JP2006075248A - ミシンの上送り装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 被縫製物の送り量の調節作業の簡易化。
【解決手段】 針板12上の被縫製物に対して上方から接して所定方向に送る上送り部材41と、上送り部材に対して上下往復動作の駆動力を付与する上下動作機構50と、上送り部材に対して送り方向往復動作の駆動力を付与する水平動作機構60と、ミシンアーム部に着脱可能であって、上下動作機構及び水平動作機構を支持する支持フレーム70と、を備え、水平動作機構が、ミシン機枠側のミシンベッド部21内に設けられた下送り装置の下送り部材に送り方向往復動作の駆動力を付与する下送り軸13から駆動力を得る連結部62,64を備えている。
【選択図】図1

Description

本発明は、ミシンに対して後から着脱可能なミシンの上送り装置に関する。
ミシンの上送り装置は、ミシンアーム部先端において、針板上の被縫製物に対して上方から接しつつ所定の送り方向に送りを行う。かかる上送り装置では、上送り部材に対して縫い針に同期した上下方向の往復駆動と送り方向に沿った前後の往復駆動とが付与され、下死点位置で送り方向前側に移動するように位相が調節されることで被縫製物の送りが行われている。そして、かかる上送り装置は、針板下方に設けられた下送り装置と共に、被縫製物の上側と下側とから協働して被縫製物の送りを行っていた。
ところで、上記ミシンの上送り装置として、下送りのみの通常のミシンとの本体共通化、或いは、上送り機能付加のためにミシン機枠に対して脱着可能なものが知られている。かかる脱着可能なミシンの上送り装置は、ミシンの上軸からベルトを介して回転駆動される出力軸に連結可能な従動軸と、入力軸の回転駆動力を上下方向の往復駆動力に変えて上送り部材に伝達する上下動作機構と、入力軸の回転駆動力を前後方向の往復駆動力に変えて上送り部材に伝達する水平動作機構と、上記各構成を支持すると共にミシンアーム部の側面に着脱可能なハウジングとを備えている(例えば、特許文献1参照)。
上記ミシンの上送り装置は、ハウジングをミシンアーム部に装着しつつ、ミシン側の出力軸を従動軸と連結する。これにより、ミシン上軸から駆動力が伝達され、縫い針の上下動と共に上送り部材による送りが行われる。
特開平5−337267号公報
ところで、ミシンの下送り装置は、ミシンベッド内に配置された揺動軸から伝達機構を介して送り方向に沿った前後方向の往復駆動力を下送り部材に伝達している。そして、下送り量の調節を行う際には、上記揺動軸の揺動角度を調節する周知の調節機構を用いて調節していた。
ところが、上記従来のミシンの上送り装置では、ミシンの上軸に駆動される出力軸から入力軸を介して水平動作機構が駆動されるため、下送り装置の送り量が変更されると、上下で送り量のズレが発生し、被縫製物を送れなくなるという不都合があった。
これを解消するには、上送り装置の水平動作機構にも送り量の調節機構を設ける必要があるが、その場合でも、部品点数の増加を生じ、装置の大型化及び重量化を招くと共に、下送り装置の送り量調節が行われると、上送り装置もこれに一致するように送り量の調節を行わねばならず、調節作業が非常に煩雑になるという不都合があった。
本発明は、部品点数の低減を目的とする。また、送り量調節作業の簡易化を他の目的とする。
請求項1記載の発明は、ミシンアーム部の先端下方で針板上の被縫製物に対して上方から接して所定方向に送る上送り部材と、上送り部材に対して上下往復動作の駆動力を付与する上下動作機構と、上送り部材に対して送り方向往復動作の駆動力を付与する水平動作機構と、ミシンアーム部に着脱可能であって、上下動作機構及び水平動作機構を支持する支持フレームと、を備え、水平動作機構が、ミシン機枠側のミシンベッド部内に設けられた下送り装置の下送り部材に送り方向往復動作の駆動力を付与する下送り軸から駆動力を得る連結部を備える、という構成を採っている。
上記構成では、支持フレームをミシンアーム部に装着し、水平動作機構はその連結部によりミシンの下送り装置の下送り軸と連結される。
これにより、ミシン側の下送り装置でその送り量の調節のために下送り軸の揺動角度調節が行われると、上送り装置側でも伝達される駆動量が調節量に応じて変化する。
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明と同様の構成を備えると共に、水平動作機構は、連結部から上送り部材側に往復の回動力を伝える上送り軸を有し、支持フレームは、上送り軸の少なくとも両端部近傍の二箇所を回動可能に支持すると共に少なくとも当該各支持部が一定的に形成されている、という構成を採っている。
上記構成では、ミシン側の下送り装置において下送りの水平動作を行う揺動駆動力が連結部を介して水平動作機構の上送り軸に伝達され、さらに、上送り軸の揺動駆動力が送り方向の往復駆動力となって上送り部材に伝達される。
そして、ミシンベッド部内に配置された下送り装置の下送り軸からミシンアーム部近傍に位置する上送り部材まで動力を伝達するためには、伝達部がミシンの縦胴部内を通じて下送り軸から上送り軸に揺動駆動力を伝達し、上送り軸がミシン縦胴部からミシンアーム部の先端部近傍に位置する上送り部材に送り方向の揺動駆動力を伝達しなければならない。つまり、上送り軸は、ミシンアーム部のほぼ全長に近い長さに設定され、その両端部で動力伝達を行うこととなる。
