JPH0515669A - ミシンの布押え装置 - Google Patents
ミシンの布押え装置Info
- Publication number
- JPH0515669A JPH0515669A JP15900191A JP15900191A JPH0515669A JP H0515669 A JPH0515669 A JP H0515669A JP 15900191 A JP15900191 A JP 15900191A JP 15900191 A JP15900191 A JP 15900191A JP H0515669 A JPH0515669 A JP H0515669A
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- JP
- Japan
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- cloth
- pressing member
- cloth pressing
- arm
- spring
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 高速縫製時においても布押さえ部材のジャン
ピング現象及び騒音の発生を抑えることができるミシン
の布押え装置の提供を目的とする。 【構成】 この発明に係るミシンの布押え装置は、常に
は押さえばね17により下方へ押圧されている昇降可能
な布押えアーム14の先端部に布押さえ部材18を回転
揺動可能に設け、その布押さえ部材の下面が先端部18
aから後端部18bにかけて下方から上方へ傾斜するよ
う線ばね19によって保持するようにしたものである。
ピング現象及び騒音の発生を抑えることができるミシン
の布押え装置の提供を目的とする。 【構成】 この発明に係るミシンの布押え装置は、常に
は押さえばね17により下方へ押圧されている昇降可能
な布押えアーム14の先端部に布押さえ部材18を回転
揺動可能に設け、その布押さえ部材の下面が先端部18
aから後端部18bにかけて下方から上方へ傾斜するよ
う線ばね19によって保持するようにしたものである。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、ミシンの布押え装置
に関し、特に、送り歯を用いて布の搬送動作を行うミシ
ンに好適な布押え装置に関するものである。
に関し、特に、送り歯を用いて布の搬送動作を行うミシ
ンに好適な布押え装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来よりミシンには図8ないし図12に
示すような布押え装置が設けられている。この布押え装
置において、1は布押えアームであり、この布押えアー
ム1は、一端部1aをミシンアームに設けられた図外の
支持部材によって回動及び昇降可能に支持され、常には
ミシンアームに設けられた押しばね2によって下方へ押
圧されている。また、布押えアーム1の先端部には、板
状をなす布押え部材3が回転揺動可能に支承されてお
り、縫製時には、この布押え部材3が前記押しばね2に
よって布押えアーム1と共にの下方へ押圧され、針板4
上に載置された布Wを押えるようになっている。この
際、布押え部材3は針板4に形成された送り歯出没溝4
aの周縁に下降するため、四運動を行う送り歯5が針板
4から突出すると、載置された布は布押え部材3によっ
て送り歯に押しつけられて係止され、送り歯4と共に前
方へ送り出される。
示すような布押え装置が設けられている。この布押え装
置において、1は布押えアームであり、この布押えアー
ム1は、一端部1aをミシンアームに設けられた図外の
支持部材によって回動及び昇降可能に支持され、常には
ミシンアームに設けられた押しばね2によって下方へ押
圧されている。また、布押えアーム1の先端部には、板
状をなす布押え部材3が回転揺動可能に支承されてお
り、縫製時には、この布押え部材3が前記押しばね2に
よって布押えアーム1と共にの下方へ押圧され、針板4
上に載置された布Wを押えるようになっている。この
際、布押え部材3は針板4に形成された送り歯出没溝4
aの周縁に下降するため、四運動を行う送り歯5が針板
4から突出すると、載置された布は布押え部材3によっ
て送り歯に押しつけられて係止され、送り歯4と共に前
方へ送り出される。
【0003】この布搬送動作において、布押え部材3は
送り歯5の四運動に従って図9ないし図12に示すよう
