 右油芯
46 排出油芯
53 中釜
70 給油機構
71 左導油孔
72 右導油孔
73 排油孔
74 左継ぎ部
75 右継ぎ部
76 排出用継ぎ部
79 テーパー部
84 継ぎ部固定孔

Claims (6)

  1. 駆動軸の駆動によって往復半回転を行う中釜と、
    前記中釜の回転を案内する開環状の摺動路を有し、且つ前記駆動軸を内部へ挿通する大釜体と、
    前記大釜体に穿設し、毛細管現象によって潤滑油を導く油芯を前記摺動路へ挿通する筒状の導油孔と、
    前記導油孔の前記摺動路側とは反対側の端部から外方へ突出し、潤滑油供給源側から延びる前記油芯を内部に挿通した導油管に嵌合する筒状の継ぎ部と
    を備えた半回転釜の給油機構。
  2. 前記大釜体と前記継ぎ部とを別体に形成し、
    前記継ぎ部は、外形が先細りとなるテーパー部を備え、
    前記継ぎ部の前記テーパー部を前記導油孔に圧入することで前記継ぎ部を前記大釜体に固定する請求項1に記載の半回転釜の給油機構。
  3. 前記導油孔の前記摺動路側とは反対側の端部を、前記継ぎ部を固定する継ぎ部固定孔に形成し、
    前記継ぎ部固定孔の中心が、筒状である前記導油孔の中心軸よりも前記半回転釜の中心側に位置する請求項2に記載の半回転釜の給油機構。
  4. 前記導油孔は複数あり、
    前記複数の導油孔の少なくともいずれかが、前記摺動路の下部から前記潤滑油を排出する前記油芯である排出油芯を挿通するための排油孔である請求項1ないし3のいずれかに記載の半回転釜の給油機構。
  5. 前記潤滑油供給源と前記摺動路とを接続する前記油芯である供給油芯を、開環状の前記摺動路の両端部のそれぞれに接続させる2つの前記導油孔を備えた請求項1ないし4のいずれかに記載の半回転釜の給油機構。
  6. 請求項1ないし5のいずれかに記載の半回転釜の給油機構を備えたミシン。
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