そして、上送り軸は、少なくともその両端部が支持フレームに支持される。上送り軸の各支持部はそれぞれ上送り軸の中心線が同一軸上となるように支持しなければならない。かかる場合、複数の支持部がそれぞれ別部材で構成されていると、各支持部の加工精度と各組み立て精度とにより、同一軸とする調節が困難となる。
しかしながら、上記発明では、支持フレームでは各支持部が一体的に形成されているため、その加工精度だけで、各支持部を同一軸上に調節することができる。
請求項3記載の発明は、請求項1又は2記載の発明と同様の構成を備えると共に、 支持フレームは、他の部材との摺動を生じる部位にグリスを封入するグリス保持部を備える、という構成を採っている。
上記構成では、支持フレームにおいて、グリス封入部が設けられた摺動部位にはグリスが供給されて潤滑が行われ、円滑な摺動動作が維持される。
請求項4記載の発明は、請求項1,2又は3記載の発明と同様の構成を備えると共に、支持フレームは、ミシン機枠に設けられた二つの加工基準穴にそれぞれ挿入する二つの装着位置決め用凸部を備える、という構成を採っている。
上記構成では、ミシンの機枠に各種の加工を行う場合における当該加工位置や加工の方向を決定するための二つの加工基準穴に二つの装着位置決め用凸部を挿入させて支持フレームの装着位置を決定する。
請求項5記載の発明は、請求項1,2,3又は4記載の発明と同様の構成を備えると共に、支持フレームは、ミシン機枠に設けられた内部組み立て用の開口部に装着されるカバーと交換して着脱可能とする、という構成を採っている。
ミシン機枠に設けられた内部組み立て用の開口部は、機枠内部のミシンの各構成の組み立て作業に好適に設計されている。従って、この内部組み立て用の開口部に支持フレームを装着することにより、上送り装置の駆動力の伝達を図る構成をミシン側の構成と連結する作業が容易に行われる。
請求項1記載の発明は、ミシンアーム部に着脱可能な支持フレームに上下動作機構も水平動作機構も搭載しているため、通常の下送りのみのミシンとミシン機枠を共通化でき、製造コストを低減できる他、上送り装置を予めミシン機枠内の搭載している場合と比べて、上送り装置の組み立て作業やメンテナンス作業をミシン機枠の外部で行うことができ、その組み立て及びメンテナンスの作業性の向上を図ることが可能となる。
さらに、水平動作機構がミシン側の下送り装置の送り歯の水平(送り方向)動作を行わせる下送り軸から駆動力を得る連結部を備えるため、ミシン側の下送り装置でその送り量の調節作業が行われると、下送り軸から連結部を介して上送り装置による送り量もその調節量が反映され、独立した送り量の調節手段を不要とし、部品点数の低減による小型化、軽量化、及び生産性の向上を図ることが可能となると共に、上送り装置における送り量調節作業を解消し、作業性の向上を図ることが可能となる。
請求項2記載の発明は、上送り軸を支持する支持フレームの各支持部が一体的に形成されているため、別体で支持部が形成されている場合のように、組み立ての段階で各支持部の中心線を同一軸上とする調節を不要とし、調節作業の容易化を図ることが可能となる。
従って、上送り部材の送り動作方向の揺動駆動力を、ミシンベッド部内の下送りの送り動作方向の運動を行う下送り装置から得ると共に、ミシン縦胴部からミシンアーム部に沿って伝達するために、長手の上送り軸が不可欠な場合であっても、各支持部における芯出し作業を容易に行うことが可能となると共に、当該上送り軸の円滑な回動を保証することが可能となる。
請求項3記載の発明は、ミシンに対して着脱可能であることから、ミシン内での潤滑の対象外となる場合でも、グリス封入部が設けられていることから、摺動部位にはグリスが供給され、潤滑による円滑な摺動動作を維持することが可能となる。
請求項4記載の発明は、ミシンの機枠に各種の加工を行う場合における当該加工位置や加工の方向を決定するための二つの加工基準穴に二つの装着位置決め用凸部を挿入させて支持フレームの装着位置を決定することから、ミシン機枠に対して支持フレームを相対的により精度良く位置決めして装着することが可能となる。つまり、支持フレームの装着誤差を抑制することが可能となる。
請求項5記載の発明は、ミシンの各構成の組み立て作業に好適に設計されているミシン機枠に設けられた内部組み立て用の開口部に、支持フレームを装着することにより、上送り装置の駆動力の伝達を図る構成をミシン側の構成と連結する作業を容易に行うことができ、作業の円滑化を図ることが可能となる。
また、カバーの取り付け構造(例えばミシンアーム部に設けられた止めネジのネジ穴等)を支持フレームの取り付けに転用することができ、独立した取り付け構造を不要として生産性の向上を図ることが可能となる。
(発明の実施形態の全体構成)
以下、図1乃至図10に基づいて本発明の実施の形態を詳細に説明する。
図1は本発明の実施形態たる本縫いミシン10の一部省略した斜視図であり、図2は本縫いミシン10を図1と異なる方向から見た斜視図であり、図3は後述する上送り装置40を装着する前の状態の本縫いミシン10の斜視図である。