に昇降する。すなわち、布搬送動作開始時には、図9に
示す用に送り歯5の先端部が布Wの下面に当接し、その
後序々に送り歯5の上昇に伴って布押え部材3が押しば
ねに抗して押し上げられてゆきく。そして、図10に示
すように上死点に達した後、送り歯は下降し始め、それ
に伴って布押え部材3も下降して行き(図11参照)、
送り歯5が完全に針板4の上面から下方に沈み込んだ時
点で布押え部材3は下死点に達する(図12参照)。な
お、布押え部材3は布押えアーム1に回転揺動可能に支
承されているため、四運動を行う際に生じる送り歯5の
前後の傾きにも常に対応し得るようになっている。
送り歯5の四運動に従って図9ないし図12に示すよう
に昇降する。すなわち、布搬送動作開始時には、図9に
示す用に送り歯5の先端部が布Wの下面に当接し、その
後序々に送り歯5の上昇に伴って布押え部材3が押しば
ねに抗して押し上げられてゆきく。そして、図10に示
すように上死点に達した後、送り歯は下降し始め、それ
に伴って布押え部材3も下降して行き(図11参照)、
送り歯5が完全に針板4の上面から下方に沈み込んだ時
点で布押え部材3は下死点に達する(図12参照)。な
お、布押え部材3は布押えアーム1に回転揺動可能に支
承されているため、四運動を行う際に生じる送り歯5の
前後の傾きにも常に対応し得るようになっている。
【0004】このように、布押え装置は、縫製時におけ
る布のばたつきを抑える作用に加え、送り歯と布とを確
実に係合させ、搬送を確実に行わせるよう作用するもの
である。
る布のばたつきを抑える作用に加え、送り歯と布とを確
実に係合させ、搬送を確実に行わせるよう作用するもの
である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の布押え装置にあっては、縫製速度が高まるに従って
送り歯5と布Wとの係合が不安定になり、適正な搬送力
を得られないという問題が発生した。これは、図13な
いし図16に示すような布押え部材及び送り歯5の昇降
曲線からも明らかである。
来の布押え装置にあっては、縫製速度が高まるに従って
送り歯5と布Wとの係合が不安定になり、適正な搬送力
を得られないという問題が発生した。これは、図13な
いし図16に示すような布押え部材及び送り歯5の昇降
曲線からも明らかである。
【0006】すなわち、低速にて縫製動作を行っている
場合には、図13に示すように布押え部材3の昇降曲線
Laと、送り歯の昇降曲線Lbとが一致している。これ
は、送り歯の出没動作に完全に布押え部材3が追従して
針板4上を上下していることを意味し、この状態では布
押え部材3が常に布を上方から押え、送り歯5により適
正に布Wが搬送される。
場合には、図13に示すように布押え部材3の昇降曲線
Laと、送り歯の昇降曲線Lbとが一致している。これ
は、送り歯の出没動作に完全に布押え部材3が追従して
針板4上を上下していることを意味し、この状態では布
押え部材3が常に布を上方から押え、送り歯5により適
正に布Wが搬送される。
【0007】ところが、縫製速度が図14、図15及び
図16に示すように中側、高速、及び超高速と高まるに
従って、曲線Laと曲線Lbとの不一致が顕著になる。
つまり、布押え部材3は縫製速度が高まるに従って送り
歯5の昇降動作に追従せず、送り歯5から跳ね上がるジ
ャンピング現象を発生し始める。そしてこのジャンピン
グ現象が発生している間は布押え部材3が布Wを押えな
いため、送り歯5の布の搬送力が著しく低下し、搬送不
良が発生する。これは、縫製速度の増大に伴って送り歯
5から布押え部材3に加えられる衝撃力が増大すること
による。
図16に示すように中側、高速、及び超高速と高まるに
従って、曲線Laと曲線Lbとの不一致が顕著になる。
つまり、布押え部材3は縫製速度が高まるに従って送り
歯5の昇降動作に追従せず、送り歯5から跳ね上がるジ
ャンピング現象を発生し始める。そしてこのジャンピン
グ現象が発生している間は布押え部材3が布Wを押えな
いため、送り歯5の布の搬送力が著しく低下し、搬送不
良が発生する。これは、縫製速度の増大に伴って送り歯
5から布押え部材3に加えられる衝撃力が増大すること
による。
【0008】また、布押え部材3は支点3aを中心とし
て揺動可能となっているため、上記のようなジャンピン
グ現象の発生により、布押え部材3が布Wから離間する
と、布押え部材3がフリーな状態となって揺動し、騒音
が発生して作業環境の低下を招くという問題も発生し
た。
て揺動可能となっているため、上記のようなジャンピン
