JPH07163772A - 上下送りミシン - Google Patents

上下送りミシン

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JPH07163772A
JPH07163772A JP34189893A JP34189893A JPH07163772A JP H07163772 A JPH07163772 A JP H07163772A JP 34189893 A JP34189893 A JP 34189893A JP 34189893 A JP34189893 A JP 34189893A JP H07163772 A JPH07163772 A JP H07163772A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 ベルクランクに送り力の反力をかけず軽量化
して高速運転を可能とすると共に、ベルクランクのガタ
の発生をなくし耐久性の向上及び異音の発生の防止を図
る。 【構成】 バネ70の下方への押圧を受けると共に、一
端が上軸50に関連した揺動運動を受けるロット56に
枢着され他端が中足62を固設した押え棒61側に枢着
されるベルクランク57と、このクランク57のさらな
る他端にリンク63を介して枢着されクランク57によ
り中足62に対して逆位相で上下動すると共に、下端に
送り足65が固設された送りロット64と、送りロット
64に枢着され送りロット64に揺動運動を与える揺動
手段110と、一端が顎部96aに枢着され、他端が送
りロット64のクランク57に対する枢着点と下端部と
の間に枢着された支持リンク66と、ミシン針97を備
え中足62と同期して上下動する針棒98と、送り足6
5と協働して布を送り方向へ送る送り歯とを具備してな
るもの。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、上下送りミシンに関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来、送り足と押え中足とをほぼ逆位相
で上下動させて縫製物を押えると共に、送り足と送り歯
とを協働させて該縫製物を布送り方向へ送るよう構成さ
れた上下送りミシンが知られている。この上下送りミシ
ンを示したのが図8、図9である。
【0003】上軸1が回転すると、この回転運動は上下
カム21及び上下ロット22により往復直線運動に変換
され、上下送り腕(後)23が揺動運動することにな
り、この上下送り腕(後)23に連結された上下送り軸
24も揺動運動する。この上下送り軸24の揺動運動は
上下送り腕(前)25及び上下送りリンク26により往
復直線運動に変換される。
【0004】上下送りリンク26の図における右端部に
は三角てことしてのV字状のベルクランク27の一端が
枢着されており、このベルクランク27の他端としての
股部分には押え棒抱き28の上端部が、この押え棒抱き
28の下端部には押え中足32を下部に有する押え棒3
1がそれぞれ固設されていて、一方、ベルクランク27
のさらなる他端には送り足20を下部に有する送りロッ
ト18が枢着されている。
【0005】従って、上記往復直線運動がベルクランク
27に伝達されると、該ベルクランク27により、周知
のように送り足20と押え中足32とがほぼ逆位相で上
下動する。すなわち、送り足20と押え中足32とが交
互に上下動して縫製物が押えられる。
【0006】一方、中軸13及びこの中軸13に連結さ
れた中軸前部腕(A)14の揺動運動は、中軸前部腕
(A)14の下端部に回転可能に支持された上送り角駒
15及びこの上送り角駒15を2股部において摺動可能
に支持すると共にその中間部分がミシンヘッド91側に
枢着された中軸前部腕(B)16により、その揺動方向
が反転される。この反転された揺動運動は上送りリンク
17を介して上記送りロット18のほぼ中間部分に伝達
される。このような送りロット揺動手段111の作用力
により、送りロット18はベルクランク27のさらなる
他端を支点として揺動する。
【0007】このように、送り足20には上下運動及び
揺動運動の2つが与えられており、従って、実際には上
記2運動を合成した運動がなされる。すなわち、送り足
20が下降して縫製物を押えると同時に、針棒93に固
設されたミシン針94及び押え中足32が上昇し、該縫