上記本縫いミシン10は、縫い針を上下動させる針駆動機構30と、針板12に載置された被縫製物たる布地を下方から所定の送り方向に送る下送り装置(図示略)と、針駆動機構30と下送り装置とを格納するミシン機枠20と、ミシン機枠20に対して脱着可能であって針板12の上の布地を上方から所定の送り方向に送る上送り装置40とを備えている。
以下の説明において、垂直上下方向をZ軸方向、水平面に設置した状態における本縫いミシン10の後述するアーム部23の長手方向をY軸方向、図示しない針板12の板面に平行であってY軸方向直交する方向をX軸方向とする。なお、X軸方向とY軸方向とZ軸方向とは互いに直交するものとする。なお、上述した上送り装置40及び下送り装置はいずれもX軸方向に沿って布地の送りを行うものとする。
(ミシン機枠)
ミシン機枠20は、上面に布地を載置するための針板を備えるミシンベッド部21(図1,2ではその上面のみを図示している)と、ミシンベッド部21の後端部側から上方に立ち上げられたミシン縦胴部22と、ミシン縦胴部22の上端からミシンベッド部21に沿って延設されたミシンアーム部23とを有しており、全体的には略コ字状に形成されている。
ミシン機枠20は、一体成形された金属製の鋳物であって、その内部は中空であり、ミシンアーム部23には前述した針駆動機構30が内蔵され、ミシンベッド部21には下送り装置が内蔵される。
また、図3に示すように、ミシンアーム部23の側面には第一の開口部24と第二の開口部25が形成され、ミシンアーム部23の面部側(図3における手前側)には面部開口部26が形成されている。これらの開口部24,25,26は、本縫いミシン10の内部構成の組み立てやメンテナンスの際に利用するためのものであり、組み立て完成時には各第一の開口部24,第二の開口部25を塞ぐカバー14(図3参照)及び面部開口部26を塞ぐカバー(図示略)が装着されるようになっている。
そして、本実施形態の本縫いミシン10では、第一及び第二の開口部24,25を塞ぐカバー14に替えてミシンアーム部23の側面に上送り装置40を後付けすることが可能となっている。なお、第一の開口部24は、ミシンアーム部23の縦胴部22上部に形成されている。
また、ミシンアーム部23の側面における第一及び第二の開口部24,25の周囲には平坦面27が形成されており、当該平坦面27に対してカバー又は上送り装置40が装着される。かかる平坦面27はY−Z平面に平行に形成されており、当該平坦面27におけるY軸方向両端部には、それぞれ加工基準穴28,29が形成されている。各加工基準穴28,29は、その深度方向が平坦面27に対して垂直つまりX軸方向に沿うように形成されている。これらの加工基準穴28,29は、ミシン機枠20の内部及び外部に、ミシンの各構成の取付穴や取付平面、その他の構造を加工形成する際に基準とするものである。
つまり、ミシン機枠20は、鋳物であり、まずは鋳造によりその全体の原型が形成され、その後、当該原型に対して、各構成の取付穴や取付平面、その他の構造が種々の加工装置を用いて形成される。そして、加工の際には、各加工基準穴28,29を用いて加工装置にミシン機枠20を装着したり、各加工基準穴28,29のいずれか一方を加工を行うための位置座標の座標原点としたり、各加工基準穴28,29を結ぶ直線を加工のための基準方向としたりすることで、ミシン機枠20に対する各構造の配置を決定する。換言すれば、各加工基準穴28,29によりミシン機枠20における加工形成される各構造の配置が決定されるようになっている。そして、上送り装置40は、これらの各加工基準穴28,29を用いてミシン機枠20に装着するようになっている。この点に関しては、上送り装置40の説明と共に後で詳述することとする。
(縫い針及び針駆動機構)
縫い針は、ミシンアーム部23の先端部下方に配置された針駆動機構30の針棒(図示略)の下端部に保持され、針板12の上の布地に対して上下動により逐次貫通される。なお、針板12の下方には図示しない周知の釜機構が設けられており、これにより、縫い針に挿通された縫い糸に下糸を絡げて縫製が行われる。
針駆動機構30は、駆動源であるミシンモータ(図示略)と、ミシンモータからの回転駆動をタイミングベルト35を介して伝達されるプーリ31と、プーリ31を保持するミシン主軸である上軸32と、プーリ31の外周に装備されたベルトカバー33と、プーリ31に着脱可能な弾み車34と、縫い針を保持する針棒と、上軸32の回転駆動力を上下の往復駆動力に変換して伝える図示しない伝達機構とを備えている。
上記針棒は、ミシンアーム部23の先端部において、Z軸方向に沿った状態で当該Z軸方向に沿って往復可能に支持される。
一方、上軸32は、ミシンアーム部23の内部においてY軸方向に沿った状態で回転可能に支持される。かかる上軸32は当該ミシンアーム部23のほぼ全長に及ぶ長さに設定され、その一端部が前述した伝達機構を介して針棒と連結され、他端部がミシン機枠20の外部に突出してプーリ31を装備されている。
伝達機構は、回転運動を往復直動運動に変換するものであれば特に限定はない。例えば、伝達機構は、上軸32に偏心カムを介して一端部が連結されたリンク体と、そのリンク体の他端部が連結され針棒に固定された針棒抱きとから構成される。