グ現象の発生により、布押え部材3が布Wから離間する
と、布押え部材3がフリーな状態となって揺動し、騒音
が発生して作業環境の低下を招くという問題も発生し
た。
【0009】この発明は、上記問題点に着目してなされ
たもので、送り歯の動作に伴って布を確実に搬送させる
ことができると共に、送り歯の揺動運動によって発生す
る騒音を大幅に低減し得るミシンの布押え装置の提供を
目的とする。
たもので、送り歯の動作に伴って布を確実に搬送させる
ことができると共に、送り歯の揺動運動によって発生す
る騒音を大幅に低減し得るミシンの布押え装置の提供を
目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】この発明は、昇降可能に
設けられた布押えアームを常時押えばねによって付勢
し、板上形状をなす布押えアームの中間位置に形成され
た支点部を前記布押えアームに回転揺動可能に支承さ
せ、中央部に環状の係止溝を形成してなるダンパを布押
えアームの一端部側面に固定し、湾曲形状をなすばねの
一端部を布押え部材の前端部に、他端部をダンパ係止溝
にそれぞれ係止し、前記ばねによって前記布押え部材が
針板と非接触状態にあるとき、布押え部材の下面が、そ
の布搬送方向前端から後端部にかけて下方から上方へと
傾斜するよう保持させたものである。
設けられた布押えアームを常時押えばねによって付勢
し、板上形状をなす布押えアームの中間位置に形成され
た支点部を前記布押えアームに回転揺動可能に支承さ
せ、中央部に環状の係止溝を形成してなるダンパを布押
えアームの一端部側面に固定し、湾曲形状をなすばねの
一端部を布押え部材の前端部に、他端部をダンパ係止溝
にそれぞれ係止し、前記ばねによって前記布押え部材が
針板と非接触状態にあるとき、布押え部材の下面が、そ
の布搬送方向前端から後端部にかけて下方から上方へと
傾斜するよう保持させたものである。
【0011】また、ばねはその一端部を前記布押え部材
の後端部に係止させるようにしても良い。
の後端部に係止させるようにしても良い。
【0012】
【作用】この発明において、送り歯が針板のから上方へ
突出した際、送り歯はまず布を介して布押え部材の前端
部に当接しこれを押し上げるが、布押え部材の前端部に
は、ばねによって下方への付勢力が作用しているため、
送り歯は、この付勢力に抗して上昇することとなり、当
接時の衝撃はこのばねによって緩和、吸収される。従っ
て、高速縫製時において強い衝撃力が送り歯から与えら
れたとしても上述のようなばねの緩衝作用によって布押
えアームには、殆どその衝撃力が伝達されることはな
く、ジャンピング現象の発生は大幅に低減する。このた
め、布押え部材は、針板から突出する送り歯に対し常に
適正な力で布を圧接させて、布を送り歯に対して確実に
係合させることができ、良好な搬送力を得ることができ
る。
突出した際、送り歯はまず布を介して布押え部材の前端
部に当接しこれを押し上げるが、布押え部材の前端部に
は、ばねによって下方への付勢力が作用しているため、
送り歯は、この付勢力に抗して上昇することとなり、当
接時の衝撃はこのばねによって緩和、吸収される。従っ
て、高速縫製時において強い衝撃力が送り歯から与えら
れたとしても上述のようなばねの緩衝作用によって布押
えアームには、殆どその衝撃力が伝達されることはな
く、ジャンピング現象の発生は大幅に低減する。このた
め、布押え部材は、針板から突出する送り歯に対し常に
適正な力で布を圧接させて、布を送り歯に対して確実に
係合させることができ、良好な搬送力を得ることができ
る。
【0013】また、僅かながらジャンピング現象が発生
し、その間に布押え部材と布とが離間するフリーな状態
が発生したしたとしても、布押え部材はばねによって付
勢されているため、これが支点部を中心として不用意に
揺動することはなく、さらに、ばねは、その一端部をダ
ンパに連結させてあるため、これが送り歯の四運動に共
振して必要以上に揺動振幅が増大することもない。従っ
て、布押え部材と布との間で不快な騒音が発生すること
もない。
し、その間に布押え部材と布とが離間するフリーな状態
が発生したしたとしても、布押え部材はばねによって付
勢されているため、これが支点部を中心として不用意に
揺動することはなく、さらに、ばねは、その一端部をダ
ンパに連結させてあるため、これが送り歯の四運動に共
振して必要以上に揺動振幅が増大することもない。従っ
て、布押え部材と布との間で不快な騒音が発生すること