製物は送り足20と楕円揺動して上昇してきた図示され
ない送り歯との間に挟持されて布送り方向に送られる。
この送り足20と送り歯との協働による布送りが終了す
ると、下降してきたミシン針94及び押え中足32が縫
製物を押え、これと同時に、送り足20及び送り歯は離
れながら逆方向に揺動して元の位置に戻る。そして、以
上のような動作が繰り返し行われるようになっている。
【0008】なお、図8における符号19は送りロット
18を紙面に対する垂直方向に移動しないようガイドす
る送りロットガイド板を、90は一端がベルクランク2
7の股部分(他端)に枢着され、他端に図示されないコ
ロを回転自在に支持するガイド板を、92はミシンヘッ
ド91側に固定され、上記コロを摺動溝に沿って上下方
向にガイドするコロガイドを、95は押え棒抱き28と
ミシンヘッド91上部との間に配設され、押え棒抱き2
8を下方に付勢する押え調節バネをそれぞれ示してい
る。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記上
下送りミシンにおいては、以下の問題点がある。すなわ
ち、図9に示されるように、ベルクランク27の股部分
(他端;支点A)とさらなる他端(支点B)には、上送
りリンク17による送り力の反力の一部と、押え棒31
上昇時の押え調節バネ95の押圧とを同時に受けるの
で、ガタが発生しやすく、このガタにより異音を発生し
たり、耐久性が悪化するという問題点がある。
【0010】また、このように、受ける荷重が大きくな
ると、その分剛性を増さなければならないので、軽量化
できず、従って、高速運転に不適となるといった問題点
がある。
【0011】また、送り足20は、図10に示されるよ
うに、ベルクランクのさらなる他端(支点B)を支点と
して揺動すると共に、上送りリンク17との枢着点(支
点C)が支点Bと送り足20の先端との間にあるので、
以下の問題点がある。すなわち、ベルクランクの他端
(支点B)と送り足20の先端との間の距離をL1、ベ
ルクランクの他端(支点B)と上送りリンク17に対す
る枢着点(支点C)との間の距離をL2とすると、L
1:L2=(1.5〜2):1の関係となり、従って、
送り足20の先端においては、図8に示した中軸前部腕
(A)14から中軸前部腕(B)16及び上送りリンク
17に至る連結部、すなわち送り足揺動手段111に発
生したガタが、枢着点Cに累積され、そこに発生したガ
タが送り足20先端においてL1/L2倍されてしま
い、すなわち送り足20先端において約1.5〜2倍さ
れてしまい、従ってこの拡大されたガタによりピッチエ
ラーが発生するといった問題点もある。
【0012】さらにまた、中軸13の揺動運動を受けて
送りロット18(送り足20)に送り運動を与える送り
ロット揺動手段111の構成部品が多く、すなわち中軸
前部腕(A)14、上送り角駒15、中軸前部腕(B)
16、上送りリンク17等構成部品が多く、しかもこの
うち中軸13の揺動運動の方向を逆転するための部品、
すなわち上送り角駒15、中軸前部腕(B)16等の形
状が複雑なために、高コストになるといった問題点もあ
る。
【0013】そこで本発明は、ベルクランクに送り力の
反力がかからず、軽量化がなされて高速運転が可能とな
ると共に、ベルクランクにガタの発生がなく、耐久性の
向上及び異音の発生の防止がなされる上下送りミシンを
提供することを第1の目的とする。
【0014】また、送り足に送り運動を与える送りロッ
ト揺動手段に発生したガタが送り足先端において拡大さ
れず、ピッチエラーの発生が防止されると共に、該手段
の構成部品が少なくされ且つ揺動方向を反転させるため
の複雑な部品が不要とされ、低コスト化がなされる上下
送りミシンを提供することを第2の目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】第1手段の上下送りミシ
ンは、上記第1の目的を達成するために、押え調節バネ
の下方への押圧を受けると共に、一端が上軸に関連した
揺動運動を受けるロットに枢着され、他端が押え中足を
固設した押え棒側に枢着されるベルクランクと、このベ
ルクランクのさらなる他端にリンクを介して枢着され、
該ベルクランクにより前記押え中足に対してほぼ逆位相
で上下動すると共に、下端部に送り足が固設された送り