図4はプーリ31の周囲の構成を示す一部切り欠いた説明図であり、図5はプーリ31と弾み車34の接続状態を示す斜視図である。
プーリ31は円柱状の回転体であり、その中心に上軸32が挿入されると共に上軸32と一体的に固定連結されている。さらに、プーリ31は、その外周面を一周した状態でタイミングベルト35を掛け渡すためのベルト溝31aが形成されている。タイミングベルト35は、ミシンベッド部21の下方に配設されたミシンモータの出力軸に設けられた出力用のプーリと上軸32側のプーリ31との間で掛け渡されており、これによりプーリ31及び上軸32に回転駆動力を伝達している。
ベルトカバー33は、プーリ31の外周面のほぼ全体とタイミングベルト35の通過領域とミシン縦胴部22のプーリ側の端面のほぼ全体を覆っており、プーリ31のミシン縦胴部22と反対側の端面31bを露出する円形穴33aが形成されている。即ち、円形穴33aはその内径がプーリ31の外径よりも若干大きく設定されており、プーリ31の回転を妨げないようになっている。図1乃至図4ではプーリ31の端面31bには弾み車34が装備された状態が図示されているが、本縫いミシン10では、薄物や並の厚さの縫製物を縫製する際には、当該弾み車34は、ベルトカバー33の円形穴33aより小径の手動操作部として設けられる。そのような場合でも、プーリ31の端面31b側で弾み車34がベルトカバー33から外部に露出していることで、プーリ31に手動操作を加えて縫い針を上下動させることが可能となっている。
弾み車34は、プーリ31よりも大径なフランジ状の回転体である。かかる弾み車34は、プーリ31の端面31b上に当該プーリ31と同心で三つの止めネジ34aにより着脱可能に装備される。縫製にあっては、被縫製物が厚かったり硬かったりすると、縫い針の貫通が円滑に行われなくなる。このため、弾み車34をプーリ31に装着することで、上軸32周りの質量を増加させ、縫い針を駆動する上軸32周りの慣性モーメントを高めて、縫い針の貫通力を強化すると共にトルク変動の影響を抑制することを可能としている。特に、弾み車34は、プーリ31よりも大径であるため、効果的に慣性モーメントを高めることができ、縫い針に安定した貫通力を付与することが可能となっている。また、前述したプーリ31と同様に手動操作により縫い針を上下動させる場合に、より大径であることからより微弱な力で操作することが可能である。
また、弾み車34は止めネジ34aにより脱着が可能であり、上述のような被縫製物の種類に応じて適宜装着することを可能としている。さらに、重量の異なる複数種の弾み車34を用意すれば、より多種の被縫製物ごとに適正な慣性モーメントとなるものを個別に選択することができ、各種の被縫製物ごとに安定して円滑な縫製を行うことが可能となる。
(下送り装置)
下送り装置は、針板12に設けられた図示しないスリット状の貫通穴から上方に出没する下送り部材と、下送り部材に対してZ軸方向に沿った往復動作を付与する上下動作機構と、下送り部材に対してX軸方向に沿った往復動作を付与する水平動作機構と、水平動作機構の下送り軸13(図1,図3)の往復回動角度範囲を調節する調節機構とを備え、これら下送り装置の各構成は、ミシンベッド部21の内部に配設されている。
下送り部材は、布地に下方から接する送り歯を備え、当該送り歯が針板12に設けられたスリット状の貫通穴から出没することにより布地を搬送する。
かかる下送り部材は、上下動作機構と水平動作機構の各方向に沿った往復動作をいずれも縫い針の上下動と同じ周期で付与され、且つ各動作機構の往復動作の位相が適宜調節されることでX−Z平面に沿った楕円運動を行うこととなる。かかる楕円運動の上部の軌跡を通過する際に針板のスリットから送り歯が上方に出現するように、下送り部材を配設することで、針板12上の布地をX軸方向に沿って送ることを可能としている。
上下動作機構は、所定の角度範囲で往復回動動作を行う下送り昇降軸と、ミシンモータにより回転駆動される図示しない下軸の回転駆動力を往復回動駆動力に変換して下送り昇降軸に伝達する周知の偏心クランク機構と、下送り昇降軸に連結されて先端部が上下に揺動動作を行う伝達アームと、伝達アームの揺動を行う先端部の上下動変位を下送り部材に伝達する周知の伝達機構とを備えている。
上記下軸及び下送り昇降軸は、いずれもY軸方向に沿ってミシンベッド部21内で回転可能に支持されており、いずれもミシンベッド部21のY軸方向の全長に近い長さに設定されている。
下軸は前述した上軸と同回転数で駆動され、偏心クランク機構は下軸と同期して往復回動動作を下送り昇降軸に伝達する。
伝達アームは下送り昇降軸の一端部からX軸方向に沿って延設され、その先端部は下送り昇降軸の往復回動により上下に揺動を行う。
伝達機構は、伝達アームの先端部から上下方向の変位を下送り部材に伝達しつつ、当該下送り部材のX軸方向に沿った移動を許容することができるようになっている。これにより、下送り部材は水平動作機構から付与されるX軸方向に沿った往復移動をも行うことができる。
水平動作機構は、所定の角度範囲で往復回動動作を行う下送り軸13と、下送り軸13に連結されて先端部がX軸方向に沿って揺動動作を行う伝達アームと、下送り部材の上下動を許容しつつ伝達アームの先端部のX軸方向変位を下送り部材に伝達する下送り部材の支持リンク体とを備えている。