もない。
【0014】
【実施例】以下、この発明の一実施例を図1ないし図7
に基づき説明する。図において、10は針板ミシンベッ
ドに保持されるミシン針板で、送り歯出没溝10aが形
成されている。11は送り歯駆動機構12によって周知
の四運動を行い前記針板出没溝10aから出没する送り
歯であり、針板上方へ突出した状態でA方向(布搬送方
向)へ移動する。
に基づき説明する。図において、10は針板ミシンベッ
ドに保持されるミシン針板で、送り歯出没溝10aが形
成されている。11は送り歯駆動機構12によって周知
の四運動を行い前記針板出没溝10aから出没する送り
歯であり、針板上方へ突出した状態でA方向(布搬送方
向)へ移動する。
【0015】13はミシンアームに回動自在に支持され
たアーム支持体、14はこのアーム支持体13に軸着さ
れた布押えアームであり、前記アーム支持体13の回動
に伴って昇降するようになっている。また、この布押え
アーム14の一端部には布押えヒンジ14aが固定され
ており、その一側面には、偏心軸15によって円筒状の
ダンパ16が固定されている。このダンパ16はゴム等
の防振材によって形成されており、その中間部外周には
環状の係合溝16aが形成されている。また、前記偏心
軸15は前記押えヒンジ14aに螺合しており、その回
動中心は前記ダンパ16の中心から偏倚している。この
ため、この偏心軸15を回転させることにより、その回
動中心を中心として前記ダンパ16の位置を調整し得る
ようになっている。
たアーム支持体、14はこのアーム支持体13に軸着さ
れた布押えアームであり、前記アーム支持体13の回動
に伴って昇降するようになっている。また、この布押え
アーム14の一端部には布押えヒンジ14aが固定され
ており、その一側面には、偏心軸15によって円筒状の
ダンパ16が固定されている。このダンパ16はゴム等
の防振材によって形成されており、その中間部外周には
環状の係合溝16aが形成されている。また、前記偏心
軸15は前記押えヒンジ14aに螺合しており、その回
動中心は前記ダンパ16の中心から偏倚している。この
ため、この偏心軸15を回転させることにより、その回
動中心を中心として前記ダンパ16の位置を調整し得る
ようになっている。
【0016】17はミシンアームと前記布押えアーム1
4との間に介在させた押えばねであり、布押えアーム1
4を常時下方へ付勢するようになっている。また、18
は後端部18bをやや湾曲させた板状の布押え部材であ
る。この布押え部材18はその中間部に形成された支点
部18cが前記布押えヒンジ14aの一端部14a1に
よって回転揺動可能に支承されている。
4との間に介在させた押えばねであり、布押えアーム1
4を常時下方へ付勢するようになっている。また、18
は後端部18bをやや湾曲させた板状の布押え部材であ
る。この布押え部材18はその中間部に形成された支点
部18cが前記布押えヒンジ14aの一端部14a1に
よって回転揺動可能に支承されている。
【0017】19は一端部をねじ20によって前記布押
え部材18の後端部18bに固定し、他端部を前記ダン
パ16の係合溝16aに嵌着してなる線ばねである。こ
の線ばね19は、一端部から他端部にかけて所定の湾曲
形状をなし、その湾曲形状によって常には前記布押え部
材18を図4に示すように針板10に対して傾斜した状
態で保持するようになっている。すなわち、布押え部材
18はその下面が先端部18aから後端部18bにかけ
て下方から上方へ傾斜した状態で保持されるようになっ
ている。なお、この布押え部材18の針板10に対する
傾斜角度θは前記ダンパ16を保持する偏心軸15を回
転させ、ダンパ16の位置を移動させることによって調
整することができる。
え部材18の後端部18bに固定し、他端部を前記ダン
パ16の係合溝16aに嵌着してなる線ばねである。こ
の線ばね19は、一端部から他端部にかけて所定の湾曲
形状をなし、その湾曲形状によって常には前記布押え部
材18を図4に示すように針板10に対して傾斜した状
態で保持するようになっている。すなわち、布押え部材
18はその下面が先端部18aから後端部18bにかけ
て下方から上方へ傾斜した状態で保持されるようになっ
ている。なお、この布押え部材18の針板10に対する
傾斜角度θは前記ダンパ16を保持する偏心軸15を回
転させ、ダンパ16の位置を移動させることによって調
整することができる。
【0018】以上の構成に基づき、次に作用を説明す
る。布の取り出しなどを行うため布押えアーム14を上