ロットと、この送りロットに枢着され、該送りロットに
所定の揺動運動を与える送りロット揺動手段と、一端が
ミシンヘッドの顎部に枢着され、他端が前記送りロット
のベルクランクに対する枢着点と下端部との間に枢着さ
れた送りロット支持リンクと、ミシン針を備え、前記押
え中足と同期して上下動する針棒と、前記送り足と協働
して縫製物を布送り方向へ送る送り歯とを、具備したこ
とを特徴としている。
【0016】第2手段の上下送りミシンは、上記第2の
目的を達成するために、上記第1手段に加えて、前記送
りロットの前記送りロット揺動手段に対する枢着点は、
前記送りロットの前記送りロット支持リンクに対する枢
着点より上方にあることを特徴としている。
【0017】
【作用】このような第1手段における上下送りミシンに
よれば、送り足の揺動中心は送りロットにあり、この送
りロットとベルクランクとはリンク結合されているの
で、送り足に対する送り力の反力がベルクランクにかか
らなくなると共に、ベルクランクにおけるガタの発生が
なくなる。
【0018】
【作用】このような第2手段における上下送りミシンに
よれば、送りロット上における送りロット揺動手段の作
用点が揺動中心より上にあるので、送り足の揺動方向を
反転させるための部品がなくともその揺動方向の反転が
なされ、部品点数が減少されると共に、簡易な構成とな
る。また、例えば上記作用点と揺動中心との間の長さ
を、該揺動中心と送り足先端との間の長さと凡そ同じ若
しくは長くすれば、送りロット揺動手段において生じた
ガタが送り足先端において従来程拡大されない。
【0019】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明
する。図1は本発明の第1実施例を示す上下送りミシン
の構成図、図2は送り足の送り機構を模式的に表した図
である。
【0020】図1において、符号50は図示されない軸
受に回転自在に支承された上軸を示しており、この上軸
50には偏心カムとしての上下カム51が固設されてい
る。この上下カム51には上下ロット52の一端が摺動
可能に係合されており、この上下ロット52の他端には
上下送り腕(後)53の上端部が枢着されている。この
上下送り腕(後)53の下端部には上下送り軸54が連
結されており、この上下送り軸54は回転自在に支承さ
れている。
【0021】上下送り軸54の図におけるこちら側には
上下送り腕(前)55の上端部が連結されており、この
上下送り腕(前)55の下端部には上下ロット56の一
端が枢着されている。上下ロット56の他端には三角て
ことしてのV字状のベルクランク57の一端が枢着され
ている。このベルクランク57の他端としての股部分に
はベルクランク支持リンク58の一端が枢着されてお
り、このベルクランク支持リンク58の他端はミシンヘ
ッド96側に枢着されている。ベルクランク支持リンク
58の途中とミシンヘッド96上部との間には押え調節
バネ70が配設されており、この押え調節バネ70によ
り、ベルクランク支持リンク58はその他端を支点とし
て下方に押圧された状態となっている。ベルクランク5
7のさらなる他端にはベルクランク連結リンク63の上
端部が枢着されており、このベルクランク連結リンク6
3の下端部には後述の送りロット64の中間部64cが
枢着されている。
【0022】ところで、上記ベルクランク57の股部分
(他端)にはベルクランク連結リンク59の上端部も枢
着されており、このベルクランク連結リンク59の下端
部には押え棒抱き60が枢着されている。この押え棒抱
き60の下端部には押え棒61の上端部が固設されてお
り、この押え棒61の下端部には押え中足62の上端部
が固設されている。
【0023】次に、図2を参照しながら送りロット揺動
手段110の構成について以下説明する。符号2は回転
自在に支承された下軸を示しており、この下軸2には送
り偏心カム71が固設されている。この送り偏心カム7
1には送り偏心カムロット72の一端が摺動可能に係合
されており、この送り偏心カムロット72の他端には水
平送り腕(後)73の一端が枢着されている。水平送り
腕(後)73の他端には水平送り軸77が連結されてお
り、この水平送り軸77は回転自在に支承されている。
【0024】水平送り軸77には上送り腕(下)74の
一端が連結されており、この上送り腕(下)74の他端