上記下送り軸13は、Y軸方向に沿ってミシンベッド部21内で回転可能に支持されており、ミシンベッド部21のY軸方向の全長に近い長さに設定されている。
また、この下送り軸13は、その往復回動角度範囲を調節する調節機構を介して下軸から往復回動駆動力が付与されるようになっている。また、この下送り軸13も下軸と同期して往復回動を行う。
伝達アームは下送り軸の一端部からZ軸方向に沿って延設され、その先端部は下送り軸の往復回動によりX軸方向に沿って揺動を行う。
支持リンク体は、その一端部が伝達アームの先端部に連結され、他端部は前述した上下動作機構の伝達機構に係合して上下動変位が伝達されるようになっている。また、この支持リンク体は、その長手方向がX軸方向に沿うように配置されており、その長手方向中間位置で下送り部材を保持している。つまり、支持リンク体が伝達アームからX軸方向に沿った往復動作を付与されると共に、他端部から上下動作機構の伝達機構により上下動動作が付与され、保持している下送り部材に対してX軸方向往復動作とZ軸方向往復動作の合成運動による長円運動を伝達するようになっている。
調節機構は、下軸の回転駆動力を往復回動駆動力に変換して下送り軸13に伝達すると共に、ミシン機枠の外部に設けられた図示しない調節レバー乃至調整ツマミの操作に応じて下送り軸に伝達する回動角度範囲を可変調節可能とする複数のリンク体及びカム機構を組み合わせた周知の構成である。上述したように、調節機構では、その調節レバーを手動操作することで、下送り軸13に付与される往復回動動作の回動角度範囲が増減され、その結果、下送り部材により布地の送り量を調節することが可能となっている。
(上送り装置の全体構成)
上送り装置40は、ミシンアーム部23の先端下方で針板12上の布地に対して上方から接してX軸方向に沿って送る上送り部材41と、上送り部材41に対して上下往復動作の駆動力を付与する上下動作機構50と、上送り部材41に対してX軸方向往復動作の駆動力を付与する水平動作機構60と、ミシンアーム部23の側面に着脱可能であって、上下動作機構50及び水平動作機構60を支持する支持フレーム70とを備えている。
(上送り装置:支持フレーム)
図6は支持フレーム70の平面図であり、図中で支持フレーム70が装着されるミシンアーム部23を断面視している。前述したように、ミシンアーム部23に形成されたY−Z平面に沿った平坦面27に対してカバーに替えて上送り装置40を装着することが可能となっている。このため、支持フレーム70には平坦面27に密接する平坦な対向面71が形成されている。そして、支持フレーム70の対向面71上には、ミシンアーム部23の平坦面27に形成された二つの加工基準穴28,29にそれぞれ挿入される二つの装着位置決め用凸部72,73が設けられている。支持フレーム70は鋳造により一体的に形成されているが、これらの位置決め用凸部72,73は、別部材であり、後から固着されている。
一方の位置決め用凸部73は、円柱状であって挿入先端部に面取りが行われた通常の突起であり、その外径はほぼ隙間なく加工基準穴29に挿入可能な大きさに設定されている。
他方の位置決め用突起72は、位置決め用凸部73とはその挿入方向先端部から見た形状が異なっている。図7は位置決め用凸部72を挿入方向先端部から見た説明図である。図7に示すように、他方の位置決め用凸部72は、加工基準穴28に隙間なく挿入可能な外径であると共に挿入先端部に面取りが行われた円柱状の突起に対して、そのY軸方向両側から二つずつの平面に沿ってカットが行われて形成されている。つまり、他方の位置決め用凸部72は、Y軸方向幅のみが加工基準穴28に対して隙間を生じるように形成されている。本来は、他方の位置決め用凸部72も一方の位置決め用凸部73と同様にY軸方向及びZ軸方向の双方について加工基準穴28に対して隙間を生じない形状であることが望ましいが、その場合、双方の位置決め用凸部72,73について支持フレーム70に対する取り付け精度が非常に高精度で要求されるため、二つの位置決め用凸部72,73の並び方向であるY軸方向については他方の位置決め用凸部72に対して逃げとなる隙間を形成した。
支持フレーム70にはさらに、ミシンアーム部23に沿って縦胴部22上部からミシンアーム部23先端(例えば、針棒等が配されている面部)まで延在し、第一及び第二の開口部24,25に対応する配置でX軸方向に貫通する開口部74,75が形成されている。このうち、一方の開口部74は、外側から覆うカバー74aが装着される(図2参照)。
また、支持フレーム70には、その上部に、後述する上下動作機構50の上送り昇降軸51を回動可能に支持する支持部76が設けられている。図8は図6におけるX−X線に沿った断面図である。図8に示すように、この上送り昇降軸51の支持部76は、内部が中空でグリスを封入するグリス保持部となっており、当該中空領域を挟んで上送り昇降軸51をY軸方向に沿わせた状態で回動可能に支持する二つの軸受け76a,76aが設けられている。かかる支持部76にはその中空内部にグリスを充填するための補充口76bがその上部に形成され、グリス充填後には当該補充口76bを塞ぐ蓋体76cが装着される。