昇させた場合、布押え部材18は布Wから離間して、図
4に示すように針板10に対して所定の傾斜角度θをも
って保持される。そして、布Wを針板10上に載置し、
布押えアーム14を下降させると、布押え部材18は、
図5に示すように押えばね17の付勢力によって水平な
状態で布を押える。このとき、布押え部材18が布Wに
加える押圧力の分布状態は、図6に示すようになる。す
なわち、布押え部材18の押圧力は、その後端部から前
端部にかけて増大する。
る。布の取り出しなどを行うため布押えアーム14を上
昇させた場合、布押え部材18は布Wから離間して、図
4に示すように針板10に対して所定の傾斜角度θをも
って保持される。そして、布Wを針板10上に載置し、
布押えアーム14を下降させると、布押え部材18は、
図5に示すように押えばね17の付勢力によって水平な
状態で布を押える。このとき、布押え部材18が布Wに
加える押圧力の分布状態は、図6に示すようになる。す
なわち、布押え部材18の押圧力は、その後端部から前
端部にかけて増大する。
【0019】ここで、縫製動作を開始すると、縫い針の
昇降動作に同期して送り歯11が前記従来技術と同様に
周知の四運動を行い、布Wを前方へと間欠的に送り出し
て行く。この布搬送動作において、針板10より上方へ
突出し始めた送り歯11は、まず、布Wを介して布押え
部材18の前端部に当接し、これを上方へ押し上げる。
この当接時の衝撃力は、縫製速度が増すにつれて増大
し、超高速縫製等においては、かなりの力が布押え部材
18に加わることとなる。
昇降動作に同期して送り歯11が前記従来技術と同様に
周知の四運動を行い、布Wを前方へと間欠的に送り出し
て行く。この布搬送動作において、針板10より上方へ
突出し始めた送り歯11は、まず、布Wを介して布押え
部材18の前端部に当接し、これを上方へ押し上げる。
この当接時の衝撃力は、縫製速度が増すにつれて増大
し、超高速縫製等においては、かなりの力が布押え部材
18に加わることとなる。
【0020】しかし、布押え部材18の前端部には、図
6に示すような押圧力が付与されているため、送り歯1
1が当接することによる衝撃力は、この力によって吸収
され、布押えアーム14には殆ど伝達されない。従っ
て、布押えアーム14が、針板10からの送り歯11の
突出量以上に跳ね上げられることはなくなり、所謂ジャ
ンピング現象の発生は著しく減少する。このため、布押
え部材18は送り歯11の昇降動作に追従して針板10
上を昇降し、送り歯11上に位置する布に対し常に適正
な押圧力を加えるため、送り歯11と布Wとは確固に係
合し、良好な搬送力を得ることができる。
6に示すような押圧力が付与されているため、送り歯1
1が当接することによる衝撃力は、この力によって吸収
され、布押えアーム14には殆ど伝達されない。従っ
て、布押えアーム14が、針板10からの送り歯11の
突出量以上に跳ね上げられることはなくなり、所謂ジャ
ンピング現象の発生は著しく減少する。このため、布押
え部材18は送り歯11の昇降動作に追従して針板10
上を昇降し、送り歯11上に位置する布に対し常に適正
な押圧力を加えるため、送り歯11と布Wとは確固に係
合し、良好な搬送力を得ることができる。
【0021】また、線ばね19は、送り歯11によって
周期的に伸縮動作を繰り返すこととなり、その周波数が
線ばね19の固有振動数に一致した場合には共振して必
要以上に振幅が大となり布押え部材18のばたつきを励
起させる懸念もあるが、これは、線ばね19の一端に設
けたダンパ16の振動吸収作用によって防止される。従
って、布押え部材18の支点部18cを中心とした揺動
振幅が必要以上に過大になることはなく、布押え部材1
8と布との間で騒音が発生することはない。
周期的に伸縮動作を繰り返すこととなり、その周波数が
線ばね19の固有振動数に一致した場合には共振して必
要以上に振幅が大となり布押え部材18のばたつきを励
起させる懸念もあるが、これは、線ばね19の一端に設
けたダンパ16の振動吸収作用によって防止される。従
って、布押え部材18の支点部18cを中心とした揺動
振幅が必要以上に過大になることはなく、布押え部材1
8と布との間で騒音が発生することはない。
【0022】さらに、縫製動作中、僅かながらジャンピ
ング現象が発生し、布押え部材18が布Wから離間した
としても、布押え部材18は線ばね19によって図4に
示すように定位置に保持されるため、不用意に揺動する