には上送りロット75の一端が枢着されている。上送り
ロット75の他端には上送り腕(上)76の一端が枢着
されており、この上送り腕(上)76の他端には中軸6
7が連結されている。
【0025】この中軸67には、図1、図2に示される
ように、中軸前部腕68の下端部が連結されており、こ
の中軸前部腕68の上端部には上送りリンク69の一端
が枢着されている。送りロット揺動手段110は以上の
ように構成されている。
【0026】上記上送りリンク69の他端には送りロッ
ト64の上端部が枢着されている。この送りロット64
は湾曲部よりなる上部64aと、この上部64aに連設
された直線部よりなる下部64bとから構成されてお
り、下部64bの下端部には送り足65の上端部が固設
されている。そして、上部64aと下部64bとの境界
部としての中間部64cは、上述のように、ベルクラン
ク連結リンク63の下端部に枢着されている。
【0027】ミシンヘッド96の顎部96aには送りロ
ット支持リンク66の一端が枢着されており、この送り
ロット支持リンク66の他端には、送りロット64上に
おけるその上端部(上送りリンク69に対する枢着点)
と送り足65の先端部(下端部)との間の略中央に当た
る部位が枢着されている。すなわち、上送りリンク69
に対する枢着点と送り足65の先端部(下端部)との間
の距離をL1、上送りリンク69に対する枢着点と送り
ロット支持リンク66に対する枢着点との間の距離をL
2とすると、本実施例においては、以下の関係となって
いる。 (L1−L2):L2=1:(0.8〜1.2)
【0028】なお、図1における符号97はミシン針
を、98はミシン針97を備え上記押え中足62と同期
にして上下動する針棒を、99は針板を、図2における
符号100は楕円運動を行い上記送り足65と協働して
縫製物を布送り方向へ送る送り歯をそれぞれ示してい
る。
【0029】次に、このように構成された上下送りミシ
ンの動作について以下説明する。先ず、図1を参照にし
て説明する。上軸50が回転すると、この回転運動は上
下カム51及び上下ロット52により往復直線運動に変
換され、上下送り腕(後)53が揺動運動することにな
り、この上下送り腕(後)53に連結された上下送り軸
54も揺動運動する。この上下送り軸54の揺動運動は
上下送り腕(前)55及び上下ロット56により往復直
線運動に変換される。
【0030】ここで、上下ロット56が、例えば図にお
ける右方に押し出されるとすると、押え棒61及び押え
中足62が下降し、該押え中足62が接地して図1に示
される状態となる。
【0031】この状態から、上下ロット56がさらに右
方に押し出されると、押え中足62が接地していてこれ
以上下降することができないので、ベルクランク57は
ベルクランク57の股部分(他端)を支点として時計回
りに回動することになり、送りロット64及び送り足6
5が下降し、今度は送り足65が接地する。
【0032】この状態から、上下ロット56がさらに右
方に押し出されると、送り足65が接地していてこれ以
上下降することができないので、ベルクランク57はベ
ルクランク57のさらなる他端を支点として時計回りに
回動することになり、押え棒61及び押え中足62が上
昇する。
【0033】次いで、今度は上下送り軸54の揺動方向
が反転し、上下ロット56が上記状態から図における左
方に引き戻されると、ベルクランク57はベルクランク
57のさらなる他端を支点として反時計回りに回動する
ことになり、押え棒61及び押え中足62が下降し、今
度は押え中足62が接地する。
【0034】この状態から、上下ロット56がさらに左
方に引き戻されると、押え中足62が接地していてこれ
以上下降することができないので、ベルクランク57は
ベルクランク57の股部分(他端)を支点として反時計
回りに回動することになり、送りロット64及び送り足
65が上昇する。
【0035】そして、この状態から上下ロット56がさ
らに左方に引き戻されると、元の状態に戻り、これら動
作が繰り返し行われる。すなわち、送り足65と押え中
足62とは該ベルクランク57によりほぼ逆位相で上下
動し、交互に接地して縫製物を押えられるようになって
いる。なお、針棒98は該押え中足62とほぼ同期して
上下動するようになっている。
【0036】次に、送り足65の送り動作について説明
する。先ず、図2を参照にして説明する。下軸2が回転