さらに、支持フレーム70には、上送り昇降軸51の支持部76よりも下方に、水平動作機構60の上送り軸61をその両端で支持する二つの支持部77,78が設けられている。各支持部77,78は、それぞれ支持フレーム70における対向面71とは反対側においてリブ状に突出しており、かかる突出部位をY軸方向に沿って貫通する貫通穴において軸受け(図示略)を介して上送り軸61を回転可能に支持している。なお、第一の支持部77は、支持フレーム70の外部から前述した開口部74の内側にまで貫通している。
これら支持部77,78は、いずれも一体的に鋳造成形された支持フレーム70に設けられているため、各支持部77,78がそれぞれ別の部材に分離して設けられている場合に比べて、別部材同士の組立精度が要求されず、支持部77,78を形成するための加工精度のみで各支持部77,78において支持される上送り軸61の中心位置合わせ(芯出し)を行うことが可能である。
(上送り装置:上下動作機構)
上下動作機構50は、上軸32に固定装備された偏心カムを介してその一端部が連結された偏心コンロッド52と、支持フレーム70に支持された上送り昇降軸51の一端部に支持されて偏心コンロッドから揺動駆動力が入力される主動アーム53と、上送り昇降軸51を介して揺動駆動力が伝達される従動アーム54と、上送り部材41を下端部で保持する脚状部材55と、三点の連結部を有してその一点で脚状部材55の上端部を回動可能に支持し、他の一点から揺動駆動力が入力され、さらに他の一点を揺動支点とする三点リンク体56と、従動アーム54から三点リンク体56に揺動駆動力を伝達する伝達リンク体57と、基端部を支持フレーム70に回動可能に支持されると共に揺動端部で三点リンク体56の揺動支点を支持する支持リンク体58と、脚状部材55を介して上送り部材41を常時下方に押圧する押圧バネ59とを備えている。
上下動作機構50は、上軸32から揺動駆動力を得て、三点リンク体56を揺動させる結果、脚状部材55を介して上送り部材41を上軸32と同期させて昇降させることができる。
(上送り装置:水平動作機構)
水平動作機構60は、下送り軸13のミシン縦胴部22側の端部に固定支持された分力アーム62と、支持フレーム70に支持された上送り軸61の一端部に支持された主動アーム63と、分力アーム62から主動アーム63に揺動駆動力を伝達する伝達リンク体64と、上送り軸61を介して揺動駆動力が伝達される従動アーム65と、中間の支点を支持フレーム70に回動可能に支持されると共にその一端部が従動アーム65に連結された梃子部材66と、梃子部材66の他端部と脚状部材55の下端部近傍とを連結する連結リンク体67とを備えている。
分力アーム62は、下送り軸13に付与された往復回動力の一部を水平動作機構60に分力して伝達する機能を有している。分力アーム62から伝達された駆動力は、梃子部材66まで伝達され、さらに、連結リンク体67を介して上送り部材41を保持する脚状部材55の下端部にX軸方向に沿った往復駆動力として伝達される。
これにより、上送り部材41に対して、上下動作機構50によりミシン駆動と同期して上下方向の往復駆動力を付与し、水平動作機構60により下送り軸13を介してミシン駆動と同期してX軸方向の往復駆動力を付与する。そして、脚状部材55に保持されている上送り部材41に対してX軸方向往復動作とZ軸方向往復動作の合成運動による長円運動を伝達するようになっている。そして、長円運動の下部の領域で布地と上送り部材41とが接触し、布地をX軸方向に沿って送るようになっている。
また、水平動作機構60は、主に、ミシン縦胴部22の内側においてその上下方向のほぼ全長に渡って配設された伝達リンク体64と、ミシンアーム部23に沿ってその長手方向のほぼ全長に渡って配設された上送り軸61とにより、ミシンベッド部21内の下送り装置の下送り軸13からミシンアーム部23の先端部近傍に位置する上送り部材41まで動力伝達を行うことを可能としている。
(上送り装置:軸部を用いた連結構造)
なお、上述した上下動作機構50と水平動作機構60の各回動連結部であって、ミシン機枠20の外部に露出されているものについては、ミシン機枠20内で供給される潤滑油が届かないため、潤滑剤としての潤滑油による潤滑を可能とする連結構造80が形成されている。
かかる連結構造80は、上下動作機構50の従動アーム54と伝達リンク体57との連結部、支持リンク体58の基端部、水平動作機構60の梃子部材66の中間支点部、梃子部材66と連結リンク体67との連結部、連結リンク体67と脚状部材55との連結部に設けられている。
図9は連結構造80の回動の中心線に沿った断面図、図10は要部の構成を示す斜視図である。図9,10に示すように、連結構造80は、一方が他方に対して回動可能に連結される場合の一方の構造体81に固定して設けられた回動支軸としての段ネジ82と、他方の構造体83に設けられた段ネジ82が挿通される係合穴84と、段ネジ82の外周面を一周して設けられた溝部85と、潤滑油を染み込ませて溝部85に格納される含浸部材としてのフェルト材86とを備えている。
かかる構造によると、フェルト材86に染み込ませた潤滑油は、溝部85内でより長期間補充なしで摺動部の潤滑を行うことが可能である。