ことはない。従って、この場合においても布押え部材1
8と布との間の騒音の発生を防止することができる。
ング現象が発生し、布押え部材18が布Wから離間した
としても、布押え部材18は線ばね19によって図4に
示すように定位置に保持されるため、不用意に揺動する
ことはない。従って、この場合においても布押え部材1
8と布との間の騒音の発生を防止することができる。
【0023】以上のように、この実施例においては、布
押え部材18の前端部から布押えヒンジ14aに亘って
掛け渡した線ばね19とダンパ16との相乗作用によっ
て、ジャンピング現象及び布押え部材18にて発生する
騒音を防止するようにしたが、ダンパ16を設けなくと
も縫製速度によっては、ほぼ同様の効果を期待でき、ま
た、図7に示すような湾曲形状を有する線ばね21の一
端部を布押え部材18の後方部に固定し、これによって
布押え部材18を上記実施例と同様に傾斜させるように
しても良く、この発明は特に上記実施例に限定されるも
のではない。
押え部材18の前端部から布押えヒンジ14aに亘って
掛け渡した線ばね19とダンパ16との相乗作用によっ
て、ジャンピング現象及び布押え部材18にて発生する
騒音を防止するようにしたが、ダンパ16を設けなくと
も縫製速度によっては、ほぼ同様の効果を期待でき、ま
た、図7に示すような湾曲形状を有する線ばね21の一
端部を布押え部材18の後方部に固定し、これによって
布押え部材18を上記実施例と同様に傾斜させるように
しても良く、この発明は特に上記実施例に限定されるも
のではない。
【0024】
【発明の効果】以上説明したとおり、この発明に係るミ
シンの布押え装置は、布押えアームの先端部に回転揺動
可能に設けた布押え部材を、その下面が先端部から後端
部にかけて下方から上方へ傾斜するようばねによって保
持させるという極めて簡単かつ安価な構成をとることに
より、縫製速度の上昇に伴うジャンピング現象の発生を
大幅に減少することができ適正な搬送動作を実現し得る
と共に、布押え部材の不用な回転揺動による騒音の発生
を抑えることができ、作業環境の向上を図ることができ
る。
シンの布押え装置は、布押えアームの先端部に回転揺動
可能に設けた布押え部材を、その下面が先端部から後端
部にかけて下方から上方へ傾斜するようばねによって保
持させるという極めて簡単かつ安価な構成をとることに
より、縫製速度の上昇に伴うジャンピング現象の発生を
大幅に減少することができ適正な搬送動作を実現し得る
と共に、布押え部材の不用な回転揺動による騒音の発生
を抑えることができ、作業環境の向上を図ることができ
る。
【図1】この発明の一実施例を示す斜視図である。
【図2】図1に示したものの要部拡大斜視図である。
【図3】図2に示したものの線ばね取り付け状態を示す
拡大斜視図である。
拡大斜視図である。
【図4】図2に示したものの布押えアーム上昇時の状態
を示す側面図である。
を示す側面図である。
【図5】図2に示したものの布押え部材下降時の状態を
示す側面図である。
示す側面図である。
【図6】図5に示した状態において布押え部材から布に
加えられる押圧力の分布状態を示す説明側面図である。
加えられる押圧力の分布状態を示す説明側面図である。
【図7】この発明に係る他の実施例を示す要部拡大側面
図である。
図である。
【図8】従来の布押え装置を示す斜視図である。
【図9】送り歯が上昇し始めた状態を示す側面図であ
る。
る。
【図10】送り歯が上死点に達した状態を示す側面図で
ある。
ある。
【図11】送り歯が上死点から下降し始めた状態を示す
側面図である。
側面図である。
【図12】送り歯が下死点に達した状態を示す側面図で
ある。
ある。
【図13】図9に示すものにおける低速縫製動作時の布
押え部材と送り歯の上下運動状態を示す線図である。
押え部材と送り歯の上下運動状態を示す線図である。
【図14】図9に示すものにおける中速縫製動作状態の
布押え部材と送り歯の上下運動状態を示す線図である。
布押え部材と送り歯の上下運動状態を示す線図である。
【図15】図9に示すものにおける高速縫製動作状態の
布押え部材と送り歯の上下運動状態を示す線図である。
布押え部材と送り歯の上下運動状態を示す線図である。
【図16】図9に示すものにおける超高速縫製動作状態
の布押え部材と送り歯の上下運動状態を示す線図である
の布押え部材と送り歯の上下運動状態を示す線図である
10 針板
10a 送り歯出没孔
11 布送り歯
13 アーム支持体
14 布押えアーム
16 ダンパ
16a ダンパの係合溝