すると、この回転運動は送り偏心カム71及び送り偏心
カムロット72により往復直線運動に変換され、水平送
り腕(後)72が揺動運動することになり、この水平送
り腕(後)72に連結された水平送り軸77も揺動運動
する。この水平送り軸77の揺動運動は上送り腕(下)
74及び上送りロット75により往復直線運動に変換さ
れ、上送り腕(上)76が揺動運動することになり、こ
の上送り腕(上)76に連結された中軸67も揺動運動
する。
【0037】次いで、図1を参照にして説明すれば、中
軸67の揺動運動は中軸前部腕68及び上送りリンク6
9により往復直線運動に変換され、この上送りリンク6
9に枢着された送りロット64は、送りロット64と送
りロット支持リンク66との枢着点を支点として揺動運
動することになる。この揺動運動は送り歯100の楕円
送り運動と同調するようになっている。そして、送りロ
ット64に固設された送り足65の揺動方向は、該送り
ロット64により、中軸67の揺動方向とは逆方向とな
っている。
【0038】斯くの如く、送りロット64(送り足6
5)は、上下運動並びに揺動運動を行っているので、実
際には、これら上下運動と揺動運動を合成した運動とな
る。
【0039】以下、図3を参照にして上記合成した実際
の動きを説明する。先ず、図3(a)に示されるよう
に、送り足65が下降してきて楕円揺動して上昇してき
た送り歯100との間に図示されない縫製物が挟持され
る。これと同時に押え中足62及びミシン針97が縫製
物より上昇し、そして送り足65の揺動が開始され、縫
製物はこの送り足65と送り歯100との協働により図
における左側に送られる。
【0040】次いで、図3(b)に示されるように、送
り足65と送り歯100との協働による縫製物の送り運
動が終了すると、押え中足62及びミシン針97が下降
してきて縫製物に接する。
【0041】次いで、図3(c)に示されるように、ミ
シン針97が縫製物を貫き、押え中足62が縫製物を押
えると同時に、送り足65及び送り歯100が縫製物か
ら離れ始め、これと同時に送りロット64の揺動が反転
する。そして、送り足65及び送り歯100は縫製物か
ら離れながら揺動して初期位置に戻り、図3(a)〜
(c)に示される動作が引き続き繰り返される。従っ
て、送り足65の運動は、図1に示されるような、送り
水平運動と戻り楕円運動とを組み合わせた軌跡Dとな
る。
【0042】このように、本実施例においては、押え調
節バネ70の下方への押圧を受けると共に、一端が上軸
50に関連した揺動運動を受ける上下ロット56に枢着
され、他端が押え中足62を固設した押え棒61側(実
際にはベルクランク連結リンク59)に枢着されるベル
クランク57と、このベルクランク57のさらなる他端
にベルクランク連結リンク63を介して枢着され、該ベ
ルクランク57により押え中足62に対してほぼ逆位相
で上下動すると共に、下端部に送り足65が固設された
送りロット64と、この送りロット64に枢着され、該
送りロット64に所定の揺動運動を与える送りロット揺
動手段110と、一端がミシンヘッド96の顎部96a
に枢着され、他端が送りロット64のベルクランク57
に対する枢着点と下端部との間に枢着された送りロット
支持リンク66と、ミシン針97を備え、押え中足62
と同期して上下動する針棒98と、送り足65と協働し
て縫製物を布送り方向へ送る送り歯100とを、具備す
るようにしたので、送り足65の揺動中心が送りロット
64にあり、この送りロット64とベルクランク57と
はベルクランク連結リンク63によりリンク結合されて
いることから、送り足65に対する送り力の反力がベル
クランク57にかからなくなる。従って、ベルクランク
57におけるガタの発生がなくなっており、耐久性の向
上及び異音の発生の防止を図ることが可能となってい
る。
【0043】また、上述の如く、送り足65に対する送
り力の反力がベルクランク57にかからなくなっている
ので、剛性を増す必要がなくなっており、軽量化及び高
速運転を図ることが可能となっている。
【0044】また、揺動中心(支点C)が、図4に示さ
れるように、送りロット64上における上送りリンク6
9に対する枢着点(支点B)と送り足65の先端部(下
端部)との間の略中央に当たる部位に存在している、す
なわち(L1−L2):L2=1:(0.8〜1.2)