なお、外部から係合穴84内に潤滑油を補充する充填口を形成しても良い。これにより、潤滑油の補充作業をフェルト材86の取り出し作業なしで行うことが可能となる。
なお、上記フェルト材に含浸させるのは潤滑油に限らず、グリスを使用しても良い。
(実施形態の動作説明)
まず、上送り装置40の取り付け作業について説明する。上送り装置40の取り付けの際には、まず、ミシンアーム部23のカバーが取り外され、下送り機構の下送り軸13のミシン縦胴部側の端部に分力アーム62が固定連結される。分力アーム62には予め伝達リンク体64及び主動アーム63を連結しておくことが望ましい。
分力アーム62はいわゆる棒抱き構造となっており、下送り軸13を挿通させた状態で締結ネジで締め付けて当該下送り軸13に対して分力アーム62を固定連結することが可能となっている。なお、この分力アーム62だけ、上送り装置40の非装着時にも取り付けたままの状態にしておいても良い。
また、一方で、上軸32に対して偏心コンロッド52を取り付ける。かかる偏心コンロッド52の偏心カムもまた、上送り装置40の非装着時に取り付けたままの状態にしておいても良い。
ついで、支持フレーム70に上下動作機構50の偏心コンロッド52を除く他の構成と、水平動作機構60の分力アーム62、伝達リンク体64及び主動アーム63を除く他の構成とを取り付けた状態で、支持フレーム70をミシンアーム部23の側面に取り付ける。その際には、各加工基準穴28,29に対して装着位置決め用凸部72,73を挿入することで支持フレーム70をミシンアーム部23に対して位置決めする。
また、支持フレーム70は、カバーの取り付けに用いるミシンアーム部23の側面に形成されたネジ穴を用いて当該ミシンアーム部23にネジ止めすることで固定する。
支持フレーム70が固定されたら、主動アーム63と上送り軸61とを連結する。かかる主動アーム63もいわゆる棒抱き構造となっており、上送り軸61を挿通させた状態で締結ネジで締め付けて当該上送り軸61に対して主動アーム63を固定連結することが可能となっている。
また、偏心コンロッド52と主動アーム53も連結する。これらは段ネジにより連結され、当該段ネジは主動アーム53の延設方向に沿った長穴に沿って位置調節が可能となっている。この位置調節により、上送り部材41の上下ストロークを調節することができるようになっている。
上記各連結作業が完了すると、上送り装置40は、上下動作機構50及び水平動作機構60共に本縫いミシン側からの駆動力が伝達可能状態となり、ミシンモータの駆動により、縫い針の上下動に同期して上送り部材41及び下送り部材が共に布地を同方向に送るための長円運動を開始する。
これにより、布地を上方と下方とから送りつつ、縫い針の上下動により縫製を行うことができる。
(実施形態の効果)
上記本縫いミシン10では、上送り装置40がミシンアーム部23に対して着脱可能であるため、当該上送り装置40を装着する前に、その上下動作機構50及び水平動作機構60の組み上げやメンテナンス作業を狭いミシン機枠20の外で行うことが可能なため、作業性の向上を図ることが可能となる。
さらに、上送り装置40の水平動作機構60は、下送り装置の下送り軸13から駆動力を得る連結部としての分力アーム62,伝達リンク体64を備えるため、下送り装置で調節機構により送り量の調節作業が行われると、下送り軸13を介して上送り装置40による送り量にもその調節量が反映される。従って、独立した送り量の調節手段を不要とし、生産性の向上を図ることが可能となる。また、上送り装置40について送り量調節作業を個別に行う必要を解消し、作業性の向上を図ることが可能となる。
また、上送り装置40の支持フレーム70は、上送り軸61を支持する二つの支持部77,78を含んでその全体が鋳造により一体的に形成されているため、支持部77,78がそれぞれ別体で形成されている場合のように、組み立て誤差の影響を回避でき、各支持部77,78の中心線を同一軸上とする調節を不要とし、調節作業の容易化を図ることが可能となる。
従って、ミシン縦胴部22内を通して動力伝達を行う場合のように、ミシンアーム部23の全長近くに及ぶ長さの上送り軸61が不可欠な場合であっても、各支持部77,78における芯出し作業を容易に行うことが可能となると共に、当該上送り軸61の円滑な回動を保証することが可能となる。
また、上送り装置40の支持フレーム70には、上送り昇降軸51の支持部76がグリス封入可能となっていることから、上送り昇降軸51にはグリスが供給され、潤滑による円滑な動作を維持することが可能となる。即ち、ミシン内部からの給油機構を配置できない本実施形態のように別体の支持フレーム70を有した上送り装置40においても十分な潤滑を維持することができる。
さらに、支持フレーム70にはミシンアーム部23側の二つの加工基準穴28,29に対して位置決めを行う二つの装着位置決め用凸部72,73を挿入させて支持フレーム70の装着位置を決定することから、ミシンアーム部23に対して支持フレーム70を相対的により精度良く位置決めして装着することが可能となる。
また、上送り装置40は、ミシンアーム部23に設けられた内部組み立て用の開口部24,25に、支持フレーム70を装着することから、上送り装置40の上下動作機構50や水平動作機構60をミシン側と連結する作業を容易に行うことができ、作業の円滑化を図ることが可能となる。