17 押えばね
18 布押え部材
18c 支点部
19 線ばね
Claims (2)
- 【請求項1】 ミシンアームに設けられた所定の支持体
に上下動可能に設けられた布押えアームと、 この布押えアームを常時下方へ押圧する押えばねと、 板状形状をなすと共に、その中間位置に形成された支点
部が前記布押えアームの一端部に回転揺動可能に支承さ
れ、布押え部材下降時には針板に形成された送り歯の出
没孔周縁に圧接する布押え部材と、 前記布押えアームの一端部側面に固定され、中央部に環
状の掛止溝を形成してなるダンパと、 一端が前記布押え部材の布搬送方向前端部に固定され、
他端部が前記ダンパの掛止溝に回動可能に巻装掛止され
た湾曲形状をなすばねと、を備え、 前記ばねは、前記押え部材が針板と非接触状態にあると
き、布押え部材の下面がその前端から後端にかけて下方
から上方へと傾斜するよう保持することを特徴とするミ
シンの布押え装置。 - 【請求項2】 ミシンアームに設けられた所定の支持体
に上下動可能に設けられた布押えアームと、 この布押えアームを常時下方へ押圧する押えばねと、 板状形状をなすと共に、その中間位置に形成された支点
部が前記布押えアームの一端部に回転揺動可能に支承さ
れ、布押え部材下降時には針板に形成された送り歯の出
没孔周縁に圧接する布押え部材と、 前記布押えアームの一端部側面に固定され、中央部に環
状の掛止溝を形成してなるダンパと、 一端が前記布押え部材の布搬送方向後端部に固定され、
他端部が前記ダンパの掛止溝に回動可能に巻装掛止され
た湾曲形状をなすばねと、を備え、 前記ばねは、前記押え部材が針板と比接触状態にあると
き、布押え部材の下面がその前端から後端にかけて下方
から上方へと傾斜するよう保持することを特徴とするミ
シンの布押え装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP15900191A JPH0515669A (ja) | 1991-06-28 | 1991-06-28 | ミシンの布押え装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP15900191A JPH0515669A (ja) | 1991-06-28 | 1991-06-28 | ミシンの布押え装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0515669A true JPH0515669A (ja) | 1993-01-26 |
Family
ID=15684066
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP15900191A Pending JPH0515669A (ja) | 1991-06-28 | 1991-06-28 | ミシンの布押え装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0515669A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US4829822A (en) * | 1986-09-22 | 1989-05-16 | Nippondenso Co., Ltd. | Semiconductor accelerometer |
CN105887353A (zh) * | 2016-06-24 | 2016-08-24 | 杰克缝纫机股份有限公司 | 包缝机用的压脚机构及包缝机 |
-
1991
- 1991-06-28 JP JP15900191A patent/JPH0515669A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US4829822A (en) * | 1986-09-22 | 1989-05-16 | Nippondenso Co., Ltd. | Semiconductor accelerometer |
CN105887353A (zh) * | 2016-06-24 | 2016-08-24 | 杰克缝纫机股份有限公司 | 包缝机用的压脚机构及包缝机 |
CN105887353B (zh) * | 2016-06-24 | 2019-09-13 | 杰克缝纫机股份有限公司 | 包缝机用的压脚机构及包缝机 |
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