の関係となっているので、送りロット揺動手段110に
おいて生じたガタが送り足65先端において従来程には
拡大されず、ピッチエラーの発生を防止することが可能
となっている。
【0045】因に、L2>(L2−L1)とすれば、送
りロット揺動手段110において生じたガタが送り足6
5先端において縮小傾向となるので、より好ましい。
【0046】また、送りロット64上における上送りリ
ンク69に対する枢着点(支点B)、すなわち送りロッ
ト64上における送りロット揺動手段110の作用点が
揺動中心(支点C)より上となるようにしているので、
送り足の揺動方向を反転させるための部品(図8に示し
た複雑な構造の上送り角駒15、中軸前部腕(B)16
等)がなくともその揺動方向の反転が可能となってい
る。従って、送りロット揺動手段110の部品点数が少
なくなっていると共に簡易な構成となっており、低コス
ト化が可能となっている。
【0047】さらにまた、本実施例においては、送りロ
ット揺動手段110が、図1に示されるように、従来の
ようにミシンヘッド96外に突出せずにミシンヘッド9
6内に収められているので、その懐も深くなっている。
【0048】図5は本発明の第2実施例を示す上下送り
ミシンの構成図であり、第1実施例で説明したのと同一
なものに対しては同一符号が付してあり、重複を避ける
ために、ここでの説明は省略する。
【0049】この第2実施例の上下送りミシンが第1実
施例のそれと違う点は、ベルクランク連結リンク63
を、ベルクランク57のさらなる他端と、送りロット6
4における上送りリンク69に対する枢着点とに、それ
ぞれ枢着した点である。
【0050】このように構成しても、第1の実施例と同
様な効果を得ることができるというのはいうまでもな
い。
【0051】図6は本発明の第3実施例を示す上下送り
ミシンの構成図である。この第3実施例の上下送りミシ
ンが第1実施例のそれと違う点は、図1に示したベルク
ランク支持リンク58及びベルクランク連結リンク59
をなくして、押え調節バネ70の下端を押え棒抱き60
の上面に係止すると共に、この押え棒抱き60にベルク
ランク57の他端(股部分)を枢着した点である。
【0052】このように構成しても、第1の実施例と同
様な効果を得ることができるというのはいうまでもな
く、さらにベルクランク支持リンク58及びベルクラン
ク連結リンク59が減少した分、コスト低減が可能とな
る。なお、押え調節バネ70の押圧力を直接押え棒61
に作用させるようにしても良い。
【0053】図7は本発明の第4実施例を示す上下送り
ミシンの構成図である。この第4実施例の上下送りミシ
ンが第1実施例のそれと違う点は、送りロット揺動手段
110を従来技術で示した送りロット揺動手段111に
代えた点である。従って、これに伴い送りロット64は
上部64aが不要となり、その形状は湾曲された上部6
4aがない形状となっている。
【0054】このように構成しても、第1の実施例と同
様な効果を得ることができるというのはいうまでもな
い。しかしながら、このように構成した場合には、送り
ロット64における送りロット揺動手段111に対する
枢着点が、送りロット支持リンク66に対する枢着点よ
り下方となっているので、送りロット揺動手段111に
生じたガタは送り足65先端において拡大される傾向に
あり、従って第1実施例に示した程にはガタを小さくは
できない。
【0055】以上本発明者によってなされた発明を各実
施例に基づき具体的に説明したが、本発明は上記各実施
例に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範
囲で種々変形可能であるというのはいうまでもなく、例
えば、上記各実施例においては、V字状のベルクランク
57が用いられているが、三角形状のベルクランク(三
角てこ)としても良い。
【0056】また、第1乃至第4実施例に示した構成を
組み合わせることも可能である。
【0057】
【発明の効果】以上述べたように第1発明の上下送りミ
シンによれば、押え調節バネの下方への押圧を受けると
共に、一端が上軸に関連した揺動運動を受けるロットに
枢着され、他端が押え中足を固設した押え棒側に枢着さ
れるベルクランクと、このベルクランクのさらなる他端
にリンクを介して枢着され、該ベルクランクにより前記
押え中足に対してほぼ逆位相で上下動すると共に、下端