また、カバーの取り付けのネジ穴を支持フレーム70の取り付けに転用することができ、支持フレーム70専用の取り付け構造を不要として生産性の向上を図ることが可能となる。
また、本縫いミシン10では、ベルトカバー33から露出するプーリ31の端面31aに対して弾み車34を着脱可能としているため、被縫製物の種類に応じてプーリごと重量の異なるものに交換する場合に比べて、ベルトカバー33の取り外しやプーリに対するタイミングベルトの掛け直し作業を不要とし、交換作業を容易に行うことが可能となる。特に、弾み車34は止めネジ34aで装着されることから、その装着作業のさらなる簡易化及び装着手段の簡易化を図ることが可能となる。
また、プーリ31の露出端面31bに弾み車34を装着することによりベルトカバー33の取り外し作業を不要とすることから、弾み車34を大径なものを使用してもベルトカバー33を二分割する必要がなく、本縫いミシン10全体の生産性の向上を図ることが可能である。
また、本縫いミシン10では、弾み車34がプーリ31と別体となっていることにより、ベルトカバー33着脱時に弾み車34と共にベルトが掛かったプーリ31をいちいち外す必要が無くなり、ベルトカバー33の着脱が容易に行なうことができるようになるものである。
また、ベルトの賭け外し時においても、弾み車34を外すことにより主軸32に固定された状態のプーリ31に対してミシン外方側からベルトの掛け外しが行なえ、いちいち弾み車34と共にプーリ31を外す必要が無く、作業性が向上する。
また、上送り装置40では、回動を行う連結構造部であってミシン機枠20の外部に露出するものについては、段ネジ82の回りに潤滑剤としての潤滑油を含浸させたフェルト材86を内蔵する連結構造80を採用するため、ミシン機枠20内の潤滑油の供給を受けることができない場合であっても、長期間の潤滑油供給を維持して行うことが可能となる。
なお、連結構造80については、ミシン機枠20内の回動連結部に適応しても良い。
また、上述した上送り装置40の構成、弾み車34,連結構造80については、本縫いミシンに限らずあらゆる種類のミシンに適用しても良いことはいうまでもない。
本発明の実施形態たる本縫いミシンの一部省略した斜視図である。 本縫いミシンを図1と異なる方向から見た斜視図である。 上送り装置を装着する前の状態の本縫いミシンの斜視図である。 プーリの周囲の構成を示す一部切り欠いた説明図である。 プーリと弾み車の接続状態を示す斜視図である。 図1に開示された支持フレームの平面図である。 位置決め用突起を挿入方向先端部から見た説明図である。 図6におけるX−X線に沿った断面図である。 連結構造の回動の中心線に沿った断面図である。 連結構造の要部の構成を示す斜視図である。
符号の説明
10 本縫いミシン
12 針板
13 下送り軸
20 ミシン機枠
23 ミシンアーム部
24 第一の開口部
25 第二の開口部
28,29 加工基準穴
31 プーリ
32 上軸
33 ベルトカバー
34 弾み車
40 上送り装置
41 上送り部材
50 上下動作機構
60 水平動作機構
61 上送り軸
62 分力アーム(連結部)
64 伝達リンク体(連結部)
70 支持フレーム
72,73 装着位置決め用凸部
76 支持部(グリス保持部)
77,78 支持部
80 連結構造
81 一方の構造体
82 回動支軸
83 他方の構造体
84 係合穴(係合部)
85 溝部(凹部)
86 フェルト材(含浸部材)

Claims (5)

  1. ミシンアーム部の先端下方で針板上の被縫製物に対して上方から接して所定方向に送る上送り部材と、
    前記上送り部材に対して上下往復動作の駆動力を付与する上下動作機構と、
    前記上送り部材に対して送り方向往復動作の駆動力を付与する水平動作機構と、
    前記ミシンアーム部に着脱可能であって、前記上下動作機構及び水平動作機構を支持する支持フレームと、を備え、
    前記水平動作機構が、ミシン機枠側のミシンベッド部内に設けられた下送り装置の下送り部材に送り方向往復動作の駆動力を付与する下送り軸から駆動力を得る連結部を備えることを特徴とするミシンの上送り装置。
  2. 前記水平動作機構は、前記連結部から前記上送り部材側に往復の回動力を伝える上送り軸を有し、
    前記支持フレームは、前記上送り軸の少なくとも両端部近傍の二箇所を回動可能に支持すると共に少なくとも当該各支持部が一定的に形成されていることを特徴とする請求項1記載のミシンの上送り装置。
  3. 前記支持フレームは、他の部材との摺動を生じる部位にグリスを封入するグリス保持部を備えることを特徴とする請求項1又は2記載のミシンの上送り装置。
  4. 前記支持フレームは、ミシン機枠に設けられた二つの加工基準穴にそれぞれ挿入する二つの装着位置決め用凸部を備えることを特徴とする請求項1,2又は3記載のミシンの上送り装置。
  5. 前記支持フレームは、前記ミシン機枠に設けられた内部組み立て用の開口部に装着されるカバーと交換して着脱可能であることを特徴とする請求項1,2,3又は4記載のミシンの上送り装置。
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