部に送り足が固設された送りロットと、この送りロット
に枢着され、該送りロットに所定の揺動運動を与える送
りロット揺動手段と、一端がミシンヘッドの顎部に枢着
され、他端が前記送りロットのベルクランクに対する枢
着点と下端部との間に枢着された送りロット支持リンク
と、ミシン針を備え、前記押え中足と同期して上下動す
る針棒と、前記送り足と協働して縫製物を布送り方向へ
送る送り歯とを、具備したので、送り足の揺動中心が送
りロットにあり、この送りロットとベルクランクとはリ
ンク結合されていることから、送り足に対する送り力の
反力がベルクランクにかからなくなる。従って、ベルク
ランクにガタが発生しなくなり、耐久性の向上及び異音
の発生の防止を図ることが可能となる。また、送り足に
対する送り力の反力がベルクランクにかからなくなるこ
とから、剛性を増す必要がなくなり、軽量化及び高速運
転が可能となる。
【0058】また、第2発明の上下送りミシンによれ
ば、第1発明に加えて、送りロットの送りロット揺動手
段に対する枢着点を、送りロットの送りロット支持リン
クに対する枢着点より上方にしたので、送りロット上に
おける送りロット揺動手段の作用点が揺動中心より上と
なり、送り足の揺動方向を反転させるための部品がなく
ともその揺動方向の反転が可能となる。従って、送りロ
ット揺動手段の部品点数を減少できると共に簡易な構成
となり、低コスト化が可能となる。また、上記作用点と
揺動中心との間の長さを、該揺動中心と送り足先端との
間の長さと凡そ同じ若しくは長くしたので、送りロット
揺動手段において生じたガタが送り足先端において従来
程拡大されず、従ってピッチエラーの発生を防止するこ
とが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例を示す上下送りミシンの構
成図である。
【図2】送り足の送り機構を模式的に表した図である。
【図3】上下送りミシンの動作を表した図1の要部の拡
大図である。
【図4】送り足先端におけるガタを表した図1の要部の
拡大模式図である。
【図5】本発明の第2実施例を示す上下送りミシンの構
成図である。
【図6】本発明の第3実施例を示す上下送りミシンの構
成図である。
【図7】本発明の第4実施例を示す上下送りミシンの構
成図である。
【図8】従来技術を示す上下送りミシンの構成図であ
る。
【図9】図8を模式的に表した図である。
【図10】従来技術の問題点を表した図9の要部の抽出
図である。
【符号の説明】
50 上軸 56 上軸に関連した揺動運動を受けるロット(上下ロ
ット) 57 ベルクランク 61 押え棒 62 押え中足 63 ベルクランク連結リンク 64 送りロット 65 送り足 66 送りロット支持リンク 70 押え調節バネ 96 ミシンヘッド 96a ミシンヘッドの顎部 97 ミシン針 98 針棒 100 送り歯 110,111 送りロット揺動手段

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 押え調節バネの下方への押圧を受けると
    共に、一端が上軸に関連した揺動運動を受けるロットに
    枢着され、他端が押え中足を固設した押え棒側に枢着さ
    れるベルクランクと、 このベルクランクのさらなる他端にリンクを介して枢着
    され、該ベルクランクにより前記押え中足に対してほぼ
    逆位相で上下動すると共に、下端部に送り足が固設され
    た送りロットと、 この送りロットに枢着され、該送りロットに所定の揺動
    運動を与える送りロット揺動手段と、 一端がミシンヘッドの顎部に枢着され、他端が前記送り
    ロットのベルクランクに対する枢着点と下端部との間に
    枢着された送りロット支持リンクと、 ミシン針を備え、前記押え中足と同期して上下動する針
    棒と、 前記送り足と協働して縫製物を布送り方向へ送る送り歯
    とを、具備してなる上下送りミシン。
  2. 【請求項2】 前記送りロットの前記送りロット揺動手
    段に対する枢着点は、前記送りロットの前記送りロット
    支持リンクに対する枢着点より上方にあることを特徴と
    する請求項1記載の上下送りミシン。
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